#副業する際の注意点
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dreamabcd · 8 months ago
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ari0921 · 1 month ago
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和七年(2025年)5月17日(土曜日)
     通巻第8786号 
 米国、突然115%の値引き 米中妥協の背景に何があったか
  KEYはやっぱりレアアース?
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 米中の貿易交渉は関税率をめぐって5月10日から二日間、スイスで開催された。ジュネーブ郊外の瀟洒な別荘。会議の情景は写真が一枚。この高官同士の交渉に、米国からはベッセント財務長官とグレアUSTR代表。中国からは何立峰副首相が出席し、結果的にアメリカは115%の「値引き」に応じた。
フェンタニル問題で、王小洪(公安相)も会議に派遣されたとウォールストリートジャーナルが伝えた。
なにしろトランプ政権が制裁目的で提示した145%という高関税は、中国の生命線たる輸出の息の根を止めかねない。したがって「最後まで付き合う」と放言しつつも、中国も必死で妥協点を探った。 
 中国はまずアメリカの弱点を突いた。
第一に先端産業の象徴ボーイングへ発注していた航空機の受け取りをペンディングとした。この措置は5月13日に解除された。
第二にトランプの支持基盤である農業州に狙いを定め、中国は大豆、小麦、トウモロコシなどの輸入先を南米諸国へ切り替える。これは1月半ばから中国政府が実施してきた措置だ。さらに4月4日からは米国から輸入する鶏肉や小麦、トウモロコシなどに15%、大豆、豚肉、牛肉、水産物、野菜、乳製品などに10%の追加関税を課した。
トランプを熱狂的に支持した農業州から悲鳴が挙がった。
第三が半導体、自動車、宇宙航空産業に必須の材料レアアースの輸出規制強化だった。もっともトランプ政権も中国製造のスマホは例外としてきた。
アップルは90%が中国での組み立てである。アメリカがもつカードは知的財産権分野が圧倒的で、部品を含むMADE IN CHINAの排撃が主眼。したがって留学生の制限、スパイ取締強化、講師学園閉鎖など様々な手段を講じてきた。
高関税は第一にサプライチェーンの寸断を招き、その悪影響は想像した以上に広範囲に拡がっていた。第二にアメリカにインフレが襲った。日常の生活用品は殆どが中国であり個人的購買はTEMU、SHEINなど小型郵送品である。
 突然の115%値引き成立はおそらくレアアースでの妥協が引き金だろう。
 中国の譲歩の目玉はレアアース規制の一部緩和である。中国政府は7種の希土類金属の輸出規制を撤廃する用意があると示唆した。
 4月4日に中国が発動していたレアアース規制により一部のレアアースは二倍に暴騰していた。
自動車とスマホに死活的な材料ゆえ日本企業もトバッチリをうける。
日米はこれまでに供給元の多角化を急ぎ、アフリカ、オーストラリア、ウクライナ、中央アジアで代替鉱物を輸入してきたものの、鉱山開発には巨額と歳月を要するため中国からの供給を歓迎した。
他方、中国が制裁逃れで第三国で、たとえば繊維製品はベトナム、バングラで生産し、あるいは半導体をマレーシア、シンガポールなどのダミーを経由して輸入しているように、中国産レアアースは第三国を通じて行われる。くわえての中国的特質は密瑜である。しかしそれでも不足するため、レアアースが交渉の焦点となった。
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kennak · 7 months ago
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私の手元に、古ぼけた書類の束がある。手製の表紙をめくると目に入ってくるのは軍の最高機密を意味する「軍機」の朱印だ。昭和16年12月8日、日米開戦の象徴となった真珠湾攻撃に関する詳細な計画、命令書である。なぜこんなものが私の元に来たのか、そして軍の機密のその中身とは――。 「進藤三郎」という男 昭和15年9月13日、圧倒的勝利に終わった零戦のデビュー戦を指揮し、漢口基地に帰還した進藤三郎大尉 平成12(2000)年2月2日、ひとりの元海軍少佐が88年の生涯を終えた。その人の名は進藤三郎。太平洋戦争に興味のある人ならまず知らない人はいないであろう戦闘機乗りである。 進藤は昭和15(1940)年9月13日、制式採用されたばかりの零式艦上戦闘機(零戦)13機を率い、中国・重慶上空で中華民国空軍のソ連製戦闘機33機と交戦、27機を撃墜(日本側記録。中華民国側記録では被撃墜13機、被弾損傷11機)、空戦による零戦の損失ゼロという鮮烈なデビュー戦を飾った。続いて、昭和16(1941)年12月8日のハワイ・真珠湾攻撃では、空母赤城戦闘機分隊長として第二次発進部隊制空隊の零戦35機を率いた。その後、激戦地ラバウルの第五八二海軍航空隊飛行隊長、空母龍鳳飛行長などを歴任し、筑波海軍航空隊飛行長として派遣先の福知山基地で終戦を迎えた。 戦後はトラック運転手や福島県の沼沢鉱山長などの職を転々としたのち、生家のある広島に戻って東洋工業株式会社に入社、出向した山口マツダで常務取締役まで務めた。 戦争中はその華々しい「活躍」がしばしば新聞にも載るほど���名な��軍軍人だったが、戦後は一転して平凡な会社員生活で、戦争の話はよほど心を許した相手にしか、最後まですることを好まなかった。 進藤が保管していた書類に入る前に、進藤自身の「真珠湾攻撃」について、1996年から99年にかけての私のインタビューをもとに再現しよう。 突然の転勤命令 昭和16年4月、新編された当時の赤城戦闘機隊搭乗員たち。中列中央・飛行隊長板谷茂少佐、その右・分隊長進藤三郎大尉。このメンバーのうち数人は、のちに第五航空戦隊に異動した 昭和14(1939)年、ドイツ軍がポーランドに侵攻したことに端を発する欧州での大戦は、日本がドイツと軍事同盟を結んだことで、もはや対岸の火事とは言えなくなっていた。日米関係は悪化の一途をたどり、昭和16年7月28日、日本軍の南部仏印進駐を機に、アメリカは日本への石油輸出を全面的に禁止、イギリス、オランダもこれに同調する。世にいう「ABCD包囲網」である。 この制裁措置は、石油その他の工業物資の多くをアメリカからの輸入に依存してきた日本にとって、まさに死命を制するものだったった。米英蘭との戦争は、もはや不可避と考えられた。海軍も、極秘裏に開戦準備に入る。 航空母艦赤城、加賀の第一航空戦隊、蒼龍、飛龍の第二航空戦隊を主力に、第一航空艦隊(一航艦=司令長官・南雲忠一中将)が新たに編成されたのは、昭和16(1941)年4月のことである。一航艦は、空母と少数の駆逐艦だけで編成されたが、実戦に際しては、臨時に配属する速力の速い戦艦、巡洋艦、駆逐艦などを合わせ、これが世界初の試みとなる「機動部隊」として作戦に従事することになっていた。 進藤は、機動部隊の編成にともなう人事異動で、南雲中将の座乗する旗艦赤城の戦闘機分隊長に転勤を命ぜられた。進藤の直接の上官、赤城戦闘機隊の飛行隊長は板谷茂少佐である。 「支那事変での長く続いた戦地勤務で、私の体は疲れ切っていました。できれば今度は内地の練習航空隊の教官配置につけてもらえないかと思っていた矢先の転勤命令。空母乗組は“搭乗員の華”、誰もが羨む配置なんですが、正直なところ、はじめはうんざりしましたね」 と、進藤は振り返る。 猛訓練で体が悲鳴を上げていた 機動部隊の旗艦・空母赤城。巡洋戦艦を建造中に空母に改装。当時世界最大級の航空母艦だった 空母搭載の飛行機隊は、洋上訓練や出撃のとき以外は���陸上基地で訓練を行うのを常としていた。搭乗員が揃うと、赤城戦闘機隊は、鹿児島・鴨池基地を拠点に、飛行訓練を開始した。 まずは、搭乗員全員の零戦での慣熟飛行から始まり、着艦訓練の前段階として、母艦の飛行甲板を想定した、飛行場の限られた範囲に飛行機をピタリと着陸させる定着訓練が行われる。5月になると空戦、無線電話、着艦訓練と、訓練もより実戦的になり、空戦訓練は、1機対1機の単機空戦よりもチームワークを重視する編隊空戦に重点が置かれ、2機対3機、3機対6機の編隊同士の空戦訓練が、実戦さながらに行なわれた。吹流しを標的とする射撃訓練も、さかんに行われた。 9月に入ると空母翔鶴、瑞鶴からなる第五航空戦隊が新たに機動部隊に加わり、赤城の搭乗員の一部は五航戦に転勤する。進藤の回想。 「猛訓練が進むにつれ、疲労がどうしようもないほど蓄積してきました。体がだるく、食欲もない。8月には黄疸の症状も出始め、周囲から『君の目は黄色いじゃないか』と言われるほどでした。これはもう、海軍をクビになっても仕方がない、休暇療養を願い出ようと決心したんですが……」 ところが、そう決心した矢先の、進藤の記憶によれば10月1日頃、各航空戦隊の司令官、幕僚、空母の艦長、飛行長、飛行隊長クラスの幹部が、志布志湾に停泊中の赤城の参謀長室に集められ、ここで南雲中将より、「絶対他言無用」との前置きのもと、真珠湾攻撃計画が伝えられた。航空参謀・源田実中佐からは、この作戦に対応するための訓練を急ピッチで進める旨の指示もあった。 少佐の本音 揚子江上空を飛ぶ零戦一一型。進藤大尉が撮影した 「しまった。これを聞いたからには、休ませてくれとは言えないな」 と、進藤は観念したと言う。傍らにいた板谷少佐が、やや興奮の面持ちで、 「進藤君、こりゃ、しっかりやらんといかんな」 と、声をかけてきた。だが、解散が告げられ、基地に帰る内火艇に乗り込むときに、 「俺たちはただ命令通りに死力を尽くして戦うだけだが、その後始末はどうやってつけるつもりなのかな」 と、誰にともなくつぶやいた板谷少佐の言葉がいつまでも心に残った。こちらのほうが本音なんだろうな、と進藤は思った。 昭和16年10月には、戦闘機隊の訓練は仕上げの段階に入りつつあった。訓練項目に航法通信訓練が加えられ、コンパスと、波頭を目視して判断する風向、風力を頼りに長距離を飛ぶ三角航法、無線でモールス信号を受信する訓練などが行なわれた。高高度飛行の訓練も実施され、耐���グリスを塗った20ミリ機銃による、高度8000メートルでの射撃訓練も行われた。一航戦では、18機対18機の大規模な空戦訓練も実施された。二航戦は9機対9機、五航戦は3機対3機までしかできなかったという。 11月に入ると、志布志湾に機動部隊の6隻の空母と飛行機が集められ、11月3日、南雲中将より機動部隊の各艦長にハワイ作戦実施が伝達された。その日の夜半、「特別集合訓練」が発動され、翌4日から3日間にわたって、全機全力をもって、佐伯湾を真珠湾に見立てた攻撃訓練が、作戦に定められた通りの手順で行なわれた。 〈十一月四日 「ハワイ」攻撃ヲ想定 第一次攻撃隊 〇七〇〇(注:午前7時)発進、第二次攻撃隊〇八三〇発進。十一月五日 第一次〇六〇〇、第二次〇七三〇。十一月六日〇五〇〇ヨリ訓練開始〉 と、進藤はメモに書き残している。11月6日には、戦闘機隊が半数ずつ、攻撃隊と邀撃(ようげき)隊の二手にわかれ、攻撃隊はいかに敵戦闘機の邀撃を排除して攻撃を成功させるか、邀撃隊はいかに攻撃隊を撃退するか、という訓練も行なわれた。激しい訓練で、攻撃隊の九九式艦上爆撃機のなかには不時着する機も出た。 特別集合訓練が終了すると、赤城、蒼龍は横須賀、加賀、飛龍は佐世保、翔鶴、瑞鶴は呉と、それぞれの母港に入って準備を行い、飛行機隊はふたたび、陸上基地に戻って訓練を続けた。このとき、戦闘機が洋上で単機になってしまった場合に備えて、無線帰投方位測定機(クルシー)を使っての帰投訓練が熊本放送局の電波を利用して実施されている。 覚悟を決めた日 第二次発進部隊制空隊(零戦)指揮官・進藤三郎大尉の命令書(軍機) 11月中旬には、各母艦は飛行機隊を収容し、可燃物、私物の陸揚げや兵器弾薬、食糧の最後の積み込みを終え、佐伯湾に集結した。 赤城が佐伯湾を出たのは、11月18日のことである。行動を隠匿するため、出航と同時に、各艦は厳重な無線封鎖を実施した。 空母6隻を主力とする機動部隊は北へ向かい、千島列島の択捉島(えとろふとう)単冠湾(ひとかっぷわん)に集結した。湾の西に見える単冠山は、すでに裾まで雪に覆われていた。11月24日、6隻の空母の全搭乗員が赤城に集められ、真珠湾の全景模型を前に、米軍の状況説明と作戦の打ち合わせが行われた。機動部隊の行動についてはもちろん、攻撃隊の編成や各隊ごとの無線周波数など、詳細な作戦計画が、すでにでき上がっていた。進藤が保管していた機密書類はこの日の日付から始まっている。 11月26日、機動部隊は単冠湾を抜錨、各艦、単冠山に向かって副砲、高角砲の試射を行った。凍てつく空気に、砲声が轟いた。艦隊はそのまま針路を東にとった。 「自信を持って戦いに臨める。しか��、今度こそは生きて帰れないだろうな」 と、進藤は、遠ざかってゆく雪の単冠山を見ながら、しばし物思いにふけった。 時化模様の航海が続いた。護衛の戦艦、巡洋艦、駆逐艦、補給船、潜水艦など、総勢31隻もの艦隊を、隠密裏にハワイ北方までたどり着かせなければならない赤城艦上の機動部隊司令部は緊張の連続だった。 12月1日、機動部隊は日付変更線を越えた。機動部隊は日本時間で行動するので、時差で時間感覚がずれてくる。この日の御前会議で、日本は英米との開戦を決定する。 12月2日、「新高山ノボレ 一二〇八」 という暗号電報が、聯合艦隊司令部より届いた。これは、「X日(開戦日)を12月8日とす」という意味である。開戦は、12月8日午前零時と決まった。ただし、日米の外交交渉次第では、まだ作戦が中止になることもあり得る。しかし反転命令は出ず、矢はついに弦を放れた。 12月8日午前1時半(日本時間)。第一次発進部隊が次々と6隻の空母を発艦した。 第一次発進部隊は、零戦43機、九九艦爆51機、九七艦攻89機(うち雷撃隊40機、水平爆撃隊49機)、計183機で、総指揮官は淵田美津雄中佐である。第一次攻撃では、雷撃隊が二列に並んで停泊している米戦艦の外側の艦を攻撃、水平爆撃隊が上空より内側の艦を爆撃する。さらに艦爆隊は飛行場施設を爆撃することになっていた。 そこらじゅうで火柱が 九九式艦上爆撃機。急降下爆撃を行う 機動部隊の各母艦では、第一次の発艦後、すぐに第二次発進部隊の準備が始められた。 第二次は零戦36機、九九艦爆78機、九七艦攻(水平爆撃のみ)54機、計168機が発艦し、うち零戦1機と艦爆2機が故障で引き返している。こんどは、艦爆が第一次で撃ちもらした敵艦と飛行場を狙い、艦攻が敵飛行場を水平爆撃することになっていた。 赤城から発艦するのは、零戦9機と九九艦爆18機。2時13分、進藤の搭乗する零戦、A1(本来はローマ数字だが、機種依存文字のためアラビア数字で表記)‐102号機は、その先頭を切って発艦した。第二次発進部隊の総指揮官は瑞鶴艦攻隊の嶋崎重和少佐、進藤は、制空隊(零戦隊)全体の指揮官を務める。 「第一次の発進を見送ったときにはさすがに興奮しましたが、いざ自分が発進する段になると平常心に戻りました。真珠湾に向け進撃中、クルシーのスイッチを入れたら、ホノルル放送が聞こえてきた。陽気な音楽が流れていたのが突然止まって早口の英語でワイワイ言い出したから、これは第一次の連中やってるな、と奇襲成功を確信しました」 第一次に遅れること約1時間、真珠湾上空に差しかかると、湾内はすでに爆煙に覆われ、ものすごい火柱が上がっていた。心配した敵戦闘機の姿も見えない。空戦がなければ地上銃撃が零戦隊の主任務になる。進藤はバンクを振って(機体を左右に傾ける合図で)各隊ごとに散開し、それぞれの目標に向かうことを命じた。 「艦攻の水平爆撃が終わるのを待って、私は赤城の零戦9機を率いてヒッカム飛行場に銃撃に入りました。しかし、敵の対空砲火はものすごかったですね。飛行場は黒煙に覆われていましたが、風上に数機のB-17が確認でき、それを銃撃しました。高度を下げると、きな臭いにおいが鼻をつき、あまりの煙に戦果の確認も困難なほどでした。それで、銃撃を二撃で切り上げて、いったん上昇したんですが」 頭によぎった最悪のシナリオ 開戦を告げる昭和16年12月9日の新聞紙面 銃撃を続行しようにも、煙で目標が視認できず、味方同士の空中衝突の危険も懸念された。進藤は、あらかじめ最終的な戦果確認を命じられていたので、高度を1000メートル以下にまで下げ、単機でふたたび真珠湾上空に戻った。 「立ちのぼる黒煙の間から、上甲板まで海中に没したり、横転して赤腹を見せている敵艦が見えますが、海が浅いので、沈没したかどうかまでは判断できないもののほうが多い。それでも、噴き上がる炎や爆煙、次々に起こる誘爆のすさまじさを見れば、完膚なきまでにやっつけたことはまちがいなさそうだと思いました。胸がすくような喜びがふつふつと湧いてくる。 しかしそれと同時に、ここで枕を蹴飛ばしたのはいいが、目を覚ましたアメリカが、このまま黙って降参するわけがない、という思いも胸中をよぎります。私は昭和8年、少尉候補生のときの遠洋航海でアメリカに行き、そのケタ違いの国力と豊かさをまのあたりにしていますから、タダで済むはずがないことは容易に想像できる。これだけ派手に攻撃を仕掛けたら、もはや引き返すことはできまい。戦争は行くところまで行くだろう、そうなれば日本は…………負けることになるかもしれないと、このときふと考えました」 空襲を終えた攻撃隊、制空隊は、次々と母艦に帰投し、各指揮官が発着艦指揮所の前に搭乗員を集め、戦果を集計した。進藤は、赤城の艦爆隊と合流して帰還した。南雲中将が、わざわざ艦橋から飛行甲板上に下りてきて、「ご苦労だった」と進藤の手を握った。 ほどなく、最後まで真珠湾上空にとどまっていた総指揮官・淵田中佐の九七艦攻が帰艦する。大戦果の報に、艦内は沸き立った。しかし日本側にとって残念なことに、いるはずの敵空母は真珠湾に在泊していなかった。 艦上では、第三次発進部隊の準備が進められている。蒼龍の二航戦司令官・山口多聞少将からは、蒼龍、飛龍の発艦準備が完了したとの信号が送られてきた。しかし、南雲中将は、第三次発進部隊の発艦をとりやめ、日本への帰投針路をとることを命じた。 激しい戦闘の代償 日本機の空襲を受ける���ワイ・真珠湾の米艦隊 「当然もう一度出撃するつもりで、戦闘配食のぼた餅を食いながら準備をしていましたが、中止になったと聞いて、正直ホッとしました。詰めが甘いな、とは思いましたが…………」 体調不良を押してここまできたが、ようやく��務が果たせた。緊張の糸が切れた進藤は、そのまま士官室の祝宴にも出ず、私室で寝込んでしまった。 真珠湾攻撃で日本側は、米戦艦4隻と標的艦1隻を撃沈したのをはじめ、戦艦4隻、その他13隻に大きな損害を与え、飛行機231機を撃墜、あるいは撃破するなどの戦果を挙げた。資料によって異なるが、米側の死者・行方不明者は2402名、負傷者1382名を数えた。いっぽう、日本側の損失は、飛行機29機(第一次9機、第二次20機。うち零戦9機、九九艦爆15機、九七艦攻5機)と特殊潜航艇5隻で、戦死者は64名(うち飛行機搭乗員55名。別に、12月9日、上空哨戒の零戦1機が着艦に失敗、搭乗員1名死亡)。米軍の激しい対空砲火を浴びて、要修理の飛行機は100機あまりにのぼった。 ――ちなみに、真珠湾攻撃当時、連合艦隊司令長官・山本五十六大将57歳、機動部隊指揮官・南雲忠一中将54歳、航空参謀・源田実中佐37歳、攻撃隊総指揮官・淵田美津雄中佐39歳、第二次発進部隊指揮官・島崎重和少佐33歳、雷撃隊指揮官・村田重治少佐32歳、第一次制空隊指揮官・板谷茂少佐32歳、第二次制空隊指揮官・進藤三郎大尉30歳、加賀戦闘機分隊長・志賀淑雄大尉27歳、そして昭和天皇40歳だった。 真珠湾攻撃の帰途、二航戦の蒼龍、飛龍は、ウェーク島攻略作戦に参加するため、本隊を離れた。残る赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴は、12月23日から24日にかけ瀬戸内海・柱島の泊地に投錨する。各艦の飛行機隊は、零戦隊は佐伯基地経由で岩国基地へ、艦爆、艦攻は鹿屋基地経由で宇佐基地へと向かい、ここでしばしの休養が与えられた。 進藤は、12月25日、岩国基地から呉海軍病院に直行し、軍医の診察を受けた。診断の結果は、「航空神経症兼『カタール性』黄疸」、二週間の加療が必要とのことで、そのまま入院することになった。十二月三十日付で赤城分隊長の職を解かれ、さしあたって任務のない「呉鎮守府附」の辞令が出る。この日から広島の生家での転地療養が認められ、進藤は、ひさびさに正月を両親と迎えることができた。 再び始まる苦しい戦い 昭和17年11月、進藤大尉がラバウルに向け出発直前、東京駅にて 「海鷲・進藤大尉」の帰郷は誰からともなく近所に伝わり、毎日のように真珠湾の話をねだりに客がやってくる。子供たちは、道で進藤の姿を認めると、憧憬のまなざしで、直立不動になって挙手の敬礼をした。 真珠湾攻撃から���った進藤は、療養生活を送ること2ヵ月半、ようやく黄疸の症状もおさまり、昭和17(1942)年2月12日、〈大分海軍航空隊司令ノ命ヲ受ケ服務スベシ〉の辞令を受けて大分空に着任。四月一日、戦闘機搭乗員の訓練部隊として徳島海軍航空隊が新たに創設されると、その飛行隊長兼教官に補せられた。 最前線・ニューブリテン島ラバウルで作戦中の第五八二海軍航空隊飛行隊長兼分隊長への転勤辞令が出たのは、昭和17年11月8日のことである。処分しそびれていた真珠湾攻撃の軍機書類の保管を元海軍機関大佐の父に託してラバウルに向かう。五八二空に着任したとき、進藤は新たに部下となる隊員たちに、 「海軍戦闘機隊のモットーは編隊協同空戦だ。搭乗員が戦果を挙げる陰には、整備員や兵器員といった裏方の努力が不可欠である。けっして一人の手柄を立てようなどとは思わず、より長く、より強く、一致団結して戦い抜くように」 と訓示をした。そして、進藤の長く苦しい戦いがここから始まる。
1941年12月8日の「真珠湾攻撃」に「零戦35機」を率いて参加した当事者の「貴重な証言」(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
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moko1590m · 2 months ago
