#まだ息苦しい
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today i just felt so bitter at the world
i couldn't read or write or do anything really, could barely speak
but then... idk listening to SAD SONG by chanmina sung with the finalists of No No Girls really just... idk? made me fall in love with the world again? it's so easy to forget
my honest embarrassing feelings about japanese girlpower pop in the tags i just can't bear to be honest about that with myself in english right now
#恥ずかしかったら日本語で書く悪い癖があるから止めることにしたと思ったけどこのうp特別www#子供の頃アメリカのポップソングが全然心に響かなかった(今と同じ)けどなんか十代になってちゃんみなの曲を見つけてガールズパワーって感じな歌が初めて分かるようになった#だからちゃんみなのNoNoGirlsと一緒に歌ったSADSONGを聞くと急に泣き入っちゃった・・・#うぅ、、(*´σー`)エヘヘ#THE FIRST TAKEだからfuckって言えば絶対NGだから“this is a FREAKIN sad song”って歌えば最初は「苦痛っ」とか「吹き出し」って感じが起こると思ったけど、なんかTounge&Cheek哉?w#ちゃんみなが英語スラグ分るからそんな大ファニー歌詞を歌ってもいいほど「感情絶対に届けたい」って感じな誠実的な生演奏は非常非常非常に感動させていただきました~#歌い手になるはずということ考えちゃうと重い気持ちが溢れ出しちゃうけどインスパイアさせる#何度も何度も誠実的な歌を聴くと生きるはずだと思う#ラップもチョー熱すぎる 初めてマジで息をすえなぁ今って思った息を絶対奪われた ヤバアツ!!!!!!!!!
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物凄く息苦しく不安な世界だけど、これから長い人生を生きていく子供たちや若い人たちがいるのに、残り時間のほうが少なくなった大人が気易く「世界終わった」「日本終わった」みたいな物言いはしちゃならんと思っています。終わらせない努力を、どんなに小さく弱くてもするんだ。
終わらせない努力を、どんなに小さく弱くてもするんだ。 / @MichiruF
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拡張ラグビーケツマ◯コトレーニング
今日はラグビーユニフォームとケツ割れ履いてリモートワーク。
夕方、仕事がほぼ終わったタイミングで拡張自主トレを開始。ケツを洗い、一番小ぶりな張り型を入れ、椅子に座り仕事机に向かう。張り型の亀頭部分がスクラム練習では鍛えられなかった前立腺を刺激する。チンコの根元の奥あたりから、モヤモヤとした快感がラグビーユニフォームを着た全身に広がる。
慣れてきたところで張り型をサイズアップ。持ってる張り型の中で2番目に太いやつだ。黒光りして亀頭のエラが張った立派な張り型。
ラグビーでも仕事でも、成長するかどうかは、一人の時にどれだけ自分に厳しくなれるかにかかっていると思う。俺は新年の抱負として、ケツ穴の拡張をしフィストの道に進むとここで宣言した。
フィストの道に進むことに迷いがないと言えば嘘になる。でも、俺は自分の気持ちにもうウソをつきたくない。自分に正直に生きたい。そうだ。俺はラガーマンだ。ラガーマンとしての気概を見せるんだ。
俺は持ってる中で2番目に太いこの張り型をケツに突っ込み15分間椅子に座り続け、何があっても耐えケツから張り型を引き抜かない、くわえ続けるというノルマを自分に課した。
タイマーを15分に��ットする。これが鳴るまでにもし張り型をケツから引き抜くようなことがあれば俺はラガーマン失格だ。神聖な白ラグパンを履く資格を永久に失う。万が一、15分間張り型を入れ続けられず張り型を引き抜��ようなことがあれば、その時は恥ずかしい罰が待っている。
白襟のラガーシャツ、白ラグビーソックス、黒スパイクを履き、フリチンでグランドを100周するのだ。ラグビーの聖地、菅平高原名物、「ラガーマンのフリチンラン」を所属していたラグビーチームの仲間の前でするという、妄想めいた罰を思いついた。
こうして自分を追い込まなければ、怠け者の俺は正月の抱負として立てた「拡張トレーニングを継続しフィストマ◯コになる」という誓いをいつの間にか破るだろう。
ラガーマンは有言実行。黙って張り型にまたがり15分間椅子に座り続けた後は、一番大きい張り型に挑戦するのだ。二番目に太い張り型を手に取りローションを塗りケツに亀頭部分だけ突っ込み椅子に座る。体重をかけるとケツがグワッと広がりズブズブと体の中に入っていく。あぁっ…。
張り型の亀頭が、そして太い竿の部分が、パンパンに張った俺の前立腺を引き摺るように刺激していく。キ、キモチイイ…。全体重を掛け張り型を根元までくわえ込む。8割ほど飲み込めた。不自然に腰を浮かせたまま、残りの仕事に集中する。
しばらくすると直腸が動いたのか、張り型が
勝手に飲み込まれていく感じがした。あぁっ…全部入る。スクラムで押し込まれ後退するときのようにジリジリと押し込まれていく。ラグビーを引退してもバクバク食って増えた自分の体重を呪う。
コリッとした感覚があり、張り型がすべて根元まで入った。スウェットを履いたケツが椅子にしっかりと沈み込む。すると、ケツが少し楽になる。俺のケツが張り型を完全飲み込んだのだ。
ふー…。椅子に座りパソコンに向かっているだけなのに、何なんだこの体力消費は。俺は脂汗をかき、白ラグビーソックスを履いた両足をつま先立ちさせ、ケツの奥が突き上げられ圧迫される少し苦し感じに耐える。
スクラム練習よりキツい!つま先立ちした両足がプルプル震え始める。張り型の根元の太い部分でケツの入口が押し広げられる。少しきつい。張り型を引き抜きたい!…でも…仲間の前でフリチンランなんてできない。そんな学生の罰ゲームみたいなことを社会人ラガーマンの俺がしたら、未来永劫、俺はチームの笑いものだ。
フーフー荒い息をしてケツの圧迫感に耐える。タイマーを見ると、長い長い15分がまもなく経とうとしている。あと15秒…10秒…5秒…終了!!硬直した下半身を椅子から浮かし、スウェットをずり下げる。そして入れていた張り型をケツから引き抜く。
ズロン!!あぁっ!
自分のケツが引き抜く��に一番感じる癖のあるケツであることを忘れていた。俺はケツから背筋を貫き脳天までしびれさせるゾクゾクするような快感に腰が抜け、椅子に座り損ねて床にケツから落ちた。
俺の膣液でヌルヌル光った張り型を床に落とした。勢いよくボヨンと飛び跳ね床に静かに横たわる黒く太く長い張り型。俺も床に転がった張り型のようにグッタリと床に横たわった。
はーはー息をする。張り型を引き抜いたケツは開いたままだ。ケツの穴を閉じたり開いたりすると、俺のケツは物欲しそうなヌチョヌチョという音を立てた。部屋の隅に置いた姿見に自分が映る。俺は急に恥ずかしさに襲われる。
なんてザマだろう。やはりラグビーを引退してタガが外れたのだ。俺は長年、不屈のラグビー精神で自分の中に巣食う淫魔と戦ってきた。週末のラグビー練習で思いっきり走り、ぶつかり、叫ぶことでストレスを発散し、淫魔に打ち勝ってきた。
だから俺がラグビーを引退したらストレスを解消できず、抑え込まれていた淫魔が解き放たれることは覚悟していた。でもまさかここまで淫魔に乗っ取られるとは思いもしなかった。
正直に告白する。俺は、ラグビユニフォームとケツ割れを履いた姿で、ラグビーや空手をするようなゴツい男の手でケツの穴を拡げられ、ローションまみれの膣の奥の奥まで見られたいと思っている。恥ずかしい願望だ。しかも、これは絶対に内緒だが、フィスト貫通したあかつきには、OBぐらいの年代のオヤジ達の前でフィストショーをし、ケツでイク姿を見られたいとまで思っている。
思えば長い長いラグビー生活だった。ラグビーコミュニティで男色は御法度だ。だから男との交わりは絶対の秘密にしバレないようにしていた。でも、ラグビーを引退した今の俺は、こうして男色へのドロドロの欲望を不特定多数の男達にネットでさらけ出すだけでなく、仕事中に禁断のケツマンオナニーにふけり、その姿をネットに投稿している。
俺は、フィスト願望が溢れ出して止められなくなっている…。なんということだろう。俺は、あんなにも愛し夢中になっていたラグビーをこの体で冒涜している。
チームの仲間の顔を思い出す。好きだった監督のラグパンのふくらみや、バカでかく発達したふくらはぎや太い腕の筋肉も思い出される。ラグビーボールをつかむ大きな手も。その手が俺のケツに…
あぁっ…。またとんでもない想像をしてしまっている。最近は気が付くといつもこうだ。白昼夢の中の監督の、太くて硬いチンポをしゃぶる。ツユダクでしょっぱくて美味い。強い男の匂いがする。
俺は罪深い妄想に取り憑かれている。もう監督に顔向けできない。監督もOBの先輩たちも、こんな張り型アナニーにふける俺の姿を見たら驚き���蔑し嫌悪し離れていくだろう。
「もう吉田とは関係を持つな」というお触れが出るに違いない。俺はラグビーを引退しキッズ達のコーチになるのではなく、チームから距離をおいた。そして一年は我慢できた。
でも、淫欲を抑え込む歯止めとしてのラグビーがなくなった今、俺はラガーマンの象徴であるラグパンを脱ぎ、淫乱マ◯コ野郎の象徴であるケツ割れを履き、ラガーシャツと白ラグビーソックス姿で部屋で一人アナニーに没頭している。
何よりも人に言えないのは、俺は大事なチームの試合動画を流しながら激しく興奮しながケツマン拡張アナニーをしているということだ。これがラガーマンとしてだけでなくスポーツマンとして絶対に許されない行為だということは分かっている。でも俺は、自分が出て活躍したラグビー試合動画を流ながらのアナニーを我慢できない。
監督すみません。俺は、動画から聞こえる「吉田!寝てんじゃねー!立て!走れ!金玉ついてんのか」という監督の怒鳴り声を聞きながら興奮しています。半開きのケツの穴からも、硬く勃起したチンポの先からも我慢汁を垂らしています。
監督が俺に怒鳴り声を上げれば上げるほど、俺のチンポは硬くなります。監督に鍛えてもらったデカいふくらはぎに白ラグビーソックスを履き、ケツ穴をヒクヒクさせ、両手で乳首をつまみ、アヘ顔で我慢汁をとめどなく垂らしています。
監督、俺はもう監督の目を直視できません。もし直視したらその瞬間、監督の目の前で俺はイッてしまうでしょう。
俺は試合動画から聞こえる監督の「吉田!突っ込めーっ!」という怒鳴り声を合図に、俺はふらふらと立ち上がり、持っている中で一番太い張り型を手に取った。監督が怒鳴る。「吉田!モタモタしてるな!突っ込め!」。
俺は張り型にローションを塗りながらラグビー脳がピンク色染まっていくのを感じた。監督の「吉田!行け!」の怒鳴り声を合図に、俺は一番太い張り型をケツに突っ込もうとする。
うぅっ…。亀頭部分だけでもすごい圧迫感だ。スクラムを組む俺に、監督が「耐えろ!吉田!」と声をかける。あの太く低い監督の声で、苦しいスクラム戦を何度も耐えしのいだ。
俺は張り型を椅子の上に置き、ゆっくりと腰を下ろし体重をかけていく。ハーフタイムに円陣になった俺に向かって監督が言う。「吉田、体に力が入り過ぎてる。重心を感じろ。そしてスパイクをグランドに食い込ませろ。スクラムの基本を思い出せ」檄が飛ぶ。
俺は重心を感じ、床にしっかりと足をつき、脂汗をかきながら、ゆっくりと腰を下ろしていく。張り型の竿の一番太いところが括約筋を通過する。「よし!いいぞ、吉田!突っ込めっ!」。監督の怒号と同時に一番きついところを乗り越える。
あぁっ!監督っ!
