#草尾さん......本当にありがとうございます
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“お前”!!??
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「お化けの棲家」に登場したお化け。
1、骨女〔ほねおんな〕 鳥山石燕の「今昔画 図続百鬼』に骨だけ の女として描かれ、 【これは御伽ぼうこうに見えたる年ふる女の骸骨、牡丹の灯籠を携へ、人間の交をなせし形にして、もとは剪灯新話のうちに牡丹灯記とてあり】と記されている。石燕が描いた骨女 は、「伽婢子」「牡丹灯籠」に出てくる女つゆの亡霊、弥子(三遊亭円朝の「怪談牡丹灯 籠」ではお露にあたる)のことをいっている。これとは別物だと思うが、「東北怪談の旅」にも骨女という妖怪がある。 安永7年~8年(1778年~1779年)の青森に現れたもので、盆の晩、骸骨女がカタリカタリと音をたてて町中を歩いたという。この骨女は、生前は醜いといわれていたが、 死んでからの骸骨の容姿が優れているので、 人々に見せるために出歩くのだという。魚の骨をしゃぶることを好み、高僧に出会うと崩れ落ちてしまうという。 「鳥山石燕 画図百鬼夜行」高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 「東北怪談の旅」山田 野理夫
2、堀田様のお人形
以下の話が伝わっている。 「佐賀町に堀田様の下屋敷があって、うちの先祖はそこの出入りだったの。それで、先代のおばあさんが堀田様から“金太郎”の人形を拝領になって「赤ちゃん、赤ちゃん」といわれていたんだけど、この人形に魂が入っちゃって。関東大震災のとき、人形と一緒に逃げたら箱の中であちこちぶつけてこぶができたから、修復してもらうのに鼠屋っていう人形師に預けたんだけど少しすると修復されずに返ってきた。聞くと「夜になると人形が夜泣きしてまずいんです」と言われた。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収)
3、ハサミの付喪神(つくもがみ)
九十九神とも表記される。室町時代に描かれた「付喪神絵巻」には、「陰陽雑記云器物百年を経て化して精霊を得てよく人を訛かす、是を付喪神と号といへり」 という巻頭の文がある。 煤祓いで捨てられた器物が妖怪となり、物を粗末に扱う人間に対して仕返しをするという内容だ が、古来日本では、器物も歳月を経ると、怪しい能力を持つと考えられていた。 民俗資料にも擂り粉木(すりこぎ)や杓文字、枕や蒲団といった器物や道具が化けた話しがある。それらは付喪神とよばれていないが、基本的な考え方は「付喪神絵巻」にあるようなことと同じで あろう。 (吉川観方『絵画に見えたる妖怪』)
4、五徳猫(ごとくねこ) 五徳猫は鳥山石燕「画図百器徒然袋」に尾が2つに分かれた猫又の姿として描かれており、「七徳の舞をふたつわすれて、五徳の官者と言いしためしも あれば、この猫もいかなることをか忘れけんと、夢の中におもひぬ」とある。鳥山石燕「画図百器徒然袋」の解説によれば、その姿は室町期の伝・土佐光信画「百鬼夜行絵巻」に描かれた五徳猫を頭に 乗せた妖怪をモデルとし、内容は「徒然袋」にある「平家物語」の 作者といわれる信濃前司行長にまつわる話をもとにしているとある。行長は学識ある人物だったが、七徳の舞という、唐の太宗の武の七徳に基づく舞のうち、2つを忘れてしまったために、五徳の冠者のあだ名がつけられた。そのため、世に嫌気がさし、隠れて生活するようになったという。五徳猫はこのエピソードと、囲炉裏にある五徳(薬缶などを載せる台)を引っ掛けて創作された 妖怪なのであろう。ちなみに土佐光信画「百鬼夜行絵巻」に描かれている妖怪は、手には火吹き 竹を持っているが、猫の妖怪ではなさそうである。 ( 高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕画図百鬼夜行』)→鳥山石燕『百器徒然袋』より 「五徳猫」
5、のっぺらぼー 設置予定場所:梅の井 柳下 永代の辺りで人魂を見たという古老の話しです。その他にも、背中からおんぶされて、みたら三つ目 小僧だったり、渋沢倉庫の横の河岸の辺りでのっぺらぼーを見たという話しが残っています。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収) のっぺらぼーは、顔になにもない卵のような顔の妖怪。特に小泉八雲『怪談』にある、ムジナの話が良く知られている。ある男が東京赤坂の紀国坂で目鼻口のない女に出会い、驚き逃げて蕎麦 屋台の主人に話すと、その顔も同じだったという話。その顔も同じだったという話。
6、アマビエアマビエ 弘化3年(1846年) 4月中旬と記 された瓦版に書かれているもの。 肥後国(熊本県)の海中に毎夜光るものが あるので、ある役人が行ってみたところ、ア マビエと名乗る化け物が現れて、「当年より はやりやまいはや 6ヵ月は豊作となるが、もし流行病が流行ったら人々に私の写しを見せるように」といって、再び海中に没したという。この瓦版には、髪の毛が長く、くちばしを持った人魚のようなアマビエの姿が描かれ、肥後の役人が写したとある。 湯本豪一の「明治妖怪新聞」によれば、アマピエはアマピコのことではないかという。 アマピコは瓦版や絵入り新聞に見える妖怪で、 あま彦、天彦、天日子などと書かれる。件やクダ部、神社姫といった、病気や豊凶の予言をし、その絵姿を持っていれば難から逃れられるという妖怪とほぼ同じものといえる。 アマビコの記事を別の瓦版に写す際、間違 えてアマビエと記してしまったのだというのが湯本説である。 『明治妖怪新聞」湯本豪一「『妖怪展 現代に 蘇る百鬼夜行』川崎市市民ミュージアム編
7、かさばけ(傘お化け) 設置予定場所:多田屋の入口作品です。 一つ目あるいは、二つ目がついた傘から2本の腕が伸び、一本足でピョンピョン跳ねまわる傘の化け物とされる。よく知られた妖怪のわりには戯画などに見えるくらいで、実際に現れたなどの記録はないようである。(阿部主計『妖怪学入門』)歌川芳員「百種怪談妖物双六」に描 かれている傘の妖怪「一本足」
8、猫股(ねこまた) 猫股は化け猫で、尻尾が二股になるまで、齢を経た猫 で、さまざまな怪しいふるまいをすると恐れられた。人をあざむき、人を食らうともいわれる。飼い猫が年をとり、猫股になるため、猫を長く飼うもので はないとか、齢を経た飼い猫は家を離れて山に入り、猫股 になるなどと、各地に俗信がある。 このような猫の持つ妖力から、歌舞伎ではお騒動と化け猫をからめて「猫騒動もの」のジャンルがあり、
「岡崎の猫」「鍋島の猫」「有馬の猫」が三代化け猫とされる。
9、毛羽毛現(けうけげん) 設置予定場所:相模屋の庭 鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に毛むくじゃらの妖怪として描かれた もので、 「毛羽毛現は惣身に毛生ひたる事毛女のごとくなればかくいふ か。或いは希有希現とかきて、ある事まれに、見る事まれなれば なりとぞ」とある。毛女とは中国の仙女のことで、華陰の山中(中国陝西省陰県の西��獄華山)に住み、自ら語るところによると、もともとは秦が亡んだため 山に逃げ込んだ。そのとき、谷春という道士に出会い、松葉を食すことを教わって、遂に寒さも飢え��感じなくなり、身は空を飛ぶほど軽くなった。すでに170余年経つなどと「列仙伝」にある。この毛羽毛現は家の周辺でじめじめした場所に現れる妖怪とされるが、実際は石燕の創作妖 怪のようで��る。 (高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕 画図百鬼夜行』→鳥山石燕「今昔百鬼 拾遺」より「毛羽毛現」
10、河童(かっぱ) 設置予定場所:猪牙船 ◇ 河童(『耳袋』) 江戸時代、仙台藩の蔵屋敷に近い仙台堀には河童が出たと言われています。これは、子どもたちが、 なんの前触れもなく掘割におちてしまう事が続き探索したところ、泥の中から河童が出てきたというも のです。その河童は、仙台藩の人により塩漬けにして屋敷に保管したそうです。 ◇ 河童、深川で捕獲される「河童・川太郎図」/国立歴史民俗博物館蔵 深川木場で捕獲された河童。河童は川や沼を住処とする妖怪で、人を水中に引き込む等の悪事を働く 反面、水の恵みをもたらす霊力の持ち主として畏怖されていた ◇ 河童の伝説(『江戸深川情緒の研究』) 安永年間(1772~1781) 深川入船町であった話しです。ある男が水浴びをしていると、河童がその男 を捕えようとしました。しかし、男はとても強力だったので逆に河童を捕えて陸に引き上げ三十三間堂の前で殴り殺そうとしたところ、通りかかった人々が河童を助けました。それ以来、深川では河童が人 間を捕らなくなったといいます。→妖怪画で知られる鳥山石燕による河童
11、白容商〔しろうねり〕
鳥山石燕「画図百器 徒然袋」に描かれ、【白うるりは徒然のならいなるよし。この白うねりはふるき布巾のばけたるものなれども、外にならいもやはべると、夢のうちにおもひぬ】 と解説されている。白うるりとは、吉田兼好の『徒然草」第六十段に登場する、 芋頭(いもがしら)が異常に好きな坊主のあだ名である。 この白うるりという名前に倣って、布雑巾 の化けたものを白容裔(しろうねり)と名づけたといっているので、つまりは石燕の創作妖怪であろう。古い雑巾などが化けて人を襲う、などの説 明がされることがあるが、これは山田野理夫 の『東北怪談の旅』にある古雑巾の妖怪を白 容裔の話として使ったにすぎない。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編
12、轆轤首〔ろくろくび〕
抜け首、飛頭蛮とも つな いう。身体から首が完全に分��して活動する ものと、細紐のような首で身体と頭が繋がっているものの二形態があるようである。 日本の文献には江戸時代から多くみえはじ め、『古今百物語評判』『太平百物語』『新説 百物語」などの怪談集や、『甲子夜話』『耳 囊」「北窓瑣談」「蕉斎筆記』『閑田耕筆』と いった随筆の他、石燕の『画図百鬼夜行」に 代表される妖怪画にも多く描かれた。 一般的な轆轤首の話としては、夜中に首が 抜け出たところを誰かに目撃されたとする内 容がほとんどで、下働きの女や遊女、女房、 娘などと女性である場合が多い。 男の轆轤首は「蕉斎筆記』にみえる。 ある夜、増上寺の和尚の胸の辺りに人の 首が来たので、そのまま取って投げつけると、 どこかへいってしまった。翌朝、気分が悪いと訴えて寝ていた下総出 身の下働きの男が、昼過ぎに起き出して、和 尚に暇を乞うた。わけ その理由を問えば、「昨夜お部屋に首が参りませんでしたか」と妙なことを訊く。確か に来たと答えると、「私には抜け首の病があります。昨日、手水鉢に水を入れるのが遅い とお叱りを受けましたが、そんなにお叱りに なることもないのにと思っていると、 夜中に首が抜けてしまったのです」 といって、これ以上は奉公に差支えがあるからと里に帰って しまった。 下総国にはこの病が多いそうだと、 「蕉斎筆記』は記している。 轆轤首を飛頭蛮と表記する文献があるが、 これはもともと中国由来のものである。「和漢三才図会』では、『三才図会」「南方異 物誌」「太平広記」「搜神記』といった中国の 書籍を引いて、飛頭蛮が大闍波国(ジャワ) や嶺南(広東、広西、ベトナム)、竜城(熱 洞省朝陽県の西南の地)の西南に出没したことを述べている。昼間は人間と変わらないが、夜になると首 が分離し、耳を翼にして飛び回る。虫、蟹、 ミミズなどを捕食して、朝になると元通りの 身体になる。この種族は首の周囲に赤い糸のような傷跡がある、などの特徴を記している。中国南部や東南アジアには、古くから首だけの妖怪が伝わっており、マレーシアのポン ティアナやペナンガルなどは、現在でもその 存在が信じられている。 日本の轆轤首は、こうした中国、東南アジ アの妖怪がその原型になっているようである。 また、離魂病とでもいうのだろうか、睡眠中に魂が抜け出てしまう怪異譚がある。例えば「曽呂利物語」に「女の妄念迷い歩 <事」という話がある。ある女の魂が睡眠中に身体から抜け出て、 野外で鶏になったり女の首になったりしているところを旅人に目撃される。旅人は刀を抜いてその首を追いかけていく と、首はある家に入っていく。すると、その家から女房らしき声が聞こえ、 「ああ恐ろしい夢を見た。刀を抜いた男が追 いかけてきて、家まで逃げてきたところで目 が醒めた」などといっていたという話である。これの類話は現代の民俗資料にも見え、抜け出た魂は火の玉や首となって目撃されている。先に紹介した「蕉斎筆記』の男の轆轤首 も、これと同じように遊離する魂ということ で説明ができるだろう。 轆轤首という妖怪は、中国や東南アジア由 来の首の妖怪や、離魂病の怪異譚、見世物に 出た作りものの轆轤首などが影響しあって、 日本独自の妖怪となっていったようである。 【和漢三才図会』寺島良安編・島田勇雄・竹 島淳夫・樋口元巳訳注 『江戸怪談集(中)』 高田衛編/校注『妖異博物館』柴田宵曲 『随筆辞典奇談異聞編」柴田宵曲編 『日本 怪談集 妖怪篇』今野円輔編著 『大語園』巌谷小波編
13、加牟波理入道〔がんばりにゅうどう〕
雁婆梨入道、眼張入道とも書く。便所の妖怪。 鳥山石燕の「画図百鬼夜行」には、便所の台があるよう 脇で口から鳥を吐く入道姿の妖怪として描かれており、【大晦日の夜、厠にゆきて「がんばり入道郭公」と唱ふれば、妖怪を見さるよし、世俗のしる所也。もろこしにては厠 神名を郭登といへり。これ遊天飛騎大殺将軍 とて、人に禍福をあたふと云。郭登郭公同日 は龕のの談なるべし】と解説されている。 松浦静山の『甲子夜話」では雁婆梨入道という字を当て、厠でこの名を唱えると下から入道の頭が現れ、 その頭を取って左の袖に入れてまたとりだすと 頭は小判に変化するなどの記述がある。 「がんばり入道ホトトギス」と唱えると怪異 にあわないというのは、江戸時代にいわれた 俗信だが、この呪文はよい効果を生む(前述 ことわざわざわい ●小判を得る話を含め)場合と、禍をよぶ 場合があるようで、「諺苑」には、大晦日に この話を思い出せば不祥なりと書かれている。 また、石燕は郭公と書いてホトトギスと読ませているが、これは江戸時代では郭公とホト トギスが混同されていたことによる。 ホトトギスと便所との関係は中国由来のようで、「荊楚歲時記』にその記述が見える。 ホトトギスの初鳴きを一番最初に聞いたもの は別離することになるとか、その声を真似すると吐血するなどといったことが記されており、厠に入ってこの声を聞くと、不祥事が起 こるとある。これを避けるには、犬の声を出 して答えればよいとあるが、なぜかこの部分 だけは日本では広まらなかったようである。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 『江戸文学俗信辞典』 ���川一郎編『史実と伝説の間」李家正文
14、三つ目小僧
顔に三つの目を持つ童子姿の妖怪。 長野県東筑摩郡教育委員会による調査資料に名は見られるが、資料中には名前があるのみ で解説は無く、どのような妖怪かは詳細に語られていない。 東京の下谷にあった高厳寺という寺では、タヌキが三つ目小僧に化けて現れたという。このタヌ キは本来、百年以上前の修行熱心な和尚が境内に住まわせて寵愛していたために寺に住みついたものだが、それ以来、寺を汚したり荒らしたりする者に対しては妖怪となって現れるようになり、体の大きさを変えたり提灯を明滅させて人を脅したり、人を溝に放り込んだりしたので、人はこれ を高厳寺小僧と呼んで恐れたという。困った寺は、このタヌキを小僧稲荷として境内に祀った。この寺は現存せず、小僧稲荷は巣鴨町に移転している。 また、本所七不思議の一つ・置行堀の近くに住んでいたタヌキが三つ目小僧に化けて人を脅したという言い伝えもある。日野巌・日野綏彦 著「日本妖怪変化語彙」、村上健司校訂 編『動物妖怪譚』 下、中央公論新社〈中公文庫〉、2006年、301頁。 佐藤隆三『江戸伝説』坂本書店、1926年、79-81頁。 『江戸伝説』、147-148頁。
15、双頭の蛇 設置予定場所:水茶屋 「兎園小説」には、「両頭蛇」として以下の内容が著してある。 「文政7年(1824)11月24日、本所竪川通りの町方掛り浚場所で、卯之助という男性 が両頭の蛇を捕まえた。長さは3尺あったという。」
文政7年(1824)11月24日、一の橋より二十町程東よりの川(竪川、現墨田区)で、三尺程の 「両頭之蛇」がかかったと言う話です。詳細な図解が示されています。 (曲亭馬琴「兎園小説」所収『兎園小説』(屋代弘賢編『弘賢随筆』所収) 滝沢馬琴他編 文政8年(1825) 国立公文書館蔵
16、深川心行寺の泣き茶釜
文福茶釜は「狸」が茶釜に化けて、和尚に恩返しをする昔話でよく知られています。群馬県館林の茂 林寺の話が有名ですが、深川2丁目の心行寺にも文福茶釜が存在したといいます。『新撰東京名所図会』 の心行寺の記述には「什宝には、狩野春湖筆涅槃像一幅 ―及び文福茶釜(泣茶釜と称す)とあり」 とあります。また、小説家の泉鏡花『深川浅景』の中で、この茶釜を紹介しています。残念ながら、関 東大震災(1923年)で泣茶釜は、他の什物とともに焼失してしまい、文福茶釜(泣き茶釜)という狸が 化けたという同名が残るのみです。鳥山石燕「今昔百鬼拾遺」には、館林の茂森寺(もりんじ)に伝わる茶釜の話があります。いくら湯を 汲んでも尽きず、福を分け与える釜といわれています。 【主な参考資料】村上健司 編著/水木しげる 画『日本妖怪大辞典』(角川出版)
17、家鳴(やなり) 設置予定場所:大吉、松次郎の家の下) 家鳴りは鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に描かれたものだが、(石燕は鳴屋と表記)、とくに解説はつけられて いない。石燕はかなりの数の妖怪を創作しているが、初期の 「画図百鬼夜行」では、過去の怪談本や民間でいう妖怪などを選んで描いており、家鳴りも巷(ちまた)に知られた妖怪だったようである。 昔は何でもないのに突然家が軋むことがあると、家鳴りのような妖怪のしわざだと考えたようである。小泉八雲は「化け物の歌」の中で、「ヤナリといふ語の・・・それは地震中、家屋の震動 する音を意味するとだけ我々に語って・・・その薄気 味悪い意義を近時の字書は無視して居る。しかし此語 はもと化け物が動かす家の震動の音を意味して居た もので、眼には見えぬ、その震動者も亦(また) ヤナ リと呼んで居たのである。判然たる原因無くして或る 家が夜中震ひ軋り唸ると、超自然な悪心が外から揺り動かすのだと想像してゐたものである」と延べ、「狂歌百物語」に記載された「床の間に活けし立ち木も倒れけりやなりに山の動く掛軸」という歌を紹介している。 (高田衛監修/稲田篤信・田中直日編『鳥山石燕画図百鬼夜行』、『小泉八雲全集』第7巻)
18、しょうけら 設置予定場所:おしづの家の屋根 鳥山石燕「画図百鬼夜行」に、天井の明かり取り窓を覗く妖怪として描かれているもの。石燕による解説はないが、 ショウケラは庚申(こうしん) 信仰に関係したものといわれる。 庚申信仰は道教の三尸(さんし)説がもとにあるといわ れ、60日ごとに巡ってくる庚申の夜に、寝ている人間の身 体から三尸虫(頭と胸、臍の下にいるとされる)が抜け出し、天に昇って天帝にその人の罪科を告げる。この報告により天帝は人の命を奪うと信じられ、対策とし て、庚申の日は眠らずに夜を明かし、三尸虫を体外に出さ ないようにした。また、これによる害を���ぐために「ショウケラはわたとてまたか我宿へねぬぞねたかぞねたかぞ ねぬば」との呪文も伝わっている。 石燕の描いたショウケラは、この庚申の日に現れる鬼、ということがいえるようである。
19、蔵の大足
御手洗主計という旗本の屋敷に現れた、長さ3尺程(約9m)の大足。(「やまと新聞」明治20年4月29日より)
20、お岩ちょうちん
四世鶴屋南北の代表作である「東海道四谷怪談」のお岩 を、葛飾北斎は「百物語シリーズ」の中で破れ提灯にお岩が 宿る斬新な構図で描いている。北斎は同シリーズで、当時の 怪談話のもう一人のヒロインである「番町皿屋敷のお菊」も描 く。「東海道四谷怪談」は、四世南北が暮らし、没した深川を舞台にした生世話物(きぜわもの)の最高傑作。文政8年(1825) 7月中村座初演。深川に住んだ七代目市川團十郎が民谷伊 右衛門を、三代目尾上菊五郎がお岩を演じた。そのストーリーは当時評判だった実話を南北が取材して描 いている。男女が戸板にくくられて神田川に流された話、また 砂村隠亡堀に流れついた心中物の話など。「砂村隠亡堀の場」、「深川三角屋敷の場」など、「四谷怪 談」の中で深川は重要な舞台として登場する。
21、管狐(くだぎつね) 長野県を中心にした中部地方に多く分布し、東海、関東南部、東北の一部でいう憑き物。関東 南部、つまり千葉県や神奈川県以外の土地は、オサキ狐の勢力になるようである。管狐は鼬(いたち)と鼠(ねずみ)の中間くらいの小動物で、名前の通り、竹筒に入ってしまうほどの大きさだという。あるいはマッチ箱に入るほどの大きさで、75匹に増える動物などとも伝わる個人に憑くこともあるが、それよりも家に憑くものとしての伝承が多い。管狐が憑いた家は管屋(くだや)とか管使いとかいわれ、多くの場合は「家に憑いた」ではなく「家で飼っている」という表現をしている。管狐を飼うと金持ちになるといった伝承はほとんどの土地でいわれることで、これは管 狐を使って他家から金や品物を集めているからだなどという。また、一旦は裕福になるが、管狐は 大食漢で、しかも75匹にも増えるのでやがては食いつぶされるといわれている。 同じ狐の憑き物でも、オサキなどは、家の主人が意図しなくても、狐が勝手に行動して金品を集 めたり、他人を病気にするといった特徴があるが、管狐の場合は使う者の意図によって行動すると考えられているようである。もともと管狐は山伏が使う動物とされ、修行を終えた山伏が、金峰山 (きんぷさん)や大峰(おおみね)といった、山伏に官位を出す山から授かるものだという。山伏は それを竹筒の中で飼育し、管狐の能力を使うことで不思議な術を行った。 管狐は食事を与えると、人の心の中や考えていることを悟って飼い主に知らせ、また、飼い主の 命令で人に取り憑き、病気にしたりするのである。このような山伏は狐使いと呼ばれ、自在に狐を 使役すると思われていた。しかし、管狐の扱いは難しく、いったん竹筒から抜け出た狐を再び元に 戻すのさえ容易ではないという。狐使いが死んで、飼い主不在となった管狐は、やがて関東の狐の親分のお膝元である王子村(東京都北区)に棲むといわれた。主をなくした管狐は、命令する者がいないので、人に憑くことはないという。 (石塚尊俊『日本の憑きもの』、桜井徳太郎編『民間信仰辞典』、金子準二編著『日本狐憑史資料 集成』)
22、かいなで 設置予定場所: 長屋の厠 京都府でいう妖怪。カイナゼともいう。節分の夜に便所へ行くとカイナデに撫でられるといい、これを避けるには、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文を唱えればよいという。 昭和17年(1942年)頃の大阪市立木川小学校では、女子便所に入ると、どこからともなく「赤い 紙やろか、白い紙やろか」と声が聞こえてくる。返事をしなければ何事もないが、返事をすると、尻を舐められたり撫でられたりするという怪談があったという。いわゆる学校の怪談というものだが、 類話は各地に見られる。カイナデのような家庭内でいわれた怪異が、学校という公共の場に持ち込まれたものと思われる。普通は夜の学校の便所を使うことはないだろうから、節分の夜という条件が消失してしまったのだろう。 しかし、この節分の夜ということは、実に重要なキーワードなのである。節分の夜とは、古くは年越しの意味があり、年越しに便所神を祭るという風習は各地に見ることができる。その起源は中国に求められるようで、中国には、紫姑神(しこじん)という便所神の由来を説く次のような伝説がある。 寿陽県の李景という県知事が、何媚(かび) (何麗卿(かれいきょう)とも)という女性を迎えたが、 本妻がそれを妬み、旧暦正月 15 日に便所で何媚を殺害した。やがて便所で怪異が起こるようになり、それをきっかけに本妻の犯行が明るみに出た。後に、何媚を哀れんだ人々は、正月に何媚を便所の神として祭祀するようになったという(この紫姑神は日本の便所神だけではなく、花子さんや紫婆(むらさきばばあ)などの学校の怪談に登場する妖怪にも影響を与えている。) 紫姑神だけを日本の便所神のルーツとするのは安易だが、影響を受けていることは確かであろう。このような便所神祭祀の意味が忘れられ、その記憶の断片化が進むと、カイナデのような妖怪が生まれてくるようである。 新潟県柏崎では、大晦日に便所神の祭りを行うが、便所に上げた灯明がともっている間は��して便所に入ってはいけないといわれる。このケースは便所神に対する信仰がまだ生きているが、便所神の存在が忘れられた例が山田野理夫『怪談の世界』に見える。同書では、便所の中で「神くれ神くれ」と女の声がしたときは、理由は分からなくとも「正月までまだ遠い」と答えればよいという。便所神は正月に祀るものという断片的記憶が、妖怪として伝えられたものといえる。また、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」という呪文も、便所神の祭りの際に行われた行為の名残を伝えて いる。便所神の祭りで紙製の人形を供える土地は多く、茨城県真壁郡では青と赤、あるいは白と赤の 男女の紙人形を便所に供えるという。つまり、カイナデの怪異に遭遇しないために「赤い紙やろう か、白い紙やろうか」と唱えるのは、この供え物を意味していると思われるのである。本来は神様に供えるという行為なのに、「赤とか白の紙をやるから、怪しいふるまいをするなよ」というように変化してしまったのではないだろうか。さらに、学校の怪談で語られる便所の怪異では、妖怪化した便所神のほうから、「赤い紙やろうか、白い紙やろうか」とか「青い紙やろうか、赤い紙やろうか」というようになり、より妖怪化が進ん でいったようである。こうしてみると、近年の小学生は古い信仰の断片を口コミで伝え残しているともいえる。 島根県出雲の佐太神社や出雲大社では、出雲に集まった神々を送り出す神事をカラサデという が、氏子がこの日の夜に便所に入ると、カラサデ婆あるいはカラサデ爺に尻を撫でられるという伝 承がある。このカラサデ婆というものがどのようなものか詳細は不明だが、カイナデと何か関係があるのかもしれない。 (民俗学研究所編『綜合日本民俗語彙』、大塚民俗学会編『日本民俗学事典』、『民間伝承』通巻 173号(川端豊彦「厠神とタカガミと」)ほか)
23、木まくら 展示予定場所:政助の布団の上 江東区富岡にあった三十三間堂の側の家に住んだ医師が病気になり、元凶を探した所 黒く汚れた木枕が出た。その枕を焼くと、死体を焼く匂いがして、人を焼くのと同じ時間がかかったという。 (『古老が語る江東区のよもやま話』所収)
24、油赤子〔あぶらあかご〕鳥山石燕の『今昔 画図続百鬼』に描かれた妖怪。【近江国大津 の八町に、玉のごとくの火飛行する事あり。土人云「むかし志賀の里に油うるものあり。 夜毎に大津辻の地蔵の油をぬすみけるが、その者死て魂魄炎となりて、今に迷いの火となれる」とぞ。しからば油をなむる赤子は此ものの再生せしにや】と記されている。 石燕が引いている【むかし志賀(滋賀) の】の部分は、「諸国里人談』や『本朝故事 因縁集」にある油盗みの火のことである。油盗みの火とは、昔、夜毎に大津辻の地蔵 の油を盗んで売っていた油売りがいたが、死 後は火の玉となり、近江大津(滋賀県大津 市)の八町を縦横に飛行してまわったという もの。石燕はこの怪火をヒントに、油を嘗める赤ん坊を創作したようである。 『鳥山石燕画図百鬼夜行』高田衛監修・稲 田篤信・田中直日編 『一冊で日本怪異文学 100冊を読む」檜谷昭彦監修『日本随筆大成編集部編
























