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20180518
定型がもつお祈りのような優しさと呪いのような苦しさが僕は本当に大好きなんだぜ。短歌も川柳も俳句も、なんだって詠むんだぜ。前の記事は短歌、今回は川柳(????)
どこか冷たい
僕だけが喋っていない水族館
隣室の鏡が同期しているが
真面目ではない君の打つ七六歩
息とめる練習 本番などこない
息とめる練習 皆が顔沈め
雁風呂でもてなす肌の黒々と
誕生日 昨日とおなじ夢をみる
どの春を思い出したら泣けるのか
造り花 蝶がとまるか賭けてみる
青色にやけに詳しい僕がいる
目の中に入るキミの毛さえ愛し
あまり手を洗わない君さえ愛し
心電図とるなとかたく腕組まれ
おとといの汚れがひじに残ってる
太陽が沈むと決めている町が
中学のころから長い棒こわし
水道水冬の季語だとうそぶかれ
水中が季語になりつつある町で
ターミナル どこか冷たい人が泣く
心配になって六度も梨数え
まだ固い馬油 桜はありますか?
追伸に書くこと先に考える
深夜2時ビルさえ起きてない街で
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20180515
短歌を詠むのがたまらなく楽しかった時期がありました。でも、今見返すとなんだか墓標のようで少し哀しくなります。2017年の30首。
ここに全てはありません
「Revolution:革命」君はすぐ唱う めくる単語帳の柔らかさ
隼人という名をもつ君に憧れて 夜、秋の底走って抜ける
青青青青青青青青青青 漢字練習帳は海? 空?
ちらと見た足首に傷もつ彼はアキレスに似た走り方をす
指先にとまるアオスジアゲハして愛の動詞の活用を知る
シトラスの香り知らずにシトラスのシャンプー買いに下りる坂道
イヴの身に降りかかる雨 歴史にはならずともアダムのよき思い出
折り紙で宇宙をつくると言ってからもう何年も経ってしまったね
コンタクトレンズ渇れる手洗い場 裸眼がひとり教室にいる
iPhoneのシャッフル機能が強引につなげた夏の歌、冬の歌
もし君が花ならいかにして咲くや 僕は百合一輪にて寂し
街路樹に一本残らず名をつけたあの町はいま? 遠いか
馬を娶らば風葬にする覚悟もて野晒しに薄き皮膚のこぼるる
駆け落ちに使う越冬資金あり 母、絶えた火の前に座すのみ
壮年 腕毛の更に濃い冬にのけもの追いし我が父
ほどかれた跡つきし縄それもまたひとつの結び目としての祈り
文字はそれ自体ひとつの柩にて詩歌・小説などを葬る
古紙回収されし歌集は発火する 死の後もまた表現ゆえに
《林》に《火》で《焚》と書く我が母国語の矛盾愛せり辞書を閉じつつ
一行の詩たれ我が歌紺��の海たれ我が肉体を満たす血
読みさしの聖書売りたる我をまだ彼は冷たい場所で待ちしか
冬の朝、辞書【落鳥】に赤引いた彼は失踪者と認められ
青年を葬る鉄道軋みつつ19時00分発は欠便
牛嘗める岩塩赤しその舌も耳標を覚えぬままらる
劇場は深夜に昼の演目を続けジュリエットは更に冷え
音のない夢に観た解散寸前劇団演ず悲劇ハムレット
告解の赦しを真似るオウムさえ牧師になるさ人が消えれば
雪原に薔薇の影口開きたり ルーチョ・フォンタナ既に没すも
一滴の雨粒に似た心臓に触れ「ここに全てはありません」
日に一度凪ぐ海の静けさの中すべて通り過ぎたと思うこと
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20180501
海は一つの音楽楽器です。
貝は奏でることができます。
鯨は奏でることができます。
蝦は奏でることができます。
彼らは生きているので、それが楽器である。
人間も海の一つに数えられるので、
人間も一つの音楽楽器です。
あなたは奏でることができます。
彼女も奏でることができます。
彼も奏でることができます。
私は奏でていますか?
