#台中忠勤街
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混迷した世界の指南書 『武士道』 藤原正彦(2008) 『この国のけじめ』 文藝春秋
新渡戸稲造『武士道』が売れているという。昨年末(二〇〇三年)公開されたアメリカ映画 「ラスト・サムライ」の影響もあるとかで、数社から合わせて百万部以上が出ているそうだ。 これを聞いて意を強くした。 『武士道』が英語で書かれたのは明治三十二(一八九九) 年であ る。百年以上前の本を現代日本人がこぞって読むのは、健全な危機感のあらわれと思うから (5)である。 庶民は知識や理屈を持っていなくともときに鋭い感覚を示す。多くが「いまの日本は何かが おかしいぞ」という素朴な実感をもっている。グローバルスタンダードを取り入れるといって、企業はリストラをする。学校では「ゆとり教育」を取り入れる。その結果、職のない中高年があふれ、地方の駅前商店街はさびれ、小学校では国語や算数の時間が減らされ、小学生から大(10) 学生に至るまでの学力低下は著しい。庶民はこうしたことに「自分たちの親や祖父が大切にしてきたものが壊されつつある」と感ずるのだろう。我々のよってたってきた価値観とは何だったのか、(1)というルーツ探しに似た感覚が『武士道』を手にとらせているのだろう。 『武士道』の著者・新渡戸稲造は幕末の南部藩(いまの岩手県)で下級武士の子として生まれ、札幌農学校(現・北海道大学)で農業を学んだ後、アメリカに留学しキリスト教クェーカー派 の影響を受けた。アメリカからドイツへ渡り、研鑽を積んだ後、札幌農学校教授、台湾総督府技師、(5)京都���国大学教授、第一高等学校校長などを歴任、農学者および教育者として活躍するかたわら、東西思想の調和を目指し「太平洋の懸橋たらん」ことを悲願とした。東京女子大の初代学長、国際連盟事務局次長なども務めた日本の誇る国際人である。 『武士道』が書かれた明治三十二年は日清戦争と日露戦争の中間期で、清を破った新興国家日本に世界が注目しながらも警戒心を持ちはじめた時機である。新渡戸はベルギー人法学者夫妻と散歩中(10)、日本には宗教教育がないと話したところ、「宗教なし! それでどうして道徳教育を授けるのですか」と驚かれた。その後いろいろ考えた結果、自身の正邪善悪の観念を形成しているものが幼少期に身につけた武士道であることに気づいたのである。 同時代人である内村鑑三や岡倉天心にも共通するが、新渡戸には日本人の魂を西洋人に理解させたいという熱い思いがあった。そして英語で武士道を紹介することを決意する。西洋人に(15)も理解しやすいよう、ギリシアやローマの哲学、聖書、シェイクスピア、ニーチェなどと我が国の本居宣長、平重盛、頼山陽、吉田松陰らを比較しながら武士道精神の本質について説いた。 (1)『武士道』初版は一九〇〇年にアメリカで出版され、たいへんな賞讃を受けた。感激したセオドア・ルーズベルト大統領などは、何十冊も買い、他国の首脳に送ったという。その後多くの言語に訳されたが、日本語訳は明治四十一年以来、新渡戸の弟子で東大総長を務めた矢内原忠雄訳(岩波文庫)をはじめとしてさまざま出ている。 (5) 私は勤務する大学の学部一年生に対して、日本の名著を講読するゼミを担当している。こと十年近く、真っ先に学生たちに読ませるのが『武士道』である。受験戦争をくぐり抜けて大学に入学したての学生たちは、『武士道』を読んで一様に驚く。高校までに習ってきたこととあまりに違うことが書いてあるからである。とくに戸惑いを見せるのは、(10)名誉に関する部分である。 武士道では、名誉はしばしば命よりも重いとされる。「それ故に (武士は)生命よりも高価であると考えられる事が起れば、極度の平静と迅速とをもって生命を棄てたのである」(矢内原忠雄訳・以下同)という箇所を読むと、戦後民主主義の教育にどっぷりつかった学生たちは、「名誉より自分を大切にすべきだ」とか「生命は地球より重い」などと拒否反応を示す(むろん(15)新渡戸は「真の武士にとりては、死を急ぎもしくは死に媚びるは等しく卑怯であった」とも述べており、いたずらに死を賞讃しているわけではない)。 (1)学生たちのそうした批判に対して、私は「それではあなた方は一体どうやって価値判断をするのですか」と問う。すると「自分の理性で考えます」「主体的に考えています」などと答える。「すごいなあ、なぜそれほど自分の理性に自信が持てるんですか」と問うと学生は困ってしまう。人間には、理性や論理だけでなく、価値判断の基準となる倫理的な座標軸がなければならない。(5)それがない論理的思考は単なる利益追求とか自己正当化に過ぎない。座標軸の役割を果すのは、外国の場合、主に宗教だから、外国人は宗教のない人間を信用してよいものか訝る。 宗教の力がそれほど強くない我が国でその役割を果してきたのが武士道である。武士道は平安時代末期から鎌倉時代にかけて、「戦うものの掟」として生まれた。それはいわば(10)戦闘におけるフェア・プレイ精神だった。卑怯な振る舞いはしてはならない、臆病であってはならない、という観念である。 騎士道がキリスト教の影響を受けて深みを得たように、単なる戦闘の掟だった武士道にも、さまざまな「霊的素材」が注入されたと新渡戸は言う。 まず仏教、なかでも禅が「運命を任すという平静なる感覚」と「生を賤しみ死を親しむ心」(15)を武士道に与えた。 そして主君に対する忠誠、祖先に対する尊敬、親に対する孝行という他のいかなる宗教でも教えられなかった美徳が神道からもたらされた。さらに孔子と孟子の教えが、(1)君臣、父子、夫婦、長幼、ならびに朋友の間の五倫の道、また為政者の民に対する仁慈を加えた。 こう書くと外国のものが多いようだが、禅にしても孔孟の教えにしても、中国ではごく一部の階層にしか広まらなかった。これらの思想は日本人が何千年も前から土着的に持っていた(5)「日本的霊性」 とびたりと合致していたから、武士の間にまたたく間に浸透したのである。 江戸時代になると実際の戦闘はなくなった。それとともに武士というエリート階級の行動指針であった武士道は、物語や芝居を通して次第に庶民にまで行き渡り、戦いの掟から精神へと昇華し、日本人全体の道徳的基準となった。武士道精神はこうして「遂に島帝国の民族精神を表現するに至った」のだ。 (10)武士道は成文化されていない。聖書やコーランのような経典がない。武士道は「書かれざる掟、心の肉碑に録されたる律法」として親から子へ、口から口へと伝えられた。そして知識よりその実践こそが本質とみなされたのである。 私の父・新田次郎は、幼いころ父の祖父から武士道教育を受けた。父の家はもともと信州諏訪の下級武士だった。生家の二階には三畳の間があり、子供は容易なことでは入らせてもらえなかった。(15)なぜならそこは切腹の間だったのである(実際に使われたことはないらしい)。幼少の父は祖父の命で真冬でも裸足で『論語』の素読をさせられたり、わざと暗い夜に一里の山道を(1)上諏訪の町まで油を買いに行かされたりした。父は小学生の私にも武士道精神の片鱗を授けようとしたのか、「弱い者が苛められていたら、身を挺してでも助けろ」「暴力は必ずしも否定しないが、禁じ手がある。大きい者が小さい者を、大勢で一人を、そして男が女をやっつけること、また武器を手にすることなどは卑怯だ」と繰り返し言った。問答無用に私に押しつけた。 (5)義、勇、仁といった武士道の柱となる価値観はこういう教育を通じて知らず知らずに叩き込まれていったのだろう。義とは孟子が言うように「人の路」である。卑怯を憎む心である。林子平は義を「死すべき場合に死に、討つべき場合に討つこと」と言っている。勇とは孔子が「義を見てせざるは勇なきなり」と言ったように、義を実行することである。そして仁とは、「人の心」。慈悲、愛情、惻隠の情、「強きを挫き弱きを助ける」などがこれに含まれる。 (10)他にも、礼節、誠実、名誉、忠義、孝行、克己など大切な徳目があった。なかでも名誉は重要で、恥の概念と表裏をなし、 家族的自覚とも密接に結ばれていた。前述したように名誉はしばしば生命より上位にくるもので、名誉のために生命が投げ出されることもたびたびあった。 武士道精神の継承に適切な家庭教育は欠かせない。戦前に国や天皇に対する「忠義」が強調 された、という反省から戦後は日本の宝物ともいうべき武士道的価値観がまったく教えられなくなったのは不幸なことである。(15)戦後教育しか受けていない世代が親となり先生となっているから、いまでは子供にこれを教えることも叶わない。 (1)新渡戸の『武士道』は日本人の美意識にも触れている。 武士道の象徴は桜の花だと新渡戸は説く。そして桜と西洋人が好きな薔薇の花を対比して、「(桜は)その美の高雅優麗が我が国民の美的感覚に訴うること、他のいかなる花もおよぶところでない。薔薇に対するヨーロッパ人の讃美を、我々は分つことをえない」と述べ、本居宣長の歌、(5)敷島の大和心を人間はば、朝日に匂ふ山桜花、を引いている。 薔薇は花の色も香りも濃厚で、美しいけれど棘を隠している。なかなか散らず、死を嫌い恐れるかのように、茎にしがみついたまま色褪せて枯れていく。 (10)それに比べて我が桜の花は、香りは淡く人を飽きさせることなく、自然の召すまま風が吹けば潔く散る。桜の時期にはしばしば雨が降り、ときには数日で散ってしまう。自然の大きな力に逆らわず潔く散る。 「太陽東より昇ってまず絶東の島嶼を照し、桜の芳香朝の空気を匂わす時、いわばこの美しき日の気息そのものを吸い入るるにまさる清澄爽快の感覚はない」、つまりこの清澄爽快の感覚が(15)大和心の本質と新渡戸は説く。 (1)日本人は、このような美意識を持ち、いっぽうで行動原理としての武士道を守ってきた。新渡戸はまた、吉田松陰が刑死前に詠んだ、かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂、(5)を引く。吉田松陰は黒船来航以来の幕府の政策を痛烈に批判し、安政の大獄の際に死罪に処せられた。この歌は、たとえ行き着く先は刑死とわかっていても、正しいと信ずることをせずにはおれないという松陰の告白である。名誉のためには死も恐れないという態度である。 こうした「大和心」といい「大和魂」といい、武士道精神の精華といえよう。これを世界の人に知らしめた新渡戸の功績は訳者の矢内原忠雄の言うように「三軍の将に匹敵するもの」がある。(10)日清戦争後の三国干渉等で世界が日本に警戒心を強めていたときに、軍事力でなく、誇るべき民族精神によって日本を世界に伍する存在としたのである。 明治維新のころ、海外留学した多くの下級武士の子弟たちは、外国人の尊敬を集めて帰ってきた。彼らは、英語も下手で、西洋の歴史や文学もマナーもよく知らなかった。彼らの身につけていたものといえば、日本の古典と漢籍の知識、そして武士道精神だけであった。それでも彼らは尊敬された。(15)武士道精神が品格を与えていたのである。 世界は普遍的価値を生んだ国だけを尊敬する。 イギリスは議会制民主主義を、フランスは人権思想を、(1)ドイツは哲学や古典音楽を作った。自然科学のうえでもこれらの国は多大な貢献をした。現在経済的にも軍事的にもたいしたことのないこれらの国が国際舞台で主要な役割を果せるのは、彼らの創出した普遍的価値に世界が敬意を払っているからである。 私は、日本の武士道精神と美意識は、人類の普遍的価値となりうるものと思う。 (5)二十一世紀は、武士道が発生した平安時代末期の混乱と似ていないでもない。日本の魂を具現した精神的武装が急務だ。 切腹や仇討ち、軍国主義に結びつきかねない忠義���どを取り除いたうえで、武士道を日本人は復活するべきである。これなくして日本の真の復活はありえない。国際的に尊敬される人とは、自国の文化、伝統、道徳、情緒などをしっかり身につけた人である。武士道精神はその来歴といい��さといい、身につけるべき恰好のものである。 (10)新渡戸は「武士道の将来」と題した最終章にこう書いている。「武士道は一の独立せる倫理の掟としては消ゆるかも知れない、しかしその力は地上より滅びないであろう。(中略)その象徴とする花のごとく、四方の風に散りたる後もなおその香気をもって人生を豊富にし、人類を祝福するであろう」 世界はいま、政治、経済、社会と全面的に荒廃が進んでいる。人も国も金銭崇拝に走り、利害得失しか考えない。 (15)義勇仁や名誉は顧みられず、損得勘定のとなり果てた。 ここ数世紀の間、世界を引っ張ってきたのは欧米である。 ルネッサンス後、理性というものを他のどこの地域より(1)早く手にした欧米は、論理と合理を原動力として産業革命をなしとげ、以後の世界をリードした。論理と合理で突っ走ってきた世界だが、危機的な現状は論理や合理だけで人間はやっていけない、ということを物語っている。それらはとても大切だが、他に何かを加える必要がある。 (5)一人一人の日本人が武士道によりかつて世界の人々を印象づけた高い品格を備え、立派な社会を作れば、それは欧米など、荒廃の真因もわからず途方に暮れている諸国の大いに学ぶところとなる。これは小手先の国際貢献と異なる、普遍的価値の創造という真の国際貢献となるであろう。この意味で、戦後忘れられかけた武士道が今日蘇るとすれば、それは世界史的な意義をもつと思われる。
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
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“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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CC字幕|以伊開戰川普當實境秀放話? 德國總理感謝以色列為西方做「骯髒事」!【Yahoo TV#風向龍鳳配 】 - YouTube
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來賓:前立法委員 #郭正亮 、台大政治系教授#楊永明 議題: 01:40|以伊開戰川普當實境秀放話? 德國總理感謝以色列為西方做「骯髒事」! 35:58|日美倡建「單一戰區」圍堵中國成形? 台灣有事等於日本有事? 53:44|金正恩拒收川普親筆信 北韓力挺普丁再派六千人赴俄重建
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@标 我是马来西亚华裔。我爷爷年轻的时候曾在马来半岛和马共枪战,所以从小对共产党没好印象。1998年我来到中国做移动网络,在这26年期间,见证了中国奇迹般的发展,不管是经济、基建、治安、环境、科技,我亲眼目睹共产党给人民做的一切。除了发展,像蚂蚁金服这样想收割未来钱的资本,人民还没发现,政府就控制下来了。为了解决污染问题,政府大力补贴电车厂,现在中国是拥有最多电车的国家。过去30年,全球种植的树,25%在中国。现在的中国安全、现代化、方便、有序、自由、平等。 许多民主国家,实际上是「你民我主」,在中国,我看到了「以人民为主」。民选制度的实效有个先决条件:无金钱政治。政客代表人民的利益才叫民主,而事实上大部分候选人是由资本利益集团内定的,投票实际上是选主人。美国有个调查很有趣:在美落地的法案,与资本集团的诉求关系大,与民众诉求关系几乎为零。美国说是Democracy,实际上是Plutocracy。另外,笨人永远比聪明人多,不要觉得自己一票很“神圣”,因为笨蛋的票数更多。心态决定一切,在中国政府像父亲,而许多民主政府像承包商。父亲不会讨好你,不跟你废话,但会带你上正轨。民主选举,想发财的承包商出来花言巧语,当选了把上一届的项目取消,做新项目抽油水。民主政府成立第一天,国民就是分裂的。印度莫迪还不惜破坏国家团结,玩种族课题博取支持率。民主极其消极,你的成就是我的不利,最好你一事无成,下一届我就有机会了。我从来没有看过其它国家像中国和新加坡那样,人民那么信任政府。中国人不在乎意识形态,只看结果,支持共产党是因为这三十年共产党实实在在做了很多事情。反观我们,吃饭聊天就是骂政府,骂了也没用,一旦当选即使第二天支持率掉到零,它依然合法。民主每五年营业一天,过后人民只能当观众。 民主政府,很少会为人民做长远打算。任期五年,他们不会做六年才见到成果的计划,因为五年内选民看不到结果就跟他们说拜拜了。结构性的问题,不大刀阔斧的去做是改变不了的,所以竞选承诺的事就不了了之,做点门面功夫忽悠人民。人民像温水煮青蛙,难受了跳另一党,继续被煮。在中国,事情该怎么做就怎么做。中国历史告诉我们,一旦当政者让人受苦,失去人民的信任,无一例外都被连根拔起。 民主竞选的时候,只凭印象投票,谁投入宣传多,机会就越大。特朗普,连一个村都没有管理过,就当总统了。中国像一家正常的公司,选贤任能由HR来决定。民主选举就像一家没有HR的怪公司,让全体员工,包括扫地阿��来投票选CEO,极不合理。 有人说在美国可以骂总统。「马斯洛需求层次理论」:最低层次的人为「物理需求」而努力,最高层次的人为「自我实现」而努力。总统又不是为三餐的人,值得你骂的人根本不配当总统。儒家思想中,国家领导应该是德高望重的人,就像家庭里的长辈。 美式体制下,人是个体,崇尚个人自由。在中国,人是群体,求和谐共赢。限制了某些个人自由,换来的是群体的自由:凌晨三点可以安全的逛公园,民众没有枪械、毒品、暴乱困扰。在中国,该有的个人自由都有。实际上,现在中国最大的不自由,来自爱指手画脚的西方。目前中国确实是言论自由有限,但要是不控制早就被美国颜色革命了。西方有言论自由吗?为什么美国反战学生要被锁起、阿桑奇要被关起?如果西方比中国更有新闻自由,为什么北溪被炸,德国人还不知真相? 中华民族历来都是在集权的环境下达到鼎盛的,比如汉、唐。因为集权才会和平,和平才能发展。每当出现多于一股势力,就会出现斗争,没例外。比如:三国、国民党v共产党、战国时代、楚v汉。所以多党民主不适合中国,没办法。美国搞政变就是用钱扶持一党上台,之后整个国家就听命于它了。 有人认为一党制就是独裁。集权和独裁是两码事。我的民主国家马来西亚,曾经有个在位22年的贪污独裁者马哈迪。印尼也是民主,苏哈多独裁、贪污了30年。他们每届大选都赢,因为买选票,控制媒体。新加坡一党独大,但是有世界最廉洁的政府。众所周知,李光耀不相信民主。民主是统治阶级转移社会矛盾的伎俩,政府无为就怪选民,让两边相互耗着。不是说独裁好,但一党制不一定独裁,多党制不一定不独裁。西方人说一党制没有合法性,共产党93%支持率,G7国家一般只有40%~60%,共产党没合法性?中国政府就是像消防队这样的功能组织,有火患就把它灭了,不能有任何借口,水压不够就换水泵,梯子不够高就换梯子,不需要每四年把人换掉。 意识形态就是思想封锁,邓小平认识了这一点,放弃意识形态,务实起来,中国就发生翻天覆地的变化。中国的长期计划,是参考各个研究��的数据,以科学的方式拟定,公开透明,接下来分五年去完成任务,如果换了领导班子,计划延续下去。这是独裁吗?以实情、结果为导向、科学的来拟定政策,就是反独裁的最好方式。 现在中国的政治体制是:「社会主义+贤能治国meritocracy+儒家价值观」。经济体制是:「混合式市场经济(国有资本+私人资本)」。资本只逐利,不管社会福利,但是资本厉害的是经济动力和创造力。美国的体制,资本至上,所以富豪很多,在街头露宿的人也不少。中国在社会主义的基础上使用市场经济,既照顾了穷人,也让资本带动经济。中国有类似古代科举制度,提拔贤能。总体来说,整个体系遵循了儒家文化:爱护子民、忠于国家、忠于自己的角色等等。中国的体系有传统的一面,也有适应需求的一面。中国政府也犯错,但鲜少重复犯错。在中国,人民不能换政府,但体制一直在自我修正;在美国,人民可以换政府,但体制一成不变。 中国的制度是否世界最好的呢?只能说它最适合中国。它和新加坡制度相似,也许这套适合中华民族。北欧的体系叫social democracy,在社会主义的价值观上实施民主,相当成功,因为适合那的工会型社会。其它如美、英、法、印的自由民主 liberal democracy很明显不行了:无整体规划、施政难、内斗、示威罢工。世上没有完美的体系,人们最大的错误是,当国家不前进的时候,还坚守意识形态,不愿改变。不得不佩服中国政府,在世界意识形态那么大的压力下,依然坚持走自己认为正确的路。天安门事件之后,中国政府忍辱负重,不求别人理解,努力搞经济。香港暴乱之后,越来越多人发现当年天安门事件如出一辙,就是颜色革命,真为共产党感到不公。美国经常推翻别国的民选政权,不就是反民主吗?证明美国自己都不相信民主。 美国传奇谋略家Brzezinski说:“美国绝不允许欧亚大陆出现挑战者”,因为美国只占全球4%人口,地球另一边的欧亚占了70%,欧亚崛起威胁美元霸权。八十年代日本经济快速发展,被美国逼迫签广场协议,进入失落的三十年。北溪被美炸掉以消灭德国科技+俄罗斯能源的威胁。中国快速崛起也被美国围堵了。美国所谓的Rules BasedOrder就是个金字塔,美国在顶尖,盟友其次,南方世界只做衣服、种香蕉、���手机。所以中国高科技被打压。过去两千年,中国多次是世界最强国,近两百年因为鸦片、贪污和自我封锁,中国错过了工业大革命导致落后于西方。中国人均IQ是105,不比西方人的95低,有体制优势,又勤奋,很快就追上美国。西方在400年前的殖民时代,掠夺全世界资源来开启工业革命,50年代进入新殖民neo-colonialism时期,比如法国通过CFA法郎的铸币权把非洲14国的收入转移到法国国库,美国更是用美元、IMF和世界银行薅全球羊毛。近年,随着一带一路和金砖的发展,有多个非洲和南美国家已经不听西方的话,逐渐摆脱新殖民统治,所以中国的崛起不只是中国的事,也是南方世界的事。曾经让中国经历百年之耻的英美日澳等国家,160年之后的今天,品德一点没改进,又来围剿中国了。千百年来,盎撒人最擅长一招:分而治之,让敌人自己打自己。无外就是打台湾牌、菲律宾牌。反中的人就是助纣为虐。 人类历史上,历代强国的崛起,不管是古希腊、罗马帝国、奥斯曼帝国、大英帝国、还是美帝,都是伴随着战争、杀戮、殖民、掠夺、奴役。1984年,中国人均GDP比印度还要低一点,现在是印度的六倍,中国崛起的速度比任何帝国都快,但中国四十年来未向别国放一颗炸弹。作为华夏子孙我们不应该觉得自豪吗?所谓霸者以武降人,王者以德服人,谁才是真正的文明?西方踩在别人头上把自己打造成花园,然后吹嘘西方文明,让世人崇拜,进而巩固他们的统治。实际上西方爱双标就是因为有阶级观念。现在西方人占全球人口只有14%,却占了全球56%的财富。所以,当西方人不喜欢我们的时候,那就表示我们做对了。华夏子孙们,加油吧!
