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猫匣   
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ねこのすけ(@nekonosuke_san)のTRPG関係の物置です クトゥルフ神話TRPGやinSANeなどを遊んでいます 刀剣乱舞の世界観で遊んでいたりもします WEB公開に限りますが、リプレイの公開はご自由に! ×自作発言
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cthugha-box · 6 years ago
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刀剣乱舞 with inSANe:櫻の苑で逢いましょう
桜の季節がやって来る。 本丸からほど近い山の中に、桜の群生する場所があった。 そこで毎年行われるのが、春の恒例行事、本丸あげての花見の宴。 「今年は随分と遅咲きのようだ」 そう漏らしていたのは誰だったか―――。 刀剣乱舞 with inSANe:櫻の苑で逢いましょう
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▼レギュレーション PL人数:1人 リミット:4サイクル タイプ:協力型 雰囲気:まったり茶番 ワールドセッティング:遅咲きの春 ▼概要 「NPC:刀剣男士」が登場します GMとPLで誰にするのか相談して決定できます ゆるっとふわっと楽しいお花見をどうぞ
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▼PC1:刀剣男士 あなたは本日、花見の下見に行くことになっていた 出掛ける準備をしていると、短刀たちが慌てて帰って来た 確か彼らは花見の場所を掃除しに行ったものたちだ 引率にNPCが付いて行ったはずだが…? 「大変です!NPC様が、桜にさらわれました…!」 ……何て…………? あなたの使命は「桜にさらわれた刀剣男士を連れ戻すこと」だ
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以下はGMをする方のみ、閲覧してください。
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▼背景 NPCの刀剣男士をさらったのは、桜ではない。 「花の精」と呼ばれる存在が、群生地の桜の木を操りNPCをさらったのである。 一年前の春、審神者や刀剣男士たちはにぎやかな花見をした。 数多の付喪神は桜に語り掛け、うつくしいと称え、そして呑み歌い踊り、あふれんばかりの神気を振りまいた。 その神気に当てられた桜は、春が終わる頃にはかすかな意志を持つようになった。 それからの一年。 桜に宿った「花神」は、また刀剣男士たちが来てくれるのを、期待に胸を躍らせて待っていた。 神気を蓄えるうちに「花の精」なる自分の取り巻きも生まれ、みなでそれを楽しみにしていた。 しかし、もうすぐ春!という時期になって、急に不安がこみ上げてきたのである。 「ちゃんと咲けるだろうか」「自分は綺麗だろうか」「みんなは喜んでくれるだろうか」……………… そんな思いから、桜は「櫻の苑」と呼ばれる狭間の世界へと引きこもってしまう。 「花神」が引きこもったことで、桜は花を咲かせることができなくなってしまった。 この状況を心配したのが「花の精」たちである。 このままではこの群生した桜は全て枯れ落ちてしまうのではないか。 そうなれば「花神」自身もよすがを失い、この世から消滅してしまうかもしれない。 解決策を講じていた所に現れたのが、掃除にやって来た刀剣男士たちである。 彼らなら「花神」を元気にさせられるかもしれない。 「花の精」はNPCを「櫻の苑」へ連れ去り、事情を伝えて「天櫻戸」の中に引きこもった「花神」と対話させた。 NPCは「外は怖くない、今年もみんなで花見をする」と「花神」を説得する。 NPCの呼びかけにより「花神」は説得には応じるような姿勢を見せてはいるが、いまいち不安を取り除けずにいる。 果たしてPCは、NPCを無事に連れ帰り、お花見をすることが出来るのだろうか…! ▼GM情報 「天岩戸」をモチーフにしたシナリオです。 桜の前で舞をする刀剣男士が見たくて作りました。 クライマックスでは「儀式:刀舞」をすることになりますが、この際の描写についてはGM/PLにお任せいたします。 (NPCも一緒に舞うととても盛り上がるので、NPCのキャラシを用意しておくことをおすすめします。)
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▼狂気カード 『依存』『パニック』『行き過ぎた想い』『フェティッシュ』…など、4枚 ▼進行チャート 1サイクル目  公開HO:「彼の痕跡」  「彼の痕跡」調査成功で「大樹」が公開  「大樹」の補助判定を行なうと「天櫻戸」「長鳴鳥」「花神」が公開  *補助判定は成否関係なく、判定を行なうとハンドアウトが公開される ▼ハンドアウト 7枚(調査判定が行えるものは3枚) ハンドアウトは以下のように情報がチェーンしています。 「彼の痕跡」>「大樹」 「大樹」補助判定>「天櫻戸」「長鳴鳥」「花神」 「天櫻戸」>「儀式:刀舞」「稽古」
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▼PC1:刀剣男士 あなたは本日、花見の下見に行くことになっていた 出掛ける準備をしていると、短刀たちが慌てて帰って来た 確か彼らは花見の場所を掃除しに行ったものたちだ 引率にNPCが付いて行ったはずだが…? 「大変です!NPC様が、桜にさらわれました…!」 ……何て…………? あなたの使命は「NPCを連れ戻すこと」だ - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼秘密 あなたはNPCが花見を楽しみにしていることを知っている 掃除も自分から積極的に引き受け、短刀たちと出掛けた そしてあなたもまた、この花見を楽しみにしている あなたのもう一つの使命は「花見を楽しむ」ことだ
