まだ何も終わっていない。だから、もう一度始めます。こちらでは現代詩メインです。世界を作る、つなげる。よろしくお願いします。
Don't wanna be here? Send us removal request.
Text
【遠く】
凍りついているような静けさに取り囲まれて
時折の衝撃を我が身に感じ
深く暗い奥底の蠢きも
今ではもう、微動だにせず
私は私を構成する何らかを把握するために必要な全てを失いはじめている
喧騒は遠く
始まりは遙か遠く
離れていく
少しずつ
昨日と今日の区別もなく
しかし、確かな事実として
私はここにいる
だが、ここにのみいるわけではないらしい
私は遠ざかる
ここからとは、何処からなのだろう
何処へ向かうのだろう
凍てつく静寂は隙間なく敷き詰められている
私は、私である必要性を少しずつ失いはじめている
それでもまだ、私は理解しているのだ
私は遠く、離れていく
ここから
始まりから
どこかへ
終わりと口にするのは簡単だ
いつか辿り着くとしたならば
それはきっと

0 notes
Text
IN THE NIGHT
冷え切った空気が
暗い夜の高い空遠く、広がっていく
誰かの営みが放つ光と淡々と刻まれる自らの鼓動
世界が繋がり、そして分断される。
僕たちは分たれながら、また同時に一つであろうとしている
過去を思う
おそらく、もう二度と会わないであろう人を思い出す
明日を思う
それが今日と似たような日々であるならば、きっとそれは幸福なことなのだと思う
夢を思う
数歩程度はその距離を縮めることができただろうか
現実を振り返る
僕は今、どこにいるのだろう
僕はこれから、どこに行くのだろう

0 notes
Text
「朝」
何処かに明日があると誰かが呟いた
探しにいかないのか、と尋ねる声がした
検討もつかないんだ。僕はそう答える
そんなの言い訳じゃないか。君は言う
空赤い夕暮れ、今日の終わり
足元に長い影、ゆらり揺れる
遠く、西の空の奥で明日が生まれる
夜を通り過ぎた先、
僕たちはそれに出会えるのだろうか
昨日は何処にやった? 誰かが訊いてくる
必要ないんじゃないか? 僕は答える
要らないものなんか無い。そう君は答える
ならば明日からでも探そう。僕は決める

0 notes
Text
「本当は」
手を、伸ばしている。
届かないものがこの先にあると信じているから。
本当に?
本当にそうだろうか。
何を信じれば良いのか、ここ最近分からなくなってきている。
僕が此処にいること。
指先、キーボード、連ねられる言葉。
どれほどの本当が、此処にある?
子どもじみた発想だ。
駄々をこねているようだ。
〝本当は知っている〟
〝本当〟と呼べるものなんか何処にもない。その事を。
だからこそ、手を伸ばしているのかもしれ��い。

0 notes
Text
「睡」
疲れがたまると夢もなく眠るとは言うが
心の疲れは、よく夢を見せるらしい
そこでしか会えぬ人
表現不可能な思いを幾つか交換し
そして、僕は覚める
どっしりとした後悔と
遠ざかり続ける忘れ得ぬ日々
かすかに灯る明かり
乾ききった傷跡
そして、確認する
僕の在り処
此処は何処だ?
知っているくせに知らないふりをしているだけだ
微睡の優しさに、つい後ろ髪をひかれるから

0 notes
Text
【全ての親密な夜へ】
今日が残照の奥、宵闇の中へ吸い込まれていく
遠く、光が明滅している
僕がここにいることを
どうやって伝えようか
車が数台走り去っていくと
信号に合わせて静寂がやってきた
僕は思いを集め、一つの塊として
何処か遠くの親密な夜の下の誰かへの
接続を試みる
シグナル・ランプが点滅を繰り返す
グリーン、接続が成功する
僕はここだ。情報を送信する
僕は返事を待つ
誰かの返事を待つ
今日を終えた世界
静寂の降りてきた世界
僕はここにいる
もう一度、情報を送信する
接続が少し不安定だ
信号が変わる
原付が一台走り去っていった

2 notes
·
View notes
Text
「N.E.YERS」
足音が、僕の耳にだけ響く
昨日から今日へ、今日から明日へ
終わらせた物語、その終幕を書き換えるために
僕に、何ができるだろう
広大な草原を行く
地図を持たず、星を見上げ、
風を感じ、夢を見るのだ。
今日を飛び立ち
明日を探して
昨日を振り切り
高く、遠く、もっと高く
足音は繰り返し、響く、響く。
僕の後ろに連なり、響く。
終わらせた夢、その続きを見たいから
僕は、もう一度始めることにした

1 note
·
View note
Text
明日へ
今日の終わりを告げる空が
遠く、青く溶けていく
見上げる僕はここにいて
遠くの明日を探している
伸ばした手、指先の
その先端から思いをどこかへ
震える足、その爪先を
持ち上げて一歩を踏み出す
それは、おそらく明日があると思われる
その方角へ
遠く、残照も飲み込まれて
暗い夜がやってくる
見上げる僕は前を向いて
今日から明日へ
ここ��らまた、別のどこかへ

1 note
·
View note