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第一章——大哥的誕生
破舊的小巷裡,昏黃的街燈閃爍著微弱的光芒。夜幕低垂,寂靜之中卻傳來一陣低沉的嗡嗡聲,彷彿是某種儀式即將開始。
巷子中央,一名少年站在那裡,燈光映照出他瘦削卻筆直的身影。他的年紀不大,面容雖稱不上俊美,卻帶著一股與年齡不符的沉穩。他的眼神平靜而帶著溫度,彷彿能看穿人心。
而就在他周圍,十幾名身材魁梧、臉上帶著傷痕的年輕人,竟齊刷刷地跪了下來。
「大哥!」其中一人低著頭,語氣裡帶著敬重與感激,「我們……我們沒齒難忘你的恩情!從今天開始,你就是我們的老大!」
少年——「謎」,愣了一下,隨即露出一抹無奈的笑意:「你們啊……我只是做了該做的事而已。」
洗刷冤罪的恩情
這些人,曾經都是這座城鎮裡的「問題人物」,被冠上「盜賊」、「流氓」的標籤,遭人厭惡,甚至被當成罪犯對待。他們的��在彷彿就是一種錯誤,無論做什麼,都只會迎來懷疑與嘲諷。
但謎不這麼認為。
他親手幫助這些人找出真正的罪犯,替他們洗清了莫須有的罪名。即使過程中遭到阻撓,甚至被某些有權勢的人警告,他依舊沒有放棄。最終,這些人不再是被驅逐的對象,而是獲得了重新生活的機會。
有些人因此找到正當的工作,甚至還有人因此獲得了一筆意外的補償金,成功救回了家中重病的母親。
「大哥,要不是你,我娘早就不在了!」一個滿臉橫肉的大漢紅著眼睛,聲音顫抖著,「我欠你一條命!」
「不只是他!我們所有人都欠大哥一條命!」另一個混混激動地說道。
「從今天開始,誰敢動大哥一根手指,我們就讓他吃不完兜著走!」一名壯漢拍著胸脯保證道,語氣裡滿是狂熱與忠誠。
發自內心的笑容
謎靜靜地看著這一切。
他不是沒被人感謝過,但這一次,卻有些不同。
這些人並不是懦弱地感激,而是選擇站起來,選擇挺直脊背,選擇以自己的方式守護他——這是他曾經渴望過的東西。
他不需要高高在上的敬畏,他只是想要一個能夠互相扶持、真正理解自己的地方。
所以,他發自內心地笑了。
「好吧好吧,隨你們怎麼叫。」他輕輕搖頭,嘴角帶著無奈的笑意。
那笑容溫暖,卻帶著幾分難以察覺的寂寞。
而這一夜,屬於「大哥」的傳說,也在這條小巷裡,悄然誕生——
夜色深沉,星光被城市的燈火掩蓋,破舊的小巷仍迴盪著剛剛的誓言。謎低頭看著圍繞在自己身旁的這群人,臉上帶著一抹淡淡的笑意。
但他的異色雙瞳,在昏暗的燈光下閃爍著微弱的紫光,讓這抹笑容顯得有些神秘,又有些落寞。
這雙眼睛,從他出生起,便決定了他的命運。
異瞳之子的詛咒
謎的雙眼,兩邊都是不同的紫色——一隻深如夜幕,一隻淺若晨曦。這樣的眼睛,並非普通人所有。
「這孩子是不祥之兆!」
「他的眼睛是詛咒,他會帶來災厄!」
這樣的聲音,自他有記憶以來,便時刻環繞在他的生活中。無論他做得再多、再好,都無法讓人們忽視他的異瞳。他的一切努力,總是被這雙眼睛否定。
他的父母無法接受這樣的孩子,在他還是嬰兒時,便將他遺棄在破舊的孤兒院裡。沒有人願意收養他,甚至連孤兒院的其他孩子,也時常嘲笑、排擠他。
「你是怪物!」
「不要碰我,我才不想被詛咒!」
「滾出去!我們這裡不需要你!」
年幼的謎,最初也曾感到難過,也曾偷偷躲起來哭泣。
但他很快便明白,光靠哭泣是無法改變現實的。
他開始用笑容面對一切。
「如果我一直開心地笑著,那麼就不會有人覺得我軟弱了吧?」
於是,他總是帶著燦爛的笑容,哪怕受傷了,也不會讓人看到他難過的一面。他變得機靈、聰慧,總能巧妙地應對各種困難,甚至能輕鬆解決周圍人的問題。
但即便如此,人們對他的偏見,依舊沒有消失。
正義的代價
謎的性格直率,對於強權與黑暗,他從不低頭。他敢於直言不諱,無論面對什麼樣的強者,都敢指出不公。
某一次,他在公開場合揭發了一位大人物的貪污行為,並且當眾指出這位權貴的兒子在學校裡霸凌他人,害得一名學生跳樓輕生。
這件事震驚了整個社區,也讓那位大人物顏面盡失。
但社會並不會因此感激他,反而讓他的處境變得更加艱難。
那些本該感激他的人,選擇了遠離他,害怕因與他有所牽連而被報復;而那些本就厭惡他的人,則趁機將他逼入絕境。
「這個麻煩的傢伙,別讓他進我們的學校!」
「這種人,活該被社會排擠!」
沒有高中願意接納他,他的生活變得更加孤獨。
但他沒有後悔過。
「只要這世界還有不公存在,我就不會閉上嘴巴。」
這樣的堅持,讓他成為了社會的邊緣人,但同時也讓一些人——那些同樣被社會遺棄、被誤解的人——對他產生了敬意。
新的羈絆
如今,跪在他面前的這些人,便是那些曾被誤解、曾被冤枉的「問題人物」。
「大哥!我們不會讓你一個人面對這個世界的!」
「以後不管發生什麼事,只要你開口,我們一定會站在你這邊!」
「誰敢對你不利,先問過我們答不答應!」
謎看著這些人,嘴角微微上揚。
他不知道這條路未來會通往何方,也不確定這份羈絆是否能永遠持續。
但至少此刻,他不再是孤身一人。
「那就——請多指教了,各位。」
這是他的第一個「家」,一個由一群被社會拋棄之人組成的家。
而他的傳說,才剛剛開始——
第二章——唯一的家人
夜幕低垂,街燈在寂靜的街道上灑下昏黃的光暈。謎踩著熟悉的步伐,回到了自己居住的公寓。
這棟公寓外觀看起來雖有些老舊,但內部卻異常乾淨整潔,每一磚一瓦都透著被精心維護過的痕跡。這裡,曾經是一棟年久失修的老樓,幾乎沒有人願意居住。
直到那位和藹的老奶奶將他收留。
給予歸處的人
「哎呀,謎,你回來啦。」
在公寓門口,一位身形微微佝僂、白髮蒼蒼的老奶奶正吃力地整理著一旁的小花壇,雙手雖然滿是歲月的皺紋,卻依舊勤勞而溫暖。
謎見狀,毫不猶豫地走過去,伸手接過她懷裡的一袋土壤,熟練地幫忙澆水、整理盆栽。
「奶奶,這些活還是交給我吧,你年紀大了,不要太勉強自己。」
老奶奶慈祥地笑了笑,「我可沒那麼脆弱呢。而且,這裡能變得這麼新,可都是你的功勞啊。」
她的目光掃過公寓大門,那扇重新粉刷過的門板在路燈的照耀下顯得光潔如新,樓梯、牆壁甚至地板都已經被修繕得乾乾淨淨,早已不是當初那座破敗不堪的老樓。
這些,都是謎的努力。
當年,這位老奶奶在他無處可去時收留了他,而謎則用自己的雙手與智慧,將這個地方改造成了一個可以安心居住的家。
「只要這裡還有奶奶在,我就不會讓它變得破破爛爛。」
他笑著回答,眼底閃過一絲不易察覺的溫柔。
網絡中的問題解決者
回到自己的樓層,謎打開了房門。
房間內的布置簡單卻不失個性,乾淨的書桌上擺放著一台電腦,旁邊則是各種筆記與資料。房間的牆上貼著一些世界各地的城市風景照,像是在昭示著某種未來的夢想。
這是他自己的世界。
謎坐到電腦前,熟練地敲打著鍵盤。
現實世界已經無法容納他,但網絡卻是一片無限寬廣的天地。在這裡,他不需要面對異樣的眼光,不需要被現實的規則所束縛。
他成為了一名問題解決者。
無論是技術問題、商業資訊,甚至是一些不能擺上檯面的事情,他都能憑藉自己的智慧與技巧幫助客戶解決問題,而這些服務,自然能讓他獲得不錯的報酬。
這樣的工作,讓他意外地獲得了許多黑幫和不良份子的支持。
因為他解決的不僅是普通人的煩惱,還有那些社會底層人士的困境——有時是協助收集情報,有時是幫助冤枉的人洗刷罪名,甚至偶爾還會解決一些更加棘手的事務。
在網絡的另一端,他並非孤身一人。
關心的幽靈
「你又在做這些了。」
一道熟悉的聲音傳來,帶著一絲不滿與無奈。
謎抬起頭,嘴角微微勾起,「連,你又來唸我了嗎?」
站在房間角落的,是一位少年幽靈。他的身影微微透明,身穿著略顯舊式的衣物,眉宇間透著一股溫柔卻帶點嚴肅的氣息。
連——謎在這個世界上唯一的家人。
「我不是唸你,我只是不希望你一直處在這種黑暗的環境裡。」連的語氣有些無奈,「你明明有更好的選擇,為什麼要和這些黑幫、不良份子扯上關係?」
謎笑了笑,並沒有馬上回答,而是隨意地將身子往後一靠,雙手抱頭,眼神望向天花板。
「我只是做自己該做的事而已。」
「但這樣的路,遲早會讓你捲入不該涉足的漩渦……」連輕輕嘆了口氣,語氣中帶著無奈和擔憂。
連,從謎還是嬰兒時便一直陪伴在他身邊,彷彿是命運刻意留下的牽絆。他不像一般的幽靈那樣怨恨或徬徨,而是如同一位真正的兄長般,默默守護著謎,指引著他。
對謎而言,連的存在,比這世界上任何人都要重要。
「我知道你擔心我,但這個世界,光靠待在陽光下是活不下去的。」謎語氣輕快地說,「而且,我不覺得自己是在做壞事。」
「……但你也不是在做『好事』。」連直視著他,語氣難得地帶上一絲嚴肅,「如果你再這樣下去,總有一天,會連你自己都分不清楚『對』與『錯』的界線。」
謎沉默了一會兒,然後輕笑了一聲,「那一天如果真的來了,你會提醒我,對吧?」
連無奈地歎了口氣,最終沒有再說什麼,只是靜靜地���在一旁,默默地看著他。
即便不贊同謎的選擇,他依然選擇陪伴在他身邊。
因為,他是這個世界上,唯一屬於謎的家人。
——然而,連自己也沒有察覺到,這一夜,他心中浮現了一絲莫名的不安。
彷彿有什麼即將降臨,將徹底改變謎的命運——
死亡,對於謎而言,並不可怕。
當那場突如其來的重病降臨時,他並沒有恐懼,反而感到某種解脫。
他的人生一直在與這個世界的偏見、強權和黑暗對抗,這讓他疲憊不堪。而現在,這場病帶來的劇痛,彷彿正在提醒他——終點近了。
然而,當身體逐漸無法動彈,意識逐漸模糊時,他才發現,他並不是孤身一人。
現實的殘酷
謎的朋友們——那些曾經受過他幫助的黑幫、不良份子,甚至一些意想不到的人——開始四處尋找治療他的辦法。
他們找遍了醫院、名醫,甚至試圖用一些非法手段獲取特殊藥物,但每一步都遭受阻礙。
權力、金錢、社會的冷漠,像是無形的鎖鏈,將他們的努力一次次粉碎。
「連他的病都不願意治嗎?這世道到底是怎麼回事?!」
「醫院說沒有病床?那我們就自己想辦法!」
「但是……有更高層的人下令,不讓我們動用資源……」
世界,依舊是不公的。
即使這些人曾因謎的幫助而改變了命運,但在面對這龐大無情的體系時,他們依舊無能為力。
而這一切,謎都看在眼裡。
「果然,這個世界……還是這麼殘酷啊。」
生命的終點
病房內,謎的呼吸已經微弱,意識也漸漸模糊。
一旁,連站在那裡,靜靜地看著他,目光溫柔,卻帶著些許悲傷。
「謎……」
「別露出那種表情嘛……」謎勉強扯出一抹微笑,「我可沒那麼害怕……」
「……騙人。」連輕聲道。
謎愣了一下,然後笑了笑,「好吧,還是被你看穿了。」
「你明明還有很多事情想做,還有很多未完成的夢想……」
「夢想?」謎的視線開始渙散,語氣輕柔如風,「已經不重要了……至少,我並不孤單。」
「如果死亡能讓我們永遠在一起,那我倒是沒什麼遺憾。」
——這一刻,時間彷彿靜止了。
連低下頭,閉上眼睛,深吸了一口氣。
然後,他做出了決定。
重生的選擇
「不行,我不能讓這樣的結局發生。」
他的聲音低沉而堅定。
「謎,你不該在這裡死去。你還有更重要的事情要做……」
「連……?」謎已經無法完全聽清他的話,意識逐漸模糊,像是墜入了黑暗。
而在那黑暗之中,一道耀眼的紫光驟然閃現。
世界,開始劇烈震動。
然後,時間靜止了。
命運的女神
當謎再次有意識時,他發現自己已經不在病房裡了。
周圍是一片無垠的星空,彷彿置身於宇宙之中,滿���星辰閃爍,而在他面前,一個巨大、全身散發著紫色光芒的女性緩緩現身。
那雙深邃的眼眸彷彿能洞察一切,身上的紫色光輝帶著神聖與神秘,宛如神明降臨。
**「你是……?」**謎茫然地看著她,聲音微弱。
女子輕輕一笑,聲音溫和而莊嚴——
「我是命運的指引者,我將實現他的願望。」
她的視線轉向了謎的身旁。
謎跟著視線轉頭,這才發現,連正站在他旁邊,依舊是那個熟悉的模樣,只是……
他的氣質,似乎與以往有些不同。
連看著謎,嘴角微微上揚,露出一抹熟悉的笑容。
「終於能正式介紹自己了。」
他輕輕歎了一口氣,隨後,目光變得堅定無比。
「我是連·貝亞圖蒙——夜紫的勇者。」
「而我們的旅程,才正要開始。」
第三章:審判與輪迴
當紫色的神光照亮整個空間時,謎瞪大了雙眼,看著眼前這位散發著威嚴氣息的女性。她擁有深紫色的長髮,一雙銳利如刀的雙眼,以及一身莊重的長袍,手中握著一把象徵權威的權杖。
「夜紫之神……」連低聲喃喃道,神情難得地嚴肅了起來。
但謎卻沒有那麼多顧慮——或者說,他的興奮完全壓過了謹慎。他本來只是個普通人,從未想過能夠親眼見到神明,更別提對方還是個「職業法官」,這種情況可不常見!
