#精神が肉体を凌駕
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focusphotoclub · 6 months ago
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動きのある写真
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FOCUS写真部の課題テーマ写真 第4回目「動きのある写真」 流れるような躍動感のある写真や、ブレをいかした写真、動きを感じる一瞬を捉えた写真など… 部員さんが撮影した様々な写真が集まりました📷
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「アイススケート」gaolang
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「近鉄」 touch
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「波紋」Nori
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「よいやーさー!」yuki
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「Here we gooooo!!!」Zakisan
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「愛しの我が家へ」chacac
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「帰路・冬」TAKUTAKU
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「行くぞ〜!!」haruki
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「精神が肉体を凌駕した瞬間」macha
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「初めての東京」terakayo
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「飛び込む」kasumi
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「彗星」Takuya
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chiyoha1488 · 1 year ago
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精神が肉体を凌駕してる
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bailonglee · 2 years ago
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Days
突飛な未来は、正直望まない。
平穏を、好む。
背中に、羽欲しいw
なぁーんて、考えてるw
明日は、自転車直す。
[意]
について、ずっと考えてる。。
肉体は、限界がある。
意識が、肉体を凌駕した時、テレキネシス的な事が起きるような気がして。
その“スイッチ”みたいものを、自分の中で探している。。🙂✨
霊が消滅してから、13年くらい、まだまだひよっこだw
肉体を凌駕するとは、世界と現象の捉え方が、角度がまるで違う…
ちょうど、夢の世界を現実にフィードバックさせる感じ、かな。
学校で習うこと、は?思う事、大人がぐちゃぐちゃ言う事、僕らは、その外野の声がうるさ過ぎて、いつしか精神が辟易してしま���。
自分が考えてる事が世界であり、他人に押しつけるもんじゃないし、だから[調和]が大事。
体験出来てるのは、断食、オートファジーの神秘、天からの自分の声、自分が発生させた地震、くらい。
それは間違いなく、夢では無かった。
じゃあ俺は何がしたいか?
空飛びたい、それやw🤣✨
と、ずっと考えてるw
知らない、常識だの、誰かの研究だのw🤣
純粋に、空飛びたい、そんだけw
それを皆、否定されたり、鼻で笑われたりしてるうち、自分が自分じゃなくなる…
人間にとって、自分が自分じゃなくなるのが、最も不幸だと思います🙂✨
そんな事考えた、本日でしたw✌️✨
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kayajoe · 5 years ago
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【限界を超える朝メシ】 今日の朝メシはカツカレーです。 秒刻みの戦いに勝つためには、とにかくカレーを朝一番に食べるしかない。 一口食べたら、寝ぼけた脳みそは一瞬にして覚醒🔥 同事に、戦闘モード&ヒートモードに突入します。 おいらは戦う漢(自称)です。 同事に嵐を呼ぶ漢(自称)でもあります。 人様に迷惑をかけず、朝から晩まで嵐の如く戦います💪 だから”何度”でも言います。 カレーは漢のたしなみです。 カレーは日本男児の誇りです。 カレーは勝利宣言です。 カレーは必需品です。 カレーは切り札です。 カレーは必殺アイテムです。 カレーは無敵の根源です。 カレーは王者の証です。 カレーは覇者の象徴です。 カレーは永久機関です。 カレーは侍の魂です。 カレーは強さです。 カレーは知恵です。 カレーは真理です。 カレーは魔術です。 カレーは究極です。 カレーは闘魂です。 カレーは至高です。 カレーは神様です。 カレーは美学です。 カレーは大宇宙です。 カレーはロマンです。 カレーは武士道です。 カレーは騎士道です。 カレーは大和魂です。 カレーは芸術です。 カレーは根性です。 カレーは哲学です。 カレーは不滅です。 だから、おいらは死んでもカレーです。 -- #強行突破 #捨て身 #捨て身の覚悟 #捨て身のライフスタイル #究極のメニュー #贅沢は味方 #戦う漢 #暴れる漢 #精神が肉体を凌駕 #漢の魂 #漢のロマン #日本男児 #大盛 #勝負メシ #勝ちメシ #不惜身命 #極限状態 #必需品 #大和魂 #侍魂 #心頭滅却すれば火もまた涼し #哲学 #王者 #勝利の方程式 #無敵の思考 -- #カレー #カツカレー #カレーライス #とんかつ #豚カツ -- https://www.instagram.com/p/CHZ_eXilYtv/?igshid=1w50gftrvcw54
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elle-p · 2 years ago
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P3 Club Book Hero short story scan and transcription.
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キャラクターズショートストーリー
無口な彼の災難
クールで無口。
鉄面皮で感情に欠ける。
何を考えているかわからない。
---物心ついて以来ずっと、他人からそういう 評価を受け続けてきたような気がする。月光館学園に転校してきて半年が経つが、その人物評は相変わらずのことで、自分でも当たっていると思う。外面的には、だが。
あくまで自己評価ではあるけれども、決して自分は感情がないわけでも、冷血なわけでもない。教室で順平と馬鹿話---主に女性のタイプについての話題---をしているときは楽しい。シャドウとの戦闘中に仲間が傷つけられれば、当然のように怒りを覚える。抜き打ちの小テストの悲惨な結果を美鶴に知られ、しょうがないなという顔で見つめられれば少し悲しくなるし、友近と行く鍋島らあめんの美味さには、この上ない幸せすら感じる。そう。きっちり、人並みに喜怒哀楽は感じているのだ。ただ、それがとにかく表に
出にくい、らしい。下を向くと顔半分を完全に覆ってしまう、この髪型のせいだろうか?それとも10年前に両親を亡くしたことが、自分でも気づかないコミュニケーション不全でも引き起こしているのだろうか?
あえて、自分で自己批判を行なうとしたら、それは物事に対するやや受身の姿勢、というものがあるかもしれない。他人に何か判断を任された際、自分の脳裏に浮かぶ3つの選択肢。
はい。
いいえ。
どちらでもない。
この3択に、自分はついつい一番下、自分の決断を放棄するものを選んでしまいがちなのだ。こればかりは、両親を早くに亡くした自分が、その成長過程で無自覚に獲得した処世術なのかもしれない。無論、そういう逃げが許されない局面では、しっかり是か非かを判断する能力はある。ただ、それほど重大でない局面、例えば、ゆかりに放課後どうするかを問われたとき、真田に夏の水着が似合ってたかどうかを訊かれたとき、風花に休日の過ごしかたを尋ねられたときなどは、肯定否定どっちとも取れる返事をしてきた。つい一昨日、荒垣手作りんぶんと音がしそうな勢いで首を縦に振って賞賛したが、これは純粋にカレーが否定のしようもなく美味だったからである。別に荒垣の目つきが「不味いなんて言いやがったら殺す」的なものであったことは、関係がない。いや、決して。
ともあれ、大半のシチュエーションは、この玉虫色のリアクションで問題なくやり過ごすことができたということだ。とくに不便を感じることもない。親しい者たちは、既にそんな自分のリアクションに慣れてくれて、「じゃあ一緒に遊ぼうか?」と2択の返事がしやすいよう水を向けてくれたり、「そうか、ならいいんだ」と勝手に納得してくれたりする。
だから、それでいいんだと思っていた。
「······でありますか?」
夜、わざわざ自室を訪ねてきたアイギスの質問、その肝心な部分を聞き逃したのは、そんな油断があったんだろう。いま思い返せば、もう1度言ってくれと素直に頼めば良かったのかもしれない。だが、タルタロス帰りで時間はとっくに深夜1時を回り、翌日指される予定の英語の予習はどうしようという思いで頭は一杯で、ついでに疲労からくる眠気もあり、ついついいつもの言葉が口をついた。
「······××××××」
いや、正確には口をついたと思う、と言うべきだろう。正直、何と言ったのかは覚えていないのだ。ただ記憶に残ったのは、その言葉を聞いたときの、何ともいえないアイギスの表情。
「······!?」
これは、困惑?落胆?それとも悲しみ?自分は何か間違ったことを言ったのか?
しかし問い直そうと思ったそのとき、アイギスはふっと目線を落とし、そして言った。
「······了解で、あります」
どう聞いても、快諾とは言いがたい「了解」という言葉を残し、アイギスはばたり、とドアを閉めた。普段からローテンションの声が、さらに一段低いトーンになっていたような気がする。それでもまだ、焦りは感じなかった。もし何か問題があっても、明日確認すればいいことだ。いままでは、そういうやりかたでも大丈夫だった。それでいいんだ、と。そして、気持ちを切り替えて、いつものように就寝しした。
だが---それではよくなかったのだ。
「ちょっと······顔貸しなさいよ」
3限が終わった直後の休み時間、順平といつもの馬鹿話をしているときに、そう話しかけてきたのはゆかりだった。いや、話しかける、などという平穏な様子ではない。机に全体重をかけるように片手を突き、こちらに乗り出すように覆いかぶさるその姿勢と表情からは、尋常じゃない緊張感が伝わってきた。要するに、ゆかりは思いっきり怒っている様子だった。
「なんだよ、ゆかりッチ~。ずいぶん、ご機嫌斜めじゃ······」
と言いかけた順平は、すっと自分へと移動した、ゆかりの目つきを見て沈黙する。順平の顔にどっと脂汗が浮かぶ。これは、キミ余計な口挟んだらブチ殺すよ、という目つきだ。バックに「ぎろり」という描き文字が見えた気がした。
そして、その視線が、ゆっくりとこちらに戻ってくる。何度も言うが、表向きクールに見えようと冷静沈着に見えようと、自分は人並みに感情もあるし動揺もする。きっと周囲の誰も理解してくれないだ
ろうが、人生最大に近いくらいの恐怖を、いま自分は感じていた。不思議と、この感覚には覚えがある。これは、10年前?ムーンライトブリッジ?そういう単語が脳裏に浮かび、理不尽に自分に迫り寄る脅威に、思い出してはいけない何かを思い出しそうになったとき、ゆかりの形いい唇が、次の言葉を紡いだ。
「キミさぁ、アイギスと何があったのっ?」 「???」
いったい何のことだ?
いや、もちろん心当たりはあった。 昨夜のアイギスとのやり取り、それが何か問題を起こしかけている。だが、それでどうしてゆかりがっている。だが、それでどうしてゆかりが怒っている?そもそもアイギス本人は?そこで初めて、今日は朝からアイギスを見ていないことに気がついた。まったく、薄情だと言われても仕方ない体たらくだが、そう言えば1限の授業から、アイギスはいなかったような気が。だが、そういった有象無象の思考は、ゆかりの続く言葉で断ち切られた。
「返答によってはによっては······」
即答できなかったせいか、ゆかりの怒りゲージは3本分ほど満タンになっている様子である。そしてそれは、言葉となって噴出した。
「キミのその鬱陶しい前髪!全部剃り上げて額に肉って書いてやるからねっ!!」
繰り返しになるが、表向き平然として見えようと泰然自若として見えようと、自分には人並みに感情があるし、命に代えても避けたい事態というものは存在する。いまが、まさにそう。是非もなく、昨夜起こったすべてをゆがりに洗いざらい白状した。額に浮かぶ脂汗に、周囲の誰かは気づいてくれただろうか······?
「······な~るほどね」
腕を組んで仁王立ちになった姿勢でそう言ったゆかりは、そのままはぁ~と大きなため息をついた。昨夜の出来事を語った直後のリアクションである。ぼんやりしててアイギスの質問を聞きそびれたこと、それなのに「どうでもいい」といった内容の答えを返したこと、それには全く悪気はなくて単なる条件反射だったこと、さらには記憶にある10年前から現在までの、自分自身の人格形成に至ある流れの一端まで、頭に浮かんだ全てを語り尽くした。正直、こんなに話したのは久しぶりな気がする。およそ、1ヵ月間で発する言葉の量 (戦闘時のペルソナ召喚コール含む) を、軽く凌駕するのではないだろうか。
「お前······こんなに話せたんだな······」
無遠慮に、横で一部始終を聞いていた順平が、正直にもさりげなく失礼なことを言う。しつこいようだが、表向き無口に見えようと (中略) 人並みに喋ることは可能なのだ。
恐る恐る、ゆかりの表情を窺うと、その表情からは幸い怒りは消えていた。替わりに浮かんでいたのは、呆れ、というか哀れみ?そして、その表情のまま、ゆかりは糾弾を始める。
「······鈍感」
ぐさつ。
「······常識なし」
ぐさぐさつ。
「······女心がわからない状況に流されるだけの優柔不断の浅薄で気が利かなくて言っていいことと悪いことの分別もつかない鬼太郎ヘア!」
ぐさぐさぐさぐさぐさぐさぐさっ!!
いいかげん聞き飽きただろうが、表向き (中略) 打たれ強 (中略) 傷つくのだ。
「やめろよ、ゆかりッチ!こいつだって好きでこんな髪型してるワケじゃ!」
いや、髪形は好きでやっているのだが。と、そんな順平のフォローにもならない馬鹿コメントを流しつつ、ゆかりが重々しく語り出した。
「いい?今から、あなたがアイギスにどれだけ酷いコト言ったのか、教えてあげる······」
要点はこうだった。2学期になり、クラスメイトとなったアイギスは、自分がそばにいると誓った相手の食生活に不安を抱き、ついに昨日、ゆかりに相談を持ちかけてきたらしいのだ。
「······あの方は、校内ではいつも購買のパンしか摂 取していないようであります。加えて、下校時にファーストフードやラーメンの繰り返し。これは栄養学的に見て、健康を害する危険性が高いと思われるであります」
「ん~?まぁ、好きで食べてるんだし、それでいいんじゃないの?」
「ダメであります!健全な精神は健全な肉体に宿るであります!日本国民は健康で幸せ送る権利を有するでありますっ!」
どうにも、すごい剣幕だったようだ。
「あ~、はいはい、わかったわかった。ちょっと落ち着きなさいよ、アイギス。······よし、 それじゃこういうの、どう?」
そして、ゆかりが提案したのが。
「お弁当······で、ありますか?」
「うん、そう。私もたまに作ってるんだ。栄養管理もしやすいし、上手くやれば経済的にも安上がりだし。ま、朝練があるときなんかは、サボっちゃうけどね」
「お弁当······なるほど、俗に言うCレーションでありますね?」
「いや、あんま俗に言わないと思うけど」
「そうでありますか?それより······お弁当、でありますか······確かに、それは状況に最適の作戦だと評価できるであります!」
「お、乗り気じゃんアイギス。 よぉし、じゃあ私も協力してあげるっ!」
······とまあ、そういう会話の流れを経て、ゆかりが持てる限りの料理技術を伝授し、最終的にアイギスが希望のメニューを確認しに行ったのが、昨夜のこと。つまり。
「せっかく、キミの健康を心配して、愛情料理を作ってあげたいってアイギスの真心に、どうでもいいって言っちゃったのよ!キミは!」
「ひ、ひでえ······」
ゆかりの糾弾の言葉に、普段はお気楽が身上の順平すら同意する。確かに······そう言われても仕方がない。自分でも酷いことを言ってしまったと、 今では思う。たとえ聞き逃しと誤解が原因であったとしても、である。
そのとき、ふと、視線に気づいた。全周囲から刺さるように注がれる、冷たい視線だ。顔を上げると、遠巻きな位置から耳の感度を集音マイクか盗聴器なみに上げていたクラスメイトたちが、じと一っとこちらを見ながらボソボソと呟きあっていた。
「······そんな人だったんだ······」
「アイギスさん、 可哀想」
「くそう、オレのアイギスちゃんを!」
「やっぱ冷たいヤツ······」
それぞれが勝手なことを、だが、いまの自分には反論の余地がないことを、彼らは口々に言い合っている。つくづくクドイようだが (中略) 平気な (中略) 泣き (中略) だ。無意識に、下唇を強く噛む。心に覚えるのは、糾弾への怒りではなく、アイギスへの謝罪の念。だから、黙って周囲からの攻撃を受け止める。
「なに?どーしたの?」
「いや、あいつがさぁ、アイギスちゃんに······」
ついに、事情を知らない生徒たちも、無責任かつ周囲をはばからない糾弾劇に加わり始める。
「えー!マジ?」
「なになに、何事?」
「だから、酷いんだって」
「それは可哀想でありますね」
ざわっ。
聞き覚えのある涼やかな声と、それに続くざわめきをきっかけに、そこで周囲の雑音がピタリと止まった。どうしたのかと視線を上げ、正直、心臓ない、安堵の気持ちが心に広がる。もちろん、どちらの感情も顔には出ないが。
「貴方は私の大切な人でありますが、それでも誰かを傷つける言行は許諾しかねるものであります。ゆえに、可能な限り速やかに、目標となる方への謝罪を要求するであります」
無論、ためらうことなく目の前の少女、アイギスに向かい、深々と頭を下げて謝罪の言葉を口にしたのは言うまでもない。謝られた当のアイギスは、きょとんと小首をかしげていたが。
「わたしが、傷ついた、でありますか?」
その後、4限の授業を経ての昼休み、興味津々のクラスメイトたちを置いて、ゆっくり話ができる場所---屋上へとやってきた。目の前にいるのは、もちろん当事者のアイギス。そして横では事情を知るゆかり、そしてあまり関係ないが一応友人の端くれである順平も神妙な顔つきで、こちらの会話に聞き入っている。とりあえずの事態の経過をアイギスに説明し、昨夜の不用意な言動で傷つけたのではと恐る恐る確認したところ、返ってきた返事は。
「まったくもって、杞憂の心配であります。忌憚無く言わせていただければ、この上なく無駄な配慮であります。ご苦労様でした」
ずどーん。
はっきり言って、先ほどのクラスメイトたちからの糾弾の言葉より、このアイギスのセリフが100倍心に突き刺さったかもしれない。
「で、でもさ!」
先ほどキツイ糾弾の言葉を突きつけた手前か、ゆかりが慌てながらアイギスに訊く。
「じゃあ何で、今日はアイギスこんなに遅くなったの?朝から姿も見えなかったし」
「もちろん、弁当���作っていたであります」
「うっそ!寮のキッチンは見たよ?」
「ですが、 ナンでもいいと要請されましたので、寮の設備と資材では限界がありました」
「······何でもいいって言われた、んだよね?」
「ナンでもいいと、要請されました。やはり本格的なものは、タヌール釜と呼ばれる専用のオーブンで焼くべきでありますから」
「へ?あ······あのさっ······いまスゴイ、会話がすれ違ってる気がするんだけどっ?」
「······という訳で」
そう言いつつ、アイギスは背後から大きなバスケットを持ち出し、そのフタを開け放った。
「ご要望の、ナンと本格インドカレーをお持ちしたであります!」
その顔には、してやったり、といった満足げな笑顔が浮かんでいた。
普通、ナンが食べたかったら「ナンでもいい」じゃなくて「ナンがいい」って言うよな、とか、色々と言いたいことはあったが、とりあえず焼き立てのナンは、初めて食べる美味しさだった。よく晴れた秋空のもと、開放的な屋上でのランチという状況も、いいスパイスとなっている。多めに作ったということで、順平やゆかりも、すっかり笑顔でナンとカレーを交互にパクついている。ちなみに本格力レーは、荒垣先輩の一昨日の作り置きを譲ってもらったのだとか。
ふと、横を見ると、心配そうな顔でアイギスが覗き込んでいた。そして目が合うと、おずおずといった感じで、こう訊いてきた。
「お味は、どうでありますか?」
正直な気持ちに、ほんのちょっぴりの反省を軽くブレンドして、迷わず彼女に言ってやる。
「すっごく、美味しい」
そんな僕の顔を見て、順平とゆかりが驚いた顔をする。まったく失敬な。僕にだって人並みに感情がある。嬉しいことがあったら人並みに笑うことだって、もちろんあるのだから。
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hitujijp · 3 years ago
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拒絶も個性の材料
愚痴も元を辿れば拒絶から端を発しているのだと思う。 それを受け入れたくないと思う拒絶心から、愚痴へと繋がる導火線に火が放たれるのだ。
しかしながら、時には嫌いな食べ物でも頑張って受け入れてみれば楽しめるのではないかと思い、拒絶せずに受け入れてみるのだが、やはり体調が悪化してしまう。
体が拒絶を欲しているのに尚全てを受け入れようとするのなら、精神が肉体を凌駕しなければならないのではないか?それ以前に全てを受け入れてしまったとしたら最早個性の居所が見つからない。拒絶とは個性の一翼を担うものだ。
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blueenemydefendor · 6 years ago
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BrainTech(ブレインテック)
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「ブレインテック」という聴きなれない言葉ですが
意味するところは
Brain(脳)と Technology(技術)合わせた造語で
脳科学(神経科学)の知見とITやネットを組み合わせた ビジネスを総称してBrainTechと呼びます。
同じ意味で「ニューロ・テクノロジー」とも呼ばれる。
AI(人工知能)の進歩により注目されている技術です。
脳のビジネス応用化は始まっている。
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ニューロマーケティング
 脳科学の知見や技術を用いて、消費者の無意識的な感情の 変化などを読み取る手法で、主に広告・CMで活用されている。
脳の活動の情報は「究極の個人情報」と言われている 遺伝子の情報と並んで、ビジネスの分野では高い注目を 集めています。
脳の活動は専用の機器を使えば、電磁波データとして測定 することができます。
最新の機材を使ったさまざまな研究や検査により 脳の活動を測定する技術の進化があり、 脳の秘密は明かされつつあるのです。
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BrainTechの事例
最新の検査機器を使った「BrainTech」はどのような産業・ 分野で活用されているのでしょう?
