#犬や猫にわざと足とか踏んでもらうし
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Kentucky Route Zero テキストを巡る冒険(前編)
Kentucky Route Zeroの日曜研究として、KRZにおけるプレイヤー論を考えつつ、ゲームであり文芸・美術作品でありメディアアートである本作の側面を断片的に語る試み。あるいは、訳者解説と鑑賞案内のはざま。
まだいろいろ暫定の途中段階だけれど、自分で見返す用のとりあえずのまとめ。
曖昧で捉え難いと言われる本作がなにを為そうとしたのか、アドベンチャーゲームというジャンルにとってどうして特別な作品であるのか、その実験を少しでも言語化できたらいいですね。
1.Player(役者)
プレイヤーはコンウェイ・シャノン等の主要登場人物を、通りすがりの脇役を、骸骨を、犬を、猫を、様々な人物・生き物を演じていく。
Act.2の幕間劇「エンターテイメント」では、直接ゲームに「飲んだくれ」という役名でプレイヤーは役者として参加できる。
なお、エンターテイメントはもともとVRとして独立したゲームとして作成され、実際に役者として参加できるようになっている。脚本も作成され、別途演劇として上演されてもいる。
開発者ニュース
VR版・脚本は公式ホームページからDL可能
図1:Act.1 (マルケス農家) プレイヤーはコンウェイを演じる。
図2:Act.3 (ハードタイムズ蒸留所) プレイヤーは骸骨を演じる
図3:Act.5(町) プレイヤーは猫を演じる
図4:Act.2幕間劇(エンターテイメント)プレイヤーは役者「飲んだくれ」となって劇に参加する



2.Player(脚本家)
プレイヤーは登場人物の台詞を、時に出番を選択し、こまかく彼らの性格付けと劇の方向性を決定する。
彼はアルコールに溺れていたのか、それとも風景に耽溺していたのか。彼女は皮肉屋か、真面目なワーカホリックだったのか。彼らがなぜこの旅を続けるのか、そ��目的も。
図5:Act.1(EQUUS石油)プレイヤーはコンウェイの台詞を選択し、彼が何を考える人物か選択する。
図6:Act.5(町)プレイヤーはどの登場人物が、いつ、なにを話すか選択する


(参照)
「Rock, Paper, Shotgun」 『なにがKentucky Route Zeroのダイアログを魅力的にしているのか?』
KRZを開発当初から追っている英ゲームメディアの記事。脚本のジェイク・エリオット氏のインタビューを挟みながら、選択肢・テキストの提示方法含めその魅力について記載している。
3.Player(監督)
プレイヤーは監督(Director)として、この劇でどの場面を見せるのか、どの順番で幕を演じるか・演じないかを決定することができる。
この劇をいつ演じる(Play)のか、いつやめるのか決めるのは監督の仕事である。
図7:Act.1(事故車)進行に必須ではないこの場面を見るか、見ないかはプレイヤーが決める
図8:メニュー画面(劇・幕間劇の円環)どの順番で何を演じるかはプレイヤーが決める


(参照)
【ケンタッキー0号線を行く】Kentucky Route Zero: PC Edition(からあげうどん氏による配信)
こちらの配信では第1幕から飛んで第4幕をプレイし、その後第2幕・第3幕をプレイすることで、円環をときに逆流しながら最後まで劇が進む。変則的な進み方でありつつ、この劇は同様に楽しむことが可能となっている。(プレイ・配信ありがとうございました!)
4.Player(観客)
プレイヤーはコントローラーで操作しながら、Kentucky Route Zeroという悲劇をずっと劇の外側から観賞している。
劇の「外側」のキャラ��ターとして登場するエミリー・ボブ・ベンの3人のキャラクターは、プレイヤーの立ち位置を代弁するキャラクターでもある。彼らは幕間劇Limit & Demonstrationでは鑑賞者として美術館を訪問し、Entertainmentでは観客としてエンターテイメントという演劇をを眺めている。同時に彼らは「外側」の存在として、Act.1-4で劇を盛り上げる歌唱隊を担っている。
コンウェイら登場人物と彼ら3人はも、劇の「内側」の登場人物と劇の「外側」の観客となり表現の位相が異なる。そのため、同じ空間に存在していてもお互いにコミュニケーションを取ることは当初できない。
図9:Act.1幕間劇(Limit& Demonstration)3人は作中登場人物ルーラ・チェンバレンの回顧展「極限と展示」にて美術作品を鑑賞する
図10:Act.2幕間劇(Entertainment)3人は舞台後方観客席から劇中劇「エンターテイメント」を鑑賞する
図11:Act.1(マルケス農場)画面手前で歌唱隊として"You've Got To Walk"を歌う3人
図12:Act.1(EQUUS石油)3人は登場人物コンウェイの存在を認識できない (コンウェイは足を踏み鳴らすが、テーブルの人々は反応しない)



5.Player(批評家)
プレイヤーを代弁する劇の「外側」のキャラクターでもあるエミリー・ボブ・ベンは、Act.1幕間劇Limit & Demonstrationで美術館に展示された芸術作品について感想を述べ、批評する。Act.2幕間劇Entertainmentでは、観客席からこの幕間劇についての評論が提示される。
本作はプレイヤーが本作を批評することを意識し、その視点を内在化している。プレイヤーはこの劇について当然自由に感想を述べることができ、つまらなければいつでも席を立って構わない。低評価レビューを書くことも。
Act.2幕間劇のメモより
観客の多くが席を立つことを検討する。もし立ち去りたいのなら、そうさせればいい。劇場は刑務所ではない。われわれは観客の痛みを敬う。 脚本家レム・ドゥリトル
図13:Act.1幕間劇(Limit& Demonstration) エミリー・ベン・ボブは劇中登場人物ルーラ・チェンバレンの回顧展に訪れ、作品の感想・批評を述べている。
図14:Act.2 幕間劇(Entertainment)「Entertainment」を評するコメントが表示される。 『時に退屈な「エンターテイメント」』


(参照)
海外ゲームメディアVideogamer・Josh Wise氏によるKentucky Route Zeroレビュー(英語)
作品評価は高くないものの、マグリットやフロストやルシェ等文学・芸術系の引用を踏まえて読み込んでいるレビュー。末尾に本作の自己批評的側面について言及あり。
私の批評のどれもが、10年間作品に取り組んできた開発者たちにとっては目新しいものではないだろうし、それは自意識過剰なわけでもない。とあるシーン(訳者注:Act.2 幕間劇)で、地元新聞の演劇レビューとして作品について「借金と不誠実さの悪を描いた、焦点が定まっていないとはいえ、引き込まれるところのあるドラ��だった」と書いてある文章を読むことがあった。ほんとその通りだよ。
6.Player(ゲームプレイヤー)
そしてもちろんあなたはゲームプレイヤーである。
小説や演劇を志向しながら、同時に本作はゲームであることに強く自覚的である。プログラムで構成されたテキストと音と画像の隙間をマウスでクリックするだけの体験は、選択と冒険というアドベンチャーゲームの原始的な愉しみを再現しながら、同時にその可能性を強く広げるものとなっている。
図15:Act.3 (Equus石油)コンピューターゲームを遊ぶ
図16:Act.3(XANADU)アドベンチャーゲームの始祖”Adventure”を再構成したゲーム「XANADU」を遊ぶ。
1976年に洞窟探検家でもあるクラウザー氏により開発され“Adventure”は別名’Colossal Cave Adventure’と呼ばれる、ケンタッキー州のマンモス洞窟を舞台とするテキストアドベンチャーゲーム。Adventureでは、不思議で抽象的なテキストが示される中、コンピューターにテキストでコマンド入力を行っていくことで洞窟を探検していく。
図17:Act.1(EQUUS石油)ガソリンスタンドの地下でエミリー・ベン・ボブがボードゲームで遊ぶ。


あなたはコンピューターゲームを遊ぶ。
あなたはアドベンチャーゲームの始祖“Adventure”を古ぼけた記憶で再構成した“Xanadu”をプレイする。
何度目かのダイスを振ってキャラクターを進める。
いにしえから伝わる運命のゲームをプレイする。
プログラムで描写されたKentucky Route Zeroというゲームをプレイする。
何度も。
7.Player(とは)
時に内側から監督として劇を采配し、脚本を書き、役者を演じて劇に主体的に参加する。時に外側から観客として受動的に劇を見つめ、作品を評することで作品に関わる。
プレイヤーが多層的な役割を担うことは他作品でも同様であるが、本作が特異なのは、それを明示的かつ流動的に劇中に取り込んでいることだ。
プレイヤーの役割を代弁し、劇の「外側」のキャラクターであったはずのエミリー・ベン・ボブの3人は、Act.3幕間劇で作中人物ウィルと電話を通じて交信を行ってから、どんどんと劇の内側へと潜っていく。
Act.4幕間劇で彼らは役者を務め、Act.5ではついにフィナーレを飾る。そして、Act.5幕間劇にてエミリーと作中登場人物の会話による短い楽屋オチと本作の寸評を挟み、円環の劇は幕を閉じる。
図18:Act.3幕間劇(エコー川沿いのあちこち)観光客のエミリー・ベン・ボブは、観光案内として電話を介して作中人物ウィルの声を聞く
図19:Act.5幕間劇(雇人の死)他の登場人物とともに、エミリーがこの劇を振り返り、寸評する
図20:Act.4幕間劇(ウン・プエブロ・デ・ナダ)とある日のWEVP-TVを描く劇。エミリー・ベン・ボブは登場人物として出演する

(補足1)厳密には、美術品の鑑賞や劇の鑑賞、ゲームのプレイも外側とは言わず、その行為自体が作者・作中人物たちとの間接的コミュニケーションといえる。
(補足2)ウィルは作中登場人物でありつつ、劇の外側の観客(プレイヤー)に目を向けるキャラクターとして描かれている。
Act.3幕間劇での観光案内、Act.4エコー川の語り部としてプレイヤーに語り掛ける語り、Act.3幕間劇の内線を通じて現実の電話と人間を使って録音された留守電を聞くシーン、そして、複数回挟まれる観客側をまっすぐ見つめるカットは、劇の外側とのコミュニケーションを象徴しているといえるだろう。
図21:Act.4(マッキーマンモス号)登場人物のなかでウィル(中央の男性)だけがこちらをまっすぐ見つめる
8.Player(流動的)
KRZにおいて、これらプレイヤーの多層的役割は何のためにあるのだろうか。ただ単にゲームを複雑にし、「アート」らしく思わせぶりにするためだろうか。
少なくとも手間をかけられたこれらの演出には意図があり、KRZにはプレイヤーが多層の役割を担うことで見えてくるものがあると考える。
それがなにかを考えるために、もう少しKRZを作りあげているメディアとテキストを見ていく寄り道をしたいと思う。
図22:Act.1幕間劇(リミット&デモンストレーション)ベンとエミリーが美術館の展示について語る
ベン:きっとなにかの象徴だよ。アーティスト、夕日、馬か。アナグラムか?それとも何かのコード...なのか?
エミリー:それか、単なる思わせぶりとかね。

9.メディアアート
KRZはゲームであるとともに、様々なメディアを組み合わせて表現活動を行おうとするメディアアートでもある。
本作がメディアアートであることは、Act.1幕間劇「リミット&デモンストレーション」で展示されている最も注力されたインスタレーション『オーバーダブ・ナム・ジュン・パイク・インスタレーション エドワード・パッカードのスタイルで』で端的に意思表示されている。
ナム・ジュン・パイクは、テレビ・ビデオ等のメディアを用いてメディアアートを始めた先駆者であり、本インスタレーションは彼の作品『Random Access』をそのまま引用している。
図23:Act.1幕間劇(リミット&デモンストレーション)展示作品『オーバーダブ・ナム・ジュン・パイク・インスタレーション エドワード・パッカードのスタイルで』

観客はテープレコーダーから取り外されたサウンドヘッドを使って、壁に貼られたテープを走行させ、場所や速度によって音の並びを常に変化させることができます。このように、音楽の素材にランダムにアクセスすることで、来場者は自分自身の作曲を行うことができるのです。 『Random Access』作品解説より
そして、もうひとりの引用元、エドワード・パッカードが生み出した読者選択型で冒険を進めていく小説形式のテキストアドベンチャーシリーズ「Choose Your Own Adventure」は1979年に刊行が開始された。この作品により彼はインタラクティブ・フィクションの親ともいわれる。
そのシリーズ1巻目の名前は“Cave of Times(時の洞窟)”という。
エドワード・パッカード:ブックリスト(WebArchive)
テキストゲーム研究家のアーロン・A・リード氏による「Cave of Times」解説
これらふたつの引用元を冠する『オーバーダブ・ナム・ジュン・パイク エドワード・パッカードのスタイルで』、この作品名の意味するところを嚙み砕いて言うと「テキストアドベンチャースタイルでメディアアートを始めるよ!」ということだ。
この宣言のとおり、ゲーム・テレビ・電話・コンピュータ・ラジオなど様々なメディアを組み合わせながら、演劇・散文・詩・歌・テキストアドベンチャーなど様々な形式にテキストを自在に変化させるゲームは幕を開ける。
(補足予定)
開発者たちの出身校であるシカゴ美術館付属大学でのメディアアート運動及び活動の引用(Act.4幕間劇等)について。
フィルモートン教授とサンディン画像プロセッサ
Copy It Right
10.テキスト(演劇)
本作を特徴づけるキャラクター名とセリフにより構成された脚本のようなテキストは、話す台詞を選択することで、展開や登場人物の性格付けを微妙に変化させることができる。
同時に、具体の要素をそぎ落として抽象的に表現されるキャラクター造形は、プレイヤーに演技の演出をある程度委ねさせる。
図24:Act.3(冒頭)プレイヤーは主人公コンウェイの台詞を二つのうちからひとつ選択する。キャラクターや背景はポリゴンで描写され、個性や特徴を持ちながらもどこか抽象的に見える

さらに、KRZに特徴的な静的な画面背景は、いくつかを演劇から借りている。
Act.1マルケス農家における抽象化された家は、近代社会における家族の崩壊を映す米作家アーサー・ミラーによる演劇「セールスマンの死」から借景したもの。これはもちろんここに住むマルケス家の崩壊と重なっている。
Act.3「木」において、呼んでも来ないレッカーを待ちながら意味のほぼない会話を交わす場面は、セリフ回しも含め、20世紀を代表するサミュエル・ベケットによる不条理演劇「ゴドーを待ちながら」を引用している。
図25:Act.1(マルケス農家)
図26:Act.3(木)


Act.2幕間劇「エンターテイメント」では、直接的に演劇そのものを鑑賞し、同時に出演することになる。この劇は、経済的苦境と近代人の苦悩を描く20世紀中盤のユージーン・オニールの演劇「氷人来たる」を現代風に翻案した学生演劇であり、プレイヤーは観客・役者として劇に参加する。なお、この幕間劇はもともとVRで参加できる仕掛けとなっている。
このようにKRZは、演劇という形式にテキストにおいても演出面においても大きく負っている作品であるが、なにより本作そのものがアメリカを代表する詩人のひとりであるロバート・フロストの詩「雇人の死」を翻案した演劇を目標とすることが、作中登場人物であり舞台監督であるキャリントンにより示唆されている。
演劇に多用される極度に抽象化された象徴的な舞台・台詞まわしは、本作のテキストや美術に大きく影響を与えていると言えるだろう。
図27:Act.2幕間劇(エンターテイメント)酒場で会話するハリーとイヴリン。両名とも、ユージーン・オニール「氷人来たる」に登場するキャラクターを現代風に再解釈したものである。
図28:Act.1(EQUUS石油)キャリントンの台詞「私はこの12年間を人生における最高傑作を作り出すため捧げてきた。ロバート・フロストの詩『雇い人の死』を、壮大かつ実験的な演劇へと翻案することに」

(参照)
エンターテイメント
VR・脚本
http://kentuckyroutezero.com/the-entertainment/
VR参加の様子 https://www.handeyesociety.com/event/wordplay-fest-pics-and-showcase-links/
続き(途中まで)
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彼ら
僕たち全員が、[何かがおかしい]、[世の中狂ってる]、そう感じていた正体が、グローバリストと呼ばれる連中だった。
私にとっては、とても長い旅だった…w
訳わかんない、統一化の規則、髪の毛は眉にかからず、耳にかからず。
パーマ、茶髪禁止。
中学に上がって、すぐそんな規則に触れた…
そもそも、何でもかんでも、規則、規則とやりたがるのは誰なんだろう?
その正体が、わかった。
“政治”に巣食うのは、誰だ?
それが、大本教をトップとした下位組織、生長の家、日本スピリチュアル協会、創価学会など。
縁もあったか、彼らの本質がわかった。
やたらと、競いたがる。[俺の腕前を見せてやる!]とかw🤣
上から目線、何もかも知ったような態度。[俺は悟ってる。俺は知っている。]的なスタンス。
表面上は、常識人、善人アピール、だが肝心な所では、全て自分が優先、他人がどうなろうが、(俺はこんなにも大変なんだ!)、それを言い訳に、やたら自分を甘やかす。本当の慈悲は、かけらも持っていない。
頭でっかち、物事は自分らの計画通りにやる。緻密な計算、幼稚な画策、それを細かくスクリプト化する。(そのパラノイアぶりが、アカシックレコードまで発見した。)
性欲が凄い…w🤣そして、他人の伴侶だろうが、平気で手を出す。生長の家に関しては、乱交を、魂の錬成と解釈する。統一教会の合同結婚式は、有名。言い訳もある。色欲界を抜けねば、悟り��境地に至れないとか。ただの乱交なのにw🤣
犬や猫が、人間の真似をする。
人間のように、歌おうとする犬もいるw🤣
しゃべる猫とか動画で実際あるが、[そう聞こうとしたら、そう聞こえる]程度、ワウワウ鳴いてるだけw🤣
私達が今人間でいるのは、大変凄い事。
人間は、神になれる。
キリストは、無受精と言われるが、立派に女股から生まれた。
人間として、生まれた。
歴史上の人物であり、架空の存在ではない。
ナザレという貧しい町に生まれ、30歳まで大工として生計を立てた。
8人兄弟だ。
さて、
私は創価学会の人間、2人と友人だった。
一人目は、富山県で。
同じ村田製作所の仕事をした。
皆は、学会員であるという事で、彼を敬遠した。
私は最初に宣言した。
創価学会に入る気はないが、人として共感出来る部分があれば、付き合いは出来ると。
彼は、喜んだ。
一緒にサウナ行って、フルチンでプールで泳ぎ、ふざけたりしたw🤣
創価学会員とて、人間。
必ずしも創価学会員だけで行動する必要ないし、誰かを絶対に学会員にしなきゃならない訳でもない。
だから、私は普通に学会員と付き合える。
問題なのは、学会員としか付き合わない、コアな連中だ。
こいつらが、集団ストーカーしたり、盗聴、電磁波攻撃したりする…
田舎もんの、いじもられっ子の、妄信者だ。。
もう一人は、ここ大田区。
彼は最初、リュックに大量の創価学会の資料を詰め込み、私を説伏するために来たが、創価学会の知識を遥かに越える私の哲学、知識、彼は諦めたw🤣✨😎
そして、普通にバイク友達、普通に茶飲み友達として、よく遊んだw 🤣
だがしかし、創価学会からの圧力か?、彼は大田区を離れ、神奈川へと引っ越した。。
私を説伏出来なかった訳だが、キリストの魂を持つ人間を、誰が説伏出来るというのだ?w🤣
プラス、ルシファーの魂まで持つ、つまり、善と悪の、ハイブリッドなのよ、こちとらw🤣
で、
新興宗教2世たちが、私に興味を持ってくれる事が、多々あるのは、嬉しいですねw🙂✨👍
俺には、敵愾心などないw
競う気も、無い。
世界を愛で満たしたい、それだけw
彼ら信者は、輪廻しなきゃ、この時代は生き抜けない…
それくらい、修行と経験、知識が足りない。。
私含むスターシードたちは、彼ら信者が、想像すら出来ないくらい、艱難辛苦を乗り越えた。
信者たちは、他人、つまり池田大作なりの追体験をしてるだけ、本質は、経験不足を隠すため震え、「威風堂々」などとぬかし、自分を大きく見せている…
残念ながらスターシードたちとは、蟻🐜と、象𓃰ほど、違うw🤣✨
蟻が数の論理を言い勝ち組叫ぼうが、一瞬で象に踏み潰されるが、我々象は、蟻を踏み潰さぬよう、細心の注意を払い続けているw🤣
まあ、
信者諸君、
そんな事実、
受け入れなきゃ、
自分らでこの世界を滅ぼすでしょう。
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2023.02.22_堀部安嗣さん講演 - 於・前橋工科大学 演題 『私のパッシブデザイン』
積極的に受け身であること
理系・文系 ふしぎな分け方
他の言い方は無いのかな、
→時間の流れかた、概念が、理系と文系では違う
横で一定・理系 時間とともに成長していく、という概念
ぐるぐるぐるぐる循環・文系
理系の人が作り上げるもの・コンピュータ、エアコン、車etc.
文系 1000年前以上の、弘法大師の書
200年以上まえのモーツァルトの音楽
ドストエフスキーの文学
いつの時代でも良いものは良い
1日の循環
建築の世界 理系的・文系的のバランスのとれた世界 いろんなタイプの人がいる方がよい
警鐘を鳴らす、ブレーキをかける建築家
堀部さんは、文系的だと自覚
建築は、果たして進歩しているか、進化しているか。
防水技術、免震技術 進歩
それらが人の幸せに役に立っているか
…
映画 ファースト・マン
静謐な映画
ニール・アームストロング船長の自伝的な映画
人類の栄光の光の裏にある闇、影
地球上では、自然ゆたかな所での家族との暮らし 東西冷戦 生存確率の低いロケットに乗り、たどり着いたのは空気もない死の星
地球は緑豊かで美しい土地だったのに、なぜ危険をおかしてまで
瀬戸内海の美しい自然
いまでも200年前の風景の残る
東京のほうが進んでるよね、との劣等意識を持つことが多い。もったいないこと。
讃岐市のプロジェクト
やりたいこと、ただひとつ。
この土地を、国立公園に��さわしい土地に戻してゆく 建築もいらない、けど、建築の役割はあるし、できること、人々に安心を与えることは建築に出来る
東京の風景 東京の方が豊かだと、地方の人は錯覚してしまっている ふしぎなこと
富山 宝物があるのに
兵庫 20年前は森だったところ
中央へ、宇宙へ
侵略 キリがない
宮沢賢治の詩 僕は家族にほめられた、僕は世界に誉められた、その先にどこへ行けば?
コロナ禍 ステイホームの自粛のとき、自分の足元を見つめざるを得ない→自分の地域の良い点に気づいた 足元への評価
roots
根源
根のあるもの
足元にすでに持っているもの
どんなものを土台にして、私たちは思考しているのか
…
原風景
横浜の鶴見
色���な人が行きかうカオス
鶴見線 鉄ちゃんのあいだでは有名
中学のとき、ヨーロッパ 写真を撮った
国道駅のアーチとのかさなり
自作でも 意識したわけではない、原風景が滲み出る →設計という行為
曹洞宗大本山 近所に
お寺のもつ悠久の時間の流れ、不気味さ、幼少期触れて生きてきたことは幸運だった
大きなお寺は風景が変わらない
50年前の樹 祖父と一緒にみた
再訪するもき、私はここで生まれてきたのだ、と実感 そこでの、子どもと老人のことを祖父と私にかさねる
記憶 確かな記憶のない限り、未来を見出せない お墓 ショッピングセンターが立ったり、バイパスが通ったりすることはない
静岡県浜松市 趣のある素晴らしい日本家屋・庭に住んでいた。今、その場所は道路の下に眠っている 往時の記憶が甦らない、すべて破壊されている 道路による記憶の破壊
…
見たこともない、感じたこともないものは
つくれるのだろうか?
設計 それ以外はできない
見て感じたもの、記憶を頼りに、今へ状況へ再現する
いきなり_
幸せについて
同伴者と吹雪のなか、つらい登山のイメージ
つらい、眠い、衣服はびちょびちょに
そのなかで、暖かな山小屋を発見する
幸せに とても小さな建築で、いろいろなことが出来る。食べる、眠るetc.
人種のちがいも関係ない、歳の差も関係ない
信じている宗教も関係ない inclusiveな
外部環境が室内に入り込んで来たような建築でも、庇の出が陽を遮ったり、風通しがよかったり、床の肌触りがよい、など。自然環境を、変換している。 ホモ・サピエン��の
日本の庭のおもしろさ 私たちにはあたりまえ、だが、フランスの建築学生と京都のこうとういんに行ったとき、おもしろい、おもしろい、と。音がおもしろい。アプローチの石のヴァリエーション 靴を脱ぐ所スノコ、畳、めまぐるしく床の材料が変化してゆく。こんな小さなところで、これほどの変化していくのは面白い。
新緑の美しく見える秘訣 背後の常緑樹
新緑の淡さを引き立てる、背景としての濃い緑
全部が新緑、全部が常緑、というのがふつう
アメリカとか
コンビネーションのあるのは珍しい
…
人間の感情はどうして生まれたのか
生存のために必要となる、咄嗟の行動や判断のために進化の過程で作られた
森でクマに出会う。恐怖の感情を抱く、その後の行動の選択肢を広げていく 恐怖という感情を引き金にして
仲良しの友達、幸せ、喜びの感情
こいつと付き合っていると、自分は生存できるぞ、との。
生存のための引き金、スイッチ
雪の夜の暖かな山小屋
生存の喜び
反対に、もう生きていたくない、とか、生存のことを考えていない人は、感情の起伏がなくなってくる 感情の、生存における大切さ
ヒュッゲ デンマークの概念
これを日常生活でしているからこそ、世界でいちばん幸せな国とされる
日本 先進国のなかでは幸せ指数が低い
ヒュッゲの反対をやってきた
150年前・200年くらい前は、日本もそうしていた。
今の日本の住の風景
居住性の進歩 けれども、それらがある程度達成できたとき、この姿が、幸せな住まいの環境なのか、と。
使い捨てられるもので風景が構成されている。幸せ感の乏しいのは、使い捨ての時代だからでは?
竹富島 色んな不便、不都合、多々
住まいや環境はトータル 幸せ感としてはこちら
…
あるものを活かす
パッシブデザイン
あるものとは?
気候風土、自然エネルギー
歴史、文化
記憶
風景
ハードウェアではなく、ソフトウェア、手に触れられないもの
ブリコラージュ ありあわせのもので作る
→『和』では?