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▼導入フェイズ 桜の季節がやって来る。 本丸からほど近い山の中に、桜の群生する場所があった。 開けた場所を囲むようにそびえる桜の木々が、小さな花をその枝いっぱいに抱える姿は、実に美しい。 そうなれば…神の末席、付喪神ともあれば、あとはやることは一つである。 そこで毎年行われるのが、春の恒例行事、本丸あげての花見の宴。 誰しもが楽しみに、この日を待ちわびていた。 うららかな本日。 あなたは、くだんの桜の群生地へ、宴の下見に行く予定になっている。 朝からNPC含め何振りかの刀剣男士が掃除に行っていることをあなたは知っている。 けれどあなたは、今年になってからその場所に赴くのは初めてのことだった。 身支度を整えていると何やら騒がしい。あなたの部屋の襖が音を立てて開けられた。 そこにはNPCと一緒に掃除に行った短刀がいた。 「大変です!NPC様が、桜にさらわれてしまいました…!」 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - *GM情報  深刻になり過ぎないように、他のNPCを出すなどしてふんわりさせてください。  あいつが?桜に?わははそんなばかな、と笑うような具合で大丈夫です。  ゾーキングが終わったら、短刀は主へ報告に、PCは群生地へ向かわせます。 *ゾーキング  Q:どんな風に連れていかれたのか?  A:沢山の桜の木に小脇に抱え上げられて、運ばれて行きました。  Q:何処に行ったのか?  A:群生地の奥へ向かったようです。他の刀剣男士も周囲を探しています。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 群生地では確かに桜は咲いていないようだ。 しかし地面の土は荒れていて、這いずったような跡がある。 もしかしたら桜が本当に動き出し、根で地面を歩いたからこうなったのか…?と感じるだろう。 そう思った時、ふわ、とあなたの視界に花びらが降りて来た。 どうやら群生地のとある方向から流れてきたようだ。這いずった痕もそちらに続いている。 さくり、と地面を踏み、桜の花弁を追う。 しかし、次の瞬間、ぐるん、と空気が変わる。 それはまるで別の世界に来たような感覚。ひんやりとした静謐な風が吹き込んでいた。 視界の先には大きな大きな桜の木が聳え立ち、その周囲は開けていて、桜の木々が取り囲んでいる。 しかしどうしてか現実味は薄い。あなたは「何かの"境界"を跨いだ」のだと気付く。 今、あなたは、現実ではない狭間に迷い込んでしまったのだ。 <驚き>で恐怖判定を行なう。
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◆1サイクル目 周囲はぼんやりとした風景で、振り返っても道はない。 いや、それよりもNPCのことを探さなければ。彼もここにいるのだろうか? 調査ハンドアウト「彼の痕跡」を公開する。 *GM情報  もしもPCが「彼の痕跡」の調査より先にRPで「大樹」を叩いた場合、  ゾーキング情報として中からノックが返ることに気づいてもいい。  以降はチャートに従ってハンドアウトを公開し、メインフェイズを進める。  サイクルが余ったら早めに切り上げてもいいだろう。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼「大樹」補助判定:成功 驚かされた大樹は、ざわざわと揺らめいて裂ける。 いや、裂けたのではなく、数十本もの樹が寄り集まっていたのだ。 ひとりでに樹が動いていることにも驚くが、その隙間から勢いよく飛び出してきたものがある。 沢山のにわとりだ。驚かされてばたばたコケコケとやかましい。 そして目の前にぴょんと飛び込んできたのは、正にあなたの探していたNPCだった。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼「大樹」補助判定:失敗 驚かされた大樹は、ざわざわと揺らめいて裂ける。 いや、裂けたのではなく、数十本もの樹が寄り集まっていたのだ。 ひとりでに樹が動いていることにも驚くが、その隙間から勢いよく飛び出してきたものがある。 沢山のにわとりだ。驚かされてばたばたコケコケとやかましい。 そして目の前にぴょんと飛び込んできたのは、正にあなたの探していたNPCだった。 しかし目測を誤ったのか、ごつーん!とあなたにぶつかってしまう。 *PC/NPC双方の生命力を1点減少する。
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◆クライマックスフェイズ あなたたちの前にある大樹から、不思議と視線のようなものを感じるだろう。 引きこもったそれも、何かが始まることを感じているようだ。 姿勢を正し、あなたは舞に挑む。 ◆END分岐 ▼END1.「儀式:刀舞」が成功する ▼END2.「儀式:刀舞」が失敗する  *公開されない、行わない、といった場合も含む
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▼END1.「儀式:刀舞」が成功する 舞をやり切った二振りが気付くと、桜の大樹の内側から、小さな光が覗いている。 桜色の木漏れ日のような、ふわふわした光は、そろりそろりと幼子のような仕草で、大樹の内側から姿を現した。 にわとりたちが、花神!と嬉しそうに声を上げる。 どうやらこの光が花神のようだ。 「もう花神は大丈夫コケ。外は怖くないと教えてくれて、ありがとうコケ」 「神気をいっぱい貰って、花神もとてもちからがみなぎってるコケ」 周りのにわとりたちも頭を下げて、ありがとう、と口々にお礼を言う。 ふと気付くと、あなたたちの周りがぼんやりと滲んでいる。 どうやら狭間の場所から外に出ようとしているようだ。 「それでは―――うつつへお帰りなさいませ、付喪神様」 「また逢う日がありましたらば、どうぞよしなに」 にわとりたちのその声を最後に、周囲が白く白く。染まっていく。 そのままとぷんと、あなたたちは光に呑まれていく。 目を開いた時、あなたたちはあの桜の群生地の真ん中にいた。 そして、ただ一つ違うことがある。 あんなに元気のなかった桜の木々が、その枝に沢山の花をつけている。 開けた場所に降り注ぐように、花びらが風に乗って零れていた。 満開の桜の知らせは、瞬く間に広まるだろう。 あなたたちの不思議な経験は、ごくごく身内のみ知る話となるかもしれない。 これはあなたたちの過ごす日々のほんの一幕。桜の季節がやって来た。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼END2.「儀式:刀舞」が失敗する、または行なわない あなたは疲れ果ててその場に腰を下ろすだろう。 NPCやにわとりたちがそれを心配して覗き込んでいる。 舞は失敗してしまったが、桜神はあなたたちに興味を持っているようだ。 仕方がない。NPCがそうしていたように、根気よく説得するしかないだろう。 或いはあなたたちが頼めば、にわとりたちはここから出してくれるかもしれない。 どうするのかはあなたたち次第だが、どちらにせよ、春はまだ遠そうだ。
