#今夜、電車は夜遅くまで走ります!!
Explore tagged Tumblr posts
Text
続・デート記録 0422 夕方に吉田寮に行き哲学博士とトンファンという居酒屋に行った。べたべたと壁中に映画のポスターが貼ってあった。 帰りは雨が降っていた。寮に戻り、中を案内してもらったり中庭を眺めたりしていたがやむ気配はなく、「泊まっていったら」くらい言われそうだなと思ったけれど(彼の部屋は一人部屋だった)雨具を貸してくれたのでそのまま帰宅した。ベッドに入ったら電話が鳴ったので40分くらい会話して眠った。 0423 熊野寮でナンパした忍成修吾にそっくりな建築修士を寮まで迎えに行き、京阪と阪急を乗り継いで桂へ。 あまり話すタイプに見えなかったので前の恋人から教わった建築の話を頑張っていろいろ振ったらはにかみながらこれまでの学生生活について教えてくれた。まだガイドツアーまで時間があったので桂駅のカフェでケーキを食べた。 「私はあまり恋愛とかに興味がないんです」というので「もし**君みたいな人をすきになったらどうやったら付き合える? とにかく我慢強く横にいたらいい? わりきってベストフレンドを目指すべき?」と問うと前者だった。ごり押しすれば付き合えるんだ、とわかってなぜかうれしかった。 西日が差すなか桂離宮を歩いて回った。カメラでバシャバシャ撮りながら建築について教えてくれてかっこよかったけどそれに関しては前の彼氏で履修済みだった。だとしても専門分野がある人って本当かっこいい。 イノダコーヒでお茶して解散。やっぱり186センチ以上ある男の人ってヒール履いても全然抜かされなくていいな、とか俗っぽいことを思いつつ帰宅、寮で友だちにデート報���した。 0425 午後、阪急内で仕事をしながら神戸へ。兵庫県立美術館に行く。 中谷さんを呼びだしたが「ごめん夜空かなくなった」と言われた。むかつく、と思いながらもわたしはこの男が大好きだからいまさらドタキャンくらいでキレたりしない。 展示会場を簡単に案内してもらったのちパウルクレー展をゆっくり楽しんだ。 「次はアンディモリ歌ってよね」と文句を告げるとまんざらでもない顔で「うん、コレクション展もかわるしまた来て。しばらくはここで働いてるし」とちゃっかり営業された。 0426 夜に吉田寮へ行き、自転車で哲学博士と鴨川爆走した後ガボールという地下の喫茶でおやつたべたあと寮へ戻って車を出してもらい天下一品の総本店でらーめん食べて琵琶湖まで走った。アメスピを湯気みたいに蒸かしながら運転していて、まんまと、かっこいい……と思った。 ドラムはどこで習ってたの?とたずねると野良で自分で練習して習得したらしかった。 月が出ていなくて、星明りだけが頼りだった。夜の湖はとても神秘的で、誰かの夢の記憶の中に立ち尽くしているみたいだった。 帰宅すると彼の友人と喫煙所で出くわし、「へー友達?」「ふーん、友達……え、友達でいいの?」とにやつきながら話しかけてきてあまりにもからみ方が大学生過ぎてつれであるこっちが赤面する羽目になった。 客用布団を出してもらい、吉田寮に泊まった。 0427 吉田寮で起床、彼の案内でカフェのテラス席でランチ食べたあとまた琵琶湖に行った。 0428 採卵2回目にあたり、クリニックで検査するため新幹線に乗って東京へ戻った。 雨の中笹塚に行って元彼と鍋家という中華を食べた。吉田寮で会った男の人についてのろけていたら「田舎の30歳くらいの、場末で頑張ってるキャバ嬢がエロく感じるみたいな話?」と言われて全然通じてなかった。 0429 神保町のトロワで富田さんと1年ぶりに会った。 東大の院に進学したらしい。本屋回った後暇になって東大へ行って散歩した。やっぱりこの人の顔すきだな、と思った。 しばらくは板橋にいるというので、今年こそ、告白されない程度にあそんでもらお~と思った。 18時半に京都へ戻る。哲学博士が車で迎えに来てくれた。わたしが予定よりも1時間新幹線を遅らせたことについて「じらされてるみたいでつらかった、あてもなく運転して時間潰してたよ」と零され、メンヘラじゃん♡と思ったけど言わないで「ごめんねありがとう」と返して貝だしらーめんを食べた。
19 notes
·
View notes
Text
コピペネタ2
The other day, I applied a popular joke from a Japanese Internet message board to my favorite character.
Here is the second part of it.
Attention: OoC, Japanese slang
Relationships: Theodore/Tamura, Cedric/His MC(Nameless), Edgar/Jasper
※全部日本語です😶🌫️
🧮合計何円?
【算数】田村は1個70円のりんごと1個30円のみかんを握り潰してこう言いました。
「次はお前がこうなる番だ」
💥真似しないでね
ジャスパー:真空パックの冷凍ハンバーグ���てレンジでチンできますか?
料理以前の質問でごめんなさい。
……解決しました。破裂しました。
🪨間違えた
セオドア:田村が橋できれいな石を拾ってじっと見つめてた。
しばらくして携帯を出して時間確認すると携帯を川に投げ捨て、石をポケットにしまった後に膝から崩れ落ちていた。
🕶️目は2つしかない
セドリック: 俺疲れてるんだなと思った時。眼鏡したままサングラスしようとした時(目は4つもない)
🗡️殺害予告
電車で。
よくわからない黒い虫が2人の近くにいた
エドガー「うわ、こっちに来た」
ジャスパー「嫌だな…殺そうか?」
エドガー「君にはそんな言葉使ってほしくない」
ジャス「…お命頂戴させていただきます!」
エドガー「そういう意味じゃない」
😕最近の悩み
セオドア「どうしたんだい、深刻そうな顔して」
田村「ちょっと悩んでるだけだ、ほっといてくれ」
セオドア「ふぅん。話変わるけどさ、今度メイド服着てみてほしいってお願い、考えてくれた?」
田村「話変わってないんだよ🙄」
⏰結局なんで遅れたの?
セオドア:デートに遅刻しそうになった俺は猛スピードで車を運転しながら遅刻の言い訳を考えていた。
試行錯誤の末、三つの言い訳を思いついた。
①急に仕事が入ったから
②夜遅くまでゲームで遊んでいたから
③朝まで友達と恋愛話をしていたから
俺は決めた
「よしっ!③番だ」
そして待ち��わせ場所に着いた俺に田村が
「なんで遅刻したんだよ」と言ってきたので、俺は自信を持って言った…
「③番です!」
田村に殴られた
☀️夜じゃなくてもいいじゃん
セドリック:日中に下ネタを口走ったときに「まだ昼だぞw」とか得意気に言うやつなんなんだ?じゃあお前は真冬に咲いた花とか季節外れの雪に感動したりしないのか?
🥃酔っ払い
セオドア「酔っ払うってどんな感じ?」
田村「ここにグラスが二つあるだろ。これが四つに見え出したら、酔っ払ったってことだ。」
セオドア「そこにグラスは一つしかないよ」
🫢そういうことじゃない
ジャスパー「赤ちゃんは通常どこから生まれてくる?」
セドリック「ス、スケベ…!何を言わせようとするんだ!」
田村「何言ってんだ?頭だろ?」
📱お前が言うな
セオドア「もしかしてこのゲーム、変態しかいないんじゃない?」
セドリック「変態しかいないって事は、みんな普通なんだよ」
🔍ツンデレ?
セオドア:田村にステーキ作ってほしいって頼んだら「そんなの自分で作れ」って返された。
でも次の日、田村のGoogleの検索履歴見たら
おいしいステーキ
最高のステーキ
究極のステーキ
至高のステーキ
至高のステーキ
ってあって笑った
これで終わり。
田村って料理できるの??🤔
セオドアは料理ができるけど、料理が好きなわけではないです。甘いものが大好きなだけで、食事に強いこだわりはない。でも、好きな人が作った料理は喜んで食べます!!
テンプレート元のネタが尽きたので、お絵描きに戻ります👩💻
5 notes
·
View notes
Text
無題
平穏よりも胸のときめきをいちばんにしたら世界のぶあつい皮膚が一枚めくれたかのようになにもかもが歌い踊りかがやきはじめたのをいまでも覚えている。わたしは親が厳しくて外泊できないけれど、そのあいだに同級生の子たちはうつくしい島の海に反射する満月をみて、だれかと夜通しぴたりとからだをあわせて内緒話をするような、今にもぷつりと切れそうな糸のように細くて鋭い若さを世界の夢に浸らせている。感性を野放しにして、こどものころの感動をひとつずつ取り戻す時間がわたしにも必要だった。けれど思いどおりにいかないこともある、それも定めとおもって歯をぎゅっとくいしばる。わたしには必要だった。路上、白い廊下みたいに澄んだ朝霧をかんじる時間。薄いトップス。ズレた口紅。好きな男の子と寝て一限目をサボるとか、夜の街頭を走り抜け、くだらないことに時間とお金を費やすこと。「それだけじゃない、夜に遊ばなくても昼に釣りをしたりサッカーしたりそういう遊び方だってあるだろう。そっちのほうが幾分もまともだ」 おとうさんは夜遅くに帰って��たわたしを叱りつけ、そう言った。わたしはけしてワルにあこがれているのではなくて、ただただ綺麗なものに飽きただけだった。わたしにとって祈りや信仰はさいしょから型があってそれに当て嵌めてハイ完成みたいなかわいいお菓子作りのようなものじゃなかった。昔も今も自分でうつくしい歌をつくれない。うつくしいものがたりをかけない。うつくしい絵を描けない。世の中にはフォロワーが万桁いる女子高生がいて、今、世界中では何千もの美術展が開催されていて、明日、いつかオリンピックに出るであろう少年がはじめてスケボーに乗るかもしれない。わたしには何もできないかもしれないけれど、彼らの生き様はわたしをわたしたらしめる微かなエッセンスとしてわたしに溶け込む。それを祈りという言葉で表象してはだめ?これからのことをかんがえると、ずっとどきどきする。目の前の光景が、訪れたことのない地の光が、風が、わたしを、わたしのからだを必要としてる気がする。世界中に張り巡らされた血管がわたしの心臓部にも繋がっているような心地。死ぬ5秒前ってどんな感覚なのかしらないけど、築き上げた塔が崩れてゆく感じなのかな、雪景色のような。
無題
朝起きたら腕に友達の噛み跡と身に覚えのない痣が3つくらいあった。耐え難い疲労がからだのあちこちにひっついて、入れ墨と化している。活字の海を、本をその背に背負えたらよかったのに、今のわたしを崖っぷちに引き止めているのはうつくしい言葉でもなくて、泥に塗れた重いカルマ。イヤホンの先から垂れ流れる音楽すらも風のように軽やかで自由なものではなくて、ねばねばした気持ちわるくてかなしいものに聴こえた。夏と、そのあつさと、その底知れぬ闇に街ゆくものすべてがこころのずっと奥の方で平伏している。昼過ぎにスクランブル交差点前の巨大スクリーンが薄青い空を泳いでいるようにみえたこと、街ゆく人の肌色が、シャボン玉のようにその熱を吸収して発光していたこと、ぜんぶなんか夢みたいにふわふわしているかんじがした。もうすぐでなつやすみなのに、大学入ってからそれまでもずーっと夏休みのような感じだったからあまりどきどきしない。みずみずしくずっと光っていたい。わたしもいつかデカい人間になりたい、いつかいつかいつかという文句ばかりが増えてゆくのを横目でみて、ぜんぶカサブタを剥がすように振り解いて拭ってくれる奇跡みたいな命、日々、音をどうしても期待してしまう。どうすればいいんだろーと思いながらまたあしたも友人と夜ご飯をたべにいく約束した。それでまた家に帰って、朝起きて虚無感に苛まされて、の繰り返しを大量の課題で中和する。薄暗い中でたべるごはんとか朝早起きして化粧をすることじゃない、今はなにもない海とか草原でなにも繕わずにその自然のデカさとか愛を仰向けになって享受するのがいちばんただしいきがする。たすけてと呼ぶには大袈裟すぎるし。
end
泣き出しそうに張り詰めた空気に鼻を啜る。世界の彩度が落ちて、ぶあつい服を着た街ゆく人たちが皆んなちっちゃな怪獣みたいにみえる。肌寒い。外はずっと灰色、モスグリーン、レモンみたいな匂い。大きな木が揺れて、木の葉の上に横たわっていた雨の滴が霧のように3秒間くらい降った。最近は毎日毎日やることが多くて、それをこなしているあいだに1日が終わる。3日連続で化粧を落とさずに寝てしまった。多くの人が電車にのっているときに外の景色に目をやらないのと同じ感覚で、わたしも生活の外側にひろがる微かな動きに鈍くなった。ずっと特別でありたかった、1番愛されたかった、そういった思春期的な熱望とどんどん疎遠になっていく自分に日々焦ったり安堵したりしている。だけど同時に、わたしの中をまだ生きている17歳のわたしがその面影をときどき覗かせる。期待させる。突拍子もなく走ったり、ゲラゲラ笑ったりする。些細なことで泣いたり、理不尽な世界に怒っている。良くも悪くも変わっていくのなら、これからの自分に期待をしたい。アルバイト先では後輩が6人くらいできて、みんなわたしよりも仕事ができる。わたしはもともと注意をされると衝動的に泣いてしまうところがあったし、シンプルに忘れっぽかった。あまりにも器用に仕事ができないので、ある日店長とそのことについて話し合ったら意識の問題と言われた。その1、人からのアドバイスに劣っている自分を見出してはだめ。その2、素直に人からの意見を受けとる。その3、自分のためでなくだれかのために働く。この3つを約束した。夜の繁華街で50歳の男性に飲みにいきませんかと声をかけられたり、あした授業にどんな服でいくかを考えながら化粧���を見に薬局に寄り道したり、腕に点々とのこる虫刺され痕をみて、それを残した蚊のことを考える。あした、図書館で借りた本の返却期限。わたしもちっちゃな怪獣になって寒さをまるごと食べてしまいたい、寒い日の、霞んだ光やクリアな淋しさ、果実のようにぎゅうぎゅうに酸っぱい気持ちを。
slow burning
大学一年生というよりも、高校四年生というような振る舞いをしているなあ、と自分のことを客観視する。新宿の横断歩道橋から行き���う人々を眺める。つい最近まで、委員会の同期の仲の良さにムラができていて、グループとかカーストとかそういう言葉が浮上してきてしまうほど揉めそうになっていた。それでも、それぞれが居心地の良い場所にしようと歩み寄っている。こういう、諦めによる愛想ではなくて心からの気持ちに胸を打たれる。明大前の飲み屋で酔っ払って「俺みんなのこと愛してるよ」と照れ笑いする先輩に、わたしたちみんな、キモいねーなんて言って茶化した。そのあと夜の大学で騒いでいたら警備員に注意された。机の下に10円玉を落としたのを拾わないで帰る。いつまでも赦されていたい。山猫のような女の子でいたかった。すぐ隣、肌すれすれにだれかの温もりを感じて弱さを誤魔化すのではなくて弱さを共鳴しあっていたい。「東京の人は生き急いでいる」なんて言葉があるけれど、わたしは美しい光景がそこに広がっていれば必ず立ち止まる人でありたい。仕事に遅れそう、とか、終電が、とかじゃない、好きな人たちのためだけに忙しくありたい。恋人は待ち合わせをするとき、「どこでおちあう?」と聞くのだけど、高2の頃、初めて会う日、それを「(恋に)落ち合う」と勝手に解釈して勝手にどきどきしたのを思い出した。それからわたしも「どこで落ちあう?」と聞くようにしている。ドア窓の形に切り取られた青い影が電車のフロアに映って、がたんごとんという音に沿ってフィルム映画みたいに小刻みにうごいていた。池袋で新疆料理をたべて、お腹を下す。スペイン語の中間試験。渋谷で5分1000円の手相占いをしたら、鎖みたいにいくつもの線が絡まっていますね、と言われた。意外と気にしいなんじゃないですか?「そうですね」と答える。駄菓子屋で1000円使い切ったほうが幸せになれそうだとおもった。電車の隣の線路にカラスが一羽いた。こんなに近くでみるのははじめてだ、と思って、じーっとみつめた。黒なのに黒じゃなくて、光を受けて渋いグリーンや紫っぽくみえる羽毛に目を見張る。なんか、空はどこまでも真っ青なのに光の細部だけ色があたたかい夕方前みたい。ふわっとなにかに気付いて、じーっとそれを見つめて、そこになにかが“視える”とぜんぶ途端にスローモーションになって、焦燥感や虚しさがたちあがってくる瞬間がある。からっぽなのにぎゅうぎゅうな感じ。AirPodsをケースにしまう音が体感的に5秒間くらい耳に残ったり、自分の息遣いにどきどきしたり、すれ違う男子高校生の会話声や、鳥が羽をはためかせる様子がクリアに輪郭が保ったまま空中を転がる。ガムを買って噛みながら、心のもやもやしたなにかを同時に小さく噛み砕いてゆく。光の��水。家に帰ってパスタをたべたあと、お風呂で下の毛をつるつるにする。夕方終わりにお風呂に入るの、とても好きだなあと思う。コンタクトレンズを外さないまま、化粧も落とさずベッドへダイブする。瞼の裏に東京タワーの赤がたましいの塊みたいにまあるく光っている、はやく何もかも諦められる年齢になりたいと思う。
無題