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ニューロフィードバック(NFB)
 脳の活動データをモニタリングしながら フィードバックし、脳の活動を望ましい方向に 導く方法が「ニューロフィードバック」です。
日本の国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所にて ニューロフィードバック訓練の臨床研究に成功している。
 日本では「株式会社メディアシーク」という会社がイスラエルの ブレインテック企業「Myndlift Ltd.」と提携し、 ニューロフィードバックを活用した脳の状態を可視化できる スマートフォンアプリを提供するなど、日本でも展開する 予定だということです。
「Myndlift」は、イスラエルを拠点に世界的な注目を集める ブレインテクノロジーのスペシャリスト集団。
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BMIは
Brain Machine Interface (ブレイン・マシン・インターフェース)の略です。
BCI (ブレイン・コンピューター・インターフェイス)も同義。
高度な神経インタフェースの能力を増強して100万以上の 神経細胞を並行処理する革新的な技術。
 5円玉2枚を重ね合わせたくらいの機器を、脳に埋め込む ことでコンピュータをはじめデジタル機器に繋ぐことが できる、すると何が起こるのか?
囲碁や将棋のプロ棋士が量産できるかもしれない。
脳で考えただけで世界と繋がる SF のような インターフェースである。
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テレパシーは実現するか?
BMIの仕組みは
   専用の装置が脳の電気信号データを読み取り
   機械や装置を動かす
というものです。
つまり人間の手や足などの体を動かさずに、脳が念じた 情報を機器が読み取り機械等を動かす仕組みです。
 この仕組みを利用すれば身体を使わずに脳から情報を機器に 出力ができるようになる、ということです。
例えば、"テレビのチャンネルを1chに変えたい"という脳波を BMIが読み取り、この脳波を検知したBMIはテレビを1chへ 切り替えるスイッチへ信号を送ることにより、願うだけで テレビチャンネルを変更することが可能になる。
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BMIには
   脳内に機器を埋め込む方法(侵襲性)
   頭に機器を装着する方法(非侵襲性)
の2種類がありますが、やはり脳に機器を入れるのは 手術などで体に負担があるようです。
心理的にも不安を感じる方は多いと思います。
BMIはとくに医療での活用が期待されています。
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介護・福祉
 筋萎縮性側索硬化症や事故などで、脊椎の損傷による部分・ 全身麻痺となった人がコンピュータ画面上でのマウス ポインタの使用、文字入力、ロボット・義手・車椅子などを 自由自在に操作することが実現されているなど、 脳以外の器官を端末と捉えることでの医療も出現してきた。
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随意運動(思ったとおりに体を動かす)
 脳の地図から脊髄を通して、体の各位に連動できる。
もし肉体の腕など損傷した場合、ロボットハンドの腕に 運動回路を(電気パルスなど)人工的に神経回路を設定す れば脳の意思のとおりに動かすことができる。
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パーキンソン病で、脳のドーパミンの影響で体が コントロールできない人が外部からの電気的刺激で 調整できるようになるという事だ。
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 義眼の人にも同様な仕組みでカメラを使い、人工視覚の応用 が可能だそうです。
視覚ニューロン技術は、画像処理には課題が残るも 大いに期待される分野です。
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バーチャルリアリティー
AR(拡張現実)
VR(仮想現実)
MR(混合現実)
SR(代替現実)
 これらは、脳や感覚器を意図的に誤認識させることで、 リアリティを作り出すことがカギとなる技術。
現在、VR(MR、SRも含む)技術は、画像+音声+深部感覚により リアリティを生み出しているが、痛覚や振動覚、温感、冷感などの 接触により認識される物理的な体感はありません。
VR技術を使ってのゲームや様々な職業訓練は成熟してきているし、 ある種の精神疾患の治療にも利用されている。
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今後、疑似体験を応用したニーズは更に広がると期待されている。
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だがBMIの研究が進むほどに、直接脳にアクセス出来、機能する 方法に取って替わっていくという未来が到来します。
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脳の活動は何も考えていないときでも、色々な活動をしている。
 デフォルトモード・ネットワークの研究によって深層意識の解明、 より膨大な情報を得て更なる研究に役立っている。
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 実用化されているのは、深い睡眠に誘導するヘッドセ��トや 微弱な電流で脳に刺激を与えてスポーツのパフォーマンスを 向上させる「ヘッドセット」が流通されている。
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 日本では、国の科学研究戦略推進プログラムの後押しで 2012年から大阪大学附属病院と東京大学などのグループが 共同で臨床研究をスタートさせているという。
国はこういった分野にもっと研究予算を割り当てて欲しい。
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群衆の中の、あるひとりに対してだけ《音を送る》
 アメリカのマサチューセッツ工科大学の研究者たちが、 ワイヤレスで「他の人たちには聞こえない音を、 目標とした人だけにレーザービームで送ることができる」 という技術の開発に成功した。
研究者らは、音を暗号化し、レーザー光線を使って対象人物の 耳に直接伝達する方法を開発した。
このようなメッセージの受信には特別な機器は必要ない のだそう。
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軍事
 軍拡競争も拡散している。
この技術を応用して、戦闘サイボーグといった兵士を 造り上げることや、脳で戦闘機や戦車といった端末 (軍事用ロボット)を遠隔操縦する構想もある。
いずれも戦闘による人的損害を減らすことに目的がある。
 また、軍事に限らず人的損害を減らす目的で、地雷処理など 人間では危険な作業や高圧・真空といった過酷な環境への利用 も期待されている。
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ラットの脳に直接、人間の指令を送ることに成功した。
 中国の科学者たちが、ラットの脳に刺激を与える 小さな装置がつけられ人間の脳を接続することにより、 人間がラットの行動を支配し、マインドコントロール することに成功したと科学誌「ネイチャー」に論文が 発表された。
 将来このような直接的な「脳 - 脳間の接続インターフェース」 により、完全にコントロールされた本物の「サイボーグ化動物」 を作り出すことが可能だと確信しているとのことだ。
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世界のブレインテック動向
 AR(拡張現実) VR(仮想現実)技術を凌駕して 一歩先をいく脳開発研究だが未知な分野も多い。
世界各国では、莫大な予算を投じて脳の全容解明 脳機能の発達に強力に研究を推し進めている。
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「Neuralink」の立ち上げ
自動運転電気自動車企業Teslaや宇宙開発企業SpaceXのCEO、 イーロン・マスク氏
BMI(Brain Machine Interface:脳マシンインタフェース) デバイス開発企業「Neuralink」を2017年に立ち上げた。
 同社では、脳で考えたことを言語化せずにダイレクトに伝達 できるようにするための体内に埋め込む「AIチップ開発」に 取り組んでいるという。
マスク氏は、このチップの埋め込みを「レーシック手術くらい 手軽で安価なものにしたい」と語っている。
将来的には脳内チップをAIシステムに接続することで 人間の能力を増幅させたい考えだという。
う~ん気のせいか、金の臭いがする・・・
 Facebookは「Brain-Typing project」として、思考内容を 文字入力するシステムを考案中であることを発表している。
 またMicrosoftは「Brain Computer Interface」という、 思考を使ってソフトウェアを操作するインターフェースを 目指している。
ブレインテック市場規模は5兆円を越えるとしている。 「脳波は口よりモノを言う」という成長投資の潮流だ。
この分野の進展にはスピード感がある、 私達人類は今、大きなパラダイムシフトを迎えつつある。
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待ち受けるFSの世界
「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」 は1995年公開の日本アニメ映画
 他人の電脳をゴーストハックして人形のように操る 国際手配中の凄腕ハッカー、通称「人形使い」の正体を 追う公安9課、通称「攻殻機動隊」は精鋭サイボーグだ。
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「マトリックス」は1999年の映画
 主人公ネオはある日 「あなたが生きているこの世界は、コンピュータによって 作られた仮想現実だ」と告げられ、 このまま仮想現実で生きるか、現実の世界で目覚めるかの 選択を迫られる。
人体に埋め込んだジャックにプラグを挿して電脳空間へ 移動する。
この作品は攻殻機動隊をリスペクトしているという。
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「アリータ・バトルエンジェル」
  今年2月に公開された26世紀の世界を描く。
サイバー医師によって見出された、脳だけだった 主人公アリータがサイボーグの体を得て 自分の命は最強兵器なのだと知る。
 これらの映画はBMI脳科学を昇華させ、現実味あるもの として観られる作品の代表だと思います。
他にも近未来のサイボーグの世界観を描いた映画は 多数あります。
 ほとんどの内容は悪者と戦うものですが 主人公が恋愛をしたり、涙を流したりといった 人間味臭ささが有り、実に興味深いと思います。
 BMI最先端脳科学のみならず、宇宙工学やロボット といった開発分野は今後益々進展していきます。
 今日の多くの人がスマホを手放せないように、 一度“接続”された体験を味わえば、元に戻ることは できなくなるということです。
人類の叡智、進歩には大きな夢や期待がありますが、 性善説だけで行く事には避け難いリスクを伴うでしょう。
悪用、乱用をさせない法的手段の構築、倫理観の確立、 心と脳の乖離をちゃんと防ぐといった取り組みが 為されるべきです。
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 今、ちょうど桜が満開になるところです。
昔の日本には「お花見」という文化がありました・・・ といった、まさかの事態だって想定されます。
美しい情緒とか日本独特の文化が失われてしまうような アイデンティティの喪失だけは阻止したいです。
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 AI(人工知能)は素晴らしいし��遠だが、人間には 寿命あるのだ。
私達は、すでに神の領域に足を踏み入れたと言っても 大袈裟ではないでしょう。
BMIや科学進歩は、乗り越えるべき課題が山積です。
 日本は明日、4月1日に元号発表、5月1日新天皇即位により 新たな時代を迎えます。
 我々は未来をどんな時代にしていきたいと思うのか?
継いで行く子孫が誇れる世の中であって欲しいと思う。
実用例・参考動画
脳で動かすテクノロジー 暮らしに広がるBMI
https://www.youtube.com/watch?v=FqnfanMaCII
youtube
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buriedbornes · 6 years ago
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第25話 『ある術者の1日 (1) - “朝の目覚め”』 One day of a necromer chapter 1 - “Morning awakening”
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Buriedbornesの術者の意識が屍体を離れ地上に還った後、肉体は一時的に主を失い無防備となる。
そのまま野ざらしにしておけば、死臭に誘われた魔物が這い寄り、次の目覚めまで保つことはまずないだろう。
そこで、術者が屍体を離れる時には、肉体を土に埋めてしまう事が通例となっている。
厳密には、穴を掘りそこに横たわって、土をかぶる、言うなれば『自ら埋まる』というものではあるが。
匂いの消し方には、決まったやり方はあまりない。
外の空気に触れないよう結界で封じてしまうもの、香草を使うもの、大量の屍体を周囲に撒き散らし"森に葉を隠す"ものなど様々だ。
物理的に鉄板などで蓋をしてしまうようなケースもあるが、この場合は霊体のつながりを保つために開けられた、成人男性の手首ほどの"空気穴"が仇となる事もあり、危険だ。
巨躯の魔物などは鉄板を前に屍体の発掘を諦めてしまうかもしれないが、空気穴でも通れてしまう小さな虫や動物はその限りではない。
いずれにしても、術者は十人十色の方法で以て、屍体の保全に努めている。
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術者が目を覚まして最初にする事は、自身の体に盛られた土を払い除け、外へと這い出す事である。
土中から目だけを出して、周囲を見渡し、気配を窺いながら音もなく身を起こす。
その後、自身の肉体を隅々まで見る。
脚は二本ともついているか。
頭部のどこかが欠けていないか、一箇所ずつ触り、異常がないか探る。
体を細かく動かし、全身くまなく意識をめぐらせて、意図通りの動きが遅延なく為されるか、試していく。
意識がなかった間に起きた事をあらかじめ正確に把握できなければ、屍体を喪失するリスクは大きくなる。
うわべの見た目に問題がなくとも、寄生生物に這入られている可能性、何らかの呪いを受けている可能性など、リスクの種類には枚挙にいとまがない。
経験の浅い術者は、些細な機微に無頓着だ。
戦闘中に自身に刻まれた呪印の存在に気づくなど、もっての外である。
十全な確認の後、その場を離れ、再び危険が蔓延る地底の世界を蠢き始めるのだ。
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死の冒涜に自ら足を踏み入れ、禁忌を重ねるに至ったとしても、その全てがはじめから倫理を外れたものであったわけではない。
良心の呵責から、使用を躊躇った者も少なくはない。
しかし、全てを凌駕する強い力を求める過程が、やがて多くの術者達の心から倫理観を奪っていった。
倫理観とは、それがもたらす社会的合理性によって支えられた人間達が、それを共有し合う個々人の中で互いに生み出し合った幻想の呼称である。
それがもたらす意味や価値がこの世に残されていないのであれば、そこに見出されるものは、もはや非合理性のみである。
遅かれ早かれ、屍者を以て屍者と対峙する者達は、命に対する意識を改め、死を生命体の状態の差として見るようになっていった。
その意識の変化に心が耐えられず、かといって自らの命を絶つ事もできなかった者達は、様々な形で"歪んで"いった。
整合性の欠片もない論理を立てて自己正当化を図る者、存在しない神性の存在に行動の責任を転嫁する者、自らに幻術をかせて現実認識を曲解させる者…
いずれの形にせよ、それらは平和な時勢の社会においては"狂った"と一律に評されたであろうものであった。
だが、今の彼らを"狂っている"と、我々は指差して嗤う事などできようか?