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▼ハンドアウト一覧 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:彼の痕跡 彼は何処にいるのだろう 短刀たちは「桜に攫われた」と言っていたが… ▼秘密 ショック:なし 辺りを探していると、彼の持ち物が落ちていた 不審に思い辺りを見渡しても、桜の大樹しかない それにしても随分と立派な大樹だ だが…少し奇妙な大樹であるとあなたは思うだろう 枝はさほど広くなく、高さも大樹にしては低いが、幹だけがやたら太いのだ 要するになんだか不格好である *「HO:大樹」を公開する - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:大樹 開けた場所にあるやたらに大きな大樹 樹木が何本も束ねられて出来たような、不思議な形をしている 軽く幹を叩いてみると何やら音がおかしい まるで、仲が空洞になっているような、軽い音だ もう一度、叩いてみようか…? *このハンドアウトに秘密はない ▼叩いたあとの追加情報 不思議に思ってもう一度叩いてみる 樹の中から、NPCの声が聞こえてくる…? どうやら彼は、この大樹の幹の中にいるようだ 曰く、「少し驚かせば出られそう」とのこと *<驚き>で補助判定を行なうことが出来る - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:長鳴鳥 常世長鳴鳥、つまりにわとりのこと ここには桜色のにわとりが沢山いるようだ 「花神が閉じこもってしまったのには理由がある」 くちぐちにそのように言っている ▼秘密 ショック:全員 「花神」はこの春を楽しみにしていた 刀剣男士たちを一年間待ち続け、ようやくの春 しかし、ここで急に不安がこみ上げてきた 「ちゃんと綺麗に咲けるだろうか」「喜んでくれるだろうか」 「そもそも誰も来てくれなかったらどうしよう」――― そんな不安から「花神」は天櫻戸に閉じこもってしまった 困り果てた長鳴鳥は、桜の樹を使ってNPCを「花神」の元に連れて来た NPCは「天櫻戸」の中で「花神」の説得をしていたらしい 「外に出る気はあるが、やはり不安に思っているようだ」とNPCはいう 不安にならなくてもいいと伝える方法はないだろうか? …ところでにわとりが喋っている *この秘密を知ったPCは<生物学>で恐怖判定を行なう - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:天櫻戸 中に「花神」が閉じこもっている 長鳴鳥たち曰く、大樹は「アマノサクラノト」というらしい 一度閉じたらなかなか開かないのだとか ▼秘密 ショック:なし 常世長鳴鳥、閉じた戸、引きこもった神 あなたは「天岩戸」のことを思い出すだろう 太陽神が隠れ、世界が闇に包まれた伝説である 伝説では、天岩戸の前で賑やかに舞を行ない、 気になった神が外を覗いたところを引っ張り出した 同じように「花神」を連れ出すことは出来ないだろうか? *「儀式:刀舞」「マスターシーン:稽古」を公開する - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:花神 桜の群生地に棲む花をつかさどる存在 もともと精霊のような微かな存在であったが 刀の付喪神たる刀剣男士が定期的に訪れて宴をしたことで その神気の影響を受けて意志を持つようになった 桜の群生地で開花が遅れていたのは、 花神がここに閉じこもってしまったのが原因のようだ *このハンドアウトに秘密はない - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼儀式:刀舞 刀剣を抜いて行なう、力強く美しい演舞 この儀式が成功すると天櫻戸から花神を連れ出せる  *再挑戦時のペナルティ:生命力が1点減少する  *アイテム、好奇心による振り直しにはペナルティは発生しない ▽1:長鳴鳥と息を合わせる  指定特技:物音 ▽2:第一幕 力強く優雅な舞  指定特技:芸術 ▽3:第二幕 激しい剣戟の舞  指定特技:切断 ▽4:第三幕 華々しく神秘的な舞  指定特技:霊魂 ▽5:最後まで楽しく舞う  指定特技:笑い - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼マスターシーン:稽古 NPCが「刀舞」の稽古をしてくれる 稽古では「儀式:刀舞」の5項目のうち【2つ】まで練習が出来る 同じ項目を2回稽古してもいいし、別の項目を1回ずつでも構わない 選択した項目の指定特技で判定を行なう 判定結果により「儀式:刀舞」の判定に補正がかかる 成功◆選択した項目の達成値+2 失敗◆選択した項目の達成値+1  *メインフェイズ中に1回だけ宣言できる  *稽古はマスターシーンとして扱う
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cthugha-box · 7 years ago
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inSANe:アナザレイン
それは未来のために 或いは、過去のために 例えあなたの至る世界に、この私がいなくとも inSANe:アナザレイン これが二人のさよならのカタチ また君に、出会うために
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▼レギュレーション PL人数:2人 リミット:3サイクル タイプ:協力型 雰囲気:RP推奨 / ちょっぴり切ない ワールドセッティング:本当は怖い現代日本 よく晴れたある日の昼、雑居ビルの三階。 数年前に店子が引き上げてから、ずっと空いたままの場所。 埃っぽさと静けさだけの空間に、エレベーターの到着を知らせる音が鳴る。 窓際で振り返った「先客」と、同じ階に降りたびしょ濡れの「訪問者」。 青空を映す窓の前で、二人は向き合う。
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▼PC1:先客 あなたは好奇心からこの場所を訪れた この場所には何やら不思議な噂があるという あなたの【使命】は「ビルの噂の真相を知る」こと そして「PC2と仲良くなる」ことだ ▼PC2:訪問者 あなたは色々な不運が重なり、空腹の上、ずぶ濡れである 昼食の場所を探していてビルの三階に辿り着いたが、 どうやらこの場所には先客のPC1がいるようだ あなたの【使命】は「PC1と仲良くなる」ことだ ※PC作成について セッション開始時にPC同士の面識はありません。 どちらも高校生以上が好ましいです。
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あなたたちは、同じ時間に同じ場所で、異なる雨に濡れている。 景色も温度も違えている。けれど確かに、二人に降り続けていた。 例えあなたの至る世界に、この私がいなくとも。 i n S A N e . ア ナ ザ レ イ ン これが、二人のさよならのカタチ。 また君に、出会うために。