なんかまじでわたしが疲弊していて悲観しているのか、世界が残酷なのかわからなくなってきた。脳科学の講義を受講したあと、テキトーに混雑した休日の街をあるいていたら皆んなの脳みそが透けて浮きでてきそうで気持ち悪くなった。地球4周分の神経線維。そう、どでかい爆弾が街ゆく人々の頭蓋骨に葬られている。ニューロンが軸索を介してつながってゆく、放出と受容を繰り返してみんな手を繋ぎあってゆく。セール中でバイトの雰囲気がぴりぴりしていて、みんな資本主義の豚みたいに働いていた。うつくしくないとおもったし、私も美しくなかった。結いた髪に、ぴたっとあげられた前髪。なにを思っているのかを書くのがずっと怖かった。もしかしたら私の感じているこの欲望はとても汚らわしいもので、それゆえにだれかを傷つけてしまうかもしれない。でも、言葉にしなければすぐにわすれてしまう感情に名前をあげなくなって、水をあげなくなって、そうしたら、じぶんの脳みその溝をうめていたみずみずしい苔までもがすっかり枯れきってしまって虚構を連ねるようになった。空洞に哀しみの音だけが響き渡る。友達はいるけど、私はその友達の1番になれない。恋人みたいな人はいるけど、私はその恋人の1番にはなれない。1番っていうのはほんとうの意味での1番、2番とか3番とかがいない1番。圧倒的な2人の世界の中でのフェアで高貴な1番。有名になりたかった。文章でも外見でも写真でもなんでもいい、だれにも敵わない羽根で世界を羽ばたいてみたかった。わたしを選ばないで、そこらへんのそれっぽくかわいい女の子を選ぶかっこいい男の子たちを信じられないでいる。外国に行ったらモテるよ^_^と投げかけられた言葉について何回も考えるけど、考えるたびにかなしくなる。でもね、神様はいるとおもう。木漏れ日の首筋に、砂丘のしずけさに、広大な空の一枚下に、その温もりと永遠が芽吹いているのをしっている。そのたびに、わたしはこの世界に愛されていて、まだ19歳で、まだ何にでもなれて、そして世界を(気持ちがあふれてしまいそうなくらい)等身大で愛しているドラゴンみたいにかわいい女の子だとまじないを唱えるようにして心を強く保つ。アスファルトに散った桜が朽ちて、吐瀉物のようにグロテスクにぬるい光を浴び��いる。走り抜ける。だれかの憎悪の中に、疑念の中に、見下しの中に憧憬の眼差しを覚えながら。東京で灯される光の数だけ、アフリカの広原でつややかな花が咲けばいいのに。光の重さの分だけ、銃弾が軽くなればいいのに。帰り道、ひさしぶりにパンを買って帰った。
日記
弟がiPadのタッチペンを無くしたらしくて、それを聞いた母がすぐにAmazonで検索して新しいのを買った。こういうとき、ほんとうになんか小さなことだけれど、すごく心が愛にみちる。
大学の新校舎の建物のにおいが400人もの人が集まった大教室の縁をすべっていく。扉を開けた瞬間、目と目と目がわたしの顔を捉える。湿気漂うフロアにだれかがペンを落とす音、先生のマイクが吐息までもを拾って湿った熱を加速させる。「儚いって聞いて何を思い浮かべますか?蝶?蛍?蝉?トンボ?」 教授がそう聞くと、みんなのえらぶ選択肢がちょうど均等に分かれる。講義が終わるといつもすぐに帰るイケてる男の子が蛍を選んでいて、なおさらかっこよく見えた。わたし、インスタのフォロワーが490人いるんだけど、その人数って今見てるこの人たちよりももっともっと多いのかと思うとなんか心強いような息苦しいような、不思議な気持ちになるなーとぼんやり思った。君たちはぶっちゃけ勝ち組です、という先生がキモかった。海外の大学院に行きたい。わたしはもっともっと色々な人を知るべきだし、美しい景色にであうべきだし、貪欲に学ぶべきだとおもうから。聡明になって、お金を稼いで、将来だいすきなひとたちにたらふくご飯をたべさせてあげたい。お母さんとお父さんが育ててくれた、守ってくれたこの心の真ん中にそびえる愛情のかたまりを誰かに分け与えていきたい。でも、そうとも思うけど、逆にそれをこなごなにさせてくれる危険性や若さゆえの解放にも目が眩んでしまうの。「今しかできない」ってとてもずるい言葉だなあ。
19さい
19歳とかいちばん呪われていた1年だった。まだハタチじゃないけど、もうそうさせて、と思うくらいに、1年のあいだに10年分くらいの幸せと不幸せがぎゅうぎゅう詰めに、どっちがどっちかわからなくなるくらいに入り乱れててくるしくてさみしくて悲しかった。くるしかった。わたしと同じ純度で、等しく、あいしてほしい。あいされたい。
9 notes
·
View notes
Text
『イブニング・ウィング』が蒲田・川崎・横浜停車になる…つまり現状は「品川で満席にならなくなった」ってことなのか
そーいや2022年だかのダイヤでは減便されてたもんなあ
ていうか今時刻表見たら京急の夕方快特って品川~横浜22分もかかってんのか…40年前の特急(最高速度105km/h時代)と変わらんのね
同区間を東海道本線なら同じ時間帯でも18分で走る。そして快特より速い東海道の普通列車が快特より高い頻度(7・8分ごと)で走ってる。それなら京急じゃなくてJR選ぶよなあ…
空港線改良してから京浜間がおざなりになってるな~と漠然と思ってたけど、昔みたいに京浜間でJRとバチバチ火花散らす時代じゃないんだろうね
ただ、日中の品川~横浜17分はC-ATSの制限下では頑張っている方だと思うよ。頑張っているってだけで2000形が15分で走ってた頃に比べりゃあやっぱ遅くなってるんだけど
5 notes
·
View notes
Text
翌日、授業が終わると浩志はそのまま浅草六区へ向かった。下宿の鍵を落としてしまったことを、みいと一緒に飲んだあの後、布団の中で気付いたのだ。勿論、見つからなければ弁償しなければならない。彼女からも、
「とりあえず合鍵は貸すけど、見つからなかったら弁償ね」
と言われたのだ。
浩志は雷門前の交番へ行き、警察官に聞いた。しかし、
「こちらでは預かってないなァ…」
と、浅草には田原町の方にも交番があると教えた。確か、「Kバー」に寄った時にはスラックスのポケットに入っていたから、恐らく藤棚の下で伸びていた時だろう。彼は念の為、浅草寺にも向かって藤棚の下を隈なく探した。確か、ここらへんでオレは寝てたよなと思い返しながらベンチの下も見たが、ない。
あとは、あの成人映画館しか思い当たるところはなかった。一応行ってみるかと、浩志は自転車に乗って六区ブロードウェイへ向かった。映画館の前に自転車を停め、鍵を付けて室内に入ると、相変わらず中年ぐらいの男たちがジロッと彼の方を見詰めた。嗚呼、この雰囲気はやっぱり嫌だなァと思いつつ、彼は発券売り場の従業員に声をかけた。しかし、その中年の女性は、
「今のところ、自転車の鍵の様なものは届いてないねぇ…」
と答えた。
嗚呼、弁償だと浩志は肩を落とした。そのまま映画館を後にしようとその時、背後から声をかけられた。手首もつかまれ、彼は焦った。振り向くと、そこには未だ三十代前半か、灰色の背広を着た男がいた。この男が後に、浩志にとって 生涯の情人となる大原幸雄である。幸雄は前髪をブリランチンで後方に流し、まるで男優の様な整った顔立ちをしていた。彼は言った。
「…君に逢いたかった」
この言葉に浩志は何も返答できなかった。彼がオレのチ◯ポを…? しかし、つかまれた手首を振りほどこうにもできず、彼はそのままトイレに連れて行かれた。
個室に連れて行かれた浩志は、ドアに鍵をかけられるとすぐに大原に唇を奪われた。微かに、煙草の臭いを消す為か「仁丹」の匂いがした。唇から今にもこぼれそうに噴き出す唾液を、浩志は飲んだ。次第に彼は首筋や胸元も接吻され、
「あ、あん…」
と歓喜の声を上げた。濃厚でありながら激しく、彼は内腿に力が入るのを感じた。
気付くと、浩志は申又を下ろしていた。股間に顔をうずめた大原は、舌で浩志の肉棒を弄った。裏側をなぞられると、
「あ、あぁん!」
と女の様な声を上げた。そのワイシャツもたくし上げられ、彼は半ば裸をさらすことになってしまった。しかし、大原があまりに気持ちよく肉体を弄ぶので、浩志は羞恥心さえ忘れてただエクスタシーに酔い痴れた。
浩志は、初めて肉体を弄ばれることに慣れていなかったのか、しかし恥部を刺激されるとおのずと隆起し、勃起もし、彼は荒波の中で揉まれてゆく感覚を味わった。次第に、彼も幸雄の唇を求め、スラックスのベルトを外した。
「ほ、欲しいの…」
こうして二人は互いに愛し合い、オルガズムに達した。ドロッと粘度の強い乳白色の愛液がタイル床に飛び散った。幸雄は、丁寧にちり紙で浩志の乳房や一物を拭き、乱れて前に垂れた前髪を手ぐしで直した。彼は水色の縦縞のトランクスを穿いていた。浩志が先に個室から出ようとすると、
「外で待ってて」
と、幸雄は耳元で囁いた。
映画館を出ると、微かに空が黄昏に染まろうとしていた。後から幸雄も来て、二人は「Kバー」へ向かった。途中、浩志は公衆電話で下宿に電話をし、みいに夕食は要らない旨を伝えた。その時、
「先刻、お巡りさんが来て鍵を届けてくださったわ。田原町の交番からだって。たまたまウチの名前が入ってたからよかったけど、気を付けてね」
と、受話器越しにみいが言った。彼は安堵のため息をついた。
Kバーでは、デンキブランにもつ煮や��カツなど、この日は僕のおごりだと幸雄は浩志にご馳走をした。時折ビールも飲みながら、浩志は幸雄と色々な話を交わした。幸雄は向島の方にアパートを借りているが、実家は曳舟にあると話した。有楽町の某新聞社に勤めているので帰宅が不規則だから実家に近いところに住んでいるのだそう。元々持病があるらしく兵役は免れたが、戦時中は東京ではない、父方の実家がある常陸太田に疎開していた。浩志は母方が同じ常陸太田の出身で、独身の頃はK百貨店の前身・S百貨店に勤めていたと話すと、ますます幸雄は親近感を感じた様子だった。
デンキブランのグラスを交わしながら、浩志はこれまで経験したことがない、ゆったりとした時間が流れていると感じた。嗚呼、オレはこの男(ひと)を好いているのかもしれない…。もっと彼を知りたいし、再会したい。浩志は、完全に幸雄が好きになったと認識した。
時刻は午後八時を回っていた。自転車を押しながら、言問橋の上で浩志は幸雄と別れようとした。しかし、名残惜しかった。嗚呼、相手が同性であれ好きになるとこんなに辛いものなのかと、胸が絞め付けられる感覚があった。夜空には真ん丸の満月が浮かんでいる。幸雄は浩志を抱きしめ、接吻した。
「…好きになっちゃった。離れたくない」
幸雄のこの言葉に、浩志はおのずと涙がこぼれ、すすり泣いた。彼も唇を重ね、頬を擦り寄せた。
「アンタが…好きになっちゃった」
しばらく二人は橋の上で愛し合っていた。
下宿に戻ったのは午後九時過ぎだった。玄関で靴を履き替えた浩志はフラフラと茶の間に来たが、みいは一升瓶の「菊正宗」をちゃぶ台の上に置き、独りでグラスを傾けていた。彼女は、
「…遅いンじゃない?」
と聞いた。怒っている様子はなかった。浩志は、幸雄を好いてしまったのと別れてしまったと言う気持ちが入り混じり、今にも泣き出しそうな思いだった。彼は、
「…御免、風呂入らずに寝る」
と言った。普段とは様子が異なっていると感じたみいは、
「…何か、あった?」
と聞いた。嗚呼、女の勘ってすごいなと思いつつ、
「…否、何でもない」
と逃げる様に茶の間を通り過ぎた。
部屋に入ると、浩志はドアを閉めるや力尽きた様に布団に横たわり、嗚咽を上げてながら泣いた。
「…幸雄!」
彼は、隣の正樹に聞こえぬ様に、静かにすすり泣いた。これが初恋ってものなのか? そう自問しながら、気付くとそのまま眠ってしまった。
それでも、翌朝には午前二時半に目が覚め、新聞配達に出掛けた。若いからこそできたことだった。
7 notes
·
View notes
Text
250417 OVERLAP
今、自由に動かせるお金は100万もなく、ローンやらなんやらの事かんがみると家計は火の車だが、気分はよい
大好きな人を笑顔で見送れた、感謝の言葉を伝えられた。それだけで���分じゃあないか
マラソン走り終わってふらふらになり��がら達成感味わっているような状態だ。だが、クロスフェードで子育ての為に稼いでゆく
昨日は娘の習い事の迎えを寝過ごしてしまった。あまりに疲れていて横になったら一瞬で意識が飛び、迎えに行く時間を40分も過ぎていた
iPhoneはケーブルの相性が悪くて充電できてない。娘の状況は掴めない
もう独りで義実家へ帰ってしまったかな、と思うも急いで迎えに行く
-----------------------
すると、習い事の建物入口の廊下に娘がいた
先生も出てくる
「ずっと待ってたんだよ」と言われ、申し訳なくなる
住んでるエリアは車の往来が激しいアンド不審者情報多いので15分以上の距離ある移動は保護者同伴必須だ
ごめんね、ずっと待ってたんだよね というと
「寂しかった 事故にあったかと思った」と言って泣き出してしまった
心細い思いをさせてしまった
母が夜中の3:00過ぎても迎えにこなかった保育園時代の自分のことを思い出す(当時私が住んでいた新大久保の保育園は水商売やってるシングルマザー達の為に深夜まで子供を預かってくれたのだ)
お詫びに欲しがっていたRobloxカードをプレゼントする
今月は既に2000円課金しているから来月まで待つように伝えたばかりだが今回の件は100%私に落ち度がある
だから当然の償いだ
カードをコンビニで買って渡すと、少し元気を取り戻したようだ
「嫌なことがあったあとはね、必ずいいことがあるんだって」
「そうだね...」
しみじみそう思う。私も20代の頃に味わったネガティブな体験は妻と娘と過ごしたポジティブな時間のお陰で全て癒えた
黒字になるまで結構時間かかったが
「遅くなった理由、ばーばにちゃんと説明してね」と娘
普段から帰りに二人でスーパー寄ったりして、40分くらい遅くなることはざらだが一応説明しておいた
結論
娘の習い事の日は気合で起き続ける。1時間くらいなんだからマックや喫茶店で時間潰すなりして寝落ちを回避する
娘から学ぶことは極めて多い
それは、社会が善意をもって娘と向き合ってくれている証拠だ
周りの大人達が娘にポジティブな影響を与えているから、私が娘を介してそのポジティブなエフェクトを受け取れる
自分の遺伝子由来の存在、自分がいなければ生まれ得なかった存在を周囲の人々が愛してくれている
それを実感した時、生きててよかったと思えるんだ
1 note
·
View note
Text
サイドシートの君
ゆかは旅先で呼んだコールガール。
地元が近いのと趣味が合った事がきっかけで連絡先を交換した。
そしてお盆の帰省のタイミングで会う約束を決めた。
ゆかのいる町まで車で一時間ほど。
来るか来ないかは半信半疑だった。
約束を破るような子では無いと思ってはいたけれど、連絡の返信の遅さがちょっと気になっていて、来なければ来ないでいいやと思っていた。
約束の時間の十分前に待ち合わせ場所に着いて車を停めた。
ゆかに着いた事と車の特徴を書いたメッセージを送る。
来ても遅れるだろうと思い、二十分後に発走する競馬を予想して買った。
既読が着いたのは約束の時間を二分過ぎたあたり。
あと五分くらいで着くらしい。
少し安心した。
それから十分後にメッセージ。
車のナンバーはこれですか?と来て、車の後ろを振り向くと、こちらを見ているゆかと目が合った。
手招きをして助手席に呼ぶ。
ゆかが席に乗り込んでくる。
「すみません」
「久しぶり」
「お久しぶりです」
「元気だった?」
「はい」
「ありがとね、来てくれて」
「いえいえ」
「じゃあ行こうか」
プランを二つ提案した結果、神社に行って近くにある貝出汁のラーメンを食べることにした。
近くのコンビニでコーヒーを買う。
「そうだ、さっき競馬買ってたんだよね」
「そうなんですか」
「一緒に見る?」
「見ましょう!」
一緒に見たレースは見事に的中だった。
ゆかも喜んでいた。
車を走らせる。
車内ではゆかが同棲中の彼氏に薦められて見た頭文字Dの話を熱く語っていた。
今度聖地巡礼に行くらしい。いろは坂はあのまんまだよと言っておいた。
ゆかが今日着ている服はライトなロリータ風のワンピースで、童顔の彼女にはそれがとても似合っていたので伝えた。
嬉しそうに笑うゆか。ロジータというブランドらしい。
田舎道を走っているとひまわり畑を見つけた。
下りてみると一面ひまわりが咲き誇っていて、その後方にある風力発電のプロペラがまたいい味を出していた。

夢中で写真を撮るゆかは無邪気な少女のようで、転んてしまわないか心配になるくらいだった。
車を再び走らせて神社へ向かう。
険しい階段を上って本殿でお参りをする。
「五円あった」ゆかが財布から硬貨を取り出す。
「俺は欲張りだから五円が十倍あるように五十円にするよ」
「なるほど!」
神様に祈ったことは今日が楽しく終わりますように。きつねの神様は俺を助けてくれるだろうか。
反対側に下りて行くと無数の赤い鳥居が並んでいる。何度来ても圧倒されるが、ゆかも同じだったようだ。
ここで少し雨が落ちてくるが気にせずに歩いていく。鳥居の中を歩いていくと横に水場がある。そこに咲く蓮の花を見つけたのでゆかに教えると鳥居から蓮にスマホを向けて撮影した。

白い花びらが水から顔を出して咲く姿は可愛らしさだけではなく強さも感じた。何となくそれはゆかの姿にも重なった。
高台から鳥居が並ぶのを眺める。

雨が本降りになってきたので木の下で雨宿り。
ゆかの持っている赤いバッグには傘が入っていないらしい。
「折りたたみもってくればよかった」
「雨降るなんて考えてなかったよ」
「県の真ん中の方は降るって聞いてたんだけどなぁ」
「しゃあないよ、ここ真ん中じゃないし」
しばらく経ってもやまない雨。結局少し濡れながら歩くことにした。
雨降りにも関わらず別な色の蓮の花を見つけて二人で写真を撮った。
階段を上って下り、おみくじをひいた。
天然石が入ってるおみくじで、パワーストーンが好きなゆかにはぴったりだった。
昼食の時間になったので店へ向かうが、時期や時間もあって行列ができていたので、同じく貝出汁のラーメンを出している別な店で食べることにした。
運良くすぐに座れ、ゆかとあれこれ話した。
ゆかは小学校から高校まで卓球をしていたらしい。
大学ではクラゲの研究をしていて、クラゲの生態にも詳しかった。
「一応理系なんで」
確かに同人小説を書き方を聞いたら実に論理的に話を作っているなと感じていた。
