#うどん処さぬきや
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billy023 · 2 years ago
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高松市塩上町 うどん処さぬきや
天ぷらうどん
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10kmnulimk69 · 6 months ago
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km変態G組ご主人様へ
今まで奴隷されたことがないです。初心者です。
ただ、もう人間的存在を放棄し、ご主人様の性奴隷に転身します。もうすでに家族、友達、社会と切り離しました。
自分はkmアイス生処理肉便器奴隷を希望します。監禁飼い中の餌はシャブアイスとkm精液、kmションなど、ご主人様から与えられたのみのものにお願いします。
只今岡山でこっそり生きてます。
1日も早くkm肉便器の自分をさらてください。
ガッツリkmkm kmヘロインとアイス仕込みのkm変態まわし奴隷に改造してください。
日本全国の闇市で売り出してください。監禁km囚人にも可能デス。もうkmアイス性奴隷として生存価値しかありません。ガッツリkmkm km gay漢集団に拉致されたい 。ヘロ混ざりのアイスで飯がわりに仕込んでください。闇市で死ぬまで回して肉便器奴隷として浸かってください。
もちろん、新薬開発の白鼠にもなれます。Gヤクザ組のアニキ、オヤジ、薬物モニターに飼ってください。
24時間365日死ぬまでkm漬け肉便器奴隷に改造してくださる変○オヤジ、アニキ、パイ��ンからのDM待ってます。
💣女性、ご理解のできない方、冷やかしはお断りいたします。💣
🫂男性、ゲイのみでお願い致します👥
真剣です。お願いいたします。
QQ🌈🧊🛫💉P
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nihongoseito · 7 months ago
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vocab for when you're waiting for the rice cooker
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nouns:
体裁(ていさい) = outward appearance; (proper) format (e.g., of an essay)
ダダ漏れ(もれ) = big leakage (incl. metaphorical)
善処(ぜんしょ) = dealing appropriately with, handling, making the best of
殺人鬼(さつじんき) = cold-blooded killer, homicidal maniac
すり = pickpocket
斡旋(あっせん) = good offices, influence, recommendation
筒抜け(つつぬけ) = being overheard, leaked (e.g., secrets)
善人(ぜんにん) = good/virtuous person
フェチ = fetish; enthusiasm, passion
表沙汰(おもてざた) = going public; taking to court
主導権(しゅどうけん) = hegemony, leadership
長丁場(ながちょうば) = long haul, time-consuming work
下心(したごころ) = ulterior motive
相続(そうぞく) = succession; inheritance
verbs:
弁える(わきまえる) = to discern (e.g., right from wrong), discriminate; to know (one's place, etc.)
控える(ひかえる) = to refrain, abstain
スる = to pickpocket, steal (regular 五段 verb)
怪しむ(あやしむ) = to suspect
表立つ(おもてだつ) = to become public/known
adjectives:
物好き(ものずき)な = idly curious, having strange tastes
面倒見(めんどうみ)がいい = very caring, service-minded
無防備(むぼうび)な = defenseless, vulnerable
喧嘩っ早い(けんかっぱやい) = quarrelsome, quick to lose temper
やかましい = noisy, clamorous; much discussed
疑り深い(うたぐりぶかい) = doubting, distrustful
煩わしい(わずらわしい) = troublesome, complicated
adverbs/onomatopoeiae:
なんなら = if you prefer, if it suits you
expressions:
身(み)をもって = firsthand, through one's own experience
〜兼(けん) = and, concurrently, cum
手(て)が出る(でる) = to resort to violence, use force
ものを言う(いう) = to be effective/powerful, mean everything
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1way2mars · 10 months ago
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Pazuribe Event Translation - “Let's all get along!? Getting out of the marvellous room!” — Part 1
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─────────────────── ⋆⋅☆⋅⋆ ────────────────────
☆ After a long break, I decided to start translating again! I couldn't resist not working on this event, as I love Sanrio a lot (and my boys deserve all the love too).
☆ Please give credit in case of use!
☆ I'll do my best to update the second part of the event once it's released on September 17th!
☆ I'm not a professional translator and I'm still learning Japanese. That's why some things might not match exactly/could have been better translated/there might be mistakes. This is a great way for me to learn. I put a lot of effort into making the translation as good as they can be!
☆ Find more pazuribe translations here!
☆ If you have any comment, question, correction or suggestion, please let me know! Interactions are appreciated (^^ゞ
OPENING STORY
黒川 イザナ:なんだここは
Izana: What’s this place…
黒川 イザナ:何が起こった?
Izana: What happened?
鶴蝶:……さっきまで横浜のアジトにいたよな?
Kakucho: Weren’t we at Yokohama’s hideout just a minute ago?
灰谷 蘭:ワープしちゃったのオレら?てか、何このでけぇぬいぐるみ
Ran: Did we warp? What’s up with this huge plushie?
灰谷 竜胆:服まで変わってんじゃん これって超常現象ってヤツ?
Rindou: Even our clothes have changed. Yo, is this like a paranormal phenomenon? 
斑目 獅音:バカなこと言ってんじゃねぇーぞ まじやべーことになってんだろうが!!!
Shion: Quit saying bullshit! We’re in some serious trouble!!!
望月 完爾:唯一ある扉は鍵がかかってて開かねぇな ぶち壊すのも…さすがに無理か
Mocchi: The only door is locked and can’t be opened. We could knock it down… Still, it’s impossible.
鶴蝶:…どうする、イザナ
Kakucho: What’s the plan, Izana?
黒川 イザナ:そのドアしか出口はねぇんだ この部屋の何処かに鍵があるかもしれねぇ
Izana: That door is the only way out. Somewhere in this room might be a key. 
黒川 イザナ:全員で探せ
Izana: Start looking for it.
灰谷 蘭:このぬいぐるみ、どうする?
Ran: What about the plushies?
灰谷 竜胆:邪魔だし置いてく?
Rindou: They’re in our way, should we leave them?
鶴蝶:なにか意味がありそうだよな
Kakucho: They must mean something, right?
黒川 イザナ:脱出のヒントになるかもしれねぇ なくさず持っとけ
Izana: They might be a hint for the escape. Take it, and don’t lose them.
STORY BEFORE THE BOSS
斑目 獅音:んだよ 鍵なんかねぇじゃねーかよ!
Shion: What the hell. Ain’t no key!
望月 完爾:うるせぇーなー 黙って探せや
Mocchi: Shut the hell up! Be quiet and search.
斑目 獅音:あぁ!?テメェこそ絡んでくんなや
Shion: Huh!? Stop giving me a hard time.
黒川 イザナ:獅音、モッチー 黙って探せ
Izana: Shion, Mocchi. Shut up and look for the key.
灰谷 竜胆:はぁ~ ガラクタはいっぱいあるのに、鍵は全然見つかんねぇじゃん
Rindou: Hah~ There’s a lot of junk, but no sight of a key.
灰谷 蘭:鍵の形をしてねぇのかも
Ran: Maybe it ain’t even key-shaped.
灰谷 竜胆:ん?どういうこと?
Rindou: Mh? What do you mean?
鶴蝶:なぁ、この床なんか変じゃねーか
Kakucho: Hey, isn’t there something weird with this floor?
黒川 イザナ:……たしかに 他の床と色が少し違うな
Izana: Yeah…… The colour is a bit different from the rest.
黒川 イザナ:鶴蝶、ちょっと踏んでみろ
Izana: Kakucho, try to step on it.
鶴蝶:お、おう…わかった
Kakucho: O-oh… Sure.
ーガゴン
Bang!
斑目 獅音:うぉ!?なんか出てきたぞ!!!
Shion: Oh!? Something is coming out!!!
灰谷 蘭:ゲーム機か?パズルゲームみたいだな
Ran: A game console? Looks like a puzzle video game.
灰谷 竜胆:これを解いたら、扉が開いたりして~
Rindou: If we solve it, the door will open~
鶴蝶:まぁ、扉が開くかはさておき何かヒントはあるんじゃねぇか?
Kakucho: Well, whether it opens the door or not, we got a hint, right?
黒川 イザナ:やってみるか
Izana: Here goes nothing.
STORY AFTER THE BOSS
鶴蝶:クリアしたみたいだな、イザナ
Kakucho: Seems like we beat it, Izana.
黒川 イザナ:……パズルに出てきたキャラクター、どこかで見たことなかったか?
Izana: The characters from the game… didn’t we see them somewhere?
望月 完爾:そうか?ゲームのキャラなんて全部似たようなもんだろ
Mocchi: Right? All characters in video games are pretty similar.
斑目 獅音:んなことより、見ろよ 扉の鍵、開いたみたいだぜ!
Shion: Whatever, look. Seems like the key opened the door!
灰谷 竜胆:これで脱出か~案外簡単だったな
Rindou: So that’s the way out~ It was surprisingly easy. 
灰谷 蘭:だな、もうちょっと仕掛けがあってもよかった…
Ran: Right, would have been a little bit better with a challenge…
黒川 イザナ:どうした?さっさと出るぞ
Izana: What for? Let’s get out of here.
灰谷 蘭:まだ出れないみたいだな
Ran: Looks like we can’t leave yet.
黒川 イザナ:どういうことだ?
Izana: Why do you say that?
灰谷 蘭:見てみろよ
Ran: Look.
灰谷 竜胆:扉の向こうは出口じゃなくてただの部屋みたいだ
Rindou: The other side of the room isn't the exit,  just another room.
鶴蝶:マジかよ…
Kakucho: Are you for real…
黒川 イザナ:ふざけてるな
Izana: Are you kidding me?
STORY AFTER DEFEATING BOSS LVL. 2
花垣 武道:くそ~ あとちょっとで勝てたよな
Takemichi: Shit~ I almost won.
STORY AFTER DEFEATING BOSS LVL. 5
花垣 武道:まだまだ!ここからが本番だ!!
Takemichi: Not yet, not yet! Let’s get down to business!!
STORY AFTER DEFEATING BOSS LVL. 10
花垣 武道:まだだ!ぜってぇ諦めねぇ!!
Takemichi: Not yet! I definitely won’t give up!!
Read part 2 of the event here!
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yutakayagai · 1 month ago
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私立K高校にまつわる怪談話を、そう言えば親父から聞いたなと、貢は思い出した。理事長室の本棚にある「我が学園の歴史 ◯◯周年記念号」と節目ごとにまとめられ、今でもOBであれば購入が可能とされている記念誌を眺めながら、彼は例の事件について書かれた記載に目が留まった。その記念誌には一行ぐらいしか書かれておらず、
「まァ、都合の悪いことは書かないだろうな…」
と貢は思ったが、たまたまその隣に操が書いた日記があった。操は、その日にあった出来事をまめに記録する性格だった。「ケセラセラ」に生きてきた貢とは違っていた。
「へぇ〜、こんなの付けてたンだ」
と彼はそう思いながら、「一九七八年」とテプラで貼られたその日記の頁を開いた。事件が起きる前、何度か操は他の教師からその生徒について話を聞いている様だった。
“六月十日
校長の杉山先生から、「堀川啓介」という男子生徒がよからぬいじめを受けているとの話を聞いた。「よからぬ」とは、流石に全くの「ノンケ」である杉山先生にとってはケツの谷間を両手で覆いたくなる様なものらしい。オレにとっては逆に「おっ広げ」になりたくなるが…。
啓介君は、両親が教育熱心なのか必ず国立T大に合格させたいという思いが強く、比較的、国公立大学への進学率が良いウチに入学「させられた」様だが、オレにしてみれば馬鹿馬鹿しい。人生八十年と言われるご時世に、大学だけでその先の人生なンて決まるとは限らないと思う。
しかし、その啓介君、ウチに来たことで「ホモ」の洗礼を受けただけでなく、凌辱されることに快感を得てしまった様だと、杉山先生。ある夕方、たまたま浴室を見回った時に彼がブリーフ一丁で脱衣場の鏡の前に立っていたが、背中にあちこち鞭打たれた様な跡があり、思わず声をかけたそうだが、彼曰く、
「校長先生、父さんや母さんには黙ってて! オレ、縄で絞められるのが好きなンだ…。快感なの! これでイッちゃうの! 勉強勉強って、オレ、おかしくなっちゃうよ!」
彼はそう訴えながら杉山先生に抱きつき、号泣したらしい。
嗚呼、そんなに追い詰められるのなら、いっそのこと、新宿二丁目や上野の入谷などで男娼をしていた方が幸福なンじゃないか? オレだったら、啓介君を優しくしてあげたい”
“七月一日
たまたま、オレが寮の当直をすることになった。まァ、久しぶりに生徒らとアハハオホホとやってもイイだろう。
その二日目、ちょうど昨夜だが人気がない筈の浴室に誰かがいたのでそっとサッシを開けてみると、其処には全裸の啓介君がいた。やはり背中や胸には鞭打たれた跡があり、痛々しかった。しかも、その日は首筋に「キスマーク」もあり、余程凌辱されたのだなと思った。彼はブリーフを穿くと軟膏を手の届くところに塗り、時折首筋にできたキスマークに触れた。彼は微笑を浮かべ、
「…もっと欲しいよ」
と呟いた。まるで、情事の後に独り残された娼婦の様だった。オレは��を好いてしまった。そんなオレに彼は気付いていたのか、サッシの方を振り向いた。
「だ、誰ッ!?」
オレは仕方なく脱衣場の中に入った。理事長だと判ると、彼は顔を赤らめながら慌ててTシャツを着た。彼は言った。
「何故、理事長先生が!?」
恐らく、始業式や終業式の時にオレは必ず挨拶をするから顔を憶えていたのだろう。まさか、理事長でさえ寮の当直をするのかと、彼は疑ったに違いない。オレは、
「大丈夫、今週だけ当直に入っただけだから。杉山校長からは、君のことは聞いているよ。縄に絞められるのが快感なンだろ?」
と聞いた。彼は不安気な表情を見せてはいたが、頷いた。
「…快感でたまらないンです」
オレは、どうかしていたのかもしれない。何故かそのまま彼を抱きしめたのだ。優しくしてあげなければならない気がしたのだ。
その夜、当直室でオレは啓介君を愛した。鞭打たれた跡に皆キスをし、そのうちに彼も涙を流しながら、
「嗚呼、愛されてる…」
と言葉を漏らした。オレは、
「凌辱だけが快感を得る手立てではないよ。君は優しく愛されたいンだ」
と唇を奪った。
次第に、彼はオレを強く求める様になり、オルガズムに達した。オレの内腿の間に下半身を挟め、愛液が二人の下腹部に跳び散った。
「…啓介君、君が好きだ」
気分は、アダムとエバの様な感覚だった。教育者とその教え子という関係を逸脱し、オレは一人の男子として彼を愛してしまったのだ。もはや後戻りはできない。このまま「世間体」と言う名の境界を越え、何処かへ逃亡しようかとも思った。彼は、
「理事長先生…」
とオレの頬に触れ、そっとキスをした。
情事は、夜明けまで続いた”
“七月二一日
この日は終業式だった。ほぼ全員の生徒が帰省していく中、啓介君だけが寮にとどまっていた。彼は怯えていた。担任の山本先生が彼の両親に事情を離したが、特に母親は猛反対していたと、電話の後に話していたっけ。
「理事長、どうしますか?」
と杉山校長が困り果てていたが、啓介君の家の事情を何も知らなかったオレは、
「じゃ、オレが一緒に送りに行くよ」
と安易な判断をした。
啓介君の家は東京のS区にあった。最寄りには私鉄O線の駅名にもなったS学園があり、所謂「高級住宅街」だった。オレは馴れない道を自ら運転しながら彼を送り届けた。本来なら理事長であるオレは動くべきではなかったのだろうが、一度彼とは肉体的に「契り」を結んでしまったから、何故か責任を感じていた。
彼は助手席に座っていたが、ずっとうつむいていた。信号待ちの合間、時折彼の手を握ってあげた。
「大丈夫、怖くないよ」
彼の家には、母親が待っていた。一見、感じのよい雰囲気ではあった。オレは自分��名前を名乗ると母親は、
「あらら、理事長先生がこんな遠くまで!? 大変ご迷惑をおかけしました」
と深々を頭を垂れた。彼はそのまま無言で家の中に入って行ったが、その間ずっとオレの姿を目で追っていた。それでも、
『これでよかったのだ』
と自分自身に言い聞かせるしかなかった”
“八月一日
杉山校長から、啓介君から電話があったと話があった。オレは書類整理をしていたが、どういう経緯かは不明だが例の鞭打たれた跡について母親が気付き、その問い合わせがあったらしい。半ばヒステリックな声だったと、彼は言っていた。オレは心配になり、
「ちょっと行って来る!」
と自分のセドリックに乗った。
夕方近くに到着したが、出迎えた母親は泣き腫らした様子だった。開口一番、
「理事長先生! どういうことですか!?」
と訴え、隣に座っていた啓介君の着ていたポロシャツをたくし上げた。彼は泣きじゃくっていた。
「う、うちの啓介、いじめに遭ってるンですか!?」
と彼女は聞いた。オレは返す言葉がなく、ただ黙っていた。
その後、母親の狂気じみた声が居間に響きわたった。オレも流石に耐えかねたが、
「母さん! もう止めてよ!」
と啓介君が突然立ち上がり、悲鳴の様な声で制止した。彼は言った。
「オレはもう嫌なンだ! ずっと『イイ学校』『イイ会社』って言われ続けながら母さんには黙っていたけど…。ただ国立T大学に入ったら何やるの!? 僕ァ、父さんの様な平凡な人生は送りたくない。ただ結婚して家庭を持って…全然夢がないじゃないか! 僕はそんな人生に価値はないと思う。今のK高校に来て、僕は気付かなかった人生を見つけたンだ…。母さん、僕は男が好きです! あのアザは僕が好きな先輩と『セッ◯ス』して出来たものです!」
これまで自己主張もせずにただ両親の言われるがままに行きてきたのだろう。オレは彼の方を見入っていた。母親は、恐らく我が息子のこの様な言動に遭ったことがないのだろう、ますます錯乱した様だった。啓介君はオレの手を持ち、
「理事長先生! 僕、寮に『帰ります』! こんな家にいたら、僕、自殺しそう!」
と訴えた。オレは彼の放った「自殺」という言葉に衝撃を受けた。
「啓介君! 生んで育ててくださったお母様の前で『自殺』という言葉はないだろう! 先生も怒るぞ!」
「否、僕は本当のことを言っているンだ! もうイヤだ…」
「…」
二人の嗚咽が居間に響き渡った。オレは、この家自体を憎んだ。一体、何がそうさせたのだろう? 性の歓びを見出し、本来の自分自身を見出した啓介君、一方で一流の大学や企業に進めば苦労しない人生が保証されるという世間の「呪縛」に囚われそれを良かれと我が子に訴えてきた母親…どちらとも悪くはない。オレは言った。
「…お母様、これまで啓介君をここまで育て上げるのに色々なご苦労をされたかとお察しします。���かに、今は一流の大学に進めば一流の企業に入れ、そのまま一生涯安泰と「年功序列」の思想が根付いています。未だ日本は成長をしていくかと思いますが、いつまでもその状況が続くとは限りません。私どもは可能な限り、その様な時代の変化に対応できる将来の人材を育成すべく教育しております。
しかし、啓介君を含め、この十六、十八歳という年齢は思春期ということもあり、自我が芽生え始める時期でもあります。彼の様に性を通じて本当の自分自身に気付くお子様も少なくありません。きっと、これまでの教育方針に対し自我の芽生えによって啓介君も葛藤をされてきたのでは…?