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Episode 8 (Ep.32): The Empress Dowager / 第8話(第32話)『皇太后(こうたいごう/Kotaigo)』
紅娘(ホンニャン)「今日(きょう)からここが、あなたの部屋(へや)よ」
Hon’nyan “Kyo-kara koko’ga, anata’no heya-yo.”
Hongniang “Starting today, this will be your room.”
猫猫(マオマオ)「物置小屋(ものおきごや)……本当(ほんとう)に、ここを使(つか)えと?」
Maomao “Mono-oki-goya……Honto’ni, koko’o tsukae-to?”
Maomao “A storage shed… You really want me to use this place?”
紅娘「ええ、反省(はんせい)なさい」
Hon’nyan “Ee, hansei-nasai.”
Hongniang “Yes. Think about what you did.”
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桜花「ひぃ~!」
Infa “Hiiii!”
猫猫「桜花(インファ)様(さま)、大丈夫(だいじょうぶ)ですか?」
Maomao “Infa-sama, daijobu desuka?”
Maomao “Lady Yinghua, are you all right?”
桜花「ん…あぁ…、あ、大丈夫じゃないわよ!そんなものばかり集(あつ)めて、信(しん)じられない!そのうち紅娘様に部屋を追(お)い出(だ)されて、物置小屋に移(うつ)されちゃうわよ!」
Infa “N… Aa…, a, daijobu-ja nai-wayo! Sonna mono-bakari atsumete, shinji rare-nai! Sono-uchi Hon’nyan-sama’ni heya’o oidasa-rete, mono-oki-goya’ni utsusare-chau-wayo!”
Yinghua “How could I be?! I can’t believe you collect those things! One of these days, Lady Hongniang will kick you out of your room, and transfer you to a storage shed!”
猫猫「ふむ…それはいいですね」
Maomao “Fumu… Sore’wa ii-desune.”
Maomao “That sounds good.”
桜花「えっ」
Infa “E.”
Yinghua “Huh?”
猫猫「物置小屋なら今の部屋より広(ひろ)いし、夜中(よなか)に音(おと)を立(た)てても…」
Maomao “Mono-oki-goya-nara, ima’no heya-yori hiroi-shi, yonaka’ni oto’o tate-temo…”
Maomao “The storage shed is bigger than my current room, and I could make noise at night…”
桜花「猫猫?」
Infa “Maomao?”
Yinghua “Maomao?”
猫猫「うん、ありだな。そうと決(き)まれば、急(いそ)ぎましょう。早(はや)く帰(かえ)って紅娘様に打診(だしん)しないと…」
Maomao “Un, ari-dana. So-to kimareba, isogi-masho. Hayaku kaette Hon’nyan-sama’ni dashin shinaito…”
Maomao “Yeah, it’s a good idea. In that case, let’s get going. I have to go back and ask Lady Hongniang.”
桜花「えっ、ちょっと、ちょっとぉ~!」
Infa “E, chotto, chottooo!”
Yinghua “What? Wait! Wait!”
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紅娘「こ…これは…」
Hon’nyan “Ko…Kore’wa…”
Hongniang “What in the…”
紅娘・桜花「ハァ…」
Hon’nyan, Infa “Haa…”
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紅娘「しっかり反省なさい」
Hon’nyan “Shikkari hansei-nasai.”
Hongniang “Think about what you’ve done.”
猫猫「紅娘様…」
Maomao “Hon’nyan-sama…”
Maomao “Lady Hongniang…”
紅娘「ん…?」
Hon’nyan “N…?”
猫猫「ありがとうございます!」
Maomao “Arigato gozai-masu!”
Maomao “Thank you so much!”
紅娘「え?」
Hon’nyan “E?”
猫猫「ここに薬草(やくそう)を干(ほ)して!ここで調薬(ちょうやく)をして!ここはあれで…あれはここで…うほ~!」
Maomao “Koko’ni yakuso’o hoshite! Koko’de choyaku’o shite! Koko’wa are-de… Are’wa koko-de… Uhoooo!”
Maomao “This is where I’ll hang herbs! This is where I’ll make medicine! That goes here! This goes there!”
紅娘「へ…?」
Hon’nyan “He…?”
桜花「だから言(い)ったじゃないですか!意味(いみ)ないって!」
Infa “Dakara itta-ja nai-desuka! Imi naitte!”
Yinghua “I told you so! It’s pointless!”
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愛藍(アイラン)「物置小屋……信(しん)じられない」
Airan “Mono-oki-goya…… Shinji-rare-nai.”
Ailan “The storage shed? Unbelievable!”
貴園(グイエン)「紅娘様に告(つ)げ口(ぐち)するなんて、さすがにひどいんじゃない?桜花」
Guien “Hon’nyan-sama’ni tsuge-guchi-suru-nante, sasuga’ni hidoinja nai? Infa.”
Guiyuan “You told on her to Lady Hongniang? Didn’t you go a bit too far, Yinghua?”
桜花「わ、私(わたし)じゃないわよ!猫猫が自分(じぶん)で紅娘様に打診したのよ!ねぇ、猫猫?」
Infa “Wa, Watashi-ja nai-wayo! Maomao’ga jibun’de Hon’nyan-sama’ni dashin shita-noyo! Nee, Maomao?”
Yinghua “It wasn’t me! Maomao asked Lady Hongniang herself! Right, Maomao?”
猫猫「はい。何(なに)かと都合(つごう)が良(よ)かったので」
Maomao “Hai. Nanika-to tsugo’ga yokatta-node.”
Maomao “Yes. It works out for me in several ways.”
桜花「う…」
Infa “U…”
愛藍・貴園「え…」
Airan, Guien “E…”
Ailan & Guiyuan “Huh?”
桜花「それはそうと、猫猫、もう虫(むし)を集めるのは止(や)めてよね」
Infa “Sore’wa so-to, Maomao, mo mushi’o atsumeru-nowa yamete-yone.”
Yinghua “At any rate, Maomao… Stop collecting insects, okay?”
猫猫「虫?私が集めているのは、トカゲの尻尾(しっぽ)ですが…。それに、桜花様が倒(たお)れて以来(いらい)、集めていません」
Maomao “Mushi? Watashi’ga atsumete-iru-nowa, tokage’no shippo desuga… Soreni, Infa-sama’ga taorete-irai, atsumete-imasen.”
Maomao “Insects? What I’m collecting are lizard tails. Besides, I stopped gathering them after you collapsed.”
桜花「あ…本当に?でも、『変(へん)な女官(にょかん)が笑(わら)いながら虫を捕(つか)まえている』って噂(うわさ)になってるわよ」
Infa “A…Honto’ni? Demo, ‘Hen’na nyokan’ga warai-nagara mushi’o tsukamaete-iru’tte uwasani natte-iru-wayo.”
Yinghua “Really? But there’s a rumor going around that a weird court lady is catching bugs while laughing to herself.”
猫猫「そんなことはしていません」
Maomao “Sonna koto’wa shite-imasen.”
Maomao “I don’t do that.”
猫猫(確(たし)かに仕事(しごと)で蛾(が)を集(あつ)めてたけど、笑(わら)いながら虫を捕(と)るなん…)
Maomao (Tashika’ni shigoto’de ga’o atsumeteta-kedo, warai-nagara mushi’o toru-nan…)
Maomao (There was that one time I was collecting moths as part of a job, but laughing while chasing insects…)
子翠「アハハハハ…」
Shisui “Ahahahaha…”
猫猫(あ……)
Maomao (A……)
桜花・愛藍・貴園「うぅ…」
Infa, Airan, Guien “Uu…”
猫猫(これは由々(ゆゆ)しき事態(じたい)である)
Maomao (Kore’wa yuyushiki jitai-de aru.)
Maomao (This is a serious issue.)
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小蘭(シャオラン)「(何かを食(た)べながら話(はな)している)ふええ?さいひん、ひふい、みたっへ?(ええ?最近(さいきん)子翠(シスイ)見(み)たって?)」
Shaoran “(Nanika’o tabe-nagara hanashite-iru) Fuee? Saihin, Hifui, mitahhe? (Ee? Saikin Shisui mitatte?)”
Xiaolan “Huh? Hfff I hmmg Hinmhi mmghi?”
猫猫「そう、子翠、最近見かけた?」
Maomao “So, Shisui, saikin mikaketa?”
Maomao “Yeah, Shisui. Have you seen her recently?”
小蘭「子翠ねぇ。あの子、神出鬼没(しんしゅつきぼつ)だからなぁ…はむっ。ねぇねぇ~、誰か子翠がどこにいるか知らな~い?」
Shaoran “Shisui-nee. Ano-ko, shinshutsu-kibotsu dakara-naa. Hamu. Nee-neeee, dareka Shisui’ga doko’ni iruka shira-naaai?
Xiaolan “Shisui, huh? She can be a real phantom… Hey, does anyone know where Shisui is?”
下女「子翠?見たような、見てないような…」
Gejo “Shisui? Mita-yona, mite-nai-yona…”
Servant girl “Shisui? I might have seen her, but I might have not…”
小蘭「えっ、どこにいたの?教(おし)えてよ~」
Shaoran “E, doko’ni itano? Oshiete-yooo.”
Xiaolan “Huh? Where was she? Tell me, please!”
下女「えっと…ん~…」
Gejo “Etto…Nnn…”
Servant girl “Well… Um…”
猫猫(あぁ…妃付(きさきづ)きの侍女(じじょ)だから、警戒(けいかい)しているのか…。小蘭のように、誰(だれ)にでも分(わ)け隔(へだ)てなく接(せっ)する子の方(ほう)が珍(めずら)しいんだよな…。何(なに)か釣(つ)れるものは……おっ、これは…)
Maomao (Aa… Kisaki-zuki’no jijo-dakara, keikai shite-iru-noka… Shaoran’no-yoni, dareni-demo wake-hedate-naku sessuru ko’no-hoga mezurashiin-dayona… Nanika tsureru-mono’wa……O, kore’wa…)
Maomao (Oh, I bet they’re being cautious because I serve a concubine directly. Xiaolan is actually the rare one for talking to anyone openly. Do I have anything on me to use as a gift? Oh, here we go.”
猫猫「詳しいお話次第(はなししだい)では、これを差(さ)し上げるんですけど」
Maomao “Kuwashii ohanashi shidai-dewa, kore’o sashi-agerun-desu-kedo.”
Maomao “Depending on the information, I could give you this…”
壬氏「使え。血(ち)が出ているぞ」
Jinshi “Tsukae. Chiga dete-iruzo.”
Jinshi “Use this. You’re bleeding.”
下女たち「はぁ~!」
Gejo-tachi “Haaa!”
下女「こ、こここ…この香(かお)りは……」
Gejo “Ko, kokoko…kono kaori’wa…”
Servant girl “Th-This scent…”
下女「まさか、あの方の…」
Gejo “Masaka, ano kata’no…”
Servant girl “Could it be his…?!”
猫猫「ご想像(そうぞう)にお任(まか)せします。お話(はなし)を聞(き)かせていただけますか?」
Maomao “Go-sozo’ni omakase shimasu. O-hanashi’o kikasete itadake-masuka?”
Maomao “I’ll leave that up to your imagination. So, is there anything you can tell me?”
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猫猫(聞いた話だと、��(きた)の雑木林(ぞうきばやし)によくいるそうだけど…確(たし)か前(まえ)にもこの辺(へん)で会(あ)ったな…。お気(き)に入(い)りの場所(ばしょ)なんだろうか…)
Maomao (Kiita hanashi-dato, kita’no zoki-bayashi’ni yoku iru-so-dakedo… Tashika mae-nimo kono-hen’de atta-na… Okini-iri’no basho nandaroka…)
Maomao (They said she’s usually out in the thicket on the north side, but… I think this was where I ran into her the last time, too. Is this her favorite spot?)
猫猫「蚊遣(かや)りを持(も)ってくれば良かったな…。あ」
Maomao “Kayari’o motte-kureba yokatta-na… A.”
Maomao “I should have brought a mosquito repellent.”
猫猫(オシロイバナ。こんな所(ところ)にあったのか…。小さい頃(ころ)はよく妓女(ぎじょ)たちとオシロイバナの種(たね)を採(と)りに行ったんだよな。中の粉(こな)をおしろいとして使(つか)うためじゃなくて、堕胎剤(だたいざい)を作(つく)るために…)
Maomao (Oshiroi-bana. Konna tokoro’ni atta-noka… Chiisai koro’wa yoku gijo-tachi’to oshiroi-bana’no tane’o tori’ni ittan-dayona. Naka’no kona’o oshiroi-to-shite tsukau-tame-ja nakute, datai-zai’o tsukuru-tame’ni…)
Maomao (White blossom… So, this is where they grow. When I was little, I used to collect white blossom seeds with the courtesans. Not for using the powder inside for make-up, but to make an abortion drug.)
猫猫(杏(シン)は当初(とうしょ)、香(こう)をつけていなかった。梨花妃(リファひ)に取(と)って代(か)わる妃(きさき)になろうとしていた杏が、流産(りゅうざん)の危険性(きけんせい)がある香を避(さ)けるのはおかしくない。そんな杏が、香をつけてまで堕胎剤を作ろうとした。それは恐(おそ)らく…)
Maomao (Shin’wa tosho, ko’o tsukete ina-katta. Rifa-hi’ni totte-kawaru kisaki’ni naroto shite-ita Shin’ga, ryuzan’no kiken-sei’ga aru ko’o sakeru-nowa okashiku-nai. Sonna Shin’ga, ko’o tsukete-made datai-zai’o tsukuro-to shita. Sore’wa osoraku…)
Maomao (Shin didn’t wear any perfume at first. Since she was trying to take Concubine Lihua’s place, it wouldn’t be strange for Shin to avoid perfume, which could lead to miscarriages. Still, Shin risked wearing perfume so she could secretly make abortion drugs. That’s probably because…)
猫猫(何も玉葉様(ギョクヨウさま)だけが皇帝(こうてい)の寵愛(ちょうあい)を受(う)けているわけではない。梨花様が妊娠(にんしん)している可能性(かのうせい)も十分(じゅうぶん)にある)
Maomao (Nani’mo Gyokuyo-sama-dake’ga kotei’no choai’o ukete-iru wake-dewa nai. Rifa-hi’ga ninshin shite-iru kanosei’mo jubun’ni aru.)
Maomao (Lady Gyokuyou isn’t the only one receiving the love of the emperor. It’s possible that Lady Lihua is pregnant as well.)
猫猫(だが、あの一件(いっけん)の違和感(いわかん)は、それだけじゃない。妓女たちの作る堕胎剤には、オシロイバナの他(ほか)に、ホオズキや牡丹(ぼたん)、鳳仙花(ほうせんか)や芍薬(しゃくやく)、水銀(すいぎん)などを使う。水銀はともかく、他は後宮内(こうきゅうない)でも手(て)に入(はい)るものだ。後宮の中にあるのに、杏は堕胎剤の材料(ざいりょう)をキャラバンが持(も)ち込(こ)んだもので揃(そろ)えていた。つまり、薬(くすり)の知識(ちしき)のない杏に、毒(どく)の作り方(かた)を教(おし)えた人間(にんげん)がいる。恐らく、その人物(じんぶつ)はまだ後宮内に…)
Maomao (Daga, ano ikken’no iwa-kan’wa, sore-dake-ja nai. Gijo-tachi’no tsukuru datai-zai-niwa, oshiroi-bana’no hoka’ni, hoozuki’ya botan, hosenka-ya shakuyaku, suigin-nado’o tsukau. Suigin’wa tomokaku, hoka’wa kokyu-nai-demo teni-hairu mono-da. Kokyu’no naka’ni aru-noni, Shin’wa datai-zai’no zairyo’o kyaraban’ga mochi-konda-mono’de soroete-ita. Tsumari, kusuri’no chishiki’no nai Shin’ni, doku’no tsukuri-kata’o oshieta ningen’ga iru. Osoraku, sono jinbutsu’wa mada kokyu-nai’ni…”
Maomao (But that’s not the only mystery I noted from that incident. The abortion drug made by courtesans uses, in addition to the white blossom, other ingredients like lantern plant, peony, balsam, and mercury. Aside from mercury, the other ingredients can be found in the rear palace. Even though she could have gotten them here, Shin got her abortion drug ingredients through the caravan. In other words, Shin had no knowledge of medicine, and someone taught her how to make poison. And that someone is probably still here, in the rear palace…)
猫猫「ん?」
Maomao “N?”
子翠「見(み)~~っけ!待(ま)て待て、待て待て、待て待て、待て…!」
Shisui “Miiiiikke! Mate-mate, mate-mate, mate-mate, mate…!”
Shisui “Found you! Hold it right there, you! Hold it!”
猫猫(あんなのと一緒(いっしょ)にされていたなんて…心外(しんがい)だな)
Maomao (Anna-no’to issho’ni sarete-ita-nante… shingai-dana.)
Maomao (This is who they confused me for? How rude.)
子翠「つっかまえた!エヘヘヘへ…」
Shisui “Tsukkamaeta! Ehehehehe…”
Shisui “Got you!”
猫猫「ん?」
Maomao “N?”
子翠「ん~!!虫(むし)!!あっ」
Shisui “Nnn! Mushi!! A.”
Shisui “Insect! Oh.”
猫猫「子翠…どいてくれると、嬉(うれ)しいんだけど」
Maomao “Shisui… Doite-kureru’to, ureshiin-dakedo.”
Maomao “Shisui, it’d be great if you could let go…”
子翠「エ…エヘヘヘ…」
Shisui “E…Ehehehe…”
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子翠「ごめんねぇ、猫猫」
Shisui “Gomen-nee, Maomao.”
Shisui “Sorry about that, Maomao.”
猫猫「別(べつ)に…。その虫を捕(つか)まえようとしたの?」
Maomao “Betsu’ni… Sono mushi’o tsukamae-yoto shitano?”
Maomao “It’s fine. Were those insects you were hunting?”
子翠「うん!」
Shisui “Un!”
Shisui “Yes!”
猫猫(相当(そうとう)、虫が好(す)きなんだな…)
Maomao (Soto, mushi’ga suki-nan-dana…)
Maomao (She must really love bugs.)
猫猫「おっ?」
Maomao “O?”
子翠「フフ~。この虫は、東方(とうほう)の島国(しまぐに)に生息(せいそく)している虫で、羽(はね)を合(あ)わせて音(おと)を鳴(な)らすんだよ!多分(たぶん)、交易品(こうえきひん)の中にあったやつが逃(に)げたんだろうね~。きっと、前に捕(つか)まえた蛾(が)みたいに、ここにしか自生(じせい)していないと思(おも)うよ。ちょっと色(いろ)がゴキブリに似(に)てるけど、違(ちが)う生(い)き物(もの)だから大丈夫だよ!それでね、それでね、それでね…」
Shisui “Fufuuu. Kono mushi’wa, toho’no shima-guni’ni seisoku shite-iru mushi’de, hane’o awasete oto’o narasun-dayo! Tabun, koeki-hin’no naka-ni atta yatsu’ga nigetan-daroneee. Kitto, mae’ni tsukamaeta ga-mitai’ni, kokoni-shika jisei shite-inai-to omou-yo. Chotto iro’ga gokiburi’ni niteru-kedo, chigau ikimono dakara daijobu-dayo! Sore-dene, sore-dene, sore-dene…”
Shisui “This insect is native to the island nation in the east! They make noise by rubbing their wings together! It was probably part of some trade goods, but escaped! I think this is the only place you can find them, like the moths from the other day! They do have a similar color as cockroaches, but they’re different, don’t worry! And also! And also! And also!”
猫猫(聞かなきゃ良かった…)
Maomao (Kikanakya yokatta…)
Maomao (I shouldn’t have asked.)
2人「ん?」
Futari “N?”
猫猫(何(なん)の音だ?)
Maomao (Nan’no oto-da?)
Maomao (What’s that sound?)
猫猫(あれは確か、皇太后様(こうたいごうさま)…?昨年(さくねん)の園遊会(えんゆうかい)で見かけたけど、本当に若(わか)いな…主上(しゅじょう)の母親(ははおや)とは思(おも)えない…)
