#ス���ジオれもんの木
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anouta-jp · 6 years ago
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トレンディ歌謡に抱かれて 第36回:久米大作「水の東」
夏から続いたシティ・ポップのイベント~書き物がひと段落しました。色々聴きたいヨクバリ派の自分としては、一定期間、同系統の音楽について考え続けるのはやはり想像以上に体力を要したようです。しばらくは音楽を忘れ、ただ風に吹かれよう...と、どこか気怠い気持ちで秋のヴェランダにぼんやりしているわけです。そう、言うなれば亜蘭知子「秋」(https://g.co/kgs/f3ZwLa)のような、 火サス系バラードの切なさ...とまたまたレココレ増刊号掲載盤の話に強迫観念的に戻ってしまいそうなので、きょうはチョット気分を変えて.....
初聴以来15年以上にわたって、私の個人的「季節の変わり目」ベスト楽曲はアズテック・カメラの「スパニッシュ・ホーセズ」(日本版シングルは9月発売)です。だって何とも馬肥ゆる感があるじゃない。ロディ・フレイムのクリーンな持ち味と坂本龍一の非西洋系のエキゾな打ち込みとメロディ、更に当時のナインティ―ス初頭なハイファイ・エコー感がいっしょくたになった、音的にはまさにトレンディの賜物な「秋」楽曲。この感じ、同時代のフュージョンやニューエイジ盤でもあったりしないかしら?そう思い探したら...あったんですね。というわけでご紹介しましょう。
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Release : 1993.11.25
 Keyboards,piano : Daisaku Kume
Percussion : Kiyohiko Senda, Iki Levy
Drums : Peter Levy, Peter Erskine
Bass : Dave Carpenter
Guitar : Hitoshi Watanabe
Flute,Quatro : Pedro Eustache
Violin : Asuka Kaneko
Vocal : Kishiko Nagano, Shigeri Kizu, Yoko Tami, Sayuri Kume
久米大作の93年作品です。プリズム~初期スクエアのキーボーディストとしてフュージョン畑での活動後、トレンディ期以降はサントラやCM仕事(この曲が好きすぎてイベントでかけました→ https://www.youtube.com/watch?v=5nd-DWZaE9U)、渋谷系楽曲などのストリングス・アレンジで大活躍をしているのはご承知の通り。ソロ作品は「セラ」名義などで80年代後半よりリリースがありました(こちらも”早すぎたモンド”と呼べるデジタルエキゾ盤なのでぜひ聴いてほしいです)が、本人単独名義では初となるオリジナル作品がこちら。セラでの細野的エキゾムードを坂本的アジアン・テイスト方向へと近づけ、そこに生音志向を加えて開放的に仕上げています。こう書くだけでも件のアズカメ盤との爽やかな近似性がうかがい知れるでしょう。全編ほぼインストながらCMタイアップなども数曲あり、一貫して耳によく残る”美メロ”盤となっています。
 1.     CLOSE TO LOVE
(作曲・編曲 久米大作)
いきなり「アジエンス」みたいな二胡風シンセ・メロディでスタート。ビートは若干ハウス風味の打ち込みでグイグイきてかっこいいです。合間のオリエンタルなボーカルパートは日本語の逆回転だそう。
2.     ASIAN EYES
(作曲・編曲 久米大作)
昔やってたCM「ナンパオ」のようなオリエンタル・サンプルボイス、よく��くフレットレス・ベース、そしてザクザクしたタッチで奏でるキーボードのメロディがトレンディ・アジアンど真ん中な仕上がりです。合間にオキナワン・コーラスもあってかなりのキョージュ近接世界。富士ゼロックス”流暢”のCMソングでした。
3.     再見
(作曲・編曲 久米大作)
乾いたパーカッションとタブラ類が囲む中を尺八っぽいリードなどが切り裂いていくミディアム、と言いつつやはりビートはアッパーな鳴りチューン。ヒーリング感ましましなコーラスは奥様の久米小百合。そう、「異邦人」の久保田早紀さんです。
4.     水の東
(作曲・編曲 久米大作)
パーカッション類が美しく鳴るミディアム。キーボードのうるおい音飾がかなりスパニッシュ・ジョイントを思い起こさせます...が、途中からは木津茂理らのオリエンタル・コーラスがかなりエモーショナルに迫ってきて、一筋縄にはいかない独自世界へと誘います。
5.     THE FATHER TO FATHERS
(作曲・編曲 久米大作)
荘厳な雰囲気のニューエイジセンスなピアノバラード。金子飛鳥のバイオリン・ソロが奥行きを深くさせていますね。
6.     BEYOND THE GATE
(作曲・編曲 久米大作)
こちらは「ニオ・ジオ」?(なんでもキョージュで喩えて申し訳ありません...)ビートとベースがキビキビと「都市的」な響きをしていてカッコイイです。これもパソコンのCMとかで使われたらドンピシャですね。
7.     INTO YOUR HEART
(作曲・編曲 久米大作)
ファッション・ショーのために書かれたものを原曲としている、アジアン・プログレ風楽曲。ここでも金子飛鳥のストリングスが東洋旋律を実に流麗に響かせてくれます。
8.     THE LOST FIELD
(作曲・編曲 久米大作)
原始ヴェイパーな響きもある、エコー感の強いクリアシンセ・ミディアム。中近東への想いも加味されているそうで、パーカッションや鈴系の音がたしかにそうした響きを持たせていますね。
9.     WORDS FROM THE DISTANCE
(作曲・編曲 久米大作)
前曲までの穏やかなムードから一転、ニュース報道のサンプリングのような逆回転ボイスがどこか緊張感を孕ませている楽曲。後半はこのボイスが捩られ、かなりアヴァンな響きとなります。と言いつつメロディをなぞるピアノはクリアなトーンで、そこがイイ。
10.  SONG FOR THE LILY
(作曲・編曲 久米大作)
小ピアノソロで穏やかに幕切れ。「隣のネコ」というフジテレビ番組のテーマソングだったそう。
※1、2、9曲目を以下から試聴できます
h ttps://soundcloud.com/anouta-wkym/36-1
以上10曲でした。穏やかな秋晴れにピッタシな、うるおいアジアンチューン満載のこのアルバム。ぜひこの季節に手に入れてみて下さいね。
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