#壁と卵
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m12gatsu · 4 months ago
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無題
祖母を荼毘に付した。いせやにしけこんで献杯した。下戸が多い親類縁者の中で、母と2人で赤星の大瓶を5本空けた。昔は500円だった。今は650円。シューマイだってもっと大きかった。家に帰ってから日本酒の四合瓶を空けた。久しぶりに祖母が暮らしていたリビングに足を踏み入れた。ドラえもんの『翼の勇者たち』の公開当時、新聞の一面に翼の生えたドラえもんの大きな広告が出たことがあって、祖母はそれを丁寧に切り抜いて、壁に飾っていた。白っ茶けてしまっていた。レンタルしていた介護ベッドを引き払い、空いたスペースに中陰壇をしつらえた。祖母が好きだったミルキーや三ツ矢サイダーを供えてやった。祖母は、呆けてこそいなかったけれど、6年前にゆで卵を火にかけたまま居眠りをし、火事寸前の騒ぎを起こしたことがあった。ガスコンロには父の手書きで、もう火は扱わない、という誓��を祖母の同意の下で結んだ念書が貼ってあった。その頃には腎臓を病んで透析も受けていたから、食事は主に宅配の透析食を摂っていた。冷蔵庫はすっかり空になっていて、幼い頃ゴソゴソ物色して三角牛乳をかっぱらったり、タッパーに入った高野豆腐をつまんで、その汁だけ吸って叱られたりしたこととか、やけに水っぽいシャバシャバしたカレーのことを思い出して、少し泣いた。俺は愛されていた。俺以外の孫どもはみんな女で、俺は内孫で、唯一の男だった。台所の床下収納に山崎のウイスキーを見つけた。四十九日の時に母と空けよう、ということになった。
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lastscenecom · 2 years ago
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マーケティングを学んだことのある読者なら、大手食品会社ゼネラル・ミルズが1950年代に発売した、「ベティクロッカー」に関する有名なケーススタディをご存じかもしれない。 このケーキミックスは、水を加えて混ぜて焼くだけの優れた商品だったにもかかわらず、当初の売上げは振るわなかった。経営陣はこの状況に首をひねったが、やがてその謎が解けた。この商品を使うとあまりにも簡単にケーキが焼けるために、その購入者が「手抜きをしている」という後ろめたさを感じていたのである。このような顧客理解を踏まえて、同社は原材料からエッグパウダーを取り除き、購入者が卵を割り入れて混ぜるレシピに変えた。この小さな変更によって、つくり手の気持ちが楽になり、売上げの増加につながった。それから70年経ったいまも、ほとんどのケーキミックスはつくり手が卵を加えるレシピのままである。 このストーリーには、自動化された商品やサービスの導入が活発化している現代に通じる教訓がある。企業は、顧客がその商品・サービスだけでなく、それらを使う「自分自身」に対してまで、どのような感情を抱くかを深く理解する必要があるということだ。
AIは私たちのアイデンティティや消費活動にいかなる影響を及ぼすか 顧客や従業員の心理的な障壁に目を向けよ | ギゼム・ヤルチン,ステファノ・プントーニ | ["2024年1"]月号|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
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ak0gare · 2 months ago
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続・デート記録 0422 夕方に吉田寮に行き哲学博士とトンファンという居酒屋に行った。べたべたと壁中に映画のポスターが貼ってあった。 帰りは雨が降っていた。寮に戻り、中を案内してもらったり中庭を眺めたりしていたがやむ気配はなく、「泊まっていったら」くらい言われそうだなと思ったけれど(彼の部屋は一人部屋だった)雨具を貸してくれたのでそのまま帰宅した。ベッドに入ったら電話が鳴ったので40分くらい会話して眠った。 0423 熊野寮でナンパした忍成修吾にそっくりな建築修士を寮まで迎えに行き、京阪と阪急を乗り継いで桂へ。 あまり話すタイプに見えなかったので前の恋人から教わった建築の話を頑張っていろいろ振ったらはにかみながらこれまでの学生生活について教えてくれた。まだガイドツアーまで時間があったので桂駅のカフェでケーキを食べた。 「私はあまり恋愛とかに興味がないんです」というので「もし**君みたいな人をすきになったらどうやったら付き合える? とにかく我慢強く横にいたらいい? わりきってベストフレンドを目指すべき?」と問うと前者だった。ごり押しすれば付き合えるんだ、とわかってなぜかうれしかった。 西日が差すなか桂離宮を歩いて回った。カメラでバシャバシャ撮りながら建築について教えてくれてかっこよかったけどそれに関しては前の彼氏で履修済みだった。だとしても専門分野がある人って本当かっこいい。 イノダコーヒでお茶して解散。やっぱり186センチ以上ある男の人ってヒール履いても全然抜かされなくていいな、とか俗っぽいことを思いつつ帰宅、寮で友だちにデート報告した。 0425 午後、阪急内で仕事をしながら神戸へ。兵庫県立美術館に行く。 中谷さんを呼びだしたが「ご��ん夜空かなくなった」と言われた。むかつく、と思いながらもわたしはこの男が大好きだからいまさらドタキャンくらいでキレたりしない。 展示会場を簡単に案内してもらったのちパウルクレー展をゆっくり楽しんだ。 「次はアンディモリ歌ってよね」と文句を告げるとまんざらでもない顔で「うん、コレクション展もかわるしまた来て。しばらくはここで働いてるし」とちゃっかり営業された。 0426 夜に吉田寮へ行き、自転車で哲学博士と鴨川爆走した後ガボールという地下の喫茶でおやつたべたあと寮へ戻って車を出してもらい天下一品の総本店でらーめん食べて琵琶湖まで走った。アメスピを湯気みたいに蒸かしながら運転していて、まんまと、かっこいい……と思った。 ドラムはどこで習ってたの?とたずねると野良で自分で練習して習得したらしかった。 月が出ていなくて、星明りだけが頼りだった。夜の湖はとても神秘的で、誰かの夢の記憶の中に立ち尽くしているみたいだった。 帰宅すると彼の友人と喫煙所で出くわし、「へー友達?」「ふーん、友達……え、友達でいいの?」とにやつきながら話しかけてきてあまりにもからみ方が大学生過ぎてつれであるこっちが赤面する羽目になった。 客用布団を出してもらい、吉田寮に泊まった。 0427 吉田寮で起床、彼の案内でカフェのテラス席でランチ食べたあとまた琵琶湖に行った。 0428 採卵2回目にあたり、クリニックで検査するため新幹線に乗って東京へ戻った。 雨の中笹塚に行って元彼と鍋家という中華を食べた。吉田寮で会った男の人についてのろけていたら「田舎の30歳くらいの、場末で頑張ってるキャバ嬢がエロく感じるみたいな話?」と言われて全然通じてなかった。 0429 神保町のトロワで富田さんと1年ぶりに会った。 東大の院に進学したら��い。本屋回った後暇になって東大へ行って散歩した。やっぱりこの人の顔すきだな、と思った。 しばらくは板橋にいるというので、今年こそ、告白されない程度にあそんでもらお~と思った。 18時半に京都へ戻る。哲学博士が車で迎えに来てくれた。わたしが予定よりも1時間新幹線を遅らせたことについて「じらされてるみたいでつらかった、あてもなく運転して時間潰してたよ」と零され、メンヘラじゃん♡と思ったけど言わないで「ごめんねありがとう」と返して貝だしらーめんを食べた。
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petapeta · 6 months ago
