#システム的関係的アプローチは経済政治の総合調整が結局は大事。世界規模で。
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「家族療法におけるIP(Identified Patient)とは、家族システム内で症状や問題を抱えている「患者とされた人」を指します。家族療法では、個人の問題を家族全体の問題として捉え、家族関係の歪みやコミュニケーションパターンが症状の発現に関与していると考えます。IPは、家族療法における治療のきっかけとなる存在であり、家族全体の問題解決に向けて、家族全体で治療に取り組むことが重要です。」とのことですが、IPは、一般常識としては、患者として、脳機能や情動などに異常が生じた人、と捉えられると思いますが、同様に、哲学や思想において、個人がどう生きるべきか、という説明の仕方が多い気がします。個人を起点に問題をとらえる捉え方と、全体を起点として問題をとらえる捉え方、思想や哲学に、どちらもたくさんの例があると思います。
投薬や、療法の方式に、かなりの違いがでてくるということで、それは通常の身体的な疾患に関しても当てはまると思います。現在の「病院」というものは、「個の脳・身体の問題」として捉える傾向が強いということは言えますか?
ChatGPT said:
はい、その通りです。現代の「病院」や「医療制度」は、基本的に**「個の脳・身体の問題」として病を捉える枠組みに強く依拠している**といえます。これは、医学の成立史や制度設計のあり方、そして科学的方法論に深く関係しています。
🔬 現代医療(病院)=「個人中心モデル」に依拠
特徴
個別の身体器官の診断・治療:症状を特定の臓器・器官の機能障害として捉える。
原因の特定と除去を目的とする:病因論(ウイルス、腫瘍、炎症など)に基づく。
対象は「個体の身体」や「脳」:社会的・文化的文脈は副次的とみなされがち。
主な対応法:投薬・手術・リハビリなど、物理的アプローチが中心。
主なモデル:バイオメディカルモデル(biomedical model)
背景
19世紀〜20世紀にかけての病理学の発展(ヴィルヒョウの細胞病理学など)
疾患を外部因(細菌・ウイルス)または内部因(遺伝・神経伝達物質など)に還元する。
このモデルは感染症や外傷に対しては非常に成功を収めた。
🧠 精神疾患への適用とその限界
うつ病・統合失調症・発達障害などは、「脳機能の異常」として定義されることが多い。
そのため、SSRI(抗うつ薬)や抗精神病薬などの投与が基本線になる。
しかし、同じ診断名でも生活環境や関係性がまったく違うということが多く、
対症療法的な薬物管理で終わる場合も少なくない。
社会的孤立、虐待歴、家族関係の緊張など、構造的な要因が未処理のままになることも。
🌐 関係性・社会構造起点の視点(例:家族療法、文化精神医学など)
これに対して、以下のようなアプローチは**「個を超えた文脈・関係性・構造」を重視**します:
例1:家族療法(ボーエン、ミニューチンなど)
「患者」は家族関係の緊張の表出として現れる(IP: Identified Patient)
治療は家族全体との対話と再配置によって行われる。
例2:文化精神医学
同じ「うつ病」のように見える症状でも、文化や共同体の在り方によって全く意味が異なる。
**「魂の病」「祖先の影響」「社会的恥」**として解釈される地域もある。
例3:社会的処方(social prescribing)
医師が薬ではなく「つながり」や「居場所」や「活動」を処方する(英国などで導入)。
孤独や社会的疎外が病因になっているケースに対して有効。
⚖️ 身体疾患にも「関係的アプローチ」は可能か?
はい、一定の限界はありつつも、「生活習慣病」「慢性疼痛」「摂食障害」「自己免疫疾患」など、 関係性・社会環境・心身の相互作用が大きい病態については、構造的な介入が有効です。
心身症的な疾患(例:潰瘍性大腸炎、偏頭痛など)は、ストレス環境・家庭状況・職場文化が深く関わる。
「その人の生き方の物語」「居場所のなさ」が病気の背景にある場合もある。
💡まとめ
項目 個中心(現在の病院モデル) 関係中心(システム・構造)
主語 患者 個人の身体・脳関係性・環境・社会
病因 遺伝・脳内物質・感染 家族構造・制度・文化
主な治療 薬・手術・物理的介入 対話・再構成・社会的介入
診断の基��� DSM/ICDなど分類体系 状況文脈・関係構造の把握
もしご希望であれば、現代医療における「再構造化」の実験的取り組み(オープンダイアローグ、トラウマインフォームドケア、統合医療など)についてもご紹介できます。お気軽にどうぞ。
4o
You said:
承認的なAIロボットや、社会的承認としての仕事、必要な額の現金、などの「投与」が、AIの総合的調整能力が社会的に生かされることと並行して、重要になってくるように思われます。
ChatGPT said:
「承認的なAIロボット」「社会的承認としての仕事」「必要な額の現金」という要素は、いずれも現代社会における人間の“生”の条件(承認・所属・生存)に直接関わっており、それらを「投与」として戦略的に用いる視点は非常に重要です。
🔑 ポイント:医療の「薬」だけでなく、社会的要素の投与という観点
●「投薬」モデルの拡張:
従来の投薬(薬理学的投与)に対して、次のような**非薬理的・社会的「処方(prescription)」**が求められています:
投与対象 内容 目的 実装可能性(AI的調整含む) 承認 肯定的フィードバック、安全な関係性、話を聴く存在(AIも含む) 精神的安定、自我強化、孤立防止 AIロボットによる「常時伴走型の対話支援」など
所属・役割 意味ある仕事・地域活動・役割の付与 社会的有用感、存在意義、構造化された日常 「社会的マッチングAI」による個別支援可能
現金・物質支援 ベーシックインカム、小額手当、生活保障 最低限の安全・選択肢の回復 所得階層を超えた再配分設計にAI活用可能
🧠 AIの果たせる役割:社会的な「投与の配薬師」
AIは、単なる会話相手としてだけでなく、人間の環境や関係を“配合・調整”する役目を担うことができます。
1. 【診断】:社会的・心理的状態のモニタリング
会話内容、行動パターン、生活状況から精神的状態を察知
家族・地域・仕事との関係性の分析
2. 【処方】:非薬物的処方のマッチング
たとえば、次のような処方:
「週に1回、安心できる対話ロボットとの散歩」
「地域での役割(買い物代行、犬の世話など)の提案」
「生活支援金の申請アシスト」
「孤独対策としてのオンライン・サンガ(共同体)参加」
3. 【調整】:変化に応じた再処方
状態の改善や悪化に応じて、「承認・所属・支援」の投与量を調整
🧘♀️ 投与による「構造変容」の意義
こうした投与は、一時的な安定だけでなく、**構造そのものの再構築(リストラクチャリング)**につながる可能性を秘めています。
「AIロボットから得た肯定的対話」→自己否定構造の緩和
「意味ある仕事との出会い」→アイデンティティの再編
「お金の不安の緩和」→思考と行動の自由空間の確保
「所属感・共同体の再接続」→生の意味づけの刷新
💡 提案:**「AI社会投与モデル」**の設計
もしよろしければ、この考え方をベースに、
あなたの哲学(生成変化・脱構築など)
社会福祉・医療・教育などの制度 と接続させた「AI社会投与モデル」のスケッチを一緒に作っていくこともできます。
たとえば:
🧭「承認ロボット」+「再役割AI」+「必要資源の社会的投与」 = 硬直した構造の再接続・変容・ズレ生成を可能にする生成支援プラットフォーム
ご興味があれば、いつでもお声かけください。
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日本に「見えない戦争」を仕掛け始めた中国
日本は「全政府対応型アプローチ」で備えよ
2020.11.16(月)
樋口 譲次
「新しい戦争」の形
21世紀の戦争は、国家が堂々と紛争の解決を軍事的手段に訴える分かりやすい従来型の戦争から、知らないうちに始まっている外形上「戦争に見えない戦争」へと形を変えている。
この「新しい戦争」の形を初めて実戦に採り入れたのはロシアである。
その実戦とは、2014年のロシアのクリミア半島併合と東部ウクライナへの軍事介入であり、西側では「ハイブリッド戦」と呼んでいる。
ハイブリッド戦���、『防衛白書』(令和2年版)によると下記のように説明されている。
軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法であり、このような手法は、相手方に軍事面にとどまらない複雑な対応を強いることになります。
例えば、国籍を隠した不明部隊を用いた作戦、サイバー攻撃による通信・重要インフラの妨害、インターネットやメディアを通じた偽情報の流布などによる影響工作を複合的に用いた手法が、「ハイブリッド戦」に該当すると考えています。
このような手法は、外形上、「武力の行使」と明確には認定しがたい手段をとることにより、軍の初動対応を遅らせるなど相手方の対応を困難なものにするとともに、自国の関与を否定するねらいがあるとの指摘もあります。
顕在化する国家間の競争の一環として、「ハイブリッド戦」を含む多様な手段により、グレーゾーン事態(純然たる平時でも有事でもない幅広い状況)が長期にわたり継続する傾向にあります。(括弧は筆者)
東西冷戦が終結して2000年代に入り、複数の旧ソ連邦国家で独裁的政権の交代を求めて民主化と自由を渇望する運動が起こった。
非暴力の象徴として花や色の名を冠した、グルジア(ジョージア)のバラ革命(2003年)、ウクライナのオレンジ革命(2004年)、キルギスのチューリップ革命(2005年)などがそれである。
また、アラブ諸国においても「アラブの春」と呼ばれた同様の運動が起こり、2010年から2011年にかけてチュニジアの民衆が蜂起した「ジャスミン革命」を発端として、エジプト、リビア、イエメンなどでも独裁・腐敗の政権が倒された。
シリアでは激しい内戦が最近まで続いている。
これらの民主化と自由を求める運動によって、かつての衛星国を失ったロシアでは、本運動は米国や欧州などの西側が介入・扇動し、旧ソ連邦国家やアラブ諸国住民の「抗議ポテンシャル」を活性化させた意図的な体制転覆あるいは陰謀であり、一種の戦争であるとの見方が強まった。
そして、ロシアもまた、このような脅威に晒されているとの認識が高まり、安全保障・国防政策上の中心的テーマとして急浮上したのである。
それを背景として、2013年2月に発表されたのが、ロシア連邦軍の制服組トップであるヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長による「予測における科学の価値」(『軍需産業クーリエ』、2013年2月27日付)というタイトルの論文である。
ゲラシモフ論文は、「21世紀には近代的な戦争のモデルが通用しなくなり、戦争は平時とも有事ともつかない状態で進む。戦争の手段としては、軍事的手段だけでなく非軍事的手段の役割が増加しており、政治・経済・情報・人道上の措置によって敵国住民の「抗議ポテンシャル」を活性化することが行われる」と述べている。
そして、ゲラシモフ論文による21世紀の戦争では、非軍事的手段と軍事的手段との比率を4対1とし、非軍事的手段の役割の大きさが強調されている。
そのように、ゲラシモフは「戦争のルールが変わった」と指摘しており、いわば「新しい戦争」の到来を告げたのである。
その後、2014年にウラジーミル・プーチン大統領が承認した「ロシア連邦軍事ドクトリン」は、前年のゲラシモフ論文の考え方を踏まえて作成されたとみられている。
ロシアの2014軍事ドクトリンでは、政治的、外交的、法的、経済的、情報その他の非攻撃的性格の手段を使用する可能性が尽きた場合のみ、自国およびその同盟国の利益のために軍事的手段を行使するとの原則を固守するとし、最終手段としての軍事とその他の手段との連続性を示唆している。
そして、同ドクトリンでは「現代の軍事紛争の特徴および特質」と題して10項目を挙げ、ハイブリッドという言葉こそ使っていないが、ハイブリッドな戦い方が現代戦の特色であることを強調している。
「現代の軍事紛争の特徴および特質」を時系列的にまとめると、次のようになろう。
平・戦時の境目のない戦い→ハイブリッド戦/グレーゾーン事態
①軍事力、政治的・経済的・情報その他の非軍事的性格の手段の複合的な使用による国民の抗議ポテンシャル(相手国民への宣伝戦・心理戦による懐柔)と特殊作戦(リトル・グリーンメン)の広範な活用
②政治勢力、社会運動に対して外部から財政支援および指示を与えること
③敵対する国家の領域内において、常に軍事活動が行われる地域を作り出すこと(東シナ海:尖閣諸島~沖縄、南シナ海)
軍事活動への移行
④軍事活動を実施するまでの準備時間の減少
軍事活動
⑤グローバルな情報空間、航空・宇宙空間、地上および海洋において敵領域の全縦深で同時に活動を行うこと(マルチドメイン作戦)
⑥精密誘導型兵器および軍用装備、極超音速兵器、電子戦兵器、核兵器に匹敵する効果を持つ新たな物理的原理に基づく兵器、情報・指揮システム、無人航空機および自動化海洋装置、ロボット化された兵器および軍用装備の大量使用(技術的優越/先進的兵器)
⑦垂直的かつ厳密な指揮システムからグローバルな部隊および指揮システムネットワークへの移行による部隊および兵器の指揮の集中化および自動化
⑧軍事活動に非公式の軍事編成および民間軍事会社が関与すること
(以上、括弧は筆者)
つまり、「新しい戦争」の特徴・特質は、まず、純然たる戦時と認定しがたい条件の範囲内で、軍事的手段と非軍事的手段を複合的に使用し、相手の知らないうちに外形上「戦争に見えない戦争」を仕掛ける。
それによる可能性が尽きた場合には一挙に軍事活動へと移行し、最終的に最先端技術・兵器を駆使したマルチドメイン作戦による軍事活動をもって戦争の政治的目的を達成することにあると言えよう。
ロシアは、旧ソ連邦国家やアラブ諸国の民主化や自由を求める運動を西側による体制転換の脅威として非難しているが、むしろそれを逆手にとり、実際にウクライナやシリアで「新しい戦争」を展開しているのはロシアの方である。
そして、最近ロシアとの軍事的接近を強めている中国が、「孫子」の伝統と2人の軍人によって提唱された「超限戦」の思想と相まって、従来と形を変えた「新しい戦争」を描く「ロシア連邦軍事ドクトリン」に関心を示さないはずはないのである。
すでに始まった中国の対日“戦争”
