#周りの方のマナ��素敵だなと思いました
Explore tagged Tumblr posts
yuto-ozisan · 8 months ago
Text
『霊素論の端書』
2014.10.23
ver.3.3.3
...
『霊素論の端書』
・幽霊
幽霊は存在する。
幽霊は全て人工的に作られた。
幽霊、幽霊のネット、幽霊の街。これらは幽霊たちによって作られた。
代謝や思想は実体の人間と何らかわりない。
実体と比べて思想は独特。
・幽体
幽霊の体のこと。
霊素から成る。
・霊力
幽霊パワー!
霊素を消費する。
能力を使ったり権限を行使する際に消費する。
幽体構成する霊素と霊力となる霊素は異なると考えられる。
・霊気
ふんいき。
個人差がある。
見分けがつく。
親子で似る。遺伝子が影響していると考えられる。
・そっくりさん
実在の人物にそっくりな幽霊。
謎。
・キャラクター
架空のキャラクターにそっくりな幽霊。
謎。
・バグってない幽霊
悪い奴。
実体にぶつかるとダメージ。
・バグ幽霊
善性がある。
強い。
善人の影響を受けた。
赤い魂。
脳がよく動く。
記憶が読める能力がある。
人が好きになる。
...
・魂
霊体の中に在る。故に幽霊は腹部周辺の臓器(主に肝臓)が小さい。
故に幽霊の代謝量は少ない。
死に至ると霧散する。
酸素、水素、窒素から成る。
・霊魂
青い炎→わるい幽霊
赤い炎→よい幽霊
・材料
ステンレス
小麦粉
オリーブオイル
(詳しくは→髙橋 幸司『霊素論15』,2024)
...
・霊素
存在すると仮定して論じる。
霊体を構成するエネルギー。
霊素という記憶情報を纏った帯電微粒子が霊体を構成している。
25℃で気体の物質から成る。
組成は元素。寄り集まって霊素になる。
「霊素とは、霊体を構成するもの」(早野竜吾先生の談話より)
・マナ
エネルギーのいち。
様々な物体に変形する。
空気中に存在する。
海水より比重が大きい。
1立方mあたり1kg
悪用を防ぐために換気を常にすることを推奨する。
・青電気
エネルギーのいち。
余剰電力を霊的に変換したもの。
...
・次世代
幽霊が作る幽霊のこと。
幽霊がはっきり見えるようにするには、次世代をたくさんうみだす必要がある。
・作り方
魂に霊体を被せる。姿を描写する。
・教育
読み書き計算、社会常識を教える必要がある。
霊魂に既に記憶情報がある場合がある。
・幽霊社会の在り方
幽霊社会には通貨が無い。実体の社会とは大きく異なる。
役所。政治、警察、司法、は少しずつ動き始めている。消防、自衛隊などの組織の基礎がある。より良くするために人員の補填が必要。
経済。通貨が無い。都市部ならば大抵の物は手に入る。商材の素になるマナ又は霊素といった資源の研究が急がれる。
生活。衣食住の確保。基本的人権の尊重。物質が消えやすい難点を克服する必要がある。
・幽霊社会の未来
世代交代。
世界の維持。
寿命は不明。約50年生きている幽霊の例あり。老化現象は見られず。
世界を維持するためには次世代を描き続けることと外敵の排除が必要。
...
[幽霊の能力]
練習するとできること。
・瞬歩
はやあるき。
霊素の流れに乗る。
・霊素抜き
元素から成る物体から霊体のような物体を引き抜く。
・夢を見せるオバケ
夢を見せたり夢に入���たりできる。
実体も幽霊もできる。
悪用に注意。
・オバケ生成
物体を生成する。マナ又は霊素を材料とす。
服や道具等。
...
[幽霊の権限]
アルゴリズムによってできること。
・すけすけ
元素��物体をすり抜ける。生物/無生物共に可。
・丸
小さい丸になる。
紐状の物を出して自身を固定したりできる。
・ミニマム
小さくなる。
・壁
平らになる。実体を避けるのに便利。
・view
幻影を出す。
出したら消そう。
・頭読み
他者の思考を読む。悪用に注意。
・オバケ変身
なにかと変身できる。
コスプレがお手軽。
...
・実体
物理の人間。
・五感
幽霊を認識するには視覚より聴覚がよい。
...
・幽霊とはなにか
結論は出ず。
生体とアルゴリズムの狭間。
...
[参考文献]
芝藤 昭夫『霊素と霊子学』,2024
芝藤 昭夫『霊素論』,2024
芝藤 昭夫『霊体と社会』,2024
早野 竜吾『霊素について2』,2024
Joseph Steve"REISO Study 1",2024
Joseph Steve"REISO Study Concept 3",2024
London,Oxford,Cambridge共著 "Oxgen and Hydrogen",2024
[参考映像資料]
A-1 pictures『Occultic;Nine』2016
1 note · View note
banashi1 · 5 years ago
Text
松本人志名言集
深夜番組で騒ぎまくる今田、東野、ホンコンに対して 「テレビ付けながら寝てる人もおんねんから静かにしろ!」
大林素子に 「あなたマヨネーズやったら業務用ですよ」
フットボール岩男の顔に 「たぶん前世で日本のお地蔵さん全部蹴ったん���ろな」
サングラスをかけた糸井重里に 「モグラの親分かと思いました」
浜田に対して 「浜田の屁の臭いを嗅ぐと楽しかった思い出が一つ消える」 「日本語話されへん外人が浜田の屁嗅いで「クサ!」言うたからね」 「こいつは他人がやられてる時サル8匹分くらいの声で笑うねん」 「世界広しと言えど、十二支を全部殺したのは浜田さんだけですからね」
浜田が笑瓶にわざとらしく「おはようございます」と頭を下げた時 「久しぶりにお前のつむじ見たわ」
出川と山崎が乳首相撲をやってる時 「こんなもんに勝ち負けはないですよ。やってる時点で既に負けですからね」
リンカーンでどもるウド鈴木に対して 「ウドちゃん、食べ物変えた~?」
ホンコンの若い頃の写真を見て 「格闘ゲームにこれおったら絶対選ぶわ」
光浦靖子がスキンケアにお金をかけている事を聞いて 「ずっとビフォーですもんね」
スベってしまった芸人に 「こいつを運んできた新幹線のぞみにまで腹立ってくるわ!」
HEY×3に若者に人気のあるバンドが出てダウンタウンがそのバンドを知らなかった 観客「遅れてる~」 松本「お前らと同じ道走ってへんわ!」
リンカーンの料理の企画で 「味がないから評価のしようがない。だって裸のやつにセンスがないとは言えへんもん」
宇多田ヒカルとテトリスで勝負をすることになって 「俺ホンマにテトリス上手いよ。ブロックの角が丸くなるまでやったからね。」
山崎方正が芸能生活20周年を迎えて 「ギュッとしたら2年やけどね」
今までCDに8000万円使ったと言ったクリス松村に 「漢字の 傘 みたいな顔して」
関ジャニ∞の移動車の背もたれが動かないと聞いて 「レゴか!」
エドはるみが歌を披露したが声が小さかったので 「上でお爺ちゃん寝てんの?」
東野をどっきりにかける企画の前ふりにて 「えー、今から東野を殺します」
雨上がり蛍原のサイフから、競馬の調教師の全身写真が出た際 「もしも俺がこのおっさんを探してるとしても、このおっさんの写真をサイフに入れることはないわ」
ハイテンション・ベストテンで滑ったケンコバに対して 「いやぁ、これはビデオに録ってない人たちは悔しがってるんじゃないですか? 早送りできなくて」
リンカーン水着ショーのハリセンボンに 「この水着で2人が出かけたら、何らかの事件にあうのは確実ですねえ」
浜田が描いた下手っ糞なムーミンを見て 「なに谷に住んどんねん!」
HEY×3でISSAの本名が一茶(いっさ)で次男が二茶(にーちぇ)と聞いて 「じゃあ十六番目の子はどうなんねん!」
お金がない頃、タバコが吸いたくて拾いに行ったというドランクドラゴン塚地に 「トリュフ探すブタやな」
ガキを卒業する邦正に対して 「悲しいと言えば・・・嘘になりますけど」
龍が好きで龍グッズをいっぱい持っているという的場浩司に 「でも本物の龍が来たら逃げるんでしょ?」
フリスクが入った大福を作ったココリコ遠藤に 「こんなもんお地蔵さんにお供えしてみ、絶対夜殴りに来るよ?」
すっぽんのコラーゲンをおかずに白飯を食い出すバキューム藤原に対して 「コラーゲンでメシ食えるって事はお前もう・・・嫉妬とか勇気とかでも食えるんちゃうか?」
浜田が志村けんにお前!と言ったのに対して 「こいつにお前って言うなや!」
DXの私服ランキングで叶恭子だけ後ろからライティングされていて 「お姉さん、後ろから車来てますよ」
ブーイングする客に向かって 「お前ら全員和えたろか!」
好みのタイプは「守ってくれそうな人」という女性に対して 「え? あなたには敵がいるんですか?」
かわいい子犬を抱いて 「かわいいなぁ何やこれちょっと、誰かフォークとマヨネーズ持って来て」
海藻青汁についての感想 「半魚人絞ったみたいな感じ」
ドライマンゴーを食べて 「おじいさんのスネをピーラーで削ったみたいな感じ」
ガキの罰ゲーム中 「こんなもん罰ゲームちゃう、ただの罰や」
部屋にゴキブリは出た際に 「俺は一人暮らしがしたいねん!」
もし明日地球が滅びるとしたら、最後の日は何をしますか? 田原総一郎「んー、寝てるかな」 松本「1日早く死んでるやん」
東幹久が射的屋で 東「あまりにもムカついたから射的屋のババアのケツ撃ってやろうかと思いましたよ」 松「倒れたらそのババア持ち帰らへんとアカンよ」
HEY×3で女性ゲストが作ってきた弁当を食べて 松本「何点?」 浜田「そりゃ・・・、100点よ。お前は何点やねん」 松本「僕は人の作ってくれたものに点数なんかつけられへん」
