#木箱の底
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hiromusicarts-blog · 1 year ago
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響#34
木箱の底 / アクリル 21.5x19.8
2023年
ひょっとしたら、今年、京都に出品するかもです
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moko1590m · 8 months ago
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バビロニアの世界最古の地図「イマゴ・ムンディ」を解読、ノアの箱舟伝説と酷似した記述を発見 公開:2024-11-03・更新:2024-11-03
著者konohazuku・パルモ
「イマゴ・ムンディ」はおよそ2600年前(3000年前という説も)に作られたバビロニアの世界地図だ。
 粘土板に描かれたその地図はすでに多くが失われ、現存するのは一部のみだが、大英博物館にあるそのかけらから、最近新たな発見があった。
 裏面に刻まれた楔形文字の解読が進み、聖書のノアの箱舟伝説と酷似する大洪水物語が描かれていたことがわかったのだ。
 1882年、現在のイラク、バグダッド近郊、かつてのバビロニアの都市シッパルで発見されたこの地図は、専門家たちが今日に至るまで、その謎を解明すべく、様々な研究が行われている。
古代バビロニアの世界最古の地図  手のひらよりわずかに大きいこの粘土板には、世界最古の地図が描かれてい���。
「よく見ると二重の円が描かれていて、そこに楔形文字で〝苦い川〟と記されているのがわかります」 大英博物館のキュレーター、アーヴィング・フィンケル博士は説明する。
二重円の内側には、メソポタミアを表す水域の境界線に囲まれたバビロンがある。そして、ユーフラテス川とバビロン自体を含むいくつかの主要都市が境界内に描かれている。
この画像を大きなサイズで見る 写真:(左)1925年、B・マイスナーによるバビロニアとアッシリアのスケッチ、(右)偽色彩法のために疑似着色されたもの image credit:Left; Bruno Meissner/Public Domain, Right; FlorinCB/CC0  既知の世界の向こうには、山か遠くの神秘的な土地を表したと思われる三角形が描かれている。
 この場所は異世界の特徴と関連していて、フィンケル博士はこれを「魔法と謎に満ちた場所」と言っている。
 まわりに刻まれた碑文は、ある奇妙な土地について述べている。そこは太陽がけっして輝かず、宝石のような木々が育ち、飛べない巨大鳥が歩き回るところだという。
 フィンケル博士は、周囲の8つの三角形がつくる領域がバビロニアにおける日常を超えた異世界のネットワークを形成していることに注目している。
この画像を大きなサイズで見る バビロニアの世界地図「イマゴ・ムンディ」のかけら image credit:The British Museum/SketchFab/CC BY-NC-SA 4.0 ADVERTISING
ノアの箱舟を思わせる古代の洪水物語の記述を発見  粘土板の裏面は、見知らぬ土地へのガイドになっていて、冒険者が未知への旅で遭遇するであろう事柄を述べている。
ある箇所には、第4の三角形に到達するには「7つのリーグを通過しなくてはならない」とあり、「その先にはパルシクトゥの船ほどの分厚いものを見つけるだろう」という。
 パルシクトゥという聞きなれない単語は、船の正確なサイズを示していて、ほかのバビロニアの粘土板、とくに巨大な箱舟のような建造物に関するバビロニアの洪水物語の中でのみ見られる。
 この船はバビロニアの伝説の王ウトナピシュティムによって建造された。王は家族やさまざまな生き物を洪水から救うために、エア神の支持に従って船を建造したとされ、まるでノアの箱舟の話を思わせる。
 「イマゴ・ムンディ」の碑文には、ウラルトゥという山にたどり着いたこの古代の箱舟のことが詳しく語られている。
 聖書では、ノアの箱舟も同じように「アララト」の地にたどり着いたとされていて、専門家はこれがバビロニア人がウラルトゥと呼ん��山と同じだと考えている。
この話はノアの箱舟とまるで同じです。もちろん、一方がもう一方につながったのです(フィンケル博士)
 バビロニア人にとって箱舟の旅は歴史の事実で、それが彼らの宇宙観と地理に反映されたのだ。
この画像を大きなサイズで見る アララト山のノアの箱舟、シモン・デ・マイル(1570年) image credit:WIKI commons メソポタミアの洪水伝説とその影響  バビロニアの洪水伝説は、ノアの箱舟話だけでなく、ほかの古代中東の洪水物語とも酷似している。
 これは、異なる文明の間でも大洪水の文化的記憶が共有され、互いに影響を与えあっていたことを示している。
 ギルガメッシュ叙事詩の洪水物話は、およそ3000年前の粘土板で知られているが、聖書のノアの洪水物話は約5000年前にさかのぼる。
 これら文明の神話の間に古くから深く根づいたつながりがあることがはっきりわかる。
 フィンケル博士は、このような大洪水の発生や、そこから生き残り、最終的に山の上で箱舟の残骸を目撃する話は、バビロニア人にとって単なる伝説ではなく、それが彼らの世界観や宇宙観に織り込まれたものであることだと説明する。
 「イマゴ・ムンディ」の地図はこの物語を文字通りに象徴的に表していて、その描写は既知の世界の境とそれを超えた世界の始まり、つまり伝説と想像の場所の始まりを表しているというのだ。
The Babylonian Map of the World with Irving Finkel | Curator’s Corner S9 Ep5 知識と伝説が絡み合う興味深い地図  古代にバビロニアと聖書の洪水物語がつながっていたという今回の発見によって、ノアの箱舟と舟がたどり着いたアララト山の山の位置をめぐる論争が再燃している。
 アララト山の遺跡を調査してきたイスタンブール工科大学の研究者たちは、海底粘土と古代人らの活動の証拠を発見した。その時期はおよそ3000~5000年前にさかのぼるという。
 ここからまた、古代の洪水がこの土地の景観を形作り、こうした洪水伝説発生のきっかけになったのかどうかという疑問が出てきている。
 シドニー大学のアンドリュー・スネリング博士は、洪水が起こるまではアララト山は存在せず、箱舟がそこに到達することは不可能だったと主張している。
 歴史家の多くは、ノアの箱舟の話は歴史的事実ではなく象徴的な物語だとみなしているが、「イマゴ・ムンディ」のような遺物やその他文献の発見は、こうした物語が、現実に起きた出来事から生まれた可能性に心惹かれる人々の興味をそそり続けている。
 「イマゴ・ムンディ」は、バビロニア人の世界と宇宙に対する認識を明らかにするだけでなく、中東の古代文化が大洪水という共通の文化記憶を共有して、粘土板に永遠に刻みつけていたことを裏付けている。
References: A new finding on the 3,000-year-old Babylonian Map of the World reveals the legendary tale of an ark and a Great Flood, drawing parallels with the Biblical story of Noah's Ark.
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(バビロニアの世界最古の地図「イマゴ・ムンディ」を解読、ノアの箱舟伝説と酷似した記述を発見|カラパイアから)
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yutakayagai · 9 months ago
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金曜日になり、浅草では三社祭が始まった。ニュースでは雷門周辺で数多の観光客が一目見ようとあちこちから集まり、賑わっていた。一方、信也はこの日も仕事だったので帰りは通常通りだった。ところが、編集部に務める若い部下から飲みに行きましょうと誘われたのだ。行き先は銀座。大学進学を機に上京してきたが、信也はこれまで数えるくらいしか銀座には来たことがなかった。買い物だったら新宿、飲みに行くなら上野だった。裕美がたまに香織やその他のアシスタントを連れて訪れているが、夫婦としてはなかった。
最初に来店したのは有楽町の「Nビヤホール」だった。そこから銀座七丁目に繰り出し、最終的には「西五番街」の路地に入ったところにあるバー「R」だった。その頃には何人かはすでに解散していたが、信也と二人の部下が店に入った。昔、太宰治や坂口安吾などの文豪が出入りしていたバーとして名高く、いつか「銀座」を特集にしようと部下の一人が提案した。信也は「グレンフィディック」と「ゴールデンフィズ」を注文したが、チャージ代だけで八百五十円と聞き、びっくりした。部下たちは、
「銀座���千円切るチャージなんて、未だ安いですよ」
と言った。いやいや、上野だったらたらふく飲めるし食べられるわと、信也は恐らく二度目はないだろうなと内心思った。
そもそも、背広だってようやく日本橋馬喰町の紳士洋品店「S」で買ったのに、たかが飲み食いの為に金は出せないと言うのが本音だった。たまに、今編集している雑誌「S」を眺めているとこんな、京都とか温泉とか、ただですら明日食べる食料すらない家庭もあるのにリッチな特集ばかり取り上げて意味があるのかなと疑問に思うことがある。銀座なんて、今ではインバウンドの波に乗り過ぎて昔の様な高級なイメージは皆無だ。そもそも、銀座の複合ビルに百円ショップができた時点で終わったと彼は思っていた。
時計台の針が午後十時を回っていた。部下とは銀座駅の入口で別れたが、信也は何か淋しさを感じた。嗚呼、そう言えば新橋の近くにゲイバーがあったなァ…。今日はちょうどスーツ着用が大歓迎だったなと、彼は再び複合ビル「G」の前を通り、新橋方面に向かって行った。
ゲイバー「T」は、銀座の並木通りを抜けて首都高速道路の高架橋を越えた路地にあった。タブレットでゲイ関係の総合サイトを見て知り、更に「ツイッター」でアカウントがありフォローしたのだ。
店の中に入ると、賑やかな雰囲気だった。カラオケがあり、テーブルには老いも若きも仲良く話をしている様だった。マスターと思しき店員に、
「あら、ウチのお店は初めて? 何飲む?」
と聞いてきた。信也はカンパリソーダを飲むことにした。スーツ着用大歓迎ではあるが、最近はスラックスにポロシャツも社内では可と言う企業もあり、キッチリ着こなしている者はいない。嗚呼、自分はおじさんになったのかなと、内心嘆いた。
そんな中、ネクタイを外した状態で周囲を見渡しながら信也の隣に一人座ってきた。よく見てみると真純だった。彼は満面の笑みで、
「あれぇ〜、もしかしたらあの時の!?」
と言った。信也も、
「あぁ、先日はどうも!」
と気付いた。
真純は信也の身体に密着し、時折片腕を背部に伸ばしながら内腿にも手指を忍ばせ、撫で回した。かなり上機嫌で、一緒にカラオケをやろうとも誘ってきた。信也は真純が見た目のわりにはミーハーな感じがあることに驚き、恐らく酔っているせいもあるのか、スキンシップが多かった。マスターは、
「あら、知り合いなの?」
と聞いた。真純は、
「ちょっとね…」
と、ニヤリと顔を緩ませながら言った。
結局、信也は完全に真純のペースに流されてしまった。クローズは午前一時だったが、とっくに終電はなくなっていた。それでも真純はスキップしながら信也の手を握り、はしゃいでいた。五十歳は過ぎているだろうが、もしヤングが見たら「変なおじさん」だろうな…。二人は中央通りをひたすら歩いて行った。
