#ずっと違うことしてても会って話しかけたら全力で答えてくれる デー��みたく
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takahashicleaning · 2 months ago
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TEDにて
ベルント・ボルニヒ:トレーニング中の執事ロボット、NEOをご紹介します
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
家事がスイッチを押すのと同じくらい簡単だったら?
このトークとライブ・デモでは、ロボット工学者であり1Xの創設者でもあるベルント・ボルニヒが、家事をサポートするヒューマノイド・ロボットNEOを紹介します。
NEOが掃除機をかけたり、植物に水をやったり、あなたの相手をしてくれたりする様子をご覧いただきながら、ボルニヒがNEOの開発秘話を語ります。
NEOが対話: 人類は種として、あらゆる実用的な目的のために、エネルギーが完全に豊富なレベルまでマスターをしてました。200年前には、ほとんどの人が当たり前のようにエネルギーを利用できる世界など、誰も想像できなかっただろう。
当時、地球上で最も賢い人間に、スイッチひとつで光を呼び出せる日が来るかどうか尋ねたとしたら、彼らは不可能だと答えただろう。たとえ、聡明な頭脳集団が永遠にその研究に取り組んだとしても。
しかし、今日、それはとても簡単なことなのだ。エネルギーはどこにでもある。私たちの周りに、いつも。
同じことが労働にも起ころうとしていると言ったらどうだろう?
私たちは、私たちが使う製品や私たちが頼るサービス、そして家庭での家事に必要な仕事さえも、現在のエネルギーと同じように簡単に手に入る未来の門に立っているのだ。
ありがとう。
ベルント・ボルニヒ:ありがとう、NEO。最高だよ。素晴らしいマシンでしょう?
BB:私はこの10年間、NEOのようなヒューマノイド・ロボットの開発に取り組んできました。NEOのようなヒューマノイド・ロボットは、私たちが想像できることならほとんど何でもできるようになるでしょう。
皿洗いの手伝いであれ、洗濯の手伝いであれ、年老いたおばあちゃんの手伝いであれ、ロボットにとってこれほど適した時代はありません。助けを必要とする高齢化社会が到来し、世界経済の大部分で労働力が不足している。そして、もっともっと多くのことがある。
しかし、私にとってさらに重要なことは、これらのロボットは、今日の問題を解決する能力以上のものを約束してくれるということです。ロボットは、今の私たちにはできないことを解決してくれる。ロボットたちは、私たちに時間のようなものを返してくれる。
そして、これらのシステムやAIが���理的かつエージェント的になるにつれて、私たちは実際に豊富な労働力を持つ未来に向かって働き始めることができる。資源の不足をめぐる絶え間ない戦いから人類を解放し、誰もが必要なものを手にすることができる世界を創り出すことができる。そうすれば、人間であることの意味をある程度まで再定義することができるだろう。
しかし、1400年頃にレオナルド・ダ・ヴィンチが「機械人間」を作って以来、これは私にとって人型ロボットの最初の例のようなもので、このようなものは主にSFの世界であり、現実のものではなかった。
しかし、これは変わりつつある。ロボットは実際にここにいる。ここで言うロボットとは、必ずしもビデオの中という意味ではない。実際に私たちの家庭にいるのです。少なくとも、私が働いている1Xでは、会社中のかなりの家庭にロボットがいます。
そして今年2024年の後半には、皆さんの家にも設置され、この旅に参加してくれることを願っています。
つまり、NEOは僕の日常生活の一部になっているということだ。NEOは家事の一部をやってくれる。その一部は自律的に行われる。学習しながら遠隔操作で行うものもある。それに私は話しかける。執事のような感じで接しています。
家族の一員です。この社会的なダイナミズムがどのように発展していくかを見るのは、実に興味深いことだと思います。もちろん、家の周りで私がやりたくないことをやってくれるのは、信じられないほど便利で楽しいことです。
しかし、このようなAIが物理的な存在になるにつれて、人間と機械の間にどのような関係が生まれるのか、その始まりを見るのも実に楽しい。
今申し上げたように、ハードウェアは実際にここにある。人間ができることならほとんど何でもできるマシンを作ることができるようになるまでには、約10年にわたる大変な努力と、その基礎となる研究を行うために多くの時間を費やした先人たちがいました。
しかし、それはもちろん大きな疑問を生みます: 完全な自律走行が可能になるのはいつなのか?
いつになったら本当に知能を持つようになるのか?そして、そこに至る道筋はどうなっているのだろうか?そして、これは振り返ってみれば非常に明白なことだと思う。
彼らは私たちの中で生活し、学ぶ必要がある。私たちは実際にこれらのマシンを取り入れ、採用する必要がある。私たちの社会に入れて、私たちと同じように学ばせる必要があるのだ。
一般的な慣例、あるいは一般的な常識では、ロボットはまず工場で誕生する。
つまり、ロボットを工場に導入し、彼らが得意とする退屈で、反復的で、危険な作業をさせるのです。そして、その繰り返し作業をこなすうちに、ロボットはどんどん良くなっていく。より賢くなる。そして、時間が経てば、彼らを家に入れることができる。洗濯もできるし、高層ビルも建てられる。
しかし、これは決定的に間違っている。なぜなら、私たちは実際にそれを���してみたからです。
2022年、私たちは前世代の車輪付きヒューマノイド、イヴを産業に投入しました。そして実際にうまくいった。イヴは狭い範囲での特定のタスクをたくさんこなし、あっと���う間に得意になりました。
しかし、20~50時間経つと、ロボットは学習をやめてしまったのです。
考えてみれば、これはロケット科学ではありません。毎日同じ作業を繰り返し、それしかやっていないのであれば、知能は向上しない。そこには情報がない。それに、視野も狭くなる。私たちは視野が狭いことを好まない。
工場とは何だろう?
工場は基本的に、多様性とばらつきを減らすために設計されたプロセスなんだ。工場で働く人たちが仕事をこなし、高品質で再現性のある製品を生産するために必要な情報は、できるだけ少なくしたいものです。そしてこれは、インテリジェンスに必要なものとは正反対だ。多様性が必要であり、挑戦が必要なのだ。毎日、自分の知らない新しい仕事をする必要がある。
ここには、大規模言語モデルの初期と大きな類似点がある。
今日、私たちがこのようなモデルを使っていて、それが非常に良くなってきているとき、私たちはこのモデルがどこから始まったのかを忘れてしまっている。多くの人々が非常に狭い範囲のモデルを作ろうとしているところから始まったのです。
例えば、詩を書くための非常に優れたライティング・アシスタントを作ろうと思ったら、当然、世界中の優れた詩をトレーニングすることになる。理にかなっている。でも、それではうまくいかない。ところが、インターネット上のすべての知識、つまり人間の知識の完全な多様性に対してモデルを訓練し始めると、それが突然、機能し始めたんだ。
彼らは賢くなった。ある程度、理性的な判断ができるようになったんだ。そして、あなたの質問は何なのか、どう答えればいいのかをある程度理解するようになった。または、これは私たち人間が学ぶ方法でもある。私たちが知的な存在に成長するためには、大量の多様性が必要です。
では、なぜロボットの場合は違うのでしょうか?
という疑問が湧いてくる: インターネットに相当するものは何だろう?ロボットのために、このようなインターネット・レベルの多様な情報をどうやって見つけるのか?私たちは、それがおそらく家庭であるという結論に達した。
今、家庭はこの美しく混沌としたものだ。それは、人間であることの厄介さのようなものだ。ここで小さな例を挙げたい。コップについて考えてみよう。もちろん、世界にはたくさんのコップがあり、あなたはそのすべてがどのように機能するかを理解できるようになりたい。
しかし、特定のコップひとつをとっても、いろいろなことが考えられます。汚れているのか?きれいなのか?真ん中にある?テーブルの上なのか、キャビネットの中なのか、床の上なのか。社会的な背景を持つことさえある。誰かがカップを使っている。誰かがカップを待っている。なぜそこにカップがあるのか?そして、これはただのコップです。
では、これをあらゆるもの、あらゆる物、家の中で起こっていることすべてに広げて考えてみてください。これこそが、��切な機械知能を手に入れるために私たちが話している多様性なのです。
優秀な科学者と同じように、私たちはこの仮説を立て、それを検証しなければならない。2023年、私たちはロボットを家に持ち帰った。そして、データを集めるためイヴをしばらく家に置いた。イヴはもちろん、食器洗い機を空にしてくれたり、私が友人とボードゲームを楽しんでいるときにお茶を持ってきてくれたり、娘の誕生日パーティーでカップケーキをサーブしてくれたりした。
そして、すぐに、この仮説が真実であることが明らかになった。家庭は、私たちがインテリジェンスを進歩させ続けるための、この信じられないほど多様なデータの源なのです。だから、当初はこうなると思っていたのですが、実際もこうだったのです。
そして、これが実際にどのように機能するのか、今から皆さんにお見せしよう。ありがとう、NEO。ちょっとうるさいけど、僕の声が聞こえることを祈るよ。今ここにあるのは、もちろんNEOができるタスクの一部に過ぎません。
これは、ロボットが得意とする自律性と、誰かがロボットを誘導してこれらのタスクのやり方について専門家のデモンストレーションを行う遠隔操作をミックスしたものです。
そして、このようなロボットが家中に増え、私たちの間で生活し、学習するようになると、このようなロボットはますます自律的になり、いつかすべてが完全に自律するようになる。
そして、もしあなたがこの分野に沿っているのであれば、この時点で尋ねるのが自然な質問だろう: なぜみんなそうしないのか?
ということ。実際、人間の間で安全なロボットを作るのは非常に難しいことがわかりました。だから、ロボットは伝統的に、かなり硬くて、高エネルギーで。よくやってるよ、NEO、よくやってるよ。NEOよ、君はよくやっているよ。そして、これはNEOの仕組みとはまったく違う。
NEOは実際に、人間の筋肉からインスピレーションを得た非常に緩やかな腱を持っている。これによりNEOは、静かで、柔らかく、コンプライアンスがあり、軽量で、安全で、私たちの中で生活し、私たちの中で学ぶことができるロボットになるのだ。彼がそれを理解できるかどうか見てみよう。難しいよ。君ならできる、NEO。
彼は最高だと言ったよね?オーケー。だから、これはもちろん、まだ信じられないほど早い。私たちはまだ、この旅の始まりに立ったばかりなのです。
しかし、そう長くはかからないうちに、私たちの周りでエネルギーが当たり前のように使われているように、私たちの周りで労働が当たり前のように使われるようになることを願っている。そして、私たちはやがて、何をするにも常に助けの手が差し伸べられていなかったような日のことなど、思い出すことさえなくなるかもしれない。
しかし、これらの機械が私たちの社会を回り、学習していく中で、私にとってこの旅は、単に洗濯をしなくてもよくなるということ以上の意味がある。人間として重要なことに集中する時間を実際に持てる未来を創り出し、こうした制約を取り払うことなのだ。
しかし、同時に、私たちがまだ抱いている未解決の疑問のいくつかを解決する手助けを、これらの機械にさせる機会でもある。
例えば、ロボットにロボットを作らせることはできるのか?
AIを進歩させるためのデータセンターをロボットに構築させることはできるのか?
AI���採用を加速させるために、ロボットにチップ工場を建設させることはできるだろうか?
そして、これらすべてを手に入れることができることは、かなり明確になってきていると思います。しかし、それはさらに先の話だ。
私は、ネオのような人型ロボットが実際に粒子加速器を建設したり、研究所を建設したりするような未来が来ることを願っています。
世界中に何百万というロボットがいて、研究室で質の高い反復実験を行い、これまでにないペースで科学の進歩を助けてくれるようになるのです。
そして将来、このような人間と機械の共生のようなものを通して、宇宙とここでの私たちの役割について、答えの出ていない残された大きな疑問に答えられるようになることを願っている。もし、それができれば、人間であることの意味をある程度再定義することができると思います。
ありがとう。
(個人的なアイデア)
過去に普及せず、日本でソフトバンクが、社会実験し、先行したペッパー他みたいなプライバシー、基本的人権侵害ロボットになりそうだ。日本でiPhoneが売れてるように・・・
iPhoneみたいにスタンドアローン情報処理して動き、実用に向けた大規模言語モデルApple インテリジェンスでプライバシーとセキュリティを保護してくれれば可能性はあります。
パスキーも導入されてなければ、日本では、Appleブランド以外では、一般家庭に普及はしないでしょう。単純作業なら歩行の必要はありません。
Appleデザインの腕だけロボットで人間が自ら持っていけば、ホームアプリ経由で十分作業でき価格も究極まで安くできる。
屋外の防犯にも使える。手元に最小限のカメラを付ければいいだけ!
こんな防塵防水腕付き防犯カメラが、ドアとか家から生えてたら悪い人も気持ち悪がるでしょうし、棒を持たせておけば、数十分は大丈夫かもしれない。
警備会社は、中小企業含めたセコム、アルソックなどは、日本では一社に?これだけで淘汰されていくかもしれません。
LiDAR付きのAppleデザインで是非とも開発してもらいたい。確実に話題を集める。
一台数千円が理想。高くても五千円以内なら一人で家庭内に何十台も設置できるし、リアルタイムで同時に動くから腕の長さも数十種類あればさらに良い。
<おすすめサイト>
ケイド・クロックフォード:顔認証による大衆監視について知る必要のあること!
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iOSのメッセージングアプリ「iMessage」に量子暗号を用いた「PQ3」を導入すると発表!!
Apple Vision Pro 2024
実用に向けた大規模言語モデルApple インテリジェンス 2024
ウォルター・デ・ブラウワー:AIが人間であることの意味をどのように学んでいるか?
