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2019年 M3秋楽曲解説など
先日はお疲れ様でした。
サイソウクウカンのひるまあおいです。
昨年の投稿では長文駄文で締めくくってある意味区切りとしたくせに今年もM3に出るというなんともブレブレの曖昧な行動となってしまったことにすこし反省をしつつ、本年のエントリーを書いています。
個人的な話で大変恐縮ですが、昨年から今までと環境の変化がめまぐるしいくらいに起こって、気持ちの変化もそれは月を追うごとにくるくるした経緯もあって今年のM3参加は、ぶっちゃけある意味「手違い」によるものでした。
というのも今年は当初はM3に出る予定がなかったのですが、すごい個人的な理由で参加を決め、そしてそれが申し込みの締切直後に理由が消えてしまってとても宙ぶらりんな状況で参加をしたという経緯がありました。
正直、今年は新しいことをやったかっていうと否で、音楽では全てが今までの振り返りになったかなーと思います。個人的にはサイソウクウカンという枠組みだけではなく、前までの作品や以前の活動を振り返りつつ一つのアルバムに落とし込めたかな、と思っています。昨年新しい枠組みで活動をしますとアナウンスしておいて、では具体的にどうであったかというとほとんどその理想が形になっておらず、そもそもどうしていきたいかというをを具体的にできてないという実際問題もあったりして結果的に少しの整理にはなったかなと。あと私生活多忙で創作の楽しさを失いつつあった自分に対するいい発破がけになったかなとも。
さて、今回のエントリーですが解説という名の自己満足をするためにまとめました。よかったら読んでみてくださいね。
まず、ジャケット(https://www.pixiv.net/artworks/77616769)ですね。こちらは過去のさんしち亭の看板娘であった少女を描いたはずなのですが、資料になるイラストの少なさと、書き手によるブレによってだいぶ新しい女の子になりました。キャラクターと水辺、そして謎の羽は踏襲しつつ構図は立ちから座った感じに、後、質感は透明感と光をより意識して描いています。イラスト描きは前々から苦手分野だーという話をしていますが、結構お褒めをいただくことができるクオリティになってきており、デジタルイラストを描き始めておおよそ10年ぐらいでようやく素直に喜べる感じになってきております。今回気持ちを改めてというのもありクオリティを計る基準も自分の中で大きく変化したため、そういう気づきが意外と大きいな思ったりもしました。
(すごく単純な話、描いた絵を自分のスマホないしPCの待ち受けにしたいものか?という基準を設けて絵を描くようにしています。)
新しいことができたかなと思うのは曲よりもイラストです。(正直いつものことではありますが)曲とイメージがより一致しないアルバムになりました。別に少女イラストでで釣りたいわけではなく(半分嘘)描きたい子を描いたらこうなったという、良くも悪くもらしい作品になったかなぁと後になって思い返しています。
元ネタ(https://www.pixiv.net/artworks/48480534)※これがおよそ4年前で初出が2012とかなのであれから7年も経っていることに震えしかありません。
さて、お次は楽曲ですね。1曲づつ簡単に解説したいと思います。
1、Waiting not ever
この曲は結構前に形にするだけしてネット上で公開していたのですが、個人的にいつもと同じ感じなのにちょっと違う面白い曲ができたので気に入っていました。ほぼそのままでミキシングをし直し、書き出し直して収録しています。
2、Hermes
さんしち亭のファーストアルバムで出した曲です。神話の神をモチーフにした楽曲ですが女神、男神と役割分担してひるまは男神を担当しました。その楽曲群の中で当時の作品にしては完成度の高く気に入っていたものをチョイスしました。何度かあったHDDクライシスによって元プロジェクトが消失してしまったので当時のマスタリングファイルからイコライジング調整と音圧調整し収録しています。
3、To Indicade the Mind
こちらもさんしち亭で発表した曲です。3つ目のアルバムだったかな。当時の音源を聞くとあまりにも低音が弱くバランスが悪かったので楽器から大幅に見直しリニューアルに近い形で今回は収録しています。とはいえ、軸は同じなのでそんなに違っては聞こえないかと思っています。逆に低音を意識しすぎてちょっと硬いサウンドになりすぎてしまったかな、と今になっては思う次第です。昨年も題にあげてますが、ミックスほんと難しいですね。
4、Memory of that day
今回初めて発表した曲です。元ネタを作ったのはだいぶ前です。もしかしたら神々の前かもしれない。たまに作る適当なラフスケッチの中に面白いものがあってそれを編曲し直したのが今回のこの曲になります。メインメロディとかはほとんどそのまま引用しつつ楽器編成やアレンジ部分を新しく作り直し形にしました。ノートが前のままの部分があり、ちょっと甘い部分があるのですが今回収録のアルバム内では大変気に入った曲です。
