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harijan666 · 7 years
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Mission 4.誤算
フィチナに到着したは良いが、これじゃあ空から探索というわけにはいかなさそうだ。 一先ず着地出来そうな所で着地をして装備を整えた後に気象コントロールセンターの様子を見ることにした。 ここにもアパロイドがうじゃうじゃ居やがる。 その上気象コントロールセンターはバリアが作動していて侵入が出来ないらしい。 面倒なことをしてくれるな。あのブタ野郎め…。 一先ず、バリアを解くにしろアパロイドを掃討してしまわないことには何も出来ない事は分かった。 第一ミッションはアパロイドの掃討、だな。
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ナウス:ピグマノ反応ガ消エタ地点ニ到着シマシタ。惑星フィチナデス。
ファルコ:惑星フィチナっていやあ…雪と氷だらけの何もねぇトコだよな…。
フォックス:ああ。気象コントロール装置を設置して、やっと居住可能な星になったんだ。
ペッピー:そいつが一大事だぞ。ゼナイドから通信だ。気象コントロール装置が停止してかなり時間が経過しておるじゃ。このままブリザードが続いたら死の星に逆戻りだ。
ゼナイド:《フィチナは好きな惑星だ。出来れば死の星にはしたくはないな…。》
クリスタル:ピグマの仕業かしら…。わたしたちをまこうってこと?
スリッピー:でも、このブリザードじゃアーウィンは飛べないよ…。
ゼナイド:《ピグマもおそらく同じだろうな。探索しちゃあいるが如何せん敵が多すぎる。》
フォックス:…ゼナイド、一つ聞いていいか?
ゼナイド:《…なんだ、薮から棒に。》
フォックス:通信画面にお前の姿が表示されないのは、ブリザードの影響か?
ゼナイド:《……。お前のそういう鋭さは大嫌いだよ、本当に。》
通信が途切れる。 ゼナイドの身に何かあったのだろう。 嘘をつけない彼女らしい行動だ。
フォックス:ゼナイド!!…くそっ!!
クリスタル:何かあるのを隠す癖はずっと治らないわね、あの子…。それが余計に人を心配にさせるというのに…。
フォックス:取り敢えず、俺が一人で装置を作動させてくる!気象コントロールセンターまでたどり着ければなんとかなるさ。
ファルコ:ま~たカッコつけやがって。けど、今回は任せるぜ。寒いのは苦手だ。
スリッピー:オイラなんか、冬眠しちゃうよ~。
ペッピー:頼んだぞ、フォックス!3人はいつでもアーウィンで発進できるようにしておけ!
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フォックス:ナウス、コントロールセンターをスキャンしてくれ。
ナウス:了解。気象コントロールセンターハ、バリアガ作動シテイマス。
ペッピー:ム…。となると、センター内に入るにはまずバリアを解除せにゃならんな…。
フォックス:そのようだ…。
スリッピー:ゼナイドが解除コードを入手出来ないなんてことはよっぽどの事が無いと無いだろうし、情報を言わなかったのはコードで解除出来るものじゃないってことなのかも…。
フォックス:確かに…。時間がない、ちょっと荒っぽいがバリア発生装置を破壊する。
ペッピー:あまり無茶をするなよ、フォックス。
フォックス:分かってるよ。
ファルコ:さっさとしてくれよこっちはヒマで仕方ねぇぜ。
フォックス:そのままヒマな事を祈るよ。
ペッピー:バリア発生装置はレーダーに表示してある。全部で3つだ。頼んだぞ、フォックス。
フォックス:分かった!それにしてもひどい吹雪だ…。
ペッピー:バリア発生装置本体の破壊は不可能だ。そいつの動力源を破壊しろ。
フォックス:分かった!それにしても妙だ。
ファルコ:どうした?フォックス。
フォックス:いや、ここから一番近いバリア発生装置までのルート、妙に敵が少なくてさ。
スリッピー:レーダーを見ると所々に敵の群れはあるから気をつけて!
フォックス:了解。
クリスタル:もしかしたらゼナイドが近くに居るかもしれないわ。彼女、カタリナでミッションをこなす時もスターフォックスが楽に仕事をこなせるようにってアパロイドを沢山相手していたのよ。
フォックス:さっきの通信の切り方、何かがあったに違いはない。ゼナイドを見つけ次第報告する。
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全部聞こえてるっての。相変わらずカンが鋭い奴らだ。 クリスタル、その推測は正解だ。 決して本人達には言わないけど。 バリア発生装置の破壊は居場所を教えているようなものだからしない。 その代わり、気象コントロールセンターの認証コードの入手とアパロイドの排除を引き続き継続する。
ゼナイド:フォックス、見つけた。まだそこならこっちには来ないだろう。…多分。あいつの動き見てアパロイドぶっ殺していくとしよう。悪いけど、高みの見物。
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フォックス:バリア発生装置を破壊した!
クリスタル:その調子よ!フォックス!バリア発生装置はあと2つよ!
フォックス:次は、あそこだな。
スリッピー:レーダーを見て!どんどん敵の数が減っていくよ~。
ペッピー:おそらく近くにゼナイドが居るのじゃろうな。
ファルコ:取り敢えず無事って事だけは分かったわけだ。
スリッピー:いつでも出撃出来るよ~。
ファルコ:こっちもだ。早くブリザードを晴らしてくれ。
クリスタル:もー、皆勝手なことばかり言わないで。フォックス、視界が悪いと思うけど高い塔を目指して。
フォックス:了解!バリア発生装置2つ目破壊完了だ!
スリッピー:やったね!フォックス!
クリスタル:バリア発生装置は後1つよ!…ゼナイドはそこには居ないようね、その様子じゃあ…。
フォックス:あぁ。だけど、レーダーを見ると今のところは最後のバリア発生装置のある場所にいるみたいだ。
スリッピー:フォックスがそこに行った頃にはやっぱり消えてるんだろうね。ゼナイドは…。
ファルコ:めんどくせぇやつ。尻追いかけられてぇのかあの女は。
ゼナイド:チッ…。(…ファルコ、後で撃ち墜としてやる…。)
クリスタル:彼女のことだからきっとこの会話も盗聴してるでしょうし、それ聞かれてたら後で痛い目見るわよ。ファルコ。
ファルコ:事実だろ?コソコソ隠れて援護のつもりだかなんだか知らねぇけど目的も見えねぇし現状も見せやしねぇ。そういう陰険なとこが女くせぇんだよ。
フォックス:其の辺にしとけよ。ファルコ。なんか、悪寒するし。…バリア発生装置破壊完了。
ナウス:気象コントロールセンターノバリアガ解除サレマシタ。
スリッピー:やった~!これでブリザードを止められるね。
ペッピー:中央のコントロールセンターに向かえ!
フォックス:今向かってる!
スリッピー:あー!!ゼナイドだー!!フォックス、コントロールセンターに向かって行ってたよ!!
フォックス:了解!状態まで確認できたか?
スリッピー:一瞬だったから分からなかったよ~…。
フォックス:!!…ゼナイドから連絡だ。コントロールセンターの入口を示したマップと認証コードを貰った。
クリスタル:それ以外に連絡は無いわけね…。
フォックス:だけどここまで来たら流石に居場所も分かる。だろ?ゼナイド。
ゼナイド:…。さっさと中に入れよ。何のためにここまでやったと思ってんだ。
フォックス:なんで、後ろを向いたままなんだよ。
ゼナイド:お前には関係無い。良いからさっさとお前のミッションを遂行しろ。
フォックス:怪我してるんだろ。血のにおいがする。とにかく、お前もコントロールセンターに入れよ。
ゼナイド:うわっ!?
フォックス:!?ゼナイド、その腕…。
ペッピー:どうしたフォックス!
ゼナイド:…お前らが来る前にアパロイドの掃討をしていた。その時に商売道具の1つを持って行かれただけだ。こんなもの、あと2時間もすれば元通りだ。
フォックス:馬鹿!その状態で一人になることがどれだけ危険だと思ってるんだ!
ゼナイド:そんなことは良い。説教の前にする事があるだろ。
フォックス:…後で逃げないならな。…これだな。
アナウンス:コントロール設定確認。始動シマス。
スリッピー:やった~!ブリザードが晴れてくよー!
クリスタル:やったわね!フォックス!…フォックス?
ファルコ:どうしたフォックス!応答しやがれ!
フォックス:怒鳴るなよファルコ!俺は無事だ。一応、ゼナイドも。でも…ちょっとヤバイことになった…。認証ミスかもしれないが、ここの警備ロボに睨まれちゃってね。
ゼナイド:お前の入力したコードも、俺の入手したコードにもミスは無かった。他に原因があるはずだ。
ファルコ:きっとピグマのワナだ!俺がそっちへ行く!なんとか持ちこたえろよ!
フォックス:ああ、早めに頼むぜ…!
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フォックス:くっ。閉じ込められたか…。
ゼナイド:ダメだ。何度入力してもはじかれる。警備ロボも、ドアの開閉もこっちからじゃ制御出来ん。
フォックス:警備ロボは壊すしかなさそうだな…。ゼナイド、少しは戦えるか?
ゼナイド:俺を誰だと思ってる??魔女に出来ないことがあってたまるか。
フォックス:よし、それじゃあ俺の背中を守ってくれ。俺はお前の背中を守る。
ゼナイド:…後者は気に入らないがその任務は受け入れよう。
ファルコ:なんだって味方のロボットに襲われんだ…!?
フォックス:ファルコ!早いとこ頼む!
ファルコ:今向かってる!なんとか持ちこたえろ!
フォックス:ゼナイド、あまり無茶をするな!傷口が開くだろ。
ゼナイド:お前は自分の心配をしろ。俺は化物だぞ。俺の知らない昔の俺を知ってるお前なら分かるだろ??こんな傷も、どれだけ深刻な損傷でも死ねない事だって。
フォックス:だとしても悪いが心配はする。俺だけじゃない。クリスタルがどれだけ心配してたと思う?
ゼナイド:さぁな。だが、心配は無用だ。まだ戦える。
クリスタル:ゼナイド。わたしからじゃ貴女の今の状態はよく分からない。だけど、無茶はしないことよ。約束、覚えてる?
ゼナイド:…体調が優れないようなら直ぐに言うこと。
クリスタル:そうね。誰かに守られるのは特に今の貴女には受け入れられない事かもしれない。だけど、今だけはフォックスの言うことを守って。
ゼナイド:……了解。…情けない…っ。
フォックス:十分頑張ってるよ、ゼナイド。
ゼナイド:…世辞は受け取っておく。
フォックス:素直じゃないんだからな…。ゼナイド、こっちだ!
ゼナイド:分かってる。…しかしこれじゃ本当に逃げ場所が無い。
フォックス:ああ…。
セキュリティ:不審物ハ排除スル。不審物ハ排除スル。
スリッピー:警備ロボに不審物扱いされたら大変だ!
ゼナイド:もうすでにされてるからこの現状があるんだろ…。フォックス、危ない!
フォックス:!!ありがとう。助かった!
クリスタル:ファルコ…!
ファルコ:情けねぇ声出すな!もうすぐだ!
フォックス:ファルコ!まだか!!
ファルコ:俺が行くまで絶対に死ぬなよ!