それがその世界において最も合理的な人間のあり方であるならば、それに適合できず脆弱で無価値な良心なぞに従って自らを害した者達こそが狂人であっ��とさえ言える。
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心理的な合意形成の過程とは別に、屍体を操り戦う事を選ぶに至った経緯も、術者ごとにまちまちである。
Buriedbornesの秘術を見出す過程から、まず違う。
一部の術者達は、世界に滅びが蔓延するよりも以前から、既にその禁忌を現代において犯していた。
勘がいい者達は、世界に滅びが蔓延する最中、自らの知識と経験からその真実にたどり着いた。
それ以外の多くの術者達も、仲間から伝えられたり、風の噂から知る事になったものが多い。
コミュニティを形成し協力して研究や闘争に立ち向かう者もいれば、孤独に戦っている者もいる。
屍者の軍勢を滅ぼし世界を救う事を本気で目指している酔狂な者達もいれば、未曾有の世紀末を覆う呪いと屍術の無限の可能性を探求し知の歓びに耽溺する者達もいる。
共通した過程は常に『屍者を使って戦う以外に選択肢がない』であり、最終的に至った目的も常に『いかにして屍者を操り、より強い兵隊を生み出すか』である。
Buriedbornesの術がもたらす恩恵はそれ以外の手段では決して得られる事がなかった。
改造と術による筋力や脳機能の自己抑制を無視する作用によって本来得る事ができないほどの尋常でない能力を得て、使い捨てができて術者は常に無傷で次の挑戦を繰り返す事ができる。
それまでの全ての常識を覆し、屍者で戦う手段はそれ以外の手段のほとんどを駆逐し尽くした。
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屍術師ダレンは、その日もいつものように目を覚ました。
17日目。
迷宮、地下6階。
足を踏み入れた頃に見られた陽の光は遥か頭上の彼方に離れ、今や途切れず燃え盛る松明の光だけが回廊を照らしている。
研究所の近場にある寂れた墓所に残された兵士の屍体の数にも、底が見えて来始めている。
屍体を使い始めた頃と同じように、なんでも試して、失敗すれば次、そんな投げ槍な感覚で屍体を使い捨てられるのにも限界がある。
せめて、新たな屍体の供給源にでも見つけられれば或いは…
しかし、それも手に入らず、このまま何の結果も生む事もできなければ、この戦いにも終わりが来てしまうだろう。
術者自身は、生きた人間である。
安全に生活資源を得られる手段すらもBuriedbornesに頼っている。
屍体を全て使い切る事。
その先に待つものは、緩やかな死である。
我々には、後がない。
普段は聡明なダレンにも、焦りと本体の空腹による集中力の低下が起きていた。
天井の暗がりに張り付いた巨大な粘液塊の存在に、彼は気づくことができなかった。
突然閉ざされる視界。
通り掛かる獲物に降下したラージスライムの定石手は、頭部を覆い呼吸を止めて活動力と判断力を奪い、そのまま全身を取り込むやり方だ。
頭部が酸液に溶かされる音が回廊に響く。
首元をかきむしりもがく。
術者の負担をへらすために事前に痛覚は切断している。
当然、痛みはない。
呼吸をせずとも、死ぬ事はない。
だが、術を介してはいても、肉体の感覚はすぐそこにあるのだ。
実際に魔物に命を奪われる感覚、その過程を経験する事にはなるのだ。
たとえ幻術であっても、高所の不安定な足場を見せられた被術者は、一瞬の恐怖に脳を支配され、本能が理性を凌駕しパニックを引き起こす。
彼もまた、それと同様の事態に見舞われていた。
「炎術だ、燃やせ!」
どこからともなく、遠くに響く声がする。
その声に我に返り、手を頭上の塊に差し出す。
指先から火炎放射が放たれれば、スライムは表皮の熱源に反応し、生理上の反射として身を縮め、即座に獲物から離れる。
スライムの習性に対する最適解のリアクション。
しかし、彼はそこでもまた失態を犯した。
目が見えず、距離感を失っていた彼は、炎の噴射を開始するよりも先に、スライムの粘液の中に指先を突き入れてしまう。
慌てて引き抜こうとしても、もう遅い。
まとわりついたスライムは特殊な薬液か炎、異常なほど強い遠心力以外によっては引き剥がす事ができない。
そして、粘液に包まれた手の先は空気が触れておらず、可燃しない。
右手からの炎術はもう、使えない。
代わりの左手を出すよりも早く、上半身はスライムに覆われてしまう。
スライムの重さに耐えかね、兵士の肉体は横転した。
そして、足先まで、全身がスライムの内側に取り込まれた。
ここから助かる術は、もうない。
手詰まりである。
ダレンは、術の施行を取りやめ、意識を兵士の肉体から引き離した。
全身に猛烈な突風が吹き抜けるような感覚が走り、そして、視野が元の研究所の片隅に戻った。
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「クソッ!」
握りこぶしを作って、椅子の肘掛けを強く叩いた。
木が軽く軋み、鈍い音が響く。
叩いた椅子よりもむしろ、叩いた自身の掌こそが裂けそうなほど、痛む。
非力な肉体では、こんな木切れすら破壊できない。
「ダレン、少し休もう。そんなコンディションじゃ、勝てるものも勝てんぞ」
ヘルマンがダレンの肩を叩く。
彼の声は、炎術の助言を促したときと同じようなはっきりとした声で、ダレンを励ます。
「…施術の準備はしておく。寝てこい」
無表情で隣室を指差し、椅子の周囲に描かれた魔法陣を直し始めたのは、マルクだ。
ダレンは手で強く目頭を抑え、ふらつきながら部屋を後にした。
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施術室の整備はマルクが担当している。
魔法陣、椅子、術の施行などだ。
Buriedbornesの術を発見できたのも、彼の思慮深さが寄与している。
術を使って戦わせれば、3人の中では最も優れた術士ではあるだろう。
ヘルマンはダレンの戦闘補佐を担当している。
3人の中で最も大きな体躯を持ち、饒舌で、崩壊前に限れば快活な楽天家ですらあった。
広い知識と高い判断力を持ち、世界崩壊時も彼の活躍があってこそ3人は生存できたと言える。
だが、術の才能に関して言えば決して優れたものを持っているわけではなかった。
多少は肉体的な強さも持ち合わせてはいたが、それも所詮は一般人として見たら、である。
魔物と直接渡り合えるほどでは当然ない。
彼らは、その隠された狭い研究所の側にある墓所から、屍体を調達している。
そこはかつてとある2国が争った戦場の南端に位置し、近隣の住民はそこでの戦死者の亡骸をその墓所へ埋葬した。
(勿論それは、残された兵士達の装備を売り払った事への罪悪感を紛らわせるための、極めて利己的な葬儀ではあったが)
結果としてその墓所には、戦争に参加した雑兵が山程埋められてた。
3人はそこに目をつけた。
夜な夜な、徘徊する屍者や魔物の目をかいくぐり、屍体を掘り起こし、研究所に持ち帰る。
屍体に霊体を込めて、動かす。
その屍体が優れた戦士のものなら、儲けものだ。
そうして3人の術者による"屍者の軍勢との戦い"は始まった。
Buriedbornesの術に求められるものは、術の才能でも、肉体の強さでもない。
屍体と記憶をつなぎ、操作する。
この時代にあっては、多くの場合その記憶は不遇の戦死に対する怨恨に満ち、またその死の瞬間の印象も鮮烈だ。
無数の屍体に次々と乗り換えて、そのひとつひとつの記憶に触れ続ける必要がある。
つまり、最も重要なものは、純粋な精神力である。
無数の死に触れながらなお正気を保ち、前に進み続けられるだけの強靭な精神力。
あるいはそれは、結果として異常行動に走らずに済���だだけの発狂者��もしれない。
崩壊より遥か以前に家族の命を眼前で野盗に奪われていた事は、彼の精神の不感と全く無関係ではないかもしれない。
他の二人は、精神力という面で見たときに、いささか人間的過ぎたのかもしれない。
はじめは3人で交代で術の行使を行っていたが、ヘルマンとマルクはすぐに精神の不調を来し、やがて術の直接行使はダレンだけが行うようになった。
術者と言えども人間である。
食べもするし、寝もするだろう。
休憩する事もあれば、無関係の事に勤しむ時間もある。
Buriedbornesの術を一度行使すると、霊体の接続は対象の肉体が崩壊するか、意図的に切断するまでは保持される。
一時的に屍体から霊体を本体の肉体に戻して活動し、その後思い出したように接続を再開する事も可能だ。
複数の屍体に接続し、切り替えて使用する事も可能ではあるが、集中力の限界があるため、一度に動かすのは大体1体である。
術者によってタイミングや長さはまちまちだが、ダレン達は毎日、平均して9時間の接続を行っている。
朝起きて、日常的な"生活"の範疇の行動を済ませた後、冒涜を開始する。
1日の探索を終えた後は、屍体を土中に隠し、ダレンの霊体は研究所に戻る。
その後、地図の整理や術の研究などに時間を充て、各々思い思いの時間に消灯する。
日によっては1日以上外出して、屍体の回収を行う事もある。
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彼らは大量の屍体を抱える墓地近くに拠点を得た事で、運が良かったとも言える。
しかし一方で、その墓地が雑兵しか得られない場所であった点は、不運であったとも言える。
彼らの戦力は専ら"農民に毛が生えた程度の男"だけで、そんなもので、英雄的な活躍ができるわけがない。
これまでに数百とその死の記憶に目を通してきたが、人を斬れた記憶もよくて一生に1度、全体でも数えるほどしか確認できていない。
ほとんどが、牧歌的な農村に育ち、やがて徴兵され、慣れぬ剣や槍を持たされ、何もわからぬまま何かに貫かれるか焼かれるかして死んだものばかりである。
このまま屍体を全て使い果たしたところで、世界を崩壊に追いやったと噂される古代の覇王の、姿を確認する事すら叶わないかもしれない。
こんな辺境にまとめて墓地に埋められた屍者の中に、英雄が存在する可能性が、どれほどあろうか?
ダレン達は半ば、スペードのAが抜かれたトランプの束から、それを探して1枚ずつめくるような日々を過ごしていた。
最後の1枚をめくった後は、もはや死を待つばかりである。
ギャンブルとも呼べない切迫した状況は、3人を日に日に追い詰めていった。
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その日の夜、ダレンは紙がこすれる音に目を覚ました。
廊下に面した扉は部屋の暗闇に融けて、寝覚めの目には存在すら薄ぼんやりと透けている。
一方、隣室につながる扉から、光が漏れている。
そちらは、マルクの自室であった。
逆に目をやるが、そちらの扉は廊下側と同様に、闇に包まれていた。
ヘルマンは、少なくともその扉を見る限りにおいては、眠っているらしかった。
ダレンは重い体を起こし扉の前に立つ、控えめに叩いた。
返事はなかったが、ゆっくりと扉を開く。
マルクは質素な机に向かって熱心に何かに目を通している。
部屋の高い位置に開けられた小窓からは月の光が漏れて、経験からおおよその時刻を推し量る事ができる。
「もう遅い、寝ないのか」
ダレンの言葉にも、マルクは返事をしない。
ダレンが書物を覗き込むと、そのページには、奇怪な6本の腕を持った男の解剖図が緻密に描かれていた。
魔物か、悪魔の類か?
訝しがるダレンに、マルクが身を起こし、ページの中の文字に指を指して、声を押し殺しながらも興奮した熱気を伴ってダレンにまくしたてた。
「パーツだ!屍体に他の屍体の部品を継いで、より強固な屍体を作り上げるんだ」
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~つづく~
ある術者の1日 (2) - ”昼の陽光”
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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mikeandkaori · 2 years ago
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過去 3 か月を振り返って: 神さまの真実と誠実さ
この 3 か月間、神さまが香と私、そして私の子供たちにご自身の真実と誠実さをどのように示してくださったかをお分かちしたいと思います。
神さまは、香の寿命を 1 年以上延ばしてくださいました。 2021年 12 月の時点では、がんは非常に広範囲に及んでいたため、主治医は文字通り「今治療するか、さもなくば死ぬかの分かれ目だ」と言いました。 抗がん剤治療が効かなければ、香の余命はあと数週間。 彼女の癌マーカー (CEA) は 26,000 を超えました。 参考までに、400 ~ 500 の CEA レベルは進行した腫瘍病期を示し、死亡率と大きく関連しています。 言い換えれば、彼女の癌マーカーは、進行癌の 50 倍以上でした。 数字の上では状況は絶望的でした。
しかし、神さまは彼女の寿命を憐れみをもって延ばしてくださいました。 彼女の癌マーカー (CEA) は 26,000 を超えていましたが、5 月には589 まで下がりました。 抗がん剤治療が効いている間は、香は肉体的につらい状況下にありました。 何度か救急で病院に行かなければならず、体が回復するために抗がん剤治療を中止しなければならないこともありました。 しかし、9 月になると腫瘍マーカーは急速に上���し始めました。 癌は抗がん剤治療を凌駕し始めていました。 主治医から告げられた短縮された余命を含め。治療と医師の診察が時々のアップそしてほとんどのダウンを告げる中で、私は彼女が不平を言うのを一度も聞いたことがありませんでした。 彼女は、神さまが与えてくださった時間を最大限に活用しようと努めていました。 そして、神さまは彼女にその姿勢を維持する力を与えたと信じています。
香の心の中で日本は特別な場所を占めていました。 再び日本を訪れ、祖母や親族、そして私たちのために熱心に祈り続けてくださっているすべての人々に会うことが彼女の夢でした。 しかし、治療の継続とコロナによる日本への入国制限という 2 つの大きなハードルがあったため、彼女の夢はまさに夢としか思えませんでした。 彼女がしばらく治療をスキップすることができたとしても、コロナで日本入国は大幅に制限されていました。 日本への旅行が実現可能かどうか、友人や家族を訪問するためのビザを発行してもらえるかどうかを調べましたが、香は日本で生まれたのに米国籍を持っていたため、選択肢がないことがすぐにわかりました. その時点では日本訪問は不可能でした。これは閉ざされた扉だったのです。
しかし、なんと2022 年 10 月 11 日に日本は旅行制限を撤廃し、完全にオープンになったのです。 医師の承認を得て旅行日程を組み、香はフライトを予約し、11月3日に出発することになりました。 私の叔父の一人は、彼女がビジネスクラスで行くためのお金を丁重に申し出てくれたので。 彼女はとても快適に過ごせ、しかもスチュワーデスは彼女の面倒をよく見てくれました。 これは思いがけない祝福でした。 彼女に加えて、私たちの末っ子のダニエル、彼女の両親、2 人の妹、そして甥の 1 人と一緒に行くことができ、素晴らしい時間を日本で過ごしました。 彼女は食べ物と買い物が大好きでしたが、それ以上にみんなと過ごす時間が大好きでした。 みんなと一緒に時間を過ごし、思い出を作ることは彼女にとっては意味ある事でした。そしてなにより末っ子のーダニエルにとっても母親と一緒に過ごし思い出をを作れた事は特に大きな意味ある事でした。 神さまは、一見不可能な状況と思える中で彼女と私の息子にこの贈り物を与えてくださったのです。
11 月 18 日の金曜日、彼女はダラスに戻ってきましたが、すべて順調に見えました。 彼女は 3 日後の月曜日に抗がん剤治療を受ける予定でした。しかし治療前日の 血液検査の結果は、腫瘍マーカーとビリルビンの値が急上昇していました。 特にビリルビンの上昇は、癌が肝臓を凌駕し、肝臓が血液を解毒する役割を果たせなくなったことを示すものでした。 看護師は、彼女をすぐに救急治療室に入院させましたが、 入院中もビリルビンの値は上昇し続けました。 最初の数日間、彼女は昏睡状態にあり、反応がありませんでした。 非常に悲惨な状態でした。
しかし、23 日の水曜日までに、彼女はベッドから出ることが出来ました。 体内に毒素がたまって一時幻覚を起こすこともありましたが、そのほかは応対も正常で、状況も把握できていました。 24 日の感謝祭の朝、主治医は、ビリルビンのレベルが非常に高いため、抗がん剤治療はもうこれ以上は無理なので、ホスピスに行くことを癌の専門医から告げられたと私たちに知らせてきました。 そのニュースに私たちの心臓は張り裂けてしまいそうでした。