俺は天を仰ぎ、一気に椅子に腰を下ろした。そしてその瞬間は突然やってきた。チンコをしごいてもいないのに、腹の奥からドロドロの熱いマグマがこみ上げる。
監督!ダメです!俺!俺、イキます!
初めて感じる快感にガクガクと体が震える。
イクッ!イクッ!イクッ!
長い射精だった。一分ぐらい止まらないトコロテン射精の快感に、ラグビー脳が破壊されていく。俺は椅子からずり落ち、ドサリと床に倒れ込んだ。ケツから張り型が勢いよく飛び出す。ブチュ!ケツに激しいムズムズした快感が広がる。
ケツ穴に自分の指を突っ込みむと、俺のケツ穴は軟体生物のようにグニョグニョだった。自分の指をヌチョヌチョと包みこんで喰っていく。ノーサイドの笛が鳴る。俺は白ラグビーソックスを履いた太い足をピーンと伸ばし、ラグビーで鍛えたゴツい上半身を反り返らせる。監督が俺を見下ろして立っている。
監督…すみません…
監督は黙って背を向け去っていく。あぁ…。快感の中、俺は意識を失った。
___________
久しぶりに長文書きました。感想を教えてくれると嬉しいです。写真は、俺の自主トレ姿です。
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息子がスト2をプレイしていた。正確にはNintendo Switch版「ストリートファイターIII 3rd Strike」。30周年記念のコレクションで、歴代シリーズが楽しめる。いい時代だ。 初代「ストリートファイターII」がゲームセンターに登場したのが、私が大学生のころ。対戦台ができ、ひたすら50円玉を投入した。トッププレイヤーというわけではないが、そこそこは勝つことができた。六本松のゲーセン*1は強者がそろっていたが、夜の中洲あたりのゲーセンで、酔っぱらった兄ちゃんが相手ならいくらでも勝つことができた。メイン使用キャラクターは春麗だったが、他のキャラクターも一通りプレイした。とうぜん「ゲーメスト」は毎号読んでいた。「ストリートファイターZERO」あたりまでは追っかけていたが、さすがにゲームに費やす時間が取れなくなってきて、以降は脱落した。 さて、息子に頼まれて昔の作品をプレイしてみせることになった。よーしパパいいとこみせちゃうぞ、と意気込んだが、コンピュータ相手に苦戦した。こんなはずじゃなかった。春麗でベガにぜんぜん勝てないのでリュウに変更したが昇竜拳が出ない。昇竜拳のないリュウはただのでくの坊だ。というか波動拳すら怪しい。なぜお前は意味もなく前ジャンプ小パンチを出すのだ。結局、どうにかこうにかガイルでクリアした。ガイル強いよね。 ゲームパッドのせいだと思い込んでいたが、後日、ゲームセンターでプレイしたところ、ゲーセンのコントローラでもぜんぜん昇竜拳が出ない。 これが加齢か。Switch版にはトレーニングモードがあるので、練習したら昇竜拳を打てるようになるのかもしれないが、そこまでする気力がない。もう反射神経を使うゲームは難しいのかもしれない。 というわけでファミコンウォーズをプレイしている。とても楽しい。
昇竜拳が出ない - NATROMのブログ
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私立K高校にまつわる怪談話を、そう言えば親父から聞いたなと、貢は思い出した。理事長室の本棚にある「我が学園の歴史 ◯◯周年記念号」と節目ごとにまとめられ、今でもOBであれば購入が可能とされている記念誌を眺めながら、彼は例の事件について書かれた記載に目が留まった。その記念誌には一行ぐらいしか書かれておらず、
「まァ、都��の悪いことは書かないだろうな…」
と貢は思ったが、たまたまその隣に操が書いた日記があった。操は、その日にあった出来事をまめに記録する性格だった。「ケセラセラ」に生きてきた貢とは違っていた。
「へぇ〜、こんなの付けてたンだ」
と彼はそう思いながら、「一九七八年」とテプラで貼られたその日記の頁を開いた。事件が起きる前、何度か操は他の教師からその生徒について話を聞いている様だった。
“六月十日
校長の杉山先生から、「堀川啓介」という男子生徒がよからぬいじめを受けているとの話を聞いた。「よからぬ」とは、流石に全くの「ノンケ」である杉山先生にとってはケツの谷間を両手で覆いたくなる様なものらしい。オレにとっては逆に「おっ広げ」になりたくなるが…。
啓介君は、両親が教育熱心なのか必ず国立T大に合格させたいという思いが強く、比較的、国公立大学への進学率が良いウチに入学「させられた」様だが、オレにしてみれば馬鹿馬鹿しい。人生八十年と言われるご時世に、大学だけでその先の人生なンて決まるとは限らないと思う。
しかし、その啓介君、ウチに来たことで「ホモ」の洗礼を受けただけでなく、凌辱されることに快感を得てしまった様だと、杉山先生。ある夕方、たまたま浴室を見回った時に彼がブリーフ一丁で脱衣場の鏡の前に立っていたが、背中にあちこち鞭打たれた様な跡があり、思わず声をかけたそうだが、彼曰く、
「校長先生、父さんや母さんには黙ってて! オレ、縄で絞められるのが好きなンだ…。快感なの! これでイッちゃうの! 勉強勉強って、オレ、おかしくなっちゃうよ!」
彼はそう訴えながら杉山先生に抱きつき、号泣したらしい。
嗚呼、そんなに追い詰められるのなら、いっそのこと、新宿二丁目や上野の入谷などで男娼をしていた方が幸福なンじゃないか? オレだったら、啓介君を優しくしてあげたい”
“七月一日
たまたま、オレが寮の当直をすることになった。まァ、久しぶりに生徒らとアハハオホホとやってもイイだろう。
その二日目、ちょうど昨夜だが人気がない筈の浴室に誰かがいたのでそっとサッシを開けてみると、其処には全裸の啓介君がいた。やはり背中や胸には鞭打たれた跡があり、痛々しかった。しかも、その日は首筋に「キスマーク」もあり、余程凌辱されたのだなと思った。彼はブリーフを穿くと軟膏を手の届くところに塗り、時折首筋にできたキスマークに触れた。彼は微笑を浮かべ、
「…もっと欲しいよ」
と呟いた。まるで、���事の後に独り残された娼婦の様だった。オレは彼を好いてしまった。そんなオレに彼は気付いていたのか、サッシの方を振り向いた。
「だ、誰ッ!?」
オレは仕方なく脱衣場の中に入った。理事長だと判ると、彼は顔を赤らめながら慌ててTシャツを着た。彼は言った。
「何故、理事長先生が!?」
恐らく、始業式や終業式の時にオレは必ず挨拶をするから顔を憶えていたのだろう。まさか、理事長でさえ寮の当直をするのかと、彼は疑ったに違いない。オレは、
「大丈夫、今週だけ当直に入っただけだから。杉山校長からは、君のことは聞いているよ。縄に絞められるのが快感なンだろ?」
と聞いた。彼は不安気な表情を見せてはいたが、頷いた。
「…快感でたまらないンです」
オレは、どうかしていたのかもしれない。何故かそのまま彼を抱きしめたのだ。優しくしてあげなければならない気がしたのだ。
その夜、当直室でオレは啓介君を愛した。鞭打たれた跡に皆キスをし、そのうちに彼も涙を流しながら、
「嗚呼、愛されてる…」
と言葉を漏らした。オレは、
「凌辱だけが快感を得る手立てではないよ。君は優しく愛されたいンだ」
と唇を奪った。
次第に、彼はオレを強く求める様になり、オルガズムに達した。オレの内腿の間に下半身を挟め、愛液が二人の下腹部に跳び散った。
「…啓介君、君が好きだ」
気分は、アダムとエバの様な感覚だった。教育者とその教え子という関係を逸脱し、オレは一人の男子として彼を愛してしまったのだ。もはや後戻りはできない。このまま「世間体」と言う名の境界を越え、何処かへ逃亡しようかとも思った。彼は、
「理事長先生…」
とオレの頬に触れ、そっとキスをした。
情事は、夜明けまで続いた”
“七月二一日
この日は終業式だった。ほぼ全員の生徒が帰省していく中、啓介君だけが寮にとどまっていた。彼は怯えていた。担任の山本先生が彼の両親に事情を離したが、特に母親は猛反対していたと、電話の後に話していたっけ。
「理事長、どうしますか?」
と杉山校長が困り果てていたが、啓介君の家の事情を何も知らなかったオレは、
「じゃ、オレが一緒に送りに行くよ」
と安易な判断をした。
啓介君の家は東京のS区にあった。最寄りには私鉄O線の駅名にもなったS学園があり、所謂「高級住宅街」だった。オレは馴れない道を自ら運転しながら彼を送り届けた。本来なら理事長であるオレは動くべきではなかったのだろうが、一度彼とは肉体的に「契り」を結んでしまったから、何故か責任を感じていた。
彼は助手席に座っていたが、ずっとうつむいていた。信号待ちの合間、時折彼の手を握ってあげた。
「大丈夫、怖くないよ」
彼の家には、母親が待っていた。一見、感じのよい雰囲気ではあった。オレは自分の名前を名乗ると母親は、
「あらら、理事長先生がこんな遠くまで!? 大変ご迷惑をおかけしました」
と深々を頭を垂れた。彼はそのまま無言で家の中に入って行ったが、その間ずっとオレの姿を目で追っていた。それでも、
『これでよかったのだ』
と自分自身に言い聞かせるしかなかった”
“八月一日
杉山校長から、啓介君から電話があったと話があった。オレは書類整理をしていたが、どういう経緯かは不明だが例の鞭打たれた跡について母親が気付き、その問い合わせがあったらしい。半ばヒステリックな声だったと、彼は言っていた。オレは心配になり、
「ちょっと行って来る!」
と自分のセドリックに乗った。
夕方近くに到着したが、出迎えた母親は泣き腫らした様子だった。開口一番、
「理事長先生! どういうことですか!?」
と訴え、隣に座っていた啓介君の着ていたポロシャツをたくし上げた。彼は泣きじゃくっていた。
「う、うちの啓介、いじめに遭ってるンですか!?」
と彼女は聞いた。オレは返す言葉がなく、ただ黙っていた。
その後、母親の狂気じみた声が居間に響きわたった。オレも流石に耐えかねたが、
「母さん! もう止めてよ!」
と啓介君が突然立ち上がり、悲鳴の様な声で制止した。彼は言った。
「オレはもう嫌なンだ! ずっと『イイ学校』『イイ会社』って言われ続けながら母さんには黙っていたけど…。ただ国立T大学に入ったら何やるの!? 僕ァ、父さんの様な平凡な人生は送りたくない。ただ結婚して家庭を持って…全然夢がないじゃないか! 僕はそんな人生に価値はないと思う。今のK高校に来て、僕は気付かなかった人生を見つけたンだ…。母さん、僕は男が好きです! あのアザは僕が好きな先輩と『セッ◯ス』して出来たものです!」
これまで自己主張もせずにただ両親の言われるがままに行きてきたのだろう。オレは彼の方を見入っていた。母親は、恐らく我が息子のこの様な言動に遭ったことがないのだろう、ますます錯乱した様だった。啓介君はオレの手を持ち、
「理事長先生! 僕、寮に『帰ります』! こんな家にいたら、僕、自殺しそう!」
と訴えた。オレは彼の放った「自殺」という言葉に衝撃を受けた。
「啓介君! 生んで育ててくださったお母様の前で『自殺』という言葉はないだろう! 先生も怒るぞ!」
「否、僕は本当のことを言っているンだ! もうイヤだ…」
「…」
二人の嗚咽が居間に響き渡った。オレは、この家自体を憎んだ。一体、何がそうさせたのだろう? 性の歓びを見出し、本来の自分自身を見出した啓介君、一方で一流の大学や企業に進めば苦労しない人生が保証されるという世間の「呪縛」に囚われそれを良かれと我が子に訴えてきた母親…どちらとも悪くはない。オレは言った。
「…お母様、これまで啓介君をここまで育て上げるのに色々なご苦労をされたかとお察しします。確かに、今は一流の大学に進めば一流の企業に入れ、そのまま一生���安泰と「年功序列」の思想が根付いています。未だ日本は成長をしていくかと思いますが、いつまでもその状況が続くとは限りません。私どもは可能な限り、その様な時代の変化に対応できる将来の人材を育成すべく教育しております。
しかし、啓介君を含め、この十六、十八歳という年齢は思春期ということもあり、自我が芽生え始める時期でもあります。彼の様に性を通じて本当の自分自身に気付くお子様も少なくありません。きっと、これまでの教育方針に対し自我の芽生えによって啓介君も葛藤をされてきたのでは…?
