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留学ごはん
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michieeeeeze-blog · 8 years ago
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栄養学に対する疑問
最近、大学で学んだ栄養学に対して疑問を抱いている。
1.なぜビーガンやアトキンスダイエットについてほとんど触れないのか
「野菜肉魚米バランスよく食べましょう」ということについては学ぶ。
まるで、 その鑑である和食が、文字通り、世界で最も健康にいい食事の頂点かのように。
でも、「こういった食事もある」という程度にでさえ、ビーガンについては触れない。
腎臓について学ぶとき、アトキンスダイエット (高タンパク低糖質) は話題にのぼったかな。
私は、半セメスター分くらい、 「野菜肉魚米バランスよく食べましょう」 について反駁してみるような内容の学習が必要なんじゃないかと思う。
社会に出る前に、大学でクラスメイトと共に世の中に存在するあらゆる食事形態について学んでおくことは、いきなり出合ってから個人で勉強を始めるよりもずっと深い知識を得られると思うから。
・それぞれの長所と短所は何か。
・これらの食事に対して、自分の意見はどうか。
・実際に試して、体調はどうか。
・人種による食事内容の向き不向きはあるのか。それらも踏まえ、結局のところ、何がヒトにとって良い食事なのか。
…考えただけで楽しそう!笑
振り返ってみると、大学の4年間、黒板に向かって勉強していたことが多かった。
最近、大学の同期のみんなと会って食についてディスカッションすることがちらほらあって(いうて、普通にカフェで話題にするだけなのだけど笑)、その時間がすごく楽しい。
自分の、食に対する確固たる意見やポリシーを明確にしておくためにも、  世界に存在するあらゆる食形態についてクラスメイトとディスカッションも交えて学ぶ時間が必要だと、私は思う。
2.産業界の利害関係
なぜ国が「野菜肉魚米バランスよく食べましょう」のカリキュラムを組んだかって、産業界の利害関係も大きな理由の1つなんだろうなと、最近思い始めた。
アメリカには、マクガバンの報告書というものが存在する。
これは、1977年当時アメリカの副大統領だったマクガバン氏が、「医療が進歩しているにも関わらず、国民の生活習慣病罹患者が減っていない」という点に着目し、調査したもの。
結論は、「動物性食品摂取による高タンパク質食が生活習慣病の原因」「未精製の穀類や、果物中心の食生活を推奨する」といったレポートで、当時彼は畜産業界からバッシングを受けたそう。
そしてこの報告書は、ほぼお蔵入り。
どうして大学では各ビタミンの発見者の名前などを覚える時間はあるのに、こんな栄養学に大きな影響をもたらす重要で壮大なレポートをまとめた人の話は一切出ないの?????
畜産業
漁業
鶏卵業
乳業
食べ物を供給してくれる人たちがいる。
それぞれ、自分たちがつくった食品を売りたいと思っている。
そこで、もしマクガバン報告書や、私が読んだ本たちのように「動物性食品を摂らない食事が最もヒトの体に合っている」として、管理栄養士養成過程において国がカリキュラムを組んだら…?
上に書いたような産業からは、批判の嵐必至。
逆に、「高タンパク低糖質食が最もヒトの体に合っている」としても、米の消費量は下がり続けるだろうし、米農家や製粉・製パン会社、製糖会社からクレームの嵐になるでしょう。
「野菜肉魚米バランスよく食べましょう」 は、真ん��をとった無難な策でもあるのでないだろうか。
勘違いしないでほしいのは、私は何かの産業が悪だとか、潰したいとか、そんな風には1ミリも、1マイクロも考えていないということ。
そして、20年以上米肉魚卵乳製品を摂る食生活を続けてきた自分が、「何か特定のものを食べない」食生活を支持することは、出来ずにいる。
まだ、ビーガン食支持者でもないし、アトキンスダイエット支持者でもない。
どちらかを支持するようなことになっても、 繰り返しになるけれど、何かの産業が悪だとか、潰したいとか、そんな風には1ミリも、1マイクロも考えない。
それぞれに誇りをもって仕事をしている人たちがいるし、生計を立てている人たちがいるし、家族がいるし、未来がある。(なんか話がそれた)
ただ、管理栄養士として知っておくべきことを、国は隠さず(私は少し、隠されたような気分なのだ)学生たちに教えるべきだと思う。
ネットでどんな情報も得られるようになった今、自分で調べれば分かることかもしれない。
でも、先ほども述べたように、 大学でクラスメイトと共に世の中に存在するあらゆる食事形態について学んでおくことは、個人で勉強をするよりもずっと深い知識を得られると思う。
3.なぜ医学部生が栄養学についてほとんど学ばないのか?
   なぜ、管理栄養士養成課程が女子大に多いのか?
これは、あくまで私の憶測に過ぎず、聞こえがとても失礼だと思う。
ただ、こういう考えもあるのだと、自分に残したい気持ちもあってここに書いておきたい。
なぜ、医師の養成課程で栄養学を学ぶ時間がほとんどないのだろうか?
他のことを学ぶのでかなり多忙なのは、わたしも友人から聞いて痛いほど分かっている。
「だから管理栄養士が存在するんだろう」「管理栄養士って職があるからでしょう」って話がしたいのではない。
これは本当に私の(もしかしたら度を過ぎた)憶測だけれど、医学部に入るような頭のいい人たちには、学ばせたくないだけ?と思ってしまった。
そして、未だ共学の大学で管理栄養士養成課程が少なく女子大に多いのは、やはりまだ「家政学=花嫁修業」のような古いイメージが残っているのと、先生のいうことにあまり疑問を持たずに素直に聞いてくれる優しい女子たちに、学ばせたいから?
以上、栄養学に対する疑問でした。
このモヤモヤ、晴らしていこう。
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michieeeeeze-blog · 8 years ago
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Dr. McDougallのThe Starch Solutionを読んで
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題名の通り、Dr. McDougall (マクドゥガル医師) のThe Starch Solutionを読んでの、まとめと感想です。
まず、私がこの本を手にしたきっかけは、ビーガン(菜食主義)の友人がお勧めしてくれたから。
この本は、本当に簡単に表現すると、ビーガンのススメ。
でも、もちろん、ビーガンになることをただ単純に勧めている本ではありません。
これまで マクドゥガル医師が診てきた、1000人を超える患者たちのエビデンスをもって、でんぷん中心の食生活がいかに人間の体と、そして環境に良いものかを説明しています。
著者のマクドゥガル医師は、もともとは子どものころから肉や卵中心の、典型的な欧米で主流の食生活を送ってきた方でした。
しかし、なんと18歳のときに脳卒中を経験。
20歳ころには、約20キロ過体重の状態だったといいます。
そして彼は、自ら医師になることを選びました。
「自分の体の、不調の根本的な原因は何か?」
その答えを見つけるためでした。
その後、ハワイで研修医として働く中で、不思議なことに気が付きます。
「日本やフィリピンなど、アジアから移住してきた1代目の人たちは健康なのに、2世3世になると、若いにもかかわらず健康に問題を抱えるようになる」
ここから、マクドゥガル医師の、食を通した健康づくりに関する研究がスタートしました。
そして、その彼が強く勧めるのが、でんぷん(米・小麦・大麦・とうもろこし・じゃがいも・さつまいも・かぼちゃ・豆など)と、フルーツ中心の食生活。
肉や魚、乳製品、卵といった、動物性のものは体に取り込みません。
それら動物性食品には、次の5つの体に良くない成分が入っており、それが現在、先進国で多くの人が苦しむ慢性疾患(糖尿病など)の原因になっているといいます。
1.動物性タンパク質
→腎機能を失わせる主な原因となる。
2.動物性脂質
→体に脂肪として蓄積し、2型糖尿病を引き起こす原因となる。
 さらに摂り過ぎた脂質は肝臓や心臓、筋肉に蓄積されてしまう。
3.コレステロール
→血管を傷つける原因となる。
4.メチオニン
→メチオニンの代謝産物であるホモシステインが、心疾患や脳卒中、アルツハイマーなどの原因となる。
(5.酸)
→これについては現在追加で調査中。
 日本で食品中の酸・アルカリの考えが馴染みがないため、他の資料も探しています。
米や小麦、とうもろこし、じゃがいもなどのでんぷんは、場所によっては10万年以上も前から人間が食べており、体に合った食事だと、 彼はいいます。
ページの途中途中で、彼によって様々な疾患を治療してもらった患者たちの、実際の写真と言葉も綴られています。
肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症、関節痛、慢性的な頭痛…
マクドゥガル医師流の食生活の改善によって、これらの疾患が治り、健康が増進したといいます。
この本を読んだとき、かなり大きな衝撃を受けたことを今でもハッキリ覚えています(**)
「わたしが今まで大学で4年をかけて学んできたことは何?!」 (軽くパニック笑)
コレステロールも、現在日本では値が改訂され、上限値が撤廃されました。
(卵は1日1個まで説は撤廃 ※あくまで健常な人対象)
ご飯・野菜中心の副菜・肉魚卵中心の主菜・乳製品・果物
これらがそろった食事が、バランスの取れた食事
だと。
ご飯(炭水化物)→エネルギー源
野菜・果物(ビタミン・ミネラル)→体の調子を整える
肉魚卵(タンパク質)→筋肉をつくる・体の土台となる
乳製品(主にカルシウム源)→骨をつくる
この考えが今、主流ですよね。
でも、タンパク質は、伝統的なアジアの食事ならば、米だけで40gは摂取していると言います。
マクドゥガル医師が推奨する摂取量は、性別年齢によって異なりますが、30~80g/日。 WHOは33~71g/日。 日本の食事摂取基準においては15~50g/日。
これらの値を基に、菜食からタンパク質がきちんと摂取できると説いています。
さらに、必須アミノ酸という9種類 (この本では、必須アミノ酸は旧情報の8種類と説明されています。) の、ヒトが体内で合成できないアミノ酸があるのですが、これらについても植物が(8種類の必須アミノ酸を)バランスよく含んでいると説明がありました。
カルシウムについても、「なぜ草食のゾウが、あんなに大きな骨格を維持できているのか?」という問いを交えつつ、「菜食から、一日に必要な量は十分摂取できる。」さらに、「私たちには実は、乳製品から摂るほど多くのカルシウムは要らない」と説明しています。(過剰なカルシウムは、心疾患や腎疾患を引き起こす)
魚の摂取が推奨される大きな理由の1つは、体にいい油(オメガ3などの必須脂肪酸)が���まれているからだといいますよね。
でも、これら脂肪酸を合成できるのは植物だけなんですよね。つまり、これも菜食で摂取可能。
加えて、魚を食べたほうが良いという場合の売り文句の1つ、「頭に良い」。
これも、残念ながらエビデンスはなく、魚の摂取量の違いでアルツハイマーの発症率に変化は生じなかったそうです。
話は環境問題にも絡んできます。
このまま現在と同じ要領で漁を続けていけば、2048年には魚が絶滅するという説を、マウドゥガル医師は取り上げています。
以前のブログで、カウスピラシー(リンク先で無料視聴可能)という映画を取り上げましたが、間接的な栄養の摂取は、莫大なエネルギーと資源を要します。
ビーガンは、持続可能性のある食生活。
…さて、
私たち人間にとって本当に必要な食事ってなんだろう?
