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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫19
以前読んだ男が嘘をつくときに特徴的な必要以上の詳細を語らないように心を決めると普段と変わらず安全運転で車を妻の下へ向けた。 十数分で妻の指定したコンビニエンスストアの駐車場に車をつけると、視線を回して妻の姿を求めたが、人影の無い周囲にはそれらしい人影は見当たらなかった。 時計を見ると妻に告げた到着時刻より数分早く、妻がなんらかの準備をしていたらしい体育施設からはまだ出てきていないようだった。 喉が乾いている感覚を覚えると、それが先ほどの興奮によるものと思えば妻と会う前にそれを打ち消す必要を感じドアを開けて路面に足を下ろした。 ドアを開ける前に助手席を振り返ると街灯に���らされて鈍い反射を放つノートPCが目に入った。 いまさらながら興奮した頭が冷静さを取り戻しきっていないことに慨嘆すると、それを後部座席に置いた鞄に写した。 首都圏に比べるとトラック運転手が立ち寄る事を考慮した駐車場を少年野球ができそうな程の広さを持っており、わざわざその端に車を停めた事もまた頭に霞が掛かっている証左なのかもしれなかった。 やや冷えた外気に身を晒す事は心地よく弛緩した神経細胞の一つ一つに清冽な感覚を送っていた。 歩みとともにコツコツと音を立てる足音を耳に入れながら店内への入り口へ足を踏み入れた時、遠くから女性の声が響いた。 それは甲高く明らかに女性の声とは分かったが、差し迫った声でもなく響いていることを考えれば、環境から自分に向けられたものと想像する事は難くなかった。 単調な呼び声に妻とは異なるものと振り返れば、暗く包まれた帳の奥に体育施設の入り口の明かりに数人の人影を認めた。 そのなかに頭一つ抜けた姿はシルエットであっても妻に相違なかった。 呼びかけるでもなく、待ち合わせをしていれば地方の夜に不釣り合いに響く声は不要と思われたが、それを鎮めるべく片手をあげると自己を認めたと見え嬌声が沸くと自身の片腕の目的を達した。 駅は体育施設を挟んで反対側にあるので、人影は二手に別れるとその一方はこちらに向かってくるようだった。 駐車場には他に車は無かったので妻以外の人影があることは不可解だったが、妻を迎えるに飲料を準備する程度に気は利かせようとコンビニエンスストアに入ると手早くペットボトルを購入した。 安いチャイム音に送られて店を出ると、街灯に照らされた妻と見知らない女性が駐車場に入るところだった。 妻以外の女性に一切の興味は無いと断言できるほどの聖人君子ではなかったが、妻と親しげに話している女性に見覚えはやはりなかった。 徐々に近づく距離に、やや気づまりな感覚を覚えたが運動の後で高揚しているのか明るく自分に感謝を言う妻の傍らで小柄な女性は無遠慮に自分に値踏みしているかのような視線を浴びせていた。 自分が妻に問う前にその女性は先程立てていた声と同じく必要以上に大きい声で妻に男性としての評価を述べていた。 自分に挨拶する前に失礼なものと思ったが、評価自体は悪いものではないと思えば気を悪くするものではなかった。 装飾過多な言葉で妻に一通りの言葉を述べ終えると、俊敏にこちらに身体を向けて帰途に自宅まで送って欲しい事を丁寧に、且つ必要以上の言葉数で言うのだった。 そこでようやくその女性が、過去自分と妻の接近した年末にいた妻の同僚と分かった。 妻がようやく会話に入ってくると、その女性は自宅から遠くはあったが、帰路の途中に自宅があることで送っていって欲しい旨を告げた。 普段の妻ではすることもない小さく両手を合掌しつつ悪戯っぽい笑顔で小首を傾げられてはどのような障壁があってもそれを拒否する事は思うべくもなかった。 自己紹介すべきか迷う前に女性は車に乗り込んでいた。 無遠慮なのか無防備なのか判別すべくもなかったが、後部座席に妻と収まると車を出した。 幹線道路に入ると漸く辺りも明るくなり後部座席であれこれと話す妻とその同僚にバックミラー越しに目を遣った。 暗い中では目立たなかったが、上着を脱いだ妻の同僚の身体の線を顕にする曲線は輪郭だけでなく、その胸の膨らみを立体感をもって示していた。 その顔は妻に向けられており、社内でのあれこれを速射砲のように繰り出す様子は疲れているだろう妻に酷とも思えると同時に妻への信頼を思わせるものだった。 レストランや大きなレンタルビデオ店を過ぎた時、ふとバックミラーを見ると妻の同僚は大きな声を上げて伸びをしているところだった。 無防備というには邪気のないその仕草は、ヘッドレストに頭頂部を当て仰け反った事で両の乳房を天に突き上げるが如く腹部から急角度で垂直に伸びる豊かな曲線には目を離すことが躊躇われる魅力を放散していた。 何メートル車が脇見運転で走ったのか我に返り正面に目をやりながら、心地良さそうに漏れ出る声を聞けば、未だその姿勢を保っている鏡越しの映像に目を遣る事を避け得なかった。 眼球に保養を与えるために向けた視線は鏡の端に映る妻の視線と真正面から向き合う結果となった。 動揺を示さないため努めて平然といった風を装っても、無表情の奥になんらかの感情を秘めた妻の視線を逸らす事は、自身の後ろめたさを暴露するようであり不自然に左右に様子を伺う振りをすると悪戯を見つかった児童のように 、やはり不自然に視線を戻すのだった。   それ以降は後部座席に視線を向ける事はできず、よくも話題に事欠かないものだと感心するほどの会話が背後に飛び交うというより一方向への流れとなって車内に続いていた。 自宅へと続く幹線道路を降り��と、妻の同僚は遠慮の色もなく住宅地の角を折れる指示を出しつつ、しかも会話は継続していた。 やや諦めと呆れを感じつつ車を走らせると、ようやく目的地に到達した。 静まり返った辺りに不自然なほど響く声で礼を言うと、妻の同僚は軽やかに身を翻して大きな門構えの家に入っていった。 首都圏の常識では測ることのできない規模の家は、視線を回す範囲が長大に植木で覆われており、自宅で手入れする事の面倒を知っているだけに維持の苦労が忍ばれた。 内部にどれほどの庭があるのか、車に乗り込むと犬の歓喜と思しき吠え声が聞こえて自分を見送った。 妻に今日の課外時間を尋ねると、秘密にすることを約束させた上で自分の想像通り夏祭りのステージの、妻の言葉を借りれば特訓、だったとの事だった 成人した女性には似合わない言葉に吹き出したが、おそらくダンスの類と思われる動作に肢体を動かす妻には興味が湧いた。 妻は体育施設にシャワー設備はあるものの、お役所仕事で夜は使用できなかった事をぼやくと、漸く汗の引いた肌を撫でながら不自然に言葉を止めた。 瞬間的にぽっかりと空いた言葉の間隙に自分も言葉を失ったが、妻は視線を自分の顔面の側面に当てると、静かに先程の自分の視線について問を発した。 心中のざわめきを抑えながら、たまたま視界に入っただけと弁解しても運転していることを言い訳に妻の表情を伺う事はできなかった。 いままで嫉妬心らしいものを見せる事が無い妻は、閉じられた空間での自分の行為を何故か重ねて問うのだった。 回答には迷ったが、普段から妻にそうしているように魅惑的な画像であったとの真実を答えた。 弁解がましくならないように努めて毅然として自分は全て妻だけを愛していることを伝えると、信号に止まったタイミングで複雑なままの表情の妻の唇に自らのそれを重ねた。 湿りけを帯びた妻の唇はあくまで柔らかく、隣り合って座る妻に無理な姿勢で向かっているために互いの顔は直交に近く交わる為にその口蓋へ舌を侵入させた事は必然だった。 妻は抵抗せず自分の舌を絡め取るように舌先を合わせ、妻の体内で捻れ絡む舌先は体液を交換するかのように撫ぜ舐め取る行為を止められなかった。 妻は自分の後頭部と背中に両腕を回すと、自身により一層の圧力を加えた。 後続車もまばらな地方と飽くこと無く行為を続けていると、隣を轟音を立ててトラックが通り過ぎた。 振動が車内に伝わり慌てて身を離すと、最後まで妻に差し込んでいた舌先から透明な粘液が妻の喉元に滴り落ちた。 ハンドルを握り直��と車を発進させたが、ふと隣を見れば妻は溢れた粘液を拭う事もなく、胸に滴る唾液から伸びるその先端の膨らみは重力の誘導に沿って妻の肌を侵食するように胸元へとゆっくりと流れ落ちてゆくのだった。 いまや妻は艶然とした柔らかな笑みを浮かべながら、それは呆けたものでなく成人女性の性を放散していた。 運転に気を入れる事も叶わず視線を左右させながらの進行は危険ではあったが、なんとか車を自宅の庭に乗り入れると駐車線に合わせる事もなく車を止めた。 急に疲労が身体を襲い座席に身体を投げ出すように収めると大きく伸びをした。 頭をヘッドレストに載せたまま妻に視線を向けると、屈んだ姿勢で降車する準備をしているように見えた。 大きく息を吐き姿勢を戻すと、腹腔は再度の呼吸をせず言葉を失う事となった。 妻は片手で大きく服を捲っており、運動のために着替えたと思われる白いスポーツブラは乳房の形を歪めながら中心の甘い突起は膨れたようにやや上方を向いていた。 妻に言葉を掛ける能力を失ったように、呆然と口を開けたままでいると、玄関の灯りを浴びてうなじ辺りまで赤面した妻は、やや早口で自分の胸を愛して欲しいと告げた。 非日常的な自宅の車で乳房を外気に晒して誘惑する妻に襲いかかる他の選択肢は無かった。 一つの乳房だけでは満足できず、やや強引にスポーツブラに手を掛けると引張あげようとしたが、それは機能を発揮し自らの手の動きを阻害していた。 それでも徐々に顕になる乳房は途中までその布地に追随していたが、ある一点で限界を迎えると大きさと張りがあるために重量感のある躍動を残して抵抗を終えた。 完全といって差し支え無いその形は、自宅の灯りの暖色に照らされ白い皮膚に微細な青の毛細血管の筋を添えて眼前にあった。 その行為に恥じているのか、或いは外を監視しているのか妻の頭はそっぽを向いていたが、眼前の熟れた白く柔らかな果実は意に反して女性を放散し続けていた。 優しく舌先を半球の下端に付けると、唾液を塗り伸ばすように左右に転��した。 しっとりとした皮膚は汗と妻自身を味蕾に伝え、それは自身の神経細胞に発火作用を促した。 自由になっている方の乳房を放置するには惜しく指でその先端を摘むと押し込み、捏ね廻した。 甘美なそれから指を離し、その周囲を弄った後に再度紅点に触れるとそれは滑らかな感触を残しつつ明らかに硬い感触を示していた。 それは妻の身体が反応していることを告げており、やや温くなってきた吐息はその証左だった。 妻の顎の曲線を眺めつつ舌を触れる面積を増しつつ上方へ移動させ、乳首全体を口に含んだ。 自在に動く舌先はその勃起した箇所を時に包み、ま��舐め取り未だ出ることのない母乳の抽出を促すが如く這い回った。 女性、特に妻の性感帯さえ満足に把握していない自分に身を震わせる妻はそれが脊髄に響く快感を肉体で訴えていた。 生理であるため、妻の肉体を蹂躙できない事は残念だったが、身を座席に委ねるままとなった妻は、身を起こした自分に焦点を合わせているか判然としない視線を送っていた。 男性としての獣の本能で、豊かな乳房を露出した妻を獲物のように見下ろしていると、妻に消える事のない楔を打ち込みたいと熱くなった後頭部が繰り返し言葉にならない願望を叫んでいた。 普段になく暴力的になった思考を静止すること無く、おもむろにドアを開けて地に足をつけると、助手席に周りこんで妻の手をとった。 突然の行為に正気を取り戻したかに見えた妻は抗いながらも、自分の促しのままに車を降りた。 そこから玄関に向かうには、外に開かれた門の前を通り過ぎる事になるのだったが、妻は上半身の乱れた衣服を軽く整えると、覚束ない足取りで自分の手のまま歩き出した。 奇妙に不器用になった片手で解錠すると、妻がドアをくぐる間際に背後から胸を捲った。 妻は抵抗するより驚きが勝ったのか動きを止めたが、外からでも乳房の側面が明らかになることに気付くとその場に屈み込んでしまった。 性的快楽の酔が覚めたのか、妻は少し起こったような表情を自分に向けるとレインブーツを最後にしゃがんだまま玄関の中に入り込んだ。 少し悪戯が過ぎたかと思うと慌てて後ろ手にドアを閉めつつ妻を追った。 暗い玄関では自由も利かず、手探りで照明スイッチを押すと妻は玄関に座り込んでいた。 自宅という日常の光景に外出時の服装のまま胸を晒した妻の姿は魅惑的だったが、その上方にある顔面の表情は悪戯のお仕置きをするものだった。 さほど喧嘩をすることもなかったが、妻が自分を責める際は理詰めで押す一方で反論の余地のないそれは苦しいものだと記憶が呼び起こされると気詰まりな感情が頭にもたげた。 妻は一言も利かず、面倒そうにレインブーツを脱ぎ捨てる様は荒れ狂う内面が吹き出たようで一層その感情を増したが、そのまま居間に入っていった。 そのまま2階に逃避する案もあったが、やはり素直に詫びようと思い妻の後を追うと、妻はソファーに緩く腰掛けていた。 あまり大げさに表情を変えない妻は感情を読み辛いとの評判もあったが、慣れた自分でさえ、今のその表情から怒りの感情を読み取る事はできなかった。 妻は冷たい声で自分に対面に座るように告げると、自分の着席と同時に立ち上がった。 上着を脱いだ妻は、何故かスポーツブラ一枚になっており魅惑的な曲線を審美する視線はいきなり眼前に降りてきた妻の顔に遮られた。 普段にない行動に戸惑っていると、妻は両手で白い胸の覆いを捲り上げると同時に二つの肉感的なそれを自分の顔面に押し付けた。 鼻を乳房の谷間にあてると視線は失われ心地よく暖かな皮膚が余すところ無く密着した。 妻が怒ってはいない事に安堵しつつ、安らぎに包まれた快楽に身を任せようと身をソファに預けると、股間の違和感に気が付いた。 自分の顔の上半分は妻に肉体によって目隠しされている状態ではそれは明らかではなかったが、突然男性器に触れた指の感触で自身が置かれている状況が判明した。 視線が明るくなると同時に乳首が遠ざかる様子に目を凝らしていると、露出した男性器を妻が拭いている様が目に入った。 妻が口で慰めてくれた事はこれが初めてではなかったが、スーツを着た状態のまま、しかも雰囲気もなく帰宅したままでは異常事態と言う他無かった。 壊れ物のように付け根を優しく摘む指先と、男性器のくびれのあたりを丹念に拭う所作はそれだけで性的快楽を催した。 それでも満足はできるとも思えたが、物足りなさを感じてきたと同時に尿道の先を妻の舌が触れると思わず呻き声を漏らしてしまった。 髪が股間に落ち、そこで妻の舌が先程の拭き取りの数倍丹念に舐め回している様は急激に漲る股間から背筋を打った。 と同時に妻は男根を支えていない方の手で髪を書き上げると、耳に掛けるような仕草をすると、濡れた視線と目があった。 目の舌の口は下品に男性器を含んだ事で唇が前にでるように張り付いていた。 このような状況でなければ相当間抜けな表情だったが、そうすればより巨大化するように唇の摩擦と先端を這い回る舌先には苦痛にも似た快楽に溺れるより他なかった。 快楽に揺れる視線で股間に埋められた妻の頭を見遣っていると、えも言われぬ征服感に満たされた。 それが普段冷静このような屈辱的な奉仕を想像もできない妻であればなおさらだった。 と、妻は余韻を残すように口を離すと怒張した男性器を握ると、顔をさらにその下に向けた。 この行為が夫婦の営みとしてどの程度一般的かは判らなかったが、薄い毛に覆われた睾丸を収めた箇所を口に含むにあたっては、それがある種の房術と思わないではいられなかった。 頭に妻を前にして売女という言葉が浮かぶ事は不謹慎ではあったが、妻の行為は貞節と縁のない商売に身をやつす女性と変わりないように思われた。 が、どのように思考を巡らしても、あるいは巡らしたからこそ繰り返し波動する快感は射精が遠くないことを実感させた。 呼吸が荒くなったことで快楽の嗚咽を押さえ込む事ができず、それが妻を次の行為に招いたのかもしれなかった。 再度妻は股間の屹立を頬張ると、それで覆いきれない根本に手を添えると急激に上下動を始めた。 自分の視点では髪に隠れた妻の表情は伺い知れなかったが、ただ妻の頭が上下に律動する度に股間の噴射を抑える機構が決壊してゆくのだった。 もはや視線を妻に向ける事無く、像を結ばない眼球を天に向けると、妻に身を任せた。 それから僅かな間で股間の奥底から込み上げる精は最後まで咥えたままの妻の口蓋を勢い良く汚した。 口内に汚泥の噴出を感じたのか妻はつかの間動きを止めたが、それでもなおより多くの精を求めるように再び柔らかな動きの求めに応じ二度三度と肉棒は自分の欲望を妻の口内に吐き散らした。 しばらく身動きが取れないほどの快楽が流れ去るまでは頭さえ動くことを拒んでいたが、妻を労うため動作毎に悲鳴を上げる肉体に活をいれるかのように身を起こした。 妻も呆けた表情をしていたが、唇の脇から白濁した精液が溢れていることを目にすれば、それを拭うものがあるテーブルに視線を向けた。 が、妻は微笑む寸前の表情を浮かべると、やや上方を向き目を閉じると喉元を上下させた。 その行為は聞くまでもなく自身の体内で生成された体液を、妻の体内に受け入れた動作だった。 それが妻の子宮に届く事はないにもかかわらず、その行為に及んだ妻に掛ける声もなく、視線を向けている間に数度に分けて再度咀嚼を繰り返していた。 ようやく口内の汚泥を収めきり、あまつさえ唇に残る残滓を下で拭ってさえ妻は満足げな表情を浮かべていた。 自身の知る妻で無いようで不安に駆られたが、妻の言葉でそれが杞憂と知れた。 妻は低音で、自分の思いは全て自分に向けて欲しいと言った。 他の女性に目が向けられると不安になり、自分を取り戻すためには同様の行為も辞さないとの事だった。 不安に思わせてしまったことを深く公開すると同時に、眼前に跪く妻の頭を抱きしめ何度も愛していると繰り返した。 妻はそれに満足したのか数度身じろぎして頭の拘束を解くと、萎れつつある男性器に再び舌を付けた。 余裕のできてきた自分は、無様な姿勢の両者を無視して軽く妻に何をしているのか問うと、妻はお転婆な少女のように明るい声でお掃除と告げると、舌で性器に付着した体液を舐め取りつつ、不自由な形の口を歪めながら妙に愛らしい声で舐める擬音を漏らすのだった。 その晩は夕食をとる事もなく、妻と手を握ったまま床に就いた。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫18
それでも仕事は山積しており、今日片付ける事は無くとも予定の立案は始末しておかなければならなかった。 ディスプレイに視線を向けて集中している内に、脳裏のざわめきは引いてゆき気がつくと終業の時間となっていた。 昨晩も遅かったので、身体自体はさほど疲労していなかったが帰宅する事にした。 部下にも今日は早めに切り上げる事を伝えると、雨にぬかるんだ駐車場に向かい車に乗り込んだ。 車内の独特の香りは神経をリラックスさせ、座席で大きく伸びをするとエンジンを始動した。 幸いラジオでも渋滞はさほどない情報を伝えており、帰宅はスムーズと言って良いものだった。 自宅に戻ると早い時間もあって空腹感はさほどなかった。 夕食を整える必要も感じず、pcの前に座ると犯人の指定したサイトに接続した。いつになく情報の流入を示す画面下部のスライダーバーをもどかしげに見つめていると犯人からのメッセージの到着を告げる表示が現れた。 遂に犯人が自分が細工したファイルを送ってくるかと思うと、心拍数の高鳴りを感じた。が、自宅で妻が帰宅する事を思えばここでそれをダウンロードする事は得策とは思えなかった。 帰宅してからの再度の外出は億劫なものである筈だったが、ノートpcの入った鞄を持ち上げるとそそくさと自宅を後にした。 特に目的地は決めていなかったが、幹線道路を真っ直ぐに走るうちに閑散とした倉庫街を通り掛かるとハンドルを切り進路をその中にある仕事で取引のある業者の付近に向けた。 自分の位置情報が捕捉されるなら可能な限り自然にみえた方が良いとの判断だったが、姑息な事をしている感覚は拭えなかった。 辺りは暗くなり、人通りも無く物音といえば時折幹線道路から響く騒音のみだった。 車を降り、孤独に照明を灯す自動販売機で飲物を購入するとそそくさと車に戻り犯人の送ったファイルのダウンロードを始めた。 おおよそ1時間は掛かる見込みだったので、再び犯人からのメッセージに目を通すのだった。 ご主人へ 奥様を開発中の映像をお送りします やや手の込んだ方法ですが、奥様の魅惑的な姿を写しています 是非ご覧下さい 恐らくご主人は私の事を憎んでいると思います しかし、私に手が届くことはありえず、当局に訴えでるような危険を冒す事は無いでしょう そこで考えていただきたい事があります 私がこれまでお送りした映像でより多くを見たいと思った事があるでしょう 私は奥様を壊すつもりはありません むしろ、ご主人の要望を叶えて差し上げていると言えます 今の奥様にご主人からこのような映像を見たいと言っても叶う事はありません あと10年先にここで映像が終わりとなっても後悔する事はないでしょうか 美しく乱れる奥様を映像の形で残す��会はこれを於いてないでしょう 一方的であることは承知していますが、ご主人の���同があればより良いものをお届けします もし、それが不服な承諾であったとしても構いませんし、こちらから従わざるを得ないリスクを提供しそれでご納得いただけるなら、それでも結構です 今後、幾つかご主人にはお願いすることもあるかもしれませんが上記を良くご検討くださるようにお願いします 幾度読んでみても以前の様に怒りに血流を増すことがなかった事は驚きだった。 犯人のメッセージに自分の心情を読み取られているようで不快ではあったが、全くない事と言下に否定できない事も事実だった。 誰しも年齢を重ねれば老いを迎え、果たしてその年齢を迎えた時に犯人からの申し出を否定した場合に後悔が残らないかと言えば迷いを感じない訳にいかなかった。 最愛の妻を凌辱しつつ高慢この上ない文面は、もし目の前に犯人がいるなら誓って息の根を止めるところだったが、できない事を言い訳に最上の、誰にも知られる事のない妻の痴態を見る欲望は消えなかった。 犯人からのメッセージがなければそのような妄想は浮かぶはずもなかったが、窮地にある立場としては犯人に委ねるしか選択肢はないのかもしれないと考える頭は疎ましかった。 考えを振り払おうと、画面を下らない情報サイトに移したが文面に集中する事はできなかった。 ダウンロードが完了するまでは確定しなかったが、それに犯人につながる情報が含まれていると思えば、まだ解決の余地は残されていた。 そうとすれば決断する必要さえもなく、ただ待つだけで良いとも思えた。 ダウンロードが完了するまで30分程となったので、今一つ集中できないサイトを離れ、若者が撮影した女子社員の机の下の映像を開くのだった。 再び見るそれでも、おそらく妻と思われる画像に食い入るように見入った。 幾つかの写真をみても、やはり制服のスカートは自分の知る長さだった。余程脚を開かない限り股間まで光が届く事のない覆いを見たが、昼間に見た妻の下半身との一致は見出せなかった。 ため息をつくと、他の女子社員のものに視線を向けたがその長さは今日の妻との一致を見た。 よく考えれば妻のスカート丈はようやく他の女性と同じになった程度の事で心配する程の事はないと自分に言い聞かせるのだったが、犯人の束縛がないであろう社内で何故そのような変化を見せたのかは説明したくなかった。 妻の着衣で肌を露出する面積を増すことは単に自分を良く見せたいという女性らしい心情を満たすのみであれば良いのだが、それは必ず男性からの視線を意識することになるのだった。 妻を賛美する視線には性的なものも含まれると思えば愉快ではいられなかった。 画面をみているうちに急にやりきれない気持ちに襲われ映像を閉じると妻の携帯の位置情報サービスの画面を開いた。 夏祭りの打ち合わせがあるとのことだったが、夏祭りの準備をしている自分にも妻が夏祭りで何かをするような話は聞いていなかった。 妻の行動に疑念を持つことは誤った考えと知りつつ画面を操作し得られた情報を見ると、その位置は会���からさほど離れていない町内の体育施設だった。 公の施設でもあり、疑念を持つような場所では無かった事に安心すると考えを巡らせたが、夏祭りの打ち合わせならば社内ですれば良いところに社外に出ることが分からなかった。 夏祭りの準備で当日の進行は大体頭に入っているのだったが、特に妻が参加する予定はなかった。職場が事務部門なので何かの手伝いに駆り出されることはあるかもしれなかったが特段打ち合わせが必要なものは思い浮かばなかった。 ふと出し物以外に頭を向けると、ステージの演目に考えが及んだ。 夏祭りではグランドの中央に盆踊りの櫓を仮設業者に依頼して作るのだったが、同時に中央近くにステージも建てそこで近隣の学校や団体の発表を行うのだった。 子供の太鼓や空手教室の演武などは微笑ましいものだったが、時代なのか一昨年あたりからチアガールの発表に大きなカメラを持ち込む輩も増え会場の整理に気を使わねばならないなど苦労が増えているのだった。 昨年は社内の女子社員がダンスを披露し、団体名のみ記憶していたところで社内の女性集団だったので驚いたのだったが、出場枠は抽選となっているので公平性の点を危惧した事もあった。 実際には事後の反省会の席で年配者のフラダンスなどよりよほど華があって良いとの事で安心し、年配者からはそこまで気を使わなくても会場を提供する会社に感謝こそあれこの点を問題とするような事はあり得ないとの言葉を貰い胸を撫で下ろしたのだった。 その余波として社内で非公認のサークルができているという話は妻から聞いていた。 昨年は仮設業者を変更した事で予算が余り、それを見透かした業者が特別価格で照明と音響設備を提供するとの話に乗った事で舞台が派手になり評判も良かった。 今年は出場団体が事前に照明効果の打ち合わせを業者に依頼する仲立ちが必要になったと同僚から嫌味を言われた事を思い出すと心中穏やかでは無かったが、近隣地域の同種の祭りとの差を気にする地域柄今年は無しにする選択は無かった。 業者の思惑にまんまと嵌ったような気がしないでも無かったが、町内会の会長の面々は表立って言わなくても近隣の祭りとの差に満足しており、それが祭り終盤の花火大会の協賛金増額に表れていた。 余計な事まで考えが及んだが、おそらく妻は夏祭りのステージでの演目に関係していると想像することで一先ず安心できたのだった。 画面のダウンロード状況に目を移すと、気づかぬ間に終了していた。 いつものように圧縮されたファイルを解凍すると、そこには映像ファイルがあった。 そのファイルにはおそらく犯人による妻を凌辱した映像が収められている筈だったが、いままでの物と異なる点はそれが事前に自分が細工した可能性がある事だった。 ふと気が付くとその映像に目を通していなかった事に驚いた。妻が送ろうとしたファイルを自分で細工したものと入れ替えした記憶は鮮明にあったが、いままでその映像ファイルに目を通す事がなかったのだった。 そう思うとファイルにポインタを当てダブルクリック���るだけであるのだったが、理性は優先順位を叫んでおり指の動きを押しとどめた。 あらかじめノートpcに設定したあったアプリケーションを開くと、その画面はシンプルにファイルを選択するボタンのみだった。 いま解凍したファイルを選択すると、アプリケーションは暫く処理中である表示を見せたかと思うとすぐにその表示は処理終了に変わり、画面下部の表示領域にそのファイルの設定値の集まりを映し出した。 妻の痴態映像を見る時のように心拍数が急増するかと思っていたが、自分の身体に変化はなかった。 それはただ散文的に退屈な事務処理をこなす時のように画面に映る処理をこなす時と同じだった。 事務的なpc画面をみれば体調に変化の無い自分が奇妙ではあったが、画面に映る文字列の解読にはいった。 上から順にファイルの作成日、作成者と普通の設定があり、その後に映像のフレームレートなど詳細な設定があったが、その末尾周辺に目指すものがあった。 自分が求めたものは、そのファイルを扱ったpcに設定されているインターネットへとつながるゲートウェイアドレスと、接続したルーターのMACアドレスだった。 どちらとしても、ゲートウェイアドレスが会社など識別できるものか、ルーターが公衆に繋がるものかである可能性に賭けたのだった。 先ずゲートウェイアドレスに望みがない事が判別できた。それはプライベートなネットワーク内で用いられるもので個人の特定に用いるには用を成さないものだった。 やや苦い思いをしながら、次のルーターアドレスを見ると希望が蘇りその文字列をコピーした。 ブラウザーを開くとブックマークしてあった公衆MACアドレスの検索サイトを開き、それを貼り付けして応答を待った。 画面の更新がない事に焦りを感じる間も無く、画面には緯度経度が表示された。 もともとはGPS衛星の情報によらず、あらかじめ公衆MACアドレスの位置を示したデータベースからPCの自己位置を調べる為のものだったが、然るべき方法をとれば逆引きすることもできるのだった。 別に開いた地図サービスから指定した緯度経度の場所をみれば、首都圏のベッドタウンといって良い住宅地の中にあった。 可能性としては会社など団体のもので個人の特定は難しいのではないかと考えていたが、画面に表示された戸建が並ぶ住宅地にあっては特定が容易なものと思われた。 いままで雲を掴むような犯人の捜索に大きな手掛かりを得たことは大きな収穫だった。 どのような理由にせよ犯人の行為は社会的にも個人的にも許されるものではない事は確かで、適切な手段で犯人を捕らえる必要があった。 犯人からの脅迫にあるように、適切な手段で行わねば必ず妻の将来が閉ざされると思えば安易な行動は慎まなければならないのだったが、いまからも地図の位置に赴きたいと思う思いは冷めなかった。 今は行動を起こすよりも、計画を立てるべきと自分に言い聞かせるように地図の位置をインターネット上で検索するとめぼしい建物は2つに限られた。 航空写真でみれば一つには車が2台、ワンボックスのワゴンと軽自動車のようだった。もうひとつの家には黒いセダンがあることを考えれば、前者は否定できるように思われた。 目を皿のようにして仔細に観察すれば、前者に庭には子供の遊具らしいものが写す影があり、犯人の人物について詳細は分からなくても、家族を持っている印象はなかった。 安易に結論に飛びつく事はできなかったが、差し当たり近日中にこの2件の登記簿をみれば姿を現さない犯人を明らかにする事ができるものと思われた。 身体が震える程の喜びを感じたが、果たしてここ最近の出来事からその感情が適切なのか、あるいは陰湿なものではないかと自問するのだった。 そのまま満足感を得たまま帰宅する選択もあったが、ハンドルに手を掛ける前にダウンロードしたファイルを開いてしまうのだった。 画面は日中の揺れ動く街中の映像で始まった。映像の場所は自分の記憶には無かったが、立ち並ぶビルに飲食店などが見えるところを見ればどこにでもあるオフィス街のようだった。 カメラは犯人の鞄に納められてるのか、しきりに揺れ動く画面は自分が犯人のうちにとらえられているようで不快感を催すのだったが、犯人の歩みは信号のある横断歩道をわたった先にあるビルに進んでいった。 そのビルは1階に不動産屋が入っているらしいこと以外は特に特徴もなく、明るい外からビルの中に入った事で一瞬画面が暗転した事には戸惑ったが、徐々にカメラの昨日が働きだし、内部の様子を明らかにしていった。 さほど新しい建物ではないようで、一昔前の建物のようにエントランスは狭く、エレベーターの奥にビルに入居している店舗の一覧が金属製のプレートに示されていた。 犯人はこの建物を知っているように迷いなくエントランスの奥にあるドアを開けて階段を登ると3階と表示のあるドアでフロアに出た。 そこはビルの外観に比して小綺麗にカーペットが引かれ、壁も染みひとつなく単色の場所だった。 意外に感じたが、一瞬写った看板には、司法書士か弁護士の事務所らしい表示があればそれも納得出来ることだった。 犯人は迷いなく男性トイレのドアを開けると、一番奥にある個室のドアに歩み寄った。 そこに妻が写し出される可能性が頭に浮かぶと一気に鼓動の高鳴りを感じたが、内開きのドアの中は無機質な便器がその清潔な白さを持って不浄な自分の心中を見つめているのだった。 ひとまずそこに妻の姿がないことには安堵したが、犯人の意図が読めないことには混乱が増すのだった。 画像はやや高い位置にある小窓に向かうと犯人の手はそれを開けた。 その時画像が乱れ、自分の視野は犯人によって幾度も振られると唐突に画面は白くなった。 画像は突然外に向けられた事に抗議するように白く曇ったが、建物に入った時のようにやがて鮮明にトイレの窓から写された外の様子を写した。 犯人の意図は即座に理解できた。 視線の先には道路を挟んで向かいにあるビルの3階にある喫茶店を写していた。 そのビルの窓越しに通りに向かって座る女性は妻であることに疑いは無かった。 カウンターテーブルの上では白いブラウスを着た妻��携帯電話に目を遣りやや俯き加減で写し出されていた。 そこまでは何ら問題にする点は無かったが、カウンターテーブルを挟んでその下部は自分の心臓を締め付けるに十分な光景だった。 妻はやや短めというには過ぎたグレーのショートスカートを履いていた。普段膝より上を見せるスカートを履くことは珍しい妻だった。 向かいから見れば座っていることで太股まで見えてしまう危機感のある衣服を見に纏っていることはその伴侶とすれば自分意外の者に性的アピールをしているようで不愉快だった。 ショートブーツから優美な脚線は黒いタイツにおおわれていたが、その末端に視線を写すと、それはスカートに隠れ切っていなかった。 それを確実と言い切れるほどには鮮明ではなかったが、その時犯人が映像を妻の下半身一杯にズームしたことでそれは確実になった。 正直、妻は出会う誰にでも美しいと言われる訳では無かったが、少なくとも男性であればその胸の膨らみと脚線美には惹かれるものがあるのではないかと思われた。 妻が自分意外に誘惑される可能性が相当に高くは無いと思える事は安心と同時にその全てを知���自分の満足ともなっていたが、公衆の面前でここまで大胆な服装では自分の知る妻の中を晒けだす事はそれを削り取るに等しい振る舞いだった。 映像からも滑らかさを感じる妻の膝から太股に黒色の脚線をなぞった線は突然白い柔肌に続いていた。 それは良識ある女性ならする筈もない角度で股は下品に開かれており、両足の合わさる場所にはそれが確かに分かるショーツが白い光沢を上に被さるスカートの影にあってさえ見せているのだった。 公衆の面前で妻がそのような姿を見せている事は信じられない光景であったが、全く普段と変わりないカウンターテーブルの上との差異が日常と非日常を分けていた。 呆然とする前に慌てて視野の橋をなぞったが、ビルの3階ともあれば地上からそれが見える可能性は無視していいのかもしれなかった。 よく見れば妻の座る席の位置はガラスより幾分交代しており、それは建築者の当然の配慮だと思われた。 何度見ても携帯を散文的に眺める妻の上半身と対照的な非常識さを写す下半身はそれが意図して行っているようだった。 座れば太股を露出するような姿をしてまで股間をだらしなく開く事は考えられず、以前スーツ姿を纏って電車の車中でもきれいに膝を揃えている事を尋ねた記憶が甦った。 隣り合った妻のそれを眺めて、自分も試みたところ妻は突然吹き出し品を作ったオカマのようだとくすくすと笑うのだった。 妻は女性は自然とスカートを履けば膝を開かない事を意識せずとも出来る事を話すと急に小声になり、そこを見せるのは自分だけと恥じらいながら言ったのだった。 妻がかつて言った、そこは今や意識して開かれているとしか思えず、その鈍い白さに目が奪われた。 自分のいる対面のビルからはそこが見えると思えば焦燥感に駆られたが、この映像が既に過去の事であればもがく余地のないことは自明だった。 映像は数分の事だったと思うが、妻が羞恥に耐えられないのかその太股を微妙に閉じようとする度に微妙な陰影がさらに陰猥な影を作った。 妻が少しでもスカートを伸ばそう��手をその端に掛けて軽く座り直した時など、座る角度が浅くなってしまったのか、ショーツが秘部を隠している場所を示すクロッチが見えてしまったのだった。 犯人は期を逃さず、妻の股間を画面一杯に広げ、強制的とはいえ妻との性交でそこに舌を這わす時と同じような妻自身の香りが鼻腔に広がった感覚を覚えた。 すぐに妻は姿勢を直してしまったが、その性的魅力に溢れた映像を逃した事で先程とは別種の焦燥感を覚えた事に自分の複雑な感情にいまさらながら気付くと同時に男性としての恥じらいを覚えるのだった。 いつまで妻を嬲るつもりなのかと自分の無力さを感じていると、画像は自分の希望を叶えたように妻の太腿に力が入ると立ち上がる姿を写した。 カメラが急に引いても視線はスカートに隠された妻の股間ばかりに向いていた。 妻は立ち上がると奥へと歩いてゆく姿を僅かに写すと視界から消えた。 これで映像が終わるのかと、あっけなさを覚えた自分を即座に戒めているうちに店の奥側にあるボックス席に数人の若者が座っていった。 それは盗撮というよりただの日常を描いているようで、自分が学生の時分に煙たがられながら喫茶店で友人と過ごした事を思い出した。 他愛もない事を思い浮かべて若者の集団を眺めていると、その脇を女性が通りかかる姿が目に止まった。 それが妻とはすぐに分からなかったのは普段は留める事のない髪を後ろで結い頭全体が一回り小さく見えた事、そして先ほどまで纏っていたブラウスを小脇に抱えていたからだった。 さほど暑い季節でもなかったがブラウスを脱ぐほどでもないかと考えると頭に疑問符が浮かんだ。 妻は先ほどまで腰掛けていた椅子に元通り座るのだったが、先程と同じように見えない違和感があった。 漫然と眺めてもすぐには判らなかったが、その理由はすぐに判明した。 本能的に妻の見事な曲線を描く脹脛に視線を向け、それを徐々に上方へ移してゆくと妻はそれに反応したように躊躇いなく柔らかな肉体で閉じられていた谷間を開いた。 その時には妻は俯いており視線をカウンターに向けていたが、時折左右を確認するように顔を振る仕草で妻の表情は赤面している事が分かった。 飽きる事なく再び犯人によって視線は妻の股間に集中していった。 それから顔を背ける事はできず拡大してゆく映像を見つめていると、スカートの影に隠れてさえ白さを見せたショーツは確認できなかった。 急に高まった鼓動を抑える事なく抽象画のように妻の股間だけを画像は遂に妻の秘所が直接外気に触れていることを示した。 下品に開かれた妻の太腿は白さを翳らせながら股間に伸び、その中央では柔らかな薄い陰毛が申し訳ていどに生えていた。 そのすぐ下からグレーのスカートが座席に触れていた箇所に僅かに妻の性器の始まりであるやや色を濃くした部分を確かに捉えていた。 それがある種の性的な戯れである事程度は知識にあったが、それが現実に妻に起こり得ていることは衝撃だったが、直接犯人が妻と性交渉した場面に比べれば幾分救われるものではあった。 が、しかし映像はその程度で終わるつもりは無いのだった。 カウンターテーブルを挟んで下半分は恥じらいの影もない下品なものだったが、まだ上半身は妻の表情を除けば日常のものだった。 妻はビルの下から視線が通らない事を確認するように二三回下方を見やると、緊張しているかのように無表情なり、おもむろにスカートにたくし込まえたキャミソールに手を掛けた。 まさかと思ったが、妻の腹に白い肌を目にしてこれから見せられる屈辱を想像した。 おずおずと妻は片手でキャミソールを持ち上げていたが、やや余裕を持った布地は胸に向けてぴったりと張り付いており、股を開き腹を晒した状態で妻は止まってしまった。 妻は躊躇いがちに顔を下に向けると、腕を胸につけたまま徐々に二つの性的秘所を晒していった。 乳房の下あたりがようやく見えようとした時、そこに本来あるべきブラジャーの姿は無かった。 妻は豊かな胸でもそれは張りがあり、立ってさえその頂点はやや上方を向き裸体の妻と触れ合う時は、妻が恥じらいを浮かべていても二つの乳首は自分に挑戦するかの如くこちらを向いているのだった。 そんな事を考えていると、妻の動きの遅さに苛立ち、場違いな感情にさらに苛立っている自分が情けなかった。 遂に妻の胸を覆う布は乳首まで晒すと、それを通過する瞬間それが僅かに跳ねる動きを見せた。 それは残酷な事実だった。 自分が妻の乳房を見る時は大抵性行為の際だったが、稀に数回の交わりで妻が疲労にそのまま寝てしまった時など、朝に目にする妻の乳首は自分が吸い付いていた時より明らかに勃起していなかった。 その場合は目覚めに妻の胸に頭を埋め幸せに浸るのだったが、画像の妻のそれは性行為時と同じように屹立していた。 羞恥心のある女性であれば有り得ない姿を晒しては止むを得ない事だったが、妻が性的興奮にあると理解出来ることは限りなく不愉快だった。 片方に乳房は乳首寸前で止まっていたが、もう片方は僅かに正円を外れた事でさらに魅力的なフォルムの白い乳房全体を曝け出していた。 アダルトビデオの様に動きがある訳でもなく、ただ妻は片方の乳房と股間の性器を正面から見せているだけだったが、それは自分自身の視点で見る妻よりセックスアピールに満ちていた。 ふと、頭に犯人の言葉が浮かんだ。 あと10年先にここで映像が終わりとなっても後悔する事はないでしょうか 美しく乱れる奥様を映像の形で残す機会はこれを於いてないでしょう このまま犯人によって撮影された映像を見ることが絶えても構わないと心の底から言える自信はあった。 が、画像の妻がしきりに頭を左右に向ける事で柔らかを示すように揺れ、そのたびに乳首が僅かに方向を変える事に視線が集中している自分には僅かな動きと同じようにその自信に揺らぎを感じるのだった。 どれくらいの時間たったか、短いといえば短く、長いといえば長い、苦しみと陰猥さが混じった画面の下をみると、まだ映像が始まってから15分程度の出来事だった。 漸く妻は股をピッタリと閉じると、腕の動きが不自然にならないようゆっくりと胸を隠していった。 薄いキャミソールは妻の胸に張り付き、今までの乳房を隠す事がさらにその形を知っている事で興奮を増すようだった。 それに目を留めている間に妻はブラウスで胸を隠してしまった。 いまや過剰に乳房の形を示しているキャミソールを除けば他は普段と変わらぬ姿になった妻は、半分飲みかけのグラスを手に取ると、その場を去っていった。 ボックス席の若者の頭が一斉に動いたところを見れば、妻の胸に一枚しか纏わぬ姿は彼らの視線を浴びせるには充分に性的魅力に富んでいる妻の姿を思い描いた。 映像の余韻も残さず画像は一瞬暗転するとすぐに次の場面を映し出した。 何の変哲もない駅前の雑踏のようだった。 どこの駅かと探したが、おそらく駅ビル付属の入り口は画面の隅にあり鮮明にそれを読み取る事は出来なかった。 いずれ妻を写すのだろうと思っていたが、映像は一向に妻の姿を見せなかった。 人の動きよりその風景に注目していると、まるでそこは無人の駅前のように錯覚に陥り我に返った。 と、犯人の意図が読み取れた。 その姿がさほど大きく無いので確実とは言えなかったが、状況からそれが妻であることは間違いないものと思われた。 駅前の広場の傍らにあるベンチに妻は腰掛けていた。 普段掛ける事のないサングラスを掛けている姿は確信までは言えなかったが、その身体とグレーのスカート、ショートブーツは先程の妻の姿だった。 が、その上半身には薄い布一枚が覆っているだけだった。 それは先程までキャミソールかと思っていたが、肩にかかる部分がストラップでないため、黒のタンクトップだったと分かった。 が、幾分暖かとなったとは言え、周囲の行き交う人々から比べるとやや珍奇な服装であることは確だった。 妻を写す映像は幾分角度がついていたので、胸の膨らみが魅惑的な曲線から頂点からピッタリと張り付いたタンクトップに抑えられていた。 喫茶店の映像から考えれば、薄いタンクトップの下には妻の素肌しか無いものと思われた。 サングラスを掛けてそのような姿をしていると、穏やかで優しい妻のする服装とも思えなかったが、肌に張り付いたタンクトップにショートスカートからのびる黒いタイツの優美な曲線はモノクロの色彩でありながら扇情的に見えた。 これでは、既婚とも思えない露出の激しい風情の印象の異なる妻に戸惑っていたが、それは妻の異なる美しさに目が向けられていない自分を責める材料となった。 混乱したまま、映像に目が慣れてくると、通行する男性の視線が妻に刺さっている事に気がついた。 盗撮そのものなので当然だったが、露骨に視線を向けたまま名残惜しいように一瞥をくれて駅に歩み去る年配の男性や、性的興味そのものといった視線を妻に向けながら不躾に妻を舐め回すように歩く大学生らしい集団が煩わしかった。 自分の妻をまるで娼婦のようにその内面も知らず、肉体それだけを好色な視線で見る男性は許しがたいものだった。 妻を失うのではとの危機感が背筋を登ったが、なぜか衆目に晒されている妻は限りなく淫らに映るのだった。 通行人を怒り混じりの感情で眺めていると、ふと妻の傍らに一人のスーツを着たサラリーマンらしい若い男が立っていた。 その男は携帯を眺めており、特段不審な点は無かったが、注目しているうちに、時折妻を見る視線に気が付いた。 よもや公衆の門前で妻が犯罪に巻き込まれるとは思っていなかったが、その男は携帯を目線から外すと地面に垂直に向けた。 最初はその意味が判らなかったが、男がそうするたびに携帯を熱心に眺めている様で行為の意味が理解できた。 男は妻を盗撮していた。 赤子を撮影するためと銘打って撮影時の音を無音とするアプリがあることは知っていた。 とするなら、そのような姿をしながら背筋を伸ばし豊かな胸をさらに強調するような姿勢でいる妻を側面からの映像で自身のものとしているのは確実だった。 その妻の全ては夫である自分のもの、男には見えない覆われた胸も、股間の秘部も自らの瞳孔に写したものと思えば、男に対して優等感が込み上げ���が、この場で行為を止められない無力感がそれを曇らせた。 妻は人を待っているように何気ない様子で携帯を見つめていたが、逆にその姿勢に固執している姿は妻が感じている恥じらいを示しているのだった。 無防備に身体の線を外に晒したまま妻はその肉体を気づかないまま性的欲求の被写体としていた。 そうしている内に、同じ事をしている一人二人と男性は増え、一人は妻のやや前で鞄を取り落としたところを見れば徐々に遠慮の無い輩が増えつつあるのだった。 危機感を増す映像のなか、優等感より屈辱感が増しても、今の怒りは犯人より妻を視姦している男たちに向けられているのだった。 時刻も午後に入ったのか、木々の影が伸びているところを推察するとおそらく午後3時あたりではないかと検討をつけると、妻の帰宅まで考えれば映像の終了が期待できた。 妻の肢体を嬲る視線は不愉快極まり無かったが、妻が腕時計を一瞥すると立ち上がった事で、周囲の男性は一斉にわざとらしいほど何気ない様子に移る姿は滑稽なものだった。 妻が周囲に表情を向けた時、妻はいまさらな���ら晒しものになっていた事に気が付いたのかと思ったのだが、サングラスを掛けていても、その表情はやや離れた映像でも朱に染まった様子が見えた。 妻は性的魅力を発散していた事を知りつつ行っていたのかと疑念が湧いた。 それを振り払おうとしても、歩み去る妻を物欲げに見つめる数個の視線を見れば繰り返しその疑念は冷静さを願う自分の頭を流し去るのだった。 妻が画面から消えると画像は次の場面に移るかと思われたが、急に画面が揺れたかと思うと、次第に安定してゆくそれには駅への歩む視界が映し出された。 映像が途切れない事を疑問に思ったが犯人によって固定された視線からはその意図が判るはずも無かった。 駅へと近づくにつれて駅名の看板からその場所が分かった。 首都圏に住んでいた頃には、数度所用で訪れた事がある場所だったが、数年前の事でもあり、今更映し出された事で記憶が甦っても、それはただ苦い感覚しか呼び起こさなかった。 駅ビルに入ると軽い足取りで階段を登る映像からは、存外犯人は若いのかもしれないと思われたが、駅ビルであればエスカレータでもあるところ、わざわざ階段で登る犯人の意図は判りかねた。 やがて数階を登り、フロアにでると薄暗くそこがどこか戸惑ったが、装飾からすると見知った映画館だった。 そこが目的地とは思わなかったが、犯人は迷いなく事前発券機の前に立つと自分の視線はその無機質な単色に埋められたが、数秒で犯人は手続きを終えると館内の入り口へと進んだ。 カメラを回したまま薄暗い通路を進む犯人と意図が映画の盗撮にあると考えるには先程までの映像には無理があった。 重そうな扉が開くと、映画の上映前の宣伝が流れており、重低音がスピーカーから流れ出る度、軽いノイズが響くことは不快だったが、映像が明るくなったことは有難かった。 視線を隈なく座席に座る観客に向けたが、既に流行りを終えた映画なのか、午後のこの時間では席に座る人影は両の手で容易に数える事ができた。 その中に女性もあったが、妻の姿は無いのだった。 犯人は最後列の席に腰掛けると視界は座席の背しかなく、その映像が続く事が不安を煽った。 自身が焦れていることを見透かすように照明が落ち、画像���黒い画面を写すだけになると変化が訪れた。 朧気ながらスクリーンに映し出された映像に反射した光が犯人が移動している事を知らせた。 幾つかの座席を渡り歩く先には女性の頭があった。 それが妻であるかどうかは判らなくても、犯人の腕が伸び女性のなめらかな曲線を描く肩に触れた事で妻であろう事は明らかだった。 妻は反射的に頭をこちらにもたげたが、それは犯人の指先が妻の顎に触れた事で止まった。 顔は見えなくてもうなじから伸びる曲線、髪型そしてなによりシャツで隠していてもその隙間から見えるタンクトップがピッタリと張り付いている事で判る胸の膨らみの大きさは妻である事を確実とした。 数人でも観客のいる席で淫らな行為に至るリスクは、慎重をおす犯人らしく無いと危機感を募らせたが、それを宥めるように犯人は紙袋を妻の隣の席に置いたのだった。 それから犯人の動きは無かったが、妻は視線を前に向けながら無造作に取り上げた。 妻は物音を立てないように慎重にそれを開いたが、いずれにしても音響によりそれが他に気づかれる事は無いと思われた。 妻がそろそろと手を袋に入れると、一枚の紙片を取り出した。 それには何か記入されているように見えたが、それを自分が読解する前に妻はそれを丁寧に折りたたむと、紙袋に戻した。 それきり動きが無い妻の行動から、文面を推察もできないまま混乱に陥っていると、画面は座席の上から戻り、座席と座席の間に向かった。 それは柔らかな素材と知りつつも、視界をその閉塞された空間に押し込まれる事に軽い恐怖を覚えたが、数秒で視界は座席の間から抜け出した。 最初に映し出された抽象画のような映像には戸惑ったが、犯人は座席から操作しているのか、すぐにピントがあった。 画像は座席に掛けた妻をやや角度をつけて上方から覗き込んでいた。 良からぬ行為をすることは分かっていたが、どのように展開するか判じかねていたが、妻が姿勢良く掛けていた腰を前方にずらすと、その腕は大胆にスカートに差し込まれた。 この場で下着を脱ぐ行為に緊張が高まるとともに、喫茶店以降下着を着用していた事実に安堵する間もなく、両手で張り詰めた白いショーツがスカートから出てくると、膝上でそれを止めた。 公共の場で有り得ない行為に及んでいる妻が信じられなかったが、次の行為はその不信を打ち砕いて余りあるものだった。 だらしない若者が腰掛ける時のように腰を座席の縁まで進めると、自身がそこに注目している間に取り出した醜悪なデザインのディルドを股間に侵入させた。 その時スクリーンが明るくなったことで、局部はスカートに覆われていても、あと数センチで妻の性器に侵入しようとする性具が映し出された。 それは明るさの中にあってもあくまで黒く妻の胎内を舐る暗黒面を示していたが、同時にそれを受け入れようとする妻の腕にそれが余っている様子は太さ長さとも自分の男性器と比較せずには居られなかった。 妻がわずかに仰け反るような動きをしたことで、性具の先端が妻の秘部に触れたらしい事が察せられた。 行為を止める事が叶わない映像では成すすべは無かったが、その後ゆるゆると妻の腕の誘いにより胎内に侵入する性具に疑問が湧いた。 知る限り妻との性交時は前戯で受け入れ安いようにそこを解すのだったが、当然そこが最初から潤っている事はなかった。 あるとすれば、自宅で鑑賞した映画で濃密��ベッドシーンを見てから、たまらずにソファに押し倒した時、それにストリップと称して自分の誕生日に卑猥な下着を身に着け、自分にその肢体を見せつけて戯れた時くらいしか記憶に無かった。 が、さほどの抵抗なく妻の表情も変わらず挿入されてゆく性具、見ている間にスカートに全てが隠れてもなお妻が自身を穿つ事を止めない姿は、先程の駅前の露出と呼んで差し支え無い行為を想像させた。 映像が途切れないと言う事は、妻が幾多の性的視線を浴びてからさほどの時間が経過していない事を示している。 妻とて股間を拭う事程度はしているかもしれないが、清楚と呼ばれる妻でも男性の欲望に満ちた視線は股間から清楚を流し去る液体の分泌を促すのかもしれなかった。 ただ、それが自分の視線でなく晒し者にされた挙句に出現した妻の身体的性癖とすれば、ただ不愉快だけと言えない感情に股間が緊張した自身に戸惑うのだった。 性具は最後まで妻に埋まったのか、妻は痴呆者のようにだらしなく口を開くと何かを呟く様にそれから数度息を吐くと膝に留まったショーツを再びあるべき場所に戻そうとした。 我に返ったのか、挿入時の緩慢な動作から比べると素早い動作に見えたが、腕をスカートの中にたくし込む動作が瞬時に止まった。 それがショーツを履くことで自身の胎内を穿つ異物をより深く挿入してしまう事に思いが至らない程慌てていたのか、あるいは股間から脳に送られる女性と仕手の声に意識が濁っていたのかは判らなかったが、その両方であろうと思えた。 先日の直接妻が犯される光景と比較するなら、まだマシとも言えたが言いようの無い感情が頭を支配していた。 急に妻は所在なげに周囲を見渡して警戒すると映像に目を向けた。 それがどのような映画なのかは角度の関係で判明しなかったが、時折チラチラと明るくなる画像からは、やはり盛りを過ぎたアクションものかと思われた。 別段犯人の指示は無かったが、妻はだらしなく腰掛けた姿勢が気になるのか、腰をそろそろと引いていった。 それが更なる陰猥な欲望のためとは思いたくなかったが、元通りに近い姿勢に戻ると妻は特段不審な点など無いように振る舞っているように見えた。 が、妻は鞄からハンカチを取り出すとそれを再び腕で股間に伸ばしていった。 座席を汚すほどの愛液が股間から溢れているのかと、妻の股間の節操の無さに苛立ったが、女性がこの状況でどれだけ耐えれるかには想像は及ばなかった。 目的の場所にハンカチを敷く事が出来たものと見え、腕はすぐに出てきたがその後から妻の奇妙な行動が始まった。 シャツが胸を隠しているか確認するようにボタンを優美な指で弄っていたかと思うと、次には座った姿勢ではスカートに隠れきっていない大腿を隠すように膝上まで落ちたタイツを引くのだったがその所作の全てに不自然さを纏っていた。 ぎこちない動作は全て股間に杭を打たれている事によるものと分かっていても、身じろぎする度でも僅かに姿勢を移す妻の感情は判らなかった。 数度目にタイツを弄っているところその時は来た。 突然音響が地鳴りのような音を立てると、画面に注目していなかった妻は急に背を伸ばすと驚いた時に良くするように片手を広げて口に当てた。 映画の音響如きで妻は痺れた様にそこに静止していた。 先程の醜悪な黒い物体と、それを埋め込まれた妻の下腹部のサイズを想像すると、おそらく実物以上に強調されたその頭部は自分が未だ到達していない子宮口まで届いているかもしれなかった。 頭に妻の下腹部の透視図を思い浮かべると、外周のクリトリスや膣口が犯人の手により嬲られるより一層その奥底を犯される図が眼底に映し出された。 妻は驚きにより咄嗟にとった姿勢によりそれを深く奥底まで咥え込んでしまったのだった。 横顔でも妻は無表情を保っていたが、それが下半身の状況を示していない事は不自然とも思えたが、それを抜き取るためかそろそろと腰を前に動かすと再び妻は片手を口にあてると、その先に顰めた表情が目に入った。 意に沿わず公衆のなかで醜態を晒している妻は最大限の自制心をもって性的被虐を耐えているようだった。 しかし、男性の視線を浴びて興奮状態に導かれた妻の身体は股間のそれを抜き去る事を不可としていた。 やや額に皺を寄せながら妻の視線はスクリーンに向けられていても、横顔に映るその瞳は虚ろだったり、何かを求めるような熱情的な視線と移り変わっていた。 その心を推し量るまでもなく、表情は腰の僅かな動きと連なっていた。 妻の性器は全てを満たされ、男性器で感じられる全ての暖かで微妙に感触を変える膣から子宮口にいたる肉壁はディルドに密接していた。 激しい抽送でなくとも性的快楽を妻の脳髄に伝える濡れた内腹部は、わずかな動きでもその摩擦を快楽に変換し妻を単一の感情に陥れるのだった。 身体の芯に杭を打ち込まれ、それに抗う事はさらに妻を痺れさせてゆくように呆然と視線をタンクトップとスカートに覆われた妻の痴態に置いていた。 痺れが遂に妻の理性を決壊寸前まで追い込んだとしか思えなかった。 妻は両手を腰骨のあたりに当てると、そうする事でより多くの快楽を引き出す事ができるようにゆらゆらと押し当ててる迄に自身の理性を一枚ずつ捲り剥がしていた。 妻の視線にスクリーンの映像が写っているとは思えず、それは形の良い唇が僅かに開いている事でも知れた。 映画の上映時間は判らなかったが、この陵辱がその時間続くかと思うと、時間とともに剥がされる妻の理性はそれが旧に復することがあるか、一度身体に覚え込まされた快楽は忘れる事があるか危惧するのだった。 それはまとめれば妻の身体が開発されていると言うことだった。 肯定的に用いられるその単語の意味するところに反して、この場合の用法は限りなく闇に包まれていたが、妻と同様に抑えがたい自身の勃起は同じく暗い悦びを叫んでいた。 やや男性の興味を引く服装ながら映画でも見ていれば問題ない姿の妻が自ら腰をスライドさせ、得られる快楽を試しているかのような姿は自分には無残だった。 やがて腰に当てられた片方の腕をおずおずと下腹部に手の平を触れさせると、それは妻の股間を貫いた醜悪な物体がどこまで自身を荒らしているか確かめるようにそこを撫でた。 それは将来生まれくる赤子を撫でるような優しい動きであれば、精を放つ機能を持たず、ただ内壁を埋めつつ快楽を絶え間なく送り続けるそれを愛撫するような淫らさのある印象を生んだ。 自分以外の性器を迎えるような仕草は込み上げる怒りを生じさせたが、手の終着点はそこではなかった。 しなやかな手を男性が性交時にするように乳房まで滑ら��ると、膨らみの下半分を親指と人差し指を伸ばし覆うように当てた。 周囲の視線を伺うように軽く左右に首を振ると、堪えきれないようにシャツの合わせ目から手を侵入させると、手の甲でそこを覆うように手を止めた。 タンクトップの中までは及んでいないようだったが、手の延長線に目を遣ると、そこには乳房の頂点があるものと思われた。 妻の張りのある乳房は裸で正面から見据えるとこちらに両の乳首をやや上に向けて対面することから、想像するまでもなく妻の指は自身の白い乳房から柔らかな桃色に色を変える乳首を弄っているに違いなかった。 自分が吸い付く事で小さな突起をやや固く勃起させるそれは、妻自身が性的目的で触れるものとは考えつかなかったが、画面はただ現実を示していた。 衣服に覆われ実態の見えないそこに視線を集中していたのか、瞳が痛みを覚える頃に我に返った。 改めて画面を凝視すれば、先程まで腰にあった片方の腕は股間を覆うスカートの下に差し込まれつつあった。 その手にはハンカチらしき布があった。 直ぐに妻の股間に消えたそれはディ���ドを経て性器から滴る性的興奮で分泌される液体で座席を汚さない為の配慮かと思われた。 妻は乳首を指で弄ぶような状況にあってさえ、社会的に一定の配慮を示していた。 それは妻が完全に堕落の虜となっておらず正気を保っている証でもあったが、反面正気で自ら股間から溢れる程の快楽を貪っている事も伝えるのだった。 改めて画面下に表示される時間を見ると、映画の始まりから十数分の事かと思えば、この時間で正気を朧気とする妻の身体が開発されている事を慨嘆するのだったが同時に妻が離れるような感覚も覚えた。 映像は公衆の中で公然と悦楽に耽る妻を写していたが、漸くそれは暗転した画面とともに消えた。 そこでようやく自分を傷つける映像は終わった。 少なくとも妻は犯人の男性器を受け入れる事は無かったが、喫茶店の秘密の露出から駅前での視線に嬲られる光景を経て映画館での妻自身による自らの陵辱まではそれに等しい感情を植えつけた。 犯人が妻をレイプするのでなく、意に沿わない行動でも妻自身が肢体から快感を生み出す過程は自分には惨めな開発風景だった。 どれだけ時間が過ぎたのか考えるまでもなく、映像に見入っていた時間分が経過しており車の中で苦しみと悲しみに暮れようとしても、怒張が醒めない股間はスーツをテントのように不自然に歪ませていた。 混乱した頭では犯人を追跡することは考えられず、エンジンに火を入れるとそこが妻の陵辱現場であるように不必要な加速でその場を後にした。 今はただ、自身の男性器を妻に備わる快楽器に埋めたかった。 この時間は帰宅の車が横を通り過ぎていたが、構わず路肩に車を停めると携帯電話で妻を呼び出した。 数回の呼び出し音で妻が応答しない事に苛立つと、圧力で切断する訳でもない硬質のあくまで冷たい樹脂を押さえつけた。 呼び出し画面から、電話番号リストに変化した画面を見つめていると、衝動のままに行動する愚かさが背筋を伝うと冷静さを取り戻した。 今自分は犯人への経路を手に入れ、誰にも知られる事無く問題を処理する事ができる機会を大事にすべきだった。 一時の激情に身を任せては犯人に捕らわれる一方ではあるのだった。 一呼吸置いた途端に携帯電話は細やかな振動で妻からの着信を知らせた。 努めて冷静に妻に���じると、妻は今から帰途につくとの事だった。 仕事が長引いた事を言い訳がましくならないように伝えると妻を拾って帰る事で話がまとまった。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫17