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「監房から厨房へ」と帯に謳っている。スヌープ・ドッグというヒップホップ界の超大物らしい――というのはわたしが全然知らなかったからである――ラッパーが、料理書を書いた。アルバム4000万枚、ユーチューブ再生100億回超……とある。養老孟司先生の『バカの壁』が440万部だから、10倍以上の破壊力だ。記載されるレシピはスヌープ・ドッグが生まれながらに食べてきたものではない。��ス・ドッグと呼ばれるようになってからの彼の好みは、札束のように天井までおもいっきり積み重ねたパンケーキ。そう、ここに収まるレシピはこれまで食べたくても食べられなかったセレブの贅沢パーティー料理、特製ソール・フードなどのプラチナレシピだ。 法律家であり美食家であったフランス人のプリア・サヴァランが書いた「美味礼讃」に「あなたが普段から食べているものを教えて欲しい。あなたがどんな人であるか、言い当ててみせよう」という言葉を、私は信じているが、ボス・ドッグがどんな人物かわからない。しかし、アメリカがどんな国であるかは分かる気がする。彼らは、料理を味付けだと考えているのだ。素材を生かすという和食文化圏に住むわたしは、自然を信頼して、味付けなどさほど重要なことではないと思っているが、彼らは自然など信用しないし、自然をさほど重要だと考えていないようだ。自然とは人間がコントロールすべきもの、できるものとおごっている。味付けこそが人間の価値と信じているようだ。 ボス指定の塩にもすでにスパイシーな味がついている。そういう思想が、地球を半ば殺したのである。いや、そこは、アメリカにならって、日本も大いに加担した。このままではダメだと気づいてエコロジーを思いついたように、ボスもダイエットしたのだろう。写真を見れば分かる。 わたしから見れば、ボスのレシピはもういくところまでいったジャンクを極めた料理レシピだ。怖いもの見たさに一つ作ってみた。ゲット・ダ・チップ・フライド・チキンウィングスを使ったOGチキン・アンド・ワッフルズ。鶏手羽を甘しょっぱい漬汁に一晩浸し、スパイシーなポテトチップスをバリバリ潰して混ぜこんだ衣をたっぷりまぶし、ガリガリに揚げるのだ。このフライドチキンは特製ワッフルと一緒に食うのが最高だ。 ディズニーランドのにおいがしてきたといえば、だいたいどんな味か想像がつくだろう。有名レストランやゴージャスなホテルのレシピを再現しているようだから、これはボスだけの仕事ではないだろう。掲載されているレシピは、どれもやたら長い。材料の種類も分量が多く、作り方の文章も長い。ボスは食材にこだわりがあるようだから、同じにはできないが、邦訳版には代替え食材が記載されている。後ろ盾には、料理家として財を為したマーサ・スチュアートがいるようだ。だから、この通り作れば再現できるに違いない。 できるだけ正確に再現するために、材料は富澤商店で揃えた。ワッフルの材料に卵の記載が抜けていたので全卵一個を補った。そして、写真通りに、焼きたてのワッフルを皿に敷き、バターを乗せて、フライドチキンを積み上げて���高いところからメープルシロップをかけてみた。 期待したのは、スパイシーな辛い塩味のガリガリチキンの興奮に、甘く囁くようなメープルシロップとワッフルのコントラスト。スパイシーな刺激を甘いワッフルが慰めてくれる。ホッとしたその反動で、再び興奮の坩堝に飛び込んでしまうという地獄と極楽を往復するような体験だ。身体のことは後回し、どうしょうもなく食べたくなるやつだ。しかし全く違ったのだ。 材料集めから始まり、正確に計量してレシピ通りに作ったから、間違いない、と思った。しかし、予想に反して、出来上がったものは、ボス・ドッグラシからぬ、健康に留意した、減塩にもなるメープルシロップの甘さが残る日本人向けのチキンレシピになってしまった。やはり、食材にこだわっていたのは、理由があったということなのだろうか。  どうせやるなら、いくところまでやればよい、後戻りすればいいだけだ。たまに夜遊びするのも悪くない。何がよくて、何がいけないかを知る機会にもなるだろう。このレシピを日本で実践するには中途半端な物足りなさを感じるが、積極的に試してみることで、日本人とは違う「アメリカの食」の一端に触れることができるかもしれない。 土井善晴(料理研究家)
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tokyomariegold · 20 days ago
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2024/12/21
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12月21日 いつまでも起き上がれずに、たくさん夢を見た。 起きた後は、今日は何もない日だった。 夢で、祖母が卵とじのカツ丼が好きじゃない、と言っていた。そういえば祖母の好物も嫌いな食べ物も知らない。
日暮れ頃から土手に行って、今まで行ったことのない電車の線路の陸橋の先まで歩いた。 その先は、少し東京に近づいたような風景があって、赤いランプがたくさん見えた。 スカイツリーも近づいた気がした。 気づ��と真っ暗で、誰かに拐われても、刺されても、明日の朝まで誰にも気が付かれないんだろうな、と思いながら、とっても強い風の音を聞きながら、Uターンして土手を歩いた。 本当に風が強過ぎて、この土地に引いてしまった。地獄すぎる。
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クリスマスをするにはこの週末が一番ちょうど良いのだろうな、と、今年はまだ国際フォーラムの干支ツリーを見ていない事を思い出した。
年賀状もかけていないし、作りたくもならない。 でもコロラドからクリスマスカードが届いたことが改めて嬉しくて、やっぱり何かを送りたい。 けど何も作りたくない。
未鈴ちゃんも、水野しずちゃんも、Perfumeも、みんな30代で、年上で、いつまでもきっと年上なのだから、生きることに少し希望が持てるかも、と思った。 でも青木さんのことを思った時、もしかしたらそろそろ青木さんの年齢に近づいてしまうのかも?と思って、終わってしまったのではなく、止まってしまったのだな、と思った。人生を停止させたのだな、と。
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寒さと疲れで十分眠たいはずなのに、そこに睡眠のお薬を入れているので、毎晩何を食べて何を見て何を聞いているのか、全くよく分からない。 立ち上がって移動するときはふらつきがひどいので、壁を伝って歩いて夜を過ごしている。 昨晩は疲れがピークだったのか、音の全てが気持ち悪く、何の動画も数十分も耐えられずに、その選択にもつかれながら結局何もまともに見られるず音に酔い続けていた。
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catonoire · 25 days ago
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ラーメンどんぶり展
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21_21 DESIGN SIGHT で「ラーメンどんぶり展」を見る。美濃焼に関するプロジェクトの「美濃のラーメンどんぶり展」をきっかけとした企画展で、ラーメン用のどんぶりにさまざまなアプローチで迫ったり、ラーメンという食べ物を解剖したり美濃焼を紹介したりしている。
冒頭のエリアにはラーメン屋のカウンターを模したものが置かれている。壁にはさまざまなマンガのラーメンに関連するコマや、ラーメンに関する基本的なデータが並べられていた。
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コレクターの加賀保行氏のラーメンどんぶりコレクション。基本的に各ラーメン店の屋号などが入ったオリジナルデザインのどんぶりが収集対象とのことで、壮観だった。
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下の写真は、ラーメンという食べ物を分析的に紹介するコーナーの展示のひとつ。麺や具材だけでなく、スープ、香り、食感など、��いつく限りの要素が“解剖”されていた。
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ここからはラーメンどんぶりの“解剖”。温度とか……
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重さとか……
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各部ごとに厚みを変えてあることがわかる断面とか……
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器を作る原料とか……
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どんぶりの製作に使う道具類も。展示されていた実物はわずかだったが、美しい写真が壁に多数掛かっていた。
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各界の著名人がデザインしたアーティストどんぶりのコーナーの“お品書き”。
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アラン・チャン。
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北川一成。ラーメンを盛ると白無地に見えるが、食べ進むとオバケが登場するデザイン。
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祖父江慎。どんぶりにカエル、れんげにカエルの卵やオタマジャクシ。
