#息子の描く絵
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やっと2024年の手帳に移動。
安定の高橋書店の手帳、これが私の予定を書くには
多すぎず少なすぎずの内容でちょうどいい◎
毎年息子に書いてもらっている猫のイラスト
今年は頭に2024!なんだかハッピー系。笑
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私の「ダブスタコレクション」にまた新作が加わりました。他にもあったら教えてください。 ・保守派言論人が差別発言 ⇒「人権侵犯だ!」「差別扇動者だ!」 ・左翼言論人が差別発言 ⇒「真意は測りかねる」「コメントは控える」←New!! ・与党議員が批判を受ける ⇒「国民の声に耳を傾けろ!」 ・野党議員が批判を受ける ⇒「アンチの罵詈雑言!」「怒涛のような攻撃に辟易!!」 ・与党議員が事前運動疑惑 ⇒「公職選挙法違反!」「逮捕しろ!」 ・野党議員が事前運動疑惑 ⇒「政治活動の発言だ」 ・与党議員が地元有権者にクッキーを渡す ⇒「公職選挙法違反!」「買収だ!」 ・野党議員が地元有権者に日本酒を渡す ⇒「会合の対価だ」 ・与党議員が政治資金収支報告書に不記載 ⇒「裏金だ!」「脱税にあたる重大犯罪だ!」 ・野党議員が政治資金収支報告書に不記載 ⇒「記載ミスなので訂正した」 ・与党が世襲候補者を擁立 ⇒「異常事態だ!」「政治不信を招く!」 ・野党が世襲候補者を擁立 ⇒「世襲っぽいけど世襲じゃない」 ・与党議員が不祥事で謝罪 ⇒「疑惑はより深まった!」 ・野党議員が不祥事で謝罪 ⇒「本人が撤回しているので、それでいいのではないか」 ・与党議員が特定宗教と付き合い ⇒「特定宗教から祝電や取材を受けるだけでもアウト!」 ・野党議員が特定宗教と付き合い ⇒「個人の思想なので問題ない」 ・与党議員が演説中に薬莢を投げつけられる ⇒「暴力ではなく抗議活動」 ・野党議員事務所に生卵が投げつけられる ⇒「民主制を脅かす卑劣なテロ!」 ・リベラル弁護士が懲戒請求や監査請求をやる ⇒「正当な権利行使!」 ・リベラル弁護士が懲戒請求や監査請求をやられる ⇒「リーガルハラスメント!」 ・与党や右派を批判し、ネタにする漫才 ⇒「見事な社会風刺!」「お笑いの本当の役割を教えてくれた!」 ・野党や左派を批判し、ネタにする漫才 ⇒「完全に無理」「冷笑系しぐさ本当にやめた方がいい」「テレビ消した」 ・韓国女性DJがビキニ ⇒「男性に媚びるのではなく、自己表現としてのセクシーさ!」「自分の好きな格好をして何が悪い!」 ・グラビアアイドルがビキニ ⇒「男性に媚を売り、性的消費を助長する!」「悪い大人に無理矢理着せられた被害者!」 ・天皇陛下の写真を燃やす映像展示 ⇒「表現の自由だ!」 ・二次元萌え絵広告 ⇒「環境型セクハラ!」「男が思い描く女の虚像!」「性的搾取だ!」 ・我が国が防衛力強化 ⇒「軍事大国になるぞ!」「1発撃てば何百発も返ってくる!」 ・北朝鮮からミサイル ⇒(ダンマリ) ・不法行為をおこなう外国人問題について国会質疑 ⇒「外国人差別だ!」「ヘイトスピーチだ!」 ・難民申請中の外国人が女子中学生に性暴行 ⇒(ダンマリ) ・福島第一原発から処理水を放出 ⇒「欺瞞だ!」「毒は薄めても毒!」「断じて許せない!」 ・中国の原発から、福島第一原発処理水の9倍量のトリチウムを放出 ⇒(ダンマリ) 結局マスコミは「自分たちの書��方ひとつで国民はコロっと騙せる」と完全に我々を舐めてかかってるんですよ。私たちはこんな姑息なやり口に断固として乗るべきではありません。「事実をありのままに報道する」というまともな働きひとつできないならサッサと滅んでください。
新田 龍 / X
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ライブアライブ 功夫編感想

嘘だろ…Endでした。
嘘だと言ってくれ……俺一人を残さないでくれ……皆……!!
※クリアするまでに時間を空けすぎたのでうろ覚えの部分もあります。
老師の主人公が(そろそろ弟子ほしいな...)みたいな感じで下山してうろうろしてたら、町?で老人が腹痛に悩まされる病気が流行っていました。老師が薬草を探しに行くと、竹林で女盗賊が襲ってきて、有り金を巻き上げようとしてきました。老師がさらっと倒して、なんと盗賊を弟子にしました!?老師、懐が深すぎないか?

守体草を集めて町の人々に配り歩いていると、スリをされてしまいます。でもスリをした少年は自分の親玉に歯向かい、悪事から足を洗おうとしていました。そこに通りかかった老師がさらっと親玉を倒して解決しました。改心した少年に弟子入りを志願されましたが、見込みがなく断る老師…意外ときっちりしてますね。

弟子にしてくれと何度も頼み込む少年に折れて弟子にした老師……やっぱいい人だな…

市場に行くと、なんと食い逃げが出たと大騒ぎになります。巨体の男が食い逃げをしていました、が、その身のこなしをみていた老師が(これはっ!!)となり、なんと食い逃げの肩をもち代わりにお金をはらうではありませんか!?おい!食い逃げを助けるな!

よほど見込みがあったのか食いしん坊の男を弟子にし、老師はホクホク顔で帰宅しました。

三人の弟子に修行をつける老師、自身の体力と相談しながら修行をつけるのがなんとも痛ましい…伝承するために修行をつけるけど、息切れを起こしたりして辛そうでみてられないですね……。

修行をつけているときはサモくんが夜お腹をすかせてご飯をねだってきたり、レイちゃんが他の二人から女性だからと優しくしてもらって照れていたり(可愛い)、一番弱いことを自覚しているユンくんが夜中にこっそり修行をしていたり…いっ愛おしい!皆愛おしすぎる!全員合格じゃダメなのかな!?

ちなみに私はサモくんを優先して修行をつけていました✌お気に入りです。
そんなこんなで修行を続けていると、市場が大変なことになります。なんと、ユンくんの元上司が暴れているとのこと。改心したユンくんはすぐに行きましょう!と意気込みますが、滅多に怒らない老師がユンくんに怒ります!
市場に行って元上司の孫子王をかるーく捻ると、市場の人からいっぱいお礼をもらいホクホク😋
帰宅すると、ユンくんとレイちゃんが倒れているではありませんか!!!!!サモくんが声かけに反応して状況を教えてくれて、二人が殺られたことを知りました。
おっ俺の!俺の弟子が!!せっせっかく弟子育ててたのに!!!悲���い!!!!!
そこからサモくんと二人だけの修行をします。私は号泣しながらサモくんに修行をつけました。老師は「今のサモの力では出来ないかもしれないが、一挙手一投足ちゃんとみるんじゃぞ」と最終奥義を教えてました。
弟子の敵討ちに行くじいさん、どんどん敵をなぎ倒していきます。この連戦ではじいさんもぼろぼろだろうに、怖じ気づかず奥まで進んでいくじいさん!そこにサモくんが壁をぶち破って駆け付けてくれました!!流石じいさんの見込んだ弟子です。二人で最深部に向かいます。

そして、オディワン・リーと対面します。いや、まてよ!
幹部多すぎない!?
マジで言ってる?全員倒せってこと?
ちょっと笑っちゃいましたが、二人でどんどこ幹部を倒していきます。
オディワン・リーとついに対決することになったとき、暗殺部隊が二人出てきた!?じいさんは暗殺部隊を相手にするから、サモくんにオディワン・リーを倒すように言い聞かせます。
展開がアチすぎる!なんて熱さだ!!!一度しか使えない奥義、いつ使おうかとジリジリ戦っていたら、負けました。
二度目の正直!!今度は体力に気を付けながら戦い、オディワン・リーに奥義を叩き込みます!
旋牙連山拳!!!
ついに!ついに!オディワン・リーを倒し!老師に駆け寄るサモくん!!やったよ師匠!倒したよ!でも師匠はそこで力尽きて死んでしまいました………
姉弟子が死に、弟弟子も死に、師匠まで死んでしまったサモくん…一人で修行を続け、岩を割るほど強くなりました。三人の意思を継いで、伝承していくことでしょう…。
END

絶対ほんわかしたストーリーだと思ったのにバリバリ厳しめの王道ストーリーで号泣しました。
絵を描くのをサボってたのでかなり期間が空いてしまいました😅
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幸せなねこようびを🐾🐾
Have a happy caturday
「Petit Lutin-小さな妖精」より。
原画は貝の小鳥さん企画展「心鳥風景」(開催中〜25(水)まで)で販売・ご覧いただけます。
北欧のクリスマスのおはなしにしばしば登場する”見回りトムテ(小人)”の様子を、コマに見立てた切手に描きました。寒い季節、お腹を空かせた動物たちを慰問するなんとも優しいトムテ。ラストは雪が止み、トムテのため息が星に変わるという締めくくりです。
絵本の古本と木のおもちゃの店
貝の小鳥
@kainokotori
〒161-0033 東京都新宿区下落合3-18-10 Tel:03-5996-1193
営業時間12〜18時(最終日は17時)
火曜定休
#mayamiyama#illustration#삽화#插图#caturday#ねこようび#cat#고양이#猫#catlover#catlife#深山まや#イラストレーション#貝の��鳥#心鳥風景#petitlutin#小さな妖精#トムテ#小人
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250118
夜、いろんなことがむなしくなって、泣く。 息つく間もなく日常にもどってきたから、いっぱいいっぱいだったのかもしれない。
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250119
朝、いそがずに起きる。 昨日、今日はでかけられないかもしれない、と思ったけれど、でかけられそう。 予定よりも遅くなったものの、家を出る。 パン屋でパンを買う。お気にいりのカレーパンと、初めて選んだコロネ。 コロネが想像以上においしくて、何度も、おいしいおいしいとこぼした。 コストコへ。 お昼に食べた生姜焼きでお腹いっぱい過ぎて、お肉コーナーをみる気になれなかった。そこを通り過ぎてからはわくわくとしてしまい、いつもよりたくさんカートに入れた。 何かしらでよく聞く湯田ヨーグルトを買ってみた。食べるのがたのしみ。
札幌の空気は湿度をはらみ、やわらかく、わたしの知っている冬だ、と思った。 気温も心なしか高く、帯広の厳しさを知った。 張り詰めた空気はこれ以上ないくらい孤立し、わたしたちに寒さを訴えてくる。
帰りの車の中、情緒不安定になって泣く。 スピッツの曲のタイトル予想ゲームをした。 歌詞に出てくる単語そのままの曲もあれば、そうでないのもあり、たのしかった。 わたしは曲のタイトルを覚えていないことも分かった。
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250120
朝、身体がつかれている。 かたまったまま、重い。 北海道に帰って来てから、ずっと身体がこわばっている。 きのう買ったベーグルとヨーグルトを彼と一緒に食べて、少し布団のうえで横になる。 小説を読んだり、目をつむったり、力が抜けるように心がける。 深く息をする。お腹に手をあててみる。 この間読んだ本を思い出して、力をいれてしまうのはわたしなりの防衛なのかもしれない、と思う。 身体に力を込めることで守られてきた何かがあるのかもしれない。 30分程ぼんやりして、起き上がると少しラクになっていた。
大学で仕事。 ほとんど人と話さずに、働く。 一度家に帰って、アルバイト先の人たちとご飯を食べる。 外で会うのは初めてだな、と思う。 レストランで作っていると思われるかにパンがおいしかった。 外はこんがり中はふんわり。 ハサミの先端がきちんととがっていて、可愛いカニだった。 帰宅してからはねるためだけの行動をして、すぐにねた。
人のことをわらうような会話をしてしまって、心がざらりとしている。 その場の空気に合わせようとしてしまうのをやめたい。
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250121
朝、今日も体がつかれている。 どうしたって力を入れてしまう。しんどい。 上手くねむれるようになりたい。
アルバイトをして、大学で働いて、家に帰る。 彼の買い物についていく。 明日、会社の同期とスノボにいくからいろいろと買いたい、とのことだった。 ニット帽が恐ろしく似合っていなかった。
晩ごはんにベーグルを食べて、風呂に入る。 いつもと違うリズムで気持ち悪い。 生きているのに生きていない。 ストーブの前で目をつむり、穴に落ちている途中みたいだ、と思った。 体育座りをしながら暗く、細い筒を落ちていく。
夜、昨日の夜と今日の昼から��の日記を書きつける。 文章量が多い。 日常を必死に取り戻そうとしている。 今日は上手くねむれますように。 ここ数日、小説ばかり読んでいる。
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250122
朝、今日も生きていないみたいだ、と思う。 絵を描いたり、詩を書いたり、全くしていないからかもしれない。 現実逃避をしているのに自分が現実にいないことに不安になっている。
今日は1日休みだから、いろいろやることを考えていたけれど、全��できなかった。 でも、何もできなかったわけではなく、他のことをやっていたからできなかったのだと思う。
彼がいらいらとしていて、こわい。 わたしに向けているわけではないことがわかっていても、こわい。 皿を洗っていても、座っている姿が目にはいるのが嫌で、いやで、いやだった。 最低限の挨拶だけして、ねた。
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250123
朝、怖かった。 何かが触れれば一瞬で泣き出しそうだった。 すべて、こわしてしまいたい。
わたしたちは会話を忘れた。 会話を忘れたのはわたしだけだった。 涙が流れながら、朝ごはんを食べた。 調子がわるい。
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250124
朝、雪が積もっている。 いろんなものが白くなり、境目がうすい。 朝ごはんを食べながら、夢をみた話をする。 山に住んでいて、平べったい猿がみえたこと。反対側には川が流れていて、橋が架かっていたこと。 帽子のような山をみつめていたことを思い出す。 山の絵を描く。
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250125
アルバイトをする。 休憩時間に、お昼ごはんを買いに行くのを面倒くさがって、食べなかったから身体の調子が少しくるった。 今日も雪が降っている。 雪が降ると寒くなくなって、こころがゆるむのを感じる。 人々はみんな、いそいそと雪かきをしている。 今年は雪が少ないそうで、もしかしたら、みんな、ずっと雪を待ちわびていたのかもしれない。 わたしは雪が降って、嬉しい。 寒いだけより、よっぽどいい。
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The sigh becomes a butterfly in the flower field

