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#身勝手な悟空
yes-keita · 2 years
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ブランシェビー 空きありません! ソーリー保存ボタンクリックタップ忘れた! ってゆー 身勝手な宅地建物取引士(未登録)より #シリーズ勝手に全力応援 の一部 :お問い合わせは、お近くの不動産やさまへ #宅建 #宅地建物取引主任者 #宅地建物取引士 #佐々木アパート #身勝手な悟空 #未登録 # #八幡平市 #二戸市 #一戸町 #滝沢市 #雫石町 #盛岡市 #岩手町 #盛岡 #雫石 # (Hachimantai-shi, Iwate, Japan) https://www.instagram.com/p/ComF1bvB3BR/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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ari0921 · 4 days
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織田邦男先生よりシェア
<正論>自衛隊最高指揮官の覚悟あるか
麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男
自民総裁選候補に問う
9人の立候補者による自民党総裁選が行われている。首相を選ぶ選挙であり、同時に自衛隊最高指揮官を選ぶ選挙でもある。活発な議論が行われているようだが、自衛隊最高指揮官に関する議論は寡聞にして知らない。
来年で戦後80年になるが、幸いにも有事を経験しておらず首相に最高指揮官としての資質が問われることはなかった。日本は今、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に置かれている。いざ有事の際、総裁候補たちは冷静沈着に的確な決断を下し、最高指揮官職を全うすることができるのだろうか。
ロシアの侵略によるウクライナ戦争が行われている。この機会に総裁候補はウクライナのゼレンスキー大統領の立場に自分を置き、有事における最高指揮官像を自問自答してもらいたい。
ゼレンスキー氏は、開戦直後、欧米諸国からの亡命の誘いを断り、SNSで国民に対し「我ここにあり」と直接語り掛けた。国力が格段に勝るロシアに対し、先頭に立って徹底抗戦する覚悟を示した。国民を奮い立たせ、国際社会にあっては鬼気迫る外交を展開し、ロシアの非道を訴え、各国から武器などの支援を引き出した。
開戦後2年半が過ぎ戦況は必ずしも思わしくない。実力が格段に上回るロシアとの戦いであり、戦時指導者としては及第点を与えたい。だが戦争をなぜ抑止できなかったのか。この責任はゼレンスキー氏に問われなければならない。
ウクライナは我が国と同様、「専守防衛」であり、「相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使」(防衛白書)した。専守防衛の宿命は国土が戦場になることであり、国民の被害が出ることを前提としている。であるからこそ、戦争を抑止することが絶対的に必要となる。
戦争を抑止するには、3つの条件が欠かせない。十分な報復力を持つこと、そして報復の意思があること。そして何より、それらを相手側に理解させることである。相手が与(くみ)しやすしと思えば、抑止は効かない。
ウクライナに我が身を置き
ロシアのプーチン大統領は侵攻開始前、ウクライナを3週間程度で攻略できると思っていたという。だが彼の思惑と違い、ウクライナは頑強に抵抗し続けている。今年8月の時点で、ロシア軍には約40万人を超える戦死傷者が出ているという。2年半経(た)っても、ウクライナ全土の約18%を占領したに過ぎない。加えて国際社会から制裁を受け孤立している。侵攻前にもし、この状況が予測できていたらプーチン氏はウクライナ侵略を決断していないだろう。これを事前に予測させることが抑止の条件である。その努力を怠り、プーチン氏に「与しやすし」と誤解させたゼレンスキー氏の罪は重い。
米国は開戦半年前から、ロシアの動きを摑(つか)んでおり、逐一情報を送り警告していた。開戦前の1月19日、バイデン米大統領は「プーチン大統領が、動く可能性がある」と公表している。開戦6日前には「ロシアが1週間か数日のうちにウクライナを攻撃するだろう」「プーチン大統領は決断した」とまで述べている。
これに対し、ゼレンスキー氏は情報を軽視し、戦争準備を怠った。軍事を知らぬリーダーの弱点がここに露呈した。2月に入っても「ロシア国民はウクライナを相手にした戦争を望んでいない」と述べている。ロシア国民が戦争を望んでいないのは正しいが、これが独裁者プーチン氏の戦争であることを見誤った。開戦10日前になっても「他の国々がロシアによる侵攻リスクを誇張している」と述べ、「我々は平和を目指し、全ての問題に交渉のみで対処することを望んでいる」と語っている。開戦2日前になってようやく予備役動員をかけた事実が「平和ボケ」の深刻さを物語る。
戦争指導より重要な抑止
ゼレンスキー氏は、開戦後2年以上経って「平和と安全は力によってのみ守られる」(今年4月20日)と述べ、ようやく抑止の本質に目覚めたようだが、時すでに遅し。いったん戦争が勃発すれば、終わらせるのは容易ではない。その間、国民の生命、財産は失われ、国土は荒廃する。いまだに終結の目途さえ立っていない。
ゼレンスキー氏は戦時の最高指揮官として獅子奮迅の働きをしている。だが、最も重要な戦争抑止に失敗した。戦争を抑止することは、優れた戦争指導よりはるかに大切である。
ウクライナ戦争には、最高指揮官に関わる貴重な教訓が詰まっている。総裁候補者たちは教訓をくみ取り、自衛隊最高指揮官としての糧���すべきだ。もしもの時、自衛官を死地に投ずる覚悟はできているのか。また自衛官をして「あなたの命令なら水火も辞せず」と言わしめるだけの人間的魅力や信頼はあるのか。胸に手を当てて自省すべきだろう。かつて「改めて法律を調べてみたら、首相である自分が自衛隊の最高指揮官であることを知った」と述べた首相がいた。こんな首相だけは御免被りたい。(おりた くにお)
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kaoriof · 1 month
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無題
平穏よりも胸のときめきをいちばんにしたら世界のぶあつい皮膚が一枚めくれたかのようになにもかもが歌い踊りかがやきはじめたのをいまでも覚えている。わたしは親が厳しくて外泊できないけれど、そのあいだに同級生の子たちはうつくしい島の海に反射する満月をみて、だれかと夜通しぴたりとからだをあわせて内緒話をするような、今にもぷつりと切れそうな糸のように細くて鋭い若さを世界の夢に浸らせている。感性を野放しにして、こどものころの感動をひとつずつ取り戻す時間がわたしにも必要だった。けれど思いどおりにいかないこともある、それも定めとおもって歯をぎゅっとくいしばる。わたしには必要だった。路上、白い廊下みたいに澄んだ朝霧をかんじる時間。薄いトップス。ズレた口紅。酔った勢いで入れ墨を彫ってしまう危うさ、煙ったクラブでなにもかんがえずに踊って、好きな男と寝て一限目をサボるとか、夜の街頭を走り抜け、くだらないことに時間とお金を費やすこと。「それだけじゃない、夜に遊ばなくても昼に釣りをしたりサッカーしたりそういう遊び方だってあるだろう。そっちのほうが幾分もまともだ」 おとうさんは夜遅くに帰ってきたわたしを叱りつけ、そう言った。わたしはけしてワルにあこがれているのではなくて、ただただ綺麗なものに飽きただけだった。わたしにとって祈りや信仰はさいしょから型があってそれに当て嵌めてハイ完成みたいなかわいいお菓子作りのようなものじゃなかった。自らを成り立たせるピースを集めた上でそれを食い尽くすくらいの覚悟や貪欲さがあなたにはある?わたしにはそれが足りなかった。昔も今も自分でうつくしい歌をつくれない。うつくしいものがたりをかけない。うつくしい絵を描けない。世の中にはフォロワーが万桁いる女子高生がいて、今、何千もの美術展が開催されていて、明日、いつかオリンピックに出るであろう少年がはじめてスケボーに乗るかもしれない。わたしには何もできないかもしれないけれど、彼らの生き様はわたしをわたしたらしめる微かなエッセンスとしてわたしに溶け込む。それを祈りという言葉で表象してはだめ?これからのことをかんがえると、ずっとどきどきする。目の前の光景が、訪れたことのない地の光が、風が、わたしを、わたしのからだを必要としてる気がする。世界中に張り巡らされた血管がわたしの心臓部にも繋がっているような心地。死ぬ5秒前ってどんな感覚なのかしらないけど、築き上げた塔が崩れてゆく感じなのかな、雪景色のような。
無題
朝起きたら腕に友達の噛み跡と身に覚えのない痣が3つくらいあった。耐え難い疲労がからだのあちこちにひっついて、入れ墨と化している。活字の海を、本をその背に背負えたらよかったのに、今のわたしを崖っぷちに引き止めているのはうつくしい言葉でもなくて、泥に塗れた重いカルマ。イヤホンの先から垂れ流れる音楽すらも風のように軽やかで自由なものではなくて、ねばねばした気持ちわるくてかなしいものに聴こえた。夏と、そのあつさと、その底知れぬ闇に街ゆくものすべてがこころのずっと奥の方で平伏している。昼過ぎにスクランブル交差点前の巨大スクリーンが薄青い空を泳いでいるようにみえたこと、街ゆく人の肌色が、シャボン玉のようにその熱を吸収して発光していたこと、ぜんぶなんか夢みたいにふわふわしているかんじがした。もうすぐでなつやすみなのに、大学入ってからそれまでもずーっと夏休みのような感じだったからあまりどきどきしない。みずみずしくずっと光っていたい。わたしもいつかデカい人間になりたい、いつかいつかいつかという文句ばかりが増えてゆくのを横目でみて、ぜんぶカサブタを剥がすように振り解いて拭ってくれる奇跡みたいな命、日々、音をどうしても期待してしまう。どうすればいいんだろーしにてーと思いながらまたあしたも友人と夜ご飯をたべにいく約束した。それでまた家に帰って、朝起きて虚無感に苛まされて、の繰り返しを大量の課題で中和する。薄暗い中でたべるごはんとか朝早起きして化粧をすることじゃない、今はなにもない海とか草原でなにも繕わずにその自然のデカさとか愛を仰向けになって享受するのがいちばんただしいきがする。たすけてと呼ぶには大袈裟すぎるし。わたしはわたしのことをぜったい見放さない、それだけで充分いっぱいすてきでしあわせで救いだということを今じゃなくてもいい何年もかけて真実にしていく、揺るがない愛に変えていきたい。
end
泣き出しそうに張り詰めた空気に鼻を啜る。世界の彩度が落ちて、ぶあつい服を着た街ゆく人たちが皆んなちっちゃな怪獣みたいにみえる。肌寒い。外はずっと灰色、モスグリーン、レモンみたいな匂い。大きな木が揺れて、木の葉の上に横たわっていた雨の滴が霧のように3秒間くらい降った。最近は毎日毎日やることが多くて、それをこなしているあいだに1日が終わる。3日連続で化粧を落とさずに寝てしまった。多くの人が電車にのっているときに外の景色に目をやらないのと同じ感覚で、わたしも生活の外側にひろがる微かな動きに鈍くなった。ずっと特別でありたかった、1番愛されたかった、そういった思春期的な熱望とどんどん疎遠になっていく自分に日々焦ったり安堵したりしている。だけど同時に、わたしの中をまだ生きている17歳のわたしがその面影をときどき覗かせる。期待させる。突拍子もなく走ったり、ゲラゲラ笑ったりする。些細なことで泣いたり、理不尽な世界に怒っている。良くも悪くも変わっていくのなら、これからの自分に期待をしたい。アルバイト先では後輩が6人くらいできて、みんなわたしよりも仕事ができる。わたしはもともと注意をされると衝動的に泣いてしまうところがあったし、シンプルに忘れっぽかった。あまりにも器用に仕事ができないので、ある日店長とそのことについて話し合ったら意識の問題と言われた。その1、人からのアドバイスに劣っている自分を見出してはだめ。その2、素直に人からの意見を受けとる。その3、自分のためでなくだれかのために働く。この3つを約束した。夜の繁華街で50歳の男性に飲みにいきませんかと声をかけられたり、あした授業にどんな服でいくかを考えながら化粧品を見に薬局に寄り道したり、腕に点々とのこる虫刺され痕をみて、それを残した蚊のことを考える。あした、図書館で借りた本の返却期限。わたしもちっちゃな怪獣になって寒さをまるごと食べてしまいたい、寒い日の、霞んだ光やクリアな淋しさ、果実のようにぎゅうぎゅうに酸っぱい気持ちを。
slow burning
大学一年生というよりも、高校四年生というような振る舞いをしているなあ、と自分のことを客観視する。新宿の横断歩道橋から行き交う人々を眺める。つい最近まで、委員会の同期の仲の良さにムラができていて、グループとかカーストとかそういう言葉が浮上してきてしまうほど揉めそうになっていた。それでも、それぞれが居心地の良い場所にしようと歩み寄っている。こういう、諦めによる愛想ではなくて心からの気持ちに胸を打たれる。明大前の飲み屋で酔っ払って「俺みんなのこと愛してるよ」と照れ笑いする先輩に、わたしたちみんな、キモいねーなんて言って茶化した。そのあと夜の大学で騒いでいたら警備員に注意された。机の下に10円玉を落としたのを拾わないで帰る。いつまでも赦されていたい、わたし、山猫のような女の子でいたかった。すぐ隣、肌すれすれにだれかの温もりを感じて弱さを誤魔化すのではなくて弱さを共鳴しあっていたい。「東京の人は生き急いでいる」なんて言葉があるけれど、わたしは美しい光景がそこに広がっていれば必ず立ち止まる人でありたい。仕事に遅れそう、とか、終電が、とかじゃない、好きな人たちのためだけに忙しくありたい。恋人は待ち合わせをするとき、「どこでおちあう?」と聞くのだけど、高2の頃、初めて会う日、それを「(恋に)落ち合う」と勝手に解釈して死ぬほどどきどきしたのを思い出した。それからわたしも「どこで落ちあう?」と聞くようにしている。ドア窓の形に切り取られた青い影が電車のフロアに映って、がたんごとんという音に沿ってフィルム映画みたいに小刻みにうごいていた。池袋で新疆料理をたべて、お腹を下す。スペイン語の中間試験。木曜日、ほんとうは1限に英語の授業があったんだけど、財布を忘れたいせいで交通費が若干足りなくて新宿駅から乗り換え先の電車に乗れなかった。その旨をインスタのストーリーに載せたら、一度しか喋った事ない同じクラスの男の子から「抜け出していくわ、」とだけ連絡が来て、本当にきてくれた。クラスで唯一金髪で、派手で、いつも高そうな服を着ている。ピーナッツをぼりぼり食べながら、ダーツをする。わたしが2回勝って、可哀想だったからあとの1回は負けてあげた。それからは何も無かったかのように授業では一言も喋らない。お互い、目を合わせないふりをしているような、ふしぎな距離感を保つ。渋谷で5分1000円の手相占いをしたら、鎖みたいにいくつもの線が絡まっていますね、と言われた。意外と気にしいなんじゃないですか?「そうですね」と答える。駄菓子屋で1000円使い切ったほうが幸せになれそうだとおもった。電車の隣の線路にカラスが一羽いた。こんなに近くでみるのははじめてだ、と思って、じーっとみつめた。黒なのに黒じゃなくて、光を受けて渋いグリーンや紫っぽくみえる羽毛に目を見張る。なんか、空はどこまでも真っ青なのに光の細部だけ色があたたかい夕方前みたい。ふわっとなにかに気付いて、じーっとそれを見つめて、そこになにかが“視える”とぜんぶ途端にスローモーションになって、焦燥感や虚しさがたちあがってくる瞬間がある。からっぽなのにぎゅうぎゅうな感じ。AirPodsをケースにしまう音が体感的に5秒間くらい耳に残ったり、自分の息遣いにどきどきしたり、すれ違う男子高校生の会話声や、鳥が羽をはためかせる様子がクリアに輪郭が保ったまま空中を転がる。ガムを買って噛みながら、心のもやもやしたなにかを同時に小さく噛み砕いてゆく。光の洪水。家に帰ってパスタをたべたあと、お風呂で下の毛をつるつるにする。夕方終わりにお風呂に入るの、とても好きだなあと思う。コンタクトレンズを外さないまま、化粧も落とさずベッドへダイブする。瞼の裏に東京タワーの赤がたましいの塊みたいにまあるく光っている、はやく何もかも諦められる年齢になりたいと思う。
無題
なんかまじでわたしが疲弊していて悲観しているのか、世界が残酷なのかわからなくなってきた。脳科学の講義を受講したあと、テキトーに混雑した休日の街をあるいていたら皆んなの脳みそが透けて浮きでてきそうで気持ち悪くなった。地球4周分の神経線維。そう、どでかい爆弾が街ゆく人々の頭蓋骨に葬られている。ニューロンが軸索を介してつながってゆく、放出と受容を繰り返してみんな手を繋ぎあってゆく。セール中でバイトの雰囲気がぴりぴりしていて、みんな資本主義の豚みたいに働いていた。うつくしくないとおもったし、私も美しくなかった。結いた髪に、ぴたっとあげられた前髪。なにを思っているのかを書くのがずっと怖かった。もしかしたら私の感じているこの欲望はとても汚らわしいもので、それゆえにだれかを傷つけてしまうかもしれない。でも、言葉にしなければすぐにわすれてしまう感情に名前をあげなくなって、水をあげなくなって、そうしたら、じぶんの脳みその溝をうめていたみずみずしい苔までもがすっかり枯れきってしまって虚構を連ねるようになった。空洞に哀しみの音だけが響き渡る。友達はいるけど、私はその友達の1番になれない。恋人みたいな人はいるけど、私はその恋人の1番にはなれない。1番っていうのはほんとうの意味での1番、2番とか3番とかがいない1番。圧倒的な2人の世界の中でのフェアで高貴な1番。有名になりたかった。文章でも外見でも写真でもなんでもいい、だれにも敵わない羽根で世界を羽ばたいてみたかった。わたしを選ばないで、そこらへんのそれっぽくかわいい女の子を選ぶかっこいい男の子たちを信じられないでいる。外国に行ったらモテるよ^_^と投げかけられた言葉について何回も考えるけど、考えるたびにかなしくなる。でもね、神様はいるとおもうの。木漏れ日の首筋に、砂丘のしずけさに、広大な空の一枚下に、その温もりと永遠が芽吹いているのをしっている。そのたびに、わたしはこの世界に愛されていて、まだ19歳で、まだ何にでもなれて、そして世界を(気持ちがあふれてしまいそうなくらい)等身大で愛しているドラゴンみたいにかわいい女の子だとまじないを唱えるようにして心を強く保つ。アスファルトに散った桜が朽ちて、吐瀉物のようにグロテスクにぬるい光を浴びている。走り抜ける!だれかの憎悪の中に、疑念の中に、見下しの中に憧憬の眼差しを覚えながら。東京で灯される光の数だけ、アフリカの広原でつややかな花が咲けばいいのに。光の重さの分だけ、銃弾が軽くなればいいのに。帰り道、ひさしぶりにパンを買って帰った。
日記
弟がiPadのタッチペンを無くしたらしくて、それを聞いた母がすぐにAmazonで検索して新しいのを買った。こういうとき、ほんとうになんか小さなことだけれど、すごく心が愛にみちる。
大学の新校舎の建物のにおいが400人もの人が集まった大教室の縁をすべっていく。扉を開けた瞬間、目と目と目がわたしの顔を捉える。湿気漂うフロアにだれかがペンを落とす音、先生のマイクが吐息までもを拾って湿った熱を加速させる。「儚いって聞いて何を思い浮かべますか?蝶?蛍?蝉?トンボ?」 教授がそう聞くと、みんなのえらぶ選択肢がちょうど均等に分かれる。講義が終わるといつもすぐに帰るイケてる男の子が蛍を選んでいて、なおさらかっこよく見えた。わたし、インスタのフォロワーが490人いるんだけど、その人数って今見てるこの人たちよりももっともっと多いのかと思うとなんか心強いような息���しいような、不思議な気持ちになるなーとぼんやり思った。君たちはぶっちゃけ勝ち組です、という先生がキモかった。海外の大学院に行きたい。わたしはもっともっと色々な人を知るべきだし、美しい景色にであうべきだし、貪欲に学ぶべきだとおもうから。聡明になって、お金を稼いで、将来だいすきなひとたちにたらふくご飯をたべさせてあげたい。お母さんとお父さんが育ててくれた、守ってくれたこの心の真ん中にそびえる愛情のかたまりを誰かに分け与えていきたい。でも、そうとも思うけど、逆にそれをこなごなにさせてくれる危険性や若さゆえの解放にも目が眩んでしまうの。「今しかできない」ってとてもずるい言葉だなあ。
19さい
19歳とかいちばん呪われていた1年だった。まだハタチじゃないけど、もうそうさせて、と思うくらいに、1年のあいだに10年分くらいの幸せと不幸せがぎゅうぎゅう詰めに、どっちがどっちかわからなくなるくらいに入り乱れててくるしくてさみしくて悲しかった。くるしかった。わたしと同じ純度で、等しく、あいしてほしい。あいされたい。
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seonuyang · 5 days
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Lyrics for Masa’s new song’s
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Shinigami ~ 死神 | Grim Reaper
今日の演目は十八番の死神
女によくやるオトコのアマガミ
噛んではいけない表のアララギ
今日は無料だ私の漢気
皆目検討つかないお話
狂喜乱舞その結末を観よ
死屍累々の結末は無い無い
そんな事わかる皆様大体
御宅を並べた前座は終わり
私は引っ込む裏にお分かり
北から来たハイカラな噺家
女が話せば寄席も華やか
金が底つき落ちぶれたおいら
昔京都で見た綺麗な花魁
為替で失敗破滅のコーナー
これでも前はロレックスオーナー
ツキと神と嫁に見放された
金が尽きたら周りも離れた
これでもかなりもらったラブレター
人生の賭けにおれは敗れた
酒買う金もないこの惨めさ
過ぎてく24と7日さ
この人生に終わりが来たのさ
悲劇か喜劇か雲泥の差
よぉにぃさんお前はまだ死ねない
寿命がたっぷり残ってん
だな どうだ?一つ稼いでみねぇか
この呪文で死神追っ払うんだ
アジャラカモクレンテケレッツのパ
死神追いやる魔法の言葉
病人の足元の死神が
消えたら病人は全快だ
ヤブの医者が大金を稼いだ
一瞬で稼いだ富と名声
女はいつでも顔で厳選
愛人囲んで浴びる源泉
神をも恐れぬ乱痴気騒ぎ
使えば無くなるそれが金
そろそろ稼ぎに行こうかね
枕元の死神ノータッチ
凄いアイデアで今棒立ち
布団を回して立場逆転
呪文で死神追い払って
ちょろいぜ奴らもこんなもんて
大金抱えて帰ってるって
怒った死神前に見参
お前の人生全て清算
言ったろあれは駄目だと散々
突如現れる地下の階段
地下に広がる無限のロウソク
人間の寿命が揺れるこの火
助かる為にはおれはどうする
小さな火を大きなロウソクに移す
よぉにぃさん急がにゃ死んじまう
手が震えてるけど大丈夫か?
