#気づけば秋はあっという間
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Scan and transcription of the Persona 3 part of Newtype Magazine February 2016


春、夏、秋を経て冬、理が出す答えを見届けて
監督 田口智久
死を見つめる季節のフィナーレに
第1章でコンテ、第2章で監督を務めてこられた劇場版「ペルソナ3」ですが、ファイナル・シーズンである第4章は、どのような気持ちで臨んだのでしょう?
田口 第3章で自分が監督としてかかわっていない劇場版「ペルソナ3」を見ることができたのが、刺激になりました。自分とはまったく違う方法論で構築されていて、僕がやったら確実にこうならないですし、なんというかジェラシーのようなものを感じまして。ああ、ペルソナって、こういうふうにつくることもできるんだ、と。それを受け止めることができたからこそ、第4章では、自分のやり方を突き詰めたフィルムにしなくてはと思いました。あとは、やっぱりフィナーレということでのプレッシャーが大き��ったです。
第4章の物語の関となるのは?
田口 理と綾時の関係性ですね。そこヘシャドウの母体であるニュクスが襲来したり、それに伴ってみんなの心がダウナーになって⋯⋯という展開で、ずいぶん重いものになっています。でも、みんなが悩んでいる部分にしっかり尺を取って描いているので、映画ならではの見せ方ができているのでは、と思います。
理にスポットが当たっていきますが、どのように描きましたか?
田口 第3章に、理が旅館の池に落ちて笑うシーンがありますけど、あの理を経ての理をしっかり追っていこうと考えていました。今作では、抱えきれないほどの絶望を前に、悩み、立ち止まってしまうというところまで、みんなが落ちてしまうんですけど、そのなかで理が見つけ出す答えというのが、全4章通してのテーマでもあり、象徴的なセリフになっています。そして、それは、第3章で笑った理がいなければ、たどり着けなかった答えなんじゃないかな、と。
それから、綾時とアイギスも、重要な存在ですね。
田口 すごく極端な⋯⋯本当に超極端な言い方ですけど「綾時と理は両想い。アイギスは理に片想い」っていうのを、こっそり頭の片角に置いてました(笑)。もちろん僕独自の解釈なので、いろんなとらえ方をしてほしくもあるのですが。ただ、そうやって、アイギスがヒロイン然としているわけではないからこそ、ペルソナならではの仲間感が出る、というのもあるんですよね。
理と綾時に重点が置かれていくとなると、その二役を演じられている石田彰さんのアフレコもすさまじいものになったのでは。
田口 石田さんだけ別の週に理以外の綾時を中心とした声を録らせていただいてから、全体アフレコの週に理としてみんなといっしょに録らせていただいた感じなんですけれど、本当にすばらしかったです。演技に対するストイックさが本当にプロフェッショナルで、ご自身で「今のは少し綾時が出てしまったから」とリテイクを申し出てくださったり。
全体的にも、とてもスムーズなアフレコになったそうですね。
田口 圧倒的にスムーズでした。特に今回は静かなシーンが多くて、感情的にセリフを吐くような場面はほとんどないんですけど、その淡々とした空気感を成立させるのは難しいはずなのに、自然にスッとやってしまえるのがこのチームの方々の成せる技。こんなに研ぎ澄まされた現場は、なかなかないのではないかと。
細かな心情描写という意味では?画づくりにもこだわられたのでは?田口監督の描き出すダウナーな情景描写が楽しみです。
田口 カッティングが終わった後に、編��さんに言われたひと言が「暗っ!」でしたからね(笑)。刺されて死ぬとか大惨事が起こって死ぬとかのサスペンス的な死ではなくて、非常に観念的な死についての物語なので、精神的にどうやられていくかというのを、どう表現するかが課題で。光や色味の演出であったり、降ってくる雪の量で表現していきました。アニメで雪が降りつづけている作品もあまりないんじゃないかと思うんですけど、心情とマッチさせたいなあというところで、力を入れています。作画もすごいアニメーターさんたちが集まってくださっていて、誇張された動きというよりはリアル寄りの芝居をていねいに描いてくださっています。全然動いているように見えないところにも実は枚数が割かれていて、作画枚数もこれまででいちばん使っているんですよ。
最後に、今作を描くうえでの最大のポイントだったと考えるシーンを教えてください。
田口 ラストですね。それは第4章を担当すると決まったときから、見据えていたビジョンでもあります。第1章の春からともに季節を経てきた理と仲間たちが迎える、そのラストを見届けてほしいです。
#1 Spring of Birth
1日と1日のはざまに隠された影時間。そこにはびこる怪物・シャドウに襲われて、無気力症となってしまう者が町に続出していた。対抗できるのは、ペルソナという特殊な能力をもつ者だけ。春、私立月光館学園に転校してきた結城理は、ペルソナの力に覚醒し、同じくぺルソナの力をもつ者たちが集う特別課外活動部へと引き入れられる
#2 Midsummer Knight's Dream
夏休みに屋久島旅行に向かった特別課外活動部。そこでアイギスという女の子に出会う。彼女は対シャドウ特別制圧兵装のラストナンバーであり、なぜか理のそばにいることを望むのだった。理たちは影時間の謎を追いながら、さらに新たな仲間と出会い、きずなを深めていく。だがそこにストレガと名のる者たちが現われ⋯⋯
#3 Falling Down
季節は秋。特別課外活動部は、影時間を終わらせるため、シャドウや滅びを望むストレガとの死闘を重ねていた。ある者は仲間や家族の死と向き合い、ある者は護るべき者に気づき、ある者はこれまでの戦いの意味に葛藤する。そんなとき、理の前に謎の転校生、望月綾時が現われる。その出会いの先にあるものは⋯⋯
「PERSONA3 THE MOVIE #4 Winter of Rebirth」
●1月23��土全国ロードショー
●第3章Blu-ray&DVD 1月20日水発売
WEB▶http://www.p3m.jp/
Twitter▶@P3movie
illustrated by YUKIO HASEGAWA, finished by SAORI GODA
background by BIHOU, text by HITOMI WADA
©ATLUS ©SEGA/劇場版「ペルソナ3」製作委員会
STAFF 原作=「ペルソナ3」(アトラス) 脚本=熊谷純 スーパーバイザー=岸誠二 キャラクターデザイン=渡部圭祐 ペルソナデザイン=秋恭摩 プロップデザイン=常木志伸 色彩設計=合田沙織 美術監督=谷岡善王(美峰) 美術設定=青木薫(美峰) コンポジット&ビジュアルディレクター=高津純平 編集=櫻井崇 音楽=目黒将司、小林哲也 音響監督=飯田里樹 第4章監督=田口智久 制作=A-1 Pictures
CAST 結城理=石田彰 岳羽ゆかり=豊口めぐみ 伊織順平=鳥海浩輔 桐条美鶴=田中理恵 真田明彦=緑川光 山岸風花=能登麻美子 アイギス=坂本真綾 天田乾=緒方恵美 荒垣真次郎=中井和哉 イゴ ール=田の中勇(特別出演) エリザベス=沢城みゆき
#persona 3#p3#ryomina#that tag's deserved i think#'Ryoji and Makoto are in love with each other. Aigis' feelings for Makoto are unrequited'#insane
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七月になり、ようやく広樹のギブスが取れ、サポーターだけになった。通学は自転車に戻り、時折ラガーシャツにも袖を通した。
一方、克也は広樹が辞めないで済んだことに胸を撫で下ろしたが、未だ自分自身の気持ちを言えずにいた。浩志からは、
「いつまでもウジウジしてンじゃねぇよ! チ◯ポ付いてるンだろ!?」
と一喝されていたが、男同士が好きになることに対して罪責感があった。未だ、同性愛が世間的にタブーとされていた時代である。浩志が大学生だった昭和三十年代の後半と比べると、五十年代の前半は女装したり女言葉を使ったりする芸能人も多く活躍したが、やはり偏見はあった。
夏休みになり、秋の試合に向けて練習にも力が入った。浩志も普段はポロシャツとジャージーと言う格好だったが、時折ラガーシャツとラグビーショーツでグランドに現れた。そんな姿に漫画研究会の利江子たちは、
「あれぇ〜? ヒロシったらラガーマンになってるぅ!」
「きゃッ! なんで、あんなにラグパン短いの!?」
「いゃァ〜ん、何か誘ってない?」
「ラグパンって、パンツ穿かないンでしょ!? エッチぃ〜!」
と、相変わらず盛り上がっていた。そんな彼女たちに浩志は、
「鶴田ッ! 一応、穿いてるぞ!」
とラグパンの裾をチラッと上げてみせた。何故、アタシの名前を知ってるのとびっくりしながら、
「ヒロシ、このスケベっ!」
と笑い転げた。他の同級生は黄色い声を上げていた。
休憩時間になり、広樹は予め作っておいた麦茶の入ったやかんを二つ、ベンチのある日陰に置き、部員に声をかけた。皆、待ってましたと言わんばかりに詰め寄って来て、麦茶の注がれたプラスチックのコップを手に取った。浩志も蛇口の水を頭から浴び、
「このまま昼飯にするぞ」
と、眼鏡を片手に持ちながら首に掛けたタオルで頭を拭き、彼は校舎に戻って行った。
その間、日陰で弁当を食べたり芝生に横になったりと、それぞれ休んでいた。克也もケヤキの幹に寄りかかった。視界には空になったやかんや、プラスチックのコップを片付ける広樹の姿があった。なかなか告白できずにいる克也は、
『今なら言えそうな気がする』
と立ち上がった。そっと近づき、広樹の手を取った。
「加藤先輩…?」
「ちょっと来て」
そう言われるがまま、広樹は克也に手を引っ張られた。連れて行かれたのは部室だった。窓を全開にしていたが殆んど風が入らず、蒸し暑かった。十二畳はあるかないかの室内で、克也は広樹と見つめ合った。両手を握りしめ、
「額田君、好きだ」
と克也は唇を奪った。身体を密着させ、広樹の背部に両腕を回し、愛撫した。広樹は嫌がることなく、奪われた唇が克也のものと一体になる様な感覚を得た。
ラグパンの中で股間が隆起していくの互いに感じながら、二人はブリーフ越しに恥部を弄った。内腿から汗が垂れ、次第に濡れていった。克也はこれまで抑えてきた感情を露にしながら喘ぎ、広樹のラグパンを脱がせた。
「あぁん、はァ、ああん…」
鼻息を粗くさせながら、二人はブリーフを膝まで下げ、肉棒の裏側を合わせながらしごいた。
「あッ、あん、ああん…」
先走り汁で手指を汚しながら、克也は広樹のラガーシャツを胸元までたくし上げ、乳房を咥えた。
「イ、イキそう…」
「オ、オレも…」
オルガズムは二人一緒に達した。ドクッ、ドクッと粘度が強い乳白色の愛液を流し合い、克也は広樹の唇を求めた。広樹も舌を絡ませ、二人は暑さも忘れて愛し合った。
練習を終え、体育館に併設されたシャワーを浴びた部員はそれぞれ、制服に着替えて帰って行った。浩志もワイシャツとスラックスに着替え、職員室の扇風機で涼んでいた。嗚呼、今日は飲みにでも行こうかなァ…。そう思っていると、
「…先生」
と克也が訪れた。浩志は、
「何だ、帰ってなかったの?」
と気だるそうな声で聞いた。克也は言った。
「オレ、額田君に告白しました」
「へぇ〜、良かったね。…で?」
「…そのままエッチしちゃった」
「へぇ〜、良かったね」
何も考えずにこう言ったが、否、「エッチしちゃった」って、何が? ようやくコトの真意に気付いた浩志は、
「ハァァァァァァ〜!?」
と上半身を起こした。
「犯っちまったのか!?」
「声が大きいよ!」
「…お前、溜まってたンだな」
「何か、気持ちが大きくなっちゃって…」
克也は、徐々に真顔になっていく浩志の様子に、嗚呼、怒られるのかなと不安になった。しかし、浩志はバンッと彼の背中を叩き、
「よくやった! これでこそ男だ! 気持ち良かったっぺ!?」
と、寧ろ喜んだ。何だ、この先生!?と克也は呆然とした。そして、浩志は克也の股間を鷲づかみにし、
「イイぞ、イイぞ! その調子でガンガン攻めろ! 若いってイイなァ〜!」
と揺さぶった。
「や、やめッ…! おしっこ漏れちゃう!」
もし誰かいたら問題になるなと、克也は思った。
この日を機に、克也と広樹は浩志から色々と「性のてほどき」を受けた。時折、部室で『さぶ』や『アドン』などのゲイ雑誌を渡され、ア◯ルセックスの仕方も山奥のモーテルで「伝授」された。克也は、
「オレは純愛が好きなのに!」
と心の中で叫びながらも、沸々を込み上げてくる肉欲に負けて広樹と絡んだ。広樹も、克也を所謂「セックスシンボル」としてしか見られなくなり、ラグビーショーツから覗くブリーフに生唾を飲んだ。克也の家も若宮町にあった為、水府橋の下で毎日の様に愛し合った。