今回、身体に出来たアザについては他の教職員からは聞いていたものの、ご連絡しなかったことについては申し訳ありません」
これが、オレができる最大限の謝罪だった。母親は未だ冷静になれない様だった。啓介君も大粒の涙を溜めていた。オレは、今日は彼を寮に連れて行かないことにした。オレは言った。
「もし何かありましたら、私どもの方までご連絡ください。夜間でも寮に当直がおりますので、お電話いただければ対応いたします」
帰り道の車中にて、オレはこれまでにない疲労感を感じた。この夜は流石に爆睡だった”
“八月三日
杉山先生から、寮の当直をしていた山本先生から啓介君より連絡があったと話あり。やはり寮に戻りたいと訴えていたらしい。あれから両親とは話ができたのか、気掛かりで仕方がなかった。
理事長室の隅に置かれた時計が秒針を刻む音に半ば苛立ちながら、オレは情人(アマン)が来るのを待ちわびるかの様な心情に駆られた。一度は肉体同士の接触があったが、それだけでオレは彼と一心になっていた感覚でいた。もし教育者と一生徒という関係でもなければ、あの場で彼を連れて帰っていた。母親を弁護することもなかったろう。
午後二時になり、啓介君が帰って来た。オレは直接来たのかと聞くた。彼は言った。
「…先生、会いたかった」
すると彼はオレの背中に両腕を伸ばし、抱いてきた。途端にオレの胸の中で涙を流し、やがて嗚咽も聞こえてきた。
「大丈夫、泣くのはおよしよ」
とりあえずオレは啓介君を寮に連れて行き、当直をしている山本先生に事情を話した。まずは様子を見て欲しい、と。また、一昨日彼の家に行った時のことも話した。山本先生は、
「じ、自殺!?」
と驚いていたが、今の精神状態なら大丈夫だろうと伝えた。”
“八月四日
一晩過ごしたが、山本先生からは何の連絡もなかった。オレは大丈夫だったのだろうと安堵した。
午前九時過ぎ、理事長室に啓介君がやって来た。彼はオレを抱きしめてきた。すっかり好いてしまっている様だった。オレは彼にキスをした。舌を彼の唇の隙間に忍ばせ、込み上げてくる唾液を呑み合った。彼はそれが「快」と感じたのかスラックスのベルトを外��始めた。オレは声をかけた。
「此処ではまずい」
オレは雑木林の中にある「別荘」に連れて行った。しばらく寝泊まりしていなかったからか、室内はジメジメしていた。そんな中でオレは彼のワイシャツのボタンを外した。ブリーフだけになった彼を目前に、オレもワイシャツを脱いた。ブリーフだけになると早くもチ◯ポの先端が濡れていた。こんな性衝動は初めてだった。彼をこれでもかと言うくらいにキスをし、乳房や股間を愛撫した。自殺なンて馬鹿なことは考えるなと、繰り返し心の中で叫びながら…。
気付くと二人は真っ裸になっていた。白いブリーフがベッド元に重なっている。これは身も心もさらけ出していることを意味していた。オレは彼と一体になった。
「あッ、あァ、あはァァァん…」
何度も乳房を鷲掴みにし、吸い続けた。その度に彼は歓喜の声を上げ、乱れに乱れた。ほのかにサーモンピンクへと全身が火照り、彼はオレの唇を求めた。
「…け、啓介」
いつしかオレは敬称を付けずに呼んでいた。ただ十六歳の彼をオレは愛した。全身に無数の汗が滴り、シーツが濡れた。
啓介君は、用を出すだけしか知らなかった穴をもって女の様に快感を得ることを知ってしまった。いつしか彼は激しく腰を揺さぶり、オレの身体にしがみついた。
「あ、愛してる…!」
耳元で彼はそう囁き、オルガズムに達した。オレも彼の体内に愛液を噴射させ、
「啓介!」
と激しいキスをした。
情事の後、ベッドで抱き合いながらオレは言った。
「もう『自殺』という言葉は使わないで」
すると、
「…死にたくない。こうやって愛してくれてるから」
と彼はオレにキスをした。
これで総てが終わったと思った。啓介君が愛されることで新たな人生の方向性を見出し、進んでくれるとオレは信じた。”
貢は、父・操もまた一人の生徒を愛してしまったのかと思った。オレは生徒には手を出したことがないし、そんな度胸もなければやってはいけないと、頁を進めた。しかし、日記はしばらく何も書かれておらず、急に「九月一日」まで飛んでいた。恐らく、その間に啓介が自殺をしたのだろう。
“九月一日
啓介君が雑木林の中で首吊り自殺を図り、憔悴する暇もなく両親が教育委員会に訴えると騒いだ。父親は、杉山校長に訴えた。
「国立T大学への進学率がイイと聞いて入学させたら『���モ』にさせられた挙げ句、自殺まで追い込んで...。この悪党! 人殺し!」
父親は国家公務員だった様だ。彼は他の保護者から、お宅のお子さんは大丈夫か、「ホモ」にさせられてないかと根掘り葉掘り聴取し、何人かの生徒からその気がある様だという話を聞きつけるや、
「理事長を出せ!」
と罵った。杉山校長は流石にビビッてしまい、
「理事長! 何とかしてください!」
とすがりついた。殴り込みに来た父親に対し、オレは土下座もした。罵声を浴びさせられた挙げ句、胸ぐらもつかまれた。正直、辛かった。啓介君を愛していたのに、自ら生命を絶ってしまったのだから…。裏切りの何物でもない。
オレは父親が帰った後、雑木林の中で慟哭した。啓介君が首を吊った杉の根元にひざまずき、喉がやぶれてしまいそうなほど声を上げながら泣いた。”
この部分を読みながら、貢は高校二年だった頃を思い出した。そう言えば、両目を泣き腫らした様子で操が家に帰って来たのだ。母の茉莉子がどうしたのかと心配したが、彼は、
「…すまないが、独りにさせてくれ」
と言って部屋に籠もってしまったのである。ちょうど父の書斎の隣に貢の部屋があったのだが、壁越しに号泣する声が聞こえたのだ。しかし、何故泣いているのかを聞くことはできなかった。嗚呼、きっと啓介君のことだったのだろうと、彼は思った。
もし岩﨑の言う通りにその啓介君の声が聞こえたのだとしたら、オレに何ができるだろうと貢が考えた。
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kennak · 1 month ago
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「企業のネットが星を 被おお い、電子や光が駆け巡っても」国家や民族が消えてなくなるほどではない近未来が舞台の『攻殻機動隊』などで、後のクリエイターに多大な影響と衝撃を与えた漫画家、士郎正宗さん(63)。デビュー40年を迎え、世田谷文学館(東京都)では初の大規模展が開催される中、読売新聞の単独書面インタビューに応じ、これまで生み出した作品や創作の秘密、AI(人工知能)がもたらす人間の未来などについて縦横無尽に語った。近年ほとんどメディアの取材を受けていない士郎さんの貴重な語録をご覧あれ。(文化部 池田創) 展覧会では、『攻殻機動隊』の主人公の素子の印象的なセリフが印刷されたのれんが来場者を出迎える(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 世田谷文学館で大規模展 ――デビュー40年を迎えられて、どのようにお感じになっていますか。  そもそも寡作な上、諸事情による中断・未発表・ボツ作品が多過ぎて読者諸氏に申し訳ないものの、何とかここまで生き残る事が出来て大変に幸運だったと思っています。活動が東京や他業種に広がるに連れて「水中を歩いて進むかの様な状態」になり、40年、色々と大変でした。また書籍などの荷物が転居や避難に適さない分量になっています(笑)。 ――代表作「攻殻機動隊」は海外でも熱狂的な人気が続いています。  最初期に出版物の海外展開を頑張りました。望外に細長く継続しており、ありがたい限りです。 ――今回の世田谷文学館の展覧会は大量の原画が間近で見ることができ、充実した展示内容です。 士郎正宗さんのコメントとともに作品世界を振り返る巨大な年表(東京都世田谷区の世田谷文学館で)  今回このような機会を頂き大変感謝しております。僕程度の小規模 傭兵ようへい 型漫画家でこういった事が可能なら、日本のコンテンツ業界はもっと多様多彩な作家・作品を、深掘り探索・開発活用出来るのではないかと思います。 ――「攻殻機動隊」をはじめ、ご著書は情報化社会を予見していると言われます。  たまたま運良くタイミングや関係者の都合に合致し話題として取り上げて頂いているだけで、僕以外にもそういった作家・作品は多数存在していると思います。情報化社会の好ましくない側面があまり大きくならなければ良いですね。物騒、殺伐、トラブルは架空妄想物語の中だけで十分です。 ――AIの発展についてどのように感じていますか。  利便性と損害可能性は表裏一体、これまで考えられなかったレベルの明るい未来の可能性が開ける一方で、悪用や視野 狭窄きょうさく が起き、見えざる支配も容易になっている。研究開発に係る方々には頑張って頂きたいなと思います。 簡易強化外骨格、遠隔操作系ロボット類の開発が現実的 ――幼少期に親しんだマンガや小説はどのようなものがありますか。 デビュー作『アップルシード』のラフスケッチなどが並ぶ展示室(東京都世田谷区の世田谷文学館で)  アニメ版の「鉄人28号」や「エイトマン」から入って、雑誌「りぼん」(一条ゆかり氏、大矢ちき氏、弓月光氏などなど)、松本零士氏、永井豪氏、細野不二彦氏の影響が大きいですね。大学以降は諸星大二郎氏、星野之宣氏、大友克洋氏の存在が大きいと思います。 ――「攻殻機動隊」で描いた人間の身体と精神の関係はどのように感じていますか。  脳や体が一体として機能している中では、脳が優位の制御系があったり、体が優位の制御系(例えば副腎とか脊髄反射系とか)があったり、交換可能な部分や欠損許容部分(例えば昔は虫垂や 胆嚢たんのう を結構普通に切除していた)があったり、複雑で不思議に出来ていると思います。  義体化のような、身体交換は僕が生み出した要素ではありません。スタニスラフ・レム氏の『君は生きているか?』や、日本のマンガアニメ界においては石ノ森章太郎氏の『サイボーグ009』などの有名作品がすでにありました。サイバネティクスの一般的な目的は医療や軍事だと思いますが、今後は老化・劣化対策というのも存在感を増すかもしれません。個人的には年々増加中の災害現場における簡易強化外骨格や遠隔操作系ロボット類の開発を進める方が現実的かなとは思います。 ――ご著書に細かく書き込まれた欄外文章の役割や狙い��教えてください。  リズム感が単調になりがちな説明セリフや会話を物語内部から減らせる、それによってキャラの練度・演出を高めに設定出来る、物語と読者の距離の調整ができる、などでしょうか。昨今、いや昔もこういう方法は 流行はや りではありませんが……。 ――押井守監督のアニメーション映画版のご感想をお聞かせください。  個人的には原作に気を使っている部分が押井氏にしては多めの1作目より、押井氏節全開の『イノセンス』の方が好みです。いずれも一生懸命作って頂いてありがたいなと思っております。 ――ネット社会の広がりやAI技術の発展をどう感じておられますか。  人工知能の偏向学習、悪意ある人 達たち による人工知能活用と、対策する側の人工知能活用の格差、オンライン上に無い膨大な情報の無視や軽視など、課題は山積しているのではないかと感じています。世界は 繋つな がって狭くなると同時に、逆に分断細分化が進んで互いの距離が開き、問題解決の可否、明暗の格差も広がっている様に感じています。今まさに『言葉が通じなくなってバベルの塔が崩壊し始めている』状態でしょうか。人工知能育成では可能な限り、真実や実態に近い情報を得て優先解とするような、何らかの情報検証機構が必要でしょう。 コスパタイパ重視では驚きや発見も無い ――ネットに常時接続することが当たり前になりました。そのことをどのように感じてらっしゃいますか。  一般的なネット通販をほぼ利用しておりませんが、ネット社会になってからの方がサービスの質が低下&商品を探しにくくなったように感じています。便利、合理的、コスパタイパ重視の姿勢は内向きになりがちで、冗長性や余白が少ない分、周囲を見渡す余裕が減少し続けるし、ひいては驚きや発見も無く窮屈ですね。昔のSFでは「監視管理社会」は人々の敵として描かれるのが一般的だったのですが、現代では意外とそういう管理監視社会の利点も許容されているように思います。とはいうものの、今後もDXが進み常時接続が常識常態化し、行政サービスやインフラなどの分野で、高度化し便利で安全で充実した幸福度の高い世の中になっていくと良いのですが……。 ――「攻殻機動隊」ではサイボーグ化しても人間の内にある「ゴースト」という概念が存在します。「ゴースト」とは何でしょうか。 展示室の中央には『攻殻機動隊』の原画が並び、迫力のある筆致を間近で感じられる(東京都世田谷区の世田谷文学館で)  正確か否か、定義可能か、とは別にして、宗教や哲学や文学昔話の分野で古くから使われている「たましい」「霊魂」「ソウル」などの単語が印象���して一般的には伝わりやすいのではないかと思います。「何だかよくわからないが、存在しているように思えるモヤっとしたものを『ゴースト』と呼ぶ」のも娯楽分野では分かりやすくて良いかな、ということで単語を使用しています。  犬や小鳥も感情を有することが一般的にも知られており、感情は人間だけが持つ最上位の機能・特別な評価対象ではない、という観点から、マンガ版ではゴーストという単語において「感情に特別な意味を持たせていない」つもりです。当然ながら人の価値観はそれぞれなので、僕と他のアニメ版の監督諸氏とでもこうした諸々に対する考え方に違いがあるわけですが、その事自体も含めて、作品を異なる角度から捉えて楽しんで頂ければ良いなと考えています。 神話は魅力の塊なのだが… ――ご著書はシリアスな展開と迫力のある戦闘シーンの間にギャグが挟まりますね。作中におけるギャグの効用とはどのようなものでしょうか。  シリアスとギャグの挟み方や割合、そもそも混在を容認するか否か、など受け取る方々の価値観も観点も実に多様なので「万人にとって満足できる作品」というのは僕には難しいなと考えています。僕の取り扱うキャラクターたちは明日をも知れぬ立場なので、悲観的に備え楽観的に対処する、冗談でも言っていないとやっていられない、といったタイプが多めになっています。会話の軽さと行動、判断の速さ厳しさのギャップを楽しんで頂ければ良いかと思います。 ――『仙術超攻殻ORION』は日本神話をモチーフにしたファンタジーです。神話の魅力を教えてください。  神話と呼ばれる物語達は限られた要素と根源的な思考や解釈と想像力で織り上げられ、時代や民族の壁を越えて生き残っている、「選び抜かれた精鋭達」です。人々の心情や思考型や文化を映す鏡として、魅力の塊と言っても良いですね。一方で歴史を振り返ると、建築や芸術や情報戦において支配者や宗教組織や抵抗組織の都合や思惑と深く関わったと思しきものも多く、純粋に「素晴らしいか?」と問われると、答えに困る側面もあります。 ――『攻殻機動隊』のフチコマや、『ドミニオン』の小型戦車ボナパルトなど、作品からは戦車愛を感じます。 正義感にあふれる女性警察官のレオナが活躍する『ドミニオン』のコーナー(東京都世田谷区の世田谷文学館で)  「頑丈で壊れにくくて安全度が高い&移動以外にも何か作業が出来る乗り物」が好きですね。作��内に描く機会はなかなかありませんが、消防関連や港湾作業用の特殊車両、土木建築系や農林作業系の特殊機能車両なども同じように楽しくて興味深いと思っています。 気負わず��張らず、自己ベスト更新維持 ――現在はイラスト制作や、画集刊行に活動の比重を置いておられますね。  マンガやアニメやゲームの企画書・プロット・シナリオなども色々と作っているのですが、なかなか最終商品の形にまで進める事が出来ておらず、イラストや画集は関係者や予算が少なくても実現可能な 為ため か商品の形になりやすい、というのが理由かと思います。 ――女性のエロチシズムを感じさせる美麗なイラストを生み出されています。 展示室の後半は、雑誌に発表した色鮮やかなカラーイラストが目を引く(東京都世田谷区の世田谷文学館で)  モノクロでは描写しにくいがカラーでは比較的描写が容易で、競合が起きにくいと思われる光沢の肌にこだわっています。近年の画集においては、似た構図やポージングの微差バリエーションを連続、重複して描くことで、アニメの原画をパラパラと連続で見る時に近い印象や効果の誘発が起きないかと工夫しています。 ――近況を教えてください。  今も40年前も変わらず東京ではなく関西にいて不規則不健康な生活をしながら昼夜延々と絵やプロットや駄文を描き続けています。視力体力の減少により、未読書籍が積み重なっています。 ――今後の執筆への意気込みや読者へのメッセージをいただければと思います。  気負わず欲張らず、自己ベスト更新維持で変わりなく、他にしたい事も無いので、ダラダラ延々と何かを作る日々を送ると思います。読者諸氏にはまた次の作品でお会いした際に、何らかの形でお楽しみ頂けると幸いです。
「攻殻機動隊」士郎正宗、ネット社会・AI発展に警鐘「言葉が通じなくなってバベルの塔が崩壊し始めている」 : 読売新聞
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m12gatsu · 3 months ago
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主語にならないわたし
しわぶき、止まず。再診にかかって強めの咳止めを出してもらった。処方箋の説明書に、「アルコールは薬の作用を強くします」とあったので、じゃあ飲んだ方がええやんけ、と思った。ノンアルのお湯割りをちびちび飲む。ノンアルの蒸しタオルを顔に押し当てる。
家人が湯上がりのブラトップ姿でパイナップルを食べていたので、「おっパイナップル」と俺は頭に浮かんだ言葉をそのまま口にして、「関係のないナップルの部分までなんかエロい言葉にきこえますね」と思ったことをそのままいったら、「ニップルみたいだからじゃないですか」といわれた。
ある地下鉄のほぼ端から端まで1時間くらい乗っていく用事があって、サリン事件から30年ということも頭にあって、村上春樹の『アンダーグラウンド』を出がけに引っ掴んで鞄に入れた。ずいぶん前に買って、少しだけ読んで、怖くて読めなかった。今を以て、読み進めるのにかなりの勇気が必要だった。ほとんど自傷だと思った。読む自傷。人が死ぬ小説を平気で読み進めることと一体何が違うんだろう、ということを考えた。この本が出版されたことの意味というか意義みたいなものを考えた。家人とも色々話した。こんなに悲惨な出来事を平気で読める方がおかしいよね、ということをいったら、平気でいられることと、切り離して考えたり、気持ちを切り替えたりできることは違うからね、と彼女はいった。子どもが生まれてから、子どもが死ぬ話を読んだり観たりできなくなった。