フォックス:いざという時は俺が盾になるとかゼナイドが言い出しそうだからな…。早く来てくれ…!
ゼナイド:言おうとしたしそう考えていた。が、クリスタルとの約束思い出してちゃんと言わなかったんだから怒らないで欲しいな。
フォックス:分かったよ。
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ファルコ:見つけたぞ!あれか?
ゼナイド:当たり。出来れば警備ロボどもをアーウィンで一掃してくれると楽が出来るな。
ファルコ:言われなくてもそのつもりだ!オラオラオラオラーッ!!
フォックス:ファルコ!…やれやれ。荒っぽいお迎えだな…。
ゼナイド:ファルコらしいだろ。丁寧なファルコなんか気色悪くて想像もしたくねぇ。
ファルコ:つべこべ言ってねぇで俺のアーウィンに乗っかれ!
フォックス:よしっ!ほら、ゼナイド。
ゼナイド:ああ…。
ファルコ:せっかく拾ってやったんだ!落ちんなよ!
フォックス:お前こそ。墜落はゴメンだぜ!
ファルコ:吐かせ!フォックス、ゼナイド!お得意の射撃でヤツらを一掃してやれ!
ゼナイド:…援護狙撃に徹する事にする。
フォックス:そのほうが助かるよ。
ファルコ:行くぜ!フォックス、ゼナイド!ハデに暴れてやろうぜ!
ゼナイド:…そういうノリ、嫌いじゃない。落とし前を付けるとするか…。
ファルコ:敵さんのお出ましだぜ、フォックス!
ペッピー:フォックス!プラズマキャノンを使うんだ!
フォックス:了解!
ゼナイド:丁度良い。それならブラスター貸せ。後で返す。
フォックス:ああ。別に良いけど…どうした?
ゼナイド:流石に、愛銃で遠距離狙うのは体力の消耗が激しいんだよ。それと、この恒星系周辺であまり魔法なんてものは使いたくない。
フォックス:そういう事か。
ファルコ:地上の敵からロックオンされてるぜ!
フォックス:了解!
ゼナイド:背後は任せろ。攻撃どころかロックオンされる前にぶっ殺してやる。
ファルコ:狙撃に集中して足滑らせるなよ?
ゼナイド:そんなヘマはしない。そこまでシングルタスクならとっくの昔に肉片になる事を経験してるだろうよ。
スリッピー:オイラも助けに行くよ~!
クリスタル:わたしも今からそっちに行くわ!フォックス、ゼナイド!
ゼナイド:…ありがとう。スリッピーはアパロイドにやられないように、だな。
スリッピー:オイラだってやるときはやるよ~!
ゼナイド:それ、フラグだ。
スリッピー:もー、頭にくるな~!
ゼナイド:冗談。今はお前を敵として見なせない。一時休戦のつもりだ。これ以上は挑発しない。
スリッピー:敵でも敵じゃなくてもオイラには意地悪するだろ~…。
ゼナイド:過剰反応されると加虐心が疼く。
ファルコ:そういうところレオンそっくりで寒気がするぜ…。
ゼナイド:……。そりゃ、良かったな。
スリッピー:わぁっ!ついてくんな~っ!
ゼナイド:ほらな、フラグだったろ??
フォックス:言ってる場合じゃないだろ!今助ける!
スリッピー:たはは…。ありがと、フォックス。ま…ちょっとしたスリルだったね…。
ファルコ:冗談じゃねーぞ、スリッピー!
ゼナイド:流石に遊び相手が居なくなるのはゴメンだぞ。
スリッピー:オイラの方が年上なのにゼナイドはいっつもそうなんだからなー!
ゼナイド:年功序列でもの語りたきゃ俺より大人っぽいとこ見せてみろよ。…ダメだ、お前と会話してるとどうも加虐心が…。
フォックス:挑発しないんじゃなかったのか?
ゼナイド:そのつもりなんだがな…。やっとまたまともに戦えて楽しいのかもしれない。少し、機嫌が良い。…スリッピー、また後ろ。
スリッピー:結局ゼナイドに助けられちゃったよ…。ありがと、ゼナイド…。今度こそ頑張るよ~。ゼナイドに舐められてちゃ悔しいからね!
クリスタル:スリッピー、大丈夫?しっかりしてよ…。
ファルコ:ロックオンされてるぜ!攻撃される前に倒すんだ!
フォックス:了解!
ゼナイド:すまない。俺が不甲斐ないばかりに何体かそっちに任せてしまってるな…。
フォックス:今片手しか使えないんだろ。寧ろ驚いてるくらいだ。ここまで戦えるんだな…。
ゼナイド:どれだけ舐めていたんだか。まぁ、そのステレオタイプをぶち壊せただけでも一人で突っ走っていた甲斐があったものだ。
ファルコ:怪我してる時点で褒められたモンじゃねぇけどな。
ゼナイド:チッ…。
ファルコ:腕を上げたなフォックス!
ペッピー:アーウィンの転送準備が出来たぞ!
ファルコ:OK~。そこに向かうぜ!
ゼナイド:ファルコ、その前に俺はここで降ろさせて頂く。コントロールセンターからの救助には感謝する。それとフォックス、ブラスターありがとな。……それじゃあ。
フォックス・ファルコ:ゼナイド!?
ゼナイド:なんだ。飛び降りるくらいで一々驚かなくても良いだろ。愛機がここにあるんだよ。
ファルコ:相変わらず無茶なことしやがる!ヒヤヒヤさせやがって!!
フォックス:全くだ…。
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フォックス:こちらフォックス。無事アーウィンに搭乗した。
スリッピー:フォックス。変だと思って調べたらさっきの警備ロボもアパロイドだったんだ!
フォックス:なんだって!?
スリッピー:アパロイドは他の機械でも自分たちの一部にしちゃうんだ!
ファルコ:マジかよ!
ピグマ:マジやで~。そして、そいつらを操るのがこのピグマ様っちゅーわけや!
フォックス:ピグマ!!
ピグマ:ベイビ~!カモ~ン♪
フォックス:なっ!!あれは施設の一部だろ!?
スリッピー:アパロイドに侵されてるんだよ!
ゼナイド:さっき言ってたやつだな…。
ファルコ:ブタ野郎!
ピグマ:わいの事なんかかまっとってええのかな~?そいつら始末せんと大変な事になるでー。ブヒヒ。
ナウス:危険!危険!気象コントロール装置ガ、オーバーロード状態デス!
ペッピー:ピグマの事は後回しだ!フォックス!二度とブリザードを止められなくなるぞ!
フォックス:…了解。
ピグマ:ブヒヒヒ……。ひゃーはははははは……。
ゼナイド:フォックス。あの薄汚いブタ野郎の位置ならこっちで追跡出来る。もう見失わない。取り敢えずさっさとあいつをぶっ壊すぞ。
フォックス:分かった!
スリッピー:気象コントロールセンターがオーバーロードって…。もしかして爆発しちゃうって事?あわわわ。
ペッピー:あいつを倒さないとこの星は死の星に逆戻りだ!ヤツを倒して爆発を止めるんだ!
ファルコ:爆発させてたまるか!
ゼナイド:…爆発まであまり時間がなさそうだぞ。残された時間は10分と無い。
ファルコ:マジかよ…!
クリスタル:ハッチが開いた時がチャンスよ!どうやら内部に弱点があるみたいね。
スリッピー:うわわ!敵を吐き出してるよ~!
ゼナイド:雑魚共の一掃は任せろ。弱点までの経路は確保してやる。
フォックス:了解!
ペッピー:気をつけろ!エネルギーを集中させているぞ!
クリスタル:危ないわ!フォックス!ゼナイドも逃げて!
ゼナイド:了解。…鬱陶しいな、あの攻撃。
ペッピー:時間はあまりないぞ!
クリスタル:全く、ピグマったら許せないわ!!
ゼナイド:俺もさっさと厄災の魔女と呼んだ事を後悔させてやりたい。死んでも許さないから。
ペッピー:ハッチが開いたぞ!今がチャンスだ!
フォックス:分かった!
ファルコ:フォックス。ボムをヤツの中にぶち込んでやれ!
ゼナイド:敵をある程度倒すとハッチが開くというパターンがあるようだ。
フォックス:なるほど…。
クリスタル:その調子よ!フォックス!
フォックス:撃破完了!
ゼナイド:…気象コントロール装置の状況を確認する。
フォックス:ああ。任せた。
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フォックス:こちらフォックス。気象コントロール装置の無事は確認した。
ゼナイド:オーバーロードも2%までに収まってきている。
スリッピー:アパロイドももう居ないようだね…。
クリスタル:お疲れ様。フォックス、ゼナイド。
ファルコ:にしても、味方にまで攻撃されるとはな。ゾッとしねぇ話だぜ。
ペッピー:機械は所詮機械…。意思を持たない者は簡単に敵にも味方にもなるって事だ。
フォックス:強い意志を持たない者は、敵にも味方にもか…。
クリスタル:どうしたの?フォックス。
フォックス:いや、誰かの事みたいだと思ってさ…。
ゼナイド:ふふ…。お前もそういう事言うんだな。
フォックス:誰だって思った事は言うさ。
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ピグマ:ワレニシタガエ…ワレニシタガエ…ワレニシタガエ…ワレニ…。ブヒっ!?わい、今、寝ぼけとったんかいな…。あ…あかん。あいつら従えて儲けんのはわいや!わいが…ワイ…シタガエ…。
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フォックス:ゼナイド、良かったらグレートフォックスに来ないか?
ゼナイド:…何故。
フォックス:物資の補給するのに一々コーネリア戻るわけにもいかないだろ?それに、何日寝てない?
ゼナイド:…別に一人でも狭い場所なら寝られないこともない。コックピットで寝れば問題ない。補給もコーネリアまで戻る。
クリスタル:ゼナイド、約束は?
ゼナイド:……分かった。約束は守る。はぁ…情けないな…。味方でも無いのにスターフォックスにこうやって何から何までっていうの。
クリスタル:そんなこと無いわ。これまでだってゼナイドは頑張ってきた。今回の件だって、情報や認証コードをゼナイドから貰えて無かったらフィチナは死の星になっていたかもしれない。
スリッピー:それに、今もピグマの位置は特定出来てるんだよね?
ゼナイド:ああ。追跡中だな。
ペッピー:ワシらとしてもその情報は欲しい。出来れば行動は共にしたいのじゃが…。
ゼナイド:…了解。なんか、上手く丸め込まれてる感じするけど。
ファルコ:一々深読みしすぎなんだよ。めんどくせぇ。
ゼナイド:悪かったな。
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二年ぶりにグレートフォックス艦内に入った。 あの時も、機体のメンテナンスや体のメンテナンスまでなんでも許可されていたな…。 二年前と変わらないのかと思うと嫌な焦りを感じる。 今のままじゃいけない。もっと強くならないと…。
スリッピー:皆、聞いて。父さんから連絡が来たんだ。その…ゼナイドの薬の事なんだけど。
ゼナイド:!!…ってことはクリスタル、お前…。
クリスタル:黙って盗んだ事は謝るわ。ごめんなさい、ゼナイド。
ゼナイド:はぁ…。まぁ、良いよ。あの薬の事は一番飲んでる俺自身が知ってる。それを周知の事にするかどうかは俺が決めることじゃない。
フォックス:それで、薬の効果は…。
スリッピー:本来の効果は、中枢興奮作用や運動亢進作用、覚醒作用があるみたいだね。どれも効果の持続時間はとっても長いものらしいよ。
ゼナイド:おかげで眠らずに済んでいる。
スリッピー:だけど、その分副作用はとーっても怖いものばかりだよ~…。あわわわ…。
クリスタル:副作用は?