栄養学の正解って、一体何なんだろう?
管理栄養士として、人々にどんな食事を勧めれば良いのだろう?
この本を読んでから、ずっと疑問に思っています。
実際、この本を読んで私もNY滞在中にビーガン生活を始めました。
主食は主にお米で、あとは野菜たっぷりの生活。
体重計がなかったので、実際にどれくらい落ちていたのかは分からないけれど、どんどん服がゆるくなったのを覚えています。
でも、やり方が良くなかったのか、頭痛がひどくなって中断してしまいました…。苦笑 (ナトリウム(というか、食塩)を摂らな過ぎたように思う。)
急に食生活を変えすぎてしまったという反省点を踏まえつつも、今のところ、実経験から、この本の内容を全て信じているわけではありません。
何かを食べるのを強く我慢しなければならないのならば、それは体によくない。
徐々に慣らしていくというステップを踏むことはもちろんだけれど、それでも「我慢している」という意識があるならば、やめた方がいいと、今のところそう思います。
ただ、やっぱりもう一度この本に沿った食生活を近々試したいと思っています。(どれだけビーガンの人が日本では生活しにくいかレポートする目的も含めて)
糖質制限に賛成する管理栄養士の方々もいます。
糖質=糖尿病の原因。
脳は脂質もエネルギー源にできるから、糖質がなくても人は生きていけると。
私は今のところ、どちらかの極端な意見に全面に賛成することができない…。
今はまだ、大学で学んだ食生活を、人々に勧めたいと考えています。
でも、ビーガンの食生活について調べて見えてきたのは、産業同士の利害関係です。
畜肉産業、漁業、乳業…多くの人が、食品産業に携わって生計を立てています。
消費者に選んでもらうべく、売っている食品に「これだから体にいい」という理由をつけています。
「魚が頭に良い」というようにね。
つまり、これまで聞かされてきた「これはこういうわけで体にいいから、食べた方が良いんだよ」という情報は、純粋にそうだからとは限らないということ。
日本の給食で未だ牛乳が毎日必ず出てくるのも、そういった利害関係が絡んでいるからではないのかな。
栄養学には、まだまだ未知の世界が広がっている。
一冊の本を通して、それを実感しました。
引き続き、関連する色々な本を読み漁るぞ。
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michieeeeeze-blog · 8 years ago
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カナダ・ニューヨークまとめ
12/4から1/31までNYに滞在していました。
欧米の食文化について知りたくて、ビクトリア(カナダ)とNYに滞在した5か月間。
本当に本当に本当に、この5か月間あっという間だった…!
 管理栄養士養成課程で何度も耳にした「食の欧米化」という言葉に疑問を持ち、欧米の食文化を実���にこの目で確かめたくて立てた計画。
全てが全て思い通りにはいかず、というか予想外のことだらけだったけれど、私なりの答えが見えてきた。
 そもそも食の欧米化という言葉、どこで使われていたんだっけ…。
若年層の野菜の摂取量が、他の年齢層と比べて少ない理由を説明するとき。
対照的に、若年層の脂質の摂取量が他の年齢層よりも多い理由を説明するとき。
和食の基本である一汁三菜や、主食・主菜・副菜のバランスが取れた食事形態が崩れている理由を説明するとき。
肥満児の割合が増加し続けている理由を説明するとき。
糖尿病が強く疑われる人の数が増加したとき。
でも、先生は加えて、「アメリカの栄養学はNSTを始め、日本より進んでいる」と言う。 「何か、食の欧米化・肥満大国アメリカって言葉と矛盾してない?」と感じた。
(実際に肥満の研究がどの国で最も進んでいるのかは分からないけれど(単純に論文の数だけで測定できないよな…)、確かにビクトリア・NYに渡って印象的だったのは、食事に関する本がとても多い。それも、日本でもよく見かける「〇〇ダイエット!」のような、体重を減らすことに重点を置いたファンシーなものだけでなく、論文や自身の研究結果に基づいて医師などが「健康的な食事とは」について書いた、文字やグラフびっしりの本がとても多かった。英語に抵抗がなければ、栄養学に関する知識は格段に増えると実感した瞬間。)
 大学在学中は当たり前のように使っていた言葉だけれど、何だかだんだん
「言い訳として都合よく使っていないだろうか」
「欧米の食文化とか現地で体験したことないから、実際のところは分からない」
「管理栄養士として、他国の食文化を一方的に批判的な姿勢で見ていいのかな」
「どんな国の食文化にも、いい点と悪い点の両方があるんじゃないかな」
そんな風に思うようになった。
「実際に自分の目で見て、確かめて、考察して、自分の言葉で食に関するあらゆる情報を人に伝えられる人になりたい」と思うようになった。
 ただ、食の欧米化食の欧米化と言われながらも、日本の平均寿命は伸び続けている。
それにはもちろん理由があって、主に次のように考えられている。
・乳児死亡率の低下 
・医療の進歩による延命・早期発見・早期治療
 平均寿命が伸びた=人々が健康で長生きになった
と単純に言えるわけではなく、感染症による死亡者数が激減したり、医療的措置による延命などによって日本人の平均寿命は大きく伸びた。
そして、平均寿命よりも注目したいのは、健康寿命。
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことで、端的に言うと介護などを必要とせず、自分の意思通りに生活ができる状態のこと。
日本の健康寿命は2013年の値で男性が約71歳。女性が約74歳。
その年の平均寿命がそれぞれ80歳と86歳だったのに対し、10年以上の差が生じている。しかもこの値は2003年の値を見ても差が縮まっていない。
つまり、せっかく長生きできてもその10年間は、病気や介護によって何かしらの制限や支援を受けながら生活をしているということ。
長寿国として有名な日本だけれど、それを手放しで喜べる状態には決してなく、現状は単純に言うと10年分の医療費や介護費を国と個人が用意しなければならないという問題を抱えている。
そこで、食や運動を通した予防医学の重要性が提唱されていて、「日本人の食が乱れている」「食の欧米化」という言葉が聞かれるようにもなった。
 そして、そんな食の欧米化という言葉を大きなテーマにビクトリアとNYに滞在し、現地の食文化を実際にこの目で見て、体験してきた後の自分の答え。
私たち日本人が想像しているような欧米食は、もはや現地では好まれない傾向がある。
ホイップクリームたっぷりのパンケーキや、バターたっぷりのワッフルを進んで日常に取り入れ喜んで食べているのは、日本の特徴の1つ。
ビクトリアとNYの一部の人たちの間では食に関する関心がとても高い。
ビクトリアで出会ったヴィーガン(菜食主義者)食専門のデリやレストラン。
ベジタリアンやヴィーガンになる理由は本当に様々で、必ずしも健康を意識したからではない場合も多々あるけれど、このような食生活が受け入れられている状況は日本と大きな差を感じたし、非常に印象的だった。
パスタ1つ取ってみても、全粒粉で作られたものを始め、豆から作られたもの、野菜が練り込まれたものなど種類が豊富。
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そばでさえ、黒米やわかめ、さつまいもが練りこまれたものなど3種類のバリエーションがあった。
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ハウス食品の商品で、マカロニの形をした豆腐も見かけられた。(日本では見かけたことがない。アメリカでのニーズの違いが垣間見えた。)
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  牛乳の代替品として豆乳のみならず麻の実のミルクまで手に入れることが出来たビクトリアとNY。
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  肉を使わない、ベジタリアンやヴィーガン向けの大豆や小麦成分から作られたハンバーグや鶏むね風の肉は、定番商品として冷凍や冷蔵コーナーに陳列されていた。(ただ、この大豆などから作られた肉代替食品が本当に健康的なものかはかなり疑問なところ。工程を経るほどに食物繊維などの自然由来成分が減り、同時に肉の触感や香りを再現するために色々なものを添加するからだ。)
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(↑動物の肉と大豆成分なしで作られたミートボールの成分表示)
こうした食品のバリエーションは、人々の食への関心そのものを表していると思う。
なぜ普通のパスタではなく全粒粉や豆などを混ぜるかというと、食物繊維の含有量を増やして血糖値の上昇を緩やかにするため。
普通のマカロニよりも豆腐のほうが低カロリーで、食物繊維や良質なたんぱく質も得られる。血糖値の急上昇もない。