Maomao (Arewa tashika, kotaigo-sama…? Saku-nen’no en’yu-kai’de mita-kedo, honto’ni wakai-na… Shujo’no haha-oya-towa omoe-nai…)
Maomao (Is that… the empress dowager? Last I saw her was at the garden party last year. She really does look young. Hard to believe she’s the emperor’s mother…)
猫猫「何(なん)で隠(かく)れるの?」
Maomao “Nande kakureru-no?”
Maomao “Why are you hiding?”
子翠「猫猫こそ」
Shisui “Maomao-koso.”
Shisui “Why are you?”
猫猫「まぁ、条件反射(じょうけんはんしゃ)というか…」
Maomao “Maa, joken-hansha-to iuka…”
Maomao “Well, it’s kind of reflexive.”
子翠「診療所(しんりょうじょ)に行くのかな?」
Shisui “Shinryo-jo’ni ikuno-kana?”
Shisui “I wonder if she’s going to the clinic?”
猫猫「診療所?」
Maomao “Shinryo-jo?”
Maomao “Clinic?”
子翠「うん。女官(にょかん)たちがやってる非公式(ひこうしき)の診療所なんだけど」
Shisui “Un. Nyokan-tachi’ga yatteru hi-koshiki'no shinryo-jo nan-dakedo.”
Shisui “Yeah, it’s an unofficial clinic run by court ladies.”
猫猫「それは知(し)ってる」
Maomao “Sore’wa shitteru.”
Maomao “I know about that.”
子翠「あれ、皇太后様が作ったんだって」
Shisui “Are, kotaigo-sama’ga tsukuttan-datte.”
Shisui “Apparently, the empress dowager was the one who founded it.”
猫猫「皇太后様が?」
Maomao “Kotaigo-sama-ga?”
Maomao “The empress dowager?”
子翠「女帝(じょてい)の権力(けんりょく)が強(つよ)い時代(じだい)だったから、公(おおやけ)には作れなかったらしいけど」
Shisui “Jotei’no kenryoku’ga tsuyoi jidai datta-kara, ooyake-niwa tsukure-nakatta rashii-kedo.”
Shisui “This was back when the empress had a lot of power, so the empress dowager couldn’t make it official.”
猫猫「へぇ…そうなんだ」
Maomao “Hee… So-nanda.”
Maomao “I see.”
子翠「優(やさ)しい方なんだよね、皇太后様は」
Shisui “Yasashii kata nan-dayone, kotaigo-sama’wa.”
Shisui “The empress dowager is really kind.”
子翠「それに、宦官(かんがん)や奴隷(どれい)の制度(せいど)が禁止(きんし)になったのも、皇太后様の口添(くちぞ)えがあったんだって」
Shisui “Soreni, kangan’ya dorei’no seido’ga kinshi’ni natta-nomo, kotaigo-sama’no kuchi-zoe’ga attan-datte.”
Shisui “Also, they say she was behind the banning of slaves and eunuchs.”
猫猫「ふ~ん…」
Maomao “Fuuun…”
Maomao “I see.”
猫猫(人道的(じんどうてき)な面(めん)を思えば、奴隷廃止(どれいはいし)はいいことだろう。だが、牛馬(ぎゅうば)のように扱(あつか)われる奴隷はともかく、妓女(ぎじょ)のように自分(じぶん)の身(み)を担保(たんぽ)に借金(しゃっきん)をする場合(ばあい)、雇用(こよう)に近(ちか)い合法(ごうほう)として扱われる。ただ、はたから見れば、妓女も奴隷に見えないこともない。婆(ばばあ)も廃止が決(き)まった時(とき)はひやひやしたって言ってたな…。表向(おもてむ)きは廃止された奴隷制度(どれいせいど)だが、名前(なまえ)を変(か)えて今も存在(そんざい)しているのは周知(しゅうち)の事実(じじつ)だ)
Maomao (Jindo-teki’na men’o omoeba, dorei-haishi’wa ii-koto-daro. Daga, gyuba’no-yoni atsuka-wareru dorei’wa tomokaku, gijo’no-yoni jibun’no mi’o tanpo’ni shakkin’o suru baai, koyo’ni chikai goho-to-shite atsuka-wareru. Tada, hata-kara mireba, gijo’mo dorei’ni mienai-kotomo nai. Babaa’mo haishi’ga kimatta-toki’wa hiya-hiya-shitatte itteta-na… Omote-muki’wa haishi-sareta dorei-seido-daga, namae’o kaete ima’mo sonzai shite-iru-nowa shuchi’no jijitsu-da.)
Maomao (From a humanitarian perspective, banning slaves was probably a good idea. But, aside from slaves who are treated like animals, there are some, like courtesans, who use their bodies as collateral to borrow money. This is legal, and considered to be similar to employment. However, seen from the outside, courtesans could appear to be slaves as well. The old lady said when the bans were announced, she felt a chill down her spine. Officially, slavery is banned, but in practice, everyone knows it still exists under a different name.)
子翠「さてと、私そろそろ帰(かえ)らないと。猫猫もあんまり道草(みちくさ)食(く)ってると、怒(おこ)られるんじゃない?」
Shisui “Sateto, watashi soro-soro kaera-naito. Maomao’mo anmari michi-kusa kutteru-to, oko-rarerun-ja nai?”
Shisui “Well, I’d better get going. Maomao, you probably shouldn’t be wasting too much time outside either, right?”
猫猫「う~ん、そうなんだけど…」
Maomao “Uuun, so-nan-dakedo…”
Maomao “Well, yeah, but…”
猫猫(皇太后様が診療所に向(む)かっているのは、先日(せんじつ)の水晶宮(すいしょうきゅう)の一件(いっけん)と何(なに)か関係(かんけい)があるのだろうか。皇太后様が乗(の)り出(だ)すなら、後宮の医療体制(いりょうたいせい)に改革(かいかく)が起(お)こるかもしれない。そんな話ならぜひ聞きたいが…)
Maomao (Kotaigo-sama’ga shinryo-jo’ni mukatte-iru-nowa, senjitsu’no Suisho-Kyu’no ikken’to nanika kankei’ga aruno-daroka. Kotaigo-sama’ga nori-dasu-nara, kokyu’no iryo-taisei’ni kaikaku’ga okoru-kamo shire-nai. Sonna hanashi-nara zehi kikitai-ga…)
Maomao (Does the empress dowager visiting the clinic have anything to do with what happened at the Crystal Pavilion the other day? If the empress dowager is on the case, there could be a big reform in the medical system in the rear palace. If that’s what’s being discussed, I’d love to listen in, but…)
猫猫「やっぱ帰る」
Maomao “Yappa kaeru.”
Maomao “Nah, I’m going home.”
子翠「ん?」
Shisui “N?”
猫猫(最近(さいきん)怒(おこ)らせてばかりだからな…)
Maomao (Saikin oko-rasete-bakari dakara-na…)
Maomao (I’ve been causing a lot of upset lately…)
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紅娘「やり直(なお)し!」
Hon’nyan “Yari-naoshi!”
Hongniang “Do over!”
猫猫「はい…」
Maomao “Hai…”
Maomao “Yes…”
猫猫(これで三度目(さんどめ)だ…。とうとういびりが始(はじ)まったのかと思ったが…)
Maomao (Korede sandome-da… Toto ibiri’ga hajimattano-kato omotta-ga…)
Maomao (This is the third time. I was wondering if I was starting to get bullied now, but…)
紅娘「甘(あま)いわよ!」
Hon’nyan “Amai-wayo!”
Hongniang “Pay attention!”
桜花「はい!」
Infa “Hai!”
Yinghua “Yes!”
紅娘「そこ!」
Hon’nyan “Soko!”
Hongniang “There!”
貴園「はい!」
Guien “Hai!”
Guiyuan “Yes!”
猫猫(他(ほか)の侍女(じじょ)たちもダメ出しを食らっている)
Maomao (Hoka’no jijo-tachi’mo dame-dashi’o kuratte-iru.)
Maomao (The other ladies-in-waiting are getting nitpicked, too…)
紅娘「いつもより念入(ねんい)りに!ほこり一(ひと)つ残(のこ)さないでね!」
Hon’nyan “Itsumo-yori nen-iri’ni! Hokori hitotsu nokosa-nai-dene!”
Hongniang “Be extra careful this time! I don’t want to see a speck of dust!”
猫猫(何(なん)だ?誰(だれ)か来(く)るのか?)
Maomao (Nanda? Dareka kuru-noka?)
Maomao (What’s going on? Is someone coming to visit?)
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玉葉妃「お久(ひさ)しぶりです。安氏様(アンシさま)」
Gyokuyo-hi “O-hisashi-buri-desu. Ansi-sama.”
Concubine Gyokuyou “It’s been a while, Lady Anshi.”
猫猫(皇太后様だった!)
Maomao (Kotaigo-sama datta!)
Maomao (It was the empress dowager!)
安氏「体(からだ)に変わりはなくて?」
Anshi “Karada’ni kawari’wa nakute?”
Anshi “Are you well?”
玉葉妃「お気遣(きづか)いありがとうございます」
Gyokuyo-hi “O-kizukai arigato gozai-masu.”
Concubine Gyokuyou “Thank you for your compassion.”
猫猫(皇太后様は、玉葉様の妊娠(にんしん)をご存知(ぞんじ)なのか。それだけ信頼(しんらい)されてるってことか…)
Maomao (Kotaigo-sama’wa, Gyokuyo-sama’no ninshin’o go-zonji nanoka. Sore-dake shin’yo sare-terutte koto-ka…)
Maomao (So, the empress dowager knows that Lady Gyokuyou is pregnant. I guess she must be really trustworthy.)
鈴麗「あぅ…」
Rinrī “Au…”
安氏「フフ…」
Anshi “Fufu…”
猫猫(嫁(よめ)・姑(しゅうとめ)というよりは、少(すこ)し年(とし)の離(はな)れた友人(ゆうじん)のような雰囲気(ふんいき)だな)
Maomao (Yome, shutome-to iu-yori’wa, sukoshi toshi’no hanareta yujin’no-yona fun’iki dana.)
Maomao (This feels more like “two friends a few years apart,” not “wife and mother-in-law.”)
安氏「あなた…確(たし)か、壬氏(ジンシ)のもとより手配(てはい)された侍女(じじょ)よね?」
Anshi “Anata… Tashika, Jinshi’no moto-yori tehai-sareta jijo yone?”
Anshi “You there. You’re the lady-in-waiting assigned here from Jinshi’s place, yes?”
猫猫「はい、そうですが」
Maomao “Hai, so-desuga.”
Maomao “Yes, I am.”
猫猫(なぜ知ってる?)
Maomao (Naze shitteru?)
Maomao (How does she know that?)
安氏「水蓮(すいれん)から聞いたの。しごきがいのある子が後宮に戻(もど)った��て。水蓮は昔(むかし)、私の侍女をしていたのよ」
Anshi “Suiren-kara kiita-no. Shigoki-gai’no aru ko’ga kokyu’ni modottatte. Suiren’wa mukashi, watashi’no jijo’o shite-ita-noyo.”
Anshi “Suiren told me. She said a girl worth training had gone back to the rear palace. She used to be my lady-in-waiting, you know.”
猫猫(なるほど。あの食(く)えない侍女と皇太后は、旧知(きゅうち)の仲(なか)だったのか)
Maomao (Naruhodo. Ano kuenai jijo’to kotaigo’wa, kyuchi’no naka datta-noka.)
Maomao (I see. That wily lady-in-waiting and the empress dowager know each other.)
玉葉妃「安氏様、申(もう)し訳(わけ)ありませんが、鈴麗(リンリー)が疲(つか)れたようなので、寝(ね)かしつけてきてもよろしいでしょうか?」
Gyokuyo-hi “Anshi-sama, moshi-wake-ari-masen-ga, Rinrī’ga tsukareta-yo-nanode, nekashi-tsukete-kitemo yoroshii deshoka?”
Concubine Gyokuyou “Lady Anshi, I beg your pardon. It seems Lingli is tired. May I put her to bed?”
安氏「ええ、いいわよ」
Anshi “Ee, ii-wayo.”
Anshi “Yes, of course.”
安氏「察(さっ)しのいい子ね。本当に。さぁ、そこにおかけなさい」
Anshi “Sasshi’no ii ko-ne. Honto’ni. Saa, soko’ni okake-nasai.”
Anshi “She really can take a hint. Please, take a seat.”
猫猫「はい」
Maomao “Hai.”
Maomao “Yes…”
安氏「あなた、色々(いろいろ)な問題事(もんだいごと)を解決(かいけつ)しているそうね」
Anshi “Anata, iro-iro’na mondai-goto’o kaiketsu shite-iru-sone.”
Anshi “I hear you go around solving problems.”
猫猫「私は、自分が持っている知識(ちしき)の中で、状況(じょうきょう)に当(あ)てはまるものを提示(ていじ)しているだけです」
Maomao “Watashi’wa, jibun’ga motte-iru chishiki’no naka’de, jokyo’ni ate-hamaru mono’o teiji shite-iru dake desu.”
Maomao “I merely voice facts from my limited pool of knowledge that I feel are appropriate for the situation.”
猫猫(否定的(ひていてき)に聞こえただろうか…。しかし、突飛(とっぴ)な想像力(そうぞうりょく)もなければ、親父(おやじ)のような博識(はくしき)さもない。前(まえ)もって言(い)っておかないと落(お)ち着(つ)かないし、それが信条(しんじょう)だから仕方(しかた)ない…)
Maomao (Hitei-teki’ni kikoeta-daroka… Shikashi, toppi’na sozo-ryoku’mo nakereba, oyaji’no-yona hakushiki-sa’mo nai. Mae-motte itte-oka-naito ochi-tsuka-nai-shi, sore’ga shinjo-dakara shikata-nai…)
Maomao (Did that sound too negative? But I don’t have an incredible imagination or the deep knowledge my dad has. I have to tell her beforehand, otherwise I’d feel uneasy. It’s just the way I do thing.)
安氏「それでもいいわ」
Anshi “Sore-demo iiwa.”
Anshi “That’s fine.”
猫猫「ん?」
Maomao “N?”
安氏「分かる範囲(はんい)でいいの。調(しら)べてもらいたいのよ。…私は…先(さき)の帝(みかど)に呪(のろ)いをかけたのかしら」
Anshi “Wakaru han’i’de iino. Shirabete morai-tai-noyo. …Watashi’wa…saki’no mikado’ni noroi’o kaketano-kashira.”
Anshi “I just want you to do your best to look into something. Did I… put a curse on the late emperor?”
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猫猫「呪い、か…」
Maomao “Noroi, ka…”
Maomao “A curse, huh?”
猫猫(そんな風に思っても、仕方ないのかもしれない。先の帝について、正直(しょうじき)、いい話は聞いたことがない。愚帝(ぐてい)、昏君(ばかとの)、女帝(じょてい)の傀儡(かいらい)。後宮内で一番(いちばん)有名(ゆうめい)なのは、ロリコンだろうか…。政略結婚(せいりゃくけっこん)や借金(しゃっきん)のかたに、幼(おさな)い妻(つま)を娶(めと)ることはある。しかし、先帝は妙齢(みょうれい)の女官(にょかん)が数多(かずおお)くいる中で、一番幼い娘にばかり手を出していた)
Maomao (Sonna-fu’ni omottemo, shikata-naino-kamo shire-nai. Saki’no mikado’ni-tsuite, shojiki, ii hanashi’wa kiita-koto’ga nai. Gutei, baka-tono, jotei’no kairai. Kokyu-nai’de ichi-ban yumei-nano’wa, rori-kon daroka… Seiryaku-kekkon’ya shakkin’no kata’ni, osanai tsuma’o metoru-koto’wa aru. Shikashi, sentei’wa myorei’no nyokan’ga ooku iru-naka’de, ichi-ban osanai musume’ni-bakari te’o dashite-ita.)
Maomao (Perhaps it’s natural for someone to think that way. To be honest, I’ve only ever heard people speak poorly of the previous emperor. “Foolish emperor,” “idiot ruler,” “puppet of the empress.” The one most famous in the rear palace would probably be “pedophile.” Taking a very young wife as part of a political marriage or for collateral on a loan is not unheard of. However, the last emperor deliberately chose the youngest girls available, despite being surrounded by women of a more appropriate age.)
猫猫(皇太后様の腹(はら)には傷(きず)がある。今の帝を出産(しゅっさん)される際(さい)、まだ体が育(そだ)ちきっていなかった皇太后様は、腹を切(き)るしかなかったのだ。そして、その出産を手伝(てつだ)うために、わざわざ宦官(かんがん)にさせられたのが、不幸(ふこう)な我(わ)が親父(おやじ)、羅門(ルォメン)だ。そんな犠牲(ぎせい)を払(はら)ったためか、現帝(げんてい)は元気(げんき)に育(そだ)ち、皇太后様はその後(ご)、皇弟(おうてい)を出産した。皇弟の年齢(ねんれい)は確か、私の一つ上(うえ)。出産した時の皇太后様は三十路前(みそじまえ)。とうに少女(しょうじょ)とは言えない年齢だ。となると…皇弟は本当に先帝の子なのか…)
Maomao (Kotaigo-sama’no hara-niwa kizu’ga aru. Ima’no mikado’o shussan-sareru-sai, mada karada’ga sodachi-kitte-inakatta kotaigo-sama’wa, hara’o kiru-shika nakatta-noda. Soshite, sono shussan’o tetsudau-tame’ni, waza-waza kangan’ni sase-rareta-noga, fuko’na waga oyaji, Ruomen-da. Sonna gisei’o haratta-tameka, gentei’wa genki’ni sodachi, kotaigo-sama’wa sono-go, otei’o shussan-shita. Otei’no nenrei’wa tashika, watashi’no hitotsu ue. Shussan-shita-toki’no kotaigo-sama’wa misoji-mae. To-ni shojo-towa ienai nenrei-da. To-naruto… otei’wa honto’ni sentei’no ko nanoka…)
Maomao (The empress dowager has a scar on her stomach. When she gave birth to the current emperor, the empress dowager was not yet mature. They had to cut her belly open to retrieve the baby. The unfortunate doctor who had to become a eunuch to help with that surgery was Luomen, my dad. Thanks perhaps to those sacrifices, the current emperor grew up strong and healthy, and the empress dowager later gave birth to her second son, the imperial brother. If I remember correctly, the brother is one year older than me. The empress dowager must have been approaching thirty years old at that point. Obviously no longer a little girl. Which means… Is the imperial brother really the son of the previous emperor…?)
猫猫(はぁっ。こんなこと口(くち)にしたら、打(う)ち首(くび)にされかねない)
Maomao (Haa. Konna koto kuchi’ni shitara, uchi-kubi’ni sare-kane-nai.)
Maomao (If I said that out loud, I could be beheaded.)
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猫猫(数日後(すうじつご)、皇太后様が茶会(ちゃかい)という形(かたち)で、上級妃(じょうきゅうひ)4人(よにん)が集(あつ)まる場(ば)を設(もう)けてくれた)
Maomao (Sujitsu-go, kotaigo-sama’ga chakai-to-iu katachi’de, jokyu-hi yo-nin’ga atsumaru ba’o mokete-kureta.)
Maomao (A few days later, the empress dowager invited the four high-ranking concubines to a tea party.)
紅娘「玉葉様、こちらへ。茶会まで、まだ時間(じかん)がありますので、お休(やす)みになってください」
Hon’nyan “Gyokuyo-sama, kochira’e. Chakai-made, mada jikan’ga ari-masu-node, o-yasumi’ni natte kudasai.”