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田名網敬一。田名網の作品は個人的にあまり好きではない……とこれまでは思っていたのだが、このラーメンどんぶりが素晴らしく良かったので、認識を改めた。さすが展覧会チラシ等のメインビジュアルに選ばれただけある。
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アーティストどんぶりのエリアには、建築家やデザイナーが設計したラーメン屋台の展示もあった。
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このあとに続くのは美濃焼のコーナー。壁際には伝統的な焼き物のラーメンどんぶりが並んでいたが、ラーメンよりはそばやうどんが似合いそうな気がした。下の写真は志野(左)と黄瀬戸(右)。
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フロアいっぱいに、バラエティに富む美濃焼が展示されていた。アート作品もあれば……
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庶民的な日用品もあれば……
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工芸作品もあり……
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タイル製品も……
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工業製品も……
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工業製品の中には、自分の好きな碍子もあった。
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美濃焼の多様性を支えるさまざまな土が、「MINO COSMOS 土の宇宙」として円形に展示されていた。
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焼き物の土をリサイクルする試みの紹介。廃棄された陶磁器は、そのままでは土に還らない。それを細かく砕くとセルベンと呼ばれる素材になり、再利用して新たな製品にすることが可能だという。
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セルベンを使った製品の例。
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来場者がラーメンどんぶりをデザインできるお絵描きコーナーも用意されていて、おそらくその一部が壁に飾ってあった。
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ari0921 · 10 months ago
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
  令和六年(2024年)8月25日(日曜日)
  通巻第8380号  <前日発行>
 ゾンビ中国、泥沼から這い上がろうと責任を他人に押しつける手口
   習近平「ふたつのすり替え」=『反日』と『トウ小平』
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 中国経済は泥沼陥落である。住宅はさっぱり売れず、半額セールの「保障制住宅」(公営住宅)を建設する等と唱えている。しかし土地の価格が下がると銀行の不良債権が急拡大する。
 ようするに大手術を回避して小手先の措置を続けると、状況はさらに悪化する。不動産関連の不良債権が、信用機構を脅かすことになる。
 ところが習近平の周りに経済ブレーンが不在で、バブル破産は不動産業界と金融機関の「不始末」によって引き起されたという誤った認識しか持っていない。
本格的な対策を考える思考力もない。西側経済学をマスターした開明派のブレーン達は居なくなって、毛沢東理論とマルクス経済学しか知らない人たちが、経済政策の舵取りをしているのである。
 中央政府は、地方政府と大手国有銀行を含む国有企業の「隠れ債務」を隠蔽してきたため、泥沼が底なしになった。不良債権とは有利子負債のこと、この天文学的債務は膨らみ続ける。たとえば全土にがむしゃらに造成した新幹線だが、累積赤字は100兆円を軽く越えた。
 
8月22日はトウ小平生誕120年の記念日だった。
習近平国家主席は、突如、何かに衝かれたかのように、あれほど嫌ったトウ小平を「顕著な貢献をした、中国の特色ある社会主義の推進を促した偉大な指導者」と言い出した。
「トウ小平の業績は歴史に永遠に刻まれ、常に後世にインスピレーションを与えるだろう。トウ小平は党中央集団指導部の第二世代の中核であり、中国の社会主義改革、開放、現代化の主要な設計者であり、中国の特色ある社会主義の先駆者だった。世界の平和と発展に多大な貢献をした偉大な国際主義者でもあった」と付け加えた。
 泉下のトウ小平も聞いてびっくりだっただろう。
習のトウ小平礼賛はさらにオクターブがあがり「中国がマルクス主義を状況に適応させるという新たな突破口を開き、社会主義現代化で新境地を開き、国の完全な統一への正しい道を切り開くよう促した。その歴史的業績は包括的かつ画期的で、中国と世界の両方に深く永続的な影響を与えた。彼の偉大な歴史的業績を永遠に記憶し、彼の崇高な革命的行為を永遠に尊敬する」
そのうえ「中国の完全な統一を実現することは、毛沢東、トウ小平、その他の古い世代の革命家たちの長年の願望である」と台湾統一にも言及した。
 庶民は「改革開放」の環境の下、すこしばかりの自由化があったトウ小平、江沢民、胡錦濤の時代を懐かしんでいる。かなり自由は雰囲気が、あの時代の中国にあった。事態がまずくなると江沢民は「反日」を政治武器として活用した。中国全土、108ヶ所に反日を主眼の歴史記念館を建てた。
 ▼「愛国無���」とは便利は方法だ
「愛国無罪」とならば、狼藉もしたい放題となる。暇な若者は今日は暴れてもお咎め無しとなれば、数万がネットの呼びかけで集まる。日本大使館に卵の嵐、壁は黄色くなった。日本食レストランから、走行中の日本車まで襲撃された。反日はガス抜き、自分たちの不手際を日本に転化するのだ。
 アステラス製薬の北京駐在員の不当拘束、靖国神社鳥居への落書きは二回。そしてNHKのラジオ国際放送で中国籍の男性が「沖縄県の尖閣諸島を「中国の領土」と発言し、さらに英語で「南京大虐殺を忘れるな」などと原稿にない反日発言を繰り返した。
この一連の反日はどこかで通底している。
 習近平も、現在のゾンビ経済という泥沼から這い上がり、責任を他人に押しつける手口としてトウ小平を持ち上げ、つぎに反日を利用する。習近平「ふたつのすり替え」は『反日』と『トウ小平』である。
 日本政府は正々堂々と反論し、中国の理不尽な遣り方を世界に告示、歴史の真実を述べるべきである。
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haru-c-o · 11 months ago
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田舎のおばあちゃんの家には、フロッキーという小型のチワワがいた。母の20歳の誕生日記念にやってきたというフロッキーは、私がおばあちゃんの家へ帰るたびに短い足をパタパタを走らせて玄関まで出迎えてくれたものだった。当時、生き物を可愛いなどと思う感情がまだ育っていなかった私には、フロッキーはペットというより風景に近かった。朝や昼、テーブルの横でおばあちゃんにご飯をもらうフロッキーを見たり、見なかったりしながら、私もおばあちゃんが育てたじゃがいもにバターを塗って食べていた。
フロッキーは私が小学校3、4年生の頃に死んだ。母の20歳の誕生日記念にやってきた犬だったから、相当長生きをしたんだと思う。いつだったか、フロッキーは目が見えないんだと聞かされた。数歩歩けば廊下の壁にぶつかる姿をよく見ていたから、すぐに納得した。フロッキーのお墓はおばあちゃんの家から車で数分のところにあるフカバに立てられた。フカバとは、孵化場と書く。フカバにはいくつか堀があって、そこにいる魚たちはそこで生まれ、どこかへ旅立ったのちまたその場所へ帰って卵を産んでいくから、「卵が孵化する場所」で、孵化場と呼ばれていた。フカバはもともとひいおじいちゃんの家だったようだが、ひいおじいちゃんは私の顔を見ずに死んでいったから私もひいおじいちゃんの顔を知らない。数年早く生まれたいとこのことはよく可愛がっていたようだった。フロッキーの骨はそこへ埋められた。フロッキーの墓前で手を合わせても、フロッキーのいないおばあちゃんの家へ帰っても、フロッキーの死んだことを実感することはなかった。おばあちゃんも、おじいちゃんも、その後に死んだ。家はそのままに、別の知らない人が移り住んで暮らしている。その田舎にあった先祖の墓は、母の兄夫婦が住む土地へ移動され、おばあちゃんもおじいちゃんもひいおじいちゃんもそこで眠っている。田舎には、母がまだ小さい頃に散々世話になったという人が住んでいて、母のことを子どものように可愛がっていたその人は母の娘である私のことも孫のように可愛がってくれる。祖父母が死んでからは、今年で84歳になるというその人へ会いにいくためだけに田舎へ帰っている。フカバへ行く道は数年前に封鎖されていて、そこへ立てられたフロッキーのお墓がどうなっているかはもうわからない。