こういう商品があるということは、人々がこうした事実を知っているということ。健康のためにひと工夫ある食品を求め、選ぶ点は健康意識が高い。
日本でも人気のデリ、ディーンアンドデルーカのNY店舗では寿司が売っていた。
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日本のディーンアンドデルーカに寿司は売っていない。大きなオレオが刺さったファンシーなマフィンやアメリカなどから輸入したクッキー、デリではキッシュやラザニアなど、主に甘いペストリーやスイーツ、欧米諸国の料理のデリが売りのはず。
一方で、NYのディーンアンドデルーカではペストリーやケーキなども置いてあったけれど、入口の近くで寿司が主力のパッケージ商品として大々的に売られていた。アメリカの寿司はもはやカリフォルニアロールだけでなく、日本と変わらない形のにぎりや巻きも売っていた。
アメリカで人気のオーガニック食品専門スーパーのホールフーズでも、どこの店舗においても寿司を見かけ、ある店舗では寿司バーが入っていた。
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さらに、NYで人気のチェルシーマーケットで群を抜いて混雑していたのは、寿司バーも併設されたシーフードコーナーだった。
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NYでは日本食やシーフードが好まれ、一方日本では「〇〇の国から進出のパンケーキ/ワッフル/クレープ/アイスクリーム/チョコレート/ピザ/ハンバーガー」と喜んで甘いものや油っこいものが新しく取り入れられたり、開発されたりしている。
まるで食文化の交換。
ホールフーズの売りの一つでもあるデリでは、カラフルな野菜やサラダがメニューの大半を占め、購買者層の健康への意識の高さが伺えた。
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このような風景から実感したのは、いわゆる欧米食の油分・砂糖多めの食品や、精製された小麦粉でつくられたパンやペストリーは既に一部の人々の間では好まれていないという現状。
欧米の食文化が日本に浸透し、新たなものが日々入ってきていることは確か。
ただ、ビクトリアとNYの食においては、日本から入ってきた寿司などの和食や、脂身少な目の肉、魚、ベジタリアンやヴィーガン向けのものが存在感を増すようになり、これまで欧米食の代表格だったマクドナルドやバーガーキングは割引戦略をとって価格重視の消費者層へアピールをし、生き残りをかけている状況。
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そんな状況から、日本で食べられているパンケーキやワッフル、ピザなどを「欧米の食文化」と一括りにし、「食の欧米化」という言葉を用いて一方的に批判的な姿勢で見るのは少し時代遅れな気がした。
  ただ、一部に人たちの間では食に対する関心が高いと感じたものの、アメリカの学校における食育状況は良いとは言えず、子どもたちが平等に食について学ぶ機会は日本と比べて圧倒的に少なそうだった。
さっきからいっている「一部の人たち」というのは、ある程度食にお金をかけられる人たちのこと。というのも、これらの食材が置いてあったオーガニック食品専門スーパーのホールフーズやディーンアンドデルーカは、価格帯が高めだからだ。
マンハッタン以外の、ブルックリンなどにあった小さなグロサリーストアでは、こういった食品は見かけられなかったのも事実。(私が滞在していたブルックリンのフラットブッシュという地区は黒人の人とラテン系の人が多く住み、マンハッタンと比べると物価もかなり安い場所。そこではパスタもパンも白いものばかりが置いてあったし、魚も驚くほどどこにも置いてなくて赤身の肉ばかり並んでいた。)
こんな風景からも、所得の差が食の質や知識の差に関わっていることは本当だと感じた。だからこそ、どの学校でも子どもが食育を受けられる仕組みづくりの重要性をミシェル・オバマさんは「Let's move!」で提唱していた。
アメリカの食育状況についてアメリカ人にインタビューしたところ、ソーセージやハンバーガーなどの加工食品をランチとして、小学生の時からビュッフェスタイルのカフェテリアで好きに選ぶことが出来たり、メニューがジャンクフードだらけかサラダも置いてあるかは学校や州次第だったり。ジェイミーオリバーさんの番組によって視聴者の間で食への関心は高まっていただろうけれど、アメリカは州ごとの裁量が大きく、国で一丸となって食育を行う風潮がミシェル・オバマさんの「Let’s move!」以前は無かったような状況。(引き続きアメリカの学校にサラダバーを導入する活動などを継続中。)
 また、アメリカの離婚率の高さも、食の質に影響していると考えられた。(OECD加盟国間の離婚率のランキングによると、アメリカは4位で日本は33位。)
インタビューに答えてくれた別のアメリカ人は、「両親の離婚後に母親が仕事で忙しくなり、気付いたらすぐに用意できるようなファストフードを食べる回数が増えていた」と言っていた。
離婚は所得にも影響すると考えられ、離婚率の高さと低所得化がアメリカの人たちの食の質に関係しているというのも本当だと感じた。
 ビクトリア・NYの滞在で得たことをまとめると、
・ビクトリアやNYで食において見習いたいところや取り入れたい商品を多々見つけ、もはや「欧米の食文化=悪い」「食の欧米化=悪い」と一括りにはできないと強く感じた。日本で好まれているような甘いスイーツや油っこいピザなどは既に一部の人たちの間では好まれておらず、こういったものを進んで取り入れているのは日本の特徴の1つだと感じた。
・日本の給食制度や、子どものころからの食育の重要性を改めて感じた。カナダやアメリカでは、日本と比較するとまだ食育に対する意識が薄く、家庭の料理のみが食事のモデルとなっていて心もとない印象を受けた。
・日本が目指すは健康寿命の延伸。そのための食生活の改善として、欧米の食文化を追い出して和食を食べようというよりは、今ある欧米食の固定概念を捨てて新たに取り入れたいものがたくさんあった。
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michieeeeeze-blog · 9 years ago
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ビクトリアでの生活まとめ
9/10から12/3まで、カナダのビクトリアという小さな町に滞在し、小さな学校で改めて栄養学を学んでいました。
約3か月間の滞在で印象的だったことを、箇条書きにしてから説明したいと思います。
①代替食品の種類がとても多い
②ヴィーガン・ベジタリアンに対する壁の低さ
③オーガニック食品に対する壁の低さ
④食育の概念がない
⑤カナダ人へのインタビューで聞いた「アメリカの食生活よりマシだと思う」という言葉
①代替食品がとても多い ②ヴィーガン・ベジタリアンに対する壁の低さ
皆さんだったら、「牛乳の代わりになるもの」として何を思い浮かべますか?
日本だったら、豆乳がメジャーだと思います。
では、他には?
アーモンドミルクも最近、認知度が高まってきましたね。
ではでは、他には?
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私はビクトリアで、他にもカシューナッツミルク、ライスミルク、ココナッツミルク、ヘンプミルクなどを見つけました。
ヘンプミルクには驚き!ヘンプとは、麻の実のこと。
麻の実を、アーモンドミルクの要領で飲料にしています。
ヘンプミルクでラテを提供しているカフェもありました。
”豆乳、場所によってはアーモンドミルクが手に入る”という状況の日本と比較すると、代替品のバリエーションの差は一目瞭然です。
他にもこんなものを見つけました。
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Veggie Patty…動物由来成分を含まない、大豆などで作られたパテ。
隣にあるのは大豆由来成分で作られたチーズ。
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Vegetarian Grain Meat...大豆や小麦で作られたソーセージ。
この写真をとったTHRIFTY FOODSは、ごく普通のスーパー。
Thrifty(倹約な、つましい)という名が表すように、高級スーパーではありません。
ごく普通のスーパーでもこんな風に代替食品専用の商品棚が設けられるほど、動物性食品の代替品には高いニーズがあるようです。
また、この状況は、動物性食品の摂取を制限するヴィーガンやべジタリアンに対する壁が低いことも表していると思いました。
以前のブログでも触れましたが、持ち運べる食品の量に限りがある屋台のホットドック屋さんでも、ヴィーガン用ホットドックとして、大豆で作られたソーセージか、ナスで作られたソーセージを用意していたのには驚き!