意外と、東京は電車や地下鉄が多いので距離がある様に見えるが、駅と駅との間隔は狭い。地方ではバス停の感覚である。上野駅まで来た時、真純は人気ない路地に信也を連れて行き、ビルとビルの影に隠れながら接吻した。頬を寄せ、信也のぬくもりを感じながら、
「偶然と偶然が重なって…離したくない」
とため息をついた。微かに柑橘系のオードトワレが匂い、信也は真純が愛おしくなった。彼の方から今度は接吻し、舌と舌を絡ませた。とめどなく唾液が噴き出し、なんてスケベなンだと信也は興奮した。下半身の奥底に潜む、所謂「Gスポット」がうずくのを感じ、彼は尻の筋肉をキュッと締めた。一物が硬くなり、勢いよくビキニとスラックスを突き出した。嗚呼、欲しい…。真純も同じ反応を示していた。あッ、近くにハッテンサウナのホテルがあるじゃないか。このままベッドインしてイッちゃいたい…。二人は身体を密着させながらハッテンサウナのホテルにチェックインし、部屋に入った。服を脱ぎ捨て、ビキニ姿でベッドに身を投げ、欲情のままに二人は抱擁と接吻を繰り返した。時折、真純は信也の腋下に顔をうずめ、
「し、信ちゃぁぁぁぁん…」
と声を上げた。
ビキニが床の上に重なり合う。信也はいきり勃った己の肉棒を真純の下半身の穴に挿れた。ラヴオイルにまみれた彼の谷間が、とてつもなく卑猥に見えた。腰を突き上げ、また引きながら信也は真純を犯した。真純は、
「イイ、イイッ! もっと突いて!」
とすすり泣いた。彼も自分の一物を弄び、片手を先走り汁で汚した。
オルガズムは信也の方が早かった。真純の肉体の中に彼は愛液を「ぶち込んだ」。
「あッ、あん!」
一突きをすると、信也は両眼をつぶった。こんな感覚、恐らく裕美と寝た時以来だ。嗚呼、クセになりそう…。彼は何か達成感の様なものを感じた。一方、真純も充血した肉棒を信也の方に向け、愛液を跳ばした。
「あぁぁぁぁん!」
真純は顔を紅潮させながら声を上げた。もはや頭の中は空っぽな様だった。信也は真純をもっと歓ばせたい衝動に駆られた。下腹部に跳ばされた彼の愛液を片手で拭い、その手で彼の萎えた一物の先��を「こねくり回した」。
「いやッ! いやッ! 苛めないで!」
と声を上げつつも再び勃ち始めた。彼は包茎だからか、包皮が剥けた先端は敏感な様だった。腰をくねつかせ、時折上下させながら彼はすすり泣き、尿の様なものを出した。これが「潮吹き」かと、信也は思った。快感に酔い痴れた真純は彼に抱きつき、
「愛してる! 大好き! 一生離さない!」
と訴えた。
時計の針は午前二時を回っていた。信也は、両腕から離そうとしない真純に抱かれながら肉体の諸部分を弄られた。特に、乳房はシャツが触れるだけでピクッと反応するほど敏感になっていた。次第に、オトコの身体の方が繊細にできていると思う様になっていった。信也は接吻が好きだった。何度も真純と唇を重ね、その度にいったん萎えた一物が硬直した。真純は、
「す、すごい! 信ちゃん、元気!」
と、彼は信也の下半身を舌と唇で弄んだ。何かのサイトで見たことがあるが、オトコの下半身はオンナより敏感だという。恐らく、子孫を遺す為に生殖器がそうできているのだろう。もし雑誌の特集にできれば面白いだろうが、信也が編集を手掛けているものは定年を迎えて生活自体にゆとりがある世代に読者が多かった。「性生活」の性の字もないよなと、彼は思った。
結局、二人はようやく午前四時頃に疲れ果てて眠った。目覚めたのは午前八時だった。シャワーを浴び、床に散乱した下着や服を拾って着ながら、信也は三社祭を観に行くと話した。すると、真純は嬉しそうに、
「へぇ〜、じゃあ、明日の夕方に来てよ!」
とマッチの一箱を渡した。そのマッチ箱には、
「浅草『Z』」
と書かれていた。ゲイバーらしかった。
信也は真純から詳細を聞き、
「解った。午後八時ね」
と承諾した。
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tamanine · 8 months ago
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2024.10.13
映画『HAPPYEND』を見る。父の時代の学生運動のような雰囲気と、街の風景のクールな切り取り、存在感があり重厚な音楽の使い方から愛しいものとしてのテクノの使い方まで大変気に入り、今度会う人に渡そうと映画のパンフレットを2冊買う。その人と行った歌舞伎町時代のLIQUIDROOM、どんどん登らされた階段。小中学生の時に自分がした差別、あの分かっていなさ、別れた友人、まだ近くにいる人たち。
2024.10.14
銀座エルメスで内藤礼『生まれておいで 生きておいで』、ガラスの建築に細いテグスや色のついた毛糸が映える。日が落ちて小さなビーズが空間に溶けていくような時間に見るのも素敵だと思う。檜の「座」で鏡の前にいる小さな人を眺める。「世界に秘密を送り返す」を見つけるのは楽しい。黒目と同じだけの鏡、私の秘密と世界の秘密。今年の展示は上野・銀座ともに少し賑やかな雰囲気、外にいる小さい人たちや色とりどりの光の色を網膜に写してきたような展示。でも相変わらず目が慣れるまで何も見えてこない。銀座にはBillie Eilishもあったので嬉しくなる。
GINZA SIXのヤノベケンジ・スペース���ャットと、ポーラアネックスでマティスを見てから歩行者天国で夜になっていく空を眺めた。小さい頃は銀座の初売りに家族で来ていたので、郷愁がある。地元に帰るよりも少しあたたかい気持ち、昔の銀座は磯部焼きのお餅を売っていたりしました。東京の楽しいところ。
2024.10.18
荷造り、指のネイル塗り。足は昨日塗り済み。年始の青森旅行時、2��3日の持ち物リストを作成し、機内持ち込み可サイズのキャリーに入れ参照可能にしたところ、旅行のめんどくさい気持ちが軽減された。コンタクトや基礎化粧品・メイク用品のリスト、常備薬、安心できる着替えの量。持ち物が少ない人間にはなれそうにない。日常から多い。部屋に「読んでいない本」が多いと落ち着くような人間は持ち物少ない人になれない。
2024.10.19
早起きして羽田空港。8:30くらいに着いたらまだ眺めのいいカフェが開いておらず、とりあえず飛行機が見える屋上に行く。このあと雨が降るはずの曇り空からいきなり太陽が照り出して暑くなり、自販機でマカダミアのセブンティーンアイスを買い、食べる。突然の早朝外アイス。飛行機が整列し、飛び立つところをぼんやりと眺める。飛行機は綺麗。昨夜寝る前にKindleで『マイ・シスター、シリアルキラー』を買って「空港ではミステリー小説だろう」と浮かれて眠ったのに、100分de名著のサルトルを読み進める。実存主義を何も分かっていないことをこっそりとカバーしたい。すみませんでした。
10:15飛行機離陸。サンドイッチをぱくぱく食べたあとKindleを手に持ったまま眠ってしまい、11:55宇部空港着。
宇部空港、国内線のロビーは小さく、友人にすぐ会う。トンネルを抜ける時、窓が曇り、薄緑色の空間に虹色の天井のライトと車のライトがたくさん向かって来て流れる。動画を撮影しながら「綺麗くない?」と言うと「綺麗だけど本当は危ない」と言われる。かけるべきワイパーをしないで待っていてくれたんだと思う。
友人のソウルフードであるうどんの「どんどん」で天ぷら肉うどん、わかめのおにぎりを食べる。うどんは柔らかく、つゆが甘い。ネギが盛り放題。東京でパッと食べるうどんははなまる系になるので四国的であり、うどんのコシにもつゆにも違いがある。美味しい。
私は山口市のYCAMのことしか調べずに行ったので連れて行ってもらう。三宅唱監督の『ワイルドツアー』で見た場所だ。���ワイルドツアー』のポスターで見た正面玄関を見に芝生を横切ったが、芝生は雨でぐずぐずだった。でも全部楽しい。
広くて静かで素敵な図書館があり、心の底から羨ましい。小さな映画館もあり、途中入場できるか聞いたおじいちゃんが、「途中からだからタダにならない?」と言っていたがタダにはなっていなかった。一応言ってみた感が可愛らしい範囲。
YCAM内にあるのかと思っていたら違う倉庫にスペースのあった大友良英さんらの「without records」を見に行く。レコードの外された古いポータブルレコードプレーヤーのスピーカーから何がしかのノイズ音が鳴る。可愛い音のもの、大きく響く音のもの。木製や黄ばんだプラスチックの、もう存在しない電機メーカーの、それぞれのプレーヤーの回転を眺めて耳を澄ませてしばらくいると、たくさんのプレーヤーが大きな音で共鳴を始める。ずっと大きい音だと聞いていられないけれど、じっと待ってから大きな音が始まると嬉しくなる。プログラムの偶然でも、「盛り上がりだ」と思う。
山口県の道路はとても綺麗で(政治力)、道路の横は森がずっと続く。もとは農地だっただろう場所にも緑がどんどん増えている。私が映画で見るロードムービーはアメリカのものが多く、あちらで人の手が入っていない土地は平らな荒野で、日本の(少なくとも山口県の)土は放っておくとすぐに「森」になるのだ、ということを初めて実感する。本当の森の中にひらけた視界は無く、車でどんどん行けるような場所には絶対にならない。私がよく散歩をする所ですら、有料のグラウンドやイベント用の芝生でない場所には細い道を覆い隠す雑草がモコモコと飛び出して道がなくなってゆく。そして唐突に刈られて草の匂いだけを残す。私が「刈られたな」と思っているところも、誰かが何らかのスケジュールで刈ってくれているのだ。
山口県の日本海側の街では中原昌也と金子みすゞがそこかしこにドンとある。
災害から直っていないために路線が短くなっているローカルの汽車(電車じゃない、電車じゃないのか!)に乗って夜ご飯へ。終電が18:04。霧雨、暴風。一瞬傘をさすも無意味。
焼き鳥に挟まっているネギはタマネギで、つきだしは「けんちょう」という煮物だった。美味しい。砂肝、普段全然好きじゃないのに美味しかった。少し街の端っこへ行くとたまに道に鹿がいるらしく、夜見ると突然道路に木が生えているのかと思ったら鹿の角、ということになり怖いらしい。『悪は存在しない』のことを思う。
2024.10.20
雨は止んでいてよかった。海と山。暴風。人が入れるように少しだけ整えられた森に入り、キノコを眺める。
元乃隅神社、123基の鳥居をくぐり階段を降りて海の近くへ。暴風でiPhoneを構えてもぶれて、波は岩場を越え海の水を浴びる。鳥居の上にある賽銭箱に小銭を投げたけれど届くわけもない。車に戻ると唇がしょっぱかった。
山と海を眺めてとても素敵なギャラリー&カフェに。古い建物の改装で残された立派な梁、屋根の上部から太陽光が取り込まれるようになっていて素晴らしい建築。葉っぱに乗せられたおにぎりと金木犀のゼリーを食べる。美味しい。
更に山と海を眺めて角島へ。長い長い橋を通って島。古い灯台、暴風の神社。曇天の荒れた海も美しいと思う、恐ろしい風や崖を体感としてしっかりと知らない。構えたカメラも風でぶれるし、油断すると足元もふらつく風、窓につく塩の結晶。
山と海を眺めて香月泰男美術館へ。友人が見て良い展示だったからもう一度来て見せてくれたのだ。
全然知らなかったけれど、本当に素晴らしい絵だった。油彩なのだけど、質感が岩絵具のようで、フレームの内側に茶色のあやふやな四角が残っているのがとても良い。
フレーミングする、バチッと切り取ってしまう乱暴さから離れて、両手の人差し指と親指で四角を作って取り出したようなまなざしになる。
山口県の日本海側の山と畑と空の景色、荒い波、夜の静けさや月と雲、霧の色を見てから美術館へ連れて来てもらえたから色と色の境目の奥行きを知る。柿はずっしりと重く、花は鮮やかだ。香月泰男やシベリア抑留から帰ってきた画家で、この前読んだ『夜と霧』の暗さと冷たさを思い返した。絵の具箱を枕にして日本へ帰る画家が抱えていた希望、そのあとの色彩。 
