#経絡按摩
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下腿で背腰臀部を治療
podcasts.google.com 本日の和ら会真和塾の成果です。 皆さんが成果を持ち帰りました!
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husdxs48 · 7 months ago
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#東京 #東京風俗 #東京找小姐 #東京外約 #东京 #东京风俗 #东京找小姐 #东京外约
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bogintang · 2 years ago
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撥筋與飲食調整對代謝症候群的改善作用
代謝症候群是一種常見的慢性疾病,它包括高血壓、高血糖、高血脂和肥胖等一系列代謝異常。這些症狀的同時存在增加了心血管疾病、糖尿病等嚴重疾病的風險。在現代社會,不良的生活方式和飲食習慣成為代謝症候群發生的主要原因。然而,近年來人們開始重視傳統中醫療法的應用,尤其是撥筋、整骨、整復和推拿等療法,並結合飲食調整來改善代謝症候群的症狀。這種結合療法的應用在代謝症候群的治療上展現出了卓越的效果。本文將探討撥筋與飲食調整對代謝症候群的改善作用,以及相關議題。
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首先,我們來了解撥筋、整骨、整復和推拿館提供的傳統中醫療法在代謝症候群的應用。這些療法在中醫理論中講求通過調整氣血運行、平衡陰陽,來緩解人體內部的不平衡狀態。在代謝症候群患者中,這些療法可以針對性地改善患者的生理狀態,例如降低血壓、控制血糖和血脂,並減少體重。此外,這些療法還可以通過按摩和推拿等手法,刺激穴位和経絡,促進身體的新陳代謝,促進脂肪的分解和代謝,從而幫助患者減輕體重和改善肥胖問題。
其次,飲食調整在代謝症候群的治療中起著至關重要的作用。不良的飲食習慣是代謝症候群的主要原因之一,過量攝取高糖、高脂食物和過多的卡路里導致了患者體重的增加和血糖、血脂的升高。因此,飲食調整是改善代謝症候群的重要手段。中醫理論認為飲食應根據個人體質和病情來選擇適合的食物,如適量攝取蔬菜、水果、全穀物等營養食物,減少攝取高糖、高脂和高鈉食品,這些方法有助於控制患者的體重和血糖、血脂水平。
撥筋與飲食調整在代謝症候群的改善作用不僅體現在其各自的優勢上,更重要的是兩者的結合應用。撥筋等中醫療法可以改善患者的身體狀態,促進血液循環,調節內分泌,從而從根本上改善代謝症候群的症狀。而飲食調整可以控制患者攝取過量的糖分和脂肪,使身體獲得均衡的營養供應,進而降低患者體重和改善血脂、血糖水平。兩者的結合應用使得治療效果更加綜合、全面。
在���筋與飲食調整的結合應用中,專業的中醫師和營養師發揮著關鍵作用。中醫師可以根據患者的體質和病情制定適合的撥筋治療方案,通過針灸、推拿等手法調節患者的身體狀態,改善患者的氣血運行和內分泌功能。同時,營養師可以根據患者的飲食習慣和身體狀況制定科學的飲食計劃,避免過量攝取高糖、高脂食品,並推薦適量攝取營養豐富的食物。兩者的合作和協調可以確保患者得到全面、專業的治療。
除了撥筋和飲食調整的結合應用,生活方式的改變也是改善代謝症候群的重要因素。定期運動和足夠的睡眠是維持健康的重要手段。適度的運動可以增強身體代謝功能,促進脂肪的分解和消耗,降低血脂、血糖水平,並有助於減輕體重。足夠的睡眠可以讓身體充分休息,幫助調節體內的代謝平衡。此外,減少壓力和保持心情愉快也是重要的生活方式因素,壓力過大���導致體內激素失調,進而影響代謝功能。
儘管撥筋與飲食調整的結合應用對代謝症候群的改善作用已經獲得了良好的效果,但還需要更多的科學研究和實踐來進行驗證。每個人的體質和病情都是不同的,治療效果會因人而異。因此,在進行治療時,需要根據患者的個體特徵和病情來制定個性化的治療方案。此外,治療是一個持續的過程,患者需要長期堅持,並通過定期檢查和跟進來確保治療效果。
總的來說,撥筋與飲食調整的結合應用在代謝症候群的改善中展現出了重要的作用。撥筋等中醫療法可以改善患者的身體狀態,促進氣血運行,從根本上調節體內代謝功能。飲食調整則可以控制攝入的糖分和脂肪,幫助患者達到體重控制和血糖、血脂的平衡。兩者的結合使得治療效果更為綜合、全面。在未來的研究和實踐中,我們相信撥筋與飲食調整的結合應用將會為更多代謝症候群患者帶來健康和福祉。
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keirakusalon · 2 years ago
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3月OPEN✨
・経絡リンパオイル
・経絡緩筋法(阿是穴)
この二つのボディケアをしています🐻
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阿是穴を押してます(o^^o)
現在、ご新規様はご紹介のみ受け付けておりますが
是非ホームページなど覗いてみてください
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seiunsky2520 · 3 years ago
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【DRT認定セミナー随時開催】 ベーシック・アドバンス・マスター 各認定セミナー受付中! ≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ DRT協会所属 静岡県唯一のDRTスーパーオーソライザー 医療 介護全期間における DRT施術による 解剖学 生理学 病理学をベースとして 奇跡の症例経験を沢山保有する Crea athlete&beauty careにて 受講できる DRT認定セミナーは DRT創始���である 上原宏先生のセミナーと 全て同じスタイルで行います。 DRTインストラクターとしての テクニックや知識 その後 経営に必要なDRTマインドを 身につけて頂きます。 ※こんな方におススメです※ •超高齢社会に向けて家族や知人の身体をケアする技術を学びたい。 •相手に喜ばれて尚且つそれが仕事になることをしたい。 •新たなセカンドキャリアを築いていきたい。 •安全で再現性の高いDRTを習得し 週末起業したい。 • 自宅の空きスペースを整体院をとして活用したい。 •整体院を開業したい。 •既存のメニュー以外に 新たな施術メニューとして導入したい。 •再現性のある時短メニューを手に入れたい。 •セミナー受講後にアフターフォローが欲しい。 ※セミナー受講 認定試験合格後 DRT協会より認定証が発行されます。 ※DRTマスター認定終了後 DRT創始者上原宏先生開催オーソライズ セミナー受講紹介権利取得 ○日程: 各認定セミナー ○時間:  金曜日 10時〜17時 土曜日 10時〜17時 日曜日 10時〜17時      ○費用: 220.000円  (各認定セミナー 協会規定による)  ※現金振り込み  ※クレジットカード(ご相談ください)  ※領収書の発行は振り込み控えを代わりとさせて頂きます。 領収書が必要な場合はお申し付けください。 ○持ち物:筆記用具、タオル等 ○各日、懇親会あり(���望者のみ)  5000円位 ○主催:DRT認定院 Crea athlete&beauty care JR三島駅南口徒歩3分 〈特典〉 ○DRTベーシックインストラクター  DRTアドバンスインストラクター  DRTマスターインストラクター  各認定証の授与 ○非公開FB又はLINEグループにて  情報の共有 ○メッセンジャー又は LINEグループでの質問無制限 《申込方法》 ○以下の項目を •メール([email protected]) •Facebook messenger •LINE (https://lin.ee/9PxvgG5) にて ご連絡ください。 1.氏名(ふりがな) 2.院名 ※開業されている方のみ 3.ご住所 4.お電話又はLINE ID 5.資格の有無・種類 6.受講認定セミナーの種別と参加希望日(第3案まであげて下さい) 講師の眞野スケジュール調整の上 決定させて頂きます。 7.懇親会の参加・不参加 ※参加の場合、食物アレルギーなどあれば教えてください。 1〜7をお願い申し上げます。 確認次第 こちらからご連絡をさせていただきます。 わからない事ご相談などございましたら ご遠慮なくお問い合わせください。 最後までお読み頂き誠に ありがとうございます。 感謝いたします。 【DRT協会認定セミナー開催院】 DRT協会認定院 Crea athlete&beauty care DRTスーパーオーソライザー 眞野寿基 講師プロフィール 鍼灸按摩マッサージ指圧師免許取得 北京中医薬大学短期留学 プロアスリートパーソナルトレーナー (アジア代表、日本代表、全競技全般) 医療介護全機関にて 臨床経験30年 200万人以上あり DRT協会所属9年目 •DRTベーシックインストラクター •DRTアドバンスインストラクター •DRTマスターインストラクター •DRTオーソライズド(第1期) •DRTスーパーレイティブ(第1期) 趣味 合気道初段 剣道初段 テニス スイーツ巡り(元パティシェ) FIA認定国内レーシングドライバーライセンス所持  #DRT#drt整体 #骨格ゆがみ調整 #手技療法 #インストラクター養成講座 (三島駅近く) https://www.instagram.com/p/CkSDDQlpWbv/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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oharash · 3 years ago