キャシー・ウッド:AIが指数関数的な経済成長を引き起こす理由
ルーシー・ホーン:レジリエンス(心の回復力)を高めるための3つの秘訣
ブルーノ・メゾニエ:踊るミニロボット!(Pepperのプロトタイプ)
<提供>
東京都北区神谷の高橋クリーニングプレゼント
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zubaban · 2 years ago
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ニュース 2022/12/21〜12/30
岸田首相「難局乗り越えたい」 ��民役員会で結束呼び掛け(時事通信) - Yahoo!ニュース
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岸田首相の支持率を激減させた「増税殿の13人」不祥事ばかりで国民の怒り収まらず【名前と “やらかし” を一挙公開】(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース
●「セクハラ疑惑」「旧統一教会と再三接点」 細田博之衆議院議長(78)
 5月に開かれたパーティで「毎月もらう歳費は100万円しかない」と発言して、批判殺到。さらに5月19日発売の「週刊文春」で、女性記者に対するセクハラ疑惑が浮上した。細田氏は同誌に抗議したが、旧統一教会との接点も再三にわたって指摘されるなど「立法の長」は国民からの理解が得られていない。
●「防衛費増額で一人相撲」 高市早苗経済安全保障大臣(61)
 政調会長時代には各メディアに登場して、防衛費のGDP比2%への増額を積極的に主張。一方で、入閣後は岸田首相が防衛費の財源として増税の方針を打ち出すと「総理の真意が理解できません」と “離反投稿” を繰り返した。最終的には「全面的に従います」と収束。一人相撲を繰り広げた。
●「自分のホームページで『世界美人図鑑』」 西村康稔経済産業大臣(60)
 自身の公式サイトの「とっておきの1枚」というコーナーで、自分で撮影した写真を紹介していたが、そのなかで「世界美人図鑑」と銘打って、女性の写真を188枚も投稿していたことが6月に発覚。ネット上には「気持ち悪すぎ」といった批判の声があふれた。
●「パパ活で離党後、780万円申請」 吉川赳衆議院議員(40)
 6月に「週刊ポスト」によって、未成年女性との “パパ活” 疑惑が報じられた。岸田首相の派閥「宏池会」所属で、首相自ら「説明責任をはたすべき」とコメントしたものの、報道直後に離党届を出して “雲隠れ”。その後、「1人会派」として立法事務費の支給を申請し、年間780万円が支給されたとみられる。
●「統一教会への優遇疑惑」 下村博文元文部科学大臣(68)
 2015年、「統一教会」から「世界平和統一家庭連合」への名称変更の際、宗教法人を所管する文部科学大臣だった。そのことに「責任を感じている」と発言したが、前川喜平元文科省事務次官は、名称変更が突如認められたことに下村氏が「ゴーサインを出しているのは間違いない」と指摘している。
●「生稲晃子氏を連れて、八王子教会へ」 萩生田光一政調会長(59)
 7月の参院選公示前に、当時、東京選挙区から立候補予定だった生稲晃子氏をつれて、旧統一教会の八王子教会を訪問していたことが明らかになった。教会内で「一緒に日本を神の国にしましょう」などと発言していたという。そんな人物ながら、岸田首相は「救済法案」の党内調整を萩生田氏に指示していた。
●「統一教会から選挙手伝いを堂々宣言」 岸信夫前防衛大臣(63)
 政治と旧統一教会の関係が取り沙汰されるなか、防衛大臣の定例会見で「お付き合いもありましたし、選挙の際もお手伝いをしていただいております」と堂々宣言し、国民を呆れさせた。12月には次期衆院選で引退し、長男に譲ることを明らかにしたが「世襲は当然」かのような発言も批判を浴びた。
●「国葬やらなかったらバカ」 二階俊博元幹事長(83)
 多額な警備費用などから、国民から多くの反対の声があがっていた安倍元首相の「国葬儀」。それに対して、8月24日の講演で二階氏は「国葬は当たり前だ。やらなかったらバカだ」と発言したことが報じられ、総スカン。国葬の強行で、参院選勝利で浮上した内閣支持率を一気に打ち消した。
●「過去発言が問題視…“中傷いいね” で賠償命令」 杉田水脈総務大臣政務官(55)
 2018年にLGBTなど性的少数者は「生産性がない」と月刊誌へ寄稿したことなど、過去の言動から岸田首相が政務官に起用したことが問題視されていた。10月20日には、東京高裁がジャーナリスト・伊藤詩織氏への中傷投稿に対し、杉田氏が「いいね」を押したことを侮辱行為と判断し、55万円の賠償を命じた。
●「統一教会トップとの写真にも『記憶にない』」 山際大志郎前経済再生担当大臣(54)
 7月3日、青森県での街頭演説で「野党の話を政府は何一つ聞かない」といった発言をし、大批判を浴びた。さらに旧統一教会トップの韓鶴子氏と写真を撮影するほどの “深い接点” が明らかになったが、国会答弁で「記憶にない」を連発。与党内からも「瀬戸際大臣」と呼ばれ、10月24日、辞任に追い込まれた。
●「『死刑のはんこ』を鉄板ネタに」 葉梨康弘前法務大臣(63)
 11月9日、都内の議員パーティで挨拶した葉梨氏は、法務大臣の職務を「朝、死刑のはんこを押して、昼のニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職」と発言。この不謹慎すぎる発言をたびたびおこなっていたことも明らかになり、11月11日に辞任に追い込まれた。
●「数々の “政治とカネ” 問題」 寺田稔前総務大臣(64)
 10月5日の「文春オンライン」の記事を発端に、自身の妻が一部所有する事務所の賃料を、自らの政治団体が支払うなど政治資金を家族に還流させている疑惑や、スタッフへの人件費として支払った毎年500万円について、源泉徴収票を発行していないなど脱税疑惑が浮上。11月20日に辞任に追い込まれた。
●「次男を使って “影武者選挙”」 秋葉賢也復興大臣(60)
 以前から家族への政治資金還流などの疑惑が取り沙汰されるなか、11月26日には、2021年衆院選で「秋葉けんや」と書かれた上に小さく「次男」と添えられたタスキをかけて、秋葉氏の次男が選挙運動をおこなっていたことが明らかに。「影武者選挙」として追及が続いている。
 大河ドラマの『鎌倉殿の13人』は、1年間48話をかけて、ていねいにさまざまな人物の躍進と転落を描いてきた。一方で、現実の「増税殿の13人」では、矢継ぎ早に多くの人物が不祥事を起こしている。これでは、いくら賢い国民でも過去の記憶が薄れてしまうのは仕方がないことかもしれない――。
ホリエモン、自身の餃子店をディスられ怒り爆発!“味を研究したと思えない”に「なんなの、お前?」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
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keiko-movie · 3 years ago
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12月3日(土) バリアフリー上映&トークイベント実施
第72回ベルリン国際映画祭をはじめ各国の映画祭で上映され注目を集める三宅唱監督作���ケイコ 目を澄ませて』(12月16日全国公開)の公開を前に、「国際障害者デー」であり、内閣府が定めた「障害者週間」の初日となる12月3日に都内にてバリアフリー上映会を実施しました。その後のトークイベントには、岸井ゆきのが演じた主人公・ケイコの友人役として出演した俳優の長井恵里さん、また本作の手話監修を務めた東京都聴覚障害者連盟事務局長の越智大輔さんが登壇しました。トークの内容は、手話通訳とスクリーンに投影された文字通訳によって観客に届けられました。
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ともにろう者である登壇者のふたりには、本作はどのように映ったのか。長井さんは、「今まで聴覚障害者が出てくる映画やドラマというのはたくさんありましたが、かわいそうとか、障害にフォーカスを当てた作品が多かったように思います。でもこの映画はケイコの本当にリアルな姿が映し出されていますよね。聴覚障害者だからというよりも、ケイコそのもの、人間としての悩みや葛藤が表現されているので、すごくいいなと思いました」と感想を述べると、続く越智さんも「これまで多くのドラマや映画などで手話監修を行ってきて、ここはこうしてほしいなと話したこともあまり取り入れられないことが多かったんです。しかしこの作品は、ことさら障害者であることを強調しない。『障害は個性である』と言葉で言うのは簡単ですが、それを表現するのは本当に難しいですからね。例えば自転車が後ろから来たことに気付かないシーンがありました。そういう細かい描写がしっかりと表現されていて。それが作品に深みを与えていると思いました」と感服した様子を見せ��。
また、手話監修にあたり撮影前にスタッフとどういったやり取りがあったのかという質問には、「あまり意見が採用されることが少ないという状況がある中で、今回は事前に監督スタッフが本当にたくさんのことを質問してくれました。だから資料もたくさん渡しました。そしたらそれを読みこんだ上で、さらに質問をたくさんしてくださった。これは今までとは違うものになるんじゃないかなという期待を持ちました」と振り返った。
 越智さんがシナリオの初期段階で関わっているという、テレビドラマ「silent」をはじめ、映画『ドライブ・マイ・カー』『LOVE LIFE』、そしてアカデミー賞を獲得した『コーダ あいのうた』など、手話を扱った作品が近年多く制作されている傾向がある。そうした変化について質問を受けた長井さんは、「わたしが伝えたいのは、当事者が出演するということ。当事者が出ることで障害者イコールこういう感じ、といったステレオタイプにならずに済むのではないかと考えます。手話がブームになるのは良いことですが、それを終わらせることなく、今後に繋げてほしいなと思っています」と期待を寄せた。
越智さんは、「コロナと重なった時期に手話を取りあげた作品が増えたように思われていますが、実は以前からもそういう傾向はありました。例えば以前は、スロープやエレベーターの段差を解消しましょうといった議論が多かったんですが、最近は障害理解や心のバリアフリーといった差別解消の話題が増えています。ここ5年くらいの変化だと思います。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も契機のひとつになったのではないかと思います。コロナ禍もあって無観客になってしまいましたが、日本が、世界から注目されているということで、国民の多様性意識が変わってきたんじゃないかなと思っています」と語った。
 本作に、主人公ケイコの友人役として出演した長井さん。耳の聞こえないプロボクサーであるケイコが、リングを離れ、気の置けない友人たちとランチをし、たわいもない会話をする。ひとりの20代女性として生きるケイコの日常の姿を切り取った、ごくありふれた、でも特別な場面だ。このシーンの撮影について長井さんは、「実はこの場面の撮影がこの作品の撮影初日に行われたんです。現場に私を含めたろう者の俳優が入ることで、当事者はこういう風に会話をしているのかということを理解していただく機会になったと思いますし、その後撮影を続ける上でこのシーンが初日だったということは、ものすごく効果があったんじゃないかなと思っています」と述懐。さらに「撮影前の打ち合わせの段階では、岸井さんと、弟役の佐藤緋美さんに、わたしたちのリアルな会話の様子を見てもらいました。そこで質問を受けたりもしましたね」と付け加えた。
家族であるケイコと弟ととのやり取りについて越智さんは、「本作において、親と子、姉弟とで手話の使い方が違うというところもポイントになっています。例えば親は言葉を教えるという意識があるので表現がはっきりとなるし、姉弟はずっと付き合っているので流暢な手話になるといった���とや、手話をどこで学んだかによって手話の使い方が違うといったことも表現できたと思います。ここまでリアリティのある作品になったのは、監督やスタッフさんたちの努力の賜物だと思います」と賞賛した。
 映画が大好きだというふたりだが、ろう者が映画を観ることにはまだまだ苦労が多いという。アジア系の映画が好きでよく観ているという長井さんは、「最近は日本映画でもインターネット配信であれば字幕がほぼ付いているので、観る機会が増えていいなと思うのですが、例えば洋画でも、それまでは字幕が出ているのに、(日本語のセリフを話す)日本人が出てくると字幕がなくなってしまう。こういうときに、観る人の想定が偏っているんだなと実感しますし、字幕を必要としている聴覚障害者がいることも分かっていただければもっと選択肢も増えるんじゃないかなと思います」と語る。
それについては越智さんも、「一般にある(洋画の)字幕は聴覚障害者のためではないですからね。以前観た映画は最後に主人公が画面からいなくなって終わったと思っていたんですが、たまたまインターネットでその作品について検索していたら、実は最後に銃声が鳴って、見えないところで主人公が最期を迎えてジ・エンドという作りだったことを後から知ったということもありました。やはり大事なところで情報がないと、そうやって置いていかれることも多いんですね。こうしたこともあって字幕付与についてはかなり取り組みを進めているんです」と続けた。さらに、「わたしはアニメ作品が好きで、衛星放送を契約していたんですが、字幕が出ないので解約したことがありました。そのときに解約の理由として、『字幕がないから観られない』と回答したところ、『検討します』という返事が返ってきたんです。正直期待していなかったんですが、たまたま1年後にそのチャンネルを無料放送で観たら、いつの間にか字幕付きが実現されていたので再契約することにしました。このように、少しずつ必要なことを訴えていくことは大事だなと感じました」と実体験をもとに声を挙げていくことの重要性について述べた。
 本作は、12月16日の公開初日から一部の映画館にて「日本語字幕付き上映」の実施が決定している。バリアフリー音声ガイドとバリアフリー日本語字幕は「UDCast(ユーディーキャスト)」(※1)と「HELLO! MOVIE(ハロームービー)」方式(※2)の両方を採用する。メイン館のテアトル新宿では、公開初日から日本語字幕付きで上映され、初週は毎日上映回を設ける予定となっている。それについて長井さんは、「1週間、毎日字幕がついているということで、行けなかった人の損失をなくす、すばらしい取り組みだと思います。本作は障害者にスポットを当てるのではなく、彼女の努力にスポットを当てているのが魅力的なので、ぜひケイコのファンになっていただけたら」とコメント、越智さんも「この映画は聞こえない人はもちろん、聞こえる人にも観てもらいたい作品です。聴覚障害者は見た目では分からないので、隣に座っていても気付きにくいと思います。気付かなければ、どう接してい��のか分からない。なのでそれを分かっていただくためにも、この映画をたくさんの方に観ていただければ」とメッセージを送りイベントを締めくくった。
(※1)「UDCast(ユーディーキャスト)」は、文化芸術のバリアフリーを総合的に提供するサービス。映画や映像作品に合わせて、自動的に字幕や音声ガイド再生を行うことのできる無料アプリを提供している。
(※2)「HELLO! MOVIE(ハロー! ムービー)」は、視聴覚障害のある方が映画館にスマホやスマートグラスを持ち込み、専用アプリを起動することで、対応している映画の字幕と音声ガイドを楽しめる無料アプリ。一部の映画館ではスマートグラスの貸出サービス「字幕メガネ」を実施している。
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kiitatakita · 8 years ago
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聴講メモ 情報法制研究会 第6回シンポジウム
聴講時に入力したメモです。断片。配布資料からのメモも引用符はありません。 聞き取り間違い等、あります。おかしな部分は記録者のせいです。
2017年11月25日(土) 13:00-17:30 一橋大学 一橋講堂
開催案内 https://www.dekyo.or.jp/kenkyukai/symposium6.html 主催 一般財団法人 日本データ通信協会 情報法制研究会 後援団体(50音順) システム監査学会、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会、一般財団法人情報法制研究所、 一般社団法人全国携帯電話販売代理店協会、一般社団法人テレコムサービス協会、一般社団法人電気通信事業者協会、 一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会
総合司会 鈴木 正朝 新潟大学 教授 (理化学研究所AIP情報法制チームリーダー)
堀部研究会全9回、通算で今回15回のシンポジウム。時々の論点を先取りして行う。 これから先の個人情報保護法について議論したい。
13:00-13:20 スピーチ 「個人情報保護委員会の国際的取組例」 ≪資料≫ -ICDPPC・EUを中心として- 堀部 政男 一橋大学名誉教授(個人情報保護委員会委員長)
ハイビジョンの日 1970年11月25日 『宴の後』執筆者の三島由紀夫が割腹自殺 2018年5月25日 GDPR適用開始日 2年前にICDPPCについて検討 今年は香港で開催。39回目。 DPAとしてのネームタグ 2日目に正式メンバーに認められるまではクローズドセッションに入れない。 ベルギーの機関(Belgium: Supervisory Body for Police information Management)が認められたので、4年前でも行けたかも。 昨年は反対が上回ってだめ。今年は全面改正後なので通った。 国によっては複数の機関が加わっている。 晩さん会では上座に席が用意された。 「グローバル化する世界における個人データの交換と保護」(Exchanging and Protecting Personal Data in a GlobalisedWorld) 2018年の早い��階で日本の十分性認定について検討するとのこと。 →CommissionWorkProgramme2018(2017/10/24)Ⅱ. COMPLETING AND DELIVERING THE 10 PRIORITIES OF THE JUNCKER COMMISSION5 韓国はあまり早い時期ではないようである。(11月20日付文書)
13:20-15:00 1.パネルディスカッション<匿名加工情報の利活用に向けて>(仮)
モデレーター  森 亮二  弁護士法人英知法律事務所 弁護士(も) パネリスト  高木 浩光 産業技術総合研究所 主任研究員(ひ)  高橋 克巳 NTTセキュアプラットフォーム研究所 主席研究員(た)
森 亮二  弁護士法人英知法律事務所 弁護士
社員番号は誰にとっての「個人情報」か 容易照合性 個人識別符号
情報が一意か 本人到達性
渡された先では個人識別性がないような場合
丸めたデータの提供
対応テーブルがなくても、情報そのものから照合は可能 乗車履歴 データを丸め過ぎるとデータの価値が低くなる
識別行為禁止義務
個人情報の保護に関する法律施行規則(平成28年10月5日個人情報保護委員会規則第3号) https://www.ppc.go.jp/files/pdf/290530_personal_commissionrules.pdf (匿名加工情報の作成の方法に関する基準) 第19条 一 個人情報に含まれる特定の個人を識別することができる記述等の全部又は一 部を削除すること(当該全部又は一部の記述等を復元することのできる規則性 を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。 二 個人情報に含まれる個人識別符号の全部を削除すること(当該個人識別符号 を復元することのできる規則性を有しない方法により他の記述等に置き換える ことを含む。)。 三 個人情報と当該個人情報に措置を講じて得られる情報とを連結する符号(現 に個人情報取扱事業者において取り扱う情報を相互に連結する符号に限る。) を削除すること(当該符号を復元することのできる規則性を有しない方法によ り当該個人情報と当該個人情報に措置を講じて得られる情報を連結することが できない符号に置き換えることを含む。)。 四 特異な記述等を削除すること(当該特異な記述等を復元することのできる規 則性を有しない方法により他の記述等に置き換えることを含む。)。 五 前各号に掲げる措置のほか、個人情報に含まれる記述等と当該個人情報を含 む個人情報データベース等を構成する他の個人情報に含まれる記述等との差異 その他の当該個人情報データベース等の性質を勘案し、その結果を踏まえて適 切な措置を講ずること。
高木 浩光 産業技術総合研究所 主任研究員
5月のシンポジウムでは情報公開請求で判明したことを紹介。情報法制研究所シンポジウムでも。 9月のFITで議論。
認定保護団体指針の匿名加工情報 先週のNHK番組での匿名加工情報の紹介に疑義 履歴の部分は業界団体の自主ルールと。 匿名加工の基準は結局曖昧なまま。5月のJIPDECの指針でもあいまい。 いくつかの業界では具体的なデータ流通のケースでできそうなものも。 法の条文解釈で曖昧 匿名加工情報は個人情報なの、そうじゃないの?
視聴者プライバシー保護WG(総務省)では  JEITA 時刻情報丸めるのは勘弁  事務局 法で再識別が禁止されていることをもって加工方法の基準を緩和することは、制度趣旨に照らすと適切ではない。
宇賀先生の逐条解説第5版では「復元することができないように」を説明していない。
「復元できないように」を皆言わない。
「どうぶつの森ポケットキャンプ」非特定性情報って何?
本来なら「復元できないように」の文言を入れるべきでは。
「復元することができないように」と「識別できない」は違う。
旧案では仮名化だけでOKと。内閣法制局長官が審査でダメ出し。  「復元することができないように」を定義の要件に追加  規制緩和にならないことが認識されていた様子。  基準の明確化がキモ
旧案では1号、2号、3号の3つ。
禁止だけでは駄目。照合できないデータを提供すること。
グルーピング、トップコーディング、ノイズの付加、値を入れないといった加工方法は旧案には入っていなかった。
α解釈 「復元できないように」は各号の措置とは独立の要求 β解釈 両方にかかっている
「識別」に容易照合による識別を含むのか? α 含まない β 含む
ファイル単位でもっぱら照合できるということを容易照合性の解釈としてはどうだろう? 63年法の構想段階ではファイルまたは台帳との照合を考えていた。
当該個人の人格から切り離された情報となるということ ありふれた情報 「ありふれた」とは?
