#坊野 美絵
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車を走らせて海沿いを帰っていたら、雲の隙間から溢れる光が綺麗で 見惚れてしまった。日々変わる海の景色は本当に飽きない。
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#29 6月7日
『優しい人物画』(の冒頭)を読んでの引用と感想と考えたこと
「作品のどんな小さな部分でも、美術家はそこにメッセージがあり、目的があり、なすべき仕事がある、という前提から出発する。」という一文が結構刺さった。特に私のやろうとしていることは恐らく美術の類いに含まれるか微妙なラインだと思う。アニメキャラという美術家にとって俗物的と言われても仕方の無い分野であるし。(そうならないための研究をしているのだが)以前から言われている事だが、立ち方肉の付き方骨の歪み方からフィギュアの大きさまで全部必然性があった方がいい、〇〇だからこのサイズという”なんとなく”の部分を減らす(というか無くす)べきというような話があった。
また、「君が、つまり君のパーソナリティ、君の個性が第一である。(中略)君の作品は君の行った頭脳的修行の結果自ずと表れるのである。」という文も目に付いた。”個性”って美大にいる人達は恐らく大事にしている人が多いと思うが、逆に当たり前になりすぎて忘れることも多いと思った。特に予備校に通っていて、型にハマった受験形式で、同じ様な絵を描いて(もちろん基礎は大事)それを格付けされるから個性を爆発させる訳にはいかないことが多い。(私の通ってたところはそうだった)段々と”一般的に”に好まれる絵柄、キャラクター、形に寄っていって、人の視線を感じながらものを作ることが多かったように思う。もちろんこれが悪いということでは無いが、4年始まって初めての面談で私の個性を問われた時にパッと答えられなかったのはそういうことだと思う。だから現在もフィギュアを作る意味だとか、この卒制を私がやる意味や、そういう細かい自分の意思が曖昧になっているんだろうなと感じた。個性ってどうやって育てればいいんだ。もはや型にハマった考え方しか出来なくて自分の個性はあるのか伸ばせるのか生み出せるのか不安になる。
それはさておき、「なるほどと思わせるものであると同時に、なにか訴えるものが無ければならない。(中略)遠近法に関しては、一定の眼の高さないし視点に馴染むものでなければならない。解剖学的には眼にふれようと、布あるいは衣装の下に隠れていようと、同じように正しくなければならない」というところもグサッときた。どちらかというと、イラストでは隠れてる部分は描かなくていいや!で生きてきた人間であるので、精神にくるものがある。あとはここもフィギュア制作において直接的に関わるところである。私のフィギュアの作り方は下絵に対して大まかな体のラインをなぞってボディを作り、その上に装飾を足していくタイプで服がを着込んでいるほど素体を作ることは無い。つまり素体の形が取れないのを今まで衣装やら装飾やらで誤魔化していたのだ。(なぁなぁで作ってきたツケですね…)とはいえ卒制でそれが通用する訳では無いのは重々承知の上、さらに面談で先生に「私たち教師陣は(素体などの形の不自然さが)分かってしまいますからね^^」と釘を刺されているので尚更どうにかしなければならない。クロッキーだけで足りるのか…?!
「テクニックというものは若いアーティストが信じているほど重要なものではない。(中略)君が基本さえマスターしていれば衣装や状況設定の選択と判断は自ずと出てくるのである」つまり、結局は基礎をどうにかしようという結論に辿り着くわけですね。筆者が言うには、解剖学、遠近法、ヴァリュー(量感?)は変わらないが、流行は変わる。これほんとに大事だなと思った。変わらないものを基盤にしないとグラグラしてしまうので。そのグラグラが今私に直撃しているわけですけども。基礎��めができていないのに応用をやろうとするというのはやはり地盤の緩い土地にドバイの高層ビル建てるくらい無謀なことなんだろうなと思う。恐らく面談で言われたデフォルメよりも前に普通のリアルの人体を作ってみては、という提案も同じようなことなのだろうと思う。
この本すごいなと思ったのが上記部分含め全部『はじめに』の項目に書かれているのだ。作者がこの本を作った意図とか書かれてるんかな〜と思ったらここに筆者の言いたいことや知っといた方がいいことが凝縮されてる感じだった。ボリューミーすぎる。硬さを感じない文章で読みやすいのもポイントが高い。予備校で人の作品を下段に置く前にこういう本を勧めればいいのに!!!
本日は納骨式に行ったため行き帰りの車の中と寝る前少しでこの本の『はじめに』を読んでパラパラと中身を見たくらいしか進捗がない。が、個人的には認識が改まったような気持ちで勉強になったので切り上げて寝る。筆者曰く、スケッチブック片手にこの本を読んで欲しいらしいので明日もちまちまと本を読み進めたい。
ここから雑談というかあまり関係の無い話になる。(あるといえばある)
納骨式に行ってきたのだがお寺さんに行ったのでもちろん仏像がある。確か阿弥陀如来像だと思う。やはりあれもフィギュアと大きく括ると同じ括りに入ると思うのでお坊さんの話を聞きながらじっくり観察してきた。全体的にのぺっとしており(神様だから人間では無いが)精巧な人型と言うよりはどちらかというとデフォルメ寄りだと思う。顔は円柱で鼻筋だけ通っている。ただ、しっかり顔とその側面、顎より下面は分かれていて顔特有のなだらかさはある。さらに体は重厚感を感じる(横からは見れなかったので厚みはよく分からない)重厚感というのも服のもったりとした布感やらシワの彫りだったりとかで上手く陰影がつけられているのも大きく関わるのかなと思った。他にも色々思うところはあったのだが、公に言っていいのかちょっと迷うので(宗教関係はちょっとデリケートだと思うので…)心に留めておきます。
あとお坊さんがお焼香の煙でむせたのか、南無阿弥陀仏を唱えている最中(しかも魂を天に送る儀式中)に咳き込んで途切れたのだが大丈夫だろうか。魂ちぎれてないだろうか。また、戒名の文字も彫られたのだが、花という字と光という字が含まれていていいなと思った。私が戒名してもらうとしたらそういう明るくてポジティブそうな文字を入れてもらいたい。好きな文字を入れて���いなら米とか入れて欲しい。
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2025.1.23
中村明珍のイベント会場がオープン!
元銀杏BOYZのギタリストで、現在山口県の周防大島で農家兼僧侶として活動中の中村明珍の企画ユニット「寄り道バザール」が、戦後まもなく建てられた木造の芝居小屋を買い取りました。長年地域の交流、文化発信の場として使われてきた会場が解体回避、存続決定となりました。会場名を新たに『和佐星舎』と名づけ、いよいよ3月から活動をスタートします。
その柿落としとして、落語会と音楽イベントの開催が決定しました!
和佐星舎オープニング記念『Up Around The Sun w/ Bosco Japan Tour 2025』
日時:2025年3月16日(日) 開場 18:00 / 開演 19:00出演:Up Around the Sun w/ Bosco (from Austin, Texas) メンバー:Tim Kerr (Acoustic G) ・ Jerry Hagins (Banjo)・Bosco (Fiddle)
二階堂和美 with 黒瀬みどり、Vanishing Men
チケット 一般 / 前売 3,500 / 当日4,000円(各+ドリンク代) 中学・高校生 / 前売 1,000円 / 当日1,500円(各+ドリンク代) ※要学生証提示 ※未就学児・小学生無料(必ず保護者同伴)
チケット取り扱い:https://yorimichishop.com/ 主催:寄り道バザール 制作協力:ベストフレンド・COFFEE コナ 後援:和佐自治会・周防大島町・周防大島町教育委員会
Up Around The Sun -- パンクとファンクを融合したBig Boys を���め数々のバンドのギタリストでビジュアルアーティストであるTim Kerrと、Banjo奏者Jerry Haginsの2人組ユニット。今回はそこにフィドル(ヴァイオリン)奏者・Bosco氏が加わるスペシャル3人編成。前回来日時にこの3名で録音された最新アルバムとともに、レジェンドの生の演奏をご堪能ください。
そして今回はさらにスペシャル、なんと歌手の二階堂和美さんが出演を快諾してくれました!寄り道バザールの周防大島でのライブ1回目に出演してくれて以来約10年ぶり、待ちに待ったライブです。唯一無二の歌声、バイブレーション。この場所で全身で浴びられる幸せ。
なによりこのライブを作るきっかけとなった大切なバンド、大阪からMasaki Poserと横須賀のNathanによるユニット、Vanishing Menも来島。お二人は2年ぶり2回目の出演。深く揺らぎ、美しい旋律の気持ちよさに浸ってください。
この三組でのライブの場が生まれるなんて。うれしさMAXです。皆さんとともに楽しめるのを心から楽しみにしております。 プロフィール
Up Around The Sun w/ Bosco メンバー:Tim Kerr (Acoustic G) ・ Jerry Hagins (Banjo)・Bosco (Fiddle) オースティンのレジェンド、Tim KerrとJerry Hagins によるアコースティックデュオ。そこに、前回来日ツアー時にレコーディング参加したFiddle奏者・Bosco氏が加わるスペシャル3人編成。大阪で録音されたそのアルバムは2024年7月にセルフタイトル”Up Around The Sun w/ Bosco“として発表。 2025年の日本ツアースケジュールは以下の通り 3/14(fri) Kyoto Gorey Café3/15(sat) Nagoya K.D.Hapon3/16(sun) Suo Oshima 和佐星舎3/18(tue) Osaka Bake Brown3/19(wed) Osaka Namba BEARS3/20(thu) Shizuoka 8th Rest3/22(sat) Tokyo La Cana3/23(sun) Tokyo La Cana"Tim Kerr Exhibition"3/12(thu)-19(wed) Osaka BARRICADE3/17(mon)-23(sun)Tokyo Kit Gallery