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ないりの波際
ないり は 泥梨 で地獄のことです。
本文は杉元視点、エピローグは白石視点です。
 俺はあいつのことをほとんど知らない。  それはあの時だけじゃなく今もって何ひとつつまびらかには知らない。いろいろあって一緒に凍死しかけたり金をせびられたり、酒を飲んだり同じ釜の飯を食ったり殴ったり殴られたりしたが、あいつの目が何に焦点を当ててあの旅の間に何を胸に抱えたのか、そんなことは一切知らない。  聞こうと思ったこともなかったし、近くにいて自然に知ることが出来ることだけを知っている――それだけでいいと思っていた。  俺は白石がいればそれでよかった。
   海と山しかないようなその郷で、アシリパさんのコタンの裏山には炭焼きの窯と窯を見るための小屋が一棟あった。その小屋はもともとは山の作業小屋と休憩所を兼ねていたものを頑丈に作り替えただそのまま今に至るまでなんとなく修繕し続けていたというもので、自然からも人からも中途半端に見捨てられた佇まいを俺はそれなりに愛していた。ここでの俺の棲家だ。アシリパさんの叔父の嫁さんの妹の旦那の爺さんの…詳しいことは忘れたが、とにかくどこかの誰かが持て余していたものを俺が借り受けている。人が住んでいた方が傷まない、できたら家族の分だけは炭を焼いて欲しい。そんな理由で。  今年は北海道でも盛夏から雨が多く襦袢が湿って背中に張り付くし朝顔は結局蕾をつけなかった。けれどくさくさした日も朝霧の匂いは甘かったし川の水は冷たくて、俺は少しぼんやりとしながら日々を過ごしていた。  だから、太い道から小屋に続くだらだら坂の中腹に俺以外の足跡を見た時は背骨に太い芯でも入れられた気分だった。足が意思より早く坂を蹴り立て付けの悪い引き戸を力任せに開ける頃にはもう我慢ができなかったのだ。 「テメエっ連絡もよこさねえでどこほっつき歩いてやがった‼︎」  平手で思いっきり、側頭部を、叩いた。拳だったらたぶん殺していた。  そいつは濁った悲鳴をあげて床に転がってやっぱり「クーーーーーン」と鳴いた。 「いだいいいいい…。だからモテねえのよお前」 「うるせえ受け身取ってんじゃねえ��」 「だっていくら平手だってお前に思いっきり叩かれたら死んじゃうでしょお⁉︎」  口調と裏腹に楽しそうに口角を上げる白石を見たら馬鹿馬鹿しくなって、でもまだ腹の虫は治らなかったのでもう一発平手に力を込める。  靴脱ぎには古くさい草履が脱ぎ捨てられていた。
「あのときは吉原が俺を呼んでたわけよ」 「うるせえちんぽ腐り落ちてしまえ」 「ひどぉい」  どこまで行ってきたのか知らないが、白石の荷物は小ぶりなずた袋ひとつで財布には相変わらずろくな額の金も入っていなかった。金がなくなったから帰ってきたのか、それともここに帰るまで路銀が持てばいいと思ったのか。どうせまたどこかから逃げてきたのだ、草履は盗品だと俺は決めつけた。 「アシリパちゃんのとこ行ったら、お前がここにいるって教えてくれたからさあ」 「会ったのか」 「うん。背伸びててちょっと感動したわ。とりあえず飲もうぜぇ」 「せっかくだからアシリパさんとこ行って飲もうぜ? まだそんな遅くねえし」 「俺もう歩き疲れたのよ。明日行くからさあ」  白石が体を起こしてちゃぶ台に寄りかかる。なんとなく妙な気配がした。嫌とは違った胸騒ぎに似た���和感。いつもと違う感じ。あるいはいつもと同じで、ほんの少しブレる――共振を起こした時計の針が振り切れるような、そんな程度の。  けれど目の前の男そのものは何も変わらない俺の、たぶん仲間、だったので俺は自然に奴の向かいに腰を下ろしていた。
「こっちに来る途中流しの菓子職人と行きあってさ、ちょいと一緒にいたわけ。みちのくから北海道まで行くってんで、その辺の菓子って言われてみれば形が似てんだよね。杉元の地元のかりんとうってどんな形してる? 犬のウンコっぽい形じゃない? それがさあ、南部の北あたりから葉っぱみたいな形になんの。それが津軽海峡を超えて北海道きても同じでさあ。まあその菓子職人に最後は警吏に売られたけどね、おかげで靴なくした。あ、そういえばお前が言ってた帝国ホテルのエビフライも食ったぜ」 「は? 強盗にでも入ったの?」 「違いますう。不忍の競馬場で会ったオッサンが金持ちでさあ、仲良くなって連れてってもらったの。いやーありゃ美味いねお前が言うだけある。ふうわりして甘くて…」 「わかる…ふうわりしてる…」 「だよなあ。油で揚げるって聞いたからあとで灯火油でやったらボヤ起こしかけた」 「そこはせめて菜種油だろ」  東京で行方をくらましたあと白石は日本中をぶらついていたようで、旅の話をとりとめもなく教えてくれた。軽薄な調子とか、ゆっくりとした声の拍子がとても自然で嬉しい。 「俺がいなくて寂しかった? いだい痛いいたいっ‼︎ 」  腕ひしぎ十字固めをかけると白石はゴザをばたばたと蹴り上げた。悲鳴はすぐに笑い声に変わって、俺もなんだか笑ってしまう。もう会えないだろうとそのうちひょっこりやってくるだろう、の間を揺れ動いていた心が溶け出していく。  気持ちよく酔っ払って床に寝転がる。頭を傾けると、白石も同じ姿勢で俺を見ていた。 「…なんだよ」 「俺は寂しかったよ。お前らがいなくてさあ」 「お前が勝手にいなくなったんだろ」 「それはなんていうか、そんなもんよ。お前は? まあ元気そうだけど」 「あー…」誰に言うつもりもなかったが、こいつにならいいかなあ、と酒と再会が俺をゆるめた。 「右手、が」 「みぎて?」 「ときどき痺れる。なんていうか、力の入れ方はわかるから動くんだけど、感覚が薄くなる。後天的に耳が聞こえなくなった人って、聞こえなくても喋れるじゃん。多分ああいう感じ」 「あらま。不便ないの」 「特にない。アシリパさんには言うなよ」 「言わないけどさあ…脳みそ欠けてるから痺れるのかな? 大事にしなさいよ。せっかく目も爪も指も手足も全部揃って生き残ったんだから」  白石が手を伸ばして俺の手のひらを取った。按摩をするように揉みながらため息をつく。その嘆息ともいえる雰囲気が珍しかったので 「気持ち悪い」と言ってしまった。「ひどぉい」とこだまのような声が帰ってきた。  手をとられたまま、にじりにじりと距離を詰めて空いている左手でその頬をつねりあげる。こいつの頬はよく伸びるのだ。白い歯がのぞいた。 「いひゃい」 「お前、アシリパさんと何かあったの?」 「ええ、なんでわかるの? アシリパちゃんのことだから? お前も十分気持ち悪いよ⁉︎」 「うるせえ顔面ちぎり取られなくなかったら喋れ」 「脅迫しないでくれる?」  俺の手を揉むのはやめず、歯切れ悪く話し出す。 「アシリパちゃん普通だったよ。お前みたいにどこ行ってたんだって怒ってくれて、おやつ食べさせてくれてさあ。ヒグマの胆嚢が高く売れた話とか、ウサギのウンコの話とかしたよ。でも何かよそよそしくてね? なんか、ああやっちまったな、って思ったの。心当たりあるのよ、あのよそよそしい感じ。  お前に話したかわかんないけど、俺赤ん坊の頃寺に捨てられてて家族いねえのよ。その寺も逃げ出したし。クソガキだったけど、仕事とか駄賃くれたり飯食わしてくれたり、クソガキにも何かと世話焼いてくれる優しい人ってのが世の中にはいるわけ。ただその人たちにも事情があるからずっとは続かなかったり突然会えなくなったりすんの。でもガキだからさ、そうなるとすっげえの。すっげえ落ち込むの。やっぱり大人なんてそんなもん、自分の都合で行動するだけで、俺のことなんか考えていない。期待したり信用したりしちゃダメだって思うようになるんだわ。もう傷つきたくないからさ。そうするとまた会えてもよそよそしくしちゃうんだよね。  アシリパちゃん見てそんなこと思い出したのよ、お前、俺の���違いだと思う?」 「わかんねえけど、東京でいなくなった時、どうせすぐ帰ってくるだろと思ったら全然そんな気配がなくて、こっちに戻ってしばらくはアシリパさんちょっと元気なかったぜ」 「あの子も両親いないもんね。俺ってアシリパちゃんにそこそこ好かれてたのねえ…ただ嫌われた方が楽だったなあ」  静寂が床に落ちる。ひとりでいる時は気にも留めないのに、ふたりでいるときのそれには何かしらの色がついていて居心地が悪い。 「お前、次いなくなる時は言ってからにしろよ」 「湿っぽいサヨナラ嫌いなのよ…」 「タコ。さっさと出てけ」  残すは体ひとつ分の距離にいた白石に身を寄せて、覆いかぶさるように抱きしめる。酒の匂いと汗くささと懐かしい甘い香りがした。 「言ってることとやってることが逆だよ、杉元」 「うるせえ」 「お前も俺のこと好きだよねえ。ばかだよなあ」  たくさん人間を殺したので骨や神経や内臓や血は地獄ほど見た。けれど一度も心というものはまろび出てこなかった。だから俺は心のありかを今になって知る。今このとき痛んでいる場所だ。 「でも俺もお前のこと好き。ちょう好き。一生好きだわ」  白石が俺の背に手を回して子どもをあやすように撫でるものだから一層この男が憎くなる。体の奥の奥の奥でいくつもの夜と意思が帰結する音がした。  俺たちはその晩抱き合って眠った。