仮IDの問題。
高橋 克巳 NTTセキュアプラットフォーム研究所 主席研究員
k-匿名性に関する疑問に答える
k-匿名性を突き詰めると、それで守れない部分が高木さんの提起した課題となる。
k-匿名性は必須ではないが、個人識別性がないということを根拠をもって主張できる。
識別子 単独 準識別子 組み合わせ k-匿名性の守備範囲だけど、誰かが決めるのではなく、作成者が決める必要がある。
NIIレポートで言及
製法表示ではk-匿名化の対象項目の明記が重要
k=1データ データの中で一意(識別可能)
kの値に共通汎用的な答えはない。2または3 5または10 20以上だとデータが破壊されてしまうという説がある。
データの性質に応じたリスクを考えて対応する
購入品名が明らかに個人識別に貢献する 例 野球選手の守備位置 対応 k-匿名化対応 参照情報があってマッチング可能 対応 ノイズ 潜在的な個人識別性がある 例 位置情報
匿名加工情報の規律は、データから個人識別性を無くすことである 匿名加工情報の利用目的を決めて作成することが、有用なデータ作成に貢献する  要らんものは入れない。
匿名加工情報のお試し利用 ビッグデータはやってみないと分からない。にわとりたまご  技術的に解決 リアルな疑似データを作成する技術の研究開発  制度的に解決 各種制限をつk手は「お試し」利用の運用可能性検討  業界的にはデータエコシステム設計構築
ディスカッション
も 最終的な目的は一般的な安全性が確保される(識別されない)ことではないのか
ひ 特定の個人を識別できないということの概念が揺れている。先週の法とコンピュータ学会でも議論された。特定の個人を識別できるとは、同定できること。同じ顧客が来たと分かるというのは、同定できるということ。 長官のダメ出しは照合による識別の概念が揺れていたからではないのか。
も 仮名化について
ひ 名前等だけを落とすこと。連結可能匿名化でOKと誤解されている。
も 規則19条に容易照合性の文言がないことについて。NII報告書は省略ではないとしている。5号措置の対象であると。
ひ 加工基準の1号は容易照合を含んでいないという点は同意。法律の条文上でどうか。 何をすれば達成したことになるのかが不明。復元不能か、識別不能か。
も 視聴者ガイドラインで視聴履歴の時刻を丸めることにしたのは人によっては高度に識別可能になるから。
ひ 委員会ガイドラインはどうやったらいいのか分からない。
も 法文上の根拠が分かればできるのか。
ひ 何の法的根拠もないところではだれも決められない。
も 識別可能なデータがあってもいいということについて
ひ EU29条委員会での匿名性検討では多くの列があるのは駄目となっている。母数が十分大きなところからサンプリングするというのは有効ではないか。偶然、一人しかいないようなデータを引いた場合に、問題とするのか。データを受け取ったほうには分からない。
た k-匿名性とランダムサンプリングでは、想定された属性が、データのかたまりの中に��定して分布していれば似ている。長いデータでは安全性に疑問。
も 横に長いことによって一意になってしまう。
ひ 背景母集団による一意性は要考慮
た 母集団一意性の議論は難しい。k-匿名性がいいとされた理由は母集団の事を気にしなくて済みそうと考えられたから。函館市の90代の女性と与那国島の100代の男性の違い。
も 4号によって削除されるべきデータでは。
ひ 4号は1列だけ取ってユニークなものとしているが、背景母集団の一意性は前列を見る。
も 母集団での前列一意なんて分かんないんでは。
た 年齢一つだけ見ればいいというわけでもないし、前列見るのが難しいというのも分かる。
質疑応答
会場 2つほど見過ごされたポイントが。横に長いデータの切断による安全性向上が議論されていない。もう1つは反証可能性が法的に議論されていない。
た ぶつ切りの問題は3人ともぶつ切り賛成派だと思う。必要な情報だけにしろというのがそれ。
ひ 事務局レポートは仮IDを許容しているが、反復して長期間利用することは危険とも。前回シンポジウムで議論。
た 匿名加工情報を2つの表で出さざるを得ない場合は使うけど、他は要らないんじゃ。繰り返しは使わない。期をまたぐような奴は使わない方が良いと思う。
ひ 内部加工用ということで。
ひ 匿名加工情報を議論するときに絶対安全にしたいという声もあるが、無理。法はそこまでは求めていないのでは。
会場 そのための基準作りが法では。
15:20-17:20 2.パネルディスカッション<改正個人情報保護法完全施行後の現状と課題>
モデレーター  湯淺 墾道  情報セキュリティ大学院大学 教授(ゆ) パネリスト  新保 史生  慶應義塾大学 教授(新)  小川 久仁子 個人情報保護委員会 事務局 参事官(川)  小木曽 稔  一般社団法人新経済連盟 事務局 政策統括(木)  小堤 康史  一般財団法人日本データ通信協会 電気通信個人情報保護推進センター所長(堤)
新保 史生  慶應義塾大学 教授
委員会ができる前と後、今後の課題について。 2013年の個人情報保護法はアンゴラにも負けていた。その当時と変わっていない課題がある。 日本としての影響力を発揮していかないと。俗人的な対応は国益を損なう。 日本には利益団体がない。例えばPIのように。 情報収集、情報分析、情報発信のための体制整備 グリーンリーフ教授によるその後の評価 2015年  委員会の独立性 第三者機関として確固たる地位  執行権限 第三者機関として独立の執行権限  委員会規則に基づく、統一的な執行体制  老練な初代委員長  執行権限のためのリソースが整っている。  当初の政府案よりも強力な執行権限  課題 ビッグデータ 公的部門
データ移転の課題  トップの了解事項として取り組み  欧州委員会の議員団来訪。高評価。  24条の手続き  十分なレベルの保護基準が大事
戦略的に考えるべき  法の適用と執行の明確化  誰が、どこに、何に
小川 久仁子 個人情報保護委員会 事務局 参事官 NHKの番組では35分話したが、10秒しか使ってもらえなかった。
小木曽 稔  一般社団法人新経済連盟 事務局 政策統括
新経連では説明会を数回行った。勉強会も。 改正までの検討経過が妥当であったかを振り返るべき。 経済界からも声を上げるべきであった。 3年後の見直しに向けて、情報法制全体に向け、どのような提言をすべきか検討したい。 パーソナルデータ研究会での議論のやり方について、決まってからの経済かいとの対話が良かっただけに、もう少し考えることがあったのでは。 個人情報保護委員会のサイトは分かり難い。 弁護士の意見や、解釈本に不備が多いので、原典に当たるために個人情報保護委員会のサイト充実を。 データ移転の分類は実務にあたって、ここまで落としてもらわないとできない。 2000個問題は言い続けるべき。 75条(国外移転)は外国の主権との問題はあるが、執行面における対等性をどう担保するか。
小堤 康史  一般財団法人日本データ通信協会 電気通信個人情報保護推進センター所長
認定個人団体は仲裁のようなことをしている。業界の保護指針も策定している。 ※実際に書いているのは10~20%程度。総務省や個人情報保護委員会のガイドラインから多く入れている。ハンドブックでざくっと。 匿名加工の在り方については検討を続けている。 加入事業者が目減りしている… 増やしたいのは「認知度」と「活動原資」 後手に回っているもの 「匿名加工情報」に係るリーダーシップ PI-ICT やりたいこと  個人情報保護デー  個人情報保護の適正な取り扱い診断ツール  個人情報保護取り組み状況等に関する継続的な比較調査 認定団体の協議会のような取り組みも必要では。 シール制度重要
ディスカッション
ゆ 国際化の問題は大きい。イコールフッティングについて
川 域外適用の規定がなかった時には手が回らなかった。75条を積極的に活用して執行していきたい。ない部分も多いが、国際的な動向も踏まえ、執行協力も活用しつつ対応したい。
ゆ 海外サーバーの問題を連邦最高裁が取り上げるとのこと。データローカリゼーションも論点になっている。日本企業が直面する課題と解決について。
新 日本企業が何もしなくて済むように制度的に担保してほしい。標準契約条項でやるのは、毎回切符を買って電車に乗るようなもの。手間と費用が掛かる。するべきことは単純に、簡単に。
ゆ 企業はGDPR対応で困っている点は?
木 困っているというよりも認識がない。BCRをとった経験を聞かせてほしいと言われるが、そこまで社内的に進んでいないところがほとんど。全企業が取れるものではない。とるといいのは自社グループ内のデータ流通の整理、社員教育の整備に役立つ。セミナーはいくつか開催されているが、会員企業から深掘りした質問が出てこない。
新 対応しなければならないという不安症的な対応は良くない。誤った情報がはびこっていることで、不要なことをしていたりする。「間違いだらけの」と冠した書籍など。正しい情報をわかりやすく伝えるのは難しいが重要。
ゆ 不正確な情報を行政が提供している例も見られる。
新 2枚で分かる個人情報保護法という資料を作ったのが、勝手に使われている。単純でわかりやすいものが少ないので、しょうがないのかもしれないが、出典は明確にしてほしい。
川 委員会としても正しい理解を広めていくのは重要と考えている。講演と、中小企業向けにシンプルレッスンという素材を提供している。トンデモ本についても情報提供をお願いしたい。
ゆ 記録作成義務については浸透していない印象がある。真面目にやっている企業からは大変だとの声が。
堤 一般的な事業者のレベルで言うと、委託と提供の区別がつかないところが多い。責任関係の点について理解が不足した上に、混乱が上積みされている。そもそも��レベルの話をしていく必要がある。委託は記録を取られていることが多い。
ゆ 何か事業者としての考えは?
木 まだ会員企業からは聞いていない。記録を取るということを知っている会員が少ないのかもしれない。これから問題が浮上するかも。
堤 5人、10人の会社ならともかく、1万人の会社で、一部門が記録を取ったことが企業として取ったことになるのか。
ゆ ガバナンス、社内問題であるともいえる。インシデント発生時の告知など欧米では入っているものが今回は見送られている。
川 安全管理措置を取る義務に基づき、個人情報保護委員会に報告することになっている。現在も報告が入っている。報告は義務ではないが、安全管理措置をとることは義務である。
新 第三者提供の記録については形骸化が懸念される。米国のデータブローカー規制のようなやり方もある。なにが重要になるか。プライバシーインパクトが重要。PIAが免罪符的に使われてきた。特定個人情報保護評価もできないところがある。PbDでも重視されているプライバシーインパクトを検討していくべき。
ゆ 特定個人情報保護評価はかなり形式的になっている点は否めない。やらないよりはましだったとは思う。情シス部門と総務部門の風通しはいくらか改善されているが、インパクトが軽視されているのは良くない。官民データ活用法と行政機関個人情報保護法とあと2法、交通整理が必要。
木 匿名加工情報のレベルが法律に書かれていない、何を守り切らなければいけないのか、守らなくていいのか、定義の部分が落し切れていない。
新 情報法制全体で考えたとき、個人情報保護法はあくまでも個人情報の話なので、不正競争防止法との絡みなどもある。 なんでもAIとつければいいという風潮がある。不防法の改正を巡り、個人情報でもない、営業秘密でもない、著作物でもないというデータが増えていく。本当の意味でのビッグデータが増えていく。機械学習の対象となるデータが増えていく。いかにデータを取り扱うことができるのかを考えていくべき。
ゆ 情報なりデータなりのオーナーシップを確立すべきとの考えか?
新 プロパティ概念の間違い。属性を物権的に扱うのはいかがなものか。財産的に考えるのはおかしい。
ゆ 中国、ロシアのデータローカリゼーション
川 3年後に向け、まだどうやって行くか決まっていないが、IoT機器の普及など、個人情報の取得が無意識に行われていく可能性を踏まえ、企業との意見交換を行っていきたい。個人のリテラシ向上も。民間の自主ルールも重要になる。
質疑応答
会場 ロボットからクラウド等に情報が流れるときの危険性が懸念される。マイデータ@フィンランドでグループプライバシーという概念が出てきた。AIのテクノロジーが入ってきやすい概念である。
新 NAACP事件がグループプライバシーの事案としては嚆矢であろう。欧州では労働組合への加入情報が主。グループの構成員であるという事実がプライバシーであるとして議論されてきた。
木 AIスピーカーで家族内の会話が外資に流れて大丈夫なのか?
湯 イコールフッティングの問題にもなる。
17:20-17:30 まとめ 閉会���拶  鈴木 正朝 新潟大学 教授 (理化学研究所AIP情報法制チームリーダー)
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jaguarmen99 · 8 years ago
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同じニュースのはずなのに内容が真逆の箇所があります。 【慰安婦:「ドイツの少女像、除幕式から1週間で撤去の危機」】  ヨーロッパで初めてドイツに設置された「平和の少女像」が除幕式から1週間もたたないうちに撤去の危機にさらされていることが分かった。  「ドイツ『少女像』設置推進委員会」のチョ・ヨンナム氏は13日、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」に「ヨーロッパで初めてドイツ・バイエルン州レーゲンスブルク近くのヴィーゼントに建てられた『平和の少女像』が揺らいでいる」と書き込んだ。同氏は「少女像が建てられたヴィーゼントのネパール・ヒマラヤパビリオン公園ヘリベルト・ビルト理事長が同日、駐独日本大使に会った後に考えを変えた。ビルト理事長は『日本が十分な謝罪と補償をしたなら少女像を公園に設置しておく必要はない』と語った」と述べた。  チョ・ヨンナム氏はその原因として、「日本の大使は韓日慰安婦合意書を持ち出してきてビルト理事長を説得した」と明らかにした。そして「韓国政府は立場がない」と書いた。  少女像は今月8日(現地時間)の「国際女性デー」109周年に合わせて除幕式が行われた。少女像の土台の案内文には「この記念像は非人間的な戦争犯罪の犠牲になった方々を悼み、被害女性たちの名誉と人権を正すために設置された」という文言が韓国語とドイツ語で書かれている。  以前、ビルト理事長は少女像を「スニ(韓国の女性の名前)」と呼び、「スニ、今は寒いが2カ月たてば公園の花々が周りを囲むだろう」と語りかけていた。 (2017/3/15 朝鮮日報) 【ドイツ「平和の少女像」 1週間で撤去の危機…なぜ?】 欧州で初めてドイツに設置された「平和の少女像」が除幕式から1週間も経たずに撤去の危機を迎えた。日本政府が圧力を加えているからだ。 ドイツ「少女像」建立推進委員会のチョ・ヨンナムさんは14日(日本時間)、フェイスブックを通じて「欧州で初めて独レーゲンスブルクに設置された『平和の少女像』が危機を迎えている」と現地の事情を伝えた。 チョさんは「駐独日本総領事が、少女像が設置されたバイエルン州ヴィーゼント市のネパール-ヒマラヤパビリオン公園のビルト理事長に会い、撤去してほしいと説得した」とし「総領事は副総領事まで同行させてビルト理事長に会った」と伝えた。 チョさんは「しかし韓国政府は立場がない」とし「欧州に初めて設置された平和の少女像が挫折しないようこの文をできる限り共有し、可能なすべての方法を動員して欧州最初の平和の少女像を一緒に守ってほしい」と訴えた。続いて「幸い、ビルト理事長側は日本に対し、平和の少女像を韓日間の紛争と見なさず世界女性平和の観点で公園から撤去する考えはないと回答したことが分かった」と伝えた。 しかしチョさんは「安心できない」とし「回答を受けた日本側がどのように出てくるかも分からない。さらに強く対応してくるだろう」とコメントした。 少女像は8日(現地時間)、世界女性の日109周年に合わせて除幕式を開いた。少女像の案内文には「この記念物は非人間的な戦争犯罪で犠牲になった方々の魂を慰め、被害女性の名誉と人権の回復に寄与するために設置された」とハングルとドイツ語と書かれている。 これに先立ち少女像が設置された公園のビルト理事長は少女像を「スンイ」と呼んだ。ビルト理事長は「スンイ、今は寒いが、2カ月ほど経てば公園の花に囲まれることになるだろう」と少女像の設置を祝った。 【今日の感想】この記事を読んで・・・ (2017/3/15 中央日報) 片方は日本大使館の説得がうまくいった。 片方は日本大使館の説得はうまくいったかにみえたが再び反日民族のゴネで設置が続きそう。 となっています。 ただし、どちらも共通していることは勝手に「韓国政府」を名乗っている事です。 彼ら反日民族の第五種補給品像設置運動については韓国政府が予算付けをしているので 間違いなく韓国政府が後押ししている活動となります。 ところが日本からの抗議には 「民間がやっていることだから」 と言い訳をするのです。 今回の釜山の日本領事館前への第五種補給品像設置についてもそうでした。 当初、ヅラ外相は民間がやっている事だからと言う事で いつものように反日活動を進めつつ日本からの抗議は誤魔化せると考えていました。 しかしながら、日本側が「日韓合意違反だろ!大使召還な」 という、他の国であれば当たり前の対応を取ったため大慌てをしているのが現在です。 それでもヅラ外相は、日本の新聞は産経以外口をそろえて 「大統領が罷免された今こそ大使を帰任させて関係改善を」 なんてやってるので、海外での反日活動の手を緩めずに進めていたのでしょう。 韓国国会は日本の国会にように反政府勢力がデカイ面をするのではなく 反日という事については全員が賛成するくそったれですので、 こうした「世界中でのロビー活動や韓国人団体を通しての反日活動についての予算」 が予算の無駄遣いだのと批判される事はありません。 朴槿恵が失脚しそうだというときに大統領候補に手を挙げていた連中を並べれば ・反日 ・より反日 ・もっと反日 と、反日という点においては程度が違うだけです。 日本が海外での反日活動と戦っている在外邦人達に予算付けをしたら 真っ先に日本のマスゴミや民進党、共産党などの反日野党連合が大騒ぎするのは間違いありません。 国民がヒステリーを起こせば自分達で選んだ大統領すら引きずり下ろせる人治国家と違って 日本では言論・表現の自由が異常なほど守られていますから、 たとえテロリストであろうと敵国の手先であろうと言いたい放題です。 おっと、話がそれかかりました。 韓国では大統領が替われば国際条約(日韓慰安婦合議)も都合で勝手に破棄できると 韓国内のメディアも盛り上がってしまっています。 トランプ政権に変わって米国は北朝鮮への攻撃も選択肢であるとはっきり言っています。 韓国は冷���体制のように 「韓国には価値があるからわがままをどれほどやっても日米は最終的には妥協する」 などという妄想は今すぐすてたほうがいいでしょう。 というか、韓国は今でも韓国に高い価値があるように妄想していますが、 むしろ日米にとってはお荷物になっていてどう処分するかという状況になっていることを 客観的に認めた方がよいでしょう。 日本もまた、北朝鮮情勢が危うい現状において、 いろいろと対策を考えなければならないわけですが、 国会では敵性勢力である民進党、共産党、社民党、自由党の反日野党連合は 相変わらず審議時間を無駄遣いしつづけていて、 67本提出されている法案のうち、いま成立しているのはたった1本です。 なぜなら反日野党連合が森友学園でどうこうと法案審議を拒否しているからです。 一昨日には外務委員会でも民進党の福島伸享などは質問時間のほとんど全てを森友学園ネタに使い、 外務とまるで関係無い事に貴重な国会の時間を潰されました。 特にこの日は日米英などで物資の共有などを行うACSAについての審議でした。 そちらにはまるで関係の無い質問に終始しているバカなど 本来なら議場からたたき出してもいいのではないかとすら思います。