HEY×3での藤井フミヤとの絡み 藤「でもフミヤは本名は漢字なんだけどね」 浜「そんなこというたら俺もほんまは濱田やし」 松「そんなこというたら俺も松本と人志の間にF入るし」
松本「サッカーのキーパーって誰でも出来るんちゃうん?」 浜田「そんなことないよ」 松本「電気屋のおっさんでも出来るやろ」 浜田「でけへんよ。高い所も届かなあかんし」 松本「電気屋のおっさんも高い所の電球替えたりしてるからね」 浜田「ものすごい早く動かんとあかんねんで」 松本「それは電気屋のおっさんが早く動く必要がないからであって、早よしてくれ言うたら、あいつらも早く動き出しますよ」 浜田「無理やって」 松本「何を根拠に電気屋のおっさんを下に見たがるのか分からへん」
こんなタクシーのお客さんが困るっていうアンケートに「とりあえず、まっすぐ行ってくれ」という答えが出て 松「まっすぐ行けっていうだけなら、別に困らへんやろ。まっすぐ行くだけやんけ」 浜「いや、目的地言ってくれんと、はっきりせぇへんやろ・・」 松「別に困らへんやろ。そら『右折左折を繰り返せ!』言われたら困るけどやな」
ガキ使の葉書トーク
ゴリラを使った料理を教えてください 「若ゴリの竜田揚げ」
鼻くそほじってるのを見られた時、なんて言い訳すればいいですか 「頭蓋骨に触ってみたかったんや」
階段にある踊り場はなんで踊り場というんですか 「階段には段差がありますよね? 段差、ダンサ、ダンサー」
新しい彼氏ができたんですけど、元カレの名前を彫った刺青はどうしたらいいですか 「その名前の下に『など』って彫りましょう」
ヒラヒラの付いてる枕と付いてない枕は何が違うんですか 「ヒラヒラ付いてる方がメスです」
ペットのモルモットに名前をつけてくれませんか 「モル本人志」
シャンプーをしている時の背後の気配は誰の気配なんですか 「リンスです」
ウッチャンナンチャンの内村さんはなぜあんなに白いんですか 「イカの食べすぎです」
マナカナの見分け方を教えてください 「マナの悪口を言うとニヤッと笑うのがカナです」
日本でよく言う言葉ベスト10を教えて下さい 「一位がすみません、二位がこれのMないの?」
もしも願いが三つ叶うとしたら松本さんは何を願いますか? 松「まず一つ目は金持ちになりたい。   二つ目は口の臭い人間をこの世から消したい。   三つ目は相方を変えたい」 浜「おい、三つ目はおかしいやろ! どういうことやねん?」 松「だって二つ目の願いが叶ってる時点でお前はこの世から消えてるからね」
どんな動物でも手乗りにしてきた松本さん、という手紙に 浜「ゾウとか無理やろー」 松「いやできますよ。でもコウモリだけは無理。手ぶら下がりになる」
407 notes · View notes
sheepoodle · 3 years ago
Photo
Tumblr media
��・ラストバトル
個人的にはスーファミRPGのトップテンには入る
(ゆうて、RPG以外あんまやらないのは内緒だよ☆彡)
久々に初めからやってみた
その上であまり攻略的なことを書いてなかったので
それっぽいものを投下してみる
――と、5chに書こうとしたのだが
「 余所でやってください 」 とのこと(KUSO)
なので、自分の巣に投下することにする
  さて、このゲームのラスボスは 「 ガーディアン 」
と云っても過言ではない 最初で最後のボスだと思う
理由は単純に理不尽に強い癖に最序盤のせいか お金の稼ぎポイントがほぼ 「 ない 」 
と云っても過言ではないから
強いて挙げるとするなら気休め程度に
・メイジスタッフ.(※ソーサラー.エルフの里周辺の森) くらい
メイジスタッフは一個600で売れるので 例えば全員の各種マナを300とか溜めようすると 達成する頃には当分お金には困らないだろう
まあ、この時点ではお金はあまり必要ない訳だが
折角ならお金稼ぎながらマナを稼ぎたいじゃない
(このゲームではお金を手に入れるにはもの売るしかない)
(あと、宝箱からも入手できた気がするが覚えてない)
(宝箱といえば、このゲーム。アイテム欄があまりない)
(したがって、古物商案件アイテム以外は獲らない方が良い)
しかし、お金とは違ってマナ稼ぎの何が辛いかって
単純に1*300ではない 獲得マナが0のときもあれば2のときもあるし 各キャラの溜まりやすい属性マナがあるから非常に偏ってしまう
その属性マナを無事集め終えたと仮定して
お勧めしたい魔法は
・ミラーイメージ
・パラライズ
・アイストーネード
・リストアヘルス
・サイレンス辺りだろうか
合成配分は素晴らしい攻略サイトがあるのでそちらを観てほしい
さて、ガーディアンを倒せるようになるには
とにかくバトル、ひたすらバトル。
正直気が遠くなる レベルは20くらいは欲しい
――と、ここまでは理屈なのだが非常に面倒なので
チートで各々の現在H/MPと各種マナを弄った。
だってクソゲーなんだもん(言っちゃった……)
というか、現在会社員であるおじさまにはキツいわ
件の画像はそうしてガーディアンを屠った後のものである
気を取り直して――
そしていざ倒せるようになったら戦場に凸る訳だが
折角なので敵シンボル全部狩ろう
ところで念願のボス戦終了時は
ルーンセーバーのドロップを吟味すると良し
(大体3~4回に1回くらい落とす)
ドラクエシリーズよろしく、必ずガーディアンを最後に倒すこと
(強くなり過ぎていない限り無いとは思うが)
稀にガーディアンを先に倒してしまうという事故が発生する
ガーディアンを倒したら
ハンスタッドに行けるようになる訳だが
・ブレストプレート(※ランサー.ハンスタッド周辺の街道)
――で稼ぐと良い。この時点では破格の一個3000で売れる といってもその時点ではあまりお金のつかいどころはないが。
レジーナが初期装備で装備しているので クルトとボルグ用に 最低でも 2つは確保しておくと良い そして ……!!
・からだのハーブ.(※エキドナ.ハンスタッド周辺の森)
――を稼ぎ放題なのでもうゲームクリアみたいなもんである
だいたい各々の 「 しゅび 」 を400くらいまで上げると良し
流石にこっからはノーチートで行こうと思う
だって、ある程度はマゾ味がないと面白みがないからね
――さて。
次の戦場で無双した後、確か船が手に入る筈なので
(追記. 次ではなく、あと2個くらいイベントがあった)
ハンスタッド周辺の海で ソウルコールを稼ごう
一個7500とかで売れたはず。
問題は誰がドロップしたか……だが、失念(すまん)
先ほどはクソゲーとか言っちゃったが
ここからは神ゲーのターンである
検討を祈る。
0 notes
radomioseronia · 7 years ago
Text
竜駒アダルトリオの小ネタSS
■前置き■
・公式の設定を元に、話はすべて管理人(らどみ)が作りました。
・当時、女性ユーザーから人気が高いキャラクターで、竜駒で最初に出た男性キャラ3体ということで、ファン向けに考えてみた結果出来た話です。
・公式ではありません。基本は公式の設定を守っていますが、管理人の創作が入っており、ファンが見て楽しむだけのものです。
・当時、ういさんという方が、私の拙いネタを見て「悪友トリオ」を命名してくれてこういうネタを書く励みになりました。本当に感謝しています。
【1】すべてはここから始まった
(※レグスは傭兵としてデネヴに雇われているという設定です。)
(※ニクスも軍の財政係としてデネヴに雇われているという設定です。)
デネヴ「ブレイクショット。じゃ、先行はレグス君ねー?」
レグス「見てな‥俺の究極ショット!」
ガゴン! 
レグス「ナインボール‥ゲットだ!」
デネヴ「レグスくん順番に入れないとダメだって。はいレグス君の負けねー、賭け金は俺が貰うから♪」
レグス「チッ...」
ニクス「あんたら軍資金使って何をしてるんですか。」
デネヴ「え? 何って、見ての通りビリヤードだけど」
ニクス「‥しかもマナ水晶に番号落書きして! 貴重なアイテムを遊び道具にするとか自重して下さい」
デネヴ「さすがに俺も考えなしでこんなことしないよ。俺は、レグスくんのギャンブル依存がまぎれたらいいかなーって思ってさ」
レグス「別に金は使ってねぇからいいだろ」
ニクス「軍の共有財産をアホなことに使わないで下さい」
デネヴ「軍資金はリーダーの俺の管理下ってね♪」
ニクス「ほう‥?」
ニクス「いいでしょう‥‥ゲームに勝ったら賭け金をいただけるんでしたね? いただいた資金は私が管理します。」
デネヴ「おっ ニクス君もやる? いいねぇ俺も簡単には負けないぜ。」
レグス「おい待て‥! あいつ確か‥..巷で有名なカジノ荒らs....」
デネヴ「え?」 
ガゴン!ガゴン!
 ーーーこのあと技巧派の貴公子ニクスおにいさんにめちゃくちゃナインボールされた。
【2】財政管理
←夏限定・特大フルーツパフェ・カップル無料! 
デネヴ「......旨そうだな。でも財布の中が寂しいし」
〜竜軍の本拠地〜
デネヴ「‥という訳で、ニクス君。」
ニクス「断る」
デネヴ「何も言ってないんだけどwwwww
軍のお嬢さんを��うと後々面倒なことになるからさ(モテる男は罪だからね)、ここは問題回避と財政のためにも、違和感が絶対にないニクスくんに女装して欲しいな♪」
ニクス「絶対に嫌です」
デネヴ「ケチィィィ! そう言って俺にお小遣いくれないくせにぃぃ!」
ニクス「先週3万ゴールドやっただろうが‥...何に使ったんです」
デネヴ「ああ、この前に綺麗なお嬢さんたちと店でお酒飲んだら一瞬で」
バリーン!
デネヴ「ぎゃーっ! 部屋で雷打つのやめてぇぇーーー!」
ガチャ(扉が開く音)
レグス「また派手にスっちまった....‥」
バリーン!
