rao956

[rao956]

子供の頃、昼寝が怖かった。

昼寝から起きると、いつも汗でびしょびしょになっていて、頭が痛くなった。なにより、自分の意識のない間に時間が経つことが理解できなかった。さっきまで「いいとも！」を見ていたはずなのに、いつの間にか夕方のドラマの再放送に変わっている。「いいとも！」と「野ブタをプロデュース」の間の私は、どこに行ってしまったの…？ここで一つ不思議なのが、夜寝るのは怖くなかったということだ。夜は、家族四人、一緒の部屋で寝ていたから自分一人ではないという安心感があったのかもしれない。子供の頃の私にとって昼寝は、自分一人だけが時間の流れから外れることを意味していた。自分一人が世界から取り残されたような絶望感があった。

なのに今、私は昼寝ばかりしている。いつからだろ��、昼寝が怖くなくなったのは。むしろ、出来るだけ長く昼寝をしていたい、と思うようになったのは。

もう昼寝をしても、汗はかかないし、頭も痛くない。起きたときの絶望感もない。ただ、布団から目を覚まして時計を手に取り、無意識のうちに過ぎた時間を、ぼんやりと受け止めるだけだ。

[rao956]

今年の春の桜

今日久しぶりに雷の音に耳を澄ませた。

そして、稲光。

あまりに一瞬で、光を見たというより、光をぶつけられた感じだった。

気づいたら寝ていた。

寝ている間も、光り、轟き続けていただろうに。