都会で生まれ育った私には、田舎で過ごす夏休みは刺激的で、常にわくわくしていた。畦道を走り、���にかかる橋を歩き、17時の鐘が鳴るまで汗を流して遊んだ。家に戻るとおばあちゃんがじゃがいもを蒸していて、ソファに腰掛けるおじいちゃんの隣にはいつもフロッキーがいた。今はもうその風景はない。都会で生まれ育った私は、きっとこの田舎には住めない。店もなく、あるのは川と畑だけ。立ち並ぶお墓に生けられたお花だけがまだここに人がいることを教えていた。
フロッキー、会いたい。思えば、最初に崩れた風景は、フロッキーだった。数年ぶりに帰った田舎で、短い足でちまちまと畳を歩く足音が、蝉の声よりよく聞こえるようだった。
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kennak · 1 year ago
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生理。『子宮の内側が充血してブヨブヨになる』と『使わなかったブヨブヨが剥がれて排出される』の間になんとなく【ブヨブヨが酵素で分解されてサラサラの液体になる】というプロセスが挟まってるモンだと思ってたんだけど「ブヨブヨのまま内側が剥げるので毛細血管が傷付く」が真実らしくて設計者よ。 生理。『古い内壁の下に新しい内壁が出来、皮膚から垢が落ちるように自然と浮いて剥がれるよ』ではなく「子宮は筋肉だからホルモンでギュンギュン動く命令を出して搾って内壁をこそげ落とすよ!ふんぬ!ギューッ!毛細血管傷付いたから治しといてね!」で起こってるそうで『設計者バカだ』って思った。 この「壊れたトコ治しといてね!痛覚は刺激されるけど死なないから大丈夫大丈夫!」ノリ、凄く既視感がある。お前卵巣ぶち抜き射出設計を採用したエンジニアと同一人物だろ。 女体。排卵も何となく『イオン勾配や浸透圧によって毎月卵巣ゲートが開き、卵子が出て来る』みたいな神秘現象だと思ってたんだけど、《卵巣の膜を物理的にブチ破って卵子が飛び出す。膜をブチ破られた卵巣は当たり前のように出血するし、治った頃にまた排卵が来る》と知って「設計者バカだ」って思った このエンジニアが子宮への直通アクセスを作らず「子宮!動きます!ホルモン分泌どぅーん!!」とブチ撒くせいで『うわあああ今月もなんか来た』『体温システム異常発生!』『幸せホルモンが阻害されてます!』『エラー!エラー!このままでは頭痛に!』と月1で大混乱起きてるのもう何らかのテロだろ。 ブヨブヨをサラサラにする酵素そのものはあるんだけど、 『ブヨブヨの下に新しい膜形成→ブヨブヨを溶かす酵素分泌→サラサラ化確認→ゲート開門→排出』 という手順を踏むと思ってたものが 『ブヨブヨを溶かすのと剥がすのと出すのがほぼ同時進行なのでブヨブヨがそのまま出る事もしばしば』は恐怖。 僕はフェチが高じて医学本を買っただけの門外漢なので正しい知識は婦人科の先生に聞いてください。
Xユーザーのすあまさん
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oldkwaidan · 5 months ago
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大蛇と小蛇(一)
 讃岐国高松に林という地名の場所がある。  その名のとおり、一円、木が生い茂る林山だという。  以下はその地の林守の家で起きたという話である。
 林守の家にある土蔵の窓の上にかかる庇に雀が巣をかけていた。  土蔵なので四面とも垂直の壁である。つまり、雀の巣は羽がないと行き来できない、安全な場所にあった。  その土蔵の隣に三間ほど離れて、もう一つ同じような土蔵があった。  あるとき、胴の太さ回りが四寸を超えようかという大きな蛇が、���者の土蔵の屋根の上に現れた。  蛇は隣の土蔵の庇にある雀の巣に気づくと、そこへ向かって飛び跳ねた。  しかし、三間もの距離を飛び越えることはできず、地面に落ちた。  蛇は木を伝って元の土蔵の屋根に登ると、再び隣の土蔵めがけて飛んだ。しかし、やはり届かず地面に落ちる。  昼夜問わず十日ほど、蛇は土蔵の間を飛び続けた。しかし、向こうに届くことなく地面に落ち続けた。  次第に集まり出した野次馬は、もう何十回落ちただろう、いつ諦めるのだろう、と終日、目を離さずに見つめ続けた。  そんな中、蛇に変化が起きた。  いつものように空中に飛んだ蛇が空中でカッと口を開く。するとその口の中からヒュッと小さな蛇が飛び出したのだ。  大蛇はいつもどおり地面に落ち、それきり死んでしまった。  小蛇は、大蛇が飛ぶ勢いと、自分が飛んだ勢いで飛距離を伸ばし、向こうの土蔵の窓に取りついた。  おもむろに窓から庇に這い上った小蛇は雀の巣へ潜り込むと、たちまち二、三尺の大きさになって、次々に雀の卵を呑んでいった。  恐ろしくなった野次馬たちは手に取った竹や棒などで、卵を呑み尽くした蛇を叩き落とすと、寄ってたかって踏み殺した。
 以上は安永年間に起きたことだそうだ。  広野清助が、林守である畑氏のご隠居から、実際に目にしたことだ、と何度も聞かされた話だという。  しかし、清助は今まで、この話を誰かに伝えたことはなかったらしい。  自分で目にしない限り、とてもじゃないか信じられない奇怪な内容であったからだ。  では、なぜ清助は私にこの話をしてくれたのか。  それは次の話が関係してくる(続く)。
 (三好想山『想山著聞奇集』卷の五 「蛇の執念、小蛇を吐出す事」)
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moko1590m · 2 months ago
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こうして残った一握りの精子が受精する場所にたどり着きますが、実はレースとは違って早い者勝ちではありません。なぜなら、精子はそこで最終的な成熟をしなければならないからです。成熟を待っている間に精子はどこかに流されてしまうかもしれませんし、自分より遅くやってきた別の精子に先を越されてしまうこともあります。 このようにして残った数少ない精子は、できるだけ奥に進んでから、卵管の壁に付着して卵子がやってくるまで待ちます。ここでも精子の選別が行われており、ミラー氏によると見た目が正常な精子ほど壁と結合しやすいとのこと。首尾よく壁にへばりつくことができた精子は、代謝が有利になるので寿命も長くなります。そして、卵子が到着すると、卵管は健康そうな精子だけが壁から離れられるようにします。 親の遺伝病が伝わることを踏まえると、この選抜システムは完璧とは言えませんが、女性の生殖管はあらゆる段階で適性の低い精子を排除し、健康そうな精子だけが卵子に届くように最善を尽くします。 この仕組みを、ミラー氏は就職面接になぞらえて、「仕事に就くには一定の資格が必要です。しかも、有資格者の精子は卵子が排卵される瞬間、つまりポストが空いて求人が出るちょうどその時に資格を持っていなければならないのです」と話しました。 この記事のタイトルとURLをコピーする ・関連記事 10代の少女がオーラルセックスの後に妊娠した「経口受精」の症例報告、先天的に膣がない女性が処女懐胎する奇跡 - GIGAZINE 「神が人間を創造したので凍結胚も完全な人格権を有する子どもである」と裁判所が認定、人工授精で余った胚を壊すとその死に責任が生じる可能性も - GIGAZINE 精子と卵子の受精は無作為に行われているのではない可能性を示す研究が登場 - GIGAZINE 科学技術の発展で「男性の卵子」「女性の精子」が作れるようになった時に直面する課題とは? - GIGAZINE 胎児のIQを遺伝子で選別する企業が出現し専門家が道徳的・倫理的・医学的問題を提起 - GIGAZINE ヒト受精卵へのゲノム編集による遺伝子改変にアメリカの研究チームが成功、一体何を実現できるのか? - GIGAZINE ・関連コンテンツ 「働きアリが跡目争いに勝利して女王アリになると寿命が5倍に延びる」という不思議なアリの謎が明らかに 精子の90%は右回りに泳ぐということが明らかに メスのカエルは望まない交尾を避けるために「死んだふり」をするという研究結果 兄のいる男性は同性愛者である確率が38%も高いという研究結果 培養幹細胞から「発生2週間後のヒト胚のほぼ完全なモデル」を作成することに成功、謎の多い発生初期の研究に役立つ可能性 あまりにも奇妙な「クモの交尾」の世界 人類がキスをするようになったのは、ウィルスを広め免疫をつけるため 科学技術の発展で「男性の卵子」「女性の精子」が作れるようになった時に直面する課題とは?