夕飯は友人の知り合いのハンバーガー屋さんへ。衝撃のうまさ。高校生の時に初めて食べたバーガーキングの玉ねぎの旨さ以来の衝撃、20年ぶりだ。そんなことがあるのか。
2024.10.21
晴天。海は穏やかで、深い青、テート美術館展で見たあの大きな横長の絵みたい。初めて見た海の光。
海と山を眺めて秋吉台へ。洞窟は時間がかかるので丘を散策、最高。
風光明媚な場所にしっかりとした情熱が無かったけれど、「好きな場所だから」と連れていってもらえる美しい場所は、友人が何度も見るたびに「好きだなぁ」と思っただろう何かが分かり、それは私が毎日毎日夕陽を眺めて「まだ飽きない」と思っている気持ちととても近く、感激する。
今までの観光旅行で一番素敵だった。
道々で「このあと窓を見て」と教えてもらい、味わう。
ススキが風に揺れて、黄色い花がずっとある。山が光で色を変え、岩に質感がある。
山口市、常栄寺、坂本龍一さんのインスタレーション。お寺の庭園が見られる場所の天井にスピーカーが吊るされ、シンセサイザーの音を演奏しているのは色々な都市の木の生体信号だ。鳥の声や風の音と展示の音は区別されない。砂利を踏む音、遠くから聞こえる今日の予定。豊かなグラデーションの苔に赤い葉っぱが落ちる。
宇部空港はエヴァの激推しだった。庵野さん、私も劇場で見届けましたよ。
行きの飛行機は揺れたけれど、帰りは穏やかに到着、家までの交通路がギリギリだったため爆走、滑り込む。
東京の車の1時間と山口の1時間は違う。
何人かの山口出身の友人が通った空と道と海と山の色を知ることができてとても嬉しい。
「好きな場所」「好きな風景」ってどういうものなんだろう。
私が通う場所、好きな建築、好きな季節と夕陽。あの人が大切にしている場所に吹く風、日が落ちる時刻が少し違う、友人のいる場所。
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palakona · 20 days ago
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大損害(悲)
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
どうも、こんにちは。6月7日(土)は、西池に行ってきました。朝は喫茶店に行った後、そや通院しとこうと病院と薬局に行ってから出発したので11時頃到着。意外と空いていて、かといって良い場所はちゃんと押さえられていて、どこにしようかな〜。よく見ると、79番が空いていたので押さえに行きました。最近、79番はちょこちょこ空いているイメージですが、2��ポイントなんかな?最近の流行りは、水中擁壁の両側になる82番と83番で今日も先客ありでした。スポーツ報知の釣り速報で西池の釣果を見ていると、82番、83番と通り桟橋のヘチになる73番で13尺というのが旬みたい。今日も82番、83番の釣り人は13尺で柱の横を攻めていました。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
釣りを始める前に料金を払いに行って、もう11時なのでそのままお昼ごはんを頼みました。料金2000円を払ったんですが、11時半から1800円になるらしく、奥さんが「ご飯食べてから釣りしたらもうお昼やから」と11時半から1800円の料金適用で200円返金してくれました。前回の大助買取200円券も使ったので実費1600円。アザース!
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
今日の竹竿は、My New Gear…じゃなくて、屋久杉の銘木握りが傷ついて凸凹になって、研磨してもらったら痩せて形状が歪になった「東峰」を乾漆握りで再生させたので、再デビューです。ミックスでない乾漆握りはこれだけですが、似合ってるし使いやすいですね。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
浮子は、屋内釣り場だし損壊を考えて安い浮きでも良かったんですが、竿が8尺やしシズ合わせもしてある「伊吹」のパイプトップ。安い浮子にしておけば…。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
よっしゃ、打ち方始め!実釣3時間コースですね。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
なじみは4目出し。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
釣り開始から約30分。持っていくような魚信に合わせたら乗った!
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
ふう、ボウズ脱出〜!周りで浮子が動かんとか会話しているので、釣れてホッとしましたw。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
さらに15分後、今度は「ツ、ツン」って感じの魚信を取って両目��開きました。最近の西池はマブナばかりの感じでしたが、今日はヘラブナが釣れてますね。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
13時半頃、「チッ」ていう小さい魚信を取って3枚目。暖期でも小さい魚信ってあんねんなあ。へえ〜。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
コーヒーサービスの時間になりました。この後、悲劇が…。「ツー」っと持っていくような魚信に合わせたら強い引き。胴に乗せるような感じで竿を若干立ててたつもりだったんだが、「パンッ」と穂先が飛ばされて浮子ごと穂先を持っていかれた。「師光」の8尺がこんな感じで折れたので、折られたかと思ったが穂持ちの口はなんともなかったので抜けたらしい。穂先の再作成は15000円やし、新品で5500円した「伊吹」のパイプトップが…。「東峰」は8800円出して銘木握りから乾漆握りに直したばかりやのに。
大損害(悲)
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
さらなる悲劇。
持ち歩いているスピニングタックルにボラ掛鉤をつけて浮いてるかもしれない浮子を探したが見つからない。一旦、諦めて9尺の仕掛けを用意するつもりで、確か浮子は「舟水」の「はやて底」やったはずと浮子箱から取り出そうとした時に不注意でトップが折れた。4500円もしたのに、なんで高い浮子ばかり(悲)
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
「はやて底」が損壊したので、同じ「舟水」の「底釣り」を使います。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
9尺の竹竿は「若駒」の脇銘「��上作」です。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
9尺の間合いは浮子の動きは良いけど、糸スレばかりで喰い魚信がでない。でも「ツン」と来たー。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
「東峰」の穂先を失ったショックであんまり釣る気もなくなったけど、まあ4枚目。このあと1枚釣ったけど、玉網に入れた時に鉤は外れてたし、浮かせた時にアッパーに見えたのでノーカン。魚信は良かったんやけどね。
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2025年6月 へら釣り西池(堺市) iPhone16e
ということで、6月7日はヘラブナ4枚でした。最近はマブナばかりやったけど、今日はヘラブナばかりでしたね。
周囲の釣況は、83番の人が10枚、82番の人が僕が竿を納めた時で4枚って言ってたかな。82番の人は4枚中3枚が40cm前後。釣況は渋めみたいだけど、土曜日タテは5位まで40cmオーバーで検寸持ち込みは多かったです。
では、また。
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kennak · 11 months ago
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そのじいさんが亡くなった。 昨年に父が亡くなり、私の実家は車を処分したので、実家に帰省するときはレンタカーを予約する。この連休もそうした。 安いので、地元の自動車修理工場がフランチャイズでやっているインディーズ系レンタカーにしてみたら、受付してくれた事務の親切な女性は、レンタカー約款を読み上げる間中修理工場から爆音で流れてくる演歌のUSENに向かって突然「ああうるさいっ!」とブチぎれ、「あなたもうるさいと思うでしょう!?」と私に同意を求め、同僚に修理工場につながるドアを閉めさせると、「最後に乗っていたのは平成15年式のbB(みんなの地元のDQNがよく乗ってたやつ)です。令和になってもまだ乗ってました」というある意味SDGsでは? みたいなことを平気で言う私に、令和2年式フィットハイブリッドという、まさに隔世の感というほかない車の操作方法をとても丁寧におしえてくれた。 そんな調子で車を借りて帰ったところ、母に、「同じ町内会のじいさんと私を、車に乗せて買い物に連れて行ってほしい」と頼まれた。 正直、ちょっと嫌だった。母はよく知っている人に違いないだろうが、私はそのじいさんをほとんど知らない。まさにあいさつ程度のイチゲンじいさんであり、むこうも私を同じように思っているだろう。そのイチゲンじいさんを車に乗せて買い物に行く…気が重い。万一大事故になったらどうしよう、面倒だなあとか、そもそも知らない人が苦手…などと種々のことが頭をよぎったが仕方がない。年齢的にも立場的にもそんな子どもじみたことは言ってられないので、私は母の申し出を受け入れ、じいさんと母を買い物に連れて行った。母には一瞬「ええ…」みたいな顔をしてしまったが、じいさんの前では全力の快諾顔を心がけた。 実家の所属する町内会は、会の中でまた数ブロックにわかれているらしいが、母らのブロックだけ会費が余りがちのため、いちど寄合(=飲み会)でぱっと使おうということになったそうだ。じいさんはブロックの会計掛で、だから買い出しにゆくとのこと。90代のじいさんが町内会の財布のひもを握る、これが種々の法律の目的条文に言うところの「少子高齢化の進展」ってやつだなと思った。なお、飲み会の予定は明日とのこと。何もかも急だ。 母とじいさんは、かごいっぱいに酒やつまみを入れた後になって、急に予算に収まるか心配しだし、その場で減らそうとするので、「レジ通して予算越えた時点で減らしてもらったらいいですよ」と私は横から口を出した。買い物は予算ぎりぎりにおさまっており、母は、じいさんのことを「さすが!」と謎にほめ、じいさんもまんざらでもなさそうだった。 じいさんは先述の通り90代、母は70代なので、畢竟ひとり30代の私が荷をせかせかとトランクに積み、これで一安心と思いきや、ついでに寿司の予約にも連れて行ってほしいというリクエストが出た。一瞬「マジか…」と思ったが、乗り掛かった舟というかもうすでに乗っている船なので、ニコニコ笑って「いきましょう!」とうけおい、ナビに寿司屋の住所を設定して寿司屋に向かう、その道々、寄合は公民館ではなくじいさんの自宅でやることになっているという話になった。 じいさんは、「もう暑いから、たくさん人が入るとエアコンを入れないといけないかもしれない」と言い、私は「電気代とショバ代として、今日買った酒の数本くらいご自身で晩酌にされても罰は当たらないと思いますよ。