最初からデマを流布するのが目的だった : パチンコ屋の倒産を応援するブログ
3 notes · View notes
tak4hir0 · 5 years ago
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BuzzFeed Japan Medicalは、薬物依存症が専門の国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部長、松本俊彦さんに緊急インタビューをした。 大麻の場合「刑罰」もおかしいが「治療」も必要か?ーー有名人が薬物が逮捕される度に、その「転落」を消費する報道が繰り返されています。薬物の専門家としてどのようにご覧になっていますか? 作品の配信停止や、スティグマ(負のレッテル)を強めるような報道に不満があるのは毎度のことです。 一方で、全て断ってはいるのですが、メディアから「薬物依存症の治療プログラムについて教えてください」「治療現場を撮影させてください」という依頼も増えてきています。「刑罰よりも治療」を意識するメディアも出ています。これ自体はありがたいことです。 ただ、大麻使用者の場合、刑罰を与えるのもおかしいけれど、治療の対象にするのもおかしいというケースが多いのです。 覚せい剤なら話は簡単です。逮捕された人の相当な割合が何らかの治療や支援を必要とするでしょう。でも、大麻はこの数年で芸能人が逮捕された例がいくつかありますが、みんなそんなにおかしい行動をしてい��でしょうか? 今回捕まった伊勢谷さんは個人的にとても好きな俳優で、映画『明日のジョー』の力石役や『るろうに剣心』でも素晴らしい演技をされたアーティストだと思います。そしてそれは、大麻をやっていたからできたわけではない。 他の捕まった人も素晴らしい仕事をされていて、おかしくはなっていないのです。 大麻よりも問題な「適法薬物」の影響は見過ごされているそれよりも週末の盛り場で酔っ払っている人たちの方がよほどおかしいです。お酒で問題を起こした芸能人もたくさんいます。 アルコールは違法ではないので飲んだだけでは捕まらないからというのもあるのでしょうが、暴力をふるったり、性暴力を起こしたりしたタレントもいます。タクシーの無賃乗車もありましたね。 大麻ではそういった話はきいたことがない。 今日僕は、外来診療で三人の新規患者を診察したのですが、問題になっていた薬物は、医者が処方した睡眠薬や抗不安薬、そして、がん性疼痛に対して出された痛み止め「オピオイド」、それから、市販の咳止め薬でした。 3人とも合法な医薬品で問題が起きていて、健康被害という点ではそちらの方が目につきます。 もちろん大麻で問題を起こしていない人が全くいないわけではありません。ただ、興味深いのは、一般の人たちにおける大麻使用経験率と治療に訪れる大麻関連精神障害患者の数とのギャップなのです。 私たちが行なっている地域の住民調査では、生涯経験率が一番高い違法薬物は大麻です。海外の影響もあって、確かにじわじわと増えています。 しかし、大麻使用による様々な精神障害で薬物依存症専門外来を訪れる人は非常に少ない。それでも、少数ながら受診する患者はいるにはいて、そうした人たちは大きく二つに分類できます。 一つは、元々他に精神障害があった人たちです。精神障害の症状を和らげるために大麻を使用し、一時的には確かに効果があったものの、最終的にかえってこじれてしまったケースです。 もう一つは、逮捕され、保釈中で裁判を控えている時期に、減刑を求めるための法廷戦略として、専門病院で治療を受けた実績作り、あるいは、依存症水準ではないという証明がほしいなどといった理由から、受診する人たちです。 後者のタイプの人たちは、しばしば20~30年にわたって連日大麻を使用していたりするのですが、それで幻覚や妄想が出たり、粗暴な行動におよんだり、仕事をしなくなって生活が立ち行かなくなったりしている人は、滅多にいません。ただ、法律で禁じられている薬物を使っていただけです。 その意味では、依存症治療の最前線では、大麻よりも、むしろ処方薬や市販薬の乱用の方が問題で、もしかすると規制や流通のコントロールが必要なのはそうした医薬品の方ではないのか、と思うこともよくあります。 規制を強めた結果、どこでも手に入る市販薬へーー違法薬物よりも、市販薬や処方薬の乱用が問題となっているのはなぜなのでしょう。 この十年あまり前、有名大学の学生たちが大麻を使ったということで取り締まりが厳しくなり、盛んに報道された時期がありました。 その結果、今度は規制を逃れようと「脱法ハーブ」が出てきました。国が規制を強めれば強めるほど中身がより有害性の高いものになり、交通事故や暴力事件が多発するようになりました。 誤解しないでほしいのですが、法で規制するのが悪いと言っているわけではありません。やはり一定程度、それは必要です。 ただ、この機会に、規制や刑罰というスティグマ化が個人にもたらす弊害と、薬物使用による個人の健康被害とを天秤にかけてみて、その功罪を慎重に検討してみてはどうかと思うのです。 大麻の健康被害は日本でほとんど研究がない薬理作用だけで言えば、アルコールで人生を台無しにする人は結構いると思いますし、アルコールは、肝臓や脳をはじめとして、人間の諸臓器に深刻な健康被害を起こし得る薬物だと思います。 では、それに比べて大麻の健康被害はどの程度のものなのかを考えてみる必要があります。 そもそもなぜ大麻が規制されたのか。 生涯経験率が一番高いのに、大麻で病院に来る人はほとんどいません。覚せい剤はたくさん来ます。そのギャップは何なのでしょう。 大麻の精神医学的障害に関しては、それほどきちんとしたデータが日本にはないのです。 昨年度、我々は、9つの薬物依存症専門病院に協力してもらって、71例の大麻に関連する精神障害を呈した患者の分析をしました。どんな人が依存症になりやすいのか、大麻の後遺症で起こり得るとされてきた慢性・持続性の精神病の発症には、何がリスク要因になっているのかを調べたのです。 例えば使用頻度、使用期間、10代から始めているか、親族に精神疾患がある人がいるか、元々本人が精神疾患があるか。大麻でも多幸感を与える成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」が一番少ない乾燥大麻のようなものを使うのか、樹脂のような濃度の高いものを使うのか。 その結果、依存症のリスク要因は、長く、高頻度に、THCの含有濃度が高いものを使うことだとわかりました。これは、お酒でも、度数の強いものを、長い期間、高頻度に飲む人が依存症になるのと同じですね。 でも、後遺症の精神病は、逆にTHCの濃度が低いものだけを使っている人が多くなっていて、精神病と大麻の総使用量との関連についてははっきりしないのです。 71例の研究から言えることは限られますが、少なくとも大麻をたくさん使ったから後遺症が出るわけではなさそうです。 大麻による精神障害の先行研究といえば、これまで日本には最大6例程度の症例報告しかなくて、その意味では、71例でも破格に多い研究です。しかし逆に言えば、このことは、それぐらい大麻の患者は少ないということを意味しています。 結局、大麻の健康影響について、みんなきちんとした研究や十分な臨床経験に基づいて言っているいるわけではありません。「みんなそう言うから」そう言っているだけで、専門家も含めてそれほどよくわかっていないのです。 規制ありきの大麻の取り締まりの歴史海外でも、アメリカでも長い間、研究目的でも大麻を使うことは禁止されていました(州単位では合法化や許容するところが出てきた今でも、連邦政府��しては禁止されたままです)。大麻については国際的にもわかっていないことが多いのです。 国際条約の規制対象薬として最初にあがったのはアヘンやモルヒネやヘロインのオピオイドです。コカインも入れた後に、厳罰化を狙ったアメリカが政治的な力で強引に大麻もねじ込んできたのが歴史的経緯です。 これも最近では、大麻をオピオイドやコカインと同列に捉えるのはいかがなものか、見直すべきではないか、として国際的な議論が始まっています。 なぜアメリカがそこまで大麻を規制しようとしたのでしょう。決して大麻の乱用が問題になり、健康被害が拡大したからではないのです。 もちろん人に煙などで迷惑をかけてはいけません。 でも基本的に個人の趣味嗜好の問題であって、少なくとも本人がこれまで頑張って築いた実績を全部剥奪され、社会から総スカンを食らうほど悪いことなのかどうか、今回をきっかけとして考えていただけないかと思うのです。 ーーアルコールやたばこは健康被害は大きいのに規制されていないですね。依存性はどうですか? 全国の病院調査でも大麻の依存症に該当する人は確かにいますが、他の薬物に比べると少ない。 もちろん、それでも、アルコールやニコチン、カフェインと同じ嗜好品ですから、度を超した使い方をすれば依存するのは当然です。そうした危険を踏まえて、成人があくまでも自身の嗜好として個人の責任で使用する。それに対して、国がいちいち介入すべきなのかについては、この機会に再考してほしいです。 ーー酒飲みの私も耳に痛いです。 たとえば、ニコチンを考えてみましょう。高度成長期の日本は男性の喫煙率は8割を超えていて、そうした人々がある時期の日本の経済的成長を支えてきたともいえます。 あるいは、深夜の残業を乗り切るために濃厚なコーヒーをがぶ飲みするサラリーマンや、仕事帰りにカレーショップで激辛カレーを頬張るキャリアウーマン。アルコールもニコチンもカフェインも、それからカプサイシンも、所詮は嗜好品です。 嗜好品が体に100%いいわけがない。でも、少しだけ健康によくないことをすることで頑張れている人がいる、というのも事実ではないでしょうか? 「ドラッグとの戦い」と言いますが、人類が薬物と戦っているというよりは、様々な薬物同士が戦っている印象です。 そして少数民族の愛する薬物は違法薬物とされて、メインストリームの民族が愛する薬物は合法とされている気がします。 例えば、ペルーではコカの葉を昔から吸っていますし、大麻も南米やアフリカの一部の地域では昔から使われている。北米のネイティブ・アメリカンの間では、かつて成人式の際に、新成人は年長者からペヨーテ(幻覚サボテン)の正しい使い方を指南される風習があったと言われています。 それから、レゲエミュージシャンに多いラスタファリズムにおいては、酒とタバコが毒物として禁止されている一方で、大麻は「神の草」「健康にいい」として推奨されている。アルコールをタブーとするイスラム圏では、サウジアラビアのようにアルコールを違法とする国もあります。 現時点ではキリスト教を中心とした白人文化が世界的にメインストリームです。ワインはキリスト教ではイエスの血ですから、アルコールは広く受容されている。薬物の問題は、もう少し歴史的な経緯などを広い視野で見たほうがいいです。 ーー薬物の問題を抱える人は、生い立ちなど何らかの理由でありのままの自分を認められない人が多いと指摘されています。その心の穴を埋める「心の酔い」が必要な人もいると。これは全ての人に当てはまりませんか? そう思います。僕は自粛警察のように依存的な行動をしている人を警告して回ろうとなんて思っていません。 周りを見ても、依存している人こそが優れた仕事をしていることもある。人は少し無理をする時に、何か別の体に悪いことをしながら、苦しい一時を突破して文化や文明を作ってきたと思うのです。 全ての依存性物質がこの世からなくなればいいとは思っていません。 ただ、それによって自分らしさが破綻してしまったり、深刻な健康被害が出てしまったりする人は助けなければいけないし、少しでも害の少ない使い方を警鐘しなければいけない。それが医療職の役割なのだと思います。 もし、伊勢谷さんがいろんな問題があっても使わざるを得なかったとするならば支援が必要だと思うし、もしもそうだとすれば、薬物とは別に何らかの生きづらさを引き起こす問題があるのかもしれません。 でも、その一方で、単なる「愛好家」だったという可能性もあります。 行き過ぎた予防啓発は排除を生むコロナ禍でいろんなことを考えているのですが、人類の歴史は感染症との戦いの歴史でもあり、薬物との戦いや共存の歴史でもあると思います。 薬物と感染症で共通していることが2点あります。 1点めは、行き過ぎた予防啓発は差別や偏見の温床となるということです。予防啓発が行き届けば行き届くほど、少数の当事者になってしまった人たちは、偏見の目に晒されるし、自己責任と責められ、謝罪する立場に追い込まれます。 コロナでも感染症の少ない地方に限って、感染した人たちは追い込まれましたね。 薬物規制が表向き成功している日本では、薬物をやる人は差別の対象になります。「ダメ。ゼッタイ。」と言う。乱用防止と回復支援は別だと言われますが、それは違います。 自殺対策も、「自殺予防基本法」ではなく「自殺対策基本法」となったのはなぜかと言えば、「自殺予防」というとご遺族が自責の念にとらわれて苦しくなるからです。予防に失敗した者とされる。だから、「予防」という言葉を廃して、あえて自殺対策と言っています。 だから予防啓発に関しては、当事者や周りの人たちが孤立しないような配慮をするべきだというのがまず1点です。 薬物も感染症も「敵対的な政策」ではなく「友好的な政策」をもう1点は、敵対的な政策、つまり「撲滅」とか「せん滅」とか「駆除」とか「駆逐」とか、問題あるものがない世界を目指そうとする内容の政策はともすればことを複雑化するということです。 感染症も、天然痘を撲滅した時に人類と感染症との戦いは終わったと思ったのに、その後もHIVをはじめとするいろんな感染症が出てきて、今もコロナで我々は苦しんでいます。 ペニシリンが発見されて、その後も様々な抗��物質が出てきて、人類が感染症を克服したと思ったのに、今や耐性菌に苦しんでいます。 薬物もそうです。アヘンを禁止したら、モルヒネを使うようになり、モルヒネを禁止したらもっと濃厚なヘロインを使うようになった。脱法ハーブなどの危険ドラッグもそう。規制を厳しくしたら、どんどん中身がやばくなって、社会が危険にさらされる状況に陥った。 だから我々は感染症でも薬物でも、「敵対的な政策」よりも「友好的な政策」が必要なんです。感染症も薬物も「ある程度あるのは仕方ないよね」と受け入れる。これは半ば冗談で言うのですが、「ウィズコロナ」にならって、「ウィズドラッグ」という考え方があってもいいくらいです。 先日、BuzzFeedでも記事に書いていましたが、国連のキャンペーンである「国際薬物乱用・不正取引防止デー」を厚労省が「国際麻薬乱用撲滅デー」と言い換えているのはなぜでしょう。 国連のメッセージは元々、「Yes To Life, No To Drugs(人生にイエスと言い、薬物にはノーと言おう」だったにも関わらず、厚労省は前半をカットし、後半部分を抜き出して「ダメ。ゼッタイ。」としています。 そういう風に啓発した結果が、世間の薬物に対する厳しい態度につながっていると思うのです。 1980年代、90年代でもワイドショーでは芸能人の薬物問題を取り上げていましたが、あの頃捕まった人たちはその後も普通に大河ドラマに出て活躍しています。 この世の中を作ったのは、ここ20年の政策だと思います。その政策の掛け声で、国民もメディアもこの排除の感覚を内面化していきました。 犯罪化、スティグマ化で利益を得る人たち 本来の目的に帰れーーバッシングや社会的な排除は、薬物の問題を抱えている人にとっては逆効果なのですよね。 逆効果ですし、戻る場所がなくなるということは回復を妨げます。逮捕された芸能人の回復を願うなら、今の報道の仕方、バッシングの仕方はマイナスでしかあ���ません。 ーー松本先生たちが作った「薬物報道ガイドライン」は、「逮捕された著名人が薬物依存に陥った理由を憶測し、転落や堕落の結果薬物を使用したという取り上げ方をしないこと」「『がっかりした』『反省してほしい』といった街録・関係者談話などを使わないこと」など具体的な提言を行なっていますが、反する報道が繰り返されています。届いていないのでしょうか? 今回も、伊勢谷さんの近所の人たちにインタビュー撮りしていますよね。住んでいる場所が特定されかねないような報道をしています。 自殺報道もそうですが、大きなニュースだということなんでしょうね。メディアとして、国民の知る権利や好奇心に答えるという大義名分があると思っている。 ーー薬物の問題をなくしていくために、というよりは視聴率を稼ぐという姿勢が透けて見えます。 「視聴率依存症」ですよね。民放もスポンサーが減っていって、視聴率至上主義にますます傾いています。自分たちの死活問題なのだと思います。 捜査側の方も、僕らが「ダメ。ゼッタイ。」に反対することによってますますムキになっている印象もあります。 やはり犯罪化すること、スティグマ化を強めることによって既得権益を得ている人がいるのは事実だと思います。残念ながら。 なぜ薬物が法律で規制されているのかのそもそもの立脚点��「麻薬に関する単一条約」の前文を我々はもう1度確認する必要があると思います。刑罰やバッシングによる不利益が、薬物が与える不利益を超えることはあってはならないと思います。 ーーヨーロッパでは個人の使用は罰せずに、健康被害を軽減する「ハームリダクション」の方向に動いています。日本でもそれを考えるべきですか? 法律によって禁じたりバッシングしたりすると、問題を抱えている当事者や周辺の人たちを支援や治療から遠ざけてしまいます。それによって孤立が生じます。それが一番深刻な害だと思うのです。 ーーメディアに求めることは何ですか? 薬物報道ガイドラインをこの機会に見直してほしいです。薬物の報道をする時には真剣に悩んでいる人、薬物の問題で深刻に悩んでいるご本人やその周囲の方達がいるんだということ、その人たちもテレビを見ているんだということを忘れないでほしいと思います。
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ozawajun · 5 years ago
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仕事場で死にたかった・・
水道橋博士のメルマ旬報』過去の傑作選シリーズ~川野将一ラジオブロス 永六輔『六輔七転八倒九十分』~
芸人・水道橋博士が編集長を務める、たぶん日本最大のメールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』。 突然ですが、過去の傑作選企画として、今回は2016年7月10日配信『水道橋博士のメルマ旬報』Vol89 に掲載の川野将一さん ラジオブロス「Listen.64 永六輔『六輔七転八倒九十分』(TBSラジオ)」を無料公開させていただきます。  本原稿は、川野さんが永六輔氏の番組終了に伴って執筆し、死去の報道の前日に配信したものです。  是非、一人でも多くの人に読んでいただければと思っています。  (水道橋博士のメルマ旬報 編集/原カントくん) 以下、『水道橋博士のメルマ旬報』Vol89  (2016年7月10日発行)より一部抜粋〜