 翌日、俺が山仕事から帰って間も無くアシリパさんが訪ねてきた。山菜と獣肉を持ってきてくれたようで、いつものように手際よく鍋を作ってくれた。 3人で食べる夕餉はあまりにも久しぶりでどこか現実感がない。昨夜白石が言う通り、アシリパさんは少しかたい顔で俺にばかり話しかけた。あるいは俺を介して白石と話していた。 「今年の冬はマタカリプに三度も会った、そうだよな杉元」とアシリパさんが言えば、俺が「お前がいたら何度頭噛まれたかなって話してたんだよ」と白石に水を向ける、という風に。  白石は少し苦笑していたけれど、アシリパさんの目を見て彼女に話しかけるのだけはやめなかった。  翌日は俺たちがアシリパさんのチセを訪ねた。その次はアシリパさんがまた来て…と晩夏は進み、だらだら坂のナツズイセンが葉を落とす頃にはアシリパさんと白石の会話に俺はほとんど必要なくなった。  ある薄曇りの日なんて俺が帰ると白石がアシリパさんの髪を結っていてのけぞった。 「え〜カワイイ…白石、お前そんな特技あったの?」 「見よう見まねだけど。似合うでしょ、町娘風」  マタンプシはそのままに束髪(三つ編みというらしい)をつくり、どこから摘んできたのか桔梗を編み込んでいる。艶やかな髪によく似合っていた。白石がアシリパさんへの土産に持ってきた手鏡はなぜか俺の住まいに置かれていて、ふたりは額を合わせて鏡を覗き込んでいた。何も坊主のオッサンまで映す必要はないと思うが。  囲炉裏の上では鍋がくつくつと煮立ち芳しい香りで住まいを満たしている。「何の鍋?」と聞くと白石とアシリパさんはお互いに目配せをして、何も答えずにふたりで笑った。 「え〜何ぃ〜? 俺には秘密なわけ〜?」 「食べればわかる」  アシリパさんが歯を見せて笑い、鍋を椀によそってくれる。 「はち、は…って…これ桜鍋じゃん〜」  ずっと前に小樽の山で3人で食べた味噌の入った桜鍋。味噌を敬遠していてアシリパさんが初めて食べたあの鍋だ。 「白石が悪事を働いて手に入れたんだ」 「悪いことしてないよぉ⁉︎ 町で鹿肉と取っ替えたのよ」 「明らかに量が見合ってなかっただろう」 「いいじゃなーい。あのおばちゃんお金持ってそうだったし、エゾシカ珍しがってたでしょ」  泡が弾けるような調子でふたりは笑っていて、わだかまりが解けたのかな、と思った。家族でも親戚でもないふたりがこうしていると縁というものの妙を感じる。  アシリパさんは髪を褒める��耳を赤くして黙り込み、俺の口に飯を突っ込んできた。照れちゃって〜とあまりにからかうものだから、白石はちょっと嫌われていた。
  「押してダメならもっと押せ、ってねえ〜」  白石はその晩、常になく酔っ払って絡んできた。聞けばこいつは俺が山に行っている間に足繁くアシリパさんのコタンに通い、アシリパさんの狩りや女衆の仕事を手伝っていたそうだ。 「狩りは相変わらず役に立たねえんだけど、それなら外堀埋めてこって思って。縫い物とか細かい作業ならちょっとはできんのよ」 「白石が働くなんてやめろよ、火山とか噴火したらどうすんだよ」 「ちょっとは見直してよぉ。人生で一番女の子に尽くしてる最中なんだぜ。まあ今日はよかったわ。3人で桜鍋食べれたし、あとはアシリパちゃんの悩みごとがちょっと前に進むといいんだけどなー」 「悩みごとって? お前のことじゃなくて?」 「んん、ほら、子どもって子どもなりに色々あるじゃない。アシリパちゃんは賢いし胆力あるし綺麗な子だけど、子どもの世界ってあの子たちだけの法律があるでしょ。倫理とか道徳に沿って行動するより、友達のメンツを守ることの方が大事だったり、そういうの。そういうところでお友達とちょっとうまくいかなくなっちゃったみたいよ」  白石の話はこうだった。コタンに暮らすアシリパさんと、彼女と歳の近い女の子がひとり、ここのところ上手くいってないらしい。表立って喧嘩をするとかそういったことはないけれど、少し前までは自然に集まって遊んでいたのがぱったり見られなくなった。どうやらその女の子がアシリパさんを避けているらしく、その子と他の子たちが遊んでいる時にアシリパさんが来れば集団は散開するしその逆もあり、子どもたちの間にはなんとなくぎくしゃくした空気が流れているんだそうだ。 「…お前なんでそんなこと知ってんの。俺全然気づかなかった」  なんならちょっと悲しく情けなくすらあった。俺だってアシリパさんのコタンには足繁く通っているのに。その女の子のこともよく知っている。負けん気が強いが小さな子どもたちには優しくアシリパさんともよく遊んでいる子で、裁縫が苦手なアシリパさんの衣類のほつれを見つけては繕ってあげているのもよく見ていたというのに。 「俺が気付いたのだってたまたまよ。お前とかばあちゃんには言いたくないのよ。好きな人にカッコ悪いとこ見せたくないじゃない。別に俺だって、話の中で出てきたのをさりげなーーーーく広げてってたまたま気づいただけ。彼女たちどっちが悪いわけでもないみたいよ。  結った髪もさあ、本当はフチに見せてあげたいらしいの。でもこのままコタンに帰って、そのお友達に見られるのが嫌みたい」  自分に置き換えても記憶は全く役に立たない。俺が彼女くらいの歳の頃ほとんどのいさかいは殴り合いでうやむやになっていたしそもそも原因も具体的に思い出せない。俺が悪かったこともあれば相手も悪かったこともあるだろうし、どちらも悪くないこともあったような気がする。思い出せないということはつまりどれも大した理由はなかったのだ。 「あのアシリパちゃんでも同��代の子を相手にするとまた違うんだなって。本人には言わないけど、年相応のそういう悩みがあってよかったなあって思ったよ俺。これであの子がお前に駄々こねられるようになったら、もう完璧」 「話が飛躍してねえか?」 「酔っ払いだから〜。子どもの時に駄々こねておかないと、欲しいものを欲しいって言えない大人になっちゃうんですう〜これは監獄で一緒だった医者の受け売りねえ〜」  気づけば徳利の酒をほとんど飲み干して白石は気持ちよさそうにちゃぶ台に突っ伏した。そのままいびきをかき始めたので床に倒して布団をかけてやり…たかったが、俺もだいぶ気持ちよくなっていたのでそのままふたりして床で寝てしまった。夜中に隙間風で目が覚めると白石を抱き込んでいるせいかさほど寒くはなくて、山鳩の声を聞きながら俺は再びまどろみに落ちる。  白石は俺の気づかないことによく気づくし俺の知らないアシリパさんを知っている。俺とはものごとを捉えるものさしがまったく違って優しいくせに薄情だし金に汚いしほぼ全てにおいてだらしないし、危険なことは嫌いで逃げることばかり得意なくせに俺を命懸けで助けにきたりして、理解できないし分かり合えもしない。   だから、白石にとってあのとき黄金がどんな意味を持っていたのか、あるいは持つのか。そんなことは本当の意味では俺にはわからなかったのだと思う。  聞いてしまえば俺にとっては他愛もない夢としか捉えられなかったかもしれない。それが嫌で、俺はそこにだけは踏み込まなかったのかもしれない。  そんな風に遠くへゆく気持ちと、目の前の男を独占したい気持ちが矛盾しながら混ざり合う。白石はもう俺を必要とすることはないのだろうか。そんなことを考えると途方もないほど悲しくなって、夜の底が急激に冷えていくのを感じた。