余っても最後みんなで分けちゃうんでしょうから、今日先に飲まれたらいかがです? あ、私は絶対誰にも言いません」と真顔ですすめ、それをきいた母は助手席で、じいさんは後部座席で笑っていた。 寿司の予約がすんで車にもどったところで、私はじいさんに「ほかに寄りたいところはないですか?」ときいた。じいさんが大丈夫というので、家まで送っていき、大量の酒を玄関通り越して冷蔵庫の中までわっせわっせと運び込み、私はようやくそこでお役御免となった。 じいさんの家の下駄箱の上には「努力」と彫られた大きな飾り駒があった。それは木工をしていたじいさんが昔手ずから彫った工芸品だそうで、「努力」と書いた将棋の駒というまんがみたいな一品を掘れる人がこんなに近くにいることに、私はいたく感じ入ってしまった。マクロ組めるより努力って掘れるほうがぜんぜんいいな。 そしてその三日後、飲み会から数えれば二日後に、じいさんは亡くなった。布団の中で亡くなっていた。連絡がとれないことを案じた親戚がすぐにかけつけ、発見ははやかった。 その日にはもう私は実家から婚家に戻っていた。母から送られてきたLINEでじいさんの突然の訃報に接し、文字通りの突然の訃報ぶりにひどく衝撃を受けたが、母はLINEに「まあ~おとしにふそくはないでしょう」(原文ママ)とも書いて寄越し、その意外なドライっぷりにはちょっと笑ってしまった。 そうして私は、じいさんを買い物につれていくことを快諾し、道中ずっとにこにこして、精一杯ふたりを手伝ったことを、本当によかった…と思った。じいさんのために、というか、自分の精神衛生のために、よかった。すげな��した直後に死なれたら、すげなくしたという自己責任(良心の呵責と言い換えてもいいかも)を背負いきれない程度にはショックだったと思う。 それに、連休のよく晴れた日に、ちょっと妙な三人組ででかけたその買い物、なんだか私には結局楽しく思われたから。 死ぬということが、生きるということから決して遠くはなれてはいないように、死んでしまった人たちもまたそうである、と私は思う。つかずはなれず、なんとなく私の歩様にあわせて、今も隣を歩んでいるように思う。 最初に私をかわいがってくれた人を亡くしたのはまだ私が赤ちゃんの頃、母の親友のお母さん。とても愉快な人で、父との結婚を迷っていた母に、「母(はは)ちゃん、馬には乗ってみよ、人にはそうてみよ、よ」とはげました。そのうちこの世にやってきた私は、母以外の人に抱っこされると、せっかくやってきたこの世の終わりのように泣き叫ぶタイプの赤子だったのに、その母の親友のお母さんにだけはごく機嫌よく抱かれていた。そういう写真が残っている。私は、物心もつかないうちに、おしゃべりもできないうちにお別れした、母に伝えきいただけで自分では何にも覚えていない彼女のことを、いつもお守りみたいに心の中に持っている。赤ちゃんだった私に向けられたその無償の厚意を、つらいときの糧にしているようなところが今もある。 最初に友達を亡くしたのは小学一年のころ、友達は前歯が抜けていて、永久歯が生えてくる前にいってしまった。その子のお母さんは今になっても私に会うと、生きてたらあの子もこんなふうだったのかと思うという。私の節目、節目に、そう思うという。そのとき、友達がわたしの隣にいないという人はきっといな��。 父親は私のことが大好きだった。父と母と私の三人で、あるいは父と二人で、父の運転する車でいろいろなところに出かけた。ときには父にさそわれて、その仕事についても行き、こんなに大きな娘さんがいるのと客先に驚かれ、父はにこにこしていた。 父は死ぬ間際までほそぼそと仕事を続け、わたしは彼が亡くなる直前にアポをとっていた客先の数件に、父が亡くなったことを知らせる電話をかけた。はじめて話をした先方は、私が電話をかけてきたことによほど驚き、父が亡くなったとの知らせにしばし絶句した後、あなたのことを先生はいつも自慢そうにしていたと言い、最後には先生がいなくなったら誰を頼みにしたらいいか、本当にお世話になりました、と泣き出した。私は、涙する相手に、○○さんのおかげでほんとうに最後の最後まで誰かの役に立たせてもらって、惜しんでまでもらえて、父はとても誇らしく、ありがたく思っていると思います、と言うしかなかった。でも父は、実のところ、そんなに殊勝な人間でもない上、けっこう変わってるよなというレベルでこだわりの少ない人でもあった。 父��亡くなる直前までLINEをやりとりしていた人たちに、そのままLINEで父の逝去を伝えようとしたのだが、父はLINEのトークをある程度の期間が経つとかならず全削除するという、こだわりのなさを通り越して、ややサイコパスのような一面をもっていた。 亡くなるひと月ほど前、父は、免許を返納することにしたというLINEをわたしに送ってきた。車というものは私たちの思い出の多くを占めており、驚いた私が父に電話をかけると、「薄暮の時間帯に信号の見落としをした。今まで一回もそんなことはなかったんだから、もう潮時だと思った」と淡々と父は言った。あれだけ運転が大得意で、大好きで、アイデンティティの大部分をしめていたように見えたのに、引き際を悟ればもうしがみつない。その、ものに拘らない姿勢に私はいたく胸を打たれたし、これができない老人が多い以上、今もって、父の最も尊敬すべき美点の一つだとおもう。 ただ、電話を切ったあと、今までいろいろなところに連れて行ってくれて、たくさんの送り迎えをしてくれて本当にありがとう、と万感の思いをこめて送ったLINEも、父が、入院後(退院してくることはなかった)母とかわしあった感謝の思いを伝え合うLINEも、亡くなった時には父はすべて消しており、それを見て、私も母もあまりの父らしさに爆笑した。 (ついでに、父が亡くなる前々日まで、もはや執念のトークの削除を行っていたので、トークルームのどのあたりの人たちにまで逝去を伝えるトークを送るべきか見当もつかず、非常に頭を悩ませることになった) そんな感じの人だったので、この世に未練というものがあったとは到底思えない。退院の手筈を整え始めていた日の深夜の3時過ぎという、家族がやや油断している上に一番身動きしづらい、マジでどうしようもない時間にいきなり息を引き取ったため、父の死に目にあえなかった母。父の逝去からしばらくして、急に「お父さん、最後に私に言いたかったことなかったんやろか」としんみり言い出したので、私は反射的にげらげら笑って「あるわけないやん」と言ってしまった。死ぬ間際まで律義にLINE全削除を続けた男にそんな情緒があるとはちょっと思えなかったのだ。母もすぐにげらげら笑いだし「そうやね」と言った。 こんなふうに父のことを思い出しているとき、私はやっぱり父がすぐ側にいるように思う、フロアシフトを挟んだスカイラインの、運転席と助手席くらいの距離のところに。 生まれてから今日にいたるまで、誰かの死はいつでもそばにありつづけた。だから死んでしまった人たちも、同じようにいつでもそばにいるように思う。 生きてとなりにいる人のように声をかければ答えるわけではない、電話をかければ出てくれるわけでもない。そう��ったとしても、生きている人とはほんの少しちがう居方で、それでもわたしのとなりにいてくれているのではないか、と、わたしはいつも信じる。 じいさんは、私が買い物に連れて行った翌日の飲み会の日、つまり亡くなる三日前、近所に住むばあさんに、私のことを「車に乗せて買い物に連れて行ってくれた。あの子はとてもいい子だ」と言ったそうだ。 それを近所のばあさんから母は伝えきき、今度はわたしにそれを教えてくれた。じいさんがそう言ってくれたから、近所のばあさんは私に「会ってみたい」と言っているらしい。 ありがとうじいさん。よくわかんないけどばあさんも、私に会いたいと思ってくれてありがとう。会おう。 私は今、私に会いたいと思ってくれる人がいるなら、その人にとても会いたい。だから、次の帰省のときには、私は近所のばあさんに顔を見せに行くつもりでいる。 私の目にうつり、私が今生きている世界は、そのときには隣に、近所のじいさんがどうしたっていてくれる、そういう世界だ。
実家の近所に住むじいさんを車に乗せて買い物に連れて行った三日後
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myonbl · 1 year ago
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2024年5月12日(日)
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京都国立近代美術館で開催中の<没後100年 富岡鉄斎>、観覧したツレアイから瀞峡を描いたハガキと布袋を描いた一筆箋を頂いた。
良い絵を描くためには「万巻の書を読み、万里の路を行く」ことが必要であるという先人の教えを徹底して守ろうとした彼は、何を描くにもまずは対象の研究に努め、北海道から鹿児島まで全国を旅して各地の勝景を探りました。
まさにフィールドワーカーとしての芸術家、名前しか知らなかったがこれをきっかけにちゃんと研究してみたい。その上で、<もはや布袋では無いぞ!>と叫んでみたい気分である(楽屋落ち)。
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5時30分起床。
日誌書く。
洗濯機回す。
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朝食。
珈琲。
ツレアイは奈良で太鼓の練習、京都駅まで送る。
前任校時代の教え子・M君の誕生日、祝福メッセージを送る。気がつけば、知りあった当時の私より年上になっている。
室内履きがそろそろ暑く感じるので、無印良品で夏用のものを発注する。
あれこれ片付け、30L*2のゴミが出る。
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ランチ、息子たちにはきつねうどん。
ツレアイを京都駅まで迎えに行く��
遅いランチは伊勢うどん+🍷。
録画番組視聴
笑福亭松喬 落語「近江八景」
初回放送日:2024年5月12日 笑福亭松喬さんの落語「近江八景」をお送りします(令和6年4月4日(木)NHK大阪ホールで収録)【あらすじ】ある男が「紅梅という女と夫婦になる口約束をしたが、本心が気になり仕方がない」というので、占ってもらうことに。すると易者は「女は別の男へ逃げてしまうので、あきらめたほうがよい」と言う。納得のいかない男は「『近江八景』がよみ込まれた手紙を女からもらった。これを読んでもう一度占ってくれ」と頼むが…。
少しいただきすぎてしばらく横になる。
今日は<還幸祭>、彼女は買物と写真撮影に走り回る。
<もったいない本舗>に頼んでおいた段ボール箱が届く、来週末に発送しよう。
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今日は<母の日>、例年通り三男から彼女にワインのプレゼント。
夕飯は、昆布締めポークステーキとツレアイ特製の玉子焼き、みなで乾杯する。
録画番組視聴。
サラメシ (5)滋賀・菓子メーカーの社員食堂▽霊きゅう車工場の弁当
初回放送日:2024年5月9日 滋賀・近江八幡市にある老舗お菓子メーカーの本社は、草や木に囲まれた広大な敷地の中。店舗も併設され観光スポットとしても人気だ。ここを整備するガーデンプランナーの皆さんの仕事、“大盛り”社食ランチを紹介▽富山にある霊きゅう車専門の工場。棺を納めるために車体を切断し1台ずつ丁寧に仕上げる。製造の様子と技術者たちのランチを、お弁当ハンター・阿部了さんが拝見!▽テレワーク中のランチを覗き見!「テレメシ」。
<落語のお時間>から、桂南光「らくだ」
 素晴らしい! 南光テイストに味付けされた絶品!