This is a haiku poetry written by a 17-year-old Japanese schoolgirl.
I've introduced it here because the sensibility of "a sigh becomes a butterfly" is so wonderful.
On the back of the Oi, Ocha tea bags, haiku by boys and girls from all over the country are introduced, and I look forward to reading them every time I make tea.
Green tea is one of the oldest Japanese zen traditions, originating from Eisai, a Zen monk around the 12th century. The supposedly bitter matcha green tea flavour is now mixed with sugar and milk and is popular all over the world. I regularly use "Oi, Ocha" tea bags for this time-honoured green tea, which is super easy and tasty.

"ため息は、蝶になりけり、花畑"
これは日本の17歳の女子高生が作った俳句。「ため息が蝶になる」という感性がとても素晴らしいので、ご紹介した。
「お〜い、お茶」のティーバッグの裏には、全国の少年少女たちの俳句が紹介されている(以前は大人バージョンだったような)毎回、お茶を入れる度に楽しみに読んでいる。
緑茶は、12世紀ごろの禅僧、栄西由来の日本古来の伝統の一つ。苦ーいはずの抹茶味は、砂糖とミルクを混ぜ、現在では世界中で人気の味となっている。その由緒正しい緑茶を、私は超簡単で美味な「お〜い、お茶」のティーバッグを常用して飲んでいる。
絵画で言えば、気の遠くなるようなルネサンスのテンペラ技法から、油で描けるが乾くのに時間がかかり面倒な油絵具へ、そして乾きが早く水で洗えるアクリル絵具に進化し、今やAIアプリを使えば、手を汚す必要すらない…みたいなものだ。
#haiku#poem#japanese tradition#zen#eisai#zen monk#seventeen#buterfly#sigh#flower fields#matcha#green tea#oi ocha
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uihy
自室の記録

5年前からルームシェアをしているSと一緒に引越しをしてから、3年が経った。寝室をSが、リビングを私が自室としている。私の部屋の正面には大きな窓があり、左右にもそれぞれ小窓がある。

小窓1
装身具類の置き場所。ピアスを置いている鳥のレモン絞り器は、Fさんから貰ったもの。Fさんはよく動物のものをくれる。犬の形をした栓抜きや、野営をするくまの置物も彼からのプレゼントだった。
カートリッジインクの空き容器には、ヘアピンやネックレスを入れている。私の父は吸引式の万年筆を好んでいて、父から贈られたペンもインク瓶とセットのものが多かった。実家を出て外にいる時間が増えてからは、インクを切らすことが怖く、自然と替えのインクを持ち運べるカートリッジ式の万年筆を使うようになった。それからしばらく経ち、1年前にプログラマを辞めたことを手紙で報告すると、その数日後に「励まし」とボールペンが送られてきた。以降ずっとそのペンを使っているから、手持ちの万年筆はどれもインクを抜いてある。
よく付けるピアスは窓の縁に置いていて、どこかの喫茶店で使われていたらしい伝票入れには、硝子のオーナメントやトライアングルのビーターを差している。

Hのくれたトライアングル本体は、腕時計とブレスレットを失くさないための場所として機能している。良くない使い方だと罪悪感を覚えてはクロスで磨いている。

小窓2
『陶の家』を見かけたらひとつ買うというのを続けていて、現時点で3軒が建っている。少しずつ街になっていく。家の奥には、ミナペルホネンの好きなQさんにプレゼントしたものと色違いのタイルを置いている。

小窓3
すぐぼろぼろにしてしまう指先のケア用品を置いている。H先輩に貰ったネイルオイルの磨硝子が好きだった。Fさんが動物をくれるように、この人は硝子をよくプレゼントしてくれる。硝子のオーナメントも、ステンドグラスのくまもH先輩か���貰っている。

窓を開閉するハンドル(オペレーターハンドルというらしい)に紐をかけて、ケーブルや電源類をまとめている。先日Eから貰った白いカールコードのシールドもここに下げている。黒い服ばかり着ているのに、Eには乳白色のイメージがある。“誤って人間として産まれてしまった天使”だと感じさせる人と知り合うことが何度かあり、Eもその中のひとりだった。

向かって左には仕事用のシャツ、右には外套を何着か掛けている。秋冬用の服ばかりある。

机
ここに越すことが決まってから最初に選んだ家具。プログラマになったばかりの頃、メモリの重要さを机の広さに喩えて教えられた。それで机は広いほど良いものだと認識したのか、気付けば横幅のある机ばかり探していた。天板の色を緑に決めて、部屋の軸に据えた。

職場で割ってしまったマグカップに無線イヤホンや保湿クリームを入れている。シャツを濡らしたまま破片を持つ私を見て、笑ってくれる会社の人たち。これ以上は無いとよく思う。
ヘアクリップ入れにしている、ままごと用のような小さな花瓶も気に入っている。渋谷の蚤の市で友人へのプレゼントを選んでから、度々その人の店でものを買うようになった。銀色のトレイやハート型の赤い缶もその人から買った。
銀色の電源タップは前の部屋から持ってきたもの。あらゆる電子機器の電力をここから供給している。

ギターをくれた友人たちが別の年の誕生日に合同出資してくれたオーディオインターフェースがモニターの下にある。未だに1-2と3-4の入力を同時にする方法が分からず、2つずつ付け替えながら使っている。これを貰ってからAudacityで曲を作り始めて、今もそのやり方をしている。会社の先輩には「システムを0と1だけで作ろうとしているみたいなものだよ」と言われたけれど、その頓馬さを含めて自分に馴染むので、Audacityをずっと使っている。キーボードがちょうど上に乗る。

モニターの横にはmicroKORGを置いている。普段は誕生日に贈り物をしないと取り決めているSだけれど、数年前に何かで手を貸した際「この恩は倍にして返します」と言い、その年の誕生日にmicroKORGをプレゼントしてくれた。このシンセサイザが部屋に来てから、自分の生活が向かうことのできる方角が増えたように感じている。大切な楽器。

microKORGには、新しい部屋で出した『野良の花壇』のマグネットを付けている。本来は冷蔵庫のために作られたマグネットだけれど、皆とスタジオにいる時にあって欲しく、ここに付けている。プリクラで来られなかった友達の似顔絵を描くような感覚。私の黒い冷蔵庫には、ピーター・ドイグの青鬼の絵と油絵の花のマグネットだけがある。

机の下に、PC・トランクケース・スーツケースを置いている。PCはSのお下がりで、MacBookしか使ったことのなかった当時の私は、こんなに大きな箱がPCだなんて、と思っていた。PCの上に付けたアンテナは狐の顔のような形をしている。
トランクケースは大学2年のころ大枚をはたいて手に入れたもの。どこか遠出をする時はこれに荷物を詰めている。畳み終えた洗濯物をSの部屋へ運ぶ時のかごや、ギターを弾く時の足置きとしても使用。頑丈さに安心する。
スーツケースはついこの間、京都に長く滞在するために買った。銀色の次に、灰がかった青が好きだと思う。

ギター・くま・本棚

ギターは高校時代の友人たちが誕生日にくれたもの。19歳になったばかりの頃、当時の交際相手と出掛けた帰り、気が付いたら楽器屋にいた。ギターを2本持ったその人に「どっちがいい」と訊かれ、指差した方を買ってくれた。私にギターを与え、弾き方を教えてくれたことにずっと感謝している。その人と別れてしばらく経ち、誕生祝いに何が欲しいかを訊かれ、ギターを頼んだのだった。友人たちは「あえて白にしてみた」と笑っていた。今思えば、このギターを貰ってから白を自分のものにすることへの抵抗が弱くなった。ギターの届いた日、触っているのが楽しくて大学を休んだのを覚えている。
YAMAHAのアンプは義兄が使っているのを見て購入した。私が真似をしていると知って嬉しそうだった、と姉から教えてもらった。

左端のくまは、元は白だったのだけれど、深い青のシーツで眠るのに付き合わせたせいで黝くなってしまった。Kの小説に「ヤニや涎で汚れてしまったのかしら」と書かれてからは、布で包んでいる。いつかぬいぐるみ病院に連れて行きたい。隣は一度も会ったことのない人が贈ってくれた黒いくまと、高校時代の交際相手が留学先のお土産として連れてきてくれた焦げ茶のくま。誰かとビデオ通話をする時にはよくパペットのくまに代理出席してもらっている。右は、地元や旅先の雑貨屋で見つけて連れてきてしまった(“しまった”という意識がずっとある)小麦と白のくま。グレーのワゴンに小さなギャッペを敷いて、くまたちの場所としている。