一方、ラグビー部の成績は劇的に飛躍した。これまで県大会で二回戦以上は勝ち進められなかったのが、関東大会でも上位の方まで成績を残した。他県のシード校を打ち破った時には、浩志は嬉しさのあまりに、
「これも皆、克也と広樹の『愛』あってこそだ!」
と口走り、二人は火消しに追われた。
そんな克也と広樹だが、個別に利江子から漫画のネタに色々とインタビューを受けた。あまりにしつこいので、
「イイじゃん、愛してるンだから。好きにさせてくれよ」
と広樹は言い切ったが、
「えぇ〜!? そんなにラブラブなのぉ〜!? だったらイイじゃ〜ん!」
と、寧ろ彼女の創作意欲に火をつけてしまった。
広樹は浩志との思い出を「熱弁」した。途中、浩二は笑いをこらえるのに骨折り、
「う、嘘ッ!?」
「それ、本当ですか!?」
「高校生だったのに!?」
云々と、何度も聞き直した。
二人が話している間、大樹は座布団を半分にして折り、枕の様にして眠っていた。寝息を立てている我が子を気にしながら、広樹は目頭をハンカチで押さえた。今は高校生だった二人を浩志が手を出し、淫乱にさせたことを信じられないと思っているが、その数年後には中学生になったばかりの大樹をまさか自分がそうさせることになろうとは、考えてもいなかった。
午後九時を回り、広樹は大樹を起こした。
「長居をしてしまってすみません。告別式には妻が来ますので…。私、K百貨店に勤めておりまして、明日から秋に催される物産展の関係で北海道へ行くンです。克也、否、加藤さんは通夜には行けるそうです」
「K百貨店にお勤めですか? 大変ですね。道中、気を付けて」
玄関で広樹と大樹を見送ると、茶の間に戻って浩二は残っていたお茶を飲み干し、片付けた。徐々に、彼は浩志との永遠の別離がきているのだなと実感した。
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尊みを感じて桜井(とうとみをかんじてさくらい・12月2日 - )は日本のコスプレイヤー。秋田県出身。TRUSTAR所属。
生年月日 12月2日
出身地 秋田県
血液型 O型
身長 / 体重 160 cm / ― kg
スリーサイズ 85 - 60 - 84 cm
コスプレデビューは小学3年生の時で、「おジャ魔女どれみ」の衣装を母親に作って貰い、それを着たのが最初のコスプレと発言している。現在に至るきっかけは中学の時に好きな漫画やアニメを周囲に広める活動をしたこと。次第に給食の時間にアニメの曲が流れるようになり、これでもいいんだと気づき、ゴスロリやコスプレにのめりこんでいった。当初は秋田内のイベントでコスプレをしていたが、18歳で上京し、コミケに触れて世の中にはこんなに素晴らしい(エッチな)世界があるんだと感動したという。エロは基本的に大好きなものであり、特に女性のきれいな足が好き。かわいい子を見たときは心の中で「最高だぜ!」と叫んでいる。
幼い頃から母親と一緒にドレスなどの服を作る事があり、そのためコスプレ衣装を自作している。
自宅では基本的に全裸で、たまにパンツや靴下を履く程度。床に一本でも毛が落ちているのが嫌であり、見つけた際には掃除機掛けから雑巾がけまで行う。
コスプレをする上でのモットーは"シルエットだけを見ても何のキャラクターか判別出来る"様なコスプレをすること。
特徴的な芸名は「アニメキャラに尊みを感じていた」ことと、本名が日本的ではない名前だったので、「桜ちゃん」と呼ばれたかったことに由来する。ずっと使うつもりではなかったが、SNSで注目を浴びてしまったため、変えるに変えられなくなり今に至る。この経緯から、当然「桜井」は本名の苗字部分に由来するものではない。
呼ばれ方は「尊みちゃん」「桜井ちゃん」など何でもよいとしていたが、週刊プレイボーイのインタビューでは「感じてちゃん」を推奨している。
『ノーギャラジオ』で共演したオジンオズボーン篠宮からは「にちゃにちゃ」「脳汁が出る」「うひょー」など、独特の言葉遣いを突っ込まれている。
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季節の中心に立て
2月25日12時42分、昼食を食べた後、わたしは前腿の痙攣に煩わしさを感じていた。歯の裏側の舌触りがおかしい。異常なまでの目の渇き。息を吸うことはできるのに吐くことがなぜか困難で、これじゃあ水中でも空中でもうまく生きられないじゃないか。「あぁ春だな」とまた春のせいにする。でもわたしもみんなも忘れてると思う。悪いのは春じゃなくて、百歩譲って春になるまでに辛抱がいるだけだと。季節は春から始まる。冬が終わり(また)春が来る。この(また)を通過していく時、遠心力みたいなのがきつくて、敏感で、吐きそうでしょ。それをみんな簡単だから春のせいにしてる。ところで幼いわたしにとってはそれが秋だった。わたしは秋生まれだから、季節は元々秋冬春夏で走っていた。秋はわたしにとって脅威だった。でも秋に泣くのが好きだった。それがいつの間にか春夏秋冬で季節を数えるようになって、気づけば春の悪口ばかり言っている。元々なんの取り柄もない人間が、年々更につまらない人間になっている気がする。いい大人っていうのは、季節を円で感じられるんだ。と、わたしの中のわたしが言っている。
ps: Spring has come and here now, I swear I’ll never say you suck bitch.
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最近、ノートパソコンのBluetoothマウスを紛失しており、ずっとマウスパットでカーソルを操作している。きっと部屋の中のどこかにあるのだが、見つけることができない。だけど部屋の掃除をする体力はないので、あきらめて不便なPC生活を送っている。
そして今日はとうとう、PCに繋げる用の有線のイヤホンも紛失したことに気付いた。まあ、それもこの部屋の中のどこかにはあるのだろうが、片付ける気にも探す気にもなれない。有線のイヤホンがなくても、AirPodsを繋げれば別にそれで済むのだが、Win機なので接続がいちいちダルくて、もうそのままwebミーティングもPC内蔵のスピーカーとマイクでやってしまっている。迷惑なやつだ。
先日、地元の友人と誕生日プレゼントを交換した。わたしがお願いしたのはチェキだった。貰ったものを開けてみたら、別売りのフィルムがないと写真を撮れないやつだった。その友人は、フィルムを買って一緒に付けておくという気遣いができるタイプでもない。だから今わたしの手元には、写真の撮れないチェキ本体だけがある状態だ。あの子はそういうところの詰めが甘いが、まあ、言ってしまえばそういうところも愛している。後でフィルムを買わなきゃな~と思ってはいるけれど、たぶんさき数か月は買わない気がする。面倒だから。
ちょっと嫌なことが起きたけど、そういうときにすぐに連絡が取れる人が数人いて助かった。これは個人的な見解だが、Tumblrなどの媒体に、多数に向けて負の感情を書き記すことはきわめて容易だけど、個人を相手に悲しみを共有することにはかなり大きな心的リソースを要する。そういうことを話せる人間のことをわたしはとても信頼している。
小説ならともかく、Tumblrやらnoteやらで日記を投稿するときですらいいね数を気にするようになったら終わりな気がしているんだけど、最近自分にその傾向があるから気を付けようと思う。日記やら思考の表出において良し悪しがあるわけがない。あるのは思考の種類と、言葉回しの差分だけだ。だれの思考も高尚じゃないし、下劣でもない。ただ誰かの思考がそこに転がっているだけだ。
この間の土日は平日の睡眠不足を補うかのように長く薄く眠っていた。眠り方がよくわからない。研究がそれほど忙しいわけでもないのに、なぜか最近、数時間しか眠っていないのに目が醒めてしまう。土曜日、いつもの起床のあとに、昼寝のような形で、さらに数時間眠った。きもちがよい。やっとふつうの思考ができる気がした。
最近は朝から予定があることが少ないので、あまり市販の睡眠改善薬を飲んでいない。そ��そろ睡眠外来に行きたいと、裏で書いている日記(来年製本するやつ)に書いているが、一向に行ける気配がない。
ここ数年は気圧の変化にいい意味で鈍感でいられたのだけど、最近気圧の変化による偏頭痛がまた悪化している気がする。
頭が痛いことはとても恐ろしいことのように思う。以前どこかの記事でちらりと話したが、わたしの父の家系は脳疾患の家系である。祖父はわたしが生まれる前に、くも膜下出血で亡くなっている。父も数年前にくも膜下出血で倒れた(なんと運が良いことに生きている)。弟と妹は両方とも発達障害+てんかん持ちである。母とわたし以外、脳になんらかのディスアドバンテージがある。
数年前に父が倒れたとき、父はしきりに頭が痛いと言っていたらしい。それを聞いた母が、夜中に救急車を呼んだ。父は歩いて救急車に乗り込めるくらいに意識はしっかりしていたらしいが、搬送先でくも膜下出血であることがわかり、そのまま緊急入院をした。
一親等以内にくも膜下出血の既往歴がある場合、発症率は3~7倍に跳ね上がるらしい。祖父の遺伝子が父に継がれ、父の遺伝子がわたしに継がれている。いつ、わたしの番が来るだろう。わたしの脳は脆弱なのだ。
頭痛がするとこわい。もしかしたら、と思ってしまう。頭が痛くて鎮痛剤を飲もうとするとき、たまに、この痛みは薬で誤魔化しても良いのだろうかと不安になる。もちろん、飲んだ方が楽になるに決まっているだろうけど、痛みを痛みのまま感じていた方が、本当にヤバい痛みがやってきたときにすぐ気づけるんじゃないかとか、そういう意味のわからない被害妄想をしてしまう。
春のにおいがする。あたたかい。風がやわらかい。今年の冬はあまり外に出なかったからか、そこまで寒さを厳しく感じなかった。
先日SUQQUの口紅を使い切ったので、去年の秋に空港の免税店で買ってストックしておいたシャネルの口紅をおろした。春には似合わないパープル系で笑ってしまった。それを買ったときはきっと、冬を生きるためにその色を選んだのだろう。けれど思ったよりもSUQQUの口紅を使い切るのに時間がかかってしまって、季節外れの今、シャネルのパープルが居心地悪そうに浮いている。ごめんね。
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ラブドールに囲まれてパーティーをした。
小中高からの仲のひなちゃん。こないだ競艇で一緒に大儲けしたゆかちゃん。夏にニューヨークでショービズ三昧したなお。東京の夜の過ごし方を教えてくれたかよ先輩。会うたびハプバーやらマッスルバーやらで羽目外す悪友のえりちゃん。ティンダーで会ったレイバーの木村。この夏誰よりも時間を過ごした相方の山本。
誰もかれもコミュニティなんて違うのに、私の大好きな人が眼前に揃っていて、すごく変な時間で、幸せだった。この人たちははじめましてなのに、なんでこんなにもシームレスに会話をつなぐんだろう、と思った。私の友達だから。
帰りしな、おかみさんに財産だねえ、って言われた瞬間に���腺ゆるんだ。私、私の友達を褒められるのがいちばんうれしい。そう、大自慢したい友達なんです。
好きとか愛してるなんて恥ずかしくて言えたもんじゃないけど、でも本当はずっと、友達や家族に大きい声で伝えたい。
そういうときに、私がフランス人だったらよかったのに、と心底思う。でっかいハグもビズもするのに。
私さ、あんまり素直に気持ちを示せないし、コンディション悪いとぴりぴりしちゃうけど、ちゃんと大切に思ってるってこと、みんながいてくれるから幸せな女の子でいられるんだよってこと、どうか伝わっていてほしい。
翌日、ひどい二日酔いのまま神楽坂でデート、書店をはしご。
この男の子のこと、昨年の秋から好きでい続けているけど、恋愛のセオリーをなぞるならぜんぜん脈ないよなあと思う。年末あたりは失恋した気になってた。
ようやくなんとなくペースが読めてきて、この子なりに好きでいてくれている、と思う。気づけるようになってよかった。
いつだって名前に縋りたくなるのは不安なときで、でも私が本当にほしいのは、ただの友達だろうが愛されている、って確信を持たせてくれるそれなのだ。
前述の大好きな人たちに彼を交えたときに、きっとこの子は違和感なく馴染むと思った、あまりにも彼らとの共通言語が多いから。それってたぶん大切にしたほうがいい人だし、そうでなかったとしても、今後私が持っておくべき指標と思う。
言葉にならない愛情もすくいあげたいし、言葉にされたらあたりまえにうれしいから、多少照れても伝えられるときは伝えたい。いつまで大事にできるかわかんないからね。
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秋旅2023 横川~アプトの道へ
信越線 群馬側の終点 横川からアプトの道を散歩してみた。
関東近辺も紅葉が色づき始め、一度 行ってみたいなと思っていたアプトの道をこの度 散策。何気に群馬県に降り立つのは初めてかもしれない(いつも通過ばかりなので)。




