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小旅
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俳句、思ったことなど
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quem2 · 2 years ago
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小旅俳句集
■2022年6月
百日紅蟻達急ぐ大通り
炭酸水急坂上る泡の粒
城跡に白き花の香にせあかしや
若葉風隣の町につながって
青芝の種よく食べる庭の鳩
絵葉書の潮騒低く鳴りにけり
長調に短調混じりて夏の雲
■ 2022年7月
鬼子母神抜けてさ迷う目白かな
宿題や父がすすめた山椒魚
建て替えの夏に佇む給水塔
ほうき草群れて転がる畑かな
夏鴨やあくびをひとつ雨野川
夏合羽俳句届ける赤バイク
暑すぎて蝉も戸惑う鳴き始め
■2022年8月
蜘蛛の糸心ごころにしがみつく
百日紅花が転がる風の道
草いきれ錆びた自転車眠りけり
白壁の色を重ねる蝉時雨
青桐の葉が風に揺れおやつどき
鉄道草袖振り合うや通う道
かなかなや鎮守の森に響く夕
■2022年9月
眠れぬ夜窓開けて聞く虫の声
秋思う空気のようなこのうつつ
残りの蚊大きなかゆみ残しけり
レモン買う遠くの町の今日の日に
稲妻のごときおいしさエクレアや
白粉花赤白黄色親しげに
行き先をバスに委ねる葉月かな
■2022年10月
九月尽名前を記すオムライス
秋風に選句投句の拍子あり
山粧う秘密知らないままにして
電池切れ昭和に戻る雨月かな
やや寒し削れた肌のいけず石
秋深し何をまつるかがらんどう
宵闇にくねる暗渠の帰り道
■2022年11月
こだまするあちらこちらの秋の暮
渡り鳥わかれて次はいつ出会う
ぼうとする芒の続く山々や
つつましく暮らす毎日色なき風
食べてみる意外と甘い青蜜柑
日を浴びて輝いている柿の色
落葉降る夜の校舎の曲がり角
■2023年1月
新年会カーテン巻いて待つこども
冬枯れの内に流れる命かな
長老木のまた一年を巻く姿
凧あげて空を眺めるふたりかな
歌がるたお手つきばかりのこどもたち
初夢や夢の中にて夢を見る
帰り道振り向く二匹狸かな
■2023年2月
しら梅や池の向こうの知らぬ街
春炬燵ふと思い出す前世の名
鳥曇なかなか消えぬすねの傷
春節や強き店員五目麺
東風吹くやオランウータン空歩く
春浅し髪にしみ入るお焼香
三人の日々に新たな春が来る
■2023年3月
沈丁花皆に香りを配りけり
春霞静かに響くジムノペディ
花粉症隣の部屋に気配あり
道しるべ倒れて春に迷いけり
ぶらんこやふわりと昔思い出す
頬杖や冷めた珈琲春を待つ
春愁い並ぶ列車の別れ行く
■2023年4月
風車肩こらぬ術知りにけり
春霞メガネのくもり拭きにけり
花の雨鳥喜んで蜜を吸う
見上げるとビニール傘に花ひとつ
春の夜や一駅歩く長い道
ひなげしやアタッシュケースのなくしもの
新緑や並木を静かに曲がるバス
■2023年5月
柔らかきシャツ選ぶ朝夏浅し
宵宮や二面踊りの音の響き
多摩川にアカシアの花さらさらと
青林檎いつも通りを渡りけり
部屋の角怖がっている素足かな
タラちゃんや年少さんの春の夢
瀧の線トコひんまげテ落ちにけり
■2023年6月
レシートや財布の中の走馬灯
紫陽花や土の様子を見て咲けり
イヤフォンのコードをほどき風���る