低い本棚の上
蓋のない宝箱。小物たちというより、質量のある記憶群という方が実感に近い。
西荻窪にあった喫茶店の閉業を知って沈んでいると、H先輩が「お店で使っていた品物を販売しているみたいです」と教えてくれた。黒い花瓶のあるおかげで、ずっとその店を忘れずにいられる。今はEのくれた竹とんぼや、Aさんのくれた花を入れている。ポストカードをしまっておける箱のついた額縁には、Aの写真を入れている。過去、「__の写真を写真展に出してもいいです���?」と、もう搬入の終わった状態で確認の連絡が来たことがあった。Aがごく稀に見せる、こういった強引さが大好きだった。展示を了承する代わりに譲ってもらったその時の写真たちは、勾配天井の部屋に暮らしていた時に飾っていた。上京してから借りたどの部屋にもAの写真を飾っている。そのほか、江の島で拾った石や、Tさんがライブ終わりに嵌めてくれた指環、Uさんと行った犬吠埼のイルカの置物、書ききれないほどの誰かと紐付いた宝物がある。

声の依頼を受けた際、お礼にといただいた絵。額装までしてくれていた。元々この人の絵が好きだったので大喜びした。一度この絵を裏返さなければいけない時期があったので、また飾ることができて嬉しかった。

高い本棚の上
小さなギターは、Kさんと一緒にRさんの部屋でパーティをした日、���古のおもちゃ屋で買っ��もの。Rさんの部屋に戻った後もご機嫌に鳴らしていて、そのあと火事が起きた。カセットコンロの火がテーブルクロスに引火して、火が早送りのように広がっていくのを見た。三人で死ぬ映像がちらついた、次の瞬間には火が消えていて、振り向くと花瓶を持って息を切らしたRさんが立っていた。チューリップを活けていた水での消火。このおもちゃが生き延びた証明になっている。このあいだのアルバムに入れたフィールドレコーディング曲にはその日の日付が付けられていて、火のはじける音やこのおもちゃギターの音が入っていた。volca keysは初めて触ったシンセサイザ。自分ひとりである程度のことができるようになりたくて、リズムマシンとマルチエフェクターを買った。
銀色のバットはひとつ前に住んでいた部屋の近くにあった台所道具の店で買ったもので、前日と翌日のあいだの時間に携帯品を置いておく場所として使っている。

Artekのスツール60を、椅子やベッドサイドテーブルとして使っている。パーティめいたことをする時には、3脚くっつけて大きなテーブルとして使う。雑貨屋でまとめて購入したので、その日で店のポイントカードが1枚分溜まった。そのカードをイッタラのキャンドルホルダーと交換してもらった。
銀色のトレイは、先述の蚤の市で知った店で買ったもの。部屋のポケットとして使っている。
“拯”の字は、精神がどうしようもなく落ちていた今年の始めに、Uさんが「書初めをしよう」と言って筆を持たせてくれたもの。翌月にまた京都を訪れた際に、国際会館のカフェスペースで焼き上がったものを渡してくれた。頭でばかり考えてはすぐに身体と疎通できなくなる私に、四肢のあることを思い出させてくれる友人。
本の上には気休めの紙魚対策として除湿剤と防虫剤を置いている。

小窓4
Fさんからの犬の栓抜きと、Hに貰ったコンクリートの置物、H先輩が分けてくれた犬の箸置き。母の好きなミニチュアを贈る際、色違いのチューリップを自分にもひとつ購入して、端に置いている。自分のために生きた花を買えない反動か、花のモチーフのものを見かけると嬉しくてつい手が伸びる。

キッチン
私の洗面台を兼ねている。私もSも、料理と呼べるような自炊は殆どしないので、調味料や調理器具が少なく、キッチンの収納部にはそれぞれの私物が仕舞われている。

Mさんが引越し祝いに買ってくれたカセットコンロ。パンを焼く時やカフェオレを淹れる時に使う。組み立てる際の動作がロボットアニメのワンシーンを思い出させるので、人前で使う時には「変身!」と言うようにしている。
隣の空き瓶は元々ジンの入っていたもので、誰かに花をいただいた時には一旦ここに活けている。

この部屋に越した時にIがプレゼントしてくれたローズマリーの石鹸の匂いが好きで、貰った分を使い切ってからも自分で買い直している。歯磨き粉はGUM以外だと落ち着かないので旅行先にも持っていく。歯ブラシはKENTのもので、最初に使ったあとの歯の滑らかさに感動して、誰かに共感してほしいあまりSに押し売りをした。それからSも同じものを使っているので、それぞれのストックも合わせると10本近くこの歯ブラシがある。右端はリングホルダー。左手の薬指に環を嵌めるようになってから、指環が好きになった。今は5本の指環を付けている。

食器棚
H先輩のくれたくまを吊るしている。緑の石鹸はMさんのスペイン土産。ここに写っている鉄鍋も鉄フライパンも、写っていない3本の包丁も2枚のお盆も貰いもの。




ソファ
机の天板に合わせて布を選んだ、三人掛けのソファ。毎日ここで眠っている。Sの部屋にある質の良いベッドよりも、薄いマットレスを敷いたソファの方がよく眠れる。枕に近い小窓のハンドルにエジソンランプを括りつけて、普段はその光で睡眠薬が効くまでを過ごしている。

部屋のすぐ向かいには線路があり、3面の窓から電車の通る音や光が流れる。最終電車の後は、スケートボードの走る音や、酔った誰かの歌が聞こえる。この部屋で生活をしている。
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ZOIDS fanart log.5

ゾイドシリーズ色々。ゾイドワイルド視聴完走しました!
Zoids fanart log. I watched all the Zoids Wild anime. Thank you for watching this page.
ZOIDS fanart log.1
ZOIDS fanart log.2
ZOIDS fanart log.3
ZOIDS fanart log.4

















トークショーで明らかになった25年越の新情報!…を理解するために図を描いてみたり、地球が舞台のワイルドシリーズを見て見たり…。
考察が難しくなったら、「なんかすごいかがくりょく!」で乗り越えたいと思います。



