#私を痩せさせてくれ
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私は、高校を卒業してすぐに就職した。生まれ育った静岡県の山奥から、千葉県松戸市へ。 やたらと地方出身者ばかりを集める会社だった。会社名義でアパートを借りてくれ、家賃まで払ってくれる。なんていい会社に入れたのだろう、というのは若さゆえの勘違いだった。 とにかく休日というものがない。シフト上で「休日」とされている日にはタイムカードをうってはいけない。それだけのことだった。 そんな環境でも二年間勤めたのは、単に逃げられなかっただけだ。会社名義でアパートを借りているので、職を失うというのは住居を失うのと同義だった。 食事もろくに摂れなかったため、がりがりに痩せた。食事の時間があるならば、そのぶん寝る時間にあてたかった。となると歯など磨くはずもない。虫歯が痛み、前歯を一本失ったが、それすらどうでもよくなっていた。 関連会社の男性社員から「借金してでも逃げろ」とまで言われ、ようやく逃げたのが二十歳の頃。 振り返れば、その二年間に休日という休日はなく、七百連勤以上を続けていたのだ。 千葉県内に土地勘などなかった。あてもなく新京成線に乗り、新津田沼駅で降りた。新津田沼を目指したわけではない。単に人がたくさん降りたから、つられて降りた。それだけだった。 駅とイトーヨーカドーがくっついているのは驚きだった。そんな場所がこの世にあるとは知らなかった。 そのままイトーヨーカドーへ入った。エスカレーターで上の階へあがると、そこにはゲームセンターがあった。ゲームセンターといっても、小さな子どもをメインターゲットにしたもので、真ん中には大きなトランポリンが設置されていた。 ここで働きたい。そう思ったのは、子どもが好きだとかそんな理由ではなかった。暇そうだったからだ。もう一生懸命働きたくなどない。この二年間で、一生分働いた。そんな気分だった。 求人誌で見つけたのか、インターネットで見つけたのかはいまとなっては記憶が曖昧だが、そこのゲームセンターは求人広告を出していた。アルバイトで、週に三日程度から可。 とはいえ、住所不定の若造を雇ってくれるとも思えない。先に住居を探した。 幸いなことに、新しい住居はすぐに決まった。駅から遠い、築五十年超の木造アパート。壁を叩けばゴキブリが五、六匹出てくるような部屋だったが、ようやく自分の居場所を手に入れた気分だった。 その住所を履歴書に書き、就職の際に両親が買ってくれたスーツに身を包み、伸びたままだった髪は自分でカットした。がりがりの体と失った前歯はどうしようもなかった。 鏡を見て、「まあ、これは雇わないだろうな」と自分でも思うほどだったが、面接ではなんとなく好感触を得た気がした。 そして数日後、採用が決定したと連絡があった。なぜ採用されたのかは知らない。他に応募者がいなかったのか���しれない。 赤いポロシャツに、黒いズボン。センスがいいとは言いがたい制服だったが、不満はなかった。 とにかく来客数が少なく、やることと言えばクレーンゲームの景品の補充だとか、当時流行っていたムシキングとかおしゃれ魔女などのカード補充とか。 あとはトランポリンで遊びたい子が来たら対応をした。たしか五分で百円。十分だったかもしれない。詳細は覚えていないが、百円玉を握りしめた子どもが目をきらきらさせながら声をかけてきたのは覚えている。 一度の勤務が四時間程度。それを週に数日。時給はたしか八百円ほど。食っていけるはずもなかったが、しばらくはその生活を続けた。とてももう、まともに働く気力などなかった。 借金がある程度膨らんでから、ようやく他にも仕事を始めた。コンビニ、警備員、チラシのポスティング、宅配便の仕分けなど。非正規雇用ばかりを山ほど抱えて、なんとか借金は返した。 ゲームセンターでのアルバイトは続けるつもりだったが、近いうちに閉店すると耳にした。一時間あたりの売り上げが私の時給を下回っているような有様だったので、遅かれ早かれそうなるだろうとは思っていた。 閉店まで続けようかとも考えたが、そのときに面接を受けた倉庫作業の会社で正社員の誘いがあったので、そのまま辞めてしまった。辞めた後、しばらくは営業をしていたようだったが、たしか一年経たずに閉店してしまった。 私は就職し、転職し、結婚して離婚した。また就職して、転勤して、いまは東京の西のほうで暮らしている。 津田沼まで片道一時間強。あまり気軽には来れなくなってしまった。 あれから約二十年。私はすっかりおじさんになってしまったが、おじさんになれてよかった。いま振り返ると、あの頃の自分はいつ人生を終わりにしてもおかしくはなかった。 あそこで働いたのは一年だったか、二年だったか。もっと長かったかもしれないが、まったく思い出せない。 あのゲームセンターはたぶん、七階のマクドナルドの前にあったはずだが、いくら検索しても情報は出てこない。 まるで幻だったかのように、私自身にも曖昧な記憶しか残っていない。検索しても、トランポリンがあったのは屋上だという情報ばかり。屋上ではなかったのはたしかなのだが。 ともあれ、私がなんとか再起をはかれたのは、あそこで働いた期間があったからだ。変に忙しい職場に入っていたなら、きっと潰れてしまっていた。 しかしまさか、イトーヨーカドー津田沼店自体がなくなってしまうとは。 なんとなく、イトーヨーカドー自体はずっとそこにあってくれるような気がしていたので、いつでも行けると思い込んでいた。 二十代前半の、あの時期の私の中心にはイトーヨーカドー津田沼店があった。書店にもよく寄ったし、四本の親知らずのうち三本はヨーカドー内の歯科で抜いてもらった。 あと、誰も気にしていないようなことだけれど、トイレの洗面台の脇に置かれた小さな花瓶に花が生けてあったのが好きだった。造花かもしれない。ただ、誰かの気遣いがそこにあった。トイレ自体古かったが、きちんと清掃しているのはよくわかった。私とは違い、仕事熱心な人が清掃を担当していたのだろう。もう何年も訪れていないので、最近はどうだったのかは知らない。 テナントが徐々に撤退していったのは伝え聞いていだが、それがなんだか思い出の場所が徐々に衰弱していくようで受け入れられなかった。 さて。ここまで長々と書いてきてどう締めればいいのかわからない。結局、歳ばかり重ねて、あの頃からまったく成長などしていない。 「さようなら、いままでありがとう」 でいいのだろうか。 あと、「寂しい」と「もう大丈夫」を付け加えて文を締めたいと思う。 小山征二郎さんが、イトーヨーカドー津田沼店閉館に寄せたエッセイ
時給800円のゲーセンに救われた… 閉館の商業施設に寄せた思い出
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From Stray to Sweetheart: Meet GOGO 野良猫GOGOの今
Let me introduce GOGO, my beloved cat who has come a long way from his wild beginnings.
Two years ago, I first spotted GOGO as a skinny, stray kitten wandering around my neighborhood. He was extremely wary of humans, and it took quite some effort to catch him. Somehow, I managed to bring him home.
The first year was incredibly tough. He ignored me when I called his name, and whenever I tried to touch him, I got scratched or bitten. Still, I patiently spent time with him, slowly earning him trust day by day.
Then, a major challenge struck last summer. GOGO suddenly became very weak and lost him appetite. I rushed him to the vet, where He was diagnosed with feline coronavirus. I was told it could be life-threatening. Determined to help him, I took him to the clinic every day for three months, where He received daily injections of a special medication believed to be effective against the virus.
Thankfully, the treatment worked. GOGO has made a full recovery—his fur is soft and shiny, and his eyes sparkle with life. The biggest joy for me is that He no longer fears humans. In fact, He now curls up beside me in bed, something I never thought would happen. The once aloof and guarded kitten has turned into the sweetest, most affectionate companion.
I’ve put together a short video showcasing GOGO’s journey—please take a look! I’d also love to see your adorable cats and hear your stories.
I look forward to hearing your thoughts.
Check out my other blog too!
You can find more photos on my Pinterest too!
我のアイドル猫の「GOGO」をご紹介します。
GOGOは、2年前に近所で見かけた野良猫の子猫でした。当時は痩せていて、人間に対してとても警戒心が強く、捕獲するのも一苦労。それでもどうにか保護し、家に迎え入れることができました。
最初の1年は、とにかく大変でした。名前を呼んでも無視、触ろうとすると引っかかれたり噛まれたり……。それでも少しずつ距離を縮めていき、時間をかけて信頼を築いていきました。
ところが、去年の夏に大きな試練が訪れます。GOGOが急に元気をなくし、食欲もなくぐったりしてしまったのです。病院で診てもらったところ、「猫コロナウイルス」に感染していることが判明しました。このままでは命にかかわると聞き、毎日病院に通って、3か月間にわたり薬を注射してもらいました。
その努力が実を結び、今ではすっかり元気を取り戻しました。毛並みもふわふわで、目も生き生きとしています。何よりも嬉しいのは、以前のような警戒心がすっかりなくなり、今では私の布団に入って一緒に寝てくれるようになったこと。ツンツンしていたあの子が、今では甘えん坊のGOGOに変身しました。
そんなGOGOの成長ぶりをぜひ動画でご覧いただければと思います。皆様のかわいい猫たちの動画やエピソードも、ぜひ教えてくださいね。
皆様のご感想、ご意見、お待ちしております。
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#猫
毎朝恒例、腹出して撫でられ待ちの図。人間が起きてきたのを察知すると、トテトテ歩いてきて人間の目の前で腹出しダイブしてきます。撫でるまで視線と鳴き声でずっと圧をかけてくるので、我が家では当たり屋呼ばわりされています。
猫といえば、たまに職場の近くで野良猫を見かけるんですが、そのガリガリに痩せた姿を見ていると、飼い猫と野良猫の格差を思い知らされます。
我が家の猫は自動で毎日餌が出てくるし(もちろん人間からしたら自動なんかではなく飼い主の手動である)、怯える犬を尻目に悠々と高いところにあるベッドで寝ているし、食べては寝てのむちむちボディで本当に私に拾われて命拾いしたな!と思います。まあでもその代わり、毎日人間に腹回りを吸われるお仕事も付いてきますがね!