川野将一『ラジオブロス』 -----------------------------------------------------------◇ Listen.64 永六輔『六輔七転八倒九十分』(TBSラジオ) ( 2015年9月28日〜2016年6月27日 毎週月曜 18:00〜19:30 放送 )
【訃報】「永六輔、ラジオ生放送中に大往生」     昨日午後7時20分過ぎ、TBSラジオ『六輔七転八倒九十分』の生放送中に     パーソナリティの永六輔氏(本名・永孝雄)が東京都港区赤坂のTBSのスタジオで     亡くなった。先週までの1か月間は体調を崩し番組を休んでいたが、昨日は病院の     診察を受けてから娘の永麻理さんとともに参加した。しかし、番組後半のコーナー     「六輔交遊録 ご隠居長屋」で永氏の反応が全くないことに出演者のはぶ三太郎が気付き、  一同が呼びかけ救急医も駆け付けたがそのまま息を引き取った。永氏の最後の言葉は、     外山惠理アナウンサーに対して言い間違えた「長峰さん」だった。享年83。 
本人が望んでいた最期とは、例えばこんな感じだったのだろうか。 1994年出版、200万部を売り上げたベストセラー『大往生』の最後に自分への弔辞を書き、 1969年放送の『パック・イン・ミュージック』(TBSラジオ)では旅先のニューギニアから 帰国できなくなったアクシデントを逆手に、"永六輔、ニューギニアで人喰い人種に喰われる!" という番組を放送し、各メディアが巻き込まれた騒動の大きさから警察にも怒られた。
これまで度々、自らの「死」をネタにしてきた偉大なるラジオの巨人ではあるが、 冷静に考えれば生放送中に亡くなることは、机の下のキックやマイクで殴ることよりも悪質である。 しかし、冠番組を失った今、その有り難いいやがらせを受けるチャンスもなくなった。
1967年から2013年まで、平日の10分間、46年間続いた『永六輔の誰かとどこかで』。 1970年から1975年まで、毎週土曜日6時間半放送された『永六輔の土曜ワイドラジオTokyo』。 1991年から2015年まで、24年半続いた『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』。 さらに1969年から1971年の間の土曜深夜は『パック・イン・ミュージック』も担当し、 1964年から2008年放送の『全国こども電話相談室』では回答者としても活躍。 子供に向け、若者に向け、高齢者に向け、ある時期のTBSラジオとは「永六輔」のことだった。 重要なポイントは生放送の番組はすべて週末に固めていたことである。
「放送の仕事をするならスタジオでものを考えてはいけない。  電波の飛んでゆく先で話を聞いて、そこで考えてスタジオに戻ってくるべきだ」
ラジオパーソナリティの仕事を始めた時、恩師の民俗学者・宮本常一に言われたことをずっと守り、 平日は全国各地へ。1年のうち200日は旅の空。久しぶりに家に帰ると「いらっしゃいませ」と 迎えられるのが常だった。1970年から始まって今も続く、永とは公私ともに長い付き合いである 『話の特集』元編集長の矢崎泰久が初代プロデューサーを務め、自身がテーマソングを作詞した 紀行テレビ番組『遠くへ行きたい』(日本テレビ系)もそのスピリッツを受け継いだものだった。 いつも、自分で足を運び、自分の目で見て、自分の耳で聞いたことが、その口から伝えられてきた。
だからこそ、かつてのように自らの足で自由に出かけられなくなったとき、 自らの口からはっきりとした言葉で伝えられなくなったとき、激しく悔やんだ。 2010年、パーキンソン病が確認された永は「ラジオを辞める」ことを考えた。 だが、ラジオ界の盟友である小沢昭一に相談すると、激しく鼓舞された。
小沢「やめんな!絶対やめんな!しゃべらなくていい!ラジオのスタジオにいればいいんだ!」
病とともに生きる永が自分を奮い立たせる意味も込めて度々披露するエピソード。 改めて、放送とはその場の"空気"を伝えること=「ON AIR」であることを再確認した。
2015年9月26日、 永はリハビリと闘いながら、放送局は聴き取りにくいという一部リスナーの批判とも闘いながら 24年半続��てきた番組『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』が最終回を迎えた。 永の口から語られたのは、出かけた旅先と思い出と、出かけられなかった悔しさだった。
永「東北の地震で未だふるさとに帰れない人が多い。   デモには僕の仲間もいっぱい歩いてるんで気にはなっていた。   だけど、車椅子でああいうところに行くとものすごく迷惑になる。皆が気を使ってしまう」
1960年、日米安保条約に対して、永は大江健三郎や谷川俊太郎など、 同世代の作家や芸術家たちと「若い日本の会」を結成し反対運動をおこしていた。 当時、国会議事堂近くにアパートを借り部屋でテレビの台本を書いていた永は、 「部屋にこもって仕事をしている場合か」と国会前に駆け付け仲間達のデモに合流した。 台本がなかなか届かず待っていたテレビ局の担当者は、さては?と国会前に探しに来た。 見つかった永は「安保と番組、どっちが大事なんだ!」と問われ「安保です」と即答し、 構成を担当していた日本テレビの番組『光子の窓』(日テレ系)をクビになった。  
2016年4月〜6月に放送された、黒柳徹子の自伝エッセーを原作としたNHK総合ドラマ 『トットてれび』。そのなかで角刈り姿の若き永六輔を演じたのが新井浩文だった。 1961年〜1966年に放送されたNHK初期のバラエティの代表作『夢であいましょう』を再現した シーンにおいて、錦戸亮演じる坂本九が「上を向いて歩こう」を歌うや、永は怒号を飛ばした。
「なんだその歌い方は!ふざけてるのか君は!  ♪フヘフォムウイテ アルコフホウ〜、そんな歌詞書いた覚えないよ!」
永六輔が作詞し、中村八大が作曲し、坂本九が歌う。 「六八九トリオ」によって誕生し、同番組では「SUKIYAKI」のタイトルで広まったとおり、 すき焼きを食べながら進行する特集も組まれた、世界的大ヒット曲「上を向いて歩こう」。 だが、そのロカビリー少年の歌い方は、千鳥風にいうと"クセがすごい"もので、 当時、作詞した永が頭に来ていたのも事実だった。
永「僕ね、自慢じゃないけど、テレビのレギュラーで番組が終了になるまで続いたのは、   『夢で逢いましょう』くらいなんです。それ以外はだいたいケンカして辞めている」
『創』2009年5月号の矢崎泰久との「ぢぢ放談」で披露された永の"自慢話"。 1956年、コント・シナリオの制作集団「冗談工房」の同じメンバーで、 2015年12月9日に亡くなるまで、永のラジオ番組に手紙を送り続けた野坂昭如。 パーティーでの大島渚との大立ち回り動画でもよく知られるそのケンカっぱやさは、 実は永六輔��持ち合わせ、2013年6月の『たかじんNOマネー』(テレビ大阪)での 水道橋博士にも受け継がれている、生放送での途中降板も常習となっていた。
1968年、木島則夫の後を引き継ぎ『モーニングショー』(テレ朝系)の司会に抜擢された 永は「僕は旅するのが好きだから」と急遽司会を断り全国を駆け巡るレポーターに変更。 番組第1回は北海道の中継先からオープニグの第一声を任されていたが、アクシデントで番組は スタジオから開始。ずっと雪の中で待っていた永はそのままマイクを放り投げて帰ってしまった。
1994年放送の『こんにちは2時』(テレ朝系)。 自身の著書『大往生』の宣伝はしないと取り決め出演オファーを受けたものの、 当日の新聞番組欄には「永六輔・大往生、死に方教えます!」と載っていた。 ���句を言ったところ、冒頭で新聞に掲載されていた内容と異なることを説明するとして 出演したが、結局断りがないまま進行し「皆さんでやってください」と退場した。
「今行けば自分が先頭に立てる」と思い夢を持って始めた開局当時からのテレビの仕事。 構成作家として台本を書き、出演者としてしゃべりまくり、小説家の"シバレン"こと 柴田錬三郎から「テレビの寄生虫」と呼ばれながらも「何が悪い」と続けていたが、 我がままに嫌われるような行為を連発し、自ら発展の基礎を作ったテレビ界を撤退した。 以降、たまに出る度「テレビに出られて良かったですね」と言われることをネタにしている。
度々本人の口から語られるテレビ界の問題として「関わる人が多すぎる」ことがある。 責任の所在がはっきりせず、企画の趣旨がねじまがり、連絡ミスなども誘発しやすい。 裏方と出役の両方を体験する永の意見は現在においても的確で、優れているとされる 人気番組は、内容はもちろんだが、その目に見えない部分の環境の良さを聞くことも多い。
パーキンソン病の先輩、マイケル・J・フォックスが主演する、 1989年公開映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』。 そこで描かれた未来の舞台、2015年10月、 日本では永遠に続くと思われたラジオの未来が書き換えられた。
土曜日午前の4時間半の番組から、月曜日夕方1時間半の番組へ。 四半世紀続いた長寿番組の重荷を降ろし、2015年9月28日から新番組がスタートした。 47歳の永がタモリとともに『ばらえてぃ テレビファソラシド』(NHK総合)に出演していた頃、 1981年9月11日、東京・渋谷ジャンジャンで行われたときのイベント名は、 『六輔七転八倒九時間しゃべりっぱなし』だったが、ラジオ新番組のタイトルは 『六輔七転八倒九十分』。それでももちろん"しゃべりっぱなし"というわけにはいかない。
「パーキンソン病のキーパーソン」。 永は自身の病気の回復力について語る時、いつも���のように笑いを交えて伝えている。 それが議論の的になっているのは新番組が始まってからも変わらなかった。 『誰かとどこかで』で「七円の唄」というリスナー投稿コーナーが設けられていたように、 ハガキ1通7円の時代から始まった永六輔のラジオ番組の歴史。 今は52円となったハガキで、時にパーソナリティへの抗議が寄せられるのが切ない。
「病気の話を笑いながらしないで」「病気を楽しそうに話さないで下さい」...。 番組はいろんな病気を抱えている人が聴いている。だが、それを納得しながらも、 「楽しくしちゃったほうがいい、どうせ話をするなら」という姿勢を永は貫いている。 事実、永六輔には「すべらない"病気の"話」が多すぎる。その特選2話。
第1話「ジャカルタの留学生」。 リハビリの勉強のため日本に来ていたインドネシア・ジャカルタの留学生。 永の担当に付いた彼は「姿勢を良くして下を見ないで歩きましょう」と歩き方を指導し、 「日本にはいい歌があります。『上を向いて歩こう』って知っていますか?」と聞いた。 永が嘘をついて「知らない」と返すと、歌うジャカルタの留学生に付いて病院内を歩くことになり、 全ての医者や患者から注目を浴びることに。日本の先生に事態を説明すると、 「真面目に勉強をしに来ている若者に嘘を付かないでください」と注意され、 留学生に実は歌を知っていたことを打ち明け、「知っているのは僕は作ったからです」と言うと、 ジャカルタの留学生は、「あー、また嘘ついてる!」。
第2話「タクシーの事故」。 ある日、永が新宿からタクシーに乗ると別にタクシーに衝突される事故を起こす。 左肩打撲など全治三週間の大怪我を負いながらも、事故直後の警察からの質問に、 名前も住所もサラリと答える永六輔。救急車に乗っても救急隊員の真似をして「出発!」と言い、 慶応病院に受け入れを断られると、「こないだ、大学野球で早稲田が慶応に勝っちゃったから?」 とおどけまくる。そこで冷静になって気づいたのが、自分がパーキンソン病の患者であること。 それまでろれつが回らなくて困っていたのに、事故を受けてから流暢にしゃべっている自分。 そこから子供のころ、調子が悪いとき刺激を与え感度を良くしようとして、 それをひっぱたいていたことを思い出した。「俺はラジオかよ!」。
『六輔七転八倒九十分』になって放送時間は短くなったが "放送時刻"が夕方になったことにより「声が出やすい」という吉を招いた。 だが、本人の"調子の良さ"と"呂律の良さ"が比例しないのがパーキンソン病の やっかいなところで、本人がうまく話せていると思っていてもそうではない時がある。
永「僕は今、携帯を左手に持ちました」  「はい、今、下から上へ、フタを開けました。で?」
家族の安心、自身の安全のために無理矢理持たされた携帯電話。 2012年、『誰かとどこかで』で話題となった、遠藤泰子が特別講師を務めた、 79歳で挑戦する「世界一やさしい携帯電話の掛け方講座」シリーズ。 手紙を愛する永の文明・文化の進化に対する嫌悪はよく知られているが、 テクノロジーの発展のなかには、リスナーのために改善されたラジオの技術もある。
「永さん、声は技術でなんとかしますから大丈夫です」。 パーキンソン病を公表してからインタビューを受けた「東京人」2011年3月号で、 永六輔の「声」をオンエアしていくために検討されたスタッフとのやりとりを明かしている。 スタッフから知らされたその技術は、その場で発せられた声を5つに分割し、 その中で一番聴こえやすい音域だけを活かして、その他の聴こえづらい音域は消す。 アナログのレコードがデジタルのCDに変わるようなその提案を、永は丁重に断った。
永「その声は僕らしくない」  「だったら何言ってるかわかんなくていい」
何の言葉を言っているかではなく、その言葉をどのように伝えているのか。 ここに"活字"とは異なる、"音声"の「言葉」に対する永のこだわりがよくみえる。 それを象徴するような一曲がある。
「逢いたい」 作詞・永六輔、作曲・樋口雄右、編曲・久米由基
   逢いたい 逢いたい 逢いたい 逢いたい    逢いたい 逢いたい 逢いたい 逢いたい
   逢いたい 逢いたい 逢いたい     逢いたい 逢いたい     逢いたい 逢いたい 逢いたい     逢いたい 逢いたい 
   逢いたい 逢いたい 逢いたい     逢いたい 逢いたい     逢いたい 
   逢いたい 逢いたい 逢いたい 逢いたい    逢いたい 逢いたい 逢いたい 逢いたい
   逢いたい 逢いたい 逢いたい     逢いたい 逢いたい     逢いたい 逢いたい 逢いたい     逢いたい 逢いたい            ・・・      
『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』で人気を博したコーナー 「あの人に逢いたい」で流されていた、ただ「逢いたい」という言葉が72回繰り返される曲。 同じ言葉がイントネーションによって変わり様々な物語を想像させるこの曲を、 言葉がひとつしか出てこないことを理由に、音楽著作権協会は「作詞」とは認めなかった。 2001年出版『永六輔の芸人と遊ぶ』のなかで永六輔は誓っている。 「話し言葉だから伝わるニュアンスが無視される危険性があります。  僕はそれを阻止するためにも、この『逢いたい』の著作権を認めさせてみようと思っています」。
永「ラジオは嘘を付けない」
永から直に聞いた、しゃべりで真実が見抜かれてしまうラジオの恐さを 常に肝にめいじマイクに向かっている芸人に、カンニング竹山がいる。 鈴木おさむが構成&演出を務める竹山の定期単独ライブ『放送禁止』。 その2013年版は「お金とは?」をテーマに、1年間365日、毎日違う1人に 「あなたの幸せと思う事に使ってください」と1万円を渡し続ける記録の講演だった。 その中で「1万円渡す時に最も緊張した人」の第1位に挙げていたのが永六輔だった。
1万円を渡すチャンスは『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』。 竹山がゲスト出演した時のCMタイム中の2分間に限られていた。 外山惠理は竹山とは当時放送されていた『ニュース探究ラジオ DIG』で コンビを組んでいるため、最悪フォローには回ってくれる。 だが、スタッフの懸念は、企画の趣旨を永が2分間で理解してくれるかにあった。 しかし、永六輔の反応はそこにいる全員の予想を裏切った。
永「あのねー、それ、おんなじこと、僕やってたよ。昭和30年代終わりか40年代かな。   1年お金配り続けたら面白いねーって言って、1000円配り続けた」
芸人の先輩として竹山の予想を出し抜き、 放送作家の先輩として鈴木おさむを陵駕する反応。 負けず嫌いなところを含めて、永六輔は現役感を剥きだしにして1万円を受け取った。 筆者が観覧した回、当の永六輔が東京・博品館劇場の観覧席にいた。 外山惠理の手を借りそろろそろりと退場していく様子を、観客一同が拝むように見送っていた。
   2016年1月31日『ピーコ シャンソン&トーク 我が心の歌』                 ゲスト:永六輔(体調がよろしければご出演)    2016年4月17日『松島トモ子コンサート』                 ゲスト:永六輔(当日の体調が良ければ出演予定)
いつの頃からか、演芸ライブの会場には、 永六輔の断り書き付きのゲスト出演を知らせるポスターやチラシが目立つようになった。 残念ながらピーコのライブへの永の出演は叶わなかったが、ピーコ自身は、 『土曜ワイド』から引き続き『六輔七転八倒九十分』にもヘビーローテーションで出演。 昨今メディアでよく見る白髪の永によく似合う赤やピンクの服はピーコのチョイスである。 そんな身だしなみも含め、2001年に"妻の大往生"を迎えて以降、永は自分が現場に足を運んで 才能を見出してきた全ての人々から、大きな励ましと恩返しを受けている。
永「髙田(文夫)さんは出来ないの?」
2015年11月9日、松村邦洋がゲスト出演した回、 リスナーからのものまねのリクエストに矢継ぎ早に応えていくなか、 永が唯一自分からリクエストをしたのが、しゃべる放送作家の後輩「髙田文夫」だった。
1947年10月スタートの連合国軍占領下の番組、 音楽バラエティ『日曜娯楽版』(NHKラジオ)にコント台本を投稿した、 中学3年生の永は、高校生から構成作家として制作スタッフとなり、 早稲田大学の学生となってからその中心的メンバーに。三木鶏郎にスカウトされ、 「トリローグループ」の一員となり放送作家、司会者として活動を活発化させていった。
1969年から1971年、『パック・イン・ミュージック』の土曜日を担当し、 時に2時間半かけて憲法全文を朗読するなど"攻め"の放送を行っていた永のもとに、 ネタを送り続け採用を重ねていたのが、日本大学芸術学部で落研所属の髙田文夫だった。 ある時意を決し、長文の手紙に「弟子にしてください」と書いて、永に送った髙田。 永からの返事は「私は弟子無し師匠無しでここまで来ました。友達ならなりましょう」。
その20年後、『ビートたけしのオールナイトニッポン』の構成作家を経て、 『ラジオビバリー昼ズ』などで活躍をしている髙田に、永は再び手紙を送る。 「今からでも遅くはありません。弟子になってください」。
そんなパーキンソンの持病と心肺停止の過去を持つ、幻の師匠と弟子は、 2014年1月と9月に『永六輔、髙田文夫 幻の師弟ふたり会 横を向いて歩こう』を開催。 TBSラジオとニッポン放送、両局のリスナーが押し寄せた、 東京・北沢タウンホールの最前列で観たそのトークイベントが、 今のところ筆者が肉眼で観て聴いた、永六輔の最後の記憶である。
それ以前にステージで観たのは、2014年3月21日、東京・赤坂BLITZで開催された、 「我が青��のパック・イン・ミュージック」への特別出演だった。 「当時はまだ"深夜"に"放送"が無いのが当たり前だったから、 "深夜放送"という言葉も日本語として存在しなかった」という発言は、 車椅子に座って語られるからこその歴史の重さと有難みを感じた。