※駐車場を探しているとき、こんな動きをしがち…な気がします。

上空の鳶に狙われた!▼






以下、ゾイドワイルド 視聴実況▼
[ゾワ見てる]デスメタル団あまりにもブラックなのにユーモラスすぎて涙ちょちょぎれる…スイカ割りするから今すぐ帰ってこいとか遠い目になる。アラシとニギリがだいたい空腹で可愛い… [ゾワ見てる]ベーーーーーーーーーコーーーーーンッ……続きを見るわよ。ギャラガー様が自然な演技だからより一層怖くてすごいなと思う。 [ゾワ見てる]フォアグラのとこ生首埋まってるんだけどwwwほんとなんでそんなブラックユーモアなのwwwペンネちゃん…いい子…涙 [ゾワ見てる]これギャラガー様がベーコン捕獲してて仮面つけて闇堕ちして出てきたりしないんですか…ハッピーバースデーの歌めちゃ上手いし怖いし怖いが!?!?!? [ゾワ見てる]待って待ってギャラガー様の若い頃なんで??なんでこれがこうなるの???ネァンデ⁉︎めっちゃ筋トレしたってコト⁉︎ [ゾワ見てる]子供向けだから直接的な死の描写も避けてるなぁと感心してたら仙人にえっちな本要求されてめっちゃ笑ってる。探せばあるかも⁉︎あるんかい⁉︎ニギリお手製の薄い本かと思ったらファッション誌だったしwwwもう www [ゾワ見てる]ようやっとクール系ライバルが出てきたと思ったらコイツ…ポンコツだぞ!?!?でも、もの���け姫だ!?ソルト君、ゾイドの言葉がわかるのね…面白い子ね… [ゾワ見てる] ソルト君「…ワクワクしたか?」 我「…???…?ん“?」Ciao!/ [ゾワ見てる] ソルト君「強い奴!強い奴!つよryズダダダダダダ」 令和語我「すごい個性的な子なんだね!」 平成語我「なんか変だぞコイツ⁉︎」 [ゾワ見てる] ソルト君は古ゾ人の系譜っぽい…?だから名前が塩なの?野生児だけどちゃんとパンツ履いてて安心したよ。文明を教えてくれてありがとうウルフ。ニギリが世界を救うのではないかってくらい救済レベルが高い。 [ゾワ見てる]ホビアニ毛の難所2名※図参照 [ゾワ見てる] ハンターウルフ「俺の歌を聞けェェェッ‼︎‼︎」 クソデカスピーカー搭載ゾイドはいいよね。 タイガーが助けに来てくれたけどベーコンが乗ってなかったからやっぱり仮面で闇落ちして出てきて欲しい…チャーシューみたいな名前で… [ゾワ見てる] 待って待って!ギャラガー様が薔薇風呂入ってるんですが!?!?!?!?何??? [ゾワ見てる] 敵役の風呂シーンで余裕を見せる演出技法ってあったっけ…あったかな…ありそうだな…あるんだよ(?) [ゾワ見てる] アラシの想像の中のフリーダム団、アラシ吹き替えかな…?ニギリの声がwww なんかwww フフフッ [ゾワ見てる] ゾイドを傷つけたくないからって拳で殴りあってるアラシとソルトのところにスパナ振り回して殴り込んでくるニギリ好きすぎる。仲間っていいね。 [ゾワ見てる] ペンネちゃん指でニギリのメガネ割ったwww ほんとギャグがフリーダムwww [ゾワ見てる] ソルちゃん、お父さん似。それにしても、あまりにも方向音痴…恐ろしいほどに… [ゾワ見てる] 人の心とかないんか!?!?!?!?何でここだけこんなに闇深いの⁉︎⁉︎どうして…どうしてェェェッ [ゾワ見てる] 研究者の息子で知識豊富だから生かしてたってコト…?ギルラプターどっちかなら助けてあげるとか…あんまりだよ。デスメタルお前ら人間じゃねぇ!!!!ギャラギルもなんで自爆すんの…なんなん…どうしてェェェッ [ゾワ見てる] アンキロの件、あまりにも過酷すぎて泣いた。デスメタルは人ではない。吐気を催す邪悪だよ…。やつれたベーコンはかわいい。 [ゾワ見てる] ジェネシスのディガルド(ジーン)も過酷だったけど冷徹、無慈悲、といった印象がある一方で、おちゃらけて気分屋の側面がありながらやることがぶっ壊れてるデスメタル、かすかな希望を見せといてどん底に落とす恐怖を感じる。視聴者が泣いた。 [ゾワ見てる] オニギリと親父が癒し ※図参照 [ゾワ見てる] ファンデの上に乗せてたキュウリパック食べちゃってるだけで怖い(逆ハの字)。ギルラプターが仲間思いで泣いた。とってくれ、白ギルちゃんの仇を…!最後は拳で語り合おうぜの展開はワイルドで好き(みんな相棒が好きだから傷つけたくないというBIG LOVE…) [ゾワ見てる] お絵描き下手っぴ枠がドレイク君だなんて…瞬撃ぃ〜かわいいね。ところで食べ物に何を入れたんだい?「アラシーッ!」って戻って来てくれるところとても好き。ワイルドブラストすると前髪?がボッてなるのね!ソルちゃんの勘は外れないけど道は間違えるんだな…何故。 [ゾワ見てる] ピエロに逆ハの字の感情を持つ方なので、メタルだよ四天王がわりと怖く感じる。見た目が怖いのにユーモラスだったり親近感湧く発言するから怯えながら見てる。でもこのギャグの塩梅は好き。 [ゾワ見てる] たけのこを丸焼きにして食べている⁉︎(たけのこ⁉︎) [ゾワ見てる] は⁉︎吐きそう‼︎‼︎ドレイピばっかり何でこんなこんな⁉︎なんで‼︎ヌァァーーーッ [ゾワ見てる]「俺1人で十分だッ‼︎」キターーッ(゚∀゚)‼︎‼︎ [ゾワ見てる]カブターーーーーーーンッ‼︎‼︎ [ゾワ見てる]タイガーにベーコンの魂の欠片混ざってたりしないコレ⁉︎⁉︎ [ゾワ見てる]最終回をずっと絶叫しながら見てた件について [ゾワ見てる] デスレックスの「私たち分かり合えてたよね」のとこにさ!もうほとんど分かり合えてると思ったのにさ!キーをさ!押し込むんじゃねぇぇぇぇぇ‼︎‼︎人の心とかないんか⁉︎ないな⁉︎ [ゾワ見てる] 痛みを伴うシーンをドレイピとギルちゃんが引き受けるもんだからちょっと心臓が持たなくてですね、己の咆哮で正気を保つなどしました 【完走!▼】
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For @rainingmist27, I tried to see if I had an english version but it doesn't seem like it. My professor had us do a creative report so it has a cover page and design but tumblr is tumblr
『残酷な神が支配する』の反響
生き方を変えたものに出会ったことがありますか。事項とか人とか物とか、どんなに小さいものでも、生き方を変えさせるものがこの世にはいっぱいあるはずでしょう。私にとって、『残酷な神が支配する』はそのものです。
『残酷な神が支配する』は、萩尾望都の漫画作品で、1997年に「第1回手塚治虫文化賞優秀賞」を受賞しました。女性漫画として出版されたので、暴力や虐待や死や恋愛などのテーマが現れます。残念ながら、この漫画が日本以外で出版されていませんので、今のところは日本語でしか読めません。理由はもしかすると漫画に現れるテーマが複雑すぎるからでしょうか。しかし、それはもったいないことだと思います。
まず、ストーリーを簡単にまとめてみます。主人公のジェルミは、ボストンで母と暮らしている15歳の普通の男の子です。精神的にもろい母は英国紳士グレッグ・ローランドと恋に落ちて、ほどなく結婚するつもりだけど、グレッグの正体を暴いたジェルミは結婚に反対します。悲嘆にくれた母は自殺をしようと決めたけど、失敗して入院してしまいました。死に損なった母のために、ジェルミはグレッグと一度きりの取引をしましたが、結婚後、イギリスに移ってからジェルミはグレッグに肉体関係を迫られます。誰にも相談できないまま追いつめられたジェルミは、やがてグレッグを殺すことに決めます。しかし、ジェルミが起こした自動車事故は母も死なせてしまうんです。一方、グレッグの先妻の息子のイアンは、ジェルミと父の死に何からの関係を疑い始めて、真実を追いかけようと決めました。ここから、イアンの想像できない旅が始まります。
この漫画は全部フィクションだったとしても、性被害者の話を本物のように表現していると思われています。現実とフィクションの境界線をにじめることができるので、その理由でこそ、この漫画は誰でも魅了することができると思います。確かに、強姦とか虐待とか、そういうものを経験したことがない人には、この漫画の人物に同情するのは難しいでしょう。それでも、漫画の人物の痛みとその痛みの余波は、萩尾先生のストーリーの書き方と絵の描き方によって、素晴らしく残酷な仕方で示されていると感じられるばすです。だからこそ、この漫画は「好みはそれぞれです」という表現を乗り越えられると信じています。それに、ジェルミと同じ事態を体験している人はどこにでもいる、それをあなたに無理やりでも認めさせるでしょう。
漫画の前編はジェルミの話です。読者として、私達はジェレミに虐待が加えられたかどうかはっきり見ることができませんけど、激しくて象徴的な絵から想像できます。特に、ジェレミは「愛」の意味を理解しようとします。「愛も破壊したら暴力になる?」とジェレミが案じる時には、読者として、私は胸中に疑念が湧き上が���ことが始めました。私は愛の意味を本当に理解しているのだろうか。「愛」というものはどういうものなのか。ですから、そんな悩みがある人はたくさんいるのではないでしょうか。話の後編はイアンの観点から描かれます。それからの話は最初の部分と同じぐらい悲しいと考えてください。ジェレミが受けた性的虐待の余波にかかわっているながら、イアンはジェレミを責めるべきか、助けるべきか最後まで決められないようでした。漫画の人物はまるで人間のように暮らしていて、喜びと悲しみも絵が感じさせます。
「人生はまだまだ長いでしょう」と「幸せは必ず来るでしょう」というメッセージを読者は感じられるでしょう。それに、「普通」というものは、本当は存在しないと教えてくれました。ジェレミは「普通」の男の子と紹介されました。でも、ジェレミは本当に「普通」だったのでしょうか。したがって、「人はそれぞれの普通があるので、自分らしく生きるのは最高の幸せでしょう!」というのは漫画の最後のメッセージになるのではないでしょうか。本当に、私の人生を変えられた気分がしました。皆さんはどうでしょう。人生が変われるほどものはありますか。
#japanese report N3 level#I mean this is very beginner stuff#I don't even know if “report” is the right english word for it#I'm not tagging the manga#I swear the manga is really interesting!#I really do think it's a pity it hasn't been translated into english#I'm going go right ahead and say that I think it's banana fish level but like psychologically darker
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午後十二時、浩志は上野駅にいた。正面改札の前で、壁に寄りかかりながら猪熊弦一郎が描いた絵を見つめていた。彼は、大学を卒業して帰郷することになった時のことを思い出していた。あの日、幸雄とはしばらく会えないと何度も上野駅のホームで抱擁と接吻を交わし、発車直前の電車に乗ったっけ。当時は未だ特急がなかったから上野から水戸まで二、三時間かかった。脳裏に渡辺はま子の「夜のプラットフォーム」が流れ、ホームが途切れるまで幸雄は手を振りながら見送ってくれたなァ…。再上京した時も彼は抱擁し、おかえりと言ってくれた。
そんな記憶が次から次へとよみがえり、浩志はため息をついた。過去と現在が彼の中で交差する中、生天目が手を振りながら走ってきた。一緒に働いていた時より腹が出ているなと、浩志は思った。生天目は言った。
「久しぶりだな、元気か?」
「あぁ。しかし、お前…太ったか?」
「実は、お前が学校を辞めた後に結婚したンだ。嫁さんが料理好きで…。子どもも二人いるンだ」
