Tumgik
#岬花音菜
narichan777 · 4 months
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再び名古屋シネマスコーレに戻りまして
「おんな殺し屋 弔お蓮」を観ま~すヽ(^。^)ノ
主演の永野希さん、月野もあさん、山田誠二監督
他の皆さまの舞台挨拶があります⸜( ˆ࿀ˆ )⸝♡
名古屋限定特別上映もあるそうです🤗
#永野希 #月野もあ #奥田萌々 #紅日毬子 #岬花音菜 #里見瑤子 #阿部能丸 #古屋美和 #西崎緑 #京極夏彦 #山田誠二 #おんな殺し屋弔お蓮 #シネマスコーレ
https://kyotobuneisya.com/
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woodwardralston04 · 7 months
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Esach 博客 將先進的測量技術應用於意大利曼圖亞的公爵宮
起初它是凱雷佩斯教區的一個分支機構,後來隨著人口的增長,瓦茨主教於 1913 年批准開設當地牧師職位。 人口數量的快速增長可歸因於1908年成立的機械鐵路設備廠對工人的大量需求。 從山頂可以270度欣賞河流和遠處的山脈。 視頻系列“石頭里的音樂”探索了世界各地建築的“巔峰”。 短短幾分鐘的影片從位置、環境影響、功能和新技術的應用等方面回顧了每座建築的設計。 聽證會建於十四世紀,剝奪了蘇丹的參與權。 所有的牆壁都裝飾有豐富的花卉圖案、星星、貝殼和灰泥。 由於有幾個小泳池,所以這個地方不會感覺擁擠。 整骨 推拿 這家酒店位於海邊,距離Meloneras Beach海灘約有300米。 如果您不想離開酒店但又想去海灘,酒店內還有一個帶沙灘的游泳池。 Lopesan Villa del Condes酒店還設有大型spa區和室內游泳池。 建造與塞克薩德的暖色調和傳統相匹配的磚砌建築是完全有意識的努力。 客房以內斂、雅緻、質樸的風格為主,與以木材為主的外觀完全和諧。 這種風格完全有意識地表明我們身處法盧赫利的一個村莊...... Terraza Amadores酒店是一家二星級的經濟實惠的住宿,位於波多黎各的Playa de Amadores一側。 該酒店距離Playa de Amadores 海灘僅有2分鐘步行路程。 附近有停車場,如果您來這裡並想看看島上的一些東西,我建議您租一輛車。 如果你大部分時間都在海灘或泳池邊度過,這當然沒有必要。 最高保護區(激光雷達上的編號 41)為 240 x 80 m(1.5 公頃)。 原始文章可在 welovebudapest.com 上找到。 進入公寓,向右看,客廳和美式廚房打開,左邊是浴室,對面是一間臥室。
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EHT 是為歐洲遺產專業人士提供的免費數字通訊。 它旨在通過分享知識、連接人們和文化創意部門來建立一個持久的歐洲網絡。 就動態激光掃描儀而言,測量階段要考慮的另一個方面是測量員的行走速度,因為它會影響正在構建的點雲的分辨率和密度。 因此,最好以低步行速度重複收集信息幾次,以便更容易讀取所有撞擊表面的反射。 特別是,Francesco Fassi 教授進行的調查活動旨在獲得 3D 調查,以開發後期所需的 2D 度量數據,以定義該項目的最終保護項目。 廢水每隔多久產生一次,具體產生量是多少? 由於有可能延長鍋爐的使用壽命,在這種情況下,至少詢問報價並考慮該選項絕對值得。 廚房水過濾的唯一前提就是上述額外的水管分支。 之後,公寓樓的業主可以自由決定是否要在廚房中增加水過濾步驟。 高儀特殊的兩通水龍頭現在允許我們選擇是否從水龍頭釋放過濾水或未過濾水,用於飲用或清洗蔬菜。 特別節省空間、緊湊的 Rondomat Duo 2 軟水器系列通過集成的樹脂床消毒裝置確保額外的衛生操作。 這座建築群在長江和嘉陵江交匯處的岬角上拔地而起,現已成為重慶的象徵,給四面八方的觀察者留下了深刻的印象,尤其是從水上觀看時。 Bull Costa Canaria 就在 Playa de San Agustin 旁邊 波西米亞套房酒店位於普拉亞德爾安格爾斯中心 設備齊全的機械化廚房、空調、內置衣櫃、氣候窗戶、漆面內門、最高等級的建築材料、地磚、瓷磚、熱空調、隔熱和隔音設施為我們的每間客房提供舒適感。 豪華住宅的整個區域都設有適合行動不便人士的無障礙空間,內部採用最現代的技術設計,但又不失溫馨,確保尊享生活。 它最初被稱為 Trg Republike,三面被新文藝復興時期的建築包圍,其拱門和紅色油漆賦予它特別令人印象深刻的外觀。 BWT Rondomat Duo 產品系列採用緊湊的尺寸和現代化的解決方案,有多種尺寸可供選擇,因此可以輕鬆滿足小型和大型公寓樓的用水需求。 Grabštejn(源自德語單詞 Grafenstein)是一座距離利貝雷茨不遠的城堡,位於捷克、德國和波蘭邊境的交界處。 如果您已通過我們預訂並想發表評論,請先登錄。 我們擁有超過 7000 萬條住宿評論,全部由經過驗證的真實住客撰寫。
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kachoushi · 2 years
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各地句会報
花鳥誌 令和4年8月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和4年5月7日 零の会 坊城俊樹選 特選句
金剛の粒となりけり薔薇の雨 和子 鍵穴を覗けば明治聖五月 きみよ 薔薇園のクレオパトラはまだ蕾 秋尚 ひざまづく職人の手に朽ちし薔薇 久 華やかに薔薇から離れゆく女 順子 旧家とは黴の匂ひと薔薇の香と 久 ダイアナと言ふ白薔薇にさみだるる きみよ 避雷針錆びて眠りし夏館 いづみ セルを着て館の手すり撫でてをり 季凜 棕櫚の花待つ洋館の灯は昏く 和子 この薔薇も名の幻を抱き続け 順子 罪深き身をつつみたる薔薇の風 和子
岡田順子選 特選句
セピア色かな夏炉の上の写真 光子 父と子の聖霊が触れバラ白に いづみ 緞通の褪せし撞球室に夏 光子 大滝の水のふたつの光る芯 三郎 裏木戸を守る閂とめまとひと 久 黴の世や蔵に遺作の絵が少し 同 薔薇の夜に抱かれて園の鳥となり いづみ いくつもの薔薇の名を呼びゐたりけり 光子 薔薇を売る男はそつと跪く 小鳥 金剛の粒となりけり薔薇の雨 和子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月9日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
観音の慈悲の眼差し春の雨 中山昭子 春愁や逝きたる友と病む友と ミチ子 奥院に鎮もる神や祭果つ 昭中山子 渓水の音も卯の花腐しかな 時江 田植機の通りて泥の日曜日 久子 幾何学も知らず蜘蛛の囲かけてをり 中山昭子 代掻くや鉄塔揺らし雲揺らす みす枝 仏壇の母と語りし母の日よ 信子 無人駅菜の花一輪挿しの卓 英美子 海色の風を運びて夏来る 時江 とりどりの駄菓子買ひ込み昭和の日 上嶋昭子 粽解く香りの中に母の顔 みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月9日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
北信の山々を背に鯉幟 貴薫 風を呑む園児手作り鯉のぼり 三無 新茶淹れ母と語らふ京都旅 せつこ そこはかと由緒ある家鯉幟 美貴 嫌なことすうと消えゆく新茶の香 美貴 故郷の新茶届きて長電話 史空 鯉幟男児誕生高らかに せつこ 新茶汲む最後の雫ていねいに 美貴 新茶の香部屋にすつきり立ち昇り せつこ 五人目にたうたう男の子鯉幟 あき子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月9日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