「喂、喂!這真是太酷了!」謎瞬間湊近夜紫之神,雙眼閃爍著興奮的光芒,「所以說,你就是傳說中的審判之神?那你真的能看透所有的謊言嗎?你有沒有審過特別有趣的案子?還有,為什麼你會選擇這種造型?是因為公正無私所以不給自己太多裝飾嗎?還是說你覺得長袍比較能表現你的威嚴?還有還有——」
「夠了。」夜紫之神皺了皺眉,按了按太陽穴,語氣嚴厲道:「你話太多了,讓我頭疼。」
「哈哈,他一直都是這樣的。」連無奈地笑了笑,對這一幕顯然已經見怪不怪。
夜紫之神深吸了一口氣,努力讓自己恢復平靜,然後才用冷靜而威嚴的語氣開口:「凡人,我將告訴你一個故事。」
隨著她的話語落下,空間忽然開始扭曲,一幕幕影像在四周浮現。謎和連不自覺地屏住了呼吸,感受著一股無法違抗的神聖力量圍繞著他們。
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《輪迴的雙魂——七勇者與七魔王的傳說》
這片世界由七位神明共同統治,他們每隔幾代便會選出七名勇者,賦予他們最完整的加護,讓他們成為世界的希望與拯救者。這些勇者受萬人敬仰,被視為英雄。
但在某一次輪迴中,七位勇者的選擇卻發生了變化。他們不是來自貴族、王族,也不是受萬人愛戴的天選之人,而是來自被世界遺棄的一群弱者——甚至,其中一些人根本不是人類。
當這些勇者拯救了世界時,等待他們的不是榮耀,而是來自世人的恐懼、歧視與背叛。
「當英雄的努力被踐踏,當拯救世界的代價是失去一切,他們便不再願意順從命運。」夜紫之神的語氣冷冽,眼中閃爍著不容質疑的威嚴。
憤怒、絕望與痛苦將這七位勇者推向黑暗。他們不再相信這個世界,決定摧毀它。就這樣,七位勇者墮落為七位魔王,親手將這個世界毀滅殆盡。
「但這一切……應該發生嗎?」夜紫之神的聲音低沉而莊重,「神明們震驚於這樣的結果,決定違背自然法則,將時間逆轉,讓世界重來一次。他們希望能夠改變這場悲劇,讓七位勇者獲得應有的未來。」
影像中,時間開始倒流,世界重塑,一切回到了原點——但就在這個過程中,一道異常的光芒閃過。
其中一位勇者的靈魂,逃離了輪迴。
那道靈魂沒有回到這個世界,而是掙脫了神明的束縛,飄向另一個世界,拒絕再受命運擺布。
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影像消失了,謎還有些發愣,消化著剛才的信息。而連則陷入沉思,似乎在思考著什麼。
就在這時,謎突然想起了一件事。
——連的自我介紹。
連曾經說過,他的靈魂來自異世界,但他已經遺忘了自己的過去,只知道自己一直在流浪。
而現在,夜紫之神的故事給出了所有的答案。
謎猛地轉頭看向連,瞪大了雙眼:「等等……不會吧……?」
連似乎察覺到他的視線,微微一笑,沒有否認。
他就是那位逃離輪迴的勇者。
夜紫之神收回權杖,語氣恢復冷靜:「我之所以召喚你們,便是因為這場異常的輪迴已經出現了裂縫。我將給予你們一個機會,讓你們成為新的存在,參與這場輪迴,影響它的走向。」
謎皺眉:「所以……你是要讓我們成為新的七勇者?」
「不,你們的存在將超越勇者與魔王。」夜紫之神的眼神深邃而冰冷,「你們將作為觀察者,亦或是變數。這世界已經改變,但它是否會迎來新的結局,將取決於你們。」
她伸出手,紫色的神光纏繞在謎與連的身上,宛如在確認他們的靈魂本質。
「你們將以雙胞胎的身份降生於這個世界,這將是你們的新人生。」夜紫之神頓了頓,然後補充道:「連,你將成為哥哥,而謎則是弟弟。」
連微微一愣,然後笑了笑,語氣帶著些許寵溺:「聽起來也不錯��」
「哇、哇、哇——等等!」謎一臉驚訝,「我不是應該是哥哥嗎?不對,我們現在不就是兄弟嗎?為什麼一定要指定誰是哥哥?」
夜紫之神淡淡道:「公平起見,我決定讓你們的靈魂順序重排,這樣比較公正。」
「哪裡公平了——!」謎還想爭論,但紫色的光芒已經將他們包圍,一種奇異的力量正在將他們的存在重新塑造。
「那麼,就去迎接新的世界吧。」夜紫之神的聲音宛如天命,無法違抗。
意識開始模糊,謎最後的記憶,是連看著他,露出溫柔而堅定的笑容。
——輪迴,開始了。
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淑君直到天蒙蒙亮才入睡,可睡了没多久就被闹钟给叫醒,她昏沉沉的想再睡一会儿,可今天对她意义重大,自己来澳洲不就是盼着这一天吗?她睡眼朦胧中坐了起来,迷迷糊糊看见晨光已经见缝插针的爬进了房间,丹丹在地上睡得很沉。她不由的暗生羡慕,自己也想舒舒服服偎在被窝里,可是随心所欲的日子再也找不回来了。于是她急忙起床洗漱一下,然后在厨房喝一杯牛奶,吃几块饼干,就是急匆匆出了家门。
早晨,阳光灿烂,微风拂面,带来了清新,宁静和期待已久的心情。街上人很少,到处铺满了错杂的阴影,屋阴,墙阴,树阴,草阴,车阴,篱笆的阴影,地上虚幻的阴和沐浴在阳光里的物交交叠叠,影与光,��与明,和谐共生,丰富而又多姿多彩,勾画出一幅幅晨光满天,绿意盎然的街景。
淑君低着头匆匆赶往车站,街上再好看的景致都引不起她的注意,今天是她新生活的开始,她要专注于自己。大约走了十来分钟,便来到小镇上的火车站。她先买一张绿色周通勤卡,然后登上开往市区的城际列车。列车分上下层,每层车厢有十几排座位,每排分左右两边,一边是二人的座位,另一边有三人的位子,每层可乘坐近百人。淑君来到上层,拣一个靠窗的座位坐下。车厢内的乘客很多,大家都安安静静坐着,有看书的,写东西的,闭目养神的,还有聚精会神的望着车窗外的。
列车保持匀速行驶,淑君轻轻把窗拉开半尺宽,立刻一阵清风拂面而来,清凉而又惬意,和风一起涌进来的还有那窗外的明丽景色,整齐的道路,成排的房屋,成片的树林轮番交替在她眼前晃动,���如一幅幅带着晨光流动的画卷。淑君茫然的注视着前方,心里默记着站点,生怕自己一不小心坐过了站。昨天下午,Sarah专门给她画了一张出门指南,有文字,又配上一张草图,买什么车票,坐几点钟的列车,在哪个站点下车,出了站台怎样走去学校,写得清清楚楚,画得明明白白。Sarah这个人挺热心的,除了嘴巴不饶人,在钱财上丁是丁,卯是卯之外,同她相处并不困难,要不是她抢了佳丽的男朋友,淑君甚至也愿意把她当成朋友看待。
列车开出去了好几站,每到一站照列下去一波人,又上来另一波新人。看着匆匆忙忙的人潮,淑君觉得自己就像是个局外人,跟这里所有的人无关,跟这个社会无关,没有人知道她是谁,从哪里来,到哪里去,她也不知道别人姓甚名谁。她轻轻叹了口气,心想:"每个人都有个去处,可我呢?这条孤独的路今天才跨出去第一步,那么第二步,第三步又会是什么样子呢?"想到这里一丝悲凉涌上心头。
淑君极力想甩开刚冒出来的念头。她从包里取出Sarah画的那张线路图,可左看右看还是不得要领,反正Sarah还告诉她一个最笨也是最有效的方法,就是看到列车过了悉尼大桥后第三个站点下车即可。于是她又把图塞进了挎包里,干脆静下心来欣赏沿途风光。
列车到了中央火车站。淑君随着人潮下了车,来到车站前的大街上,四通八达的道路让她不知所措,还好穿过马路便是蒙派克公园,来到公园,接下来再找学校就方便了许多。淑君看看时间还早,便在一棵浓密大树下的一只长椅上坐了下来。公园里的空气真好,四周散发出淡淡的草香和花香,树枝伸展在她的头顶,阳光透过树叶的缝隙斑斑点点落在她身上,有几只羽毛鲜艳的鹦鹉在树枝上追逐嬉戏,叽叽喳喳叫个不停。淑君又如梦似幻的想起了上海。上海的早晨那该是啥样子的?淑君只记得菜巿场尽是些乱哄哄的买菜的大妈大叔们。热气腾腾的点心店里里外外都挤满了心急如焚的人。路上见到的都是相同表情的面孔,木讷,烦躁,甚至还带着昨夜未消的愠怒。公交车上都是神情紧张,随时随地准备跟人干上一场的乘客。��院里碰到是一张张痛苦的表情,一双双求助的目光。多年来,淑君早已习惯千篇一律,冷冰冰的早晨。然而她坐在悉尼市中心,眼前是一片灿烂的景象,阳光明丽,清风徐徐,莺啼鸟啭,树枝婆娑,来来往往的路人面带笑容,晨练的老人悠闲自在,学生们活泼可爱,这里充满着热情和活力,可她的内心却感到百般的孤独,茫茫然不知所措。她觉得还是提笔写信,或许能排遣心中淡淡的忧伤。
昨天淑君本来准备写二封信的,不料下午来了个丹丹,把她的计划都打乱了。现在她觉得写给家里的信拖后点倒是无所谓,但佳丽的信一定要尽快的写。可是一想到要提笔写信,她的心情就很沉重,自己的处境比较好写,反正实话实说,难写的是贾东杰。和盘托出,恐怕佳丽看了会气得吐血,接下来就是一连串的后果,自己被扫地出门事小,贾东杰欠债不还事大;如果隐忍不发,又等同与贾东杰穿一条裤子,背上对朋友不忠的骂名,这真让她左右为难。
她摊开信纸,刚写了个开头,便不知如何写下去,贾东杰是个绕不开的话题,说实话,说假话,不提他都很难,还是考虑周全再提笔写信,但佳丽却在引颈期盼着这封来信。唉!这辈子淑君还没遇到过这等的困扰。算了,还是干脆先给冯子健写一封信。于是她又开始奋笔疾书。刚写到一半,忽然淑君闻到有一股恶臭袭来,自己坐的椅子也震动了一下。她撇过脸去,只见一只行李铺盖丢在了椅子上,占去一大半的位子,再一抬头看,惊得她差点叫起来。她的右手边站着一个混身脏兮兮的人,他高高大大,乱蓬蓬的头发遮住半个脸,花白的胡须长满了下颌,脸上的五官,只剩下二只眼睛依稀可辨。显然这位无家可归的流浪汉对淑君占据他的领地,颇为不满,骂骂咧咧说个不停。淑君本能地站起身来,随手把纸和笔塞进包里,头也不敢回的拔腿就跑,像是躲避瘟疫似的。
离开公园,淑君的心情稍微平静下来,没地方可去,只能先去学校。她沿着彼得街往北走,不多时便来到一栋大楼前。淑君拿出地址,再抬头瞧瞧这幢大楼,心里犯了迷糊:"这哪像是学校,分明像一幢办公大楼。"她战战兢兢走了进去,一问这里还真有一所语���学校。于是她坐上电梯来到10楼。10楼的电梯对面有一个接待处,一位前台小姐笑意盈盈迎接了她,一番询问后,这位接待小姐便带她来到走廊的尽头,她们右手边是一间大的会议厅。她告诉淑君先在里面休息一下,过半个小时会有老师来安排新生注册,考试和分班事宜。
房间已经挤满了来报到的新生,人们三三二二围在一起说着话,一见到淑君袅袅婷婷走进来,大家都停止了议论,几乎所有的眼睛齐刷刷地投向了她。今天她扎一个马尾辫,身穿一条米黄色的真丝长裤,肩上挎着一只休闲布包,显得闲雅恬静,清新脱俗。她觉得这么多双眼睛看着她,有点不自然的笑了笑,径直走到房间里的一个角落坐了下来。这时大家又继续各说各话。
房间光线明亮,空间很大,呈长方形,一张张崭新的书桌并排摆放,围成一个长方形,书桌后面放着几排靠背椅。房间里有一堆人,有男,有女;有年近中年的,也有刚走出校门的;有的站,有的坐;有的激动的侃侃而谈,有的则安静聆听,偶而插上几句话,大多数人的脸上挂着焦虑的神情,他们都是最近刚来到悉尼的中国学生。刚才在走廊上淑君就听到房间里此起彼伏的说话声音,现在身处沸沸扬扬的教室,让她感到震惊。这些人旁若无人的高声说话,而且说的又都是上海话,不要说进门的外国老师听不懂,就是坐在里面的外地学生也是一脸的茫然,不知所云。
淑君刚才走的急,坐下之后觉得头晕眼花,心还在怦怦乱跳,头上渗出不少汗珠。她从包里拿出一块手帕,揩了揩额头和脸颊上的汗,然后把几张刚拿到手的新生注册登记表格折叠成扇子形状,使劲上下扇风。
这时忽然有个轻声细语的声音从身后传来,"小姑娘,心静自然凉,只要安安静静的坐上5分钟,保你比现在舒服很多。"
淑君回头看见一个皮肤白皙,颧骨突出,样子𤠣精的中年男人。他身子前倾,用一口柔声细语的上海话跟她搭讪。淑君冲着他笑了笑,算是礼貌性的回答,接着从挎包里拿出一本《新概念英语》,一边读,一边慢慢吞吞扇着风,这招还真管用,没过多久她就觉得凉快许多。
这时身后又传来那男的声音:"读啥书呀,准备临时抱佛脚用?"
淑君生气的把书往腿上一放,也不看他一眼,只是重重叹了口气,���意思是说真是多管闲事。
"哎——你看那边那女的,像不像是从西郊公园来的,上两个礼拜刚用专机运到这里。"那男的努努嘴,示意淑君朝那个方向看。
淑君抬头看见不远处有个俗不可耐的胖女人。她烫了一头蓬松的卷发,身穿一件棕色风衣,腰粗的像一头母牛,正跟人比手画脚的说话。可淑君觉得身后那个男人更加的可恨,于是没好气地怼了他一句:"说的有鼻子,有眼的,你们像是同一架飞机运来的。"
"说得没错,我们俩正是坐同一架飞机来的,她目标大,让人过目不忘。"他把"坐"的发音说的特别重,以区别刚才的"运"字。他叹了口气,又说:"你骂人的角度蛮刁的,算我栽了一回。"
这时从人群里又传来一个洪钟般的声音,一个剃着平头,皮肤黝黑,身穿一套皱巴巴西装的男人正叽哩呱啦发表演讲。淑君这才听清楚他们在议论租房子的事情,可是她身后那男人听得有点不耐烦了,说:"你看那个声音跟铜锣一样响的人,像不像华侨商店门口的打桩模子?"
淑君又抬头望过去,却被人堆里说话男人的一副痞腔给吓了一大跳,便忍不住插上一句,说:"我怎么觉得他更像是十六铺扛大包的。"可话一出口,她就有点后悔。她不喜欢背后议论别人,尤其在不认识的男人面前。
"嗨,那是解放以前,看来你三十年代老电影看多了。现在这种腔调的人都跑到友谊商店,华侨商店门口打桩子去了。"
"是吗,你认识他们?"
他咧嘴一笑,说:"我以前跟他们打过交道,一看这副腔调就一目了然。三十年代上海女人站在马路上招风引蝶,半个世纪过去了,现在改成上海男人立在马路上投机倒把,都是钱在作怪,钱就是上海人的亲爹亲娘,就是马路天使。"
"打过交道,那意思是说你也曾被他们斩过一刀?"淑君觉得这人说话蛮有趣的,便跟他聊了起来。
"我真怀疑你是不是上海人,打过交道跟斩过一刀完全是二码事,怎么可以混为一谈?但是依我的经验那个小黑皮就是一个靠嘴巴吃饭的人,喜欢豁胖,只会吹大牛的人。"
"那他们刚才都讲了些什么?"淑君对这些人也来了兴趣。
"你凑过去听不就知道了嘛。"
"难不成你所说的‘吹大牛’都是听来的?如果这样的的话,你不妨先讲给我听听。"
那人把身子挪到前排,在淑君相隔一个座位的椅子上坐了下来。淑君这才打量他一眼,他瘦高个,有一双精明的眼睛,穿着干净得体,看上去有点阅历。这人清了清嗓子,开始一板一眼的说了起来。原来这个人姓赖,他在淑君进教室前就一直在注意这些人,对他们说的内容略知一二。他告诉淑君说,这群人当中有两个女的,她们来到悉尼二星期,却已经搬过三次家,具体为什么她们也没说,反正被人骗去一些钱,至今居无定所。今天来学校想找找关系,度过眼前的困难。
"那又怎样,出来总会碰到难熬的日子,不管是谁,只要能帮上忙的就得试试。"淑君觉得遇到难处,找人帮忙实在无可指摘。
"话虽如此,但脑子应该保持清醒,什么人可信,什么人不足信,自己要有个衡量尺度,不能眉毛胡子一把抓。"说着他看了他们一眼,做了个瞧不起的手势,说:"唉——都说出国不容易,其中最难的要会看人,同时要摆正自己的心态,随遇而安。"说罢,他笑了笑。
"话说的倒轻巧,如果生活把你逼到尘埃里,恐怕你也会笑不岀来的。"淑君觉得说话带点挖苦更加有趣。
"你讲我是不是特别开心呀?张爱玲尘埃里都能开出花来,何况我这个老克勒呢,哈……好了,我们不讨论这个话题。"我停顿一下,想了想,说:"刚才说到了哪里?哦……对了,所以我的信条就是‘稳’字当头。戒骄戒躁,情绪稳定很要紧,这可以让你看清很多事情,少走弯路。"
"难道稳下来之后,天上就能掉下个大馅饼来了?"
"掉馅饼?哈……哈……看来你只顾跟我抬杠,说话都忘了过自己的脑子。告诉你吧,稳下来后就轮到了减肥。"
淑君卟哧一笑,睥睨地看他一眼,那意思���像是在说这都哪跟哪儿呀,是不是又在唬人了?
"我知道你会用这样的眼神来看我。"他摆出一副满不在乎的神情,继续说:"我问你上海人最爱什么?"
"没啥统一标准,而且男女有别,不过我倒想听听你喜欢什么?"
"门槛精!"他用手指了指淑君,说:"不过我还是满足你那不太高雅的好奇心,我好面子,爱虚荣,吹大牛,不过这也是上海人的通病。我问你这些通病,上海人把它叫做啥?"
"豁胖,我看你跟小黒皮一票里货色。"淑君咯咯笑个不停。
"算我又栽了一回,不过总算跟上我的节奏了,看来你是一个货真价实的上海人,那么我问你豁胖要不要减肥?"他狡狤的看了她一眼,眼睛中露出嘲弄的神色。
"哦,原来你讲的是这个。我看你管的也太宽点了,减不减‘肥’是人家的事情,与你何干?"
"当然跟我没关系。不过嘛,到了外面还是实在点好,不要虚头巴脑的,减‘肥’的目的就是把虚胖的东西去掉。既然走出国门,就算是跟国内一刀二断,再也不要留恋过去。忘记过去,才能迎接明天,这跟再婚是一样的道理。"
"大道理倒是不少。"
"想不想听接下来的话题?这对你可是千载难逢的机会。"
"你怎么越说越玄乎了?什么话题说来听听?"淑君来了兴致,反正老师还没来,闲着也是闲着。
"找对象结婚呀,减肥的目的就是为了人样子好看点。"他从上到下打量了淑君,露出诡异的一笑。
"哼……哼…… "淑君这次没言语,二手交叉放在胸前,冷冷的看着他,心想:"……看你还能弄出什么花样经来。"
"没用刚才的眼神看我,反倒让我吃了一惊。我还是言归正传吧。找对象首先是你想找什么样对象,这跟我们的处境差不多,有人想要读书深造,有人为了嫁人,为了身份,还有的纯粹为了打工赚钱,目的不同,应对的方法也不一样。就怕没目标的瞎忙,白忙,吃的苦中苦,还是人下人。"他停顿了一下,既像是喘口气,又像是看看淑君的反应。
看到淑君还是刚才那副表情,他又开始说了:"有了心目中的那个‘她’,接下来你得用行动去择偶,想找有钱的,你总得进入他们圈子去找呀,所以在国外交往的圈子非常要紧,结交一个向上的圈子,它能带你一起成长,还有找一个好的地区居住也至关重要,上海人的眼界为什么不一样?就是这个道理。最后就是运气,每个人的远气不一样,不能一概而论。譬如,娶妻靠月老,你也不知道他手中的红线栓在哪一头?老婆娶进了门,能生不能生?生男,还是生女?是龙,还是凤?这些全凭运气。不过出国运气里面包含着更多自身努力的成份,稍微有点运气的加持就能助你美梦成真,反之亦然。"
"这就是你讨老婆的套路?"
"被你一眼就看穿,这是我今天栽的第三只跟头,跌得我晕头转向。不过我想用这些方法度过接下来的岁月。"
这时又有几个新来的人加入那些人的谈话,那里的气氛也更加的热闹。那个姓赖的瞧了他们一眼,又继续说:"你看那些乱哄哄聚在一起的人,一般都没啥大花头,你知道啥叫不声不响?"
"不声不响就是不爱说话呗。"
"唉哟哟,刚刚表扬了你是一个货真价实的上海人,怎么又开始翻毛腔了。"他嘲弄的笑了笑,故意压低声音说:"不声不响就是门槛精,也就是闷声大发财。我可以跟你打个赌,三年之后,如果大家有缘再坐在这里,看谁比谁强!"
"���知道这决无可能,所以也无需为自己说的话负责,可以开闸放水般的使劲吹。"
"开闸放水?你说的真有趣,还挺形象的。不过我这并不是在吹,我从你的表情中看得岀来,你跟我们在坐的人都不一样,你看上去有一种负有崇高使命的感觉,忧郁而平静,持重又温柔,有着冷美人的气质。"他恭维地说,一改刚才嘲讽的口吻。
"我的表情?"淑君不由自主用手碰了一下自己的脸颊,可她心里却在想:"飞机上碰到的夏小慧同样也说过这样的话,这句话怎么听上去怪怪的,看来冷若冰霜过了头会被别人说成是假正经……"
忽然,姓赖的话打断了她的沉思默想,他说:"你有没有注意到你自己?当房间里所有的眼睛都盯着你的时候,你只是浅浅一笑,既礼貌又高雅,然后远远的坐下,不慌不忙,胸有成竹。而房间里的那些人要么伸长脖子打听情况,要么急的像是热锅上的蚂蚁到处托人帮忙找房子,找工作……"
"我不也是热的满头大汗,刚才还在不停地揩汗呢。"淑君打断他的话。
"唔,你是运动后出的汗。他们是激动的不知所措,晕头转向,跑到这里来是为了找救星,你说这能相同吗?"
这时,人群中有一个女人开口说话了,她声音尖尖的,有点刺耳,说:"我大老远的来到这里,真是后悔死了。在上海勿要太适意噢,要啥有啥,饭来张口,衣来伸手。来到这里刚二个礼拜,吃的苦比我吃一辈子的苦还要多。"然后她脸转向平头男,说:"小黑皮,我们约好一起出去租房子,这到底是行,还是不行?不要我回头了人家,你那边又泡汤,害得我两头没着落。"
"可不是吗?要是我把这里的情况告诉我老公,他一定立马叫我回去,就这么几天,人都瘦了一大圈。"另一个胖女人也不甘示弱的说。
小黑皮急忙安慰的说:"老阿姐,你们放心好了,找房子的事情就包在我身上。"
那位姓赖的一边摇头,一边说:"瞧瞧吧,这两个女人暗中较上了劲,一个说在上海生活怎么怎么样,另一个说她老公怎么怎么样,小黑皮头子活络,左右逢源。"说完他叹了口气,不无失望地说:"唉——想到这些人将来要跟我们同窗,你觉的这书读得还有啥意思?还不如赚点钞票,打道回府拉倒。"
"这就是你要找的‘对象’?"
"鄙人正有此打算。接下来你一定会问一大堆的问题,那就索性跟你全招了吧,省的你再寻根究底的。首先我不可能住到外国人家里,剩下的就是跟上���人打交道,跟上海人打交道用不着我来教你吧,可看到那两女的手足无措的样子,我有点替你担心。"他哈哈笑了二声,用调皮的眼光看着淑君,说:"还是让我来传授一下自己的经验。嗯——上海人喜欢自顾自,都以为自已是一条蛟龙……"
"自顾自有什么不好!大家都管好自己的事情,我们不都是这么过来的吗?"淑君一见到他那副神气的样子就来气。
"看来你一出国,把过去上海的事情忘了个精光,哈……"他笑的前仰后合,然后用一本正经的口吻说:"用你那聪明的脑袋瓜回忆一下。自顾自的后果是什么?"他瞧了一眼淑君,见她没开口,接着提高了声音继续说:"自顾自只是自私自利的一块遮羞布,到头来肯定是一盘散沙,乱作一团。想想看如果沙子拌点水泥进去,你觉的效果会怎样?"他又停了下来,想看看淑君的反应,看见淑君还是那副冷冷的脸,他便又说了起来:"加了水泥的沙子就不是沙子了,它要比沙子硬上千百倍。所以自顾自的圈子我会祝福他们,但我会敬而远之,就是免费提供给我食宿,我也一口回决。现在你又该好奇我这里所讲的‘水泥’到底是啥东西?告诉你吧,说白了就是人情味。上海从开埠起讲究的就是规矩,可在外人眼里就少了人情味,如果能补上这个缺失,你会怎样看,是不是觉得上海人挺可爱的?所以鄙人决不与没人情味的上海人打交道,就这么简单。"
听了他的长篇议论,淑君确实有点不耐烦了,心里想:"他那副自问自答的腔调跟小黑皮又有什么区别,还不是一样在吹大牛。"不过再转念一琢磨,他的有些俏皮话还是有一些道理,于是她说:"我急着想听你说下去。"
"真的吗?——那好吧。运气之说蛮难把握,如果大家运气好的话,能跟六四前那批人一起留下来,那就再理想不过了,如果不能,恐怕我们要在上海碰头了。"说完他看了淑君一眼,那眼神分明在说,上海碰头也不赖。随后他又不忘加一句:"当然啰,你的选择要比我多些,比如继续深造啦,嫁人啦,甚至假结婚也行,只要你乐意应该都易如反掌。"说完他又大笑起来,引得众人目光纷纷投向他们这边来。
从学校出来,淑君一直在回想那位姓赖的所说的话,不可否认他有些看法确实很独特,可就是离自己有点远,现在她唯一能确定是来澳洲的目的,那就再尝一遍寒窗苦读的滋味,可问题是拿什么来支撑这份坚持,没有经济作为基础一切都沦为���淡,问题又回到原点,得快快找一份工作,有了工作心里才会踏实,才能迎接接下来的挑战。
临近中午,大街上到处都是人,还有随处可见的咖啡馆、快餐店、餐馆,阵阵面包、咖啡、烤肉、炸鸡的香味迎面扑来。几乎把她胃里的馋虫都给勾了出来,前几天在上海,她还在逢时按节的胡吃海喝,现在开始进入周而复始的馋了,小时候馋的印象又开始浮现在眼前,那是一段铭心的记忆。"唉!——看来不光是寒窗苦读,接下来还有节衣缩食,结交新朋友,适应新环境,还有……还有……还有可真多,可一切才刚刚开始。"
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四明老師坎坷經歷&宏法簡介
黃四明老師因為出生於企業世家,家中是外銷家用電器公司,大舅曾是國內知名腳踏車經理和大股東,叔叔更曾是光學大廠大股東。
所以從小就在工廠裡長大,被逼��學會了各種品管、電機、馬達和許多大型工作機械的操作!
幸好對於一個小時候就是資優生的人而言,工廠裡的學習是非常熟練的,雖然品學兼優、工作勤奮,但是卻始終納悶著?為何總是一直不得父親的喜歡,常被責罵處罰呢?