5、Fantastic Towers
こちらもさんしち亭で出した曲ですね。民族楽器を多く使い6/8で書いた曲。ほとんどそのままです。ミックス調整と笛の音を差し替えたぐらい。色々な方にも当初からお言葉いただいていたのですが、ある意味ひるまあおいたる要素をシンプルかつわかりやすく表現しきった曲の一つであり、ひるまあおいとしての楽曲として完成度がほぼ100%の曲です。わたしの音楽スキーはこの曲に詰まっています。
6、Dungeon Of Inorganic
Fantastic Towersと同じアルバムの曲です。こちらもミックスを少しだけ見直しました。多分以前となり方が違うので以前は聞こえづらかった音がよく聴こえるようになっているはず(そのおかげで以前より複雑なニュアンスになっている箇所があり)。この曲も私をシンプルに表してくれる曲で語る言葉は少なくていいかと思っています。
7、Challenge to Overcome
昨年作曲したもので前回にも収録しましたね。今作の中では一番最近の曲です。こちらは1年経った現時点でも個人的には一番で個人的に大好きすぎていろんな人に聞いてほしい楽曲です。昨年に比較してミックスとアレンジの微修正をしたため、昨年のものより数段聴きやすく(より私好みに)なっていると自負しています。ぜひたくさん聴いてほしい。
8、Wind wall
ここにきてちょっと雰囲気が変わります。これも昔作曲して一度完結しているのですが、短いと思ったので2ループ目は今回のために作曲し直しました。当時と今では楽曲に表現したいことが全然違ったのですが、過去のニュアンスに合わせて作曲したのである意味最近の私っぽくない感じになったのではないかと。この頃は複雑なコードとニュアンスを作って自分を凄そうに見せるのに必死だったのでこういう試みが結構いろんなところにあったり(大概ボツ)します。
9、Break dispair!!
過去に難産して「これは出せねーな…」曲のリニューアルです。当時の雑さをそのまま残しつつ、音はほぼ新しい音源に差し替えています(アレンジはほとんどそのままで弱いところは追加しています)。当時オーケストラ編成の知識が皆無だったのがよくわかる音源の使い方でした(バイオリンでそんな低い音鳴らねーよ的な)
10、Decision
昔ゲーム用に作曲したけどボツになった曲です。個人的にはお気に入り(個人的な要素に寄りすぎたせいでボツになった)だったので載せました。当時2時間程度で作曲したある意味手癖全開の曲です(余談ですがエレキギター部分、単体で聴くととてもひどいノーツになっています。逆にそれがちょっと手で弾いた感じになってくれてそのままにしている)。2ループ目のピアノは今年アレンジし直した部分です。コンプで潰したハイハットの音が地味に好きです。
11、Mistilteinn, Re inForce
さんしち亭2枚目の曲です。プロジェクトが残っていたのでミックスのバランスはだいぶ変えています。一部アレンジも。というか余談なんですけど、HSOの仕様が変わる前のプロジェクトで、なんかもう色々と変更があって調整が大変でした。これも昔にしては完成度が高く、今聴いても個人的にはとても好きな曲なので基本部分はあまりいじらず収録しています。
以上、各楽曲それぞれ簡単に解説してみました。当時の感覚としてはボツでもただうまく進んでいないだけだったり、発想に煮詰まってしまっているだけだったりと過去のプロジェクトも今聴いてみると全然発展の余地があったりと、なんか宝探しをしているような感覚で楽しかったです。中には作った覚えがないものとかがあったりしてそれはそれで面白かったですね。
前提として全曲無料公開をアナウンスしていたので、何処かのタイミングでそれを実行に移したいとは思っているのですが、会場でお金を出していただき、わざわざ手に取っていただいた方への申し訳が立たないという点もあるため、少し時間差をつけての発表とさせていただこうと考えています。(個人的には年内を考えていますが、他の要素も色々考えて少しずつ小出しになる可能性が高いかなと思っています。)
過去の前例があるため、もはや何を言ってもぶれぶれになってしまうので今後のことを多くは語りませんがしばらくイラストメインでやりたいという気持ちは変わっていないのと、別軸で動いているプロジェクトがメインになる、と今わかっている事実だけは書いておきます。別軸で動いているプロジェクトは作曲メインなので曲は作り続けます。
なんだかんだ言っていつも通りだいぶ長い文章になって途中で挫折した方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、最後まで読んでくれた方には感謝を表しつつ、この辺りで締めさせていただこうかなと思います。
今年もありがとうございました。またいつかお会いしましょう。