和風とは、有り合わせで作られる、非常にレベルの高い行為から生まれる
家庭料理 素晴らしいブリコラージュ
冷蔵庫の残り物、スーパーで買ってきたものと合わせて
和 足し算 引き算
ほうれん草の胡麻和え
和えている
明太子スパゲッティ
日本の人たちの得意としていた
極東 漂流物を、イノセントにあり合わせて組み合わせて作りあげた
cnt.) ないものをねだる
自分がすごく良いものをもっているのに、何か他を憧れる
→侵略や戦争へ
70���年前、わたしたちも痛い目にあった。資源、植民地
…
モーターボート アクティブ
ヨット パッシブ
これからは燃料も高いし、すべてヨットのような建築に、という訳ではない。
ふたつの要素を足し合わせる、共存させる
どっちか一方では足りない、幸せ感を感じる住まいにはならない
目的
幸せ感 心身が楽になる 健やかに暮らす
手段
アクティブ+パッシブ
ご利益
省エネルギー
光熱費削減
…
温熱デザインへの取り組み
まずはパッシブ 太陽の恵み、土地の持つポテンシャル
アクティブ 性能の良いエアコン それを活かす
建物の性能 断熱性能、気密性能
ねこ は、居心地の良い場所を見つける天才
猫が天才であるわけではない。
ホモ・サピエンスが何故、そう思うか。
ホモ・サピエンスと猫の心地よいと感じる場所が近い 犬の心地よいところとはちょっと違う
猫 生まれたところは、暑いところ。暑さにはつよい
犬 暑いところではハアハア
ホモ・サピエンス 暑さに強い
30℃越えでも走れる
寒さに弱い パフォーマンスができない
吾輩は猫である、で、人を評して、やかんみたい、と。
ホモ・サピエンス アフリカ起源
それからどんどん北上
ほとんどの歴史を暑いところで暮らしてきた
→住まいをあったかくしましょう、というのが、私の建築観
…
私たちは生存できるのか
孫の世代まで、良い環境はあるのか
狩猟採取時代もよりは生存の危機を感じないことが多くなった現代人
コロナ禍でそれを意識
ほんとうに、このさき建築をつくれるのだろうか
生存の危機を感じたこと
→しっかり認識して、どういう建築が出来るのかetc.を自問すべき
あるものを活かす、というのがおおきなヒント
熱容量の大きな家 非常に効果がある
住まわれている人たちの幸せ感がおおきいと感じることが増えた
あるものを活かす 壁からの放射温度が快適
…
安定した家に居ると、外に出たくなる
屋根のかかった屋外に出たくなる
両親の葉山の家
半屋外
→ヒント、韓国の民家
冬の部屋と夏の部屋が分かれている。
冬の部屋 紙、オンドル
夏の部屋 ふきっさらし
潔い構成だなー。
…
鎌倉 扇ケ谷の家
スタディ いろいろ
最後の決め手はパッシブデザイン
南面の窓を大きく
あれもこれもダメ、となると何の一歩も踏み出せない 太陽光発電は、戸建ての屋根に乗せるのは素敵なことと自分は考える
けど、美しい瓦の屋根にそれが乗るのは、というのもあった
情緒的なものと機能的なものを合わせる
デザインによってできうる
シンプルに、自宅の庭で野菜を作る、みたいに太陽光発電を考えている
電気、移動に莫大なコスト��自分の家で発電できることは爽やかなのではないかな
デザインの力です達成できる、との信念
…
南面 ソーラー
北側 庭的な グレアの少ない
アメリカ サンタモニカ
街区 太い道路 細い道路
太い 伝統 雑多なものが出ないように
細い サービス機能
(細い道路の方 日本の街の感じと似ている)
…
土地は親から譲り受けたものではなく、孫から借りているもの。ネイティブ・アメリカンの言葉
貰ったものなら汚してもよい
借りたものなら汚してはいけない
自身の所有の土地としても、その意識で
「土地を所有している」といっても、多くは所有していない、太陽、大地の奥、雨、風
原発
覚醒剤をやって人生を破滅した人が覚醒剤の怖さを語ると説得力がある
原子力の怖さ、ヤバさを、説得力を持って語れる 原発から10年、原爆から100年経っていない いま、原発が再稼働しようと。
…
↓私の質問への答え。堀部さんが書いていた、トタン小屋の形の美しさと、著書『建築を気持ちで考える』でのアスプルンドの章について
.
益子さん
住まいは掘立小屋くらいでいい
そこを整えいく
しかし、人の家を設計するとなると、、
自宅と人の家で設計が変わる
アスプルンドの章、気持ちが入っている
大好きな建築家
自分の設計は、形式性 構造の綺麗さ、コスト、施工性などから考えている。
正面性とか歴史性とかからではない
アスプルンドの建築、死者の声がする。彼の死生観が感じられる建築
…
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2025年02月18日 21時00分 AIで動物の気持ちを理解する技術はここまで進んでいる 科学誌のScienceが、動物の顔をスキャンして個体を識別したり、体調不良を検知したりするAI技術の現状について特集しました。 Can AI read pain and other emotions in your dog’s face? | Science | AAAS https://www.science.org/content/article/can-ai-read-pain-and-other-emotions-your-dog-s-face チャールズ・ダーウィンが19世紀に「哺乳類の表情はある種の『共通言語』であり、人類は進化の歴史の中でその能力を培ってきたに違いない」と説いて以来、多くの科学者が動物の表情の研究を行ってきました。 例えば、イギリス・ポーツマス大学の研究者らが2020年に発表した論文によると、人間の顔の動きの38%は犬と共通しており、34%は猫と、そして47%は霊長類や馬と共通しているとのこと。 しかし、必ずしも人類は動物の顔からその感情を読み解くのが上手というわけではありません。そこで活躍するのがAIです。 例えば、西イングランド大学ブリストル校とスコットランド農林大学が共同開発を進めているAIプロジェクト・Intellipigの「スマート農場」では、毎朝のエサの時間に豚の顔を撮影し、1秒足らずでAIが豚の鼻や耳、目などから豚を識別して、その個体にあったエサを与えます。 また、もしその豚が体の痛みや精神的な苦痛を感じている兆候があると、隣の部屋でコーヒーをすすっている飼育員に警告が飛ぶようになっています。 最も動物の顔に出やすい感情は苦痛で、去勢されたばかりの馬や、腫れた足をひきずっている羊は間違いなく痛みを感じているので、その表情は痛みのサンプルに使えます。 IntellipigのようなAIの開発は、このようにして集められた膨大な動物の顔のデータをAI技術の専門家がコード化し、AIをトレーニングすることで実現しました。 さらに、イスラエル・ハイファ大学のアンナ・ザマンスキー氏らは、しばしば動物の顔に現れる微妙な不快感をAIで捉えるという、より困難な課題に挑戦しています。そのような表情をAIに学習させるには、無数の動物の写真で、表情筋の動きに関する��印、例えば目や鼻孔の周りに手動でフラグ付けし、それをデジタルな点の塊に変換する必要があります。 また、フラグ付けされた写真でトレーニングされたAIで新しい写真に自動で目印を付ける技術も進歩しており、これにより犬が餌入れに鼻を突っ込んだり、猫がソファの後ろから顔の半分だけを見せたりしている写真でも、表情を読み取れるようになってきているとのこと。 これらの技術では、「この馬は痛みを感じている」という具合に、AIに学習させる最初の写真のフラグ付けは依然として人間による判断に頼っていますが、サンパウロ大学で馬の行動と福祉を研究している獣医師のガブリエル・レンチオーニ氏らは、さらに踏み込んだアプローチを採用しています。 2021年にレンチオーニ氏らが発表した論文では、AIシステムに「手術前後」と「鎮痛剤を投与する前後」の馬の写真を入力し、耳と目と口の動きに注目するよう指示しました。こうして馬の顔写真3000枚でトレーニングしたところ、AIは88%の精度で馬が痛みを感じているかどうかを読み取れるようになりました。 また、コンピュータービジョン技術を使用した別のAIプロジェクトであるSleip AIでは、獣医師が見過ごした馬の痛みすらAIで検知できるようになったと報告されています。 このように、日進月歩で進化するAIは人間よりも動物の表情を読み取るのがうまくなってきており、ザマンスキー氏らが2025年初頭に発表した論文では、AIは羊が痛みを伴う手術を受けたばかりだということを82%の精度で判定できるとの結果が得られました。これに対し、高度な訓練を受けた専門家4人の精度は70%にとどまったそうです。 ザマンスキー氏と愛犬のベッキー。 ザマンスキー氏は、AIが特定の能力で人間を上回ってきている状況を、チェスAIのDeep Blueがグランドマスターのガルリ・カスパロフ氏を破った1997年になぞらえて、「最近のAIに対する反応がそうであるように、AIとカスパロフ氏の対局はパニックを引き起こし、多くの人が『なんてこった。私の仕事がAIに奪われてしまう!』と言いました。しかしその後、彼らはAIが自分の能力を高める強力なツールに過ぎないことに気づくのです」と話しました。 一般人にとってより身近な動物の福祉にも、AIが一役買うようになってきています。フランス・リヨン大学のブリタニー・フロルキエヴィッツ氏らの研究チームは、猫カフェの猫たちが遊んだりじゃれ合ったりする動画を数百時間分析し、そこから猫の幸せの兆候を探しました。その結果、猫はなんと276種類もの表情を見せることが判明したそうです。 フロルキエヴィッチ氏は、ザマンスキー氏らと協力して猫の表情の研究結果をAIに統合する取り組みを進めており、初期の成果として猫たちが絆を深め合うために互いに表情をまねし合っていることを突き止めました。 こうした成果を元に、ザマンスキー氏や共同開発者のジョージ・マートベル氏らは、インターネットを活用して犬・猫・馬・霊長類のさまざまな表情のデータベースを構築しており、近いうちに猫の顔を30秒間スキャンするだけで「口の周りにかなりの緊張が検出されたので、この猫は中程度の痛みを感じています」といったわかりすいメッセージに変換してくれるAIアプリをリリースする予定です。 ザマンスキー氏は「私の仕事は、動物たちのよりよい暮らしを支えるエージェントになることです。動物が幸せだとわかれば、私たちも幸せになれます」と話しました。 この記事のタイトルとURLをコピーする ・関連記事 AIを駆使してペットの感情を読み取るアプリ「Happy Pets」が誕生 - GIGAZINE クジラの「方言」など野生動物の鳴き声解読にAIが大活躍中 - GIGAZINE Googleが協力する「AIを使った動物とのコミュニケーション」を実現させる試みが進行中 - GIGAZINE クマやウシの顔を識別するAIが登場、野生動物の保護や家畜の個体追跡において有望 - GIGAZINE 「動物の表情を別の動物に当てはめるAI」をNVIDIAが開発、デモ用のウェブサイトも公開中 - GIGAZINE ヤギの顔から痛みを感じているかどうかを判別するAIが登場 - GIGAZINE ・関連コンテンツ ヤギの顔から痛みを感じているかどうかを判別するAIが登場 犬はどのようにして人の感情を読み取るのか 猫は276種もの多様な表情を持っていることが猫カフェで暮らす猫を観察した研究で判明 犬とオオカミはどちらがより賢いのか? 犬は生まれた時から人間のジェスチャーを認識する能力を持っているがオオカミは持��ない クマやウシの顔を識別するAIが登場、野生動物の保護や家畜の個体追跡において有望 動こうとしない怠惰なネコを必死に歩かせようと奮闘するイヌのムービー 「ネコには表情があるが人間はネコの表情を読むのが苦手」だとテストで判明、実際にテストを受けることも可能
AIで動物の気持ちを理解する技術はここまで進んでいる - GIGAZINE
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241120 水
【無力の牢獄からの脱出】
精神集中テクニック、瞑想系に共通する動作は目を閉じ「呼吸を整える」こと
私はこれに「やわらかいものを抱きしめる」要素を入れています
何も抱きしめるものがなければ腕をクロスさせて自分の肩を抱くだけでも精神安定の効果があります
これを最低1分続けます
心が落ち着き、過去への執着と未来への不安を手放す事ができたなら、次にすることは「ただ目の前のタスクを楽しむ」こと
成り行きアンド契約上やらざるを得ない不本意タスクと向き合う際は
「これを続けたところでどうなるのだろう?」
「どこで人生の選択間違えたのだろう?」
という問いで頭がいっぱいになるわけですが、そんな思考を続けていてもタスクはいつまで経っても片付かないばかりか集中力はどんどん失われてゆきます
そんな時こそ呼吸を整えやわらかいものを抱きしめ、目の前のやるべき事に集中し「今を全力で楽しめば」いいのです
やわらかいものが「犬猫以上の大きさの生き物」であればさらなる回復効果が見込めます
動物にせよ人にせよ、いずれ「別れ」の時が訪れますが、彼らと触れ合った温もりの記憶は決して色褪せはせず、歳を重ねれば重ねるほど自身の中で輝きが増してゆきます
自分を慕ってくれる、自分の甘えを受け止めてくれる「命」が近くにありさえすれば、どんな追い詰められた状況であろうと「人生捨てたもんじゃない」って思えるもの
ホームレスですら(自分の僅かな生活費を割いてまで)ペットを飼う人がいるのはその為です
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身近に「愛や甘えを受け止めてくれる他者」がいることが、人にとっての「生きる喜び」に繋がるのです
「どんなボール投げたところで拒絶されるに決まってるのだからいっそ誰もが嫌がる酷いボールだけ投げてやる。痛みに耐えることだけが人生だと言うなら率先してそれを受け入れてやる」
というヤケクソは意地悪で人間不信な人々のおもちゃにされる「退屈でベタなオチ」にしかたどり着きません
退屈でベタなオチよりも「充実したレアなオチ」になるよう努めてください
充実していてレアであるなら主観的 / 客観的には「苦痛まみれ」であっても全然構いません
どんなに快適であろうと「退屈でベタな状況」こそが「暇」を生み、集中力を奪い、足踏みと後悔まみれの「無力の牢獄」にあなたを閉じ込めるのです
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ラダック2-4日目のメモ。
2日目は1日目の現金盗難とスマホ破壊のショック疲れで休養日にしてた。結局ゲストハウス近くの別の宿でスクーターを借りた。初日行ったところより200ルピーも1日あたりで安く、状態も悪くなかった。その後レー王宮とナムギャル・ツェモに歩いていった。ナムギャル・ツェモははじめて行ったチベット寺院で、小さいけれどインパクト大だった。道なき道をひとりトレッキング状態で靴の踏み跡に励まされながら必死に登り。普段閉じていることが多いらしい部屋が2つ開いていて。瞑想する人、五体投地する人。溢れんばかりのお供え。圧倒された。帰りに道なき道を行こうとする仲間を見つけると嬉しくなった。
3日目からスズキのアドレス125でスクーター旅開始。まずは日帰りで上ラダックのゴンパめぐり。巡ったのはティクセゴンパ、タクトクゴンパ、チェムレゴンパ、へミスゴンパ。本当は6つ周る予定がやっぱりじっくり見たくなっちゃうし、チェムレゴンパへの道が工事中で回り道探しで相当時間ロスしたので4つになった。4つでも相当お腹いっぱいになった。
道中はめちゃくちゃよかった。ヒマラヤ山脈の絶景まみれ。写真じゃ伝わらない山々の表情。写真にするとあれもこれも岩山やん、ってなりそうなんだけど。みんな表情が違うんだよね。郊外の奥に行けば行くほど交通量は減り、チンタラ行っても気にしなくていいし、かっ飛ばしても車通り少ないから安心できるし、楽しかった。あ~なんとか来れて良かった〜と何度も思った。初日からメンタルクラッシュしていたのが本当に蘇った。
そしてゴンパ巡りも感動した。
朝イチでティクセゴンパの朝勤行に行った。起きた瞬間これほんとにスクーター乗れるか?っていう疲労度で絶望感。6時-7時実施予定と思い5時前に起きて5時半頃に出発しよう、と思ったら宿の部屋移動や荷造りで出発が遅れ、6:40頃到着。終わっちゃう!とダッシュで大広間まで階段駆け上がったらまさかの7時開始で単に超息を切らした人になってしまって恥ずかしかった。
朝勤行は圧倒的だった。太鼓やラッパをジャンジャン楽器を鳴らすタイミングが多く、ややPerformativeな面もあるかなぁと思ったけど、でもそれもまた確実に祈りの伝統の系譜であることは確実で。圧倒された。10人くらいのお坊さんと3人の少年僧がいて。2種類くらいのお経が同士に混ざっては1つになり、偉いお坊さん代表なのかソロでお経を読むシーンとした時もあり。
写真や動画撮っている方多かったけど畏れ多くて出たところからそっと記録だけと撮らせてもらった。記録ってなんだろう、と思った。でもやっぱり記録しないと記憶から薄れてしまうことや人に伝えづらいこともあって。難しいなと思った。瞑想合宿でスマホや電子機器を全部預けた時のことを思い出した。とはいえお坊さんもスマホ持っていて、場所によっては休憩所でごろ寝しながらスマホ動画見てたりイヤホンしてたりするお坊さんもいた。現代だなと思った。
少年僧が私の近くにいて、時折お経のわかる部分なのかを唱えては止まったり、少年僧同士で喋ったりしていた。バターティーを注いでくれた。朝の寒い中、朝食もなしにダッシュした身に染みた。
ゴンパ内の地図や順路がないか少ないところがほとんどで、何よりも修行と祈りの場なんだなと思った。鍵がかかってて見れないと思った部屋の近くにちょうどお坊さんが通りがかって開けてくれる、というラッキーなときもあって。そうやって入れたお部屋はそこはかとないご縁を感じた。
タクトクゴンパは駐車場からの道で超迷ってやっと洞窟にたどり着いた。すごい場所にあった。中の洞窟はお供えのお金がびっしり貼られていて信仰を感じた。
チェムレゴンパはかなり思い出深い。けっこう離れたエリアにあるから訪問者数も少ない。GoogleMapの案内する道は思い切り工事中で、途中完全に道が途絶えている。ここからは徒歩で行くか?と行ったら幅20cmくらいの建設中の橋の端っこを通らされたりしてやばかった。その先に車が通っているのを見てぜったい裏道ある、と思って見つけた。のどかな村の中を3km近く延々と行く道。時々路面が数メートル単位で荒れていてスクーターだとガタガタする。やっとの思いでたどり着いたゴンパ。巨大なグル・リンポチェの像の部屋で一人きりになったら、よくここまで来れたな、という思いがこみ上げてきた。
帰ろうとしたらキッチンの料理人さんから声をかけられ、キッチンルームでバターティーとクッキーをいただいた。猫ちゃんがうろうろする。傍らでは若い僧侶が寝転がってスマホで動画を見ている。たぶん女性と話しているのを揶揄してるんだろうなという僧侶と料理人さんのど付き合いを眺めたりしていた。道迷いと空腹と睡眠不足でへろへろだったところでかなり回復した。
へミスゴンパも圧巻。ゴンパの中ではかなり大きいほうで撮影禁止エリアが特に多い。Museumも時間があったらもっともっといたかった。電子機器持ち込み禁止でロッカーにヘルメットもカメラもスマホも預けて見に行く身軽さと相まっていくらでもいられそうだった。
スクーターでよかったな、と一番思ったのがレーへの帰宅ラッシュ。朝はティクセゴンパの朝勤行めに6時前に出発したからレー周辺はガラガラだった。これが18時頃に帰ったらTheインドの洗礼。車間距離なんてものはない、割り込み、この車密度で!?ってなる追い越し、飛び出してくる歩行者や犬や牛、ルールの概念のないラウンドアバウト、突然ドアの開く路駐車。これ重たいMT車でどうにかするのマジできつかったと思う。たちゴケしたら終わる。しなくてもきつい。
睡眠時間は早朝便なりトラブル続きの情緒不安定なりでインドついてから4時間・3.5時間・6.5時間・6.5時間とかの睡眠負債貯め放題、しかも高山病なのか乾燥なのかで2,3度は確実に中途覚醒していてかなり疲労がやばいのを絶景とゴンパの荘厳さでどうにか持たせてた。
クラクションは鳴らすし鳴らされるしでもうまったく動じなくなった。これまでクラクション鳴らすのなんてブラインドカーブとウィンカーとの触り間違いくらいだったのに、一生分鳴らすし鳴らされてる気分。
4日目も盛りだくさんで書きたいことたくさんだけど。今日こそ早く寝る。
ざくっと印象的なことをメモるなら。
アドレス125にオイル交換ランプが出たからお店行ったらインドホンダのアクティバ125に交換になった。ちょっと古そうに見えたから不安だったけど燃費よくて航続距離200km超えとアドレス125より長く、これならダーハヌーまで日帰りしても持ちそうと思えた。スピード上限が付いているらしく60kmしか出ないがまぁなんとかなる。追い越し最低限しかしないし。40kmくらいしか出てない軍車両とか故障寸前の車両が前のときで対向車線ガラッガラのときしか追い越さないし。のんびり行く。後ろに付かれたらガンガン追い越ししてもらってる。
スクーターでもなんとかモンベルバッグくくりつけられた。ただ縦置きにしたらヒップバッグと合わせてかなり座る場所がきつい。背もたれっぽくはなるが。
山だらけ、飽きない?と思ったらぜんぜん飽きない。あの山を超えたらまた違う表情の山。直線ありワインディング峠あり村あり。
リキルゴンパの人の少なさ、辺境ぶりがまたすごい。立体曼荼羅やスワスティカがあった。ここでもお坊さんと遭遇して鍵開けてもらえた部屋あってラッキー。
時々ヒッチハイクで手上げられる。すまない二人乗りできる自信はないのとシートに空きがない。
アルチ村で当てつけてたゲストハウスがどうしても見つからない。高級めホテル以外看板がなさすぎる、GoogleMapがあてにならなさすぎる。スクーター止めて降りて足で探すのが吉。
宿探ししてたら新鮮な牛のフンを踏んづけて滑りかける。でもそのうち土に帰るだけだしなぁ、と思う。
初日はゲストハウスのつもりがホームステイにしたらほぼゲストハウス並ではという設備。子供がかわいい。ニコニコの奥さん。奥さんの娘さんかな?のチョンタ作りを眺める。WiFiないのはむしろ今の気分に合っている。
だんだん���呂洗髪毎日、洗濯毎回はいらないなという気持ちが強まってきた。この感想気候で驚くほど服が汚れた感じがしない。砂っぽくはあるが。なんか衛生命の日本からすると開放感すら出てきた。乾燥は正義。肌と唇は荒れるが対乾燥と対湿度だと後者のほうがはるかにコストかかると思う。オイルまめに塗ってれば乾燥はなんとかなる。サボるから良くない。
ぜんぜんざっくりメモじゃなくなった。どうあがいても今晩は10時には寝る。
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ある画家の手記if2 - 1 雪村泉視点
なぜ私を助けてくださったのでしょう。あんなにも親切にしていただいたことは、今までの平穏な人生においてさえ一度もございません。 あの方は私の見ている幻覚なのかもしれません。
いくら世界が冷酷でなかったとしても、さすがに行き倒れの汚らしい人間をそんなに都合よく、助けてくださる方など、いらっしゃらないはずですから。犬や猫を拾う方がまだ実現せ得るでしょうか。 日本の外界が私の知りうるほどに冷酷ではないと知ってからは、外に出ることが叶うなら、香澄のことを誰かに話すつもりでいました。助けを求めるためでした。その頃の私は、自分でどうにもできないふがいなさにも、都合よく助けてくれる他者に出会えると盲信していた傲慢にも、思い至らなかったのです。ただ香澄のことを何とかしなくてはと、そればかりでした。恐ろしいと、出てはいけないという教えを破り、助けを求められるかもしれないと知った途端にそうなるのだから、極端なことです、加減というものはどうにも難しい。 そのうちに香澄は香澄自身の力で得た外の繋がりによって、あの楽園のような地獄の部屋から出て行き、そのついでのように私も久方ぶりの外の世界へ出ました。 香澄が自由を得られた以上、私が外へ助けを求める意味も無く、私が外に出る必要など無いのに。出てきてしまった私は、浜辺で立ち尽くしていました。だってもうあの部屋に香澄は居ないのだから、帰る理由もない。千風のことは、香澄が生まれてからはいつしか、愛しているのかなどもうわからなくなってしまっていました。 しばらく波打ち際をずっと歩き続けていたはずでしたが、行き止まりを避けて、そこからいつの間にか気付くと水の中に倒れていました。 海の波が打ち付ける境目の非常に浅いところでしたが、段々と潮が満ちて、口の中がしょっぱくなってきます。渚、というのでしたか、今私が触れているここは、陸と水と空中がすべて混じり合う交差地点なのですね。沢山の刺激に目が回って、身体がおののくような、変な具合がします。一体外に出てからどれほどの時間が経過したのか、見たことのある空の色が目の前に広がっていましたので、少なくとも二日以上は経ったと推測できる。 ああまさかこうして���を眺めているだなんて、ほんの数日前?までは、思いもよらなかったというのに。 世界の一部になっていくような身体感覚に身を委ねていたその時、急に私の身体は重力に逆らって持ち上がりました。 驚いて空から視界の端へ入り込んだ影へと目線を移すと、…それが、初めて見たあの方の姿でした。 どこか景色が透けて彼の身体越しに見えているような、色素の薄い身体をしていて、陰影でようやく顔立ちが象られて見える、その場所に抱き上げられてようやく私は波から切り離されました。だから彼は、そう、私の居た世界の一部ではなく、きっとこれ以上どこにもいけなくなった私が見出した都合のいい幻覚かと、いえ、けれども私などに自分を救いあげるような幻覚を生み出す力など、あるとは思えないのですが。
その方の、住居でしょうか、歩みを止めてお休みになられた場所は、幼い頃両親に連れられて出掛けた先の海外の建物に似た空間でした。 身体が動かせないままの私を柔らかい、ベッドに横たえてくださり、服を取り払って身体に触れ、どうやら診察をしてくださっている。その間ずっと、抱きかかえられても触れられても感触はどこか淡く、経験したことのないゆらぎを伴いました。千風に触れられる時のような、確かさが無い、とでも言うのでしょうか。やはりどこかおぼろで、夢幻の中のよう。 しかしあの方は私の見ている幻覚なのかもしれない、と考えていましたが、ここにきて地縛霊という可能性も浮上してきました。けれどもっと世界から乖離したものだと思っていただけに、土地という生々しいものと癒着している存在として認めるのは難しい。それともそうしなくてはひとところに存在できない方なのかもしれません だとしたら私を迎えに来てくださった死神、という解釈も一興ですね。 「警察、救急、家族、恋人、タクシー、大使館、どこでもいいが電話をかけたいならこれを使え」 ああ、けれどやはり違うようです。酷く現実的な言葉が告げられて、私はなんだかとても、悲しい気持ちになりました。本当はとても、とても泣きたかったのですが、困ってしまったのですが、困ってしまったので私は何と答えることもできずにただその方を見詰め返しました。私が何も言わないので彼はそれ以上警察や家族と言いつのることはなさいませんでしたが、呆れられてしまった気がして、それも酷く悲しくなりました。
私は調和のとれた安寧な箱庭で生きてきすぎて感覚が麻痺しているのでしょう。生きるか死ぬかの前線に在る兵士のほうが、命の危機には敏感なものです。 その日の夜はずっと、苦しくて痛くて眠れませんでした。脱力することも叶わない苦痛に苛まれ呼吸もままならない私を、彼は一晩、おそらくずっと、看ていてくださった。 汚れた服をとり替え、水を飲ませてくださいました。 なぜ そんなにも親切に、助けてくださるのですか もしあなたが亡霊で無いならは、私など薄汚れた浮浪者に相違ないでしょうに、口付けて水を含ませるのがお嫌では無いのですか 訊ねたらあなたは消えてしまいそうで恐ろしいです、だんだんと 身体の感覚も、熱も まるで現実のようになって 私がこの不思議な夢幻の中から抜けたら、あなたはそこに居ないのでは?