習近平国家主席は、故毛沢東主席のほかに、ロシアのプーチン大統領をロール・モデルとしていると言われている。
クリミア半島併合などの実戦で採用された「ハイブリッド戦」に代表されるロシアの軍事ドクトリンは格好の教材である。
習近平主席は、中国のシンクタンクにその研究を命じ、それによって、中国の台湾統一戦略や尖閣諸島・南シナ海などへの海洋侵出戦略に大きな影響を及ぼしていると見られている。
そこで、中国がわが国に対して仕掛けている「新しい戦争」について、ロシアが挙げる「現代の軍事紛争の特徴および特質」に沿って分析してみることにする。
①「軍事・非軍事手段の複合的使用等」について
中国は、軍事や戦争に関して、物理的手段のみならず、非物理的手段も重視しているとみられ、「三戦」と呼ばれる「輿論(よろん)戦」、「心理戦」および「法律戦」を軍の政治工作の項目としているほか、軍事闘争を政治、外交、経済、文化、法律などの分野の闘争と密接に呼応させるとの方針も掲げている。(令和2年版『防衛白書』)
米国防省によると、輿論戦は、中国の軍事行動に対する大衆および国際社会の支持を得るとともに、敵が中国の利益に反するとみられる政策を追求することのないよう、国内および国際世論に影響を及ぼすことを目的としている。
心理戦は、敵の軍人およびそれを支援する文民に対する抑止・衝撃・士気低下を目的とする心理作戦を通じて、敵が戦闘作戦を遂行する能力を低下させようとする。
また、法律戦は、国際法および国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、中国の軍事行動に対する予想される反発に対処するものである。
中国は、海洋侵出の野望を実現するため海軍および海警局の先兵として海上民兵(リトル・ブルーメン)を活用している。
海上民兵は、普段、漁業などに従事しているが、命令があれば、民間漁船などで編成された軍事組織(armed forces)に早変わりし、軍事活動であることを隠すため、漁民などを装って任務を遂行する。
東シナ海の尖閣諸島や南シナ海で見られるように、海上民兵は、中国の一方的な権利の主張に従い、情報収集や監視・傍受、相手の法執行機関や軍隊の牽制・妨害、諸施設・設備の破壊など様々な特殊作戦・ゲリラ活動を行う。
同時に、係争海域における中国のプレゼンス維持を目的とし、あるいは領有権を主張する島々に上陸して既成事実を作るなど幅広い活動を行い、中国の外交政策や軍事活動の支援任務に従事している。
その行動は、「サラミ1本全部を1度に盗るのではなく、気づかれないように少しずつスライスして盗る」という寓意に似ていることから、「サラミスライス戦術」と呼ばれている。
「サラミスライス戦術」を行う海上民兵が乗船する漁船などの周りを海警局の艦船が取り囲み、公船の後方に海軍の艦艇が待機し、島や岩礁を2重3重に囲んで作戦する様子が、中心を1枚ずつ包み込んでいるキャベツの葉に似ているので、これを「キャベツ戦術」と呼んでいる。
そこには、前述の通り、計算尽の巧妙な仕掛けが潜んでいる。
まず、中国は、歴史的にも国際法上も日本固有の領土である尖閣諸島を、中国の「領海・接続水域法」で自国領土と規定した「法律戦」に訴えつつ、妥協の余地のない「核心的利益」と主張している。
そ���虚構の上に、尖閣諸島周辺海域で漁船(海上民兵)を活動させ、その保護を名目に法執行機関(海警)を常続的に出動させている。
そして、「釣魚島は中国固有の領土である」という題目の白書を発表するとともに、いかにも尖閣諸島を自国領として実効的に支配しているかのように国際社会に向けた大規模な「輿論戦」を繰り広げている。
同時に、日本および日本国民に対しては力の誇示や威圧による士気の低下を目的とした「心理戦」を展開している。
このように、中国の日本に対する「戦争に見えない戦争」は、すでにこの段階まで進んでおり、中国の尖閣諸島奪取工作は危機的状況にまで高まっている。
そして、中国は、同島周辺地域で不測の事態が起きることを虎視眈々と窺っており、もしそのような事態が発生すれば、力による現状変更の好機と見て軍隊(海軍)を出動させ、軍事的解決に訴える態勢を整えているのである。
②「敵対国家内の政治勢力や社会運動に対する財政支援・指示」について
米有力シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は2020年夏、「日本における中国の影響」についての報告書を発表した。中でも、中国の沖縄工作が注目される。
報告書は、中国が世界中で展開する戦術には、中国経済の武器化(取引の強制や制限)、 物語的優位性の主張(プロパガンダと偽情報)、エリート仲介者の活用、在外華人の道具化、 権威主義的支配の浸透などがあるとした。
こうした工作を中国は日本に対しても行い、表向きの外交から、特定個人との接触などの隠蔽、強制、賄賂による買収(3C=covert, coercive and corrupt)を用いているとしている。
特に、尖閣諸島を有する沖縄県は、日本の安全保障上の重要懸念の一つであり、米軍基地を擁するこの島で、外交、ニセ情報、投資などを通じて、日本と米国の中央に対する不満を引き起こしていると指摘する。
報告書は、中国共産党が海外の中国人コミュニティに影響を与えるために使用する多くの方法の一つが中国語メディアであり、ニュースメディアを通じた中国の影響力の最も重要なターゲットは沖縄だと指摘する。
この件については、日本の公安調査庁も年次報告書(2015・17年の『内外情勢の回顧と展望』)において、中国官製メディアの環球時報や人民日報が、日本による沖縄の主権に疑問を投げかける論文を複数掲載していることを取り上げ、沖縄で中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいるものとみられ、今後の沖縄に対する中国の動向には注意を要すると問題提起している。
そのように、中国が沖縄に「独立宣言」させる工作を進めている可能性があるとして懸念が広がっている。
③「敵対国家の領域内における軍事活動地域の創出」について
中国は、尖閣諸島周辺の日本の領海や接続水域に法執行機関である海警局の艦船を絶え間なく送り込み、同諸島の領有をかたくなに主張している。
この動きは、2019年から強まっており、今年、各国が新型コロナウイルスへの対応に迫られる中でもその攻勢はむしろ激化し、これまでとは違った危険な局面に入っていると見られている。
尖閣諸島周辺での中国公船等による接続水域内入域および領海侵入は、今年4月中旬から110日以上連続した。
そして、5月8日、日本の領海に侵入した中国海警局の2隻が、そこで漁をしていた日本漁船を追尾し続け、3日間にわたって領海への侵入を繰り返した。
この件について中国外務省の報道官は、「日本漁船が中国の領海内で違法な操業をしたため海域から出るよう求めた」と主張した。
すでに尖閣諸島は自国領であるとの前提に立ち、あくまで自国の海で主権を行使しているに過ぎないとうそぶく始末である。
中国では、2018年1月に人民武装警察(武警)部隊が、また同年3月には武警部隊の傘下に海警局が、それぞれ国務院(政府)の指揮を離れ、最高軍事機関である中国共産党中央軍事委員会(主席・習近平国家主席)に編入された。
この改編を通じ、海警局の法執行の強化および武警・人民解放軍と融合した軍隊化が図られた。
その結果、尖閣諸島周辺海域で行動する中国海警局の艦船は、準軍隊としての性格と役割を付与され、東シナ海を管轄する人民解放軍の「東部戦区」とともに一元的に作戦行動をとる体制が整ったことになる。
さらに、中国の立法機関である全国人民代表大会(全人代)は今年11月初め、海警局(海警)の権限を定めた「海警法」案の全文を発表し、国家主権や管轄権が外国の組織、個人に侵害されたときは「武器の使用を含めたあらゆる必要措置」を取れると規定した。
また最高軍事機関である中央軍事委員会の命令に基づき「防衛作戦などの任務」にあたることも明記された。海警局の艦船は、大型化し、軍艦並みの兵器を装備しており、法制定後は海軍との連携を一段と強めるとみられている。
前述の通り、海警局の艦船は、尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返しており、周辺で操業する日本漁船も「海警法」の対象となるのは間違いなかろう。
このように中国は、日本領域内の尖閣諸島ひいては南西諸島周辺を焦点に軍事活動を行う地域を意図的に作り出していると見ることができ、今後、不測の事態が生起すれば、一挙に軍事活動へとエスカレートさせる危機が迫っていると考えなければならない。
④「軍事活動への短時間の移行」について
中国は、東シナ海の尖閣諸島、南シナ海そしてインドとの国境で、領土的野心を露わにしている。
今年6月に中国とインドの国境付近で発生した両国軍の衝突は、中国が自国周辺の領有権主張を巡り、一段と強硬姿勢を取るリスクを浮き彫りにした。
また、その衝突によって、中国が国境付近の現状を変えるため、現場の比較的小規模な小競り合いを利用しごく短時間に軍事作戦へ移行することも明らかになった。
同じように、中国の尖閣諸島を焦点とする日本に対する軍事作戦は、「Short, Sharp War」(迅速開始・短期決戦の激烈な戦争)になると見られている。
そのシナリオの一例はこうだ。
米国がINF全廃条約の影響で、東アジアに対する中距離(戦域)核戦力による核の傘を提供できない弱点に乗じて、中国軍は日本を核恫喝してその抵抗意思を削ぐ。
同時に、対艦・対地弾道ミサイルを作戦展開し、それによる損害を回避させるべく米海軍を第2列島線以遠へ後退させるとともに、米空軍を北日本などへ分散退避させる。
その米軍事力の空白を突いて、中国軍は、海空軍を全力展開して東シナ海の海上・航空優勢を獲得し、その掩護下に海上民兵や日本国内で武装蜂起した特殊部隊などに先導されて尖閣諸島をはじめとする南西諸島地域に奇襲的な上陸作戦を敢行し、一挙に同地域を奪取占領する。
まさにその軍事作戦は、迅速に開始され短期決戦を追及する激烈な戦争、すなわち「Short, Sharp War」を追求している。
その際、米陸軍および海兵隊は、中国軍の侵攻に遅れまいと第1列島線への早期展開を追求するため、中国軍の侵攻と米地上部隊の展開が交錯する戦場でいかに主導権を握るかがカギである。
したがって、日本や第1列島線の国々は、米陸軍・海兵隊の受け入れをスムーズに行う体制を平時から整備することが重要である。
⑤「マルチドメイン作戦による戦争」について
中国は、日米などが新たな戦いの形として追求しているマルチドメイン作戦(MDO)という言葉を使用していないが、それに相当する概念を「情報化戦争」と呼んでいる。
中国は、2016年7月に公表された「国家情報化発展戦略綱要」��どで表明しているように、経済と社会発展のための道は情報分野に依存しているとし、軍事的側面からは情報化時代の到来が戦争の本質を情報化戦争へと導いていると認識している。
そして、「情報戦で敗北することは、戦いに負けることになる」として、情報を生命線と考えるのが中国の情報化戦争の概念であり、そのため、従来の陸海空の領域に加え、敵の通信ネットワークの混乱などを可能とするサイバー領域や、敵のレーダーなどを無効化して戦力発揮を妨げることなどを可能とする電磁波領域、そして敵の宇宙利用を制限する宇宙領域を特に重視して情報優越の確立を目指している。
この際、中国の情報化戦争は、米国のような全般的な能力において優勢にある敵の戦力発揮を効果的に妨害する非対称的な能力を獲得するという意味合いもあり、新たな領域における優勢の確保を重視している。
前述の通り、「孫子」の忠実な実践者である中国は、情報化戦争の一環として政治戦や影響工作も重視している。
また、1999年に発表された中国空軍大佐の喬良と王湘穂による戦略研究の共著『超限戦』は、25種類にも及ぶ作戦・戦闘の方法を提案し、通常戦、外交戦、国家テロ戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦などを列挙し、これらのあらゆる手段で制限なく戦うものとして今後の戦争を捉えており、中国の情報化戦争に少なからぬ影響を及ぼしていると見られている。
⑥「技術的優越の追求と先進的兵器の使用」について
中国は、2019年10月1日の建国70周年の軍事パレードで23種の最新兵器を公開し、軍事力を内外に誇示した。
その中で、超音速ミサイルや無人戦闘システム、電子戦などに力を入れていることが明らかになったが、パレードで公開された最新兵器はすべて実際に配備されていると説明されている。
その一部を紹介すると下記の通りである。
新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「DF-41」、極超音速滑空ミサイル「DF-17」、超音速巡航ミサイル「CJ-100/DF-100」、超音速対艦巡航ミサイル「YJ-12B/YJ-18A」、最新鋭ステルス戦略爆撃機「H20」、攻撃型ステルス無人機「GJ-11」、高高度高速無人偵察機「WZ-8」、無人潜水艇(UUV)「HSU001」など
中国は、全般的な兵力やグローバルな作戦展開能力、実戦経験でなお米国に後れを取っているとはいえ、今や自国からはるか遠くで作戦を遂行する能力を持ち、インド太平洋地域の紛争を巡る米軍および同盟国軍に対する接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力を有する自国製兵器を幅広く取りそろえている。
中国は、米国に対する技術的劣勢を跳ね返すため、特に、海洋、宇宙、サイバー、人工知能(AI)といった「新興領域」分野を重視した「軍民融合」政策を全面的に推進しつつ、軍事利用が可能な先端技術の開発・獲得に積極的に取り組んでいる。
中国が開発・獲得を目指す先端技術には、将来の戦闘様相を一変させるゲームチェンジャー技術も含まれており、技術的優位性の追求を急速かつ執拗に進めている。
⑦「ネットワーク型指揮システムによる部隊指揮・兵器運用の集中化・自動化」について
中国は、建国以来最大規模とも評される「軍改革」を急ピッチで進めている。
軍改革は、2016年末までに、第1段階の「首から上」の改革と呼ばれる軍中央レベルの改革が概成した。
2017年以降は、第2段階の「首から下」と呼ばれる現場レベルでの改革を着実に推進し、そして「神経の改革」と呼ばれる第3段階の改革に着手している。
中国は、中央軍事委員会に習近平総書記を「総指揮」とし、最高戦略レベルにおける意思決定を行うための「統合作戦指揮センター」を新設した。