Tim Kerr(Up Around The Sun) make art, play music, take photos, breathe1956年3月11日生まれテキサス・オースティン在住。BIG BOYSを始め、POISON 13, BAD MUTTHA GOOSE, MONKEYWRENCH, JACK O’FIRE, LORD HIGH FIXERS, THE NOW TIME DELEGATIONなどのバンドでギタリストを努める。パンクにファンク、ブルース、ガレージなどを融合した音楽の先駆け的存在。また、国内外の数多くのバンドのレコーディング・プロデュースも��め、その影響力は多大で多岐にわたる。絵画と写真のアーティストとしても活躍し、レコードジャケット、ポスター、本、広告、スケートボードデッキなどを手がけるほか、世界中で個展を開いている。
Tim Kerr インスタグラム
二階堂和美 ジャンルにとらわれない音楽性と、類いまれな歌唱・表現力で国内外から幅広く支持されているシンガーソングライター。1999年のデビュー以来多くのミュージシャンと共演し、その変幻自在ぶりを発揮。現在までに約20作を発表。代表作は2011年発表のアルバム『にじみ』。スタジオジブリ映画『かぐや姫の物語』(2013年)で、主題歌「いのちの記憶」を作詞・作曲・歌唱。NHK「おかあさんといっしょ」への楽曲提供曲に「ショキショキチョン」(作詞・作曲)、「ぎゅーっはかせ」(作曲:渋谷毅)。著書に『負うて抱えて』(晶文社) 他。CM歌唱も多数。広島県在住。浄土真宗本願寺派の僧侶でもある。
www.nikaidokazumi.net Vanishing Men Masaki Poser(BRONxxx、LP)とNathan Bennett(Capricorns, Bridge & Tunnel, White Daughter)によるユニット。30年前にサウス・ロンドンで出会い、ハードコア・パンクへの共通の愛で結ばれた。2022年、ふたりは日本に住みながら、なぜ一緒に活動しないのか不思議に思っていた。そして、バンドよりもデュオの方が手間がかからないということを経験から学び、Vanishing Menが誕生した。 中村明珍 農家兼僧侶。1978年東京生まれ。2013年までロックバンド銀杏BOYZのギタリスト・チン中村として活動。2013年3月末に山口県・周防大島に移住後、「中村農園」で農業に取り組みながら、僧侶として暮らす。また、農産物の販売とライブイベントなどの企画を行う「寄り道バザール」を夫婦で運営中。2021年3月に初の単著「ダンス・イン・ザ・ファーム 周防大島で坊主と農家と他いろいろ」(ミシマ社)を刊行、現在続きを連載中。2024年から真言宗善通寺派・「不動院」住職。 和佐星舎開館までの経緯かつては塩づくりを行っていたといわれる地域・和佐。昭和24年に、住民たち自らの手で山から木材を切り出し、船で海の上を運びながら、「青年会館」の名で建立。芝居小屋として、自身たちが舞台に立ったり、歌舞伎座を呼んで興業を行ったりしながら、のちに地域住民の「公民館」として幅広く使用されるようになりました。和佐の出身である作詞家・星野哲郎ゆかりの地であることから、鳥羽一郎や島津亜矢、水前寺清子などの多くの歌手も出演。のちに寄り道バザールではキセル、二階堂和美のライブや立川志らく、立川談笑の落語会、山縣良和によるワークショップなどを開催。ところが2019年、住民の話し合いで「解体」が決定します。修繕が必要な箇所はあるものの木材は丈夫なため、解体を回避する方法を模索していくことに。6年後の2024年10月、町から売却が告示され、2025年1月寄り道バザールが購入。存続が正式に決定しました。新公民館がすでにあることから、名前を「和佐星舎」に改名。前述の作詞家・星野哲郎や和佐の海岸「星のビーチ」、周防大島の正式名称「屋代島」の由緒にちなんで名づけました。今後もこれまでの地域での愛され方を継承しながら、老若男女問わず楽しめる、新しい居場所になるようにいろいろ企画していきます。経緯について、詳しくはweb「みんなのミシマガジン」(ミシマ社)の「ダンス・イン・ザ・ファーム2」にて連載中。

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各地句会報
花鳥誌 令和6年7月号

坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和6年4月4日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
受験の子送りてしばし黙す父母 喜代子 うつうつも待つこと楽し花便り さとみ 初桜幾歳月や句座の道 都 野遊びのノスタルジーを胸に秘め 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
野遊の一人は高きハイヒール はるか 春愁の長き耳垂れ犬来たる 光子 譲ること大嫌ひなの半仙戯 同 ボール蹴る子に一瞬の花吹雪 美紀 ぶらんこを替つてくれず漕ぐばかり 瑠璃 花いつもさびしきところより散りぬ 緋路 大使笑ふ南麻布の花の昼 佑天 花冷のベンチに花冷のお尻 緋路 群青の絵の具は春の水に溶け 同 教会の桜は透けるほど白く 小鳥
岡田順子選 特選句
花に息ととのへてゐる太極拳 光子 鞦韆の蹴り寄せてゐる桜色 三郎 純白の肌着吊られて花曇 同 皆遠き目をしてをれば桜かな 和子 花いつもさびしきところより散りぬ 緋路 子の声は残響となり連翹黄 同 花は散るべしと笛吹く裸体像 俊樹 春の野の児らしか知らぬものがたり 軽象 花すみれ遠くの空に戦闘機 美紀 春光の鳩はみどりの首見せに きみよ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月6日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
夕日落つ別離の駅の古巣かな 朝子 冴返る齢八十骨の音 成子 仔犬抱き遅日の船を見送りぬ かおり 菜の花や千の棺より生るる 睦子 枝枝に声転がせて鳥交る たかし いつせいに揺るゝ吊革鳥帰る かおり 煙草屋は古巣残して店仕舞ひ 久美子 陽炎の消えて居座る陰陽師 美穂 地に古巣天に野鳥の窓があり 修二 我先に舫ひ綱解き鰆東風 たかし 朧月十二単衣に逢へさうな 同 しつけ糸解くおぼろ夜の京友禅 美穂 待つといふうれしさ人も桜にも 孝子 永遠の未完でありぬ桜かな たかし
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月8日 なかみち句会
春の海ばかりの駅に途中下車 秋尚 つれづれに雨音聞いて日永かな 廸子 鎌倉や角曲がるたび春の海 三無 石楠花や参道狭し奥の宮 史空 お別れの日に石楠花の紅の濃く 貴薫 また元の話に戻る母日永 美貴 小刻みにきらめく春の海まどか のりこ 寺領にも石楠花紅く小糠雨 ます江 ………………………………………………………………
令和6年4月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
娘良し妻さらに良し春日傘 三四郎 母の忌を迎へし朝の春の雪 ただし 風光る千年超えし物語 みす枝 春浅し耳朶柔らかなイヤリング 世詩明 天空へ光を返す白木蓮 三四郎 愛猫に愚痴こぼしをり四月馬鹿 みす枝 初蝶の二つ行先定まらず 英美子 貝の紐噛んでひとりの春炬燵 昭子 ほろ酔ひを名妓支へて大石忌 同 校庭の鉄棒に触れ卒業す 時江 薔薇一本くれる夫ではなけれども 昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月9日 萩花鳥会
春一番濁りし川の鯉めざめ 祐子 春愁の情緒一新晴衣着る 健雄 春の宵椿徳利の矢の根寿司 俊文 四月空総出で迎える娘の帰国 ゆかり 遊覧の舟に続くや花筏 明子 教科書に漢字で名前進級す 美恵子 ………………………………………………………………
令和6年4月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
山笑ふ札所巡りにの急き 宇太郎 一歩づつ眼下となつてゆく桜 美智子 渡船場に飯蛸釣りて島土産 宇太郎 桃咲いて捨て犬たちの誕生日 都 杖を曳き混じりて遊ぶ花筵 悦子 囀を総て抱へてゐる大樹 史子 初燕無音の青を切り分けて 宇太郎
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月13日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
としあつ忌修す爛漫卓の上 百合子 信濃路は薄紅に花杏 和代 里は今杏の花に溺れたる 白陶 想ひ出のとしあつ談義飛花落花 亜栄子 竹秋の風を聞かむと句碑に佇ち 三無 白寿なる母満開の花と散る 多美女 句碑古りて若さ溢るる花楓 文英 雨上り杏の花の山家かな 幸風 ふんはりと包みたる香の花通草 秋尚 白き卓都忘れの彩映えて 恭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月13日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
対岸に人の流れてゆく花見 あけみ 軽貨物春の泥付け走る町 紀子 犬ふぐり自転車の子は風のやう 裕子 烏ども引き連れてゐる田打ちかな 紀子 障子開け全て我が世の花見なり みえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月13日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