職場付近の猫は、捕獲されれば誰かの家に引き取られてはいるようですが、結局どこかで増えたやつが代わる代わるやってきていると思うので焼け石に水状態です。
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「標準治療」ができなくなった患者さんに忍び寄るのが、保険診療外の自由診療を行なっているクリニックです。医師には特権が与えられています。保険診療外であれば、医師が「治療」と言い張ることで、なんでも自由にお金を請求できてしまうのです。それこそ、がんに効く水を飲ませると言って数百万円で買わされた・・・みたいな話もありました。 自由診療で行われているものには、免疫療法、ビタミン剤、標準治療以外の抗がん剤、温熱療法など、さまざまな種類があるようです。ただ、いずれにも共通しているのは「標準治療」と違って効果が実証されておらず、保険診療にはなれなかった(研究で標準治療に負けた)治療たちであり、治療に高額の費用がかかるというものです。 しかもこういった自由診療のクリニックの医師たちは、基本的に優しいのです。「標準治療」ができなくなって、ある意味病院から見放された患者さんたちに「よく来てくれました。ここでは治療できますからね」と励ますのです。治療効果についても、たとえ病気が大きくなって、身体が痩せていったとし���も、検査結果でよく見えるところだけ強調して「このままできるだけ続けましょう」と自由診療を続けさせます。そして、いよいよ悪化して、自由診療のクリニックに通院できなくなったとき、最期に見放すのです。なぜならそういうクリニックは入院できる環境がないので、「救急車を呼んでどこかへ連れて行ってもらいなさい」というのです。そういう患者さん、いったいどれだけ私は診療してきたか・・・。
Xユーザーの廣橋猛@二刀流の緩和ケア医さん
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今日はお母さんの62歳の誕生日🎂(私は食べてない)
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仕事終わって、職場の近くのチョコザップで、
15分ジョギングしてきた〜✨(๑・̑◡・̑๑)
運動をしたあとは、空腹感と摂食量を減らすホルモンが分泌されることを示すエビデンスがあります
運動により気分や自尊心が高まったことで、ちゃんとした食事をとろう、ミールプランに沿った食事をしよう、という気持ちになることが考えられます
この通り、やっぱり、全然ドカ食いしたい欲無くなった!不思議!今日は昼ごはんはいつもより食べてないのに。
夜は鍋作って食べた🍲
4月末か5月末の彼氏との韓国旅行に向けて、
−10キロ痩せたい!頑張る!!
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2024年、乗り換え、バランス、神様
今年私的一番のニュースはと聞かれたら突然20kg痩せたのに健康上何も問題なかったことだ。3ヶ月で20kg。今ふりかえってみれば仕事の、正しく言えば仕事上での人間関係からくるストレスだったのだろう。あの頃、体重減少と共に少食になってランチはいつもおにぎり1つだった。カップラーメン2つ食べてた私が。いいの、元々少し太り過ぎだったから。でもすごいよね、ストレスで20kg痩せられるんだ。元部署へ、20kg分のストレスと健康をありがとう。おかげで履けなかったスカートが履けるようになったし、大半のボトムスは履けなくなった。衣服手当ください。
私がおかしいのだとずっと思っていた。いつも怒り狂っていたし、いつでも泣けた。そんな中部署を異動したらおどろくほど精神が穏やかになった。朝目が覚めた瞬間、仕事行けないやつだ、と体が固まることもほぼない。ごはんも食べられるようになった。元々居た部署にあのままいたら確実にメンタルぶち壊して今頃休職していただろう。
異動は転職というのはうちの会社で異動を経験した人が必ず言う言葉だ。部署ごとやっている業務も担当する分野も全く異なるので、関わる人達もまるっと違うけれど、今とても恵まれた環境な気がする。大変な部署にいたんだね、と新しい部署の人達に哀れまれてようやく報われた気がした。いやあの人たちはあの人たちで正しいのだろう、あの部署では。私が順応できなかっただけで。
ただ私が今の環境を手放しで喜べないのは、目の前にきた電車にただ乗り換えただけだからだろう。環境が変わっただけ。私はなにも変わってない。根本は何も変わっていない。今はトンネルを抜けたらトロピカルビーチだったけど、いつかこの電車も塩狩峠に向かうかもしれない。それってどうなんだろう。私は前の部署で上司と面談の度、結局は自分だと思うので、と何度も口にした。苦手な人が辞めれば楽になるか、部署を異動したら楽になるかと言われれば違うと思う。一瞬それで楽になったとしても自分が変わらなければずっと同じことで壁にぶち当たると思うと。その言葉をトロピカルビーチでふと思い出すのだ。そうだよなあ、至極真っ当だ。前の会社で上司に仕事は遊ぶ金稼ぐための暇つぶしと言われたことがある。早くそのマインドを手に入れたい。でなければ私きっとまたダメになる。
懺悔として、今年はお金に対してものすごくちゃんと出来なかった年だった。反省。部屋は綺麗に保てるようになったし、生花もお手入れし絶えず飾られている。本も沢山読んだし、栄養もなんとなく考えてごはんを食べてるし、色んな出会いがあって豊かな1年だった。その裏でお金に対してだらしなすぎた。穴の空いたお財布すぎる。友人に言ったらまた始まったと呆れられそうだけど、ほんとにほんとに今年はお金を大事にしなさすぎた。
欲しいものはどうやったって欲しい女の精神で生きてきて、なんだって自分で手に入れてきた。でも今年の買い物熱は異常すぎたのだ。これはストレスじゃなくて病。自分でも引いてる。リミッター外れるとこわいよね、人間。
8年程担当してくれている美容師さんに今年一番がんばったことを聞いたら禁煙と言っていた。禁煙外来にかかったらしい。やっぱ何かを辞めるって人の手を借りることも大事だよなあ。私もお金のプロに家計管理してもらおうかな。節約するためにお金を払うのウケるけど。あとママが税理士なのに娘がお金に対してこんなに雑なのもウケるな、ウケないけど。とりあえず見て見ぬふりしてるクレジットカード明細を掘り起こすところから始めよう。
何度か話しているけれど中学生の頃、この本は大人になったら意味がわかるんだろうな、と思った小説が多かった。大人になって読み返したら刺さりすぎて失血多量でぶっ倒れた。今はそれさえも超えて、そんな風に感じた時もあったなあ、という気持ち。懐かしい、遠い過去のような。水を弾く油のように、あの頃のよにすっと入っていかない。私は今アンダスタンドメイビーを読んでも血まみれにならないだろうし、首がもげるほど頷か���いだろう。なんといってもあんな重たい本読む気力もないし。読むべき時に読んでよかったと思う。私は一度も故意で体に傷をつけたことはないけど、小説を読んで自傷行為をしていたのだと思う。読書が自傷行為からただの娯楽になってくれたことを、なってくれた自分をありがたく思う。心のバランスは変わっていく。成長や後退ではなく、流動的に。
ちなみに急激に痩せたからなのか年齢なのか、体調を崩すと洒落にならない感じになってきた。心だけではなく体のバランスも変わるから難しいよね。
どうかわたしだけの神様になって。わたしのことを許して、というのはアンダスタンドメイビーを読んで当時崩れ落ちた一言だ。なぜなら読む数ヶ月前に全く同じようなことをTumblrに書き綴っていたから。それを書き残した登場人物は自殺している。私は救ってほしかった。神様が現れて、全部を大丈夫にしてほしかった。
でもさ、今その本がしっくりこなくなったのならと礼は自分で自分の神様になったんだね、と律子に何の気なしに言われた。思わず突っ伏して泣きたくなった。
その言葉にどれだけ救われただろう。そうか、いつの間にか私は私だけの神様になっていたのか。私の人生にはいつでも神様がいて、その人が全部大丈夫にしてくれていた。そんな人がいなくなっても、私は生きていけるのだと、私は私だけで自分を抱きしめてあげられるのだと思えたことが、何よりも嬉しい。
常識というのは自身が30歳までに身につけた偏見という言葉を私は結構大事にしている。来年は20代ラストイヤーなのでできるだけ沢山の価値観に触れて、ウクレレとか弾きながら気楽に生きたい。クレジットカードの明細見ながら、健康的に。
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10:36
本格的に不妊治療をする事になり先週からきっぱり8年ほぼ毎日飲み続けていた酒を辞めた。
睡眠導入の役割も果たしていたから数日は全く眠れずギラギラして、なんで辞めなきゃならないんだかよく分からない手を伸ばしてしまいそうな朦朧とした感じでいや、ダメだここで1本でも飲んだら飲み続けてしまう、と葛藤の繰り返しだった。
1週間でようやく睡眠もリズムが掴め、酒のない生活、朝の目覚めの健やかさにビックリしてしまうのだった。朝からコーヒーが毎日飲め、フリスクと炭酸水片手に電車に乗車せずに済むのだ。
と言っても、勿論何もなしには辞められないのでノンアルコールレモンサワーとハイボールを計50本購入して禁酒に挑んだのだが、総じて、サントリーのノンアルコールレモンサワーの右に出るものはいない。
毎日酒だけで300kclはゆうに越えていたので、1週間だけでも1.5kg程体重が落ちた。もう一生痩せられないんだと思っていたけどいやはや、やっぱり酒のせいだった。
風邪の流行る時期でも毎日喉をアルコール除菌していた私だったので、コロナに1回かかった以外はほぼ風邪なしの8年だったが、辞めた途端すぐに咽頭炎になって笑ってしまう。
排卵誘発剤を飲む毎日でお腹が張ってあまり身動きの取れない毎日。来週には採卵や移植が待っている。自分の身体に自分が1番ついていけないので、クリニックに言われるがまま、振り回される2024年最後の月。
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Persona 3 Club Book Strega pages scan and transcription.