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▼背景 数年前、ひとりの男性が愛した女性と心中を図った。 彼は相手の女性を「運命の相手」だと信じ込み、執拗に付きまとうストーカーであった。しかし心中は失敗、相手の女性のみが転落死してしまった。後日、男性は女性の後を追って同じ場所から身を投げた。 彼らが死亡した場所こそが、シナリオの舞台になる「雑居ビルの三階」である。 男性が残した「運命の相手」という言葉は、意味を変じて伝えられるようになった。 男性は「雑居ビルの三階から身を投げ、運命の相手を追いかけた」が、それはやがて伝聞されるうちに変化し「雑居ビルの三階から外を見ると、運命の相手に会える」という噂へと形を変えていった。男性の強い執着は【霊障】となり、この場所を一人で訪れた者を見境なく転落死させていた。 PC1の友人はこの【霊障】が原因で転落死している。 そしてPC1もまた、友人の死について調べるうちにこの場所に一人で足を踏み入れ、友人と同じように転落死した。 この転落の瞬間を目撃したのがPC2である。PC2はそのときPC1が落とした「懐中時計」を拾ったことにより、PC1の友人の【霊障】によって「1時間前の世界」=「未来の定まっていない世界」へ招かれることとなった。 しかしPC2は「PC1が転落死した世界」の人間である。「未来の定まっていない世界」が「PC1が転落死しない世界」に定まった瞬間、元の世界に引き戻されることになる。
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▼狂気カード 望郷、既視感、広がる恐怖、なぜ自分だけ!?…など、8~10枚 ▼シナリオルール 「鎮痛剤」 生命力が0点以下になるダメージを受けたとき「鎮痛剤」を使用して耐えることはできません。 「かばう」と「ブロック」 かばわれたPCのダメージを0点にすることはできません。 最低1点はダメージを受けるため、肩代わりできるダメージの最大値は「ダメージ-1点」になります。 使用特技などはルールブックの該当ページを参照してください。(かばう:P.182  ブロック:P.207)
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▼進行チャート 1サイクル目  公開HO:「PC1のポケット」「PC2のポケット」「窓の外」「ビルの噂」 2サイクル目  冒頭にマスターシーン「ラジオと天気予報」  公開HO:なし 3サイクル目  公開HO:「横断歩道」 ※「窓の外」を調査していた場合のみ公開される ▼ハンドアウト 13枚(調査判定が行えるものは7枚)+プライズ1枚 ハンドアウトは以下のように情報がチェーンしています。 「PC1のポケット」>「懐中時計」 「PC2のポケット」>「濡れた懐中時計」 「窓の外」>「カフェ」>「プライズ:カフェの電話番号」 「窓の外」>「横断歩道」 「ビルの噂」>「転落者」>「最初の転落者」>「霊障」 ▼シーン表 1:壁の落書きが目に入る。相合傘が幾つも書いてあった。 2:空が晴れている。差し込んでくる日差しがが眩しく、窓からは爽やかな風が吹き込む。 3:埃を被った新聞の束がある。ここが使われていた頃の、数年前の新聞だ。 4:デスクの上にチラシが置いてある。客引きのチラシだ。最近置かれたものだろう。 5:PC2はびしょ濡れだが寒くはないだろうか/びしょ濡れのせいで少し寒い気がする。 6:なんだかおなかが空いた。ポケットを探る…何かあるだろうか。
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▼PC1:先客 あなたは好奇心からこの場所を訪れた この場所には何やら不思議な噂があるという あなたの【使命】は「ビルの噂の真相を知る」こと そして「PC2と仲良くなる」ことだ ▼秘密 二週間前、あなたの友人がこの場所から転落して死亡した 警察による捜査の結果、友人の死は自殺として処理された しかし、友人は自殺を���えるような人物ではなかったように思う あなたは友人の死の真相を知るため、ビルの噂について調べている 現場に何か残されているかもしれないと考え、この場所を訪れた また、あなたは「懐中時計」を持っている これはあなたの友人の形見である
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▼PC2:訪問者 あなたは色々な不運が重なり、空腹の上、ずぶ濡れである 昼食の場所を探していてビルの三階に辿り着いたが、 どうやらこの場所には先客のPC1がいるようだ あなたの【使命】は「PC1と仲良くなる」ことだ ▼秘密 ショック:PC1 本日、正午 あなたは雑居ビルから人が落下するのを目撃した カフェのオープンデッキに叩きつけられたその人は、一目で即死とわかる状態だった 悲鳴や救急車を呼ぶ声で騒然とする中、雨が降り始めた あなたは雨宿りをすることも忘れて呆然としていたが、 はっと我に返ったとき、びしょ濡れでエレベーターの中にいた 三階で開いたエレベーターを降り、出会ったのは、 先程、ビルから落下して即死した人物、PC1だった あなたのもうひとつの【使命】は「自分がここにいる理由を知る」ことだ *セッション開始時、PC2は正気度を1点失う *この秘密を知ったとき、PC1は≪死≫で恐怖判定を行なう
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◆導入 よく晴れたある日の昼、雑居ビルの三階。 数年前に店子が引き上げてから、ずっと空いたままの場所。 埃っぽさと静けさだけの空間に、エレベーターの到着を知らせる音が鳴る。 窓際で振り返った「先客」と、同じ階に降りたびしょ濡れの「訪問者」。 青空を映す窓の前で、二人は向き合う。 *GM情報  シナリオの舞台、雑居ビルの三階でPC同士が知り合うシーンです。  メインフェイズで協力し易いように、軽くRPで関係を作ってもらいます。 静かに、穏やかに言葉を交わす。ふたりの声だけがフロアに響いていた。 不思議な出会いのままに、この場所で一時、PCたちは共に時を過ごすことになる。