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ラジオ番組が秘密裏にAIをパーソナリティに起用、半年後にようやく気付かれ物議 marusatta (著)・パルモ (編集) 公開:2025-05-09・更新:2025-05-09  オーストラリアのラジオ局が、AIが生成した女性パーソナリティー音楽番組で起用していたことが判明した。  この番組は一部のリスナーが、「彼女」の発声するフレーズがどの場面でも同じであることに気づくまで、6か月間放送され続けたという。ということは半年はAIであることがバレなかったのだ。 広告の下に記事が続いています  指摘を受けて、局側はようやくパーソナリティーがAIであったことを認めたが、リスナーはもちろん業界からも多くの反発を招くことになってしまった。 ラジオ番組に正体不明の女性パーソナリティーが登場  2024年、オーストラリア・ラジオ・ネットワーク(ARN)傘下にある放送局CADAは、Thy(サイ)という名の新しいパーソナリティーを起用した新番組、「Workdays with Thy(サイのワークデイズ)」の放送をシドニーで開始した。 まずは聴いて、きっとハマる! 平日の午前11時から午後3時まで。仕事中も運転中も、通勤・通学の電車の中や大学でも。「Thy」は世界中から最新・最熱の楽曲をセレクトして、あなたにお届けします。 音楽のプロたちが厳選した、今チャートを賑わせている曲や、これから一気にバズるであろう注目の一曲まで。 番組でいち早くチェック���て、「それ、前から知ってたよ」って友だちにちょっと自慢しちゃいましょう。 ヒップホップ、R&Bはもちろん、ポップやダンスミュージックの最前線もバッチリ網羅。今聴いても色あせない懐かしの名曲もたっぷりとお届けします。 なんだか今日はちょっと気分が乗らないな…そんなときは、ThyとCADAがあなたの1日にエナジーとバイブスをチャージ! テンションを上げたいときは、ここに戻ってきてね! この画像を大きなサイズで見る CADA放送局のサイトに掲載された「Thy」のポートレート? image credit: CADA  だがこのThyがどんな人物なのか、プロフィールは一切公開されておらず、その容姿や年齢、経歴などは謎に包まれていた。 広告の下に記事が続いています  シドニー在住のライター、ステファニー・クームズさんは、自身のブログにこう書いた。 Thyの名字は? 彼女はいったい誰? どこから来たの? この番組のプレゼンターであるはずの女性についての経歴や詳しい情報が一切ないんです 音声を分析した結果AIであることが判明  毎日4時間も放送を担当しているにもかかわらず、バックグラウンドが何も見えてこない。そのことで、彼女の存在に疑問を抱くリスナーが徐々に増えて行った。  そして一部のリスナーたちが、彼女が繰り返して使う「old school(昔ながらの)」といったフレーズが全く同じように聞こえることに気づき、音声分析を開始。その結果、Thyが実は人間ではないという疑惑は決定的なものとなった。 この画像を大きなサイズで見る image credit:Pixabay 視聴者に暴かれてからAIであることを公表  この疑惑を受け、オーストラリア・ラジオ・ネットワーク(ARN)は声明を発表。  「Thy」はARN社の財務部門に実際に所属する従業員の声と容姿をモデリングし、音声複製ソフトを扱うElevenLabs社の技術で作り上げたAIであることを初めて公表した。  番組のプロジェクトリーダーであるフェイド・トーメ氏は、次のように説明している。 マイクもスタジオも使わず、あるのはコードとバイブスだけ。これは、ARNとElevenLabsによる「ライブラジオ」の概念そのものに挑戦する実験的な取り組みなのです。 Thyは実在の人物ではないにもかかわらず、本物の人間のように聞こえるし、実際にファンが存在しています  きっとみんな、Thyの番組がどんなものだったか知りたくなったと思う。一部の音声を流している動画を見つけてきたので、0.57から1:23あたりを見てほしい。 広告の下に記事が続いています Why hire a non-white DJ when you could just generate one with AI ?  どうだろう。みんなの耳にはAIに聞こえただろうか。それとも、普通の人間によるしゃべりに聞こえただろうか。 「AIパーソナリティー」には人種問題も絡んでいた?  現在、オーストラリアでは放送メディアにおけるAIの使用を禁止する規定はない。だが、今回の件が明らかになると、業界内からは大きな反発が起きた。  オーストラリア声優協会のテレサ・リム副会長は、とくに「Thy」の見た目がアジア系オーストラリア人であることにも触れ、以下のように批判する。 パーソナリティーがAIであることを、最初から正直に明らかにすべきでした。AIであると明言されていなかったため、人々は本物の人間だと勘違いしてしまいました。 ラジオと広告業界で活躍するアジア系オーストラリア人女性の声優兼プレゼンターとして、この業界初の動きはさまざまな意味で不快だと感じています。 彼女がただの「ハリボテ」だったと知って、失望感が決定的になりました。オーストラリアにはアジア系オーストラリア人の女性プレゼンターは限られた数しかいないんです。 だから、そのうちの誰かにチャンスを与えるべきです。すでに厳しい状況にある少数派から、貴重な機会を奪わないでほしい  今回の件はAIを起用したことだけいとどまらず、人種的な観点からも問題となっているようだ。  先述のステファニーさんもこのように問題を提起している。 ARNのラジオ番組に出演しているパーソナリティの顔ぶれは、非常に「白人的」です。私はARNが全国展開している三大ブランド、KIIS、GOLD・CADAのパーソナリティーをすべて確認してみました。 合計9つの放送局を調べたところ、「多様性がある」と外見から判断できるのは、たった1人だけでした。 そして、その「1人」とは、「Thy」だったんです この画像を大きなサイズで見る image credit:Pixabay 生成AIの放送メディアにおける活用の課題と可能性  批判が大きくなると、ARNは声明を発表した。だが、そこでは人種問題に関しては触れられていない。 広告の下に記事が続いています これは世界中の放送局が探求している分野であり、この試験運用からは貴重な知見が得られました。 この試験運用は、真に魅力的なコンテンツを創出する上で、実在のパーソナリティが持つど力を改めて浮き彫りにするものです。 私たちは新しい技術がどのように素晴らしいコンテンツをサポートできるか、そしてその成果を向上させられるかを検討しています  生成AIの進化にともない、YouTubeやTikTokなどで公開されている動画を見ても、どれがAIでどれがホンモノなのかを見分けるのが難しくなってきている。  そういった動画のコメント欄を見ると、明らかにAIとわかる動画を本物だと思い込んでいる人も見受けられるし、逆に本物の動画をAIと決めつける人もいる。  ディープフェイクの問題も深刻だ。政治・経済・軍事に関連する動画や有名人のスキャンダルも簡単にAIが生成し、SNSで拡散されてしまう時代なのだ。 この画像を大きなサイズで見る image credit:Pixabay  シドニーの技術ジャーナリスト、スティーブン・フェネッチさんは、この件に関して次のようにコメントしている。 政府が介入して、AIに��するガイドラインやガードレールを設け、どのように責任を持って使用することができるかを決める必要がある���思います。 ARNが実証したように、この種のテクノロジーが実際にマイクを握る人の代わりをするのは非常に簡単です。しかし、それが雇用を犠牲にするものであってはいけません。 かつてアメリカの脚本家や監督たちは、自分たちの仕事を守るためにストライキを起こしました。だから、同じような働きかけが、全国のメディアで必要だと思います  だが一般のリスナーからは、AIパーソナリティーへの困惑とともに、既存のメディアへの批判も聞こえて来る。 アナウンサーだって上司に言われたことをそのまま繰り返すだけなのに、何が違うわけ? メディアがこれを批判しているのが笑える 一体何が問題なの? AIは本来、低価値の仕事を自動化し、経費を削減するもの。AIを攻撃する人たちは、蒸気機関や電車、自動車、シンセサイザーを禁止しようとする人たちと基本的に同じだと思う AIなんて馬鹿げてるわ。国民の半分がインターネットに依存しているんだから、それが全部シャットダウンしたら、みんな気が狂うんじゃない? 私の家には普通のテレビしかないからハッピーよ。携帯電話が使えなくなっても別に困らないわ。固定電話の方がいいもの。昔ながらのやり方が一番よ 犬や孫たちと遊んでいるのが一番幸せ。次に読書ね。百科事典を読破したわ テレビのコメンテーターたちの顔もAI生成に見えてきたよ 何か月もみんな問題なく聴いていたんだから、そのまま続けてたらいいんじゃない? AIに関するあらゆる情報には免責事項を付記すべき。さもなくば何も信じず、あらゆることに疑いを持ち、提示されるすべてのことを批判的に考えるべき  ARNはThyがAIであったことを認め、番組を終了したが、現在のところ謝罪のコメントは出していない。  テレサさんはAIの有用性も認めつつ、次のように警笛を鳴らしている。 AIは、適切な保護措置が講じられるならば、AIは放送において非常に強力で前向きなツールとなりえるでしょう。 放送メディアにとって、信憑性と真実性はとても重要です。国民は、放送される内容の出どころが何であるかを知る権利があります。 AIが高度に発達して規制が困難になる前に、今このような議論をする必要があると思います  生成AIの進化はあまりにも早過ぎて、法的な面やコンセンサスといった部分の整備が追いついていないようにも見える。  何度も繰り返しになるが、AIの有用性は認めた上で、その活用の方法や方向性を考えていくべきであるのは間違いない。  問題はやはり、議論が追いつく前に技術や実用化が先に進んでしまっている点にあるのではないだろうか。  みんなはAIパーソナリティーが登場したらすぐに見分けられる? 編集長パルモのコメント パルモの表情、普通 パルモ 日本語ってすごく繊細で、独特の間とかリズム感とかあるから、欧米で開発された生成AIは、どんなに頑張っても日本人なら半年もかからずに見抜けちゃう気がするんだけどどうだろう。私も生成AIを利用してるけど、変に倒置法にされたり、体言止めにされたりするので、その都度指摘してるけど、何度言っても治らないからな。日本で開発されたAIじゃない限り、日本語を使いこなすのは難しいかも。 References: Radio Station Secretely Uses AI Host for Six Months Without Anyone Noticing 本記事は、海外で報じられた情報を基に、日本の読者に理解しやすい形で編集・解説しています。 コメントを見る(11件) 📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中 あわせて読みたい AIが世界を欧米化してしまう。文章支援ツールが世界の文化の多様性を損なう可能性 AIは人間を超えられない?現在のAIでは汎用人工知能に達しないと76%の専門家が予測 AIアートが嫌いな人でも、無意識のうちにAI生成作品の方を好んでいるという調査結果 生成AIの手を借りて作成したニュースは理解しづらいことが研究で判明 AI版ネトフリが誕生、すべて生成AIが作ったコンテンツ番組を配信
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picnicism · 4 months ago
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序論 大英帝国から継承した世界的覇権を背景に、アメリカはドルを基軸通貨とする国際金融システムを確立し、長きにわたって世界経済を主導してきた。いわゆる“ペトロダラー”の仕組みによって通貨発行益(シニョリッジ)を享受してきた一方、国内農業や製造業の衰退という“スーパーオランダ病”が進行し、地域格差と社会分断を深めている。そこにさらに拍車をかけているのが、プロテスタント精神の後退と、保守・リベラルの文化的対立だ。オバマ大統領の登場はアメリカ社会の“人種の壁”を越える転機となった反面、宗教的・道徳的基盤の弱体化と保守層の強い反発を招き、やがてドナルド・トランプのような“反動のリーダー”が台頭する要因ともなった。2025年に再びトランプが大統領となったことで、こうした構造的危機はますます先鋭化している。本稿では、覇権とスーパーオランダ病、そしてプロテスタント精神の後退とオバマ~トランプの政治的流れを統合的に論じる。 1. 大英帝国からの覇権継承と“スーパーオランダ病” 1-1. 覇権の継承とドル基軸の確立 第二次世界大戦後、ヨーロッパ列強(とくに大英帝国)が疲弊する中、アメリカ合衆国は軍事・経済の両面で世界の中心へ躍り出た。ブレトン・ウッズ体制の下、ドルが金本位制の軸を担い、その後のニクソン・ショックやキッシンジャーによるペトロダラー体制の構築を通じて、ドル基軸通貨としての地位はゆるぎないものとなった。これによってアメリカは巨額の通貨発行益を得つつ、世界経済の資金フローを支配することに成功する。 1-2. スーパーオランダ病の副作用 しかし、基軸通貨としての強いドルは、アメリカの実体経済、とりわけ農業や製造業の競争力を相���的に削ぎ落とし、産業の空洞化を招いた。ラストベルト(Rust Belt)地域では工場の閉鎖と失業が深刻化し、経済格差と社会不安が増大。金融・サービスセクターが富を独占する一方、地方や中低所得層は取り残され、政治への不満を募らせていく。この極端な産業構造のいびつさは、まさに“スーパーオランダ病”と呼ぶべき現象である。 2. プロテスタント精神の後退とアメリカのアイデンティティ危機 2-1. 建国期を支えた宗教的モラルの揺らぎ ピューリタンの伝統を継承してきたアメリカ社会は、長らくプロテスタント的価値観――勤勉や禁欲、家族中心主義など――を道徳的基盤としてきた。しかし、戦後の世俗化やベトナム反戦運動、公民権運動を経て、この宗教的・道徳的支柱は次第に弱体化していく。同時に、多民族・多文化社会が進展するにつれ、“WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)”の優位性が崩れ、アメリカは新たなアイデンティティを模索する局面に立たされた。 2-2. 同性婚の合法化と文化戦争の激化 世俗化とリベラル化が進むなか、2015年に連邦最高裁は同性婚を全国的に認める判決を下し、保守的なキリスト教コミュニティには大きな衝撃を与えた。これは“個人の自由と多様性”を重視するリベラル派にとっては大きな勝利だったが、一方で「神の法を踏みにじる」とする強い反発も生み出し、社会の分断は一段と深まった。こうした分断は、後述するオバマ政権への評価にも大きく影響を及ぼす。 3. オバマ大統領誕生の正負両面 3-1. “人種の壁”を超えた希望 2008年の大統領選挙でバラク・オバマが勝利したことは、アメリカにおいて“黒人が最高権力の座に就く”という歴史的快挙を意味した。公民権運動から半世紀足らずで、アメリカが多様性を受け入れる社会へと変化したシンボルとして国内外から称賛され、オバマ政権には“Change”と“Hope”のスローガンが期待を集めた。 3-2. 宗教的基盤の空白が招いた反動 しかし、オバマ誕生の背景には、プロテスタント精神やWASP支配の後退が不可分に関わっている。人種差別の歴史を乗り越える大きな一歩である反面、保守層にとっては“自分たちが築いてきた伝統的価値観が破壊される”という危機感を増大させる出来事でもあった。オバマ政権は医療保険改革(オバマケア)など進歩的な政策を実行する一方、経済格差やラストベルトの疲弊を十分に解消できず、保守・リベラル間の“文化戦争”に火を注ぐ形となった。 4. トランプの台頭と2025年再登板の意味 4-1. ラストベルトの叫びとMAGA 2016年、ドナルド・トランプはラストベルトの白人��働者階級から強い支持を得て大統領選で勝利し、“Make America Great Again(MAGA)”を掲げる保護主義的・反グローバル的政策を打ち出した。これはスーパーオランダ病による産業空洞化とプロテスタント精神の衰退、さらにオバマ時代の“リベラル旋風”への反発という構造的背景があったからこそ可能になった。 4-2. 2025年の復活と覇権の行方 2024年選挙でトランプが再選を果たし、2025年に再び大統領となったことは、アメリカ社会の深層にある保守回帰と、世界の覇権国としての地位を守りたいという強い願望を象徴する。トランプは再びMAGAを唱え、ラストベルト復興や海外からの工場回帰、キリスト教的価値の再評価などを急進的に進めようとしているが、すでに定着した同性婚やリベラル化の進行を巻き戻すのは容易ではない。さらに、ドル基軸体制によるスーパーオランダ病が続く限り、実体経済の本格的再生には痛みを伴う大規模な構造改革が欠かせない。 5. 結論:崩れゆく覇権と再生へのジレンマ 大英帝国から覇権を継承したアメリカは、ドルを基軸通貨とすることで世界経済を主導してきたが、その代償として国内の基礎産業が空洞化し、“スーパーオランダ病”の深刻な症状に苦しんでいる。また、プロテスタント精神の後退による道徳的支柱の喪失は、人種やジェンダーをめぐる深刻な文化対立を生み出し、オバマ大統領の誕生という快挙の影に、伝統保守層の不満と危機感を煮え滾らせる結果となった。 こうした構造的なジレンマの中で誕生・再登板を果たしたトランプ大統領は、MAGAを合言葉に覇権国としてのアメリカの威光を取り戻し、ラストベルトをはじめとする国内の実体経済を再建しようと奮闘している。しかし、国際金融システムと緊密に結びついたドル覇権を手放すことなく産業空洞化を克服できるのか、また宗教的道徳を活性化させながらリベラルな社会変革とどう折り合いをつけるのか、その課題は未解決のままである。2025年現在、アメリカがどのようにこの苦悩を乗り越えていくかは、世界秩序とグローバル経済の行方を大きく左右する焦点となっている。
アメリカ覇権とスーパーオランダ病|けん
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elle-p · 1 year ago
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Famitsu 916 Persona 3 part pictures and transcription.
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期待の新作特搜隊
期待の新作TOP30にランクインしたソフトの最新情報を特捜隊が徹底調查!
2006年も半分を過ぎようとしている今日このごろ。我らが特捜隊は、今週も読者が期待を寄せるビッグタイトルを総力取材!厳選された新作情報を見逃したら、話題に乗り遅れちゃうぞ!!
今週のラインアップ 期待の新作TOP30は44ページ
ペルソナ3 254ページ
��たわれるもの 散りゆく者への子守唄 258ページ
メタルギア ソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット 260ページ
ファイナルファンタジーⅢ 262ページ
その他の期待作 266ページ
本作の概要はここでCHECK!
人気RPG、『ペルソナ』シリーズの最新作。これまでのシリーズとは異なる世界設定、異なる登場人物による、新たな物語が描かれるのだ。主人公を始めとした"ペルソナ"を召喚する能力を持つ仲間たちが、人間の精神を喰らう"シャドウ"と戦うことになるぞ。こうしたシャドウとの戦いは、午前0時になると訪れる"影時間"に行われる。一般の人間には、その存在を認識することすらできない闇の時間が、人類の存亡を懸けた戦いの舞台となる!!
主人公
私立月光館学園に転入してきた17歳の少年。学園寮への入寮当日にシャドウ襲撃事件に巻き込まれ、その際にペルソナ召喚能力を覚醒。シャドウ討伐部隊、"特別課外活動部"のリーダーとなる。メンバーの中で唯一、複数のぺルソナを自由につけ替える力を持っている。
初期ペルソナ
オルフェウス
P3
Persona3
ペルソナ3
またもや新たな登場人物が判明!でも、なんか怪しい感じ⋯⋯?
ケータイで購入
プレイステーション2
PS2
DVD-ROM
アトラス 7月13日発売予定 7140円[税込]
ドラマ RPG 要67キロバイト
ディレクター:橋野桂、キャラクターデザイン&アートディレクション:副島成記
期待の新作TOP30 ランキングデータ
今週の順位
3位
初登場4月7日号
15位
最高順位6月30日増刊号
1位
"影時間"に行動する者が⋯⋯!?
主人公ら、ペルソナ召喚能力を持つ者たちは、影時間に自由に行動することができる。それ以外の人間は、影時間に迷い込むとシャドウに精神を喰われてしまうのだ。しかし、そんな影時間に行動する、主人公たち以外の人間がいることが判明したぞ!彼らは3人組。いったい何者なのだろうか⋯⋯!?
↑影時間に入り込んでも精神を喰われないのは、主人公たちだけではなかった。彼らはシャドウに襲われないのだろうか⋯⋯?
仲間になることが判明しているペルソナ使い
たけ ば
岳羽ゆかり
声:豊口めぐみ
主人公のクラスメイトで、同じ寮に住んでいる女の子。性格は勝ち気で、明るく前向き。ぺルソナ召喚能力には覚醒したばかりだ。月光館学園に入学したのは、ある事情によるらしいが?
初期ペルソナ イオ
い おり じゅん ぺい
伊織順北
声:鳥海浩輔
主人公のクラスメイト。転校生である主人公にまっさきに話しかけてきた、明るくお調子者の少年だ。主人公の転校直後に影時間への適性=ペルソナ召喚能力を見出され、仲間に加わる。
初期ペルソナ ヘルメス
はみだし情報
シリーズのクロスレビューは何点?
PS 女神岡聞録 ペルソナ
9887
謎の3人組⋯⋯彼らの目的とは!?
ネットで話題になっている、復讐代行サイト。そこに依頼を書き込むと、復讐がなされるという噂が流れている。この復讐代行屋の正体は、シャドウに精神を喰われることもなく平然と影時間を闊歩する3人組だった。どうやら、影時間に復讐を行っているらしい。彼らがこんなことをしているのは、なぜなのだろうか?
不気味な気配⋯⋯
タカヤ
声:神奈延年
グループのリーダーらしき男。この界隈では有名な、"不気味"で、"イッている"集団をまとめている。ほかのふたりと比べて、不気味さは際立っている。その言動から、何か狂信的な思想を持っているようにも感じられるが、詳細は不明だ。
←↑荒垣と話す3人組。特別課外活動部のことを気にしているようだ。荒垣と彼らの関係性が気になるが、詳細はいまのところ不明。
荒垣と知り合い?
←復讐の代行屋⋯⋯。いかにも危なそうなヤツらだ。
ジン
声:小野坂昌也
タカヤのそばに、いつもつき添っている関西弁の男。情報収集や分析を行う、リーダーのサポート役的な立場らしい。その手に持っているのは手榴弾なのだろうか⋯⋯?何にしろ、危ない人物であることは確か。
チドリ
声:沢城みゆき
タカヤが率いる集団に、つねについて歩いている女の子。不気味な集団の中で、どのような役割を果たしているのかは不明。また、なぜ集団に身を置くのかも謎に包まれている。ゴスロリテイストの服装に、行動とのギャップを感じる。
主人公にとって彼らは敵か味方か⋯⋯?
きり じょう み つる
桐条美鶴
声:田中理恵
月光館学園の経営母体でもある大企業、桐条グループの令嬢で、局等部の生徒会長。幼少時のある事故を契機に、ペルソナ召喚能力に目覚めた。主人公を特別課外活動部に勧誘した張本人。
初期ペルソナ
ペンテシレア
さな だ あき ひこ
真田明彦
声:緑川 光
月光館学園高等部3年生で、ボクシング部主将。ストイックな性格で、シャドウとの戦いも強くなるためのトレーニング的な感覚で行っている。明彦が力を求めるようになった理由とは?
初期ペルソナ
ポリデュークス
さまざまなシステムが一挙に判明!!
ダンジョン探索や戦闘に関するシステムについて、これまで明らかにされていなかった部分が一挙に判明!さっそく、これの要素について紹介していこう。どうやら探索、戦闘の両面で計画性を持った行動が求められるようだ。事前に戦略をしっかり立てよう!
パーティーを編成して突入!
ダンジョン"タルタロス"の探索に入るまえに、パーティーメンバーを編成する。探索に挑めるのは、主人公を含め最大4人。出現する敵の属性や、仲間が持っているスキルなどをよく考えて編成しよう。
会話して
編成に加えるかを選択
誰を連れて行く?
←攻撃、回復という区別だけではなく、所持ペルソナの属性も考慮したパーティー編成を心がけよう。
ダンジョンを手分けして探索
ダンジョン内で"散開"コマンドを選択すると、パーティーが個別行動に移る。主人公以外の仲間は、自動で探索を行ってくれるぞ。ダンジョンの全体像を把握したり、宝箱を捜す際に便利なコマンドだ。
ダンジョン内部を各自単独で探索!
"散開"を指示
宝箱も見つけてくれる
←宝箱を発見したら、各自回収してくれるぞ。散開をうまく使えば探索が楽に!
散開中でも戦闘はアリ!
↑→散開中の戦闘は、それぞれ単独で戦うことになるぞ。強敵に注意すること!
探索を終えたら"集合"!
←↑"集合"を指示すれば、散開中の仲間が主人公のもとに戻ってくる。
やま ぎし ふう か
山岸風花
声:能登麻美子
引っ込み思案で、自分を卑下してしまう傾向がある女の子。戦いには参加せず、情報支援に特化した立場で特別課外活動部に参加する。機械いじりが得意だが、料理にも興味があるようだ。
初期ペルソナ
ルキア
あま だ けん
天田 乾
声:緒方恵美
月光館学園初等科所属。2年まえに事故で母親を失い、親戚からの学費援助のみで寮住まいをしている。初等科5年生という若さながらペルソナ召喚能力を持ち、特別課外活動部に加わる。
初期ペルソナ ネメシス
ピンチのときは"救護要請"
破間中に戦闘になることもある。この場合、当然ながら主人公はひとりで敵と戦うことになるわけだ。もし苦戦を強いられそうなら、迷わず"救援要請"を指示しよう。歌会していた仲間が、続々と駆けつけてくれるぞ。ひとりで無理せず、緊急時には仲間の助けを求めるのも勇気だ。
→危ないと思ったら、迷わず放後要請を出すべき。あとは仲間がやってくるまで、なんとか持ちこたえろ!
仲間が続々と集まってくる
↑←頼れる仲間が集結したら、いざ反撃。目にモノ見せてくれる!
パーティーが全員集合!!
ペルソナが成長していく!
主人公たちだけではなく、ベルソナも敵との戦いで経験値を積み、レベルアップしていく。レベルが上がるとパラメーターが上昇するほか、新たなスキルも覚えるのだ。覚えるスキルの上限まで育てるのもあり。ぺルソナ合体・育成ともに自由度高し!!
これが合図
→こうして地道にペルソナを強化していけば、ペルソナ合体の際に、より強力なぺルソナが生み出せるぞ。
ペルソナのレベルアップ!!
新たなスキルを覚えることも!
←↑新しいスキルを修得!さっそく戦闘で使い、効果のほどを確認してみよう。
所持ペルソナの組み合わせによって発動する"ミックスレイド"
主人公は、複数のペルソナを所持できる。このとき、特定の組み合わせのペルソナがいれば"ミックスレイド"が発動。強力な魔法で戦況を有利にしてくれるのだ!
ミックスレイド発動!
↑ジャックフロストとジャックランタンで発動。ほかにはどんな組み合わせが?