そんな話をしているとラーメンが出来上がって食べた。貝の出汁とバターの風味がうまくマッチしていて絶品だった。ゆかも気に入ってくれたようだ。

店の外に出るとまたもや雨。
近くの公園にあった遊具も濡れていた。
「��れてたらやりたかったのになぁ」
「これじゃ濡れちゃうね」
残念そうにするゆか。
ここの段階で時間は十三時をまわっていた。ゆかは十六時くらいまでならと言っていたので、次の場所を迷ったが、思い切って賭けに出ることにした。
市街地へ車を走らせる。
「あのさ」
「ん、なに?」
「夜の仕事、まだやってるの?」
「いや、しばらくやってない。昼の仕事で稼げるようになったから。このままやめようと思ってる」
「そっか、昼の仕事が順調ならいいね」
「うん、もう知らない人に会わなくてもいい」
「お疲れ様。よう頑張ったと思うよ」
「彼には絶対言えないけどね」
「体調もよさそうだね」
「うん、抗うつ剤は飲んでないし、元気になったよ」
「よかったよ」
ゆかの手に触れて握ると、握り返してくれた。
川沿いの堤防を走る。
カーステレオからは真夏の果実。
市街地にあるホテルへ入り車を停めた。
ゆかの表情は暗くて見えなかった。
「いい?」
「タダじゃ嫌」
「そっか」
その返答は予測していた。元々は金で繋がった関係だ。
「いくらくれる?」
価格交渉が始まるが、割とすぐにまとまった。
タッチパネルで安い部屋を選んで入る。横にあるシャンプーバーの香りが鼻についた。
部屋に入ってソファに座る。
唇を重ね、ゆかの胸に顔をうずめた。
その後の事は何となくしか覚えていない。何度もキスをして、何度も愛を囁いた。
そして二人並んで眠った。
ゆかの寝息を聞きながら時間を気にしていた。
リミットの時間はとうに過ぎている。
目を覚ましたゆかに聞いた。
「時間大丈夫なの?」
「ああ、うん。別に花火があるからそれまでに帰れれば。そんな花火見たいわけじゃないんだけど」
その日はゆかの住む町で祭りがあって二十時から花火が上がる日だった。
「そっかそっか。一緒に見る?」
「うーん、誰かに見られると嫌だから」
「だよな」
その後はゆかの書いた小説を読んだ。そしたら俺もゆかに自分の書いた物を見せたくなった。
「ゆかの事書いた作品があるんだけど見る?」
「えー!恥ずかしいからやだ」
「まあまあ、自分だと思って見なきゃいいからさ」
「うーん、ちょっと興味はあるんだけどね」
そしてTumblrに投稿してたコールガールを見せた。
時に笑いながら、時に考えながら読んでいた。
「この表現好き」
ゆかを花に例えた部分が気に入ったらしい。
「人の書いたもの見ると勉強になる。すごく読みやすかった」
「ありがとう」
「今日の事も書くの?」
「そうだなぁ、たぶん書く」
「めっちゃ恥ずかしい」
そんな事を話しながら、不思議な関係だなと思った。
現実で会った人にTumblrを見せたのは初めてだった。
彼女でもなければセフレでも無い。そもそも会って二回目の関係なんだから名前を��けようにもまだ難しいだろう。
それでもこの関係は何だろうと思いながら気づけば温くなった風呂に二人で入っていた。
洗面台で歯を磨くゆかに後ろから抱きついたり、服を着るのを邪魔してみたりした。
帰路につく。
夕焼けの時間だった。
この様子だとゆかの町に着くのは十九時くらいになりそうだ。
「今日さ」
「うん」
「何で来てくれたの?」
「えっ、うーん…誘われたし暇だったから」
「そっか。お金もらえるって思ってた?」
「いや、それはない。ただ会ったらするかもなとは思ってた」
「そうなんだ」
「うん」
途中の海辺で夕焼けの写真を撮った。

「すごくいいね!あとで送って」
「いいよ、今送るよ」
すぐゆかに送った。
「ありがとう」
そっとゆかの手に触れた。自然と繋ぐ。
車は海沿いの道を駆け抜けていく。
町に着くと大勢の人で賑わっていた。
「どこで下ろせばいい?」
「真ん中は嫌だから…朝会ったとこ」
そこへ向かって車を進めると、警備の人が立っていて入れなかった。
「ちょっと入れないな…」
「うーん、どうしよう」
ぐるぐると町中を周る。
「やっぱ入れないよ」
「離れたとこなら一緒に見てもいい」
「えっ、あっ、そっか。じゃあそうしよか」
「うん」
「食べ物買いに行こか」
「屋台はダメだよ。知ってる人いるかもしれないから」
「そうだな。コンビニでいいか」
その町にある唯一のコンビニで食事を買った。
その隣りにある駐車場から花火が見えそうだったので、そこに停めて見ることに決めた。
花火が始まる。
ここでもゆかは写真を撮るのに夢中。
俺も撮ってみたけれど、信号が邪魔して上手く撮れなかった。
合間に見せてくれるゆかの写真は上手に撮れていた。
プログラムの間、ひたすらゆかはスマホをいじっている。その動きが止まると俺のスマホに通知が来た。
「アルバム作った」
開いてみるとトーク画面に日付が入ったアルバムが出来ていた。花火や蓮、ひまわりの写真がたくさんおさまっていた。

「おー、いいね。ありがとう!」
「ふふっ」
ゆかはまた外にスマホを向けた。
「あの色はリンで…」
花火の色を見ながらそんな事を言っていた。
「覚えたことって言いたくなるよね」
ゆかが笑う。そうだなと俺も笑う。
あっという間に花火大会は終わった。
「帰ろっか」
「うん…」
帰りに降ろす場所を探しながら車を進めた。
「あっちに行くと公園がある」
「そこで降ろす?」
「いや、遠いからいい」
「行ってみようか?」
「うん」
公園に行くと暗くてよくわからなかったが、日中は眺めがいいだろうなと思った。
「あっちには小学校がある」
「行ってみよか」
何となくゆかの気持ちがわかった。
「あれだろ」
「なに」
「別れが惜しくなったんだろ?」
笑いながら言った。
「でも明日は友達と遊ぶから泊まれない」
「もうちょっとドライブするか」
「うん」
小学校へ入った。ゆかが通っていた小学校はかなりきつい坂の上だった。
「こんなのだからめっちゃ足腰鍛えられた」
「これは中々スパルタだな」
「でしょ」
小学校を後にして車を俺の地元方向へ走らせた。
「あれだよね」
「なに?」
「泊まっても寝ればいいじゃん」
「うーん」
「俺いびきかかないし」
「そうなんだ」
ゆかの右手に左手を重ねた。
「朝、めっちゃ早起きだよ?」
「いいよ。またここまで送るからさ」
「わかった」
「じゃあ、泊まろっか」
「親に連絡しとく」
コンビニでコンタクトの保存液とビールとほろ酔いを買った。
ホテルへ入る。今日二度目だ。
カラオケがついていたので酒を飲みながら二人で歌った。
夜は深くなっていく。
シャワーを浴びる。マシェリでゆかの髪を洗った。
洗面台でそれを乾かしてベッドへ入る。
互いに欲望のまま相手を求めあう。
眠っては起きて、キスをして、何度も何度も。
「俺に好きって言ってみてよ」
「言わない」
「いいじゃん、嘘でも言ってみなよ」
「嫌だ言わない」
「そっか」
力一杯抱きしめて、それをゆかも返した。
俺は六月にあったことを話した。
自殺未遂のことも。
「ガチで死のうとしたんだね」
「うん、そうだよ」
「生きててよかったね」
「ほんとそう思う」
「今も彼女のこと好き?」
「いーや、全然」
「そっか」
��新しい好きな人いるらしいし」
「いなきゃ好きなの?」
「いや、そういうわけでもない。俺にはあわなかった」
「切り替え早いね」
ゆかの首筋にキスをして眠りについた。
結局は予定の時間にゆかは起きれなかった。
俺も軽くは起こしたけれど、別れを早くしたくないなんてエゴが出た。
「私ほんと時間にルーズなんだよね」
と言いながら、そんなに慌てないゆかが滑稽だった。
「私と付き合わない方いいよ」
「どうして?」
「時間守れないし、好きなこと話すと止まらないし」
「時間を守れないのはよくないな。でもそれはパートナーがちゃんとしてれば支え合っていけるんちゃうか?」
「うん…」
ワンピースを着ながらゆかは俺を見た。
「うしろのチャック閉める?」
「閉めよっか」
「自分でも出来るけど」
「いいよ、閉めるよ」
背中を向けたゆかの背中のファスナーを閉めた。
「上のボタンもかけて」
「はいはい」
ボタンを掛けて後ろから抱き締める。
「かわいいよ」
「ふふっ」
ゆかにかわいいと言うといつも笑う。
そんなとこはあざといのかもしれない。
「友達との待ち合わせ場所まで送ってくれるんでしょ?」
「うん、送るよ」
「やったー」
「そのかわり」
「なに?」
「お金は無しな」
「えー、少しも?」
「当たり前だろ。泊まったし送るんだし」
「ふふっ、そうだよね。わかった」
「交渉成立な」
「電車代浮いたからいいや」
「なんだよそれ」
ゆかが笑った。
ホテルを出てコンビニでコーヒーと朝食を買った。
予定時刻までに着かないのはわかっていた。
友達やら予約しているカラオケに電話をしながら、車の中でアイラインを引き、ルージュを塗った。
「ちょっとはおしゃれしないと」
「昨日と同じ服だけどね」
「それはしょうがない」
「そうだな」
「そうだ、スッピンどうだった?」
「あー、うん。可愛かったよ」
「ふふっ」
相変わらず笑う。
海辺を見ながらゆかは言った。
「普段海見ないけど、やっぱりこっちの海のが好き。向こうはなんか深くて怖いから」
戻ってこいよ。なんて言おうと思ったけど、別に俺がそれを言える立場じゃ無い。
「やっぱさ、十八年見た海は特別なんだね」
「確かにそうかもな」
「今回帰ったら、次見るのは冬か」
「その時も一緒に見たい」
「うん、いいよ。あっ、あとは会いに来てくれれば会えるよ」
「行きたいなとは思ってるよ」
海辺を過ぎて内陸へ入る。
あと五分で目的地。
信号で止まった時にゆかの唇を奪った。
信号の色が変わるのを感じで離れる。
ゆかの表情はどこか寂しげだった。いや、そう思いたいからそう見えた��かもしれない。
カラオケの前で降りる間際にもキスをした。
去り際にゆかは俺を見てこう言った。
「死なないでね」
短いけど重い言葉だった。
「そっちもな」
車を大通りへと向かわせる。
何度もゆかの耳元で囁いた言葉を思い出す。
車線を変えながら車を一台二台と抜いた。
「俺って本当に」
アクセルを踏んで帰路につく。
サイドシートにマシェリの香り。
22 notes
·
View notes
Text
2024年9月13日(金)

今日はJcomの工事日、チューナーを新しいものと交換するのだ。配線の変更もあるので、やって来たのは大きな工事用車両、しかし、こうしてみると我が家の間口の狭さが目立つ。担当者2名で手際よく分担しながらの作業進行、9時30分から1時間程度で作業が終わった。これまではチューナー1台で事足りていたが、新しいものはブルーレイレコーダーを内蔵していないので、チューナーに加えて録画用のハードディスクとブルーレイレコーダーの3台で構成される。リモコンも2台、早く操作に慣れなくては。

5時起床。
日誌書く。
シャワー浴びる。
5時45分、ツレアイ起床。
洗濯機を回す。

今朝も朝食は中華ソバ。
珈琲を入れ、洗濯物を干す。
可燃ゴミ、20L*1&30L*1。
8時45分、次男がデイサービスに出かける。
Jcomの予約は9時、途中で担当者から着信、9時30分過ぎに着くとのこと。
作業は1時間強、簡単に操作説明を受けるが、こんなものはあとから自分でマニュアルを読まねば覚えられない。
三男は起床が遅くなったので、作業終了後、昼になってから朝食を摂る。
私はずっと工事を見守っていたので、その間にツレアイはあちこち買物に走る。
途中で、電気メーター取り替えの担当者来訪、停電しないということで助かった。
ランチ、パスタを茹でてガーリックオイルと和えてチーズを散らす。これが美味いのだ、もちろんwith🍷。
彼女はあれこれ片付け、私は酔いが回って午睡。
テレビの録画と書き出しのテスト、なるべくディスクは消費せずにハードディスクの録画分で鑑賞することにする。
早めの夕飯準備、今夜は煮魚。

昨日半額でゲットしたなまり節、3割引の鱧を煮る。付け合わせは久しぶりのポテトサラダ。昨日の土産の福寿の大吟醸をみなで味見する。
録画番組視聴、刑事��ロンボ。
第35話「闘牛士の栄光」/ A Matter of Honorシーズン 1, エピソード 35 メキシコ。夫婦で旅行に来ていたコロンボは追突事故を起こしてしまう。地方警察のサンチェス警部は、かねてからコロンボのファンだったので、これ幸いと、コロンボを足止めし、国民的英雄で元闘牛士のルイス・モントーヤの牧場で起きた事故の現場検証にコロンボを連れて行く。
片付け、入浴。
体重と血圧測定、どちらもずいぶん高め。
日誌書く。

今日は一歩も外へ出ず、明日からまた忙しくなる。
3 notes
·
View notes
Text
0721
昨日は財布とスマホを忘れて労働に出かけてしまった。気づいたのは電車の中で、あちゃーとは思ったけどまあでもパスモ(クレカと一体型のやつ)があるからべつに平気だなと思ってすぐあきらめた。待ち合わせの予定とかもなかったし。こういうときに限って何か緊急の連絡が…とはちょっと思ったけど、一月に義父が亡くなったばかりだからしばらくそういうことはあるまいと思った。またそういうことがあるかもとはあんまり考えない。こういうのって性格なのかな。誰からも何も来ないに千円と頭の中で賭けた。 つまりわたしは労働に遅刻しないよう、わざわざ引き返さなくたって平気だと自分に言い聞かせているのだろうかとちょっと思った。そんなに遅刻をおそれているのか。ちょっとくらい遅刻したって気にしない感じの方がいいのになと思う。自分も周囲も。わたしは電車とか待ち合わせとか映画の上映開始時間とか、いつもいろんなことがギリギリで、ギリギリまで仕度ができないタイプなんだから大手を振って遅刻しちゃえばいいのに毎度バタバタ走って大汗をかいている。悪あがき。一生こうやって走っているんだろうかとときどき恥ずかしくなる。
さっき電車に乗り込むとき、ホームと電車のすきまに靴を落としてしまった人がいた。すきまにかかとを引っかけて転んでしまったようで、一瞬迷ったけどわたしも電車を降り、大丈夫ですかと声をかけた。このときはまだ自分が財布とスマホを忘れてきたことに気づいていないのが、なんか昔話の正直者っぽいムーブだな……。人助けってほどのことでもないけど、うっかり者で正直者のなんとか太郎的な。 でも��んなんではないな、昔話の無償の正直さではないな。自分も乗りたい電車に遅れそうでしょっちゅう走っているタイプだから味方したくなったってだけかもしれない。自分ももうずっと前、学生時代、靴をホームのすきまに落としたことがあって、東中野の駅で足を踏み外して体ごと落っこちかけたのを近くにいた人がすぐ引っ張り上げてくれた。そのときは演劇のフライヤーを業者に届けに行く用事でかなり重たい紙袋を持っていた。よく引っ張ってもらえたなと思った。そういう善意の循環……みたいなことを考えるとなんかちょっと気味が悪いような気もする。これはわたしがひねくれているだけかも。 転んだ人は声をかけられてかえって恥ずかしいかもしれないと思って、駅員さんが来るまでなんとなく近くで見守り、駅員さんはすぐ来たので車輌ひとつぶんくらい離れたところに移動した。そして、電車一本くらい見送ったっていいや、多少遅刻してもいいやという判断をした自分に酔っていないか?みたいなことも思った。多少の遅刻は気にならない自分をやりたかったんではないか。なんだか心臓がばくばくし、さっきその人が転んで尻もちをついたとき、プリキュアみたいな絵面と一瞬重なった。スカートが広がった感じと手に握ったままのハンディ扇風機がなんか魔法少女みたいだなと思った。それがうしろめたくて声をかけたのかもしれない……とかも考えた。 なので財布もスマホも忘れてきたと気づいたときちょっとほっとした気持ちもあった。慣れない善意のようなことをしたからそれと釣り合いがとれているような気がした。バチが当たるの逆みたいな。
そういうことを考えていたら電車はすぐ着いて、財布もスマホも持っていないのに水筒と読みかけの本は持って会社に出かけるのなんか優雅だな…と思った。あとタオルと日傘と飴。リュックの中で水筒の氷がカラカラ鳴って、このごろ水筒には冷たいお茶を入れているから、歩くたび遠足の子どもみたいな音がする。 読みかけの本はレアード・ハント『インディアナ、インディアナ』。柴田元幸訳。柴田元幸だから読んでみるというのは武豊が乗るから買っておくみたいな感じ? わかんない。インディアナ〜は難解な小説ではないと思うんだけど、ゆっくり読まないとすぐなんだかよくわからなくなる小説。もうあと少しで読み終わるんだけど、読み落としているところがたくさんある気がして行きつ戻りつ読んでいて、今はもっかい最初からゆっくり読み直している。 「ヴァージルの死ぬ間際にノアはもう緑の印は見つかったかとヴァージルに訊いて見つかったならどこにあるのか教えてくれと頼んだがヴァージルは長いあいだノアの顔を見てそれから眠りに落ちそれから目ざめてノアの顔を見てそれからまた眠りに落ちた。」だいたいこういう感じ。辛抱強く話を聞くみたいな小説で、いつかこういうの書きたいな、書けたらなあと思う。このそれからが3回続くの、自分だと書くのに勇気がいると思うし、書いたとしても書いたぞってあざとさが出てしまう気がする。
お昼は会社の横に来ていたフード��ラックでタコスを食べた。パスモで支払えた。白いタコスには鶏肉、ピンクの生地には牛肉の赤ワイン煮込み、黒っぽい生地にはサボテン?を何か和えたやつ。三個入り。キウイのサルサが辛くて美味しかった。スマホを持っていたらぜったい写真を撮っていたなと思った。 並んでいるとき、トラックに据えた鉄板の火が消えてしまったようで店の人が五分くらい格闘していた。しばらくチャッカマンをカチカチやっていたけどたぶんチャッカマンも燃料切れのようで、ぜんぜん火がつかない。ライターでやろうとしてなかなかうまくいかず、昼休みの五分くらいってけっこう長く感じるしかなり人も並んでいたんだけど、その人はまるで焦らず黙々とやっていたのですごいなーと思った。焦りが顔に出ないタイプなだけかもしれないけど。べつに誰にも謝らず、普通に注文を受け普通にタコスを包んでとやっていて、そうだよなあと思った。