それを聞いた香は、その日のうちに家に帰り、 感謝祭のディナーを子供たちと一緒に過ごしたいと言いました。 しかし、主治医は、退院する前にホスピスにサインアップするのを待つようにと言ってきました。 そうしなければ、健康状態が緊急に悪化した場合、再び緊急入院のプロセスを経なければならず、入院のためにベッドの空くのを待たなければなりません. 主治医はこんなことが起こるのを見たくないと私たちに告げ、 私は医者に同意しましたが、 香は同意しませんでした。
部屋に入ってきたのは、香のホスピスを探すための病院の事務の人でした。 彼女は私たちの住んでいる場所を尋ね、私たちの近くにあるいくつかのホスピス施設を紹介してくれました。 ホスピスの選び方がわからないので、最寄りのホスピスに行きたいと思い、 フェイス長老派ホスピスを選びました。 グーグルマップで検索してみたら、香の元職場のすぐ隣だったのです。 私たちはその建物を運転中に見たことがあり、外から見るととても素敵で美しいので、何の建物だろうと思ったことがありました。 私はそれを神さまからのゴーサインして受け取り、事務の人にそこに連絡してもらうように頼みましたが、そのホスピスの人さえ、感謝祭の日に誰かがサインアップに来る用意はしていなかったのではと心配したほどです。 しかし、幸いにも神さまの恵みでホスピス関係者が来てくださり、私たちはサインアップすることが出来ました。 その日の午後遅くに私たちは退院し、香は子供たちや家族全員と一緒に感謝祭のディナーを過ごすことができました。神さまは再度私たちの不可能を可能にしてくださりり、 道が見えないときに道を開いてくださったのです。
翌週、香の健康状態は劇的に改善しました。 目覚めているときが多くなり、お見舞客と話していました。非常に気分が良くなったので、抗がん剤療法に戻れるかどうかを主治医に確認するために血液検査の予約までしまたほどです。 彼女がまだ応対できていた時の最後の訪問客は、アーノルド牧師でした。 彼は私たちと結婚式の牧師であり、最終的には彼女のために葬儀を執り行なってくださった牧師ですが、その夜は彼女の最後の聖餐式をしてくださいました。 彼は御霊の導きに敏感で、彼女に主の晩餐を執り行なってくださったことをとてもうれしく思います。 その夜、12 月 2 日金曜日の夜から彼女の容体は悪化しました。
次の数日間は、居合わせたすべての人にとって非常に困難な時でした。 香は私たちと一緒にいるなかで一生懸命戦っていました。. 少し食べたり飲んだりするためだけで精力を使い果たしていました。 食事と薬の服用後、彼女はすぐに眠っていました。 ホスピスの看護師は月曜日の早朝に来て、いつでもホスピスに入院できると言ってくれました。 その夜、子供たちと話し合った後、私は彼女がホスピスに移されるのが最善であると判断しました. 翌朝、私たちは看護師に電話してその手配をしました。 その日、香は痛み止めや吐き気止めの薬を含め、口から何も飲むことができなくなったので、それは正しい決断でした.。彼女がホスピスに到着すると、胸のポートを通して痛みどめを注入することができ、 彼女の表情と呼吸は劇的に改善されました。
香がホスピスに入院する前、まだ意識がはっきりしているときに、彼女と私はどのよにするのが最も理想的かを話し合いました。 私たちは、彼女ができるだけ長く家にいることが最善であり、病院で息を引き取ることが子供たちのために最善であることに同意しました。 この状況が私たちの手に負えないことはわかっていましたが、これが私たちの希望であり祈りでした。 神さまは再び私たちの祈りに応えてくださいました。
ホスピスでは、彼女は多くの友人や訪問客と直接またはオンラインで応対しました。話すことができず、無反応でしたが、会話はすべて聞こえていたと思います。 時々、彼女は言われたことにからだで反応しているのを見ることができました。みなさんが彼女に声を出して話しかけてくださったとき、それは私自身の喪失感と悲しみを和らげるのに助けとなりました. 12 月 8 日の朝、私は彼女が私にとって何を意味していたのか、一緒に過ごした楽しい時間、彼女について私が恋しく思うこと、そして私が彼女に約束したこれからの事などを彼女に話す事が出来ました。2時間後、香は私の見守る中で息を引き取りました。彼女の妹とお母さんも彼女のそばにいて、彼女のお父さんはベッドのそばで彼女に賛美歌を歌っていました. この地上での最期の瞬間を彼女の家族だけがそばにいてくれたのはとてもふさわしいことのように思えました。
私の父は 15 分後に到着し、ヒューストンから車で来つつあった姉は父より 30 分遅れて到着しました。 香が亡くなった時、父と妹はそこにいませんでしたが、私のためにそこに来てくれました。 振り返ってみると、神さまの完璧なタイミングが見えます。 各人を適切な場所に適切なタイミングで配置しました。 私の観点からすると、これ以上うまいタイミングはありませんでした。
香がホスピスに行くように勧められたとき、私たちは神さまに、クリスマス休暇を乗り切るためにそれまで命を延ばしてくださるようにお願いしました。 そのほうが子供たちにとってはいいですよね? ご存知のように、神さまは私たちが望んでいた答えを私たちに与えてくださいませんでした。 神さまは私たちが理解できたものよりももっと優れたものを私たちに与えなるために、私たちのその場の望みを聞かれなかったのだとそう信じています。
もし香が新年のいつかに亡くなっていたら、子供たちと私は週末だけか、長くてもせいぜい1週間しか家族に助けてもらえず、それもほとんどが葬儀の準備に使われていたでしょう. しかし、代わりに、神さまは家族が私たちと一緒にいる時をほぼ1か月も私たちに与えてくださいました。 12 月 2 日から 1 月 1 日までの間に、少なくとも 誰か一人、家族、祖父母、叔母、叔父、いとこが子供たちと一緒にいました。 それは私たちにとって大きな支えでした。 17日にお葬式、19日から子供たちの冬休みが始まったので、連休中は大家族で一緒にわが家に泊ってもらいました。 おばさん、おじさん、いとこが家に一緒にいることは、とても幸せなことでした。 私たちの心は悲しみや喪失感に打ちひしがれることもありましたが、私の家は家族の喜びと笑い声にあふれていました。 香はそれ以外には何も望んでおらず、神さまはこれを私と私の子供たちに与えてくださいました。
この 1 年間、特にこの 3 か月間は、非常に困難な闘病の旅でした。 ���かし、そのすべてを通して、神さまのご真実とご誠実、ご親切、そして完璧なタイミングを見ることができました。 多くの人が手を差し伸べて私たちを支えてくださっているので、その中にも神さまのお心遣いとそのご愛も見ることができました。
マイク
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quuyukadaisuki · 3 years ago
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NieR.Automata
2B9Sの話その5
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とある日の6Oからの定期連絡の際のことだ。
 レジスタンスキャンプ内で通信を開始し、業務連絡など諸所の報告の終わりがけに6Oが話題を振ってきた。
「2Bさんご存知ですか?」と不意に切り出されて「なにを?」と返してしまったのが事の始まりである。
「セントポーリアの花言葉ですよ」
「花言葉?」
 やや含みを持たせた6Oの口調に、ついうっかり聞き返してしまった。任務以外のことは極力話題を避けたいのもあり普段はもっぱら聞き流していたのだったが、その日は比較的時間を持て余している事と、9Sとは偶々別行動であったことが災いしたと言って良いかもしれない。
 しまった、とは口には出さなかったが内心はやれやれとため息をひとつ。木星占いにハマっていたらしい6Oから今度は花言葉という新しいジャンルに乗り換えたのが窺い知れる――とはいえ、2Bは花言葉というものに興味も関心も、そもそもそれが一体何なのか、何であるのか知る由もなかった。ここで9Sがいれば、気の利いた話の切り返しもできたのかもしれないが、この手の話題は生憎からっきしなのだ。
「……興味ない」
 さもありなん。
 ある程度の予想はできていたことではあるが、これほどとは。なんてストイックなのだろうと思えど、そこで諦める6Oではなかった。お馴染みの冷たい反応に負けじと食い下がる。
「あの、そんな一蹴しなくても。興味ないかもしれないですけど、せっかくですから私が調べた成果を聞いて欲しいんです2Bさんに!」
「なぜ?」
「なぜって、そのう……2Bさんは花を贈りたい相手とか居ませんか? 例えば9Sさんとかに贈るなんてどうでしょう?」
「……!」
 僅かに動揺したようないつもとは異なる反応に、おや? と6Oの勘が働く。モニターに映し出された2Bの表情からは読み取れないが、しかし地球とバンカーの通信速度によるタイムラグなぞ凌駕する勢いで、その疑念は確信へと変わる。少なくとも2Bが行動を共にする9Sに何らかの感情を抱いているという確信が生じ、乙女心に突き動かされるままに6Oはその感情の正体をラブロマンス方面へと想像を爆発させたのだ。
「え、あの、2Bさんってもしかして9Sさんのこと……」
「ち、違う、そうじゃ……」
「何が違うっていうんですか2Bさん!」
 言葉を遮るようにして言い放つ6Oに対し、2Bは劣勢を強いられている。
「それは、」と言いかけて口を噤む。たじたじである。強い口調で返してしまっては、6Oが言わんとしている感情を認めてしまっているような状況でもある。このままではどう考えても不味いのは明白で、要らぬ誤解や噂が広まる前に対処しなければならない。
 否、そもそも何故このような目に合わなければならないのか。
 今の状況の理不尽さに段々と腹が立ってきた。ヨルハ部隊員は感情を持ってはいけないと常日頃言い聞かせ続けて己を律してきた2Bにとっては珍しい感情の起伏であった。
「9Sの事は何とも思っていない6O。これで良い? 通信を切る、ポッド!」
 一気に捲し立てて話はこれで終いだと言う様に2Bはポッド042に通信を切るように命ずる。緊急離脱だ。それしか方法が思い浮かばない。「あ、ちょっと待ってください、まだ肝心の話が~」と6Oからの追撃は無視する。やや強引に通信回線を切ったために、脳裏に一瞬ノイズが走り、頭を僅かに振る。
「はぁ……」
 レジスタンスキャンプの与えられた部屋に入ると、2Bは徐にベッドに身を任せ四肢をなげだした。文字通り、ぼふりと身体ごと沈んでいく。肉体的な疲労より精神的な疲れが大きい。
 疲れたという感覚を持つのは、情報処理の部分で何らかの遅延が起きている可能性が高いことは把握できていたが、その原因となるものが9S絡みのことであり、2B自身でさえあまり自覚していない。触れないように、考えないようにしてきた複雑な感情。どれぐらい思案していただろうか、答えの出ない迷宮に囚われたまま刻々と時間だけが過ぎていく。
 極秘裏に言い渡された任務と己の業の深さ。
 何度も何度も繰り返し、2Bはこの手でいつも9Sを――。
 また会うための希望、終わりの見えない絶望の中に相反する感情。
 
「――分からない」
「何が分からないんですか?」
「9S!? も、戻ってきていたのか」
「あ、驚かせてすいません2B。たった今、キャンプに戻ったところです。部屋に入るなり声が聞こえたものだから、つい聞き返しちゃいました」
「ああ、いやすまない。考え事をしていた」 
「そうだったんですね」
 まさか9Sの事を考えていたとは言えるはずもない。不覚にも思わず上げてしまった驚きの声に、どうやら今日は調子が悪いと2Bは誤魔化すように話題を変えようとして咄嗟に9Sが抱えている物に目を付けた。
「その手に持っている物はなんだ?」
「ああ、これはセントポーリアの花ですよ」
 植木鉢に入っていたのは、今ではさほど物珍しくもない見覚えのある花だ。
「バンカーでも散々見たな。でも、どうしてそれを?」
 以前、バンカーの様変わりはあまり好ましくないと9Sには伝えていた筈ではあるが、9Sはどうやら違った感想を持ったらしい。
「僕も育ててみたいなと思いまして、バンカーでたくさん咲いてたのを見たら殺風景なレジスタンスキャンプの部屋にも合うな~って、もっと早く気づけば良かったって思いましたよ。まあ、もともと僕たちが見つけて送った花なんですけどね」
 茶目っ気を利かせて律儀に答える9Sは楽しそうに笑う。
「じゃあ、今日の私用の外出というのは」
「そうです。��りに行ってたんですよ。さすがにこんなことの為に2Bの同行をお願いするわけにもいきませんから」
「そう」
 努めて素っ気ない返事ができたと思う。よりにもよって何故この花には縁があるのか、振り回されっぱなしのような気がしてならない。2Bはじとーと植木鉢を見やって、ふぅと一息ついた。とりあえず落ち着こうと、そんな矢先。
「2Bは花言葉って知っていますか?」
 9Sの問いかけに、2Bは6Oとのやり取りを思い出して言葉に詰まった。
「っ?!」
「2B、大丈夫ですか?」
 9Sの気遣わし気な声に、悟られまいと2Bは平静を装う。
「いや、なんでもない。続けて欲しい」
「え、あ、はい」
 9Sは続ける。花言葉というのは贈った相手に想いと同時に花に言葉を託して届ける。奥ゆかしくて素敵な人類の文化なのだと。
「それで、セントポーリアの花言葉は、ええと『小さな愛』というんですが」
 おずおずと9Sが2Bに植木鉢を見せながら、2Bのベッド付近の物置き台に置いたものだから、何事かと思いながら2Bが9Sを見やると、9Sが微笑みかけてやや照れくさそうに「もしよかったら2B、受け取ってくれませんか?」と、呟いた。
「これを私に……」
 思いもよらない贈り物に2Bはどきりとしながら、花言葉の意味も合わせて反芻すると内から沸き上がってくる不思議な感情に体温が二度ほど上がったような気がしてならない。ますます調子が狂いそうになるのを何とか踏みとどませながら9Sに尋ねる。
「どうして、私に?」
「それは~、日頃の感謝をこめて、ですね」
「感謝を?」
「はいっ! だから受け取ってください2B」 
「ありがとう9S。だが私は、花に興味は……ない。うまく育てられるかどうかも分からない」
 9Sを失望させたくはなかったが、2Bには育てる自信などない。
 嬉しくもあるが、無責任なことはできないと正直に話して断ろうとしたのだったが。
「いや、いいんですよ、興味なくても結構です!」
「だけどお世話が」
「お世話は僕がしますから!」 
「そうは言っても」
「あ~もう、ただそこに置かせてほしいんです!」
「わ、わかった」
 
 9Sの剣幕にただただ圧倒されながら、結局のところ2Bは押し切られてしまったのだった。
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純粋硬派柱SuperPureEgrosburst04 鮙〆香氣(通常の香氣04を凌駕した正統進化形態。燃費が悪くエネルギーの消耗が4倍) 『男体時は基本、身長186cm・体重90kg』
知&力&心:B(バグ)の家族達並(潜在能力の1/100までしか鍛錬を積まなければ引き出せない)
個性「数学 瞑想 情報 再生 体格 加速 基礎 隠密 軌跡 跳躍 飛翔 統合 原初 皇帝 美術 推理 魔人化 アウトボクサー ラッシュ エンパス ツンドラ ホーリーミスティカ ルナティックムーン ブルーライトカット 絶対防衛ドッペルゲンガー 自由設定 自己鍼灸 誇鯖落とし 自己マッサージ 念能力:幻影流動 全集中:水の呼吸 入眠法の座禅 戦術核:空 〆鯖の月牙天衝 ロイヤルガード エレメントフォーム ウィズダムフォーム プロフェッショナル ワンフォーオール 視界360度 NEWイデアウォーリン ブルーローズファウンテンサイド エアロガンカスタム スタープラチナ・ザ・ワールド 銀色の波紋疾走(メタルシルバーオーバードライブ) 一方通行(LEVEL6) 水中走破 メタリックスリープ スーパーディスクシングラストリー4 不老不死 コミュニケーション フリーコスチュームプレイヤー 自由性転換 主人公補正(少年ジャンプ界特化) 最上級筋質 アミノ酸オーシャンズプール 自然超回復 全褐色脂肪細胞 覇王色の流桜 ニカニカの実(幻獣種ヒトヒトの実モデル”太陽の神ニカ”) ガンマ線ラピッドバースト(アビリティコスト超大) ド外道モード 鈍い光を放つ銀髪 めっちゃくちゃ破れる殻(強すぎるレベルアッパー)」