精子と卵子の出会いは競争というより「就職面接」と専門家、早い者勝ちレースよりさらに厳しい受精の仕組みとは? - GIGAZINE
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m12gatsu · 1 year ago
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スヌスムムリク
Switchにあるスナフキンのゲームの、サウンドトラックをシガーロスが手がけているというので、家人に頼んでダウンロードしてもらった。冬眠に入るムーミンと旅に出るスナフキンが、春の再会を誓い合うオープニングの映像で、( )の無題#1が流れはじめて泣きそうになった。ゲーム自体の難易度は至ってぬるいのだけど、自由と自然を愛するスナフキンが公園の建設を妨害したり、警察の目を掻い潜って立て看板を引っこ抜いたりするのが痛快。
家人が市販のパンケーキミックスを使って、時々朝飯にこしらえてくれるパンケーキが魔法のように美味い。卵や牛乳を使わず、水だけで作るのがコツらしい。
Tから、家庭の危機だ、と連絡がきたので会っ��話を聞いてやった。不貞? 不仲? と問えば、不仲だ、という。一方の話だけきいてジャッジするわけにはいかないと思いつつ、少なからずパートナーの人格に難があるように思われた。しかし、10年余を過ごしてきた2人の関係性の細部を俺はうかがい知ることはできない、実際そういうこともエクスキューズしながら、思ったことはなるべく伝えてやった。そもそもこういう相談事を持ちかけてくる相手が何か決定的なアドバイスを求めているというより、一定の決断を既に用意している、ということを俺はなんとなく経験上知っている。壁打ちがしたかった、ということをTは話もした。高校まで異性との交際経験のなかったTが、内村航平に似た器量の良い男を射止めて、逃すまい、嫌われまいとして、いかな関係性を長い時間の中で築いてきたのか、いつも謝るのは自分だった、諦めていた、と話すTの言葉から俺は想像した。一軒目では麦酒に終始し、二軒目では紹興酒をカラフェでふたつ空けた。帰る頃の記憶があんまり無い。翌日、仲直りしました、と簡潔な報告がきた、あっけらかんとして。
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elle-p · 2 years ago
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P3xP4 World Analyze pages 34-35 transcription.
ニュクスへと至る異形の塔 “タルタロス”
タルタロスの誕生
月光館学園の場所で影時間にそびえ立つタルタロスは、10年前の爆発事故によってその存在が確認されることとなった。しかし、必ずしも爆発事故だけが原因というわけではない。この場所にエルゴノミクス研究所が建てられたのは、桐条鴻悦がシャドウの存在を知ってから世界各地で調査を行い、シャドウによる時空の歪みがもっとも顕著に確認された場所と同定したからであり、人工島開発計画のスタートと同時に研究所建設地に決めている。研究所がシャドウを集めて融合実験を進めたことで歪みが拡大したが、それ以前からこの場所にシャドウが集合しやすいポイントがあったのは確か。“死” のシャドウを作ることに失敗し、融合途中のシャドウが飛び散る爆発事故となったが、シャドウを集合させることですでに形作られていた時空の歪みは一帯に残り、以降影時間とタルタロスとしてこの場所に定着したものと考えられる。
シャドウの性質を考えれば、爆発事故が起こらなかったとしても、いずれは同じようなものが生まれただろう。
象徵的建造物
タルタロスの塔は、毎夜0時の “影時間” となった瞬間に造り直されるように見える。月光館学園があるはずの場所に、巨大な植物が成長する様子を早回しで見るように一気にそびえ立っていく。これは内部の構造が毎夜変化するという観測にも符合するが、影時間の間だけ月光館学園が物理的に “無くなっている” というわけではないため、実際そこに建っているものとは考えにくい。影時間は “現実” の1秒にも満たない一瞬だけが切り取られ、シャドウを構成する精神体で作られたレイヤー (層) が現実世界にかぶせられた状態。適性のない人間が “象徴化” レイヤーで覆われた状態となるのと同様に、月光館学園にはタルタロスというレイヤーが重ねられ、学園が見えなくなる。タルタロスの内部もいくつかの層で構成されており、塔が建つように見えるのは層のレイヤーが重ねられる視覚的現象と捉えることもできる。
タルタロスレイヤーで覆われた学園は、現実にそこにあったとしても影時間内からは知覚できない。
エルゴ研の名残
タルタロスの内部には、かつてその場所にあったエルゴノミクス研究所の残滓のようなものがあり、一部記録文書も発見できる。しかし、現実には月光館学園を建てる際に取り壊され、記録文書などが残っているわけはない。これは、タルタロスが基本的にはシャドウと同じ精神体によって構成されているからで、言ってみればその場所の記憶のようなものが構造に反映された結果そうなったもの。同様にタルタロス自体の内部構造も精神体からできたもので、タルタロス構造に取り込まれた精神体の記憶のようなものが反映されている。もっとも集合体が持つ混沌としたイメージなので、個人の思想などが出ているわけではない。下層は周辺に存在した精神体を材料としているせいか学園内部にも似た構造をしており、上層に行くと大型シャドウの一部が材料になっているためか異国的であったり、シュールレアリスム的なイメージが見られる。
文書の内容を見ると、強い想いはシャドウ化されていなくともタルタロスの構造に取り込まれやすいようだ。
最上階に降臨するニュクス・アバター
[守護する者たち]
“死” のシャドウ望月綾時が転じたニュクス・アバターは、タルタロス最上階に現れる。その手前には彼を守護するようにストレガが待ち受けていた。彼らも真相に肉薄していたことがわかる。
[ニュクスと同等の存在]
望月綾時はニュクスに取り込まれ、ほとんど区別のつかない状態だと自身で語っている。しかし、人間の中で生きたことで造られた綾時のパーソナリティは色濃く残っていて、綾時と変わらない声で語りかけることもできる。圧倒的な力はニュクスのものだが、最後まで綾時は綾時の意識を持ち続けたようだ。
[ニュクス・コア]
最後に発現する “世界” あるいは “宇宙” のタロットには、卵のような形のウロボロスの輪に囲まれた女性の姿が描かれている。四隅にいるワシ、雄牛、ライオン、天使の組み合わせはテトラモルフとも呼ばれる黙示録で神の玉座のそばに控える動物たち。二ュクスの中心核は、そのウロボロスの形にも似ている透明な輝く卵の姿をしていた。
タルタロスを構成する “七つの地”
第七の地 世俗の庭テベル
ユダヤにおける地獄は “ゲヘナ” と呼ばれるが、そこから発展した神秘思想では “七つの地” に細分化される。テベルは7つ目にあたる浅い層で、人間の世界にもっとも近い位置にある地獄。“七つの地” は神をシンボライズした “セフィロトの樹” と上下逆向きで対応��ており、テベルは根本の基礎部分にあたる “イェンド” に相当する。
第六の地 奇顔の庭アルカ