ストレガ
Strega
主人公たち特別課外活動部の行く手に現れる謎の3人組。同じペルソナ使い ながらあくまで敵対する彼らもまた、彼ら自身の信念でその限られた力を振るっている。
復讐代行屋 Strega
港区全域
自らをストレガと名乗る3人組の表向きの顔は、「復讐依頼サイト」に書き込みされた内容を受けて、自ら手を下せない依頼人の代わりに復讐を果たすことだ。人知れず所持する武器を手に、彼らは裏社会を渡り歩いている。
3人はいずれもかつて幾月が、ペルソナ能力者開発のためにグループ内部にすら秘密裏に進めてきた研究の被験者だ。非合法の人体実験で多くの子どもたちが命を落とすなか、幸運にも生き永らえて能力を開花させたものの、悲惨な実態を目の当たりにして研究所から逃亡し、身を寄せ合って生きてきた。
ペルソナ能力の発現と引き換えに心身に過剰の負担を負う彼らは、制御剤の力を以ってすら長くは生きられない。生命としてのルールを逸脱した運命に魅入られ、彼らは刹那的な衝動にのみ突き動かされて生きている。
たった3人だけで影時間に生きてきた彼ら。宵も享楽を求めて夜の街を笑う。
タカヤ Takaya
凶行の担い手
ストレガの実質的リーダー。3人の中では推定年齢が一番高く、研究所から逃亡した当初から指導的立場に立っている。刹那的・虚無的な思考が強く、自分にも他者にもあらゆる物事への執着の愚かさを説く。復讐代行屋として銃の引き金を引くときも、自分の享楽はもちろんだが、相手の生にしがみつく無様な姿を浄化してやろうという思いがあるようだ。
かつて同列の研究対象であったタルタロスは、忌まわしい邪悪なものではなく、甘美な悪夢をもたらす近しいものだと考えており、ペルソナ使いの存在はもまた、タルタロスあってのものだとしている。そのため真意を知らずタルタロス破壊を目指す主人公たちの存在は、愚かな人間がシャドウの恐怖に怯えることへの嘲笑も込めて、抹殺すべきものだと捉えている。
主人公たちの働きではからずも滅びそのものである二ュクスの復活が秒読み段階に入ると、自ら二ュクスの代弁者を名乗り、滅びと破壊の思想で扇動する。
タカヤの救世主思想
• あなたが自覚している悪意と、相手が感じている悪意とは無関係⋯ 人はみな、聞きたいように聞き、信じたい事だけ信じるものです。(6月22日影時間・裏通り)
• 聞けば、人々を守るための、“善なる戦い” だとか。ですが⋯ 今夜はそれをやめて頂きに来ました。(8月6日影時間・防空壕跡)
• 時の限られたこの体⋯力を失ってまで生き永らえるなど無意味⋯ ならば、 私の生きた証⋯ この地に立てるのみ!(11月3日影時間・ムーンライトブリッジ)
• 分かっていますね⋯? 君には “居場所” など無い⋯ 私たちと来る以外にはね。君もよく知っている筈だ⋯ 怖いのは死ぬ事なんかじゃない。(11月21日深夜・辰巳記念病院)
• フ⋯亡霊などではありませんよ⋯ 生に “執着” などしなかった我々を、運命はそれでも “生かした”⋯ 私は “選ばれた” のです。(11月22日影時間・タルタロス)
自分たちの思想こそが浄化された世界を作ると信じるストレガのリーダー。痩せこけた体に長い髪、色素の薄い瞳という憂世離れした姿。
欲深き自称メシア
ほぼ同年代のはずのストレガですがタカヤは見るからに老け顔。不精ヒゲを剃って髪を切ったらかっこいいのに。
ジン Jin
知性派の爆弾魔
タカヤの右腕を務める少年。自作の爆弾を持ち歩き、武器として使用している。
社会から隔絶された自分たちだけのコミュニティの中で生きているストレガは、物資の調達の大半を影時間を利用した略奪行為によってまかなっているが、その指揮を担うのがブレーンであるジン。特別課外活動部を脱退してからの荒垣に接触し、ペルソナ能力抑制のための制御剤を提供することになったのも、ジンの情報収集能力あってのことである。またネットでは同名のハンドルネームで知られており、その知名度と情報操作のノウハウが、ニュクス教を一気に広げることを可能にした。
つねにともに生きてきたタカヤを崇拝しているが、それゆえに狂気の思想に囚われる彼を、命を捨てていさめようとする。
物議を醸す髪の構造がよくわかる右からの一枚。身につけているものひとつひとつにもこだわりが感じられます。
ストレガ一家を支える苦労人な屋台骨
実際的な生活能力の欠如したストレガを支える一番の常識人。資金調達から食事の世話まですべてを担う関西弁のミリタリーマニア。
ジンの毎晩大変なんだから
• お前を恨んどるヤツがおんねや。でもって、“復讐” を頼まれとる。(6月22日影時間・裏通り)
• お前らには “個人” の目的しかあらへん。どいつも本音はその為に戦っとる。お前らの正義は、それを正当化する為のただの “言い訳” ��。そんなんは “善” や ない⋯ ただの “偽善” や。そんなもんに邪魔されとうない。(8月6日影時間・防空壕跡)
• 破れかぶれは、あかん! ⋯すんません。でもこれは⋯ あなたが言うてくれた言葉です。(11月3日影時間・ムーンライトブリッジ)
• やめときや、タカヤ⋯ アンタには先がある! ここで無理したって⋯意味 あらへん! (11月22日影時間・タルタロス)
チドリ Chidori
手斧の魔女
白いドレスに身を包んだ、虚ろな表情の少女。ストレガのひとりとしてタカヤやジンと行動を共にし、ぺルソナ能力のひとつである索敵能力でふたりのサポートを行なうが、ふたりとともに戦いの場で力を振るうことは少ない。
感情表現に乏しく、とくに喜びや悲しみを表に現すことはほどんどない。それは幾月の下で受けた過酷な人体実験や、逃亡後の寄る辺のない生活によって後天的に身に付けた自衛の手段。また彼女は自身のペルソナを通して、あらゆる生き物に命を分け与えることができるが、これも自分の人生にはすぐ先に死が見えているという揺るぎない事実ゆえ、生きることに対してまったく執着を持たなくなった結果の悲しい力だ。しかしそれでも、ふたりが手を下す殺戮現場に決して目をやろうとしないのは、運命をゆがめて与えられる死への、本能的な嫌悪感を抱いているからかもしれない。
生を放棄した飛べない小鳥
可憐な容姿に似合わず手斧を振るって戦う少女。気の向かない相手とは一切会話せず、自分のペルソナだけを拠りどころに生きている。
冷めた目線はチドリのトレードマーク。豪奢なドレスは彼女の趣味なのか、ジンのお仕着せなのか。
あんたには関係ない私の言葉
• チドリよ。私の名前。順平が訊いたんでしょ? あの絵⋯もうすぐできるから。私の描いたものは、私にしか分からない。でもそんなに見たきゃ⋯来れば? (8月31日昼・ポートアイランド駅前)
• 命より、作戦が大事ってこと? 死ぬ事って、普通の人には一番の恐怖なんでしょ? ⋯ 違うの? (9月5日影時間・巌戸台分寮屋上)
• ⋯言っとくけど、心配してくれなんて、言ってないから。あんたの勝手な早合点でしょ。(9月8日昼・辰巳記念病院)
• なにそれ⋯ なんで、そんな顔してるの? 死ぬなんて怖くないのに⋯ 死なんて、あした目が覚めないってだけ⋯ ただそれだけじゃないの。(9月10日昼・辰巳記念病院)
• そう⋯アイツのせいよ⋯ アイツが近づいて来てから、私、毎日、苦しくて⋯ 死ぬのが⋯怖くなって⋯ (11月21日深夜・辰巳記念病院)
• 順平と一緒に居ると、怖くなかったものが、なんでも怖くなる⋯ 無くすのが怖い⋯ 死ぬのだって怖い⋯ 一緒の時間が終わっちゃうのが⋯怖い⋯ だから、私⋯ (11月22日影時間・タルタロス)
「チドリ補正」の入った超ナイスガイな順平とともに。幸せになって欲しいカップルNo.1。
順平との出会いと「生きること」
敵同士としての立場にありながらも献身的に尽くす順平と出会って、チドリは少しずつ生きることの意味を知る。けれどそれは自分自身の死の認識と同義。ずっと忘れていた死ぬことの恐怖におののきながら、それでも彼女は愛する彼に生きて欲しいと願った。
頬を染めたグラマラスなチドリの魅力に、すっかり鼻の下が伸ぎ切った順平がキュート。がんばれヒゲ男くん!
#persona 3#p3#p3 club book#strega#takaya#jin#chidori#scanned these ages ago but have only now transcribed them
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出会った頃から掴めない人だった。もう8年の付き合いになると気づいた時、お互いに笑ってしまった。初めて会った日を全く覚えていないし、恐らく相手も覚えてないだろう。学生の頃は良く遊んでいたけれど、社会人になってから予定がすれ違い、久しぶりに会うと随分と髪が伸びて、金髪になっていた。新宿駅の待ち合わせでかなり探してしまった。お互い最後にいつ会ったかも覚えていなかったけど、たまに交わす連絡で大まかな近況は知っていた。4年付き合った彼女と別れた、私は仕事を辞めた、など。暑い夏の日だった。
そこから1年半後、最悪の状態で終電を無くした私はダメ元で「家に泊めてくれないか」と連絡していた。1人暮らしで夜中に起きている人はかなり限られている。3人に連絡して、1番最初に連絡が返ってきた。同棲していた彼女と別れて1人暮らしに戻っていた家に、こんな形で来ることになるとは。笑ってしまった。タクシーで向かうと、1年半前よりももっと髪が伸びて、後ろにひとつに結んでいた。毛先だけ金髪で、また誰なのか分からなかった。学生の頃は私が喫煙者、相手は非喫煙者。嫌煙していたのに、今では喫煙可能の喫茶店を探すほどに。ワンルームなのに煙草の匂いが全然しなかった。「生活感がない」という言葉を体現したかのような人間なので、部屋も本当に物がなかった。同棲する前の、学生の頃に住んでいた家は何回も行ったことはあったけど、その時よりも何もなかった。柑橘の、何か甘いような匂いがした。夜中に押しかけた上に、1年半ぶりの再会がこれなので、申し訳なさすぎてベッドの横に座布団を敷いて、座ってずっと映画を見ていた。仕事終わりだったらしく、すぐベッドに入って眠っている。時間が過ぎるのを待てれば良いので、息をひそめていた。寝返りを打つたびに、手が触れるのを感じていたけど、もう良い大人なので、気付かないふりをした。床が冷たすぎて、何も考えずに済んだ。
お互い何も言わないけれど、学生の頃に、何度もキスをしたことがあった。その先の、線は越えていない。不思議な関係だったことを、そういえばずっと忘れていた。それが去年の、寒い日だった。