翌朝は雨音に目覚めると窓の外に広がる景色は数十メートル先は白くかき消されるような豪雨だった。布団から起きるとやや肌寒く暖かくなってきた季節を巻き戻しているように窓の水滴が物語っていた。 このような天候の時は稀に自家用車で出社する事もあったが、同じ思惑の者が多い為に会社付近では渋滞となり、電車で通うよりも遅くなる事の方が多かった。 雨に濡れる事と、早めに出社する事を天秤にかけたが起きた時間も早めであることもあって自家用車で出勤する事に決めると、手早く着替えを済ませ階下に降りた。 妻は既に身支度を終えており、朝食を共に済ませ車で出社する事を告げると同乗出来ることを喜んだ。そのほころんだ表情には曇りがなく妻に降りかかっている出来事が妻に与える影響を考えてしまうのだった。 自分が妙に考えている様が妻に気取られたのか、妻は笑顔のまま近づくと小首をかしげながら体調について尋ねると自分の額に手をあてた。 妻の手は温かく冷えた空気に心地よく感じられ、その心遣いに改めて妻を守ることを誓うとそのまま頭を妻に向け唇にキスをした。 妻は突然の行為に驚いたようで僅かな間に妻の柔らかな唇の感触を楽しむと体を離し、リップクリームが自分に着いてしまった事を言うとティッシュペーパーで妻に触れた事で甘い感触を残した唇をやや強めに拭ってくれた。 妻の頬は朱に染まっており、今でも新鮮にその行為に恥じらいと自分に対する感情を見せる事に胸が込み上げるのだった。 少しでも妻にサービスしたい気分になっていた自分は先に車に向かうと駐車位置から玄関の前に車を回した。そうすることで玄関の先ですぐに車に乗り込む事ができるので少しではあったが妻に降りかかる雨を減ずる事が出来るのだった。 浮き立つ気持ちを実感しながら車で待っているとハンドルを握る腕に違和感を感じると腕時計を身につけていなかった。 今日は重要な報告があるところに朝から浮かれている事を自省すると、未だに雨脚の強い中車を降りて玄関に向かった。 ドアを開けると妻が靴を履いているところだった。普段は簡素なパンプスなどが多かったが今日は雨の為にレインブーツを履こうとしていた。それは一昔前前であればゴム長靴と片付けるものだったが、昨今のそれはデザインや質感装飾にいたるまで実用性以外の機能を増しており一目見ただけではただのミドルブーツと見分けがつかないものだった。 玄関の靴棚の上に置いた腕時計を身につけ妻がレインブーツを取り出す為に引き戸の開いたそれを閉じる時に自分の物と並んだ妻のトレッキングシューズが目についた。 それは靴底の部分が妙に黒々としており自分の物がやや白く汚れている事と対象的だった。それをその前に使った時は会社のイベントでバーベキューに行った時と思われたがその時は快晴で靴も土埃に汚れる程度だった筈だった。 それが頭に先週の妻の出来事が一瞬で蘇らせた。妻が肉体を蹂躙された場所では自分が雨に濡れた思い出から靴が泥に汚れる事は想像に難くなく、そのような場所に妻が単身向かうにあたり日常使う靴でなくトレッキングシューズを選択する事は、その場所で違和感をを生まない為にも当然の事であると思われた。 なるべく表情を変えないように戸を閉める事には努力が必要だったが、それを誤魔化すために視線を妻に向けると丁度片方の脚にレインブーツを滑り込ませているところだった。 外では隙の無い妻でも自宅では靴を履く動作はやや粗雑になっていることが可笑しかった。両手でブーツの脇を抱えて脚を入れるにあたり膝は水平以上に持ち上がり、柔らかな素材のスカートは妻の膝上まで滑り落ちていた。 妻のふくらはぎは黒いタイツに覆われており肉体の線にあわせて膨らみを増す箇所では繊細な生地の隙間から肌が見えるものと思ったが、今日妻が着用しているものは靴下のように厚い生地のようで白い妻の肌を見ることは出来なかった。 ようやく片方に履き終えた事を見計らうと、レインブーツを屈んで摘み上げると妻に差し出した。自分の過剰なサービスに妻は吹き出して笑ったが自分の視線は妻の顔でなくその太腿にあった。 股間まで続いていると想像して低い姿勢から見た妻の太腿の途中でタイツは柔肌を締め付けて唐突に終わっていた。声に出していけないと思っても自分の意識は発声した音を追認していた。 妻は突然の声に驚いていたが、視線に気が付いたようで再度表情を笑い顔に戻したが、それには多分に悪戯の成分が含まれていた。 妻が言うにはそろそろ生理の時期となり敏感なそこにあてる用品を交換する事と、蒸れを抑える為に最近はこのようなロングソックスを履くこともある、との事だった。 自分をあやすようにセックスは生理が終わってから、と微笑んで告げる妻の表情は妖しく自分のサービスへの返礼なのかスカートを捲ると股間までは露出しなくてもタイツの末端を露わにしてそのままレインブーツを履いた。 厚めの生地でありながら硬質に光を反射する様はその生地の滑らかさを示しており末端の数センチで黒々とした箇所が妻の白い太腿に食い込んでいる様は妻が拘束されているようで、手を伸ばす欲求が増したが昨晩の行為がそれを抑える事を可能としていた。 鼓動が高鳴っている事に戸惑ったが、妻の調子にあわせて今日の報告があるところ朝から興奮させないで欲しい事を返してそそくさと車に乗り込むと、妻はその後から何かで膨らんだトートバッグを後部座席に置くと自分の隣に収まった。 会社の夏祭りの事など話しながら車を走らせると幹線道路は思いのほか車が多く、早めに出たにもかかわらず到着は始業ギリギリになることをカーナビが占っていた。 久しぶりの妻との出勤で交わす会話は楽しくさほど焦る事なく運転する事ができたが、妻が唐突に自分に問い掛けた言葉が空気を変えた。 妻は最近社内の一部を騒がせた離婚騒動を言っているのだった。 ありがちな事でもあったが、自分と同じように同じ会社に勤める夫婦が最近男の不倫によって破局を迎えた事件があった。 女性は妻と近い職場でありストレスで暫く休んでいるところ、もう片方の営業職の男性は周囲の視線に晒されながら頑張って働いている姿は多数を占める自分と同性からは愛憎半ばといった評価だった。 どちらも接触の少ない職場であるところに自分の耳にも聞こえた事は相当な噂となっている事が知れた。 妻としては顔見知りでもあり同情的な姿勢だったが、自分なら気にも留めない事柄が気になっている事はやはり噂話好きなこの地域の出身であることが伺えた。 話の成り行きからするとどうやら男性が昔付き合っていた彼女と再開したところに、結婚後数年の倦怠期が重なった事が原因のようだった。 自分としては妻をたしなめるつもりで軽く、妻が昔の彼氏にあったら大丈夫かと問うのだったが、その返事までの僅かな間が即答でなかった事で急激に不安が増した。 妻が嫌がる事を承知で、妻の過去の恋愛について聞いてみると、今度は妻ははっきりと今の自分の夫が自分には最高の男性と考えている事をもごもごと視線を落として答える姿は微笑ましいものだった。 自分の問いに答えていない事が不満で妻の過去の恋愛について更に言い募ると、妻は抵抗をやめて話を始めた。 妻は首都圏にでて大学に通い始めた頃は余裕もなく、サークルにも属していなかったが1年を過ぎる頃には生活にも慣れ親からの仕送りで生活に不足は無かった。 が、周囲の友人がアルバイトに精を出している中、勉学に励んでいるのみの自分を反省し学校の近所のレストランでアルバイトを始めたところ、職場の人間に勧められて化粧を工夫する内にいつしか自分のファンのような客層が出来た事に気付いたのだった。 奥手な妻としては自分に向けられる好意的な視線に戸惑ったが、やがてそれも自信となり2年生を終える頃には幾つかの告白を受けるまでになっていたのだった。 淡々と話す妻はその過去を自慢するでもなく、ただ自分に問われるままに答えていた。自分が妻を手にいれるには相当な競争が過去にあったことを思えば望外の幸運に感謝すべきだったが、妻の話が始めての男性との付き合いに至っては冷静さを保つ事に苦労した。 妻が初めて付き合った男性はアルバイトを先の先輩だった。客とアルバイトの関係より、同じ仕事をしている方が親密になる事は当然であり、一緒に帰る内に親密になったとの事だった。 自分の初めての恋愛との類似性に途中までは共感を覚えたが続く話は自分と異なる筋道を辿った。 その恋愛は長続きせず、処女を捧げると急に男性は優越した態度を取るようになりいつか対等な恋愛となっていない事に妻が悟った事で終わりを告げたのだった。 その次の恋愛を話す前に、ほぼ無意識にハンドルを握っていた事に気付くと既に会社の門が近く、妻はその手前で降りることを言う��話を切った。 自分としては遅刻しても聞きたい話だったが、妻はあっさりと卒業までの恋愛は長く続いたものの男性が他の女性に視線を���てるようになって、ほぼ捨てられるように幕を閉じた事を性急に話すと顔をこちらに向け、神妙な表情でどうか自分だけをこの先見えていて欲しいと改まって告げた。 自分の結婚にあたっての覚悟はいまだ揺らいでおらず、答えに妻の唇を塞ぐことが出来ない環境に失望したが静かになにがあっても妻を離す事は無いと約束した。 妻もやや潤んだ瞳を出社に向けて頭を振ると打って変わって朗らかになった表情で自分も約束すると言い、車を降りて歩道を歩き去った。 ヒールのある靴を履き慣れている妻は足捌きも美しく暫くハンドルにもたれかかってそれを眺めていたが、角を折れると駐車場に向かった。 通常は建屋に近い場所に停められるのだったが、雨天で自家用車通勤の多い今日は到着が遅れた事もあり、建屋まで相当な距離のある場所に降り立つ事になってしまった。 が、先程の約束を頭に浮かべると妻の心は確かに自分が抱く思いと同じ事を思えば、傘の当たる雨音さえも祝福と思い足早に職場を目指すのだった。 仕事を始めるにあたり、まずは今朝の報告資料に目を通した。昨晩に確認したものだったが、10時からの報告が済むまでは他の仕事に手を付けられなかった。 部下を連れて空いている会議室で想定される質問を確認しているうちに時間となり上席の部屋に向かった。 そこは事務棟の建屋の最上階の奥まった場所にあり、そこに足を踏みいれた事は数度しかなかった。役員フロアであれば当然かもしれなかったが建屋の中にさらに受付があることは緊張感を増したが、そこにいる受付嬢が年増の女性であることは風景に似つかわしくなく可笑しさを誘った。 受付に歩み寄ると、後ろから自分を呼ぶ声に振り向けばそこには大股に近づく上席がいた。さほど近くもない距離から朗々とした声は充分に自分を萎縮させる効果があった。 受付嬢が案内する間もなくそのまま上席の自室に連れ込まれ、思いの外装飾が一切ない簡素な室内に驚いている間もなく昨日と同じ斬撃に部下と太刀を受けるのだった。 それはプロジェクト指定する事を拒むように厳しく上席の真意を測りかねていたが、1時間が経過し休息を挟む事となった。 上席は自分だけについて来ることを指示すると、廊下を通り非常階段に出た。 そこは社屋が見渡せる開放された空間で雨に煙っていたが、晴天であれば眺めの良い場所と想像することが出来た。 なにか秘密の話でもあるのかと緊張を解いていなかったが、自分の視線の先で上席は煙草に火を点けた。 上席は自分に喫煙者かと尋ねたが、自分は吸わない事を告げると別段表情も変えずに社内がほぼ禁煙となったことの不満を軽くぼやくと満足そうな表情で煙を空に放った。 先程の雰囲気と変わった空気感に戸惑ったが、上席は対応の厳しさを詫びながら最近の社内の風潮を嘆いた。 以前は今より頻繁に新しい事を始めようとする人材が多くそれが発展に繋がったところ、最近は事なかれ主義が横行し失敗を恐れてルーチンワークに埋没して満足する社員が多い事を言っているのだった。 自分に正直に言えば、自分も事なかれ主義なのだったが、わざわざ上席の気分を害する事もなかったので、適当に相槌を打っていたが、自分の生返事に意図を悟られてしまった。 冷ややかにこちらを見る上席が語った内容は単純だった。成功も失敗も評価に反映する、信賞必罰は当然の事ながら、失敗を恐れず挑戦する事と怠惰により会社の資産に損害を与える事は明確に判断する、との事だった。 これが休憩かと思うと暗澹たる気持ちになったが、上席が釘を刺した事は社会人としては当然の事だった。自分の本心が全て同意した訳では無かったが少なくとも理性はその論理を理解していた。 むしろ言い辛い事も恐れず正面から冷静に語る上席の姿に畏敬の念さえ覚えたが、その自分の心情さえ読まれていると思うと自分自身を制御する事に困難を覚えるのだった。 上席は自分の心中など意に介さず二本目の煙草を吸い始めた。表情は変わらなかったが、休憩の後は実施プロセスの検討に入ると告げてそのまま無言で建屋を見ながら、暫くしてから思い出したように夏祭りの話を始めた。 夏祭りは自分が関与する事を知っており、そこから元々このイベントを始めたのは上席だったと明かした。 この地に事業所を建てるにあたり担当した時代の事を懐かしむ話は興味深かった。自治体の企業誘致政策に乗り検討を始めたが、思いの外地元住民の説得に手間取った事、社内の反対や準備に苦労した事を話す上席の姿はその当時の様子を想像する事ができた。 夏祭りは事業所を建てた年に現地採用組と本社から送り込まれた人員の軋轢を少しでも解消するために、双方を奔走して実現した事情は初耳だった。 自分が知るある町内会の老齢の人物はいまでは協力的に、むしろそれを待ち望むような態度だったが、上席が語るには反対の急先鋒に立つ人物だったとの事だった。 その人物の現在を伝えると上席は表情を綻ばせた。剛腕と辣腕で知られる人物の薄皮の中にある人柄を見たようで安心して現在の準備状況を話していると、時間は既に休憩を過ぎていた。 やや憔悴した表情の部下を慮ったが、それからは計画の進行についてのアドバイスが主に取り上げられた。 計画段階でも事業所の各部署との調整が必要となり、本社でも幾つかの検討が必要となり、数多くのプロジェクトを成功に導いた上席の手腕が伺われた。 上席も上層から各方面への調整を担ってくれるとの話があり恐縮したが、その点もプロジェクトを自分のものと考えるのではないとたしなめられてしまったが、強力な援軍を得たことは素直に嬉しかった。 最後に人員の話となると難しかった。上席に意向を尋ねられたが、作業量を考えるととても現在の業務との平行は難しく、かといって業務に必要とされる技能は相当に高度なものだった。 悩ましい点は、計画が成功した場合には、計画段階から関与する人員が多いほど望ましいのだが、それは計画が失敗に終わった場合に余剰人員となってしまう事だった。 少し停滞した空気に上席がみせる表情は恐らく喫煙を求めてのものと思われたので、少しの息抜きを求めた。上席はやや驚いた表情を見せたが、自分の意図が当たったのか表情を崩すと笑ながら席を立った。ドアを閉める間際に上席はこちらを振り返り、自分についてくるように告げた。 部下はこちらを慮るような視線を向けており、それが先程と逆転している事には苦笑が漏れたが、直ぐに上席の後を追った。 再び非常階段にでると上席はじろりとこちらに視線を浴びせながら、煙草に火を付けた。紫煙は降り止まない雨に溶けてゆき、視線を意識したまま無言でそれに目を向けていたが、不思議とこの状態でもさほどの緊張は感じる事はなかった。 ようやく口を開いた上席の口調は幾分柔らかくなっており、人員計画の難しさをぼやいていた。その話を聞きながら雨天で薄暗い社屋を眺めていると、資材や書類などを収納する倉庫棟につながる通路に女性の人影が見えた。 制服を見にまとったその姿は妻と思われた。遠目だったので確証はなくてもスタイルや歩く仕草で見当がついた。 妻の仕事ではそこに行くことは珍しく、精々年に数度の在庫棚卸に動員される際や書類の移送の時でしかない記憶があった。 上から見下ろす格好で場所が通常人のいない非常階段でもあり、こちらに気がつくことはないだろうと思ったが、自分の現在の状況と偶然に妻を見かけた事が応援を受けているようで気分を高揚させた。 そのまま妻の姿を視線で追っていると妙な事に気がついた。何故か妻は自分の視界から消える間際に後ろを振り返っていたのだった。 社内でそうそう後ろを振り返るような状況はなく、その仕草自体が疑惑を招いた。 脳の血流が増えた事が自覚できたが、自分の置かれた状況はそれに集中する事を許さなかった。 上席が会話を始めると、視線をそらしたまま応じる訳にもゆかず、嫌々ながら上席に向き合って話してもやや上の空となってしまう事は止むを得なかっ た。 なるべく上席に心中を悟られないように気を取り直し部屋に戻ったが、非常口のドアを閉めながら伺った倉庫棟に妻が向かった事の疑惑が募るのだった。 人員の件は、部下が意外な提案をした。それは所属の違う若者をこの計画に加えるものだった。部下が若者を推薦するほどに人柄を知っているのかと思うと、出張の際のやりとりから時折会話をする仲との事だった。 自分の心中では若者が職場の机の下で行っている猥褻行為から、その人員を信頼できるプロジェクトメンバーにできるか疑うのだったが、少なくとも若者をその行為から引き剥がす効果があり、行動が自分の管理下にあればある程度のコントロールも可能となれば更生する希望もあるかと思えた。 上席は簡素な机に向かい、暫くpcを操作していると表情を変えずにその案に賛成の旨を伝えた。その画面にある情報が気になったが、それを読んだのか学生時代の専門や人事部の評価を教えてくれた。 本来派遣社員なので考査がないため、人事調書は必要のないところに作成している人事部の仕事に呆れたように話していたが、細々とした仕事が丁寧で、多くのスキルを身につけていることが知れた。 短期間で高評価を得る事は難しい筈だったが、おそらく所属長が好意的に見ているのだろうと思われた。 上席は二つの問題を指摘した。一つは派遣社員の状態では判断など含むためにプロジェクトに加わる事は出来ないこと、及び現在の部署からの異動に本人と部署が同意するかという事だった。 部署の同意と、派遣社員在籍の問題は上席が対応する事となり、本人の同意はこちらで対応する事となった。 正直、好意的評価を下しているだけに部門長への話は避けたいところだったが、そこを上席が引き受けてくれることは有難かったと同時に、上席のこのプロジェクトに対する本気が確認できた。 自分としては先程見かけた妻の姿が気になって中々話に集中する事は難しかったがようやく打ち合わせの終わりを感じると気が急くのだった。 今後のやるべきタスクを書き出し、次の打ち合わせ日程を決めると上席は改まって、自分と部下に礼を言った。それはそもそもこの計画を立ち上げた事に対するもので今後の進行の成功を願っている、との事だった。 厳しいと評判の上席に唐突に告げられた事で、なにか高揚した感情がこみ上げたがそれを押し隠して礼を言うと退室した。 退室間際にも計画書類に目を落とす上席の姿が目に入った。 役員フロアを降りると部下と疲労した顔を向き合わせたが、どちらともしれず笑いが広がり二人で笑っている姿は人に見せられたものではなかった。 部下はそのまま遅めの昼食をとることを提案したが、妻の姿が気になっていたので、部下に流石に疲れたので一人で少し休む事を話したが特段部下は気を悪くする事もなく、自分を気遣いながら去って行った。 まだ小雨の降る中、倉庫棟に向かった。そこにつながる廊下を歩くことは躊躇われたので、事務棟裏手から茂みを抜けて倉庫棟の裏に出ることにした。 雨が降りかかる茂みを抜けて倉庫棟の庇に入ると何故廊下をそのまま直接向かわなかった自分の行動を自問した。 その時は妻と向かい合わせになることを避けるためにとった行動だったが、よくよく考えればそれはそれで問題はない事だった。それを選択せず、隠れて妻の行動を監視する事は既に自分の内心に疑念が知らぬうちに積り重なっている事に気付くと妻を信じきれない自分をやや恥じるのだった。 妻は倉庫棟のどこにいるのかわからない事は困ったが倉庫棟の入り口は二つしかないので、そのどちらから入るかを決めなくてはならなかった。 一つは廊下から直接つながる入り口で、もう一つは大型の製品などを収納するために側面の大型の搬入口だった。普通に考えれば雨も降っている事もあり、搬入口からとは考えられなかったのでそちらを選択することにした。 どっしりとした搬入口の鉄製の扉の側面には小型の人の出入り用のドアがあり、それから入ると後ろ手に静かに扉を閉めた。 セキュリティのため、入退室には入って直ぐにカード挿入口を備えた幾分威圧感のあるドアがあった。幸い自分は管理用のカードを所持しているため、カードを差し込むと電子音とともにカチャと音がして解錠を知らせた。 静かな室内に響いた音が気になったが、妻が製品保管区画でなく書庫にいれば音が聞こえる事はないと思われた。 重さを感じるドアを開けると、中は空調が効いており不自然な程快適な空気が漂っていた。物音一つしない空間には大型小型とりどりのラックに梱包された製品が収納されており、その中にいる自分の異質感を際立たせた。 耳を���ませても静かな空調のノイズの他は音も聞こえず妻の存在も分からなかった。ここから書庫に向かうにはもう一つのセキュリティのかかったドアを抜けねはならず、その際に立てる音を考えるとそれは得策ではないように思えた。 しばらく考え込むと、靴を脱いで2階に上がった。金属製の階段の冷たい感触が足裏には心地よく音も立てずに移動している自分が幼い頃の遊びを思い起こさせ人知れず笑みがこぼれた。 元々この倉庫棟は全体が製品保管用のもので、数年前に社内でISOを取得した際に書類保管のために書庫を増設したものだった。 その為、元々���階に設置されていたメンテナンス用の通路はそのまま書庫に通じているのだった。 その通路自体は秘密のもので、製造部門では自部署の管理する区画だけセキュリティが保たれていれば良いとのありがちなセクショナリズムにより、通路の製品保管区画側にだけセキュリティドアが設置されているのだった。 その事を知っている者は少なく、自分がそれを知っているのも偶然に製品搬入の際に過去の記録書類を照会するためには規程では事務部門を通さねばならないところ、当時の先輩に抜け道として教えてもらったからだった。 細い通路を抜けると床に階下に降りる梯子があり、それを降りると金属一辺倒だった製品保管区画と異なりアイボリーのパーテーションで分割された空間となっていた。 空調の音がやや耳についたがやはり人の立てる物音はなかった。と、なにか下からの音に気がついた。さほど大きな音では無かったが不規則に立てられた音は何か人の手による音で間違い無かった。 一挙に高まった不安と好奇心を抱えたまま、そろりそろりと脚を運び地上階の様子を伺うと書庫の突き当たりに誰かの頭が見えた。 慌てて自分の姿を隠す為に姿勢を低くするとそこを伺うための案が浮かんだ。懐に手を遣り携帯からカメラを起動するとそろそろと書類棚の影から差し出した。 携帯に映るものは直ぐに判別できた。それは書庫の上段にあるものを取り出す時に用いるステップに腰掛けた女性だった。 判別が直ぐに出来た訳は、その女性が白い素肌を晒していたからだった。 鼓動が急激に高まるにつれて、より多くの酸素を肺が求めそれを抑制するには意識を振り向けなければならなかったが、意識の大部分は携帯に映し出される映像に向けられていた。 女性が妻である可能性は非常に高かったが、それが妻で無いことを期待する自分と、そうでなければここに足を向けた理由を説明できない自分がいた。 その確認を拒むため、女性は何か記号を書いたボードで顔を隠しており、ブラウスの割れ目から控えめに露出した片方の乳房は薄桃色の乳首を晒していた。 社内の女性の努力を認めない訳ではなかったが、さほど魅惑的なデザインでもなく一般的な会社の制服が女体を彩るものとは考えていなかった。 画面のドット一つ一つに写された女性の身体には制服がまとわりつき、甘く熟れた白い果実の大部分を覆い隠していたが、下半身に目を向けるとその痴態を晒す女性が妻である事を確信した。 スカートは用をなさないように腰の辺りに上げられ、腰の辺りには押し込まれた布地が複雑な曲線を描いていた。 女性の腰は隠される事なく、魅惑的な陰影を見せる青みがかったショーツを見せ、自らの意思では到底する筈が無いように股間を大きく���いているのだった。 生白い素肌は太股の上端で黒いタイツに消えていた。 朝、妻がブーツを履くにあたりチラリと覗き見た光景との同一性は否定できるものではなかった。 生唾を飲むことを我慢するには相応の努力が必要だったが、携帯の画面に集中することに身体機能のほぼ全てを注いでいるのだった。 画面に映る妻は片手で顔をボードで覆っており、その行為を説明することは難しくなかった。 ボードに書かれた文字は明確に判別できなくとも、それがインターネット上に画像をアップロードする際に本人を示すために画像に添えるものとは容易に想像できた。 考えを進めると、そこには妻を撮影する誰かがいるものと思うと呼吸の音さえも抑えようと思うのだった。 が、次の瞬間妻はボードを掲げたままこちらに向かうように屈んだ姿勢をとった。 視線に妻がはだけた衣服から重力によってより甘美な形となった白い乳房が、日常的に見かける制服との非日常性のコントラストを明らかにしていた。 と、妻は前方の視野を得るためボードを陽射しを避けるような形に持ち上げると、やはりボードに遮られていてもそれは間違いなく妻の端正な顔だった。 妻は前方にある何かに手を伸ばしているところを見れば、おそらく他者が妻の痴態を撮影しているのではなく、自分で自分自身を貶める扇情的な映像を撮影しているもとと思われた。 妻はやや素早い仕草で元の姿勢に戻ると、空いている方の手を懐に入れ、脇に差し込んだと思うとブラジャーにまだ柔肌を留めていた箇所までたくし上げた。 あくまで白く質量感がありつつも、ピンクの乳首は清楚な自分を汚す事に抗議するようにやや上方を向いていた。 撮影用の照明がある訳でもなく、黒いタイツが唐突に白い肌に変わった奥は甘美な部分を見通す事は出来なくても、瞳孔はそこにある筈の映像を求めてしまうのだった。 妻の表情は伺えなかったので、どのような感情でその行為を行っているかは分からなかったが、自発的にする筈もない行為に妻が依然犯人に囚われている事が再認識された。 照明はあまり明るくなかったが、妻が目的を達するには必要を満たしていたのか、淫らな姿で動きを止めた妻は、再度カメラに向かうような仕草をしたので、慌てて携帯を書庫の影に隠した。 万一この後に妻が自分の潜む場所まで来た場合には言い訳が効かない事に軽く混乱に陥るところだったが、空調の低い音に聞こえる衣擦れの音はその気配を感じる事はなかった。 やがて足音は入り口の方向に消えてゆくのだったが、最後に一目見たいと携帯を書庫から差し出すと、妻が角を折れて消えるところだった。 社内の制服のどうと言う事は無い姿だったが、一瞬であっても違和感を感じた。原因は分からなかったが性的な行為をした後の女性特有の空気感としか理解する事は出来なかった。 鋼鉄製のドアが閉まる低い音を感知すると同時に軽い金属音が響き施錠された事を知らせた。 会社の中にあってさえ犯人の指図を受ける妻の姿には暗澹としたが、立ち上がり歩き始めると自宅で見る妻の裸体で自身の体が反応する以上の怒張している股間がスーツの薄い生地を膨らませていた。 歩を進める毎に性器を覆う布が刺激をもたらし、異常な興奮状態にある自分が情けなかった。 ノロノロと製品区画に向かったが、怒張は冷める事なくその隅で途方に暮れるのだった。 何を考えても妻の裸体しか浮かばず、社内を歩く事ができるまでは10数分の時間を必要としたの��った。 重い足取りを表さないように意識すると足取りを制御する事さえ難しく、やや周り道をして仕事場に戻った。 雨はいつの間にか止んでいたが、気持ちが混乱したままそのまま屋上に向かった。 そこからは妻の職場が見え、その姿を見ているうちに再び股間に血流が集まるような感覚を覚えた。 慌ててそれを抑える為、他に意識を向けようと携帯を取り出して仕事のメールを幾つか見ている内に悪戯心が芽生え、眼下にいる妻にメールを送った。 メールは今日一緒に車で帰る提案の他愛の無いものだったが、送信とほぼ同時に妻が机の携帯に反応する様は面白かった。 妻はそれに返信を入力しており、器用に片手でメールを作成しているところを見ていると自分の携帯が震えてメールの着信を知らせた。 妻は今晩は夏祭りの打ち合わせが終業後にあるため、食事をとって帰るとの事だった。 普段と変わらず、業務連絡のような簡素な文面に日常を取り戻す奇妙な感動を覚えたが、一瞬で日常は非日常に戻るのだった。 携帯画面の脇に見える妻は、誰かに呼ばれたのか振り返るとそのまま椅子を回転させつつ立ち上がったのだったが、その優美な足元から制服のスカートまでの距離は自分が記憶にあるものではなかった。 社内の女性としては短い部類にはいる訳ではなかったが、スカートは膝より上にあり、それは姿勢によっては履いたタイツの上端を見せてしまうのではとの危惧を抱かせるほどだった。 倉庫で感じた違和感はそれを一瞬の内に自分が雰囲気として感じたのだったと思っても、気分を更に暗くするばかりだった。 歩く妻の姿はさほどヒールの高い靴ではなかったが、優美というより淫猥に見える脚線美を不安な面持ちで見つめるしか出来なかった。 気分が晴れる事なく、足取り重く席に着くと、部下が心配そうな表情で自分を気遣ってくれた。 当然部下は上席との打ち合わせでの疲労をいっているのだったが、全く方向性の異なる懊悩に部下に返す言葉に詰まるのだった。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫16
ようやく眠気が襲ってきたが、風呂に行くことが必要と思うと煩わしかった。脱衣場で服を脱ぐとだらりと垂れ下がった男性器の周囲に生えた陰毛は妻の与えた潤いが乾いており、手で触れるとややガサガサとした印象を感じた。 ふと、妻が映像で股間に咥えた性具も同じ感触だったのかと思うと状況に似合わない笑いが込み上げたが、鏡に写る裸の自分を見ればその表情は曇っているというより感情を押し殺して笑みを浮かべており感情を制御しきれない自分が無性に哀しかった。 股間にはもはや放つ精も無く手早く入浴を終えると静かに寝室に身を横たえ、妻の体の曲線を描く薄い毛布が月明かりに照らされている様を見ながら目を閉じた。 翌週に出社すると、あまり病欠することのない自分を心配したのか盛んに周囲が気遣ってくれた。それに応じながら昨日中のメールや部下の日報に目を通していると、辺りがやや静かになっていた。 何かと思い視線を画面からあげると数メートル先に上席が歩み寄っているところだった。 慌てて席を立ち挨拶をする��、現在進行中の仕事について確認する為に足を運んだとの事だった。 上席は自分の役職では接することも少なく、知る範囲では別段付き合いにくい人物ではなかったが、出世するだけの能力を持っており親しみよりは畏れをもって知られていた。 どちらかといえば現場に足繁く通うことはなかったので、職場内は緊張しているようだったが、その異様な雰囲気が可笑しかった。そう思うと緊張も溶け、問われるままに進行状況を答えた。 流石に場数を踏んでいるだけあり、一つ一つが斬撃を受けているようだったが、次第に問いも軟化して行った。内心で出張の帰りに部下が纏めてくれていた資料に感謝しつつ説明を終えると、上席は納得したようで暫く考えていたが、やがて口を開くと思いも寄らない発言をした。 上席はその計画をこの事業所の集中プロジェクトに指定するつもりであることを言うと、矢継ぎ早に必要な経費と人材を纏めて明日提出する事を指示した。 部下共々呆気に取られていると、鋭い視線をこちらに向けると返事を要求した。やや強引な手法に抵抗はあったが、まだ釣り糸を垂れているような状態であるところに強力に推進できる機会と思うと否は無かった。 承知したことを答えると、上席はそれが習慣であるかのように身を翻して足早に去っていった。直ぐに賑やかな職場に戻ったが、周囲の好奇の視線は不快ではなかった。 その頃には先ほどの集団で石化したような状態も忘れており、明日の提出期限の厳しさをひとしきりぼやくと数人の部下を集めて打ち合わせを始めた。この計画に関わっていたのは、先日出張を共にした部下だけだったので概要説明から始める事にやや苛立ちを感じたが、部下は思いのほか理路整然と要所を抑えながら短時間で説明というよりプレゼンテーションと言った方がふさわしい解説を終えた。 部下は積極的に多人数を相手に話すことにはあまり向いていないと思っていたが弁舌爽やかな様子はその舞台があれば才能を発揮できるようだった。自分の人を見��目がないことにやや落胆したが、才能の無い部下を嘆くよりは、才能ある部下に悩まされる事の方が望ましいと自分を慰めた。 自分は机の脇に立っていたが、すでに机の上には数枚の書類が散らかり、引き寄せられたホワイトボードにも余す所なく書き込みがされていた。ルーチンの仕事ではないので、各々の案を競う様子は楽しいものだったが、資料をまとめるのが晩となるなら夕方までには報告の方向性は決めておかなくてはならなかった。 やや強引に話に割り込み、検討を中断させると昼食を摂ってから再開する事にした。昼の時間は過ぎていたので部下を連れて会社近くにあるファミリーレストランに行くことにした。 部下は突然の出来事に興奮していたが、まずがこれからの身の振り方によって部署としても個人としても将来に影響することを話し、慎重に進める必要があることを説いた。先日のように自宅に持ち帰っての作業は情報漏洩や信頼性の点でリスクを増すことを良い機会と思い指摘したが、部下は素直に納得したようだった。 ともあれ、今日に限っては作業が深夜に及ぶことは避けられない事と思え、気��重くなったが、部下は今日は部署総動員で自分が先導すると張り切っていた。 前言を翻すようで気が引けたが、今は部下の勢いに乗るべきと考えを改めると、行儀が悪いことに食事をしながら今日の作業の進め方に没頭した。 遅めの昼食を終え職場に戻ると部下を集めてこれからの作業を指示した。計画の立案には膨大な分量の資料を集めることと分析することを並行せねばならず、二手に別れて作業にあたることとした。 一方を自ら率いることとして短時間で作業指示を済ませて着座すると、部下が若者と話している姿が視線の端に見えた。 先日の礼を言うためにそばによると、若者は屈託無く笑顔で応え仕事の励ましまで口にした。変わらず人の良さそうな若者と話をしていると、その陰鬱な行為が頭をよぎったがどうにか表情に出すことは抑えることができた。 若者は部署全体が浮き立っている様子を感じ取った様なので、事情を軽く話すと人出が必要なら呼んで欲しいと言った。その口ぶりは社交辞令とは思えなかったが、派遣社員として勤めているのでは、今回の仕事に加わってもらうことはできない事を率直に言うと、若者は寂しそうな表情となり同情を誘ったが、それも一瞬の事で仕事の成功を願っていると言って去っていった。 部下は、若者について僅かな時間でも好意をもったようで、社内のやる気がない社員に比べればこの部署に招きたい位と笑って慨嘆していた。 改めて若者の対人関係の良さを感じ、その事を考えると若者をこの部署に招く案を考える始めた。若者の行為は問題だったが、この部署には女性は数える程しかおらずその解決にもなり、若者の父親や友人から飲み屋の店主など周囲の人の事を考えれば、彼に罰を与えるよりは、矯正することが良いように思えた。 自分が妻にされた行為の怒りを超えて、若者に益を与えようとしている事は奇妙な考えだったが、そこまで若者に好意を抱いていることも不可解なものだった。 他部署の社員が帰社する時間となると、社内も徐々に人気が無くなり電話の音も響かず、静かな職場に書類をめくる音と、キーボードを打つ音が流れていた。 なかなか先の見えない行程に不安感が増したが、部下が持ってきた資料により前途が開けた。一区切りをつけるため、作業補助に残ってくれていた事務員に感謝を伝えて帰らせると小休止とした。 ある若い部下は別の期限が迫っている仕事に取り組んでいるところを中断し、作業に加わってくれていた。ねぎらう為に声を掛けると、スマートフォンにメールを打っているところだった。帰りが遅くなることを伝えるメールである事を明かすと朗らかに今日は徹夜でも付き合ってくれる事を言えば、周囲の人間もそれに同調した。 我ならず胸が一杯になり、込み上げる思いは感謝を言おうとする口の動作を妨げたが、部署の一体感に深く感動が体を流れ、何としても明日の報告を成功させる決意が頭を満たした。 昼食は遅めに摂ったのだが、それから数時間が過ぎて軽く空腹を感じた。と思うと、部署の面々は相当に空腹であろうことを考えると、作業に没頭して、肝心の管理業務が疎かになっていたことを反省した。 それぞれ作業の進行を見て、夕食をとるように伝えたが、一旦言葉���切ると、領収証を提出するように指示した。その意味するところを理解したのか、一挙に騒がしくなり夕食の買い出しに行く先は近所の弁当屋から、寿司屋とピザ屋となっていた。 あまりの忙しさから来る躁的な陽気さを落ち着いてみていたが、廊下に出ると先ほどの若い部下を見習って妻に帰りが遅くなるか、徹夜になることを伝えた。妻は病気の事を心配し、盛んに無理をしないように言っていたが、適当にそれを宥めると戸締りをしっかりすることを伝えて電話を切った。 食事の後に作業を再開すると、11時を回ろうとする前には完了の目処がついた。人員については導入後の運用までは現状では手が回らないので、2名の増員を申請した。 後は付属資料を精査してまとめるだけとなったので、終電が早いこの地方でもこの時間とならば帰宅することができると思われるので部下を帰宅させる事にした。 思いの他作業の進行がスムーズだったことに見積もりの甘さを考えたが、部署全体を動員することで得られるチームワークとそれによって得られる処理能力を思うと誇らしかった。 零時を回る頃には、一方のチームを率いた部下と自分だけとなっており、資料の読み合わせをして完成度を高めた。この時間になると流石に疲労は隠せず、ここにきて体の重さが気になるようになってきた。 徐々に効率を落とす頭脳を意識しつつ、懸命に意識を保ちながら計算書類などを確認していると若干の図表の差し替えなど必要となり、結局全てを完了した時刻は深夜2時過ぎとなってしまった。 首都圏であればタクシーを容易に呼ぶことができるが、この地方ではタクシーを呼んだとしても30分程度かかることは普通のことだった。先に手配しておかなかった事を後悔したが、深夜の空気感なのか部下は気安く自分を呼ぶとタクシーがあと僅かで到着する事を知らせた。 どこまでも気が利く部下にある種の畏敬の念さえ起こったが、感謝を伝えると仕事を片付けて部下と共に玄関をでて門の前をヘッドライトで照らしているタクシーに向かった。 部下に別れを告げてタクシーに乗り込む時に門の先を見やると、事務棟に明かりが灯っている事に気がついた。それは若者の顔と直結したが今更戻る気も無く運転手に行き先を伝えると加速するシートに身を預けた。 表札の明かりを除けば自宅は暗く静まり返っており走り去るタクシーの音を聞きながら自宅に足を踏み入れた。暖かくなり始めた季節だったがこの時間は心地よい風が吹いていた。 玄関に向かわず、玉砂利の音を立てないように慎重に足を運ぶと車のそばに立った。 そこから庭を眺めると妻がそこで自らを撮影した姿が重なって見え、暗い背景に妻の肌が白く光っていた。 疲れからなのか幻覚のような表情を覚えるのでは早々に休む必要があることを感じたが、振り返った先のドアガラスが写す景色には自宅のカーテンの掛かったリビングに黒々とした姿をみせるドライブレコーダーがあった。 それが撮影した自宅の妻を考えると足を玄関に向けずに静かに車に乗り込むとドライブレコーダーのメモリカードを引き抜いた。 カバンからノートpcを取り出すと起動と同時にそれを挿入した。 画面の明るさから光が外に漏れている事が気になったが、映像を始めると画面は暗くなり閉鎖された車内の暗闇に包まれている事を心地よく感じるのだった。 画面は暗いためはっきりとはしなかったが、画面中央に走る光の筋はカーテンの隙間から灯りが洩れているものだった。 今より風が強かったのか、風に煽られたカーテンは時折はためく事で自宅の中を覗き見せていた。 ドライブレコーダーはモーション感知撮影の設定だったので、揺れ動くカーテンが撮影を止めること無くその無意味とも思える画像を映し出していた。 通常の撮影モードではメモリカードの容量一杯に撮影すると再び先頭から上書きするのだったが、大容量のメモリカードをセットした事で約4時間程度の撮影ができることを設置した時に目を通した説明書の記述が記憶に蘇った。 映像を進めても変わりのない画面に期待を裏切られた憔悴と反面安心を感じている頃に画像に妻が写った。 その姿は一瞬だったので、妻が写る瞬間にポイントをあわせしげしげと見ると、妻の上半身の線をピッタリとした曲線でなぞる白いタンクトップは妻が時折行っているヨガをしている事を示していた。 下半身は上半身とは対象的に緩いパンツを履いており、それが自分も目にした姿であることは日常の姿であることを思い出させた。 妻の姿は画面の一部を占めるに過ぎず、それもカーテンが風に煽られた一瞬だけだった。断続的に写る妻はストレッチを行っており、こちらに背を向けて屈伸している様は妻の尻の曲線を魅惑的に描いており、性的な興奮より自分がいない時間の妻の行動を覗き見る悪趣味と分かっていても安らぎを感じるものだった。 自分が触れた白いタンクトップは妻の豊かな胸をはちきれそうに覆っていたが、不思議と胸元まで覆われているデザインは下着に等しい線を描いていても健康的に映るのだった。 時間にして10分程それは続きあれこれと姿勢を変える妻を眺めていた。黒い画面に走った光の筋の中にいる妻の姿に注目していたが、やがて頭はぼんやりとして画面に集中を保つ事が難しくなってきた。 ストレッチを終えてからの妻はヨガのポーズをとり、その動きの少なさも一層の眠気を誘った。 映像を止めて自宅に帰ろうと傍のカバンに手を伸ばした時に画面には異変が起きた。 まだ不快を感じる温度ではなく、風が心地よく抜けていく筈だったが、妻の運動量による発熱はその冷却を上回り妻はこちらに確認するように目を遣るとパンツを脱ぎ始めた。 丁度その頃に風が止み、カーテンが妻を隠している事に苛立ったが、それに呼応するように妻の姿が現れた。意味もなく危機感を募らせた自分を嘲るように妻の下半身は灰色のスパッツとなっていた。 そもそも普段であれば2階にある寝室で行っているヨガを今日に限ってリビングでしている事が不可思議だったが、外から除くことができるそこで、少なくともそのままでは外を歩くことの出来ない姿でいる事が妻の無防備さを感じさせた。 妻はその身体によせる男性の興味に全く無関心ではなく、一年に数回は男性の卑猥な言動や行為を自分に訴える事があった。 それには自分も無関心ではいられなかったが、妻と話す内、自身の身体を舐めるような不快な視線は判るものとの妻の言葉には自分の行動を振り返れば背筋が寒くなる思いだった。 画面越しに妻の見る自分の視線は今や明らかに妻の身体を舐め回しており、相手が見えない位置から安全に妻の体を視線で犯している点では、犯人と同罪ともいえた。 妻がポーズを変える度にふっくらとした部分をしなやかな曲線が繋いでいる姿は神々しさと淫猥さを混ぜた複雑な感情を芽生えさせるのだった。 昨晩の水着の妻に興奮したところに、見慣れた姿に欲情している自分が気恥ずかしかったが、今度この姿で妻とセックスする事を心に誓った。 画像を止めると車を降り静かにドアを閉めると玄関から自宅に入った。遅くなり夕食を済ませる事を伝えていたので食卓には何もなく、静かなリビングの奥に縦長の鏡が立て掛けられており、そのそばに丸めたマットがあることで妻が確かにそこでヨガをしていた事が分かった。 この時間には窓も閉められており風にカーテンがはためく事も無かったが、競うことの無い運動に自身の姿勢を写す鏡の前で妻が一心不乱にポーズをとっていたと思うと可笑しくもあった。 寝る前に浴室の洗濯籠を見るとそれが妻の肌を覆っていたとは思えない小さな布切れがあり、それを拾い上げると顔に当てた。多分に変態的な行為と思ったが、僅かに湿り気を感じるそれからは妻自身の香りが広がり乳首を押し潰していたであろうカップの先端に唇を合わせると脳髄を眩ませるような感覚を味わった。 スーツの股間は醜く膨れ上がっており、この行為で興奮している自分が情けなかったが頭は妻と交わる事で満たされていた。 2階に上がり妻に襲いかかろうとも思ったが、いくらなんでも常識はずれの行動は妻になにかを気付かせる事にもなりかねないと思うと、pcの前でいつの間にか集まった妻に関する数点のコレクションを品定めしていた。 最初は犯人による映像を思い描いたが、今日見た映像による興奮が犯人と一致した嫌悪感から若者が盗撮した映像を選択した。 既に見た映像であるにも関わらずそれは股間にあてた手の上下動を激しくさせ、妻の香りを描きながら絶頂を迎えた。 ティッシュペーパーに含ませた精液は厭わしいものだったが、放つ匂いをゴミ箱に捨てる訳にはいかなかった。 トイレに向かうと、それを便器に投げ込み水を流すと奇妙に晴れやかな気分となって寝室に向かい、横たわるとほぼ同時に眠りに落ちた。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫15