どこまでも続く街灯半夏生
束の間の静かな森や箒草
白靴や日々に追われて思い出す
頼もしき青面金剛南風来たる
■2023年7月
砂浜に落としたままのサングラス
神鳴りやいつもの行い試される
あざやかなおしろい花の流れかな
紅はちす子等の幸せ願いけり
白はちす蕾のままのあなたかな
百日紅季節の風が広がりぬ
見上げれば白さるすべり空にあり
■2023年9月
水澄めり寝転んでいる朝のソファ
水澄めり去り行く人のうた残る
葉月なる白き公団影送る
新しく古き光や今日の月
枕もと本重なりて獺祭忌
秋風鈴何を残すか思案橋
秋雨や優しい顔の石仏(いしぼとけ)
■2023年10月
薄暗きカーテンの色秋の暮れ
天高し鳥たちのごと子供たち
爽やかに朽ちる看板コカコーラ
閼伽堂(あかどう)の光る水面や蕎麦の花
軒先でわいわい騒ぐ瓢(ふくべ)かな
山門にランドセルの子等秋麗
木犀の二度咲きのごと今日の日は
■2023年11月
鳳仙花羽ばたく方に咲きにけり
歌うたび消え行く言葉色なき風
秋の夜の続く街灯長い道
知り合いのいない校庭秋の暮
薮枯らし満員電車に隙間なし
花野風空に舞たる繰り返し
秋色の列車佇む停車駅
■2024年1月
いてふ舞ふ裏の稲荷の明るさよ
閉店の本屋に迷ふ冬の虫
数へ日の冷えた帰りのアスファルト
冬枯れに聞こえたやうな五時の鐘
黄昏るゝ冬木の影や文机
脈を打つ時計の針や年の暮れ
地下鉄の水の流れや春隣
■2024年2月
梅の香や初めて出会った朝の夢
春光や瞼の奥に広がりぬ
空(くう)の字や駐輪場の春の宵
あざやかや寺の垣根の落椿
春告鳥また同じもの買いにけり
春一番居なくなりけりいけず石
行き先を間違え戻り春浅し
■2024年3月
レコードの傷なぞる音春浅し
春愁や猫の暮らしも甘くない
沈丁花行き交ふ年を眺めけり
地下鉄の階段長し春の風
春の雪空き家の上にも積もりけり
深川の蛙は今日も鳴きにけり
鳥帰る忘れた物を思ひ出��
■2024年4月
菜の花や木々の向かうにある故郷
ひらひらと川面で落ち合ふ桜かな
朧なる頬撫でる風過ぎて行く
春雨や割れた茶碗に土匂ふ
ビルの間の小さき蕎麦屋春霞
行く春に「無」の点ひとつ消えにけり
春の闇足下の邪鬼耐へにけり
■2024年5月
淋しさに口笛を吹く桜桃忌
ひなげしやいつかの日々に迷ひこむ
あかしやの白き雨降る地蔵堂
滝風に打ち明け話消えにけり
夏立つや昔の歌を思ひ出す
風青し電信柱に昔の名
夏豆や小さき約束沢山あり
■2024年6月
初夏や地を確かむるスニーカー
琵琶の音の心ふるはす夏の夕
やはらかき紫陽花の上夢を見る
雨止みて鳴きそむる鳩夏の午後
一日を静かに終ふる露台かな
街の灯やにじみて消ゆる夏の夜
梅雨深し駅の緑の伝言板
■2024年7月
擦れ違ふ団地のおはぐろとんぼかな
水無月や知らぬ駅にておりにけり
背の汗や列車待つ朝長き時間
夕顔や町の何処かのピアノの音
夕凪や孤独と共に歩きけり
近道はあっといふ間に草いきれ
この宿はいつかの住処紙の虫
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quem2 · 6 years ago
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20190415 日記を買う
前奏
...
1.
何でもない一日を
忘れないように記そう
何でもない献立を
忘れないように記そう
...
あの公園で
あの道で
足し算してた
あの部屋で
あのままで
引き算してた
...
間奏
...
2.
