Il n'est subject si vain, qui ne merite un rang en cette rapsodie. この雑多な寄せ集めにおいては、入れるには及ばないほどくだらない主題など存在しないのである。— Michel de Montaigne
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その途中、画家ミッケ・ランジェロはコマロフに出会った。彼はコマロフの腕をつかんで大声で言った。「おい、見ろよ!」 コマロフが見ると、球があった。 「あれは何だ?」とコマロフがつぶやいた。 天から声が響いた。「あれは球だ」 「いったい何の球だ?」とコマロフがつぶやいた。 天から声が響いた。「滑らかな表面の球だ!」
ダニイル・ハルムス、「現象と存在について No.1」、『ハルムスの世界』、増本浩子/ヴァレリー・グレチュコ訳、白���Uブックス、2023、p. 118
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マカーロフ(本を読む)「人間はしだいに形を失い、玉になる。そして、玉になると人間はその欲望をすべて失う」
ダニイル・ハルムス、「マカーロフとペーテルセン No.3」、『ハルムスの世界』、増本浩子/ヴァレリー・グレチュコ訳、白水Uブックス、2023、p. 49
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「書評するときには」とイエスは言った。「プロットをあまり言わないように。地獄には物語のいちばんの驚きを台なしにした書評家のために特別な場所がとってあるぞ」
トマス・M・ディッシュ、「イエスとの対話」、小島はな訳(『SFの気恥ずかしさ』、浅倉久志・小島はな訳、国書刊行会、2022、p. 152)
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最初わたしは、全てを燃やし尽くし、名誉にもならない無駄な苦労は避けてしまいたい衝動に駆られた primum quidem cepi impetum cunta flammis exurere et laborem inglorium vitare.
Petrarca, Le Familiari, 1.1.4
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煙草は、それが最後だと思うとよけいに味が濃厚になるような気がする。それ以外の時の煙草も、それぞれ特別な味がするものだが、さほど濃厚ではない。最後の煙草は、自分自身に打ち勝ったという感情と、近い将来に活力と健康が回復するという希望によって、独特の味わいを獲得する。それ以外の煙草も、それぞれ大切である。というのは、火をつけたときに、自らの自由が表明され、かなり先のことではあるが、将来の活力と健康が保証されるからである。
Penso che la sigaretta abbia un gusto più intenso quand’è l’ultima. Anche le altre hanno un loro gusto speciale, ma meno intenso. L’ultima acquista il suo sapore dal sentimento della vittoria su sè stesso e la speranza di un prossimo futuro di forza e di salute. Le altre hanno la loro importanza perchè accendendole si protesta la propria libertà e il futuro di forza e di salute permane, ma va un po’ più lontano.
イタロ・ズヴェーヴォ、『ゼーノの意識(上)』、堤康徳訳、岩波文庫、p. 23 Italo Svevo, La coscienza di Zeno
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ἐν ᾧ καὶ τὸ ἡττᾶσθαι τῶν προγενεστέρων οὐκ ἄδοξον.
ここでは先人に敗れることさえ名誉なことなのです。
Longinus, De sublimitate, 13.5 ロンギノス, 「崇高について」, 戸高和弘訳(ロンギノス/ディオニュシオス, 『古代文芸論集』, 戸高和弘・木曽明子訳, 京都大学学術出版会, 2018所収), p.44
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以下の物語が書かれる数年前、私は二人の同僚と共同で、医学生のために、大部で複雑な生化学の教科書を書いた。私たちは――文字通り――ガレー・プルーフに数日を費し、しばしば、小さな矛盾点に出くわしたものだった。私たちは、こちらはこう、あちらはああ、と化学式を綴りなおし、こっちはハイフンをつけ、あっちはハイフンをはずし、ここは文を入れ、あちらは文をいれ変え、と大奮闘をしたものだった。 私たちは、すべてを完璧にしあげることに絶望した。そして、ついに、われらの一人が言ったのである。「エマースンを引用すれば、『愚かな堅実さとは、小心な小悪魔なり』さ」 私たちは大喜びで、この言葉を受け入れ、それ以後、校正刷で小さな矛盾が見つかった時���いつも、欄外に『エマースン』と書いて、すませたものだった。
アイザック・アシモフ, 『アシモフのミステリ世界』, 田中融二他訳, 早川書房, 1973, p. 94
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