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wankohouse · 1 year ago
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栗浜陽三 (文・写真) 『九十九里浜』 より 雑誌MLMW (ムルム) No.5 (1978年5月号) 掲載記事
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栗浜陽三 九十九里浜(写真)
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栗浜陽三 九十九里浜(文・写真)
 
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九十九里浜・しなやかな風景 写真と文 栗浜陽三 
九十九里浜が、何県にあるかを知らない人でも、その名の持つ雰囲気に、何か特別のイ メージをお持ちであろうと思う。太平洋に面した、その茫漠たる長い長い浜の風物は、浜というものが持つ様々の要素を凝縮させて、 我々の期待感や夢を��たしてくれるかのように思える。しかし残念ながら今では九十九里浜の魅力の殆どは、過去のものとなってしま った。一体、十数年前の、あの素朴で夢のよ うに美しかった九十九里浜は何処に行ってしまったのか。この僅か数年の間に、都会人の荒々しい神経で浜は汚され、美しい砂の起伏は姿を消し、近代化の手は浜に沿って長々とハイウエイを引いてしまった。九十九里浜にとって、全く無意味としか思えないこのハイウエイプランを耳にした時、私は自分の心の中の大切な部分を引きさかれる思いがしたが、土地の政治家というある人は、それは芸術的
↑栗浜陽三 九十九里浜(文)
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栗浜陽三 九十九里浜(写真)
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栗浜陽三 九十九里浜(写真)
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栗浜陽三 九十九里浜(写真)
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栗浜陽三 九十九里浜(写真)
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栗浜陽三 九十九里浜(文・写真)
 
[上のページの画像から自動文字起こしをして、誤判読に気付いた所は修正したけど、誤判読が残っているかも知れない]
しなやかな風景●九十九里浜
・・・は黒ダンの前袋の両脇から黒々と毛をかき出して男らしさを競ったといい、亦、漁から浜に帰って来る舟は、長い竿を舟の両側につき出して、その先に黒褌を結びつけ、尾長鶏の尾羽根のように海風になびかせてもどって来たと話してくれた。
私がせめて十数年早く九十九里を訪れていたら、目にしたであろうこれは誠に九十九里の匂いのする昔語りであった。 それでも私は消えてゆく残り火の色を見る ように、時折浜で数少ない漁師の浜仕事や、 女達のフラミンゴの踊るような鮮やかな作業っぷりを見る事が出来た。
度び重なる私��九十九里訪問につれて、私の仕事友達や学生達が浜を訪ねるようになり、若々しい彼等の裸身が浜をにぎわすようになった。彼等はアっと いう間に海風にやけ、町中まで褌姿でのし歩き地引網を楽しみ、九十九里独特の丸板の波乗りをし、別人のように生き返った。
私は丸裸で浜仕事をする漁師をたびたび目にしたが、 この風俗は戦後アメリカ人の手前禁じられてしまったその名残りであった。中年の漁師が性器の先をワラシベや布切れで結んで褌の代用としている様も、決して雑でも奇異なものでもなく、浜の風物の中ではごくノーマルに感じられた。これは海水に濡れたままの褌の不衛生さを彼等がきらったからだという。
浜の女達はよく働いた。小柄でたくましいマイヨールの彫刻のような彼女達は、舟を浜に 引き上げる時には男以上の働きを見せた。母 親の仕事を見ている少女の背中の、赤ン坊の顔には、一刷毛はいたようにウッスラと砂が乗っていた。
十年以上訪ね続けている私の目には、浜の舟の数が年々少くなって行くのがよく解った。最初一、二年の間、浜にそびえていた何艘かのK家の船もいつしか姿を消した。民宿が急激に増え、そしてドカンと音のするようにハイウエイが浜に沿って走り、浜と村を引きさいたのである。庭から海に裸で飛び出してゆけた私達もトンネルをぬけて海に出る為に廻り道をしなくてはならなくなった。浜は見る見る中にゴミが打ち上げられ、マイカーが波打ぎわを走りぬけ、ビーチパラソルが立ち、その下で一日中マージャンをするという馬鹿げた男達が東京からやって来た。日本人は本当のゼイタクの楽しさや味わい方を知らないし、知ろうともしない。なぜ九十九里に都会生活をそのままズルズルと引きづって来る必要があるのだろうか。彼等は潮騒をきく代りに、浜でトランジスタラジオをきこうとする訳なのである。民宿になった素朴な土地の家で、海の香りを味い、あるがままの九十九里の生活に思いきり身をまかしてこそ、本当のゼイタクの楽しさではないだろうか。ハイウエイは私如き人間の知らない理由で必要なのかも知れないが、その代り、日本一のあの美しい浜の風景は二度ともどってこないのである。
K家にはその頃四年程続けて、ある外国の大使館の青い目の客が来るようになった。映画スターのような見事な���女達であった。私の友人の若者達とこの美女達は、伸々打ちとけ合う機会がなかったのだが、ある日、彼女達がK家の前庭の椅子に腰をおろして読書を楽しんでいる最中に、この若者達が海からもどってきたのである。彼等はオイルで鋼のように輝く背中をみせてタオルやマットを干し始めた。その姿を一人のブロンド娘がしみじ ・・・
↑栗浜陽三 九十九里浜(文)
 
以上の写真と文は雑誌MLMW(ムルム) No.5 (1978年5月号) 掲載記事『九十九里浜』より
これらの文章を読むと、栗浜は性的にも、性的な物を離れても伝統を残したままの海やそこに暮らす漁師を愛していたことが判る様だ。また、他の記事を読むと祭りについても性的にも、性的な物を離れても愛していたことが判ると思うよ。
栗浜のオリジナルは持ってないからウェブから集めた画像だけど、九十九里浜は良い画像がなかったんだ
一応拡大して補正はしておいたけど画質はちょっと残念だね
世間一般では本名の藤井千秋でイラストレーターとして有名な人なんだよ~
藤井千秋は画像検索したらいっぱい出てくるよ
2つの名前の作風の違いに驚くよー!
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magenetratranslations · 2 days ago
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Philadelphia (English Translation)
フィラデルフィア Philadelphia
youtube
Music/Lyrics wotaku https://x.com/wotaku_aaa
Art J1U https://x.com/j1u_zzz
Video Riesz(Strelitzia) https://x.com/Riesz_edit
Lyric Design Heetami(Strelitzia) https://x.com/heetami_
Strelitzia https://strelitzia.biz/
Translation Kagamine_Neko (feat. Serene_Snowfall)
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口を開くなよ 誰もお前の発言を許可してない 爪先から順に解体されるのをただ眺めてりゃいい コンクリートの部屋 6月の雨の音が悲鳴を掻き消し 誰にも知れぬまま朽ち果てていく そう あの日の俺のように Shut your mouth, who the fuck said you could talk? All you have to do is watch as you get taken apart bit by bit– Shall we start with the tips of your toes? The sound of the rainy season’s downpour drowns out your screams in the bare concrete room Rotting away without anyone knowing– That’s right, just like me from that day
一つだけの居場所 本当の家族だと思っていた仲間 平和じゃなくて 喧嘩もあった でも 確かに絆もあった It was the only place I felt I belonged I thought of my comrades as family It wasn’t all conflict-free; we had our fights But we were held together by a strong bond
いつからだった 仕組まれていた 俺だけが一人 敵だった 罪を被せて逃げたヤツがいた お前だよな I wonder, when did the little schemes start? I alone had been made their enemy A traitor framed me and fled You know who that is, don't you
愛 Money 罪人は処刑 再会 許さない Love. Money. Sinners must be executed Reunion– I will not allow it
助けは無い 救いは無い どこが痛い? 俺も痛い No one will help you Nothing will save you Are you hurt somewhere? Well, I’m hurting too
誰も気づかねえよ お前みたいなクズが一人消えて 席が一つ空いて別のクズが座る No one is gonna give a damn When a piece of trash like you goes missing, More rubbish will fill your place
どうせ変わらない 不条理 暴利 負けりゃゴミのように奉仕 そんなヤツを助けたい 訳じゃない Not a thing will change– Absurdities, racketeering, the loser becomes a filthy lackey I want to save them– As if
二人だけの話 あの時の仕返し 忘れたとか無し 復讐を果たし Remember our one-on-one chat? It’s time for my payback Don’t even try to act like you forgot I will get my revenge
朽ち果てていく そう あの日の俺のように You will rot away– That’s right, just like me from that day
親父の部屋から消えたハジキ 賭けでスッたマージン 泣いて何も言わぬ女の懐にチャージ 袖の下に 出所不明のマニー 保険屋もグルらしい One of Boss’ straps went missing But you lost your yield to the gamble You cry and rush into that tight-lipped bitch for support* Now there’s dirty money under the table The insurance broker is apparently in on the scheme
買い慣らしたサツと葬儀屋 売られた俺と家族達の絆、金、プライド もう戻れぬ遠きメモリア 蝶の羽を彫ったあのバカな女は どこにやったんだ? The cops and the undertakers were all obediently bought out I was sold out, along with our family’s bond, money, and pride The memories are long gone, there’s no going back That stupid bitch with the butterfly wing tattoo– Where is she now?
愛 Money 罪人は処刑 再会 許さない Love. Money. Sinners must be executed Reunion– I will not allow it
助けは無い 救いは無い どこが痛い? 俺も痛い No one will help you Nothing will save you Are you hurt somewhere? Well, I’m hurting too
愛 騙った 判断誤った スタンガン 血濡れたソファ 着火 奪った 末端がやった 散弾 フィラデルフィア Feigned love lead to a misjudgement Stun Gun. A sofa dyed in blood. A no-name underling with a stolen firearm Took his shots in Philadelphia
愛 騙った 判断誤った スタンガン 血濡れたソファ 着火 奪った 末端がやった 散弾 フィラデルフィア Feigned love lead to a misjudgement Stun Gun. A sofa dyed in blood. A no-name underling with a stolen firearm Took his shots in Philadelphia
愛 騙った 判断誤った スタンガン 血濡れたソファ 着火 奪った 末端がやった 散弾 フィラデルフィア  Feigned love lead to a misjudgement Stun Gun. A sofa dyed in blood. A no-name underling with a stolen firearm Took his shots in Philadelphia
口を開くなよ 誰もお前の発言を許可してない 爪先から順に解体されるのをただ眺めてりゃいい コンクリートの部屋 6月の雨の音が悲鳴を掻き消し 誰にも知れぬまま朽ち果てていく そう あの日の俺のように Shut your mouth, who the fuck said you could talk? All you have to do is watch as you get taken apart bit by bit– Shall we start with the tips of your toes? The sound of the rainy season’s downpour drowns out your screams in the bare concrete room Rotting away without anyone knowing– That’s right, just like me from that day
*support could be coming from the girl’s fancy boob window and/or the traitor could be paying her so she to offers them a lending hand
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simamamoru · 11 months ago
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戦闘服の男たちNo.1
さぶ増刊号 1985/7
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G-men 2009/6
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§1 夜明け前
 俺は島護、25歳の陸上自衛隊員だ、体付がごついのでゴリラの様だと皆言う、勿論短髪、入隊して3年、我ながら戦闘服姿が板に着いて来たと思う。今俺は、ジープのドライバーとして、この久しぶりの大演習に参加している。
 演習場の空が、ようやく白み始めてきた。午前4時、俺の運転するジープは、戦車がさっきこねくりまわしていったぬかるみを、ケツを左右にふりながら最後の目的地にむかっている。夜通しの演習は何度も経験してるけど、3日めになるといつも意識もうろう、ただ気力だけで動いているっていう感じ。頭は短髪だからなんとかなってるけれど、顔は不精髭、体だって風呂なんか演習中入れないので汗と埃でべっとりしている。隣で無線機片手にさっきまで巻くっていた金城3尉も、いまは黙りこんでいる。
 金城3尉は27歳、骨太ですげえいい体しているんだぜ、頭はいつもさっぱりと刈りこまれた短髪で、いかにも沖縄生まれっていう顔は本当に野生の証明そのものだね。
 実は俺、前から憧れっていうと照れくさいけれど、気になる人だったんだ。けれども違う小隊の幹部だったのでなかなか話すチャンスも無いし、遠くから見てるだけ。だから今度の演習でジープの運転手として一緒に行動をするって聞いた時とても婚しかったよ。
 そんな金城3財が、ポツリと
「元太の奴、どうしてるかな。」
元太っていうのは、俺の同期で、九州からきた高橋士長のことだ。あいつも図体でけえくせに俺より3歳も年下で、口は悪いが性格よくてなかなか憎めない奴だ。