労働を終えまっすぐ帰宅したらスマホにはやはり誰からも連絡は来ていなくて、千円勝ったと思った。千円くらい何か食べようと思った。わざわざ夜出かけるのめんどくさいなとは思ったけど、金曜の夜でほんとは寄り道したかったのだから出かけたい気持ちが勝った。 ぶらっと出てみたらいつもより涼しくて、どこまでも散歩できそうな気持ちのいい晩だった。ぶらぶら歩き、なんとなく電車に乗っていた。夜だから上り電車は空いていて、定期圏内の、でもあまり降りる用事がない駅のちょっと歩いたところにある中華料理屋というか定食屋というか、カツカレーが美味しいらしいので前から行ってみたかった。ふだんぜんぜん用事のない、買い物に行くような街でもない、誰も知り合いもいない駅。ここでわたしが何か交通事故とかにあって死んじゃったりしたら、なんであんなところにいたんだろうと家族は不思議に思うんだろうな……とあまり行かない場所に出かけるたび思う。 駅を降りたら書店があったので覗いてみた。雑誌と漫画と学参の棚が大きい、ちょっと広めの店舗の懐かしい感じの書店。気になっている本のリストを頭に浮かべながら物色し、目��てのいくつかは置いていないようだったけど、そういえばしゃしゃさんの本が今日発売日じゃなかったっけと思って探した。『蒼き太陽の詩』。1,2巻は棚に差してあったけど今日発売の3巻はなかった。レジに持って行って、これの3巻もありますかと尋ねたら奥から出してきてくれた。ラスト一冊でしたと教えてくれた。あっ善意と思った。カツカレーを食べながら読んだ。 『蒼き太陽の詩』は、アラビアンファンタジーというのかな、双子の王子が国王の座をめぐって殺し合う……というワクワクハラハラする物語。砂漠の王国が舞台の大長編で、読みやすくてぐいぐい進んだ。『インディアナ、インディアナ』を読んでいたから余計にそう思うのかも。壮麗な織物みたいな物語で、読んでいるとキャラクター��ちの声が聞こえてくるし人や周りの風景が目に浮かぶ。生き生きとしている。これアニメになったらいいなーと思った。赤将軍のユングヴィはファイルーズあいさんがいいな……。
カツカレーの店は、客はわたしだけで、店のおじいさんは座敷でテレビを見ていた。テーブルにハイボールのコップとつまみがいくつか並んでいて、わたしが来たのでおじいさんはちょっと慌てたようすで、でもにこやかに注文をとってくれた。すっかりすり減った畳が赤くなっていて、ちょっと緊張した。あまりきれいでない状態に緊張するのもあるし、よそものが入ってきてすみませんみたいな緊張感もある。テーブルはきれいに拭かれていた。揚げたてのカツが大きくて、油と肉汁がジュワッと溢れてきてすごく美味しかった。カレーは濃くて、柔らかくほぐれた牛肉もけっこう大きいしたくさん入っていた。たしかにうまい。がつがつ食べるうちにだんだん体のこわばりがほどけた。 テレビの音がものすごく大きくて閉口したけど、カツを揚げ終えたおじいさんが汗をぬぐいながら夢中で見ているのがなんかよかった。『チコちゃんに叱られる』というやつ?初めて見た。音が大きいから見てしまう。ボーッと生きてるんじゃねえよってこれかと思った。Vtuberっぽい。おじいさんが何度もはははと笑った。どうしてゴルフボールの表面にでこぼこがあるのかというのをとても真剣に見ているので、ひととおり解説が終わるのを待って会計を頼んだ。
家に帰ったら板垣さんがツイッターでスペースをやっていたので、洗い物や洗濯物などを片付けながら聞いた。どうやら同じ大学出身だったことがわかって思わず話しかけてしまった。一日いろいろカラフルでなんか気持ちが興奮していたのか、やけにたくさんしゃべってしまって、恥ずかしくなって寝た。文フリの話とか小説の話。 千葉雅也『エレクトリック』、わたしは父親がエロいのがいいと思った。と言ったんだけど、なんていうの、エロいって言い方はちょっとちがう気もするんだけどエロく書くことのすごさがあってそれをそう受け取りたいというか……。これは『サバービアの憂鬱』で読んだんだったかな、「男性は会社(仕事)に嫁ぐ」というのを思い出したの。大場正明『サバービアの憂鬱 「郊外」の誕生とその爆発的発展の過程』。うろおぼえだからちょっとちがうかもだけど、男性が会社(仕事)に対して「嫁」になってしまう、みたいな。父親の人妻的な感じ。そういうエロさ。舞台の宇都宮も郊外(サバービア)だなと思った。そしてそういう小説の、文章自体がヘテロでない感じがあって、すごくよかった。多くの小説の文章が意識的にも無意識的にも備えている、当然の「調べ」みたいなものがあんまりない文章だと思った。
『エレクトリック』の前後で読んでいた、数年前の文藝賞の作品が、なんかこうすごくどヘテロだったのもあってそう思ったんだと思う。ヘテロが悪いわけではもちろんないけどよくもわるくもどヘテロ、ザ��調べという感じで、この作品のどこらへんがわたしは苦手だったのかを語ろうとすると、そこに糸口があるみたいな話。 なんていうの、村上春樹に文句言ってる場合じゃないくらい若い作家の新しい作品がめちゃめちゃ古いジェンダー観で、読んでいて作品の面白さとかすごさはわかるような気はしたんだけど、でもこれをよしとするんだなあ、帯に誰々氏が激賞と書いてあるけどそうなんだ?!みたいな驚きは、やはりあった。ジェンダー観もそうだし、地方や精神障害者への偏見を強化するような感じもあって気になった。「壮大な作品」「圧倒的な熱量」「知識と想像力を駆使し」と帯に書かれていたけど、わたしは読んでいて小ささや狭さの方が目についた。 いやわざとそう書いている、いかにもなステレオタイプをやることに意味がある作品なんだろうとは思った。仕掛けというか。でも意味があるんですよと書くずるさというか……。ステレオタイプをなぞり続けたい、そのようにして書けるものに作家は意味を見出したいし、どうしても興味がある。それってフェチではあるよなあと思うんだけど、ステレオタイプをフェチと指摘されることってあんまりない気がする。 偏見の強化によって生まれる痛み、それを感じない場所に作家は立っていて、痛みを感じる人のこともあまり見えない。いや見えてはいるかもしんないけど、自分の書くこの作品とはさほど関係ないと思っている? それは別の作家、何かそれにふさわしい属性を持った作家がやることであって自分の作品では関係ない。おそらくは無自覚な特権があり、特権って言うと反発したくなると思うけど……みたいなことを思って、うーーんとなった。やつあたりかもしんないけど。作品名出さずに書いてるからなんのこっちゃって感じだと思うけど。 まあ小説ってそんなに読まれないんだろうなと思った。読む人そんなにいないから、これのここってどうなのみたいな話題にのぼることってあんまりない。漫画とはそこがちがう。あとまあわたしが純文学、文芸誌とその賞にそれなりに夢をもっている(もっちゃっている)ふしはあるな…。
そしてこの作品の直後にC・パム・ジャン『その丘が黄金ならば』を読んであーーーこういうのが好きだ〜〜と思って、なんかそういう不満のようなものはふっとんだ。大きい。大きい小説。こういうのがいい。小さい小説がだめなわけではぜんぜんないけど、大きい話を書こうとしたものが狭苦しく感じられるのはやはりつらい。あと長さもよかった。四六版で384ページ。父親が亡くなり子どもたちが埋葬の旅に出る…という筋書きで、本のけっこう前半で埋葬は済んじゃう。その後が長いのがよかった。純文学系の賞はちょっと短いのかもしれない。「自分の書くこの作品とはさほど関係ない」と書いたけど、まあだって短いもんなー。読む人にも書く人にも。この長さの話はもうちょっと掘り下げたい。日記に書きたいことっていろいろあるな。長くなったのでまた今度。

15 notes
·
View notes
Text
ままならない
最近、ままならないという単語を思い浮かべる。漢字にすると「儘ならない」。「間々ならない」だと思ってた。後者の方が気に入りだし字義的にそれほど外れてはいない気がしている。自分にはどうもあてられている漢字や意味とは異なるそれらを付与させる、あるいはさせたい趣向があるらしかった。例えば「うららか(麗らか)」という単語の意味についても、本来の意味が「空が晴れて、のどかに照っているさま、穏やかなさま」であることが惜しいなと思っている節がある。「うららか」という発音の響きからは、夜の遠景が途方もなく水平に広がっているさまが想像されるからで、そのような意味であったら良かったのに、などと思ってしまう。
しかし、これらは所詮一個人の感受性からくる勝手な妄想の産物に過ぎず、万人に共有されているものではないから、自分がそう思っているからといって「間々ならない」だとか「うららか」だとかを使ったとしても、他者からは単語の誤用として処理されてそれで終わりであるのだった。
なぜこんな話をしたかというと、本当に「間々ならない」、ことばかりだからですね。あまりこんな話はしたくないのですが、ああ、でも、ままならないのは自分だけかもしれないし、ままならなくさせてるだけなのかもしれない。他責思考。
鳩が異様にデカく見えた、それからなんか見たことのない動きをしたから物質があるなあと思った。メトロポリス的に電波塔が青空の中突っ立っている季節。車が頑張って、それこそ運転手の命を繋ぐためにガソリンを消費してくれている。そんな点在がそこらじゅうにある。ごくまれに、無意味さに気づかされて、人生の基幹道路をそっと脇へ、確かな自らの意思を以て逸れていく車を見ることがある。あの車の主ははたしてあなただったのか。
無意味に高速へ入っていくことがある。高速を走っている、そのものの感覚に浸りたかったのです。確かに無駄な浪費には違いないのだろうが、そうしたかった。そうするほかなかった。時折見える高速の外の街並みは決まって自分の知っている街並みとは異なっていて、どこか県外の風景のようだった。それもまた欲していたのです。遠くに行けることは才能だ。己を繋ぎ止める諸物から意図的に離れていけるという才能だと思う。Bluetoothを介して流している暴音にも近い音楽流しながら、ひょっとしたら事故ってしまうかもしれない予感��ふとよぎったりもしながら、今夜、また明日、足をつけている場所はどこだろう。
……肌寒さ残る夕暮れ時、女が電話越しに僕に対して何事かを訴えかけてくる。僕はそれを聞く。しかし、女の声を僕は音の認識でしか捉えることしかできないまま、上滑りして奥の方へ消えていく。女は先ほどからなんかがなり続けているがもう何も残っていない。
人を下の名前で呼ぶことが苦手だった。下の名前を呼ぶことはその人の不可侵の領域に踏み入れるようなものという感じがするから。そこに踏み込まざるを得ないような、そんな居た堪れなさを感じてしまうから。不意に人の体の部位に手が触れたときの、あの何とも言えないゾワゾワ感というか、それに似ている。まったく知らない他人が墓前で手を合わせているのを、図らずも見てしまったような。それで何かその人の尊厳的なものを穢してしまったような、嘘です、そういった行為に付随している尊厳とか道徳とかの性質に、自分が後ろめたさを理由に耐え切れないだけです。背筋が曲がっていく。自然と頭が垂れていく。耐え切れないと言っていたはずの行為のさまに近づいていく。引き裂かれる。
知らず知らずのうちに失っていたもの。
例えば夕暮れ時に電車で、都市の方へ向かっている時、ああどこにでも行けるんだと、秋の肌寒さを感じ始める外気のように爽やかな気分であるとか。
また例えば、反対側の窓越しに風景を見ていたら、目線上に人が座ったから、逸さざるを得なかった気まずさであるとか。
女がスマホを、胸あたりの高さに構えていじっている。その高さが自分を撮っているかのように錯覚させた。ちょうどそんな妄想に囚われていたとき、異なる角度からなぜか連写するような音が聞こえてきたから、金縛りのように硬直した。知恵遅れ、卑怯者、社会知らず、などが浮かんだ。そんな状態のなかで失われてゆく何か。
p.s.
私1:「詩人ってどんな人だと思う?」
私2:「素数ゼミが無数に木々にへばりついてる動画を見ながら素数って何だっけってニヘラとしてるような人」
私1:「どんな人になりたい?」
私2:「海外小説の翻訳された日本語の文体のような人になりたい」
2 notes
·
View notes
Text
【小説】コーヒーとふたり (下)
※『コーヒーとふたり』(上) はこちら(https://kurihara-yumeko.tumblr.com/post/746474172588425216/)
零果が会社に行けなくなったのは、三年前、三十歳の時だった。
最初は、朝起きられないことから始まった。いつもと同じ時間に目は覚める。アラームを設定した時間よりも早く目が覚めることの方が多かった。しかし、目は覚めても、身体を起こすことができない。羽毛布団を跳ね除けることさえできないのだ。全身の筋力が突然失われてしまったのかと思った。それでも、重い身体をなんとか起こしていた。
ベッドから起き上がってからも、身体が思うように動かない。毎日さっと済ませることができた朝の用意も、時間をかけないとこなせなくなった。それでも、通勤電車の時間に間に合わせないといけない。当初は、起床時間を早め、朝の支度を可能な限り簡略化していくことでなんとか始業時間に間に合うように出社していたが、次第にそれも難しくなり、ベッドで横になったまま、「一時間遅刻します」、「二時間遅れて行きます」と会社に電話を入れるようになった。
それでも出勤できてはいたものの、だんだんと、身体を起こした後に頭痛や吐き気に襲われるようになった。会社に近付けば近付くほど、それは強くなっていき、出勤前に会社の目の前、道の反対側にあるコンビニのトイレで嘔吐する日々が続いた。コンビニまで辿り着けていたのはまだ良い方で、やがて駅のトイレで吐くようになり、ついには電車に乗ることもできなくなった。
ある朝、何度も鳴り響くアラームをやっと止め、なんとか力を振り絞って身体を起こしたその途端、「どうせ吐いてしまうのだから」と、しばらく何も食べていなかったにも関わらず、喉をせり上がってくる胃液を堪え切れずに床にぶちまけて、零果はそこで初めて、「もう仕事に行くのはやめよう」と思って、泣いた。
病院へ行ったらうつ病だと診断された。事情を聞いた上司からは休職を勧められ、驚くほど簡単に手続きが進み、会社に行かなくて済むことになった。
最初は、休めることにほっとした。休職したことによって初めて、零果は自分が仕事を休みたいと思っていたことに気が付いた。そのくらい、当時は激務だったのだ。
毎日のように遅くまで残業し、それでも仕事が終わらないことが不思議だった。休日を返上して、やっと一週間分の業務がすべて片付いたと思ったその翌日には、また月曜日がやって来て、新しい一週間が始まる。ただそれの繰り返しだった。終わりの見えない日々。どうしてこんなに仕事があるのか。一体、どこから仕事がやって来るのか。デスクに積まれた書類がちっとも減っていかない。こなしてもこなしても、また新しい書類が重ねられていく。
当時は、部署の垣根を越え、商品管理部と協力して新しい管理システム、物流システムを構築する作業に明け暮れていた。自分の本来の職種がなんだったのかを忘れそうになるほど、毎日違う部署へ顔を出し、社内を走り回り、自分のデスクに戻って来るともう夜になっていた。書類を捌く時間などなかった。
毎日、缶コーヒーを何本も飲んだ。頭痛薬を飲むのももはや習慣になっていた。それでも働き続けていた。苦労はあった。つらいと思う時もあった。しかし、達成感や充足感もあった。新しく、ゼロから何かを作り上げていくというのは面白かった。そう、零果にとって仕事は、ただ苦痛な作業という訳ではなかった。日々の業務に自分の生き甲斐を見出していたのは確かだ。だからこそ、彼女は働き続けることができたのだ。しかし、心が折れるよりも先に、音を上げたのは身体の方だった。
会社を休んでいる間、なんの気力も湧かなかった。ベッドから起き上がれないほどの倦怠感や吐き気は少しずつ改善されていき、日常生活が難なく送れるようになっても、毎日毎日、有り余る時間をどう過ごしていいのか、わからないままだった。もともと零果は、友人が多い訳でも、熱中している趣味がある訳でもなかった。休日って、何をして過ごしていたんだっけ。手持ち無沙汰から始めた家の掃除も、二週間もすれば家じゅうピカピカになり、磨くところがなくなった。やりたいことが何ひとつ思い浮かばなかった。これなら仕事をした方がマシだと、何度も思った。
有武朋洋から連絡が来るようになったのは、そんな時期だった。
零果は彼の営業アシスタントを務めていた。すべての業務は桃山に引き継いだはずだったが、それでも有武はときどき、過去の書類やデータについて、休職中の零果に質問をよこした。
そして、零果が毎日時間を持て余していると知ると、遠慮なく頻繁に連絡して来るようになった。内容は、半分は業務に関する話題で、残り半分は職場での愚痴か、他愛のない雑談だった。どう考えても今は勤務中だろうという時間帯に電話がかかってきて、課長への文句を一方的に延々と聞かされたこともあれば、休日の夜に、どうしたら業務が改善できるか、解決策をふたりで二時間も話し続けたこともあった。
「電話でずっとしゃべるくらいなら、いっそ会おうか」という話になり、カフェで会ってお茶をしたこともあった。どういう訳か、実際に顔を合わせると、お互いなんとなく口数が少なくなり、たいした話はできなかった。しかし、その時の沈黙が、決して居心地の悪いものではなく、零果と有武はその後、ときどき一緒に食事をするようになった。