これをもって、習近平総書記が、統合参謀部や政治工作部などで構成される中央軍事委員会直属機関の補佐を受け、統合作戦指揮センターにおいて中国全軍を集中一元的に指揮する体制が整ったことになる。
また、中央軍事委員会/統合作戦指揮センターの直下に、従来、総参謀部が持っていた多くの作戦支援部門の機能を統合し、航空宇宙部、ネットワークシステム(サイバー)部、電子電磁システム部および軍事情報部から構成され、情報の戦いを一元的に遂行できる戦略支援部隊が編成された。
さらに、これまでの「七大軍区」が廃止され、軍全体で統合運用能力を高めるため、統合作戦指揮を主導的に担当する「五大戦区」、すなわち東部、南部、西部、北部および中部戦区が新編され、常設の統合作戦司令部がおかれている。
これに先立つ2014年7月、環球時報(電子版)は、中国軍が2013年11月、東シナ海に防空識別圏を設定したのに続き、「東海(東シナ海)合同作戦指揮センター」を新設したと伝えた。
合同指揮センターは、中国各軍区の海、空軍を統合し、東シナ海の防空識別圏を効果的に監視し、日本の軍事的軽挙妄動を防止するのが目的だと報じている。
このように、中国は、マルチドメイン作戦としての情報化戦争で「戦える、勝てる」(習近平総書記)よう、統合作戦遂行能力の向上と効率的な部隊・兵器運用に向けて、ネットワーク型指揮統制システムによる部隊指揮および兵器運用の集中化・自動化に注力している。
⑧「軍事活動への非公式の軍事編成および民間軍事会社の関与」について
中国は、2010年7月に国防関連法制の集大成となる「国防動員法」を制定した。
同法は、有事にあらゆる権限を政府に集中させるもので、民間の組織や国内外に居住する中国公民に対して、政府の統制下に服する義務を課している。
国防動員の実施が決定されれば、公民と組織は、国防動員任務を完遂する義務を負い、軍の作戦に対する支援や保障、戦争災害の救助や社会秩序維持への協力などが求められる。
同法は、日本国内で仕事をしている中国国籍保持者や留学生、中国人旅行者にも適用され、突発的に国防動員がかかった場合、中国の膨大な「人口圧」がわが国の安全保障・防衛に重大な影響を及ぼす。
そのことについて深刻に受け止め、有効な対策を練っておかなければならない。
また、同法は、国が動員の必要に応じ、組織および個人の設備施設、交通手段そのほか物資を収容しおよび徴収することができると定め、その際の徴用の対象となる組織や個人は、党政府機関、大衆団体、企業や事業体等で、中国国内のすべての組織と中国公民、中国の居住権をもつ外国人をも含むすべての個人としている。
つまり、本法律は、中国に進出している日本企業や中国在住の日本人をも徴用の対象としている点に注意が必要である。
コロナ禍によって、マスクをはじめとする薬や医薬品、医療機器など、日本人の生命や国家の生存に関わる生活必需品や戦略物資が不足した。
その原因は、中国でマスクを生産していた日本企業が中国の国防動員の徴用の対象となったことにあり、医薬品などを極度にまで中国に依存し、脆弱性を露呈した厳しい現実を決して忘れるわけにはいかない。
他方、中国は、2017年に軍隊と民間を結びつけ、軍需産業を民間産業と融合させる「軍民融合」政策を国家戦略として正式採用した。
その狙いは、軍の近代化のために民間企業の先進的な技術やノウハウを利用することにある。
中でも、最先端の軍民両用(デュアル・ユース)の技術を他国に先駆けて取得・利用することを重視していることから、民間セクターと軍事の壁を曖昧にし、あるいは排除して軍事分野に活用する動きを強めている。
そのため、国有企業と民間企業の相互補完的な関係づくりに取り組みつつ、米国の軍産複合体を目指すとともに、国有企業の規模・シェアの拡大と民間企業の縮小・後退を意味する「国進民退」を積極的に推進し、政府の官僚を「政務事務代表」としてアリババやAI監視カメラメーカーのハイクビジョン(海康威視)などの重点民営企業に駐在させ、政府官僚による民営企業の直接支配を始めている。
このような共産党一党独裁体制下での軍民融合は、軍事力の近代化・強化がすべてに優先する「軍国主義」化に拍車をかける危険性がある。
軍民融合政策と同時に警戒しなければならないのが、「国家情報法」である。
同法は、「国家情報活動を強化および保障し、国の安全および利益を守るため」(同法第1条)、国内外の情報工作活動に法的根拠を与える目的で作られた。
その第7条では「いかなる組織および国民も、法に基づき国家情報活動に対する支持、援助および協力を行い、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならない」と定め、国内外において一般の組織や市民にも情報活動を義務付けている。
つまり、中国は軍民融合政策と国家情報法を一体として運用しており、そのことは、日本の企業や研究者が意図せずして、あるいは気付かないうちに、人民解放軍によるドローンや人工知能(AI)などの民間の最先端技術や専門知識の取得を助け、新たなリスクを生み出す可能性があることを意味している。
このように、中国は、軍事活動に民間の組織や公民を動員する体制を敷き、また、軍の近代化のために民間企業の先進的な技術やノウハウを利用するため、民間セクターと軍事の境界を曖昧にし、あるいは排除して軍事分野に積極的に活用する動きを強めている。
以上、ロシアが挙げる「現代の軍事紛争の特徴および特質」に沿いながら、中国がわが国に対し仕掛けている「新しい戦争」の形について概要を説明した。
それから読み解けることは、中国は、ロシアの軍事ドクトリンとほぼ同じ軌道をたどった行動や工作を行っているということだ。
ロシアが、当初ウクライナで行ったこと、すなわち純然たる平時でも戦時でもない境目において、軍事的手段と非軍事的手段を複合的に使用し知らないうちに始められた外形上「戦争に見えない戦争」、それと同じあるいは更に厄介な戦争を、中国は日本に対しすでに仕掛けていること��疑う余地のない事実である。
もし、それによる可能性が尽きた場合には一挙に軍事活動へと移行し、最終的に最先端技術・兵器を駆使した情報化戦争をもって戦争の政治的目的を達成しようとすることも、ロシアのクリミア半島併合や東部ウクライナへの軍事介入と同じと見なければならない。
「全政府対応型アプローチ」で備えよ
「新しい戦争」の形である外形上「戦争に見えない戦争」の大きな特徴および特質は、軍事力を背景とし、軍事的手段と非軍事的手段を複合的かつ連続的に使用することにある。
したがって、わが国の防衛も、軍事と非軍事の両部門をもって構成されなければならない。
その軍事部門を防衛省・自衛隊が所掌することは自明である。
では、これまで説明してきた中国の非軍事的手段である「輿論(よろん)戦」、「心理戦」および「法律戦」の「三戦」、そして政治、外交、経済、文化などの分野の闘争、さらに常態化しているサイバー攻撃などに対しては、どの行政組織がどのように備えているのであろうか。
それ以前に、わが国が中国の「戦争に見えない戦争」の挑戦を受け危機的状況にあるとの情勢認識があるのか、ななはだ疑わしい。
そこでまず、「日中関係は完全に正常な軌道に戻った」や習近平国家主席の国賓来日など、誤った対中情勢認識に基づいた日中関係の推進は、直ちに是正されなければならない。
そのうえで、中国の複雑多様な非軍事的手段による脅威を考えると、政府内各省庁のそれぞれの任務所掌事務・機能を結集した「全政府対応型アプローチ」(all government approach)を取ることが何よりも重要である。
しかし、各省庁の縦割り行政では、効果的・実効的な対応は期待できないので、その弊害をなくし、政府が総合一体的な取組みを行えるよう、行政府内に非常事態対処の非軍事部門を統括する機関を新たに創設することが望まれる。
例えば、内閣府または総務省に「国土保全庁」(仮称)を設置するか、米国の「国土安全保障省」のように、各省庁の関係組織を統合して一体的に運用する「国土保全省」(仮称)を創設する選択肢もある。
そして、国家安全保障局(NSS)の補佐の下、国家安全保障会議(NSC)を国家非常事態における国家最高司令部とし、内閣総理大臣、内閣官房長官、外務大臣および防衛大臣(4大臣会合)を中核に関係閣僚をもって国家意思を決定し、最高指揮権限者(NCA)である内閣総理大臣が軍事部門の自衛隊および非軍事部門を集約する「国土保全庁」あるいは「国土保全省」に対して一元的に指揮監督権を行使するピラミッド型の有事体制を作ることが必要だ。
他方、わが国は「自然災害大国」であり、平成7(1995)年1月の阪神淡路大震災や平成23(2011)年3月に発生した東日本大震災をはじめ、ほぼ毎年全国各地で大規模自然災害が発生し、その都度、共助、公助の不足が社会的課題として指摘されてきた。
近い将来、南海トラフ地震や首都直下地震などによって国家的危機の発生が予測されている。
併せて、中国による広範なサイバー攻撃や高高度電磁パルス(HEMP)攻撃があれば、一般住民をも直接的・間接的に巻き込まずには措かないのである。
このように、国民保護や重要インフラ維持の国土政策、産業政策なども含めた総合的な対応を、いわば「国家百年の大計」の国づくりとして、千年の時をも見据えながら行っていくことが求められる。
つまり、わが国の安全保障・防衛を強化するためには、社会全体でわが国を守る仕組み・取組みが不可欠であり、国民の「自助、共助、公助」への責任ある参画を促し、それを「民間防衛」の組織へと発展させることが更なる喫緊の課題である。
一方、軍事部門を見れば、わが国は、戦後の「経済重視・軽武装」政策を引きずり、いまだにその充実強化が疎かにされている。
最大の課題は、列国と比較して防衛費が極端に低く抑え込まれていることだ。
日本は、中国の「情報化戦争」を念頭に、30防衛大綱で「領域横断(クロスドメイン)作戦(CDO)」を打ち出し、自衛隊の能力構築を始めた。
CDOでは、従来の陸上、海上、航空の活動領域が宇宙空間へと拡大し、さらにサイバー空間や電磁波空間といった新たな活動領域が加わった。
そのように、軍事活動の領域・空間が3つから6つへと一挙に倍増し、多領域・多空間に拡大して戦われるのが近未来戦の際立った趨勢である。
そのため、これまでの自衛隊の組織規模をスクラップ・アンド・ビルト方式で再編成するのには一から無理があり、従来の防衛力を基盤として、中国の新たな脅威に対抗できるCDO能力を付加的に強化するには、自衛隊の組織規模の飛躍的拡大や最先端のハイテク装備の取得が必須である。
また、CDO(米軍はマルチドメイン作戦:MDOと呼称)を前提とした日米共同作戦には、両軍のC4ISRをネットワーク化することが不可欠であり、そのような防衛力の整備には防衛費の倍増は避けて通れない。
米国は、中国との本格的かつ全面的な対決に踏み出し、そのため今後、世界の分断が進むと予測されている。
つまり、米中対立は、米中間に限られたものではなく、自由・民主主義を支持する国々と共産主義中国との対立であり、他ならぬ日本自身の問題である。
その対立が前提の世界において、日本が二者択一で同盟国の米国をさて置き、中国を選択することがあってはならない。
同盟が成り立つには、①価値の共有、②利益の共有、③負担の共有、そして④リスクの共有、すなわち戦略的利害の共有が必要である。
米国が中国との新冷戦を決意している時、日本が安全保障・防衛上の利益のみを享受し、新冷戦において生じる米国の通商や金融、テクノロジー、外交、それに安全保障・軍事などの負担やリスクを、中国との経済関係を重視するあまり、日本が共有する明確な姿勢を示さない場合、同盟は成り立つはずがない。
そのうえ、米国からは見放され、中国からは経済面で裏切られた上、安全保障上の敵対心を露わにされるのは必定である。
コロナ禍とともに戦後最大の安全保障の危機に直面している今こそ、日本は米国との同盟関係を一段と深化させ、米国と同じ構えで中国に備えることが強く求められるのである。
そして、日米同盟を基軸として、インド、オーストラリアの4か国(クワッド)に台湾などの周辺諸国やASEANなどを加えて、「自由で開かれたインド太平洋」構想(戦略)の下、インド太平洋版「NATO」へと発展させることが今後の大きな課題でもある。
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聴講メモ MyData Japan 2017 【シンポジウム】
聴講時に入力したメモです。断片。配布���料からのメモも引用符はありません。 聞き取り間違い等、あります。おかしな部分は記録者のせいです。
2017年5月19日(金)10:30~18:00 秋葉原コンベンションホール 開催案内 http://www.glocom.ac.jp/events/2349 主催 一般社団法人オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン(OKJP) 共催 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM) 東京大学空間情報科学研究センター 東京大学ソーシャルICT研究センター 東京大学情報基盤センター 慶應義塾大学先導研究センターサイバーセキュリティ研究センター
イントロダクションセッション:マイデータのビジョンと昨今の情勢 開会挨拶 庄司昌彦(国際大学GLOCOM 主任研究員・准教授/Open Knowledge Japan代表理事)
パーソナルデータのデータ主体の意思による利活用重視 自分の手でコントロールする MyData2016はヘルシンキで開催された Open Mind Open Knowledge
Opening Keynote 個人主導によるパーソナル情報の流通が拓く世界 柴崎亮介(東京大学空間情報科学研究センター教授)
1.自分の情報を自らの意思で、自分のために、社会のために使うことができる「幸せ」
2.ディープデータがビッグデータを活かす
3.社会の仕組みは、変わる 変えられる
1.自分の情報を自らの意思で、自分のために、社会のために使うことができる「幸せ」
これまで個人情報はいろいろな文脈で取り上げられてきたが、あまり良い印象ではなかった。 最近はパーソナライズしたサービスの提供の為にパーソナルデータを活用する方向に 損保ジャパンの事例 「個人情報は社会の重要な資産になる」 WEF PHR PDS 内閣官房中間とりまとめ 金庫から運用へ 情報銀行 データ取引市場 人の「個人情報」 Peaple's Data My Dataというキーワード トランスペアレントでクリア (そうかな?)