白髪と頭皮が目立つ観客席で40代の筆者が若造になる、 『パック・イン・ミュージック』の歴代パーソナリティが集う同窓会イベント。 晴れやかなステージを見上げながら、観客はそこには立てなかった、他界したDJの顔も 思い浮かべていただろう。野沢那智、河島英五、福田一郎、愛川欽也、そして林美雄...。
1970年〜1974年に放送された『林美雄のパック・イン・ミュージック』。 柳澤健の近著『1974年のサマークリスマス 林美雄とパックインミュージックの時代』にも 記されている通り、若者たちのカルチャー、アンダーグラウンド��化の担い手となった、 木曜日深夜3時からのその枠は、本来、同期入社のTBSアナウンサー・久米宏に任されていた。 だが、結核により久米は1か月で降板。病気を治して暇を持て余しているところを、 『永六輔の土曜ワイドラジオTokyo』のレポーターに抜擢され人気を獲得した。
"ゲラゲラポー"から"ケンポー"まで。 永の想いを受け継いだ「憲法ダンス」を考案したラッキィ池田の 『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』でのレポートの模範には、 マイクが集音する響きの良い革靴の音を研究し、ヌード撮影現場などの 過激な現場も土曜午後用の生の言葉で伝えてきた、久米宏の高い中継スキルがある。
以降、久米宏は、永が一線を画したテレビを主戦場にしたことが大変重要で、 2年半前、この連載の第1回で『久米宏 ラジオなんですけど』を取り上げたのは、 テレビから還った"ブーメラン・パーソナリティ"としてのラジオでの存在価値からだった。 『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』の直後に始まる番組として、 東日本大震災時、リスナー1人ずつとリレーしながら「見上げてごらん夜の星を」を歌うなど、 毎週リレートークを行う永を敬いながらも刺激を与えてきた。
『六輔七転八倒九十分』でも体調不良から休むことが多くなった永六輔。 たまにスタジオに来たときにサプライズ扱いされることは逆に心苦しかっただろう。 日頃は永が来ないことに不満なリスナーも、久々の精一杯の声を聴いたら聴いたで、 「本当に大丈夫なんですか?」「どうぞ家でゆっくり休んでいてください」と心配にまわる。 その日のニュースや天候よりも、永の体調を確認することが生放送の趣旨になってしまっていた。
永も番組でその名前を挙げたことのある、同じパーキンソン病のモハメド・アリ。 その訃報が伝えられた1週間後、番組のXデーも永の所属事務所からの手紙により伝えられた。
「永六輔は昨年の秋ごろから背中の痛みが強くなり、またその痛みは寝起きする時や  車椅子の乗り降りの際、つまり体を動かす時に特に強く現れていました。(中略)  永六輔本人はリスナーの皆様にまた声をお届けしたいと思っており、日々努力しておりますが、  パーキンソン病ということもあり、十分な体力回復にどのくらいかかるかはまだめどが  ついておりません。ここは一旦、自分の名前の付いた番組については締めくくらせて  いただいた上で、ぜひまたお耳にかかる機会を得たいと考えている次第です」
返事を書かないのに「お便り待っています」とお願いするのはありえないと、 番組にお便りをくれたリスナーの一人一人に返事を書いていた永六輔。 そんな真摯な気持ちを持つパーソナリティだけに、自分が不在の冠番組の存在は 体の痛みを超えるほど、どれだけ心を痛めるものであっただろうか。
2016年6月27日放送、最終回のスタジオにも永六輔の姿はなかった。 長峰由紀は永から「書けない漢字、読めない漢字を使うな」と叱咤された思い出を話し、 永とは長い付き合いの精神科医で元ザ・フォーク・クルセダーズのきたやまおさむは、 「くやしかったらもう一度出て来いよ!」と戦争を知らない世代の代表として激励した。 そして番組後半、最後の最後にテレビの収録を終えた黒柳徹子が駆け付けた。
2005年9月、『徹子の部屋』(テレ朝系)の収録にペ・ヨンジュンが来たとき、 ゲスト控え室の「ペ・ヨンジュン様 ○○個室」と書いてあるボードを見た徹子は、 「ここのスタジオにいることが分かったら大変!」と名前を「永六輔様」に書き換えた。
対して、永は『誰かとどこかで』の鉄板ネタとして黒柳のエピソードを持っている。 その昔、静岡に行った時、黒柳は駅から見えた綺麗な山を見て地元の人に 「ねえ、あの山、なんて言うんですの? ねえ!ねえ!」と聞いた。聞かれた女性は 本当に可哀想な人を見るような目付きでぼそっと答えたという。「・・・富士山です」。
通算40回。テレビを卒業した永も『徹子の部屋』だけは出続けている。 テレビ・ラジオの創世記から活躍する、そんな関係性の二人だからこそ、 ただ1人だけに向けられたエールを、リスナーも温かく見守ってくれる。
黒柳「永さーん、起きてるー! ラジオって言ったら、永さんしかいないのよー!!」
翌週、2016年7月4日から同枠で新番組が始まった。 『いち・にの三太郎〜赤坂月曜宵の口』。 メインパーソナリティは先週まで永のパートナーとしてしゃべっていた、 毒蝮三太夫の弟子である、株式会社まむしプロ社長の、はぶ三太郎。 その相手役を長峰由紀と外山惠理が交代で出演する、信頼の顔ぶれである。
テーマ曲には永が作詞した「いい湯だな」が使用され、 「六輔語録」というコーナーがTBSに残された永の様々な時代の音源を流す。 もちろん、これが引き継いだ番組としての正しい在り方なのだろう。 だが僕は、思い切って「永六輔」を一旦完全に失くすことも望んでいた。 それが、後ろ盾をなくした自分で切り開くしかない新パーソナリティへの励みにもなり、 自分の声も名前も失われたラジオの存在こそが、永六輔の新しい始まりに繋がるからだ。
かつて『全国こども電話相談室』で小学2年生の女の子に、 「天国に行ったらどうなるんですか?」と聞かれ、永は答えた。 「天国っていいとこらしいよ。だって、行った人が帰ってこないもの」。 確かに晩年までマイクの前に座っていたラジオ界の神様たち、 小沢昭一も、秋山ちえ子も、かわいそうなぞうも天国から帰ってくる気配は来ない。 だからこそ、大往生を遂げる前に、永六輔にはやるべきことがある。
物心がついた子供の頃からラジオで様々な演芸に触れ、 中学時代に投稿し、高校時代から70年間ラジオ制作に関わってきた人間は、 初めてラジオから離れた人生を過ごす今、何を想い、何を感じ、何を考えるのか。 もう一度スタジオに来て、ブースに入り、マイクの前に座り、 それをスピーカーの向こうの、リスナー1人1人に伝える必要がある。
それまでゆっくり待たせてもらおう。 ただ情けないことに、リスナーの僕たちは それが叶っても叶わなくても、目からこぼれてしまうのだろう。 例え、上を向いて歩いても、きっと涙がこぼれてしまうのだろう。
『水道橋博士のメルマ旬報』
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shibaracu · 5 years ago
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◆ 太陽の正体
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◆太陽には中に入るための「巨大なドア」があった!? UFOの通り道がついに激撮される! 2016.03.19 https://tocana.jp/2016/03/post_9206_entry.html  動画サイト「YouTube」に14日、目を疑うような映像がアップロードされた。なんと、太陽の中にドアがあり、そのドアがまさに開こうとしている瞬間をとらえたというのである。
 観測機器のエラーだ! とか、そんなのウソに決まってるだろ! とかおっしゃりたい皆様の気持ちはよくわかるが、とりあえず、その画像を見てみようではないか。   ◆太陽UFOと「スターゲイト」の謎(その1) http://amanakuni.net/uchu/55.html 2011年に入ると太陽活動は、目立って活発化を始めた。2月には、地球と同サイズの大きな黒点3つを含む黒点群が発見されている。また同じく2月には、約4年ぶりとなる最大規模の太陽フレアも確認されている。この時には通常の約100倍ものX線が放出され ...   ◆いま宇宙で何が起きているか  http://amanakuni.net/uchu/index.html  人は是、宇宙間に介在する一分子なれば、  まさしく宇宙の一分身なり  人も地球も宇宙も全ては電子という一点で繋がっている。そこに加速度的な変化が起きつつある。政治も経済も社会も、文化や情報通信も、異常気象も、そして太陽もそのことを指し示している。この“変化”の気配は、きっと誰でもが感じ始めていることだろう。   今回、アマナクニのホームページの場を借りて、『宇宙 NEWS LETTER 』を掲載させてもらうことになりました。ここでは〈今、地球と宇宙で何が起きているか〉というテーマで、私なりに咀嚼した情報や事象を提示し、それをシェアして、今、地球上で、そして宇宙で起きていることの奥にあるもの、真実を探るきっかけになれば、とささやかな試みを考えている次第。今後、どうぞよろしく―。                     工藤弘和   ◆未確認飛行物体「UFO」の神秘性、目撃から70年経っても未だ変わらず https://www.esquire.com/jp/lifestyle/tech/g25341481/ufo-phenomenon-mysterious/ 初めて目撃されてから70年が立つものの…未確認飛行物体(UFO)とは一体何者なのでしょうか? そして、どこから現れるのでしょうか? By エスクァイア編集部 2019/06/30  毎年7月2日は、「世界UFOデー」です。  1947年6月24日に、アメリカ人のケネス・アーノルド (Kenneth Arnold) が、  ワシントン州上空で9個の奇妙な物体を目撃しました。  この事件の影響により、「Flying Saucer(空飛ぶ円盤)」という言葉が  普及したことはご存じでしょうか。  この事件を知っている人は少ないかもしれません。  ですが、その直後に起きた「ロズウェル事件」を知って人は少なくないでしょう。  同年7月2日、アメリカ南部ニューメキシコ州のロズウェル近郊にUFOが墜落し、  「それらの残骸を米軍が回収し秘匿した」というものです。   ◆【衝撃】太陽の周りを、地球サイズの超巨大UFOが周回している https://00m.in/l5Qcp    2011年2月18日 私たちが生きていくのに、なくてはならない存在の太陽。その太陽で、2010年1月以降、奇妙なことが起こっているようだ。それは、太陽を周回するUFOが存在するかも知れないというのだ。しかもその大きさは推定で、地球にも匹敵するほど巨大なものと見られているのである。   ◆モスクワでのUFO艦隊 ②地球の軌道上に複数の巨大宇宙船がいます! 2019/05/22  https://youtu.be/1XGCtchPRZQ   ◆太陽付近に超巨大“キューブ型”UFO出現、SFが現実に! 地球攻撃を目論む「ボーグ・キューブ」か!? https://news.infoseek.co.jp/article/tocana_49542/ 2017/01/01  12月22日、太陽付近における異常現象を多数紹介しているYouTubeチャンネル「UFONEARSUN - myunhauzen74」が衝撃的なUFO動画を公開した。太陽表面に密着しそうなほど近づいた状態で発見されたのは、巨大なキューブ型UFO。なんとその大きさは、地球と同程度か、それ以上だというのだ……。  太陽付近では、ここのところ頻繁にUFOが目撃されている。その理由を説明するものとして、「太陽から吹き出す極めて高温な粒子“プラズマ”をエネルギーに変換しているのではないか」という新説まで登場しているのだが、これほど巨大なUFOは極めて珍しい。果たして、これは本物なのか。そして、本物だとしたら太陽周辺で一体何が起こっているというのか。それでは早速、問題の動画をご覧いただこう。  https://youtu.be/sEyrrRJeHok  https://tocana.jp/2016/12/post_11889_entry.html   ◆時間はガチで「消えたり伸び縮みする」と確定! 過去・未来・原因・結果は存在せ��… 時間を伸ばす方法も判明! 2020.01.19 https://tocana.jp/2020/01/post_138552_entry.html  楽しい時間がアッという間に過ぎてしまったり、役所の手続きの順番待ちが妙に長く感じたりしたことはあるだろうか。先鋭的な理論物理学からは“時間”にはさまざまな様相があることが指摘されている。時間は止まることもあれば“伸び縮み”することもあるというのだ。   ◆UFO、魔術師、恐竜土偶! メキシコが誇るオカルト観光をご存知ですか https://traveloco.jp/kaigaizine/side-tourism-mexico 2019/03/11 日本22。メキシコ35。 これはいったい何の数字でしょうか? 答え:世界遺産の数。 超常現象の中でも、メキシコはUFOのメッカとしてその筋の人々には知られた存在ですが、目撃される場所は大きく分けて2種類あるといえそうです。 UFOのメッカ・自然編 1つは大自然の作り出す神秘スポット。代表的なものとしてはケレタロ州ペーニャ・デ・ベルナルが挙げられます。筆者の住むメキシコシティから北へ230kmほど行ったところにあるベルナルは、オーストラリアのエアーズロックに次ぐ世界第3位の大きさを誇る1枚岩です。 UFOのメッカ・ピラミッド編 そしてもう1つ、ピラミッドもUFOの目撃情報が多い場所です。例えば、テオティワカンピラミッド。メキシコシティ中心部から50km足らず、車で1時間程度で行けるとあって定番観光地となっているものの、ピラミッドとUFOの関係を見るうえで外すことはできません。   ◆太陽に関するご質問 - よくあるご質問 - 八代市 http://www.astro.city.yatsushiro.kumamoto.jp/faq.html 太陽のように自ら光を出している星(恒星[こうせい])がどのような一生を過ごすのかは星ができたときの質量によって決まっています。 ... また、仮にあなたのご覧になったUFOが宇宙人の乗り物だったとして、それだけで「月の裏側に宇宙人の基地がある」といえるわけでもありません。 ... コンピュータのプログラムなどでは余分な1秒が入ることで誤動作するといった事態も起きており、「この際、うるう秒を廃止した方がいいのではないか?   ◆太陽の上でUFOを観測した後、7天文台より閉鎖| スエネ宇宙 https://ja.suenee.cz/vice-jak-7-astronomickych-observatori-uzavreno-po-pozorovani-ufo/ 2019/03/24 - 民間人、特に天文台の職員はその地域に入ることが禁じられている。 天文台はロズウェルの近くに ... ケースに関する新しい情報: NASAは、FBI天文台が太陽の上でUFO観測のために閉鎖することを否定している。   ◆【特写】太陽の側に出現した謎の発光体!千葉県・銚子でUFOが目撃された! https://mnsatlas.com/?p=22777 2017/07/03 アトラスでも何度か紹介しているが、千葉県の銚子市は過去にUFOが謎の金属片を落としていった「銚子事件」を筆頭に、今でも多くの人がUFOを目撃している。そんな銚子でつい先日、日中に謎の飛行物体が目撃されるという事件が発生。   ◆ただの着陸ではない 中国���「月の裏側」探査が世界を震撼させたワケ https://www.businessinsider.jp/post-182719 2019/01/09 - これは人類にとって、最も鮮明な電波天文観測となるだろう(月が地球と太陽からの放出されるノイズをブロックするためだ)。 宇宙マイクロ波背景放射を画像化したもの。初期の宇宙の姿を現している。   ◆地球外知的生命体が太陽を周回する小惑星から地球人を監視しているかもしれない(アメリカ物理学者の主張) http://karapaia.com/archives/52283181.html 2019/10/05  それは「ラーカー(Lurker)」と呼ばれている。数百万年も前より、宇宙から私たち地球人をひそかに監視している存在のことだ。  これはたんなる与太話などではなく、アメリカの物理学者ジェームズ・ベンフォード氏が『The Astronomical Journal』(9月20日付)に投稿した論文で主張している内容だ。  突飛な話に聞こえるだろう。だが、この説は地球外知的生命体探査(SETI)コミュニティに昔からある推測に基づいている。   ◆ これ不思議じゃんシリーズ9?空のど真ん中---地味なUFO正体の謎は深まる https://note.com/yocchan3wonder/n/n9922f37a8aaf 2020/01/03 17:14
  ◆ 太陽の正体 https://note.com/kunotandesu/n/n87a458fc2cdd 2017/12/14 09:25 最近、「太陽が二つに見える」という現象が世界各地で起こっているらしい。   ◆地球よりも巨大な物体 - TOK2.com http://www43.tok2.com/home/medy/andromedacouncil-26.html 太陽は他の銀河系へ行くためのポータル! (光速瞬間移動ゲート) 太陽は他の銀河からの母船(スペースシップ)が太陽系、地球へ出入りするワームホール! 「母船が飛び込んだあと、ものすごい勢いで太陽フレアがどーんと出てきます。2つの母船が一度に入る場合もあるようです。現代科学では分からなかった事が古代マヤ文明の石版には、チャンと書かれていたのです。」 「太陽は、丸い母船のスフィアが、他の銀河宇宙へ瞬時で移行するためのポータル(玄関)だとHassim氏は説明する。 NASAの衛星がとらえたUFOのビデオを解析」←(画像がよくないのでわかりずらいかも…メデのコメント)   ◆太陽の周りに、超巨大UFO その7 ISSに現れた直線状の光群 https://ameblo.jp/ooruri777/entry-10791757881.html 2011-02-06 最初に、SOHOとタイトルが打たれているが、恐らく「ステレオ」の画像を載せてくれている。  (ホームページはSOHOになっているので、その関係かと思われる。)  https://youtu.be/LJAcrorHx8I またもや、太陽周辺に奇妙な物体が撮影されている。日付は、2011年1月7日  ただ、直線状のUFOがやたら映っているのが2010年までと違うところだ。  次が問題で、NASAによるISS(国際宇宙ステーション)のライブ映像に、UFOが映り込んだのだが・・・。  日付は、2011年2月3日とつい最近の映像だ。  筆者も、ISSのUFO映像は、結構見て来たつもりだが、こんな分かり易い映像は初めてである。   ◆太陽の周りに、超巨大UFO その8 トルネードの希少映像と巨大過ぎる黒い竜巻? https://ameblo.jp/ooruri777/entry-11255675648.html 2012/05/19 - NASAの太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)が数カ月前に撮影した画像を分析したところ、地球が100個入るほど巨大な“太陽竜巻”の姿がとらえられていた。 太陽紅炎(プロミネンス)と呼ばれるこの竜巻のような構造 ...