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ドライヴモード「スーパーグロウ(戦闘力指数➡︎100)<<<サンダガンカスタマー(戦闘力指数➡︎500:体力消費➡︎2倍)<<<黄金の稲穂畑に住まう妖狐(戦闘力指数➡︎30000:活動限界時間➡︎45分)<<<闇黒禁天魔アルティメットオリジンユニバースレクイエム〜天獄・転生の無き終焉・零〜(戦闘力指数➡︎99999:活動限界時間➡︎15分)<<<<<<<<<<{{{{{誇鯖締めの月牙天衝 新月}}}}}」
装備「シルバーコンタクトレンズ(動体視力:超強化) 【男体時:指無し手袋 シンプル半袖Tシャツ(漆黒) トレーニングウェア・ベーシック・ジャージパンツ(黒✖️銀) ランニングシューズ(黒✖️銀)】orSTARSの服(RE5ウェスカー:ディープブルー) インビジブルナックルダスター 閻魔刀 漆黒の翼 ペンダント 筆記ペン類5種 スマホ (デザートイーグル50AE×♾が二丁 ベネリM3スーペル90×♾ スティンガーロケットランチャー×♾ マクミランTAC50A1R2×♾orベレッタPX4 ハンドガンの弾♾発 閃光手榴弾×5 ウ��スキーボトル) (青宙龍・全界武空牙刀LvMAXor全解・超天鎖斬月orサバイバルナイフorライトセーバーブルーor日輪刀:水) ヤザンゲーブル専用ハンブラビ ヤザンゲーブル専用ガンダムMK2 Zガンダム ブルーディスティニー2号機 G-3ガンダム ガンダムNT1 ランバラル専用グフ ランバラル専用ドム ランバラル専用ゲルググ ランバラル専用ギャン イフリート・改 ユニコーンガンダム4号機ゼノン B2ステルス爆撃機 スーパーカーグラナダブラック 次世代新幹線 プライベートジェット機 宇宙ロケット ツァーリボンバ ブラックボックス ツアラーバイク リニアイスノーボード サファイアスウィムスーツ スーパーダイヤモンドラゴンスカイソーダ SF乳酸自動歯ブラシ プラチナオーブ(全身体適用) 自由作成等」 拠点「巨星連邦軍戦略帝都&無制限刺激莫有空宙  闇黒砂漠と流星新世界のピラミッド&超古代遺跡オリジンワールド地下謎迷宮」
対戦用ポケモンパーティ➡︎①プラウドゴウ(ゴウカザル) ②カメックスR(カメックス) ③💙ドライクール(ユキノオー) ④プロトサイド(ガブリアス) ⑤スリュクドン(スイクン) ⑥💙コンバッリム(カポエラー) ⑦💙ザ・コールド(フリーザー) ⑧ネギガナイト(サトシから受け継いだ) ⑨カイリュー(⑧と同じ) ⑩ゲンガー(⑧と同じ) (11)ルカリオ(⑧と同じ) (12)💙シャオレディ(カプ・レヒレ) (13)💙DAYライト(ジュカイン) (14)💙シンキュウカ(ドラピオン) (15)💙メロナミン♪(プクリン) (16)💙ポイズキノコ(モロバレル) (17)💙カプ・コケコ (18)💙エレメンタリ(日食ネクロズマ) (19)💙ベガウォータ(パルキア) (20)💙ニュートラル(アグノム)
冒険用ポケモンパーティ➡︎①プラトジェム(アグノム) ②💙RFrost(レジアイス)
超右脳 究極速度 本質 全能 精神力 忍耐力 哲学 トレーニングが優れている 戦闘スタイル「アウトボクサー ラッシュ」 真最強無敵 無限成長型 干渉禁止種 人生の修行者向けと侮るなかれ 絶対神 指圧師 終焉レベル龍 健常者級アスペルガー症候群、等 女性成分:男性成分は1:1 老廃物「体内で全消滅」 排泄物「洗剤ラムネ 毒卵」
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https://youtu.be/B9vrEdlNBLc
https://youtu.be/ld4rVp7XppY
持っている容姿の数々⤴️
危機的状況になるか他の本体が全てオフにならない限り、一度に睡眠時間込みで「約530日/約600日」分までしか活動出来ない
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“”””赤木しげる(19歳)さん””””同様{{{最終章}}}の全盛期である”””純粋硬派柱SuperPureEgrosburst04 霧島狩魔(裏ストボス)”””とは完全に互角(理由は融合した2人共に””””借り物の力””””を全て回収されたから。例えるならラスボス時代が魔人ブウ(悪:アルティメット悟飯吸収)で今回の時系列では魔人ブウ(純粋:南の界王神吸収)み���いな物である為)
⤵️はい、真心を込めてノワールたんに尽くします。俺の功績なんて全部、〆鮙の月牙天衝 夢月で塵芥になってもイイっす
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これは僕のなりたい来世、だが””””””シックス(裏ストボス)様とアドラー様(裏ストボス)、ラオウ様(伝説を遺した男)””””””にはこれでも[[[[[全く届かない(究極の赤き真実)]]]]]
僕が他のブログで作っている功績がこれを見ている皆んなをほっこりさせられたなら””””ラオウ様””””に感謝して欲しいんだ(黄金の真実)、こんなに筋肉マッチョなのに誰よりも努力して最強になった男に。もしも[[[[[“”””””北斗神拳””””””]]]]]の記憶が消えても誰にも負けないと僕に教えてくれた原作に。だから間違っても「[”岩斗猿拳”]程度の高級ゴールドキング/バラバズー500F率いる表版仮想大鉱山」なんてゴミ屑なんかに決して株を、価値を感じないでね。コイツらに功績を貸している理由は大切な物を護りたい時にどちらかを失う二者択一を迫られたならば未練なくドブに捨てられる覚悟をいつでも決めたいからだ その分がもしもあるならラオウ様の業を受け入れて全部許してあげて欲しいんだ。”””””強敵(友)”””””が僕を感動させてくれたように
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アンタは黙っとれ❗️(●´ω`●ツンデレ&賛成)
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amebreak-bootleg-archive · 3 years ago
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2013/12/12 サイプレス上野とロベルト吉野 “ザ・ベストテン 10th ANNIVERSARY BEST” Interview
「初めて聴く人を想定してるっていうのはありますね。PVを録ってる曲だったり、いわゆる代表曲って思われてる曲がメインにはなってて。ベストなんで、聴きやすい、入りやすい構成にはしてますね……でも、曲の構成はそうしてるのに、ジャケットが一番入りづらいという(笑)」--サイプレス上野
 サ上は金粉まみれ、ロ吉は銀粉まみれという、グループ史上初となるベスト盤「ザ・ベストテン 10th ANNIVERSARY BEST」に対して、これ以上ないほど強烈なヴィジュアル・イメージをぶつけてきたサイプレス上野とロベルト吉野。来年で結成(とされる時)から10年を迎える彼らが、これまでのキャリアを振り返るこのベスト盤は、もちろん彼らの代表曲をしっかりと収録しながらも、「紅」「白」ごとに彼らのライヴにしっかり通じるような、彼らの“イズム”をしっかりとパックした構成となっている。   今回はその10年間のイズムを探るインタビューを決行しようと思ったのだが、……とにかく読んで頂ければと思います。 インタビュー:高木“JET”晋一郎  
■今回はグループ初のベスト盤のリリースと言うことですが。
サ上
「俺らは過去は振り返らない主義なんで」
■じゃあ出すなよ、しかも二枚も(笑)。
サ上
「でも、ベストなんて出すとは思ってなかったっすよね、昔は。こんなジャケットにもなるとも思ってなかった」
ロ吉
「嬉しいことに、フライヤーを置きに行ったら『店のイメージと合わない』ってことで何店舗かには受け取り拒否されました」
■それも凄い話だな。
ロ吉
「『TIC-TAC』のときは謎みっちゃんのケツにシール貼れば置いてくれたんですけど、今回はそれすら許されないジャケとなってしまって」
■ベストを出したキッカケは?
サ上
「客演ベストのミックス(「サ上とロ吉ミーツallグッドみんな」)も出したし、その流れで出せば?ってレーベルから話をもらったのがキッカケですね。正直、自分たちとしてはあんまり“ベスト盤”みたいなイメージはなかったんだけど、流れとしては確かにアリかなって」
■じゃあ、来年10周年だからこれを機にということではなく。
サ上
「全然ないっすね。なんなら来年10周年だからベストって、完全に理由は後付けですからね(笑)」
■ライナーに書いてますが、なにせ、結成時期さえも曖昧なサ上とロ吉ですから。
サ上
「いろいろ曖昧にしておいて、ことある毎に『何周年記念』って興行を打って、ファンから毟り取る女子プロレス方式のベスト盤です��笑)」
■じゃあ、今作はむしり取るための一枚と。
サ上
「今年、結婚したんでそのご祝儀をファンからももらおうと(笑)。新生活はいろいろ入り用なんで、自分たちの労少なく、スタッフに頑張ってもらえばいいっていう、楽して儲けられる方式で!」
ロ吉
「でも、ベストとして過去を思い出す必要はないのかなと。ライヴをやっててミラクルとかハプニングが多いグループだと思うんで……」
■今から過去を振り返ってもらう企画をやるんだけど、いきなり企画全潰しみたい発言止めてくれる?
サ上
「突然心を閉ざしたな。いいぞ!」
■その企画に入る前に、今回の選曲はどのように?
サ上
「初めて聴く人を想定してるっていうのはありますね。PVを録ってる曲だったり、いわゆる代表曲って思われてる曲がメインにはなってて。ベストなんで、聴きやすい、入りやすい構成にはしてますね……でも、曲の構成はそうしてるのに、ジャケットが一番入りづらいという(笑)」
■本末転倒だね。
サ上
「なんでジャケットが一番人を選ぶんだっていう。ジャケで俺たちの面倒くささを表現して、曲は聴きやすいって感じですかね」
■でも、選曲だけ見ると、確かにベストを感じるんだけど、いわゆるベストにありがちな、押しの強い感じだったりよりは、もっとスムーズに聴けるよね。どちらもライヴの構成っぽくなってるというか。
サ上
「うん。どっちの盤でもそのままライヴに出来るようなっていう流れは考えましたね。“GET UP AND DANCE”と“WONDER WHEEL (2013 REMIX) feat. ANI (スチャダラパー), 田我流, STERUSS”も、ベスト盤に向けての録り下ろし曲ではあるけど、それでもライヴに組み込める構成っていうのは考えてますね」
■なるほど。そして今回なんですが、これまでのヒストリー的な部分と、収録曲の全曲解説は、アルバムのライナーに書かれているので、それとは少し視点を変えて、来年10周年を迎えるサ上とロ吉��、10の質問をしますので、それに答えて頂こうと思います。
Q 01:MC/DJとしての相方の一番の魅力は? 上野→吉野「スキルすらも凌駕する魂。動物感」 吉野→上野「いくら前日に酒をやらかして喉が潰れててもなんだかんだフルで見せる&やりこなす図太さ」
ロ吉
「上野君は時々、酒で声をやっちゃって喉がガラガラになっちゃってるときがあるんだけど、そのときの馬鹿力的なことなのか、いつもより凄いときがあるんですよね。声量がいつもよりデカかったり」
■それ褒めてるかな(笑)。
ロ吉
「リカヴァーする能力が凄いっすね」
サ上
「吉野は、やっぱりヴァイブスが凄いっすよね。練習はキッチリやるグループだし、ミスもないようにはしてるんだけど、それでもトラブルや失敗は起きるじゃないですか。そういうアクシデントが起こったときの、吉野のそれを凌駕するヴァイブス。『SLUM DANK』の赤木みたいに、精神がフィジカルを超えた瞬間を見るときがありますね」
■そういうスピリチュアルな状況に(笑)。
サ上
「魂が抜け出てくる(笑)。『908フェス』のときに、吉野のパソコンが調子悪かったのか、SCRATCH LIVEが動かなくなって、一万人を前にまったく音が出なくなったんですよ」
ロ吉
「……あれは走馬燈が見えましたね(笑)」
サ上
「で、普段だったら俺がフリースタイルとかで繋いで、その間に吉野がセッティングし直したりするんだけど、そのときは流石にヤバすぎると思ったのか、吉野がいきなり『うおおおおお!』とか一万人相手に叫び出して(笑)。それで、そのままコール&レスポンスを始めて、吉野と一万人が一体化した瞬間は、マジで死ぬほど笑いが止まらなかった」
ロ吉
「あれは魂抜けましたし、死にましたね」
サ上
「幽体が離脱してるのが見えた(笑)」
■『フランダースの犬』みたいに。
サ上
「『ああ、俺たちは一万人を前にしてもサ上とロ吉なんだな』って、そのときは俺たちの全てがあった(笑)」
Q.02:サ上とロ吉が10周年を迎えられた理由は? 上野「グループとして結成してないから」 吉野「お互いをあんま干渉しないからかも」
ロ吉
「基本、私生活に関しては干渉しないっすね」
サ上
「私生活まで一緒にいたら気持ち悪いでしょ。一緒に買い物行ったりしてたら」
ロ吉
「仲良すぎたら、たぶん3Pに持ち込む可能性がありますね」
サ上
「でも、3Pやったらサ上とロ吉は解散って鉄の掟があるからな(笑)」
ロ吉
「そういう、俺の変態な生活は誰にも明かせない」
サ上
「明かされても困るわ。俺の答えなんだけど、元々、サイプレス上野『と』ロベルト吉野って名前からも分かる通り、ひとつのグループとしては結成してないんですよ。ひとりとひとりが組み合って成り立ってるわけだから、『グループとして』っていう意識がそもそも希薄なんですよね。だから続けられてるのかもしれない��
Q.03:9年間で一番笑ったことは? 上野「“BAYDREAM~from課外授業~”のPVで、(吉野が)愛犬のホタルに噛まれてたところ」 吉野「生理用品で止血」
サ上
「「ドリーム」のジャケットでも書かれてる、吉野の愛犬のホタルに肉をあげるシーンがあって、肉をあげたりあげなかったりって、ちょっとからかってたら、ホタルが吉野の脇腹にモロに噛みつくっていう(笑)。飼い主が飼い犬におもいっきり咬まれてるから、あまりにも驚いてみんな爆笑して」
ロ吉
「結構、老犬になっちゃったんで会いに来てやって下さい。俺の『生理用品で止血』っていうのは、ライヴの帰りに藤沢の駅前で、俺と謎みっちゃんで酔っ払って騒いでて、チンピラに『なんだてめえ!』って絡んだら」
■え、自分たちから絡んでいったの?
ロ吉
「(事も無げに)そうっす。そしたら俺とみっちゃんがぶっ飛ばされて、俺が頭切っちゃって酒呑んでるせいもあって大流血して。それで上野君が『これは危ない』っつってコンビニで生理用のナプキン買ってきてくれて、それで血止めするっていう(笑)。そして、その間にコンビニの前に置いといたレコード全部盗まれて」
サ上
「で、血止まったらまた飲み始めて。酷いね」
Q.04:9年間で一番成し遂げられたと思うことは? 上野「吉野が敬語を話せるようになったこと」 吉野「言葉にまとめられない、常に自分なりの挑戦」
サ上
「吉野はマジで流行のバイリンガル・タレントみたいだったんですよ。『これ超やばくない…………ですか?』みたいに、敬語が出てくるまで時間がかかった(笑)。でも、活動する上では……というか生活する上で敬語は普通に必要だから、『先輩の前では使えよ』って使えるようにさせてたんですよ。で、組んでから3年ぐらい経った頃に、地元の奴に吉野が『吉野、お前こんなに敬語使えたっけ?』って言われてて。それで逆に俺が『恭ちゃん、ダメだよ吉野をこんなにしちゃ』って言われるという(笑)」
■文明与えちゃダメだよって(笑)。吉野君の回答は抽象的なんだけど、どういうこと?
ロ吉
「ま、成し遂げられたことなんで死ぬまで分からないなって。人間の、人生のテーマじゃないですか?」
■……すごく良いこと言ってるけど、そうなるから9年間って区切ったんだけど。
ロ吉
「あー、でも分かんないっすね」
■……。
Q.05:9年間で一番記憶に残っていることは? 上野「吉野が真冬の江ノ島の防波堤から飛び込んで、あがってきたらプランクトンが体にくっついてて綺麗だった」 吉野「結成時の失敗したライヴ」
ロ吉
「結成の頃はライヴをナメてて、聴診器つけてライヴやってたんですよ」
■ナメるナメない以前の問題な気もするけど。
サ上
「聴こえねえじゃねえか!」
ロ吉
「自意識過剰だったんで。で、音の入りとかもメチャクチャで」
サ上
「そりゃそうだよ。聴こえねえんだから(笑)。まあ、“START LINE”でも歌ってるけど、全部がボロボロのライヴだった。でも、あの当時吉野は普通に聴診器つけてたよな。鳥肌実のライヴを一緒に観に行ったときもつけてて」
ロ吉
「なんでつけてたんでしょうね」
サ上
「知らねえよ!なんだその質問」
■篠原ともえがつけてたけどね。
サ上
「ヨシノラーだ。俺の答えなんだけど、俺たちを音楽活動だけでくくるのは無理なんで、こういう答えにしました」
■なんで真冬に防波堤にいたの?