北陸新幹線(当時は長野新幹線)長野先行開業に合わせて、廃止となった旧信越��線 横川-軽井沢。その線路跡の一部を遊歩道として整備したのが、このアプトの道。 下り線の一部は今も碓氷峠鉄道文化むらの施設として、トロッコやかつての電気機関車が走る一方で、上り側は線路もはがされた歩行者専用。とはいえ錆びた信号機等、鉄道遺構も残っていることもあり、前面展望の列車に乗っている気分がしなくもない。かつて列車を苦しめた難所 碓氷峠の勾配を登っていきます、歩いて登る分にはダラダラ坂なのでそんなに苦ではないね(なお、下りは後述…)



途中の温泉施設から先は、さらに古い信越線の旧線跡(長野新幹線開業までに使われていたのは新線)に道はつながります。レトロなトンネルを何個もくぐり、一度道をそれて碓井湖の眺望を楽しんだのち、さらに足を進め。。。


歩き始めて2時間弱、目的地 めがね橋で知られる碓氷第三橋梁。レンガ積みの壮大な橋梁で、ここもかつては信越旧線が通っていたところ。なかなかの高さがあり、眼下に紅葉した山々のグラデーションを楽しめました。いやぁ、美しい!わき道から険しい階段を降り橋を見上げれば、某峠を攻める漫画をもとにしたゲームで見覚えのある光景に。聖地みたいなものなので、スポーツカーでお越しの方もちらほら。なるほど、車で来るのも楽しそう��。