片付け、入浴、体重は400g増、週末故仕方なし。
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血圧は、先週よりもずいぶん低くなっている。
パジャマに着替えて日誌書く。
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午後からの雨模様、ウォーキングを諦めたので3つのリング完成ならず。
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hachikenyakaiwai · 2 years ago
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【かいわいの時】昭和十九年(1944)9月15日:安治川河底トンネル開通式(大阪市史編纂所「今日は何の日」)。
安治川トンネルは安治川の河底を横断し、大阪市此花区と西区を結ぶ歩行者・自転車専用トンネル(現在)である。このトンネルは延長80.6m、有効幅員11.4m(2車線+歩道)、縦坑部は潜函工法による鉄筋コンクリート造りで、中央部は内径幅12.4m、高さ4.5mの鉄筋コンクリート沈埋函でできている。工事は昭和 10 年に着工され、総工費260万円(現在の金額に換算すると約 70 億円)を投じて昭和19年に完成した。土木学会関西支部に調査研究が委嘱されるなど当時の日本の土木技術の粋を集めた建設事業であった(川瀬喜雄)。『Consultant 232』2006より。
(写真)圧気潜函工法の様子(大阪市建設局提供) 「安治川トンネル」が計画された時代には、河底トンネルはほとんど造られた例がなく、また、船舶の航行が激しい場所での施工という点でも画期的な工事であったといえます。技術面でも当時の先端技術が数多く採り入れられています。エレベータを設置する建物の基礎は、圧搾空気で地下水の湧出を防ぎながら掘り下げ、鉄筋コンクリートの箱を沈めていく『圧気潜函(あっきせんかん)工法』が使われました。トンネルの主要部分は、造船所のドックで製作された鉄骨鉄筋コンクリート製の沈埋函(ちんまいかん)を船で運び、河底に掘った溝に埋める『沈埋(ちんまい)工法』で造られました。《CONCOM 建設技術者のための情報発信サイト》より=写真も。
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ndmnemosyne · 2 years ago
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2023.7.24
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わたしのヒースクリフ、ひつじがやって来た、箱に詰められて。ほんのりまだあたたかいひつじ。中には木毛が詰まっているのですって。つまりおがくずのこと。今の柔らかいぬいぐるみしか知らないものだから、抱きしめた時ちょっとびっくりしたわ。
硬いぬいぐるみといえばびろうどうさぎもそう。こっちは綿がカンカンに詰まっているみたいだけれど、硬さの種類が違う。びろうどうさぎはわたしの通勤カバンのポケットの奥底が定位置だから、ほとんど日の目を見ないのだけれど、どんなにしんどくても「わたしのかばんの中にはびろうどうさぎがおるのやぞ」と思ったら大抵のことはどうでも良くなる。いや、最近はそうでもないかもしれない。
また失敗をした。覚えておくべきことが多すぎて、なのにみんなは覚えていられる。わたしは出来ない。そういうことが多くて本当に人間社会でただの人間を演るのが難しい。これでアトモキセチンのブーストがなかったらとんでもないことになってしまっていただろう。そんなことばかりだ。要求されることは多く、褒められることはない。それが大人になるということなら、大人なんて本当に、みんな本当にこんなつまんないこと、真面目にやっているのって、疑いたくなってしまう。
仕事先では聞き役になるのも楽ではない。相槌の打ち方、自然で、相手の話に花を添えるような素敵な相槌は難しい。聞いていると忘れそうになるし、相槌に必死になると話が聞けない。四六時中試験時間みたいだと思う。
次にあるお話会の演目を考えている。秋らしいなにか、実りの秋っぽく、でもちょっと好奇心をくすぐるようなそういう演目がいいと思う。一から作るのは難しいが、何かを参考にしても、その「場」は生き物のようだから、入れ替えても成立するような演目である方が良いだろう。『じめんのうえとじめんのした』(アーマ・E.ウェバー 藤枝澪子訳/福音館書店)を使ってみたい。この絵本はかなり面白いと思う。全部は読まず、ブックトークのような紹介にとどめて他の絵本へと移りたい。対象は未就学児から小学生程度の年齢の幅があるので、おはなしばかりに傾いても……と思うが少し長い。小学校低学年くらいが対象だろうか?もともとは科学絵本の紹介本の中で見つけた。なので紹介に留めるだけにしようと考えている。色々考えるけれど、「考え抜いた上で考えない」でないと多分失敗する。なるべくいい時間にしたいと思っている、いつも。
仕事のこと以外で心の砕ける日が続いている。砕けたら元には戻らないんだよ。そして砕けた心のかけらは、心臓に刺さってしまうんだ。これは本当だよ。
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mnksi · 16 days ago
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お題箱、入れてくださりありがとうございます。お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
インプットしたものに興味を持ってくれるって嬉しいなあ。なんですが、直近はそんなにインプットできていないので遡って4月からで上げさせてもらいますね。
読んだ本は…新しく読んだのは瀬尾まいこさんの『傑作はまだ』、原田ひ香さんの『財布は踊る』『古本食堂』、賀十つばささんの『バニラな毎日』阿川佐和子さんの『残るは食欲』、水凪トリさんの『しあわせは食べて寝て待て』ですかね。今は末次由紀さんの『ちはやふる』を再読中です。
おすすめの本ですが…本家様もおすすめしていたフランソワーズ・サガンさんの『悲しみよ こんにちは』や林明子さんの『こんとあき』、私個人からのおすすめは瀬尾まいこさんの3部作『あと少し、もう少し』『君が夏を走らせる』『その扉をたたく音』 、有川浩さんの『塩の街』『空の中』『海の底』、三浦しおんさんの『舟を編む』矢沢あいさんの『天使なんかじゃない』青木琴美さんの『カノジョは嘘を愛しすぎてる』、小山愛子さんの『舞妓さんちのまかないさん』この辺りは何度も読み返すくらい好きでおすすめです。
観た映画は…映画館で『35年目のラブレター』『名探偵コナン 隻眼の残像』を、配信や金曜ロードショーで『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』『』ハウルの動く城』『あまろっく』を観させていただきました。今日明日で『国宝』『金子差入店』も拝見する予定です。
おすすめの映画ですが…『天空の城ラピュタ』『風の谷のナウシカ』『魔女の宅急便』『千と千尋の神隠し』『君の名は。』『アニメ版・実写版 美女と野獣』『天気の子』『すずめの戸締まり』『実写版 るろうに剣心シリーズ』『実写版 カノジョは嘘を愛しすぎてる』『実写版 ちはやふる-上の句・下の句・結び-』『日日是好日』『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』『夜明けのすべて』は何度も観るくらい好きだしおすすめかなあ。
観た舞台は…語りたいとこなんですが、実はこの春から初夏にかけて舞台を拝見できていなくて。
おすすめの舞台ですが…本当にどの作品もおすすめすぎて絞るのが難しいなあ。あ、『ナイツテイル』おすすめです。この夏、コンサートもあるので今からでもぜひ。って感じですかね(笑)
あとはインプットというか、フォロワーにいる皆様の本家様のラジオもよく聞いてます。
こんな感じで大丈夫でしょうか。
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catonoire · 17 days ago
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「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」展
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東京都現代美術館で「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」展を見る。造形作家で批評家としても知られる岡﨑の大規模個展で、作家自身が作品解説も書いている。本人濃度(?)の極めて高い展覧会と言えそうである。
冒頭の画像は、チラシやポスターにも使われている作品。そのタイトルは以下のとおり。
左 Amid the sea’s savage darkness, the little bird glimpsed a single piercing ray of light. What could it be? Awakened, it flew through the storm. Fish, enduring these raging waters, seem stronger, wiser than humans. Beyond twenty feet, wave-roars silence human speech. Reefs transform: slippery, spiked, twisted, sharp—their endless forms leave me utterly lost. 右 The roar of waves and wind deafens me. In reef shadows, I hear phantom whispers, mysterious sea flutes. Mesmerized by the rainbow sheen of fresh fish, divine rapture overtakes me. Sinking through swirling waves, consciousness dissolves. A voice echoes through silver air, "Wild storm! Yet garden, sea, sky—all ablaze." Pale fingers now grasp, cradle.