隨著年齡漸長,
19歲成為當時檢驗局檢定最年輕的品管課長。
25歲退伍後當上廠長,
26歲至台北世貿設立公司。
27歲成為外貿協會裡最年輕的總經理,精通品管、國貿、生管、機械、電腦資訊等。
28歲和認識7年的女朋友結婚,前岳父也是當地首富之一,隨後隔年生下2個女兒。
29歲因經營理念和父親起衝突,而離開了從小待到大的自家公司,到友人貿易公司上班,晚上開始上課學習所興趣的建築設計。
30歲開設精品廚具公司,代理行銷歐化廚具等精品。
31歲開設建築設計公司,從事建築室內設計等工程。
34歲家中遭逢巨變,和結婚7年的太太離婚,應證了在結婚前,我的啟蒙恩師,曾對我說:這一個女朋友和我有嚴重沖剋,結婚後也會在我的凶星大運時來分離?
【生意失敗,落魄潦倒】
直到84年(1995),遭遇了一生中最大的挫折和打擊,婚姻離異、生意失敗、被人倒債、負債累累...近二十年的辛苦成就全部歸零,從「五子登科、風光富貴」一下落到「零丁一人、妻離子散」。
短短一個月可以瘦掉十公斤,用「形容憔悴、意志消沈」來形容還不夠,如果再加上「心神俱失、如同死屍」還來的更加恰………
在極度的痛苦折磨中,吃了大量安眠藥自殺被救後,負債結束掉設計公司,也從此扭轉改變了整個的人生觀,誠實地面對因果業力,學習如何來真正改運的修行之路。
也在「了凡四訓」的啟示下,終於在85年發願,要以所學易經命理來幫助世人行菩薩道,四處上課、演講、服務、架設網站,所有服務均不收紅包和供養。
#詹仁松老師#人力資源的管理與運用-有人斯有財講座-90-勞委會委員詹翔霖副教授#詹翔霖詹翔霖老師#2024台灣連鎖加盟創業大展-台北連鎖加盟總部的建置與管理-詹翔霖副教授#易學佛堂地藏占察黃四明老師公益命理-詹翔霖教授
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開學日1967
H:9月開始上小學,開學日由母親帶著,早上點名,參加升旗典禮,分座位,中午放學回家。
19670901日記
今天是星期五,開學第一天,乙班有58人,原有54人。另寄學4人,林坤弘、周漢菁、王正賢及另位同學寄學。教室在學校進門的最右側中間位置。
早上新生由家長陪伴,導師周明通先生,穿著白色短袖襯衫,依照新生身高排位置,男女分開,兩人一個桌子。每個新生學生裝扮,男的穿白色短袖上衣,卡其色短褲,脚穿黑色膠鞋。女生穿白色短袖上衣及黑色裙子。排好位置後,家長陸續返回。第一堂課讓大家熟悉環境及檢查課本。中午吃午餐後,放學回家。
名册:
光復後第二十八屆畢業生民國六十一學年度六十二年六月畢業
王前寧 王勝文 呂錦坤 陳漢章 陳佳泉 陳應春 林永清 曾進益 林棟迪 林永泰 黃有明 王明和 林銘坤 周賢龍 王文仁 陳漢明 黃丞業 林文淡 周鴻基 鄭焜輝 林長壽 陳東義 卓建生 陳國意 周世坤
王明和 陳明仁 林本川 周佳增 林世明 周志同 王秀霞 陳淑珠 蔡錦秀 林淑芬 林秀梅 王麗美 李金嬋 林寶貴 陳麗雲 鄭麗紅 陳素真 陳玫如 陳彩珠 鄧雅翠 張桂春 陳淑芬 黃麗華 許芳菊 王錦惠
林美霞 林美惠 林瑞娟 李義芳 王財露 林適鴻 林正智 鄭利達 王正坤 林坤煌 王傳志 王文石 簡賜本 王德豐 周明仁 鄭源業 林三元 謝寶發 王世南 陳阿雄 王東盛 林忠慶 王財加 林正雄 陳德和
周國瑞 林文池 許連清 林賢榮 陳朝漢 王麗芬 王麗雪 王秋香 王明黎 林美室 林玉卿 陳名麗 王秀蘭 陳寶玉 李玉琴 王淑華 林雪玲 王淑灑 鄭美富 王碧芬 陳淑美 林麗珠 呂麗華 王 款 王秀哖
林逢時 陳 足 陳素蘭 王美文 鄭美女 顏碧鳳 林清全 鄭水深 陳印堂 王世賢 陳亨祿 黃志良 江基全 陳金川 陳財福 周明進 劉塗興 鄭村淼 江基森 呂萬賜 許武雄 楊德慶 陳水樹 羅德火 鄭登仁
林金山 林東信 高朝清 林漢業 鄭連碧 林阿章 陳鴻幀 鄭李坤 林文聰 薛賢明 高銘烺 王淑胤 曾淑芳 鄭美華 鄧月冬 林秋蓮 周月子 林素真 王守后 王美貞 陳淑枝 王寶玉 王梅鳳 張素圓 江美雪
許淑賢 林紅杏 王玉霜 林麗卿 王麗雲 高美桂 王寶春 王佩雯 周麗雪 高秋月 陳淑枝
維基文庫:
愛的教育
始業日► 我們的先生
今天開學了,鄉間的三個月,夢也似的過去,又回到了這丘林的學校裡來了。早晨母親送我到學校裡去的時候,心還一味想著在鄉間的情形哩,不論哪一條街道,都充滿著學校的學生們;書店的門口呢,學生的父兄們都擁擠著在那裡購買筆記簿、書袋等類的東西;校役和警察都拼命似的想把路排開。到了校門口,覺得有人觸動我的肩膀,原來這就是我三年級時候的先生,是一位頭髮赤而卷攏、面貌快活的先生。先生看著我的臉孔說:
“我們不再在一處了!安利柯!”
這原是我早已知道的事,今天被先生這麼一說,不覺重新難過起來了。我們好容易地到了裡面,許多夫人、紳士、普通婦人、職工、官吏、女僧侶、男用人、女用人,都一手拉了小兒,一手抱了成績簿,擠滿在接待所樓梯旁,嘈雜得如同戲館裡一樣。我重新看這大大的休息室的房子,非常歡喜,因為我這三年來,每日到教室去都穿過這室。我的二年級時候的女先生見了我:
“安利柯!你現在要到樓上去了!要不走過我的教室了!”
說著,戀戀地看我。校長先生被婦人們圍繞著,頭髮好像比以前白了。學生們也比夏天的時候長大強壯了許多。才來入一年級的小孩們不願到教室裡去,像驢馬似的倔強,勉強拉了進去,有的仍舊逃出,有的因為找不著父母,哭了起來。做父母的回了進去,有的誘騙,有的叱罵,先生們也弄得沒有法子了。
我的弟弟被編入在名叫代爾卡諦的女先生所教的一組裡。午前十時,大家進了教室,我們的一級共五十五人。從三年級一同升上來的只不過十五六人,慣得一等獎的代洛西也在裡面。一想起暑假中跑來跑去遊過的山林,覺得學校裡暗悶得討厭。又憶起三年級時候的先生來:那是常常對著我們笑的好先生,是和我們差不多大的先生。那個先生的紅而卷攏的頭髮已不能看見了,一想到此,就有點難過。這次的先生,身材高長,沒有胡鬚,長長地留著花白的頭髮,額上皺著直織,說話大聲,地瞪著眼一個一個地看我們的時候,眼光竟像要透到我們心裡似的。而且還是一位沒有笑容的先生。我想:
“唉!一天總算過去了,還有九個月呢!什麼用功,什麼月試,多討厭啊!”
一出教室,很不得就看見母親,飛跑到母親面前去吻她的手。母親說:
“安利柯啊!要用心羅!我也和你們用功呢!”
我高高興興地回家了。可是因為那位親愛快活的先生已不在,學校也不如以前的有趣味了。
50年代國小課本(01)課本目錄
http://cses59g.blogspot.com/2012/07/5001_28.html?m=1
清水國小 59畢同學會
2012年7月28日 星期六
50年代國小課本(01)課本目錄
遷台以來國小歷次課程修訂
41年「國民學校國語社會二科修訂標準」
51年「國民學校修訂課程標準」
57年「國民小學暫行課程標準」
64年「國民小學課程標準」
82年「國民小學課程標準」
89年「國民中小學九年一貫課程暫行綱要」
民國57年以前國小課本目錄
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國小國語課本 第 1 冊
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一 爸爸媽媽 九 一同上學
二 哥哥弟弟 十 同學多
三 大貓小貓 十一 老師早
四 大貓小貓都可愛 十二 坐好了
五 大家來拍球 十三 媽媽做新衣服
六 妹妹拍球 十四 新年到了
七 姊姊拍球 十五 新年好
八 大家一同坐 十六 我們的國旗
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國小國語課本 第 2 冊
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一 開學了 十六 花兒真好看
二 我愛國旗 十七 牛耕田
三 好兒童 十八 稻子成熟了
四 好學生 十九 懶牛拉車
五 天亮了 二十 小麥黃
六 上學校 二十一 小馬長大了
七 上課了 二十二 學跑路
八 放學回家 二十三 學拉車
九 兒童節 二十四 大野狼
十 起身早 二十五 大家一齊來
十一 運動會 二十六 一群小螞蟻
十二 來賽跑 二十七 蒼蠅爬過的東西
十三 桃花開 二十八 打掃乾淨
十四 燕子忙 二十九 姊姊愛清潔
十五 小蜜蜂 三十 小病菌
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國小國語課本 第 3 冊
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一 愛護同學 十六 比賽本領
二 小鳥和螞蟻 十七 用錢要節省
三 司馬光救了同伴 十八 有公德心的學生
四 兩隻羊過橋 十九 好心的軍人
五 蟋蟀和螞蟻 二十 孔融讓梨
六 放羊的孩子 二十一 送衣服給同學
七 稻草人 二十二 打虎救父
八 國父的故事 二十三 忠心的狗
九 國慶紀念 二十四 小白兔請客
十 國旗的故事 二十五 牙齒疼了
十一 愛國少年 二十六 小華的日記
十二 怎麼少了一頭牛 二十七 買飛機
十三 中秋的月亮 二十八 美國兒童號輪船
十四 老鴉喝水 二十九 雪夜讀書
十五 聰明的孩子 三十 蜘蛛織網
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國小國語課本 第 4 冊
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一 勤勞的蔣總統 十六 愛護主人的獵狗
二 大家來做工 十七 孝順的兒子
三 還是去種田吧 十八 愛國的老農夫
四 種核桃的老人 十九 共匪太殘忍了
五 小華的日記 二十 種牛痘
六 拔蘿蔔 二十一 把指甲剪短了吧
七 老農夫的兒子 二十二 小明的日記
八 樹上還有幾隻鳥 二十三 送瞎子回家
九 稱大象 二十四 這是誰失掉的鈔票
十 油瓶打破了 二十五 排隊取水
十一 三兄弟 二十六 王烈送布
十二 給表哥的信 二十七 努力向上
十三 乘火車 二十八 鐵棍磨成針
十四 孝敬父母 二十九 愚公移山
十五 給外婆的信 三十 借書的便條
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國小國語課本 第 5 冊
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一 一隻怪小雞 十六 海
二 老鷹和母雞 十七 爸爸捕魚去
三 老萊子 十八 一陣西北風
四 小松樹 十九 時鐘
五 用荻莖寫字 二十 日曆
六 王冕畫荷 二十一 請假信
七 勤學的匡衡 二十二 寫賀年片
八 國慶日 二十三 獅子和老鼠
九 可愛的中華 二十四 愛護小動物
十 木蘭從軍 二十五 和善的劉寬
十一 平定了亂賊 二十六 物還原主
十二 江南好 二十七 國父的革命精神
十三 好人活不了 二十八 愛國的蔣總統
十四 天堂變成地獄 二十九 盡忠報國
十五 農家 三十 咬碎了牙齒
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國小國語課本 第 6 冊
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一 春天來了 十六 石童子
二 插秧曲 十七 捨己救人的號手
三 小雨點的希望 十八 救了全村人的性命
四 媽媽的苦心 十九 狼和小羊
五 于右任的童年 二十 李明失蹤了
六 不要怕困難 二十一 英勇的國軍
七 巴律西 二十二 我們的家在大陸上
八 種樹 二十三 沒有主意的人
九 臺灣寶島 二十四 蘋果拿到了
十 自由中國的工廠 二十五 聰明的老領隊
十一 母愛 二十六 晏子使楚
十二 悔過 二十七 誰最快樂
十三 偉大的母親 二十八 尋找失物
十四 媽媽生日的禮物 二十九 小華給父親的信
十五 滑翔機 三十 給老師的信
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國小國語課本 第 7 冊
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一 橋 十六 訪友
二 手和腦 十七 電報稿
三 電的自述 十八 斑馬線
四 廣大的森林 十九 交通安全
五 孔子學琴 二十 不能忘
六 寫完一缸水 二十一 鄭成功
七 作文和製衣 二十二 老火車頭
八 四季 二十三 西螺大橋
九 日記一則 二十四 國父的幼年時代(一)
十 海邊看日出 二十五 國父的幼年時代(二)
十一 溫泉浴 二十六 保密防諜
十二 月兒彎彎 二十七 藺相如和廉頗
十三 聞雞起舞 二十八 艾森豪勸架
十四 愛國的牧羊人 二十九 蘇軾替人畫扇子
十五 奮鬥到底 三十 最可敬佩的行為
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國小國語課本 第 8 冊
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一 藍色的舊書包 十六 開闢荒地
二 不怕死的媽媽 十七 貪玩的小蚱蜢
三 孔子講孝 十八 勤勞和懶惰
四 春光好 十九 盧溝橋
五 吳鳳 二十 愛國兒童(一)
六 白衣天使 二十一 愛國兒童(二)
七 守燈塔的女孩 二十二 老當益壯
八 雲彩 二十三 虹
九 非洲探險 二十四 高貴的友情
十 聰明的叔叔 二十五 荀巨伯
十一 歌唱比賽 二十六 蘇武牧羊
十二 神箭手 二十七 急口令
十三 堅強的小松樹 二十八 蔣總統的家書
十四 選舉克難英雄 二十九 快樂的生日
十五 青海青 三十 考期快到了
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國小國語課本 第 9 冊
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一 開學日 十三 偉大的母親
二 慈愛的老師 十四 採蓮謠
三 堆棧和工廠 十五 義勇的漁夫
四 讀書四到 十六 偉大的工程師
五 好學的故事 十七 借書
六 西湖秋泛 十八 捉匪諜
七 月夜 十九 五言絕句四首
八 月光曲 二十 好習慣和壞習慣
九 墨翟和公輸般 二十一 天資和努力
十 自強不息的蔣總統 二十二 防空演習的一幕
十一 日出 二十三 做一個研究科學的孩子
十二 忠勇的男兒 二十四 談談規律生活
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國小國語課本 第 10 冊
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一 好的開始 十三 梅雨
二 詩二首 十四 日記三則
三 兩頭蛇 十五 孟母
四 勇敢的忠臣 十六 母親節的禮物
五 八指將軍 十七 仲夏的夢
六 懷大陸 十八 端午節
七 整潔樸素 十九 我國書籍的發展
八 少康中興 二十 七言絕句-田園詩
九 雙城復國 二十一 父親告誡的話
十 我很羨慕發明家 二十二 武訓興學(一)
十一 疑問與答案 二十三 武訓興學(二)
十二 待反攻的號角響 二十四 暑期進修會
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國小國語課本 第 11 冊
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一 新生活 十三 義俠的行為
二 燕子 十四 希望
三 至聖先師孔子 十五 看報
四 大教育家孟子 十六 日記一頁
五 台灣 十七 過西陵峽
六 愛國詩人丘逢甲 十八 畫題
七 七言絕句三首 十九 寓言三則
八 天空的景色 二十 鹿車同挽
九 怎樣保持你的健康 二十一 義友
十 愉快的旅行 二十二 安樂王子
十一 橫貫公路 二十三 愛國的孩子(一)
十二 麥舟濟友 二十四 愛國的孩子(二)
==================================
國小國語課本 第 12 冊
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一 朝氣 十三 過印度洋
二 明日歌 十四 禪讓之世
三 春曉赴陽明 十五 禮讓之風
四 佳作欣賞 十六 辯論
五 愛惜時間 十七 雨中的海
六 愛惜公物 十八 讀課外書
七 海峽上的月亮 十九 雲岡石佛
八 國父孫中山先生軼事 二十 古代的歌謠
九 知音的人 二十一 代父從軍(一)
十 名畫家的故事 二十二 代父從軍(二)
十一 書法家的故事 二十三 購贈紀念品的提案
十二 偉大的軍事學家 二十四 畢業典禮講演詞
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清水國小59畢同學會 於 晚上9:32
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二次創作
真宵街 @rust1cana
兄を元気づけてやりたいすよ、と 依頼人が言った。
いわく、
兄には一人娘がいたが、最近亡くなってしまった。
娘の声で兄を元気づけてやりたい。
要点としてはこの二つだけの依頼である。
問題は…、と、声色遣いは依頼人の様子を正面からじとり、見つめた。
オドオドと掘り深い目で声色遣いを見据える男は、布の少ない安価な洋服を着ている。痩せて隈の目立つ面立ちをしていた。そして今、妓女もつけずに遊郭の一室を借りている。
「……ただそれだけの依頼にしちゃあ、随分と金をかけてくださるんですね」
声色遣いはこの依頼を受ける気でいたが、なぜかといえば金が弾むからだった。多少のリスクがあろうとも金額の大きな仕事は受ける。しかし、聞く限り今回の依頼に「多少」もリスクもなかった。
不釣り合いに金額ばかり大きい。
「何か保険をかけておくべき事情でも?」
「そりゃあ、うちは大きな家だ、親族は…よそ様に顔向けできないことなどするなと…兄を騙したと知られたらまずい、誰にもだ。こう見えて、うちは結構金がある。兄を騙すことを思えば、安いもんだ」
「ははあ。そいつは失礼。こんな生業をしてるんで、騙しに慣れ過ぎてそれ自体が危ない橋なのを忘れていたようです」
にっこりとそう返した声色遣いに、依頼人は苦笑いを返してきた。
ーーー馬鹿正直に裏事情を話されたら、断ろうと思っていたが。
どうやらちゃんと小狡い依頼人らしい、と理解して、声色遣いは「承りましょう、手付金を先払いで四割」と手を差し出した。
さて依頼自体はいともあっさりと遂行された。
自働電話から依頼人が電話をかけ、何事かボソボソと話したのち、外で待たされていた声色遣いを招き入れ。声色遣いは電話口を代わったあと、あらかじめ仕上げていた声色で、決められた通りのセリフを言い、言い終わるや依頼人が受話器を取り上げた。それで仕舞いだったのである。
「これでご満足いただけたんで?」
「ああ。兄も喜んでた…生きてると思い込んで、はぐらかすのがちと大変だったが、まぁそういう落とし所にしとかねえと…。世話んなったな。残りの金は近日中に、使いのものが持って行く」
「左様ですか。よろしいですよ、お身内も伺っておりますしね」
依頼人の兄だとかいうその一族は、実際大層な富豪だった。身元ははっきりしている。
「では、ご依頼ありがとうございました」
「…この件は、よくよく内密にな」
「…ご心配なく。ご依頼人に関することは、すべて他言無用ですから」
最後に振り返りざま、念を押してきた男に、声色遣いは笑顔で答えた。
すっと笑みを引っ込め、軽く振っていた手を下ろす。
「そんなうまい話がありますか」
先程まで纏っていた軽薄な雰囲気は消え、だるそうにため息を吐くと、声色遣いはきびすをかえした。スタスタと。向かう先に迷いはなく足をはこぶ。
「近日中に口封じされちゃたまりません…先約になっておきましょう」
さっさと目当ての店に辿り着くと、ドンドンと普段ならしないような粗野な音を立てて戸を鳴らした。
「…はぃ…て、あんたかよ。何の用?」
カラリとすぐに戸が開いて、顔を出したのは、縫術師。
在宅だったことに内心ほっと安堵しつつ、声色遣いはまた軽薄な笑みを浮かべる。
「今日もお美しいですね、紡姉さん」
「いつになく雑な軟派文句だな。さようなら」
「紡姉さんにお尋ねしたいことがありまして」
閉められかけた戸をガッ!と片手で掴んで止める声色遣いに、縫術師は露骨に舌打ちした。
「なんなのよ…」
「賛辞がそぞろになってしまったのはご容赦を、今日は暇つぶしではない用件があるんですよ」
「早くそれを言ったら?」
「…中に入れてくださらないんで?」
「ここで済まないほどの面倒ゴトなら持ち込むんじゃないわよ」
すげない返答にため息をつき、気持ちばかり小声に落として、声色遣いは言った。
ーーー依頼人に関することは、他言無用。
ーーーただしそれは「職人同士」を除いての話だ。
「伏見、というお家から私との縁切りの依頼が入ったら、お断りしてくださいな」
「…伏見?」
「本日仕事で支払いに不安のある客が来たんですよ。踏み倒そうと思ったら私との縁を切りに姉さんに縋る可能性も…」
「そいつなら、���日既に依頼を受けたわ。伏見初子という女から」
「…なんですって?」
予想外の返答に、声色遣いは目を瞬かせた。この街に出入りする者で、身分なども加味して同姓の別人という可能性は、まず無い。
「伏見初子…当主の奥方ですね」
当主は依頼人の男の兄、という話だった人物だ。
「奥方ご本人がこちらへ?」
「ええ。しかも護衛一人だけを連れて、こっそりとね。けど、あんたとの縁切りじゃないわよ」
「そりゃあ先日切れてたら今日まで続いてるのはおかしいですものね。…誰と誰を切ったんで?」
「主人と娘の縁を」
「主人と…娘」
声色遣いが指先を口元にあてて思案顔になると、縫術師も今にも閉めようと構えていた戸から手を離して向かい合った。
「勿論、忠告はした。縁切りはどのように縁が切れるかわからない、とね。…まぁ奥方はご自身の縁を操作したわけでは無いから、他人事かもしれないわ」
「…その、主人と娘がどうなったか、姉さんはご存知で?」
「知らないわ。興味ないし」
この人はそういう人だったな。と思い、声色遣いは一度頷いた。
「ありがとうございました。まぁ、私の縁をいじろうとする輩がいたらあしらっていただけるようお願いしますよ」
「それがあんたの依頼なら、依頼料を持参することね」
言って、今度こそ声色遣いの鼻先でピシャンと戸が閉められた。
はたして、金はいつまでも支払われる様子が無いものの、声色遣いが自分の身に異変を感じることもなかった。
数日、数週待って、やれやれと重い腰を上げる。久方ぶりに街の外へと出かける支度をし、行き先は一方的に時間屋に押しかけて端書きを置いた。
いざ料金の徴収である。
伏見といえば名家であるので、人力でも頼めば住所を知っている。前払い分の四割を惜しみなく使い、屋敷の前まで運ばせると、立派な開き門の前へ立った。
一歩踏み入ればすぐ、使用人らしき者を見かけた。
「ごめんください」
声を掛けるとその人物は振り返り、何か用かという旨を丁寧な言葉で台本のように述べた。声色遣いもそれに倣い、丁寧に
「このお屋敷のご主人から頼まれた仕事の、見返りをまだ半分ほど受け取れずにおります。お取次をお願いしても?」
と述べる。
すると、使用人は顔色を変えて、目を伏せた。
続けて口にされた言葉にはこうだった。
「ご主人様は、先日身罷られました」
「…なんですって?」
「ちょっと、そこの者」
と、そこでまた別の人物の声が割り込んでくる。
妙齢の女声、そちらを見れば着物姿に結い髪の奥方が佇んでいた。手に手を繋いで、幼い少女も共にいる。
「何者です、この多用な折に」
「…。お初にお目にかかります、ご当主様の弟様よりご用命を受け、先日共に勤めさせていただいた者です」
「弟…旦那様のご兄弟は随分昔に出奔し、それきりでございます。その者といかなることを為そうと、私共には由縁のないことでございますわ。お引き取りください」
「…左様でございますか。では、失礼を」
食い下がっても心象を悪くするだけであろうと察し、声色遣いは一礼を残してその場を後にした。金が入らないのは少々不服ではあるが、実のところ、予想のついていたことであった。
街に戻って早々、縫術師の元へ訪れると、彼女は店の方に出ていた。
「姉さん」
「…いらっしゃい。今日は客として来たの?」
「いいえ、少々お伺いしたいことが」
声色遣いの言葉にチッ、とあからさまに舌打ちをしたものの、期待はしていなかったようで「で、何?」と縫術師はすぐに切り返した。
「また縁切りの話?」
「ええ。あれから、伏見の家の者は依頼をしてきませんでしたか?」
「…してきたよ」
「ほう」
驚いていなさそうな声色遣いの反応に、縫術師はうんざりしたように顔を背けながら言った。