アプトの道はもう少し続きますが、足腰の疲れがいい感じ(嫌な感じ)にきはじめていたので、ここでUターンします。一転して今度は下り勾配。登るときは特に何も感じなかったダラダラ坂ですが、下ってみると結構 急に感じるものね。踏ん張りをきかせないといけない故に、足が辛い。。。というわけで中間地点くらいの温泉施設 峠の湯でお湯につかり小休止。冷たい峠風を浴びながらの露天風呂は最高でした(ちょっと湯温が低めでしたが、まあその分 長湯できるということでよしとしましょう)。
湯冷めしないよう速足で来た道を戻り横川駅へ。道中、くつろぐお猿さんも。
遅めのお昼に、おぎのやの峠の釜めしをいただいた後、電車に揺られ帰路へ。気持ちよく寝られました。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和七年(2025年)2月26日(水曜日)弐
通巻第8671号
トランプ外交、ラジカルな転換
NATO諸国も日本もトランプの世界戦略を理解できていない
*************************
ウクライナへの支援を削減し、停戦へ強引に導こうとするトランプ政権に欧州の政治家らは焦燥を募らせている。なぜ急激な外交の変更がなされ、なぜウクライナへ布兵站をとめるのか。その一端が国連決議で、米国は「侵略者ロシア」という文言に反対した。
トランプの世界観は、以前の言動から予測出来た。過去のトランプ発言が米外交の転換を物語っている。中国問題���優先し、EU、ウクライナ問題は二の次、中露同盟に亀裂を加えることを企図している。日本? トランプの頭に中に日本の役目は入っていない。
第一期トランプ政権は共和党の守旧派との均衡で成り立ち、トランプは議会でも仲間が少ないうえ、トランプ自身がワシントン政治の裏を把握していなかった。なにしろ政治家の経験も無い素人が大統領になったのだから。ワシントンの政策決定プロセスには独特のものがあり、議会対策のベテランが周囲に不在だった。
民主党の反対に輪をかけてのメディアの攻撃のなかで、トランプが最初に気づいたことは共和党内の敵である。RINOはネオコンの根城でもあった。
エスタブリッシュメントのながれを組む旧ブッシュ派はチェイニー父娘を筆頭にネオコン人脈とアーミティジらジャパンハンダラー等が厚い層をなして、トランプ政権の切り崩しには民主党とも提携した。CIA、FBIもトランプの味方ではなかった。
トランプは事態打開のため派手に北京訪問、金正恩との頭越し外交で既存勢力の影響力をそごうとしたが、尻切れトンボに終わった。共和党守旧派のパワーもそれなりに残存していた。
バイデン左翼政権の「地獄の四年間」は、まさにトランプ大勝の下地となった。国民は間違った政治に飽き飽きしていたのだ。
トランプはこの落選の四年で次の飛躍のために雌伏し、政治力量を成長させ、ワシントンの合意形成プロセスにおけるコツを習得した。またトランプの仲間が増えていた。共和党はいつしか「トランプ党」に変質し、党内の敵はあらかた消え去った。
民主党の切り崩しにはSNSでの世論形成が武器となった。勢いをみてとったシリコンバレーとウォール街が雪崩を打ってトランプ支援にまわり形成は逆転した。こうしてトランプは満を持してラジカルな方針の転換に蕗切れたのである。
「ミュンヘン安全保障会議」でヴァンス副大統領は、NATO諸国代表団の沈鬱な表情と薄笑いを前にして演説した。中国問題を優先し、欧州を軽視しても構わないとするアメリカ外交の変更だ。欧州会議にもトランプの味方はハンガリー、スロバキア、伊太利亜、オランド、オーストリアなどと増え、ポーランド大統領もフランスのミクロンもワシントンへ飛んだ。ドイツではショルツ左翼連立政権が崩壊した。
中国を封じ込めるにはロシアが必要だというのがトランプの大前��である。
トランプはプーチンに接近し、それを危険視するウクライナとEUが立ちはだかる
トランプの第一の課題は、米国のヨーロッパに対する関与を減らすことにあり、「アメリカ第一主義」の信条と合致している。
NATO加盟国に相応の負担を期待し、ウクライナ問題を早急に処理し、ロシアの凍結資産を解除し、制裁を緩和し、いずれG8に復帰させる。
このためトランプはモスクワに対して大きな取引にでるだろう。
トランプの狙いはエネルギー戦略にもうかがえる。エネルギー価格の高騰が米国経済を圧迫している。米国がサウジアラビアに増産を説得する努力は失敗に終わっている。いずれにせよ米国は優先順位をがらりと転換させ、欧州への関与を減らし、中国との競争関係において優位性の維持、戦略的利益を求めている。ロシアにとってもチャンスになりうる。
遅れに遅れた改革をトランプは大統領命令という手段を行使し、国内政治に一定の目途をつけた。むろん、USAI��、FBI、教育省、ペンタゴンなどから解雇された労働者らは抗議集会とデモを過激化させている。明治新政府も不平武士の反乱がおきた。佐賀の乱、神風連の乱、秋月の乱、萩の乱に遭遇し、最大の内覧が西南戦争だった。
つまり改革が急激であればあるほど、拙著『アメリカは新南北戦争の突入する』に書いたように内乱の危険性もたかまった。
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3月31日、江藤拓農林水産大臣は「消えたコメ」の調査結果を公表した。キヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は「農水大臣は『前年より19万トン在庫が増えている』と説明しているが、生産が増えた分、在庫も増えたと言っているに過ぎない。これでは供給に変化はなく、米価が騰貴する説明になっていないのにマスコミは簡単なウソに騙されている」という――。 「消えたコメ調査」結果を公表 農水省はこれまで大規模な集荷・卸売業者を対象にコメの在庫調査を行ってきたが、今回同省はコメの価格高騰の要因となっている流通の目詰りの実態を把握するため、小規模な集荷・卸売業者や一部の生産者にも対象を広げて2024年産米の在庫状況を調査した。その結果、「生産者で9万トン、卸売業者で3万トン、小売や外食などを含む流通段階で7万トン、前の年より合計で19万トン在庫が増えている」と公表した。 江藤農水大臣は、「生産者、卸売業者、小売や中食外食の事業者の皆さんが先々を心配して、この秋までの必要であろうお米を確保しようという動きをされて、それぞれ少しずつ先回りして、在庫を積み上げていっ��結果ではないかと推測されます」と発言した。これが流通の目詰まりとなって米価が上がったと言いたいのだろうか。「広く薄く在庫が分散した結果、集荷業者を通じた主要ルートで流れるコメが減って価格高騰につながった」と日経新聞は解説している。 他方で、同省は「投機目的でコメの先高観を見越した小規模の集荷業者や農家が在庫を抱え込んでいる、投機的な中小業者が高値で買い集めたコメを売り惜しみしている」というこれまでの主張は否定し、撤回した(朝日、毎日新聞)。「混乱する市場を前に、消費者や流通業者らが在庫を少しずつ増やしたことが原因とする新たな説明を始めた」(朝日新聞)。 また、同省は、JA農協などの集荷業者を通さず、生産者から卸売業者などに販売されたコメが1月末時点で前年同時期と比べ44万トン増えた(農協への出荷は31万トン減少)と発表した。「昨夏のコメの品不足を受け、2024年産米を高値でも直接買い付ける業者が増え、競争の激化から価格高騰につながったとみられる。農水省はこれまで、農家や一部の卸売業者が投機目的でコメを抱え込み、価格が高騰していると指摘していた。実際は、業者間のコメの獲得競争が激化して流通に支障を来した可能性が高まった」と共同通信は報じている。 報道を知ると同時に、また農水省に騙されているという印象を受けた。詳しくは後に述べるとして、直感的にすぐにもわかるウソや間違いを指摘しよう。 コメ価格高騰の説明になっていない 第一に、農水省はこの19万トンを“消えたコメ”だと言いたいのかもしれない。しかし、他方で同省は18万トン生産が増えていると主張している。18万トン供給が増加して19万トン隠されたとしても、1万トン足りないだけである。650万トンの生産量のうち1万トン足りないだけで、半年で2倍もの価格高騰をもたらすのだろうか? 第二に、農家からの直販が44万トンに増えたというが、農家がJA農協を通じて売ろうが直接卸売業者に売ろうが、重要なのはコメがどれだけ供給されるかである。農協の集荷シェアは、農家の直接販売な��で、長期的には80年代の95%から50%程度まで減少してきた。農協の集荷量についても、2005年405万トンから2022年284万トンと減少している。また、2007年コメが過剰となり売れない在庫を抱えそうだと判断したとき、農協は農家に払う金額を4割も下げて事実上集荷を拒否したことさえあった。これまでも「集荷業者を通じた主要ルートで流れるコメが減って」(日経新聞)きているが、これが価格高騰につながったことはない。農協の集荷シェアの低下、農家の農協外出荷と、米価の上昇は全く関連しない。 コメが不足しているから価格が上昇している 米価を決めるのは、あくまでも需要と供給である。 今回の状況は、昨年秋24年産米を40万トン先食いしたため、民間在庫が現在に至るまで前年比40万トン(2月末39万トン)減少するほど供給が減少しているから生じているのである。 しかも、24年産のコメを消費する年度(昨年10月~今年9月)が進行している(3月で半分を経過した)のに、以前40万トンもの不足がある〔残りの期間必要な消費量に対する不足量(40万トン)の比率は上昇〕から価格は上昇を続けているのだ。 価格が上がったから新規参入が増えた 小さな業者が農家に買い付けに入ったから価格が上昇したと農水省はマスコミに説明しているのだろうが、これは経済学的に間違いである。何も素地のないところに業者が買い付けたとしても米価は上がらない。1万の業者が1トンずつ農家から買ったとしても500万トン規模の市場に影響を及ぼさない。 因果関係は逆である。 需給が逼迫して価格が上がるだろうと思ったから業者が参入したのである。もし業者の力で価格が上がるとすれば、独占的な市場支配力を持つ業者(コメなら全農)が市場の供給量を制限するときだけである。 なお、産経新聞(ネット配信)は、ある識者のコメントとして「業者や消費者を装った購入者と取引された可能性が推察される」と指摘するとともに、「違法に流通したコメもあるとみられ、実態を細かく分析し、違法流通を厳しく取り締まる体制づくりも求められる」と提言したと報じている。しかし、食糧管理法が1995年に廃止されてから、コメの流通は自由である。食糧管理法時代のヤミ米は既に合法化されている。小規模の事業者は届け出さえ不要である。どの法律に照らして違法なのだろうか? 最後に、生産者で9万トン、卸売業者で3万トン、在庫が積み増されていると言うが、備蓄米が放出されて米価が下がると予想されるのに、なぜ生産者も卸売業者も早く売り抜こうとしないのだろうか? そもそも、コメは虫やカビなどの被害を受け保管が難しいので、ほとんどの農家は出来秋に農協等にコメを売り渡す。現時点で在庫を積み増ししている農家がどれだけいるのだろうか? 逆に、小売や中食(惣菜業者)・外食業者が7万トン(消費者は4万トン)を保有していれば、米価が下がると予想されるなかで、これらの業者や消費者は慌てて買おうとはしないと思われる。つまり、その分需要が減少すると考えられるのに、なぜ米価は上がるのだろうか? 発表が3月31日であったワケ 調査自体は2月に終わっている。いつ公表してもよい。農水省は、できるかぎり注目されないようなタイミングを計っていたのだろう。 3月31日は、フジテレビの第三者委員会の調査報告書が公表された。また、予算案が可決される日でもあった。いいタイミングでの公表だ。こうしたことには知恵が回るのである。 「消えたコメ」の存在を立証できていない 農水省がこれまでコメの在庫として調査・公表していたのは、500トン以上の集荷業者(ほとんどの農協が該当する)、4000トン以上を扱う卸売業者である。今回、これまで把握してこなかった小規模事業者(300トン以上の集荷・流通業者、500トン以上4000トン未満の卸売業者)の在庫を調査したという。 「備蓄米放出で「5キロ2100��」に半減するはずなのに…「コメの値段」を本気で下げようとしない農水省の罪深さ」で、私は、消えたコメの存在を立証するためには、農水省は次の三点を立証する責任があると指摘した。 第一に、その小規模事業者が前年に比べ、在庫量を増やしていることを証明しなければならない。 第二に、その在庫量の増加は21万トンでは足りない。農水省は24年産米の生産=供給量は18万トン増えたとしている。他方で、農水省がこれまで把握してきた一定規模以上の農協や卸売業者等の民間在庫量は前年同月比で今年1月44万トン減少している。つまり、同省は62万トン(18万トン+44万トン)のコメをこれら小規模流通業者が新たに隠していることを挙証しなければならない。 最後に、これら小規模流通業者が“投機目的”で(つまり売り惜しんで)在庫を抱えていることを証明しなければならない。 驚きだが、今回の農水省調査では小規模業者は前年比で5956トンも在庫を減少させているのである。つまり、第一の点をクリアしない以上、農水省は第二、第三のハードルにも進めない。ハードル走で、最初のハードルで失敗して、無念にも棄権したようなものである。農水省は、さすがに調査結果まで修正することは憚られたのだろう。 「消えたコメ」の算出方法 農水省が生産量の1%にも満たない生産者への調査を基に、同省は生産量の増加18万トンから、生産者の出荷量14万トン、生産者の在庫量9万トン(親類等への無償譲渡である縁故米の減少を5万トンと推計)の増加を推計した。この生産者の出荷量増14万トンから、卸売業者の在庫増3万トン(これは実際の調査)と全国約1,450世帯の調査から推計した消費者の在庫量増4万トンを差し引いて、小売り、中食、外食業者の在庫量増7万トンを推計した。そして、生産者の在庫量増9万トン、卸売業者の在庫増3万トン、小売り、中食、外食業者の在庫量増7万トンを合計して19万トンとした。 農水省は算出方法を示していないが、次のような計算式である。 生産量の増加18万トンおよび縁故米の減少4万トンから19万トンを導き出したのである。 端的に言うと、生産が増えた分在庫も増えたと言っているに過ぎないのだ。既に直感的な説明として述べたように、これでは供給に変化はなく、米価が騰貴する説明になっていない。
やっぱり「消えたコメ」はありませんでした…「コメはある」と言い続けた農水省の姑息すぎる"手のひら返し" | キヤノングローバル戦略研究所
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何度も書きすぎて飽きてしまったけど、 ・COVID-19は呼吸器系疾患ではなくて全身性血液疾患で自己免疫疾患 ・SARS-COV-2は変異し続ける ・完全無欠の予防手段はない ・完全に治癒する特効薬はない ・感冒様症状は初期症状で後遺症からが本番 ・どんな後遺症が当たるのかはガチャ運次第 ・自衛が個人判断になり、早期投与薬は感染者の自己負担になったが、別に確実に完治することが確約されてはいない ・感冒様症状の発症二日前、感冒様症状が出ないうちから、感染力のあるウイルスの放出を始める ・初期症状である感冒様症状が治まる発症4~5日目辺りが最もウイルス放出量が多く、同居家族及び接近した他者に感染させやすい ・発症から二週間経過すると呼気混じりのウイルス放出はほぼ終息するが、体内深部の内臓などに持続感染が起きている場合がある ・感染時無自覚無症状でも持続感染が起きる場合がある ・発症から2~3カ月経過しても感染前の状態に戻らない罹患後症状は、そのまま一生回復せず状態が固定する場合がある。これを後遺症と呼ぶ ・三ヶ月過ぎて変わらない場合、一年過ぎても二年過ぎても回復しない(自然には再生しない細胞が毀損した場合など) ・血管内梗塞を引き起こすことで高齢者、基礎疾患持ちの元々持ってる病気の予後を悪化させるなど、「その他の重大な疾病のブースター」として機能する ・COVID-19の感染でそれ以外の病気が発症しやすくなる ・定期検診の習慣がまだない若い世代や子供などは、自身が掛かっていた病気の存在に気づかないままCOVID-19に感染し、著しく体調を悪化させる場合がある ・ワクチンの早期接種で、子供の重症化、後遺症を二桁%緩和できる(CDC他からの啓発。対策しなければ、子供でもそれだけ重くなりやすいということ) ・感染者の1~4割に何らかの後遺症雅残る(比率は研究によってばらつきがあるが、最小限でも十人に一人は後遺症が残る) ・ワクチンなし+自然感染、ワクチン+自然感染のハイブリッド免疫は、そこまで長期的に抗体を保持できない ・ワクチン接種による抗体は6カ月くらいまで維持され、7カ月目くらいでほぼなくなる ・ワクチン接種による心筋症発症リスクは百万人に2~3人くらいで、接種による重症化・後遺症の症状低減メリットのほうが大きい ・2023年秋の接種は「XBB系対応一価ワクチン」「最後の無料接種」「調達数は現状で3500万人分」 ・2024年からの接種はインフルエンザ同様自己負担、「個人の判断で各自自衛してください」となり、「何もしなくても行政が勝手に助けてくれる」期間は終わり、命の選別を個人の判断で行うシフトに とりあえず「コロナ禍を経てCOVID-19について分かってることのまとめ」。 同じようなこと何度も書きすぎて飽きた。
Xユーザーの加藤AZUKIさん: 「何度も書きすぎて飽きてしまったけど、 ・COVID-19は呼吸器系疾患ではなくて全身性血液疾患で自己免疫疾患 ・SARS-COV-2は変異し続ける ・完全無欠の予防手段はない ・完全に治癒する特効薬はない ・感冒様症状は初期症状で後遺症からが本番 ・どんな後遺症が当たるのかはガチャ運次第…」 / X
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Legends and myths about trees
Celtic beliefs in trees (19)
C for Coll (Hazel) - August 5th - September 1st
“Tree of Knowledge - 9th month of the Celtic Tree Calendar (Ref)”
Color: Orange; Star: Mercury, Saturn: Gems: Topaz, Pearl; Gender: Male; Patron: Hermes, Mercury, Aengus; Symbols: wisdom + divination, poetry + learning, knowledge + intelligence, healing (healing) arts
About a dozen or so species of hazel species are found in the marshy regions of the Northern Hemisphere. The hazel leaves are rounded with jagged edges, velvety soft to the touch, and turn yellow or pink in the fall. The hard nuts of the hazelnut ripen from mid-August to October. Wrapped in ragged leaves, it is said that it takes 9 years for a hazelnut to bear a full crop. The number nine is the sacred number of the muses who are in charge of our intellectual activities. This is one of the reasons why, since ancient times, the hazel has been associated with inspiration in the arts and learning.
The ancient Celts regarded the hazel as a tree of knowledge. All knowledge was intertwined within the husk of the hazel nut. This is where the idiom "in a nutshell" comes from. The hazel is the tree of white magic and healing, the poet's tree. Its sacred berries were the food of the gods as well as a source of inspiration and immortality. For the ancient Celts, there was no better expression than poetry, neither in art nor in magic.
An ancient Irish code, handed down to posterity as the 'Sacred Triad', stipulates that anyone who intentionally cuts down a hazel tree is guilty of death. No other tree has been given such high status, except the apple.
The hazel is said to be a talisman of good health and protection against all kinds of disasters. In Ireland, on Beltine and Solstice, a cow is led in front of two huge torches, with its back covered in hair roasted with a flaming hazel wand, as a curse against magic and bad luck. Sometimes hazel twigs were also tied to horses' manes to protect them from fairy magic.
The planet that rules the hazel is Mercury. The hazel is inseparable from water, but the ruling element is air. It is said that the hazel is surrounded by the magical power of mercury, which enhances mood and brings inspiration.