死んだら晴れてこちらのお仲間
得意の噺で仲間を増やせ
アジャラカモクレンテケレッツのパ
今日の演目は十八番の死神
女によくやるオトコのアマガミ
噛んではいけない表のアララギ
お客のロウソクがあぁ消える
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Watashi no namae wa ~ 私の名前は | My Name Is
なんつったっけ?可愛い感じの
そこらに居そうな名前の子
ギャルかオタク?違うよな。
新種の女の生態系
百戦錬磨合コン番長
さり気狙っちゃ勝ち組だっちゃ
この日のために固めたブランド
終電ギリ翔んで埼玉
六本木、寿司、口先ベラベラ
あいつチャラチャラ
まじイライラ
ビッチになった大人の階段
ホテルに響く音がパンパン
女がハイ登場
これから即戦場
嘘吐き社長令嬢噂は風俗嬢
華金終わりは性欲モリモリ
トークの中身は下ネタギリギリ
トイレでカチ込むスパッとラリラリ
ぶってる女の態度はロリロリ
こんばんはまた会いましたね
今日もこの後行っちゃいます?
中央区夜の街で口説く
飲んだらサクッとショートタイム
あれ?ところで今更だけどさ
なんだったっけ君の名前
お酒の力で記憶が混濁
女が語る私の名前は
私の名前は
そうそうないわイケてる坊っちゃん
グラスをガッチャンかわいい姉ちゃん
この日のために固めたブランド
御用達リボリボ千葉茨城
バチクソ短いスカートヒラヒラ
あいつチャラチャラマジイライラ
なんか違った大人の階段
ホテルに響く音がパンパン
女がハイ登場毎日即戦場
嘘吐きミス〇〇
噂はジジィの愛人
今夜の獲物はあそこのガリガリ
トークの中身は下ネタバリバリ
トイレで早目に媚薬を塗り塗り
トイレ出た後の作戦練り練り
こんばんはまた会いましたね
今日もこの後行っちゃいます?
中央区夜の街で口説く
飲んだらサクッとショートタイム
あれ?ところで今更だけどさ
なんだったっけ君の名前
お酒の力で記憶が混濁
女が語る私の名前は
言われても知らねぇってどうでもいいでしょ名前
わからないあなたに教えた世の中
華金終わりは性欲モリモリ
トークの中身は下ネタギリギリ
トイレでカチ込むスパッとラリラリ
ぶってる女の態度はロリロリ
言われても知らねぇってどうでもいいでしょ名前
わからないあなたに教えた世の中
今夜の獲物はあそこのガリガリ
トークの中身は下ネタバリバリ
トイレで早目に媚薬を塗り塗り
お店出た後の作戦練り練り
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To Guide Blue
一気に変わったバビロンシステム
歌舞いた時代はもう終わり
キッズのヘッズが街を占領
イカれた時代の幕開けだ
ダッシュでクッシュを買ってる一生
速攻検挙でハイ!おしまい
ダメダメそんなの時代は合法
みんなの青い下だ
明日が見えた
昨日は消えた
あなたを招待
宇宙の銀河鉄道へ
やだやだもうヤダ!鼻曲がるぞ
臭うぜ大人の吐息がさ
最近見ないクラブでポストマン
最近増えたねメンヘラ薬局
「なぁに?あんたも青い舌か?」
カリスマ天使の青めの笑顔で
細々広がるシートの眠剤
Seedは冤罪Eatは大罪
おおらかその中たかだか身体だ
さっさと払いなおじさん
デロデロの親父の夢の対価
お財布にだけ価値Foo!
なぁに青い舌になりたい?
まずはジュースに溶かしてごらん
資金はちょっとのガッツでパパ活
まずはご飯で初めてごらん
スーパーコピーで固めたおじさん
少し褒めるだけいい気なもんさ
おっとマスクしてバレないように
青い口元は私の秘密
興味を無くした人間の街で
ゴミの横に座る事もできる
何にもないけど金だけある
青めの天使が仲間を増やす
ここまで変わったバビロンシステム
歌舞いた時代はもう昔
青めの天使が街を占領
イカれた時代の幕開けだ
ビビった大人の生き方醜悪
子供が身体で大人を掌握
世代で変わる物事の善悪
路上の風俗、ラブホで快楽
いつしか終わったバビロンシステム
歌舞いた時代誰も知らない
ゴミが散らかった天国の横
東方シネマズを見上げた
��った大人の思考は醜悪
子供がホテルで大人を掌握
時代で変わる物事の善悪
OD前提人生最悪
ほぉら青い舌は最高
次は瓶ごと試してごらん
資金はちょっとのガッツでパパ活
大人もありで試してごらん
スーパーコピーで固めたおじさん
ちょっと褒めるだけいい気なもんさ
キスで青い舌をぶち込んで
稼いだ金で更に青くなる
興味を無くした人間の街で
ゴミの横に座る事もできる
何にもないけど金だけある
青めの天使が仲間を増やす
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Buddha
ある朝眺めた血の池の底
そこにいればそれはたいそうな事
仏陀の教えはちゃんと聞く事
血の池に響く神の音
両手を広げてここに来なさい
救いは貴方のためにあります
極楽の蜘蛛を伝ってくれば
そこには約束の蓮の葉
仏陀が救い出した犍陀多
しがみついた足元蓮の葉
天地ひっくり返す救いが
犍陀多に響いた
昔逃がした一匹の蜘蛛
今では消えた前世の煩悩
感謝してます我が釈迦
貴方のためブンシャカラカ
釈迦にすがって祈る犍陀多
我が忠誠は貴方我が釈迦
前世の行い忘れたかな
輝く蜘蛛は釈迦の使いか
仏陀を目指す次は犍陀多
先を見据えた極楽の華
少し見えた悟りは高らか
皆に祝福をブンシャカラカ
BUDDHA今あなたに差した後光
BUDDHA響く地獄の鐘の音
BUDDHAその祈りを捧げていこう
我が仏陀 我が仏陀
BUDDHA生きる道が修験道
BUDDHAなれぬ君は守銭奴
BUDDHA信じぬならTHE END
我レ仏陀 我レ仏陀
地獄に落ちる輝くこの糸
誰でもないあなたの足元
釈迦が使わせた小さな蜘蛛
それを助けたら聴こえた音
犍陀多にたかりここに集い
驕り高ぶり主に奪い
仲間に配り日銭を稼ぎ
俺に祈りまるで仏陀に
突然来たその終わりの時
サクッと一撃もう潮時
裏切り者が揚げる勝鬨
さらば犍陀多覗き込む餓鬼
決意を胸に終わる犍陀多
誰も信じなければ簡単だ
あの世でも俺が頂きなんだ
次の仏陀は俺だ犍陀多
BUDDHA今あなたに差した後光
BUDDHA響く地獄の鐘の音
BUDDHAその祈りを捧げていこう
我が仏陀 我が仏陀
BUDDHA生きる道が修験道
BUDDHAなれぬ君は守銭奴
BUDDHA信じぬならTHE END
我レ仏陀 我レ仏陀
お人好しの仏を噛んだら
血を吹き出して死ぬアホンダラ
天を手中に収めたんだな
仏陀を落とす暗い大穴
血の池に落ちてゆく我が釈迦
次の仏陀はおれだ犍陀多
釈迦の極楽の蜘蛛殺した
輝く蜘蛛の糸は途切れた
世界の崩壊空には釈迦
今頃気づくおれ愚かだな
死んだ蜘蛛を抱える犍陀多
悲しそうな顔する我が釈迦
一度だけお許しを我が釈迦
焦って蜘蛛の亡骸捨てた
目の前から消えてく我が釈迦
地獄の底の底の犍陀多
我レ仏陀 我レ仏陀
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Edit of her !!
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2015mai24 · 6 months
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【対談 #4】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)が語る、<悪夢69>と確かな関係性「“株式会社ヴィジュアル系”で言ったら社長クラス」
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MUCCとNIGHTMAREが8月、東名阪ツーマンツアー<悪夢69>を開催する。同ツーマンツアーは8月17日のZepp Nagoyaを皮切りに、8月18日のZepp Osaka Bayside、ファイナルとなる8月24日のZepp Hanedaといった3会場をまわるもの。両者はこれまでにもイベント等で共演しているが、対バンは今回が初となる。
◆逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE) 画像
結成24年目のNIGHTMAREに対し、MUCCは27年目であり先輩にあたるが、メジャーデビューは両バンド共に2003年だ。ヴィジュアル系というジャンルで括れば同じフィールドではあるものの、音楽性の差異は大きいかもしれない。しかし、NIGHTMAREは仙台を中心とする宮城、MUCCは茨城という同郷メンバーから成り立つバンド、という共通点もある。
そもそもなぜこのタイミングでツーマンツアーを企画したのか? どのようなライブ内容になりそうなのか? 開幕に向けて両バンドの関係性、それぞれの現在地、このツアーに懸ける想いなどを紐解く全四回の対談連載第一弾は両バンドのヴォーカリスト逹瑯(MUCC) × YOMI(NIGHTMARE)、第二弾はギタリストのミヤ(MUCC) × 咲人(NIGHTMARE)、第三弾はリズム隊のYUKKE(MUCC) × Ni~yaとRUKA(NIGHTMARE)対談をお届けした。そして最終回となる今回は、ツーマン<悪夢69>の首謀者ともいえる逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)だ。気心の知れた両者のトークセッションは終始笑いが止まらない。「うちらはたぶん、会社で言ったら社長クラスだと思う」といった深い話も飛び出す多面的な対談となった。
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▲<NIGHTMARE × MUCC「悪夢69」>
   ◆   ◆   ◆
■もう20年近くですね ■フランクに話できる唯一の先輩なんで
──8月に<NIGHTMARE×MUCC ツーマンツアー『悪夢69』>を東名阪で開催します。もともと言い出しっぺは誰なんですか?
柩:逹瑯さんです。
逹瑯:そう、俺です。
──MUCCは現在、結成25周年イヤーを掲げたワンマンツアーで忙しくしています。その最中にツーマンツアーを企画したのは、どういう理由からですか?
逹瑯:去年ぐらいだっけ、話したのは?
柩:タッツー(逹瑯)から急に連絡がきた感じで。今、LINEを見返してみたら、タッツーから「ツーマンできないかね?」って連絡来たのは、去年5月23日でした。
逹瑯:1年ちょい前ぐらいか。
柩:だから実現するまでに時間はけっこう掛かってます。
逹瑯:でもタイミングはいつでもよかったんだよね。早くできるんだったら早くでもいいし、うちの周年ツアーやライヴが終わって時間が空いたときでもよかった。お互いのタイミングが合って、ライヴできる会場が取れるときみたいな感じで。
──つまり逹瑯さんとしては、是が非でもやりたかったツーマンだったんですか?
逹瑯:まず、楽しいことが好きなんで。おもしろそうじゃないですか、NIGHTMAREとのツーマンは。こっちがおもしろそうだと思ったというのもあるけど、ファンのみんなも、おもしろそうだと思ってくれそうだなと。そっちのほうが大きかった。
柩:過去にイベントでMUCCと一緒になったことはあるんですけど、ツーマンはなかったんで。しかも若いときからめっちゃカッコいいなと思っていたバンドで、そのMUCCとツーマンできるのは、俺も嬉しかったですね。
──「若いとき」ってMUCCのことを初めて知ったのは、いつぐらいだったんですか?
柩:10代でしたね。17〜18歳ぐらい。だからMUCCもかなり初期のころ。
逹瑯:1stアルバムぐらいのときかね?
柩:そう。1stミニアルバム『アンティーク』(1999年発表)とかのころ。“このMUCCというバンドは、絶対に変な人たちなんだろうな”って勝手に思ってた(笑)。いわゆるヴィジュアル系でもないなって印象は当時からあって。
逹瑯:それを言ったらさ、俺が柩と初めて会ったとき、柩は猫目の全眼カラコンしていたからね。もう、コイツは普通のヤツじゃないだろうなって思った(笑)。
柩:いやいや、勘弁してください。『アンティーク』のころのMUCCって、メンバー写真もモノクロで、メンバー全員のメイクも統一されているような、見るからに暗い雰囲気もあって。明らかに普通じゃなかった(笑)。
──普通じゃないのは、お互い様という。
逹瑯:いや、でもどのバンドもそうでしょう。普通のことをしたい人は、まずバンドやらないからね。
柩:確かに。特にこのジャンルは。
逹瑯:みんな普通じゃないものを好きになって、それでヴィジュアル系のバンドを始める感じだったから。
──はみ出してこそカッコいいところがありますからね。
逹瑯:俺らは高校生のころからそうだったけど、“みんなと違うことをやってるほうが目立つ”と思っていたんですよ。だから“今、なにが流行っているんだろう?”ってのを知ったうえで、それとは違うことをやりつつ、上手に採り入れるというのが、一番の正解だと思ってたんですよ、目立つという意味ではね。あと、自分にできることや得意なことってのを、ちゃんと分かっていた…という意味では、柩もそんな感じだったよね?