余生をば貪る朝寝でありにけり かづを 一穢なき姿のままの落椿 同 落ちてなほ華やぎ続けゐる椿 同 春風に仰ぎて凜と左内像 同 ���木打つ仕草秘かに春そこに 和子 朝寝して咎める人も無き自在 泰俊 春愁や錆びし火の見の鉄梯子 同 蛇穴を出づと云ふ世の一大事 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
咲き満ちし花に静けきある古刹 かづを 芽柳に縁なる風棲み初めし 同 沈丁の闇をつないでゆく香り 同 九頭竜に吐息とも見る春の雲 同 此の花に幾春秋を共にせし 雪 花を見に一人で行ける所まで 同 春休み児ら自転車で飛び廻る 富子 鴬のしきりに啼く日啼かざる日 英美子 川幅を歪めて流る花筏 真喜栄 夜ざくらやいつも打つ寡婦暮し 世詩明 筍や十二単の皮を剥ぐ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月17日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
哀愁の容姿あらはに紫木蓮 数幸 徐に白を極めて花水木 千加江 流されて留まり忘る花筏 同 春場所やふるさと力士負け多し 令子 唐門の昔を語る桜かな 啓子 紫の夜空の中に桜散る 同 二人で見いつしか一人花の道 希子 仮の世にしては見事な花吹雪 泰俊 無住寺は無住寺のまま桜咲く 同 愛子忌やせめて初蝶見たること 雪 落椿踏まるるをもて瞑すべし 同 和尚来たかと散る花に酌まるるや 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月19日 さきたま花鳥句会
たまゆらの時を浮遊し石鹸玉 月惑 春愁や己を鼓舞し逝く句友 八草 花篝名残りの片のうらおもて 裕章 脱ぎ捨てし靴下にある花疲 紀花 掛茶屋へたどりつきたる花疲 孝江 花吹雪渋沢像の頭に肩に ふゆ子 腰痛の愚痴ふき飛ばす芝桜 としゑ 楤の芽の口にひろごる大地の香 康子 春炬燵夫の座椅子のたばこ臭 恵美子 藤棚の真中を風の通り抜け みのり 待ちかねた早朝よりの花見客 彩香 十字架の隣に読経山笑ふ 良江
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令和6年4月21日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
メタセコイアむんずと掴む春の雲 三無 今日も来て舞ひを見せたる春の蝶 ます江 佐保姫を見送る空の雲白く 軽象 蒲公英の真白き絮は飛ばず揺れ ます江 一山をより高くみせ桐の花 斉 僧一人花韮咲かす露地に消ゆ 久子 牡丹の重たく崩れかけてをり 秋尚 桜蘂降つて大地に横たはる 斉 春草の足裏くすぐる田圃道 経彦 観音の御手のやさしく著莪の花 芙佐子 ゆつくりと翅を広げて蝶生まる 斉
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和6年4月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
昨夜爪を切りたる指に草を引く 雪 十一面千手千眼像朧 同 瞑すべし柏翠踏みし落椿 同 この椿もんどり打つて落ちたるか 同 初蝶や昨日は森田愛子の忌 同 不器用を誰憚からず針供養 同 春愁や文箱に封じたる手紙 同 春愁や此の髪に手を置きし人 同 昭和人昔語らず花の下 昭子 本気度を探るお見合亀鳴けり 同 久々に手に取る修司五月来る 同 しなやかにそしてしたたか単帯 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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せかいにひとり
10年くらい前にはじめてちゃんと書いた小説です。
高校生のころ、すごく好きだった女の子をモデルにしています。
四本の指が人さし指をぎゅっと握りしめる。手をうごかしてもけして離さない。こんなに、こんなにちいさいのに、ぜんぶの指先に爪がきちんとついていて、神経がかよっていて、なまあたたかい。すこし、こわい。赤子の母をまえにしていても、かわいいね、などと言う気にはなれなかった。このぐんにゃりとしたかたまりは、ふたりの男女が出会って恋をしてからだをかさねること抜きにはこの世に存在しえない生きものだ。まるでつくりものみたいなのに毎秒きちんと呼吸をしている。二つの目をきょろきょろさせてわたしを見つめている。母親にそっくりな奥二重と、たまご型の顔。ほんのすこし力を込めれば潰れてしまいそうだ。愛され、守られる。おまえはいいね。そうつぶやくやいなや、とつぜん赤ん坊が泣き叫んだ。
絵美がダイニングテーブルを離れてこちらに小走りでちかより、二枚がさねの座布団の上に寝かせてあったわが子を軽い動作で抱き上げた。母にあやされると息子は泣き止んだ。この部屋にはきちんとベビーベッドも置いてあるのに近所の衣料品店で安売りされていた大判の座布団を愛用しているのは、ひとえに「たいちゃん」のこだわりによるらしい。太一、というのが生後間もない彼の正式な名前だが、ふだんはたいちゃん、と呼ばれているのだそうだ。タイちゃん。わたしがぎこちなくそう口にすると、絵美はひとりごとのように言った。
そういえば、タイコさんっているじゃん。ノリスケさんの奥さんの。イクラちゃんのおかあさんね。あたしずっと、明太子のタイコかと思ってたんだけどさ、あれってエビで鯛を釣るほうの鯛だったんたね。ダンナに言われてはじめて気付いた。
よどみない流れのなかで、ダンナ、ということばが妙にひっかかる。ダンナ。ダンナ。あんたには似合わない―。すこし憧れていた上司が奥さんのことをうちのヨメ、と呼んだときにもがっかりした。絵美は、たいちゃんをかかえたままソファに腰掛けた。モスグリーンの格子柄が描かれたリネン地のカバーに、皺が寄る。ちょっとしつれい、とわたしに断りをいれてからセーターの裾を捲る。席外そうか?と一応言ったら、いいよいまさら、お風呂とか一緒に入ったことあるじゃん、と気安い返事が返ってくる。飾り気のない下着を引き下ろすと乳房があらわになった。授乳中なだけあっておおきくはりつめている。
「すごいでしょ。妊娠中からね、どんどん大きくなってきて。痛いくらいだよ」
絵美は、右がわの乳房をゆさゆさと揺らしてみせる。さわってみたいな、とわたしが思うと、さわってみる、と絵美がきく。いちど立ち上がって、絵美の足元にひざまずく。手を伸ばしてふるえる指先でそっとふれる。むかしからとろけそうに白い肌は、わずかにしめっている。ふくらみを撫ぜたあとほんのすこし力をこめて揉むようにすると、先端から、じわり、と液体がにじみ出す。たいちゃんがまたぐずりだす。はいはーい、交代ね。わたしもソファに座って懸命におっぱいに吸い付く彼をながめる。すごい勢いだ。むしゃぶりつく、というかんじだ。へんな気分になったりしないの、とたずねると絵美は呆れたような顔をする。
「わが子に吸われるたびにどうにかなってたら世話ないでしょ、ばかじゃないの。」
ばかじゃないの。絵美の口癖。やさしい、するどい、いろんなばかじゃないの、があるのだ。馬鹿ついでに、もうひとつきいた。誠司さんにさわられても、なんにもないの。絵美を見ると、言葉もないようだった。
「大谷ってほんっとにそんなことしか言わないんだね。」
質問の答えははぐらかされてしまった。まあいい。知りたくもない。会ったことのない男とのことなど。
絵美の結婚式の日にわたしは熱を出した、ことになっている。高校時代の仲間うちでは、大谷はよりにもよってたいせつな友人の晴れの日を頭痛と吐き気に悩まされながらベッドの上ですごした間のわるい女だ、という不名誉な噂が広まってしまっている。六月十五日、わたしはたしかに日がな一日ベッドの上にいたけれど、高熱と戦っていたわけではない。できない、と思ったからだ。花嫁をさらって逃げることも、くたばっちまえアーメン、とせいいっぱいのうらみごとを言うことも。最高のかたちで彼女を祝福するためにはには涙に濡れそぼって布団にくるまっているのがいちばんよかった。花婿の顔なんか見たくなかった。五年経ったいまでも、わたしはほんとうに賢い選択をしたと思う。「誠司さん」など永遠に知らなくていいのだ。年賀状の写真のなかで絵美と笑っている男というだけでいいのだ。それ以上を知ったとしてなんの慰めにもならぬ。たとえば彼がものすごくいいひとだったとしたら自己嫌悪におちいるに決まっている。妄想��なかでなんど彼を殺したかわからない。
やわらかいドレープをつくるレースのカーテン越しに陽をさんさんと浴びながら、たいちゃんはすやすやと眠っている。寝息にあわせてうぶ毛がきらきらゆれる。子どもは動物だ。腹がくちくなるとこんどは睡眠欲をみたす。絵美は西日の入るキッチンでバナナケーキを切りわけている。白を基調に、やさしい色合いでまとめられた調度類。あと三年もすれば、うすグレーの小花がちりばめれた壁紙にはクレヨンのカラフルな線が縦横無尽にはしる。木目調のサイドボードの上に並べられた二人の写真は家族の旅行写真になる。真っ白でふわふわのラグはオレンジジュースで汚される。絵美はこの家で愛する家族に見守られながらどんどん年をとる。どんどん、年をとる。十年まえと比べればすこしみずみずしさを失ったうなじを人差し指でつ、となぞる。絵美はへんな声を出して、後ろに立たないで、お客さまなんだから座っててよ、と怒る。紺地のスカートから健康的な二本のあしをのぞかせていたころの絵美は真っ黒でかたい髪を耳の高さでみじかく切り揃えていた。無頓着というわけではなくて、くせの強い髪は伸ばすとうねりを増すからだった。うつむくと前髪がまぶたのあたりにきれいな影をつくった。高校を卒業して、縮毛矯正をかけて、色を明るくして、パーマをあてて、ひととおり髪を傷つけたあと、いまは肩にかからないくらいの地毛をうしろでひとつにしばっている。動くたびに、ゆれる。ゆれる。わたしをさそう。
「はい、大谷のぶん」
絵美が振り返ってわたしにお皿を渡す。ティーカップとおそろいの、金色の細い縁どりがしてあるお皿には分厚くカットされたバナナケーキ。ゆるく泡立てた生クリームがたっぷり添えられている。テーブルをはさんで向かい合う。どっしりとした生地にはくるみがごろごろ入っていて、なかなかに食べごたえがある。おいしいね、お店出せるよ。そう褒めると絵美は得意げな顔をした。
「それね、すっごい簡単なの、ホットケーキミックスだからね、粉ふるわなくていいの」