 泥酔で寝落ちしない夜はずっと抱き合っていた。  唇が欲しくて首を引き寄せて、飴を舐めるみたいに舌を吸う。白石のシャツに掠れて胸の先端がじんわり痺れた。白石は体勢を変えない。この程度のかすかな刺激がかえって欲を誘うことを知っててやってるんだろう。白石が俺の額のへこんだ部分や顔面の引きつれや抉れた傷跡を優しく撫でるものだから、自分の体がいいものになった錯覚さえ起こしてしまう。  小屋は虫や梟の声、葉ずれや風の音に包まれている。少しも静かでなくむしろ騒々しい夜の山で俺たちはふたりきり誰にも知られずそんなことばかりしていた。  股間に唾液を垂らされ、全体をゆるく撫で上げられる。もどかしくて身を捻るとかすかに笑われた。こういう時の白石はとても静かで、その分皮膚の感覚が際立ってしまう。口に含まれると指より滑らかで温い粘膜を感じる。白石の舌は自律した生き物のように器用に動いて、陰嚢の下の何もない部分からちんぽの先端までつるつると舐め上げる。我慢できず鼻にかかった声を漏らすと、あやすように腰をさすられた。  上半身を起こして白石の額に指を添えるとひと時目が合い、奴はまた視線を落とした。魚油ランプの明かりに目の縁が赤く浮かんでいて、こいつでも粘膜は繊細な色をしているのだなと思う。「俺、もう無理」「無理でいいじゃん」ちんぽくわえながら喋らないでほしい、言ったのは俺だけど。ひときわ強く擦られてあっけなく射精した。「最短記録じゃない?」「うるせえ」  ひとつも力の入らない四肢を投げ出して、目をひらけば刺青の皮膚がそこにある。この体をよく知っている。釧路で北見で網走で豊原で何度も抱き合った。記憶のふくらみが脳を灼いていく。  尻にいちぶのりを塗り広げて、白石の指がゆっくりと俺の中に沈む。体の内側で異物が動くたびに心が熱を帯び、潰れそうなほど瞼を閉じると痙攣が何度も起きてつま先が反り返った。何本入れられているかなんてもうわからない。締め付けるたびに体内の指を感じてしまい、体を他人に明け渡す甘やかさに背筋がおののく。 「白石、あれしよ。一昨日したやつ。ケツ上げて…」 「んん。いーよ。気持ちよかった?」  俺の腰の下に座布団を突っ込んで、白石がゆっくりと押し入ってくる。重たい快感が腹の奥まで突き上がり胸を強く擦られて叫んだ。角度が変われば当たる場所も全然違って揺らされるたびに無様な声と涙が落ちる。  体が熱くなる一方で心には恐ろしさばかり湧き上がり、せめてここに留まれるようにと白石の指を探り、握った。空いている手で何度も顔を撫でられる。子どもの頃に父が肩を抱いてくれたのを思い出す。そんないつくしみだった。
「そういえばお前、歯に仕込み入れるのやめたの?」  白石の体はどこもかしこもよく伸びる。唇と頬を引っ張って遊ぶのが俺は好きだった。 「いてーわ。ここにいる時はいいかなあって。お前もいるし」  どうにも信頼されているように感じて、俺は嬉しくなって白石の眉を引っ張った。毛が抜けた。   抱き合っているときと眠っているとき以外はずっと話をしていた。空白の時間を埋めるように、あるいは沈黙が堆積しないように。とりとめのない話もあれば初めて人に話すこともあったし、返事を求めない冗談も交わした。 「俺は阿片も酒もやらないで、はっきりとした意識で人を殺してきたよ。それこそ地獄に落ちるだろ」  あの頃の夢は今も見る。親友が死に周りは血の海で俺は殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して血が吹き出す寸前の真っ赤な肉の切れ目、人間が粉砕される音、どこかから飛んできた口に入った生ぬるいとろみは誰かの脳みそ、殺して殺して殺して殺して殺し続ける。記憶も悪夢も何も消えはしない。体はこんなに頑健なのに心はそれなりの強度しかないのだなと最近はそんなことも思う。一方で、もう自分を厭わしいとは感じなくなった。 「そうかなあ? じゃあ今からでも神様か仏様か信じてみるってのは? ぜってーならねえと思うけどさ、お前って坊主に向いてるよ。どんな悪人もお前を見たら思うよ、どんな人間でも変わることができるって。あるいは仏様とか神様とかは――お前の場合はアシリパちゃんだけど――どんな人間も救うことができるって、わかるよ。  えげつないヤクザものほど信仰の道に入る奴は見逃すんだぜ。みんなどこかで怖さや後ろめたさを信じていて、助かる方法が欲しいんだろ」  白石は賭け事を好むのに、一方で期待というものを何ひとつ持っていないように見える。最初からきれいさっぱり。普段はだらしなく侮られる言動ばかりしているくせにそんなところは乾いていて、それを見ると俺の心は少しざわつく。羨ましいような同じところまで落ちてきてほしいような独りよがりな気持ちだ。 「杉元は他人も自分も信じてないように見えるのに地獄だけは信じてるんだよなあ。そういうところ俺は好きだけどね。そんなもんがあったらそこでまた会えるな俺たち」 「白石も地獄にくんの?」 「そりゃ俺だって悪党ですからあ。お前みたいなのは地獄行きだぞってガキの頃さんざん坊主に脅されたわ。  でもあれよ、地獄って決められた辛苦が終わったら輪廻転生に投げ込まれて次の世に生まれ変わるんだって。そんなのほとんど監獄じゃんね。俺とか絶対逃げ出すしお前は鬼ぶん殴って追い出されるでしょーよ。伴天連でも悪人は死んだら地獄行きらしいけど、地獄にいったくらいじゃ何も変わらないと思わない?  そういえば地獄って日本に仏教がきてから広まった概念らしいよ。その前は死者は黄泉の国にいくってされてたんだって。あれよ、よもつへぐいって知ってるだろ、あの世のメシを食うと現世に戻れなくなるってやつ。あの黄泉平坂の先にある黄泉の国。イザナミイザナギのイザナミがいる方。地の底だか海の彼方にあるらしいよ」 「なんだっけ、イザナギが死んじゃったイザナミを連れ戻しにいく話?」 「それそれ。イザナミは黄泉の国のメシ食っちゃったからもうこの世に帰れない。不思議なもんで希臘の国にも似た話があるんだって。世界中どこも考えることは一緒なのかね?  俺らの行き先が地獄なら地獄の窯で鍋やろうぜ。黄泉の国なら黄泉平坂で待ち合わせな」  ときどき博識なところがある白石の、けれど決して尊敬を請わないさま。あまりに軽薄で突拍子がなくあっけらかんとしていて、どうせ俺もお前も明日には忘れている、と言わんばかりの話し方が俺は好きだった。 「あの世でもお前とつるむのかよ」 「へへー。死生観を聞くと相手のことが知れてちょっと面白いよね。  そういえばお前、アシリパちゃんと一緒になんないの?」  両肩に岩が乗ったみたいに体が重くなった。やっぱりか、という気持ちと、お前からは聞きたくなかった、という気持ちで天秤が釣り合う。 「お前までそんなこと言うのかよお」  どうして白石もアシリパさんのコタンの人も、俺とアシリパさんをくっつけようとするんだろう��夫にならなくては俺はアシリパさんと共にいることを認められないのだろうか。  確かに俺には個性がなくて、帰還兵というには時間が過ぎているしこの土地の人間でもない。かといって浮浪者でもなくもちろん誰かの夫でもなければ父でもない。そういえば子どもの頃は大人になったら誰もが家庭をつくって子どもを育てられるのだと思っていた。けれど今、俺は個性がなくても生きているし働けば食べられるし人を大切にすることもできる。どうしてふたり組になることに義務を感じる必要があるというのだろう。その後に何を目指すわけでもないというのに。  そんなことを白石に話す。 「それから俺とアシリパさんの思い出とか関係をそういうものにされるのが、なんか嫌」 「どういうことよ」 「なんか、不潔っていうか…」  白石はひととき口を開けて俺を指差し、その後真っ赤になって笑い出した。 「おまえっ、おまえっ、俺にちんぽしゃぶらせといて不潔はねえだろおおおっ乙女か! 無理むり腹が痛え死ぬっ」  涙を流して笑う男を土間から蹴り出して笹の茂みの中に放り込んだ。この季節の笹の葉は硬くて顔面から突っ込むとそれなりに辛い思いをする。俺の純情を笑うんじゃねえ。 「いってえええええ、ごめんって、許してえ。まさかそうくるとは思ってなくてさあふひっ」 「ああ白石はヒグマの餌になりたいんだったな」 「違う違う、ごめんごめんってええええ」  その辺に潜んでいたらしいイタチに頭を噛まれていたので仕方なく助けてやる。息を整えて涙を拭い、白石は俺の手を掴んで立ち上がった。 「人間も動物だから食べて繁殖するのがよしと思うようにできてるし、歳を取ればなおさら自分のきた道が最良だって思いたいのよお。俺は家族も子どももいないけど、アシリパちゃんのフチとかコタンの人はそうなんだと思うよ。  お前の気持ちはわかったけど、アシリパちゃんの気持ちがお前に向くことがあったらちゃんと考えてやんなさいよ」 「うるせえ歳上ぶるんじゃねえ」 「歳上だよ一応!?」  自分を必要としてくれる場所で自分の力を使うのは当たり前だ。そう言うと白石はすっぱり笹で切れた頬を上げてまた笑う。何だかずっと、このしかたのない笑顔に守られていた気がした。
   毎朝「行ってらっしゃあい」と見送られるとヒモを飼っているような気分になる。この頃になると白石は気ままに動き回るようになり、昼間はアシリパさんのコタンに行くかと思えば俺の住まいで昼寝をしていたりどこかへ出かけて夜にひょっこりと帰ってくる日もあった。いつかの旅路を彷彿とさせる気やすさで、まるでずっとここにいたように錯覚しかける。  その日はどうにも寒々しく、手元が狂って獲物を仕留めるのにずいぶん返り血を浴びてしまった。運びやすいように解体していると肘まで赤黒く染まり、手の甲で顔を拭うと甘さとしょっぱさを感じる。慣れた味が今日も俺を生かす。アシリパさんのコタンに行く前に川に寄らなくてはならない。  俺の体は実によく働く。力は強く頑丈で大きな��ガもすぐ治り、意思より先に動いてここまで俺を生かしてきた。川べりのトウシンソウの茂みに着物を脱いで放り、冷たい水で腕と顔を洗うと生き返る心地がする。小さなミソサザイが一羽、降下して何かを捕らえ損ね水面をかすめて舞い上がり、体に似合わない大きな鳴き声をあげて飛び去っていった。  木々の影は昨日より薄く、風は昨日より乾いている。俺の新しい故郷に秋がくる。  明日こそは聞こうと思う。お前はいつここから出ていくんだ?