今回、身体に出来たアザについては他の教職員からは聞いていたものの、ご連絡しなかったことについては申し訳ありません」
これが、オレができる最大限の謝罪だった。母親は未だ冷静になれない様だった。啓介君も大粒の涙を溜めていた。オレは、今日は彼を寮に連れて行かないことにした。オレは言った。
「もし何かありましたら、私どもの方までご連絡ください。夜間でも寮に当直がおりますので、お電話いただければ対応いたします」
帰り道の車中にて、オレはこれまでにない疲労感を感じた。この夜は流石に爆睡だった”
“八月三日
杉山先生から、寮の当直をしていた山本先生から啓介君より連絡があったと話あり。やはり寮に戻りたいと訴えていたらしい。あれから両親とは話ができたのか、気掛かりで仕方がなかった。
理事長室の隅に置かれた時計が秒針を刻む音に半ば苛立ちながら、オレは情人(アマン)が来るのを待ちわびるかの様な心情に駆られた。一度は肉体同士の接触があったが、それだけでオレは彼と一心になっていた感覚でいた。もし教育者と一生徒という関係でもなければ、あの場で彼を連れて帰っていた。母親を弁護することもなかったろう。
午後二時になり、啓介君が帰って来た。オレは直接来たのかと聞くた。彼は言った。
「…先生、会いたかった」
すると彼はオレの背中に両腕を伸ばし、抱いてきた。途端にオレの胸の中で涙を流し、やがて嗚咽も聞こえてきた。
「大丈夫、泣くのはおよしよ」
とりあえずオレは啓介君を寮に連れて行き、当直をしている山本先生に事情を話した。まずは様子を見て欲しい、と。また、一昨日彼の家に行った時のことも話した。山本先生は、
「じ、自殺!?」
と驚いていたが、今の精神状態なら大丈夫だろうと伝えた。”
“八月四日
一晩過ごしたが、山本先生からは何の連絡もなかった。オレは大丈夫だったのだろうと安堵した。
午前九時過ぎ、理事長室に啓介君がやって来た。彼はオレを抱きしめてきた。すっかり好いてしまっている様だった。オレは彼にキスをした。舌を彼の唇の隙間に忍ばせ、込み上げてくる唾液を呑み合った。彼はそれが「快」と感じたのかスラックスのベルトを外し始めた。オレは声をかけた。
「此処ではまずい」
オレは雑木林の中にある「別荘」に連れて行った。しばらく寝泊ま���していなかったからか、室内はジメジメしていた。そんな中でオレは彼のワイシャツのボタンを外した。ブリーフだけになった彼を目前に、オレもワイシャツを脱いた。ブリーフだけになると早くもチ◯ポの先端が濡れていた。こんな性衝動は初めてだった。彼をこれでもかと言うくらいにキスをし、乳房や股間を愛撫した。自殺なンて馬鹿なことは考えるなと、繰り返し心の中で叫びながら…。
気付くと二人は真っ裸になっていた。白いブリーフがベッド元に重なっている。これは身も心もさらけ出していることを意味していた。オレは彼と一体になった。
「あッ、あァ、あはァァァん…」
何度も乳房を鷲掴みにし、吸い続けた。その度に彼は歓喜の声を上げ、乱れに乱れた。ほのかにサーモンピンクへと全身が火照り、彼はオレの唇を求めた。
「…け、啓介」
いつしかオレは敬称を付けずに呼んでいた。ただ十六歳の彼をオレは愛した。全身に無数の汗が滴り、シーツが濡れた。
啓介君は、用を出すだけしか知らなかった穴をもって女の様に快感を得ることを知ってしまった。いつしか彼は激しく腰を揺さぶり、オレの身体にしがみついた。
「あ、愛してる…!」
耳元で彼はそう囁き、オルガズムに達した。オレも彼の体内に愛液を噴射させ、
「啓介!」
と激しいキスをした。
情事の後、ベッドで抱き合いながらオレは言った。
「もう『自殺』という言葉は使わないで」
すると、
「…死にたくない。こうやって愛してくれてるから」
と彼はオレにキスをした。
これで総てが終わったと思った。啓介君が愛されることで新たな人生の方向性を見出し、進んでくれるとオレは信じた。”
貢は、父・操もまた一人の生徒を愛してしまったのかと思った。オレは生徒には手を出したことがないし、そんな度胸もなければやってはいけないと、頁を進めた。しかし、日記はしばらく何も書かれておらず、急に「九月一日」まで飛んでいた。恐らく、その間に啓介が自殺をしたのだろう。
“九月一日
啓介君が雑木林の中で首吊り自殺を図り、憔悴する暇もなく両親が教育委員会に訴えると騒いだ。父親は、杉山校長に訴えた。
「国立T大学への進学率がイイと聞いて入学させたら『ホモ』にさせられた挙げ句、自殺まで追い込んで...。この悪党! 人殺し!」
父親は国家公務員だった様だ。彼は他の保護者から、お宅のお子さんは大丈夫か、「ホモ」にさせられてないかと根掘り葉掘り聴取し、何人かの生徒からその気がある様だという話を聞きつけるや、
「理事長を出せ!」
と罵った。杉山校長は流石にビビッてしまい、
「理事長! 何とかしてください!」
とすがりついた。殴り込みに来た父親に対し、オレは土下座もした。罵声を浴びさせられた挙げ句、胸ぐらもつかまれた。正直、辛かった。啓介君を愛していたのに、自ら生命を絶ってしまったのだから…。裏切りの何物でもない。
オレは父親が帰った後、雑木林の中で慟哭した。啓介君が首を吊った杉の根元にひざまずき、喉がやぶれてしまいそうなほど声を上げながら泣いた。”
この部分を読みながら、貢は高校二年だった頃を思い出した。そう言えば、両目を泣き腫らした様子で操が家に帰って来たのだ。母の茉莉子がどうしたのかと心配したが、彼は、
「…すまないが、独りにさせてくれ」
と言って部屋に籠もってしまったのである。ちょうど父の書斎の隣に貢の部屋があったのだが、壁越しに号泣する声が聞こえたのだ。しかし、何故泣いているのかを聞くことはできなかった。嗚呼、きっと啓介君のことだったのだろうと、彼は思った。
もし岩﨑の言う通りにその啓介君の声が聞こえたのだとしたら、オレに何ができるだろうと貢が考えた。
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値段ジワジワってか、万博あるせいか上がりだしてるね
こんな時はドロンして、キッパリ忘れなきゃ
財布が痛いだけ
ちょいとやり過ぎもあったし、丁度いいや。
休止宣言
と言っても、相手探すのとか相性良いのとか、まずそこがめんどくさいから、誰ともやらない宣言してたけどね。
先日ついつい年上のタチ親父からお誘いあり、そんな遠くでも無いし、いっかぁと連絡返した。
到着して、さぁ。と言う時にタチは俺はやらない。
T満足するまで掘ってから自分も食うと。
紳士的な人だなぁ。。
悪い気もするけど、向こうがそう言ってるしと、15入れて狂った
掘られてるけど向こうはシラフ
隠してやる時のシラフ以上に冷めた顔しながら掘ってるから、気分が乗らなくなったから、別にいいから、一緒に食いましょ。
掘れない時はまたそれはそれでと、伝えてHはニコリとやっと笑顔になる
さぁどうぞって待ってると、自分で縛れない付けない押せないの初心者だった。
それなら先に行ってよと思いながら、準備する。
自分のなら失敗しても平気だが、相手のは気をつかうし、体制をうまく固定してくれないから、やりにくい。
この人いつもやって貰ってんの?
と、何とか成功した。
暫くは黙ってて、キタって言ったら何処かへ消えて行き、戻ってきたら、一応来てるんだろうけど、やたら大人しい。
しかも最低ない事にマグロタチだった
初心者で15位へれたら動けんわなぁ。
59歳のダンディーだった親父がどんどんメス泣き始まると、あー、またか!
俺は乳首弄れば勃つ
ドリにはならない
自分で言うのも何だけど、ウケには勿体無いマラ持ってる。
オッさんサービスなし、俺のマラしゃぶる事も無く手でローションで扱いて、跨って来た。
ウケは騎乗位は腰少し浮かすんだよ!
と叫びたい位、全体重乗っかって、自分のいい奥を擦り付ける。
痛いんだよお前の骨盤とケツの重さで、息苦しくなる。
浮かせようとしても、アンアン言ってのけぞり、狂い出すからこっちは唖然と冷めてくる。
思いからバックにさせ後ろからガン付きふるも声は出ないし、自分から��ツ振ることも無し、今度はマグロウケか??
自称キメタチってこーゆータイプ多いと思いません?
だったらウケリバとの方が楽しい気がする。
中年になってもこんなのに引っかかるなんて、俺はバカだね。
やんわり、疲れたからと切り上げ、シャワー浴びて帰ったよ。
そしたらまた掘ってください、Tさんのチンポ太くて感じると、連日メッセージが来る。
ブロックブロック
てな締めで今回の再開は幕を閉じます。
よーく考えてみて、冷めた時その人ともう一度やりたいって思った人何人いる?
終わりが無い、満足がない世界なんですよ。
g35000だったら、本当の旅行行くわ。
ではまた会える日まで👍
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猫風邪、流行中につき
いわゆる『猫風邪』に罹患してから10日が経つ。
未だに声は戻らない。
身体の治癒能力が喉の部分だけ
機能停止してしまったかのようだ。
朝、散歩しながら推敲・・・
人は五感のうち、いずれかを失ったときに、
他の四つの感覚が鋭くなると言われている。
感覚を確かめる。
嗅覚、鼻詰まりによりイマイチ機能しているとは
言い難いが木々の臭い、
草の香りの中に混じった生き物の息吹を感じる。
視覚、視覚は何を見るか脳と連携していて、
どちらかと言えば僕の脳の伝達は
直視傾向にあって幅広い視野を
持ち合わせているわけではない
(写真を撮る人としてはどうなんだろう、
と疑問が過ぎる)。
特段何か見えるわけではなさそうだ。
触覚、手足がポカポカしているのは歩いているせいだろう。
味覚、食べていない時の味を
意識するのは初めてかもしれない。
朝歯磨きしたハッカの味が僅かに残る。
聴覚、鳥の鳴き声、風が木々をこする音、
その昔、妹に鼓膜を破られた後遺症で
耳鳴りが他の音を遮る。
特段、なんの変化もなし、そもそも、
喋る事は五感に属するのか、どうなのか。
散歩をできる余裕があるのは、よい兆候だと思う事にする。
朝の散歩は、意外と人と出会う。
声が出ない僕にとっては都合がいいのか悪いのか。
もともと、おしゃべりな方でもない、
かと言って聞き上手かと言われれば疑問だ。
人にお愛想を取るのが苦手だ。
その手の会話は中身がないようにも感じる。
人の主義主張は事例は違うにせよ
だいたい同じところに着地するように思う。
きっと感覚の違う人と会いなさいと言う
思召しにも感じ、思考をめぐらせてみるが
今の僕にはわからなかった。
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京都・願徳寺 如意輪観世音菩薩半跏像(国宝)
京都の洛西、ホテルエミナースを真っすぐ西に進んだ京都・大原野の山の麓にある天台宗寺院「願徳寺」。
そこに佇むのは観音菩薩の変化身の一つで六観音の一尊である国宝の如意輪観音菩薩。
如意輪観音菩薩は六道すべての衆生の苦しみを取り除き、世間に利益を与えることを本位とする仏です。
世間(せけん)とは、もともとインド発祥の仏教用語で、サンスクリット語で「ローカ(砕く)」という意味を持ち、移り変りや破壊を免れられない迷いの世界の事を世間といいます。
こちら願徳寺の如意輪観世音菩薩は、無彩色のカヤの木一木造りで日本の仏像彫刻史上最高傑作といわれる滋賀・向源寺の十一面観音菩薩と並び、見たほとんどの人が、ため息を漏らすといわれる美しい造形美で鎮座しています。
如意輪観音は一般的に六臂ですが、こちらの腕は2本で、衆生の願いを聞く「与願印」と煩悩や畏れを取り去る「施無畏印」を結び輪王座で鎮座しています。
頭のてっぺんから指先、衣の襞に至るまで繊細な彫刻で表現されており、菩薩の髪型では比較的珍しい単髻を七条の山型に形づけた「七山髻」の宝髻が特徴的です。
1200年前の平安時代に彫られた仏像で制作者は不明ですが、何処から見ても造形に破綻する箇���が見当たらないので、相当な腕前の彫刻師であったことは間違いないと個人的に思います。
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Maomao no Hitorigoto Episode 41 “The Same Kind?” / 猫猫のひとりごと 第41話 『同類?(どうるい/Do-rui)』
You can watch the video on YouTube, uploaded by the official Toho Animation account. Link to X
Please note that the English lines are just my translation.