柩:他の人とかぶりたくないなってのはありましたね。俺の場合、身近な人とも、それこそメンバーともかぶりたくなかったし。
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▲逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)
──柩さんはピアスを顔中に付けているじゃないですか。それも普通じゃない、というスタンスからだったんですか?
柩:ああ、かもしれない。
逹瑯:いや、オマエはドMだからでしょ(笑)?
柩:違う違う(笑)。
逹瑯:自傷行為の延長じゃないの? メンヘラでしょ(笑)?
柩:やめろって、その言い方は、違うっつうの(笑)。言い方がおかしいだろ。普通じゃないっていうか、ちょっとした変身願望から来ているかもしれないですね。
逹瑯:ああ、変態願望?
柩:変身! ヘ・ン・シ・ンだっていうの!!
逹瑯:あははは!
柩:やっぱり他とは違うこと、普通じゃないことって考えていったら、結果、こうなっていったんですよね。
──ピアスやタトゥーなど、最初は覚悟とか勇気も必要だったんですか?
柩:う〜ん、最初は勢いでしたね。15歳ぐらいからピアスを開け始めたんで。
逹瑯:最初は耳でしょ?
柩:耳だったかな…いや、違うわ。最初が口だ。
逹瑯:えっ!? 耳じゃねえんだ?
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▲<V系って知ってる?>2022年12月27日@日本武道館【BUCK-TICK Respect Session】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)
──最初から普通じゃない。やっぱり変態ってことですか(笑)。
柩:その言い方しないで(笑)。で、2つ目が耳だったかな。
逹瑯:ファーストタトゥーは?
柩:タトゥーは腕というか、肩のあたりに。
逹瑯:どんな絵が入ってんの?
柩:普通のやつ。
逹瑯:普通のタトゥーってなんだよ(笑)? よく分かんねえって。
柩:龍。
逹瑯:おお、ドラゴンね。なんで龍にしたん? 一発目だからたぶん、すげぇ慎重になったと思うんだけど。
柩:最初にタトゥー雑誌とかカタログとかを見てたら、東京の彫師さんのカッコいい龍が載っていて。それがいいなと思ったので、その彫師さんのスタジオに行って入れてもらったんです。
逹瑯:やっぱり彫師さんによって、彫りの上手い下手もあるんだろうけど、絵の上手い下手もあるんでしょ?
柩:あるし、色のぼかし方にクセみたいなのもあるし。
逹瑯:気に入ってないタトゥーはないの?
柩:ない!
逹瑯:スゲーな。
──タトゥーは意味を持って入れる人も多いじゃないですか。
柩:自分への戒めという意味を込めて入れる人もいますね。俺も、ラクガキみたいに入れたものもあれば、そういう思いを持って入れたものもあるし。
逹瑯:戒め? そうか。じゃあ、前に酔っぱらって周りのみんなに迷惑を掛けた、その自分への戒めで入れたタトゥーというのは、どれ(笑)?
柩:そんなタトゥーないって。それに、その話はやめろ(笑)! 書けないやつだから。
──詳細が気になる。でも余計なこともいろいろ知ってそうなぐらい仲がいいんですね(笑)。
逹瑯:まあ、普通に遊び仲間だから。
柩:もう20年近く。フランクに話ができる唯一の先輩なんで、タッツーが。 ■みんなすげーことをやってきたんだなって ■自分で歌い始めて思ったから
──NIGHTMAREが一時活動を止めたときとか、ソロプロジェクトGREMLINSをスタートさせたときなど、逹瑯さんに相談もしたんですか?
柩:いや、俺からはなくて。タッツーから後で「あれはどうだったの?」とか聞いてもらうことはありましたね。
逹瑯:「自分で歌ってみてどうだったの?」とか。それぐらいの話で。
柩:やっぱ難しいですよね、歌って。上手い下手だけではどうにもならないってのが、露骨に出るパートかなと。
逹瑯:物理的に、出ねえ声は出ねえからな。
柩:そうそう。
逹瑯:ギタリスト的に言うなら、「ギター1本でなんとかしろ」って言われてる感じじゃん?
柩:そう、エフェクターもなしでね。
逹瑯:エフェクターはギリ使ってもいいけど、このギターしか弾いちゃダメだ、みたいなさ。このギターとこのアンプとこのキャビしか使っちゃいけませんって言われてる感じ。
柩:それでも、いかに表現するかっていう。やろうとしたら、やっぱすげぇ難しい。YOMIに対しても、他のバンドのボーカリストに対しても、みんなすげーことをやってきたんだなって、自分で歌い始めて思ったから。
逹瑯:しかも自分で選んで買った好きなギターじゃなくて、ずっと前から家にあったギターしか使っちゃダメだよって言われてる感じで(笑)。
柩:そうそう(笑)。理想と現実をまず思い知らされて、それでもいかに表現をしていくかって。
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▲逹瑯(MUCC)
──歌うということでは、逹瑯さんのここ数年の成長ぶりは、ライヴを観るたびに感激するんですよ。2022年からソロワークスを本格スタートさせたのも、いい効果につながっているんですか?
逹瑯:それで言うと、SATOちが抜けたタイミングで、いろいろ時間もできたので、根本的なところから見直したんですよ。まず環境を整えたかな、歌いやすい環境を。良くも悪くも、MUCC全体がスポ根みたいな感じというか、“できない理由は自分にあるんじゃないか”って思ってしまう人種の集まりで(笑)。環境を整えようって考える前に、自分に問題があるんだろって感じの脳みそを持ってる人ばかりで。SATOち脱退後にサポートドラムを入れて練習する時間が多くなったとき、まず歌う環境を見直して、歌いやすい状況を作っていく時間もあったんですよ。だから、その過程で気づきがたくさんあったかな。
──そういう経験をした逹瑯さんから、ソロではボーカルも兼任する柩さんにアドバイスもありますか?
逹瑯:GREMLINSは結成してから何年経った?
柩:今年で10年。でも全然やってない時期もあったから。ライヴはトータルで50本ぐらいかな。音源はアルバム2枚、ミニアルバム1枚、あとシングルが3〜4枚。今日もさっきまでGREMLINSのリハで歌ってて。この対談が終わってからもまた歌うんですけど、リハのときから大変な思いをしてます(笑)。
逹瑯:GREMLINSでは、全曲でギターとボーカルを?
柩:ギターはAメロだけ美月(G / TheTHIRTEEN, Sadie)が弾くとかもあるけど、ギターソロとかは基本俺が全曲で弾いてるんで。
逹瑯:そりゃ大変だわ。歌ってないところではずっとギターを弾いてるんでしょう?
柩:そう。あとサビでは、歌いながら弾いているんで。
逹瑯:そうなると水分補給する時間も隙間もないでしょ?
柩:曲の途中にはないよ。曲と曲の合間しかない。
逹瑯:そりゃキツいな。楽器をやっている人は、曲の途中にノドを湿らせるっていう考えがないんだよね。ボーカリストは、曲の途中でノドを湿らせて、一度仕切り直すってのが、実はけっこう大事だから。
柩:あっ、それやってないかも。タッツーの助言を聞いて、この後のリハ中はノドを潤します。
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▲柩(NIGHTMARE)
──歌の表現とか声の表情という面で、“こうすればいいかも”というアドバイスもあります?
逹瑯:それは好みとか歌のスタイルにもよるでしょう。K-POPとかR&Bとかが好きな人、泥臭いフォークソングが好きな人、ハードロックが好きな人、ミクスチャーが好きな人とか。それぞれによって歌い方も目指すスタイルも違うから。どのスタイルで、どういうボーカリストに憧れているかによっても、表現とか表情の付け方も違ってくると思うな。
柩:ちなみにタッツーは、細かいピッチとか気にしながら歌ってる感じ? それとも、そういうのはわりと自由にフィーリングのままで?
逹瑯:ピッチは気にするよ。今、自分がどのピッチで歌っていて、どういう声を出しているんだろうってのが、すごく分かるようなモニターの作り方を頑張ってる。自分が今、どれぐらいの声量で、どんな声を出しているのかが分からないと、それってそのまま歌のニュアンスに直結していくからさ。モニター環境も含めて、けっこう細かく煮詰めているかも。
柩:そんなところまで? 器用な人じゃないとできないパートだなって改めて思う、ボーカルは。
逹瑯:うん、そうだと思う。しかもライヴって、演奏して歌っていればいいってだけではないからさ。今、ライヴ全体がどんな空気感だとか、どういうふうに次の曲へつないでいこうとか、それはボーカルが考えなくちゃいけないから。ここで煽りを一発入れて、盛り上がったところで次だなとか。
柩:ライヴ全体を引っ張っていくというか。
逹瑯:そうそう。だから曲に没頭しつつも、どこかひとつ冷静になって、ライヴ全体の状況や空気感を見ていないとダメかもな。
柩:そこがすごいんだよな。俺、いっぱいいっぱいになるんだよ。
逹瑯:実際、難しいと思うよ。YOMIもアホなようでいて、ちゃんとやってるもんね(笑)。
柩:いや、アホだけどね(笑)。「アホなようで」ではなくて、YOMIはアホだけどやってる。この間、タッツーと飲んでいるときにもちらっと言ったんだけど、「いつかタッツーのソロとGREMLINSで一緒になにかやれたらな」って。
逹瑯:そうそう、やりたいよね。おもしろそうだから。
柩:俺も勉強になるし、絶対に。
逹瑯:勉強とかしないだろ、オマエは(笑)。
柩:いや、こう見えてすぐに刺激を受けるタイプだから、俺は(笑)。
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▲<V系って知ってる?>2022年12月27日@日本武道館【BUCK-TICK Respect Session】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)
──お互いに受ける刺激があるでしょうし。
逹瑯:NIGHTMAREとMUCCの対バンもさ、一回だけで終わらせずに、何回もやりたいよね。今回の対バンに合わせて、こういう対談で、俺と柩以外のメンバーも仲良くなっているじゃん?
柩:そうそう。RUKAさんもYUKKEさんとの対談でけっこうしゃべったみたいで。
逹瑯:RUKA君なんて、そもそも強めに引っ張り出さないと出てこないからね。
──今までは、2バンドの全員がワチャワチャ仲いいって感じでもなかったんですか?
柩:今までは個々で仲がいい、という感じでした。俺とタッツーが一番面識ある感じだったかな。
逹瑯:柩とNi〜yaとはちょこちょこ会ったりしていたけど、意外とYOMIとは遊ばなかったもんね。昔、アイジさん(LM.C)と飲むこともたまにあったから、そのへんのつながりで咲人と飲んだことがあった程度かな。RUKA君とは全然遊んだことないな。街中で偶然会って話すことがあったぐらいで。
柩:そっちのほうがレアケースだけどな(笑)。
逹瑯:「今、あそこにいました?」って突然LINEに連絡が来て、「おおっ、確かにいたよ」って(笑)。でも、結局本人とは出会わずで、どういうこと?みたいなこともあったり(笑)。
──全員がグッと急接近して絡むツーマンツアーだから、楽屋もそうだし、ステージ上でも刺激的なことしか起こらないでしょうね。
逹瑯:絶対に起こる。この前、2バンド全体の生配信番組の雑談からの流れで、ツーマンライヴのセッション企画にRUKA君が参加することになってね。RUKA君をセッションに引っ張り出せただけでも、すでにすごいと思ってる(笑)。
柩:確かに(笑)。RUKAさんは、みんなでワイワイやらなそうな人だから。それを引っ張り出したタッツーはすげえな、と横で見てて思ってたから(笑)。
逹瑯:しかも、すげえ自然な会話の流れのままセッション企画に引っ張り出すというね。
柩:さすが、全体をコントロールするボーカリスト=逹瑯だなって(笑)。やるなーと。
逹瑯:ツーマンツアーがスタートする前から、楽しそうなライヴになりそうって感じでしょ。
柩:NIGHTMAREのファンも嬉しいと思います。あんまり見たことのないRUKAさんの姿を目撃できることになるから。引っ張り出したタッツーに対して、NIGHTMAREのファンみんな、すごく感謝すると思います。
逹瑯:それは嬉しい。それにRUKA君の笑顔を取り戻してあげないと。
柩:いやいや、笑顔はあるよ(笑)。笑顔がない人ってことじゃないから。
■SATOちを知らないお客さんを ■もっと増やさなきゃいけない
──NIGHTMAREもMUCCも、20年以上の活動の歴史を積み重ねています。それぞれの現在の立ち位置から過去の自分たちを振り返ると、どう映りますか?
逹瑯:柩ってNIGHTMAREの前にバンドやってたの?
柩:ちゃんとしたバンド活動はやってない。
逹瑯:初バンドか。じゃあ俺と一緒だね。
柩:でも、セッション的にコピーバンドみたいなのはやったことあるけどね。
逹瑯:オリジナル曲をやるバンドは、NIGHTMAREが初めてでしょう? 俺もMUCCが初めてだから。ミヤさんはその前にバンドやっていて、YUKKEさんもちょこっとセッションバンド的なことをやってた。SATOちも前のバンドあったし。それで質問の答えだけど、この間、ボーッと振り返るような時間があったんですよ。バンドをやっていないプライベートの友達とか同じ歳の地元の仲間とかって、社会的にけっこう偉い立場や役職に就いてたりするんですよね。で、ヴィジュアル系バンド全体を一個の会社として考えたら、我々の役職はなんだろう?ってさ(笑)。
柩:すごい考え方するな。
逹瑯:いろんなパターンを考えていったとき、うちらはたぶん、会社で言ったら社長クラスだと思うよ。
柩:えっ!? うちら社長なの?
逹瑯:いやいや、先輩方はいっぱいいるんだよ。だけど、あの人たちは会社で言ったら会長クラスだから。たぶん我々世代が“株式会社ヴィジュアル系”で言ったら、いろんなところの支社長とか社長クラスなんだよ。
柩:まじ!? そんな話をされるとちょっと責任感が……(笑)。
逹瑯:ちょっと姿勢が変わってくるよね(笑)。
柩:うん、変わってくる。好き勝手やってるのもどうなのかな?って話になるし、でも好き勝手やりたいし。
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▲MUCC
逹瑯:そう。でも業界全体で考えたら、我々は社長クラスになってる世代だし、意識してそうなっていなきゃいけないんだろうなって。そう考えたら、けっこう痺れたよー(笑)。
柩:そっかー、たしかに世代的にはそうかもな。自分たちがバンドを始めたころ、今の俺らの年齢の人たちって、すごい年上の方々、という印象だったもんね。
逹瑯:うちらがバンド活動をかじるか、かじらないかぐらいの10代のころに、第一線ですでにバカ売れしていた先輩たちは、ヴィジュアル系会社を設立した人たちだよ。会社の創設者ってことだね。それから何年も経って、我々は今、もう何代目って感じだろうけどさ。そういう立ち位置になってくると、今度は下の世代に対して、会社をよりいい状態にしていかなきゃいけないじゃん。
柩:そうだね。次の世代へ受け継いでいってもらうために。
逹瑯:そうそう。そうなっていくことが、我々世代が会長クラスとかになったときの住みやすさにもつながっていくからさ(笑)。
柩:あははは。すごいこと言うね(笑)。
逹瑯:だから自分たちのことばかり考えていてもいられねえんだろうなって。
柩:そうだよね。俺ら世代が刺激していかなきゃいけない。
逹瑯:そういう意味で言うと、NIGHTMAREとMUCCのツーマンツアーは、そういうことのひとつの要因になったらいいな、とは思うよ。
柩:確かに。直接的な後輩バンドたちもそうだけど、面識のないバンドマンとかにも観に来てもらいたいな。特に年下の頑張っているバンドマンたちに。
──単なるツーマンツアーではなく、シーン全体を活性化させるツアーにするという意気込みですか?
逹瑯:うん、そうなったらいい。
柩:ファンも、もうお母さんになっている世代が多いので、ライヴ離れしていった人たちもやっぱりいて。
逹瑯:子育てに忙しくて、ライヴに来れないって方もやっぱり多いからね。
柩:子育てしつつ仕事もしつつ、日々忙しくて、仕方なくライヴから離れてしまった方々がね。でも今回のツーマンツアーだけはちょっと観てみたいって、そういう方々も刺激したいですよね。青春を思い出してもらいたい。我々が活動をスタートさせたころにライヴハウスに来てくれてた高校生とかが、あの当時の気持ちになれるように。
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▲NIGHTMARE
──でもMUCCもNIGHTMAREも、ライヴにけっこう若い世代もいますよね? この前、MUCCの野音ワンマンに行ったら、周りは若い子ばっかりで熱かったですから。
逹瑯:いいですね。ここ最近、ずっと思っていることがあるんですよ。全体の活性化もそうだけど、俺が今MUCCに関して思っていることを言うと、“SATOちさんのいた時代のMUCCを観てみたかった”という世代をもっと増やさなきゃいけないと思っていて。SATOちを知らないお客さんが増えないと。
柩:それだけ若い世代が来てるっていうことか。
逹瑯:そうそう。「SATOちがいなくて寂しい」って言ってる方ばかりでは、まだ新しい世代に向けてアピールできていないなって。今、MUCCの現場を手伝ってくれる若いスタッフが2人いるんだけど、彼らはSATOちの時代を知らないからさ。“今、一緒にものを作っているスタッフの中に、SATOちを知らない若い子がいるのか。すごいな”と思ってさ。
柩:SATOちさんって何年前でしたっけ?
逹瑯:えっ、死んだの(笑)?
柩:死んでないし(笑)。なんでSATOちさんを殺すの。
逹瑯:今、SATOちはムキムキだからね(笑)。
──パーソナルトレーナーとして生命力に溢れる体つきですから。
逹瑯:ほんとにそう。SATOちが脱退したのは、もう2年ちょい前か。
柩:衝撃だったもん、脱退。めっちゃ寂しい、と思って。
逹瑯:NIGHTMAREはそういう時期なかったの? 例えば誰かがしんどそうだな、とか。柩はしんどいと思ってた時期ないの? NIGHTMAREがバーンと売れ出したたとき、スケジュール的にもしんどかったとか。
柩:確かにしんどかったけど、“これが当たり前で、こういうもんだ”と思ってやっていたからね。俺は飼い慣らされてた(笑)。
逹瑯:よく言うよ(笑)。そのへんはメンバーみんなの地元が一緒というのもデカいかもね。
柩:そうそう。MUCCもメンバー全員、地元が一緒でしょ。地元が一緒で、みんなでこっちに出てきたっていう絆的なものがあるよね。
逹瑯:NIGHTMAREのメンバーは、通ってた学校も一緒なの?