 そんな元太なんだが腰を痛めたとかで演習の3日ほど前から入院して-まっている。たしか金城3尉の小隊だったはずだ。
「ああ、あいつのことなら心配せんで下さいよ。キングコングみたいな、図体がそう簡単にへこたれませんよ。」
「ひでえこと言うなあ。おまえもゴジラみてえな体してるくせに。」
「じゃ、金城3尉は大魔神じゃないですか。」
 あは、言ってしまった。3尉殿に大魔神だなんて、思わずペロリと舌をてしまう。
「お前も元太と一緒で可愛い奴だな。」
「エヘ、そうですかぁ」
 なんて冗談を言っているうちに眠気も覚めてきた様だ。
 夜も明ければ状況(訓練)終わり。終われば休暇が待っている。
§2 事件発生
 演習が状況終了になると、その夕方は演習場の天幕(テント)の中で恒例の大宴会が始まることになっている。正直言ってこれを楽しみにしている隊員も多い、汗臭い戦闘服を脱いだ時の解放感と、酒を飲んでポロリと出る本音のぶつかり合いがたまらなく好きなんだよな。
 あたりも暗くなり宴もたけなわ、俺たちの天幕は8人のむくつけき男どもで足のふみばもないくらいだ。さっきまでの疲労の色もなんのその、酒は命の水とはよく言ったもんだ。
 幹部同士で呑んでいた金城3尉が赤らめた顔をして、焼酎の一生瓶をかかえてやってきた。そして俺の隣に座りこむ、
「おい、島、飲んでいるか。まっ一杯飲め!」
と言って一生瓶をさしだしてきた。
「3日間、御苦労だったな。お前のおかげだ、さあ飲まんか!」
 いくら俺が力自慢でも金城3尉に押えつ��られたら手も足も出ない。
 それでも有無を言わさず、瓶ごと口につっ込んでくる。俺、思わずむせてしまった。そしたらやっと力を緩めてくれた。
「ふーっ!助かった。もー殺さんでくださいよ。」
 あたりに笑い声が響き渡った。
 そんなとき、俺の手がぐっと3尉に、握られていることに気がついた。
 熱い手だった。急に頭がクラクラとしてきた。酔いが回って来たようだ。だんだん意識が……
「島士長!起きてください」
がんがん鳴り響く闇の底から起こされたのは、午前3時。俺をゆさぶっていたのは、不寝番の伊藤一士だった。重い頭をかかえながら起き上がると伊藤一士は
「高橋士長が、地区病院から行方不明になったそうです。今部隊から連絡が有りました。」
 頭がボーッとしている俺は最初その事態の重大さに追い付いて行けなかったが。少しして、
「な、なんだって!元太が逃げたって!」
 隣で寝ていた金城3尉も起き上がって来た。
「元太がどうしたんだ。」
「地区病院から脱柵(脱走)たって……」
「あの馬鹿野郎!いったいどうしたんだ。」
 3尉もまだ酔っている様だ。俺は戦闘服をひっかけると、半長靴を急いで履き
「金城3財、中隊に電話してきます。」
といって天幕を飛び出した。いったい元太の奴、なにがあったというんだ。まだほとんど冷めて無い酔いとともにそんな思いがぐるぐるめぐっていた。
 電話のある天幕はこの時間には誰もいない、さっきも不寝番が飛んで来て受けたのだ。
 俺は中隊へ電話かけた。こんな事件のあった時は必ず当直が誰かひとり起きているはずだ。
「はい、3中隊当直幹部です。」
「演習部隊の島士長ですが、高橋士長の件でどうなったのか、知りたいと思いまして。」
「ああ島か、三上2尉だ、どうやら午前2時ごろいなくなったらしいんだがな。」
「いったいなにが原因何ですか、」
「それは俺が知りたい位だ。」
「じゃ、詳しい事はまだ…・・・・。」
「そんな所だ、島士長、あまり心配せんで移ろ。」
俺は、演習場に居て何も出来ない自分にどうしようもないいらだちを感じていた。
「何かわかったら電話下さい。俺、ここでまってます。」
 そういって竃話を切った。
§ 3 ふたたび夜明け前
 いつのまにか後ろには金城3尉が立っていた。
「詳しいことはまだわからないそうです、なんか信じられないっすよ。」
 金城3尉は、俺の肩を抱きながら、
「元気出せ島。元太は戻って来る、必ずな。俺も一緒に連絡を待とう。」
 そういって3尉は、持って来た一生瓶を俺に差し出した。俺は進められるままに一生瓶ごとくい飲みした。自棄酒だな、まったく。
「どうだ、もっと飲め。」
 金城3財は、自分でも一杯飲むと、今度は俺を天暮のシートの上に押し倒した。ふだんならこうも簡単に倒れるわけないのだが酔ぱらってなんだか分からなくなってきた。
「まだ飲み足らんか、お前は可愛いやつだぜ。」
 金城3時は、俺の体の上にのしかかって来た、酒の匂いと共に戦闘服に染み込んだ男の匂いがムッ、としてきた。
 気が遠くなりそうな、でも俺、嫌じゃなかった。
 金城3尉の手が俺をきつくだきしめる。耳に熱い吐息がかかる、だんだん体から力が抜けていく……
「元太の所へ俺だって飛んでいきたいんだ、島、分かるかこの気持ち、実はな、俺はこの中隊に来てからずっとお前ら2人が気にいっていたんだ。元太はともかく、お前だって俺は遠くから見ていたんだ。だがな、こんなふうになるとは思ってもみなかった。元太の奴め、俺は寂しいよ。」
そういい終わると静かに唇を重ねてきた。熱いものが体の中から沸いてくる。
 3尉は俺の職闘服の上衣のチャックをおろすと胸のあたりをなぜまわし始めた。
「ウーツ」
 自然に声が出てしまう。いつのまにか戦闘服のズボンのボタンも外されていた。
 そして無造作に手が突っ込まれてきた。
「堅いな。」
 そう言って俺の気持ちを確かめると、おもむろに酒を煽り、口移しで酒を送り込んできた。
 あまりの量の多さに口から溢れてしまった、金城3尉は舌でそれを拭うと���た、唇を重ねてきた。舌と舌が口の中でからみあう、それに加、て強い雄の臭いがたまらなく俺を刺激する。
「金城3尉!た、たまんねえよう。」
 俺はあえぎ声を出してしまう。
「そうか、たまんねぇか、もっと良くしてやる。」
と、言って戦闘スポンからず大くなった俺のモノを引き摺りだした。
「体にお似合いのゴツいモノだな。」
 そう言いながら唾をおれのモノに垂らすと、指で一番敏感な所をこねまわしてきた。もう片方の手は俺の口の中に容赦無く入り込んでくる。
「どうだ、今度は俺の番だ。」
 といいながら、自分の戦闘ズボンの前をまさぐり、俺に馬乗りになってきた。そしていきり勃ったモノを口にねじ込んできた。
「ウグッ!」
 むせ返るような強い臭いに圧倒され、俺は無心に頬張る。その間にも金城3尉は俺のモノをこねくり回す。
「いいな島、この事は2人だけの秘密だからな。」
 腰を動かしながら金城3尉がいう。
 頬張りながら俺がうなずく。
 そして3尉は、一層堅くなったモノ引き抜くと体をずらし、俺の爆発寸前のモノと自分のモノを一緒に握り、激しくシゴキだした。
「ウ、ウッ島、」
「キ、金城3尉ー」
 二人は、押し殺した声でお互いの名を呼びながらおびただしい量をほとばらして果てた。それは、戦闘服のはだけた分厚い胸にふりそそいだ。それを3尉はていねいになめると軽く口を重ねてきた。 
 俺はだんだん気が遠くなりそのまま寝てしまった。
§4 捜索
 翌朝俺と、金城3尉は元太の捜索に協力する為、一足先に演習場を出発した。
 二人とも照れ臭いのか黙ったままだ、だがその沈黙を破るように3尉が、
「昨日のこと、覚えて要るか。」
 と、ひとこと言った。
「え、ええ。」
 俺は思わずどぎまぎして答えた。
「嫌だったらごめんな。」
「そんな、始しかったです。」
 言葉少なめに答える。ジープが信号で停車した。
 シフトレバーを握る手がもうひとつの大きな手に包まれた。
 中隊に帰るとすぐ捜索に加わったが、その日の手がかりは何も無かった。
 だがその夜、金城3尉あてに電話が掛かってきた。
「元太、お前何処にいるんだ。え、よし分かった今行く。」
「島!来い」
 慌てて3尉は飛び出して行く、俺も急いで付いて行く。シープは二人を乗せて夜の町へ走り出していった。
 5分もジープを走らすと、ヘッドライトが道に立っている元太を照らしだした。
「さあ早く乗れ、一緒に中隊に帰ろう。」
 金城3尉が元太に話掛けた、だが、
「俺、帰りたくない。」
 と、一言言ったまま黙って仕舞った。
「仕方が無い、じゃ、俺のアパートに来い、それならいいだろう。」
3尉がそう言うと黙って元太はうなずいた。
 結局元太は、退職していった。奴の腰の病気は、自衛官として仕事を続けていきり直ることはないというものだった。
��陸曹になり、幹部に成ることを元太は夢見ていたのにそれが挫折してしまった。それがつらくて逃げだしてしまったそうだ。
 俺も3尉もなにもしてはやれなかった。あんなに丈夫な奴だったのに。
「俺は、野原でひと暴れする為に自衛隊に入ったんだ。小銃片手に演習場を走り回る、屈強な男だけに許された仕事さ、だけどこの体じゃもうそれもできねぇ。たとえ部隊に戻れても、どうも事話関係の仕事に回されて任期がくれば、はいさよなら そんなのやだぜ」
 そう言ってあいつは国へ帰って行った。
§5明日へ
 それから数週間が過ぎた。あれ以来金城3尉ともなかなか話する機会もなくたまに目で挨拶をかわすぐらいしかできない日が続いた。
 そんなある日、再び金城3尉のドライバーとして演習の偵察に行くことになった。もちろん3尉のご指名…っていうか元太の後釜。
 ほとんど単独行動になるのでずっとふたりきりという訳だ。俺もじっとまってたよこの日をね。
 けれども仕事は、そんな俺の甘い考えをふっとばすかのようにとても忙しかった。話すことは仕事上のことばかり、演習場のなかをシープは縦横に走り抜けて行く。
「さあ、これで終わりだ。島士長、シープを降りて一休みでもしよう。」
 と金城3尉がいったのは午後の日が沈みはじめた時間になっていた。
「はい」
 と返事をして俺はジープを道端に止めた、あたりは一面に草がおい茂っている。
 3尉は降りて立小便をはじめた、おれも並んではじめる。
「フーツ」
 小便が終わっても二人はそのままたっていた。ふと金城3尉の方を俺は見た。横顔が夕日に染まっていた。3尉もこちらを向く、視線が絡み合う。
「久しぶりだな。」
「長かったけど、俺待ってました。」
 ふたたび前を向くと、金城3尉は俺の肩を抱いて茂みの中へ歩き出した。
 夏の終わりの演習場は背の高い草に覆われ、ほんの少し足を踏み入れただけでそこはもう二人だけの世界になっていた。
「俺の事好きか?」
 と、金城3時が聞く。俺が目でうなずく。
 肩に回された手に力が入り思いっきり抱き締められた、背骨が折れんはかりの力である。
 ああ、これが俺たちの愛し方なんだ、有無をいわさぬ強引さで右手が開いたままになっていた戦闘服のズポンの前に突っ込まれてきた、すでにはちきれんばかりとなっている俺のモノを引き摺りだすと唾を付けてシコキだす。
「たまんねぇよぅ。」
 俺はうめき声を金城3尉の耳元でささやいた。
「よーしいいぞ。」
金城3尉はうなずくと、しゃがみ込み俺のモノをくわえこんだ。そして両手で俺のズボンのボクンをはずし際まで下ろす、右手は俺のケツのあなをいたぶり、左手はキンタマを滑り回す。
 そして俺の手は金城3尉の頭をがっちりと押さえ込んでいた。
「金城3尉ーもうがまんできねぇー。」
「うるせぇまだだ。」
 そういうと3尉は、俺を後ろ向きにした。
 俺は覚悟をした。
 ベトベトになった俺のモノをこねくり回しながら、ケツを舐め始めた
「あっ汚いっす」
 臭くないわけがない、それでもグッと舌を突っ込んで舐めまわす。
 俺は快感に蹂躙された。
 3尉は立ち上がって口を拭う。
「いいな。」
 と、一言いうと、自分の戦闘スポンから見事に怒り狂ったモノをまさぐり出し、俺のケツにあてがった。そして乳首を…
 俺が、つい、力を抜くと同時にゆっくりと先の方がめり込んできた。
「ううつ・い、痛ェよう。」
「なあに痛てえだと?男ぞ!がまんせんかあ。」
 そういうと、腰に��わした手に力を込めてきた。物凄い力で俺のケツが引き裂かれる様に少しずつねじ込まれてくる。
「し、島、入ったぞおーっ」
 3尉がうめく様に汗を拭いながら言う、俺もまだ着たままの戦闘服で額の汗を拭った。
「まだ痛いか。」
俺は首を横に振る。
 ゆっくりと金城3尉は腰を使いはじめた、手は俺のモノをシコキだす、もう片方の手は俺の戦闘服のチャックを下ろし、シャツをたくし上げ、乳首をいたぶる。
 いつのまにか俺は金城3財の動きに体を合わせていた。
 
 突然金城3尉の体が痙攣し、俺のモノが思いっきりシゴかれた。体の中で激しいほとばしりを感じると同時に、俺も勢いよく草むらに噴出してしまった。
 そしてそのまま二人ともその場に倒れこんだ。
 二人で大きなためいきをつくと、寝っころがったまま空を見上げた。あたりはすっかり夕焼けで真っ赤になっている。
 ふと、金城3尉が言った。
「島、お前も満期(2任期‥4年)で除隊しちまうんか!」
「ええ、そろそろ国へ帰って親父の現場仕事でも手つだおうか、とでも思っていたんですが。」
 本当はまだどうするか決めていなかった。
「そうか。どうだ、島、陸曹候補生受けてみんか。」
 陸曹になると俺たち陸士の様な任期制の際員と違い、定年まで勤務ができる様になる。つまり職業軍人というわけだ。勿論その為には、試験があり。学科だけでなく、体力検定、基本教練、あげくの果てには小銃担いで障害物競争をする武装走まであるという苛酷なものだ。正直言って一度受験したらもうたくさんと思ってしまう。
「でも、この前一度受けて落ちましたから。」
「一度ぐらい落ちた位でなんだ。もう一度受けてみろ。お前は自衛隊に憧れて入隊してきたのは分かっている。演習に出ている時、お前は一番いい顔をしているじゃないか。」
 
 そう言って金城3尉は立ち上がった。そして、
「島、そこの俺の帽子見てみろ。」
 俺は、そばに落ちていた帽子を拾い上げた。
「あっ、この帽子は…」
「そうだ。元太のだよ。あいつが辞めた時、補給陸曹に頼んで交換してもらったのさ、」
「そんなに金城3尉は元太の事を、」
「そうだ、今でもお前と同じくらいな。好きだったよ。だがな、あいつは気付いてなかったよな。そんなこと。ただの口うるさい小隊長さ。」
 ジープに寄り掛かりながら話てくれた。
「じゃ、俺が辞めても何か俺の身につけていてくれますね。」
 すると俺の方を睨みつけて言った。
「馬地野郎!まだわからんのか。お前は陸曹になるんだ。そして俺に付いて来い!必ず良かったと思う。もう別れの寂しさなんかまっびらだ。」
 そう言いながら俺を強く抱きしめた。迷いが少しずつ消えていくような気持だ。
「よし!俺、また挑戦します。」
「その調子だ、島、俺が合格するまでたっぷりシゴクぞ。」
「エへ、じゃ、合格したらシゴイてくれないんですかぁ。」
二人は顔をあわせて笑った。(終わり)
さぶのカットと、G-men 版の挿画
どちらも木村べん氏。挿画はべん氏より頂いた鉛筆画のコピー。
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codesk · 27 days ago
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【5月まとめ】アニメ練習/絵は音楽聴きながら描けて最高
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5月前半は旅に出ていたのであまり作業できませんでした。
EPこの期に及んでまだ手放したくなくて動画を作っています。それくらい自分には大切な曲です。ちゃんと決まったらXか何かに報告します。
DROMI(https://www.fenrir-inc.com/jp/dromi/)というiPadの絵コンテ作成アプリで珍しく絵コンテから作っています。ちょっとクセあったりタイミングが不明瞭なので、結局DaVinci Resolveでタイミングをしっかり決めた後カットを分けて音と一緒にクリップスタジオに取り込んで…と珍しく計画的に作業しています。
それにしても、絵は音楽聴きながら作業できて最高では?色々聴いて自分の曲聴いて、とあっちこっちしていると自分のマスタリングの良くないところが分かって良かったス。ウス
数曲を反芻して作る方法が合っているのかもしれない(下手の横好き)
あと、絵を描くターンになってたくさん落書きしました。今後も青空に浮かぶとか…浮かばないとか…青空…?ハテ
5月つぶやき
2025/05/02 絵コンテ。左手デバイスのこと忘れてしまう
2025/05/12 ぜっかめんえきりょうほう(処方箋失効)
2025/05/13 マウスの音が気になったので静音マウスを買おうか悩んだ。キーボードに右クリックなどを設定してみた。意外と快適。
マスタリング。
2025/05/15 マスタリング。3月に作ったものは簡単に終わったのにそれより前に作っていたものは全然ダメだ。一体何が変わったんだか。
2025/05/16 早く発表したい。頭の中のアニメーションが念で投影されたらいいのに
2025/05/18 iPadのクリスタで絵を描くと目と姿勢が悪くなるのでPCとミラーリングしてiPadを液タブのように使ったら思ったより遅延なく快適だった
タップで戻ったりできないので左手デバイスやキーボードは必須。ストローク狭人間なので液タブが大きすぎて躊躇していたが思わぬ方法で解決した
2025/05/26 ↑結局契約せずiPadオンリーで今に至る
舌下免疫療法のステージアップしたら耳が痒い!舌の裏もブヨブヨしてる!やばい!髪切って来る
2025/05/27 絵描くの楽しい
2025/05/29 DaVinci Resolveなんでもできる。カメラが引いて行くカットでどこまでをどのパースで描く必要があるかの検証
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2025/05/31 寒い。
描いたもの
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メイドの日に堪らず書いたらくるくる数字さんにRTして頂いて感情が第九(激動)🙏Odaさんも;
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who?
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合成音声が所属するT着て欲しい…
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医療に関わること言えない(とある動画を履修して描いた。翻译很困难(ホンヤクタイヘン))
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友達になれるかな?