階下に降りノートpcを充電するとある種の覚悟を決めて犯人からの映像を開くことにした。 画像は唐突に始まっており、驚いた事に自家用車の姿と庭の様子をみれば、それは間違いなく自宅だった。いつの頃かは分からないが庭の植物の様子をみれば春以降夏以前と思われる季節の様だった。 それが今年の事であるか否かは重大な意味を持っていた。もしそれが今年以前の事であれば妻が陥れられている状況が昨年以前の事となるからだった。 仔細に画面を頭に入っている自宅の姿と照合してゆくと、庭の隅に花壇に煉瓦があることで今年の事と判明した。 安心する事はおかしいのかもしれないが、少なくともこの映像が今年撮影された事が分かった事は妻に起こった事態が昨年までは遡らないことが確認できた。 映像は開始から数分が経ちやはり画面は静止画のように動きが無かった。時折風に揺れる雑草が時間が止まっていないことを示していた。 全く正直に言えば、ある種の期待がなかった訳では無いところ一向に始まらない映像に焦れて、犯人からの画像形式のメッセージを開いた。 ご主人へ 奥様の素晴らしい肉体がそうあるべき��に開発させていただいています 今回お送りするものは今後の準備として奥様に外で裸を晒す快感を味わっていただくように奥様に要望したものです 現状では身分を明かすことが出来ない事は心苦しいのですが、ご夫婦の営みにもそれなりに良い影響があるものではないかと思います また、これを踏まえて次回お送りするものはさらにご満足いただけるものを準備しております 尚、奥様の更なる開発の過程として、一時奥様のとのセックスをご遠慮いただく期間を予定しています 奥様に拒まれたとしてもご事情をご理解下さる様お願いします 相変わらずの丁寧な中に外道な文面を飽きれたように見ていたが、今後の準備、との表現が気にかかった。 犯人が順番に映像を送っているとすれば、この映像は自分がまだ見ていないトラップを仕掛けた映像なのかもしれなかった。気が急いたが映像を停め、それをチェッカーに掛けると残念ながらこれは以前自分が細工をして送ったものでは無かった。 仮定が正しいとすると、この映像は自分がショッピングセンターに誘導されて妻が犯された時以降で、自分が他人の妻との一夜を過ごした間となるのだった。 記憶を辿ると、ある休日に妻の行動を誘う為、自分だけでスポーツジムに行った事が思い出された。帰宅の後昼寝している妻に触れた時に拒絶を受けた事は衝撃だったので覚えていた。 そうとすれば、次に犯人が自分に送るものは自分が細工したもので、それが次に届くと思えば昔のクリスマスを信じていた頃の待望する気持ちが蘇ってきた。場違いな感情を奇妙と思ったがこの事態についていえば適切なのかもしれなかった。 ぼんやりとそんな事を考えていると、妻が画面に入ってきた。カメラは玄関の辺りに設置されているものと見え、自分がいい加減に停めた車の端から塀の変わりの植え込みに囲まれた庭を一面に写していた。 画像の手前側には、新築時に防犯に有用との進めに従って敷き詰めた玉砂利が広がり、その先には駐車場と将来は芝生で敷き詰める予定の地面があった。 一見したところ妻は大きく写っていないので表情は読めなかったが、紺色のロングスカートから出る足首には白い靴下がちらりと見せてクロックスを履いていた。 上着は普段家で着ることの無い青白ストライプのブラウスだった。キッチリとした上に見慣れたスカートの組み合わせは妙に見えたが、一般的に考えればさほどおかしいものでは無い様だった。 その妻が自宅で裸体を晒す事は不謹慎以前にあり得ない事だったが、妻が行為するならそれなりの事情があるのだろうと思えた。 確信があった訳では無いが、犯人がこの家に侵入するとは思えずこの映像では妻が他者に犯される事が無いと思えば、先日の若者の盗撮の様にただのインモラルなビデオとして見ることができるのだった。 撮影開始から長い空白の時間は妻の躊躇いの重さと等価だったのかもしれない。 画面の妻はいつも最初はそうであるように無表情だったが、わずかに俯いた頬を少し染めているようにも見えた。それがどのような感情からでているにせよ自分を不機嫌にするには充分だった。 自分という夫を得たなら妻の恥じらいは当然として裸体を晒す事に伴う全ての感情は自分のものだった。 それを他者に言うつもりはなかったが、妻帯者として当然の感情と思えた。 妻はそれを打ち砕くようにロングスカートの膝上辺りを貴族が会釈するように摘まむとそれをおずおずと引き上げた。スカートに隠された妻の日に照らされたぬけるように白い脚が面積を増し膝が見えるまでになった。 それが太さを増し柔らかな大腿に伸びているであろう先が隠されている事は自分の妻ながら寸前で焦らしているように見え、その気があればいつでも触れる事のできるそれが画像にあっては異様な興奮をもたらした。 妻はどこまでが映っているのか分からないのか、足元を覗き込んだが頭を起こすといまや明らかに顔を赤らめていた。 日常生活では勿論の事、会社の制服でも膝以上を見せることの無い妻としてはその姿勢だけでも相当な羞恥を感じている筈だった。 自身を撮影するにあたり、性器に異物を埋め込むなど男性が思うにはそれ以上に羞恥を感じる場面はあった筈だが、相手がおらずただ無言のカメラに日常の衣服を自ら捲る事は妻に感情の負荷を与えているのだった。 自分との夜の営みでセクシーな下着に身を包み誘惑するように身をくねらせる妻を思い浮かべたが、それは濡れた空気であっても両者が合意した戯れを認識した空気があった。 今の妻は誰に恥じる事もないのだったが、瞼を閉じ顔を背けると自分の期待通りにそろそろと下半身を露わにした。 ミリ単位で画像の変化を凝視する瞳には薄い緑の見たことのあるショーツが写った。何か過激な趣向でもあるのかと期待していた自分に、ある意味で反省を促す日常使っているそれは日光の元では白に近い色彩を放っていた。 その下端にふっくらとした曲線が大事な部分を覆うクロッチに接合しその下には肉感的な白い太腿に挟まれて数ミリの間隙を生んでいた。 犯人に強制させているにせよ妻が自ら日常生活の中に露出する事の無い部分を自ら捲り上げて晒している事は下手なアダルトビデオより脳髄を襲うものだった。 そこに見とれていると、自宅の前を車が通った音で妻は慌ててスカートを降ろし細い目を見開いてカメラから外れた門の辺りを見るのだった。 映像の趣旨に似合わぬ喜劇的な場面で妻が戸惑っている姿は顔をほころばせたが、妻はこの一件で度胸がついたのか先程より大胆に屈んでスカートを捲り上げると小さな布地の覆う股間を露わにスカートにたくしこんだ縦縞のブラウスの裾が見えた。 リボンが飾るショーツの上端の先に臍と優美に腰から細くなる胴体を見せた事は男性を誘うには力不足と思われる太い生地が腰骨の下に伸びていたが、それ単体でなく貞操な人妻が自宅で性的な露出をするこの状況が加わる事で大抵の男性を陥落させるに足る破壊力を伴っていた。 生垣が自宅を覆っていてもそれは完全に視界を遮るものでなく風の強い日もあるこの地方では自宅に快適な微風を届ける役割を負っていた。 風が抜ける隙間は顔を当てれば断片的にその先を伺う事ができ、植物である以上その繁茂に濃淡の差がある事は止むを得ない事だった。 休日にこの自宅を覗き込むような輩がいない事は確信ができたが、可能性のある状況で妻が下半身を晒しつつある事は堪え難い感情で胸を焦がした。 もはや犯人が自分に送るメッセージとしてはこれで目的を達していたが、画面の下にあるスライダーバーはまだ半分以上の残余がある事を示していた。 画面の妻は顔を背けず真っ直ぐにこちらを見ていたが、その表情にやや淫猥な色合いを感じたのは無表情が緩む隙の感情を読み取ったからかもしれない。 妻はカメラの先にある人物に自分の武器をアピールする様にブラウスにはっきりと解る膨らみを見せつけると、画面の奥の生垣そばに設置したレンガを積み上げた花壇に腰掛けた。 それは門をくぐれば視界に入る範囲を避けようとしたものかと思われたが、妻は腰掛ける際に膝上に掛かったスカートを直そうとせず、股間の暗がりに確かにショーツがある映像を見せながら両手をブラウスのボタンにあてた。 淫猥なようだったが、その場面では片手で見せつけるようにしどけなく胸を露わにする方が適切と思われるところ、律儀に両手で上からボタンを外してゆく様にそれが自分の妻である事を実感するのだった。 さほどの緊張せずもつれることのない繊細な指先はボタンを外したがそれだけでは妻の両胸にある隆起は露わに成らなかった。 しかし、妻の髪を揺らす程のそよ風が吹きその行為を手伝った。ペロリと擬音がついても不思議ではないほど自然にそれは片方の胸のブラジャーに覆われた白い肉体を映し出した。 映像に熱中してしまっている自分には無粋とも思えるブラジャーはフルカップのもので豊かな妻の乳房を全ての覆い隠していた。 それを知っているが故にそれに唇をあてた時のザラザラとした表面のレースの感触が思い出され、それに伴って記憶から引きずり出された清潔で甘い妻の香りが鼻腔に流れたようだった。 妻は豊かな膨らみをやや硬い質感のブラジャーで晒したまま俯いてスカートからブラウスの裾を出すと手を背面に回した。 その行為の意味するところは明らかだったが想像の通り背面の拘束を解かれたブラジャーははっきりと妻の胸にあてられた圧力を減じ、脇のあたりから画面に現れたバンドが揺れる様は自分の見知った庭の日常生活風景が崩れていく事を嗤っているようだった。 妻は視線を生垣に向けると自分の内心の制止を意に介さず青白の清冽感のあるブラウスを脱ぐと傍に置いた。 普段なら脱いだ衣服は洗濯するものでも丁寧に畳む妻の習慣を考えるといまや解けたブラジャーで胸をだらしなく隠すのみで上半身にほぼ素肌をみせている女性が妻と思う事に難しさを感じるのだった。 手際良くブラシャーをとりスカートのみ見にまとった妻はそこで動きを止めた。なにか見せつけているのかと思ったが、何かの音を聞き取ったのか慌ててブラウスを肩に掛けるように羽織ると画面の隅にある車の後ろに隠れた。 それは以前テレビの動物番組で見た事のあるリラックスした小動物が外敵の気配を察知した瞬間に脱兎の如く走り去る映像を彷彿とさせるものだった。 この状況を第三者に見られた場合に相応しい言葉は破滅以外にあり得なかった。もしそれが男性ならば妻に襲いかかる事を理性が押し留めることは相当に困難な事である筈だった。 緊張感に満ちた画面に自分の鼓動も早まっている事を感じたが、車の影から出てきた妻はブラウスに袖を通しており前のボタンも閉じていたが、レンガとコントラストを写すブラジャーが花壇にあることから、その薄い布地の奥には甘美な桃色に彩られた乳首を白く柔らかな乳房が自由に揺れていると考える事はそれを露出するより妙な興奮を誘った。 妻は再び画面中央に戻ると何かに急かされているようにショーツを脱いだ。これで妻は身に付ける衣服こそ衆目を集めるものでは無かったが、その中には一切の下着を纏わず女性として防備すべき部分の一方は薄い生地が被さるのみで、もう一方は直接外気に触れる状態となっていた。 この映像は犯人のメッセージによれば、これは犯人の企みの準備のようでありここまでを見れば意図が測りかねた���、可能性として妻がその肉体を露出するのだとすれば厭わしいものだった。 犯人のメッセージを思い出すうちに、犯人のいう妻とのセックスを遠慮する期間に思いが至った。このメッセージが昨晩送信されたものであれば自分はつい先程妻と愛を交えたばかりだった。 画面に映る魅惑的な女性の中で温かさと自身の性器を濡れて舐め上げる妻の性器の快楽を思えば、犯人に対して挑発的な気分も沸き起こるのだったが、その中で昨晩の妻の水着とそれを着る過程で剃られた妻の陰毛に考えが至った。 頭に浮かんだ推理は簡単だった。犯人の言う遠慮する期間とは、妻が剃毛した股間を自分に見せない為に起こる時間の事ではないか。 妻が常時犯人に監視されていても自宅での営みを逐一覗けるものではなく、妻が犯人に完全に陥落しているおぞましい想像も可能性は高くないと思いたかった。 想像が正しいとすればやはり犯人が妻に仕込んだ細工はただ剃毛だったのではないだろうか、と思えば陵辱を受けた翌日の朝に妻が真っ直ぐに自宅に帰らず、デパートで言い訳としての水着を購入した事も合点がゆき、それが露出の多いものであればより確証を高めるのだった。 独りよがりではあったが、犯人の意図に乗らず自分との行為をした妻が愛おしく感じた。 一気に考えが進んだ事で画面への視線が疎かとなっていたが、写る妻が犯人の意のままになっている状況でも自分への誠意を失わずにいる事は自分を元気付けた。 その気分ではこれ以上妻が自ら晒す醜態をみるに耐えず、映像の進行状況を示す点にポインターを合わせるとそれを進め、コマ送りのように動く妻を眺めた。 妻の真意を知った今では、縁側からベンチを移し、それにいつか浴室で妻を貫いた卑猥な器具を固定すると、スカートに隠れた股間をそれに埋没させてゆく妻の顰めた表情も許す事ができた。 椅子に腰掛けているにしてはスカートの背面が床面に波打っている事はその隠された中で行われている事を想像させたが、妻は挿入時の他は別段表情を変える事なくその起伏に乏しい顔から視線を地面に向けていた。 コマ送りすることで映像の残量が減ってゆく事に安心を覚えていたが、残りが四分の一となったあたりで妻はその静止を続ける事が出来なくなってしまった。 女性が股間に逸物を咥えて動かないでいる事にどの程度の刺激を受けるかは男性の自分には分からなかったが、コマ送りでも妻の腰が身動ぎするように前後に揺れている事が分かった。 それが犯人の期待する事と分かっていても抗う事の出来ない妻の女性としての本能は、それが精を放つものでは無いただの性具であっても反応を示してしまったのだった。 堪らずコマ送りを止めると官能的な色を加え上気した妻はチークを濃くはたいた時のように見えたが、切迫した表情はそれに似つかわしくなかった。 斜め上方に上体を揺するグラインドは抑えるもののない妻の乳房の動きを布が張ったブラウス越しに伝えた。 動きが早くなる事は無かったが見ている間に妻は顔を顰め性的な区切りに達した事を示した。 いつかの浴室での妻の行為の様に緊張を喪失しない性具を油断した妻の股間が迎える事を危惧したが、妻はそのまま満足そうな表情を浮かべると元通りに腰掛けていた。 それは胎内で自身の腰振りによって荒れ狂ったペニスを慰めるように咥えこむ事となり、見えないそこに喪失感に近い感情を味わうと妻を信じる気持ちもすり減るのだった。 やがて妻は手摺に手を当てると前に身を乗り出すように腰をあげたが、股間に埋まったものを引き抜く事で生じた空隙を愛おしむように甘やかな表情は自身が陵辱されている事を忘れているようで徐々に犯人の手によって下半身から妻が陥落してゆくように感じた。 そのまま妻は頬を染め性行為の後の余韻を残した気怠さと快楽が身体を流れた後の潤いを含んだ目でビデオカメラに歩み寄るとこちらに手を差し出してビデオを止めた。 画面が暗くなる間際に映った妻の青と白のストライプのブラウスの胸元から覗く乳房の白さが余韻を残した。 暗くなった画面からソフトを閉じ、目を瞑り記憶をたぐればおそらく自分がスポーツクラブから帰り、寝ている妻に触れた時の拒絶が思い出された。 はっきりとは思い出せないが、当日妻が纏っていたスカートはさほど記憶に残っていないのはそれが普段から妻が着ているものであろうと思え、妻の反応と晩に妻が自分の性器を口腔で慰めてくれた事は日中の行為を隠すためと納得できた。 自分がスポーツクラブに出掛けた事は妻が何らかの行動を起こす事を期待しての事だったが、自分の意図通りに進行した事を素直に喜ぶ事はできなかった。 ただ、犯人からの次のファイルで仕掛けた罠に犯人が掛かる事を期待するのみだった。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫14
レンタカー屋に車をつけると、この時間に返しにきたことを店員が怪訝な眼で見ていたが、構わず店を出ると日中は喧騒に包まれた街がひっそりと静まり、遠くからクラクションの音と酔っ払いの喚き声聞こえる程度だった。 駅のシャッターは閉じており始発までにはまだ時間があった。 コインロッカーに向かうと預けていた荷物を取り出し、仕事のカバンの他荷物が多くなった事に億劫さを感じると公衆便所で着替えを済ませ、買ったばかりの衣類を処分した。 衣服を元通りとすると、妻の醜態を眺める以前の自分に戻ったようで、いままでの事が夢の出来事であったように感じた。 駅前で過ごす事に問題は感じなかったが、酷使した身体は休息を求めていた。 ファミリーレストランや24時間営業のファストフード店も選択肢にあがったが、その看板を見上げると雑居ビルに入るインターネットカフェが目に入った。 誰にも見られずに休みたいと思ったので迷わずそれに向かうと、偶然それは以前自分が会員券を作っていた店だった。 ここ最近良い出来事が無いところに僅かの幸運を得たことに喜ぶ自分を奇妙に感じたが、数刻のうちに体をリクライニングシートに横たえる事ができた。 帰りの電車の時刻を確認するため、休む前に目の前のpcを起こして検索する事にした。 すでに空が白み始める時間であったので、ここで休むことのできる時間はさほど多いものでは無かったが、旅程に目処をつけると画面を閉じた。 ふとデスクトップに目を遣ると画面に流れる店のタイトルにアダルトビデオが閲覧出来ることを知った。眠さもありマウスに伸ばす手も億劫だったが、画面は指の操作で簡単に開き、お勧めのタイトルが画面に並んだ。 どれも女優が淫らな姿勢をとったり、胸を露出したりなど男性をそそるものだったが、スクロールしたところに現れた画像に目が止まった。 それは、ジャンルとしては人妻に属するものであり、夫が望んで妻を他者に抱かせるものだった。 端正な顔立ちの30歳程度と思しき女性が無表情に両手をスカートに掛け、ショーツから腹が見えるまで捲り上げている様は、妻が先ほど性行為の前に犯人に見せていた画像と既視感を感じさせるものだった。 方向性としては妻と同じ位の背丈に比較的美人と言って良い端正な表情だったが、化粧っ気にない生活感のあるその顔は妙に生々しい印象を与えた。 視聴を開始すると映像が始まるまでの空白が疲れてすり減った忍耐力を試したが、苛立つ前には映像が始まった、 それは夫が妻を通常の性行為の途中で目隠しをして身体を軽く拘束しそのまま夫は傍に立つと、筋骨逞しい日に焼けた中年が気づかれないように妻に向かうものだった。 短編を集めたものなのか、プロローグなのかは分からなかったが、開始数分でその場面になったことはそれがあくまで男性の性欲に向けたもので通常の映像作品のように情緒のあるものでは無かったが、そのシチュエーションは自分が体験したことと重なった。 自分は妻を犯人の慰みに差し出した訳ではなかったが、結果的にそれを悪趣味に覗いて精を放ったことは画面で興奮気味に鼻息を荒くする夫と立場に大差は無いのかも知れなかった。 画面上の妻は男に背後から突かれてはだけた衣装から豊満な乳房を白く大きなブラジャーに隠したまま重量感のあるそれを揺らしていた。 その声は恥じらいなど無く快感を叫んでおり、それが犯人の責めに理性を失った妻を連想させた。 やがて男は妻の目隠しをとり、その眼前に顔を向けると貪るように妻の口をぬめぬめと粘体のような舌で舐めまわした。妻は男に戸惑っているようだったが男の成すがままとなった口を惚けたように慰みを受けていた。 恍惚然とした表情は胸や性器を映すでもなく自身の男性器をそびえ立てるに充分だった。 見惚れていた自分を叱咤すると、我に帰り痴態を映すpcをそのままに鞄からノートpcを取り出した。 それで妻の位置を検索すると、変わらずコテージにいるようであり不安と安心の入り混じった奇妙な感情が頭を占めた。 切迫感に襲われ過ぎ去った出来事にも関わらず犯人からの知らせが無い物かと犯人の指定したサイトを開いた。 それがある事を期待していたのか、それを拒んでいるのかわからないままに表示を待つとそこには犯人からのメッセージがあった。 日付をみれば昨日となっており、当然のように映像ファイルが添えられていることを見れば犯人は自分を苦しめるものを送ってから妻との行為に及んだのだった。 ダウンロードを始めると携帯端末の回線は自宅より相当に遅く、進行状況を示すスライダーバーは遅々として進まなかった。 犯人からのテキストにはなるべく目を通さないようにしていたのは、先程まで妻を快楽に狂わせていた犯人への嫉妬があったのかもしれない。自宅のようにダウンロードがスムーズに進めばそれを無視できたのかもしれないが、焦れったい程に遅い進行にそれだけに注意を払うことはできなかった。 机のpcからは変わらず嬌声が流れ続けており、目隠しの取れた女性は傍に腰掛ける夫が目に入らないかの様に乱れていた。 演技とは思っていても女性のくぐもった呻きは夫に遠慮する事なく快楽を享受する迫真の演技だった。ふとあらゆる女性は性的な刺激により同じ状態になってしまうのかと思うと、妻が犯人によって堕とされた事もそれは体だけの単純な反応だったかもしれないと感じられるのだった。 同時に犯される妻を眼前に股間を腫らしている夫に自分を重ね合わせると惨めさの中に、その事自体に性的な興奮を覚える自分を否定する事を意識してしまうのだった。 その音に耳を傾けている内に眠りこんでしまったようだった。視界は曇っていたが時刻を確認すると10時前となっていた。思いのほか睡眠を取れたことで頭は徐々にはっきりとしていったが、椅子に腰掛けた姿勢では疲労がとれたとは言い難い状態だった。 ノートpcのダウンロードは既に終わっており妻の所在を確認すると、自宅近郊の都市にいることが分かった。昨晩時点では山中にいたので朝早く戻ったものと思われたが、真っ直ぐに自宅に帰らず買い物でもしているのかデパートにいることが疑問だった。 自分の想像としては昨晩のように陵辱を受けたのなら自宅で心を癒すのではないかと考えていたが、開店直後のデパートで過ごす事は理解できなかった。 ノートpcのバッテリー残量の警告が表示され、通信端末の充電残量も少なくなっていた。コンセントから充電しておかなかった事に臍を噛んだが部下から携帯電話を受け取る事を考えればあま��長くこの地に滞在している事も得策とは思えなかった。 犯人からの映像を確認したい欲望はあったが、この先の帰宅までの行動を考えれば自身の欲望に費やすことのできる残量が過少である事を理解できる程度には冷静だった。あるいは昨晩体内にある精を放った事でそう考えられたのかも知れなかった。 ゆっくりと体を起こし精算を済ませて店を後にすると快晴の空の光が眩しかった。 少なくとも駅で妻と鉢合わせする危惧はなかったので、駅で妻が犯された記憶と共に残る発車メロディーを聞きながら電車に乗ると家路についた。 加速を体に感じた事が意識に残ったが、目を覚ますと電車が減速しているところだった。休日の昼では降車する人影もまばらでベンチに腰掛けると妻の位置を確認した。 妻は既に自宅に戻っておりその事実が暗雲がかった心を晴らしてくれた。 まだ睡眠を訴える体は自宅に戻ることを要望していたが、部下から携帯電話を受け取るまでは帰宅する訳にはいかなかった。 公衆電話を見つけることに苦労したが、駅のロータリーのバス乗り場の傍で数年振りに重い受話器を取り上げると部下に電話した。 数回の呼び出し音の後に部下は電話に出た。帰宅の時間を尋ねるとこちらを配慮してくれたが、折角の機会でもあり晩に駅で落ち合うことを約すると早々に電話を切った。 正午は過ぎていたのでそれまでの行動を考えたが、荷物を抱えたまま時間を潰す事を考えれば選択肢はあまり多くなかった。 出来ればノートpcを充電したいところだったが、それで映像を見るためにインターネットカフェに行くことはあまり体が休まなかった事から気が進まなかった。 あれこれと考えたが、駅にあるスーパー銭湯の看板に気が付くとそれが体の求めているものと合致し、ロータリーの先にあるタクシー乗り場に向かうと運転手に目的地を告げ入浴に向かった。 荷物を抱えて店に入ることはやや恥ずかしいものだったが、衣服を脱ぎ空いている浴槽に浸かり頭を天然石にもたれかからせると、疲労が溶け出してゆくようだった。 時折管内放送やドアの開閉の他は水音だけしか響いておらず頭を空白にしてリラックスする事ができた。 充分に温めた体を冷水に入れると数分で細胞の一つ一つが新品に交換されてゆくような爽快感が神経を抜けた。冷水から上がると急速に空腹感がこみ上げ、昨晩の軽食以降食事を摂っていない事が思い出された。 着替えは元々妻が用意してくれたもので、下着まで綺麗なものに変えるとこざっぱりとして飲食コーナーで蕎麦を流し込むと、休憩所の隅で鞄を枕に横たわった。 目覚めた頃には日も落ちており、周りに人が沢山いた中で眠り込んでいた自分に驚いた。 着替えたお陰で荷物を除けば周囲のリラックスした服装の人々に違和感があるものでもなく、門をくぐったところで丁度駅に向かうシャトルバスに乗る事が出来た。 駅でコインロッカーに荷物を預け、数十分待つだけで部下が改札から大仰な買い物袋を下げて出て来る姿を目にした。駆け寄ると部下は疲れた表情をさせていた顔を一変させ、懐から携帯電話を出すと自分に手渡した。 暫く抱えた戦利品について立ち話をしていたが、部下も自宅に帰りたい筈であり早々に話を切り上げるとその場を離れた。 携帯電話の着信をみると妻が自宅に帰った辺りの時間が表示されていた。上手く自己位置の欺瞞ができたかと思うと満足だったが、それと相反する事態を考えると急速にそれは収縮するのだった 電車を乗り継いで帰る事は億劫だったのでタクシー乗り場で並んで順番を待つと目的地を告げて流れる車窓に目を向けた。 特に意図は無かったが、自宅に程近い場所でタクシーを降りると、遠くに自宅の影を認め急速に重量を感じる鞄を手に自宅への道を辿った。 昨晩の経験から自宅の妻を覗こうとする欲望が芽生え、手近に自宅を眺められるポイントは無いか確認したが比較的新しいこの住宅地では高台もそばには無く、生垣を植えた事で容易く自宅を眺める事は出来そうになかった。 改めてその点を考えると、生活の秘密が保たれている事には安堵したが、反面仮に犯人が訪れたとしてもそれは自分がいない限りその自由になってしまう事に背筋が寒くなった。 妻との安寧を求めて購入した自宅が唯一安息の場である事に疑念を抱かせる場所に成ってしまったと思われ無性に悲しかった。 自宅に帰り着くと普段と変わらず妻は迎えてくれたが、その表情を直視することにやや躊躇いを感じてしまうのだった。 自分が不在時の様子を尋ねることは不審と思われるかと思ったので、出張先の様子など話せば妻はいつもと変わらず相槌をうち自分の話を丁寧に聞いてくれた。 その間も妻の手は止まらず、フライドチキンを主菜とした食事を整え、自分が食事をしている間に鞄から着替えた衣類を取り出し洗濯に出しておいてくれた。 何事もなかったような妻の仕草に昨晩の狂乱の女性との一致を疑うほどだったが、手洗いに立ちトイレのサニタリーボックス恐る恐る開けるとそこにはトイレットペーパーにくるまれた生理用品があった。 それは生理時に女性が着けるような厚手のものではなく、薄い素材のいわゆるおりものシートと呼ばれるものだった。以前これを目にした際にはそれに疑念を持ったが、ボックスの中にあるそれらに汚れの後は無かった。 妻は生理の前後には用心のため生理用品を身につけており、当然その時期は夫婦の営みをする事は無かったので大体の周期は分かっていたが、この時期はそれにあたるものではなかった。 類推すれば、妻は経血以外のもので下着を汚さないためにそれを用いていたに違いなかった。 震える頭で居間に戻れば妻の手によって食器は片付けられており、ソファーで寛ぐだけとなっていた。 休日のこの時間には画面はバラエティー番組が面白おかしく写っていたが、それが目に入らないほど妻に真相を問う事を考えてしまうのだった。 食器の洗い物を終えた妻はエプロンを解いて自分の隣に座り茶を淹れてくれるのだった。 身体の線を強調するようなキャミソールに白のニットカーディガンを羽織った妻は清楚に写ったが、急須を手に屈んだ時に視界に入った胸の谷間を縁取る白に黒い装飾の施されたブラジャーとそれに張り付いた質量に満ちた白い肌は思わず息を飲むほどの隠微さを感じさせた。 ただ、普通ならブラジャーからの肩に掛かる紐が比較的派手な装飾をもって妻の白い首筋の奥に消えている事が奇異ではあった。 自ら問わない内に妻は昼に買い物に出かけた事を切り出した。天気も良く趣味でダイエットも兼ねてしているヨガのウェアを買いにいったのだが、買い物をする内に、セールの案内もありこれから夏を迎えるにあたり水着も買ったとの事だった。 水着であれば数年前に買ったタンキニがあった筈だが、妻が楽しげに買い物の様子を話す姿に先行きがわからなくなっていた。 子供が買ってもらった戦利品を見せびらかすように妻はニコニコと傍のショッピングバックから軽く伸縮性に富んだ生地の白いタンクトップを取り出した。 胸にあたる部分にはやや硬いカップがはまっていたが、それが水に当たれば透けて肌に貼り付いてしまうのでは無いかと思い、しげしげとそれを仔細に指で撫でてみたが、妻は悪戯っぽくこちらを見ていたことで妻の意図に気がついた。 自分が撫で回していたそれば水着ではなくヨガウェアだった。騙されている事に気が悪くなった訳では無かったが、何かを期待しているような妻の腹に一物ありそうな表情が可笑しく、妻の腕を取ると笑いながら自分の胸に抱き込んだ。 突然の自分の行動に妻は頭を自分の胸に収めながら体をバタバタを振っていたが、妻の頭に顔を当てて息を吸えば妻そのものの香りが鼻腔を満たした。このじゃれ合う雰囲気が妻との生活で求めていた安息だった。 相変わらず妻は拘束を逃れようと身を捩っていたが、それで妻が自分に触れる面積が増え体を動かすたびに豊かな胸が揺れる様に目を奪われていた。 僅かな間だったが、無言となった自分に妻は何かを感じたのか体の動きを止め、元からそうすれば容易に逃れでる事が分かっていたようにすっぽりと下に抜けると、床に膝を落としてソファーに色っぽくしなだれかかり、子供をあやすような口調で水着を見たいかと問うのだった。 空気に乗せられたのか、それと同じ調子に合わせ熱心に頷くと、妻はキャミソールに手を遣り胸を見えるようにした。 茶を入れてくれる際に目にしたブラジャーは水着であることがわかった。 考えてみればフルカップのブラジャーを着ける時には妻は前を閉じた服装をする事が常であり、キャミソールを合わせる場合には喉元から滑らかな素肌が伸び、それはハーフカップのそれに終わっている筈だった。 谷間の奥には両胸を覆うカップを結合する金属製のリングが見え、それが衆目に露出するものであることを理解させた。 いつになく大胆な姿に戸惑いを覚え、妻にその水着は派手ではないかと言ったが、相変わらず妻は自分にこの姿をみて興奮するのですか、と無邪気に返すのだった。 言い募ろうとする自分を留めるように妻はカーディガンを脱ぐとキャミソールも器用に取り外した。 膝立ちで自分の前に立つ妻は上半身に少ない布地で乳房を覆い隠すのみでそれ以外を全て露出していた。 妻をそのような姿で衆目に晒すなど思いもよらなかったが、一方では海に遊びに行った時など派手な水着に目を奪われ妻に窘められた事を思いだした。 海の家に飲み物を買いに妻と並んでいる時に、前に並ぶ若い女性の背中は小麦色に焼けた肌を細い紐が覆うのみで、下半身には裸と寸分たがわない線を写す水着に目が行ってしまい、隣の妻に不服を言われた事があった。 それを考えれば妻が女性としての対抗意識の為に自身の魅惑的な姿を見せたことは自分に原因があるとも言えたが、問題はそれをみる視線が自分だけに留まらない事だった。 妻は立ち上がるとスリットの入ったショートスカートの脇のファスナーに手を掛けると、パサリと衣擦れの音を残して妻は完全な水着姿となった。 腰骨に金属製の装飾の入ったバンドが僅かな食い込みを見せ、そこから妻の秘所を覆い隠す布の角度は急だった。 よく見れば、腰にかかるバンドは寸前で二手に別れ、装飾の中には妻の肌があった。それはこの細いバンドが裂ければ妻の股間が露出してしまう危機感と、その腰でさえ露出面積を増やすデザインに夫としての危機感が重なった。 妻はその自分の反応に満足するようにやや頬を赤らめながらモデルのようにすんなりとした動きではなかったが後ろを見せるために振り向いた。 さほど細くはないバンドが妻の優美な背中に通っている他は白く滑らかな肌を露出し、腰骨の辺りに食い込んだパンツのラインは妻の尻の柔肉を抱えるようにたっぷりとした質感をもっていた。 自分の視線からはパンツによって保持された肉がみっちりと張り出したあたりがそのまま奥に進むと妻の股間に張り付いた布地に接合している部分が克明に見え、体だけに注目すれば目の前の妻が自分専用のモデルのように感じられた。 ある意味その薄い水着に隠された中を知る自分としては奇妙な考えだったがそれは実用性があるものにあってさえ、裸より扇情的に写るのだった。 再び姿勢をこちらに向けると妻は自分を見下ろす視線で感想を求めた。 おそらく妻は自分が妻を見直したと述べることを期待しているのではないかと思ったが、引き締まりながらも柔らかさを感じさせる妻の下腹部を覆う布の小ささと腰から急角度で陰部に向かうラインを眼前にすれば妻に過激すぎるのではないかと言わざるを得なかった。 言いながら妻の表情を伺っていたが、妻は気を悪くするでもなくこの水着は自分にとってどう思うかを再度尋ねた。 そう言われては率直に返すしかなく、大変妻を魅力的に見せていることを告げた。 妻は表情をほころばせ、この水着は自分だけに向けて買ったのだと言うと、そのほぼ裸体に近い姿で自分をソファーに押し倒すように抱きつくと、店をいろいろみて回り際どいデザインではあったが、ただ自分の為だけにより魅力的に魅せられるものを選んだと耳元で囁いた それは内緒話のようであったが、面と向かってそれをいう事に照れている妻が愛おしく倒れかかる素肌に手を遣り強く抱きしめた。 しばらくそのまま睦みあっていたが、やがて妻は体を起こすと隣のソファーに掛け直しケーキを出すと言うと台所に向かった。 馬鹿馬鹿しいテレビに目を向けているとやがて釣られて顔をほころばせていると、これまでの出来事が雲散霧消するように平和でリラックスする気分が胸を満たした。 それを味わっている内に妻が水着のままケーキと紅茶を運んできた。普段は食卓で食べているので、ソファーに腰掛けて食べる事はあまり経験が無く妻が非日常的な姿で隣で食べている姿は奇妙なものだった。 テレビから目を離し、行儀良く紅茶を飲む妻の姿を見ていると妻が自分を誘っているのかも知れないと遅まきながら気付くのだった。 妻と交わる前に入浴しようと思い、食器を手に台所に向かうと妻が後から同じようについてきた。この程度であれば食洗機を使う程でもないと流しにカチャリと音を立てて食器を置き振り返ると妻は何か言いたげな表情でこちらを見ていた。 なにか声をかける前に妻は恥ずかしそうに下を見ながら自分を抱いて欲しいことを告げた。 ここまで妻が自宅で大胆な行動をとっていることに行動が遅れた���と、妻がここまで積極的になったことに驚きを覚えたが無言で妻の手を取ると階段を上がり寝室に向かった。 2階のカーテンは引かれておらず月明かりが妻の肌を白く照らしている中、妻を横たえるとその肌の表面積をできるだけ多く触れさせるように抱きついた。 妻の唇を吸うと、先ほどのケーキのクリームの甘い味覚が妻そのものの様に味わい、そのまま妻の首筋から耳元までところ構わず舐めまわした。 妻は自分のなすがままとなっていたが、これだけの刺激で甘い声をあげるようになっていた。 それを聞くと妻が犯人によって開発させている事が脳裏に蘇り、後頭部の奥底で凶暴な感情が沸き起こってきた。 ブラジャーであればホックが後ろであろうと前であろうと外した経験があったが、水着では勝手が分からず伸縮性に富んだ生地に手を掛けると下から一気に振り上げた。 圧迫されていた乳房は拘束を解かれたことでたわわな膨らみと先端の敏感な部分を露わにした。たまらず乳首に吸い付き、舌先で勃起している突起を捏ねまわしていると妻の声に熱が入り、自分の頭に妻の手が狂おしく当てられるのだった。 あとは妻の最も敏感な部分を探るのみとなり、そのスベスベとした触感の縁に手を掛けると、妻は自分の意図を悟ったのか自ら手を腰の裏に掛けるとしなやかに腰をくねらせてその存外小さな布地を足首まで引き下ろした。 乳房にしゃぶりついたまま妻の下腹部 に目を遣ると月明かりに照らされたそこには僅かな繁みもなく二つの太腿と腹の交わるあたりはすんなりとしたノイズのない滑らかな曲線だけで構成されていた。 頭に疑問符が浮かんだが、それを見越したように濡れた妻の声が響いた。妻が言うには水着を着る際に陰毛の処理をした時手元が狂いそれを全て剃り落としてしまったとの事だった。 急に行為の興奮が冷め、それが犯人によるものと明瞭に理解できた。妻の陰毛はさほど濃いものでなく性器の上端に疎らに生えているだけで水着を着るにあたってそれが出てしまう事など考えられない事だった。 口いっぱいに乳房を含んでいれさえ、それが犯人によって穢されてしまった肉体であることはやりきれない思いを込み上げさせた。 しかし、水着の事を考えれば、犯人によってなされた剃毛を精一杯隠そうとした妻の心遣いなのかもしれなかった。 今日の朝、妻がデパートにいたことは、下半身の事情に言い訳をするための妻の努力だったのかもしれない。 そんな事を考えていると、怒張した男性器に血が引いてゆくようだった。 妻が陰毛を喪失した事で自分との行為を拒否するでなく今のように誘ってくれている事は犯人によって陵辱された体を自分に清めてもらう意図と考えれば、今の自分にできることは精一杯妻に愛を注ぐ事なのだと理解できた。 既に妻の股間は充分に潤っており、指で小陰唇の奥底から愛液をすくい取りクリトリスに塗りつければ妻は期待通りの嬌声を上げた。 その我慢を取り払った声は犯人が妻を長時間嬲ってからでるものであり、昨晩の妻の声と現状を重ね合わせれば、妻が自分にだけ快楽を恥らうことなく示すことは妻と自分との繋がりの自信を起こさせた。 妻は夢うつつなのか、胸に手をあて乳首に指先をあてて弄っていた。その動きは犯人によって自慰の快楽を高める為の動きと思うと、今考えたばかりの自信も揺らいだが、それを否定するように一気に妻を貫いた。 手近にあった妻の脚のふくらはぎに顔を当てていると股間の抽送で得られる快感が増すように思えたが、それが犯人の行為と類似していると思うと内心忸怩たるものがあったが、それを辞めることはできなかった。 僅か数分で腰を震わせる快楽に耐えきれずに妻の胎内を埋め尽くすように精を放った。 避妊もせず行為に及んだ事、妻がそれに拒否しなかった事を考えていると、下半身を連結させたままの妻は腰が温かい事を呟き、赤ちゃんができるかもと嬉しそうに続けたが、妻の胎内に避妊具がある事を知っている脳裏ではそれも虚しく響くのだった。 果たして妻は自分を裏切っているのか、そうでないのか自信が持てないまま徐々に血が抜けた性器を妻から引き抜くと隣の妻が水着一つをはだけた姿が月明かりに神秘的に灯されていた。 行為の後は妻が股間から漏れ出る自分が放った液体について妖艶に股間を撫でていたが、ふと自分の視線に気が付くとそそくさと手洗いに向かった。 自分は普段ならこれで眠りにつくのだったが、昨晩からの断続的な睡眠に加えスーパー銭湯での長時間の睡眠によりまだ当面は覚醒していられるようだった。 自分が寝室から出る時に下半身の処理を済ませた妻とすれ違った。妻は出て行った時のほぼ全裸ではなく寝巻きをまとっていた。 妻は自分が寝るものと思っていたらしく階下に降りる自分を不思議そうに見ていたが、風呂に入ろうとする自分を引き止めて性行した経緯に思いが至ったのか、見ている前であれこれと表情を変え、まだ艶を含んだ目のままごゆっくりと声を掛けて寝室に入った。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫13
しばらくそこで目を閉じさらさらと降り落ちる雨に顔を晒していた。静かな環境では鼓動が身体に響きそれが時間と共に静まってゆく感覚にに身を預けると、先程の興奮が嘘のように冷静さを取り戻した。 どれだけの時間をそのように過ごしていたかは分からなかったが、固まった指先に力を入れるとそれは素直に反応し、身を起こすと既に雨は止んでおりおずおずと立ち上がると再び窓枠に手を掛けて部屋の様子を探った。 そこでは再び妻が陵辱されていた。一旦精を放ったことで性欲が湧き上がることもなくただその行為を実験のように観察している自分が恨めしかったが、妻の両手は拘束を解かれており床の座面に背を付け犯人の手によって下腹部を突き上げるような姿勢となっていた。 犯人は機械的な作業をこなすように情動のなさそうな冷酷な動きで抱えた妻の股間に��後芋茎を上下に動かしていた。 バンドで覆われた妻の顔はこちらを見上げていたが、その表情は先の行為では顰めていたところ今はやや困ったように眉を寄せている事は変わらなくても、鼻筋の下に位置する唇は結ばれていなかった。 さほどの高い音を立てていないのか声は聞こえてこなかったが、自ら運動していなくても犯人によって股間を刺激はされている事により妻の呼吸は乱れているものを見え、開いた口の両端を彩る唇はそれが股間の性具にぴったりと張り付いた陰唇のように犯人によって開かれたように感じた。 妻の股間に出し入れされる白い物体が定期的に妻の性器から露出する面積を増減することは妻の胎内の媚肉がそれを動作させているようで奇妙なものだったが、犯人は妻の手をとり自分が握っていたそれを妻の手に持ち替えさせると、それに手を添えて再び上下動を誘った。 犯人がそっとその動きを止めても惰性で動くように妻の股間の物体は動きを止める事は無かった。妻は無意識に性器を貪るそれが与える甘美な快楽に堕とされてしまったのかもしれなかった。 妻が無意識とはいえ誰に強制されるでもなく快楽を享受している淫らさに軽い衝撃を受けたが自身の困惑を感じ取ったように妻は股間に肥後 芋茎を深く埋めた状態で動きを止めた。 妻は犯人の手が無くても自らの股間にやった手の動きを止めなかった事に驚いたように顔を無表情に変え、自分の考えを裏付けるようにだらしなく開いた唇を結ぶと徐々に股間を埋めるものを引き抜いた。 それの先端が妻の股間から現れようとする時、犯人は妻の手に触れた。妻はその事を予期していなかったのか性的興奮に霞がかった頭では対応できなかったのか、椅子を揺らすほどに身体を震わせると静かに行為の続行を促す犯人の要求に従った。 犯人は妻の動きに満足したように妻の腰を抱えていた姿勢を崩し身を離すと妻の脚を丁寧に床に着けた。 それにより妻の姿勢は半ばブリッジのように背中を椅子の座面に当てて下半身をストッキングによって綺麗な素肌を覆った足で支えていた。苦しそうな姿勢だったが妻は股間には伸ばした手の動きを止めておらず、それは三秒程の間隔で妻の陰毛の先から白い醜悪な姿を現しては再び妻の胎内に埋め込まれるのだった。 肥後芋茎を掴む妻の腕の片方は傍に置かれていたが、膝立ちで妻の側面に回った犯人はその手首を持ち上げると仰向けになってさえも形をやや広げて魅惑的な膨らみを見せる妻の乳房にあてた。 自分の願いとは裏腹に犯人の刺激の一つ一つに反応するように妻は身体を震わせると、犯人に性的なレクチャーを受けているように素直に手を広げると親指と人差し指で装飾具に飾られた乳首に手を当て、重量感のある乳房を揉みながら乳首を自ら刺激するのだった。 股間と乳房に妻の両手が蠢く姿は清楚な妻とかけ離れた淫靡さがあり、両手を動かしている事で僅かに妻の下腹部が何かを求めるようにくねらせている事は妻の理性を淫らな影が曇らせている事を想像させた。 妻の首から両胸の間に流れる銀の筋とその下端で妻の乳首に結ばれた装飾から伸びるチェーンが胸の隆起を示すように落ち込んで結合している辺りは妻が乳房を捏ねることで複雑にその曲線を変えキラキラと反射する光は冷静になった自分を再び眩ませた。 妻の胸に視線が釘付けとなっていたが、動きを止めない股間に目を遣ると先程は肥後芋茎を握っていた妻の手はそれをつまむように指を変えており、妻の手のひらは陰毛に覆いかぶさるようになっていた。 それは自分が陰茎を妻に打ち付ける時に自分の下腹部を妻に当てる事を擬似的に再現するように思えたが、先程の犯人との行為を思い出して再現しているとも考える事ができ、再び薄く口を開き体内に溜まった淫らな何を放出するようにしている妻にその真偽を問い質したい欲に駆られるのだった。 視界から外れていた犯人の頭は現れると、欲を放った自分にこれ以上の屈辱を与えないよう懇願する気持ちが沸き起こったが、何故自分をそこまで卑下しなければならないのか感情を説明する事はできなかった。 男性との性交であれば連続した行為は2回、頑張っても精々3回といったところだが、おそらく先程の行為で神経が敏感になっている妻に対して休みなく行われている陵辱は妻の貞節の限界を臨むようになっていた。 妻が自分の胸に当てた掌は丸く魅惑的な曲線を描く乳房の形を無理矢理に変えながら歪んだその形は更に魅惑的となり自分をいたぶるように乳首を噛んだアクセサリーから伸びるチェーンはキラキラと光の明滅を示していた。 眼下の光景は犯人を前にして股間に肥後芋茎を埋めて自らを慰める妻の単調な動きだったが、妻は股間に伸ばした手をひときわ深く自身に埋め込むと、胸にあった手を下腹部に遣り臍の下数センチ当たりでその肌のしたの柔らかな肉体を貪る物体の感触をなだめるようにそこを弄るのだった。 端正な妻の表情は視線を覆われていても先程のように困ったような表情が読み取れたが、それはなにか壁際に追い詰められた獲物のように恐怖と困惑の入り混じった成分が含まれているようだった。 両手を下半身に向けていることで妻の胸は両脇から挟まれその豊かさを強調するように両の乳房の間には深い谷間があり、そこに下にガラスの装飾品が光っていた。 その光るガラスに目を留めていると、妻の動きが急に緩やかになったことに気付いた。それは自分との行為で妻が示す絶頂の印だった。 自分が絶頂を迎える時に妻はひときわ股間を締め付け、ゴムに覆われて精を受けることは無くてもそれを一滴残さず搾り取るように柔らかな肉を収縮させるのだったが、その後も余韻を味わうように怒張を過ぎた男性器を緩く撫でるように柔らかな動きで残滓を放出することを促す事が常だった。 妻は股間に咥えたものが何であれ、それが自分を責め立てたことで甘美な快楽が妻の脳を占め擬似的に自分との性交を再現したものと思われた。 冷静にながらも、他人の手によって性的快楽の頂点を迎えさせられた妻の姿を眼にして救いがあるとすれば、それは犯人に抵抗する意志は失っていないのかその時点で妻の口が結ばれていたことだった。 自分の知るその時は荒い吐息に雌の本能から漏らされる甘い声が混じるもので、絶頂の時には耐えきれないように深く息を吐くとそのまま唇を自分に合わせ理性を失ったように普段の妻から想像できない程積極的に自分の口腔に滑らかな舌を滑り込ませる事もあった。 おそらく妻の思考のほとんどは下腹部で荒れ狂う肥後芋茎と、それから分泌される淫液によって活性化された妻の性器の内壁によって絶え間無く送り込まれる快楽の波動に占められ理性を残す事は困難であったと思われるが、犯人に自身の感情を晒す事を拒絶するように閉じられた妻の唇が愛おしいかった。 ただ眺めるだけの自分を嘲笑うように犯人は股間を艶めかしく動かしている妻の腹腔の上下動が緩やかなった動きから状況を把握したのか再び妻に触れた。 その指は妻の性器にすっぽりと埋まった肥後芋茎を掻き分けるように小陰唇の亀裂の上部にすんなりと入った。甘美な夢の中にいた妻はその動作に即座に反応しなかったが、一瞬の間を置いて股間から手を離し、背を預けているベンチに手を掛けるとストッキングに覆われた脚を緊張させた。 妻がブリッジのような苦しい姿勢であることは見るに忍びなかったが、その姿勢の理由は犯人の動作で判った。 犯人は無遠慮に妻の性器に侵入させた指は関節のすべてを温かく柔らかな膣に呑み込まれており、犯人はそれを上方に突き上げるようにしているのだった。犯人の手首は物を持ち上げるように反っており、それが妻に侵入した指の動きを連想させた。 その指があたるあたりには一般的に知られた性感帯があり、それを犯人が刺激することを避ける為に妻は股間を持ち上げていたのだった。が、犯人の腕は妻が股間を持ち上げてもたらされる快楽を避ける為の可動範囲を上回っており、妻の下腹部は犯人の指によって持ち上げられるように高く突き上げられていた。 そうすることによって犯人の視線に妻の股間が直接当たるようになり、それは恥を捨て去った人妻が支配者の臨むままに隠すべき場所を晒している様に思えた。 悪辣な犯人らしく妻が逃れる動きを犯人が更に責め立てる行為は数回に渡り繰り返され、遂に股間を突き上げても逃れられない所に来てからは妻が身を捩る動きで犯人の指先がやや硬い肉壁を弄っていることを推定する他なかった。 犯人は妻から指を引き抜くと、それに伴って妻の股間から白く濡れそぼった物体がまろび出た。 ズルリと先端を現したそれが妻の小陰唇から出ると妻の股間は大陰唇が亀裂を塞ごうとしていたが、股間を開いている事でそれが阻害され、その内側にある小陰唇がぼってりと充血した唇を閉じようとしてさえ完全に子宮に通じる肉壁を隠す事は出来なかった。 それは長時間膣に物を埋め込まれていた事にその周辺の閉じるべき機能が麻痺していた様に思え、同時に妻の理性が同様になっている事を想像せざるを得なかった。 犯人は再び妻の腰に両手を廻すとやや強引に妻を押しやり、妻の頭が軽い角度でベンチの背もたれに当たるまで妻の体を座面に載せると、犯人の腹辺りを支えにする様に妻の腰を曲げて、真っ直ぐ自分に妻の性器が向かうように突き上げた。 持ち上げられた腰から滑らかな脚が伸びていたが、それは宙に向かう力はなく、開いた股から犯人の腕に掛かるようにストッキングの滑らかな輝きが妻のふくらはぎを覆い微妙な陰影を見せて力なく落ちていた。 その手は抵抗するように途中で持ち上げられたが、その抵抗することで束縛される記憶が蘇ったのかおずおずと座面に横たえられた。 スローモーションのようなその動作に犯人は満足したのかまるで目の前のご馳走に躊躇いなくかぶりつく幼児のようにその顔面を妻の股間にあてた。 犯人の頭が妻の股間を隠していても妻の反応から犯人の顔面と妻の性器との間で行われている隠微な行為は想像がついた。犯人は手を妻の脚に掛けそのストッキングの感触を楽しむように撫で回していた。 その頭は微動だにしなかったが、妻の結ばられた唇に僅かな間隙が時折吐息を漏らすように生まれていた。 犯人が頭をあげるとその性器は自分に再度救いを求めるように明るく朱色に染まった肉壁の入り口を現していた。犯人は自身のポケットに手を遣るとそこから醜くくびれ、いやらしくピンクに半透明の性具を取り出した。 以前の自分であればその用途など思いもつかなかった筈だが、今では否応無くそれが女性の性的に敏感な部分を刺激することを目的に造形されたものであることが理解できた。 自然にある男性器では刺激の届かない部分を集中的に責め女性を蕩けされるか、女性が自らを慰める道具だったがそれが犯人の手で妻に使わられる事は妻を開発されてしまう印象を���くさせた。 犯人はそれを妻の濡れそぼった股間にあて、表面に愛液を塗りつけると妻の胎内にフックを埋め込むように角度をつけて抉りこませると手元の部分にある親指ほどの突起を妻の性器の上端に押し付けた。 それは既に作動していたのか妻は大きく腰をたわませると両手を股間に向けた。その優美な指先は犯人の目論見を押しとどめる前に犯人の手によって絡め取られてしまった。 犯人は妻の片手だけを取ると、手を妻の指先を握りそのままピンクの平滑な性具が埋めているクリトリスに指を埋め込んだ。犯人が人差し指と薬指を妻の性器の上端に滑り込ませるとそれは性具に覆われた妻の甘美な部分に入り、薬指に貞節を誓った指輪が輝きを惜しむように淫猥なピンクの影に消えた。 器具の与える振動に自身の指が共振しそれが妻の敏感な場所を這うことで妻は犯人の支えにすがりながら股間から手を引き抜こうとはしなかった。 いままで自分が妻に与えた女性の悦びを上回る快感に妻は流されつつあり、それは股間に無い片方の手が取り付く所のないベンチの座面を掻くように弄っていることが示していた。 犯人はさらに細長い性具を取り出した。それはさほど太いものではなかったが、淡い白色でなだらかな段差のあるそれは昆虫の幼虫を思わせ、本能的にそれが妻の胎内を貪ることに嫌悪感を覚えた。 犯人は先程のように性具を愛液にまみれされる事なく既に物体を埋め込まれている妻の性器から軽くそれを肛門にあてた。妻は排泄する事が機能の器官に異様な感触を覚えたのか唇を開くと何か叫んだように感じた。 妻の声は自分に届く事なく犯人はツンツンと妻の肛門に先端が柔らかな材質で整形されているために微妙に菊座の廻りを弄る動作を繰り返していた。 その刺激は妻の残った理性をさらに押し流したようだった。 いまや妻の眉は顰められていなかった。その口は広げられそこから伸びた舌は犯人の刺激に伴ってピンと伸びていた。 妻がそのようなはした無い表情をした事など記憶になかったが、妙に魅惑的に乱れた妻の表情を感じていた。犯人は妻の脚を弄る手を妻の股間に差し入れると、妻の肛門を責めていた性具は既に埋め込まれた性具の下端に隙間を見つけそのままズブズブと妻に埋れていった。 大きめのディルドに妻は貫かれているとはいえ、性器の表面には妻自身の指と振動を与える突起があり、その胎内にも妻の股間を捉えた振動がある所へ更に妻の奥底に伸びる刺激は以前の妻が下半身で咥えたことのない快感をもたらしているのだった。 犯人は妻を責め立てるように細いバイブレーターをヌルヌルと上下動させると妻は素直にその股間からくる快感の激流に翻弄されていた。 僅か数分の出来事だったが、妻は広げた唇をさらに一杯に開け酸素不足の登山者が大きく息をつくように胸を大きく上下動させた。 それは再び妻が性的快楽の頂点に登った事を知らせたが、犯人はそれを意に介する事なく単調な動きを繰り返していた。 冷徹な拷問とも思えるその行為には冷静ながらも不快感を通り越して怒りが頭をもたげたが、その自分の感情を無視するように妻はさらに反応を始めていた。 ガラス越しにくぐもった音だったが、明らかに女性の性的な声が漏れておりそれが妻が女性として得る快楽の大きさを物語っていた。 自分の与えうる全ての快楽を上回るであろう刺激に翻弄される妻を眼下において自身の股間は再び妻に襲い掛かる事を求めて暴れていた。 自分にはどうしようも無い状況に妻と交わる時以上の快感を背筋に感じている自分が情けなかったが自分の中の獣の脳はただただ快楽を訴えていた。 窓を覗き込みながら妻の指を加えれば3つの異物に見たされた妻の股間を眺めると罪悪感が更に快感となって自身のそそり立つ性器をまさぐっているしかなかった。 犯人は体力があるのか妻の艶めかしく揺れる腰を腹で支えつつ、二本の性具に満たされてその下端をちぎれそうに丸く彩る小陰唇の直ぐ下にある妻の肛門の縁に人差し指をあてた。 その動きは妻の菊座の周囲を解きほぐすように円を描き、バイブレーターが妻の胎内から姿を現す度に汲み上げられる妻の愛液を塗りつけるように妻を責め立てていた。 妻は自身の性器とその奥底まで届き女性の本能を突つく感覚に、新たに挿入を許してはならない場所の寸前を弄る指の動きに危機感を煽られそれが快楽をさらに妻を追い詰めるものとしていた。 いまや妻の喘ぎとも叫びともつかない声は連続的に鼓膜に届いていた。 ねちねちと続く犯人の責めに妻の体は耐えきれず、先程の動きをなぞるように再び大きく体を撓ませたが、それは急速に落ちる事なく繰り返して行われるのだった。 妻の口はもはや理性をかき消し、頭を横にしていやいやのように首を振りつつ口内に湧き上がった唾液は留めることなく涎を垂らしているのだった。 その姿は再びの激情に襲われた自分を押し流し、最愛の妻が犯人の手によって穢される以上に開発されてしまった劣等感を更なる快楽として精を放つのだった。 先程噴射した精液より粘性は低く、眼下で妻が責めさいなまされている事を目にせず、その垂れ落ちる姿が妻に縋り付き行為を止められない自分の情けなさに重ねて頭を壁に横たえた。 頭を当てたことで妻の嬌声が薄く響いた。未だ行為が続いていることに絶望を感じつつ眼を閉じた。 連続した射精により身体はいう事を聞かず、身を横たえると静かに冷たく濡れた体が心地よく冷まされていった。 自分と妻を隔てる天井の下ではいまだ行為が続いているようで頭に響く妻の声が幻かと思ったが、耳を床につけるとくぐもった音だったが確かに女性の性的な嬌声が伝わってくるのだった。 屈辱的な状況にもかかわらず変わらず体は一切の行動を拒否し、自身の無力さを噛み締めている他無かった。 時折響く妻の声を脳裏に層の様に重ねながら失神するように意識を失った。 どれほどの時間そうしていたか分からなかったが先程の自分を責め苛む妻の声は聞こえなくなっていた。片腕に力をいれてみるとそれは全く自分の意識の通りに動き、軽く身を起こすと周囲を伺った。 虫の声が時折響く音で自身の音を感じる器官が失調している訳ではないことに安心する程の静寂が辺りを包み建屋の中からの音も無かった。 雨は止んでおり体にまとわりつく衣服の感覚が不快だったが、そっと天窓から様子を伺うと妻は全裸となってベンチに腰掛けていた。 犯人の姿は無く、相変わらず妻の頭には黒いバンドが視線を遮っていたが、その手が座面に当てられている事は不自然に思われた。妻は動いていないものと思っていたが、妻の胸に光る装飾具が光の反射を送りその乳首の位置が揺れ動いている事で僅かに妻が上下に体を揺らしている事が分かった。 確実とは言えなかったが、妻の姿勢から考えるに恐らく妻の股間にはディルドがあるものと思われた。状況からみて女性が全裸でベンチに腰を落としており、身体の動きを補助するように手を座面につけて上下動していれば、そうでない事が不自然と思えるのだった。 荒くそれを胎内に送り込むのでなく、その感触を味わうようにゆっくりと体を落とすと魅惑的な足首から膝にかけての曲線が微妙に力が入ったことで形を僅かに変えた。 それで股間に埋まった物体から身体を引き抜く力を得て腰を上げると、埋め込まれた所に生まれた空白を惜しむように再びディルドを胎内に迎えていた。 それは意思を持たないベンチが妻を犯しているような、あるいは妻がそれの虜になったような惨めな姿だった。 犯人の姿が見えないことに不信感を抱く事なくそれを何かの実験の観察のように眺めていたが、その時駐車場の方角から音が聞こえ頭を向けるとテールランプの光が見えた。 この時間は普通就寝しているところ移動をする事は一般的な用途でこの施設を利用しているとは思えず、それが犯人である可能性は高かった。 先程の行為で眠りこんでいなければ犯人の姿を目にするなど手掛かりを得ることが出来たかもしれない���思うと、眠り込んだ原因が思い出され深い後悔が心を切り刻んだ。 暗闇を照らす車のヘッドライトは車道から施設におりる傾斜路を照らすと、山側に折れて走り去っていった。 その光が視界から消えるまで視線で追っていたが、何一つ収穫がなく妻を眺めるだけであった自分の眼前で犯人が妻を玩具のように扱い更に性的に開発されてしまった事で、自分に寄り添う妻がら離れてゆく感覚を覚えた。 視線を眼下に戻すと、妻は快楽に呑まれ遠慮のないディルドに完全に腰を落としていた。それは最初の犯人からの映像にあったように射精の後に怒張を失う性器と異なりいつまでも屹立するそれのたくましさに股間を麻痺させているようだった。 妻の手は恥じらいなくクリトリスを弄り、もう片方は豊かな胸を揉んでいた。 これ以上自分の知らない妻を見る事に耐えられずにいたが、単純な男性としてそれから眼を離す事が出来ず、しばらく理性と本能が激戦を繰り広げていたが、やがて理性が勝利を収めるとその場を去る事にした。 しばらく暗闇に眼を向けて、目を慣らすと来た通りに戻り地面に足を付けた。ベランダ側に回ると最後にその下の斜面から室内を伺った。 細い隙間からはベンチと妻の足首の辺りが捉えられた。上からでは気づかなかったが、度重なる性行為により妻の足に被せられたストッキングは元の位置に留められておらず、足首のあたりでは恐らく大腿のからずり落ちた事で余剰となった繊維がやや濃さを増していた。 僅か数センチから届く光景は、何時でも涼しげでストッキングの伝線など見せた事など無い妻の隙の無い姿とはかけ離れたもので、それが自分の知らない妻がここにいる事をまざまざと感じさせた。 戻りは冷静になりつつも混乱を留めた頭では回り道をする事なく、大胆に施設の中央を横切って車道に上がるとレンタカーに戻った。 ドアを締める音が思いの外大きい事に驚いたが、直ぐに訪れた静寂を振り払うようにエンジンに火を入れると計器に光が灯り、流れ出した深夜ラジオの落ち着いた声音に正常な世界に戻って来た事を感じた。 腹にポタリと水滴が落ち雨に濡れた身体である事を思い出したが、頭髪に手を遣ると水滴が落ちる程に濡れてはいない事に驚いた。 興奮したまま何かで傷ついたのかと思い手を頬にあてると、そこで生暖かい涙の感触が手に伝わった。 泣くような感情を感じていないにもかかわらず、視線をおぼろにして緩む涙腺が不思議に感じたが、先程までの体験は自意識を超えて体が悲しみを訴えるに足るもので会ったことが実感された。 冷静にこれを経験として犯人を追求し、この屈辱を犯人に塗りつける日があること���自分に言い聞かせ感情と相反する身体を宥めると車をレンタカー会社に向けた。 暗い夜道を行くうちに急激に眠気が身体を襲った。流れる景色からは自分の実家が近い事が分かったが、この状態で親に顔を向ける事は出来なかった。 無性に入浴して体と心を清めたいと思ったが、この時間となれば適わない事だった。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫12