奥越の麻耶姫目覚め山若葉 令子 子どもの日少年その日句を作る 同 書き込みの多き譜面や夏浅し 登美子 駆け足も卯月の雨に追ひつかれ 紀子 肩ぐるま手を伸ばしをり藤の花 実加 二輪車のオイル残香夏に入る 紀子 菓子のやう小さなトマト頰張りし あけみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月10日 萩花鳥句会
句友とも会へぬコロナや夏に入る 祐子 育つ子に未来の風を鯉のぼり 健雄 ひとけなく今は昔の多越の藤 恒雄 葉桜や母と集ひしこのホテル ゆかり 甘夏の里は潮風吹くところ 陽子 葉桜を揺らす影なし廃校舎 明子 葉桜の土手お揃ひのユニホーム 美恵子
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令和4年5月12日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
ウクライナいつまで続く五月闇 由季子 母の日に思ふ後に父もゐて さとみ おしやれする気持ちかき立て更衣 同 麦秋や大河一筋地を分ける 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月12日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
湯の句会 第一回
ご機嫌の鶯老を鳴きにけり かづを 若葉風光となりて消えゆけり 同 雨意去りし故山に鶯老を鳴く 同 問ひかけに長い返事や暮れの春 和子 黄金の麦田後へ三国線 同 絹ずれの音や女将の裾捌き 雪子 群青の海深くして沖朧 希
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月13日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
湯の句会 第二回
境内に浄土思はす白牡丹 希 巫女が舞ふ白きうなじの祭髪 同 日本海見えゐる岬卯波寄す 同 夏立つや虹物語ある町の 匠 雑談に疎き耳なり宿浴衣 清女 宿の名に謂のありて花菖蒲 千代子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月13日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
チューリップ幼き我に連れ戻す 佐代子 海彦へ浜の茅花野風に伏す 都 廃線の駅名標に花菜雨 宇太郎 風を待つ鯉幟眼を天に向け 佐代子 葉がくれに花見つけたり朴散華 すみ子 虞美人の涙のかたち芥子坊主 美智子 配膳車筍飯の香を乗せて 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月14日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
野仏の錫􄼺の錆姫女菀 亜栄子 木陰抜け風の広ごる麦の秋 秋尚 枡形はなべて大樹や寺若葉 百合子 竹林を暗め卯の花腐しかな 秋尚 鯉のぼり色塗り分けて切り抜いて 白陶 母の日は父の寡黙の思ひ出も ゆう子 母の日の遺影の母は凜として 多美女 雨に濡れ向きそれぞれの竹落葉 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月15日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
頰杖の墓美しく新樹光 慶月 木の朽ちて大蛇めきたる翳り沼 文英 あぢさゐの色ととのはず人逝けり 葉月 黒南風や樹霊を浸す水の音 千種 蜘蛛の糸聖観音の背中より 慶月 鎌倉へ羽蟻を運ぶ蟻一つ 久子 青梅の転がる坂の下に句碑 要
栗林圭魚選 特選句
朴の花真白き命天に置き 三無 大空を水馬飛ぶ池の面 軽象 ひとつづつ落つる準備のえごの花 秋尚 稲毛氏の寺門はひそと朴の花 芙佐子 錆びゆくを天へ曝して朴の花 要 母の塔新樹の風に集ふ人 ます江 翡翠の帰りを待たず水流る 久
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
口笛の鳴る子鳴らぬ子揚げ雲雀 清女 一匹の蟻に従ふ千の蟻 英美子 魚釣る女子学生の夏帽子 千代子 三代も待ちし男の子や鯉幟 みす枝 新緑を塗り重ねたる昨夜の雨 かづを 金色の観音像や夏近し 和子 ロシアより卯波来るかと若狭湾 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月18日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
母の日や吾子は二人の母となり 千加江 葉桜や葉室麟よむ木陰あり 令子 早逝の友かと思ふ春の虹 淳子 母と子の二人だけなる鯉幟 同 花衣母の手を借り着たる日も 清女 麦秋の夕陽をあびて波立ちぬ 笑子 ぜんまいの萌ゆのけぞつてのけぞつて 雪 髢草少し癖毛でありし母 同 春日あまねし万葉の流刑地に 同 鶯や万葉の野を席巻す 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
一輪は少し小さく二輪草 雪 咲き倦みし十二単の紫も 同 人淋し二人静の花の名に 同 新しき鋏で薔薇の手入かな 同 人乗せてふらここと云ふ揺れ様に 同 永き日や動かして見る石一つ 同 人の世に二人静の花として 同 花冷と云ふ美しき夜の色 同 蝶知るや初蝶として待たれしを 同 虹立ちぬ私雨に軒借れば 一涓 町中の道に横切る蛇に遇ふ 中山昭子 羅やピアスに及ぶ愁ひあり 上嶋昭子 噴水のみどりの風に穂を揃へ 世詩明 風鈴を吊りて孤独を紛らはし 同 妊れる女片影寄り歩く 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月22日 月例会 坊城俊樹選 特選句
十字架はエルサレムへ向け風光る いづみ 青葉蔭ひそと風神育ちつつ 千種 砲口は二度と開かず夏の雲 月惑 風見鶏よりゆらゆらと夏の蝶 炳子 ジーパンへ真夏の脚をとぢこめる 光子 白鳩は夏雲の綺羅として零れ 小鳥 肩上げて走る少年夏の雲 和子 行く先へ一瞬止まる瑠璃蜥蜴 政江
岡田順子選 特選句
花に棲む木霊らしきへ黒揚羽 俊樹 夏霞海峡の橋空に架く 裕章 ジーパンへ真夏の脚をとぢこめる 光子 磔刑のイエスへ舞はぬ黒揚羽 俊樹 舞殿の鈴の鳴るかにユッカかな 圭魚 蓮の葉はいまだ小人が乗る程度 俊樹 靖国の同期のさくらんぼ揺るる いづみ 􄑰􄑰を緋鯉呑みては金色に 俊樹 衛士は今休めの姿勢木下闇 梓渕 教会や十字架雲の峰を生む 和子
栗林圭魚選 特選句
桜の実踏み研修のバスガイド 順子 病葉を掃き寄せ森に戻しけり 梓渕 炎昼の影を小さく警邏立つ 光子 新樹萌え茶室を闇に誘へり 梓渕 万緑の闇に鎮みし八咫鏡 いづみ 山姥の齧り捨てたる桜の実 要 葉桜や雑念払ひ切れずをり 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年5月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
兵の死へ怒濤のごとき冬銀河 佐和 潮の香の茅花流しに出会ふ道 久美子 茅花流しみすゞの海の鯨墓 美穂 捩花や後ろの正面だあれ ひとみ 苺この光沢ベネチアングラス 勝利 夏潮の夕餉にぎあふ漁師飯 喜和 薬玉に風は平城宮より来 愛 茅花流し川向うより蹄音 成子 ビルの窓アルミホイルのやうな夏 ひとみ 離れ難くて飛ばしたる草矢かな 美穂
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年4月6日 立待俳句会 坊城俊樹選 特選句
筍が十二単を纏ひつつ 世詩明 南方に行けば散りたる渡り鳥 同 巣つばめに留守を預けし駐在所 同 風立ちて赤き炎の野火走る ただし 霾るや大名町も片町も 清女 小屋の前若芽探るや茗荷汁 輝一 猫寺に春待ち顔の猫ばかり 洋子 三つ編の少女三人ふらここに 同 蕗の薹仏秘観音在す寺 やす香 乱心の如くさまよひ梅雨の蝶 秋子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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usickyou · 2 years