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ライナーノーツ(2018年M3秋)ー2
こんばんは。M3からだいぶたちましたがみなさまいかがお過ごしですが? ライナーノーツ第2弾です。 早速楽曲解説の続きから行こうと思います。 3回に分けるとしていましたが、わける意味を感じないため無理やり2回にねじ込もうと思います。多少長くなりますがご容赦を。 今回は「解説」に「反省点」、「制作を経て」、「今後について」と「まとめ」になります。
楽曲解説
2,Re boot 編成
ドラムス Small Room(EZDrummer2) ×2トラック(タム、ハイハット) Cymbals(QLSO) Snares(QLSO) Bass Drum(QLSO)
エレキギター AGG(Ample Sound)
エレキベース ABPL(Ample Sound)
鍵盤楽器 Bosendorfer Piano(QLP)×2
パーカッション Timpani(QLSO)
木管楽器 Solo Piccolo(QLSO) Tin Whistle(Ilya Efimov) Low Whistle(Ilya Efimov)
金管楽器 2 Trumpets(QLSO) Trombones(QLSO) Solo Tuba(QLSO) Horns(QLSO)
弦楽器 1st Violins 1st Violins(QLHS) 1st Violins Spic(QLHS) 2nd Violins 2nd Violins(QLHS) 2nd Violins Spic(QLHS) Violas Violas Sus(QLHS) Violas Spic(QLHS) Cellos Celli Sus(QLHS) Celli Spic(QLHS) Contrabasses Contrabass Sus(QLHS) Contrabass Stac(QLHS)
計27トラック
編成解説 他の曲と比較し特徴的なのはハイハットとティンホイッスルでしょうか。ピアノは2トラックあるのですが、リズムとメインを分けました。 比較的度のパートも低音が強めになっています。バイオリンと木管が高音を担い、他のパートは低いほうに回ることが多いですね。中域はピアノ、ギター、トランペット(高域も一部)、バイオリン2パート、ビオラなど。 ティンホイッスルなどを入れてみたのですが、オケになじんでしまい、あまり特徴をうまく使いこなせてない感じになってちょっともったいないかなという感じがしています。もう少しソロとかで出しても良かったかも。
楽曲解説 題名の通り、再起を意味する曲に仕上げたもの。 楽曲には再び立ち上がるための力強さをひたすらに込めました。 今回ストリングスの響きが多いですが、中でもバイオリン、ビオラあたりの中低音の響を大事にすることを意識しました。 最後のほうに非常に盛り上がる、強い部分がありますが、そこにはありったけの力を振り絞り、こぶしを握っているような場面を想像してみてください。 ここは一番良い形でエレキギターとほかの楽器が効果的に混ざった場面かと感じています。
4,Chrono Logic-Revival- 編成
ドラムス Small Room(EZDrummer2) ×4トラック
エレキギター AGG(Ample Sound)×3トラック(ソロ2パート、リズム1パート)
エレキベース Fender 5 Str(QLGoliath)
ボイス WOMEN oh(EW Hollywood Choirs)
鍵盤楽器 Harpsicord(QLSO) Bosendorfer Piano(QLP) Church Organ(Independence Free) Electric Piano Rhodes(QLGoliath)
金管楽器 Trombones(HSO) Horns(QLSO)
弦楽器(撥弦) Harp(QLSO)
弦楽器(擦弦) 1st Violins 1st Violins Sus(QLHS) 11V Marc(QLSO) Violas Violas Sus(QLHS) VAS Marc shrt(QLSO) Cellos Celli Sus(QLHS) VCS Marc shrt(QLSO) Contrabasses Basses Sus KS(QLSO)
計23トラック
編成解説 2015年「クロイロ。」のときから主に大幅に音源を入れ替えました。 ギターはELECTRI6ITYからAmpleSound系に差し替え、変に演奏を意識していたギターパートはトラックを一つ増やし、一貫性を持つようにしました。コーラス音源を差し替え、バイオリンのレガート部分はQLHSに差し替えました。 アレンジも一部大幅に変えたりと雰囲気はそのままにし、整理整頓しながら以前と全く同じにならないようアレンジを加えた形になります。 前のバージョンより、まとまりが出たのではないかと思っています。 個人的にはギター音源のミュートの音が好きでオートメーション書いて出したいところは目いっぱい出してみました。