誰もいないシャワールームから頭を引き上げるとうつ伏せでいた事で胸が息苦しく、思いのほか大胆に身を返すと空には重く垂れ込めた雲が広がるばかりだった。行動に頭が集中しており天気予報など気にしていなかったが、週の半ばに目にしたニュースでは週末に掛けて一雨あることを告げていた事を思い出した。 涼しい風もどこか湿り気を帯びており雨雲が近い事を知らせたが今の自分にはどうでもよかった。 視線を巡らせると、屋根はここから急な斜面となっていた。それを虚ろな目で見ているとコテージの案内に天窓から光が降り注ぐとあった宣伝文句が蘇った。 天窓は直接内部に通じておりそこからならば妻の姿を克明に監視することができると思うと、慎重に行動することがもどかしいほど気が急いた。通りからは自分が見える可能性が高いので川側にそろそろと移動すると、丁度良い塩梅に斜面の角度は緩やかとなっており、その中腹に硬質に内部からの光を放射する天窓の存在を確認できた。 天窓への距離は自分の慎重に僅かに足りなかったが、枠に手を掛けて圧力を加えるとそれが微動だにしないことに満足すると体を屋根に押し当てながら腕に力を込めて引き上げた。中から照らされた光は自分の顔を明らかにすると思うと覗き込むことに躊躇したが、足をエッジを効かせて踏ん張り頭の角度を調整しながらそろそろの浅く見える部分から内部を伺った。 最初に視界に入ったのは簡素なキッチンだった。人影が見えないことに安堵すると同時にさらに視界を広げるため頭を上げようとしたとき、冷蔵庫に向かう人物の姿が視界の下から割り込んできた。 妻の姿と見た時とは異なる種類の興奮が湧き上がり、必要もなく心拍数を高める身体に力を込めて抑え込みながらその行動を見守った。人物はベージュのチノパンツにラフなポロシャツといった一見では性別が判別できない衣服を着用していたが、その頭は後ろから見ると黒く振り返る時を待った。 その人物は冷蔵庫から飲料水を取り出すと開栓しながら振り向いた。期待を持って監視していた自分の期待を裏切るようにその頭は黒い目出し帽で覆われていた。上から見るとその目のあたりの窪みしか見えず、とても人物を特定できるものではなかった。 その人物が妻の入った部屋にいることでまず犯人に間違いない事は確かに思えたので、このまま屋根を降りて部屋に突入する事を考えた。 犯人に取り立てて目立つ特徴は無く、視線の関係で身長を見積もる事は難しかったが、それは高くも低くもなかった。ただ胸の膨らみが皆無であることから男性であろうことは推定できた。 犯人は飲料を口に含むと、それを飲む時に顔を上げる事を期待したが、それは自分と目が合う危険があると思うと体に力が入った。しかし、その動作はボトルを僅かに上方に傾ける程度だった。やや不自然な動作と写ったが、その犯人の目前に妻がいると思えば、犯人が妻を注視している為の行動と考えることが妥当だった。 丁度自分がいる位置の真下に妻がいると思うと、再度部屋に突入して全てを明らかにする案が浮上したが犯人が妻の方向に歩いた事でそれを追う事が思考の大半を占めた。危険は増すものの犯人を追跡するには頭を天窓に合わせて下の様子を伺うしかなかった。 再び腕に力を込めると腹が天窓の縁に載るように体を引っ張り出し上げた。 視線をしたに向けると数メートルの間隔を置いて妻と犯人が向き合っていた。犯人は三脚に載せたビデオカメラのモニタを見ており、そのレンズの先に妻がいた。 妻は手をブラジャーに掛けるところで、その細い指が妻の柔らかな乳房を完全には隠していないブラジャーの上端にかかると、片方の乳首を露出させた。その乳房は穢れのない白い素肌に自分と妻だけの秘密である桃色の先端がある筈だったが、そこには銀色に鈍く光を反射する何かが乳首にまとわりついていた。 さほど突起の大きくない乳首を締め上げるように噛み付いた銀色の装飾からはキラキラと輝く数個のガラス細工が垂れており、乳首から胸の中央に伸びた細いチェーンはそこで妻の首から降りたネックレスと結合していた。 想像を超える淫らな装身具を身につけた妻の姿は性的な玩具と化した女性そのものであり、辺りの空気が重量があるかのように自分の呼吸器を乱した。いまや妻の姿は自分と交わる時の裸体より扇情的にいやらしく男性を誘うものとなっていた。 この瞬間をカメラに撮影できれば、妻と犯人が同じ場所におり、その行っている行為から自分には有利な証拠を入手できるのだったが、生憎携帯電話を部下に預けており、その他でその機能をもつノートpcはレンタカーに残してきていた。 現場自分が取りうる選択肢としては、このまま階下におりドアを開けて一切を明らかにする事、一旦レンタカーに戻ってノートpcを持ってきてこの場の一部始終を映像に残す事の二つだった。 ガラスを通して犯人はビデオカメラの側に置いたサイドテーブルに載せたpcに何やら入力していた。ビデオカメラとは結線されていないので最初はその用途が分からなかったが、その入力の都度妻が姿勢を変えていることで、pcが妻に動作の指令をしていることが知れた。 このような閉ざされた場所で二人になりながらも、犯人が妻にその姿を現さずに行為をしている事は疑念を深めた。先に自宅の屋根裏で見た妻の手紙によれば、犯人は学生時代の妻を知っているものと思えた。 それは妻が犯人に心当たりがあるかもしれないとの考えに繋がったが、この場で犯人が妻から自分を隠している事は妻が犯人の姿を目にすれば、その人物を特定できるのかもしれず、それが故に犯人は自分の姿を隠しているものと思われた。確かに記憶も証拠も残さず犯行を行えば犯人はリスクを極小化して望みを達する事となり、それは妻からみれば自身の身体を嬲られつつ手出しが出来ずに追い詰められていたのだった。 妻は犯人のpc操作によって、ブラシャーを外すと妻の上半身は裸より淫らに見えた。上から覗いても喉元からなだらかな曲線に沿ってネックレスがその肌を這っており、そのままなら重力の沿って乳房の間に流れる所を、豊かな乳房の先端を噛んだ装飾具が両の乳首の間をチェーンが差し渡しており、その中央に連結しているのだった。 それはあくまで装飾具であり性的な行為に用いられる拘束具では無かったが、その卑猥な物を着用した時の妻の心情を思えばそのキラキラとした輝きが妻の白い肌を舐める姿は犯人の思惑通りにその身体を差し出す事の屈服を示していた。 自分の行動を決めねばならないところ、妻が僅かに身につけた衣服を取り去る事に注目してしまっていた。その自分を諌めるように自分のうなじに水滴が落ちた。最初の数滴に気がついたことには、周囲の木立に当たる雨音が辺りを包み優しいホワイトノイズの様な小雨が静かな周辺を満たした。 この環境の変化は自分の行動を隠匿するには有利に働く筈で理性はこの場を移動する事を促していたが、それ以外の全ての体はそれに抗っていた。 犯人が流れるような手つきでpcを操作すると、妻は僅かの抵抗を見せずに両手をスカートに掛けると恥じらいなど最初から無いようにたくし上げ下腹部を露出させた。視界の関係で露わになった部分を見ることはできなかったが、先ほどショーツを着用していなかった事から考えれば、そこで妻の性器を隠すものは薄い陰毛しかないと想像でき、妻が自らビデオカメラと犯人に晒している行為は自分を異常な興奮に堕とした。 心の奥底で更なる行為を求める自分に呼応するように犯人は操作を繰り返すと、妻は手探りで後ろにあった木製のベンチに腰掛けると、恐る恐るその形を確かめるように手を辺りに回し、思いの他傾斜のついた背もたれに身体を預けると、手で確かめた位置にある手摺に脚を載せた。 ベンチ自体はなんら変哲のないリゾートにあるようなリラックスを誘う物だったが、その手摺の位置や背もたれの傾斜はこの様な行為をする事を想定しているように淫らに妻の身体を晒した。 上から見ている自分に対するサービスの様に視線を無粋なバンドで遮られた妻は身体を上に向けても形の崩れない美しい乳房を犯人に支配されているように装飾具を乳首に噛ませ、滑らかな脚線美は両方に開いたことでふくらはぎの側面の微妙な陰影を映した。 ストッキングを着用している事で、つま先から大腿の途中までは肌をかすかな曇らせていたが、それが大腿部で色を濃くし柔らかな肌にわずかな食い込みを見せている様は、何の変哲もないストッキングをそれ自体も妻の乳首を蝕む性具と同じように妻を裸より卑猥に見せていた。 妻の股間は両脚を開いたことでその結合部にあたる箇所が両側から引っ張られる事となり陰毛はもはやその性器を隠す用を成していなかった。自分の目にも肌の色を変えている箇所が少し見えたが、丁度その時妻の股間から生えた白い物体がずるりと奇妙に生物的な動きをしながら胎内からその全体をまろび出し、唐突にその末端を見せると湿った物体が重量感のある動きで床に落ちた。 その落ちた音が響いた訳ではなかったが、その衝撃は思わず自分の首筋を震わせた。妻はシャワールームからここに至るまでその股間を性的に脳を狂わせる分泌液を含む肥後芋茎を胎内に咥えたままだった。 床に落ちた肥後芋茎は動かなかったが、妻の胎内で愛液と混ざり乾燥した時の数倍の重量を持ったそれは意思を持つように再度妻の胎内を犯す事を望むようにテラテラと光を反射しており不気味という他無かった。 犯人も同じ光景を目にして何かの衝動に囚われたのか、pcを操作することなくビデオカメラの位置をもどかしげにずらすと、床に落ちた肥後芋茎を掴むとそれを一気に妻に突き刺した。その動きにはせめて陰唇に合わせてから突きこむような配慮は一切なく妻がそれに胸を震わせた事で怒りがこみ上げたが、一方で抵抗なくそれを咥えた妻の股間はすでに充分に性的なものを受け入れる用意が整っていることが知れた。 犯人が白いそれを掴む床にはポタポタと水滴が滴り落ち��それがシャワールームで浸されていた湯によるものか妻の体内で分泌された愛液なのかは判然としなかったが、それが犯人の手にあることで擬似的に犯人が妻を犯している様に感じ後頭部から言葉にならない怒りがこみ上げると同時に、例えようもない程脳内を白く焦がす焦燥感が、股間が下着に触れるだけでも異常な快感を催していた。 犯人はしばらく妻の股間に肥後芋茎を動かしていたが、その動きは時折回転を含めたり、引き抜きかけたそれを性器の上端に押し付け敏感な箇所に快楽を誘う液を擦り込むなど執念深い事が妻の体に伝わりストッキングに覆われた脚に力が入るなど、その反応が犯人を悦ばせていた。 眼下で繰り広げられている妻の陵辱に視線をやるばかりで行動に移せない自身の不甲斐ない姿に無力にも関わらず股間を屹立させている自分が情けなかったが、それを慰めるように柔らかい霧雨が辺りを覆い自分の煮える頭を冷ました。 ガラス面は水滴によって滲むようになっていたが、犯人と妻に気付かれる事は無いように思われたので袖口でガラスを拭うと、それはあまり清掃されていなかったのか更に鮮明に下の痴態を明らかに自分に見せた。 犯人は片手で妻の股間をねぶりつつ、半ば覆いかぶさるように妻の側面に移動すると妻の乳房の下部に手を這わせた。妻は股間から伝わる刺激に苛まされていたが、新たな刺激に素直に反応し咄嗟に脇に置いた両手を犯人の袖を掴んだ。 犯人はその動きに即座に反応し、素早く後ずさると振りほどいた手で所在無げに空を探る妻の両手を掴むとそれをやや乱暴にベンチの後ろに留めた。 犯人の手が離れても妻の手は押し付けられたベンチの後ろにあり、最初は犯人の手によって成された拘束に服従するように見えたことは自分に妻が犯人に征服されているという屈辱を押し付けた。 犯人は身軽に立ち上がると、pcになにか短いセンテンスを打ち込み、傍にあったカバンから細いバンド状の物を取り出すと妻の背後に回った。 ガラスを拭い鮮明になった事で犯人が数本を持つそれの末端に黒い突起があることで配線に用いる束線バンドであることが分かった。犯人は器用に2本を八の字状にして妻の手首を締めると、更にもう一本で妻の両腕を手錠のように拘束する束線バンドをベンチの背もたれに繋いだ。 妻は両腕の動きを留められた事になんら抵抗を見せず、その股間に刺さったものが妻の内壁から性器にかけて充血を誘う粘液を塗り込めた事が神経を刺激するのか時折喘ぐように結んだ唇がぼってりとした陰唇が挿入を誘うようにおずおずと開くのだった。 犯人が妻の上半身の動きを奪った事に満足するように再度妻の乳房に先程より大胆に手を伸ばすと、その背を仰向けに伸ばしてさえ形を留める丸い形は犯人の手に為されるままに白く柔らかな粘体のようにぐにゃりと悶え、先端を金属に噛まれた乳房があちこちを向いている様は自分をからかうように銀とピンクの焦点を揺らすのだった。 時折乳房が外側に伸ばされた時など、その両の乳首を繋ぐチェーンが張り詰め、それが妻のおそらく勃起した乳首をさらに捏ねているものと思われた。 犯人は妻の胸を暫く弄んでいたが、刺激に耐えかねた片足が滑るように床に落ちると同時に妻の胎内を埋めていた白い肥後芋茎が満足した様にずるりと産み落とされた。いつか妻と自分の交わりにより授かると想像していた神聖な出産を穢らわしい形で侮辱された事は悔しく自分の無力を呪った。 気が付くと降りしきる雨に自分の頭髪はしっぽりと濡れ、頭を垂れていることで頬を雨が伝いまるで涙のように滴り落ちたが、それには自分の体液は無く、それも自分の妻に対する愛情がこの行為と相反する事を示し、絶望を誘った。 犯人は妻の股間が充分に潤っている事を確認するように二本の指先を肛門直前にあてると、そこから溢れる愛液をすくい取るように閉じているであろう小陰唇の脇の窪みに沿って指を滑らせ、その割れ目の上端にある割れた肉体の結合部に第一関節を埋め込んだ。 両手を拘束にされた妻はその刺激に素直に背筋を仰け反らせて乳房を震わせて応えた。犯人はその反応に満足したのか二つの指でクリトリスをまさぐりつつ掌を股間にあてると盛大に妻の性器を濡らす愛液を陰毛に刷毛を含ませるように動かした。 しっとりと愛液を含んだ妻の陰毛は逆立つように肌に張り付き、局所を隠す役割を放棄していた。性器周辺に毛の無い妻の性器は上から見ていても露わとなっていた。それは充分な愛部に陰核が特殊な液体を塗り込まれたことで男性器の挿入を待ち望むように充血した陰唇は明るいピンクの色合いが股間でさえ抜けるように白い妻の股間に唐突なコントラストを描いていた。 そこに注目している間に犯人は傍で自分が感心するほど冷静な動作でチノパンツとトランクスを丁寧に脱ぐと妻の前に立ちはだかった。それが妻に行為する手続きでもあるかのようにpcを操作すると上から見て平たい体型に男性器が屹立していた。その付け根には陰毛が茂り薄桃色の肉棒は奇妙に赤子の肌のように明るい色合いである事に違和感を覚えたが、覗き見でさえそれを注目することは決まり悪かった。 犯人は妻のそばにゆっくりと足を運び、未だベンチの手摺にある妻のストッキングに覆われた脚を片手で持つとそれを高々を持ち上げた。それは戦利品をかざす仕草に見え、自分だけのものである妻の肉体を奪った事の勝鬨のように映った。と、犯人はマスクに覆われた顔面をそれに寄せると、妻の伸びやかな白い足をやや濁った色合いで覆うストッキングの爪先に顔をあてた。 犯人をやや上方の後背から見る形だったので直接その裏で行われている事は分からなかったが、ほぼベージュと言って良いほど補強された生地で色合いを濃くする爪先が犯人の首筋から伸びると犯人は徐々に足首から魅惑的な曲線を描く脹脛に次第に姿勢を屈めていった。 それは自分が妻のスタイルでも気に入っている脚を犯人が奪っているのだった。そのマスクから頬ずりしているので無く後頭部がこちらに向いている事で犯人の唇が滑らかな妻の肌に纏わり付く無色のストッキングを舐めとっているものと思われた。 最早自身の無力さを悟った自分は眼下の犯人の行動に見とれており、犯人はストッキングの端の妻の肌に僅かに食い込む辺りまで頭を下げると自分の予想に反して犯人の頭は妻の股間には向かず、暫く妻の太腿の付け根あたりに止まっていた。 一思いに妻を犯すものと思っていた犯人が妻の肉体を堪能している様は胸に穴が空いたように絶望感に囚われた自分の心を食い荒らしたが、その奥底に秘めやかな背徳的な炎を灯したことも確かだった。一刻も早く妻の肉体の正当な所持者である自分が妻を救いたい気持ちはあったが、眼前の犯人が妻を味わう姿は他人が侵されるアダルトビデオでは想像できない程のリアリティを持って脳を焼いた。 犯人は片手で妻の太腿を抑え、柔らかな肌に食い込む犯人の手が薄いストッキングに皺を作り滑らかな曲線にストッキングの生地が分かる程のそれは、脹脛と太腿のコントラストに犯人が妻に食い込んでいる事を知らせた。 妻は両手を拘束にされ、犯人のなすがままとなっており次第に腹を登る犯人に抗う事はできなかった。犯人の頭はたくし上げられたミニスカートで一旦妻から離れたが、再度下腹部に頭が寄ると妻の腹から乳房の下端に差し掛かかかった辺りで動きを止めた。男性ならば妻の魅惑的なほぼ正円を描く張りのある乳房に埋もれる欲望を持つことが普通に思えたが、依然として犯人の頭は妻の片方の乳首に視線が当たる辺りでとどまっており、次第に乳房が押しつぶされて形を歪めたことで犯人が顔面をを押し当てている事がわかった。 男性ならばそれぞれに性的思考があるものだが、乳首を眼前にしておそらく妻の乳房の下端を舐めまわしているだろう犯人の嗜好は自分の考えの外にあった。 しかし、その光景を眺めているうちに意識せずとも吸い付く事を誘う薄いピンクに彩られたその先端より、中に柔らかな組織をたっぷりと満たし重量感のあるその乳房の下端が急激に魅惑的に頭に焼き付いた。 それはやや背を倒した姿勢でも形を保ち見事な隆起を見せていたが、重力に完全に逆らう事ができないために床に落ちかかろうとした肉を乳房の加担は必死に押しとどめており、その二つの圧力により乳首の下数センチの辺りは腫れたようにたっぷりと肉の張りを強調していた。 犯人の行為に妻に新たな性欲の対象を見出した事で羨望の眼差しとなる事を止めるには、意識を保つ事を繰り返し脳に語りかける必要があった。妻の片方の足は床に落ちていたが、もう一方の脚は犯人によって握られている為に股間は曝け出されていた。 犯人は脚を抑えていない手を股間には遣るとやや屈んだ姿勢になっていることで真っ直ぐに妻の膣に向けられた男性器を指で抱えると、そのままスローモーションのように腰を妻のそれに密着させた。 それまでの妻が陵辱されている事から、一線を踏み越えた事は瞬間で理解できず、妻もそれに同調するように動きはなかった。自分が妻が他の男に犯された事を認識した頃に妻は体を撓ませた。その動きは漸く股間に刺さったものが玩具ではなく、股に密着した肌の感覚から生殖を目的とした男性器を挿入された事に戸惑っているようだった。 溜めもなく、自然な動きで妻を犯した犯人に殺意を覚える程の怒りが視野の狭窄を招くほどの憤怒がこみ上げたが、何故かそれを制止するように身体は動いてくれなかった。ただ、窓枠を掴み時折視線を滲ませる雨粒を拭うだけで、妻の震える乳房を悪趣味に彩る装飾の反射と、ベンチに拘束された妻の手首を繋ぐ束線バンドが張り詰めている様を眺めているだけだった。 犯人は何か動力に繋がれているように機械的な動きでその股間にある肉棒を妻の胎内に深々と突き刺しては僅かに身体を引いて、同じ動きで妻を責め苛んでいた。 まだ荒々しい行為の方が妻を奪われた感覚はあっても耐えられるのかも知れなかったが、犯人は自分の意図と正反対に妻を味わう様に性器の根元まで密着させては下腹部の中にあるであろう子宮を目指すように妻を貪っていた。 妻は不自由な姿勢ながら、最初の身体を動きを除いては無反応に、ただ股間を責める犯人に下半身を貸しているだけといった風情だったが、その視線を覆うバンドの下に結ばれた唇は次第に決壊が近い事を告げていた。 犯人は変わらずモーターでも仕込んでいるように機械的な動きだったが、妻の両の乳房の間に落ちたガラス細工を摘まむとそれを引っ張り上げた。 ガラス細工は乳首を繋ぐチェーンの中央にあったが、それを引かれた事で天に向けられた先端はその周囲の柔らかな肉と共にガラス細工に視線を合わせるように形を歪めた。 波状的に股間から入り胎内を蠢く性器の刺激は、先に差し込まれていた肥後芋茎の分泌液で敏感となっている筈であり、それに女性の悦びを示��ない妻の抵抗が自分を支えていた。 自分との性交では特段敏感な部分などなく各所を愛撫すれば、時折自分を喜ばせる喘ぎを洩らす妻だったが、意に沿わずとも自ら着用した乳首を噛む銀色のアクセサリーでそれを刺激されたことで妻は犯人に陥落してしまった。 結ばれた口は薄く開かれそこから洩れた吐息は無色ではなく胎内から溢れでる悦楽の色に染まっていることは想像がついた。同時に妻の眉毛は困ったようなハの字の形となっており、それは自分が正常位で妻と向き合った時の次第に高まる快感と同じ状態にあることを知らせた。 犯人はその妻の姿に満足したように繰り返し上下左右にガラス細工を引っ張り、それに従って二つの乳首が蠢く姿は自分を耐えようのない哀しみに落としたが、自分の手はいつか���間にあった。 さほどの時間ではなかったと思うが、次第に犯人の腰の動きは激しくなり、当初前後に妻を貫いていた行為は半ば妻に押しかかるように斜めのスライドとなっていた。焼け付くような感情と共にそれを見守っていたが、同じ男性だけあり次第に高まってゆく行為に終わりが近い事を見て取ると、プールで潜水のゴール地点で感じたような終わりを知った我慢のような感情が自分を抑えていた。 犯人は妻の胸にガラス細工を戻すと、すぐそばで握ったままの妻の脚に顔面を擦り付けた。苦しい姿勢と思われたが高々と掲げられた妻の膝裏の匂いを嗅ぐような姿勢はすぐに成熟した女性の色気を放つ脹脛に移っていった。腰を振る動きと連動せず、奇妙な協調感を持って犯人の顔面はストッキングに覆われた妻の魅惑的にな脚線美に頬擦りするようにまさぐっていた。 と、急激に自分の背筋を寒くする事実に気がついた。先ほど犯人が妻を器具でまさぐってから挿入に至るまで犯人が股間に避妊具を着用した形跡はなかった。想像でも犯人の肉と、それを迎える妻の微妙な凹凸に埋まった性器が直接触れている事は気色が悪く、犯人が妻の奥底で汚濁した液体を噴射する事は絶対に許す事はできなかった。 例え妻が胎内に犯人の指示によって避妊具を装着していたとしても、妊娠の危険以前にそのドロリとした液体が妻を染めてしまうのではないかという危惧が急速に不安感を募らせ、窓枠から動かなかった手がおずおずとそれを離した。 行動に移ろうとした瞬間、犯人は何ら違和感の無い動きで性器を妻から引き抜くと片足をベンチに載せると身軽に妻に倒れこむようにベンチに立ち上がった。 今まで犯人を咥えていた妻の性器は興奮のよる充血で赤くぬめり、その前に立ちはだかった犯人は束線バンドの辺りに手を掛けると腰を迷わず突き出した。 その先には妻の唇があり、犯人の腰が自然に押し込まれた事は妻がそれを性器と化した口内に受け入れたものと思われた。 妻が顔面に自分以外の男性器があることに屈辱感に蝕まれている事は疑いの余地はなかったが、犯人はそれを全く無視しては妻の口を犯していた。 アダルトビデオの男優のように露骨な動きではなかったが、犯人の腰の動きが止まったことをみれば、恐らく妻の口内にその汚濁した液体を放ったものと思われた。 妻の胎内にそれが撒き散らされなかった事で安堵にするべきではなかったが、それが自身に沸き起こる感情の全てだった。 自分であれば妻との性交の後に短い休息を取るのだったが、やがて犯人は妻の前から去ると徐々に元気を失ってゆく男性器を垂らしながら元いたビデオカメラの前に残った。 その行為は不思議だったが直ぐに答えは分かった。犯人はカメラの三脚をたたみ、棒状の先端にビデオカメラが載った形となった 犯人は棒を抱えつつ、妻の濡れそぼる股間から、悪趣味なアクセサリーに彩られた胸をなぶるように細かな動きで撮影すると、それを妻の顔面にあてた。手を拘束にされている事で涎を拭うこともなく、無気力にベンチに身を投げた妻の胸にその涎が這うように妻の肌を流れ落ちた。 透明でなく質量感をもって妻の肌を這うものは犯人が射精したものに間違いはなく、その時妻が口内をすすぐために吐き出したやはり白く濁ったものと乳房の間で合わさり、速度をあげるとミニスカートの裾に吸い込まれていった。 その犯されたあとの無気力な女性の姿は、先程から股間にはあてた手の動きを誘い手の届かない妻を材料に異様な快感が背筋を登ると僅かな間で絶頂に達してしまった。 寸前で動きを止め慌てて股間を露出すると、手を添えていないにも関わらずその先端から数センチの屋根にドボドボと大量の精液を放出した。 それは粘度が高く張り付いたところから動く気配を見せず、股間にはまだ放つべきものの存在を感じ手を添えるとその刺激で更に精を放った。股間の奥が締め付けられるような感覚が襲い、窓枠から手を離すとその脇にへたり込んでしまった。 霧雨が顔を洗い股間に残る快感の残滓を味わいつつ身体を横たえると、頭がショートしたようにそこから動けなくなってしまった。 頭の発する動きに四肢の反応は鈍く、いつか頭を降ろしそのまま霧雨に晒して憤怒を溶け込ませるように冷ます感覚に身を預けた。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫11
熱の残る身体での出張は億劫であったが、駅で部下と会うと電車に乗り込み目的地までは眠りこけていたので到着した頃には爽快な気分となり打ち合わせに備える事ができた。 先方はこちらの意欲を察したのか、前回の倍ほどの人数での対応となっており休日の打ち合わせとしては異様な空気の中打ち合わせを進めた。事前に部下が資料をまとめていたため、夕方より前には打ち合わせを終える事ができた。部下と今日の行動を相談したが、ホテルの予約も済んでおり、帰りの電車も予約していた為今日中に帰ることが出来たとしても余分な交通費の出費となってしまうために、早めにホテルにチェックインする事にした。 部屋に荷物を置き、事後の対応を部下の部屋で話していると緊張が解けた部下は明日はこの近辺を観光してから帰りたいと申し出た。自分としてもやぶさかではなかったが、最近の妻の行動に家を極力開けることは避けたいと思い、また弱った身体も疲労を訴えていたので今日中に帰りたいと思った。 目の前でノートpcを開き、観光する場所を探している部下を見ていると、あるアイデアが浮かんだ。 妻には今日は宿泊すると伝えてあるので、何らかの行動を移す可能性があり、それは犯人との接触を捉える好機であるかもしれなかった。妻か犯人が自分の携帯電話に潜り込んだ不埒なソフトウェアを利用して自分が遠隔地にいることを確認しているなら、部下に携帯電話を預ける事で自分の所在を隠匿することができるのだった。 ただ、携帯電話を預けることは一般的に不審な行為であるので、その対策を考えねばならなかった。 部下は顔をあげると、明日は観光地でなく近隣の電気街を回ることにしたと告げた。考えていた頭に急に入ってきた情報に戸惑ったが、瞬時にそれが自分にとって好都合であることが分かった。もし位置を調べられたとして観光地であれば不自然さを感じられるかもしれないが、電気街であれば企業も多くあり商用と理解することは無理のない説明になる筈だった。 その考えを進めると、このホテルにこの電話を忘れた事にすることが好都合と分かった。妻からの電話があった場合に部下が出てしまう危険はあるものの、その点は部下に電話に出ないように話しておけば良く、マナーモードを設定しておけばそのリスクも回避できるものと思われた。 プランを立てると早速行動に移し、自室に戻ると妻に電話した。数コールの後、いつもと変わらない妻の声がスピーカーから流れた。その口調が普段と変わらないことに安堵したが、手短に今日は泊まりになることを僅かな罪悪感とともに告げると早々に電話を切り、ベッド脇に備え付けの充電器に接続し手早く支度を整えると部屋を出た。部下の部屋をノックして出発を告げると足早にチェックアウトの手続きをとった。 ホテルの清掃がいつ入るかはわからなかったが、電車に乗る時間はおかなくてはならないことがもどかしかった。駅に着くとホテルに電話するために公衆電話を探したが、携帯電話の普及に従ってそれは姿を消しておりそれを見つけるために駅を一回りしなければならなかった。 ホテルの領収証記載の電話番号に掛けると、携帯電話は記録のある住所に宅配便で送付するとの事だった。説得に数分が必要だったが、予約を会社でとっていた事もあり部下に携帯電話を預けることの了承を取り付ける事ができた。 計画を踏み出した事に高鳴る胸を抑えながら、部下に電話をすると自分の携帯電話を持って帰るように指示した。心配していたほど部下は案ずる事なく二つ返事でそれを受けると、明日の帰宅時に自宅に届けると申し出てくれた。それを考えると、自分の帰宅時にに携帯電話を所持していないことは妻に自分と携帯電話が別れて行動していた疑念を与えかねないと思考が進み、明日近隣の駅で受け取る事にした。 受話器をフックに戻すと、異様な開放感を味わった。これからの自分の行動は隠密であると同時にこの都会で自分に連絡をつける術は無くなった事で完全な自由行動となったのだった。 まずは部下と遭遇する事を避けるため、近郊線に乗り込みこの町を離れるべきだった。携帯電話がないために路線検索ができない不自由はあったが、ひっきりなしに到着と出発を繰り返す電車に乗り込むとその場を離れた。 数駅離れた場所で電車を降りると、人の多さに閉口しながら駅ビルの電器店に入った。妻の行動を確認するためにインターネットカフェに入る事も考えたが、人の多い都市部ではそれなりにセキュリティ上のリスクを考えたのだった。 pc売場でノートpcを数点見ると会社で使用しているものとほぼ同じモデルがあり、値段も相応だったのでそれを購入することにした。店員の愛想の良い対応を受けながらレジに向かおうとすると、通信機器もセットであれば割引特典があることを知らされた。 ここではノートpcを購入し、別途携帯電話を契約しようと考えていたが丁度良いタイミングだったので音声通話無しの通信機器を併せて購入した。自分の行動がここまでは計画済みであったところ、その行動を後押しするような案内に不思議に計画が進むことを考えていた。 通信機器の設定のため数十分待つ必要があり、その間に別館の衣料品店に向かうと地味な上下とスニーカーを揃えた。 電器店に戻ると準備が出来ており品物を受け取るとそのままトイレの個室に入った。清掃はゆき届いていたが特有の清潔臭に閉口しながら着替えを済ませた。スーツの一式を衣服を購入したショッピングバッグに収めて個室を出ると、鏡に映る自分は片手にpcを収めた箱を持ち、思いのほか嵩張るスーツ一式がショッピングバッグを膨らませている様は異様なものだった。 外を歩くことにやや躊躇いはあったが、道ゆく人々の視線は虚ろに前方を見ているか携帯電話を見ているかの二択で、他人に興味を持たない都会で自分が埋もれる事に密かに満足した。 コインロッカーに衣服を預けると、再び電器店に戻り仕事で使いたいことを言うと開梱と包装の処分を依頼した。先程の同じ店員だったので一瞬店員は自分に目を留めたが、さほど混雑していない状況もあるのか、カウンターで手際良く品物を取り出すと、必要なものだけ自分に渡してくれた。 店員を前にして品物を受け取りつつ、自分の姿を顧みれば先程と服装が異なっていることに気が付いた。気が急いていたので続けて行動してしまったが、順番として衣服を購入して着替えをしてからノートpcを購入すれば無駄な疑念を持たれることはなかった筈だった。 自分の間抜けさにやや呆れたが、その行動が過度に問題となることでもないと思い直し、エレベーターに乗ると上階のレストランに向かった。 時刻は夕食刻を過ぎていたが、休日であるのでどの店も混雑しており一人の自分が並ぶには違和感があった。窓から外を眺めると色とりどりの煌めきが目に映り、改めて自分が自宅から遠く離れた場所にいることを実感した。 視線を下に向けるとファストフード店の看板が目に入り、そこに向かう事にした。空いているわけでは無か���たが一人座る場所はあり、明らかに外国人と分かる店員の口調に面食らいながら席についた。 ハンバーガーを齧りながら、久しぶりのジャンクフードの安い味わいに妻の作る食事との乖離を感じつつ、新品のノートpcを開いた。 焦れる自分の感情を宥めつつ初回起動時の設定を済ませると、通信端末と接続した。 思いの他通信速度は早く、妻の携帯電話の位置情報サービス画面を開くことができた。所定のパスワードを入力すると画面には情報を読み込むアイコンが表示された。ガヤガヤと騒がしい店内の音が消え自分の目はただ画面に集中していた。一瞬で画面が切り替わると、カラフルな地図が映し出された。 最初は表示された地図がどこであるか分からなかったが、目立つデパートの表示から自宅近郊の都市の駅と知れた。妻が自宅にいないことは軽い衝撃だったが、自分が不在の休日に妻が夕食を兼ねてそこに出掛ける事に不審はなかった。やや高まった鼓動を感じつつ、その画面を注視していたが、位置情報はこちらからのリクエストがない限り画面は更新されない事に気付き我に返った。 眼前のガラスに人の流れを眺めつつトレーに残ったポテトを片付けながら、位置情報のリクエストを行うボタンをクリックしたものかと思案していたが、あまり頻度が多いとバッテリーの減りに影響するかもしれないと思うとそれはジレンマだった。 十数分かけて飲み物を飲み干し食事を終えると、思いを決めて先ほどからポインタを合わせてあったボタンをクリックした。 どうか妻が家路についていることを願って表示の更新をまったが、ノートpcは非情な答えを返した。その位置は鉄道の線路上にあり、位置が時間の経過よりも離れていることから在来線でないことは明白だった。その向かう方向は自分のいる首都圏を目指していることが困惑させたが、自分に会うために向かっている訳ではないことは最近の事件から類推できた。 事件を解明するための細い糸の先端を摘まんだことが分かり、興奮がこみ上げたが、同時にこれからの自分の行動は重大な結果をもたらすと思うと冷静さを取り戻す自己暗示じみた思考が自分を落ち着かせた。 まず、妻の行先について考えた。途中に駅は幾つかあるので、それに下車する可能性もあったが、以前妻との電話で耳にした駅の発車メロディを考えれば妻がこの地域に来る確率は低いものではないと思われた。 到着まで数時間あるのでその間の行動を検討すると、妻がどこであれ到着した後に追跡する手段が必要な事がわかった。交通網が発達した地域であるとはいえ到着見込みの深夜ともなれば本数も多くなく、タクシーの利用も有用である筈だった。 が、ノートpcの画面を見ればバッテリーの残量は半分を割っており、通信端末も同様に購入したばかりであることを考えれば無理のないことだった。 充電についてはインターネットカフェやホテルでも可能だが、これからの行動に不確定要素が多いことはその案の選択を躊躇わせた。考えを巡らせて窓を見渡すと、視界の端にレンタカーの店舗が目に入った。 レンタカーであれば車内で充電も出来、迅速に移動ができることを考えると、迷わず即座に店舗を出るとそこに向かった。自家用車があるのでレンタカーを利用した事は無かったので手続きに待たされる事にやや苛立ったが、予約なく借りることが出来たことは幸運だった。 車に乗り込みシートベルトを閉めながら、星の見えない空を見ながら今晩に目的を達成する為に、どれだけの幸運が必要になるか考えるのだった。 車を発進させ閉店間際の電気店に駆け込むと、車のシガーソケットから充電する機器を購入した。包装を手荒く開き車に接続をすると充電中となった表示に満足しつつ車を発進させた。 実家には近くなかったので土地勘はなかったが、数分車を走らせれば静かな住宅街に入り駐車場の広いコンビニに停めた。妻が到着すると思われる時刻まではまだ時間があったので少し休むことにした。アラームをかけようと携帯電話を鞄に探すと、それが自分の身代わりとなっていることを思い出すと思わず苦笑し、泡立つ思考の頭で眠ることが出来るかと訝しかったが、レンタカーの室内の香りは妙に自分をリラックスさせシートを倒すと間も無く意識が遠のいた。 自分としては短い休息と思ったが、深夜に差し掛かる時間帯となっており、コンビニの駐車場には自分の車だけとなっていた。ノートpcと通信端末の充電がほぼ満充電となっている事に満足すると車を降りコンビニに入った。 これからの行動に備えて食事を買い込むと車で膝に載せたノートpcを起動しながら食事を済ませた。妻の位置情報を確認すると、地図の指し示した場所は、自分の居場所から数十キロ離れた駅付近だった。 自分が来たように終点まで電車に乗っているとの予測が外れ意外に感じたが、車で移動すれば夜間であることもあって1時間以内には到着できることに自分の用意の良さに満足感が込み上げた。 カーナビに目的地を登録すると高速道路に乗り入れ、用心の為etcカードを使わずに料金所を過ぎると一目散に妻の元へ向かった。 高速道路道路の運転中は位置情報を確認できなかったので、料金所を過ぎると直ぐに車を停め妻の所在地を探した。駅の周辺にいるものと考えていたが、妻は現在地から離れ山間部に向かっていた。妻が秘密裏に犯人と接触するならば都市部のホテルあたりだろうと思っていたところその行方に戸惑ったが、ともかくカーナビに新たな目的地を設定すると車を発進させた。 偶然だったが、実家に暮らしていた時に走った事のある道路を走ると、学生の時分にはこのような事態に巻き込まれる事など考えたことは無く安閑と暮らしていた記憶が蘇り嘆息するばかりだったが、見知らぬ土地を運転せずに済むことは有難かった。 信号で停止する時など位置情報を確認すると、妻は自分から逃げるように街の光が疎らな辺りまで移動しており、その事は移動中であれば妻が陵辱されていることは無いと思えばこのまま朝まで追跡する事を願うのだった。 最早山道と言って差し支えない曲がり道が続く道に入ると自分と妻の距離が近づいた事に警戒心が芽生え、一旦車を停め妻との距離をとることにした。黒々とした森の木々に覆われたそこは物音一つなく、車のヘッドライトを消すとノートpcの画面だけが唯一の光となった。 あまり位置情報を要求する頻度をあげる訳にはいかないので、苛立ちながら時間の経過を見守ったが、デジタル表示の数値は遅々として進まなかった。 十分ほど過ぎ、操作をすると妻の動きは止まっていた。そこはさほど離れておらず川に沿って数戸のコテージが並ぶオートキャンプ場だった。その健康的な施設のイメージはあれこれと妻が連れ込まれるであろう場所を想像していたリストに無く意外感があったが、ホテルなどと異なり性的な意味で人目をあまり気にする必要がなく、予約や宿泊にあまり詮索されない点では犯人が自身を秘匿する点では優れているのかもしれなかった。 最早そこから移動することもない思えば、そこへの接近を開始すべきだったが、まずは地図でその詳細な情報を得ておくことにした。 便利なもので、地図を航空写真に切り替えると川の幅や建物の位置など頭に入れておくべき情報を一通り仕入れることができた。コテージの紹介サイトではそれぞれの部屋の間取りが写真付きで詳細に説明されており、できるだけそれを目に焼き付けるように頭にいれた。 自分を暴露することは絶対に回避するためやや距離があっても道路のかなり手前に車を停め、川沿いの歩道に降りて向かう事にした。 着替えた服が暗い色合いである事で自分の姿は暗がりに溶け込むことに安心感を覚えたが、整備がゆき届いていない歩道を進むことは骨が折れた。 数分で目が暗闇に慣れ進む速度が上がった頃に、遠くにコテージが見えるようになった。休日を過ごす学生と思しき歓声が川沿いに響いておりそのまま進むことを諦めると、浅瀬で川を渡り対岸から接近する事にした。 靴を脱いで川に足を入れると衝撃が走るほど冷たい水が足を締め付けたが、黒々と不気味に流れる川を渡り終えると姿勢を低くし、歓声を回り込むように上流側に移動した。 上流では川幅が狭くなり岩場だったために足を濡らさずに移動することができた。眼前にはコテージが十数棟見下ろす事となったが、そのどれに妻が囚われているかは分からなかった。 しばらく辺りの様子を伺ってみたが、川沿いにバーベキューの後片付けをしている数人の他は疎らに人が時折歩いている程度で手掛かりは掴めなかった。時間が過ぎると共に焦りが増していたが、吹き抜ける涼しい風が頭を冷ましてくれた。 建物ばかりに注目していたが、ふと気づくとカーテン越しに灯りの漏れるコテージにはそれぞれ軒先に車が停められていたが一つだけ車がないにも関わらずカーテンから光が漏れるものがあった。 犯人が自分を隠匿するためにこのような場所に妻を呼び出したとするなら、自家用車であれレンタカーであれそのナンバーを記憶されることは避けると思われ、その延長で考えるなら車の無いコテージは疑わしかった。 丹念に記憶した地図を思い出すと道路からスロープで敷地に入ると駐車場と思われる空き地を挟んで管理棟があったことが思い出された。 疑念のコテージに接近する前に、自分が犯人の意図を出し抜くためにまずは駐車場を確認する事にした。 車道に出るために暗い灌木の間を歩いていると、自分が暗闇に同化したように思え、子供の頃には不安を募らせるだけだった夜の闇が自分を覆い隠すマントのように静かに心を慰めた。 車道の手前にはコンクリートで固められた斜面があり、その取付部分は真っ直ぐに駐車場へと続いていた。その上を歩いてゆけば辿り着くのだったが自分の潜む暗闇から出ることが不安感を募らせ、そのまま土手を進むと管理棟の裏手を抜けて駐車場にでた。裏から見る管理棟は暗く静まっていた。それを安心感を材料にしながら駐車場を見渡したが目的の車は見当たらなかった。自分の推測が外れたことに失望感を持ったが森に沿って探索を続けると川に一段降りた場所に3台の乗用車があった。 この場所に車を駐車していあることはやや不思議だったが、直ぐにその答えは目の前で展開された。ランタンの光が河岸から上がってくると数人の人影がキャンピングチェアなど資材を運んでおり、車に歩み寄ると車は帰りを待っていたようにハザードランプを点滅させた。 その際のピッピッという信号音は静かな辺りに響き、気づかれるはずが無い距離であっても自分の肩が思わず反応してしまう程の衝撃があった。 明るい笑い声はスライドドアが閉まりエンジンの始動音に消えると砂利を跳ね除けて車は急発進し見ている自分を再度驚かせたが、そのまま駐車場を経由してコテージに向かったようだった。 車がここに駐車しているのはバーベキューの資材を河岸に運ぶためと判明したが、川岸には人影はなくここに残った2台の車は調べる価値がありそうだった。 開けた場所なので身を潜めての行動は返って疑念を抱かれるので、暗がりから身を乗り出すと極力平静に歩き車の傍に立った。ナンバーを確かめるとワンボックスはこの地域のナンバープレートでありフロントウィンドウに幾つもの可愛らしいぬいぐるみが陳列されているところをみるとそれは犯人のものとは思われなかった。 もう一台はありふれた小型車で確信を持ってそれを調べるとナンバープレートがレンタカーのものであることに喜びを感じてしまった。一瞬の事であるとはいえ置かれた状況を忘れ推測が当たった事にポジティブな感情を持ったことは軽率以前に唾棄すべき行為であると思うと、体をコテージに向け、半ば睨むように視線をコテージに据えて例え妻が嬲られたとしても犯人の手掛かりを得ることを噴き上げる怒りと共に心に誓うのだった。 川に面して建てられたコテージのベランダには人影はなく、頭に血が登った勢いで自信を持って早足に犯人がいると思われるコテージに川岸を迂回して向かった。 目的のコテージは緩い斜面に川に面して建てられており、斜面から接近したことでベランダの下に身を寄せるとそこは川面を除いてはどこからも死角となっていることに安心し次の行動に移った。手をベランダの床に掛けると頭を覗かせ恐る恐るカーテンの下の数センチの間隙から見える様子に目を凝らした。 木製のベンチの足のような物の他には何も目に付くものはなかったが、車の中で見た記憶を手繰り寄せそこが唯一の広間であったことを思い出した。その他にはシャワールームと奥にキッチンがあり、寝室は梯子で登るロフトにあった。 間取りを見えている細い映像に重ねると見える視界が立体感を持って頭に入り、只の景色としてしか見ていなかった色の変化にロフトに上がる梯子の足や、キッチンの冷蔵庫など把握できるようになった。 数分間変化の無い景色を眺めていたがその視界の狭さが次第にもどかしくなってきた。一旦地面に降り明るさに慣れた目を夜目に戻すと辺りを伺った。川に面した部分ではまず気付かれる事は無いと思われたが通りに面した反対側での行動は危険が多いものとは判断できた。地面が土にわずかな雑草である事は足音を忍ばせる事に役立ち、ログハウス風にどっしりとした木材で造られた側面にまわると側面に空いた小さな窓からシャワーの水音が響いていた。 微かに鼻腔をくすぐるシャンプーの香りは自宅の入浴時の安らぎを思わせたが、自分の意識はそれを覗く事に集中していた。窓は外からの視界を遮るため下部をヒンジにして上が開く構造となっているので自分の視線をそこに合わせることは難しそうだった。水音は自分の行動による音を隠す事を考えるとシャワーがいつまでも続くとは思われないため行動を急ぐ必要があった。 建物の側面には丸太を重ねた事で手を掛ける事ができそうな窪みがあり、その先に視線を向けると玄関側の角には丸太が突き出し階段状に足場として屋根に登ることができるかもしれなかった。時折音を変える水音を聞いているとこの先の行動の可否の判断に迷ったが、 足を踏み出すと十数メートルを時間をかけて進み、通りの様子をみると静まり返ったコテージの奥に小さなランプを灯した管理棟が見えるばかりだっった。 遠目に見た角の突き出した丸太は足を載せ踏みしめても音を立てる事なく作りの頑丈さを感じさせたが、意を決して登る事にした。 バランスを保ちつつ物音を立てないようにする行動は骨が折れたが、急いで通りに面した部分から離れシャワールームの上部に移動した。 既に水音はなくなっており、静寂に包まれた環境では先ほどより音に気を付ける必要があったので身を屈めると慎重に屋根板が柱に支えられている部分を選んでそろそろと進み、一動作毎に細心の注意を払いながら腹這いの姿勢となった。 日がくれて相当の時間が立っているにも関わらず肌に当たる木材の表面は仄かな暖かさを感じさせ、健康的な心地よい木の香りと合間って自分を励ましてくれている様だった。 耳を屋根に当てても何も物音がせず、この建物の内部で行われている事を解明する為に行動を始めた。まずは先ほど見上げたシャワールームの窓に向かい体を向けると頭を縁から垂らし空いた隙間から視線を内部に向けた。 そこには人のいない狭いシャワールームがあり先ほどまで使用されていた事を示すようにむっとした湯気が顔を洗った。側面にあるスライドドアはモザイクガラスとなっており、そこに光がある為に人影が見えた。はっきりと見えないながらも、ほっそりとした体型からそれが女性であろうことは想像ができた。そのモザイク模様は全裸のようで柔らかな肌色だったことは、妻で無くとも犯罪的な行為をしている事で背徳感がこみ上げたが、頭髪の様子からおそらくこちらに背を向けていることが判明し、手を挙げてなにか胸のあたりに手をやっている様子をみると興奮が背徳感を押しやるのだった。 やがてモザイクの画像は暗い色合いのブラジャーを手際良く着用すると、そばにあった椅子を引き寄せそれに腰掛けた。ショーツを履いた動作はなく腰掛けた事は不審に感じたが見ている間に床から何かを取り上げるとそれを爪先に当てたことでストッキングを身に着けようとしていることが知れた。 モザイクがかった映像でさえ優美な脚線は魅惑的な滑らかさを感じさせ興奮を増したが、それを延ばす仕草は太腿で終わった。そのストッキングはいわゆるパンストではない事にさらなる興奮を湧き上がらせていると脹脛あたりを摘み延ばしていた。 血が登った頭でも、この時間にシャワーを浴びてからそれを着用する目的は性的なもの以外には考えられなかった。屋根に密着した胸からは鼓動が早まっている事を知らせたが、身動ぎもせずそれを見ている事は鼻息が荒くなる事を抑えることで精一杯だった。 窓の向こうの女性は片方の脚に同じ動作をすると、短いスカートの様なものを座ったまま履いた。自分の妻であればそのような行儀の悪いことはしないと思われ、安心しようとしたが次の動作でそれは裏切られた。 突然手が窓の枠に掛かると自分が頭を上げる間もなくそれは開き、視界の中央に妻を見た。 高まった興奮は心臓発作でも起こしたように意識を暗くさせたが、一層の血流を要求する脳に心臓はふいごのように勢いよく血行を促進し、瞬間で意識を確かにする事ができた。 眼前の妻の表情は屈んでいるために見えなかったが、シャワールームの床に置かれたバケツから柔らかな棒状の繊維を取り出した。それは以前犯人からの映像にあったものと一致し、それが肥後芋茎であることは分かったが、頭では妻が望むとも望まなくとも性的な行為が行われる事は確定した。 湯の滴るそれを妻は握るとポタポタとしたたり、表面に光を浴びて湿りながらも白いその物体は生き物のように見えるのだった。思考が止まったまま眼球だけを妻に向けると、妻の豊かな胸はいつか買い物で妻が購入していた黒い下着とセットのブラジャーだった。それはハーフカップであるため、首筋から乳頭に至る滑らかな曲線を乳房の寸前まで露出させており白い肌の膨らみが魅惑的な突起に達する寸前で唐突に黒い覆いを被せていた。 大腿までのストッキングの端のストッパーが柔らかな肉を締め付けていたが、その上には自分が見たことのないプリーツの多く入った黒いミニスカートが被さっていた。先程の動作でショーツを履いたものは無かったので座った姿勢ではほぼ太腿を限界まで露出させるミニスカートの奥には遮るもの無く妻の性器があるはずだった。 その衣装は十代なら着るようなものだったが、妻の様に成熟しふっくらとした肉体にそれが被さっている様はいやらしいとしか言いようがなかった。 また、奇妙な事に妻の首には細い銀色のネックレスが見えた。それは胸の谷間で結合すると大きめの安っぽいガラスで装飾過剰と思われる派手飾りが下に垂れており、妻はまず身に付ける事の無いような下品な物だった。 白い肥後芋茎はそれ自体が意思を持つように妻の細い手を従えて妻の眼前にあり、顔を上げた妻の表情はどこか感情が弛緩したようなのぼせた面持ちで湯上りによるものと信じたかったが化粧ではなく頬は薄く色付いていた。 白い性具は妻の目の前から降下すると、妻はそれを股間に当てた。誰にも見られていない開放感がそうさせるのか恥じらいなく性具を持たない手も股間にやると白い陰茎を補助するように妻の性器の上端に指が伸びた。優美でありながらこの場ではもう一つの性具と化した妻の指は大陰唇に被さるように手を当てると、その奥から湧き出す甘美な液体をすくうように筋にそってスライドし、まだ肉に覆われたクリトリスを起こすようにそこをねぶるのだった。 妻の行為とも思えなかったが、単純な動作を繰り返しながら機を伺っていたもう一つの手に握られた白い肥後芋茎は肛門あたりに押し付けられぐにゃりと形を曲げると後ろからの圧力に負け、真っ直ぐに妻の小陰唇を掻き分けて侵入を果たした。 その瞬間の妻は何の変化もなく、それを受け入れているようだったが耳に聞こえてくる妻の吐息は、溜息のようでありながら股間と連動する様は明らかにその脳髄に女性の歓びを伝えている事が分かった。 アダルトビデオのように派手な悦楽の声ではなかったが、生々しいその吐息は自分の股間をさらに充血させた。 上半身に悪趣味なアクセサリーと黒のブラジャーを着け、艶やかな肌を更に滑らかに仕上げるストッキングにミニスカートのみ身に着けて快楽に浸る眼前の女性は自分の愛する妻とも思いたくなかったが、性具を更に自身に押し込み淫らな姿をさらす女性は間違いなく自分の妻だった。 妻はしばらく背を曲げて動作を繰り返していたが、股間から背骨が曲線を描いていることで胎内に侵入する物体が奥底まで届かない事に思いが至ったのか、いまや艶かしいピンクに震えるクリトリスから手を離し傍に手を支えとすると、背を伸ばすというよりは僅かに仰け反らせると胎内の肉壁の隅々まで性具を味わうように深く自身を貫き、喘ぎといって差し支えのない声を漏らした。 自分の清楚な妻の裏面を見るようで苦い思いが込み上げたが、唾液を吐き捨てることもできず眺めていると妻は洗面台にあった黒い物体を片手で持ち上げると両膝を閉じて胎内に迎え入れたものを留めると、黒い物体を引き伸ばし頭に当てた。塊状のそれは引き伸ばされたことでバンドと判明し、自分の想像通りにそれで妻の視界は失われた。 そのまま立ち去るかと思っていたが、妻はそのままバンドを首に下ろすと、濡れて生乾きの艶やかな髪を滑らかな所作でバンドを潜らせると、再度バンドに手を掛けて目線を覆うのだった。 髪に隠されたバンドは妻のこめかみから黒く視線を塞いでおり、ブラジャーにミニスカートの倒錯的な姿をより淫らに熟れ自由を奪われた成人女性の猥褻さを放散していた。 妻は膝を広げると股間にあるものを愛おしむように片手を股間に当てたまま立ち上がり、意外にしっかりとした足取りでその場を後にした。数歩でドアがあるようで比較的大きな音がするとドアが閉められたことが分かった。 今脳裏に焼き付いた妻の姿を反芻するように思い出すと、湯上りの化粧を落とした姿は自分が妻と交わる時と同じであり、それが自分以外の他人に露出することに怒りよりは寂寞感が胸に染み渡った。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫10