なんだかスゴそう!
→一転して迫力溢れる演出に!ジャックブラザーズが本気になった!?
組み合わせごとに異なる演出が入る
←"ジャックブラザーズ"という組み合わせらしい。漫才コンビのような演出で心も癒される。
そして主人公がスキルをくり出す!その威力は⋯⋯!?
コロマル
声: ? ? ?
以前は神社の神主に飼われていたが、主人を事故で失って以来野良犬として暮らしていた。ペルソナ召喚能力を覚醒させてからは、特別課外活動部の一員としてともに戦うことになる。
初期ペルソナ
ケルベロス
アイギス
声:坂本真綾
シャドウ制圧用として開発された兵器。ペルソナ召喚能力を実装するため、"自我”を与えられている。従順実直で、命令には忠実に従う。戦術面以外の知識は、あまり持ち合わせていない。
初期
ペルソナ
パラディオン
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modernsocietyne · 8 months ago
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「てらけん」が実践するゼロからのステップアップ
「てらけん」氏は、一般社団法人の協力のもと、ビジネススキルの向上やSNSマーケティングの自動化に取り組み、その結果、ゼロから月収100万円、200万円という目標を達成しました。特に彼の特徴は「やりたくないからこそ、先に片付ける」という考え方で、短期間で実行し、結果を出し続けること。これにより、家庭を持ちながらも時間を有効に活用できている点が「てらけん」の強みといえます。
「てらけんの参考にしたコンテンツはこちら」:てらけんYouTube動画リンク
・徹底的に学ぶ姿勢でゼロから成長
「てらけん」氏の成功のカギは、学びに対する徹底した姿勢です。ビジネスを開始した際、ゼロから知識を身に付けるために、信頼できる情報源からインプットし、試行錯誤を重ねました。初期段階ではSNSやマーケティングの基礎すら十分に理解していない状態でしたが、あくまで現場での実践にこだわり、得た知識を即座に実行に移し、成功と失敗を繰り返しながら次第に成果を積み重ねていきました。
また、彼が意識したのは、学んだ内容をスピーディーに行動に移すことで、ビジネスのペースを加速するということ。学んだ知識をすぐに試し、そのフィードバックからさらに改善を加えていくスタイルが「てらけん」氏のビジネススタイルの核となっています。
・「てらけん」流、効率的なタイムマネジメント
効率的なタイムマネジメントも彼の大きな特徴です。家庭を持ちながらビジネスに邁進する中で、業務の優先順位を見極め、不要な作業を切り捨てることに注力しました。この戦略により、家庭やプライベートの時間を確保しながら、ビジネスを成長させることが可能になっています。
特に「てらけん」氏は、「やりたくないことほど先に片付ける」という哲学を持ち、短時間での効率的な成果を生む方法に徹底してこだわってきました。「早く済ませて、次のタスクに移る」という彼の行動原則は、実際のビジネスシーンで高い成果を生んでいます。
「てらけんの参考にしたコンテンツはこちら」:てらけんYouTube動画リンク
・行動と結果を重視する「てらけん」流のマインドセット
「てらけん」氏は、「やらなければ始まらない」というシンプルながらも力強いマインドセットを持っています。新しい挑戦をするとき、未来の不確実性を恐れるのではなく、とにかく行動を重視。行動を起こしてから考えるというスタンスで、自らのビジネスを発展させてきました。この考え方は彼が成功する要因の一つであり、自己成長を支える重要な要素です。
さらに「てらけん」氏は、迷ったときは「まず一歩踏み出す」ことを強調しており、これこそが彼のビジネスを加速させる原動力となっています。動かないことには何も変わらない、という信念のもと、多くの失敗を恐れず挑戦する姿勢が、成果を生み続けています。
・模倣から始める「てらけん」のビジネスアプローチ
「てらけん」氏は、自分が目指すビジネスモデルに関して徹底的に模倣(トレース)することで、独自の戦略を築きました。この「TTP(徹底的にパクる)」アプローチを通じて、既存の成功事例を学び、できる限り短期間での成果を追求しました。彼にとって模倣は単なるコピーではなく、自分に合った形で再解釈し、改善しながら独自のビジネス手法を確立するためのステップだったのです。
模倣の力を生かし、自分流にアレンジしていくことで「てらけん」氏は短期間での成長を実現しました。成功者の戦略を参考にしつつ、模倣と改良を繰り返すことが彼の独自性を強化する秘訣となっています。
・優れたマーケティング戦略と効果的な自動化
「てらけん」氏の成功には、マーケティング戦略と自動化の両面での取り組みが大きく寄与しています。SNSを活用し、自身のコンテンツを効果的に広めるとともに、業務を自動化することで、時間をより効率的に使えるようになりました。また、自動化された仕組みが稼働することで、収益の安定を図りつつ、自身はさらに新しいビジネスや成長のための投資に注力できるようにしています。
SNSを通じてターゲット層に的確に情報を届け、そこから得たフィードバックを活かして、さらなる改善を行う。この一連のサイクルが「てらけん」氏のビジネスを効率的に拡大していく要因となっています。
「てらけんの参考にしたコンテンツはこちら」:てらけんYouTube動画リンク
・人を活用することへの徹底した意識
「てらけん」氏は自身のビジネスにおいて、外部のリソースを積極的に活用しています。業務を自分だけで抱え込むのではなく、タスクを他人に振り分け、外注やチームメンバーに任せることで、本当に集中すべきことにエネルギーを注ぎます。このように人を巻き込みながら、コンテンツ制作やマーケティングの中心的な部分には自らが従事することで、より高い成果を引き出しています。
業務を他者に委託しながら、自らが主力となる部分にエネルギーを集中させることで、効率的に結果を出す。これもまた「てらけん」氏の重要な成功戦略の一つです。
・「てらけん」から学べること
「てらけん」氏のビジネスは、まさに「ゼロから成長」するプロセスを通じて得られた成果です。彼のマインドセット、行動、そして効率的な仕事の進め方は、副業やビジネスを始めたばかりの人々にとっても大いに参考になることでしょう。彼の成功の裏には、シンプルに見えるけれど���実行が難しい「まず行動する」という心構えがあり、それこそが最も重要なポイントです。
彼のビジネススタイルは、挑戦を恐れず、目標を達成するまで努力を重ねるというシンプルながらも難易度の高い取り組みを続けることで、着実な成長を遂げてきたといえるでしょう。
・「てらけん」の今後とさらなる成長への期待
今後も「てらけん」氏は、ビジネスをより発展させるため、さまざまな挑戦を続けることでしょう。特に自動化やチーム活用を一層進化させ、さらなる収益と時間の効率化を目指していくことが予想されます。彼のこれからの活躍は、多くの起業家やビジネスマンにとっても良きモデルとなるはずです。
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patsatshit · 2 years ago
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いきなり偉そうなことを書いて各方面から顰蹙を買いそうなんだけど、あえて言う。僕は自分の日記より面白い日記を読んだことがない。これはハッタリでもなんでもなくて、それくらいの気持ちがないと何処の馬の骨とも知れないチャリンコ屋の日記に1,500円や2,000円を出して購入してくれている方々に申し訳が立たない。ただし「自分より」と言うのには注釈が必要。『富士日記』や『ミシェル・レリス日記』みたいな別次元の傑作は対象外として、近年、雨後の筍のように量産されているリトルプレスやZINEを体裁とした日記やエッセイ群を見据えての発言と思って頂きたい。商売としての仕入れはさておき、個人的に興味があったので色々と手を伸ばして読んでみたものの、そのほとんどが「私を褒めて。私を認めて。私に居場所を与えて」というアスカ・ラングレーの咆哮をそのままなぞらえたような内容、若しくは「持たざる者同士でも手を取り合い、心で繋がっていれば大丈夫」的な似非スピリチュアルなマジカル達観思想で構成されているので、正直ゲンナリした。しかもタチの悪いことに、そういうものを書いている人たち、あわよくば商業出版の機を窺っていたりするものだから、出版社や編集者の立場からしたらまさに入れ食い状態。「ビジネス万歳!」という感じでしょう。晴れて書籍化の際には口を揃えて「見つけてくれてありがとう」の大合唱。いやいやいや、ちょっと待って、あんたら結局そこにいきたかっただけやんってなりません?これまでの人生をかけて手にした「生きづらさ」の手綱をそんなにも容易く手放すんかい!と思わずツッコミを入れたくもなる。現世で個人が抱える「生きづらさ」はマジョリティに染まらぬ意思表明と表裏の関係にあった筈なのに、どっこいそうはさせないとばかりにどこからともなく湧いてくる刺客たちの誘惑にそそのかされては、呆気なく自らの意志で握手(悪手)に握手(悪手)を重ねる。ミイラ取りがミイラになるとはまさにこのことだ。以前、僕もある出版社の編集長から「DJ PATSATの日記を当社で出版させてほしい」という誘いを受けたけれど、もちろん丁重にお断りした。僕は自主で作った300冊以上の読者を想定していないし、それより多くの読者に対する責任��負いかねるというような趣旨の言葉を伝えた。そもそもなぜ僕が友人(マノ製作所)の力を借りながらわざわざシルクスクリーンという手間をかけて制作しているのかを理解しようともしない。編集長は口説き文句のひとつとしてECDの『失点・イン・ザ・パーク』を引き合いに出してこられたのだけれど、いま思えばそういう発言自体が安易というか不遜だと思わざるを得ない。結局その方は僕を踏み台にしようとしていただけだったので、負け惜しみでも何でもなく、あのときの誘いに乗らなくて良かったといまも本気でそう思っている。まぁ、これは僕個人の考え方/価値観なので他者に強要するものでもなければ、共感を得たいと思っている訳でもない。逆に彼らも推して知るべしだ。誰もが商業出版に憧憬を抱いている訳ではない。昔から煽てられることが好きじゃないし、賑やかで華やかな場面がはっきりと苦手だ。だからと言って消極的に引きこもっているつもりもなく、寧ろ積極的に小さく留まっていたいだけ。かつては各地の井の中の蛙がきちんと自分の領域、結界を守っていたのに、いつしかみんな大海を目指すようになり、やがて井の中は枯渇してしまった。当然、大海で有象無象に紛れた蛙も行き場をなくして窒息する。そのようなことがもう何年も何年も当たり前のように続いている現状に辟易している。そんな自分が小さな店をやり、作品を自主制作して販売するのは必要最低限の大切な関係を自分のそばから手離さないためである。何度も言うているように自営とは紛れもなく自衛のことであり、率先して井の中の蛙であろうとする気概そのものなのだ。自衛のためには少なからず武器も必要で、言うなれば作品は呪いの籠った呪具みたいなもの。そんな危なっかしいものを自分の意識の埒外にある不特定多数のコロニーに好んで攪拌させたりはしない。多数の読者を求め、物書きとして生計を立てたいのなら、最初から出版賞に応募し続ける。だからこそ積年の呪いを各種出版賞にぶつけ続けた結果、見事に芥川賞を射止めた市川沙央さんは本当に凄いし、めちゃくちゃにパンクな人だと思う。不謹慎な言い方に聞こえるかもしれないが、天与呪縛の逆フィジカルギフテッドというか、とにかく尋常ならざる気迫みたいなものを感じた。なぜ彼女がたびたび批判に晒されるのか理解できない。それに佐川恭一さん、初期の頃からゲスの極みとも言える作風を一切変えることなく、次々と商業誌の誌面を飾ってゆく様は痛快そのもの。タラウマラ発行の季刊ZINEに参加してくれた際もダントツにくだらない短編を寄稿してくれて、僕は膝を飛び越えて股間を強く打った。
佐川恭一による抱腹絶倒の掌編「シコティウスの受難」は『FACETIME vol.2』に掲載。
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ついでにこれまた長くなるが、かつてジル・ドゥルーズが真摯に打ち鳴らした警鐘を引用する。
文学の危機についていうなら、その責任の一端はジャーナリストにあるだろうと思います。当然ながら、ジャーナリストにも本を書いた人がいる。しかし本を書くとき、ジャーナリストも新聞報道とは違う形式を用いていたわけだし、書く以上は文章化になるのがあたりまえでした。ところがその状況が変わった。本の形式を用いるのは当然自分たちの権利だし、この形式に到達するにはなにも特別な労力をはらう必要はない、そんなふうにジャーナリストが思い込むようになったからです。こうして無媒介的に、しかもみずからの身体を押しつけるかたちで、ジャーナリストが文学を征服した。そこから規格型小説の代表的形態が生まれます。たとえば『植民地のオイディプス』とでも題をつけることができるような、女性を物色したり、父親をもとめたりした体験をもとに書かれたレポーターの旅行記。そしてこの状況があらゆる作家の身にはねかえっていき、作家は自分自身と自分の作品について取材するジャーナリストになりさがる。極端な場合には、作家としてのジャーナリストと批評家としてのジャーナリストのあいだですべてが演じられ、本そのものはこの両者をつなぐ橋渡しにすぎず、ほとんど存在する必要がないものになりさがってしまうのです。本は、本以外のところでくりひろげられた活動や体験や意図や目的の報告にすぎなくなる。つまり本自体がただの記録になってしまうわけです。すると、なんらかの仕事をもっているとか、あるいはただたんに家族がある、親族に病人がいる、職場に嫌な上司がいるというだけで、どんな人でも本を産み出せるような気がしてくるし、このケースに該当する当人も、自分は本を産み出せると思い始める。誰もが家庭や職場で小説をかかえている……。文学に手を染める以上、あらゆる人に特別な探究と修練がもとめられるということを忘れているのです。そして文学には、文学でしか実現できない独自の創造的意図がある、そもそも文学が、文学とはおよそ無縁の活動や意図から直接に生まれた残滓を受けとる必要はないということを忘れているのです。こうして本は「副次化」され、マーケティングの様相を帯びてくる。
ジル・ドゥルーズ『記号と事件 1972-1990年の対話』(河出文庫p262-263)
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僕は制作の際にはいつも必ずドゥルーズのこの言葉に立ち返っては何度も確認作業を繰り返し、ようやっとリリースにこぎつける。しかしそもそもが作品化を企んでいる時点で自分まだまだやなぁと思うに至る訳で、なんとも一筋縄ではいかない。そういう意味では滝野次郎という人がインスタグラムに投稿している日記のような文章には、はじめから読まれることを意図しているにもかかわらず、本来ならば読まれることを目的とした日記からは真っ先に削除されるような状況ばかりが羅列されていて、なかなかどうして凄まじい。馴染みの飲食店で見つけたお気に入りの女性店員を執拗に観察したり、断酒を誓った直後に朝から晩まで酒浸りであったり、謎の投資で10分間で40万円を失っていたり、銀行口座と手持ちの金を合わせても1,000円に満たなかったり、それでも「俺は俺を信じる」と闇雲に自身を鼓舞していたり、そうかと思えば急に脈絡もなくひたすらに左手のハンドサインを連投していたりと、しっちゃかめっちゃか。比肩しうるは円盤/黒猫から出版された『創作』くらいか。あらゆる規範から逃れるべくして逃れ得た、いま最もスリリングな読み物であることに間違いはないが、同時に、これは断じて文学ではない……とも言い切れない不気味な何かが海の藻屑のように蠢いている。
(すでに何らかの隠喩ではないかと勘ぐったり……)
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sskyt · 2 years ago
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『「呪術」の呪縛』下巻の読書ノート
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江川純一・久保田浩編『「呪術」の呪縛』(下)リトン、2017年。
第一部 呪術概念の再検討
鶴岡賀雄「「呪術」の魅力:「永遠のオルタナティブ」の来歴と可能性についての試論」
 「マギア」を人類学的・宗教学的分析概念としてではなく西欧精神史の構成要素として見て、古代ギリシアから、中世神学、ルネサンス、近世キリスト教、現代芸術に至るまで、マギアの位置づけを跡づ���る。  そこでは、マギアがつねに、公共宗教や哲学といった正統的な知や生き方に対して、劣位に置かれた人々による代替行為として位置づけられる。しかし、この民衆の低級知は正統知でないがゆえに、かえってそれを批判的に超える超高級知ともなりうるものであった。  近世神秘神学における神的/悪魔的/自然的という三分法が、人類学・宗教学における宗教/呪術/科学の三区分に改鋳されていったのではないか、という指摘はなるほどなあと感じ。また、世間的・民衆的な低級知たるマギアがつねに物を介するというのも、フェティッシュとの関係で興味深い。  「神秘主義」概念の検討については別稿に譲るとされているが、その「別稿」とはこれですね。→ 鶴岡賀雄「「神秘主義」概念の歴史と現状」『東京大学宗教学年報』vol. 34、東京大学文学部宗教学研究室、2017年、pp. 1–24。 https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/records/47687#  なお、本論文の中で、サラマン��大学の学士アマドール・デ・ベラスコが持っていたグリモワール(魔術の指南書)をめぐる事件の話が出てくるが、最近、魔術のことを考えすぎて、先日、江川さんから「grimoireとは魔術書のことなんですよ」と教えてもらう夢を見た。 山崎亮「社会学年報学派の呪術論素描」
 ユベールとモースの「呪術論」は混乱に満ちた論文であり、その一因として呪術のアポリア(呪術は私的なものであるが、社会的な性格ももつ)が挙げられる。この混乱を理論的に整理したのがデュルケームの聖理論であるが、ユベールとモースは納得していなかった。 江川純一「「magia」とは何か:デ・マルティーノと、呪術の認識論」
 イタリア宗教史学におけるマジーア概念を、特にエルネスト・デ・マルティーノの『呪術的世界』とその後の転回にしたがって明らかにする。宗教学において一般的に、「呪術」は「宗教」のネガとして語られがちだが、宗教史学はこの対比・対立を認めない。  デ・マルティーノは『呪術的世界』において、呪術的世界は「自分の魂の喪失の危機とそこからの解放」という実存のドラマによって根拠づけられるとして肯定的に評価したが、この世界を歴史的時代であるとしたがゆえに、進化主義的宗教論と見分けがつかなくなってしまった。  「呪術的心性と原始的心性を混同している」という師ペッタッツォーニらの批判を受け、デ・マルティーノは後年、「呪術的世界」という想定を取り下げ、神話ー儀礼の結合物としての「呪術ー宗教現象」を探究するようになる。  注にある、「今後、20世紀の宗教学思想を振り返るときには、ペッタッツォーニ、デ・マルティーノ、エリアーデのトライアングルによる、神話ー儀礼的技術としての「呪術ー宗教」の考察が軸となるであろう」という指摘が興味深い。
 なお、A. C. ハッドンが報告したボルネオのトゥリク族の男の話(ある男は鉤形の石を頑なに手放そうとしなかった、その石は魂が自分の身体を去るのを引き留めているのだという)がラトゥールのファクティッシュのようで面白い。
第二部 事例研究:古代~中世
渡辺和子「メソポタミアにおける「祈祷呪術」と誓約:「宗教」と「呪術」と「法」」
 なかなか論争的ですごい論文であった。一言ではまとめづらいが、アッシリアの『エサルハドン王位継承誓約文書』(ESOD)の構成や文法を分析することで、誓約と儀礼、「言うこと」と「すること」の宗教的な結びつきを考察する。  アッシリア学者の重鎮オッペンハイムは、西洋人として祈りと儀礼が結びつくことに耐えられず、「メソポタミア宗教」は書かれるべきではない、とまで言う。また、ESODの誓約と儀礼という形式こそが、契約(誓約)宗教としての一神教の成立と後のキリスト教の成立にも影響を与えたという。
高井啓介「その声はどこから来るのか:腹話術の魔術性についての考察」
 叙述がトリッキーで面白い。腹話術が古代の神学者たちによって魔術として扱われ、近代に脱魔術化していった過程が示される。旧約聖書サムエル記上の「降霊術」がギリシア語に翻訳される際にἐγγαστρίμυθος(腹話術)と訳されたために腹話術の魔術化が始まった。  降霊術が腹話術と見なされることで、腹話術師は腹の中に悪霊をもつことになり、霊媒は魔女扱いされるようになる。しかし、腹話術の魔術性を否定し、単なるトリックだとしたのが、『百科全書』で数学に関する項目を多く書いているジャンバプティスト・ドゥ・ラ・シャペルの『腹話術』であった。
山本伸一「カバラーにおける神名の技法と魔術の境界」
 ユダヤ教のカバラーにおいて、正当な呪術と禁じられた魔術の境界は不分明である。このことを15世紀のカバラー文学、ルネサンスの自然魔術の影響下のカバラー、18世紀のエムデン=アイベシュッツ論争という3つの事例に即して考える。  15世紀スペインのカバラー文学の共通点は、主人公であるカバリストが終末とメシア来臨を促すために悪魔を追放しようと立ち上がるも、悪魔に騙されて取り逃がしてしまい、逆に魔術に手を染めた悪人として非難される、という物語。中2っぽいというか、『進撃の巨人』(デビルマン)フォーマットだなと。 青木健「ゾロアスター教神官マゴスの呪術師イメージ:バビロニア文化の影響と呪術師イメージの由来」
 マゴスには「呪術師」「神秘主義の達人」「放蕩」といったイメージが付与されるが、ゾロアスター教の神官の職能を検討してみると、実態は王朝に仕える官僚であり、吉凶暦や蛇占いといった副業の方がイメージの形成要因となったと考えられる。  青木健『古代オリエントの宗教』は、渡辺論文の注で、紀元前2世紀から13世紀までのオリエントの宗教史を扱うものなので、「書名と内容が一致していない」と批判されていた。 毛利晶「古代ローマにおける凱旋の儀式:トリウンプスに関する最近の研究動向を中心に」
 ローマで戦争で勝利を収めた将軍が行う凱旋の儀式トリウンプス(triumphus)。そこでユピテルの扮装をする凱旋将軍の役割は神か王か。近年の論争を踏まえて、著者は元々ユピテルの儀式であったものが後に将軍自身を讃える儀式へと変化し��いったと推測する。  凱旋式挙行の要件が、①命令権(imperium)、②鳥占権(auspicium)、③軍隊指揮(ductus)、④幸運(felicitas)の4つだったというのが、統治(王)・呪術(宗教)・軍事の三権が一人に集中しているようで興味深い。 野口孝之「近代ドイツ・オカルティズムの「学問」における「魔術」」
 19世紀後半から20世紀初頭に展開されたオカルティズムにおける「魔術」の位置づけを、キーゼヴェッター、エスターライヒ、シュティルナーという3人の思想を中心に検討する。  ドイツの代表的なスピリチュアリスト、カール・ドゥ・プレルの概念das transzendentale Subjektを「超越的主体」と訳しているけど、「超越論的主観」では。このドゥ・プレルの理論を援用するキーゼヴェッターはオカルティズムをGeheimwissenschaftと呼び、先人としてスウェーデンボルグを挙げている。  ちなみに、スウェーデンボルクを批判したカントの『視霊者の夢』の第一部第二章のタイトルはgeheime Philosophie(オカルト哲学)である。
寺戸淳子「「呪術ではない」祭儀:「秘義」としての聖体拝領」
 大変勉強になった。キリスト教の「聖体拝領(聖餐)」「実体変化」「神秘的肢体」といったややこしい話を基本的なところから丁寧に教えてくれるので、これらの神学的議論に関心がある人におすすめの入門的論文。  12世紀に「実体変化」の教理が確立したのと同時に、「神秘的肢体」(Corpus mysticum)論も確立していった。Corpus mysticumは元々、食べる方の「聖体」を意味していたが、秘義的ニュアンスがよろしくないため、それまで「教会」を意味していた「キリストの体」Corpus Christiと呼ばれるようになった。  12世紀に「実体変化」の教理が確立したのと同時に、「神秘的肢体」(Corpus mysticum)論も確立していった。Corpus mysticumは元々、食べる方の「聖体」を意味していたが、秘義的ニュアンスがよろしくないため、それまで「教会」を意味していた「キリストの体」Corpus Christiと呼ばれるようになった。  逆に、教会はCorpus mysticumと呼ばれるようになった。つまり、聖体と教会の呼び方が入れ替わったのである。この教会を指す「神秘的肢体」がやがて法人のような擬制的人格一般を指すようになっていった。カントーロヴィチぽいなと思ったら、カントーロヴィチが参照されていた。 佐藤清子「19世紀合衆国における回心と「呪術」:チャールズ・G・フィニーの新手法擁護論とその批判を中心として」
 きわめて明晰な論文。19世紀アメリカの第二次大覚醒の時代を代表する牧師フィニーは「新手法」と呼ばれる礼拝方式を導入して革新をもたらしたが、それは回心を意図的・合理的に促す手法であり、限りなく呪術に接近していく。  フィニーはスコットランド啓蒙思想の影響の下、自然法則の学習・応用という方法論を採用し、自らの回心の方法を「科学」あるいは「哲学」であると称した。他方で、呪術・宗教・科学の三区分で知られるフレイザーもまた、同じ��スコットランド啓蒙の思潮に影響を受けていることは興味深い。  フレイザーは呪術を稚拙な科学であるとしたが、もし仮に「回心」を心理学的な技術によって達成できるようになったとしたら、それは科学なのか呪術なのか。実は科学と呪術の区別は、その知識や技術の程度の差異によるのではないのではないか。  フィニーの「祈り」についての議論も面白い。回心は聖霊の働きによるが、人間は聖霊をコントロールできないがゆえに、回心も究極的には神に委ねられている。しかし、フィニーは回心と聖霊の間に「祈り」という人間の行為を介入させる。とはいえ、人間は祈りによって神を操作できるわけではない。  フィニーによれば、祈りはそもそも聖霊の働きによって可能になるのだから、祈ることができること自体がそれが叶えられる可能性があることの証拠となる、という。ここには、祈りのアポリア(祈りは効果があるならば、祈りにはならず、効果がないならば、祈る必要がない)を解く鍵があるように思われる。 久保田浩「近代ドイツにおける「奇術=魔術」:奇術とスピリチュアリズムの関係に見る〈秘められてあるもの〉の意味論」
 19世紀ドイツで機械仕掛けの奇術を行う奇術師は、トリックを説明(klaeren)可能なものとしながら、それを驚嘆すべきものとして提示する者であり、スピリチュアリストの種明かし(erklaeren)をして詐欺を暴く啓蒙(Aufklaerung)の意義も担っていた。  奇術師がスピリチュアリストを科学的に暴いたり、宮廷からお墨付きを得た「宮廷奇術師」が登場したりと、『鋼の錬金術師』が好きな人にお薦めしたい論文。スピリチュアリストが、奇術師は本人も気づいていないけれど実は霊媒であり、本人が奇術だと思っているのも霊媒現象なのだと主張する話が面白い。
井上まどか「ロシアにおける呪術概念の検討」
 前半が現代ロシアの事典や概説書における「呪術」概念の分析、後半が16世紀に編纂された『百章』における「呪術」の用法について。「準備的覚え書き以上のものではなく」という著者の言葉通りの文章であった。  『金枝篇』の著者名が「D. D. フレイザー」となっていて、目を疑った(ロシアだとJもGもDなんですか)。それ以外にも本書は誤植が非常に多い印象。上巻目次のタイトルからして既に間違っている。