すべてではないが、かなりの数の作品が非常に長いタイトルを持っている。それも含めて作品が成立しているのだろうと思うので、なるべく正確に書き写すよう努めたが、誤入力があるかもしれない。
展示室は1階から3階まで続き、ミュージアムショップ近くのスペースにも展示が少しある。
展示室1階は「2020年までの仕事」と「さまざまなプロジェクト」。最初に掲げられていたのは、作家が「こづくえ」と名付けた工作物。これを1年あまり壁にかけて眺め、なぜかおもしろいと感じ、のちにシリーズ化していった由。平面を立体化する発想は、洋服の型紙などに通じているようである。
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下の作品《3時12分》は、箱に入れて送ったら「梱包材しか入っていなかった」と報告され、ごみ箱の中から梱包材とともに発見されたといういわくつきだそう。壁にかかっていれば周囲から際立った存在たり得るが、置かれた環境によっては作品とは認識されない事例。
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このシリーズは、以下のような大きな立体作品にも発展した。
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広い展示室でいちばん存在感があったのは、アクリル絵具による絵画作品群だった。透明感のある絵具と不透明な絵具の使いかたがおもしろく、大胆に描き殴ったかのようでありながら、ごちゃついておらず、すっきりした印象にさえ見える。とても長い作品タイトルは、発表当初はかなり奇妙なものと受け取られたらしい。
左 この方角がわたしにとっては、いつとはなしに生きる方角になっていたというわけだ(ぼくらが近づくと消えてなくなる水!)。衰弱していたので海までは出られない。わずかに見える地平線、光線の具合か、砂漠に反射するまぶしい光がぼくらの目を灼く。わずか一滴でも砂の底から草の芽を、緑の火花を誘い出す水。その残してきたすべてを飲み干す。 右 北へ向って五時間歩いたら景色が変った。なにしろできるだけ遠くまで行き(ぼくらは大股に! 歩いた)何もみつからなかったら日没までに戻らなければならない。真昼に消えて夜にはまた生れるあの雲の、日中のさいごに残る積雲の影。そのひとつひとつが、水の動きと水の深さをそなえた森の茂みをあらたに作り出すのだ。見わたすかぎり忙しなく。
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左 あなたがたの考え(善悪)は紙に書かれる。この紙きれを火にくべよう。紙が燃えたらその考えこそ過ちとなる。紙は炉に投げ込まれ、しばらく火の中にあったが、やがて焼けも焦げもせずふわり、ふわりと飛びだしていく。楽園に神が生ぜしめた(花も葉もめだたぬ)善悪を知る一本の木。その木から(禁じられた果実と同じく)紙きれも作られたのである。 中央 天使は翼があるから鳥という。顔かたちは玉のように清らか、声のさまも女のよう。心を寄せても返事は文ばかり、耳に入るは羽音だけ。 右 野には(この世界では見えぬ)育ちも摘まれもしない無数の種子が眠る。言葉は種子である。あなたの見る水は、いつのまにか漲り涸れる河のように水蒸気が作るのではない。地の底から、泉のように想起されるのである。
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左 石がとどく距離なら、隈なく見渡せるさ。よって、剥き出しになった骸に気づかぬ者—水を目の前に、乾いた口で飢えを我慢するような者は、だれもいない! 悲しみは消えず、きっと肌の上に残るだろう(だから)、いつまでもきりなく泣くことはない。奇麗な死を願うのであれば(食われたくなければ)。海綿と水を用意し、今すぐ洗濯に出たまえ。 右 遠く投げた石によって、少年の肩の筋と骨とは粉々に砕かれた。距たりゆえにこの男—ダレモイナイ、自身は、自分が何をしたのか知ることもない。同じ母から生まれた者を殺したというのに。見える通りその肌はつるつる、滑らかなまま。けれど(だから)心が晴れることはもうないだろう。感じられるのは右脚のくるぶしの痛み。その痛みに大粒の涙を流す、ダレモイナイ。他国のものよ、この男と戦うつもりなら、その鼻と耳を削ぎ落とし、犬に食わすことさえも躊躇うことないぞ。
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小さいサイズの作品も多く、大きいサイズのものとは違った魅力がある。左から、《出来/ルーテルの食卓》、《河内(ハノイ)/地球上ではじめての聲》、《瑠璃/西方の溌剌》、《戸口/雑巾と棕櫚の靴拭い》。
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床に置かれているのはタイル作品。奥の壁に見えるのが布を使った作品。
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床に置かれたタイル作品2点のタイトルは次のとおり。タイルと同じように文字を12×12に並べている。
ひ と の よ は お し よ せ る こ う ず い 、 た て 、 あ ん か ん と い え に ざ し て い て は な ら ぬ 。 れ ん れ ん と こ の よ に と う り ゅ う を き め こ む な 。 す く い の は し が げ き り ゅ う に の み こ ま れ ぬ う ち に い さ ぎ よ く た び た て 。 あ つ い じ ん あ い に お お わ れ た こ の よ に 、 こ こ ろ を あ わ そ う と は お ろ か な こ と 。 ゆ れ う ご く ど だ い に あ し を と ど め て は な ら ぬ   い こ う べ き い か な る か げ も お ち て い な い ま ひ る 、 ち か く に み ず わ き い で 、 て ん が い さ な が ら か た ど ら れ た い け 、 か う せ る か 。 み ど り の く さ が も え 、 す ず し げ な み な も 。 さ ば く を は し り ま わ っ た あ し を や す め 、 ぎ ん よ う に あ い た く ち を と ざ す 。 い ち わ の か ら す 、 き ぬ の う え に お か れ た こ く よ う せ き 。 だ れ の た め に も に ふ く す
い ま は わ た し を あ ら う と き で す 、 と み ず に み を な げ た 。 こ ん な う つ く し い ひ と が あ ざ ら し に た べ ら れ て し ま う 、 と ひ と び と は な き さ け ん だ 。 み を な げ る と い な ず ま が お こ り 、 い な ず ま を み て あ ざ ら し は み ず に う か ん だ 。 ひ の く も が と り か こ み け も の た ち が ふ れ る こ と も そ の は だ か の す が た を ひ と に み ら れ る こ と も な か っ た   は じ め て て ん ち が し ゅ つ げ ん す る よ り も ま え 、 ま だ な に も の も か た ち を な し て い な か っ た と き 、 い き る も の は た だ お お み ず の う え を た だ よ っ て い た 。 か み の こ と ば に よ っ て て ん ち が あ ら わ れ て か ら は い き る も の は き の う え に ず っ と と ど ま っ て い る 、 だ か ら い き る も の が う ご く た び に 、 こ の き か ら み ず が な が れ で て く る の だ
この下の画像は、布をパッチワーク的に組み合わせた作品のひとつ、《木灰木を育てる》。近づいて目を凝らして見ると、手芸作品ではないので必ずしも布を縫い合わせているわけではないようだった。
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絵画ほど多くはないが、立体作品も少なからず並んでいた。
(下の画像左) ハンバウとそむきにぐるものを ホクワクととらへたり (下の画像右) テウミンとたみをとむらって バツサイとつみをきりしは
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上の画像で壁に掛かっている小さいサイズの絵は《同じ名をもつ堅さと重量(頭陀袋)》。
また、展示室の隅の一区画が絵本に割かれていた。絵本の実物のほか、絵本『かく』の原画がたくさん。
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数々の「ポンチ絵」。作家曰く、デフォルメされて記憶された名画の印象を、設計用薄葉紙を破って表現した、絵画の似顔絵、とのこと。
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四谷アート・ステュディウム関連資料。2004年から2014年まで開校された芸術学校で、岡﨑はそのディレクターを務めていたとのこと。
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このほか、公園の計画に携わったり(雪と霧の公園)、環境保護的な活動に関わったり(灰塚アースワーク)、公共の場所に設置する作品を制作したり(ファーレ立川)、といった狭義のアートの域にとどまらない仕事も紹介されていた。
2階の小さなスペースでは、岡﨑が2021年に脳梗塞で倒れたことと関連した展示がなされていた。病後のリハビリで描いたものが《T. T. T. Bot (Table Turning Tripod Robot)》の描画過程に似ていたということから、それも展示されていた。《T. T. T. Bot》は2015年の作品で、人の描画過程の速度や方向などを記録し、それを反転させた動きを画板にさせることで、画板に筆を置くだけで描いた本人以外の人も自動的に描画過程を体験できるというもの。この説明では何が何やらという感じかもしれないが、展示室には実物と映像が用意されていたので、仕組みは想像しやすかった。
《T. T. T. Bot》の描画過程の絵はたとえばこんな感じ。
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ご本人の脳の写真も。
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3階は「2022年からの仕事」。やはりアクリル絵具の絵画作品が主役を張っている。
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(上の画像) ジャガタラ。バナナから生まれた。ある日イノシシの牙に引っかかったココナツを見つけました。持ち帰ったココナツを庭に埋めると数日で大木に育ち、花が咲きました。花をとろうと彼女は木に登り、指を切り、その血が花に落ちました。 ジャータカ。かつて菩薩は泥水を泳ぐ力強い魚でした。干ばつがありました。ルビーのような目を開き魚は言いました。助けを求めている世に如来が雨を降らせるのは初めてではありません。洪水が起こって、甘い花の香りが漂いました。 (下の画像) “You don’t see far, and you don’t see clearly,” said the Moon, “In the little pretty whirl here below.” Lute strings trembled moonlight. Gossamer threads caught starlight. Moments dissolved beneath crystal waters. “She wept for the world’s depravity, unheard by the ears of men.” Constellations pierced bamboo grove. Coral pendant caught lamplight. ‘There,’ she exclaimed, ‘there!’ and she knelt and kissed the purple carpet. Evening frost kissed pale skin. Temple candles flickered worlds. Ivory doves scattered dreams. I think she was actually weeping. Dawn shattered like sea glass.
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左から On Ohrid Lake’s rocky shore, an ancient sage meditated, his bird-like face carved by time and fasting. Swallows skimmed waters. The novice’s azure beads glinted. “Master,” he murmured, “your strength wanes like autumn light.” Behind them stood a monastery, half-hidden among olive trees, its burned walls whispering tales of sacrilege. “At night, Master, I see them: Hellenic maidens weaving flower crowns with blue wildflowers, their hair flowing with their hearts’ rhythm.” The youth’s voice trembled. Through azure darkness, mysterious figures like shadows - Macedonian shepherds driving boars through olive groves, Dryads herding pearl-white goats, laughter echoing across deep blue Aegean waters. Lilies and roses, planted by long-departed Orthodox monks, wove through the garden where ferns advanced like silent armies. “The ancient Thracian gods still walk here,” the old man murmured, eyes gleaming. Beyond the flower-strewn ruins, cypress groves stretched toward horizon, harboring secrets of Cyclopes and Thessalian nymphs dancing in moonlight. “I seek the moment when immortal spirits sing,” the sage revealed, clutching his cypress staff. “When the sun passes between Ram and Lion, their song trembles through creation. Tomorrow at dawn, I shall hear it.” His eyes blazed with ancient wisdom, reflecting centuries of searching through Byzantine and Delphic lore. The youth gathered roses bright as rubies and lilies white as pearls, weaving them through rushes as the last grains of sand fell. “You’ll find me young again,” the master had promised. When dawn painted the walls with clear light, he sat motionless, embracing the dewy flowers, his quest ended.
《露齿而笑/コロッケを食べるDavy Crocket. または口笛をふくJiminy Cricket》
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《Une Larme pour une Goutte d’Eau/ただ一つの慈悲》
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立体作品もやはり何点もあったが、Tumblrの画像枚数制限のため少ししか載せられない。
Examine The Tone And Reasoning Too; Consider The face, How It Changes Hue/聆音察理,鑒貌辨色
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(上の画像中央の立体作品) Hear the Breakers’ Deepening Roar/气喘如牛、舳艏揺曳倾海/Trampling, Trampling, Trampling, to Overwhelm the Shore! (上の画像左の平面作品) The faithful brown eyes closed in eternal sleep as the wind created an eerie howl. Through tall reeds, something leapt into deep water. “My brother, Follow the path to that volcanic pit,” I whispered. Animals absorb earth’s scent into their flesh; cubed meat wafts soil’s aroma. A large dun-colored beast moved at considerable speed across the green hillside. The stiffened limbs of our prey ceased their natural service. “It was bluish clay,” he muttered, tracking another creature. We glimpsed porcupines, an anteater, and a wild pig with curved tusks. After hunting for over an hour without securing a shot, darkness fell swiftly. (上の画像右の平面作品) The aged fish cast a vast, faint shadow on the pond’s bottom, its silhouette wavering like a mirage in the sunlight. The water’s slight murkiness and the shadow’s immensity rendered it imperceptible to the smaller fish, who swam on, oblivious to the ancient presence above. Daily, the old fish approached the shore, gazing skyward. It sampled the bitter earth, musing, “With time, I’ll adjust.” It longed to scale the bank, envisioning the wonders beyond: distant mountains, rivers, and luminous nighttime cities. The mysterious terrestrial world beckoned, teeming with countless unseen marvels.