営業アシスタントをしていた頃は、有武とプライベートで会うなんて一度もなかった。零果は休日もほとんど返上して働き詰めだったので、そもそもプライベートがないようなものだったし、それは有武も同じだった。ふたりはほぼ毎日顔を合わせる羽目になっていた。
しかし、仕事の話を抜きにして有武と向き合う時間は、それまでとはまた違う空気が流れていた。
零果が休日にコーヒーを飲むようになったのも、彼に喫茶店に連れられて行ったのがきっかけだった。
「誰も知らないような店で美味いコーヒーをひとりで飲む時間って、贅沢なんだよな」
そう言う有武は、いつにも増してハイペースに煙草を吸っていた。最近は飲食店でも全面禁煙の店が増えたが、昔ながらのその喫茶店は、全席喫煙可能だった。零果からすれば、彼はコーヒーを飲みに来たというよりも、煙草を吸うためにこの店に来たとしか思えなかった。
「……良かったんですか、私を連れて来て」
「何が?」
「誰も知らないような店を私に教えて、美味いコーヒーをひとりではなく、ふたりで飲むことになっていますが」
零果がそう指摘すると、いつものように有武は小さく鼻で笑った。
「加治木さんはいいんだよ。俺にとって特別な人だから」
そう言われて、自分はなんて返事をしたのか。零果はもう思い出すことができない。
しかし、それから彼女の脳内には喫茶店リストが作られ、休日にコーヒーを飲むための店を選ぶようになった。あの日に有武が言ったように、誰も知らない店でコーヒーをひとりで飲む時間が、彼女にとって何よりも特別な時間となった。
半年間の休職ののち、零果は復職した。だがしかし、元のデスクに戻ることは叶わなかった。
営業アシスタントとしてではなく、事務職としての復帰。
総務や人事を含め、それが零果に関わるすべての上司や上層部が下した決断だった。休職前より残業時間が少ない部署に異動することに主治医も賛成していたし、彼女自身も最終的にはその異動に同意した。一度、心身のバランスを崩した人間が以前と同じように働くことができるとは思っていなかったし、休職した���ま二度と職場に顔を出すことなく辞めていくことになった同僚が��ることも知っていた。復職できただけ、自分は幸運な方だと思った。
「どんな形であれ、加治木さんがこの会社に帰って来てくれて、本当に良かったよ」
すでにふたりの営業マンのアシスタントを務め、さらに有武の業務も担当することになったにも関わらず、桃山美澄は本心から出た言葉のような、穏やかな口調でそう言った。
零果の復職後、昼の休憩時間に廊下の端の自動販売機の前で偶然出会い、ふたり揃って同じ缶コーヒーを飲んでいる時だった。
「ご迷惑をおかけしてすみません」
「迷惑だなんて思ってないよ。それに、迷惑をかけてるのはむしろこっちだよね」
桃山は困ったような表情をして、少しだけ微笑んだ。その仕草はどこか、少女のようだ。
「有武くん、変わらず加治木さんに仕事を頼んでるでしょ。ごめんね」
そう言われて、今度は零果が困った顔をする番となった。
納得して受け入れた部署異動だったが、どうしても納得してくれないのが有武だった。彼は事務職として復職したはずの零果に、営業アシスタントとしての仕事を振ってきた。最初は、自分はもうアシスタントではないと抗議していたが、もともと、彼は零果の言葉を聞くような人間ではない。何度説明しても有武が納得することはなく、やがて零果も諦めた。
まだ慣れない事務職としての業務に加えて、有武からの無茶ぶりとも思える依頼は、部署異動した意味を台無しにしているような気もしたが、しかし、彼が回してくる雑務の量や求められている質に、零果への気遣いを感じたのも確かだった。
「加治木さんは俺のアシスタントだよ」
いつだったか、有武は煙草を吸いながらそう言った。その日も、彼は外階段にいて、零果は煙草を吸う訳でもないのに隣にいた。もう何度も、その言葉を聞いた。もうあなたのアシスタントじゃない、あなたの仕事は手伝えない。そう訴える度、彼は必ず、その言葉を返した。
「そもそも、俺を営業部に異動させたのは加治木さんでしょ」
そんなことない、自分はそんなことをしていない。零果はいつだって真剣に反論したが、有武はいつも、小さく鼻で笑うだけだった。それは彼の癖だ。零果は知っている、彼が鼻で笑うのは、上機嫌な時だけだ。
「俺が営業部にいる限り、俺のアシスタントは加治木さんだよ」
地獄にまで道連れにされそうな、そんな言葉に零果は肩を落とすしかなかった。でもこの言葉に、ずっと励まされてきたのも事実だ。
もしも有武がいなかったら、自分の担当が彼ではなかったら、休職中に連絡をくれなければ、零果は仕事に復帰することができずに、そのまま退職していたかもしれない。復帰できていたとしても、事務職としての仕事だけをこなす日々では、いずれこの会社を辞めていたのではないか、と思う。どんな形であれ、自分を必要としてくれる存在がいるということが、現在の零果を繋ぎ留めていた。それがなければ、自分はもうとっくに千切れてバラバラになっているだろう。
有武は――鋭い眼光を放つ、あの澄んだ瞳で――、そのことを見透かしているように、零果は思う。彼は零果の性質を理解していて、その上で、彼女のために手を伸ばしてくれている。一緒にいるとそう感じる。それが彼なりの優しさなのだとわかる。だから、零果はその期待に応えたいと思うのだ。そして、それが難しいという現実に、いつも少なからず絶望する。彼の優しさに報いることができない自分を見つめては、無能感に苛まれる。
どんなに頑張っても、私はもうこの人のアシスタントではない。
それだけの事実に、打ちのめされてしまう時がある。
身体を壊さなければ良かった。うつ病になんかならなければ良かった。ずっと頑張ってきたのに。思い出すこともできないほど、忙しい日々を送っていたのに。頑張れなかった。最後の最後まで、頑張ることができなかった。あんなに苦労して作り上げた新しいシステムも、完成まで携わることが叶わなかった。あれは、まだ有武が商品管理部にいた時に考案したものだ。そのシステム実現のため、彼は営業部に異動した。零果はその当初から、最も近くで彼を見てきた。慣れない営業職の仕事に苦悩する彼を知っていたのに。本来ならば、もっともっと、一緒に仕事ができたはずなのに。
零果のそういう自責の念を、恐らく有武は見抜いている。だから彼は、今でも零果に依頼するのだ。寄り添うように、励ますように。彼女の心が折れないように。彼女との繋がりが、断たれることがないように。
ピッ、という短い電子音の後、缶が落ちた音がした。自動販売機から見慣れた黒一色のパッケージの缶コーヒーを取り出し、プルタブに指をかけた時だった。
「お疲れ様」
そう声をかけられ、零果は振り返る。戸瀬健吾だった。
彼の腕には上着と鞄がある。外回りから帰社したところなのか、それともこれから退社するところなのか、零果には判別がつかない。今の時刻は十九時四十分で、定時である十七時はとっくに過ぎてはいるが、営業部はこの時間帯に外出先から戻って来ることも珍しくはない。
零果が「お疲れ様です」と挨拶を返すと、戸瀬はいつもの穏やかな笑みで「いやー、疲れちゃったなぁ」と言った。その声には本当に疲労の色が滲んでいる。どうやら今、会社に戻って来たところのようだ。
戸瀬がポケットに手を入れた動作を見て、零果は自動販売機の前から場所を譲る。案の定、取り出したのは小銭入れで、彼は移動した零果に礼を言いながら自販機へと硬貨を投入した。
「加治木さんって、いつも遅くまで仕事頑張ってるよね」
「そんなことはありません」
「そう? 頑張ってると思うけどな」
ピッ、と電子音が鳴る。戸瀬の指先が選んだのは、今日の昼にもらったのと同じカフェラテだった。このカフェラテが好物だと言っていたっけ。そう言えば、あの時の詫びを、まだ伝えていなかった。零果は心に貼り付けたまま忘れそうになっていた、黄色い付箋を思い出す。
「今日は、すみませんでした」
「え?」
突然の謝罪の言葉に、戸瀬は目を丸くした。
「お昼に、私のことを気遣ってくださったのに、仕事の手も止めず……それが申し訳なくて……」
「あ、ああ、なんだ。そんな、気にしなくていいのに」
戸瀬は再び笑顔に戻り、穏やかな口調で言う。
「俺の方こそ、ごめんね。忙しいタイミングで声かけちゃったみたいで」
「いえ、戸瀬さんは悪くないです」
零果は首を横に振る。それから、彼の手の中にある缶を見やり、あの時もらったカフェラテのお礼を、どう伝えるべきか悩んで口をつぐんだ。まさか有武にあげてしまったと言う訳にはいかないが、あたかも自分が飲んだかのように話すのも憚られる。零果は、コーヒーは無糖のブラックしか口にしない。カフェラテも決して飲めない訳ではないが、元来、甘いコーヒーは好きではない。しかし、そんな好き嫌いを伝える訳にもいかない。
どうしたものかと思案する零果を、戸瀬は変わらず人当たりの良い笑顔のまま、どこか不思議そうに見つめている。微かに口元から覗く歯の白さ。どうしてそんなに歯が白いんだろう。ホワイトニングでもしているのだろうか。テレビのアナウンサー顔負けの歯の白さだ。
零果は無意識のうちに、有武の黄ばんだ歯を思い出していた。あれはきっと、ヘビースモーカー特有の歯だ。
戸瀬と有武は、まったく違う。戸瀬は、髪型が整っていて、髭もなく、見た目に清潔感がある。近付くと、ほのかに柔軟剤のような良い香りがする。零果は戸瀬が事務員の中で「王子」というあだ名で呼ばれているのを知っているが、そう呼ばれるのも納得できる。外見だけではなく、人当たりも良いし、穏やかで、丁寧だ。営業部での成績も良い。
それに比べて、有武は、不潔で、臭くて、がさつだ。思い付くアイディアは革新的だが、発想が常人離れしていて、たいていの人間はその思考の飛躍について行けない。彼の提案には、それを裏付けるための膨大な資料や説明する時間が必要となる。彼が考案した新システムも、社内で導入されるまでかなりの時間と労力が費やされた。普段の突飛な言動も相まって、商談の成功率はまちまちだ。営業先では彼を気に入っていると言う顧客もいるらしいが、社内での評判はあまり良くない。戸瀬を見ていると、同じ営業部二課所属でも、有武はこうも違うものかと、そんな余計なことをつい考えてしまう。
「加治木さんって、俺のことすごく真っ直ぐ見つめてくれるよね」
そう言われて、零果はあまりにも戸瀬をまじまじと見つめていたことに気付く。慌てて謝った。
「すみません……」
「謝ることないよ。でも、あんまり見つめられると、ちょっと恥ずかしいかな」
戸瀬はいたって穏やかに笑っている。あまりにも爽やかで、嫌味など微塵も感じさせない笑顔。この笑顔に惚れ惚れする女もさぞ多いことだろうな、と零果は思った。ファンクラブができるのも頷ける。
「加治木さん、もし良かったらなんだけど、今度の土日――」
戸瀬が言いかけた、その時。
スマートフォンの着信を知らせるバイブレーションが、人気のない廊下に静かに響き渡る。それは零果のスマホだった。制服のポケットに入れていたそれを取り出し、画面に表示されている発信者の名前を一目見て、彼女は頭を抱えたくなる。
今日は会議があって、その後は会食だと言っていた。時間帯から考えれば、今頃は先方と食事をしているはずだが、それでも電話をかけてくるというのは、何か緊急事態なのか、忘れていた仕事を思い出したか、そのどちらかではないか。そして、そのどちらだとしても、何か今から厄介ごとを頼まれる予感しかない。今日はそろそろ仕事を終えて帰れると思っていたのに。否、会社を出てから仕事を頼まれるよりは、まだマシ��もしれない。
「出なくていいんじゃない?」
戸瀬はそう言った。その声音の固さに、零果は驚いた。彼の表情からはいつの間にか、笑顔が消えていた。
「電話、有武さんからでしょ? また何か、仕事を押し付けようとしているんじゃない? 加治木さんはもう、アシスタントじゃないんだよ?」
戸瀬は真剣だった。零果にはそれがわかった。彼が言っていることが何ひとつ間違ってなどいないということも、わかっていた。それでも、と思うこの気持ちを、どう説明したらいいのだろう。間違っているのは自分だ。それもわかっている。だけど、構わない。零果は画面に表示されている「応答」の文字に指を滑らせた。
「すみません、戸瀬さん。失礼します」
そう小声で告げて、零果は踵を返した。「加治木さん!」と、戸瀬が呼んだのが聞こえたが、振り返ることはしなかった。スマートフォンを耳に当てながら、自分のデスクがある事務部フロアへ続く廊下を小走りに駆ける。
「お疲れ様です。加治木です」
覚悟はできている。たとえこの後、どんな無茶苦茶な依頼をされようとも、必ずそれを成し遂げてみせる。
今まで、そうやって仕事をしてきた。これからも、そうやって仕事をするのだ。ふたりで、一緒に。
休日に喫茶店へ行くことは、加治木零果にとって唯一、趣味と呼べる行動だ。喫茶店で一杯のコーヒーを飲む。ただそれだけの時間を楽しむ。
喫茶店へ誰かと連れ立って行くようなことは、普段は決してないのだが、ときどき、それは本当にときどき、誰かと向かい合ってコーヒーを飲むことがある。
その喫茶店は開店直後だった。営業時間は、午前六時四十五分から。零果がその店に入ったのは、朝七時を回ったところだった。オープン直後である。土曜の朝、客として店にいるのは、ウォーキングの後とおぼしき中年の夫婦が一組。それ以外の客は、昨日から徹夜して働き続けて疲れ果てている零果と、彼女と同じかそれ以上にくたびれた様子の有武朋洋だけだ。
「……こんなに朝早くから営業してる喫茶店なんて、よく知ってましたね」
零果は目の前に置かれたコーヒーカップを見下ろしたま��そう言ったが、向かい合って座っている有武は、まだ火の点いていない煙草を咥えたまま、返事もしなかった。椅子の背にもたれかかって、ただ天井を仰いでいる。
カップへと手を伸ばす。零果が注文したのはグアテマラだった。有武のカップに注がれているのはキリマンジャロだったはずだ。喫茶店に足を運ぶようになった当初、零果は豆の違いなどまったくわからなかった。いろんな店で飲み比べた結果、なんとなく味の違いがわかるようになってきた。
「……もう、徹夜はしんどいなぁ」
零果がコーヒーを飲みながらひと心地ついていると、ぴくりとも動かなかった有武が唐突にそう言って、やっと、右手に握っていたライターで咥えていた煙草に火を点けた。目の下の隈がひどいな、と零果は彼の顔を見て思ったが、今の自分も同じくらいひどい顔をしているのだろうと思って、口には出さなかった。
「何も、徹夜してまで資料作らなくても、良かったんじゃ……」
「でも俺、来週は出張でいないからさ」
今のうちに作業しておかないと。煙を吐きながら、有武はそう言った。
「だからって……無理に今日作らなくても……」
そう言いながらも、零果はさっきまでふたりで行った作業のことを思い出していた。徹夜したとはいえ、ふたりだったから、この時間で終わったとも言える。もしも来週、出張先の有武からひとりでこの資料を作るようを命じられていたら、零果も途方に暮れていただろう。
否、彼女がひとりではできないと踏み、彼はそんな指示を出さないかもしれない。有武がひとりきりで資料を作る……というのもまた、不可能だろうから、アシスタントである桃山に依頼することになるのだろう。彼女であれば、零果よりも短時間で資料作りを完遂させそうだ。
だったら最初から、桃山さんに依頼すればいいのに。なんて言ったら、有武はなんて返事をするだろう。
昨夜、有武から零果にあった着信。会食の後、そのまま帰宅するはずだった彼は、会社へ戻って来た。新しい商品のアイディアを、突然思い付いたのだと言う。そのプレゼンテーションのための資料を今から作るから、手伝ってくれ。有武はそう言った。時刻は夜の八時に近かった。金曜の夜だった。一週間働いて、疲れ果てていた。けれど零果は、彼の言葉に頷いた。そうして、ふたりで作業をしているうちに、夜は明け、朝になった。
何も今やらなくても。零果は何度か、そう言った。しかし、有武が考え付いたことをすぐに形にしたがる性格だということは、もう長い付き合いでわかっていた。今まで何度も、こういう夜があった。休日に突然、呼び出されることもあった。今からですか、今じゃなきゃいけませんか、私じゃないと駄目なんですか。何度も、そう尋ねた。答えはいつだって同じだった。
「どうしても今日、やりたかったんだよねー。加治木さんと、一緒にね」
ずっと天井を仰いでいた有武が、ゾンビのように身体を起こす。澄んだ瞳が零果を見る。目が合いそうになって、思わず零果は目線を逸らした。相変わらずその瞳は、まっすぐ見つめるのも躊躇するような輝きを感じさせる。しかし、これって自分だけなんだろうか。一体、いつから、自分は有武の目を見ることが苦手になったのだろう。
「今日、加治木さん、元気なかったでしょ」
そう言われて、そうだっけ、と零果は記憶を辿る。今日、ではなく、正確には昨日だが、眠らないでいるといつまでも「今日」という日が終わらない感覚は、零果も有武も同じようだ。
そうだった、外階段で煙草を吸っていた有武と話した時、確かに落ち込んでいた。同僚たちの陰口を聞いてしまい、食欲もなかった。零果自身は、もうそんなことは忘れていた。けれど彼は、それを心配してくれていたのか。
「加治木さん、仕事頼んだら元気になってくれるかなって思ってさ」
有武は、そこでやっと自分のコーヒーカップへと手を伸ばした。もうとっくに冷めてしまっているはずだが、キリマンジャロを美味そうに飲む。
「……は?」
対する零果は、有武の発言に呆然とするしかない。励ますために、仕事を頼んだとでも言うつもりなのだろうか。そのために、今さっきまで仕事をしていたのか? 徹夜してまで? 朝の六時まで?