レグス「うぉっ?!なんだ!!」
ニクス「あんたらは来月まで小遣いなしです....給料だけで過ごせ...異論は却下..‥」(ゴゴゴゴゴゴ...※地響き)
【3】レグスがリーダーの場合
レグス「めんどくせぇが、俺がリーダーになれば1ターン目から貫通が打てるうえにデッキ属性をほぼ選ばないアドバンテージがある。本気で行くぜ!お前らついて来い!」
デネヴ「手駒が全員友だち(竜駒)じゃなきゃヤダ!俺働かない!!(スキル条件:手駒4枚竜駒)」
レグス「うるせーワガママ言うな!!」
ニクス「近くに誰か強そうな竜がいないと怖くて力が出ません!(スキル条件:周囲に竜駒リンク)」
レグス「うるせーお前はどこの姫だ! ほんとしょうがねぇ奴らだな!」
【4】竜駒アダルトリオと魔怪盗
(※レグスは傭兵としてデネヴに雇われているという設定です。)
(※ニクスも軍の財政係としてデネヴに雇われているという設定です。)
レグス「今月の小遣いも貰ったし、一発くらい賭けてもいいだろ‥....あれ? 俺の財布がない」 
ラドラ「無駄使いする子はお仕置きよ♪ このお金はいただいていくわね♪」 
レグス「あーーーー!!またてめぇかコソ泥怪盗!待ちやがれーーー!」
 ‥‥(小一時間後)
〜in宿屋〜
レグス「また派手に擦られちまった‥orz」
ニクス「‥‥」
レグス「先月もやられちまって、俺は何を糧に生きりゃいいんだ....」
ニクス「レグスさん、お気の毒に。給料はやりくりして捻出してみますから‥」
レグス「ウッ、お前いい奴だな。(感涙) お前にだけ頼るのも悪いから俺も稼ぎに行ってくる‥‥」
トボトボ‥‥‥(宿屋を後にして項垂れながら歩いていく)
ニクス「行きましたよ」
ラドラ「今回も作戦成功ね。はい、あの傭兵さんから���収したお金よ」
ニクス「これぞギャンブル封じ」
ラドラ「効果があるといいわね」
ニクス「...貴女もこんな茶番によく協力してくれますね。盗んで逃げるのかと思ってましたよ」 
ラドラ「悪党だけを狙うのが私のポリシーなの。獲物は大物の方が燃えるじゃない、善良な人から盗んだりしないわ。」
ニクス「今回の謝礼ですが‥」
ラドラ「そうね、デネヴのブロマイド(レア)10枚でどう?」 
ニクス「100枚あげるので売上の半分を報酬で下さい」
ラドラ「ふーん商売上手ね。いいわよ。報酬はATMに振り込んでおいてあげる!それじゃあね!」
ニクス「‥..これで毎回きっちり約束を守ってくれるんだから、律儀ですよねぇ……あの怪盗。」
〜一方、その頃〜
デネヴ「気のせいかな。最近、背後から視線を感じるんだ…‥」
レグス「俺は財布スられてばっかりだぞ」
デネヴ「そのわりに最近うちの軍の財政良いんだけど…」
レグス「なぜだ‥」
〜数日後〜
デネヴ「今月も財政担当のニクスくんから小遣いも貰ったし、おねーちゃん達と‥ムフフ」
ラドラ「お兄さん、それは没取よ♪ このお金はいただいていくわねっ♪」
デネヴ「あーーーー!!  ‥...おかしい、小遣いを貰った直後にあの怪盗ポニーテールちゃんがピンポイントで俺達を狙いにくるなんて。軍に情報提供しているスパイがいるとしか......」
‥‥ 
バーン!(宿屋の扉が開く音)
デネヴ「ニクスくん!(怒)」
ニクス「ちっ、賢い奴は気づきますね」
デネヴ「どう推理してもお前しかいないっての!
俺たちにお小遣い渡したタイミング分かるのはニクスくんだけ!」
ニクス「仕方ないでしょう。貴方たち、放っておけば軍資金を浪費ばかりするんですから! これを機にお金の大切さを学んでいただきます。」
デネヴ「俺、たとえ男でも君がちょーっと美人さんだからって、甘やかしすぎたかな?」
ニクス「しっ、知りませんよ! ‥誰のために私が言っていると思っているんです?」
デネヴ(ドSモード降臨)「へぇ‥稼ぐ? 何で稼いだの? 最近背後から視線感じるのと関係あること? 一晩お仕置きコースで許してあげるから吐いてもらおうか」
ニクス「何をするつもりですか........や、やめ‥...!! この鬼畜、私が公式で能力不遇されて敵わないことをいいことに!! こ、この! 離しなさい!」
〜後日〜
デネヴ「レグスくん。事件は解決しておいたよ☆ もう怪盗が襲撃してくることはないから安心してね。はい、これは君が今まで盗まれた給料♪」
レグス「本当か!? 恩に着るぜデネヴ!」
 ー完ー
■後日談
ニクス「......なんであの人、サキュバスさんの衣装なんて持っているんですか。コスプレさせられて一晩中撮影会させられるなんて……末代までの恥、弱みを握られて逆らえない」
ラドラ「それって弱みになるの?」
ニクス「ちょっと私の男としてのプライドと、健全な精神が耐えられないですね。」
ラドラ「そういうものなの? 悪いことでもないし、新しい扉を受け入れちゃえば平気じゃない?」
ニクス「無茶な..」
【5】竜駒アダルトリオと茶の心
茶々「やっほー茶々だよ!今日は私の伯父でもある、織田信長様と遠征中なの。戦国時代でも、茶道は戦で荒む武士たちの心を癒すものでもあったの。良い子のみんなは、ちゃんと覚えておこうね♪」
信長「茶々よ、茶の湯の準備は?」
茶々「はい、信長様。 本日は我らと同じように異世界で蘇った、日本有数の茶道の巨匠をお呼びしてますわ!」
信長「ほう楽しみじゃのう、さすが茶々じゃ。さっそく連れて参れ」
茶々「は〜いただいま!先生がたー!出番ですよー!」
ガラッ
デネヴ「千利休です」←和服
レグス「織田有楽斎だ」←和服
ニクス「小堀遠州でございます」←和服
茶々「おまえら茶道舐めとんのかコラァァァァァァァァ!」(ちゃぶ台返し)
茶々「この世界のどこに金髪の利休がおんのじゃーー!」
デネヴ「いや〜だって復活してないでしょ?利休さん」 
茶々「おまえ有楽斎知っとんのかワレェ!? 信長様の実弟やぞ!かわいい実弟を間違えるヴァカがどこにおるんじゃーーー!」
レグス「チッ‥」
茶々「オーディンに手紙書いて頼んだんだぞ!本物出せ!オイこらぁ!」
デネヴ「いや〜俺としても、可愛いお嬢さんのお願いは聞いてあげたくてね。手紙でいいよって送ったの俺だから」
茶々「うう〜、なんでこんなことに…」
信長「茶々よ、どうした? 皆待っておるぞ。」
前田まつ「わたくしが様子を見てきますわ」
前田まつ「茶々、どうしたの」
茶々「うわぁぁんまっちゃ〜ん!どぉしよぉぉ、こんな偽物の素人なんか出したら信長様の逆鱗にふれて斬り殺されちゃうよぉぉ!」
前田まつ「落ち着いて茶々、可愛い姪を信長様が斬るわけないわ、大丈夫よ。それなら良い方法があるわ。」
茶々「ふぇっ?」
前田まつ「小堀さん」
ニクス「‥‥私ですか?」
前田まつ「小堀さんと信長様は唯一面識がないの。だから、貴方が出ればまずバレることはないわ。育ちも良さそうだし。」
茶々「まっちゃん頭いい!」
ニクス「フッ‥茶道は別荘(※サマーニクス参照) で仕込まれてますから任せて下さい」
ーーこうして茶々は、親友まつの機転と、茶道の心得のある小堀(ニクス)の奮闘により、茶の湯のピンチを乗り切ったのである。
しかし‥‥ 
ニクス「信長さんに小姓になれって言われた‥..」
デネヴ「さすがニクスくん、偉い人に気に入られる才能あるな。日本の戦国時代っていうのは、衆道の文化があったんだぜ。美人は得だな��
ニクス「良くないですよ、森蘭丸って人が凄い目で睨んできましたよ」
■Since  2017年5月28日
【6】竜駒アダルトリオとタクティクスオウガ
■Attention■
・この物語はパロディネタのためタクティクスオウガのキャラクターがゲスト出演します。以下、ゲストキャラクターの紹介。
デニム:タクティクスオウガの主人公。リメイク版の「運命の輪」では時空を越えて運命を変える能力を持ったチート。
カチュア:デニムの姉(血は繋がってない)。重度のブラコン(一説では恋愛感情ではと言われる)。苛烈でドSな性格。プリースト。
ヴァイス:デニムとカチュアの幼馴染み。Lルートで仲間になる。カチュアが好きだが彼女本人があんな性癖のため全く相手にされていない。
デネブ:美しい魔女。転生の秘術によって新しい肉体に魂を乗り移らせて生き続けている。改心したが、以前は民間人を使って魔術の実験をしていた。
ーここは異世界・ゼテギネア大陸ー
デネブ「ぷりてぃーうぃっちーデネブっちー!!  はぁい皆さんこんにちは、麗しき魔女デネブよ。デニムくんの軍に参加してたんだけど、あたしを恨んでた民衆にうっかり狙撃されて、いますっごく死にそう☆」
ヴァイス「いま助けるから待っていろ! カチュア、回復魔法を..‥」
カチュア「デニムを狙う女狐が1匹減るんだから丁度いいわ」
ヴァイス「カチュアアアァァァァ」
デネブ「あのアマ絶対に後でシバいてやるわ...(怒)  あたしは同じ名前の人がいる限り何度でも蘇るんだから!それ転生の秘術!」
ブォン
ーここはオセロニアの世界ー
デネヴ「!」 ピクッ
デネブ「いえーい新しい体ゲット! ‥..ってコイツ男じゃない!声野太っ!」
デネヴ(竜魔術士)「ちょっと。どこのお嬢さんか知らないけれど、俺の体を勝手に乗っ取らないでくれるかな?」
デネブ(魔女)「貴方、どうしてあたしの術で魂が飛んでないのよ」(※声は男のデネヴです)
デネヴ(竜魔術士)「俺もこう見えて高位の魔術士でね。術シールドを張ってるに決まってるだろう?」
デネブ(魔女)「ウザッ!寝てなさいよ!!」(※声は���のデネヴです)
デネヴ(竜魔術士)「手厳しいお嬢さんだな…」
 レグス「どうしたデネヴ、1人で喋って何してんだ...?」
デネヴ(竜魔術士)「ああレグスくん。実は........」
デネブ(魔女)「やだぁ///// チョーいい男!あたしとデートしよっ」 
レグス「‥ ‥ ‥ はぁ!?!? (ドン引き)」 
デネヴ(竜魔術士)「ちょっとお嬢さん急に発言されると困るよ、誤解され...」
デネブ(魔女)「しまったぁー! この体じゃ、あたしの生来の小悪魔わがままエロボディで���を悩殺できないじゃない、魔女デネブの名が堕ちるわ」
レグス「......お前、やっぱり真性のカマ」
デネヴ(竜魔術士)「レグスくん誤解だ!!!」
ニクス「どうしましたか」
デネブ(魔女)「やだぁ///// 綺麗な若い男じゃない!‥ ‥ ここの軍ってみんなレベルが高すぎるわ☆」
ニクス「..........(疑いの目)」
デネヴ(竜魔術士)「おい魔女。このままじゃ俺があらぬ誤解を受ける。おとなしく元の世界に帰ってくれないか!」
デネブ(魔女)「女の名前をしている貴方が悪いのよ。転生の秘術は簡単に何回も使える代物じゃないの、突然帰れって言われても無理!」 
ニクス「‥‥デネヴさんの中に、別の方がいらっしゃるみたいですね?」
デネブ(魔女)「分かるの?」
ニクス「もちろんですよ、美しいお嬢さん。(聞いてれば分かりますよ(笑)) 何かお困りのようですね。」
デネブ(魔女)「うん‥実は間違えてこの体に転生しちゃって。この体が瀕死にならないともう一度転生の術が使えないのぉ」
ニクス「そうですか、では私の雷とレグスさんの炎でデネヴさんを半殺しにしてみますので。紛いなりにも神だし半分灰になっても再生するでしょう」
デネヴ(竜魔術士)「やめてくれないかな!?!?」
デネブ(魔女)「お願いがあるんだけど、さよならする前に.......あなたと ...あ、あれ?魂がひっぱられ.....る.......?」