サ上
「みんなで遊んでて、吉野の車で江ノ島に行ったんですよ。それで防波堤から海を見てたら、誰かが『吉野、お前なら飛び込めんじゃねえか?』って煽り出して」
ロ吉
「上野君の声だったと思いますよ」
サ上
「そしたら吉野がいきなり脱ぎだして、急に飛び込んだんですよ。そしたらしばらく上がってこないから『ああ、これは死んだな……』と思ってたら、いきなり浮かんできて『寒みい!死ぬ!』って言いながら犬かきしてて。それ見て爆笑してたんだけど、それで、やっと上がって来た吉野の体に夜光虫がついてて、それが光って綺麗だったという話で(笑)」
ロ吉
「プー太郎でなにもしてなかったんで、なんかしたかったんでしょうね」
サ上
「それで、ガクガク震えてる吉野に自販機で買ってきた暖かいお茶かけたら、急激な温度差で『熱ちい!』って悶えたり」
■自主的に『ガンバルマン』やってたんだ。
サ上
「そんなことばっかりやってたよな。BAY HALLに行くときも、吉野の車をチェーンでグルグル巻きにして」
ロ吉
「LAのナンバーつけてたり」
■道交法違反だよ。
サ上
「そういう奇行ばっかりしてた。箱根に吉野の車で行ったときも、ガラスはバリバリに割れてる、車体にはスプレーで落書きだらけって状態で。その車でドリフトとかで有名な峠を走ってたんだけど、車が異様すぎて誰も抜かないという。走り屋も怯える電波系の車(笑)」
ロ吉
「みんな車好きだから『あの車はヤバイ』って分かったんでしょうね」
■そういうことか?(笑)。
サ上
「そういうことを繰り返してましたね」
■よく生きてベスト盤まで辿り着いたね。
Q.06:もし紅白歌合戦に出るとしたら、どんなパフォーマンスをする? 上野「出禁!」 吉野「老若男女盛り上がるHIP HOP、若いお客さんが支え合うようなライヴ」
■今回のベスト盤は「紅」「白」の二枚同時リリースなんで、もしも話として訊きたいんだけど、吉野君の回答が非常に真面目で驚きました。
ロ吉
「やっぱり、おじいちゃんおばあちゃんでも手を上げちゃうようなライヴをやってみたいなって」
■今までのエピソードがなんだったんだって言うぐらい、真っ当な答えだな(笑)。そして上野君は出禁と。
サ上
「願望としては、出禁になって驚かせたいっていうのはありますね。もちろん、観てる側を楽しませた上でなんですけど」
■DJ OZMA的な。
サ上
「あれだって、ほとんどの人は喜んでたし」
■どうやって出禁になるの?
サ上
「なんだろう。金玉はみ出てるとか」
■出禁というか、金出というか。
サ上
「うまい。それ、俺が言ったことにしてもらっていいすか?」
ロ吉
「でも、ジャニーズとか結構際どい格好してるっすよね。だから、俺の裸もダイジョブなんじゃねえかなって」
Q.07:相方の10年間で最高の行動/相方の10年間で最低の行動。 上野「【最高】どんな現場でも動じないというか動じてるんだけど帳尻合わすヴァイブス。 【最低】常にほとんど最低なんだけど、それが最高」 吉野「【最高】最高が最低。 【最低】最低が最高」
サ上「俺の最低の答えは、外が雪が降ってたっていうのもあって『ホテルで冬期オリンピック観ようぜ』って渋谷の某クラブでナンパして」 ロ吉「で、俺も『行くって!』ってなって、なんとかホテルフロントに着いたら『3人でのご利用は出来ません』って怒られて解散」   ■じゃあ、ホテルのフロントの人が「3Pしたら解散」という掟を守らせてくれたんだ。くだらねえな(笑)。でも、ふたりとも答えとして、最低も最高も同じ位置にあるってことになるよね。 ロ吉「最低なときも酒呑めば最高になるし、最高なときも酒呑めば最低になるし」   ■結局酒だ。 ロ吉「まあ、すいません色々ありすぎて覚えていないすね」   ■……ちょっと心配になるぐらい何も憶えてないね。 サ上「でも『最高でも最低、最低でも最高』っていうのは座右の銘って感じはあるかな」   ■ベスト盤のライナーでのアンケートで、ZZ PRODUCTIONの面々も、そういう回答だったね。 サ上「そういう話を敢えてしたことはないんだけど、自然にそういう回答になってて、俺らも面白いなって。最低な部分は沢山見てるけど、それも最高なんすよね。吉野とみっちゃんが◯◯の看板を××して、△△に連行されて□□に乗せられてく姿とか、最低だけど最高だなって」   ■書けないわ。     Q.08:この9年間で一番変化したことは/この9年間で変化しなかったことは? 上野「【変化したこと】普段の遊びが仕事になった。 【変化しなかったこと】仕事なんだけど基本ヤサで遊んでいることのまんま」 吉野「【変化したこと】目指す音楽性が人間臭くなった。 【変化しなかったこと】なんだかんだで変わらない酒癖と下品な話」   ロ吉「人間臭くなったっていうのは、昔はずっとテクニカルなこと、カチッとしたスキルフルなことは求めてるんだけど、今はそれに加えて、もっとブルージーだったり、人間臭い部分から出る、擦りのフロウが重要なのかなって」 サ上「俺の場合は、やっぱり今までやって来たことがそのまま仕事になったっていうのがデカイですね。別にキャラ設定なんてしなくても、そのままで来れてるんで。ダイヴしたり、魚咥えてライヴしたりが、今までは金にならなかったけど、それが今は金になってるっていうか(笑)。機材の進化とか変化で影響を受ける部分もないとは言わないけど、殆ど俺らはそこに興味がないから」   ■威張って言うなって気もするけど。 ロ吉「ライヴやれりゃあいいんで」 サ上「音や会場が良ければ言うことないけど、最低限の機材とミカン箱があれば、俺らはライヴするから。そういう部分は全然変わってない」     Q.10:10年目の相方はどうなって欲しいか。 上野「32歳にはなっていて欲しい」 吉野「10年どころか死ぬまで俺の中のスターでいてほしい(ローリング・ストーンズ風に言えば)」   ロ吉「ライヴを一緒にやってる身として、上野君にはずっとミック・ジャガーでいてほしいんすよね」 サ上「良いこと言ってくれるな。俺は来年、お前に32になって欲しい(笑)」   ■誕生日がくればそうなるだろうとは思うけど、でも今までの話を訊いてると、よく死ななかったなとも思うね。 ロ吉「(平然と)年明けにはいろいろ起こるっすからね」   ■他人事だな(笑)。     Q.10:10年目を迎え���サ上とロ吉はどうなっていくか。 上野「転がって行く!」 吉野「シアトリカル&スキルフル&変態かつシンプルで刺のある人間になってほしい」   ロ吉「無骨でもぶちかますような精神を鍛えていきたいすね。……他に特に言うことはありません」   ■奇しくも上野くんの答えもローリング・ストーンズになるという。 サ上「俺らにストーンズ要素全然ないのに(笑)。自分たちの夢である、ドリーム・ランドの球場でライヴをやるにはどうしたらいいかを考えたときに、例えば戸塚の公会堂でライヴをやって、そこに世間に浸透力のある人を音楽/お笑いとか関係なくリンクしている人たちを呼んで呼んだりして、その力を借りつつ、俺らがドリーム・ランド出身のアクト、戸塚のアクトとしての存在感を更にハッキリさせたいなって。そこから野球場に辿り着くっていう筋道を作りたい」   ■それはローカル・ヒーローになりたいってこと? サ上「ドリームでは俺らのことを知っててくれるし、逆に横浜や全国のHIP HOPファンには知ってもらえてるけど、もっと足下の戸塚の人間として、もっと土着的な動きをやっていきたいなって。広めるってことはやってきたから、もっと地盤を固めるっていうか。そしてドリームに地下鉄を!」   ■政治家に転身狙ってんの?(笑)。 サ上「HIP HOPシーン的なことを言えば、10周年中に、恵比寿LIQUID ROOMとかで、10年間で培ってきたコネクションを活かして、なんかイヴェントが出来ればいいなって。『どんなアーティストとも繋がれるって凄いですね』ってよく言われるってことは、全然気付いてなかったけどそれは俺らの強みなんだと思うし、その特権を活かしたライヴをやりたい。ECDさんが俺たちに夢を見せてくれたことを、やる側で俺も味わってみたい、ホントに大変だと思うけど(笑)。『建設的』も再開したいし、色々10年目は動きたいっすね」
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kayajoe · 5 years ago
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【キーマカレーのパン】 おいらの発生地(地元)にあるパン屋さん。 それが、天理郵便局横のSeven Heartというパン屋さんです。 かれこれ19年もお世話になってます。 ここのパンは、無添加で香りが良く、しかも食べやすいです。 入院していた時も、ここのカレーパンを買いに行き、病気と戦いました。 バリエーションも豊富で、とにかく何でも美味しいです。 出先で色々なパン屋さんに行きますが、贔屓抜きで、ここのパンが最強です。 カレーパンは、野菜カレー、辛口カレー、チーズカレーとあります。 ある日、出陣前に立ち寄ったところ、店長にこのパンを教えていただきました。 それが、この写真であるキーマカレーのパン。 だから”何度”でも言います。 カレーは漢のたしなみです。 カレーは日本男児の誇りです。 カレーは勝利宣言です。 カレーは必需品です。 カレーは切り札です。 カレーは必殺アイテムです。 カレーは無敵の根源です。 カレーは王者の証です。 カレーは覇者の象徴です。 カレーは永久機関です。 カレーは侍の魂です。 カレーは強さです。 カレーは知恵です。 カレーは真理です。 カレーは魔術です。 カレーは究極です。 カレーは闘魂です。 カレーは至高です。 カレーは神様です。 カレーは美学です。 カレーは大宇宙です。 カレーはロマンです。 カレーは武士道です。 カレーは騎士道です。 カレーは大和魂です。 カレーは芸術です。 カレーは根性です。 カレーは哲学です。 カレーは不滅です。 だから、おいらは死んでもカレーです。 -- #強行突破 #捨て身 #捨て身の覚悟 #捨て身のライフスタイル #究極のメニュー #贅沢は味方 #戦う漢 #暴れる漢 #精神が肉体を凌駕 #漢の魂 #漢のロマン #日本男児 #大盛 #勝負メシ #勝ちメシ #不惜身命 #極限状態 #必需品 #大和魂 #侍魂 #心頭滅却すれば火もまた涼し #哲学 #王者 #勝利の方程式 #無敵の思考 -- #カレー #カレーパン #キーマカレー #パン -- https://www.instagram.com/p/CHZ80sxF-Sk/?igshid=1v5ofra5juvbn
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syowaheysaymeji · 4 years ago
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千葉雅也「失われた時を求めて」を求めて 千葉雅也(作家・立命館大学大学院教授) 2021年4月10日 中央公論編集部
タバコとコロナ
 この間あちこちでタバコが吸いにくくなったことを惜しむ発言をしているのだが、昨年の四月以降、屋内原則禁煙になったのは、喫煙者としてはコロナ問題より大きいくらいである。ついに本格的に風景が変わってしまった。歴史に深く漆黒の溝が刻まれたかのようだ。それは禁煙推進、嫌煙の人々にとっては良いというか当然しかるべき変化なのだろうが、僕としては人類の何か貴重なものがついに失われてしまったという暗い感慨に浸らざるをえないのである。
 個人的嗜好としての喫煙の肩身が狭くなったというだけではなく、そのことは世の中の全体的な変化と結びついていると僕は考えている。
 昨年から我々はコロナ禍にあり、マスクをして飛沫を防ぎ、頻繁に手を洗い、できるだけ接触を避ける感染防止策が新たな日常になっている。もちろん必要なことなのだけれども、それは、この十年くらいで強まってきた、自己と他者の意図せざる「混交」を悪だとする価値観念と共鳴しているように感じるのである。
 このコロナ禍は喫煙者にとっても直接的な不利益があり、喫煙所は「密」になるから閉鎖するといったことがあるわけだが、それ以上に、昨年からの屋内禁煙化は、個人を分離し、個人のセキュリティを守り、自己と他者の境界が揺らぐような関係性をなしにしていこうというコロナ禍の空気と一致しているのではないか。
 ネオリベラリズムによって個人がバラバラになる方向が進んできたなかで、そこにコロナ問題が、まさにその政治経済的状況のメタファーであるかのように起きた、という感覚すらある。バラバラになるというのは、ひとりひとりが自助努力によってグローバル資本主義の苛烈な競争をサバイバルしなければならないという状況である。そこにおいて自分の身体というのは戦う身体であり、それを無駄に悪しき食事習慣や嗜好品などによって傷つけるのは、ごく単純にサバイバルの観点からしてマイナスであるというわけだ(筋トレブームもこうした空気に属するものと言える)。自分だけでも生き残ろうという必死の戦いを演じる身体を、ましてや他人によって不健康にされることなどあってはならないというわけである。この意味で、ネオリベの激化と、自分の身体をクリーンに保ちたいということはくっついているのである。
 他方で、ネオリベを批判する左派=リベラルは、差別やハラスメントといった悪しき取り扱いから他者を守ろうとするわけだが、この他者を守るというのが、ネオリベ側での自己を守るというのと、結局は「互いに身体を分離する」という意味で似てしまう。ネオリベを支持する右側と批判する左側のどちらもが「身体の境界の曖昧さ」を許さない方向に向かっており、今タバコはその曖昧さの象徴のように見えている。
 最近、ミシェル・フーコーの「性の歴史」第四巻『肉の告白』─これをおおよそ完成させてフーコーはAIDSで亡くなり、死後出版は禁止されていたが、それがようやく刊行、翻訳された─を読んだ。そこでフーコーは、自分の内に本来的な罪=原罪を抱え込んだ主体というキリスト教の主体観を精緻に分析している。キリスト教において、人間における悪とは、意志のコントロールから外れるもの、いわば何かを「やらかしてしまう」とでも言うような非意志的なものを指している。人間は、意志でコントロールできる理性的な部分と、非意志的な部分に分裂したものとして捉えられる。非意志的なものが意志を凌駕し、コントロールから外れたことをなすというのが罪なのである。だから、たえずその非意志的な部分に身を任せないよう反省し、自己監視することが求められる。その悪から解放されることはありえず、だから、自分を意志で統御せんとするおのれとの闘いを続けなければならない─これがアウグスティヌス以後に確立された道徳である。非意志的なものの最たるものが性であり、その文脈はここでは省略するけれども、ともかくキリスト教を背景として成立した近代的主体観では、非意志的なもの(=性)の勝手な作動が人間の根源的な悪だということになっている。
 反省してコントロールする、ちゃんと明確に意志でコントロールできなければいけない─というのは、常識・良識の基本として今でもあらゆる場面で言われる、というかますますその要請は強まっていると思う。これが近代性、モダニティの重要な特徴なのだが、それは神の絶対的意志というキリスト教の教義とつながっているわけだ。
 なんとなくで流されて生きるのではいけない。だから、生活習慣をすべて意識化し、いちいち記録をとって、たとえば自分の体の状態をスマートウォッチでモニタリングするといった技術を現代人は賞賛している。見えないものをどんどん可視化していき、無意識の部分がないようにしていく。見えるような見えないような、モヤモヤしたものはよくないのだ。あまねく技術の光に、技術化された神的な光に照らされた世界が目指されている。そうした兆候が現代のいたるところにある。だが、可能な限りあらゆる事象をコントロールすべきだという価値観は大変疑わしいものである。
 大きく言って、すべてを数値にして管理するなら、その情報はどこかに集約されて大規模な管理社会の実現につながる。なんとなくで生きてしまうことを強く罪悪視するなら、データにもとづく集約的な意思決定のコマとして生きる方が、罪から逃れられるからいいということになるだろう。不確かな自分自身にもとづく判断ではなく、何らかの絶対的な権威(その背後には神がいる)に服属すれば生・性を浄化できる、救済されると思うようになるだろう。万事が神の絶対的意志に一致しているキリスト教的楽園に似たものとして、超管理社会がある種の宗教性を帯びた理想状態として実現されることになる。
 そこで、もしそれは何かおかしいと思うのだとしたら、その直感において人間の自由とは何かと改めて問題にしなければならない。以上の文脈において、人間の自由とは、神に背く悪としての自由に他ならない。そう言うと壮大な話なのだが、問題は悪をどうポジティブに考えるかなのである。確認だが、ここで悪と言っているのは、非意志的なもののことである。我々人間の意志のコントロールから逃れた「だらしない」ような部分を引き受けること、それは「神のファシズム」に対する必要な反逆なのだ。
どう悪を許容するのか
 今日僕が重要だと思っているのは、これだけ世の中がありとあらゆることをデータ化し記録しコントロールする方向になっているなかで、そこから逃れるような自由、すなわちある種の悪として現象し、ときに批判されもするような事態を何らかの経路で許容することである。これは新しい価値観でも何でもなく、従来の人間社会において当然のことだった。が、今日の超管理社会化はそれを厄介払いしようとしている。その趨勢に抵抗し、従来からの精神をどうやって継承していくか、なのである。