しかし、有武の口調は大真面目だった。
「俺が加治木さんにしてあげられることなんて、仕事を依頼することぐらいだから」
あとは、たまにこうして、一緒にコーヒーを飲むことくらいか。そう付け加えるように言った声音に、零果を案ずる感情が含まれていることに気付いて、文句を言うために開きかけた口を、静かに閉じる。徹夜作業に付き合わせた言い訳に、「励ましたかったから」と言っている訳ではない、ということはわかっていた。
どうして自分は、この人から離れられないのだろう。
仕事なんて断ればいいのに。上司にも、同僚にも、ずっとそう言われてきた。自分だってそう思う。定時を過ぎての残業も、休日出勤も、徹夜作業も、全部断ればいい。それだけのことだ。
それでも、一緒に仕事をしたいと思う。
彼の助けになれたら、と思う。
それが無茶苦茶な依頼であっても、一緒に働くことが楽しいと思える。
身体を壊す前も、そうだった。楽しかったからこそ、身体を壊したのかもしれない。きっと苦痛であったのであれば、もっと早くに音を上げていて、休職するほどにまで自分を追い込まなかっただろう。そう、心身を病んだ時、零果はただの一度も、有武を恨まなかった。彼の仕事の振り方が問題なのだとは思わなかった。一緒に仕事ができたことに感謝したいくらいだった。そのくらい、刺激的な日々だった。もっとも、有武に感謝の気持ちを伝えたことなどないが。
「……今度、焼き肉に行きませんか」
零果は喫茶店の窓の外を見つめ、そう言った。窓の外には静かな土曜日の朝の光景が広がっている。通りはまだ人もまばらだ。老人に連れられたマルチーズが毛足の長い綿毛みたいに、もしゃもしゃと道路を歩いて行く。
「有武さんに焼き肉を奢ってもらったら、元気が出るかもしれません」
零果の言葉に、有武は鼻で笑った。機嫌が良いのだ。わざわざ顔を見なくてもわかる、彼は今、楽しそうに笑っている。
「焼き肉でも寿司でもいいよ。今度一緒に、飯でも行こう」
加治木さんは少食だから、俺の方が食っちゃって、割り勘だと割に合わないから、結局俺が奢ることになりそうだなぁ。ぼやくようにそう言いながら、有武の目線もいつの間にか、窓の外のマルチーズに向けられていた。
ふたりはしばらく、陽の当たる道を綿毛の化身のような犬が遠ざかっていくのを見つめていたが、やがて老人と犬が曲がり角の向こうに見えなくなると、お互い、目線を室内へ戻し、顔を見合わせた。
今度こそ、目が合う。
咄嗟に目を逸らそうとする零果よりも先に、有武が座席から身を乗り出した。目の前にまで迫って来た彼から、零果は飛び上がるように大きく身を引いて逃げる。その様子に、有武はぷっ、と吹き出した。零果は完全に顔を背けたまま、しかめっ面をして無言で怒っていた。
有武は「ごめん、ごめん」と笑いながら、煙草を持っていない方の手を横に振った。
「加治木さんは本当にさぁ、俺と目を合わせてくれないよねぇ。昔からそうだよね」
「……恥ずかしいんです」
「まぁ、俺はそんな加治木さんが好きだけどね」
煙を吐きながらそう言って、有武は短くなった煙草を灰皿に押し付けた。自分のコーヒーカップを持ち上げながら、零果のカップをちらりと見やる。その中身がほとんどなくなっているのを見て、「じゃあ、それ飲んだら出ようか」と、有武は言う。
「……あの、」
「ん?」
「コーヒー、もう一杯飲んでもいいですか」
そう言う零果は、テーブルの上のメニューへ目線を向けている。でも実際に、メニューの文字を読んでいる訳ではない。次に頼むコーヒーをどれにするか、思案している訳でもない。
有武はしばし、そんな零果の横顔を見つめていた。一見、表情の読めない彼女の顔を、じっと見つめた後、彼は口元まで運んでいたコーヒーカップを、そのままソーサーの上へと戻した。そうして、作業服の胸ポケットから煙草を一本取り出して咥えた。
「じゃ、もう少し、ここにいようか」
零果が小さく頷いたのを見届けてから、煙草に火を点ける。
有武は零果の思考を、果たして読み取ったのだろうか。何も言わなくても感じ取ったかもしれない。そのくらいは聡い男だ。微かに緩んだように見えるその表情は、この時間が決して苦痛ではないという証拠だろう。徹夜明けで疲れ切っていても、早く帰りたいと言わないのは、お互い同じ感情だからだと、そう思うのは傲慢だろうか。
「すみません」と、零果が店員を呼んだ。追加のコーヒーを注文するためだ。店の奥から、店員の「少々お待ちください」という声が返って来る。
喫茶店では一杯のコーヒーを飲んだら、すぐに店を出る。それが彼女のルールだった。どんなに美味でも、二杯目を頼むことはない。だが時には例外があっても良いだろう。コーヒーを二杯、飲んだっていい。特別な相手と一緒にいる時だけは。
ふたりで喫茶店へ行くのも、良いかもしれないな。
零果は疲れ果てた頭の片隅で、そんなことを考える。
休日はふたりで喫茶店へ行く。新しい趣味にどうだろう。「それは趣味なのか?」と、有武はきっと、笑うだろう。いつものように、鼻で笑うのだ。でも決して、悪くはない。
頭の中の喫茶店リストを開き、もしも一緒に行くとしたら、どの店にしようか、なんて考える。美味しいキリマンジャロを出す店を、それまでに見つけなくちゃ。心の中の水色の付箋にそれを書く。その水色は、窓の向こうに見える空の色だ。ふたりで徹夜して、迎えた朝の空の色。それはとても澄んでいて、もう一度見たいと思える色。
またこうして、一緒に働けて良かった。
いつかそのことを、本人に伝えよう。
そう思いながら、零果はその水色の付箋を、自身の心にそっと貼り付けた。
了
5 notes
·
View notes
Text
住民の間で、クルド人の評判は悪すぎる。何も悪いことをしていない普通の生活を送る日本人が、勝手に居着いて問題行為を繰り返す外国人、この場合はトルコ国籍のクルド人に迷惑行為を受けて、恐怖、憤り(いきどおり)を感じている。これをおかしい、止めなければならないと、思わない日本人はいないだろう。
9人の意見を上下に分けて掲載する。掲載で連絡が取れなかった人もいるので、修正、削除などが必要な方は、ご一報いただきたい。また身元を明らかにしないなどの配慮から、事実の改変や修正をした部分が少しある。
そして外国人による迷惑行為は移民を拡大する岸田政権の下で、日本のどの地域の人も直面しかねない問題だ。読者の方は「明日は我が身」として、この問題を考えてほしい。日本政府、埼玉県、埼玉県警は国民を守らない。一体何をやっているのか。
目次
女性が拉致の恐怖に直面する
止まない車の暴走行為
日本人を「ヘンナガイジンガイル」と威嚇する子供
公園で放尿、脱糞する幼児
女性が拉致の恐怖に直面する
【20代、女性、大学生、川口市在住、メール】
父の転勤で川口市に高校2年の時から住んでいます。高校は変わりませんでした。引越しした直後に土曜日と週2日ぐらいの約束で、お小遣いのために、××(川口市内の地名)のコンビニで、アルバイトで働くことにしました。3年前(2020年)のことです
当時、街を歩くと中東系の人が多いな程度の感じでしたが、ネットで全く情報がないため、彼らがクルド人ということを知りませんでした。親も街の状況をよく知りませんでした。昼間は彼らの姿は今もあまり見ません。バイト初出勤の時に中東系の男たちが駐車場に集まっていて、気味悪いなあと思いました。そのうち数人が私の方をジロジロ見るのです。新型コロナが流行中でしたがマスクをしていませんでした。
そしていきなりお酒を買いにコンビニに入ってきて、2人が私に「トシハ」「ドコスンデルノ」とレジに立っている私に聞きました。酔っ払っているようでした。日本語は下手でした。私は会計だけを処理して会話をしませんでした。
高校生だったので、6時に勤務時間を切り上げることになっていました。仕事が終わり、自転車で外に出て少し走ると、横に白い乗用車が停められ、一人の男が車を降りて、前に立ち「コンバンワ」と話してきました。車には一人乗っていました。つけてきたのでしょう。おそらく、バイト先で見た男のようでした。前に男がいて右に車があり、横は原っぱで、動けない状況になりました。
秋だったので、すでに日は落ちて暗かったです。私は怖くなって「誰か助けて」と大声で叫びました。すると日本人の運転する車が止まって「どうしましたか」と、窓から顔を出して、声をかけました。2人は「ナンデモナイヨ」と言って、車に乗って走り去りました。私は運良く助かりましたが、もしかしたら拉致されたかもしれません。本当に怖いです。
警察には通報したのですが、話を聞いて、何度か安全確認の電話があって終わりでした。「事件にするのはこれだけでは難しい」と言われました。車のナンバーは、覚えていませんでした。とても怖かったし、バイトは翌日から行くのをやめました。その後のストーカーなどはありませんでした。バイト先と家は離れているので、この男たちはその後、見たことがありません。防犯カメラに顔は写っているはずなので、なんで捕まえられないのか、不思議に思いました。
思い出すたびに今でも腹が立ちますし、怖いです。このような話はあまりしたくなかったのですが、高校の女性の友人に数ヶ月後にすると「私もクルド人らしい中東の男に追い回され、怖い目に遭った」という話が次々に出てきました。
止まない車の暴走行為
【30代、男性、自営業、川口市前川在住、取材】
生まれた時から川口市の前川に住んでいます。私一人で暮らすのはいいのですが、家族が心配です。引越しを考えています。もともと静かな街で、私の家の一画にはクルド人は住んでいないのですが、街中での違法、暴走運転が怖いです。警察のパトロールは増えたのですが(インタビューは9月)、彼らのひどい運転は変わりません。現地では「クルドカー」と言う言葉もあります。クルド人らしい人が危険運転をする車です。
悪いことしているのは、いつも同じ車のようです。道路には監視カメラがあるのですが、なぜ警察は逮捕しないのか不思議です。前川地区は、まっすぐな道が多いのでスピードを出しやすいのです。昔は日本人がスピード違反をして、警察が待ち伏せし、すぐ捕まえていました。ところが今、警察はクルド人の暴走をなぜか捕まえません。
クルド人は、地域から孤立していて、コミュニケーションがありません。自分の住んでいる場所だからか、この近辺で盗みなどはしないようですが、騒音でトラブルになっている家の話は聞きます。何度言っても変わらないようです。解体業で儲けている人はいるようですが、大半の人はあまり生活が良さそうには思えません。それなのに、車だけは高級車、もしくは型落ちの高級車に乗っています。
クルド人の車の暴走が目立つようになったのは2年ぐらい前に思えます。ただ、その前から変わった人たちでした。
5年ほど前、歩きながらキャンデーを食べていて余ったので、クルド人の小学生ぐらいの男の子たち4人が公園にいたので、「あげるよ」と言い、年長の男の子に袋を渡しました。深い考えはありませんでした。日本人の感覚だとみんなで分けようとするでしょう。すると年長の子が独占をしようとして、よこせと他の子が騒ぎ、異国の言葉で掴み合いを始めたのです。そして年長の男の子が、袋を持って走り去りました。小さい頃から協力したり、他人に配慮することを知らないのだと、驚きました。不思議な人たちです。
日本人を「ヘンナガイジンガイル」と威嚇する子供
【60代男性、川口市芝在住、メール】
私は離れたところで警察に状況を説明しました。それで終わりです。帰りがけに、公園をのぞくといなくなっていました。ただし、翌週、公園を遠くから見ると、また子供たちがたむろしていました。同じグループでしょう。
クルド人の子供たちが学校に行かずに、川口市内を集団でうろうろしています。何をしているのかはわかりません。この近辺では、クルド人らしい子供による商店、コンビニでの万引きの話を聞きます。子供たちが放置されています。こんな子供たちが成人になっても、日本に居着くことが心配です。フランスで移民による暴動が今年7月にあったでしょう。暴動を起こしたのは、同化しなかった2世、3世と、石井さん(筆者)の記事で知りました。同じことが川口で起きてほしくありません。
公園で放尿、脱糞する幼児
【30代女性、川口市在住、取材】
クルド人の母親たちが変わっています。20歳前後の若い人が子沢山でいます。そして男は片言の日本語が話せますが、女の人は話しかけても無視し、また日本語がほとんど話せないことが多いです。家にこもっています。
近くの〇〇公園(蕨市内の公園)では、クルド人の小さい子供たちが砂場を独占したり、日本人の子供のおもちゃを奪ったり、公園内で放尿や脱糞をするので、困っています。親がその場にいない時もあるのです。それで私たち日本人の母親がクルド人の若い母親に抗議をすると「ニホンゴワカラナイ」と言って抗議を無視します。躾(しつけ)をしていないのです。
日本人の数が多くなると、クルド人たちはいなくなってしまいます。この1年では、日本人がいなくなる夕方遅くから夜の8時ごろまで、クルド人の子供と母親たちが公園に出てくるようになりました。そこで子供も大人もゴミをポイ捨てします。
以前は、母親たちが夜、子供と公園に集まって、夜10時ごろまでべちゃくちゃしゃべっていました。うるさく迷惑でした。石井さん(筆者)の報道と、市議会の外国人犯罪の取り締まり強化の決議の後の7月ごろから警察がパトロールするようになって、謎の夜のピクニックは見なくなりました。
この公園では、クルド人のボランティアが、清掃活動をしたことがあります。変だなと思ったのが、その掃除の翌日に、クルド人の母子たちがゴミを散らかしていたのです。日本人だったら、そうしたことを気遣いますよね。クルド人同士で連絡が取れていないのか、他人の良い行動に関心がないのか、不思議な人たちです。
はっきり言うと、困った人たちです。政府は川口市の私たちにクルド人を押し付けるのではなく、入国を止めてほしいです。
「教育が壊れる(下)」に続く。
石井孝明 経済記者 with ENERGY運営 ツイッター:@ishiitakaaki メール:[email protected]
8 notes
·
View notes
Text
4.16(火) aquarium.
前日はいつ寝たのかも覚えてなく、目が覚めたら隣で可愛い笑顔で見つめる君。……はぁ、俺世界一幸せ。なんて心の中で思ってはぎゅっとしたものの、不機嫌そうに 「 …後でツイート見るといいよ!!」 って怒られて。全く身に覚えもないのよ。寝てたから。そしたらまあ、可愛らしい理由だったよね。(内容を知りたい方は共同垢のフォローをどうぞ。)俺あるあるなんだけど、寝てる時無意識の中で大吾の頭撫でてるらしい。いや、俺寝ながらも愛でてるの?って驚くよね。前回も言われたけど、今回もやってたみたい。
8時半ぐらいに起きたから、チェックアウトまでには時間もあるし、朝からイチャコラ。あ、そうだ。前日の夜の出来事がまだあってさ。誕生日があったからプレゼントを頂きました。チョイスもまた可愛いんすよ。頑張って俺の好きなの選んでくれたんだなぁって、きゅんポイント。俺からもお揃いのネックレスをあげました。前回逢った時に、俺が付けてたものを大吾に付けてあげてて。お互いバラバラだったから、せっかくならと。喜んで貰えて何よりです。これで離れてる時も一緒な。寂しい時はチャームを撫でてあげて。なーんて。
話しは戻って。散々イチャコラタイムをした後一緒にお風呂に入ってまったり。まだ恥ずかしがる大吾が可愛くて可愛くて。幸せモード全開。お風呂上がって出る準備しながら、前日大吾が買って来てくれてたスイーツを食べて出発。
ずっと今回のデートで色々調べてくれてた大吾は、広が���街並みや景色に感動してたね。小さな事も、大きなリアクションをしてくれるから俺としてはめちゃくちゃ嬉しい。運転中はずっと俺の左手は大吾の右手と重なり合って、赤信号でキスをする。これは何年経っても変わらないルーティーンになる事でしょう。てか運転中の俺を動画で撮られててさ、そんな撮って楽しい?って思ったけど、まあ俺も同じ事をするなって思ったら納得。
目的地に着いて、外観見ただけでまたも感動する大吾。…はい可愛いー。外は暖かくて、風が気持ちよかったなぁ。手を繋いで中に入って。その水族館のキャラクターと写真が撮れます!って感じだったから、並んで撮ったのもいい思い出。ダッフィー以来だよ、俺。ノリノリでカチューシャ付けちゃう大吾は、ちっちゃい子みたいにはしゃいでて愛おしかった。(あ、俺は付けてません。付けろって言われたけど恥ずかしくて…。)
写真撮った後はゆっくりと一つ一つ見て回って、昼頃だったのもあって魚を見た俺は 「 美味しそう。」 を何度言った事だろう。ごめんね、魚ちゃん。その後はイルカのショーを見て水かけられつつ(笑)回ってる間に大吾の事沢山写真に収めて、館内のカフェで遅めのランチ。美味しかったー。にこにこしながらステッカー持ち帰る大吾。もうね、ごめんけど可愛いしか出てこんのよ。甘過ぎませんか?俺って。ま、辞められないんですけどね。食べ終わってお土産買って、この日はリクエストされてたカレーを作るべく俺の地元まで車を走らせ食材買って自宅へ。
俺ん家来るのにソワソワしてたね。テレビ電話では見てたけど、うちの愛犬に会えてどうだった?嫉妬するぐらいにベタベタしてたよな。可愛いなぁ!って連呼する大吾。自分の家に大吾が居るっていう不思議な感覚。でも嬉しかったなぁ。溶け込んでる感じ、将来こうなるんだろうなって想像出来たから。
俺は予定通りにカレーを作りつつ、愛犬と戯れてる大吾。幸せな家庭とはこれじゃね?つって。美味しいって食べてくれるのも俺は幸せだし、隣に居る事がすげえ最強。一緒に風呂入って、同じ布団で眠る夜も。この日も沢山愛し合って、眠りにつきました。



2 notes
·
View notes
Text
今年はジブリ映画をたくさん観れる、な2月(2024年2月の日記)
■2024/2/1 木曜日。2月になったのでここで自分のInstagramのポスト数をチェックしてみましょう。現在2446。自分の日記を確認すると2024年がはじまった時点でのポスト数は2370。2446 - 2370 = 76 なので、自宅と劇場、短編映画もすべてあわせて2024年1月は76本の映画を見れたことになります。これは過去の自分の映画鑑賞と比べてもかなり良いペースなはず。もっと映画が見れなくなる時期もくると思いますが、今年こそ年間700を目指していきたいです。お昼は丸亀製麺にて、釜揚げ大といか天。釜揚げ半額ありがたい。U-NEXT、MyFFFの短編『夏休み』を見る。17時半で仕事を切り上げ東中野へ向かう。群青いろ『FIT』鑑賞@ポレポレ坐。予約フォームから予約してもメールがとんでこないのでとても不安でしたが予約できていたようです。未見の群青いろ過去作が観れて嬉しいな。あとゲストの山本英監督がトークのMC的な役割もはたすというのが面白かった。U-NEXT『特殊作戦部隊:ライオネス』E6を見ながら帰宅。急にモーガン・フリーマン出てきた。