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ronpe0524 · 7 years ago
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GBWな7月(2018年7月の日記)
■2018/7/1
午前中だけ外出させていただき、朝からMOVIX昭島で『オンリー・ザ・ブレイブ』鑑賞。お昼はモリタウンのフードコートの豚丼を家族分買って帰る。娘はザンギ定食。すっごい食べてた。午後から ひろ君が彼女と北海道土産を持って家まで遊びに来てくれた。娘ちゃんはしゃぐ。夜は娘ちゃんを寝かしつけながら自分も寝落ち a.k.a 仮眠。そしてW杯ラウンド16 ロシア×スペイン戦。スペイン敗退。これでイニエスタが早く日本に来るかな。クロアチア×デンマーク戦も途中まで見てたが寝てしまった。
■2018/7/2
仕事終わりで立川へ。シネマシティで『マッド・マックス』、『女と男の観覧車』をハシゴ。帰宅してから3時間ほど寝てW杯 ベルギー×日本戦。残念ながら負けてしまったけど、ついに日本代表が決勝トーナメントで戦えるときがきたのか、とドキドキする一戦であった。インタビューまで見終わり、一時間ほど寝れるかなぁ寝室に入ると娘が起きてしまった。娘に「日本負けちゃったよ」と説明。娘はこの会話をすぐ忘れるだろうけど、僕は忘れないだろうな。
■2018/7/3
週一の英会話が先生の都合で休止になったのでしっかりと働き帰宅。『ルークケイジ』S2E4だけ見て早めに寝る。あわよくば27時に起きて ポルトガル×イングランド 戦を見れるかなぁと思ったけど眠すぎてムリだった。
■2018/7/4 
仕事終わりで新宿へ。シネマカリテで『名前』鑑賞。帰宅してWOWOW録画したチャットモンチーの武道館ラストワンマンを前半(第一部)だけ見る。近年は聴けてなかったけど、デビューから数年追っていたチャットモンチー。涙。
■2018/7/5
仕事を早めに切り上げて渋谷へ。復活となるシネクイントにて『セラヴィ』試写。MCTT 7月のお題作品でもあります。映画前に兆楽で焼きそば。久々。帰宅してからWOWOW録画のチャットモンチー武道館の続き(第二部)を見る。涙。
■2018/7/6
なんか寒いぞ。仕事終わりで昭島へ。MOVIX昭島で『バーフバリ 王の凱旋 完全版』鑑賞。
■2018/7/7
レインボープール無料日だったが曇りで寒そうだったので断念。図書館で娘の本を借りてくる。図鑑的なものをよく読んでいる。僕は『読書の価値』読了。
■2018/7/8
ペップさんを東京に招聘し、GBW in Tokyo開催。設備の問題やスタートの遅れは申し訳なかったけどペップさんの話と作品選びはさすがの面白さ。「Vol.1」と云ってくれていたのが嬉しい。これは「Vol.2」をやりたい。放課後 a.k.a 打ち上げにはSPゲスト登場。アメコミの話をたくさんできて大変勉強になりました。ヤマノウチは遠征して良かったね。さらに二次会まで楽しかった。参加人数がまぁまぁいたのでそれほどお話しできなかった方も。
■2018/7/9
午前中、仕事していたらペップさんからDM。昨日渡すはずであった交通費を完全に忘れていた。大変申し訳ない。ペップさんは大宮のイオンシネマで『カメラを止めるな!』を観るとのこと。幸い午後半休を取っていたので昼から埼玉方面へ。日進駅で映画終わりのペップさんに交通費を無事に渡すことができました。ふー。ペップさんと『カメ止め!』の話などしながら渋谷まで電車移動。三茶に行くというペップさんを田園都市線の改札まで送る。中途半端に時間ができたのでとりあえず やしまでうどん。それでも2時間ぐらい時間があったのでヴェローチェでTV録画のドラマやアニメを見まくる。『ゲーム・オブ・スローンズ』S1E10見終わり。UPLINKで『セデック・バレ』一部・二部連続鑑賞。日本公開時に観逃してから約5年、ついに観れた。けんす君の後ろの席だった。
■2018/7/10
英会話終わってから帰宅。夕飯食べて風呂にも入り、万全の状態でスリーピーマンズのツイキャスを聴く。どうやらけんす君が本の話をしてるあたりで寝たらしい。一応27時にアラームをセットして一瞬起きた記憶はあるけどW杯セミファイナルは見れず。
■2018/7/11
朝起きてW杯の結果確認。フランスかー。通勤しながら昨夜のツイキャスの録音を聴く。入社してから以来、おそらく一番偉いポジションの人とのミーティングに緊張。つかれた。仕事終わりで新宿へ。テアトル新宿で『菊とギロチン』鑑賞。上映前に伯周さんに遭遇。ちょっとお話。あと同じ回に楳図かずお先生が。よく吉祥寺に行ってたころ一度も遭遇しなかったのに、まさか新宿で遭遇するとは。赤白でなく黒白のボーダーを着てて驚いた。
■2018/7/12
仕事終わりで立川へ。シネマシティで『マッドマックス2』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』鑑賞。映画と映画の合間にやよい軒。帰宅してから『ルークケイジ』S2E5。今シーズンはゴーストフェイス・キラが登場。
■2018/7/13
昼休みに丸亀製麺ですだちおろしひやか��並+長なす天。良い。仕事終わりで昭島へ。『ストリート・オブ・ファイヤー』爆音上映をMOVIX昭島で。area49さんと遭遇。会うの一年ぶりぐらいかな。立川に移動してシネマシティで『ジュラシック・ワールド/炎の王国』bスタ極爆。
■2018/7/14
今日から3連休。3連休ですが映画を1本も観れない。カリコレとか行きたいなぁ。娘と実家へ。地元の夏祭り。もうすぐ娘の誕生日なのでお誕生日祝い その①。夜は実家の庭で花火。そのまま実家に泊まり。スリーピーマンズのツイキャスを聴きながらW杯3決を見る。
■2018/7/15
今日も地元のお祭り。夕方マンションに戻る。娘を寝かしつけてからW杯決勝を見る。
■2018/7/16
家族で日本橋へ。日本橋タカシマヤの資生堂パーラーでランチ。リカちゃんキャッスルのちいさなおみせにて娘の誕生日プレゼント購入。店の中にいられる雰囲気ではなかったので奥さんにまかせてお父さんは店の外で待つ。そのまま歩いて水天宮へ。大変遅くなってしまいましたが水天宮様へお礼、お札を返納。娘はもうすぐ6歳です。帰宅して、夜は娘のリクエストであるアイスケーキで誕生日祝い。娘を寝かしつけ、予想通り自分も寝てしまう。夜中に起きてラジオを聴いたりネトフリで『最強のふたり』を見たり。ついに見た感。  
■2018/7/17 
仕事終わりで下北へ。GRahAMBox番外編 ナツノカモプロデュース『このゆびとまれ』。いつもPodcastを聴いている岡部成司さん出演のコント公演。Podcastの相方でもあり岡部さんのお兄さんであるナツノカモさんが脚本・演出のコント×5本。小林賢太郎以外のコントを久々に観た気がするけど、自分の想定の外側にいけばいくほど面白い。爆笑とかではなく面白い。せっかく下北に行ったのに みん亭のシャッターがおりてたことだけが残念で仕方ないよ。吉祥寺まで移動していぶきうどんを食べた。これで「うどん旬報」のストックがまた1本できた。ちなみに僕がシネマクティフ東京支部のnoteで書いている「うどん旬報」、もちろん「キネマ旬報」的なタイトルをつけているのですが、「旬報」という言葉には「10日ごとに出す刊行物」という意味があるらしい。なので「うどん旬報」をはじめるときに10日ごとに公開しようかとも思ったのですが、さすがに10日ごとでは書くネタがなくなりそうなので、15日ごとに公開をしています。まぁ東京支部メンバーを含め誰も気づいてないと思いますが。帰宅してからネトフリで『サンバ』を見る。
■2018/7/18
仕事を早めに切り上げて新宿へ。シネマカリテでカリコレ2018作品をハシゴ。『リチャード・リンクレーター 職業:映画監督』と『ブラッド・マネー』。『リチャード・リンクレーター』上映後には入江監督のトークあり。スターチャンネルのイベントなのにWOWOWの話をガンガンする入江監督。最後にQ&Aの時間があったので質問させていただいた。「入江監督も『SR サイタマノラッパー』シリーズで約10年の期間、同じ役者で同じ役を描いてきたが、その面白さ または 難しさは?」という質問。入江監督は「リンクレーターもそうだと思うけど、その期間の自分(監督している人物)が作品に出ると思う」との回答。さらに『SR サイタマノラッパー』のさらなる続編は?という話になると『ほかに映画を撮れないような状況になったまた(SRに)帰ってくるんじゃないか。リンクレーターも『ビフォア』シリーズでそうだったように原点に戻るんじゃないか」と。トーク終わってから同回を観ていたチートイツさんから「良い質問でしたね」と云われたので僕モテ読者として役目をはたした感。チートイツさんに「もう1本カリコレ観ます」と『ブラッド・マネー』の内容を説明。「『6歳のボク~』のあの彼が主演なんすよ」とプレゼンし、「じゃあ俺も観ようかなぁ」とチケットを買うチートイツさん。取材の終わった入江監督ともちょっとだけお話。『ブラッド・マネー』について同じプレゼンをしたが、入江監督は「ふーん」と云って帰っていった。まぁ『ブラッド・マネー』はぜんぜん面白くなかったので入江監督が正解。チートイツさんゴメン。
■2018/7/19
仕事終わりで新宿へ。7月のMCTT。お題映画は『セラヴィ!』。今月は参加者6名と少なめ。参加してくれた常連のさっちゃんさん、ぃやっさんには超感謝。6人だとさすがにゆったりと話せる。自分が用意してきた内容をはじめて全部話した感じ。ジミソラジオを聴きながら帰る。帰宅してから『ルークケイジ』S2E6を見る。
■2018/7/20 
娘は昨夜から幼稚園のお泊り会。朝に娘がいないと完全に寝坊しそうになる。奥さんは起こしてくれない。昨夜のMCTT参加者の皆さんに丸亀製麺のうどん札をたくさんもらった。これを使いランチはひやかけ並を無料で食べたぞ。会社終わりで昭島へ。20日はMOVIXデーなので1100円である。『未来のミライ』と『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2回目)をハシゴ。『炎の王国』はシネマシティの初回鑑賞時にあまり集中して観れなかった気がしたので再見したのだが、やや良くなったけどあまり印象変わらず。
■2018/7/21 
朝一で外出させていただき南大沢へ。TOHO南大沢で『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』吹替で鑑賞。娘に行こう行こうと説得していたが断られ、そうこうしてるうちにTOHO新宿の字幕上映が終わってしまい、南大沢は朝8:10の回の観に。なんて扱いなんだ!と思うけど、行ってみたら観客は僕ひとりだった。作品はとても良かっただけになんか悲しい。昼に帰宅。娘の本を図書館に借りに行ったり、工作をして遊んだり。20時に娘を寝かしつけ、そのまま自分も寝てしまう。そして目が覚めたらもう朝の4時ぐらい。そこから録画したTVドラマやアニメを見まくる。Twitter上では主に映画館で観た映画のことばかりツイート���ているが、実はまぁまぁTVドラマとアニメを見てると思う。現在だとドラマ『絶対零度』『高嶺の花』『遺留捜査』『ハゲタカ』『探偵が早すぎる』『チア☆ダン』『この世界の片隅に』『GIVER』『インベスターZ』『バカボンのパパよりバカなパパ』『ウルトラマンR/B』『マクガイバー』を見ていて、さらにこれからはじまる『dele』『黒書院の六兵衛』を見るだろう。アニメは『アンゴルモア~』『京都寺町三条のホームズ』『深夜!天才バカボン』『ハイスコアガール』『はねバド!』『バキ』『キャプテン翼』『鬼太郎』あたり、さらに『進撃の巨人3』を見るだろう。主に寝室か電車移動中に見る。PSVitaとトルネがないとこの量は見れていないだろうな。さらにネトフリやAmazon Primeで見る作品はなるべくTV画面で見るようにしている。
■2018/7/22 
本日は娘のピアノの発表会。1年ちょい前からピアノをはじめた娘にとってははじめての発表会。僕の両親と、奥さんの母上もやってきて、わが家にとっては大イベントである。はっきりいって娘より親の方が緊張している。娘の課題曲は素人の僕が聴いてもよくわからないが、昔ピアノをやっていた奥さん曰く、同年のほかの子の曲よりちょっと難しいとのこと。2曲目でちょっと間違えてたようだが、実力の9割ぐらいは出せたんじゃないだろうか。めちゃくちゃホッとした。親が。夜はまた20時ごろに娘を寝かしつけ、またそのまま自分も寝てしまう。26時ごろに起きて録画したJリーグの試合を見たり、Jリーグタイムを見たり、WOWOWドラマを見たり、明け方にリンクが飛んできたMCTNの音源を聴いたり。
■2018/7/23 
仕事終わりで有楽町へ。ヒュートラ有楽町で『クレアのカメラ』鑑賞。キネカ大森のもぎりさんこと片桐はいりさんも同回を観ていた。映画終わってからよもだそばでよもだカレーを食べる。帰宅してから『ルークケイジ』S2E7を見る。
■2018/7/24 
夜はNetflixで『疑惑のチャンピオン』を見る。スリーピンマンズのお題作品を律儀に見る自分、えらい。
■2018/7/25 
仕事終わりで立川へ。松屋でケイジャンチキン定食食べてから『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス』鑑賞@シネマシティ。帰宅してからスリーピンマンズのツイキャスを聴く。あべ君休み。『ルークケイジ』S2E8を見る。 
■2018/7/26 
午後半休で高田馬場へ。蔵之介でひやかけ+かしわ天+じゃこ飯。『メイド・イン・ホンコン』鑑賞@早稲田松竹。池袋へ。かるかやでスタミナうどん。ナイロン『睾丸』観劇@シアターウエスト。一番後ろの席だったのだけど前の席が人がすごい綺麗な人だなぁと思っていたら緒川たまきさん。僕よりぜんぜん年上なのですが信じられないぐらい若くて綺麗ですね。緊張。ほかにもクドカンや良々を客席で見かけた。後からケラさんのツイートで中村トオル、萩原聖人、平田の敦っちゃんなども観にきていたと知る。帰りながらジミソラジオ。帰宅してから『ルークケイジ』S2E9を見る。
 
■2018/7/27
フジロック初日。今年はYouTubeによるLIVE配信があるということで会社でこっそりストレイテナーのLIVEを堪能。これは良い。夜はチームの飲み会。自分はまったく呑まないので馬肉を腹いっぱい食べる。帰宅しながらフジロックのN.E.R.DのLIVE、帰宅してからPOST MALONEのLIVEを配信で。
■2018/7/28  
台風接近のためようちえんのデイキャンプという夏イベントが中止に。残念。ひたすら家で娘と遊ぶ。娘は何をやらかしたのか知らないが、現在TVを見ちゃいけないとママに云われてるようである。ひじょーに困る。しかたないのでスマホのネトフリで『皇帝ペンギン』を見る。スリーピンマンズの次回お題作品である。未見だと思っていたがどうやら観たことがあったらしい。感受性の強い娘は2、3回泣いていた。フジロックの配信ではイースタンユースと小袋成彬を見る。夜は娘の寝かしつけながら自分も寝てしまい夜中に起きる。WOWOW録画『江戸は燃えているか』を一幕だけ見る。オンデマンドにないんだよなこれ。
■2018/7/29 
台風は午前中で去ったようだ。近所の鈴木農園さんのイベント「1日だけのレストラン」に行く。野外でおいしいご飯をいろいろ食べる。ようちえんのお友達にも3人ぐらい遭遇。毎年可能であれば参加しているが、娘は年々楽しめるようになってきているようで何より。15時ぐらいから外出させていただき、移動中はフジロック配信のサチモスを見たり、block.fmのINSIDEOUTを聴いたり。渋谷に到着しVIRONでパンを買ったら店員さんがとても感じの良いメガネショートカットの子でびっくりした(VIRONの店員は感じ悪いのがデフォルトなので)。渋谷TOEIで『グレイ・ガーデンズ』二部作を観る。Gucchi'sの仕事には感謝しかない。けんす君が一部だけ観にきていた。帰りはフジロック配信でMISIA、帰宅してからceroのLIVEを見る。
■2018/7/30 
出勤しながらフジロック配信(再放送)でJack Johnsonを。この配信は来年もやってほしいし、なんなら他のフェスもやってほしい。メインステージじゃなくても良い。若い人とかフェスに行ったことない人は現地��行ってみたくなるだろうし、雰囲気もわかるだろうし。仕事終わりで新宿へ。カリコレ『ローライフ』鑑賞@シネマカリテ。映画観る前にかめやで天玉うどん。帰宅してから『江戸は燃えているか』の二幕を見る。 
■2018/7/31 
今週うちの会社にインターンの学生がきていて、僕の母校の学生なのでFreeな内容でMeetingをしてほしいとの依頼が。20年ぐらい後輩になるけど、就職に対する不安や、進学するかどうかの迷いは今もあまり変わってなさそう。正直な意見だけを話しておいた。英会話に出てから帰宅。Amazonビデオで『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』を見る。7月終わり。
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nagako · 7 years ago
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2018.05.31 世界禁煙デーと嘘の自傷
本日はWHOが定めた世界禁煙デーとのことで、そういえば私も禁煙してからそろそろ1年になると思って調べてみたら、なんと去年の5月31日に具合が悪くなって煙草をやめている。5月31日が世界禁煙デーであることをまったく知らなかったのだが、状況を斜視すると「世界禁煙デーにまんまと禁煙した人」となるのでなかなか気まずい。
こちらは、禁煙が先に立ち、のちに実行日が世界禁煙デーと偶然一致したという順序だが、反対に世界禁煙デー��先に立ち、「よし禁煙しよう」と決意・実行した者と同一視されてしまうようならば、尻の座りが悪い。だって世界禁煙デーに禁煙するなんて、あまりにもストレートすぎるだろう。その従順さ、素直さをもつ他者については何とも思わないが、自分がそれらを愚直にもつと考えると、いきおい気恥ずかしいような、胸苦しいような心地になる。
よって順番の違いを強調し、「たまたまだ」と主張したいところだが、その主張が事実でも、動機が内的な気恥ずかしさや胸苦しさの解消といった事実証明とは異なる自己都合をも含むとき、主張する相手やオーディエンスに伝わる事実の純度が濁ることがある。本筋とは違う何かが介在するほど、誤解の余地は広がる。ことの順序を有耶無耶にされたくないあまりに「たまたまだ」と主張する私の事実は、「たまたまを強調しすぎ」「言い方があやしい」といった印象に始まり、「本当にたまたまなのか」「嘘かもしれない」「本当はたまたまではないからこそ、主張して、噓からまことを出そうとしている」といった憶測と誤解と歪曲を経て、「世界禁煙デーに禁煙を開始したものの、ひねくれ者を自負するナガコはそのあまりのストレートさを恥じて、ことの順序を逆転させ、禁煙を始めたその日がたまたま世界禁煙デーであったとの虚偽を言いふらすことによって、気恥ずかしさを解消し、自分を慰めようしている。本当は、たまたまなんかじゃない」という歴然とした虚偽(「事実」以外はだいたい合っている)へと発展していく。
この印象・憶測・誤解・歪曲・虚偽の吹聴は、現在はSNS上の会話の特徴として定番化しているが、特にSNSやインターネットでの匿名投稿と限らずとも、実社会での人間の会話の中にも頻発する。ある人物に対して自分が受けたただの印象や感想や憶測を、ある人物の真実と容易に断定し、疑いもなく言いふらす者。自分の価値観で異なる価値観をもつ者を裁定したり、好き嫌いではなく良し悪しの判断を下したり、断罪したりする者。自分の視野こそが、ある人物の事実を歪曲し、矮小化している事実に無自覚的な者。ある人物を貶めるために、あるいは自己保身のために、故意に虚偽を吹聴する者。その場にはいない人物を悪し様に罵り、本人の弁明も聞かずに集団内での立ち位置を決定づける欠席裁判。そして根拠のない噂話およびその流布を楽しむおばさんの井戸端会議などなど。
(余談だが、噂話やゴシップや天気やテレビの話題などについて、駅や病院やスーパーや路上で延々と喋り続けるおばさんは、女子小中学生の頃からクラスの噂話やゴシップやテレビの話題などについて、教室や電車や通学路で延々と喋り続けてきた者たちが変わらず成長した姿であり、そのような女子小中学性も大学生も若者も男性も、年齢性別問わず、全員もれなく「おばさん」と呼んで差し支えないと私は捉えている。ちなみに、「おばさん」は中傷ワードだとする向きもあるが、それが単純に中年の年齢の女性を指す場合、中傷として機能しないと考える。当該する私は掛け値なく「おばさん」である。年齢至上主義のエイジズムの観点より、女性の加齢を侮蔑する意図を込めた場合は、中傷となる。というよりも、中傷するために誕生したワードが「おばさん」であるといえる。上記のおしゃべりな「おばさん」については、「おしゃべりに熱中しているうちにどんどん声が大きくなり、うるさくて迷惑」という特性がある。その迷惑行為への非難と嫌悪を込めて、故意に「おばさん」と呼称しているので、私には悪意と侮蔑の意識がある。よって、当該者は、私に「おばさん」と中傷されたと認識して良い。)