楽曲解説 以前は題を「クロの」と「クロノ」をかけていたんですが、今回はナチュラルにしました。(黒の法則‐つまるところクロノセカイの法則、決まりがあること、クロノ‐時間的な部分をつかさどる少女、という意味でつけた。) 当初は手をつける予定が全くなかったんですが、ふとしたきっかけで聴くことになって、どうしてもリニューアルしたくなって。 音色を差し替えたり足したり、ストリングスは単純和音に音を追加して多少ハーモニーがきれいに響くようになったかと。一部はアレンジを大幅に変えています。 あとは雑になっていたところを調整したりとかもしました。当初は良いと思ったところも、今聞いたら「ん?」みたいなところがたくさんあって大変恐縮な想いでしたが…。 ミックスも重低音を強化し、ドンシャリ気味に調整しなおしました。 この曲はバンド編成が地盤になっているので、オーケストラ編成はどちらかというと、装飾的な扱いでしたが、今回のリニューアルで結構豪華さが増したかなと思います。
5, Challenge to Overcome 編成
ドラムス Small Room(EZDrummer2) ×4トラック Cymbals(QLSO)
エレキギター AGG(Ample Sound)
エレキベース Fng m-Bass(Independece Free)
鍵盤楽器 Celesta(QLSO) Bosendorfer Piano(QLP) Prog Rock Organ(HALion Sonic SE)
パーカッション Timpani(QLSO) Music box(Xpend!2)
木管楽器 Solo Flute(QLSO) Solo Piccolo(QLSO)
金管楽器 2 Trumpets(QLSO) Trombones(QLSO) Solo Tuba(QLSO) Horns(QLSO)
弦楽器 1st Violins 1st Violins(QLHS) 1st Violins Spic(QLHS) 2nd Violins 2nd Violins(QLHS) 2nd Violins Spic(QLHS) Violas Violas Sus(QLHS) Violas Spic(QLHS) Cellos Celli Sus(QLHS) Celli Spic(QLHS) Contrabasses Contrabass Sus(QLHS) Contrabass Stac(QLHS)
計28トラック
編成解説 金管メインのオケ編成プラスバンド、みたいな編成ですがリズムはバンド寄り。楽器編成は他とあまり変わりませんが、一番フルで編成してるのはこの曲じゃないでしょうか。基本的に戦闘曲が好きなので自分の好きに徹底的に寄せた曲なので、編成で特筆するところといえばテーマに沿った、という点です。 最近は少女的な面を曲に取り入れたい試みが多く、メロディラインはなるべく線の細い、高め、リリースに特徴のある可愛いらしいイメージの音を入れることが多いですね。 好きな音が全部詰まっている感じです。金管ホルン、トロンボーン、木管にフルート、ピッコロ、そしてギターにオルガンの音。
楽曲解説 この曲は発作的に書いた曲と言って過言ではありません。良くも悪くもいつも通りの戦闘曲風。戦闘曲好きが高じた一作となっています。 この作品の肝、というか魂は1:16~からのストリングス中心のアンサンブルです。 クワイアを入れていないのに、天に昇りそうなクワイアっぽい錯覚音が聞こえるのはなんか不思議な感じです。 とはいえ全体的にストリングスのハーモニーはかなり気にして作っています。 現時点での私の(個人的)最高峰です。
反省点
毎回課題になるのですが、ミックスです。 正解がない分、非常に苦労するのですが、今回はちょっと音圧を意識しすぎて繊細さが喪われた部分があったように反省しています。 ただ、音は以前と比べ芯が太く、バランスが良くなったんじゃないかなと思います。 プラグイン全般的にWAVESに差し替えたというのもありますが、音質は「クロイロ。」時に比べ格段に上がったのではないかと。 monotoneシリーズはrenapさんをはじめプロと同等の実力を持つ方々にお願いしていましたので、ある意味少し頼り切っていた部分がありました。 今回はその反省もあり、自分なりに試行錯誤しては見ましたが、難しいですね。 あとはダイナミクス、緩急の付け方ですかね、をもう少し繊細にできればよかったです。 リレー的な音の運び、音の強弱については個人的に特徴かと思っているのですが、もう少し強い表現で丁寧にできればなという課題が残りました。 マスタリングも、個人だけでやると非常に難しいな、と感じました。 次回制作の場合の課題とします。
制作を経て感じたこと