スリッピー:覚醒作用が強いことから不眠の副作用がまず大きく出るみたいだよ。それから、高血圧、動機、頭痛、食欲減退、嘔吐、喉の渇き…。薬を飲み続けたり過剰に摂取すると、吐き気や痙攣、多幸感や錯乱、妄想が出るんだって…。幻覚が見えたりとか。更には自傷癖に繋がるとか、攻撃的になるとか記憶障害、無気力感も出るみたい…。
ゼナイド:それだけか??
フォックス:それだけって…。
スリッピー:一番怖いのはこれだよ。副作用によって正常な判断が出来なくなって、誰かに服従するような意識操作が出来るようになってしまうっていうところ。
ゼナイド:…まぁ、そうだろうな。実際研究所じゃ周りは同じような症状出てたし、アンドルフ崇拝してたし。
フォックス:他人事で言ってる場合じゃないだろ!まだその薬は持ってるのか。
ゼナイド:今は所持してない。飲み干したばかりだ。
ペッピー:バカモン!あの薬はラムネやペッツでは無いんだぞ!
ゼナイド:そんなことくらい分かってる。別に良いだろ。死ぬわけじゃないんだから。
クリスタル:ゼナイド、良い?貴女が死ねない身体を持っているとしても、その身体にだって限界はあるのよ。だから倒れたり、痛みだって感じる。苦しさも。すべて生きるために。それを自分で自分に与えてしまうのはいけないことでしょう?
ゼナイド:…廃棄になったんだ。失うものも無い。いけない理由も、クリスタルや皆が心配する理由も理解が出来ない。
ペッピー:ゼナイド。
ゼナイド:わっ!?は、離せ!!俺に触ったら、ペッピー、汚れるだろ…!!俺、廃棄物だから…!!
ペッピー:ワシらが心配する理由を直ぐに理解しろとは言わん。だが、帰る場所も、仲間も居る事だけは忘れるなよ、ゼナイド。
ゼナイド:…分からない。何故そこまでする??仲間…??何も分からない…。…っ!?
「ゼナイド!!せめてお前だけでも助かってくれ!!」「母さんは亡くなったんだ…」「帰るところがないだろう。ワシの家に来るか?フォックスともいつでも会えるぞ。」
ゼナイド:…っ。なんだ…この記憶、知らない…!!あ…ぁ、頭…っ!痛い…っ!
ペッピー:ゼナイド!?どうした!!
フォックス:ゼナイド!!
クリスタル:大丈夫、落ち着いて。どうしたの?
ゼナイド:母さん…知らない。ペッピーとは二年前にあったと記憶してる、のに…。俺は…仲間??敵??知らない…!!怖い…あんな、守られるだけの小さいの、知らない…!!あれは、“私”…っ??痛い…っ。変な声、嫌なものが見える…っ。燃えてる、白い服、白いのが燃えてるの…。だ…れ…。
クリスタル:そんな!ゼナイド!?
ペッピー:…気絶じゃな。一瞬だけでも思い出したんじゃろ。昔の事を。
フォックス:怖い、か…。今までそんな事一度も言わなかったのに。
ペッピー:白い服、小さいものというのはおそらく丁度ゼナイドの母親がスターフォックスに所属しとった時だろう…。よりにもよって、アンドルフのヤツに貶められた時を思い出したか…。
フォックス:それって…。
ペッピー:ああ。あの時命からがらゼナイドと一緒に脱出した時じゃな。…一先ず、ゼナイドが目を覚ますまではワシが面倒を見る事にする。クリスタル、そのあとは任せても良いな?
クリスタル:了解。今日はゼナイドをお願い…。
スリッピー:あれって、副作用なのかなぁ…。
ファルコ:いきなりあんな発作起きるかよ。
フォックス:ペッピーの匂いとか、体温じゃないか?スターウルフに居ちゃ、誰かに抱きしめてもらうなんてこと無いだろうし…。
スリッピー:確かに。やっぱゼナイドはこっちに居るべきじゃないかなぁ…。でも、嫌がるよね…。
クリスタル:優しくされたらそれはそれで自分を責めるから…。
ファルコ:しゃらくせぇな…。何でそこまで素直じゃねぇんだか。
フォックス:廃棄、か。まだ、自分のことパーツだって思ってるんだろうな。人間じゃない、化物だって。
クリスタル:あの時、ゼナイドの様子を見に行った日、彼女そう言ってたわ。自分は化物だって。パーツにさえなれなかった廃棄だとか。
フォックス:結局スターウルフ追い出されて傷ついてるんだよな。本当に開き直ってたらそんな事言わないだろ。
ファルコ:辛気臭ぇ状態引きずって次のミッション行くつもりはねぇ。シャワー浴びてくるぜ。
スリッピー:そうだよ、せめてオイラ達だけでもゼナイドを明るく迎え入れないと~。
フォックス:それもそうだな。明日のミッションの事を考えよう。それを知ってるのはゼナイドだけだ。
クリスタル:今はゼナイドの回復を祈る事ね。せめて、今はゆっくりと身体を休める事が出来ていたら良いのだけど…。魘される事なく。
フォックス:二年前もペッピーと一緒に寝て次の日元気だったんだ。大丈夫だろ。ペッピーを信じるさ。
クリスタル:そうね。
――――――――to be continued…
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harijan666 · 7 years
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Mission 3.暴露
やっとピグマとゼナイドの位置が特定出来たと思った。 ただ、今は喜ぶべきか、悲しむべきか…複雑な気分にさせられる場所だ。 サルガッソーコロニー。 彼女が、つい先日追い出されたばかりの場所。 ピグマは彼女が追い出されたのを知っていてわざと彼女をここに連れてきたのだろうか? だとすれば性格があまりにも悪すぎる。 ゼナイド、お願い。無事で居て…。
ペッピー:ピグマめ!やっかいな所に逃げ込みおった。
スリッピー:ここってならず者のたまり場って噂のコロニーだよね…。
クリスタル:だけど、ゼナイドが居た場所でもある。
フォックス:(…“居た”?)
ならず者:てめぇら!ここがオドネル様の縄張りだと知っての事か?
ファルコ:早速のお出ましだぜ。
フォックス:我々はスターフォックスだ!用があるのはピグマとゼナイドだけだ!戦いに来たんじゃない!
ならず者:ピグマだかトンマだか知らねぇがスターフォックスと聞いちゃ黙ってらんねぇな~。野郎ども!キツネどもをぶちのめすぞ!もっと仲間を呼び集めろ!
スリッピー:皆、父さんからの伝言だよ!ピグマが持ってる<コアメモリ>ならアパロイドの本拠地が分かるかもしれないって!なんとしてでも取り返さなくちゃ!
クリスタル:それに、この様子じゃゼナイドの事なんてあいつらは答えてくれないでしょうね。
ナウス:転送装置ノ作動ヲ確認。敵量増加中デス。
フォックス:正面からぶつかっても消耗戦になるだけだ。それに、下手に戦うとゼナイドに危害が及ぶかもしれない。転送装置をなんとかしないとな…。よし!俺とスリッピーはコロニーの転送装置を破壊して来る。
スリッピー:オイラもゼナイドをもし見つけたら連絡するよ~。
ペッピー:了解した!ファルコとクリスタルは外の戦艦を始末してくれ。
ファルコ:オーケー。宇宙は任せろ!
クリスタル:フォックス、気をつけてね。
フォックス:ああ!クリスタルもな!
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コロニー内部が騒がしい。 どうやらお猿さんたちの騒ぎようをよく聞けばスターフォックスがここまで来たらしい。 ピグマはここには居ないと少し前に連絡を入れるべきだっただろうか。 なるべく今はあいつらと話したくはないのだが…。 出て行く時に持って行きそびれた衣類の追加を今のうちに回収しておく。 ウルフ達は運良く居ないらしい。 驚いた事に、ウルフはお猿さん達に俺を追い出した事を伝えていないらしい。 何事もなく迎え入れて何事もなくこうして次の戦闘に備えられるとは運が良い。 珍しく運が味方をしているらしい。
ゼナイド:取り敢えずこれだけ持っていけば今後どの惑星に行こうが困りはしないだろう。フォックスに遭遇しないことを祈らなければ。
___________________________________
フォックス:こちらフォックス。無事内部に進入した。スリッピー、そっちはどうだ?
スリッピー:こっちも着いたよ~。それより、この機体って…もしかして。
フォックス:あぁ。ゼナイドのだろうな。あの子の趣味らしいデザインだ。
スリッピー:言えてるね。
フォックス:さて、それじゃ作戦開始だ!
クリスタル:ファルコ!あれ!見つけたわ!戦艦ね!
ファルコ:やってやるぜ!
___________________________________
ペッピー:コロニー周辺の敵勢力が限界になり次第ターゲットを破壊しに出るんだ。
フォックス:了解!
スリッピー:うわあ。敵が出てくるメカがあるよ。
ペッピー:それが転送装置だ。早く破壊しろ!
スリッピー:敵を撃破!
ペッピー:ターゲット破壊の際、ゼナイドを誤射せんように慎重に動け!
スリッピー:ゼナイドもピグマもどこに居るのかなぁ…。
フォックス:おそらく転送装置からゼナイドが出てくることは無いだろう。俺たちを攻撃する理由が無いしな。
スリッピー:それじゃあ装置の破壊自体はそんなに怖いことはないね。
フォックス:ああ。だけど、ならず者と間違えて反射的に、なんて事にはならないようにしないと。
スリッピー:ブラスターの効かない奴も居るから実弾当てないようにしなきゃ~…。
フォックス:装置破壊!
ナウス:転送装置ノ破壊ヲ確認シマシタ。
ペッピー:うむ!流石だ!フォックス!にしても、ならず者とはいえ訓練はされとるようだな。…オイッコニー軍より厄介かもしれんぞ。
スリッピー:だけど感心するよね。フォックス。
フォックス:なにがだ?
スリッピー:こんな古臭いメカばかりでよくも頑張るなぁって。
ファルコ:お前の部屋よりマシだろ。スリッピー。
スリッピー:ひどい~…。
クリスタル:ゼナイドはコロニー最上部に居るようね。窓から彼女の姿が確認出来たわ。良かった…無事だったのね、ゼナイド。
ペッピー:一先ず、安心じゃな。だが、まだ気は抜けん。肝心のピグマの姿が見えん。残る転送装置は3個だ。ゼナイドを撃つなよ。フォックス。
フォックス:もちろんだ!
___________________________________
ならず者:ぐわっ!やられたっ!
ならず者:あっ、ステラさんじゃないっスか!こっちはスターフォックスどもが侵入してきて危ないっス!!
ゼナイド:そう。あいつらどこから進行して来てる??
ならず者:多分あのエレベーターからっスね。俺が案内するっス!!こっちっス!!