人の口に戸は立てられぬというが、意識的・無意識的と限らず人間の放つ言葉はまさしく野放途で、他者を中傷し、貶めることが可能なのだから扱い方には注意が必要だ。それは私が、事実性に過敏で、物事を記す・話す際の切り取り方の角度や視点の置き方に慎重なライターだから、ではない。他者への悪感情は、ときに自分の認識不足や勘違いやコンプレックスの反映を含む。よってその感情を露呈にする際には、「他者が悪い事実」と「他者を悪いと感じた自分の解釈」のどちらを訴えるか、精査しなければなるまい。他者の悪さを断定して伝達したい場合は、「他者が悪い事実」の客観的な証拠を用意したうえで、自分の解釈ではない旨をも証明しなければならない。そうしなければ、「他者が悪い事実」が本当であろうとも、個人差のある解釈や程度の問題に回収され、事態は有耶無耶にされてしまう。場合によっては、自分の不足や誤解や偏見が丸出しとばかりに露呈して、「そう解釈するおまえが悪い」「それは相手の問題ではなくおまえの問題」「相手は悪くない」と悪感情をぶつけられる立場に転換されてしまう。
(たとえば上記「おばさん」について。迷惑だと非難するならば、私は当該者の声の大きさが「自分の耳の感じ方の程度」や「迷惑と感じる個人的な度合い」ではなく、おしゃべりの実際のdB数値を騒音を測るアプリで計測し、「日常生活では60dB以上がうるさいと記したデータ」などを根拠に「うるさい」と主張する必要がある。この用意がなく、実際に騒音計測したわけでもない私の「うるさい」「迷惑」は、個人の感じ方の域を出ず、客観的事実とは言い難い。よって「おまえの耳がおかしい」「言いがかり」「おしゃべりする相手がいないかわいそうな人だから、楽しそうにおしゃべりしている人に嫉妬している」などと侮蔑の言葉を返されても仕方がない。)
また、人を馬鹿という者が馬鹿との言説もあるが、これもまさしく正しい言い分である。人を指して馬鹿と断定する際にも、事実性の証明を要する。馬鹿が、テストの点数が赤点だった者を指す場合、その是非はさておき、赤点の者を馬鹿と事実認定することに相違はない。が、より抽象的に、クズで卑怯で使えない愚鈍な人間のような、定義が曖昧で個人の解釈の幅も広い印象を根拠に、他者を馬鹿と認定することはできない。馬鹿は、騒音のdBのようには測れない。この点を理解しない馬鹿が、人を容易に馬鹿という。そして本物の馬鹿は、「おまえは馬鹿だ。なぜならならば」以下滔々と説明を受けても、言葉の読解力がないので理解できず、傷つきもせず、馬鹿といった方が徒労に終わるという非常に馬鹿馬鹿しい結末を迎えると相場は決まっている。無論、他者を指して根拠なく馬鹿を連呼する私も、馬鹿である。
このように、人に向けた言葉は、事実性の立証や、誤解・歪曲を極力避ける誠意がなければ、十中八九、ブーメランとなって己の背中を刺す。人に馬鹿と言ったら、馬鹿と言われる、悪口を言ったら、悪口を言われる、といった言葉の意味合いのこだま方式のみならず、言葉をいい加減に扱うこと自体が自傷行為である。俗に、嘘つきは泥棒のはじまりというが、私は自殺のはじまりと説きたい。事実の歪曲や虚偽の吹聴は、他者を傷つけるが、嘘は必ず、自分を傷つける。言葉を吐くことによって溜飲を下げたり、すっきりしたり、面目を保ったりしたところで、自尊心はひび割れを起こしている。そのひびに気づかない者、ひび割れの痛みを感じない者が、平気な面で嘘を吐く。日頃から自尊心を蔑ろにしているため、彼らはひびにも気づかない。
このところメディアは、国会での虚偽答弁、官僚の嘘と忖度、総理以下閣僚の下手な言い逃れ、日大の保身会見などなど、言葉を軽率かつ粗末に扱う者の会見や答弁を連日に渡って報じている。その不誠実さ、説明責任の放棄には怒りを覚えるが、なによりいわゆる権力者や国や社会の中枢にいるエリートが「平気な面で嘘を吐く」、つまり自尊心を蔑ろにしている状況を前に、息の詰まるような絶望を覚える。人間は全員もれなく自尊心を持つ。それを蔑ろにする者あるいは持たない者は、非人間である。彼らは、出世や金や厚遇を得るために人間をやめたのだろうか。忖度可能で、事務的に嘘もつける有能なAIか何かだろうか。権力者を保護する一方で一切の発展性を生産しない空疎な説明が、自動発信される不誠実な言葉が、日本を席巻し、その実空回りしている様はさながら虚構である。
しかし、嘘に現れる言葉の性能という意味では、低能といえる。なにしろ嘘が嘘だとバレている。証拠も揃っている。嘘とは、概ね人を騙すために利用する偽りを指すが、騙せていないではないか。嘘が、嘘であるとばれてもいいから、報道事実を否定するという規制事実をまずは作っておくことが大事、とする戦略を実行しているケースも散見されたが、それが戦略であり、言葉を利用した事実捏造の確信犯であるという事実も、国民にバレている。この戦略がまかり通れば、彼らは罪を逃れる。自尊心を自傷し、人間をやめた者が逃れ得る事実に、我々は打ちのめされる。
問題の核心に触れないよう、わざと焦点をずらしていく話法を、事前にスピーチライターや弁護士に仕込まれている状況も、丸出しの勢いでバレている。スポーツ関係各位もまた言葉の扱いが粗雑すぎる。肉体を扱う一方で言葉の扱いは苦手であるとは言わせない。上手いこと言い逃れをする気満々の「用意された言葉」を吐く者は、言葉を利用した事実捏造の確信犯である。惜しむらくは、不慣れなスピーチにうっかり素直な心情がもれ出てしまい、それが用意された言葉との矛盾を引き起こすケースである。ときに素直さは、理屈の整合性を欠く論拠となる。スポーツ界のトップが通常モードの不遜な態度で会見に臨んだ結果、報道にはもれなく不遜な言動が映る。言い逃れが、純然たる言い逃れ以外の何物でもない言葉として、国民全員の耳目に触れる。
丸出ししてどうする。記者会見を見る国民の目線や現代社会の人道感覚を慮れば、前時代的で非人道的で内向きでハラスメント満載で自浄作用をもたない傲慢な価値観を丸出しにするなど危機管理能力の低さを露呈するばかりの失策中の失策である。それを失策と気づかない連中が、丸出しスタイルを敢行。前時代的で非人道的で内向きでハラスメント満載で自浄作用をもたない傲慢な価値観を丸っと晒しているわけだから、あまりにもストレート、愚直なまでに素直である。そもそも嘘をつく才能がないのだろう。嘘の能力者は、人を騙すのみならず自分をも騙せる。だから大切な自尊心にひびが入っても気づかない。翻って嘘の才能のない者は、自尊心の痛みに気づく可能性があると考えられる。しかし、気付いたところで、ひびは、修復しない。その痛みを、自傷の自覚を、死ぬまで抱えて生きていくこととなる。その払拭されない多くの苦しみが、今、空疎な言葉とともに日本を覆っていると想像し、息の詰まるような胸苦しさを覚える。
と、ここまで書いて、ようやく「そういえば世界禁煙デーに禁煙するなんて、あまりにもストレートすぎて恥ずかしい」と書き出してから、大いに話が脱線している状況に気づいたのだが、どうしたものか。なぜ私は、権力者どもの嘘と言葉の扱いについてつらつら記しているのか。単純に「禁煙1周年、でかした」と書いて自分を褒めてやりたかっただけなのに、なぜ、数多の会見や答弁を指して丸出しストレート被せを行っているのだろうか。
なんとなく思いを綴る中で、根拠なく人を嘘つき呼ばわりしたり、馬鹿と罵ったりする私もまた、言葉および説明を蔑ろにしている者として認定されてもおかしくないと考える。故意に言葉を軽視せずとも、個々に異なる解釈や価値観をもつ自他が、言葉をもって交流する際、接触反応が起こり、それが思いもよらぬブーメランを発生させる可能性も否めない。
いっそ、自分の言葉は、どうあっても、自分を傷つけるものであると、懐疑的に定義づけてしまっても良いかもしれない。だからこそ、丁寧に、恐れながらも誠実に。他者の話をまずは聞いて、伝わりやすい言葉を選ぶといったエチケットなど二の次三の次で、まずは他の誰でもない自分のために、健全な自尊心を育むためにも、自分の言葉を慎重に扱うべきだと心得る。
そんな私は、世界禁煙デーに「たまたま」禁煙を始めたと主張したところで、「本当にたまたまか」と疑われたり、「嘘だ」と歪曲されたり、自分の性格を含めた憶測を許したくないあまりに、誰にも「たまたま」と主張できないのであった。徒労である。
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1063una · 7 years ago
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「この作品とともに卒業できるのは本当に幸せ」北原里英、AKBグループ卒業発表後初の映画初主演作『サニー/32』の衝撃を語る|Abema TIMES
 この春、AKB48グループから卒業するNGT48のキャプテン"きたりえ"こと北原里英。その北原が主演を務める映画『サニー/32』が2月17日に全国公開される。物語は北原演じる藤井赤理が24歳の誕生日にピエール瀧とリリー・フランキー演じる誘拐犯2人に誘拐されることから始まる。暴行・監禁を受け、奇妙な共同生活を送るうち、平凡な中学教師だった赤理が"覚醒"し…というものだ。『日本で一番悪い奴ら』、『凶悪』などを手掛けた白石和彌監督らしく、激しいセリフ回しや、バイオレンスも目白押し。北原も文字通り身体を張った演技で"白石組"に挑んでいる。
 アイドルとしてデビューしてまもなく10年という節目を迎えた北原に、本作に懸けた思い、そして卒業後のことについて話を聞いた。
■発端はプロデューサー・秋元康氏のサプライズ発表
きっかけは2014年11月だった。『AKB48のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)の番組内で、秋元康氏に「北原の主演映画を来年作る。と突如発表された。思わず「え?ウソ!?ホントに?泣きそう!」と絶叫した北原。しかし企画がすぐに実現したわけではなかった。
北原:秋元先生に「北原はどんな映画に出たいの?」と聞かれて「『凶悪』みたいな作品に出たいです」と即答しました。ちょうど白石監督の『凶悪』を観た直後だったんです。もともと"重め、暗め、エンタメ"な作品が好きなんです。本当に重い話で、恐ろしいシーンも多いのですが、瀧さんとリリーさんのキャラの強さが心に残っていたので。そしたら、あれよ、あれよと話が進んでいって、本当に白石監督の映画に出演することに…こんなに事になるとは思いませんでした(笑)。「えっ?本当ですか?私で大丈夫ですか?」みたいな感じでした。
それから白石監督ともお話させていただいて、「アイドル映画を撮りたい、しかもNGT48の本拠地である新潟で撮りたい」とおっしゃって下さって、とても嬉しかったです。でも心中ではAKB48グループの活動は稀にお話が流れてしまうこともあるので・・・(笑)、半信半疑でいました。仮に企画が実現しなかったときでもショックが大きくならないよう、あまり期待はしすぎないようにしようと。
実際に白石監督もお忙しそうで、私も本格的にNGT48としての活動が始まったので、形になったのは2年ほど経ってからです。その間、お仕事のことで悩むこともありましたし、「こんな私に映画なんてできるのかな?」という不安も出てきました。でも、NGT48のキャプテンを任されたことで自覚も生まれましたし、むしろ時間が経ってからで良かったと思っています。もともと活動10周年の今年を一つの区切りにしたいという気持ちがぼんやりあって、それを明確にしてくれたのもこの映画です。
最初に脚本を頂いた時は共演の方のお名前もまだ分からずだったので、不安しかありませんでした。激しいシーンも多いですし、物語の中盤以降では性格が変わり、カリスマ性が必要になってくる役なのですが、もともと私は人の上に立つのが苦手です。セリフを読む練習をしていてもピンとこなくて「本当にできるのかな」という焦りばかりでした。まずは恐れずに大声を出す練習から始めました。そのうちに瀧さんとリリーさんが共演してくださることがわかり、一気に作品のイメージが湧いてきました。
■「4回、死ぬかと思いました(笑)」
撮影は昨年2月、雪が降りしきる新潟で行われた。暴力を受けるシーン、監禁されている小屋から脱出、雪山を素足で逃げるシーン、そして、後半では逆に共演者を激しく攻撃するシーン。アイドルにとっては過酷な撮影の連続だったのではないだろうか。
(C)2018『サニー/32』製作委員会
北原:4回、死ぬかと思いました(笑)。本当に辛かったです。でも、出しきらないことで後悔はしたくないし、「やれ」と言われたことは断らないぞと、覚悟して臨みました。だから躊躇は無かったのですが…。最初の方に二階から飛び降りるシーンがあり、映像で見る以上に実際はスリリングな場所でした。ただ、どうしてもまだ甘えがあって、「スタントの方がやってくださるんですよね?」と聞いてはみたところ、結局、自分でやることになりました(笑)。「自分で全部やるんだ」と、そこで覚悟が決まりましたね。
それでも雪山のシーンの撮影では生きることを一度諦めました(笑)。撮影では足跡一つ無い雪景色を撮るために、周りに人がいないところに一人。遠くのカメラに向かって歩くのですが、一歩踏み出すごとに腰まで雪に埋まって、体力もどんどん奪われてしまって。最後は歩けなくなりました。本来はカットがかかるまで絶対に演技は止めてはいけないのですが、もう極限状態で…。撮影スタッフの方から聞いた話だと、白石監督は私が諦めるその瞬間を撮りたかったようで、おそらく本番中はカットをかけずにニヤニヤしながら見ていたのではなかと思っています(笑)。
(C)2018『サニー/32』製作委員会
でも、過酷な環境に投げ出されると、不安はありながらも、とにかくやらざるを得ない。もちろん自分としては最初から100%全力を出しているつもりだったのですが、そういう状況そのものや共演者・スタッフの皆さんに助けていただいて、ようやく撮影を終えられたという感じです。
とくに白石監督には身を任せていればどうにかなる、安心して、信じて進もう、という気持ちでした。経験の少ない私がやりやすいよう、ほぼ順撮りにしてくださいましたし、新潟のロケ地でほとんどの撮影が完結したので、集中力も途切れないまま臨む事ができました。スタッフさんたちが気を利かせて用意してくれた夜食を毎晩食べていても太らず、どんどん痩せていくほどです(笑)。最初の方は、素朴な田舎の女の子のように顔が真ん丸だったのですが、それがどんどんシュッと洗練された感じになっていきました(笑)。共演者の方にも「最初と顔付きが違うね」と言われました。赤理の変化と私の成長がうまくリンクしているように思います。
(C)2018『サニー/32』製作委員会
でも、私だけじゃなくて、全員が一回は死にかけていますからね(笑)。"白石監督対我々"みたいな雰囲気がありました。待ち時間に瀧さんとリリーさんと「監督のニックネームを考えよう」という話になり、見た目が小動物系で可愛いらしいので、出てきたのが"サディスティック・ハムスター"か"鬼畜ドングリ"。ピッタリでしょう(笑)?
■「娯楽はしりとりだけ」
物語の後半、極限状態に置かれた赤理が"覚醒"、“逆転”を始めるシーン、そして、尊敬しているという同世代の女優、門脇麦との共演シーンは、"アイドル"北原里英がこれまで見せたことのない表情の数々がとても印象的だ。
北原:自分の中でも、あの覚醒シーンの撮影が"Xデー"でした。その日が来るのが本当に怖くて、怖くて。リリーさんには毎日のように優しい言葉を掛けていただいて、とても助けていただいていて、撮影が終わった後「すごく良かったよ」とねぎらってくださり、とても安心しましたね。そんなリリーさんが包容力あるダンディなおじさんなら、瀧さんは5歳の少年みたいな(笑)。正反対の素敵なおじさん二人で、どっちにも癒やされていました。コンビニすらとても遠い、周りに何もないところで撮影していたので、娯楽は"しりとり"だけでした(笑)。
撮影の途中からは、瀧さんが演じる誘拐犯の柏原が愛おしく思えてきまして(笑)。一緒に食事をしているシーンの撮影では、瀧さんがきっかけを忘れてしまって、どこか家族ドラマのエチュードをやっているような時間が流れて、本当の家族なのかなという感覚になりました。その空気感が、画面を通じても表れているように思います。
麦ちゃんは年下ながら尊敬している女優さんなので、撮影の合間にお話もできて、ますます大好きになりました。撮影後半からの参加だったので、本当は先に撮影に入っている私が現場の空気感を伝えなければならないはずが、麦ちゃんのお芝居によってむしろ私が作品の世界に連れて行ってもらいました。画面越しに会話する形での撮影でしたが、それでも向こうの熱量が伝わってきて、負けないようにしなきゃ、と自然と力が入っていきました。涙を流すのが苦手な私が、麦ちゃんの演技を見ていたら、自然に涙が出てきました。
■「"アイドルが主演"という先入観のせいで敬遠する方もいるだろうな」
これまでの活動を通じて、さまざまな経験を積んできた北原だが、今回の撮影を通じて、様々なことを学んだという。
北原:完成した作品を観るとバランスが絶妙で、これまでの白石監督らしい要素に加えて、アイドル的な要素も入っていたんです。さすが白石監督だなと思いましたし、これもアイドル映画の一つの形なのかなとも思います。「やっぱり自分はアイドルなんだな」と思いました。出演している方々や監督の名前を見ていただければ白石組の最新映画作品だとわかると思うのですが、それでも"アイドルが主演"という先入観のせいで敬遠する方もいるだろうな、と思うとどうやってそれを払拭していけるか、今もずっと考えています。
実は同じ新潟県内での撮影だったNGT48『青春時計』のMV撮影とのロケが重なっていたのですが、スケジュールがとても過密な時期で、正直なところMVの撮影の方はあまり記憶がないんです(笑)。映画の撮影が終わって、あぁ、そういえばMV撮ったな、みたいな感覚です(笑)。NGT48のメジャーデビューシングルだったので、心配になりました。でも見てみると凄く良い感じで、映画の充実があのMVにもうまい具合に表れたんじゃないかなって思っています。
これまで私は、自分を無にして誰かになりきることがお芝居だと思っていました。でも撮影の時間を重ねるほど、役者さん本人の性格が少しずつ役に現れて来るような感じがして。それも含めて役を魅力的に演じられなくては駄目だなと思いました。撮影の途中、白石監督が私たちに「今回の映画は本当にキャストがいいよね」とおっしゃったんです。登場人物全員と、それを演じる役者への愛情を感じて、すごく嬉しかったです。
■「この作品とともに卒業できるのは本当に幸せなこと」
すでにグループを卒業していった先輩や、同時期に卒業する渡���麻友、そして目覚ましい活躍を見せている川栄李奈など、演技の道を目指す仲間も多い。年明けにはソロ写真集の発売、本作の公開、そして卒業が控える。
(C)AKS
北原:川栄の活躍を見て「すごいよね〜」という話を現役メンバーと話していましたし、『サニー/32』の撮影について明確に不安を口にすることはないものの、卒業後のことについて「どんな感じですか?」と卒業生に聞く事はありました。もちろん『サニー/32』は私を代表する作品になりましたし、棺桶にも入れたい気持ちなのですが、ここで終わってはいけないという思いもあるので、あえて「人生の一本です」とは言わないほうが良いなと。もちろん、自分のAKB48人生の中では一番の事件だし、間違いなく一番のチャンスだと思うので、この作品とともに卒業できるのは本当に幸せなことだと実感しています。
これからは映画・ドラマ・舞台などジャンルに問わず様々なお芝居に挑戦していきたいと思っています。昔は、いつか学園ものにも出てみたいという気持ちがあったのですが、気づいたら26歳になってしまったので、大人の��愛映画に出たいなと思います。昨年末はドラマ『陸王』にハマっていて、役所広司さんに毎週泣かされていました。役所さんも白石監督の『孤狼の血』に出演されているので、私も「白石組」のレギュラーになれたら、ご一緒できる機会がいただけたらと思っています。
NGT48の山田野絵ちゃんは「5回観に行きます」と言ってくれたので、あとでチェックします(笑)。「怖いですか…?」と聞いてくれる子には「大丈夫だよ」と言っています。自分では麻痺してしまって何が怖いのかわからなくなっているので(笑)。もうNGT48のメンバーは全員必修です!
(秋元先生からの感想コメントは)そういえばまだ頂いていません(笑)。映画の撮影前に、「よろしくな」とは言われたものの、どうなっているんだろうと心配しているはずなので、早く観ていただきたいです。先生の期待を上回る作品になっていると思います。
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