猫猫「今日(きょう)もクタクタだ~。海(うみ)を越(こ)え、森(もり)を抜(ぬ)け、随分(ずいぶん)と遠(とお)くまで来(き)たものだ。しかし、子翠(シスイ)と翠苓(スイレイ)がグルだったとは…。それに、他(ほか)にも気(き)になることが…」
Maomao “Kyo’mo kuta-kuta-daaa. Umi’o koe, mori’o nuke, zuibun-to tooku-made kita-mono-da. Shikashi, Shisui’to Suirei’ga guru-datta-towa… Soreni, hoka’nimo ki’ni-naru-koto’ga…”
Maomao “I’m exhausted again today. We’ve crossed the sea, gone through the forest, and come a long way. But I was surprised to know that Shisui and Suirei were in cahoots… And there’s something else on my mind…”
クタクタ(くたくた/Kuta-kuta): be exhausted, be tired very much
グル(ぐる/Guru): be in cahoots, be in on it
翠苓「食事(しょくじ)の時間(じかん)だ。下(した)に来(こ)い」
Suirei “Shokuji’no jikan-da. Shita’ni koi.”
Suirei “It’s time to eat. Come downstairs.”
猫猫(フゥ。脅(おど)して連(つ)れ出(だ)しておいて、縛(しば)りもせず、食事(しょくじ)も与(あた)えるとは。変(か)わった奴(やつ)だ…)
Maomao (Fuu. Odoshite tsure-dashite-oite, shibari’mo sezu, shokuji’mo ataeru-towa. Kawatta yatsu-da…)
Maomao (Hmm. She threatened me and took me away, yet didn’t tie me up, and even gives me food. What a strange person…)
奴(やつ/Yatsu): guy, fellow – rougher word than “人(ひと/Hito): person”. I know you sometimes use “guys” to refer to a mixed-gender group but I’m not sure if you use it for a girl or girls. If yes, “guy” is better in this translation.
猫猫「翠苓(スイレイ)」
Maomao “Suirei.”
Maomao “Suirei.”
翠苓「何(なん)だ?」
Suirei “Nan-da?”
Suirei “What?”
猫猫「昼間(ひるま)のアレは…悪(わる)かった」
Maomao “Hiruma’no are’wa… waru-katta.”
Maomao “What I did during the day… Sorry about that.”
猫猫「ここで、猫猫の豆知識(まめちしき)。人(ひと)は、過度(かど)な恐怖(きょうふ)や不安(ふあん)を感(かん)じると、息(いき)を吸(す)っても酸素(さんそ)が十分(じゅうぶん)に体内(たいない)に行(い)き渡(わた)らず、呼吸困難(こきゅうこんなん)になる場合(ばあい)がある。呼吸(こきゅう)の波(なみ)を一定(いってい)に整(ととの)えることで、症状(しょうじょう)が収(おさ)まることも」
Maomao “Koko’de, Maomao’no mame-chishiki. Hito’wa, kado-na kyofu’ya fuan’o kanjiru-to, iki’o suttemo sanso’ga jubun-ni tai-nai’ni iki-watarazu, kokyu-konnan’ni naru baai’ga aru. Kokyu’no nami’o ittei-ni totonoeru-koto’de, shojo’ga osamaru-koto’mo.”
Maomao “Here’s Maomao’s bits of knowledge. When people feel excessive fear or anxiety, they may not get enough oxygen into their body even when they breathe, which can cause breathing difficulties. By regulating your breathing patterns, you can sometimes alleviate the symptoms.”
猫猫(相当(そうとう)苦(くる)しかっただろう…。やり過(す)ぎた)
Maomao (Soto kurushi-katta-daro… Yari-sugita.)
Maomao (That must have been really painful… I went too far.)
やり過ぎる(やりすぎる/Yari-sugiru): go too far, overdo
翠苓「…フッ。嫌(いや)がらせをしておいて、自(みずか)ら助(たす)け、詫(わ)びまでするとは…。お前(まえ)、やはり変(か)わった奴(やつ)だな」
Suirei “…Fu. Iya-garase’o shite-oite, mizukara tasuke, wabi-made suru-towa… Omae, yahari kawatta yatsu dana.”
Suirei “Haha. After having harassed me, you would help me yourself, and would even apologize me… You’re a strange person after all.”
自ら(みずから/Mizukara): oneself, of one’s own accord
詫びをする・言う(わびをする・いう/Wabi’o suru, iu): apologize = 謝る(あやまる/Ayamaru)
猫猫(ぅおっ!)
Maomao (Uo!)
Maomao (What?!)
翠苓「早(はや)く来(こ)い。食事(しょくじ)が冷(さ)めるぞ」
Suirei “Hayaku koi. Shokuji’ga sameru-zo.”
Suirei “Come quickly. The food will get cold.”
猫猫「次回(じかい)、『鬼灯(ほおずき)』。後宮(こうきゅう)は今頃(いまごろ)、大騒(おおさわ)ぎに違(ちが)いない…。みんなどうしているだろうか…」
Maomao “Ji-kai, ‘Hoozuki’. Kokyu’wa ima-goro, oo-sawagi’ni chigai-nai… Minna do shite-iru-daro-ka…”
Maomao “Next Episode, ‘Lantern Plant’. There must be a big commotion in the rear palace now… I wonder how everyone has been…”
#apothecary english#apothecary romaji#the apothecary diaries#apothecary diaries#learning japanese#japanese#薬屋のひとりごと#薬屋のひとりごと 英語#薬屋 英語 学習#japan#KNH#maomao no hitorigoto
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『黒鉄プロレスリング』にようこそ01
ガタン、と大きく車体が揺れ、吊り革を握る手に黒崎徹志はぐっと力を込めた。 締め慣れないネクタイが首に食い込んでいて、落ち着かない。 やはり、スーツは性に合わないなと黒崎は思った。
黒崎は、スーツを着ているときに感じる独特の蒸し暑さが、どうにも息苦しくて苦手だった。リングの上や練習場で選手たちとぶつかり合う時に感じる、あの汗の混じり合った熱気とは全く違う。
だが、今日ばかりは仕方がないと黒崎は思った。 小脇に抱えたビジネスバッグの中。 安っぽい賞状の入った筒が、その理由だ。
地域スポーツ貢献者表彰。 県庁で授与されたその賞状は、黒崎個人というより、彼が率いる『黒鉄プロレスリング』という団体そのものに向けられたものだった。
リング上で熱くなって愚直に汗を流す選手たちの姿が、地域に何かしらの良い影響を与えたのだとすれば、それは団体の代表として、社長として、誇らしいことだ。 だからこそ、少々の窮屈さを我慢することなど、黒崎にとってそれほどの苦ではなかった。
窓の外では、華やかなビル群はすっかり遠ざかり、見慣れた灰色の煙突と巨大なクレーンが空を切り取り始めていた。無骨な工業地帯の風���、見慣れた街並みが窓の外を流れ始めている。
「もう少しゆっくりしても良かったかもしれないな」 黒崎にとって、地元は愛すべき街だ。 しかし、長く都市部での生活を経験している黒崎は、その良さも骨身に染みるほどに理解している。
いかんいかん。 黒崎は首を振る。この時間も選手たちは今も練習に打ち込んでいるのだから、社長がサボっていては示しがつかない。
肩が凝り、首を回す。 その時、黒崎は混み合った車内に初めて小さな違和感を覚えた。
なんだ? 言語化できない直感のようなものだった。 目で追うと、必要以上に女性に対して身体を寄せている男の姿に黒崎は気づいた。 最初はカップルかとも思ったが、違う。 女性は身を硬直させていて、その表情は硬く青ざめていた。
痴漢か。 反射的に身体が動きかける。しかし、痴漢行為そのものをはっきりと確認できているわけではなかった。 憶測で動くわけにはいかないと考えていた矢先に、女性と目が合った。切実に助けを求めている視線が向けられている。
窮屈なネクタイを緩める。 彼女の瞳からその無言の訴えを読み取った瞬間には、既に黒崎の体は動いていた。 小脇に抱えていたビジネスバッグを床に置き、静かに女性の元に歩み寄る。
視線を落とす。 男の手は、間違いなく女性の衣服の中に入り込んでいた。
「いて、いてててっ!」 手首を黒崎に掴まれ、捻り上げられた男は、苦痛に顔を歪めてわめく。 何事かと周囲の人々の視線が集まった。
「痴漢だ。誰か車掌を呼んでくれ」 黒崎の低い声は喧騒をものともせず、はっきりと車内に響いた。
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トレッキング後の仕打ち

週末のトレッキングは、我が家+息子同級生家族で行ってきました。スポーツバギーが同行してたので難易度の低いコース。よって、全体に特に面白みがなく、ハイライトもなし。子供たちがお腹が空いてもうだめとわめきながらも楽しんでいたことが、幸せでしたね。また次に、レベルアップしたコースを共にする楽しみもできました。
家族以外の仲間と歩くと、自分たちの何気ない写真を撮っていてくれたりするのも、とっても嬉しい! わたしたち家族3人、何を見上げているのでしょう。かわいい春の鳥の声を追っているところかな。
ところで、この日ダメージが最大だったのは、およそ14kmひたすらそれを目指して歩いたクナイペ(ビール居酒屋)に赴いたものの、店主もキッチンも飲んだくれてしまったため食べ物メニューが無効というカーニバル(※)的な余波にて、店を移りファストフードに取って代わってしまったこと。補給食を食べてもなお収まらぬ、子供たちのハングリーコールに耐え切ったのに!