■2024/2/2 金曜日。午前中だけ働き午後半休をいただく。時間ないのでお昼はコンビニご飯です。日比谷へ向かう。移動しながらU-NEXT、MyFFFの短編『戦いとは終わりである』を見る。TOHOシネマズ日比谷にて『ダム・マネー ウォール街を狙え!』鑑賞。TIFFのときにもらったTOHO日比谷のタダ券がついに使える、と思ってたら、でました「この券が使える予定席数に達してます」的な表示。はぁ。こういうとこだぞ、TOHOが嫌われるのは。すぐに渋谷へ移動。Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて『ゴースト・トロピック』と『Here』を連続鑑賞。『Here』のあとにはバス・ドゥヴォス監督、リヨ・ゴンが登壇してのトーク。トーク後にはお二人にサインもいただきました。嬉しい。帰宅してからAmazon Prime Video『Mr. & Mrs. スミス』E1を見る。1話の監督はおなじみヒロ・ムライです。
■2024/2/3 土曜日。この週末はのんびりです。娘と実家へ遊びに行く。Disney+『マイセルフ』を見る。実家の近所のお寺へ、節分なのでたくさん出店が。娘はチョコバナナ、僕はだんごを買って食べる。実家の片づけをしてて懐かしい雑誌を見つけてつい読んでしまう。夕飯はおでんをご馳走になる。娘のリクエストのやつ。最近おでんが好きらしい。帰宅してからApple TV+『マスターズ・オブ・ザ・エアー』E3を見る。おぉマジか。DAZNでサッカーアジア杯日本×イラン戦。ロスタイムPK失点で敗戦。ぐぬぬ。テンションの低いままラフランスさんとDiggin' Disney+収録。途中にお札による中断がありました(気になる方は配信をチェックしてみてください)
■2024/2/4 日曜日。がっつり寝坊。9時ぐらいまで寝てしまった。朝ごはん食べてから図書館へ。本日の外出はこれだけ。Amazon Prime Video「エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~』E3を見る。BSSTO『おじいさんのボート』を見る。音源を1本編集してすぐ配信。Amzon Prime Video『見えざる手のある風景』を見る。U-NEXT『タフ PART Ⅰ 誕生編』を見る。Netflix『死霊のはらわた ライジング』を見る。clubhouseにて、U-NEXT『ロッキー』同時視聴に参加。追悼カール・ウェザース。10年ぶりぐらいに『ロッキー』1作目を見たけどミッキーとのくだりでグッときちゃうな。夜中まで映画駄話をして寝る。駄話をしながら実はメルマガの原稿も書いている。
■2024/2/5 月曜日。なんか雪が降る予報。朝ウォーキングは問題なしでした。お昼にOKにランチを買いに行くときについに雪がちらつきはじまる。降ってきたなぁ。お昼休みにU-NEXT、MyFFFの短編『オアシス』を見る。午後いそがしくて集中して仕事をしていたら、いつの間にか外はがっつり積雪。これは会社の最寄り駅から出てる電車がヤバそうなので早めに帰ろうかな、と思っていたらなんとすでに止まっているとの情報。うーん、ちょっと対応が遅かった。電車通勤組はピンチ。そこで車通勤の先輩が電車が動いている駅まで送ってくれるというので、お言葉に甘えて僕を含む電車通勤組3人は八王子駅まで乗せてもらう。いやー助かった。バスも並んでいたからなぁ。動いている電車も遅れまくっていて、時間がかかりつつも無事帰宅。帰宅してからWOWOWオンデマンド『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』S2E3を見る。WOWOWオンデマンド『Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック』を見る。夜は遅い時間からラロッカさんとDiggin' Netflix収録。明日は通勤できないかな。
■2024/2/6 火曜日。うーむ、頑張れば通勤できそうだけど転んだりしたらイヤなのでやめておこう。本日は在宅勤務。自分は現在なるべく出勤での勤務、という勤務形態なのですがいざというときに在宅に切り替えられるようになったのがここ数年での功罪でしょうか。U-NEXT、MyFFFの短編『カナダでの暮らし』を見る。これで今年のMyFFFの短編作品、見れるやつはすべて見れただろう。なかなか本数が多くて見応えがありましたね。長編も見たいけどどうしよう。Diggin'のお題にしようかな。お昼は家にあるもので貧乏とん平焼き。なんか2年以上やってたフル在宅勤務時代を思い出す。Amazon Prime Video『Mr. & Mrs. スミス』E2を見る。ゲストはジョン・タトゥーロ。午後になると娘が下校してきてなかなか仕事に集中できない状態となる。わが家はあまり在宅勤務に対して協力的じゃないのと、Wi-Fiがイマイチなのでやはり会社で仕事する方がいいな。U-NEXT『タフ PARTⅡ 復讐篇』を見る。音源を1本編集。BS録画『特攻野郎Aチーム』S2E2を見る。ゲストはマコ岩松。
■2024/2/7 水曜日。まだ積雪の残る道を慎重に歩いて朝ウォーキングはできた。通勤しながらNetflix『毒』を見る。やはり会社の方が仕事はしやすい。インタラプトはかかりまくるようになるのですが。お昼休みにAmazon Prime Video『Mr. & Mrs. スミス』E3を見る。夜は音源を1本編集。U-NEXT『タフ PARTⅢ ビジネス殺戮篇』を見る。BS録画『特攻野郎Aチーム』S2E3を見る。
■2024/2/8 木曜日。まだ積雪が残っているところがあるので気をつけながら朝ウォーキング。通勤中にNetflix『ネズミ捕りの男』を見る。お昼は丸亀製麺にて、豚ちゃんぽんうどん並。写真を撮り忘れてしまいくやしい。Amazon Prime Video『Mr. & Mrs. スミス』E4を見る。スーパーハイリスク。BS録画『特攻野郎Aチーム』S2E4を見る。午後、久々に仕事関係でしんどい状況になって頭痛。はー。追い込まれすぎないようにしないと。帰るのも遅くなってしまった。WOWOWオンデマンド『ミッドナイト・マーダー・ライブ』を見る。音源を1本編集したら寝よう、と思っていたらラスト10分ぐらいのところで寝落ち。なんとか仕上げて寝る。
■2024/2/9 金曜日。通勤の電車、あきらかに乗っている人がいつもの半分ぐらいなんですけどなんでだ。Netflix『白鳥』を見る。お昼はマクドナルドにてスイートチリ えびフィレオ。WOWOWオンデマンド『メイヤー・オブ・キングスタウン』S2E1を見る。夕方、会社からフランス映画祭のチケ取り。けっこう高い。仕事終わりで立川へ。『瞳をとじて』鑑賞@ kino cinéma 立川高島屋S.C.館。感想ツイートでは書くのを忘れたけど犬がかわいい。ラフランスさんたちが話していたclubhouseを聴きながら帰宅。Amazon Prime Video『沈黙の艦隊』E1を見る。
■2024/2/10 土曜日。3連休だーー!(「紅だーー!」の感じで読んでください)BSSTO『結婚記念日のプレゼント』を見る。調布へ。調布シネマフェスティバル2024『紅の豚』観賞@イオンシネマ シアタス調布。今年もありがとうございます、調布シネフェスさん。帰宅してからAmazon Prime Video「エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~』E4を見る。Amazon Prime Video『沈黙の艦隊』E2を見る。BS録画『特攻野郎Aチーム』S2E5を見る。なんと後半へ続く、で終わった。前後編エピソードってあるのか。音源を1本編集。夜はclubhouseにて、U-NEXT『ロッキー2』同時視聴に参加。追悼カール・ウェザース。久々に見て、あれ?これも『クリード』がオマージュでやってる部分かな、という部分を見つける。発見がありますね。そして深い時間まで映画駄話をして寝る。
■2024/2/11 日曜日。今日はのんびり娘と過ごす。U-NEXT『恋する極道』を見る。娘と実家へ。だらだらする。Apple TV+『マスターズ・オブ・ザ・エアー』E4を見る。Amazon Prime Video『沈黙の艦隊』E3を見る。BS録画『特攻野郎Aチーム』S2E6を見る。床屋に行って散髪。床屋のおじさんに「眠そうだったねぇ」と云われる。いつも床屋だとウトウトしちゃうけど、今日は特に眠かった。夕飯は両親も一緒にスシローへ。いわし天のやつがうまかったです。帰宅してからU-NEXT『タフ PART IV 血の収穫篇』を見る。Amazon Prime Video『私が熟れた季節』を見る。
■2024/2/12 3連休でお休みの月曜日。ありがたい。朝から昭島へ。MOVIX昭島にて『ジェントルマン』鑑賞。わざわざラフランスさんが昭島まで遠征して同回を観ていたのでいっしょにモリタウンの韓国料理屋でランチ。昭島まで来てくれるのはなんか嬉しいですね。また来てください。帰宅したら同じく昭島に出かけていたはずの娘が先に帰宅していた。どこでご飯食べたの?と聞いたらモスバーガーと云っていた。僕らが韓国料理食べる間にすぐ近くでモスを食べていたようですね。WOWOWオンデマンド『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』S2E4を見る。昭島図書館へ行って本を借りたり返したり。U-NEXT『友達の家』を見る。Amazon Prime Video『沈黙の艦隊』E4を見る。Netflix『ラバー、ストーカー、キラー』を見る。ある時点で、マジかよ、となるドキュメンタリー。U-NEXT『愛欲のセラピー』を見る。早めにベッドで横になってスマホで録画したテレビ番組とか見ようと思ったけど横になったらもうダメだな。すぐに寝落ち。
■2024/2/13 火曜日。通勤しながらU-NEXT『マスマティックな夕暮れ』を見る。お昼休みにAmazon Prime Video『Mr. & Mrs. スミス』E5を見る。ロン・パールマンを守るミッション。ミーティングが多い1日だ。ペマチェテン特集、初週の上映時間が発表されたけど全日13:45からってムリすぎるだろうよそれは。仕事終わりで昭島へ。Amazon Prime Video『沈黙の艦隊』E5を見る。MOVIX昭島で『夜明けのすべて』鑑賞。帰宅して遅い夕飯を食べて、シャワー浴びて、ベッドに入ってできれば映画を1本を見ようとしたけど秒で寝てた。
■2024/2/14 水曜日。昨夜は早く寝たはずだけど、早起きできるということではない。通勤しながらU-NEXT『志ず江』を見る。昼休みにAmazon Prime Video『Mr. & Mrs. スミス』E6を見る。ゲストはサラ・ポール��ン。ワン・ビン傑作選の作品とスケジュールが出た。『鉄西区』あるなぁ。どうしよう。帰宅してからAmazon Prime Video『沈黙の艦隊』E6を見る。WOWOWオンデマンド『警官の血』を見る。気づけばもう二日後にライムスターの武道館である。ライムスターのアルバムを集中して聴く。
■2024/2/15 木曜日。春ですかね?ってぐらいの気温。通勤途中でBSSTO『プフ!』を見る。お昼はマクドナルドにて、たまごダブルのセット。Amazon Prime Video『Mr. & Mrs. スミス』E7を見る。ゲストはミカエラ・コール。帰宅してからNetflix『忍びの家 House of Ninjas』E1を見る。WOWOWオンデマンド『あつい胸さわぎ』を見る。けっこう同じところで泣いちゃうな。
■2024/2/16 金曜日。通勤途中にBSSTO『プールサイドで』を見る。午前中だけ働き午後半休をいただく。有楽町へ。移動しながら U-NEXT『THE CURSE/ザ・カース』E1を見る。チェリートマトボーイズ。ペマ・ツェテン監督特別追悼特集上映『タルロ』鑑賞@ヒュートラ有楽町。九段下へ移動。時間があったので飯田橋の方までふらふらと歩き、TOKYO SUNFLOWER IIDABASHIできまぐれS.F.温うどんを食べる。早めの夕食だな。そしてRHYMESTERの武道館へ。席は1階東のB列。アリーナではないけどステージ近くでいい席でしょう。1階席の入場列に並びはじめ、すぐに後ろから声をかけられた。ひろ君とあべ君だ。もともと僕モテ読者繋がりで出会い、以前は会ったりもしていたけど、SNS上からも姿を消ししばらく会っていなかった2人だ。近況を話したりする。誰かに会うかなぁとは思っていたけど、まさかの2人に会えてしまった。そしてRHYMESTERはとても楽しかったです。豪華ゲストはわかっていたけど、けっこう嬉しかったのはMASTA SIMONの登場。2023年でMIGHTY CROWNがサウンドの活動を休止してしまって、それと同時に長年やっていたラジオ番組も終了してしまった。毎週のように聴いていたその声を武道館で聴けてぐっときました。hy4_4yhやスチャダラのところも良かったです。帰宅しながらAmazon Prime Video『沈黙の艦隊』E7を見る。帰宅してからWOWOWオ��デマンド『TAR』を見る。吹替でははじめてだ。
■2024/2/17 土曜日。BSSTO『山の上のダリ』を見る。早めのお昼を食べてから有楽町へ向かう。移動しながらAmazon Prime Video「エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~』E5を見る。いきなり1時間40分もあるエピソード。と思っていたら雨傘運動を描いていた。このために時代設定が10年前ぐらいだったのか。ペマ・ツェテン監督特別追悼特集上映『ティメー・クンデンを探して』鑑賞@ヒュートラ有楽町。帰りの電車でAmazon Prime Video『沈黙の艦隊』E8を見る。これで完走。けっこう潜水艦ものとしての面白さはありましたけど、シーズン2作れるんですかねぇ。Netflix『オリオンと暗闇』を見る。U-NEXT『男はつらいよ 寅次郎頑張れ!』を見る。なるべくマンスリーで順番に見ている寅さんですけど、先月1本とばして見てしまっていたことが判明。一作戻って本作を見たのですがまったくもって何の支障もありませんでした。
■2024/2/18 日曜日。BSSTO『アリスとひまわり』を見る。自転車で昭島図書館へ。娘の本を借りたり返したり。Apple TV+『マスターズ・オブ・ザ・エアー』E5を見る。しんどい状況になってきた。Amazon Prime Video『ヴァチカンのエクソシスト』を見る。吹替で。Amazon Prime Video『オペレーション・フォーチュン』を見る。吹替で。夕方から東中野へ向かう。『雨降って、ジ・エンド。』観賞@ポレポレ東中野。上映後には群青いろのお二人と、ゲストのまつむらしんご監督のトークあり。昔からの映画仲間、という3人のトーク狙いでこの回を観に行ったんですけど、あと3時間ぐらい聴きたい感じの内容でした。トークのあと、群青いろのお二人からパンフにサインをもらう。どうしても質問したい部分があったので、ロビーにいたまつむら監督にその点を質問させてもらった。まつむら監督の映画『あつい胸さわぎ』のある要素について、脚本(高橋泉)にあったのかどうかについて。答えは脚本ですでに書かれていたとのこと。これは『雨降って、ジ・エンド。』と共通するような要素で、しかも時系列的には『雨降って~』の脚本を先に高橋監督が書いているんですよね。面白い。気さくに質問に答えてくれるまつむら監督も優しい。帰りの電車でWOWOWオンデマンド『WOLF 殺人鬼の狂宴』E1を見る。Netflix『忍びの家 House of Ninjas』E2を見る。WOWOWオンデマンド『タフ PARTⅤ 殺しのアンソロジー』を見る。
■2024/2/19 月曜日。今日はミーティングがいっぱい。お昼休みにBSSTO『ドラゴン騎士団』を見る。WOWOWオンデマンド『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』S2E5を見る。クリスティン・チャペルが最高です。仕事終わりで立川へ。松屋にて復刻のシュクメルリ鍋定食。熱々なので食べるのに時間がかかります。Netflix『忍びの家 House of Ninjas』E3を見る。kino cinéma 立川高島屋S.C.館にて『梟 フクロウ』鑑賞。帰りの電車でBS録画『特攻野郎Aチーム』S2E7を見る。WOWOWオンデマンド『ペインテッド・デザート タフ劇場版』を見る。
■2024/2/20 火曜日。朝ウォーキングは断念、出勤前に八王子の耳鼻科へ向かう。移動の電車にてBSSTO『燃えよ!プチドラゴン』を見る。これは楽しい短編映画だったなぁ。ここ数年お世話になっている八王子の耳鼻科、診察が1分ぐらいで終わって花粉症の薬の処方箋を出してくれる。ありがたい。薬局も含め早く終わって11時前には出勤できたのでフレックスで吸収。半休を使わずにすんだぞ。お昼はマクドナルドにて、マックチキンのセット。500円、ワンコインでありがたい。Amazon Prime Video『Mr. & Mrs. スミス』E8を見る。これで完走。ラストはドナルド・グローヴァー監督回。単純なスパイものになるとは思っていなかったけど、けっこう面白いドラマでした。楽しめた。今日から上位のマネージャーが日本にきているので夕方に大きな会議室でのミーティング。急にコメント求められたらどうしよう、といつも思ってしまう。帰りの電車でNetflix『忍びの家 House of Ninjas』E4を見る。WOWOWオンデマンド『スクリーム6』を見る。寝る前に1時間ほど読書。なんて余裕のある1日。そして花粉症の薬を飲むことを忘れない。
■2024/2/21 水曜日。天気が微妙であったが朝ウォーキングへ。大丈夫でした。お昼は丸亀製麺にて、かけ並ときす天。BSSTO『白いブランケット』を見る。なるほど、時代背景をぼんやりさせているとこがうまい。しかしまだまだ寒いですね。帰宅してからApple TV+『コンステレーション』E1を見る。最後の10分ぐらいでいきなり何が起きているのかわからなくなる構成。Netflix『忍びの家 House of Ninjas』E5を見る。娘が約束の時間を守らず動画を見続けていたので怒ってしまう。今は1日のうちで顔をあわせる時間が少ないのだからこうやって怒りたくないんだお父さんは。Netflix『BAD LANDS バッド・ランズ』を見る。もう少しいろいろやりたかったがダメだ眠い。聴いてるradikoも超遅れ進行。
■2024/2/22 木曜日。なぜか、今日から3連休だー!という気持ちで起きてしまったがそれは明日からだった。今日も仕事だという絶望。雨が降っていたけど朝ウォーキングを強行。靴が汚れるしリュックは濡れてしまうな。お昼に食べたファミマの直巻タイプのおにぎり、さば麻辣のパンチがヤバい。仕事を切り上げようとすると急ぎのメールがくる、というのを繰り返して帰るのが遅くなってしまった。帰宅してからNetflix『アバター:伝説の少年アン』E1を見る。Netflix『忍びの家 House of Ninjas』E6を見る。自宅映画鑑賞スケジュールに余裕が出てきたので、いよいよ今月の『007』を見ようかな、と楽しみにしていたのになんとAmazon Prime Videoでの見放題配信がなくなっていた。ウソだろ~。しょうがないから代わりにU-NEXTにてフィンチャーの『ゲーム』を見る。なんでこのタイミングでこの映画を見直したのかは秘密です。