2.ディープデータがビッグデータを活かす
繋ぐデータがあれば全体像が見えてくる→アプローチの仕方が見えてくる 健康診断結果 DNA 生活習慣 食習慣 Google Takeout ロケーション履歴→滞留点 カレンダーで用向きとマッチ 心拍を載せる どこで歩いているか
ディープなデータを作る 新しいパスができる! データ主体のイニシアティブで
3.社会の仕組みは、変わる 変えられる
本人が同意しているので、法制度的には大きな課題はない(?)
稼働している自動車は1割くらい Uberのマーケットベース 駐車場をそれぞれのビルで持っていても、空きがある 中国ではUberのようなものを法律で規定 暫定法 GDPR データポータビリティ
MyData をめぐる状況 -MyData 2016の報告- 中川裕志(東京大学情報基盤センター教授/理化学研究所AIPグループリーダ)
個人データ管理はデータ主体の個人へ 集める先が個人に変わる 個人が同意した使い方へ インターネットの普及によりデータ主体である個人の個人情報、個人データがネットに氾濫 →プライバシー保護の動きが強まっている EUは指令から規則へ GDPR 2018年5月から適用
匿名化処理 EUでは万能な処理は基本的に存在しないとしている
事業者の説明責任と データ主体の同意 がキモ 個人データを一業者が囲い込むことを許さず、データ主体個人の意思で個人に還元できる 米国には連邦法無し プライバシー権利章典は連邦法になっていない FTC3要件 FTC5条 執行権限がある 日本の方が緩いのでは? 日本 匿名加工情報の導入
世界の潮流 忘れられる権利 プロファイリングの自動処理で得られた結果に服さなくてよい権利 →GDPRに書いてある Do Not Track
個人データは個人が管理し、同意に基づいて使わせる
残された課題:プロファイリングの問題 プロファイルを用いたターゲット広告:強力なビジネスモデル えてして不正確な個人のプロファイル
プロファイル情報に基づくデータ主体への判断に服さなくて良い権利 GDPR22条 開示要求 間違ったプロファイル情報の問題 個人が同意して提出したデータの方が正確
収奪されるEU 収奪される個人 反撃
MyData 2016 参加者650人 発表者140人 個人データ管理はGAFAから個人へ 自分自身のデータで個人を強化する
データ、アイデンティティ、プライバシー、セキュリティ、同意が合わさって、EUのデジタル経済を根本的に変えていく
所有可能、取引可能、だが独占は許さない
32%のプラットフォームは匿名化、仮名化を拒否 EUユーザの52%は同意なしのデータ削除、88%は同意なしのアカウント削除にOK 38%のユーザがデバイスをまたいだデータ収集OK 7分の1の人は目的外利用に関心(心配?)
パーソナルクラウド インターネットにおけるIdentity認証 パーソナルデータストレージ(PDS) 個人管理は面倒でもある クラウドに載せるとパーソナルデータクラウド 自動アップロード 個人キーで暗号化 個人の認証 利用ログ 流通経路トレース Cozy Cloud Digital me My Data Store トラストできるAPPによるシステム 個人データのためのブロックチェイン Digital CATAPULT ゼロ知識証明 プライバシー保護データマイニング 説明責任の実効的実装は難しい→トラストの重視 なぜトラストできるか、あるいはトラストが崩壊するプロセスなどのトラストの構造分析はこれからの課題
IoT センサデータの管理と共有 収集経路上にプライバシーリスク 暗号化デフォルト 行動データはかなり危険に晒されている 個人データの真正性はブロックチェインの提案が多い AXA ドライブパターンの抽出と保険 CNIL 信頼できる被雇用者 Digi Clinic
データ管理の経済性 スキポール空港を世界最高のデジタル空港にする
個人のデータを個人が管理するMyData 必要性 技術 応用例
ビジネスモデルとしての定着へ向けて 例えばプライバシーポリシーの煩雑さなど
官民データの活用に係る政府の取組について 山路栄作(内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室 内閣参事官)
現状 スマホ等の普及により様々なデータが収集可能になったが、活用に課題 官民データ活用推進基本法 行政分野でも情報を根拠として政策を立案していく 現在「官民データ活用推進基本計画」(8条)の策定に向け検討中
12条 個人の関与の下でのデータの流通・活用 データを3つに分類 個人情報を含むデータ 個人情報を匿名加工したデータ 個人情報を含まないデータ (センサデータは個人情報ではない?) 人流情報 災害対応など
企業や業界を超えたデータの流通が進んでいない 個人 流通の不透明さ、メリットが見えない 互換性が確保されていないので、使い難い 漠然とした不安 企業 風評被害
個人が自らの意思で情報を蓄積し、活用するのがPDS 全部自分でやる 情報銀行 提供先を本人の意向に沿って判断 選択可能 データ取引市場 マッチング機能
ユースケースを6分野で示す
医療・介護 保険者等が持つデータを個人に戻す
取りまとめポイント 分野横断的な法制度整備 推奨ルール
データの標準化、互換性 ガイドライン 相談のための一元的な窓口 苦情処理 金融ADRを参考に
トレーサビリティ ポータビリティ データ削除 利用停止、移動、削除 の担保 第三者認証制度の検討
基調講演 「デジタル・ニッポン2017」~Nippon, the Data Nation~ 平井たくや(衆議院議員 自由民主党IT戦略特命委員会委員長)
データに関する考え方が変わってきているように思える。 官民データ活用推進基本法を知らない議員が多い。賛成した議員でも、付随する法改正に驚いている。 「官民データ活用推進基本計画」5月30日に閣議決定予定 自治体等も対応する必要あり 社会の前提条件が変わった 平均寿命の延び 2030年頃から人口が減少へ? 高齢化社会のモデルに 日本の労働生産性の低さ 米国に比べ7割から6割程度に漸減 8割程度まで引き上げる DIKWモデル 通信速度の進化 10Gbps データは生データのままで��何の役にも立たない 体系化してinformationに informationから導き出される知見がknowledgeに、さらにwisdomに
人口が増えず、GDPが増えれば労働生産性は向上する
政府の重点分野は8つ 電子行政 健康医療介護 観光 金融 モノづくり 等
デジタルソサエティ推進議連
イノベーション シェア 働き方改革 シチズン セキュリティ
シェアリングエコノミー協会 グレーゾーンのものは温かく見守る 自分たちで基準を 日本では未利用資源の有効利用という視点が抜けてしまった 日本は法律がないと動かない データをどのように主導権を持って使っていくか ボディバンク 健康情報を有料で預けて、医師からアドバイスをもらう 高松市医師会と保険者等が協力して、自分のレセプトデータを治療に使えるようにする 患者が持っている過去3年間のレセプトデータのうち、重要なものをサマライズする。アクセスには2つの鍵 マイナンバーカードと医師専用の資格証明書のHPKI マイナンバーカードにレセプトデータへのアクセスしてくれという意思を入れておく 原則デジタル 対面書面の原則の撤廃に向けた検討→行政分野の効率性 オープンデータ 国、自治体のシステムの標準化 セキュリティ バイ デザイン オープンデータ バイ デザイン マイナンバーカードの利用の拡大 マイナンバーカードがないと始まらない世界へ 米国の致命傷はSSN 本人確認に疑問符 マイナンバーカードは国がトラストアンカー できたらね できるかどうかが国の存立の分水嶺 ITを意識しないIT社会 使い方が分からない時に誰に訊けばいい? ITの民生委員 (IT隣組はやだな) デジタルデバイドの格差の是正 行政、自治体の計画にデータの利用法の検討を 保護と利活用のバランス データは血液でありエンジン、ガソリン 高齢化でもQoLは上げられる
事例:おもてなし、ヘルスケア おもてなしクラウド:PDSの観光分野での利活用 越塚 登(YRPユビキタス ネットワーキング研究所 副所長/東京大学大学院情報学環教授・ユビキタス情報社会基盤研究センター長)
OPaaS.io
都市サービスの高度化アクション 総務省 2020年にむけて 万人向けのサービスよりもパーソナライズされたサービスを 人間がやってきたパーソナライズをシステムを使ってやれないか 千葉・幕張 渋谷 竹芝 六本木・虎ノ門 乃木坂 で実証実験
IoTおもてなしクラウド事業 観光客のデータをPDSに入れ、データ主体の許諾の下に事業者へ 「観光」は旅行者の個人情報を高い頻度で扱っている 万人向けサービスではもはや満足しない 極東地域の見ず知らずの場所で個人情報を預ける不安感 情報の信託 高度に安心できる環境、個人に寄り添ったシステムが重要 個人情報は勝手に使いまわさない 自分の情報は、自分が完全制御できる安心感 高い信頼性を持った個人情報管理は不可欠 個人情報の適正な流通が重要性 個人情報が流通しない危険性 日本の産業構造の特色 中小・零細企業による競争力 中小・零細企業でも使える個人情報環境が不可欠
おもてなしプラットフォーム ユーザー属性所法を蓄積し エンドユーザーの管理の下 サービスベンダに適切に渡せるように 「仲介」を行なうプラットフォーム 情報サービス提供のきっかけに、スマートフォンアプリではなく、交通系ICカードを使う
分析や解析はプラットフォームでは考えていない 土管プラットフォーム
交通系ICカードをかざして情報の/を提供 受ける/行う
国立新美術館で実証実験 自動翻訳の言語を読み取ったデータで選ぶ
PDSにおいて、包括性のある同意 →同意を取るUX的技術 同意の法的有効性(グレーゾーン)
個人情報におけるMACとDAC(個別同意と包括同意)
IoT活用おもてなし実証事業「おもてなしプラットフォーム」の取り組み 森 健広(大日本印刷株式会社 ABセンターコミュニケーション開発本部VRMビジネス企画開発部サービス企画グループ リーダー)
経済産業省
訪日外国人の課題 個別のユーザ登録 情報の散在によるサービス不備 事業者の課題 一事業者だけではやりきれない
共通ID(認証連携基盤)で種々のサービスを
共通IDにより紐づけられた履歴情報を活用したパーソナライズされたサービス
指紋を使ったバイオメトリクス認証も
九州ではプリペイドカードを使ったサービス提供
臨床および臨床研究のための分散PDSの応用 橋田浩一(東京大学大学院情報理工学系研究科 教授/理化学研究所AIP 分散型ビッグデータチーム リーダ)
ソーシャルICT研究センター
実運用でデータが使えることが大事 あらゆる場面において意味構造化されたデータが生成され循環する社会の構築 標準スキーマに基づくデータ構造化によるデータ・サービス連携
全てのデータにアクセスできる者は漏えいリスクあり
分散管理ではその危険は少ない
必要なデータを承諾した人から
一次利用 分散型 集中型はわざわざコストをかけてリスクを高める
PLR ローカルでも、クラウドでもデータはすべて暗号化 プラットフォーマーには鍵を教えない 個人端末も必須ではない
データの集中管理が最低限 多要素統合認証
本人に中身が分からないパーソナルデータを本人が管理して専門家に提示する
利用者 ソフトウェア提供者 ストレージ提供者
山梨と鳥取で介護記録のデータをPLRで実運用
母子保健での活用 前橋工科大学
PLR統合アプリ
IndiaStackプロジェクト 虹彩と指紋による生体認証 Aadhaar 2年で現金とクレジットカードを廃止 近郷だけでなくほかの民間企業や公的機関もサービスをAPIで公開 カンボジア中央銀行 暗号通貨
スマートソサエティの基盤 データ主体の意思によるリッチデータの循環 個人認証 オープンI 分散PDS 意味構造化データ
10年後には柵のない途上国が欧米や日本を生産性で上回っているかも
医療情報の第三者提供における本人同意の管理 玉木 悠(徳島大学病院 病院情報センター 特任助教)
同意様々
診療 と 研究
二次利用 第三者提供
医療機関では業務プロセスの多くにおいて個人情報利用の同意が必要になる
暗黙的同意 ポスター・文書等の掲示 個別説明と文書による同意
情報公開文章 口頭IC+記録
徳島糖尿病ネットワーク 連携先が増えたら、新たに同意を取得する必要
EHR、PHR事業を広域で展開する際の負担
本人の理解度・医師に対応した同意内容のパーソナライズ度が困難 患者は医師や医療機関との信頼関係に依存して、同意しているのが実情では?