意識が途切れて、次に目が覚めたとき、身体は動かせるようになっていました。そしてあの方はほんとうに、そこからいなくなってしまいました。 清潔なシーツのベッドと、懐かしさを覚える調度の室内だけが、残っていました。 床に降りて、立ち上がり外に出ると、足の裏に地面の温度と感触とが伝わる。寂しい、いえ、高揚しているのでしょうか、わからないどういうことなのか、走り出したいような、すぐそこの崖から飛び降りたいような心地で一度飛び跳ねましたが、何も起こりませんでした。座り込みたい、逃げ出したい、いいえ、わからない もう渚の際から外れてしまって、ここは天国みたいです 私が、そんなはずはないのに、でも地獄にだって招かれなくては入れないのでは 先程までせっかく招き入れられた場所があったというのに、あの方が消えたあの場所で私はとても、いけない、入ってはいけない、ところに、踏み込んでしまったような、急かされるような思いがしたのです。違う、懐かしいほどだった。悲しかった。 どこへ行っても人が居ないまま、また家に辿り着いてしまいました。そこは窓のガラスが全て砕け散り床板が一枚ずつ別の波長でたわんでいて、ほんの少し歩いただけのはずが、すっかり朽ちた様子の空き家に様変わりしていました。屋内へ入ると、私にはこちらの方が似つかわしいように思われました。ようやく誰も居ない、私だけの空間になった。 ふらついた脚をそれ以上扱えず床に座り込み がらんどうの場所へやってきて、私以外の人間が居ない空間で一人。 ようやくはっきりと意識されたのは、千風が世界の全てでは無かったということです。そう、ここは ここは部屋の中だけれど、千風の作り上げた空間ではない 千風が居なくても私は 一人、ここに居ます プラスチックのむき出した椅子とベッド 壁紙の剥がれ落ちた壁 抜けて破れた床と動かなくなったドア 本当は私は …… それとも 何もなくなったから、私は一人なのでしょうか あの方はやっぱり幻で、外の世界なんてものは 無くて 千風がくれたあの部屋が、やはり世界の全てで 全部全部私の妄想で、私は あの部屋から出たまぼろしを、ずっと見ているのでしょうか ……その時、何かが崩れるような大きな破壊音が響きました。 遠かったために幻聴かと、ぼんやりその音の方を見遣ると、…ああ 彼が、立っていました。
「差し障りがあるなら無視していい。君の名前は?」 海辺を抱きかかえられたまま行きながら、名前を尋ねられ、それまでじっと彼の顔を見詰めていたことに気付きました。 幻では無いのだ、と思いたく、無意識にそうしていたのか、急に目が合ったことで緊張してしまいすぐに返事ができません。 「…いずみと申します」 なんとかそう答える間も、目は合ったままでした。なぜかそうしていると、彼が幻ではないと感じられる気がしました。 「稔だ」と、彼が言いました。……え、と お名前でしょう。名前がある。到底私が思いつく幻覚とは思えません。 ミノルさん。 名はその概念を示します、個としての。この方は、ミノルさん。 「笑わずにいられるんだな」 不意にそう言われて私は、はっとしました。 「笑えと言われるものですから」 幻でないなら、見えているのだ、一瞬焦りましたが私は笑っていたようです。ちゃんと。 けれどミノルさんは続けて仰いました、 「ここでは無用な時はなるべく控えてくれ。うっかり笑ってしまう分には――」 ――――無用な。控える? 「あっ、はい、」咄嗟にはいと言ってしまってから困ってしまいました。私は長い間、自分の表情を意識したことが無かったので、ずっと鏡を見てでも居ない限り自律することができない 何か有用で笑っているわけではないのに、私はもしかしたら、ミノルさんにご不快な思いをさせる顔をしていたかもしれません、助けていただいたというのに、なんと失礼な。 「ちがうんです、そうすると私、どうしましょう、ごめんなさい、ごめんなさ」 「落ち着け。一度喋るのをやめて呼吸を整えろ」 ああ、困らせてしまう 目を見せない方が、見ない方がよいと判断して咄嗟に顔を隠すように俯きましたが、額をけっこうな勢いでミノルさんの鎖骨にぶつけてしまった。 涙ぐむ目元と裏腹に口元がつり上がって、今の私はさも不気味な表情をしているだろうと、やめようとすればするほど、ますます表情が歪んでいく。 「すみません、気付かずにご迷惑を、見ないで」 ……ミノルさんは何も仰らず、私に顔を見せろとも命じないのはお優しいからなのか、それが心苦しい気もして、身を固めていると 突然私の身体を抱えた腕が更に強く胴を支えて、かと思うと直後には内蔵が放り出されたような浮遊感を覚えた 「…!!」 盛大な音を立てて、一拍遅れで頭から水を被る 思わず顔を上げた私の身体の下に、ミノルさんが居て、二人ともが波の中で揺蕩うように海水に浸かっていた。 「…………?」 伝い落ちてくる水を瞬きで弾いて目の前のミノルさんの顔を見たら、彼は私の顔に掛かった髪をその手でよけてくれたあと、咽を鳴らしながら静かに笑い始めました。ぴったり合わさった身体からその揺れが伝わって、彼は、笑顔で、まだ、こちらを見ています。 まぼろしじゃ無い。 「……」 急に、首や頬がかあっと熱くなった感覚がして、手足が重くなりました。身体が振動するほどに心臓が脈打ち、苦しいほどです、私の頭を抱えるようにしてミノルさんは何かおっしゃったようですが、鼓動に妨げられて聞き取れませんでした。 このままここで死んでしまうのかも��� はじめお会いした時に一人で倒れていた時には何も思わなかったというのに、今こうしていると身体が苦しくて痛くて、しんでしまうのだ、という高揚がどうしようもありません。二人で浜辺に横たわって、ああそうしたら私の亡骸をこの方が抱いていてくださることになるのですね。 それは存外、悪くないことのように思われました。あれだけ恐怖するように教えられたはずの死への感覚を、私は狂わせてしまったようです。とても自由���、後腐れのないことのように感じたのでした。
死んでしまうというのはどうやら杞憂で、ただ単純に驚きすぎたため動悸がしたということだったようです。ミノルさんは私を抱きかかえたまま身体を起こすと再びあの海外の建築に似た建物へ、私を連れて入りました。 ミノルさんにとって私は、犬や猫のようなものなのかもしれません。そう考えれば、拾って世話をされることも不可解ではないかと… そういえば日本ではいつからか、男と女では人の扱いが異なるのだったか、だとしたら私は女のはずですから、人と思われていないのは仕方の無いことなのでしょうか、よくわかりません。犬猫として拾っていただき、ここまでよくしていただいたのだから、それを喜んで享受するべきなのか、それとも人として死ぬべきだったのでしょうか。私が人の言葉を使えば使うほどに、ご迷惑をおかけしているのかもしれない。微笑まないようにというのは、笑顔が人間のようだからなのかもしれません。元から飼い殺されているようなものでしたが、外に出てもこうなってしまうのはやはり千風や父母がそうというのではなく私の気質なのでしょうか。 海水に倒れた身体を洗い、着せられた服は見覚えのあるワンピースでした。それからお食事まで食べさせていただいて、何から何まで。 彼にとってそれらはあまり負担にもなっていない様子でした。 けれど 早く出て行かなくてはならないのでしょう、こんなにもご迷惑をおかけしているんですから
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朝、寝起きに読んだ。 2も可愛い。梅ちゃんへの愛に溢れてる。 そしてこれ読んでると妙に共感だったり、行動が一緒だったり、なんなのスピルハンバーグさん♡ ねぇ、もしかして私なの?(いや違う) #スティーヴンスピルハンバーグ #パンダと犬2 #なんでも猫に報告しちゃうし #犬や猫のどんな匂いも堪能しちゃうし #垂れ耳ワンコの耳はもれなく堪能するし #お腹の下とか手を突っ込むし #犬や猫にわざと足とか踏んでもらうし #尻尾振ってたらあたりに行くし #楽しいことしててもふと猫に会いたくて家に帰りたくなっちゃうし #なんて言うかとにかく #猫かわいいよね #犬かわいいよね #スティーヴンスピルハンバーグ最高だよね #ほんと会いたいわー #居住地 #性別 #年齢 #全て非公開 #私の近くにいたらいいなー #多分いない https://www.instagram.com/p/BrocNt7BNG0/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=109nedp0xw06i
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余花に吉兆
1. 友人あるいは恋人のようなことを始めたら、もっと分かり合えて親密な空気だとか柔らかな信頼みたいなものが生まれるかと予想していたが、俺らの空間は特段何かが変化することもなく、近すぎず遠すぎずの関係が果てなく伸びていくのみだった。 大切なものを手のひらに閉じ込めるような日々だった。彼の大きな体は存在感だけでもどこか騒々しかったが、無音より心地よかったのだ。
うずたかく積もった瓦礫がようやく街から消える頃、俺は人生初の無職デビューを飾った。事務所は畳んだし復興支援委員会の任期も終わった。警察や公安、行政から相変わらず着信や不定期な依頼はあれど、様々な方面からの誘いを断り所属する場所がなくなった俺はぼんやりと初夏を迎えることとなった。 無職になりまして。とセントラルの定期通院の帰り、待ち合わせた居酒屋で焼き鳥をかじりながら言うと彼は呆けた顔で俺を見た。エアコンの効きが悪いのか、妙に蒸し暑くてふたりとも首筋にじんわり汗が滲んでいる。 「お前が?」 「はい。しばらくゆっくりしてから次のこと考えようと思って」 「お前にそんな発想があったとは」 「どういう意味ですか」 「休もうという発想が。いつも忙しく働いとったろーが。そもそも趣味や休みの過ごし方をお前の口から聞いたことがない」 「それ元SKたちにも言われましたわーー。人を仕事人間みたく言わんでくださいよまあその通りですけど。今までやれなかったこと全部やったろ、と思ってたんですけど10日で飽きました。福岡いるとどうしても街の様子気になっちゃうしホークスだ〜〜♡ て言われるし、どっか旅行でも行けばって言われるんすけど全然そんな気になんないんすよ。来月には引きこもりになってるかもしれねっす」 そしたら会いに来てくださいね♡ と言ったら、彼は釈然としないような、そして何かに耐えるような、そんな顔をした。 店を出ると強い風が頬を打った。まだほんのわずか残っていた春の気配が吹き飛んでいく。じゃあ、と手をあげかけたところでデカい手が伸びてきて顎を掴まれた。「飲み直すぞ、うちで」「ひゃい?」かくて俺はそのままタクシーに突っ込まれ(この人と乗る後部座席は超狭い)、轟邸へお持ち帰りされることとなった。
暗闇の中でうずくまる恐竜みたいな日本家屋。数奇屋門と玄関の間だけで俺の1LDKがすっぽり入りそう。靴を揃えて上り框に足をかけると今度は首根っこを掴まれた。連行されるヴィランそのままの格好で俺は廊下を引き摺られ居間の隣室へ放り込まれる。今夜は何もかも展開が早い。「なになに? 俺には心に決めた人がいるんですけど⁉︎」「使え」「は?」 「この部屋を好きなように使え。しばらく置いてやる」 「もしかしてあなた相当酔ってますね⁉︎」 「あれくらいで酔わん。お前が、ヒーロー・ホークスが行くところがないなんて、そんなことがあってたまるか」 畳に手をついて振り仰ぐ。廊下から部屋に差し込む灯りは畳の目まではっきりと映し出しているけれど、彼の表情は逆光でわからない。 「俺、宵っぱりの朝寝坊ですよ」 「生活習慣までとやかく言わん。風呂を沸かしたら呼びに来てやるからそれまで好きにしてろ」 けれど俺が呼ばれることはなく、様子を見に行くと彼は居間で寝落ちていたのでやっぱり酔っていたのだと思う。デカい体を引きずって寝室に突っ込んだ。風呂は勝手に借りた。
酔ってはいたものの彼の意思はしっかり昨晩にあったようで、そして俺も福岡に帰る気が全くおきなかったので、出会い頭の事故のように俺の下宿生活は始まった。 「うちにあるものは何でも好きに使え」なるありがたいお言葉に甘えて俺は巣作りを開始した。足りないものはAmazonで買った。徹夜でゲームしたりママチャリで街をぶらついたり(帽子をかぶってれば誰も俺に気づかなかった)ワンピース一気読みしたり豚肉ばかり使う彼からキッチンの主権を奪いそのまま自炊にハマったりもした。誰を守る必要もなく、誰かを気にかける必要もない。誰を満足させる必要もなかった。彼が出かける時間に俺は寝ていたし夕飯も好きな時間に食べていたので下宿より居候の方が正確だったかも知れない。誰かとひとつ屋根の下で暮らすことへの不安はすぐ消えた。早起きの彼がたてる足音や湯を使うボイラー音、帰宅時の開錠の音。そんな他人の気配が俺の輪郭を確かにしていったからだ。 ヒーローを引退した彼は事務所を売却したのち警備会社の相談役に収まっていたがしょっちゅう現場に呼ばれるらしく、出勤はともかく帰り時間はまちまちだった。まあわかる。治安維持に携わっていて彼に一目置いていない人間はまずない(治安を乱す側はなおさらだ)。「防犯ブザーのように使われる」とぼやいていたが、その横顔にはおのれの前線を持つものの矜持があった。どうしてか俺は嬉しい気持ちでそれを見ていた。
2. ある夜、俺は玄関で彼のサンダルを履き外へ出た。引き戸を開けると明るい星空が広がっていて、それが妙に親しかった。縁側に腰掛けてぼんやり彼方を眺めると星の中に人工衛星が瞬いている。ほとんどの民家の明かりは消えていて、夜は少し湿りそして深かった。紫陽花だけが夜露に濡れて光っていた。 知らない街なのに、他人の家なのに、帰らんと、とは微塵も思わなかった。俺はここにいる。知らない場所に身ひとつで放り出されてもここに帰ってくる。呼吸をするたびに心と体がぴったりと張り付いていった。 気配を感じて振り返ると、あの人がスウェットのまま革靴を引っ掛けて玄関から出てくるところだった。 「風邪をひくぞ」と言われ何も答えずにいると犬か猫みたいにみたいに抱えられ、家の中に連れ戻された。 それからほとんど毎夜、雨でも降らない限り俺は外に出て彼方を眺めた。そうすると彼は必ずやってきて俺を連れ戻した。ある夜「一緒に寝てください」と言ったら彼は呆れたように俺を見下ろして「お前の部屋でか」と言った。そうかあそこは俺の部屋なのか。「あなたの部屋がいいです」と言ったら視線がかちあい、耳の奥で殺虫器に触れた虫が弾け飛ぶみたいな音がして、目が眩んだ。 「そんで、同じ布団で」 「正気に戻ってからセクハラだとか騒ぐなよ」 彼の布団にすっぽりおさまると目が冴えた。やっぱこの人なんか変。そんで今日の俺はもっと変。分厚い背中に額をあてて深く息を吸った。おっさんの匂いがして、めちゃくちゃ温かくて、甘くて甘くて甘くて足指の先まで痺れる一方で自分で言い出したことなのに緊張で腹の奥が捻じ切れそうだった。 彼の寝息と一緒に家全体が呼吸をしている。眠れないまま昨夜のことを思い出す。俺が風呂に入ろうとして廊下を行くと、居間で本を読んでいた彼が弾かれたように顔を上げた。その視線に斥力のようなものを感じた俺は「お風呂行ってきまぁす」となるべく軽薄な声で答えた。一秒前まであんな強い目をしていたくせに、今はもう血の気の失せた無表情で俺を見上げている。妙に腹が立って彼の前にしゃがみ込んだ。「一緒に入ります?」「バカか」「ねえエンデヴァーさん。嫌なこととか調子悪くなることあったら話してください。ひとりで抱え込むとろくなことないですよ。俺がそれなりに役立つこと、あなた知ってるでしょ?」 「知ったような顔をするな」 「俺はド他人ですが、孤独や後悔についてはほんの少し知っていますよ」 真正面から言い切ると、そうだな、と素っ気なく呟き、それきり黙り込んだ。俺ももう何も言わなかった。 ここは過ごすほどに大きさを実感する家だ。そこかしこに家族の不在が沈澱している。それはあまりに濃密で、他人の俺でさえ時々足をとられそうになる。昨日は家族で食事をしてきたという彼は、あの時俺の足音に何を望んだのだろう。 いつぞやは地獄の家族会議に乱入したが、俺だって常なら他人の柔らかな場所に踏み入るのは遠慮したいたちだ。けれどあの無表情な彼をまた見るくらいなら軽薄に笑うほうがずっとマシだった。これから先もそう振る舞う。 きんとした寂しさと、額の先の背中を抱いて困らせてやりたい怒り。そんなものが夜の中に混ざり合わないまま流れ出していく。
3. 涼しい夜にビールを飲みながら居間で野球を眺めていたら、風呂上がりの彼に「ホークス」と呼ばれた。 「その呼び方そろそろやめません? 俺もう引退してるんすよ。俺はニートを満喫している自分のことも嫌いじゃないですが、この状態で呼ばれるとホークスの名前がかわいそうになります、さすがに」「お前も俺のことをヒーロー名で呼ぶだろうが」「じゃあ、え……んじさんて呼びますから」「なぜ照れるんだそこで」「うっさいですよ。俺、けーご。啓吾って呼んでくださいよほら」「……ご」「ハイ聞こえないもう一回」「け、けいご」「あんただって言えないじゃないですかあ!」 ビールを掲げて笑ったら意趣返しとばかりに缶を奪われ飲み干された。勇ましく上下する喉仏。「それラスト一本なんすけどお」「みりんでも飲んでろ。それでお前、明日付き合え」「はあ」「どうせ暇だろ」「ニート舐めんでくださいよ」 翌日、俺らは炎司さんの運転で出かけた。彼の運転は意外に流れに乗るタイプで、俺はゆっくり流れていく景色を眺めるふりをしてその横顔を盗み見ていた。「見過ぎだ。そんなに心配しなくてもこの車は衝突回避がついている」秒でバレた。 「そろそろどこいくか教えてくださいよ」 「そば屋」 はあ、と困惑して聞き返したら、炎司さんはそんなに遠くないから大丈夫だ、とまたしてもピンぼけなフォローで答えた。やがて商業施設が消え、国道沿いには田園風景が広がり出した。山が視界から消え始めた頃ようやく海に向かっているのだと気づく。 車は結局小一時間走ったところで、ひなびたそば屋の駐車場で止まった。周りには民家がまばらに立ち並ぶのみで道路脇には雑草が生い茂っている。 テレビで旅番組を眺めているじいさん以外に客はいなかった。俺はざるそばをすすりながら、炎司さんが細かな箸使いで月見そばの玉子を崩すのを眺めていた。 「左手で箸持つの随分上手ですね、もともと右利きでしょ?」 「左右均等に体を使うために昔からトレーニングしていたから、ある程度は使える」 「すげえ。あなたのストイックさ、そこまでいくとバカか変態ですね」 「お前だって同じだろう」 俺は箸を右から左に持ち替えて、行儀悪く鳴らした。 「んふふ。俺、トップランカーになるやつってバカか天才しかいねえ、って思うんすよ。俺はバカ、あなたもバカ、ジーニストさんも俺的にはバカの類です」 「あの頃のトップ3全員バカか。日本が地図から消えなくてよかったな」 そばを食べて店を出ると潮の匂いが鼻を掠めた。「海が近いですね?」「海といっても漁港だ。少し歩いた先にある」漁港まで歩くことにした。砂利道を進んでいると背後から車がやってきたので、俺は道路側を歩いていた炎司さんの反対側へ移動した。 潮の香りが一層強くなって小さな漁港が現れた。護岸には数隻の船が揺れるのみで無人だった。フードや帽子で顔を隠さなくて済むのは楽でいい。俺が護岸に登って腰掛けると彼も隣にやってきてコンクリートにあぐらをかいた。 「なんで連れてきてくれたんですか。そば食いたかったからってわけじゃないでしょ」 海水の表面がかすかに波立って揺れている。潮騒を聞きながら、俺の心も騒がしくなっていた。こんな風に人と海を眺めるのは初めてだったのだ。 「俺を家に連れてきたのも、なんでまた」 「……お前が何かしらの岐路に立たされているように見えたからだ」 「俺の剛翼がなくなったから気ィ使ってくれました?」 甘い潮風にシャツの裾が膨らむ。もう有翼個性用の服を探す必要も服に鋏を入れる必要も無くなった俺の背中。会う人会う人、俺の目より斜め45度上あたりを見てぐしゃりと顔を歪める。あの家で怠惰な日々を過ごす中で、それがじわじわ自分を削っていたことに気づいた。 剛翼なる俺の身体の延長線。俺の宇宙には剛翼分の空白がぽっかり空いていて、けれどその空白にどんな色がついているかは未だわからない。知れぬまま外からそれは悲しい寂しい哀れとラベリングされるものだから、時々もうそれでいいわと思ってしまう。借り物の悲しさでしかないというのに。 「俺より先に仲間が悲しんでくれて。ツクヨミなんか自分のせいだって泣くんですよかわいいでしょ。みんながみんな悲壮な顔してくれるもんだから、正直自分ではまだわかんなくて。感情が戻ってこない。明日悲しくなるかもしれないし、一生このままかも。 あなたも、俺がかわいそうだと思います?」 「いいや」 なんのためらいもなかった。 「ないんかい」 「そんなことを思う暇があったら一本でも多く電話をして瓦礫の受け入れ先を探す。福岡と違ってこの辺はまだ残っとるんだ。それから今日のそばはおれが食いたかっただけだ」 「つめたい!」 「というかお前そんなこと考えとったのか。そして随分甘やかされとるな、以前のお前ならAFOと戦って死ななかっただけ褒めてほしいとか、ヒーローが暇を持て余す世の中と引き換えなら安いもんだと、そう言うだろう。随分腑抜けたな。周囲が優しいなんて今のうちだけだ、世の中甘くないぞ、きちんと将来のことを考えろ」 「ここで説教かます⁉︎ さっきまでの優しい空気は!」 「そんなもの俺に期待するな」 潮風で乱れる前髪をそのままにして、うっとり海に目を細めながらポエムった10秒前の自分を絞め殺したい。 彼は笑っているのか怒っているのか、それともただ眩しいだけなのかよく分からない複雑な顔をする。なお現在の俺は真剣に入水を検討している。 「ただ、自分だけではどうしようもないときはあるのは俺にもわかる。そんな時に手を…… 手を添えてくれる誰かがいるだけで前に進める時がある。お前が俺に教えてくれたことだ」 「ちょ〜〜勝手。あなたに助けてもらわなくても、俺にはもっと頼りたい人がいるかもしれないじゃないですか」 「そんな者がいるならもうとっくにうちを出ていってるだろう。ド他人だが、俺も孤独や後悔をほんの少しは知っている」 波音が高くなり、背後で低木の群れが強い海風に葉擦れの音を響かせた。 勝手だ、勝手すぎる。家に連れてきてニートさせてあまつさえ同衾まで許しといて、いいとこで落として最後はそんなことを言うのか。俺が牛乳嫌いなのいつまでたっても覚えんくせにそんな言葉は一語一句覚えているなんて悪魔かよ。 俺にも考えがある、寝落ちたあんたを運んだ部屋で見た、読みかけのハードカバーに挟まれた赤い羽根。懐かしい俺のゴミ。そんなものを後生大事にとっとくなんてセンチメンタルにもほどがある。エンデヴァーがずいぶん可愛いことするじゃないですか。あんた結構俺のこと好きですよね気づかれてないとでも思ってんすか。そう言ってやりたいが、さっき勝手に演目を始めて爆死したことで俺の繊細な心は瀕死である。ささいなことで誘爆して焼け野原になる。そんなときにこんな危ういこと言える勇気、ちょっとない。 「……さっきのそば、炎司さんの奢りなら天ぷらつけとけばよかったっす」 「その減らず口がきけなくなったら多少は憐れんでやる」 骨髄に徹した恨みを込めて肩パンをした。土嚢みたいな体は少しも揺らがなかった。
車に向かって、ふたりで歩き出す。影は昨日より濃く短い。彼が歩くたびに揺れる右袖の影が時々、剛翼の分だけ小さくなった俺の影に混じりまた離れていく。 「ん」 炎司さんが手でひさしを作り空を見上げ、声をあげる。その視線を追うと太陽の周りに虹がかかっていた。日傘。 「吉兆だ」
4. 何もなくとも俺の日々は続く。南中角度は高くなる一方だし天気予報も真夏日予報を告げ始める。 SNSをほとんど見なくなった。ひ���りの時はテレビもつけず漫画も読まず、映画だけを時々観た。炎司さんと夜に食卓を囲む日が増えた。今日の出来事を話せと騒ぎ聞けば聞いたで質問攻めをする俺に、今思えば彼は根気よく付き合ってくれたように思う。
気温もほどよい夕方。庭に七輪を置き、組んだ木炭に着火剤を絞り出して火をつける。静かに熱を増していく炭を眺めながら、熾火になるまで雑誌を縛ったり遊び道具を整理した。これは明日の資源ごみ、これは保留、これは2、3日中にメルカリで売れんかな。今や俺の私物は衣類にゲーム、唐突にハマった釣り道具はては原付に及んでいた。牡丹に唐獅子、猿に絵馬、ニートに郊外庭付き一戸建てだ。福岡では10日で暇を持て余したというのに今じゃ芋ジャージ着て庭で七輪BBQを満喫している。 炭がほの赤く輝き出すころに引き戸の音が聞こえ、俺は網に枝豆をのせた。 「今日は早いですね〜〜おかえりなさい」 「お前、無職が板につきすぎじゃないか?」 「まだビール開けてないんで大目に見てください」 家に上がった彼はジャージ姿でビールを携えて帰ってきた。右の太ももには「3-B 轟」の文字。夏雄くんの高校ジャージだ、炎司さんは洗濯物を溜めた時や庭��事の時なんかにこれを着る。そのパツパツオモシロ絵面がツボに入り「最先端すぎる」と笑ったら「お前も着たいのか?」とショートくんと夏雄くんの中学ジャージを渡され、以来俺はこの衣類に堕落している。遊びにきたジーニストさんが芋ジャージで迎えた俺たちを見てくずおれていた。翌々日ストレッチデニムのセットアップが届いた(死ぬほど着心地がよかった)。 焼き色のついた枝豆を噛み潰す。甘やかな青さが口の中に広がっていく。 「福岡帰りますわ、ぼちぼち」 彼の手からぽとりとイカの干物が落っこちた。砂利の上に不時着したそれにビールをかけて砂を流し、網の上に戻してやる。ついでにねぎまを並べていく。 「……暇にも飽きたか」 「いや全然、あと1年はニートできます余裕で」 ぬるい風と草いきれが首筋をくすぐり、生垣の向こうを犬の声が通り過ぎていく。いつも通りのなんでもない夕方だ。そんななんでもなさの中、現役の頃は晩酌なんてしなかっただろう炎司さんが俺とビールを開けている。俺らはずいぶん遠くまで来た。 「福岡県警のトップが今年変わったんですけど、首脳部も一新されて方針も変わったらしくて、ヒーローとの連携が上手くいってないらしいんすよね。警察にもヒーローにも顔がきいて暇な奴がいると便利っぽいんで、ちょっと働いてくるっす。そんで、俺のオモチャなんですけど」整理した道具たちに目をやる。「手間かけて悪いんですが処分してくれませんか?」 「……どれも、まだ使えるだろう」 「はあ。リサイクルショップに集荷予約入れていいです?」 「そうじゃない。処分する必要はないと言ってるんだ」 的外れと知っていてなお、真っ当なことを言おうとする融通のきかなさ。その真顔を見て俺この人のこと好きだな、と思う。子どものまま老成したような始末の悪さまで。 「それは荷物置きっぱにしてていいからまたいつでも来いよってことでしょーーか」 「……好きにしろ」 唸るような声はかすかに怒気をはらんでいる。さっきまで進んでたビールは全然減ってないしイカはそろそろ炭になるけどいいんだろうか。ビール缶の汗が彼の指をつたい、玉砂利の上にいびつな模様をつくっていく。 「じゃあお言葉に甘えて。それとツクヨミが独立するってんで、事務所の立ち上げ手伝ってほしいって言われてるんすよ、なんでちょくちょくこっちに滞在するので引き続きよろしくお願いします具体的には来月また来ます♡」 「それを先に言え‼︎」 今度こそ本物の怒りが俺の頬を焦がした。具体的には炎司さんの首から上が燃え上がった。七輪みたいに慎ましくない、エンデヴァーのヘルフレイム。詫びながら彼の目元の皺を数えた。青い瞳にはいつも通りに疲労や苛立ち、自己嫌悪が薄い膜を張っている。今日も現場に呼ばれたんかな。ヒーロースーツを着なくなっても、誰かのために走り回る姿は俺の知ったエンデヴァーだった。腕がなくなろうが個性を使わなかろうが、エンデヴァーを許さぬ市民に罵倒されようが。だから俺も個性なくてもできることをやってみっかな、と思えたのだ。ここを離れ衆目に晒されることに、不安がないわけではないけれど。 疲れたらここに帰ってまたあの部屋で布団かぶって寝ればいい。家全体から、やんわり同意の気配が響くのを感じる。同意が言いすぎだとしたら俺を許容する何か。俺のねぐら、呼吸する恐竜の懐の。 「その……なんだ、頑張れ」 「アザーース」 帰属していた場所だとか、背にあった剛翼だとか。そんなものがごっそりなくなった体は薄弱で心もとない。だから何だ、と思う。俺はまだ変わる。 空があわあわと頼りない色合いで暮れていく。隣にしゃがんだ炎司さんの手が俺の背に添えられた。翼の付根があったあたりにじわりと熱が広がり、そのまま軽く背を押されて心臓が跳ねる。 「来月はそば打ちでもしましょうね」 短い肯定が手のひらの振動から伝わる。新たな命を吹き込まれる俺の隣で、炭がぱちりと爆ぜた。
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ハロー(´ー∀ー`)2022.9.24
飼い猫のアリスは以前に比べると少し落ち着いてきましたが、それでもやはり突然怒り出すのは相変わらずでスイッチが何なのかわからないまま時が進んでいます。
タイミング的に私の仕事が始まって数日くらいにアリスに異変が起きたので、もしかしたらそれも関係あるのかもしれないな…と思いました。憶測でしかないのですが、今までずっと家に居たのに突然長時間家を空けるようになったことに戸惑い怒っているのかもしれません。
それとスリッパが嫌いみたいで、スリッパを移動させるだけでも怒りだしたりするので私としては猛獣アリスの攻撃から足を守るために履きたいけどwwスリッパはアリスの見えないところに移動させました😭
本当に猛獣と生活している気分です。だけど前よりは触れる時もあるので大丈夫そうな時にたくさん触ってブラッシングするようにしています。
動物病院へ連れて行くタイミングを見計らいながらの生活ですが…もう少し様子を見ようと思います。
この前、また姉達とグループトークをしていてHUNTER×HUNTERの話になったのですが、長女が
「ピカソみたいな名前のキャラおったよね?」
って言ってました←
ヒソカね←
ピカソはおらんのじゃ←
ということで映画ブログです〜
「オキュラス/怨霊鏡」
呪われた鏡のせいで子供の頃凄惨な事件が起きてしまったんだけど、父親も母親も死んだのはこの鏡のせいだと証明するために成長した姉弟が色々な手段で記録として残していきながら実験をするみたいなホラー映画。
いまいちです←
ようわからんホラーって感じ。
この男の子見たことあるな…と思っていたけどキングオブエジプトの子かー…(内容覚えていないけど←
パイレーツのウィルの息子役でも出てたのか…くらい私の中では印象が薄いw
「告白」
今年は邦画をかなり観ているわたくし。ながら見できるしそこまで真剣に観なくていいので観ようと思う機会が増えた気がする。歳をとったことで嗜好が変わってきたのかしら…とも思うけれど、観終わって大満足することはほとんどないよね←
洗い物しながら、とか日記書きながら、とかブログ書きながら、とか化粧しながら、で観れるから丁度いいしかといって洋画を吹替では観たくないので結局邦画になってしまうのね。
ながら見でも罪悪感がない←
そういった理由で観てもいいじゃないか。
湊かなえさんの小説は読んだことないけど、この映画はMVみたいだなーと思いました。教え子に自分の子供を殺された松たか子さんが復讐をする話。
子供相手だけど結構な復讐なんだよね。手加減なしさが私はいいと思いました←
段階踏んでいって子供の心を追い詰めていったりだとか、種を撒くみたいな感じで生徒にじわじわわからせていく部分が教育なのか復讐なのか何なのか。
牛乳に血液を混入させたのも生徒の母親に会って爆弾を仕込んだのも本当にしたのだろうか?