 アシリパさんのチセに顔を出すと女の子ばかりが集まっていた。奥で手仕事をしてるフチに目礼したはいいが、もともとそれほど広さもないので入るのを躊躇ってしまう。そしてここにはなぜか坊主のオッサンがいて女の子の髪を結っている。アシリパさんはいつものようにマタンプシを巻いただけの姿だけど、隣のチセの女の子は町娘風に髪を結い上げているしオソマも短い髪に紐を編み込んでいた。手鏡をみんなで覗き込んでお互いを指さして恥ずかしそうに笑っている。今白石が髪を梳いているのは件のアシリパさんと複雑な関係にある女の子だ。  スギモトー、とアシリパさんが手を上げた。 「シライシが上手なんだ」 「自分は坊主なのにぃ?」 「ちょっと聞こえてるわよ杉子ぉ」 「誰が杉子だ」 「杉元もやってもらえ」 「アシリパちゃん、杉子の髪は短すぎてさすがに無理よ」  アシリパさんと白石に髪を梳かれている女の子が顔を見合わせてケラケラ笑った。働き者でいつも元気な彼女たちのそんな姿が愛しく思えて、父親とはこういう気分なんだろうかと突拍子もないことを思う。チセは土と子どもの匂いで満ちていた。喜びのようなものが自分でも驚くほどに湧き上がって、どんな顔をすればいいかわからず軍帽の鍔を下げる。       「…すげえや白石、脱帽だ」  半歩先を歩く白石がピュウ、と軽薄な口笛を吹く。  腹が温かく満ちている。あのあと女の子ふたりがアシリパさんのチセに残り、みんなで夕餉をご馳走になった。アシリパさんは彼女たちに対して俺や白石にするよりずっと優しくて(なんなら時に遠慮がちですらあった)そんな姿は旅の間全く見たことがなかったからときめいてしまった。 「アイヌの女の人って髪結ったりしないみたいだし、どうかなって思ったんだけど。あの子らに水を向けたらやってみたいって言うからさあ。そしたら他の子も集まってきてあんな感じ。  まあわかんないけどね、今日は仲良くなってたけど、明日になったら元通りかも知れないし。女心は複雑よぉ」  まぜっかえす割には俺以上に上機嫌で、ちょっかいをかけたくなってしまい後ろから抱きついてぐいぐいともたれてやった。 「重い重い! そんで力が強い! 自力で歩け不死身の杉元っ」  引きずるようにもたもたと歩きながら白石が俺の顔を覗き込むので、もみあげが頬に擦れてくすぐったくて声を上げた。痛みは警告を示すものだろうけどくすぐったさは何を示すんだろう。俺の体はよく動くが、俺の脳は体の発信を完璧には理解できない。 「…たのし」  自由落下の速度で俺の本音は土に落っこちて、機嫌よく跳ねて森の奥に消えてった。 「へへ、お前の男はいい男だろお」 「白石が俺の男? 逆じゃなくて?」 「そ。俺がお前の男。一生ね」  白石の微笑には本当に愛しまれているのだと思わせるような優しさとあくまで奴の中の問題にとどまる諦めみたいな雰囲気がうっすら混じりあっていて、俺は何もかもが甲斐のないことを知る。だからって俺の気持ちが減るわけもない。  何につまづいたのか白石の体が傾ぎ、酔っ払いふたりでもつれあいながら草の上に転がった。 「いってぇ〜」 「お前俺ひとりくらい背負えよなあ。な、アオカンしよ」 「…唐突すぎない⁉︎」 「だって今やりてえ」  性欲を否定する人間を俺はあまり信じない。食欲と睡眠欲には振り回されるくせに性欲だけは飼い慣らせると思うのはおのれの身体を甘く見過ぎだと思う。できるのは空腹と寝不足と同じように不機嫌になって耐えることくらいだ。この晴れやかな夜に我慢はしたくなかった。 「いいけど…外ですんの久しぶりじゃない?」 「そーかも。へばんなよ」  シャツの中に手を差し込みながら、空気が濃度を増していくのを感じた。白石の背中とか腹は意外なほどつるりとしていて、胸をはだけさせると夜の森に白い肌がぼんやり浮かび上がる。この皮膚と刺青の明暗が好きだ、この男には欲望を隠さなくていい。  抑制ができないまま首筋を食むと「痛えよ」と笑われ顎を掴まれる。軽く触れただけの唇の隙間から舌が入ってきて口の中でもつれ、引き寄せようとする手前で深く重なってはまた引いていく。こいつは俺の癖をよく知っている。からかわれてるようでムキになってぐいと腰を引き寄せた。唾液が甘い。  夜の闇が急速におりてあたりを翳らせていき、誘われるように霧がでて刻々と濃くなった。霧の匂いと草いきれの中で知った皮膚に溺れていく。  白石を木にもたれさせてちんぽを舐め上げてやると水分を吸ったように膨らんだ。こいつとするまで自分の上顎が性感帯だなんて知らなかった。そんなことばかり教えられた。どこをどんな風に触ればいいか考えるとき、俺は俺の経験を思い出さなければならずその度に白石の伏せた視線が蘇る。こうやって人目を盗んだいくつもの夜が呼び起こされて体じゅうがざわめいた。  抱えるように引き寄せられて後頭部を押さえ込まれると喉の奥に生あたたかいものが広がって充足感で満たされる。見上げると白石はきつく目を閉じていて、俺の何かひとつくらいこいつの中に残ればいいのにな、と思った。  毎日こんなことばかりしているからか俺の尻は少しの準備ですんなり異物を受け入れる。下腹部に力を込めて強く伸縮させると白石が唾を飲む気配があった。揺さぶられるたびに自分が流れ出すようでもう何にも抗えない。俺が出してしばらくして白石が射精した。そのまましばらく重なりあっていた。重い、と言うと白石は人慣れ��た犬のように首筋に頬を擦り付け寄せてくる。こういう仕草が似合う男だった。
 重い体を引きずって住まいに戻り、何もかもが面倒だったので衣服を解いて適当に転がった。「さみいだろ」と白石に毛布をかけてやると「やさしい」と笑われた。「アオカンの弱点はすけべしてその場合で寝られないことだな」「わかるう…」「でもなんか抗えない魅力があると思わねえ?」「俺らの先祖もやってだろうから、もう本能なのかもよ」  食欲と性欲と睡眠欲と、それから何ともいい表せないもので満たされていて、あの夜俺はほんとうにしあわせ、だったのだと思う。過剰が空白を満たすと思いもよらぬことがもたらされるもので、だからなんか感極まって 「俺がお前にしてやれること、なんかない?」  そんなことを言ってしまった。 「そんなこと考える必要ねえよ、もう十分もらったからな」  白石の言葉は梁のあたりまでゆっくり浮かび上がってあっけなく霧散した。ぽろりと涙が出るだとか隕石が落っこちてきてふたりとも死ぬだとか俺が白石を殺すだとかどちらかが不治の病に冒されるだとかそういう劇的で奇跡じみたことは何も起こらなかった。でもその分だけ、味気ない現実を知ってるからこそせめて心だけでも伝えたくて、固い体を抱き寄せてうなじに顔を突っ込み腕に力を込めた。痛えよ、とまた笑われた。         「行ってらっしゃあい」  翌朝、出かける俺に白石は床の中から手を振った。  眠っている間に雨が降ったようで山の中はいつもより静かで、夜に冷やされた土が乾く香りがして清涼さだけがあり、イタドリの葉に残った朝露ひとつひとつが鋭く尖っていたのを覚えている。俺はいつもそんなことばかり覚えている。  昼過ぎに���ったアシリパさんのコタンに白石はおらず、俺がそのまま帰宅すると住まいはがらんどうだった。ちゃぶ台には白石が飲み干したのか底の方に少しだけ澱が溜まった湯呑みがあり、かたわらには懐紙にのった飴が残されている。  ちゃぶ台の足元にはあいつがいつも身につけていたボロい半纏が畳まれていて、見えもしない意志のようなものを感じた。不安はなかった。いつかこうなることはわかっていたから。  今頃になって鼻の奥が熱くなりぼろりと涙が落下した。泣けるものだなと遠く感じて、こうやって俺は俺の悲しみと折り合いをつけていくのだとひとり知る。  子どもの頃に駄々をこねておかないと、ほしいものを欲しいと言えない大人になる。あいつの言葉を思い出す。俺はどんな子どもだったか。欲しいものは腕っぷしで手に入れていた。愛されていた。けれど本当に欲しいものは炎と土埃と血だまりの中に甲斐なく消えていった。あの時も今もこころを言葉にする術を知らなくて、いとしいものの気配だけが遠ざかる。でも今は、今だけはこれでいいのだ、と思う。白石が知られたくなくてしたことだから。  外からは虫の声や鳥の羽ばたきが降り注ぎ午後の光がゴザにやわらかく差し込んでいた。秋のとば口の山は賑やかで明るく、祭を控えたような興奮が満ちている。それでも俺はこのときどうしてか冬を思い出していた。この山は���が降ると夜でも光るのだ、黄金よりまばゆく。