本人意思への個別対応 説明内容の理解度、確認 説明、同意有無の管理
確認された本人意思こそ、自己が管理できるよう本人へ返す必要があるのではないか? 本人の集中管理とすることで、管理を効率化 「同意取得」というより、「意思表示」と捉える
PLRで解決? 求める同意内容に対し、逐条的な同意可否が可能になるのでは 同意内容について、いつでも確認可能
徳島には5つの連携ネットワーク→1つの連携基盤に
展望と課題 Digital Identity and use of Individuals Data in Estonia ラウル・アリキヴィ(Planetway Corporation取締役/日本・エストニア/EUデジタルソサエティ推進協議会 理事)
エストニアの面積は九州ぐらい。人口は杉並区と世田谷区を合わせたくらい。 デジタル政府が進んでいる デジタル5 エストニア 韓国 イスラエル ニュージーランド イギリス
e-State 結婚、離婚、不動産取得はデジタル化されていない エストニアには中央DBはない。政府機関による国民のパーソナルデータ重複取得は禁止 どこでもインターネットにアクセスできる。 IDカードがあれば、免許証を携帯する必要はない 自分のデータに誰がアクセスしたか、知ることができる。政府が自分についてどのようなデータを持っているかも見ることができる。 セキュリティモデル ユニークなIDカード 番号は秘密ではない 国民の94%がカード所持(強制)
自分たちでつくる地域社会とパーソナルデータ・オープンデータ 庄司昌彦(国際大学GLOCOM 主任研究員・准教授/Open Knowledge Japan 代表理事)
MyDataとOpen Dataは1枚のコインの裏表 全ての人は、自分の個人データを、自由に使用・編集・共有することができ、
オープンデータは全ての人に開かれたデータ マイデータは私に開かれたデータ
「オープン」なほど掛け合わせし易い
パーソナルデータは社会資源である前に「私」(データ主体)にとっての資源である。 個人をエンパワメントするのが情報社会の特徴
「複属」化する社会 ソーシャルメディアによる「複属」の日常化 働き方の変化 社会的な意識の変化
個人から分人へ ふるさと納税
地域社会の危機 人口減少、高齢化、所帯人数の減少→より、「個人」を単位とする社会へ
日本の高齢者の4人に一人は友達がいない
縮む社会 情報は枯渇しない 「私たち」にとっての資源
共助と共創のためのプラットフォーム:地域系PDSの展望と課題 石垣一司(株式会社富士通研究所 セキュリティ研究所 特任研究員)
PDSは技術起点の業界トレンドではなく、経済/社会両面での必要性から来ているコンセプト 欧米では市民やじぎゅ者のコンセンサス附則、技術も未熟
PDFの社会実装には、技術面の段階的進歩に加えて、社会面、経済面の課題解決が必要 データが少ない段階でのビジネスモデル 市民の意識変革
地域系のPDS 健康、生活などのライフログ、活動履歴を活用し、多様なサービスを提供
自助、公助だけでは足りない多様な市民の社会参加(互助、共助)が必要
市民を含む多様な事業者の連携のためのプラットフォーム 市民、データ提供事業者、データ活用事業者をパーソナルデータでつなぐプラットフォーム
A市サステナブル 富士通Personium
サービス連携 ワンストップ行進 実績証明など
事業主体としてのリビングラボ
My data Our Life, Our Future
パーソナルデータを活用したオンライン広告の展望 寺田真治(株式会社オプト プロジェクト・マネージャ/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員)
悪者のボスキャラみたいなもの(冗談
オンライン広告市場 8割から9割がこれ 6割以上がスマホ
過剰な情報流通による判断の放棄 店舗で見てオンラインで買う 事業者は標的型で広告を打ちたい
パーソナルデータの活用 どこで決めているか データ収集、配信 AdTech
ターゲットの属性をDMPに送り、条件に合うターゲットが来たらSSPを通じて広告主側のDSPに通知
米国のデータブローカー トラストフレームワーク データトレーサビリティ マルチステークホルダー・プロセス
データそのものには価格をつけない。それを基にした広告が商品
あらゆる接触段階でデータ収集は行われている→行動規制へ トラストフレームワークの構築、トレーサビリティの確保
パネルディスカッション「AI、IoT時代におけるパーソナルデータ活用のあり方」 パネリスト(五十音順): 板倉陽一郎(弁護士・ひかり総合法律事務所/国立研究開発法人 理化学研究所革新知能統合研究センター客員主管研究員) 市嶋洋平(株式会社日経BP 日経ビッグデータ 副編集長) 高原 勇(トヨタ自動車株式会社 未来開拓室担当部長/ 筑波大学 未来社会工学研究開発センター長、特命教授) 瀧 俊雄(株式会社マネーフォワード 取締役 兼 Fintech研究所長) 津田大介(一般社団法人インターネットユーザー協会 代表理事) モデレーター: 若目田光生(日本電気株式会社 ビジネスイノベーション統括ユニット 主席主幹 兼 データ流通戦略室長)
板 駄目じゃないようにすることを考えるのが日常の業務
市 パーソナルデータへの注目度は最近、上がっている 個人情報保護法改正よりもGDPR? データ入手手段は多様化 データ活用が全社規模になるのは難しいらしい プライバシー保護と活用のルール作り
高 自動運転という機能の実現で多くのデータが取れる プローブとしての自動運転 瀧 個人情報と顧客の利便性のバランスを取りながらビジネスを お金に対する不安を無くすために情報を収集 金融庁が銀行のデータポータビリティに前向き…かな 金融API
津 ユーザー団体の代表として発言できれば ユーザーのリテラシの向上も重要
若 プライバシーの保護はビジネスの起爆剤 課題があるからこそチャンスがある グレーゾーンへの対応が鍵
市 顧客行動データ、センサデータは制御していかなければならない。 個人にメリットのあるデータ活用 再配達の抑制 Suicaデータを統計化して、混雑改善に活用 顧客の生体情報を分析したり、他データと掛け合わせ 少額金融 複数の分析モデルで顧客のリスクを分析 センサデータ 家庭の機器を電源波形から分別し、学習 グーグル ネスト ホンダと埼玉県 データを上げる代わりに通信料金無料 カメラと心拍センサで観客が笑っているかどうかを判定 吉本興業 NTT東日本
高 自動車で取れるデータの利活用の在り方 移動分散電源としての電気自動車 自動運転で取れるデータ 走行速度の空間分布、実測燃費の空間分布 低燃費運転支援速度 (ドクターイエローの走行に似ている) GSの減少で燃費データが重要に インフラの監視も
瀧 会計のPDCAサイクル スクレイピング セキュリティ第一 メインユーザーは若く、高所得者が多い 守るものができたタイミングで使い始める人が多い 「お金を払っても、節約したい」 二次元系の趣味を丁寧に分類したら評判が良かった Githubがカフェ代に 使えば使うほどパーソナライズされる スタバは交際費?朝食?カフェ?
津 取得時のオプトインの原則 提供しない選択をユーザが取れるようにすること ユーザ自身が「どのようなデータを提供しているのか」を明示的に確認できるようにすること 未成年者や高齢者にも分かり易く
オプトアウトの原則 �� オプトアウトの方法をわかりやすく明示すること グラデーション グーグルマップのタイムライン ピンポイントで居場所が分かる
利用目的の明確化と限定化 利用目的を限定し、明確にすることはユーザからの信頼向上につながり、結果として産業振興につながる 利用目的を変更する場合は、新旧対照表などを用いてわかりやすく説明し、取得時に想定されていなかった利用を行う場合は再度明示的な同意を取るべき
プライバシー教育の啓蒙
騙し討ちは止めましょう
板 グーグルのアクティビティ管理 グーグルやFBはデータ保護当局とやりあってきた AI,IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ 中間とりまとめ
個人情報保護法上の同意とは何か 個人情報保護委員会 通則編2-12
セキュリティ 標準化することは攻撃方法も標準化される データの標準化、互換性の確保、データに関する権限の扱い 著作権、不防法
事前相談窓口 何も決まってなければ自由にやっていいわけで 公取は制度にある
苦情処理・紛争解決手段 消費生活相談員の育成にも適切なコストがかかることを関係者が理解すべきでは。
トレーサビリティ、データポータビリティ、データ削除の確保
瀧 日本は銀行API進んでいる EUは決済業務でのデータポータビリティ義務付け クレジットカードの明細は結構、会社ごとに違う 決済前後でも違う セキュリティはおまけしてはいけない要素
高 モビリティアズアサービス どんな社会にするのか/しないのか
市 顔画像認識の問題 大阪、札幌 札幌の事案では境界線の踏み間違いがあったかも 専門家も一人じゃなくて二人ぐらい味方にしないと危ない コンサートの入場管理では特に問題とされなかった パーソナルデータを管理する統合プラットフォーム 顧客からの許諾の問い合わせに適切に回答できるように 社内体制も、データの攻めと守りで変えていくべき
津 パーソナルデータの利活用と監視社会 共謀罪 事前に察知するとはどうやるのか 人権問題と近接しているのではないか 騙し討ち、目的外利用は止めましょう 透明性の確保
板 法制度がやれることは結構難しい。制度側でやれるのは事前に相談を受けて、その結果をフィードバックすること。走りながら判例法的に積み上げていける。
Closing 柴崎亮介(東京大学空間情報科学研究センター教授)
2018もあります。データの運用は実際に始まっている。日本の銀行APIが先進的になりつつあるのは、実際に動いて、エビデンスができて来たから。 ユーザー側の意見も重要。危惧と期待、コミュニケーションの場を充実させていく。
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聴講メモ 第2回情報法制シンポジウム #JILIS02
聴講時に入力したメモです。断片。配布資料等からのメモも引用符はありません。 聞き取り間違い等、あります。おかしな部分は記録者のせいです。
開催案内 https://jilissymposium2.peatix.com/?lang=ja 日 時:2018年6月3日(日)10:00〜18:00 場 所:東京大学(本郷)伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール 主 催:一般財団法人情報法制研究所(JILIS) 共 催:情報法制学会(ALIS)
総合司会:山本 龍彦 情報法制研究所(以下JILIS)参与・慶應義塾大学教授
10:00-10:05 開会挨拶 鈴木 正朝 JILIS理事長
基調講演では十分性認定について触れていただければと思う。ブロッキングについては論点整理に踏み込んでいきたい。
10:10-10:40 情報法制学会(ALIS)研究報告 「AIとガバナンス(規制)の枠組みー規制等に適する分野、適さない分野ー」 寺田 麻佑 国際基督教大学 准教授・理化学研究所AIP客員研究員
移行期に必要とされるgovernance ソフトローによる規制が望ましい 何をAIにさせる/させないか
この報告では特化型、汎用型、強い、弱いを含むものをAIと総称する
問題の所在 AIとgovernanceについて考える意義
ヒトの権利、主体性が切り崩される可能性 情報をどこからどこまで他者に知られていいのか サジェスチョン AIの浸透 誰が道筋をつけるのか リスク プロファイリング プライバシー ラベリング データ バイアス 意志の自由
governanceとは何か
グローバル化の進んだ社会と国家、AI 複雑化 トラツイ 国家の特別な地位 実際にパワーを有しているのは誰か? 分野横断的な分析や枠組みの構築
governanceが想定する多層的な規制主体 統治機構、民間団体、社団、市民社会や企業等によって複合的に達成 多層的、複合的 ソフトロー的な規制を移行期には目指すべきだが、立法のハーモナイゼーションは不可欠
AIに関するgovernanceに関するAIネットワーク社会推進会議の議論 デジタルデバイド、取り残される人がいることへの認識 公正の観点 現時点では非強制的なアプローチが必要
規制等に適する分野、適さない分野
代替困難な分野を認識すべき 裁判-アルゴリズムを完全に説明可能なものにすることは困難ではないか。どうやって責任を取らせるのか。どうやって学習させるのか。AIに裁かれることを望むのか。 人命にかかわる分野であり、人による判断がなされることが必要な分野 航空管制等
AIによる判断の適切性を担保する枠組み 規制枠組みを作らなければ守ることができない人の権利がある
AIが万能ではないという認識の重要性
質疑応答
Q 規制機関創設は時期尚早とのことだが、中長期的な課題としてはあるのではないか。
A 柔軟な調節ができる機関を創設することも一つの手段であるとは考えていたが、国会における議論と法改正の必要があること、世界的にも模索が始まったばかりであり、目的がよく分からない、名前だけの組織を作ることは行政の説明責任という観点からも問題であり、時期尚早である。状況が変わっていけば必要になるのではないか。 国際的にAIに関して専門部署が要求される可能性がある。どの程度の専門性、職務内容等について検討されている途中である。
Q 裁判の情報化、電子化が議論されている。類似判決のサジェスト機能のような弱いAIによる補助等、ここまではOKという線はあるか。 ある程度の自動化がされている航空管制のような分野はむしろ先行して利用できるのではないか。
A 裁判については決定を想定していた。便利にする部分は既に利用されているかと思う。究極的に人が裁かれるという局面では利用できないと指摘した。 航空管制は未だアナログ回線が利用されている。条約でそれを決めていることも多い。環境としてAIを利用できるか現時点では不明。事故を避ける判断には責任問題もある。
Q ソフトローでは産業にマイナス面もある。
A ガイドライン等を国際的な枠組みで決めていくことを考えている。現行の法規制内でもできることはある。 リスクなどへの対応法を国際的な枠組みで考える、基準を提示していくということを考える。
10:45-11:15 JILIS活動報告(個人情報保護法研究タスクフォース) 「個人情報保護法立法資料(情報公開請求資料)の分析(中間報告)」 高木 浩光 JILIS理事・産業技術総合研究祖主任研究員
法制局とのやり取りなどが請求資料には記述されている。
なぜ名称が変わったのか(匿名加工情報→非識別加工情報) 法制局長官からの指摘 匿名加工情報というのは本当はどんな概念なのか 古い説明文書を用いると間違える。
個人情報保護委員会が管理している文書が少ない 蕎麦屋の出前状態 行政管理局の一部資料は延長中
EUとの十分性認定について、EUから移転を受けたデータについては規制を厳しくするという案がある。匿名加工情報は加工情報等を削除して、何人にも再識別を不可能な形にすることが求められている。
仮ID問題 連結可能匿名データはパーソナルデータ 蓄積による特定性の強化 そもそも仮IDは要らないのでは? EUからのデータは仮ID不可 29条作業部会WP136 Opinion 4/2007 on the connect of personal data http://ec.europa.eu/justice/article-29/documentation/opinion-recommendation/files/2007/wp136_en.pdf 目的をもってデータを管理されている以上は、パーソナルデータ
昭和63年法での整理 容易照合性の意義は法令協議で明確にされていた 物別に整理された情報も「処理情報」として対象だった 「物に付された番号等により検索しうる個人情報ファイル」 自動車登録番号、端末番号、SuicaID等
ブロッキング問題についても情報会議請求中である。延長通知が来た。内閣府は業務多忙。5月2日に請求して5月17日に回答が来た。法務省は判断に時間を要するとの回答。
Q ガイドライン行政について。
A 問題となりそうなのはEUからの移転データに限ってガイドラインで規制を厳しくすることの是非。ガイドラインが法的拘束力を持つという記述の意味も不明。
11:20-12:30 パネルディスカッション 「防災と人工知能」 山口 真吾 慶応義塾大学准教授・電脳防災コンソーシアム共同代表 臼田 裕一郎 防災科学技術研究所 岡本 正 JILIS上席研究員・弁護士 鳥澤 健太郎 情報通信研究機構
や 災害情報に関して立ちふさがる「壁」 災害関連死は避け得るものである。熊本地震では関連死は直接死の4倍。誤嚥性肺炎など。 悉皆的な情報の把握による必要な物資、手段の提供。 災害情報の分析整理のためのAIの導入努力義務 縦割りの壁 エクセルとホワイトボードで災対本部が動いている 全体を俯瞰する行政組織、学問分野がない。 電脳防災コンソーシアムで提言 被災通報 メディアの役割 防災産業 電脳防災訓練 事故がないのが良い訓練か?