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ラブリー・ラブリー・フィーリング
「小さいころから、絵は好きだったんだよね」  そう、周子さんは言った。少し背をまるくして鉛筆を削っている、その横顔に銀色の、清らかな光がそっと影を落としていた。 「まあ、おかたい家だったから習い事とかいろいろやらされてさ。だいたいほっぽりだしたけど、けっこうハマるのもあって」  錆色のだるまストーブ、その上のまるまるとした薬缶がしゅうしゅうと心地良い音を響かせていた。この部屋ではまた、時おり屋根から雪の滑り落ちる重低音が聞こえた。 「高校のとき、いちばん描いてたかなあ。美術室に入りびたってたら入部しろって怒られて、流してたらそのうち言われなくなったけど」  周子さんは、よく削られたため著しく芯の露出した鉛筆をなぞり、満たされたものの静けさをもってほほえむと、一瞬ののち木くずを吹きちらした。それは精霊が運ぶ極北からの風にまかれたように、まばゆいばかりの光をはじいた。 「まあいいや。で、上京してからあんまり描けてなくてさ。せっかくの機会だし、ね、文香ちゃん」  このとおりです、と彼女は大仰ないきおいをつけて手のひらを合わせた。火花が弾け、散るような音が響くと、短い髪がさらさらとその頬を撫でた。  私は少し、窓の外を眺めた。  空はよく晴れており、なにものにも妨げられない無垢の陽光が降り注いだ。冬枯れの森は雪冠に彩られ、多様なる色のすべてを純白がその無限の包容力で包み込んだ。一面の、起伏を失ったなだらかな雪景色は、家人をうしなった家々に垂れ込めるかなしみを感じさせた。 「こうして、かけていればよいのですか」と私はたずねた。 「そう、それでオッケー」と彼女は答えた。 「姿勢などは、崩しても?」 「平気へいき。イスけっこう固いからね。楽にしてて」 「書があるので、問題ないかとは思います」 「あはは、うらやましい。あたしのがしんどいかもなあ」 「ではお互い気をつけましょう。ひとつ、伺ってよいでしょうか」 「いくつでも」 「どうして、私なのでしょう」 「……描きたいから?」と彼女は答えた。そうしてから、「いや、静物はいまいち合わなくて」とか「文香ちゃんはいいモデルだから」とかあいまいに続けたあと、真っ白なキャンバスの誠実さで「描いてみないとわかんないや」と言った。 「わかりました」と私は答えた。書を開くと、間をおかず周子さんは絵を描きはじめた。ページをめくって聞こえる音と、鉛筆を滑らせて聞こえる音と、私たちはまるで交響楽の奏者のようだと思った。
 あるおやこの物語だった。父は大陸極東の岬にて、巡礼の徒のために建造された灯台を守っており、数多の迷えるひとびとのため光をともし続ける役割を背負っていた。娘は絶えず彼のそばに寄り添い、いかなるときも離れようとしない、そういうおやこだった。  彼は少女を背に抱き、胸のうちに抱き、そしてすべてのひとびとを隔てなく歓待した。陸路にて訪れる旅人には、ぬくい湯を際限なく施した。海路にてたどり着いた旅人には、新鮮な野菜や果実を惜しげなく分け与えた。彼は清貧を善性の最たるあらわれと信じており、ひと掴みのパンより一度の祈りを優先した。しかし少女にそれを押しつけることをよしとせず、その瞳が飢え乾きにくもることはなかった。ふたりはよく笑い、汗を流し、旅人の語る未知なる景色に胸躍らせた。  大陸中央の高原に横たわる、まるまると太った竜。  地溝より姿をあらわす、溶岩泥の巨人。  気まぐれに航路を知らせる光帯と、それを形成する白光球。  旅人の語ることはときにいたずらな恐怖を伴い、少女はそのたび父の話を乞い願った。彼は記憶のうちより、とびきり優しい物語を語って聞かせた。少女がすっかり眠ってしまうまで、ガラスのランプが吹き消されることはなかった。  私はこれを、犠牲についての寓話だと思いはじめた。
 こころよい香りが、ふと感じられた。記憶より、畳や湿ったナラ材の香りが呼び起こされ、それは祖母の住まう家の風景を伴った。きわめて小さな集落ではわずかなひとびとが密接なつながりを保っており、それぞれの家を結ぶ小径をゴムの長靴がつよく踏み固めた。足りたものを分けあい、足りないものを与えあい、炭焼きの竈からはくろぐろとした排煙が絶えず昇った。 「いる?」と周子さんがたずねた。彼女が差し出したものは、若草色をした湯のみだった。もうもうとした蒸気が、私たちの間で立ちのぼっては消えていった。「ほうじ茶、あたしのはうまいよー」 「いただきます」と私は答えた。湯のみに口をつけると、温もりは唇よりじんわりと体内にしみ入った。実際、ほうじ茶は彼女の言うとおりたいへんおいしく、何より適切に整えられた温度をすばらしいと感じた。「……よいものですね」 「でしょ。あと甘いもんでもあったらね」 「でしたら、たしか鞄に……」 「あるん?」 「ミルクキャンディ、ですが」 「ありかな」 「どうでしょうか」 「いけたら儲けもんだね」 「では、どうぞ」 「ありがと。いただきます」  そうして飴玉を口にして、「なしやわ」と周子さんは言った。私が「悪くはないと思います」と答えると、彼女は「まじか」と小さく笑った。  おもての景色は、日の向きが変わったせいか、ずいぶん違って見えた。陰影のかたちが変わり、遠近をはっきりさせる立体感が生まれていた。どうやらあたりは田畑であるらしく、均一な畦と耕地の起伏がさながら格子のような模様を描き出していた。よくよく目をこらせば、雪の覆いの奥より顔を覗かせる河川の水の反射さえ、うかがうことができた。 「進捗は、いかがですか」と私はたずねた。 「見る?」と彼女はたずね返した。 「見ても、よいのでしょうか」 「ぜんぜんいいけど、なんか気になる?」 「……伝わればよいのですが」 「うん。あたしも努力するよ」 「ありがとうございます」  それから私は、こんなふうに言った。絵画とは、完成に至るまで人目に触れてはならないものではないだろうか。私が見ることで、あなたの純粋で、孤独な祈りのようなものが消散されてしまうのではないだろうか。しかし、そのおそれとともに、私は描きかけのそれを見たいと思っていた。あなたの筆致がどのように私を描いている、私を見ているのかを知りたいと望んでいた。つまり私は、雪の一片がかたち作る氷晶を手のひらに乗せて観察するような、子どもじみた好奇心を抱いていた。  周子さんは、じっと聞いていてくれた。しずかに頷いて、時おり私の言葉に補助線を引いて、決して自分の意見をはさまず、わが子に相対する母の誠実さをもって、私の言うことを聞いてくれた。 「たぶん、わかったと思う」と彼女は言った。ゆっくりとほうじ茶をかたむけ、閉じられたまぶたをゆっくりと開くと、「でも、あたしはもうひとりじゃないからなあ」と笑った。  おもてを見て、こんなふうに続けた。  あたしはいつも、まっしろな雪の原に放り出されたみたいな気持ちでいた。そこはよく晴れてるのに、あたりにひとの姿はない。あたしは、誰でもいい、誰かに会いたくて歩いたり走ったりするけど誰にも会えない。たまに吹雪がやってくると、体をまるめて凍えるしかない。やっと晴れた、そのときにはあたしの足跡なんてぜんぶ消えてて、絶望的な気分でまた歩きはじめる。  それで、十何年か歩いたらいきなりぽつんと明かりが見えた。最初はひとつ、でもそのひとつが見えた途端あたりに次々明かりがともりはじめた。すごいってあたしは思った。夜だって寂しくなくなった。でも、どうしても吹雪はやってくる。たくさんあった明かりがひとつずつ見えなくなっていって、そんなもんかって思ったとき、消えない明かりに気付いた。ひとつ、ふたつ。それであたしは、もう永遠に孤独になれなくなった。 「つまりなにが言いたいかっていうとさ」周子さんは不意に立ち上がり、私の肩に腕をまわした。やや粗雑なふるまいが、おし隠されようとした情熱をかえって鮮明に伝えた。「この絵は、最初からあたしたちのものなのよ」  私は、取りこぼしかけたほうじ茶の、焼けた黄金の色をした水面を眺めた。それがしずまるのを待つと、湯のみを置いて、「見せてください」と言った。胸のうちにかがやいた温かな光は、周子さんの持つ吹雪の夜を照らしたものと同じであるように感じられた。  彼女はいまさら面はゆげにほほえみ、手の動きのみで促した。私ははやる心をおさえ、激しく胸を揺さぶる初めてのこのたかぶりが私たちの作品を変容させてしまわないよう、新雪の野に向ける態度で歩いた。そうしてキャンバスを前にすると、ああ、とこぼした。