Hongniang “This way, Lady Gyokuyou. There’s still some time before the tea party begins. Please rest here.”
玉葉妃「ええ、そうさせてもらうわ」
Gyokuyo-hi “Ee, so sasete-morau-wa.”
Concubine Gyokuyou “Thank you. I will do that.”
猫猫(玉葉様は妊娠初期(にんしんしょき)の眠(ねむ)くなりやすい症状(しょうじょう)が続(つづ)いている)
Maomao (Gyokuyo-sama’wa ninshin-shoki’no nemuku nari-yasui shojo’ga tsuzuite-iru.)
Maomao (Lady Gyokuyou is getting sleepy often, a symptom of early pregnancy.)
桜花「皇太后様、どういうおつもりかしら。後宮の外(そと)でお茶会だなんて」
Infa “Kotaigo-sama, do-iu otsumori kashira. Kokyu’no soto’de ocha-kai-nante.”
Yinghua “What is the empress dowager thinking? Meeting outside the rear palace for tea?”
愛藍「後宮の外といっても、内廷(ないてい)よ。主上様(しゅじょうさま)のお住(す)まいじゃない」
Airan “Kokyu’no soto-to ittemo naitei-yo. Shujo-sama’no osumai-ja nai.”
Ailan “It’s outside the rear palace, but it’s the inner court, where the emperor lives.”
桜花「だから余計(よけい)緊張(きんちょう)するの!普段(ふだん)入(はい)らないようなとこよ。玉葉様が妊娠してるのは、皇太后様もご存知(ぞんじ)なのに、どうして今…」
Infa “Dakara yokei kincho suruno! Fudan haira-nai-yona toko-yo. Gyokuyo-sama’ga ninshin shiteru-nowa, kotaigo-sama’mo go-zonji nanoni, doshite ima…”
Yinghua “That’s why it’s scary! We never go there usually. The empress dowager knows Lady Gyokuyou is pregnant. So why now?”
貴園「確かにねぇ。その辺(へん)は配慮(はいりょ)してくださると思うけど」
Guien “Tashika-ni-nee. Sono-hen’wa hairyo-shite kudasaru-to omou-kedo.”
Guiyuan “You’re right, but I think we can trust the empress dowager to be careful about that.”
桜花「皇太后様はね。他の妃はどうか分からないじゃない」
Infa “Kotaigo-sama’wane. Hoka’no kisaki’wa doka wakara-nai’ja nai.”
Yinghua “Sure, the empress dowager will. But who knows what the other concubines will think?”
猫猫(玉葉様の妊娠は公然(こうぜん)の秘密(ひみつ)だが、面(めん)と向(む)かっての茶会であれば、あからさまな探(さぐ)りを入(い)れられることもある。ただ、梨花妃はあえて自分に飛(と)び火(ひ)するような質問(しつもん)はしないだろう。それに、元々(もともと)気位(きぐらい)の高(たか)い梨花妃は、相手(あいて)をおとしめるようなことはしない。玉葉様としても、より血統(けっとう)の貴(とうと)い梨花妃と喧嘩(けんか)するのは、賢(かしこ)い選択(せんたく)ではない)
Maomao (Gyokuyo-sama’no ninshin’wa kozen’no himitsu-daga, men’to mukatte’no chakai’de areba, akarasama’na saguri’o ire-rareru koto’mo aru. Tada, Rifa-hi’wa aete jibun’ni tobihi-suru-yona shitsumon’wa shinai-daro. Soreni, moto-moto kigurai’no takai Rifa-hi’wa, aite’o otoshimeru-yona koto’wa shinai. Gyokuyo-sama-to shitemo, yori ketto’no totoi Rifa-hi-to kenka-suru-nowa, kashikoi sentaku-dewa nai.)
Maomao (Lady Gyokuyou’s pregnancy is an open secret, but at a face-to-face tea party, there could be a more direct probe. I guess Lady Lihua would avoid asking questions that could backfire on herself. Also, Lady Lihua is a proud woman. She wouldn’t try to undercut others. It would also be a bad idea for Lady Gyokuyou to pick a fight with Lady Lihua, since Lady Lihua has a more noble bloodline.”
猫猫(里樹妃(リーシュひ)が言うとすれば、侍女にそそのかされた場合だが、元毒見役(もとどくみやく)の侍女頭(じじょがしら)が出(で)しゃばるとは思えない。あるとすれば、楼蘭妃(ロウランひ)。服装(ふくそう)が派手(はで)なこと以外(いがい)、不思議(ふしぎ)なほど噂(うわさ)が回(まわ)ってこない…)
Maomao (Rīshu-hi’ga iuto-sureba, jijo’ni sosonoka-sareta baai-daga, moto-dokumi-yaku’no jijo-gashira’ga deshabaru-towa omoe-nai. Aruto sureba, Roran-hi. Fukuso’ga hade'na koto-igai, fushigi’na hodo uwasa’ga mawatte-konai…)
Maomao (Lady Lishu might say something if urged to do so by her ladies-in-waiting, but I doubt that head lady-in-waiting, the former taster, would step out of line. That leaves Concubine Loulan as the possibility. She’s strangely free of rumors, aside from the well-known one about her flashy fashion.)
紅娘「猫猫、ちょっといい?」
Hon’nyan “Maomao, chotto ii?”
Hongniang “Maomao, can I have a moment?”
猫猫「ん…?はい」
Maomao “N…? Hai.”
Maomao “Yes.”
猫猫「何でしょうか?」
Maomao “Nan-deshoka?”
Maomao “How may I help?”
紅娘「今日の毒見は私がするわ。そういう流(なが)れって、分かるわね?」
Hon’nyan “Kyo’no dokumi-yaku’wa watashi’ga suruwa. So-iu nagarette, wakaru-wane?”
Hongniang “I will be the taster today. You understand what that means, right?”
猫猫「分かりました」
Maomao “Wakari-mashita.”
Maomao “Yes, I do.”
猫猫(皇太后様が用意(ようい)した席(せき)では毒見役を付(つ)けない。…ということで、信頼していることを示(しめ)す…ってことか)
Maomao (Kotaigo-sama’ga yoi-shita seki-dewa dokumi-yaku’o tsuke-nai. …To-iu-koto’de, shinrai shite-iru-koto’o shimesu…tte koto-ka.)
Maomao (By not having a separate taster at a party set up by the empress dowager, it demonstrates our trust in her.)
紅娘「それで、あなただけど、皇太后様が手伝(てつだ)いに貸(か)してほしいそうよ。また何か問題(もんだい)を持(も)ち込(こ)まれているの?」
Hon’nyan “Sorede, anata-dakedo, kotaigo-sama’ga tetsudai’ni kashite-hoshii-soyo. Mata nanika mondai’o mochi-komarete-iruno?”
Hongniang “And, regarding you specifically, the empress dowager would like your help with something. Have you been asked to solve a problem again?”
安氏「私は、先(さき)の帝に呪(のろ)いをかけたのかしら。できればもっと違(ちが)う場所(ばしょ)で話をしたいわ」
Anshi “Watashi’wa, saki’no mikado’ni noroi’o kaketano-kashira. Dekireba motto chigau basho’de hanashi’o shitai-wa.”
Anshi “Did I…put a curse on the late emperor? I’d like to speak to you elsewhere.”
紅娘「別(べつ)にいいわ。どうせ言えないことでしょうから。ただし!」
Hon’nyan “Betsuni iiwa. Dose ienai koto desho-kara. Tadashi!”
Hongniang “Don’t answer that, I know you can’t tell me. However!”
猫猫「うっ!」
Maomao “U!”
紅娘「玉葉様を裏切(うらぎ)るような真似(まね)はしないでちょうだいね」
Hon’nyan “Gyokuyo-sama’o uragiru-yona mane’wa shinaide-chodai-ne.”
Hongniang “Please don’t do anything to betray Lady Gyokuyou, all right?”
猫猫「紅娘様を敵(てき)に回(まわ)したくありません」
Maomao “Hon’nyan-sama’o teki’ni mawashi-taku ari-masen.”
Maomao “I have no desire to get on your bad side, Lady Hongniang.”
紅娘「ならいいわ!私も、猫猫とはいい関係(かんけい)でいたいもの」
Hon’nyan “Nara iiwa! Watashi’mo, Maomao-towa ii kankei’de itai-mono.”
Hongniang “Good. I would also like to maintain a good relationship with you, Maomao.”
猫猫「そうですね…」
Maomao “So-desune…”
Maomao “Indeed.”
猫猫(紅娘様、やはり玉葉様の侍女頭なだけある…)
Maomao (Hon’nyan-sama, yahari Gyokuyo-sama’no jijo-gashira'na-dake aru…)
Maomao (Lady Hongniang really deserves the title of head lady-in-waiting for Lady Gyokuyou.)
――――――――――――――――――――――――――――――
猫猫「ハァ、ハァ…」
Maomao “Haa, haa…”
猫猫(皇太后様の用事(ようじ)といったら、呪いの件(けん)だよな…)
Maomao (Kotaigo-sama’no yoji’to ittara, noroi’no ken dayona…)
Maomao (If the empress dowager wants to discuss something, it’s most likely the curse she mentioned.)
猫猫「お待たせしました」
Maomao “Omatase shima-shita.”
Maomao “Thank you for waiting.”
安氏の侍女「こちらへ。…今の後宮ができる前(まえ)は、ここが後宮として機能(きのう)していました」
Anshi’no jijo “Kochira’e. …Ima’no kokyu'ga dekiru-mae’wa, koko’ga kokyu-to-shite kino shite-imashita.”
Anshi’s lady-in-waiting “This way. This used to serve the rear palace’s function before the current rear palace was built.”
猫猫「そうなんですか…」
Maomao “So-nan-desuka…”
Maomao “I see.”
猫猫(人の気配(けはい)はないが、ちり一つないほど掃除(そうじ)は行(い)き届(とど)いている。…枯山水(かれさんすい)の玉砂利(たまじゃり)も、綺麗(きれい)に掃(は)かれてるな…)
Maomao (Hito’no kehai’wa naiga, chiri-hitotsu nai-hodo soji’wa iki-todoite-iru. …Kare-sansui’no tama-jari’mo, kirei’ni hakareteru-na…)
Maomao (There’s nobody here, but the cleaning is impeccable. The pebbles on the dry landscape garden are well laid out, too.)
安氏の侍女「ここです。先へは入れません。この先は掃除の者(もの)も、入室(にゅうしつ)を許可(きょか)されておりませんので」
Anshi’no jijo “Koko-desu. Saki’ewa haire-masen. Kono saki’wa soji'no mono-mo, nyushitsu’o Kyoka-sarete ori-masen-node.”
Anshi’s lady-in-waiting “This is the place. We can’t go any further. Not even the cleaners are allowed to enter this place.”
猫猫(何だ、この匂(にお)い…)
Maomao (Nanda, kono nioi…)
Maomao (What is this smell?)
猫猫「この部屋(へや)は…?」
Maomao “Kono heya’wa…?”
Maomao “What is this room…?”
安氏の侍女「先の先の帝の時代(じだい)、女官(にょかん)から下級(かきゅう)の妃(きさき)になった方(かた)が住(す)んでいた場所(ばしょ)です。女帝(じょてい)と呼(よ)ばれた方の部屋であり、先帝が育(はぐく)まれた場所でもあり、身(み)まかられた場所でもあります」
Anshi’no jijo “Saki’no saki’no mikado’no jidai, nyokan-kara kakyu'no kisaki’ni natta kata'ga sunde-ita basho desu. Jotei-to yobareta kata’no heya-de-ari, sentei’ga hagukuma-reta basho-demo ari, mimakara-reta basho-demo ari-masu.”
Anshi’s lady-in-waiting “During the reign of our emperor’s grandfather, a court lady who became a low-ranking concubine lived here. This was the room of the woman who was referred to as the empress. This was also where the late emperor was raised, and where he passed away.”
猫猫「あ…」
Maomao “A…”
安氏の侍女「場所を変えましょう」
Anshi‘no jijo “Basho’o kae-masho.”
Anshi’s lady-in-waiting “Let’s go somewhere else.”
――――――――――――――――――――――――――――――
安氏の侍女「晩年(ばんねん)、先帝と、女帝と呼ばれた母君(ははぎみ)は、あの部屋にこもることが多(おお)くなりました。思い出にすがるように入(い)り浸(びた)り、先帝は気が弱(よわ)っていたのか、女帝の死後(しご)、後(あと)を追(お)うようにあの部屋で息(いき)を引(ひ)き取(と)りました」
Anshi’no jijo “Ban’nen, sentei-to, jotei-to yobareta haha-gimi’wa, ano heya’ni komoru-kotoga ooku nari-mashita. Omoide’ni sugaru-yoni iri-bitari, sentei’wa ki’ga yowatte-ita-noka, jotei’no shigo, ato’o ou-yoni ano heya'de iki’o hikitori-mashita.”
Anshi’s lady-in-waiting “During his final years, the late emperor, and his mother, the so-called empress, spent a lot of time in that room. As if clinging to their memories, they spent much time there. The late emperor, perhaps due to a weakened spirit, drew his last breath in that room, shortly after the empress died, as if chasing after her.”
猫猫「失礼(しつれい)ですが、お若(わか)かったわけではありませんよね?」
Maomao “Shitsurei-desuga, o-waka-katta wake-dewa ari-masen-yone?”
Maomao “This may sound rude, but he wasn’t young when he passed away, right?”
安氏の侍女「天寿(てんじゅ)を全(まっと)うされたと言ってもいいお年(とし)でした」
Anshi’no jijo “Tenju’o matto sareta-to ittemo ii o-toshi deshita.”
Anshi’s lady-in-waiting “He was old enough to be described as dying a natural death.”
猫猫「では、なぜ皇太后様は呪いだと…?」
Maomao “Dewa, naze kotaigo-sama’wa noroi-dato…?”
Maomao “Then why does the empress dowager think she cursed him?”
安氏の侍女「呪いなどないと、私も申し上げました。しかし安氏様は…」
Anshi’no jijo “Noroi-nado nai-to watashi’mo moshi-age-mashita. Shikashi Anshi-sama’wa…”
Anshi’s lady-in-waiting “I also suggested to her that there is no curse. However, Lady Anshi said…”
安氏「私が呪ったの。いなくなればいいと。ずっとずっと…毎夜(まいよ)のごとく思っていたわ」
Anshi “Watashi’ga norotta-no. Inaku-nareba-iito. Zutto zutto… maiyo’no gotoku omotte-itawa.
Anshi “I cursed him. I wished he would go away. For the longest time… Almost every night, I wished for it.”
猫猫「何か、呪いがかかったという根拠(こんきょ)はあるのですか?」
Maomao “Nanika, noroi’ga kakatta-to-iu konkyo’wa aruno-desuka?”
Maomao “Is there anything else to suggest that a curse was at play?”
安氏の侍女「フゥ…。魂抜(たまぬ)けされた先帝のお体(からだ)は、1年間(いちねんかん)霊廟(れいびょう)にて安置(あんち)されます。翌年(よくとし)、主上(しゅじょう)と安氏様は先帝を埋葬(まいそう)するため、ご遺体(いたい)をご覧(らん)になったのですが…」
Anshi’no jijo “Fuu… Tama-nuke-sareta sentei’no o-karada’wa, ichi-nenkan reibyo-nite anchi sare-masu. Yoku-toshi, shujo-to Anshi-sama’wa sentei’o maiso suru-tame, go-itai’o goran'ni nattano-desuga…”
Anshi’s lady-in-waiting “The late emperor’s body, after his spirit left it, was placed in a mausoleum for a year as is customary. A year later, when our emperor and Lady Anshi took a look at the body to bury it…”
2人「あっ…」
Futari “A…”
安氏の侍女「ご遺体は、亡(な)くなられた時とほぼ同(おな)じ姿(すがた)で残(のこ)っていたのです」
Anshi’no jijo “Go-itai’wa, nakuna-rareta toki-to hobo onaji Sugata-de nokotte-itano-desu.”
Anshi’s lady-in-waiting “The body was almost exactly the same as when he had passed away.”
猫猫「つまり、腐(くさ)ってなかったということですか?」
Maomao “Tsumari, kusatte-nakatta-to-iu koto desuka?”
Maomao “You mean there was no decay?”
安氏の侍女「ええ。同時期(どうじき)に亡くなられた女帝は、とても口には出せないお姿になっていたというのに…」
Anshi’no jijo “Ee. Dojiki’ni nakuna-rareta jotei’wa, totemo kuchi’niwa dase-nai o-sugata’ni natte-ita’to iu-noni…”
Anshi’s lady-in-waiting “Correct. The empress’s body, who had passed away at around the same time, was in a state that no words could describe. Yet…”
猫猫「それで安氏様は、ご自身(じしん)が先帝に呪いをかけたと…」
Maomao “Sorede Anshi-sama’wa, go-jishin’ga sentei’ni noroi’o kaketa-to…”
Maomao “So that’s why Lady Anshi thinks she cursed the late emperor.”
安氏の侍女「はい…」
Anshi’no jijo “Hai…”
Anshi’s lady-in-waiting “Yes.”
猫猫(なるほどねぇ。霊廟は夏(なつ)でも涼(すず)しいが、遺体は氷漬(こおりづ)けにでもしない限(かぎ)り、放置(ほうち)すれば腐って虫(むし)が湧(わ)き、干(ひ)からびる。そうならなかったというのは、確かに異常(いじょう)だ。人は皆(みな)、土(つち)に還(かえ)る。殿上人(てんじょうびと)も農民(のうみん)も同じだ。生まれた立場(たちば)が違(ちが)っても、それだけは平等(びょうどう)なのだ)
Maomao (Naruhodo-nee. Reibyo’wa natsu-demo suzushii-ga, itai’wa koori-zuke'ni-demo shinai-kagiri, hochi-sureba kusatte mushi’ga waki, hikarabiru. So nara-nakatta-to iu-nowa, tashika’ni ijo-da. Hito’wa mina, tsuchi’ni kaeru. Tenjo-bito’mo nomin’mo onaji-da. Umareta tachiba’ga chigattemo, sore-dake’wa byodo nanoda.)
Maomao (I see. The mausoleum is chilly even in summer, but every corpse rots, gets infested with insects, and dries out, unless if’s placed in ice or something. If that didn’t happen, that is indeed quite unusual. Everyone returns to dust in the end. That’s true for nobles, farmers, and everybody else. No matter the status one is born into, that is the equalizer.)
安氏の侍女「もうじき、あの棟(むね)は取(と)り壊(こわ)されます。それまでに調べてもらいたいのです」
Anshi’no jijo “Mojiki, ano mune’wa tori-kowasare-masu. Sore-made’ni shirabete morai-taino-desu.”
Anshi’s lady-in-waiting “That building will be torn down soon. We would like you to investigate before that happens.”
猫猫「分かりました。ただし、一つお願(ねが)いがあります」
Maomao “Wakari-mashita. Tadashi, hitotsu onegai’ga ari-masu.”
Maomao “I understand. However, I have just one request.”
安氏の侍女「お願い?」
Anshi’no jijo “Onegai?”
Anshi’s lady-in-waiting “A request?”
(Continue to Episode 9/Ep.33)