という疑問のまま終わったw
全て想像の中の出来事で、ただ心だけを追い詰めただけなのかもしれないけど本当のところは誰にもわからないという感じで邦画あるあるみたいな作風にも思えたのですが、小説を読んだらもっと具体的にわかるのでしょうか。
「マー -サイコパスの狂気の地下室-」
とあるおばさんが高校生達と仲良くなって慕われると思いきや変な行動をし始めて…みたいな話。
お酒が買えない高校生の代わりにお酒を買って飲む場まで提供し、仲良くなっていくんだけどもその中で自分の高校時代のことを思い出していったり言葉に傷つけられたりしてどんどん頭おかしくなっちゃうという展開ですw
本当に酷いことをされているから可哀想ではあるんだけど、1番可哀想なのは娘だと思う。
結局自分のことしか考えていないし、どうして娘を家に閉じ込めて変な薬飲ませて弱らせていたのかもわからないし、変なホラーでした←
「悪の教典」
サイコパス教師がショットガンで生徒を次々と殺していく話です。
教師役が伊藤英明さんなんだけど、かなり表情がやばかったです…瞳孔開いてて何の躊躇いもなく生徒を殺していく様子がマジでサイコパスでした。
だけどストーリーとしては「?」です。殺人鬼の心情はわからん←
「クリーピー偽りの隣人」
髭の西島さんも素敵だわね〜
でもさ2時間鑑賞してのこの結末は正直「なんで?」ってなったよね。竹内結子さんの絶叫の意味がわからず…説明が欲しいと思ってしまうことが多いイメージの邦画。
メッセージが複雑というか、分かりづらいというか。大体見る側に委ねようとしてくるよね←
見る人によって感じ方の違う映画はいいと思うよ。
色々な解釈できるっていうのも、感想言い合うのが楽しいと思うし。
でもこれは本当にわからないww
ただ香川さんがめちゃくちゃ気持ち悪い←
こんな人が隣人だったら地獄です。私だったら挨拶した時点でもう絶対に関わらないと心に決めますw
それと西島さんが最後らへんかなり香川さんを挑発するんですけど、そこも「?」でした。過去に一度サイコパスと関わって大失態して警察辞めてるのに、何でそんな不利になるような行動を取るのか理解不能でした。
奥さんもあんなに怪訝にしていたのにどうしてあそこまで隣人と関わろうとするのか謎だったし…
でももしかしたら夫との生活に不安や戸惑いを感じていたのかもしれないよねー。ちゃんと会話もしていなかったし、お互いに深く語ろうとしていなかったから招いた事態でもあったかもね。
それにしてもそこまでほったらかしにされていた訳でもないし、ちゃんと会話してくれようとしていた旦那さんだったし。私には奥さんの気持ちがよくわからなかったです。
「娚の一生」
この漫画が好きで昔読んだことがあり、映画化も知っていたけれど今回初めて観てみました。
この漫画で「枯れ専」という言葉を知り、私は枯れ専の要素もあるかもしれないと思っておりましたw
(昔は本当におじさん好きで有名だった私←誰にw
まぁーーーー豊川悦司さんで本当によかったよね←
キュンどころじゃない、ズドンです←
一撃で死にましたねぇバハーーッ(それは麃公将軍
始めは何この厚かましい中老は?誰?となるのですが、もう何よりもねー見た目が素敵なのよ←
足長ーーーーーーー!!
そして何でこんなに白シャツ似合ってんの?←
スタイル良すぎなのよあなた←
恋なので仕方なかったですって!?
言われたいわ←
この一撃で死にました。主人公と一緒によろめきましたよね←
くぅーーーーーーーートヨエツめ!(呼び捨てにすな←
ほんであの例の足舐めシーン。
これは実写では気持ち悪いだろう、どんな人間でも気持ち悪いだろうと想像していた私。
そうでもなかった←
いや、汚いとは思った←
だがしかし!
汚い臭いとか超越した世界がそこにあった超越のトヨエツよ←
(うまいこと言わんでえーねん
向井理来てからの暴れっぷりも、そのあとの傷ついたトヨエツも全部いい。
最後私もバックハグしてあげたいと思ったわ。マジで。
心の中ではしてたよーーーーぐふふふふ
(お前が1番の変態である
この映画で、不倫に傷ついて田舎のお婆ちゃんの家に住み始めた主人公が自分に「負け犬ジュエリー」としてお高いネックレスを買ってるのよね。
それを聞いたトヨエツが「君は自分を大事にしなさすぎや!腹立つ」って本気で怒るシーンがあるんだけども、そこで泣きそうになった私です←
負け犬ジュエリーって言った主人公の気持ちがわかるし、仲良しの友達の結婚報告の後に死にたいって言った気持ちもすごくよくわかる。
だけどそこで卑屈になっている主人公に喝を入れるトヨエツがもう愛の鞭すぎて、愛が溢れてるよねーーーー
どーする?
(どーもせんわい
自分が怒られているような気がしたよね。
ドキッとしたし、あちゃー(照)ってなりました🤣
私、トヨエツと結婚します!
(本気のアホの子がここにいまーーす
白いスーツとか最高だったよね。白馬の中老よ←
王子じゃないけど王子よりも頼りになりそうよね。
とてもよかったです🤗
「グリーンランド 地球最後の2日間」
これずっと観たかったやつで、U-NEXTにきてたので観たけど…途中ですごい飽きた←
まず彗星が地球に落ちてくる世界終末系の映画なんだけど、専門家とかは何の被害も影響もないですって報道していたのにいざ落ちてきたら大爆発するのよね。
何それ?←ってなるじゃん
ほんで大統領アラートとか言って突然主人公に「あなたはシェルターへ避難できる人として選ばれました」ってメールが届くのよ。そんなことある?
無作為かと思いきやちゃんと条件の元選ばれているっていうのが後々にわかるんですが、専門的な職業+持病がない人って決まっていて、息子が小児糖尿病って発覚したら軍から「この選出は手違いです」とか言われて搭乗を拒否されてしまうのですよね。
7SEEDSかよ!ってなったよね←
しかも病気あるのにミスで選ばれるとか、そもそもそういう理由で避難できる人間を選ぶ政府も本当残酷だなと思ったし何という不快で不条理な選定なのでしょう。選ばれた人も選ばれなかった人も不幸にする流れ←本当に酷いと思った。
でも本当に地球に最後の日が近づいているのだとしたら、そういう選定はありそうっちゃありそうよね。結局金持ちと政治家、専門職の人、エリートしかそういう枠に入れないのよね。
あと小児1型糖尿病とか、映画では割と多い設定だよね…
インスリンがないと危険とか、危機的状況を生み出しやすいからって緊迫感を足すために病気持ちにするのもどうなのかね←
正当防衛ではあるけど、お父さん人殺しになっちゃったよ😭
奥さんも自己中心的なタイプであまり応援できなかったし←
特に何も感想はなくていつも通り文句ばかりしか出てきませんでしたよぉw
それと昨夜地上波であった
「竜とそばかすの姫」
めちゃくちゃ面白くなかった🥹
びっくりした←
何一つ刺さらなかったよ←
バケモノの子でガッカリしてたけど、もうこの監督のアニメは観ないと思う←
ナウシカの無駄遣い😭悲しい…
今日のブログはこの辺でおしまいです🤟
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自己紹介
こんちゃ!おはようございます。ゆなりんです。
YouTubeやTwitterなどからお越しの皆様、いつも有難うございます。
そして初めましての貴方、まずははじめまして。ゆなりんという名前で活動しているものです。主にYouTubeでゲーム実況や歌ってみたなどを載せていますのでもし良かったらリンクから飛んで動画観てみてください!
ということで告知はこれくらいにして、早速本題の自己紹介を書きたいと思います。
ゆなりん(♀)
好き
オカルト
映画
ゲーム
料理/お酒
動物
黒色
サントラ
苦手
虫
ブロッコリー、カリフラワー、ししゃも
ピンク色
日光
運動
ということでまずは好きなものと苦手なものを箇条書きにしたので、次により詳しく書いていきたいと思います。
ここから長くなるのでお時間ある時に是非読んでみて下さい。
好きなもの1つ目
オカルト!
何を隠そう、私は小さい頃から心霊映像やホラー映画をこよなく愛するオカルトオタクです。
オカルトと一括りに言ってもジャンルなどが様々で結構ホラー好きの間でも「このジャンルはいけるけど、このジャンルは苦手…」みたいな会話をしたりします。
そんな中で私はかなり色々なジャンルに触れてきて、耐性もあるので基本的にはオールオッケー。
…と言いたいところですが、唯一虫だけはNGです。NGと言っても虫が出ている映画を観たらトイレに行けなくなる!とか、虫の画像を見るだけでも無理!とかではないです…ただ好みじゃないです(笑)
唯一と言いましたが、後のジャンルは基本いけます。心霊、悪魔、怪談、サイコホラー、ゾンビ、スプラッタから都市伝説まで!夢のハッピーセットですね。
なぜオカルトが好きになったのかはまた後々話したいと思いますのでとりあえずオカルトの話はここら辺で。ビビりな皆さんはここで目を開けて次の文を読んでください。
好きなもの2つ目
映画!
これもまた、小さい頃から慣れ親しんだものです。
そしてこれもまた、一括りに全ジャンルが好き!というわけではなく…恋愛映画だけはあまり好まない傾向にあります。
何故恋愛映画が好みじゃないのか!理由はただ1つ!振られる側を想うとしんどくなるから!
何故か恋愛映画って2番手の方が優しくて、感情豊かで、面白くて、かっこいい/可愛い気がする。
映画は起承転結を練り込まなきゃいけないので、やっぱり "最初は苦手だったけどだんだん好きに…" みたいなストーリーになっちゃうんでしょうね。
しかし私は騙されない!主役の子が悲しい時慰めてくれたのは2番手だったぞ!主役の子を笑わせてくれたのは2番手だったぞ!
…はい、ちょっと話が逸れましたね。要するに恋愛映画以外は観ます。
特に好きなのはやはりホラー、そしてコメディ。SFなんかも結構観ているのでその辺は後々映画紹介などをしていきたいと思います。
はい、次!
好きなもの3つ目
ゲーム!
いやぁ、この世にゲームを生み出してくれた方有難うございます。
小学生の夏休み。私を楽しませてくれたのは牧場物語とボクの夏休みでした。ぼくぼく。
基本的に外に出ることが苦手だったので(理由は後で)、家で遊ぶしかなかったんですよね。折り紙とか、読書とか、お絵描きとか…。
その中でも特に楽しかったのがゲーム!
今でも時間がある時は基本ゲームをしています。YouTubeでもゲーム実況を上げるほどです。
今となってはホラーゲームばかりやっている私ですが、一応プロセカやマイクラ、APEXなどのゲームもやっています。
そんな私が初めて触れたホラーゲーム。それがドリームキャストのBIOHAZARD CODE:Veronica。襲ってくるゾンビが本当に怖くて、最初に火の中から出てくるゾンビ見ただけで電源切りましたね。普通に元々は怖がりだったので。
次に触れたのがDSのナナシノゲエム。これ、あまり有名じゃないみたいなのですが結構怖いホラーゲーム。プレイすると7日後に死ぬゲームがテーマです。
ゲーム紹介はブログで紹介するというよりは、YouTubeで実際に実況していくつもりなので是非登録してね!
好きなもの4つ目
料理!お酒!
この2つは私のTwitterを見てくれている人はわかると思いますが、料理をするのとお酒を飲むのがすこぶる好きです。
結構その日の気分によって食べたいものを作る、という感じなのであまり得意料理みたいなものはないと思うのですが、強いて言うならイタリアンが得意かな?
白ワインが好きなので、カルボナーラとかカプレーゼとかチキンソテーとか結構な頻度で作っちゃいます。
日本酒も好きなのですが、日本酒は結構料理する必要のないもの(刺身とか)が合うのであまり料理しないかも。最近カツオのユッケが異常に美味しいということに気付いたので作っています。
ビール以外は基本飲みます。こう、改めて自分のこと紹介していると「好きなものの中で〇〇以外なら基本いける」みたいなのが多いですね、私。全部を好んでいけたら楽しさ倍増なんだろうけど、なーんかダメ…。苦いですよね。焼酎はいけます。
もしお酒と料理が好きな人がいたら、是非私のTwitterまでお越しください。色んな飯テロしてます。
好きなもの5つ目
動物!
特に猫。ねこちゃんは何であんなに可愛いのでしょう…。まぁどちらかと言えば猫派、というだけで犬も好きだしウサギもハムスターもチンチラも鳥も馬も羊も動物は基本好きです。嫌いな動物いないです。狼とかかっこいいですよね。
察しているかもしれませんが、お家では猫ちゃんと暮らしています。茶トラのオスでめる。めるたんって呼んでます。

茶トラのオスは結構ヤンチャで甘えたがりの子が多いのですが、めるたんも本当に甘えたがりで夜は一緒に寝るし、出かける時は玄関までお見送り、帰ってきたら玄関まで駆けてきてくれます。可愛い。
Twitterでもよくめるたんの画像を投稿していますが、こちらのブログでもたまにめるたんの近況報告なんかをしていく予定です。
最近はYouTubeでチンチラのASMR聴いたりしてます。あの、ご飯をカリカリ食べてる動画です。もうめちゃくちゃ可愛い。もっふもふ。両手で掴んで食べてるのがまた愛くるしいんです…。
皆さんは動物お好きですか?苦手な動物とかいますか?
好きなもの6つ目
黒色!
はい、唐突の色です。好きな色は黒です。結構黄色とかそういう蛍光色が苦手なので(電気とかも苦手)、黒色みたいな暗めの色落ち着きますね〜。
スマホのホーム画面とかも結構暗めの画像にしてます。ちなみに今はバイオハザード8の画像を使ってます。
深海とかも好きなので暗めの青とかも好み。女の子っぽい色が逆にあまり得意じゃないかもしれません。
ただ、メイクする時は赤とか結構ぱっきりした色を使います。
好きなもの7つ目
サントラ!
私元々音フェチと言っていいのか分かりませんが、音が好きな方で雨音とか雪を踏む音とか電車の音とか…環境音が好きなんですよ。
ただ、あまりガヤガヤした人混みの音とかは得意じゃなくて、そういうところに行く時はイヤホンで音楽を聴くんです。
で、そういう時に聴く音楽がサントラです。
ゲームのサントラとか、映画のサントラとか、大好きです。サントラって、その音楽が流れていたシーンやその瞬間の自分の気持ちだったりを思い出せるから好き。
ゲームのサントラで言うと、有名なUNDERTALEというゲームのサントラが大好きで結構聴いてます。
UNDERTALE自体が良い作品なんですが、そのボス戦の音楽から日常の音楽まで全部脳に馴染む。テンション上げたいとき、落ちつきたいとき、その場にあった音楽が全部詰まってて私は好きです。
このシーンはこのキャラがこんなセリフを言って…って浸るのも好き。
そんなこんなで私がイヤホンをしている時は大体サントラを聴いています。
と、ここまで長々と好きなものを語らせていただきました。まだまだ語り足りないですが、この後苦手なものも紹介するつもりなのでこの辺で終わらせておきましょう。
質問があったら是非コメントしてください!
苦手なもの
虫
苦手なものを語るってのもよく分からないのでここからはテンポ良く紹介していきます。
まず虫。女性で虫をわざわざ好きって言ってる人あんまりいないと思いますけど、普通に苦手です。
アリと蝶々とハエが特に苦手です。アリは噛むし、蝶々は近付いてくる。ハエは羽音がうるさすぎる。
ブロッコリー(以下略)
食感がモシャモシャしてるものが苦手です。子持ちししゃもは勿論、子持ちエビも苦手。数の子も苦手。
いくらはモシャモシャしないので好きです。
私、趣味で苦手を克服するのが好きなのですが、このモシャモシャ系の食べ物は何回トライしてもダメです…ごめんなさい…。
むしろ食べやすい食べ方があったら教えてください。
ピンク色
黒色が好きって書いたところで既に書きましたが、女の子らしい色が苦手なのでピンク色のものとかバッグとか持ってないです。
可愛いな〜とは思いますが、私に似合うと思えなくて…黒色の方が引き締まってて好きですね。
可愛い子がピンク色のワンピースとか着てるのを見るのは好きです。似合ってます。
日光
紫外線アレルギーってご存知でしょうか?
小さい頃に日焼けしたら湿疹が出てしまい、診察したところ「紫外線アレルギーですね〜」と…
根っからの引きこもりじゃん!と言われたりもしますが、日焼け止めを塗っていたり、日傘をさしていれば日光に当たることはないので 別に引きこもりではないです(笑)
ただ、そのアレルギーがあるのであまり小さい頃は外に出ることはなく、そのままそれが染み付いてしまったので、今の歳でも積極的に「海に行きたい!」とか「山に行きたい!」とかは思わなくなりました。虫もいるし
屋内で過ごすのが好きなので、休日に外出しても水族館とかゲーセンとかに行くことが多いです。
運動
これはもう苦手!というか運動音痴!
小さい頃から50m10秒台だったり、普通に運動出来ない方だったのに何を血迷ったか中学はバスケ部に入ってしまいました。
小学校の体育の授業でやったバスケが楽しかったんです…ただそれだけの理由で舐めて入ってしまいました…
貧血も相まって、毎回走り込みをした後はトイレに駆け込んで戻す私…何故バスケ部に入った!(笑)
でもこんな私にも唯一得意なことが。それはフリースロー!何故なら "10本打って外した数×10周走り込み" という罰ゲームを課されていたから。
「走り込みだけは避けたい…!」というので10本中9本入れることが出来ました。罰は人を突き動かしますねぇ…。
この経験が功を奏して(?)アメリカの高校に通っていた時フリースロー対決で学年1位になったこともあります。訳が分からん。
と、いうことでここまで好きなものと苦手なものを紹介させていただきました。同じ!という人も、逆だ!という人もいると思います。
自己紹介ってこんなじっくりと文字にして書く機会がないので結構楽しく書けたかなと思います。
…ここまで読んでる人います??凄い。
では、最後に今現状で抱えている悩みを少し書きたいと思います。
唐突に悩み相談。
喉について
半年ほど前、人と話すと急に咳が出るようになり、それがどんどん悪化して話せなくなりました。声を出そうとすると掠れて喉が締まってしまうんです。
呪怨の声みたいな、あんな感じのアアアア゛って声しか出ない状態から何とかリハビリをして小声で話せるように…そこから更に薬とリハビリで何とか少しは話せるようにまで回復しました。
ただ、前のように普通に話せるわけではなく、たまに吃音のような感じでクッと喉が締まって言葉が止まってしまう時があります。
以前は歌を歌うことも大好きだったのですが、すぐ喉が詰まってしまうので上手く歌えなくなってしまい、今歌うことはお休みしています。
そんなこんなで、話せるようにはなったけど聴いてると少し喉が詰まっているような感じの声になってしまいました。
正直ショックですが、話せなかった期間が長かったのでそれに比べたらマシ!と思うようにしています。
乱視みたいな感じで調子良い日と悪い日があるので調子が良い日はお風呂で歌ったりもしてます。嬉しい。
もし同じような症状で悩んでいる人がいたら、気持ち分かってあげられると思います。周りはあまり気にしていなくても自分では気になってしまう…だってどう頑張っても詰まるんだもん!
YouTubeの実況中も聞き苦しい声になっていたらすみません。頑張ります!
まとめ
拙く長い文章を読んでいただき有難うございました。自己紹介でした。もしこのブログを読んで私に興味持ってくれる人がいたら嬉しいです。
オカルト好きな方や、ゲーム好きな方と語り合いたいのでもし良ければコメントお願いします!
YouTubeでも実況や配信しているのでそちらも宜しくお願いします!
これからブログで色々なことを発信していきたいと思っているので是非ファンになってください!(笑)
有難うございました〜!
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堀部安嗣さん講演 (2023.02.22 於・前橋工科大学 演題『私のパッシブデザイン』
…
積極的に受け身であること
理系・文系 ふしぎな分け方
他の言い方は無いのかな、
→時間の流れかた、概念が、理系と文系では違う
横で一定・理系 時間とともに成長していく、という概念
ぐるぐるぐるぐる循環・文系
理系の人が作り上げるもの・コンピュータ、エアコン、車etc.