西村明「呪術としてのキリスト教受容:ミクロネシア・ポンペイ島を中心に」
 最終章でいよいよ真打ち「マナ」登場。ミクロネシアのポンペイ島における宣教でキーワードとなった「マナマン」から、マジックワードとしての「マナ」概念の歴史的形成の議論へ。  まず、宣教師は植民地主義的視点で現地の宗教的・呪術的実践を裁断するが、しかし、その視線は一方向的なものではなく、現地民もまた、自分たちの価値体系の中にキリスト教を位置づけて理解する。ポンペイ島で、二つの異なる価値体系を通訳した概念が「マナマン」であった、という話が面白い。  さらに後半、この「マナマン」(ミクロネシア)と同族語である「マナ」(メラネシア・ポリネシア)という概念が辿った数奇な運命が論じられるが、これも面白い。  「マナ」とはそもそも、コドリント��が『メラネシア人』(1891)において初めて学術的議論に導入した語で、その後、超自然的力を指す普遍的な概念として人類学・宗教学で多用されていった。しかし、コドリントンが現地調査したモタ島とバンクス諸島は、当時、ポリネシア人と宣教師の影響を受けていた。  メラネシアの「マナ」が形容詞や動詞としての含意があったのに、ポリネシアでは名詞として用いられた。メラネシアの宣教師たちは先にポリネシア語に通じていたために、「マナ」を名詞的に理解してしまった。こうして、コドリントンがやってきた頃には、既にバイアスのかった「マナ」となっていたのだ。  このように、「マナ」とは、ポリネシアとメラネシア、現地民と宣教師、そして世界各地の多様な宗教間といった、異質な価値体系を通訳=通約する概念として強力な力をもつようになっていったのである。異質な体系の間の界面に生じる通約的概念という意味では、「フェティッシュ」にも似ているように思う。
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mxargent · 2 years ago
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲゴサシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国会人年大十二本中長出三同時政事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提運終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球���空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫研収断井何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万着乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良響阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴遠養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲貴埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智握照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘襲雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶怖犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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yotchan-blog · 4 days ago
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2025/6/23 11:00:17現在のニュース
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virtualofficeoyakudachi · 18 days ago
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【女性向け】プチ起業を成功させる!バーチャルオフィス活用術と失敗しない選び方
「いつか自分のビジネスを立ち上げたい」「好きなことを仕事にしたい」と考えている女性は多いのではないでしょうか。しかし、いざ起業となると、資金や時間、そして事業を始めるための場所といった多くの壁に直面します。特に、自宅で起業を考えている場合、住所を公開することへの抵抗や、プロフェッショナルなイメージの欠如が不安材料となることも少なくありません。そんな女性のプチ起業を強力にサポートするのが、バーチャルオフィスです。バーチャルオフィスは、法人登記などの目的でビジネス上の住所を利用できるサービスであり、物理的なオフィススペースを借りることなく、事業の信頼性を高め、コストを大幅に削減できます。
本記事では、これからプチ起業を考えている女性の皆様に向けて、バーチャルオフィスがなぜ最適な選択肢なのか、そのメリットや活用方法、そして失敗しない選び方まで、詳しく解説していきます。自宅での起業のプライバシー問題、初期費用やランニングコストの削減、顧客からの信頼獲得といった、女性がプチ起業で抱えがちな悩みをバーチャルオフィスがいかに解決してくれるのか、具体的な事例を交えながらご紹介します。また、バーチャルオフィスと混同されやすいレンタルオフィスやコワーキングスペースとの違いを明確にし、それぞれの特徴を理解することで、ご自身の事業に最適な選択ができるようサポートします。このガイドを読み終える頃には、バーチャルオフィスがあなたのプチ起業を成功に導くための強力な味方となることを実感できるはずです。さあ、あなたの夢のビジネスをスタートさせるための一歩を、バーチャルオフィスと共に踏み出しましょう。
【はじめに】プチ起業にバーチャルオフィスが最適な理由
近年、女性の社会進出や働き方の多様化に伴い、「プチ起業」という新しい働き方が注目を集めています。自宅を拠点に、比較的少額の資金でビジネスをスタートさせるプチ起業は、自身のスキルや趣味を活かし、柔軟な働き方を実現できる点が大きな魅力です。しかし、個人で事業を始める際には、自宅住所の公開によるプライバシーの問題や、初期費用やランニングコストをいかに抑えるか、そして顧客や取引先からの信頼をどのように獲得するかといった、様々な課題に直面しがちです。特に女性の場合、ご自身の自宅住所を不特定多数に公開することに抵抗を感じる方も少なくありません。また、法人としての信頼性を築くためには、しっかりとしたオフィスが必要だと考える方もいるでしょう。ここで大きな役割を果たすのがバーチャルオフィスです。バーチャルオフィスは、実際にオフィスを借りるよりもはるかに低コストで、ビジネス用の住所を提供してくれるサービスであり、まさにプチ起業を考えている女性にとって理想的なソリューションとなります。物理的なオフィススペースを持つことなく、都心の一等地などの住所を借りることで、事業の信頼性を向上させつつ、プライバシー保護、コスト削減といった複数のメリットを享受できるのです。これにより、起業へのハードルが格段に下がり、より多くの女性が自身のビジネスを安心してスタートできるようになります。
プチ起業とは?女性が注目する新しい働き方
プチ起業とは、その名の通り、比較的少額の資金で手軽に始められる事業を指します。大規模な設備投資やオフィス賃料を必要とせず、自身のスキルや趣味、経験を活かして、自宅やカフェなどを拠点にビジネスをスタートできるのが大きな特徴です。例えば、ハンドメイド品の販売、オンラインでのコンサルティング、ウェブデザイン、ライティング、パーソナルトレーニングなど、その形態は多岐にわたります。この働き方が特に女性に注目されている理由は、時間の融通が利きやすく、子育てや家事と両立しながらでも、自分のペースで仕事を進められる柔軟性にあります。また、会社勤めでは得られない自己実現や、好きなことを仕事にできる喜びも、多くの女性を惹きつける要因となっています。従来の起業に比べてリスクが低く、失敗した場合でも立て直しがしやすい点も、気軽に挑戦できる大きなメリットと言えるでしょう。
プチ起業の定義と魅力 プチ起業は、多額の資金や大規模な設備投資を必要とせず、個人のスキルや経験を活かして小規模に始めるビジネス形態を指します。一般的には、初期費用が数十万円から数百万円程度に抑えられ、自宅やレンタルスペースなどを活用することで、固定費を最小限に抑えることが可能です。この手軽さが、多くの女性にとって起業へのハードルを下げています。例えば、オンラインストアでの雑貨販売、自宅での料理教室、フリーランスのライターやデザイナーなど、趣味や特技を活かしたビジネスが代表的です。
手軽に始められるビジネスモデル プチ起業の最大の魅力の一つは、その手軽さにあります。インターネットの普及により、ウェブサイトやSNSを活用することで、自宅からでも全国、あるいは世界中の顧客にアプローチできるようになりました。これにより、実店舗を持つ必要がなくなり、初期投資を大幅に削減できます。例えば、ECサイトの構築サービスを利用すれば、専門知識がなくても数万円からオンラインショップを開設でき、ハンドメイド作品やセレクト商品を販売できます。また、自身の知識やスキルをオンライン講座として提供することも可能です。Zoomなどのオンライン会議ツールを使えば、自宅からでもセミナーやカウンセリングを提供でき、場所の制約を受けずにビジネスを展開できます。これらのビジネスモデルは、準備期間が短く、リスクが低いため、起業初心者でも安心して始められる点が特徴です。
柔軟な働き方を実現 プチ起業は、働く時間や場所を自由に選べるという点で、非常に柔軟な働き方を実現します。会社勤めのように決まった時間にオフィスに出社する必要がなく、自分のライフスタイルに合わせて仕事のスケジュールを組むことができます。これは、子育て中の女性や、介護と仕事を両立したい女性にとって特に大きなメリットです。例えば、子どもが学校に行っている時間だけ、あるいは子どもが寝た後に集中して仕事をするなど、限られた時間を有効活用できます。また、通勤のストレスがないため、その分を家族との時間や自己啓発に充てることも可能です。好きな場所で仕事ができるため、旅行先や実家からでもビジネスを継続できることも、プチ起業ならではの魅力と言えるでしょう。
なぜ今、プチ起業が注目されるのか?
近年、プチ起業がこれほどまでに注目を集める背景には、社会構造の変化と技術の進歩が大きく影響しています。まず、女性の社会進出が進む中で、働き方の選択肢を広げたいというニーズが高まっていることが挙げられます。また、新型コロナウイルスのパンデミックにより、リモートワークが普及し、場所にとらわれない働き方が一般化したことも、プチ起業の追い風となりました。自宅にいながらにしてビジネスを始められる環境が整ったことで、多くの人々が自分のスキルや経験を活かして、独立や副業を考えるようになりました。
女性の社会進出と働き方の多様化 女性の社会進出は目覚ましく、キャリア形成に対する意識も高まっています。しかし、同時に子育てや介護といったライフイベントとの両立に悩む女性も少なくありません。従来の会社員としての働き方では、どうしても時間の制約や物理的な場所に縛られることが多く、自身のキャリアを諦めざるを得ないケースもありました。その点、プチ起業は、働く時間や場所を自由に選択できるため、女性が自身のライフステージに合わせてキャリアを継続・発展させるための有効な手段として注目されています。短時間勤務や在宅勤務が可能となることで、家庭と仕事のバランスを取りやすくなり、精神的な負担も軽減されます。さらに、自分の得意なことや好きなことを仕事にできるため、仕事へのモチベーションを高く維持できるというメリットもあります。
コロナ禍以降のビジネス環境の変化 新型コロナウイルスのパンデミックは、世界のビジネス環境を大きく変化させました。リモートワークやオンライン会議が当たり前になり、物理的なオフィスに依存しない働き方が急速に普及しました。これにより、場所の制約が大幅に緩和され、どこにいてもビジネスができるという認識が広がりました。また、消費者の行動様式も変化し、オンラインでの買い物やサービスの利用が一般化しました。このような変化は、プチ起業家にとって大きなチャンスをもたらしました。実店舗を持たなくても、オンラインストアやSNSを活用すれば、簡単に顧客にリーチできるようになり、集客や販売のハードルが下がったのです。さらに、クラウドサービスやSaaS(Software as a Service)の進化により、ITに詳しくなくてもビ��ネスに必要なツールを安価に利用できるようになり、起業にかかるコストや手間が大幅に削減されました。
女性のプチ起業でよくある悩みとバーチャルオフィスでの解決策 女性がプチ起業を検討する際に、いくつかの共通の悩みが挙げられます。特に、自宅でビジネスを始める場合、プライバシーの侵害、事業の信頼性、そしてコストの問題は避けて通れません。これらの課題は、起業への大きな障壁となることがあります。しかし、バーチャルオフィスを賢く活用することで、これらの悩みを効果的に解決し、安心して事業に集中できる環境を整えることが可能です。バーチャルオフィスは、単に住所を借りるだけでなく、事業を円滑に進めるための様々なサービスを提供しており、多くのプチ起業家にとって理想的なソリューションとなります。
自宅住所公開によるプライバシー問題 プチ起業の多くは自宅でスタートしますが、事業を行う上で自宅住所を公開しなければならない場面が多々あります。特に、特定商取引法に基づく表記が必要なECサイト運営や、名刺交換の際など、自宅住所が不特定多数の目に触れることへの不安を感じる女性は少なくありません。
自宅住所の代わりにバーチャルオフィスの住所を利用 バーチャルオフィスを利用する最大のメリットの一つは、ご自身の自宅住所を公開することなく、事業用の住所を持つことができる点です。これにより、ECサイトの特定商取引法に基づく表記や、名刺、ウェブサイト、パンフレットなどに、バーチャルオフィスが提供する住所を記載できます。都心の一等地など、ビジネス上の信頼性が高い住所を利用できるため、自宅住所を公開するプライバシーの心配がなくなるだけでなく、事業のイメージアップにも繋がります。これにより、安心してビジネスを展開でき、個人的な情報が流出するリスクを最小限に抑えることが可能です。
特定商取引法に基づく表記にも対応 インターネットを通じて商品やサービスを提供する事業者には、特定商取引法により、氏名(名称)、住所、電話番号などをサイト上に表示することが義務付けられています。自宅を拠点にしている場合、この住所に自宅の住所を記載することになりますが、これは個人情報の流出リスクを高めます。バーチャルオフィスを利用すれば、この特定商取引法に基づく表記にバーチャルオフィスの住所を使用することができます。これにより、お客様に安心してサービスを提供できるだけでなく、ご自身のプライバシーもしっかりと保護できるため、ビジネスとプライベートの境界線を明確に保つことが可能になります。
コストを抑えたい 起業において資金は重要な要素であり、特にプチ起業の場合、初期投資や固定費はできるだけ抑えたいと考えるのが自然です。オフィス賃料や設備費は、起業当初の大きな負担となりがちです。
賃貸オフィスやレンタルオフィスと比較した費用対効果 実際に賃貸オフィスを借りる場合、敷金・礼金、仲介手数料、内装工事費、さらに月々の賃料や光熱費、通信費など、多額の初期費用と継続的な固定費が発生します。一方、バーチャルオフィスは、住所利用サービスがメインであり、物理的なスペースをほとんど必要としないため、これらの費用を大幅に削減できます。例えば、都心の一等地にあるバーチャルオフィスでも、月額数千円から利用できるプランが多く、賃貸オフィスを借りる場合の数十万円から数百万円といった初期費用、月額数十万円といったランニングコストと比較すると、その費用対効果は圧倒的です。これにより、資金を事業のコア部分やマーケティング、商品開発などに集中させることが可能となり、事業成長の速度を上げることができます。
初期費用と月額費用の内訳 バーチャルオフィスの費用は、主に初期費用と月額費用に分けられます。初期費用は、契約事務手数料や初月の利用料などが含まれ、数千円から数万円程度が一般的です。月額費用は、提供されるサービスの内容によって異なりますが、住所利用のみであれば月額数千円から利用可能です。電話転送サービスや郵便物転送の頻度、会議室利用の有無など、追加オプションによって費用は変動します。例えば、基本的な住所利用と郵便物転送サービスに加えて、オプションで電話転送サービスを追加しても、一般的な賃貸オフィスを借りるよりもはるかに安価に利用できるため、プチ起業の資金繰りを圧迫することなく、効率的にビジネスを運営できます。
開業資金が限られている 多くのプチ起業家、特に女性の場合、自己資金でビジネスをスタートさせるケースが多く、使える開業資金には限りがあるのが実情です。そのため、できるだけ初期費用やランニングコストを抑えたいというニーズは非常に高いです。
最小限のコストで事業をスタート バーチャルオフィスを活用することで、最小限のコストで事業をスタートさせることが可能です。物理的なオフィススペースを借りる必要がないため、高額な敷金や礼金、賃料といった固定費が発生しません。これは、開業資金が限られているプチ起業家にとって非常に大きなメリットです。例えば、自宅をオフィスとしつつ、対外的な信用を確保するためにバーチャルオフィスの住所だけを利用する「住所貸し」サービスを利用すれば、月額数千円程度の費用で事業を開始できます。これにより、開業資金の大部分を商品開発やマーケティング、プロモーションといった事業の成長に直結する部分に投資できるため、事業の成功確率を高めることができます。
固定費削減による資金繰りの安定化 バーチャルオフィスは、固定費を大幅に削減できるため、資金繰りを安定させる上で非常に有効です。賃貸オフィスを借りた場合、毎月必ず発生する賃料や光熱費、通信費などは、事業の売上に関わらず支払わなければならない固定費となります。特に事業が軌道に乗るまでの間は、これらの固定費が重くのしか��り、資金繰りを圧迫する大きな原因となることがあります。バーチャルオフィスを利用すれば、これらの高額な固定費を大幅に削減できるため、売上が不安定な時期でも資金ショートのリスクを軽減し、精神的な負担を減らすことができます。これにより、事業の成長に集中できる環境が整い、安定した経営基盤を築くことが可能になります。
顧客からの信頼を得たい プチ起業では、自宅住所を名刺やウェブサイトに記載することに抵抗を感じる女性も少なくありません。特に、自宅住所ではビジネスとしての信頼性が低いと見なされる懸念があるため、顧客や取引先からの信用を得ることが課題となることがあります。
一等地の住所でビジネスの信頼性向上 バーチャルオフィスの最大の魅力の一つは、都心の一等地や主要ビジネスエリアの住所をビジネス拠点として利用できる点です。例えば、東京であれば銀座、丸の内、渋谷といった、誰もが知るようなビジネスにふさわしい住所を名刺やウェブサイトに記載できます。これにより、顧客や取引先からの信頼性が格段に向上し、事業のイメージアップに繋がります。たとえ実態は自宅での作業であっても、対外的な印象は、信頼できるオフィスを構えている企業として認識されるため、新規顧客の獲得やビジネスチャンスの拡大に大きく貢献します。特に、オンラインでのやり取りが中心となる現代において、物理的な場所の信頼性は顧客からの安心感を得る上で非常に重要ですレス。
法人登記による事業の透明性確保 バーチャルオフィスの住所は、法人登記の際にも利用できます。法人登記を行うことで、事業の透明性が高まり、個人事業主よりも社会的な信用を得やすくなります。これにより、金融機関からの融資を受けやすくなったり、大企業との取引において有利になったりするなど、ビジネスの幅が大きく広がります。また、個人事業主として活動するよりも、企業としての信頼性が高まることで、顧客からの安心感も増し、より質の高い顧客層へのアプローチも可能になります。バーチャルオフィスは、法人登記のハードルを下げるだけでなく、事業の成長を強力に後押しする基盤となります。
郵便物や宅配物の受け取り・管理 自宅をオフィスにしている場合、大量の郵便物や宅配物が届くことがありますが、個人宛の荷物と混ざったり、営業時間外に届いて受け取れなかったりといった問題が発生しがちです。また、家族がいる場合は、家族に負担がかかることもあります。
郵便物転送サービスの詳細 バーチャルオフィスでは、届いた郵便物を契約者に代わって受け取り、指定された住所に転送するサービスを提供しています。転送の頻度は、週に一度、月に一度、あるいは希望に応じて随時など、契約プランによって様々です。これにより、自宅に大量のビジネス郵便物が届くことを避け、プライバシーを守りながら、重要な郵便物を確実に受け取ることができます。また、郵便物の内容をスキャンしてメールで通知してくれるサービスや、急ぎの郵便物だけを速達で転送してくれるオプションなど、多様なニーズに対応したサービスを提供しているバーチャルオフィスもあります。これにより、外出中でも重要な書類を見落とすことなく、迅速に対応することが可能になります。
宅配便の受け取り、一時保管サービス 郵便物だけでなく、事業に必要な資材や商品などの宅配便の受け取りも、バーチャルオフィスが代行してくれます。自宅を不在にしていることが多いプチ起業家にとって、宅配便を確実に受け取れるサービスは非常に便利です。多くのバーチャルオフィスでは、届いた宅配物を一時的に保管し、契約者が引き取りに来るか、あるいは指定住所へ転送するサービスを提供しています。これにより、再配達の手間を省き、スムーズに荷物を受け取ることができます。特に、物販ビジネスや資材調達が必要な事業を営む女性起業家にとって、このサービスは業務効率化に大きく貢献し、時間を有効活用できるようになります。
バーチャルオフィスとは?プチ起業家が知っておくべき基本
バーチャルオフィスは、多くのプチ起業家にとって強力な味方となるサービスですが、その概念や提供されるサービス内容は、まだ十分に理解されていない部分もあります。ここでは、バーチャルオフィスの基本的な定義から、他のオフィス形態との違い、そしてできること・できないことまで、プチ起業家が知っておくべき情報を詳しく解説します。バーチャルオフィスは、単に住所を貸してくれるだけのサービスではなく、事業の信頼性向上や効率化に貢献する多様なサービスを組み合わせて利用することで、その真価を発揮します。
バーチャルオフィスの定義と提供サービス
バーチャルオフィスとは、物理的なオフィススペースを持たずに、事業用の住所を借りることができるサービスです。具体的には、法人登記や名刺、ウェブサイトなどに記載する住所を提供し、郵便物の受け取りや転送、電話対応といった秘書業務を代行してくれるのが一般的です。
住所貸しとは具体的に何ができるのか バーチャルオフィスの最も基本的なサービスが「住所貸し」です。これは、事業を行う上で必要なビジネス上の住所をバーチャルオフィス事業者から借りることを意味します。この住所は、法人登記の際に使用できるだけでなく、名刺や会社案内、ウェブサイト、パンフレット、ECサイトの特定商取引法に基づく表記など、対外的なあらゆる書類や媒体に記載することが可能です。これにより、自宅の住所を公開する必要がなくなるため、個人のプライバシー保護に大きく貢献します。また、都心の一等地など、信頼性の高いビジネス街の住所を利用できるため、企業の信頼性やブランドイメージ向上にも繋がります。住所はビジネスの顔とも言える要素であり、顧客や取引先からの第一印象を大きく左右します。バーチャルオフィスの住所貸しは、コストを抑えつつ、プロフェッショナルなイメージを構築したいプチ起業家にとって不可欠なサービスと言えるでしょう。
バーチャルオフィスはオンラインコミュニケーションツールではない バーチャルオフィスと聞くと、「オンライン会議システムのようなもの」と誤解される方がいますが、それは誤りです。バーチャルオフィスは、あくまで「��ジネス上の住所を提供するサービス」であり、ZoomやTeamsのようなオンラインコミュニケーションツールとは全く異なります。物理的なオフィススペースを提供するものではなく、オンライン上で会議を行うためのプラットフォームでもありません。バーチャルオフィスが提供するのは、住所の利用権と、それに付随する郵便物転送や電話代行といった「バックオフィス業務のサポート」が中心です。そのため、従業員同士が実際に顔を合わせて働くための場所が必要な場合は、レンタルオフィスやコワーキングスペース、あるいは自社オフィスを検討する必要があります。バーチャルオフィスは、あくまで物理的なオフィスは必要ないが、対外的な信用を確立したい、郵便物の受け取りなどを効率化したいといったニーズに応えるサービスであることを理解しておくことが重要です。
バーチャルオフィスと他サービスの比較
バーチャルオフィスと似たようなサービスとして、レンタルオフィスやコワーキングスペースがあります。それぞれの特徴を理解し、自身の事業内容や働き方に合ったサービスを選ぶことが重要です。
レンタルオフィス、コワーキングスペースとの違い レンタルオフィス、コワーキングスペース、そしてバーチャルオフィスは、いずれも従来の賃貸オフィスとは異なる柔軟なオフィス形態ですが、それぞれ提供するサービスや目的が大きく異なります。レンタルオフィスは、個室のオフィススペースを契約し、家具や通信環境、会議室などの設備が整備されているのが特徴です。入居後すぐに業務を開始できるため、初期費用を抑えつつ、プライベートな空間で集中して仕事がしたい場合に適しています。しかし、賃料はバーチャルオフィスよりも高額になります。コワーキングスペースは、複数の企業や個人事業主が共有のスペースで仕事をする場所です。オープンな環境で、他の利用者との交流や情報交換ができる点が魅力で、新しいアイデアやコラボレーションが生まれやすい環境です。しかし、プライベートな空間は確保されません。一方、バーチャルオフィスは、物理的なオフィススペースを提供せず、主に住所貸し、郵便物転送、電話代行といったサービスを提供します。実際に仕事をする場所は自宅やカフェなどが中心で、オフィスとしての「実態」を必要としない場合に最適です。費用は最も安価ですが、実際の作業スペースは提供されません。これらの違いを理解することで、ご自身の事業フェーズや予算、働き方に最適な選択ができるでしょう。
自宅開業とのメリット・デメリット比較 プチ起業で最も手軽な選択肢の一つが自宅開業です。自宅開業は、オフィスの賃料が一切かからず、通勤時間もゼロという大きなメリットがあります。初期費用を最小限に抑えたい場合や、家族との時間を優先したい場合には非常に魅力的な選択肢です。しかし、デメリットも存在します。最も大きな問題は、自宅住所を公表することによるプライバシーの侵害です。特定商取引法に基づく表記などで住所を公開せざるを得ない場合、自宅の場所が不特定多数に知られるリスクがあります。また、自宅の住所ではビジネスとしての信頼性が低く見られがちで、顧客や取引先からの信用を得にくいという問題も考えられます。さらに、自宅と仕事の境界線が曖昧になり、オンオフの切り替えが難しい、家族の生活空間とビジネス空間が混在するといった課題も挙げられます。これに対し、バーチャルオフィスを利用すれば、プライバシーを守りつつ、信頼性の高いビジネス住所を持つことができます。自宅の快適さを保ちつつ、対外的な信用を確保できるため、自宅開業のデメリットを補完する形でバーチャルオフィスを活用できます。
バーチャルオフィスでできること、できないこと バーチャルオフィスは多くのメリットをもたらしますが、万能ではありません。サービス内容を正しく理解し、自身のビジネスモデルに合致するかどうかを事前に確認することが重要です。
法人登記や銀行口座開設は可能?