と 災害時のTwitter情報 東日本大震災の教訓 キーワード検索の限界 DISAANA 質問を投げるとSNS情報を分析して回答が来る ※DISAANA - 対災害SNS情報分析システム【リアルタイム版】 https://disaana.jp/rtime/search4pc.jsp D-SUMM 「質問なんか悠長に考えていられるか」→メニュー選択形式に変更 ���※D-SUMM 災害状況要約システム リアルタイム版 https://disaana.jp/d-summ/ 発災後、30分から1時間くらいは災対本部にはほとんど情報がない。 防災・減災チャットボット 状況の変化をフォロー →入力内容や質問内容の課題、収集した情報の管理
う 災害情報の組織間共有の意義 どこに、何を、どうやって 状況認識を共有して、バラバラに動いても効果的に SIP4D 共有しても良い情報を共有するための情報変換、情報統合 情報統合は手作業が多い→AIを使った言語処理等の利用 法制度上の課題 予測情報、個人情報、二次配信 ドローン プライバシー 共有できないデータの存在 法的根拠がないと提供できない
お 生活再建情報の知識の備えと防災教育 リーガル・ニーズ 債務の問題 「自然災害債務整理ガイドライン」とすぐに検索できるか 直感的な自然言語による検索と本当に必要な情報をどう橋渡しするか 情報を受け取る側のリテラシーの向上 生活再建情報の方から被災者に近づくようにする 知識の備えを防災教育に組み込むべき ボトルネックを繋ぐAI 知らないキーワードは馬の耳に念仏
や 防災行政、日本は弱い。予算も権限もない。コンクリ畑の人が多い。発災時の情報のプロが基礎自治体にはいない。情報法制はトップダウン型。
と 情報に対する意識は日本の役所は低い。大規模災害への対応が泥縄。同じような問題意識を持つ人はあちらこちらにいる。システムは自衛隊OBには評判はいい。情報を提示されて判断をすることになれていないのか。
う 防災村の壁が見えてきた。言葉が通じなかったりして、分かっていなかった社会の仕組みが見えてきた。現場とつながっていないのが現状。情報技術、特にSNSやインターネットを当たり前に使っているが、災害時に対応できるか。普段使っているものを災害時に普段使いできるように。
お 災害対策や危機管理の法制は現場が大事となっているが、災害弱者、社会的弱者の保護はナショナルミニマムの問題。災害と個人情報について国は言えない。条例で扱っているから。法制がバラバラなために、うちではできないと。個人情報を共有するためのナショナルミニマムの確立を。
や 電脳防災ドリル。プレーヤを外から呼び込む
お アレクサのようなものに災害相談をしてみる。どこから引いてくるか、目当ての情報にたどり着けるかを検証する。
う 防災訓練そのものは自治体が主になっているが、全国一律の訓練をしてみてはどうか。ヤフーの全国防災訓練模試のように。対応を全国的に評価できる仕組みも検討していきたい。
と 「想定外」というのは難しいが、例えば原発事故などは現実の想定をできた人は少なかったのではないか。滅茶苦茶な想定外事象を想定した訓練があってもいいのではないか。無茶振りが問題点をたたき出すのでは。
や 楽しい訓練じゃないと参加しない。失敗は減点ではない。
13:30-14:25 基調講演 「情報法制研究の対象としてのデータ保護法-日本のプライバシー・個人情報保護議論の現在、個人情報保護法の改正、改正法全面施行後1年の実施状況-」 堀部 政男 個人情報保護委員会委員長・一橋大学名誉教授
1970年代半ばから情報法を研究分野の名称としてきた。「プライバシー」の言葉は1960年に「宴の後」事件原告側弁護士が議論で出してきた。1964年にプライバシーを権利として認める判決がおりた。 都市化に伴う人間関係の希薄化がプライバシー概念を日本社会に広めた。 国際動向 1980年OECDプライバシー・ガイドライン 1981年欧州評議会条約第104号を各国の批准に付託 国内動向 1982年「プライバシー保護研究会」報告書とりまとめ
5月31日 プレスステートメント 数10回のダイアログ、調整5項目
14:30-16:00 JILIS提言(情報通信法制研究タスクフォース) 「海賊版サイト対策(立法)の論点整理」 曽我部 真裕 JILIS理事・京都大学教授(憲法・情報法) 上野 達弘 早稲田大学教授(知的財産法) 長瀬 貴志 金沢大学教授・弁護士 (民事訴訟法) 神田 和宏 弁護士(プロバイダ責任制限法) 寺田 眞治 モバイル・コンテンツ・フォーラム常務理事(オンライン 広告ビジネス) *指定質問者(刑事法、憲法、情報法 他)
〔6月5日追記〕 一般財団法人情報法制研究所 情報法制研究タスクフォース 著作権侵害サイト対策検討における論点整理(PDF) https://jilis.org/proposal/data/2018-06-03.pdf
そ 4月11日緊急提言 13日政府緊急方針 22日緊急シンポジウム 23日NTTグループブロッキング方針発表 1.現行法の下で可能な法的措置の再精査と実践 ブロッキングを求める側が現行法上可能な法的措置を尽くしたのか不明。専門家の助言の下、改めて現行法の下で可能な法的措置を検討 2.自主的な取組の推進 広告収入を断つための関係事業者の取組み 3.ブロッキング立法の課題 (1)立法事実の十分な検討 被害実態の精査 ブロッキングによってどの程度の効果があるのか (2)他のブロッキング主張に対する影響の考慮 ヘイトスピーチ、リベンジポルノなど。 (3)制度設計における課題 著作権保護と通信の秘密・表現の自由との憲法レベルでの較量 司法型、行政型、共同規制型 費用負担 各法分野の専門家の参加を得て、オープンかつ理性的に検討されることが期待される。
う インターネット上の著作権侵害については国際的にはインターネット上の仲介者を巡り議論がなされてきた。英国では多数のブロッキング判決が出されている。欧州裁判所でも出されており、その是非が議論されている。日本の著作権法は直接の侵害者以外は想定されておらず、いわゆるカラオケ法理にとどまっている。 ブロッキング問題について現行法の解釈論では様々な問題が指摘されている。我が国著作権は新会社に対する直接の差し止め、幇助者への対処が明確ではない。ドイツ著作権法は妨害者責任理論の議論蓄積により、明文規定はないが、ブロッキング判決が出ている。適切な法整備が行われるのであれば、ブロッキング法制に賛成する声もあるだろうが、対象等には議論があるだろう。リーチサイトの扱いも問題になる。権利侵害だけでなく、社会的法益の保護を目的としたブロッキングも俎上に上がるだろう。韓国ではブロッキングが既に行われている。 補充性要求や司法的判断を介在させること、登録制度や判定制度なども検討課題となるだろう。過大な弊害を生じないか、憲法整合性があるかも課題となる。
な ブロッキングの定義は諸外国では違いがある。日本では利用者の同意なく遮断することだが、日本におけるフィルタリングをブロッキングとしている国もある。著作権法も国によって違う。米国のフェアユースなどが例としてある。プロバイダの状況も違う。諸外国では独占、寡占状態が多いが、日本では中小零細プロバイダも多い。 「通信の秘密」というのが日本人にとって何であるのか。ブロッキングが侵害サイト利用者の「通信の秘密」を侵害しているだけとの発言が弁護士からあったが、ブロッキングは全ての人間の通信の秘密を侵害しているということを認識する必要がある。粗雑な選別による権利侵害の問題である。 今回の問題は入り口である。政治家に対する名誉棄損のブロッキングが憂慮される。情報を統制したい側、コントロールしたい側とインターネットの自由の対立である。
か Cloudflareに対する削除請求・開示請求 登記情報はある。準拠法は通則法17条による。不法行為債権の成立および効力は加害行為の結果が発生した地の法による。削除請求の国際裁判管轄は民訴3条の3第8号 不法行為のあった地には結果発生地も不法行為のあった地を含む 発信者情報開示は法定請求権 日本において事業を行う者 サイトが日本語表記、日本円が使える リアルのサーバー会社を開示させる 国内土地管轄 削除請求は結果発生地 開示請求は民訴10条の2
て 違法サイトへの広告出稿は止められるのか? 止められるポイントは複数ある。 アドネットワーク アドエクスチェンジ だれが問題行為をしているのか、誰が止めるのか アドネットワークが違法行為の取りまとめをしていることもある。 アドフラウド 騙して沢山広告が出たことにする アドインジェクションなど 機械学習によりアドフラウドを検索するツールがある 表向きの広告はブラックリストを作って遮断することができ始めている。 誰が、どうやって判定するのか ブラックリストのメンテナンスを誰がやるのか スキルシェアリング 情報商材詐欺に流れているらしい
そ →う 差し止め請求の解釈によっては現行法上でもブロッキング可能ではとのことだが。
う 幇助者への差し止め請求も可能との解釈も最近、検討されている。訴訟対象として検討可能ではないかとの意味。
そ →な 著作権と児童ポルノでは緊急避難の判断において区別すべきとの主張について
な 児童ポルノと著作権の違いで同意の有無が違法性を阻却するのかについて。被害の回復不能性が児童ポルノでは甚大である。人格権と財産権との比較ともなる。
そ →指定質問者 緊急避難構成について 質 この問題が諸外国、特にドイツではこの問題を緊急避難として語られることはない。特別法等での対応が主である。 刑法学者はブロッキングの問題に関心が薄い。児童ポルノに対するブロッキングについても緊急避難としてのブロッキングはできないのではないかとの意見が多い。 児童ポルノで侵害される法益である人格権は保護法益として高位であり、著作権は財産権として劣後する、著作権は抽象的には損害賠償による回復が可能であるという違いがある。著作権は民事法的な手段で回復されるべきとの意見がある。 法令行為という形で規定すればブロッキングは可能であるとの理解が刑法学界では主流ではないか。 補充性要件を考慮すべきとの発想は緊急避難を取り込む場合には有用であるが、法令行為として行う場合には使えない。
そ →か←指定質問者 質 クラウドフレアに対する削除請求はどれくらいの確率で勝てるのか?管理コンソールへのログインの記録を取るというのは日本での例があるのか。 NTTに4月26日に訴訟提起し、6月21日に初回となる。
か リーチサイトへの著作権侵害差止訴訟ができるのかが引っ掛かる。クラウドフレアにできるのかが論点となる。
そ →て ブラックリスト型の広告遮断が実際に行われているのか
て 業界内での情報共有が主である。JIAAが動き始めている。広告事業へのダメージコントロール
質疑応答 Q 著作権侵害者、リーチサイトなどは納税しているのか、納税しているのならば国に情報があるのではないか。していないのならば脱税で摘発できないか。
A か サイト管理者を辿るときにアフィ関係を辿ることがあるが、アドネットワークはたどれるか。
A て アドネットワークは必ずたどれる。違法サイトだろうが何だろうが辿れるが、広告については別の人が面倒を見ているということが多い。枠を抑える人が同じグループだったりすることも。
Q リーチサイト規制の立法が先ではないか
A う 法案が検討されているが、リーチサイトの差し止めであって、ブロッキングではない。
Q →う プロバイダを巻き込むことがどれだけ可能か。
A う 112条1項の類推適用ならば可能ではないか。妨害者に対し、何らかの協力を求める形が諸外国では見られる。ドイツは差し止め請求は行うが、損賠は重い。
そ 差し止めと損賠でダメージについては、印刷物であれば前者が重く、ネットメディアでは後者が重いということか。
Q 日本の媒介者の責任理論はあまり掘り下げた議論がない。技術的にできることがないからという理由が大きかったが、今回はできるので議論になっている。日本では妨害者の責任についても立法上検討する必要があるのでは。 匿名化システムへのアクセスなどは内容中立的であり、射程範囲に入ってしまうのではないか。
な 媒介者責任 一端としての112条は確認規程として言われているのかなと。含まない理由を考えていくと媒介者責任が出てくる。著作権のみならず、民事訴訟の根幹にかかわる話である。 情報の流通と統制の大きな問題が今回、口を開いた。
う 著作権という排他権からすると、112条は当然のものである。仲介者責任というのは著作権にとどまるものではないということに同意する。議論ができることは喜ばしい。
か 人��権侵害差し止め請求はプロバイダに対して既に行われている。最近は先のサーバーが辿れなくなっているので、クラウドフレアに差し止め請求をするしかないという事態になりつつある。