文系 1000年前以上の、弘法大師の書
200年以上まえのモーツァルトの音楽
ドストエフスキーの文学
いつの時代でも良いものは良い
1日の循環
建築の世界 理系的・文系的のバランスのとれた世界 いろんなタイプの人がいる方がよい
警鐘を鳴らす、ブレーキをかける建築家
堀部さんは、文系的だと自覚
建築は、果たして進歩しているか、進化しているか。
防水技術、免震技術 進歩
それらが人の幸せに役に立っているか
…
映画 ファースト・マン
静謐な映画
ニール・アームストロング船長の自伝的な映画
人類の栄光の光の裏にある闇、影
地球上では、自然ゆたかな所での家族との暮らし 東西冷戦 生存確率の低いロケットに乗り、たどり着いたのは空気もない死の星
地球は緑豊かで美しい土地だったのに、なぜ危険をおかしてまで
瀬戸内海の美しい自然
いまでも200年前の風景の残る
東京のほうが進んでるよね、との劣等意識を持つことが多い。もったいないこと。
讃岐市のプロジェクト
やりたいこと、ただひとつ。
この土地を、国立公園にふさわしい土地に戻してゆく 建築もいらない、けど、建築の役割はあるし、できること、人々に安心を与えることは建築に出来る
東京の風景 東京の方が豊かだと、地���の人は錯覚してしまっている ふしぎなこと
富山 宝物があるのに
兵庫 20年前は森だったところ
中央へ、宇宙へ
侵略 キリがない
宮沢賢治の詩 僕は家族にほめられた、僕は世界に誉められた、その先にどこへ行けば?
コロナ禍 ステイホームの自粛のとき、自分の足元を見つめざるを得ない→自分の地域の良い点に気づいた 足元への評価
roots
根源
根のあるもの
足元にすでに持っているもの
どんなものを土台にして、私たちは思考しているのか
…
原風景
横浜の鶴見
色んな人が行きかうカオス
鶴見線 鉄ちゃんのあいだでは有名
中学のとき、ヨーロッパ 写真を撮った
国道駅のアーチとのかさなり
自作でも 意識したわけではない、原風景が滲み出る →設計という行為
曹洞宗大本山 近所に
お寺のもつ悠久の時間の流れ、不気味さ、幼少期触れて生きてきたことは幸運だった
大きなお寺は風景が変わらない
50年前の樹 祖父と一緒にみた
再訪するもき、私はここで生まれてきたのだ、と実感 そこでの、子どもと老人のことを祖父と私にかさねる
記憶 確かな記憶のない限り、未来を見出せない お墓 ショッピングセンターが立ったり、バイパスが通ったりすることはない
静岡県浜松市 趣のある素晴らしい日本家屋・庭に住んでいた。今、その場所は道路の下に眠っている 往時の記憶が甦らない、すべて破壊されている 道路による記憶の破壊
…
見たこともない、感じたこともないものは
つくれるのだろうか?
設計 それ以外はできない
見て感じたもの、記憶を頼りに、今へ状況へ再現する
いきなり_
幸せについて
同伴者と吹雪のなか、つらい登山のイメージ
つらい、眠い、衣服はびちょびちょに
そのなかで、暖かな山小屋を発見する
幸せに とても小さな建築で、いろいろなことが出来る。食べる、眠るetc.
人種のちがいも関係ない、歳の差も関係ない
信じている宗教も関係ない inclusiveな
外部環境が室内に入り込んで来たような建築でも、庇の出が陽を遮ったり、風通しがよかったり、床の肌触りがよい、など。自然環境を、変換している。 ホモ・サピエンスの
日本の庭のおもしろさ 私たちにはあたりまえ、だが、フランスの建築学生と京都のこうとういんに行ったとき、おもしろい、おもしろい、と。音がおもしろい。アプローチの石のヴァリエーション 靴を脱ぐ所スノコ、畳、めまぐるしく床の材料が変化してゆく。こんな小さなところで、これほどの変化していくのは面白い。
新緑の美しく見える秘訣 背後の常緑樹
新緑の淡さを引き立てる、背景としての濃い緑
全部が新緑、全部が常緑、というのがふつう
アメリカとか
コンビネーションのあるのは珍しい
…
人間の感情はどうして生まれたのか
生存のために必要となる、咄嗟の行動や判断のために進化の過程で作られた
森でクマに出会う。恐怖の感情を抱く、その後の行動の選択肢を広げていく 恐怖という感情を引き金にして
仲良しの友達、幸せ、喜びの感情
こいつと付き合っていると、自分は生存できるぞ、との。
生存のための引き金、スイッチ
雪の夜の暖かな山小屋
生存の喜び
反対に、もう生きていたくない、とか、生存のことを考えていない人は、感情の起伏がなくなってくる 感情の、生存における大切さ
ヒュッゲ デンマークの概念
これを日常生活でしているからこそ、世界でいちばん幸せな国とされる
日本 先進国のなかでは幸せ指数が低い
ヒュッゲの反対をやってきた
150年前・200年くらい前は、日本もそうしていた。
今の日本の住の風景
居住性の進歩 けれども、それらがある程度達成できたとき、この姿が、幸せな住まいの環境なのか、と。
使い捨てられるもので風景が構成されている。幸せ感の乏しいのは、使い捨ての時代だからでは?
竹富島 色んな不便、不都合、多々
住まいや環境はトータル 幸せ感としてはこちら
…
あるものを活かす
パッシブデザイン
あるものとは?
気候風土、自然エネルギー
歴史、文化
記憶
風景
ハードウェアではなく、ソフトウェア、手に触れられないもの
ブリコラージュ ありあわせのもので作る
→『和』では?
和風とは、有り合わせで作られる、非常にレベルの高い行為から生まれる
家庭料理 素晴らしいブリコラージュ
冷蔵庫の残り物、スーパーで買ってきたものと合わせて
和 足し算 引き算
ほうれん草の胡麻和え
和えている
明太子スパゲッティ
日本の人たちの得意としていた
極東 漂流物を、イノセントにあり合わせて組み合わせて作りあげた
cnt.) ないものをねだる
自分がすごく良いものをもっているのに、何か他を憧れる
→侵略や戦争へ
70数年前、わたしたちも痛い目にあった。資源、植民地
…
モーターボート アクティブ
ヨット パッシブ
これからは燃料も高いし、すべてモーターボートのような建築に、という訳ではない。
ふたつの要素を足し合わせる、共存させる
どっちか一方では足りない、幸せ感を感じる住まいにはならない
目的
幸せ感 心身が楽になる 健やかに暮らす
手段
アクティブ+パッシブ
ご利益
省エネルギー
光熱費削減
…
温熱デザインへの取り組み
まずはパッシブ 太陽の恵み、土地の持つポテンシャル
アクティブ 性能の良いエアコン それを活かす
建物の性能 断熱性能、気密性能
ねこ は、居心地の良い場所を見つける天才
猫が天才であるわけではない。
ホモ・サピエンスが何故、そう思うか。
ホモ・サピエンスと猫の心地よいと感じる場所が近い 犬の心地よいところとはちょっと違う
猫 生まれたところは、暑いところ。暑さにはつよい
犬 暑いところではハアハア
ホモ・サピエンス 暑さに強い
30℃越えでも走れる
寒さに弱い パフォーマンスができない
吾輩は猫である、で、人を評して、やかんみたい、と。
ホモ・サピエンス アフリカ起源
それからどんどん北上
ほとんどの歴史を暑いところで暮らしてきた
→住まいをあったかくしましょう、というのが、私の建築観
…
私たちは生存できるのか
孫の世代まで、良い環境はあるのか
狩猟採取時代もよりは生存の危機を感じないことが多くなった現代人
コロナ禍でそれを意識
ほんとうに、このさき建築をつくれるのだろうか
生存の危機を感じたこと
→しっかり認識して、どういう建築が出来るのかetc.を自問すべき
あるものを活かす、というのがおおきなヒント
熱容量の大きな家 非常に効果がある
住まわれている人たちの幸せ感がおおきいと感じることが増えた
あるものを活かす 壁からの放射温度が快適
…
安定した家に居ると、外に出たくなる
屋根のかかった屋外に出たくなる
両親の葉山の家
半屋外
→ヒント、韓国の民家
冬の部屋と夏の部屋が分かれている。
冬の部屋 紙、オンドル
夏の部屋 ふきっさらし
潔い構成だなー。
…
鎌倉 扇ケ谷の家
スタディ いろいろ
最後の決め手はパッシブデザイン
南面の窓を大きく
あれもこれもダメ、となると何の一歩も踏み出せない 太陽光発電は、戸建ての屋根に乗せるのは素敵なことと自分は考える
けど、美しい瓦の屋根にそれが乗るのは、というのもあった
情緒的なものと機能的なものを合わせる
デザインによってできうる
シンプルに、自宅の庭で野菜を作る、みたいに太陽光発電を考えている
電気、移動に莫大なコスト 自分の家で発電できることは爽やかなのではないかな
デザインの力です達成できる、との信念
…
南面 ソーラー
北側 庭的な グレアの少ない
アメリカ サンタモニカ
街区 太い道路 細い道路
太い 伝統 雑多なものが出ないように
細い サービス機能
(細い道路の方 日本の街の感じと似ている)
…
土地は親から譲り受けたものではなく、孫から借りているもの。ネイティブ・アメリカンの言葉
貰ったものなら汚してもよい
借りたものなら汚してはいけない
自身の所有の土地としても、その意識で
「土地を所有している」といっても、多くは所有していない、太陽、大地の奥、雨、風
原発
覚醒剤をやって人生を破滅した人が覚醒剤の怖さを語ると説得力がある
原子力の怖さ、ヤバさを、説得力を持って語れる 原発から10年、原爆から100年経っていない いま、原発が再稼働しようと。
…
↓私の質問への答え。堀部さんが書いていた、トタン小屋の形の美しさと、著書『建築を気持ちで考える』でのアスプルンドの章について
.
益子さん
住まいは掘立小屋くらいでいい
そこを整えいく
しかし、人の家を設計するとなると、、
自宅と人の家で設計が変わる
アスプルンドの章、気持ちが入っている
大好きな建築家
自分の設計は、形式性 構造の綺麗さ、コスト、施工性などから考えている。
正面性とか歴史性とかからではない
アスプルンドの建築、死者の声がする。彼の死生観が感じられる建築
…
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100の質問が大好きなフォロワーさんから回ってきたので仕方なくやります。やりたくないけど(ぉ
質問はhttps://www.100q.net/100/question.cgi?que_no=2 を使っています。いにしえ・インターネットのことを思い出したので寒めのノリで書いていますが、虚言癖太郎である私にしては珍しく嘘はついてないと思います。
Q.1 あなたのハンドルネームを教えてください。
御樹原文奈は本名ですが……
Q.2 生年月日を教えてください。
2001年2月24日です。さいきん二十歳になりました。プレゼントは前後6ヶ月受け付けております。
Q.3 血液型を教えてください。
A型です。振り返るとA型のものではない部屋が広がっているので、血液型占いは当てになりません。
Q.4 病弱な方ですか?
昔新型インフルエンザが流行ったときにナウなヤングのわたしは当然かかったのですが、カルテに「元気」と書かれました。生まれてこの方虫歯の一本もないです。ナウなヤングなので今流行のなんたらウイルスにも感染しました(このタイミングで公開する情報じゃなくない?)マジで辛さ以外の味覚が全部消失するので、ちゃんと予防対策しましょう。
Q.5 自分が政治家になったとして、絶対に汚職しない自信はありますか?
今の私を見てると意外かもしれませんが、友人には「なんやかんやで権力を手にしそうだが、権力を一番与えてはいけない人間」だとずっと言われていました。そういうことです。
Q.6 歌は好きですか?
歌うのは好きなのでお風呂で歌ったりしますが、カラオケにはここ1年行ってません。ナウなヤングにバカウケのなんたらウイルスが全部悪い。
Q.7 よくカラオケで歌う曲は?
逆張りなのでたいてい皆さんに全く通じない曲を歌っていますが、健常者の音楽で一番よく歌うのはそばかすだと思います。
Q.8 ペットを飼っていますか?飼っている人は、ちゃんと世話していますか?
お祖母様の家に住んでいた頃はバカでうるさい犬がいましたが、引っ越したのでいません。
Q.9 ある程度上手に演奏することができる楽器はありますか?
高校の授業のおかげでギターが原義でちょっとだけ弾けましたが、気づいたら完全に忘れていました。中学の頃は音楽の成績が4でしたが、リコーダーがギターに変わった高校では5でした。そういうことです。
Q.10 高いところは平気ですか?何メートルくらいまでなら怖がることなくいられますか?
高いところはへっちゃらなので観覧車とかで怖がる人間はまじで意味わからないですが、重力が狂うと死ぬほど怖いので、急に後ろから抱えられたら20センチでも怖いです。あとジェットコースターはマジで無理です。いいのか?俺をジェットコースターに乗せようとすると本気で泣き喚き暴れる成人女性を目にすることになるぞ?
Q.11 あなたのよく使うゴミ箱には蓋(ふた��がついていますか?(回転式なども含めて)
我が家唯一の蓋がついているゴミ箱(収集してもらうときに入れとくペールは除く)は常にものが置かれており、ここ1年で開いたことは一度もありません。
Q.12 あなたの家にはどれくらい本がありますか?
同人誌を本とカウントしなければ、文学部学生にしてはかなり少ないほうだと思います。自分所有の本は3段ボックス2つに収まります。
Q.13 何かの本がその本の大半を占めていたりしますか?(漫画ばかり、小説ばかり・・・など)
同人誌を抜きにしてもほとんどが漫画で、あとは最低限のSF研究会要素でほとんど全部です。漫画もSFも買い出したのは大学に入ってからなので、高校以前の私には本を所有するという概念は殆どなかったとわかります。
Q.14 自由に飛べる翼を手に入れたなら、どのくらいの高さまで飛んでいきますか?
無計画に高く飛んで、太陽熱で翼が溶けるタイプの人間です。
Q.15 楽譜は読めますか?
一応読めますが、手先の器用さがそれについてこないので歌唱以外に活かされたことはないし、歌唱するのであればお手本を聴いたほうが楽に音程を取れます。
Q.16 命を除いて、一番大切なものは何ですか?
何人かの好ましい人間が平穏無事に暮らしてくれることは、命の次くらいに大事です。そのためならなんだってします。
Q.17 飲めば若返ることが出来る水があったら・・・どのくらい若返るまで飲みますか?
私は何歳に若返っても美少女なので、そういったものを欲してやまない人に高額で売りつけます。
Q.18 このままではいけないと思うことを一つ挙げてください。
このままだと卒業できません。
Q.19 努力を踏みにじられることを・・・どの程度許せますか?
努力らしい努力をしてこなかったから卒業が危ぶまれているわけですが、踏みにじられてよい努力などないと思う一方で、誰もが誰かしらの努力を踏みにじり得るし、それは権利であるとも思います。
Q.20 今、あなたの隣にあるものは何ですか?
赤いゴミ箱があるのをみて、今日ゴミを出しそこねたのに気づきました。
Q.21 喜劇と悲劇・・・どちらが好きですか?
AかBか、ではなく好きになったものが好きです。ただ悲劇は喜劇に比してそこまでの動機づけを丁寧にやらないと納得してもらえないぶん、私好みになる可能性が高い気もします。
Q.22 もしあなたが世界を手に入れたなら、まず何をしたいですか?
「皇居の横にそれよりでかい家を建てて天皇に引っ越し蕎麦を持っていきたい」と前々から言っているように、ピラミッドを建てさせたり黄金のあやなちゃん像を建てさせたりと悪目立ちしたいですが、そうなるとヘイトを買うので、バックアップを取るところからはじめようと思います
Q.23 たった一匹の小さな虫でも、殺すのが嫌になったことはありますか?
情がわいて……とかはないですが、虫が本当に苦手なので殺しても後処理できないな……とおもって嫌になることはしょっちゅうあります。
Q.24 良い嘘と悪い嘘の違いは何だと思いますか?
面白いか面白くないかです。
Q.25 どうしても忘れられない曲はありますか?
ジュエルペットてぃんくる☆のED曲、「空ニラクガキ」です。20歳になって以来、「大人になるその日が来て」しまったことに気づき、爆涙(ばくるい)するだけの毎日を送っています。みんなもジュエルペットてぃんくる☆を見てくれ……
Q.26 思い出の場所はありますか?
家の近くの神社です。
Q.27 酒に飲まれて失敗したことはありますか?
二十歳になって1週間くらいしか経ってない人間に聞いても面白くないですが、父上様は顔にマンホールの跡をつけて帰ってくるタイプの人間だったので、不安ではあります。
Q.28 大好きな飲み物をいくつでも挙げてください。
コーヒーとドクターペッパーの中毒患者です。まだまだお酒は未開拓ですが、いまのところコークハイがかなり好きっぽいです。
Q.29 あなたの生きがいは?
インターネットでこの世に生きとし生けるものたちの人生をつまみ食いバイキングすることです。
Q.30 最近、自分の歳を意識したことはありますか?
ここまで二十歳二十歳言ってたの見ました?
Q.31 ここまで質問に答えて、なんとなく懺悔(ざんげ)しているような気分になっちゃいましたか?
自分語りは楽しいですね。
Q.32 楽をしてお金を稼ぐならどんな方法が一番確実でしょう?
親のスネをかじり潰そうとしています。
Q.33 晴れと雨はどちらが好きですか?
晴れのほうが好きですが、たまには雨が降ってくれないと飽きます。
Q.34 雷は平気ですか?
パソコンさえ平気なら大丈夫です。雷を怖がる人間ってアニメ以外に存在するんですか?
Q.35 風は好きですか?
風という自然現象を好き/嫌いの評価軸に置いたことが今までありませんでした。多分あまり好きではないです。
Q.36 泳ぐのは得意ですか?
鋼鉄の肉体、御樹原文奈とはこの私のことです。背泳ぎ25メートルに1分かかります。
Q.37 これだけは負けられないという、誇りが持てることはありますか?
私が設立したあとに生えてきた二番煎じのコウメ太夫研究会がどれもまともに活動もしないまま自然消滅したなか、私達はそこそこやれている点じゃないですかね。これだけで就活を乗り切る気満々なので……
Q.38 ちゃんと睡眠取れていますか?
時間で言うならパーペキです。規則性は無で、寝たくなったときに起きたくなるまで平均12時間寝続ける生活を送っています。
Q.39 喧嘩は嫌いですか?
自分が勝てないので嫌いですが、自分が腕っぷし最強だったら大好きだったと思います。
Q.40 人ごみが苦手ですか?
今日のお出かけ中、梅田の地下鉄付近でだけ異様に鼻水が出たので、人間アレルギーだと思います。
Q.41 自分には全然出来ないことを他人が軽くやっているのを見て、燃える方ですか?
負けないが????????
Q.42 人の心を読めるとして・・・どれくらいで嫌になると思いますか?
人の心の断片を得るためにインターネットやってるような人間だし人間の心が醜いのは身を以て知っていますが、ちょっとやってみないとわからないので読心術を教えて下さい。おねがいします。おねがいしましたよ。
Q.43 自分のまわりには面白い人がたくさんいると思う?
こういうことを自分で言うから最悪ですが、そこらの「いつメンキャラ濃すぎwww」ちゅてる奴らよりは濃いメンツが揃ってると思います。
Q.44 昔、誰かに借りて、いまだ返していない物ってありますか?
会誌第二号の印刷費をつけてもらったっきり返してません。このままなんとか撒けないかなと考えています。
Q.45 逆に、貸したけど帰ってこないものってありますか?
パッと思いつくのだとゲーム機が2台ほど?もう引っ越したので気にしてもいませんが。
Q.46 甘党?辛党?
甘いのと辛いのは全部好きです。味がするとおいしい。
Q.47 熱い飲み物は苦手ですか?(猫舌とか)
飲み物ではないですが、たこ焼きなんかは剥がれる口の皮まで含めての料理だと思っています。
Q.48 コーヒーは苦い方が良いと思う?
物や気分にもよりますが、基本的には酸味寄りのものが好きです。
Q.49 破壊的に不味い物を食べたことはありますか?また、それは何ですか?
貝類が基本的に大好きなのですが、初めて食べたサザエで大外れを引いて以来、それだけは苦手です。
Q.50 マイブームってありますか?
栄養ドリンクを哺乳瓶で飲みながら女児アニメを観るのが好きです。
Q.51 温かいそばと冷たいそばはどっちが好きですか?
今はまだ寒いので温かいそばが食べたいです。
Q.52 集中力に自信がありますか?
ここまで来るのに既に5回はツイッターを見ています。
Q.53 飽きっぽい性格だと自分で思いますか?
前の質問の回答から察してください
Q.54 楽器の名前を5つ挙げてください。
ギター、ギロ、ベース、マリンバ、タンバリン…………俺の中の芭蕉が勝手に!?
Q.55 面倒な事も進んで引き受けたりする。
誰から頼まれてるかによります。打算的な人間なので。
Q.56 人違いをして暴走したことがある。
ないです。限定的すぎない?
Q.57 自動車用信号の「黄色」についての見解を述べてください。
止まれ、止まれないなら行け
Q.58 裸足で歩くことについての見解を述べてください
冬場のお風呂上がりに裸足で歩いてるとぺたぺた言うし足跡がついてたのしい
Q.59 ○×形式の質問のほうが答えやすいと思いますか?
ややそう、部分的にそう
Q.60 「薬指」の重要性を語るとしたら、それは何?
結婚指輪の装備スロットであることくらいしかなくないですか?
Q.61 頭痛、腹痛、腰痛、関節痛、のうち、一番マシなのはどれですか?
頭痛には慣れっこです
Q.62 どの程度の温度が一番過ごしやすいですか?
今より一回り暖かくなって上着のありなしをきぶんで選べるくらいの気候が良いです。
Q.63 好きな花火は何花火ですか?(線香花火、ロケット花火など)
花火は光って燃えるのでぜんぶ大好きですが、最初にあれを思いついた人があれを花火だと言い切った情熱を買ってヘビ花火、ということにしておきます。
Q.64 一番好きなことわざは何ですか?
三十六計逃げるに如かず
Q.65 敵に囲まれたとき、どうやって逃げますか?(どうしても戦わずに逃げねばならない)
どのくらいの文脈で敵なのか、どの規模の囲まれなのかによってくるとは思いますが、実際に窮地に立たされたら何もできずに捕まると思います。
Q.66 気になる言葉を一つ書いてみてください。
最近はニャホニャホタマクローブームが来ています。
Q.67 春の良いところは?
夏じゃないとこ
Q.68 夏の良いところは?
いずれ過ぎ去ること
Q.69 秋の良いところは?
夏じゃないとこ
Q.70 冬の良いところは?
誕生日があること
Q.71 一日何通くらいメールが来ますか?
去年は毎日1通づつ365分割されたドグラ・マグラがメールで届いていたのですが、今年はそれがないので来ない日すらあります。体感を平均すると2.5通くらいだと思います。
Q.72 届くメールがウィルスの確率はどれくらいだと思いますか?
目の届くところに来たことは一度もないです。ネットリテラシーたか子なので。
Q.73 届くメールが営業・宣伝などの確率はどのくらいだと思いますか?
これも目の届くところには来ないです。インターネットが上手なので。
Q.74 今、一番買いたい物は?
ブッダマシーンを誕生日にもらったことにより変なもの買いたい欲は少し収まったので、クソかわいいネコチャンのアロマディフューザ(リンクが機能してなかったので後で直します)がほしいです
Q.75 今、一番飼いたい生き物は?
生き物を飼う事によって発生する責任を負いたくないので概念としてのねこを飼いたいですが、今ねこを飼うとなると絶対に名前を「タマクロー」にしてしまうので、もう少しニャホニャホタマクローブームが落ち着いてからにしたいです。
Q.76 これだけは譲れないというポリシーはありますか?
逆張りにあらずんばオタクにあらず、の精神でスギ以外すべての花粉症で苦しむなど、多岐にわたる活動を行っています。
Q.77 どういう絵が一番得意ですか?(風景画、人物画、漫画など・・・)
筆記はほぼ満点でしたが、美術の成績は3です。
Q.78 好きなおつまみは?(未成年でも答えてください、おつまみだから)
ベタですがさきいかが好きです。それはそうとこの前生まれてはじめて鮭とばというものを食べましたが、「めちゃくちゃ旨い革紐」という感想でした。もともと革製品って鮭みたいなにおいしません?
Q.79 持病とかありますか?
コミュニケーションと手に難を抱えています。
Q.80 ホームページは持っていますか?
流石にそこまで老人じゃないですね。
Q.81 コーヒーには砂糖やミルクをどのくらい入れますか?
普段は入れませんが、苦く淹れて砂糖もミルクも狂ったように投入してどっちが勝つか眺めるのも好きです。
Q.82 一番使ってみたい武器は?(剣、弓、銃など・・・)
斧とか鎚とか、そういう「破壊!!!!!」って感じのものを振り回したいです。
Q.83 得意な料理は?
熱湯です。
Q.84 最近頑張ったことは?
今日は雨なのにお出かけしてえらかったと思います。おかげでよく眠れそうです。
Q.85 あなたの寝る部屋の床は畳ですか?
違います。
Q.86 どんな味が好みですか?
馬鹿舌なのでいわゆるパンチが効いてる味はだいたい好きですが、馬鹿舌を認めたくないので繊細なうま味(あじ)みたいなのも好んでいます。
Q.87 おすすめダイエット法は?
痩せようと思ったことがないです。超絶怒涛の最強美少女なので。
Q.88 ファンタは何味が好き?
グレープ以外を安定的に入手する手段がない以上グレープと答えざるを得ないのでは?
Q.89 好きな四字熟語を書いてください。
敵前逃亡
Q.90 完全な現実が0%で、完全な幻想を100%とすると、あなたの理想は何%くらい?
半々くらいがいいと思います。やなことがあったときに責任転嫁しやすいので。
Q.91 掃除の道具を一つ書いてみてください。
ちりとり!……もしかしてこれ、「ドス」とか「uzi」とか答えるべきやつですか?
Q.92 友情を音で表すと、どんな音になるでしょうか?
これがぶっちぎりで難しくて笑っちゃいました。パチパチ弾ける緑色の燐光、というイメージです。
Q.93 好きな虫は?
いません。
Q.94 あなたの今使っている消しゴムはどんなものですか?
「黒いこと」だけが決め手だったよくわからんやつです。汚れが目立たないのはストレスフリーで良いです。
Q.95 願いをするなら何にしますか?(例:星、仏、神)
私は私自身を唯一絶対の神とする非常に私的な宗教、私教を信仰しているので、私自身に祈るほかないです。
Q.96 あなたの一押しTVゲームは?