「役立たずは行ってしまったのか?」 「そうみたい。アシリパさんは寂しい?」 「寂しいけどそれでいい。あいつが私たちに会いたいと思うならいつでも会える」 「その前に俺たちの誰かが死んじゃったら?」 「私たちの信仰では死後の世界で会える」  アシリパさんは淡々と言い、櫛と手鏡をさらりと撫でた。 「杉元、フチからニリンソウを頼まれた。一緒に行ってくれるか」  言うより早くアシリパさんはチセを出ていく。草を踏む軽やかな音が俺の心をやさしく揺らす。外で誰かが声を上げて笑っている。 「アシリパさん、待って」 「杉元、来い来い、早く!」  俺はあいつのことをほとんど知らない。知っているのは、あいつの靴下が本当にくさいこと。二の腕の内側に三つ連なるほくろがあること。鹿肉より兎肉の方が好きなこと。体は右足から洗うこと。右の後頭部の方が左の後頭部より平らなこと。あの変な髭はほんとうにかっこいいと思ってやっていること。横向きに寝るクセがあること。賭け事とあだっぽい女性が好きなこと。ほんとうにそんなことばかりだ。  脳裏をかすめる、軽薄でだらしなく柔らかな男の面影。この野放図きわまりない空の下で煙のように消えていったあいつは、これからどこでどんな生き物になるのだろう。  俺は銃剣を持って立ち上がった。 「行くから待ってえ」 「秋の風だ、早く」
エピローグ  ちんぽが痛い。やりすぎで。  失敗かそうでないかと言ったら完全に失敗だった。分かりきっていたがもう自信喪失するくらいに失敗だった。一日二日で帰る予定が居心地が良過ぎてだらだらしてしまい杉元にはただ期待だけ持たせたしアシリパちゃんには信頼する人間がまた消える失望だけ残した。俺はただ杉元への未練が膨らんだだけだしなんかもう不毛とはこのことだろう。  あのまま東京できれいさっぱり別れた方がよかったのは火を見るより明らかだったけれど、今の俺は五稜郭に用があり、函館に来るのに小樽に来ない、という選択肢はなかったのだ。  杉元は乙女なところがあるからせめて「起きたら白石がいねえ俺は夢をみてたんだろうか…」てな具合に夜中に抜け出せればよかったが、あいつが毎晩俺をがっちり抱え込んで眠るものだからそれすらできなかった。何をしても抜け出せない、あれは固技だった。それにしても半纏を置いてくるのは感傷的にすぎただろうか。  それでもアシリパちゃんと遊んで山のものを食べて杉元と朝な夕なやりまくって喋りまくって、ずっとふたりといられたこの日々は俺に極楽だった。この俺がずっとここにいたいと思うくらいには、ほんとうに。  だらだら坂が滲みはじめて目元を拭う。   久々に会う杉元は荒んだ雰囲気がかなり削げ落ちていてそれなりにここの生活に溶け込んでいた。まだ平穏に慣れきってはいないし乱暴なところはあるけど根は良性の人間だから、波があったとしてもうまくやっていけるだろう。誰にでも人に言いたくないことのひとつやふたつあるのだから大袈裟な心配はいらない。いつかの冬にこの山で出会った男はもういないのだなと思うと喜ばしい一方でほんの少し寂寞があった。誰もが不変ではいられない。俺だってあの旅の中で変わってしまった。  今日はどういうわけか昼下がりからずっと日差しが強く、昨日より気温がだいぶ上昇していた。一種の雰囲気を感じてふりあおぐと、立ち枯れた木のいただきにうずくまる猛禽の視線とかち合った。この森ともお別れだと思うとこんな瞬間にも感傷が滲む。  ふと獄中で出会った誰かの言葉を思い出す。人を大勢殺すとおかしくなる、避ける方法はひとつで犠牲者の血を飲むこと。どんな味かと尋ねたら、そいつは甘くてしょっぱい人間の味だと真剣な顔で言っていた。杉元は血を飲んだだろうか? 「動くな」  左後方、やや距離のあるところから鋭い声が突き刺さった。  そうきたかあ、と思っている間に猛禽が飛びすさっていく。矢を引き絞ったまま藪の中から姿を現したアシリパちゃんに、俺は両手を上げて降参の意思を示した。 「この毒矢はヒグマなら10歩だがお前なら一歩も歩けずに死ぬ」 「いつかも聞いたよそれ〜。怖いからおろしてえ?」 「出ていくのか」 「うーん、そうですね、ハイ」  矢が矢筒に収まり、とりあえず誤射による死は免れた。 「どうして何も言わずに出ていくんだ? 残されるものの気持ちを考えたことはないのか? サヨナラがあれば、それをよすがに生きていくことができるだろう」  目の前まで来て真っ直ぐ見上げられた。光を放つ無敵のひとみ。杉元を導く灯台はいつからか俺の道標にもなっていたように思う。  でも、もう道が別れる。 「ごめんね、こういう風にしかできないのよ。だってちょっとでも行かないで〜なんて言われたら俺ずっとここにいちゃうもん」 「そんなことは言わない」 「少しは考えてくれない!?」 「群れを離れて独立するんだろう。巣立ちは誇らしいことだ。立派になれ」  もしかして大人として信頼されていたというのは俺の勘違いで、彼女が俺によそよそしかったのは独立したと思った子狼がひょっこり帰ってきて落胆したということなんだろうか。そうすると俺は杉元に恥ずかしい思い違いを話したことになる。あいつ忘れてくれないかな。  珍しくアシリパちゃんが言い淀んだ。空白が混ざり合うみたいにお互いの考えが交わる感触がある。 「杉元を連れて行かないのか、って聞きたいんでしょ、俺に」  目に潰れそうなほど力を込めて、彼女は唇を引き結んだ。羨ましいなあと思う。女の子には敵わない。背がもう少し伸びて頬の丸みが消え、この目が憂いとともに伏せられる日が来れば杉元なんてあっさり絡めとられてしまうだろう。 「ないない。誘ったところで着いてこないって。俺が考えてること話したら、もしかしたらあいつのお節介心が動くかも知れないけど…いや動かないかなあ…。俺はひとりで行くよ」  それでもあいつは人の気持ちに鈍いところがあるから、ぽっと出の女性と突然恋に落ちて家庭を持つなんてことがありえないとは言い切れない。その女性が何事かに困っていたりしたらなおさらだ。アシリパちゃんがその気ならその辺は考えておいた方がいい…なんて言ったら矢で直接刺されかねないので黙っておく。  恋とか愛とか、俺にとっては借り物の言葉でどうにも座りが悪い。そんな言葉で杉元のことを言いたくなかった。ここから先はひとりだが俺と杉元は繋がっている。死んだら死後の世界で会う。地獄でも黄泉の国でもニライカナイでも、どこででも探し出す。だから古い靴下だけは捨てられなかったのだ。  彼女の小さな頭に手のひらを当てた。 「俺ねえ、やりたいことができたの。お姉ちゃんと遊ぶでも博打がしたいでもないよ? うまくやれたら手紙を書くから、これで杉元と会いに来て」  懐から包みを取り出して彼女に握らせる。彼女は包みを開けるとぽかんと口を開けた。片手に持った弓が所在なさげに揺れていてる。 「シライシお前、まさか」 「違うってえ〜それは井戸に落ちた時に半纏に入っちゃったの〜。杉元もポケットにしまってたでしょ? 俺はほら、これをもらったからね」  彼女の手には黄金の粒、俺の手にはカサカサのはんぺん。 「私にこれは」 「必要ないとか言わないでよ。俺から便りがなくてもさ、アシリパちゃんの大事な誰かを医者にみせる時なんかに使ってよ」  沈黙が訪れる。森が彼女を守るように鳴った。自然でも文明でも人間でもなんでもいいから、彼女をこの先ずっと守ってほしい。彼女の道行が実り豊かなものであるように。杉元が誰かと気持ちを分け合えるように。杉元が言うようにふたり組ではいつか瓦解するかも知れない。ふたりにはゆるやかに、多くのものとつながっていて欲しい。 「最後にアシリパちゃんに会えてよかった」  珍しく彼女は困った顔していた。適切な言葉を見つけることができないらしい。 「…お前がいなくなったら杉元が寂しがる」 「逆だよ、俺が寂しくなんの。俺は一生あいつの男だからね。杉元がアシリパちゃんの男だとしたら俺は杉元の男なわけよ。世界はふたり組でできてるわけじゃないからね」 「屁理屈をこねるんじゃない。ほんとうは私だって寂しい」  鼻を鳴らしてそれから少し悲しそうに顔を歪めた彼女を、俺は今までで一番近くに感じた。 「出世するんだぞ白石」  びゅうと風が吹き彼女の唇に髪が張り付いたので、俺はそれを払って小さな体を抱きしめた。背に回された手が思いのほか力強くてまた泣けた。くさいとは言われなかった。