年が明けた。ダラダラとラインをしていると「めちゃくちゃ酔っ払った」と来た。どうやら新年会で飲みすぎてしまったらしい。水を飲め、など面白がっていると「暇なら来てほしいレベル」との連絡。この前世話になったしな〜と、支度を始める。まだ三が日が過ぎたばかりで、私が家に押しかけた日から1ヶ月も経っていなかった。ウケるな〜と思いながら、タクシーに乗って向かった。夜中の0時前に着くと、ベッドに転がっていた。めちゃくちゃ酔ってるけど、頑張ってお風呂には入ったらしい。危険な行為すぎて呆れてしまった。しばらく酔った人で遊ぶ。おでこにペットボトルを乗せたり、水を飲ませたり。何要員で呼ばれたん?と聞くと、心の支え・おしゃべり要員、と言われた。そう言った割にすぐに寝息が聞こえた。まだ着いて1時間も経っていなかった。床が冷たすぎる。暖房がついてるはずなのに、顔にだけ温風が直撃して死にそうなので、寝ているのを起こしてベッドに入って良いか確認、滑り込んだ。背を向けて横になって寝ているので、私は壁に背をつけて、下半身だけベッドに入った状態で映画を見た。腰が痛くなって、私も横になる。お互いに背を向けた状態で寝っ転がって、ぼんやり映画を見ていると、後ろから抱きしめられた。もう私は彼氏と別れていたし、なんとなく予感と期待があったので放っておいた。暖かい。映画を見始めたばかりなのに、全然集中できないし、眠気も来ない。私は人と一緒に眠ることができない。暖かさだけを感じて、映画を見切った。もう諦めて、お互い向かい合って抱き合った。間接照明も消して、窓から明るさだけが頼りの部屋で。線を越えたことはないし、多分これからもない。性的な雰囲気が一切ない男だ。不思議と、それが私を安心させた。背中に回った腕で、背骨と肩甲骨の形を何度もなぞる。痩せていて、大きな背中だ。向き合っているので、何度も目が合う。唇ばかりに目が合ってしまう。暑い。手が何度も頬に触れて、焦げる。同じことをきっと考えているけど、何も話さなかった。キスをした。唇の形を確認し合うような、軽いキス。何も話さず、キスをしては抱きしめ合って、背骨の数を何回も数えた。1、2、3...と数えても、途中で分からなくなった。カーテンの隙間から、朝日が差し込んできた。何故か遮光カーテンだけで過ごしている。カーテンレールに、毛布を掛けて、朝日が眩しくないようにしていた。またベッドに戻ると、少しだけキスをした。
二日酔いどう?と聞くと、まだ頭が痛い、とうんざりした顔をしていた。ベッドから出ると、何も起きて無かったかのように、数時間前のように、2人で換気扇の下で煙草を吸った。仕事が残っているのはいつものことで、15時頃に一緒に家を出た。タクシー代をきっちり回収して、電車で帰った。コートとマフラーから、あの、柑橘の甘い匂いがして、顔を埋めた。体温を反芻しては、どんな性行為をするんだろう、と想像してしまい、死にたくなった。
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【ガチでヤバい】京都最強の縁切り神社『安井金比羅宮』、最悪自分が死んで縁切りの可能性あるから気をつけて! 「会社で出世したいからバカな自分と縁切りしたい」と願った結果… : はちま起稿
以下転載 https://x.com/haisupe_bijo/status/1920393996473376966
安井金比羅は形を問わずに強制縁切りさせてくるから、最悪自分が死んで縁切りになる可能性もあるから気をつけて 「細かく条件を付ければOK」って言われてるがあれはマジで嘘 「2つの会社で出世したいので、バカでブスな自分と縁切りしたい」って願ったけど、普通に会社が2つとも倒産した
・https://x.com/haisupe_bijo/status/1920399400964145177
間違えた 1個はクビ 1個は倒産 2年前に「今年中に叶いますように」と祈って、1年遅れの1年前に叶った お札とか絵馬とか、そこに書かれた「名詞」と「名詞」の縁を、どんな形でも良いから切らせてくれる神様なんだと思う
・https://x.com/Queen_of_Thorns/status/1920696937403322608
ガチガチの安井金比羅宮信者だけど、 元彼以前の男全員と縁切れますように ってお願いしたら、ガチで全員からピタッと連絡が止んだ 一方痩せますように、脂肪とサヨナラできますように とお願いしたら、過食嘔吐になったし、脂肪吸引をしたら死ぬ1歩手前までの貧血になり入院して輸血案件になった✨️
・https://x.com/mmirspark/status/1920730479155691813
縁切り神社と言われてるけどそもそもは悪縁を断ち良縁を結ぶ神社であって何でもかんでも願えば縁切れるわけじゃないと思うけど、あそこの絵馬はまじでエグいこと書いてる人多すぎて雰囲気も他の神社と違いすぎる。
・https://x.com/moon19990123/status/1920876859446694328
一緒に行った友達と縁が切れてしまったって人多いけど、私は毎年誰かしらの友達と行ってるけど、全く切れてないからこれは本当に人によると思う! でも絵馬に書いたことはほぼ全部叶うから、もうこの神社しか信じれない。 ちなみにあの行列のできる石をくぐらなくても絵馬に書けばほぼの願いが叶う。
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05/04/2024

人間ドッグに来ました🏥 病院に早く着いてしまい、他の方たちと入口で並んで待っていました。 その横で咲く桜の花が綺麗でした🌸
殆どの方は職場の健康診断で私とは別の階での検診だったようで、チェックイン後、すぐ別れました。


早かったおかげでチェックインも私の階では一番乗り。 基本の検査の待ち時間も殆ど無く順調に進み、2時間後には大腸&胃の内視鏡の洗浄液の服用に入りました。


キャンディは舐めればOKなので、美味しくない薬を飲みながら、糖分補給をして過ごしていました。
幸いなことに、私は早い段階で内視鏡検査に入れました。
今日は早起きして検診していることもあって、ベッドに座った時点で既に睡魔が襲ってきます笑 私の場合は毎回、鎮静剤使用後、次に気付いたときには検査は終わっているパターンです。
今回は初めての検査もあり、時間が長かったこともあってなのか、ベッドが別部屋に運ばれていくところが朦朧とした記憶に微かに残っています。
検査を行った看護師さんに言われて初めて知りましたが、今回は大腸検査の最後の段階で目が覚めたそうです。 2人が慌ててフォローしようとしたら、 「眠いです…」 と言い残して再び熟睡していたそうです笑 記憶にないのがまた恐ろしい笑

14時15分、遅い昼食時間です🍴 病院の食事なのに、本当、美味しいんです🥰

私は勿論『肉』をチョイスです🍖







サラダとデザート、ドリンクはバイキングコーナーからもらって頂きました🥗🍰
去年の秋から15時からピアノ演奏のサービスがあるそうで、サザンオールスターズの真夏の果実を演奏してもらいながらの昼食でした🎶
検査結果の資料は後日郵送してくれますが、結果は早く聞きたいので、今年も聞いてから帰ることにします。
去年の4月の検査ではCT検査した大腸が引っかかったのと、去年の秋から減量に励み、順調に8-9kg落ちましたが、喜ばしく思う反面、もしかして癌で痩せたのか…と心配もしながらの検診でした。 私が半年近くの間に急激に痩せたことから、田舎に住む一部の親戚から、私の重病説が広がっています…苦笑 それもあって今回は内視鏡で調べてもらいました。
結果は陰性で、癌の兆候も一切ないとのことでした。 去年、CTで引っかかった理由は、大腸に残ったかすかな食物でしょうとのことでしたので、また安心していっぱいご飯が食べれます🍚
ここの病院の検診代、お値段もそれなりにしますが、自分の体への投資だと思っています。 既に亡くなりましたが、私の父の難解な病気の早期発見もしてくれた病院で、父が最期まで元気に過ごせたのはここの医療従事者のレベルの高さもあってのことだと思っています。





ここはマストです笑
あまおういちご ホワイトチョコレート ショコリキサー🍓


イオンモール熊本なので、村上選手の垂れ幕⚾


ストーンマーケットで可愛いブレスレットがあったので購入✨
明日から使おう♡
#備忘録#photography#japan#reminder#kyushu#美味しさは正義です#スイーツには夢がないとダメ#sweets#kumamoto#人間ドッグ#godiva chocolixer#godiva#stone market#イオンモール熊本
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「令和の米騒動」とも言われるコメの異常高値が続き、政府は備蓄米21万トン(初回15万トン、状況をみて追加)の放出を決定。江藤拓農林水産大臣は2月18日の閣議後記者会見で「大手スーパーに卸売業者からコメの売却を打診する動きがある」などと「流通の活性化」を強調した。しかし、後手後手に回ってきた政府のこの窮余の一策は本当にカンフル剤として機能するのか。前編に引き続き、千葉県いすみ市の「株式会社新田野ファーム」代表取締役・藤平正一さんら、コメ農家の現場の声を届ける。 「そもそも、これまでが安すぎだったって感覚が農家としてはある」 備蓄米が放出されればコメの値段は安くなるのかという疑問について、藤平さんはこう言い切る。 「農水省がまず初回は15万トン出すって言ってるけど、あれを全部市場に流したって1ヵ月持たないよ。だから1ヶ月後にコメがなくなればまた同じことだよ。仮に放出した直後にいったん少し価格が下がったとしても、すぐに戻ると思う。現に農水省の放出宣言を受けてから転売ヤーの中国人は『さらに60キロあたり2000円上乗せして買う』って言ってきてるくらいだから。 備蓄米が放出されてもすぐになくなって逆に値段が上がると踏んでるから、さらに高くても仕入れようとしてるんだろうね。15万トンじゃみんなにコメはいきわたらない。少なくともその程度の量の備蓄米の放出でコメの値段が下がり続けるというのはないと思うよ。今後も現状価格かそれより上を推移すると思う」 現場のコメ農家からすると、「令和のコメ騒動」以前の価格がそもそも適正とは言い難かったという。 「そもそも『これまでが安すぎだった』って感覚が農家としてはあるから、今ぐらいの金額で推移してくれないと潰れちまう。俺は25年間コメ専業でやってるけど、その25年間で1億円以上のマイナスだよ。銀行に借入してどうにかして、赤字でもやめずにやってる。ここで始めた頃から周囲には『コメ農家なんてすぐに潰れる』って言われて、それで意地で潰さずやり続けた。子どもたちには『いい加減にやめてくれ』って言われてるよ。続けるだけ借金が増えるんだから。 そのうえ2000円だった肥料がここ数年で5300円にまで値上がってるし、ガソリン代の値上がりもすごい。コンバインだって1600万円が2000万円くらいになってる。それが一生使えるわけじゃなくて7年とかで入れ替えるわけだからさ」 「どうしてもお米が欲しいから売ってくれないか」と訪ねて来たが… 物価の高騰は一般消費者だけでなく、当然のように第一次産業の従事者をも痛めつけてきた。藤平さんが続ける。 「お金かかるんだよ、コメ農家は。例えばベトナムのような環境では年に3期作でコメを作るから量は取れる。でも、土地が痩せて質が落ちていく。反対に日本は1年に一回生産だから量産はできないけど、土地を痩せさせないから、当然おいしい。ベトナムでも今は種もみは日本のを使ってるから見た目はそんなに変わらないけどね。 そんなこともあって、しばらくコメの高騰問題は解決しないと思うよ。値段がどこまでも上がり続けることはないと思うけど、備蓄米の効果で安くなって以前の価格に落ち着くことはないと思う。さっきも言ったけど、25年間続けてマイナスばっかりだった。今年はようやく少し利益が出てくれそうだな、という感じなんだよ」 降ってわいた“コメバブル”でひと息ついた農家もあれば、恩恵にあずかれない人たちもいる。