ゼナイド:ありがとう。……お前、怪我してるじゃないか…。
ならず者:こんなの唾でも付けときゃ治るっスよ。たかだかブラスター一発で死ぬわけないじゃないっスか。こんなのでへこたれてちゃ男の名が廃るってモンっスよ。
ゼナイド:ふふ。頼もしいな。俺もそれくらい強くならなきゃな。
ならず者:充分強いっスよ。俺じゃ使い捨ての盾にしかならないっス。なんせあの親分についていける女なんっスよ、ステラさんは。
ゼナイド:(親分についていける、か…。)お世辞でも嬉しいよ。
ならず者:これは本心っスよ。お世辞なんかでこんな言葉いう訳無いじゃないっスか。あ!!ステラさん下がってください!!うわっ!!
ゼナイド:お前!!大丈夫かよ…。あいつ、スリッピーか。スターフォックスの奴ら、コロニー内部は何人居た??
ならず者:あいつとキツネの野郎だけっス。あとは外に2機。
ゼナイド:OK。それだけ分かれば問題ない。お前は下がってて良い。
ならず者:けど、大丈夫なんっスか?
ゼナイド:スターフォックスとは何度か会話した事がある。俺は撃たれない確信があるから。
ならず者:信じるっスよ、その言葉。いいんっスね。
ゼナイド:あいつら甘いんだよ。信じろ。ここまで護衛をしてくれたこと、感謝する。お前は傷の治療に専念しろ。
ならず者:優しいっスね。一応、状況次第ではまたここに戻ってくるっス。
ゼナイド:だろうな。ま、気をつけて。
ならず者:そちらこそっスよ。
護衛してくれたお猿さんがしっかり撤退出来たことを確認したあと、コロニーの2階まで降りてきた。 どうやら転送装置は全て破壊されてしまったらしい。 ウルフの奴、相当怒るだろうな…。 まぁ、あいつが怒った所でもう何も関係はないが。
スリッピーがこちらの存在を確認したらしい。 銃を下ろし手を振っている。 ほらな、甘いんだ。スターフォックスは。
スリッピー:ゼナイド~!無事で良かった~!
ゼナイド:無事も何も、ここに居るお猿さんが俺を攻撃するとでも思っているのか??
スリッピー:そこじゃなくてピグマのやつ一人で追ったなんて聞いたら皆心配するよ。
ゼナイド:はっ。俺はスターフォックスでも無いのにか。…所で、フォックスは。
スリッピー:フォックスならエレベーターから降りてくる頃だと思うよ~。
ゼナイド:そう。分かった。
スリッピー:用事でもあるのかい?
ゼナイド:いや、なんとなく気になっただけだ。よくもまぁあの数のお猿さんを退けてコロニー内を暴れまわれたものだな。ウルフのやつが怒っても俺は知らないからな。
ペッピー:本来は戦う予定じゃなかったんじゃがな…。
ゼナイド:…ペッピー、どうやって俺のインカムに…。
ナウス:スリッピーノ技術ノオ陰デス。
ゼナイド:お前な…。
スリッピー:だってー、ゼナイドってば機体の探知出来ないような改造してるからこれくらいしなきゃさ~。
ゼナイド:それされちゃ俺が態々テメェらに探知されないようにした意味がねぇだろうが。まぁ、良いか。
くだらない会話に付き合いつつ、フォックスを見つけた。 こんな会話をしていればあいつらは一々心配も詮索もしないだろう。 だが、フォックスは別だ。この姿の俺を見て絶対何かは言うだろう。 俺の機体に近づくフォックスの背後に移動する。 腰にある銃を片手で抜けるように構えながら。
ゼナイド:そこまで。その機体に触らないで。
フォックス:ゼナイド…!?
スリッピー:うわわわわあ!?ゼナイド、フォックスに銃向けちゃダメだよ~!!
ペッピー:何をしておるゼナイド!!
ゼナイド:騒ぐなうるさいな。別に撃ちはしない。ただ触るなと言いたかっただけだ。どうせフォックスの事だ。「戦うな」、「これからどうするつもりだ」、「無茶をするな」とか言い出すんだろ。
フォックス:それが煩わしくて銃を向けたって事か…。
ゼナイド:その通り。悪いけど俺は今ここに長居してられないんだ。さっさと高飛びして次の仕事に行かなきゃならない。そのまま手を上げて機体から離れろ。
フォックス:…分かった。妙に引っかかるな…。
ゼナイド:何が。
フォックス:ウルフがお前に単独の仕事を与える事だよ。それにその髪…。
ゼナイド:余計な事を詮索しなくて良い。全て好きでやってる事だ。俺が単独で動く事も何も悪いことじゃない。それ以上無駄口を叩くようなら本気で撃つぞ。
フォックス:うわっ!
クリスタル:ゼナイド!!
ゼナイド:足元。わざと外してる。彼女の前で本気で彼氏を撃つものか。それじゃ、もうすぐウルフが戻ってくると思うけど、責任は全部お前らスターフォックス持ちだからな。俺は知らないぞ。
___________________________________
俺が愛機に搭乗してコロニーを出てすぐ、ウルフたちが戻ってきた。 これは気づかれてしまったな。 あいつらとくだらない会話を長くしすぎてしまった。 何やら嫌な予感がする。 妙な胸騒ぎと吐き気を止める為にポーチから薬を出し、適量を服用する。
ウルフ:てめえらっ!キツネ如きに何やってんだ!!
ならず者:親分!来てくれたんすねーっ!
フォックス:ウルフか!?
���ルフ:俺様の縄張りで図に乗るなよ!フォックスー!!
レオン:ククク…。たっぷりいたぶってから料理してやる!
パンサー:アンタらとはお初だな。俺はパンサー。俺の赤いバラをみたヤツは死ぬぜ!
くさい台詞だな…。違うベクトルで吐き気を催した。 パンサー、キザっぽいヤツだってのは知ってたけど、想像以上に気色が悪い。 俺が目の前に居るの分かっててよくそんなかっこつけた台詞が言えるな…。 悪態を突くよりも先にフォックスが生真面目に質問をしてしまったので悪態は心の内にしまい込むことにした。
フォックス:用があるのはピグマだけだ…。黙ってピグマを引き渡してくれ!
ウルフ:ピグマ?知らねぇな~。それよりも、留守中すき放題やってくれたじゃねぇか。たっぷりと礼をさせてもらうぜ!!
___________________________________
フォックスが機体搭乗後ウルフ達を戦闘を開始した。 俺はどうするかな…。 スターフォックスのフォローをしちゃ今の俺の立ち位置を怪しまれる。 だがスターウルフでも無い以上あいつらの手助けをする必要もない。 弱いと言って追い出したのだから。
フォックス:ウルフ、俺たちは戦いに来たんじゃない。
ウルフ:それだけやりたい放題やっておいてよく言う…。問答無用!勝負だ!
ペッピー:やむを得ん。フォックス、アーウィンで撃退しろ。
フォックス:スリッピー、コロニーの制圧はお前に任せる。
スリッピー:了解!任せといて~。
今のウルフは相当頭にキテるな…。下手に加勢したって余計に怒らせるのが目に見えているので手出しをしない方向で判断は正しいようだ。 問題は俺の探知の仕方が問題なのか、ピグマを探し出すことが出来ない。 薬の効果のせいか興奮に近い焦りが出る。
ウルフ:ぐあっ!やってくれたな!
クリスタル:流石ねフォックス。やっぱり頼りになるわね。
レオン:私を誰だと思っているんだ!
ファルコ:チッ!!くらっちまったぜ!
フォックス:今助ける!
レオン:この私が…この私がーっ!!
レオンがどうやら戦闘不能となったらしい。 こいつらが戦闘不能になったところでどうするか。 ピグマの居場所を、どうにかスターフォックスが動き出す前に突き止めたい。 方角は分かった。問題はその内どこの惑星か…。 肝心なそこだけが分からない。
パンサー:俺を本気で怒らせるとは。命知らずな!
ウルフ:どうした!もう終わりか!?
パンサーが本気で怒ったところ、初めて見たかもしれない。 ウルフにも焦りが見えている。 フォックスはやはり強いんだな…。 そんなやつがなんで俺ごときに銃を突きつけられて無抵抗だったのか。 本当に甘いヤツだな…。
ウルフ:キツネごときが。調子に乗るなよ!なめるなフォックス!
パンサー:なんてこった…!?このオレが…!?
パンサーも戦闘不能か。 残るはウルフのみ。 時間が無い。早くピグマの位置を把握しないと…。
ウルフ:このオレがやられるとは…。やってくれたな。フォックス!
フォックス:ウルフ…頼む!ピグマを引き渡してくれ!
ウルフ:スターウルフの面汚しとは縁を切った!このシマに来たとしても、手下どもが追い出してる。
クリスタル:そんな…。それじゃあピグマはどこへ?
パンサー:ヒュ~。噂通り美しい。君がステラちゃんの言っていたクリスタルだね。私はパンサー・カルロッソ。運命の出会いに乾杯。
ファルコ:あぁん?なんだこのバカは?
パンサー:だまれトリ。
ファルコ:ンだとォ!!
ゼナイド:流石にそればかりはファルコに賛同する。気色悪い。
パンサー:君は俺たちと関係を絶ってから本気で喧嘩腰の対応になったな…。
フォックス:関係を絶った…??
ウルフ:言っただろ。スターウルフの面汚しとは縁を切ったとな。
フォックス:お前…!!
レオン:ステラはウルフの命令に逆らい過ぎた。自分の腕くらい相談すれば良かったものを。
ゼナイド:…もう遅い。相談したところに何になる。
ウルフ:弱いクセにはねっ返りが出しゃばるのが悪い。ステラのそれが直りゃ良いだけの話だ。
ゼナイド:別に、追い出された事にも、それまでの自分の行動にも後悔は無い。今更そんなこと言われようが関係のないこと。もう、お前らとは敵だしな。
フォックス:あの時、ウルフにゼナイドを引き渡したのはゼナイドを二度と傷つけないって約束をしたからだ。見損なったぞ!ウルフ!!
ウルフ:知ったことじゃねぇな。現にステラもその態度だ。傷つけない約束だと?知った口を利きやがる。
クリスタル:ゼナイドが傷ついてないわけが無いでしょう!?ゼナイドが髪を短く切り落としたのも、こうして一人でピグマを追いかけようとしているのも、全ては貴方を見返すため。本当に傷ついてない人が態々ここまで必死に戦場を駆けると思っているの!?
ゼナイド:………違うよ。俺は、別に…そんなんじゃ……。全部、髪を切り落としたのも自分へのお仕置きと、一人で生きていけるって決意をするための儀式としてだ。ウルフに、追い出されたことに対しても、何も感じてなんかない。当然の結果…。
パンサー:本当にそうなら、いつもの君らしくもっとぶっきらぼうにトゲのある言い方をすれば良いものを。いつになくしおらしい女性そのものだ。今のそれは。
ゼナイド:うるさい…!!本当に何も感じてなんかいない!!俺は男だ!!女だから、弱いからって言われるだけで傷つくほど普通の人間としてここまで生きてきてない!!
フォックス:ゼナイド、スターフォックスに戻って来る気はないか?