最後に余談をひ���つ。額縁やケースに入っていない作品が多いので、下の写真のように床のあちこちにテープが貼ってある。ある展示室でテープの先に踏み込んでしまった人がいたらしく、スタッフが「結界を張ってありますのでその先には入らないでください」と言っているのが聞こえてきた。結界。そう、確かに結界と言っていた、ごく自然に、当然のように、大真面目に。それが妙にツボにハマってしまい、誰かに話したくてたまらなくなったが話す相手がいないのでここに記しておく。
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blossom-llc · 24 days ago
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久留米と大分を結ぶ「ゆふ高原線」の愛称を持つ久大本線は、九州を横断する鉄道路線。「ゆふいんの森」や「ななつ星」「或る列車」をはじめ、観光客に人気の列車が多く運行されてきた。 そこで今回、満開の桜へ初披露となる新D&S列車「かんぱち・いちろく」旅を体験。これまでのデザインイメージとは一新されていることにも期待しながら大分駅から乗車する。 住み慣れた市街地を抜け、ゆっくり長閑に列車は走る。 あちこちに桜や菜の花が咲き誇っている。 窓越しの由布岳を眺めていると、昼食の案内が聴こえてきた。 豊後結び箱「兎と亀」さんのお重(イラスト説明付き)が目の前に置かれて、一箸一箸ありがたく味わった。 クッションもあるゆったりソファ席、形状や素材がとても良く、さすがに座り心地が素晴らしい。他の乗客を感じないプライベート性もサイズ計算されている。 3刷できる車両スタンプ!その演出に心の奥も喜んだ。 テーブルに大分産の杉を用い、天井や手すりも杉板で統一。 木の温かみを感じながらも使い勝手良いデザイン。 中間車の2号車には樹齢約250年の一本杉を使ったという長さ約7.88mの一枚板カウンターと、日田の底霧をイメージした天井。一枚板カウンターの端部にミラーサイネージが設置され、乗務員の方が沿線の紹介をしてくれる。この日は多くの方々が集まったので、かがんで視聴した。 車両デザインは鹿児島市の「IFOO(イフー)」さんが担当。外観は艶のある黒色を基調としており、車体側面にゆふ高原線(久大本線)の路線図をモチーフとしたゴールドのライン、その上下にゆふ高原線の駅名によるエッジラインが入る。 人の旅路も、目的や結果を重視しがちで 道のりの速さや効率をつい求めてしまう。 回り道、寄り道、、 それも素晴らしい!と感じれば豊かさが増す。 ああ〜なんて素敵な日だ♪ と唄える今、すべてオーライ! writing by  emiko shiotsuki ( llc blossom )
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magazine-hitori · 28 days ago
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書物礼賛⑥
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雁屋優/マイノリティの「つながらない権利」/明石書店2025
鬼越トマホークのユーチューブ「半生を語る」等の感想
【①普通の人で面白味がない】にしおかすみこ・アンゴラ村長・どぶろっく・ニューヨーク
【②普通の人だが味があって面白い】ドランクドラゴン鈴木拓・三四郎・スーパー3助・ラランドニシダ
【③天性の芸人】ノンスタイル石田・狩野英孝・空気階段もぐら・ナダル
個人の感想です。私自身の人望のなさを棚上げして言わせてもらうと、本書の著者は「アルビノゆえの弱視、見え方の不利を、自身の発達障害ゆえの高い言語性IQや先取り学習で補ってきた」って書いてしまうくらいコミュ障の自覚があり、文章ですべてを分ってもらおうとする傾向が強く、読んでいて息苦しさを覚える。芸人に話を戻すと三四郎の小宮は②と③の中間くらい。小宮とナダルは同輩の人望が厚い。ユーチューブだが映像は不要。トークに表れる素の魅力。どのような人生によってそれが培われたか。
コロコロチキチキペッパーズのラジオを聞くと、アメトークのナダルアンビリーバボーで彼が見せるような挙動不審・クズ感とは無縁な落ち着いた親しみのあるトークが繰り広げられている。彼は近大農学部で水産系の専攻、しかし希望の水族館飼育員は枠がなく、食品会社はすべて蹴られ、それでは消防士にということで走り込んだり勉強して備えたが連続して最後の小論文で落とされ、そうするうち年齢制限にも達し、大学の友人のアドバイスで芸人の世界へ。
楽屋などのイジられで爆笑を呼ぶことから相方の西野が策を練ってアンビリーバボーに漕ぎつけたが、そこからしばらくして自身「強みはそこしかない。そうでなければ生き残れない」と受け入れてから、かえってイジられに限らないタレント性で定着。ロンドンハーツ「タレント進路相談」でも有吉弘行の後釜を見事に務めた。
彼の「ウソがつけない」資質に注目して抜擢したロンハー制作陣はさすが。アンビリーバボーにおける「先輩に失礼」「責められるとウソをついて言い逃れしたり挙動が怪しい」とも表裏一体。就活の面接でも挙動不審を発揮していたそうなのだが、著者も知能や文章力を武器にマイノリティやその当事者団体に携わっていくのは険しい道なのではないか。真面目さ、違いを受け入れる優しさが一番と思います。
甚野博則/��護大崩壊/宝島社新書2025
父母が相次いで自殺、自分も自殺未遂後うつで2年以上入院という底の時期に助けてくれた伯父夫婦。88になる伯母はアルツハイマーの薬を飲んでいるとのことだが衰えはみえない。90の伯父は徘徊など錯乱状態に陥り、3年ほど前から同じ区内の特養ホームに。先日、初孫ができたばかりの「ネトウヨの従弟」夫婦と見舞いに。ユニット型の個室が、広めのリビングを囲むように設けられ、そのリビングを常に監視するような形で介護士の詰所が。一人一人の健康状態や挙動の癖をしっかり把握し、気さくに話してくれる中年女性の介護士であった。
伯父は問題行動がみられるようになって半年ほどで特養ホームの空きを見つけることができたが、本書によれば地価の高騰などで施設新造が難しい都市部では、入所待機者の増加に悩まされ、距離の離れた自治体の施設の枠を確保する「ベッド買い」なる慣行があるという。著者は文春記者時代に甘利氏の収賄についてスクープ記事をものしており、フリーになってからは高齢者の介護施設問題を中心テーマに据えて取材を続けている。特養・サ高住・老健といった施設の違いや実態、介護保険の運用事情について大まかに知ることができる。老後を控える読者層の危機感を煽ろうとしてか、問題の多い施設や事業者に内容が偏り、優良な事業者やポジティブな取り組みが軽視される傾向があるようだ。
北村浩子/日本語教師、外国人に日本語を学ぶ/小学館新書2025
例えばチャーハン。強火で作るチャーハン、あまりおいしくないです。シャッシャッシャッシャッて鍋を大きく回すやり方、見たことあるでしょ。米がパラパラッてなってる。そうすると米が冷めるし乾燥する。水分が飛ぶ。固くなっちゃう。サラサラは食感がよくない。口に入れた時。米が熱くてしっとりしているのがおいしい。よく、中華鍋ないとダメと思われるけど、うちの自宅はフライパンですよ。中華鍋ないです。火力も関係ない。ガスじゃなくても大丈夫。やっぱり腕と使い方。
そもそも日本人の日本語能力が下がる一方で、企業の公式声明や有名メディアの記事にさえ怪しい言葉遣いが頻出する始末なので買ってみたが…。引用したのは本場でもトップクラスの中華料理人の言葉。来日から各地のホテルで料理長を務め、今は六本木に店を構えメディア出演多数。「やりたいことがある優秀な人物」なので日本語の上達も早いし、本書でほかに取り上げられた人もエリートに偏っており、前項の介護の人手不足のために円安の日本へ来てくれるような、日本語学習者の多様性や苦労への目配りはない。ネオリベ右翼の小学館から出るにふさわしいつまらない本。
三遊亭円丈/師匠、御乱心!/小学館文庫2013・原著1986
よくSNSや掲示板で不自然な形で語尾を「やで」とするような、ネット民の似非関西弁。明石家さんまや島田紳助でなく、ダウンタウン以前・以後と称される、ある世代が丸ごと感化されるような圧倒的存在感によって生じた現象。テレビ越しにそこまで影響力を持ちえた芸人は萩本欽一・ビートたけし・ダウンタウンのみ。ドリフと志村けんは職人肌で思想性が薄いから。
松本人志はセックスについて「小学生でもお胸がぷっくりしてきたらご賞味あれということ」「同じ女と何度もするのは男にとってお勤めになってしまう」という本質を突いた発言をしている。彼はこのまま地上波に復帰することはないでしょう。けれども性接待やレイプはテレビ・広告・芸能界、さらには教育���雇用のあり方まで広がる制度的な病理であり、松本・中居・件のプロデューサーだけ切り捨てても何も変らないでしょう。
落語家は寄席や徒弟制度のシステムに守られた、格落ち芸人の集まり。笑点は落語家でない三波伸介が司会だった時期が本領で、以後は余禄。本書は、創作落語で頭角を現した著者が、真打ち襲名直後にその真打ち乱造問題などをめぐって落語協会が分裂した騒動を、システム内部の視点で振り返った問題作。出版当時は暴露本としても話題を集めたほどで、読み物としてそこそこ面白いとしても、人物がことごとく政治家的、と同時に中小企業のオヤジ的。同族経営の。そう考えると自民党というのは中小企業や町内会、一族郎党の内ゲバを娯楽として提供することによって常にシステムの制御権を確保できているような存在なのかも。
横道誠/レトロな世界に分け入る/教育評論社2025
ナダル「思い出しました。劇場穴だらけですわ」
ロンドンハーツのベテラン芸人座談企画で、有吉弘行が「業界にも私生活でも友達がいない。広島に帰省しても実家に寄って街を一人でぶらついてすぐ帰る。旅行に誘うのはお笑いの後輩」と語っていた。ナダルがすぐバレるウソをつくのは、市民社会の常識に従って生きている裏返しでもあり、本来はマジメな愛されキャラであるナダルのようなタイプと対照的に、いじる・責める側の有吉は制度の一部であろうとして「踏み越えてしまった人々」なのだろう。
それは編集部の意向で『ナニワ金融道』に変更させられた原タイトル。主人公・灰原のビルドゥングスロマンでもある同作品に対し、闇金ウシジマくんは冒頭から丑嶋社長はやがて殺されることが暗示され、ずっと同じテーマをバリエーションで繰り返す。カイジ、特にスピンオフ作品は地下労働そのものの是非は問わず、内部で遊ぶ。
本書は、何度も各種コレクションのマイブームを経てきた著者が、チープな骨董、古い漫画やエフェメラ(チラシ・手紙・マッチ箱のような紙モノ)を専門に扱う3人の店主に取材した、趣味性の強い一冊。であると同時に、この文章力で京大大学院の博士号? 博識であっても自分の思想を打ち立てる気概も総合力もない、内部で遊ぶだけの読み捨て本と感じさせる、あらゆる商業メディアや大学が志望者に「踏み越えるよう迫る」ことでようやく維持できている世知辛さを再認識。
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rapport-anchor · 1 month ago
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栃木県が魅力度ランキングで大躍進!栃木観光の魅力と知名度