千葉県内の別のコメ農家の男性は、取材にこう答えた。 「ウチもJAには出してなくて直販売でやってるけど、コメの価格が高騰したといっても今のところ何の恩恵もないよ。ウチは基本的に予約分をさばいたらコメの在庫がなくなるからね。 たしかに昨年、『令和のコメ騒動』って騒がれて以降は、まとまったコメがあるかどうかの問い合わせや、外国、特に中国の方が『どうしてもお米が欲しいから売ってくれないか』と訪ねて来たことはありましたが、ないものは売れないですからね。今年に関しては予約の段階で、買うコメの量を増やしたいという申し入れが多く、私も少しだけ値上げさせてもらいました。いや、ほんと少しだけの値上げですから」 「レンジでチンするご飯の業者もフル稼働状態だって…」 備蓄米の放出の効果については、疑問符がつくと首を傾げる。 「初回に15万トンの放出ということですが、それではほとんど値下がり効果はないと思いますよ。少なくともその倍の30万トンとか一度に放出しないと、そもそも全国にコメが回ってもいかないでしょうね。 しかも10万トン分を令和6年産米、5万トン分を令和5年産米とするという方針もよくわからない。単にバランスをとってそうしたのか、もしくは本当は100万トンも備蓄していないから、そんな小出しにするんじゃないかって疑われても仕方ないでしょう。いずれにしてもここまで対策が遅れては、価格が落ちたとしても一瞬だと思いますよ。 根本的なことを言えば、今コメ農家は減る一方なので、収穫量が減っていくならこういった買い占められるタイミングは今後も来ると思いますし。転売ヤーや企業がコメを買うのは違法でもなんでもないから止めることもできないですよね。それにコメを使わなきゃ成り立たないところや企業も必死に確保に走るわけですから。 今は『サトウのごはん』みたいなレンジでチンするご飯の業者もフル稼働状態だってボヤいていましたよ。おそらくものすごく売れてるんでしょう。備蓄米の放出が随時行なわれるわけじゃなければいずれコメは枯渇すると踏んで、今度はレンジのチンのご飯を転売ヤーたちが買い始めてるんじゃないですかね……。正直すごい事態だと思います」 パンがなければケーキを食べればいいじゃない。お米がなければお餅を食べればいいじゃない。けれど、わが国の「指導者」たちならこんなことを言い出しても不思議はなさそうだ。 ※「集英社オンライン」では、今回の記事についての情報を募集しています。下���のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。 メールアドレス: [email protected] X(旧Twitter) @shuon_news 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「そもそもコメはこれまで安すぎた。肥料にガソリンに機材も値上がりで赤字続きだよ」それでも日本のおいしいコメを作り続ける農家の嘆き「15万トンの放出米なんて1ヶ月ももたないね」(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース
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午後十二時、浩志は上野駅にいた。正面改札の前で、壁に寄りかかりながら猪熊弦一郎が描いた絵を見つめていた。彼は、大学を卒業して帰郷することになった時のことを思い出していた。あの日、幸雄とはしばらく会えないと何度も上野駅のホームで抱擁と接吻を交わし、発車直前の電車に乗ったっけ。当時は未だ特急がなかったから上野から水戸まで二、三時間かかった。脳裏に渡辺はま子の「夜のプラットフォーム」が流れ、ホームが途切れるまで幸雄は手を振りながら見送ってくれたなァ…。再上京した時も彼は抱擁し、おかえりと言ってくれた。
そんな記憶が次から次へとよみがえり、浩志はため息をついた。過去と現在が彼の中で交差する中、生天目が手を振りながら走ってきた。一緒に働いていた時より腹が出ているなと、浩志は思った。生天目は言った。
「久しぶりだな、元気か?」
「あぁ。しかし、お前…太ったか?」
「実は、お前が学校を辞めた後に結婚したンだ。嫁さんが料理好きで…。子どもも二人いるンだ」
嗚呼、幸福太りかと浩志は思った。結婚すると男も変わるンだな。オレは結婚したとしても、あぁはなりたくないなァ…。そう思いつつ、二人はこの界隈で食事をすることにした。交差点を渡ってすぐのレストラン「J」で、二人は定食とビールを注文した。この日は家族連れで混雑していた。恐らく、「上野動物園」へのお客さんが殆んどだろう。浩志は子どもの声が嫌いだが、まァ、生天目は酒に「飲まれる」質だからとすぐ食事が済んだら喫茶店でも行くかと思い、我慢することにした。
互いに乾杯をし、一口飲むと生天目はハァ〜と笑顔で、
「美味いなァ!」
と声を上げた。すっかり「デブ」と化してしまったなと、浩志は苦笑した。嗚呼、もし「ノンケ」じゃなければ連れ込み宿でいじめてやりたいと、彼は思った。
生天目は、忍が卒業してからも文通をしていることを話した。東京には月イチで来ては上野の美術館を観て回っており、あの忍の裂けてしまった学生服のスラックスを縫った家庭科の女性教師と結婚したのだそう。浩志はあの、スラックスの後ろが上から下まで縫い目がほどけ、弾けるほどに肉付きのよかった忍の真っ白なブリーフを思い出した。やはり、忍も話していたが、浩志の代わりを務めたラグビー部の新しい顧問はあまり熱心でなく、最終的には廃部になった様だった。浩志が教えていた時には英語が好きだった生徒も、担当が変わったことで嫌いになってしまった者もいたらしかった。生天目は、
「お前のいない県立M高校は、本当につまらなくなってしまった」
と話した。彼は続けた。
「オレが今の県立J高校に異動する前、実は忍のお姉さんが直接話に来たな。彼女はてっきり佐伯が忍に手を出したと思ったらしく、教育委員会に告発してしまったと。しかし、親父さんから『忍には手を出していない』と言われたンだろうな、彼女は自分の勘違いだと思って謝罪したそうだよ」
この言葉に浩志は、何を言うンだと思った。どれだけオレが傷付いたのか解っているのか?と、彼はビールをもう一杯注文した。生天目も、オレもと追加を頼んだ。おいおい、大丈夫か?と浩志は心配そうに生天目の表情をうかがった。ビール一杯で顔はうっすらと赤くなっていたが、急に彼は真面目な顔つきになった。
「…佐伯。また教壇に立つ気はないか?」
一瞬、浩志は周囲のざわめきが聞こえなくなった。え、何だって? 彼は酔った勢いで言いやがったンだなと思い、
「おいおい、冗談はよせよ。オレ、二度と教師はやらねぇよ。学習指導要領だって変わっちまったッぺよ。それに、いったん懲戒免職になったンだ。何処も使ってくれねぇよ」
と、彼は揚げだし豆腐を口に運んだ。しかし、生天目は急に正座をし、頭を垂れた。
「お願いだ、また戻って来てくれ!」
二人のすぐ隣に座っていた数人がびっくりして振り向いた。浩志は、土下座するンじゃねぇよ!とあたふたした。ここではちょっと無理だなと、とりあえず食事を済ませて他でじっくり話すことにした。
現在はマルイとなっている通りを二人は入り、ちょうど御徒町駅の間に位置する純喫茶「O」に向かった。古めかしい、今の言葉でいえば「レトロ」なシャンデリアが室内を照らす空間で、二人は先刻の話の続きを始めた。生天目は、恐らく独身の頃から着ているのだろう、歩いているうちにはみ出したワイシャツをスラックスのホックをいったん外して直した。チラッと赤と青のラインがはしったブリーフのウエストゴムが見えた。浩志はその様子を見ながら、
「生天目、少し痩せないとヤバいぞ」
と言った。彼は、
「…嫁さんからもそう言われてるンだよ。一度、学校で忍みたいにスラックスがケツのところで裂けちゃって…。授業中でのハプニングで恥ずかしかった」
と話した。
コーヒーを片手に、二人は話を再開した。こんなオレを使ってくれる学校があるのか?と浩志は聞いた。すると、
「実は、水戸駅南にある私立S高校ってあるだろ? まァ、私立だから『滑り止め』だけどね。大学時代の友だちが勤めているンだが英語が教えられる教師を探してるらしいンだ。でも、名前を書けば入れるところだからレベルは低い。よほどタフな精神力がなければならないらしいよ。お前、大学時代からラグビーをやって全国大会までチームを導いた実績もあるし、適���かな?と思って」
と生天目は言った。私立S高校…昔からある学校ではあるなァ。親父が再三バカにしてたっけ。浩志は若干気持ちが向いたが、この東京での生活も申し分ないし、迷った。それに、幸雄とまた離れるのは辛い。彼は、コーヒーをスプーンでかき混ぜながらしばらく沈黙した。今夜、幸雄に相談してみるか…。
「…ちょっと考えさせてくれ」
浩志は生天目にこう言った。
午後三時に浩志は生天目と上野駅で別れた。生天目は、連絡を待ってると電話番号を書いたメモを渡した。今住んでいるのは常北町らしかった。随分、田舎の方に住んでいるなと、浩志は思った。
正面改札で生天目を見送ると、浩志は営団地下鉄の方に向かい、浅草まで銀座線、東武鉄道で向島へ行った。幸雄はこの日はずっとアパートにいると、予め公衆電話からかけた時に言っていた。たどり着くと玄関で幸雄は待ってましたと言わんばかりに浩志を抱きしめ、唇を奪った。あれよあれよと彼はワイシャツのボタンを外され、スラックスも脱がされてしまった。幸雄も欲情のままに下着だけになり、ブリーフ越しに己の股間を浩志のものに押し付けた。
喘ぎ声と、何度も愛の囁きを呪文の様に繰り返しながら、二人は絡み合った。職場は同じでも、ここ二週間は情事が殆んどなかった。浩志も幸雄も、これまで溜めていた愛液を枯れるまで跳ばし合い、快楽の極地まで流されていった。
午後七時を回っていた。二人は最寄りの銭湯で身体をキレイにし、少し散歩でもしようかと言問橋の手前で階段を下り、隅田公園を歩いた。大学時代、一秒でも一緒にいたいとよく散策をしたのを浩志は思い出した。水戸に戻る前日もそうだった。未だ、ちらほらと梅の花が散らずに残っていた。微かに沈丁花の香りもし、もうじき春を迎えるなと浩志は思った。背後から幸雄の姿を追いつつ、彼は言った。
「…実は」
なかなか次の言葉が言い出せずにいた。あんなに沢山愛してくれた後に再び別離の話をするのは、正直心苦しかった。幸雄は振り向くとこう言った。
「…もう一度、教師を目指すのか?」
えッ!?と、幸雄には一言も話していないのにと浩志はびっくりした。彼は、
「な、何で知ってるの…!?」
と聞いた。すると、幸雄は近寄って浩志身体を両腕の中に包み込んだ。グッと引き寄せながら、
「先刻、君が途中泣いてたし、何度もオレの名前を呼びながら強く抱いていて、何となく…」
と言った。彼も、浩志が東京を離れる前のことを思い出していた様だった。胸の中で抱かれながら、浩志は幸雄のぬくもりにふと涙した。彼は言った。
「昔の同僚が知り合いのいる高校で英語を教える教師を探してるって話をされ、一昨日は昔の教え子も来て…。何か、行かなくちゃならないかなって…。幸雄とまた離れるなんて…」
「…否、オレはいつでも待ってるよ。また辛くなったら来ればイイ。オレは君が幸福に生きてくれればそれでイイんだ」
「…幸雄!」