ビクトリアには、グリーンキュイジンというヴィーガン料理専門店もありました。
ヴィーガンになること、ヴィーガンとして食生活を送ることが、日本と比較するとたやすい。受け入れられている。
グルテンフリーのパンやパスタも、多くのスーパーで購入できます。
小麦に含まれているタンパク質であるグルテンは、セリアック病というアレルギー症状の原因だったり、最近ではブレインフォグの原因として話題になっています。
小麦食中心の欧米諸国ではこれらに対する関心が高く、レストランなどでは通常のパスタやパンをグルテンフリーのものに変更するオプションもちらほら見かけました。私は日本でこういったオプションを見たことがなかったので、すごく印象的でした。
このような多種多様な食品が揃うようになった理由としてはまず、人種がミックスされたことによる食文化の多様化と、宗教上の理由による食べられない食品の種類の多様化があげられるのではないでしょうか。
「カナダの伝統的な食文化ってどんなもの?」と聞くと、みんな口を揃えて「人種がミックスされているから、食文化も色々混ざっていて特にこれといったものはないかな」と答えました。(強いて言うなら朝にグラノーラを食べること、と答えてくれた人はいた)
牛乳を飲まない食文化(アフリカの国など)、特定の動物の肉を食べない食文化…、食文化の違いは世界に多々ありますよね。
その食文化が一か国に集約されると、食品の種類もこんな風に増えるのだと思いました。
そして、動物愛護や地球環境に対する関心も食生活に変化をもたらします。私もCowspiracyという映画を授業で見て、牛肉や豚肉が家庭に届くまでにどれだけ水やエネルギーを消費しているのかを知って驚愕しました。
食料の間接摂取は多くのエネルギーと資源を要します。
ベルギー人の友人はこの映画を観て、ヴィーガンになったと言っていました。
あとは、これは不確かなので何とも言えませんが、カナダで出逢った、人種がミックスされている状況に慣れ親しんだ人たちは「空気を読む」という概念がなく、色々な意見があるのは当たり前とし、少数派の意見をきちんと聞く姿勢を持っている印象です。その結果、代替食品の開発が進んだのではないかと思いました。日本は多数決で決めるイメージが強く、とにかく売れる商品を置くことが当たり前という印象がとても強い気がしました。(どこの国でも共通であろう、商売の基本だけれども。)
日本はカナダと比較して���種や宗教に多様性がなく、食の欧米化と言いながらも「和食」という長い歴史を持った象徴的な食文化が根強く存在し、代替食品に対する関心が低いのかもしれません。
海外から移住した人が「日本でグルテンフリーの食材を見つけるのに一苦労している」といった言葉も最近聞いたりしますし、乳成分や卵、小麦、大豆などの成分を含まない代替食品に対するニーズは日本でも高まっているはずです。
③オーガニック製品に対する壁の低さ
これも以前ブログに書きましたが、同じアボカドでもオーガニックのものとオーガニックでないものが隣同士で陳列されていたりします。
値段はいつもオーガニックの方が少し高いですが、値段の差があることも堂々と公開されています。(野菜とか果物だと大体いつも50セント~1ドルくらいの差)
「オーガニックという選択肢もあるよ」「オーガニックが良い人はお好きにどうぞ」
な感じが、「オーガニック食品は高級スーパーなどの特定の場所や、通販で買うもの」という日本とは異なります。
ただ、 カナダのビクトリアは定年退職者が移り住んだり別荘を構えたりする、比較的富裕層が集まる地域です。そして、この光景はそういった値段だけで決めない人が多い地域だったからこそ見られたと思われました。
決して高級スーパーではないけれど、基本的に普段は適正価格での販売を維持しているスーパーでこのような光景が多く見られ、「安く済ませるならココ」のイメージがあるスーパーではあまり見られませんでした。
それでも、
「オーガニックという選択肢もあるよ」「オーガニックが良い人はお好きにどうぞ」
な感じが、「オーガニック食品は高級スーパーなどの特定の場所や通販で買うもの」という日本とは異なります。
オーガニックの良し悪し自体は、色々なところで議論が続いています。
私はオーガニック農家さんにお邪魔した経験から、色々な生き物がその場の自然に生きていて、生産者側も「良いことをしている」と感じながら働けるなら、オーガニックという生産方法は良いなと思いました。
加えて、個人的にはオーガニック=ミーハーという見方には、値段が少し高くなっているもの買えることに対する妬みのようなものも感じてしまいます。
色々な選択肢があるカナダのスーパー、いいなと思いました。
④給食がない 
カナダの学校には一般的に給食がありません。
ちなみにカナダは、G7とOECDメンバー国の中で唯一給食制度を定めていない国。
ただ、私が留学していたブリティッシュコロンビア州は、学校のカフェテリアやイベントごとなどで提供する料理に対してガイドラインを設けています。公立の学校はこれを守らなければならないけれど、私立学校などは義務ではありません。
「他に、小学校で食に関する授業はあった?」とカナダ人の友人など(21~32歳)4人にきくと、みんな「フードピラミッドとかを見たのは覚えているけど、具体的に何を習ったかは覚えていない」と答えました。
まあ、10~20年前の話になるから、当たり前といえば当たり前かもしれない。 
栄養士さんも「病院にいる人か、コンサルタントとして個人で活動している人」という感じで、決して身近な存在ではないようです。
給食がないから、食のモデルとなるのは常に家の料理。
もし毎日外食なら外食が、 ハンバーガーなら ハンバーガーが、ベジタリアン食ならベジタリアン食が、その人にとっての「食」の概念になる。
留学中に出会った全く料理をしない友人は
「子どものころは両親がすごく忙しくて毎日外食だった。だからか、私にとって食事は”作る”っていう過程の概念が抜けてて、”出てくる(サーブされる)”ものなんだよね」
といいます。
ベジタリアンの友人はおもしろいことを言っていました。
「なぜベジタリアンになったかって、両親がベジタリアンで毎日同じものを食べていたから…僕にとってはその食事が当たり前。僕は一度もベジタリアンになろうと思ったことはないんだ」
これら友人の言葉は、子どもの頃の食体験が大人になったときの食に対する考え方に大きく影響する事実も示していると思います。
一方座学で食について習っても、カナダ人の友人の言葉が表しているようにそれは肝心の大人になったときに記憶に残っていません。
日本人の友人たちに食育の授業ことを聞いても、「家庭科か何かの時間で何かを聞いたのは覚えているけど、内容は覚えていない」という答えが返ってきます。
でも同時に、「給食のことは覚えてる?」と聞くと「それは覚えている」と口を揃えて言います。
毎日毎日、五感で味わう給食はさすがに記憶に残るんですね。
記憶の残り方は人それぞれ。
「バレンタインにチョコが出たことと、カレーがとろとろだったことを覚えている」
「鯨の肉が出たのは今でも印象的」
「給食を通して暖かい料理を食べられる有難みを学んだと思う」
「今思い出すと、友達とご飯を食べられるって良かったと思う」
特にみんな、給食を食べたおかげで健康的な食事に興味を持ったというわけではありません。
私も、給食の記憶と言えば、揚げパンとカレー、 焼きそば、コールスロー、 チョコレートのスプレッドがおいしかったこと、毎日牛乳が出たこと、当番があったこと、作ってくれた人に感謝しましょうと習ったことという感じです。笑
ただ、栄養士さんとの距離が近くて「給食=専門の人が作ってくれた健康的な食事」と、五感で分かりやすく学べたことはすごく良かったと思います。
そして、家庭の料理以外の食の記憶があるということが重要だと思います。
「必ずしも家の料理が当たり前じゃない」という比較基準ができる。
また、日本でどうしてハンバーガーが「健康に悪い」と認知されているか。
給食という比較基準があるというのも、大きな理由の1つだと思うのです。
ジェイミーオリバーの番組に出てきましたが、子どもの時からハンバーガーしか食べていなければ、それが「普通の食事」になってしまいます。
使う食材、料理の種類、味付けの濃さ、油分の多さ、量…。
「これは塩強すぎるかな」「油多すぎるかな」「1食の量多すぎるかな」
ちょっとこれを言葉にすると少しおもしろく聞こえますが、
「給食はこうじゃなかったよね」みたいな比較基準として、大人になったときに人々の中で存在感が強くなるとすごく良いなと思います。
受け身になりがちな座学だけでは、やはり長く記憶には残らない。カナダ人の人へのインタビューを通してカナダと日本の食育の熱の差のようなものも感じたと同時に、日本の、給食という五感を使って健康的な食事について学ぶシステムの素晴らしさを学びました。 
ただ、きっとカナダで給食がない理由の1つに、最初の方に書いた食の多様性があると思います。食べられるもの・食べられないものが、宗教やポリシーなどによって様々で、1つのメニューを全員に提供することが難しそうです。
  ⑤カナダ人へのインタビューで聞いた「アメリカの食生活より良いと思う」という言葉
カナダ人の友人にインタビューを行った際に、彼がふと言った言葉です。
「カナダの食事はアメリカと比べるとまだ良い(better)と思うんだ」
これを聞いたときに、日本では食の欧米化と一括りにしているけれど、カナダの人とってはアイデンティティというか、少しプライドのようなものがあるのだなと思いました。
(人種がミックスされててこれといった食文化はない、というけれど)
ハンバーガー・パスタ・サンドイッチ・ペストリー…
オイリーで重く、ポーションサイズ大きめのものばかりイメージしていましたが、
必ずしもこれは正しくありませんでした。
カナダの食は、代替品の多さやオーガニック食品へのアクセスのしやすさなど、食の面で先頭をきっていました。
これを読んで、少しでもカナダの食に対する印象は変わりましたか?