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4月23日(火)完成披露舞台挨拶付先行上映会オフィシャルレポート!



このたび、映画『碁盤斬り』の豪華キャストが勢ぞろいし、4月23日に完成披露舞台挨拶付先行上映会を開催いたしました!本作は、草彅剛さんが冤罪に貶められた浪人・柳田格之進役に挑み、時代劇を初めて手掛けることとなった『孤狼の血』の白石和彌監督との強力なタッグが実現した感動のリベンジ・エンタテイメントです。本日は、草彅剛さん、清原果耶さん、中川大志さん、奥野瑛太さん、音尾琢真さん、市村正親さん、斎藤工さん、小泉今日子さん、國村隼さんというオールスターキャストと白石和彌監督が登壇した舞台挨拶を実施しました。撮影中のエピソードや、映画の内容にちなんで《リベンジ》したいことなどについてトークが展開され、大盛り上がりの舞台挨拶となりました!
寡黙な武士、柳田格之進を演じた草彅さんは、舞台挨拶冒頭から満面の笑みを浮かべ、充実感を漂わせました。撮影以来となる共演者との再会をよろこび、「みんなのグルーヴがすごくいい!」とニッコリ。自分の持っているものすべてを出し切れたと話した草彅は「幸せな環境で映画が撮れました」と報告し、大きな拍手を浴びました。撮影現場は作品に関わるすべての人、職人のこだわりが詰まっていたとし「みなさんのおかげで(格之進を)ちゃんと演じられました。代表作になったと思います!」と役を演じ切ったと胸を張っていました。格之進の娘・お絹役の清原さんは「現場で草彅さんを見かけるたびに、“父上”という気持ちになって。格之進として佇んでいらっしゃって、とても支えられました」と感謝。父・草彅さんの背中を「追いかけられたらいいな、支えられたらいいなという思いで見つめていました。草彅さんのおかげでお絹ちゃんとしていることができたと思います」との清原さんの言葉に草彅さんは「その言葉、一生大事にします!忘れません」と返し、父娘のほっこりトークで和ませました。萬屋の亭主・萬屋源兵衛役の國村さんは「タイトルにもあるように碁盤を挟んだシーンがたくさんあります。碁がテーマでもありますが、碁のシーンを通して、格之進の性格を伝えていくという意味合いもある作品です。碁のシーンで格之進の中身が変わっていくのを感じられると思います」と笑顔でアピールしました。萬屋の手代・弥吉役の中川さんは「すごくピュアで真っ直ぐな武士の子。小さい時に源兵衛に拾ってもらい、息子のように育ててもらった青年です。映画の中で起きる事件に大きく関わるという役どころ。囲碁がベースになっていますが、とても親近感のある、身の回りで起きるような出来事を描いた作品です。弥吉のポジションは苦しいけれど、応援したくなるような弥吉になればいいなと思いながら演じました」と役作りを振り返りました。音尾さんが演じた萬屋の番頭・徳次郎はトラブルの発端となる役どころでいわばトラブルメーカー。中川さんが「あの人のせいです!」とトラブルを引き起こした音尾さんを指さすと、「トラブルを起こして申し訳ありませんでした」とお詫び。中川さんと音尾さんのトークのコンビネーションで会場を沸かせました。撮影現場で印象的だったのは座らない草彅さんの姿と明かした音尾さんは「神経が研ぎ澄まされているのでしょうか。本番に合わせてググッとフィットしていくために、研ぎ澄まさせている姿を見ていました。今日は現場と違ってかなりふわっとしています」と撮影中とイベントでの草彅さんのギャップを指摘。音尾さんのコメントに「ありがとうございます、高倉剛です」と撮影現場で座らないことで有名だった高倉健さんになぞらえ、キリッとした表情を見せ笑いを誘った草彅さんは、座らない理由について「5秒で眠くなっちゃう(笑)。みんなよく眠くならないよね。僕は夜10時には寝るけれど、座ると眠くなっちゃうんだよね」とマイペーストークを展開し、会場を笑い声でいっぱいにしました。すべてのキャストと絡みがあった草彅さんは、撮影中のエピソードを次々と披露。音尾さんについては「ずっと写真ばっかり撮っているカメラ小僧」とニヤリ。「この話でいいの?」と確認しつつ、カメラトークは止まらず、中川さんに至っては音尾さんにすすめられたカメラを購入したことも明かされました。自身のトークの順番だったにも関わらず、どんどん共演者とのエピソードを話し続ける草彅さんに時折ツッコミを入れ笑わせた音尾さんはしっかりと作品に触れる場面も。「いい役をもらいました。今年も白石監督にお歳暮を送ります」と白石監督作品常連の音尾さんならではのおなじみのフレーズで盛り上がりました。國村さんとの共演シーンを振り返ると、「春のシーンだったけれど、実はすごく寒くて。映像では綺麗に映っているけれど本当は寒いんです!」と草彅さんが撮影時の裏話を暴露。國村さんが「きっと寒かったんやろうな、って思いながら観てください」と舞台挨拶後に鑑賞予定の観客に呼びかけると、草彅さんは「僕(格之進)と國村さん(源兵衛)のラブストーリーにも注目してください!」と本作のおすすめポイントを伝えました。格之進と因縁のある武士・柴田兵庫役の斎藤さんは「ずっとかっこいい!」と大絶賛の草彅さん。「佇んでいるだけですごくクール。なんでいつもそんなにかっこいいだ、チクショー!という気持ちを込めました」と対峙シーンへの意気込みを解説し笑わせました。町の親分・長兵衛役の市村さんについては「すごく気遣ってくれる大先輩」と感謝した草彅さん。「いつも元気ですごい。役者として見習いたいので、健康法を教えてくださいと訊いたら、親が元気なので、と言われて(笑)。遺伝だからって。元も子もない!」と大先輩からのアドバイスを期待しましたが、まさかの回答があったことも明かし、笑い飛ばしていました。彦根藩の藩士・梶木左門役の奥野さんについては「ずっと途方に暮れていた」と撮影現場での様子をレポートした草彅さん。共演者全員との撮影を振り返り「僕はみんなと交流があったので!」と一緒のシーンがなく、今日が初めての顔合わせとなるキャストへの気配りで、いろいろなエピソードを公開したと説明しました。「役柄としては非常にクソ野郎です…」と小声で話した斎藤さんの役作りは「正義への考え方」だと解説。正義の反対は悪ではない。もうひとつの正義という気持ちで兵庫なりの悪を演じたとし、格之進役の草彅さんとは「最小限の動きの競技である囲碁と殺陣。静と動、2つの対峙をやらせてもらいました。どんなに熱を沸騰させた状態でいても、格之進と対峙すると水が変わるというのでしょうか。研ぎ澄まされた空間になってしまう。そういう格之進に静かに鳥肌を立てながら撮影していました」と語りました。このコメントを聞いた草彅は「かっこいい…。“静かに鳥肌を立てながら”っていうセリフもらいます!」とニヤニヤ。これまでの斎藤さんとの共演経験を踏まえ「(対峙の)集大成のようなシーンが撮れました。感謝しています」と深々とお辞儀をしました。演じた役柄について奥野さんは「格之進に常につきまとっている役。格之進が実直で、健気で、武士らしい姿を見せてくれるので、全幅の信頼をおきながら、ただただついていく。彼の背中をただただ執拗に追いかける役です」と独特の表現で分析し笑いを誘いました。草彅とは29年ぶりの共演となった小泉さんは「まだ剛くんが20代前半だった頃。少年っぽさが淡く残っていた時にテレビドラマで共演して。放送が始まって剛くんのキャラクターが人気になって、出番が増えていき、キャラクターが大きくなっていったのを覚えています」としみじみ。「当時から演じることを楽しんでいたし、すごく素敵でした。久しぶりにお芝居を一緒にしたけれど、背中が素敵で。主役としてすべてを背負って引き受けている姿に感動しました。この背中の役に立ちたいと思いながら、お庚という役を一生懸命演じました」と話す小泉さんに草彅は「キョンキョン大好きです!」と答え会場を盛り上げました。さらに草彅は17年ほど前に小泉さんからプレゼントされたTシャツにサインをしてもらったエピソードも明かしました。「和柄で、今回の作品に合っていて。撮影中の2週間、パジャマにしてました、洗わずに(笑)」と付け加え、さらなる笑いを誘いました。「春の撮影で花粉症がつらそうだった」と撮影中の草彅の様子を思い出した小泉さん。すると草彅が「かゆいし、鼻をかむと髭がとれちゃう。鼻をかむたびに(メイクの)直しが入って。それが1番大変だったかも」と撮影時の苦労を明かす場面もありました。市村さんとは「いつか一緒にミュージカルを!」という話で盛り上がったみたいで、イベントで草彅がその話を続けようとしたところで「今日は『碁盤斬り』の話をしましょう!」と市村さんが脱線を防ぐナイスなフォローを見せて会場を笑わせました。本作で時代劇に初挑戦した白石監督は「日本の映画史は時代劇とともに発展しました」と切り出し、「スマホの寄りを撮らなくていいなど、(現代劇とは違う)発見がいろいろとありました。今後もぜひ、時代劇に挑戦したいです」と充実感を漂わせました。こだわったのは江戸時代の光源だとし、限られた光源でどれだけの表現ができるのか、かなり攻めたとも話しました。さらに「普段はフレームからはみ出るような荒々しい映画をと思っているけれど、今回は美しい映画をという思いがありました」と初時代劇への見せ方にも触れ、注目してほしいポイントです。作品にちなみ“復讐したいこと”を尋ねられた草彅さんと清原さん。草彅さんは「今日の舞台挨拶をもう1回やり直したい。リベンジしたい(笑)」と少し俯き、「テレビカメラとかいっぱい入っているのに、どこが切り取られるんだろうと急に不安になってきて…」とここまでの自由なトーク展開を苦笑い。「では、私はそのリベンジを応援します!」と気合いを見せる清原さんに草彅さんは「清原さんはちゃんとしてたよ」と優しく返答。「これだけ(キャストの)みんなが集まるのは最初で最後かもしれないのに…」としながらも「映画をたくさんの人が観てくれたらリベンジできるかも!」と、今後もイベントが開催されることを願いつつ、たくさんの鑑賞を呼びかけるというナイスなPRで大きな拍手を浴びました。最後の挨拶では本作の宣伝を務める観客に向けて、SNS投稿時の「#(ハッシュタグ)」も発表。「#碁盤斬り」もしくは「#ごばんぎり」とのこと。「漢字は難しいから、ひらがなでもいいです。ご飯じゃないよ、ごばんだよ。このフレーズ気に入っているけど、いまいちウケなくて…」としながらも、最後までしっかりと映画を宣伝し締めくくりました。
■英語タイトル“BUSHIDO(ブシドウ)”として 4月に開催されるイタリアのウディネ・ファーイースト映画祭のコンペディション部門での上映も決まっております。 さらに、フランスの配給も早々に決定しました。フランスの配給会社、ART HOUSE FILMS(アートハウス・フィルムズ)社の社長エリックさんからコメントをいただきました。 「演出も俳優陣の芝居もとてもいい。この映画は侍映画の伝統を引き継いでおり、とてもエレガントでよくできている」
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【かいわいの時】元禄六年(1693)八月十日:井原西鶴没 (大阪市史編纂所「今日は何の日」)
西鶴は元禄6年(1693)に亡くなったが、その墓は長い間不明であった。明治20年を前後するころ誓願寺境内で発見され再興されたという。発見者についてはいくつか説があり、幸田露伴であるとも、朝日新聞記者の木崎好尚であるともいう。
(1693年)下山鶴平・北條団水、西鶴の墓を建立 墓石は位牌型の砂岩製のもので、「仙皓西鶴 元禄六癸酉年 八月十日 下山鶴平 北條団水 建」と刻まれている。この墓碑を建立した下山鶴平については、西鶴の版元ではないかといわれている。北條団水は京都生まれの文人で、橘堂、滑稽堂と号した。西鶴を慕って来阪し、西鶴の死後7年の間、鑓屋町の庵を守ったことで知られている(大阪市指定文化財)。
(1801年)太田南畝(蜀山人)、書肆山口屋の案内で西鶴の墓に参る 寺町をすぎ 誓願寺に入る、甃庵中井先生の墓あり《略》 此寺に西鶴か墓ありと書肆山口屋かいへるによりて墓はらふ下部にとふに志らず、つらつら墟墓の間を見るに一ツの石あり、仙皓西鶴とゑれり。右のかたに元禄六癸酉年八月十日としるし左の方に下山鶴平北条団水建と有り。也有翁の鶉衣にも、作文に名を得し難波の西鶴は、五十二にして世を去給ひ「秋風を見過ごしにけり末二年」といふ句を残せりとかけり。げに八月に終りぬるには折からの句成へし(太田南畝)。『葦の若葉』四月廿一日条より。句読点後付け。ママ。
(1802年)滝沢馬琴、太田南畝に紹介された田宮盧橘の案内で西鶴の墓に参る 西鶴が墓は、大坂八町目寺町誓願寺本堂西のうら手南向にあり。〈三側目中程〉七月晦日蘆橘と同道にて古墓をたづぬ。はからず西鶴が墓に謁す。寺僧もこれをしらざりし様子なり。花筒に花あり。寺の男に何ものが手向たると問ふに、無縁の墓へは寺より折/\花をたつるといふ。
棹石高サ二尺余ヨコ一尺 台石高七八寸 大字 総高サ二尺八九寸
元禄六 癸酉年八月十日 仙皓西鶴 右ノワキ 下山鶴平 北条団水 建
團水は西鶴が信友なり。西鶴没して後、團水京より來り、七年その舊廬を守れり。そのこと西鶴名殘の友といふ草紙の序に見へたり。追考 難波鶴に云。西鶴は井原氏、庵は鑓屋町にあり(滝沢馬琴)。『羇旅漫録』より。句読点後付け。(写真参照)
(1889年1月)幸田露伴、誓願寺無縁墓にある西鶴��墓を探し当て、卒塔婆を立てる 露伴は住職に供物を出して、 お墓をちゃんとしてほしいと言い、香を焚き、水を手向け、卒塔婆を立てて去るわけです。それが、明治22(1889)年の1月のこと。その卒塔婆には、「元禄の奇才子を弔ふて 九天の霞を洩れてつるの聲」と書いた(肥田晧三)。「上町台地から本をめぐる時空の旅へ」『上町台地フォーラムvol.9』2018より。
(1889年8月)尾崎紅葉、西鶴の墓を訪れ、卒塔婆を残す 紅葉も、同じ明治22年の8月に西鶴の墓を訪れ、「為松寿軒井原西鶴先生追善」と書いた卒塔婆を残した(肥田晧三)。
それではなぜ、この二人は西鶴を知ることになったのか。露伴は帝国図書館、今の国会図書館にあった西鶴の本を随分と勉強したんです。また当時、東京に淡島寒月という人がいましたが、彼は時代に先駆けて西鶴を評価し、自身でも作品を手元に持っておりました。その寒月と仲が良かったのが露伴で、彼の西鶴作品を借りて徹底して読んだわけです。紅葉も、露伴に遅れてですが、やはり淡島寒月から西鶴の作品を教えられたんです(肥田晧三)。
(1889年11月)木﨑好尚、読売新聞に「西鶴の墓」を寄稿 大阪朝日新聞の青年記者だった木﨑好尚は、後に頼山陽や田能村竹田の研究で知られるようになる人です。この人が、明治 22 年にやはり誓願寺に行くわけです。すると新しい卒塔婆が二つ西鶴の墓に立てかけてある。一つは幸田露伴、一つは尾崎紅葉。それで、大阪の青年がびっくりするんです。東京の輝かしい新進の作家二人がここに来ている!大阪の自分たちはちっともお参りせんのに、あの二人が西鶴の墓にお参りしていると。そして 明治22年11月に、東京の読売新聞に「西鶴の墓」という題で書く んです(肥田晧三)。ママ。木崎が朝日新聞に入社したのは明治26年(1893)。
(1889年11月)幸田露伴、「井原西鶴を弔ふ文」を雑誌『小文学』に発表 露伴もまた、「井原西鶴を弔ふ文」という題で、明治22年11月に雑誌『小文学』に発表します。「今や露伴幸に因あり縁ありて、茲に斯に來つて翁を吊へば、墓前の水乾き樒枯れて、鳥雀いたづらに噪ぎ塚後に苔黑み、霜凍りて屐履の跡なく、北風恨を吹て日光寒く、胸噫悲に閉ぢて言語迷ふ。噫世に功ありて世既に顧みず、翁も亦世に求むるなかるべし。翁は安きや、 翁は笑ふや、唯我一炷の香を焚き一盞の水を手向け、我志をいたし、併せて句を誦す、翁若し知るあらば魂尚饗。九天の霞を洩れてつるの聲 露伴」(肥田晧三)。
(1890年5月)尾崎紅葉、「元禄狂」を「国民新聞」に寄稿 西鶴に心酔しているということを書き、その中で、「明治二十二年八月、大阪八丁目寺町誓願寺に、 西鶴翁の墓に詣でゝ」と記し、「ででむしの石に縋りて涙かな」という句も詠んだ(肥田晧三)。
木﨑好尚を除き、全員、江戸っ子です。
(写真)「仙皓西鶴」『壬戌羇旅漫録 2巻 [3]』1802-1812(東京大学学術資産等アーカイブズポータル)より。 注記:写本 注記:目首の書名: 著作堂羇旅漫録 注記:題簽の書名: 羇旅漫録 注記:本文末に「享和二壬戌年八月廾四日筆同十一月朔日挍合畢 曲亭瀧澤觧戯記」とあり 注記:[跋]末に「享和二壬戌年冬十一月二日 著作堂馬琴再識」, 「壬申春日 曲亭主人書」とあり
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夏の旅
春夏冬に発売される「青春18きっぷ」
これを使い
ちょっとした旅を楽しむようにしています。
今年の夏はとにかく暑い
そうなるとどうせ旅をするなら
涼しい所に行きたいという事で
山梨へ行く事にしました。
甲府辺りは盆地だから
暑いというイメージをお持ちかもしれません。
確かに暑い、東京よりも暑いです。
でも、涼しい所もあるんです。
それが温泉
実は、甲府はぬる湯天国
源泉がぬるかったり、���泉だったりと
最高な温泉が沢山あります。