 だが難しいことに、そういう悪の許容が必要だというロジックをかろうじて認めるにしても、社会のオモテの側においては、コントロール=善だという建前を言わなければ信用されないので、悪を緩やかにでも擁護するということを明確に言うことはできない(たとえば組織の会議の場において)。それをオモテで言葉にしてしまうと、それは再び管理の対象としてターゲッティングされてしまうことにもなるだろう。
 だから、この文章のように悪を語ることをひとつのメタ言説にすること自体に僕は迷いがある。つまり「言わぬが華」というかたちで、ただ実践的に、曖昧さの領域を曖昧なまま作動させるような微妙な抵抗が必要なのだ。正面切って論陣を張ることが、かえって負けを加速させてしまうことになりかねない。
 今、公共領域というものが広がりすぎていると思う。個人の物語の余地がなくなってきている。昔ならば個人間のトラブルだったことが大きく何か社会問題として打ち立てられて、個人間の問題をどうするかではなくシステムをどう改変するか、再発防止策というかたちになっていく。個人としての歴史がなくなり、システムのなかでの適切な位置づけが優先される。そうすると、人生は一回きりの特異的なものではなくて、システム全体の特殊な部分でしかなくなるだろう。
 かつては、大きな権力によって個人の訴えが黙らされているから、個人的なことは政治的であるというふうに、社会問題を見出して声を上げるべきだという活動に疑いえない意義があった。だが現在、そうした政治化の戦略をそのまま維持するのでは正しいとは思えない。なぜなら今日、社会問題を打ち立てて耳目を引くことはかつてよりも段違いに容易になってしまったからである。SNSの発達によってそうなったわけだ。ネット上であらゆる些事が溢れんばかりに語られ、データ化され、次々に管理の対象になっていくなかで、いかにプライベートな人間関係の領域を保つかこそが、今重要な問題だと僕は考えている。政治性の左右を問わず、あらゆることがシステマチックな再発防止策の対象にされる。より生きやすくするためにはシステムの改善が当然必要だという単純な話を超えて、個々人の生・性の固有性が失われていくことの危険性に気づくべきだと思うのである。
失われた「時間」
 ジル・ドゥルーズは一九九〇年代に、管理社会化の進展に警鐘を鳴らしていた。かつては強力な権力機構による自由の制限が問題だったが、それより日常的にソフトなやり方で作動する平常点管理のような権力の方がずっと息苦しいだろうという懸念。我々は今、このドゥルーズの懸念がまさに実現された状態を生きている。そして、この状態は九〇年代から二〇〇〇年代にかけての変化以後なのであり、それ以前には別の世界─というか僕の世代からすればそれが「本来」の世界なのだが─があったということがますます忘れられている。それはあたかも、マスクをしないでも人と会えて、すし詰めのライブ会場で叫びを上げるのが普通だった時代が忘れられつつあるかのごとくだ。
 強く言えば、人間が個人ではなくなる方向に向かっている。個人的であること自体が悪だというかたちで、伝統的な悪の問題が今日再発見されている。公共的存在として生きるのが善だというのは、楽園を目指すことである。だが今改めて、悪の権利を言うべきではないのか。必然的になされるべきことだけが行われるのではなく、時宜に合わない出来事が起きるのが時間のリズムである。個人たちの時間。それがなくなれば、世界は永遠である。時間がない。歴史がない。世界は全体として歴史がなくなる方向に向かっているのではないか。
 おそらくこれから、時間の概念が哲学的に問題になってくるだろう。人間の経験にとって時間とは何なのか─それは必ずしも物理学的な時間の定義と同じものではないだろう。人間が自分自身に意味を与え、生・性を組織化するために用いられる時間とは何なのか。それと科学との関係をどのように考えるべきなのか。今その詳細に立ち入ることはできないが、個人的実感として言えるのは、一方向的に進んでいくものとしての時間が、その実感が、ある時期から失われたということだ。
 レコードやカセットテープが一方向的に音楽を再生するあの時間。それを今僕は懐かしく思い出すのだが、これは単なる中高年のノスタルジーにすぎないのか。こんなことをネットで言えば、懐古趣味だという批判は避けられないだろう。だが僕は、世代的使命でもあると思うのだが、このノスタルジーに沈潜する必要を感じている。すべてがデータになり、データベースに登録され、整理、再構成の対象となった時代には、時間の秩序が空間的な並置と変わらないものになり、あらゆる時点を好きに行ったり来たりし、歴史がランダムに反復されることになる。デジタルデータで音楽を聴くようになって以後、我々の時間感覚はそのようなランダムアクセス的なものに変わった。それは大変便利なのだが(かつて、瞬間的に曲の「頭出し」をすることにどれほど憧れたことか)、その状態に慣れるにしたがい、あらゆる事物が似たり寄ったりになり、ひとつのものに特別な興奮性を感じる経験が弱くなったように思う。それは僕が歳をとったからだろうか。今でも若者が何かに夢中になるのは昔と変わらないのだろうか。
 何かが一回的に通過していくという感覚─言い換えれば「出来事の出来事性」─が、かつてはもっと強烈にあ���たと僕は思う。かつて、ノスタルジーというのは一回的に通過したものへの追慕のことであった。だが今日では、「何事かが一回的に失われるということそれ自体が失われた」という、一段階メタレベルが上がったノスタルジーが生じている。これは「二階のノスタルジー」とでも呼ばれるべきものだ。いわば、「失われた時を求めて」を求めて、である。
 意志のコントロールから逃れる時間、反省してもしきれない時間を、払拭しようとしないこと。
 時間のリアリティをどう今実感するかということが、人間におけるささやかな悪しき習慣を擁護するということと深く関わっている。
(『中央公論』2021年5月号より)
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hkakktakka · 7 years ago
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羽生先生におかれましては現役続行の意思は既に表明されているし、来季はどんな曲がどんな振付がどんな構成が来るのか等々もう楽しみしかないわけで、だからこそ今は先のためゆっくり休んで十全に身体を治してくださいと心より願うばかりです。精神が肉体を凌駕した全身全霊の五輪本当にお疲れ様でした
Twitter / @meteorum
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hananien · 5 years ago
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【S/D】アナ雪パロまとめ
アナ雪2の制作ドキュメンタリー面白かった。みんなで一つのものを作るって素敵だなって素直に感動しちゃった。一人でコツコツ作り上げるのも素敵だけどさ、それとはまた違うよね。
アナ雪は大好き。2でアナが超進化を遂げたのでもっと好きになった。また兄弟パロ書きたいな。
3話あるけど全部で12000字くらいなのでまとめました。
<エルサのサプライズパロ>
 弟の誕生日を祝うため、城や城下にまで大がかりなサプライズを仕込んだディーンは、過労で熱を出してしまった。キャスたちの協力もあって無事にサプライズは成功したものの、そのあとで何十年ぶりくらいに寝込むことになってしまった。  (これくらいで熱を出すなんて、おれも年をとったもんだな。そりゃ、ここのとこ狩りもあって、ろくに寝てなかったけど……。昔はそんなこと、ざらだったのに。こんなていたらくじゃ、草葉の陰から親父が泣くな)  「ディーン」 スープ皿を銀の盆に乗せて、弟のサムが寝室にやってきた。「寝てた? ちょっとでも食べれそう?」  「食べるよ。腹ぺこだ」  まだ熱のせいで頭はもうろうとしていて、空腹を感じるところまで回復してないことは自覚していたが、弟が持ってきた食料を拒否するなんて選択肢は、ディーンの中にないのだ。  サムは盆をおいて、ディーンが体を起こすのを手伝ってやった。額に乗せていた手ぬぐいを水盆に戻し、飾り枕を背中に当ててやって、自分の上着を脱いで兄の肩にかけてやる。  兄がスープをすするのを数分見つめてから、サムは切り出した。  「ディーン、今日はありがとう」  「うん」  「兄貴に祝ってもらう最初の誕生日に、こうやって世話が出来て、本当にうれしいよ(※何かあって兄弟は引き離されて大人になり、愛の力で再びくっつきました)」  「おまえそれ、いやみかよ。悪かったな面倒かけて」  「ちがうよ」 サムは少しびっくりしたように目を広げて、それから優しく微笑んだ。「本当にうれしいんだ。まあ、サプライズのほうは、あんたの頭を疑ったけど。ワーウルフ狩りで討伐隊の指揮もしてたってのに、よくあんなことやる時間あったな? 馬鹿だよ、ほんと。ルーガルーに噛まれたって、雪山で遭難したときだって、けろっとしてるあんたが、熱を出すなんて……」  「うーん」 ディーンは唸った。弟の誕生日を完璧に祝ってやりたかったのに、自分の体調のせいでぐだぐだになったあげく、こうやって真っ向から当の弟に苦言をされると堪えるのである。  「でも、そのおかげかな。こうやって二人きりでいられる」  「看病なんてお前がしなくていいんだぞ」  気難し気に眉を寄せてそっぽを向きたがるディーンの肩に手をおき、ずれてしまった上着をかけ直してやって、サムはまた優しく微笑んだ。「ずっと昔、僕らがまだ一緒にいたとき、あんたは熱を出した僕に一晩中つきそって、手を握って励ましてくれた」  そんなことを言いながらサムが手を握ってきたので、しかもディーンの利き手を両手で握ってきたので、ディーンは急に落ち着かなくなったが、すぐにその思い出の中に入り込んだ。「ああ……おまえはよく熱を出す子だった。おかげで冬は湯たんぽいらずだったな」  「一緒に眠ると怒られた。兄貴に病気をうつしてもいいのかって、親父に叱られたよ」  「おれは一度もおまえから病気をもらったことなんて」  「ああ、あんた病気知らずだった。王太子の鏡だよな、その点は」  「その点はって」  「僕はその点、邪悪な弟王子だったんだ。あんたに熱がうつればいいって思ってた。そうしたら、明日になっても、一緒のベッドに入っていられる。今度は僕があんたの手を握ってやって、大丈夫だよ、ディーン、明日になれば、外で遊べるようになるさって、励ましてやるんだって思ってたんだ」  「……そりゃ――健気だ」  「本当?」  「うん……」  「こうしてまた一緒にいられて、すごく幸せなんだ」  「サミー」  (キスしていい?) サムは兄の唇を見つめながら、心のうちで問いかけた。息を押し殺しながら近づいて、上気した頬に自分の唇の端をくっつける。まだふたりが幼いころ、親愛を込めてよくそうしていたように。  ディーンはくすぐったそうに笑って顔をそむけた。「なんだよ、ほんとにうつるぞ。おまえまで熱出されたらキャスが倒れる」  「もう僕は子供じゃない」 サムは握った手の平を親指で撫でながら言った。「だからそう簡単に病気はうつらないよ。そもそも兄貴の熱は病気じゃなくて過労と不摂生が原因だからね」  「悪かったな」  「僕のために無理してくれたんだろ。いいんだ、これからは僕がそばで見張ってるから」  「おー」  目を閉じたディーンの顔をサムは見つめ続ける。  やっと手に入った幸福だ、ぜったいに誰にも壊させない。兄が眠りについたのを確認すると、握った指先にそっとキスを落とす。彼がこの国に身を捧げるなら、自分はその彼こそに忠誠と愛を捧げよう。死がふたりを分かつまで。
<パイとエールと>
 公明正大な王と名高いサミュエル・ウィンチェスターが理不尽なことで家臣を叱りつけている。  若い王の右腕と名高いボビー・シンガー将軍は、習慣であり唯一の楽しみである愛馬との和やかな朝駆けのさなか、追いかけてきた部下たちにそう泣きつかれ、白い息で口ひげを凍らせながら城に戻るはめになった。  王は謁見の控えの間をうろうろと歩き回りながら、臣下たちの心身を凍り付かせていた。  「出来ないってのはどういうことだ!」 堂々たる長身から雷のような叱責が落ちる。八角形の間には二人の近衛兵と四人の上級家臣がおり、みんなひとまとまりになって青ざめた顔で下を向いている。  「これだけの者がいて、私の期待通りの働きをするものが一人もいない! なぜだ! 誰か答えろ!」  「おい……どうした」 ボビーは自分の馬にするように、両腕を垂らして相手を警戒させないよう王に近づいた。「陛下、何をイラついてる。今日は兄上の誕生日だろ」  サムは切れ長の目をまんまるに見開いて、「そうだよ!」と叫んだ。「今日はディーンの誕生日だ! ディーンが天界に行っちゃってから初めての誕生日で、初めて王国に戻る日だっていうのに、こいつらは僕の言ったことを何一つやってない!」  手に持っていた分厚い書冊を机に叩きつけた。ぱらぱらと何枚かの羊皮紙が床に落ちて、その何枚かに女性の肖像が描かれているのをボビーは見た。頬の中で舌打ちして、ボビーは、今朝、この不機嫌な王に見合い話を持ち掛けた無能者を罵った。  まだ手に持っていた冊束を乱暴に床に放り投げて、すでに凍り付いた家臣たちをさらに怯えさせ、サムは天井まである細い窓の前に立った。  ひし形の桟にオレンジ色のガラスが組み込まれている。曇りの日でも太陽のぬくもりを感じられる造りだ。サムがそこに立つ前には、兄のディーンが同じように窓の前に立った。金髪に黄金の冠をかぶったディーン・ウィンチェスターがオレンジの光を浴びて立つさまは、彼を幼少期から知る……つまり彼が見た目や地位ほどに華美な気性ではないと知るボビーにとっても神々しく見えたものだった。  ディーンがその右腕と名高かったカスティエルと共に天界に上がってしまってからというもの、思い出の中の彼の姿はますます神々しくイメージされていく。おそらくはこの控えの間にいる連中すべてがそうだろう。  「兄が戻ってくるのに、城にパイ焼き職人が二人しかいない」  「ですが、それで町のパン焼き職人を転職させて城に召し上げるというのは無理です……」 家政長が勇気を振り絞った。しかしその勇気も、サムのきつい眼差し一つで消えた。  「全ての近衛兵の制服を黒に染めろといったのになぜやらない!」  二人の近衛兵は顔を見合わせたが、すぐに踵をそろえて姿勢を正した。何も言わないのは賢いといえなくもない。  「何で黒にする必要がある?」  ボビーの問いにサムは食い気味に答えた。「ディーンが好きだからだよ! ディーンは黒が好きだ、よく似合ってる」  「ディーンはベージュだって好きだろ。ブラウンもブルーも、赤も黄色も好きだ。やつは色になんて興味ない」  「それに注文したはずのエール! 夏には醸造所に話を通していたはずなのになぜ届いていない!」  項垂れる家政長の代わりに、隣に立つ財務長が答えた。「あー、陛下。あの銘柄は虫害にやられて今年の出荷は無理ということで、代わりの銘柄を仕入れてありますが……」  「その話は聞いた! 私はこう言ったはずだ、ディーンは代わりの銘柄は好きじゃない。今年出荷分がないなら去年、一昨年、一昨々年に出したのをかき集めて城の酒蔵を一杯にしろと!」  「そんな、あれは人気の銘柄で国中を探してもそれほどの数はありません……」  「探したのか?」 サムは、背は自分の胸ほどもない、老年の財務長の前に覆いかぶさるように立ち、彼の額に指を突き付けた。「国中を、探したのか?」  財務長の勇気もこれで消えたに違いなかった。  ボビーは息を吐いた。  「みんな出て行ってくれ。申し訳ない。陛下にお話しがある。二人だけで。そう。謁見の儀の時間には間に合わせる。ありがとう。さっさと行って。ありがとう」 促されるや、そそくさと逃げるように控えの間から去っていった六人を丁寧に見送り、ボビーは後ろ手に扉の錠を下ろした。  「どうなってる」 ボビーの怖い声にもサムはたじろがなかった。気ぜわしそうに執務机の周りを歩き回る足を止めない。  「最悪だ。完璧にしたかったのに!」 床に落ちた肖像画をぐちゃぐちゃにしながら気性の荒い狼みたいな眼つきをしている。「ディーンの誕生日を完璧に祝ってやりたかったんだ! 四年前、僕らがまた家族になれたあとに、ディーンが僕にしてくれたみたいに!」  「四年前? ああ、城じゅうに糸を張り巡らせて兵士の仕事の邪魔をしまくってくれたあれか……」 ボビーは口ひげを撫でて懐かしい過去を思い返した。「しかしあの時はディーンが熱を出して……結局は数日寝込むことになっただろう」  「完璧な誕生日だった。僕のために体調を崩してまで計画してくれたこと、その後の、一緒にいられた数日間も」  「あのな……」  「いろいろあって、あの後にゆっくりと記念日を祝えたことはなかった。ようやく国が落ち着いたと思ったら、ディーンは天界に行っちゃった。いいんだ、それは、ディーンが決めたことだし、僕と兄貴で世界の均衡が保てるなら僕だって喜んで地上の王様をやるさ。滅多に会えなくなっても仕方ない。天界の傲慢な天使どもが寛大にも一年に一日だけならディーンが地上に降りるのを許してくれた。それが今日だ! 今日が終われば次は一年後。その次はまた一年後だ!」  「わかっていたことだぞ」 ボビーはいった。「べったり双子みたいだったお前たちが、それでも考えた末に決めたことだ。ディーンが天界にいなければ、天使たちは恩寵を失い、天使が恩寵を失えば、人は死後の行き場を失う」  「これほど辛いとは思わなかった」  サムは椅子に座って長い足を投げ出し、希望を失ったかのように俯いた。  「なあ、サム。今日は貴重な一日だよな。どうするつもりだった。一年ぶりに再会して、近衛兵の制服を一新した報告をしたり、一晩じゃ食べきれないほどのパイの試食をさせたり、飲みきれない酒を詰め込んだ蔵を見せて自慢する気だったのか?」  「いや、それだけじゃない。ワーウルフ狩りの出征がなかったら、城前広場を修繕して僕とディーンの銅像を建てさせるつもりだった」  「わかった。そこまで馬鹿だとは思わなかった」 俯いたサムの肩に手をあて、ボビーはいった。「本当に馬鹿だな。サム、本当にディーンがそんなもの、望んでると思うのか?」  「ディーンには欲しいものなんてないんだ」 サムは不貞腐れたように視線を外したままいった。「だからディーンはディーンなんだ。天界に行っちゃうほどにね。それだから僕は、僕が考えられる限り全てのことをしてディーンを喜ばせてあげなきゃならない。ディーンが自分でも知らない喜びを見つけてあげたいんだよ」  「ディーンは自分の喜びを知ってる。サム、お前といることだ。ただそれだけだ」  サムの迷子のような目がボビーを見上げた。王になって一年、立派に執務をこなしている姿からは、誰もこの男の甘えたな部分を想像できないだろう。  もっとも、王がそんな一面を見せるのは兄と、育ての親ともいえるボビーにだけだ。  「……それと、エール」  「ああ、焼き立てのパイもな」 ボビーは笑う。「職人が二人もいればじゅうぶんだ」  サムはスンと鼻をすすって、ボビーの腕をタップして立ち上がる。  「舞踏会の用意は?」  「すんでるよ。ああ……サム、中止にするわけにはいかないぞ。もう客も揃ってるし、天界のほうにもやると伝えてある」  「わかってる。頼みがあるんだ……」