※カーニバル――「5つ目の季節」は 11月11日に始まり、灰の水曜日に終わります。この伝統の起源は冬を追い払う古い風習です。お祭りの騒ぎがハイライトを迎えるのはいわゆる「汚れた木曜日」から灰の水曜日(Aschermittwoch)までの週です。バラの月曜日(Rosenmontag)には大規模なパレードが行われ、愉快な仮装をしたり、伝統的な民族衣装や仮面をつけてパーティーやパレードを楽しみます。――ドイツ連邦共和国大使館ウェブサイト「地方色豊かなカーニバル」より

ま��、山歩きをしていて開いているはずのレストランが開いてないということは、ままあります。山の中や上の、小さくて大抵は美味しいレストランほど、経営者個人の事情や地域の事由が直に影響しちゃうでしょうから。わたしたちが経験したワースト1は、凍えるような寒さの中を上りきって入った山小屋レストランで、「パーティー予約で満席」と追い払われたこと。道路が通じているためクルマで上がってこられて、雪があればスキー場にもなる人気の場所ですが、各方面から登りつめたトレッキング及びバイクルートの先にあるレストランでの話です。死にゃあしませんでしたが、大変苦労したのは忘れませぬ。
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【1話】 はじめて大麻を吸ったときのレポ 【さいばーひっぴーができるまで】
―――小学校からの幼馴染である“しのはる a.k.a. BUDDHA ON SHROOM”(以下“しのはる”)が、当時留学していたカリフォルニアから日本にいる僕に電話をかけてきては、大麻の使用の煽り・唆しをしてきていた。
彼の話を聞いているうちに、僕は大麻を吸ってみたくて仕方がなくなっていたので、大麻の使用を目的として、しのはるが住んでいるカリフォルニアの家に居候しに行くことにした。
そうして日本を離れ、しのはるの家に到着するなり、しのはるは「初めての���は吸い方が悪いのか、効いてるかわからないって人が多いから、肺に死ぬほど煙を溜め込むイメージで吸って、少し息を止めてから吐くといいよ」などと僕に忠告をすると、「景気づけにいっちゃってください」とか言いながら、早速ジョイントを渡してきた。

僕は少し不安を抱えながらも、不慣れな手つきでジョイントの先に火をつけ、忠告通りに大量の煙を肺に溜め込んでみたのだが、急に肺に苦しさを覚えたために、息を止める間もなく強烈に咳き込んでしまった。
咳き込みすぎてもはや吐きそうになりながら過呼吸的な浅い呼吸を繰り返している僕を見ながら、しのはるはニヤニヤと可笑しそうに「うわー吸ったねーこれ絶対ハイになるやつじゃん」などと言いながら、残りのジョイントをゆっくりと吸っていた。
5分ほど経ってようやく肺が楽になってきた頃、僕は座禅を組みながら、大麻の効果が効いてくるのを神妙に待っていたのだが、さらに15分ほど経過してもとくに変化がなかったので、「全然効いてる感じしないなー」などと言って残念がっていた。

しかし、気づくとなぜか上半身が右に傾いていたのだ。僕は上半身が���れそうになったところでハッとして姿勢を直したのが、それでもまた徐々に上半身が右に傾いてしまっていた。僕のその様子を見ていたしのはるは、「時計の秒針みたい」などと何の気なく僕を茶化してきていたのだが、僕はその言葉を受けると、まるで暗示にかかってしまったように、1秒ごとに1秒分の角度で小刻みに上半身が右に傾いていってしまった。
僕は秒針になるのをやめるために立ち上がってみたのだが、今度は沼地に立っているかのように足がカーペットに沈んでいく感じがしてきた。その感覚はとても愉快で、僕は幼児のようにはしゃぎながら左右交互に足踏みをしていたのだが、次第に足踏みをするのを止められなくなってしまい、しかもその途中で、“ただのカーペットの上で成人男性が足踏みをしてはしゃいでいる”という状況の可笑しさに気づいてしまったので、止められない足踏みをしながら腹を抱えて笑っていた。
すると、壊れたおもちゃのようになってしまった僕を見ていたしのはるも、まるで伝染したかのように笑い転げ出したので、それにつられて僕もさらに笑いが止まらなくなった。何が面白くて笑っているのか、もはや途中で忘れてしまっていたのだが、なにが面白くて笑っているのか分からないのに笑っていることがもはや可笑しくて、ヒステリックに笑い狂っていた。
そうして大麻のハイの愉快さを知ると、僕は毎日のように大麻を喫煙したくなり、2週間ほど滞在していたカリフォルニアでは、ほぼ毎日大麻を喫煙する生活を送っていた。

―――しかし帰国してから2年間ほどは、大麻とは無縁の生活を送っていた。旅行に行った時などには大麻を吸いたくなることもあったが、わざわざ日本でリスクを犯してまで吸おうとは思わなかったし、当時は周囲の交友関係の中に大麻を嗜む人がいなかったのもあって、大麻のない生活に特に支障を感じてい��かった。
そんな中、しのはるが日本に帰ってきた。しのはるは、「間違えてポッケにTHCグミを入れたまま飛行機に乗ってたみたいで、図らずも密輸入しちゃった」などというメッセージと共に、トリッピーなデザインをしているグミの写真を送ってきて、その数時間後には、「もう食べちゃったんだけど、日本でハイになるの色んな意味でおもしろいわ」などと羨ましくなることを言ってきた。
しのはるのせいで大麻を吸いたくてうずうずしていると、数日後にしのはるから電話がかかってきて、「あのグミはもう食べちゃったんだけど、weed調達できたから、今日一緒に吸わない?」などと誘ってくれたのだが、僕はそのありがたさはさておいて、ツテがなくても日本で大麻を入手できることと、彼がひとりでに行動に移していたことに仰天した。
当時はまだ珍しかったのだが、Twitterで「都内 大麻 手押し」などと検索をして出てきたプッシャーとDMでコンタクトを取って、新宿駅の構内で落ち合って引いてきたらしい。
僕は意図的に法の外に出る経験は実質初めてだったので、少し不安に思ってもいたのだが、再び大麻の感覚を味わえることを想うと、多少のリスクを冒してでも大麻を吸いたいと思ったし、日本で吸ったらどういう感覚や気持ちになるか興味があったので、ありがたくいただくことにした。

そうして、僕は少し緊張しながらも集合先の公園で待っていると、しのはるはニヤついた顔でやってきて、早速ポケットからパケに入った大麻を取り出しては、「こちらが乾燥大麻らしき植物片です」などと言いながら、なんの悪びれもなく大麻を僕に見せつけてきた。
日本で大麻を見ること自体もそうだが、しのはるが違法行為である“大麻所持”をしていることの非日常性というか異常性が可笑しくて、僕はなんだか精神が昂った。
それから早速、その大麻で作ったジョイントを一緒にまわしたのだが、2年ぶりということもあってか、「本当にこれは大麻なのか?」と勘繰るほどにサイケデリックなトビ方をした。
あとでその時の僕の様子をしのはるに聞いたら、ついに頭がバグってしまったんじゃないかと不安になったくらいには、様子がおかしかったらしい。
実際、せっかくだから日本ならではの食事をしようということでくら寿司に行ったのだが、なぜか店内でインド風のBGMが流れていて、僕はその要因だけでインドのくら寿司にいると思っていたし、普段は割と苦手なとろサーモンを口に入れたら、脳細胞の多くが死滅したのではないかと思うほどに、2分くらい「美味い」ということしか考えられなくなっていて、店を後にする頃には、美味すぎたことによって心身ともに疲弊しきっていた。
アメリカでハイになるのとはちがって、馴染みのある環境でハイになると、“シラフのときとハイのときとでは感覚や情報の捉え方が違う”ということがよりハッキリと分かったし、法律で禁止されている日本でハイになるというのは、背徳感がスパイスされた解放感があった。

それから、僕は大学を卒業して東映株式会社に入社し、寮生活の元に社会人���して初めての労働を行っていた。ただ、ゆっくりと大麻を嗜む生活とは無縁だったために、(寮でこっそり吸っていたこともあったけど)苦しくなってしまい、あっさりと会社を辞めて、もう少しゆるい会社に転職した。
時間に余裕を持てるようになると、僕としのはるは頻繁に大麻を吸って遊ぶようになり、僕は一人でも大麻を引きに行くようになった。そうして、しのはるとプッシャーの情報を共有し合ったり、一緒に引きに行ったりする中で、僕らにはお気に入りのプッシャーができた。
そのプッシャーはLSDなるものも持っていて、LSDのことを「大麻の8倍くらい凄いヤツ」とかいうテキトーな説明をしていたのだが、僕らはそれを聞いて、俄然やってみたくなっていた。

・
つづく(この物語は雑誌「さいばーひっぴー」の「さいばーひっぴーができるまで」に載っている内容とほぼ同じものです)
・
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
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戦闘服の男たちNo.1
さぶ増刊号 1985/7


G-men 2009/6


§1 夜明け前
俺は島護、25歳の陸上自衛隊員だ、体付がごついのでゴリラの様だと皆言う、勿論短髪、入隊して3年、我ながら戦闘服姿が板に着いて来たと思う。今俺は、ジープのドライバーとして、この久しぶりの大演習に参加している。
演習場の空が、ようやく白み始めてきた。午前4時、俺の運転するジープは、戦車がさっきこねくりまわしていったぬかるみを、ケツを左右にふりながら最後の目的地にむかっている。夜通しの演習は何度も経験してるけど、3日めになるとい��も意識もうろう、ただ気力だけで動いているっていう感じ。頭は短髪だからなんとかなってるけれど、顔は不精髭、体だって風呂なんか演習中入れないので汗と埃でべっとりしている。隣で無線機片手にさっきまで巻くっていた金城3尉も、いまは黙りこんでいる。
金城3尉は27歳、骨太ですげえいい体しているんだぜ、頭はいつもさっぱりと刈りこまれた短髪で、いかにも沖縄生まれっていう顔は本当に野生の証明そのものだね。
実は俺、前から憧れっていうと照れくさいけれど、気になる人だったんだ。けれども違う小隊の幹部だったのでなかなか話すチャンスも無いし、遠くから見てるだけ。だから今度の演習でジープの運転手として一緒に行動をするって聞いた時とても婚しかったよ。
そんな金城3財が、ポツリと
「元太の奴、どうしてるかな。」
元太っていうのは、俺の同期で、九州からきた高橋士長のことだ。あいつも図体でけえくせに俺より3歳も年下で、口は悪いが性格よくてなかなか憎めない奴だ。
そんな元太なんだが腰を痛めたとかで演習の3日ほど前から入院して-まっている。たしか金城3尉の小隊だったはずだ。
「ああ、あいつのことなら心配せんで下さいよ。キングコングみたいな、図体がそう簡単にへこたれませんよ。」
「ひでえこと言うなあ。おまえもゴジラみてえな体してるくせに。」
「じゃ、金城3尉は大魔神じゃないですか。」
あは、言ってしまった。3尉殿に大魔神だなんて、思わずペロリと舌をてしまう。
「お前も元太と一緒で可愛い奴だな。」
「エヘ、そうですかぁ」
なんて冗談を言っているうちに眠気も覚めてきた様だ。
夜も明ければ状況(訓練)終わり。終われば休暇が待っている。
§2 事件発生