7月後半のある日
朝早く起きて甲府に向かいました。
まずは甲府市内にある「草津温泉」
ここに来るのは2回目です。
町中にある銭湯ですが
飲泉までできる立派な温泉
露天風呂まであるし最高です。

ひとっ風呂きめた後は
お昼ごはん
草津温泉の近くにある「中華ごはん かんざし」
ここはかなり人気店なので
温泉に入る前に、受付だけしておきました。
開店の2時間前ぐらいに行って
名前を記入しておかないと入れないと思います。
でも、それぐらい美味しい中華を
お腹いっぱい食べさせてくれるお店です。

甲府市内にある「山口温泉」
ここも2回目です。

山梨県随一と言われる最高な泉質
とにかくアワアワ
天然ジャクジーな炭酸泉が源泉かけ流し
絶妙にぬるいので
露天風呂でなんども意識を失いました。
夏に最高な温泉です。

8月に入りお盆も過ぎた頃
またも甲府へ向かいます。
今回は甲府の手前
春日居町駅で下車
夏の日差しを浴びながら歩きます。
辺りは果樹園がたくさんあります。
桃、葡萄、マスカット
その景色を見るだけで楽しいです。
駅から20分程歩くと
「岩下温泉旅館」につきます。

こちらは文化財に登録されるぐらい
歴史を感じさせる建物です。
新館と旧館がありまして
立ち寄り湯は旧館です
受付しようと思いましたが誰もおりません。
どうしようかと悩んでいると
車で旅館の方が来ましたので
立ち寄り湯に入りたいと告げると
またちょっと出かけるから
入ってていいよと言われたので
入浴料を渡して独泉させていただきました。

浴場の奥に加温の浴槽
手前の小さな浴槽は源泉です
ここ以外にもっと大きな源泉の浴槽もあるんです。

加温の湯に入り、少し体をふいてから
タオルを巻いて脱衣所を出ます
目の前に半地下に降りる階段があります
からだ��かがめて階段を降りると
ひんやりとしている
外は30度超えだというのに不思議です。
そこに小さなプールぐらいの浴槽があります。

ここが源泉かけ流しの冷泉浴場
暑い夏には最高です
ここの源泉は28度ぐらい
全身つかると
とにかく気持ちいい
加温の湯と3、4回交互浴するうちに
体の疲れ、夏の疲れが消えて
意識も遠くなっていきました。
まさに気絶
そのぐらい最高な温泉です。
岩下温泉旅館をあとにして
電車で甲府へ向かいました。

甲府から身延線に乗り換えて南甲府駅へ
駅前にある食堂「キッチンミナミ」
ここで名物エビフライ定食をいただきました。

大きいエビが2尾
本当に大きいですよ。身もプリプリで
最高に満足なお昼となりました。
満腹になったので
もうひとっ風呂浴びにいきます。

南甲府駅から一駅
甲斐住吉駅で下車して
そこから少し歩くと見えてくるのが
「トータス温泉」
ここも甲府市内に数多くある
温泉銭湯のひとつですが
泉質が素晴らしい。
湯の色は黄金色で
ドバドバとかけ流されてます。
重曹泉という事で肌もツルツル
銭湯ですが露天風呂もありまして
かなり快適でした。
ここもぜひ再訪したい銭湯です。
夏の間に2回も甲府へ行きましたが
実はまだ行けていない温泉があるんですよ
東京からも近い甲府
暑い時にこそ行ってみて欲しいです。
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北海道旭川市の中学2年生だった廣瀬爽彩さんが壮絶なイジメを受けた末、行方不明になったのが2021年の2月13日。それから1か月以上が過ぎた3月23日、雪に覆われた公園で、爽彩さんは変わり果てた姿で見つかった。警察による検死の結果、死因は低体温症。失踪当日に亡くなった可能性が高いという。 爽彩さんの死を受け、2022年9月に第三者委員会が最終報告書を市教育委員会に提出。イジメがあったことは認めたものの、イジメと爽彩さんの死には因果関係を認めなかった。この結果を遺族側が不服とし、同年12月から教育評論家の尾木直樹氏らを迎えた再調査��員会が検証を進めていた。 そして、再調査から約1年半が経とうとする2024年6月30日。再調査委員会が記者会見を開き、結果を公表することがわかった。果たして真相は明らかになるのか。事件を風化させないためにも、当時の記事を再公開する(初出:2021年4月15日 年齢、肩書等は当時のまま)。 ◆◆◆ 2月13日、氷点下17℃の夜に自宅を飛び出して行方不明となった北海道旭川市内に住む当時中学2年生の廣瀬爽彩(さあや)さん(14)は、3月23日に雪に覆われた公園の中で変わり果てた姿で見つかった。爽彩さんは2年前に受けた凄惨なイジメによって自宅に引きこもるようになった。医師にPTSDと診断され、そのフラッシュバックにも悩まされていた。 これまで「文春オンライン」では、Y中学校入学直後に爽彩さんが男女のグループからイジメに遭い、自慰行為を見せるよう強要されたり、撮影させられた自身のわいせつ画像を加害少女らが拡散したことなどを報じた。 ※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。 A子とB男は保護者と一緒に取材に応じた 爽彩さんの幼少期の写真(母親提供) イジメは常軌を逸するほどエスカレートし、2019年6月には爽彩さんが加害少年ら10人以上に囲まれ、ウッペツ川に飛び込む事件が起きると、警察もイジメの実態を把握するために捜査に乗り出した。 わいせつ画像を送ることを強要した加害少年のC男は児童ポルノに係る法令違反、児童ポルノ製造の法律違反に該当したが、当時14歳未満で刑事責任を問えず、少年法に基づき、「触法少年」という扱いになり厳重注意を受けた。A子、B男、D子、E子らその他のイジメグループのメンバーは強要罪にあたるかどうかが調べられたが、証拠不十分で厳重注意処分となった。 爽彩さんへのイジメが発覚してから2年。中学を卒業し、旭川市内に住む加害少年らから話を聞こうと、取材班は少年少女の保護者にアプローチをした。するとA子とB男は保護者と一緒に取材に応じ、C男とD子、E子は保護者が取材に応じた。 ◆ わいせつ画像を目にしたことは「あります」 わいせつ画像の拡散が疑われたA子は現在16歳。茶髪にピアスという出で立ちで年齢よりも大人びて見える。 ――爽彩さんとはどのような関係でしたか? 「友達」 ――彼女のわいせつ画像を持っていましたか? 「持ってない」 ――A子さんがC男くんに「爽彩さんのわいせつ画像を送ってほしい」と言ったという証言もありますが事実でしょうか。 「ない」 ――わいせつ画像を目にしたことはありますか? 「あります」 自慰行為を強要した時の経緯 ――公園で爽彩さんが自慰行為を強要された件は覚えていますか? 「……いや。あ、(自分も)いた」 ――誰が指示をしていたのでしょうか? 「あぁ、それはD子が言ってた」 ――自慰行為を強要されて、爽彩さんは嫌がっていたのではないですか? 「うーん……まぁ、うん」 ――どういう経緯でそうなったのでしょうか? 「えぇ? そのときC男もいたから、C男が写真の件の話を出して、じゃあできるならここでやってみろよ、みたいな。確か。それでD子がやれって言った」 ――その時、A子さんはどうしていましたか? 「うちとB男は離れてた。その場から。見たくもないし聞きたくもないし」 「どっちにせよ最終的には(自慰行為を)やってるんだから」 ――A子さんがイジメの主犯格だったという証言もあります。 「私ではない。別のZ中学の子(C男、D子、E子)が私を悪者にしている」 ――これらの行為をイジメだと思いませんか? 「うーん……別にどっちでもないんじゃないです? 本人最初嫌がっていたとしても、どっちにせよ最終的には(自慰行為を)やってるんだから」 ――爽彩さんがウッペツ川へ飛び込んだ事件については覚えていますか? 「あれは(爽彩さんが)自分から飛び込んだ」 ――どうしてそうなったのでしょうか? 「どうして? わかんないです。死にたくなったんじゃないですか?」 ――爽彩さんに向かって「死ぬ気もないのに死にたいとか言うなよ」と言っていたという証言があります。 「それは言いました。周りに小学生いるのに死にたい死にたいとか、死ぬ死ぬとか言ってて、どうせ死なないのに次の日またあそこの公園に現れてたから。小学生にはそういうのはダメでしょ? と思って言ったんです」 亡くなったと知って「正直何も思ってなかった」 ――爽彩さんが亡くなったと知ってどう思いましたか? 「うーん、いや、正直何も思ってなかった」 A子に長時間話を聞いたが、最後までイジメに対する謝罪も、爽彩さんが亡くなったことに対するお悔やみの言葉もなかった。 「強要とか脅しはないです」 取材班は爽彩さんのわいせつ画像を拡散させたとされるB男にも話を聞いた。 「爽彩と出会ったのは2019年の4月頃で、別の友達と(オンラインゲームの)『荒野行動』で遊んでいたら、ゲーム上で繋がって遊ぶってなった。印象は普通の子だった。(C男が爽彩さんにわいせつ画像を撮らせた経緯は)わからない。C男が爽彩とビデオ通話してそれをスクショして送ったみたい。最初はC男、A子と自分のグループLINEに送られてきた。自分は誰にも送っていない」 ――爽彩さんに自慰行為を強要したことはありますか? 「C男、D子、E子が『やってほしい』みたいになって、自分とA子はどっちでもよかった。正直、自分はあんまり見たくなかったからフードをかぶって見ていないけど、他の4人は見ていた。(自慰行為のときは公園に)人が来るから小学校の男女共用のトイレに移動してやらせていた。みんなそこに入っていったけど、俺はさっきと同じで見てはいない。時間は10分とか5分とか。強要とか脅しはないです」 ――爽彩さんが川へ飛び込んだ事件の現場��はいたのでしょうか? 「その場にはいなかったけど、A子から電話がかかってきた。C男が爽彩の仕草をしつこく真似した。それが爽彩は嫌だったみたいで、キレて自分で川の下へいったみたい」 ――爽彩さんのわいせつ画像を削除したと聞きました。 「警察に呼ばれたとき、携帯を見せてその場でデータを消した。学校からは5回くらい呼ばれて、怒られるというよりは『何があったのかちゃんと話して』という感じだった」 B男は「悪ふざけ」とだけ答えた 改めて、「公園で爽彩さんに自慰行為をさせたことを、イジメと認識していますか?」と問うと、B男はたった一言、「悪ふざけ」とだけ答えた。 爽彩さんにわいせつ画像を送らせ、警察から「触法少年」の処分となったC男。C男の保護者が取材に応じた。 冗談紛れでわいせつ画像を送ってほしいと言った 「(C男は)いいも悪いも何もわからないでやってしまったんです。どういうものか知らなくて興味本位で言ったと思うんです。C男の話では冗談紛れで(画像を送ってほしいと)言ってたら、爽彩さんが本当に自分で撮って送ってきたらしいんですよ。息子も初めて見て驚いてすぐに消したんですけど、その前にA子さんに『送って』としつこく言われて、(A子に)送っちゃったみたいです。C男はそのあとに画像データをすぐに消していて警察も確認済みです」 ――爽彩さんに自慰行為を強要させた場にもC男君はいました。 「女の子たちがやったことですよね。うちは男の子なので女子トイレには入っていないし、もう1人の男の子と公園にいたらしいです。(爽彩さんは)『嫌だ』って泣いたから結局やっていないと聞いていました。みんな嘘をついているのか、隠しているのか、自分を守りに入っちゃうし、本当のところはわからないです」 ――C男君は《(画像を送らないと)ゴムなしでやるから》と爽彩さんにLINEを送ったという証言もあります。 「それはないですね。絶対にないです」 爽彩さんに「私は独り」と相談されていた ――爽彩さんは拡散されたわいせつ画像や強要された自慰行為のことがトラウマとなっていました。 「きっかけにはなったとは思います。うちの息子もすごく反省しました。でも、(爽彩さんが)家出とかを繰り返していたのはご存知ですか? 親とうまくいってなかったそうで息子は爽彩さんに『私は独り』と、相談されていたと聞きました。 本当に短期間であんな事件になってしまって、A子ちゃんは夜まで公園にいてだらしなかったから、すごく胸騒ぎがして『付き合うのはやめなさい』ってずっと言ってたんですよね。そう言っているときにあんなことになっちゃって……。警察の前でLINEも消して、もう事件の子たちとは一切付き合いはないです。 うちにも娘がいるので、もし自分の子がと思ったら……。息子にはすごく怒りました。息子もやってしまったことは悪いですけど、隠れている部分やイジメを認めない人とかたくさんいるので、悔しいのは正直あります」 D子とE子の保護者は「自分の子どもは偶然その場に居合わせていただけだ」と説明。E子の保護者は「娘は(自慰行為を)『やれ』とは命令していない。娘だけでなくみんなで『できるの?』と聞いた」と話した。D子の保護者は「今思えばイジメだったと思う。娘も反省している」と語った。 一方、B男の保護者は「子供たちが(事件に)関わる前から、(爽彩さんの)家庭環境にも問題があり、正直全部こっちのせいにされている」と語った。 爽彩は離婚後に交際したパートナーとも仲が良かった 4月12日、爽彩さんの四十九日���要を終えた爽彩さんの母親に再び話を聞いた。加害少年の保護者から爽彩さんの家庭の問題を指摘する声が上がっていることについて聞くと、静かにこう語った。 「娘を育てるために仕事で忙しく、家を空けることもありましたが、それ以上に愛情を込めて育ててきました。離婚したあとにお付き合いした人もいました。爽彩が小学校低学年の頃からパートナーの男性と3人でゲームをしたり、食事に行ったり、その相手と学校の行事に行くこともありました。爽彩もパートナーの実家に行きたいと言い出して一緒に行ったり、男性とワカサギ釣りに行って楽しそうにしていました。 爽彩の希望ならと塾に通わせたときに一度、帰宅途中に迷子になったり、塾に『行きたくない』と言い出すこともありました。娘はパートナーの方に悩みを相談するほど距離も近く、その日に学校であったことを自分から笑顔でたくさん話す子だったんです」 加害者の子たちが不幸になってほしいとは思いません しかし、イジメの被害に遭ったあとは「ママ、死にたい」「ごめんなさい、ごめんなさい」と、爽彩さんは錯乱を繰り返すようになり、笑顔も消えてしまった。 「娘は簡単に死を選んだわけじゃないと思います。泣かないと決めていたのに、すみません……。何があったとしてもイジメをしてもいいという免罪符にはなりません。許されることではないし、とても悔しい気持ちですが、加害者の子たちが不幸になってほしいとは思いません。ただ、イジメって簡単に人が死んでしまうということを知ってほしい。イジメは間接的な他殺です。せめて、反省だけでもしてほしいです」 それだけ言うと、唇を強く結んで母親はもう何も語らなかった。 旭川はこれから遅い春を迎える。桜の開花は2週間後の予定だ。だが、母親がともに春を迎えるべき最愛の娘ははるか遠くへ旅立ち、もう二度と帰ってこない。 ◆ ◆ ◆ 中学2年の少女を死に追いやったのは、誰か? 凄惨なイジメの実態、不可解な学校の対応――。遺族・加害者・関係者に徹底取材した文春オンラインの報道は全国的な反響を呼び、ついに第三者委員会の再調査が決定。北の大地を揺るがした同時進行ドキュメントが「 娘の遺体は凍っていた 旭川女子中学生イジメ凍死事件 」として書籍化されました。母の手記「爽彩へ」を収録。
「正直何も思ってなかった」自慰行為強要、わいせつ画像拡散のイジメ加害生徒らを直撃【旭川14歳女子凍死】《調査結果公表へ》(文春オンライン) - Yahoo!ニュース
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2023年7月13日(木)

今朝も8時12分に新幹線の予約完了とのメール、これでお盆の予定が確定できた。いったい、そんな混雑するときに何をするのかというと、落語を聴きにいくのである。応援している落語家・露の新治さん、8月は関東での出番が多い。それならと、一泊二日の落語を楽しむだけのツアーとなったのだ。柳家喬太郎・三遊亭兼好はもちろんライブは初めて、夜には鈴本演芸場のお盆興行、東京の定席ももちろん初めて、ワクワク、ドキドキ。

4時30分起床。
日誌書く。

朝食。
洗濯。
弁当*2。
プラゴミ、45L*1。
雨の中、ツレアイは合羽を着て自転車で出勤。
私はO姉と一緒に車で出勤。

順調に到着する。
昨日ミスを犯したエクセル試験の採点作業、仕切り直しで昼まで頑張る。
木曜日3限は<スタディスキルズ(教育学科)>、今日はグループ発表、卓球部員が試合でいないので3班だけの発表、終了後は評価シートを記入して早めに終了。
急いで自室に戻り、エクセル試験の採点作業の続き、なんとか看護学科2クラス分の作業を終えることが出来た。かなりの二極分解、予想された結果ではあるが次週に念を入れて復習させねば。
早めに帰宅、蒸し暑いので速攻で着替える。
昼間採点したエクセル試験の再チェック、これで評価作業がスムーズにできる。明日は栄養学科の分を作業しなければ。
酢タマネギを仕込む。
買物はせずに、あり合わせの食材で夕飯を準備する。