 灯台が焼け落ちたのは、いかずちの精霊の手落ちでしかなかった。彼らは稲妻の季節をよろこび、あふれる雨の雫の甘露に酔い、そのみだれた軌道が幾度か灯台を射抜いた。一度めには尖塔の頂上を横断し、数多の巡礼者を導いた単閃光レンズをばらばらに破壊した。広野の巡礼者は永遠の光が消えたことに驚き、涙し、地に伏したが、まだ幸いであったといえる。彼らは、やがて立ち上がるとふたたび聖なる地を目指す。もしくは、みずからの生まれた家へ帰っていく。  二度めのいかずちは灯台の側面なかほどをかすめ、三度めにはうずたかく積まれた薪に落ち、それを焼いた。炎はまたたく間に燃え広がり、灯台をなめ尽くした。父はまず、娘を連れ出し、そののち巡礼者の金品や祭具を懸命に運び出した。みずからの持てるものについて、彼は一度たりとも省みなかった。  そうして、すべての巡礼者の安全をたしかめると、彼は娘の姿がないことに気付く。彼は聞いてまわった。少女を見た者はいなかった。彼はぼろ布を水たまりにこすりつけ、火口のごとき炎のうちへ踏み入った。  果たして、少女はそこにいた。小さな身をまるめ、いまにも暗澹とした炎の重みにおし潰されてしまいそうだった。彼は少女に覆い被さり、その呼吸がはっきり続いていることをたしかめた。顔を上げると、ただ一つの出口が焼け落ちた梁により塞がれる様子を目にした。彼は少女を抱きかかえ、炊事場を突っ切り、浴室を目指した。そこはやはり炎にまかれていたが、陶製の浴槽は堂々としたかたちをとどめていた。  父は娘を浴槽に押し込むと、持てる力を尽くし、空になるまで井戸の水を流し入れた。そうして彼もまた体をまるめると、少女を抱きしめた。「どうして戻ったんだい」と彼はたずねた。少女はぷっくり膨れた衣服のうちより、ガラスのランプを取り出した。そうか、と彼は声をあげて笑い、彼の知るいちばん優しい物語を、星々の向こうにある国にあまねく満ちるというまっしろな明かりについての物語を話しはじめた。
 私たちは同じ交響曲を奏でる楽隊の一員であったため、必然、書を読み終えるときと絵を描き終えるときとは重なった。私は書を畳み、周子さんは筆を置き、内なる指揮者がうやうやしくホールへ礼をしてようやく、はあーと弛緩した息をはくことができた。  日の色が、変わりはじめる時間だった。あとはもう一瞬のうちに過ぎていく、と私は思った。 「ありがとね」と彼女は言った。大きく伸ばした腰や腕の関節が気持ちのいい音をたてた。「文香ちゃんのおかげで、楽しかった」 「こちらこそ」と私は答えた。彼女をまねして体を伸ばしてみると、指先の関節の数本のみがなんだか遠慮がちな音をたてた。「得難い、きっと、何度も思い返すような体験でした」 「はは、おおげさ」 「心から、そう思いますよ」 「そらおおきに」 「信じていただけませんか?」 「いや、信じてるよ、あたしは文香ちゃんのぜんぶを信じてる」 「……私も、そうです」 「照れた?」 「いささか、ですが」 「かわいい子やねえ」  そう言って、彼女は私の頬をそっとなでた。あなたもです、と私はどうにか言い、その手のひらに込められた優しさが肌にしみこんでいく様子に集中した。  それから、完成した絵をたしかめて、私たちは帰り支度をはじめた。やはり見る間に日は沈み行き、おもての景色は眺めるごと魔術のようにそのかたちを変えた。ぼうっと見とれたのち、陶のシンクに視線を落としたとき、「よかったら、どういうはなしだったか聞かせてくれん?」と彼女が言った。ちらと見ると、彼女はキャンバスをやわい布でくるみ、革の紐を結んでいるところだった。私は、きゅうすや湯のみに茶しぶが残らないよう心をくだきながら、父と娘の物語について彼女に話した。  結局、おやこが生き延びたのは精霊同士のいさかいが引き起こした偶然に巻き込まれたために過ぎなかった。水の精霊はいかづちの精霊の粗野なふるまいを嫌っており、その力が及ぼした余分な影響をなきものとするため、地に豪雨を与えた。燃え盛る炎は鎮められ、父はさんざめく雨のもとへ踏み出すと、娘を強く抱きしめ、何度も背をたたき無事を祝福した。巡礼者たちは口々に感謝を告げ、おやこへ衣類や食物を提供した。父はそれをこころよく受け取り、ほとんどを娘に、わずかをみずからのために用いた。  おやこの新たな住まいを築くと巡礼者たちは去っていったが、彼らはうしなわれた灯台の代わりに、ゆく道々に石塔を築いた。石塔はまた新たな巡礼者をおやこのもとへ導き、父はそれまでと同じように彼らを歓待し、送り出すようつとめた。石塔の連なりに沿った足跡は、やがて踏み固められ道となり、その一つひとつは家となり、岬には小さな街が生まれた。そのころ父は老い、娘はもう少女ではなかったが、ふたりはともに穏やかな日々を暮らすと、数十年ののちにこの世を去った。かつての灯台、おやこの住まいはふたりの亡き後も街のひとびとにより丁重に保存され、なかでも小さなガラスのランプは大切に扱われており、いま現在も年に一日だけ、寒気の最も厳しい折にともされているのだという。 「信じる者は救われるってこと?」と彼女はたずねた。 「情けはひとのためならず、ということでもありますね」と私は答えた。 「家族は大事にしましょう」 「自然を前にひとは無力だ、とも」 「神さまは残酷だ」 「しかし、私たちはなにかを残すことができます」私は続けた。「私は、あなたは、吹雪の夜にともる明かりの一つひとつなのだと思います」  彼女はふむと頷いて、布ですっかり覆われたキャンバスを眺めた。そうして、「これ、文香ちゃんから奏ちゃんに渡してほしいんだけど」と言った。  私は拒んだ。しかし、彼女が言い出してはきかないひとだと、よく知っていた。やわい口論を交わし、ほとんど負けを認めるかたちでその理由についてたずねた。  彼女はこう答えた。奏ちゃんはあたしが好き。奏ちゃんは文香ちゃんが好き。好きなひとの描いた好きなひとの絵を、好きなひとから受け取って、それってなんか、めちゃくちゃ愛ってかんじがする。  私はここで、声をあげて笑った。これまで感じたことのないよろこびが、腹の底からわき上がると全身をすみずみまで行き渡り、おさえようもなく唇からあふれ出しこの世界を満たしていく様子を感じた。  彼女は続けた。奏ちゃんはまじめだから、たぶんお返しをしようって文香ちゃんに提案すると思う。そしたら文香ちゃんは奏ちゃんを描いてほしい。あたしは奏ちゃんからそれを受け取って、そのうち奏ちゃんにあたしを描いてもらう。そんなふうに、いつかあたしは、あたしたちを文香ちゃんに贈るよ。  私は頷いた。嬉しくて笑いながら、こんな景色を思った。吹雪の夜に、ひとつの明かりがともる。いまにも消えそうに凍えていたそれは、遠くにかすかな光を見つけると、少しだけ寂しくはなくなる。やがて、ふたつを結ぶようにもうひとつの明かりがともると、それらはそっと寄り添いはじめる。互いが互いを守るよう、みっつの明かりが身を寄せ合うと、あたりをもう少し照らすだけの光が生まれる。それはまた遠くの明かりへ届き、光は次第に、たしかに広がり続ける。そうして、そのうち誰かがふと気付き、冬の終わりを口にする。明かりは一つひとつ、ゆっくりと立ち上がり、新雪の野を見渡す。まるみを帯びた地平の果てより、朝日が昇りはじめる。あたりはどこもまばゆくきらめき、おとずれた新世界を誰もが歓喜のうちに迎え入れる。そのときには、はじめにともった明かりは消えている。ふたつめも、みっつめも、もういない。けれど明かりは寂しくない。私たちはもう、寂しくはないのだ。  私がいっこうに笑いやまないので、いよいよ心配になったらしい彼女が背中をさすってくれた。私は「大丈夫、大丈夫です」と答えたのち、きれぎれの息の合間から、「あなたに、触れてもよいですか」とどうにかたずねた。  彼女はぽかんと口をあけたままでいた。あんまりにも長くそうしているので私は、「親愛の……つまり、そういうことです」とつけくわえた。  すると途端に、彼女は笑いはじめる。「はは」とこぼし、なにか巨大な堰が崩れひと冬のあいだ溜められた雪融け水があふれ出すように、おなかをおさえたまま晴れやかな笑い声をあげ続ける。西日が頬をあかく染める。まなじりの涙がきらきらと光る。そうして、大口をあけたままいつまでも笑いやまない様子に私が呆れはじめたころ、「おいで」と答えた。  私は、彼女の頬に手で触れた。そうして、「愛というかんじがします」と言った。  そうだね、と彼女は答えた。私の手をそっと包むと、おどろくほど優しい声で「愛というかんじだ」と続けた。