演習が状況終了になると、その夕方は演習場の天幕(テント)の中で恒例の大宴会が始まることになっている。正直言ってこれを楽しみにしている隊員も多い、汗臭い戦闘服を脱いだ時の解放感と、酒を飲んでポロリと出る本音のぶつかり合いがたまらなく好きなんだよな。
あたりも暗くなり宴もたけなわ、俺たちの天幕は8人のむくつけき男どもで足のふみばもないくらいだ。さっきまでの疲労の色もなんのその、酒は命の水とはよく言ったもんだ。
幹部同士で呑んでいた金城3尉が赤らめた顔をして、焼酎の一生瓶をかかえてやってきた。そして俺の隣に座りこむ、
「おい、島、飲んでいるか。まっ一杯飲め!」
と言って一生瓶をさしだしてきた。
「3日間、御苦労だったな。���前のおかげだ、さあ飲まんか!」
いくら俺が力自慢でも金城3尉に押えつけられたら手も足も出ない。
それでも有無を言わさず、瓶ごと口につっ込んでくる。俺、思わずむせてしまった。そしたらやっと力を緩めてくれた。
「ふーっ!助かった。もー殺さんでくださいよ。」
あたりに笑い声が響き渡った。
そんなとき、俺の手がぐっと3尉に、握られていることに気がついた。
熱い手だった。急に頭がクラクラとしてきた。酔いが回って来たようだ。だんだん意識が……
「島士長!起きてください」
がんがん鳴り響く闇の底から起こされたのは、午前3時。俺をゆさぶっていたのは、不寝番の伊藤一士だった。重い頭をかかえながら起き上がると伊藤一士は
「高橋士長が、地区病院から行方不明になったそうです。今部隊から連絡が有りました。」
頭がボーッとしている俺は最初その事態の重大さに追い付いて行けなかったが。少しして、
「な、なんだって!元太が逃げたって!」
隣で寝ていた金城3尉も起き上がって来た。
「元太がどうしたんだ。」
「地区病院から脱柵(脱走)たって……」
「あの馬鹿野郎!いったいどうしたんだ。」
3尉もまだ酔っている様だ。俺は戦闘服をひっかけると、半長靴を急いで履き
「金城3財、中隊に電話してきます。」
といって天幕を飛び出した。いったい元太の奴、なにがあったというんだ。まだほとんど冷めて無い酔いとともにそんな思いがぐるぐるめぐっていた。
電話のある天幕はこの時間には誰もいない、さっきも不寝番が飛んで来て受けたのだ。
俺は中隊へ電話かけた。こんな事件のあった時は必ず当直が誰かひとり起きているはずだ。
「はい、3中隊当直幹部です。」
「演習部隊の島士長ですが、高橋士長の件でどうなったのか、知りた��と思いまして。」
「ああ島か、三上2尉だ、どうやら午前2時ごろいなくなったらしいんだがな。」
「いったいなにが原因何ですか、」
「それは俺が知りたい位だ。」
「じゃ、詳しい事はまだ…・・・・。」
「そんな所だ、島士長、あまり心配せんで移ろ。」
俺は、演習場に居て何も出来ない自分にどうしようもないいらだちを感じていた。
「何かわかったら電話下さい。俺、ここでまってます。」
そういって竃話を切った。
§ 3 ふたたび夜明け前
いつのまにか後ろには金城3尉が立っていた。
「詳しいことはまだわからないそうです、なんか信じられないっすよ。」
金城3尉は、俺の肩を抱きながら、
「元気出せ島。元太は戻って来る、必ずな。俺も一緒に連絡を待とう。」
そういって3尉は、持って来た一生瓶を俺に差し出した。俺は進められるままに一生瓶ごとくい飲みした。自棄酒だな、まったく。
「どうだ、もっと飲め。」
金城3財は、自分でも一杯飲むと、今度は俺を天暮のシートの上に押し倒した。ふだんならこうも簡単に倒れるわけないのだが酔ぱらってなんだか分からなくなってきた。
「まだ飲み足らんか、お前は可愛いやつだぜ。」
金城3時は、俺の体の上にのしかかって来た、酒の匂いと共に戦闘服に染み込んだ男の匂いがムッ、としてきた。
気が遠くなりそうな、でも俺、嫌じゃなかった。
金城3尉の手が俺をきつくだきしめる。耳に熱い吐息がかかる、だんだん体から力が抜けていく……
「元太の所へ俺だって飛んでいきたいんだ、島、分かるかこの気持ち、実はな、俺はこの中隊に来てからずっとお前ら2人が気にいっていたんだ。元太はともかく、お前だって俺は遠くから見ていたんだ。だがな、こんなふうになるとは思ってもみなかった。元太の奴め、俺は寂しいよ。」
そういい終わると静かに唇を重ねてきた。熱いものが体の中から沸いてくる。
3尉は俺の職闘服の上衣のチャックをおろすと胸のあたりをなぜまわし始めた。
「ウーツ」
自然に声が出てしまう。いつのまにか戦闘服のズボンのボタンも外されていた。
そして無造作に手が突っ込まれてきた。
「堅いな。」
そう言って俺の気持ちを確かめると、おもむろに酒を煽り、口移しで酒を送り込んできた。
あまりの量の多さに口から溢れてしまった、金城3尉は舌でそれを拭うとまた、唇を重ねてきた。舌と舌が口の中でからみあう、それに加、て強い雄の臭いがたまらなく俺を刺激する。
「金城3尉!た、たまんねえよう。」
俺はあえぎ声を出してしまう。
「そうか、たまんねぇか、もっと良くしてやる。」
と、言って戦闘スポンからず大くなった俺のモノを引き摺りだした。
「体にお似合いのゴツいモノだな。」
そう言いながら唾をおれのモノに垂らすと、指で一番敏感な所をこねまわしてきた。もう片方の手は俺の口の中に容赦無く入り込んでくる。
「どうだ、今度は俺の番だ。」
といいながら、自分の戦闘ズボンの前をまさぐり、俺に馬乗りになってきた。そしていきり勃ったモノを口にねじ込んできた。
「ウグッ!」
むせ返るような強い臭いに圧倒され、俺は無心に頬張る。その間にも金城3尉は俺のモノをこねくり回す。
「いいな島、この事は2人だけの秘密だからな。」
腰を動かしながら金城3尉がいう。
頬張りながら俺がうなずく。
そして3尉は、一層堅くなったモノ引き抜くと体をずらし、俺の爆発寸前のモノと自分のモノを一緒に握り、激しくシゴキだした。
「ウ、ウッ島、」
「キ、金城3尉ー」
二人は、押し殺した声でお互いの名を呼びながらおびただしい量をほとばらして果てた。それは、戦闘服のはだけた分厚い胸にふりそそいだ。それを3尉はていねいになめると軽く口を重ねてきた。
俺はだんだん気が遠くなりそのまま寝てしまった。

§4 捜索
翌朝俺と、金城3尉は元太の捜索に協力する為、一足先に演習場を出発した。
二人とも照れ臭いのか黙ったままだ、だがその沈黙を破るように3尉が、
「昨日のこと、覚えて要るか。」
と、ひとこと言った。
「え、ええ。」
俺は思わずどぎまぎして答えた。
「嫌だったらごめんな。」
「そんな、始しかったです。」
言葉少なめに答える。ジープが信号で停車した。
シフトレバーを握る手がもうひとつの大きな手に包まれた。
中隊に帰るとすぐ捜索に加わったが、その日の手がかりは何も無かった。
だがその夜、金城3尉あてに電話が掛かってきた。
「元太、お前何処にいるんだ。え、よし分かった今行く。」
「島!来い」
慌てて3尉は飛び出して行く、俺も急いで付いて行く。シープは二人を乗せて夜の町へ走り出していった。
5分もジープを走らすと、ヘッドライトが道に立っている元太を照らしだした。
「さあ早く乗れ、一緒に中隊に帰ろう。」
金城3尉が元太に話掛けた、だが、
「俺、帰りたくない。」
と、一言言ったまま黙って仕舞った。
「仕方が無い、じゃ、俺のアパートに来い、それならいいだろう。」
3尉がそう言うと黙って元太はうなずいた。
結局元太は、退職していった。奴の腰の病気は、自衛官として仕事を続けていきり直ることはないというものだった。
陸曹になり、幹部に成ることを元太は夢見ていたのにそれが挫折してしまった。それがつらくて逃げだしてしまったそうだ。
俺も3尉もなにもしてはやれなかった。あんなに丈夫な奴だったのに。
「俺は、野原でひと暴れする為に自衛隊に入ったんだ。小銃片手に演習場を走り回る、屈強な男だけに許された仕事さ、だけどこの体じゃもうそれもできねぇ。たとえ部隊に戻れても、どうも事話関係の仕事に回されて任期がくれば、はいさよなら そんなのやだぜ」
そう言ってあいつは国へ帰って行った。
§5明日へ
それから数週間が過ぎた。あれ以来金城3尉ともなかなか話する機会もなくたまに目で挨拶をかわすぐらいしかできない日が続いた。
そんなある日、再び金城3尉のドライバーとして演習の偵察に行くことになった。もちろん3尉のご指名…っていうか元太の後釜。
ほとんど単独行動になるのでずっとふたりきりという訳だ。俺もじっとまってたよこの日をね。
けれども仕事は、そんな俺の甘い考えをふっとばすかのようにとても忙しかった。話すことは仕事上のことばかり、演習場のなかをシープは縦横に走り抜けて行く。
「さあ、これで終わりだ。島士長、シープを降りて一休みでもしよう。」
と金城3尉がいったのは午後の日が沈みはじめた時間になっていた。
「はい」
と返事をして俺はジープを道端に止めた、あたりは一面に草がおい茂っている。
3尉は降りて立小便をはじめた、おれも並んではじめる。
「フーツ」
小便が終わっても二人はそのままたっていた。ふと金城3尉の方を俺は見た。横顔が夕日に染まっていた。3尉もこちらを向く、視線が絡み合う。
「久しぶりだな。」
「長かったけど、俺待ってました。」
ふたたび前を向くと、金城3尉は俺の肩を抱いて茂みの中へ歩き出した。
夏の終わりの演習場は背の高い草に覆われ、ほんの少し足を踏み入れただけでそこはもう二人だけの世界になっていた。
「俺の事好きか?」
と、金城3時が聞く。俺が目でうなずく。
肩に回された手に力が���り思いっきり抱き締められた、背骨が折れんはかりの力である。
ああ、これが俺たちの愛し方なんだ、有無をいわさぬ強引さで右手が開いたままになっていた戦闘服のズポンの前に突っ込まれてきた、すでにはちきれんばかりとなっている俺のモノを引き摺りだすと唾を付けてシコキだす。
「たまんねぇよぅ。」
俺はうめき声を金城3尉の耳元でささやいた。
「よーしいいぞ。」
金城3尉はうなずくと、しゃがみ込み俺のモノをくわえこんだ。そして両手で俺のズボンのボクンをはずし際まで下ろす、右手は俺のケツのあなをいたぶり、左手はキンタマを滑り回す。
そして俺の手は金城3尉の頭をがっちりと押さえ込んでいた。
「金城3尉ーもうがまんできねぇー。」
「うるせぇまだだ。」
そういうと3尉は、俺を後ろ向きにした。
俺は覚悟をした。
ベトベトになった俺のモノをこねくり回しながら、ケツを舐め始めた
「あっ汚いっす」
臭くないわけがない、それでもグッと舌を突っ込んで舐めまわす。
俺は快感に蹂躙された。
3尉は立ち上がって口を拭う。
「いいな。」
と、一言いうと、自分の戦闘スポンから見事に怒り狂ったモノをまさぐり出し、俺のケツにあてがった。そして乳首を…
俺が、つい、力を抜くと同時にゆっくりと先の方がめり込んできた。
「ううつ・い、痛ェよう。」
「なあに痛てえだと?男ぞ!がまんせんかあ。」
そういうと、腰にまわした手に力を込めてきた。物凄い力で俺のケツが引き裂かれる様に少しずつねじ込まれてくる。
「し、島、入ったぞおーっ」
3尉がうめく様に汗を拭いながら言う、俺もまだ着たままの戦闘服で額の汗を拭った。
「まだ痛いか。」
俺は首を横に振る。
ゆっくりと金城3尉は腰を使いはじめた、手は俺のモノをシコキだす、もう片方の手は俺の戦闘服のチャックを下ろし、シャツをたくし上げ、乳首をいたぶる。
いつのまにか俺は金城3財の動きに体を合わせていた。
突然金城3尉の体が痙攣し、俺のモノが思いっきりシゴかれた。体の中で激しいほとばしりを感じると同時に、俺も勢いよく草むらに噴出してしまった。