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◆1サイクル目 この場所に目立つものは多くない。 隅の方には薄汚れた事務机や椅子が積み上げられている。 事務用品や束の新聞、一昔前の電気ポットやラジオのようなガラクタが散見された。 元はオフィスのような使われ方をしていたのだとわかるだろう。 ふと見ると、壁掛け時計はまだ動いているようだ。時計は「11時」を示している。 以下の4つのHOを公開する。 「PC1のポケット」「PC2のポケット」「窓の外」「ビルの噂」 「ビルの噂」以外のハンドアウトに調査判定は不要です。手番の消費もありません。 「PC1のポケット」「PC2のポケット」は、自分の所有物を自分で確認するというような扱いです。 自分だけで情報を確認してから、情報共有をするかどうか選べます。 *GM情報  現在時刻が11時だと必ず伝えてください。以降、1サイクルごとに15分程の時間が経過します。 *GM情報  PC2の持っている「濡れた懐中時計」は転落したPC1が落としたものです。  落下により傷が多くなっていますがふたつの懐中時計は同じものです。  また、PC1の持ち物はすべて正しい時刻(壁掛け時計やラジオと同じ時刻)を示していますが、  PC2の持っている時刻を確認できるもの(スマートフォンなど)はすべて【正午】を示して止まっています。  これらの情報はゾーキングがあれば公開して下さい。
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◆2サイクル目冒頭 マスターシーン 二人の耳に、ちりちりしたノイズのような音が聞こえてきた。 一体何だろうと周囲を見渡すと、置き去りにされたラジオが鳴っているのに気付く。 電波を受信している様子なのだが、ラジオの音声はノイズが強く、はっきりとは聞き取り難い。 *≪電子機器≫か≪殴打≫で判定を行なうことが可能。 この判定に成功すると以下の音声を聞ける。 「気象情報です。気象情報センターよりお届けします」 「本日は天候も良く、午前は気温が上昇しますが、」 「昼前から徐々に天気が崩れ、昼頃から雨が降り始めるでしょう」 「傘の準備をお忘れなく」 「11時30分からはニュースをお送りします」 ポップな楽曲やCMなどが流れ、再びノイズがかった音へ変わって行く。 やがて電池が切れてしまったのか、ラジオは静かになった。 ※このタイミングで窓の外を見ても天気はいい。
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◆3サイクル目 *2サイクル目までに「窓の外」を調べていた場合、以下のHOを公開する。 「横断歩道」 【!】メインフェイズを終わる前に 「プライズ:カフェの電話番号」はメインフェイズ中のみしか使用できません。 もしPLが忘れているようなら使用の確認をするようにしてください。
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◆クライマックスフェイズ 不意に、聞き慣れた、しかし場違いな音が、あなたたちの耳に届く。 音のした方へ視線を向ける。それはエレベーターの到着音だった。 二人の視線を集めているエレベーターは、ゆっくりと、ドアを開く。 そこにあったのは、「闇」…或いは「病み」そのもの。 男の姿をしていると感じたのは一瞬だった。 生白い肌、ぼやけた輪郭。闇を溜め込んだような黒く濁った眼窩。 怨念がかろうじて人の形をしている、そういった方が正しい姿だった。 それが明らかに異質な存在…「怪異」であると、全身を襲う寒気と共に感じるだろう。 黒い水、或いは汚泥のような「重い気配」がエレベーターからあふれてくる。 「…ああ…やっと…あえ  あ   会え タ…… 」 しわがれた男の声を発して、怪異は口が裂けるほどに笑う。 そしてPC1を、がらんどうの瞳で見つめた。 「ごめ ン ネ … 待た  セ テ し ま… ッタ… ネ  … 」 「一緒 ニ 死 ン  で あ げ ら れ ナ く て 寂 シ カ っ…た よ ネ … 」 「 サ ア … イ ッ シ ョ ニ… イ コ ウ … 」 「オ レ ノ … オ レ ダ ケ ノ … 」 「 運 命 の 人 」 *PCは≪愛≫で恐怖判定を行なう。
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◆戦闘について エネミー「妄執の残滓」、モブ「重い気配」が戦闘に参加します。 この戦闘に参加しているキャラクターは「回避」を行なうことができません。(エネミー/モブ含む) GMはプロットを決める前に、以下の情報を公開してください。 ●戦闘終了条件 ●怪異のステータス ●怪異のアビリティに関する補足 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 【!】戦闘終了条件 1.「妄執の残滓」の生命力が0点になる 2.≪心中≫によりPC1の生命力が0点になる *GM情報  「妄執の残滓」の生命力を0点にする方法は2つあります。  1つは、≪心中≫が成功した際のデメリットで生命力が0点になる。  もう1つは、通常のダメージで生命力を0点にする。  ≪心中≫のデメリットを利用する場合は、PC1に対するダメージへの対処が必要です。  通常のダメージで生命力を0点にする場合は、≪道連れ≫のダメージの対処が必要です。  どちらも「ブロック」または「かばう」に成功することで、PCは生き残ることが出来るでしょう。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 【!】怪異のステータス ◆エネミー:妄執の残滓 【生命力】8 【プロット】2 【属性】怪異 【特技】≪愛≫ ≪霊魂≫ ≪罠≫ ≪死≫ 【アビリティ】≪心中≫ ≪道連れ≫ ≪霊体≫ ◆モブ:重い気配 【生命力】4 【プロット】1 【属性】怪異 【特技】PC1とPC2が基本攻撃に使用する特技 【アビリティ】≪霊体≫ ≪心中≫ 指定特技:愛|攻撃アビリティ タイミング:指定特技による命中判定に成功したとき 効果:対象の現在の生命力と同じ点数のダメージを与える デメリット:ダメージを与えたとき、アビリティ使用者の生命力は0点になる *解説:対象と一緒に身を投げて心中を図る ≪道連れ≫ 指定特技:死|攻撃アビリティ タイミング:デメリット以外で生命力が0点になったとき 効果:怪異の生命力を0点にしたPCに、PCの現在の生命力と同じ点数のダメージを与える *解説:最後の執念で相手を道連れにする ≪霊体≫ 指定特技:なし|装備 1回の攻撃で2点以上のダメージを受けない また、バッティングしても双方にダメージはない *解説:霊体と実体は互いに干渉し難い *GM情報  モブはPCのブロック宣言を誘発するためいにます。  エネミーが攻撃されたらダメージを【ブロック】してください。  また、PCが【装甲】を持っていた場合は、  「現在の生命力+1点のダメージ」に書き換えて対応してください。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 【!】怪異のアビリティに関する補足 ≪心中≫と≪道連れ≫により生命力が0点になると、PCは【死亡】します。