て ビジネスモデルは崩れつつある。拙速なブロッキング立法化は好ましくない。
16:15-17:45 パネル(「人工知能と法律」研究タスクフォース) 「人工知能(AI)と法」 鳥海 不二夫 JILIS理事・東京大学准教授 武田 英明 国立情報学研究所・人工知能学会倫理委員 塩野 誠 経営共創基盤・人工知能学会倫理委員 江間 有沙 東京大学・人工知能学会倫理委員 宍戸 常寿 JILIS理事・東京大学 教授 実積 寿也 JILIS理事・中央大学 教授
と 人工知能研究者は法律との接点がほとんどない。ある日突然規制がかかるような事態を避けるためにも検討を行っていきたい。
た 人工知能学会倫理委員会を振り返る 2014年から活動。学会誌表紙問題から。社会からの目を意識するきっかけに。 2017年に倫理指針を策定。 正しい現状認識の必要性 レバレッジ効果が巨大になりつつある。 役割の明確化 研究者の自覚を促す 専門家としての責任 予見できるものは予見しておく 社会への発信、コミュニケーション 個別的トピック 設計者の倫理 職業の問題 人工知能の「心」の問題
しお 倫理指針の説明 間違った解釈、誇大解釈が流布していた。 7条、8条に社会とのかかわり 9条では人工知能自体が倫理を守らなければならないと規定 かなり早い段階で英訳して発信したところ、グローバルな反応があった。 巨大なパワーを持った組織の存在(GAFA)、軍事利用
え 「AIと社会」に関するレポートが多く出されている。2017年から中国、韓国から出てきている。 リスク、ベネフィット双方への目配り。「倫理」「価値」の再定義 アシロマAI原則 自律型AI兵器の禁止 IEEE 倫理的に調和したデザイン 標準化活動も同時並行 「倫理設計」の標準化 プロセス標準 現在、14の標準が動いている ニュースソースの信頼性、顔認識など 用語集の作成
と 日本人がどれくらいプレーヤーとして動いているのか
え それなりには。
と 民間が積極的に動いているように見えるが。
え IEEEは個人参加できる。組織としても関わることができる。夜中の電話会議あり。
じつ 研究、活用はボーダレス。ルール作りは日本だけで完結しない。議論の主体は誰か。マルチラテラルか、マルチステークホルダーか。OECDではマルチステークホルダーの考えが大きい。 デジタル政策委員会というところで議論している。 AI開発原則に含められるべき原則案 技術者、経済学者、法律学者の間で言葉の定義から。 日本の議論はもはや最先端ではない。 AI利活用原則案 便益の増進 リスクの抑制 信頼の醸成 OECD Recommendation 国内への適用? 行政と司法の介入 Regulatory Parity 日本IBM技術理事 山下氏にお話を伺いたい。
山下氏 人工知能というのは分野であり、分野に規制がかかるというのに違和感がある。最終防衛線を決めてもらうのは大事である。再帰的な学習を行う人工知能が危険であるというのはもっともである。ソフトローのようなものであったとしても、最低ラインが分かるというのは大きな利点である。投資対象となるにはリスクがあるんだけれども、それを定量化して、レギュレーションの下に違反に対する代償がはっきりすることが重要である。
じつ 問題があったら、後出しじゃんけんで規制が来るというのはビジネスとしては嫌うところだろう。
た 研究者から見ると、アルゴリズム研究などに制約がかけられるなど不安がある。
と 社会が技術をわからずに不安であるように、研究者も法がどのような網をかけるのかが分からないので不安がある。基礎技術を外から入れることになると発展しない。
しし 総務省の会議が法律家主導というのは違う。国が前に出てくるというのはヨーロッパ型だろう。産業政策としての観点が強く出てきて、研究者の考え方とはずれているのだろう。法規制はレバレッジ効果を考慮すると、既存の法を適用するか、新しい法を作るか。法規律は構成要件を考えるときに深めに引く危険がある。憲法では学問の自由を認めている。それとリスクとベネフィットの比較衡量が基本理念に盛り込まれている。学問の自由が前提。
じつ OECDの討論の場では倫理指針について発言するようにとのメモはまわっていない。報告書は産業上の観点が高い。
しお ビジネスにおいて法的な予見可能性が重要。産業界で重要なイシューとなっているのが中国のインターネット安全法。データが持ち出せないとして、アルゴリズムはどうか。政府対巨大企業群はどうか。法律は国ローカルなもの、どう作れば産業を振興し、渉外交渉を有利にできるか。ドアを閉めた中で討論されているものをオープンにできるか。
質疑応答
会場 IEEEにあまり日本人は関与していない。高齢者や情報弱者への配慮を入れてもらった。デジタル覇権主義、デジタル主権については議論されている。中国の囲い込み型ビジネスが憂慮されている。
た 「個人の尊厳」については定義からして紛糾している。
会場 人間の感情を直接コントロールするようなAIの問題が議論されている。個人の自律の問題である。
た 人工知能の研究者の取るべき態度にとどまっている。
しし デジタル主権、デジタル覇権の問題については、多元性、権力の問題と絡んでいる。一元的な在り方は発展の観点からは問題である。憲法23条に「個人として尊重される」の文言がある。AIに不案内であるためにその中に居る人の尊厳、振り返って自分自身の尊厳を軽んずるような事態を防ぐために議論が必要である。
と 今の現状がこうだから、ここに落とし込みましとすると、技術の進展に追いつけない。ふわっとした形にした方が良いのでは
え 決めて終わりではなく、見直しをしていくことを重視している。
と 東洋と西洋の考え方の違いがルール作りの場に出ているような気がする。
じつ AIで何が変わるのか、だんだんわからなくなってくる。掃除機に開発原則がいるのか、利活用原則で��ライバシーを守れとかなのか。
た 始まった頃には探索することがAIだったが、今はそれをAIとは言わない。AIの定義は常に変遷している。そのときのコンピュータにできることがAI。
しお 昔のイライザを考えると人間の解釈が大きい。
と 幅広い人たちの間で議論していくべき問題
17:45-17:50 閉会挨拶 曽我部 真裕 情報法制学会(ALIS) 代表
AIについて多くの議論が行われた。関係者間の対話を続けていくことが重要。
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聴講メモ 情報法制学会・情報法制研究所 共催 第1回情報法制シンポジウム
聴講時に入力したメモです。断片。配布資料からのメモも引用符はありません。 聞き取り間違い等、あります。おかしな部分は記録者のせいです。
2017年6月17日(土)10:30〜18:30 東京大学(本郷)伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール
開催案内 https://jilis.org/conference2017.html (資料DL可) http://kokucheese.com/event/index/469489/
主催 情報法制学会(ALIS)・情報法制研究所(JILIS) 一般財団法人 日本データ通信協会 情報法制研究会
注意事項:スライドを撮影して、公開しないように。
総合司会 宍戸 常寿(東京大学教授)
10:30-11:00(30分) 挨拶 情報法制学会 代表 曽我部 真裕(京都大学 教授)
学会の特色 政策提言活動とは一線を画す。政策提言はJILISが行う。 学会誌はオンラインを軸足とする。若手研究者や実務者の原稿を受理したい。
情報法制研究所について、鈴木正朝理事長より説明。 従来の学会とは違い、政策提言を積極的に行う。 アカデミック分野から、個人情報保護委員会の立ち上げ等に際し、発言が少なかった。 諸外国のように独立系のシンクタンクが長期に提言をしていくのが大事。 個人情報保護法改正に際しても、学としての深堀が不十分 立法分野でのサポートが不十分だった。 法学分野だけでなく、幅広い人材を理事とした。 事務局は2000個問題に関係する自治体の首長組織の事務も扱っている。 消費者保護団体の育成 学際的な視点 政策提言、パブコメは機関決定せずに、賛同するメンバーの連名で。 立法評釈 エビデンスを基にした現実の立法(過程)を検証 タスクフォースは10個
11:00-11:10(10分) 挨拶 堀部 政男 一橋大学 名誉教授(個人情報保護委員会 委員長)
従来の学会は法解釈学が中心。 こういう法律が必要という提言
11:15-12:15(60分) パネルディスカッション 「無線LANの乗っ取り事案と電波法」 パネリスト 上原 哲太郎(JILIS理事、立命館大学 教授) ※欠席 代打 高木 浩光(JILIS理事、産業技術総合研究所 主任研究員) 小坂谷 聡(弁護士、立命館大学大学院情報理工学研究科) 西口 三千(神戸大学 大学院法学研究科) 司会 曽我部 真裕(JILIS理事、京都大学 教授)
に 警察庁の技術職員として勤務。京都府警で無線関係や育成に携わり、現在、技官に戻る。 電波法と通信の秘密 109条 傍受自体は不可罰、他人に漏らす行為が「通信の秘密」に抵触 電波法改正 1998 革マル派による警察無線の傍受 2001年 WEP脆弱性 2004年 サイバー犯罪条約締結対応、YahooBB個人情報漏えい 権限のない、故意の傍受 電波法109条の2 窃用目的での復元は処罰の対象 暗号のかかった通信路に穴をあけて不正アクセスする WEP鍵が通信の秘密に当たるか? 判決ではWEP鍵は電波法109条1項の通信の秘密には当たらないとした。 検察側主張 鍵そのものが通信の秘密であり、ARPパケットを収集重鍵を復元し、窃用する行為は電波法109条違反 総務��が判決に反論 暗号化されたARP要求パケットは通信の秘密 検察主張はなぜ、109条の2ではなく、109条? 無線LANただ乗りの可罰性 電気通信事業法の範疇で処罰の対象にできないか WEP鍵は「通信の秘密」で保護すべきか。 ARPパケット自体は不特定多数に送出される 電波法を改正する必要があるか? ただ乗り行為は回線利用権の侵害、電気通信の秩序かく乱 どう裁かれるべき? ただ乗りはアクセス制御の問題 電気通信事業法や不正アクセス禁止法の枠組みで判断する。
た IEEE802.11規格 WEPはRC4暗号 ストリーム暗号 ARP IPパケットによる通信の前に必ず発生 IPアドレスが分かっているが、MACアドレスが分からない場合にMACアドレスを問合せ 109条の2には無理があるとの上原教授の見解 鍵が通信の秘密には当たらないとの立場-鍵自体が通信されているわけではない 当たる立場ー暗号ストリーム自体が暗号化されたWEP鍵であるとみることが可能 鍵の利用は限定されていることが通信を構成している ARPリクエストは通信の秘密か? あたらない 通信が始まる前の制御信号 内容を知り得ない状態なので、秘密の切要ではない 特定の相手を対象としていないので、傍受ではない あたる レスが来ることを期待しているのは内容を知り得ているのと同じ 糸としては特定の相手方を対象としたもの ARP応答は通信の秘密化? 結局、どちらにもとれる 不正アクセス禁止法は適用可能か 特定電子計算機? 事前共有鍵方式ではアクセス制御ができない 電磁的記録不正作出及び共用? (た ちょっと無理では)
こ 本職は弁護士、デジタルフォレンジックに興味。 通信の秘密でとらえるのは無理があるという点では意見が一致。 起訴状の内容を奇異に感じる。アクセスポイントに接続したことが、どうして通信内容を窃用したことになるのか? WEP鍵は通信内容を構成するものではないと判断されている。 総務省の反論も無理筋。無線通信の建付けでは暗号通信は109条の2。 内容を窃用したのではないから109条で行くしかないと考えたのか? 暗号化されたものを中身も分からずに使うことが「通信の秘密」を侵害したことになるのか
そ アプローチとしては通信の秘密を窃用する手段として考えるか、ただ乗りを重視するか
た 結論として109条の2でやるものと考えていたが、上原教授は違うと考えている。 109条の2でやるものと考えていた理由は、総務省の説明。 今の考えでは、プロトコルはあまり重要ではない。電波法の趣旨で考えるべき 不正アクセス禁止法の趣旨は人工的なもの。電波法はざっくり。
に パケットの解読は復号に当たるのではないか。利用させないという意思をもって暗号化したものであり、それは意志の伝達では。
そ 拡張されている?109条の2については判断されていないので、まだ可能性はある? ただ乗りアプローチは現行法では難しい?