読むとその他愛のない内容に気が抜けた。それはただの旧友からの知らせと思われ、秘密の暴露などなかった。期待に高鳴っていた胸の鼓動は静まってはいなかったが、頭を振ると少し静まった目で再度それに目を通した。 まず、それを書いた者が気になり手紙が入っていた封筒を裏返して見たが、そこには返送先の住所などなく宛先は妻の実家の住所で宛名は妻の名前となっていた。 内容から推定するとその手紙を書いた者は妻の学生時代を知っていたと思われた。2年生での大きな出来事との記載も気になったが、わざわざ住所を伝えるに用紙の下に書かれたインターネットアドレスを書いてある点は不信だった。と、妻を嬲る犯人が海外のファイル共有サイトを常用している事が頭の中で繋がった。 考えるほどのこともなく、最初の一読で気がつかなかったことが不思議な程、それは犯人から妻への最初の連絡と知れた。犯人と妻とは学生時代に何らかの接触があり、犯人は再び接触を求めているのだった。 そこから考えれば、妻が大学卒業の後、この地方に戻って来た事が得心できた。妻は首都圏の暮らしで、2年生の折、大きな出来事に遭遇しそれから避けるために戻ってきたのだった。 脳内の一部は証拠もなく推定にしがみつく事の危険を訴えていたが、その紙片がこの閉ざされた場所にあることが何よりの証拠と別の頭が牽制するのだった。 妻はこの地域の高校生までの友人とは交流があったが、大学時代の友人と会うことは少なかった。結婚式には数人の女性を招いていたが特段怪しそうな人物はいなかったと思われた。首都圏と離れた地方という事もあったが、新婚旅行の際に海外出発の前日に空港近隣のホテルにしようと提案したが、妻が不便にも関わらず前日にこの地方の都市にあるホテルに宿泊して早朝に出発する事を推したことを思い出した。 空港までも駐車場料金が高額になるにも関わらず自家用車で向かう事を主張する妻を思い返すと、その当時は新婚生活で他者の介在しない時間を少しでも多く取るためと思ったが、妻は首都圏を避けているのかもしれなかった。 犯人へと近づく過程の手掛かりを手に入れたことに複雑な満足感を味わったが、取り出した物を寸分違わない形で戻す事は骨が折れた。狭い穴から身を乗り出して不毛な事をしている姿を第三者が眺めたら呆れるに違いない筈だったが、自分は妻の秘密に触れ、また一つ��掛かりを得たことに満足しており、事務作業のように散文的なものとしてそれを片付けた。 一旦外した屋根裏収納の板材を元通りにはめ込むと、抜いた釘を刺し戻した。そこは元通りの暗闇で自分が痕跡を残さず片付けた仕事に満足すると階下に降りた。 電源を入れたままのpcの前に座ると、秘密の手紙にあったアドレスを入力した。海外のサーバと思われ、画面の下部にある進行状況のバーに目を留めていたが、それは遅々として進まず、やがて一気に伸びると画面にはファイルが既に無いことを告げるメッセージが写しだされた。 犯人が痕跡を残す筈も無いと思っていたが、やはり画面の表示には失望感を拭えなかった。犯人からの自分宛のメッセージも確認したが、それは依然として無く、前に送った仕掛のあるファイルを犯人が送ってくることが待ち遠しかった。 その頃には日も傾いており、これからどうしたものかと暫く思案していたが、昨日帰宅して置いたままの鞄に、若者のノートpcから抜き取ったファイルがあることを思い出した。 昨晩はそれが頭の一部を確実に占めていたのだったが、風邪を引き込んだところに妻の痴態を示す映像をみてすっかりそれを忘れていた。家の中で走る必要もなかったが、急な切迫感に囚われ小走りに鞄をとって返すとメモリをpcに差し込んだ。 コンピュータウイルスを懸念したがdosから起動した為、ウイルスが活動する事は無いと思い直すと、画面には無数のファイルが写しだされた。それは画像ファイルであったので、ファイルの読み込みが進むと同時にその縮小映像を次々に写していった。 切手ほどのサイズのため、それが何を写したものか判然としなかったが、一枚を開いて直ぐに内容が分かった。それは若者が職場の机の下に隠匿したカメラから集められたものだった。 あまり解像度が高くない映像の上、暗い場所で撮影しているため、一部に荒い部分もあったがそれが椅子に腰掛けた女性用の股間を狙って写された事は明白だった。 会社の制服はどこにでもある地味なもので、元々のスカート丈は膝を隠す程度のものだったが、そのまま着ている者などおらず、大抵がウエストを折り込み短めに履いているのだった。 画像は下半身だけだったので庶務に勤務する女性などあまり知らない自分には誰か判別することは出来なかったが、むっちりとした肉感的な太腿がストッキングに包まれ、魅惑的な陰影を見せながら、スカートに隠された辺りで色を濃くしているものなど、外に見せることのないストッパー部分を見ることは既に先程妻で精を放った股間を勃起させた。ビューワーに表示されるファイルの作成日はどれも深夜となっており、おそらく膨大な時間の動画から一心不乱に見所を切り出して静止画にしている若者の姿を思い浮かべると苦笑するしかなかった。 写真は若者が自分に自慢のコレクションを見せているように、タイツからストッキング、中にはパンティストッキングではなくセクシーな大腿までのストッキングなどもあり、興奮を誘った。 女性がいつも貞節でいる訳ではないことを証明するように、だらしなく脚を開き、椅子に柔らかな太腿を載せてもその奥には白いショーツが縦のストッキングの縫合部に覆われている姿や、手が太腿のストッキングを摘み引き上げている姿は机の下の事情を覗き見る隠微さがあり、若者の鑑定眼に信用が置けることは確かだった。 はじめは丹念に見ていたが、枚数が多いこともあり次第にページを繰る速度は増した。どれも興味のあるものだったがある一枚で手が止まった。 はじめは自分好みの均整のとれた清楚な曲線に眼が留まったのだったが、それを見れば見るほどそれが妻ではないかと、画像と自分が知る妻の脚線を比べているのだった。 それは着座したものが立ち上げる寸前の脚を開いた瞬間を捉えたものの様だった。スカートは膝上となっていたが、他の映像に比べれば丈の長いものだった。妻は周囲がスカートを短く履いているところ、僅かには縮めていたにせよ、さほど短いスカートではなかった。ただ、妻は比較的高い身長だったためサイズの限られた制服を着用したところでも膝上が覗いてしまうのだった。 自分としても既婚者である妻があまり華やかな姿をすることは迷うところだったが、妻自身の趣味として淑やかな着こなしをしていることは安心できていた。 そのスカートは着席しているために丈を短くしており、だらしないほど脚を開いたことで、画面の中央上にショーツがそのまま見えていた。膝から伸びるタイツは魅惑的な曲線を描く柔らかい肉に圧迫されやや色調を薄くしており、それに包まれた肉体の白さを物語っていた。 妻の脚には黒子など目立つ特徴はないのでそれが妻とは特定できなかったが、開いた脚の奥の暗がりにやや色を明るくしている箇所はショーツに違いなかった。その部分を拡大すると我ながら行為に呆れたが興奮を宥めることは出来なかった。 何も物語らないそこを注目していると、つい先ほどまで妻の性器を見ていたにも関わらず隠微に艶やかな繊維に覆われた曲線と色調に股間が解放を訴えていた。誰もいない自宅で股間を露出することは変態じみていたが、熱が上った頭は特に考えることもなく獣の本能に従った。 次の数枚の写真は同じようなものだったので、エスカレーションを期待していた心は若者をなじったが直ぐに希望は叶った。 それは正面から股間を捉えたもので邪魔なスカートに隠れていたが、二つの伸びやかな太腿の先にあるものは明るいオレンジのショーツだった。それは先日妻が自分を喜ばせるために購入した物に相違なかった。大量生産されているとはいえ陰毛寸前までレースが切れ込んだデザインは自分が見たものと同じであり、スーパーの衣料品売り場でなく専門店で購入したものが被る可能性は低かった。 自分を驚かせたのはそれだけではなかった。ショーツの両脇はこんもりと肉感的な肉体に覆われていたがそれを覆う繊維はなかった。そのすぐ手前には肉体が僅かなたわみをみせて太腿を締め付けるバンドがあり、数センチ下から漸くほとんど肌と同じ色を見せるストッキングが始まっていた。 その画像は衝撃的なほど自分を打った。感覚でしかないが、妻の防御は今や薄い布地のショーツの厚みしかなかった。それが妻の貞操が削られている事を直感すると恐ろしいほど戦慄が背筋を流れた。 妻の着替えを眺めたことなど数度しか無かったが、ストッキングを着用する際は全て腰骨上までを覆うパンティストッキングだった。それが単なる実用上のものでしかなかったとしても、重要な部分を守る層が一つ喪失している事実は不安を誘うと同時に、耐え難い程の性的魅力を放っていた。 理性がそれを考える裏側で獣の脳はそれに突入することだけを考えていた。 望めば妻と交わることはできるが、画像はそれ以上に股間の動作を促し、驚くほどの短時間で精を放つと、画像はそのままに机の前で茫然自失としていた。 一時の興奮が冷め、落ち着きを取り戻すとやはり若者がしていた事が確実となった事を考えた。それは間違いなく盗撮であり犯罪だった。ただ、それは隠に籠った悪質な趣味であるのは確かだが、犯人が妻にしている闇と言って良いほどの醜悪さに比べればまだ若さの過ち程度の刺激でしかなかった。 若者の画像集は犯人のものと異なり、被写体には羞恥を味合わせている事はなく、どこか春画のような開け広げにされた性への探求心を感じさせた。昨晩の充実した友人関係に囲まれた人物が、犯人のような行いをするだろうかと自問したが、犯人と若者との趣味を一致させることは難しかった。 若者への行為が判断を誤らせることもあると思っていたが、なにより犯人のように妻を操ることができるなにかを持っているなら若者はそのような回りくどい行為をする必要はなく、また若者の写真集の妻を思しき画像の比率は全体からみれば少ないものだった。 いずれにしても、このような行為は若者にとり益になることも無く、まして発覚すればそのスキャンダルは非常に大きくなり、昨晩の自分を送ってくれた若者の父親にとっても害となるに違いなかった。 明日からその対策を立てることを心に決めると、興奮が冷めて病が再び身体にのしかかってきた。今日一日病欠であるところ、回復を促すようなことをなにひとつしていない事に若干の後悔を覚えたが、得たものとの帳尻は充分に合わせることができた。 不安と疑念を抱えながらも、心はやや軽くなり寝室に向かうと床に就いた。 目覚めると額になにか貼られていた事に気がついた。手を遣りそれを剥がすと可愛い絵柄の描かれた冷却材だった。既に晩の時間となっており昨晩の睡眠時間を削ったところに日中は活動していたことで思いのほか深く眠り込んでいたようだった。 自分を気遣ってくれた妻に礼を言う為階下におりてもそこは無人だった。妻の鞄が玄関の床に放置されており、窓から庭を見ると自動車が無くなっていた。 恐らく妻は一旦帰宅して自分の様子を見た後に車で出かけたものと思われた。何事にもしっかりとした妻が鞄を玄関に置いて出かけたところをみると、よほど慌てていたものと見え、食卓に置いてあるドラッグストアの買い物袋もそれを裏付けていた。 怠さはあったものの睡眠によって体調は回復しており、昼食の後そのままにしていた食器を片付けることにした。食器をシンクに置くと喉が乾いたので冷蔵庫を開けると、数本の栄養ドリンクとゼリー状の栄養補助食品が乱雑に並べられていた。 妻の配慮に感謝しつつ缶を開け喉に流し込むと、炭酸が喉に心地よく弾け爽快な気分を味わった。手早く洗い物を片付けるとベランダにあった洗濯物を取り込んだ。 洗濯物を手にとった瞬間、それは昨晩の妻の行為を思い出させ少し嫌な気持ちになったが軽やかなその生地から漂う香りは鼻腔を心地よくくすぐった。 続けて家事を行ったことで独身の頃に全てをこなしていたことが思い出され、続けて妻との出会いと恋愛を経ての結婚までを頭を巡った。 妻が自分には大変魅力的でその生真面目な性格と自分だけに心安く見せる無防備な姿に惹かれて一つの家に暮らすこととなったところ、続けて起こる妻への出来事を考えていた。 身内の贔屓目にみても、妻は決して万人に美人といわれる程の事はない筈だった。しかし、そのスタイルははっきりとわかる程男性を惹きつける物で、遠慮のない友人などは盛んにそれを囃すのだった。妻が魅力的である事は自分の男性としての自尊心をくすぐったが、それが原因で自分以外の男性の視線を浴びるところはジレンマだった。 自分だけが妻の内面の美しさを理解している自信はあったが、妻の容姿に触れた男性が接近してその心優しい内面に触れ陥落することはあり得ない事ではなかった。それでも妻の愛情が自分だけに向けられている確信は以前は揺るぎないものと思っていたが、ここ最近はやや心許ないと感じているのだった。 虚空を見つめて考え事をしていると、庭の植木を通してチラチラと光が見えた。妻が帰宅するのかと思い、玄関に向かい車が庭に乗り入れる音を待ったが、暫くしても期待した音は響かなかった。 妻がなにか買い物にいっているらしい事は推定できたが、主人の帰りを待つ犬のように迎えに出たことが一人ながら気恥ずかしく、ノロノロと戻ろうとすると、玄関に置かれたままの妻の鞄に目が止まった。 家事を片付けた余韻が残っていたのか、それを持ち上げると食卓の椅子まで運んだ。付き合っている時に妻の鞄を持った時など思いのほか重量のあることに内容が気になったが、それを確認する機会はついぞ無かった。 昨日の妻の行為を覗き見たことや屋根裏の秘密を漁ったことで急激に膨らんだ探究心が、妻の鞄に手を入れさせた。 若干の後ろめたい自責の念も作業を押しとどめる程の事はなく、上に置かれたカーディガンを丁寧に脇に除けると細々としたポーチが数点入っていた。整理好きで几帳面な妻の性格が現れているようで関心したが、その中で一番重量のありそうな物を摘み上げるとテーブルに置いた。ジッパーを開けると、中は幾つかの収納に別れておりコンパクトな化粧品や乳液があり、出先でも涼しげな姿を崩さない妻の準備に感心した。 リップクリームの蓋を開けると柔らかな乳色が照明に当たり優しい色合いの光を放っていた。それを眼前に見ていると、いつかテレビで見た下品な芸能人が、二束三文の女性タレントの私物を舐めていた記憶がよぎり、我ながら変態じみていると思った。 側面の区切りはさらにジッパーで閉じられており、デザインとは言えその小さ過ぎるツマミに呆れながら指を合わせて開けると、中には生理用品が数枚入っていた。 あまり詳しくはなかったが、それは女性が生理中に使う厚みのあるものではなく、薄いおりものシートだった。会社には生理休暇の制度はあったが妻はそれで休むことはなく、さほど生理痛が重い方ではない様子だった。 付き合い始めは、そのような事を気にすることは無かったが、ある夏の晩に少し離れた都市で開催される花火を見に行った時に、妻が恥ずかしそうに、その期間中であることを告げ早々に帰宅した晩に妻との距離が急に縮まった事が思い出された。 生理用品を取り出すことはしなかったが、その底から硬質の光が覗いていることは気になった。指を差し入れそれに触れるとプラスチック状の膨らみを持った平滑な形状で、コンタクトレンズかと思ったがそれにしては異様な大きさであること��眼前でしげしげと眺めたが、すぐに答えがでた。 それは女性器から滴るものを抑えるのでなく、逆にそこに押し込まれるものに装着し、放出される精液を胎内の子宮に注ぎ込まれることを防ぐ薄い膜だった。 以前より、妻は薬局などでそれを買うことに抵抗があり、その理由に納得できる自分が買うことが常だった。その折も一人で買うか妻を車に待たせて購入していた。 一度などそれを購入してレジを離れた後、駐車場に戻ると、レジで後ろに並んでいた好色そうな年配の男性に、車内で気付かない妻を舐め上げるような視線で見つめられている事に無性に腹が立ち、不思議がる妻の視線を浴びながら車を急発進させた事もあった。 妻との始めてのセックスでは、避妊具にたっぷりのゼリーがまぶされているものを買って後、充分な愛撫で潤滑剤など必要がないとわかってからも、同じ品物を選ぶようになっていた。 普段自分が装着するものはラミネートされた軟質のもので、硬いプラスチックが膨らみを見せるそれを使ったことは無かった。裏面をみると小さな文字で不要と思える使用方法が記載されており、体温を感じる売り文句が添えられていた。 好意的にみれば妻が買ったのであろうが、何故外出時に用いる鞄にいれているのか、また自分以外との性行為にそれを使うのかと想像すると血が頭に登った。妻を外界から隔てるストッキングを喪失したショックがあった上に、守るべき内面に挿入される避妊具の存在は一種の敗北感を自分に与えた。 勿論、暴行される事故も含めて妻が予防の為に所持している可能性も否定できないが、何故それは普段自分が妻に陰茎を挿入する前に装着しているものではないのか、また、それは断らなくても寝室の引き出しから容易に手に入れることが出来る事が一層の疑念を���大させた。 その時、庭がヘッドライトの強い光で照らされた。考え事をするあまり普段なら聞こえていた筈の音が、雑念で満たされた頭には届かなかった。数秒内に車体が庭に乗り入れると思われると、滅多に感じることのなかった緊張が背筋を走った。 可能な限り丁寧に妻の鞄を元通りに戻すと、しずしずと車体が庭に入って来たことが分かった。自分は駐車するのに道路からバックで入れるため、出庫時の利便を考え車庫のスペースに完全に収めずに頭を半ば入口に向けて駐車することが多かった。妻の整理好きは駐車にも及ぶのか、中途半端に停めた様子を妻は好まず、例え不便でも枠線にピッタリと止めることが妻の趣味だった。 妻は室内が明るいため、自分の姿をカーテン越しに認め軽く手を振った。 妻は車の運転を不得手としてはいなかったが、駐車はあまり得意ではなかった。妻自身は不得手であることを認識しているので、それを前提としてパズルでも解くように一回一回の切り返しを丁寧に確認しつつそろそろと車を駐車場のラインに合わせた。 車はここ最近妻が運転をすることがなかったので、やや違和感を覚えるようにヘッドライトを居間に向けて車庫入れを完了しやがて動きを停めた。 妻は自分のために買い出しに行ってくれており、食卓にはやや過剰と思える医薬品や栄養補助食品が並べられ妻は帰宅と同時に真っ先に自分の体調を心配してくれた。少々我慢して元気そうなところを見せると妻は安心したようで洗面に向かった。 妻は中華風のチキンスープに卵を落とし、それを啜っていると、茶碗に柔らかく炊いたご飯を持ってきた。だるさが残る中食欲はあることが不思議だったが、妻は疲労が溜まっていたのが原因ではないかと指摘した。 妻の心配げな表情を見ていると、その精神的披露の一部は妻自身の出来事に起因している事を考え、不快感と不信感が混じると不思議に笑みがこぼれるのだった。自分の複雑な表情をみてとったのか妻はその表情の理由を聞いてきたが、適当に誤魔化すと、互いの有休も溜まっているので、近々旅行でもして気晴らしをしようと提案した。 妻は表情を一転させ、自分もしばらく二人で遠出することがなかったので寂しかったと言い、明日の帰りに旅行代理店に寄ってプランを見てくると心地よい笑顔をこちらに向けるのだった。 自分に向けられた表情こそが自分に向けられた妻の心の全てと思うと、日中の出来事を忘れるほどの安心感に浸ることができた。妻はスープを茶碗に注ぐと、葱と胡麻を散らし自分に差し出してくれた。 それは妻の愛情を示すように優しい味わいであっという間にそれを空にすると、妻は得心したようにやはり疲労の蓄積が原因と思うと言いながら身を翻すとお代わりを用意する為に台所に向かった。 その足取りは先程と変化がわかるように軽く弾んでおり、妻に心配をかけたことを悔やむと共に、やはり妻は自分の側で幸福にすることを内心で決意するのだった。 軽く湯を浴び、妻が買ってきてくれた鎮痛剤を服用すると急激に意識が解れてゆく感覚が襲い、早々に床に就いた。 翌朝は多めの睡眠時間が効いたのか、病が身体に残っていることは分かったが、生活に不自由しない程度には回復していた。まだ陽がのぼって間もない時間だったので、静かに床を抜けると一階に降りた。日光を入れるため居間のカーテンを開けると車の正面がこちらを向いていた。先日ドライブレコーダーを設置したためか、車が朝の挨拶をしているように思えた。 そのままガラス戸を引いて外にでると早朝の清涼な空気が自分の腹腔を洗い、小鳥の囀りを耳にしながら大きく伸びをした。 妻のサンダルを履くと、それを伸ばしてしまわないように浅く履き直すと新聞を取りに行った。いつかここが自分が妻を襲う事態を気付く発端となったと思うと、近寄るほどに鼓動が高鳴ったがそれはいつもの同じく何ら不審なく新聞を収めているだけだった。 昨晩妻が車を使ったため、車は庭の駐車場所を示す位置にとまっていた。ここに暮した当初は自分も同じように停めていたが、次第に出入りに曲がることが面倒となり、やがて車をバックで自宅に乗り入れてそのままにするようになった。 しばらくその空気を楽しむように居間の縁に腰掛けて新聞を読んでいた。一通り読み終えると手に持っていた新聞を降ろしたタイミングで正面のヘッドランプに目があった。 車は物言わぬままこちらを見ていたかと思うと可笑しくもあったが、時折頭を掻きながら新聞を眺めていた自分をその車内の眼差しで録画されていたかと思うとやや気恥ずかしかった。 と、その画像は自宅に居間をそのまま写していそうなことに気が付いた。ここ最近妻が第三者から撮影された映像を見ていたので、それが自分の盗撮道具になると分かり、その後ろめたさに動転していると、妻が階段から自分を呼ぶ声に気が付いた。 何を取り繕う訳ではなかったが、咄嗟に妻の顔をみることができず妙な行動をしていることを自覚していたが、妻は不思議そうにこちらを見ていた。 朝食を取ると、普段と変わらない日常に回復したことが感じられ妻が自分の為に用意してくれたヨーグルトと果物を摂ると家を出た。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫9
翌朝は前日の疲れが溜まっていたのか起床が遅くなり、妻に遅れて家をでることとなった。昨晩の乱れた姿が想像できないほど凛としたスタイルは我妻ながら美しいと感じてしまうものだったが、つい視線は歩くたびにわずかに揺れる胸に吸い込まれるのだった。 はっきりしない頭で出社すると、部下が昨日のプロジェクトについて、こちらに先方を呼んでさらに詳細を詰める案を持ってきた。立場としては購買側となるので部下の案の通りこちらに呼ぶことに異はなかったが、咄嗟にこちらから訪問しようと声をあげてしまっていた。一応理由としては競合している他社の様子も見て相見積もりとすることが適当と考える、としたが、その案に大袈裟に関心して、自分の案をより高位からみており自分の視野の狭さを嘆く部下を見ると、自分の思いつきはそこまで考えたものではないと部下を慰めたが、部下には返って謙遜が過ぎたように思われた。 今度は部下に出張の手配を任せると、興奮気味に出発までに資料をまとめておくことを部下は約束し傍目にも分かるほど浮ついた足取りで事務棟に向かっていった。 ようやく目覚めた頭でpcに向かうと、プロジェクトについての検討は部下の作業に任せても良いと判断できる程度にまとまっており、恐らく昨晩の打ち合わせの後に部下が自宅で作業したものと思われた。出来栄えから部下の指導に満足感も覚えたが自宅で持ち帰っての作業には早々に釘を刺しておく必要がありそうだった。 自分の作業にはついては、部下がまとめた資料を元に上層部への計画報告のアウトラインがすんなりと作成でき、昼食を終える頃には区切をつけることができた。 夕方からはこの地域の夏祭りの準備打ち合わせがあった。この地域では夏祭りの会場として会社所有のグランドを利用しており、その関係で裏方作業を手伝うこととなっていた。自分の実家では考えられないことだったが、地域で雇用している人数もほどほどにおり従来から地域協力の一環として行われているものだった。以前は庶務部署が専ら担当していたが、年配者が多く器用に立ち動く人員が足りないことから、自分は配属当初からこの担当をしていた。仕事の繁忙期には正直、最初の依頼を受けなければ良かったとも思うが、地域の人々と触れ合う機会があることは、この地域に暮らした事のない自分には風習など学ぶには貴重な経験を得ることとなった。 会議室に向かうと、数年来の見知った各町内会の世話役や警察の担当者が疎らにおり、型通りの挨拶をしてまわった。引退した老人が多いことから計画を盛りだくさんに持ち込んでいることは毎年の事だったが、普段は警察の担当者は一名のところ今回は2名が出席していることが目についた。年若い警察官は老人に囲まれて居心地悪そうにしていたので、声をかけると救われたようにこちらにやってきて実務的な話を始めた。 打ち合わせの席は実際には町内会の企画の報告に占められ、会社にない機材の手配など裏方の実務は打ち合わせの席の前後に詰めることは例年通りだった。警察官は昨年までの担当者と異なり、異動により今年から担当変えとなったとの事だった。また今年の打ち合わせには課長級の役職者がやってくるとの事は珍しいことだった。 庶務からは、グランドで時折付近の若者が集合していることがあり、それは微笑ましいことだったが、義務教育期間中の年齢の者が混じって問題となったり、女性の独身寮の不審者など幾つか警察に相談したい事があるとのことだったので、仲介するには良い機会と思われた。 内線で庶務を呼び出し、事情を話す機会を伝えたが、相手が上席であった為か体良く多忙を理由に断られ、自分から折衝するように指示されてしまった。指示系統が異なることもあり内心愉快ではなかったが、妻の勤務する部署でもあることから無下に断ることはできなかった。 警察の担当者に、庶務の者を呼ぶと言った手前、自分が対応することは気恥ずかしさがあったが会議室に戻ると警察官は席を空けていた。代わりに自分の席の隣には見慣れない若者が座っていた。スーツを着込んでいるものの、一見しただけでまだ着慣れない様子が伺えることを考えると新入社員かと思ったが、春の配属研修でまわってきた新人の誰とも似ていなかった。自分が席に戻る前に若者は席を立つと入り口付近���席を探していた老人に声をかけて町内会毎に指定された席に誘導していた。 若いにしては積極的な動きができることに関心しながら見ていると、会場をまめまめしく動き回り日差しが傾いたことで西陽の差し込みを遮るためカーテンを引くなど自分の注目を集める程に感心するものだった。 若者の席を見ると、議事進行に関する書類が乗っており、所属部署は庶務とあったことで思わず腰を浮かすほどに驚いた。氏名が判明するまでは断じる事は尚早だったが、若者はつい昨日自分が行動を監視した男と思われた。男の行動に目を取られていたが、若者のキビキビとした歩みは特徴あるもので、それは昨晩の人物の動きと酷似していた。 いま同じ室内で立ち回る若者をみれば、やや線の細いように見えたが、自分から見てもそこそこに好感のもてる好青年といったところだった。昨晩の判明したように卑劣な行為に及ばずとも、女性との付き合いに不自由することはないように見え、わずかな時間のうちに会場の老人とも軽口を叩くまでに打ち解けている様子は、人事部が新入社員向けに対人折衝研修を設けるほど、一般にそのスキルが低下している昨今では稀有な才覚と思えた。 会議の開始数分前に、警察官2名に伴われて課長級と思われる警察官が入ってくると、町内会の面々に慣れたように挨拶を交わし席に着いた。昨年までの人生に倦み疲れような典型的な地方の警察官に比べると、血色良く柔和な表情から異質であることが初見でわかった。 若者が上役の警察官の後ろから小声でなにかを呼びかけると、警察官は親しげ若者の肩を数度激励するように叩いた。 恐らく開始の挨拶を確認したものと思われるが、以前からの顔見知りなのか、警察官は若者に親しい仕草を見せたことは不思議に思えた。 昨年以前の自分の経験からは、警察は地域のお祭りにはあまり積極的でもなく、申請があったので義務的にやっていることが態度で分かるものだった。 町内会連中の会長が挨拶を述べて打ち合わせが始まると、若者は記録の写真を撮ったり発言者にマイクを渡して動いたりと縦横無尽の活躍だった。ようやく各町内会の報告が始まると、自分の席の隣に戻ってきた。 静かな声で自分に挨拶が遅れたことを詫びると、庶務で勤務していることと、今年からこの仕事を担当することになったことを自分に話した。昨晩の男と同一人物とは容易に思えなかったが、邪心の無いように見える純朴な若者が昨晩のような卑怯な挙に出ていたことは想像し難いものだった。 通常の会議とは異なり、賑やかな会場だったので若者と少し話すことができた。珍しい苗字のため出身を尋ねるとこの地域の出身とのことだった。笑いながら珍しい苗字なので悪いことはできないことを話していると、自分はその悪事を働いている場面を目にしているだけに、屈託のない若者の様子に二面性があるのではないかと考えてしまった。 各町内会の会長の話は長かったが、顔見知りが多いことから笑いを取る話が多く、若者との話半分に聞いていても時折笑いが堪えられない事もあり年長者の話の退屈さに苛立つことの多い都市部に比べると、おおらかな地域性を感じた。この事業所に赴任する前には地方の閉鎖性など聞かされていたが、暮らしてみれば買い物がやや不便な事を除けば不満もなく、自分としては静かな暮らしに満足感もできる地域性だった。 若者はそこそこに整った容貌で言葉の端々から育ちの良さが伺え、どちらかといえば好感のもてる人柄で昨晩の人物は別人だったかと思われたが、その名前はサーバにあった名前と同じであることからそれは否定できた。 その辺りで、警察の挨拶があった。司会が紹介すると、驚いたことに若者との同じ名字だった。若者に親戚かと尋ねると、父親との答えが返ってきた。聞きづらいことでもあったが、若者の接しやすさから経歴を聞くと、国立大学を卒業の後、就職をせず実家でニートをしていたとのことで、父親がこちらにきたことも自分の事があったからかもしれないとやや不満顔でいうのだった。 さほど過保護に育ったとも見えず、会場での様子から対人関係に問題があるとも思えず、何故就職をせず、派遣をしているのかとやや自分が上目線で話していることを自戒しつつ尋ねると、学生時代には写真に凝っており、熱中するあまり留年したことで就職が困難となり、エントリー段階で幾つも落とされているうちに就職に対して虚無感を覚えてしまったとの事で、実家がそこそこ裕福なため暮らすに困らないことでニートになってしまったとの事だった。言いづらいことも同情を誘うでもなく語る姿は好感が持て若者を自分の敵としてみることは困難だった。 続けて若者は妹が来春に結婚を控えていることを話し、自分がニートでは結婚式に恥ずかしくて出席出来ないので派遣から始めることとしたと、聞いてもいないことまで開け広げし、この地域の出身らしく純朴な様子しか感じられなかった。 その頃には会場の進行を無視して若者との話をしており、気付いた頃には祭りの進行が発表となっていた。昨年使用したスライドに若干の改修を加えたものだったが、会場からは異議も出ることもなく滞りなく閉会となった。 閉会の後は各部会の打ち合わせとなり、会場それぞれに机を移動すると、会場はより騒がしく会合を始めていた。自分の受け持ちは全体の運営だったので、それぞれの部会を回り会社で準備が必要なものを伺う程度だったが、とりたてて要望もなく例年通り警察との会場誘導や警備計画の打ち合わせをすることとなった。 型通りに駐車場への誘導や花火の事故防止や、救急の手筈などを打ち合わせると、後はほとんど雑談となった。その席には若者の父親と判明した上位の警察官もいたが、静かに話を聞いており警察官よりどこかの寺の住職のような印象だったが、要所では会場の人の動線について的確な指摘などもあり、手腕を伺うことができた。ただ目線は時折会場で飛び回っている若者に注がれており、それは公私混同するほどでなく分を弁えた微笑ましいものだった。 それぞれ打ち合わせの終わった部会から散会となり、それぞれに退席してゆくと会場は疎らとなり自分の座っていた部会も終わることとなった。警察官の帰りを見送るため出口についてゆくと、他の部会の見送りにでていた若者が戻ってくるところだった。 若者は父親である警察官の姿を認めると恥ずかしそうな表情をしていたが、丁寧な言葉で出席のお礼を言うと、父親は微笑みながらこれも丁寧語で礼を言った。傍目に見ていても社会にでた息子を見守るやや過保護な父親の姿は微笑ましいものだった。 玄関まで同行して門外にでるところで、上位の警察官は部下の警察官に先に出ているように指示すると、二人の警察官の姿が消えるのを待って自分に話しかけた。 それは堅苦しいものではなく、地域貢献に会場を提供してくれる会社に対する感謝から、自分の息子が世話になっていることの感謝まで先ほどの落ち着いた様子から、話好きな年配者の姿だった。若干面食らっていたが、この段でも居心地悪そうにしていた若者は丁寧語で父親に接しており、その会話には笑いを堪えることはできなかった。 ようやく警察官が帰ると会議室の備品を片付け、収納するものを持って若者との連れ立って庶務へ戻った。入口でばったり妻と出くわし、型通りの挨拶をすると、若者が声をあげて笑い始めた。それは先ほどまで自分が若者との父親の会話に吹き出していたことが、自分と妻との他人行儀な会話と重なり笑っていたのだった。つられて自分も笑うと事情を知らぬ妻は呆気にとられていたが構わず別れると、備品庫へ向かった。 若者は妻が美人であることを褒め称えると、悪い気はしなかったが、若者がしていることが思い出され、入口で笑いあっていた自分が不甲斐なく思え、表情が硬くなってしまった。若者は急に無口となった自分を不思議そうにみていたが、時間が合えば夕食を共にする提案をした。 自分としては心中穏やかではなかったが、若者がしている行為を接することでやめるようにすることや、万一の時には親しくなっておき手口を調べ易くしておくことに不利はないと考えて承諾することにした。 若者は気を回し、妻に自分が夕食を共にすることを伝えることを尋ねたが夫として、妻が他の男性に接する機会は喜ばしいことではなく、自分から伝えることにした。 程なく退社の時間となると玄関で待ち合わせると、昨日部下と来た店に入った。若者は店主と知り合いらしく、陽気に挨拶をかわすと特別とのことで奥の個室に通された。さほど広い店ではないどこにでもあるような飲み屋だったが、通された部屋はこじんまりとしていたが、素朴な装飾はこの地方の名産品などで飾られ、無粋な蛍光灯の代わりに暖かな光を灯す照明など居心地が良い空間だった。 若者はここでも対人的に優れた話し手であることを証明するように自身の生い立ちなど話す内に、自分の経歴など知らず知らずに話してしまっていた。ある程度酔いが回っても決して無礼な様子はなく、親しく話す割に自分に対する尊敬が感じら悪い気はしなかった。 話す内に若者の趣味の写真の話となった。若者は鞄から取り出したノートpcをテーブルに置くと、日本各地の写真を面白おかしい撮影時の話を交えて語った。それは風景だけでなく地方の雑踏から街並みに至るもので、ありきたりな美しい風景でないだけに、自分が旅行でいったことのある場所であったりするとさらに話が弾んだ。 話している内に、若者の行為を忘れ、若者と過去から知り合いだったように思えたが、写真のある時期から画面にほっそりとした一見モデルのような瀟洒な衣服を身につけた女性が登場すると話が変わった。 画面の女性は若者の付き合っている女性で、高校から長い付き合いだった。綺麗な彼女がいて羨ましいと話すと、嫌味なようすでなく若者は彼女が綺麗であることを認めたが、打ち明けるようにその完璧さが自分にはやや辛いとの事だった。 初見の人間に打ち明け話をする手合いに碌な経験がなかったので、やや冷静になったが人好きの良さそうな若者をみると、どうやら本心で言っている様子だった。 やや長い話だったが、高校卒業の以降彼女の進路は完璧ともいえるものだったが、就職を若者のそばでしたいとのことで、就職難の時代でも引く手数多と思われる学歴にもかかわらず、転勤のないこの地方の有力企業に就職したとのことだった。 若者自身としては、自分に合わせてくれることは嬉しかったが、それは次第に自分の現況を考え合わせるとプレッシャーになっていったのだった。 場が少し暗くなったあたりで、障子が叩かれ、恰幅のよ��店主が割り込んできた。店主は若者が幼い頃よりの知り合いで就職したことも知っており自分にはしきりに若者をアピールする姿は面白いものだった。 店主の要件は、店にたまたま若者の知り合いが集まっているので顔を出してはどうか、との事だったが、若者は言下にそれを断った。おそらく自分に遠慮してのことと思うと、店主の手前きまり悪く若者に自分を置いて顔を出すように半ば強制的に勧めた。若者は遠慮がちだったが、出てゆくことを承知すると不在の間は写真を見ていて下さいと伝えた。 店主に促され早々に席を立つと、店主はサービスでこの地方の名物料理を提供することを言い置き出て行った。程なく若々しい歓声が届き、若者が歓迎されていることが察せられた。 なかなか止まない歓声を聞きながら目前のpcの写真をみていると、酔いもあったのかpcの設定を見て回ることにした。内心この好機を最大限に利用することに緊張感もあり高潮した気分が一気に覚めた。 もし会社での禁忌すべき種類のファイルがあるとすれば、そのタイムスタンプは近日中である筈だったが、めぼしいものは見つからなかった。何か隠匿されている可能性もあるので、osを終了すると、原始的だったが自身のUSBメモリから起動しコマンドプロンプトからファル検索を行った。離れた位置から聞こえてくる音は以前騒がしく、幾度も乾杯が唱和されている様子を聞きつつ、こちらに向かってくる足音に注意を払った。 改めてpcをファイル検索すると隠匿されたドライブが発見され、そこには数百のファイルがあった。拡張子から画像ファイルと分かったが手早く自身のメモリにそれをコピーするとpcを閉じた。 数分の間があったが、店主が美味しそうな料理を持ってくるとそれは赴任当初に名物として食べたそれの記憶を覆すほどの味だった。 一口ごとに味蕾を喜ばせる料理を堪能していると若者が戻ってきた。まず若者は戻りが遅くなった事を詫びたが、言葉が終わらぬうちに遠慮を知らない若者の友人と思しき酔客が雪崩れ込んできた。 若者は慌てて友人を諌めていたが、酔いの進んだ友人たちには効き目もなく、無遠慮にめいめい狭い室内に座ると若者を囲んで、若者の過去に笑い話など自分に語るのだった。 友人たちはスーツのものもいれば平服のものもいたが、皆一様に人が良さそうな印象があり、若者が良い人間関係を築いていることが伺えた。 懐にいれたメモリの内容が気になったが、場の空気はそれを忘れるほど楽しく、久し振りに学生時代のような開放感を味わうことができた。 時間を気にすることなく若者との戯れているうちに時間は過ぎており、店主が知り合いの無遠慮さで時間を告げると散会となった。 外にでると思いのほか酔いが回っており久し振りに足元が覚束なくなって��る自分には驚き、駅までの道程を思いやっていると、若者の友人の妻と思われる女性が車で迎えに来ていた。あたりを見回すと店主が気を利かせたタクシー数台と、それぞれの家から迎えに来ていた車が見えた。 8時を過ぎるとバスも疎らになる地方なので、交通手段は専ら車になるのだったが自分の記憶でもここまで迎えが多いことは見たことがなかった。一人一人車に乗り込んで去って行くとやがて辺りは静かになったが、その時目の前にワゴンが停車した。店の前で店主と話していた若者が駆け寄ると車内からはその父親が現れた。 酔ってはいたが、目上の人物を前にして極力酔いを現さないように挨拶したが、目の前の人物は普段着であることもあって不思議と親近感を覚えた。車内に乗り込む若者を見送ろうとしたが、若者は自分も一緒に乗るように勧めた。目上に人物に送って貰うことなど自分の常識では思いもよらず丁寧に断ったが、むしろ若者より父親の方が丁寧ながらもやや強引に乗車を勧めており、ドアを開ける若者と年配者ながらもさすがに鍛えてあるらしい腕の連携によってシートに収まってしまっていた。 座ってみると立っていたことが急速に億劫に思え安らぎを感じつつ、住所を問う声に答えると流れる車窓をみているうちに眠り込んでしまっていた。 自分には一瞬の間に思えたが、自分を呼ぶ声に目を開けるとそこは自宅の近隣のコンビニエンスストアの駐車場だった。心地よい酔いが回っていたが、そこで車を降りようとすると、若者の父親は少し厳しい声で、酔いが回っている状態で事故にあっては困ると言い、まず車をどちらの方向に向けるか尋ねた。さすがに職業が警官であるだけあり、その声に問われるまま車が進むと程なくして自宅の前に着いた。 車を降りると雲を歩くような状態だった脚は、まともに地面を捉えられるようになっていた。涼やかな風が吹くなか車からは若者とのその父親が車から降りて自分の帰宅を見送っていた。丁寧に送ってもらったことに感謝すると、若者の父親は若いながらも自宅を構えしっかりと暮らしていることに感心しながら、若者のその姿勢を見習うように諭し、若者はそれに素直に頷いていた。自分としては意識して暮らしていることもなく、目上の人間に感心されることもなく生活してきたことを賞賛された事が妙に嬉しく思えた。 数分間の間と思ったが、酔っていることもあり自分たちの話し声は物音のない自宅に響いたのか玄関のドアが空くと妻が姿を現した。 妻は恐る恐るこちらを見ていたが、自分の人影を認めるとこちらに歩み寄ってきた。就寝前だったのか寝間着ではなかったがリラックスした服装に着替えており、湯上りの香りが漂っていた。 妻に事情を話すと、妻は恐縮して若者とのその父親に丁寧に感謝した。若者の父親はますます賞賛し、決して嫌らしい意味を込めずに妻が美しいことを賞賛し、併せてその妻を娶ることができた自分を褒めた。あまり調子にのる訳にいかなかったが、それでも父親らしい優しい眼差しと、隣の若者の羨望のような視線は自分のこれまでが報われているように思え、胸が一杯になるのだった。 夜も遅くなっており、あまり長い間の立ち話はできず、自宅でお茶でもと誘ったが若者は丁寧にそれを断ると父親と車に乗り込み去って行った。 妻二人で車のテールランプが消えるまで見送っていたが、妻から自分の手を取ると玄関までの短い距離だったが手を繋いで自宅に入った。 妻は若者の印象を得体が知れないと思っていたが、父親と並んでいた姿は今時の若者のらしくなく酔っていても節度ある姿は妻にも好感を与えたようだった。 服を脱ぎ半裸の姿でソファに横たわると、自分を持ち上げるように妻が氷をいれた水を渡してくれた。それを口をつけていると妻は自分の隣に割り込むように体を密着させた。 今日の成り行きを話すと、妻は会社の縁は色々なところにあることを話し、自分と妻が知り合ったこともその縁だったことを今でも感謝していると顔を俯けなから囁いた。その仕草が可愛らしく妻の顎をあげると唇を吸った。妻は照れながら酒の香りに不平を言ったが、肩から衣服を降ろすと豊かな胸が露出した。それに顔を埋めると妻は軽く声をあげると自分の後頭部に手を当てると、自分の頭を胸に押し当てるように圧迫するのだった。普段なら風呂に入らずに性行為に及ぶことは避けるのだったが、酔いが残る頭ではそれを止めることなく妻に溺れていった。 その日は一回の性行為の後、妻の手が自分の性器を包み込むと上下にさすり、再度の行為を誘ってきた。すでに疲労が重なっていた自分はそれに躊躇していたが、妻は身を起こすと、照明の消えた室内に月明かりで妻の胸が青白く光り、身を翻したことで脇から乳房の側面が魅惑的な隆起を見せていた。やがて自分が横目に妻の脇から腰にかけての曲線を堪能していると、暖かく濡れた感触が股間から伝わってきた。 先程まで妻の股間に埋まっていた自分の性器にはまだ自分の精液が付着している筈だったが、妻のそれを躊躇うことなく咥えていた。 先日の妻の奉仕と姿勢が逆になっていることで、妻の舌はより広い範囲に届き、何処でそのような行為を知ったのか睾丸を収めた部分まで丁寧に舐めとっていた。ただ包み込むでなく、舌先をくびれに沿って回りたり性器を口に含んでの上下動でも舌を這わせることで僅かな間で自身の性器は充血していた。亀頭が唇のやや硬い感触で含まれた後にねっとりとした舌全体が絡みつく刺激には長く現状を維持することはできそうになかった。 月明かりに照らされた妻の艶やかな髪は蠢く度に反射を変えていたが、その頭を優しく撫でると、自ら腰をずらし妻の口淫から逃れた。妻は放心した表情でこちらを艶やかに微笑みながら見ていた。その口は今ままで含んでいた物を示すようにだらしなく開かれていた。 妻が口を開けている姿など日常では見ることはなく、その口は自分の精液の他、おそらく性行為で妻を責めた際に付着したに違いない妻自身の体液をも舐め取る程に乱れていると思われた。 半身をこちらに向けた妻のしどけない姿勢はヌードグラビアのようだったが、それの数倍美しく普段を知ることによるギャップが頭を狂わせた。 妻の肩を押すと妻は自分の意図を悟ったのかソファの端に手を置くとこちらに腰を向けた。妻が自分から性器を向けたことで、ぬらぬらと淫液に濡れた性器の陰唇の滑らかな曲線が月明かりに照らされた。その下の小さな茂みは濡れそぼったことで肌に張り付いており、その先の下腹部から豊かな乳房が照らされていた。 良くみると妻の性器の端にある肛門は色も薄く小陰唇の中の柔らかな肉より僅かに濃い程度だったが、ヒクヒクと時折カメラのアイリスのように動いていた。それは妻の待望を示しているようで嗜虐心を高ぶらせた。 妻に性器を開くように半ば命令するように言うと、妻は素直に片手を腹から回し性器の上部を開いた。それは自分が想像した小陰唇内部を露出する画像ではなかったが、亀裂を端から指で開いたことで膨らんだクリトリスを露出させていた。それは淑やかな普段の妻からは想像したできない行為で、チラチラと光る妻の快楽器から目が離せなくなった。妻は少しの沈黙をさらなる行為の要望と解釈したのか、親指で快楽器を撫でながら止める間もなく中指を亀裂の下部に押し込んだ。 指は少しの抵抗もなく埋め込まれてゆき、その両側を大陰唇がピッタリと包み込んでいた。 第二関節まで性器が咥えたあたりで動きが止まると、自分は手を指に添えてさらに奥へと誘った。妻は手を捻りながらの姿勢は楽ではないと思えたが、手の平が性器に密着したことで安心感を得たのか、時折��液が立てる淫らな音と共に行為に没頭していた。 妻の後方から突き出された腰を見ながら、妻の指を誘いながらその動きを放心したように眺めていた。最初妻の指は自分の誘導になされるがままとなっていたが、やがて妻は妻自身の望む動きを見出したのか添えた手に力をいれず、ただ妻の指に触れているだけでも妻は自身で高まりに向かっているようだった。 数分の間だったが、妻は腰をさらに高く突き出し、高まりが近いのか性的快楽の喘ぎともつかない声を上げながら快楽の頂点に達した様だった。アダルトビデオでみるほど明らかにわかるオーガズムではなかったが、確かに息遣いはその時点からなだらかになった。まだ胎内にある妻の指を抜き取るとその指は長く液体に触れていたように湿っており、優美な妻の手が自身で快楽まで達したことは自身の妻の淫らさを感じた。 やがて妻はソファに身を落とした。膝が床についているために依然として腰は上がったままであることが欲情を誘った。自分自身の股間は先程までの妻の奉仕により復活したところに置き去りにされた事に不平を申し立てていた。 無言で放心している妻を抱えると、自立できないほど力が抜けているようで渾身の力で妻を起こすことになった。ソファの前にあるテーブルに妻をうつ伏せに抱え下ろすと、妻の正面にはビデオなど収納したガラスの引き戸があった。そのガラス面は鏡のように妻の顔を写していた。 妻は両肘で身体を支えたことで腕と腕との間が豊満な胸の柔らかな肉で埋まっており、そのすぐ上に妻の整った顔が放心した表情で写っていた。自身の性器を手を抱えて妻の腰に導くと、妻の胎内に通ずる入り口の場所は分かっており、そこに尿道をあてると腰を振って躊躇いなく妻を貫いた。 ガラス面に目を向けながら妻に挿入したことで、妻の視線はの定まらない表情が、その瞬間戸惑うように変化したことが判った。妻の胎内に埋め込まれたものを認識出来ていなかったのか、一瞬の間があったが深く息を吐くと表情を歪めた。それは歪なものでなく刺激を待望するような隠微なもので腰の動きを誘った。 一つ一つの抽送が妻に快楽をもたらしていることがわかることでその動作が加速した。それは画像の妻が犯されている様を見ているようで奇妙な快楽が背筋を突き抜けた。 妻は素直に快楽を声に出しており、第三者的に見るガラス面の映像からは、妻にそのような淫猥な姿を晒して欲しくない感情と、股間から快楽を訴える声が脳髄に響いた。性器からは噴射の瞬間が近いことを知らせたが、先ほどの行為の後に避妊具を着用していないことが思い出された。避妊しなければならないとの考えと、既に妻が胎内に避妊具を埋め込んでいる知識がせめぎ合っていたが、やがて快楽が意識を埋めると、その瞬間に妻の腰に深く性器を突きこむと精液を胎内に浴びせるように噴射した。 その瞬間妻は恥じらいもなく響くような声をあげると、胎内の肉棒から数度にわかれて浴びせられた体液を絞るように胎内の肉で痙攣するように締め付けた。 普段は行為の後は妻から離れるのだったが、今日は妻の胎内を射精したことで奇妙な安心感がありそのままの姿勢で妻にも覆いかぶさるとその背中に頭を載せて呼吸音を聞いているのだった。 しばらく後、妻がのろのろと動きだすと、優しく自分を床に横たえた。まどろむ内に妻が毛布を掛けた記憶を最後に意識が途切れた。 翌朝は日が顔に当たったことで早くに目が覚め、家の中では物音なく静まり返っていた。妻が起床する時間にはまだ間があるのでぼんやりとしていると、後頭部から鈍い痛みが響いた。昨晩の飲酒によるものと思ったがトイレに入り蹲っていると、あまり経験のない二日酔いとはことなる気持ち悪さが悪寒を伴って背筋を流れた。 さほど暑くもなかったが額に手をあてるとうっすらと発汗していることが分かった。昨晩の行為の後妻が毛布を掛けてくれていたが、朝にはそれをはだけており、まだ朝晩には涼しさを感じる気温に身体を冷やしてしまったようだった。 時間が経つにつれて気色の悪さがすすみ、出社の準備をしようと2階に上がろうと思い階段に足を掛けたところで眩暈に手をついてしまった。 自分の体がいう事を聞かないことに苛立ったが、踵を返すとのろのろとソファに身を横たえた。天井を見つめながら今日の予定など考えていると階上を妻が降りてくる音がした。 妻は自分をみると、自分が惚けているように思ったのか軽く声を掛けたが、自分が出した声が思いのほか苦しそうだったのか慌てて駆け寄ってきた。 苦しい息だったが事情を話すと、妻は昨晩の行為の後の処置が原因と深く落ち込んでしまった。そのころには怠さが全身を襲っていたが泣き出しそうな妻の表情を見ては気丈に構えるしかなく、なるべく辛さを出さぬように今日は会社を休むことを伝えた。 風邪が移ってはいけないと思い、なるべく妻とは距離をとるようにしたが妻の方から甲斐甲斐しく世話を焼いてくれた。重い身体を鞭打って寝室に上がると、妻は朝の忙しい時間にもかかわらず昼食のお粥の支度を整え、枕元には氷枕と尽くしてくれた。朦朧としていたが妻の優しい心遣いに幸福感に満たされた。半休をとって病院に連れて行くなど妻は心配そうにしていたが、出社するようにとの自分の促しにこちらに心配そうな眼差しを注ぎながら出て行った。 数十分は熱にうなされていたが、pcの机に数年前の鎮痛剤があることを思い出した。 それを服用すれば効果と共に車で病院にいくことを諦めねばならず、しばらく躊躇したが波動のように連続的に襲いくる悪寒には耐えられず、説明書も読まず数錠を握ると口に入れた。 そのままソファに倒れこんでいたかったが、これ以上悪化させることは避けたいの���早々に寝室で倒れこんだ。 昼過ぎには目が覚めてしまった。薬が効いてきたのか体はややだるかったが気持ち悪さは去っていた。水を飲むため階下に降り台所で水を飲むと妻が作ってくれた粥を口に運びながらテレビを眺めていた。昼の番組を見ることはなかったので数刻は興味深く見たが、やがてどのチャンネルでも放送している内容が似たり寄ったりで飽きてしまった。 食欲はさほどなかったが粥を完食するとpcを起動した。ここしばらく妻のpcの履歴を確認していなかったので、妻が不在の折に調べてみることにした。 日付準備にファイルを確認すると驚いたことに昨晩の日付の映像ファイルがあった。時刻は深夜となっておりそれは自分との行為の後だった。昨晩は妻が毛布を掛けてくれたことが最後の記憶となっていたが、妻がpcを操作している記憶はなかった。飲酒と性行為により深く眠った為と思われるが最近の出来事からそれが不穏なものであるらしいことは検討がついた。 そのままファイルを起動する衝動に駆られたが、ひとまず自分のpcにファイルを移すとそれを開いた。 画面には大きく妻の顔が映し出された。その表情はこれまでの映像の通り無表情だったが、その表情で面と向かう時はつまらないことで喧嘩している時と決まっており、妻を撮影した映像を盗み見ているようで責められているように感じた。直ぐに画像から妻の顔が遠ざかり暫く乱れた画面が映し出されていたが、何かにカメラが置かれたのか静止した画面となった。その画面には妻が変わらずこちらに視線を向けていたが、背景からそれが自宅の風呂場であることが分かった。 自宅の風呂場は購入時に最近の流行りで面積の大きいものだった。自分としては風呂場の大きさなど気にすることでもなかったが、妻はそれが大層気に入っているようだった。浴槽も座って脚を伸ばせるもので、入居当時は妻と二人で風呂に入る事もあったが狭さを感じることはなかった。 恐らくカメラは浴槽のカランに載せられているものと思われた。浴槽には湯は張っておらず湯煙に曇ることなく鮮明な映像だった。 数十秒妻はこちらに目を向けていたが、やや顔を伏せると紺色の巻きスカートの裾に手をやるとそれを捲り上げた。スカートには所々浴槽に付着した水滴が付いたために所々が色が黒くなっていたが、その隠色と対象的なコントラストで妻のふっくらとした白く魅力的な太腿が映った。その付け根には刷毛で掃いたような薄い陰毛が姿を見せており、本能的にその開脚を願うと、それを聞き届けたように思うほどのタイミングで妻は脚を開いた。 その段階では妻の姿勢から陰部は見えていなかったが、妻は腰を動かし、捲り上げたスカートの裾を腰の下にたくしこむようにすると背中を後ろに傾け肩を壁面に付けて陰部の角度がこちらに向かうようにした。自分との性行為によって血流を増したそこは未だ華やかなピンクに彩られており、やや仰け反るような姿勢となっていた妻の顔に見える唇との対比が自身の股間の充血を誘った。 頭を起こした妻はこちらを覗き込むような目線を送っていたが視線を背けることなく開いた脚を片方ずつ浴槽に縁に載せた。それは昔のアダルトビデオで見た産婦人科の診察台で性器を露出させ、触診を待つような映像が頭の中で一致を認識していた。 今や妻は淫らな姿を物言わぬカメラに向けて頬を染めていた。それは恥じらいと考えたかったが、その加色には妻の性的興奮が含まれていない筈はないものと思われた。 その姿で映像が終わることを心の隅では期待していたが、心の大半を占める欲望の通りに妻は傍に手を伸ばした。 それは楽な姿勢では無かったが手を伸ばしたことで脚にやや力を入れることとなり、それが妻の胎内に作用したのか陰毛から縦にはっきりと見える秘裂がヒクヒクと蠢動すると膣に通じるその下部のあたりから染み出すように白濁した粘液が漏れ出した。こんもりと溢れた粘液は重力に沿って妻の性器を舐めるように滴りやがて妻の肛門で広がりそこを汚した。 その粘液は間違いなく昨晩自分が妻の胎内に噴射したものだった。何故妻がこの映像を残したのか意図が掴めず、妻の股間に視線を遣っていたため気づかなかったが、既に妻の手には太い棒状のものが握られていた。その時点でこの映像がおそらく犯人に送るものと判断できたが、その物体の卑猥な形状に呆気に取られた。 それは男性器を模したものだったが、ほぼレプリカと言って良いほど自身の股間にあるものと同じ形をしており、なおかつその根元には分岐した枝が上下に生えていた。その枝の片方の先端は細かい突起が無数に埋め込まれており、もう一方は僅かに短く滑らかな細い曲線を描いていた。 それを妻が挿入することは覚悟していたが、両方の突起が妻を狂わすと思うと胸が掻き乱された。妻は股間から自分の精液を垂れ流しながら片手の男性器を口づけするように優しく小陰唇に触れされた。やや側方から接触させたため、その時仰け反るように身体を震わせた様子が解ったが、挿入の圧力を加えるために妻の手が正面にきたことで妻の性器は覆い隠されてしまった。それを注視していた自分は苛立ったが、それを宥めるように、空いた手でキャミソールを捲り上げた。 伸縮性のある素材でできたキャミソールは無理に引っ張りあげられた事に抗議するように妻に纏わりついていたが、妻の乳房の片方を露出させるとその位置で留まった。 片方の胸を見せ、股間を恥じらいもなく開き男性器を性器に咥えた妻の姿は自分の知る妻ではなく、頬を赤らめよく見ると乳房の先端を勃起させている姿は肉欲を求める雌のようだった。 浴室の柔らかな昼光色の照明に照らされて妻の透き通るような白い肌は魅惑的な光を放っていた。妻は手首で挿入しようとしていたが、妻の股間と男性器の末端の距離を考えると、まだ妻の胎内は満たされていない事が知れた。自分との性交時、2回目はほとんど抵抗なく妻に埋まる事を考えれば、それがスムーズに妻を貪るように思われたが、男性器から生えた枝が左右に揺れているところをみると、やや曲線を描く形状を妻は子宮に導くための通路に合わせようとしているのだった。 やがて位置が決まったのか、今度は腕を使ってそれを妻は自らに挿入していった。ほぼ妻の胎内が満たされたと思うと、妻の細い腕はそれを引き抜くように下がり、男性器を握った指には指輪が光った。 挿入時の位置まで下がったと思うと、男性器にピッタリと張り付いた小陰唇から精液がドロリと吐き出された。その量は先ほどこぼれた分量の比では無かった。それは妻が自分の性行為によって浴びた精液を吐き出そうとしているように思え、無性に悲しみを感じると同時に充血した自分の股間に触れると異様な快感を得たのだった。 再び妻は腕に力を込め、胎内への抽送を始めた。先ほどと同じあたりの位置で動きはとまったが、胎内をほぐすように手首を振ると妻は息を吐きながらさらに下腹部を貫いた。静かな動きだったが、妻は身体を震わせて急に腰を引くと、男性器を引き抜いた。同時にまた自分の体液が勢いよく吹き出し、どれほどの量を自身の股間が妻に噴射したのか考えていた。一旦引き抜かれた男性器は妻の愛液に濡れテラテラと自分に屈辱を味合わせるように光を反射した。 妻は虚ろな視線だったが、カメラに訴えるような視線を向けるとまた男性器を受け入れた。先ほどより早い動きで股間に突き込み同じ位置で動きを止めたが、そこからおずおずと先ほどと同様に手首を振るとさらに奥底へと男性器を侵入させた。 改めて画面全体を見渡すと、浴槽の奥に腰を突き出し両足を縁にのせた妻の姿は自分の妻とは異なる淫乱なアダルトビデオにでるような女性と思えた。 男性として無論女性には興味があったが、妻に迎えた女性は誰にでも股間を開く売女とは程遠く、貞節で常識ある人な筈だった。しかし、目の前で自分で自分を貫く姿はその考えを徐々に崩壊させてゆくのだったが、自分の手の内にある女が自分の知らない淫靡さを見せていることは自分を異常な興奮に堕とすのだった。 静かな動きだったが、自分から見えない妻の局部は一杯に男性器を咥えていたところにさらに侵入を許していた。妻の顔は相変わらず虚ろな表情を見せていたが、ある一点で形良い眉毛を八の字に歪ませた。妻の股間に目を遣ると妻の手は回転させたことで性器を画面に露出させており、男性器から生えた枝は妻の敏感な箇所に触れているようだった。妻は様子を窺うように手を僅かに上下に動かしていたが、それが枝先をチロチロと亀裂の先にピンクに染まり物欲しげに蠢くクリトリスを慰めていた。 その動きで先端が触れるたびに妻の腹筋が収縮し、のびやかに健康的かつ魅力的な脚線を描くふくらはぎに力が入る様子が判った。 やがて妻はその刺激に慣れたのか、あるいはさらなる快感を求めたのか股間を貫く動きを大きくした。それとともに溢れ出る自分の精液はやがてなくなっていった。 いまや妻の胎内で快感を貪っている男性器のカリの突起が余すことなく自分が妻に残したマーキングを打ち消しているようで胸を掻き毟るような焦燥感に駆られた。それでも妻の淫猥な動きから注目を外すことはできず、次第に動きを強めた腕を助けるように腰を僅かに前後に振る事で片方の乳房を露出した胸が乳白色の光を浴びて揺れる様を見つめていた。 その頃には妻は困ったような表情をながらも上気し、口元は酸素を求めるでなく、ただ胎内を蠢く物体から産み出される快感を放出するために淫らにだらしなく歪んで開いていた。 苦しい吐息は声をあげることをかろうじて抑えていたが、いまや連続した動きで妻の股間に押し込まれている男性器は妻の愛液にぬめり、それを掴む妻の指は次第にその底部に回っていった。それが妻の胎内に埋まっているとは信じられない程に残された部分は少なく、まるで妻の股間からそれが生えているように見えたが妻の手が底部に回り、その角度をやや上方に持ち上げたことで秘裂の下端を露わにした。 今までその存在を忘れていたが、妻のクリトリスを舌先で舐め回している枝の反対側にももう一つの枝が醜悪に妻を責めていたのだった。 その細い曲線は真っ直ぐに妻の肛門に突き刺さっていた。妻が自分を深く貫く度にその先端は肛門を突つくようにその周囲を這っていた。 快感を求めて男性器を挿入するとクリトリスは快感を得る反面、その対面からは妻が知らない部分を刺激しているのだった。妻が男性器をやや持ち上げた理由が得心できたが、画面の妻は一心不乱に自分を慰めており、その目は虚ろに光を失っていた。 自分の精液の残滓と妻の愛液にぬめる肛門は性器よりやや色を濃くしていた。いままで妻との性行為でもそれを刺激することなど思いもよらなかったが、それから目を離せず見つめるうちに妻の腕は激しい動きから快感を貪るようにストロークの長い抽送となっており、妻の子宮に届くほど深くえぐった時には確かに滑らかな先端が妻のアイリスに侵入をしていることが見て取れた。 そこまで自宅でなりふり構わず快楽を貪る姿に怒りと悲しみが困惑に混じって言いようのない感情に翻弄されていた。が、股間にやった手はそれを握りしめ画面の妻をより責めるように力強くピストンする事を止められなかった。 時間を感じないほど短く自分の股間から快感がせり上がると、場所を弁えて抑えようとする理性をあっという間に覆い隠しパンツの中に精を放った。 荒い息遣いの中でも画面の妻からは目を離せなかったが、未だ妻は一動作毎に全身を収縮させて快楽の渦に翻弄されているようだった。自分が絶頂に達した後も行為を続ける妻を見ていると、急激に性欲の霧消を覚える頭に自分とのセックスで妻が性的快楽を満たしていない恐れが芽生えた。 確かに自分が妻の中でその時を迎える時は、妻もタイミング良く自分を絞り上げるように強く感じているようだったが、それは果たして妻を満たしていただろうかと思い悩むのだった。現金な自分の脳は既に用済みになった画面の妻の痴態を、冷静にアダルトビデオの一場面のようにみており、やがて妻が無言のまま動きを徐々に止め、股間に生えた男性器から手を離し荒い息遣いで胸を上下に揺らしていてもあまり感傷は湧かなかった。 妻の手は片脚を抑えるように添えられていたが、姿勢が苦しかったのか滑り落ちるように浴槽の中に落とされると、やや大きな音を立てて妻の股間から男性器がまろび出た。それは擬似的な出産のように見えたことで醜悪なイメージとして頭に残ったが、妻はその音に驚いたように急に表情を正すと身体を起こし、伸びをする様に背中を反らせた。