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◆END分岐 ▼END1:PC1.生存 / PC2.生存  ≪心中≫のブロック/かばうの判定に成功する  「カフェの電話番号」を使用し、オーニングを出してもらっている ▼END2:PC1.生存 / PC2.生存  ≪心中≫のブロック/かばうの判定に成功する  「カフェの電話番号」未使用、またはオーニングを出してもらっていない ▼END3:PC1.生存 / PC2.生存  ≪心中≫が成功する前にエネミーの生命力を0点にする  ≪道連れ≫のブロック/かばうの判定に成功する ▼END4:PC1.死亡 / PC2.生存  ≪心中≫のブロック/かばうの判定に失敗し、PC1が死亡する  または、≪道連れ≫のブロック/かばうの判定に失敗し、PC1が死亡する ▼END5:PC1.生存 / PC2.死亡  ≪道連れ≫のブロック/かばうの判定に失敗し、PC2が死亡する
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▼END1:PC1.生存 / PC2.生存 ≪心中≫のブロック/かばうの判定に成功する 「カフェの電話番号」を使用し、オーニングを出してもらっている PC1の前に立ちふさがるPC2に、黒い影が絡みつく。 かろうじて人の形をしただけの妄執の塊。 その余りの大きさに、ふたりはもろとも弾き飛ばされる。 圧倒的な黒い闇があなたたちの身体を飲み込んだ。 いけないと、思ったときにはすでに遅く。何かが割れる音。痛み。 視界を埋め尽くす暗闇がすっと遠退いたとき。 あなたたちが見たのは、いまにも泣き出しそうな、雨を孕んだ灰色の空。 風が吹き抜ける。込み上げてくるのは浮遊感。 そして……落ちていく感覚。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - *PC2にのみ伝える情報 あなたはその意識が遠のくのを感じた。 その身体は指先から透き通って、徐々に視界も真っ白に―――。 以降、PC1のエンディングに【あなた】は参加できません。 しかし【横断歩道にいるPC2】としてなら参加することができます。 【横断歩道にいるPC2】は「濡れた懐中時計」を拾い、PC1に声を掛けることになるでしょう。 勿論、PC1とは初対面です。 ※GMは参加の意思があるかを確認してください。 参加する場合は、「雨」を合図に参加して貰うとスムーズです。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ◆END1:PC1 あなたはすぐに、窓の外に放り出されたのだと理解する。 自分の身体をぐんと重く感じ、落ちていく感覚。 ほんの数秒の出来事。しかしあなたが落ちた先は硬いオープンデッキの床ではない。 雨を待って張られた、布のオーニングの上だった。 衝撃にオーニングの上であなたの身体が跳ねる。 跳ねて、転がって、そのまま、どさりとテラスへ落ちた。 身体のあちこちに鈍い痛みはあるものの、大きな怪我はない。 周囲の人々が足を止めて驚いていた。カフェの店員も慌てている。 あなたは周囲を見渡すが、一緒に落ちてきたはずのPC2の姿はなかった。 あなたが周りに声をかけることがあれば、彼らは口をそろえて返すだろう。 落ちて来たのはあなた一人だ、と。 ぽつ、と。 あなたの頬を打つものがある。いよいよ、雨が降り出したようだ。 あなたは周囲を見渡して、そのひとを探す。 *【横断歩道にいるPC2】と出会う。好きなようにRPしてもらう。 あなたの目の前には、ビルの三階で知り合ったその人がいる。 そしてあなたの掌にある、濡れた懐中時計には、ちいさな振動がある。 止まりかけたあなたの時間は、正しく流れ始めていた。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ◆END1:PC2 はっと気が付いた時、あなたは雨に打たれていた。 目の前には人垣。悲鳴と、それから、雨の匂いに交じる血の匂い。 戻って来た、と、或いは記憶が繋がったと、あなたは感じるだろう。 人垣の中心で雨に濡れる身体には、既に救急隊員によりカバーが掛けられている。 周囲は慌ただしく、人払いも行なわれていて、本人には近付けそうもない。 あなたは、自分が濡れた懐中時計を握りしめていることに気付いた。 転落の瞬間に足元に転がってきた懐中時計。それを拾ったことを思い出す。 あのカバーの下には、間違いなくPC1がいるのだ。 懐中時計はやはり、動いてはいない。 そのとき、雨音の中でやけに通る、やさしい声がした。 「随分と迷惑をかけてしまったね」 傘を差した人物が立っている。 顔は傘に隠れて見えないが、微笑んでいるような気配がする。 「友人が世話になった」 「自分のことは、己の不注意が招いた結果として諦めもついている」 「でも、���が死ななければ、あいつは一人でここへ来ることもなかったかもしれない」 「俺のせいであいつが死んだら、死んでも死にきれない」 「だから…手に取ってくれたきみに、無理を押し付けてしまった」 「きみが垣間見たのは、この世界と平行にある、あまたの世界のうちのひとつ」 「助けたあいつは、あの世界でうまく生きのびた。今もあの世界で元気にしてるさ」 *好きなようにRPしてもらう。 「平行な世界は限りなく遠い場所にある」 「けれど、案外近くもあるようだ。死んでみてよく理解した」 「その影響も、まるでさざなみのように打ち寄せる」 そう言って、あなたの手のひらの懐中時計を軽く指先でつついた。 途端に、あなたの手の中で、止まっていた時計がちくちくと動き出す。 「俺の声を聞いてくれて、ありがとう」 駆け付けた救急隊員たちの動きが、一層、慌ただしくなる。 断片的に、あなたの耳はその言葉を拾うだろう。 「生きている」と。 くるりと傘が回った気配がして、もうそこに、人影はない。 「身分証を持っていないか見てくれ」「名前だけでもいい」 そんな声が、救急隊員の間で交わされている。 *好きなようにRPしてもらう。救急隊員に名前を教えると同行を願われる。 救急隊員の期待に応えるように、あなたは救急車へと乗り込むだろう。 血の匂いと、慌ただしい声と、薬の匂い。サイレンの音。 雨の音を塗りつぶしていく。 けれど確かに聞こえる、鼓動を示す電子音、小さな呼吸音。 PC1が生きているという証。 …生きているのが奇跡のような、大きな怪我だった。 握っていた懐中時計が、振動している。 濡れた懐中時計は、再び、時間を刻み始めた。