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michieeeeeze-blog · 9 years ago
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肌荒れのこと
実は9/10に留学を開始してから今までの約3か月間の中で、かれこれ2か月半ほど肌荒れに悩んでいました。
最初は目立たない小さなカサカサだったのですが、あることをきっかけに赤く広がり、脂漏性皮膚炎や乾癬を疑うまでにガサガサになってしまいました。
この2か月半、自分の変化に対してとても驚き、正直なところ不安にもなり、時には「このまま治らないのか」と失望していました。
そして、過去に「肌は内臓の鏡」という言葉をどこかで聞き(漢方の考え)、その言葉で頭がいっぱいだった私は、食物アレルギーや何か特定の栄養成分の不足などを疑い、栄養学の知識を活かして何とか治そうと試み続けていました。
主食をジャガイモなどに変えて慣れないパンやパスタ等小麦粉の連日摂取をやめたり、野菜の種類と摂取量をさらに増やしたり、サーモンなどの良質なたんぱく質を毎日食べるようにしたり…。
これ自体は体にとって良いことですが、”完治”を望んでいた私は「こんなに良い食生活を送っているのに、どうして良くならないのだろう」と疑問を生む一方でした。(少しメンタルにもきて、視野がどんどん狭まっていた気がする)
自分で一から計画を立てて、行くことを決めた留学。
「肌荒れなんかで悩んでいる暇はないだろう!」「もっと心配すべきことが他にあるだろう!」と、頭では分かっている。
けれども、自分の急な変化に対して情けないほど心が全く付いて来ず、改めて自分の弱さというか、もろさのようなものを痛感しました。
結論からいうと 今回患部から細菌などは見つからず、 元々は疲れが原因で発症し、アレルギーの疑いもないとのことでした。
今回、たった1日でこの肌荒れを劇的に回復させてくれた医師(韓国・日本・アメリカの医師免許を持つスーパードクター...唖然)は、「原因は疲れですね。最初に環境の変化や寝不足で、疲れていたのだと思います。その後にカナダのクリニックでもらった薬を塗ったのが、正直良くなかったかなあ。治そうとしてあれこれ塗って、結果こすってしまったために、広がってしまいましたね。あと、手元なんかを見ていると君はもともと湿疹になりやすい体質のようですね」と。
治そうとしてあれこれしたことが、実は逆に悪化の原因になっていたという、よく耳にするけれど何とも悲しい結末。
疲れで胃潰瘍になるお話は、よく聞くかと思います。
そのように疲れが内臓に出る人もいれば、肌に出る人、神経に出る人もいる…。
私の場合は、そういった疲れが肌に出やすいということでした。
私は頭のどこかで、栄養学の知識だけで身体の問題を解決できると思っていました。
確かに栄養学は、病気を予防する観点でも、治療する観点でもとても役に立ちます。
日々の食生活は、内容によって身体を健康にすることもあれば、損な���せることもある。
ただ、栄養学・食生活の改善はあくまで身体をメンテナンスする数ある方法の中の1つ。
栄養学1本だけでは解決できない症状もたくさんあるという事実に、改めて気付かされました。
そして、体の不調はなにも全てが全て、食生活が原因で起こるわけではないことにも。
そして同時に、人間の体の仕組みが想像の範疇を超えていることも改めて実感しました。
あとは、巷にあふれる情報量の多さなどなど…。
この2か月半、振り返ってみると自分にとってすごく勉強になりました。
今回はこの2か月半について、記録したいと思います。
カナダ・ビクトリアで生活を始めてから一週間が経ったころ、左頬の数か所に小さなカサつきが現れ始めました。
これは初めてのことではなかったので、顔用のアロマオイルを塗って保湿をし、治そうとしていました。(でも、全然良くなったりはしていなかった)
そんなことを繰り返していながら、ある晩少しかゆみを感じ、爪で引っかいた後にまたアロマオイルを塗ってごまかし、寝ました。苦笑
すると次の日、なんとカサついていたところは赤く広がり、軽く腫れてしまっていました…。
海外という、「気軽に頼れる頼れる両親や友人が近くにいない状況」の中で、私は軽くパニックに陥りました。
文字通り「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」です。苦笑
もう、その日の放課後すぐに、地元の小さなクリニックに行くことにしました。(素敵な1部屋をシェアしてくれている、心優しき大家さんが一緒に付いてきてくれた…)
カナダの医療システムは、まずはウォークインという、いわば「何でも科のよろずや医師・簡易クリニック」に行くか、ファミリードクターに診てもらうところから始まります。
その後、必要に応じて紹介状を書いてもらい、大きな病院で診てもらう流れです。
私が行った小さなクリニックも、このウォークインでした。
医師は、食や環境もあらゆること全て含めて、私が”カナダに来て初めてのこと”は何かと尋ねました。
「主食がパンになったこと(小麦アレルギーの先入観あり)。顔に塗るアロマオイルは、ここに来る前に友人にもらって最近使い始めました。そういえば最近日焼け止めを塗ってないかも…」
10分ほどの診察の後、医師は「はっきりとした原因は分からないけれど、ストレス、日焼け、アレルギー、初めて使うアロマオイル、様々なことが絡み合っていると思う」と言いました。そして、アロマオイルの使用をやめ、処方する抗菌クリームを1週間塗り続けるように言い渡されました。ただ、処方する抗菌クリームは顔に常在する良い菌も殺してしまうため、一週間で使用を止めてその後はココナッツオイルを塗るように勧められました。(ココナッツオイルには抗菌効果があるという)
同時に腸内細菌正常化に効果のある、プロバイオティクスの飲用(2500円。高すぎる。最初は買わなかった。1か月後位に藁にもすがる思いで購入…。)も勧められました。
ここから私の試行錯誤は始まります…。苦笑
最初は処方された薬を塗ると赤みが増し、悪化しそうで使いませんでした。
その代わり、学校で周囲に相談して、ある人から「私は肌が荒れた時、ビタミンEのサプリを割って��に塗って治していたよ」という言葉を聞き、そっちを実践していました。
塗ったものを肌に留めておくために、さらに上からラップをして寝たり…。
最初は、一見これで赤みが引いて良くなったように見えましたが、一向に元の状態には戻りませんでした。
診察から一週間後くらいにようやく処方された抗菌クリームを使い始めるも、これも効果なし。これには、使い始めたタイミングや薬そのものの効き目など様々理由があると思いますが、容器に書いてあった通り薄く伸ばして使っていたことが、結果肌をこすることになってしまって、後々症状をさらに悪化させる原因になってしまったと思われます。
気づくと左頬の炎症は大きくなっているし、右頬にまで同じ症状が現れ始めていました。
私は焦る一方。
常に肌荒れのことで頭がいっぱいで、他のことに集中できない。
「どうか元通りになっていてほしい」という儚い希望を抱きながら、1日に何度も鏡を確認したくなる。 
人に会いたくなくなる。
人に見られるのが恐くなる。
消極的になる。
私はこのような状況に陥りました。
「これまでの自分と違う自分になってしまったことに対する大きなショック」を感じ、同時に自分の集中力の弱さにいらだちもしました。
こんなことで悩んでいる場合じゃない。集中しなきゃ。→でも、どうしても気になる。→ こんなことで悩んでいる場合じゃない。集中しなきゃ。→繰り返し…
もう一度診てもらうか、別の医師に診てもらう選択肢もありました。
ただ、「それでまた治らなかったらどうしよう。長い長い付き合いになると言われたらどうしよう」と恐くなっていて、同時に食事で治せるはずだと変に強がり、行きませんでした。
(この思考の方が恐いわい…。)
(一見ただのアホだ…。苦笑 予想外のことに悩まされ続けたときに、自分がいかに簡単に冷静な判断を失うかということを、今回痛感しました…。)
そして、以前背中に脂漏性皮膚炎ができてしまった経験を思い出し、症状が似ていたことから、私はそれが今回顔にできてしまったのではないかと疑うようになりました。
自己診断の始まり。
脂漏性皮膚炎を1週間で治したという人のブログを読んで、それに沿って皮膚の代謝を助けるビタミンB6、B12のサプリメントを摂取したり、今度はビタミンAを塗り始めたり…。
結局私の試行錯誤はどれも効果なく、ニューヨークで新しい医師に診てもらうまで治りませんでした。
新しく処方されたのは、ステロイド軟膏。皮膚のあらゆる症状に対して右に出るものはいないんじゃないかというほど、メジャーな薬ですね。
ステロイドは、日本では色々な噂が飛び交って少し怖がられている印象ですが、医師が「これは正しく使えば非常に有用なお薬です。治るから大丈夫ですよ(ニコッ)」と手渡してくれ、半分恐々使い始めました。
そして塗り始めてから次の日の朝にはもう、カサカサザラザラだった頬が驚異のスピードで以前の状態に戻りつつありました。
「悩みを続けた2か月半はなんだったのか」と思わなかったといえば嘘になります。
ただ、それ以上にこの2か月半はすごく良い勉強になりました。
私はこの経験から、繰り返しになりますが、次のことを学ぶことができました。
・栄養学だけでは太刀打ちできないこともあること
→医師によれば、食事だけで治すには症状が進み過ぎていたとのこと。
本当に初期の段階なら、睡眠と食事で改善できたのではないかといいます。
私たちの体は、食べたものでできています。日々の食事は、大きく自覚できなくとも必ず私たちの体に影響を与えています。ただ、それでも薬の力が必要な場合がたくさんあります。
・他者の経験談は、決して自分にも当てはまるわけではないこと
→自己診断で的外れな原因を疑ったことも悪かったのですが、WEB等で公開されている他者の「これで治りました」経験談は、必ずしも自分にも効くわけではありません。
あくまでトリビア的な、参考程度に受け止めておく。でないと、場合によっては私のように的外れな自己診断・思い込みから離れなくなってしまうし、「どうして治らないの」のループにはまって、つらくなってしまいます。
・「いつもの自分」ではなくなった時のショックの大きさ
→いつ、どんな時に「いつもの自分」が、そうでなくなってしまうか分からない。(何か生命保険の話になりそう笑)
ここまで深刻な皮膚の異常な症状に悩まされたことがなく、加えてそれが顔という一番人に見られる場所にできで、そのショックは正直大きかったです。
自分のあらゆる行動に対する自信を失わせたし、「何で何で」のパニック、治したい一心で肌を気にしているその間の時間…。
振り返ってみると、情けないくらいに冷静さを欠いていました。
栄養学を教えてくれていたカナダ人の先生がくれたメールの中で「 You are a beautiful woman. Having a spot on your face doesn't change that! 」という文章を読んだときは、泣いた。苦笑
自分が今の自分であることというか、この状態の自分でいられることに対する、今まで感じたことのない感謝の気持ちが生まれました。
最初の2つは、当たり前といえば当たり前です。
ただ、私は実体験を通して心に刻み込むことができました。
症状が改善し、ここから自分のメンテナンスは新しく再スタートを切った気がします。
そのための方法として、日々の食事、栄養学の活用はとても大切だと考えています。
加えて、最近運動不足なのでそれを解消しないといけません。苦笑
まとめはこの辺で終わりにします。
読んでくれてありがとうございました!