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食べてる時じっとしてないのらしい。綿100かエアリズムしか着なさそう
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髪が落ちるところあと1枚描いた方がいい
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振り向き理解した
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岐路に立つ
買ったもの(アフェリエイトじゃない)
Apple Pencil(第2世代)用ペンタブ風グリップ 太軸TB-APE2GFWCCR
Apple Pencil用のグリップです。Amazonで700円ぐらいで購入しました。
Apple Pencil手が痛くならない…?カバーしたまま充電できるやつあった
左手デバイス(TABMATE2)を買ったのでタップは切ってますが良い感じです。Apple Pencil使い始めて3年以上経つのに今更感がすごい…
面倒くさがりでこういう地味なストレスになかなか気付かない。ゲームのカメラ操作の上下とかすぐ適応するから本当どっちでも良い、むしろオプションを変えることが面倒だと思ってクリアーまでする。今は長い作業中なので手や肩の疲労感は格段に良くなりました。
そういえば、先月末に購入したTABMATE2接続する手間が微妙に面倒なことは秘密にしておいて、無くてはならないものになりました。特にアニメーションで使用すると格段に便利。コマンドはこうしています(今後頻繁に変わる予定)
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方向パッドの右左で前のフレームパカパカは何度しても良い。立って作業することもあるので手を下に下ろして作業できるのも良いです。
頂いたマシュマロ
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これはスーパーで200円ぐらいを引き換えに頂いたマシュマロです
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チッチッと偶に舌打ちするトースターで焼きます
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甘〜〜〜
そういえば
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ニコニコ動画で10年前に投稿していた「ていていしんじゃえ」▶️と「ミサイルキラー」▶️がもう少しでミリオンっぽいです
当時爆発的に人気になることはありませんでしたが長く楽しんでいただけて光栄です…本当に
ちなみに最近よく描いている青髪の子は「ていてい」やalbum「ナンセンス」のキャラと同じです。究極の手癖から生まれたキャラクターです。
絵、ちょっとは上手くなって来たかな。相変わらず病んだり病まなかったり不安定な心模様を過ごしています。
それでは、また来月
si-o
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petapeta · 4 months ago
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8 世紀の日本の歴史の年代記である日本書紀によると、有力な高位の大臣であった平群真鳥(498 年没)は、伝説的な第 24 代天皇である仁賢天皇(449 年~498 年)の死後、権力 を奪い、国を支配しようとしました。真鳥は、亡き天皇の幼い息子である将来の武烈天皇(489 年~507 年)の代理で行動していると主張し、この相続人のために委託された壮大な宮殿に住んでいました。 武烈は成長すると、真鳥の息子である平群鮪の秘密の恋人であった影姫に求愛を始めました。影姫が皇子の誘いを断るとどうなるかを恐れ、しぶしぶ会うことを了承した時、真鳥は武烈へ馬を提供するよう命じられた。大臣は命令を受け入れ、あざけるように「誰のためにこの宮殿の馬を飼っているのか?もちろん、彼の命令には従わなければならない」と言ったが、故意に馬を遅らせました。 その妨害にもかかわらず、武烈は最終的に詩の朗読会で影姫に近づきました。鮪は邪魔をしようとしましたが、脇へ追いやられました。この二人の若い男たちは、比喩の中に脅迫と侮辱を隠した詩を交換しました。鮪が身を引くことを拒否したとき、武烈は次の詩歌を使って影姫に直接愛を宣言したが、鮪は自分の愛こそが影姫が必要とする唯一の愛であると返答しました。 武烈はその時、鮪と影姫がすでに恋人同士であることに気づきました。馬の一件を思い出し、無礼に激怒した武烈は、鮪を処刑し、真鳥を殺すよう手配しました。恨みでいっぱいとなった真鳥は、死ぬ前の最後の復讐として、最終的に呪われた塩が天皇の食卓に届くことを期待して海の全ての塩を呪いました。彼は数えきれないほどの地名を挙げましたが、どうやら角鹿地域に言及することを忘れていたようで、そのため、天皇が食しても安全なのは角鹿から来た塩だけだと信じられていました。
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kennak · 2 months ago
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以前統合失調症だった。今は寛解して、普通の社会人をしている。 広末涼子がクレイジーな話でちょっと思い出したので書く。 はじめに 統合失調症というのはいつも狂っているわけではなく、狂う時期と落ち着いている時期がある。 統合失調症患者はネットでは「やべー奴」として処理されているが、見た目には普通だし、会話をしていても意外と普通なので、あまり気付かないと思う。(「変わった人なのかな」と思う程度かも) 落ち着いている人はかなり長い間落ち着いているので、本人からカミングアウトされるまでわからないと思う。また、相当信頼されてなければ病気のことは言われないはず。意外と社会に多い。 これは統合失調症全般を解説したものではないのでそこは注意してほしい。 身バレしたくないので個人特定に繋がりかねない部分はかなりボカしている。具体的に話さないつもり。 感覚について 統合失調症のいわゆる狂う時期(前駆期・急性期)になると、いろいろなことが「わかり」始める。 なんでもかんでも「わかって」しまう。 「ああなんだそういうことだったのか」「そうか!」「わかった」「どうしてこんなことに今まで気付けなかったんだ」のようなことが毎日ものすごい量発生する。 この「わかったぞ!」という感覚は、勉強や仕事をしていてわからなかったことがわかったときと同じ。解放感と嬉しさがそこにはある。 このなんでもかんでもわかってしまうときの「わかり方」は基本的に論���的ではない。なのでわけのわからない意味の接続が脳の中で行われる。 たとえば「いちごが赤いのは、もともといちごは赤ちゃんだったためだ」のような理解をし始める。全く関連などないのだが、一度この理解がなされると今度はこれが前提知識となる。 それで「いちごが赤ちゃんだったから、赤ちゃんの髪の毛は黒いのか(つぶつぶ)」「待てよ?つまり人間の髪の毛が黒いのはいちごのおかげか?」のようなことを真剣に考えてしまう。 ギャグならおもしろいかもしれないが、現実なので全くおもしろくない。 そしてあらゆることがわかり始めるので万能感が増す。全能感があり、他人を見下すようになる。 他人を見下すというレベルではない。他人が、知能の劣った存在・脳の回転が異様に��い存在・猿のように見えてくる。会話不能な存在のような感じだ。 なぜなら自分が「明らかにすぐにわかってしまう」ことを、彼らは全然理解できないからだ。(他人から理解できないのはあたりまえだが) 自分が統合失調症にかかっていたときは「お前らの方が全員支離滅裂で統合失調症だ」と思っていた。 また、他人の心が「読める」ように感じたり、逆に読まれたりしているように感じることがよくある。(全能なのでそういうことができると思っている) 「俺はそいつの顔を見ただけでだいたい何考えてるかわかるんだよ」と言う人の強化版だと思ってもらえるといいかもしれない。 本来の他人の思考とは関係なく、自分の中で他人という存在が完結する。相手の中の合理性を考えなくなる。 人の話を全く聞かなくなるわけだな。 万能感の次はだんだん焦燥感が出てくる。これは信じられないほどの切迫感があり、今すぐに何か行動しないとまずいと感じてめちゃくちゃなことをし始める。 本人としては筋が通っているのだが、周りから見ると全然筋が通っておらずめちゃくちゃなので、狂った行動をする。 自分の場合は「これをしないと明日死んでしまう」という焦燥感が1週間ぐらい連続で続いて、死にたくなかったので狂った行動を取り続けた結果、精神と体力が疲弊して入院させられた。 おまけ。回復期について 統合失調症の回復期(落ち着いている時期)は、鬱っぽくなる。 自殺衝動も出てくる。自殺衝動というのは文字通り衝動で、「もう今すぐにでも死にたい」「この苦しみから解放されるなら今死なないと」という状態。 この自殺衝動はブラック労働での「こんな人生嫌だ……死にてえ……」の持続する死にたさではなくて、かなり衝動的。 死ぬためにいてもたってもいられなくなるような感じだ。なんだろうな。ブラック労働で死にたい場合はまだ理性的な判断で死を考える部分があるように思うが、感情的に損得など関係なく死を考えてしまう感じだ。 「こんな人生嫌だ……死にてえ……」の方の死にたさももちろんある。 自殺衝動の他は、回復期は本当に何もできない。外を歩くのだけで割と精一杯みたいなところがあった。 本を開いても文字が頭に入ってこない。文章を書こうとしてもすぐに疲れて30文字ぐらいでやめてしまうとか。 何をしてもつまらなかったのもしんどかった。この世に楽しいことなんて1つもないんだという感覚。 自分の脳なのに、自分の脳のように動かせないことがもどかしかった。今スラスラとキーボードを叩いているのは当時からしたら奇跡に近い。 社会復帰できてよかった。 まとめ 統合失調症の感覚を知ってもだからなんだよと感じる人もいるかもしれないけど、似たような経験をした人が社会で擬態しているかもなというのは、知っておくとちょっとお得かもしれない。 追記: 幻覚と妄想について 自分の場合は幻聴はほとんど無く(自覚してないだけかもしれないが)、幻覚は多少あった。 時計の針がものすごいスピードで進むとか、道行く人たちが全員知的障害者のように見えたことがあった。 明らかにリアルにそう見えていて、そのリアルさは今でも残っている。 あれはきっと幻覚だったのだろうなと理性では思うものの、感覚としてはどうしても幻覚だと思えていない。見たというより本人から見るとはっきりと実在していた。 ちなみにそのあたりで留置場に入れられた(※現実)。 ※ ここからかなり統合失調症患者っぽい文章になるので注意 留置場に入って気絶した後、ドラえもんが来て留置場の鍵を開けてくれるという謎の直感があった(そのときは地球によく似た異世界の地球にいると考えていた。オリジナルの地球は既に滅びているが、人類は銀河系に進出し技術発展を遂げてドラえもんが実用化されているという状態)。当然だが結局ドラえもんは迎えに来ず、警察に病院まで移送された。 警察からは病院に行くことは特に知らされず、移送するための車はなぜか飛行機械だと思っていた。 その車の音が異常にガンガンとうるさかったのは覚えていて、おそらくこれが幻聴だったのだろうと疑っている。他には、自分が見えていない範囲の世界が組み替えられていくようなガタゴトした音が聞こえていたりしていた。 それでその飛行機械で銀河系の中心地まで向かうのだと考えていたが、病院に着き、大勢の精神科医や警察官等に囲まれて身の危険を感じていた(現実的には、単なる精神異常者の診察と引渡し事務)。一方で自分はいつでも好きなタイミングで人類を滅ぼせると思っていた。 隔離室に入れられて、なんで「自分は正常なのに」、異常な人類どものせいでこんな目に遭わなきゃならないんだ、こんな地球もう滅ぼしてもいいかと思っていた。 そのときの感覚は、本当に異世界にいるような感覚で、とても同じ地球に自分がいるとは思えなかった。ありとあらゆる存在がまるで偽物のようで、一見すると確かにそれっぽいがどこかが確実に異なる感じがして、人も物も何も信用ならなかった。他人は異星人のようだった。 自分の場合の妄想は、もともとSFが好きだったこともあってわりと特異な形のものになっていて、ある程度科学に立脚していたと思う。 当時の妄想は今振り返って自分で書いてみるとちょっとおもしろいなとは思うが、ガチで信じ込んでいるので周囲の人からしたら意味不明な思考プロセスで行動をする厄介な人間だったと思う。 見知らぬ通行人に「なぜまともに生きようとしない?!」と言いがかりをつけて急にビンタしだしたりとか。だいぶ危なかった。というかこれは普通に傷害事件ですね。 そういうことをしていたので警察に連れていかれて入院したのでした。
統合失調症の感覚を説明する
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moment-japan · 1 year ago
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1973年 映画「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」
監督:中島貞夫
制作:東映京都撮影所
音楽:荒木一郎
出演:荒木一郎、クリスチーナ・リンドバーグ、川谷拓三、片桐竜二、水城マコ 他
東映チャンネルで「狂った野獣」をやっていて、死ぬほど笑った後に次は「ポルノの女王 にっぽんSEX旅行」と出てきたので、しばらくついでに観ようと思ってイトメンの「チャンポンめん」作りながら観てたら、出演者が何処かで見たことのあるキャスト。
(チャンポンめん懐かしいな。笑)
主人公が「いとしのマックス」とか「今夜は踊ろう」を歌っていた荒木一郎。
(この人、俳優もやってたんだ)
もう一人の女主人公が何処かで見たことのある女優でしばらく見てたら思い出して思わず、声に出してしまった。
「ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ〜血まみれの天使〜のクリスチーナ・リンドバーグじゃないか!信じられん、こんなんに出とったんか!」と夜中に画面に向かって驚愕する僕。
(凄い!凄過ぎる!笑)
爆弾製造を生業とする女好きな京都の青年の五味川一郎(荒木一郎)とスウェーデンの麻薬密売組織から日本に派遣されてきた美人運び屋のイングリット・ヤコブセン(クリスチーナ・リンドバーグ)が主人公のサイケデリック青春ロードムービー。
地元京都では一向にモテない五味川が一念発起、愛車に乗り込み何故か東京羽田へ女漁りに向かう。
(なんでやねん)
偶然出会ったイングリットのナンパに成功、意気揚々と愛車に乗り込み何故かまた京都に戻る五味川ご一行。
京都のオシャレなボロアパートに戻り連日、イングリットと緊縛プレイに励む五味川一郎。
(最初からだけどもう、ストーリーがおかしすぎる)
いろいろあって二人は別れる。
途中、イングリットは京都のクラブで違う男グループにマリファナパーティーに誘われその場で無理やりやられてしまう。
身も心も傷ついたイングリットを明け方の四条大橋で偶然見かけ再び彼女と暮らし始める五味川。
二人きりの生活が幾日か続いたある日、新聞でイングリットが麻薬犯罪容疑で警察に追われていることを知った一郎は、彼女を守ろうとするが時すでに遅し、日本の密売組織にばれ、警察がイングリットを連行。
エンディングはここでは書かないが、昔の東映らしいセンチメンタルで笑える終わり方。
五味川とイングリットのセックスシーンの最中に毎回部屋に入る西日に東寺の影が映し出されるところが自分的にツボすぎて、「なんでやねん、毎回東寺の影って。オシャレすぎるやろ、京都買いますの実相寺昭雄監督かよ」と笑いながら真夜中、テレビに向かって突っ込む僕。
昭和70年代の京都の景色満載。
五味川のアパートが近いのか何故か東寺がしょっちゅう出てくる(笑)。
朝方、四条大橋でタクシーに乗り込む五味川とイングリットの場面が60年代フランス映画のようで頭から離れない程オシャレなシーンでした。
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apothecaryscript · 3 months ago
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Episode 11 (Ep.35): The Hunt / 第11話(第35話)『狩り(かり/Kari)』
老宦官(ろうかんがん)「この際(さい)、血(ち)を薄(うす)めるのであれば、いっそこのような者(もの)を取(と)り込(こ)んでみては」
Ro-kangan ��Kono-sai, chi’o usumeru-node-areba, isso kono-yona mono’o tori-konde-mitewa.”
Old eunuch “If you’re going to thin the bloodline, why don’t you add this one to it?”
安氏(アンシ)「お気(き)に入(い)りは隠(かく)しておかないと、誰(だれ)かに隠されてしまうわよ」
Anshi “Okini-iri’wa kakushite oka-naito, dareka’ni kakusarete-shimau-wayo.”
Anshi “You should hide your favorites. Or else someone may hide them from you.”
――――――――――――――――――――――――――――――
高順(ガオシュン)「壬氏様(ジンシさま)、おはようございます」
Gaoshun “Jinshi-sama, ohayo gozai-masu.”
Gaoshun “Good morning, Master Jinshi.”
壬氏「明日(あす)からの準備(じゅんび)は整(ととの)ったか?」
Jinshi “Asu’kara’no junbi’wa totonotta-ka?”
Jinshi “Are you ready for tomorrow?”
高順「ええ、抜(ぬ)かりなく」
Gaoshun “Ee, nukari-naku.”
Gaoshun “Yes, everything is in place.”
壬氏「では、残(のこ)すはあの娘(むすめ)だけか…」
Jinshi “Dewa, nokosu’wa ano musume-dake-ka…”
Jinshi “So, all that’s left is that girl…”
高順「遠征(えんせい)に同行(どうこう)させるのであれば、隠し通(とお)すのは難(むずか)しいかと」
Gaoshun “Ensei’ni doko-saseru-node-areba, kakushi-toosu-nowa muzukashii-kato.”
Gaoshun “If you’re going to have her along on this expedition, I doubt that it would be possible to hide it from her.”
壬氏「分(わ)かっている。薬屋(くすりや)には、今回(こんかい)の遠征中(えんせいちゅう)に、自分(じぶん)の口(くち)から話(はな)すつもりだ。本当(ほんとう)の身分(みぶん)をな…」
Jinshi “Wakatte-iru. Kusuriya’niwa, konkai’no ensei-chu’ni, jibun’no kuchi’kara hanasu-tsumori-da. Honto’no mibun’o-na…”
Jinshi “I know. I plan to tell the apothecary the truth myself during this expedition. About what my true status is.”
――――――――――――――――――――――――――――――
桜花(インファ)「猫猫(マオマオ)~、お呼(よ)びだよ」
Infa “Maomaooo, oyobi-dayo.”
Yinghua “Maomao, you’re being summoned.”
猫猫「ん?」
Maomao “N?”
――――――――――――――――――――――――――――――
猫猫「失礼(しつれい)します。玉葉様(ギョクヨウさま)、何(なに)かご用(よう)でしょうか?」
Maomao “Shitsurei-shimasu. Gyokuyo-sama, nanika goyo desho-ka?”
Maomao “Excuse me. Lady Gyokuyou, How may I be of service?”
玉葉妃「用があるのは私(わたし)ではなくて…」
Gyokuyo-hi “Yo’ga aru-nowa watashi’dewa nakute…”
Concubine Gyokuyou “It’s actually not me who called you.”
壬氏「私の方(ほう)だ」
Jinshi “Watashi’no-hoda.”
Jinshi “It’s me.”
猫猫「う…。どのようなご用件(ようけん)でしょう?」
Maomao “U… Dono-yona go-yoken desho?”
Maomao “How may I serve?”
壬氏「この者(もの)を数日(すうじつ)、返(かえ)していただきたいと思(おも)いまして」
Jinshi “Kono mono’o su-jitsu, kaeshite-itadaki-tai-to omoi-mashite.”
Jinshi “I would like for you to return this one to me for a few days.”
玉葉妃「返して?」
Gyokuyo-hi “Kaeshite?”