柩:いや、別。俺とRUKAさんとは同じ高校だったけど、通っていた時期はかぶってないよ。
逹瑯:3つぐらい違うの?
柩:ううん、2つだけど…かぶってないってこと(笑)。
逹瑯:ああ、学校を辞めてるってことだね。で、どっちが?
柩:そこまで言わせるのか…どっちもだよ(笑)!
逹瑯:本来ならかぶってたはずなのに、やめてたからかぶらずと(笑)。で、高校を?
柩:中学を辞めるって無理でしょ(笑)。そんなの茨城でも無理でしょ。
逹瑯:高校が別なのに、よくRUKAさん以外は同じ歳のメンバーが集まったよね。
柩:友達を通して、それぞれ知り合っていったんだよね。
逹瑯:地元が一緒だと、メンバー間でバンド以外の共通項も持ってるわけじゃん。それがすごくいいなと思う、やってて。
柩:昔話も普通にできるから。
逹瑯:そう。昔からのツレが、メンバー間で一緒だったりするし。
柩:それで言うと、俺からしたらタッツーは先輩だけど、10代からの知り合いだし、地元のツレに近いものを勝手に感じている。
逹瑯:MUCCが仙台に行き始めたのも早かったしな。
柩:そう。昔からタッツーはあんま変わんないもん。ズケズケとモノを言う感じとか(笑)。
■一緒にものを作っていくときに ■ひとつのムーブメントって生まれる
──そういう近しい間柄だと、たとえば、ちょっとした行き詰まりを感じたり悩んだりしたとき、少し話しただけで力の出る言葉を掛けてくれたりとか?
柩:うん、まさにそう。
逹瑯:でも、柩はあまり悩むことなさそうだよな。
柩:いや、あるよ。なに、その勝手な決めつけは(笑)。
逹瑯:自分で解決してそうだから。
柩:ああ。いや、けっこう悩んだり、ストレス溜まったりするタイプなんだよ。
逹瑯:ほんと? いろんなタイプがいるじゃん。DEZERTのSORAとかアルルカンの暁とかは、一生悩んでそうなタイプじゃん。
柩:ああ。俺はそういう感じでもないかな。
逹瑯:人種的にそうじゃないじゃん。あと、メリーのガラは悩んでるとかじゃなくて、誰かに愚痴を聞いてほしいだけだからさ。悩みとかじゃなくて、ただぼやきたいだけでさ、一生(笑)。
柩:ひどいな、言ってることが(笑)。ガラさんはめちゃくちゃ優しいよ。
逹瑯:俺は悩み事がないわけじゃないけど、人に話して解決するような感じでもねえし。
柩:タッツーは人からアドバイスもらって悩みを解決するような人じゃない気がするな。
逹瑯:うん、人に話して解決するようなことだったら、自分で解決できるし。自分で解決できるんだったら、人に話したところで解決できない感じ。
柩:分かる。俺は溜め込んじゃう時期があるんだよな。
逹瑯:俺は���め込まないんだよ。忘れちゃうんだよね(笑)。とりあえず目に付かないところに置いとくと、そのまま忘れちゃう。で、賞味期限が切れてる。もう、いいかって。
柩:その考え方、ちょっといいかもしれない。
──逹瑯さんは常に前向きだってことですね。
柩:うん。前向きなほうがいいですよ、基本的には。
逹瑯:それに、たいがいのことは時間が経てば解決しているからね。だってさ、20代のころに抱えていたような悩みは、今となってはどうでもよくない(笑)? それって時間が経てば解決したってことでさ。
柩:どうでもいいし、当時の悩みも覚えてないもん。
逹瑯:でしょ? そんなもんなんだよ。その程度の悩みしかない人生を送れているのは、幸せなことだよね。
柩:確かに。いろんな事情があって、ずーっと同じ悩みを抱えている人もいるから。
逹瑯:我々は好きなことやれているし、少数精鋭のクリエイティヴなスタッフに囲まれているから、まず、職場の人間関係で悩むことがほぼないじゃん。たいがいの人の悩みって、職場の人間関係だったりするでしょう。そこに関して我々は経験したことがないから、なんの助言もできないよね。相談されても綺麗事しか言えないと思う。
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──“株式会社ヴィジュアル系”の社長として、これから若いバンドマンたちに頼りにされる場面も多くなりそうですよ。
逹瑯:むしろ、うちらが力を貸してほしい気がしてるんだよね。“なにかイベントやろうぜ” “フェスやろうぜ”ってときに、“出てくれ”とか“一緒にやってくれ”とかさ。誘われるほうも出させてもらったというよりも、一緒に作りましょうってスタンスのほうが、絶対に楽しいよ。
柩:変な遠慮はしないでくれっていう。
逹瑯:うん。一緒にものを作っていくときに、ひとつのムーブメントって生まれると思う。それは一人の力ではどうにもならないからさ。ムーブメントを作っていくとき、力を合わせるのが必要だと思う。
柩:タッツー主導でフェスやってよ。
逹瑯:やりたいと思うんだけど、やるんだったら、継続して毎年もやらないと意味がないと思ってるんだよね。一発で終わっちゃったら、ただのイベントだから。継続して毎年やることで、ひとつの文化やコミュニティになっていくわけじゃん。だからやるとなったとき、相当な覚悟が必要だと思ってる。
柩:MUCCがやるときは呼んでほしいです。
逹瑯:絶対に呼ぶんじゃないかな、うん。
柩:うちのボーカルの弟のバンドとかも。
逹瑯:YOMIの弟…?
柩:YOMIの弟が、仙台貨物ってバンドをやってるんで。
逹瑯:あっ、あれ弟なんだ!? 俺は同じ人かと思ってた(笑)。
柩:いや、別人です!
逹瑯:じゃあ、スリーマンしよう(笑)。MUCCがトップバッターやるから。
柩:その順番はどうなの(笑)? 仙台貨物とNIGHTMAREが続いちゃうんだよね。ちょっといろいろ相談をしないといけないかも(笑)。
──仙台貨物のフルフェイスさんにも話を通さないとマズいですよね、きっと(笑)。
柩:あ、ギターの人ですか? 僕は全く面識ないんですけどね(笑)。
逹瑯:あ、そう来る(笑)? メンバーさんに“本当はこんなバンドやりたくないんだよな”と思ってる人はいないんかね?
柩:いや〜、いないんじゃないかな。まっ、そういう時期もあったかもしれないけど(笑)。
逹瑯:俺、ずっとベースの人はオウチンチン(王珍々)…おちんちんかと思ってた。そしたらワン・チェンチェンなんだよな。
柩:ああ、そうらしいですね。俺もちょっとあんまり詳しくないんで(笑)。株式会社ヴィジュアル系の話に戻るけど、社長という立場にいるって自覚しなきゃいけないのであれば、俺らも今後はイベントとかいろいろやっていきたいし。
逹瑯:いや〜、でもNIGHTMAREは友達が少ねぇからな。
柩:だからそれ言うの、やめてもらっていい(笑)? 俺ら田舎から出てきてますから。
逹瑯:いや、うちらも田舎から出てきてんだよ(笑)。
柩:でも茨城のほうが東京に近いし。
逹瑯:若干ね(笑)。ところで普��、なにして遊んでんの?
柩:遊ぶ……たとえば2週間ぐらい休みがあったら、夏ならダイビングとか。沖縄はやっぱ綺麗。
逹瑯:本島より離島がいいんでしょう? 沖縄のバンドマンに言わせると、「沖縄本島はこれでも汚くなったんですよ」ってことだからね。全然綺麗なのに。
柩:すごく綺麗だよね。あとサクッとダイビングに行くときは伊豆とか。
逹瑯:大島とか新島とか、あっちのほうも良さそうだよね。俺、今年は秋口ぐらいにキャンプに手を出してみようかと思ってて。
柩:ちょっとそれ、俺も行きたい! 去年、初めて行ったんだけど。
逹瑯:テントとか持ってんの?
柩:寝るときはバンガローだった。
逹瑯:それキャンプじゃねえーし! バカ野郎!! 自分で建てろ、寝るところは。テントと寝袋だよ。だから、ちょっとずつキャンプ用品を揃えていこうと思ってて。
柩:行くなら9月?
逹瑯:10月後半ぐらいから狙えたらなと思ってる。
──ツーマンツアーの打ち上げは、キャンプ場に決まった感じですか?
柩:しますか、2人打ち上げをキャンプ場で(笑)。
逹瑯:キャンプ部結成だな。YUKKEさんが部長で。
柩:あっ、それ最高です。
──最高なキャンプの前に、大事なのがツーマンツアーですよ。
柩:そうですよね。ステージ上だけじゃなくて、フロアのみんなも、我々と同じようにテンション上げて盛り上がってほしいですね。別々のバンドのファンの子が一ヵ所に集まるわけだけど、ギクシャクしないでほしいっていうか(笑)。仲良く盛り上がってほしい。
逹瑯:そこに関してはうちらよりフロアのほうが慣れてるでしょう。ファンのみんなは、いろんなライヴに行ってるだろうから、経験値も高いよ。
──そんなオーディエンスのみなさんに、最後に言葉をいただけたらと思います。
逹瑯:なんも深く考えずに、遊びに来て楽しんでもらうだけでいいので。いい意味でライトな気持ちで遊びに来てもらえばいいと思っています。
柩:構えないで来てほしいね。お互いのバンドの曲は、事前にある程度は聴いてきてほしいですけど。
逹瑯:ある程度? 難しいよ、300曲以上はあるからね(笑)。
柩:じゃあ、ちょこっとでも、最新曲とかだけでも(笑)。まあ、夏の思い出を作るぐらいに、夏祭りに行くような感じで来てもらえればなと思います。自分も構えるというよりは、ライヴ当日を楽しく迎えたいと思ってます。
取材・文◎長谷川幸信 撮影◎冨田味我(MUCC LIVE)/菅沼剛弘(NIGHTMARE LIVE)
13.08.2023 quelle: barks.jp
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どこかにビューーン! at 北上・横手
「どこかにビューーン!」を利用し、北上⇒横手⇒盛岡⇒花巻を旅してみた、パート1。
JR東日本管内の新幹線駅 どこかへ所定のJREポイントで往復できるお得なサービス 「どこかにビューーン!」 を利用してみました。私が選ばれた目的地は。。。東北新幹線 北上駅。1泊2日旅、さて何をしようか。 桜シーズンであれば北上展勝地が有名ですが、まだちょっと早い。そこで車窓から錦秋湖をはじめとした景色が楽しめそうな北上線で、一路 横手を目指してみた。
新幹線を降り立った3月中旬の北上は、ひんやりした空気が心地よい気候、折角なので北上川にかかる珊瑚橋までお散歩。橋の上から雪化粧の山脈をバックに北上川の豊かな流れを拝む。もう1月弱あとであれば、川辺の遊歩道は桜で埋め尽くされるらしい(なぜこの季節に来てしまったのだろうか)。
駅に戻り、北上線へ乗車、1時間ののんびり旅。ほとんど雪を見なかった北上市街地とは打って変わり、徐々に雪深い世界へ。東北の山間部の春はもう少し先みたいね。ロングシートの真ん中で周りに配慮しながらあまりきれいとは言えない窓越しの写真撮影は辛く、早々にあきらめ純粋に景色を楽しみました。
列車は横手駅に到着。横手といえば、かまくら ですが、これもまたちょっとシーズン外していまして。。。とりあえず横手城公園まで足を延ばしてみる。お城までの道中、一見 除雪されているようにみえ、角を曲がると突然深い雪のエリアというトラップが数か所。。。多少の雪は期待(覚悟)していましたが、10cm以上には対応できず、靴の中へ浸水。
何とかたどり着いた小高い丘の上の広場からは、雪をかぶった鳥海山の絶景が。どんよりとした曇り空も相まってなんとも言えない幻想的な光景が広がっていました、雪の女王とかが住んでいそう。最近「絶景」というワードを安易に使いすぎている気がしなくもないですが、これは最近で一番のものかと。思わず声がこぼれました。
この日のお昼は、B級グルメ 横手焼きそばをいただきました。とろとろ黄身を甘めのソースの焼きそばに絡めて、相性ばっちり。適当に街ぶらしていたところ、程よい時間に。この日の宿泊地 盛岡へ奥羽本線・田沢湖線経由で向かいます。
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iamactuallybeinghere · 2 months
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#00005:
この間の日曜日。
午後14時ごろ、2週間前に受けていた性病検査の結果を、彼氏と一緒に取りに行った。
結果は、すべて陰性。彼氏も同じだった。
その後は、おやつなど、食料品を買いにスーパーに寄ってから彼の部屋に戻った。
おやつを食べたりくつろいだりした後、眠くなってきたから布団に入った(眠くなることを踏んで、彼氏が自分のために、帰宅後すぐ布団の準備を整えてくれていた)。しばらくすると、(自分を寝かしつける、という名目で)彼氏も隣に潜り込んできた。すると、彼氏のほうもだんだんと、眠りにおちていった。
⋆⋆⋆
1時間半後。思っていたよりも早く目が覚めた。すると彼氏のほうも起きて、しばらくしてから一緒に夕飯の準備が始まった。
この日は、鶏むね肉・なす・ピーマンを味噌ベースのたれと炒めたものを作った。今回は、彼氏が野菜のカットと味付け関連の作業をやって、それ以外は自分が担当。彼氏曰く、彼がひとりで作った料理よりも、自分と一緒に作った料理のほうがおいしいらしい。単純に、自分のほうが丁寧に食材を炒めるから......というところもあるようだけど、それだけじゃない、作った人の気持ちがあらわれている......ということを彼はよく話している。不思議だけど確かに、自分も、彼と一緒に作った料理はおいしいと思う。それにしても、彼の、おいしいものを食べたときの悶絶具合はやばい。料理のおいしさを噛み��めていまにもとろけそうな、「おいしぃ......🫠😖🥹」と言わんばかりの顔をしている。そういうときは大体、顔が少し赤くなっていて、かわいい。興奮が頂点に達すると、その顔のまま「いやぁ......作ってくれてありがとうございます!!」と、握手をしてくる。彼は、これまでアプリ経由で出会った人の中で一番(といっても、余裕で片手で数えられる程度の人数だけど)、反応が分かりやすいというか、クールに努めようとしても、気持ちが溢れ出てしまっている感じがする。自分はそれがすごい好きだし、ぜひ、これからもそのままでいってください......という感じだ。
そうそう、この日は、21時からYUKIのニューアルバム『SLITS』のリリース記念スタジオライブ配信の再公開があった。それを観たりしながら、食後は再びくつろぎタイムに。そんなこんなで、お風呂に入ったのは23時過ぎになってしまった。
彼氏と出会ってから1か月半、一緒にお風呂場に入ったとしてもシャワーで済ませてしまうことがほとんどだった。けれど今回は、ふたりで賃貸の狭い湯船にぎゅうぎゅうになりながらお湯に浸かった。こうしてバスタイムを過ごしたのは、初めて彼の家に泊まった時以来のような気がする。あのときは、のぼせそうになってもそのまま一緒に浸かっていて、お風呂から出たあとはふたりしてぐったりしてしまったような......笑。この日も、すぐに身体があつくなってしまった(さすがにのぼせる前に湯船から出たけど...)。お風呂から出たあとは髪を乾かしたりお茶を飲んだり、涼んだりしながら、またまただら~っと過ごした。
⋆⋆⋆
そうしてる間に、1時。ここから、イチャイチャタイムに突入。検査の結果がわかり、これで満を持してがっつりセックスができる...! というような感じで、彼氏の夢である「好きな人と"合体"(※彼の表現)すること」を、実行に移した。自分はほとんどセックスの経験がないから、自分がタチだかウケだか分からない状態だった(タチウケの意味が分からない人はググって)。そんな自分に対し、彼氏はこの1か月半の間に自分のタチ的要素を嗅ぎ取り、ここでも当たり前のように自分がタチをすることになった。これが自分のタチデビュー......と言いたいところだけど、実は1週間前にフライングで挿入していて......(自分は3か月くらいセックスをしてないし、彼氏は1年くらいご無沙汰だということで、検査結果は出ていないけれど大丈夫だろう......ということでヤる流れになった。勝手がつかめなくて射精することはできなかったけど、彼はとても気持ちよさそうに、うれしそうにしていた。結果を待たずしてヤるのは、ほかの人にはおすすめできないことだけど......ヤるとしたら、双方の同意のもと、それなりの覚悟を持ってヤる必要があると思う)。だから、2回目のタチだった。この時点で、自分の経験の割合は
 タチ:ウケ=2:1
になったわけだから、言うなればタチ寄りリバ(意味が分からない人はググってその②)......ということになるのかもしれない。自分はそれほどアナルセックスに対する執着はないし(少なくとも忌避感はない)、タチウケのこだわりもあまりないような気がするから、たぶんリバなんだろう。挿入中、彼に抱きついていると、ただでさえおねむな時間帯なのに、余計におやすみモードになってしまって......腰を動かしたいのに上手く動かなくて、結局今回も射精には至らなかった。このとき彼は「(また)勝手に自分だけ盛り上がっちゃった」と案じていたけど、実際のところ、彼の体温が心地良くて、自分は眠気を誘われてしまった......というだけだった。自分は完全に睡眠モードに入ろうとしていたから、この温度差を心配する彼を慰めたりはできなかったけど......。
そんな具合で、眠気に呑まれそうになりながら再度身体を洗い、就寝。
⋆⋆⋆
月曜(22日)、朝8時ごろ。彼と自分は同じくらいに目覚めて、しばらくイチャイチャしていた。その流れで、また、「合体」することに。(自分から希望した。なんだか、今度は射精できそうな感じがしたから......。)
合体中は......やっぱり、彼はものすごく「僕は...僕は、これを渇望していました」と言わんばかりの瞳の輝きを持って、幸せそうな顔をしながら悶絶していた。挿れただけでこの顔になるんだから、本当に、彼はこれを望んでいたんだろうな、と思う。そして、腰を動かしてみる。最初は、彼の負担にならないように......ということばかり考えていたけれど、自分が気持ちいいと思えるようにヤることを考え始めたら、割とすぐ、気持ちいいポイントが見つかった。そして、しばらく腰を動かしていくと、やっぱり......自分の予感は間違っておらず、イケそうな感触がしてきた。そうして、間にキスを挟んだりしつつ、さらに腰を動かして......やっぱり、なんか、気持ちいい。そして.........射精。
自分は、静かに、じわじわと......うれしかった。彼氏のほうはというと......もう、とろけまくっている様子だった。自分はそれを見て、もっとうれしくなった。彼からは、「変かもしれないけど......結婚して!って感じ😣」と言われてしまった。
そうしてシャワーを浴びた後、鏡に写った自分の顔は、心なしかさわやかで、凛としていた気がした。
⋆⋆⋆
この日はバイトがあった。ということで、(少々慌ただしかったものの)自分は彼に準備してもらった朝食を食べてから、一旦自宅へ帰り、バイトへ向かう支度をした。彼の住むアパートの門を出ると、まさに真夏!という感じの強い日差し、鬱陶しい空気に包まれて......それからは汗をダラダラと流しながら帰宅したはずなのに、しばらくずっと、自分の背中に軽やかな羽根がついたみたいな、すぐにでも飛び立てるような感覚が身体から離れなかった。
ここから、自分たちはどうなっていくんだろう。
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[2024_07_24]
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elle-p · 11 months
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P3 Club Book Ken Amada short story scan and transcription.