そしてそのまま二人ともその場に倒れこんだ。
二人で大きなためいきをつくと、寝っころがったまま空を見上げた。あたりはすっかり夕焼けで真っ赤になっている。
ふと、金城3尉が言った。
「島、お前も満期(2任期‥4年)で除隊しちまうんか!」
「ええ、そろそろ国へ帰って親父の現場仕事でも手つだおうか、とでも思っていたんですが。」
本当はまだどうするか決めていなかった。
「そうか。どうだ、島、陸曹候補生受けてみんか。」
陸曹になると俺たち陸士の様な任期制の際員と違い、定年まで勤務ができる様になる。つまり職業軍人というわけだ。勿論その為には、試験があり。学科だけでなく、体力検定、基本教練、あげくの果てには小銃担いで障害物競争をする武装走まであるという苛酷なものだ。正直言って一度受験したらもうたくさんと思ってしまう。
「でも、この前一度受けて落ちましたから。」
「一度ぐらい落ちた位でなんだ。もう一度受けてみろ。お前は自衛隊に憧れて入隊してきたのは分かっている。演習に出ている時、お前は一番いい顔をしているじゃないか。」
そう言って金城3尉は立ち上がった。そして、
「島、そこの俺の帽子見てみろ。」
俺は、そばに落ちていた帽子を拾い上げた。
「あっ、この帽子は…」
「そうだ。元太のだよ。あいつが辞めた時、補給陸曹に頼んで交換してもらったのさ、」
「そんなに金城3尉は元太の事を、」
「そうだ、今でもお前と同じくらいな。好きだったよ。だがな、あいつは気付いてなかったよな。そんなこと。ただの口うるさい小隊長さ。」
ジープに寄り掛かりながら話てくれた。
「じゃ、俺が辞めても何か俺の身につけていてくれますね。」
すると俺の方を睨みつけて言った。
「馬地野郎!まだわからんのか。お前は陸曹になるんだ。そして俺に付いて来い!必ず良かったと思う。もう別れの寂しさなんかまっびらだ。」
そう言いながら俺を強く抱きしめた。迷いが少しずつ消えていくような気持だ。
「よし!俺、また挑戦します。」
「その調子だ、島、俺が合格するまでたっぷりシゴクぞ。」
「エへ、じゃ、合格したらシゴイてくれないんですかぁ。」
二人は顔をあわせて笑った。(終わり)
さぶのカットと、G-men 版の挿画
どちらも木村べん氏。挿画はべん氏より頂いた鉛筆画のコピー。




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秀一が七瀬に案内されたのは、一年二組の教室だった。大概、一組あたり三十名の生徒が学んでいるらしく、これまで男子校とは無縁だった秀一には「未知の世界」だった。やはり「むさ苦しい」のだろうか?と、彼は色々と想像を膨らませた。教室内から賑やかな声が聞こえ、一瞬「学級崩壊」しているのでは?と七瀬に聞いた。
「一応、国公立大学への進学率は高いって聞いてますけど…」
「まァ、本当だけど、休み時間は何処もこんな感じですよ」
「何やってるンですか?」
「う〜ん、何やってるンでしょうね」
流石に休み時間のことまでは解らない様だった。七瀬は教室の引き戸を開けると、何故か急に静かになった。談笑をしているだけだったのか、散り散りになっていた生徒らが一斉に着席した。K高校の制服は、紺色の詰め襟にサイドベンツが入ったものだった。七瀬が教壇に立つと、生徒の一人が起立の声かけをした。まるで防衛学校の様な号令である。七瀬は挨拶をすると、秀一の紹介も含めて話し始めた。
「今日から、一年生の現代文を担当することになった、益子秀一先生です。益子先生、皆に自己紹介してもらってイイですか?」
突然促されたので、少々慌てた様子を見せたが、
「はじめまして。益子秀一です。都内の私立高校で担任も受け持っていた経験もあります。早く皆と仲良くできるよう頑張りますので、よろしくお願いします」
と会釈した。生徒の中には、目を大きく見開いて興味を示す者もいた。一瞬どよめいたが、
「はいッ、授業を始めますよ!」
と七瀬は声を上げた。
授業の合間、秀一は教室の後ろで見学をしていた。その最中にも一部の生徒が振り向いてはヒソヒソと話し、落ち着かなかった。そんな生徒に秀一は、
「授業中だから、ヒソヒソ話は止めようね」
と小声で言った。
授業が終わり、廊下に出ると七瀬は溜息をつき、
「…実は、一年二組は一番やりずらいンです。ウチは特別進学コースと大学進学コースと分かれているンですけど、先刻のクラスはあまり出来がよくなくて…」
と話した。まァ、見りゃ判るよと秀一は割り切っていたが、
「恐らく、初めてだからかなァ?」
と言うと、
「何人か、益子先生に好意を持った奴がいたと思うンで、注意した方がイイですよ」
と強調した。
その後もクラスを転々とし、授業が終わる都度、七瀬はめいめいのクラスの特徴を話した。一環して共通しているのは、
「益子先生に好意を持った生徒がいる」
という言葉だった。秀一は、七瀬には「解りました」と言ったが、内心は「まァ、面白可笑しくやってやれ」と思っていた。
理事長室では、岩崎が秀一の様子を貢に報告していた。向かい合うソファに座り、貢自ら淹れたコーヒーを片手に岩崎は、
「七瀬先生からは、さっそく一部の生徒からモーションかけられたみたいです」
と話した。貢は『モーション』という言葉に反応した。
「それって…惚れられたって事?」
「う〜ん、何だか解ンないけど、そう言ってたヨ」
「そうなンだ…」
「そうそう、益子先生って白いビキニブリーフを穿いてるみたいよ」
「あら、やだ」
「あんな色黒な肌に…鼻血が出そう!」
「前立腺、うずいた?」
「でも、案外用心深いかもよ」
「そうかァ〜」
貢はカップアンドソーサーをローテーブルに置くと、岩崎の隣に腰を下ろした。内腿に触れながら、
「相変わらず、カワイイね」
と囁いた。
「な、何ッ!? 仕事中なのに、ダメよ」
「相変わらず、不安定なの?」
「…うん、ダメ。急に淋しくなっちゃうの」
「相変わらず独りでオ◯ニーしてるの?」
「だって、『セフレ』いないし…」
「今夜、亮ちゃんのところに晩酌しに行くけど、どう?」
「『亮ちゃん』って、用務員の?」
「『メチャクチャに抱いてやるからな』って…」
「乱暴はイヤ」
「淫乱パーティーやろうよ」
「う〜ん、考えてとく」
そんなやり取りの合間に貢は岩崎の唇を奪い、彼の股間を弄った。早くもスラックスの中で硬くなっている様だった。耳の方も息をかけられ、岩崎は貢を堅く抱擁した。彼は言った。
「…早く更年期終わって欲しいナ」
「淋しい時は、いつでもおいで」
実は、貢は岩崎とは彼がやはり上野のゲイバーで知り合い、そのまま意気投合した情人(アマン)の一人だった。妻子とは所謂「中年離婚」し、自暴自棄になっていたのを隣に座っていた貢が声をかけ、連れ込み宿に連れ込んだのだ。岩崎は妻子がいる頃にゲイビデオのモデルをやっていた程だった。一見ノンケっぽい雰囲気がある様子に貢は惚れ、しかも若いながら主任までやったことがあると言うものだから校長にしてやると誘ったのだ。
岩崎は貢の接吻と抱擁に満足すると残りのコーヒーを飲み干し、カップアンドソーサーをローテーブルに置いた。微かに涙がこぼれたのか、
「顔洗わなきゃ…」
と立ち上がった。貢は彼の方を見詰め、
「申し訳ない、仕事中に…」
と自分の行動を反省した。岩崎は、
「…貢クン、優し過ぎるのよ」
と振り向かずに言ったが、微笑は浮んでいた。何となく自分自身に優しくなれた様だった。ただの欲求不満だった様だ。彼は、
「失礼します」
と平然を装いながら理事長室を後にした。貢は、
「…だからアイツはカワイイんだよ」
と笑った。
一年二組では、生徒の一人がぼんやりと窓の方を見上げていた。背後から、
「おい、諸井!」
と同級生に呼ばれるも気付かなかった。うわの空の様だ。その同級生が再び、
「諸井、何ボ〜ッとしてるンだよ!」
と、今度は背中を叩いた。流石に、
「痛ッ、何するンだよ!」
と振り向いた。彼は諸井翔と言った。同級生の黒木正美は、
「もしかしたら、お前、あの益子先生に惚れちゃったのか!?」
とからかった。翔は、
「ち、違うよ!」
と顔を赤らめた。
「嘘つくンじゃねぇよ! 顔真っ赤だそ!」
「ち、違うよ! バカ!」
翔は、額がかかるぐらいの前髪を垂らし、中肉中背だった。中学生の時は、精通は経験したが未だオ◯ニーはしたことがなかった。母親が勉強しろとやかましく、しかも過保護だった。自分の下着もこれまで買ったことがなかった。
一方、正美は髪を真ん中で分けた、細めの黒縁メガネをかけた中肉中背である。父子家庭だが殆んど仕事で、祖父母が面倒をみていた。母親は彼が幼い頃に病死し、再婚もせずに海外赴任が多かった。K高校には、彼自ら入学を希望した。父親に心配されなくてもイイ様に、との考えからだった。
翔は、秀一が私語を慎むよう他の同級生に声をかけていた様子を見た時、その距離が短いことに気付いた。耳元で囁く様に言われ、その同級生はドキドキしたと授業の後に周囲に話していた。日焼けした肌に冴える水色のワイシャツが残像として残り、微かに透けてみえたタンクトップに男らしさを感じた。彼はこれまでにない憧れを抱いた。また、性衝動も起き、授業の後にトイレへ行って個室の中でスラックスを下ろすと、ブリーフから先走り汁が沁み出ていた。未だオ◯ニーをした経験もないので、とりあえずトイレットペーパーで包皮を剥いて拭き取った。いよいよオ◯ニー「デビュー」か?と彼は思った。
或る同級生が、今週の宿直が体育教師の大平雅之先生だと話した。大平は、普段は全学年の保健体育を担当しているが、ラグビー部の顧問も兼務していた。コ◯ドームの付け方をこれからの時代は教えなきゃダメだと提案したのも彼であり、宿直に入ると���徒の誰かしらは男色の「洗礼」を受けていた。正美は言った。
「実はさァ、入寮したその日にあの、益子先生に注意されていた野澤、大平先生に『食われた』らしいよ」
「マジで?」
「でも、アイツ、中学生の時には付き合っていた教師がいたみたいだし、ずっと宿直室で大平先生と寝てたって」
「それって、ヤバくね?」
野澤佳憲は、スポーツ刈りで細めの容姿だったが、中学生の時は美術部に所属し、その顧問と肉体関係だったらしかった。モデルをいつも任され、ヌードが殆んどだった。彼自身も顧問だった教師のヌードをデッサンで描き、部活動が終わると必ず人気のない山林で「カーセッ◯ス」をしていた。すっかり男色癖がついている様だった。佳憲は自席から立ち上がり、正美と翔の話に加わった。
「あまりバラすなよ…。高校入学してからセッ◯スしてなかったンだから」
「お前、大平先生の何処がイイの?」
「チ◯ポがデカいンだよ。サポーターの様なビキニブリーフからはみ出る様にデカくて…しかもザー◯ンもとてつもなくて。オレ、気絶しちゃったよ」
「な! コイツ、スケベだろ!?」
二人のやり取りに翔はついていけなかった。オレはオ◯ニーすらしたことないのに…。この高校に入学してから、ずっとそんな話ばっかりだと、彼は塞ぎ込んだ。もし、大平先生が誰とでも大丈夫なら今夜宿直室に行ってみようかと思った。佳憲は言った。
「益子先生、カッコイイよなァ〜」
「あれ、大平先生はどうでもイイの?」
「否、何か違うンだよ。オーラを放ってる感じがして…」
「『オーラ』って、何だよ」
「う〜ん、何か触れてはいけない感じだな」
「そうかなァ?」
次第に、正美と佳憲の会話に翔はイライラし、ついにそれが「爆発」してしまった。彼は教室を出て行き、上履きのまま校舎を飛び出した。二人は、