Concubine Gyokuyou “‘Return’ her?”
猫猫(…そういえば、翡翠宮(ひすいきゅう)に戻(もど)ってきたのは、玉葉様の出産(しゅっさん)が終(お)わるまでの特別(とくべつ)処置(しょち)だったっけ…)
Maomao (…So-ieba, Hisui-Kyu’ni modotte-kita-nowa, Gyokuyo-sama’no shussan’ga owaru-made’no Tokubetsu-shochi dattakke…)
Maomao (I guess, technically, I’m only back in the Jade Pavilion as a special assignment, limited to the term of Lady Gyokuyou’s pregnancy.)
玉葉妃「まぁ…困(こま)るわ。その間(あいだ)、毒見(どくみ)はどうするの?」
Gyokuyo-hi “Maa…Komaru-wa. Sono-aida, dokumi’wa do-suruno?”
Concubine Gyokuyou “Oh, no. Who will taste my food during that time?”
壬氏「うちの侍女(じじょ)を貸(か)しましょう」
Jinshi “Uchi’no jijo’o kashi-masho.”
Jinshi “I will loan you my servant woman.”
玉葉妃「信頼(しんらい)できる方(かた)かしら」
Gyokuyo-hi “Shinrai-dekiru kata kashira.”
Concubine Gyokuyou “Is she trustworthy?”
壬氏「もちろん」
Jinshi “Mochi-ron.”
Jinshi “Of course.”
玉葉妃「数日というと、どこかへ出(で)かけるのかしら」
Gyokuyo-hi “Su-jitsu-to-iuto, dokoka’e dekakeruno-kashira.”
Concubine Gyokuyou “For a few days, though… Are you going somewhere?”
壬氏「断(ことわ)れぬ筋(すじ)から、狩(か)りに誘(さそ)われまして」
Jinshi “Kotowarenu suji’kara, kari’ni sasoware-mashite.”
Jinshi “I was invited to a hunting trip by someone I can’t turn down.”
玉葉妃「断れぬ筋?」
Gyokuyo-hi “Kotowarenu suji?”
Concubine Gyokuyou “Someone you can’t turn down?”
壬氏「子昌様(シショウさま)のお誘いです」
Jinshi “Shisho-sama’no osasoi desu.”
Jinshi “An invitation from Master Shishou.”
玉葉妃「大変(たいへん)ねぇ、お付(つ)き合(あ)いも。それで、うちの猫猫を借(か)りたいというのね?」
Gyokuyo-hi “Taihen-nee, otsuki-ai-mo. Sorede, uchi’no Maomao’o karitai-to iu-none?”
Concubine Gyokuyou “It must be tough to keep up with all of that. So, that’s why you want to ‘borrow’ my Maomao.”
壬氏「ええ。返していただければと」
Jinshi “Ee. Kaeshite-itadake-reba-to.”
Jinshi “Yes, I would like to have her ‘returned.’”
玉葉妃「猫猫じゃなくてもいいんじゃない?うちには他(ほか)にもいい子(こ)がいるわよ?」
Gyokuyo-hi “Maomao-ja-nakutemo iinja nai? Uchi’niwa hoka’nimo ii-ko’ga iru-wayo?”
Concubine Gyokuyou “Must it be Maomao? I have other good girls around.”
壬氏「いえ…その娘を返していただけたら、それでいいので」
Jinshi “Ie… Sono musume’o kaeshite-itadake-tara, sorede ii-node.”
Jinshi “No, just returning that girl to me would be fine.”
玉葉妃「えーっと…どの子のことかしら…」
Gyokuyo-hi “Eeetto… Dono ko’no koto kashira…”
Concubine Gyokuyou “Hmm… Which girl is it, I wonder?”
壬氏「ですから、その娘を…」
Jinshi “Desu-kara, sono musume’o…”
Jinshi “Well, that girl.”
玉葉妃「ふふっ、さっきから『その娘』としか言(い)わないのね」
Gyokuyo-hi “Fufu, sakki’kara ‘sono musume’to-shika iwanai-none.”
Concubine Gyokuyou “You keep saying just ‘that girl.’”
壬氏「あっ……それが何か?」
Jinshi “A……Sore’ga nanika?”
Jinshi “Is there a problem?”
玉葉妃「高順」
Gyokuyo-hi “Gaoshun.”
Concubine Gyokuyou “Gaoshun?”
高順「はい」
Gaoshun “Hai.”
Gaoshun “Yes?”
玉葉妃「あなたは、猫猫のことを何て呼んでるの?」
Gyokuyo-hi “Anata’wa, Maomao’no koto’o nante yonderu-no?”
Concubine Gyokuyou “What do you call Maomao?”
高順「私は…小猫(シャオマオ)、と」
Gaoshun “Watashi’wa… Shaomao-to.”
Gaoshun “I use ‘Xiaomao’.”
玉葉妃「じゃ、あなたは猫猫のことを何て呼んでるの?」
Gyokuyo-hi “Ja, anata’wa Maomao’no koto’o nante yonderu-no?”
Concubine Gyokuyou “So, what do you call Maomao?”
壬氏「う…あ、ん…」
Jinshi “U…a, n…”
猫猫(うん?あぁ、そーいや一度(いちど)も名前(なまえ)を呼ばれたことないな。別(べつ)にいいけど。何(なん)で壬氏様はソワソワしてるんだ?ん?)
Maomao (Un? Aa, sooiya ichido’mo namae’o yobareta-koto nai-na. Betsu’ni ii-kedo. Nande Jinshi-sama’wa sowa-sowa-shiterunda? N?)
Maomao (Oh. Come to think of it, he’s never called me by name before. Not that I mind. Why is Master Jinshi so uncomfortable?)
玉葉妃「ウフフフ…」
Gyokuyo-hi “Ufufufu…”
猫猫(玉葉様の許可(きょか)が下(お)りたのは、30分後(さんじゅっぷんご)のことだった…)
Maomao (Gyokuyo-sama’no kyoka’ga orita-nowa, sanjuppn-go’no koto datta…)
Maomao (It took thirty minutes for Lady Gyokuyou to grant permission.)
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馬閃(バセン)「茘(リー)、という国名(こくめい)は、その一文字(ひともじ)で、建国(けんこく)の物語(ものがたり)を表(あらわ)している。草(くさ)の下(した)に三(みっ)つの刀(かたな)…。草は華(はな)、帝(みかど)の先祖(せんぞ)である王母(おうぼ)を指(さ)し、その下の三つの刀は王母を助(たす)けた三人(さんにん)の武人(ぶじん)を示(しめ)す。三つの刀のうち、下二(ふた)つに比(くら)べて大(おお)きい刀は、北(きた)の大地(だいち)・子北州(しほくしゅう)を指(さ)す。子北洲一帯(いったい)は、高粱(コーリャン)や麦(むぎ)を栽培(さいばい)していて、さらに北に行(い)くと、山岳地帯(さんがくちたい)が広(ひろ)がり…て、聞(き)いてるのか!?」
Basen “Rī, to-iu koku-mei’wa, sono hito-moji’de, kenkoku’no monogatari’o arawashite-iru. Kusa’no shita’ni mittsu’no katana… Kusa’wa hana, mikado’no senzo-de-aru Obo’o sashi, sono shita’no mittsu’no katana’wa Obo’o tasuketa san-nin’no bujin’o shimesu. Mittsu’no katana’no-uchi, shita futatsu’ni kurabete ookii katana’wa, kita’no daichi, Shi-Hoku-shu’o sasu. Shi-hoku-shu-ittai’wa, kōryan’ya mugi’o saibai-shite-ite, sarani kita’ni ikuto, sangaku-chitai’ga hirogari…te, kiiteru-noka?!”
Basen “The character used to write the name of our nation, ‘Li,’ also depicts the story of its founding. Three swords under grass. ‘Grass’ is for ‘flower,’ representing the Mother Royal, ancestor of the emperor. The three ‘swords’ under it represent the three warriors who helped her. Of the three swords, the one larger sword represents the Shihoku-shu, the northern lands. That entire area grows sorghum and wheat. If you go further north, you enter a mountainous region… Hey, are you listening?!”
猫猫「…はっ。すみません、馬閃様」
Maomao “…Ha. Sumi-masen, Basen-sama.”
Maomao “Oh, I’m sorry, Master Basen.”
馬閃「これから行く場所(ばしょ)の説明(せつめい)をしてやってるんだぞ」
Basen “Kore-kara iku basho’no setsumei’o shite-yatterun-dazo.”
Basen “I’m explaining the place we’re going to.”
猫猫「確(たし)か北の…」
Maomao “Tashika kita’no…”
Maomao “The, uh, northern…”
馬閃「子北洲だ!壬氏様を狩りに誘った、子昌殿(シショウどの)の一族(いちぞく)が治(おさ)めている土地(とち)だ」
Basen “Shi-Hoku-shu-da! Jinshi-sama’o kari’ni sasotta, Shisho-dono’no ichi-zoku’ga osamete-iru tochi-da.”
Basen “Shihoku-shu! It’s controlled by Lord Shishou’s clan, and he’s the one who invited Master Jinshi on the hunting trip.”
猫猫(自分(じぶん)のお膝元(ひざもと)に、狩りと称(しょう)して呼びつけたわけか…。さすがに皇帝(こうてい)は来(こ)なかったが、そうそうたる顔(かお)ぶれらしい)
Maomao (Jibun’no ohiza-moto’ni, kari-to shoshite yobi-tsuketa wake-ka… Sasuga’ni kotei’wa konakatta-ga, so-so-taru kaobure rashii.)
Maomao (Using the hunt as an excuse to bring him to his own turf. He couldn’t get the emperor to come, but it’s still supposed to be quite a roster.)
馬閃「何でこんな娘を父上(ちちうえ)は…」
Basen “Nande konna musume’o chichi-ue’wa…”
Basen “Why does my father care so much about this girl?”
猫猫(父上…ねぇ。馬閃様は、高順様の息子(むすこ)らしい。今回、壬氏様とは別(べつ)の賓客(ひんきゃく)として招(まね)かれている高順様の代(か)わりに、付(つ)き人(びと)をするという。宦官(かんがん)と言っても、生(う)まれつき『無(な)い』わけじゃないし、年齢(ねんれい)からして子がいてもおかしくないか)
Maomao (Chichi-ue…nee. Basen-sama’wa, Gaoshun-sama’no musuko rashii. Konkai, Jinshi-sama-towa betsu’no hinkyaku-to-shite manekarete-iru Gaoshun-sama’no kawari’ni tsuki-bito’o suru-to-iu. Kangan-to ittemo, umare-tsuki ‘nai’ wake-ja nai-shi, nenrei’kara-shite ko’ga itemo okashiku-naika.)
Maomao (Father, huh? Master Basen is Master Gaoshun’s son, apparently. Master Gaoshun was invited on this trip as a guest in his own right, so Master Basen will serve as Master Jinshi’s aid instead. Eunuchs aren’t born that way, so it’s not strange for him to have a son, given his age.)
猫猫「うおっ」
Maomao “Uo.”
馬閃「そろそろ着(つ)くぞ」
Basen “Soro-soro tsuku-zo.”
Basen “We’re almost here.”
猫猫「ん?おお~」
Maomao “N? Oooo.”
猫猫(標高(ひょうこう)が高(たか)く涼(すず)しいこの場所(ばしょ)を、先帝(せんてい)は避暑地(ひしょち)として毎年(まいとし)訪(おとず)れていたという。今の帝になってから皇族(こうぞく)は訪れていないが、子昌様の一族が管理(かんり)しているらしい)
Maomao (Hyoko’ga takaku suzushii kono basho’o, sentei’wa hisho-chi-to-shite mai-toshi otozurete-ita-to-iu. Ima’no mikado’ni natte’kara kozoku’wa otozurete-inai-ga, Shisho-sama’no ichi-zoku’ga kanri-shite-iru-rashii.)
Maomao (With its high altitude and chilly weather, this region was the late emperor’s favorite summer resort, and he visited yearly. Members of the imperial family haven’t visited during the current emperor’s reign, but Master Shishou’s clan continues to manage the area.)
猫猫(ここに泊(と)まるのか…)
Maomao (Koko’ni tomaru-noka…)
Maomao (So, this is where we’re staying…)
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猫猫(この部屋(へや)…やたら暑(あつ)いな。それにしても、何なんだ、あのくつろぎようは。いつもより疲(つか)れているのだろうが、限度(げんど)がある。…あれは、頭巾(ずきん)?美(うつく)しすぎるから、遠出(とおで)をする際(さい)に覆面(ふくめん)が必要(ひつよう)なのか…)
Maomao (Kono heya… yatara atsui-na. Sore’ni shitemo, nan-nanda, ano kutsurogi-yo’wa. Itsumo’yori tsukarete-iruno-daro-ga, gendo’ga aru. …Are’wa, zukin? Utsukushi-sugiru-kara, toode’o suru-sai’ni fukumen’ga hitsuyo nanoka…)
Maomao (This room is strangely warm. And that aside, what’s with the way this guy’s relaxing? He might be more tired than usual, but still, there have to be limits. Is that a face mask? Does he need to hide his beauty whenever he leaves the room?)
馬閃「ここでは、何とお呼びすれば?」
Basen “Koko’dewa, nanto oyobi-sureba?”
Basen “What should I call you while we are here?”
壬氏「室内(しつない)ではいつも通(どお)りでいい。外(そと)では、香泉(こうせん)と」
Jinshi “Shitsu-nai’dewa itsumo-doori’de ii. Soto’dewa, Kosen-to.”
Jinshi “Indoors, you can use the usual name. Outside, call me ‘Kousen’.”
馬閃「かしこまりました、香泉様」
Basen “Kashikomari-mashita, Kosen-sama.”
Basen “Understood, Master Kousen.”
猫猫(はて?)「何(なに)か、変(か)わった趣向(しゅこう)でも?」
Maomao (Hate?) “Nanika, kawatta shuko’demo?”
Maomao (Huh?) “Is this some kind of strange rule?”
壬氏「それについては……」
Jinshi “Sore’ni tsuite’wa…”
Jinshi “About that…”
猫猫(…ん?)「今回、高順様も賓客として招かれているのですよね?」
Maomao (…N?) “Konkai, Gaoshun-sama’mo hinkyaku-to-shite manekarete-iruno-desu-yone?”
Maomao “Master Gaoshun was invited as a guest today, right?”
高順「そうですが…」
Gaoshun “So-desu-ga…”
Gaoshun “Yes, but…”
猫猫(それなら、なぜ同(おな)じ棟(むね)に配置(はいち)されたのだろう?本来(ほんらい)はもう少(すこ)し差(さ)がつきそうな間柄(あいだがら)だが…)
Maomao (Sore-nara, naze onaji mune’ni haichi saretano-daro? Honrai’wa mo-sukoshi sa’ga tsuki-sona aida-gara daga…)
Maomao (In that case, why was he placed in the same building? There seems to be a bit more difference in rank between these two…)
馬閃「馬(マー)の一族は、代々(だいだい)香泉様の一族にお仕(つか)えする。棟���同じなのは当然(とうぜん)だ!」
Basen “Mā’no ichi-zoku’wa, dai-dai Kosen-sama’no ichi-zoku’ni otsukae-suru. Mune’ga onaji-nanowa tozen’da!”
Basen “We, the Ma clan, have served Master Kousen’s family for many generations. Of course we’d be placed in the same building.”
猫猫「そうですか…」(やっぱり壬氏様はいいとこの出(で)なのか…うん、うん)
Maomao “So-desuka…” (Yappari Jinshi-sama’wa ii-toko’no de nanoka… Un, un.)
Maomao “I see.” (So Master Jinshi is from a good family, after all.)
馬閃「父上、どういうことでしょうか?まさかこの娘…」
Basen “Chichi-ue, do-iu koto desho-ka? Masaka kono musume…”
Basen “Father, what’s going on? Could it be that she…”
高順「ん……」
Gaoshun “N……”
高順「小猫は例(れい)のことを何一(なにひと)つ知(し)らない」
Gaoshun “Shaomao’wa rei’no koto’o nani-hitotsu shira-nai.”
Gaoshun “Xiaomao knows nothing about it.”
馬閃「え?!」
Basen “E?!”
高順「いずれ壬氏様が直接(ちょくせつ)お伝えする。それまでは、この件(けん)には触(ふ)れるな」
Gaoshun “Izure Jinshi-sama’ga chokusetsu otsutae-suru. Sore-made’wa, kono ken’niwa fureru-na.”
Gaoshun “Master Jinshi will tell her soon. Until then, stay silent about it.”
馬閃「いや、しかし…いくら何でも…いて!くうーぅ…」
Basen “Iya, shikashi… Ikura nan-demo… Ite! Kuuuuu…”
Basen “But still, of all things…”
猫猫(何をやっているのだ?…とりあえず、荷物(にもつ)の片付(かたづ)けでもするか。仕事(しごと)しないと、後(あと)で水蓮様(スイレンさま)に怒(おこ)られる)
Maomao (Nani’o yatte-iru-noda? …Toriaezu, nimotsu’no katazuke-demo suruka. Shigoto shinaito, atode Suiren-sama’ni okorareru.)
Maomao (What are they doing? Anyway, I have to help unpack and clean up. I have to do some work, otherwise Lady Suiren will get angry with me later.)
――――――――――――――――――――――――――――――
猫猫(あ~…外は宴(うたげ)で賑(にぎ)やかだというのに、なんで閉(し)め切(き)った部屋に閉(と)じこもっているんだ?)
Maomao (Aaa… Soto’wa utage’de nigiyaka-dato iu-noni, nande shime-kitta heya’ni toji-komotte-irunda?)