ゼナイド:その質問が一番不愉快だ。お前もウルフと同じ。弱いから戦わせない。そういう態度が見えるんだよ。誰が戻るか。俺は一人で生きる。スターウルフでも、スターフォックスでもないことが今ここではっきりしたんだ。もうコソコソと動く必要もない。今日は運が良いらしい…!!
レオン:ちなみに、1つ問おう。貴様は一人では寝られんほどに精神は弱い。どうやって一人で生きるつもりで居る。
ゼナイド:…答える必要があるのか。まぁ、答えても問題はないか。…追い出されたあの日、ベノムに寄ったんだ。
フォックス:ベノムに…??
ゼナイド:お前がアンドルフ倒したあと、皆急いで撤退したんだろ。俺が被験体だった頃の研究所そのままでさ。あの時飲まされてた薬が丁度眠る必要のない薬なんだ。それを飲めばずっと戦場で戦い続けられる。ずっと起きていられる。うなされることもない。
レオン:愚かだな…。あの薬の副作用は幻覚、記憶障害を起こすものだ。再び記憶を失えば今以上に不安定になるぞ。
ゼナイド:だからなんだ。うなされる心配がなければ記憶を失おうがなんだろうが関係はない。それに、さっきも言っただろう。もうどっちのチームにも所属していない以上どちらの敵でもあるのだと。記憶の有無は重要じゃない。
ウルフ:ステラ、感情がコントロール出来てねぇぜ。薬を頼ってる以上弱いままだ。
ゼナイド:一人で戦い続けて生きられる証明が出来れば弱いとは言い切れない。コントロールも問題ないと判断している。弱いと言うな、そしてその名前で俺を呼ぶな…!!
ウルフ:なら何と呼びゃ良い??キツネのようにゼナイドとでも呼びゃ良いか。
ゼナイド:その名前の記憶は存在しない。ステラという名前の化物もお前が殺した…!今、便宜的に呼びたければ“Jane Doe”だ。
ウルフ:名無しってか。またテメェは弱かったあの時に戻るんだな。
ゼナイド:…あの時というのは存在しない。殺された“ステラ”という化物の記憶だ。
ウルフ:チッテメェは…!!!
クリスタル:…ピグマの居場所を教えて。
フォックス:クリスタル??
クリスタル:わたしがゼナイドと共に行動出来れば、彼女に薬を使わせなくても済むでしょう。フォックスたちには話せない、言えば悪化するっていうのはこういう事だったのよ。戦いたいという動機がある以上、今のあの子をスターフォックスに置くことは最善じゃない。スターウルフはこの様子じゃ彼女に戻ってきてもらう事は考えていない。
フォックス:……。そういうことか…。
ゼナイド:心配だ心配だと言いながらやってることはウルフと同じなんだよ、テメェも!!同じ穴の狢のクセして偽善者ぶるんじゃねぇ…!!自分で胸に手ェ当てて思い当たる言葉全て思い出してみろ、偽君子が!!
フォックス:ゼナイド…。
パンサー:ま、仕方ない。美しいお嬢さんの頼みであり提案だ。それに、俺はステラちゃん…いや、今の君はジェーン・ドゥちゃんか。君をどうしても捨てきれないからね。通信記録ではフィチナがどうとか言ってたそうだよ。
クリスタル:ありがとう。パンサー。…ゼナイド!?
ゼナイド:場所さえ分かれば協力は必要ない。クリスタルも、俺なんかの為に心配や協力をしないで、自分の彼氏やチームの心配をして欲しい。じゃあ。
ウルフ:チッ。お喋りが過ぎるぜ。パンサー!レオン!行くぞ!!悪態を俺様につく前に自分の心配をするんだなフォックス。覚えとけ!お前を倒すのはこのスターウルフだ!!
フォックス:あいつ……!!
クリスタル:フォックス、怒るのは後よ。ゼナイドを追いかけましょう。そこにピグマも居るハズよ。
フォックス:…そうだな。それに、あの状態のゼナイドを一人にさせるのは危険過ぎる。
___________________________________
ペッピー:保護の手段を考えんとな…。
ファルコ:ケッ。ウルフのヤツがあいつをはねっ返りっつーのも分からねぇ事ぁねぇな。
スリッピー:二人共言葉が足りないだけだと思うんだけどなぁ…。ゼナイド、相当傷ついてるのにそうじゃないって言い続けるんだもんなぁ…。
ファルコ:本当に傷ついてなきゃ一々怒鳴って反論しねぇだろ。
ペッピー:今はウルフとゼナイドの事を話しておってもどうにもならん。何かゼナイドを保護するだけの手段がないか…。
クリスタル:…わたしたちはわたしたちの目的でミッションをこなす素振りであの子と接触しながら見守る。実質それくらいしか…。
フォックス:スタンドプレーのふり、か。
スリッピー:だけど、実はチームプレーってことでしょ。あとは、薬が怖いなぁ…。ゼナイドの服用してるそのベノム軍の薬っていうのがどんなものか分からないし。
クリスタル:実は、コーネリアであの子の家に行ったとき、1つ盗んできたの。このボトルよ。
スリッピー:父さんにも協力してもらおう。少し成分を調べさせてよ。
クリスタル:ええ。副作用、おそらくあの2つだけではないハズだから。
フォックス:あの時倒れて意識がなくなったのを思い出す。
クリスタル:あの時と同じ薬でしょうね。あの子の言葉から考えれば。だから、それを調べるためにもって帰ってきたのよ。
フォックス:ゼナイド…。あぁ…なんでこんな事に…っ。
ペッピー:無理にでもスターウルフに引き渡すのを止めれば良かったかもしれんが、後悔してもどうもならん。とにかく、ゼナイドの保護の方針は一旦は固まった。フィチナへ急ぐぞ。
フォックス:ああ。
クリスタル:…フォックス。
フォックス:大丈夫だ。少し、頭を冷やしてくるよ。
クリスタル:…あの子、フォックスのこの姿も予想して戻らないって言ったんでしょうね。
ペッピー:心配をかけまいとする意識が強すぎるんじゃ…。頼む、フィチナで倒れるんじゃないぞ、ゼナイド…。
――――――――to be continued…
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harijan666 · 7 years
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Mission 2.対面
カタリナへ向かう前にゼナイドの身体の調子を尋ねた。 自傷の跡は、彼女が魔女だからか見えなくなっていた。 昨晩の出来事が悪い夢であったかのようだった。 だけど、それを夢じゃないと訴える血の染みたシーツに薬のダンボールがそこに置いてある。 現実に起こったことだからこそ、まずは彼女の状況を知らなければ。
ゼナイド:大丈夫だ。俺は、魔女だし、化物だから。薬の影響も全くない。不調はどこにも無い。
クリスタル:化物って言わないの。もし、体調が優れないようなら直ぐに言うのよ?
ゼナイド:…分かった。善処する。
クリスタル:善処じゃないでしょ。守るのよ。
ゼナイド:守る…命令??約束??
クリスタル:約束。
ゼナイド:約束、分かった。
クリスタル:それじゃあ、カタリナへ向かいましょう。
ゼナイド:あぁ。
___________________________________
カタリナへ着いた頃、想定以上の数に目を見開いた。 アーウィンをゼナイドの機体の近くに着地させる。 ゼナイドは機体から降りて足早に高台を目指して全体を見回し、 敵の数を把握することにしたようだ。
ゼナイド:クリスタル、地上戦をほどほどにあとは空から片付けよう。
クリスタル:地上と空に二手に別れるとは言わないのね。
ゼナイド:お前がフォックスから「地上じゃ危険だから空で戦ってくれ」って言われて「心配無下にされた」って怒ってたの知ってるから。
クリスタル:優しいのね。分かったわ。それに従いましょう。
ゼナイド:ありがとう。
クリスタル:この感じ、おそらく建物の中にも敵が居るわ。
ゼナイド:中か…。付近を捌けたら俺が突入する。
クリスタル:一人じゃ危険じゃないかしら。
ゼナイド:大丈夫。もし、ダメだったら呼ぶ。
クリスタル:約束よ。
ゼナイド:うん。守る。
___________________________________
二挺拳銃で捌くにしたって数が多すぎるだろ、これは…。 一撃で仕留めるコツを見つけたにしても依頼の核ってのが見つからない。 持っている奴とそうでない個体が居るわけか…。 その特徴があればそれも調べておくべきだな。 そういえばクリスタルの方はブラスターだけか。 そりゃ、数こなすには少し不利だろうな…。 スターウルフから武器を勝手に持ち出したのは正解だったか。
ゼナイド:…ブラスターじゃ時間かかりそうだな。
クリスタル:っそうね…。
ゼナイド:マシンガンが効く奴と効かない奴がいるみたいだけど、マシンガン使うか??
クリスタル:あなたは?
ゼナイド:俺には相棒の二挺拳銃があるから。
クリスタル:あなたがそれで良いならマシンガンをいただくわ。
ゼナイド:どうぞ。これ。
クリスタル:ありがとね。
ゼナイド:…どう、致しまして。
クリスタル:あら、照れてるの?
ゼナイド:違っ…。その、お礼言われるの慣れてない…からっ。い、いいからさっさと片付けよう。じゃないとフォックス達が来てしまう。
クリスタル:ふふっ。それもそうね。それにしても…。
数が多すぎる。想定していた以上に時間がかかってしまう。 なんとか片付けられるだけの数は捌いて、 ゼナイドが建物内に入れるように経路は作ったけれど…。 ゼナイドが建物の中へ入った頃、スターフォックスが来てしまった。
___________________________________
フォックス:クリスタルか!?
クリスタル:フォックス…!!
フォックス:君はゼナイドと一緒に居たハズじゃ…。
クリスタル:説明は後よ。それよりも早くアパロイドを片付けないと…!
フォックス:…分かった。クリスタル、空からの援護を頼めるか??
クリスタル:…そう言うと思ってたわ。
微かに聞こえる通信から、スターフォックスが合流したのだろう。 どうやって建物から出るか…。 アパロイドの残骸が目に入る。 そうか、これを使って一先ず外に出よう。 こいつの片腕だけで隠れてしまう身体。 初めて自分が小さくて良かったと思ってしまった。
フォックス:フゥ…こりゃキリがないな。ペッピー!ランドマスターを転送してくれ!
ペッピー:すぐ送る!どんな状況だ?
フォックス:お出迎えしてくれるオモチャが多くてね。
ペッピー:よしランドマスター転送!
ファルコ:心細きゃ応援に行ってやるぜ?
フォックス:ランドマスターだけで充分さ!
ペッピー:転送完了!いったぞフォックス!
フォックス:おいおい…あいかわらずいい加減な転送システムだな…。
今だ、フォックスがランドマスターに乗り込むあの瞬間。 あのタイミングで愛機へと駆ければ見つからない。 基地の外にカモフラージュして着地させていた愛機へと乗り込む。 クリスタルの後ろを追うアパロイドが目に映る。 狙撃したらバレるだろうか…?? こっそりと狙撃してみた。
クリスタル:今の…。
フォックス:どうした、クリスタル。
クリスタル:いいえ。それよりも、何か嫌な予感がするわ。
フォックス:それは俺も感じた。
スリッピー:ひえ~っ。でかいヤツがきたよ~っ。
フォックス:いよいよ大将の出番ってわけか。
クリスタル:…!!あいつ、コアメモリを持っているわ。
ペッピー:それだ!そいつを手に入れてくれ!頼むぞ!