今回、音楽制作に注力しました。 そこで大きく見えてきたものが「音楽制作における限界」です。 これが技術的にではなく、モチベーションという点が主です。 技術的には先ほどかいた反省もそうですが、まだまだ至らぬ点があること重々承知しています。 今まで、得意だと思って何となく制作してきた音楽。 なぜ自分は音楽を作るのか、問いかけるいい機会かと思ったので、あえて自分を追い込んで制作をしてみました。 時間はあったのだけれど遅々として進まない制作。 何が原因なのだろう、と考えたときに自分の中にあった確かな音楽制作の熱は2曲ぐらい作った段階でかなりの割合が潰えていました。 純粋に作曲が楽しかったころとは変わってしまい、曲作りを単純に楽しめない自分がいることに気が付いたのです。 反骨的な衝動で制作したくなる欲はあくまでも衝動的欲求であり、それが満たされると、欲は制作に向かなくなります。 僕は音楽が好きかと聞かれれば��きと答えるし、制作が趣味ですかと聞かれれば趣味ですと答えます。 でもそれは、音楽そのものが好きかといわれれば答えはNOだし、今、作曲活動が楽しいかと聞かれればそれも答えはNOです。 僕が好きなのはあくまでゲーム音楽で、それに付随する音楽を作りたい、もしくはアイデンティティを持っている音楽を自分の解釈に変換したい。 改めて、自身は作曲家よりはアレンジャーであり、さらに言えば、音楽作曲ではなくBGM作曲なのだなと。 今回をもってオリジナル音楽中心の活動は当面の間控えようと考えています。 別に音楽をやめるわけではなく、あくまで自身の「得意技」として引っ提げておくつもりです。 ただ、今は限りある時間や興味を費やして、燃焼して作りたいものは「音楽」じゃないなと。 時間が解決する部分もあるかと思いますが、しばらく音楽は別の目的を達成するためのひとつの「手段」としてとらえ、そしてひとつのツールとして考え、必要であれば制作をするといった形になるかと思います。
今後の活動方針について
今まではあくまで音楽サークル「サイソウクウカン」だったのですが、 ここで創作サークル「サイソウクウカン」として再スタートしたい、と考えています。 僕が表現として推し進めている「少女」×「音楽」ですが、「少女」というモチーフを主軸にしてすべての創作物を考えるようにしたいなと。 サイソウクウカンの「少女」というのはあくまで創作上の視覚的コンテンツであって、聴覚的な表現はあくまで、補助的な役割になるという考え方です。 長い建前を立てましたが、本音のところは音楽制作だけではモチベーションがついてこない、対してイラストに関してはインプットアウトプットのモチベーションが高まっており、どんどん絵を描きたいと感じています。 なので活動の主軸を視覚的表現に移そうかと、そう考えています。 サイソウクウカンの創作物語をどういった手段で届けるのが一番最適か、今のところはビジュアルノベル形式の創作かなと、考えています。 イラスト、キャラクターありきで音楽、文字によってその作品に時間軸を与える、今までだましだまし、生煮え状態だったサイソウクウカンをちゃんと形にしたいなと。 ここ3~4年を経て、イラストに関してはようやく人様に見せても良いかという自信と、上達を実感できたため、ようやく視覚的表現を行うに至っての個人的な最低スタートラインに立てたかと思っています。 取り組みの内容は今までよりもはるかに多くなりますので、制作にどれほどの時間を要するかというのは現状のところ見当もついていませんが、何らかの形にできればと考えています。 そしてやはり音楽は作品の一部として重要な役割を有するため、音楽制作に関しては引き続き行っていく所存です。 もし音楽作品として出すことがあるとすれば、サウンドトラックといった形になるかと考えています。 また、新しい試みとしてゲーム向けの素材制作など行ってみようかなと。 また、サイソウクウカンとは別口で、個人、しかもゆーさんだーZ名義での活動になりますが、水面下でゲーム制作が動いているので、そちらも実現に向けて頑張ってみようかなと考えています。
サイソウクウカンの創作はひるまあおいの最もやりたかったことを詰め込んでいくもので、綺麗とか汚いとかはいったん排除して表現したことに忠実になることが目標です。 これまで、音楽が気になると、当サークルの作品に触れてくれていた方々からみれば、まったく見当違いなものとなる可能性があり、もしそうなってしまったら申し訳ないな、といった気持ちがあるのもまた事実です。 僕自身があまり声を上げないことがそもそもではあるのですが、何か「声」があればそれがひとつ創作活動の方針として立てられる場合も大いにあるかと思います。
今までカッコつけてやってきた音楽。カッコついていたどうかは定かではありませんが、 色々な作品や文化に触れ、カッコつけるのをやめて、心に従い作りたいものに向き合う準備ができた、これは自身が成長したものと思いたいです。 表現はいまだにためらいや葛藤があるのも事実、色々な意味で時間がかかるかと思っていますが、見守っていただければ幸いに思います。
まとめ