ブォン
デネヴ「‥‥。あの魔女、帰っていったみたいだ。」
ニクス「‥‥」
レグス「‥‥」
ニクス「...まぁ無事に元に戻って良かったんじゃないですか。」
レグス「いつもの悪ふざけじゃないのか?」
デネヴ「俺は被害者だ、全然ふざけてなーい! ....世の中にはいろんな術者がいるもんだ、世界は広いな。」
ー異世界・ゼテギネア大陸ー
デネブ「‥‥あれ? ここは...元の世界?」
デニム「無事かい、デネブ。僕がヒールを使えて良かったよ」
デネブ「あーん☆ デニムがあたしを助けてくれたのね、ありがとう☆」
カチュア「あの魔女ぜったい私が暗殺してやるわ‥」
ヴァイス「.......」
女の執念は怖い、ヴァイスは幼馴染の様子を遠目に胃をキリキリさせながらそう思っていた。
ー完ー
2 notes · View notes
tukumoteiog · 7 years ago
Text
D&D イニストラードセッティング セッションその5 レポートその15
Tumblr media
「フレッド、左を頼む!」
「……わかった」
 兄弟はそれぞれ左右に分かれてエルドラージの群れに斬り込んだ。フューゴは大型のドローンの群れを斧で薙ぎ払い、フレッドは変異した人間の頭を踏みつけながら触手や腕を切り落としていく。
 掬い上げるような一撃でドローンを叩き割ったフューゴが、横から別のドローンに突撃されて体勢を崩す。
「クソッ!」
 斧でバランスをとって立て直すが、その一瞬の隙にさらに別のドローンが触手を伸ばした。その紫色の皮膚が触れた瞬間、フューゴの頭の中に歪んだ精神の奔流が流れ込むのを感じた。
「――うあああ、あああ、わ、われは、えええええむむらああああああ」
 自我が溶け行く感覚で、目の前の光景が虹色に瞬く。巨大な存在の一つになり、目の前の小さな生命を喰らうことだけを考えろ。我らがエムラクール。我こそがエムラクール。全ては我に回帰していく。全ては永劫なる無へと。我はエムラクール。我は――
Tumblr media
「フューゴ!!」
 何か巨大なものに接続されていた意識が切断され、元の肉体へと弾き飛ばされる。一瞬ふらつき、フューゴは自分の置かれた戦場に視線を戻した。トーベエが二刀を我武者羅に振り回してドローンを切り捨てる。致命的な攻撃だけは避けているが、しかし棘のように突き出された触手や足がその身体に血を流させる。
 フューゴは再び斧を振り上げてドローンに斬りかかる。トーベエに絡まる一体を引きはがし、その足を切り裂く。さらに、二人の上から炎の弾丸が降り注いだ。トライアとグリムが呪文を詠唱し、絶え間なく雷や炎の斉射を繰り出していく。彼らの姿はその瞬間は、優勢に見えた。
 太陽を覆うように翼を広げた天使のまがい物が、波のように蠢くドローンの上を飛んでいくまでは。それは声ならぬ声を上げ、赤く光る瞳でフューゴを見た。
 その瞬間、再びフューゴの意識が何者かによって浸食され、身体の自由が利かなくなった。それと同時に紫色に脈打つブリセラの腕が槍のように伸び、フューゴの肩を貫いた。
「―――――!!!!!」
 呼吸することも、悲鳴を上げることもできない。触手が身体の中でうねり、腕と身体を分離させようとする。
「っらぁ!」
 刀が紫色の腕に傷をつけると、それはたやすく引き抜かれた。片方の頭がぐにゃりとトーベエを向く。視線が交差した瞬間にトーベエもまた精神に何かが入り込むのを感じた。ブリセラが腕を振り上げるのが見えた。精神と肉体の両方をバラバラに動かさねばどちらかが死ぬと分かっているが、そのどちらも言うことを聞こうとしなかった。ならば刺し違えてでも、と思った瞬間、空中から飛来した雷がブリセラの翼を焼き焦がす。
Tumblr media
「見ろトライア、こっちを向いたぞ」
��さっきのを喰らったら僕ら死んじゃいますよ!?」
「そのときはそのときだ。覚悟を決めろ」
 トライアとグリムは魔術書から燃えるような光を迸らせながら、再び詠唱を始める。
「二人とも下がれ、少しでも前線の援護を!」
 変異体を鎚で潰し、聖印を掲げながらアーロンが前に出る。彼もまた、トーベエの二刀にかかる祝福の術を維持しながら戦い続けている。
 風を切って絶望が飛来した。虚ろに燃える瞳がアーロンとトライアを捕らえた。聖印に阻まれたか、アーロンは意識を保った。だがト��イアは意識を掻き乱され、その場に倒れ伏した。
 グリムは戦場を見渡した。フレッドが躍るように敵を切り刻むが、まるで砂糖に群がる蟻の群れのようにとめどない。狂った人間たちの波は本物の海のように終わりが見えなかった。もしかしたら、と錬金術師は別の巻物を引き抜いた。師匠モーダミアの持ち物から失敬したそれを紐解き、魔力を込める。もはや大地から引き出せる魔力はもうなく、己の中に残ったわずかな残滓を集中させていった。
「生けるすべてを永久なる休息へ誘え、《睡眠》!」
Tumblr media
 薄い靄がフレッドの周りの狂える異形を覆っていく。ブリセラの羽ばたきで靄が晴れると、そこには折り重なって眠る怪物たちの姿があった。フレッドは空中で回転して音もなく着地。バネが飛び出すように素早く、アーロンと切り結ぶブリセラの背後へと到達した。
Tumblr media
「フューゴ、ここは俺に任せろ! フレッドたちを助けてくれ!」
 トーベエはドローンを切り払い、フューゴの背に声をかける。
「――死ぬなよ」
 後ろを振り返ることなく、フューゴはブリセラへと突進した。
 振り回される斧がブリセラの下半身から伸びた触手を切り落とす。フレッドが斧の柄に乗り、さらに跳躍して翼に刃を振り下ろす。ブリセラと視線が合えば身体が石のように固まり、触手が剣の壁のように襲い掛かる。アーロンのハンマーがそれを叩き、何本かはそらすことができるものの、一歩間違えば致命傷という場所を綱渡りですり抜けていく。
 グリムは戦闘から離れ、魔術書の残りを漁った。恐らくこれが、最後の魔法になる。
 無限に続くかと思われた打ち合いの中、変化は突然に現れた���天に浮かぶ月に、見たこともない文様が輝いていた。塔の上にジェイスとタミヨウ、そしてもう一人、緑の服を纏った魔術師が立って魔力を放っていた。
Tumblr media
 トライアは巨大な魔力の流れを感じ、天を見上げた。その瞬間、彼の視界を塞ぐように燃え立つ瞳と目が合った。
「しまっ……!」
 明らかにブリセラの動きは遅くなっていた。だが、その腕の一撃は容易くトライアの命を奪ってしまうだろう。
「トライア!」
 青いローブの錬金術師が、トライアの前に滑り込んだ。グリムの手には、開かれた魔術書が赤い光を放っていた。
「燃えろ!」
Tumblr media
 グリムが付き出した掌から炎が迸る。それは迫りくる腕を焼き焦がし、黒い炭に変わる。
 視界の中で、エムラクールの山のような身体が再び空中へと浮かんでいく。それは輝く月に吸い込まれるように、急速に小さくなっていくように見えた。
 歪んだ天使が驚愕と恐怖の混じった声を上げる。そこへ、アーロンの鎚が、フレッドの短剣が、フューゴの斧が叩きつけられた。
 翼が裂け、腕が斬り飛ぶ。銀の血が流れる両の眼窩に、光り輝く魂が映った。それは大きな白い翼を広げ、歪み切った姉妹のなれの果てを悲しげに見つめた。魔力そのものの腕を伸ばし、歪んだ肉体に残った魂を解いていく。エムラクールの一部となっていた肉体がゆっくりと落下し、二人の天使の魂だけがそれのてのひらに収まった。
偉大なる魂は翼をはためかせると、まだそれが地上に存在したころと同じように、姉妹の魂をあるべき場所へと導いていった。
Tumblr media
 ブリセラが落下し、動かなくなる。皆倒れて、一歩も動くことができない状態だった。エルドラージの不気味な死体の上に横たわるトーベエの視界の中で、エムラクールが月に飲み込まれていくのが見えた。
Tumblr media
「やったのか…」
 そうして目を閉じた瞬間、その場に爆発が巻き起こった。
 エムラクールを銀の月に封じ込めたことで、謎の石に���って歪められていたマナの力線が元に戻った。ネファリアにダムのように集められていたマナが噴出し、その到達地点であったスレイベンで爆発を起こしたのだ。
Tumblr media
 ネファリアのいつもの酒場で、フレッドとフューゴの兄弟は杯をあおって、残った酒を呑みほした。
「じゃあ、俺たちはもう行く」
「……ヘンリー領主どのが心配だからな」
 入口で待つマービン爺さんに声をかけ、二人は酒場のドアに手をかけた。
「アーロン、トライア! またどこかで!」
「アーロンさん、私たちも行きましょうか。まだまだ、イニストラードには希望が必要です。それに、吸血鬼の連中がサリア様を狙ってくるか分かったもんじゃないですからね」
 二人も立ち上がり、荷物を背負った。
 真新しい銀の鎧を整えて、アーロンとトライアはケッシグの森の中を進んでいた。
「ウルリッチ! どこだ!」
 アーロンの声が森の中に響く。
「騒がしいな。喰われに来たのでもない限り、そ��声は腹の中にしまっておけ」
 狼の群れとともに、白髪の大男が姿を現した。
「新しい寝床の調子はどうかと思ったんだが、その様子なら心配はないな」
「お前たちさえこなければな」
 ウルリッチは懐から何かを取り出すと、アーロンに投げてよこした。それは戦いによって傷つき見るも無残な姿になった、シガルダの聖印であった。恐らく幾度となく、持ち主の命を救ったのだろう。
 アーロンが顔を上げると、狼たちの姿は風のように消え去っていた。
 強い風が吹きつける甲板に、トーベエは顔を出した。はるか空には雲が渦を巻いている。エメラルド色の海には小舟が浮かび、霊気駆動のプロペラが回転して船を前へと進ませていた。
Tumblr media
 遠くに見える街には高い塔が並び、青い水のようなものを溜めこんだ不思議な建物が宝石のように輝いていた。
「珍しい恰好だね、旅の人。商人かなにかかね?」
 同じ飛空艇の甲板にいた、平服のドワーフが話しかけてくる。
「俺はサムライ。武芸者だ。ちょいと、人探しをしているんだ」
 ひたすらに太陽が照りつける砂漠を、一人の錬金術師が彷徨っていた。遠くに都市と思われる影と、そこから伸びる河川。
「川へ行かないと干からびてしまう。命あっての研究だからな……」
 都市の方を見���がら、足は川へと向かう。人の姿が見えない。まるで死者の世界のようだ。あるいは本当にそうなのかもしれない。
 都市の影の中に、二本の歪んだ塔のようなものが見えた。グリムにはそれがなんなのか皆目見当もつかなかったが、何かとても不吉で邪悪なもののように見えた。
Tumblr media
 不気味なスカーブが引く大八車には、さらに禍々しい歪んだ死体が山と積まれている。スカーブの横ではゲラルフとギサが何やら陰湿な罵り合いをしていた。わずかに生き残った聖戦士たちは鎧を脱いで、瓦礫をどけたり人々の治療をしたりと忙しく走り回っている。
 守護者を失った世界は今、自らの力で立ち上がろうともがき、その一歩を踏み出したところだ。
Tumblr media
(了)
DMの視点から:
 おわったあああああ!!おつかれさまでしたー!!!!完!!!!じゃねええ!!!!!次はあなたがダンジョンマスター!!!!なんか聞きたいことがあったらツイッターでいいから聞いて!答えるから!!!!