昨日仕込んでおいたジャガイモとサバ缶の煮物、少し焦げてしまったがそれがまた美味しい。頂き物の信州ワイン、濃くて美味しい。
録画番組視聴。
サラメシ シーズン13 (11)宮大工のまかない担う新人奮闘記▽コンポスト
初回放送日: 2023年7月6日
長尾さんは18歳の新人宮大工。高校卒業後、地元を離れ先輩職人たちと寝食を共にしながら修行中。長尾さんに任された大切な仕事が職人たちのまかない作り。宮大工の仕事は段取りが大切、その段取りと思いやりを学ぶため重要な任務なのだ。新人職人の奮闘ぶりを拝見▼コンポストに情熱を注いで四半世紀。通販会社社長のコンポスト愛と野菜たっぷりの仕事とランチをご紹介▼お弁当箱が語る「おべんとうのはなし」は「俺の定番弁当」
「やまがた春夏色模様」
初回放送日: 2023年7月11日
春から初夏にかけての山形市は豊かな自然や伝統工芸などの「色」がきらめく季節。桜から植木市や水田の緑を経てサクランボ、紅花へ。色とりどりの風土と営みを描き出す。
4月、春を迎えた山形市を彩るのは桜色、続いてサクランボの白い花。5月になると街では伝統の薬師祭植木市が開かれ、水田や里山も緑に。草木染めの工房ではさまざまな草花の色、そして江戸時代「金よりも高価」と言われた紅花染めの紅色が輝く。さらに職人が守り伝える和傘、牧野博士ゆかりの植物画家、純白の米こうじから生まれる手作りみそ。6月、サクランボが実り、やがて紅花が咲くと夏へ。山形ならではのカラフルな色模様。
どちらも見応えある内容だった。
片付け、入浴、体重は変わらず(あかんがな!)。

歩数は届かないが、なんとか3つのリング完成。水分は1,540ml。
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【Heartlands】曲解説

Heartland というアルバムタイトルを考えていたのですが、複数形だとしっくり来ました。まあ、全部解説してしまうとつまらないので、理由は各自感じ取っていただければと…(遠藤)
以下、作曲者による曲解説です
2.Tetetete(原)
海外のボーイ・バンドの曲をイメージして作りました。スーパーボールのハーフタイムショーのような会場で、途中からドラムラインが出てくるような壮大な妄想のもと、、笑
自作の中では一番ポップな曲になったような?気がします。
アコーディオンが刻む「てててて」の響きが好きなので、タイトルもそのまま「tetetete」に。
3. 足の裏(遠藤)
斉藤友秋さんのイベントで遠藤里美ソロをやる際に作った曲。この時は、ライブまで時間的(&精神的)な余裕がないため、演奏するのが容易かつ、しっかりした構造にするために「曲の構造から作曲する」というスタイルをとりました。
当時は変なコード進行する曲ばかり作っていたので、世の曲って結構ワンコード…と思い作った曲。
当初はトリオ編成(Sax × 2, Bass)のために作ったので非常にシンプルでしたが、バンド用に少しゴージャスにアレンジしなおしました(FlとObのカウンターメロディーなどを追加)。構造は2管のユニゾンの対決、その後全員ユニゾン、というシンプルな流れになってます。
ベースラインはほとんど同じ音型のまま進行して強固にキープ(そのせいで弦の演奏者は指が異常に疲れる)その上でメロディーがユニゾンするというものです。
単純な構造ではありますが、「ナチュラルではないリズムやメロディーを2人以上で完璧にユニゾンすればなぜかユーモアが生まれる」というプログレ的なねらいもあります。
曲の情景としては、さまざまな地面の形状や景色に対応する、足の裏から見た世界を描いてます。
中尾さんへの演奏指示としては「歩きながらオナラをする感じでお願いします」と言ったところ、一瞬で理解していました。
リスナー側から見た音楽の面白さや快感とはどういうところにあるのだろう?と考えた時、反復や、リスナー側のメモリーと一致した感触なのかなと思うこともあり(初めて曲を聴いた時の喜びはまた別のものでもありますが)反復と、反復への裏切りに関しては、作曲する上で考えるポイントです。
4. abandon obsession(原)
執着を捨てるという意味のこの曲。
日々窮屈さを感じている時に、ビオパタにファンクなダンスナンバーを…と何故か思いたち、うまれました。
色々捨て去って、兎にも角にも踊ろうぜ!踊っとけばなんとかなる!という、普段あんまり思わない事を、逆にかたちにしたような曲です。
6. かめめぱやし(古池)
この曲は、単音の楽器が(当時は)6本もいるビオパタのために、
6声で、変拍子で、絡みつくようなフレーズの曲が書いてみたいなぁと思って作った曲です。
曲名は特に考えてなくて、初めて合わせた後にメンバーそれぞれに一文字づつ言ってもらって、それを繋げてタイトルにしました。
自分で演奏しようと思ってもなかなかに厄介な曲を、見事に形にしてくれました。
とても嬉しいし、聴いててとても楽しいです。どうもありがとう。
7. 草原境(遠藤)
実家で飼っていた犬の「ゆきちゃん」が亡くなった時にできた曲。身近な命がなくなると、曲ができてしまいます(以前作曲した「五十嵐川」は祖母が亡くなった時の曲)。犬のゆきちゃんは雑種で自由な女の子でした。動物たちが、周りからの視線を気にすることなく生きている様は、癒やされるということを通り越して元気づけられます。
進んでいるようで進んでいない、同じところをずっと回っていながらも景色は少しずつ変わっていく感じを出したかったので、それほどドラマティックな展開はありませんが、ユニゾンのメロディーは自然に出てきたもので、意外に気に入っています。
曲の全体のイメージとしては、まったく���壮感のなかった、あっけらかんとした「ゆきちゃん」という存在を表せたのではと思います。
8. 消失(遠藤)
円盤から発行されていた雑誌「Comicミツザワ」のために作曲した曲。
1ページに納めたので短い曲です。また演奏にチャレンジしやすいようにとても単純で美しい曲を作ったつもり。
コード進行重視で作った曲です。シンプルながら楽譜から音が立ち上がった時、不思議な響きになったりギャップがあるのは個人的に嬉しいものです。
(読者が演奏してくれるのを期待しましたが、そういう交流は生まれなかったですね)
9. 雲間(原)
隙間というものが気になるのに、暮らしの中でちょっとした隙間(ドアがちょっと空いてたり、棚が少し開いてたり)を生み出しがちです。
その隙間から何かに見られてるような気がしてつい目がいってしまう。同じ様に、雲の間から見える月にもつい目がいってしまいます。でも、ずっと見てるわけではなくて、チラチラみて、違う事考え出したら忘れてしまう。そういう感覚を曲にしてみました。
10. 村の掟(遠藤)
2020年に、某バンドで演奏するために作曲した曲。
簡単で楽しい曲を作るというミッションのもと、15曲くらい作ったうちの一つをビオパタ用にアレンジしました。後から適当にタイトルをつけたのですがなかなか他と毛色の違う良い曲になった気がします。
自分としては、メロが単純すぎるので無意識に何かのパクリみたいになっていそうなのが気になっています。
一度加藤休ミさんの絵本ライブで「かんなじじおどり」という本にBGMとしてつけたのですが、何だか合っているようでした。
「日本人しか作れない曲」というのは確かにあると思うので、日本人らしさを作曲に活かせれば良いなと思ったりします。
11. 深更、雪(遠藤)
円盤から発行されていた「Comicミツザワ」のために作曲した曲。
少しだけアレンジを付け足し、さらに深夜感を出しました。雪国育ちなので、「夜中に大量に雪が降っていて、朝妙に静かだなーと思ったら雪に埋もれていた」感じを表現しました。雪の降る音を聞くのは難しいですが、人間の見ていない場所に静かに雪が積もっていくイメージです。
「分断されたメロディーを自然に繋げる」が裏テーマ。とにかく1拍三連が昔から好きなのです。ドラクエ3のエンディング「そして伝説へ」で目覚めました。
12. Empty Tango(遠藤)
biobiopatataは2012年の円盤によるタンゴ企画がきっかけで誕生したバンドですが、2017年3月に再度タンゴ企画が企画され、ビオパタも懲りずに招致されました。それに合わせ作曲しました。
初演は会場は入谷なってるハウスで、対バン「LimaTango!!」には当時のなってるハウス店長のリマ哲さんがいました。なってるハウスを退職される直前とのことで、新店長・小林さんと新旧店長アドリブソロ対決をお願いしたく、ビオパタでは珍しくアドリブソロの部分を作りました。(録音では遠藤ソロになっている)
イントロは、管楽器のメロディーだけでタンゴを表現できるか?をテーマとしてバラバラに聞こえるけどお互いが支え合ってグルーヴを作ることを目指しました。タンゴはもともとドラムが入ることが少ないようなのですが、リズム楽器無しでメロディでグルーヴを作ることでタンゴらしさを少しずつ作りだしていきます。
本編はダンスミュージックとしてのタンゴを意識しました。テンポが微妙に変わったりするのも、もしダンス作品としてストーリーがある振り付けがあったら素敵だな、という妄想のもとです。
曲のイメージは、引っ越しが終わった後、空になった部屋に思い出だけが浮遊しているイメージといいますか。
13. 山2(山本)
楽譜にしたときに音の横の流れが美しいのがいいなと思い、どのパートもなるべくきれいな旋律に感じられるよう心がけました。意図したわけではないのですが、結果的にその旋律が山々の稜線を描くような曲になったように思います。
15. BBK(遠藤)
初めはどういう経緯か忘れましたが、絵本作家の加藤休ミさんの絵本「ぼーるとぼくとくも」にBGMをつけるというミッションのもと作曲した曲。
ぜひ、絵本「ぼーるとぼくとくも」をご購入の上、一緒にお聞きください(休ミさんにはこのアルバムのジャケットも担当していただいています)。
絵本にBGMをつけるというのは初めての体験だったのですが、古い友人である休ミさんのことも自分なりに理解した上で、絵本を読み解いて音をつける作業は全く違和感なくスムーズに行うことができました。
ある年齢までしか見えない幻、トトロ的なものを感じて、楽しさ、奇妙さ、ワクワク感、不安定さなどを表現したつもりです。
主人公の少年の性格が垣間見られる冒頭、まだ別の世界へ飛び立っていない時点からなんとなく不穏な空気を漂わせています。
テンポが移り変わり、浮遊感のある景色が広がります。ひとしきり空で遊んだ後は、余韻のある状態で元の場所に戻ってきます。夢だったのかもしれないけど、それは確かに彼の血肉となって残るのです。私は幼少時、外で独りでいる時に数分気を失った記憶があり、その時の体験を思い出したりしました。あれは何だったんだろうとたまに思います…。
メロディーの上下で浮遊感を表しておりますが、譜面で見ると音型は雲のようにも少年の軌跡のようにも見えて視覚的にも浮遊感があります。
ライブでは加藤休ミさんが絵本の読み聞かせをしているのですが、その時の状況次第で場面の尺が変わるため、要所要所でリピート回数の指示をアイコンタクトで行います。(ちなみに、加藤休ミさんの読み聞かせの入ったバージョンの音源も存在しますが、録音しながらなぜか感動のあまり泣いてしまったという。)
録音自体は2017年に行っており、全員での一発録音となっております(アコーディオンだけオーバーダブだったと思います)。伴瀬朝彦さんにギターを演奏していただいています。
この曲と「足の裏」はベーシックは全員で録音を行なっています。その他の曲は各メンバーが個々に録音したものをミックスしています。
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2025-03-17 稀刊 ふなととふちがみ ふちがみとふなと