タイタンフォール2をみんなでやろう、地球最高のゲームなので……
Q.97 あなたの体で一番調子が悪くなりやすいのは?
頭がしょっちゅう痛くなります。これも全部気圧ってやつのせいなんだ。
Q.98 今、外国に行くならどこに行きますか?
虹の国ですかね。友人が建国するらしいので。
Q.99 この質問が、実は質問作成者の、大いなる野望の第一歩だとしたら、どうしますか?
どうするもこうするも、2003年に作ったものなんて忘れてるか忘れたくなってるかのどっちかじゃないですか?
Q.100 お疲れ様です。この質問をした感想をお書きください。
これ最後まで読む暇人とかいないと思うんですけど(汗)
って答えるのが正しいインターネットの作法です。覚えておいてくださいね。
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厚着紳士
夜明けと共に吹き始めた強い風が乱暴に街の中を掻き回していた。猛烈な嵐到来の予感に包まれた私の心は落ち着く場所を失い、未だ薄暗い部屋の中を一人右往左往していた。 昼どきになると空の面は不気味な黒雲に覆われ、強面の風が不気味な金切り声を上げながら羊雲の群れを四方八方に追い散らしていた。今にも荒れた空が真っ二つに裂けて豪雨が降り注ぎ蒼白い雷の閃光とともに耳をつんざく雷鳴が辺りに轟きそうな気配だったが、一向に空は割れずに雨も雷も落ちて来はしなかった。半ば待ち草臥れて半ば裏切られたような心持ちとなって家を飛び出した私はあり合わせの目的地を決めると道端を歩き始めた。
家の中に居た時分、壁の隙間から止め処なく吹き込んで来る冷たい風にやや肌寒さを身に感じていた私は念には念を押して冬の格好をして居た。私は不意に遭遇する寒さと雷鳴と人間というものが大嫌いな人間だった。しかし家の玄関を出てしばらく歩いてみると暑さを感じた。季節は四月の半ばだから当然である。だが暑さよりも��おのこと強く肌身に染みているのは季節外れの格好をして外を歩いている事への羞恥心だった。家に戻って着替えて来ようかとも考えたが、引き返すには惜しいくらいに遠くまで歩いて来てしまったし、つまらない羞恥心に左右される事も馬鹿馬鹿しく思えた。しかしやはり恥ずかしさはしつこく消えなかった。ダウンジャケットの前ボタンを外して身体の表面を涼風に晒す事も考えたが、そんな事をするのは自らの過ちを強調する様なものでなおのこと恥ずかしさが増すばかりだと考え直した。 みるみると赤い悪魔の虜にされていった私の視線は自然と自分の同族を探し始めていた。この羞恥心を少しでも和らげようと躍起になっていたのだった。併せて薄着の蛮族達に心中で盛大な罵詈雑言を浴びせ掛けることも忘れなかった。風に短いスカートの裾を靡かせている女を見れば「けしからん破廉恥だ」と心中で眉をしかめ、ポロシャツの胸襟を開いてがに股で歩いている男を見れば「軟派な山羊男め」と心中で毒づき、ランニングシャツと短パンで道をひた向きに走る男を見れば「全く君は野蛮人なのか」と心中で断罪した。蛮族達は吐いて捨てる程居るようであり、片時も絶える事無く非情の裁きを司る私の目の前に現れた。しかし一方肝心の同志眷属とは中々出逢う事が叶わなかった。私は軽薄な薄着蛮族達と擦れ違うばかりの状況に段々と言い知れぬ寂寥の感を覚え始めた。今日の空が浮かべている雲の表情と同じように目まぐるしく移り変わって行く街色の片隅にぽつ念と取り残されている季節外れの男の顔に吹き付けられる風は全く容赦がなかった。 すると暫くして遠く前方に黒っぽい影が現れた。最初はそれが何であるか判然としなかったが、姿が近付いて来るにつれて紺のロングコートを着た中年の紳士だという事が判明した。厚着紳士の顔にはその服装とは対照的に冷ややかで侮蔑的な瞳と余情を許さない厳粛な皺が幾重も刻まれていて、風に靡く薄く毛の細い頭髪がなおのこと厳しく薄ら寒い印象に氷の華を添えていた。瞬く間に私の身内を冷ややかな緊張が走り抜けていった。強張った背筋は一直線に伸びていた。私の立場は裁く側から裁かれる側へと速やかに移行していた。しかし同時にそんな私の顔にも彼と同じ冷たい眼差しと威厳ある皺がおそらくは刻まれて居たのに違いない。私の面持ちと服装に疾風の如く視線を走らせた厚着紳士の瞳に刹那ではあるが同類を見つけた時に浮かぶあの親愛の情が浮かんでいた。 かくして二人の孤独な紳士はようやく相まみえたのだった。しかし紳士たる者その感情を面に出すことをしてはいけない。笑顔を見せたり握手をする等は全くの論外だった。寂しく風音が響くだけの沈黙の内に二人は互いのぶれない矜持を盛大に讃え合い、今後ともその厚着ダンディズムが街中に蔓延る悪しき蛮習に負けずに成就する事を祈りつつ、何事も無かったかの様に颯然と擦れ違うと、そのまま振り返りもせずに各々の目指すべき場所へと歩いて行った。 名乗りもせずに風と共に去って行った厚着紳士を私は密かな心中でプルースト君と呼ぶ事にした。プルースト君と出逢い、列風に掻き消されそうだった私の矜持は不思議なくらい息を吹き返した。羞恥心の赤い炎は青く清浄な冷や水によって打ち消されたのだった。先程まで脱ぎたくて仕方のなかった恥ずかしいダウンジャケットは紳士の礼服の風格を帯び、私は風荒れる街の道を威風堂々と闊歩し始めた。 しかし道を一歩一歩進む毎に紳士の誇りやプルースト君の面影は嘘のように薄らいでいった。再び羞恥心が生い茂る雑草の如く私の清らかな魂の庭園を脅かし始めるのに大して時間は必要無かった。気が付かないうちに恥ずかしい事だが私はこの不自然な恰好が何とか自然に見える方法を思案し始めていた。 例えば私が熱帯や南国から日本に遣って来て間もない異国人だという設定はどうだろうか?温かい国から訪れた彼らにとっては日本の春の気候ですら寒く感じるはずだろう。当然彼らは冬の格好をして外を出歩き、彼らを見る人々も「ああ彼らは暑い国の人々だからまだ寒く感じるのだな」と自然に思うに違いない。しかし私の風貌はどう見ても平たい顔の日本人であり、彼らの顔に深々と刻まれて居る野蛮な太陽の燃える面影は何処にも見出す事が出来無かった。それよりも風邪を引いて高熱を出して震えている病人を装った方が良いだろう。悪寒に襲われながらも近くはない病院へと歩いて行かねばならぬ、重苦を肩に背負った病の人を演じれば、見る人は冬の格好を嘲笑うどころか同情と憐憫の眼差しで私を見つめる事に違いない。こんな事ならばマスクを持ってくれば良かったが、マスク一つを取りに帰るには果てしなく遠い場所まで歩いて来てしまった。マスクに意識が囚われると、マスクをしている街の人間の多さに気付かされた。しかし彼らは半袖のシャツにマスクをしていたりスカートを履きながらマスクをしている。一体彼らは何の為にマスクをしているのか理解に苦しんだ。 暫くすると、私は重篤な病の暗い影が差した紳士見習いの面持ちをして難渋そうに道を歩いていた。それは紳士である事と羞恥心を軽減する事の折衷策、悪く言うならば私は自分を誤魔化し始めたのだった。しかしその効果は大きいらしく、擦れ違う人々は皆同情と憐憫の眼差しで私の顔を伺っているのが何となく察せられた。しかしかの人々は安易な慰めを拒絶する紳士の矜持をも察したらしく私に声を掛けて来る野暮な人間は誰一人として居なかった。ただ、紐に繋がれて散歩をしている小さな犬がやたらと私に向かって吠えて来たが、所詮は犬や猫、獣の類にこの病の暗い影が差した厚着紳士の美学が理解出来るはずも無かった。私は子犬に吠えられ背中や腋に大量の汗を掻きながらも未だ誇りを失わずに道を歩いていた。 しかし度々通行人達の服装を目にするにつれて、段々と私は自分自身が自分で予想していたよりは少数部族では無いという事に気が付き始めていた。歴然とした厚着紳士は皆無だったが、私のようにダウンを着た厚着紳士見習い程度であったら見つける事もそう難しくはなかった。恥ずかしさが少しずつ消えて無くなると抑え込んでいた暑さが急激に肌を熱し始めた。視線が四方に落ち着かなくなった私は頻りと人の視線を遮る物陰を探し始めた。 泳ぐ視線がようやく道の傍らに置かれた自動販売機を捉えると、駆けるように近付いて行ってその狭い陰に身を隠した。恐る恐る背後を振り返り誰か人が歩いて来ないかを確認すると運悪く背後から腰の曲がった老婆が強風の中難渋そうに手押し車を押して歩いて来るのが見えた。私は老婆の間の悪さに苛立ちを隠せなかったが、幸いな事に老婆の背後には人影が見られなかった。あの老婆さえ遣り過ごしてしまえばここは人々の視線から完全な死角となる事が予測出来たのだった。しかしこのまま微動だにせず自動販売機の陰に長い間身を隠しているのは怪し過ぎるという思いに駆られて、渋々と歩み出て自動販売機の目の前に仁王立ちになると私は腕を組んで眉間に深い皺を作った。買うべきジュースを真剣に吟味選抜している紳士の厳粛な態度を装ったのだった。 しかし風はなお強く老婆の手押し車は遅々として進まなかった。自動販売機と私の間の空間はそこだけ時間が止まっているかのようだった。私は緊張に強いられる沈黙の重さに耐えきれず、渋々ポケットから財布を取り出し、小銭を掴んで自動販売機の硬貨投入口に滑り込ませた。買いたくもない飲み物を選ばさられている不条理や屈辱感に最初は腹立たしかった私もケース内に陳列された色取り取りのジュース缶を目の前にしているうちに段々と本当にジュースを飲みたくなって来てその行き場の無い怒りは早くボタンを押してジュースを手に入れたいというもどかしさへと移り変わっていった。しかし強風に負けじとか細い腕二つで精一杯手押し車を押して何とか歩いている老婆を責める事は器量甚大懐深き紳士が為す所業では無い。そもそも恨むべきはこの強烈な風を吹かせている天だと考えた私は空を見上げると恨めしい視線を天に投げ掛けた。 ようやく老婆の足音とともに手押し車が地面を擦る音が背中に迫った時、私は満を持して自動販売機のボタンを押した。ジュースの落下する音と共に私はペットボトルに入ったメロンソーダを手に入れた。ダウンの中で汗を掻き火照った身体にメロンソーダの冷たさが手の平を通して心地よく伝わった。暫くの間余韻に浸っていると老婆の手押し車が私の横に現れ、みるみると通り過ぎて行った。遂に機は熟したのだった。私は再び自動販売機の物陰に身を隠すと念のため背後を振り返り人の姿が見えない事を確認した。誰も居ないことが解ると急ぐ指先でダウンジャケットのボタンを一つまた一つと外していった。最後に上から下へとファスナーが降ろされると、うっとりとする様な涼しい風が開けた中のシャツを通して素肌��と心地良く伝わって来た。涼しさと開放感に浸りながら手にしたメロンソーダを飲んで喉の渇きを潤した私は何事も無かったかのように再び道を歩き始めた。 坂口安吾はかの著名な堕落論の中で昨日の英雄も今日では闇屋になり貞淑な未亡人も娼婦になるというような意味の事を言っていたが、先程まで厚着紳士見習いだった私は破廉恥な軟派山羊男に成り下がってしまった。こんな格好をプルースト君が見たらさぞかし軽蔑の眼差しで私を見詰める事に違いない。たどり着いた駅のホームの長椅子に腰をかけて、何だか自身がどうしようもなく汚れてしまったような心持ちになった私は暗く深く沈み込んでいた。膝の上に置かれた飲みかけのメロンソーダも言い知れぬ哀愁を帯びているようだった。胸を内を駆け巡り始めた耐えられぬ想いの脱出口を求めるように視線を駅の窓硝子越しに垣間見える空に送ると遠方に高く聳え立つ白い煙突塔が見えた。煙突の先端から濛々と吐き出される排煙が恐ろしい程の速さで荒れた空の彼岸へと流されている。 耐えられぬ思いが胸の内を駆け駅の窓硝子越しに見える空に視線を遣ると遠方に聳える白い煙突塔から濛々と吐き出されている排煙が恐ろしい速度で空の彼岸へと流されている様子が見えた。目には見えない風に流されて行く灰色に汚れた煙に対して、黒い雲に覆われた空の中に浮かぶ白い煙突塔は普段青い空の中で見ている雄姿よりもなおのこと白く純潔に光り輝いて見えた。何とも言えぬ気持の昂ぶりを覚えた私は思わずメロンソーダを傍らに除けた。ダウンジャケットの前ボタンに右手を掛けた。しかしすぐにまた思い直すと右手の位置を元の場所に戻した。そうして幾度となく決意と逡巡の間を行き来している間に段々と駅のホーム内には人間が溢れ始めた。強風の影響なのか電車は暫く駅に来ないようだった。 すると駅の階段を昇って来る黒い影があった。その物々しく重厚な風貌は軽薄に薄着を纏った人間の群れの中でひと際異彩を放っている。プルースト君だった。依然として彼は分厚いロングコートに厳しく身を包み込み、冷ややかな面持ちで堂々と駅のホームを歩いていたが、薄い頭髪と額には薄っすらと汗が浮かび、幅広い額を包むその辛苦の結晶は天井の蛍光灯に照らされて燦燦と四方八方に輝きを放っていた。私にはそれが不撓不屈の王者だけが戴く栄光の冠に見えた。未だ変わらずプルースト君は厚着紳士で在り続けていた。 私は彼の胸中に宿る鋼鉄の信念に感激を覚えると共に、それとは対照的に驚く程簡単に退転してしまった自分自身の脆弱な信念を恥じた。俯いて視線をホームの床に敷き詰められた正方形タイルの繋ぎ目の暗い溝へと落とした。この惨めな敗残の姿が彼の冷たい視線に晒される事を恐れ心臓��ら足の指の先までが慄き震えていた。しかしそんな事は露とも知らぬプルースト君はゆっくりとこちらへ歩いて来る。迫り来る脅威に戦慄した私は慌ててダウンのファスナーを下から上へと引き上げた。紳士の体裁を整えようと手先を闇雲に動かした。途中ダウンの布地が間に挟まって中々ファスナーが上がらない問題が浮上したものの、結局は何とかファスナーを上まで閉め切った。続けてボタンを嵌め終えると辛うじて私は張りぼてだがあの厚着紳士見習いの姿へと復活する事に成功した。 膝の上に置いてあった哀愁のメロンソーダも何となく恥ずかしく邪魔に思えて、隠してしまおうとダウンのポケットの中へとペットボトルを仕舞い込んでいた時、華麗颯爽とロングコートの紺色の裾端が視界の真横に映り込んだ。思わず私は顔を見上げた。顔を上方に上げ過ぎた私は天井の蛍光灯の光を直接見てしまった。眩んだ目を閉じて直ぐにまた開くとプルースト君が真横に厳然と仁王立ちしていた。汗ばんだ蒼白い顔は白い光に包まれてなおのこと白く、紺のコートに包まれた首から上は先程窓から垣間見えた純潔の白い塔そのものだった。神々しくさえあるその立ち姿に畏敬の念を覚え始めた私の横で微塵も表情を崩さないプルースト君は優雅な動作で座席に腰を降ろすとロダンの考える人の様に拳を作った左手に顎を乗せて対岸のホームに、いやおそらくはその先の彼方にある白い塔にじっと厳しい視線を注ぎ始めた。私は期待を裏切らない彼の態度及び所作に感服感激していたが、一方でいつ自分の棄教退転が彼に見破られるかと気が気ではなくダウンジャケットの中は冷や汗で夥しく濡れ湿っていた。 プルースト君が真実の威厳に輝けば輝く程に、その冷たい眼差しの一撃が私を跡形もなく打ち砕くであろう事は否応無しに予想出来る事だった。一刻も早く電車が来て欲しかったが、依然として電車は暫くこの駅にはやって来そうになかった。緊張と沈黙を強いられる時間が二人の座る長椅子周辺を包み込み、その異様な空気を察してか今ではホーム中に人が溢れ返っているのにも関わらず私とプルースト君の周りには誰一人近寄っては来なかった。群衆の騒めきでホーム内は煩いはずなのに不思議と彼らの出す雑音は聞こえなかった。蟻のように蠢く彼らの姿も全く目に入らず、沈黙の静寂の中で私はただプルースト君の一挙手に全神経を注いでいた。 すると不意にプルースト君が私の座る右斜め前に視線を落とした。突然の動きに驚いて気が動転しつつも私も追ってその視線の先に目を遣った。プルースト君は私のダウンジャケットのポケットからはみ出しているメロンソーダの頭部を見ていた。私は愕然たる思いに駆られた。しかし今やどうする事も出来ない。怜悧な思考力と電光石火の直観力を併せ持つ彼ならばすぐにそれが棄教退転の証拠だという事に気が付くだろう。私は半ば観念して恐る恐るプルースト君の横顔を伺った。悪い予感は良く当たると云う。案の定プルースト君の蒼白い顔の口元には哀れみにも似た冷笑が至極鮮明に浮かんでいた。 私はというとそれからもう身を固く縮めて頑なに瞼を閉じる事しか出来なかった。遂に私が厚着紳士道から転がり落ちて軟派な薄着蛮族の一員と成り下がった事を見破られてしまった。卑怯千万な棄教退転者という消す事の出来ない烙印を隣に座る厳然たる厚着紳士に押されてしまった。 白い煙突塔から吐き出された排煙は永久に恥辱の空を漂い続けるのだ。あの笑みはかつて一心同体であった純白の塔から汚れてしまった灰色の煙へと送られた悲しみを押し隠した訣別の笑みだったのだろう。私は彼の隣でこのまま電車が来るのを待ち続ける事が耐えられなくなって来た。私にはプルースト君と同じ電車に乗る資格はもう既に失われているのだった。今すぐにでも立ち上がってそのまま逃げるように駅を出て、家に帰ってポップコーンでも焼け食いしよう、そうして全てを忘却の風に流してしまおう。そう思っていた矢先、隣のプルースト君が何やら慌ただしく動いている気配が伝わってきた。私は薄目を開いた。プルースト君はロングコートのポケットの中から何かを取り出そうとしていた。メロンソーダだった。驚きを隠せない私を尻目にプルースト君は渇き飢えた飼い豚のようにその薄緑色の炭酸ジュースを勢い良く飲み始めた。みるみるとペットボトルの中のメロンソーダが半分以上が無くなった。するとプルースト君は下品極まりないげっぷを数回したかと思うと「暑い、いや暑いなあ」と一人小さく呟いてコートのボタンをそそくさと外し始めた。瞬く間にコートの前門は解放された。中から汚い染みの沢山付着した白いシャツとその白布に包まれただらしのない太鼓腹が堂々と姿を現した。 私は暫くの間呆気に取られていた。しかしすぐに憤然と立ち上がった。長椅子に座ってメロンソーダを飲むかつてプルースト君と言われた汚物を背にしてホームの反対方向へ歩き始めた。出来る限りあの醜悪な棄教退転者から遠く離れたかった。暫く歩いていると、擦れ違う人々の怪訝そうな視線を感じた。自分の顔に哀れな裏切り者に対する軽侮の冷笑が浮かんでいる事に私は気が付いた。 ホームの端に辿り着くと私は視線をホームの対岸にその先の彼方にある白い塔へと注いた。黒雲に覆われた白い塔の陰には在りし日のプルースト君の面影がぼんやりとちらついた。しかしすぐにまた消えて無くなった。暫くすると白い塔さえも風に流れて来た黒雲に掻き消されてしまった。四角い窓枠からは何も見え無くなり、軽薄な人間達の姿と騒めきが壁に包まれたホーム中に充満していった。 言い知れぬ虚無と寂寥が肌身に沁みて私は静かに両の瞳を閉じた。周囲の雑音と共に色々な想念が目まぐるしく心中を通り過ぎて行った。プルースト君の事、厚着紳士で在り続けるという事、メロンソーダ、白い塔…、プルースト君の事。凡そ全てが雲や煙となって無辺の彼方へと押し流されて行った。真夜中と見紛う暗黒に私の全視界は覆われた。 間もなくすると闇の天頂に薄っすらと白い点が浮かんだ。最初は小さく朧げに白く映るだけだった点は徐々に膨張し始めた。同時に目も眩む程に光り輝き始めた。終いには白銀の光を溢れんばかりに湛えた満月並みの大円となった。実際に光は丸い稜線から溢れ始めて、激しい滝のように闇の下へと流れ落ち始めた。天頂から底辺へと一直線に落下する直瀑の白銀滝は段々と野太くなった。反対に大円は徐々に縮小していって再び小さな点へと戻っていった。更にはその点すらも闇に消えて、視界から見え無くなった直後、不意に全ての動きが止まった。 流れ落ちていた白銀滝の軌跡はそのままの光と形に凝固して、寂滅の真空に荘厳な光の巨塔が顕現した。その美々しく神々しい立ち姿に私は息をする事さえも忘れて見入った。最初は塔全体が一つの光源体の様に見えたが、よく目を凝らすと恐ろしく小さい光の結晶が高速で点滅していて、そうした極小微細の光片が寄り集まって一本の巨塔を形成しているのだという事が解った。その光の源が何なのかは判別出来なかったが、それよりも光に隙間無く埋められている塔の外壁の内で唯一不自然に切り取られている黒い正方形の個所がある事が気になった。塔の頂付近にその不可解な切り取り口はあった。怪しみながら私はその内側にじっと視線を集中させた。 徐々に瞳が慣れて来ると暗闇の中に茫漠とした人影の様なものが見え始めた。どうやら黒い正方形は窓枠である事が解った。しかしそれ以上は如何程目を凝らしても人影の相貌は明確にならなかった。ただ私の方を見ているらしい彼が恐ろしい程までに厚着している事だけは解った。あれは幻の厚着紳士なのか。思わず私は手を振ろうとした。しかし紳士という言葉の響きが振りかけた手を虚しく元の位置へと返した。 すると間も無く塔の根本周辺が波を打って揺らぎ始めた。下方からから少しずつ光の塔は崩れて霧散しだした。朦朧と四方へ流れ出した光群は丸く可愛い尻を光らせて夜の河を渡っていく銀蛍のように闇の彼方此方へと思い思いに飛んで行った。瞬く間に百千幾万の光片が暗闇一面を覆い尽くした。 冬の夜空に散りばめられた銀星のように暗闇の満天に煌く光の屑は各々少しずつその輝きと大きさを拡大させていった。間もなく見つめて居られ無い程に白く眩しくなった。耐えられ無くなった私は思わず目を見開いた。するとまた今度は天井の白い蛍光灯の眩しさが瞳を焼いた。いつの間にか自分の顔が斜め上を向いていた事に気が付いた。顔を元の位置に戻すと、焼き付いた白光が徐々に色褪せていった。依然として変わらぬホームの光景と。周囲の雑多なざわめきが目と耳に戻ると、依然として黒雲に覆い隠されている窓枠が目に付いた。すぐにまた私は目を閉じた。暗闇の中をを凝視してつい先程まで輝いていた光の面影を探してみたが、瞼の裏にはただ沈黙が広がるばかりだった。 しかし光り輝く巨塔の幻影は孤高の紳士たる決意を新たに芽生えさせた。私の心中は言い知れない高揚に包まれ始めた。是が非でも守らなければならない厚着矜持信念の実像をこの両の瞳で見た気がした。すると周囲の雑音も不思議と耳に心地よく聞こえ始めた。 『この者達があの神聖な光を見る事は決して無い事だろう。あの光は選ばれた孤高の厚着紳士だけが垣間見る事の出来る祝福の光なのだ。光の巨塔の窓に微かに垣間見えたあの人影はおそらく未来の自分だったのだろう。完全に厚着紳士と化した私が現在の中途半端な私に道を反れることの無いように暗示訓戒していたに違いない。しかしもはや誰に言われなくても私が道を踏み外す事は無い。私の上着のボタンが開かれる事はもう決して無い。あの白い光は私の脳裏に深く焼き付いた』 高揚感は体中の血を上気させて段々と私は喉の渇きを感じ始めた。するとポケットから頭を出したメロンソーダが目に付いた。再び私の心は激しく揺れ動き始めた。 一度は目を逸らし二度目も逸らした。三度目になると私はメロンソーダを凝視していた。しかし迷いを振り払うかの様に視線を逸らすとまたすぐに前を向いた。四度目、私はメロンソーダを手に持っていた。三分の二以上減っていて非常に軽い。しかしまだ三分の一弱は残っている。ペットボトルの底の方で妖しく光る液体の薄緑色は喉の渇き切った私の瞳に避け難く魅惑的に映った。 まあ、喉を潤すぐらいは良いだろう、ダウンの前を開かない限りは。私はそう自分に言い聞かせるとペットボトルの口を開けた。間を置かないで一息にメロンソーダを飲み干した。 飲みかけのメロンソーダは炭酸が抜けきってしつこい程に甘く、更には生ぬるかった。それは紛れも無く堕落の味だった。腐った果実の味だった。私は何とも言えない苦い気持ちと後悔、更には自己嫌悪の念を覚えて早くこの嫌な味を忘れようと盛んに努めた。しかし舌の粘膜に絡み付いた甘さはなかなか消える事が無かった。私はどうしようも無く苛立った。すると突然隣に黒く長い影が映った。プルースト君だった。不意の再再会に思考が停止した私は手に持った空のメロンソーダを隠す事も出来ず、ただ茫然と突っ立っていたが、すぐに自分が手に握るそれがとても恥ずかしい物のように思えて来てメロンソーダを慌ててポケットの中に隠した。しかしプルースト君は私の隠蔽工作を見逃しては居ないようだった。すぐに自分のポケットから飲みかけのメロンソーダを取り出すとプルースト君は旨そうに大きな音を立ててソーダを飲み干した。乾いたゲップの音の響きが消える間もなく、透明になったペットボトルの蓋を華麗優雅な手捌きで閉めるとプルースト君はゆっくりとこちらに視線を向けた。その瞳に浮かんでいたのは紛れもなく同類を見つけた時に浮かぶあの親愛の情だった。 間もなくしてようやく電車が駅にやって来た。プルースト君と私は仲良く同じ車両に乗った。駅に溢れていた乗客達が逃げ場無く鮨詰めにされて居る狭い車内は冷房もまだ付いておらず蒸し暑かった。夥しい汗で額や脇を濡らしたプルースト君の隣で私はゆっくりとダウンのボタンに手を掛けた。視界の端に白い塔の残映が素早く流れ去っていった。
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11180143
愛読者が、死んだ。
いや、本当に死んだのかどうかは分からない。が、死んだ、と思うしか、ないのだろう。
そもそも私が小説で脚光を浴びたきっかけは、ある男のルポルタージュを書いたからだった。数多の取材を全て断っていた彼は、なぜか私にだけは心を開いて、全てを話してくれた。だからこそ書けた、そして注目された。
彼は、モラルの欠落した人間だった。善と悪を、その概念から全て捨て去ってしまっていた。人が良いと思うことも、不快に思うことも、彼は理解が出来ず、ただ彼の中のルールを元に生きている、パーソナリティ障害の一種だろうと私は初めて彼に会った時に直感した。