盗み聞きは悪いと思うが状況の把握には必要だ。 あの様子じゃスリッピーにはバレてなさそうだ。 にしても。あいつらの任務は救難信号の確認じゃなかったのか?? その核が回収出来ないと俺の任務が完遂出来なくなる…!! いつ出るか…。いざとなればあいつらの妨害も考えなければいけない。
ペッピー:今だ!フォックス!あいつの弱点は上だ!
ファルコ:振り落とされんなよ。フォックス!
フォックス:分かってるさ!
ファルコ:大将も弱ってきてるぜ!フォックス!あと一息だ!
フォックス:倒したぞ!
ペッピー:フォックス!<コアメモリ>をたのむ!!
フォックス:OK!あれだな…。
今だ!!横取りなんて、どっかのブタさんを思い出すけど仕方がない。 仕事だから。これは正当化ではない。任務完遂の為には仕方ないことだ。
ゼナイド:悪いけど、そのコアメモリってのは俺が回収させてもらう。
フォックス:ゼナイド!?なんでここに…!?それに、それがなんなのか分かっているのか!!
ゼナイド:どんな物か予想はつくけど、これを求める依頼主が居るものでね。それで依頼主がどうなろうがそこから先は俺は契約外だし関係は無い。
フォックス:回収したお前自身も危ないかもしれないんだぞ!!
ゼナイド:その時はその時だ。とにかく、こちらも仕事なんだ。悪く思わないでくれ。
フォックス:待て!!
ペッピー:フォックス!おかしい、SOS反応が消えたぞ!!
フォックス:何??
ピグマ:いやはや、おかげで助かったわ~!
フォックス:ピグマ!
ピグマ:ブヒヒッ。久しぶりやなぁ、フォックス。それに、随分男らしい見た目になりましたなぁ、ステラ。
ゼナイド:…お前は何しにここに来たんだよ。もう見なくて済むと思っていたのに…。
ピグマ:ステラの言うてた依頼、出したんがわてや言うたら?
ゼナイド:…!!
ピグマ:依頼主の名前よーく考えてみぃ。アナグラムや。並べ替えたらわての名前になるハズや。
ゼナイド:テメェ……。
ピグマ:大儲け出来そうな代物やなぁ。ステラが持つには高価すぎる。頂いてくで。
ゼナイド:待ちやがれブタ野郎!!それなら今すぐミッション変更だ。そいつはお前には渡さない、スターフォックスに譲渡してやる!!
ピグマ:ブヒヒ!“厄災の魔女”とは言え、小娘一人に何が出来るんや?
ゼナイド:…許さない!!その名前で呼ぶことは絶対に許さないからねお前!!殺す!!お前は絶対にぶっ殺す!!このドクサレ野郎が…!!
フォックス:待て!!ピグマ!ゼナイド!くそっっ~~!
ペッピー:フォックス!!ピグマはレーダーで追跡しとる!おそらくゼナイドも同じ所に居るハズだ。早くグレートフォックスに戻れ!クリスタルもだ!
フォックス:了解!
クリスタル:了解…。ゼナイド……。
___________________________________
フォックス:クリスタル、ゼナイドの件を聞かせてくれないか。
クリスタル:詳しくはまだ。言えるのは彼女の精神的な問題で一時的にわたしがここから抜けていたという事だけ。
ペッピー:う~む…。どうもただならぬ事情があるというのは分かったが…。
ファルコ:今度は残党か何かの被験体ってのにでもなったか??
スリッピー:流石にそれは冗談でも不謹慎過ぎるよ~…。
クリスタル:そういうのではないの。とにかく、今皆が知っていいことではないし、知ってしまえば彼女の精神はいよいよ破綻する可能性が大きいのよ。
フォックス:ウルフ達はあの子に何もしてやらなかったのか…。
クリスタル:そうね。それはその通り。そして今に至るのよ。
ペッピー:いずれにせよピグマの奴が向かっておる方向次第では奴らとも出会うじゃろ。その時はいくらなんでも少しばかりはクリスタルの言えん事もバレるぞ。
クリスタル:それは覚悟しているわ。わたしも、おそらくゼナイドも。いずれは皆が知ることになるだろうって。
フォックス:だけど、今は言えないのか。
クリスタル:ええ。間違っても言えないわね。
スリッピー:心配だなぁ…。ゼナイド、オイラと機械の話してる時は楽しそうだったけど、それ以外の時は感情が読めないからなぁ。
ファルコ:ああいう考えてること言わねぇのが一番イライラするんだけどな。
クリスタル:聞けば一応は答えてくれるのよ。ただ、まだ自分の感情に気づけていなかったり、表現の仕方が分からないだけで。
フォックス:まだ、昔の記憶も思い出せていないんだよな…。
クリスタル:あの様子だと、おそらくそうね。
フォックス:とにかく、ピグマを見つけ出すこととゼナイドの安否確認だな…。ペッピー、レーダーにゼナイドの機体はまだ探知されないのか?
ペッピー:さっきから何度も試しておるが表示されん…。ピグマの機体だけじゃ…。
ナウス:オソラク、ゼナイドハ 探知ヲ妨ゲル粒子ヲ機体ニ使用シテイマス。
フォックス:探知を妨げる…??
スリッピー:あー!ゼナイド自分で開発したんだ!オイラ、ゼナイドがここに居る時その話したんだ。自分の機体が脳波で操縦出来たり、カモフラージュ出来るような機体に改造出来たら楽しいって言っててさ~。
ファルコ:そのテメェとの会話が今ここでアダになってるわけだが?
スリッピー:しょんぼり~……。
フォックス:だけど、ピグマの方さえ見失わなければまだあの子の行方も完全には見失わないはずだ。
ペッピー:そうじゃな。とにかく、今は先を急ごう。
フォックス:あぁ。
――――――――to be continued…
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harijan666 · 7 years
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Mission 1.狂気の果てに無表情
ペパー将軍から連絡が入るまでグレートフォックスで待機している間、 ずっと寒気のような悍ましい恐怖のような感情を感じていた。 場所はおそらくコーネリア。知っている。 わたしはこの子を知っている。 だけど、どうしたらこんな悍ましい感情のエネルギーを発せられるの?
クリスタル:フォックス…。少し、話があるのだけれど、今時間あるかしら?
フォックス:あぁ。どうした?そんな深刻そうな顔して。
クリスタル:コーネリアからとても強い悲しみのような怒りのような、言い表しようのない感情のエネルギーを感じるの。
フォックス:感情の…??
クリスタル:おそらく、この感じはゼナイド。あの子の感情の波に近いのだけれど、とても悍ましいものなのよ。どうしたらこんな感情を持てるのか分からないのだけれど、間違いなく何かがあったことだけは断言が出来る。
フォックス:コーネリアか…。ペパー将軍の連絡を待つ前にこちらから向かう方が良いかもしれないな。しかし、ゼナイドか…。昨日会った時特に何も変化はなかったんだけどな…。
クリスタル:わたしだけでも大丈夫よ。一時的にだけどここを離れても大丈夫かしら?
フォックス:一人で向かうのは危険だ!!それならグレートフォックスで移動する方が…。
クリスタル:女の子はデリケートなものなのよ。ここは同じ女性であるわたしだけで行かせて欲しいの。彼女の今の感情、波が沈んだわ…。恐怖と狂気、そして怒り…その果に無情の木石のようにまるでエネルギーが感じられなくなったわ。
フォックス:…分かった。何かあったらすぐに駆けつける。そのときは必ず俺に連絡を入れて欲しい。
クリスタル:ええ。約束するわ。ありがとう、フォックス。もしペパー将軍から連絡が入ったらその時はその内容を一応教えてちょうだいね。合流出来るようなら合流するわ。
フォックス:分かった。気をつけて。
クリスタル:ええ。
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コーネリアまで急いだ。彼女の住居は少し前に遊びに行ったことがある。 近づくにつれ、嫌な感情のエネルギーが背中を走る。寒い。とてつもなく凍えてしまいそうな悪寒がする。 何があったの、ゼナイド…。 壊れてしまいそう。そんな脆ささえ感じられる。 その後直ぐに繰り返される強い感情のエネルギー。 狂気的で、わたしまで引き裂かれてしまうのではないかという重たくて鋭い鉛のようなものが突き刺さる感覚。 こんな感情の波を繰り返しているのなんて、第三者的に感じているだけでも耐え難いのにどうしたらそんなことが出来るの…?
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「厄災の魔女め!!」「悍ましい!!」「消えろ汚れた魔女め!!」「ハイラルから出て行け!!」「化物!!」「お前のような悍ましい存在、消えて当然だ」「こっちを見るな化物め」「おまえを見たら誰だってムカつくし恐ろしく思う」「出て行け」「生きる価値のない化物」「よくもノコノコと人間様の前に出てこられるな」「被験体C-2、廃棄」「また廃棄か、無能め」「弱い」……
ゼナイド:うるさい…!!うるさいうるさいうるさい!!皆死んでしまえ!!厄災の魔女と呼ぶな!!
誰だってムカつく??望んで命をこの世に取り出したのはお前たち人間だろ!!消えてくれ!!傷つけないで…っ。
「廃棄」、「弱い」
…そうだ、廃棄だった。噛み付く必要もないじゃないか。 所詮化物だ。こうなって当然じゃないか。何を言われたってそれが当たり前なんだ。お仕置きが��要か。
気が付けばうるさい罵倒雑言をかき消すのに更に薬を服用していた。 朦朧とした意識の中、自分にお仕置きをした。 女性らしさといった人間のような常識もいらないと思った。 まずは自分の髪を切る。次に切るものが無くなって足を切ってみた。 痛みは感じない。当然の損傷だと思う。
「被験体C-2ってのはあまり可愛げがないな。もっと可愛い名前俺が考えてやろうか。」「お前はここから出て生きろ。絶対に約束だ。」「俺に会いたきゃ生きてここから逃げ出さねぇとな。お前たちは逃げろ。良いな。」
研究所から逃がしてくれた人の言葉が聞こえる。 そうだ、生きなきゃ。その約束さえも守れないほど今の俺は無能なんだ。 生きる、生きる、生きなきゃいけない。戒めに生きると腕に刻んだ。 頭の悪い自分が忘れないで良いように。 ありったけ刻んだ。愛しい母国語で。シンボルも添えて。 肉が見えてしまっているけどそれさえ何も感じない。 本当は痛いのかもしれない。何も分からないまま涙が流れる。 少しだけ眠気が来てしまった。薬の効果がまるで無い。 少しの間は落ち着いていたんだけどな…。
___________________________________
ゼナイドの住居のベルを鳴らす。反応がない。 施錠はしていないらしい。とても重苦しい雰囲気に足が一瞬すくんだ。 血のにおいがする。ゼナイドが心配だという感情に任せて寝室まで走る。
クリスタル:ゼナイド…!!
目を見張った。 人形のように長くまっすぐな髪の毛は散らばっており、薬も散乱している。 彼女の横たわるベッドのシーツには血の染みが広がっている。 本人がナイフを握っているところを見ると自分で傷つけたことが容易に想像出来る。 それでもなお自分の腕を切りつけようとするゼナイドを目の当たりにして思わず大声で彼女の名前をもう一度叫んだ。
クリスタル:ゼナイド!!