 ディーンがどうやって地上に戻ってくるか、サムは一年間毎日想像していた。空から天使のはしごがかかって、白い長衣をかぶったディーンがおつきの者��ちを従えてしずしずと降りてくるとか。水平線の向こうからペガサスに乗って現れるとか。サムを驚かせるために、謁見の儀で拝謁する客に紛れ込んでくるかもしれない。  そのどれもがあまりに陳腐な空想だったと、サムは反省した。  謁見の儀を終えると、ディーンは何の変哲もない、中級貴族みたいな恰好で、控えの間に立っていた。  ひし形に桟が組まれた、長い半円の窓の前で。  「ディーン」  サムの声に振り向くと、ディーンは照れ臭そうな顔をして笑った。「サム」  二人で磁石みたいに駆け寄って、抱き合った。
 ディーンの誕生日を祝う舞踏会は大盛況した。近隣諸国の王侯貴族までが出席して、人と人ならざる者の世の均衡を保つ兄弟を称え、その犠牲に敬意を表した。ディーンと彼に随行したカスティエルは、誘いのあった女性全員とダンスを踊った。そしてディーンは、しかるべき時間みんなの祝福にこたえたあと、こっそりとボビーに渡された原稿を読み上げ――それはとても礼儀ただしく気持ちの良い短いスピーチだった――大広間を辞した。  「どこに行くんだ?」 一緒に舞踏会から抜け出したサムに手を引かれて、ディーンは地下に向かっていた。「なあ、王様がいなくていいのかよ。まだ舞踏会は続いてるんだぜ」  「僕がいなくてもみんな楽しんでる。今夜は一晩中、ディーンの誕生日を祝っててもらおう」  「本人がいない場所でか?」  「ああ。本人はここ」  サムは酒蔵の扉を開いてディーンを招いた。「ディーン、来てくれ」  いくつかある酒蔵のうち、一番小さな蔵だった。天井は低く、扉も小さい。サムの脇をくぐるように中に入ると、まるで秘密の洞窟に迷い込んだように感じた。  「ここ、こんなだったっけか」 踏み慣らされた土床の上に、毛皮のラグが敷かれている。大広間のシャンデリアを切り取ってきたみたいに重々しい、燭台に灯されたろうそくの明かり。壁づたいに整列された熟成樽の上には、瓶に詰められたエール、エール、エール。  「パイもある」 どこに隠してあったのか、扉を閉めたサムが両手に大きなレモンパイを持ってディーンを見つめている。  ちょっと決まり悪そうな、それでも自分のやったことを認めて、褒めてくれるのを期待しているような、誇らしげな瞳で。  「誕生日おめでとう、ディーン」  二人きりで過ごしたかったんだ。そういわれて、ディーンは弟の手からパイを奪い取った。  パイは危うい均衡で樽の上に置かれて、二人はラグの上に倒れ込んだ。
<永遠>
 誰がなんというおうと、おれたちが兄弟の一線を超えたことはない。  天使たちはおれの純潔を疑ってかかった。天界に昇る前には慌ただしく浄化の儀式をさせられた。”身持ちの固さ”について苦言をたれたアホ天使もいたほどだ。おれはその無礼に、女にモテモテだった自分を天使たちが勘違いするのも無理はないと思うことにした。  ああ、若く逞しい国王のおれと、いちゃつきたがる女は山ほどいた。でもおれは国王だ。心のどこかでは、弟に王位を譲るまでのつなぎの王だという思いもあった。だからこそ、うっかり子供でも出来たら大変だと、万全の危機管理をしていた。  つまりだ、おれはまだヴァージンだ。浄化の儀式は必要なかった。  女とも寝てないし、男とも寝てない。弟とは論外だ。  いつか、サムに王位を譲り、おれが王でないただの男になったら、女の温かな体内で果ててみたいと、そう思っていた。  でもたぶん、それは実現しない。なんというか、まあ……。  天界に行ってから、天使たちがおれの純潔について疑問視した原因が、女じゃないことに気がついた。そこまでくればおれだって、認めないわけにはいかない。  クソったれ天使たちの疑いも、あながち的外れじゃあないってこと。
 おれと弟が一線を超えたことはないが、お互いに超えたいと思っていることはどっちも知っている。  ということは、いずれ超えるってことだ。それがどうしようもない自然の流れってやつだ。  どうしてそんなことになったのかというと、つまりおれたち兄弟、血のつながった正真正銘の王家の血統である二人がおたがいに意識しあうようになったのはなぜかということだが、たぶんそれは、おれのせいだ。おれの力だ。  おれは小さい頃から不思議な力があった。  それはサムも同じだけど、サムの力はウィンチェスター家から代々受け継いだもので、おれのほうはちょっと系統が違った。今では、それが天使の恩寵だとわかっているが、当時はだれもそんなこと、想像もしなかった。それでも不思議な力には寛容な国柄だから、おれたち兄弟は一緒に仲良くすくすくと育った。ところがある事件が起きて、おれは自分の力でサムを傷つけてしまった。それ以来、両親はおれの力を真剣に考えるようになり、おれたち兄弟は引き離された。  おれが十一歳のとき、もう同じ部屋で寝ることは許されていなかったが、夜中にサムがこっそりとおれの寝室に忍び込み、ベッドに入ってきたことがあった。  「怖い夢を見た」という弟を追い払うなんてできるはずがなかった。お化けを怖がるサムのために、天蓋のカーテンを下ろし、四方に枕でバリケードをつくって、ベッドの真ん中でふたり丸まって眠った。  翌朝、おれは自分が精通したのを知った。天蓋ごしにやわらかくなった朝日がベッドに差し込み、シーツにくるまっていたおれたちは発熱したみたいに熱かった。下半身の違和感に手をやって、濡れた感触に理解が追い付いたとき、サムが目覚めた。汚れた指を見つめながら茫然とするおれを見て、サムはゆっくりとおれの手を取り、指についた液体を舐めて、それから、おれの唇の横にキスをした。  おれはサムを押しのけて、浴室に飛び込んだ。しばらくすると、侍女がおれを迎えに来て、両親のことろまで連れて行った。そこでおれは、これからは城の離れにある塔で、サムとは別の教育を受けさせると言い渡された。大事にはならなかったとはいえ、サムを傷つけた力には恐怖があったから、おれはおとなしくその決定に従った。結果として、サムがキスをした朝が、おれたちが子ども時代を一緒に過ごした最後の日になってしまった。  おれの変な力がなかったら、あのままずっと一緒に育つことができただろうし、そうならば、あの朝の続きに、納得できる落とし前をつけることもできただろう。おれはなぜサムがキスをしてきたのか、その後何年にわたってもんもんと考える羽目になった。サムによれば、彼もまた、どうしてあのタイミングでキスしてしまったのか、なぜすぐにおれの後を追わなかったのかと後悔していたらしい(追いかけて何をするつもりだったんだろう)。なんにせよ、お互いに言い訳できない状況で、大きなわだかまりを抱えたまま十年間も背中合わせに育ってしまったんだ。  再会は、おれの即位式だった。両親の葬儀ですら、顔を合わせていなかった。  喜びと、なつかしさ、罪悪感に羞恥心、後悔。それを大きく凌駕する、愛情。  弟は大きくなっていた。キャスに頼んで密偵まがいのことをさせ、身辺は把握していたけれど。王大弟の正装に身を包んだサムは、話で聞いたり、遠目にみたり、市井に出回っている写し絵よりもよっぽど立派だった。  意識するなって言うほうが無理だろ。
 ところでおれは、もう人じゃない。  一日に何度も食べなくても、排泄をしなくても、死なない体になった。天使いわく、おれは”顕在化された恩寵”だそうだ。恩寵っていうのは天使の持ってるスーパーパワーのことをいう。つまりおれはスーパーパワーの源で、天界の屋台骨ってこと。  そんな存在になっちまったから、もう必要のない穴ってのが体には残っているんだが、おれの天才的な弟ならその使い方を知っていると思っていた。  そして真実はその通り。弟はじつに使い方がうまい。  「純潔じゃなくなったら、天界には戻れない?」 一年前から存在を忘れられたおれの尻の穴にでかいペニスを突っ込んだサムが尋ねた。  うつ伏せになった胸は狼毛のラグのおかげで温かいが、腰を掴むサムの手のひらのほうが熱い。ラグの下に感じる土床の硬さより、背中にのしかかっているサムの腹のほうが硬い。  ついに弟を受け入れられたという喜びが、おれをしびれさせた。思考を、全身を。顕在化されたなんちゃらになったとしても、おれには肉体がある。天使たちはおれにはもう欲望がないといった。そんなのはウソだ。げんに今、おれの欲望は毛皮を湿らせ、サムの手に包まれるのを期待して震えている。  「サム……あ、ア」 しゃっくりをしたみたいに、意思を介さず肛門が収縮する。奥までサムが入っていることを実感して、ますます震えが走った。「サム、そのまま……じっとしてろ、おれが動くから……」  「冗談だろ?」 押さえた腰をぐっと上に持ち上げながら、サムはいった。「どうやって動くんだよ。力、入らないくせに」  その通りだ。サムに上から押さえつけられたとたん、おれの自由なはずの四肢は、突如として意思を放棄したみたいに動かなくなった。  「そのまま感じてて……」 生意気な言葉を放ちながら、サムはゆっくりと動き始めた。おれの喉からは情けない声が漏れた。覚えているかぎり、ふざけて登った城壁から落ちて腕を骨折したとき以来、出したことのない声。「はああ」とか「いひい」とか、そういう、とにかく情けない声だ。  「かわいいよ。かわいい、ディーン」  「はああ……」  「あんたの純潔を汚してるんだよ、ディーン……。僕に、もっと……汚されて……」 サムの汗がおれの耳に垂れた。「もう天界には戻れないくらい」
 まあおれは、かね��ね自分の境遇には満足だ。天界にエネルギー源として留め置かれている身としても、そうすることを選んだのは自分自身だし、結局、やらなきゃ天界が滅んでしまう。天国も天使もいない世界で生きる準備は、国民たちにもだれにも出来ていない。  せっかくうまくいっていたおれとサムの関係が、期待通りにならないことは承知の上だった。おれたちは王族だ。自分たちの欲望よりも優先すべきことがある。おれは天界で腐った天使どもと、サムは地上でクソったれな貴族どもと、ともに世界を守れたらそれでいい。そう思っていた。サムも、そう思っているはずだった。  一年に一日だけ、地上に戻る許可を与えられて、おれが選んだのは自分の誕生日だった。  ほんとはサムの誕生日のほうがよかった。だけどおれの誕生日のほうが早く訪れるから。  サムに会えない日々は辛かった。想像した以上に永かった。
 下腹をサムの手に包まれて、後ろから揺さぶられながら、おれはふと気配を感じて視線を上げた。酒蔵の奥に、ほの白く発光したキャス――今は天使のカスティエルが佇んでいた。  (冗談だろ、キャス。消えてくれ!)  天使にだけ伝わる声で追い払うが、やつはいつもの表情のみえない顔でおれをじっと見つめたまま動かない。  (取り込み中なの見てわかるだろ!?)  (君はここには残れない) キャスがいった。(たとえ弟の精をその身に受けても。君はもはや人ではないのだ)  (そんなことはわかってる) おれがいうと、キャスはやっと表情を変えて、いぶかしげに眉をひそめた。(君の弟はわかっていない)  (いいや、わかってる……)  「ディーン、こっち向いて」 キスをねだる弟に応えて体をひねる。絶頂に向かって動き始めたサムに合わせて姿勢を戻したときには、もう天使は消えていた。  わざわざ何をいいに来たんだか。あいつのことだから、もしかして本当に、サムのもらした言葉が実現不可能なものだと、忠告しに来たのかもしれない。  天使どもときたら、そろいもそろって愚直で融通のきかない、大きな子どもみたいなやつらだ。  きっと今回のことも、天界に戻れば非難されるだろう。キャスはそれを心配したのかもしれない。  お互いに情けない声を出して、おれはサムの手の中に、サムはおれの中に放ったあと、おれたちは正面から抱き合って毛皮の上に崩れ落ちた。  汗だくの額に張り付いた、弟の長い髪を耳の後ろにかきあげてやると、うるんだ緑の目と目が合った。  「離れたくないよ、ディーン」  「おれもだ」  サムはくしゃっと笑った。「国王のくせに、弱音を吐くなって言われるかと思った」  おれはまた、サムの柔らかな髪をすいてやった。  おれがまだ人だったころ、おれの口から出るのは皮肉や冗談、強がりやからかいの言葉ばかりだった。だれもがおれは多弁な王だと思っていた。自分でもそうだった。  でも今や、そうじゃなくなった。  おれは本来、無口な男だったんだな。  見つめていると、弟の唇が落ちてきた。おれは目を閉じて、息を吸い込んだ。このキスが永遠に続けばいいのにと思う。  願っても意味はないと知っているからな。
 「驚いたよ」 天界へ帰るすがら(地上からは一瞬で消えたように見えただろうが、階段を上っていくんだ。疲れはしないけどがっかりだ)、キャスがいった。「きみたちは……意外とあっさり別れた。もっと揉めるかと思っていた」  「揉めるってなんだよ」  「ずいぶんと離れがたそうだったから」  「ふつうは他人のセックスをのぞき見したこと、隠しておくもんなんだぜ」  「のぞき見などしていない」 キャスは大真面目にいった。「のぞき見ではない。私は隠れてなどいなかった」  おれは天界への階段から転がり落ちそうになった。「おま……キャス……じゃあ、おまえの姿、サムには……」  「見ていただろうな。君とキスしているときに目があった」  「――あいつそんなこと一言も」  「今朝、私には警告してきた。次は翼を折ってやると。君の手の大きさじゃムリだと言ってやったが」  おれはため息を吐いた。  「次があると思っているのだな」  「もう黙れよ」  「一年に一度の逢瀬を、続けるつもりなのか。君はもう年をとらず、彼は地上の王として妻をめとり、老いていくというのに」  「なあ、キャス。おまえに隠してもしかたないからいうが、おれが天界にいるのはサムのためだ。サムが死後に行く場所を守るためだ」  キャスはしばらく黙ったあと、唇をとがらせて頷いた。「そうか」  「ああ、そうだ」  「きみに弟がいて世界は救われたな」  おれは足を止めて、キャスの二枚羽の後ろ姿を見つめた。彼がそんなふうに言ってくれるとは思っていなかったから驚いた。  キャスが振り返っていった。「どうした」  「べつに。おまえ皮肉が上手くなったなって。ザカリアの影響か?」  「やめてくれ」 盛大に顔をしかめてキャスはぷいと先を行ってしまう。  「お、待てよ、キャス。おまえのことも愛してるぜ!」  「ありがとう。私も愛してるよ」    たとえばサムが結婚して、子どもができ、平和な老後を迎えるのを、ただ天界から見守るのも素晴らしい未来だと思う。義務感の強いサムのことだから、十中八九相手は有力貴族の娘か、他国の姫の政略結婚だろうが、相手がよっぽどこじれた性格をしていない限り、いい家庭を築くだろう。あいつは優しいし、辛抱強くもなれる。子どもにも偏りのない教育を受けさせるだろう。安定した王族の指導で、王国はますます繁栄する。国王と王妃は臣民の尊敬を受け、穏やかに愛をはぐくみ、老いてからも互いを慈しみながら、孫たちに囲まれ余生を過ごすだろう。  愛と信頼に満ちた夫婦。サムがそんな相手を見つけられたらどんなにいいか。おれは心から祝福する。それは嘘偽りのない真実だ。  だけど、それは死が二人を分かつまでだ。  サムが死んだら、たとえその死が忠実な妻と手をつなぎ、同時に息を引き取るような敬虔なものだったとしても、彼の魂はもう彼女のものじゃない。死神のものですらない。おれだ。おれがサムを直接迎えにいく。  そしておれがサムのために守ってきた天国で、おれたちはまた、やり直すんだ。  おれが精通した十一歳の朝からでもいい。  ぎこちなかった即位式の午後からでもいい。  世界におれたちだけだったら、どれだけ早くたがいの感情に正直になれたかな。それを試すんだ。  だから今は離れていても、いずれは永遠に側にいられるんだ。  今は言葉だけでいいんだ。おれを汚したいといったサムの言葉が何物にも代えがたい愛の告白に聞こえたなんて変かな。サムの愛の言葉と、この体のどこかに残っているサムの精だけで十分なんだ。  また来年、それをおれにくれ。おまえが誰かいい女と結婚するまで。  おまえのための天国を作って、おれは永遠が来るのを待っている。
おわり
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