すっかり一人前の主婦だ。毎朝スーパーのチラシを見て献立を考えたり、一円でも安い豚バラ肉を求めてはしごしたりするんだろう。あのころみたいに、帰り道にあった輸入食料品店で高くて甘いチョコレートとか食べると指がべたべたになるプレッツェルとかを買ったりはしないんだろう。生活の知恵がつまったケーキを小さく切りながら口に運ぶ。絵美の口がひらかれる。
大谷は、付き合ってるひととか、いないの。
一週間前のことだ。��ずらしく早く帰ってきた眞はそわそわしていた。いつもなら脱ぎっぱなしで放ってあるスーツのジャケットの皺をのばしてハンガーにかけて、埃まで取りのぞいていた。部屋着になってからもクマみたいに居間をうろうろしていた。そんなにお腹すいてるの、とわたしが笑うと彼はむずかしい顔をしながらキッチンのほうへやってきた。話があるんだ。なに。眞は、おおげさに深呼吸してから、結婚しよう、と言った。結婚しよう。結婚しよう。おれに永遠をちかってくれ、つまりそういうことだろう。眞だけを、一生。眞だけと、一生。出汁がふきこぼれた。絵美に会いたいと思った。
わたしが答えないでいると絵美は目を伏せて、言いたくないなら、いいよ、とつぶやいて紅茶をすすった。
ここに来る電車のなかで、楡山くんのことを思い出した。車窓からみえる景色が高校のころの帰り道とそっくりだった。武蔵野線は中途半端な田舎をはしっている。みんなが降りる比較的大きな駅のまわりには四階建てくらいのビルがひしめいていたりもするが、県の南にゆくにつれ住宅地と緑が多くなる。つぎの駅につくまでのあいだが長いので話の弾まない相手と帰るのはものすごく気が滅入った。楡山くんは村上春樹がすきだった。わたしも彼のファンだったこともありはじめのうちは楽しく文学談義をしていた。でも、彼が部誌に書いた小説を読ませてもらったら、春樹そっくりの文体で登場人物のなまえだけ変えたような代物だったので、すこし嫌いになってしまった。春樹のことも楡山くんのことも。わたしたちは文学部だった。いけすかない相手でも、おなじ部活の仲間で最寄り駅もとなりだったので火曜日と金曜日はふたりで電車にのらなければならなかった。どうしても話をみつけられないとき、わたしはだいたい窓の向こうの団地の数をかぞえていた。あのあたりは集合住宅が多いのだ。冬のある日、わたしたちはいつものようにいちばん後ろの車両のドアによりかかって並んでいた。楡山くんがぼそりと、おれ新田さんがすきなんだ、と言った。耳をうたがった。絵美を可愛いと思うのはわたしだけでよかったはずだ。彼は頼んでもいないのにべらべら喋った。このあいだ���然図書館で会ったとか、さいきんはよくメールをするんだ、とか、わたしにとってみればさして特別でもないようなことをべらべらべらべら喋った。楡山くんの声はがさがさしているのに高くてひどく不気味な感じがした。うわん、うわん、と頭の中で反響した。まるで協力してくれないかと言わんばかりにこっちをちらちら気にしながら、骨ばった浅黒い手で鼻を拭っていた。猛烈に腹が立った。そうなんだ、とだけ相槌をうった。それからはずっと窓の外をみていた。ほんとうは脇目もふらず思いきり怒鳴りつけたかった。あんたなんか釣り合わない、と斬りすててなにかとんでもなくひどい文句を浴びせたかった。はらわたが煮えくり返ってローファーの足元がふらついた。つぎの日、わたしはいつもより一時間だけはやく起きてサラリーマンで混むまえの電車にのって学校に向かった。とちゅう、コンビニで買い物をした。準備は万端だ。吐く息は白く太ももに刺さるつめたい朝の空気がここちよい。女子バレー部がかけ声とともに校舎のまわりを走っていた。イーチ、ニーイ、イチニ、ソーレ。クラスメイトの斉藤さんがちらとこっちを見たので微笑みかけておいた。正面玄関にはまだ鍵がかかったままで、そのかわりにテニスコートのそばの非常用出入口が開け放たれてた。ローファーを手に持ってひんやりと硬い廊下をふみしめた。とちゅう学年主任の先生とすれちがった。これは試練だと思った。上履きにはきかえて、五組の下駄箱をめざした。楡山くんの上履きに用があったからだ。どきどきしながら彼の靴箱を開けて、ちょっとしたプレゼントをしてあげた。一週間おなじことをつづけた。楡山くんは学校に来なくなった。
どこかで夕焼け小焼けが鳴っている。子どもたちに帰宅を促す合図だ。夕飯は食べてゆくのかたずねられたので、ありがとう、でもいらない、家で恋人が待ってるから、とこたえた。絵美は奥二重の目をおおきくみひらいた。
「え、いるんじゃんやっぱり。なんでさっき言わなかったの」
辛い恋でもしてるのかと思った、と彼女は笑った。辛い恋とはどんなだろうか。道徳や法によって禁じられた、それとも、思いあまって誰かを傷つけてしまうような、あるいは、こころのはげしいところを全部持っていかれてしまっているのに結ばれることはおろか伝えることすらままならない恋、だろうか。いずれにせよ、わたしには縁のないものであるにちがいない。そうでなくてはならない。
そろそろおいとましようかな。席を立とうとすると絵美はキッチンにいそぎ小さな紙袋を手にして戻ってきた。うす茶色のざらざらした紙袋。よく見ると、英字のプリントが施されている。
「さっき出したのといっしょだけど、彼氏と食べてよ」
甘党の眞はきっとよろこぶだろう。お礼を言って受け取り、椅子の背に掛けてあったニットのカーディガンを羽織る。ちょうど太一も目覚めた。絵美はわが子を抱え、上がり框に腰を下ろすわたしに靴べらを渡してくれた。駅まで送る、というありがたい申し出は丁重にお断りした。この寒いのに外に出て赤ん坊に風邪をひかせてはかわいそうだし、きっと道にも迷わない。
さいごに、たいちゃん、抱っこさせて。
バナナケーキの入った紙袋を絵美に持ってもらい、ぴったりと密着するようにたいちゃんを抱きしめた。ずっしりとしめっている。やわらかい。ふくふくとしあわせそうな輪郭に鼻を寄せ���と、ミルクのにおいがした。絵美のお乳のなごり。絵美の子ども。絵美がお腹を痛めてうんでいのちを分けあたえて育てている子どものぬくみを、いまわたしは感じているのだ。彼女がほほえんでいる。毎朝、この場所で靴を履いて、一段うえで穏やかに笑う妻と子にやさしく見送られる幸運な男がいる。妻は、そのうち息子のことも見送るようになる。もしかしたら、娘や、もうひとりの息子も。わたしはあなたたちが心底うらやましい。あなたたちがひとを殺めても、絵美はかならずいちばんに愛してくれる。何をしても、しなくても、あつい胸で甘えさせてくれるでしょう。ふえ。たいちゃんが泣きそうな顔をした。わたしは彼のおでこにくちづけて正しい持ち主のもとに返した。
わたしはひとりで門を出て、二十歩くらい歩いたところで振り返って絵美の家のベランダを仰ぎ見た。うっすら暗くなった空に洗濯物がはためく。朱い日はじきに沈みきる。こうして日々をやりすごすうちに人生は終わる。きっと天国がまっている。あんたが先か、わたしが先か。その日がくるまで、せめて同じように年をとろう。やさしいひとに身をゆだねて、しあわせにこの世を終わらせよう。それでいい。それがいい。数メートルさきにバスが停まった。わたしは急ぎ足でまた歩き出した。はやく帰って、眞にうんと言おう。
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2025/5/13 21:00:08現在のニュース
30年前に発見された翼竜化石、国内初の新種だった 熊本大など発表(朝日新聞, 2025/5/13 20:55:01) (見過ごされた児童虐待)子どもの命、親のものではない 苦しんだ母、育児で孤立せずに済んでいれば:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:54:15) <正論>日米安全保障条約が生き残る道 東京国際大学特命教授・村井友秀([B!]産経新聞, 2025/5/13 20:51:18) NYの「玄関口」でトラブル多発、航空機の遅延や欠航 安全に不安も:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:48:19) 路線バス運転士、実はサッカー選手 第2の人生見すえ「ありがたい」:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:48:19) 立花孝志氏「兵庫の問題を訴える」県庁で参院選へ立候補表明会見(朝日新聞, 2025/5/13 20:47:54) 決算:日産、世界で7工場を統廃合 従業員2万人削減 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/5/13 20:45:49) 「自分より弱い人狙った」殺人容疑の中3少年が供述 千葉市の84歳女性殺害で([B!]産経新聞, 2025/5/13 20:45:37) コンクラーベ内幕判明、新教皇は105票 最有力だったバチカン首相は「中国寄りすぎる」([B!]産経新聞, 2025/5/13 20:45:37) リニア新幹線のトンネル2工区貫通 長野・伊那山地 隣接工区、初めてつながる JR東海([B!]産経新聞, 2025/5/13 20:45:37) コンクラーベ最有力も「中国寄りすぎ」まさかの落選 異例の内幕判明で注目パロリン枢機卿([B!]産経新聞, 2025/5/13 20:45:37) 女子中学生が100人以上の架空人物に成り済まし同級生をいじめ 熊本 「精神的に支配」([B!]産経新聞, 2025/5/13 20:45:37) 歌麿や写楽を見いだした蔦屋重三郎の足跡 新旧の「吉原細見」も展示:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:42:28) 山林火災でアワビ250万個全滅 津波復興の水産会社、再起へ奔走:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:42:28) 北��の浮世絵に浮かび上がる板元の個性 初代と二代、蔦重との関わり:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:42:28) 関西万博で再現された朝鮮通信使「未来社会ともにリードする起点に」:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:42:28) 進むリニア工事、トンネル内ひんやり涼しく 長野県内で貫通部を公開(朝日新聞, 2025/5/13 20:40:48) 八回途中無失点でTDKが4強 バイタルネットも JABA東北大会(毎日新聞, 2025/5/13 20:40:35) 年内の日銀利上げ確率予想が約8割に 米中関税下げで急上昇 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/5/13 20:39:38) 学術会議法案巡り応酬、維新・三木氏「政治的中立性確保を」共産・塩川氏「わが党へ暴言」([B!]