こ 109条の2では更に無理がある。109条の2は封書での通信のようなもので、封書を破って中身を取り出すような行為はしていない。
Q 小坂谷弁護士の意見に反対。今回の事例は宛先が中にあり、それを見ているのだから。
こ プロトコルと中身を分けて考える必要はないとのことだが、プロトコルは制度に相当するので、中身の問題とは違うと考えている。制度を使うことが目的であって、中身の問題とは違う。
た 封書の例でみると、鍵が封筒の中に入った状態(カギに関連したもの)。封筒を破ったから鍵が見えるという言い方もできる。保護法益は何かというところに立ち戻るべきでは。
Q 電波の所有者としては保護するという意思がある。帯域に制限があり、それで料金が発生する等の問題があるのでは?
た 実害がある場合はどうなのかという趣旨で、従量課金だったころには実害があった。現在の常時接続ではアクセス秩序の問題となる。実害の観点から処罰の必要というと、より重要な論点。家庭のNWに入り込み、情報を詐取する等となると、不正アクセス禁止法では処罰できない。複数の利用者を識別する符号が前提なので、家庭では皆が同じ符号を利用してたりする。今後、家庭からの詐取がでたら109条の2でいけるか。
こ アクセスポイントに接続する行為そのものを問題としているのだが、サーバーに入ることは同じか?
た 同じではないと思うが、どこで処罰するかの問題では。
こ 何らかの被害が生じているのはその通りで、現行は民事的な解決に。
そ 懸念される事例でありながら、問題が積み残されている。
13:25-14:55(90分) パネルディスカッション 「オンラインゲーム業界の資金決済法対応の解決にむけて」 パネリスト 江口 清貴(JILIS専務理事) 実積 寿也(JILIS理事、中央大学 教授) 板倉 陽一郎(JILIS参与、弁護士) 堀 天子(弁護士) 新潟大学法学部 田中先生 その他、JILIS「資金決済法研究TF」委員 司会 福島 直央(国際大学GLOCOM 客員研究員) ※講演資料1、講演資料2DL可
ふ 前払式資金決済手段とオンラインゲーム LINE宝箱の鍵 消費者保護のための供託金 サーバに記録されているコイン等 供託したお金は使えない スマホゲームは3割がプラットフォーム代、事業者は7割しか入らないのに、5割の供託金 無料のアイテムにも供託金が必要 宝箱の鍵は無料版の方が多かったけど、分けて管理していなかった ポケモンゴーは日本でも展開、ポケコインも対象
え プラットフォーム代、供託金で、事業者の手元に残るのは2割 自家型での5割の供託金は先進国ではほとんどない。第三者型では供託金あり。 どうのつるぎを買って、モンスターと戦うなら供託金は要らない。 どうのつるぎ10本でぎんのつるぎ、ぎんのつるぎ10本で伝説の剣となると、通貨とみなされる? 手間もお金もかかる イコールフッティング
た 前払式支払手段に対応するかどうか
ふ 消費者は、本当に5割ないと困るのか?
え オンラインゲーム市場は1兆円産業 アイテム課金はなにを売っているのか? 倒産時の扱いは真剣に考えないといけない。突然死事例は少なくとも3,4件。 大きな会社では事例はない。アイテム買っていたのに、全てが消えた事例は4件。(7年間で)
ふ ゲームが終わることはあるが、会社が飛ぶことは少ない。会社があれば、何とかなるのでは。 デジタルニッポン2017では自家型では供託金無しにとの提言 消費者が望んでいるのは、サービスの継続であって、払い戻しではないのでは? 破綻した会社のユーザーを救済するシステムの提案 Sharable and Interactive Ending Resource Optimization (ShIERO)システム • 破綻会社のゲームサーバの運用を当該会社から独立させて引き取るシステム 6か月は遊べる。新規コイン発行は停止 収益が高いものは他社が買う。 1社で供託金を積むのではなく、業界として供託金を積む。
い 運用すると言っても2週間おきぐらいに新しいキャラ等を投入しないと飽きられる。雇用とライセンスの問題もある。実質的には資金注入のようなことになるのでは。2週間マンネリだと詫び石の世界。供託金については不動産等に類似の制度あり。モラルハザード起こされると大変だが、意外と不動産分野ではまわっている。
ほ サーバーが吹っ飛んで終わってしまった場合には代行運用は機能しない。業界での供託処理は中小事業者によるやり逃げが少なければ、一つの考え方ではある。有料コインだけか、アイテムも含むのか、2分の1でいいのか。
じ リスクはあるが、安く遊べるというのもあっていいとは思うが、オプトインで。代行運用と団体供託は消費者の選択によるのではないか。ゲーム安楽死のシステムがあっていい。小規模事業者では保険が難しいが、大規模事業者と小規模事業者が協力すれば、安い保険が組める。
た ユーザ保護、業界で吸収できるリスクはより望ましいものが考えられるのなら。業界特性による。 クレジット会社が役務を代わって提供する枠組みが別の業界ではあった。立法政策的にはありでは。 クレジットカードの保険は業界で保険制度を積み上げてきた。ゲーム業界でも検討が可能ならいい方向になる可能性はある。
え 吹っ飛んだ事例は、アップデートして、2度と起動しなくなったもの。他はロールバックで何とか対応できた。オンラインゲームで重要なのはアップデートとカスタマーサポート。後者は結構、待ってくれる。 箱庭系ゲームは無人運営だったりする。 ShIEROはとにかく運営を続けるためのもの。団体型供託金は企業倒産などへの対応としてはよりいいのでは。
い 箱庭型、育成型等でアルバムダウンロードなどができるのなら、意外と納得してくれるかもしれない。 ユーザーは後ろがどこの会社か分からないでやっているのが多い。
ほ 6か月の代行運用でコインやアイテムを使いつつ、終わりに備えるのはありかも。団体供託は銀行等による保全契約と、どちらが大手事業者にとってはいいのか分からない。もしかすると団体供託の方が、高くつくかもしれない。自家型の場合の供託金廃止は、それがコンテンツであるのなら。
い 自民党のやり方だと、ゲームの外延について議論で2,3年かかってしまう。アップルは6か月で切ってはいけないと言っている。
ふ 他にこの部分を変えた方が良いのではないかというところは?
た 有償で交換したもので外に出ないとされているものは、範疇を分けてもいいのではないか。利用の範囲が内部に閉じている場合は対象としないとしても。
じ そもそも、そういう法律が必要であったのなら、それを議論していくべきでは。日本の消費者は過剰に保護されているのでは。ゲームのコインがプリペイドカードと同じなのか?法律自体は事業者が海外であろうと区別しないが、実効性があるのか。そのうちに海外でサーバーを立てて逃げようとするかもしれない。
い 意外とユーザーは折り合ってやっている。弁護士連合会ではゲームについては消費者問題として把握していない。デザインとして消費者保護を入れていくのは好ましい。
15:00-16:00(60分) 報告「サイバー脅威動向に関する報告」 名和 利男(JILIS理事、サイバーディフェンス研究所専務理事)
リオオリンピックで何が起きたか 最近の日本で報告がされない攻撃について
ベトナム空港に対するサイバー攻撃(2016.8) 九段線についての国際仲裁裁判所判断をめぐるトラブルが発端 音響システムが乗っ取られ、英語で声明が流れる。電車管理システムの乗っ取りも。
リオオリンピックでネットワークのトラフィックが大会期間中、50%増 ARBOR JETRO 中南米における映像コンテンツ産業の現状 ストリーミング産業 ネットフリックスがサービスを最初にやったのはブラジル。 大会期間中はネットフリックスのトラヒックは50%減少 コンテンツプロバイダのトラヒックは250%増加 グーグルのトラヒックは500%増加、顔本は1200%増加 ワールドカップでブラジルの財政は破綻しかけた。公務員の給与は7割削減。DDoS攻撃が頻発 信号機のコントロールにシムを入れた。攻撃にIoT Botnetが利用された。 IoT Botnet攻撃下で日本は第4位 警察庁レポート Netis製ルータへのBot感染 2016年7月
更新機能を利用するマルウェア感染 Windows Updateを利用したマルウェア感染 ウクライナの電力システム 2015年ブラックハット Injecting a fake update ワードのマルコード 中間者攻撃で行う 同時多発的 正規サービスを時間差で踏み台にするC2通信 ブラックリストは役に立たない 180部隊 スクリプト実行環境を利用した正規プログラムによる挙動 正規サービスの同期機能を利用するC2通信 ペッ○ー君の通信は安全性を保障されていない。アクセスしているクラウドサービスをすり替えれば…
全てのプロセスの担当者が、サイバー脅威の適切な認識と網羅的な理解をすること 担当者の経験・知見に依存したサイバー脅威 サイバー空間における挙動を事後に確認することが可能な証跡やログを記録・保管すること 不十分な証跡・ログ サイバー攻撃退所の担当者は、主要な技術だけでなく、事前に運用や業務にかかる知識や慣習を把握及び理解すること 対処する対象の運用状況が分からない→分かる
Q 東京オリンピックに向けての留意点は?
A 仲良くしましょう。足元を見ないで、餌に食らいついては駄目。状況認識を合わせましょう。
Q 自治体のセキュリティ意識には落差があるが、どうやっていけばいいのか。
A 意識の存在すらないところもある。九州は特に。 中央や県警に呼ばれた職員が意識を高めても、戻���と一人ぼっち。 経験を提供することで、意識は高まる。HSCCP
Q 濡れ衣を着せる顔画像処理攻撃が可能では?カメラ大国の英国であれだけテロが。 自動運転は狙われる可能性が高い。
A 英国についてはフランスもブリュッセルも同じだが、情報共有ができていないのが悩み。 3.11のとき、市町村は県が持っている難病患者の情報を持っておらず、犠牲者が。英国でも。 自動運転はソフトウェアアシュアランスが握っている。AutoIsac 流通精度をよくすると、逆の効果も生じる。
Q 日本の人材育成についてと、業務実態に通じたセキュリティ人材について
A 2006年から人材育成の活動しているが、歩を大量生産している感がある。北朝鮮は母数が3万人。 韓国ではトップガンを育成するイメージ。 モメンタム 投資家向けのサイバーセキュリティー分析レポート 日本の情報認識は12年前から変わっていない。上に期待せずに現場に期待する。 交差訓練 他の職種を
16:05-17:05(60分) 報告「JILIS個人情報保護法研究TFの活動と進捗」 高木 浩光(JILIS理事、産業技術総合研究所 主任研究員) ※講演資料DL可
匿名加工情報をオンライン広告でどう使っていいのか、どう使ってはいけないのかを検討 →オンライン広告研究TF
パブリックコメント検討WG 個人情報保護法改正については27個の意見を提出 対象範囲を客観的に定めることは無理 定義は客観的に 「個人情報」と「個人データ」の混在 匿名加工情報は個人データファイルが対象のはず
情報公開請求分析PJ
Q データ主体が持っている権利についてはどうか。
A パーソナルデータの保護 EUでは権利に対して義務を置いている。日本法の場合、目的がよく分からないうちに法ができている。 個人の権利利益というとすべて含んでしまう。民間分野での開示請求権も今改正でやっと入った。 データの正確性の確保も本来はプロファイリングによる不正確な人物像の回避というものがあるはず。
Q 立法評釈の一つの例として、今回の個人情報保護法成立について、レポートを出す予定はあるか。また、分析手法を共有してほしい。
A 分析自体はレポートを出す。
17:10-18:00(50分) 講演「情報法制研究の対象としての個人情報保護法制の将来像」 堀部 政男 一橋大学 名誉教授(個人情報保護委員会 委員長) ※講演資料DL可
オプトアウトの公表が個人情報保護委員会へ。届出は今年3月1日から。昨日段階で約70件程度。 第三者機関の設置は2003年当時は大変、難しかった。 GDPRでも民間団体に着目 プライバシーシール 国際的動向、国際協調 国際的に整合の取れた制度
Q 個人情報保護で個人の権利利益を重視するのか、個人情報の有用性を重視するのか。匿名データが転々流通する可能性がある。本人識別されるリスクはゼロではないが、厳しくするのか、緩和するのか、個人的な見解を。
A 基本的には個人の権利を保護していく。そのための仕組みがだんだんと整ってきた。使われることに意味がある部分もあるので、法に有用性の文言が入った。両者のバランスを取っていくのが法の目的であり、主たる目的は個人の権利利益の保護である。匿名加工情報のような形で利活用を図っていくことも重要である。 新統計法で初めて匿名データという言葉が出た。 課題は多い。学会、研究所での検討に期待する。
18:05-18:10 閉会 情報法制研究所 理事長 鈴木 正朝(新潟大学 教授)
バランス論を言うのであれば、調整法理があるはず。バランスを語るときには、どうバランスを取るかについて語りたい。保護範囲を明確化することも重要。 中立性を保ち、不偏不党な政策提言をしていけるよう。
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