 奏さんの帰りは遅くなった。私たちはああでもない、こうでもないと議論を戦わせ、結局はいちばんシンプルな方法を選んだ。ものごとはだいたい、透明の球体がそうであるよう、単純なものがいちばん美しい。 「ただいま」と奏さんが玄関を開いた。暗くした部屋のなか、私がどきどきして返事を遅らせたので「文香? 周子、いるの?」と彼女は続けた。私は「帰っています」と言って(なんて不自然なこたえだろう!)、彼女を待ち受けた。胸に抱きしめたキャンバスが、周子さんとともにラッピングをほどこしたそれがかすかにふるえた。 「文香、どうして……」と奏さんがリビングに踏み込むやいなや、私は照明をつける。ぱっと室内が明るくなり、彼女はまぶしそうに目を細める。その、ほとんど鼻先へ「贈り物です」とキャンバスを差し出すと、いきおい造花のばらの飾りがこぼれ落ちた。  奏さんはばらを拾い、室内の明るさにゆっくりと目をならしているようだ��た。花弁に触れ、その最も優雅に広がったきわを指先でなぞると、「ええと、なにかあったかしら?」と首をかしげた。 「いえ、なにもありません」と私は答えた。 「じゃあ、贈り物って?」 「贈りたくなったのです」 「そういうもの?」 「私は、私たちはそう思いました」 「……周子は?」 「少し、買い物に出かけています」 「ふたりから、私に?」 「そのとおりです」 「……うん。ありがとう」  あけていい、とことわりを入れて、奏さんはラッピングを開きはじめる。あわただしく用意した、ほとんど急ごしらえのそれを、彼女は数十年の別離を隔てた家族より届いた便箋の封に向けるような手つきで開いていく。金糸にふちどられた赤色のリボンは折り目ひとつなくほどかれ、白と銀の格子模様の包み紙は決して破られることなくはがされ、革の紐とややくたびれた布さえ丁寧にたたまれると、キャンバスがあらわれる。彼女はいかにも不思議そうに、ここにいる私と絵の中の私を何度か見比べて、「すごくきれい。文香が自分で描いたの?」とたずねた。  私は話した。周子さんが描きたいと言ってくれたことや、ふたり過ごした時間について。私は話さなかった。私たちの期待や、ちょっとした計画について。  奏さんは聞いてくれた。美しいほほえみを浮かべ、時おりささやかな笑い声をあげ、嬉しそうに、私たちのことを聞いてくれた。 「ありがとう。大切にするね」と彼女は言った。それから、神妙なおももちを浮かべてつぶやきはじめた。「次は私が文香を描かせてもらおうかしら。でも、なんだか不公平ね。それより……文香、私を描いてくれる? そうしたら、私が周子を……」  そのとき、寝室よりくぐもった、しかしあからさまな笑い声が聞こえた。続けて「やば」という声が聞こえたと思うと、奏さんがとてつもない速度でリビングを横切りドアを開いた。  果たして、周子さんの姿はない。  奏さんが「十、九、八……」と数えはじめると、「わかったわかりました」と彼女はクローゼットより姿をあらわし、「すいませんでした」と有無を言わせない早さで言った。 「心底思うけど、隠れる意味はあったの?」と奏さんは呆れたふうにたずねた。 「クローゼットこと? この部屋のこと?」 「どっちもよ」 「びっくりさせた方が、喜んでくれるかなって」 「サプライズ?」 「それそれ」 「ほんとは?」 「その方が面白いかなって」 「あなた、ほんとうはばかなの」 「そうかもしれん」  私は、ふたりのやり取りを眺めた。そうしていると、とてつもなく温かな、巨大なおもいが胸のうちで膨れ上がっていく様子を感じた。  私は嬉しかった。泣いてしまいそうだった。笑い声が喉もとまでせり上がり、叫びたくなるような心地をおさえることに必死だった。どこへでも行ける気がした。彼女たちのとなりから、いくつも銀河を飛び越えてたどり着く彗星の尾の先にまで、心は広がった。  これはなんでしょう、と銀河の果ての私がたずねた。  わかりません、とここにいる私が答えた。  だから描くのだ、と私は思った。
 絵のなかの私は、椅子に腰かけている。ひざにストールを敷き、畳んだ書の上に手のひらを重ねている。ささやかなほほえみをたたえた横顔を薄明光線が照らしており、そのまなざしはまっすぐ前へ向けられている。  私が向く先にはただ、茫漠たる雪原のみが広がっている。しかし、私は見ている。私は目を細め、幸せそうに笑っている。私が見るものは、存外近くにあるのだとその表情が伝える。 「お手本ばっかり見てないで」と奏さんが言った。「放っておかれたら、私、いなくなっちゃうかも」 「ですが、奏さん」と私は答えた。「ものごとには準備が必要です。特に、このような場合にあっては」 「だからって、いつまでもは待てないわ」 「わかっています。もう少し……」 「がんこ。いじっぱり」  彼女はそう言って、脚を組んだ。手のひらに顎を乗せ、いたずらを覚えたばかりの仔犬みたいに、「おくびょうもの」と愛らしく吠えた。  臆病者! あなたが、それを!  私は胸がどきどきと高鳴り、息がうまくできなくなるのを感じた。彼女は私をじっと見て、うまくいったとばかりに鼻歌を口ずさみはじめた。「ちゅっちゅーちゅちゅちゅ」と、この世界のなにものよりも美しい少女が、あかい唇をとがらせほほえんだ。  しゅうしゅうと、薬缶が蒸気をあげる。  窓の外に、雪原をわたる鳥の群れの影が落ちる。 『難しいのははじめの線だけだよ。あとはもう、息をするのとぜんぜん変わらん』と周子さんは言った。『ちゃんと、奏ちゃんを見れば大丈夫』と、人生への態度をささやく母のように、絵を描くためのとくべつな鉛筆の削り方を私に教えてくれた。  私は息を吸う。しっかりと削った鉛筆を握り、キャンバスにはじめの点を落とす。  奏さん。その黄金の瞳には、女王の気高さと孤児の悲しみが同居する。けれどあなたは、私のおもいが正しいのであれば、出会ったころよりずっとやわらかく笑うようになった。黄金のかがやきはやや鈍り、しかし夜空の月のあおじろさはずいぶんと薄らいだ。あなたはコーラルピンクのドレスをまとい、波うち際でほほえんだ。あなたを照らすのは夕日でなく、清らかな朝の光だった。  奏さんはややお行儀わるいかっこうで、どこか挑発するような視線を私に向ける。そこには少女がいて、いつかうまく泣いたり笑ったりできなかった少女が、いま、いたずらにその瞳をかがやかせている。  私には、それが嬉しい。幸せになりたいと、あなたがほほえむたび思う。  私は、みずからの手がある種の霊性に駆られ動くのを感じた。はじめの線だけが難しい。けれどそのあとは。私の手は、とどまることなく動き出した。描きたい。その衝動は彗星の尾のように描くべき線をしろいキャンバスへ落とし、私はそれを追いかけ続ける雪原の野兎だった。  鉛筆のすべる音が、指先から響きはじめる。それは巡礼者の絶えることのない足音にも聞こえる。奏さんは鼻歌を、しずかに口ずさむ。それは敬虔な祈りの声にも聞こえる。私たちはそうして、この世界で最も美しい交響楽の奏者となる。  それは鳴り止まない。私たちが描き終えようと、決して。  まっしろな野に、響きわたる。
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urbangarde · 3 years
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戦後最大の奇書を奇人の皆様と朗読します。 🚽家畜人ヤプーを朗読🚽 家畜人集会 - #家畜人ヤプー 朗読会 - 11/3祝 #松永天馬 #石川浩司 #鳥肌実 #後藤まりこ #大島朋恵 #岬花音菜 #島村秀男 #SLF!! #ジョン(犬) #白永歩美 #銀河と牛 #加藤伸吉 #カズモトトモミ #康芳夫 🎫チケット明日発売 https://portable-rock.com/?p=885 #アーバンギャルド #urbangarde #沼正三 https://www.instagram.com/p/CTcXOyOBCpk/?utm_medium=tumblr