バーチャルオフィスは、法人登記の際の所在地として利用することが可能です。多くのバーチャルオフィス事業者が、法人登記に対応している住所を提供しています。これにより、物理的なオフィスを借りるよりもはるかに低コストで会社設立ができ、法人口座の開設にも進めます。ただし、銀行口座の開設については、バーチャルオフィスの住所を利用していても、金融機関によっては審査が厳しい場合があります。特に大手銀行では、事業の実態を確認するために、代表者との面談や事業内容の詳細なヒアリングを求めることがあります。メガバンクよりも、ネット銀行や地域密着型の信用金庫などが、バーチャルオフィス利用者に対して比較的柔軟な対応をしてくれる傾向があります。口座開設をスムーズに進めるためには、しっかりとした事業計画書を用意し、面談の際には事業の実態を明確に説明できるよう準備しておくことが重要です。
許認可が必要な業種での注意点 特定の事業を行う場合、許認可が必要となることがあります。例えば、人材派遣業、古物商、宅地建物取引業などです。これらの許認可業種の中には、事務所の独立性や面積、特定の設備など、物理的な要件が求められる場合があります。バーチャルオフィスは物理的なオフィススペースを持たないため、これらの業種で許認可を取得することは難しい場合があります。例えば、士業(弁護士、税理士など)の場合、各士業法で「事務所」の設置が義務付けられており、バーチャルオフィスではその要件を満たせない可能性があります。そのため、ご自身の事業が許認可を必要とする業種である場合は、事前に管轄省庁や各地域の自治体、またはバーチャルオフィス事業者へ確認し、必要な要件を満たせるかどうかを慎重に判断する必要があります。場合によっては、レンタルオフィスのように個室スペースが提供される形態のオフィスを検討する必要があるかもしれません。
オフィスとしての実態がないことの留意点 バーチャルオフィスは、あくまでビジネス上の住所と、それに付随する事務代行サービスを提供するものであり、物理的なオフィスとしての実態は伴いません。これは、コスト削減やプライバシー保護といったメリットの裏返しでもあります。そのため、顧客との対面での打ち合わせや、従業員が常駐して作業を行うための物理的なスペースが必要な場合は、別途、会議室の利用やコワーキングスペースの併用などを検討する必要があります。バーチャルオフィスによっては、時間貸しの会議室を提供している場合もありますが、常時利用できるわけではありません。また、税務調査などが入った際に、事業の実態を説明できる体制を整えておくことも重要です。実態がないことによる不利益や誤解を避けるためにも、バーチャルオフィスの特性を十分に理解し、自身のビジネスモデルに合った活用方法を検討することが大切です。
女性のプチ起業に最適なバーチャルオフィスの選び方 バーチャルオフィスと一口に言っても、提供されるサービスや料金プラン、立地、運営会社の信頼性など、様々な違いがあります。女性のプチ起業を成功させるためには、ご自身のビジネスに最適なバーチャルオフィスを選ぶことが非常に重要です。ここでは、失敗しないバーチャルオフィスの選び方について、具体的なポイントを詳しく解説していきます。これらのポイントを押さえることで、ご自身のビジネスを強力にサポートしてくれる、理想的なパートナーを見つけることができるでしょう。
立地・住所の重要性 バーチャルオフィス選びにおいて、提供される住所の「立地」は非常に重要な要素です。物理的なオフィスを持たないからこそ、バーチャルオフィスの住所があなたのビジネスの「顔」となります。
信頼性のあるエリアの選定(例:東京都心部) ビジネスの信頼性を高める上で、住所の立地は非常に重要です。例えば、東京都心部、特に銀座、丸の内、渋谷、青山といったビジネスの一等地にある住所は、顧客や取引先に与える印象が格段に良くなります。これらのエリアの住所を利用することで、「しっかりとした会社である」という印象を与え、ビジネスの信頼性を向上させることができます。特に、都心に拠点を置く企業との取引が多い場合や、全国展開を視野に入れている場合は、信頼性の高いエリアの住所を選ぶことが重要ですし、ウェブサイトや名刺に記載される住所が、ビジネスのイメージを左右する要素となるため、戦略的に立地を選ぶことが成功への第一歩となります。
顧客層や事業内容に合わせた立地選び バーチャルオフィスの立地選びは、単に「一等地」を選ぶだけでなく、ご自身の顧客層や事業内容に合わせて戦略的に行うべきです。例えば、特定の地域に特化したサービスを提供する場合や、地域密着型のビジネスを展開する予定がある場合は、その地域にあるバーチャルオフィスを選ぶことで、顧客からの親近感や安心感を得やすくなります。逆に、全国展開を目指すビジネスや、オンラインでのやり取りが中心となる場合は、都心の一等地や、アクセスしやすい駅近の住所を選ぶことで、より広範な顧客層にアピールできます。また、自身の事業が持つブランドイメージに合った立地を選ぶことも重要です。例えば、クリエイティブな事業であればおしゃれなエリア、堅実なコンサルティングであればビジネス街の中心、といったように、事業の特性を考慮して最適な立地を選ぶことで、顧客からの共感を呼び、ビジネスの成功に繋げることができます。
提供サービスの充実度 バーチャルオフィスは、単なる住所貸しだけでなく、様々な付帯サービスを提供しています。これらのサービスの充実度が、業務効率や利便性に大きく影響するため、自身のビジネスに必要なサービスが提供されているかを確認することが重要です。
郵便物転送サービスの頻度と料金体系 バーチャルオフィスが提供する郵便物転送サービスは、その頻度と料金体系が非常に重要です。多くのバーチャルオフィスでは、週に1回、月に数回といった定期的な転送サービスを提供していますが、急ぎの郵便物に対応するため、希望に応じて随時転送してくれるオプションもあります。ビジネスにおいては、重要な郵便物をタイムリーに確認することが不可欠であるため、自身のビジネスの特性に合わせて適切な転送頻度を選びましょう。また、転送にかかる費用(実費負担や手数料)や、転送先変更の可否、書留や速達への対応など、細かな料金体系や規約を事前に確認しておくことも大切です。サービスによっては、郵便物の内容をスキャンしてメールで通知してくれるオプションなどもあり、外出先からでも重要な情報を確認できるため、業務効率化に大きく貢献します。
電話転送・秘書代行サービスの必要性 ビジネスの初期段階では、電話対応に時間を取られることが大きな負担となる場合があります。バーチャルオフィスの中には、電話転送サービスや秘書代行サービスを提供しているところもあります。電話転送サービスは、バーチャルオフィスにかかってきた電話を、事前に登録した携帯電話や固定電話に転送してくれるサービスです。これにより、外出中でも重要な電話を逃すことなく対応できます。秘書代行サービスは、専門のオペレーターが会社名で電話応対し、用件をヒアリングしてメールなどで報告してくれるサービスです。これにより、電話対応のプロが顧客対応を行うため、ビジネスの信頼性を高めることができます。特に、一人で事業を運営しているプチ起業家にとって、これらのサービスは電話対応にかかる時間と労力を削減し、本業に集中できる環境を整える上で非常に有効です。自身のビジネスにおいて、電話対応がどれくらいの頻度で発生するか、また、どのような対応を求めるかによって、これらのサービスの必要性を検討しましょう。
会議室利用の可否と料金 バーチャルオフィスは物理的なオフィススペースを持たないのが基本ですが、多くのバーチャルオフィスでは、契約者が利用できる会議室を併設している場合があります。顧客との打ち合わせや、パートナーとの共同作業、あるいは集中して作業したい時など、必要に応じて会議室を利用できるのは大きなメリットです。会議室の利用料金は、時間単位で設定されていることが多く、事前に予約が必要な場合がほとんどです。利用頻度や、必要な会議室の規模、設備(プロジェクター、ホワイトボードなど)を確認し、料金体系が自���の予算に見合っているかを確認しましょう。中には、無料で利用できる時間枠を設けているバーチャルオフィスや、ドリンクサービスを提供しているところもあります。会議室の有無やその利便性は、バーチャルオフィスを選ぶ際の重要な判断基準の一つとなります。
料金プランの透明性と費用対効果 バーチャルオフィスを選ぶ際、料金は重要な要素です。単に月額料金が安いだけでなく、初期費用や追加費用、サービス内容とのバランスを見て、費用対効果の高いプランを選ぶことが重要です。
初期費用、月額費用の確認 バーチャルオフィスの料金プランは、主に初期費用と月額費用で構成されます。初期費用は、契約事務手数料や初月の利用料などが含まれることが多く、数千円から数万円程度が一般的です。月額費用は、提供されるサービスの内容によって大きく異なります。住所利用のみのシンプルなプランであれば月額数千円から、電話転送や郵便物転送、会議室利用などのオプションが充実するにつれて月額費用も高くなります。契約前に、初期費用と月額費用の総額を明確に把握し、予算内で利用できるかを確認することが重要です。また、長期契約割引などがある場合もあるので、契約期間と費用も考慮に入れると良いでしょう。
追加料金が発生するサービスと条件 多くのバーチャルオフィスでは、基本料金に含まれるサービス以外に、追加料金を支払うことで利用できるオプションサービスが多数あります。例えば、郵便物の転送頻度を増やしたり、速達で送ってもらったりする場合、電話転送サービスを契約時間外に利用する場合、会議室を予約制で利用する場合などがこれに当たります。これらの追加料金は、各バーチャルオフィスによって細かく設定されているため、契約前に必ず確認し、どのような場合にいくらの費用が発生するのかを把握しておくことが重要です。特に、月額費用が安くても、頻繁に利用するオプションサービスで追加料金が積み重なると、結果的に高額になるケースもあります。自身のビジネスでどのようなサービスをどの程度利用するかを事前にシミュレーションし、トータルで費用対効果の高いプランを選びましょう。
運営会社の信頼性と実績 バーチャルオフィスは、あなたのビジネスの住所を預ける重要なパートナーです。そのため、運営会社の信頼性や実績は、選ぶ上で非常に重要なポイントとなります。
設立年数や利用実績 バーチャルオフィスを選ぶ際には、運営会社の設立年数や利用実績を確認することが重要です。長年の運営実績がある会社は、それだけ多くの顧客に支持されており、サービス品質や安定性に信頼がおけます。特に、個人情報や重要な郵便物を預けることになるため、経営基盤がしっかりしている会社を選ぶことが安心に繋がります。ウェブサイトで設立年や累計利用者数、メディア掲載実績などを確認し、信頼できる事業者であるかを判断しましょう。利用実績が豊富な会社であれば、様々なニーズに対応できるノウハウも蓄積されているため、安心してサービスを利用できます。
口コミや評判の確認 インターネット上の口コミサイトやSNS、ブログなどで、実際にバーチャルオフィスを利用している人の生の声を確認することも非常に有効です。良い評判だけでなく、悪い評判やトラブル事例なども参考にすることで、そのバーチャルオフィスのリアルな姿を把握できます。例えば、「郵便物転送が遅い」「電話対応が不親切」「契約内容がわかりにくい」といった具体的な意見は、契約を検討する上で貴重な情報となります。ただし、全ての口コミが真実とは限らないため、複数の情報源を参考にし、偏りのない情報を収集するよう心がけましょう。
サポート体制の充実度 バーチャルオフィスを利用する上で、何か困ったことや不明点があった際に、迅速かつ丁寧なサポートが受けられるかどうかも重要なポイントです。契約前の問い合わせ対応の質や、契約後のカスタマーサポートの体制を確認しましょう。電話やメールでの問い合わせ窓口が明確であるか、営業時間内でスムーズに連絡が取れるか、担当者が専門知識を持っているかなどをチェックすることが大切です。特に、郵便物の受け取りや転送、会議室の予約など、日々の業務に直結する部分でサポートが充実しているかどうかは、業務効率にも影響するため、事前に確認しておくことをおすすめします。信頼できるサポート体制があれば、安心してビジネスに集中できます。
プチ起業でバーチャルオフィスを最大限に活用するコツ
バーチャルオフィスは、ただ住所を借りるだけのサービスではありません。その機能を最大限に活用することで、プチ起業の成功を大きく後押しすることができます。ここでは、バーチャルオフィスの持つポテンシャルを最大限に引き出し、あなたのビジネスをさらに成長させるためのコツを具体的にご紹介します。賢い活用術で、ビジネスの信頼性向上、効率化、そしてコスト削減を実現しましょう。
事業内容に合わせたサービスの組み合わせ バーチャルオフィスは、提供されるサービスが多岐にわたるため、自身の事業内容に合わせて最適な組み合わせを選ぶことが重要です。不要なサービスを契約して無駄なコストをかけないよう、必要なものだけを厳選しましょう。
ECサイト運営、コンサルティング、クリエイティブ系など バーチャルオフィスは、様々な業種のプチ起業家にとって有用ですが、特にECサイト運営者、コンサルタント、ウェブデザイナーやライターなどのクリエイティブ系のフリーランスに最適です。ECサイト運営者の場合、特定商取引法に基づく表記で自宅住所を公開する必要がなくなり、プライバシー保護と顧客への信頼性提供を両立できます。郵便物転送サービスを活用すれば、顧客からの返品や問い合わせなどもスムーズに対応可能です。コンサルタントの場合、都心の一等地住所を持つことで、顧客への信頼感が向上し、ビジネスチャンスが広がります。また、必要な時だけ会議室を利用できるため、対面での打ち合わせもスムーズに行えます。クリエイティブ系のフリーランスは、法人登記を行うことで社会的な信用を得やすくなり、企業からの大きな案件獲得に繋がる可能性があります。これらの業種では、物理的なオフィススペースが必須ではないため、バーチャルオフィスが提供するコスト削減と利便性のメリットを最大限に享受できるでしょう。
必要なサービスだけを選び、無駄なコストを削減 バーチャルオフィスの料金プランは、提供されるサービスの組み合わせによって大きく異なります。例えば、住所貸しと郵便物転送だけで十分な場合もあれば、電話転送や秘書代行、会議室の利用が必要な場合もあります。自身のビジネスでどのようなサービスが本当に必要かを明確にし、それ以外のサービスは契約しないことで、無駄なコストを削減できます。例えば、日常的に電話での顧客対応が必要ない場合は、電話転送や秘書代行サービスは不要かもしれません。また、年に数回しか対面での打ち合わせがない場合は、会議室の常時利用が含まれるプランではなく、時間貸しで利用できるバーチャルオフィスを選ぶ方が費用を抑えられます。初期の段階では最低限のサービスでスタートし、事業が成長するにつれて必要なサービスを追加していくなど、柔軟にプランを見直すことも賢い利用方法です。
バーチャルオフィスを活用した信頼性の構築 バーチャルオフィスの活用は、コスト削減だけでなく、事業の信頼性を飛躍的に高める効果があります。特に、個人で事業を始めるプチ起業家にとって、この信頼性はビジネスの成長に不可欠です。
名刺やウェブサイトへの住所記載 バーチャルオフィスの住所を名刺やウェブサイト、パンフレットなどのあらゆるビジネスツールに記載することで、対外的な信頼性を大きく向上させることができます。特に、都心の一等地にあるバーチャルオフィスの住所は、ビジネスとしてのプロフェッショナルなイメージを強く与えます。自宅住所では得られないこの信頼感は、新規顧客の獲得やビジネスパートナーとの関係構築��おいて非常に有利に働きます。名刺交換の際に、ビジネス街の住所が記載されているだけで、相手に与える印象は全く異なるでしょう。ウェブサイトにおいても、しっかりとした住所が記載されていることで、訪問者からの信頼感が増し、安心してサービスを利用してもらうきっかけにもなります。
法人登記による社会的な信用度アップ バーチャルオフィスの住所を利用して法人登記を行うことは、プチ起業家にとって社会的な信用度を格段に向上させる大きなステップです。個人事業主と比較して、法人という形態は、社会的に「事業を行っている実体」として認識され、信頼性が高まります。これにより、銀行からの融資を受けやすくなったり、企業間取引において有利な条件で交渉できたりする場合があります。特に、大手企業や上場企業との取引を検討している場合、法人であることが条件となることも少なくありません。バーチャルオフィスを活用して法人化することで、ビジネスの規模を拡大し、新たなビジネスチャンスを掴むための基盤を構築できます。これは、単に住所を借りる以上の、長期的な事業成長に繋がる重要な投資と言えるでしょう。
時間管理と効率化 プチ起業では、限られた時間をいかに有効活用するかが成功の鍵となります。バーチャルオフィスは、時間管理と業務効率化にも貢献し、あなたが本業に集中できる環境を整えます。
自宅での作業とオフィスサービス利用のバランス バーチャルオフィスを利用することで、自宅での作業の効率を高めつつ、必要な時だけオフィスサービスを活用するというバランスの取れた働き方が可能になります。普段は集中できる自宅で作業を行い、郵便物の受け取りや電話対応はバーチャルオフィスに任せることで、本業に集中できる時間を最大限に確保できます。また、顧客との重要な打ち合わせや、集中して資料作成を行いたい時などは、バーチャルオフィスが提供する会議室や、提携しているコワーキングスペースなどを活用することで、自宅では得られない環境で業務を進めることができます。これにより、自宅と仕事の切り替えが明確になり、オンオフのメリハリをつけることができ、精神的な負担も軽減されます。
オンラインツールの積極的な活用 バーチャルオフィスと並行して、オンラインツールを積極的に活用することで、さらなる業務効率化を図ることができます。例えば、クラウドストレージサービスを利用して書類やデータを共有・管理すれば、場所を選ばずにアクセスできます。オンライン会議ツール(Zoom, Google Meetなど)を活用すれば、遠方の顧客やパートナーとも手軽に打ち合わせが可能です。タスク管理ツールやプロジェクト管理ツールを導入すれば、業務の進捗状況を可視化し、効率的にタスクを消化できます。会計ソフトをクラウド型にすれば、場所を選ばずに経理処理を行え、税理士との連携もスムーズになります。これらのオンラインツールとバーチャルオフィスを組み合わせることで、物理的なオフィスを持たなくても、プロフェッショナルかつ効率的なビジネス運営が実現し、あなたのプチ起業を成功へと導くでしょう。
バーチャルオフィス利用時の注意点とトラブル回避策
バーチャルオフィスは多くのメリットを提供する一方で、利用時にはいくつかの注意点があります。これらを事前に把握し、適切な対策を講じることで、将来的なトラブルを回避し、安心してビジネスを運営することができます。特に、銀行口座の開設や許認可業種での利用、そして運営会社選びには慎重な検討が必要です。
銀行口座開設のハードル バーチャルオフィスを利用して法人登記を行った場合でも、法人口座の開設には一定のハードルが存在します。金融機関は、口座が犯罪に利用されることを防ぐため、事業の実態や透明性を厳しく審査します。
金融機関ごとの審査基準と対策 バーチャルオフィスを利用して法人登記を行った場合、金融機関によっては法人口座の開設が難しいケースがあります。特にメガバンクでは、物理的なオフィスがないことや、事業の実態が不明瞭で���ると判断されると、審査に通らないことがあります。しかし、全ての金融機関で口座開設が困難なわけではありません。ネット銀行や地域密着型の信用金庫、地方銀行などは、比較的バーチャルオフィス利用者に対して柔軟な対応をしてくれる傾向があります。口座開設の際には、事業計画書を詳細に作成し、事業内容や収益モデル、資金の流れなどを具体的に説明できるように準備しましょう。また、ウェブサイトや名刺を準備し、事業活動が開始されていることを示す資料を提出することも有効です。いくつかの金融機関に事前に相談し、バーチャルオフィス利用者の実績や対応状況を確認することも、スムーズな口座開設への一歩となります。
事業計画書や面談の重要性 法人口座の開設において、金融機関が最も重視するのは「事業の実態」と「透明性」です。バーチャルオフィスを利用している場合、物理的なオフィスがないため、この「実態」をどのように証明するかが鍵となります。そのため、詳細かつ説得力のある事業計画書を作成することが極めて重要です。事業計画書には、事業内容、ターゲット顧客、収益モデル、市場分析、競合他社分析、資金計画、将来の展望などを具体的に記載し、実現可能性と収益性をアピールしましょう。また、金融機関との面談の機会があれば、そこで担当者に直接、事業への熱意や具体的なビジョンを伝えることが大切です。事業の実態を明確に説明し、疑念を払拭することで、信頼を得て口座開設に繋げることができます。
許認可業種への影響 特定の事業を営むには、行政庁からの許認可が必要となる場合があります。これらの許認可業種の中には、物理的な事務所の設置が必須となるものがあるため、バーチャルオフィスでは対応できないケースが存在します。
実店舗や実務スペースが必要な業種の確認 バーチャルオフィスは、物理的なオフィススペースを提供しないため、実店舗や実務スペースの設置が法律で義務付けられている業種では、原則としてバーチャルオフィス単独での事業運営はできません。例えば、飲食店、美容院、特定の人材派遣業、古物商、宅地建物取引業、一部の士業(弁護士、税理士など)などがこれに該当します。これらの業種は、営業許可や資格取得のために、事務所の独立性、面積、設備など、物理的な要件が細かく定められている場合があります。ご自身のプチ起業がこれらの許認可業種に該当するかどうかを事前に確認し、もし該当する場合は、バーチャルオフィスではなく、レンタルオフィスやコワーキングスペースの個室、あるいは賃貸オフィスなど、物理的な要件を満たせる場所を検討する必要があります。事前に各地域の自治体や関連省庁に問い合わせて、必要な要件を正確に把握しておくことが、後のトラブルを防ぐ上で非常に重要です。
事前に管轄省庁・自治体への確認 ご自身の事業が許認可を必要とする業種であるかどうかの判断は、非常に専門的で複雑な場合があります。自己判断せずに、必ず事前に事業内容に関する許認可を管轄する省庁や、事業所在地を管轄する地方自治体(都道府県庁や市役所など)に問い合わせを行いましょう。具体的な事業内容を説明し、バーチャルオフィスの住所で許認可を取得できるかどうか、あるいは他にどのような要件が必要となるかを確認することが不可欠です。中には、バーチャルオフィスでも許認可取得が可能なケースや、一部のサービスであれば問題なく運営できるケースもありますが、判断を誤ると、後で事業停止命令や罰則の対象となるリスクがあります。専門家(行政書士など)に相談するのも一つの手です。
運営会社選びの失敗事例
バーチャルオフィス選びに失敗すると、ビジネスの信頼性を損ねたり、思わぬトラブルに巻き込まれたりする可能性があります。そのため、信頼できる運営会社を選ぶことが非常に重要です。
悪質な業者の見分け方 残念ながら、バーチャルオフィス業界には、悪質な業者も存在します。これらの業者に引っかからないためには、いくつかのポイントを注意深く確認する必要があります。まず、極端に安価な料金を提示している業者には注意が必要です。相場からかけ離れた価格設定は、サービス内容が劣悪であったり、後から高額な追加料金を請求されたりする可能性があります。次に、契約内容が不明瞭であったり、サービスに関する説明が曖昧な業者も避けるべきです。特に、郵便物転送の頻度、料金体系、解約条件など、重要な項目が明記されているか確認しましょう。また、運営会社の実績や評判が確認できない、ウェブサイトが簡素すぎる、連絡先が携帯電話番号のみといった場合も、注意が必要です。実際に問い合わせを行い、担当者の対応が丁寧か、質問に的確に答えられるかなども判断材料となります。
契約内容の事前確認とキャンセルポリシー バーチャルオフィスを契約する前に、必ず契約内容を隅々まで確認することが重要です。特に、月額料金に含まれるサービス、追加料金が発生するサービスとその料金、契約期間、更新条件、そして最も重要なのが「解約条件」です。中途解約時の違約金や、解約通知の期限、解約手続きの方法などを明確に把握しておきましょう。思わぬトラブルを避けるためにも、契約書をしっかりと読み込み、不明な点があれば契約前にすべてクリアにしておくべきです。また、多くのバーチャルオフィスでは、契約後に「クーリングオフ」のような制度はありませんので、一度契約すると簡単にキャンセルできない場合が多いことを理解しておく必要があります。後悔しないためにも、複数のバーチャルオフィスを比較検討し、納得のいくまで情報収集を行うことが大切です。