翌日、浩志は勤めていた新聞社に辞表を提出した。間もなく私立S高校で面接もあり、浩志は四月から正式に勤めることになった。みいは、また水戸に戻ることに半ば淋しさを感じながらも祝盃を共にした。幸雄も、水戸に戻る前日に銀座の「Lビヤホール」で一緒に飲んだ。そして、向島の下宿で朝まで愛し合った。
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白銀の森
森が俺を呼んでいる。
故郷を奪われ、家族を奪われ、怒りのままに呪わしき男の影を追いかけた。しかし、暗黒の牢獄の奥底で、彼はすでに生き絶えていた。 手当たり次第に怪物たちを倒し、激しい怒りを、悲しみを、憎しみを、全身で湧き上がらせる。野獣のように暴れ狂う俺の前に、一頭の狼が現れた。
彼女はムーンレス。歪んだ世界で様々なものと融合してしまったが、人懐っこい狩の名手であった。腐肉を食べるとすぐに懐いて、俺の飢えた、悲しき心に彼女は寄り添ってくれた。たくましい四肢と夜の草むらのような香りがする毛並みを撫でると、子供の頃に真夜中ひとりで用を足しに行った時、遠くの河岸にこっちを見ていた狼の母子を思い出した。 感傷的になっていた俺の頬をムーンレスが舌で舐める。
この監獄でなすべきことは残されていなかった。より奥へと進んで、さらに強い敵を探し、死に場所を求めることもできただろうが、ムーンレスの湿った鼻が手に当たると、虚しい殺戮に溺れることを諦めることができた。
仇討ちのためだけにはるばるこの地に降り立ったが、もう帰る場所はない。諦めたら諦めたで、やはり虚しい。監獄を後にしても、ムーンレスは俺を心配してついてきた。今にも死にそうな仲間に思われたのだろうか。ムーンレスもこんな姿では森で他の狼と暮らすことはできないだろうに、外の世界に出て良かったのだろうか。尤も、俺自身も今どんな姿になっているのか分からなかった。もしかすると、あの生白く巨大な護衛か、爪や角が生えた悍ましい怪物に成り果てていたとしても驚くまい。
牢獄を覆う森の中、特に目的もなく彷徨っていたら、道のど真ん中で行き倒れている人間を見つけた。黒い服、長い髪、片腕が無く、雑な処置をしただけでまだ包帯から血が滲んでいた。 血の色と匂いからまだ生きていそうだ。ムーンレスが吠えると、身じろぎした。 「大丈夫か」 声をかけると顔をこちらに向けた。痩せこけており、目の周りに黒い影がある。あの牢獄にいた闇の司祭に似ている。 奇妙な化物たちに追われ、仮面を被った全裸姿の謎のカルトを見てきたせいで、普通に服を着て生きている人間を見つけただけで妙に信頼をしてしまった。普段なら服を着ているだけでこんな風には思わないだろう。倒れていた男が何かを言おうとしていたようだが、そのまま意識を失った。
安全なところに運び、水を飲ませて焚き火のそばで温めた。しばらくすると目を覚ました。 「気がついたようだな」 「…………」 「お前あんなところで何をしていた?」 「…………」 俺の言葉が下手なのか。一応街や船では通じていたが。ムーンレスが近寄ると身体を強張らせていた。 「大丈夫、彼女は何もしない」 「私は動物が嫌いなんだ」 「おや、口が聞けるようだな」 手招きしてムーンレスを呼び寄せる。 「俺はラグンヴァルドルだ。お前は?」 「……エンキだ」 エンキも俺と同様に地下牢を探索していたようで、敵に腕を切り落とされて、森で薬草を探してる最中に行き倒れたそうだ。 「街で治療を受けるべきではないか?」 「ロンデンの外科医の腕前を知らないようだな」 「……何か俺が助けになることはあるか」 「何故初対面の私を助けようとする」 「じゃあどうするんだ」 エンキは私の腕を指して言った。 「肘のあたりに鱗がある。貴様、サーモンスネークの魂を持っているな?」 「え?ああ、これのことか?」 坑道の水辺に現れた怪魚の魂を込められた石を見せる。身につけていると身体が硬化し出血しなくなる代わりに、少し皮膚に鱗が現れるのが難点だが、怪物たちと対峙するときに大いに役立った。 「貸せ、止血に使いたい」 「嫌だ」 「おい!さっきは私を助けようとしていたのではないか?」 「貸した後に返して貰えないと困る。これのおかげで俺も四肢を失わずに済んだし、珍しいから渡したくはない。何か差し出せるものはないか?」 「……何を要求するつもりだ」 とはいえ別に何も欲しいものはない。幼い頃から、獲物をどこまでも追いかける狩人であることと、自分の獲物をなるべく外国人に高く売る商売人であるように、周囲から叩き込まれた。仲間には気前よくどんな頼みでも聞き、困ってる人には手を差し伸べるが、いざ取引できそうになると、交渉してしまう癖があった。 「……しばらく一緒に行動しないか」 「それが要求か?」 「そうだ」 「いい、分かった。逃げないから、早く貸してくれ。血が減ってきた」 怪魚の魂を込めた石を受け取ると、包帯を外して腕の傷が塞がったことを確認した。 「これもしばらくつけていろ。体力と気分が落ち着く指輪だ」 革紐に二つの指輪を通したものを、首にかけた服の下にしまっていたが、それを外してエンキにつけた。 「……悪いな」 「今から仲間だからな」 「変な気を起こすなよ」 「冗談じゃない」
俺の格好やムーンレスは人里や街中ではあまりにも目立つ。森の外れ、水辺のあるところで次の目的地が決まるまで、簡単な拠点を作り野宿をすることにした。 彼は魔術を操るようで、俺が魔導書や魔術に関するアーティファクトを要求するならば殺すつもりだったらしい。俺はただ、あの地下牢に閉じ込められた男に復讐を果たすために来たのであって、この地にまつわる伝承や儀式には全く興味関心がないことを聞いて納得したようだった。 「私もあの地下牢には立ち寄ったが、私が到着した時には彼は死んでいた。貴公が殺したのだな」 「いいや、違う」 「ならば、良かった。復讐なんてくだらない」 「黙れ、お前に何がわかる」 「…………」 「いや、すまない」 焚火で木が爆ぜる音だけが響く。不穏な空気に、ムーンレスは悲しそうに鼻を鳴らす。
来る日も来る日も、薪を切り、狩りをして、家を建て、次の目的が思いつくことを待っていた。エンキはだいぶ回復したようだが、片手でできることは限られている。エンキは毎日丸太に座って、地下牢の探索で見つけた本を、何度も読んでいた。 「エンキはこの先どうするんだ」 「私は貴様の次の目的が見つかるまで囚われの身なのでね。貴様が決めなければ私も決まらない」 「そうか」 「私にも、私の帰りを待つ故郷も家族もない」 「そうか」 何かを誤魔化すように、薪を割ることに集中しすぎていたら、数日分もの薪が溜まって、明日の俺の仕事を減らしてしまった。
真夜中に目が冴えて、水を浴びに近くの湖へと訪れた。水面に夜空が映し出され、どこまでが地面で、どこからが水なのか境界は見え辛くなっていた。足元の感覚で境目に屈むと顔を洗う。ふと顔を見上げた時、白い大きな鹿が湖の向こうに立っているのが見えた。なんて大きい、初めて見る美しい鹿を見ていると、引き込まれていった。
ムーンレスの激しく吠える声で、意識を取り戻す。気がつくと腰まで水に浸かっている。動物嫌いなのに、ムーンレスのすぐ隣にはエンキも立っていた。 「何をしている。こんな時間に水遊びするな。死ぬぞ」 エンキが嫌味ったらしく俺を引き留めた。呆けてただけなのに入水しようとしたと思われた気がする。恥ずかしくなって急いで湖から上がった。 濡れてしまった装備を木にかけておいた。まだ夜明けまで時間があり、二人とも眠いだろうに、ムーンレスが口で薪を積んで、そこにエンキが何かをぶつぶつ唱えると薪に火がついた。 「しばらく火にあたれ。地下牢から離れても森は常に人を惑わす存在がいる」 「そのようだな。ありがとう、エンキ、ムーンレス」 火に当たると、他人からの優しさに触れて急に涙が出た。俺の精神が大分だめになっているようだ。 「月だ、月が心を乱しているんだ。だから、早く天井を作ってくれ」
三人で並んで横になっていた。星を見ていると不安な気持ちが募る。まだ眠れなくてエンキに話しかけた。 「あの男が、死んでお終いなんておかしい。きっといつか、再び世界に混乱を引き起こす」 「ラグンヴァルドル」 「俺の考えすぎならいい。だが、あの立方体のために俺の故郷を滅ぼす必要があっただろうか。取引や交渉の場があれば、誰も、何も……」 「休め。今夜は満月だ。狂気に飲まれやすくなっている」 「月は関係ない」 「ああ、そうだ」 「エンキも関係ない」 「それは違う」 「ムーンレスも」 「可哀想なことを言うな」 俺と関係ないことが傷つくのか? ヒルデの歌が聴きたい。ニョルンの寝顔が見たい。ウルドと酒が飲みたい。もう全部できない。二度と幸せは戻らない。かけがえのないものを奪われたのに、復讐することすら失敗した俺なんかと、関係がある人間はどこにもいない。
誰の目から見てもラグンヴァルドルの精神は追い詰められていた。 「貴様は人里の中にいないといけないのに、人を避けて暮らしているせいで気が触れている。私は一人きりの世界にいくらでも過ごせるが、貴様はそうではない」 「…………」 全くもってエンキのいう通りだ。だが、故郷を失い、他の地域でどうやって暮らせばいいのか分からない。 「ロンデンへ行く。ムーンレスは森に残ってもらう」 「森の中でひとりぼっちなんて、ムーンレスが可哀想だ」 「愚か者め、こいつも私と同じだ。一人でも平気だが貴様への好意だけで寄り添っていた」 「えっ」 「何だ、そんなに意外か」 「エンキは俺が好きなのか」 「言葉の綾だ。揚げ足をとるな」
ムーンレスとの別れの挨拶を十分過ぎるほどやった。ムーンレスは俺がいなくても平気かもしれないが、俺は平気じゃない気がしている。森を後にして街に向かってひたすら歩いた。道すがら馬車が見つかって、後ろに乗せてもらった。 3人で過ごした小屋は壊すのが惜しくて残していった。人がいなくなると家は一気に壊れやすくなるので長くは持たないだろうが、かといって自分の手で壊してもいいとは思えなかった。血まみれの故郷が今どうなっているのか考えるとまた目の前が真っ暗になりそうになった。具合の悪そうな俺を見て、エンキは黙ってタバコを手渡してきた。はじめは怪我をして弱っていたのはエンキの方で、俺の方が元気だったのに、今ではすっかり逆転してしまった。
ロンデンに到着すると、エンキの知り合いであるブレア家に世話になることになった。大きな屋敷の中、使用人は俺とエンキを怪訝な顔で出迎える。家主とエンキが話をつけると、馬車で街まで出ることになる。 「仕立て屋に行く。"そんな姿"では目立つからな」 俺の自慢の毛皮はここでは場違いだ。エンキの服も大分周囲から浮いているだろうに。 こんなに大きな男は初めてだと仕立て屋がぼやきながら、身体を紐で測られた。しばらくの間は簡易なローブを借りたが、着慣れない服や靴に戸惑った。
屋敷では毎日講師がついて、ロンデンの貴族のマナーを叩き込まれる。我流で覚えていた言葉も、文法から細かい語彙まで覚えて、さらにテーブルマナーまで教わった。 しばらくすると仕立て屋に頼んでいた服が卸された。エンキは俺の着替え姿を見て鼻で笑った。 「馬子にも衣装だな」 「お前なりの似合っているという意味の言葉だと解釈した」 自分としては何がどう"良い"のかさっぱりわからないが、されるがまま着ていた。全身ぴったりな服は着慣れなくて、エンキのあの薄っぺらいローブが羨ましく感じた。