■2024/2/23 祝日の金曜日。3連休だー。BSSTO『Mr.マーベラス』を見る。WOWOWオンデマンド『スター・トレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』S2E6を見る。西武線を乗り継いで所沢方面へ。本当は航空公園に近いうどん屋でお昼を食べたかったのですが「しばらく休業」のはり紙が。残念。代打として調べておいた武蔵野うどん 竹國 新所沢店へ。肉汁うどん大盛。大盛550gを食べて800円。水曜・金曜はおかわりできるってことであつもりで1玉おかわりしてしまった。トータル800gぐらい食べてお腹いっぱい。若い頃は1kgぐらい余裕で食べてたんですけど食べれなくなりました。新所沢レッツシネパークへ。さよなら興行 シネパークで楽しむ最後の映画たち『SR サイタマノラッパー』観賞。上映後トークには入江悠監督、名優 駒木根隆介、上鈴木兄弟、山本タカアキさんが登壇。けっこうたっぷりトークの時間があり、久々に名優のフリースタイルも炸裂。トーク後には監督、名優、TKD先輩に『SR サイタマノラッパー』文庫本にサインをいただいた。僕モテ読者仲間、ラムネさん、まるゆさん、ウーガンさんにも会えた。ありがとう新所沢レッツシネパーク。僕はさらに『となりトトロ』も観賞。今月は『紅の豚』と『トトロ』を観た月となりました。なんてことだ。帰りの道中もぜんぜんお腹はすかず。帰宅したら夕飯はうどんでしたがぜんぜん美味しくいただきました。Netflix『忍びの家 House of Ninjas』E7を見る。U-NEXT『トマホーク ガンマンVS食人族』を見る。わけあって見直したんですけどやはりめちゃくちゃ面白いな。
■2024/2/24 土曜日。BSSTO『スローンはネックフェイスに恋する』を見る。早めのお昼を家で食べてから有楽町へ向かう。その道中でAmazon Prime Video「エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~』E6を見る。これで完走。うーむ、悔しいが自分は本作の良さがうまく理解できなかった感じ。ペマ・ツェテン監督特別追悼特集上映『静かなるマニ石』鑑賞@ヒュートラ有楽町。昨日「またどこかで」と云って別れたはずのまるゆさんにもう再会した。帰りの電車でDAZNにてJ1開幕戦、セレッソ×FC東京戦を途中から見る。完全にセレッソが内容的に上回っていたけど2対2のドロー。最寄りのスーパー、ヤオコーでおやつカンパニーのカールっぽいお菓子を見つけたので買う。チーズ味とカレー味があって、味の設定もカールっぽい。Netflix『忍びの家 House of Ninjas』E8を見る。これで完走。現代を舞台にした忍者もの、をすごいストレートにやった感がありますが、変にひねってないのが良かったと思います。Netflix『ポップスが最高に輝いた夜』を見る。U-NEXT『オール・ダート・ロード・テイスト・オブ・ソルト』を見る。
■2024/2/25 日曜日。朝、僕しか起きてこないので優雅なひととき。朝食を食べながらBSSTO『ユキの異常な体質/ または僕はどれほどお金がほしいか』を見る。『桃を煮るひと』(くどうれいん)読了。まつむらしんご監督が紹介していて読んで本。たぶん。Apple TV+『マスターズ・オブ・ザ・エアー』E6を見る。午後、雨ですね。自転車はきついので歩いて昭島図書館へ。娘が借りていた本が大量で、亀仙流の修行のようです。で予約していた本も大量なので帰りも修行。MOVIX昭島にて『マダム・ウェブ』鑑賞。WOWOWオンデマンド『新宿黒社会 チャイナマフィア戦争』を見る。U-NEXT『ファニー・ページ』を見る。ZAZENの新譜を聴きながら映画の感想をいろいろ考えてから寝る。
■2024/2/26 月曜日。今日は朝早い時間からミーティングがあるので朝ウォーキングを断念。電車で出勤です。鴨ウォッチングもできないので困りますよね。お昼休みにWOWOWオンデマンド『夜明け』を見る。なんか今日は目がしょぼしょぼ。花粉かな。目薬使ってもダメな感じ。きつい。仕事帰りの道中でApple TV+『コンステレーション』E2を見る。まるで『ゼロ・グラビティ』な感動エピソードでしたが、またラストで混乱。何が起きているんだこれ。U-NEXT『バッド・エデュケーション』を見る。BS録画『特攻野郎Aチーム』S2E8を見る。イシヤマさんとDiggin' U-NEXT収録。遅い時間になってしまい申し訳ない。あと本編で僕が『タフ』シリーズ全6作を見た話をするのをすっかり忘れてしまったので収録終わったあとにイシヤマさんだけに話しました。
■2024/2/27 火曜日。通勤の道中でWOWOWオンデマンド『そそがれ』を見る。マクドナルドでお昼食べながらApple TV+『コンステレーション』E3を見る。帰宅して僕モテメルマガの仕上げ。U-NEXTで映画を見ていたがぜんぜん見終わらず。夜遅い時間からけんす君、なんすけ君とDiggin' Amazon Prime Video収録。やはり今年のDiggin' アマプラは作品選定基準を変えたことでけっこう雰囲気が変わった感あります。
■2024/2/28 水曜日。午前は在宅で働き午後半休をいただく水曜日。朝ゆっくりできるな、と思って寝ていたけど予定より1時間ほどゆっくりしすぎてしまった。朝食トースト食べながらメールチェック。しかも午前中の最後の方に急ぎのメールが連続し対応。お昼食べる時間がなくなってしまった。バタバタと家を出て吉祥寺へ向かう。移動しながらWOWOWオンデマンド『GET SET GO』を見る。UPLINK吉祥寺で『落下の解剖学』鑑賞。こんな平日の昼間の回なのにおそらく満席だった。こうゆう集客になるのって意味がわからない。映画観終わってからとても中途半端な時間だけど松屋にて、シャリアピンソースハンバーグ定食を食べる。水道橋に移動。移動しながらApple TV+『コンステレーション』E4を見る。やっと起きてることの意味がわかってきた。ZAZEN BOYS TOUR MATSURI SESSION 2024@ TOKYO DOME CITY HALL。会場前で写真を撮っているチートイツさんを発見。いっしょに入場してソフトドリンクで乾杯。久々に近況を話す。僕の席は2階席だったけど、めずらしい角度で見れてこれはこれで良かった。ニューアルバム「らんど」の楽曲。これからどう変化していくのか。次は5月の野音かな。楽しみです。帰りながらDisney+『SHOGUN 将軍』E1を見る。帰宅してからU-NEXT『最も危険な遊戯』を見る。
■2024/2/29 木曜日。お昼はコンビニ飯。気になっていたファミマのおにぎり、スパイシーツナを食べる。WOWOWオンデマンド『in-side-out』を見る。森山未來監督作。脚本は岩井秀人、音楽は岩崎太整。チェルフィッチュの影響を感じる。午後のミーティングでひじょうに憔悴。これは大変なことになったかもしれない。でもなんとか進めないとな。帰宅しながらDisney+『SHOGUN 将軍』E2を見る。けっこう話が難しい。澤井杏奈、『パチンコ Pachinko』『モナーク: レガシー・オブ・モンスターズ』に続きこの『SHOGUN 将軍』出演てことで海外ドラマで売れまくっていますね。ついにDAZNを解約。FC東京の試合目当てで割高でも契約を続けてきたわけですが、その高い金額設定に対し月額1000円値上げはどう考えてもムリです。JリーグはBSでやってくれる試合とかを楽しみに見たいと思います。雨が降っていたのでMCTOSの参加は断念。そんな理由で参加を断念するのは僕ぐらいでしょうね。U-NEXT『スペアキー』を見る。さて月末。短い2月ではありますが、映画的にトピックはいくつもあった。『Here』上映後トークにバス・ドゥヴォス監督。ル・シネマのこのトーク付き上映は去年に続き本当に素晴らしい。パンフにサインもいただけた。調布シネフェスで『紅の豚』を観れて、新所沢レッツシネパークさよなら興行では『となりのトトロ』も観れた。1月の『もののけ姫』もあわせるととんでもない宮崎駿監��作連続鑑賞。ペマ・ツェテン監督特別追悼特集上映で3本鑑賞。追悼特集であることが本当に残念ですが特集上映ありがとうございました。『雨降って、ジ・エンド。』上映後に群青いろ×まつむらしんご監督のトーク。以前から話を聞いてみてかった3者のトークがついに。新所沢レッツシネパークさよなら興行の『SR サイタマノラッパー』。入江監督×名優×TKD先輩のトークも最高。皆さんに会えるだけでもう嬉しい。そんな感じで仕事は大変ですけど、映画LIFEはとても楽しかった2月も終わり。
2 notes
·
View notes
Text

2024.1.6sat_tokyo
鳥の声で目が覚めた。ちゅんちゅんちゅん。こんな朝の起き方理想的すぎないかと思うのだが、朝、雀がめっちゃ庭に来る。ちゅんちゅんちゅん。
と言っても今は10時、正月の名残ということで昨日はわざと目覚ましをかけずに寝た。わざとじゃなく1月3日は目覚ましをかけ忘れて、新年最初のイベントには遅刻した。
昨日も朝から稼働した担当イベントの後に23時までコワーキングのラウンジでご飯も食べずに仕事した。えらい。帰ってから夜中に能登のニュースをずっと見てしまったので眠い。昨日は好きな人たちとたくさん話したし、地味に疲れて本当に体が動かないので、2度寝する。 11時にむくっと起きる。昨日水につけておいた小豆を炊く。大きい小豆のお汁粉大好き。いつも一応ちゃんと飾るお飾りも鏡餅も、なんだか気持ちが乗らなくてできなかったので、鏡餅用に買った餅を飾らないまま焼く。切り込みも入れたのに、ちくびみたいなお餅が焼けてしまった。おもろいな〜。
来週は甲府にも行くし(楽しみにしてた天然ラジウム増富温泉・不楼閣にいく!)、夜もずっと予定があるので、今日明日はいろんな仕事を終わらせておきたいので頑張る。
15時、また動けなくなって地面に横になる。布団は危険だからだめ。こんな日は結構珍しいのだが、頭が考えることでパンクしてるのも影響してる気がする。無理すぎる。目を瞑る。考えることがたくさんある。GAZAのこと、戦争のこと、能登半島のこと、自分のこと、家族のこと、仕事のこと、近い未来のこと。
こういう時は音楽も、映画も、色々を見るのがキャパオーバーで難しくなる。なので家で作業する時はずっと無音。だけど、写真だけはみたい気がしていて、写美で始まったホンマタカシさんと、 松蔭美術館の牛腸茂雄さんや瀧口修造さんの展示は見逃さずに行きたいとぼんやり思う。
身体は地面に垂直のまま、石川県輪島市の知人である漆工の桐本滉平くんのインスタのストーリーをチェックする。今回の地震で、代々守られてきた、明治時代に工房として建てられた自宅が全壊全焼したと投稿していた。リアルな景色に目を覆いたくなるけれど、ニュースでは得られない、桐本くんのまさに今を切り取っている投稿を見ながら、今できることを考える。といっても寄付くらいしかできないのかもしれない。でも、こうやって遠くでも想うことができること、情報が共有できる時代というのは、本当に希望も多くある。 桐本くんは元旦から今もずっと、輪島の未来や、会ったことのない誰かを救うために、全力で動いていて、避難所のこと、道のこと、今この瞬間のみんなが必要な情報をSNSで発信し続けている。きっと本当に多くの人がこの投稿に助けられている。
私の1/1の16時6分は、埼玉のおばあちゃんちで10数人の親戚一同で集まっている時だった。お寿司を食べて、ビンゴ大会の手前でこの地震が起きた。まずはじめに私の携帯が聞きたくない大きな音で鳴った。その30秒後くらいにみ��なの携帯が鳴って、すぐ地震が起きた。自分の携帯にはYahooの災害アプリが入っていて、画面には36秒後に地震が起きますと書いてあった。たった30秒だけれど、みんなの携帯とは30秒の差があったのだった。親の携帯にもアプリを入れなければ。そのままテレビをつけて、地震の情報を流しながらみんなで過ごした。私はXを見ながら地震や津波の情報を集めまくる。石川県には大事な友達たちもいる。途中お母さんが、血圧が高めで眩暈がすると横になりに寝室に行ったが、私は変わらず画面に張り付けになっていて、横にいたいとこの旦那のわたるくんが「ニュースも気になるけど僕は寝室の方が心配だよ」と言ってくれて、まさに…と思って、寝室に様子を見に行った。気持ちを落ち着かせながらその場にはいたけれど、帰る前に寝てた身体を起こして、お母さんから渡された”幸せが訪れますように”と書かれた封筒には3万円とビール券が入っていて、北の国からの泥だらけの1万円札くらい使えねえよ…………………………。とか考えながら、帰宅する電車の中でいろんな気持ちになり小さくバレないように泣いてしまった。
地震のSNSのこと。尊敬する、信頼する人たちからの情報はなるべく信じたい。そうなのだけど、発信をすることについて、映画監督の枝さんが信憑性の話をしていて、シェアができない、というようなことをSNSに綴っていた。良心を騙すような、いろんな詐欺も起きていて、ちゃんと調べてから行動したいと思いつつ、今は瞬発力なのではと思ったり、寒い季節がやってくるよなあと、頭がごちゃごちゃする。寄付について考えているとき、わざわざの平田はる香さんが「被災地に感情移入しすぎて普段の生活を失わないように。寄付はできる範囲で継続的に。1万円を一回より千円を10回百円10回でも。長期間にわたって支援しよう」と書いていて、まさにそう、1回で満足しないで、何度でも、と頷いたり。でも、自分の暮らしもちゃんとしなくちゃとか、ぐるぐるする。
ガバッと起きて、下北沢ボーナストラックに向かう。自転車で10分ちょっと。ギャラリースペースではカレンダーマーケットが開催中で、友達や自分がお誘いした出店者さんがいるので、挨拶をしに。到着してすぐにミヤジが良いカレンダーを案内してくれておもろい。ビール飲んで、ゲラゲラしながら、出店中のヤマグチナナコちゃんと、SAITOEさんに阿部龍一ブースの良さを発表して満足する。阿部の作品や思考は本当に素晴らしい。
同施設内にあるキッチンスペースでは、今日は養生家の鈴ことさなえさんと、mizudoriのまみさんが出店していて、場所を管理しているりさPが、紹介したいと言って連れて行ってくれた。以前山梨の0-siteで開催されたイベントで、ちまきとホットワインを購入したことがあって、さらに昨年末にeatrip soilで開催のイベントでも見かけて気づいてくれていたらしく、その話もしつつ嬉しい再開。美味しい白味噌の雑煮と、出汁割り、おこぼれで微発泡の日本酒、出汁もご馳走になる。残り福。���体にあったお出汁や日本酒のことをお話しして、一息つく。ほっとする。今年一緒に何かやりたいな〜とお話する。嬉しい。
続けてラウンジで残って仕事をしようと思ったけど、真っ直ぐ帰宅する。帰り道、怒鳴りながら自転車を漕いでる人がいて、「こわ〜」と思いながら、私が動線を塞いだようになった瞬間に(絶対に悪くない)罵倒されてしまったが、心を無にして道を変えたら、矛先がなくなったからか、さらに大きな声で背中越しにまた罵倒された。さらに無になって大きく深呼吸して、「あの人にもあの人なりの理由があるのだ」とほんの少しだけ思考して、記憶装置から抹消した。毎日いろんな人がいろんなことを抱えて生きてる。
さっきお雑煮食べたので、夕飯は野菜だけのサラダにする。菜の花が美味しいよ〜。そのまま残った仕事をしながら、明日も担当のイベントがあるので早く寝なくちゃとお風呂に入ろうと思ったところ、建築集団 々の野崎将太さんが、インスタライブをしていたので開く。実際に野崎さんは地震が起きてすぐに被災地に向かっていて、現地で簡易トイレを作ったり、生のその日の様子をレポートしつつ、今何をするべきなのかを投稿に残していた。野崎さんとは1回しか会ったことがないけど、仲の良い友人たちが信頼している人で、場作りも含めて作る建築は本当にかっこいいなあと思う。人としても。今回はあやおさんという実際に被災をした方と話す機会を設けていて、報道やSNSで流れていることと、実際に体感したことの違いや、これから起こりえること、今実際に起きていることなどを話していた。現状、今は被災した家に侵入する盗難が多発しているらしく、家を守るために車中泊して見張っている人も多くいるという。被災地が渋滞になるから、ボランティアに来ないでくださいという投稿もよく見るけれど、実際緊急物資などは、一般の人が通れない大きな道を使っているので、現状実際には関係ないこと、スカスカの道もあること、言ってるようにすごく渋滞している道もあること、だけどそれは明日にはわからないこと、被災地には本当に若者がいないことなどを丁寧に話してくれた。これから雪深くなり、外に出れていた人が避難所の中だけで過ごすようになることでのストレスのことなど、本当に今起きていることを話してくれていた。
あと、桐本くんが、地震直後、楽天モバイルだけが使えたことや楽天のキャリアが一番先に避難所に到着して救われたことを書いていて、忘れないようにしようとか。災害メモ作らなきゃとか。色々また巡ってしまい整理する。野崎さんは、阪神淡路大震災の時の経験が、今回の行動にもつながっているというようなことを話していた。身近な友達のアグネスも阪神淡路を経験していて、出かけるときはコンセントを全て抜くと話していた。私は3.11の時も京都に住んでいたので、大きな地震は経験したことがない。
お風呂に入った後に、GAZAのことを発信してくれている波田野州平くんのストーリーもチェックする。自分じゃ拾えない情報を集めてくれて、ずっと発信してくれている。戦争も本当にやだよ。自分にできることも考えるけど、もうちょっと勉強をすることもしなくては。自分は無知すぎる。 (そういえば1/13-19まで下高井戸シネマで2019年作の「ガザ 素顔の日常」という映画が上映される!見なければ)
お正月に起きたいろんなこと、秋から続く悲しい出来事、全部ぜんぶ終わりますように。願うし、動きたいし、できること考えたい。でも、まずは自分が悲しくなって倒れないように、心のケアもしつつ。メディアからも距離をとることをちゃんとして、一人で考えないで、隣の誰かと話すこと。会話して安心すること、みんなが考えてることを知ること。何もできなくてもちゃんと想ってるだけでもいいと思う。あとテンション上がりすぎないように、ちょっと落ち着くこと。余裕が無くならないように、自分のことも考えること。深刻になりすぎないように日常を過ごすこと。この日記も、そういう安心の場になるといいなといつも思う。日常をみんなに綴ってもらえるというかけがえのないこと、を、続けたいです。
元旦から文章にしたくて、自分の番じゃないけど日記を書いてしまいました。こんなことを考えながら、1m以上ある立派な泥ごぼうを夜中に炊き、ホクホクのごぼうができたよ。うまいです。幸せ。明日は楽しみにしてる新年会もあるのです。みんなに会えるの嬉しい。おやすみなさい。
-プロフィール- 鷹取愛 東京 山ト波
4 notes
·
View notes