Maomao (It’s so lively outside with all the partying. Why is he hiding away in this sealed-off room?)
猫猫「あの…窓(まど)くらい開(あ)けたらいかがでしょう?」
Maomao “Ano… Mado-kurai aketara ikaga-desho?”
Maomao “Um, should we at least open the windows?”
壬氏「いや、いい。とりあえず、夕餉(ゆうげ)の毒見(どくみ)をしてみろ」
Jinshi “Iya, ii. Toriaezu, yuge’no dokumi’o shite-miro.”
Jinshi “No, don’t. Just taste the food for now.”
猫猫「あ…」
Maomao “A…”
壬氏「してみれば分かる」
Jinshi “Shite-mireba wakaru.”
Jinshi “You’ll understand when you do.”
猫猫「これは…スッポンですか?」
Maomao “Kore’wa… suppon desuka?”
Maomao “Is this… softshell turtle?”
壬氏「そのようだな」
Jinshi “Sono-yo-dana.”
Jinshi “Apparently.”
猫猫(食前酒(しょくぜんしゅ)も、果汁(かじゅう)の甘(あま)さでごまかそうとしているけど結構(けっこう)強(つよ)い。副菜(ふくさい)からデザートに至(いた)るまで…)
Maomao (Shokuzen-shu’mo, kaju’no amasa’de gomakasoto shite-iru-kedo kekko tsuyoi. Fuku-sai’kara dezāto’ni itaru’made…)
Maomao (The aperitif is really strong too, though they’re trying to hide it with the fruit juice. Everything, from the side dishes to the deserts…)
猫猫「何というか…精(せい)のつきそうなものばかりですね」
Maomao “Nanto-iuka… Sei’no tsuki-sona mono bakari desu-ne.”
Maomao “They all seem to be, well, invigorating.”
壬氏「分かっただろ」
Jinshi “Wakatta-daro.”
Jinshi “Now you see, right?”
猫猫(携帯食(けいたいしょく)?)
Maomao (Keitai-shoku?)
Maomao (Preserved food?)
猫猫「食べないのですか?毒ではありませんが」
Maomao “Tabenaino-desuka? Doku’dewa ari-masen-ga.”
Maomao “You’re not going to eat this? It’s not poisoned.”
壬氏「毒でなくても、食(く)うものではない」
Jinshi “Doku’de nakutemo, kuu-mono’dewa nai.”
Jinshi “Even if it’s not, it’s not anything I should eat.”
猫猫「では、残(のこ)しても怪(あや)しまれるので、私が食べてもよろしいでしょうか?」
Maomao “Dewa, nokoshitemo ayashimareru-node, watashi’ga tabetemo yoroshii desho-ka?”
Maomao “Well, it would be suspicious if it went untouched, so may I eat it instead?”
壬氏「勝手(かって)にしろ」
Jinshi “Katte’ni shiro.”
Jinshi “Do as you like.”
猫猫「うふっ」
Maomao “Ufu.”
壬氏「うまいか?それは」
Jinshi “Umai-ka? Sore’wa.”
Jinshi “Is it good?”
猫猫「おいしいですよ。スッポン以外(いがい)もおいしいと思いますけど、本当(ほんとう)に食べなくてよろしいのですか?」
Maomao “Oishii-desuyo. Suppon-igai’mo oishii-to omoi-masu-kedo, honto’ni tabe-nakute yoroshiino-desuka?”
Maomao “It’s delicious. The other dishes are probably great, too. Are you sure you don’t want any?”
壬氏「食べていいのか?」
Jinshi “Tabete ii-noka?”
Jinshi “Are you sure I can eat it?”
猫猫「はぁ。もともと壬氏様のお食事(しょくじ)です」
Maomao “Haa. Moto-moto Jinshi-sama’no oshokuji desu.”
Maomao “Well, it’s your food, after all.”
壬氏「本当にいいのか?!」
Jinshi “Honto’ni ii-noka?!”
Jinshi “Are you absolutely sure?”
猫猫(何なんだ?)
Maomao (Nan-nanda?)
Maomao (What’s with him?)
壬氏「…俺(おれ)はいい。馬閃、食っていいぞ」
Jinshi “…Ore’wa ii. Basen, kutte ii-zo.”
Jinshi “I won’t. Basen, you can eat it.”
馬閃「よろしいのですか?」
Basen “Yoroshiino-desuka?”
Basen “Are you sure?”
壬氏「ああ。むしろ食え」
Jinshi “Aa. Mushiro kue.”
Jinshi “Yeah. In fact, I order you to.”
馬閃「では…」
Basen “Dewa…”
Basen “In that case…”
馬閃「…美味(びみ)です!」
Basen “…Bimi desu!”
Basen “It’s delicious.”
壬氏「それは良(よ)かった…」
Jinshi “Sore’wa yokatta…”
Jinshi “That’s good.”
馬閃「ただ…」
Basen “Tada…”
Basen “But…”
壬氏「ただ?」
Jinshi “Tada?”
Jinshi “But?”
馬閃「…くっ。なぜこの娘は、平気(へいき)なのです?!」
Basen “…Ku. Naze kono musume’wa heiki nano-desu?!”
Basen “How is this girl not affected?!”
猫猫「なぜと言われましても…そういう体質(たいしつ)ですから」
Maomao “Naze-to iware-mashitemo… So-iu taishitsu desu-kara.”
Maomao “All I can say is that’s just how I’m built.”
馬閃「し、失礼(しつれい)いたします…私は、部屋に…」
Basen “Shi, Shitsu-rei itashi-masu… Watashi’wa, heya’ni…”
Basen “E-Excuse me. I’ll go to my room…”
猫猫(お若(わか)いとは大変(たいへん)である)
Maomao (Owakai-towa taihen’de aru.)
Maomao (It’s not easy being young and vigorous.)
馬閃「…あぁ…」
Basen “…Aa…”
猫猫「…どうしましょう?」
Maomao “…Do-shimasho?”
Maomao “What should we do?”
壬氏「ここで寝(ね)かせてやれ。俺はこいつの部屋で寝る」
Jinshi “Koko’de nekasete-yare. Ore’wa koitsu’no heya’de neru.”
Jinshi “Let him sleep here. I’ll sleep in his room.”
高順「ちゃんと部屋まで運(はこ)びますので…」
Gaoshun “Chanto heya’made hakobi-masu-node…”
Gaoshun “I’ll carry him to his room.”
壬氏「疲(つか)れているだろ」
Jinshi “Tsukarete-iru-daro.”
Jinshi “You must be tired.”
高順「そうおっしゃるなら…」
Gaoshun “So ossharu-nara…”
Gaoshun “If you say so…”
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高順「護衛(ごえい)たちは私の部屋を使(つか)うので、小猫はこちらの部屋を使って下(くだ)さい」
Gaoshun “Goei-tachi’wa watashi’no heya’o tsukau-node, Shaomao’wa kochira’no heya’o tsukatte kudasai.”
Gaoshun “The guards will use my room, so Xiaomao, please use this room.”
猫猫「はい」
Maomao “Hai.”
Maomao “Yes.”
猫猫(湯(ゆ)あみまでできるとは…贅沢(ぜいたく)だなぁ…。明日(あした)は狩りか…。つつがなく終(お)わるといいけど)
Maomao (Yuami-made dekiru-towa…zeitaku-danaa… Ashita’wa kari-ka… Tsutsuga-naku owaru-to ii-kedo.)
Maomao (A bath, too? How extravagant. The hunt starts tomorrow. I hope it goes without incident.)
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男1「これが例(れい)の…随分(ずいぶん)小型(こがた)だな」
Otoko-Ichi “Korega rei’no… zuibun kogata dana.”
Man-1 “Is this it? It’s quite small.”
男2「最新式(さいしんしき)だ。飛距離(ひきょり)と命中精度(めいちゅうせいど)も上(あ)がっている。これなら森(もり)の中(なか)でも狙(ねら)える」
Otoko-Ni “Saishin-shiki-da. Hi-kyori’to meichu-seido’mo agatte-iru. Kore-nara mori’no naka’demo neraeru.”
Man-2 “It’s the latest model. It has improved range and accuracy, too. With this, we can use them in the forest, too.”
男1「ここで、あの方には死んでもらう」
Otoko-Ichi “Koko’de, ano kata’niwa shinde-morau.”
Man-1 “This will be where they die.”
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猫猫(狩りは、宿(やど)から30分(さんじゅっぷん)馬(うま)に揺(ゆ)られ、徒歩(とほ)で一時間(いちじかん)山(やま)を登(のぼ)った高台(たかだい)で行(おこな)われる。お偉方(えらがた)が捕(つか)まえた獲物(えもの)をその場(ば)で調理(ちょうり)するという趣向(しゅこう)のようだ)
Maomao (Kari’wa, yado’kara sanjuppun uma’ni yurare, toho’de ichi-jikan yama’o nobotta taka-dai’de okonawareru. Oera-gata’ga tsukamaeta emono’o sono-ba’de chori-suru-to-iu shuko’no-yoda.)
Maomao (The hunt takes place at a location half an hour away by horse, and then one hour up the mountain by foot. It seems like the point of the event is to cook the game caught by the nobles on the spot.)
猫猫(やることがない…。散策(さんさく)でもするか)
Maomao (Yaru-koto’ga nai… Sansaku’demo suruka.)
Maomao (There’s nothing to do. Maybe I’ll take a walk.)
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猫猫(なかなかいい森だな…いい感(かん)じに薬草(やくそう)やキノコが生(は)えていそうな…ん?…大きな滝(たき)でもあるのか?…あ)
Maomao (Naka-naka ii mori dana… Ii-kanji’ni yakuso’ya kinoko’ga haete-isona… N? …Ookina taki’demo aru-noka? …A.)
Maomao (This is a pretty nice forest. It seems like a good place for herbs and mushrooms… Hmm? Is there a large waterfall nearby?)
李白(リハク)「お~、偉(えら)い偉い。う~、よしよしよしよし…お~、フヒヒヒ…」
Rihaku “Ooo, erai erai. Uuu, yoshi-yoshi-yoshi-yoshi… Ooo, fuhihihi…”
Lihaku “Oh, good boy! Good boy, good boy!”
猫猫(あれは……)
Maomao (Are’wa……)
Maomao (Hmm? Is that…)
猫猫「こんにちは」
Maomao “Kon‘nichiwa.”
Maomao “Hello.”
李白「こんにちは?あ~!嬢(じょう)ちゃんか!どうしたんだ?こんなとこで」
Rihaku “Kon’nichiwa? Aaa! Jochan-ka! Do-shitanda? Konna toko’de.”
Lihaku “Hello? Hey! Little miss! What are you doing all the way out here?”
猫猫「ちょっとご指名(しめい)があったもので」
Maomao “Chotto goshimei’ga atta-mono’de.”
Maomao “I was asked to join.”
李白「そうか。実(じつ)は俺(おれ)もよ、ご指名で護衛に入(はい)ったんだけど、犬(いぬ)の面倒(めんどう)でも見(み)てろってさ」
Rihaku “Soka. Jitsu’wa ore’mo-yo, goshimei’de goei’ni haittan-dakedo, inu’no mendo’demo miterotte-sa.”
Lihaku “Is that so? Well, same here. I was invited to join the guards, but they made me take care of the dog instead.”
猫猫(李白様も指名を受(う)けたのはいいが、地方出身(ちほうしゅっしん)の身(み)。他(ほか)の気位(きぐらい)の高い護衛たちに、追(お)い出(だ)された口(くち)だろう。最近(さいきん)どんどん出世(しゅっせ)しているようだが、その分(ぶん)風当(かぜあ)たりは強(つよ)くなる)
Maomao (Rihaku-sama’mo shimei’o uketa-nowa iiga, chiho-shusshin’no-mi. Hoka’no kigurai’no takai goei-tachi’ni, oidasareta kuchi daro. Saikin don-don shusse-shite-iru-yodaga, sono-bun kaze-atari’wa tsuyoku-naru.)
Maomao (Master Lihaku got invited to join too, but he’s from the countryside. The other prideful guards must have pushed him out. He seems to be climbing the ranks recently, but that does tend to be met with resistance.)
猫猫「口笛(くちぶえ)、下手(へた)ですね」
Maomao “Kuchi-bue, heta desu-ne.”
Maomao “You’re bad at whistling.”
李白「黙(だま)らっしゃい。いいんだ、これがあるからな」
Rihaku “Damarasshai. Iinda, kore’ga aru-kara-na.”
Lihaku “Hush, you. It’s fine. I have this.”
猫猫「賢(かしこ)いですね」
Maomao “Kashikoi desu-ne.”
Maomao “He’s smart.”
李白「だろ?場合(ばあい)によっちゃ、何里(なんり)離(はな)れてもやってくるらしいぞ」
Rihaku “Daro? Baai’ni yoccha, nan-ri hanaretemo yatte-kuru-rashii-zo.”
Lihaku “I know, right? I hear that in some cases, he can be summoned from miles away.”
猫猫「へぇ~…」(犬が、犬をなでてる…)
Maomao “Heeee…” (Inu’ga, inu’o nadeteru…)
Maomao “Huh…” (The dog is petting a dog…)
――――――――――――――――――――――――――――――
猫猫(避暑地(ひしょち)とはいえ、今日(きょう)は天気(てんき)も良(よ)く暑苦(あつくる)しい。快適(かいてき)に過(す)ごすのも一苦労(ひとくろう)だな…。…こんな暑苦しいのに、ずっと覆面(ふくめん)をつけて…料理(りょうり)にも手(て)を付(つ)けないつもりか?どんなに怪(あや)しい覆面姿(ふくめんすがた)でも、上座(かみざ)に座(すわ)っていれば、この中で一番(いちばん)の上客(じょうきゃく)ということなのだろう)
Maomao (Hisho-chi’towa-ie, kyo’wa tenki’mo yoku atsu-kurushii. Kaiteki’ni sugosu-nomo hito-kuro dana… Konna atsu-kurushii-noni, zutto fukumen’o tsukete… ryori’nimo te’o tsukenai tsumori-ka? Donna’ni ayashii fukumen-sugata’demo, kamiza’ni suwatte-ireba, kono naka’de ichi-ban’no jokyaku-to iu-koto-nano-daro.)
Maomao (Summer resorts should be cool, but the skies are too clear today, and it’s very hot. Getting comfortable isn’t easy. Even in this heat, he won’t take his mask off, and won’t eat the food. Despite his suspicious mask, given his seat, he must be the most important person at this party.)
猫猫(あれが楼蘭妃(ロウランひ)の父(ちち)、子昌様。子北洲の長(おさ)で、この狩りの主催者(しゅさいしゃ)だ。…ん?何か言われたのか?…いや、あのやたら外面(そとづら)のいい宦官が、あんなあからさまな態度(たいど)を取(と)るだろうか…。もしかすると、この暑さのせいで…)
Maomao (Are’ga Roran-hi’no chichi, Shisho-sama. Shi-Hoku-shu’no osa’de, kono kari’no shusai-sha-da. …N? Nanika iwareta-noka? …Iya, ano yatara soto-zura’no ii kangan’ga, anna akarasama-na taido’o toru-daroka… Moshika-suruto, kono atsusa’no sei’de…)
Maomao (That’s Master Shishou, Concubine Loulan’s father. He is the leader of the Shihoku-shu region and the organizer of this hunt. Hmm? Did he say something to him? Would that infinitely well-mannered eunuch show such an obvious attitude? Wait, could it be, because of the heat…)
猫猫(今は何もするな、と…)
Maomao (Ima’wa nani’mo suruna-to…)
Maomao (He’s telling me not to do anything?)
高順「小猫」
Gaoshun “Shaomao.”
Gaoshun “Xiaomao.”
猫猫「はい」
Maomao “Hai.”
Maomao “Yes.”
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猫猫「これを頂(いただ)いてもよろしいでしょうか?」
Maomao “Kore’o itadaitemo yoroshii-desho-ka?”
Maomao “May I take this?”
使用人「ああ、いいよ」
Shiyo-nin “Aa, ii-yo.”
Servant “Oh, yeah, sure.”
――――――――――――――――――――――――――――――
猫猫「壬…香泉様!」
Maomao “Jin…Kosen-sama!”
Maomao “Master Ji―, Master Kousen!”
壬氏「お前(まえ)か…」
Jinshi “Omae-ka…”
Jinshi “It’s you.”
猫猫「これを外(はず)してください」
Maomao “Kore’o hazushite-kudasai.”
Maomao “Please take this off.”
壬氏「ダメだ」
Jinshi “Dame-da.”
Jinshi “I can’t.”
猫猫「周(まわ)りには誰(だれ)もいません」
Maomao “Mawari’niwa dare’mo imasen.”
Maomao “There’s nobody around.”
壬氏「誰か来(く)るかもしれない」
Jinshi “Dareka kuru-kamo shire-nai.”
Jinshi “Someone might come along.”
猫猫(あ~、めんどくせぇ!)
Maomao (Aaa, mendo-kusee!)
Maomao (Ugh, what a bother!)
猫猫「そんなに人目(ひとめ)���気になるなら、見えない所(ところ)へ行けばいいでしょう」
Maomao “Sonna’ni hito-me’ga ki’ni naru-nara, mienai tokoro’e ikeba ii-desho.”
Maomao “If you want so badly to go unseen, let’s just move somewhere we won’t be found.”
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猫猫「失礼します。顔を拭(ふ)きますね」
Maomao “Shitsurei-shimasu. Kao’o fuki-masu-ne.”
Maomao “Excuse me. Let me wipe your face.”