栃木県と聞いて、観光地を何個も思い浮かべられる人は少ないかもしれません。しかし実は、世界遺産の日光や那須高原など、全国的に有名な観光スポットが多数存在しています。   全国的に見ると、知名度は低い栃木県ですが、実は栃木の魅力は満載です。   それでは、栃木県にはどのような魅力があるのでしょうか。   この記事では、栃木県の魅力度ランキングから、観光に関する魅力など徹底解説いたします。     この婚活ブログで学べること ✔栃木県の魅力度ランキング ✔栃木県の観光と魅力 ✔栃木の住み心地   栃木県が魅力度ランキングで大躍進!栃木観光の魅力と知名度 群馬の草津や伊香保、神奈川の箱根、静岡の熱海などの、いわゆる「関東の奥座敷」と呼ばれる観光地は数ありますが、それをいうと栃木も多々あります。   世界遺産の日光に有名リゾートの那須高原、温泉なら鬼怒川温泉、塩原温泉、川治温泉など、湯西…
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rpbuki · 2 months ago
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日向ぼっこみたいな気持ちで
春のちょっと気温が上がってきた日に涼しい木陰で休むような気持ちで
自信とかそんなエネルギーはないけれど
本当に元に戻れるのか不安になるのがずっと続いているけれど
それでもいいや、って
お風呂には入れなくて
ネイルにも美容院にもマツエクにも行けないし
外に出るのが怖くて
それでもお腹が空いたらご飯を作れるようになって
数少ない返信できる人にだけ返信する毎日が心地いい
おじさんの顔色を伺わなくていいし、既読無視未読無視されながら頑張って写真を送らなくてもいい
あんなに無加工自撮り送ってあげたのに営業かけたらブロックされて、あ、搾取されたんだって悲しまなくてもいい
私のことを分かったみたいなフリしながら自分の話ばっかりするやつのことも無視していいし
何気ない一言に傷つかなくていいんだ
気持ち悪い好意も無視できるの
とにかくみんなにいい顔しなくてもよくて
それがこんなに心を軽くするんだって
本当はもっと面白い経験ができたら、どんな経験も面白いと思える強さがあったら良かったんだけど
それができない自分を責めちゃうけど
今は殻に閉じこもって
静かにしていたいかも
明るく、底なしに明るく、誰かを照らせるように
そんな人に生まれたかったと思っても
この根暗さが私だから
なんにもできないのが私だから
キラキラできなくても、みんなの脳みそにお邪魔出来なくても
その影の薄さが私なんだとそろそろ受け入れなくちゃ
死にたくなっちゃうよ
誰かの1番になりたくてそれだけのために生きてて、
でもなれなくて
壊れそうになって
それなら誰でもいいから私を必要としてよ、
ってそれが先走っちゃって
疲れたよ😵‍💫
本当はね、
あの子になりたいの
ううん
私じゃなければ誰でもいいから、
でもやっぱりあの子かその子かこの子になりたいの
みんなが羨ましくてたまらないって
四角い箱の中でずっと四角いブルーライトを浴びながら思ってるの
私じゃない誰かに生まれてたらあの人のことを傷つけなかったんじゃないかな、
今も一緒に笑えてたんじゃないかな
みんなに愛されていたんじゃないかな
ほら、あそこで笑っていたのも私だったんじゃないかな
そんなこと考えてもどうしようもないって
分かってるよ
分かってても
私は私が1番大好きで1番大嫌いで
たくさんかばってきたし、たくさんぐちゃぐちゃにしてきたんだよ
あーあ
みんながキラキラ眩しいよ
あーあ
こんなことなら早く終わりにしてくれないか
と思いながら
なんかこんな人生に電気ショックが走って急展開があるかもって妄想して
ずるずる生きていくんだろうな
すっごくかっこ悪くて絶対間違っているよな
引き出しのないこの部屋には
ドラえもん、
出てこられないから
もう全部諦めるしかないね
つまんないよ
なーんにもないもん
なんか創り出してみろよって
焦らせてくる見えない誰かは
あの日のあの子だ
何者でもない貴方には価値なんてないの
そんな風に言われているみたいで
やっぱり1番じゃなきゃ
100点満点花まるさんじゃなきゃ
意味ないのね
誰かが書いている何かの順位表で
私はいつもランキング外
怖いね
誰もこっちを見てくれないよ
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palakona · 5 months ago
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1枚、1枚、1枚、1枚…
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
どうも、こんにちは。2月6日(木)は、西池に行ってきました。3連チャンwww。釣り料金2500円−連チャン割引500円=2000円です。今日は風速5m程度らしいので、これぐらいなら耐えられると屋外釣り場を目指しましたが、朝一番は僕1人でした。場所は選び放題で「ボート横」を選びました。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
荷物を置いて、ふと水面に視線を移すと、ボートの横に、火曜日に竹竿が折れて穂先ごと持って行かれた「夢(伊吹)」の5500円の浮子のトップが出ている。いや、別の浮子の可能性もあるが…。振り出しのスピニングロッドの短竿と小型リールとボラ掛け鉤を携行しているので、すぐさま回収にかかると…おおっ、戻ってきたー!
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
折れた竹竿の切断面。穂先の端が見えてるから、緩んで「口割れ」じゃなくてガッツリ折れたんですね。実は、「夢(伊吹)」の「両ウドン 短足 緑黒」の11番は買い直したんですが、浮子が戻ってきたら同じ浮子が2本…後刻、釣具屋さんに電話して在庫があった9番と交換できるか尋ねたら快諾していただけました。返品交換の送料が往復で2000円ぐらいかかるが、短竿の両ウドン床釣りの面白さに気づきつつあるので、11番が2本あるより9番と11番になった方が良さげ。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
浮子を回収してホッとしていると、池主さんがやってきて缶コーヒーの差し入れ。朝ごはんのコンビニパンは、缶コーヒーが冷めないうちにさっさと食べちゃいました。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
「ボート横」は、波除パイプが近いので8尺でも「振り切り」でパイプを跨ぎます。竹竿は8尺で「振り込み」ですね。あとで気づいたんですが、西池の尺数規定は「床が取れる長さ」なので、この場所は7尺が使えますね。届きますわ。竹竿は「東峰」の瓢箪マークです。大阪屋の社長によると「銘木握り」は屋久杉を使っていていいものらしいですが、随分傷んでますね…このあとさらに。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
浮子は昨日も使った「伊吹」の両ウドン床釣り用のグラスムクの9番。φ4.2でボディ長9cmです。8尺やから8番で丁度かもだが、大きめの方が扱いやすいので9番。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
���は、始めまーす!今日も釣れますよーに。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
トップ9節でエサ落ちは7目で取ったから、実釣のなじみは4目。こんなもんでしょう。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
昨日は吹雪いてる時間帯もあったので、屋内釣り場で良かったと心底思いましたw。今日は風速5mで耐えられると思ったのにめっちゃ寒い。寒さで手が痛いので手袋着用です。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
「東峰」の握りが…。こんなふうに万力に置いているだけなのに、杉は柔らかいのか凸凹になってコーティングが剥がれて無惨な有様に。howellsさんの「東峰」も阪奈園へら鮒センターで釣りしている時に「銘木握り」が割れたんだが、「東峰」の握りって脆いんか?同じ万力で他の竿も使ってるがなんともないのに。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
「グッ、グー」って感じの魚信にアワセたら物凄いヘラブナが釣れました…だが、しかし…アッパーでした。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
午前中ボウズ…なかなか釣れへんわ。
ところで、池主さんに「釣れた?」って聞かれたので、「(手を広げて)こんなん釣れましたけどアッパーでしたわ」って言うと、「(買取に)持ってきたら良かったのに」って。
Σ('◇'*)エェッ!?
スレですよ?
「スレはいいねん。こっちも釣ってるところ見てないし。『落込み』はアカンで。チクる人いてるから」
だそうです。今まで、どこの釣池に行ってもスレの買取持ち込みが横行していて、いけないものを見てしまった気になったり、みっともないなあと思ってましたが、合法だったとはwww。
池主奥さんが「今まで(スレは)逃してたんとちゃうの?」とフォローしてくださいましたが、ええ、西池でも40オーバーのスレを2枚ほど逃してますわ。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
後半戦開始!比較的早い時間帯に掛かりましたが、こんな写真を撮ってたらバラしました…。節魚信じゃなかったので、たぶんスレ。そう思いますw。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
また来たー!
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
掻いたわ。節魚信じゃなかったもんな〜。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
コーヒーサービスの時間になりました。今日もまだ釣れてない。朝から来てんのに午前中に釣れて欲しい。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
水温5℃。昨日からさらに1℃下がりました。ところで、屋内釣り場はボチボチ釣れているそうです。屋内���り場は午前中だけで大助が5枚上がったそうですが、27番の釣人が平日の大助の景品の箱ティッシュを2〜3箱持っていたので1人で大助を何枚も釣ってるみたい。ちなみにエサボウルにはグルテンではなくダンゴが入ってました。屋外釣り場は4人いたんですが、僕以外の3人は、1人が終了までに2枚釣っただけ。
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
へら釣りをしていると、釣れない時間は飛ぶように過ぎて行く。午後は特に。あと3時間あるが2時間になり1時間になり…14時半を過ぎました。(ボウズ)を覚悟しなきゃと浮子を見ていると、一節ほどグーッと押さえがあった。
「ツン」
綺麗に一節入った!写真など撮らずにさっさと網に入れました!
ボウズ脱出〜!!!
頼むわ…(´▽`) ホッ
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2025年2月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
ということで、雪がチラつく寒冷強風な日でしたが、今日も1枚釣れました。日、火、水、木と西池釣行は4回連続で釣果は1枚でしたw。最強寒波が来てるのに連日釣行してボウズなしだから良いよね?
では、また。
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