 さて、今回のシナリオは大元のストーリーにある程度沿う流れになりましたが、もっと小規模な冒険を遊んでも面白いですよ。フリーインフリーアウトのキャンペーンも久々に試しましたが、なかなかうまく行ったのではないかと思います。参加回数にバラつきがでそうな場合にはDMGに載っている「セッションごとにレベルアップする」形式が足並を揃えやすくていいんじゃないかなーという意見もあったので、次回はそれで。
 そうそう、ブリセラのデータは「スペクテイター」をいじったものを使用しました。大天使のデータはギセラ、ブルーナ、シガルダは「デーヴァ」、アヴァシンは「プラネター」ってことなので、そのまま使ったら3レベルパーティなんぞ鼻息で吹き飛びますからね。
 このあとですが、長いキャンペーンはちょっとの間お休みとなり、その間に色々またコンテンツの用意をいたします。モチベーションアップのため、このキャンペーンや各種翻訳、記事についてのご意見ご感想もお待ちしております。最後に、参加してくれたみなさん、読んでくれたみなさん、ありがとうございました! また次の冒険で!
1 note · View note
maplelaurant-game · 4 years ago
Text
なんか才能が一個でも欲しい人生だった
突然思い立って10年ぶりくらいにUTAUを触って徹夜した結果 調声方法がなんとなくわかってきたんだけど 音楽とか全くわからんちんだし作る気も無いので特に意味がないのであった。何故手を出した。 音楽できないので強制的にトークロイドすることになったわけなんだけど でも一言二���喋らせてみただけだけど、なんか昔ボコスカ出てた「あなたの歌姫」とか「ミラクルペイント」みたいなボカロとボカロPの歌になんだか共感できるような気がした。 自分の手で機械音声がいろんな感情を見せてくれるのは割と感動モノ…… もうちょっと極めてシステムボイスでも作ろうかな。
まって、Windows10てシステムボイスとか入れられるのか?インターネット老人会すぎてわかんねえぞ? さてさて今日もElonaの話。
Elonaを勧めたらプレイしてくれてプレイ日記まで書いてくれてる友人が このブログを読んでくれてるんだけど、 「何言ってるのかわからん(意訳)」と言われたので もうちょっと丁寧に書こうと思いました。まる。
さて古城をクリアしたので、レシマス25階相当の死者の洞窟に挑戦する前に まずはレシマスを25階まで踏破しようということで、 行ってきました。レシマス。 ちなみにレシマスっていうのはメインストーリーで行くことになるネフィアで、ほぼ全てのネフィアの難易度の基準になる、特別なネフィアだよ。
Tumblr media
メドゥーサとか見たことないモンスターもちょくちょく出てくるようになり アレスの射撃でもかなり攻撃しないと削りきれない敵が多くなってきて モンスターハウスは3回くらい死にました。ペットが。 ちなみにモンスターハウスっていうのは モンスターがミチミチに詰まってる部屋のこと。 ファイアハウンドとかが詰まってたらリロードを考えたほうが良い。詰む。
Tumblr media
とりあえずなんとか踏破。 25階相当……うーんクリアできないこともないけど、もうちょっと殲滅力上げたいかなあ… でもランダムネフィア周るの飽きちゃった!!!いい装備もなかなか落ちてないし!!!戦力増強ってコレ以上どうしたらいいんだろう…… 素材変化の巻物で装備はほぼ現状最高の素材にはしてあるし 装備面ではあとはランダムアーティファクトを狙うしかないような。 プラチナ硬貨貯めてスキルトレーナーにトレーニングしてもらうしかないのかなやっぱり……バイトに明け暮れるしかない……
戦力と言えば、 うちのイズくんは本当に仕事してるのか問題なんですが ElonaExtenderでペットの行動のみログ抽出して観察してみました。 オレンジの色分けがエリーの攻撃行動 紫の色分けがレイナルドの攻撃行動 そして青の色分けがイズくんの攻撃行動です。
Tumblr media
パッと見ただけでもイズくんの攻撃の頻度が圧倒的に低いことがわかります。 これなんでなのかな~!?近接型と魔法型では頻度が違うのか? 作戦は「適正距離:2、移動頻度:70%、特殊行動:0%、魔法書使用:40%」で設定してる。 適正距離はこないだまで3にしてあったんだけど、2にしても体感あんま変わらない気がする。でも移動頻度は50%くらいまで下げたほうがいいのかも。 よくわかんない…… 特殊行動がちょっとよくわかんないから0にしてあるんだけど 特殊行動てポーション投げみたいなやつのことだよな……? もしかしてエレアの魔術師がもともと持ってる���法の矢とか麻痺の矢も特殊行動に含まれるんだろうか。教えてエロい人。
Tumblr media
しかもなんかよくみたら、遠距離武器(手裏剣)使って攻撃してんだよね… どうせ使わんやろ!と思ってもたせてたら使ってるゥ! あとで取り上げておきます。 エレアの魔術師のAIがよくわかんないんだけど 遠距離攻撃も使うということは彼の基本行動設定は 「-1(近接),410(ショートテレポート),416(麻痺の矢),414(魔法の矢),-2(遠距離)」とかになってる……ってコト!?(ハチワレ構文) 特殊行動は特殊行動で設定する項目があったはずだし やっぱ特殊行動0にしてるのは魔法使う頻度が低いこととは関係ない……ってことでいいのかな…… もしかして魔法使わないのは、まさかのマナが足りてないとかもある? イズくんのマナはたしか110くらいだったと思うので 確かに増強したいところではあるんだよな。 もうちょっときちんと調べたいけどNPCのAIの情報がどこにあるのかわからない……頑張って調べときます。目指せ仕事のデキるイズくん!
そういえば明日はついにElonaMobileのリリース日ですね。 楽しみ半分不安半分というきもち。 課金要素がもしペットとかスキンとかだったら、無限に課金してしまう気がする。ヤバい。 PC版Elonaを自分でカスタムするのも楽しいんだけど、やっぱ他人の作ったもののほうが楽しいんだよな。特にtalkファイルとか。 iphoneとipadどっちでやろうかなあ。画面小さいと操作厳しいってきいた。 でもコントローラ繋げば無問題だよね。 まあiphone用のコントローラ持ってないんだけど。悩むなあ。
0 notes
theatrum-wl · 6 years ago
Text
【連載】弓井茉那のドイツ劇場研修日誌
第14回(最終回) ドイツ滞在の終わり、そして。
弓井 茉那
Tumblr media
〔写真1 ケープタウンの街を見下ろす山の上から〕
一年間のワーホリビザがまもなく切れる2017年5月、私は自分がどうするべきか考えていました。デュッセルドルフ劇場で行っていた、日本人コミュニティ アウトリーチ・プロジェクト(連載第6回、7回にプロジェクトについて書いています)を、何とか事業として成立させたかったのですが、劇場とのコミュニケーションがうまくいかず、次年度以降継続のきざしは見えませんでした。ちょうど劇場のシーズンが終わる時期だったので、ワークショップや鑑賞会を実施した幼稚園にアンケートを実施し、プロジェクトを終える準備を行っていました。
しかし私はその後の自分のことを決めかねていました。劇場に何らかの形で残れる見込みはない。それでも、学生ビザやフリーランスのビザをとって、ドイツに居続けた方がいいか、もしくは日本に帰国するか、はたまた第3国に可能性を見出すか…。自分が何をどこを選ぶべきか決断できずにいました。
そんななか、南アフリカ・ケープタウンで行われたアシテジ(国際児童青少年舞台芸術協会)の世界会議、そして児童青少年演劇フェスティバルである、『CRADLE OF CREATIVITY 19th ASSITEJ World Congress』にて行われた、『NEXT GENERATION』というプログラムのメンバーに選ばれて、南アフリカ・ケープタウンに3週間ほど滞在する機会を得ました。
 『CRADLE OF CREATIVITY 19th ASSITEJ World Congress』は、児童青少年演劇の国際組織であるASSITEJが、オリンピックのように3年に1度、いずれかの都市で開催する世界会議(19th ASSITEJ World Congress)と、ASSITEJ南アフリカ主導で行われる、国際児童青少年演劇フェスティバルとが同時に開催されたイベントで、2017年はアフリカ大陸で初めての開催地に選ばれた南アフリカのケープタウンで、5月16日〜27日まで行われました。
 この期間には、全世界からの選りすぐりの児童青少年演劇作品が集まって上演されるだけでなく、ASSITEJの世界理事が集まり、さまざまなテーマでカンファレンスが持たれたり、各国の青少年・児童演劇関係者が世界中から集い、ネットワーキングのイベントやワークショップ等の様々なイベントが開催されたりします。
『NEXT GENERATION』はそのなかのひとつのプログラムとして、児童・青少年演劇の若い担い手が世界中から集まり、各自の文化的背景と共に児童青少年演劇における関心、経験、創造課程を分かち合い、児童青少年演劇のための国際的ネットワークの構築を目指すプログラムです。
Tumblr media
〔写真2 Nextメンバー〕
2017年は約300の応募の中から選ばれた、19カ国28名が参加しました。南アフリカ出身者が最も多く10名。アフリカ大陸からは、カメルーン、ジンバブエ、マラウイ、ケニア、ウガンダ、ガーナ、ナミビアから各1名ずつ。その他、アメリカ、インド、カナダ、キューバ、デンマーク、イギリス、韓国、チリ、ロシア、スイス、そして日本から各1名ずつの参加者が集まりました。
フェスティバルの会期中、私たちは、作品をとにかくたくさん観て、感想をシェアしました。また、ASSITEJの会議に一緒に参加したり、ワークショップの時間ではお互いを知るためにプレゼンをしたり、それぞれの持つシアターゲームやワークを共有しました。そして、最後にはパフォーマンスとしてエクスチェンジの成果を発表しました。
『NEXT GENERATION(以下、NEXT)』は、私にとって、同世代の演劇人と国境を越えて出会い、お互いのことを共有することができた、かけがえのない機会になりました。そこで出会ったメンバーと一緒に過ごした時間はわずかでしたが、お互いのこと、お互いの挑戦を無条件に肯定し合い、励まし合える関係性ができました。「世界中に仲間ができた」、というようなポジティブな気持ちになれたことは、悩み・迷いの最中にあった私にとって心強いものでした。
またもうひとつ、南アフリカで忘れられない出会いがありました。 私は自身のカンパニー、BEBERICA(ベベリカ)で2016年から乳幼児とおとなを対象とした演劇作品・ワークショップを制作しています。 フェスティバル期間中、Next のメンバーに誘われて、南アフリカの乳幼児演劇のパイオニア、ジェニー(Jennie Reznek)にインタビューをする機会を得ました。ジェニーは1987年にプライベートカンパニー・マグネットシアター(Magnet Theatre)を立ち上げました。日本では、2012年の「キジムナーフェスタ」(現在の「りっかりっか*フェスタ」)で『毎日毎日私は歩く』というアフリカ難民についての作品を上演しています(偶然にも私はこの作品を見ていました)。