木にまつわる伝説・神話
ケルト人の樹木の信仰 (19)
C for Coll (ヘーゼル) - 8月5日~9月1日
『知識の木 〜 ケルトの木の暦(参照)の第9月』
色: オレンジ; 星: 水星、土星: 宝石: トパーズ、真珠; 性: 男性; 守護神: ヘルメス、メルクリウス (マーキュリー)、オェングス; シンボル: 知恵+占い、詩+学問、知識+知性、治療 (癒し)の技術
ハシバミの仲間は、北半球の湿地帯に十数種ほど生息している。ハシバミの葉は丸みを帯び、縁にはギザギザがあり、ビロードのように柔らかく、秋には黄色やピンクに色づく。ヘーゼルナッツの堅い実は、8月中旬から10月にかけて熟す。ボロボロの葉に包まれたヘーゼルナッツは、実がなるまで9年かかると言われている。9という数字は、私たちの知的活動を司るミューズたちの神聖な数字である。古来より、ハシバミが芸術や学問のインスピレーションと結びついてきた理由のひとつがここにある。
古代ケルト人はハシバミを知識の木と見なしていた。すべての知識はハシバミの実の殻の中で縒り合わされていた。「一言でいえば (in a nutshell)」という慣用句はここから来ている。ハシバミは白魔術と癒しの木であり、詩人の木である。その神聖な実は神々の食物であり、インスピレーションと不死の源でもあった。古代ケルト人にとって、芸術においても魔術においても、詩に勝る表現はなかった。
アイルランドの古代の掟は「聖なる三位一体」として後世に伝えられ、ハシバミの木を意図的に伐採した者は死罪に処せられると定められていた。これほど高い地位を与えられている木は、リンゴを除いて他にはない。
ハシバミは無病無災の護符であり、ありとあらゆる災害から守ってくれると言われている。アイルランドではベルティネ祭や夏至の日に、背中に魔法と悪運から身を守る呪いとして、火のついたハシバミの杖で毛焼きがほどこされた牛を2本の巨大な松明��前に引き出す。馬のたてがみにもハシバミの小枝を結んで、妖精の魔法から身を守ることもあった。
ハシバミを支配する惑星は水星である。ハシバミは水と切っても切れない関係にあるが、支配元素は空気である。ハシバミは水銀の不思議な力に包まれており、気分を高め、インスピレーションをもたらすと言われている。
#trees#tree myth#tree legend#hazel tree#celtic belief#celtic calender#hazel nuts#mythology#folklore#legend#beltine#aengus#mercury#nature#art
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Scan and transcription of the Persona 3 part of Newtype Magazine May 2015