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天田乾子供化計画
「別にいいじゃないですか!順平さんには関係ないでしょ!?」
ここは月光館学園の施設、綾戸台分寮の1階。カウンターの方角から聞こえてきた大きな声に、ラウンジでくつろいでいた面々が、何ごとかと目を向けた。声の主は、月光館学園初等部の天田乾。そのそばでは順平が、にやにやと意地の悪い笑みを見せている。
「いーや、関係あるね。いいか、天田。まだまだ子供のお前が、大人ぶりたい気持ちはよぉーっくわかる。オレだって覚えがある」
「別に大人ぶってるわけじゃ······!」
「まあ、聞けって。子供時代にちゃんと子供であることを十分に楽しめないと、やっぱ人間ってのは歪んじまうんだよ」
「······順平さんみたいにですか?」
「うぐっ、そ、そういうとこがガキらしくねえってんだよっ!」
どうやら、いつも大人びた天田の態度に対し、これまたいつものごとく順平が何かいちゃもんをつけているらしい。
「そもそも、順平さんの方が子供っぽすぎだと僕は思いますけどね。真田さんや美鶴さんの落ち着きを見習うべきなんじゃないかなあ?」
「オレはいいんだよ、オレは。つーかな、オレはホントに心配なんだよ······」
「心配?」
いつになく真面目な口調の順平に、不機嫌そうに顔を背けていた天田も、ようやく聞く気になったのか口調を和らげた。
「······どういうことです?」
「いや、お前さ、いつも学校終わってから寄り道もしないですぐ帰ってくるし、どこか出かけたと思ったらひとりで神社に行ってるていうじゃんか。フツーお前くらいの年だと、やっぱ友達と遊びまわったりとかするもんだろ?さすがに心配になってくるって」
「それは······」
順平の心配には、天田自身にも心当たりがあった。確かに、いまの彼には我を忘れて級友と遊ぶような、心の余裕はない。それは、亡き母に対して誓った、悲願を現実のものにするためのストイックな覚悟ゆえ。しかし、それを順平に教えるわけにはいかない。だから。
「別に、心配してもらわなくても平気です」
天田は、そう言うしかない。だが、それでも順平は諦めなかった。
「いかん。いかんよ、キミ!」
「な、なんですか」
「まったく、大人ぶってるくせに、そういうところはガキっぽいんだからな~」
かちん。
その言葉が、天田の心の中の何かを刺激する。
「······わかりました。別に子供っぽいと言われたからって訳じゃないですよ。それに、子供らしくないって言われたって平気ですし。それこそ、その程度でムキになるほど子供じゃないですから。でも、そこまで順平さんが言うなら、歳相応に見えるようやってみますよ。で、いったい僕は何をやればいいんですか?」
つい勢いで、順平に啖呵を切る天田。ラウンジの方では、ゆかりが「あーゆうとこ十分子供らしいよね?」と小声で言い、風花を始めとした面々もうんうんと肯定するが、そのやり取りは天田と順平のもとまでは届かない。 そして。
「よっし!よく言った!」
順平はそう大声を張り上げ、すっくと席を立つ。その顔には、しめた、といった感じの表情が浮かんでいた。ぞわり、と不吉な予感が、天田の背筋をかけのぼる。
「ちょ、ちょっと待······」
「男に二言は、ねえよなあ?」
「うぐっ」
引き返すには、やや遅すぎた。そして天田の予感は、最悪の形で的中していたのだ。
「で······何なんですか、これは!」
「くっくっく、よく似合うぜ~」
ラウンジの真ん中で、天田はすっかりさらし者になっていた。子供らしさはまず形から。そう主張する順平に言われるまま、天田は服を着替えさせられていた。真っ白なランニングシャツに、ちょっと古くなったデザインの半ズボン、頭には麦藁帽子という、昔懐かしの田舎の子ファッションである。どういうわけか、虫取り網に膝小僧のバンソウコという、オプションまでもがちゃっかり用意されていた。
「いや、実はこないだちょろっと実家に帰ったときにさ、オレが昔着てた服が大量に掘り出されてな。天田に着せたらどうなるかなー、とか思ってたもんで」
「要は······順平さんの暇つぶしなんですね? はぁ······満足ですか?じゃ、脱ぎますね」
それこそ子供らしくない深い溜め息をついて、天田はもとの服に着替えようと踵を返した。だが、その両腕をぐっと引き止める者がいた。
「しつこいですよ、順平さ······って、ゆかりさん?風花さん?え?」
引き止める手の主は、意外な人物。ゆかりと風花のふたりだった。何かをぐっとガマンしているかのような、やや紅潮した顔で、ふたりは声をハモらせて絶叫に近い声を出した。
「かわいいっ!!」
「え?え、えっ?」
予想外のリアクションに、天田はすっかり言葉を失っている。だが、盛り上がった女子ふたりのテンションは、間断なく上がり続ける。
「次、これ!これ着てみて!ちょっとストリート風のやつ!」
「ううん、こっちが似合うよ、ゆかりちゃん!ほらお坊ちゃんって感じのブレザー!」
「いえ、あのおふたりとも、落ち着」
「いやーん、何このピンクのベスト!順平、子供の頃こんなの着てたの?もったいない!天田くんに着てもらわないとっ!」
「ゆかりちゃん、ほら!黒のハイソックス、ハイソックス!これは外せないよっ!」
「わ、わ!勝手に脱がせないでくだ」
「た、岳羽······この袖が長めのハイネックなども捨てがたいと思うのだが······」
いつの間にか、美鶴までもが参加していた。
「まったく······ 女性というものは、幾つになっても着せ替え人形が好きなんだな」
「え······ええっ!?」
よりによって、憧れの真田にお人形さん扱いされ、天田の心に絶望感が押し寄せる。だが、脱力するにはタイミングが悪かった。抵抗が弱まった天田に、女性陣がこれ幸いにと群がって、あれこれと服を合わせ始めたのだ。
さすがに天田の人格を考慮してか、下まで脱がされることはなかったものの、次から次へと服を着せられ脱がされて、天田の心にもういいやという諦めの感情が芽生えかけたそのとき。
「ちょ、ちょっと待っててね」
風花がそう言うと、もの凄い勢いで上階への階段へ向かって走り去った。思考能力が鈍った天田が、ここで危険を察知し得なかったのは、一世一代の不覚だったと言えよう。やがてさほど時間を空けずに戻ってきた風花は、いくつかの紙袋を抱えていた。
「こ、これ!これ着てみてっ!!」
そこでようやく、鈍りきった天田の頭の歯車がカチリとはまった。
風花は女性→風花が服を持ってきた→持ってる服はおそらく女物→その服を着せられようとしている→自分は立派な男の子☆
神経回路がそれだけの情報を伝達し、最悪の事態を避けるために手足を動かす信号が発されようとしたときは、既に事態は終了していた。
「か、か、かわいいっ!!」
「うわ······めちゃくちゃ似合う······」
「あ、天田······写真を撮ってもいいだろうか?」
ややロリータ風味が入った、薄いブルーのブラウスと、それに色を合わせたフレアスカート。腰の部分には大きなリボンが添えられ、裾や袖などいたるところにフリルがあしらわれた、可愛いとしか形容できないドレスであった。
「ほぉ······」
「うわ、マジかよ?」
「山岸······やるな」
どうやら男性陣にも、かなり受けがいいようだが、それは何ら慰めにはならない。そして、無言でプルプルと震えるばかりの天田に、アイギスのひと言がトドメを刺した。
「大変、お似合いであります」
「うわあああああああああんっ!!」
見事な逃げっぷりだった。残像すら見えるかという勢いで、天田は2階の自室へと逃げ出したのだ。不覚にも、目には涙が浮かんでいた。
「あ······やば」
「ちょっと、調子に乗りすぎたかな?」
天田の慟哭に正気を取り戻したゆかりと風花を始めとして、そこにいる全員がやりすぎたという表情を見合わせるが、それは後の祭りである。たまだ、この事態の元凶である順平ひとりだけが、いまだに腹を抱えて笑っていた。
「ちょっと、順平。そんなに笑っちゃ悪いよ」
「くっくっくっく······。これが笑わずにいられるかっての。あの天田が泣いて逃げ出したんだぜ?いやー、あいつの子供らしいところが見れて、お兄さんちょっと安心したぜ」
「ホント、大人げないヤツ······知らないからね、天田くんに仕返しされても」
「ま、子供の仕返しなんざタカが知れてるから大丈夫だって。むしろ、オレにイタズラ仕掛けるくらいになれば、アイツも歳相応で余計に安心ってことなんじゃねえの?」
「そう······かなあ?」
周囲の心配をよそに、順平はまったく悪びれたそぶりはなく、むしろ善行を施したと信じている様子である。だが、順平は甘く見ていた。母の復響を胸に生きる小学生が、本気になったらどれほど恐ろしいことになるか、彼はまったく知らなかったのである。
「······っんだ、こりゃああああ!?」
翌朝、寮の中に順平の絶叫がこだました。あまりの悲痛な叫びに、すでに朝の準備を終わらせていた寮生たちが、いったい何ごとかと順平の部屋の前に集合する。
「順平?開けるぞ?」
代表してドアを開ける真田。散らかりきった順平の部屋が、彼らの前にあらわになる。そして、そこに皆が見た物はー。
色とりどりのペンで、顔中に落書きをされた順平の情けない姿であった。一瞬にして、全員が昨日の天田の悔しそうな泣き顔を思い出す。
「ぷぷっ!れさっそく仕返しされてんの!」
真っ先にゆかりが噴き出した。
「笑ってんじゃねーよ!これ、洒落になんねえぞ ······アイツ、全部油性で書きやがった」
拭いても拭いても落ちない落書きに、順平は心底弱りきった声を上げる。落書きの内容も、へたれ、根性なし、変質者、禁治産者、 などなど小学生としては高レベルなボキャブラリーを駆使している。トレードマークのアゴひげの部分には、矢印でポイントされた上に「カビ」とか書かれていた。センスもなかなかである。
「くっくっく、子供の仕返しはタカが知れてるんじゃなかったっけ?あんたさ、昨夜ひとりだけ天田くんに謝りに行かなかったでしょ?言わんこっちゃない」
「っくしょ〜!天田!天田はどこだ!」
「もう、 とっくに登校したわよ。あ、そうだ。もういい時間じゃない。アホの順平に構ってるヒマないわ。行こ、風花」
その言葉を合図にしたように、皆はそれぞれ登校するために散っていった。順平ひとりが自室に残り、天田に対する恨み言を呟きながら、ごしごしと必死に顔をこすっている。
「あの野郎······放課後に折檻してやるっ!」
逆恨み風味で、そう宣言する順平であったが、その言葉は実行されることがなかった。そう、本番はそれからだったのだ。
「だ、だいじょぶ順平?何が魂抜けてるよ?」
昼休み---ゆかりの心配そうな言葉どおり、順平はすっかり憔悴しきっていた。朝の騒ぎのあと、天田が仕掛けたさまざまなトラップが、連続で順平に襲い掛かったのだ。
まず、服を着てカバンを持ち上げようとしたら、机に接着剤で固定されていた。寮を出ようと靴を履いたら、靴先にマヨネーズが詰められていた。駅に着いたら、遺失物の掲示板に「パンツ 伊織順平様」と書かれ、道行く女生徒やOLが笑いを噛み殺していた。学校に着いて上靴に履き替えたら、今度はケチャップが詰められており、シャーペンには芯に見せかけた針金がつめられ、消しゴムにはシャーペンの芯が仕込まれ、教科書を開くと中に挟まれたエッチな写真が落ち、体操着はしゃがむと尻が破れるような細工がされていた。トドメについ先ほど、別クラスの顔も知らない女生徒から、「あのさ、こういうキモイ手紙やめてくれる?マジ迷惑なんだけど」と、 まったく出した覚えのなラブレターに関して、クラスメイトの目の前でなじられ、ついに順平は根を上げた。
「もう······オレ駄目······死にてえ」
ちょっとだけ、その子がチドリに似ていたのも、順平の落ち込みに拍車をかけていた。と、そのときだった。
「あの······伊織先輩、いますか?」
教室前方の入り口から、仕掛け人の天田本人が姿を現わしたのだ。
「あ、天田!てめえっ······!」
と順平が立ち上がろうとしたとき、 先手を打って天田がこう言ったのだ。
「い、伊織先輩······ご、ごめんなさい!」
「へ?」
「お、怒らないでくださいっ!ちゃ、ちゃんとパン買ってきました······から······ぐすっ」
「え?え?」
うっすら涙を浮かべる天田。予想外の事態に焦ある順平に、周囲からの視線が突き刺さる。
「え?もしかしてイジメ?」「うそっ、あんな小さい子を?」「伊織くんサイッテー」
どう見ても、 順平が悪人にしか見えない。慌てる順平は、急いで天田のもとに駆け寄り、小声でささやいた。
「わかった!オレが悪かった!もう勘弁してくれ!明日から学校来れねえよぉ······」
折檻してやると言った勢いはどこへやら、情けなく順平は許しを請う。それを見た天田は。
「僕······すごく傷つきました」
「う。わ、わかってるよ。マジ悪かったよ」
「······欲しいゲームソフトがあるんですよ」
「なっ!?てめ、こら、ゆする気かよ!」
「ごめんなさいー!ぶたないでー!」
「わ、こら、やめ、ちょっと、わかったよ!」
すっかり天田に翻弄される順平。
「くっそう······めちゃくちゃマジになりやがって······大人げねえぞ!······あ」
その順平の失言に、してやったりといった表情を浮かべて、天田はにこやかに言った。
「僕、 子供ですから」
その笑顔は、まさしく子供らしく、それゆえにけっこう恐ろしいものであった。
結論---天田は怒らせないほうがいい。
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kennak · 3 months
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40歳の誕生日を迎えた日に私は、自称”地元の郷士”を名乗るご年配のご婦人に罵倒されていた。 なんでも、絹ごし豆腐と思って買ったそれが木綿豆腐だったらしく、絹ごしの気分だった喉が酷く傷ついたらしい。 何できちんと「これは木綿です。絹ごしではありません」と明記してくれなかったのか、と。 たしかにそれはたいへんだ、申し訳ないことをしたと思いながら無心で謝罪をしていた。 その心の裏側では今どきのゴーシさんって自分で豆腐を買いにくるのか、ゴーシさんもご多分に漏れず人手不足なのかなぁ、と余計な憐れみを感じていたことをあわせて詫びていた。 申し訳ないことをしたと思う反面、やはり自分の心は荒むもの。 そんな心を癒してくれるのは、いない恋人でも友達でもなく、ヲタ活だった。 これさえあればどうとでも生きていける。 ずっと自分の推しを追うことに残りの時間全てを捧げようと決意した。 田舎住まいの私には、推しのコンサートチケットを入手する手段はコンビニ発券しかなかった。 コンビニ店舗に設置してある端末を使って引換券を発行して、店員さんにお金を払って紙チケットを発券してもらうやつ。 ある日、講演が近づいた某コンサートのチケットを発券するため、近所で唯一のコンビニに行くと とてもびくびくした様子の店員さんがあたふたした様子で対応してきた。 「あの、私新人で、いまちょうど一人しかいなくて、わからなくて、、、」 毎日毎日、すげー”偉い”と自称されるお客様相手の仕事をしていた私はそういうの自分のことにしか思えなく、 「いいよいいよ、ゆっくりやってくれれば」 と本心から告げると多少は落ち着いてくれたらしく、その後、たどたどしいながらも何とか発券までたどり着いて 「おおー 券出たね やったね」 と口にしたら 「よかったー ありがとございますぅ」 と安堵した表情に何故だか自分自身が救われる気持ちがして、清々しく店を後にした。 と、多分普通はこれっきりのちょっと気持ちが和んだいい話で終わるところだろうけど、 発券できる場所が近所にたった一つしかないド田舎でヲタ活邁進を決め込んだ私と、 バイトできる場所といったら同じく唯一のコンビニしかないその人とが顔を合わせる機会が積み上がっていくのは必然で、 いつしか何となく顔馴染みとなっていった。 ある時「これ、すいません、ご迷惑かもとはわかっているんですけど、どうしても、、、」と泣きそうな顔してLINEのIDを渡された。 自分にはまさに青天の霹靂だった。 その時にはさらに年月が流れてて自分は41になっており、そこまで生きてきててもこんなことただの一度もなかったから。 与えられた好意。 無下にする選択肢は存在しなかった。 実はその人もヲタ活盛んな人で、しかし推す方面が全く異なっていて、逆にそれがお互いを刺激し合い、 ますます惹かれる存在になることは付き合い始めて知ることになる。 これからもいろんな推し活を一緒にして、たくさん楽しい事したい。 そんな矢先に、件のパンデミックが蔓延した。 推し活は軒並み中止。 私は当時働いていた偉いお客さま方が集う職場を急きょ解雇された。 あー やっぱ私にはいい事なんてないよねー 知ってる知ってるわかってる。 対して、そんな昨今に立派な就職口が決まった元コンビニ店員さん。 身の程をわきまえて、自ら身を引くことを決意してそう切り出した。 そしたら、すごく泣かれた。 お客さんに怒られることが怖くて不安でたまらなかったレジ打ちバイトのときに、自分のきょうだいに接するみたいに優しくしてくれたこと、 全くのジャンル違いのヲタ活を尊重して一緒に楽しんでくれたこと、 その毎日がかけがえのないものになっていたこと。 優しくとか、尊重とか、正直全くそんなことを意識してたことはないんだけど、 ”かけがえのない”と思ってくれていたことに感動して、もう何十年ぶりかに自分もアクビか足の小指をこっぴどくぶつけた時以外の涙を流して こんなしょうもない身空な自分だけど一緒に生涯ずっといて欲しいと懇願した。 当時のパンデミックはそれはそれは酷いもので、結婚式場は軒並み経営難を強いられていた。 そんなときに「パンデミックおさまったら絶対に式を挙げるぞプラン!」というものをやってる式場をたまたま見つけた。 なんでも2020年を起点にした年数後分、割り引いた挙式費用を前払いすると、本当にその費用でやってくれるという。 最大は2024年まで、当時の4年後だ。 もしかしたらその式場自体が経営破綻してなくなるかもしれない。 もしかしたら自分たちの関係も破綻してなくなるかもしれない。 そこでかけてみることにした。 2024年(4割引き)プランに申し込みして、式場も関係も破綻していなければ、本当に結婚してほしい。 私がそう言うと元コンビニ店���さんは「勝ったなガハハ」みたいな顔して快諾してくれた。 来月、2024年6月2日(大安)、結婚することとなりました。 2019年、それまで仄暗い毎日を過ごし、ヲタ活以外の残りの全てを諦めていた自分が、結婚。 ついでに仕事まで失っていたけれど、その後まぐれでホワイトな工場事務職に再就職できて 良心な同僚のみに囲まれ心穏やかな時間を過ごす日々。 あー 生きていれば、 偏屈にならなければ、 こういう展開もあるんだ。 初めて知った。 ちょっと遅かったかもしれないけど、これからもいろんな推し活を一緒にして、たくさん楽しい事したい。 そんな私の今の一番の推しは、言うまでもなく「元コンビニ店員」さん。 一生推します。 ありがとう!