「全く、あれから後になって伏見の奥方が文句をつけてきたのよ。夫と娘の縁が切れていないって…聞けば、電話越しに二人が会話したとか。…嘘つき屋、あんたのせいね?」
「あら、それは申し訳ない。私も予定の半額もいただけなかったんで、それで痛み分けということでお願いしますよ」
「痛み分けじゃないわそんなの。あんたが自業自得で私はとばっちりじゃない」
恨み言もなんのその、ニコニコと目を細めるばかりの声色遣いを一睨みした後、縫術師は
「今度は当主がやってきたわよ」と、
「娘と拐帯犯との縁を切って欲しい と言ってきた」
娘が拐かされて大層な額の身代金を要求されたそうよ、と。
答えた。
「…それで、切ったんで?」
「できなかったんでお引き取りいただいたわ」
「え?」
今度はしっかりと、驚いた様子で声色遣いの目が見開かれた。
「そうなんですか?できないとかあるんです?姉さんに」
「だってその当主様、犯人のことを一切知らなかったもの。私は依頼人が切ってくれと差し出した縁(いと)を切るだけよ。誰ともわからない相手との縁が切れるもんですか」
「それじゃあ、ご当主はなぜ亡くなったんでしょう」
「は、死んだの?あの人」
「そのようです。先程…」
と、声色遣いは伏見の宅へ訪れた出来事のあらましを語った。
「…ふぅん。ま、縁切りして一月経たないうちはどうだかわからないしね。良家のことだから、そのうち噂が耳に入るでしょ」
と一度背を向けた後で、そういえば、と縫術師はこう付け加えた。
「伏見の家の人間からじゃないけど、当主との縁を切りたいって依頼ならもう一件あったから、そっちのせいで死んだのかもしれないわ」
「かくかくしかじか、金が半分以上入らなかったわけなんですけれど、まぁ四割でも結構な大金を頂戴しましたし、落とし所ですかねえ」
「四割っていくらだったんだ」
ちゃぶ台に肘をついて行儀悪く茶菓子を摘む声色遣いに、時間屋が訊く。円台の縁をズイと乗り出して、声色遣いが耳打ちすると、時間屋の目が見開かれた。次に眉間に皺がよる。
「きな臭いにも程がある」
「でしょう。愉快です」
「こんな書き置きをしていきやがって」
ひらひらと、時間屋が指先で小さな端切れを揺らした。今朝出かける前に声色遣いが置いていったものである。
「内容の不明瞭な書き置きをするな」
「おや、気にかけてくだすったんです?お人がよろしいこと」
「茶化してないで、とっとと茶飲んで帰れ」
…追い出しもしないあたり、本当に人がいい、と思いつつ、声色遣いは湯呑みに口をつけた。
『出かけてきます、昼過ぎまで』ーーーと、書き置いたからには戻っている旨を知らせようと、時間屋の店に寄ったのだった。
「それで?表向きの話はもういい。どんな仕事だったんだ。茶の共にでも話せ」
悪ガキを咎めるような視線を送られ、声色遣いはわざとらしく台から身をそらして両手を上げた。
依頼に関することは他言無用。
ただしそれは「職人同士」を除いてだ、…この街で、能力者たちは皆が皆、共犯者であり共同体なのである。
「私は何も聞いちゃいませんよ。事情を知ってちゃ、幇助になっちまうでしょう」
「…幇助だのと言ってる時点で察してるだろうが。もったいぶらずに話せ」
「…拐かしですよ」
「…拐かし?」
「おや、拐かしをご存知でない。随分と平和ボケした…」
「茶化すなと言っている」
睨まれ、一度肩をすくめて声色遣いはまず
「姉さんが言ってました、ご当主からのご依頼で『娘と拐帯犯との縁を切って欲しい』とね」
と言った。
「でもできなかったそうです。相手が誰なのか差し出せるものが無さすぎたと。…しかしこれで娘の所在がわかりますでしょう」
「お前の依頼人は、その拐帯犯か」
「そうです。犯人は、拐かした娘を死なせてしまったから、生きているよう偽装したかった。でないと、身代金を要求できませんからね。それで私のところへ来たんです」
「なるほどな。大金を支払う積りがあったのは事実慮のある故と…身代金が入れば余裕な額だったということか」
「ええ」
「それが支払われなかったということは、身代金は受け渡されなかったのか?」
声色遣いは首を振った。
「いいえ。まず、そもそもね。誘拐犯の計画は初のうちに破綻してたんです。伏見の家は娘を見捨てていましたから」
「見捨てて…?」
時間屋は首を傾げる。
「金を払う気がなかったことを言ってるのか。娘と犯人との縁切りを頼んだとかいう」
「まぁそれもありますが…娘を真に切り捨てたのはご当主ではありません」
ご当主は、身代金より縁切りの方が安いと考えたものの、娘を取り戻す気はあったのだろう。縁切りは要求されたであろう身代金の額よりは、まだしも安価だ、と 声色遣いは考える。
金しか勘定ができないとは、命運のついていなさそうなご当主だ。ああ死んだんだったな。
「娘を見捨てたのは母親です。母親である奥方は、あわよくば人質がそのまま帰ってこなければいいと考えた」
「根拠は」
「奥方は娘と当主との縁切りを姉さんに依頼したそうですよ」
聞いて、「縁を安く勘定するとは…」と、声色遣いと似たようなことを考えたようで、時間屋の眉間の皺が濃くなった。
「伏見の現奥方は後妻だ。…継娘を切り捨てようと目論んでも、不自然ではないな。しかし縁は切れたものの、当主が死んだと…」
「え?いいえ、そこは順序が違います」
「順序?」
今度は声色遣いは、頷いた。ここが今回の要、というようにすっと人差し指を伸ばし、空を遊ばせてから己の唇へ触れる。
「そもそも、娘が死んだのが縁切りのせいなんですよ」
拐かされた娘、要求された多額の身代金
到底用意できない金額に頭を抱える当主、それをみて気を揉む奥方
後妻である奥方には実娘がおり、誘拐された継娘をこの機に切り捨てようと考えた、…
「拐かされた娘は縁切りをされて死んだ。全部ここからが始まりです。身代金を要求していた誘拐犯は、娘が切り捨てられたとは知らず、死んでは金が入らぬと思い私に依頼してきた。娘の声を電話口で聞かせるように…」
そしてご当主も、娘が死んでいるとは知らない。「拐帯犯との縁切り」を依頼していたのがその証左だ。奥方は奥方で縁を切ったはずの娘が電話口につながって驚き、縫術師に苦情を入れた。
結局、多額の身代金は支払われることになったのだろう。誘拐犯は、それを持って逃げた。
「全く、私への支払いも踏み倒すとは。けしからん輩です」
口先ではそう言いつつ、声色遣いの表情は軽薄に笑みを浮かべている。その表情に、時間屋は「まだ何かあるな…」と思いつつ疑問を口にした。
「…本当に、逃げ仰せたのか?金を払ったのに娘が帰ってこないとなれば、そこは大きな家なのだから、近隣に触れ込んで…あ」
言っている途中で気付く。声色遣いも何の気なしに外の景色を見るふりをして、視線で応えた。
平穏な夕焼けの街。
「なんの騒ぎにもなっていませんよね。娘が帰ってこないのに」
「…そいつも、縁切りをしたのか」
「ええ。仕上げです。先程、姉さんが教えてくれました」
ーーー当主との縁を切りたいって依頼ならもう一件あったから、そっちのせいで死んだのかもしれないわ…
「詳しく訊いてみたところ、姉さんにご当主との縁切りを依頼した人物は、私が記憶している『当主の弟』を自称した依頼人と同一人物です」
逃げおおせるために、誘拐犯がご当主との縁を切った。
「そっちはできるのか。当主が依頼した際は、拐帯犯との縁は切れなかったと」
「ご当主は誘拐犯のことを知らず、娘との縁切りができなかった。しかし誘拐犯はご当主のことを知っている」
そうしてご当主の死という結果に結びつき、現状の出来上がり。
「はい、これが私の出かけてきた未払い金の案件ですよ」
「胸糞悪い案件だな。人の縁を弄ぶにも程がある」
「案外、一番人を想うことを勘定に入れてたのは誘拐犯だったかもしれませんね」
それをカタに換金せしめんとしたわけだから。
「…だとしても、せっかく結ばれた縁を切るんじゃ 泡銭だろう」
時間屋が言って、声色遣いが湯呑みを空け、その場はお開きとなった。
後日。さして高くもない小さな崖の下で、男の死体が見つかったらしい。
大金をあたりにばら撒き倒れ伏した男は、足取りを遡るとどうやら伏見の娘を拐かして殺した極悪人だと判明した。
恐ろしいことよと噂する人々の声を、通りすがりに聞き取りながら、声色遣いは関心なさげに今日も遊郭へ入り浸り、縫術師は我関せずと着物の綻びを繕い、時間屋は機会がつつがなく時を刻むよう、調整に勤しんでいる。
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※縁切りの能力は必ずしも縁を切った者同士が死ぬ能力ではありません
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各地句会報
花鳥誌 令和5年7月号

坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年4月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
一葉の家へ霞の階を きみよ 春昼や質屋の硝子なないろに 小鳥 伊勢屋質店今生の花とほく 光子 菊坂に豆煎る音や花の昼 和子 一葉の質屋は鎖して春の闇 はるか 本郷の亀を鳴かせて露地住ひ 順子 おかめ蕎麦小声で頼み万愚節 いづみ 文士らの騒めきとすれ違ふ春 三郎 一葉を待つ一滴の春の水 光子 物干に如雨露干したり路地の春 和子
岡田順子選 特選句
一葉の家へ霞の階を きみよ 金魚坂狭め遅日の笊洗ふ 千種 菊坂の底ひの春の空小さし 光子 坂の名のみな懐かしき日永かな 要 赤貧の欠片も少し春の土 いづみ 本郷の間借りの部屋の猫の妻 同 質店の中より子規の春の咳 俊樹 止宿者の碑のみ残すや蝶の舞 眞理子 本郷の北窓開く��本屋 きみよ かぎろひの街をはみ出す観覧車 いづみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月1日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
花冷の背後より声掛けらるる 美穂 幾年も陽炎追ひて遊びけり 散太郎 濃きほどに影のやうなる菫かな 睦子 化粧水ほどの湿りや春の土 成子 画布を抱き春の時雨を戻りけり かおり 昼月は遠く遠くへ花満開 愛 シャボン玉の吹雪や少女手妻めく 勝利 麗かや砂金三つ四つ指の先 睦子 成り行きの人生かとも半仙戯 朝子 鞦韆の羽ばたかずまた留まらず 睦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月3日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
花吹雪卍色と云ふが今 雪 花冷に後姿の観世音 同 そぼ降りてひと夜の契り花の雨 笑 観世音御手にこぼるる花の寺 同 お精舎やこの世忘れて糸桜 啓子 逝きし友逢へないままに朦月 同 裏木戸を開ければそこに花吹雪 泰俊 御仏と咲き満つ花の句座に入る 希 愛子忌や墓にたむけの落椿 匠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月5日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
縋りつく女心や桃の花 世詩明 肌寒く母の手紙はひらがなぞ 同 啓蟄や鍬突き立てし小百姓 同 日野河原菜花の香る祭りかな ただし 菜の花や石田渡しの蘇る 同 雛祭ちらしずしそへ甘納豆 輝一 ぽつたりと落ちて音なき大椿 清女 花吹雪路面電車の停車駅 同 大拙館椿一輪のみの床 洋子 花の山遠く越前富士を抱く 同 吉野山日は傾きて夕桜 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月6日 うづら三日の月 坊城俊樹選 特選句
花の下天をを仰げば独り占め さとみ 春陰やおのが心のうつろひも 都 春耕や眠りたる物掘り起す 同 左手の指輪のくびれ花の冷え 同 園児等のお唄そろはず��笑ふ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
膝をまだ崩せずにをり桜餅 秋尚 登り来て本丸跡や花は葉に 百合子 葉脈のかをり弾けて桜餅 同 桜餅祖母の遺せし会津塗り ゆう子 売り声も色つややかに桜餅 幸子 木洩日の濡れてゐるやう柿若葉 三無 春愁や集ふふる里母忌日 多美女 伍しゐても古草の彩くすみをり 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
心経をとなへ毛虫に火をはなつ 昭子 マンホール蓋の窪みに花の屑 昭子 栄螺売潮の香りを置いてゆく 三四郎 金の蕊光る夕月てふ椿 時江 禅寺の読経流るる花筏 ただし 若者の髭に勢や麦青む みす枝 龍が吐く長命水の春を汲む 三四郎 花吹雪受けんと子等の手足舞ふ みす枝 土器の瓢の町や陽炎へり ただし 海遠く茜空背に鳥帰る 三四郎 紅梅のことほぐやうに枝広げ 時江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月10日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
片棒を担いでをりぬ四月馬鹿 三無 薬草園とふ門古りて松の花 和魚 だんだんと声ふくらみて四月馬鹿 美貴 四月馬鹿言つて言はれて生きてをり 和魚 松の花表札今も夫の居て 三無 白状は昼過ぎからや四月馬鹿 のりこ 一の鳥居までの大路や松の花 秋尚 松の花昏き玄関応へなく 美貴
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月11日 萩花鳥会
京よりの生麸草餅薄茶席 祐 不帰のヘリ御霊をおくる花筏 健雄 ただ一本ミドリヨシノの世界あり 恒雄 堂々と桜見下ろす二層門 俊文 猫に愚痴聞かせて淋し春の宵 ゆかり 杵つきの草餅が好きばあちやん子 美惠子
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令和5年4月13日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
便り待つポストをリラの房覆ふ 栄子 畑打つや鍬を担ひし西明り 宇太郎 軒下の汚れし朝や燕来る 都 桜蕊降る藩廟の染まるまで 美智子 桜蕊降るももいろの雨が降る 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
何氣なく来て何気なく咲く花に 雪 神御座す杜の新樹に聞く鳥語 かづを 老の踏むひとりの音や落椿 ただし 野辺送り喪服の背に花の蕊 嘉和 夜ざくらのぼんぼり明り水あかり 賢一 喝采の微風を受けて花は葉に 真喜栄 生きる恋はぜる恋ととや猫の妻 世詩明 葉ざくらに隠されてゐる忠魂碑 同 眩しさを残して花は葉となれり かづを
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
極大と極小としやぼん玉宙へ 要 穴出でし蟻の列追ふ園児どち 経彦 頰をつく石仏の春愁 貴薫 酸模を噛む少年の今は無く 要 稲毛山廣福密寺百千鳥 同 瑠璃色を散らし胡蝶の羽ばたきぬ 久 春陰の如意輪仏へ女坂 慶月 棕櫚の花年尾の句碑に問ひかくる 幸風 朴の花仏顔して天にあり 三無
栗林圭魚選 特選句
蝌蚪の群突くひとさし指の影 千種 峠道囀り交はす声響き ます江 美術館三角屋根に藤懸かる 久子 こんもりと句碑へ映るも若葉かな 慶月 微かなる香りや雨後の八重桜 貴薫 朝の日に濃淡重ね若楓 秋尚 落ちてなほ紅色失せぬ藪椿 経彦
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月19日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
通勤のバスから見ゆる日々の花 あけみ 花馬酔木白き房揺れ兄の家 令子 亡き鳥をチューリップ添へ送りけり 光子 偲ぶ日の重く出たるや春の月 令子 あの頃の記憶辿って桜散る 美加
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月19日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
矢車の音きしみ合ふ幟竿 世詩明 風よりも大きく揺れて糸柳 啓子 花万朶この世忘れて花の下 同 あたたかやお守りはねるランドセル 同 甘き香の女ごころや桜餅 千加江 春場所や贔屓の力士背に砂 令子 落椿掃きゐてふつと愛子忌と 清女 春の虹待ちて河口に愛子の忌 笑子 散りそめし花の余韻も愛子の忌 同 城の濠指呼の先には花の渦 和子 花筏哲学の道清めたる 隆司 故郷の深き眠りや花の雨 泰俊 山道の明るさを増す百千鳥 同 ほころびて色つぽくなり紫木蓮 数幸 花桃に出迎へられて左内像 同 瞬きは空の青さよ犬ふぐり 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
忠直郷ゆかりの鬱金桜とぞ 雪 椿てふ呪縛の解けて落つ椿 同 春愁や言葉一つを呑み込んで 同 御襁褓取り駈け出す嬰や麦は穂に みす枝 鶯の機嫌良き日や鍬高く 同 ただならぬ人の世よそに蝌蚪の国 一涓 あの角を曲つてみたき春の宵 日登美 春の果次も女に生れたし 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月21日 さきたま花鳥句会(四月二十一日)
清冽な水は山葵を磨き上げ 月惑 連写して柳絮の舞ふを収めけり 八草 天守閉ぢ黙す鯱鉾朧月 裕章 行き先は行きつく所柳絮飛ぶ 紀花 南無大師遍照金剛春の風 孝江 揚浜に春の虹立つ製塩所 とし江 柳絮飛ぶ二匹の亀の不動なり ふじ穂 筍堀り父編むいじこ背負ひ来て 康子 花吹雪ひと固まりの風の道 恵美子 満天星の花揺らしつつ風過ぎる 彩香 夢叶へ入学の地へ夜行バス 静子 啓蟄やピンポンパンの歌聞こゆ 良江
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令和5年4月23日 月例会 坊城俊樹選 特選句
真榊はあをばの中に立つてをり いづみ 水の上の空のその上鳥の恋 順子 掌の中の春の蚊深き息を吐き 炳子 耳朶を掠めて蝶のうすみどり 緋路 仕上りの緻密なる蒲公英の絮 秋尚 手放して風船空へ落ちてゆく 緋路 春の闇より声掛けて写真館 順子 零戦機日永の昼の星狙ふ ゆう子
岡田順子選 特選句
玉砂利の音来て黒揚羽乱舞 和子 耳朶を掠めて蝶のうすみどり 緋路 仕上りの緻密なる蒲公英の絮 秋尚 風光る誰にも座られぬベンチ 緋路 緋鯉とて水陽炎の中に棲み 俊樹 手放して風船空へ落ちてゆく 緋路 蜂唸る神の園生に丸き井戸 炳子 佐保姫は夜に舞ひしか能舞台 俊樹
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
つかまへし子亀に問へり亀鳴くか 美穂 亀鳴くや拷問石にある哀史 ちぐさ 亀鳴ける賓頭盧尊者撫でをれば 美穂 板の戸に志功の天女花朧 喜和 連子窓に卯の花腐し閉ぢ込めて かおり 大人へのふらここ一つ山の上 光子 ふらここや無心はたまた思ひつめ 同 ふらここや関門海峡見下ろして 同 さくら貝ひとつ拾ひて漕ぎ出しぬ かおり 午後一時直射にぬめる蜥蜴の背 勝利 花冷の全身かたき乳鋲かな 睦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月4日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
落城の如く散りたる落椿 世詩明 三人の卒業生以て閉校す 同 双葉より学びし学舎卒業す 同 氏神の木椅子はぬくし梅の花 ただし 鳥帰る戦士の墓は北向きに 同 草引く手こんなですよと節くれて 清女 雛あられ生きとし生くる色やとも 洋子 官女雛一人は薄く口開けて やす香 露天湯肩へ風花ちらちらと 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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高山正之氏の論考をシェアさせていただきます。
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信長は偉かった
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高山正之
ユダヤ教の神ヤハウエは天地を創造し、ヒトを含めすべてを創った。
ただ少し抜けていてバール神とかその他大勢の神も創ってしまい、ユダヤの民には「他の神を崇(あが)めるな」と命じる羽目になった。
民は従うが、今度は「濫(みだ)りに我が名を口にするな」という。「神様、助けて」とか神頼みをするなと。
LGBTも嫌いで、ソドムの街は焼き払われた。
その点、日本の神々は違う。ひたすら民を思う。災いがあれば、それを神様が祓って川に流し、川の神が海の神に渡し、最後は水底の神が埋めてしまう。川の神は「千と千尋」にもちょっと顔を出していた。
そういう神々を祀る伊勢神宮や諏訪大社、豊川稲荷などは日本列島を縦断する大断層、中央構造線の上に建っている。
断層がもたらす地震や噴火を鎮めるためにおわすように見える。
ただ日本の神々は不浄を嫌う。とくに死を嫌う。だから神社内では絶対に葬式をやらない。
人々は困って、死にそうな召使いには暇を出し、多くが行路死した。
芥川の『羅生門』にはそうした死体であふれる京の都が描かれている。
その惨状にお寺の坊主が目をつけた。
お釈迦様は涅槃に入るとき「葬式はするな」と言ったが、それは聞かなかったことにして以来お寺が死人の始末を始めた。
坊主が葬式を仕切り、戒名に卒塔婆に墓石も売りつけた。坊主丸儲けだった。
カネができ、真剣に彼岸を信ずる信徒がたくさん増えれば坊主は増長する。
荒法師が京を荒し、坊主軍団が政争に割って入って政治を動かしてきた。
意のままにならぬは「鴨の流れと山法師ども」と白河法皇が嘆いたのもこのころだった。
一向宗の坊主たちはとうとう加賀を支配するに至って、信長は信仰心を悪用する坊主の成敗に出た。
一向宗総本山の石山寺を討ち、比叡山の天台宗延暦寺も攻め落とした。
信長記には女子供に至るまで皆殺しにしたとある。ルイス・フロイスが「悪魔の所業」と非難するほどの振る舞いだった。
ただ歴史作家、塩野七生は別の評価をする。信長以降、坊主は分を弁え、政治に口だししなくなったと。
もう一つの外来宗教、切支丹も神の愛を説きながら奴隷商売に勤しんだ。
秀吉はイエズス会のコエリヨに真人間になれと説くと、彼は反発して切支丹大名を語らい、秀吉を討つよう画策した。
そういう政治性を家康も家光も嫌い、島原の乱では女子供まで殺した。日本人キリスト教徒が己の分を弁えた瞬間だった。
明治政府も、五榜の高札で切支丹を含む邪道の布教を厳しく禁じた。
実際、海の外のキリスト教徒に進歩はなく、米国ではその3年前まで黒人奴隷を使い、禁止されると今度は苦力(クーリー)を買っていた。
一方日本では宗教が躾られ、それによるゴタゴタは一切なかった。
しかし戦後、馬鹿なマッカーサーがきた。
日本軍に叩かれ敵前逃亡までしたこの愚将は日本軍の強さの源「大儀」を知らなかった。
それを日本の神々への信仰心だと邪推し、神道を邪教とするGHQ憲法を押し付けてきた。
ために忠魂碑を拝むことも靖国詣でも咎めだてられたが、その反動で、仏教もキリスト教もその他宗教も何をしても許された。
オウムは弁護士一家3人を殺し、長野で8人を殺害しながら信仰の自由を盾に警察の捜査すら阻んだ。
創価学会は信長が許さなっか政治に口を出し、文鮮明は朝日新聞が慰安婦の嘘で支援したこともあって日本人に贖罪のカネを出させ、日本人女性には自ら韓国人の性奴隷となるよう仕向けた。
この文鮮明の不遜をきっかけに、国会は初めて神道以外の邪教にメスを入れ、瓢箪から駒というか、その邪悪に気付いてきた。
日本人に外来宗教は似合わない。日本の神々が一番いい
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こんにちは!今回は前回と前々回で予告したクランちゃん🌹とグレン君🥀についての記事です!毎度の事ながら原作者である🍓ちゃんに頂いた資料を元に、感謝の念と溢れる熱量と共に解説していきます〜!🌻
★二人の立ち絵は後々また描き足すかもしれません。グレン君の立ち絵の方は下記にて…!