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▼END2:PC1.生存 / PC2.生存 ≪心中≫のブロック/かばうの判定に成功する 「カフェの電話番号」未使用、またはオーニングを出してもらっていない END1の描写とほぼ同じ描写になります。 異なる部分は「【横断歩道にいるPC2】がPC1のエンディングに参加しない」ことです。 PC1は【横断歩道にいるPC2】と知り合うことはありません。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ◆END2:PC1 あなたはすぐに、窓の外に放り出されたのだと理解する。 自分の身体をぐんと重く感じ、落ちていく感覚。 ほんの数秒のあと、激痛と共に周囲から悲鳴があがった。身体が動かない。 上手く呼吸が出来ない…どうやら自分はオープンデッキに叩きつけられたようだ。 カフェの店員が何事かと飛んできた。何かを話しかけられているが良く聞き取れず頭がぼんやりする。 周りが暗いのは人だかりができ始めているせい、だけだろうか。 ぽつ、と。 あなたの頬を打つものがある。いよいよ、雨が降り出したようだ。 赤く染まる視界のままに、意識を手放そうとしたとき、指先にあたたかいものが触れた。平たい円状のものを握らされる。 目蓋をこじ開けると、歪んだ視界にあなたを見つめているその姿を認識する。 あなたの目の前には、ビルの三階で知り合ったその人がいる。声は聞こえない。 駆け寄ってきた救急隊員に訊ねられ、答えているのが見える。 「ただの通りすがりです」……そう言ったように見えた。 そのままあなたは救急隊員に担がれて救急車に収まる。 流石に無事ではないが、どうやら自分の命は助かったようだ。 徐々に五感が整ってきて、握らされたのは自分の懐中時計であると気付いた。 掌にある濡れた懐中時計には、ちいさな振動がある。 止まりかけたあなたの時間は、正しく流れ始めていた。
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▼END3:PC1.生存 / PC2.生存 ≪心中≫が成功する前にエネミーの生命力を0点にする ≪道連れ≫のブロック/かばうの判定に成功する PC1のエンディングはEND1の描写とほぼ同じ描写になりますが、異なる部分は「PC2がPC1に最後の一言を伝えられる」ことです。 PC2のエンディングはEND1の描写と同じ描写になります。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - *PC2にのみ伝える情報 あなたはその意識が遠のくのを感じた。 その身体は指先から透き通って、徐々に視界も真っ白になりつつある。 消えてしまうまでの一瞬。一言だけなら、PC1に何かを伝えられるでしょう。 *最後の言葉を伝えた後 以降、PC1のエンディングに【あなた】は参加できません。 しかし【横断歩道にいるPC2】として参加することができます。 勿論、PC1とは初対面です。「濡れた懐中時計」も拾っていません。 また、PC1の行動によっては参加できないかもしれません。 ※GMは参加の意思があるかを確認してください。 参加する場合は、「雨」を合図に参加して貰うとスムーズです。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ◆END3:PC1 妄執の残滓は苦悶の声を上げて、最後まであなたに手を伸ばした。 けれどその手はあなたには届かない。窓枠からずるりとその姿が滑り落ちて行った。 あなたは注意しながら窓を覗き込む。妄執の残滓は光に照らされ、空中で解けるように消えた。 *PC2の最後の言葉を伝えてもらう。 振り返ってはっとした。 そこに、今まで一緒にいたPC2の姿はなかった。がらんとしたフロアが広がっている。 *PC1はビルにいるため、外に出るなどの自発的な行動をしなければ【横断歩道にいるPC2】とは出会えません。 外に出なかった場合は、【横断歩道にいるPC2】と知り合わないエンディングとなります。
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▼END4:PC1.死亡 / PC2.生存 ≪心中≫のブロック/かばうの判定に失敗し、PC1が死亡する または、≪道連れ≫のブロック/かばうの判定に失敗し、PC1が死亡する PC1のエンディングはありません。 PC2のエンディングはEND1の描写とほぼ同じ描写で始まり、友人にも出会いますが、PC2の世界で転落死したPC1が助かることは��りません。懐中時計はPC1の形見となるでしょう。
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▼END5:PC1.生存 / PC2.死亡 ≪道連れ≫のブロック/かばうの判定に失敗し、PC2が死亡する - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ◆END5:PC1 妄執の残滓は苦悶の声を上げて、最後まであなたに手を伸ばした。 けれどその手はあなたには届かず、代わりに掴んだのはPC2の身体だった。 窓枠からずるりと、PC2と妄執の残滓が滑り落ちて行った。 あなたは慌てて窓を覗き込む。妄執の残滓は光に照らされ、空中で解けるように消えた。 そしてPC2の姿も、何処にもなかった。 呆然とするあなたの耳に、するどいブレーキの音がした。 そちらを見ると、横断歩道を遮るように車が止まっている。 次々に悲鳴が上がる中、あなたの目には、車の下から赤い水たまりが広がるのが見えていた。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ◆END5:PC2 はっと気が付いた時、あなたは雨に打たれていた。 目の前には人垣。悲鳴と、それから、雨の匂いに交じる血の匂い。 戻って来た、と、或いは記憶が繋がったと、あなたは感じるだろう。 しかしそれよりも気になることがある。 体中が熱くて、冷たくて、なんだか視界がおかしいのだ。 そんな違和感を増すように、雨音の中でやけに通る、やさしい声が響いた。 「随分と迷惑をかけてしまったね」 傘を差した人物が立っている。あなたはそれを見上げていた。 顔は傘に隠れて見えないが、しかし申し訳なさそうな、悲しそうな気配がする。 「友人が世話になった」 「自分のことは、己の不注意が招いた結果として諦めもついている」 「でも、俺が死ななければ、あいつは一人でここへ来ることもなかったかもしれない」 「俺のせいであいつが死んだら、死んでも死にきれない」 「だから…手に取ってくれたきみに、無理を押し付けてしまった」 そこであなたは、あなたが倒れているのだとようやく気付いた。 「平行な世界は限りなく遠い場所にある。けれど、案外近くもある」 「まさか、こんなことになるなんて―――」 くるりと傘が回った気配がして、もう���こに、人影はない。 「人を轢いてしまった」という慌てた声が聞こえた。 ああ、撥ねられたのか、とあなたは気付く。 身体が重い。意識が遠くなる。痛みも、雨の冷たさも、あなたは感じられなかった。 サイレンの音が雨の音を塗りつぶしていく。 雨の街を、塗りつぶしていく。