何でもない話を
忘れないように記そう
何でもない予定を
忘れないように記そう
...
あの駅で
あの街で
掛け算してた
あの先で
あのことで
割り算してた
...
後奏
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quem2 · 7 years ago
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20181129 僕の街
大きな団地、僕の街
僕の部屋にも朝が来る
遊ぶ約束、坂の上
君の名前を呼んでいた
...
二階の木の葉が少し揺れて
流れる季節
僕の街にこんな風景が
広がっていたんだ
...
ある日歌が流れてた
僕にも歌が流れだす
初めて買ったギターは
バス停に忘れてしまった
...
部屋のあかりがきれいだな
星のように
僕の街にこんな風景が
広がっていたんだ
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quem2 · 7 years ago
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20180924 わらわらめ
やつあたりしてるね
鋭いきみの言葉
こんな斜めな日には
全て忘れて過ごそう
さらにこじれてしまって
静かにしてるけれど
くだらない話で
この流れを変えよう
わらわらめ
少し目が笑っているみたい
わらわらめ
少し目が笑っているみたい
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quem2 · 7 years ago
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20180912 二度寝
朝目が覚めてぼんやりしてる
ただ天井を見ている
久しぶりにいい夢見れた
また続きが見てみたい
新しい日が流れている
僕はもう少し眠って
夢を見ていたいんだ
星の声に耳をすます
みんな空の上で
旅をしていたんだ
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quem2 · 7 years ago
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🈳 空気公団『僕の心に街ができて』歌詞と感想
👉今回も素晴らしく、大好きなアルバムです。聴くたびにじわじわときます。ゆっくりと聴いていきたいです。
20年でみんなの心にも街ができて、それは同じ空の下つながっていて、前を向いて歩いて行こうと思いました。
全体的に夏の始まりを感じさせます。
1.『美しい重なり』
なにもかも重なって
なにもかもつながって
美しい日々になっていくんじゃないかな
👉人生は続いていく。山あり谷ありだけど、これからもそれらを糧にたくましく生きていく曲だと思いました。
2.『青い夏の日』
君の歌が流れている
そこから何が見えるかな
悲しみの歌��ゃない
青い空を呼ぶ音
👉夏の始まりを思わせるような、広がりのある空気感。青い夏の空の下、心がつながっている感じがしました。
3.『いま、それこそが』
埋まらなくてもいいよ
それこそが今だ
👉中ぐらいの拍子で自然に心に染み込んでいきます。いま、それこそが感謝すべき大事な時間だと気づかせてくれます。楽しい夜は続かないけど、タンバリンが元気を出して鳴る感じが好きです。
4.『雨のリズムに乗って』
眠いのかな
そうじゃなくって
散歩に行きたいんだってさ
👉空気感にも色々あるけど、これはフワリ感だと思いました。犬や小さい生き物への愛情を感じます。雨の音がメジャーセブンスの音と綺麗に重なり、散歩に行けない寂しい感じが伝わってきました。
5.『こうして僕は僕らになった』
今日はどこかで
明日もどこかで
通じ合えるだけで
僕も君も同じ
👉力強く雄大な空気感。感極まるところで一回だけの手拍子、癖になります。空気公団のメンバーが集まりバンドができた素晴らしさを歌っていると思いました。
6.『思い出の全て』
インストゥルメンタル
👉空気公団の歴史を感じさせます。桜のようなモチーフで春が始まり、街の建設が急ピッチで進み、夏の海にたどり着く。今、季節は夏の真ん中なのかもしれません。
小学校5年の時、合唱団の入部テストで桜を歌って落ちたのを思い出しました。
7.『静かな部屋』
声に出して君を呼ぶ
どこかでつながっているんだと
そう信じながら僕は
窓を開けてみるんだ
👉ビートルズの『君と人生を一緒に』のような明るい管楽器の編曲。静かな部屋は外へ飛び出すための力を充電する場所だと思いました。
8.『見えないままにしないで』
明日も風の中に
隠れて隠れていると思う
がんばれ
誰にだって
何にも何にもないんだよ
👉人工衛星のゴールデンレコードに録音して、全宇宙の方々にも聴いてもらいたいと思いました。ドラムにも美意識が光っています。少しかすれた儚い歌声も非常にツボです。
9.『君は光の中に住んでいる』
君は光の中に住んでいる
毎日に灯りをつけてくれるんだ
👉ペンダントだけが残ったけど、今も見守ってくれている。小学校3年の時、大好きだった担任の先生から、生活態度見守りキーホルダーをもらったのを思い出しました。残念なことにすぐ無くしてしまいました。
10.『うつろいゆく街で』
僕は君を抱きしめる
それはそれでいいんだよ
街のうつろいを見にいこう
👉少し離れた街、二子玉川と鎌倉に住む二人。なかなか会えないけど、同じ空気でつながっている。街も季節も変わっていっていく中、一緒に歩んで行くという感じがしました。