ゼナイド:…クリスタル……??どうしたの??どうしてこんな所に…。
クリスタル:貴女こそどうして一人でここに…。それにその髪に傷…。何の薬…。
ゼナイド:あぁ、これ??自分にお仕置きしてたんだ。弱くて無能な自分に。廃棄されたからさ。
クリスタル:廃棄??ゼナイド、そのナイフから手を離して。傷、止血しないと…!
ゼナイド:こんなのすぐ消えてしまう。俺は化物だから。それよりなんでここに居るかに答えて欲しいな。
クリスタル:貴女から発せられるとても恐ろしい感情のエネルギーを感じて、心配で来たのよ。今度はわたしからの質問。どうしてこんなことになってしまったのか、良かったら話してくれないかしら。
ゼナイド:あまり、話す理由を感じないな。でも、質問には答えないといけないか…。
彼女が上体を起こした段階で手持ちの救急キッドから消毒綿と包帯、止血のためのガーゼを取り出す。 話を聞きながら治療をすることにした。
ゼナイド:ウルフに、追い出された。俺が弱いから。
クリスタル:追い出された…??
ゼナイド:アパロイドの件、教えてくれただろ??
クリスタル:ええ。
ゼナイド:あれに絡んだ仕事があそこにも沢山入っていたんだ。だから、依頼のいくつかを受諾したくて進言した。それがあのチームに貢献出来る事だと思っていたが、オイッコニーと同じだとみなされた。命令が聞けない鼻摘みものとされた。
クリスタル:もう、戻れないの??
ゼナイド:マスターがそれを望んでいなければパーツはそれを望む資格もない。
クリスタル:パーツだなんて言わないで。貴女の本心は。
ゼナイド:分からない。居ても足を引っ張るだけならば一人で傭兵をする方が良いと判断する。
クリスタル:この武器の量に薬。一人でそのアパロイドの案件を抱え込むつもりで居るの??貴女は。
ゼナイド:あぁ。もう誰にも迷惑をかけない身だ。何をしたって問題は無いと推測される。
クリスタル:そんな訳が無いでしょう!?わたしやフォックスの事はなかったことにするつもり??心配をしない訳が無いでしょう??
ゼナイド:心配…??何故俺を心配する必要があるのか、理由がわ��らない。俺は廃棄されたパーツにさえなれないゴミなのに。
クリスタル:もう貴女はアンドルフ軍の被験体なんかじゃないのよ。…その薬、アンドルフ軍の基地から入手したのね。
ゼナイド:スターウルフが敵になってももう何も躊躇わない為に。あの薬を飲まされていたとき、身内を殺す事さえ怖くなかったんだ。だから、記憶を失くす為に。
クリスタル:やめて!!そんなこと…。それを続けていたらいくら貴女でも体が無事であるはずがない!!一人で傭兵だなんてそれさえ叶わなくなるわ。
ゼナイド:死に場所、探してるのかもしれない。生きてる間は戦場に居座ろうと。それが一応存在価値じゃないかって。それに、一人で生きられたらきっと俺は弱い人じゃなくなる。その有用性が証明できれば前者の動機も消える。
クリスタル:だけど貴女は一人では寝られないって聞いたわ。
ゼナイド:そのための薬だ。こいつは不眠作用もあるんだ。ひどい眠気に襲われたらこいつで覚醒する。筋肉の増強の効果もある。まさに戦場に居続ける今の俺には打って付けの薬だ。あいつらには唯一そこだけ感謝をしないとな。
クリスタル:……スターフォックスに来る気は、無いわよね。
ゼナイド:無いな。お前の彼氏さんはどうやら女に戦わせるとこに罪悪感を抱くらしいっていうのはクリスタルも自覚してるだろ??俺は戦いたいって動機がある。居座る理由がない。
クリスタル:わたしもその件に関しては少し舐められているんじゃないかって、信用されてないんじゃないかって気持ちは抱くわ。良かったらしばらく二人で組まない??
ゼナイド:え…。だけど、フォックスは…。
クリスタル:わたしもスターフォックスの一員であるってことを見せつける為に、自主的に戦おうと思ったのよ。それで、貴女は貴女なりに戦う事が出来ればウルフ達に力を証明することができる。どちらも得する美味しい話じゃない??
ゼナイド:…たし、かに。けど、本当にクリスタルはそれで良いのか??俺、今こんなだ。
クリスタル:大丈夫よ。最初こそ驚いたけど、貴女が無事であることを確認できて一安心したわ。それで、早速話を急ぐけど、貴女の持っているその依頼の内容は??
ゼナイド:カタリナだ。闇市に出すからアパロイドの核の部分を入手して来いと。
クリスタル:カタリナね。わかったわ。明日の早朝に向かいましょう。
ゼナイド:了解した。
明日から始まる二人だけのミッション内容を確認して作戦を練っている時、フォックスから連絡が入った。
クリスタル:ゼナイド、フォックスからだわ。少し廊下出るわね。
ゼナイド:あぁ。了解。
___________________________________
クリスタル:わたしよ。
フォックス:《クリスタル。ゼナイドの様子は??》
クリスタル:その件なんだけど、正直そんなに良い状態じゃないわ。詳しくはまだ、彼女の調子が安定するまでは少なくとも話せないのだけど、しばらくわたしはゼナイドと行動を共にするかもしれないわ。
フォックス:《そっか。ペパー将軍から連絡もあったよ。次のミッションについて、一応伝えておこうと思う。》
クリスタル:ええ、教えてちょうだい。
フォックス:《カタリナだ。救難信号が発せられていたが今は通信不能な状態にあるらしい。真相の確認に向かうことになった。》
クリスタル:カタリナですって…!?
フォックス:《あ、あぁ。なんだ、何かあったのか…??》
クリスタル:い、いえ。何でもないわ。そう、分かった。取り敢えずしばらくの間はいつ合流しても大丈夫なように随時ミッションについては連絡をちょうだい。
フォックス:《あぁ、分かった。そっちも何というか、無理はしないようにな。ゼナイドの事も、よろしく頼むというのもおかしいけど、頼んだぞ。》
クリスタル:ええ。それは任せてちょうだい。それじゃ、また後日。
フォックス:《あぁ、おやすみなさい。》
クリスタル:おやすみなさい、フォックス。
___________________________________
クリスタル:ゼナイド、明日のミッションの件なんだけど、少し複雑になりそうよ。
ゼナイド:フォックスか。
クリスタル:ええ、同じ場所にペパー将軍がミッションの場所として指定したのよ。
ゼナイド:まぁ、そう簡単にはいかないってことか。向こうの目的まで聞いたのか??
クリスタル:救難信号の真相確認が任務のようよ。アパロイド自体の破壊や回収は命じられていないようね。
ゼナイド:それならフォックスたちがあそこに到着する前にこっちである程度片付けてやろう。ついでに目的のものはこちらが回収する。
クリスタル:貴女がそうしたいなら手伝うわ。
ゼナイド:ありがとう。ただ、今日はしばらく眠れないな…。
クリスタル:薬の影響??
ゼナイド:多分。ただ、さっき一瞬疲労のような、気絶に近い睡魔は来たんだ。それを抵抗せず受容すれば寝られるかもしれない。
クリスタル:一緒に寝てあげるわ。シーツ、変えましょう。
ゼナイド:俺がする。全部俺がやった粗相だ。
クリスタル:手伝うわよ。
ゼナイド:ごめん。
クリスタル:謝罪よりお礼でしょ??
ゼナイド:あ、ありがとう。
クリスタル:それで良いのよ。しばらくはお互いがチームなんだから、こういう細かいやり取りを大切にしていきましょ。
ゼナイド:了解。
明日のミッションに備えてまずはゼナイドが寝入るまで添い寝で落ち着かせることに専念した。 薬も過剰摂取したうちの半数は急激な大量摂取によって嘔吐したらしい。 寝入るまでにそう時間はかからなかった。 とても痛々しい姿に不思議とこちらが涙を流しそうになるけどそれはぐっと我慢した。 ウルフに追い出されたと言った時の彼女の顔は、とても悲しそうだった。 何も感じていない訳が無い。当然だとは本当は心の奥では思っていないのよ、貴女は。 気づかないふりをして、自分の中の人間を殺そうとしているだけ。 それに気づいてこそ、強くなれるのだとも思う。
ウルフが追い出した真意はおそらく弱いからではない。 考えられる理由はいくつかあるけれど、いくらなんでも乱暴だ。 ゼナイドには言わないけれど、わたしの中で密かに動かさなければならないミッションとして、“彼女をスターウルフの元へ帰す”ことをこっそりと決めた。 多分、ウルフもゼナイドもどちらも本来はこんな結果を望んでいる訳ではないという可能性が高いと思ったから。 いいえ、ゼナイドは間違いなくこの結果を望んでいない。 寧ろ、理不尽さやそれに対する怒りさえ持っている。 それを無理やり廃棄だからと理由をつけて殺そうとしているだけ。
そう個人的に推論しているうちにわたしにも睡魔が来た。 明日のミッションに備えるべきだと判断したわたしはそのまま睡魔に身を委ねた。 取り敢えず、彼女がまずはやろうとしているミッションを片付けなければ…。 フォックスたちの動きも、定期的に把握する必要も出てきている…。
――――――――to be continued…
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harijan666 · 7 years
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Mission 0.決意と離別と
コーネリアから帰還してすぐ、ウルフに依頼の受諾を進言した。 スターフォックスから依頼に関連した情報を入手したからだ。
ゼナイド:ウルフ、アパロイドって知ってるか??
ウルフ:あぁ??いきなりなんだよ。
ゼナイド:コーネリア降りてる時にスターフォックスから話を聞いたんだ。オイッコニーが残党集めて挙句あいつらにやられたのは知ってるよな??
ウルフ:あぁ、その件はな。
ゼナイド:その後に遭遇した生命体の名前だそうだ。17年前にコーネリア軍の艦隊一個が沈められたらしい。そのアパロイドに関連した仕事が何件もここに入ってるからさ、その件についてウルフに相談があって話を持ちかけてる。
ウルフ:気になる仕事があるってか??
ゼナイド:あぁ。
パンサー:とはいえこの間君仕事で片腕負傷してまだ病み上がりだろ??そんなすぐ復帰して大丈夫な相手なのかい??
ゼナイド:そう言われると思って弱点も聞いてきた。俺の身体を損傷させられた原因も数多のシミュレーションを繰り返して原因の究明と克服をした。
ウルフ:で、その仕事の内容ってのは。
ゼナイド:これ。
全員が顔を顰めた。何か変なことを言った記憶はない。 進言した内容にもおかしな場所は無いはずだ。
レオン:また腕を吹っ飛ばされたいのか貴様は。
ゼナイド:さっきも原因の究明と克服をしたと言った。
ウルフ:無茶だな。復帰する仕事として出来るものだとは到底思えねぇ。許可は出来ん。
ゼナイド:なんだと…。
ウルフ:何度言わせりゃ分かる。テメェは弱い。そう簡単になんでもこなせると思うな。
ゼナイド:そんな過信も慢心もしていない!!
