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加害の記憶は保持したくない。
できれば目をそむけたい。
忘れたい。
なかったことにしたい。
目をそむけ続けているうちに、記憶が都合よく編集されてしまう。
ー森達也 著『すべての戦争は自衛から始まる』(講談社文庫)よりー
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いろいろな木があり、その下にはいろいろな生きものがいる。
それは、そのほうがお互いにとって都合がいいからです。
それで山全体が保っているのです。
人間の都合で木を一本切れば、その下にある土の状態が変わる。ま
た隣にある木への風や日当たりも変わる。
すべてが影響しあっています。
ー養老孟司 著『「自分」の壁 』(新潮新書)よりー
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可能性とは、ルートが分岐しつつ、その行く先がわかった一本道などではなく、つねに、動的に変化していく全体でしかないのではないでしょうか。
哲学者 宮野真生子
ー宮野真生子・ 磯野真穂 著『急に具合が悪くなる』(晶文社)よりー
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現代人は自分というものがあるという信条を堅く守っているから、世界が自分を外してひとりでに動くのが気に入らないのかもしれない。
でも「自分の意志で」動くものが世間にどれだけあるか、考えたことがあるだろうか。
ー養老孟司 著『ヒトの壁 』(新潮新書)よりー
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永遠の相のもとに生きる者──〈永遠の今〉としての現在に生きる者──には死は存在しない。
その者は終わりのない認識の生を送る。
それゆえ、死に対する不安も存在しない。
それだけではない。この者には恐れも希望も存在しないし、悪しきこともよきことも存在しない。これから損なわれる可能性のあることも、これから満たされる可能性のあることも存在しない。
その意味で、この者は「生きることのほかにもはや目的を必要としない者、すなわち、満たされている者」である。
ー古田 徹也 著『はじめてのウィトゲンシュタイン』(NHKブックス)よりー
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心身問題がどんなに神秘的であったとしても、わたしたちは常に思い出さねばならない。
これが、自然にとってはすでに解決済みの問いだということを。
ーカルロ・ロヴェッリ 著/冨永 星 翻訳『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』(NHK出版)よりー
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何かを「自由」と定義してしまうと、それが枠組みになって、それ以上やそれ以外の自由は見えなくなってしまう。
ー俵万智 著『生きる言葉』(新潮新書)よりー
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ほほえみ 谷川俊太郎
ほほえむことができぬから
青空は雲を浮べる
ほほえむことができぬから
木は風にそよぐ
ほほえむことができぬから
犬は尾をふりーーーだが人は
ほほえむことができるのに
時としてほほえみを忘れ
ほほえむことができるから
ほほえみで人をあざむく
ー谷川俊太郎 著『自選 谷川俊太郎詩集』(岩波文庫)よりー

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宗教といえば信心だといって、あれだこれだという考えが逆に信心にとっては邪魔になるのです。
ー金子大榮 著『浄土真宗とは何か 『教行信証』のこころ』(真宗文庫)よりー
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煩悩を抱えた者が煩悩に振り回されないことは如何に成り立つか。
それはひとえに煩悩の痛ましさ愚かさを知らされることである。
親鸞にとっての念仏は、まさに我が身の愚かさを知らされ続けていくことであった。念仏して賢くなるのではない。
いよい愚かさを知らされるところに自分を正当化することから解放されるのである。
ー 一楽真 著『親鸞の教化 和語聖教の世界』(真宗文庫)よりー
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人は言葉とともに生きていく。
ネット上でも、リアルな世界でも同じだ。
「一言」の先にいる人を想像できるか。
そのために、知ること、考えることはたくさんある。
ー宇多川はるか 著『中学校の授業でネット中傷を考えた 指先ひとつで加害者にならないために』(講談社)ー
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人と話すとき、SNSに何かを書きこむとき。
何を言うかと同じくらい、何を言わないかを考える。
誰に向けての言葉なのかを意識する。
発してしまう前に、一呼吸おいて確認したい。
言葉が簡単に届けられる時代だから、なおさらである。
ー俵万智 著『生きる言葉』(新潮新書)よりー
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「なるようにしかならない」と思い、さらに、「しかし、おのずと必ずなるべきようになるのだ」と心のなかでうなずく。
そうすると不思議な安心感がどこからともなく訪れてくるのを感じる。
ー五木寛之 著『百寺巡礼 第三巻 京都 』(講談社文庫)よりー
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たいていの人はあまり自分のことに忙しいので、悪意をもつ暇がない。
ーフリードリヒ・ニーチェ著/上妻純一郎・阿部六郎 訳『人間的な、あまりに人間的な 完全版』(古典教養文庫)よりー
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自分が自立的な実体として存在しているのではない、という悟りは、自身を愛着や苦しみから解き放つ助けとなる。
ーカルロ・ロヴェッリ 著/冨永 星 翻訳『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』(NHK出版)よりー
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人は心を伝えたくて言葉を発明したけれど、心を伝える方法は言葉だけではない。
それを忘れないでおくことも、大事だと思う。
ー俵万智 著『生きる言葉』(新潮新書)よりー
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他者と生きていく中で、とても基本的で大切なものだけれど、難解なものが、他者の痛みへの想像力なのではないか。
それはもちろん、私自身も含めて。
ー宇多川はるか 著『中学校の授業でネット中傷を考えた 指先ひとつで加害者にならないために』(講談社)ー
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