その姿は巻スカートを捲り上げ片方の乳房を露出しており彫像のビーナスと見えないこともなかったが、頬を染めて伏し目がちに行為を恥らうような表情は高尚な美しさより影に隠れた性の淫らさしか感じられなかった。 股間が気持ち悪く、慌てて脱衣所に向かうと下着を脱いだ。洗濯しようと思ったが、病に伏しているところに急に洗濯した場合の妻の反応が気になり少し考えると、それを洗面所で洗うことにした。自分から放出したものながらそれを洗うことは気持ちよいものでもなかったが、それを手早く済ませた。 確認のため洗濯籠をみると既に空となっていたが、洗濯物の干してある二階のベランダには妻の着用していたものが晴れやかに風に翻っていた。それが妻の隠と陽の対象を描いているようで複雑���気分になったが、気を落ち着けるとpcの前に戻った。 記録をみると昨晩の映像はまだ送信されていないようだった。にも関わらず、pcにデータを移動したことは妻がそれを送信することに躊躇いがあるかもしれず、その感情を考えるとまだ妻を信じられるかもしれなかった。 狂乱のひと時が過ぎて静かに考えようとしたが、つい頭は先ほどの映像に向かってしまった。妻を貫いたものはこの家にあるに決まっていると思うと、ややむかつく胸が病気によるものか妻の行為によるものか定かではなかったが、それを探すことにした。 自宅で物を隠す場所を考えるとあまり思い浮かばなかったが、将来は子供の部屋とする予定の2階の5畳半の部屋に入った。そこにはあまりものを置いておらずガランとしていたが、クローゼットには妻が季節で使わない衣料品やバーベキューの道具など雑多なものを収納していた。あまり探した様子を残すことを躊躇っていたが、やや朦朧とした頭では丁寧に取り出して行ったものを整理することが億劫となり、やがて床に乱雑に収納したものが並べられた。 ケースに丁寧に畳まれたものやハンガーにかかった妻の衣服を改めたが、特段気になるものは無かった。やや失望しながら床の小箱を調べたがどれも見覚えのあるもので、妻が用心しているならこのように容易に調べられる場所に隠す事は無いように思えた。 取り出ししたものを半分ほど元通りに戻した時、古いアルバムを遣った。タイトルは妻の父親が丁寧に貼り付けたもので、それだけで妻が両親に愛情を持って育てられた事が知れた。 興味なくそれを手に取ると幼い妻が写真ではしゃいでいる姿から中学高校あたりまでが映し出されていた。写真がそこで終わっているのは恐らくその時期からデジタルカメラが普及し、紙に印刷することがなくなったためと思われた。 最後の写真から自分が出会うまでには大学の4年間ほどが空白となっていた。多感な時期にこの地方から首都圏にでてどのような暮らしをしていたのか想像を巡せたが、ただ妻からは聞いた平凡な生活が思い浮かぶだけだった。 写真の最後は高校の卒業式で締めくくられており、その後の妻の生活に思いを寄せた。改めて考えれば妻は目立つ程の美人ではなかったが、大人しげな仕草と上品な所作はそれを措いても男性を惹きつける筈だった。まして衣服でも隠せないスタイルの良さはそれだけを狙う輩の視線を集めると思われた。 その妻が一度は向かった首都圏から就職を地方の地元にしたことは不思議なことだった。妻からは都会の喧騒が肌に合わず、永く暮らしたいと思えなかったとは聞いていたが、自分が同期では異端であるように望んで戻ってきたことは改めて考えると腑に落ちなかった。 妻が通っていた大学は最高のレベルでなくとも就職難の時勢でも、就職に困難を覚える程のこともないと思われ、妻の両親も厳しいながらも妻を手許に置きたいと意固地になる人柄でもなかった。 いままであまり気に留めない事を考えると具合の悪さを打ち消すように胸騒ぎがよぎるのだった。 ここには目的のものは無いと判断し、アルバムを片付けると部屋を後にした。 次に気になるのは寝室のクローゼットだった。それはスライドドアを開けて入る大きめのウォークインクローゼットと呼ばれるものだった。 そのには箪笥やカラーボックスで小さな通路を形成しており、秘密のものを隠すには余りに安直と思われたが収納を全て探してみてもそれと思われるものはなかった。 ここの探索でも徒労に終わったことで疲労感が増し、思わず隅にあった踏み台に腰掛けて頭を箪笥に持たれかけさせた。ふと天井に視線を向けると、この閉ざされた室内は寝室の全面クロスで覆われた天井と異なり、ベニヤ板剥き出しの簡素な仕上げの天井と判った。 そこに目を向けることは今までに無く、単純に日常目につかない場所の仕上げがいい加減なことに建築業者の姿勢が見えるようで嫌な気持ちになったが、隅に目を遣ると四角く空いた空洞が目についた。 住宅購入時に最近のシックハウス症候群を防ぐため、断熱性を高めながら換気を実現し、それが家の寿命を高めると言っていた不動産業者の言葉を思い出し、それが屋根裏に通じる換気口とわかった。立ち上がりそこをしげしげと観察すると、その奥はものを隠すには適した場所と思われ、自分より僅かに低い程度の妻の身長であれば、椅子でも持ってくれば十分に手が届く場所だった。空洞の内側には虫の侵入を防ぐためか網目状の格子が嵌め込まれており、まだ住んで長期間というほどでもなくとも埃がついている筈だったが暗い色の格子はその奥を覆い隠すように綺麗に自分を拒絶していた。 その場所の疑念が急激に高まり、一度はそこに手をかけようとしたが、格子の端の暗がりをみると丁度手を掛ける部分に小さな南京錠がぶら下がっていた。防犯上気にするような場所でもなく屋根裏から降りるのに非常手段としては天井を破壊すれば良いところにそのようなものが侵入を拒んでいることに苛立ったが、これでそこが目的の場所であることが確かとなった。 しばらくそこへの侵入手段を考えていたが、南京錠を解除しなくては引き上げ式の格子を抜けることはできないようだった。他の天井板は釘で打ち留められていた。それを引き抜くことも考えたが、まだ妻には自分が知ることを明かしたくなかった。 興奮で熱に浮かされたように考えていると、建物の構造上、そこが屋根裏収納のスペースに隣り合っていることに気づいた。屋根裏収納はさほど広いスペースではなかったがそこを隔てる板ならば外したとしても当面妻に気付かれる心配はなく、裏口から妻の秘密を伺うことができるのだった。 頭はそれで一杯になり、慌てる必要が無いにも関わらず、廊下にでて天井から梯子を引き出すと、その暗い小部屋に入った。日中でも光の届かないそこは暗かったので、寝室の隅にある非常灯を取るとそこに戻った。 屋根裏収納はそこそこの広さはあったが、高さはががんで頭が天井に着くほどのものだったので、腹這いになり目的の方角に頭を向けた。日光に暖められた天井裏は暖かく気分の優れない自分には心地よかった。 目の前はベニヤ板で閉ざされていたが、隅の釘を数本抜けば隙間からその先を見ることができるようだった。しばらくこの空間で身体を休めようとも思ったが、後ずさりして階下に降りると工具を持ってそこに戻った。 閉鎖された空間で木の香りが鼻についたが、マイナスドライバーとペンチを持つと丁寧に作業に掛かった。途中建築業者のしっかりとした仕事によって進行を阻まれたが、思いの他厚めの素材だった板を外すと、そこは白い断熱材に囲まれた空間だった。非常灯だけを頼りにしていた暗がりから、白い素材が光を反射し穴からでたような感覚を味わった。 目の前に先ほど自分の侵入を拒んだ格子が下に見え、目の前にはようやく姿を現した妻の秘密が眼前にあった。 それに触れる前に懐の携帯でその様子を撮影し、元通りにする準備をすると恐る恐るそれに手を付けた。それは2つの硬い紙素材の箱で、一つを開けると中には忌まわしい数個のディルドとバイブレータで見たされていた。中には最初に妻の衝撃的な映像で見た根元が吸盤のように固定できるものや、ケーブルで繋がれた動力を内蔵するものなど見覚えのあるものがあり、昨日妻が下腹部に咥えた幹に2本の枝の生えたものも確認できた。 その箱を眺めていると、それらが妻を嬲ったことに悔しい感情が湧いたが、腹這いであることで床に密着した自身の股間に血が通い否定しようとしていても羨望の感情がそれに混じるのだった。 はやる心を抑えつつ、性具の詰まった箱を元に戻すともう一つの箱をそばに寄せた。ようやく妻の行為にその箱が答えを出すことを期待しながら蓋を開けた。 そこには小さなメモリ録画式のビデオカメラとやわからな触感から女性の下着、それも極限まで布地を削った卑猥なものが入っていた。下着は数点だったが、ホックのついたストラップからブラジャーと思しきものを摘み上げると、それは本来乳房を覆うべき機能を失っており、ただ乳房に当たる部分にはレースのついたやや硬い素材があるだけだった。それを着用した妻の姿を思い浮かべたが、それは妻の乳房を下から支え乳房は露出することと思われた。 まじまじとそれを見ていたが、他の物も乳房をただ上下から包み乳首の辺りが抜けているものなど、どう考えても日常で用いることなく、女性用というよりは男性の淫らな視線を誘うものだった。 一点一点を取り出した順番に並べてゆくと、箱の底にたどり着いた。それで終わりと呆気に取られたが、よく見ると、底材と同化したような色合いでそこには素っ気ない茶封筒があった。 性的に興奮にしつつも奇妙な冷静さでそれを取り上げると、摘まんだ指は震えており自身の内心と身体の動作の乖離が煩わしかった。 封筒の中には更に封筒が入っており、端を触った感覚からそれが開封されていることが知れた。非常灯をそばに寄せてその封筒に収められた紙片を取り出した。 紙片には印刷した短い文が記載されていた。 『結婚したとの知らせを聞き大変嬉しく思います 学生時代の美しさと変わらず幸せな新婚生活を送られることを願っています 学生生活では勉学においても私生活においても充実した日々を送られたことを思い起こします 2年生では大きな出来事があったにも関わらずいつもを変わらない涼やかな暮らしをされており、そばにいた私も心慰められました 今後も当時と変わらずお付き合いください 下記に連絡先を記しますので是非ご覧下さい 尚、ご覧いただくにあたりましては当時お使いの名前をパスワードとしております また会える日を楽しみにしております』
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫8
翌週は天気も良く日に日に緑を濃くする街路樹をみると時折妻を飲み込む不幸を忘れ普段と変わらぬ平和を感じることもあった。 安閑と日々を送っていると、入社当時から指導にあたり親しい部下の抱えていたプロジェクトが客先都合で延期となり、当面のスケジュールに空きがでた報告があった。人柄も良く、仕事も実直にこなす態度を評価しており、今回の件も客先から届いた詫びのメールをみればこちらの不手際によるものでなく、先方の予算取りの失敗によるもので、彼に帰する責任はなかった。 それでも、報告しながらしきりに自分の配慮不足を詫びるかれの姿は少々力づける必要があるように思われた。部下を率いるに当たっては、極力丁寧な指導を心がけていたが、必要以上の働きかけはその可能性を摘むことが時にあるように思う事がポリシーとなっており、それはいまは本社に去った入社当時自分の指導にあたった先輩の信条でもあった。 なにかの機会を捉えて彼がしぼまないようにする対策を考えつつ自身のスケジュールをみると週末の出張が目に止まった。すでに申し込みをした新しいシステムの説明会だったが、彼と同行することで力付け、また、その分野に取り組むにあたって彼の実直な姿勢は適任であるように思われた。 その考えを進めると、名案であるように思われ早速説明会の事務局に増員を半ば強引に取り付け、そのまま社内の遠距離の交通費申請を本人の確認も取らずにすすめた。 通常はシステムに入力するだけで旅券が数日中に届く便利な方式だったが、日が迫っており単に出張��けでなく部下を励ます意図もあったので不手際を避けるため、内線をとると庶務に念押しの連絡をした。 電話にでた相手は珍しく男性の声で要件をつたえると、やや不慣れなのか数度のやり取りで伝えることができた。念のため通話の終わり際に氏名を尋ねると聞き慣れない名前が返ってきた。受話器を置くと週末の出張に部下と同行することを伝えた。 報告から間も無く急に出張となったことに面食らっていたが、部下は週末に仕事となることを快く受け入れてくれたので、普段と異なる強引な進行をしたことにやや違和感を感じていた自分も安心できた。 帰宅すると妻はいつもと変わらず自分の帰宅にあわせて夕食を準備しており、着替えるとそのまま食卓につける幸せを噛み締めた。 食事の際に今日気がついた庶務所属と思われる氏名を告げると妻はそれが最近数名が退職した人員を補うため、一時的に採用した派遣社員であることを教えてくれた。 妻の感想としては得体がしれない雰囲気を漂わせており、あまり近づきたくないタイプであるとのことだったが、通話を思い返せば不慣れであるにもかかわらず慇懃無礼な感があり、その評価は納得できるものだった。 部署によってはパートがいたが、地方採用の事務員以外には本部採用の社員のみの人員構成はよく言えば能力のある社員を均一的に揃えることとなっていたが、反面ユニークな人材に欠ける点があることも感じていたので、例外処理を嫌うことで名が通っている人事部が派遣社員の受け入れをしたことは目新しいことだった。 妻の働く部署は庶務と同じ部屋であるため、自分が週末に出張することは既に妻の知るところとなっていた。知らせが数日前となったことを妻に謝ると、妻は仕事であれば仕方が無いことを言うと自分がいない週末は羽を伸ばすと笑うのだった。本心としては寂しいと言って欲しいところだったが、妻の屈託のない表情からはなにかを読み取ることはできなかった。 寝る時間となり布団に身を横たえると、後から洗い髪を乾かし床についた隣の妻に週末の予定を尋ねた。妻は急な事なのでなにもするつもりはないと返し、日曜日は早く帰って欲しいことを小声で囁くと自分の手を握ってきた。 食卓での一抹の寂寞感はそれで解消しそのまま妻の手を引くと妻の布団にはいり夫婦の夜を営んだ。 翌朝は早くに寝たために、薄暮の時間に目が覚めた。妻との行為で股間が少々体液が付着していたため、朝風呂にはいるため妻を起こさないように床を抜けるとポストから新聞を手にとった。この時間は物音なくかすかに漂う堆肥の臭気が自分が育った都市部と違う地域であることを今更ながらに思い起こさせた。以前ポストにあった紙片から一連の出来事が始まったことを考えることは目に映る清浄な光景に似合わななかったが、葉を広げ自宅を周囲から隔絶するように立つ植木が自分の領域である自宅を守ってくれているように思えた。 庭に停めている自家用車も丸いヘッドランプをこちらに向け、自分に同意しているようだった。と、その車内をみるとかすかな赤いLEDランプがまたたいており、それは先日取付けたドライブレコーダーだった。それがあるだけで防犯効果があることに感心したが、先程感じた自動車のヘッドランプが眼のように思ったことはあながち間違いでないことに納得するのだった。それは家を出た時から自分を見守っていたに違いなく、急に自分がどのように映ったのか見たいと思うと玄関の鍵をとり、それの後部カバーを開けるとメモリカードを取り出した。 pcに挿入して映された映像は思いのほか鮮明で、売り文句にあった万が一の事故でもナンバープレートまで詳細に記録することが間違いででないことを示していた。 ふと、それを眺めていると、自分が不在時の家の様子を記録できることに思い至った。完全に妻の疑惑を消すことはできなかったが、自分の不在時の妻の行動が確認できることは自分の安心材料とできる筈だった。妻を裏切るようで気が引けたが、自分の携帯電話の一件から猜疑心の生まれた心はそれを秘匿するため、LEDランプに手近にあったテープを細かく裁断すると幾重に貼り付けその自己主張を欺瞞した。 金曜日の晩、久しぶりの出張の荷造りは妻がしてくれていた。旅行用のスーツケースには衣類が整然と畳まれており、脱いだ下着を収納する袋まで用意されている心遣いには改めて妻に感謝を言うに値した。 代わり映えない自分の下着を見ると、褒められてにこにこしている妻に、次に妻が旅行をするときは自分が下着まで準備することを提案すると破顔して自分を変態よわばりして笑うのだった。 内心妻が身につける下着を選べるのなら楽しいと想像したが、不埒な考えを除けると妻に週末の予定を改めて尋ねたが、実家に行く用事もないので多分一日家にいる、との返事だった。付け加えるように食料品の買い物には行き日曜日は晩は腕を振るうので食べたいものがあれば事前にメールを送ることを約束させられた。 妻の様子からは不審な点は全く見受けられず、単に自分のいない週末を侘しく思っているようだった。 翌朝は小雨模様だったので休日の外出を疎ましく思ったが、朝食を終えると早々に家を出た。家を囲む植樹垣根を一歩出てから振り返ると、玄関を出て見送る妻の隣に斜に構えた自動車の存在感が家を守るように見えた。 出張では移動中に部下と日頃話せない事にまで話が及び当初の目的を達することができた。先日の案件の流産も失敗として前向きに捉えており、会話の端々からその成長を見て取れ、今後仕事を任せられる範囲を広げることを決意できた。 2日に渡る説明会は密度の濃いもので思っていたより販社がその商品に力をいれていることを頼もしく思ったが、説明会の後の実機での体験では気になる点も多く質疑の内に時間が過ぎていた。 日曜日も詳細な説明を受けることに終始したが、夕方には解放され部下と報告書と提案書を作る労力を思うと顔を見合わせるばかりだったが、それも収穫と思うと勘定はおつりがくるものと思われた。 帰宅の前に妻との約束を思い出し、携帯に電話すると普段と変わらぬ妻の声を聞くことができた。一日の不在でも妻のいない晩は開放感よりも心配が募り、声を聞くことができただけでも胸をなで下ろすことができた。 特に食べたい料理もなく、妻にそれを告げると電話口の先で膨れる妻の表情が想像されたが、ともかく豪勢な食卓の待つ家路を急ぐ気持ちがはやるのだった。 電話を切り、車中の飲み物を買いに出かけた部下を探し視線を回すと、列車がホームに入るアナウンスが流れた。それに続いて別の列車の発車を告げるメロディーが流れた。それは聞き覚えのないものだったが、何故か自分の記憶にその単調な音の連続は既視感を感じるものだった。 幼い時分は人並みに電車に興味を持ったことはあったが、それからは鉄道に興味を持つこともなく過ごしていた。なにかの楽曲のアレンジかと記憶を探ったが帰る答えは全て否定のみだった。 納得がいかない様子で考え込んでいた姿を戻ってきた部下は怪訝な表情で伺っていたが、我にかえると適当に誤魔化し車窓に流れる景色を楽しみながら家路についた。 部下と別れ、電車を乗り換えると家に戻る実感も湧き、緑の多くなった風景を眺めていると、遠くにショッピングセンターが望まれた。特徴のある建物はこの地域の新しい建物としては斬新奇抜だったがいまではそれが目印となっていることは旧態とした地域にあっても環境を受け入れる柔軟性に感心したものだった。 そこはいつか妻を陥れる犯人の誘導に従って、そこで妻の姿を探した場所だった。当の妻自身は殺風景な事務所で犯人の陵辱を受けていたことは屈辱だったが、その日の夕方には妻に電話をして安心した自分の愚かさがいまさらのように胸の内を蝕むのだった。思えばその時妻の声を聞いてことで心が鎮まったのだったが、おそらく妻自身はその前後に犯人の行為によって雌の声で鳴いていたのだろう。 口惜しさに唇を噛み締めていたが、ふとその時に妻の電話口から聞こえたメロディーが脳裏に走り、頭の隅にもやもやと留まっていた音の連なりに一致を見出した。表情は変えなかったと思うが、強烈な閃光を浴びたように目に映る風景が白く霞み、そのことに全ての脳細胞が集中した。 鉄道のメロディーは地域によって決まっており、中には特定の駅だけで流れるものもあったが、それらは地域を越えて同じものが流れることはない筈だった。自分と通話した時に妻の受話器に流れ込んだメロディーは、妻がそのとき先程まで自分が出張していた地域にいたことになる。それ自体は解決する役には立たないが、また一つ犯人へと至る手がかりを得ることができた。 考える内に電車は駅に着いており、考えていた時間に比して実際に経過した時間を思ったが、劣等感じみた奇妙な満足を胸に秘め、駅を出ると妻の待つ自宅に向かった。 自宅に帰ると約束の通り豪勢な食卓が待っており、帰宅に合わせてそれを準備してくれた妻の心遣いに感謝しながら舌鼓をうった。 食事を終えると妻に週末の行動を尋ねたが、特段することもなく買い物の他は家で読書していたとのことだった。 表情を変えることなく後でドライブレコーダーを確認することとして、早々に明日作成する出張報告のアウトラインを思案するためpcに移動した。 pcを起動すると犯人からの知らせをみることを考えたが、妻が不意に現れないとも限らない状況ではそれを見ることはできず、報告内容を考えることに専念しようとしたが、雑念が混じる頭では考えもまとまらず、画面を漫然と資料をみているばかりだった。 それでも考えがまとまらないなりに資料から幾つかの着目点を得ることができ、それを端緒に追加の質問事項をまとめると報告の方向性をまとめることができた。 思いのほか時間が過ぎており、既に風呂に入って就寝すべき時間となっていることに我に帰ると、妻は既におらず寝室に向かったようだった。2階にあがると既に妻はすでに就寝しており、ドアを開けたことで寝ぼけ眼でこちらに目を向けたが、自分をみると安心したようにそのまま眼を閉じた。着替えて床に就こうかと思ったが、改めて服を脱ぐと今日の行動によってついた匂いが鼻につき、そのまま床に入ることが躊躇われたので入浴をすることにした。 休む妻をあとにして、階下に降り脱衣所で衣服を脱ごうとしていると正面の勝手口に目が止まった。一仕事終えた疲労で頭が回っていなかったが、先ほど考えていたドライブレコーダーのデータを確認することを忘れていた。玄関のドアは重さもあり開け閉めで2階にいても気配を感じることもあるが、目の前の勝手口であれば階段と離れていることもあり、おそらく2階の妻の眠りを妨げることは無いと思われた。 居間から車の鍵をとって引き返すと、あまり開けることのなかった勝手口をそっと開け外に出た。昼間は暖かだったがこの時間は冷んやりとした空気に包まれ、空を見上げると薄く雲のかかった満月が青白い光で自分を照らし一気に頭が冴えた。 裏を回り庭に出ると、つい癖で鍵のボタンを押しそうになったが寸前でそれが車のアンサーバックを呼ぶことを思い出し手を止めた。鍵で直接ドアを開けることにしたが、その際にロックを解除する音が響くことを考慮し、後部のハッチの鍵穴に鍵を差し込んだ。 ハッチから身を乗り上げ後部座席に収まるとドライブレコーダーからメモリーを引き抜き、今後に備えてルームランプを消すと車を後にした。pcまでは僅かな距離だったが、はるか昔に親の目を忍んで���ダルトビデオを手にいれて自宅に帰る道程と同じ興奮を覚える自分に違和感を感じるのだった。 pcの前に着くと、万が一妻にこの場面を見られた場合の言い訳が難しいことを考えて先に入浴をする事にした。風呂上りに寝付く前にpcを見ていることは自然と思われた。何故か入浴中にこれから見る映像が予期できなかったにもかかわらず自身の性器が勃起しているのだった。 妻の淫らな姿を想像したのではなく、妻が自身の留守の間に自分を裏切っているかもしれない事自体が自身の性的興奮を呼んでいるとは思いたくなかったが、それは事実のようだった。 映像の立ち上がりに画面下部に表示されるスライダーバーを見る限り、映像の長さはさほど長いものでないようだった。画像の始まりは一匹の猫だった。常時撮影のドライブモードでなく、映像に差異を感知したときのみ撮影のするモーションセンサーモードだったので、家の門の前を猫が横切ったことで撮影が始まったものだった。猫が立ち去ってから数秒間は映像が見慣れたものを映し出していた。画面左には玄関が僅かに写り、画面中央には玄関から外の光景が普段と変わらないものとして存在していた。 唐突に画像が切り替わると、明るくなっており丁度自分が玄関から出てゆく姿だった。つい昨日の姿だったが、映像で自分の姿を見ることは、その時の自分が抱いたこのカメラについての感情を裏返しに見ているようで複雑なものだった。 玄関をでてから振り返る自分の双眸を見ると、自分の分身が聖域から出かけてゆき、この自宅が無防備な空間となるようで、画像に声が届くなら引き止めたい衝動に駆られるのだった。 画面から遠ざかる自分が角を折れて曲がると、また最初と同じ光景が映し出されたが、それからしばらくは自動車が通ることにカメラが反応した姿が数度あるだけだった。 自分がやや焦れていることを感じたが、一方で���燥の理由を不審におもう自分もおり、それを考えていると手はマウスに伸びず、ただ暗い室内に顔面を照らす画像に見入っているのだった。 と、画面がより陽光の強さを増したものに切り替わると画面の左から妻が出てくるところだった。少し小走りに手にはゴミ袋を持っているところを見るとやや慌ててゴミを出しに行ったようだった。映像が一旦切れたものの、程なくして妻は玄関に姿を見せ小走りになったためか、手で顔を扇いでいた。普段と変わらないシャツにスカートだったが、無防備なリラックスした姿を映像でみるとアダルトビデオの導入部をみているようで、挙げた腕の脇から見えるシャツのこんもりと膨れた乳房が揺れるさまを凝視していた。自分が不在でも妻の歩き方は整ったもので、それはそれで改めて妻の所作の隙のなさが伺えた。 そのまま妻は家にはいると再度画像は退屈な時折通る車と、ランニングする学生など変哲もないものとなった。 普段の妻はゴミ出しに慌てることなどなく、いつも余裕をもって出している筈だったが、今日に限って小走りになっていた事は自分の不在で気を抜いていたかと思うとやや微笑ましかったが、次の映像はその理由を説明した。 玄関をでた妻の姿は髪を束ねており、それだけで違和感を感じたが、その服装は薄手の春コートを纏っており中はわからなかった。 あまり履くことの多くない黒のエナメルのパンプスが一層不安を掻き立てたが、そこから優美な脚線美を描く脚は濃いめのストッキングかタイツに覆われコートの裾に隠されていた。 妻は履きなれない靴でも、姿勢を乱すことなくドアを振り返ると鍵を施錠し、僅かに身を屈めて床に置いた鞄を手に取ると、そのまま美しい後ろ姿を自分が辿った道を歩いていった。 画面から妻の姿が消えるまで呆然としていた。妻の姿はどう考えても買い物に行く服装ではなかった。友人と会う時でも楚々とした服装、例えば淡い色合いのカーディガンにシフォンスカートなどで、カクテルドレスなどでなければエナメルの靴は履く姿は見かけることはなかった。妻の行く先に頭一杯の疑念が湧いたが、我に帰ると慌てて妻が家を出る場面まで映像を戻した。 家からでてドアを抑えつつ鞄を玄関外に置くところでコートの裾が開くと、その中には数センチと思われる妻の太腿があった。 自分の思いを無視して流れる映像をを一旦停止にすると、該当の場所にスライダーバーを合わせた。 妻の脚を覆っていた黒い布は膝上十数センチで、映像の中でさえ肉欲を催す太腿の柔らかさを示すようにへばりつくことで画面の解像度でもほんの数ドットを食い込み、そこから少し太腿を見せるとダークグレーのタイトスカートと思われる無粋な布地に消えていた。妻がこのような扇情的な外出時にすることは無く、その膝上で終わる妻の脚を覆うものはそれだけで、先日の他人の妻が着用していたものを思い起こさせるもので淫靡といって差し支え無い物だった。 今見た光景に愕然として前後に映像をスライドしたが、次に鞄を取り上げる際に見えたものは、それを裏付けているだけだった。 鞄はショッピングバッグなどではなく、旅行の際に用いるもので内容を満たしていることはその膨らみと妻が持ち上げる時の力の掛け方から明白だった。 出かけるために振り向くまでの妻の表情はいつもと変わらず、これといった感情を読み取ることができなかったが、かえって無表情な妻は普段の自分のそばにいる笑ったり喜んだりする妻でないようで不安を増した。 それからは、ただ画像を妻の帰りを待つだけだったが、画面に映るものはどれも自分の期待を裏切るものだった。ドライブレコーダーだけあって薄暗い時間でも、荒れた映像ながら動きを監視していたが日が沈んでも妻が帰る映像はなかった。自動で点灯した玄関の灯りで撮影が始まってからは、通る車も減りやがて朝の新聞配達のバイクが通る時間となった。妻が昨晩留守にしていたことはほぼ確実だった。それは妻が言っていた買い物に行く以外は自宅にいたとの事が偽りであることを物語っていた。 画像は日曜日の朝の姿を写していたが、呆然とする自分の目に妻が帰宅する姿が写っても直ぐに反応出来なかった。妻は画面の奥の角から来たのではなく、門の脇から突然現れた。駅から帰ってきたのであれば出かけた道順と逆となる筈だったが、妻の表情は無表情というより呆然としたといった表情で感情を読み取る以前に、そのような表情を見たことがなかったので、ただやや覚束ない足元で家に消えるまで妻を凝視するばかりだった。先ほどと同じようにスライダーを妻が現れたところまで戻し、妻が画面に映る数秒を改めてみると妻の脚は出掛けた時のようではなく、素足かストッキングかはわからなかったがともかく肌色だった。 一挙に昨晩の妻の行動の疑念で思考が埋まったが、画像が途切れると同時にタクシーが家の前を通り過ぎる姿が写った。周囲のあまり無い家でも朝からタクシーで帰宅することは多くないと思われ、妻がタクシーで帰宅したと考えることが自然だった。 タクシーが通り過ぎる映像を一旦停止してみると、鮮明ではなかったものの個人タクシーと判別でき、その社名を読み取ることができた。ありがちな名前のタクシー会社は幾つもあるが、比較的珍しい名前だったので特定は容易と思われた。考えているうちに時間が過ぎ、昨日と変わらない映像が数刻流れた後、妻が普段と変わらない姿で玄関のから出掛けた。 その姿は普段通りのもので、朝の映像からは想像がつかないほど、清楚で健康的なものだった。表情はなかったが朝の不気味ささえ感じるものでなく全く異常を察知できるものではなかった。しばらくして妻が買い物袋を提げて家に入ると、あとは自分が帰宅するまで問題とするようなものはなかった。 妻が自分に明かすことなく、自分の不在に留守にし、その出入りの映像をみる限り妻は明らかに自分に秘密の外出をしたのだった。2階で休む妻を揺さぶり起こし事情を問い詰めたいと自分の脳髄が訴えたが、それが犯人の誘導によるなら、今はまだ動くべきではないとする理性がそれを押しとどめた。 映像にはなにも妻の痴態を晒すものはなかったが、犯人だけでなく自分も妻を盗撮していることに後ろめたさを感じた。一方で妻をこの状況から救う決意を新たにしたが、外出時の妻のした事を単純に下半身が見たいと声をあげていることも事実だった。 夜半も過ぎ床に就くことにしたが、悶々とした気持ちを和らげることができず階上の妻の隣に身を横たえると、姿勢良く眠る妻の横顔を見ながら寝入ったのだった。 翌週のはじめは何事もなく過ぎたが、先週の出張報告は上層部の興味を引いたようで、月曜日晩の会議報告だったにも関わらず、水曜日には計画の更なる検討と詳細を詰めるように指示を受けた。本社と異なり万事に緩慢なこの地方の事業所としては異例の進行と思えたが、自分自身としても面白いプロジェクトと思えたので異を唱えることもなく、先日の出張を共にした部下と今後の検討も兼ねて会社近くの居酒屋で現段階の祝杯をあげることにした。 出張の報告に上層部が興味を示したことは部下にとってもプラスに働き、日中にその話をしたのだが、すでに進行について計画を練っており、ほとんど酒が進むこともなくビジネスライクな夕食となった。先日の落ち込んでいた部下は過剰とも思えるほど計画に興奮しており、改めて出張に部下を巻き込んだことに満足を覚えた。 結局、10時過ぎまで密度の高い打ち合わせを済ませ、勘定をしようとすると平日もあって店に客は他に疎らとなっており、他の客は酔いが進んでいるところ、個室のテーブルには部下のノートパソコンと散らかした書類が散乱している様は改めてみると奇異に思われ、場所を誤ったことを部下に詫びたが、部下はこの場所だったからこそアイデアも生まれたと逆に感謝されてしまった。 会社からさほど遠くない場所に住んでいるので店の前で別れると、それぞれ逆の方向に歩み去った。先ほどの会話を考えながら歩くと、二三考えているおかなくてはいけないことがあり、咄嗟に携帯電話電話のメモにそれを記録しようとしたが、まださほど会社から離れていない場所でもあり、軽く酔いが回っているためか頭が鮮明に動くことを感じ、踵を返すと会社に向かった。 会社の門を過ぎると、既に建屋にはセキュリティがかかっていたが、不思議なことに妻の勤める事務棟の登録はoffとなっていた。この時間にその建屋に誰か勤務していることは珍しいことだった。現場が稀に徹夜作業となることもあったが、以前に労働監督署の監査があってからは本社の指導もあり労働時間が管理されていることで無茶な強行作業も減っていた。 自分としては酔っていることもあり、できれば社内で誰かに会うことは避けたいこともあったので、足早に自分の職場に向かうと、先ほどの検討を進めるため先日の出張に資料を机に出し数値の確認を始めた。 pcには本社や他事業所からのメールが届いており、よる遅くにも勤務している場所があることに感慨を覚えたが、興味半分に現在この事業者でpcを起動してる人員を確認することにした。 事業所単位でサーバが設置されており、基本的にすべてpcはこのサーバに接続して認証することになっているので、このサーバの管理権限を持っている自分は、誰が現在オンラインとなっているか分かる仕組みとなっていた。 使用者のリストには自分の他には見慣れない名前があった。人員表から確認すると、それは以前に自分の出張の際に対応した男だった。この時間に派遣社員のみが働いていることは不可解だったが、さらにログイン履歴を照会すると、一旦18時にはpcが接続を終了しており、そこからついて先ほどログインしていた。 事務棟の勤務が遅くなることは珍しく、好意的に考えれば勤務熱心とも考えられるが、やはり不審なことであることは確かだった。自分の職場は外壁に面しており、事務棟を見渡すことはできなかったが、屋上にでればそこを見ることができた。そもそも入社間もない派遣社員にセキュリティを任せることは常識的に考えられなかったが、警備会社に電話してそれを確認することは時期尚早と思われたので、足早に階段を上がると屋上にでた。 昼から風が強い日だったが、この時間にはさらに強さを増しており、屋上ではやや歩みをしっかりしないとよろけてしまう程となっていた。 目的の位置に達すると、事務棟の明かりのついている部屋を見た。角度の関係で部屋のすべてを見ることは出来なかったが、全体の半分以上を見渡すことができた。が、人影はなく、特に異常を認めることはなかった。呆気にとられたが、ともかく誰がいないとしても明かりが灯っていること自体が異常であり、自分で行って確認しようと思った時、机の隅から腰から下が出ている姿に気がついた。 今までそれに気が付かなかったことに驚いたが、改めて見ると幾つかの椅子が机から引き出されており、その一つの机から腰が突き出されているのだった。 間も無く、腰が後ずさると若い男の頭が顔を出し机の前に立った。眼鏡をかけており、やや肥えた体型だったが特段目立つ特徴の無い男だった。男は見る間に別の机に跪くと先ほどと同じ姿勢で机の下に潜り込んでいった。何かの配線作業もかもしれないが、その机は妻の席を含めて女性が勤務していることを考えれば、怪しい行動と推定できた。一台起動しているノートパソコンがおそらく男のものと思われたが、その画面を見て衝撃を受けた。それは先ほど自分が確認したサーバ画面だった。これは管理者権限を持つ人員だけが接続できるもので、管理者グループに登録されれば自分にも通知がある筈だったが、そのようなものを見た覚えはなかった。 疑惑はますます明白となると同時に、男にも自分の所在が明らかになると分かった以上、小走りに自分のpcに戻ると電源を落とした。履歴を確認されればそれまでだが、おそらく男が画面を起動していた理由は現在の接続者を確認するためと思われた。さらに机を手早く片付けると建屋のセキュリティを起動した。 建物の外に出ると、照明がところどころ灯っている他は薄暗い事業所が自分の勤務する見知った場所でないように思え、ふとスパイという言葉が脳裏をよぎったが、男の行動は注目するべきものだった。 疑念を抱えたまま帰宅することは論外で、事務棟に近づくと隣の建屋の非常階段の踊場のスリットから姿を隠して男の行動を監視した。 風が強いため、外の物音が聞こえる事はなく、男のいる場所には照明があるので、こちらが見えることはまず無いと思われた。 男は自分の会社のpcとその隣に置いた派手なカラーリングからおそらくは個人所有と思われるpcを操作しており、なにか忙しそうに、交互に画面を見ては操作を繰り返していた。 十数分すると、作業に満足したのかpcを閉じリュックを肩にかけると部屋をでるような所作をした。風が強いため、自分の体も冷えてきており、ようやく監視を終えることができると安堵したところ、男は思いがけない行動にでた。 自分と対面するようにこちらを向くと、無表情のまま、椅子にかかるストールを手に取ると、それを両手に広げ顔面をなすりつけた。しばらく顔面の形が浮き出るようにストール擦り付けていた。それは正に妻のものだった。妻の机であることに間違いはなく、それを購入するときは一緒にいたのでそのデザインがやはり記憶にあるものだった。 正直、そのようなものにする行為は気持ち悪いとしか思えなかったが、自分の妻のものとなれば男がしている行為は罰するべきだった。風で音は聞こえない筈だったが、低く変態と毒づくと、それが聞こえたかのように男は椅子にストールを置くとさらに執拗に椅子の尻があたる部分に頬ずりするのだった。現実のこととも思えず男の正気を疑ったが、程なく丁寧に元通りにストールを畳むと元通りに椅子の背にかけた。 自分の妻に欲情している無様な男の姿には軽蔑を覚えたが、一方では自身の男性が魅力的な妻を我がものとしている優越感が凱歌を挙げていた。男は変態的な行為に似合わず、しっかりした足取りで部屋を後にすると、程なく部屋は消灯し人影のない事業所に自分は残された。 丁度そのとき妻から電話が入った。部下と夕食をとって帰ることはメールがしていたが、帰りが遅いので心配して電話がしてきたものだった。咄嗟に答えに詰まったが、遅くまで飲んでいたことを詫び、遅くなるので先に休んでいるように伝えると電話を切った。先ほどまで男が妻のストールにしていた行為の直後に妻の声を聞いたので複雑な心境だったが、慎重に事務棟の入口が見える位置に移動した。 そこはここに配属された当初は同僚から、冬場は女子社員がブーツを履き替える姿を観察できる穴場と案内された場所だったが、視線の先には男がセキュリティをかけている様子が見えた。自分の頭の中では男が変態と同義語となっており、まして妻のものにしていた行為から明確に敵として認識されていた。この場で問い詰めたい衝動にも駆られたが、見ているうちに男は建屋から周囲をキョロキョロと見渡すと先ほどと同じようにしっかりした足取りで立ち去った。 この後の行動について考えたが、やはり男の行動は不穏当なものでありそのしていた事を確認することにした。事務棟に入るとセキュリティを解除し、先ほどまで男のいた場所に立った。静まった事務所内には全く異常は感じられなかったが、男の潜り込んでいた妻の机の下は気になった。そこを確認しよう思ったが、机の前に立つ前に男の目的に思い至った。自分にはあまり理解できないことだった、男が女性の机の下でなにかしているとしたら、その可能性は盗撮以外には想像が難しい。推定が正しければそこにはカメラがある筈であり不用意に頭をそこに入れれば自分が撮影されることとなってしまうのだった。 しばらく考えたあぐねたが、男のpcを起動することにした。盗撮しているとすれば、それを記録することが自然と思われた。事業所内は情報セキュリティの観点からサーバを通して外部接続する仕組みとなっており、盗撮した映像を外部に直接発信しているのでない限り、一旦はサーバに接続しているので、それを調査しようと思ったが、特段不審な点は見当たらなかった。手掛かりがないことに苛立ったが、サーバのこのpcの管理情報を参照すると、許可されたデバイスがあることを見つけた。個々のpcのインストールされたアプリケーションから接続しているデバイスまでサーバ管理されていたが、通常pcには全ての外部機器の接続は不許可となっている筈だった。 以前、ある社員が不用意に持ち込んだUSBメモリからコンピュータウィルスの騒動があってからは、使用する物品は厳密に管理され、それを管理している部署はほぼ全ての許可申請を拒否することから、別名鉄壁と揶揄されるほどの堅牢さを誇っていた。 男の立場からは許可されることは不可解であり、サーバの登録をみると許可は驚くことに本部の部門の登録となっていた。定期的に監査が行われることから奇妙と思ったが登録日はついて最近であり、男がサーバに侵入していることから考えると、定期的に使用許可を偽装しているようだった。 これだけでも充分に懲戒処分できるものであり、派遣であれば即座に契約解除となる筈だった。想像の通り、デバイスは通信機器であり、情報を発信するものだった。先ほどの男の行動はこれで説明できた。 おそらく普段は盗撮映像を持ち込みしたpcに直接送信しており、職場のpcからも持ち込みしたpcを制御できるようにしている様だった。後は疑惑を証明するカメラを確認するだけだった。妻の机の反対側の机のしたに潜り込むと、床から携帯電話を差し入れ、おそらくカメラが設置されていると思われる場所を携帯電話のカメラで撮影した。 画面は暗いものだったが机下部の上辺に自然な形で設置されていることが確認できた。それは親指ほどのサイズだったが、今潜りこんでいる机にはなく、それが盗撮用のカメラであることは確信できた。電源をとっているケーブルはなかったが、おそらく電池で一定期間は動作できるものと思われた。そうであれば先ほどの男の行動は電池の交換かもしれず、以前から撮影されていると想像すると軽い戦慄が背筋を走った。 その映像を確認する方法は男のpcから容易に調べることができ、カメラへ接続する方法が理解できればもはやこの場での調査はこれ以上は不要だった。 静まった事務所を眺めつつ、冷静に男のpcとサーバから自分が接続していた痕跡を消すと、会社を後にした。 帰りの道中では、妻に降りかかった犯人からの災厄の加え、おそらく妻は認識していない盗撮を考えると、近頃の出来事が良くない事ばかりと暗澹となったが、男の問題に関しては自分で解決することができることは救いだった。 帰りの電車は終電となっており、帰宅した時間も遅かったが妻はまだ起きており、食事を温めて用意してくれた。改めて妻と結婚したことをありがたく思い、それを伝えると妻はキョトンとした表情をするとすぐに相好を崩し、妻も自分と結婚できて嬉しいと言いながら自分の後ろから抱きつくと、頭を回した自分の唇に妻の唇が触れた。 妻からキスされたことは以前から数回しか記憶にないところ、食事の後で歯磨きもしておらず躊躇いがあったが、妻は軽く唇に触れたあと、深く自分の唇を吸うのだった。積極的な妻の行為に戸惑っているうちに、側面から自分の唇と交差するようにぴったりと合わさった柔らかなそれから湿った下で自分の唇を舐め始めた。その感触は心地よく入浴後の妻の香りを鼻腔に感じると、健康的な愛情表現は大人の互いを求める空気に変化していた。 背後の妻を正面に向けると、片手を妻の背に回し身体を密着させ、妻の口蓋を舐め尽くすように舌を侵入させた。それは妻の性器を貫くような感覚を覚えたが、妻は口を割れ目から攻め入った自分の舌を懐柔するように舌の側面から優しく包み込みそれは下半身の快感とまた別種の快楽を生んだ。 妻は風呂上りでも床につくまで寝巻きに着替えず、軽い衣服を纏っていることは、普段から自宅ではだらしない姿の自分には比べしっかりした育ちを感じていた。この時間はタンクトップにゆるいシャツを被せて、巻きスカートを合わせていた。 身体を密着させたことで柔らかな胸の膨らみを感じるとすでに自身の股間はスーツの形を歪めていた。しばらく妻の口蓋の隅々まで舐め取っっていると、妻は目を閉じながらもやや呼吸が乱れ、その表情が扇情的に上気していることがわかった。 リビングで性交に及ぶことは初めてではなかったが、このような晩にすることはなくソファーの上に妻を横たえることは、そこに取り込んだ洗濯物があったので考えものだった。 次第に姿勢が覚束なくなってくる妻を支えながら、どこで妻と交わろうかと視線を回したが思わしい場所は見当たらなかった。やがて自分の股間も妻を求めて収納場所からの解放を叫ぶようになり、唐突に妻を振り返らせると、食卓に妻の上半身を乗せ、腰を突き出すような姿勢とした。 妻は運動した時の呼吸と異なる艶かしい吐息を漏らしていたが、自分の意図を読み後ろから責められることを理解したようだった。自分が慌ててスラックスを脱ぎ、寝室にある避妊具を取りに行こうと妻の横を過ぎようとすると妻は自分の手を取り、このまま一緒になりたいと言った。 その表情は眉をハの字にしていたが困っている訳でなく、いままでない程の恥じらいの表情だった。それを見ては止まることも出来ず元の位置に戻ると、外に出して欲しいことを妻は消え入りそうな小声で言った。妻の豊かな胸はテーブルに押し付けられたことでボールが押し付けられたように脇の先の薄い布地ははちきれそうに張り詰めており、そこから角度をやや上方に変えて腰がこちらに突き出されていた。 妻がここまで自分とのセックスに積極的になったこともないことを考えていると、悪戯心が浮かび妻を焦らすように性器のあたりをスカート越しに愛撫した。最初は妻は喘ぎ声を漏らしていたが、一分もしない内に自分の手を脇に除けると、自ら巻きスカートの側面からスリットをたくしあげると、眼前には妻の白く丸い尻と、その間には有るべき下着はなく、わずかに色を濃くした性器があるのだった。 妻が下着を履いていなかった事は驚くべき事だったが、その尻に挟まれた性器と肛門が自分には突きだれている様は自身の理性を吹き飛ばすに充分の破壊力だった。 性交の前には愛撫をして妻の性器が自分を受け入れるように整えていたが、眼前のそれは合わさった大陰唇から湿り隠微なサーモンピンクを示す小陰唇の襞が見えそれは既に男性器の挿入が可能な状態となっていた。 妻自身が自分のスカートをめくったことに加え、そこが隠す布地がなく晒したことは自分の頭を麻痺させており、自分が獣になったように妻の腰骨のあたりを両側から掴むと、妻の小陰唇に亀頭をめり込ませた。 ズブズブと飲み込まれてゆく先端はやがて矢じりまで達し、その瞬間妻は背筋をやや震わせた。性器からは妻の暖かさが感じられ避妊具を着けないことで妻の胎内が自身を包み込む快感が直接脳髄に送り込まれるようだった。 一瞬の間の後、性器の全てを妻の胎内に埋め込むと、妻の口からは明らかに女性としての快楽を貪っている声が漏れた。同時に伏せた頭が持ち上がり、自身の与えた衝撃の強さに獣としての満足を覚えた。妻の胎内は前後の運動の動きに、埋め込まれた肉棒を捉えるように柔らかく幾重にも感じれらる襞がぴったりと張り付き、摩擦が亀頭をの先から根元まで快感を呼んだ。 避妊具を着けないことで増した快感は腰の抽送速度を際限なく加速させた。妻の性器は動きを増すほどに比例した快感を生み出し惚けた自分の頭から全ての思考を奪い去ってゆくのだった。 あまりのピストンに受け止める妻の腰はテーブルに押し付けられるようになっており、その間も妻はもはや声を抑えることもなく淫らな快楽を歌っていた。流石に連続した動きに腰が悲鳴をあげ、一旦は深く妻を貫き動きを停めると、妻は深呼吸をし自身にわかるほど胎内の性器を締め詰めると荒い呼吸のまま姿勢を変え、テーブルの上に仰向けに横たわると、自分を淫らな言葉で誘うのだった。 妻の口から考えられないような表現がでたことには驚いたが、もともと関節の柔らかい妻は股を開くと両足をテーブルの縁に載せ、股間もからはサーモンピンクから充血したことでさらに濃いフレッシュピンクに色を変えた性器が蒸れたように挿入を誘っていた。 それだけでは自分を誘惑するに足りないと考えたのか、タンクトップに手を書けると胸を露出し片方の乳首を捏ねるようにしながら、もう片方の手は恥じらうこともなく人差し指と薬指で小陰唇を開くと、そこから溢れる粘液を掻き出すようにすくい上げるとクリトリスを中指の腹で嬲っていた。妻と自分の体液の混じったものがテーブルの下に数滴光っており、溢れ出る妻の愛液は巻き上げられたスカートの背後の部分に濃い染みを作っていた。 頭で考えるより早く、丁度立った姿勢での男性器の位置にある妻の淫裂に抵抗なく吸い込まれると、頭は揺れる乳房をしゃぶった。 自身が立っていることで妻をより深く貫くことができ、その都度妻は淫らな喘ぎ声をあげた。姿勢から妻にキスすることは出来なかったが、その柔らかい乳首を口内で転がすと妻は両手で自分の頭を掴み、それが気持ち良いことを無我夢中で叫んでいた。 やがて絶頂が近づき、妻の乳房の間には顔を埋めると、両側から柔らかな乳房に包まれ、うわ言のように悦楽を叫ぶ妻の声を聞きながら、切迫した感覚を覚えた。 胎内射精するほど理性は失っておらず、ほぼ射精と同時に腰を引き抜くと、勢いよく噴き出した精液は体勢から角度がついていたためにスローモーションのように放物線を描くと、着地した地点は妻の唇から喉元の位置だった。荒い呼吸のまま自身に浴びせられた精液に妻は反応しなかったが、やがてそれを理解すると熱っぽい表情のまま自分にそれを飲んで欲しいか尋ねてきた。急速に醒める意識のなかでは問いに瞬間で反応をすることができず、妻の意図を測りかねていたが妻はそれを諒と取ったのか、手で唇についた塊をすくうと舌でそれを舐め取り視線を合わせたまま、それを嚥下した。乱れた服装に自分の放った液体に汚れた妻は、普段の清楚な妻とは思えず、一瞬犯人の映像にあった妻を脳裏に浮かべてしまったのだった。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫7