私たちは奏でることができません。
人間は一つの音楽楽器です。
血の詰まった肉体は、青い海です。
海の一つです。
一つの海です。
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20180420
22歳になったよ。なんだか自分が22歳だってことにかなり驚いてる。なんでって、ずーっと18歳の気分でいて、なんか21までは数字の響きとその気持ちが合致してたから大丈夫だったんだけど22ってなんだろう。なんか、若さに鱗があるとしたら剥げ始める数字な気がするね。ただの勘違いかもね。でもたしかに去年はこんなこと思わなかったし、来年はもっと思ってるきがする。23って。久々の素数やぞ。
あっと思った瞬間の話を書きます。あっと思ったのは三つです。旧約聖書と漫画「パンティストッキングのような空の下」と差別です。
旧約聖書にある「コヘレトの言葉」にこんな文章があるんだって。「既に死んだ人を、幸いだと言おう。更に生きて行かなければならない人よりは幸いだ。いや、その両者よりも幸福なのは、生まれて来なかった者だ。太陽の下に起こる悪い業を見ていないのだから。」(画像しかなくて出典わからんごめん)
『パンティストッキングのような空の下』の最後らへんで明るい女の子がこう語りかける場面があるんだって。「生まれてこないで済んだならそれが一番よかったな 誰だってそうじゃない? みんな自分だけが自分なんだから」
差別の話です。世界にはかなりの差別があるそうです。僕はほとんど受けたことがないし、身近にもあまり存在してないからインターネットや本、テレビで存在をしるんだけど、僕は、本当に、その度に、この世界が消えてしまえばいいのにと思います。そして、この世界はそんなに一瞬じゃ消えて行かないことを知っています。22歳だから。そしてこの世界はそんなに一瞬じゃ変わらないことを知っています。だから、あまりの果てしなさに絶望します。
生まれてこないで済んだらそれが一番いいはずさ。
でも、この果てしなさはある意味で希望にもなるばずじゃない?って心の中のギャルがいいます。ってかさ~それ希望じゃね?って。
そうだよね、絶望も希望も存在しないんだから、その果てしなさは希望にもなるよね。ってかそうしなきゃだよね、ね。
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20180404
え、なんか心機一転して日記的なものをつけようかと思います。なんでって、引っ越したし、不安だし。毎日はつけないから日記とはしないし定期的にもできないから周記とか月記とかにもしません。記、という一文字でできるだけがんばります。なんか思ったことを一個だけは書くようにします。気になったものとか、こととか、身の回りのこととか。
さっそく一個書きます。『BEASTERS』っていう漫画があります。すごくいい漫画です。調べてください。2018年の漫画大賞もとっててノッてます。だけど買うのをやめてしまいました。内容はすばらしいです。しかし、刊行のスピードが異常にはやい。2016年9月に連載開始、2018年2月に7巻発売。約二ヶ月に一冊出してるわけですよ。なんかあんなに濃い内容を二ヶ月ごとに更新しつつ連打されると買い忘れてるうちに次の巻がでてたりして、だけど自分の生活は停滞してて。だからなんかショートしたみたいにプツっと買うのをやめてしまった。引っ越すタイミングで持っていたのも全部手放しました。でも、これだけは断言できるんですけど、絶対にいつか読むことになる作品です。僕が落ち着いたり、作品が完結したりしたら。それまでバイバイ レゴシ君って感じです。
二度と手に入らないものって物理的なものならもちろん、データでもたくさんありますよね。そうわかっていて手放すっていうことをこの機会にたくさんしたんですけど、それは必要なことだとわかりました。将来手に入らないとわかっていながら、それを手放す。これ、なかなか複雑な気持ちです。一回経験すれば、これからは何でも捨て去れるような気がします。そしてそれはつまり、手に入れることにも影響を与えます。グッバイ 永遠に会えないものたち。
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