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michieeeeeze-blog · 9 years ago
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オーガニックのこと
9/10にカナダに着いてから、もう6週間経ちました。
そして、これまでの間に現地の農家さんを訪ねるチャンスに恵まれました。
今回お邪魔したのは、Michell’s Bros. Farm。
1862年から代々続く、歴史ある農家さん。
私が訪れた頃はハロウィン用のかぼちゃを栽培している真っ最中。
日本でこんなに鮮やかな黄色のかぼちゃ畑を見るチャンス、そうそうなさそうです。
異文化をまた一つ、感じることができました。
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Michell’s Bros. Farm では現在、ケールやスイスチャードなどの野菜の他、牛乳も生産しています。
「オーガニック製品を生産していますか?」と尋ねたところ、「農薬の使用量減らすようにしているけれど、オーガニック製品として認証されるには色々な条件をクリアしないといけなくて、今からだと正直かなり難しいのが現状なんだ。」という答えが返ってきました。
確かに、ここの農家さんは肥料としてコンポスト(卵の殻やバナナの皮など、食品の廃棄部分)を使っているし、リンゴの栽培で害となる蛾の対策として、卵が孵化しないメス蛾の飼育を行うなど、極力化学薬品に頼らない栽培方法を選択していました。
しかし、オーガニック農業として認められるには、野菜を育てたり、牛に与える草の土壌など、実に様々な条件を揃えて、 Canadian Food Inspection Agency (CFIA) から認証を受けなければなりません。
これらの条件として具体的には「最低3年間、使用禁止資材が使われていない土壌で栽培すること」など、年単位での事前準備が必要です。
「よし、明日から農薬の使用量を0にして(公式的に)オーガニック農家になるぞ!」というわけにはいかないのですね。
この農家さんを訪れて数週間後に、今度は同じくビクトリアにある、オーガニック農家さんを訪れました。
そこは農薬を全く使用せずに、トマトや玉ねぎ、ケールやハーブを栽培していました。
また、にわとりが自由に動き回れる環境で鶏卵の生産もしていました。(このような形態で生産された卵は、箱にフリーランジエッグ:Free range egg と表示されて、普通のスーパーでそうでない卵と一緒に陳列・販売されていました。値段は少しだけこっちの方が高い。)
農薬ゼロの栽培方法は工夫のかたまり!
野菜につく虫の対策として、虫を食べてくれるヘビを放していたり(!)、栽培するハーブの��りにさらに背の高い花を植えることでそこに虫を引き付けて、ハーブそのものを守ったり。
木から落ちた梨は土を肥やしてくれるのでそのままにしてあったり。
ハチが生息できるようにお手製の小さなケージも設置されていました。ハチは受粉をして野菜の栽培を手伝ってくれるので、とても大切な存在なのです。(ハチと農業のつながりを考えたことは、ありますか?このつながりを知ることは、とてもおもしろいです。また、実は現在、世界はハチの激減による危機にも瀕しています。まずは、こちらのTEDを見て下さい。)
カナダに来てから、日本にいた時よりもはるかに多くの頻度でオーガニックという言葉に触れるようになった気がします。
というのも、日本のようにオーガニック専門店とそれ以外のお店がきっちりと分かれていないのです。 
普通に町中のスーパーで、オーガニックのアーモンドと非オーガニックのアーモンドが隣同士で陳列されていたりします。  
値段は野菜でも、果物でも、ナッツでも、見るたび毎度オーガニック栽培のものの方が高いのですが、普通に隣同士で陳列されているので「オーガニックが良い人はお好きにどうぞ~」感が漂っています。
オーガニックの商品は日本もカナダも同じように「選択肢の1つ」として存在しているのですが、こんな感じから、カナダはオーガニックの商品購入に対するハードルがはるかに低いように感じられます。同時に、カナダの人々のオーガニックに対する関心の高さも。
日本だと、オーガニック商品はオーガニック専門店か高級スーパーで購入するイメージがありませんか?高級でも何でもない、本当にごく普通のスーパーでも簡単にオーガニックの野菜や果物、ナッツが手に入る環境がとても印象的でした。
アメリカの Environmental Working Group (EWG) は、クリーン15とダーティー12(ダズン)というリストを作成しました。
どんなものもオーガニックを購入することが理想という前提で、クリーン15として選ばれた15種類の野菜(アボカド、とうもろこし、パイナップルなど)は、オーガニックでなくとも残留農薬の身体への 影響が小さいと分かった野菜です。(硬めの皮で覆われているのが主な共通点。)
逆にダーティー12はオーガニックを選ぶことが特に望ましい食品です。
日本ではオーガニックというと、少しミーハー感が漂うかもしれません。
良し悪しについても、様々な見解があります。
でも、この選択肢はこれは私たちの健康そのもの、そして地球環境、生態系への配慮として非常に重要だと私は思っています。
決してミーハーではないし、他人事でもありません。
オーガニックのこと、できることから始めてみよう。
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michieeeeeze-blog · 9 years ago
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サンクスギビングデー(10月10日)
10月10日月曜日はカナダの祝日、サンクスギビングデー(Thanksgiving-day)でした。
日本も体育の日で、一緒にお休みしましたね。(笑?)
サンクスギビングデーは日本語で感謝祭と訳され、今年1年間の自然の恵み、食物の収穫および食物を育て供給してくれた農家の方たちに感謝する日です。
カナダでは毎年10月の第2月曜日に、アメリカでは11月の第4木曜日に、家族や友人と一緒に伝統的な夕食をとりながらお祝いをします。
カナダの食文化に触れられる、とってもいい機会!
今回、私に栄養学を教えてくれているコリーの友人主催の持ち寄りホームパーティーと、滞在先のホストマザー主催のホームパーティーの、2つの夕食会に参加させて頂きました。
メニューは日本のおせち料理のように、各家庭で大きな差はありません。
メインはターキー(七面鳥)!!!
わーい!笑 数年前に祖母がクリスマスにチキン1羽を料理してくれたことはありますが、七面鳥を食べるのは人生で初めてです。
真っ赤なクランベリーソースをかけて頂くのも特徴です。
あとは、マッシュポテトとグレイビーソース、芽キャベツ、スタッフィングが定番です。
グレイビーソース:七面鳥を焼いた後に出た肉汁と小麦粉を合わせて作ったホワイトソースのようなもの。肉汁と合わせて作ったソースの総称。グレイビー(gravy)=肉汁。
スタッフィング:七面鳥の詰め物。乾燥させたパンとセロリや玉ねぎなどの香味野菜を混ぜて七面鳥に詰め、一緒にオーブンで焼いた後取り出し、別個でお皿に盛る。風味豊かでおいしい!