まず考えたのは、この映像がいつ撮影されたものかという事だった。妻の服装からしてさほど寒くはない季節と思われた。一連の出来事のより過去にこの映像が撮影されたなら、一昨年より以前となるが、画面の妻の髪型から考えると昨年の夏以降と思われた。ウィッグなどで髪型を偽装することもできるが、画像でバンドを頭に通していた時に頭髪のズレが不自然に感じることはなかったので、やはりこれはここ数ヶ月内の映像とみることが適当と考えられた。 次に服装を思い出すため、映像のスライダーを操作し、妻が部屋に入ってくるところに合わせた。マウスの操作で妻の痴態が一瞬目にはいったが、あえてその画像を避けたのは擬似的に妻で射精したことの罪悪感と、画面の上でも陵辱を終えた妻が映像を再度写すことで繰り返し嬲られるように思ったことを嫌ったからだったが、事の済んだ力ない妻をさらに犯すことの想像は下半身に痺れるような刺激を送るのだった。 全ていつも通りの妻をみると、その無粋な衣装の下が想像されたが自制心を動員し画面に注目した。身につけているものは全て自分の記憶にあるものだった。何時眺めても特に違和感を感じる点は見当たらず、先ほどと同じように妻はスカートに手をかけた。妻の脱衣など意図して覗いたことはなかったが、記憶にある朝の着替えやホテルに宿泊時に止むを得ず同室で着替えをする姿に比べると、ブーツを履いたまま重量の感じられないレースに覆われたシフォンスカートを下ろす姿は、今見ても官能的だったがその太ももから目に入ったストッキングに目が止まった。 以前、犯人の指示でバイブレーターを購入してショッピングモールに赴いた際の朝に妻が身につけているいたのは、まさにこのグレーだった。あの時、妻の姿は見ていたのはその姿が、犯人によってどの様に脱衣されるのかという事だったが、その時の足元が見慣れないグレーであったことは覚えていた。朝晩はまだ時折寒さを感じる時期であったのでタイツと思っていたが、それは妻の魅惑的な曲線に合わせ 濃淡を描き、デニール数の少ないものと分かった。今ではその上端が太腿に僅かな喰い込みながらへばりついている事が知れたが、その時それをさほどの感情もなく、ただ妻の裸体を彩るものとしか考えなかった事が疎ましかった。 軽く自己嫌悪を感じつつ、妻が画面に局部全体をさらしている箇所に映った。この箇所で自宅をでたのだったが、今から考えれば映像の時間軸が現実の経過時間であるようには思われなかった。画面が暗転していた時間は数十秒だったが、その前後を比較すると姿勢こそあまり変わらなかったが、前にはブラウスが肩の下にあったものが暗転後の画面がでは肘あたりまで降りていた。 着目点に気がつくと、昔のクイズ番組にあったように画像の前後の間違い探しをするようにマウスを左右に振り妻の痴態を繰り返し観察した。脚の開き加減など差異はあったが体の姿勢変化は暗転の間にもできそうに思えた。数十回同じ動きを繰り返す内に画像の本質的な違いが分かった。前の映像に比べると妻の胸は明らかに明るい色調となっていた。ビデオカメラにも明度の自動調整機能はあるが、犯人がその間に照明を意図して操作する必要性はない筈だった。 その理由は妻の乳房の間で判明した。妻は発汗していたのだった。その皮膚を湿らせた水分は光の反射率を幾分高めたことにより色調が変化したのだった。 これが判明したことに心から喜びを感じた。犯人は間違いなく素材の映像に加工をしている事が断定できた。そうであるなら先日仕込をした映像を犯人が加工することで手がかりを得ることができる公算が高まったことを示していたからだ。 ただ、犯人が映像加工できる技量を持っていることは当然犯人が全くの野蛮な人間ではないことを示していた。映像加工自体はホームビデオの編集さえ容易になった現在では注目するほどの技量���はなかったが、少なくとも犯人の持つ能力を知ることができ、それは特定する上での顕著な特徴となると思われた。 一方でこのことは犯人がなんらかの意図をもって画像を編集していることを示してもいた。自分に屈辱を味合わせるためだけにするのなら、映像全体を送っても良い。また、仮に画面に犯人が写ってしまったとしても、それが個人的な趣味であるなら、そのこと自体は問題のないことだった。素材から注目するシーンのみ切り取りして作品の仕立てることは犯人が映像を自分以外に見せる可能性となり、それが自分以外である場合は正に惨事といえた。 この映像は初めて犯人が自らの能動的に行動したものであり、それ以前の妻の自己撮影と異なる点では、妻と自分に降りかかった事態の始まりは比較的最近であることがわかった。妻が結婚以前から自分を裏切っているかもしれない不安は僅かに自分にあったもののこれでその点は安心できた。そうであるなら、まだ妻が陵辱を受けてから日も浅いように思われた。 そこから考えられることは、妻が犯人の指示で自ら性的な映像を撮影される際に、秘密裡に自分が同行できれば犯人特定が近くなるという事だった。 日中の仕事を除けば休日に妻が自分と離れて行動することは限られており、以前のショッピングセンターへの誘導は自分を妻から離す意図があったものと知れた。そうとすれば、先週の自分が他人の妻を嬲った時間にも同様に妻は陵辱されていたと思えた。 その時間に自分の男性としての欲望を剥き出しにして他人の妻に何度も白濁した精を射出していたことは、全く無節操であったと思ったがその当時の犯人からの要求とすれば拒むことができなかったことを言い訳として自分を慰めた。 時間をみれば、終電も近く思いのほか長居したことに驚きつつ慌てて店をでた。ブースでの行為により体は仕事と違う疲労を訴えており、駅のロータリーに、終電から吐き出される客を待つタクシーに乗り込むと自宅に向かった。 街の明かりは少なくなっており時間の経過したことを物語っていたが、その間、映像の一件があった晩も妻がタクシーで帰宅したことが思い出された。その晩は帰りを待つ居間に妻が帰ると、直ぐに寝室に向かったのだった。 その時自分のもつバイブレーターが振動し妻がそれを自身に使用していることが耐えようもない屈辱を生んだのだったが、映像から妻が犯人の執拗な責めに下半身を火照らせたまま、自宅で性感を高める性具から分泌された液体にぬめる股間を慰めたことは、妻が犯人の前で快感に身を委ねることを耐え、ついに自分の待つ自宅で疼きを鎮めた妻の貞淑の防波堤が決壊していないことを示し、猥雑ながらも安心を感じた。 家に着くと玄関は明かりが灯っていたが、他は暗く既に妻は就寝していることが知れた。リビングの隅に自宅を立つ前に脱ぎ散らかした衣服が転がっており、自宅を出る前の自分の油断を恥じたが手早くそれに着替えると、急に空腹感を感じた。 インターネットカフェでは画面に夢中となり、帰宅の車内でも考えに没頭していたので気にも止めなかったが夕食を採っていないことを腹が主張していた。 冷蔵庫を開け、めぼしいものがないか漁ったが週末でもない限り外食することは少ない生活から整理された棚には調理を待つ食材以外には目に入らなかった。止むを得ずテーブルに向かい菓子類を探そうとした。と、テーブルには妻の携帯電話が置かれていた。 妻は携帯電話をベッドサイドの充電スタンドに置いて目覚ましとして使うことを常としており、携帯電話を放置していることは珍しかった。それに手を触れようとした時、先ほど考えた妻が犯人と接触する際に自分が尾行することを思い出した。その機能としてgpsを搭載しており、位置情報を発信することができる。妻は機械オンチではなかったが、詳細な設定などは自分に任せており、携帯電話を万が一紛失した際に使う自己位置を取得するサービスはまだ生きている筈だった。妻が犯人と接触するタイミングで自分のpcから位置照会を行えば電源が入っている限り追跡が可能となるのだった。 今まで悶々を考えたわりにその点に気がつかなかった自分の思考に呆れたが、それは同時に犯人がそれを考慮している可能性があるのだった。そうであれば、自分の携帯電話にも同じ機能が付いていることを犯人が利用し妻と接触している犯人から自分を遠ざけるのは合理的思考といえた。 それまでの空腹感を忘れ、自分の携帯電話を取り出すとそのサービス利用を確認した。その機能は有効となっていたが、よく考えればそれを利用する為には自分だけが知るパスワードが必要な筈だった。自分が利用しそうな文字列は妻にも類推できる可能性があるが、設定したパスワードは学生時代から用いているもので、妻の前でそれを利用したことはなかった。pcを起動しサービスにログインするとセキュリティの為と思われる最終ログイン日時が表記されており、それは携帯電話を購入した直後に興味半分に覗いた年月に概ね一致しており背中から忍び寄る不安を消した。 それでも、これまでの犯人の行動からみて自分の接近を容易に許さないことは確かだった。先週の性的な狂乱の晩についていえば、身元を知らずにその身体を貪った他人の妻が自分の位置の証明となるものの、その行為の間に他人の妻がなにか送信するような隙を与えた覚えはなく、それは単純に自分に外出を促すための口実を思われた。 そこで先週末にみた妻のpc操作の履歴を思い出した。それはデータの送信に挟まれた作業であったが、あるサイトに接続して数列を受信したものだった。その数列をその時は不可解なものとして考えることもなかったが、それを画面に呼び出して改めて確認すると、その数列は時刻と経度緯度を示していた。急激に高まる不安に指が震えながらその経度緯度を地図サイトに入力した。 数列には区切りがなかったので経度緯度の時分秒の区切りを数度ためすと、そこに表示された座標は間違いなく自分が他人の妻に欲望を吐き出していた場所だった。 pcの前でしばらく自分の思考は硬直した。携帯電話を紛失したこともなくその位置情報サービスのサイトには自身以外には接続した様子もなかったが、何故画面には自分の位置があるのか。 脳に張り巡らされた血管の一つ一つが急激に鼓動を高め、勢いよく血流を送り出す心臓からの信号を受け止めていた。携帯電話でないとしたら自分の身に発信機があったのか。そうとすればそれはなにか。当日の自分の姿を思い出してもそれらしいものには思い至らなかった。ピンサイズの発信機など映画での存在に過ぎず、gps発信をインターネットに発信するとすればそれはバッテリーを含め一定ののサイズが必要な筈だった。当日に持っていたカバンを思い浮かべたが、キャンバスのそれに自分が知らないものが入る余地はなく、ホテルで着替えを出した時にはそのような物体の存在は無かったように思う。 考えを収めると、唯一疑いを残す携帯電話を見つめていた。物言わぬ液晶は自分の道具であると思っていたそれが、その薄いパネルの裏に腹黒い陰謀を秘めているようだった。数年前、スマートフォンが世の中に普及した時期、使用者に秘匿してそのメールや位置情報を発信機するアプリケーションが問題になったことがあった。疑惑を持ちつつ、そのインストールされたアプリケーション群を調べたがそこには何も怪しい痕跡はなかった。 偏執的になっているのか、あるいはそこに陰謀があることを暗に願っているのか自身の心境は不安定だったが、黙々と作業をすすめると静かな室内にはキータッチ音だけが響いた。 通常完成されたスマートフォンの内部は保護され不意の変更などはできない作りになっていたが、自分の趣味ではその隅々まで参照できないのでは所有しているようには思えず、保証が受けられないことを覚悟でその保護を突破していた。 そこまでして掌の中まで自分のものとしていた携帯電話が意向に反した行いをすることは容易に信じられなかったが、ファイルの生成日時で整列すると、そこには見知らない幾つかのファイルがあった。妻は自分の所有物ではないが、大切な存在はであることに変わらないところ、侵略するばかりか、完全に自分のものと考えていた携帯電話にまで犯人が手を伸ばしていたことは体を触られた様な不快感を催させた。 そのファイル名を検索すると、中国で作成された自身の動作を秘匿して位置情報を発信機するものと知れた。犯人がこの携帯電話に触れることはないと考えられる以上、不快なそれを設置したのは妻以外に考えられなかった。 それが妻でない理由を考えたが、幾ら考えても身から放すことは会社でもなく、その考えは妻一人に収斂するのだった。直ちにわが身からそれを振り払うため削除したかったが、それは犯人へと至るプロセスの一つを放棄し犯人に警戒心を与えるだけであり、損得勘定が釣り合うものではなかった。自分を監視される不快感は拭えなかったが、それを保障としている犯人の裏をかく好機とみるべきかもしれなかった。 いままで妻を疑ったことはなく、ただ妻は犯人には陥れられているものと考えていたが、ここで妻にも疑念が生じた。我が意ならず痴態を晒すまでに犯人の意に添う行動をとるほど追い詰められているなら、如意でなくとも自分の携帯電話に犯人の指示で設定を施すことはあるかもしれない。 全くの新しい可能性として、妻が犯人と共謀していることはあるだろうか。そのような考えは醜悪そのものでしかないが、万に一つの可能性として考えとして自分を揺さぶるのだった。ここまでに見た妻の行為に犯人に逆らうことはなく、じわじわと自分を蝕みつつある頭は暗く沈んだが、確証は携帯電話のパネルの中にあるものだけだった。 頭を軽く振ると、推理に囚われ筋道のないストーリーで不要な可能性まで考慮している自分を諌めた。自分は出来事の解明を進めており、手掛かりを得たことのみ冷静に捉え、パズルを解くように合理的に行動を為すべきだった。証拠なく疑念を確信としては迷いを進め答えを得る障害を増すのみであるのだった。 ともあれ、今夜判明したことは妻が犯人と接触していること、また、自分の位置は捕捉されている2点だった。空腹を忘れここまで作業に没頭したが既に夜も遅くなり、週のはじめから体調を崩すことも懸念し、疑念を振り払うようにpcをおとし、消灯すると妻の眠る寝室にむかった。 寝室では寝相を崩すことの少ない妻が毛布に包まれていた。月明かりを浴びるその表情からは何も読み取れなかったが、それは自分の最愛の妻だった。眠りを起こすことなく床に就くと晩の行為の疲れが押し寄せ、最後の記憶を留めることもなく眠りに就いた。 翌朝目を覚ますと妻はまだ隣で眠っており、その朝日を浴びた平和な姿からは昨晩見た映像と同じ人物であることは想像し難かったが、それでも自分の思考は毛布の下にある柔らかな肉体に及び、それが健康であることを主張する自身の股間に血流を注いていた。 朝から妻を相手に事に及ぶこともできず、妻の目覚ましがなる時間にはまだ余裕があることを確認すると昨晩風呂に入っていなかったことを思い出し、入浴に向かった。 久しぶりに朝風呂にはいったことで気分爽快となり、昨晩の出来事を忘れることができた。長めの入浴を終え、台所のコーヒーメーカーをセットすると着替えをするために2階に上がった。 妻は既に起床しており、着替えを終えていた。椅子に腰掛け昨晩深夜まで残業していたことを心配してくれたが、自分が目の前の妻を慰み者にしていた事など言えようはずもなく、自分に語りかける妻のストッキングの伸びを摘まんでは延ばす動作を目を奪われていた。 優美な曲線を描く妻のふくら脛は程よく成人した女性の魅力を発散しており、爪先まで視線をやるとその末端は補強された部分が足の指先をまとめていたが不意にその艶かしさに捕らわれた。自分の脚に視線を受けていることに気付いたのか、妻は笑って微笑むとサービスと言いながら自身のプリーツが全周に幾筋もあるサテン生地のスカートを悪戯っぽく上目遣いに腿まで引き上げるのだった。 付き合い始めてから、最初のセックス以降妻の体がいつ何時でも強力な武器になることを知ってから時折自分をからかうことはあったが、朝からそれをすることはついぞ無かった事だった。 よく目を凝らすとストッキングは肌色単色と思っていたものが、細かい綾模様を描いていることが解り、それはふくらはぎから腿にかけてその曲線を強調するように集合離散を繰り返していた。下腹部に至る手前でそれは濃く色を変えそれがパンティーストッキングであることを示した。 そこまでされて朴念仁でいることはできず、妻の前に跪くとふくらはぎに唇を押し当てるとそのまま妻の妻の腰へ顔の位置を移した。顔の皮膚に滑らかにすべるストッキングの感触は心地よくやがて弾力に富む大腿部を感じると、妻の脚の間に顔を割り込ませ、より繊細な柔らかさを感じる内股を味わった。それまで朝に戯れの空気が、やがて性的な空気を帯びたようだった。 おそらく妻の股間から発せられる香りと僅かなコロンの混ざった香りを堪能しつつ、目の前数センチに迫ったショーツはストッキングに圧迫され妻の下腹部にしっかりと張り付き、それがいつも妻とのセックスにない背徳的な魅力を放っていた。 その感触を楽しもうと妻の両膝に手を掛け、首のを伸ばそうとしたとき上から妻の手が自分の頭を両側から抑えると自分の動きを制止したのだった。我に返り妻の悪戯に乗せられたことに照れつつ頭を引き上げようとすると、思いもよらず自分の頭は妻の股間に押し当てられた。 鼻が妻の陰毛の辺りに押し付けられると、鼻腔には妻の性器から発せられる妻自身の香りに満たされた。反り気味の首が圧迫されていることを訴えていたが唇が性器を二重に覆うストッキングのクロッチに当たりその蕩けるような柔らかさと化学繊維の滑らかさが敏感な感触を直接脳に届けた。 数十秒の出来事だったが股間が妻を貫く体制に入る時間に短すぎることはなくそれは飢えの信号を送っていた。そのまま獣のように飢えを満たすことに頭を奪われそうになったが、自分の手が内股に伸びたことで危機を感じたのか妻は股関節で強く締め付けると行為の終了を告げた。 頭を上げ、照れながら身を引いたが脇に目をやると妻の姿見が、自分の跪いた無様な姿勢を映していた。妻の誘惑に点火したロケットのように反応してしまったことに照れながら膝立ちで妻の前に立つと妻の表情は紅潮しながらも潤っており、突然の妻の行為を説明していた。 妻は自分の素直な股間をみてぎこちなく笑うと、それを鎮めてから家を出るように言うとそれまでの動作が嘘のように軽やかに立ち上がり身を翻すと階下に降りて行った。 しばらく某然としていたが、気を取り直して妻の後を追うと、コーヒーメーカーは機能を果たし心地よい香りを漂わせていた。それは急激に日常の朝を回復させ、妻と向かい合わせに座るといつも通りの朝食を過ごした。会話では先ほどのことにも触れたが、それに過敏に反応することもなく近いうちにセックスすることを約束すると時間は出勤時間となり、玄関で妻の見送りを受けると昨晩のうちに玄関にまとめられたゴミ袋を持つと家を出た。 その週は予定通りに作業が進行し、おおむね障害もなく週末を迎えた。いままでより妻を意識したことで、折に触れ自分の部署を離れ妻の職場を遠くから見やることもあったが、別段気になることもなく、付き合い始めと変わらぬ妻の落ち着いた姿を目に留めるだけだった。 週末は車にドライブレコーダーを取り付けると妻の要望に応じて、少し離れた街まで車で買い物に出かけた。そこはいつか妻を追ってあてどもなく妻を探したショッピングセンターだったが、妻にその時の行動を尋ねることもできなかった。 妻は季節が変わったことで衣服を購入しており、自分が衣類の購入に掛ける時に数倍の時間をかけて吟味していた。妻の趣味はいつも通り落ち着いたものだったが、すべて試着の都度、その前でたっていることは他のブースにいる女性の手前気恥ずかしい思いをしたが、妻のいるブース以外に目を遣ることは躊躇われ、ただカーテンの下から見える妻の足首を眺めていた。 どれも妻が着ることで身内の贔屓を割り引いても可憐に見え、身体の線を隠すようなものでさえ妻の魅力を減ずることはなかった。一々妻が見にまとったものの感想を求めることには閉口したが、妻が自分自身のためでなく、夫のためにそれを選んでいると思うと悪い気はしなかった。まして自分と同じように買い物に付き合わされていると思しき同輩に視線が妻に向けられていることは自尊心をくすぐるのだった。 妻は数時間に及ぶ買い物を終えると散財したことを自分に詫びたが自分の経済状況からみて問題となるものではなかった。一旦車に戻り二人で両手に持つまでに膨れた買い物袋を置き、付属のレストランで昼食をとると、そのまま帰宅するものと思ったが駐車場に続く出口で妻は唐突に下着を買うことを告げた。いままでと変わらない休日の空気が自分の中だけで急に色彩を変えたように思ったが、それを了承すると妻は男性が同行する場所でないことを話すと、自分に先に車で待っているように言い雑踏に消えた。 車に戻ると、日差しを浴びた車内は心地よく暖まっており僅かな胸騒ぎを覚えつつシートに身を預けると知らぬ間に眠ってしまっていた。 妻が戻ったのは自分が眠りに落ちてから直ぐのことで、寝起きの自分はやや不機嫌になってしまっていたが、妻が小さな小洒落た袋から外に見えないようにシフトレバーの辺りに取り出した下着の数点はたちどころに寝覚めを覚ました。 3点の上下セットだったが、一点のみ白のシンプルなものである他は、オレンジと黒の派手なデザインのものだった。稀に妻が自分を誘惑するための黒の下着以外には妻は黒のものをもっておらず、それを買ったときも黒はイメージでないことを言っていた記憶があった。 目の前に妻の繊細な指先に示されたそれは艶やかな生地を基本として、本来同じ布地である所が過剰とも思えるレースで飾られており、背面は極限まで覆う面積が削られていた。 妻の豊かなヒップは補正下着に頼らずともその形を保っていたが、その形からは妻が無防備に過ぎるように思われた。妻は何か言いたげな実分の表情を読み取ったのか、これから暑い季節になることで女性も季節により対策することと、上目遣いになると自分がそれに顔を埋めることを配慮したと言うのだった。 いつでも冷静な妻がこの時は言う間にうなじから頬にかけて血色が良くなり、それが本心であることがわかった。自分もそれに対応するように血流が良くなっている感覚を覚えると、昼下がりに夫婦で学生のような幼稚なやりとりをしていることに顔を見合わせると、互いに照れ隠しのように吹き出して大笑いするのだった。 家に帰ると、陽も落ちる時間となり妻は夕食の支度のため台所に詰めていた。ソファーに乱雑におかれたショッピングバッグは箪笥に仕舞われることを待っていたが、下着の袋はそこになかった。 妻は下着のみ洗濯してからでしか着用しない事を思い出し、トイレに行くついでに洗濯籠をみれば予想通りタグを外されたそれはネットに入れられていた。 夕食を済ませると、買い物ついでに買ったチーズケーキが食卓に出され、紅茶でそれを食べれば味覚に疎い自分でもそれが一般のチーズケーキより美味であることはわかった。そのことで妻を褒めると妻は嬉しそうに相好を崩した。シンプルな顔立ちのため表情が乏しいように思われることもあるが、打ち解けた相手にだけ見せるその表情は快い感覚で自分の心を満たした。 日曜日の晩が終わることで、また週開けの仕事を思い、妻と共に過ごした去りゆく週末を思うと寂寥とした気持ちになることもあるが、シャワーを浴びるため風呂に向かう妻の腰つきを見ると、それに今日購入した下着を着た姿が想像でき、眺めていたテレビの映像より鮮明にイメージが浮かべている自分に驚いた。 暫く行動に移すべきか考えていたが、意を決すると脱衣場でカーテンを引き、その向こうで衣擦れの音から妻の行動が想像できた。洗面台に続く廊下でカーテンの下から見える妻の足を見ていたがやがて妻は自分の気配を悟ったのか、自分に何をしているのか尋ねるのだった。 咄嗟に言葉を思いつかず、率直に今日買った下着を着用した姿を見たい事を告げた。カーテンの上を引くと妻は髪を纏めていたが、見える肩は素肌を露出しておりこちらを怪訝な目でみていた。 まるで年上の女性の裸体を覗いているようで、年齢も忘れ妻の前で気恥ずかしい思いをしたが、自分の緊張を感じたのか妻は眉を潜めまた後日にして欲しいと言った。困惑した表情でこちらをカーテン越しに見る妻を見ていると、それ以上言い募ることができず大人しく引き下がることにした。 自分が急な興奮をしたことに困惑しつつ居間に戻り、カーテン越しの妻にさえ反応した股間を宥めていると、背後から妻の声がした。 そこには髪をアップにまとめバスタオルを巻いた妻の姿があった。妻の行動に驚いたが、その時ポジションを直すために手をやっていた股間に妻の視線が向かっていることを感じた。妻は呆れた様な表情を浮かべると、自分の背後に廻り、ぴったりと体を密着させると浴室に押しやった。 背後の妻の表情は分からなかったが、雰囲気から妻が自分の要望をいれていれたことが感じ取れ脱衣場に着くと同時に服を脱ぎ捨てた。 妻は先に浴室に入ると、照れ隠しのためか、大仰な身振りを交え効果音を発声しながらバスタオルを正面から開いた。 妻は派手なオレンジの上下の下着を身につけており、それは日常的な風呂の背景に���染まず、頭をよぎったのは個室で性的サービスをする売春婦という言葉だった。慌てて頭に浮かんだ不埒な単語を打ち消すと、それに魅入られたように視線をやった。 ハーフカップのブラジャーは妻の鎖骨からすぐに盛り上がる胸の上半分を覆うことなく晒しており、その膨らみを下から支えることで隠された甘美な箇所を想像させるようだった。そこから視線を下げると曲線は臍の辺りで拡張に向かい、そこに斜めに膨らみをみせる腸骨が融合していたが、そこにレースにバンドが織り込まれたラインが僅かに食い込み華奢な布の位置を保っていた。浴室の照明が昼光色であることが白い皮膚を健康的な色調に描き出し、オレンジ色に光を反射する素材は妻の肉体を裸体より引き立てているようだった。 セクシーなのか可愛いのか判断に迷うデザインだったが、レースの装飾過多に思えるそれは妻の局所の陰りを完全に隠しておらず、レース後しに暗い部分が見えることは、その下に艶やかな生地が秘所を覆っていることで間違いなく自己のためでなく、それを見る男性を呼び込むための物と思われた。 呆然と脱衣場から妻を舐め回すような視線をあげると、妻は濡れた視線でこちらを見ていた。その唇は化粧を落としていないため、湯気が漂う室内で潤いを増し、そこが性器であるように艶かしく動くと、隠微な吐息を漏らした。すでに妻に侵入する要求を絶叫していた股間の意思のまま妻の前に立つと、ところかまわずその肌を舐めまわした。 妻は震えながら自分の愛撫を受け入れていたが、やがて自分の舌が臍より下に伸びると、シャワーを浴びておらず汚いことを主張したが、その声に構わず行為を続けると、突如妻はシャワーヘッドを取ると自分もろとも熱いシャワーを浴びたのだった。 急に温水が頬を濡らしたことに驚き、頭をあげると二つのオレンジの膨らみを見上げることとなった。それは浸水したことでやや色を濃くしていたが、妻の肌を伝う水はその谷間から自分の顔面に流れ落ち隠微という他ない情景を見せていた。 手を妻の尻に廻すと、想像通りに妻の股間から背部につながる布の手触りを感じた。それは肌に張り付いていたが、妻の白く大きい臀部を覆うにはあまりにも少なく、亀裂の周囲に張り付いている他は、レースがその縁を飾っているのみだった。 妻の肛門の辺りの布地を摘まむと力任せにそれを脇に追いやった。思いのほか伸縮性に富むそれは、さして抵抗もなく脇へ逸れ妻が侵食されることを拒むものは無くなった。 自分が妻の性器を露わにしたことで、妻の股間に渡る布が妻の敏感な部分を刺激したのか妻は姿勢を保てず、自分に覆いかぶさるように崩れ落ちた。耳元に妻の吐息を受けると理性は湯煙に溶け、強引に妻の背後に姿勢を移ると、腰を両手で引き揚げバスタブの縁に妻の上体を置くと目の前には、すんなりと伸びた背中に丸い尻がぼっかりと浮かびその間に僅かに色を濃く変えた甘美な滑る性器が挟まれているのだった。 手を妻の腿に滑らせると妻の腰を突き上げるように、自身の欲望を妻の性器に埋め込ませた。亀頭が妻に吸い込まれると背筋を快感が昇り、そのまま一気に妻を貫いた。暖かな妻の肉壁を感じると同時に妻は大きく声をあげた。それは流れたままのシャワーの雑音の中にあっても浴室に響いたが、更に自身の征服欲を掻き立てることになった。妻を押し付けるようにその性器全体に自身の肉を押し当て、先端まで柔らかな襞にくるまれていることは脳に溶けるような快感を連続的に送っていた。 目を尻から背中にやると、重量感のある乳房に引っ張られ、背中のホックから左右にベルトが揺れ動いており、その絵が更に自分を高めた。 自分のこみ上げる快感は、その果てが遠くないことを告げており切迫感にかられた腰はそれに応じて貪るように動きを早めていた。埋め込まれた性器が妻の体内の急激な圧迫を感じた瞬間、妻の腰は一気に自分のひくひくと蠢く性器を置き去りにして引き抜かれていた。 上り詰める寸前で居場所を失ったそれは全身に抗議を訴えていたが、妻は荒い息のままバスタブを背に振り返ると、避妊していないことを言うと、次の瞬間妻の頭は自分の股間にあった。 別種の甘美な暖かさを感じると、それを咥えたまま妻の下は尿道から亀頭裏側を這い回り、性器にない複雑な快感を自分に注ぐのだった。いままで自分の胎内にあったものを、そのまま口腔に含む妻の行動に絶句したが、その快感は耐えようのない刺激を与えていた。 妻は立った自分の前に跪いていたが、やがて腰に当てていた手を床に下ろし、床に犬のような姿勢になると首をあげて一心にそれを舐めまわしていた。妻の視線は陰毛の辺りに向けられすんなりと伸びた鼻はその直下で卑猥に赤黒い肉棒を頬を膨らませて舐め上げていた。 妻の刺激は時にこみ上げる快感をもたらしたが、それが溢れでないことは時に辛く、思わず目を脇の鏡に遣ると、妻の視線はそれを察し、変わらず咥えたまま鏡に視線を移し、鏡の中の映像で妻と目��あった。それは少しの時間だったが、妻の視線は溶けており、それは欲情した雌のものだった。その目は男性の前に犬のような姿勢をで両膝と両手にを着いて、首の動きだけで奉仕する淫猥という他ない形により欲情を強め、口腔を性器と化して絶え間無く形を変え肉棒のすべてを舐め尽くしていた。 鏡の映像をみるに耐えず、視線を妻の腰に移すと、そこには先ほどずらしたショーツが歪みながらも元の位置に戻っていたが、それが妻の腰から僅かな布を伸ばし、それが妻の白い尻に挟まれた性器に伸びている隠微な三角形はより快感を増幅した。 その刺激に耐えられず、情けないことに自分も吐息に混じって声をあげてしまったが、それが妻に絶頂が近いことを教え、妻は唇で尿道の先に触れると、そこから唇を広げ滑る亀頭にスライドさせ擬似的な挿入をした。妻の口全体に性器が収まると妻の頭は急激に前後への動きを早め一気に自分の射精を引き出した。反射的に腰が押し出されたことに怯むことなく、妻の口はくびれの辺りに留まったまま、数次にわたった射出をすべてそのなかに受け止めてくれた。アップに結った妻の髪はすでに解け、濡れた髪がしどけなく妻の胸にかかっており、どくどくと吐き出される精液がすべて出尽くした後、妻は静かに口を離すと、口腔を穢した粘りのある白濁した液体を自身のの胸に滴り落とした。少しずつ流れ落ちるそれは、粘性があるために妻の胸を伝うとオレンジの濡れたブラジャーの谷間に消えていった。 激情が去って呆然と妻の前に仁王立ちしていたが、妻は惚けた表情のまま肉棒を手にとると、早くも萎えつつあるそれの先端に口を寄せると、亀頭の中ほどに唇を添えると自身の尿道に残る精液を吸い出していた。いままで感じたことのない快感が脳に届き、一瞬眼前が白くなった。妻はやや表情を取り戻しており、火照った顔を自身の股間に留めたままそれを愛おしく唇と舌先で愛撫していた。精液を涎のように垂れ流したまま無言でいる妻が、日中の妻と同じ人物に思えなかったが、その容貌は汚され乱れていても清楚な妻であるはずだった。 暫く風呂の椅子に放心したように腰掛けてシャワーを浴びていたが、妻は自らを清めると、濡れて汚れた性器を身から取り外すと照明に白く艶やかな肌が光を反射し、清らかで豊満な全裸を自分に向けると、今の行為の感想を無邪気に求めるのだった。 自分が責めていた時間から、妻の奉仕に変わり、そのまま果てた後までもサービスをされたことはすぐに言葉に表すことができず、口籠っていると、妻は自分の身体を見せつけるように自分に擦り付けると、甘えるように愛を囁くのだった。 いままでにない大胆な妻の行為に惚けていたが、やがて気を取り直すと身体を洗うと早々に浴室を後にした。 ソファーに身体を預けて楽な姿勢になっても股間の余韻は去らず、妻の頭が股間で前後していることを思うと、まだ股間に血液が流れ込むのだった。 やがて風呂から上がってきた妻はソファーの隣に腰を降ろすと、湯上りで化粧も落とし自分が一番好きな妻の顔になっていた。もともとのっぺりとしたアクセントに乏しいとの評価を受けることもあるが、その素朴さ故に素肌のきめ細かい美しさや、誠実冷静な表面の裏には馴染んだ相手だけにみせる砕けた親しさが妻の魅力だった。その妻の魅力のどちらも自分だけが独占できるもので、今この瞬間もそれを楽しんでいた。 妻は自分に、呆れたようにスケベと言うと、先刻風呂であったように衝動的に避妊具無しのセックスは避けて欲しいといった。妻の表情は子供の悪戯を叱るような困り顏だったが、それを了承し、過激な性的サービスについて軽口を叩くと妻はぷいと顔を背けたが、誰にも聞かれ様のない環境にもかかわらず小声で、先程の行為が気持ちよかったことを告げた。 内心、妻の胎内にはミレーナという名の避妊具が恐らく仕込まれていると思われるので、それが犯人の意図だとしても避妊具を用いてのセックスは意味がないようだが、そのことは容易に言うことはできなかった。 その晩は、自身の精を妻に吸い出された影響か、それ以上妻を求める気にはならず早々に床に就いた。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫6
ふと時計に目を遣ると時間はさほど過ぎてはいなかったが、妻が隣町で食事をして帰ってきた時に平常心で迎えられるか心配になった。痴態を晒す姿を見て自分の性器も最大に伸長しており、それは妻の濡れそぼったそこをひたすらに求めていた。この興奮はすぐには収まらないものであることは明らかであり、妻が帰宅と同時に玄関でも即座に結合を求めてしまうだろう事を想像できた。 こうして映像が届いたということはいつか送信した加工済みのファイルが手元に送られることを予期させるので、それを待って犯人の追求にあたるまでは妻との今の関係を壊したくなかった。すでに妻が陵辱されているとしても、暗黙の内にこれが解決したなら自分の胸にこのことを秘めておくだけで妻を傷つけることをせずに済むと思われた。 自分への言い訳じみていることを情けなく思ったが、今打つ手がない以上、妻の帰宅で自分の様相をみせることは避けるべきだった。洗濯籠に投げたシャツを着ると、偶然その下にネットに入った妻の下着が目に入った。手に取りそれをみると、それは妻が先ほどの映像で履いていたピンクの下着だった。着替えるときにややうなだれた股間に再び血が登ってゆく感覚を感じるとそれを戻し、足早に家を出るのだった。 駅へと向かう路肩を歩いていると、前方でタクシーが客を降車させているところだった。あまり人を付近に寄せたくなかったのでやや歩速を早めつつライトの照らす範囲にはいると手を挙げて合図した。初老の感じのよい運転手にいつか妻の映像をみたインターネットカフェのある街を行き先に指定すると、流れる街路を眺めて気を鎮めようとしたが、先ほどのの妻と同じようなブーツを履いた女性を見ると、視線にゴーグルをかけたように妻の映像が浮かびその度に、視線を逸らしては気を鎮めるのだった。 運転手の経路選択が適切だったのか目的地にはさほどの時間がかからずに到着し、歩いてすぐのインターネットカフェに入店した。店は比較的空いており、付近に人のいないブースを選ぶことができた。 pcを起動するとUSBメモリからファイルを起動した。自宅で常用しているビューアーと異なる画面の操作に戸惑いを覚えたが使い勝手はさして変わらず、スライダーの位置を動かすとすでにみた映像が早回しでダイジェストのように流れ、暗転したところでポインタを止めた。 やがて唐突に画面が明るくなると、妻の脚の位置が変わっている以外はさほど差のない映像が現れた。同じように股間は異物で塞がれており開いた脚はやや閉じていたが、肘まで下がり両腕を拘束していたブラウスはさらにその位置を下げ上半身は乳房の下に押し下げられたブラジャーにより上方に圧迫されその形をさらに豊かにみせている胸と、これも体にまとわりついているキャミソールのみとなっていた。 肌の露出面積が多くなったことは画面に白い肌を写す面積が増え、それがグレーのストッキングからブーツにグラデーションする様はおよそ妻の姿とは思えなかったが、その覆われた目を除けば髪型から優美な曲線を見せる肢体まで確かに妻であることに疑いはなかった。 表情はバンドに覆われていたので明らかでなかったが、自然に引かれた眉の線はハの字を描いており妻が表情を歪めていることが察せられた。 カメラが持ち上がると静かな中だったがカーペットフロアを踏みつける足音が聞こえ、それに反応したのか妻は僅かに身じろぎした。家ではpcのスピーカーのためほとんど音は聞こえなかったが、ヘッドホンで聞けば環境音も聞こえそれが臨場感をさらに高めていた。 妻に接近したカメラから再び手が伸びるとそれは妻の手を取ると、胸の頂に物欲しげに勃起した乳首に指をあてた。下から回す格好となった手は犯人の誘導によって手のひらで乳房を下から覆うと親指と人差し指で乳首を摘まむように形を変えた。 そこまで誘導すると犯人の指は妻の指に手を添え左右から乳首を圧迫し、捻り、捩るように刺激を与えるのだった。妻の指は半ば諦めたようにその誘導に従っていたが、数十秒の内に薄く桃色に染まった乳輪がやや収縮すると乳首はさらにその張りを増し、妻の体が刺激に反応していることを如実に語っていた。犯人は妻の指から手を離すと、促すように妻の手の裏に添えて数度乳房を揺らした。重力に逆らってその形を主張する程サイズのある膨らみでありながら、それはゆらゆらと全体をたわませるとその柔らかさを想像させるのだった。 カメラが妻の一歩手前にあるので画面一杯に乳房が写り、それは高精細の技術を賞賛するように隅々まで現実に目の前にそれがあるような臨場感をもたらした。妻の喉から視線を下げるとそこは二つの頂に挟まれた窪地のようだった。ブラジャーが形を抑えていないため、谷間は緩やかな起伏となっていたがそこにはうっすらと肌に汗がしっとりと滲み出していた。 次の犯人の動きは予想がついたが、画面の推移をアダルトビデオのように焦れて見ている自分が悲しくなったが、自分の期待通りに画面が下腹部に移ると興奮した自分は画面に集中してエロチックな妻を感じること以外の感情が動かなくなっていった。 犯人が手を離してからも妻の手は乳房を抱えたまま自身の胸の性器を緩やかに摘まんでいた。犯人は妻のもう片方の手首を掴むとそれを引っ張り股間に誘導した。妻の体は股間を前方のカメラに見せつけるように突き出していたが、腕を股間まで伸ばすため上体をやや曲げることになりその姿勢が俯き加減に自慰する女性のように見えるようになった。 一旦妻の手は内股に誘導にされると、指を伸ばし性器周辺の粘液を塗り伸ばすように股関節を上下に動いた。その指には結婚指輪が嵌っており、その鈍い輝きが動くたび、自分の妻の体が他者に支配されている事と、それに単純に反応しているジレンマを感じるのだった。 性器の両脇の太腿につながる窪みにたっぷりと潤いを与えている間、何かに埋められた妻の性器の下に見える肛門は色素の沈着も薄く、それをまじまじと見ることのなかった自分に妻の体に未だ知らなかった部分があり、それが犯人が先に知ったことを悔しく思っていると動く指の刺激に時折その形がすぼまり流れでた粘液を絡まれたそれはひくひくと妖しく蠢いていた。 陰毛を隠すように手を被せると、犯人の手は妻の人差し指を取ると、秘裂の上端に差し入れた。瞬間妻の体は電流に撃たれたように震え、ほぼ無音のヘッドホンに間違いない妻の呻き声が響いた。 自分とのセックスでも愛撫は行うが、それが児戯に思えるほど妻はこの刺激に反応していた。指先が大きく口を開き咥え込んだ性具と小陰唇の間に僅かに見える妻内部のピンクに光る肉から液体を絡め取るように入ると、そのままスライドし最も敏感な箇所に押しやられた。 妻は下腹部を大きく収縮させてその動きに応え、震えた身体の動きは見上げる乳房を揺らした。 声こそでなかったが、妻の吐息が聞こえその脳髄に送り込まれた刺激の強さが感じられた。 犯人の指は妻の指を依然捉えつつ執拗にそこを円を描いていた。時折妻の胎内から粘液をすくい上げるとそれを塗り伸ばすように同じように動きを繰り返していた。自分の視線は湿って肌に張り付いたことで妻の陰部を隠す用をなさなくなった陰毛のすぐ下に肌の色と奇妙なコントラストを描く充血しフレッシュピンクのクリトリスから始まる秘裂の上部に釘付けとなっていた。いまや埋没した本来の場所から繰り返し嬲られたことにより粘液を纏いそれは小豆大に勃起していた。 妻の手に添えられた犯人の指が不意に画面から消えたと思うと、画面に残されたのは自らの快感を生む器官と、それを2本の指で上下に柔らかくさする妻の指だった。結婚指輪はその上下動に沿って妖しく濡れた銀の輝きを放っていた。 数秒の事だったと思うが、犯人の誘導によらず自身を慰めて快感に浸っていたことに気づいたのか妻の指の動きは止まり、その指はおずおずと陰毛のあたりに移動した。妻の感情が見えるように思えた動きに、少しの時間でも快楽に流された妻に対しては、貞淑な妻の表皮が剥がれその女性を見たように思った。 画面にでは自分の思いを無視するように、するすると画面に犯人の手が入るとそれは再び妻の指を同じ動きに誘っていた。あきらめにも思えるほどゆっくりだったが、犯人が妻の指を取るまでもなくその指は先ほどと同じ場所に下がると、先ほどより明らかでに滑らかに動きを再開するのだった。 妻の指の動きはクリトリスにとどまらず、妻の弱点を示すように白く太い異物を咥えた小陰唇の側面を両脇から舐めるように動いていた。犯人の手はそれを待っていたのか満足げに妻の手の甲に触れると、指が動いたことで空いた間隙に掌を上に人差し指が差し込まれた。 音声には、次第に妻の吐息がやや荒い息遣いとして聞こえていたが、手前から関節毎に感触を確かめるように、ゆっくりと胎内に差し込まれた指がすべて埋没した時、自分とのセックスできいた妻の声が聞こえた。それは確かに自分の性器を妻に埋めた時に柔らかな圧迫とともにもたらされるもので、画面の下半身を写した妻の表情が想像できた。なにかにすがるように眉をひそめ形の良い薄い唇は下唇を噛むように時折理性を突き破って漏れ出る声を抑えているのだろう。 犯人の手首の筋は妻の内部を弄る指を推察できるようにぴくぴくと動いており、おそらく露出した性器のなかの潤った内壁はその腹部側のやや硬さがあり自らの性器に微細な突起を感じさせる部分を刺激されていると思われた。自分とのセックスではあまり声をあげることは無く、荒い吐息に時折、強いて文字にすれば、ん、ないし、あ、を含める程度だったが、それでもその端正な顔立ちが歪むさまはそれだけでも充分妻に侵入した性器とともに快感を生んだ。 犯人の手は角度を変え、妻の性器と同じ角度となると、その人差し指を埋めたまま親指を白い物体に回り込ませ、性器の下端をほじりはじめた。もう少しで肛門に届く割れ目が再び結合する辺りは漏れ出た粘液が滴っており、ゆるゆると微動しながらそこに移動したやや太さのある指は、妻を穿つ白い物体を抑えると、それごと捻るように動いた。 さほど硬さのないそれは、思ったほど全体の動きはなかったが、妻から突き出た端は確かに角度を変え、妻に侵入した部分も抑えられつつもその肉壁をじりじりと擦り回していると思われた。 数度の角度をそれが変えた時、遂に妻の下腹部から届いた刺激はその閉ざされた唇を決壊させた。深い吐息の後、淫猥な液体に塗りたくれられた性器全体を弾き上がらせ、同時に吐息ではない快楽の声をあげた。 膝上の腿の中程まであったグレーのストッキングはいつの間にか膝上数センチまで下がっており、これまでのあまり動きがない中でもわずかな微動がまとわりつくそれを下ろしていったことを思わせた。それがずり落ちるさまは妻が堕とされる様を暗示しているように感じ、妻の痴態に興奮する自分の感情は高まっていたが、それを諌める理性は徐々に声を落としているのだった。 画面で大写しになっている妻がその吐息をあげない淫らな唇で咥えているものが、ふと気になり痴態を晒す妻を画面の横にずらすと、ブラウザを立ち上げた。 検索に打ち込む語句に迷ったが、それを見ながら、性具、繊維など打ち込んでいくと、すぐにそれの名称が判明した。 それの名称は、ひごずいき、というもので、九州地方の性具で江戸時代には大奥にも持ち込まれた歴史ある品のようだった。土産物を紹介するサイトに掲載された画像は、隣のウィンドウで使われているものと寸分違わなかった。説明文を読めば、それ自体が分泌する成分は女性器の快感を高める作用があるので古くから夜の営みに使われたものであり、貞淑な女性にも淫ら��歓喜するほどとのことで、ずいきには随喜の字があてられて紹介されていた。 無論妻とのセックスには何らかの器具を用いたことなどなく、先日の映像から妻が幾つかの性具を咥えたことは衝撃だったが、犯人が妻にこのような作用をもつものを差し込んだことはショックだった。 妻の胎内に埋まっている形状をサイトの映像を食い入るように見ていると、次第にヘッドホンから聞こえる妻の声は吐息でない、明らかに性的な快楽を歌うものとなっていた。しかし、それは押し殺した声でまだ妻がその下半身を責める獣の思い通りにはなっていないことを示していた。犯人は抵抗を続ける妻に焦れたのか、妻の性器から生えた肥後随喜を掴むと強引にそれを引き抜いたかと思うと、その先端が妻の小陰唇が口を離さぬ間に素早く突き込んだ。妻は視界がない中、自分の体が伝える反応が一瞬遅れたのか、元の位置より深く埋まったそれに下半身の反応はなかった。が、快楽に麻痺した神経がようやく大量の情報を送ったのか、腰を引くように大きく下腹を閉めると、それを咀嚼するように脚を閉じ大陰唇で圧迫した。その動きは差し込まれた動きから間をおいて急激なもので、僅かな隙間を開けた股間が白く異様な物体を生やしている様は官能という言葉が相応しく、同時に画面に映る面積を増やしたブーツが日常とストッキングを挟んで非日常を分けているように見えた。 自分との性交では、妻がオルガスムに達したかを確かめたことはなかった。自身が射精の間際に急速に妻の奥底を求めると、それに応じて妻の腰は浮き上がることで密着性を高め、その締め付けが強くなることを感じるのみだったが、コンドームを装着していても妊娠を避けるため妻の胎内での射精はしていなかった。引き抜いた男性器から白濁した液体をこぼさぬよう外しながら、荒い息をつく妻を見やることが多かったが、今思えば妻が快楽の頂点まで達していたかは疑わしいと思えるのだった。 犯人の手は強引に妻の膝に触れ、股を開くのだったがその指についた粘液はグレーのストッキングに染み込み僅かにその色調を濃く染めた。それが妻に穢したように汚らしく思えたが、同時になにか妻にマーキングを残されたように屈辱を感じた。 妻の手は未だ性器にあったが、犯人の手はその間にある肥後随喜に手をかけると左右の肉壁にその感触を留めさせるようにじりじりと引き抜いていった。 妻の分泌液で潤ったそれは最初の整った形からやや形を歪ませており、それが妻の胎内で役目を果たし、その妖しい分泌液を放出したことを誇るようだった。画面から消えた肥後随喜に変わって現れた犯人の手は力なく太腿にかかった妻の手を取ると、妻の指が肌を離れる時に細い糸をひいた。 風呂上りのようにしっとりと潤った妻の優美な細い指は、犯人の言いなりとなっており、その指の第一関節を両側から掴むと、撓んだ指の形のまま、だらしなくピンクに光る妻の女陰に差し込んだ。妻のそこはすでに抵抗することもなく、広がった大陰唇は膣の入り口を隠そうともせず、異物の侵入を阻むのもはなかった。妻が自分の胎内の形にあわせ指を整えたとは思えなかったが、指先が触れると間も無く人差し指から束ねられたように薬指までがぴったりと張り��く小陰唇に迎えられ挿入していくのだった。 ピンクに染まった肉壁にずぶずぶと淫靡に肌色の指が挿入される様は、肉棒が差し込まれるように思え妻を汚しているように感じていたが、第2関節を過ぎ、銀色に輝く結婚指輪がその胎内に埋まるといいしれない不安感に囚われた。 犯人の指はその動きを続けるように促すと、さほどの抵抗もなく妻の束ねられた指は適度な太さをもってその内壁をまさぐっていた。画面から犯人の手が消えるとカメラは妻の股間から離れ、椅子に腰を浅く掛け、女性として隠すべきところを全て露出させた妻の全景を写した。 妻の表情は思っていたように苦悶の表情ではなく、見える眉間からはなんの表情も想像できなかったが、その唇はもはや引き結ばれておらず、浅く息をつき、時折吐息が漏れるように薄い唇を浅く開いていた。 食い入るようにその画面を見つめていると画面が一瞬暗転すると、次の瞬間にはカメラは妻のショーツをつまみ上げていた。それを全く重量がないように軽やかに画面の中央に移動させると、カメラの視線はそのまま股間を弄り続ける妻に接近した。これまで妻を陵辱していた犯人が無害とも思えるショーツを片手に、次に妻をどのように責めるのか緊張して画面を見ていると、犯人の手がブーツのふくらはぎを手にとった。ブーツを脱がすものと思ったが、続けての行動は意外だった。持ち上げたブーツに薄い布切れを器用に通しそれが妻の膝に絡んだと思うと、反対の脚を取り思いのほか伸縮性に富むその生地を伸ばしするするとブーツを通すのだった。すでに自分の性器は目一杯に充血していたがブーツに掛かったピンクのショーツはそれだけで非日常を演出し、既に膝までずり落ちたグレーのストッキングが片方では執念深く妻の腿にまとわりついていた非対称が画面をえもいわれぬほど醜悪なものとしているにもかかわらず、自分の股間はその妻の蹂躙された姿にもはや耐えられなかった。 音声がなくなってもここで妻を前に射精する他ないと決断するほど、自身の性欲はかつてないほど切迫しており、公共性の低くない場所でオナニーすることは躊躇われたが、犯人が画面で妻のショーツに手を掛けると、行為を留めることはできなかった。 自身の性器を握りしめながら、画面の妻の愛液と妻の感覚を刺激する肥後随喜の妖しい分泌液でぬめる妻の股間に、左右から犯人の手がショーツを引き上げる様は背徳的という言葉では収まらないほど淫靡だった。ショーツが動きつつその布地を広げている妻の滑らかな肌は本来自分以外の誰にも晒されてはならない秘密の肉体であるところ、妻は抵抗もなく異物の挿入を許した上そこが快感を貪ることを自らの手で許したのだった。その箇所に淫靡とは対象的なピンクのショーツが被せられてゆくことは、性の欲情に自らを委ねた肉体が偽りの貞淑さを装うように思えた。 自分が絶頂を意識したころ、妻の下腹部にショーツがぴったりと装着された。それは濡れそぼった陰毛と湿った肌にだらしなく快楽を求めて涎を垂れ流す性器を急激に自分の知る妻に変えたが、犯人の手がショーツの側面を腰骨まで引き上げると平凡な形が、男性を誘惑する形となり、その股間が素肌に触れたことにより早くもピンクを湿った色に染めていることは、妻が陵辱されたことの象徴とも思えた。 画面に広がる、暗色に妻の股間の潤いで色を変えたショーツに目が釘つけになりつつ一気に上り詰めた。息づかいはやや荒くなってしまったが、備え付けのティッシュで覆ったことで部屋を汚すことはせずにすんだ。 一方画面のなかでは、妻は胸をはだけたまま、椅子にぐったりともたれ掛かっており、そのまま画面は暗転し、少しの録画時間が残っていたがあとは映像のない部分だった。 射精をすると、いままでの頭に血が登っていた興奮がたちまち霧散し、俗に言う賢者状態となった。 画面に映った映像からは、妻が望んだ行為であるはずはなく、間違いなく脅迫など犯罪に属するものと思われた。いままでの映像は妻が自らの肉体を慰めるものだったが、これは妻以外に妻を責める役割がおり、その段階で当面の相手を認めた。 犯人からの映像により犯人特定を目指しているが、もし妻が陵辱されている現場で待ち伏せできれば、そこで犯人を捕捉することもできると思われた。 冴えた頭では犯人に至る手段を幾つか考えられたが、先ほどまで様な怒りがまったく湧かない点が不思議だった。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫5
ファイルサイズが巨大なためアップロードに時間がかかり、時間と共に伸びてゆく進行状況を示すバーを眺めていると、その伸長が妻のおそらくは痴態を記録した映像が晒されるものと考えられ、この苦痛が早く終わるように望むと同時にいつまでもこの時間が終わらねば自らの罪が確定しないように思われ懊悩に囚われるのだった。 アップロードを続けるpcを黙念とみていると、その画面下部に先ほど加工した画像ファイルが開いていることを思い出した。 その画面を開くと先ほどのファイルを示すアイコンが表示されている隣に、過去の旅行などで撮影した動画ファイルが並んでいた。 ファイル名は撮影日となっているので容易にそのファイルがどこに行った際に撮影日したものか思い出すことができ、結婚前の旅行や家を購入するときに方々の住宅展示場をみてまわった際の写真をなどをみていると、何故自分がこんな境遇になったのか暗澹となるのだった。 一方で笑顔の妻の写真からはその肢体が想像され、その肉体を味わった記憶が蘇り若干の角度がついた写真からでも容易に想像できる胸の豊かさやブーツに隠された脚線美を想像すると心ならずも欲情心が沸き起こるのだった。 そのまま階上で休む妻に向かうことも考えたが、依然アップロードは進行中でまだ終わるには数十分の時間がかかりそうだった。 また、今日の狂乱を思うと自身が妻を果たして満足させることができるか心許ないこともあり、pcの画面を閉じると居間に向かい心を落ち着ける事にした。 居間でソファにもたれかかりテレビを見てもさして興味を引く番組もなく、コーヒーでもいれようかと台所に向かったが明日のための睡眠を考えると刺激のある飲み物を飲むことは名案ではなさそうだった。 所在無げに台所の引き出しを漁り買い置きの飲み物を探していると、引き出しをの奥に引っ掛かりがあることに気付いた。 新築前から建物内のレイアウトを施工会社と打ち合わせし、建物の造りも把握しているつもりだったが、以外に造り付けの家具には粗があっったことにやや驚きを覚えながら引き出しをレールに沿って取り出し、その暗い奥から障害を手探りで探してみたが、単純にレールの端になにかの包装のビニールが付着していたことによるものだった。以外に隅々にまで知り尽くしていたつもりの自宅でもその奥など余剰のスペースがあることに今更ながら感慨を覚えた。 独身時代には人並みにアダルトビデオなど所有していたが、妻とであってからは画面に写る裸体より、直に触れる妻の複雑な曲線を描く肉体を愛し一部pcに保存していたものを除きメディアはすべて処分したのだったが、最近の妻の映像を見るにつけ秘密の映像を見ること、また第三者の視点で見ることの猥雑さに異常な興奮を覚えた自分を省みると破棄した過去の映像が惜しくも思われると同時に、それらの映像をこえて興奮を呼ぶ妻の映像を見たい気持ちが起こるのだった。 ともあれ、いままで自宅の広さは二人暮らしには充分で将来の家族計画に備えて子供部屋も備えてあるものの、秘密のを隠す場所などないと思っていたが自宅には自分だけが知りうる場所が幾つかあることに思い至った。同時にそれは妻も自分に秘密を隠すとすれば可能であることになるのだった。おそらく、この引き出しや寝室のクローゼットなどでなく自分には容易に想像できない場所があるのだろう。 そうとすれば、まず妻の秘所を掻き回していたあの淫猥なバイブを見つけてみたいと考えた。それが自宅以外にあるとも思われず、庭の隅ににある倉庫は自分が管理しているので考えられず、同様に車も考え辛い。ただ、以前自分が購入したバイブが妻の操作で動作したことから、自分のリモコンでも電源がはいっていれば同じことになると思われた。バッテリー式であるからには常に電源が入っている訳ではないと思うが探索のきっかけにはなるはずだった。 暗い台所で開いた引き出しやを見やりながら考えを巡らせているとすでに十数分が過ぎ、放置していたpcを確認するため、蛇口から水道水を一杯飲み干すと机に戻り画面を起こすと既にアップロードは完了していた。 自分の手の届かない場所へ、取り返しのつかないものを送ったことは気分が良くなるものではなかったが、それがなんとか犯人へ辿り着く手がかりとなることを願うのだった。 未だ眠くはなかったが翌日からの仕事に備え鞄の中身を確認して床にはいることにした。引き出しやから財布から出しておいたIDカードなどを財布に移し予定を確認していると、私用のメールに以前注文していたドライブレコーダーが付近のコンビニに届いていることが通知されていた。インターネットでの買い物では自宅には届けていたが、日中は不在のため結局不在通知をもち宅配便の事務所に受け取りにいくことが多かったため、最近はコンビニでの受け取りを主としていた。 さほど運転は荒い方ではなく、交通状況も全国上位となるような地域ではなかったが取引のある保険代理店から設置しておくことを勧められており思いのほか安価だったため、あまり深く考えずに注文したものだったが、これで自分が不在時の自宅を撮影日することができると思い立った。自宅の様子など気にしたこともなかったが妻の行動が気になったことと、なにより妻の映像自体が見たい醜い欲望があったのだった。忘れず明日受け取ることを心に留め支度を終えると階上に上がり寝室で妻の隣に身を横たえた。 日に当たった布団の香りに、妻の香りが混じり平和な気分で天井を眺めているうちに睡魔が襲いさほどかからずに眠りに落ちたのだった。 目覚めると既に日は登っており季節の移ろいを感じるのだった。隣に目を遣ると妻は居らず階下からテレビの音声が聞こえるところをみると朝食の準備をしているものと思われた。大抵自分が先に起きることが多く、新聞に目を通しているうちに妻が起きてくることが多く、そのような場合は先にコーヒーメーカーをつけ、トーストとベーコンエッグなど軽いものを用意しておくことが常だった。仕事の関係で自分の 遅く帰ることが多いので、結婚前以来朝食のとごみ出しは自分がすることが多いのだったが、洗濯や夕食、休日の室内の掃除など妻から不平を言われることもなく、その点でも満ち足りた新婚生活がそれから数年を経た今でも続いており結婚したことに満足しているのだった。 世間では結婚してからは妻が豹変して必ずしも家庭生活が充実しているというような話もあったが、自分にはそれがなく不平のない生活がどれほど恵まれているか実感することも難しいのだった。反面、妻がいる生活が自分には満足すぎるものでそれを失うことの恐怖や、それが妻にストレスになってはいないか心配を生むのだった。 妻はテーブルにシリアルを準備をしていた。その姿は長めのシャツにスパッツを履いていたが、いつものパジャマで緩い姿��比べると、身体の線が見え、スパッツがインナー用のもののため、若干透けて見えるあたりが艶めかしく感じた。昨晩の服装がハーフパンツだったので、そのままだったのかと思ったが、妻は晩に入浴することが常であるので、入浴後にそのままの衣服で就寝したことは常にないことだった。 夏の暑い時期にはシリアルを朝食とすることが常だったが、この時期に食べることはなく奇異に感じたがさっぱりとした朝食もたまには良く、向かい合わせに座ってテレビの他愛もないニュースを眺めつつスプーンを運んでいると、妻は先に食べ終え、出勤の準備のため2階に向かおうと思ったが、トイレが妻と合わないために先に向かうことにした。 新聞を眺めていると、いつか朝のポストに伝言のあったことを思い出してしまうのだった。便座カバーをしめ水を流そうとしたとき、ふと脇のサニタリーボックスに目がいった。この時期は妻は生理ではないはずだったが、その蓋が少しずれているのだった。悪趣味と思ったが蓋を開けると生理の時期の生理の用品ではなく、それより若干細めのおりものシートがあった。妻の生理はさほど重いものではなく、温泉旅行などは生理の日程を考えたこともあったが、通常の外出に差し支えたこともなく普段にもそのようなものを装着していることもなかった。 以前に予告なしにセックスした時にも、そのようなものが妻の秘所を覆っていたことはなかったが、妻の衣服が常と異なっていたことと併せ、妻の昨日の行動について自分には僅かな疑問の萌芽が芽生えるのだった。 2階では妻が着替えを済ませ軽く化粧をしていた。自分の好みでは妻は素顔の方が良く妻にもそう言っていたが、妻も外出があれば化粧なしででかけることもなく、化粧水と薄くファンデーションをはたく程度で済ませていた。その脇でスーツに着替えをネクタイを締めていると、妻は化粧を終え自分のスーツについた毛くずを取ってくれた。 会社は総合職は男女スーツとなっていたが、一般職は制服があるのでオフィスカジュアルでの出勤のが許可されていた。普段から落ち着いた服装を好んでいた妻はいつもと変わらず黒のシフォンスカートと白いブラウスにグレーのカーディガンを羽織った清楚な姿だったが部屋をでる前にドアを開け、膝上に手を遣るとスカート越しにタイツを摘まんで引っ張りあげた。何の気もない所作に思えたが、妻が着用しているものがタイツをならばあまりそうしたことはなく、着替え直後ならば腰まであげて履いているはずなので、それはもしや膝上のソックスなのかと考えてしまった。 結婚してからしばらく妻には満足していたが、週に数度は性交をしていると性欲の対象として妻をみることも少なくなっていたが、ここ最近の出来事があってからは妻を疑惑の目で見ることがかえって妻をより性の対象として見てしまうようになっていた。 妻も一定の理解を示し、時折セクシーな下着を身に纏いストリップじみたことをしてくれたが、それは男性視点でそそるものでなく児戯のようなものだった。女性が自ら望まぬことをしていることをみることは自分には異様な興奮をよび、それが普段目にしている妻、隅々まで知っている身体ならばなおさらのことだった。 出勤のため階下におり、いつもの通り妻より先に出るため玄関に向かったが、ふと出勤前に妻をもう一度見たくなりリビングに入った。妻は隣の部屋でpcを起動してなにやらサイトを見ていた。横から妻をみると形のよい乳房がタイトなブラウス越しに見え急激にブラウスをたくし上げて豊かな乳房を晒してみたい要望に駆られるのだった。不自然にこの部屋に立ち寄ったことで妻はきょとんとしてこちらを見ていたので言葉に詰まり、つい今晩は遅くなると言った。妻は夕食の支度について尋ねたがそれには外で済ませると答えると、それなら自分も帰りに軽く食事を済ませてくるとのことだった。 出社してからいつも通りの月曜日の朝のメールチェックからくる雑務に追われて過ごしていると、すでに午後の時間に入り昼食の時間を過ぎていた。この時間は食堂も閑散としておりメニューも繁忙時の多彩なものから麺類程度になっており定食も残っていることはあまり希望が持てなかった。スケジュールでは午後の予定はあまりなく、作業も部下に進捗を確認するものばかりで報告書をまとめるなど集中して取り組むものはまだなかった。妻に朝の帰りが遅くなると言ったがこの予定では残業どころか定時以前に帰宅できるほどだった。 なにか予定の取りこぼしがないかとスケジュールを再確認すると、今日の午後から以前に開催予定だけ記録していたシステムの説明会があることに気がついた。部下にいかせるつもりだったのが指示を忘れて申込もしていなかったので失敗を覚えたが、webで調べるとやや離れた場所だったが別日程での開催があり、そちらはまだ申込を受け付けていた。日程を部内の予定と見合わせたがその日程では部下の数名が打ち合わせなどで埋まっており、内容からまだ経験のない若手には任せられなかった。打ち合わせに自分がでることも考慮したが比較的低級の企画レベルの打ち合わせのため自分がでることで意見ので辛い場とすることも躊躇われたので、結局説明会の出張には自分で出席することにした。 まだ日のある時間に会社をでると街の木々が緑に映えており駅でいつも通り帰りに軽くの電車に乗ったが、妻に帰りは遅くなると言った手前先に帰るには妻の夕食の都合もあるので、その旨を伝えるため電話したが通じなかった。自分には比べれば妻は早く帰ることが普通だが、ほぼ定時と同時というわけにもいかないようだった。 車窓の流れる景色を見つつ揺られていると帰りにコンビニによってドライブレコーダーを引き取ることを思い出した。駅をでて直近のコンビニで品物を引き取ると思いのほか小さくこれで一式と思えないほどだった。家路につこうとすると、妻からメールが入り、今自分がいる駅をこえて近隣の街で同僚と夕食を食べて帰る、とのことだった。 