産経新聞, 2025/5/13 20:39:25) 男女4人の自殺を手助けし起訴の男性 未成年者誘拐疑いで逮捕 山形(毎日新聞, 2025/5/13 20:37:11) 逮捕の中3「少年院に入れば家を出られる」 千葉女性殺害(毎日新聞, 2025/5/13 20:37:11) 八回途中無失点でTDKが4強 バイタルネットも JABA東北大会(毎日新聞, 2025/5/13 20:37:11) 日産、V字回復への道のり描けず 「痛みを伴う改革」を襲う高い障壁(毎日新聞, 2025/5/13 20:37:11) 本因坊戦第1局、14日開幕 一力本因坊が3連覇目指す(毎日新聞, 2025/5/13 20:37:11) 朝鮮通信使の復元船、261年ぶり大阪で内部公開「歴史にときめき」:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:36:15) 八尾コンクリ詰め女児遺体、遺棄容疑の祖父を不起訴処分 大阪地検:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:36:15) 「相撲にぴりつきが…」 あの日静かに怒った王鵬、雪辱の金星つかむ(朝日新聞, 2025/5/13 20:33:21) 日本出身選手の出場増へ ラグビー・リーグワン、選手登録規定を変更(朝日新聞, 2025/5/13 20:33:21) ローム12年ぶり純損益赤字 過去2番目の500億円、半導体不振:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:30:35) 山中に漂う空気嗅ぎ不明女性を発見 お手柄の警察犬イーロ号にご褒美:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:30:35) ガザで47万人が飢饉に陥る恐れ 全住民に食料不安 ユニセフ発表:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:30:35) 群馬・藤岡市副市長と商工会議所会頭を逮捕 官製談合などの疑い:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/5/13 20:30:35) テレビ朝日新社長に西新常務 篠塚浩社長は副会長に(毎日新聞, 2025/5/13 20:30:10)
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12月12日(木)open 12-18
盛りだ��さん木曜日でした! とっくに閉店しております。 今日も淳さんのオーナメントに会いにたくさんの方にお出かけいただきました🌲🐎✨ 今回、DMが無いので、ここでのお知らせと、お出かけの皆さまの風の便りを頼りに...29日まで、どうぞ皆さまお誘い合わせの上、お出かけください。
今年4月に本・中川で、絵本『おやすみまくら』の原画展をしてくれた牧野千穂さん。 その美しく濃密で奥深い原画に、毎日ため息が溢れました... 会期に合わせて、モノクロ+1色シリーズの描き下ろし作品5点も連れてきてくださったのですが、本日発売の素晴らしい画集『some and every』にも、収録されています! あの時間の感動が再び… 限られた色で、なんとユニークで豊かな世界を見せてくれるのでしょうか。 画集の佇まいがまた素晴らしいのです。 原画展にお出かけくださった皆さまも、そうでない皆さまも是非!お手にとってみてくださいね。 今回表紙画も描き下ろし作品ということで、わ〜素敵だねぇ〜と画面越しに眺めていたら、まさかのわが家の飼い猫テテも描いていただいていたのです…届いてびっくり! 癖が強めのテテ坊が、カッコ良い後ろ姿で参加させていただいて光栄です。 あの子もあの子も、モデルさんになっているのですよ。 (詳しくはnowakiさんの投稿で🐈⬛) この原画は、現在牧野さんの個展「うつくしい せかい」を開催されている、北青山のギャラリーハウスマヤさんに展示されているそうなのでお近くの皆さま是非! 21日土曜日までです。
今日は他にも待ってました!!の新入荷がありましたので、また明日改めてお知らせいたします!
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24.11.1
父が他界しました。72歳でした。
今まで父や母をサポートしてくれた皆さま本当にありがとうございました。
父は倒れてから12年、リハビリを根気良くよく頑張ってくれました。
父は天然で悪口を決して言わない優しい人でした。
お金や女性関係に関してだらしない一面もありましたが、それさえもカバーできるような魅力がある人だったと思います。
親戚の皆さんが言うようにやんちゃで優しい人でした。
少しだけ父との思い出話を語らせてください。
幼少期、私の家は貧乏でお腹空いたというと父がよくおやつの代わりにきゅうりを塩もみして食べさせてくれました。
そんな環境だったからか父はプランターで��菜を育て始めました。
父は三ヶ日の農家高校出身だったので野菜を育てることが上手でした。
子どもの頃、雨の日にみたプチトマトがとても綺麗で美味しそうに見えて父の育てたプチトマトをすべて食べてしまったことがありました。
父は泥棒がでたと大騒ぎして、私は素直に自分が食べたと謝罪しました。
父は美味しかったか?と聞いてきて、とても美味しかったと伝えると嬉しそうにしてました。
そのあと、お野菜のプランターはもっと増えてました。
母が会社経営を始め、実家は以前より豊かになりました。
ボットン便所が洋式トイレに変わりました。
母は家族のためにずっと忙しかったので、父が台所に立つ時間がよくありました。
父はよくおでんを作ってくれました。
私がこんにゃくと大根が好きだから鍋がこんにゃくと大根だらけで見えなくなってることがよくありました。
父の晩酌中、私は父に話しかけるのが好きでした。イカそうめんをよく食べていて、ちょっとちょうだいと言うとよく食べさせてくれました。酔っ払うと父は饒舌になり、たくさんの思い出話を聞かせてくれました。
行きつけの酒屋さんにも連れて行ってくれて私が好きなハッカや蜜柑の飴をいつも買ってくれました。
私が高校生になった頃、母は経営状況から会社を畳み、父は家計のため林業の会社に勤めました。
父は手先が器用なこともあり重機の資格をたくさん持っていました。
高校生の頃は中トラによく乗せてもらってました。
父の助手席は特等席でした。
私は父の影響でマニュアル免許を取得しました。
高校を卒業した頃、私は美大の浪人生で父の着るつなぎを着て油絵を描いてました。
父はそれが嬉しそうでした。
バイト代はすべて画塾や画材費に消えるので家に入れるお金がなく、せめてもの気持ちで父にお弁当を作って渡してました。
父の出発時間は早朝で直接お弁当は渡すことはできないので、ホワイトボードにお弁当の連絡をしてました。
ある日初めて父がホワイトボードに書き込みをしてくれました。
いつもありがとうと書いてありました。
とても嬉しかったことを覚えています。
それから数日後、父は脳梗塞になり救急車で搬送されました。
発見が遅かったため、父がお医者さんは回復の見込みは厳しいだろうと話してました。
脳と身体どちらも障害があったからです。
父が体を動かせない時に、私が手を握ると父も私の目を見つめ握り返してくれました。
声をかけると瞬きで返事してくれていました。
徐々に手から腕まで動かせるようになりました。
そして少しずつ喋れるようになりました。
記憶療法をしているとき、自分の年齢はすぐ忘れてしまうけど、私の誕生日と年齢忘れたら怒ると言ったらしっかり覚えてくれていました。
お母さんはよく私のことばかり話すと嫉妬してましたが、私の前ではお母さんやお兄ちゃんのことばかり話してました。
父は障害を抱えたあとは、昔と違ってよく話すようになり、甘いものをよく食べるようになりました。
お菓子を食べすぎて、夜ご飯を食べないのでよく母に叱られてました。子どもみたいでした。
年末に私に焼いてとせがんだおもちは6個もあり、喉に詰まるんじゃないかなと冷や冷やしてましたが綺麗に完食してました。
介護しているとき父は甘えん坊になりましたが、当たり前だと思わずいつもありがとうって必ず言ってくれる人でした。
26歳の頃ですが、私が実家を出ていくと決めたとき寂しくて父は泣いてました。
原田家は誰が継ぐんだと言ってました。
家族はとても大事に思うけど、自分の人生や目標に向かって行動したい気持ちがあり名残惜しくも故郷を離れました。
母が父を説得して私は東京に住み始めました。
それからは、私が浜松に帰省すると大きな声で愛理が帰ってきたぞおと嬉しそうに母と犬に伝えます。
私はそれが嬉しかったです。
お父さんはお母さんが頬にキスをすると鼻くそをつけようとします。
私がお父さんに頬にキスをするときは、鼻くそをつけません。
照れくさいのがわかりやすくて本当にお母さんのことがすごく好きなんだなと思います。
お母さんもお父さんが大好きでよくここまで支えてきたなと思い尊敬してます。
ずっとお家にいることができたから安心したと思います。
言葉数は少ないですが、行動や表情から父の愛情をたくさんみてきました。
一緒に晩酌してみたかったなあと思うけど、次の人生では健康を意識してお酒は嗜む程度にしてほしいです。天国に持って行ったお酒はたくさん飲んでもいいので。
父も母も今まで頑張ってきた分、これからの自由を満喫してほしいです。
父とはしばらくのさよならですが、またいつか会えた時に色んな思い出話ができるように人生を豊かに過ごしていこうと思います。