嗚呼、幸福太りかと浩志は思った。結婚すると男も変わるンだな。オレは結婚したとしても、あぁはなりたくないなァ…。そう思いつつ、二人はこの界隈で食事をすることにした。交差点を渡ってすぐのレストラン「J」で、二人は定食とビールを注文した。この日は家族連れで混雑していた。恐らく、「上野動物園」へのお客さんが殆んどだろう。浩志は子どもの声が嫌いだが、まァ、生天目は酒に「飲まれる」質だからとすぐ食事が済んだら喫茶店でも行くかと思い、我慢することにした。
互いに乾杯をし、一口飲むと生天目はハァ〜と笑顔で、
「美味いなァ!」
と声を上げた。すっかり「デブ」と化してしまったなと、浩志は苦笑した。嗚呼、もし「ノンケ」じゃなければ連れ込み宿でいじめてやりたいと、彼は思った。
生天目は、忍が卒業してからも文通をしていることを話した。東京には月イチで来ては上野の美術館を観て回っており、あの忍の裂けてしまった学生服のスラックスを縫った家庭科の女性教師と結婚したのだそう。浩志はあの、スラックスの後ろが上から下まで縫い目がほどけ、弾けるほどに肉付きのよかった忍の真っ白なブリーフを思い出した。やはり、忍も話していたが、浩志の代わりを務めたラグビー部の新しい顧問はあまり熱心でなく、最終的には廃部になった様だった。浩志が教えていた時には英語が好きだった生徒も、担当が変わったことで嫌いになってしまった者もいたらしかった。生天目は、
「お前のいない県立M高校は、本当につまらなくなってしまった」
と話した。彼は続けた。
「オレが今の県立J高校に異動する前、実は忍のお姉さんが直接話に来たな。彼女はてっきり佐伯が忍に手を出したと思ったらしく、教育委員会に告発してしまったと。しかし、親父さんから『忍には手を出していない』と言われたンだろうな、彼女は自分の勘違いだと思って謝罪したそうだよ」
この言葉に浩志は、何を言うンだと思った。どれだけオレが傷付いたのか解っているのか?と、彼はビールをもう一杯注文した。生天目も、オレもと追加を頼んだ。おいおい、大丈夫か?と浩志は心配そうに生天目の表情をうかがった。ビール一杯で顔はうっすらと赤くなっていたが、急に彼は真面目な顔つきになった。
「…佐伯。また教壇に立つ気はないか?」
一瞬、浩志は周囲のざわめきが聞こえなくなった。え、何だって? 彼は酔った勢いで言いやがったンだなと思い、
「おいおい、冗談はよせよ。オレ、二度と教師はやらねぇよ。学習指導要領だって変わっちまったッぺよ。それに、いったん懲戒免職になったンだ。何処も使ってくれねぇよ」
と、彼は揚げだし豆腐を口に運んだ。しかし、生天目は急に正座をし、頭を垂れた。
「お願いだ、また戻って来てくれ!」
二人のすぐ隣に座っていた数人がびっくりして振り向いた。浩志は、土下座するンじゃねぇよ!とあたふたした。ここではちょっと無理だなと、とりあえず食事を済ませて他でじっくり話すことにした。
現在はマルイとなっている通りを二人は入り、ちょうど御徒町駅の間に位置する純喫茶「O」に向かった。古めかしい、今の言葉でいえば「レトロ」なシャンデリアが室内を照らす空間で、二人は先刻の話の続きを始めた。生天目は、恐らく独身の頃から着ているのだろう、歩いているうちにはみ出したワイシャツをスラックスのホックをいったん外して直した。チラッと赤と青のラインがはしったブリーフのウエストゴムが見えた。浩志はその様子を見ながら、
「生天目、少し痩せないとヤバいぞ」
と言った。彼は、
「…嫁さんからもそう言われてるンだよ。一度、学校で忍みたいにスラックスがケツのところで裂けちゃって…。授業中でのハプニングで恥ずかしかった」
と話した。
コーヒーを片手に、二人は話を再開した。こんなオレを使ってくれる学校があるのか?と浩志は聞いた。すると、
「実は、水戸駅南にある私立S高校ってあるだろ? まァ、私立だから『滑り止め』だけどね。大学時代の友だちが勤めているンだが英語が教えられる教師を探してるらしいンだ。でも、名前を書けば入れるところだからレベルは低い。よほどタフな精神力がなければならないらしいよ。お前、大学時代からラグビーをやって全国大会までチームを導いた実績もあるし、適任かな?と思って」
と生天目は言った。私立S高校…昔からある学校ではあるなァ。親父が再三バカにしてたっけ。浩志は若干気持ちが向いたが、この東京での生活も申し分ないし、迷った。それに、幸雄とまた離れるのは辛い。彼は、コーヒーをスプーンでかき混ぜながらしばらく沈黙した。今夜、幸雄に相談してみるか…。
「…ちょっと考えさせてくれ」
浩志は生天目にこう言った。
午後三時に浩志は生天目と上野駅で別れた。生天目は、連絡を待ってると電話番号を書いたメモを渡した。今住んでいるのは常北町らしかった。随分、田舎の方に住んでいるなと、浩志は思った。
正面改札で生天目を見送ると、浩志は営団地下鉄の方に向かい、浅草まで銀座線、東武鉄道で向島へ行った。幸雄はこの日はずっとアパートにいると、予め公衆電話からかけた時に言っていた。たどり着くと玄関で幸雄は待ってましたと言わんばかりに浩志を抱きしめ、唇を奪った。あれよあれよと彼はワイシャツのボタンを外され、スラックスも脱がされてしまった。幸雄も欲情のままに下着だけになり、ブリーフ越しに己の股間を浩志のものに押し付けた。
喘ぎ声と、何度も愛の囁きを呪文の様に繰り返しながら、二人は絡み合った。職場は同じでも、ここ二週間は情事が殆んどなかった。浩志も幸雄も、これまで溜めていた愛液を枯れるまで跳ばし合い、快楽の極地まで流されていった。
午後七時を回っていた。二人は最寄りの銭湯で身体をキレイにし、少し散歩でもしようかと言問橋の手前で階段を下り、隅田公園を歩いた。大学時代、一秒でも一緒にいたいとよく散策をしたのを浩志は思い出した。水戸に戻る前日もそうだった。未だ、ちらほらと梅の花が散らずに残っていた。微かに沈丁花の香りもし、もうじき春を迎えるなと浩志は思った。背後から幸雄の姿を追いつつ、彼は言った。
「…実は」
なかなか次の言葉が言い出せずにいた。あんなに沢山愛してくれた後に再び別離の話をするのは、正直心苦しかった。幸雄は振り向くとこう言った。
「…もう一度、教師を目指すのか?」
えッ!?と、幸雄には一言も話していないのにと浩志はびっくりした。彼は、
「な、何で知ってるの…!?」
と聞いた。すると、幸雄は近寄って浩志身体を両腕の中に包み込んだ。グッと引き寄せながら、
「先刻、君が途中泣いてたし、何度もオレの名前を呼びながら強く抱いていて、何となく…」
と言った。彼も、浩志が東京を離れる前のことを思い出していた様だった。胸の中で抱かれながら、浩志は幸雄のぬくもりにふと涙した。彼は言った。
「昔の同僚が知り合いのいる高校で英語を教える教師を探してるって話をされ、一昨日は昔の教え子も来て…。何か、行��なくちゃならないかなって…。幸雄とまた離れるなんて…」
「…否、オレはいつでも待ってるよ。また辛くなったら来ればイイ。オレは君が幸福に生きてくれればそれでイイんだ」
「…幸雄!」
翌日、浩志は勤めていた新聞社に辞表を提出した。間もなく私立S高校で面接もあり、浩志は四月から正式に勤めることになった。みいは、また水戸に戻ることに半ば淋しさを感じながらも祝盃を共にした。幸雄も、水戸に戻る前日に銀座の「Lビヤホール」で一緒に飲んだ。そして、向島の下宿で朝まで愛し合った。
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無題
平穏よりも胸のときめきをいちばんにしたら世界のぶあつい皮膚が一枚めくれたかのようになにもかもが歌い踊りかがやきはじめたのをいまでも覚えている。わたしは親が厳しくて外泊できないけれど、そのあいだに同級生の子たちはうつくしい島の海に反射する満月をみて、だれかと夜通しぴたりとからだをあわせて内緒話をするような、今にもぷつりと切れそうな糸のように細くて鋭い若さを世界の夢に浸らせている。感性を野放しにして、こどものころの感動をひとつずつ取り戻す時間がわたしにも必要だった。けれど思いどおりにいかないこともある、それも定めとおもって歯をぎゅっとくいしばる。わたしには必要だった。路上、白い廊下みたいに澄んだ朝霧をかんじる時間。薄いトップス。ズレた口紅。好きな男の子と寝て一限目をサボるとか、夜の街頭を走り抜け、くだらないことに時間とお金を費やすこと。「それだけじゃない、夜に遊ばなくても昼に釣りをしたりサッカーしたりそういう遊び方だってあるだろう。そっちのほうが幾分もまともだ」 おとうさんは夜遅くに帰ってきたわたしを叱りつけ、そう言った。わたしはけしてワルにあこがれているのではなくて、ただただ綺麗なものに飽きただけだった。わたしにとって祈りや信仰はさいしょから型があってそれに当て嵌めてハイ完成みたいなかわいいお菓子作りのようなものじゃなかった。昔も今も自分でうつくしい歌をつくれない。うつくしいものがたりをかけない。うつくしい絵を描けない。世の中にはフォロワーが万桁いる女子高生がいて、今、世界中では何千もの美術展が開催されていて、明日、いつかオリンピックに出るであろう少年がはじめてスケボーに乗るかもしれない。わたしには何もできないかもしれないけれど、彼らの生き様はわたしをわたしたらしめる微かなエッセンスとしてわたしに溶け込む。それを祈りという言葉で表象してはだめ?これからのことをかんがえると、ずっとどきどきする。目の前の光景が、訪れたことのない地の光が、風が、わたしを、わたしのからだを必要としてる気がする。世界中に張り巡らされた血管がわたしの心臓部にも繋がっているような心地。死ぬ5秒前ってどんな感覚なのかしらないけど、築き上げた塔が崩れてゆく感じなのかな、雪景色のような。
無題
朝起きたら腕に友達の噛み跡と身に覚えのない痣が3つくらいあった。耐え難い疲労がからだのあちこちにひっついて、入れ墨と化している。活字の海を、本をその背に背負えたらよかったのに、今のわたしを崖っぷちに引き止めているのはうつくしい言葉でもなくて、泥に塗れた重いカルマ。イヤホンの先から垂れ流れる音楽すらも風のように軽やかで自由なものではなくて、ねばねばした気持ちわるくてかなしいものに聴こえた。夏と、そのあつさと、その底知れぬ闇に街ゆくものすべてがこころのずっと奥の方で平伏している。昼過ぎにスクランブル交差点前の巨大スクリーンが薄青い空を泳いでいるようにみえたこと、街ゆく人の肌色が、シャボン玉のようにその熱を吸収して発光していたこと、ぜんぶなんか夢みたいにふわふわしているかんじがした。もうすぐでなつやすみなのに、大学入ってからそれまでもずーっと夏休みのような感じだったからあまりどきどきしない。みずみずしくずっと光っていたい。わたしもいつかデカい人間になりたい、いつかいつかいつかという文句ばかりが増えてゆくのを横目でみて、ぜんぶカサブタを剥がすように振り解いて拭ってくれる奇跡みたいな命、日々、音をどうしても期待してしまう。どうすればいいんだろーと思いながらまたあしたも友人と夜ご飯をたべにいく約束した。それでまた家に帰って、朝起きて虚無感に苛まされて、の繰り返しを大量の課題で中和する。薄暗い中でたべるごはんとか朝早起きして化粧をすることじゃない、今はなにもない海とか草原でなにも繕わずにその自然のデカさとか愛を仰向けになって享受するのがいちばんただしいきがする。たすけてと呼ぶには大袈裟すぎるし。
end
泣き出しそうに張り詰めた空気に鼻を啜る。世界の彩度が落ちて、ぶあつい服を着た街ゆく人たちが皆んなちっちゃな怪獣みたいにみえる。肌寒い。外はずっと灰色、モスグリーン、レモンみたいな匂い。大きな木が揺れて、木の葉の上に横たわっていた雨の滴が霧のように3秒間くらい降った。最近は毎日毎日やることが多くて、それをこなしているあいだに1日が終わる。3日連続で化粧を落とさずに寝てしまった。多くの人が電車にのっているときに外の景色に目をやらないのと同じ感覚で、わたしも生活の外側にひろがる微かな動きに鈍くなった。ずっと特別でありたかった、1番愛されたかった、そういった思春期的な熱望とどんどん疎遠になっていく自分に日々焦ったり安堵したりしている。だけど同時に、わたしの中をまだ生きている17歳のわたしがその面影をときどき覗かせる。期待させる。突拍子もなく走ったり、ゲラゲラ笑ったりする。些細なことで泣いたり、理不尽な世界に怒っている。良くも悪くも変わっていくのなら、これからの自分に期待をしたい。アルバイト先では後輩が6人くらいできて、みんなわたしよりも仕事ができる。わたしはもともと注意をされると衝動的に泣いてしまうところがあったし、シンプルに忘れっぽかった。あまりにも器用に仕事ができないので、ある日店長とそのことについて話し合ったら意識の問題と言われた。その1、人からのアドバイスに劣っている自分を見出してはだめ。その2、素直に人からの意見を受けとる。その3、自分のためでなくだれかのために働く。この3つを約束した。夜の繁華街で50歳の男性に飲みにいきませんかと声をかけられたり、あした授業にどんな服でいくかを考えながら化粧品を見に薬局に寄り道したり、腕に点々とのこる虫刺され痕をみて、それを残した蚊のことを考える。あした、図書館で借りた本の返却期限。わたしもちっちゃな怪獣になって寒さをまるごと食べてしまいたい、寒い日の、霞んだ光やクリアな淋しさ、果実のようにぎゅうぎゅうに酸っぱい気持ちを。