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◆ハンドアウト一覧 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:PC1のポケット PC1の所持しているもの 財布、スマートフォン、必携品…それから? *PC1は宣言のみで情報を確認できる ※情報確認の宣言で以下のハンドアウトをPC1に公開する ▼HO:懐中時計 PC1が所持している懐中時計 PC1はエレベーターが開くまでこの時計を見ていた 小さな傷はあるものの、ちくちくと針が動いている *このHOに秘密はない - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:PC2のポケット PC2の所持しているもの 財布、スマートフォン、必携品…それから? *PC2は宣言のみで情報を確認できる ※情報確認の宣言で以下のハンドアウトをPC2に公開する ▼HO:濡れた懐中時計 PC2が所持している懐中時計 傷が多く、「12時」を指して針が止まっている *このHOに秘密はない - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:窓の外 大きな窓には青空が映っている *「窓の外を見る」という宣言で情報は公開される 秘密 ショック:なし *拡散情報 晴れた空の向こうに、白い雲が見える 窓を開けてみると、気持ちのいい風が吹きこんだ 窓から下を見ると、ビルの一階のオープンデッキが見える *HO「カフェ」が公開される - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:カフェ ビルの一階にあるカフェ オープンデッキには誰もいない 秘密 ショック:なし 落ち着いた雰囲気と自家焙煎コーヒーが自慢のカフェ 昔は人気の店だったが、最近は閑古鳥が鳴いている WEBサイトやチラシには電話番号が掲載され、席の予約を受け付けている また、雨が降ると、店員がオーニング(布製の屋根)を出す オープンデッキは広く、なかなか大きなオーニングを備えているようだ *「プライズ:カフェの電話番号」を獲得する - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼プライズ:カフェの電話番号 このビルの一階にあるカフェの電話番号 使用するとカフェに電話が掛けられる *このプライズに秘密はない *メインフェイズ中のみ使用できる(シーンは消費されない) ▼使用する場合 電話を掛けるとカフェ店員が対応します。 オーニングを出してもらうことでエンディングが変化します。 誘導しすぎない程度に、しかしPLが切り出し方を困っている場合は「お席のご予約ですか?」「本日は天気がいいのでオープンデッキの席はいかがでしょうか」というように尋ねてもいいでしょう。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:横断歩道 ビルの前の横断歩道 窓からは行き交う人たちが見える 秘密 ショック:全員 横断歩道の向こうの人物に気が付いた このビルへと歩いてくるその人は「PC2」だ 「PC2」はもうすぐ横断歩道へ差し掛かるだろう 「PC2」は確かにここにいるが、あの「PC2」は一体何者なのだろうか *この秘密を知ったとき≪情景≫で恐怖判定を行なう ▼PC2のみ追加情報 「自分自身」を見て、思い出す PC2はPC1が転落する前、横断歩道を渡っている こちらへ歩いてくる「PC2」は、あなたにとって【過去の自分】だ しかし今、あなたの時間は【正午】で止まっている 正午を迎えたとき、自分はどうなってしまうのだろう - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:ビルの噂 このビルには不思議な噂があるようだ 秘密 ショック:なし このビルには不思議な噂がある 「三階の窓から外を見ると、運命の相手と会える」というものだ なかなかロマンチックな噂として、女子中高生の間では有名である 関係者以外の立ち入りは禁止されているのだが、 噂を確かめようとビルに訪れるカップルやグループが後をたたない そのせいなのかたびたび転落する者がいたようだ *HO「転落者」が公開される - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:転落者 過去に転落した者について 秘密 ショック:PC1 転落したのは「一人でビルに訪れた者」だけだった グループやカップルで訪れた場合、転落は起こらない そのため、この場所で起こる転落死は「不慮の事故」ではなく、 人間関係に思い悩んでの「自殺」とされるケースが多い 三階から転落した者のほぼ全員が死亡している 最近だとひと月以内、遡ると数年前まで転落死は続いている 数少ない生存者がいるようだが、その理由まではわからなかった ただ、どうやら【雨の日】の転落では死者がいないらしい 転落について調べていると、ある人物の名前に行き当たった この人物は数年前に亡くなっているが、最初の転落者のようだ *HO「最初の転落者」が公開される - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:最初の転落者 ビルの三階から転落し、死亡した女性 どうやら何かの事件に巻き込まれたようだ 秘密 ショック:全員 「最初の転落者」は、執拗なストーカー被害にあっていた ストーカーは彼女のことを「運命の相手」だと信じ込んでいた その思いは一方的なものだったと、のちに知人たちは語っている ストーカーが心中を図り女性を襲った しかし、もみ合ううちに女性のみが転落死してしまう 数日後、ストーカーも後を追って同じ場所から投身自殺をした 以来、このビルの三階ではたびたび転落死が起こるようになった ストーカーの強い執着は【霊障】となってしまったのではないか 誰かれ構わず「運命の相手」だと思い込み、転落させているのではないか 事情を知っている者の間では、そのように噂されている *≪霊魂≫で恐怖判定を行なう *HO「霊障」が公開される - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼HO:霊障 幽霊の起こす障り、生者への干渉を「霊障」という 本来、幽霊には実体がないため、生者に干渉できない しかし「実体のあるもの」を通じて生者に干渉することがある 実体のあるものとは、例えば「場所」や「物」などである 霊障を起こすそれらには、死者の強い思いが染みついているのだ *このHOに秘密はない
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