彼は、胸に大きな穴を抱えて、生きていた。無論、それは本当に穴が空いていたわけではないが、彼にとっては本当に穴が空いていて、穴の向こうから人が行き交う景色が見え、空虚、虚無を抱いて生きていた。不思議だ。幻覚、にしては突拍子が無さすぎる。幼い頃にスコンと空いたその穴は成長するごとに広がっていき、穴を埋める為、彼は試行し、画策した。
私が初めて彼に会ったのは、まだ裁判が始まる前のことだった。弁護士すらも遠ざけている、という彼に、私はただ、簡単な挨拶と自己紹介と、そして、「理解しない人間に理解させるため、言葉を紡ぎませんか。」と書き添えて、名刺と共に送付した。
その頃の私は書き殴った小説未満をコンテストに送り付けては、���沙汰のない携帯を握り締め、虚無感溢れる日々をなんとか食い繋いでいた。いわゆる底辺、だ。夢もなく、希望もなく、ただ、人並みの能がこれしかない、と、藁よりも脆い小説に、私は縋っていた。
そんな追い込まれた状況で手を伸ばした先が、極刑は免れないだろう男だったのは、今考えてもなぜなのか、よくわからない。ただ、他の囚人に興味があったわけでもなく、ルポルタージュが書きたかったわけでもなく、ただ、話したい。そう思った。
夏の暑い日のことだった。私の家に届いた茶封筒の中には白無地の紙が一枚入っており、筆圧の無い薄い鉛筆の字で「8月24日に、お待ちしています。」と、ただ一文だけが書き記されていた。
こちらから申し込むのに囚人側から日付を指定してくるなんて、風変わりな男だ。と、私は概要程度しか知らない彼の事件について、一通り知っておこうとパソコンを開いた。
『事件の被疑者、高山一途の家は貧しく、母親は風俗で日銭を稼ぎ、父親は勤めていた会社でトラブルを起こしクビになってからずっと、家で酒を飲んでは暴れる日々だった。怒鳴り声、金切声、過去に高山一家の近所に住んでいた住人は、幾度となく喧嘩の声を聞いていたという。高山は友人のない青春時代を送り、高校を卒業し就職した会社でも活躍することは出来ず、社会から孤立しその精神を捻じ曲げていった。高山は己の不出来を己以外の全てのせいだと責任転嫁し、世間を憎み、全てを恨み、そして凶行に至った。
被害者Aは20xx年8月24日午後11時過ぎ、高山の自宅において後頭部をバールで殴打され殺害。その後、高山により身体をバラバラに解体された後ミンチ状に叩き潰された。発見された段階では、人間だったものとは到底思えず修復不可能なほどだったという。
きっかけは近隣住民からの異臭がするという通報だった。高山は殺害から2週間後、Aさんだった腐肉と室内で戯れている所を発見、逮捕に至る。現場はひどい有り様で、近隣住民の中には体調を崩し救急搬送される者もいた。身体に、腐肉とそこから滲み出る汁を塗りたくっていた高山は抵抗することもなく素直に同行し、Aさん殺害及び死体損壊等の罪を認めた。初公判は※月※日予定。』
いくつも情報を拾っていく中で、私は唐突に、彼の名前の意味について気が付き、二の腕にぞわりと鳥肌が立った。
一途。イット。それ。
あぁ、彼は、ずっと忌み嫌われ、居場所もなくただ産み落とされたという理由で必死に生きてきたんだと、何も知らない私ですら胸が締め付けられる思いがした。私は頭に入れた情報から憶測を全て消し、残った彼の人生のカケラを持って、刑務所へと赴いた。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「失礼します。」
「どうぞ。」
手錠と腰縄を付けて出てきた青年は、私と大して歳の変わらない、人畜無害、悪く言えば何の印象にも残らない、黒髪と、黒曜石のような真っ黒な瞳の持ち主だった。奥深い、どこまでも底のない瞳をつい値踏みするように見てしまって、慌てて促されるままパイプ椅子へと腰掛けた。彼は開口一番、私の書いている小説のことを聞いた。
「何か一つ、話してくれませんか。」
「え、あ、はい、どんな話がお好きですか。」
「貴方が一番好きな話を。」
「分かりました。では、...世界から言葉が消えたなら。」
私の一番気に入っている話、それは、10万字話すと死んでしまう奇病にかかった、愛し合う二人の話。彼は朗読などしたこともない、世に出てすらいない私の拙い小説を、目を細めて静かに聞いていた。最後まで一度も口を挟むことなく聞いているから、読み上げる私も自然と力が入ってしまう。読み終え、余韻と共に顔を上げると、彼はほろほろ、と、目から雫を溢していた。人が泣く姿を、こんなにまじまじと見たのは初めてだった。
「だ、大丈夫ですか、」
「えぇ。ありがとうございます。」
「あの、すみません、どうして私と、会っていただけることになったんでしょうか。」
ふるふる、と犬のように首を振った彼はにこり、と機械的にはにかんで、机に手を置き私を見つめた。かしゃり、と決して軽くない鉄の音が、無機質な部屋に響く。
「僕に大してアクションを起こしてくる人達は皆、同情や好奇心、粗探しと金儲けの匂いがしました。送られてくる手紙は全て下手に出ているようで、僕を品定めするように舐め回してくる文章ばかり。」
「...それは、お察しします。」
「でも、貴方の手紙には、「理解しない人間に理解させるため、言葉を紡ぎませんか。」と書かれていた。面白いな、って思いませんか。」
「何故?」
「だって、貴方、「理解させる」って、僕と同じ目線に立って、物を言ってるでしょう。」
「.........意識、していませんでした。私はただ、憶測が嫌いで、貴方のことを理解したいと、そう思っただけです。」
「また、来てくれますか。」
「勿論。貴方のことを、少しずつでいいので、教えてくれますか。」
「一つ、条件があります。」
「何でしょう。」
「もし本にするなら、僕の言葉じゃなく、貴方の言葉で書いて欲しい。」
そして私は、彼の元へ通うことになった。話を聞けば聞くほど、彼の気持ちが痛いほど分かって、いや、分かっていたのかどうかは分からない。共鳴していただけかもしれない、同情心もあったかもしれない、でも私はただただあくる日も、そのあくる日も、私の言葉で彼を表し続けた。私の記した言葉を聞いて、楽しそうに微笑む彼は、私の言葉を最後まで一度も訂正しなかった。
「貴方はどう思う?僕の、したことについて。」
「...私なら、諦めてしまって、きっと得物を手に取って終わってしまうと思います。最後の最後まで、私が満たされることよりも、世間を気にしてしまう。不幸だと己を憐れんで、見えている答えからは目を背けて、後悔し続けて死ぬことは、きっと貴方の目から見れば不思議に映る、と思います。」
「理性的だけど、道徳的な答えではないね。普通はきっと、「己を満たす為に人を殺すのは躊躇う」って、そう答えるんじゃないかな。」
「でも、乾き続ける己のままで生きることは耐え難い苦痛だった時、己を満たす選択をしたことを、誰が責められるんでしょうか。」
「...貴方に、もう少し早く、出逢いたかった。」
ぽつり、零された言葉と、アクリル板越しに翳された掌。温度が重なることはない。触れ合って、痛みを分かち合うこともない。来園者の真似をする猿のように、彼の手に私の手を合わせて、ただ、じっとその目を見つめた。相変わらず何の感情もない目は、いつもより少しだけ暖かいような、そんな気がした。
彼も、私も、孤独だったのだと、その時初めて気が付いた。世間から隔離され、もしくは自ら距離を置き、人間が信じられず、理解不能な数億もの生き物に囲まれて秩序を保ちながら日々歩かされることに抗えず、翻弄され。きっと彼の胸に空いていた穴は、彼が被害者を殺害し、埋めようと必死に肉塊を塗りたくっていた穴は、彼以外の人間が、もしくは彼が、無意識のうちに彼から抉り取っていった、彼そのものだったのだろう。理解した瞬間止まらなくなった涙を、彼は拭えない。そうだった、最初に私の話で涙した彼の頬を撫でることだって、私には出来なかった。私と彼は、分かり合えたはずなのに、分かり合えない。私の言葉で作り上げた彼は、世間が言う狂人でも可哀想な子でもない、ただ一人の、人間だった。
その数日後、彼が獄中で首を吊ったという報道が流れた時、何となく、そうなるような気がしていて、それでも私は、彼が味わったような、胸に穴が開くような喪失感を抱いた。彼はただ、理解されたかっただけだ。理解のない人間の言葉が、行動が、彼の歩く道を少しずつ曲げていった。
私は書き溜めていた彼の全てを、一冊の本にした。本のタイトルは、「今日も、皮肉なほど空は青い。」。逮捕された彼が手錠をかけられた時、部屋のカーテンの隙間から空が見えた、と言っていた。ぴっちり閉じていたはずなのに、その時だけひらりと翻った暗赤色のカーテンの間から顔を覗かせた青は、目に刺さって痛いほど、青かった、と。
出版社は皆、猟奇的殺人犯のノンフィクションを出版したい、と食い付いた。帯に著名人の寒気がする言葉も書かれた。私の名前も大々的に張り出され、重版が決定し、至る所で賛否両論が巻き起こった。被害者の遺族は怒りを露わにし、会見で私と、彼に対しての呪詛をぶちまけた。
インタビュー、取材、関わってくる人間の全てを私は拒否して、来る日も来る日も、読者から届く手紙、メール、SNS上に散乱する、本の感想を読み漁り続けた。
そこに、私の望むものは何もなかった。
『あなたは犯罪者に対して同情を誘いたいんですか?』
私がいつ、どこに、彼を可哀想だと記したのだろう。
『犯罪者を���護したいのですか?理解出来ません。彼は人を殺したんですよ。』
彼は許されるべきだとも、悪くない、とも私は書いていない。彼は素直に逮捕され、正式な処罰ではないが、命をもって罪へ対応した。これ以上、何をしろ、と言うのだろう。彼が跪き頭を地面に擦り付け、涙ながらに謝罪する所を見たかったのだろうか。
『とても面白かったです。狂人の世界が何となく理解出来ました。』
何をどう理解したら、この感想が浮かぶのだろう。そもそもこの人は、私の本を読んだのだろうか。
『作者はもしかしたら接していくうちに、高山を愛してしまったのではないか?贔屓目の文章は公平ではなく気持ちが悪い。』
『全てを人のせいにして自分が悪くないと喚く子供に殺された方が哀れでならない。』
『結局人殺しの自己正当化本。それに手を貸した筆者も同罪。裁かれろ。』
『ただただ不快。皆寂しかったり、一人になる瞬間はある。自分だけが苦しい、と言わんばかりの態度に腹が立つ。』
『いくら貰えるんだろうなぁ筆者。羨ましいぜ、人殺しのキチガイの本書いて金貰えるなんて。』
私は、とても愚かだったのだと気付かされた。
皆に理解させよう、などと宣って、彼を、私の言葉で形作ったこと。裏を返せば、その行為は、言葉を尽くせば理解される、と、人間に期待をしていたに他ならない。
私は、彼によって得たわずかな幸福よりも、その後に押し寄せてくる大きな悲しみ、不幸がどうしようもなく耐え難く、心底、己が哀れだった。
胸に穴が空いている、と言う幻覚を見続けた彼は、穴が塞がりそうになるたび、そしてまた無機質な空虚に戻るたび、こんな痛みを感じていたのだろうか。
私は毎日、感想を読み続けた。貰った手紙は、読んだものから燃やしていった。他者に理解される、ということが、どれほど難しいのかを、思い知った。言葉を紡ぐことが怖くなり、彼を理解した私ですら、疑わしく、かといって己と論争するほどの気力はなく、ただ、この世に私以外の、彼の理解者は現れず、唯一の彼の理解者はここにいても、もう彼の話に相槌を打つことは叶わず、陰鬱とする思考の暗闇の中を、堂々巡りしていた。
思考を持つ植物になりたい、と、ずっと思っていた。人間は考える葦である、という言葉が皮肉に聞こえるほど、私はただ、一人で、誰の脳にも引っ掛からず、狭間を生きていた。
孤独、などという言葉で表すのは烏滸がましいほど、私、彼が抱えるソレは哀しく、決して治らない不治の病のようなものだった。私は彼であり、彼は私だった。同じ境遇、というわけではない。赤の他人。彼には守るべき己の秩序があり、私にはそんな誇り高いものすらなく、能動的、怠惰に流されて生きていた。
彼は、目の前にいた人間の頭にバールを振り下ろす瞬間も、身体をミンチにする工程も、全て正気だった。ただ心の中に一つだけ、それをしなければ、生きているのが恐ろしい、今しなければずっと後悔し続ける、胸を掻きむしり大声を上げて暴れたくなるような焦燥感、漠然とした不安感、それらをごちゃ混ぜにした感情、抗えない欲求のようなものが湧き上がってきた、と話していた。上手く呼吸が出来なくなる感覚、と言われて、思わず己の胸を抑えた記憶が懐かしい。
出版から3ヶ月、私は感想を読むのをやめた。人間がもっと憎らしく、恐ろしく、嫌いになった。彼が褒めてくれた、利己的な幸せの話を追い求めよう。そう決めた。私の秩序は、小説を書き続けること。嗚呼と叫ぶ声を、流れた血を、光のない部屋を、全てを飲み込む黒を文字に乗せて、上手く呼吸すること。
出版社は、どこも私の名前を見た瞬間、原稿を送り返し、もしくは廃棄した。『君も人殺したんでしょ?なんだか噂で聞いたよ。』『よくうちで本出せると思ったね、君、自分がしたこと忘れたの?』『無理ですね。会社潰したくないので。』『女ならまだ赤裸々なセックスエッセイでも書かせてやれるけど、男じゃ使えないよ、いらない。』数多の断り文句は見事に各社で違うもので、私は感嘆すると共に、人間がまた嫌いになった。彼が乗せてくれたから、私の言葉が輝いていたのだと痛感した。きっとあの本は、ノンフィクション、ルポルタージュじゃなくても、きっと人の心に突き刺さったはずだと、そう思わずにはいられなかった。
以前に働いていた会社は、ルポの出版の直前に辞表を出した。私がいなくても、普段通り世界は回る。著者の実物を狂ったように探し回っていた人間も、見つからないと分かるや否や他の叩く対象を見つけ、そちらで楽しんでいるようだった。私の書いた彼の本は、悪趣味な三流ルポ、と呼ばれた。貯金は底を尽きた。手当たり次第応募して見つけた仕事で、小銭を稼いだ。家賃と、食事に使えばもう残りは硬貨しか残らない、そんな生活になった。元より、彼の本によって得た利益は、全て燃やしてしまっていた。それが、正しい末路だと思ったからだったが、何故と言われれば説明は出来ない。ただ燃えて、真っ赤になった札が灰白色に色褪せ、風に脆く崩れていく姿を見て、幸せそうだと、そう思った。
名前を伏せ、webサイトで小説を投稿し始めた。アクセス数も、いいね!も、どうでも良かった。私はただ秩序を保つために書き、顎を上げて、夜店の金魚のように、浅い水槽の中で居場所なく肩を縮めながら、ただ、遥か遠くにある空を眺めては、届くはずもない鰭を伸ばした。
ある日、web上のダイレクトメールに一件のメッセージが入った。非難か、批評か、スパムか。開いた画面には文字がつらつらと記されていた。
『貴方の本を、販売当時に読みました。明記はされていませんが、某殺人事件のルポを書かれていた方ですか?文体が、似ていたのでもし勘違いであれば、すみません。』
断言するように言い当てられたのは初めてだったが、画面をスクロールする指はもう今更震えない。
『最新作、読みました。とても...哀しい話でした。ゾンビ、なんてコミカルなテーマなのに、貴方はコメをトラにしてしまう才能があるんでしょうね。悲劇。ただ、二人が次の世界で、二人の望む幸せを得られることを祈りたくなる、そんな話でした。過去作も、全て読みました。目を覆いたくなるリアルな描写も、抽象的なのに五感のどこかに優しく触れるような比喩も、とても素敵です。これからも、書いてください。』
コメとトラ。私が太宰の「人間失格」を好きな事は当然知らないだろうに、不思議と親近感が湧いた。単純だ。と少し笑ってから、私はその奇特な人間に一言、返信した。
『私のルポルタージュを読んで、どう思われましたか。』
無名の人間、それも、ファンタジーやラブコメがランキング上位を占めるwebにおいて、埋もれに埋もれていた私を見つけた人。だからこそ聞きたかった。例えどんな答えが返ってきても構わなかった。もう、罵詈雑言には慣れていた。
数日後、通知音に誘われて開いたDMには、前回よりも短い感想が送られてきていた。
『人を殺めた事実を別にすれば、私は少しだけ、彼の気持ちを理解出来る気がしました。。彼の抱いていた底なしの虚無感が見せた胸の穴も、それを埋めようと無意識のうちに焦がれていたものがやっと現れた時の衝動。共感は微塵も出来ないが、全く理解が出来ない化け物でも狂人でもない、赤色を見て赤色だと思う一人の人間だと思いました。』
何度も読み返していると、もう1通、メッセージが来た。惜しみながらも画面をスクロールする。
『もう一度読み直して、感想を考えました。外野からどうこう言えるほど、彼を軽んじることが出来ませんでした。良い悪いは、彼の起こした行動に対してであれば悪で、それを彼は自死という形で償った。彼の思考について善悪を語れるのは、本人だけ。』
私は、画面の向こうに現れた人間に、頭を下げた。見えるはずもない。自己満足だ。そう知りながらも、下げずにはいられなかった。彼を、私を、理解してくれてありがとう。それが、私が愛読者と出会った瞬間だった。
愛読者は、どうやら私の作風をいたく気に入ったらしかった。あれやこれや、私の言葉で色んな世界を見てみたい、と強請った。その様子はどこか彼にも似ている気がして、私は愛読者の望むまま、数多の世界を創造した。いっそう創作は捗った。愛読者以外の人間は、ろくに寄り付かずたまに冷やかす輩が現れる程度で、私の言葉は、世間には刺さらない。
まるで神にでもなった気分だった。初めて小説を書いた時、私の指先一つで、人が自由に動き、話し、歩き、生きて、死ぬ。理想の愛を作り上げることも、到底現実世界では幸せになれない人を幸せにすることも、なんでも出来た。幸福のシロップが私の脳のタンパク質にじゅわじゅわと染みていって、甘ったるいスポンジになって、溢れ出すのは快楽物質。
そう、私は神になった。上から下界を見下ろし、手に持った無数の糸を引いて切って繋いでダンス。鼻歌まじりに踊るはワルツ。喜悲劇とも呼べるその一人芝居を、私はただ、演じた。
世の偉いベストセラー作家も、私の敬愛する文豪も、ポエムを垂れ流す病んだSNSの住人も、暗闇の中で自慰じみた創作をして死んでいく私も、きっと書く理由なんて、ただ楽しくて気持ちいいから。それに尽きるような気がする。
愛読者は私の思考をよく理解し、ただモラルのない行為にはノーを突きつけ、感想を欠かさずくれた。楽しかった。アクリルの向こうで私の話を聞いていた彼は、感想を口にすることはなかった。核心を突き、時に厳しい指摘をし、それでも全ての登場人物に対して寄り添い、「理解」してくれた。行動の理由を、言動の意味を、目線の行く先を、彼らの見る世界を。
一人で歩いていた暗い世界に、ぽつり、ぽつりと街灯が灯っていく、そんな感覚。じわりじわり暖かくなる肌触りのいい空気が私を包んで、私は初めて、人と共有することの幸せを味わった。不変を自分以外に見出し、脳内を共鳴させることの価値を知った。
幸せは麻薬だ、とかの人が説く。0の状態から1の幸せを得た人間は、気付いた頃にはその1を見失う。10の幸せがないと、幸せを感じなくなる。人間は1の幸せを持っていても、0の時よりも、不幸に感じる。幸福感という魔物に侵され支配されてしまった哀れな脳が見せる、もっと大きな、訪れるはずと信じて疑わない幻影の幸せ。
私はさしずめ、来るはずのプレゼントを玄関先でそわそわと待つ少女のように無垢で、そして、馬鹿だった。無知ゆえの、無垢の信頼ゆえの、馬鹿。救えない。
愛読者は姿を消した。ある日話を更新した私のDMは、いつまで経っても鳴らなかった。震える手で押した愛読者のアカウントは消えていた。私はその時初めて、愛読者の名前も顔も性別も、何もかもを知らないことに気が付いた。遅すぎた、否、知っていたところで何が出来たのだろう。私はただ、愛読者から感想という自己顕示欲を満たせる砂糖を注がれ続けて、その甘さに耽溺していた白痴の蟻だったのに。並ぶ言葉がざらざらと、砂時計の砂の如く崩れて床に散らばっていく幻覚が見えて、私は端末を放り投げ、野良猫を落ち着かせるように布団を被り、何がいけなか��たのかをひとしきり考え、そして、やめた。
人間は、皆、勝手だ。何故か。皆、自分が大事だからだ。誰も守ってくれない己を守るため、生きるため、人は必死に崖を這い上がって、その途中で崖にしがみつく他者の手を足場にしていたとしても、気付く術はない。
愛読者は何も悪くない。これは、人間に期待し、信用という目に見えない清らかな物を崇拝し、焦がれ、浅はかにも己の手の中に得られると勘違いし小躍りした、道化師の喜劇だ。
愛読者は今日も、どこかで息をして、空を見上げているのだろうか。彼が亡くなった時と同じ感覚を抱いていた。彼が最後に見た澄んだ空。私が、諦観し絶望しながらも、明日も見るであろう狭い空。人生には不幸も幸せもなく、ただいっさいがすぎていく、そう言った27歳の太宰の言葉が、彼の年に近付いてからやっと分かるようになった。そう、人が生きる、ということに、最初から大して意味はない。今、人間がヒエラルキーの頂点に君臨し、80億弱もひしめき合って睨み合って生きていることにも、意味はない。ただ、そうあったから。
愛読者が消えた意味も、彼が自ら命を絶った理由も、考えるのをやめよう。と思った。呼吸代わりに、ある種の強迫観念に基づいて狂ったように綴っていた世界も、閉じたところで私は死なないし、私は死ぬ。最早私が今こうして生きているのも、植物状態で眠る私の見ている長い長い夢かもしれない。
私は思考を捨て、人でいることをやめた。
途端に、世界が輝きだした。全てが美しく見える。私が今ここにあることが、何よりも楽しく、笑いが止まらない。鉄線入りの窓ガラスが、かの大聖堂のステンドグラスよりも耽美に見える。
太宰先生、貴方はきっと思考を続けたから、あんな話を書いたのよ。私、今、そこかしこに檸檬を置いて回りたいほど愉快。
これがきっと、幸せ。って呼ぶのね。
愛読者は死んだ。もう戻らない。私の世界と共に死んだ、と思っていたが、元から生きても死んでもいなかった。否、生きていて、死んでいた。シュレディンガーの猫だ。
「嗚呼、私、やっぱり、
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青と金色
■サイレンス