slow burning
大学一年生というよりも、高校四年生というような振る舞いをしているなあ、と自分のことを客観視する。新宿の横断歩道橋から行き交う人々を眺める。つい最近まで、委員会の同期の仲の良さにムラができていて、グループとかカーストとかそういう言葉が浮上してきてしまうほど揉めそうになっていた。それでも、それぞれが居心地の良い場所にしようと歩み寄っている。こういう、諦めによる愛想ではなくて心からの気持ちに胸を打たれる。明大前の飲み屋で酔っ払って「俺みんなのこと愛してるよ」と照れ笑いする先輩に、わたしたちみんな、キモいねーなんて言って茶化した。そのあと夜の大学で騒いでいたら警備員に注意された。机の下に10円玉を落としたのを拾わないで帰る。いつまでも赦されていたい。山猫のような女の子でいたかった。すぐ隣、肌すれすれにだれかの温もりを感じて弱さを誤魔化すのではなくて弱さを共鳴しあっていたい。「東京の人は生き急いでいる」なんて言葉があるけれど、わたしは美しい光景がそこに広がっていれば必ず立ち止まる人でありたい。���事に遅れそう、とか、終電が、とかじゃない、好きな人たちのためだけに忙しくありたい。恋人は待ち合わせをするとき、「どこでおちあう?」と聞くのだけど、高2の頃、初めて会う日、それを「(恋に)落ち合う」と勝手に解釈して勝手にどきどきしたのを思い出した。それからわたしも「どこで落ちあう?」と聞くようにしている。ドア窓の形に切り取られた青い影が電車のフロアに映って、がたんごとんという音に沿ってフィルム映画みたいに小刻みにうごいていた。池袋で新疆料理をたべて、お腹を下す。スペイン語の中間試験。渋谷で5分1000円の手相占いをしたら、鎖みたいにいくつもの線が絡まっていますね、と言われた。意外と気にしいなんじゃないですか?「そうですね」と答える。駄菓子屋で1000円使い切ったほうが幸せになれそうだとおもった。電車の隣の線路にカラスが一羽いた。こんなに近くでみるのははじめてだ、と思って、じーっとみつめた。黒なのに黒じゃなくて、光を受けて渋いグリーンや紫っぽくみえる羽毛に目を見張る。なんか、空はどこまでも真っ青なのに光の細部だけ色があたたかい夕方前みたい。ふわっとなにかに気付いて、じーっとそれを見つめて、そこになにかが“視える”とぜんぶ途端にスローモーションになって、焦燥感や虚しさがたちあがってくる瞬間がある。からっぽなのにぎゅうぎゅうな感じ。AirPodsをケースにしまう音が体感的に5秒間くらい耳に残ったり、自分の息遣いにどきどきしたり、すれ違う男子高校生の会話声や、鳥が羽をはためかせる様子がクリアに輪郭が保ったまま空中を転がる。ガムを買って噛みながら、心のもやもやしたなにかを同時に小さく噛み砕いてゆく。光の洪水。家に帰ってパスタをたべたあと、お風呂で下の毛をつるつるにする。夕方終わりにお風呂に入るの、とても好きだなあと思う。コンタクトレンズを外さないまま、化粧も落とさずベッドへダイブする。瞼の裏に東京タワーの赤がたましいの塊みたいにまあるく光っている、はやく何もかも諦められる年齢になりたいと思う。
無題
なんかまじでわたしが疲弊していて悲観しているのか、世界が残酷なのかわからなくなってきた。脳科学の講義を受講したあと、テキトーに混雑した休日の街をあるいていたら皆んなの脳みそが透けて浮きでてきそうで気持ち悪くなった。地球4周分の神経線維。そう、どでかい爆弾が街ゆく人々の頭蓋骨に葬られている。ニューロンが軸索を介してつながってゆく、放出と受容を繰り返してみんな手を繋ぎあってゆく。セール中でバイトの雰囲気がぴりぴりしていて、みんな資本主義の豚みたいに働いていた。うつくしくないとおもったし、私も美しくなかった。結いた髪に、ぴたっとあげられた前髪。なにを思っているのかを書くのがずっと怖かった。もしかしたら私の感じているこの欲望はとても汚らわしいもので、それゆえにだれかを傷つけてしまうかもしれない。でも、言葉にしなければすぐにわすれてしまう感情に名前をあげなくなって、水をあげなくなって、そうしたら、じぶんの脳みその溝をうめていたみずみずしい苔までもがすっかり枯れきってしまって虚構を連ねるようになった。空洞に哀しみの音だけが響き渡る。友達はいるけど、私はその友達の1番になれない。恋人みたいな人はいるけど、私はその恋人の1番にはなれない。1番っていうのはほんとうの意味での1番、2番とか3番とかがいない1番。圧倒的な2人の世界の中でのフェアで高貴な1番。有名になりたかった。文章でも外見でも写真でもなんでもいい、だれにも敵わない羽根で世界を羽ばたいてみたかった。わたしを選ばないで、そこらへんのそれっぽくかわいい女の子を選ぶかっこいい男の子たちを信じられないでいる。外国に行ったらモテるよ^_^と投げかけられた言葉について何回も考えるけど、考えるたびにかなしくなる。でもね、神様はいるとおもう。木漏れ日の首筋に、砂丘のしずけさに、広大な空の一枚下に、その温もりと永遠が芽吹いているのをしっている。そのたびに、わたしはこの世界に愛されていて、まだ19歳で、まだ何にでもなれて、そして世界を(気持ちがあふれてしまいそうなくらい)等身大で愛しているドラゴンみたいにかわいい女の子だとまじないを唱えるようにして心を強く保つ。アスファルトに散った桜が朽ちて、吐瀉物のようにグロテスクにぬるい光を浴びている。走り抜ける。だれかの憎悪の中に、疑念の中に、見下しの中に憧憬の眼差しを覚えながら。東京で灯される光の数だけ、アフリカの広原でつややかな花が咲けばいいのに。光の重さの分だけ、銃弾が軽くなればいいのに。帰り道、ひさしぶりにパンを買って帰った。
日記
弟がiPadのタッチペンを無くしたらしくて、それを聞いた母がすぐにAmazonで検索して新しいのを買った。こういうとき、ほんとうになんか小さなことだけれど、すごく心が愛にみちる。
大学の新校舎の建物のにおいが400人もの人が集まった大教室の縁をすべっていく。扉を開けた瞬間、目と目と目がわたしの顔を捉える。湿気漂うフロアにだれかがペンを落とす音、先生のマイクが吐息までもを拾って湿った熱を加速させる。「儚いって聞いて何を思い浮かべますか?蝶?蛍?蝉?トンボ?」 教授がそう聞くと、みんなのえらぶ選択肢がちょうど均等に分かれる。講義が終わるといつもすぐに帰るイケてる男の子が蛍を選んでいて、なおさらかっこよく見えた。わたし、インスタのフォロワーが490人いるんだけど、その人数って今見てるこの人たちよりももっともっと多いのかと思うとなんか心強いような息苦しいような、不思議な気持ちになるなーとぼんやり思った。君たちはぶっちゃけ勝ち組です、という先生がキモかった。海外の大学院に行きたい。わたしはもっともっと色々な人を知るべきだし、美しい景色にであうべきだし、貪欲に学ぶべきだとおもうから。聡明になって、お金を稼いで、将来だいすきなひとたちにたらふくご飯をたべさせてあげたい。お母さんとお父さんが育ててくれた、守ってくれたこの心の真ん中にそびえる愛情のかたまりを誰かに分け与えていきたい。でも、そうとも思うけど、逆にそれをこなごなにさせてくれる危険性や若さゆえの解放にも目が眩んでしまうの。「今しかできない」ってとてもずるい言葉だなあ。
19さい
19歳とかいちばん呪われていた1年だった。まだハタチじゃないけど、もうそうさせて、と思うくらいに、1年のあいだに10年分くらいの幸せと不幸せがぎゅうぎゅう詰めに、どっちがどっちかわからなくなるくらいに入り乱れててくるしくてさみしくて悲しかった。くるしかった。わたしと同じ純度で、等しく、あいしてほしい。あいされたい。
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私の「ダブスタコレクション」にまた新作が加わりました。 ・お仲間候補者が選挙戦でネット&SNSを活用 ⇒「●●フィーバーで大躍進!」「政治が面白い!」「人柄を信じられる!」 ・敵視候補者が選挙戦でネット&SNSを活用 ⇒「加熱するSNS!」「錯綜する情報!」「かつてなくデマが大量拡散した!」←New!! こんな政治的公平性皆無の記事をタレ流すメディアなんて、「報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない」と宣言した「新聞倫理綱領」違反でしょ。 あまりにやりたい放題の無法状態なのに、国民側から対抗手段がないのは大いに問題だなあ。昔テレ朝は「権力者が操る陰謀論にだまされるな」なんて言ってましたが、こんな報道を見る限り、「恣意的な陰謀論を振りまいてる権力者」はむしろ腐り切ったマスコミのほうでしょう。 以下、過去コレクション集です。 ・与党議員に不記載が発覚 ⇒選挙特番で候補者紹介画面に「裏」「ウラ金」マーク ・野党議員に不記載が発覚 ⇒(ダンマリ) ・保守派言論人が差別発言 ⇒「人権侵犯だ!」「差別扇動者だ!」 ・左翼言論人が差別発言 ⇒「真意は測りかねる」「コメントは控える」 ・与党議員が批判を受ける ⇒「国民の声に耳を傾けろ!」 ・野党議員が批判を受ける ⇒「アンチの罵詈雑言!」「怒涛のような攻撃に辟易!!」 ・与党議員が事前運動疑惑 ⇒「公職選挙法違反!」「逮捕しろ!」 ・野党議員が事前運動疑惑 ⇒「政治活動の発言だ」 ・与党議員が地元有権者にクッキーを渡す ⇒「公職選挙法違反!」「買収だ!」 ・野党議員が地元有権者に日本酒を渡す ⇒「会合の対価だ」 ・与党議員が政治資金収支報告書に不記載 ⇒「裏金だ!」「脱税にあたる重大犯罪だ!」 ・野党議員が政治資金収支報告書に不記載 ⇒「単なる記載ミス。訂正したので問題ない」 ・与党が世襲候補者を擁立 ⇒「異常事態だ!」「政治不信を招く!」 ・野党が世襲候補者を擁立 ⇒「世襲っぽいけど世襲じゃない」 ・与党議員が不祥事で謝罪 ⇒「疑惑はより深まった!」 ・野党議員が不祥事で謝罪 ⇒「本人が撤回しているので、それでいいのではないか」 ・与党議員が特定宗教と付き合い ⇒「特定宗教から祝電や取材を受けるだけでもアウト!」 ・野党議員が特定宗教と付き合い ⇒「個人の思想なので問題ない」 ・与党議員が演説中に薬莢を投げつけられる ⇒「暴力ではなく抗議活動」 ・野党議員事務所に生卵が投げつけられる ⇒「民主制を脅かす卑劣なテロ!」 ・リベラル弁護士が懲戒請求や監査請求をやる ⇒「正当な権利行使!」 ・リベラル弁護士が懲戒請求や監査請求をやられる ⇒「リーガルハラスメントだ!」 ・与党や右派を批判し、ネタにする漫才 ⇒「見事な社会風刺!」「お笑いの本当の役割を教えてくれた!」 ・野党や左派を批判し、ネタにする漫才 ⇒「完全に無理」「冷笑系しぐさ本当にやめた方がいい」「テレビ消した」 ・与党議員が不倫疑惑 ⇒「ゲス不倫!」「辞職しろ!」 ・野党議員が不倫疑惑 ⇒「既婚者との交際問題」(不倫とさえ言わない)「今の報道の過熱ぶりは異常。批判できるのは身内だけではないのか」 ・韓国女性DJがビキニ ⇒「男性に媚びるのではなく、自己表現としてのセクシーさ!」「自分の好きな格好をして何が悪い!」 ・グラビアアイドルがビキニ ⇒「男性に媚を売り、性的消費を助長する!」「悪い大人に無理矢理着せられた被害者!」 ・天皇陛下の写真を燃やす映像展示 ⇒「表現の自由だ!」 ・二次元萌え絵広告 ⇒「環境型セクハラ!」「男が思い描く女の虚像!」「性的搾取だ!」 ・我が国が防衛力強化 ⇒「軍事大国になるぞ!」「1発撃てば何百発も返ってくる!」 ・北朝鮮からミサイル ⇒(ダンマリ) ・不法行為をおこなう外国人問題について国会質疑 ⇒「外国人差別だ!」「ヘイトスピーチだ!」 ・難民申請中の外国人が女子中学生に性暴行 ⇒(ダンマリ) ・福島第一原発から処理水を放出 ⇒「欺瞞だ!」「毒は薄めても毒!」「断じて許せない!」 ・中国の原発から、福島第一原発処理水の9倍量のトリチウムを放出 ⇒(ダンマリ) 結局マスコミは「自分たちの書き方ひとつで国民はコロっと騙せる」と完全に我々を舐めてかかってるんですよ。私たちはこんな姑息なやり口に断固として乗るべきではありません。「事実をありのままに報道する」というまともな働きひとつできないならサッサと滅んでください。