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yapoo-mtg · 3 years
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●出演 松永天馬 石川浩司 鳥肌実(14時回のみ) 後藤まりこ(18時回のみ) 大島朋恵 岬花音菜 島村秀男 SLF!! ジョン(犬) ●開会宣言 白永歩美(月蝕歌劇団) ●前説 銀河と牛 ●アートワーク 加藤伸吉 カズモトトモミ ●「家畜人ヤプー」全権代理人 康芳夫 「家畜人ヤプー」とは? 家畜人ヤプー。著者は正体不明の覆面作家「沼正三」。 昭和31(1956)年 アブノーマルの教科書と称されていた「奇譚クラブ」にて連載を開始。 昭和44(1969)年 三島由紀夫からの推薦を受け、康芳夫が製作を務めた エロティシズムと残酷の総合研究誌「血と薔薇」第4号に掲載。 昭和45(1970)年 都市出版社より出版。 その過激な内容は、各業界で賛否両論を巻き起こし、 社会現象にまで発展、大ベストセラーとなった長編SF・SM小説。 ●昭和から平成にかけて… 昭和34(1971)年 石ノ森章太郎「劇画家畜人ヤプー」 平成14(2002)年 江川達也「家畜人ヤプー第1部」 平成29(2017)年 三条友美「家畜人ヤプーREBOOT」コミカライズ、 伊藤ヒロ+満月照子「家畜人ヤプーAgain」としてライトノベル化、 映画化については企画段階で何度も頓挫し、現在に至る中�� 平成12(2000)年 暗黒の宝塚「月蝕歌劇団・初代主宰」高取英により舞台化して以来、数回にわたり上演。 家畜人ヤプー全権代理人「康芳夫」公認 令和3(2021)年 今回のイベント「家畜人集会」は、 「家畜人ヤプー」から生み出されるべき新たな魅力を引き出すため、 音楽と映像をミックスして上演する朗読イベントとして開催します! 「家畜人ヤプー」の新しいアプローチを、ぜひ。体感してください! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 開催概要 11/3(水・祝) シアター新宿スターフィールドにて2回公演、入れ替え制です。 ・14時の回 開場 13:30 / 開演 14:00   前売:4,400円 / 当日:5,000円 ・18時の回 開場 18:00 / 開演 18:30   前売:4,400円 / 当日:5,000円 開催場所 シアター新宿スターフィールド 東京都新宿区新宿2-13-6 光亜ビルB1 https://star-field.tokyo/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ チケット情報 https://portable-rock.com/?page_id=853
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soneman · 2 years
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本日は 家畜人集会@新宿二丁目 スターフィールド。SLF!!さんに ジョン(犬)ちゃんに 岬花音菜ちゃんと 知り合いが一杯。 家畜人ヤプーは 昔 ハードカバーで持ってたんだけど どうしちゃたんだっけなぁ。 https://www.instagram.com/p/CVz-HGAPQtQ/?utm_medium=tumblr
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negotomikan · 3 years
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海②
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前回の日記の続きです。 ④サーフィンアニメを見るようになった 前回の日記でふれた「きみと、波にのれたら」と「WAVE!!」です。 前者は九十九里が舞台で、海や波の描写がとにかくきれいでした。 ミスポター並に悲しすぎる展開で、中盤は見るのがつらかった…… せっかくアニメ映画なわけですから、本職声優を起用してほしかったのが本音。 あと主題歌を引っ張り過ぎかな、「君の名は。」より引っ張ってる作品初めて見た。 その辺がひっかかるだけでストーリーと結末がとてもよかったです。 高3の頃に見ていたらきっとデザイン科ではなく海洋学を専攻できる大学に進学していたと思います。 後者は話が全部終わってないと思うので何とも言えませんが…… ショウくんはどうなっちゃったの? 描写が全くないので、多分生存フラグですね(ということにしておくが吉) 舞台がマサキくんたちの地元大洗から湘南に移ってからさらにおもしろくなった気がします。 単に個人的に湘南に憧れと愛着があるからですが。 旅立ちの日に愛犬イソキチが別れを悲しむ表情に胸を締め付けられました。 私は超愛犬家なのです。 鎌倉で乗り換えるってことは江ノ電乗るんだな? そうなんだな!? と勝手に盛り上がってました。 多分マサキの進学先は七高ですね。 湘南組も田中くんも好きです。2期お待ちしてます! ekワゴンのCM(買ってよかった編)のワンシーンは七高通りか鎌高前かと思ってたけど鎌高前っぽいですね。 「SLAM DUNK」と吉田秋生作品で育ったから勝手に見慣れた風景のように思ってるけど、実際に行ったことは数えるほどしかないです。遠いから。 それはそれとして、ビーチコーミング沼に落ちるきっかけとなった小説「海が見える家」とその続編もサーフィン描写が充実していたので、とても分かりやすく影��を受けました。 本の感想はブクログに投稿しました。 ⑤料理にも影響し始めた ハワイを身近に感じたくてロコモコ丼とアヒポケ丼、イタリアンシーフードを感じたくてコンキリエ①と②と海老と小芋と菜の花のリゾット(風ご飯) 全部元々好きなものですが、コンキリエは最近初めて手を出しました。 タカラガイやウミウサギみたいな見た目がかわいいですね~、本当に貝みたい。
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左はトマトバジルソースとカルディのホタテとマッシュルームの瀬戸内レモンアヒージョ、右はホタテと枝豆とたらこクリーム絡めです。 あさりと海老やツナと一緒にトマトソースでさっと煮込んだり、バジルソースもいいですね。 瀬戸内レモンとか塩レモンもよく買うけど、瀬戸内は私のルーツなので気になってます。
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リゾット風ご飯はまあチャーハンと同じ原理なのですが、葉山のマーロウのアカウントを見てたら春の新メニューがめっちゃおいしそうだったので真似しました。 (マーロウのプリンも買いました🍮💕) 去年水晶浜に貝拾いに行った時に買った富山の白えびだしを使いました。有能すぎる🦐 海メシとあまり関係ないですが、メニューがイタリアンの日はサラダのドレッシングもそれに合わせてます。 シチリア塩レモンということにしてますが、レモンじゃなくて徳島のすだち果汁で作ってます。 オリーブオイルとオリーブとバジルを乗っければレモンだと思えるから不思議ですね🍋 大体こんな感じで、5つの回路で海の頭になってます。 のめり込めることがあるのはいいことなので、今後も海活を楽しんでいきたいです。 前みたいに自由に移動できるようになったら沖縄に行ってベニヤカタガイとスミレダマを拾いたいです。 そこまでじゃなくても、本州もあちこち行きたいです。 ビーチコーミングの聖地は東の館山、西の串本だと勝手に思っているので。 しかしどっちも遠い。 和歌山って三重の隣だと思うと近く思えるけど、家族旅行で立ち寄った串本はマジで遠かったです。 そして潮岬の海は美しかった。 それでは!