物語は、続く
「PERSONA3 THE MOVIE #3
Falling Down」
●新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開中
●第1章、第2章BD&DVD発売中(アニプレックス)
WEB▶http://www.p3m.jp/
Twitter▶@P3movie
illustrated by KENTO TOYA
finished by SAORI GODA
text by HITOMI WADA
©ATLUS ©SEGA 劇場版「ペルソナ3」製作委員会
STORY NOTES
修学旅行中に某キャラクターが繰り出す絶望の叫び「バカにするなぁぁぁぁ(涙)」。「このシーンは、第3章の中で極めて異色なシーンになっています。必見です!」(足立)
結城 理
4月に月光館学園高等部へ転入してきた高校2年生。影時間に行動ができるペルソナ使い。仲間を失い、その精神に変化が訪れはじめる
理演じる石田彰の演技にも注目
影時間-それは一日と一日のはざまにある隠された時間。あらゆる生物が棺の形に“象徴化”してしまうその時間のなかで、主人公たち特別課外活動部は、きずなを結び、深め、進んできた。そして、季節は秋を迎え、特別課外活動部の戦いにも終わりが近づこうとしていた。
「第1章で、ほんの少しだけ笑うことができるようになった主人公の理。第2章では、夏休みという青春の時間を過ごして、けれども、最後にはとても悲しい結末を迎えました。そして、第3章です。ここでまた、理は新たな出会いと別れを体験することになります」
現在全国ロードショー中の劇場版「ペルソナ3」第3章の展開について、足立和紀プロデューサーが語る。
「第3章は、かなりダウナーに物語が始まっていきますが、キーパーソンとなるのは、謎の転校生として現われる新キャラクター・望月綾時。理と綾時が��ぐドラマは、この作品の大きな見どころになっていきますので、ぜひご注目ください。アニメという手法上、原作にはなかった2人の会話の流れもありますので、原作ファンにとっても必見だと思いま すよ」
第1章は秋田谷典昭、第2章は田口智久を監督に配して描いてきた本シリーズ。第3章は「刀語」「ヨルムンガンド」などの元永慶太郎が手が けている。
「第1章、第2章は、比較的若手の監督でしたので、その若さを武器にチャレンジングな演出もいろいろ模索していただいたと思っていますが、元永監督は大ベテランですので、とてもていねいかつ重厚な演出を施されたなと思っています。バトルシーンもかなり見ごたえがありまして、画コンテを拝見して『さすがだなあ!』とうならされてしまいました。各章ごとに監督を変えているのは、第一にはあまりお待たせせず公開していけるようにしたかったからなのですが、それぞれの監督の個性がぶつかり合うことで、フィルムをさらに上のステージにもっていけている、というのは想定以上に大きな効果だったと思っています」
そして、主人公役・石田彰も監督たちのクリエイティビティに的確にこたえつづける。
「第3章ならではの現場エピソードとしていちばん思い出されるのは、やはりアフレコ現場での石田彰さんの活躍ぶり。ゲームではプレイヤーキャラである主人公は、ほとんどしゃべらないですが、アニメの結城理はしゃべるのでそれが毎章新鮮なんじるキャラ同士の芝居のつくり方など、まさに脱帽でした」
あるものは仲間や家族の死と向き合い、あるものは守るべきものに気づき、また、あるものは自分のこれまでの戦いの意味に葛藤する。理とその仲間たちのきずなの物語の行方を見届けたい。
「原作ゲームの発売から来年で10年という月日がたとうとしていますが、ファンの皆さんの熱量はまったく変わらず、そのご期待にこたえるためにここまでやってきました。でも逆に、ゲームをプレイしたことがない人でも、映画を入り口に『ペルソナ3』のファンになっていただけることもあって、それもとてもうれしいことで。第3章は、まさに今、公綸直後です。ご興味をもっていただけたなら、今からでもDVDなどで第1章からお楽しみいただけたら幸いです」
別れ、そして新たな出会いが導く物語