Xユーザーの新田 龍さん: 「私の「ダブスタコレクション」にまた新作が加わりました。
新聞倫理綱領 日本新聞協会
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『ひと筋の気泡』
深い沼からひと筋の気泡が立ち昇っていた。魚がいるのかな?こんな汚れた沼にでも魚は棲んでいるんだと木こりは横目で通り過ぎようとしたが、気泡からは何かメッセージ性のようなものを感じた。居ても立っても居られなくなって、異臭すら漂う沼に飛び込んで深く潜った。服やズボンや靴やら全て水分を含み邪魔だったが、木こりの持ち込んだ気泡と立ち昇ってくる気泡が混ざらないように、慎重に潜った。かなり深くて息絶え絶えになりながら、底に着いた。ロープでぐるぐるに巻かれて、人の形をした重たそうな汚れた物体から気泡が出ていた。木こりは担ぎ上げて、汚れた水を飲みながら浮かび上がって、岸まで運んだ。
ナイフで腐りかけたロープを切っていくと、中から悲しみと寂しさをまとった顔のお姫様が出てきた。意識を失っていて、どこの国のお姫様か分からなかったが、私の住処に連れて帰って、丁重に身体を拭き、介抱して寝かせて、食事を作り、口元まで運んだ。ほとんど喋ることができないほどショックを受けていたし、悲痛な顔でしたが、まるまる三年ほどお世話していくうちに、笑顔になり、柔和な顔になって行った。あなたに見つけてもらえて良かった。そう話して、心を寄せてくれた。
三年過ぎしばらくして話を聞きつけて、娘を取り戻しに来た父でもある王様は何度もお礼を言って、お姫様を引き取って行った。お礼の品は受け取らなかった。噂に聞いたことには、美男子で誰からも慕われている隣国の若き王に妃として嫁いだが、幸せにはしてもらえなかったそうな。挙げ句の果てに、沼に沈められたところで、絶命寸前のところを助けたのが、木こりだった。木こりは炭を焼いたり、その日暮らしの貧しい生活でしたが、心は豊かで炭で絵を描いたり、詩を詠んだり過ごしていた。
年齢を重ねて、耳寄りのない故に一人で死んだが、お姫様は木こりを丁重に葬り、何度生まれ変わっても、連れ添い、仲良く暮らせる一生を過ごしているそうだ。
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滋賀県県立高校の事件についてだ。 結論から言うと、女子生徒が通う同じ学校に新年度も教諭が在籍するのはおかしいと思う。女子生徒の不安を思えば最低でも別の学校に異動させるべきだし、何なら未成年と関わる仕事に就かせるべきではない。 極端だと思う人もいるかもしれないが、私も彼女(女子生徒)と似たような経験をした人間なので長くなるが私の身の上話を聞いてほしい。 まず簡単に今の私について。私は現在大学生。性別は女。ちょっと前は女子高生だった。 そして私が彼女と似た経験をしたのは5年前。高校1年生の夏だった。 私の高校には購買があって、弁当や文房具、菓子パンなどが買えた。まあ、一般的な購買だったと思う。店主は30代半ばの男性で、自称"売店のお兄さん"。購買がある場所には休憩スペースがあって、15人くらいが飲み食い出来る椅子とテーブルがあった。お兄さんの誰にでも冗談を吹っ掛けるような軽い空気と過ごしやすいスペースのお陰で購買を溜まり場にする生徒も一定数いた。私も、友人がよくそこにいたことから購買に通っていた一人だった。 私はアニメや漫画が好きで、友人やお兄さんとその話題でよく盛り上がっていた。特に私はイラストを描くのが好きで、美術部にも所属しており、お兄さんもイラストが上手だったため描いた絵を見せ合ったりするくらい仲が良かった。友人と話しながら絵を描くのはとても楽しい時間だった。彼のことを、大人として信頼していた。 昔ながらの購買らしく決済方法は現金のみで、精算機なども特になく、お兄さんが手計算で精算を行っていた。そのため、130円のパンを買った子に対して、100円だけ受け取り30円を「いいのいいの」と言いながらお兄さんが返す光景も珍しくなかった。一応、よく購買に来る子、居る子、など彼なりの線引きをした上でのサービスのようだった。私もそんなサービスを受ける一人で、菓子パンを買ってレジに持って行くと「持ってけ」と言われて、奢ってもらっている状態の時も多かった。 私の学校では夏休みでも夏課外と呼ばれる課外授業があり、午前は課外、午後は部活という生活を夏休みに入った私は送っていた。 その日私は課外を終えた後、いつも通り美術室で絵を描こうとしていた。が、その日は美術室が施錠されてて部室に入ることが出来なかった。塾に行こうにも開校時間までまだ時間がある。手持ち無沙汰になった私は誰か駄弁れる相手はいないかと思い購買に向かった。今日部室入れなかったんだよねーみたいな事を友人と話したと思う。 話の中で、大きなスケッチブックの置き場に困っているという話をした。部室に置いて帰ろうと思っていたが入れず、教室の自分の棚に置こうにも大きすぎて入らない。そんな話を聞いていたお兄さんが「じゃあ俺が預かるよ」と言った。 購買の脇には小部屋があり、在庫を置いたりするための店主のスペースになっていた。そこで預かってくれるという話だった。それは助かると思い厚意に甘え、預かってもらうことにした。 次の日、課外を終え、スケッチブックを取りに購買へと向かった。スケッチブックを返してほしいとの旨を伝えた時、お兄さんは妙に歯切れの悪い返答をした。よくは覚えていないが「いやー、その、書いてある事なんだけどさ、あんまり気にしないでね」的なことを言われたと思う。訳は分からなかったがスケッチブックは返してもらう必要があるのでその場で受け取った。大方ふざけたラクガキでもしたのだろうと思って、美術室に戻ってページを開いた。 ページの端に小さな文字が書いてあった。 「出会った時からずっと好きでした」 次のページを捲るとまた書いてある。 「初めて見かけた時から気になっていました」 次、そのまた次にも。 「初めはおとなしい人だと思っていたけど」 「かなり表情豊かで」 「意外な面を見る度」 「声が可愛いすぎて小鳥みたい(笑)」 「ちっちゃい足」 「目がきれい」 「あなたの内と外」 「大好きでした」 全身の血の気が引いて頭がクラクラするような感覚をがした。今でも覚えている。これはどういうことかと酷く混乱した。お兄さんが?私を?好き??? 無理だ。あり得ない。 確かに私は彼と仲が良かった。親しくしていた。だが、それは親戚のおじさんと仲良くするようなもので、同級生の男の子と親しくなるようなものとはまるで違う。あの人は、私のことをそんな目で見ていたのか? 年上の男性から言い寄られて辟易する若い女性の話は私も聞いたことがあったが、そんなものは自分には無縁だと思っていた。あって社会人になってからだろうと思っていた。なのに、まさか、学校関係者から言い寄られるだなんて。 知らなかった。大人として信頼していた人間から好意を寄せられるのがこんなにも恐ろし���とは。でも、とにかく、こんな状態のスケッチブック、使える訳無い。そう思い混乱しながらも彼の元に向かった。彼は友人たちと談笑していた。 ずかずかと話の輪の中に割って入り、彼に書いたものを消すように言った。彼は「いや、本当にゴメン」とか言っていたと思う。謝るってことは多少悪い事をしたという自覚があるのか、コイツは? 謝られたせいだが何だか自分でもよく分からなかったが、涙が溢れてしまった。友人に酷く心配されてしまったのでその日はその場を離れ帰ることにした。 次の日、前日に消してと言ってスケッチブックを押し付けて帰ってしまったので、それを回収するため再び売店へと向かった。そして 「あれはどういうことなんですか?」 と彼に聞いた。 二人きりの売店の空気は重く息が詰まるようだった。 「ほんとーに申し訳ない!」とか彼は繰り返しながら 「まあ、俺が私ちゃんのこと、好きってことかもしれないねー」 と言った。 何それ。かもしれないって何だよ。 と思ったのでさらに聞くと、私のことが前から好きだった。勝手に私のものに書きこんだのは悪かったと思っている。以前から奢ったりしていたのは私が特別だったから。といった趣旨のことを言われた。そして 「この事、他の誰にも言わないでね」 と言われた。 この発言が一番意味不明だと思った。 他の人に言われたら困る、後ろ暗いことだと分かって私に思いを伝えたの??悪い事と分かっていて私にこんな事をしたの??しかも私は好きな人(勿論生徒)がいると言ってこの人に恋愛相談もしていたのに?その気持ちも無視して? とにかく以前言ったように他に好きな人がいるし、あなたの気持ちに応えることは出来ない、といった内容を伝え、断る事にした。二人きりの状況が怖くて、やんわりとした断り方しか出来なかった。 その日の晩、この事を誰かに相談しようかとても迷った。とてもショックな出来事だったし、泣いている所を見た友人たちにどう説明したものかと悩んだ。そして「他の人に言わないでね」という彼の言葉が頭の上に重くのしかかった。 とても怖かった。誰かに話してしまって気持ちを整理したい。でも、話したら彼の学校での立場は危ういものになる。告白されたぐらいで他人の仕事や立場を奪っていいのか。口止めもされている。彼がいなくなった場合、購買はどうなるのか。だからといってもう二度と彼と関わりたくない…。 迷った結果私は、私が泣いた様子を見ていた2人の友人にのみ、話すことに決めた。このことはどうか他の人には言わないでくれ、と言って。2人に具体的な内容を伝えるため、スケッチブックに書かれた文字をどうにか復元しようとした。もし今後先生��どに相談しようと考えが変わった時に、証拠になるとも思い、写真にも撮った。柔らかい紙に書かれた文字は鉛筆を薄く載せるとうっすらと浮かび上がってきた。(今回、この文章を書くに当たって実に5年ぶりにその写真を見返している。今でも読んでいて動悸が止まらない。完全に全てが復元できた訳ではなかったので、今回上に書いたものはやや不完全な文章ではある。) 2人の反応は、大変だったね、みたいなリアクションだったと思う。 そのため、この2人にのみ私が購買に来なくなった理由が伝わった状態で、私は一切彼と接触をしないようになった。購買にも極力近付かぬようにした。あの日あったこともスケッチブック書かれた文言も全て忘れたいと思いながら日々を過ごした。しばらく経った頃、最近私が購買に行っていない事について、彼が他の人に「まあ私ちゃんは、天邪鬼だからねー」などと言っていたと事情を知る友人から聞いた。吐き気がした。私の何を知っているというのだ。 1年後、クラス替えがあり掃除の担当範囲が変わった。私のクラスの担当範囲の中に購買前の廊下があった。毎日の掃除、必ず彼の顔や声を見聞きしなくてはならなくなる。「耐えられない」そう思って、悩んだものの担任に事情を話すことにした。具体的な伝えられ方などは省略し、"好意を伝えられたが断った。関わりたくないので購買前の廊下以外の場所に私を割り当ててくれないか"と打診した。この時も大事にしたくない、してはいけないのではないか、という気持ちがあったため、担任にもあまり他の人に事情は言わないでくれ、と伝えた。ありがたいことに担任は快諾してくれて、私が購買前を掃除することはなかった。 だが、この判断は今思い返すと間違っていたと思う。あの時、私がきちんと先生にすぐに報告しておけば、そして学校から彼を追い出してほしいと伝えていれば良かったと後悔している。そうすれば、未成年者に手を出す人間から後輩たちを守れたのに。そうしなかったことで、後輩たちを危険に晒してしまっている。そんな風に思えて仕方がない。 また自分が成人という立場になって改めて高校生は子どもだと強く感じるようになった。狭い世界で生きてるし、当然視野も狭い。本人としてはは一人前のつもりでも、出来ることはそう多くない。そんな弱い立場の子どもに対して、大人が自分の恋愛感情を伝えるというのは、無自覚でも相手の立場の弱さを利用した卑怯なやり方だと思う。 長々と書いたが私の主張はこうだ。 ・大人は子どもを守る存在であるべきであって、一方的な思いをぶつけて脅かすなどということはあってはならない ・それが出来ない成人は未成年と関わってはいけない なので、当該事件で女子生徒が「大変ショックでこの先生とはもう一緒にいたくない」と言ってるのだから絶対に関わることのないよう、せめて他の学校に異動させるべきだと思うのだ。 私はここまでハッキリ自分の意志を大人に伝えることが出来なかった。ショックの中、周りの大人に自分の思いや意向を伝えた女子生徒はとても勇気を振り絞ったのではないかと思う。だからどうか、彼女の学生生活が幸せなものとなるようにと祈っている。 大人に傷つけられた子どものケアが今より手厚いものになるように、自らの立場を自覚しない無責任な大人が子どもを脅かすことのないように、この文章を読んだ人だけにでも伝わればと思う。