長々と書いてしまいましたが、家族、父に関わってくれたたくさんの方々、生前サポートしていただき本当にありがとうございました。
また私を気遣ってくれた友人たちに対しても大変感謝してます。
みなさんが持っている父との思い出を慈しんで頂けたら幸いです。蜜柑が香る頃に父のことをふと思い出してくれたら嬉しいです。
本当にありがとうございました。



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俳優中尾彬さん急死、81歳 最近まで仕事していた トレードマークは「ねじねじ」妻は池波志乃 - ライブドアニュース
以下引用
俳優中尾彬(なかお・あきら)さんが、心不全のため、亡くなったことが22日、分かった。81歳だった。関係者によると、5月に入っても仕事をこなしていたといい、突然の訃報に驚いているという。16日までに亡くなっており、すでに妻池波志乃(69)ら近親者で葬儀も執��行ったという。
中尾さんは1942年(昭17)8月11日、千葉県に生まれた。61年に武蔵野美術大油絵学科入学後、日活の第5期ニューフェイスに合格するも絵画を捨てきれず、翌年大学を中退してパリへ留学。帰国後、劇団「民芸」に入団し、翌年の映画「月曜日のユカ」でデビューした。映画「本陣殺人事件」主演、テレビ朝日系ドラマ「暴れん坊将軍」でブレークし、近年はバラエティー番組に多数出演していた。 映画では93年に「ゴジラvsメカゴジラ」以降、Gフォース麻生司令官役でゴジラ平成VSシリーズにレギュラー出演し、00年代のシリーズにも3作品出演。北野武監督作品「アウトレイジ ビヨンド」(12年公開)「龍三と七人の子分たち」(15年)にも出演。「龍三と-」では東京スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞。近年では映画「ヒロイン失格」(15年公開)に本人役で登場し、話題となった。 他にも、NHK大河ドラマ「義経」「龍馬伝」関西テレビ系「GTO」TBS系「下町ロケット」「夜明けの刑事」テレビ朝日系「ドクターX~外科医・大門未知子~」など数々の話題作に出演し、人気を博した。 中尾さんはネクタイが嫌いで、妻の池波が「ねじねじ」と称する、スカーフやマフラーをぐるぐるにして巻くスタイルを好み、自他共に認めるトレードマークになった。近年は、おしどり夫婦として夫婦でバラエティー番組に出演。夫婦円満の秘訣(ひけつ)を語っていた。また、83年にはフランスの絵画展「ル・サロン」でグランプリを受賞するなど、芸術活動にも熱心だった。 07年3月には急性肺炎で緊急入院し、「横紋筋融解症」など合併症にもかかり集中治療室で治療を受けたこともあったが、同6月には仕事復帰。その後も通院などは続いていたというが、突然の訃報に、関係者にも驚きと動揺が広がっている。
◆中尾彬(なかお・あきら)1942年(昭17)8月11日生まれ、千葉県出身。61年に武蔵野美術大入学後、日活第5期ニューフェイスに合格。63年パリ留学後、劇団「民芸」に入団し、翌年の映画「月曜日のユカ」でデビュー。映画「本陣殺人事件」主演、テレビ朝日系ドラマ「暴れん坊将軍」など数々の話題作に出演。15年公開の北野武監督映画「龍三と七人の子分たち」で東京スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞。近年はバラエティー番組に多数出演。175センチ、O型。
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俳優中尾彬さん急死、81歳 最近まで仕事していた トレードマークは「ねじねじ」妻は池波志乃
俳優中尾彬さんが心不全のため、亡くなったことが22日、分かった。81歳だった。関係者によると、中尾さんは5月に入っても仕事をこなしており、「突然のことだった」といい、16日までに亡くなったという。
中尾さんは1942年(昭17)8月11日、千葉県に生まれた。61年に武蔵野美術大油絵学科入学後、日活の第5期ニューフェイスに合格するも絵画を捨てきれず、翌年大学を中退してパリへ留学。帰国後、劇団「民芸」に入団し、翌年の映画「月曜日のユカ」でデビューした。映画「本陣殺人事件」主演、テレビ朝日系ドラマ「暴れん坊将軍」でブレークし、近年はバラエティー番組に多数出演していた。
映画では93年に「ゴジラvsメカゴジラ」以降、Gフォース麻生司令官役でゴジラ平成VSシリーズにレギュラー出演し、00年代のシリーズにも3作品出演。北野武監督作品「アウトレイジ ビヨンド」(12年公開)「龍三と七人の子分たち」(15年)にも出演し、「龍三と-」では東京スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞。近年では映画「ヒロイン失格」(15年公開)に本人役で登場し、話題となった。
他に、NHK大河ドラマ「義経」「龍馬伝」関西テレビ系「GTO」TBS系「下町ロケット」「夜明けの刑事」テレビ朝日系「ドクターX~外科医・大門未知子~」など数々の話題作に出演し、人気を博した。
中尾さんはネクタイが嫌いで、妻の池波志乃が「ねじねじ」と称する、スカーフやマフラーをぐるぐるにして巻くスタイルを好み、自他共に認めるトレードマークになった。近年は、おしどり夫婦として夫婦でバラエティー番組に出演。夫婦円満の秘訣(ひけつ)を語っていた。また、83年にはフランスの絵画展「ル・サロン」でグランプリを受賞するなど、芸術活動にも熱心だった。
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大吉原展 会 場:東京藝術大学大学美術館(台東区・上野公園) 会 期:2024年3月26日(火)~5月19日(日) 前期:3月26日(火)~4月21日(日)、後期:4月23日(火)~5月19日(日) 開館時間:午前10時~午後5時(入館は閉館の30分前まで) 休館日:月曜日(ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館)、5月7日(火)
公式サイトより: 遊廓は人権侵害・女性虐待にほかならず、現在では許されない、二度とこの世に出現してはならない制度です。本展に吉原の制度を容認する意図はありません。広報の表現で配慮が足りず、さまざまな意見を頂きました。主催者として、それを重く受け止め、広報の在り方を見直しました。 展覧会は予定通り、美術作品を通じて、江戸時代の吉原を再考する機会として開催します。
当初はもっとポップに宣伝していたのだろうか。 会期前にちょっとした批判が起きていたのは知っていた。 豪華絢爛花魁文化は本当だが、彼女たちが生き残るために必死で磨いた武器は、令和の世で称えてあげてもいいと思う。批判を鵜呑みにして行くのやめた、ではちょっともったいないかなと思うのだ。 とはいえ、本当は私も批判に関係なく行く予定はなかった。 花魁、花街、芸者、赤線。この辺りの事情は、個人的に現地・跡地を見に行ったり(近代建築探訪兼ねる)、現役の芸舞妓さん方と会話したり芸を拝見したり、書籍を読むなど、まあまあ知識はある方だと思う。 ということで、これは知らなかった!という新たな発見は個人的には無かったのだが、2時間は軽くかかるとSNSでの評判に違わない力の入れよう、たまたま時間が空き会場の混雑が途切れた時だったため、すんなり入場・鑑賞ということが非常によかった。単眼鏡が役立った。 似たような顔の浮世絵が多いが、今回は写真で顔を見ることができる展示もあり、よりリアルさを感じる。あらゆる事実の上に成り立っていると、実感してほしい。 ただ、女性たちは皆従順だったわけではない。不当労働や借金踏み倒しには訴えもした。足抜けしようとした女性への処罰や、老いて働けなくなった遊女たちの末路については、後半の最後で展示があったが、後味が少々悪くても、もう少しリアルかつシビアに事例を出してよかったんじゃないかなと思う。 そして昔は知性をもって敬われていた花魁が、いつしか蔑まれる風潮になってしまった時代の流れの説明も、さらっとしていたなあという印象。人によっては通りすぎてしまうのではないだろうか。 さて、花魁が身につける芸事のひとつにいけばながあった。浮世絵を観て驚いたのだが、その説明とともに展示されていた絵に描かれていたのは、ハランの一種生けだ。それは令和に生きる私たちも生けている。ハランの一種生けは、池坊的には「ハランに始まりハランに終わる」と言われている。大事な伝花のひとつだ。彼女たちも一心に生けていたのだろうか。




2024/05/03 鑑賞
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ふとしたところで冬の桜を発見。はっと心を奪われた瞬間。
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Step Forward
先々週までリアル生活の状況によってすっかり荒れていたのだが、何とか前に進める���況になってきた。次の人のためのバトン渡し作業が着々と進み、自分のメンタルも安定してきた。そんな自分の近況と、これからの予定と、課題だなと思ったことをまとめる。
1.魅力を見ていなかった街に行きまくる
ここ最近の週末の日課は、朝早めに出かけて、電車に乗って他の街に行く→次の職場がビジネスカジュアルっぽいので、新しく着こなす服を夕方に家族と一緒に確認して買う流れ。昔はアプリゲームであったり、グッズであったり、漫画など(付属メディアミックス作品含む)にかなりお金を使っていたものが、今は旅に置き換わった感じである。(…とはいえ、ポケモンは(家族への贈り物含む)一部ぬいぐるみを依然としてゲットしたり、刀剣乱舞で好きな刀剣男士と間接的にでも繋がる作品を見た(※今年は名探偵コナンの映画を観た)りしたので、完全に全て置き換えられたとは言えないか…)
↓最近仲間になったモクローとニャスパー。ポケピースのゆるふわ感、まさにPeaceful…↓


名古屋市在住なので、主に乗るのが名鉄と近鉄。と、言いつつも、何やかんやで近鉄に乗って三重に旅することでホクホクすることがまだ多い。