ほとんど立ったり座ったりしているだけで、身体が鈍りそうだった。 「狩りができないので気がどうかしそうだ」 「キツネ狩りにでも参加したらどうだ」 「キツネなんてわざわざ食べるものじゃない」 「そうだ。遊ぶために狩りをする。キツネは犬に食わせるだけで、人間はそれを馬に乗って追いかけるだけだ」 「なんと……」 「社交界で生きるためだ。参加しろ」 ブレア家の猟犬たちは甘やかされて、獲物を追いかける執念がなく、主人が気軽に肉や残飯をあげ過ぎているので少し太っていた。運動をさせて餌をやり過ぎないように助言し、許可を得て狩りの訓練を重ねた。元々良い血統を持っているようで、少し鍛えただけでみるみるうちに上達し、キツネ狩りでも活躍してくれた。毎日寝そべって、主人が食事を持ってくるのを待つだけのどんよりした目が、森で狩りをしてまた輝きが戻って嬉しく思った。 しかし、���にとっては刺激的でも、人間にとってキツネ狩りは命や怪我の危険もない、ただの遊戯であった。俺の故郷の狩りは、生きるか死ぬか身体を張って命の糧を得るための重要な仕事であるが、これは全然違う。また昔のような狩りができるのを楽しみにしていたので少し残念であった。
ある日部屋に帰ると、手紙が置いてあった。美しく繊細そうな文字で書かれた恋文のようで、差出人は家主の娘であった。遠回しだが夜の誘いをしている。断るつもりであるが��それにしても何と言って断るか考えるためにエンキに相談することにした。 「ブレアの娘から手紙をもらったんだが、その、彼女は結婚はしているのか」 「してないが、やめとけ。あいつは父親と寝ている」 「侮辱にも程がある」 元から受ける気はないというのに、とんでもないことまで明かされた。 「侮辱も何も、真実だし、お互い同意の上だ。ちなみにお前にロンデンのマナーを指導したあの講師も手を出している。愛嬌に騙されたのなら仕方ない。ただ、お前はもうすこし"マシ"な相手を探した方がいい」 「…………道理に反する」 「何と思おうと厄介になっている身の上であることを忘れるな。正義感など振り翳さないことだ」 「エンキは何とも思わないのか」 「よく考えてみろ。私がその事実を知っているからこそ、私の頼みを断れず、見ず知らずの山男に服を仕立ててマナーを教えて世話を焼いているんだ。今の貴様は彼に感謝こそすれ批判できる立場ではない」 「…………」 「こんなのはお行儀がいい方だ。王族も貴族も聖職者も、もっと堕落し腐敗している。白夜騎士団はそれを正そうとした。しかし、正道では何も変えられず、邪道に手を染め、野望のために貴様の故郷を滅ぼした」 それを聞いて、手のひらに爪が食い込むほど、拳を握りしめた。 「今は何かを変える力がない。仲間もいない。変えたければこの群れの中で強くなることだ。羊の皮を被った狼になれ。獲物を狙う獣のように、最後まで、自分の姿を見せるな」 「やっぱり俺には、やっていけない」 「その気持ちは腹の中にしまっておけ。私も、貴様にここの常識に染まってほしくはない。だからこそ、羊の皮をかぶるんだ。怒りを内に秘めて、貴様の信じる正道を忘れず、牙を隠して笑え。だが、故郷の誇りを忘れるな。群れの掟が気に食わないなら、群れの中で強くなって、群れの親分になって、良い群れと良い掟を作れ」 俺なんかに文句が言える権利はないのはわかっていた。義憤に駆られた無知で田舎者な俺を、エンキはもっと馬鹿にすると思っていたが、意外なほど励まされてしまった。 「お前だけが俺の唯一の味方なんだな」 「馬鹿なことを」 「ああ、俺は馬鹿だ」 そう言って盛大に笑った。
新しい環境に放り込まれて、気疲れが絶えないが、過去を振り返る余裕がない分、森の中にいた時の陰鬱な気分は治っていった。 ブレア家の貴重な収入源である荘園で、ぶどうの出来が悪い土地を、売値は安いが痩せた土地でも育つ野菜に変えて収量をあげたり、野生動物たちを追い払うために猟犬をときどき見回りさせた。犬の訓練が得意なので、狩猟好きな貴族たちのために猟犬の躾や鍛え方も教えた。自分の得意な分野で力を示すことを実践するようにした。 収入が増え、他の貴族たちとの交流が増えると、ブレア家の領主と娘もだんだんと正気を取り戻したようで、領主は後妻を迎え、娘も別の領主の息子と結婚して家を出ていった。 「生まれついてのものではなく、ただ収入の不安を忘れようとしてあんなことをしていただけなんだな」 「それは好意的に考えすぎだろう。まあ、たまたま上手くいったと思うんだな」 禁じられた行為をやめた途端、領主はエンキを邪険にし追い出そうとした。エンキに頼んで、自分たちの快楽のために何やら怪しい呪文を使わせていたのに、都合のいい連中だと思った。 「これが普通の反応だ。私を疎むのが常識で、私を歓迎するのが非常識なんだ。戸口に立ってるだけで不気味がられる」 「誰もお前が幸運を運ぶ妖精なことを知らないなんてもったいない」 「精神をやられて目がおかしくなったようだな」
とはいえ、俺にとって何の縁もゆかりもないブレア家にこれ以上世話になるのは限界だった。ブレア家から独立するために、きつね狩りで懇意になった他の領主や商人たちと出資し海運会社を持つこともできた。故郷にいた頃では考えられないほど大金が動く大きな取引を、様々な国の人と取り交わすことは刺激的だった。騙されることも、見通しが甘くて大損することもあったが、市場は大きくていくらでも逆転の可能性があり、まだまだ試したいことが沢山ある。
そんな中、近所の森で恐ろしく巨大な獣が、次々に人を襲う話が出てきた。何年も会ってないムーンレスのことではないかという不安がよぎる。討伐のため若い男たちが松明を手に森の中を探索することになって、俺も志願した。 「狩りの名手と名高いラグンヴァルドルがいるのは心強い」 野獣討伐隊の指揮は俺が執り行うことになる。2〜3人1組で行動し、何か見つけたら笛で知らせるように指示した。
どうにかしてムーンレスを見つけたら逃がしてやりたいと思うが、何か心変わりして町の人々を襲う本能が抑えきれなくなったのならば、俺の手でムーンレスを殺そうという覚悟を決めていた。しかし、暗い森の中を歩くと、一時期収まっていた幻覚と絶望が蘇る。 悪夢と現実が渾然一体となり、俺に襲いかかる。 草陰でムーンレスが人間の子供の腸を食いちぎっている。弓を構え、ムーンレスの片目に弓矢を射ると、ムーンレスが人間の姿に変化する。美しい赤毛の美女、ヒルデが、片目を潰されて絶叫した。どこからか飛んできた槍が、彼女の心臓を貫きとどめを刺す。槍の飛んできた方向を見ると、プレートメイルに身を包んだ白馬の男が、甲冑の隙間から覗く鋭い視線で、俺を見下ろしていた。 「白夜騎士団!よくも、よくも!」 甲冑の隙間を縫って目を射抜くと、今度はウルドに変わった。 「ウ、ウルド!」 「ラグンヴァルドル……」 俺の名を呼ぶと、ウルドは死んだ。 森が真っ赤に染まる。炎が全てを焼き尽くす。白銀の甲冑に身を包んだ魔物たちが、剣で俺の家族を切り裂き、槍で仲間を串刺しにし、棍棒で老人の頭を叩き潰し、ナイフで子供達をバラバラにした。
気がつくと、山小屋で目を覚ました。俺が気を失ったのを、討伐隊の仲間が安全そうな小屋に運んでくれたそうだ。
帰ってきても、悪夢のことが頭から離れなかった。 「も、森が恐ろしい。俺はここでの暮らしに慣れすぎて、俺の心から森が伐採されてしまった」 「森がもう嫌いか」 「違う。俺の体は森の生き物でできている。自然の中で力がみなぎっていたが、心は、忌まわしい過去によって怒りと憎しみに染まった。愛と憎悪が綯い交ぜになっている。森に入ると幻覚が見える」 まだ消えない復讐心で、自分が制御できなかった。自分の手で、愛する妻ヒルデと、俺の叔父であり狩の師匠であるウルドを殺してしまった。血に飢えた暴力的な本能を恐れている。 エンキの手が俺の顔を撫でる。 「本当に、もう思い出すだけで辛いなら、記憶から消してやることができる」 「魔法みたいだな」 「みたい、ではない。魔法だ」 片腕がないので、口で革手袋を外すと、エンキは手のひらを俺に差し出した。 「この手に額を置いたら、貴様の記憶から、故郷の惨劇を消し去ってやる」 手首には無数の傷があり、手のひらの真ん中には、杭を打ち込まれたような大きな丸い傷痕がある。じっと見ていると、だんだん吸い込まれるように、顔を近づけていった。 が、俺はエンキの手袋を拾うと、その手にまた嵌め直した。 「お前は言ってくれたな、故郷の誇りを捨てるなと。だから、大丈夫だ」 「……そうか」 「悪いことに使えそうな魔法を知っていたんだな」 「どうする?私と何かした記憶を消されていて、私だけが覚えていて、貴様だけ何も覚えていないことがあったら?」 「何かだって?ハハハ!別に良い。こんなに世話になったからには、俺の心も体も、すべてお前のものだ。お前の好きなようにしろ」
森に関する恐怖と怒りの記憶をかき消すためにウイスキーとタバコを懐に携えた。記憶が蘇りそうな時は酒を煽るか一服することにした。どちらも感覚が鈍るので、獣の気配を見逃しそうになる。だが、仲間と共に獲物を追いかける行動が、一族の記憶と結びつく。 酒を飲みすぎてフラフラしていると、獣の唸り声が近付いていたことに気が付かなかった。恐ろしく大きい。だがその声も、臭いも、姿も、ムーンレスとは異なった。 「よかった」 俺の二回りも大きいグリズリーを目の前にして、安堵してしまった。ムーンレスを殺さないですみそうでほっとした。 弓矢で目を狙おうとするが、酔ってて狙いが定まらない。仲間は驚いて先に弓を射るが、射角が悪く、獣の肉体に深く刺さることができず、逆にこちらの居場所を教えてしまった。逃げる仲間を庇って、鋭い一撃を喰らう。肩から血が吹き出す。逃げろ、みんなを呼べ!と叫ぶと、笛の音が森中に鳴り響く。 自分の血を見て一気に興奮した。酔いは覚めて、肉体は本能的に戦闘状態へと入る。特製の強弓を引くと、目から脳天を貫く。が、グリズリーは片目を潰されて一瞬怯んだが、まだ力強く唸りをあげている。腕に力を入れたことで、傷口から血がさらに吹き出した。痛みは麻痺して感じない。
巨大な上に素早い。森の支配者の堂々たる咆哮に、本能的に自分が無力な生物であることを思い知らされる。攻撃を避けて次のチャンスを待っていたが、太い木の根に躓いて足元を踏み外してしまう。グリズリーは大きな前脚を振り上げる。終わったと思った次の瞬間、黒い影が獣に襲いかかる。 「ムーンレス!」 彼女は鋭い牙でグリズリーの首筋に食らいつく。思わず立ち上がった隙に懐に入り込み、グリズリーの腹に剣を突き刺して引き裂いた。 全てが終わった後に、ようやく仲間たちが辿り着く。 「ラグンヴァルドル!無事か!?」 「こんな巨大な獣を、お前一人でやったのか!?」 「いや、それは……」 「やるじゃないか!」 「英雄だ!」 仲間たちにはグリズリーが転んだ拍子に腹を切り裂いたと説明した。グリズリーの首の後ろには無数の牙が突き刺さった歯形が付いていたが、知らないふりをした。 倒したグリズリーの毛皮をもらえた。部屋に飾ると捨てさろうとした故郷の風習が戻ったみたいで、嬉しい気分の中に、森の中で感じた絶望が一滴おとされる。エンキは獣の死骸を壁に飾るなんて悪趣味だと言ったが、誰のだか分からない人骨を壁や棚に飾る人間に言われる筋合いはない。
グリズリーの貴重な生肝を持つと、森に向かって叫ぶ。 「ムーンレス、助けてくれてありがとう!これはお前の取り分だ!」 草陰にむかって生肝を放り投げた後、何かがさっと通り過ぎる音がして、彼女の遠吠えが聞こえた。