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quem2 · 7 years ago
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20180221 青い鳥
春の街にこだましてる
君の声久しぶりに聞こえたよ
青い鳥が歌を歌う
青い空に歌を歌う
君は元気ですか
僕は元気です
また会える日まで きっと
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quem2 · 7 years ago
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T Y X・X Y T・T Y X・X Y T 途中道に迷い立ち止まる どんな道も小さな旅のように続くんだ
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quem2 · 8 years ago
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2017/12/17 空気公団 セットリスト
空気公団×cero『Anthology Live vol.3【2010~2017】』日本橋三井ホール
🈳山崎さん あいさつ
・絵の具
・毎日が過ぎても(?)
・文字のないページ
・夜と明日のレコード
・ペン
・はじまり
🈳窪田さん あいさつ、説明
・天空橋に
・僕にとって君は
・なんとなく今日の為に
🈳山崎さん、高城さん トーク
・アンコール 旅をしませんか with cero高城さん
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quem2 · 8 years ago
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20171115 ゆっくりと
僕は今 景色を見ている
時はただ 過ぎていってしまう
君は今 隣で笑って
それはただ 偶然のように
風の中に枯葉が 落ちていって
川面に流れていった
君のことは忘れないよ
いつか離れていっても
どこかでまた会えるかな
ゆっくりとどこかに
ゆっくりと消えてく
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quem2 · 8 years ago
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quem2 · 8 years ago
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2017/9/28 空気公団 セットリスト
🈳空気公団×クラムボン 『Anthology Live vol.2【2005~2009】』2017/9/28 渋谷クラブクアトロ ・呼び声 (空気ムボン) ・おはよう今日の日(?) ・素敵なもしも ・28日の大通り ・出発 ・青い花 ・カレンダー ・白いリボン ・メロディ ・悲しみ知らん顔 ・暮らし ・あざやか ・旅をしませんか(空気ムボン)
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quem2 · 8 years ago
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20170925 残り香 ぱしんと打った かゆみが残る腕から 飛び立っていく 秋空へ消えていく 夏の残り香
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quem2 · 8 years ago
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20170715 空気の様に
遠くの川の緑の道を 車が静かに流れて行った 白い自転車サビが車体を 少しづつ少しづつ覆っていった 変わらない 思い出の中の 懐かしい空気の様に そして今 風が吹いて 新しい空気の様に
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quem2 · 8 years ago
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20170623 「6月の水」
そうだ時間はもどらない コーラさんざん飲んでも 無理と思う夏の渇きは ありがとうと猫はないた ニャー
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quem2 · 8 years ago
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quem2 · 8 years ago
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20170621 くらげも生きている
くらげも生きている ふわふわと ふわふわと 渚で捕獲され 水族館の 新生活 生きてる 生きてる かんばって 脳もない 心臓もない ふわふわと ふわふわと 生きてる 生きてる かんばって
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