6つ目のアルカはいわゆる “魔界” と呼ばれる地獄の主要な “大地 (アルカ)” で、一般的にはこの層を指して “ゲヘナ” と呼ぶ。この層自体も七つの部分に分けられ、聖書中で地獄を意味する “ハデス” はこの小分類のひとつ “シオウル (洞窟あるいは子宮の意)” を指していることが多い。セフィロトでは左足 “ホド” と対応している。
第五の地 無骨の庭ヤバザ
5つ目以下の層は基本的に悪魔も好まない荒れ地と言われていて、ヤバザは砂で覆われた乾燥した場所になっている。タルタロスの中ではエッシャーのだまし絵を思わせる視覚の混乱を起こさせるようなイメージとなる。セフィロトで対応する神の右足 “ネツァク” はホドと互いに補完する関係にあり、ヤバザとアルカも対の関係性がある。
第四の地 豪奢の庭ツィア
4つ目のツィアは草に覆われた乾燥地とされる。タルタロスでは名前の通り、黄金色の床に赤い絨毯が敷かれた王宮を思わせる絢爛豪華な階層となっている。セフィロトで対応する “ティフェレト” は “崇高” と訳される場所で神の心臓を象徴しており、神の頭・知性を象徴する部分に次いで重要な部分。ある意味、タルタロスの様相と符合している。
第三の地 焦土の庭ハラバ
3つ目のハラバは崖のように起伏の激しい土地で、作物が実らない不毛の地とされる。セフィロトでは神の左腕と法の裁きを象徴するゲブラ一にあたり、火星や “力” と関連付けられ “神の愛” ケセドと対になる存在。タルタロスでは間の中壁や床に七色のイルミネーションが灯るサイケデリックな空間になっている。
第二の地 憂鬱の庭アダマ
2つ目のアダマは、原初の人間アダムを作った “土” を意味する名前で、赤土ばかりの荒れ地である。セフィロトは、神の “愛” もしくは “慈愛” と右腕を象徴するケセド。タルタロスでは無数の星々が輝く白色の明るい光に包まれた場所となっており、ハラバとの対照的な関係が見て取れる。全体が混沌としたタルタロスの中では整然とした印象の空間。
第一の地 王居エレス
もっとも下に位置するエレスは潰れた廃墟のごとき場所で、逆さまのセフィロトを吊るされた人間に例えれば頭にあたる位置。セフィロトでは神の神聖を象徴するケテル、コクマー、ビナーの3つをまとめて “アティルド” と呼ぶ部分に相当する。タルタロスでは月の真下にある屋上にあたり、ニュクスが降臨するために用意された場所である。
ライプニッツの提唱する “モナド”
ゴッドフリート・ライプニッツ
『モナドロジー (単子論)」を提唱したドイツ出身の���学者で、高名な数学者でもある (1646-1716年)。数学や科学だけでなく、哲学や経済学、神学までもひとつの体系的な学問にまとめようとしたことで知られている。後年ぺルリン科学アカデミー創設に参加して初代総裁となるが、それ以前に政治家であったことでも知られており、同時代の知識人とは精力的に交流していた。
世界を構成する真の単位
ギリシャ語で “単一の” という意味の「モノス」が由来の “根源” を意味する「モナド」という言葉は、古代ギリシャの数学者として有名なピタゴラスらが使い、ライプニッツがさまざまなものの最小単位の概念として発展させた。物質の最小単位である “アトム” を物質以外にも応用した考え方で、例えばこうした思想も、概念を可能な限り分解した最小の状態が “モナド” となる。
“深層モナド” へはタルタロスを徘徊する “刈り取る者” を倒さなければ到達することはできない。
タルタロスから繋がるもうひとつの空間として、強力なシャドウばかりが現れる “深層モナド” がある。
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theindependentsardine · 8 months ago
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ZINE 『いつかどこか』(新装版)
「どこに溜まっていくんだろうね
そとに出るはずだったけど
呑み込まれてしまったなみだって」
(月は見ていた より)
・・・
「いつかどこか」新装版を作りました。
エッセイと小説が7篇ずつ入った短編作品集です。
「ここではないどこかに行きたい」と思っていた昔の自分を救ってくれた小説を思い出しながら書きました。
いつもお世話になっている大好きな幡ヶ谷の喫茶 壁と卵 @kabetotamago のレーベル「カベタマブックス」から、1冊目として出させていただいています。お二人と出会っていなかったらこの本は形になっていませんでした。そのようなお店の名前を冠して本が出せるとは、本当に幸せです。
新装版には背表紙がつきました。装丁デザインは@pakpak.kimchi イラストレーションは @ksn_sola さんです。本当にありがとう!
タイトル:いつかどこか
著者:武田望
装丁デザイン:ぱく かこ
イラストレーション:Kasane
校閲:水面
協力:トモベカヨコ
発行:カベタマブックス
発行所:喫茶 壁と卵
印刷:イニュニック
A6/PUR製本/全108ページ
発行日:2024年9月30日新装版発行
在庫:あり。お取り扱いいただける書店を募集しています。詳しくはコンタクトまで。
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“Where does it all accumulate?
Tears that were supposed to go outside,
but were swallowed up…”
(From "The Moon Was Watching")
...
I have created a new edition of "sometimes, somewhere."
This is a collection of short stories featuring seven essays and seven fictional stories. I wrote them while recalling the novels that saved my younger self, who longed to go "somewhere that is not here."
This is being published as the first book of the beloved cafe Kabe to Tamago @kabetotamago in Hatagaya. If I hadn’t met the owners, this book wouldn’t have taken into shape. It truly makes me happy to publish this book under the name of such a wonderful place.
The new edition is with a spine. The design is by my old friend @pakpak.kimchi, and illustration is by @ksn_sola. Thank you so much!
It's available for sale starting today at the Kabe to Tamago. I hope to prepare for it to be available in bookstores as well.