「何だ、アイツ…」
と呆気にとられた。
これまで性というものに興味はあったが母親によって抑圧され、押し殺してきた翔にはどうしてイイのか解らなくなっていた。彼は山林の中に入ると絶叫し、慟哭した。バカ! バカ!と、何度も心の中で訴え、地面の上に転がった。まるで駄々っ子の様に這いずり回り、頭を抱えた。そんな彼の声に気付いたのか、「別荘」の居間でラジオを聴きながら夕食の支度をしていた亮司が出て来た。彼は泣き続ける翔に声をかけた。
「おい、大丈夫か!?」
だが、依然として地面に顔を伏せて泣き続けている。亮司は無言で翔を起こし、土だらけになった制服を手で叩きながら別荘に連れて行った。
亮司は翔に制服を脱ぐよう話し、上下とも洗濯機に入れて洗った。その間、翔はワイシャツに白いセミビキニブリーフという格好で居間のソファで塞ぎ込んでいた。亮司はコーヒーを淹れたマグカップを渡し、飲むよう言った。泣き疲れたのか先刻の様なイライラした感情はなく、ぐったりしてい���。コーヒーを一口飲むと翔は口を開いた。
「…おじさんは、ここの用務員?」
「あぁ、先月から」
「こんなところがあるなンて、知らなかった」
「狂った様に泣いてどうしたの?」
「…おじさん」
そう言葉にすると翔は亮司に抱きつき、再び泣き始めた。亮司は背中を撫でながら泣くのを止めるよう促し、まずは事情を話すよう言った。翔はこれまでの経緯を伝えた。亮司は、
「つまり、お母さんの目は離れたもののなかなか性の処理をどうしてイイんだか解らないンだね?」
と聞いた。翔は涙を手指で拭いながら頷き、
「…中学生に入学して間もなくチ◯毛が生えて声変わりもしたけど、なかなか父さんも仕事で忙しくて…。母さんも勉強しろとうるさかったし、塾の先生が好きだったけどそんな思いも押し殺してきた」
と話した。
亮司は、翔の母親が彼にとって絶対的な存在で、心許して色々と相談できずに内なる思いを抱えつつ黙殺してきたのだなと分析した。大抵、両親からの愛情が希薄だと何らかの不具合が出て来るものだ。彼は、翔をベッドに連れて行った。股間を弄りながら接吻し、ワイシャツを脱がせた。突然の行動ではあったが、翔は亮司の体温に何か安らぎを感じた。唇ってこんなに柔らかいンだと、彼は亮司の背中に両腕を絡ませた。Tシャツを脱ぎ、翔はブリーフだけになった。すでに先走り汁で滴り、太く硬直していた。亮司も灰色のセミビキニブリーフだけになり、
「性は、決して怖がるものじゃない。身体が反応しているってことは、求めてるンだよ。君はおかしくなんかない、正常だ」
と、ブリーフ越しに彼は翔のチ◯ポを頬擦りした。翔は赤面しながら、
「イヤ、恥ずかしい…」
と、しかし内腿は何故か大きく開いていた。そのまま亮司は翔の身体に覆い被さり、乳房など彼の諸部位を接吻した。
「あッ、あッ、あん…」
二人はブリーフを脱ぎ、亮司はいきり勃ったチ◯ポを翔のと重ね、「兜合わせ」をした。未だ十六歳と若気の塊の様な翔は恥じらいも捨て、
「…おじさん、気持ちイイ」
と唇を求めた。すっかり接吻の虜になった様だった。
ローションを使わなくても、翔の先走り汁だけで十分にその代わりを果たしていた。包皮を剥こうと亮司は試みた。本当に童貞(チェリー)なンだなと、翔のチ◯ポは先端の付け根までは剥けなかった。そのうちに翔は全身をくねらせ、
「イヤ、あッ、あん…」
とオルガズムに達しそうだった。亮司はこのままオレもイッてしまおうとしごき、翔も彼の唇を求めた。
「あ、あぁぁぁぁん!」
接吻しつつ、翔は前屈みになりながら紅潮したチ◯ポの先端からうっすらと黄ばんだドロッとした愛液を跳ばした。続けて亮司も絶頂を迎え、
「イ、イクッ! イクッ!」
と声を上げた。全身が火照り、二人の下腹部は数多の愛液が飛沫の様に跳び散った。翔は冷めぬ欲情のままに、
「あッ、あぁぁ、あぁッ…!」
と亮司を両腕の中に引き寄せた。これまで経験したことのない欲情が、彼を狂わせていた。そんな翔に応える如く亮司は彼を堅く抱きしめ、
「嗚呼、愛おしいよ…」
と囁いた。
情事はその後も続き、翔は二度目のオルガズムを経験した。あまりの烈しさに亮司は喘ぎ、ベッドの上で大の字になって横たわった。彼は、
「…シャワー浴びよう」
と、翔と二人で浴室に入って身体を浄めた。亮司は、未だ翔が十六歳であることを忘れていた。脚や腋の毛はそれなりに生えているものの、肉付きも齢相応で肌にハリがあった。先刻まで、なかなか性の処理ができずその苦しみの故に嘆き悲しんでいたとは思えないほど、彼の表情は柔らかくなっていた。亮司は聞いた。
「どうだい、性って素晴らしいだろう?」
「…うん。これまで押し殺してきたのがバカみたい」
「おじさんで良かったか?」
「…うん」
翔はすっかり亮司を好いてしまっていた。シャワーの湯水を全身に浴びながら、二人は抱擁した。唇も重ね、離れようとしなかった。その間に洗濯機からメロディーが流れ、乾燥も終えたということを告げ知らせた。二人は浴室から出ると、寝室の床に脱ぎ捨てた下着や衣類を拾い、着た。
時計の針は、すでに午後六時半を回っていた。亮司は翔を寮まで送って行くことにした。呼鈴を鳴らすと、宿直に入っていた大平が応対した。彼は、
「彼のクラスメイトから話は聞きましたが、どうしたンですか?」
と聞いた。亮司は一応、
「実は、山林の中でドロドロになっちゃって…。取り乱してもいたンで、しばらくウチにいてもらったンですよ」
と話した。翔はうつむいたまま、
「用務員さんが話を聞いてくれて…。今は大丈夫です」
と言い、上履きに履き替えた。大平は深々と頭を下げ、
「わざわざ、ありがとうございます。明日は休みなので、様子を見ていきます」
と伝えた。
寮を出ながら、まさか「彼と濡れ事をした」なんて口が裂けても言えまいと、亮司は思った。しかし、あんな興奮したのは何年ぶりかなァ、嗚呼、そうだ、あの時以来だなと、昔を思い出した。
「別荘」に戻ると玄関先で貢が、最寄りのスーパーで買って来たのか思いっきり膨らんだビニール袋を片手に座っていた。彼は、
「亮ちゃん! ずっと待ってたンだよ!」
と唇を尖らせた。亮司は、
「あぁ、すっかり忘れてたよ。悪い」
と頭を下げた。
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コロナ禍のロックダウンの最中、息子が尿路感染症にかかったサンフランシスコのテックワーカー「マーク」も同様の事態に見舞われた。マークが遠隔で小児科医に受診すると、感染した性器の写真を撮り、セキュアな医療アプリ経由で診療所に送信するよう指示された。しかし、マークのスマートフォンはすべての写真をGoogle Photosに同期するよう(デフォルトで)設定されており、マークの息子の性器の写真がGoogleのクラウドに到達すると、自動的にスキャンされ、児童性的虐待素材(CSAM、いわゆる「児童ポルノ」)としてフラグが立てられた。
Googleはマークに連絡することなく、彼のすべてのデータ(検索、メール、写真、クラウドファイル、位置情報履歴など)のコピーをサンフランシスコ警察に送信し、その後アカウントを凍結した。マークは電話番号(Google Fiに加入していた)、メールアーカイブ、GDriveに保存していた家庭用および仕事用のファイル、保存されたパスワード、Google認証システムを介した二段階認証、そして幼い息子の写真すべてを失った。
サンフランシスコ警察はマークが無実であると結論づけたが、時すでに遅し。Googleはマークの全データを永久に消去していた。サンフランシスコ警察は、マークにメールも電話もできず、彼の無実を伝えるために、手紙を郵送しなければならなかった。
このような目に遭ったのはマークだけではない。New York Timesでマークについて書いたカシミール・ヒルは、「カシオ」というヒューストンの父親をはじめ、他の親たちも同様にアカウントを失い、現代生活の基盤が奪われたことを伝えている。
https://www.nytimes.com/2022/08/21/technology/google-surveillance-toddler-photo.html
注目すべきは、これらいずれのケースのにおいても、有償でサービスを受けていたことだ。彼らは製品に対価を支払っていなかったから製品扱いされたのではない。800ドルのPixel電話を購入し、Google Driveアカウントに年間100ドル以上を支払い、製品の対価を支払ったにも関わらず、それでも製品として扱われ続けたのだ。
このような状況に対して、我々は何ができるだろうか。一つの答えは、プラットフォームに対し、詐欺や児童ポルノ取引、テロ攻撃の計画に関与している可能性があると判断したユーザにも、引き続きサービスを提供することを義務づけることだ。もちろん、そんな解決策は好ましいとは思えない。
あるいは、巨大プラットフォームでの意思決定プロセスを改善し、マグロ漁の網にイルカが引っかからないようにするのはどうだろう。コンテンツモデレーションの異議申し立ての「第一波」は、不当な扱いを受けたユーザが異議申し立てできる監督・審査委員会の設立を重視した。これは、コンテンツモデレーションの決定の難しい側面を明確にする「パラダイムケース」を確立する考えだった。例えば、ナチの残虐行為の動画をアップロードして批判することが、残虐行為の描写やナチの象徴物の表示を禁止するルールに違反するかどうかといった問題だ。
だが、これはあまりうまくいっていない。プラットフォームにおける半独立的な従業員による「第二波」のモデレーション監督提案も、モデレーションの判断や苦情に関する統計を収集・報告するものだったが、具体化していない。
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柔らかな布地の感触と、心地よいぬくもり。 ルカニスはナーブの膝に頭を乗せ、ゆっくりと目を閉じた。
指先が髪を梳く感触に、ふと喉が鳴る。 彼女の手はひんやりとしているが、優しい。 時折、指が耳元をかすめるたびに、心臓がわずかに跳ねる。
「こうしてると、あなたって猫みたい」
ナーブの声は、くすくすと笑みを含んでいた。 ルカニスは目を開けず、ただ喉の奥で低く唸るように応える。
ナーブは楽しげに指を絡め、今度は少しだけ爪を立てて、軽く頭皮をなぞるようにする。
「……っ」
ルカニスの喉から、思わず小さな息が漏れた。 甘い痺れが背筋を走る。
「ん? 気持ちいい?」
「……お前、わざとか」
「どうかしら」
ナーブはからかうように微笑み、指の動きを緩める。 だが、今度は逆に、手のひら全体で包み込むように優しく撫でた。
ルカニスは無意識に彼女の手首を掴んでしまう。 逃がさないように、もっと触れてほしいと願うように。
「仕方ないわね」
ナーブは笑いながら、もう片方の手を伸ばし、ルカニスの頬をそっと撫でる。指先が耳の後ろをなぞると、ルカニスは微かに身じろぎした。
「……私を甘やかしすぎだ」
「バカね、あなたほど私を甘やかす人なんていないわよ」
ナーブは苦笑して、そっと顔を近づける。 ルカニスが目を開けた瞬間、ふわりと唇が触れた。
「……!」
驚いたように固まるルカニスを見て、ナーブは満足げに微笑む。
「はい、おやすみなさい」
言葉とは裏腹に、ナーブはそのまま、ルカニスの髪を撫で続けた。
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