自分に妻に秘密にできる時間ができたことを今更ながら感じたが、この時間ではなにをすることもなく自宅には帰ることにした。 普段は帰宅すると妻が出迎えてくれ、食事の支度も整っていたが、今日は暗い玄関に上がると自分の家でない他所に上がったような感覚だった。テーブルには朝食のシリアルの箱があったが流石に夕食に食べる気にもならず緩い服装に着替えるとドライブレコーダーを開梱してテーブルには広げた。あまり高価でもなかったものの録画機能など充実しておりバッテリー駆動でも数時間��モーションセンサー付きカメラとして使える機能があった。通常は運転中のドライブレコーダーとして使い、駐車時は防犯カメラにもなるもので自家用車は盗難にあうほど高級でもないが面白い機能と思った。 最近の製品に常として簡易マニュアルでない設定集などはwebでみることとなっており、一旦取り出したカメラ以外は箱に仕舞うとpcの前に移動した。物音一つしない室内でpcの低い起動音をききながらログインするといつかの妻の痴態の映像が脳裏をよぎり、本来の目的より先にいつかのダウンロードサイトを見るのだった。 サイトには明らかに自分に宛てたものと思われるファイルがあったが、僅か数バイトのサイズで疑念を抱きつつダウンロードして展開するとパスワードの入力を求められたので、いまでも記憶しているパスワードを入力をすると画面に短い文字列が表示された。 ご主人へ セキュリティのため定期的にサイトは移動します 次回以降は下記アドレスをご利用ください この連絡が取れなくなった場合はご主人へ映像をお届けすることはできなくなります 定期的にご覧になることをお勧めします さて、先週のセックスはお楽しみいただけたと思います 奥様の映像をお届けしますのでどうぞお楽しみください 奥様はなかなか我慢強い方ですがご主人にもお楽しみいただけるよう開発をすすめます もはやこの丁寧でありながら下品かつ悪辣な文章にも慣れさほどの怒りも覚えずに指定されたサイトを開いた。前回までは英語のサイトだっったが、今回はキリル文字での表記からロシア圏のサイトであることが知れた。 妻の映像が世界にあると思うと、どうかこれがこのまま闇に葬られること、犯人も同じく消えてなくなること、できればその前に自分の懊悩と妻に対するある感情を抱いてしまったことの暗闇を味合わせたいといった暗い怒りが頭を占めてゆくのだった。 文字が読めなくてもおおむね操作は画面のボタン配色からわかり、さほどかからない内にダウンロードが始まった。先にファイルをアップロードした時に比べ僅か十数分でダウンロードは完了し、そのファイルを万が一にも誰にも見られないように暗号化した外部メモリに移動し、ファイルを調べ以前に送ったファイルに施した設定が残っているか確認したが、残念ながら自分が送ったファイルではなくそもそもプロパティ自体が存在しないようだった。やや残念に感じつつも映像の中身が想像できるだけに見ずに納めることはできず、改めて玄関の鍵の施錠を確認してから再生を始めた。 映像は妻が、会議室のようなパーティション壁にテーブルが数台置かれた部屋に入ってくるところから始まっていた。カメラは入り口を指して設置してあるようで、伏し目がちに妻はドアを恐る恐るあけると室内を見回してから入ってきた。妻の視線のやりようからおそらくこの時点では部屋に人はいなかったように思われた。また、妻の服装は紫のニットに黒のシフォンスカートにブーツを履いており、今より数ヶ月は以前のまだ寒さの残る時期のようだった。 カメラは隠匿されていたのか妻はカメラに目をやることもなく、机に無造作におかれていた用紙を手に取ると両手に持ってそれに見入っていた。隠しカメラで妻を見ているようで、なんの刺激もない映像だったがすでに自分がやや昂りつつあることを覚えたが画面から目を離すことはできなかった。 読み終えたのか用紙を机に丁寧に置くと、カバンをテーブルにのせ、画面の手前側に設置されていた箱に手を伸ばし、その中から黒いバンドを取り出した。それは以前の自分が他人の妻を陵辱したときに常に身につけていたものと同じようで、一見しただけでそれがどのような意図を持ったものか想像できた。 妻の表情は無表情に見えたが、滅多に自分には見せない怒りの表情なのか目が細く引き締まり唇を結んでいた。その後の妻の行動がその表情をしなければならなかった理由を説明するのだった。会議室程度の広さの部屋の中央に立つと、腰に手をやり側面のフックを外してジッパーを下ろすとまるで更衣室で自然に着替えをするようにスカートを脱ぎ始めた。 ブーツを履いたままスカートを脱いだため、屈んで足から外すことにやや手間取っていたようだが、やがて片足づつそれを降ろし手に取ると丁寧に折りたたんで傍の机に置いた。ブーツからグレーのストッキングに覆われた形のよいふくらはぎが伸び、股間の数十センチあたり下ででぴったりと合わさった両方の太腿の途中でストッキングはひときわ色を濃くした後唐突に素肌に変わっていた。張り付いたストッキングが僅かに肌を締め付けているのかその末端では柔らかな肉を数ミリ圧迫しておりそれが煽情的なアクセントとなっていた。 ショーツは家で見たことのある薄いピンクのものだったが、ブラウスの下のキャミソールにその大部分を隠されていても妻の性器を覆っている薄い布地が両脇に少しついたフリルが目立つこともなく欲情をそそる曲線を描いていた。自分の妻の隠し撮りにこの段階で相当に興奮しており、上半身は外出時と全く変わらない姿の反面下半身はブーツにストッキングにショーツが残るのみの姿は突然スカートだけを取り払ってしまったようで非日常的であると同時に妻がこれから行う行為への期待と不安で興奮がさらに増すのだった。 この段階でもショーツの尻の部分の食い込みが気になるのか上体をよじるとカメラからは見えない範囲だったがどうやらショーツの尻の部分をたくしこんでいるようだった。 光の加減でショーツに覆われた妻の秘所のあたりは全面ぎりぎりのあたりのクロッチより奥は暗くなっていたが、身をひねったことでそこに光があたった。と、ショーツの一番奥に位置する辺りがやや盛り上げっていることに気がついた。クロッチのあたりから不自然に股間が膨らんでおり容易にそこになにか物体が潜んでいることが分かった。状況から考えて間違いなくそれは妻の身体を貪るための下劣な器具に間違いないことは明らかだった。妻のストリップとして欲情を抱きつつ画面を食い入るように見ていたが、この段階ですでに妻がこの映像の始まりからすでに犯されていたことがわかると、妻をこのような目に遭わせている犯人に殺意が湧いたが確かに自分の股間はいますぐにでも画面の妻に侵入できるほど硬直しているのだった。 画面の妻はその姿のままカメラの撮影範囲外に姿を消すと数十秒で画面が暗く暗転した。これで映像が終わりかと画面の下に表示されたスライダーバーに目をやるとまだそれは全体の5分の1も過ぎていないのだった。このまま映像が終わることを願う自分と暗い欲望に囚われさらに妻の姿を見たいと思うと自分だったが、手は停止のボタンをクリックすることはできなかった。 考えている間に画面はドアを開く場面となっていた。先ほどの映像と比べると全体的に鮮明と���っておりパーティションと見えた壁も明らかにある程度の厚みをもった防音材をいれたもののようで床もパッキン加工されていることから可動式のものでなく、おそらくどこかの企業の会議室のようだった。経験上、大抵の会議室には窓があるものだったが、先ほどと同じ部屋とした場合、今度は入り口側からの撮影のためドア以外には窓一つない閉塞した部屋のようだった。あからさまに淫猥な調度品で揃えたラブホテルの様ではなかったが、部屋の雰囲気から会議テーブルまで無機質な印象がかえってこれから行われる行為をわからなくしていた。 さほど広い室内ではなかったが、妻は奥の中央で簡素な椅子に腰掛けていた。姿勢のよい妻らしく背筋を伸ばした姿は学生の面接のようだっったが その頭には忌まわしい黒いバンドが巻かれていた。その床のカーペットの上に敷かれたブルーシートは間違いなくなんらかの液体をカーペットにかからなくするためのものだった。カメラを持つものは犯人かあるいはその共犯者であることは疑いなくその姿が映ることを期待していたが、画面は次第に大きくなる妻の姿を写していた。 カメラは妻の正面に立つと急激に低い姿勢となり、ブラウスのボタンに手をかけた。最初の一つ目にはやや手間取っていたようだったが、その手は存外器用に動きブラウスの前をはだけるのには大した時間を要しなかった。ブラウスを左右に広げると明らかに膨らみを主張した白いキャミソールが残されていたが、それを強引に下に引き下ろすとそこにはショーツとセットの薄いピンクのブラジャーがあるだけだった。 二つの乳房が作り出す谷間は、抜けるように白くつややかな肌をその起伏で微妙な陰影を作り出しそれだけを見ていたい気持ちもあったが、なされるままの妻の肩に残ったキャミソールとブラジャーのストラップをブラウスごと腕まで下ろすと妻は両腕を身体に密着する姿勢となった。画面に伸びる手はブラジャーのカップを摘まむとそのまま下に引き下ろした。妻の乳房の形は見事なお椀型のため、片方の乳首がその美しい薄桃色を現したが、カップは乳房全体の露出を拒むように乳房の途中で豊かな起伏に食い込みかえってその柔らかさを示していた。 抵抗するそれを器用に動き回るその手は左右にカップの上端を左右に振りつつずらしていると乳房は降伏したようにその厚みを示しつつ画面に張り出し敗れたカップはその乳房を強調するようにその下に定位置であるように収まってしまった。ほぼ円形を描き隠れ場所から発見されたことに抗議するように乳首はカメラの上方を向いていたが、その突起は自分との夜と同じく刺激を求めるように突端を差し出していた。 妻は胸をはだけ両腕を縛られたように腕まで下がったブラウスに拘束されていたが、依然としてブーツを履いた両足は閉じみだらな姿をみせる上半身と対象的に下着が露出していることを除けば姿勢良く座っているのだった。 カメラは少し引いた画面になり、このまま映像が終わってくれるのではという希望と、それ以上の痴態を期待する自分の欲望を斟酌するようにしばらくそのまま微動だにしない妻を写すのだった。 動かない画面に自分が焦れていることを察するようにカメラはアングルを低い姿勢に変えるとそのまま妻の閉じた太腿に接近していった。キャミソールがかかりショーツの大部分は隠れていたが、突如画面の左から現れた手は滑らかに魅惑的な曲線を描く二つの膨らみをの間に差し込まれ、そろそろと左右の内股にサインを送った。上半身の衣服を脱がされている間にも体の動きを変えなかった妻もこの時は少し身動ぎをした。動きがないことを見てとった手は再度先ほどよりやや強くその位置で片側を押すように合図していた。妻はその意図を理解したのか腰をややずらすとおずおずとその両足を広げていった。その時間は短かったがスローモーションのように左右が同時に動き、柔らかで滑らかな生地のショーツの映る面積が増えていく様は手が届くなら両側から閉じてしまいた��ところだが、そこに自らの顔面を埋め存分に唇でその感触に浸りたいと思ったことも事実だった。 90度まで開いた脚はグレーのストッキングに包まれ、膝で急に角度を変えるとそこからほどなくブーツに覆われると垂直にブルーシートに落ちていた。自分の思いに呼応するように開脚を待っていた手はカメラをより股間に接近されると腰から裏に回り込んだ。映像の影のため所作はわからなかったが、続けて妻の腰が手前側に動いてきたことでその目的は判明した。カメラの位置が近いため、椅子の縁にほぼ二等辺三角形に見えたショーツは股間を覆うクロッチが次第に上にせり上がってゆき、何かが埋没した性器を覆う薄い布を画面に全体に写すのだった。 アダルトビデオなどではここで焦らす時間となるのだろうが、犯人にはその意図はないようで呆気なく指を伸ばしショーツの最も深部にかけると妻の秘所を露わにするのだった。上部に薄い陰毛がある他は性器の周囲は艶やかでその中央に複雑な襞が自分の見た妻だったが、そこにはカバーを嵌めたようにクリトリスのある位置から肛門の直前までを埋め尽くしていた。妻の股間に蓋をしているようで異様な光景だったが、やや上気しているのか薄桃色の肌に無機質なパールホワイトの器具が映えピンクのショーツの生地がわずかな抵抗を示していた様は某然とするほど淫猥で、自らの股間に手を遣ると体が震えるほど敏感になっており先には妻を求めるように液体の感触を感じたが、妻の肢体は画面の中で陵辱されているのだった。 その物体は以前のバイブレーターのように動きはしないようだったが、ショーツから手を離した後、指でその抵抗を抑え人差し指と親指で腹側の張り付いた物体の縁を引っ掛けると梃子の様にそれを引っ張り出していた。 クリトリスに当たる部分には無数のイボが生えており、それが埋まっているとはいえ敏感な箇所を動く度刺激をしていたことは想像ができた。それを裏付けるように亀裂の最上部のそれはある種の興奮状態にあるように薄桃色より濃く色を変えて小豆程度の膨らみをを半ば隠れながらも主張していた。 肌に密着する部分が解離すると抑えに回っていた指をそれの左右に移すと、引き抜くと思われた。が、1センチほども根元が見えたあたりで妻は腰全体を震えるように数度伸縮させてしまった。手の動きは止まり、動作を停めたかと思うと、元通り以上にそれを妻の性器に押し込むのだった。元にあった位置よりさらに深く妻の体内を抉ったときその体はさらに震え下腹部が収縮した様は、おそらくその内部にある生殖器がそれに絡みつき快感をえたことを想像させた。 数度に渡って妻を嬲った後、これも自分を侮辱するようにゆっくりとそれを引き抜いていった。入り口に当たる部分は細くくびれていたが、その先は再度径を増しており、上方にフックを引き抜くようにそれが全体を露出する直前まで妻の小陰唇はそれの名残を惜しむようにぴったりと張り付いていたのだった。それが離れた瞬間にピンクに光る内側の肉を一瞬見せると粛々と元の位置に戻り、ようやく自分の知る妻の股間に戻ったがそこは既に覆われていた部分は全体がしっとりと湿っていた。 犯人はなんのつもりかつい先ほどまで妻の体内を貪っていたそれを画面に大写しにし、手首を振ってそれの明らかに目的をもった人工的な形成を自分に見せつけるように動かし、下から伸びた指がそれに触れたと同時に離れると、透明なやや粘りをもった液体がそれと指の間に伸びるのだった。 カメラは妻から離れると、何か台に置いたように微動はなくなった。画面に映る妻は股間をカメラに向け、性器を中央として白い足をやや上方に伸ばして先ほどと同じくブーツを床におろしていた。上半身とがやや椅子にもたれかかる姿勢となったことで露出をした胸は下から見上げる形となり重力に押されながらもその形は柔らかさと相反するように膨らみを保っていた。 ここまで音声は足音など除けばほぼなく、それが衣擦れの音を生々しく響かせていたが、何かの液体を注ぐ音とチャプチャプとそれをかき混ぜる音がはいった。既に過去のことと思っても手の届かない画面に淫靡な姿を晒す妻を何もできず歯痒くそれでも怒張した自分の性器をかかえていた。 やがてカメラが動くと、再び映像は妻の股間に向かった。妻の陰毛は濃くはなく、性器の上部に品良く生え揃っており性器の周囲は肌とグラデーションした大陰唇が左右に開いた脚のため、中に隠されてた生殖器を閉じる事ができず、既に刺激を受けたことにより愛液の分泌を生じてテラテラと艶めかしく粘膜を露出させていた。 この映像がどこで撮影されたものかはわからないが、そこには至るまでに妻のそこは絶えず刺激されていたであろうことを考えれば生理現象としてぬめる液体の分泌は責められないが、自分以外の人間に対して妻の体が反応していることは悔しいものだった。 画面中央に秘裂を捉えた次に入ってきたのは、白い繊維の塊の濡れそぼったような異様な物体だった。サイズは今しがたまで妻の中に挿入されていたものより一回り大きい程度だったが、その形状は繊維を束ねたものが濡らされたようなものだった。 いままで映像でみた妻を犯した道具はすべてシリコンのような人工的な色彩や質感だったが、ここで趣向の異なるおそらく性具が妻の陰部に接近していることは、その性的な興奮より意図を図りかねる不可解さが頭には残った。 ついに妻の小陰唇に口をつけたその白いものはあまり硬さがないようで、突き込もうとする手の動きに反して首を捻るように小陰唇に沿って滑り勃起したクリトリスをその所々にある段差で連続的に爪弾きした。既に神経が昂ぶっていたのか妻は腰を引くような動作とともに小さく吐息をついた。それが犯人の興を引いたのか、性器にそれを押し当てると上下に擦り付けるようにそれを動かしていた。妻の吐息はその動きに同調するかのように時折深い息をつき、その動きが上端に達し、下降に転じる直前に肛門から大陰唇にかけて刺激をうけている部位の周囲が収縮するのだった。 数十回同じ動作をしたころには、その道具は思いのほか液体を含んでいたようで、陰毛は濡れそぼり比較的縮れの少ないその毛も肌に張り付き性器全体が湿りをこえてなにか粘液を塗り込めたようにチラチラと光っていた。 今度は上方によりその性具を妻の下腹部の奥部にある穴に押入れ、数センチが埋没したかと思うと根元を握った手首を捻り角度を変えつつ、小刻みな回転をし、数秒の内に根元を握る手をのこして8割程度が妻の体内を穿っているのだった。これからこの道具で妻を犯すものと思っていたが、犯人は唐突に手を離した。 椅子に浅く掛けた妻は胸をはだけ、股間を前方に突き出し全裸よりさらに非日常感を生じる半裸で、下腹部の涎を垂らしたように液体にまみれた穴に一杯の性具を咥えて静止していた。 妻が快楽を感じなければ、映像をみつつもこの時間は自分の罪悪感のみ感じている拷問だったが、時折妻が性器に圧力を胎内で加えているのか根元が時折角度を変えつつ動くことは、妻が性的に刺激を受け入れてしまっているように感じ、それは二重の拷問だった。 カメラの映像は先のようにまた台に置かれ、進行状況を示すスライダーバーはまだ3割程度しか経過したことを表示していた 画面はそこで唐突に暗くなった。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫4
かつて妻との性行為でも一夜に3回も果てることはなかった。愛撫は長めにしていたが、付き合い初めには若さもあり行為の後、シャワーを浴びた後の妻の下着姿に催し、そのまま2回目になることもあったが、結婚の後は、平日の晩はさほど長く時間が取れないことからリビングのソファで妻の各所に触れ、互いがその雰囲気を感じ取った後、風呂を浴びてから2階の寝室でセックスしていた。 休日の晩でも、たまに妻が茶目を出して誘惑的なことをしない限りは一回で心地良い疲労感の中、妻の体温を隣に感じて眠ることが至福の時だった。まして、妻との性行為は純粋に妻を愛しく思い、その体の全てを自らで埋めることで快感を互いに得ており、今回の様にただ体の隅々まで自らの快楽を生むためだけに責め尽くした、攻撃的なセックスはいまだ経験のないものだった。ただ、それが3回の行為の原動力であったことは間違いなく、平常の自分から考えられない野獣性に束縛の無い自身の男性を感じるのだった。 男性は射精を伴うことで冷静に帰るが、女性のそれはは熱した鉄板の様に加熱し続けたものの冷却には時間がかかると昔読んだことがあるが、目前の光景を見るにそれは部分的であっても正しかったのかもしれない。 とうに寝不足の時間をこえ遮光カーテンの隅からでも薄暮を過ぎた光が漏れている。その青みがかった白い光とベッドサイドの電灯色のライトに照らされた他人の妻の肢体は、恥じらいもなく股間を開き片足にのみ靴下をさげてなおその股間にはもはや閉じるほどの回復力を失った二枚の肉が朱色に光る小陰唇を覆い隠す役目を果たせなくなっていた。 先ほどまで自らの股間を押し当て、指で隅々を探りその味覚が後々まで記憶にのこるほど啜り尽くした他人の妻の性器は、3回目の行為にいたって遂に快楽の輻射熱は溶鉱炉の理性を溶かし溶解した自意識を残すことなく快楽を貪っているのだった。 さすがに少々興ざめしたものの時折性器に人差し指と中指を指し込み、親指の間接辺りまで抉るように腹部を探ったり、他人の妻の性的反応が大きい内股から臀部にかけての白く柔らかい曲線を指でなぞる様にしていると、いつ尽き果てるのか際限なく呻き声をあげ、時折他人の妻はその手を自分の股間に突き刺さっている手に添えて、性器の奥へ、また入り口から数センチの左右あたりへ誘ってはその体をしならせるのだった。 自分の手がさながらバイブレータになったように思い冷静な頭ではやや不快感を感じるのだが、それがかつて見た妻の胎内に挿入されたものが感じた感覚と思うと、相手は無機質な器具であったとしても込み上げる怒りがそのまま他人の妻に向かい与える刺激を一層強めるのだった。 6時半をまわったころだろうか、外からトラックがホテルの前の信号から発進する際の響いてくる音を聴いた。さして高級でもないホテルにしては防音がよいものと思ったが、このままここで過ごす訳にもいかずできれば廊下を渡る姿は誰にも見られないうちに自室に戻りたかった。 妻とは���った趣の豊かな肢体を目にして去ることは若干の躊躇を伴ったが、醒めつつある頭は立ち上がることを促し、最後に何度も精を放った自身の性器をベッドに横たわっている他人の妻の方を掴み、やや強引にベッドサイドから半身を引き出すと、仰向けになりすでに満足に力の入らなくなっていたその体は背中あたりまでをベッドに載せ、肩から頭は支えを失って床に力なく崩れ落ちるのだった。いまだに目隠しは嵌っていたが、顔を下からみる格好となり、鼻あたりから僅かに見える目つきはまず美人といっていい範疇に収まるものと思われた。直毛の短い髪は汗やその他体液に汚れていたが逆さの頭から綺麗に線を描いており、調度見下ろす視線の先には時折淫猥なあえぎを漏らす咽喉が見えた。 先ほどまで弄り回していた性器の内部の色と、低い位置となったことで外の光を浴びた口内の色はほぼ同じ色に見えた。 性行為の最中は自身性器を口内に突き入れようとも考えたが、自身の性器を含んだそれを吸うことはどうにも気色がわるく思えたのだった。しかし、これ以上のセックスをしないならば、それを忌避する必要もなかった。 これで部屋をでるにあたって最後にこの他人の妻で性処理して自身の性欲を放出する道具として扱った仕上げをすることにしたのだった。 3回の射精を経た自身の男性器はあまり乗り気は無いように見えたが、朱色に水分をたたえた唇から舌に尿道あたりからその裏面を軽く押し付けているうち数十秒で賛同するように硬度を回復した。 最初は腰を落とし屈んで男性器を他人の妻の口内に挿入していたが、膝をつくことで調度挿入角度が適切となり、僅かに他人の妻の体をさらに縁に寄せることで、仰け反った他人の妻の顔を性器として扱い、自身の目の前には他人の妻の性器があるのだった。 他人の妻はフェラチオの経験があるのか、当初は性器の側面などに舌を廻したり、亀頭裏面から尿道あたりを舌の平でさすったりしていたが、自分が目の前の性器をやや強引に両手で刺激すると、快感からかその舌遣いがとまるのだった。 直ぐに射精するところを中断されたことは無性に腹立たしく、自身の手で他人の妻の肩口から腕あたりを抑えると、腰の抽送をはじめ単純に自身の股間にあるものは射精する道具と考えるようにした。脳内ではそのような凶暴なことを考えたことも無い自分が異常に興奮させるのだった。 太腿で顔の左右を抑えると口腔の暖かさと圧力は他人の妻の胎内にあるそれ専用の快楽生成器官を上回るほどの快楽を自身の性器に伝えてくるのだった。 僅か数分のことだったと思うが、自分の体内のどこに精子が保存されているか疑問に思うほど性器の根元から尿道先端まで液体が噴出する感覚を快感とともに覚えると、4度か数度に分けて口腔からあふれ出るほどに白濁した粘体が他人の妻の口腔を満たしたのだった。 この時点で時計は7時前となっており、さすがに疲労を感じ始めた体を慮り手早く身支度を整えると、体をベッドの上に戻したものの体を横に丸めた他人の妻の肢体を眺めた。膝を折るようにして屈んでいる姿勢は着衣であれば何ら問題ないが、僅かに片足にのみ残った靴下と目隠しを覗いて全裸ではその股間からもはや爛れて流れ出す汁の粘度が薄くなるほど責められた性器を見せ付けているようにも見えた おそらくこの状態ではチェックアウト時刻間際までは行動を起こすことは無いだろう事を確信すると廊下の様子を伺ってから手早く自室に戻った。 この頃になって体が急に疲労を訴えたが、ここにいることのメリットがなく、あの女性と再度会うことは避けたいところ直ぐにでもチェックアウトすべきだった。が、改めて自分の体を確認すれば、あちこちに何らかの液体の跡があり、愛液に浸された自身の陰毛はバサバサになっていた。汗臭さもありこの状態で公衆の面前にでることは憚られたので軽くシャワーを浴びたのちチェックアウトした。 ホテルからは数分歩いたところで運よくタクシーの営業所を見つけ、タクシーに乗ることにした。往路と同じ経路をたどることは万一跡を追われていた場合に問題となるかもしれないことを憂慮していたが、幸い移動手段がとれたこと、さすがに数十分でも睡眠を必要としていたので、運転手に新幹線の駅を告げると次の信号を見ることなく眠りに落ちた。 自宅に戻った時間は午後6時をまわった頃だった。実際に新幹線の駅まではもどったのだったがあまり早く戻ることで不審感を与えないためと、タクシーと新幹線の断続的な睡眠ではやはり頭がすっきりせず時間単位での睡眠を求めたためだった。 駅からさほど遠くなくインターネットカフェを見つけそこで数時間眠ったことで漸く意識が清冽になりこの週末の出来事を自分でどう考えるか迷いつつ家路についた。 自宅では妻が普段と変わらず出迎えてくれたが、いつもならスカートを常としている妻がツイードのハーフパンツをはいている点が奇異に感じた。それも持っていることは知っており、時折外出の際に着ることはあったが部屋で着ていることはあまり記憶にないのだった。また黒タイツが組み合わせでは一択だった筈だが、このときは無色のストッキングをはいていた。その組み合わせ自体は不思議ではないが違和感を感じたことは確かだった。 とりたてて普段の生活と変わりがある訳ではないが、なにか釈然としないものを感じていた。自分が見落としている何かがあって、それが自分が暮らす世界と微妙なズレを生じているようだった。 夕食時、妻から同窓会の話があったがさほど深い話でもなかった。ただ、旧友との再会の感動があるわけでもなく、次回の同窓会は多分欠席すると思うと話した時に妻が嬉しそうな表情をしたことには戸惑いを覚えた。 晩には昼間寝た反動でなかなか睡魔が襲って来なかった。妻に帰りの電車で寝ていたことを話すと、悪戯っぽく寝坊の注意をすると妻は笑いながら寝室に向った。 夜半を過ぎたころにはパソコンに向っていた。目的は自分が不在の間の自宅の通信で行われた事の確認だ。 土曜日の朝以降日曜日の午前5時までのログは全く無かった。休日に妻がPCを使わないことはあるが、先般のように犯人からの通信があるときPCの操作が一切無いこともやや不審だった。午前5時の通信事態は暗号化されており、通信されたパケットから内容を伺うことはできなかったが、妻のPCの操作記録から、あるサイトにログインして何かの数列を受信したもののようだった。数列は特に関連があるものでなかったので類推もできず、とりあえずそのサイトを後日調べてみることにした。 午前9時には以前みたファイル共有サイトに接続して、数ギガサイズのファイルをアップロードしていた。この操作を予期していたといえば、そうではないと言い切れるが、期待していたかといえば否定できないところに自分の心境の変化を感じるのだった。 以前の事例からしてこのファイルは動画ファイル、それもほぼ確実に妻が自身の痴態を晒したものと思われた。今ならパスワードも把握しているので、これを取り消すことができると思うと自分の相反する感情を抑えて妻を守る想いがとまらず、自身のPCから直接そのファイル共有サイトに接続し、登録ファイルの削除のボタンにポインタを合わせた。クリックしようと思ったその時、ふと隣のダウンロード件数に目をやると0件となっていた。自分では既に犯人にこの中身の分からない映像を見られたと思う悔しさで行動していたが、まだ犯人はこのファイルをダウンロードしていないのだった。 昼の睡眠によりこの時間でも集中力を維持できることに感謝し、直ちにファイルの削除を実行した。 ファイルの中身は気になったが、いまは時間を争ってすべきことがあった。妻はファイルの送信にあたって、恐らくカメラのSDメモリなどをPCに刺して直接アップロードしたようだったが、幸いその控えはパケットから復元できそうだった。 この復元したファイルは通常の動画ファイルだが、以前社用で使用したソフトでファイルのプロパティに通信ルーターのMACアドレスを取得させることができるのだった。ファイル自体がウイルスの様な悪意ある動作や、送信などの動作をすることは無く、単純にファイルの生成経路を調べるためのものだった。 自身のPCの奥底から目的のものを探しだし、復元した妻の動画ファイルに無線ルータなどMACアドレス取得プロパティを追加して、元にあったファイル共有サイトにアップロードした。 アップロードしてから我に返り、犯人追跡の為とはいえ、自分が妻の痴態をインターネットに晒した事実に苦さを感じるのだった。 中身が想像通りとした場合、犯人は自分にそのファイルを送ってくる可能性がある。その際犯人はファイルそのままを転送したなら打ち手がないが、なんらか犯人がその動画ファイルに手を加えているなら好機が到来する。犯人がファイルの加工の際、よほどセキュリティを厳密に管理していない限り、そのファイルには無線通信機器固有のMACアドレスか、インターネットへの出口のゲートウェイアドレスが埋め込まれ、これを入手することができる。 ゲートウェイアドレスが企業や学校などであればその所属員であることが想像できるので、犯人を絞る大きな手がかりとなるが、これがインターネットカフェや通常のプロバイダなどでは大まかな地域がわかる程度で参考とはならない。 もし、幸い無線機器のMACアドレスが取得できれば大幅に前進する。街中の無線ルータなどの一部はそのMACアドレスとその存在する緯度経度がすでにリストされており、そのリストに記載があるなら犯人の住所特定が可能となる。 無論、ここまで手の込んだことをする犯人ならば尻尾を出さない可能性も高いが、それでも可能な限り摂りうる手段は講じておきたいのだった。
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ntrcp · 8 years ago
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混乱する夫3
それが先ほどまで、だらしなく男性器を咥えたばかりの口を唾液まみれにして開き、股間を刺激されたうえに口腔に男性の射精を受けた淫らな女性とは思えないほどだった、と妻の笑顔をみて、そのようなことを考えた自分の最低なマインドを深く反省するのだった。 それから後始末を済ませ、倒れこむようにすぐに眠り込んだのだが、深夜2時頃に目覚めた。喉が渇いており、食事の後、普段ならすこし茶を飲んでから寝室にはいるところ、今日に限ってそれをしなかったので水分が足りていなかったの��、先ほどの妻との性行為で多量の水分を失ったのかは定かではないが、日中に睡眠をとったので夜中に目覚めたにしては頭が覚醒していたのは確かだった。 妻の寝息を数分確認してから静かに階下におり、静かな夜に一人の作業を始めるのだった。 昨晩妻のハードディスクから抜き出したファイルを確認し、まずは昨晩確認した半年ほど前の日時が記録されている不審なファイルを確認することにした。 一つは画像ファイルで、いつか妻が風呂でのオナニー映像で使用していたディルドの商品説明のようだった。他の映像ファイルを確認してみたが、ノイズ画像が表示されるのみだった。おそらく、なんらかの形で暗号化されており、画像の確認にはなんらかの復号処理が必要となるもののようだった。ディルドの画像と同じ時期に発生しているということは今回の件との関連がある情報を一つ手に入れたことにまずは自分の計画の進捗の第一歩を記したのだった。 最悪の事態は、自分がなにも対策できず、なにも知らないうちに他者の手のひらで踊ることだったが、僅かながらでも自分が盲目から光を得たことに力を得るのだった。 ともかく、今回の件の端緒は今から半年以前のことだったに違いない。ファイルの作成日を完全に信用はできないが、あの映像のディルドに添えられたものが、今回の件と無関係とは思えないからだ。 映像ファイルの復号の件は当面手がかりはないため、昨晩同様に妻のPCからハードディスクを抜き出し、昨晩に仕込んだキーロガーとネットワーク監視の記録を手早く自分のPCに移植し、同時に度々妻のPCへの接触はリスクを伴うため、妻のPCに仕込んだソフトの設定を変更し、ルーター越しに自分のPCに随時ログを転送することとした。妻のPCには自分のものと同じ市販のアンチウイルスソフトが導入してあり、それにキーロガーなどが妨害されないようブロックの例外にそれらを登録したが、その際他に登録がなかったことから犯人がこのPC自体には細工していないように考えられた。 さらに今後PCを介して行われる情報を記録するため、自分のPCからルーターにパケットキャプチャを設定し、妻のPCに出入りするネットワークの情報すべてを入手するにした。 それでも直接妻のPCを起動することはしなかったが、それで行われる操作の全ては今後すべて自分の知るところとなり、ルーターを介してインターネットとやり取りされる情報のすべても自らの手中に収めることができるようになったことは大きな進歩と思えた。 犯人が妻のみをターゲットとするのでなく、自分にもリスクのある自宅ポストへの投函という手段で知らせたことの意図は不可解だったが、それ以降の通信はPCを介して行っていると考えたので妻と犯人との通信を傍受できることの利点は大きいものと思え、それが相手に秘密にできるだろうことはたった一つでも相手の誤算を導く一手を指したことに満足したのだった。 妻の携帯電話についても確認が必要と考えたが、基本的に所持している事がおおく、PCほど秘匿して情報の読み出しが難しいため現時点ではやめておくことにした。犯人の性質からして、メールでの通信をせず、より秘匿性の高いファイル交換サービスでの通信手段をつかっていることから、まず本人特定が容易な携帯電話、当然そのメールをつかっていることは考え辛いからだ。 いまでは妻のPCを収納し、道具も収納したので、妻にこの場面を見られても問題ない状態となった。数時間前に妻の奉仕で肉欲を取り去った自分は、まったく事務的に妻のPCから抜き出した今日のログを確認することにした。 ネットワークのログとあわせると妻が行った操作が時系列に再現できた。午前九時にはPCは起動しており、これは自分が出かけてから直ぐの時間となっていた。 妻は午前中から、自分が犯人から妻の映像を渡されたサイトとは異なるファイル交換サービスサイトに接続しており、そこでパスワードのような文字列を入力していた。次になんらかの映像ファイルを展開して閲覧したようだったが、この時点ではネットワークのパケットキャプチャを得ていなかったのでその画像を閲覧することはできなかった。そのファイルは保存されていたので自分のPCでも展開したが、先にみた映像ファイルと同じくノイズが表示されるのみだった。 この操作が、通常の妻の行ったことかどうかについていえば、自分の知る限り妻が海外のサーバー、しかもファイル交換サイトに接続することは考えられず、やはり自分が不在のときに行われた操作は犯人との通信である可能性が高いように思われた。 そこから一時間ほど時間を空けて操作の記録が続いていた。先ほどの保存されたファイルを、ある海外ドメインのサイトにアップロードしているようだった。 さらにその十数分の後、別のファイルをもとのファイル交換サービスサイトにアップロードしていた。このアップロードファイルはPCの外部媒体、おそらく外付けのUSBメモリなどを指定しているようでその内容も分からなかったが、登録時の手順がわかるので、そのダウンロードも可能だった。 操作の履歴はこれで途切れていたので、今日妻が行った操作の概要が理解できた。 妻は自分が外出して、おそらく数分の後にこのPCを起動し、なんらかのファイルをダウンロードしてからそれを別のサイトにアップロードし、その後に別のファイルをさらにアップロードしたことになる。 このうち、先のファイルは手元にあるものの確認することはできず、おそらくあるサイトにアップロードすることで復号されるものと思われた。後者については妻が犯人へなんらかのファイルをアップロードしたものと思われたが、これをダウンロードすることで、サイトのダウンロードカウンタに記録され、妻と犯人以外がこのファイルにかかわったことを示すことを残すことはできなかった。 自分のPCからでもそのファイルの存在自体は確認でき、保有期限付きのサイトなので後数時間のうちに消去されることからみて、ファイル消去間際にダウンロードすることで自分の介在をしらせることなくファイルの入手することを考えたが、その時間は自分は勤務時間中であり、このリスクの高いことをその時間で行うことは現実的でなかった。 そうなれば、手元のノイズの画像ファイルを海外のサイトにアップロードしてその解読を試みることが現在実施することのできる唯一の手段だった。 念のためそのサイトを調べたが、その地の画像加工会社の提供するもので、アップロードした写真などの映像に特殊加工をしたり、元の画像に対して別の画像ファイルを埋め込みしたものを解読するソフトの試供版と提供のようだった。また、その会社の製品など検索したところでは、会社の営業実態もあるようで日本での知名度は無いに等しい程度だったが、同国のドメインであればまずまずの検索結果が返ってくることからみて、このサイトであれば犯人がとてつもなく巨大な国際的犯罪組織でもない限り、そのサイトまで専用に作ることは考えづらく犯人が便宜的に使用していると判断できた。 一定のリスクがあることは覚悟しつつ、そのサイトの画像アップロードに妻のPCから取り出した、おそらく犯人からと思われる画像をアップロードした。 結果画面に表示された映像は拍子抜けするほど呆気ないものだった。 たった一行「証拠としてミレーナの領収証をください」、画像にすることでネットワークを通過する際の傍受からは安全になるもののこの一行のためにそこまでの労力を費やすことは犯人の慎重さと等しく、この調査の難しさを改めて感じるのだった。 文字列中にふくまれた未知の単語、ミレーナについて調べると、冷静に調べていた自分が、キーボートを打つ指が定まらなくなるのは何故か疑問に思うことで我に返るほど、僅か数分で怒り心頭に達していた。 ミレーナとは、女性用の子宮に装着する避妊具の商品名だった。これはコンドームやピルよりも避妊失敗の確立が低く装着している限り数年は避妊効果が得られるというもので、一般的な知名度は低いものの、産婦人科などで処置することが可能なものだった。性行為については装着直後は膣にまで違和感がある場合があるが、それも数週間でなくなり以後は性行為が通常通り可能とのことだった。 避妊具の文字を目にした段階で、すでに意図は判じられた。自分と妻の性行為はコンドームで避妊しているが、これについて、今までそれ以外の避妊についての話をしたことはなく、将来の家族計画についても今年は無くてもあと数年内には子供をつくることは二人で家を購入する段階で決めていたことだった。 それが、継続性のある避妊具についての領収証を犯人が妻に提示を求めている理由は、既に妻の体内にはミレーナが装着されていることに他ならない。妻の性器、自分の男性器だけがそれを埋める権利を持つその性器は、これから自分以外の性器をただ快楽を得るだけのために埋め込まれる悦楽を得る器官になってしまうのだろう。ましていままで自分でさえその体内に精子を放ったことはない膣奥、子宮の隅々まで白濁した欲望の液を受け入れることになるのだろう。 画面には、ミレーナに関する幾多の情報が表示されているが、頭には先日の妻の自慰映像でディルドが男性器に置換された映像だけが反復して写っていた。 我に返って他にミレーナという単語の示す他の商品を調べたが他にこの場合に適合する候補はやはりなかった。 2階で安眠しているであろう妻の下腹部に、そのおぞましい器具があると思うと、先ほどの性行為の際、妻が性器に舌を挿入することを拒んだ理由も理解することが容易となった。単純にそれの挿入が自分に判明することを避けるためだったのだろう。 この事態となったからには、妻がいつか性的な被虐にさらされることは予想できた。その場合に自分がとるべき手段を考えた。今日の朝、妻に自分が、妻の行動について知りうることを全て話し、いままでを清算して警察に依頼して犯人と決別すべきか、自分で得たものを使い犯人に迫るか。 どちらにしても、失敗した場合には自分と妻は仕事・住居を失うことになると思われた。性的な秘密を暴露されてまで好奇の目のなかで暮らすことは、自分はともかく妻には耐え難いものと思われ、住居を失った場合に、現在の住居を売却することは数年後この一体が住宅地として認知された後であれば可能性を見出せるが、今現在では買い手を見つける以前に不動産業者でも取り扱いをするか疑問のあるところだった。そうであれば例え収入があったとしても別の住居費を支払いして生計を立てることは困難と感じられ、妻の勤務先を把握している場合には社内に知れた場合にはその収入さえも失うこととなってしまう。 男性として理想的な判断は、あくまで妻を守り、どこに逃げてでもそれを完遂することと分かっていたが、現実に逃げて返済という義務を逃げ、犯人からも逃げ、それで得るものを天秤にかけてもその秤は水平になりそうにないことが分か���程度に自分の激情はまた流れていた。 この怒りの感情が流れてゆくと同時に妻の痴態が頭に浮かび、果たして自分とのセックスの際に乱れる妻の姿を客観的にみた場合の映像がよぎった。先ほどの妻の性的な奉仕では、上から妻が男性器を咥えつつ胸をはだけ、丸く形の良い乳房と少し上方を向いた乳首が上から見��る映像が、まるでアダルトビデオの様に写り、なおかつそれが自分の妻であることが一層の興奮を誘ったのだった。もし、それが別角度からみた場合、妻が犯される様子を自分が望む角度で撮影できたら、と際限なく自分の邪悪な心が噴出するようで、結局、空が少し夜明けの気配を感じるまで判断を決することはできなかった。 それから数日、仕事は順調だったものの日中気になることはいつでも妻のPCからの記録だけであり、効率が落ちていることを自覚する毎日だった。日曜の妄想からか、妻のなにげない仕草、朝に妻が履いている靴下を捲くりあげる時にスカートから覗く太腿や、2階で寝巻きから着替える際に偶然見かけたショーツのみ身に付け、その豊かな胸にブラジャーをかぶせつつ朝でさえ扇情的な桃色の乳首がカップの上端から覗く姿など、いままでより一層妻の性的なところが気に付くようになったきた。 晩に妻が風呂に入っている時間に、当日の記録されたものを確認することが日課となり、妻が朝自分を送りだした後、自分より幾分早く帰宅した直後にそれぞれ幾つかのサイトを確認していることがわかった。 それでも、日曜日にあったようなファイルのダウンロードアップロードを行うことは一つもなく、週末には不安感を和らぎ、週はじめに比べれば、そのこと以外に頭を向けることもできるようになってきた。 金曜日の勤務を終え、週末は久しぶりに妻をつれてドライブに行くことを考えて家路についた。帰宅後はいつもの通り記録を確認し普段と変わらぬことを確認した後、念のため自分宛のファイル交換サービスを確認すると、妻の痴態を記録したファイルは消去されており、画像ファイルが一つアップロードされていた。 風呂場から聞こえてくる水音を聴くと妻は浴槽につかっているようで、出る前に決まって聞えるシャワーの音はまだ聞えてこなかった。 時間的余裕を確認するとファイルを保存の後ビューワーで開いた。画像は写真などではなく、単純なテキストを映像化したものだった。恐らく犯人はインターネット上のセキュリティに一定の理解があり、その回避手段と思われた。昨今ではこの情報は自分が知っている程度には普及しているものの、犯人がこの点に配慮すること、通信手段を匿名性の高いものに限定していることは犯人像の想像に役立つと思われた。 ご主人へ 他人の奥様とセックスしていただきます 日時:来週の土曜日午前1:30-6:00 場所:○○市 ○○ホテル 手順:○○ホテルに土曜日より一泊で宿泊予約して下さい   :現地のホテルでパートナーはチェックインしています   :パートナーは土曜日1:00にカードキーを自販機コーナーのサイドテーブル裏に貼り付けします   :性行為については以下を厳守下さい   :パートナーは目隠しをしています、双方本人を特定する、されることはしないで下さい   :セックスは中出しせず過度にパートナーが拒否することは避けて下さい   :セックスの後はカードキーと現金8万円を置き退去して下さい   :このお願いが実施されない場合は翌週月曜に奥様の映像を公開します ますます、犯人の意図が分からなくなった。すでに犯人は妻の映像を持っており、それは妻と自分を思いのままに動かすに十分な材料となる筈だった。この上、自分が性行為している映像があったとしても得るものは少ないように思われた。 ただ、最後の妻の映像の公開に関しては絶対避けなければならず、犯人の指定通りに自分が行動することは選択の余地はないものだった。果たして止むを得ない選択のなかでその行為を望む自分の性欲が湧き上がってきたことはもはや自分で認めなくてはならないことだった。 土曜日の朝、妻に翌週は中学生の同窓会に出席するので実家に帰宅することを告げた。大学の同窓会であれば結婚式にも出席した知り合いがいるため、万が一妻に知られる恐れがあるが、中学生の時に同窓生では妻を知るものがいないので理由として適切と考えたのだった。 結婚してからは同窓会の話をすることは初めてだったので、妻は自分の中学生の頃のことを聞いて、時折自分の体験を交えて話は弾み、妻に自分の週末の秘密について気取られることは無かったと思われた。 晩にはインターネットでホテルの予約を取ったが、新幹線の駅もなく、ローカル線の駅からもやや離れ、高速道路と鉄道からの集客を図るチェーンのビジネスホテルだった。 数年前にできたもので比較的新しいものの、周辺に目立つ観光地もなくどこの地方にでもあるありふれたホテルとしか言いようのないものだった。 目的からしてラブホテルかとも思ったが、犯人は常に目的を持って行動しているとの立場に立てば、ラブホテルに入室する二人に面識があることはメリットとならず、少なくとも犯人が指定したとおり、犯人がセックスする二人をコントロールし、その二人は最後まで面識がなければ、犯人はそれだけ自分の存在を隠匿する上では有利となるのだろう。 ただ、週末に自分が不在となることは、同時に自分に妻の行方が分からなくなると言う事にこのときは思いが至ることは無かった。 次の週は曇りがちな毎日で、気が晴れることもなかったが、一日と妻以外の女性とのセックスについて、仕方が無いことと考えつつも、自分の獣の部分では不貞を働く自分の肯定し、どのような手段でセックスするかに考えを巡らしてしまうのだった。 週末、土曜日の昼前に自宅を出発した。この時、妻の様子は普段と変わることが無いように見えたが、自分を見送った後に、暫くしてから自宅を振り返ったときに妻が玄関から出て車越しにこちらを見ている視線が憂いを含んでいるようで気になった。 手荷物もあり、普段の出張などでは妻が車で駅まで送ってくれるのだが、今日に限って言い出すことはなかったのは、先ほどの視線と関係があるのか出発前に気がかりではあったが、それも駅に着き、ローカル線を乗り継いで新幹線に乗り、時間にして数時間先の目的地に辿りついた。新幹線を降りてからローカル線に乗り換え、空腹を弁当で満たすと妙な理由ではあるが、妻と一緒に車で旅行することも楽しかったが、それと違う、男の解放された旅を改めて感じることとなった。 少し早くホテルにチェックインすると、部屋ですることも無く出かえることも考えたが、無用に館内を歩き、今夜の相手に認識はされなくても自分を晒すことは避けるべきとの判断ができた。まだ日もある時間だったが無聊を地方のけだるい番組を見ることで消化していると、徐々に睡魔が襲いそのまま晩まで目覚めることはなかった。 晩も遅くなり、いよいよ晩のことに思いを馳せた。まず服装については備え付けの作務衣に似せた上下のものとした。館内を浴衣禁止としているところもあるが、このチェーンではロビーより上であれば問題ないらしく、指定の部屋がわからないのでは館内を歩く服装としては目立たないものと思われた。ゴムは来る途中にコンビニで買ったものを確認し、現金の8万円も準備した。8万円の出費は高額だったが、少なくとも脅迫に抵抗して失う二人の未来と比べた場合、現時点ではまだ帳尻を合わせるに余りある金額だった。 ふと、妻と犯人との通信の過程で金銭的なものがあったかを確認することを忘れていたことに思いが至った。もし、犯人の動機が金銭的なものであるのなら、それは例えば怨恨に比べれば犯人に至る道のりは容易と思え、そうでないならやはりその理由を得ることも犯人に至る道の重要な要素となる。 時刻は深夜一時を過ぎ、この時間に犯人に恐らく強制された相手、つまり他人の妻は自ら滞在する部屋のカードキーを指定の場所に貼り付けている筈だった。 指定の時刻は一時半だったが、カードの回収に指定時刻はなかった。直ぐにカードを取りに行くことも考えたが、犯人が相手は目隠しをしていると伝えているので、少なくとも相手は自分を認識することはないというメリットを理由はなくとも失う必要はないように思った。 結局25分からは時計の進行を見守りつつ時間の経過を確認し、調度一時半を過ぎたところで、静かな廊下にカーペットに吸収されるスリッパの音を残しながら自販機コーナーに向った。 幸い自販機コーナーに先客はおらず、L字型の建物構造のため念のため、周辺に人の気配を探ったがこの時間は誰もいないようだった。 エレベーターの作動音もせず、静寂の中、自販機の向かい側に設置されている2台のサイドテーブルの裏面を探った。奥にある方の底面に用箋を納める程度の封筒があり、その中にカードが収められていた。階数は自分より2階上の部屋で他にはなにも封筒には入っているものはなかった。 この段階では頭は全て獣の思考に覆われ、自らの性欲を満たすこと、他人の妻とやらが、この性欲をぶつけるに足りることだけを願っており、妻と自分を覆う影について考えることはなかった。目的のドアの前まで付くとカードを取り出し、数度部屋番号を確認してからカードをドアのスリットに差し込んだ。 ドアのLEDランプは短く緑に点灯しそのカードとドアの組み合わせが適切であることを教えた。ドアを静かに押し開け、自分の部屋とさほど変わらない部屋を入った。まず部屋からは数十分前まで入浴していたことを示すシャンプー・リンスなどの芳香があたためられた湿った空気とともに感じられた。ドアの正面には人影はなく、部屋に入りドアを閉めると、数歩進んで前方に窓、右側にポットなど置いてある机と、左側にベッドの構成だった。そのベッドにはショートカットの美しい直毛に下唇を緊張からか上唇で挟み、鉢巻を下げたように黒い太めの布で目を覆った小柄な女性が座っていた。 その女性は部屋の香りの通り数十分前には風呂にはいったものと見え、肌には化粧の跡はなかったが、年齢は目隠しのため判別し難かったが、きめの揃った張りのある肌は20代後半から30代半ばまでと思われた。 着衣は上はピンクのブラジャーのみ、下はピンクのショーツに不釣合いに思えたが濃い黒色の膝上までの靴下、サイハイソックスを履いていた。 妻より小柄で、やや童顔なようではあるが、胸は大きくフルカップのブラジャーの上からでもボリュームが感じられ、遠慮を感じる前に手がそのブラジャーの片方を下に引き降ろしていた。肩に掛かるストラップをずらすとカップの上部を豊かな乳房の下にたくし込むようにし、その体格に不釣合いなほど大きく且つ乳首がいやらしいという言葉が適切なほど赤く湿った色合いで屹立していた。自分の手はとまることなく残された乳房も明らかにし、その二つの乳房を目前にして他人の妻の方を両手で押し、ベッドに倒れこませると、たまらず乳房の下から武者ぶりついた。立っているときより胸のボリューム感は拡散したものの、その谷間から乳首まで舐め上げ、そのままのど元前下を滑らせると、それまで無言を保った他人の妻は鼻に掛かった声で呻き声をあげ、同時に軽く体を震わせるのだった。その声と仕草はいやらしい体に比して無垢な敏感さと感じ取れ、それが一層の愛撫を誘うのだった。左手と口で上半身を責めること数分の後、右手でショーツの上、下腹部を撫で回していたが、乳首を口に含み軽く転がしているところで、その下腹部が波打ったところに、右手をその股間から中指でショーツを掻き分け人差し指を強引に性器に突き入れた。 やや強引に突き込んだにも関わらず、既に入り口付近は潤っており、その中は指でさえ襞とザラザラ感を判別し、自分の性器を挿入しなくとも、その器官が呼ぶ快感を想像できた。指が張り付いた性器の奥へ侵入すると上半身を倒した他人の妻は少し海老ぞりぎみに背筋を反らせ、指を最後まで突き込んだあたりで、濡れて官能的な色合いとなった厚めの唇を開き深く息を吐いたのだった。指を中指も合わせて挿入し、胎内で左右に揺り動かし、奥へ奥へと突いているうちに、他人の妻の体と自分の体が交差する形に近くなった。すでに行為から暫く時間がたち、自分の左後方からは熱い吐息と声を出すことを我慢している防波堤を突き破り、時折聞える艶かしい性的快楽の声が聞えていたが、それまで所謂マグロのように動きのなかったその手が急に自分の腰を捉えると、直接男性器を他人の妻の口腔と言う名の性器に挿入した。自然な動きのため、既に屹立していた男性器は童顔の上すぼまった唇を容赦なく拡張しており、それが抜き差しの快楽をさらに生んでいた。 差し込んだ指がその女性器の中で先ほどより強く締め付けられることが感じられたと同時に、首を振る動きに激しさが増した。そのまま快楽に身を委ねることで数十秒で射精することとなったと思われたが、その動きに作為的なものを感じた 自分の獣は、僅かでも支配されることに反発していきなり男性器を口女性器から引き抜いた。急激な動きについてゆけず、だらしなく開いた唇にまぶされた唾液と性液が涎のように纏わりついているが、右手で他人の妻を抉ったまま左腕の腕力で強引にその腰を突かんでうつ伏せに体位を変えた。妻よりボリューム感のある尻のしたに性器がパックリと大陰唇を開いており、扇情的にその周囲がテラテラと濡れた液が光を反射していた。すでに口の奉仕で絶頂に近くなっていた自分の性器はまだ避妊具を装着していない状態だったが、目の前に、自分のでない、他人の妻、見知らぬ女性が、挿入するばかりの状態で腰を開いている状態を踏みとどまれるほどの抵���力は既に喪失していた。 この女性に恨みは一切なかったが、その体を征服するところを、口技で射精を誘ったことは、その体を性的に蹂躙するまで自分の獣は襲いかかるのだった。まったく配慮することなく、尿道を小陰唇の下部に押し当て、カリまでの挿入を確認すると、後は暖かい対応を感じるままに、一気にその女性器の容量を全て満たし、同時に満足の嗚咽とも聞える、他人の妻を低い悲鳴を聞いたのだった。 多分、先ほどのままならば、この他人の妻は、その女性器を汚すことなく帰宅することも可能だったかもしれないが、すでにその女性器は自分のものでみたされ、これからのストライドで、いままでの夫とのセックスと異なる快感があることを脳裏に刻んでしまう。それは消えない記憶となり、その下腹部についている繊細な器官は生殖器としての機能が追加され、あくまで快感を貪る性的口腔となるのだった。 妻は間接が比較的柔軟なため、性交渉の際は比較的自由な体型をとれるのだが、この他人の妻は規則正しく性的な嗚咽を漏らしてさえ間接の動く範囲が定まっているようだった。あまり無茶をすることは犯人にも止められているので制限はあるものの、性行為について制限はなかったはずだった。いまやバックになった体位のまま、腰を両手で押さえ、自らの腰を激しく打ちつけ、一ストロークを意図的に長くとることで、その中の襞が男性器のスライドの全てを感じ取るようにすると同時に最深部に打ち込めるよう角度を深くとり、この開発が浅そうな、それでいて性的なアピールの過ぎる体に最初の性感を刻むのだった。 長靴下はベッド上の動きについてゆけず、すでにサイハイソックスからルーズソックスのようにずり落ちており、その軽く上気した背中からのびる肉のついた曲線がさらに攻撃を激化させ、急速に高まった射精要求を意思の力で逆噴射として女性器から渾身の耐性で引き抜き、その背中に精を放った。 これが、この夜の始まりとなり、他人の妻であるだけで自分には責める理由とわかったこと、いつかこの性器を責めて上の淫らな声を小声で囁く口から、存分に快楽を絶叫させてみたいと思うほど自分には暗い闇があることを理解した。 その後、自分が果てること3回、夜が白む時間には、他人の妻は自分の指を3本下腹部に食い込ませ無心に腰を振るようになっていた。
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