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連休二日目、大平は厨房職員の出勤前に開錠し、再び床に入った。昨日の母親とのやり取りが尾を引いているらしく、布団を頭から被った。嗚呼、辛い、淋しい…。この思いを誰に吐露したらよいかと、彼は何度も寝返った。
それから一時間経った頃、ドア越しに声がした。
「大平先生、検食お願いします」
彼は寝ていた訳ではないのですぐ布団から出た。ドアを開けると、其処にいたのは管理栄養士の石川忍だった。彼女は、
「何だ、起きてたンですか。もうすぐ生徒さん来ちゃいますよ」
と言った。
「あぁ、すみません…。今行きます」
そう言って大平は食堂へ向かった。食堂には、朝食を作り終えた厨房職員が休憩をしていた。石川も、今日は日曜日で人手が足らないとの事で厨房業務をしていたらしく、
「早く厨房職員、増やしてくれないかなァ〜。アタシ、朝弱いのよ」
と言った。向かい側で食事をしている大平は、
「でも、いつも美味しいよ。助かるわ」
と話した。
「たまに、亜鉛やタウリンたっぷりの献立も考えないといけないのよ。幸田理事長が、年頃の男子はヴァイタリティがなくては勉強やスポーツに良い成績が得られないって。まァ、亜鉛は味覚を感じるのに必要な栄養素だから仕方ないかァ〜」
「たまに遊びに来るよ、ウチの生徒が」
「あら、大平先生。ビンビンなのね? 絶好調なンだ〜」
「ほらほら、朝から際どいよ」
石川も、このK高校の裏の裏も読んでいる様だった。彼女も所謂「ボーイズラヴ」系の漫画が大好きで、半年に一回は特別メニューとしてマカを含んだドリンクを付けたり、すっぽんエキスを使った鍋などを出したりもしていた。大学時代に居酒屋でのアルバイト経験があり、たまに貢が理事会を開催する時には刺身や焼き鳥も作っていた。
検食を終えると大平は、
「今度、カキ食べたいなァ」
と、検食簿を書きながら言った。
「カキ? 寒くならないとダメでしょ? 美味いけどね〜」
「だよなァ…。ご馳走様」
返却棚に使った食器を戻すと、大平は宿直室に戻った。嗚呼、今日は何をやろう…。そう思いながら彼は布団を片付けた。
午前十時過ぎ頃、寮の駐車場に一台の四WDが停まった。宿直室で保健体育の教科書を開き、連休明けの授業の準備をしていた大平は、モニターでその車を確認した。丁度、半袖のポロシャツにジーンズという格好で正美が階下にやって来たので、大平は宿直室から出て聞いた。
「ご両親とお出掛け?」
「おはようございます。否、母の幼馴染でもある中学校の恩師です」
「夕方までには帰るンでしょ?」
「はい、ちょっとドライヴです」
大平は「中学校の恩師」と「ドライヴ」という単語が意味深だなと思った。大概は家族などが迎えに来たり、逆に実家へ一時帰宅したりする場合が多いが、これまでに中学校時代の恩師というのは前例がなかった。もしかしたら、「恋仲」か?と彼は疑った。すると、車から七三分けに髪を整えたほぼ同世代の男がやって来た。彼は水色のオックスフォード生地のボタンダウンシャツに、ベージュのチノパンツという格好だった。その男は八坂だった。彼は大平に挨拶し、
「黒木正美がお世話になっております、八坂周二です。今日はドライヴも兼ねて正美君に会いに来ました。よろしくお願いします」
と自己紹介をした。大平も会釈をし、
「私は一年生の保健体育を担当しております、大平雅之です。今週は寮の宿直をしております」
と言った。正美は、
「おじさん、待ってたよ。行こう!」
と靴を履き替え、何故か手を繋ごうとした。八坂は、
「ダ、ダメだよ。そんな人前で…」
と苦笑したが、
「イイじゃん、早く行こう!」
と正美は疾る気持ちを抑えきれない様子だった。八坂は正美に急かされるまま、
「門限までには帰りますので…」
と言った。
大平は、これまであんな無邪気そうな笑顔を見せる正美を見たことがないと思った。たまに、
「セッ◯スしてぇ〜!」
と、公然と口走る印象しかなかった。しかし、あの八坂もスラッとした雰囲気でイイなァと大平は思った。
その頃、亮司は昨日と同様に刈払い機を片手に校内の除草作業をしていた。この時期は雑草が伸びるのも早く、正直「いたちごっこ」ではあった。昨年は定期的に業者が来訪してやってはいたが、単科大学の方で来年度から従来の経済学部に加え社会学部も新設されるとの事で、極力コストを抑えたいという貢の考えがあった。彼は、
「熱中症にならない程度に草取りしてね」
と、一昨日絡み合った後に言ったのだ。亮司は、
「何だ、愛してるなら手伝えよ」
と布団の中で貢の片脚に自分のものを絡ませながら訴えたが、
「理事長も大変なンだよ、休ませてよ」
と亮司に接吻しながら詫びた。
昨日より日差しが強く、早くも頭の方から汗が噴き出す。亮司はペットボトルのスポーツドリンクのキャップを開け、数口飲んだ。嗚呼、この空気が何だか「あの頃」を思い起こさせるなァと、彼は再び秀一のことを想った。
亮司が顧問を務めていた陸上部に秀一が入部して三ヶ月が経過した頃、都立A高校に近い河川敷でジョギングをすることを練習メニューにしていた。未だ「根性で乗り切る」という考え方が根付いていた時代である。練習中に水分を摂ることを制限され、ギブアップしそうな生徒には「忍耐力が足らない」と叱責するのが当たり前だった。亮司もその一人で、指導するにも必ず怒鳴り声を上げていた。
そんな猛練習の中で、秀一は朝イチの新聞配達をしながら個人的に走り込みもしていた。周囲に話すことはせず亮司にも黙っていたが、たまたま犬の散歩をしに河川敷を歩いていた時に亮司は秀一がジョギングをするところを見かけていた。他の教師から秀一の家庭が火の車であることを聞いていた亮司は、そんな彼に少しずつ想いを寄せる様になっていた。
ある日の夕方、いつもの様に河川敷のジョギングをしていた時だった。普段であれば余裕の表情を見せていた秀一の足取りが徐々にペースが落ち、その場に倒れ込んでしまった。他の部員は一時的に足を止め、彼の許に駆け付けた。亮司は、
「益子!」
と身体を揺さぶった。意識はあるが朦朧とした様子だった。彼はその日の部活動を中断し、学校に戻ることにした。
保健室に連れて行った亮司は、ベッドに横たわる秀一を眺めていた。
「どうやら、睡眠不足の様ね」
と女性の養護教諭は言った。
「『睡眠不足』?」
「確か、益子君ってお母さんだけよね? お姉さんは看護婦さんで…。新聞配達もしながら成績も優秀だし、かなり頑張っている筈よ。それで部活なンだから」
「…そうか」
亮司は、秀一の学校以外の一面を知らずにいたことを悔やんだ。そもそも部活動の時にしか関わらないし、他の生徒に対しても同様だった。
秀一が目覚めた時には、とっくに夜の帳が下りていた。養護教諭もずっと残っていたが、
「とりあえず、何か美味しいものでも食べなさい。あとは無理はダメよ」
と彼に言った。
「佐々木先生、色々とありがとうございました」
亮司はそう頭を垂れ、秀一と学校を出て行った。秀一の家は河川敷近くにあったが、亮司は神田の方だった。今夜は、ずっと付き添い気持ちがあった。そうだ、駅前に食堂があるから連れて行くかと、秀一と一緒に山手線に乗って秋葉原駅前の定食屋へ向かった。カツ丼は大盛り、その他に秀一はカレーも注文した。あまりの食い込みのよさに亮司は驚き、
「普段、何食べてるの?」
と聞くと、
「普通に食べてますよ。でも、すぐお腹空いちゃう」
と秀一は話した。
「今日は沢山お食べよ」
まるで息子を一人持った様な感覚に、亮司は陥った。嗚呼、何とかしてあげたいと思いながら。その日は、秀一とは秋葉原駅で別れたが、回数を重ねるごとに逆に亮司が彼のところまで送って行く様になった。時折、無意識のうちに手を握り合うことも多くなり、互いに教師と生徒という関係を越えつつあった。
そんな二人の想いが通い合ったのは、夏休みが近づいた七月の中旬のある夕方だった。いつもの様に秋葉原駅前の食堂で食事をした後、西日暮里駅を下りて秀一をアパートまで送るその矢先だった。亮司はこれまで押し殺してきた彼に対する想いを河川敷の橋桁で告白した。���然唇を奪われた秀一は、最初は何が起きたのか理由が解らない状態だったが、
「…先生、僕も好き」
とおのずと舌を絡ませてきたのだ。一瞬、唇を離すと二人の唾液が一筋の糸でつながっていた。亮司はそのまま秀一を叢に横たわらせ、
「申し訳ない…。でも、秀一が好きなンだ。愛してるンだ。オレ、お前が欲しいンだ」
と、ワイシャツの第二ボタンを外しながら未だ十六歳になったばかりの「やわ肌」に手を忍ばせ、同時に首筋に唇を押し付けた。
「せ、先生。そんな、あぁ、あん…」
初めて経験するエクスタシーに忽ち秀一は酔い、今度は彼自ら亮司のネクタイを緩め、ワイシャツのボタンを外し、ランニングシャツの片側を肩からずり下げた。日焼けした肌に黒々と浮き出た乳房を弄った。
「し、秀一! オ、オレ、そんなつもりじゃ、あぁぁ…」
叢の上で、二人の体位は逆転した。周囲はすっかり暗くなっていた。人気もない。橋桁の上なので、たとえ声を上げても車の往来でガタガタという雑音でかき消された。スラックスを互いに脱ぎ捨て、二人はブリーフを片脚に絡ませた状態で肉棒を咥え合った。秀一は、銭湯でしか他人様のチ◯ポを見たことがなかったが、微かに小便の「匂い」がしつつも抵抗なくその裏側を舌の先でなぞったり、また先端を口の中で弄んだ。あまりに気持ちよく遊戯してくれていることに亮司は、
「し、秀一! 気持ちイイ! イイ!」
と歓喜を上げ、そのまま愛液を秀一の口の中に放出した。
「あッ、あん! あぁん! あん!」
亮司は頬を赤らめながら、うっすら涙を浮かべつつ、全身を震わせた。一方、あまりに卵白の様にヌルッとした感触だったからか、オルガズムが終わると秀一はすぐその場に亮司の愛液を吐き出した。
彼は、
「…先生、僕、我慢できない」
と訴えた。
亮司は、秀一に「お前の愛液を顔にかけて欲しい」と求めた。言われた通りに、秀一は亮司の顔の目前に下半身をさらけ出し、今にも多量に噴き出しそうにいきり勃った秀一の肉棒を亮司はしゃぶったりしごいたりした。そして、
「嗚呼、 イク!イッちゃう! 出ちゃう!」
と、見事なほどに熱く粘度を含んだ乳白色の愛液が亮司の顔面に飛び散った。「シャワー」の様に浴びた亮司は、うっすらと微笑を浮かべた。
初めてにして変態的な「痴情」を経験した二人は、それからこの様な濡れ事を重ねに重ねた。間もなく夏休みを迎えたが、すぐに亮司は仮住まいとして、西日暮里駅と都立A高校の間にアパートを借り、其処を「愛の棲家」とした。週二、三回は部活動の後、亮司自ら夕食を振る舞い、一緒に近くの銭湯へ行っては愛し合ったのだ。
『嗚呼、若かったよなァ。オレも』
木陰から漏れる日差しを時折見上げながら、もう一口スポーツドリンクを飲み、亮司は再び刈払いを始めた。
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外気を胸いっぱい吸うと、途中で気管の奥がつーんとする。秋なのだろう。気温15度を常に下回るようになってきた。外を歩くと服に雪虫がつく。潰さぬように指でそっと掴んで払う。
先日のこと。韓国、ニュージーランド、オーストラリア、ドバイ、アブダビ、トルコ、インドネシア、スイス、アフリカ、ベトナム、フィンランド。鉛筆で縦書きで書かれたメモ帳を見かける。書いた人は白髪の女性で、知っている国を羅列したにはマイナーな国ばなりで、特に中東が多いなと思う。聞くと「真夜中に眠れなくなってしまって、過去の嫌なことを思い出しそうになるから自分の行った国を真っ暗な中書いていたの。あと2つぐらい行ったのに思い出せないわ」と教えてくれた。「トルコにはまた行きたい。ホテルの屋上がモスクに挟まれていて、時間になるとお祈りが始まるの」「動物に会いたくてアフリカに行ったの」「オーロラが見たくてフィンランドに行った」と各国の思い出を話してくれる。「本当に素晴らしかった」と思い出話の最後に繰り返すその声は高齢者の掠れた声なのにキラキラとしていた。
涙が出た。気づかれないように拭って、その話を聞いていた。見た目はなんも変わらないお婆ちゃん。けれどそんな旅をされていた。わたしもそんな人生を送りたいと思っていた。若くて体力のあるうちは、世界各国訪れたい国へ赴く。少し年老いたら日本中旅行をして、もっと年老いたら自宅の椅子の上で今までの旅を思い出しながら過ごすのだ。来週からエジプトへ行くところで、そう思っていた矢先に彼女に出会えたから驚いた。
北海道ではない本州の生まれだそうで、去年は生まれ故郷に行ったという。そこで両親のお墓に手を合わせた。それを最後の旅にしたという。
「外国から日本を見るのが楽しいのよ。日本は素晴らしいところよ。あぁ、そういえばラスベガスにも行ったわ。シルクドソレイユを見たかったの。それはまた素晴らしかったわ」と言って、メモに縦書きでラスベガス、と書き加えた。
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*受験期の頃に書いた日記です
傷 kiss
友人たちが次々と大学に合格していく事実が今もずどんと馬鹿でかい劣等感と化して心臓の上で横たわっている、昨日も同じ夢を見た。不安な気持ちばかりが先走るけれど、かっかしていても何も変わらなかった。他人と比べて自分の優れているところを必死に探していないと自己を保てない自分がほんとうにほんとうに惨めで、マスクが無ければたぶんぼろぼろ泣いてしまっていたと思う。心の底に横たわるみずうみが氷っていくの、口元が覆われているとそれだけで自分が自分じゃない感じがして冷淡になれた。わたしは自らの足音にだけ集中して、ただ早足で行き交う人々のあいだをすり抜ける。ずーっと頭の中を同じ映像が流れるのをむりやり切り落として、でんしゃを滑らせる線路をじっとみつめる。夕陽の光が錆びたその金をうつくしく縁取る様子が痛々しいくらいにまぶしい。受かった瞬間に内職をぱたんと辞める同級生。せーので問題を皆んな一緒に解き始めるとき、隣の子が必死に解答を隠すように背中を丸めて腕を机の上に伸ばす。そういうのばかり見ているとほんとうに、ほんとうに。言葉もでなくなってしまう。なにをそんなに誰かのことを気にするの?と、母の言葉が反芻する。光がまばらに散らばる街並みをみて、光も照らすものを選ぶのかしら、とかおもった。まいにちずっと罰を受けているみたいな日々、冬が近づくにつれて正気を失ってゆく街の様子にそれはもう痛いくらい同情してしまうし、ひたつやふたつ良いことがあっても誰かのそれと比べて自ら幸福の値段をどんどんさげてしまう。何も着ないでぶるぶる震えるわたしのからだを愛しているひとが白いバスローブで包みこんでくれたこと、カチカチに凍ってしまったアイスクリーム。減ってゆく数字。つめたいのにあつい、霧のカーテンの向こうに浮かぶ満月。目の前を歩いている女の子が落としたカードのようなものを拾い上げて渡す。舌に吸い付いた生ぬるい塩っぽさを誤魔化すために、瞬きもせずその息を呑んだ。
落ちてゆく流星群
不確かなものに心を揺さぶられながらもそれを掴んで決して離そうとしない自分の必死さに、自分で傷ついている。教科書を開いて新しい知識を得るたびに、脳内にびっしりと張り巡らされた細い糸のようなものがぴんと鋭く光って、しずかに緊張する。その感覚をわたしは思い出そうとすればいつでも思い出せるし、べつに勉強が嫌いなわけじゃない。ただ、生きているなあ、と、胸に広がるあたたかさを抱きながらそっと泣いたりする夜が少なくなった。そもそも生きていながら生きているという実感が欲しい、なんてことを考えている時点で可笑しい話かもしれないけれど。
中学の頃、冬になると毎年マラソン大会が開催された。今日みたいな寒い日にふと当時の怠さを思い出したりする。校庭の砂に石灰で大きく楕円が描かれ、その周りをひたすら走るだけの超つまらないイベント。冬の、鼻先をつんとすり抜けるような寒さと冷たい風の乾いた匂い。忍ばせたカイロと、白く上がる息。
このごろのわたしはちょうどその延長線上を生きているような感じがする。毎日同じ景色の中をぐるぐるとまわり続け、いっそのこと軌道から外れてすべてを諦めてしまいたいと思うけれど、そんな勇気も出ないまま、結局は体力と時間だけをひたすら消耗しながらゴールへ向かって淡々と走ることしか出来ない。気を緩めると涙がぽろぽろ溢れてくる。生きているという事実だけでくるしい。日に日に遠のいていく同級生の背中がいつだって意図せずとも視界に入ってきて、やるせない気持ちになる。地に足付かずでいたい、なんてことを随分と昔に書いたような気がするがとうとうそんなことも言えなくなってしまった。未来のことを考えましょうと言う先生の言葉を聞くたび、わたしは勝手に銃口を突きつけられているような感覚になる。もはや自分が果たしてどこにいるかもわからない。
来月には部活の大会を控えているし、予備校の冬季講習に加えて学校の講座を受けないといけない。三者面談と進路選択。期末試験。呑み込めずに舌の裏で転がるC判定という言葉を噛み砕くのにまだ必死なのに。
やりたいことを一つに絞るということは、それ以外を切り捨てるということ。ここから気になる大学を選んでくださいと、大学の名前と学科の一覧が記載された辞書のように分厚い本が配布された。今のわたしには、その厚さの分だけ未来の選択肢がある。そこに記載されている言葉の数だけ莫大なあたらしい世界が。そこから否が応でもたったひとつのものを掬い上げないといけない、その事実が少しだけ重苦しい。けれどそれに値するほどの価値が、これから先の時代を生きるわたしにあるということが同時にちゃんと嬉しい。
もう秋も終わってしまう。寒いね、寒い、とぽつぽつ浮かんでくる言葉を拾いながら、誰かと手のひらを重ねたい。人と比べてしまう限り、わたしはこれからもずっと孤独をひとりで噛み締めないといけないから。胸をきゅうとさせる寂しさにもそろそろ慣れてしまいそうだから、はやくすべてが終わってほしい。はやく好きなことの勉強だけに追われる生活がしたい。そういう思いでひとつずつ過ぎ去っていく毎日の、行き場のないもどかしさも冬の寒さに凍ってしまえばいいのに。
無題
銭湯に行きたい。受験して、でもいいところにひとつも合格しなかったら巫女のアルバイトでもしながら京都で浪人生活をしたいな、とかんがえていた。ひさしぶりにおふろで哀しい音楽を聴いた。なんでもない日に哀しい歌をきくと、より一層哀しさが加速されるというよりなんだか心が細く研ぎ澄まされていく感じで今までの日々がきゅうっと音をたてる。雑巾をさいごまで力強く捻って絞り出す汚水、長距離走の最後の2分間、なみだが出る前の喉元になにかが込み上がってくる感じ、そういうの。とてもぼろぼろなんだけど、それと同時になにか澄み渡っていくものがある。だれかのがんばりと比べると劣るかもしれないけれど、ようやく夏も終わろうとしていることに救われる。ふつうの日々が、たくさんあつまって束になる。ぺたぺた歩く、濡れた髪にドライヤーをあてると耳の中に残っていた水があったかくなってきもちわるい。わたしは顔が良いわけでも、精一杯の力で努力できる力量もない。かといって特別な才能だって持ち合わせていないし、たまに数え切れないほどきらきらしたものを抱えている人をみると妬みと自分への劣等感で自らを押し潰れてしまう。だれかの人生で自���自身が、自分のうみだしたものが、かけがえのない財産になれるってとてもうつくしくてズルいと思う。今年の夏は滝をみるはずだったけど、それすらまぼろしになっちゃった。ずーっと空白の未来の下準備を重ねているような現実から離れて、すこしはずれた小さな町で虫捕りしたり桃を買って丸噛りしたりしたかった。大学に入ったらどんなひとがわからないけれど、自分がもっているものと同じくらいのものをもっている人がいるのかなと思うとすこし楽しそうかもという気持ちになる。免許を取りたいけれど友だちにありじの運転は危なっかしそうだから乗るのこわい〜と言われた。だれにもわからないことがあっても、言葉にされない何かがあっても、それを価値のないことと結びつけることは暴力じみた愚行かもしれない。自分の中にもまたいろいろな自分が内在していて、自分でも翻弄されてしまうことがあるし、文章を書いていても一貫性がなくて凛としない。英文法の参考書をぱらぱら眺めていたら、into the blue というのがあった。遠いところへ、彼方へ、という意味らしい。あーあ、しんじゃいたいね。
無題
予備校が終わって帰ろうと駅へ着いたけれど、次の電車が10分もあとにくるのでホーム内にある明るい禁煙スペースに入る。寒くなってきたので制服のブレザーを卸した。おおきな硝子に自分の閉じた長い足が映る、ひとが一人ずついなくなっていって、さいごには結局がらんどうの箱のなかでひとりただじっと電車を待つことになった。曖昧な形の◯とか△とか、がさがさ、つやつや、さらさらとか、そういうふうに不確かな輪郭だけ残してことばが次々とその形を変える。一つずつ掴んで物語を紡いで美しく完結させたいのにビー玉とか乱射する光みたいに思い浮かんだことすべてが一種の暴力を伴って脳内を猛スピードで駆け巡る。自分を飼い慣らすことでさえこんなに疲れる、もうだれとも話したくない、と消化しきれない感情がずっと身体の皮膚の内側のいちばん近いところで叫ぶこともできずにちりちりと火花を放っている。ロックとかやさしさとか愛とかそういうのぜんぶ病名みたいなものなのかもしれない。ひとつの感情にもその後ろにはそれをそれたらしめる色〜んな歴史があるし、たぶんこの不甲斐なさもいつかコピーペーストを重ねるうちにすこしずつ美化されてしまうんだろうなと思う。線路にわざと隙間があるのはとりわけ夏あたりに摩擦熱で鉄が溶けてしまわないようにするため、というのを授業できいた。がちがちに隙間のひとつも有さずに固められたものがいちばん揺るぎないもののように思えるけれど、実はちがくてそういうのが最も脆いものらしい。ともだちにしろ恋人にしろ自分の将来とか自分のアイデンティティも然り、全てに対して揺るぎなさ、安定とか、そういうのをひっきりなしに求めていたけれど、もっと流動体のような観念で受け止めたい。ずっとそこにある月でさえ欠けたり満ちたりするし、花の一つをとってでさえその形や色はすべて毎日かわってゆくけれど、それはそれらが美しくないことの理由付けにはならないし、信用に足らないことの言い訳にもならない。情報として飛び込んでくるいろいろなものを変に調律したり濃く輪郭をなぞったりするのではなくて、ぜんぶ自分のもっているものの周りに飾っていきたい
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2025年6月21日(土)