ケープタウンの、治安の良くないと言われているエリアに、マグネットシアターの劇場はあります。���庫を改修して作ったという劇場は、広くて、味がありました。ブラックボックスの劇場、ロビー、事務所も、劇場に必要なものは全てありました。マグネットシアターは、良質の児童向け作品の制作も行っていますが、素晴らしい社会活動も行っています。
貧富の差の激しいケープタウンでは、放っておけば非行に走ってしまう青少年が少なくなく、彼らのほとんどは何らかの事情で大学などの高等教育機関まで通うことができません。そんな青少年たち20人に、2年間に及ぶ舞台芸術のトレーニングと雇用創造のプログラムを2008年から提供しています。プログラムは月曜日から金曜日の9時から16時まで。トレーニング料は全て無料。また、ほとんどの若者が劇場に来る交通費を捻出することさえ難しいため、2年の間は、交通費とその日の食事が賄える手当を支給します。身体表現、声楽、演奏などをジェニーや劇場のディレクター・俳優たちが指導します。
このプログラムにより、まったく演劇や芸術に興味を持っていなかった若者たちが、プログラムが終わる頃にはすっかり演劇に楽しみを見出し、これまでの卒業生の内の23人が芸術を学ぶために大学に入学しました。その他の70%ほどは、技術者や制作者、俳優として、演劇業界に就職したとのこと。その内8名がマグネットシアターで働いています。
Tumblr media
〔写真3 プログラムの風景〕
ジェニーは海外のフェスティバルで、良質な乳幼児演劇を見たことがきっかけで、2014年から乳幼児演劇の取り組みを始めました。2015年には、アイルランドのカンパニーを招聘し、南アフリカで初めての乳幼児演劇を上演したそうです。
また、マグネットシアターではあかちゃんを持つ母親たちの交流の場となるよう、『Baby bank』という取り組みを毎週行っています。子育て中の母親が孤立してしまうのはケープタウンでも同じで、そのような母親たちに声を掛けてあかちゃんを連れて来てもらい、母親たちにお茶や本を自由に読める場所を提供し、リラックスして他の母親と交流を持てるような時間をつくる。その間、あかちゃんは劇団員が面倒を見ながら、クリエーション中の作品で試していることを見せてあかちゃんの反応を確認する。まさに一石二鳥のこの取り組みのおかげで、2016年にはマグネットシアターで3本の乳幼児向け作品ができました。
乳幼児演劇は新しいものであるがゆえに周囲の理解がなく、財源の確保なども初年度はうまくいかなかったとのこと。私がBEBERICAで乳幼児演劇に取り組んでいること、日本での乳幼児演劇の実践も発展途上であることを話すと、ジェニーは私の目を見てゆっくりと、「いろいろ大変なことはあるだろうけど、自分がいいと思ったものを作って��進み続けてね」と言ってくれました。うまく言葉では言い表せないのですが、そのことに何だか無性に胸を打たれ、勇気づけられました。
Tumblr media
〔写真4 ジェニーとNextのメンバーと、マグネットシアターにて〕
ジェニーの話を聞いて、その熱が冷めやらないまま、Nextのメンバー2人とランチをしました。その時に、ふと頭に浮かんだこと……ゆくゆくは自分の地元・京都に、児童演劇に特化したアートスペースを持つことができないかという思いつきを2人に話しました。実はこれは、今まで一度も考えたことがないことでした。ジェニーにすっかり感化されて、思わず自分の口をついて出た思いつきに自分自身が一番驚いていたと思います。しかし一方で、なぜ今までそのことを思いつかなかったのだろう、思いついても良さそうなものだったのにというしっくりくる感じもありました。
とは言え、まったく具体性のない思いつき。それを人に話してしまったことの恥ずかしさのような後ろめたさのような、相手に何と言われるのだろうという不安などが入り交じった気持ちを味わっていると、Nextのメンバーが驚きの表情を示しながら口を開きました。「マナ!それってすごく良いアイディアよ!!絶対やるべき!!」そう言って私の話を聞いていた二人は、私以上に興奮して盛り上がり、「これをこうして、だれだれに相談して、で、これはこうして…」と早くもいろいろなアイディアをくれたのでした。
「マナ、大変かもしれないけど、とても素敵なアイディアだから、あなただったら絶対やれるわ」
そう言って、まるで自分のことのように目を輝かせてくれた二人がおかしく愛おしく、わたしはとてもワクワクする気持ちでいっぱいになりました。
ドイツの滞在ビザが切れる直前で、これからどうするべきかさっぱり分からなかった私にとって、このときのことは、自分のこれからを決める印象的な出来事になりました。私はこの出来事のおかげですっかり勇気づけられ、日本に帰国することを、そして10年ぶりに地元・京都に帰ることを決意しました。おそらく、マグネットシアターでジェニーの話を聞くだけでは、この重要な決定には至らなかったと思います。
こうして南アフリカからドイツに帰って、難民の青年との演劇プロジェクトに出演のため、劇場から就労ビザを出してもらって滞在を延ばし、日本人コミュニティ アウトリーチ・プロジェクトの報告書をまとめて、劇場の芸術監督や同僚、お世話になった人々に挨拶をして日本に帰国しました。
ドイツに滞在した約一年の時間は、振り返ると発見と驚きと喜びと孤独と悔しさと無力感に満ちた特別な時間でした。日本では出会えなかった人に出会うことができて、日本では感じることのできなかった感情に気付く経験がありました。願わくば、ドイツにはいずれ演劇人として帰って来たいなと思います。
これを書いている今現在、私は地元の京都にいます。アートスペースを作るという目標はまだ叶えられていませんが、BEBERICAでの乳幼児演劇の活動を発展させながら、いずれ場を持てるように日々模索しています。また、ドイツや南アフリカで出会った人たちとの親交やネットワークを発酵させていけるように、力をつけていかなければと思っています。
この回で『弓井茉那のドイツ劇場研修日誌』は終わります。稚拙な文章だったかと思いますが、約一年半の連載を読んでくださって有難うございました。 いつか機会があれば、感想をうかがえると嬉しいです。
Tumblr media
〔写真5 デュッセルドルフの名所、ライン川とラインタワー〕
プロフィール ● 弓井 茉那(ゆみい・まな)
Tumblr media
俳優/演劇教育者
http://yumiimana.com/ 京都市生まれ。京都造形芸術大学卒業、座・高円寺劇場創造アカデミー修了。東京・京都を拠点に、現代演劇や児童演劇の俳優活動を軸として、子どもや市民対象のドラマワークショップの企画・進行の活動を行っている。乳幼児を観劇対象とするベイビードラマのシアターカンパニーBEBERICA主宰、演出。2014年〜2016年までSPAC-静岡県舞台芸術センター制作 クロード・レジ演出『室内』に出演し、アビニョン演劇祭など世界7都市でツアーを行った。2014年〜2016年STスポット横浜芸術教育プラットフォーム コーディネーターアシスタント。2017年デュッセルドルフ劇場アウトリーチ担当。同年南アフリカで行われたASSITEJ 世界会議にて、次世代の児童演劇担い手のプラットフォーム『Next Generation』に日本代表として選出され参加。「マレビトの会」プロジェクトメンバー。
0 notes
arthur-meursault · 7 years ago
Text
(感想)GODZILLA-決戦機動増殖都市-
GODZILLA・決戦機動増殖都市を観た。
初日も初日であるが感想を垂れ流していく。 なお作品のあらすじや概要を義務的に説明するのが大嫌いなので省く故、 観てない人は読んでもわけわからないとおもう。 だから観た人前提で、ネタバレ全開で行きます。
まずアニメ映画ゴジラ三部作の二作目というところで。 生まれてこのかた平成以降のゴジラ作品すべてを漏らさず見ている普通のゴジラっ子ことおいら。 もちろんこのシリーズも一作目から劇場で鑑賞している。
二作目の評に入る前に、まず一作目を軽く触ってみる。
一作目、GODZILLA-怪獣惑星-の僕の評価は、 「ゴジラ映画ではないが、面白いSF映画」だった。 そもそも僕はゴジラというキャラクターは大好きでもゴジラ映画を作品として優れているとは思っていない。 邦画史に残る大傑作「シン・ゴジラ」、怪獣映画復古を手伝った良作「GODZILLA(2014)」、まあまあ楽しい「VSビオランテ」、外連��溢れる「キングコング対ゴジラ」、そして言わずもがな初代「ゴジラ」などの一部を除き、大半は駄作である。 が、ゴジラという素晴らしいキャラクターゆえ駄作でも毎回なにかしら惜しい箇所や魅せ場があるからゴジラシリーズを観続けてきた。僕はそういうファンである。
そんな僕に言わせれば、このアニメゴジラ「怪獣惑星」は映画として「まともに」成立している数少ないゴジラ映画の1つであった。 これほどまでに迫力とストーリー展開の良さと空回りしない演技を維持したゴジラ作品はそうなかったのではないか。 否、そこは「巨大特撮作品」と置き換えても良いかもしれない。 ガメラも平成だけが秀逸であとは時流に乗せられただけの駄作の極みだし、大魔神やガッパ・ギララ、ウルトラ映画などに至っては見る目も当てられない。 演技は下手だし演出はクサイし価値は無に等しい。 他の映画で散々やり尽くされたテーマをブラッシュアップもほどほどに投げてるようなもんである。三丁目の夕日に影響されてかリバイバルをテーマにした映画をウルトラシリーズが次々と繰り出したときは、「シン・ゴジラ」公開前だったこともあってこんな特撮文化アメコミ映画に飲まれて滅びればいいと思っていたくらいだ。 平成ゴジラに至っては良作は絶無に近い。ビオランテは見ることができたが、これも映画としての質を問われれば首を横に振らざるをえない。
そんな中、「怪獣惑星」の映画としてのできの良さには唸らされた。 自分は(キルミーベイベーなど一部を除いて)テレビ放送アニメーションにことごとく興味がないため、 脚本を書いた虚淵玄氏のことも「エロゲ出身の鬼畜」という印象しかなかった。 テレビアニメ畑を主な活動の場とする声優に対しても俳優の下位互換という感じに見ていた。 ちなみに自分は水一杯800円するような高級レストランで出されたハーブを添えたドブネズミのソテーのごとき外面だけ上品な性根の腐ったゲス野郎である。 そのような業の者であるから穿った見方で赴いた劇場だが、見終わった頃には感心させられていた。 「なんだ、普通に面白い映画じゃないか」と。
個人的に気に入った箇所が多かったこともある。 まず科学考証や技術体系が嘘臭さを感じさせないこと。まあまあこういう技術だろうな、と納得する形をしている。 次にキャラクターが全員思考に手抜かりをしないこと。 シン・ゴジラ公開時にヒューマンドラマを排除し極めてシステマティックなコミュニケーションの流れと、国家をめぐる巨大な感情的葛藤を描ききったことに絶賛が上がった。同時にみんな邦画にありがちなエモーションに過ぎるうざったい感情の流れや脚本の作��方を批判したものだが、そこで批判された粗が「怪獣惑星」にはなかった。 みんな合理的思考をし、リーダーを託された主人公ハルオも、感情的なキャラクターではあるが行動には一貫した合理性や計算高さを見せていた。 最善を尽くした上で敗れるからこそ敵の強大さが際立つわけである。 いちいち恋愛沙汰ややぼったい仲間割れ、緊張感ゼロの個人的葛藤を持ち込んで話をグダグダさせなかったところを高評価した。