この部屋のインターフォンも灰色のボタンも、だいぶ見慣れてきた。指で押し込めて戻すと、ピーンポーンと内側に引っ込んだような軽い電子音が鳴る。まだこの地に来た頃はこうやって部屋主を呼び出して待つのが不思議な気分だった。鍵は開かれていたし、裏口だって知っていたから。 「…さむっ」 ひゅうう、と冷たい風が横から吹き込んで、思わずそう呟いて肩を縮めた。今週十二月に入ったばかりなのに、日が落ちると驚くほど冷え込む。今日に限って天気予報を観ていなかったけれど、今夜はいつもと比べても一段と寒いらしい。 近いし、どうせすぐだからと、ろくに防寒のことを考えずに部屋を出てきたのは失敗だった。目についた適当なトレーナーとパンツに着替え、いつものモッズコートを羽織った。おかげで厚みは足りないし、むき出しの両手は指先が赤くなるほど冷えてしまっている。こんなに寒いのならもっとしっかりと重ね着してこれば良かった。口元が埋まるくらいマフラーをぐるぐるに巻いてきたのは正解だったけれど。 いつもどおりインターフォンが繋がる気配はないけれど、その代わりに扉の奥からかすかに足音が近付く。カシャリ、と内側から錠の回る音がして目の前の扉が開かれた。 「おつかれ、ハル」 部屋の主は片手で押すように扉を開いたまま、咎めることも大仰に出迎えることもなく、あたたかい灯りを背にして、ただ静かにそこに佇んでいた。 「やっと来たか」 「はは、レポートなかなか終わらなくって…。遅くなっちゃってごめんね」 マフラー越しに笑いかけると、遙は小さく息をついたみたいだった。一歩進んで内側に入り、重たく閉じかける扉を押さえてゆっくりと閉める。 「あ、ここで渡しちゃうからいいよ」 そのまま部屋の奥に進もうとする遙を呼び止めて、玄関のたたきでリュックサックを開けようと背から下ろした。 遙に借りていたのはスポーツ心理学に関する本とテキストだった。レポート課題を進めるのに内容がちょうど良かったものの自分の大学の図書館では既に貸し出し中で、書店で買うにも版元から取り寄せるのに時間がかかるとのことだった。週明けの午後の講義で遙が使うからそれまでには返す、お互いの都合がつく日曜日の夕方頃に部屋に渡しに行く、と約束していたのだ。行きつけのラーメン屋で並んで麺を啜っていた、週の頭のことだった。 「いいから上がれよ」遙は小さく振り返りながら促した。奥からほわんとあたたかい空気が流れてくる。そこには食べ物やひとの生活の匂いが確かに混じっていて、色に例えるなら、まろやかなクリーム色とか、ちょうど先日食べたラーメンのスープみたいなあたたかい黄金色をしている。それにひとたび触れてしまうと、またすぐに冷えた屋外を出て歩くために膨らませていた気力が、しるしるとしぼんでしまうのだ。 雪のたくさん降る場所に生まれ育ったくせに、寒いのは昔から得意じゃない。遙だってそのことはよく知っている。もちろん、帰ってやるべきことはまだ残っている。けれどここは少しだけ優しさに甘えようと決めた。 「…うん、そうだね。ありがと、ハル」 お邪魔しまーす。そう小さく呟いて、脱いだ靴を揃える。脇には見慣れたスニーカーと、濃い色の革のショートブーツが並んでいた。首に巻いたマフラーを緩めながら短い廊下を歩き進むうちに、程よくあたためられた空気に撫ぜられ、冷えきった指先や頬がぴりぴりと痺れて少しだけ痒くなる。 キッチンの前を通るときに、流しに置かれた洗いかけの食器や小鍋が目に入った。どうやら夕食はもう食べ終えたらしい。家を出てくる前までは課題に夢中だったけれど、意識すると、空っぽの胃袋が悲しげにきゅうと鳴った。昼は簡単な麺類で済ませてしまったから、帰りにがっつり肉の入ったお弁当でも買って帰ろう。しぼんだ胃袋をなぐさめるようにそう心に決めた。 「外、風出てきたから結構寒くってさ。ちょっと歩いてきただけなのに冷えちゃった」 「下旬並だってテレビで言ってた。わざわざ来させて悪かったな」 「ううん、これ貸してもらって助かったよ。レポートもあと少しで終わるから、今日はちゃんと寝られそう……」 遙に続いてリビングに足を踏み入れ、そこまで口にしたところで言葉が詰まってしまった。ぱちり、ぱちりと大きく瞬きをして眼下の光景を捉え直す。 部屋の真ん中に陣取って置かれているのは、彼の実家のものより一回り以上小さいサイズの炬燵だ。遙らしい大人しい色合いの炬燵布団と毛布が二重にして掛けられていて、丸みがかった正方形の天板が上に乗っている。その上にはカバーに入ったティッシュ箱だけがちょんとひとつ置かれていた。前回部屋に訪れたときにはなかったものだ。去年は持っていなくて、今年は買いたいと言っていたことを思い出す。けれど、それはさして驚くようなことでもない。 目を奪われたのは、その場所に半分身を埋めて横になり、座布団を枕にして寝息を立てている人物のことだった。 「…えっ、ええっ? 凛!?」 目の前で眠っているのは、紛れもなく、あの松岡凛だった。普段はオーストラリアにいるはずの、同郷の大切な仲間。凛とはこの夏、日本国内の大会に出ていた時期に会って以来、メールやメディア越しにしか会えていなかった。 「でかい声出すな、凛が起きる」 しいっと遙が小声で咎めてくる。あっ、と慌てたけれど、当の凛は起きるどころか身じろぐこともなく、ぐっすりと深く眠ってしまっているようだった。ほっと胸を撫で下ろす。 「ああ、ご、ごめんね…」 口をついて出たものの、誰に、何に対してのごめんなのか自分でもよく分からない。凛がここにいるとは予想だにしていなかったから、ひどく驚いてしまった。 凛は今までも、自分を含め東京に住んでいる友達の部屋に泊まっていくことがあった。凛は東京に住まいを持たない。合宿や招待されたものならば宿が用意されるらしいけれど、そうでない用事で東京に訪れることもしばしばあるのだそうだ。その際には、自費で安いビジネスホテルを使うことになる。一泊や二泊ならともかく、それ以上連泊になると財布への負担も大きいことは想像に難くない。 東京には少なくとも同級生だけで遙と貴澄と自分が住んでいる。貴澄は一人暮らしでないからきっと勝手も違うのだろうが、遙と自分はその点都合が良い。特に遙は同じ道を歩む選手同士だ。凛自身はよく遠慮もするけれど、彼の夢のために、できるだけの協力はしてやりたい。それはきっと、隣に並ぶ遙も同じ気持ちなのだと思う。 とはいえ、凛が来ているのだと知っていれば、もう少し訪問の日時も考えたのに。休日の夜の、一番くつろげる時間帯。遙ひとりだと思っていたから、あまり気も遣わず来てしまったのに。 「ハル、一言くらい言ってくれればいいのに」 強く非難する気はなかったけれど、つい口をついて本音が出てしまった。あえて黙っていた遙にじとりと視線を向ける。遙はぱちり、ぱちりと目を瞬かせると、きゅっと小さく眉根を寄せ、唇を引き結んだ。 「別に…それが断わる理由にはならないだろ」 そう答えて視線を外す遙の表情には少し苦い色が含まれていて、それでまた一歩、確信に近付いたような気がした。近くで、このごろはちょっと離れて、ずっと見てきたふたりのこと。けれど今はそっと閉じて黙っておく。決してふたりを責めたてたいわけではないのだ。 「…ん、そうだね」 漂う空気を曖昧にぼかして脇にやり、「でも、びっくりしたなぁ」と声のトーンを上げた。遙は少しばつが悪そうにしていたけれど、ちらりと視線を戻してくる。困らせたかな、ごめんね、と心の中で語りかけた。 「凛がこの時期に帰ってくるなんて珍しいよね。前に連絡取り合ったときには言ってなかったのに」 「ああ…俺も、数日前に聞いた。こっちで雑誌だかテレビだかの取材を受けるとかで呼ばれたらしい」 なんでも、その取材自体は週明けに予定されていて、主催側で宿も用意してくれているらしい。凛はその予定の数日前、週の終わり際に東京にやって来て、この週末は遙の部屋に泊まっているのだそうだ。今は確かオフシーズンだけれど、かといってあちこち遊びに行けるほど暇な立場ではないのだろうし、凛自身の性格からしても、基本的に空いた時間は練習に費やそうとするはずだ。メインは公的な用事とはいえ、今回の東京訪問は彼にとってちょっとした息抜きも兼ねているのだろう。 「次に帰ってくるとしたら年末だもんね。早めの休みでハルにも会えて、ちょうど良かったんじゃない」 「それは、そうだろうけど…」 遙は炬燵の傍にしゃがみこんで、凛に視線を向けた。 「ろくに連絡せずに急に押しかけてきて…本当に勝手なやつ」 すうすうと寝息を立てる凛を見やって、遙���小さく溜め息をついた。それでも、見つめるその眼差しはやわらかい。そっと細められた瞳が何もかもを物語っている気がする。凛は、見ている限り相変わらずみたいだけれど。ふたりのそんな姿を見ていると自然と笑みがこぼれた。 ハル、あのね。心の中でこっそり語りかけながら、胸の内側にほこほことあたたかい感情が沸き上がり広がっていくのが分かった。 凛って、どんなに急でもかならず前もって連絡を取って、ちゃんと予定を確認してくるんだよ。押しかけてくるなんて、きっとそんなのハルにだけじゃないかなぁ。 なんて考えながら、それを遙に伝えるのはやめておく。凛の名誉のためだった。 視線に気付いた遙が顔を上げて、お返しとばかりにじとりとした視線を向けた。 「真琴、なんかニヤニヤしてないか」 「そんなことないよ」 つい嬉しくなって口元がほころんでいたらしい。 凛と、遙。そっと順番に視線を移して、少しだけ目を伏せる。 「ふたりとも相変わらずで本当、良かったなぁと思って」 「…なんだそれ」 遙は怪訝そうに言って、また浅く息をついた。
しばらくしておもむろに立ち上がった遙はキッチンに移動して、何か飲むか、と視線を寄こした。 「ついでに夕飯も食っていくか? さっきの余りなら出せる」 夕飯、と聞いて胃が声を上げそうになる。けれど、ここは早めにお暇しなければ。軽く手を振って遠慮のポーズをとった。 「あ、いいよいいよ。まだレポート途中だし、すぐに帰るからさ。飲み物だけもらっていい?」 遙は少し不満そうに唇をへの字に曲げてみせたけれど、「分かった、ちょっと待ってろ」と冷蔵庫を開け始めた。 逆に気を遣わせただろうか。なんだか申し訳ない気持ちを抱きながら、炬燵のほうを見やる。凛はいまだによく眠ったままだった。半分に折り畳んだ座布団を枕にして横向きに背を縮めていて、呼吸に合わせて規則正しく肩が上下している。力の抜けた唇は薄く開いていて、その無防備な寝顔はいつもよりずっと幼く、あどけないとさえ感じられた。いつもあんなにしゃんとしていて、周りを惹きつけて格好いいのに。目の前にいるのはまるで小さな子供みたいで、眺めていると思わず顔がほころんでしまう。 「凛、よく寝てるね」 「一日連れ回したから疲れたんだろ。あんまりじっと見てやるな」 あ、また。遙は何げなく言ったつもりなのだろう。けれど、やっぱり見つけてしまった。「そうだね」と笑って、また触れずに黙っておくけれど。 仕切り直すように、努めて明るく、遙に投げかけた。 「でも、取材を受けに来日するなんて、なんか凛、すっかり芸能人みたいだね」 凄いなぁ。大仰にそう言って視線を送ると、遙は、うん、と喉だけで小さく返事をした。視線は手元に落とされていながら、その瞳はどこか遠くを見つめていた。コンロのツマミを捻り、カチチ、ボッと青い火のつく音がする。静かなその横顔は、きっと凛のことを考えている。岩鳶の家で居間からよく見つめた、少し懐かしい顔だった。 こんなとき、いまここに、目の前にいるのに、とそんな野暮なことはとても言えない。近くにいるのにずっと遠くに沈んでいた頃の遙は、まだ完全には色褪せない。簡単に遠い過去に押しやって忘れることはできなかった。 しばらく黙って待っていると遙はリビングに戻って来て、手に持ったマグカップをひとつ差し出した。淹れたてのコーヒーに牛乳を混ぜたもので、あたたかく優しい色合いをしていた。 「ありがとう」 「あとこれも、良かった���食え」 貰いものだ、と小さく個包装されたバウムクーヘンを二切れ分、炬燵の上に置いた。背の部分にホワイトチョコがコーティングしてあって、コーヒーによく合いそうだった。 「ハルは優しいね」 そう言って微笑むと、遙は「余らせてただけだ」と視線を逸らした。 冷えきった両の手のひらをあたためながらマグカップを傾ける。冷たい牛乳を入れたおかげで飲みやすい温度になっていて、すぐに口をつけることができた。遙は座布団を移動させて、眠っている凛の横に座った。そうして湯気を立てるブラックのコーヒーを少しずつ傾けていた。 「この休みはふたりでどこか行ってきたの?」 遙はこくんと頷いて、手元の黒い水面を見つめながらぽつぽつと語り始めた。 「公園に連れて行って…買い物と、あと、昨日は凛が何か観たいって言うから、映画に」 タイトルを訊いたけれど、遙の記憶が曖昧で何だかよく分からなかったから半券を見せてもらった。CM予告だけ見かけたことのある洋画で、話を聞くに、実在した人物の波乱万丈な人生を追ったサクセスストーリーのようだった。 「終盤ずっと隣で泣かれたから、どうしようかと思った」 遙はそう言って溜め息をついていたけれど、きっとそのときは気が気ではなかったはずだ。声を押し殺して感動の涙を流す凛と、その隣で映画の内容どころではなくハラハラと様子を見守る遙。その光景がありありと眼前に浮かんで思わず吹き出してしまった。 「散々泣いてたくせに、終わった後は強がっているし」 「あはは、凛らしいね」 俺が泣かせたみたいで困った、と呆れた顔をしてコーヒーを口に運ぶ遙に、あらためて笑みを向けた。 「よかったね、ハル」 「…何がだ」 ふいっと背けられた顔は、やっぱり少し赤らんでいた。
そうやってしばらく話しているうちにコーヒーは底をつき、バウムクーヘンもあっという間に胃袋に消えてしまった。空になったマグカップを遙に預け、さて、と膝を立てる。 「おれ、そろそろ帰るね。コーヒーごちそうさま」 「ああ」 遙は玄関まで見送ってくれた。振り返って最後にもう一度奥を見やる。やはり、凛はまだ起きていないようだった。 「凛、ほんとにぐっすりだね。なんか珍しい」 「ああ。でも風呂がまだだから、そろそろ起こさないと」 遙はそう言って小さく息をついたけれど、あんまり困っているふうには見えなかった。 「あ、凛には来てたこと内緒にしておいてね」 念のため、そう言い添えておいた。隠すようなことではないけれど、きっと多分、凛は困るだろうから。遙は小さく首を傾げたけれど、「分かった」と一言だけ答えた。 「真琴、ちょっと待て」 錠を開けようとすると、思い出したみたいに遙はそう言って踵を返し、そうしてすぐに赤いパッケージを手にリビングから戻ってきた。 「貼るカイロ」 大きく書かれた商品名をそのまま口にする。その場で袋を開けて中身を取り出したので、貼っていけ、ということらしい。貼らずにポケットに入れるものよりも少し大きめのサイズだった。 「寒がりなんだから、もっと厚着しろよ」 確かに、今日のことに関しては反論のしようがない。完全に油断だったのだから。 「でも、ハルも結構薄着だし、人のこと言えないだろ」 着ぶくれするのが煩わしいのか、遙は昔からあまり着こまない。大して寒がる様子も見せないけれど、かつては年に一度くらい、盛大に風邪を引いていたのも知っている。 「年末に向けて風邪引かないように気を付けなよ」 「俺は大丈夫だ、こっちでもちゃんと鯖を食べてるから」 「どういう理屈だよ…って、わあっ」 「いいから。何枚着てるんだ」 言い合っているうちに遙が手荒く背中をめくってくる。「ここに貼っとくぞ」とインナーの上から腰の上あたりに、平手でぐっと押すように貼り付けられた。気が置けないといえばそうだし、扱いに変な遠慮がないというか何というか。すぐ傍で、それこそ兄弟みたいに一緒に育ってきたのだから。きっと凛には、こんな風にはしないんだろうなぁ。ふとそんな考えが頭をもたげた。 遙はなんだか満足げな顔をしていた。まぁ、きっとお互い様なんだな。そう考えながら、また少し笑ってしまった。 「じゃあまたね、おやすみ」 「ああ。気を付けて」
急にひとりになると、より強く冷たく風が吹きつける気がする。けれど、次々沸き上がるように笑みが浮かんで、足取りは来る前よりずっと軽かった。 空を仰ぐと、小さく星が見えた。深く吐いた息は霧のように白く広がった。 ほくほく、ほろほろ、それがじわじわと身体中に広がっていくみたいに。先ほど貼ってもらったカイロのせいだろうか。それもあるけれど、胸の内側、全体があたたかい。やわらかくて、ちょっと苦さもあるけれど、うんとあたたかい。ハルが、ハルちゃんが嬉しそうで、良かった。こちらまで笑みがこぼれてしまうくらいに。東京の冬の夜を、そうやってひとり歩き渡っていた。
■ハレーション
キンとどこかで音がするくらいに空気は冷えきっていた。昨日より一段と寒い、冬の早い朝のこと。 日陰になった裏道を通ると、浅く吐く息さえも白いことに気が付く。凛は相変わらず少し先を歩いて、ときどき振り返っては「はやく来いよ」と軽く急かすように先を促した。別に急ぐような用事ではないのに。ためらいのない足取りでぐんぐんと歩き進んで、凛はいつもそう言う。こちらに来いと。心のどこかでは、勝手なやつだと溜め息をついているのに、それでも身体はするすると引き寄せられていく。自然と足が前へと歩を進めていく。 たとえばブラックホールや磁石みたいな、抗いようのないものなのだと思うのは容易いことだった。手繰り寄せられるのを振りほどかない、そもそもほどけないものなのだと。そんな風に考えていたこともあった気がする。けれど、あの頃から見える世界がぐんと広がって、凛とこうやって過ごすうちに、それだけではないのかもしれないと感じ始めた。 あの場所で、凛は行こうと言った。数年も前の夏のことだ。 深い色をした長いコートの裾を揺らして、小さく靴音を鳴らして、凛は眩い光の中を歩いていく。 格好が良いな、と思う。手放しに褒めるのはなんだか恥ずかしいし、悔しいから言わないけれど。それにあまり面と向かって言葉にするのも得意ではない。 それでもどうしても、たとえばこういうとき、波のように胸に押し寄せる。海辺みたいだ。ざっと寄せて引くと濡れた跡が残って、繰り返し繰り返し、どうしようもなくそこにあるものに気付かされる。そうやって確かに、この生きものに惚れているのだと気付かされる。
目的地の公園は、住んでいるアパートから歩いて十分ほどのところにある。出入りのできる開けた場所には等間隔で二本、石造りの太い車止めが植わるように並んでいて、それを凛はするりと避けて入っていった。しなやかな動きはまるで猫のようで、見えない尻尾や耳がそこにあるみたいだった。「なんか面白いもんでもあったか?」「いや、別に」口元がゆるみかけたのをごまかすためにとっさに顔ごと、視線を脇に逸らす。「なんだよ」凛は怪訝そうな、何か言いたげな表情をしたけれど、それ以上追及することはなくふたたび前を向いた。 道を歩き進むと広場に出た。ここは小さな公園やグラウンドのような一面砂色をした地面ではなく、芝生の広場になっている。遊具がない代わりにこの辺りでは一番広い敷地なので、思う存分ボール投げをしたり走り回ったりすることができる。子供たちやペットを連れた人たちが多く訪れる場所だった。 芝生といっても人工芝のように一面青々としたものではなく、薄い色をした芝生と土がまだらになっているつくりだった。見渡すと、地面がところどころ波打ったようにでこぼこしている。区によって管理され定期的に整備されているけれど、ここはずいぶん古くからある場所なのだそうだ。どこもかしこもよく使い込まれていて、人工物でさえも経年のせいでくすんで景観に馴染んでいる。 まだらで色褪せた地面も、長い時間をかけて踏み固められていると考えれば、落ち着いてもの静かな印象を受ける。手つかずの新品のものよりかは、自分にとって居心地が良くて好ましいと思えた。 広場を囲んで手前から奥に向かい、大きく輪になるようにイチョウの木々が連なって並んでいる。凛は傍近くの木の前に足を止め、見上げるなり、すげぇなと感嘆の声を漏らした。 「一面、金色だ」 立ち止まった凛の隣に並び、倣って顔を上げる。そこには確かに、すっかり金に色付いたイチョウの葉が広がっていた。冬の薄い青空の真下に、まだ真南に昇りきらない眩い光をたっぷりと受けてきらきらと、存在を主張している。 きんいろ、と凛の言葉を小さく繰り返した。心の中でもう一度唱えてみる。なんだか自分よりも凛が口にするほうが似つかわしいように思えた。 周囲に視線を巡らせると、少し離れた木々の元で、幼い子供ふたりが高い声を上げて追いかけっこをしていた。まだ幼稚園児くらいの年の頃だろうか、頭一個分くらい身の丈の異なる男の子ふたりだった。少し離れて、その父親と母親と思しき大人が並んでその様子を見守っている。だとすると、あのふたりは兄弟だろうか。大人たちの向ける眼差しはあたたかく優しげで、眩しいものを見るみたいに細められていた。 「な、あっち歩こうぜ」 凛が視線で合図して、広場を囲む遊歩道へと促した。舗装されて整備されているそこは木々に囲まれて日陰になっているところが多い。ここはいつも湿った匂いがして、鳥の鳴き声もすぐ近くから降りそそぐように聞こえてくる。よく晴れた今日はところどころ木漏れ日が差し込み、コンクリートの地面を点々と照らしていた。 休日の朝ということもあって、犬の散歩やジャージ姿でランニングに励む人も少なくなかった。向かいから来てすれ違ったり後ろから追い越され��り。そしてその度に凛に一瞥をくれる人が少なくないことにも気付かされる。 決して目立つ服を着ているわけでもなく、髪型や風貌が特に奇抜なわけでもないのに、凛はよく人目を惹く。それは地元にいたときにも薄っすらと浮かんでいた考えだけれど、一緒に人通りの多い街を歩いたときに確信した。凛はいつだって際立っていて、埋没しない。それは自分以外の誰にとってもきっとそうなのだろう。 いい場所だなぁ。凛は何でもないみたいにそう口にして、ゆったりとした足取りで隣を歩いている。木々の向こう側、走り回る子供たちを遠く見つめていたかと思えば、すぐ脇に設けられている木のベンチに視線を巡らせ、散歩中の犬を見て顔をほころばせては楽しそうに視線で追っている。公園までの道中は「はやく」と振り返って急かしたくせに、今の凛はのんびりとしていて、景色を眺めているうちに気が付けば足を止めている。こっそり振り返りながらも小さく先を歩いていると、ぽつぽつとついてきて、すうと寄せるようにしてまた隣に並ぶ。 その横顔をちらりと伺い見る。まるで何かを確かめるかのように視線をあちらこちらに向けてはいるものの、特にこれといって変わったところもなく、そこにいるのはいつも通りの凛そのものだった。 見られるという行為は、意識してしまえば、少なくとも自分にとってはあまり居心地が良いものではない。時にそれは煩わしさが伴う。凛にとってはどうなのだろう。改まって尋ねたことはないけれど、良くも悪くも凛はそれに慣れているような気がする。誰にとっても、誰に対しても。凛はいつだって中心にいるから。そう考えると苦い水を飲み下したような気持ちになって、なんだか少し面白くなかった。
遊歩道の脇につくられた水飲み場は、衛生のためだろう、周りのものよりずっと真新しかった。そこだけ浮き上がったみたいに、綺麗に背を伸ばしてそこに佇んでいた。 凛はそれを一瞥するなり近付いて、側面の蛇口を捻った。ゆるくふき出した水を見て、「お、出た」と呟いたけれど、すぐに絞って口にはしなかった。 「もっと寒くなったら、凍っちまうのかな」 「どうだろうな」 東京も、うんと冷えた朝には水溜まりが凍るし、年によっては積もるほど雪が降ることだってある。水道管だって凍る日もあるかもしれない。さすがに冬ごとに凍って壊れるようなつくりにはしていないと思うけれど。そう答えると凛は、「なるほどなぁ」と頷いて小さく笑った。 それからしばらくの間、言葉を交わすことなく歩いた。凛がまた少し先を歩いて、付かず離れずその後ろを追った。ときどき距離がひらいたことに気付くと、凛はコートの裾を揺らして振り返り、静かにそこに佇んで待っていた。 秋の頃までは天を覆うほど生い茂っていた木々の葉は、しなびた色をしてはらはらと散り始めていた。きっとあの金色のイチョウの葉も、程なくして散り落ちて枝木ばかりになってしまうのだろう。 「だいぶ日が高くなってきたな」 木々の間から大きく陽が差し込んで、少し離れたその横顔を明るく照らしている。 「あっちのほうまできらきらしてる」 中央の広場の方を指し示しながら、凛が楽しげに声を上げた。示す先に、冷えた空気が陽を受け、乱反射して光っている。 「すげぇ、綺麗」 そう言って目を細めた。 綺麗だった。息を呑んで見惚れてしまうほどに。いっぱいに注がれて満ちる光の中で、すらりと伸びる立ち姿が綺麗だった。 時折見せる熱っぽい顔とは縁遠い、冴えた空気の中で照らされた頬が白く光っていた。横顔を見ていると、なめらかで美しい線なのだとあらためて気付かされる。額から眉頭への曲線、薄く開いた唇のかたち。その鼻筋をなぞってみたい。光に溶け込むと輪郭が白くぼやけて曖昧になる。眩しそうに細めた目を瞬かせて、長い睫毛がしぱしぱ、と上下した。粒が散って、これも金色なのだと思った。 そうしているうちに、やがて凛のほうからおもむろに振り返って、近付いた。 「なぁ、ハル」少し咎めるような口調だった。「さっきからなんだよ」 ぴん、と少しだけ背筋が伸びる。身構えながらも努めて平静を装い、「なにって、何だ」と問い返した。心当たりは半分あるけれど、半分ない。 そんな態度に呆れたのか凛は小さく息をついて、言った。じっと瞳の奥を見つめながら、唇で軽く転がすみたいな声色で。 「おれのこと、ずっと見てんじゃん」 どきっと心臓が跳ねた。思わず息を呑んでしまう。目を盗んでこっそり伺い見ていたのに、気付かれていないと思っていたのに、気付かれていた。ずっと、という一言にすべてを暴かれてしまったみたいで、ひどく心を乱される。崩れかけた表情を必死で繕いながら、顔ごと大きく視線を逸らした。 「み、見てない」 「見てる」 「見てない」 「おい逃げんな。見てんだろ」 「見てないって、言ってる」 押し問答に焦れたらしく凛は、「ホントかぁ?」と疑り深く呟いて眉根を寄せてみせる。探るような眼差しが心地悪い。ずい、と覗き込むようにいっそう顔を近付けられて、身体の温度が上がったのを感じた。あからさまに視線を泳がせてしまったのが自分でも分かって、舌打ちしたくなる。 「別に何でもない。普段ここへは一人で来るから、今日は凛がいるって、思って」 だから気になって、それだけだ。言い訳にもならなかったけれど、無理矢理にそう結んでこれ以上の追及を免れようとした。 ふうん、と唇を尖らせて、凛はじとりとした視線を向け続ける。 しかしやがて諦めたのか、「ま、いいけどさ」と浅くため息をついて身を翻した。 顔が熱い。心臓がはやい。上がってしまった熱を冷まそうと、マフラーを緩めて首筋に冷気を送り込んだ。
それからしばらく歩いていくうちに遊歩道を一周して、最初の出入り口に戻ってきた。凛は足を止めると振り返り、ゆっくりと、ふたたび口を開いた。 「なぁ、ハル」今度は歩きながら歌を紡ぐみたいな、そんな調子で。 「さっきは良いっつったけどさ、おれ」 そう前置きするなり、凛はくすぐったそうに笑った。小さく喉を鳴らして、凛にしては珍しく、照れてはにかんだみたいに。 「ハルにじっと見つめられると、やっぱちょっと恥ずかしいんだよな」 なんかさ、ドキドキしちまう。 なんだよ、それ。心の中で悪態をつきながらも、瞬間、胸の内側が鷲摑みされたみたいにきゅうとしぼられた。そして少しだけ、ちくちくした。それは時にくるしいとさえ感じられるのに、その笑顔はずっと見ていたかった。目が離せずに、そのひとときだけ、時が止まったみたいだった。この生きものに、どうしようもなく惚れてしまっているのだった。 「あー…えっと、腹減ったなぁ。一旦家帰ろうぜ」 凛はわざとらしく声のトーンを上げ、くるりと背を向けた。 「…ああ」 少し早められた足取り、その後ろ姿に続いて歩いていく。 コンクリートの上でコートの裾が揺れている。陽がかかった部分の髪の色が明るい。視界の端にはイチョウの木々が並んできらめいていた。 「朝飯、やっぱ鯖?」 隣に並ぶなり凛がそっと訊ねてきた。 「ロースハム、ベーコン、粗挽きソーセージ」 冷蔵庫の中身を次々と列挙すると、凛はこぼれるように声を立てて笑ってみせた。整った顔をくしゃりとくずして、とても楽しそうに。つられて口元がほころんだ。 笑うと金色が弾けて眩しい。くすみのない、透明で、綺麗な色。まばたきの度に眼前に散って、瞼の裏にまで届いた。 やっぱり凛によく似ている。きっとそれは、凛そのものに似つかわしいのだった。
(2017/12/30)
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