そこに、マッシュしたさつまいもやカブ、ハム、コーンなど、各々の好きなメニューが加わります。マッシュしたカブも、初めて食べました。ポテトのようで、カブと言われないと何か分からなかったと思います。
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このような感じです :)
向かって右にターキー、時計回りにクランベリーソース、オーブンで焼いた芽キャベツ、スタッフィング、マッシュポテトとグレイビーソースが盛られています。
ターキーを焼き、切り分けるのはパーティー開始前のちょっとしたイベントです。
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このような形でスーパーに七面鳥が並んでおり…(豪快 笑)
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解凍後に塩水につけて…
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オーブンで 3時間ほどじっくり焼き上げます。
写真では、きちんと火が通っていることを確かめるために、内部の温度をチェック中。
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この日、ホストマザーは18時開始のパーティーに向けて、12時過ぎにターキーを焼き始めました。オーブンから取り出したのは15時過ぎ。
その後、細かく切り分けられるようにきちんと冷まします。
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テーブルセッティング。素敵ですねぇ。暖炉にも火が付きました。
食事中は終始にぎやか。
ターキーがメインとされつつ、2つの夕食会どちらも会話が一番メインのパーティーでした。
前回インタビューしたカナダの栄養士さんが言っていた「”どう食べるか”も大切」という言葉が思い出されます。 
  近況報告をしつつ、ジョークが飛び交ってみんな一緒に笑ったり、「この料理おいしいね、何使ってるの?」という会話があったり…。
家族以外の、たくさんの人と一緒に会話をしながら食事したのは、いつぶりだっただろう!?(去年の研究室旅行ぶりかな!私としては意外に近かった!笑)
私は日本でホームパーティーというものにあまり縁がなく(涙)、参加したのは今回がほとんど初めてでした。
にぎやかに食事をするのは、本当に楽しいです。
後日、ホストマザーが分けてくれた残り物を1人で夕食として食べたけど、おいしさが全然違いました。(抽象的で申し訳ないですが汗)
同じ料理で十分おいしかったけれど、静かに食事するのと誰かと一緒ににぎやかに食事をするのでは、食事前後のテンションや満足感、時間の過ぎ方が全く違いました。
会話をしながら、笑いながら食事をすることで、食事に対して満足感も得られやすくなるという研究結果もあります。
伝統的なサンクスキビングデーのメニュー自体は油脂や炭水化物が多めで「健康的な食事」とは言えないかもしれませんが、家族や友人一同集まって会話を楽しむこの日は、人にとても良い影響を与える一日だと感じました。
お祭り好きの日本、サンクスギビングデーも日本でメジャーなお祝いとなって、また1つにぎやかな食事をする機会が増えればなあ!なんて笑笑笑
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michieeeeeze-blog · 9 years ago
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カナダの栄養士さんに5の質問
先日、カナダで栄養士として(Dietitian)働いているキャリーさんとお話しする機会に恵まれました。
彼女は現在、病院とフィットネス会社でダイエティシャンとして、栄養指導や運動指導をしながら働いています。
カナダには、食事のアドバイスなどをしてくれる日本の栄養士的存在の中でも、 ダイエティシャン(Dietitian) と ニュートリショニスト(Nutritionist) の2種類の人物が存在します。
ダイエティシャンは、大学などの養成課程を経てから州ごとの登録栄養士試験( Canadian Dietetic Registration Examination )に合格後、 一定期間(1年間!)の実習経験を積み、なることができます。
一方、ニュートリショニストはダイエティシャンほど養成課程は厳格に定められておらず、複数の機関で、ダイエティシャンよりも短い時間で資格を手に入れることができます。個人で、栄養コンサルタントや料理家として働くことが多いそうです。ただし、医療機関などで患者さんに栄養指導はできません。
今回お話ししてくれたキャリーさんは、今年の6月に実習を終えたばかり。
欧米で栄養士として働いている方に聞きたかった、5つの質問をぶつけてみました。
Q1 「”自国(カナダ)の食文化”を外国の方にどう説明しますか?」
A1 「難しいですね。カナダの文化は色々な国の人が交わって構成されているから、正直コレという食文化はありません。」
→これは、他のカナダの人に聞いても同じ答えが返ってくる。
栄養士さんもキッパリこういうから、何だか潔い。
少なくとも日本のように、「自国の食文化とは」と尋ねられたときに、お寿司やお味噌汁など何か料理を「パッ」想像できたり、一汁三菜といった言葉が思い浮かぶ状況は、決して当たり前のことではないのですね。
ただ、私は、この色々な食文化が混ざっている状況そのものが1つの食文化だと思っています。(言葉がおかしくてごめんなさい)
様々な人種が入り混じるということは、様々な宗教が入り混じるということ。
様々な宗教が入り混じるということは、食材に対する様々な制約が入り混じるということ。
だからか、代替食品のバリエーションが豊富で、日本で見かけない料理・食材がたくさんあります。
カフェやレストランに行けば、どこも必ずと言っていいほどベジタリアン向けの料理を用意していますし、ベジタリアン・ヴィーガン(完全菜食主義:平たく言うと、ベジタリアンよりもさらに動物由来の食品摂取を避ける人たち)料理専門店もあります。しかも、おいしい!本当に!笑
豆乳・大豆で作られたチーズ、ソーセージ、食感も見た目も肉にそっくりのソヤボール(茹でた大豆を固めたもの)、豆乳はもちろんのこと、ライスミルク、ヘーゼルナッツミルク、ココナッツミルク(←無脂肪乳のように薄い)といった牛乳代替品を、すぐに手に入れることができます。
持ち運べる食材が限られているはずの屋台のホットドッグ屋さんでさえ、ヴィーガン向けのホットドッグを販売している事を知ったときは驚きました。それも、主原料にナスを使ったソーセージか、大豆を使ったソーセージの2種類から選べたから、さらに驚き。
体質にも差があるからか、グルテンフリーのパンやお菓子、パスタも当たり前のように見かけます。
さらに、食に対するポリシーも様々だからか、オーガニックの、野菜を始めとする食品は日本よりもはるかに簡単に手に入れられます。同じアボカドでも、オーガニックと非オーガニックが並んで置いてあって、選べるようになっていたりします。(値段はオーガニックの方が高い)
日本との比較になってしまいますが、このような食環境は私にとってとても新鮮で、決して当たり前のものではありません。
カナダと言っても広いし、食文化という言葉自体指すものが多いので括ることは難しいですが、今のところ「様々な人種が混ざった結果の、食の選択肢広さ」が、「カナダの食文化の1つ」という印象です。
Q2 「日本で後ろ向きな意味で使われている、”食の欧米化”という言葉について、どう思いますか?」
A2 「真実だと思う。 私たちはよく、obesogenic(obesity=肥満+genic=生み出す)という言葉を使いますが、 欧米の食や環境は肥満を誘発すると思います。ファストフードの、一食の提供量や飲み物の量はどんどん多くなっていますし(スタバにはトレンタという、ベンティサイズ(約500ml)を超える900ml超のサイズがある)、広告はますます誇張されたものになっていっています。他国で欧米の食をネガティブな印象で受け取られても、当然かもしれません。ただ、肥満を招いているのは食事だけでなく、生活形態の変化もあると思います。今は多くの人が運転中、電話中、何かしながら、本当に自分は今食べる必要があるのかを考えずに食べています。そして、食事を楽しんでいない。家族と一緒に食事もしなくなってしまいました。何を食べるかも大切ですが、同時にどう食べたかも、大切だと思っています。」
→(少なくとも)カナダの食環境は肥満を誘発すると、栄養士さんも懸念しています。
貧富の差に比例するように、食事内容の質に差があるのも事実です。
野菜は値段の割にお腹いっぱいにならず、結果安いファストフードで食事を済ませ、肥満や糖尿病になるという、現代の深刻な問題。
実際には、治療費に大金がかかるという、なんとも皮肉な話です。
「生活形態の変化により、 本当に自分は今食べる必要があるのかを考えずに食べている」「何を食べたか、と同時にどう食べたか、も大切」という言葉が強く印象に残りました...。
Q3 「大学ではMSG(モノソディウムグルタメイト)について学びましたか?」
A3 「はい、学びました。大学では、MSGはナトリウムとアミノ酸が融合した物質で、科学的には身体に危険ではないと学びました。今でも確かな根拠はないものの、実際MSGを摂った後に頭痛などを感じる人がいるのも事実です。そういう人は、摂らないと決めているし、無理して摂ることはないでしょう。」
→カナダにきて驚いたこと、それはMSGに対してとても敏感であること。
カナダ人数人に聞いても、「ああ、体にすごく悪いんだってね」と、みんな口を揃えて言います。
事の発端は、30年ほど前に、MSGが使われた中華料理を食べたアメリカ人の人たち数人が、顔のほてりや動悸、背中の無感覚などを訴えたことのようです。
これが由来となって、最近まではこの症状をチャイニーズレストランシンドローム(中華料理症候群)と呼んでいました。
WHOや米国機関による調査によると、MSGとこれら症状の科学的関連性は見られず、グルタミン酸ナトリウムの1日の上限摂取量も特に設けられていませんが、  頭痛などを訴える人がいるのも事実のようです。
日本では、粉末のうま味の素など���して結構身近なMSG。
日本料理に欠かせない「うま味」さえ否定されたような気持になって悲しくなり(今思うと大きな被害妄想 笑)、質問しました。
私が無知だっただけで、日本の人でもMSGを摂取すると体調が良くなくなる方がいるようです。
ただ、カナダのダイエティシャン養成課程では今のところ、「科学的には問題ない」と教えているのですね。なるほど。
Q4 「栄養士としてのモットーは何ですか?」
A4 「2つあります。まず、私は”食事はエネルギー源であり、味わいであり、楽しみである”という言葉が好きです。食事を、ただの燃料としてだけではなくて、味わい、家族や友人など一緒に食べることそのものを楽しんでほしいと思っています。あとは、体に良いものは、必ずしもたくさん摂取すればするほど良いというわけではないこと。これをモットーとして、人々にきちんと伝えていきたい。」
→私も同感です。
エネルギー源としてとても大切だけれども、だからといってポテチだけ食べて健康に生きることはできない。可能な限り色々な食材と調理方法を用いて、舌と目で食事を楽しむことは、体も心も良い方向に導いてくれそうです。
Q5 「子ども達に健康的な食事について教えるのは、誰ですか?日本のように、食育の時間や給食はありますか?」
A5 「カナダの小学校では、お昼は各自持参する形式が多いです。日本の給食の仕組みは、とても良いものですね。カナダでも、現在の昼食形式を見直す動きがみられつつありますが、まだ実現には至っていません。やはり、家庭の料理が一番子どもに影響を与えていると思います。」
→給食がない分、子どもにとって食事のモデルは100%、家の食事。
良い食習慣も、悪い食習慣も、親から子へと引き継がれる。
これは少し心もとない感じがしました。
野菜をおいしく食べられる食事とはどんなものなのか、炭水化物・たんぱく質・脂質をバランスよく含んだ食事とはどんなものか、といった食事のモデルを視覚的に学べる給食は印象に残りやすいし、保護者も巻き込めるので、効率のいい食育方法だと思います。
私事になってしまいますが、今振り返ると、給食の影響力は私にとってとても大きいものだったと思います。すごく単純に「野菜を食べることは良いこと」「残さず食べることは良いこと」「炭水化物・たんぱく質・脂質の役割」「食べる楽しさ」 「バランスのとれた良い食事とはどのようなものか」 などが、給食を食べたことによって意識の中に刷り込まれました。
給食費に関する問題がありますが、私はやっぱり今後も残していきたい制度だと思っています。
【インタビューを終えて】
カナダの栄養士さんも、食を通して人々を健康にしたい気持ちはもちろん同じでした。
カナダの成人肥満率は約25%。日本は4%前後。
この差の理由は一言では説明できないと思いますが、子どものころの食環境がどうだったかが、大きな鍵だといわれています。 その背景には、さらに保護者の子どものころの食環境が影響していたり、貧富の差だったり、実に様々です。
さらに、最初の方にも書きましたが、現代の人たちは忙しくしていて、何かをしながら食べることが多い。「何を食べたか」と同じくらい、「どう食べたか」も大切であること、私も日本で人々に伝えたい。
話は変わりますが、最近は1人で食事をすることが多くて、1人暮らしではないのに1人暮らしの寂しさを痛感しています...。苦笑
さて、長くなりましたが、読んで下さった方、ありがとうございます!