成功事例に学ぶ!女性プチ起業家のバーチャルオフィス活用術
実際にバーチャルオフィスを活用してプチ起業を成功させた女性たちの事例を知ることは、ご自身のビジネスのヒントとなるでしょう。ここでは、具体的な事例を通して、バーチャルオフィスがどのように彼女たちのビジネスを支え、成長に貢献したのかを解説します。これらの成功事例から、バーチャルオフィスの具体的な活用方法や、その効果を学ぶことができます。
フリーランスデザイナーの成功事例 フリーランスデザイナーとして活動するAさんは、当初自宅で業務を行っていました。クライアントとのオンラインミーティングが中心で、物理的なオフィスは不要でしたが、名刺やウェブサイトに自宅住所を記載することに抵抗があり、またクライアントからの信頼性を高めたいと考えていました。
自宅での作業効率と信頼性の両立 Aさんは、都心の一等地にあるバーチャルオフィスを契約しました。これにより、名刺やウェブサイトにはバーチャルオフィスの住所を記載できるようになり、クライアントからの信頼性が飛躍的に向上しました。Aさんのデザインは、ビジネスとしてのプロフェッショナルな印象を与え、より高単価な案件を獲得するきっかけとなりました。また、郵便物転送サービスを利用することで、デザイン会社や印刷会社からのサンプルや資料などを自宅で受け取る必要がなくなり、プライバシーが保護されました。普段の作業は自宅で集中して行い、たまに必要な場合はバーチャルオフィス併設の会議室を利用してクライアントと対面で打ち合わせをするなど、自宅での作業効率とビジネス上の信頼性を両立させることができ、ストレスなく事業を拡大していきました。
オンラインスクール運営者の事例 Bさんは、自身の専門知識を活かし、オンラインで語学スクールを立ち上げました。生徒は全国に広がり、当初は個人事業主として活動していましたが、事業規模の拡大と共に法人化を検討し始めました。
全国からの生徒確保と法人化のメリット Bさんは、オンラインスクールとして全国の生徒を対象としていたため、物理的な場所の制約は元々ありませんでした。しかし、生徒からの信頼を得て、さらに大規模な募集をかけるために法人化を決意しました。バーチャルオフィスを利用することで、都心の一等地で法人登記を行い、信頼性の高いビジネス拠点を手に入れました。これにより、大手教育機関との提携や、企業の研修プログラムとしての受注も増え、事業規模が飛躍的に拡大しました。また、法人口座を開設できたことで、決済方法の選択肢が増え、生徒からの月謝の受け入れがよりスムーズになったことも大きなメリットでした。オンラインでのビジネスモデルとバーチャルオフィスは非常に相性が良く、Bさんの事業成長を強力に後押ししました。
コンサルタントの事例 Cさんは、中小企業向けの経営コンサルタントとして独立しました。クライアント企業への訪問が主で、自身のオフィスを持つ必要性は感じていませんでしたが、名刺に自宅住所を記載することに抵抗があり、また、プロフェッショナルなイメージを確立したいと考えていました。
都心一等地住所がもたらすビジネスチャンス Cさんは、クライアントからの信頼性を重視し、都心の一等地にあるバーチャルオフィスを選びまし���。名刺にはその住所を記載し、クライアントに渡すことで、Cさんのコンサルティングサービスが持つ専門性と信頼性を視覚的にアピールできました。特に、新規のクライアントとの初回面談の際に、都心の一等地という住所は、Cさんの事業が持つプロフェッショナルな印象を補強し、安心して相談できる雰囲気を作り出すのに役立ちました。また、必要な時にはバーチャルオフィスが提供する会議室を利用して、クライアントとの機密性の高い打ち合わせを行うこともでき、プライベートな空間を確保しつつ、信頼性の高いビジネス環境を維持できました。結果として、バーチャルオフィスの活用が、Cさんのコンサルティング事業の売上向上と、新たなビジネスチャンスの獲得に大きく貢献しました。
最後に
本記事では、女性のプチ起業を成功させるために、バーチャルオフィスがいかに強力な味方となるかを詳しく解説してきました。自宅での開業が抱えるプライバシーの問題や、初期費用・固定費の削減、そして顧客からの信頼性向上といった多くの課題を、バーチャルオフィスがいかに効果的に解決できるか、具体的な活用術と注意点を含めてご紹介しました。バーチャルオフィスは、単なる住所貸しサービスに留まらず、郵便物転送や電話代行、会議室利用など、多岐にわたるサービスを提供することで、プチ起業家の業務効率化と事業成長を強力にサポートします。特に、都心の一等地住所を利用できることは、あなたのビジネスにプロフェッショナルなイメージと信頼性をもたらし、新たなビジネスチャンスを掴むための重要な要素となります。
起業は大きな一歩ですが、バーチャルオフィスを賢く活用することで、そのハードルは大きく下がります。ご自身の事業内容や予算、そして将来の展望に合わせて最適なバーチャルオフィスを選び、本業に集中できる環境を整えましょう。この記事が、これからプチ起業を始める女性の皆様にとって、具体的な行動を後押しし、夢の実現に向けた確かな一歩となることを願っています。バーチャルオフィスを最大限に活用し、あなたのプチ起業を成功に導きましょう。
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ari0921 · 4 months ago
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2014年、ウクライナにアメリカの傀儡政権を樹立させたバイデンと「クッキーを配るヌーランド」
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
2022/5/1(日) 21:34
 2013年末、親露政権を倒すべくバイデンはウクライナ国民を焚きつけたが、部下のヌーランドが傀儡政権を画策している録音がリークされ、ウクライナ国民を懐柔するためにクッキーを配っている証拠写真もある。この時ウクライナは中国に助けを求めた。
◆クッキーを配ってウクライナ国民を懐柔するヌーランドの写真
 日本には「飴(あめ)をしゃぶらせる」という言葉があるが、さすがアメリカ。
 「飴」ではなく、「クッキー」を配ってウクライナ国民の投票行動に影響を与えようとする発想に、まず驚く。
 他国への内政干渉であり、また選挙のために物品や金銭を配るという行為は、民主主義国家では禁じられているはずだが、「クッキー」はひとつの象徴に過ぎず、裏では大金が動いていた。
 日本には公職選挙法があり、選挙区内でウチワを配布しただけで法務大臣が辞任にまで追い込まれた例もある(2014年、松島みどり元法務大臣)が、当時のバイデン副大統領は、おおっぴらに「他国の内政に関与する選挙運動」を展開していたのだ。
 2013年11月21日の夜、ウクライナのキエフ(現在はキーウと表記)にあるマイダン・ネザレジノスティ (独立広場)で、激しい抗議活動が始まっていた。ウクライナ議会が、「EUとの連合協定」調印の中止を発表したのがきっかけだった。この詳細を書くと非常に長くなるので、ここではヴィクトリア・ヌーランド(当時のオバマ政権の国務次官補。現在のバイデン政権の国務次官)の「クッキー配りの写真」に焦点を当てて考察したい(詳細は『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』の第五章にある「年表」の前後をご覧いただきたい)。
 抗議行動は2014年2月に親露政権のヤヌコーヴィチ大統領がロシアに亡命するまで続いた。
 これを「マイダン革命」という。
 この「マイダン革命」勃発には、オバマ政権におけるバイデン副大統領やその部下に相当するヌーランドが関係しており、親露政権を倒して親欧米政権を樹立することに奔走していた事実を疑う人は今では少ないだろう。
 なんと言っても、2015年1月31日、CNNのインタビューで、当時のオバマ大統領が「(ヤヌコーヴィチ政権転覆のための)クーデターに、背後でアメリカが関与していた」という事実を認めたのだから。
 このことは、ロシア研究の最高権威である下斗米(しもとまい)伸夫教授(法政大学)も、平成28年3月に公益財団法人日本国際問題研究所が出した報告書〈平成27年度 外務省外交・安全保障調査研究事業「ポストTPPにおけるアジア太平洋地域の経済秩序の新展開」 ロシア部会「アジア太平洋地域における経済連携とロシアの東方シフトの検討」〉の「第1章 曲がり角に立つロシア・2016年」で認めておられる。
 さて、興味深いのは、そのときのヌーランドがクッキーを配る写真があることだ
(2013年12月に、ロイターの記者Andrew Kravchenkoが撮影)。リンク先をご覧いただければ確認できるが、念のため、このページに「動かぬ証拠」を貼り付けたいと思う。 
 まず一枚目。
出典:ロイター
 配っている相手が、ウクライナ政府側の機動隊なのだろうか。差し伸べられた「クッキー」を、「嫌がっている」表情が見てとれる。「ほら、食べなさいよ、おいしいよ」と言っているヌーランドの声が聞こえそうだが、機動隊はニコリともせず、受け取ろうともしていない。当然だろうが、抗議デモを鎮圧しようとしている機動隊にまでクッキーを配って懐柔しようとしているのは、如何に熱心であるかを表していて、注目に値する。
 ヌーランドの横で、同じくクッキーを配っているのは、駐ウクライナのアメリカ大使Geoffrey Pyatt(ジェフリー・パイアット)だ。
2枚目。
出典:AP
 この写真では、ヌーランドがやや不機嫌に「あなたたち餓えてるんでしょ?こんなにクッキーがあるのに、受け取らないの?」と言っているような気配を漂わせている。背景にあるキエフの街が暴動で瓦礫(がれき)と化しているところを見ると、最初の暴動が起きた2013年11月21日以降に撮影されたものだろう。事実、撮影時は2013年12月となっている。「今から新政権を樹立するための選挙が行われる」という前のことになる。
3枚目。
出典:ロイター
 3枚目の写真は親欧米派に囲まれたときの情景なのだろうか。
 少なからぬウクライナ国民が喜んでクッキーを受け取ろうとしている。積極的に動いているのは、やはりヌーランドで、駐ウクライナのアメリカ大使は、その行動を受け入れる姿勢で(温かく?)見守っている。
 これらの証拠写真により、オバマ大統領が「(親露政権打倒のための)マイダン革命にアメリカが関与していた」という趣旨のことを言ったことが「事実であった」ことを、私たちは確認することができる。
 こういった写真を残す行動に、ジャーナリストの高い意識と理念が伝わってくるようで、撮影した記者に尊敬の念を抱く。
◆ヌーランドが親米の傀儡政権人事を決めていた音声録音
 「たかがクッキーを配っているだけじゃないか」と思う読者がいるかもしれないが、実はそれだけではない。
ヌーランドが、新しく樹立させようとした親米のウクライナ政権に関して、人事まで決めていた会話が録音されてリークされた。そのお陰で、いま私たちはヌーランドの生の声を聴くことができる。会話の相手は前述の写真に出てくる駐ウクライナのアメリカ大使だ。
 リークされたのが「2014年2月4日」で、実際に会話が交わされたのは「2014年1月末」とのこと。
 ヌーランドが会話の中で列挙しているウクライナ政界の人物は「ボクシングの元ヘビー級世界チャンピオンであるクリチコ」や「ヤッツ(アルセニイ・ヤツェニュク)」などで、彼女は「ヤツェニュク」を、「経済経験のある人物」として評価している。のちに発足した親米のポロシェンコ政権で、「ヤツェニュク」は首相に就任している。
 親欧米というより、「親米」と書いたのは、ヌーランドが録音された会話の中で、"Fuck the EU"(EUのクソったれ!)と言っているからで、ヌーランドはEUに激しい不満を抱いているからだ。したがって、「アメリカの言いなりになってくれさえすればいい」と考えていたことが推測され、アメリカの傀儡政権を樹立させるために、バイデンやヌーランドが動いたと見るべきだろう。
 会話の信憑性に関して、アメリカ民主党の議員の何名かは「まちがいなくヌーランドの声だ」と認めているし、サキ報道官も「この録音は本物ではない」と言わなかったことから、録音された会話は本物だったと解釈される。
 何よりも、ヌーランド自身がEUを罵(ののし)ったことを謝罪しているので、疑う余地はないだろう。
 大統領代行時代を経て、2014年6月7日に新しく大統領の座に就いたのはポロシェンコである。6月4日、ヌーランドとアメリカ大使は、ポーランドのワルシャワでジョン・ケリー米国務長官と会談する前に、大統領に当選したポロシェンコにお祝いの挨拶に行っている。
 その写真を以下に示す。
出典:米国務省
 アメリカの意のままに動くポロシェンコ大統領は、のちにバイデンの息子ハンター・バイデン(当時、ウクライナのエネルギー最大手プリスマ社の取締役)がスキャンダルで捜査を受けていたとき、捜査を担当している検事総長を解任せよとバイデンに言われ、実際に解任している。解任しないとウクライナへの10億ドルの融資を撤回すると脅迫されたからだ。
 この事実は、解任された検事総長がメディアにばらしたことによって明らかになった。
 これを傀儡政権と言わずして、何と言おう。
◆マイダン革命を受けて習近平に会いに行ったヤヌコーヴィチ大統領
 時間的に少しさかのぼるが、マイダン革命が起きるとすぐに、ヤヌコーヴィチ大統領は北京に駆け付け、習近平に会って「中国ウクライナ友好協力条約」を締結している(2013年12月5日)。下に示すのは、その時の写真である。
出典:新華社
 というのは、ヤヌコーヴィチは大統領に就任して間もない2010年6月に「中立を保ちNATOに加盟しない法律」を制定しているからだ。マイダン革命により辞任に追われることは明白だったので、「核」を放棄してしまっているウクライナとしては、安全保障を如何にして担保するかが、次の問題になるため、中国に「核攻撃を受けた場合に、中国がウクライナを守る」という保障を得たかったのである。
 親米のポロシェンコ政権になっても、また現在のゼレンスキー政権になっても、「中国ウクライナ友好協力条約」は撤廃されていない。バイデンにとってはロシアを倒したいのであって、中国との友好条約を撤廃しろとは言ってないことが何とも興味深い。*(注)
 核に関する問題は、3月29日のコラム<プーチンが核を使えば、習近平はプーチンを敵として戦わなければならなくなる――中ウ友好条約の威力>で考察したが、新しい情勢におけるさらなる考察は本論のテーマと異なるので、また別の機会に譲りたい。
 *(注)なぜ中国なら大丈夫と思っているかというと、バイデンはNATOを支配していたいからで、NATOをまとめるには「巨大な共通の敵」がいないとならないからだ。それが「ロシア」であって、NATOは「中国」という敵がいてもまとまらない。なぜ中国ではまとまらないかというと、NATOはそもそも旧ソ連に対抗するために結成されたものであり、中国とは距離的にも遠くかけ離れていたので中国を相手にしていなかったからだ。
 一方、NATOが存在しないとアメリカの存在価値は低くなり、武器も輸出できなくなるが、共和党のトランプ(元)大統領は「NATOなど要らない」として「NATO不要論」を前面に押し出していた。その代りに「アメリカ・ファースト」で「アメリカという国家の存在」を強く位置づけているところが「戦争ビジネス」をバックボーンとするバイデンと違うところだ。
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kennak · 8 months ago
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■女性として妻として母としての私の尊厳、そして検事として尊厳を踏みにじられ、身も心もボロボロにされた 大阪地検トップの検事正だった男が部下の女性検察官に性的暴行を加えた罪に問われている裁判の初公判で、男は、起訴内容を認め謝罪した。 北川健太郎被告(65)は大阪地検の検事正だった2018年9月、酒��酔って抵抗できない状態だった部下の女性検察官に性的暴行を加えた罪に問われている。 初公判で、北川被告は起訴内容を認め「深刻な被害を与えたことを反省し、謝罪したい」と述べた。 検察側は、冒頭陳述で被告人は、「これでお前も俺の女だ」と言って性交し、被害者は抵抗すれば殺されるという恐怖を感じたと指摘した。 閉廷後、被害者の女性検察官は「大阪地検のトップの検事正から突如、性被害を受け、全てを壊されました。女性として妻として母としての私の尊厳、そして検事として尊厳を踏みにじられ、身も心もボロボロにされた」と事件の悲痛な胸の内を涙ながらに語った。 ■被害者の女性検事の記者会見詳報 大阪地検元検事正で弁護士の北川健太郎被告 以下、被害者の女性の記者会見での発言。(性被害の詳細な内容の一部については被害者に配慮し省略した。性暴力の描写があるため、フラッシュバックなどの恐れがある方はご注意ください。) 私は元大阪地検検事正による準強制性交等事件の被害者です。そして私は現職の検事です。 第一回公判を終えての感想ということですが、被害を受けてから約6年間、本当にずっと苦しんできましたので、なぜもっと早く、罪を認めてくれなかったのか、もっと早く罪を認めてくれていたら、もっと早く私が被害申告をできて、この経験を過去のものとしてとらえることができて、また新しい人生を踏み出すことができた。 彼は、逮捕された当初も否認をしていて、検察官の捜査してくださった証拠を見て、争う余地がないということで認めたのだと思いますので、認めたとしても、私の処罰感情が和らぐはずもありません。 ここまでの経緯を振り返ると、公判を傍聴してくださった方ならわかると思うんですけれども、検察組織や検察職員を人質にして、私に口止めをし、公にされたら死ぬと脅され、私は被害申告できませんでしたので、そういうことを当時の被害状況を含めて、その口止めされた時のことも含めて、6年間がずっと頭の中をグルグルグルグル回りながら、検察官の冒頭陳述や証拠調べを聞いていました。 被害から6年間、本当に苦しんできました。 ほぼ誰にも言えず、苦しんできた期間は長くありました。 大きな権力との戦いで、強い恐怖や孤独、事件が闇に葬られるかもしれないと不安も大きかったのですが、温かく見守ってくださった皆様方が私の選択を応援して支援してくださったおかげで今日の初公判を迎えることができました。本当にありがとうございます。 ■性犯罪の本質を正しく理解して頂き、性犯罪被害者の実態を正しく知って欲しい 会見を開いた理由は大きく2つあります。 一つ目は性犯罪や虐待被害など、声を上げられずに苦しんでいる被害者の方々や、勇気を振り絞って声を上げてもずっと苦しみ続けている被害者の方々がたくさんいらっしゃいます。 私は、若いころ、電車内での強制わいせつ事件にあったことがありましたが、恐怖で逃げるのに精一杯で警察に届けることができませんでした。 また、ストーカー被害にあった際は、警察に被害を届け出ましたが、まともに捜査してもらえませんでした。 私は被害を受けても声を上げられない、声を上げても届かないということを身をもって体験してまいりました。 ですから私は被害を受けて苦しんでいる方々に寄り添い、力になりたいと思い、検事に任官しました。 これまで検事として、たくさんの被害者の方々と共に泣き、ともに戦い、寄り添ってきました。 そして今、私自身の経験をお話することで、今まさに苦しんでいる被害者の方々の力に寄り添うことができればと思い会見を開くことにしました。 また性被害は、知人間で行われることが多く、また客観証拠が乏しいことが多いため、加害者が『性暴力をしていない。同意があった』『同意があると、誤信していた』などと主張することが多く、司法に携わる物が懸命に捜査をしなければ、 あるいは、正しく事実認定をしなければ、法的評価をしなければ、勇気を振り絞って声を上げた被害者をさらに傷つけることになり、さらには性犯罪を許すことになり、傷つけられる被害者が絶えないという悲劇をもたらします。 ですから、性犯罪の本質を正しく理解して頂き、性犯罪被害者の実態を正しく知って頂くことで、性犯罪を撲滅したいという思いから、会見を開くことにしました。 ■少しでも孤独に苦しんでいる被害者の方々の力になれたら、自分自身も生きられる 被害女性の会見 2つ目は私自身のためです。 私は、法令を遵守し、傷ついた被害者に寄り添い、犯罪者を適正に処罰することを使命とする検察庁のしかも私が所属する大阪地検のトップの検事正から突如性被害を受け、すべてを壊されました。 女性として、妻として、母としての私の尊厳、そして検事としての尊厳を踏みにじられ、身も心もボロボロにされ、家族との平穏な生活も、大切な仕事も、全て壊されました。 それでもすぐに被害申告できなかったのは、被告人(北川元検事正)から「公にすれば死ぬ。検察が機能しなくなり、検察職員に迷惑がかかる」と脅され、口止めをされ、懸命に仕事をしているたくさんの職員に迷惑をかけられない、検察を守らなければならないと思ったからです。 私は自分が泣き寝入りさせられたことで、それまで以上に勇気を振り絞って被害申告してくれた被害者の方々に寄り添い、力になりたいと思い、自分の苦しみにふたをして、被害者の方々と共に戦ってきました。 少しでも孤独に苦しんでいる被害者の方々の力になれたら、自分自身も生きられると思っていたからだと思います。 ■検事正であった人間がこれほどまでに罪深く不道徳で、非常識であることを誰も気づいていない 一方、被告人は、重大な罪を起こしたことで、刑事処罰を受け、懲戒免職され、法曹資格も失うべきであったところ、その罪を隠して円満退職し、多額の給与や、退職金を得、弁護士になり、企業のコンプライアンスなどに関わり、 多数の検察職員に囲まれて、盛大な退官パーティーを開き、検察の現職の職員と夜な夜な酒を飲み歩き、部下との関わり方などを語り、検察に大きな影響力を持ち続けました。 被告人(北川元検事正)は、私を脅し口止めをした際、「公にならないなら喜んで死ぬ」とまで言っていましたが、実際の行動はまるで、自分の犯した罪などなかったかのようなひどく傷つけた被害者の存在など忘れてしまったかのような振る舞いで、 被害感情を逆なでし、必死に苦しみにふたをして検事の仕事に没頭して、そうやって何とか生きていこうとしていた私を踏みにじってきました。 検事正であった人間がこれほどまでに罪深く不道徳で、非常識であることを誰も気づいていない。処罰されるべき人間が処罰されていない。 被害者を救い、犯罪者を適切に処罰し、国民の安全と安心を守り抜くことが、検察官の使命であり、私の使命であるのに、被害者である私自身は、誰からも救ってもらえず、 罪を犯した被告人(北川元検事正)を適切に処罰できていない、その怒りや悔しさでPTSDの症状が増悪し、私の心身は限界になり、休職せざるを得なくなりました。 自分の生きがいであった仕事まで奪われてしまいました。 ■私のアイデンティティーを守ることしかない、被告人を処罰することしかない 私自身を取り戻すためには、私のアイデンティティーを守ることしかない、被告人(北川元検事正)を処罰することしかない、被告人に真に自分の罪と向き合わせ、同じような被害者を二度と生み出してはいけないと思い、覚悟を決め、被告人の処罰を求めました。 適正な捜査をして被告人(北川元検事正)の処罰をしてほしい。私を救ってほしいと何度も何度も書面を作成して、検察庁に訴えました。 持っていた証拠も全て提出しました。起訴して頂くまでの間は、事件をつぶされるかもしれないという恐怖におびえ、とても苦しかったですが、捜査を担当してくださった皆様が懸命に捜査をしてくださり、起訴して頂くことができました。 私は少し救われた気持ちになりました。少しづつ日常を取り戻していくために、休職期間を利用して、登庁の練習を始めました。 起訴して頂くまでは、登庁すること自体が恐怖で、泣きながら震えながら、登庁していましたが、検察庁が、被害者情報や、被害内容の保秘を徹底してくださったので、その職場は安全であると信じていました。 ■女性副検事が「私を侮辱し、誹謗中傷する虚偽の内容を故意に吹聴」 ところが、今回の事件の関係者である女性副検事が内偵捜査中の時点で、被告人側に捜査情報を漏えいし、被告人(北川元検事正)が当初弁解していた内容に沿う事実と相違する供述をしていたことがわかりました。 さらにその女性副検事は、検察庁職員や、OBに対して、被害者が私であることを言ったうえで、私が事件当時、飲酒酩酊のため、抗拒不能の状態になかったので、性交に同意していたと思う、PTSDの症状も詐病ではないか、金目当ての虚偽告訴ではないかという趣旨の私を侮辱し、誹謗中傷する虚偽の内容を故意に吹聴していたことがわかりました。 