40歳の時、生涯独身を覚悟してヲタ活邁進を決意した私が44歳で結婚することになった
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emeraldecheveria · 3 months
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月の光と海うさぎ【3】
雨の中ひとり
「君は強いね」
 思えば、初めて会ったときから、静くんは私のことをそんなふうに言っていた。
 小学校に上がったばかりの頃だろうか。校庭の砂場でせっせと作っていた山を、小柄な男の子ひとりが、意地悪だと有名な男の子たちに無残に踏みにじられていた。
 それを見かけた私が、「何でそんなことするの!」と声をあげると、男の子たちは「うるせー!」とか言いながらも散っていった。私がそばにしゃがんで「大丈夫?」と訊くと、涙目をこすって彼はうなずき、こちらを向くと言ったのだ。君は強いね、と。
「女の子に、強いなんて言わないでよ」
 私がちょっとだけむくれると、彼は小さく咲って、「僕は弱いから」とぐちゃぐちゃの砂に目を落とす。
「君みたいになりたいな」
 私は男の子の蒼白い横顔を見つめて、「なれるよ」と言った。「なれないよ」と彼はそこは何だか頑固に言い返す。「なれるから大丈夫!」と言い切った私は、立ち上がった。
 私の名前を呼ぶ女の子たちがいる。その頃はまだ私にも友達がいた。
「希夜ちゃんっていうの?」
「うん。あなたは?」
「僕は山田静司」
「静司くん。じゃあ、静くんだね」
「おかあさんもそう呼ぶ」
 私は笑ってしまってから、「またね!」と言い残すと、待ってくれている友達のところへと駆けていった。静くんは私のことを見送っていて、一度振り返ると、手を振ってきた。私は手を振り返した。
「あの子って三組の山田でしょ」「チビだけど顔が大きいよね」とか言った友達には苦笑して、「優しそうだけどね」とだけ答えておいた。
 静くんとは、それからも細くつながっていた。廊下で会えば会話くらいはする。
 私がルルを殺したとうわさになっても、交流は変わらなかった。むしろ、「希夜ちゃんがそんなことするわけない」と言ってくれた。声高に言ってくれることはなかったけど。それでも私は、静くんは私を信じてくれているのだと感動した。
 その頃からだろうか、静くんのことを緩やかに男の子として意識しはじめた。
 静くんとは中学校も同じだった。相変わらず、廊下ですれちがったときにはささやかに挨拶を交わす。いつのまにか、静くんと話すときはどきどきして、視線が定まらないようになった。
「希夜ちゃん、大丈夫? いろいろ言われてるけど」
「ん、まあ。何とか」
「何で誰も、希夜ちゃん自身を見ないんだろうね」
 静くんのそういう、底抜けに私を思いやる優しい言葉が好きだった。
 だが、私たちのそんなやりとりを見かけた野中さんが、目敏く私の静くんへの想いを悟った。私は感情を表情に出すことが苦手なくせに、同時に、感情が表情に出るのを抑えるのも下手だった。静くんと話しているとき、よほど乙女な瞳をきらきらさせてしまっていたらしい。
 野中さんはさっそく行動を起こした。自分のグループの中にいる、男子のあいだでもかわいいと評判の手塚さんに静くんに告白するように命じたのだ。もちろん、静くんを奪って私を孤立させる嫌がらせだった。
 たぶん、告白してきたところで、手塚さんはすぐ手を返して静くんを捨てるとは思う。それでも、内巻きのセミロングや長い睫毛が愛らしい手塚さんに告白されて、断る男の子なんているはずがない。
 ああ、静くんも私を離れていくのか。嬉しそうに「あいつ、山田さえ取られちゃうねえ」と声高に笑っている野中さんたちを虚ろを見て、私はため息をついた。
 手塚さんも、振られるわけがない自負はあっただろう。静くんを取りこめる自信はものすごかったと思う。しかし、静くんはやっぱり変なところで頑固だ。あの手塚さんを振って玉砕させたばかりか、「僕が好きなのは光谷希夜ちゃんだ」と宣言までしたのだ。
 その宣言はすぐ私にも伝わって、動揺しながらも、私は休み時間に静くんのクラスを訪ねた。「手塚の気持ち、何だと思ってんだよ!」という男子の怒声が聞こえた。つくえを囲まれて畏縮しているのは静くんだった。
 私が入口で逡巡していると、「うわ、山田の彼女じゃん」と声をあげた子たちがいて、教室がざわっとこちらにいっせいに注目した。私は恐怖で心臓がきゅっと痛むのを感じながらも、うつむいていた静くんが顔を上げるのを見取った。
 好奇の目にさらされながら、泣きそうにしていた静くんは、私に小さく微笑みかけた。
 ──ああ、この男の子は私の味方なんだ。そう思って、私も微笑み返した。
 ちらほら、うんざりした舌打ちやため息が聞こえた。それはみんな、おもしろくないだろう。私が孤立して、そののち静くんが手塚さんに手ひどく捨てられて、そんなシナリオを、誰もが期待していたのだから。
 その初夏の終わりから、私は静くんの「彼女」になった。私たちが手をつないで歩くと、顰蹙の目や嘔吐の真似を向けてくる人ばかりだった。
 それでも、私は静くんと心がつながって幸せだった。静くんも私の隣にいられて嬉しそうだった。このまま、ふたりの世界閉じこもっていれば、怖いものさえなくなるかもしれない。そんなふうに思っていたけれど──
 そんな私たちが逆鱗に触れたのは、野中さん以上に手塚さんだった。それはいたって凡庸な静くんが、見るからに魅力的な自分でなく、冴えない私を選んだのだから、プライドもずたずただろう。普段から野中さんと一緒に私をいじめていた手塚さんは、それに加えて静くんをいじめはじめた。
「大丈夫だよ、あれくらい」
 心配した私に、静くんはそう言って咲っていたけれど。いじめの内容は聞くに耐えなかった。
 殴る蹴るだけじゃない。教科書をカッターで引き裂かれている。トイレで便器用の雑巾を投げつけられる。階段でゴミ箱で殴られて転げ落ちそうになる。そのときはさすがに、頭から落下する危険で死を感じたのだろうか、静くんは生徒が行き交う前で泣いてしまったらしい。
 いや、咲っているのなんて私の前でだけだった。静くんはいじめられるといつも泣き出していた。
 素直に。心に従って。情けないくらい。
 それが私にはショックだった。私は絶対に泣かないと決めていた。私が泣いたら、いよいよ心に棲むルルが息絶える。
 きっと、静くんが泣くことで、息絶える何かが静くんの中にもあると思った。そんなの可哀想だ。泣くなんて絶対にダメ。ぐっとこらえて、気丈に心の雨に打たれても正気を保つべきだ。
「静くん、私とつきあっててもつらいでしょ」
 六月、梅雨入りしてじとじとまとわりつく雨が降っていた。学校の帰り道、それぞれ傘をさしているから、私たちは手はつないでいなかった。ふと私がそう切り出すと、身長の変わらない静くんが銀色の雨越しにこちらにまばたきをした。
「え、何で──」
「私、静くんがされてること、聞いてるから。聞かされるから」
「………、」
「『あんたなんかの彼氏だから可哀想だね』って、野中さんとか手塚さんが」
「……僕は、」
「私もそう思う」
「え?」
「静くん、私のせいでそんなひどいことされて可哀想だ」
「……希夜ちゃん」
「だから、やっぱりやめよう。私たち、別れたほうがいいよ」
「どっ、どうして? そんな、」
「私のせいだから。静くんがそんなことされるのも、全部」
「違うよっ、そもそも僕が」
「いいから、私たちは別れよう。そしたら、静くん、みんなの前で泣くこともないんだよ」
 静くんは銀糸の向こうで、目を開いて私を見つめていた。それこそ、泣き出しそうな瞳だった。ぱたぱたと雨音が傘を跳ねる。
 私は傘の柄を握りしめて、早足で静くんの隣を離れた。静くんは追いかけてこなかった。靴の爪先が湿って染みこんで冷たい。濡れたアスファルトの匂いが立ちのぼっている中、これでよかったんだ、と唇を噛みしめた。
 しかし、静くんは私が告げた別れに納得しなかった。話しかけられても私は無視したし、見つめてくる視線にも気づかないふりをした。いじめは相変わらず続いているようだった。なのに静くんは私をあきらめようとせず、なかばストーカーのように、気づくと背後からこちらを見ている。
「振られたんだろ、お前」と私を見ているときに周りに揶揄われると、「それでも僕は希夜ちゃんが好きだから」なんて答えているのが聞こえる。
 何で、と私はややいらついて頭を抱えた。あなたが泣かなくていいように、もういじめられないように、私は自分の恋心は踏み殺したのに。これじゃあ、何のために、心の支えとさえ思った静くんへの想いを断ち切ったのか分からない。
 静くんのことも、野中さ���も手塚さんも、尾崎くんだって、何もかもが嫌で、学校に行きたくなかった。しかし、学校に行かなくていいなんて、病気のときくらいだ。毎朝ふとんでぐずぐずする私は、起こしにきた母に浅はかにお腹が痛いとか頭が痛いとか訴えた。
 カーテンを勝手に開ける母は、眉を寄せて「熱はあるの?」と私の額に触れる。そして「熱くはないけど」と胡乱そうにして、体温計で平熱を確かめると、私が嘘をついたことに怒りはじめる。
 正直、実際に胃が痛いときはあったのだけど、熱には現れてくれなかった。「だって、学校に行きたくない」とつい本音を吐いてしまったときには、母は平手とはいえ、私の頭をばしっと強くたたいた。
「学校に行きたくないなんて、おかあさんもそうだった! それでも、意地悪されることがあっても、私は行ってたわ。甘えたことは言わないで」
 母には、理由もなく──私にはいじめは立派な理由だったけど──学校に行かないなんて、とんでもないことだった。根性のない甘えでしかなかった。だから、嫌がる私をいつもふとんから無理やり引きずりだし、壁にかけた制服を押しつけて、怖い顔でなじりながら家から追い出した。
 私は重苦しい曇り空を見上げ、制服を鎧みたいに重く感じた。家の前でのろのろしていると、近所の人がひそひそ話をしながら目を向けてくるので、憂鬱に囚われながら学校に向かう。
 学校まで十五分。まるでぬかるみを歩くように、うまく足が地面を進まない。周りにはもう登校する制服すがたの子はいなくて、時計は持っていないけど、遅刻なのは明らかだった。
 そうしてホームルームが終わった頃か、一時間目の途中に私はやっと教室に到着する。途中で何かあったのかと心配していた先生も、遅刻が続いて私がただの常習犯だと判断すると、うんざりしたため息をついて怒るようになった。
 同級生にはいつもいじめられて、大人にはいつも怒られていた。どんどん頭の中がくらくらと重くなっていく。集中力がなくなり、勉強しようとしても眠くもないのに目の焦点が合わない。それでもやろうとしても、吐き気がしてきて休んでしまう。
 やる気がなくなっていった。入学当時は百点に近かった試験の点数は、みるみる落ちた。小学校の復習の過程が終わり、中学の勉強が始まると、成績はすごい勢いで低迷して、一学期の期末考査ではよくても三十点さえ取れなかった。
 先生たちは、しょせん成績で生徒を測る。だから、勉強ができなくなっていく私に、先生たちは「いじめられるのはお前にも問題がある」なんて言葉までぐさりと刺してきた。
 私をなぐさめる人はいない。みんなして無視。陰口ばかり盛んで、「あいつ、どんくさい上にバカとか最悪だな」と嗤っている。せいぜい存在を認識されるのは、ノートに落書きされたり、筆箱を隠されたり、嫌がらせを受けるとき。そんなことをばかりされるためだけに、私は学校に行っていた。
 親は頼りにならないと分かっていた。けど、思いつめた私は改まって母に話しかけ、いじめのことを相談してみた。父は単身赴任でいないときだった。父にはやっぱり、知られたら面倒だなと思ったのだ。
 居間で正座で向かい合い、母は私の話をひと通り聞いた。どんどん眼つきが冷えこんで、ああこれはダメだったとは思った。案の定、母は自分も幼い頃には何かと揶揄われたこと、それでも耐えて登校していた話を繰り返し、「だからあなたも我慢しなさい」と私を厳しく睨みつけた。
 だから、って。だからあなたもって、何で? 何でおかあさんが耐えたからって、私も耐えなくてはならないの。親子だから? できるはずだから? 何それ、わけが分からない。おかあさんが自分はいじめを耐え抜いたことなんか、私には関係ないよ。
「もっと精神的に強くなりなさい」
 母はそう言い、話を切り上げるように立ち上がった。私はうなだれて唇を噛んだ。
 私が弱いっていうの? 私が意気地なしなの? みんなに、先生にさえ、分かってもらえなくて孤立して、それでも私が悪いの? こんなぼろぼろに雨に浸蝕されるまで闘う私が、負けてることになるの?