レオン:だがこれを個人でこなそうというのが前提だろう??
ゼナイド:リベンジ。そのつもりで。
パンサー:無茶だろ。いくらなんでも。リベンジするならせめて俺やふたりが居る時が前提の仕事じゃないと。
ゼナイド:…。
ウルフ:そういうこった。満場一致だな。許可はしねぇ。
ゼナイド:じゃあこっちは。
妥協した内容を提示した。リベンジには程遠いほどに簡単だと思う。 それでも3人は良い顔をしない。 俺はそんなに弱い…??
ウルフ:ステラ、1つ聞かせろ。なぜここまでテメェにゃ難易度の高すぎる仕事ばかりを進言する??
ゼナイド:シミュレーションを繰り返した上で対応出来ると考えた。
レオン:とはいえ貴様はまだ子供だ。いくら人間でないとはいえ蜂の巣にされるのは目に見えている。
パンサー:レオンに同感だ。これも流石に、特に今の君じゃ難しいんじゃないかな。それにシミュレーションに関してもだけど、ウルフの決めている時間以上にやっているだろ。
ゼナイド:っ!!パンサー!!それは言わない約束だって言ったのに!!
ウルフ:知ってるっての。命令が聞けねぇようじゃここにゃ置けねぇ。テメェもあの面汚しと残党集めて暴走した猿と同じだ。出て行け。
ゼナイド:!!
パンサー:旦那、流石にそれは言い過ぎじゃないの??
ウルフ:ステラが必ずしも居なきゃならねぇほどここのメンツも弱くはねぇからな。頼りにしてやっても良かったがこの態度が改まらねぇってんなら話は別だ。テメェは弱い。
ゼナイド:ここに貢献できると思っての行動だったんだがな…。あいつらと同じに見られるんじゃしょうがない。
パンサー:ステラちゃん…??
ゼナイド:取り敢えず、おとなしくしてろってことだろ??愛機の整備でもして来る。…じゃあな、マスター。
ウルフ:追い出されるなら命令を聞く必要もねぇってか。上等だ。いつまでもそうやってパーツだと思うならそう思ってろ。
パンサー:良いのかい??本気でステラちゃん出ていくだろ、あれは…。
ウルフ:知ったことか。俺様の命令が聞けねぇんじゃここの者として認められねぇ。
レオン:素直に心配だと言えば良いものを。
パンサー:全くだ。取り敢えず、ステラちゃんのところへ行ってくる。
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面汚しだと?? ピグマやオイッコニーと同じように見られるのはいくらなんでも心外だ。 自分の利益や野望の為だけに動いているように見えたのか?? マスターに尽くすことこそ“私”の役目。 それ以外に生き方なんて無い。なんとなく生きるなんて出来ない。 パーツにさえなれないなら今の自分はただの廃棄同然だ。 廃棄??そうか、だから出て行けと言われたんだ。弱いから。
部屋にある武器や装備一式を愛機につめる。 新たなマスターを探そうとは思わない。 ただ、強さの証明が出来れば一人でも戦場で活躍が出来ると思った。
パンサー:見つけた。ステラちゃん、本気で出て行く気かい??
ゼナイド:そうマスターが命令したんだろ。足でまといなら居ない方が良い。荷物は少ないほうが良いだろ。
パンサー:荷物って…。
ゼナイド:オイッコニーやピグマの代わりにお前がここに居る。俺がいなくてもここは十二分に機能するんだ。それに、俺がどこにも属さない状態であればどんな無茶と言われる戦いに身を置いても誰も何も言わなくなる。ウィンウィンだろ??
パンサー:自暴自棄になってるならそれは俺が止めるよ。
ゼナイド:まさか。至って冷静だ。俺にはそんなに感情が無いんだから。所詮パーツに過ぎない。
パンサー:嫌だったろ。ウルフに出て行けって言われたの。
ゼナイド:弱いからだろ、俺が。強くなればここに戻れるかもしれないが、ウルフが望んでいないのならそれも所詮戯言だ。嫌なんかじゃない。至極当然の結末だ。
パンサー:本当に弱いってだけで君を追い出すと思うかい??
ゼナイド:はぁ…。優しいんだな、パンサーは。弱い以外に理由は無いと思っている。他に考えられることなんて無い。戦力以外に俺にどんな価値が有る??
パンサー:たくさん有るさ。君が気づいていないだけ。ほら、戻っておいで。
ゼナイド:それは、命令ですか。
パンサー:…。
ゼナイド:優先順位はウルフの命令の方が上だ。ここに戻ってきて欲しいならウルフにでも掛け合うと良い。許可はされないと思うけど。…次、どこかであったらお前は俺の敵になる。その時は遠慮なく殺せ。灰すら残らないように。
パンサー:本気かい??するわけが無い。そんなこと。
ゼナイド:甘いよ。それじゃ。その時は俺がお前を殺してしまう。どんな手を使ってでも。四肢が吹っ飛んでも殺しに掛かるぞ。ウルフにも伝えてくれよ、次会ったら敵同士だから遠慮なく殺してくれて構わないと。
パンサー:本気で言ってるんだな…??
ゼナイド:冗談を言えるほどの余裕は持ち合わせてない。…さようなら。
パンサー:…。
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レオン:ステラは。
パンサー:旦那の言葉真に受けて本当に出て行った。
ウルフ:そうかい。ま、どうせどっかでくたばって狐さんに拾われんのが関の山だろ。
パンサー:どうだろうな。あの時はそれで良かったかもしれないけど、彼女はおそらく誰の援助も受けない気で居る。旦那に伝えておけって言われたメッセージがあるんだけど。
ウルフ:ンだよ。
パンサー:次会ったら敵同士だから遠慮なく殺してくれて構わないとさ。多分、死に場所を探しているのも半分、強くなれたら一人で戦場に生きようって意思も半分ってところだと思う。
レオン:確か奴はコーネリアに住居を持っていたと記憶している。出て行ったとて居場所は容易に特定が出来る。そう毎日戦場に居るとも思えんな。
パンサー:って言っても一人じゃ眠れないだろうに場があるだけで肝心の休息が取れないだろ、それじゃ…。
レオン:機体の整備だけをする場として使うだろうな。体のメンテナンスもせずに。
パンサー:それじゃあ今度こそ本当に彼女は死んでしまうかもしれない。旦那、本当にそれで良いのかい??
ウルフ:出てったんだろ??もう俺様には関係のねぇ話だ。
パンサー:どこ行くんだよ。
ウルフ:タバコだよ。一服するのにテメェの許可が必要か??
パンサー:はぁー…。ステラちゃんも旦那も一言が足りないふたりだとは思ってたしいつかこういう事が起きてしまうんじゃないかって思っちゃいたけど、まさか本当に来てしまうとはね…。
レオン:ウルフもステラが本気で出て行くところまでは想定していただろう。だが、すぐ戻ってくると想定していたに違いない。
パンサー:そうじゃなきゃあんな態度で一服なんてする訳ないよな。あー…どうしたものかなぁ…。俺がコーネリアまで行っても多分彼女は俺の顔見た途端消える気がするし…。
レオン:貴様が介入出来る問題ではないだろうな。そして私も。
パンサー:あぁ。最悪の事態はいつだって想像してたけど、どうそこからステラちゃんを戻すかまではいつも思いつかない。このタイミングで来てしまうというのは俺としても腹立たしいね。
レオン:フン。して、敵対してしまった以上は戦場で奴と顔を合わせることになるが、貴様はどうするつもりでいる。
パンサー:悪いけど彼女の願いは絶対に叶えないつもりでいる。俺は好きだからね。ステラちゃんのあの逞しさが。だけど儚い。そう簡単に消えてほしくはない。ドッグファイトなら片翼を破壊するなりその場で撤退を余儀なくさせる状況を作る事に徹するさ。
レオン:貴様らしい。地上で会ったらどうするつもりだ。
パンサー:その時の想定が一番上手くできないから困ってるんだ。彼女は本気で俺を殺すつもりで居るし、俺も死ぬ気は無い。だけど、彼女を五体満足の状態でここに連れ戻したいっていうのもあるからね。
ウルフ:連れ戻してどうするつもりだ。
パンサー:旦那が許さなくても、俺は彼女をここに置くつもりだよ。アンタも本心じゃないんだろ、出て行けなんて。
ウルフ:本心以外で言うと思うのか。
パンサー:冗談も其の辺にしなよ。彼女はアンタに尽くすつもりで色々考えて動いてた。それを全て否定してこの現状が出来上がってるんだ。なんで心配だって一言が言えないんだよ。いくら旦那でも流石にこれは酷すぎる。
ウルフ:今更どうしようもねぇだろ。もうあいつは出てったんだ。好きにさせるのがせめてもの贖罪だろ。
パンサー:呆れてものが言えないな。…多分、例のアパロイドの件だけど、彼女一人で任務に出るだろうと俺は考えてる。俺たちの仕事もしばらくはそれが絡んだモノになるだろう。その時彼女に会ったら旦那がどうするべきか、考えて欲しいね。シャワーでも浴びてくるよ。
レオン:こればかりはパンサーに同意せざるを得んな。貴重なオモチャが消えてしまったのだ。
ウルフ:……。だーっ!!わぁったよ、要は連れ戻しゃ良いんだろ。
レオン:貴様の態度次第では本気で二度と帰らぬ者になるやもしれんがな。
ウルフ:ちっ…。しゃらくせぇな…。
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コーネリアの拠点に行く前に、ベノムの旧研究所に寄ることにした。 スターフォックスがアンドルフを倒したとはいえ、残党が出来上がるくらいだ。 物品が残っていてもおかしくはない。 被験体だった頃にここで飲まされていた薬を回収することにした。 もしウルフ達と敵対しても躊躇しなくて良いように。 副作用に頼ろうと、そう考えた。
感情が無いわけではないことには薄々気がついていた。 出て行けと言われたこと、弱いと言われたこと。パンサーが俺を引きとめようとしていたこと。 それら全ての行動を見て、何かを感じていたのは俺にも自覚ができた。 ただ、怒り以外の感情に名称をつけられない。 この感覚はなんだ。邪魔で仕方がない。胸のあたりで黒くて重たいものがずっと渦巻いている。 吐きそうだ。 それを消したくて薬を探そうと思った。
ゼナイド:見つけた。あいつら、アンドルフがやられた途端すぐ逃げ出したんだろうな。備品も薬の在庫も、全てあの時のまんまだ。使用期限もしばらくあるな。貰っていこう。今の俺には、これが必要だ。
容易に見つけ出した薬をありったけ持ち出してコーネリアへと向かった。 今日はまだもしかしたらスターフォックスのメンバーはコーネリアに居るかもしれない。居ないと思いたい。会いたくはない。 助けられたくはないから。慰めが欲しいわけじゃない。 ただ、立場を明確にはしておきたいな。一々戦場で説明するのも億劫だ。 複雑な思考にまた怒りを覚える。今服用してしまおう。 ぐちゃぐちゃに入りくねった思考回路を落ち着かせるために規定以上の薬を飲み込む。 コーネリアの拠点に着いてすぐ、武器の整備と薬を部屋に持ち込み整理することにした。 まだ薬は効かないらしい。
――――――――to be continued…
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