大変長くなりましたがこれにてライナーノーツを締めとさせていただきます。 つらつらと色々書きましたが、後ろ向きな理由はなく、前向きに考えていきたいと思います。 今回、アルバムが何となく前を向くために立ち上がるような意味となったのは、サークルとしてもまさに「Re boot」したい、といった願望が出たのかなと、そんな風に思っています。 ひるまあおいのリアル人生においても大きな転換点を迎えているのも事実、今だからこそすべてにおいて前を向いて進めていきたい、そんな思いでいっぱいです。 そしてそして、長い文章に付き合っていただきありがとうございました。 今後は、なるべく、なるべく!色々なことを小出しにできるように努めます。 その中にはイラストもあるし、物語もあるし、音楽もあると思います。 自分でできることはやれる範囲で最大限で作っていきたい、今はそんな思いです。 今後ともサイソウクウカン/ひるまあおいをよろしくお願いいたします。
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ライナーノーツ(2018M3秋)ー1
2018M3秋、お疲れ様でした。 そして会場で当サークルの作品を手に取っていただきありがとうございます。 あまりにも直前の直前の告知だったため、一枚も売れないのでは、という最悪の想定もしていましたが、自身が予想していたこれだけ来ていただければ上々でしょう、のラインを超える枚数を頒布することができました。手に取ってくれた皆様にはひとえに感謝しかないです。 今回、個人的な話ですがここ2~3か月で怒涛の環境変化によって、結果的に制作に心の余裕と大きな時間を割くことができました。 おかげで6曲、しかも6曲とも大編成という今までにない水準で曲を制作することができました。 間違えなく近年では一番多くのものを詰め込めた作品となっています。 ただ、しがらみがない中、音楽制作をはじめとした自身の創作だけに没頭できて、見えてきたものも多くありました。 ライナーノーツを書くに至ったのは、作品の解説がしたいというのもそうですが、一度自身の活動を振り返り、どうして同人活動を行うに至ったか原点に立ち返る必要があるのかなと、それを整理するためにこのような文章を書くに至った次第です。 量が多くなってしまったので3回ほどに分けて更新させていただきます。今回は雑記と3曲ほど、紹介させていただきます。
今回嬉しかったこと
今回嬉しかったことといえば「あ、この方前にも来ていただいた人だ」という方が多くいらっしゃったことです。 毎回来てくれてるんだなぁという方がいるということはそれだけでとても嬉しい、有難いことだなと。 新たに「こういう者です~」と名乗ってご挨拶いただいた方もいらっしゃって、コミュニケーションが苦手なわたしにとってはとても嬉しかったです。 今度はこちらからご挨拶できるように伺えればと思います。その時は是非に宜しくお願いします。
曲について
さて、曲についてですが、ずっと生煮え状態のサイソウクウカンのメインストリームを一度無視して、自身の作品集を作りたいという思いで、音楽制作にもっとも力を入れました。 元々ずっと創作にうまくアサインできずに、不完全燃焼が続いていたこともあり、燻っているものを何とかしたいという思いが強かったのですが、今の自分がいただいている音楽そのものへの想いの丈の程を表層化したいという思惑もありました。 そんな感じもあり、曲自体は今までで最も詰め込めたかなと思っています。 今回は壮大な編成でストリングスを綺麗に鳴らしたり、金管をぶんぶん言わせたい、またエレキギターの音をその中に載せたい、という地盤だけを固め、いつものテーマはむしろ全く設定せずに制作を始めました。 曲を作っているうちに、再起、リスタート、リセット等、上向きの、立ち上がりなどの想いが強く出ているな、と感じたため、制作を始めた後の後付けで、困難を乗り越える、立ち上がる、突き進むなどといったキャッチ、曲のタイトルになりました。 制作にはやはり想いというのが大事で、それが大きく作品にかたどられます。 今までの不満をぶちまけるというより、苦しみから解放された、だからその先に行くために立ち上がろう、という思いが強く出たのかなと考察しています。
では、各曲の解説をしてみたいと思います。 今回、個人的に制作は大きな区切りとなりました。 これを機に一度できる限り出せるものを出してしまおう、と思い使用音源や編成などもライナーノーツとして載せています。 前置きとして、僕は音楽に対して妄想ともいえる情景を膨らまします。 情景を思い浮かべて聴く、僕がゲーム音楽が好きなのはそういう背景も込で好きな音楽、ということでしょう。 ぶっちゃけて言ってしまうと逆に音楽だけではほとんど楽しめません。 音楽の聴き方は千差万別、人それぞれですが、もし良かったら何か情景を思い浮かべて聞いていただければ大変幸いに思います。
余談:キャラクターについて 昼間碧(左)夜岬燈(右)に正式に決定しました。解説にキャラクター名を出した妄想シチュエーションがありますが、上記の感じで解釈いただければ
1,What is Color? 編成※多少表記ゆれがあります。
ドラムス Cymbals(Quantum Leap Symphonic Ochestra Gold(以下QLSO)