【2021/09/23追記:一部文章の修正と追加済み】
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舞台はとある王国に聳え建つ大きな城。厳重に施錠された塔一角の部屋に一人の薔薇色の少女が国から手配されたメイドの監視下の元、一人ぼっちで幽閉されていました。
その少女の名は〝クラン・ローゼンベルク〟といいます。
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★補足
この王国は前回のオズウェルさんが訪れていた村があった国では無く、はたまた村を襲った敵兵の国でも無く、次回の記事で書かせて頂く予定のルイの出身国でもありません。
因みにラブリーちゃんとミハエルさんはオズウェルさんと同様に後に地上に降り立ちますが恐らくまだこの時点では天界在住です。各自地上に降りる理由ですがラブリーちゃんは保護者役になったオズウェルさんに連れられ、ミハエルさんはラブリーちゃんを追ってという理由かと思われます。
花夜と春本に至っては作者が🍓ではなく🌻で舞台も日本と全く違う為こちらは国以前に蚊帳の外です。カヤだけに。
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話を戻しまして…クランちゃんの出生ですが、
王国専属の魔法使いが連れて来た子です。
クランちゃんが幽閉されている城や国の主導権は主である国王と息子である王子に有りますが当然〝連れて来た〟からには彼らの娘という立ち位置ではありません。
ならば貴族の子か?というと違い、かとい��て村や街に父や母がいる訳でも無く…しかし孤児でも人攫いでもない。
遠く離れた血縁でもありません。そんな少女を一体どのような目的で幽閉までし、人目を避けさせ隠しているのか…。
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それには理由が有りました。まず国王は国全体の権力者達や政治家達、軍事機関、研究機関と深い繋がりがあります。
そしてクランちゃんの傍には彼女に正体を隠している国から派遣されたメイドが世話係と銘打って監視をしています。
万が一逃げ出さないようにしているからです。つまるところ
クランちゃんは純粋な人間ではありません。
元々彼女は無限に膨大な魔力を発生させる事が出来る装置のような存在として創られました。
この魔力を国や王は軍事や国家機密の研究に利用する為クランちゃんを幽閉していたのです。
そして、それらは後発的にそうなったのでは無くクランちゃんが創られた理由でもあります。
因みに王と違い王子は善良で国王共々クランちゃんに直接の面会はなかったものの彼女への幽閉や以降に記述する〝ある〟研究内容に反対しています。
この王子の存在が後々の展開に大きく影響していきます。
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ここまで禍々しく書き連ねて来ましたが、クランちゃんは種族としては人間です。正確には〝天使に近い存在〟です。理由は後程。
とはいえ機械では無いと言えど彼女の魔力の使い道を考えますと、それこそ機械のように扱い然るべき施設内にて監視且つ管理し利用した方が効率も良いのでは?と疑問も感じ無くもありません。
ましてや愛らしく着飾る洋服も本来は最も必要が無いはず。
この辺りについては彼女を連れてきた王国専属の魔法使いが大きく関係しています。彼女も権力者の一人でもあります。
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女性は国から頼まれた魔力装置を創る為に神様の元に訪れます。神話みたいですね!この神様なのですが現在は地上界に隠居中のようでして前回のオズウェルさんの記事の時にて登場した全智の天使に神としての役割を引き継いでいます。
こう見ますとそれぞれ在住していた国は違えど皆々同じ🍓が描いた世界に住んでいるのだな〜と嬉しくなる🌻…!!
つまりクランちゃんは神様が人間として創造した子ですので、先述でいう〝天使に近い存在〟なのです。
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しかし、何故この時点で敢えて〝人間〟として創ったのか。
これは神様の意思からではなく魔法使いの女性がそう創って欲しいとお願いしたからです。
歳も取りますし、国としては今後も末永く使っていく効率を考えますと悪手のように感じざるを得ません。
これに関しては恐らく魔法使いの女性が、前回のオズウェルさん同様に人間が好きだったからだと伺えます。
但し、この女性もオズウェルさんと同じく良識的な人間を好いており王国の民が好きで且つ彼らを護る為に王国専属の魔法使いをしています。故に国王や後に記述する研究機関等のやり方には眉を顰めており、まだこの時点では内側に潜めていますが彼女もまた王子同様に反対派なのです。
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上記の通り魔法使いの女性は慈悲深い方で、クランちゃんを連れて来た際に大切に扱うようと国王に釘を打ちます。
魔法使いとしての実力も然ることながら神と繋がっていたりと特殊なパイプ持ちでもありますから国王も彼女の言い分を無碍に扱わず、提示された条件を呑み承諾します。
一種の取引みたいなものでしょうか。人間として創られた事以外は国王側からしても悪い話ではなく、そんな些細な欲求に対し首を縦に振ってさえしてしまえば無限の魔力の提供という膨大な利益を得る事が出来るのですから。
以降クランちゃんは〝幽閉〟はされているものの、衣食住や遊ぶものにも困らない何不自由のない生活を送ります。
城に来た当初は四歳くらいで、とても幼なかったのですが今現在は十四歳まで成長しています。世間を知らずに育った為やや浮世離れはしていますが心優しい性格に育ちました。
魔法使いの女性も仕事の合間に遊びに来てくれたりと、血の繋がりこそ有りませんが母と娘のような関係を築きます。
--
因みに、これ以降の展開には神様は全く関与して来ません。
クランちゃんを創造したのち、その後どう扱われるか又は持たせた魔力によって一つの国がどうなっていくのか…。
それに関心も無関心も無い。手を貸すのも偶然且つ必然。世界を憂い愛と平和を謳いながら冷徹で残酷な傍観者です。
--
視点をクランちゃんに戻します。
上記の方でふんわりと触れましたが彼女の素知らぬところで彼女が生成する強大で膨大な魔力は軍事利用を始めとした王国専属である〝機密〟の研究機関により非人道的な人体実験にも使われてしまいました。
その人体実験の内容は、身寄りの無い孤児を集め兵士として利用する為にクランちゃんの魔力を使い潜在する運動神経を刺激し著しく向上させるという実験です。
この実験が成功した暁には対象は常人離れした身体能力を得る事が出来ます。
但し実験対象が魔力を持っていた場合クランちゃんの魔力に影響される副作用か又その後遺症か、魔力が消失します。
数々の孤児が犠牲となり失敗作と成功作が生まれました。
救いは先述した王子や魔法使いの女性に根回しされたのか失敗作の孤児達は城内で働いてるという事でしょうか。
--
★補足
魔法使いの女性がクランちゃんを連れて来なければ、事前にこのような人権を無視した事態は未然に防げた筈です。
恐らく企画段階で、孤児の子達を含めた彼女が愛する国民達の命を天秤に掛けられてしまった又は人質に取られる等、弱味を握られてしまったからではないかと思います。
又は孤児の子達が人体実験以上の危機に晒されてしまう等。
クランちゃんを敢えて〝人間〟としたのは人間が好きだから以外にも訴える想いやメッセージが含まれていそうです。
--
凄惨な実験の果てにクランちゃんの魔力に適合し成功した孤児達は軍事利用の為、兵士としての教育を受けます。
その中でも逸脱した身体能力を覚醒させた優秀な成功作である一人の真紅の少年がいました。
その少年の名こそ〝グレン・クロイツ〟元孤児であり、この人体実験の被検体の一人だったのです。
過酷な境遇��った為か、それとも教育の影響なのか自身を〝駒〟と呼び感情を表に出さない少年です。淡々と任務遂行する姿は一人前の兵士にも全てを諦めているようにも見て取れます。その後は暫くの間、その高い能力を見込まれ王城専属の傭兵兼使用人として過ごしていました。
そうして与えられた任務や日々を、ただただ機械的に過ごしていた彼に、やがて突然過ぎる転機が訪れます。
--
とある業務で偶然、中庭にて作業をしていた日のことです。
これまた偶然にも部屋の窓から中庭を見下ろしていたクランちゃんの目に、グレン君の姿が留まりました。
先述通りクランちゃんは浮世離れ気味で世間を知らない面があります。自分と似た髪色、瞳の色を持つグレン君に好奇心に似た興味を抱きそれ以降、窓の外で彼を見かける度に目で追うようになっていきました。
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魔法使いの女性が国王に釘を指してくれたお陰で、大事にはされていますがクランちゃんは幽閉をされている身です。
流石に十年もそれが続けば、室内に居るのがが当たり前に育ったといえど飽きが来るというもの。
退屈だったクランちゃんにとって、外で見掛けるグレン君は羨望の的のように輝いて見えていたのかもしれません。
そして遂には我慢出来なくなった彼女は訪れていた魔法使いの女性に頼み。彼と遊んでみたいとお願いします。
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クランちゃんの口からこのような〝お願い〟が出たのは、恐らく今回が初めてで魔法使いの女性はそれを快諾します。
グレン君にとっても異性同士とはいえ同年代の子と…ましてや遊ぶ機会なんて随分と無かったと思いますから悪い話では無い筈です。足早に国王に掛け合いました。
国王は些か呆れ気味に聞いてはいましたが、多少グレン君の仕事内容に調整が入る程度であり通常通りの任務にクランちゃんと遊ばせるという風変わりなものがくっつくだけなので返答をそこまで渋るような内容でもありませんでした。
もし不穏な動きが有れば予めクランちゃんの側近として配置させているメイドがグレン君を拘束し再教育するように研究機関に送り返すだけです。
こうしてグレン君は傭兵兼使用人又はクランちゃんの従者兼遊び相手として勤めるようになり晴れて二人は顔を合わせる事となりました。
--
因みに銘を受けた当日のグレン君ですが上司に呼ばれ初っ端口頭から「最重要人物の護衛及び監視の任務だ」と告げられ、流石のグレン君も涼しい顔の内心では戦々恐々としていたのですが蓋を開けてみれば少女と文字そのままの意味で遊ぶだけだったので拍子抜けしたとかなんとか。
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最初こそ主にグレン君が警戒を示して距離感があったもののクランちゃんの能天気な…おっとりとしたペースにだんだんと絆されていきました。二人は徐々に親密になります。
好奇心からか人懐っこく少々抜けている愛らしい面もあるクランちゃんに対しグレン君も素で少々辛辣な言葉を投げ掛けてみたりと魔力装置とその魔力による被検体とは思えないような微笑ましく仲睦ましい関係値を築きます。
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少し引っ掛かるのは、クランちゃん自身に知らされていない事とはいえ自身や周囲の孤児達をこのような姿にした元凶でもあるクランちゃんに対してグレン君は怒りや怨みを感じ無かったのだろうかという点ですが恐らくそんな事は無く、だからこそ最初の頃は警戒し場合によっては一夜報いて処分される気もあったのではないかなと思います。
しかしクランちゃんと触れ合っていくうちに連れ彼女自身の境遇も決して良いものとは言えず彼女もまた被害者の一人であるという答えに落ち着いたのではないかと推測します。
二人が親しい友人となるまで、そう長い時間は掛かりませんでした。しかし同じくして穏やかな時間も長くは続いてくれなかったのです。
--
これまでの国王の横暴な統制に国民や一部兵士の不満が爆発しクーデターが勃発したのです。
瞬く間に王国内が戦場と化しました。勿論、国同士の戦争では無く内紛でです。城内にも怒号と罵声が響き渡ります。
意外にも早々に劣勢に陥ったのは国民側ではなく王国側でした。軍事力は王国側が保持しているものの肝心の指揮が行き届いていなかったのです。何故そのような事態に陥ったか
国王も混乱していました。何故ならクーデターを起こした先導者は実の息子、自身の傍で仕えて来た筈の王子だったからです。
だいぶ遡った先述にて書かせて頂いたこの王子の存在が後々の展開に大きく影響していくというのが、ここで繋がります。ずっと傍らで国王の人を〝駒〟のように扱う王政、そして非人道的な研究への協力等々人権や意志を無視したやり方を見て来た王子は、裏で傷ついた国民や兵士達に寄り添い反旗を翻すタイミングを見計らっていました。
恐らく魔法使いの女性も王子同様に以前から国民側として裏で手を引いていたと思われます。そして、このクーデターはクランちゃんとグレン君の保護までしっかりと視野に入れられており、外部にも漏らさぬよう慎重に計画を練られていた筈のものでした。
魔力提供したものとは又違いクランちゃん本体の強力な魔力は、王城内外のバリア等あらゆる動力源としても使用されてしまっており図らずしもクーデターを起こすには厄介なものとなってしまう為、一時的に城外に避難させる必要がありました。そこで警備が手薄になる内乱での混乱に乗じてグレン君が外の安全地帯に彼女を連れ出すという算段の筈でした。
--
一足…いや二足も早くクランちゃんの側近であった王国専属のメイドが王子や魔法使いの女性の規格外に動きクランちゃんを拘束します。
彼女はただのメイドではなく王国の為に戦闘要員として教育された暗殺者の一人でした。思うに彼女は事前に王子や魔法使いの女性の裏での行動に気付いており尚且つグレン君がクランちゃんを連れ出すという計画まで〝メイド〟として傍で聞き確実に王国側を勝利させる為敢えて大事にせぬように内に潜ませ、虎視眈々と様子を伺って来たのではないかと思います。
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★解説では早い段階でメイドの正体は王国から手配された監視役と明かしていましたがクランちゃんやグレン君達が彼女の正体に気づくのは今この瞬間です。
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さて確実に王国側を勝利させる条件ですが、それはクランちゃん…もとい、
無限魔力発生装置の主導権を王国側が絶対的に握り最大限に利用する事です。
これまでは魔法使いの女性との契約により大事に扱ってきましたが王国側から見たら今の彼女は裏切り者です。
よって契約は破棄と見なされ、クランちゃんを大事に且つ丁重に扱う理由も無くなりました。
逃げようとするクランちゃんの手をメイドは捕まえます。
当然そんな裏事情など知らずに十年間、彼女に信頼を置き剰(あまつさ)え家族のように慕っていたクランちゃんは酷くショックを受けます。
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予定外の展開にグレン君も呆気に取られ、動揺している間にクランちゃんは王城内の他の部屋に攫われてしまいました。
今までと打って変わり問答無用という態度にグレン君も普段の冷静さを失い激昂し、それこそ同士討ち前提の死を覚悟しクランちゃんを死に物狂いで探します。
もしこれが王国の手により強化された人間同士の一対一の純粋な決闘ならグレン君にも勝算が見えたかも知れません。
しかし現状は内部戦争です。相手も無策な訳がありません。
ここにきて王国側からの新たなる刺客がグレン君とクランちゃんを絶望の淵に追いやります。
城内が混乱する渦中やっとの思いでグレン君がクランちゃんを探し当てた部屋には怯える彼女と一緒に最凶で最悪な暗殺者が血色の眼を揺らしながら尋常でない殺意と狂気を放って恨めしそうにグレン君を待ち構えていたのです。
--
この刺客とは一体何者なのか。まず、クランちゃんの側近であったメイドは王国に忠誠を誓う暗殺者の一人でした。要は彼女の他にも暗躍していた者達が存在していたのです。
その中でも現在グレン君と対峙している暗殺者の少女はタチが悪く、例えば暗殺者でありながらも世話係の兼任を担っていたメイドが持つような理性が崩壊しており殺しそのものを生業とする生粋の暗殺者です。そして国王以外に唯一、メイドが信頼する彼女の実の妹でもあります。
この暗殺者の少女はクランちゃんやグレン君と同じ年頃でありますが、元々の素質か暗殺者として育て上げられた過程でか価値観が酷く歪んでしまっており『自分を見てくれるから』ただそれだけの理由で暗殺を遂行してきました。
今回も例に漏れずグレン君が『見てくれるから』彼を殺そうとします。そこに最早もう内部戦争だとか暗殺任務だ等は塵程に関係ありません。
--
★補足
この間クランちゃんを暗殺者の妹側に任せて姉側のメイドは何処に行っていたのかと言いますと、国王の元へと助太刀しに行っていたのではないかと思います。クーデターが勃発している現状、命が一番危険に曝されているのは国王です。
この姉妹も出生はグレン君と同じく孤児であり特に姉のメイドの方は王国に拾われた恩義から強い忠誠心を持ち結果としてクランちゃん達と敵対しました。
しかし妹の方は精神が壊れてしまっており暗殺の理由である『見てくれるから』という物言いの仕方からして、国に恩義を感じる以前に幼さ故に愛情不足等々のストレスに心が耐え切れなかったのだと推測します。
因みに姉妹と表されていますが血の繋がりはありません。
二人の関係ですが、少なくとも姉の方は妹を大事にしている印象で壊れてしまった妹と同じ年頃であるクランちゃんの傍で仕えながら、同じく彼女らと同じ年頃であるグレン君と一緒に従者として働いていた日々の内心を思いますと複雑なものがあります。
因みに約十年間メイドとして触れ合ったクランちゃんの事は「嫌いでは無かった」ようで今回の王国側と国民側の対立が無ければ、もっと良好な関係が築けていたのかもしれない。
--
★補足2
今まで触れて来なかったクランちゃんの戦闘能力ですが無限に魔力を発生させれるものの、温室育ちであり恐らく王国側からの指示で万が一抵抗された際に厄介なので護身用の教育を受けていません。よって王国の動力源に使われる程の高い魔力を持っているにも関わらず戦闘能力は皆無です。
素質としては王城の防御壁代わりに使われていた防御魔法に特化しており、攻撃魔法より守護面に長けているようです。
しかし今回の件を考えますと王国側の判断は大正解だったようで実際にクランちゃんは戦闘場面においての自身の力の使い方が分からずグレン君を守る事が出来ませんでした。
これに関しては、先を見据えて指示した王国側がしたたかであったと言う他ありません。
--
視点を絶体絶命のグレン君とクランちゃんに戻します。
グレン君も傭兵として培われた経験や過酷な訓練を乗り越えて来ただけあり持ち前の身体能力を持ってして抵抗します。全ては囚われてしまったクランちゃんを救ける為。いま彼女を敵の手中に収めてしまったら、もう二度と会えなくなってしまう…そんな胸騒ぎがグレン君を焦燥に駆り立てます。
しかし相手は〝殺人〟に関して一流であり加えて精神が崩壊している為ブレーキが存在せず惨殺するまでグレン君に執着し続けます。例えクランちゃんが自分を犠牲にしグレン君を見逃すように叫んでも羽虫の鳴き声程にしか捉えない又は聞いてすら…はたまた聞こえてすらいないのです。
その結果、グレン君くんの必死の攻防は悲劇的で尚且つ最悪な結末として無念にも終わってしまいます。クランちゃんの目の前でグレン君の身体は鋭利な刃や黒魔術により深く刻まれ嬲られ満身創痍となりました。
死体よりも酷い有り様の瀕死状態で、まともに呼吸をする事すら出来ているのか分からない程に変わり果てたグレン君の姿にクランちゃんは遂には泣き崩れてしまいます。