 いつものように人の使う道を逸れて歩く。目的地がわかっていればどこを歩いても同じだ、ひとりならなおさら。街へ降りるのに使っていた獣道だが、前方右に前回通った時はなかった盛り土があった。薮を被せて隠されてはいるがここ数日の間に掘り起こされたらしく土は黒々としている。予感なのか記憶なのか、とにかく慣れ親しんだ虚しさを感じて足が止まった。長いこと北海道の山歩きはしてきたが獣はこんな形の穴は掘らないし土も盛らない。巣というより塚だ、と耳の奥で警鐘が鳴った。恐れとほんの少しの期待を込めて土塊に枝を突っ込むと予想通りの感触がしたのでそのまま土に穴を開けた。覗き込めばやはり土と血で黒く染まった衣が見える。  ここを通る人間はほとんどいない。つまり杉元か俺かってことで、そういうことだ。土塊の中身は密猟者か山賊だろうか。  杉元はあんなに変わったようでいてまだ人を殺せるのだなあ。やさしい目眩を覚えて俺の悪性が哄笑をあげる。  ふたり地獄で出会うよすがをひとつ胸にしまい込む。俺は歩き出した。
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米果/夾在水俁病受害者跟政府之間,無人知曉的原點
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「也許我做的事情很過分。要一位剛失去老伴的女士在攝影機前面訴說先生過世當天的情況,恐怕是很不體貼的要求⋯⋯。3小時後離開她家時,我手上除了山內先生留下的詩與文章外,還多了4顆橘子。那是在玄關時,夫人說『我先生也是一樣。像你們這些做事的人,水果總是攝取不足』硬塞給我的。我可以接受她如此溫馨的對待嗎?懷抱著既高興又悲傷的複雜心情,在走向公車站牌的夜路上,暗自立誓要做出一個能夠報答這份溫馨的節目。」
——是枝裕和《我在拍電影時思考的事》
這是日本導演是枝裕和在1991年,拍攝富士電視台深夜節目「NONFIX」一部紀錄片《しかし⋯⋯福祉切り捨ての時代に》(但是⋯⋯在捨棄福祉的時代)所留下的文字紀錄。
當時他因為採訪了東京荒川地區一位女服務生,訴說她自己在請領生活保護津貼時,遭受到區公所福利課男性職員一些語言上的歧視,該女子後來自殺身亡。 原本是枝裕和打算以此採訪帶為根據,以自殺女子和福利課職員的對立為架構去拍攝紀錄片,沒想到在拍攝的準備階段,發生了「環境廳企劃調整局長」山內豐德因為負責水俁病訴訟,夾在受害者跟政府之間,最後選擇以自殺結束生命的突發事件。
當時媒體以「菁英官僚自殺」為題,對山內豐德的遺族進行了媒體戰的包圍,是枝裕和因此重新思考了紀錄片架構,在閱讀了山內先生的資料時,突然很想聽聽他的妻子「知子」女士的想法,「因為越是想簡單區隔『被害者的市民』和『加害者的福祉行政人員』,就發現社會其實並不單純。」
在得到知子女士允諾接受採訪之後,他根本說不出「妳有說出來的義務」或「民眾有知的權利」這種話,可是山內豐德的遺孀卻表示,既然是以丈夫投入一生的社會福祉為主題,「我想他應該也會希望我出來說說話吧!」
公害的原點,創作的原點
山內豐德,1937年出生於福岡,1959年畢業於東京大學法學部,在「上級公務員」考試中,以第二名錄取成績,進入厚生省
厚生勞動省,類似台灣的衛福部與勞動部。
工作;曾參與過《公害對策基本法》的制訂,也出版過關於社會福祉的書。後來山內豐德從厚生省轉調環境廳
負責地球環境保全、防止公害、廢棄物對策、自然環境的保護及整備環境等。
,1990年7月接任企劃調整局長,成為水俁病審判的官方負責人。夾在受害者與拒絕和解的政府之間,這位出色的53歲政府官僚,在1990年12月5日,選擇在住家二樓房間,以電線將自己���在天花板梁柱上,自殺身亡。
所謂的水俁病公害,起源於1932年,位於熊本水俁市的窒素公司任意排放廢水,含汞劇毒的物質進入水俁灣的海洋生物食物鏈,到了1950年前後,海面常見死魚跟死鳥,漁獲量也大減。之後水俁的貓隻陸續出現怪病,當地居民稱之為「貓舞蹈病」,一年之內,貓隻跳海的案例多達5萬多例,狗、豬也無法倖免。到了1956年,出現人類染病的案例,是人類史上第一個因為環境汙染的食物連鎖引起的疾病,稱為「水俁病」,在日本的高度經濟成長期,被視為「公害的原點」。毒性物質入侵患者的中樞神經,出現四肢末稍神經感覺障礙、運動失調、視野狹窄、聽力與平衡機能和言語障礙,手足顫抖等症狀。水俁病的訴訟長達數十年,1987年法院判定原告勝訴,確認國家與地方政府的責任,1990年由東京地方裁判所針對水俁病東京訴訟提出和解勸告,而當時審判的官方負責人,正是擔任環境廳企劃調整局長的山內豐德。
檢視那些山內先生在生前所寫的詩詞文章與官僚生涯留下的有關福祉的論文,是枝裕和說他可以感受到一個站在政府行政立場、充滿良心的人,在福祉消失時代中,逐漸邁向自我崩潰的過程。
是枝裕和認為這部紀錄片就是他創作的「原點」,以當時28歲的視野,試圖去理解這位因為水俁病訴訟而自殺的53歲政府官僚山內豐德的一生。紀錄片播出之後,在1992年由 「あけび書房」出版了《しかし⋯⋯ —ある福祉高級官僚 死への軌跡》(但是⋯⋯ —某福祉高級官僚 死亡的軌跡)。2001年改版由「日経ビジネス人文庫」出版了《官僚はなぜ死を選んだのか-現実と理想の間で》(官僚為何選擇絕路?在理想與現實之間)。22年之後的2014年,由 「PHP文庫」三度出版《雲は答えなかった—高級官僚その生と死》,而台灣在2019年,也終於由大塊出版了繁體中文本《雲沒有回答:高級官僚的生與死》。
許多人認為是枝裕和的劇情片有著濃厚的「紀錄片型態」,他說大概是因為他的工作經歷始於電視紀錄片拍攝,也有可能是他早期的電影常用沒有表演經驗的模特兒或小孩當主角,「創作者並非世界的掌控者,而是先死心塌地接受世界存在著種種不自由的前提,再把這種不自由當作『有趣』的因素」,他認為那才是最好的「紀錄片型態」。
「官僚」該是怎樣的一顆心
我在閱讀是枝裕和這本書的時候,不停想起這世間對於「官僚」的定義,那原本是一個名詞,卻往往成為負面的形容詞。尤其在台灣,我們太喜歡「觀看」民意代表修理政府官員,然後主觀地貼上標籤,或說那些人是「薪水小偷」或「米蟲」,沒什麼貢獻。在看著山內豐德從一位文藝愛好者,熱愛觀察植物綠樹,到他對福祉與公害對策法案制訂所做的努力,不免覺得過去對於官僚的想法,也未免太過粗淺了。
在山內任職於厚生省期間,他給當時還在交往中的妻子信中這麼寫著:
「昨天各部聯絡會議已經開始互相揭露醜事⋯⋯看著會議進行,很遺憾地,並沒有偉大到能夠對與會者大聲,只是當個旁聽人,坐在高處以技術性立場輔助說明。」 「公害政策基本法進行審查,與在野黨斡旋。不少人信奉官僚生活就是不過於忙碌也不犯大錯,但有時候被棘手的工作追著跑,也是身為官僚最大的幸福吧,我為此感到開心。」
曾經在公害課擔任山內上司的橋本道夫,說他是個「很棒、優秀、聰明、溫柔」的好人,在人品上有著天真的部分,但是環境廳的環境調整局長那個職位對他太沉重,那是很有權能,必須時而生氣,時而吵架,接著就得下決策的位子。「只是所謂的人事,就必須適才適所,很嚴格的啊,就連我也是,會被扯領帶,被踢什麼的,也會被罵些侮辱人的話,不過我已經習慣這種亂七八糟的對待了。」
山內「對人類關心」的資質,沒想到竟然成為福祉行政的阻礙,夾在身為人類良心與官僚這職業之間,最終因為無法忍耐這樣的摩擦,導致了悲劇。
山內一直是個拼命工作的官僚,終於為妻女買了房子,他會一個人在還沒有任何家具的房子度過一天,他甚至會帶著照相機,盤腿坐在什麼都沒有的地板上,拍下看起來笑得很幸福的自己。那是距離他自殺不到3年前的事情。
他的妻子表示,丈夫原本是個在家隻字不提工作的人,大多超過凌晨12點才回家,回家之後也在房間持續工作到半夜2、3點。那陣子山內罕見地對她抱怨工作,知子詢問是否和受害者的交涉不順利,山內回應:「難辦的並非外部,而是內部。」自殺前,他在餐桌上對女兒說,打算從公家機關辭職,再怎麼樣也無法面對不想做的工作,無論如何,都不想處理水俁病的工作。「有太多事情我不得不對自己說謊,爸爸只想做自己相信是正確的事情。」
山內自殺前,用海外出差的名片背面,分別寫下給環境廳次官與官房長的遺言:「我實在不知道要如何道歉」、「我也給大家添了很多麻煩」。安原次官說他不懂這封遺書的意思,「如果展現出人類的良心,在公家機關就會被擊潰。要貫徹國家的理論,必須保持某種程度的冷淡才行。這世界就是這種人才能生存下來。」或許隨著職位升等,做為官僚被要求的就不再是理想,而是轉變為「心理戰」與「策略」等政治手腕。
人們真能任意評斷功過?
在山內留下的筆記中,有一篇日期註記為1953年的文字創作〈夢的詞彙〉,描述他跟「心中的雲」的一段對話。