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kachoushi · 2 years
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各地句会報
花鳥誌 令和4年4月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
……………………………………………………………… 令和3年11月と12月 立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
御会式太鼓の響き寺小春 ただし 神々し雪の白山神還る 同 一夜にて大樹痩せるや神渡し 輝一 近松忌マスクの下の紅濃ゆく 清女 近松忌重ね重ねて木の葉髪 同 冬銀河せせらぐ音の聞こゆ宿 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月5日 立待花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
煩悩の奥に仄めく除夜の鐘 世詩明 冬めけるものの一つに乱れ髪 同 越前の水仙海岸風岬 同 風立つや母は幼くなりにけり 同 篝火の参道険し除夜詣 ただし 初夢や虎が千里を駆けめぐる 同 枯菊の土の堅さの極まりて 同 雨降りし雲間に鳩や雀どち 清女 鐘の音に百五十人初諷経 同 皸の手に教本の修行僧 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月6日 うづら三日の月句会
坊城俊樹選 特選句
幼き日姉妹一律お年玉 由季子 初明り古希半ばにも皓々と 同 人混みに雑念ばかり初詣 さとみ 初仕事揃ひそろりと店の番 同 のど飴を一つふふみて冬の道 都 恐ろしや今宵の予報雪女郎 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月8日 枡形句会
栗林圭魚選 特選句
二人居の軋む廊下や寒に入る 百合子 冬の鳥餌ある小枝あやまたず 美枝子 減りてまた増える家族や雑煮椀 三無 鉦の音に紅濃ゆく照る実万両 同 母偲ぶ味に近づく雑煮かな 瑞枝 二日目は妻の故郷の雑煮かな 秋尚 初句会目出度き菓子も添へられて 和代 寒の入り俯きて歩す寺の猫 美枝子 初句会遥か中子師としあつ師 ゆう子 寒雀陽子の墓碑に集ひ来ぬ 幸風
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月8日 零の会
坊城俊樹選 特選句
人日の真昼ひとりの神谷バー 久 ロック座の淑気まみれの昼の闇 順子 頰垂れし観音の背の冬日かな 小鳥 おとつひの雪の骸を蹴り上ぐる 久 並ぶ列間口小さく冬灯し 三郎 今半の香り留めて鳥総松 三郎 喰積に飽きて六区の立飲みに はるか
岡田順子選 特選句
寒手水鉢に中村萬之助 佑天 厳寒の六区を歩く有頂天 小鳥 寒鴉きて鴟尾の屋根歌ふなり 俊樹 白息の俥夫は晴着の女引く きみよ 松過ぎのすき焼屋へと別嬪も 俊樹 恵方より白き鳥舞ふ隅田川 はるか 観音へ祈りあえかに雪女郎 眞理子 人日の真昼ひとりの神谷バー 久
(順不同特選句のみ���載) ………………………………………………………………
令和4年1月10日 武生花鳥俳句会
坊城俊樹選 特選句
寒雀空をすぼめて帰りけり 世詩明 初詣磴の􄼪にある情け みす枝 雪が来て滑る都の大騒ぎ 三四郎 難解な軸の字にある淑気かな 上嶋昭子 駅伝の歩幅の広し息白し みす枝 どんど火に古き句帳を投げ入るる 信子 去年今年零時貫く目出たさよ 三四郎 鍛冶始主従の音に跳ぶ火花 みす枝 凍蝶に動くもの皆影を曳く ただし 菓子屋の灯交番の灯やクリスマス 上嶋昭子 寝正月すればと夫に言はれても 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月10日 なかみち句会
栗林圭魚選 特選句
寒暁や鳥の鳴く声透き通る 史空 薔薇色の富士燦然と初御空 美貴 初雪や音も気配も葉に積もる 迪子 初刷や届きし記事に暗き影 エイ子 大鳥居仰ぎ淑気の只中に 三無 梢より初日の温みとどきをり ます江 若水を存分に汲み気の溢る 貴薫 ひとり居のくぐもる声や初電話 美貴 方寸の一人の居にも初日満つ 怜 デイの朝御慶の挨拶一としきり 怜
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月11日 萩花鳥句会
回遊の初鯉に餌を恵みけり 祐子 元気かとやはらかき筆初便 美恵子 越すや直ぐ離縁家庭の寒灯下 健雄 初寅や父の辿りしけもの道 吉之 元旦や厨に火入れす男の手 陽子 虎年の吾と息子と年迎ふ ゆかり 初便みんな余生のことばかり 克弘
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令和4年1月13日 花鳥さゞれ会
坊城俊樹選 特選句
旅終へし如く置く筆去年今年 雪 様々な寒さ重ねてゐる故山 かづを 若衆も花札も古り小正月 匠 神慮秘し清しかりける初鴉 数幸 此の出刃で鱈をさばきし妣のこと 清女 碧空に白雲一つ淑気満つ 啓子 境内を静に浄め寒の雨 希 雪傘にかくれし女薄化粧 天空 合掌し春待つ石の仏たち 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月14日 さくら花鳥会
岡田順子選 特選句
一切のスイッチを押し初仕事 登美子 ラッセル車がうがう唸る午前五時 裕子 弾初の駅のピアノの美美しけり 登美子 冬の日の部屋深くまで届くかな 紀子 旭日と餅花ゆらぐ床として 令子 初旅を終へていつもの歩幅かな 登美子 初御空いろんな鳥の生き生きと 光子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月14日 鳥取花鳥会
岡田順子選 特選句
初雪や朝刊だけの靴の跡 悦子 霜の刃を踏みてナースの夜勤明 悦子 知らぬ間に上座にゐたり嫁が君 益恵 雪しまくぐつと地軸を傾がせて 都 盤屈の松に響かせ初太鼓 宇太郎 押し車引きつ若菜を摘みにけり すみ子 寒鴉降りて野の黙深くなる 美智子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月16日 風月句会
坊城俊樹選 特選句
寒菊を供へよその名隠すまで 和子 逆光の毛帽子二人戻り来る 和子 寒晴の少しづつ伸ぶ女坂 慶月 寒菊の色とりどりを抱く地蔵 和子 裏門を固く鎖して冬薔薇 久 歪なるまま土を上げ霜柱 貴薫 綿虫を連れて一山参りたる 和子 隠れゐし青女とらふる山日かな 千種 ゆつくりと天を目指してゐる冬芽 久 おほどかに傾ぐ石仏冬ぬくし 和子 悴める指先包む手のありて 貴薫 蝋梅の香に絡まれて石仏 三無 満目の凍て山陰の黝し 千種
栗林圭魚選 特選句
梅探る退くに退けざる道となり 千種 何もない空に富士嵌め寒の晴 秋尚 つと掴む霜の手摺りや昇り坂 久子 裏門を固く鎖して冬薔薇 久 綿虫を連れて一山参りたる 和子 笹鳴や我が影長く落す坂 久子 隠れゐし青女とらふる山日かな 千種 城跡のことども語る榾火守 兎生
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月19日 福井花鳥句会
坊城俊樹選 特選句
児雷也の蟇踏んまへし飾り凧 雪 水仙がお負けに付いてゐやうとは 同 初夢に一喝されし声の主 同 大晦日夫の長湯につき合はず 和子 どんどの火大切なもの燃やしをり 令子 生涯を黒子に徹し去年今年 清女 お降りに笏谷石の青極む 笑子 家族にも姿勢正して御慶述ぶ 泰俊
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月 九州花鳥会
坊城俊樹選 特選句
吾に触るる汝は盲や冬の蝶 桂 鬼太郎も旅人なりし冬銀河 喜和 モンローの丸き唇寒の紅 吉田睦子 凍蝶を包む此の世の光かな ひとみ 産院へ陽は柔らかく小豆粥 かおり 古井戸に凍蝶の空あると云ふ 同 寒月の野良となりたる猫の上 光子 誰が鳴らす阿蘇の谷間に鐘冴ゆる 千代 初鴉黒きを誇り羽撃けり 同 初旅や臣虚子の碑に見えんと 古賀睦子 日に怒り月に吼えたる冬の海 同 寒卵神の光のごと生る 同 寒夕焼的なき海に石を投ぐ 由紀子 避雷針の光寒鴉の孤高 勝利 スカーフに包む土耳古の冬日差 愛
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和4年1月30日 花鳥月例会
坊城俊樹選 特選句
百屯の鳥居は冬を支へきる 月惑 鰹木に千木に淑気の名残かな 要 冬ざるる空に父待つ母子像 て津子 十字架もアンテナも春待つ空に 要 日溜まりにふくらむ少女竜の玉 順子 寒き坂無音の貌とすれ違ふ 順子 冬帝と交はらぬまま鳥空へ 和子