その凄惨な光景は、誰がどう見ても逆転不可能な幕引きにしか見え無かったのです。しかし…
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クランちゃんの泣き声を聞きグレン君は最期の力を振り絞り傷だらけの体で立ち上がります。
それとほぼ同時に魔法使いの女性が率いる一部の反乱軍がグレン君とクランちゃんを護るように部屋に突入し、反乱軍である国民と魔法使いの女性の決死の助力によってクランちゃんとグレン君は先述していた計画を組んでいた際に事前に用意されていた外の安全地帯へと送られたのです。
そして同時刻…クランちゃんとグレン君の逃亡劇の裏で、王城の玉座の前では国王は国の繁栄を、王子は民の意志を継いで、互いの思想と理想の為に親と子は剣を振り下ろしました。
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安全地帯に送られ、文字通り命からがら城外に逃げる事が出来たクランちゃんとグレン君。クランちゃんは初めて出た外を不安げにきょろきょろと見渡します。足取りも覚束無いまま緊張の糸が切れ尻餅を着くクランちゃんの横で、どさりと重たい音がしました。グレン君が倒れたのです。
逃げる前グレン君は重症よりも酷い状態でした。その深手のまま敵に抗い痛みを感じる以上にクランちゃんを助ける事に必死でした。自分の命を犠牲にしてまでもクランちゃんに生き延びて、生き続けて、生きていて欲しいと。
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二人を逃がす前に、魔法使いの女性から応急手当として回復魔法を受けていたと思われるグレン君ですが恐らく魔法使いの女性は回復魔法は専門外であり、専門の術者もその場におらず呼びに行くとしたら時間が掛かってしまい目の前の敵に隙が出来てしまう…そして、それ以前に暗殺者の黒魔術が蝕んでしまったグレン君の体や魂は、もう助からない段階まで症状が進んでしまっていたのだと���われます。
魔法使いはグレン君に眴せします。流石にグレン君を治療が行き届かない外に出す訳にはいきません。例えもう助からないとしても1%でも生存確率を上げるならばクランちゃんを一人で外に逃がし、そして暗殺者と今も尚対峙している為この場は危険な場所には変わりませんが医療班が来る望みがまだ有る分こちらにグレン君は残っているべきと…ですが
その真紅の瞳は近くまで来ている〝死〟への恐怖は微塵も感じさせず最期までクランちゃんを護りたい、傍にいたいという強い願いと従者としての誇りを、肌がひりつく程に感じさせました。
いずれの選択にせよグレン君が長く無いのは変わりません。ならば彼の意志を最大限に尊重するのが、せめてもの手向けになるのではないか…そうして魔法使いの女性は、それこそ断腸の思いでクランちゃんと共にグレン君を送り出しました。彼女にとっても王国により犠牲となってしまった国民である一人の少年を。そして大事な娘…そのような存在であるクランちゃんの、やっと出来た大切な友人を自身の目の前で救えなかったのですから…。
--
安全地帯にさえ来てしまえば、クランちゃんはもう大丈夫です。役目を終えグレン君は血塗れた瞼を穏やかに閉じて息絶えていました。従者として友として最期まで彼女の傍にいました。
グレン君の死にクランちゃんは酷く悲しみました。しかし、もう先程のようには泣き叫びませんでした。膝枕するようにグレン君の頭を乗せ、泣いていた時の余韻を残して少し赤く腫れてしまった瞳で何かを決意したようにグレン君の亡骸を見据えます。そして彼女の〝救けたい〟という純粋な想いと祈りは、潜在的に宿り眠り封じられた秘められし〝奇跡の力〟を覚醒させます。
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二人を取り囲むようにして、周囲をクランちゃんの強い魔力が顕現した証である紅い薔薇が、まるで今から起こる出来事を祝福でもするかのように咲き乱れ華やかに舞い踊ります。
随分と遡った先述にて記させて頂いた通りクランちゃんの実態は人間ではなくどちらかと言うと天使に近い存在です。
そう、今まで鳴りを潜めていた天使としての力が覚醒したのです。そして運命に翻弄され続けた少女の無垢な祈りは無事に天へ届きました。
こうして意識を取り戻したグレン君の視界には宝石のような瞳に涙を一杯一杯に溜めたクランちゃんが映り、揶揄ってやろうとするも束の間に抱き締められ、傷に響くと小さく呻きつつも照れくさそうに抱き締め返すのでした。
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天使の蘇生術を施された反動によりグレン君も人間ではなくなってしまいました。クランちゃんも以前のように人間の真似事のような歳の取り方を出来なくなってしまいます。しかし、そんな事は今の二人にとって、とてもとても些細な事でした。
その後の長い長い年月を、クランちゃんとグレン君は互いに手と手を取り支え合い二人は幸せに生きていくのでした。
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ここからは補足と後日談。内紛は王子が率いる国民側が勝利し、研究施設諸々は取り壊され軍事の在り方についても一から見直していく事となりました。国民を踏み台として富や税を貪っていた一部の権力者達も総入れ替えを行い今度は国民に寄り添���る王国を目指し今ここに若き王が誕生しました。
-
元国王の処罰そして処遇については王子自身が殺害での解決を望まない人柄に汲み取れた為、権力を剥奪した状態で王子側の兵士の監視下の元軟禁または国民が知る由も無い住居にて隠居させているのではないかと思います。後者の隠居の場合に関しては見つからない場所でないと恨みが収まらない国民が国王を手に掛けてしまう事が危惧出来るからです。
これに関しては元研究員達や元王国側の権力者達そして例の暗殺者であった姉妹達にも同じような処遇が下されたかと思います。もし更生が可能ならば数年後には贖罪という意味合いも込めて表で活動出来るよう手配をする事も考慮して。
但し人として余りにも許されない行為をしてしまっていたり、更生の余地や意思が無いようであれば再出発をした王国を脅かす脅威となる前に正当に処罰を降したと考えます。
-
その後のクランちゃんとグレン君について。
隠居とはまた違いますが、復興中の王国内が落ち着くまで暫くは安全地帯での生活を余儀なくされます。とはいえ生活で必要な食料や衣料品等は、新しくなった国からほぼ毎日届いており特に不便や不自由なく暮らせる状態です。
落ち着きだした頃には魔法使いの女性も二人が人間ではなくなってしまった事情も知った上で変わらぬ様子で接し度々顔を出すようになります。まるで新婚さんのような二人を茶化す母親のように。
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安全地帯に関してですが、恐らく特に危険な生物が生息していない森の中で目立たないながら赤い屋根の可愛いらしいお家が建っており、そこを王国内に戻るまで仮住まいにしていたのではないかと推測。もしかしたら、そのままそこに住み続けているのかも。小鳥のさえずりで起きてほしいし、クランちゃんには森の小動物と遊んでほしい。
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以上がクランちゃんとグレン君編でした!🌹🥀
クランちゃんの愛らしさも然る事ながらグレン君という一人の男の子の生き様と言いますか在り方が格好良すぎる…!!
因みに今後ルイ達と邂逅する時が来た場合、時系列的には逃亡後の二人と会うのが正解なのですが、お城…箱入り娘のお嬢様…と見せかけて実は囚われの身の女の子…グレン君との主従関係…イイよね…みたいな感じで🍓と話していて、んじゃあ逃亡前にするか〜と審議中だったり🌻
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そうだ、せっかくなので…魔法使いの女性、クランちゃんのメイドであった暗殺者のお姉さん、そのお姉さんの実妹でグレン君を窮地に追いやったヤベー暗殺者の子は…実は…!

この🍓が販売中のスタンプにいます。(久々な突然の宣伝)

ちょうど三人で並んでらっしゃいました。左が魔法使いの女性、左中央が妹の方の暗殺者の子、右中央が姉の方の暗殺者の女性でメイドとしての姿、右が暗殺者としての姿です。
みんな可愛くて美人さんです!因みに🌻の推しは…春本の作者なので何となく察して頂けてそう��すがヤベー妹の子。
でもって!なんと神様(左)と、オズウェルさん編で登場した全智の天使様(右)もスタンプの中にいるのだ〜!神々しい!


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そんな感じで今回はここまで〜!次回はルイと花夜と春本編です!😼🦊🐰もしかしたらルイと花夜、次々回に春本という風に記事を分割するかもしれません。まだ未知数…!
今回…というより、まとめ記事を書く度🌻から🍓への愛の重さが尋常でなく露呈しだしており見ての通り沢山書いてしまった為、誤字脱字すごいかもしれません…!見つけ次第直していきます😱それでは!♪ (2021/09/22)🌻
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淑君直到天蒙蒙亮才入睡,可睡了没多久就被闹钟给叫醒,她昏沉沉的想再睡一会儿,可今天对她意义重大,自己来澳洲不就是盼着这一天吗?她睡眼朦��中坐了起来,迷迷糊糊看见晨光已经见缝插针的爬进了房间,丹丹在地上看上去睡得很沉,她不由的暗生羡慕,自己也想舒舒服服偎在被窝里,可是随心所欲的日子再也找不回来了。于是她急忙起床洗漱一下,然后在厨房喝一杯牛奶,吃几块饼干,就是急匆匆出了家门。
早晨,阳光灿烂,微风拂面,带来了清新,宁静和期待已久的幸福。街上人很少,到处铺满了错杂的阴影,屋阴,墙阴,树阴,草阴,车阴,篱笆的阴影,地上虚幻的阴和沐浴在阳光里的物交交叠叠,影与光,暗与明,和谐共生,丰富而又多姿多彩,勾画出一幅幅晨光满天,绿意盎然的街景。
淑君低着头匆匆赶往车站,街上再美的景致她都无心留恋,今天是她新生活的开始,她要专注于自己。走了大约十来分钟,便来到小镇上的火车站。她先买一张绿色周通勤卡,然后登上开往市区的城际列车。列车分上下层,每层车厢有十几排座位,每排分左右两边,一边是二人的座位,另一边有三人的位子,每层可乘坐近百人。淑君来到上层,拣一个靠窗的座位坐下。车厢内的乘客很多,大家都安安静静坐着,有看书的,写东西的,闭目养神的,还有聚精会神的望着车窗外的。
列车保持匀速行驶,淑君轻轻把窗拉开半尺宽,立刻一阵清风拂面而来,清凉而又惬意,和风一起涌进来的还有那窗外的明丽景色,整齐的道路,成排的房屋,成片的树林轮番交替在她眼前晃动,犹如一幅幅带着晨光流动的画卷。淑君茫然的注视着前方,心里默记着站点,生怕自己一不小心坐过了站。昨天下午,Sarah专门给她画了一张出门指南,有文字,又配上一张草图,买什么车票,坐几点钟的列车,在哪个站点下车,出了站台怎样走去学校,写得清清楚楚,画得明明白白。Sarah这个人挺热心的,除了嘴巴不饶人,在钱财上丁是丁,卯是卯之外,同她相处并不困难,要不是她抢了佳丽的男朋友,淑君甚至也愿意把她当成朋友看待。
列车开出去了好几站,每到一站照列下去一波人,又上来另一波新人。看着匆匆忙忙的人潮,淑君觉得自己就像是个局外人,跟这里所有的人无关,跟这个社会无关,没有人知道她是谁,从哪里来,到哪里去,她也不知道别人姓甚名谁。她轻轻叹了口气,心想:"每个人都有个去处,可我呢?这条孤独的路今天才跨出去第一步,那么第二步,第三步又会是什么样子呢?"想到这里一丝悲凉涌上心头。
淑君极力想甩开刚冒出来的念头。她从包里取出Sarah画的那张线路图,可左看右看还是不得要领,反正Sarah还告诉她一个最笨也是最有效的方法,就是看到列车过了悉尼大桥后第三个站点下车即可。于是她又把图塞进了挎包里,干脆静下心来欣赏沿途风光。
列车到了中央火车站。淑君随着人潮下了车,来到车站前的大街上,四通八达的道路让她不知所措,还好穿过马路便是蒙派克公园,来到公园,接下来再找学校就方便了许多。淑君看看时间还早,便在一棵浓密大树下的一只长椅上坐了下来。公园里的空气真好,四周散发出淡淡的草香和花香,树枝伸展在她的头顶,阳光透过树叶的缝隙斑斑点点落在她身上,有几只羽毛鲜艳的鹦鹉在树枝上追逐嬉戏,叽叽喳喳叫个不停。淑君又如梦似幻的想起了上海。上海的早晨那该是啥样子的?淑君只记得菜巿场尽是些乱哄哄的买菜的大妈大叔们。热气腾腾的点心店里里外外都挤满了心急如焚的人。路上见到的都是相同表情的面孔,木讷,烦躁,甚至还带着昨夜未消的愠怒。公交车上都是神情紧张,随时随地准备跟人干上一场的乘客。医院里碰到是一张张痛苦的表情,一双求助的目光。多年来,淑君早已习惯千篇一律,冷冰冰的早晨。然而她坐在悉尼市中心,阳光明丽,清风徐徐,莺啼鸟啭,树枝婆娑,眼前是一片灿烂的景象,来往的路人不紧不慢,晨练的老人面带笑容,学生们活泼可爱,这里充满着热情和活力,可她的内心却感到百般的孤独,茫茫然不知所措。她觉得还是提笔写信,或许能排遣心中淡淡的忧伤。
昨天淑君本来准备写二封,不料下午来了个丹丹,把她的计划都打乱了。现在她觉得写给家里的信拖后点倒是无所谓,但佳丽的信一定要尽快的写。可是一想到要提笔写信,她的心情就很沉重,自己的处境比较好写,反正实话实说。难写的是贾东杰,和盘托出,恐怕佳丽看了会气得吐血,接下来就是一连串的后果,自己被扫地出门事小,贾东杰欠债不还事大。如果隐忍不发,又等同与贾东杰穿一条裤子,背上对朋友不忠的骂名,这真让她左右为难。
她摊开信纸,刚写了个开头,便不知如何写下去,贾东杰是个绕不开的话题,说实话,说假话,不提他都很难,还是考虑周全再提笔写信,但佳丽却在引颈期盼着这封来信。唉!这辈子淑君还没遇到过这等的困扰。算了,还是干脆先给冯子健写一封信。于是她又开始奋笔疾书。刚写到一半,忽然淑君觉得一阵恶臭袭来,自己坐的椅子也震动了一下。她撇过脸去,只见一只行李铺盖丢在了椅子上,占去一大半的位子,再一抬头看,惊得她差点叫起来。她的右手边站着一个混身脏兮兮的人,他高高大大,乱蓬蓬的头发遮住半个脸,花白的胡须长满了下颌,脸上的五官,只剩下二只眼睛依稀可辨。显然这位无家可归的流浪汉对淑君占据他的领地,颇为不满,骂骂咧咧说个不停。淑君本能地站起身来,随手把纸和笔塞进包里,头也不敢回的拔腿就跑,像是躲避瘟疫似的。
离开公园,淑君的心情稍微平静下来,没地方可去,只能先去学校。她沿着彼得街往北走,不多时便来到一栋大楼前。淑君拿出地址,再抬头瞧瞧这幢大楼,心里犯了迷糊:"这哪像是学校,分明像一幢办公大楼。"她战战兢兢走了进去,一问这里还真有一所语言学校。于是她坐上电梯来到10楼,电梯门口有个前台,一位前台小姐笑意盈盈迎接了她,一番询问后,那位接待小姐便带着她来到走廊的尽头,右手边是一间大的会议室。她告诉淑君先在里面休息一下,过半个小时会有老师来安排新生注册,考试和分班事宜。
房间已经挤满了来报到的新生,人们三三二二围在一起说着话,一见到淑君袅袅婷婷走进来,大家都停止了议论,几乎所有的眼睛齐刷刷地投向了她。今天她扎一个马尾辫,身穿一条米黄色的真丝长裤,肩上挎着一只休闲布包,显得闲雅恬静,清新脱俗。她觉得这么多双眼睛看着她,有点不自然的笑了笑,径直走到房间里的一个角落坐了下来。这时大家又继续各说各话。
房间光线明亮,空间很大,呈长方形,一张张崭新的书桌并排摆放,围成一个长方形,书桌后面放着几排靠背椅。房间里有一堆人,有男,有女;有年近中年的,也有刚走出校门的;有的站,有的坐;有的激动的侃侃而谈,有的则安静聆听,偶而插上几句话,大多数人的脸上挂着焦虑的神情,他们都是最近刚来到悉尼的中国学生。刚才在走廊上淑君就听到房间里此起彼伏的说话声音,现在身处沸沸扬扬的教室,让她感到震惊。这些人旁若无人的高声说话,而且说的又都是上海话,不要说进门的外国老师听不懂,就是坐在里面的外地学生也是一脸的茫然,不知所云。
淑君刚才走的急,坐下之后觉得头晕眼花,心还在怦怦乱跳,头上渗出不少汗珠。她从包里拿出一块手帕,揩了揩额头和脸颊,然后把几张刚拿到手的新生注册登记表格折叠成扇子形状,使劲上下扇风。
这时忽然有个轻声细语的声音从身后传来,"小姑娘,心静自然凉,只要安安静静的坐上5分钟,保你比现在舒服很多。"
淑君回头看见一个皮肤白皙,颧骨突出,样子𤠣精的中年男人。他身子前倾,用一口柔声细语的上海话跟她搭讪。淑君冲着他笑了笑,算是礼貌性的回答,接着从挎包里拿出一本《新概念英语》,一边读,一边慢慢吞吞扇着风,这招还真管用,没过多久她就觉得凉快许多。
这时身后又传来那男的声音:"读啥书呀,准备临时抱佛脚用?"
淑君生气的把书往腿上一放,也不看他一眼,只是重重叹了口气,那意思是说真是多管闲事。
"哎——你看那边那女的,像不像是从西郊公园来的,上两个礼拜刚用专机运到这里。"那男的努努嘴,示意淑君朝那个方向看。
淑君抬头看见不远处有个俗不可耐的胖女人。她烫了一头蓬松的卷发,身穿一件棕色风衣,腰粗的像一头母牛,正跟人比手画脚的说话。可淑君觉得身后那个男人更加的可恨,于是没好气地怼了他一句:"说的有鼻子,有眼的,你们像是同一架飞机运来的。"
"说得没错,我们俩正是坐同一架飞机来的,她目标大,让人过目不忘。"他把"坐"的发音说的特别重,以区别刚才的"运"字。他叹了口气,又说:"你骂人的角度蛮刁的,算我栽了一回。"
这时从人群里又传来一个洪钟般的声音,一个剃着平头,皮肤黝黑,身穿一套皱巴巴西装的男人正叽哩呱啦发表演讲。淑君这才听清楚他们在议论租房子的事情,可是她身后那男人听得有点不耐烦了,说:"你看那个声音跟铜锣一样响的人,像不像华侨商店门口的打桩模子?"
淑君又抬起头望过去,却被人堆里说话男人的一副痞腔给吓了一大跳,便忍不住插上一句,说:"我怎么觉得他更像是十六铺扛大包的。"可话一出口,她就有点后悔。她不喜欢背后议论别人,尤其在不认识的男人面前。
"嗨,那是解放以前,看来你三十年代老电影看多了。现在这种腔调的人都跑到友谊商店,华侨商店门口打桩子去了。"
"是吗,你认识他们?"
他咧嘴一笑,说:"我以前跟他们打过交道,一看这副腔调就一目了然。三十年代上海女人站在马路上招风引蝶,半个世纪过去了,现在改成上海男人立在马路上投机倒把,都是钱在作怪,钱就是上海人的亲爹亲娘,就是马路天使。"
"打过交道,那意思是说你也曾被他们斩过一刀?"淑君觉得这人说话蛮有趣的,便跟他聊了起来。
"我真怀疑你是不是上海人,打过交道跟斩过一刀完全是二码事,怎么可以混为一谈?但是依我的经验那个小黑皮就是一个靠嘴巴吃饭的人,喜欢豁胖,只会吹大牛的人。"
"那他们刚才都讲了些什么?"淑君对这些人也来了兴趣。
"你凑过去听不就知道了嘛。"
"难不成你所说的‘吹大牛’都是听来的?如果这样的的话,你不妨先讲给我听听。"
那人把身子挪到前排,在淑君相隔一个座位的椅子上坐了下来。淑君这才打量他一眼,他瘦高个,有一双精明的眼睛,穿着干净得体,看上去有点阅历。这人清了清嗓子,开始一板一眼的说了起来。原来这个人姓赖,他在淑君进教室前就一直在注意这些人,对他们说的内容略知一二。他告诉淑君说,这群人当中有两个女的,她们来到悉尼二星期,却已经搬过三次家,具体为什么她们也没说,反正被人骗去一些钱,至今居无定所。今天来学校想找找关系,度过眼前的困难。
"那又怎样,出来总会碰到难熬的日子,不管是谁,只要能帮上忙的就得试试。"淑君觉得遇到难处,找人帮忙实在无可指摘。
"话虽如此,但脑子应该保持清醒,什么人可信,什么人不足信,自己要有个衡量尺度,不能眉毛胡子一把抓。"说着他看了他们一眼,做了个瞧不起的手势,说:"唉——都说出国不容易,其中最难的要会看人,同时要摆正自己的心态,随遇而安。"说罢,他笑了笑。
"话说的倒轻巧,如果生活把你逼到尘埃里,恐怕你也会笑不岀来的。"淑君觉得说话带点挖苦更加有趣。
"你讲我是不是特别开心呀?张爱玲尘埃里都能开出花来,何况我这个老克勒呢,哈……好了,我们不讨论这个话题。"我停顿一下,想了想,说:"刚才说到了哪里?哦……对了,所以我的��条就是‘稳’字当头。戒骄戒躁,情绪稳定很要紧,这可以让你看清很多事情,少走弯路。"
"难道稳下来之后,天上就能掉下个大馅饼来了?"