「今天的敗北,竟會讓你如此痛苦」 「絕望有消失的時候,但敗北再怎麼樣也無可奈何。」 「雲沒有回答。我不斷感到寂寞。」
山內的妻子說她還是無法理解丈夫為何會死,明明在回到家裡的途中有很多機會可以死,他卻回到家裡,等看到我以後才死。「這就是那個人對我最後的撒嬌。他在我身邊安心死去了,我想要這麼想。」是枝裕和以為,知子女士似乎想要藉由對他闡述丈夫的事,進行她的「哀傷療癒(grief work)」。
我們往往從媒體報導之中,快速將新聞事件在內心定案,然後迅速遺忘,直到重複的憾事再次發生。我們沒有機會看到一個人離世之前過的是什麼樣的人生,卻任意評斷他們的功過。閱讀是枝裕和的文字紀錄,彷彿也看到山內豐德的背影,同時也想起幾個月之前,因為颱風期間的大阪關西機場關��,我們才失去一位出色的外交官。
山內豐德在1953年那篇文章曾經這麼寫:
「即使被敗北傷害,也得忍耐才行,縱使再怎麼痛苦,人類也要活下去。」
但是,雲沒有回答。
(編按:本文由大塊文化提供)
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ultrabitchylovecollection · 2 years ago
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ultrabitchylovecollection · 2 years ago
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ultrabitchylovecollection · 4 years ago
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明日、9月26日は令和2年度最終の和ら会真和塾となります。 経絡按摩コース、切経探穴コースを実施しますが、次のコースへ進みたい方向けに、実技試験を実施します。 受講生にはメールが配信されていると思いますが、受講生の皆さんの実力を試すという意味と、我々スタッフの技術指導が適切だったのかの2つの意味が問われます。 指導側としては、受講生の皆さんに対する親しみの情もあり、温情で合格点を付けたいのは山々ですが、そこは技術の世界ゆえ冷静にならざるを得ないのです。 仮に温情で我々が合格点を出しても、本当の意味で評価するのは臨床現場の患者であり、冷徹な市場原理に淘汰させるわけです。 我々スタッフ一同は、ひとえに受講生の皆さんが臨床現場で通用する技術を身に着けることを目標に取り組んでいるわけですし、皆様もそこは共有している筈です。 そのような訳で、技術についての評価は妥協できないのです。 …
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ultrabitchylovecollection · 5 years ago
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和ら会真和塾の見学会においでいただいた方がご来院!
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和ら会真和塾の見学会においでいただいた方がご来院!
昨日、12月の見学会においでになった方がご来院されましたので、治療をしながら和ら会の考え方を説明しました。 ついでに、学校ではなかなか話題にならない業界の現状とか、開業のリア���とかお話させていただきました。
「治療家の手を作る」というコンセプトに興味が湧いたそうで、この考え方に共感いただける本物志向の方が学生の中においでになることを頼もしく思います。
因みに、和ら会真和塾の入塾は随時受付です。
受付から1年間の所属になりますので、学生の方は卒業前に申し込むと学生料金で1年間となります。 特に経絡按摩コースに関しては、学生料金が設定されていますから、在学中に入会されることをオススメします。
和ら会の指導スタッフの関係もあり、その年度に受ける実技や講義が意外と水物で、来年度は聞けないことや知り得ないことも話していま…
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ultrabitchylovecollection · 6 years ago
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如来より菩薩その2 長沼菩薩
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如来より菩薩その2 長沼菩薩
個人的な話題で恐縮です。 和ら会における私の菩薩は2方おいでになります。
おひとりは、切経探穴コースの主任、折笠菩薩。
そしてもうお一人は、経絡按摩コースの主任、長沼菩薩。
如来は、言わずと知れた、戸ヶ崎如来。
まあ、皆さんいたって控えめで、それ程のものではないとおっしゃるのですが…。
日頃から、如来の言葉より菩薩の言葉ということを時々お話しするのですが、この意味はお分かりになっていただけますかね?
如来と菩薩の違いは判ります?
分からない方は、こちらをどうぞ! https://1kara.tulip-k.jp/buddhism/2016111260.html
今回は、長沼菩薩の凄さを実感した1週間でしたのでこちらを書かせていただきましょう。
日曜日に遠征していた事務局長と私は、真和塾帰りの一団と秋葉原…
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ultrabitchylovecollection · 3 years ago
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長沼副代表のインタビューです!
和ら会の長沼副代表に自己紹介、四型分類の話、手の感覚の育ち方といった話を伺いました。 最後に、経絡按摩コースの方に取り組み方のアドバイスもしていただきました。 https://anchor.fm/tsuyoshi-kawakoshi/episodes/ep-e1j7dnh
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ultrabitchylovecollection · 7 years ago
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8月26日に無料見学会です! 和ら会@ちゃんねる
8月26日に無料見学会です!
和ら会@ちゃんねる
今年度初です。
  昨年度も行いました無料見学会を今年度も行います。
詳細は動画をご覧ください。
和ら会@ちゃんねる【無料見学会20180826】
  こっちでもやってます↓
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ultrabitchylovecollection · 8 years ago
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真和塾の宿題? 覚えましたかー?
真和塾の宿題?
覚えましたかー?
勿論、経絡按摩と切経探穴です。
  今月はまた新たな手順に移っていきます。
どんどん新しい内容を扱っていきますから、復習している暇はありません。
ところで、どのレベルまで覚え込んだらよいのか?
  一般的に動作学習というのは、
①手順を理解する
②手順を意識して出来る
③重要ポイントを意識して出来る
④考えるまでもなく、手順通りに手が動く
というような習熟の過程があります。
  これは、学生時代に部活動をやっていた方であれば、すでに経験していることでしょう。
経絡按摩であれば、何も考えずに手が動くレベル。
切経探穴であれば、何も考えずに手が動くと同時に、ツボの状態を確認できるレベル。
めざすことに若干の差がありますが、手順を考えないレベルに達することは同じです。
  弛まぬ努力の成果を期待しております。
こっちでもやってます↓
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