sometimes, somewhere
Author: Nozomu Takeda
Design: Kako Paku
Illustration: Kasane
Proofreading: Minamo
Special Thanks: Kayoko Tomobe
Published by: Kabetama Books (Kabe to Tamago)
Printed by: Innuniq
A6 / 108 pages
New edition published on the 30th September 2024
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yutakayagai · 1 year ago
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浩志は、夜の浅草を飛び回っていた。ホッピー通りには仕事帰りのサラリーマンや観光で来た若者らで賑っていた。かつて、在日韓国人が揃ってホルモンを主とした手料理や酒を提供したことでこの通りの名前が付いたとされているが、お通し��どの店でもそれぞれ違っていた。中には、うずらの卵をたまり醤油に付けたものを出す店もあり、その店が彼の行き付けだった。
また、「Kバー」が由来のデンキブランを炭酸水で割った「下町ハイボール」が有名だった。ベースはブランデー、それにジンやキュラソーなどのリキュールを加えたもので、温度や割り方により味が変わった。大抵はストレートで飲み、二杯以上だと確実に二日酔いになった。
今年も、三社祭の時にふらりと立ち寄った。繁盛時だったのではしご酒はできなかったが、一ケ所行ければ満足だった。必ずチャンジャをお通し代わりに注文し、その後はもつ煮。もつ煮も、或る店では味を替えて食べ比べもできた。
『嗚呼、食いたい…』
浩志は好みの男が食べているもつ煮をつまもうと手を伸ばしたが、勿論、取ることはできない。樽ハイのグラスも然り。彼は、
『やっぱり、幽霊になるとダメか…』
と落胆した。指をくわえて眺めているしかないと、彼は思った。
そのまま浩志は、六区ブロードウェイへ向かった。昔は映画館がひしめき合い、賑やかだったのだが、最近は廃れてしまった。やはり渋谷や新宿の方にヤングは興味が惹かれるのだろう。彼は、「T館」と言う演芸場の近くに来た。そこにはかつて成人映画館があり、幸雄と出会ったところでもあった。
M大学に入学して間もなく、浩志はアルバイトに明け暮れた。早朝には新聞配達、夕方には上野の高架橋あたりの居酒屋で稼いだ。睡眠時間はニ、三時間程度だったが、講義の少ない土曜、大学自体が休みの日曜や祝日には殆んど寝ていた。時折、朝食を食べに来ない彼にみいは、
「朝ご飯ぐらい食べなさいよ!」
と、敢えて階段を忙しく駆け上がっては怒鳴ることもあった。
或る日、浩志が日曜日なので布団の中で寝ていると、壁越しに喘ぎ声が聞こえた。ちょうど浅い眠りの最中だったからかその声に気付き、彼は目を覚ました。
『な、何だ?』
その声は、明らかにオ◯ニーをする時に自分の恥部を弄りながら発するものだった。しかも、
「お願い…、もっとメチャクチャにして…」
と、次第に言葉が乱れていく。隣は確かと浩志は思った。嗚呼、国立H大学に通う蛭田正樹だ。長身でスラッと細いが、肌が色白たった印象だった。みいがたまに、
「正樹君。あたしとしゃべる時、たまに女っぽくなるの。男っぽさが全然ないし、もしかしたら『ホモ』なのかしら?」
と話していた。
布団に包まったまま、浩志は耳をすませた。バタバタと、激しく身体も動かしているのか畳が響いている。元々、正樹は男のわりには声が甲高く、最初に挨拶された時には男装でもしているのかと疑うほどであった。そんな声で、
「あん、ダメ! イッちゃう、イッちゃう!」
と、恐らくオルガズム寸前なのか今にも死にそうな声を上げていた。間もなく、
「あ、あんッ! あんッ! ああン!」
と、廊下にまで漏れて聞こえる様な大きい声で叫んだ。
この時間は、他の下宿生は出掛けていた。みいも「もんぺ」を穿いて玄関周辺の草取りをし、家内に入るのは浩志と正樹だけだった。ランニングシャツとトランクスと言う格好で、浩志は布団から出て正樹の部屋のふすまをノックせずにガラッと開け、
「うっせぇよ! 人が寝てるのに…」
と、その後の言葉を言おうとしたが、目前の光景に絶句した。正樹は、全裸で内腿をM字に開き、普段は用を足すだけの尻の穴に何か挿入している様だった。新聞紙を呉座の様に敷き、その近くには油の様なものがおいであった。チ◯ポは先端がズル剥け、乳白色の淫液が新聞紙のあちこちに飛び散っていた。二人は互いに絶句し、数秒だが見つめ合った後、
「キャアァァァァァァ〜!」
と声を上げた。その瞬間、階下からみいがけたたましくやって来て、
「ど、どうしたの!?」
と様子を見に来たが、正樹の方に視線を向けた途端、
「キャアァァァァァァ〜!」
と、衝撃のあまりに気を失ってしまった。
しばらく階下の茶の間で、浩志に抱えられて畳に休んだみいは、正樹を呼んだ。浩志は目撃者として同席を求められ、M百貨店で買った紅茶を二人に振る舞うと、みいは単刀直入に聞いた。
「正樹君。あなた、学生でしょ? 何であんなことを…」
そう言われた正樹は、オ◯ニーしていたのを見られたショックからか大粒の涙を流し、メソメソ泣いていた。嗚咽を上げながら、
「…御免なさい。みいちゃんは草取りしてるし、浩志君は寝てると思ったから、ずっとエッチしたくてたまらなくて…。つい…」
と告白した。浩志は、初めて用を足すだけの尻の穴に何かを突っ込んでいたのがかなり衝撃的で、
「蛭田。おめぇ、ケツの穴に何入れてたンだ?」
と聞いた。すると、正樹は赤面しながら、
「あれ? 男のチ◯ポを模した玩具だよ」
と答えた。
「男のチ◯ポを模した玩具」と聞き、浩志もみいも一瞬、顔を見合わせた。
「はァ!?」
「…僕、大学入って間もない頃、一人の先輩と付き合ってたンだけど、ホモだったの。『君、女の様に肌が白いね』って…。付き合ってくうちに僕、好きになっちゃって、次第に身体許して…」
「あなた、男は『穴』ないでしょ!?」
「…でも、みいさん。男って、『前立腺』って言うものがあって、ちょうど直腸と大腸の曲がり角に位置してて、そこが刺激されると気持ちイイの」
「…あり得ないわ」
「痛くねぇのかよ!?」
「…痛いよ。でも、徐々に慣れてきちゃう」
浩志もみいも、唖然としていた。こいつ、頭イカれてるンじゃないかと、互いに思った。淡々と男の肉体について語る正樹を目前に、二人はただ紅茶をすするしかなかった。
みいは、とりあえず正樹の意外な側面を理解しつつも、下宿内でのオ◯ニーはしないよう注意した。彼女は、
「男って、『シコ』らなきゃいられない性なの?」
と浩志に聞いたが、
「アイツは狂ってるよ!」
と突っ撥ねた。
正樹は、今夜はその「彼氏」と会うと出掛けて行った。浩志は、嗚呼、気持ち悪いものを見て知ってしまったと、後味が悪いと浅草で飲むことにした。みいは、
「夕ご飯は、アリでイイのね?」
と、出掛ける前に浩志に確認した。
春日通りを上野広小路方面に下り、M百貨店に差し掛かると、そのまま左折して国鉄・上野駅の前を通り過ぎた。営団地下鉄で経営する「地下鉄デパート」の時計は、午前十一時を差していた。浩志は、普段なら十二時頃まで布団の中で寝ていたのにと、正樹を恨んだ。まさかアイツが男好きとは…。しかし、彼の一物は意外と太く、オレの「ムスコ」よりデカかったなァ。ちょっと羨ましい気もしたと、彼は思った。
合羽橋道具街は、この日はどこも休みだった。「菊水通り」に曲がり、「国際通り」に抜けるや、人気のなかった合羽橋に対し、恐らくS歌劇団のレヴューを観に行くのか、皆、「国際劇場」��方へ向かう様子だった。この雰囲気が浩志は大好きだった。
「雷門通り」沿いに、「Kバー」はあった。「デンキブラン」と言うカクテルが飲め、大学入学時、兄二人と訪れたのだが、その味が浩志には病みつきになってしまったのだ。
「東京にはこんな美味いものがあるンだなァ…」
そんな目的を都内の大学への進学理由とした。父・柳二郎は、
「お前、家はどうするンだ!?」