今日は6月21日、今年の<夏至>となる。まだまだ暑さは厳しくなるが、少しずつ日の出が遅くなることを思うと、暑さも(ほんの少し)愛おしくなる気がする(当社比)。京都では、毎月21日は<弘法市(=こうぼうさん)>が東寺(教王護国寺)で開催され、終日善男善女で賑わう。コロナ以来、久しく訪れてはいないが幸い好天、恐らく外国人観光客も含めて多くの人出があったことだろう。暮れの<終い弘法>には、久しぶりに行ってみるかな?

5時30分起床。
昨日の日誌を書く。
5時50分、彼女の起床を待って洗濯開始。

朝食を頂く。
洗濯物を干す。
珈琲を淹れる。
8時15分、彼女を近鉄東寺駅まで送る。

9時、コレモ七条店で買物、車内で嗜むタブレットがなくなったので、4種類購入する。
iMac のマウスが動かなくなったのでチェック、充電切れだ。普段なら警告メッセージが出るのだが、気づかなかったようだ。充電しながらトラックパッドに切り替えて作業する。
11時、BSでドジャース戦を流す。

息子たちのランチ、残りご飯で炒飯を用意する。
13時30分、彼女を近鉄東寺駅まで迎えに行く。
遅めのランチは伊勢うどん。
録画番組資料、超 文楽入門
大阪育ちの伝統芸能「文楽」。俳優・北村有起哉と、人形遣いの人間国宝・桐竹勘十郎がその魅力をお伝えします。スタジオで、文楽があらわす「情」、感情表現を太夫・三味線・人形それぞれの技で魅せ、北村さんも間近で体験するなど、文楽を「人形」、「竹本義太夫」、「近松門左衛門」、「曾根崎心中」というキーワードでひも解きます。 そして今回は特別編、文楽「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)寺子屋の段」を、珍しい“天地会(てんちかい)”でご覧頂きます。天地会では演者が役割を代えて上演するため、それぞれの役割がいかに高い技術を駆使しているのかがよくわかります。さらに、知ると楽しくご覧頂ける情報を桐竹勘十郎と北村有起哉がご紹介。 他では出会えない文楽の楽しみ方をどうぞ! 【出演】北村有起哉(俳優・大阪局制作のドラマ「ちかえもん」で文楽に目覚める)、桐竹勘十郎(文楽人形遣い・人間国宝)、竹本織太夫(文楽太夫)、鶴澤清志郎(文楽三味線)、ほか 【ご案内】秋鹿真人アナウンサー
いやぁ、“天地会”を見ることが出来たのは最高!
彼女は買物に、私は軽く午睡。

夕飯、昆布締めポークソテー・ピーマンと揚げのクタクタ煮・レタスとトマト・ホッケ。
土曜は寅さん

ポンシュウ(関敬六)と五島列島にやってきた寅さんは、クリスチャンのお婆ちゃん(初井言榮)と知り合うが、お婆ちゃんは急逝してしまう。その葬儀に参列した東京で働く孫娘・若菜(樋口可南子)から、寅さんに礼状が届く。若菜をたずねた寅さんは、写植オペレーターの技術を持つ彼女の再就職を、博にたのむ。若菜のアパートには、気の良い管理人のおばさん(杉山とく子)や、司法試験に挑戦している酒田民夫(平田満)が暮らしており、若菜に夢中な民夫は勉強も手につかない。そこで寅さんが恋の指南役を買って出るが… 風光明媚な長崎県五島列島。そこで、懐の寂しい寅さんとポンシュウに、一夜の宿を提供してくれた老婆の優しさと、彼女の死。人の出会いの美しさと、そこから始まる新しい運命。今回はこうした“人の縁”がおりなす、温かい物語が微苦笑のなかに展開される。樋口可南子と平田満。二人が演じる若いカップルを取り持つ、恋のベテラン・寅さん。都会で一人暮らしをする女性の孤独や、彼女をとりまく社会を、さりげなくリアルに描いている。後半、秋田県鹿角を舞台に繰り広げられる騒動まで、明るい笑いが、幸福な気分に誘ってくれる。
忘れていることが多く、とても新鮮に楽しめた。
例によって早めに睡魔到来。

久しぶりの痛風発作、完治とは言えないが歩くにはほとんど支障なくなった。
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