"掉馅饼?哈……哈……看来你只顾跟我抬杠,说话都忘了过自己的脑子。告诉你吧,稳下来后就轮到了减肥。"
淑君卟哧一笑,睥睨地看他一眼,那意思好像是在说这都哪跟哪儿呀,是不是又在唬人了?
"我知道你会用这样的眼神来看我。"他摆出一副满不在乎的神情,继续说:"我问你上海人最爱什么?"
"没啥统一标准,而且男女有别,不过我倒想听听你喜欢什么?"
"门槛精!"他用手指了指淑君,说:"不过我还是满足你那不太高雅的好奇心,我好面子,爱虚荣,吹大牛,不过这也是上海人的通病。我问你这些通病,上海人把它叫做啥?"
"豁胖,我看你跟小黒皮一票里货色。"淑君咯咯笑个不停。
"算我又栽了一回,不过总算跟上我的节奏了,看来你是一个货真价实的上海人,那么我问你豁胖要不要减肥?"他狡狤的看了她一眼,眼睛中露出嘲弄的神色。
"哦,原来你讲的是这个。我看你管的也太宽点了,减不减‘肥’是人家的事情,与你何干?"
"当然跟我没关系。不过嘛,到了外面还是实在点好,不要虚头巴脑的,减‘肥’的目的就是把虚胖的东西去掉。既然走出国门,就算是跟国内一刀二断,再也不要留恋过去。忘记过去,才能迎接明天,这跟再婚是一样的道理。"
"大道理倒是不少。"
"想不想听接下来的话题?这对你可是千载难逢的机会。"
"你怎么越说越玄乎了?什么话题说来听听?"淑君来了兴致,反正老师还没来,闲着也是闲着。
"找对象结婚呀,减肥的目的就是为了人样子好看点。"他从上到下打量了淑君,露出诡异的一笑。
"哼……哼…… "淑君这次没言语,二手交叉放在胸前,冷冷的看着他,心想:"……看你还能弄出什么花样经来。"
"没用刚才的眼神看我,倒让我吃了一惊。我还是言归正传吧。找对象首先是你想找什么样对象,这跟我们的处境差不多,有人想要读书深造,有人为了嫁人,为了身份,还有的纯粹为了打工赚钱,目的不同,应对的方法也不一样。就怕没目标的瞎忙,白忙,吃的苦中苦,还是人下人。有了心目中的那个‘她’,接下来你得用行动去择偶,想找有钱的,你总得进入他们圈子去找呀,所以交往的圈子显得非常要紧,结交一个向上的圈子,它能带你一起成长,不过居住的地方也十分重要,上海人的眼界为什么不一样?就是这个道理。最后就是运气,每个人的远气不一样,不能一概而论。譬如,娶妻靠月老,你也不知道他手中的红线栓住哪一头?老婆娶进了门,能生不能生?生男,还是生女?是龙,还是凤?这些全凭运气。出国也是如出一辙,运气可以助你飞黄腾达,反之亦然。"
"这就是你讨老婆的套路?"
"被你一眼就看穿,这是我今天栽的第三只跟头,跌得我晕头转向。不过我想用这些方法度过接下来的岁月。"
这时又有几个新来的人加入那些人的谈话,那里的气氛也更加的热闹。那个姓赖的瞧了他们一眼,又继续说:"你看那些乱哄哄聚在一起的人,一般都没啥大花头,你知道啥叫不声不响?"
"不声不响就是不爱说话呗。"
"唉哟哟,刚刚表扬了你是一个货真价实的上海人,怎么又开始翻毛腔了。"他嘲弄的笑了笑,故意压低声音说:"不声不响就是门槛精,也就是闷声大发财。我可以跟你打个赌,三年之后,如果大家有缘再坐在这里,看谁比谁强!"
"你知道这决无可能,所以也无需为自己说的话负责,可以开闸放水般的使劲吹。"
"开闸放水?你说的真有趣,还挺形象的。不过我这并不是在吹,我从你的表情中看得岀来,你跟我们在坐的人都不一样,你看上去有一种负有崇高使命的感觉,忧郁而平静,持重又温柔,有着冷美人的气质。"他恭维地说,一改刚才嘲讽的口吻。
"我的表情?"淑君不由自主用手碰了一下自己的脸颊,可她心里却在想:"飞机上碰到的夏小慧同样也说过这样的话,这句话怎么听上去怪怪的,看来冷若冰霜过了头会被别人说成是假正经……"
忽然,姓赖的话打断了她的沉思默想,他说:"你有没有注意到你自己?当房间里所有的眼睛都盯着你的时候,你只是浅浅一笑,既礼貌又高雅,然后远远的坐下,不慌不忙,胸有成竹。而房间里的那些人要么伸长脖子打听情况,要么急的像是热锅上的蚂蚁到处托人帮忙找房,找工……"
"我不也是热的满头大汗,刚才还在不停地揩汗呢。"淑君打断他的话。
"唔,你是运动后出的汗。他们是激动的不知所措,晕头转向,跑到这里来是为了找救星,你说这能相同吗?"
这时,人群中有一个女人开口说话了,她声音尖尖的,有点刺耳,说:"我大老远的来到这里,真是后悔死了。在上海勿要太适意噢,要啥有啥,饭来张口,衣来伸手。来到这里刚二个礼拜,吃的苦比我吃一辈子的苦还要多。"然后她脸转向平头男,说:"小黑皮,我们约好一起出去租房子,这到底是行,还是不行?不要我回头了人家,你那边又泡汤,害得我两头没着落。"
"可不是吗?要是我把这里的情况告诉我老公,他一定立马叫我回去,就这么几天,人都瘦了一大圈。"另一个胖女人也不甘示弱的说。
小黑皮急忙安慰的说:"老阿姐,你们放心好了,找房子的事情就包在我身上。"
那位姓赖的一边摇头,一边说:"瞧瞧吧,这两个女人暗中较上了劲,一个说在上海生活怎么怎么样,另一个说她老公怎么怎么样,小黑皮头子活络,左右逢源。"说完他叹了口气,不无失望地说:"唉——想到这些人将来要跟我们同窗,你觉的这书读得还有啥意思?还不如赚点钞票,打道回府拉倒。"
"这就是你要找的‘对象’?"
"鄙人正有此打算。接下来你一定会问一大堆的问题,那就索性跟你全招了吧,省的你再寻根究底的。首先我不可能住到外国人家里,剩下的就是跟上海人打交道,跟上海人打交道用不着我来教你吧,可看到那两女的手足无措的样子,我有点替你担心。"他哈哈笑了二声,用调皮的眼光看着淑君,说:"还是让我来传授一下自己的经验。嗯——上海人喜欢自顾自,都以为自已是一条蛟龙……"
"自顾自有什么不好!大家都管好自己的事情,我们不都是这么过来的吗?"淑君一见到他那副神气的样子就来气。
"看来你一出国,把过去上海的事情忘了个精光,哈……"他笑的前仰后合,然后用一本正经的口吻说:"用你那聪明的脑袋瓜回忆一下。自顾自的后果是什么?"他瞧了一眼淑君,见她没开口,接着提高了声音继续说:"自顾自只是自私自利的一块遮羞布,到头来肯定是一盘散沙,乱作一团。想想看如果沙子拌点水泥进去,你觉的效果会怎样?"他又停了下来,想看看淑君的反应,看见淑君还是那副冷冷的脸,他便又说了起来:"加了水泥的沙子就不是沙子了,它要比沙子硬上千百倍。所以自顾自的圈子我会祝福他们,但我会敬而远之,就是免费提供给我食宿,我也一口回决。现在你又该好奇我这里所讲的‘水泥’到底是啥东西?告诉你吧,说白了就是人情味。上海从开埠起讲究的就是规矩,可在外人眼里就少了人情味,如果能补上这个缺失,你会怎样看,是不是觉得上海人挺可爱的?所以鄙人决不与没人情味的上海人打交道,就这么简单。"
听了他的长篇议论,淑君确实有点不耐烦了,心里想:"他那副自问自答的腔调跟小黑皮又有什么区别,还不是一样在吹大牛。"不过再转念一琢磨,他的有些俏皮话还是有一些道理,于是她说:"我急着想听你说下去。"
"真的吗?——那好吧。运气之说蛮难把握,如果大家运气好的话,能跟六四前那批人一起留下来,那就再理想不过了,如果不能,恐怕我们要在上海碰头了。"说完他看了淑君一眼,那眼神分明在说,上海碰头也不赖。随后他又不忘加一句:"当然啰,你的选择要比我多些,比如继续深造啦,嫁人啦,甚至假结婚也行,只要你乐意应该都易如反掌。"说完他又大笑起来,引得众人目光纷纷投向他们这边来。
从学校出来,淑君一直在回想那位姓赖的所说的话,不可否认他有些看法确实很独特,可就是离自己有点远,现在她唯一能确定是来澳洲的目的,那就再尝一遍寒窗苦读的滋味,可问题是拿什么来支撑这份坚持,没有经济作为基础一切都沦为空淡,问题又回到原点,得快快找一份工作,有了工作心里才会踏实,才能迎接接下来的挑战。
临近中午,大街上到处都是人,还有随处可见的咖啡馆、快餐店、餐馆,阵阵面包、咖啡、烤肉、炸鸡的香味迎面扑来。几乎把她胃里的馋虫都给勾了出来,前几天在上海,她还在逢时按节的胡吃海喝,现在开始进入周而复始的馋了,小时候馋的印象又开始浮现在眼前,那是一段铭心的记忆。"唉!——看来不光是寒窗苦读,接下来还有节衣缩食,结交新朋友,适应新环境,还有……还有……还有可真多,可一切才刚刚开始。"
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哲学カフェ(てつがくカフェ、仏: café philosophique)は哲学的な議論(各哲学カフェでは「対話」[1][2][3]や「話し合い」[4][5]と称することが多い)をするための草の根の公開討論会。(略) 哲学者マルク・ソーテ(1947年–1998年)がフランスのパリで創立した。 ソーテは1992年12月13日、バスティーユ広場のパリ4区側にあるカフェ「カフェ・デ・ファール(灯台カフェ, Café des Phares)」で初の哲学カフェを開いた。彼は日曜日ごとに午前11時に自分の哲学カフェに何人かの友人を集め、2時間ほど哲学の討論(「考え方のけんか」"conceptual fisticuffs")を行なった。偉そうな上流階級ではなくて一般公衆を対象とした、「推論の基本原理」へと戻ることが、彼の哲学だった。 最初の会合には10人かそこらの人々が集まっただけだった。まもなく大学生たちが姿を見せ、街の風変わりな市民たち、勤務時間外のタクシードライバーたち、そして暇で裕福な有閑女性たちがあとに続いた。これが毎週恒例のイベントとなり、各会合におよそ200人の人たちが集まるまでに膨れ上がった。 その意味でソーテは、哲学カフェに参加する一般公衆に哲学を取り戻した。そうする中で、彼は高等教育で教えられている通常の哲学に忠実でないとみなされ、学者たちによって排斥された。 このカフェで論じられる主題は、サンタクロースの伝説から真実、美、性、死にまでおよんだ。
哲学カフェ - Wikipedia
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第47話 『覇王降臨(3) - 転機』 Advent of the Overlord chapter 3 - “Revolution”

全てがひっくり返って新しい秩序が支配するまでに、時間はかからない。
国の最後の治安を守るはずだった兵士達が、城へと殺到した。
守るべき立場の者がいないのだから、それは戦いですらなかった。
城にいた数えるほどの特権階級者達は、残らず市中の広場に引きずり出された。
それは、然るべき結果であったと同時に、にわかには信じ難い光景でもあった。
誰一人として、行動に異を唱える者はいなかった。
集団は、驚くほど整然と政治責任者達を引き立てた。
そのあまりの整然さに、疑いなく広場まで自分の足で歩んできた者さえいた。
それは、帝国の、最初で最後であり、静かなるクーデターだった。
しかし、無血では成らなかった。
陣頭に立っていたテオは、黒色の甲冑を身にまとい、広場へと現れた。
黒髪をたなびかせて、細身の長剣を佩いていた。
「このような事を、一体何の権利があって…!ワシらが何をしたと言うんだ!」
石畳の上に横たえられ狼狽するロー氏を前に、テオは冷たい視線を投げかけた。
「そんな事、どうでもいいのですよ」
テオは剣を抜いた。
ロー氏の顔が青褪める。
「これまであなた方が何をしてきたのか、そんな事は何の問題でもないのです」
「では…」
剣が高く掲げられる。
「これからの帝国にあなたのような方は必要ない、それだけです」
鋭い軌跡が弧を描き、皺まみれの頭部が宙を跳ねた。
テオは剣を殊更に掲げ、民衆や兵士達はそれに呼応して爆発する。
そうして、テオは次々に帝国の要人達の首を刎ねていき、それに応じて国が沸く。
血が流れ、熱狂が最高潮に達していく様を、エルピダだけは冷静に見つめていた。
これは一体なんだ。
何が起きている。
テオは、何をしているんだ?
人々がテオを、革命の指導者として祭り上げている。
昨日までは魔術院の一員として、帝国を構成する人間の一人として、隅に埋もれていたはずの青年が、一夜にして帝国を底から覆している。
そしてその事を、誰一人として疑問を抱く事なく、まるで何年も前からそうであったかのように、新たな覇者の出現を人々は歓迎している。
これは、異常な光景だ。
白昼夢でも、もう少し現実味のある様子を映すだろう。
エルピダは、この日初めて、心の底からテオに恐怖した。
テオに出会った日、彼が大きな宿命を背負う、非凡なる人間である事は確信していた。
ただ、これほどのものであろうとは。
エルピダは、次々と剣を振るっていくテオを凝視した。
何十人もの血が流れ、最後に、ティアナ女帝が残された。
成人もせぬ、ほんの子供である。
テオも、体躯はともかく、歳だけで言えば、大して変わらぬはずである。
殺すのか、この子も。
ヴァーニスの血脈さえ断って、テオはこの国の王になるつもりか。
「かつてヴァーニス帝がそうしたように―」
昨晩のテオの弁舌が脳裏をよぎる。
しかし、ティアナ女帝は、つまらなさそうな顔でテオを一瞥すると、再び目を閉じただけだった。
「早くしてくださらないかしら」
テオはその言葉に応じて、剣を構える。
「こんな最後を迎えるために、私は生を与えられたのですね」
小さな女帝は、大きなため息を漏らした。
「ちっとも面白くなかったわ」
剣が空を走った。
それは、少なくとも未来を生きる者達にとっては、新しい歴史が始まる瞬間であった。

夕刻、テオは広場に設置された簡易の踏み台に登り、佇んでいた。
人々は彼の言葉を待ち、静まり返っていた。
エルピダは、テオに呼ばれ、台の傍らにいた。
「あなたも、この革命の立役者だ」
その言葉は、あまりにも白々しく響いた。
それでも今は、テオなりの気遣いが見せてくれる人間味が、不安を和らげてくれる気がして、それに縋りたい気持ちもあった。
テオは、人々を見渡して、口を開いた。
「今日この日、真の自由を勝ち取ったのは、他でもないここにいる全ての人々である」
そこまで言うと、テオは剣を引き抜き、左手の甲を軽く撫でて、血を流した。
その血を民衆達に向け、叫ぶ。
「今日、ここにいる全ての人々が、戦うための剣を引き抜いたのだ。私は皆の剣だ。戦って勝ち取り得るもの全てを、私が皆に代わって手に入れよう」
テオは剣を掲げた。
民衆の感情が弾けた。
そこからは、意味のある言葉が聞こえる事はなかった。
方々から飛び交うあらゆる種類の歓声が全ての音を遮って、会話は成り立たなかった。
ただ、テオは、剣を掲げた先の空を見上げていた。

新たな王が生まれ、文字通り一夜にして、帝国は生まれ変わった。
富は再分配され、行政は最適化され、まるで縛られて止まっていた血流が流れ出すように、滞っていた経済と物流が息を吹き返した。
革命とは、昨日まであったものを新しいものに置き換える過程である。
新たな形に順応するまで、本来は社会全体を混乱が支配するのが常である。
しかし帝国は、まるで昨日までそうであったかのように、一夜にして、全く異なる社会を受け入れた。
その、明らかに異常な事態に、異常さを感じられている人間は、エルピダの他にはいないように見受けられた。
また、革命決起の日以来、光を見る機会が得られない事にも、エルピダは疑問を感じていた。
テオの革命と、光が見えなくなった事に、何の相関関係があるのか、エルピダには全くわからなかったが、ただ彼はテオに詰問する時間を持てず、煩悶とする日々を過ごさざるを得なかった。
テオは言うまでもなく善政を敷いた。
そのために、一日中テオは城と街の各所を移動し続けていた。
つい数日前までは、魔術院の研究室で隣に座っていた若き同胞が、今は国をより良くするために奔走しているのだ。
エルピダにとってのそれは、ほとんど不審な行為だった。
あれほどの研究への情熱はどこへ行ったのか。
光がどこから来て、何をもたらすのか、その真実を共に追うのではなかったのか。
あるいは、光が何かをもたらした結果、彼にこの劇的な変化を与えてしまったのではないか。
しかし、確証を得る手段は何ひとつなかった。
国政が安定し始めた頃、テオは魔術院の拡大を指示した。
そして、これまでとは比較にならないほどの規模で研究設備を増強し始めた。
貴族の屋敷と見紛うほどの新しい研究室を見渡しながら、エルピダの中で謎がさらに深まった。
テオはまさか、このために国を覆したのか?
仮にそうであれば、なるほど筋は通るし、合点も行く。
ただ、そうであったならば、尚の事正気の沙汰とは思えぬ。
自身の研究を推し進めるために、国を盗ってしまおうなどと誰が考えるか。
そしてまた、それを本当に成し遂げてしまえる人間など、いようものか。
しかし、そうでない場合は、やはりテオの事が理解できなくなる。
自身の野心のため、あの演説のように、自分が欲しいものを全て手に入れるための戦いであったのかもしれない、そうに違いない、と思うしかなかった。
もはやテオは、どう転んでもエルピダの理解の範疇外の存在に変貌していた。
エルピダは再び、今度は独りで、光の正体を追い求める研究を再開した。
テオが研究室に戻ってくる事はなかった。

テオは、覇王を自称した。
革命時の象徴的な黒い甲冑に、さらに外出に際してはフルフェイスの兜をかぶった。
曰く、威容を示す事も覇王の仕事である、との事だった。
ヴァーニス帝が力、ワーレン帝が知の支配なら、テオはカリスマの支配だった。
すべての人々が、不自然なほどにテオを信じていた。
テオに従えば全てがうまく行く、そう誰もが信じるからこそ無用な反駁も生じず、安定した社会の重要な要因となっていた。
不自然ではあったが、納得してしまいそうなほどのものを、テオは持っていた。
誰に対しても偉ぶる事なく平等に接し、聡明で、そして革命の日以後のどんな場面でも笑顔を絶やさなかった。
彼に対した時、臣下の者が感じる事は、不安や緊張よりも、安心と安らぎであった。
ずっとこの人と共に歩みたいと思わせる、圧倒的なカリスマ性が、テオの最大の武器であった。
民衆の覇王に対する態度は、親愛や忠誠よりも、むしろ盲信や崇拝に近かった。
そして、そんな王だからこそ、呼ばずとも後宮に入る事を望む女性達は跡を絶たなかった。
そんな者達に、テオは、どちらかと言えば冷淡な反応を示した。
だが、帝国は過去に跡継ぎが原因で幾度となく国難が訪れた経緯から、臣下達も後宮を据える事を強く推していた。
半ばやむを得ないような形で、テオは後宮の設置を許可した。
しかしテオは、有力者の家族などは全く迎えず、街先で貧しそうに暮らす者を選んでは後宮に迎えた。
そうして、その娘達には、様々な教育を施し、技術を身に着けさせ、働く場を用意した。
娘達は少なくとも寝食に不安を覚える事はなくなったが、特別贅沢ができるわけでもなかった。
そしてテオ自身も、一向に夜の閨に足を向ける事がなかった。
あまりに前例のない扱いに、臣下達は口々に”これは後宮と呼べるのか?”と疑問を呈した。
その問に大して、覇王はこう答えた。
「どんな貧しい身であっても、勤勉であれば覇王の寵愛を受けられるかもしれないと知れば、民衆は誰もが勤勉になろうとするだろう。優れた才能の芽が見つかれば、その娘と私とで成した子も優れた王になるだろう。愚王の歴史が繰り返される事もない」
臣下達は、後宮の事についてそれ以上追求する事をやめた。
代わりに、後宮とは別に、若い者を奨学励行する施設が作られ、性別年齢を問わず優れた者を国中から抜擢し重用するための制度が設けられるに至った。

覇王はこうして富国を成し遂げ、遂にはヴァーニス帝の悲願、即ち諸国統一のための外征を再開した。
戦わずして併合される国がほとんどだったが、一方で、抗う相手に対して覇王は容赦なく果断であった。
礼を尽くす相手には礼を返し、丁重に扱い、平等な臣民として迎え入れた。
当初は暗黒時代の衰退によってヴァーニス帝全盛時の半分程度になっていた版図は、再び盛り返し、かつての領土を超えて、さらにその倍以上の領土を平らげて、帝国は歴史上最も隆盛する時期を迎えた。
革命から、10年が過ぎようとしていた。
~つづく~
第48話 覇王降臨(4) 再誕
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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