鍵盤楽器 Harpsichord(QLSO) Bosendorfer Piano(QLPianos Pt(以下QLP))
パーカッション Och Chimes(QLSO) Timpani(QLSO)
木管楽器 Solo Flute(QLSO) Solo Piccolo(QLSO) Solo English Horn(QLSO) Solo Bassoon(QLSO)
金管楽器 Solo Trumpet1(QLSO) Trombones(QLSO) Solo Tuba(QLSO) Horns(QLSO)
弦楽器 1st Violins 1st Violins Sus(Quantum Leap Hollywood Strings Gold(以下QLHS) 1st Violins Pizz(QLHS) 2nd Violins 2nd Violins(QLHS) Violas Violas Sus(QLHS) Violas Spic(QLHS) Cellos Celli Sus(QLHS) Contrabasses Contrabass Sus(QLHS)
計20トラック
編成解説 他の曲と比べてチェンバロ(ハープシコード)、チューブラーベル(チャイム)が特徴的な楽曲になりました。ストリングスの響きは比較的高い音が多く、全体的に金属的な音の響きが多くなります。緩急が強く、急に木管的な響きに変わったり、また急に線の細い音になったりとなかなか遊びの強い曲��なったかと。 対比的にトランペットソロがメロディになる部分は少し低めの音をとるようになりました。 イングリッシュホルンにしたのは高さ的な印象もありますが、支え、ソロの部分で温かめかつ、中太めの音がほしかった��らこのチョイスにしました。 暖かめのチョイスでもう一つあるとすればPizz(ピチカート奏法)の部分を取り入れたことですかね。一瞬でだいぶ印象が変えられたかな、と思っています。 個人的にですがこの曲が一番クラシカル(この言葉をチョイスするのもちょっと恐れ多いですが)な音になったんじゃないかなと思っています。
楽曲解説 今回唯一の3拍子曲。あなたの色は何色?迷いの中にはっきりと見えてくる色はなにか?というのを表現したかった曲。この際何色だったかは本題ではなく、曲の展開で自分の色がよりはっきりと見えてくる、といった形を想像してみました。 Twitterでもちょいと言いましたが、燈という少女が3拍子のステップを踏みながらあなたに色を問いかけてくる、そんなイメージをすると個人的には面白いかなと感じています。 チェンバロの音、後半のイングリッシュホルンのパートの音が個人的にはお気に入りです。
3,Andante 編成
ドラムス Cymbals(QLSO) GM Percussion(QL Goliath)
アコースティックギター AGT(Ample Sound)
鍵盤楽器 Celesta(QLSO) Bosendorfer Piano(QLP)
パーカッション Music box(Xpend!2)
木管楽器 Solo Flute(QLSO) Solo Piccolo(QLSO)
金管楽器 Solo Tuba(QLSO)
弦楽器 1st Violins 1st Violins Sus(QLHS) 1st Violins Spic(QLHS) 2nd Violins 2nd Violins(QLHS) 2nd Violins Spic(QLHS) Violas Violas Sus(QLHS) Violas Spic(QLHS) Cellos Celli Sus(QLHS) Celli Spic(QLHS) Contrabasses Contrabass Sus(QLHS) Contrabass Spic(QLHS)
計19トラック
編成解説 特筆するべきところがあるとすればCelestaとMusic box(オルゴール)、あとはアコースティックギター、パーカッション部分でしょうか。タンバリンのような音とギターで一定のリズムを刻み、歩くような印象を与えようと作りました。 この曲は唯一の明るい曲であり(?)、激しさとは違う点でキラキラさせるような編成がいいかなと。 でもシンフォニック感を失わないようにするために、厚めなところもあります。
楽曲解説 アンダンテ、デモでしたときは「穏やかに、いつもの歩調で」といった邦題で出していましたが、曲名を英字で統一したく、Andanteという命名を改めて行いました。 とはいえAndanteはイタリア語で、そういう意味では少し浮いていますね。 楽曲としても唯一の明るい曲で、しかもCMajorというなかなかあまりやらない試みを行いました。 とはいえ、どこか儚げで哀愁が漂うのは良くも悪くも私らしさが出ているかと思います。 ギターとパーカッション、スピッカート双方のストリングス相まって、軽快さが出ているかと思います。広大な世界を自分のスピードで歩くようなイメージです。 サイソウクウカン的な想像をすれば、碧と燈が、碧の歩調に合わせてお話しながら歩いていく、そんなイメージです。 燈の無邪気な質問攻めに困っている碧の表情を浮かべながら聴くと、また違って聞こえてくる、そんな気がします。