現在も続いている伊勢型紙の技術や伝統、その精緻な技術や伊勢型紙を取り入れた衣類や生活用品の美しさと実感する一方で、西洋の人も含めて大の賑わいぶりであるF1イベントの熱気が感じられる鈴鹿の街に驚いたり。


四日市で昔の人々によって今まで残された桜並木に癒されつつ、四日市港を目指そうとしたら想像以上に遠いし暗くなると危険(?)かもしれない道があったので、適度なポイントまで行って引き返すことがあったり。


近鉄の鉄道まつりでは、鉄道を動かし、整備するための深い技術の一環に触れることができたり、様々な電車の車両が並んだ風景にロマンを感じたり、沿線自治体のPRが面白くて盛り上がったり。


ちょっとふざけたかもしれない発想から思ったことだが、勉強はその気になれば&コンテンツを選べば、場所と時間に関わらずいざとなればどこでもできる。が、旅行はお金と時間の問題で、実はその時その時実現できることに制約があるのだと思う。健康な間に風来坊生活をしつつ、自分のリアルで達成したいこと・リアルの夢のために身につけることとのバランスを取る。当面はこのようなスタンスで過ごして行こうかなと思っている。
2.ほどほどのゲーム生活、QoLは高い
ポケモンGo。3月末のシャドウミュウツーレイド復刻のおかげでカントー図鑑が完成し、今は色違いミュウに会うためのミッションをコツコツ達成しているところである。残ったミッションは①毎日連続してポケモンを捕まえること(残り10日以下)、②こおり/はがね/ゴーストポケモンの捕獲(30匹捕獲がそれぞれゴールで、まだ何匹か残っている状態)。ゴーストポケモンはたま〜にフワンテとかが度々出てきてくれるので、その取りこぼしがないようにすることがポイントかと思った。こおり・はがねポケモンをどうしようかと思ったところ、そういえば持ち腐れしている「アイスルアー」「マグネットルアー」がそれぞれのタイプを引き寄せるにあたって一定の効果があることを確認。おさんぽおこうやルート消化でも色々なポケモンが出てきた記憶がある。ぼちぼち進めつつ、色々試してみたいなと思う。
マーシャドーが好きなので今年グローバルチケット買うのアリだなと思ってはいる。一方で、有償チケットで追加されたミッションに時間制限があると、他のプライベートとの兼ね合いで達成できなくなったら非常に残念なことになってしまうなと思って様子見中である。
どうでもいいが、色違いミュウに向けたミッション達成の中で運気が上がってきたのか、最近特にイベントでブーストされてもいないのに色っ子に会うことが少し増えた。
(↓キャプチャし忘れたが、★ドーミラーももう一匹捕まえた…。考古学が私を呼んでいるのだろうか…↓)


3.これからの予定とか課題とか
①引越し先選び
→やはり都会は家賃も高いし過酷である(覚悟の上だが)。候補として考えていた物件のうち一つは色々あってまだ不動産会社を押さえず様子見してたところ、他の人にもう取られてしまった…。転職先は東京のど真ん中、中心部にあるような会社なので、アクセス手段の選択肢は多いが…。引越し先も転職する会社と同じように、優先順位の軸をしっかり定めた上で、妥協できる部分を明確にすべきだなと思った。
とりあえずこの4月下旬でいくつかの物件の内見に行くのだが、成果がイマイチだった場合は5月も関東に行く必要があるかもしれない。
②これからの予定
4/25〜27 :東京。ほぼ新居絡みとリアル的な予定。運良く時間余ったら27日に土方歳三資料館に赴きたいとは思っているが、さて…。
4/28〜29:北陸。��宝の大典太光世を観賞するため金沢に行くが、残りは富山県のいくつかの街を見て回る。
5/2〜5/6:帰国。病院とか諸々スケジュール消化。今回は向こうで空き時間ができたら、絵を描きたい。描きたいと思いながら実はずっと後回しっぱなしのような。
5/24〜5/26:東京行ったら逆に西日本来なくなるのでは…と思って、大阪で開催される刀剣乱舞関連のイベントに申し込んだら当たった。なので行ってくる。
6月中旬くらいに東京の新居へ引越し。
6/20〜6/29:イギリス(旅行日程取れたぞ…!感)
引っ越し業者手配などは何とかなりそうなので、後は本当に新居選びだけ…!といった状態である。それから勉強もそうだが(反省)、Wordpressとか真面目なブログも放置しっぱなしということはずっと頭にのしかかっている。(旅行記だけでなく、ちょうど足元で読み終えた中野信子さんの「感情に振り回されないレッスン」といった書籍が非常に心に残った。このような読書感想文もきちんと残したい)イギリスの旅行日程はこの週末でほぼほとんど詰めまくったので、自分が思う他の課題も消化していこう。
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相変わらず「恐怖」のデパート
多種多様な「恐怖」を見せつけられ、久々に身震いしました。
とはいえ本心ではホラーが苦手な山岸凉子先生、オチには何らかの救いがあります。
「時計草」は…まぁ、現代の価値観から言えば批判はあるだろうなと思いますが、先生はそれも計算内でお書きになってると思います。
人は、言われてムッとする事ほど、心に残るものです。
世の中結婚しないのも子供産まないのも個人の自由というけど、人間の心まで変わってはいない。
何世紀遡ろうと、時代がいくつ変わろうとも、生き物としては精神性まで進化したわけではない。
愛は欲しいし、独りはさみしい。変わらないのです。
個人の自由だ、と言いながら相手がいないだけだったりお断りされてるだけの人もいる。
先生はお説教というより、単に事実を言っただけだと思います。
その道の先にはコレが待ってるよ、と。
「生を生きない者は、死をも死ねない」…山岸先生の別の作品のセリフですが、
その事実を受け止める覚悟がないなら、今生きているこの時に、あがいてあがいて、生を生ききって欲しい。そういう願いが込められた作品だと思いました。
死ぬ間際になって、「もっとこうしとけば良かった、あれもしたかった、これもしたかった」と死ぬほど後悔するかもしれない…なんて、どんな恐怖にも勝る恐怖でしょう。
これから晩年を迎える山岸先生、もしかしたらそれを一番感じているかもしれませんね。
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山岸先生の新作が出るだけで嬉しい
どれも面白かったけど「時計草」は自分が一番ハマってた頃の山岸先生の作風が 戻ってきた感じで感無量でした。 あの世とは生前の自分の行いそのものが形作る世界。 もしそうなら自分もさほど素晴らしい所には行けなさそうだけどそれでもいい。 少年法だの時効だので犯した罪に相当する償いをしないまま死んだ人が 心の底から反省するしかない世界であってほしい。
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久々の山岸涼子ワールド
...笑 読み返してみても、この霊能者さんのシーンでワクワクしてしまう 笑笑 『時計草』は、過去の作品『化野の…』を彷彿とさせます。ここでも山岸ワールド炸裂。公園の近くに何故か無かったはずの地下鉄の入り口があり、そこで繰り広げられるカオスな世界。何故地下鉄?何故ここでカオスな世界が?『化野の…』に出てきたストーブもそうでしたが、どんな意図や根拠があってこのような展開にしてるのだろう?と誰かに教えて頂きたい気持ち。...続きを読む
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古い価値観
山岸先生の本は昔から持っていますが 昔のような驚き、新鮮味は無かった。 どこかで見たような話・・思い出したのは化野の・・という短編。 今回収録の時計草がよく似ていた。 そして、この時計草、読めば解りますが価値観が今の時代にそぐわない。 昭和の考え方だなと感じます。 やっぱりベテラン、大御所なので現在の若者の価値観と合わなくなって来てるのかもしれない。 怖さよりも内容の価値観が気になった。 そして全体通して何か説教くさい。
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「久し振りになる山岸氏の恐怖短編を主とした作品集」
... 特に表題作「艮(うしとら)」は主要登場人物3名が次々とカットバックされて行くスリルに満ちた作品で、全盛期の山岸氏の業前を彷彿とさせました。 看護師の語りで描かれた「死神」、氏得意の生と死の狭間物「時計草」共々、過去作の再利用的ネタも有るのですが、それでも凡百の作品とは一線を画す出来です。 「ドラゴンメイド」は一部長編「リベレーション」のスピンオフ的な内容でもありました。 大いにお薦めです。続きを読む
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良かった!でも目の位置が
心の闇や深淵に引き込まれます…。 「時計草」の価値観が古い…というレビューがありましたが、最後のオチを考えれば まったく違和感をおぼえませんでした。 ただ気になるのが、妙に両目が離れた絵柄になったこと。 山岸先生や高橋留美子先生といった大御所の間で流行っているのでしょうか…。
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この夏の恐怖はこの一冊
...『天人唐草』『朱雀門』など、自らの意思で生きようとしない人間・自分の業��ら目を背ける人間に怪事が向かいがちな山岸作品ですが、本作品集の『時計草』はなかでも厳しい。 「悪いことはしていないが世の中に恩返しもしない」この主人公くらいの生き方の人ってたくさんいるんではないのかな。そういうひとは山岸作品を読まなさそうですが(笑) 表題作は、主人公には問題はないが自宅で鬼門の方角に勝手口があることにより家族に起きる怪事を描くもの。(これだけ言うと全然怖くないが)...続きを読む
読み応えあり
実に数年ぶりに書店の漫画コーナーへ行きました。 やっぱり山岸先生はホラーがうまい。 「艮」は、けっこう迫力ありました。 「修業した偉い坊さんや霊能者より、子どもや愛する者のために捨て身になれる凡人のほうがどれけ強いか」という言葉は含蓄ありました。 「死神」や「時計草」は今ひとつかな。昔の作品の焼き直しのよう。 「ドラゴンメイド」はけっこう良かったです。
表題作「艮」はネコ漫画の傑作でもあります!
