#ゲゲゲの鬼太郎 地相眼

[holy-cucumber01]

Gegege no Kitarou

Genre : adventure, fantasy, comedy, horror, mystic, shonen, seinen

Category : Аnime series / Аnime film / Special

Episodes : (Gegege no Kitarou (1968)) 65 duration 25 min, (Gegege no Kitarou (1971)) 45 duration 25 min, (Gegege no Kitarou (1985)) 108 duration 25 min, (Gegege no Kitarou: Jigoku Hen) 7 duration 25 min, (Gegege no Kitarou (1996)) 114 duration 25 min, (Gegege no Kitarou (2007)) 100 duration 25 min, (Hakaba Kitarou) 11 duration 25 min, (Gegege no Kitarou (2018)) 97 duration 25 min / (Gegege no Kitarou (1968)) 50 min, (Gegege no Kitarou: Chisougan) 12 min, (Gegege no Kitarou (1985, Movie) 23 min, (Gegege no Kitarou: Youkai Daisensou) 40 min, (Gegege no Kitarou: Saikyou Youkai Gundan! Nihon Jouriku!!) 50 min, (Gegege no Kitarou: Gekitotsu!! Ijigen Youkai no Daihanran) 50 min, (Gegege no Kitarou: Daikaijuu) 55 min, (Gegege no Kitarou: Obake Nighter) 30 min, (Gegege no Kitarou: Youkai Tokkyuu! Maboroshi no Kisha) 25 min, (Gegege no Kitarou: Kitarou no Yuurei Densha) 12 min, (Gekijouban Gegege no Kitarou: Nippon Bakuretsu!!) 75 min, (Kitarou Tanjou: Gegege no Nazo) (2022) / (Gegege no Kitarou: Kitarou Tanjou-hen) 3 min

[mzksgr]

よごれている本

【元話】

題名：よごれている本 (1962)

作者：星新一

【使用作品】

「猫娘の巻」 (1977)

『続ゲゲゲの鬼太郎』 [038]

【引用テキスト】

ボッコちゃん／エヌ氏の遊園地

新潮文庫(新潮社)

Kindle 版

「猫娘の巻」後半部分は星新一「よごれている本」が元となっています。 「よごれている本」は『ボッコちゃん』『エヌ氏の遊園地』のふたつの書籍に収められています。

【元話】冒頭 エヌ氏はラテン語で書かれた魔法の本を古本屋で見つけた。 バカげた本だとは思ったが、その異様なムードに惹かれ購入した。 本は、多くの人の手をへてきたように汚れているにもかかわらず、ページが破れているなどの傷みがまったくない。 不思議に思ったエヌ氏は、引っ張ったり、火をつけたりしてみたが、まったく傷がつかない。 もしかして本物の魔術書では、と思ったエヌ氏が、本の示すとおりにやってみたところ、目がひとつ空中に浮かび出たのだった。

　たしかにその本は、どことなく異様なムードを発散していた。エヌ氏がそれをのぞきこんでみると、その言葉は彼の専門であるラテン語だった。 「なになに。うむ、これは魔法の本のようだ。(後略)」

　エヌ氏は(中略)その本のはじめのほうを読み、ためしにその本の示す通りにやってみた。太目の麻糸を結んで床のうえに輪をつくり、はじめの文句を唱えてみたというわけ。

　すると、それに応じるかのように、眼がひとつ、空中に浮かびでたのだ。

　赤いバラの花粉。黒いアゲハチョウの羽の粉。紫水晶ひとかけら。白ネズミの尾を干したもの。そのほか本の指示するものを集めて、それらをこまかく砕き、まぜあわせ、麻糸の輪のなかにまきちらしてみた。

「おまえはこんな所に出てきて、なにをするつもりなのだ」 「わたしのあらわれたわけはですね……」 　あとはよくわからなかった。むずかしい言葉が使われたからでなく、声が細くなって、聞きとりにくくなったのだ。 (中略) 　エヌ氏は聞きかえしてみたが、かんじんな部分にくると、どうも声が小さくなる。エヌ氏は思わず耳を相手に近づけた。それにつれ、耳ばかりでなく、足のほうも輪のなかにふみ込んでいた。 「……魔王のための犠牲を集めてまわっているのです」 　こう聞きとれた時には、すべてが手おくれとなっていた。とがった指先の、とがったつめがエヌ氏のからだに食いこみ、はなさなかったのだ。 (中略) 　いかにもがいてもだめだった。やがてエヌ氏も、悪魔のほうも、その姿はしだいに薄くなり、ついには消えうせた。