 違う。そんなわけない。私は弱くなんかない。学校に行きたくないのに、それでも行ってるじゃない。それが、どんな想いで立ち向かっているということなのか──
 朝起きると、今日こそ限界だと思う。だから、相変わらず学校に行き渋った。美夜が「見苦しいなあ」とでも言いだけにこちらを一瞥して登校していく。それを見送った母は、「美夜は行っちゃったわよ!」と私を責め立てる。根性なし、甘ったれ、弱虫。さんざんに言われて、私はもはや哀しくなり、心にぽたぽた雨漏りを感じて、震えるルルを抱きしめて起き上がる。
 いじめられては、雨を降らすルル。そんなルルを、私はまだ守らなくてはならないと思っていた。だから、心は壊れていなかったのだと思う。
 泣かない、と決めていた。絶対に、泣くもんか。泣くことこそ負けだ。そんなのは悔しい。あいつらに負けるのは悔しい。たとえ涙がこぼれるときがあれど、それでも、私は泣いていなかった。心からは泣いていなかった。そして私は、心から泣くという感覚をずっと先まで忘れることになる。
 夏が始まっていた。蝉の声が飛び交い、空は青く突き抜けて晴れわたる。むしむしした風が、草の匂いをまとってゆらりと流れた。しかし、私の眼つきはすっかりじとじとして、陰気な隈が取れなかった。
 この頃、朗報が届いた。隣の町で新築が進んでいた新しい家が、もうじき完成するという。つまり、転校することになったのだ。久しぶりに単身赴任から帰宅した父によると、転居は秋頃になるだろうということだった。
 転校することは、家を建て始めたときから決まっていた。おかげで私の心は折れなかったのだろう。どうせこんな学校、そのうち離れるのだと。どんな嫌がらせをされても、それが永遠じゃないことが最後の砦だった。どうせ私はいなくなる。だから大丈夫。終わることなんだから大丈夫。
 転校のことは、ぎりぎりまで教室には伏せてもらっていた。何なら夏休み中にしれっと消えたかった。けど、二学期も少しだけ登校させられた。
 私の転校は、ほんの数日前にクラスに伝えられた。ふうん、なんていう無関心な反応だと思っていたら、なぜか野中さんも手塚さんも、私との別れを涙をぽろぽろこぼしてまで惜しんだ。
「光谷さん、今までごめんね」
「今度会ったら仲良くしてね」
 私は泣いている彼女たちをぼんやりと見つめた。
 何を言っているのだろう、この人たちは。よく意味が分からなかった。当人はいじめに加担していないつもりでも、しょせんはみんなと同じように私を無視していた子たちも、「寂しくなる」とか「新しい学校でも頑張って」と初めて声をかけてきた。
 本当によく分からないのだけど、転校するクラスメイトを見送る、というありがちな場面に酔っていたのだろうか。
 でも、私はバカだった。本当に、一番バカなのは私だった。最初は唖然としたものの、何だかんだで、みんなにそうやって受け入れられたような感覚が嬉しかったのだ。手紙出すから住所教えてと言われたら、素直に教えたりして。何より、私はみんなの言葉を信じた。
 今度みんなに会ったら、仲良くして、いなくなって寂しかったよなんて言われて、新しい学校が楽しいから、なんて私は笑って見せて……
 そんなことが叶うと思ったのだ。みんながこんなに私を惜しんでくれるなら、そもそも転校なんて必要なかったのかもとすら思った。
 いっとき、心の雨も止んだ。ルルは赤い瞳で空を見上げていた。晴れ間が嬉しかったのだろうか。いや、ひくひくと動く鼻は、さらにひどくなる雨を嗅ぎ取っていたのかもしれない。
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keredomo · 1 year
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愛の完成
 あなたが殺してくれと言うので、それなら一緒に死のうよ、と返した。  その即座の返答が、あなたには意外だったのだろうか。少しだけ悩んだそぶりを見せてから、そうするかあ、と返事が来る。あなたがその返事を打ち終えるまで、「……」と表示されるメッセンジャーのトーク画面を見つめていた。ようやく覚悟が決まったらしい文面に、「やった、念願の心中だ」とわたしは無邪気に喜んでみせる。あなたの数秒のためらいはなかったことにしながら、努めて無邪気に。「ようやく一緒に死ねるね」と。たった数秒かけて打ち込���だだけのあなたのしょうもない覚悟、その覚悟なんかに何の意味もないことを察しながら、それでも努めて無邪気に、無表情のまま、文面だけは無邪気ぶって同調し、あなたのそのか細い不安の尻尾を捕まえて自分のものにしようとする。  それは醜悪な独占欲の行使だったが、やっと、やっと捕まえたと思ったのだ。死の匂いのする愛の場処に、ようやくこの人を引きずり降ろしたのだと。
 *
 「殺してくれ」と言われて、「一緒に死のう」と返す。その姿ははたから見ればまるで幼い茶番のようだが、まったく笑えも救われもしないのは、私たちがこれらの言葉を至極本気で言い交わしているからだった。  われわれの交わす言葉に嘘も虚飾もない。それは、数年来、知力の限りを尽くして言葉によってやりとりしてきた関係の守ってきた、唯一の約束だった。ほかに何も交わせないからこそ、それだけは決して破ってはならない約束。言葉という、そもそもが虚飾になることをまぬがれないツールにおいてその約束を結んでしまった以上、われわれは言葉の粗さによって生の実を歪めることを受け入れ、それによって隙のない盤石な関係を築き、「われわれの倫理」という誰にも踏み込むことのできない倫理領域を作り上げた。われわれはその倫理の国の薄い空気のなかで必死になってのたうちまわってきた。いよいよ酸素も足らなくなり、死んでしまおうと計画し始めたのだった。
 息も絶え絶えになってしまった私たちは、本気でこんなことを言い交わして、しかし心に飼っている理性は、われわれがこの心中計画をどうしたって実現し得ないことを知っていて、あからさまに失笑してみせる。互いの頑強な現実的理性がストッパーを担っていることを、本当は互いにわかっていた。どんなに恋愛に苦しんだところで、それは形而上のものでしかない。狂おしい現実に適応するべく理知に従って生きている私たちは恋愛のためには死ねない。この甘い甘い心中計画は永遠に果たされない。わかっていながら、われわれの築いてきた強固な倫理の要求にあらがえず、一緒に死のうと言い交わすことになってしまった。  なんてやるせない愛の睦言だろう。システマティックに煽られた感情にすぎないこの睦言には、けれど倫理を成立させるだけの情熱と真意がたしかに燻っている。社会的な倫理と私的な倫理の相剋は、私たちを無様に苦しめた。どんなにこの愛の深みに沈み込んでみたところで、死をもって完遂することはできないだろう。関係が袋小路に入ったところで、信じたいはずの互いの言葉が空虚なものとして舞う、苦しいばかりの中途半端な共依存関係がわれわれをずたずたに傷つけていた。二つの倫理に引き裂かれているがゆえの、中途半端な共依存関係。
 睦言が睦言に過ぎないことを知っている大人同士の、けれどもその寂しさがゆえに成り立つ、これは「完成された恋愛」だった。私たちのためだけに築いた二人だけの倫理が成り立たせる、何の澱みも、緩みも、破綻もない恋愛だった。言葉を拠り所として紡いできた関係は、それゆえ、互いの言葉への信用がなくなればあらがいようなく終わってしまうのだった。  一緒に死のうだなんてあからさまに陳腐でみっともないことを言い交わす羽目になってすら、私はまだあなたとの恋愛の甘い夢から覚めることができないのだった。関係して6年。交わしてきた膨大な言葉たちが溶け合って、私はとうに自分を見失っている。自分の大きな一部を、大きすぎる一部を、あなたに明け渡してしまっている。おのれの足だけではもう、立てなくなってしまっている。  わが半身となった者なしにはすでに歩くこともままならず、ようやく一緒に死のうと言い交わせても、言葉にすることでそれが土台不可能であることを理性でもって再確認するだけだった。一人で立てもしないが、二人で死ねもしない。おのれの一部を明け渡していると自覚することは、同時に、おのれの全てをあなたに明け渡すことができないと了解することであった。  あまりにも似すぎている者同士の、相互理解の深さが私たちを悲しみに追いやった。相手が私のために死ねないことなど、はじめからわかっていた。私が相手のために死ねないことも、わかっていたはずだった。
 あなたは言う。「あなたはこの先、誰と恋愛をしたってどうせ深く傷つき続けるだろう。だったら、その相手はわたしであってほしいと、身勝手ながら、そう思うんだ。どうせ誰かに傷つけられるなら、わたしが傷つけたい。わたしでいいじゃないか。わたしに、傷つき続ければいいじゃないか」。  あなたは言う。「あなたが恋愛で傷つく相手は、これからもずっとわたしであってほしい。一生、わたしであってほしい。どうせつく傷ならば、その傷はわたしによるものであってほしい。でなければ、わたしは気が狂ってしまう。あなたがほかの男に傷つけられることを考えると嫉妬に狂ってしまう、暴力でもなんでも行使してあなたを独占してしまおうという虚妄に身を灼かれてしまう」。
 あなたの言うことには一理ある、と思う。一理どころではなく、このわれわれの倫理に則るのなら、それだけが真実だと思う。あなたのその嫉妬心も独占欲も、人が抱くものとして、真っ当なものだと思った。それらは人が人に向ける感情の中でもっとも狂おしく、もっとも切実で、もっとも真剣なものだ。そして、あなたがそれを発揮できるのは、われわれの倫理の内側でのみだ。私はあなたの吐露したその切実さに絡め取られて、思う、確かに私にとっても、これからも傷つき続けるのであれば、その相手はあなたがいい。暴力的に独占されるのであれば、その相手はあなたがいい。  けれど、そうか。私はこの先も、傷つき続けるのか。私のもう一つの倫理がそれを拒もうとする。この叫ぶような痛みを受け取り続ける生を送るのか。あなたは、私が傷つき続けるこの世界から私を救い出してはくれないのか。そんな生を、私はずっと生き続けるのか。
 あまりにも強固なわれわれの倫理に絡め取られて、すでにこの身は牢獄の囚人のよう。あまりにも寒く、あまりにも惨めだ。けれど実のところ、どちらかといえば、私のほうがあなたを牢獄に引きずり込んだのだった。私はそれに気づいていた。その責任を果たさねばならないと思って、あなたよりも数年早く、私は二人で死ぬことについて静かに腹を括ったのだった。この結末は死にしかないだろうと結論づけたのだった。  括った腹の、括った紐が緩めば、臓器が汚い床にぶちまけられるだろう。赤黒い腸が跳ね、痛めつけられて穴だらけになった胃がべしゃりと形を崩し、膵臓がそこに黄濁して積み重なる。そのグロテスクな光景を見てもまだ、あなたは私を愛するだろう。破裂した私をも尚、あなたは愛するだろうと思えるほどの骨がらみの恋愛を、私はしていた。渾身でもって。そうしてようやくその汚濁にあなたを引き摺り込んだ。
 *
 ぼんやりと、視力の落ちた目で自分の暮らす一人きりの部屋を眺める。輪郭は揺らいでしまって掴めないが、それでも色彩だけは判別できる。本棚に差す書物の色を選べないせいで、夥しい色が自室にあふれかえっているのがゆらゆらと揺蕩って見える。これらの色々の、すべてに生気が宿っているような気もするし、すべてが死んでいるような気もする。この景色がそのまま私の存在にも反映されていることだろう。私のすべてに生気が宿っているような、私のすべてが死んでいるような——こんなマージナルで危うい生を、これからもまだ、生きるのか。とうに限界を迎えているというのは、どんな言葉で訴えても誰にも正しく伝わらない。私だけが知るところだった。私だけが、つかみどころのない人生に膿んでいた。それはすでに、生ではなく死であるように感じられた。  このぼやけた景色は「完璧な恋愛」の代償だった。愛は命を削る。私の命は削られていた。あなたの命もまた、削られた。
 心中の相談をしながら、あなたと私の感情はけっしてそこに乗ってはいない。ただ、理屈の上だけでの話をしてお互いを慰め合っているのだった。「死ぬの、どこがいい?」「東尋坊でしょう。遺体が見つからない場所がいい」「私もそう思ってた。身投げですね」「うん、そうしましょう」。  なんて空虚な会話だろう。私は唇の片方だけを吊り上げて笑う。ここにあるのは形式だけだ。私たちは間違いなく、何があろうと間違いなく、東尋坊で身投げなどしない。一緒に海の藻屑になることを選びはしない。倫理の強制力に従って口にしているだけだ。この会話すら、「あなたを深く深く、深く愛している」と告げるためのメタファーにすぎなかった。そこには形式だけがあった。  これほど陳腐でこれほど切実なメタファーもない。私たちは確かに、そのメタファーに乗せて、互いの思いを伝えあっていた。けれど、そもそもそこに載せるべき感情は、本当に存在しているのだろうか? わかっている。これは、心中というロマンティシズムに淫することもできないまま、ただ会話をつなげているだけの空虚なやりとりなのであった。愛と呼ばれる美しい交歓はすでに散ってしまって、私たちのあいだに残されているのは、責任、けじめ、矜持、昇華願望、そして諦めだけなのだとすれば、どうしよう。——愛って何だっけ?
   *
 私は知っている、あなたという人は、あまりにも歪なやりかたで、「本心」というものを置き去りにしながらこの世を生きてきた。その場の、場当たり的な誰かの要望に無我に応じることで生をやりすごしてきたあなたは、ここにきて、私の切なる終わりに対しても、いよいよ同じ態度をとっているのではないか。そして、私もまた同じであるからこそ、それに気づいてしまうのではないか。  当事者の私たちですら拾いきれないほどの数多の言葉を交わしてきたから、改めて語られずとも、あなたの生き様についてはよくわかっている。私が送ってきたのとは真逆の生をあなたは生きてきた。奇跡的なことに、互いの「愛」の定義だけが同じだった。だから愛をやれた。完成するまで、愛をやれた。愛は完成した。完成した愛は、そののちに、壊れようとした。
 完成とは「それ」が永遠になることだと、語義の上で、経験の上で、ずっと信じていた。それなのに、完成した愛も齟齬によって破綻しうるのだとすれば、一体何を目指してゆけばよいのだろう。  私はすでに、何によってその完成した愛が罅割れたかを理解している。互いに抱えてきた二つの倫理の矛盾がそこに歪(ひずみ)を生じさせた。その罅を修復するだけの力が、もう私たちには残されていなかったのだ。6年という歳月で、あなたも私も、おそろしく老いてしまった。私たちにはもう、愛のために無理を押し通す力が残されていないのかもしれない。
 私は言う。「あとはあなたを地獄に道連れにすることしかできない」と。その最後通牒に、あなたはもう何も言えなくなってしまう。  私は思う。人を愛することはこんなにも苦しいことだったかと。人を愛することは、人に愛されることは、こんなにもままならないことだったかと。それでもあなたを愛していると。愛する人の手を離すことはこんなに苦しいことだったかと。あなたを愛することができない日が、もう二度と、こないでほしいと。一緒に死のうと言った時に、理性をかなぐりすてて、感情のままに、お互いだけを見つめあって、一緒に死ねればよかったのにと。
 私たちが築き上げてきた美しい倫理によってすらそれが叶わなかった生を、これからどう生きてゆけと言うのかと。
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poetohno · 8 months
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混沌の洪水 9 おまけトーク(現実にではなく、観念にダメージを受けている)
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「断罪」
迸るように激しく 溢れるように流れ 世界の色彩は閃く
ギロチンが音を立てて待ち構えている 帰りを待っている 朝が来て 夜が来て
断罪の音が木霊する 日々音が近づいてくる どこにいようとも 何をしようとも
迫り来る 祭壇への 道 生きること 鼓動が 導く 避けようのない 運命
心臓は高鳴る 警鐘のように
逃れることはできないからこその 運命 受け入れる気はない 別の運命をたぐり寄せようと手を伸ばす
火薬に火を点け 計画を粉々に砕く 燃え広がり 海の中に灰を蒔く
未来への標を失った 命の計画書は塵となる 何を望める 運命の音は木霊する
細胞が 共食いし 命を 食らう 身体が 身体を 貪り 食らう
破壊されてしまえば 消えてしまえば
破壊された溝を 埋めることはできない 困難な道 茨の導き 血を流して軌跡とする 運命の音が迫り来る 脳裏に浮かぶ祭壇 恐怖 震える手 未来のための標は 失われてしまった 命は彷徨う
どこにいようと安全な場所など無い 安らぎなど仮初めの姿
真実から目を背けたいだけ なくなることはない 遠ざかろうとすればするほどに 音は轟き 心臓を掴む
心臓が肺を囓る音がする 恐怖 細胞の痛みが奔る 絶望
警鐘が鳴り 断罪は 雷鳴に似て 思考は 混濁 喪失し 生命の 破壊
時は近い 運命は変えられないのか 遙か昔に決定されていたこと
狂うことができれば どれ程の 救いだろう 不安 恐れ 失望 痛み
全てが降り注ぐ 矢のように 裁きのように のたうち回り 足掻き 藻掻き 懸命に走る
それしかできない どんなことがあっても 自身が歩む道でしかない
全ては耐えられるからこそ 与えられてしまうもの 運命には 望みも 願いも 何ら関係がない 微動さえしない
太古の昔から脈々と流れてきた 巨大な奔流 都合よく 未来と名づけて 必死に生きることしか できない
彷徨い歩き 倒れた時 後ろで音がした 刃物が落ちた音 影の首を切る 崩れ落ちた
逃れれば救いと呼ぶのか 自分勝手―それでも 生きろというのか 葛藤も 矛盾も抱えて 醜い心さえ携え 夜明けの美しさを焼きつけて
不穏
砂漠から立ち上る蜃気楼 海に浮かぶ砂上の城
既に失われた楽園
人々は泥を財宝と錯覚して身につける
美しさを求めて泥を身体に塗りたくり穢す
愛というものは季節のようにすぐに移ろう幻
秋が訪れれば 葉が枯れゆくように 万物は逃れられない 太陽と月さえも支配されている
熱せば冷める水と同じ 酔えば醒める甘美な酒 死のような恍惚の眠りと失望した現実への目覚め 彼らは皆求めたがゆえに失った
強固な大理石に罅が入る 溶けるように風化していく 化石のような残骸が残る
硫酸に溶かされるかのように消えていく
永遠を望むということは時の移ろわない砂時計を望むことと同じこと
籠は骨でできている やがて塵となり 土に還る時の流れに 抱擁されている
海水を啜る者達は飢えに我慢ができなかったのだろう 心の欠乏に 自らが欠陥を抱えた存在であることを認められないがゆえに より渇くとも知らずに
飢え求めるからこそ 貧しくなる 覚悟していようとも 本能と欲望は抗えない 偽りを本物と気づかずに
ほくそ笑むだろう 欲する者達は煌めきに眼は眩んでいる 砂粒が宝石に見える
自らが富を得て 豊かに 幸せを身につけているのは 全ては錯覚でしかない
より得るために 偽りを求めて 自らが代償に支払うものは自らの命の欠片 刹那の幸福の感情と引き換えに奪われていく
声が聞こえる 単なる砂上の王国だったと知る 愕然とする 人生は何だったのか 幻に踊らされていた 真実は常に痛みと共に襲い来る 恍惚は彼方に蜃気楼となる 幻 記憶は美化して輝かしくする 後悔が押し寄せる 人生の意味は失われた どのようにして取り戻せというのか 全てを奪われたと同時に 知った真実が 青空にすら星となって輝き消えない道を照らす
駒でしかなかったのか 運命という盤上の人形でしかなかったのだろうか
星は導いて満足したか 風は欺いて楽しんだか
闇さえも光の姿をして注いでいたのかもしれない
風を射抜いた旋律は 闇夜から零れ落ちた銀貨のように
命の目指す標
大洪水 無数の理由
無数の理由の柵(悪意 利己 執着)
混沌の渦に己の道を敷き秩序を描く
内なる音楽が消える時 引き寄せられる
記憶のない場所に 罪の意識と共に 自ら招いた意識の果て 無意識という 果ての無い宇宙 無音であり 万物の音よりも 雄弁に語る
契約という宇宙と星との密やかな画策
誰も知らない 己が契約書にサインをしたことを
気づきようがない 魂に封印されている
知らずとも 道を辿っている 未来と過去とが 出会う場所で 偶然に 必然を見出し 運命と名づけて 全てを背負って
宇宙はただなすがままに実行するだけであり 機械的であり 無常であり 非情ですらある この世界は自然的な法則で動いている
天に何を見出す
物事は淡々と生じ 粛々と過ぎる あるがままと言うか 自由と呼ぶのか
どこに自由がある 必然だらけの世界であり 星の配列により定められ 物事の数列により決められ 命はただ従い 抗い 藻掻くに過ぎない
逃れることはできない シナリオから 血管が証 血脈が奔り 施されている 心臓に託された運命の契約書
生者は 蘇る 第二の生へと
魂は目覚める時を待っている 蘇る瞬間の訪れを 心臓に閉ざされ 封じられ
生者は 蘇る 第二の生へと
欲望と混沌に見失う 広大な宇宙に彷徨い 見失った光 心臓が深淵に出会う時 時計は 針が 刻々と 時を刻む 時は動き出す 肉体の鼓動ではない 魂の表出 世界が孵化する瞬間 囚われた精神が光を見出し 頂よりも高く飛翔し 観念としての意味と価値を超越する 高潔と無垢との刃によって 柵と呪いは断たれる 命は鼓動し 星は光り 宇宙は万物を生み出し 破壊さえもする 混沌に 産声を 響かせ 奏で 紡ぐ 存在のために 精神は目覚める