...山岸先生、ずっと昔からフェミニンな作品を描いてこられたんだねえ。 ところで収録作の「時計草」は、やや【ネタバレ】になりますが、「化野の…」の系列に入る、死後の世界ものです。過去何作かこうした死後の視点で描かれた作品がありますが(「天鳥船」「ストロベリー・ナイト・ナイト」とかかなあ)、世界観がアップグレードされてるのがすごいです。 でもやっぱり、猫が可愛い。この本のMVPはオオバン君です。オッサン猫好きは悶絶してください。続きを読む
言及のある他のレビューを読む
山岸先生 ドラゴンメイド 山岸凉子 死後の世界 凉子先生 先生の別の作品 時計 恐怖 怖い ホラー 表題 レベレーション 新作 日常 短編 不気味 化野 新刊 死神 面白かった
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艮、グッと来ました涙
...エセ霊能者のおばちゃまの、子供!彼女、頑張ったんだ、、のくだりには涙が出てしまいました。(現在高齢子育て中笑) その後、時計草でも、お子さんがあれば唯一誰もが無償の愛を発露するチャンスだったのに、、と、たまたまかもしれませんが子育て中にはグッとくるお言葉がたくさんあった本書でした。子育て中で幸せですが、なかなか慌ただしくこのままとしたってしまうのか、、という焦りも感じる日々でしたので。 繊細なタッチの漫画ですが、先生の深い洞察、思想にはいつもハッとさせられます。 次回作も待っています!!続きを読む
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”新作集”を読めることの欣喜雀躍と禁忌をおかすことの怖さが同時に読者を襲う!
「艮」という題字に、なぜか「時計草」の表紙絵。背表紙の“新作集”の文字に小躍りしたけれど、確かに、この「時計草」こそ本短編集の中で一等コワイ譚であることは間違いない。...続きを読む
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2023年11月22日に発売予定の翻訳書
11月22日(水)には13冊の翻訳書が発売予定です。
フット・ワーク

タンジー・E・ホスキンズ/著 北村京子/翻訳
作品社
増補新版 現代語訳 墨夷応接録・英国策論

森田健司/編集・翻訳 アーネスト・サトウ/著
作品社
ぼくはなんのほん?
カロリーナ・ラベイ/著 はせがわけい/翻訳
光文社
デザインのためのパースの授業 : ものの形を捉え、伝わる絵にするスケッチの手法
スペンサー・ニュージェント/著 百合田香織/翻訳
ビー・エヌ・エヌ
着ない服を捨てたら「すぐやる人」になれた
ジイ(超なまけ者)/著 呉永雅/翻訳
飛鳥新社
色の物語 青
丸山有美/翻訳 ヘイリー・エドワーズ=デュジャルダン/原著
翔泳社
それでも母親になるべきですか
ペギー・オドネル・ヘフィントン/著 鹿田昌美/翻訳
新潮社
うつくしい魔法の世界 占星術、タロット、魔女の儀式から多神教の祝祭まで
シカ・マッケンジー/翻訳 カルロッタ・サントス/原著
翔泳社
「ことば」の戦略 たった1語がすべてを変える。
ジョーナ・バーガー/著 依田光江/翻訳
ハーパーコリンズ・ジャパン
中央アジア自動車横断
ジョルジュ・ル・フェーヴル/著 野沢協/翻訳 宮前勝利/翻訳 山田周生/解説
河出書房新社
リサとガスパールのクリスマス
アン・グットマン/著 ゲオルグ・ハレンスレーベン/イラスト 石津ちひろ/翻訳
河出書房新社
Qアノンの正体 : 陰謀論が世界を揺るがす
ウィル・ソマー/著 西川美樹/翻訳
河出書房新社
経済学レシピ : 食いしん坊経済学者がオクラを食べながら資本主義と自由を考えた
ハジュン・チャン/著 黒輪篤嗣/翻訳
東洋経済新報社
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セルフライナーノーツ: tabula rasa
ボーカルのタニグチです。
ライナーノーツなるものを一度も書いたことがないのですが、以前のブログ記事でアサノが予告してくれたので、新曲『tabula rasa』の歌詞を試しに解説してみることにしました。
どっこい、この曲の歌詞は英文で、なおかつ「認識論」と呼ばれる哲学の分野を土台にしているので、真っ向から解説すると大変な文字数になってしまいます。そこで、一部分だけを、日本語訳で、なるべく専門的な用語を使わずに紐解こうと思います。
なお、以下に述べられる哲学史は、多分に誤解を含みうる、素人によるざっくり要約であることをご容赦ください。

『tabula rasa』作曲時期のバンドの様子
曲名の『tabula rasa』(タブラ・ラサ)とは、古代ギリシャから存在する哲学的な概念のラテン語で、「白紙状態」という意味です。哲学用語の中では比較的メジャーであるようで、現代では楽曲や絵画等の作品名によく使われています。
また、元々の哲学の分野では、「何の観念も知らない状態」を表す言葉として、古くから特別な意味を持っています。歴史的に、少���くない哲学者たちが、このように考えていました:
ーー生まれたての人間は、まっさらな白紙のような状態(タブラ・ラサ)であって、あらゆる観念は経験によって書き込まれていくーー
つまり、「りんご」「天気」「時間」といった観念とは、経験を通してのみ獲得されるものであって、経験に先立って成立する観念はありえない、というスタンスでいたのです。ものごとの認識において客観的な経験を重んじる、このような考え方を「経験主義」と言います。
経験によって知識を得るということは、おそらく多くの方にとって、とてつもなく当たり前であるように感じられると思います。生まれたての赤ん坊がりんごを見て、これはりんごだと確信することはなさそうです。実際に、経験主義は、17世紀頃まで哲学のメインストリームのひとつでした。
しかし、近現代の哲学において、この経験主義はすっかり廃れてしまっています。なんと、経験ゼロの生まれたて状態でも、人はすでに「何か」を知っているようなのです。
あらゆる経験に先立って、人に生来備わる観念ーーそれを強力に定義し、経験主義もそうでない主義もまとめて統合するという大転換をもたらす哲学者が現れました。彼こそ、18世紀最大の巨人・カントです。
イマヌエル・カント(1724-1804)
カントは、「時間」と「空間」を、経験によって認識する観念ではなく、ものごとを認識する際に用いる「形式」であると人類で初めて主張し(たぶん)、なんやかんやで(中略)、それまでのあらゆる思想を収束する、新しい哲学の体系を作り上げました。
どうやら、ある観念が「経験に先立って」成立するか否かーーひいては論じることが可能な対象であるか否かーーを問うことは、哲学者にとって大変に重要な態度であるようです。
ここで、新曲『tabula rasa』のサビの歌詞の日本語訳を見てみます。
時間と空間よりも先に
君を知っていた気がする
この文句は、わたしが学生時代に思いついた、「カントのプロポーズ」です。
カントにとって、「時間」と「空間」は、人の主観に生まれ持って備わるものさしです。生まれたての赤ん坊であっても、知識が真にまっさらな白紙状態(タブラ・ラサ)であることはなく、ものごとを認識するための形式として、「時間」と「空間」という観念は先に身についていると考えます。
そんな、すべての経験に先立つ「時間」と「空間」よりも先に、君のことを知っていたようだと嘯くのは、とんでもない矛盾です。しかし、その矛盾でしかない表現が、いかにも運命を感じているようでプロポーズっぽい、と当時のゼミ仲間に話した記憶があります。
サビの歌詞はこのように続きます。
だから、君といない僕はまるで
「タブラ・ラサ(白紙)」
語り得ぬことについては沈黙せねばならない
星々が告げるよ
僕がどれほど君に恋しているか
ここから、別の哲学者が登場します。20世紀の天才・ウィトゲンシュタインです。
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン(1889-1951)
ウィトゲンシュタインはカントよりもさらに尖っています。彼は、そもそも論じることができる哲学的な命題とは何であるかを、経験に先立つ観念によってすべて証したて、哲学という営みを終わらせようとしました。なんという破壊者。これまた哲学の大転換です。
そんな革命的哲学者・ウィトゲンシュタインの最尖り期の大著『論理哲学論考』の最後を締めくくった、スーパー格好良い一文が、歌詞にある「語り得ぬことについては、沈黙せねばならない。」です。
この一文は、なんだかオシャレである上に、当時のウィトゲンシュタインの思想が凝縮されているので、巷で人気の哲学センテンスBEST3に入ると思っています。ちなみに1位はニーチェの「神は死んだ」、2位はデカルトの「我思う、ゆえに我あり」です。
そんなこんなで、『tabula rasa』のサビの歌詞はこのような意味に取れます:
僕は君の魂を、時空を超えて、他の何よりも先に知っていたような気がする。それほどに運命を感じている。
そして、君と過ごす日々があまりにも素晴らしいから、君に出会うまでの僕を、まるで白紙のようだったと思える。
君への愛はアプリオリ(経験に先立つもの)であって、もはや言葉では語りつくせない。
だから、美しい星々が僕に代わってそれを告げてくれるよ。
このように、大層ギャラクシーでロマンチックことを楽しげに述べています。もはやLove Foolosophyの近似です。
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わたしはJamiroquaiに影響を受けすぎて、なんでもかんでも手癖でコズミックにしてしまうバンドマンなので、これくらいの壮大さは朝飯前です。
サビ以外の歌詞も概ねこのような調子で、なんなら2番には別の哲学者も登場しますが、きりがないので割愛します。
それではお聞きください、新曲『tabula rasa』。
(動画撮影ありがとうございました!)
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