と反対したが、
「オレ、三男だよ。関係ねぇべよ」
と、それは長男・智仁に言ってくれと突っ撥ねた。
この時点では、自分が将来何になりたいか、浩志は決めていなかった。単に茨城を出たかったと言う理由だけだった。何故、兄貴二人が東京に行けてオレには行けないのかと、昔から思っていた。柳二郎も仕事柄、何度も泊りがけで東京を往来しているのに…。終いには、
「まァ、学費は払ってやるから、好きにやれ」
と呆れさせたくらいだ。
Kバーではもつ煮や串カツを肴にデンキブランを飲み、
「堪ンねぇ〜!」
と気分が高揚した。隣に座っていた客たちとも意気投合した。
当時は、デンキブランはアルコール度数が四十度だった。大抵は冷蔵庫で冷やしたものをグラスに注いだストレートで飲むのだが、口当たりがイイのでグイグイ飲めてしまうのだ。しかも、浩志は途中、日本酒も注文し「ちゃんぽん」してしまった。未だ酒との付き合い方が慣れなかったからか、Kバーを出て六区ブロードウェイに向かおうとした時に、彼は気持ち悪くなってしまった。
「うぅッ、ヤベェ!」
浅草寺前の藤棚の下に自転車を停め、近くの井戸で水をがぶ飲み、ベンチでうなだれていた。時折、胃の方から込み上げてくるのを感じつつ、彼は肘で両目を覆い、そのまま寝入ってしまった。
その後、男の声が聞こえ、浩志は目を覚ました。気持ち悪いのはなくなったが、身体は重く感じた。そっと肘を目から離すと、目前にいたのは警官だった。彼は、未成年であるにも拘らず酒を飲んだことに気付かれたかと思い、
「い、いえ! 大丈夫で〜す!」
と逃げる様にその場を去った。警官は、
「き、君!」
と声をかけたが、すでに彼方に浩志の姿はあった。
「…単に、これを渡そうと思ったンだけどなァ」
と、警官の掌には下宿と部屋の鍵が握られていた。
猛スピードで六区ブロードウェイまで来ると自転車のサドルから足を地面に着けた。息を切らしながら、
「ここまで来れば大丈夫だっぺ…」
と浩志は自転車から下りた。
先刻までの酔いは多少引いたが、やはり調子が悪い。何処かで休んだ方がイイかなと、たまたま足を停めたのが成人映画館の前だった。彼は、水戸では殆んど見かけないこんな映画館が、東京にはあるンだなと思い、興味もあったので寄ることにした。まァ、真っ暗にもなるし寝てるさ…。
実は、浩志は精通したのが中学校に入学して間もない頃だったが、オ◯ニーは月一回程度だった。たまに勃起がひどい時に「シコる」だけで、頻繁にはやらなかった。異性の裸を見ても性衝動は起きなかった。戦後間もない頃だったから娯楽も少なかったこともある。
館内に入ると、中年から壮年の男たちがたむろしていた。浩志の姿が視界に入ると一瞬、皆ジロッと彼の方を見た。彼は若干恐怖みたいなものを感じたが、すぐに視線がなくなったので、そのままスクリーンの方に向かって行った。
ちょうど最後列の隅に空席があったので、浩志は座るとすぐ寝入った。急に眠気に襲われ、スクリーンに映る女優の喘ぐ声でさえ聞こえなくなってしまった。
眠りに落ちている間、浩志は夢を見た。所謂「ソープランド」で、彼は下半身を露にした状態で布団に横たわり、誰かが彼の乳房や一物を弄っていた。
「あッ、あん!」
彼は未だ「童貞」だった。肉体は「うぶ」なのですぐに勃起し、次第にエクスタシーの故に涙が出てきた。嗚呼、気持ちイイ…。玉の裏も舌で弄ばれ、
「ダメ、壊れちゃう…」
と、用を足すだけの局部がエクスタシーの中枢になっているのを感じた。
「イヤ、イヤぁ…」
と内腿に力が入り、声の調子も裏返る様になった。チ◯ポがヌルッと生温かく、舌の腹でその背を弄られ、浩志は指をくわえた。最初は汚いし恥ずかしいと思ったが、すぐにエクスタシーに酔い痴れた。口から抜けたと思いきや今度は手指で包皮を剥かれ、紅潮したチ◯ポの頭が露にされ、何かオイルの様なものが掌に塗られているのか、「こねくり」回された。
尿意の様な切迫感がよぎり、嗚呼、イクなと浩志は思った。下半身の奥底から熱いものが込み上げてくる。その間にチ◯ポもますます硬直し、彼はいても立ってもいられない状態になった。
「イク! イク!」
と彼は声を���げた。その途端、再び「フェラ」をしてきたのか生温かい感触がし、口の中か彼は多量の淫液を跳ばした。
嗚呼、何だ? この気持ちよさは…。浩志は夢の中でそう思った。しかし、この映画館は男しかいなかったが、女も観に来るのか? 一瞬、不安がよぎった。もしかしたら、オレは男に手を出されたのか? えッ、嘘!? 不安が最高潮に達し、彼は目を覚ました。幕間だったのか、館内は明るかった。周囲を見渡すも彼の両側には誰もいない。だが、足元には丸められたちり紙が二、三個落ちていた。
服はキチンと元に直されていた。何だ、ただの夢かと安堵のため息をついた。その時、たまたま背後にいた中年の男が声をかけ、言った。
「お兄ちゃん、隣にいた男にエッチされてたよ。かなりハァハァ言わせながら、『イク! イク!』って…。ここは『男色』のたまり場だから気を付けな〜」
その言葉に浩志は絶句した。じゃあ、オレは男に手を出されたのか? 彼は血の気が引いていくのを感じた。
浩志は、乳房が少しでも肌着に触れると微かに心地よく、チ◯ポも用を足した後の様な感覚がした。オレは一体、何をされたのだろう? トイレに向かいながら、未だ実感が湧かなかった。ドアを開けて小便器の前に立ち、用を足した。その時、背後から臀部を弄られるのを感じた。彼は言葉を失った。怖かった。やがて臀部に触れた手指が、股間の真下まで及んだ。
気付くと、浩志は個室の方に身体が向かい、唇を奪われた。まるで媚薬を飲まされた様に彼は身体を弄ばされ、その男のチ◯ポをくわえていた。互いにオルガズムに達すると再び接吻し、微かに「匂う」腋臭でさえ浩志には「芳香」に感じ、その男から離れなかった。
初めての情事に、その時は終わって欲しくないと強く思ったが、トイレからその男が立ち去ると急に淋しさが込み上げてきた。何故か涙が出て、映画館を出て本郷に向かう道の途中、浩志は嗚咽を上げた。それは、まさか自分が「ゲイ」だったとはと言う信じられなさと、童貞を喪失したショックと、そして初めて愛されたことに対する名残惜しさが重なったが故であった。
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momokuri-sannen · 1 year ago
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今日は昼前に出かけるので休みだが、いつも通りに起床する。
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朝飯は「ししゃも」と「卵焼き」
あとはごはんとみそ汁という鉄壁の陣容で臨む。
卵焼きは普通のフライパンで焼いたので、いびつではあるが小ネギを混ぜ込むなどしている。
昼に恵比寿に到着し、東京都写真美術館で「木村伊兵衛 写真に生きる」を見る。
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没後50年ということだ。
感想などはまた別の投稿で。
さて昼飯は近くでなんぞ食って帰ろうという話になった。
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ガーデンプレイスにある「俺のイタリアン」で「小海老とキノコのアヒージョ」「俺のシーザーサラダ」「じゃがいものニョッキ ソレント風」「本日のパスタ からすみと菜の花のペペロンチーノ」を食う。
もちろんひとりで食ったわけではなく家人と分けて食ったのだが、めちゃくちゃ腹いっぱいになってしまった。
そんなふうで夜になっても一向に腹が減らないので、ここは軽くそばにでもしようということになる。
「きつねそば」と「菜の花のおひたし」
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いやいや、よく食った一日であった。
もう既に眠かったりする。
ごちそうさん。
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