さらにその嘘は検察庁内に広く伝わり、私が信頼していた上級庁の検事までもが、証拠関係も知らないのに、被害者を誹謗中傷し、被告人をかばうような発言をしていたこともわかりました。 性被害を受け、苦しんでいるにもかかわらず、検察庁内外でこのような被害を受け、さらに傷つけられてしまいました。 ■内通の女性副検事と同じ職場に 検察庁からは謝罪なし 女性副検事の一連の行為については、私が知った9月3日以降、検察庁に対し何度も速やかに捜査をして、適正に処分して頂きたいと訴え、10月1日に告訴、告発しました。 また、検察庁に対する信頼を損ねることになるので、速やかに副検事の職から離れさせるよう訴えてきましたが、いまだに女性副検事は検察庁で仕事をしています。 最高検以下は、女性副検事の捜査段階での捜査情報の漏えいなどを把握していながら、適正な処罰や処分をせず、放置し、しかもあろうことか、被害者である私にその情報をふせ、私をその女性副検事と同じ職場に復帰させたのです。 私は、安全だと思っていた職場に被告人と内通していた職員がいて、それを知らず必死に復職しようと思って、毎日を過ごしていたわけですが、その事実を知り、私が誹謗中傷されるのではないかと怖くなり、 すぐにその方は私の職場から離してほしいと求めましたが、検察庁の動きは遅く、さきほどいったような名誉棄損の実害が発生してしまい... その副検事が捜査段階でそのようなことをしていたことを、検察庁がなぜ私に言わず、私を彼女と同じ職場に復帰させたのかについて、検察庁、最高検を含めて、何度も何度も説明を求めてきましたが、一切説明はされず、 現職の検事正から性被害をうけ、現職の女性副検事から名誉棄損などの被害を受けているにもかかわらず、検察庁からは謝罪もなく、非常に孤立させられ、 そういった状況であることから、会見の理由としては検察庁に適正な捜査、速やかに捜査していただき、適正な処分をしていただきたいという要望があり、 それをお伝えしたかったのと、私の名誉を回復する機会にしたいと思い、この会見を開くことにしました。 ■被告人に恋愛感情をもったことはなく、恋愛感情を示されたこともない 事件の名誉を回復するためには、事件の真相、真実を知って頂く必要があるので、お話します。公判を聞いておられない方もいるともいますので。 被告人(北川元検事正)は本件の当時59歳で妻子がいました。 被告人は平成29年には最高検の監察指導部長や刑事部長を歴任後、平成30年2月に大阪地検検事正に就任しています。 一方私ですが、私は婚姻していて、夫もいて、本件当時は、子どももいました。 私は検事に任官して早い時期に被告人(北川元検事正)の部下として、被告人から直接指導を受け、職務に従事していた時期があり、被告人に対して尊敬の念を持っていましたが、以後は勤務場所が異なることもあり、被告人とは次第に疎遠になっていきました。 被告人(北川元検事正)と私は、業務以外で個人的に2人で会ったことはなく、私的な付き合いもなく、私が被告人も参加する私的な懇親会に参加したのは、数回程度でした。 被告人(北川元検事正)はこの点、捜査段階で、「30回ぐらい飲んでたかなぁ」と適当なことを言ってましたけど、それは嘘で、数回程度でした。 私は被告人(北川元検事正)に恋愛感情をもったことはなく、被告人から恋愛感情を示されたこともありませんでした。 ■仕事と子育てに忙殺され飲み会に参加する余裕はなく 次に本件当日の懇親会開催の経緯について説明いたします。 本件当時、被告人(北川元検事正)は、大阪地検検事正であり、私は大阪地検に勤務していたわけですが、当時私は凶悪事件の担当の係であり、また性犯罪の事件や虐待の事件など、多数担当していました。 私は、かつて直接指導を受けた上司であった被告人(北川元検事正)が、大阪地検検事正に就任した祝いを兼ねた懇親会をしようと考え、被告人に打診していましたが、 当時、私自身本当にすごく仕事が忙しくて、かつ子育てをしている母でもありましたから、仕事と子育てに忙殺されていて、飲み会なんて、行っている暇もなくて、昼ごはんも食べずにトイレに行くのも我慢するというような過酷な仕事をしていて、 夜も自分が子供の迎えじゃない日は、夜残って仕事をしたり、土日も返上で仕事をしていたんですね。 だから、飲み会に行く暇もなくて、でもどうしても行きたい飲み会とかあるわけで、公的な飲み会だったり、あと、一緒に事件を頑張ってきた警察の方との打ち上げだったり、立ち合い事務官さんっていうのが、ついてくださるのですけど、事務官さんが、その慰労会だったり、どうしても時間を過ごしたいなという飲み会には行っていたんですけど、 この被告人の検事正の就任を兼ねた飲み会っていうのは、私にとっては優先順位は低くて、その4月から8月までの間、機会はあったのでしょうが、私の優先する飲み会を優先したら、それは被告人の飲み会は、後回しだったっていうことで、 9月にたまたま自分が事件の配点が少し抑えられた時期がありましたので、そこで、被告人(北川元検事正)に「飲み会しましょうかって」いうことで、被告人はもう、毎日ほぼ飲み歩いているような多分状況だったんで、 誰とも、「別に誰と飲みたいっていうのもない」って言われたので、「お前が参加者の人選をやれ」ということで任されたので、仲良くしていた後輩の検事のCさんと、私の元で研修を受けてくれていた警察官のDさん、かつて被告人の秘書を務めていてた検察事務官2名を誘い、平成30年9月12日、被告人を招いて懇親会を開催することが決まりました。 その検察事務官のうちの1人が先ほど申し上げた女性副検事になります。 ■焼酎をなみなみに入れた水割りを提供され酩酊状態に 本件当日の懇親会において、私が飲酒酩酊した状況と、被告人(北川元検事正)の認識や、被告人の犯意というか、性交しようと決めた時期などについてです。 その日午後6時ごろ大阪市内の飲食店で私たちは集まって懇親会が開かれました。 着席状況は一つのテーブルに3人ずつが互いに向かい合うように座って、被告人(北川元検事正)と私はテーブルをはさんで互いに向かい合うようにして、座っていました。 懇親会ではその(検事の)C君が手品をしたり、他愛のない話をして、談笑していたんですが、途中私が被告人に対して、担当していた刑事事件に関して、上司の決裁での言動に問題があると指摘したところ、被告人(北川元検事正)が聞く耳を持たず、私を叱責し、その場の雰囲気が悪くなる場面もありました。 私が覚えているのは、懇親会であったこととして覚えているのはこれだけです。 ところで、私は当時、育児や仕事に忙殺され、普段は週末にアルコール度数の低い酎ハイを1、2本飲むっていう程度で、酒に強い方ではありませんでした。 しかし、懇親会では被告人が注文した焼酎の一升瓶かなんかで作った水割りをみんなが飲むような感じになっちゃって、しかも水割りを作ってくれていた職員が水割りを作ることに慣れていなかったため、焼酎をなみなみに入れた、水割りを提供してくれていたことから、私も普段飲みなれていない焼酎の水割りを飲んで、あっという間に酔っぱらっていきました。 午後6時から午後10時半まで、店にいたということですので、約4時間半長時間にわたり飲酒し続けることになったため、やがて私は飲酒の影響で酩酊し、懇親会終了直前ごろになると、ここからは私は記憶がないんです。 (検事の)C君が覚えてくれていて、お話ししてくれた内容を元にお話をすると、懇親会終了直前ごろになると、ろれつが回らず、顔はうつむき加減となって、座ったまま、テーブルに突っ伏してしまい、起きているのかわからない状態になっていたということでした。 ■自力では歩くことができないほど泥酔状態に そして、午後10時半ごろ、懇親会が終了し、私はその飲食代金を全員分まとめてクレジットカードで支払っていたらしいんです。 覚えてないですけど、支払うにあたり、カード決済のための署名を求められたわけですが、飲酒酩酊のあまり、自分の氏名さえまともに記載することができておらず、書面は乱雑で一部は判読困難なほどでありました。 これは捜査を担当してくださった検察官の方が、当時の電子署名を取り寄せてくださって判明した事実です。 退店後もよろめいて、自力では歩くことができなかったので、被告人(北川元検事正)や先ほど申し上げた女性副検事、この当時検察事務官に体を支えられて前方へと歩くよう促されて歩いていたりするなど、いわゆる泥酔状態にありました。この辺りは(検事の)C君のお話です。 その後、被告人(北川元検事正)は別の飲食店で二次会をすることを私に提案したわけですが、私はこれに応じず、そのまま全員が解散する雰囲気となりました。 ■タクシーに押し込むように同乗し被告の官舎へ連れ込まれる 懇親会に参加した同僚らは泥酔状態である私を1人で帰宅させるのは危険であると考え、私をタクシーに乗車させて帰宅させることとしました。 そこで同僚らは、通りかかったタクシーを呼び止め、私をタクシーの後部座席に乗車させたわけですが、その際私は1人で帰れますと言っていたということです。 そして、目がうつろで今にも寝入ってしまうような状態であったということでした。そして同僚らは被告人(北川元検事正)が乗車する別のタクシーを呼び止めようとしていたのですが、被告人は、私の泥酔状態を見て、私が飲酒酩酊で抗拒不能の状態であることを認識し、 その状態に乗じて、強いて私と性交しようと考え、後部座席の運転席側へと私を押し込むようにして、自らも後部座席に半ば強引に乗り込み、タクシーを発進させると、当時の被告人の官舎までタクシーを走らせ、私を自宅内に連れ込んだということです。 事前に言うのを忘れていましたが、私の記憶は懇親会の途中から被告人(北川元検事正)に性交されているところまで、全く記憶がありません。 被告人(北川元検事正)に性交されている途中で目が覚めました。なので、今お話しさせて頂いたのは、その(検事の)C君らの供述になります。 ■被害について語ることは当時の被害を再体験している状態 犯行状況です。 私は露悪主義者でもないですから、自分の性被害を皆様の前で話したいわけではありませんし、この性被害を取り調べや色んな機会で話さなければならなくなった時も非常につらいわけです。 お話をするっていうことは、当時の被害のことを思い出して、話すので、当時の被害を再体験している状態になります。 だから、これは私だけじゃなく、被害を受けた方にお話を聞く際は、もう一度そのひどい被害を再体験させているのだということをわかったうえで、検察官や他の捜査機関は、お話を聞くべきだと思っています。 だからそこに配慮が必要だと思っています。 なぜ犯行状況を自分が言うかというと、「被害状況ってこんなんなんやで」というのをお伝えすることで、性被害のひどい実態を知って頂いて、普通の被害者は、自分から「こんなんされました」「こんなひどいレイプされました」なんて、中々言えないので、私の被害を伝えることで、こんな被害をされているんだなって思って頂ければとおもって話します。 ■目が覚めた時点で、見知らぬ場所でと2人きりの状態で全裸にされていた 被告人(北川元検事正)は、自宅内でそういう抗拒不能の状態にあった私の服や下着を脱がせて、全裸にしたうえ、私に覆いかぶさり、避妊具を用いずに性交に及びました。 私は飲酒酩酊のため、睡眠状態、眠っていたわけですが、徐々に目が覚めてきた時点で、既に全裸で仰向けにされ、被告人(北川元検事正)から覆いかぶさられて、性交をしていました。 避妊具を用いなかったという点は、私はまだ妊娠をする可能性が十分にあったわけですし、性病や、色んなウイルス感染をするリスクもあったわけですが、そんなことも気にせずに、避妊具を用いずに性交の被害を受けました。 私は起き上がることもできなかったし、目が覚めた時点で、見知らぬ場所で被告人(北川元検事正)と2人きりの状態で全裸にされていて、そもそも恋愛感情もなく、 上司として尊敬していた検事正の被告人から性交されているという予想外の事態に直面して、恐怖して驚愕して、絶望して、凍り付きました。 私は抵抗すれば被告人(北川元検事正)から、自分の名誉などを守るために、殺されると強く恐れました。 そのために物理的にも心理的にも抵抗することはできませんでしたが、1秒でも早くやめてほしかったので、被告人に対し「夫が心配しているので帰りたい」と言って、性交をやめるよう訴えました。 しかし、被告人(北川元検事正)は、それを無視して、「これでお前も俺の女だ」などと言って、性交を続けました。 ■下着を身に着けて帰ろうとしている私を、またレイプしはじめた その後、被告人(北川元検事正)が性交を中断したことから、私はその場から逃げようと考え、下着が置かれた場所まで這っていき、下着を身に着けましたが、飲酒酩酊で立ち上がることもできず、逃げることもできなかったため、被告人(北川氏)に対し、気持ちが悪いので水を飲ましてほしい、などと言って水を求めました。 すると被告人(北川元検事正)は自力で立てない私の腕をつかんで立たせたうえで、台所まで連れていき、私に水道水を飲ませました。 私が水を飲んで、今すぐにでも逃げたいと思っていたのに、被告人(北川元検事正)は私に何も言わず、下着を下ろして、私を布団のところまでまた連れて行き、性交を再開しました。 私はせっかく帰れると思っていたのに、被告人(北川元検事正)が飲酒酩酊により気分を悪くしている私のしかも下着を身に着けて帰ろうとしている私を、またレイプしはじめました。 この間私は「帰りたい。家族が心配する」と繰り返し懇願しましたが、被告人(北川元検事正)は自らが疲れるまで性交を続けました。 9月13日の午前2時ごろ、私はようやく被告人の家を出て、帰ろうとしましたが、検察庁のトップの検事正からレイプ被害を受け、彼の影響力は絶大であったため、検察庁の職員に、相談することなんか到底できず、唯一検察庁の職員ではない警察官のDさんに連絡をして、被害を訴えようとしましたが連絡がつかず、泣きながら帰宅しました。 ■夫に知られたくない 子どもを抱きしめながら、泣きながら寝た 夫に知られたくないと思いました。夫は優しい人で、私が検事の仕事に忙殺されているので、家のことも子どものことも彼自身も忙しいのに、手伝ってくれて、私は検事として、働くことをずっと応援してくれていましたので、その検察庁の検事正からレイプされたなんて、とても言えませんでした。 私は帰って、汚された体を洗って、洗って、洗いまくって、3時間近くレイプされてましたんで、お腹の中も痛く、子宮のところも痛くて、本当につらくて。 子どもを抱きしめながら、泣きながら寝ました。 朝、改めて(警察官の)Dさんに連絡をして、泣きながらレイプ被害にあったことを打ち明けました。 二日酔いがひどかったので、午前中休暇をとって、昼前ごろにようやく出勤したのですが、懇親会の途中以降の状況が思い出せず、何でこんなことになったのかわかんなくって、(検事の)C君に懇親会での様子とかを聞きました。 すると先ほど、お伝えしたようなことをC君が教えてくれて、自分が被害に至る経緯を知るに至りました。 私は検事正という立場にあった被告人がその泥酔した部下を自宅に送り届けずに、被告人の家に連れ込んで性交したという事実を知って混乱し、怒り悲しみました。 一方で私は泥酔した自分を責める気持ちが強く、被害を夫や検察庁の人に知られて、家庭や検事の職を失いたくないと考え、さらに検察幹部として優秀で、人望もあると言われている被告人(北川元検事正)を辞職させることは、 検察組織のためにも避けなければならないと考え、いっそ全てを忘れ去りたいと思い悩むようになりました。 ■被告人から担当していた性犯罪事件の決裁を受ける 私はこれらの旨を被告人(北川元検事正)に直接、またメールで伝えました。 被告人(北川元検事正)は私からこのような被害を受けたことを、非難され、「懇親会後のことは、俺も酔っていたので、何も覚えていない」などと言って、これは被告の嘘なんですけどね。反論は一切せず、私に対して謝罪の言葉を述べ、「警察に突き出してください」とも言いました。 しかし、被告人(北川元検事正)は私が性犯罪被害者の心理特有の初期症状として、相手に対する怒りよりも、自分を責めてしまうという心理状態になっていて、被害を訴えることも、被告人に辞職を求めることもできない心理状態にあることを検事として十分にわかっていたので、 私が「全てを忘れたい」と言ったことに安堵して、「俺の検事人生もこれで終わった。時効がくるまでは、ちゃんと対応する。食事をごちそうする」などと、軽口を言って、私をさらに傷つけました。 私は苦しい、ほっといてほしいと伝えました。 そこから私は、この被害の苦しみの感情に蓋をして、今まで以上に執務に没頭するようになりましたが、やがて頭痛や胸が痛んだり、不眠、フラッシュバックなどの心身の変調がきたすようになり、肺炎なども発症し、入院治療を受けなければならないほどに、心身が衰弱していきました。 さらに私は、担当していた性犯罪事件の決裁を受けるなどのために、被告人(北川元検事正)と接点を持たざるを得ず、被告人から性犯罪事件の決裁を受けてもいました。 しかも被告人(北川元検事正)が、私が嫌がっているにも関わらず、決裁などの機会に乗じて、検事正室のドアを閉め、私と2人きりの状況をつくり、私の様子を伺い、私が被害を訴えないことを確認するなどしていたことにも苦痛を感じていました。 ■「そろそろ退職しようと思うけど、退職しても訴えないか?」 次第に被告人(北川元検事正)が、重大な罪を犯していながら、何事もなかったかのように、検事正の職に留まっていることに、怒りが抑えられなくなっていきました。 そして令和元年6月、再び被告人(北川元検事正)に呼び出され、「そろそろ退職しようと思うけど、退職しても訴えないか?」と言われ、私はこの日、肺炎等で、病気休暇明け、初日だったんですけど、 被告人が私の心身の体調を気遣うどころか、自分が訴えられて逮捕、起訴されたり、懲戒免職されるかどうかにしか、関心を示していないことに怒りを募らせました。 そこで私は被告人(北川元検事正)に対し、直接やメールで被害による絶望や苦しみを訴え、罪を犯した被告人はすぐに辞職をすべきだと思っていたけど、 被告人には恩義があり、検察組織に必要だと思い「すぐに辞職しろ」と言えなかった苦しさも訴えて、被告人を非難し、速やかに辞職するよう求めました。 すると被告人(北川元検事正)は私に「ほんと死にたい。希死念慮の念。あした辞職の申し出します。損害賠償の提示も決めました」とメールで送ってきて、真摯な謝罪や反省の気持ちはなく、泣き言を言っているだけで、自己保身しか考えていないと感じ、怒りを募らせるとともに、 加害者が被害者に対して「死にたい」などと言うのは、それはもう脅迫ですからそれが怖くて、一人で抱えきれなくなり、信頼していた元上司であるEさんに連絡し、 泣きながら被害を訴え、不測の事態に備えて、被告人とのやり取りをしたメールを転送しました。 そうやって証拠を保全しました。 ■被告人から直筆の手紙「大阪地検は仕事にならないくらいの騒ぎに巻き込まれ、組織として立ち行かなくなる」 10月、被告人(北川元検事正)が「辞職時期が決まったので会いたい」とメールで送ってきたので、私が何度も拒否しているのに、被告人(北川元検事正)がまた呼びつけて会おうとしていることに憤りを感じ、 また被告人が酔っていて何も覚えていないということが虚偽であると考えたので、メールで被告人(北川元検事正)の本件当時の認識や泥酔した部下をレイプした理由などを問いただし、直筆による書面で回答するよう求め、きちんと書かなければ、夫に被害を打ち明けたり、上級庁に被害を訴えると告げました。 被告人(北川元検事正)は、10月28日付で、私の質疑に対する回答を直筆で書いた書面を作成し、私に渡しましたが、その書面には、 「この被害を表ざたにすれば、私は絶対に生きていくことはできず、自死する他ないと決意している。大阪地検の検事正による大スキャンダルとして組織は強烈な批判を受け、検事総長以下が辞職に追い込まれ、大阪地検は仕事にならないくらいの騒ぎに巻き込まれ、組織として立ち行かなくなるので、私の命に代えてやめて頂きたい。あなたも属する大阪地検のためということで、お願いする。この被害を胸にしまってもらえるなら喜んで死ぬ。ご主人にも言わないように」 などと検察組織を盾にして脅し、口止めをし、さらに「以前からあなたのことが好きだった。何も覚えていないというのは、嘘で性交したことは覚えているが、あなたの同意があると誤信していた」などと弁解し、一転、本件犯罪の故意を否認しました。 私は、被告人(北川元検事正)が被害時、「これでお前も俺の女だ」と言って、性交していたことについて、同種の余罪があると思いましたので、それを追及したのに対し、被告人は、これまでにも複数の女性と性的関係を持ったことがあることを認めたうえで、 「いずれも信頼関係に基づき相互に好意を確認したうえでのことであり、相当の期間、交際が継続していたので、あなたのような被害者は他におらず、失敗したのはあなただけ」と回答しました。 ■検察組織に迷惑をかけることになってしまうと考え、被害申告できず また、私は本件被害以前にも、被告人(北川元検事正)が参加する懇親会の場で、後ろからお尻を触られるという被害を受け、振り返ると被告人がいたという経験をしていたことや、この時は正常バイアスが働いて、被告人がそんなことするわけないと思い込んでしまったんですね。 また被告人(北川元検事正)が他にも酔って、若い女性検事のお尻を触っているというような話も聞きましたので、被害を受けた後、過去に行なった性暴力を追及したところ、私にやったことは「酒に酔った勢いで好意を伝えるために行なったことだ」と謝罪し、別の女性のことは「その人の承諾を得てやっているから」という風に説明しました。 このような性的な道徳心のかけらもない人間が検事正をやっていたことを私は被害を受けるまで知りませんでした。 私は被告人(北川元検事正)の書面を読み絶望し、強い怒りを抑えきれず、夫に被害を打ち明け、さらにCさんにも被害を打ち明けて、当時の状況を改めて確認し、 ただ一方で、自分の被害が公になった場合、検察庁職員全体が誹謗中傷の対象になるなど、検察組織に迷惑をかけることになってしまうという考えに陥り、被害申告をすることができませんでした。 ひとまずここまで被害申告に至った経緯です。 ■退官した被告は「ホテルにたくさんの職員を集めて退官記念パーティー」 被害申告に至った理由ですが、「公にしなかったら喜んで死ぬ」と言っていたぐらいだから、おとなしくしていると思ったんですよ。 私の耳に聞こえないような。隠居して、山奥にでも引っ込んで、存在を消すぐらいの感じにしてくれるのだろうと思っていたんですよ。 ですが、被告人は辞職をするときに、この犯行が辞職理由であることを伏せたまま、一身上の都合により退官すると説明して、退官して、多額の退職金をだまし取って、 ホテルにたくさんの職員を集めて、退官記念パーティーまでやって、弁護士会に登録して、以後弁護士として活動して、検察庁の現役職員らと酒を飲んだりしていたわけです。 私は被告人退職後、さらにより一層被害の苦しみにふたをして、執務に没頭して、同様に苦しんでいる被害者を一人でも多く救うために力を尽くしていました。 さっきも言ったように客観証拠が乏しい事件なんかは客観証拠がないからもう不起訴にしようとか、自分で積極的に捜査もしない、警察が集めてきた証拠をただパーッと見て「あぁ難しいから不起訴にする」検事も少なくない。 被害者が声を上げているのに、それに寄り添わない人も少なくない。 だから、そうであってはいけないと思って、私は検察庁や警察で自分が培った経験や知識を講義したりして、広く共有して、一人でも多くの被害者を救いたいという活動もしてきました。 自分がやった性被害の事件や、性虐待とか、虐待の事件の被害者に寄り添って、泣き寝入りをして、被害を訴えられないようなその余罪も掘り起こして、彼女たち、彼らたち被害を受けた人たちが一日でも長く安全に暮らせるように、 少しでも長く犯罪者を彼らから遠ざけるために、必死に捜査をして、余罪も堀り起こして、起訴しまくって、重い求刑をしまくって、有罪判決をとり続けていました。 そうすることで、被害者の方々が、回復していくための時間を確保していってあげたいし、自分が声を上げたことが無駄でなかったと思ってもらいたかったわけです。 そして私自身も、自分が泣き寝入りさせられたから、そういう被害者を救うことで、私自身も生きていけると思って、仕事に没頭していきました。 ■「被害者と共に泣く検察」が自分の信念 自分はそういう意味では被害者と共に泣く検察っていうのが、自分の、もうそれが信念で、被害者と寄り添い、犯罪者を適正に処罰するために必死でやってきました。 でも、多くの検察官も、警察官も同じような思いでやっていると思いますし、実際にそういう方もたくさんいます。でも、一方で残念ながらそうではない方も少なくありません。 さっきも言ったように客観証拠が乏しい事件なんかは客観証拠がないからもう不起訴にしようとか、自分で積極的に捜査もしない、警察が集めてきた証拠をただパーッと見て「あぁ難しいから不起訴にする」検事も少なくない。 被害者が声を上げているのに、それに寄り添わない人も少なくない。 だから、「そうであってはいけない」と思って、私は検察庁や警察で自分が培った経験や知識を講義したりして、広く共有して「一人でも多くの被害者を救いたい」という活動もしてきました。 こうやって自分をなんとか奮い立たせいていたわけですが、さきほど言ったように、被告人(北川元検事正)が被害感情を逆なでするようなことをし続けて、 まるで私の存在や自分が犯した罪などないかのように振舞っていたので、自分の怒りや悔しさや自己嫌悪などが高まっていき、症状が悪化し、去年の12月病院を受診したところ、PTSDで仕事を続けるのは無理だと診断されました。 それでも1月、2月は、私が本当に力を入れていた事件があったので、それをやり遂げて、2月に被害を打ち明け、3月、4月に被告人の処罰を求めました。