一度は持ち直したのに、獣を討伐した英雄として、今後の領地開発のために森の開拓メンバーに選ばれたが、森に足を運ぶ頻度が増えると、だんだんとまた悲しみを消すために酒やアヘンに溺れた。 熊の毛皮が俺自身の無惨な姿にも見えてきた。山で生きればよかったのに、人里に降りてきて、まんまと退治されてしまった姿が、ロンデンで今調子のいい俺が、現実に打ちのめされている姿と重なる。俺は生まれ変わりたい。なのに、心の奥の獣は、生まれ変わった後の、今の俺を食い殺そうとする。
エンキはブレア家を後にしてからも同じ家で暮らしている。とはいえ、今も昔も相変わらず朝は起きずに昼過ぎまで寝てばかりいたが、最近は夜中に研究だと言ってどこかに出かけていくようになった。以前やっていたロンデンの図書館の司書に復帰しているようで、たまに泊まり込みになって帰ってこないことも増えてきた。図書館に夜中の仕事があるのか俺にはわからないが、エンキは俺の仕事に首を突っ込まないでいてくれるように、俺もエンキの仕事について詮索するつもりにはなれなかった。ただ、生活する時間帯が真逆なのですれ違うことが増えている。それでも週に何度かは食事を共にしている。
だんだん社会復帰していくエンキと反対に、俺の生活はどんどん爛れていく。見かねた闇の司祭から健康的じゃないと言われた。 「よりにもよって一番不健康そうなお前に言われちゃおしまいだな」 「ふざけている場合ではない」 「別にふざけてもいいだろう。仕事も、少しばかり休むことにした」 「ちょうどいい。貴様を連れ出す手間が省けた」 「え?」
エンキと共に船旅に出る。出航時はよく晴れていたが、沖に出ると潮風は容赦なく帆を叩きつけ、波が荒れていた。だが、ベテランの船長が巧みに船を操作し、懐かしの故郷へと向かう。悲しみから逃げ続けて我武者羅に働いていたせいで、気がつけば5年もの歳月が流れていた。
壊された家の壁や床にはまだ血痕が残っている。野生動物に荒らされた痕跡はともかく、白夜騎士団の襲撃の後に、また別の人間によって家捜しされた後もあった。家具や絨毯はほとんど無くなっており、わずかに残された遺体でさえ、装飾品や金目のものは残らず取られ、服を着ているのは小さな子供の骨くらいだった。命だけでなく尊厳も遺品も奪われたことに言葉を失いそうになった。 何度も吐いて、泣いて、叫んで、湧き上がる怒りを地面やその辺の木にぶつけた。だが、変わり果てた姿は、幻覚で見たそれに比べればましで、現実という風が、一番残酷な瞬間を灰にしてしまった後だった。 どうやっても取り戻せないものが多すぎることを思い知らされる。一人ではどうにもできないものの大きさを知って、もう一人でなんとかしようとするのをやめようと思った。 「村のものを埋葬する」 「手伝わないぞ」 「じゃあ応援してくれ」 村人全員分の遺骨や遺品を探し出し、見つからなければ森の奥まで分け入って探しに行った。野宿しながら数日かけて捜索を続け、近くの森に立つ最も大きな唐檜のそばに、みんなを埋めた。 「私は闇の司祭だが、普通の司祭と違ってどんな神にも祈れる。貴様の神は何だ」 「オールマー信仰も、それ以外の"よその神"への信仰もない。我々は自然そのものを信仰している。みんなが先祖と同じ楽園にたどり着いて、再び自然の一部になることを祈ってほしい」 「分かった」 エンキは手を組んで、目を伏せる。人々の闇を暴き、より深い闇へと引き摺り落としてきた闇の司祭が、ただ一人の人間として、俺の一族の魂が安らかに眠ることを祈ってくれた。
お供えものとして、立派な鹿を取り、捧げた後に焼いていた。この地での最後の食事を終えると、エンキは言った。 「もうすぐ旅に出る。何だかんだで長い付き合いになったな」 「どこへ行くんだ」 「私の知らないものがある場所。東方、あるいは、もっと遠い場所へ」 「そうか。寂しくなる」 天へと続く、鎮魂の狼煙を見上げる。愛した人はみんな遠いところへ行ってしまう。村のみんなも、ムーンレスも、エンキも。 「お前には、数えきれないほど世話になった。どうしてこんなに、と聞いたらいなくなる気がしてずっと聞けなかった。だが、今聞いてもいいか」 「……本の続きが読みたかった。ラグンヴァルドルという男が、ほんの些細な、ありふれた絶望に敗北して堕落した廃人になったら面白くない。私はラグンヴァルドルという男の物語が続く方向に誘導した」 「期待通りの展開か」 「おおむねは」 「期待を越えられなかったのが残念だ」 「私の反応を気にされたら興醒めだ。貴様の気にすることではない」 「復讐が下らないと言ったのは、ロンデンで立身出世し、正しいやり方で世界を変えることが本当の復讐だからか」 「は?何の話だ」 「違うのか」 「貴様は知らんだろうが、レガルドや白夜騎士団は、当時ロンデンに住んでいた私に言わせれば、あんな山賊崩れの傭兵団を世界の救世主だと信じて支持していたのはごく少数派だ。一部の司教や貴族が囃し立てていたにすぎない。大抵の人間は、何も知らない若者が周囲の老獪におだてられたせいで何かを勘違いして、世界を革命すると息巻いていたのを冷ややかな目線で見ていたし、挙句に地下牢行きとなったことも当然の結果と感じていた。特に貴様の故郷を殲滅したことについては、誰の目から見ても意味のない虐殺で非常に反感を抱いていた。分かるか、ロンデンの民衆はお前の味方だったんだ」 「…………」 「元から支持者は少ないのに敵だけは多い。こんな下らない連中のために、復讐ばかり考えていたら自分の人生を見失う。そんな心底くだらないことを私のラグンヴァルドルにやってほしくはない。もう白夜騎士団なんて考える時間すら無駄だ。貴様にはもっと貴様にしかできないことがある」 「勝手な主張すぎる」 「ああ、自分勝手なことを言っている。貴様は私のものらしいから私が面白いと思う人間にしたって悪くないだろう」 「まあそうだ」 日がくれて夜空いっぱいに星が輝く。月のことはもう気にならなくなった。これから何かが起こっても、エンキが読んでる本の中にいると思えたなら、孤独も感じなくなるだろう。
里帰りから戻ると、まもなく旅に出発するエンキを港まで見送る。俺の知り合いにインデスへ向かう商工会の船があり、船に乗せてもらうことができた。 「陸路も考えたが船が出るならありがたい」 「いつでも、ロンデンに戻ってくることがあれば歓迎する。助けが必要ならば何でもやろう」 「ひとつ欲しいものが」 「なんだ」 「一束、髪をくれ」 「髪でいいのか、腕でも片目でもあげるぞ」 「いらない。別に魔術に使うものではなく、ただ思い出にするだけだ」 欲しい分だけ髪を摘んでもらうと、毛束をナイフで切って、散らばらないように編んで渡す。 「俺もお前の髪が欲しい」 「……いいだろう」 エンキの首の後ろの目立たないところから、一束髪の毛を切り取った。 「元から私がいなくても、貴様はこれくらい一人でできたんだ。私はただ貴様の大きな影に腰掛けていただけだが、悪くなかったと言っておこう」 「謙遜するな。今の俺にとって、お前が一番の親友であり家族だ」 エンキは最初に出会ったときに渡した怪魚の魂と、回復の指輪を返してきた。 「長いこと借りていたな」 「別に返す必要ないのに」 「あの地下牢の思い出だろう。取ってお��て、子供にお守りとして受け継いでいけ。あの地獄から生きて持ち帰れた戦利品は貴重だ」 「そう言うなら」 船の汽笛が鳴る。そろそろ出発するようだ。 「ムーンレスにもたまには会え」 「彼女が暮らせるような土地を持って、お前の帰りを待つよ」 「そうか、少し遅くなるので食事は先に済ませてくれ。では」 貿易船に帆が張られ、船が出航した。
水平線の向こうに船が消えるまで、手を振った。
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天気の激変
このところの天気はかなり大雑把だ先日は雷雨であったが今日は晴れて初夏の陽気、明日は雨で気温も下がるという。寒気と暖気のぶつかり合いが影響しているのだろうか。それと関係するのか分からないが、かなり体調がおかしく昨日は市販の風邪薬を飲んだ。暑さ寒さも彼岸までなどというような昔の言い伝えは現代には通じないようだ。10℃近い日格差、晴雨の繰り返し、気圧の変化など様々なものが私を苦しめる。 思うに少しずつ気温が変化するのは対応できるが、変化が激しいとどうしようもない。最高、最低気温よりもそこにどのように至るのかで身体へのダメージは変わる気がする。四季という概念が崩れ、とても長い夏と短い秋と少し長い冬、そしてまた春がものすごい速度で過ぎてしまう。最近はそんな感覚がしている。古今和歌集の四季の部立ては明らかに春秋が長い。それがどんどん痩せている。伝統的な季節感はいずれ消滅してしまうのではないか不…
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違う。
私が欲しいのはブランド物のバッグでも着痩せして見える洋服でもカバー力の高いコスメでもないし、深夜まで飲み歩く友達でもない。
タフなフィジカルとハッピーなメンタルなんだ。
年々衰えていく体力。なにをしても痩せなくなった体。眠れない夜。だるい日中。さえない顔色。
息子たちにもまだ経済的、時々精神的な支えが必要だし、母にも今後 継続的な支えが必要になる。
だからって、私は自分を犠牲にしてボロボロになりながら家族を支えるなんて嫌だ。
自分の健康管理は自分で。そう思って毎年健診を受けて、悪い部分の改善を試みてきたけど、自己流の努力と工夫では追いつ���なくなってきた。
もうわからない。
昔はちょっとコントロールしたらすぐ落ちた体重も全然落ちない。
カロリーを抑えたら栄養が足りないし、しっかり栄養をとったら今度はカロリーオーバー。
効果のわからないサプリの瓶が増えていくばかり。
夜は眠れず朝は眠くて、お弁当作りして息子たちを見送ったあと2時間くらい寝るのが習慣になってしまった。朝から仕事をしたいのにこれじゃ困る。
もうわからない。
そういう日々のストレスと今後のプレッシャーが自分を追い詰め始めてる実感があったので、ついに私は漢方薬局に助けを求めることにしました。
𓆉

顔色や目の下のクマがわかるようにノーメイクで、予約の時に指示された通り、健康診断の結果と数日分の食事記録、今朝の体温と体重を記録したものを持って行きました。
1時間半のカウンセリングは、問診というより人生相談や占いみたいだった。
私の話をひと通り聞いたあと、これが苦手でしょ?こういうことあるでしょ?と問われることは全て当たっていて、健診結果には出ないけど ここがこう弱いからこうなってるのよ、と教わって、カウンセリングを受けただけなのに納得と希望で目の前がクリアになりました。

「あなたはあなた自身が自覚してる以上に強いプレッシャーを感じてる気がしたの。まずはよく眠ること。それから血液をしっかり流して代謝をあげること。そんな処方にしたからがんばっていきましょう」
と、初めて私だけのために調合してもらった漢方の煎じ薬。それと選んでもらったいくつかのサプリ。
最初の2週間は、まず毎日漢方薬を飲むことに慣れること。次からは食事のことなども相談していきましょう、となりました。
太陽みたいに明るい素敵な先生でした。
こんなにガッツリ体質改善のために投資するのは初めて。頑張って働いて、もう少し動けるようになったら筋トレもして、必ずタフなフィジカルとハッピーなメンタルを手に入れます。
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