岡田順子選 特選句
鰹木に千木に淑気の名残かな 要 さまざまな蓮を弔ふ枯蓮 俊樹 靖国へ旅の名残の雪沓で はるか 煮凝を仕込むひとりのミサの夜 俊樹 弟はいちごの絵なり凧揚ぐる 千種 薄氷を纏へば錦鯉となり 俊樹 水仙を手向けて若き友送り 美明 冬帝と交はらぬまま鳥空へ 和子
栗林圭魚選 特選句
枯蓮の水の深きへビル刺さる 千種 竜の玉探る物欲しさうな指 千種 凍濠のみしりともせぬ渕昏し 俊樹 寒鯉や神池の底に穢れなく 月惑 裏庭の秘め事めける梅見かな 千種 リノリウムの廊下濡らしてゐる冬灯 和子 寒卵子金の口より醤油さす 千種 寒き坂無音の貌とすれ違ふ 順子
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herbiemikeadamski · 4 years
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(^o^)/おはよー(^▽^)ゴザイマース(^_-)-☆. . . 2月13日(木) #友引(丙戌) 旧暦 1/20 月齢 19.2 年始から44日目にあたり、年末まであと321日(閏年では322日)です。 . . 朝は希望に起き⤴️昼は努力に行き💪夜を感謝に眠ろう😪💤 睡眠は明日を迎える為の☀️未来へのスタートです🏃‍♂💦 でお馴染みのRascalでございます😅. . 忘れ物防止タグキーホルダーってのがスマホで検知 できる様に光や音で知らせてくれる便利な 物があるって今更だけど導入しようかと😅💦 . ソースネクストのDMで見たので良いかなって思い 他の物もって検索したらAmazonで見たら 様々なのがあって同時に6個まで行けるって . 凄いなぁ~って真面目に買おうかなって 考えてしまいます😅💦どうなんでしょうね? さて、7週目の週下りガンバリマショウ\(^O^)/ ワーイ! . 今日一日どなた様も💁‍♂お体ご自愛なさって❤️ お過ごし下さいませ🙋‍♂ ✨本日もご安全に参りましょう✌️ . . ■今日は何の日■. #銀行強盗の日.  1866(慶応2)年のこの日、当時の人々に「西部のロビン・フッド」ともてはやされたジェシー・ジェイムズ兄弟が、初めて銀行強盗に成功しました。  この事件は、アメリカで白昼に起きた初の銀行強盗事件ともいわれています。  彼らを主人公にした映画「ロングライダーズ」はヒットしました。 . #土佐文旦の日.  高知県の特産果樹である「土佐文旦」(とさぶんたん)の生産者、農協、県などで組織する土佐文旦振興対策協議会が制定。  高知県が生産量日本一の「土佐文旦」を、より広く全国にPRすることが目的。  日付は2月が「土佐文旦」が旬を迎えて出荷量が増えることと、2を「ぶんたん」、13を「とさ」と読ませる語呂合わせから。 . #苗字制定記念日.  1875(明治8)年、明治政府が「平民苗字必称義務令」という太政官布告を出し、すべての国民に姓を名乗ることを義務づけました。  江戸時代、苗字を使っていたのは貴族と武士だけでしたが、1870(明治3)年9月19日に出された「平民苗字許可令」により、平民も苗字を持つことが許されました。  しかし、当時国民は明治新政府を信用しておらず、苗字を附けたらそれだけ税金を課せられるのではないかと警戒し、なかなか苗字を名乗ろうとしませんでした。  そこで明治政府は、1974(明治7)年の佐賀の乱を力で鎮圧するなど強権政府であることを誇示した上で、この年苗字の義務化を断行しました。 . #豊後高田市恋叶ロードの日.  大分県豊後高田市が制定。  同市の海岸線を走る国道213号線沿いには「縁結びのパワースポット・粟嶋神社」、「夕陽の絶景スポット・真玉海岸」、「花とアートの岬・長崎鼻」など、ロマンティックスポットが点在している。  そこでこのスポットを結ぶドライブルートを、恋が叶う道「恋叶ロード(こいかなロード)」と命名。  恋人同士はもちろん、多くの人が訪れるようになることが目的。  日付は国道213号線から2月13日に。  ちなみに愛の告白の日「バレンタインデー」の前日にあたる。 . #NISAの日.  年金加入者が自分の責任で資産形成のための賢い選択を行えるように、その効果的な教育を中立の立場で支援する特定非営利活動法人「確定拠出年金教育協会」が制定。  2014年から新しく、少額投資非課税制度、NISA(ニーサ)が始まることを記念し、その内容を広めるのが目的。  日付は2と13で「ニーサ」と読む語呂合わせから。 . #地方公務員法施行記念日.  1951(昭和26)年、「地方公務員法」が施行されました。 . #初虚空蔵(毎月13日).  虚空蔵菩薩の縁日で、一年最初の縁日は初虚空蔵と呼ばれる。 . #石井スポーツグループ登山の日(毎月13日).  株式会社ICI石井スポーツが制定。  日付は13で「登山(とざん)」と読ませる語呂合わせから。 . #お父さんの日(毎月13日).  株式会社ヤクルト本社が制定。  日付は13で「お父(10)さん(3)」の語呂合わせから毎月13日とした。 . #王様の食パンの日(毎月13日).  福岡県糟屋郡新宮町に本社を置き、パンや和洋菓子などの製造・販売を手がける株式会社フランソアが制定。 . #一汁三菜の日(毎月13日). . . ■今日のつぶやき■. #草を抜かざれば木も茂らず(#クサヲヌカザレバキモシゲラズ) 【解説】 木のねもとにある草が木の繁茂の障害になっていることの意から。 小さな障害を取り除かなければ大事は成就しない。 . . #1964年2月13日 #出川 哲朗 (#でがわてつろう) 【#お笑いタレント】 〔#神奈川県〕 . . (Nerima, Tokyo) https://www.instagram.com/p/B8e2qqSnsh1gLdhCtCHyqhhQNgBaHFI1toY_DY0/?igshid=i5fjwp22n05j
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yapoo-mtg · 3 years
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●出演 松永天馬 石川浩司 鳥肌実(14時回のみ) 後藤まりこ(18時回のみ) 大島朋恵 岬花音菜 島村秀男 SLF!! ジョン(犬) ●開会宣言 白永歩美(月蝕歌劇団) ●前説 銀河と牛 ●アートワーク 加藤伸吉 カズモトトモミ ●「家畜人ヤプー」全権代理人 康芳夫 「家畜人ヤプー」とは? 家畜人ヤプー。著者は正体不明の覆面作家「沼正三」。 昭和31(1956)年 アブノーマルの教科書と称されていた「奇譚クラブ」にて連載を開始。 昭和44(1969)年 三島由紀夫からの推薦を受け、康芳夫が製作を務めた エロティシズムと残酷の総合研究誌「血と薔薇」第4号に掲載。 昭和45(1970)年 都市出版社より出版。 その過激な内容は、各業界で賛否両論を巻き起こし、 社会現象にまで発展、大ベストセラーとなった長編SF・SM小説。 ●昭和から平成にかけて… 昭和34(1971)年 石ノ森章太郎「劇画家畜人ヤプー」 平成14(2002)年 江川達也「家畜人ヤプー第1部」 平成29(2017)年 三条友美「家畜人ヤプーREBOOT」コミカライズ、 伊藤ヒロ+満月照子「家畜人ヤプーAgain」としてライトノベル化、 映画化については企画段階で何度も頓挫し、現在に至る中、 平成12(2000)年 暗黒の宝塚「月蝕歌劇団・初代主宰」高取英により舞台化して以来、数回にわたり上演。 家畜人ヤプー全権代理人「康芳夫」公認 令和3(2021)年 今回のイベント「家畜人集会」は、 「家畜人ヤプー」から生み出されるべき新たな魅力を引き出すため、 音楽と映像をミックスして上演する朗読イベントとして開催します! 「家畜人ヤプー」の新しいアプローチを、ぜひ。体感してください! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 開催概要 11/3(水・祝) シアター新宿スターフィールドにて2回公演、入れ替え制です。 ・14時の回 開場 13:30 / 開演 14:00   前売:4,400円 / 当日:5,000円 ・18時の回 開場 18:00 / 開演 18:30   前売:4,400円 / 当日:5,000円 開催場所 シアター新宿スターフィールド 東京都新宿区新宿2-13-6 光亜ビルB1 https://star-field.tokyo/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ チケット情報 https://portable-rock.com/?page_id=853
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