猫猫(熱(あつ)い。やはり、のぼせている。早(はや)く持(も)ってきた水(みず)を…)
Maomao (Atsui. Yahari, nobosete-iru. Hayaku motte-kita mizu’o…)
Maomao (It’s hot. I bet he’s dizzy. I need to make him drink the water I brought…)
壬氏「薬屋(くすりや)…お前に話したいことがある…」
Jinshi “Kusuriya… Omae’ni hanashi-tai koto’ga aru…”
Jinshi “Apothecary, there’s something I want to tell you.”
猫猫「今ですか?」
Maomao “Ima desu-ka?”
Maomao “Now?”
壬氏「いつかは言わねばと思っていた…。俺は…本当は…」
Jinshi “Itsuka’wa iwaneba-to omotte-ita… Ore’wa…honto’wa…”
Jinshi “I was going to tell you at some point. I’m… I’m actually…”
猫猫「あっ!」(何だ?)
Maomao “A!” (Nan-da?)
Maomao (What was that?)
猫猫(硫黄(いおう)の匂(にお)い…?)
Maomao (Io’no nioi…?)
Maomao (The smell of sulfur?)
壬氏(飛発(フェイファ)か?!)
Jinshi (Feifa-ka?!)
Jinshi (A feifa?!)
壬氏「悪(わる)い!」
Jinshi “Warui!”
Jinshi “Sorry!”
猫猫「え?」
Maomao “E?”
壬氏「少(すこ)し驚(おどろ)かせる!」
Jinshi “Sukoshi odoro-kaseru!”
Jinshi “This may startle you a bit!”
猫猫「えぇっ?!」
Maomao “Ee?!”
猫猫(少しどころじゃねえだろ!!)
Maomao (Sukoshi-dokoro-ja nee-daro!!)
Maomao (You call this a bit startling?!)
男1「滝壺(たきつぼ)を探(さが)すか?」
Otoko-Ichi “Taki-tsubo’o sagasu-ka?”
Man-1 “Shall we search under the waterfall?”
男2「この高さなら、どうせ助(たす)からん。それより、飛発を隠(かく)しておけ」
Otoko-Ni “Kono takasa-nara, dose tasukaran. Sore-yori, feifa’o kakushite-oke.”
Man-2 “There’s no way he’d survive this height. More importantly, go hide the feifa.”
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猫猫「うっ!…ごっ!」
Maomao “U! …Go!”
壬氏「泳(およ)げなかったなら、すまなかった…」
Jinshi “Oyoge-nakatta-nara, sumana-katta…”
Jinshi “I’m sorry if you couldn’t swim.”
猫猫「…あれで、泳げるわけ、ありません…」
Maomao “…Are’de, oyogeru-wake, ari-masen…”
Maomao “I don’t think it matters if I could swim or not in that situation…”
猫猫(50(ごじゅう)メートル近(ちか)くある崖(がけ)を飛(と)び降(お)りるとは無茶(むちゃ)なことを…)
Maomao (Goju-mētoru-chikaku-aru gake’o tobi-oriru-towa muchana koto’o…)
Maomao (The cliff was easily 50 meters high. Jumping that was crazy.)
猫猫「錯乱(さくらん)したのかと思いました…」
Maomao “Sakuran-shita-noka-to omoi-mashita…”
Maomao “I thought you went mad.”
壬氏「ここの滝壺は深(ふか)いから、うまく飛び降りれば、溺(おぼ)れない限(かぎ)りそうそう死(し)なない」
Jinshi “Koko’no taki-tsubo’wa Fukai-kara, umaku tobi-ori-reba, obore-nai-kagiri so-so shina-nai.”
Jinshi “This waterfall basin is very deep. If you jump correctly, you probably won’t die, unless you drown.”
猫猫「ええ、溺れない限り」
Maomao “Ee, obore-nai-kagiri.”
Maomao “Oh sure, unless I drown.”
壬氏「うぅ……」
Jinshi “Uu……”
猫猫「はぁ…」
Maomao “Haa…”
壬氏「う…何だ?!」
Jinshi “U…Nan-da?!”
Jinshi “What are you doing?!”
猫猫「見苦(みぐる)しい姿(すがた)ですみませんが、��のままだと風邪(かぜ)を引(ひ)きますので」
Maomao “Mi-gurushii sugata’de sumi-masen-ga, kono-mama-dato kaze’o hiki-masu-node.”
Maomao “I apologize for the indecent display, but I don’t want to catch a cold.”
壬氏「う……」
Jinshi “U……”
猫猫(前掛(まえか)けと腰布(こしぬの)はやめとくか。貧相(ひんそう)なあばら骨(ぼね)でも、隠せるものは隠したい)
Maomao (Mae-kake’to koshi-nuno’wa yametoku-ka. Hinso-na abara-bone’demo, kakuseru mono’wa kakushi-tai.)
Maomao (I’ll leave my undergarments on, I guess. Even though it’s just a set of skinny ribs, I’d like to hide what I can.)
猫猫「壬氏様のも絞(しぼ)りますので、脱(ぬ)いでいただけますか」
Maomao “Jinshi-sama’nomo shibori-masu-node, nuide-itadake-masu-ka.”
Maomao “I’ll wring your out too, if you take them off.”
猫猫「…あ…」
Maomao “…A…”
壬氏「自分でやる!お前のも貸(か)せ。俺の方(ほう)が力(ちから)があるだろう」
Jinshi “Jibun’de yaru! Omae’nomo kase. Ore’no-hoga chikara’ga aru-daro.”
Jinshi “I’ll do it myself. Give me yours, too. I’m stronger than you.”
猫猫「はあ」
Maomao “Haa.”
Maomao “Yes.”
猫猫(良かった…さっきより体調(たいちょう)は良さそうだ。機嫌(きげん)は悪(わる)そうだけど)
Maomao (Yokatta… Sakki-yori taicho’wa yosa-soda. Kigen’wa waru-soda-kedo.)
Maomao (Good, he looks healthier than earlier. His mood seems worse, though.)
猫猫(薬草(やくそう)はもう使えないな…何か他(ほか)に……あ)
Maomao (Yakuso’wa mo tsukae-nai-na… Nanika hoka’ni……A.)
Maomao (These herbs are useless now. Is there anything else?)
猫猫「壬氏様」
Maomao “Jinshi-sama.”
Maomao “Master Jinshi.”
壬氏「あ?何だ?」
Jinshi “A? Nan-da?”
Jinshi “What?”
猫猫「粗末(そまつ)な物(もの)で申(もう)し訳(わけ)ありませんが、食(しょく)していただけますか」
Maomao “Somatsu-na mono’de moshi-wake ari-masen-ga, shoku-shite-itadake-masu-ka.”
Maomao “I know it isn’t much, but would you like to eat any of this?”
壬氏「…何かの薬か?」
Jinshi “…Nanika’no kusuri-ka?”
Jinshi “Is this some kind of medicine?”
猫猫「朝餉(あさげ)に出(だ)された蕗(ふき)です。おやつにしようと持(も)ってきた物ですが…今の壬氏様には、塩(しお)が足(た)りないようなので」
Maomao “Asage’ni dasareta fuki desu. Oyatsu’ni shiyo-to motte-kita mono desu-ga… Ima’no Jinshi-sama’niwa, shio’ga tari-nai-yo-nanode.”
Maomao “It’s butterbur, from our breakfast. I brought it as a snack, but I think you need salt right now.”
壬氏「…塩?」
Jinshi “…Shio?”
Jinshi “Salt?”
猫猫「追(お)いかけてくるときに、醤(ジャン)や砂糖(さとう)を混(ま)ぜた水を持ってきたのですが…滝の上に置(お)いてきてしまったので…。とにかく、覆面をつけたまま狩りに出て、食事も水も摂(と)らなければ、体(からだ)がおかしくなります。暑さと水分不足(すいぶんぶそく)で、頭(あたま)が痛(いた)かったのではありませんか?」
Maomao “Oikakete-kuru-toki’ni, jan’ya sato’o mazeta mizu’o motte-kitano-desuga… taki’no ue’ni oite-kite-shimatta-node… Tonikaku, fukumen’o tsuketa-mama kari’ni dete, shokuji’mo mizu’mo tora-nakereba, karada’ga okashiku nari-masu. Atsusa’to suibun-busoku’de, atama’ga itakattano-dewa ari-masen-ka?”
Maomao “When I was chasing after you, I brought some water with soy paste and sugar in it, but I left it at the top of the waterfall. Anyway, since you went out hunting with your mask on, and refused to eat or drink, you must be in bad shape. Aren’t you getting a headache from the heat and lack of hydration?”
壬氏「…ん…」
Jinshi “…N…”
猫猫「のぼせは引(ひ)いているみたいですが、念(ねん)のために塩を摂ってください」
Maomao “Nobose’wa hiite-iru-mitai-desuga, nen’no tame’ni shio’o totte-kudasai.”
Maomao “Your fever seems to have come down, but please take some salt, just in case.”
壬氏「…そういうことなら…。…思ったより悪くないな」
Jinshi “…So-iu koto-nara… …Omotta-yori waruku-nai-na.”
Jinshi “If you say so… It’s not as bad as I thought.”
猫猫「…あ」
Maomao “…A.”
壬氏「フフ…お前も食え」
Jinshi “Fufu… Omae’mo kue.”
Jinshi “You eat some, too.”
猫猫「む…ふんっ。いただきます」
Maomao “Mu…Fun. Itadaki-masu.”
Maomao “Thank you.”
壬氏「フフッ」
Jinshi “Fufu.”
猫猫「あれは一体(いったい)何だったのでしょうか?」
Maomao “Are’wa ittai nan-dattano-desho-ka?”
Maomao “What was that back there, anyway?”
壬氏「飛発だな」
Jinshi “Feifa dana.”
Jinshi “A feifa.”
猫猫「飛発?」
Maomao “Feifa?”
Maomao “Feifa?”
壬氏「戦(いくさ)で使(つか)う、火薬(かやく)を使った武器(ぶき)だ。一回(いっかい)撃(う)つごとに準備(じゅんび)が必要(ひつよう)になる。それが間(ま)を置(お)かずに、2発(にはつ)撃たれた…」
Jinshi “Ikusa’de tsukau, kayaku’o tsukatta buki-da. Ikkai utsu-goto’ni junbi’ga hitsuyo’ni naru. Sore’ga ma’o okazu’ni, ni-hatsu utareta…”
Jinshi “It’s a weapon of war that uses gunpowder. It requires preparation after every shot. However, they shot twice in quick succession.”
猫猫「犯人(はんにん)は複数(ふくすう)いた、ということですか」
Maomao “Han’nin’wa fukusu ita-to iu-koto desu-ka.”
Maomao “So, does that mean there were multiple assailants?”
壬氏「ああ。少(すく)なくとも2人(ふたり)。他(ほか)にもいたかもしれない」
Jinshi “Aa. Sukunaku-tomo futari. Hoka’nimo ita-kamo shire-nai.”
Jinshi “Yes, at least two. Perhaps more.”
猫猫(…一体(いったい)誰(だれ)に何(なに)を恨(うら)まれているんだ?)
Maomao (…Ittai dare’ni nani’o uramarete-irunda?)
Maomao (Who holds a grudge against him, and why?)
猫猫「壬氏様。ここから出る方法(ほうほう)はご存知(ぞんじ)ですか?泳(およ)ぐ以外(いがい)で、ですが」
Maomao “Jinshi-sama. Koko-kara deru hoho’wa gozonji desu-ka? Oyogu-igai’de, desu-ga.”
Maomao “Master Jinshi, do you know how to exit this place? Besides swimming, of course.”
壬氏「奥(おく)の天井(てんじょう)に穴(あな)がある」
Jinshi “Oku’no tenjo’ni ana’ga aru.”
Jinshi “There’s a hole in the ceiling, deeper in.”
猫猫「それは、高順様は知っているのですか?」
Maomao “Sore’wa, Gaoshun-sama’wa shitte-iruno-desu-ka?”
Maomao “Does Master Gaoshun know about that?”
壬氏「…知らないかもな。馬閃なら知っているが、すぐに気づくかどうか…」
Jinshi “…Shiranai-kamo-na. Basen-nara shitte-iru-ga, sugu’ni kizuku-ka-doka…”
Jinshi “He might not. Basen would know, but I don’t know if he’ll notice right away…”
――――――――――――――――――――――――――――――
猫猫「穴に向(む)かって、大声(おおごえ)で助(たす)けを呼(よ)ぶのはどうでしょう?」
Maomao “Ana’ni mukatte, oogoe’de tasuke’o yobu-nowa do-desho?”
Maomao “Can we shout from here to call for help?”
壬氏「よほど近(ちか)くに寄(よ)らないと聞(き)こえない。一日中(いちにちじゅう)叫(さけ)び続(つづ)ければ、誰かが気付(きづ)くかもしれないが…」
Jinshi “Yohodo chikaku’ni yoranaito kikoe-nai. Ichi-nichi-ju sakebi-tsuzukereba, dareka’ga kizuku-kamo shire-nai-ga…”
Jinshi “They would have to be very close to hear. Maybe if we kept yelling all day, someone might notice, but…”
壬氏「…何(なん)だ?」
Jinshi “…Nan-da?”
Jinshi “What?”
猫猫「…いえ、何(なに)も」
Maomao “…Ie, nanimo.”
Maomao “No, nothing.”
壬氏「高(たか)いが…片方(かたほう)が足場(あしば)になれば届(とど)くかもな」
Jinshi “Takai-ga…kataho’ga ashiba’ni nareba todoku-kamo-na.”
Jinshi “It’s high, but if one of us stacked on the other, we might be able to reach.”
猫猫(壬氏様を踏(ふ)み台(だい)にしたことが水蓮様にバレたら…!)
Maomao (Jinshi-sama’o fumi-dai’ni shita-koto’ga Suiren-sama’ni baretara…!)
Maomao (If Lady Suiren finds out I stepped on Master Jinshi…)
水蓮「う、ふ、ふ、ふ、ふ」
Suiren “U-fu-fu-fu-fu.”
壬氏「お前が下になったら潰(つぶ)れるぞ」
Jinshi “Omae’ga shita’ni nattara tsubureru-zo.”
Jinshi “I would crush you if I stood on you.”
猫猫「しかし…」
Maomao “Shikashi…”
Maomao “But…”
壬氏「やれ!」
Jinshi “Yare!”
Jinshi “Do it.”
猫猫「うっ…うぅ…」
Maomao “U…Uu…”
壬氏「お前、もっと太(ふと)ったらどうだ?」
Jinshi “Omae, motto futottara doda?”
Jinshi “You should gain some weight.”
猫猫「今言うことじゃないです。ん…あっ」
Maomao “Ima iu-koto-ja nai-desu. N…A.”
Maomao “Now is not the time.”
猫猫(ヌルヌルして湿(しめ)っているが、指(ゆび)を引(ひ)っ掛(か)ければ…)
Maomao (Nuru-nuru-shite shimette-iru-ga, yubi’o hikkake-reba…)
Maomao (It’s wet and slippery, but as long as I can get my fingers hooked…)
猫猫「立(た)ちます」
Maomao “Tachi-masu.”
Maomao “I’m standing up.”
壬氏「よし!」
Jinshi “Yoshi!”
Jinshi “Right!”
猫猫「ん…んん。ふっ…うぅ…、んっ…うぅ…ハァ。あっ…何だ、カエルか。ん、わ、うわ、うわ~!」
Maomao “N…Nn. Fu…uu…, n…uu…haa. A… Nan-da, kaeru-ka. N, wa, uwa, uwaaa!”
Maomao “Oh, a frog.”
壬氏「えっ、お…おい!あっ!」
Jinshi “E, o…oi! A!”
Jinshi “Hey!”
猫猫(あ~…痛(いた)…く…ない…)
Maomao (Aaa… Ita…ku…nai…)
Maomao (It… doesn’t hurt.)
猫猫「あっ…失礼しました。壬氏様…」
Maomao “A… Shitsurei shima-shita. Jinshi-sama…”
Maomao “Excuse me, Master Jinshi―”
(Continue to Episode 12/Ep.36)
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nihongoseito · 1 year ago
Text
vocab pt. 2 from 君たちはどう生きるか(漫画)
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nouns:
世間(せけん) = society, the public, the world
打ち(うち)どころ = spot where one was hit
行儀(ぎょうぎ) = manners, behavior
修身(しゅうしん) = morals, ethics
克己心(こっきしん) = spirit of self-denial
人格者(じんかくしゃ) = person of character
話半分(はなしはんぶん) = taking a story with a grain of salt (discounting half the story)
嫌がらせ(いやがらせ) = harassment, pestering
住処(すみか) = house, residence, dwelling
verbs:
とどまる = to remain, stay (in one place); to be limited to
刺さる(ささる) = to stick into, pierce; to resonate emotionally
湧き出る(わきでる) = to gush forth
貫く(つらぬく) = to go through, pierce; to run through; to stick to, persist with
努める(つとめる) = to make an effort, endeavor (to do)
ひるむ = to falter, flinch/recoil (from)
かっこうつける = to show off, try and look good
すねる = to sulk, pout
adjectives:
肝心(かんじん)な = essential, crucial, important
投げやり(なげやり)な = negligent, careless, irresponsible
勤勉(きんべん)な = hardworking, diligent
円満(えんまん)な = harmonious, amicable, peaceful
寛大(かんだい)な = tolerant, generous, lenient
図々しい(ずうずうしい) = impudent, shameless, cheeky
adverbs/onomatopoeiae:
しみじみ = keenly, deeply, earnestly; calmly; intently
くれぐれも = sincerely; repeatedly
即(そく) = instantly, immediately
expressions:
お留守(るす)になる = to fail to be attentive to
ごめんください = may i come in?
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