幸福 安らぎ 存在理由 存在価値の全てが列なる 万物の意味 未来と過去の全ての暗号が解かれる
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ari0921 · 7 months
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織田邦男先生よりシェア
<正論>平和を気取る身勝手な偽善排せ 
麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男
ロシアのウクライナ侵攻から2年が経過した��昨年10月からウクライナ東部の防衛拠点アウディーイウカで激戦が続いていたが、遂に露軍の手に落ちた。米国の軍事支援が滞っている今、同拠点のみならず全局面でウクライナ軍は苦境に立たされている。
ウクライナ支援継続、強化
「支援疲れ」もあり、「停戦」をという声もある。だが約18%の領土をロシアに占領されたまま停戦が実現すれば、軍事力による国境変更を禁じた戦後の国際規範は崩壊する。しかもプーチン露大統領のいう「停戦」は、次なる戦争への準備期間にすぎず、真の平和が訪れる保証はない。もし日本が侵略され、四国、九州、沖縄(合計で約15%)が占領されたところで、「停戦」を促されたらどう思うか。約18%の領土をあきらめるのは、ウクライナ国民にとって耐えがたいことである。
「力による現状変更」を認めないためにも日本は諸外国と連携しウクライナ支援を継続、強化しなければならない。米国に対してはウクライナ支援継続を強く訴えるべきだ。そのためにも日本自身が武器支援に踏み出す必要がある。
朝鮮戦争の際、日本は武器弾薬を輸出して国連軍に貢献した。しかしながら1967年、佐藤栄作首相が共産圏・紛争当事国などへの武器輸出禁止を決め、76年には三木武夫首相が「武器輸出を慎む」と答弁して武器輸出の全面禁止が定着した。
2014年、「防衛装備移転三原則」が閣議決定され厳格な審査を条件に武器輸出が認められた。紛争当事国へや国連安保理決議に違反する場合、輸出はできない。平和貢献・国際協力や日本の安全保障に資する場合などは認められる。現在、「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5類型のみ認める指針で運用されている。
ウクライナは紛争当事国だから武器弾薬支援は認められない。だがそれでいいのだろうか。ウクライナを支援するのは戦後の国際規範維持のためであり、わが国の平和のためでもある。単に「殺傷兵器だから」「紛争当事国だから」と禁止するのは教条的過ぎる。
「武器」と付くだけで拒否
万が一、日本が侵略された場合、自衛隊は国家国民を守るために敢然と立ち向かうだろう。だが武器弾薬は決定的に不足し、他国の援助に頼らざるを得ない。そんな時、諸外国が「(日本がそうしたように)武器弾薬は日本に支援しない」となることもあり得る。それだけで日本の抑止力は低下する。日本はその覚悟があるのか。
侵略に立ち向かうウクライナに武器支援をしないメリットは何か。平和を気取る、独り善がりで身勝手な偽善にすぎないのではないか。侵略を許さない国際規範を守るため、あらゆる支援を尽くしてこそ国際社会で「名誉ある地位を占める」ことができる。
防衛装備移転三原則は法律ではなく、政府の意思さえあれば変更可能だ。ウクライナ国民を守る「防空兵器」くらいは直ちに支援すべきだろう。5類型に「防空」を加えればいい。昨年末、運用指針改正でライセンス生産の地対空ミサイルを米国へ輸出することが可能になった。これをウクライナにも広げるべきだ。ウクライナに発電機、変圧器は供与しても防空兵器は供与しないというのは、国際社会に理解されないだろう。
かつて機関砲が付いた巡視艇は輸出できなかった。自衛隊のトラックも銃の懸架台があるだけで供与できなかった。「武器」と付くだけで心情的に拒否する偽善を続けている場合ではない。
国際社会で日本の孤立招くな
日本、英国、イタリアとで共同開発する次期戦闘機の第三国輸出に関する問題にも通底している。共同開発品の直接輸出を巡っては、昨年春から自民、公明両党の実務者で慎重に検討がなされてきた。昨年7月、実務者協議で容認の方向性が打ち出されたが、11月になって突然、公明党幹部が「ちゃぶ台返し」をした。この間何があったのか、ここでは触れない。
戦闘機は「殺傷兵器」ではあるが、開発装備品の輸出は「友好国を作る」「抑止力を強める」「安価になり防衛力整備に貢献」といった安全保障上のメリットが大きい。装備品は高性能化、高価格化しており、今や一国では手に負えず、共同開発が主力である。こんな時、共同開発国の日本だけが輸出できないのは、あまりにも理不尽で共同開発国からの信頼も理解も得られない。ロングボトム駐日英国大使も第三国輸出を巡り「日本が防衛装備品の輸出ルールの変更を近く実現することが重要だ」と述べ、「(日英伊の)対等なパートナーシップに関わる」と懸念を示している。
湾岸戦争では、日本だけが汗も流さず、130億ドル供与という金で済ませた結果、「小切手外交」「身勝手」「価値観共有せず」と非難され、孤立した。国際社会での孤立は、軍事小国としては致命的である。決して繰り返してはならない。武器輸出についても諸外国と価値観を共有し、国際平和実現に貢献すべきである。(おりた くにお)
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umamoon · 2 years
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寿司屋では最初に汁物が提供された。  カニが入っており、匂いを嗅いだ時に絶対無理だと思った。  それでも口にしてみたところ、魚介の味がした。  吐き出してしまいたいような感覚はあったものの、  なんだかんだ再び口にしたところ、もう止まらなかった。  お椀が空になるまで手を動かし続けた。  次に提供されたのは生のキハダマグロ(刺身?)。  不安だった。人生で生魚だけは絶対に食べないつもりだった。  しかし一口食べて分かった。この子が大好きだと。  そしてその瞬間悟ったのだ。  自分は魚介類が嫌いだったわけではない。  単に「イギリスの魚介類」が嫌いだったのだと。  そのあとに提供された多種多様な寿司も、  食感が苦手だった1つのネタを抜いて素晴らしかった。  私は、魚介類に打ち勝ったのだ
【海外の反応】 パンドラの憂鬱 海外「日本から出たくない」 来日した英国人が自国の料理の酷さに気づいてしまい話題に
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sakura-zakki · 10 months
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読書の記録
(日本人)かっこにっぽんじん 橘玲
想像していたよりも壮大なテーマ。
データ等を駆使し、世界情勢や歴史、宗教等様々角度から語っています。
私の頭では、ちょっと入り込めない部分もあり、中盤からダルダルな感じでなんとか読了。
そのまま記録に残すかしばらくダルダルしていたけど、見返すと興味深い内容もあったので、メモを残すことに。
新型コロナ騒動よりずっと前に書かれた本ではありますが、ウイルスのことについても触れていまいた。
【メモ】
✏日本人は戦争が起きても国のためにたたかう気もないし、自分の国に誇りも持っていないのだ。
✏貨幣空間の拡大(市場原理主義)というのは、世界の歪みを平準化する運動のことだ。  経済のグローバル化は北と南の経済格差を解消させる巨大な圧力だ。しかしこの無慈悲な市場メカニズムは、経済的な弱者を振り落とすことで先進国のなかの格差を拡大させていく。 たとえ世界全体が幸福になったとしても、ひとは自分が(相対的に)貧しくなることに耐えられない。その意味でグローバル化は、私たちの生活を破壊する侵略者なのだ。
✏貨幣空間が拡張するのは、私たちがそれを望むからだ。ほとんどのサービスが貨幣で購入できる社会では、親戚づきあいは不要になり、友だちとの関係もドライになっていく。ようするに、ベタな人間関係は面倒くさいのだ。  だがそれと同時に、私たちはこのような”無縁社会”に根源的な不安を感じてもいる。ヒトは長い進化の歴史を通じて、ずっと集団(共同体)のなかで生きてきた。群れからの追放は、ただちに死を意味した。ヒトは一人で生きていけるようにはできていないのだ。
✏ヒトは確率的な出来事をうまく理解できない
✏ウイルスが宿主を病気にさせるのは、咳やくしゃみ、下痢といった防御機構を作動させるためだ。宿主が体内からウイルスを排除しようとすることで、手足のないウイルスは遺伝子を他の宿主に移植させることができる。  このことから、ウイルスや病原菌など「寄生者」の目的が、宿主を殺すことではないことがわかる。
✏しかし感染症とのこのたたかいに、人類が最終的な勝利を収めることはけっしてない。それは、寄生者の生き残りの戦略のほうがはるかに巧妙で強力だからだ。  寄生者の武器は、数が膨大なことと寿命はきわめて短いことだ。頻繁に世代交代を繰り返すことで進化の速度は上がり、新種の抗生物質に対しても、たちまちのうちに抵抗力を持つ細菌やウイルスが現れる。
✏狩猟採集生活では、穀類や果実、動物の肉などから炭水化物やビタミン類、たんぱく質を摂取したが、脂肪や砂糖などはきわめて稀少だった。そこで私たちの脳は、このような得がたい機会に遭遇したときは、可能なかぎり多く食べるよう命令を下す。「甘いものを食べると幸福な気持ちになる」のは、大量摂取を促すプログラムなのだ。
✏白人とニューギニア人のあいだに人種的な優劣があるのではなく、歴史や文明は地理的な初期条件のちがいから生まれた
✏だがこれは、彼女たちにとってはファッションの問題ではなかった。みんながルーズソックスのときに、一人だけストレートソックスをはくのは危険なのだ。本人たちが意識しているかどうかは別として、彼女たちは”生き残る”ために同じ髪型、同じヘアメイク、同じソックスに揃えようとしたのだ。
✏ニスベットは、その他の実験においても、西洋人がこのような「分類学的規則」を素早く見つける傾向があることを明らかにした。それに対して東洋人は、規則を適用してものごとをカテゴリーに分類することが苦手で、そのかわり部分と全体の関係や意味の共通性に関心を持った。 (中略) 西洋人は世界を「名詞」で考え、東洋人は「動詞」で把握しようとしているともいえる。
✏西洋人の認知構造が世界をもの(個)へと分類していくのに対し、東洋人は世界をさまざまな出来事の関係として把握する。この世界認識のちがいが、西洋人が「個人」や「論理」を重視し、東洋人が「集団」や「人間関係」を気にする理由になっている。
✏インドで興った仏教は、中国で漢訳される際に変容し、日本に伝来したときにもういちど変容した。これは、もともとその国のひとたちが持っていた認識構造に合った思想しか受容されなかったからだ。
✏風光明媚な自然を愛でる日本人には、この世界を穢土とする思想はまったく理解不能だった。そこで日本の仏教者は、仏へと至るステップをひとつ飛ばし、現世をいわば極楽浄土に格上げすることで、死ねばすぐに(修行抜きで)仏になれるようにしたばかりか、生身の肉体のままで究極の悟りを得る「即身成仏」の思想まで”創造”した。
✏私たちは快適な家に住み、季節に合わせた服を着て、山海の珍味を楽しんでいるが、そのなかで独力で獲得できるものは数えるほどしかない。高度な文明社会では、ひとびとは”無力”になることでゆたかになっていく。  狩猟採集の民が現代人と遭遇したら、彼らは私たちがなにひとつできない(火を起こす方法すら知らない)ことを笑うだろう。
✏真の意味でのグローバルな宗教は、キリスト教と、ムハンマドが新たな預言を得て聖書を再解釈したイスラム教のふたつしかない。仏教は「法治」によって、儒教は「人治」によって身分や民族の壁を越えようとしたが、そこでは「神」が世界を支配しているわけではない。
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soul-eater-novel · 2 years
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p188
やっと二人の側に到着した斥候に、焦ってマッシュが問いただした。 Mathiu, clearly flustered, demanded of the two scouts who had just arrived.
「はい。テオが本隊より、鉄甲騎馬隊を先行させたのです。私も急いだのですが、何しろ敵軍の勢いも凄まじく……」 “Sir. Teo had the armored cavalry units sent ahead of the main unit. We moved as quickly as we could to warn you, but we can’t compete with their speed…”
「そうだったか……」マッシュは迫る砂煙をちらと睨んで、すぐさま斥候に言った。 “Is that right?” growled Mathiu, sparing a brief glare for the approaching cloud of dust.
「急いで各部隊に伝令を回せ。ビクトール、フリック、ハンフリーの三隊は準備を整え前に出よ、キルキス、ルビィ、ローレライの三隊は射手を並べてその後ろにつけ、と」 “Convey these orders to all units at once. Viktor, Flik, and Humphrey’s units gear up and march out first. Kirkis, Ruby, and Lorelai’s archery units will line up directly behind them.”
「はっ、わかりました」 “Yes, sir!”
斥候の姿が兵の合間に紛れて消える。 The scouts disappeared into the ranks of the soldiers.
直後全軍がどよめいた。鉄甲騎馬隊来襲の知らせに動揺しているのだ。 As the news of the calvary’s impending attack spread, the whole army burst into activity.
それでもマッシュは機敏に態勢を整えていった。 Mathiu shrewdly prepared for the battle ahead.
ビクトールら三隊をティルたちの真後ろにつけ、その背後にキルキスら射手を回した。 Viktor’s unit and the other two assembled behind Tir and the others, and the archers in turn gathered behind them.
クレオの部隊を遊撃とし、レパントの部隊は湖畔の森を潜行させ、退却に備えて船の準備をさせることにした。 Mathiu ordered Cleo’s unit to attack at will, and Lepant’s group to go into hiding in the forest at the lake shore to prepare the boats for a retreat.
ただパーンの歩兵だけは、連日の強行軍で疲れているのか本隊の遥か後方に位置していた。 Perhaps because they were tired from marching day in and day out, only Pahn’s unit of foot soldiers were placed at the very rear, distant from the battle.
ティルはパーンの部隊に伝令を出し、進路を湖畔に取ってレパントと合流次第退却せよと伝えた。 Tir delivered their orders to Pahn’s unit, telling them to join with Lepant’s group and follow the same path to retreat.
態勢を整えると、マッシュはそのままの形で軍を進めていった。 The preparations complete, Mathiu ordered the army to maintain that formation and begin their march.
鉄甲騎馬隊との距離が徐々に詰まっていく。 The armored cavalry steadily closed the gap.
p189
ガルホースの足音が大地を揺るがし、兵の喊声が空に響く。 The approaching rumble of the gulhorses shook the earth and the battle cries of the enemy soldiers split the skies.
そして三百歩あまりの距離を置いて、両軍が対峙した時。 When there were perhaps only three hundred paces left between them, both armies drew to a standstill and stood facing one another.
横一線に整列した鉄甲騎馬隊の間から、銀の鎧を纏い、黄色のマントを翻した男が剣を抜き馬を前に進めた。 A lone man rode out between the ranks of cavalry, his sword drawn and his golden cape billowing.
その男こそが帝国五将軍の一人、百戦百勝将軍と呼ばれたテオ・マクドールだった。 He was one of the five Imperial generals, known as “the invincible general and victor of one hundred battles”—Teo McDohl.
ついにこの時が、来てしまったーー。 The time had come at last.
思わずティルが仰いだ空に、容赦のないテオの声が響く。 Without meaning to, Tir looked up at the sky. His father’s voice rang out, merciless.
「帝国に歯向かう反逆者ども!! “Traitors to the Empire!
それが誰であろうと、許すわけにはいかぬ!!」 It doesn’t matter who you are—you will not be tolerated or pardoned.”
ティルが顔を前に向けると、テオは陣頭に立ったティルに、抜き身の先を向けていた。 Tir forced himself to look at his father. Teo, standing at the head of his army, pointed his sword straight at Tir.
「テオ・マクドールの名にかけて貴様らを討つ、覚悟せよ!! 」 “I vow on my name, Teo McDohl, to destroy all of you! Prepare yourselves!”
「父さん……」 “Father…”
ティルの目から涙が溢れた。 Tears welled in his eyes.
その瞬間、ティルの心の中の何かが壊れた。 In that instant, something in Tir’s heart broke.
父テオの来襲を聞いた時から、ティルは心のなかで激しい葛藤を続けていた。 Ever since he had heard his father was on the march to attack them, a fierce tempest had been raging in his soul.
解放軍を率いる以上は、帝国軍と戦わなければならない。 Leading the Liberation Army means fighting the Empire.
しかし父さんとは戦いたくないーー But I don’t want to fight my own father!
ふたつの思いに板挟みになっていたティルは、その時父の声によって、自分の一方の思いが無惨にうち砕かれたことを知った。 Torn between those two thoughts, when Tir heard his father’s words, he realized his own will in the matter had been cruelly smashed to bits.
もう、後戻りはできないんだー。 There’s no more going back.
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