そして最後に、このような貴重な機会を得られたのは、トビタテ留学JAPAN関係者みなさまのおかげです。本当に、ありがとうございます。
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写真が今回一枚も無くて寂しかったので、今週お伺いした農家さんの牛の写真を載せます :)笑
農家さんでのお話も、またシェアします。
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michieeeeeze-blog · 9 years ago
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納豆が2回空を飛んだなら…
ちょっとだけおとぎ話のような題名を付けてみました。笑
いきなりですが、私はずっと試してみたいことがありました。
それは、「納豆を飛行機にのせること」です。
私は小学生の時に読んだあるマンガで、バレリーナを目指す主人公がパリへ留学する際に、納豆をスーツケースに入れ、家族に「さすがにそれは腐るでしょう!」と言われるシーンを目にし、なぜかそれを強く覚えていました。笑
海外に行こうとするたびにこのシーンを思い出し、「納豆を十数時間持ち歩いたらどうなるのだろう?地上とは異なる環境に置いたら、どうなるのだろう?本当に腐るのかな?」と疑問に思っていました。
小学生の時、私もさすがに腐ってしまうのでは?と思っていました。
納豆を長い時間冷蔵後に入れない状況を、想像できなかったのです。
しかし、それから十数年…渡航前の私は、「何ともならない」という、何ともつまらない予想をしました。笑
今まで何度か海外に行き、スーツケースを受け取った際に、冷たくなっていたり結露していた経験から、「きっと貨物室は涼しいから大丈夫だろう」と思いました。
第一、納豆は発酵食品なので、腐るという表現は違うかもしれませんね。
今までは、海外に行っても1週間やそこらの滞在だったので日本食が恋しくなるとは思わず、わざわざスーツケースに納豆を入れようとは思いませんでした。
しかし今回は約半年の滞在。実験をする大チャンスだと思いました。
(経験上、納豆は冷凍保存しても、解凍後ほとんど何ら変わらず食べられます!)
きたる9/10土曜日の出発日。
私は納豆をスーツケースに入れました。
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(どうなるかちょっと怖かったので、この後ビニール袋に入れました。笑)
その後は計約12時間の空旅。
シアトルで乗り換えなので、私が持っていた納豆は、2回空を飛びました。笑
スーツケースを運んでいても、特ににおいもありません。大丈夫そうです。
滞在先に到着後、冷蔵庫で保管しました。
そして、1日空いて2日後!
納豆のパックを開け、食べる日がやってきました。(食べるタイミングがやってきた)
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(さて、中の納豆はどうなっているのか)
この時も、特に変なにおいはしません。
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開けると、いつも通りの納豆がそこにはありました。笑
少し水分が表面に浮き出たような、湿った見た目をしていましたが、それ以外は何の変哲もない納豆です。(その写真を撮る前に混ぜてしまいました。早く食べた過ぎた。笑)
(ちなみに納豆は、しょうゆなどを入れる前にある程度混ぜて、空気に触れさせるのがおすすめらしいです。甘味が増したり、納豆菌が酸素に触れて良いのだとか。)
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粘り気も変わりなし!
結論として、納豆はスーツケースに入れて12時間持ち運んだ後でも、特に問題なく食べられました。笑
国によって持ち込めるものに制限がありますが、カナダは調べところ納豆は大丈夫だったので、この実験ができました。
今でこそ、海外でも納豆が購入できるようになりましたが、やはり値段が高かったり、味が日本と異なったり、日本と同じものをそのまま手に入れるのは少し難しい場合もあるようです。
これから海外へ行く方。
もし納豆をお供にしたいとお考えなら、渡航先で持ち込みOKで、 荷物に少しでも余裕があるのならば日本から持って行ってはどうでしょうか?
航空会社などによって貨物室の状況は異なるかもしれませんが、12時間持ち歩いた例がここにあります。笑
私の実験記録に付き合って、本当に下さってありがとうございました。
同じように「納豆を海外に持って行ったことあるよ」という方、ぜひお声がけ下さい。笑
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michieeeeeze-blog · 9 years ago
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栄養学 in カナダ
カナダにある小さな港町、ビクトリアに到着して、早くも一週間が過ぎようとしています。
私は現在、Stewart Collegeという小さな学校で、カナダ人からカナダの栄養学を学んでいます。
目的の1つは、「欧米の食文化について学ぶこと」です。
そして、日本で常々使われるようになった「食の欧米化」という言葉を、見直したいと思っています。
なぜなら、この言葉には、一方的に欧米の食文化を批判的な目で見てしまっている姿勢が表れていると思うからです。
日本の大学で管理栄養士養成課程に在籍して、その間この言葉を何度も耳にしました。
主に、日本人の脂質の摂取量が増えた理由や、野菜の摂取量が少ない理由などを説明するときにです。
でも、私はそこで小さな疑問を抱きました。
「欧米の食文化って、どんなものなのだろう?」
ハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン、ポテトチップス…欧米諸国から伝わってきた食品を挙げればきりがありません。
だからといって、私は欧米の食文化を理解しているのでしょうか?
管理栄養士として「欧米の食文化を知っている。欧米の食文化は悪いことだらけだ。食の欧米化はダメ。食の欧米化を食い止めなければ!」と言えるのでしょうか?
全く自信がありません。
もちろん、頻繁にハンバーガーやフライドポテトを食べる人の食生活を、私は正したいと心から思います。
でも、そもそも欧米といっても指す地域はとても広いですし、どこかの国の食文化は優れていて、どこかの国の食文化は劣っている、ということはないと思います。
確かに、欧米諸国から伝わってきた食文化は、脂質の摂取量が多くなりがちだったりします。
でも一方で、和食も塩分摂取量が多くなりがちという問題点を抱えています。
繰り返しになってしまいますが、食文化に対して良し悪しをつけることは、とても難しいと思います。
どの国の食文化も、栄養学的に長所と短所どちらも併せ持っていると思います。
私は、「欧米」と位置付けられている国の1つであるカナダでカナダの栄養学を学び、カナダの食文化を実際に体験し、「食の欧米化」という言葉を使っている日本の栄養学を見直したいと思っています。
そして今後、和食以外の食文化に慣れ親しんだ若年層に対して、より具体的で、親しみやすい栄養指導や食育ができる管理栄養士になりたいと思っています。
同時に、カナダやアメリカで学んだ良い食文化や食環境のアイディアは日本に持ち帰り、東京オリンピック開催に当たって海外から多くの人を迎え入れる日本の食環境を発展させたいです。
早速、日本で学んだ栄養学とのギャップを感じています!
また別の日にシェアします。
読んで下さってありがとうございました!
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