一方ダメだったところもある。 設定にゴジラ怪獣の要素をふんだんに盛り込んでいたにもかかわらず、ゴジラ映画としてはまったく成立していなかったのだ。 「怪獣惑星」のゴジラは地球に君臨する怪獣たちのさらなる上位種として出現し、世界を破壊して回り、人類は決定的な敗北を喫し逃亡を余儀なくされた、という設定だ。 そんな人類が逃亡先の宇宙から地球に戻ってきて改めてゴジラと戦う-というのが本編シナリオである。 まずこれがゴジラ映画としてはありえない。 ゴジラの定義はこれまで様々に拡張されてきたが、言ってみれば「海から出現し都市を破壊し帰っていく」存在なのである。 それはつまり災害の化身であり、破壊の化身であり、原爆の化身であり、それらを抱えた日本というもの憂いと怒りの感情の化身なのである。 「GODZILLA(2014)」では舞台が日本から外れたため超自然的な神のごとき存在と分かり易く定義されたが、それでも怒りを糧に海から出現し、陸で暴れ、帰っていくというパターンは外さなかった。それがゴジラ本人による人類襲撃であれ、敵対怪獣との戦闘であれ、ゴジラは海や大地の脅威と怒りを体現した存在なわけだ。
「怪獣惑星」のゴジラは確かに脅威たりえていた。むしろゴジラの脅威っぷりでいえば過去に例がないくらい大きいものだった。 だが、このゴジラはどこにも帰らないのだ。決してどこにも戻ることがなく、ただずっと地球を破壊し続けている。このゴジラが体現するものはおそらくアンゴルモアのような世界壊滅だろうが、ゴジラとは本来そういう存在ではない。日本を脅かすことがあっても世界を破壊する力はない。 ゴジラは良くて地震か台風か原爆くらいのパワーしか持たないんである。 なぜならゴジラとは現実に起こっていることだから。現実にあることにしか怒りは発生し得ない。
例を挙げると、「シン・ゴジラ」が成功した理由に見られるだろう。
「シン・ゴジラ」にはまず前提として3.11の震災に対する恐怖と、当時の人々が見た原発事故にまつわる様々な欺瞞と不備、政府の鈍重かつ不十分な対応処置への怒り、焦りがあった。 そこに庵野秀明総監督が命題としてきた閉塞感やディスコミュニケーションによる破壊衝動、その自己嫌悪がテーマとして組み合わさったのだ。 庵野秀明が見た現実の政府は庵野よりも庵野的であり、アニメのそれよりも碇シンジ的であった。おそらくこれが彼の意識を変えたのだろう。 徹底して自己分析を推し進めてきた庵野秀明が、外界に目を向けた結果、 現実の政府があるべき姿を庵野秀明が体現してしまう、 というエヴァとまるで逆の現象が起きた。 想像ではない現実の恐怖に放り込まれた子供が、理想のオトナを完璧に描き出した。 そうして「シン・ゴジラ」という大傑作が生まれた。 当作では実際に起きた精神の大変換が物語構造と分かちがたく結びついている。 それこそがゴジラのみならず怪獣映画の本質であり醍醐味だったのだ。だから大ヒットした。 あの当時、人々の多くは庵野秀明と同じ目がさめる思いだったに違いない。それが現実を変えたのか単なる錯覚だったかどうかはともかく。
ゴジラとは災害のように「なにかに気づかせるために訪れる」存在なのだ。
彼らは人類に示し、そして一通り警告を示すと去っていくのである。それも必ず再訪の予感を告げて。 ゴジラとは地球、あるいは社会が人類に示す警告の具現化なのである。それは怒りとして噴出した悲しみであり、憂いなのである。 エイリアンのようなモンスターと怪獣の違いは内部に抱える「迷惑な憂い」の有無なのである。 怪獣は一貫してどこかウェットだ。怒りの限り大破壊を尽くしながらも必ずなにか心配してくれている。 これらはどのゴジラ映画にも一貫していたゴジラの特質だった。
その点、「怪獣惑星」はゴジラとしてのキャラクター性をかなり削いでしまっていた。 まず表面的な部分からいえば、 ゴジラが地上に縄張りを持っていること。海に帰らず地上を支配している。 次にゴジラが単一個体であることをやめて複数の亜種を生み出していること。ゴジラ自身には世界を支配する意思などない。また個人的にミニラやリトルゴジラなど蛇足の極みだと思っている。 そしてテーマについて述べるならば、 ゴジラが解決するべき命題が地球にまったく残っていないこと。 ゴジラという映画の主人公はあくまでゴジラで、ゴジラは攻め破壊することで人々を恐怖させ警告するか、憂いを背負った敵怪獣を打ち倒すことがゴジラの使命であり問題なのだ。 だが「怪獣惑星」のゴジラはそれ自体の目的はまったくわからない。 ただ人類を殲滅しようとする。そんなものはゴジラではないのだ。 一応度重なる公害が-などといった説明は入るが、物語の主題が「人類の勝利と帰還」にあるためゴジラの本質とかけ離れてしまっている。ゴジラは勝ってどうこうという敵ではない。 ゴジラに勝っても悲しみと予感が残るだけなのだ。 機龍二部作は映画としては怪獣惑星に及ぶべくもない駄作であるが、その辺のテーマはしっかり継承していた。
と、ここまでさんざんこき下ろしといてなんだが、 自分をはるかに凌駕するゴジラマニアの製作陣はそんなこと百も承知であろう。 この映画で描きたかったことは、上述したゴジラ像のその先にあるのだ。 本作の根底にある精神は「実験とシミュレーション」だ。 上記で述べたゴジラの特質 「上陸して人類を脅かすこと」、 これを極限までやってしまったらどうなるのか、というシミュレーションが��だろう。 それがゴジラの植物設定-つまり海に還れない存在-に繋がっている。
「怪獣惑星」はゴジラ映画の「その後」を描いた作品なのである。
それは主人公の母方の苗字・旧姓が「ヤシロ」-つまり機龍二部作でメカゴジラに搭乗した「家城茜」の子孫であることをほのめかす設定にも出ている (これはスタッフのお遊びとあくまでキャラ付けの設定であって、本シリーズにおけるメカゴジラの形態や出自の差から見ても機龍シリーズと世界観は断絶している)。
こうした大胆な設計思想のもと勧められた本作は、なるほど確かに世界観の構築には成功している。 少なくとも平成ゴジラシリーズやゼロ年代に作られたどんなゴジラ映画よりもリアルかつ感情的に入り込む余地のある環境を設定した。 そこは先ほど述べた通り本作の美点でもある。 だが、その結果ゴジラが存在意義を完全に失ってしまった。 地球を支配して敵も倒し尽くして警告もなにもすることがなくなったジジイのゴジラが再び現れた侵略者人類に戦いを挑む……という、なんだか関係が逆転してしまっている。 そしてそんな逆転設定だれも求めていない。揺さぶられる感情がないからだ。 そういった意味で本作はゴジラマニアによる「シミュレーション・ゴジラ映画」以外の何物でもないのだ。 シミュレーションという点では同じ要素を持つから、ポリティカルフィクションとしてのシン・ゴジラに感動した僕のような層はある程度褒めた。 ところが、ゴジラが体現した自然的脅威の存在感を期待した層は、肩がっくり落として出ていった。 「なんだこれ、イマイチ乗れなさがはんぱねえ……」 となったわけだ。
そして、本作最大の問題点。 その「はんぱねえイマイチ乗れなさ」を最大限助長しているのが、 ゴジラの造形である。 ゴジラが植物性であることには意味がありテーマもテーゼもあるのだが、 それを吹き飛ばすくらいこのゴジラはダサい。 ダサすぎる。 シン・ゴジラがビジュアルで圧倒したのに対し、本作はもう最低限ゴジラの形をしてるなにか程度でしかなく、 そんなもんにロマンを感じろという方が無理な話だ。 そして終盤出現する超巨大な真のゴジラ、「ゴジラ・アース」が登場する場面でも致命的な欠点が浮き彫りになる。
大きさがわからない。 森と崖しか比較対象がないから300メートルという規格外のデカさが伝わらないのだ。 なんとなくチビゴジラの死骸と比べることができたり、データ観測という便利な道具で「うわああ、デケエ!」などとオペレーターに焦らせてみたりするが、伝わるわけがない。 そもそも主人公たちが乗っている船だとかロボットがそこそこにデカイのだ。 散々人間と比較できる船なんぞを出しておいて、その後で人間と比べることもできない巨大そうな塊を出して「うわあああ!デケエ!」って言われても……うん……としか。
ゴジラ・アースの大きさに関しては、各年代のゴジラを一列に歩かせて大きさを比較する「evolution of godzilla: size comparison」というYouTube動画があるのでそちらを見た方が良い。演出も凝ってて、この手のお手製CG動画にしてはなかなかの再現率。オススメである。
とにかくこのゴジラ、デカイのは確実なのだ。背丈も重量感も桁外れである。 比較対象があれば。 広大な森林のど真ん中にゴジラが立ってても「なんか思ったより小さい」としか思わないだろうに。 やっぱりゴジラには街が必要なんだよな、としみじみ考えさせられた。
この辺もアニメゴジラが他のゴジラシリーズに劣っている点で、 平成昭和かかわらずゴジラ映画をキャラものとしてみると 怪獣ほとんどすべてが評価に値する造形を施されている。 昭和を踏まえた平成なんてのは奇跡的で、 バトラやメカキングギドラやスペースゴジラのようなバカバカしいものから ビオランテやゴジラジュニアのようなゴジラの亜種まで皆キャラとして魅力的だ。 惜しむらくは兵器系のデザインが壊滅的にダサいということだが、 その辺はゼロ年代シリーズの機龍二部作が担っている。
怪獣映画に必要なスピリッツはこれなんである。 魅力的な造形の大怪獣が存在的な哀しみや怒りを背負って戦う。 そこには社会や国家としか比較対しようのない巨大な感情があり、 それは都市に浮かび上がる巨体とリンクする。 この様こそ怪獣映画なのだ。
最近ガメラ2を見直したが、 まあ巫女とかマナとか祈りとかガメラのスピリチュアル要素が邪魔して邪魔して 御都合主義なんてものではないストーリー展開に閉口した。 だが、やはりあれは怪獣映画なのだ。 レギオンという異国の宗教にまつわる名を冠された侵略者に、 日本の怪獣と人類が立ち向かう。 このテーマを真正面からリアルに描き出したからこそガメラ2は傑作たり得たのだ。
「怪獣惑星」はその域に達していない。
しかしSF映画としては優れた面白い作品である、というのが自分の評価であった。
そして、やっとこさ今回観てきた新作である。 「決戦機動増殖都市」。
結論からいえば、前作の続きだから面白いところは継承されている。 打開策を得て以降の状況分析と作戦立案のテンポの良さ。 周囲と比較してわかるハルオの絶妙な勘の良さ。物語を任されてる感。 明確な目的意識のもとゴジラに立ち向かう人々。 それはいい。全部。「シン・ゴジラ」で堪能した良さだ。
だが、ここに「シン・ゴジラ」になかった駄目なところがどんどんぶち込まれてゆく。
もともと三部作の中継ぎの作品なのだから作戦など成功しないしゴジラが倒されるわけもないのだが、 にしても二度目ゴジラに負ける理由をキャラクターの無能化に託すかね!?