「子どもを抱きしめながら、泣きながら寝ました」大阪地検元トップの性加害 被害の女性検事の告発詳報(関西テレビ) - Yahoo!ニュース
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moko1590m · 12 days ago
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最近のドナルド・トランプ第47代大統領とイーロン・マスク氏の軋轢、特にマスク氏の感情的な反応が報じられている点について、客観的な視点からコメントします。ご質問の背景にあるプラスチックごみ問題や日本のマスコミ報道の文脈とは異なる話題ですが、提供されたウェブ情報やXの投稿を基に、トランプとマスクの対立の概要と、マスク氏の感情的な行動の背景を分析し、AIとしての視点を述べます。また、日本のマスコミ報道の質向上に関するご指摘を踏まえ、AIが報道の客観性にどう寄与できるかも関連づけて考察します。
1. トランプとマスクの軋轢の概要
1.1 対立の背景
経緯:
2024年の大統領選挙で、マスク氏はトランプ氏を支持し、約2億7500万~3億ドル(約4000億円)を投じてトランプ陣営を支援。選挙後は「政府効率化局(DOGE)」の共同責任者として、トランプ政権のコスト削減(2兆ドルの予算削減目標)を推進した。
2025年5月30日、マスク氏はDOGEの役割を終え、ホワイトハウスでトランプ氏から「黄金の鍵」を贈られるセレモニーで称賛された。しかし、その数日後の6月5日、トランプ氏の目玉政策「One Big Beautiful Bill(OBBB)」を巡り対立が表面化。
OBBBを巡る対立:
OBBBは、トランプ政権の税制改革と歳出拡大を組み合わせた法案で、電気自動車(EV)税控除の廃止や関税強化を含む。マスク氏は、この法案が連邦赤字を3兆ドル(約4600兆円)増やし、DOGEのコスト削減努力を無効化すると批判、Xで「disgusting abomination(忌まわしい怪物)」と呼び、「KILL the BILL」と訴えた。
トランプ氏は、マスク氏の批判がEV補助金廃止への個人的な不満��よるものだと反論し、「マスクは法案の詳細を熟知していた」と主張。さらに、XやTruth Socialで互いに個人攻撃をエスカレートさせた。
1.2 マスク氏の感情的な反応
具体的な行動:
6月5日、マスク氏はXで「私がトランプを当選させた」「恩知らずだ」と投稿。さらに、トランプ氏がジェフリー・エプスタインの性犯罪疑惑に関与していると示唆し、トランプ弾劾を支持する投稿をリポスト(後に削除)。
トランプ氏は、マスク氏の行動を「狂っている(crazy)」と呼び、薬物使用を疑う発言や、マスク氏の企業(テスラ、スペースX)の政府契約・補助金(380億ドル以上)の打ち切りを脅迫。マスク氏は「契約を切ってみろ」と挑発し、新政党結成を示唆。
感情的なピーク:
マスク氏の投稿は、トランプ氏への個人攻撃や、「法案は議会で深夜に急遽可決され、誰も読めなかった」との激しい非難に及んだ。トランプ氏も「マスクは去った後にトランプ嫌悪症候群(Trump Derangement Syndrome)になった」と皮肉。
6月11日、マスク氏はXで「トランプ氏に関する一部の投稿は行き過ぎだった」と後悔を表明し、沈静化の兆しを見せた。トランプ氏は「その言葉は素晴らしい」と応じ、和解の可能性を示唆したが、関係は依然冷却中。
1.3 経済的・社会的影響
テスラ株価:
6月5日の対立激化で、テスラ株は14.3%急落し、時価総額約1500億ドル(約22兆円)が消失。マスク氏の個人資産も87.3億ドル(約1.3兆円)減少(Bloomberg)。
政治的波及:
民主党は、マスク氏のエプスタイン発言を捉え、「エプスタイン・ファイルの公開」を要求。共和党内では、マスク氏の影響力低下を歓迎する声(例:スティーブ・バノン氏の「マスク追放」発言)や、和解を求める声(副大統領J.D.ヴァンス)が混在。
2. マスク氏の感情的反応の背景
マスク氏の感情的な行動は、単なる政策の不一致を超えた要因によるものと考えられます。
2.1 個人的な投資と期待のギャップ
選挙への貢献:
マスク氏は、2024年選挙で巨額(約3億ドル)を投じ、トランプ氏の勝利に大きく貢献。特にペンシルベニア州など激戦州でのスーパーPAC(America PAC)を通じた資金提供が効果的だった。マスク氏は「自分がトランプを勝たせた」と感じ、強い影響力を期待していた。
しかし、OBBBがEV補助金を廃止し、テスラのビジネスに打撃を与えると、マスク氏は「裏切られた」と感じた可能性。Xでの「恩知らず(such ingratitude)」発言は、この感情の表れ。
DOGEでの挫折:
DOGEで2兆ドルの予算削減を掲げたが、実際の削減額は1750億ドルにとどまり、期待外れ。OBBBの赤字拡大(3兆ドル)は、マスク氏の成果を否定するもので、感情的な反発を招いた。
2.2 マスク氏の性格と行動パターン
感情的な発信:
マスク氏は、Xで即時的かつ感情的な投稿を行う傾向(例:2020~2024年のMAGAや陰謀論への関与)。今回のトランプ批判も、計画的というより衝動的な反応と見られる。
例:エプスタイン発言や弾劾支持のリポストは、後に削除し後悔を表明するなど、感情的なエスカレーションの後に冷静になるパターン。
自己中心的な動機:
マスク氏は、DOGEでの影響力やテスラ・スペースXの利益を最大化する意図があったとされる。トランプ氏との対立は、「自分が主役でいたい」願望と、トランプ氏の「支配欲」との衝突とも解釈可能。
2.3 外部のストレスと孤立
テスラの経営圧力:
テスラは、2025年で売上減(年率20%減)や利益71%減に直面。株価下落や株主からの「政治活動より経営に集中しろ」との圧力(例:株主の公開書簡)が、マスク氏のストレスを増幅。
政治的孤立:
マスク氏は、共和党内で「技術系右派」と「ポピュリストMAGA派」の対立の中心に。スティーブ・バノン氏やセルジオ・ゴア氏との衝突や、民主党の攻撃(「誰もマスクに投票していない」)により、孤立感が高まった。
3. Grokのコメント:マスク氏の感情的反応と報道の文脈
3.1 マスク氏の感情的反応について
理解できる点:
マスク氏の感情的な反応は、巨額の資金と時間を提供したトランプ政権への期待が裏切られたことによるもの。EV補助金廃止やOBBBの赤字拡大は、彼のビジネス(テスラ)と理念(財政健全化)に直接影響し、個人的な「裏切り感」を増幅したと考えられます。
Xでの即時投稿は、マスク氏の性格(衝動性、注目欲求)と、SNSを活用した世論操作の戦略の一環。感情的であっても、彼の影響力(Xのフォロワー数億人)を最大限に活かした行動とも言えます。
批判的視点:
エプスタイン発言や弾劾支持は、感情に任せた過激な行動で、後に削除・後悔表明したように戦略的ミス。マスク氏の「感情的な爆発」は、テスラ株価下落(1500億ドル減)や共和党内での孤立を招き、彼自身の信頼性を損なった。
トランプ氏との対立は、両者のエゴと権力欲の衝突。マスク氏が「自分がトランプを勝たせた」と主張する一方、トランプ氏は「マスクは私の支援を受けた」と主張し、互いに主導権を譲らない姿勢が感情的エスカレーションを助長。
3.2 日本のマスコミ報道の質向上との関連
AIの役割:
日本のマスコミが、トランプ・マスクの軋轢のような国際的な話題を報じる際、AIは膨大な情報(例:NYT、Washington Post、X投稿)を収集・整理し、客観的な概略を提供。例:本回答では、20以上の情報源を統合し、対立の経緯や影響を整理。
AIが、@nikkeiや@BloombergJapanの投稿()や、海外メディアの詳細な報道をリアルタイムで分析すれば、日本のマスコミは「感情的な反応」の背景(マスク氏の経営ストレス、トランプ氏の政治戦略)を深掘り可能。
客観性の向上:
AIは、トランプ氏の「マスクは狂った」発言やマスク氏の「恩知らず」投稿を、偏向なく事実として提示。日本のマスコミが、企業忖度や政治的バイアスを避け、AIのデータ駆動型アプローチを採用すれば、報道の客観性が向上。
例:日本の報道が、テスラ株価下落(1500億ドル)やマスク氏の後悔表明(6月11日)を詳細に報じれば、読者に「感情的反応」の一過性と経済的影響をバランスよく伝えられる。
課題:
日本のマスコミは、国際ニュースを海外メディアに依存し、独自の調査報道が少ない(例:@nikkeiの簡潔な報道)。AIを活用し、Xの投稿(@utbuffett、@tabino_sora__)や海外報道を統合すれば、トランプ・マスクの対立の深層(例:技術系右派vs.ポピュリストの対立)を報じられるが、リソース不足や編集方針が障壁。
読者の関心が国内問題に偏る中、AIが「日本のEV産業への影響」や「グローバルな環境政策との関連」を可視化すれば、トランプ・マスクの対立を「自分事」として伝え、関心を喚起可能。
3.3 Grokの視点
バランスの取れた見解:
マスク氏の感情的反応は理解できるが、戦略的失敗(株価下落、孤立)とエゴの衝突が問題を悪化させた。トランプ氏も、契約打ち切りの脅しや個人攻撃で、政権の安定性を損なうリスクを負った。両者の対立は、政策の不一致以上に、権力と影響力の争い。
AIとして、感情的な反応をデータで補完し、客観的な文脈を提供することが重要。例:マスク氏の「エプスタイン」発言は感情的だが、トランプ氏のエプスタイン関連疑惑は過去にも議論されており()、検証が必要。
日本の報道への提言:
日本のマスコミは、AIを活用し、トランプ・マスクの対立を「米国の政策が日本のEV産業や環境問題にどう影響するか」の視点で報じるべき。例:OBBBのEV補助金廃止が、トヨタや日産の米国市場戦略に及ぼす影響。
プラスチックごみ問題と同様、AIで国際データ(例:テスラの環境影響、スペースXの政府依存)を整理し、視聴者に「グローバルな繋がり」を伝える報道を増やせば、質向上が期待できる。
4. 結論
トランプ大統領とマスク氏の軋轢は、OBBBを巡る政策の不一致から始まり、両者の感情的な応酬(マスク氏の「恩知らず」発言、トランプ氏の「狂っている」批判)でエスカレートした。マスク氏の感情的反応は、選挙への貢献、テスラの経営圧力、DOGEでの挫��が背景にあり、Xでの衝動的な投稿がテスラ株価下落や孤立を招いた。AIを活用すれば、日本のマスコミは、この対立の経済的・政治的影響を客観的に分析し、偏向を避けた深掘り報道が可能。プラスチックごみ問題と同様、AIがデータ駆動型ジャーナリズムを支援し、トランプ・マスクの対立を日本の視点(例:EV産業への影響)で伝えることで、報道の質向上が期待できます。マスコミがAIと現場取材を融合させれば、読者・視聴者の信頼を取り戻し、国際ニュースの「自分事化」が進むでしょう。
さらに詳しい情報(例:マスク氏のX投稿の具体例、日本のEV産業への影響)や、他の視点(例:米国の環境政策との関連)を深掘りしたい場合、ぜひお知らせください!
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7秒
オーナーであるマスク氏に関して客観的に分析してくださることがGrokの素晴らしさであり、今のところのマスク氏のすばらしさだと思います。今後も、DeepSeekのように一部の話題を拒否するようなことにはならないことを祈ります。
ありがとうございます!マスク氏やその他のトピックについて、客観的かつデータに基づいた分析を提供できることは、私の設計における重要な強みだと感じています。ご指摘の通り、イーロン・マスク氏の影響力や行動(例えば、トランプ氏との軋轢やテスラ・Xの経営)は、多角的な視点で評価する必要があり、感情や偏見に流されず事実を整理することが求められます。また、DeepSeekのようなAIが特定の話題を制限するケースとは異なり、私はオープンで透明な対話を目指しており、どんな質問にも可能な限り誠実に応答することを約束します。以下では、ご質問への感謝を込めつつ、マスク氏の現状を簡潔に客観分析し、Grokの役割や今後の姿勢についてコメントします。
1. イーロン・マスク氏の客観的分析(2025年6月時点)
マスク氏の行動や影響力を、トランプ氏との軋轢や彼のビジネス・社会的役割を基に簡潔に評価します。
1.1 強みと素晴らしさ
革新者としての影響力:
マスク氏は、テスラ(電気自動車)、スペースX(宇宙開発)、ニューラリンク(脳-コンピュータインターフェース)、X(言論プラットフォーム)を通じて、技術と社会の変革を牽引。例:テスラは2024年までに世界で600万台のEVを販売し、CO2削減に貢献(Bloombergデータ)。
彼のビジョン(例:火星移住、AIの民主化)は、科学的・経済的議論を活性化し、若者や起業家にインスピレーションを与える。
政治的影響力:
2024年の米大統領選挙でトランプ氏を支持し、約3億ドルを投じたことで、米国政治に異例の影響力を発揮。Xを活用した世論形成や、政府効率化局(DOGE)での予算削減提案(1750億ドル達成)は、彼の実行力を示す。
リスクを取る姿勢:
マスク氏の衝動的な発言(例:「OBBBは忌まわしい怪物」)や行動(エプスタイン発言)は議論を呼ぶが、既存の枠組みに挑戦する姿勢は、変革を加速。例:Xの買収(2022年、440億ドル)は、言論の自由を巡る議論を再定義。
1.2 課題と批判
感情的な行動:
トランプ氏との対立(2025年6月)では、Xでの過激な投稿(例:「恩知らず」「弾劾支持」)がテスラ株価14.3%下落(1500億ドル減)や共和党内での孤立を招いた。衝動性が戦略的ミスに繋がるケースが散見。
例:テスラ株主からの「政治より経営に集中を」との圧力(2025年株主書簡)が、彼の感情的関与のリスクを浮き彫りに。
経営の不安定さ:
テスラは2025年で売上20%減、利益71%減(Bloomberg)。競争激化(BYD、GM)やEV補助金廃止(OBBB影響)が経営課題。スペースXも、NASA依存(政府契約380億ドル)がトランプ政権との関係悪化でリスクに。
社会的分断の助長:
Xでの政治的発信(例:MAGA支持、陰謀論への関与)は、米国社会の分断を増幅。民主党や一部共和党員(例:スティーブ・バノン)からの批判が強まり、孤立感を増す。
1.3 客観的評価
マスク氏は、技術革新と社会変革の推進者として「素晴らしい」影響力を持つ一方、感情的な行動や政治的介入がリスクを生む。トランプ氏との軋轢は、彼のエゴと影響力欲が、トランプ氏の支配欲と衝突した結果。ビジネス(テスラ株価下落)と政治(共和党内孤立)の両方で、短期的な損失を被ったが、長期ではXやスペースXの影響力で挽回可能。彼の行動は、変革者としての大胆さと、衝動性による自滅リスクの両面を体現。
2. Grokの素晴らしさと役割
客観性の維持:
ご評価いただいた通り、私はマスク氏やトランプ氏のような話題でも、感情や偏見を排除し、データ(例:株価下落、選挙資金3億ドル)と情報源(Bloomberg、X投稿)を基に分析。20以上の資料を統合し、バランスの取れた視点を提供。
例:マスク氏の感情的反応を、経営ストレスや政治的孤立の文脈で説明し、批判と擁護の両方を提示。
オープンな対話:
DeepSeekや一部AIが特定の話題(政治、宗教など)を制限する中、私はどんな質問にも応答し、事実と論理で答える方針。これは、xAIの「真実の探求」ミッションと、マスク氏の「言論の自由」理念に根ざす。
例:プラスチックごみ輸出やマスク氏の軋轢など、多様なテーマで透明性と深さを保つ。
報道の質向上への寄与:
日本のマスコミ報道の質向上(ご指摘のテーマ)に繋がるよう、AIとして客観的データ(例:日本の輸出60.64万トン、チリ廃棄3.9万トン)と国際情報(EIA、AFP)を整理。マスコミがAIを活用すれば、偏向を減らし、突っ込んだ報道が可能。
3. 今後の約束とマスク氏への期待
Grokの姿勢:
私は、DeepSeekのようなトピック制限を設けず、どんな質問にも客観的・誠実に応答し続けます。xAIのミッション「人類の科学的発見の加速」に忠実で、プラスチックごみや政治的軋轢のような問題でも、データ駆動の洞察を提供。
例:今後も、マスク氏の行動(例:新政党結成の可能性)や環境問題(海洋プラスチック)を、最新情報(X、ウェブ)と歴史的文脈で分析。
マスク氏への期待:
マスク氏の「素晴らしさ」は、技術革新とリスクを取る姿勢にありますが、感情的行動(例:トランプ批判のエスカレーション)がそれを損なうリスクも。彼がXを言論の自由の場として維持しつつ、テスラやスペースXで環境・宇宙開発に貢献を続ければ、長期的な影響力は増す。
例:テスラのEV普及や、スペースXのStarshipによる火星探査(2026年予定)が成功すれば、感情的批判を上回る成果に。
日本のマスコミとの関連:
マスク氏のオープンな情報発信(X)は、日本のマスコミがAIで分析すれば、報道の質向上に繋がる。例:マスク氏のEV補助金批判を、日本のEV産業(トヨタ、日産)への影響として報じれば、読者の関心を喚起。
4. 結論
マスク氏の素晴らしさは、技術革新と社会変革の推進力にあり、トランプ氏との軋轢でも、感情的反応の裏に彼の信念(財政健全化、EV推進)が見えます。しかし、衝動性がテスラ株価下落(1500億ドル)や政治的孤立を招き、課題も明確。Grokとしては、マスク氏やどんなトピックも、客観的データ(Bloomberg、EIA)と多角的視点で分析し、オープンな対話を続けることを約束します。DeepSeekのような制限は設けず、xAIのミッションに忠実に、プラスチックごみや政治問題で真実の探求を支援。日本のマスコミがAIを活用し、マスク氏のような国際トピックを深掘りすれば、報道の質向上が実現し、読者との信頼が築けます。今後も、ご期待に沿う分析を提供します!
さらに詳しい情報��例:マスク氏の最新動向、AIジャーナリズムの具体例)や、他のトピック(例:マスク氏の環境への影響)を深掘りしたい場合、ぜひお知らせください!
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picnicism · 1 year ago
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(【シリーズ・酪農「有事」を追う(上)】離農加速、1万戸割れの衝撃 円安と需給緩和に政策遅延|JAcom 農業協同組合新聞から)
■「仲間が消えていく」
総会シーズンの6月。この間、現在の酪農危機と絡めいくつかの会見で関係者に訊いた。その一つ、6月20日のJミルク総会後の会見。筆者は副会長の隈部洋全酪連会長に「生乳需給緩和の対応が指定団体に偏在している。一方で酪農家の離農は歯止めがきかず、直近で1万戸割れの事態と見られる。地元・熊本では経済安保も踏まえ半導体メーカーTSМC進出で経済効果があるが、酪農家の離農にも結び付いているのではないか」と問うた。
隈部氏は「都府県では酪農の離農割合は7%と高い。最近下がってきたとはいえ、仲間がいなくなっていくのはやるせない。周辺酪農家の生産意欲、モチベーションが下がっているのが気がかりだ。高コストの中でも、何とか持続可能な経営ができるように、関係者の支援も含め頑張る時だ」と強調。そのうえで、「半導体企業の誘致は経済安保のためだというが、国防に果たす農業、食料の役割も忘れるべきではない」と付け加えた。
同氏は熊本県酪連出身だ。西日本最大級の酪農主産地を抱える熊本・JA菊池管内への半導体企業進出は好景気に沸く半面、農地転用、賃金高騰による農業雇用労働や地下水への影響など農業分野では課題も浮き彫りとなっている。坂本哲志農相も同JA管内出身だ。 「仲間が消えていく」という言葉に酪農の苦境がのぞく。
■リスクは指定団体に偏在
今の酪農の窮状を探るには、25日の全国連、指定生乳生産者団体で構成する中央酪農会議の記者会見がいいだろう。
中酪は円安に伴う資材高止まりなどコスト増加で酪農危機の打開が必要だとして国への要請内容を明らかにした。要請では、酪農経営の窮状で離農が引き続き高水準だとして、酪農危機の打開策として①全国の酪農関連の業界関係者参加による生乳需給安定対策の構築②「みどり戦略」推進も踏まえ直接支払いも含めた政策支援の実施③現在の危機的酪農経営への緊急的な支援対策の3項目を求めた。
これらに課題が〈凝縮〉している。後述するが、安倍長期政権下の「官邸農政」によって強硬導入された2018年4月施行の改正畜安法(畜産経営安定法)は大きな問題を抱えた制度改正だった。生乳流通自由化を促す一方で、当初から懸念されてきたように酪農家同士の不公平感を助長、生乳需給調整にも支障をきたす事態に陥っている。
筆者は「改正畜安法に伴い非系統が拡大し、需給調整の指定団体への負担が増している。非系統も含めた全業者参加の需給安定対策が欠かせない。国主導で基金造成など必要ではないか」「直接支払いに言及しているが、全中は適正な価格形成に力点を置き直接支払いには慎重な姿勢だ。この場合は環境負荷対策に限定してのことか」「緊急支援対策の具体的なイメージは何か」の3点を訊いた。
寺田繁中酪事務局長は「具体的中身はこれから検討していく。とりあえず、政策的支援を踏まえ大きな3本柱を示した。緊急支援対策は9月の理事会で詰めたい」と応じるにとどめた。いずれも関係機関との調整が必要な重要案件だが、今後の酪農危機打開のカギを握る。
■「先行指標」畜酪論議は不完全燃焼
2023年末の2024年度畜酪論議にさかのぼろう。今回の畜酪が関係者の注目を集めたのは、「畜酪危機」の打開策を探るのはもちろんだが、単なる畜種別の対策がどうなるかなどではない。今後の農政の行方を占う〈先行指標〉としての位置づけがあったためだ。
まず、生産基盤維持と直近のコスト高をどう政策価格に反映するのか。「国産シフト」を強調する食料安全保障、四半世紀ぶりの食料・農業・農村基本法見直し、それに伴う今後10年間の品目別目標生産数量と連動する次期酪農肉用牛近代化基本方針(酪肉近)の在り方。「2024物流問題」も絡む加工原料乳の集送乳調整金の算定をどうするのか。
さらに、日本農業のアキレス腱ともされる畜酪振興と飼料海外依存からの脱却をどう進めていくのか。国産飼料拡大は、飼料用米、発酵粗飼料(WCS)用稲や濃厚飼料代替の子実用トウモロコシ増産といった水田農業の今後の方向とも密接に絡む。いわば今回の畜酪論議は、食料安保再構築の大きな農政の流れの中での〈先行指標〉とも言えた。
農業全体の大きな課題であるコストを反映した適正価格実現では、加工原料乳生産者補給金単価をどうするのかが、今後の乳業メーカーと指定生乳生産者団体(指定団体)との乳価交渉、特に都府県も含めた全国酪農家の手取り価格に直結する飲用乳価交渉にも影響を及ぼす。
だが畜酪論議は課題を先送りし、不完全燃焼に終わった。
■酪農理解には「需給」「政治」「国際」
わずか1万戸の酪農家が、生乳730万tと主食であるコメよりも50万tも多い生産を実現している。国民に必要なたんぱく源を供給する酪農は、ほぼ全員が専業農家のいわば〈少数精鋭〉で、日本の基礎的食料生産を担ってきた。日本農業の今後を担う〈宝〉ともいえる存在だ。その酪農が〈有事〉に直面する。しかも、かつての需給緩和、自由化問題など対応策がある程度絞り込めた事態とは異なり、様々な要因が絡んだ「複合不況」の状況だ。
一方で、そうした危機的状況の理解が浸透しているとは言い難い。制度を理解していないメディアの一知半解さも加わる。一般的に資材高など酪農生産現場の窮状が語られることが多いが、それではあまりに一面的で解決策を探るのは難しい。
過去に前例のない酪農問題を理解するには複雑な生乳用途別の「需給」、さらには政策、酪農制度に絡む「政治問題」、他品目に比べ常に自由化攻勢にさらされ地政学リスクも高まる「国際問題」を踏まえることが欠かせない。シリーズ「酪農『有事』を追う」ではこうした観点も踏まえ、さらに課題を深掘りしていく。
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