高校教諭が生徒に交際を求めた事件について思うこと
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Rewind 01
長いフライトの末、飛行機は滞りなく滑走路に着陸した。 窓の外に広がるのは、見慣れた日本の風景とは全く異なる、広大なアメリカの大地だ。
安川康弘は、機内アナウンスに従ってシートベルトを外した。 手荷物を持ってゆっくりと立ち上がる。 今日から始まる、未知の国でのホームステイ。 期待と、ほんの少しの緊張。それらが交じり合った奇妙な高揚感が、彼の胸を満たしていた。
近代的なデザインの空港ターミナルは、活気に満ち溢れていた。 様々な言語が飛び交い、多様な人種が行き交う。
その喧騒の中で、安川の目を引いたのは、壁一面に掲げられた巨大なポスターだった。
そこには、アメリカが誇るスーパーヒーローたちの雄姿が描かれていた。 鋼の肉体を持つ者、稲妻を操る者、空を飛ぶ者。 まるで神話の登場人物のような、超人的な存在たち。 その中のひとつに安川は目を向ける。
ザ・グレイトマキシムのポスターだ。 ポスターの中のグレイトマキシムは、誇らしげに両腕を広げ、逞しい上腕二頭筋を見せつけていた。
太陽のように明るい笑顔。 圧倒的な筋肉のボリューム。
まさに「アメリカンヒーロー」という言葉がぴったりの、絵に描いたようなヒーロー像だと安川は思った。
安川は足を止め、ポスターを食い入るように見つめる。 筋肉、力、男らしさが、そこには凝縮されていた。
さらに歩を進めると、至る所に設置されたデジタルサイネージが目に入る。そこでは、ヒーローたちの活躍を伝えるニュース映像や、彼らを起用したコマーシャルが絶えず流れていた。 ビルを持ち上げる者、災害から人々を救う者、そして時には、プロテインドリンクのCMで爽やかな笑顔を見せる者。 この国では、スーパーヒーローは単なる物語の登場人物ではなく、現実に実在する存在であり、人々の日常に深く溶け込んでいるのだ。
安川は、周囲の人々がヒーローの映像に特に驚く様子もなく、当たり前の風景として受け入れていることに気づく。 これはきっとヒーロー大国であるアメリカでは、決して珍しい光景ではないのだ。
入国審査を終え、預けていたスーツケースを受け取る。 大きな荷物をカートに乗せ、到着ゲートへと向かう。
ゲートを抜けると、出迎えの人々でごった返していた。 プラカードを掲げる人、抱き合って再会を喜ぶ人、様々なドラマが繰り広げられている。 その人垣の中、安川はすぐに目的の人物を見つけ出すことができた。
思わず息を呑むほどの巨躯。 ポスターで見た印象よりも、さらに圧倒的な存在感。 ザ・グレイトマキシムこと、マックス・パワーズが、そこに立っていた。
身長は190センチを優に超えているだろう。肩幅も広く、厚い胸板はまるで岩盤のようだ。
マックスは、白いシンプルなTシャツを着ていた。 体にぴったりとフィットしたデザインのため、その下に隠された筋肉の輪郭がくっきりと浮かび上がっている。 特に、Tシャツの袖を力強く押し広げている上腕の太さは尋常ではない。丸太のように逞しく、血管が浮き出ているのが遠目にも分かる。
下は、色落ちしたブルージーンズ。これもまた、彼の逞しい脚のラインを強調していた。太腿の筋肉が、デニム生地を内側からパンパンに張り詰めさせている。
マックスの隣には、小柄で、柔らかな雰囲気の女性が寄り添うように立っていた。ブロンドの髪を綺麗にまとめ、上品なワンピースを着こなしている。おそらく、彼の妻のサラだろう
安川は、彼らに向かって歩き出した。
「あの……マックスさん、サラさん、ですか?」
声をかけると、マックスが鋭い視線をこちらに向けた。 その眼光の鋭さに、安川は一瞬、たじろぎそうになる。 ヒーローとしての威圧感だろうか。
しかし、次の瞬間、マックスの表情は、太陽が雲間から顔を出すように、一気に明るく、人懐っこい笑顔へと変わった。
「おおっ! 君がヤスヒロか! ウェルカム・トゥ・ステイツ!」
マックスは、大きな声でそう言うと、ためらうことなく安川に歩み寄り、その逞しい肉体でハグをした。香水だろうか、爽やかな香りが安川の鼻腔をくすぐる。
安川が目を白黒させていると、マックスは、その大きな手を差し出してきた。
「俺はマックス! こっちは妻のサラだ。長旅、疲れただろう?」
差し出された手は、まるで熊の手のように大きく、分厚かった。 指の一本一本が太く、手のひらには硬いタコができているのが見���取れる。ヒーローとしての激しい活動と、日々の鍛錬の証だろう。
「は、はじめまして、安川康弘です。よろしくお願いします」
安川は、努めて落ち着いた声で挨拶し、差し出されたマックスの手を握った。
握手した瞬間、その圧倒的な握力と、手のひらの熱量に驚かされる。まるで万力に挟まれたかのような感覚だ。
「まあ、マックスったら、そんなに強く握ったらヤスくんがびっくりしちゃうでしょ」 隣で見ていたサラが優しく窘めると、「おっと、すまんすまん」とマックスは頭をかいて笑った。
マックスはすぐに力を抜き、安川の手を優しく包み込むように握り直した。その大きな手のひらが、安川の小さな手をすっぽりと完全に覆ってしまう。
「よろしくな、ヤス! これから家族だ、遠慮はいらないぞ!」 マックスは、白い歯を見せて笑う。 その笑顔には、裏表のない、純粋な善意が満ち溢れているように見えた。
「はじめまして、安川くん。サラよ。遠いところ、よく来てくれたわね。疲れたでしょう?」 彼女の笑顔は、マックスとは対照的に、穏やかで包み込むような優しさに満ちていた。
「いえ、大丈夫です。サラさん、お綺麗ですね」 安川は、少し頬を赤らめながら、お世辞を言った。
「あら、嬉しいわ。ありがとう」 サラは嬉しそうに微笑んだ。
「ハッハッハ! さすがヤス、見る目があるな! 俺の自慢の妻なんだ!」 マックスは、サラの肩を力強く抱き寄せ、誇らしげに言った。 サラは少し照れたように、「もう、あなたったら」とマックスの胸を軽く叩いた。 仲睦まじい夫婦の姿。 微笑ましい光景に、安川も自然と笑みがこぼれた。
「さあ、行こうか! 車を駐車場に停めてあるんだ」 マックスはそう言うと、くるりと踵を返そうとした。 しかし、すぐに思い出したように立ち止まり、再び安川に向き直る。その表情から、先ほどの陽気さがすっと消え、真剣な、ヒーローとしての顔つきが覗いた。
「ヤス、その前に、一つだけ言っておくことがある」 彼の声は低く、静かだが、有無を言わせぬ響きを持っていた。 「アメリカには、日本と違って、ヒーローがいる。なぜだと思う? それはつまり、ヒーローが必要だからだ。ヒーローが必要になるということは、日本とは違って、時々物騒なことも起こる。特に空港のような人が多い場所ではな。だから、絶対に俺から離れないようにするんだ。いいな?」
その言葉と共に、彼は再び、安川の目の前に、大きな手を差し出した。今度は、握手のためではない。
「ヤス、手を出せ。しっかり繋ぐんだ。そうすれば安全だ」
有無を言わせぬ口調。 有無を言わせぬ眼差し。 有無を言わせぬ命令。 それは、市民を守るヒーロー、ザ・グレイトマキシムの表情そのものだった。
安川は、陽気なマックスの真剣な一面に内心、ドキドキしながら、言われるがまま、おずおずと自分の手を差し出した。 その手を、マックスは再び大きな手のひらで力強く、しかし温かく包み込んだ。 マックスの体温が、じかに伝わってくる。
「よし! これでOKだ!」 マックスは、安川の手をしっかりと握ると、すぐにいつもの陽気な表情に戻った。 「さあ、行こうぜ! 俺の自慢の『マキシムモービル』へ!」
彼はそう言って、安川の手を引くように、大股で歩き出した。 サラが、その隣を微笑みながらついていく。
「マキシムモービル?」 安川は、聞き返した。 するとサラは噴き出して言った。 「ただのSUVよ。マックスは、少し子供っぽいところがあるのよ」 「ヒーローの愛車にはかっこいい名前がついているのは当然だろ?」
駐車場へと向かう道すがら、マックスは、アメリカのプロスポーツの話や、最近観たアクション映画の話などを、一方的に、しかし楽しそうに語り続けた。 安川は、相槌を打ちながらも、本物のスーパーヒーローと手を繋いでいることに対して、興奮を抑えることができなかった。
やがて、巨大なSUVの前へとたどり着く。 見るからに頑丈そうで、パワフルな車だ。
「まさに、『マキシムモービル』と呼ぶにふさわしい車だろ?」
マックスは、にやりと笑った。 リモコンキーでドアロックを解除すると、後部座席のドアを開ける。
「さあ、ヤス、特等席だぞ!」
三人は車の中に乗り込む。 マックスがエンジンをかけて、車が動き出すと、安川はつまらなさそうに大きなあくびをした。
「ん? どうした、ヤス。眠たいのか?」 バックミラー越しに、マックスは安川の顔を覗き込んだ。 安川は首を振る。
「うーん。なかなか悪くない出迎えでしたけど」 少し間を置いて、言葉を続ける。 「正直にいって、全然、物足りないですね」 そう言い切ると、安川は、不毛な演技を止めることに決めた。
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あたし今百合駄作大量生産中(勉強の為に)だけど読みたい人おる?(あくまでもあ笑うためだけに) さんぷる
【散華(さんげ)の福音】
築地塀(ついじべい)に囲まれた聖緑(せいりょく)学園で、亜弥(あや)は防人(さきもり)のように美術室の扉に背を預けていた。今日こそ憧れの杏奈(あんな)にリップを塗ってもらうと決めたのだが、呂律(ろれつ)が回らない。
「雄渾(ゆうこん)な筆致ね」 突然の声に振り返ると、杏奈が文化祭の懸想(けそう)文を手に立っていた。建立(こんりゅう)50周年を記念する法度(はっと)破りのデザイン画が、虚空(こくう)に舞うように壁に貼られていた。
「あの…リップの支度(したく)が…」 亜弥が憔悴(しょうすい)した表情で化粧ポーチを握りしめると、杏奈は���揚(おうよう)に頷いた。「灰燼(かいじん)に帰した美術部の名誉挽回? いいわよ」
柔(やわ)らかな指先が顎に触れた瞬間、大地震(だいじしん)の夜を思い出した。被災地で出会った杏奈が、瓦礫の前で勤行(ごんぎょう)のように絵筆を振るっていた姿を。あの時から、この人の従容(しょうよう)さに心が開眼(かいげん)したのだ。
「色が滲(にじ)むわね」 杏奈のため息が耳朶(じだ)を撫でる。リップの線が築地塀(ついじべい)のように歪み、呵責(かしゃく)に似た笑みが零れた。「私も実は…」
その時、生徒会長の怒声が廊下に響いた。「上梓(じょうし)前の文集を遊山(ゆさん)気分で作る法度(はっと)!」 亜弥が震える手を押さえると、杏奈は獅子吼(ししく)するように宣言した。「ならば私たちの『福音(ふくいん)』で染め上げましょう」
文化祭当日。杏奈が描いた「リップの行脚(あんぎゃ)」と題する巨大壁画前で、二人は観客に化粧を施す。亜弥の手が杏奈の唇に触れる度、心の防人(さきもり)が崩れていく。
「この色、譴責(けんせき)を受ける覚悟で選んだの」 杏奈が囁(ささや)く甘い匂いに、亜弥は遂に礼賛(らいさん)の口付けを落とした。周囲の喧騒が散華(さんげ)の花びらのように舞う中、美術部再建という功徳(くどく)より尊いものを、彼女たちは手にしたのだった。
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