6 ,The Last Step 編成
ドラムス Cymbals(QLSO) Snares(QLSO) Bass Drum
シンセ系 Heavenry Bell Pad(Xpend!2) Drama Silk(PADSHOP)
鍵盤楽器 Organ(Independence Free) Bechstein Piano(QLP)
木管楽器 Solo Oboe(HALion Symphonic Orchestra(以下HSO)) Solo Clarinet(QLSO) Solo Bassoon(QLSO) Solo ContraBassoon(QLSO)
金管楽器 Solo Trumpet1(QLSO)
弦楽器 1st Violins Solo Violin Leg Vib(QLSO)×2トラック 18 Violins Sus Vib(QLSO) 2nd Violins 2nd Violins(QLHS) 2nd Violins Spic(QLHS) Violas Violas Sus(QLHS) Violas Spic(QLHS) Cellos Celli Sus(QLHS) Celli Spic(QLHS) Contrabasses Contrabass Stac(QLHS)
計22トラック
編成解説 この曲はシンセ音が入っており、また他の曲と比較すると木管編成が目立つ曲になっています。ですが、この曲の役割としては支えやサブの印象が強いです。 コントラバスーン(コントラファゴット)の使い方は勉強かなと。現状コントラバスの増幅、強化的な役割しか担っていません。ステレオスピーカーで出す場合と、もし編成で演奏するとなるとだいぶ印象が変わるんだろうなぁと思って編曲を進めていました。 音源で細かい部分だと、オーボエだけHSOだったり、バイオリン1だけがQLSOだったりとかコントラバスがSpic(スピッカート)じゃなくてStac(スタッカート)になっています。元々はすべてQLSOで作成進めていたのですが、いずれもダイナミクスの印象とリリースまでの音の感じ、繊細さで天秤にかけて音を最終的に選別しました。 奏法差はもし楽譜に起こすとしたら、ストリングスパートがスタッカートになるかもしれないし、コントラバスパートがスピッカート奏法になるかも。そこら辺はいろいろと相談になるのかな、なんて妄想をしています。
楽曲解説 この曲、実はサイソウクウカン用に作っていた未公開曲を殆どばらして作りなおした曲です。 閃の軌跡Ⅲのラストダンジョンの曲に影響を受けたのですが、あまりにもパクリ状態で、目も当てられなかったので、最初の入りのメロディだけを残して2分ほどまでできていた曲をバッサリと切り捨てました。 コンサートスネアを一番まともに使った、一番オーケストラがイメージできる曲になったかなと思います。 前奏のメロディも一オクターブ上げて、余計なシンセ音をバッサリと切り捨てシンプルにしました。 そんな背景もありRPGのラストダンジョンのような曲になるように仕上げました。 燈が「じゃあやってやろうじゃない!」と碧に意気込んで、敵の本拠地いざに乗り込む、みたいな空想が浮かんできます。 いったん今回は3曲解説を行いました。残り3曲は次の記事にて解説をします。
イラストについて
今回イラストについては、時間のない中今までやったことがない2人構図で制作しました。 自身と同じ名前で紛らわしい昼間碧(ひるまあおい)ちゃんと、その対になる夜岬燈(よさきあかり、漢字は改めてサーチしたところ夜咲だと他に結構そういう名前の人がいたため、変えました。ちょっぴり残念。) 碧はいわば自身の分身的な役割で、自分自身の現身のような扱いです。 燈は碧を導くような存在になることを願って碧から生み出された空想の存在です。 別の意味で例えるならば「理想」といえばいいのでしょうか。とにかくそういった象徴的存在として生み出しました。 碧はマイペースで引っ込み思案で静かで…と現実の私にある程度即していますが、燈は快活ではっきりしていて強くて…と理想を映し出したような設定にしています。 今回空の映る水面に二人で横たわっている、そんな構図なのですが 手をつないでいるのではなく親指だけを交差させて手の甲を合わせているのはあくまで反する存在が共に距離感を保ちながら、それでも確実にお互いの存在を認識し、少しずつ歩んでいけるような、そんなイメージをしております。
まとめ
3回のうちの1回目はここらへんで区切りとさせていただきます。 今回は、M3お疲れ様、嬉しかったこと、曲解説その1でした。 次回は曲解説その2を載せよう思っています。 次々回については反省や今後の展望など、考えていることとApollo情報など載せられたらと。 それではまた次回にお会いしましょう。
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