とにかく酷いのはヒロインとして割り当てられたユウコ・タニの暴走。 一応主人公の幼馴染でおっぱいでっかいので、 原住民の少女と接触し親密に接するハルオに嫉妬したり、 そういうヒロイン的な足引っ張りをすることはわかる。 しかし、しかしだ。 彼女が��秀なパイロットであるという設定を盾に、 技術はすごいけど危険な思想の持ち主のビルサルド(ブラックホール第三惑星人)を 唐突に偏った思想的判断持ち出して信頼したり、 しかもそうなった理由が先ほどの原住民の少女への嫉妬と恐怖が根であったり、 とにかく物語内におけるキャラ的正当性が破壊されてまくってどうしようもない。 危険な物質ナノメタルでできた工場都市を「綺麗」とか言ったり。 環境破壊したからゴジラが出てきたっつってんのに、メタファー効かせまくりの場面でそういう感傷発言だけさせて、 主人公になんとなく頷かせて、キスして終わりかね。 これは脚本の不備というより「フラグ」です。 もう制作連中はこの時点でヒロイン殺す気満々です。 喩えますと、浜辺を見ると波間に向かって等間隔で旗がポンポンポン……とありますね。追っていったら海からゴジラが出てきて死んじゃうっていう、そういう感じ。 もう観てて、腹たって腹たって仕方なかった。 物語に殺��れるキャラクターを順を追って見るの大嫌いなんで。 この世界の片隅にとか本当にキツかった(……あの子かわいそう……ひどい……)。
きわめつけはラスト、 作戦が成功したにも関わらず復活しつつあるゴジラにロボットで特攻して勝つのに賭けるか否か… という急展開を迎える場面で、 ユウコが慌てふためき喚きだす。 おい虚淵さんよ、「いやぁ!」じゃねえよ。 そんなにこいつ道義的に、脚本的に破綻なく殺したいのか。
もういい、好きにしろ!! お前はユウコを黙ってマミれ!! (極めて良い語感)
と叫びたくなる衝動を抑える俺。 まあ、ここでパニックになるのはわからなくもない展開なんです。 ユウコは単に死にたくないとかではなくて、このとき特攻するためにロボットの中でナノメタルという物質に取り込まれ人間でなくなるという設定がありまして。 特攻やだ!じゃなくて、人間やめたくない!と言って騒いでた可能性もあるんです。 ナノメタルと同化することへの忌避自体は「人類の勝利」というテーマに反したものではあったので、それはいいんですけど……。 酷いのはこの作中一おっぱいでかい女、 その前の場面でナノメタルに取り込まれたビルサルド隊員たちを「勇気ある人々だから!」とか庇ってたんである。 じゃあ結局お前、臆病者か ビルサルド差別主義者か 嫉妬に駆られて適当言っただけの典型的無能じゃねーか。 なにそれ。全部ひどいわ。
断っておくがおれは別にこのおっぱい女に憤慨しているわけではない。 無能ぶりは露呈したけど、エロいし。許せる!
こんなシナリオを書いた虚淵にブチ切れてるんだよ、おれは!!!! いくらなんでもひどすぎるゥ!!!
脚本にキャラが殺されるというのは駄目な作品にありがちなことだが、 これは意図して脚本が一人のキャラを徹底して追い詰め攻め立てている。 言うのも何度目かになるが、このシリーズは三部作なんである。 つまり三部作を傑作にしてやろうと、その伏線をばらまくためにこんなチグハグな脚本にしやがったのである。
結局、CMで散々「メカゴジラ!」と宣伝したのに、メカゴジラは出てこなかった。 メカゴジラは本当に都市そのまんまの安上がりな姿で出てきただけで、ゴジラに負けた。 ファンが期待したモスラも出てこなかった。原住民の少女たちが崇めている「卵」とはモスラのことだろうから、そういう意味では存在感はあったけど。
作中ラスト、ゴジラは結局倒されず、ハルオの絶叫号泣虚しくユウコはナノメタルに取り込まれてしまった。そんでたぶん死んでない。ナノメタルと同化したビルサルドも普通に歩いてたし、たぶんあれ同化しつつも自立できるやつ。
主人公のハルオはナノメタルが嫌がる先住民の粉をつけていたためナノメタルにとりこまれなかった。 そしてユウコがナノメタルになることを止めるためにビルサルドがいる都市をぶち壊し、ゴジラ敗北の決定的原因をつくった。 一作目が人類の敗北だとしたら二作目はビルサルド敗北。 三作目はたぶんエクシフたちの話になる。 メトフィエス含む預言者種族エクシフたちの星を滅ぼした存在がキングギドラということもわかったので、あいつが出るんでしょう。
張りに張られた伏線。 つまりこういうことである。
第2章こんなだけど最終章はすごいんだぜ!! ナノメタル化した優秀なおっパイロット・ユウコが今度こそメカゴジラに乗って戦うよ! モスラも出るよ!! キングギドラも出るよ!! なんか胡散臭いメトフィエスの目的もわかるよ!! てか最後だし今度こそゴジラ倒すよ!!……ぶっちゃけそこんとこわかんないけど決着はつけるよ!!
そして、前述した「ゴジラ映画の未来のゴジラ」というテーマに沿って言えば、 こういうことも言える。 「本当の敵はゴジラだったのか?」 「ゴジラの目的とはなんだったのか?」 「なぜ唐突に怪獣が出現しはじめたのか?」 「他の怪獣とゴジラの違いはなんなのか?」 「なぜそのタイミングに合わせて宇宙人がやってきたのか?」がわかる(これにはそれまでも地球を監視してたけどゴジラが出てきてやばくなったから姿を現した、それだけかもしれないが)。 「人類が本当に選ぶべき道はなんなのか?」
また、今作はハルオの復讐の物語でもあるので、 「ハルオの復讐心が行き着く先は?」 「作戦を二度に渡って破綻させ、先住民の土地もめちゃくちゃにして、かつ愛する人を失った(たぶん)ハルオが取る責任とは?」 「ハルオが倒すべきはやっぱメトフィエスじゃね?」 ……などなど。
聞こえるぞ……
「これ最後だしこれら全部にすっごい答えを出すから二作目はこんなんで我慢して☆」 「三作目にして怪獣VS怪獣のガチンコバトルが見られるぜ!!いままでロボットとかでお茶濁してたのはこのためなんだ!」 「だから二作目はガマン!シリーズ通して見れば傑作になってると思うから!!」
……という声が聞こえる。 ふざけんな。
アベンジャーズみろよ。 アベンジャーズシリーズなんか、まあ確かに「シビルウォー」の中継ぎの「エイジ・オブ・ウルトロン」は明確な駄作と化したよ。 そういう傾向やっぱあるかもね。 でも「インフィニティウォー」は!!?「アベンジャーズ〜シビルウォー」と「アベンジャーズ4」の中継ぎの作品なのに超傑作じゃん! やればできるんじゃん!!!中継ぎでも100パー面白い作品!! しかもインフィニティのオチ、怪獣惑星と同じだし!!! 怪獣惑星と決戦機動増殖都市のオチ、同じようなもんだし!! だったらもうちょいやれただろ!!!!
これで最終章がものすごいサービス満点でも「年10本レベルの佳作」程度ではおれは評価できない!! なぜなら!それはこの第2部でシナリオの都合を出しまくった結果だから!! せっかく前作でよかった要素「死力を尽くし命を賭けて作戦を完璧以上にやり尽くしそれでもなお届かない絶望」を全部「キャラの無能」にすり替えて同じことさせやがってよ!! ユウコもハルオも無能化したし!! ビルサルドとも唐突に仲間割れみたいな形で死に別れ! どうしようもない本作を無理やり推してでも「要素だけでも推定大傑作」最終章を売れと!!?
ふざけんな!!!ふざけんなよ遠藤!ふざけんなよ遠藤ォオオオーーー!! ……いかん、賭博黙示録で沼攻略したあと遠藤さんにカモられたカイジになってしまった。
……もう、こうなった以上見ますから…… 最終章をめっちゃ傑作にしてなんとか溜飲下げさせてくださいよ……。
……あ、最後に1つよかったところ…… モスラ族の先住民の女の子、露出した背中から仄かなエロスを漂わせてて大変よかったです。
終わり
1 note · View note