春だ!桜だ!花見酒!2デイズ リベンジというとこですが……・
泣く子も笑って踊るマダムギターでペンペンドン 昨11月、直前にコロナと判明し、たくさんの方 ピーな長見順ちゃんと寝た子もスウィンギンにバッ ブする岡地曙裕先生(吾妻光良&スインギンバッパーリベンジというとナニですが、 ブレイクダウン、ポ・ガンボス etc)が合わさっ周年をお祝いできなかった加藤理容所の、いつ た在庭坂デュオとの第二回共演が近づいて参りま もの畠んステージではない仏間にてライブさせ した。先んじて 3/12発売の順ちゃんの新譜「クイーていただくことになりました。前日通りかかる ンオブルーズ」拝聴。カッコよさに可愛いさに奥深北九州では、いつもお世話になっています一生 さに面白さに連れまくっております。相談の結果花もん shop 緑々さんにて春爛漫ワンマンをさせ 見酒の時期と相成りました二度目の、前回と同じくていただきます。福岡・カヨカリさんは今年中 拾得、得三ての共(競?狂?)演(宴?)。いろん の再び寒くなるまでの再挑戦を目指しておりま なとこふるわせつつ大いに酔っ払ってハジけたい所す。色んな風邪等次々切れ目ないですが、体整 呑みに、楽しみに、いらしてください! えて参ります。お会いできたらうれしいです。 北九州、大分。 新幹線京都駅のお弁当が楽しいです。 小ぶりなお値段抑えめも多く種類が豊富。上りホームの手作りサンドの始めはお弁当のこと考えてます。 と背が低いロイチウの若いときの映画を観まし フナトコレクション る男たち/レベッカソルニット■ストーナー/ジョンウィリアムズ■西の エマニュエルトッド画辺の生と死/鳥尾ミホ うろうかさん
ちう/たま」(シングル )● Lacy-Andrea た。期待してなかったけど良くできてました。 昔のチープさはあったけど●最近はアート・ブレイキーのドラムのスイング感にはまってます。何にもしてないのに●松本若菜に注目してます。ついつい見ちゃう●こたけ正義感も注目。大阪クレオパトラとかバッテリーズもね お知らせ間に合いませんでしたいくつかの音源作業進行中。次の新聞には必ずや新聞もまた出すぞ ■あさきゆめみし/大和利■ 漫画 Leone epeone子とま月 高浜寛■それがし食にあらず/平田 弘史■沖雑で好きになった子が方言すぎて ツラすぎる/空えぐみ■デッドデッドデーモンステデデデデストラクション/注 いにお
●シングルコレクション/友部 正人●Steve Lacy/ 3Live Lgano 1984 First Visit●狂った世界で/大谷氏●スーパーチャンポン/おとぼけビーバー●わたしの7+7/ベートルズ ベースと歌の二人組「ふちがみとふなと」の新聞 稀ふなととふちがみ 2025.3.17 吉田ハウスレーベル 発行 GD ふちがみとふなとTICKET Number 69 店置き第一号 〒615-0021 京都市右京区西院三蔵町9リエ��西院113 075-312-7605 [email protected] このチケットで69号掲載の前売りのある★以外のFF www.yoshdia-house.net
品盟 関連ライブに売り料金でご入場いただけます X@henaweb インスタ:fuchigamitofunato (何度でもお使いいただけます) キリトリ ふちがみとふなとライブ 京都在住コントラバスと歌の二人組「ふちがみとふなと」の新聞です。郵送から店置きに変えての第一号、手にとって下さりありがとうございます。稀刊ですので発行はきまぐれです 3月22日(土)神戸 ビッグアップル 春のワンマン! が、置いて下さる場所、配って下さる方、大募集。紙で配っておいてですがSNSでも直接でも、 open 18:30 start 19:30/¥2000/2500(別)/078-251-7049 ご予約:[email protected] 神戸市中央区山本通3丁目14-147-アハイツB-1 ちょうだいとか配るでとかお声がけ頂けたら嬉しいです。ライブで音源で聴いていただくこ 3月23日(日)京都 わからん屋 11月イチワンマン とを目標に発行しています。色んな形でんな場所で、お会いできますよう。 open 18:00 start 19:00 ¥1000/1200(別) 京都市左京区一乗寺地蔵本町6-1 メイコービルB1F/075-585-4226/ご予約:[email protected] 3月29日(土)名古屋城春まつり 春の音楽日和(一日目)於:西之丸ステージ 出演: 16:00- Ett 17:10-ソボブキ 18:20- ふちがみとふなと
※名古屋城へのご入場のみでお楽しみいただけます 飲食はじめいろんなお店も♪ ズ、 『なガミおかち・ふちがみとふなと春だ!桜だ!花見酒!』2 Days 出演:在庭坂デュオ[長見順v0.g、P、岡地裕ds]ふちがみとふなと「上純子vo、船戸博史b] 4月3日(木)京都 得『なガミおかち・ふちがみとふなと春だ!桜だ!花見酒!』~拾得編 open 17:30 start 19:00/¥3000/3500(別) 京都市上京区大宮通下立売下る菱屋町815/075-841-1691 ご予約:[email protected] 存。 4月4日(金)名古屋得三『なガミおかち・ふちがみとふなと春だ!桜だ!花見酒!』~得三編 open 18:00 start 19:00/¥3800/4300(別) 名古屋市千種区今池1-6-8 ブルースタービル2F ご予約:052-733-3709(得三) [email protected] 4月12日(土)北九州一生もんshop緑々『春爛漫ふちがみとふなとワンマンライブ』イッチと珈琲も魅力。このところ旅 open 13:30 start 14:00 ¥2500/2800(別) 北九州市小倉北区京町4-4-17-1/093-533-0533(営業時間内) SNSのメッセージ可 FB Instagram 4月13日(日)大分・由布加藤理容所(仏間) さえずット 『ふちがみとふなと LIVE in 仏間』リベンジというとナニですが・・.
open 12:00 start 13:00 ¥2000+ドリンクオーダー【出店】カレーやmomo(カレー、サモサ) 大分県由布市狭間町来鉢235番地ご予約・問:090-8397-1231 [email protected] 4月27日(日)京都 わからん屋 11月イチワンマン open 18:00 start 19:00 ¥1000/1200(別)/075-585-4226/ご予約:[email protected] 4月30日(水)大阪 ムジカジャポニカ『ふちふなとみわたる』 w/MIWATARU(大熊ワタルcl.etc、こぐれみわぞう ちんどん太鼓、歌、etc) open 18:00 start 19:00/¥3500/4000(別)大阪市北区堂山町1-21 モンテビル2F-01号/06-6363-0848 5月10日(土)岐阜・東白川 Sachico Brownie『ふちがみとふなとと甘い夜』 start 19:00 ¥2000(別)/岐阜県東白川村神土691(サチコブラウニー) 問:インスタDM @sachicobrownie または [email protected](中ムラサトコ) ふちふなとみわたる 恵那・東白川 高山・犬山・岐阜と案外 色んな場所に伺ってる岐 5月11日(日)恵那 サトノエキカフェ MXで青と赤鬼(渕上)として久々の共演叶いま 阜県、このたび初めて恵那・東白川に伺います。 LIVEとマーケットのイベント~土間音(どまおと)<サトノエキカフェ9周年)~ した大熊ワタルさん。クラリネットはもちろん、自5/12はサトノエキカフェのイベント土間音。出演 w/中ムラサトコ、Jaaja、mountain mountains、MOTHER CORAT、Ayumi(ヨガ)、 身の興味に向かわれるパワーの魅力が炸裂で、終演 ご縁を繋げてくれた中ムラサ
チャーリーホッパー(紙芝居)、DJの方々、出店20組程度の予定岐阜県恵那市串原1268 後ももっと会いたいご一緒したい!の熱冷めやらず、トコちゃん、Jaaja も出演。彼らの居るところはい 11:00~18:00ごろ入場無料(投げ銭&抽選券販売)20573-52-2020(3月末まで冬季休業中) 浅草では舞台を裏て大いにささえて下さったこぐれつも心地よくご飯が美味しいのて楽しみです。前 みわぞうさんとのデュオMIWATARUでがっつり、日 5/11 はサトコちゃんや Jaaja に見守られなが 5月18日(日)京都 スウィングキッチン Your ★ 定員30名様 上映(60分) の共演を企てました。ばんざーい!とにかく是非とら東白川村・サチコブラウニーさんでなんとワン 映画「じぶん、まる!〜いっぽのはなし〜』上映+ふちがみとふなとLIVE も、お越し下さい。4/30ムジカジャポニカです! マン(!)。お近くの方遊びにいらしてくださーい! 田中一歩さん open12:30 start13:00(終演16時頃)/予約¥3000/当日¥3500/¥学生2000+オーダー 崟利子監督 トーク(30分) 東京らきまき2デイズ 東京で初めて演 京都市右京区龍安寺衣笠下町29 奏した場所のひ いつもの、いつもじゃないいつもの場所が ある嬉しさ。そ 問・ご予約(Yourめぐらし舎):[email protected] 070-5341-1983 ライブ(60分)
とつてあり、遠藤ミチロウさんはじめ敬愛する方々としてそのいつもの場所がいつも違っていることが の出会いをたくさん頂いた大切な場所 APIA40。 またしく、そして自慢です。3/22 ビッグアッ 5月25日(日)茨木D bar『ふちがみとふなと夕暮れワンマン』 55周年、思いっきりお祝いいたします。19年前ハプルは近藤さんの笑い声とミラーボール目指し、 ンバートに呼んでもらって以来、松永希バンド、イ 5/25 Dbar は夜に変わってゆく窓の外とよん open 16:30 start 19:30/¥2000+¥1100(2drink 又は 1drink+1food) シマツ、モロさん・たくさん世界を広げてもらってちゃんの笑顔と美味しいもん目指し、6/29音 大阪府茨木市双葉町9-137タバアレイビル3F/080-6741-4122 ますラ・カーニャと東京で2日連続ワンマン。もちは生音の響きとともに14周年をお祝い、月イチ 問・ご予約:[email protected] https://www.facebook.com/Dbar.playmusic ろん全く違う内容で、ご予約下さったかた、両日お越 わからん屋11は変わらず季節を天気をたのしみ 5月31日(土)京都 わからん屋 !!月イチワンマン し下さる方への特典を考え中てあります。にぎやかなながら、毎回最新の我々でお待ちしております。 二日間めざします。何卒、よろしくお願いいたします! この新聞右上のチケット、ぜひご活用ください。 open 18:00 start 19:00 ¥1000/1200(別)/075-585-4226/ご予約:[email protected] だいじょぶか!?いや、やるんです!6月の東京ドキドキワンマン2 Days じぶん、まる!いっぽのはなし上映とふちがみとふなとライブ
5/18(京都)Your 生まれた性と生きたい性の間て悩み考えた時間から「i(アイ)」と「いる」を合わせ 6月7日(土)学芸大学 APIA40 た「にじいろ i-Ru(アイル)」を立ち上げ、性やさまざまな多様性について子どもた アピア 55th Anniversary Special LIVE『ふちがみとふなとワンマンライブ』 ちと共に考えながら、自を他を尊重する「じぶん、まる!」を広める活動を行なってじぶんまる! open 18:30 start 19:00 ¥3000/3500(別)/東京都目黒区碑文谷5-6-9サンワホームズB1 おられる田中一歩さんのインタビューを中心としたドキュメンタリー。ふちがみとふ ご予約:03-3715-4010 [email protected] http://apia-net.com/contact.html なとは「このまち」で参加しています。2023年公開以来上映回数は多くなく、我々も 6月8日(日)下北沢 ラ・カーニャ『ふちがみとふなとワンマン@ラ・カーニャ』 スクリーンでは未見。今回30名の上映会ですが一歩さん崟(たかし)監督のトーク、我々のライブもあり、ここから少しずつ上映の回数が増えてゆけばよいなと思っています。
open 19:00 start 19:30 ¥3000/3500(別)/東京都世田谷区北沢2-1-9���二熊崎ビルB-1 ご予約:03-3410-0505/[email protected] 大きな蔵、小さいうた G-50009 ¥3,300(税込)昨年末12/22、SP 時代の音源を新しい切 り口で今に届けるレーベルぐらもくらぶより、泊・Ett・ふちがみとふ 6月29日(日)南森町 音14周年記念企画ライブ『ふちがみとふなとワンマンショー』 大きな蔵、小さいったなとで録音したCDがリリースされました。千葉の大きな土蔵の中で戦 open 18:00 start 19:00 ¥2500(別)/大阪市北区天神橋1丁目14番4号友愛ハイツ1F 前型のマイク一本に向かい各組3曲ずつ、六人で3曲の計12曲。我々 問・ご予約:06-6353-8515(営業日のみ) otonagi201 [email protected] Facebook X は上野茂都さんの「庭の木」、モロ師岡さんの「シアワセ」、初録音「私 要①ライブ名②お名前③人数④電話番号 の青空」を、全員では泊の「マルゲリータハポネサ」、Etと共作した「ワ 6月30日(月)京都 わからん屋 11月イチワンマン ルツ」、Ettのレパートリー「茶目子の一日」を演奏しています。期間限 open 18:00 start 19:00 ¥1000/1200(別)/075-585-4226/ご予約:[email protected] 定 Youtubeで「マルゲリータハポネサ」録音の様子をご覧いただけます。 フナトライブ
ご視聴いただきアルバムもお聴き頂けたら嬉しいです。 3/20(大阪・西成)釜晴れ/★松倉如子vo.gと船戸博史b/¥3000/¥3500(別)/18:00/予約: https://www.youtube.com/watch?v=xWWXG9ocsyQ 080-1438-2702(釜晴れ)/大阪市西成区萩之茶屋2-7-5マンションサンデー1F西側/3/21(京都・園) 5号室/「光明」出:西島衛、松倉如子vo.gと船戸博史b、ヨシムラタカシ/¥3000(別)/19:30/京都市東山区 末吉町78-1西垣ビル3F/★予約:[email protected]/4/5(奈良)BlueNoteならまち/★板橋文夫 pfQuintet「纐類雅代as,登敬三ts、本田珠也ds,船戸博史b】/(二部入替制)15:30又は17:30/¥4800/奈良市 勝南院町11-1-2F/予約・問:[email protected]/4/6(枚方)枚方公園青少年センター/「桜まつり 2025春音(はるおん)[出パリャーン(続木力、谷川賢作)、浪花クレオール(カオリーニョ藤原、井山あき のり、山村誠一)、Tattaran(米須雅代,上村美智子,Yasmine.H,宮本香緒理)ゲスト:佐伯美香vo,山田やー そ裕9、黒田かなV、坂野雄亮p、船戸博史b/¥3500/¥4000/13:30/14:00/枚方市伊加賀東町6-8(京阪「枚方公園」西出口歩1分)/問おーらいレコード090-8389-8408/4/15(京都・高野)Jazz Cafe Murra(む ~ら)/★東出as,三原彩子pf、大江券明ds,船戸博史b/7:00/¥3500/¥4000+1d/075-703-0120/京阪出 町柳駅より徒歩10分/4/17(京都)LeClubJazz/★東出as、三原彩子pf,塩入基弘ds,船戸博史 b/7:30/¥3000/075-211-5800/[email protected]/6/21(神戸)BIG APPLE/松原里佳(vo.p)船戸 スト こだけ正義感 今月の書 こんなことは寂しいこともある。 (続く) 博史(b)DUO/19:30/¥2500/2800(別)/078-251-7049/[email protected]/6/27(新宿)PITINN/ 芳垣安洋5デイズ★[day4 - Sights reunion]芳垣安洋d,perc、船戸博史cb、類家心平tp、纐纖雅代 as/19:00/19:30/¥3850/03-3354-2024/http://pit-inn.com かなり夢中 んて何て考えるのはかなり厳しいといつの日だったろう(何で)だろうな取っただろうって思いたかったのはくいやなるべく鼻を近付けて感じに狂ったギターが奏でる音が鳴るべしたのは遊んでばかりいた頃に簡単 こに有ったのか誰がわかると語りだ うのもほんとに前日は肉と野菜がこ 憶を呼び戻すには無理があってとい気でしたよっていつのことなのか記 ばを作ろうかなって言ってたのは本と白菜が余ってたのでそれで焼きそ ぱりそれも覚えていないけど結構牛 たあの日を思い出そうとしてもやっ のは可笑しいよねってクスッと笑っ ぜかラーメンが食べたくなってきた じゃ困るって言われたら(誰に?)な浮かんでこないのはいつものこと 昨日��沢山食べたはずなんだが何も 第二十回 船戸博史 新町小説 真夏の雲
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【バルデシオン分館での一幕】【加筆版】
バルデシオン分館での一幕
月より帰還した彼らに訪れたのは、深く静かな夜。
バルデシオン分館の片隅で、ふたりはただ、言葉少なに心を寄せ合う。
対になるふたつの視点で綴る、暁月編のとある余白。
※本作は暁月編の展開を基にした、非公式のパラレル・エピソードです。原作と異なる関係性や描写を含みます。ご注意ください。
【その名を呼ぶとき 】
目下の拠点であるバルデシオン分館に、暁の面々がそれぞれ戻り、ようやくナップルームで束の間の休息をとろうとしていた頃のことだった。
控えめなノック音が扉を叩き、続いて自分の名を呼ぶ声がする。
こんな夜更けに何事かと、半ば眠気を残したまま扉を開けると――そこに立っていたのはヤ・シュトラだった。漆黒のローブに身を包み、沈黙のまま言葉を発しない彼女は、じっとこちらを見つめていた。
――いや、見つめているというより、どこか“検分している”ようだった。まるで、隅々に異常がないか確かめるかのように。
沈黙は長くは続かないと、そう思ったが、少しずつ居心地の悪さが増してくる。やがて彼女はふっと表情を和らげて、低く囁くように言った。
「……無事で良かった���」
「それはお互い様じゃないか」と思わず返しそうになって、ぐっと言葉を飲み込んだ。
ヤ・シュトラに対しては、思い当たる節が多すぎる。第一世界――ノルヴラントでの旅路では、きっと相当心配をかけた。今回も然りだ。ガレマルドで魂の入れ替わりという前代未聞の事態ののち、息つく間もなくバブイルの塔を越え、ついには月にまで行くことになろうとは――。
どんな言葉を返せばいいのだろうか。
「心配をかけてごめん」なのか、それとも「心配してくれてありがとう」なのか。 いや、きっとそのどちらでも足りないだろう。彼女の声音に、一抹の不安が混じっていたことも気になっていた。
言葉にできなければ、仕草で伝えるしかない。そっと両手を広げてみせる。まるで「おいで」と手招きするように。
そんなこと、彼女らしくないかもしれない――でも、今はきっと、彼女もそういう気分なのだと思った。
「……シュトラ」
ほんのわずかに声が震えた気がした。
この名を、彼女の前でそっと呼べるようになるまで、どれだけの時間と出来事が必要だっただろうか。
ヤ・シュトラ・ルル――その名を知る者は多くとも“シュトラ”と呼べる者は、きっと数えるほどしかいない。けれど、今はもう迷わない。ただ、その名に込めた想いを、まっすぐに届けたかった。
名を呼ぶと、彼女の瞳が驚いたように大きく見開かれる。そしてその手を取って、そっと引き寄せた。互いがそこに存在することを、改めて確かめ合うように。
彼女の身体がふわりと預けられ、頬がこちらの肩に触れる。
ためらいがちに背中へと伸びた腕から、じんわりと伝わる温もり。
束の間の静寂。
聴こえるのは、彼女の小さな吐息。
その抱擁は、永遠にも似た安らぎをもたらしてくれた。
どのくらい、そうしていたのだろう。
「……ありがとう。もう、大丈夫よ」
顔を上げた彼女は、どこかくすぐったそうな、そして少しだけバツの悪そうな、けれどとても柔らかな表情を浮かべていた。 魔女マトーヤを名乗っていた頃の、あの鋭さと強さだけではない。 こんな彼女の姿を見られるのは、きっと自分だけだと思うと、抑えていた笑みがこぼれてしまう。
気づけば、頬がゆるんでいた。
その様子を見た彼女が「何が可笑しいの?」とでも言いたげに眉をひそめる。
「……いや、なんだか嬉しいって言ったら変だろうけど――あー、今のは、忘れてくれ」
わざと肩をすくめてごまかしながら、そっと部屋へ招き入れる。彼女は一瞬だけじっと見つめ、それからその唇が小さく震えたかと思うと、ふっと堪えきれずに笑い声が零れた。
扉が静かに閉まり、揺れる蝋燭の火が影を壁に映す。
抵抗はなかった――受け入れてくれたのだろうかと思い、ふと彼女の表情を見ると、そこにはもういつもの調子を取り戻したヤ・シュトラがいた。
不敵な微笑を浮かべて、口を開く。
「ふふ……で、何がお望みなのかしら?」
この時ばかりは、心からの降参を宣言するほかなかった。
* * *
蝋燭の炎が、静かに揺れていた。
言葉を交わす必要もなく、夜は深く、淡く、溶けていく。
夢と現実のあわいに、わずかな吐息と温もりだけが残されていた。
寝ぼけたような足取りで現れたシュトラは、なぜかシャツを着ていた。 目をこすってもう一度見る。見間違うはずがない――それは、自分が昨日まで着ていたシャツだった。
サイズが合っていないせいで、袖がわずかに長く、肩が少し落ちている。 それでも、彼女は何食わぬ顔で、ふわりと椅子に腰を下ろした。
何も言わず、紅茶のカップに手を伸ばす。その仕草は妙に自然で、けれどどこかぎこちなさが混ざっている。
そして横顔には……ほんの少しだけ、照れの色。
こちらも、どうしていいかわからず、パンの焼け具合ばかりを気にしてしまう。手元のナイフとバターが、やけに音を立てる。
「……あの、シャツ」
思わず口を開きかけた、その瞬間だった。
「言わなくていいわ」
シュトラは紅茶を口に運んだまま、表情を変えずにきっぱりと即座にそう言った。まるで、今にもこちらが口にしようとした言葉を、先回りして封じたように。その声はいつも通り落ち着いているのに、どこか語尾が早く、どこか調子外れにも聞こえる。
「……あ、いや……その、よく似合ってるなーって」
取り繕おうとして失敗した。
ぽろりと出た言葉は本心で、自分は起きているはずなのにまだ寝ぼけているのだろうかと思うぐらいには、動揺していた。
というのも、目の前でシャツの袖を無意識に直すその仕草が、あまりに“現実味”を帯びていて、頭が追いつかないでいる。
それはどうやらシュトラも同じらしい――彼女の肩がぴくりと揺れ、カップの中の紅茶が盛大に波打った。ほんの少し零れそうになった液面を睨むように見つめたあと、無言でティースプーンをカップに落とし、そっと置き直す。
そして、顔を上げた。眉間にわずかな皺。 けれど、それは怒っているというより……困惑しているような、不器用な照れ隠しだった。
彼女はカップを見つめたまま、紅茶の表面が落ち着くのを待つように、静かに言った。
「……ほんとうに、あなたって人は」
少しだけ視線を上げて、今度はまっすぐにこちらを見た。
「そういう言葉を、軽々しく、自覚なしで言っているなら……」
カップのふちに指を添え、息をひとつつく。
「……いいかしら? 私が朝からこうして落ち着かないのは、あなたの不用意な一言のせいよ。……それを踏まえたうえで、今後もそういうことを言うつもりなら――」
シュトラがちら、と一瞥をよこして、カップを口元に運ぶ。
「……みなまで言わせないで。あなたなら、分かっているでしょう?」
その言葉に、完全に余裕を取り戻したように見えて―― でも、耳元はまだ赤いままだ。
しばしの沈黙。
紅茶の湯気だけが、ふたりの間をふわりと行き交う。
窓の外では朝の光が、分館の木々を照らし始めている。
その柔らかな光が差し込んで、壁にふたつの影が揺れる。 ゆっくりと、ひとつに重なっていくその影は、言葉にするよりも先に、ふたりの距離を語っていた。
【名もなき想いのままに 】
静まり返った廊下の空気は、どこか落ち着かないものだった。 分館に戻ってきたばかりのはずなのに、心はまだ騒がしくて、安らぎを得るには何かが足りなかった。
気づけば、わたしの足は彼の部屋の前で止まっていた。ノックをする指先に、ほんのわずかな躊躇いがあったのは自分でも分かっている。
けれど、どうしても、顔を見ておきたかった。
それだけだった。
控えめなノックの音。扉が開き、眠たげな顔の彼が現れる。
その顔を見た瞬間、何かがほっとほどけた。けれどそれだけでは足りなくて、わたしは彼を――いや、“彼の無事”を隅々まで見つめていた。
まるで、異常がないか検分でもするかのように。
そうしてようやく、ひと息つくように言葉がこぼれた。
「……無事で良かったわ」
本当は、それだけ伝えたら帰るつもりだった。けれど、彼が差し出した両手と、呼ばれたその名が、すべてを変えた。
「……シュトラ」
胸の奥が、静かに波立つ。
“シュトラ”と呼ぶ人は、今ではもうほとんどいない。けれど、その声は迷いなく――真っすぐだった。
名を呼ばれて、ただ、それだけで、どうしてこんなにも苦しくなるのだろうか。
思考よりも早く、身体が応えていた。手をそっと引かれ、彼の胸に身を寄せたとき、わたしはただ静けさに身を委ねていた。 彼の温もりが、心のざわめきをひとつひとつ、溶かしていくようで。ほぐれていく。
どれくらい、そうしていただろう。
言葉にできない思いが、こみ上げてきて、吐息となる。
「……ありがとう。もう、大丈夫よ」
その声は、誰よりもまず自分自身に向けたものだったのかもしれない。
顔を上げたとき、彼の表情が緩んでいて――思わず、そっぽを向きそうになった。くすぐったい。けれど、悪くはない。
「……いや、なんだか嬉しいって言ったら変だろうけど――あー、今のは、忘れてくれ」
その言葉に、思わず唇が緩むのを止められなかった。
照れ隠しがあまりにも拙くて、くすっと、笑いが漏れる。
わたしは何も言わず、そのまま彼の部屋に足を踏み入れる。
蝋燭の火が、小さく揺らめいた。
背後で扉が静かに閉まり、その音が、どこか優しく響いた。
何も言わなかった。
けれど、それこそが答えだった。
「ふふ……で、何がお望みなのかしら?」
わざとらしく口にしたその一言。 それでも、そのとき胸の奥に灯っていた感情は、わたし自身がまだ名付けられないものだった。
* * *
蝋燭の灯りが、揺らめいていた。
夜明け前の静けさに、心の輪郭がそっと溶けてゆく。
仄かに残る熱は、名のない想いを静かに灯していた。
目覚めたとき、彼の姿はなかった。それでも部屋には、パンの焼ける香ばしい匂いと、暖かな空気が満ちていた。
少しだけぼんやりとした頭でローブを羽織り、��癖を手で撫でてから、彼の私物のシャツに手を伸ばす。 ……何故ならそこにあったのだから。
――ほかに選択肢なんて、なかった。そうでしょう?
身支度を終え、寝ぼけた足取りのまま椅子に腰かけると、彼の視線がこちらに注がれているのを感じる。
案の定――
「……あの、シャツ」
その言葉が出る前に、わたしは先手を打った。
「言わなくていいわ」
言葉が続く前に、紅茶を口に運ぶ。あくまで平静を装って。 けれど、内心の動揺は隠しきれない。
「……あ、いや……その、よく似合ってるなーって」
その言葉に、心臓が跳ねた。わたしの肩がわずかに揺れ、カップの紅茶が波を立てる。理性がかろうじて働いて、スプーンを落とすことでその場を収めたけれど。
「……ほんとうに、あなたって人は」
視線を合わせることができず、紅茶の表面ばかり見つめていた。水面が円を描くようにゆっくりと広がる。
「そういう言葉を、軽々しく、自覚なしで言っているなら……」
言いかけて、ため息。カップのふちに指を添えたまま、ようやく彼を見つめた。主導権はこちらにある。
「……いいかしら? 私が朝からこうして落ち着かないのは、あなたの不用意な一言のせいよ。……それを踏まえたうえで、今後もそういうことを言うつもりなら――」
ちら、と一瞥をよこして、カップを口元に運ぶ。
「……みなまで言わせないで。あなたなら、分かっているでしょう?」
そう言ったあとの自分の声が、思っていたよりも震えていた気がした。 そしてきっと、耳がまだ赤いままだということも。
紅茶の湯気が、静かに漂う。
窓から差し込む朝の光が、ふたりの影を壁に映し出していた。
ゆっくりと、ひとつに重なるその影は、何も語らずとも――そっと灯る。
(終)
【あとがきという名の 】
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
この作品は、過去に書いたものを改めて見直し、加筆・再構成を行ったものになります。
今回は、ヤ・シュトラという人物を「多くを語らない」方向性で描きました。
けれど実は、まったく異なるアプローチ―― 彼女があらゆる感情を理屈で包み込もうとする『理論武装バージョン』と、最後まで悩んでいました。
没にするには惜しく、本編から分岐したかのような、もう一つの朝の一幕として、ここにそっと記録しておきます。
【バルデシオン分館での一幕──夜明け、その続き】
目覚めたとき、彼女はまだ眠っていた。薄い毛布に肩をくるみ、枕元には静かな寝息。かすかに乱れた銀の髪が額にかかっていて、普段は鋭く光る瞳も、今は静かに閉じられている。
起きてしまうのが惜しかった。それほどまでに、彼女の寝顔は柔らかく、この瞬間だけは世界のどこにもいない“シュトラ”がそこにいた。
寝顔を見つめていること自体、どこか後ろめたくもあったが…… それでも、今だけは許される気がして、ほんの少しだけ目を細めた。
この人が、ここにいる。ただそれだけの事実が、胸の奥に温かく染み込んでくる。 やがて、パンの香ばしい匂いが部屋に満ちた頃、ふと気配を感じて振り返ると――
シュトラは起き上がっていた。ローブを羽織り、髪を軽く撫でつけながらも、どこか落ち着かない手つきだった。寝癖を気にするように指先で何度か髪を払ってから、視線を合わせることなく椅子に腰を下ろす。
一拍置いて、彼女は無言のまま立ち上がり、手慣れた所作で紅茶を淹れる。湯気の立つカップを慎重にテーブルに置いたあと、自身の前髪を耳にかけるような仕草でひとつ息を吐く。
「……昨夜のことだけど」
そう切り出すと、紅茶に手を伸ばしながらも指先がわずかに揺れていた。カップを取るその動作は慎重すぎるほどで、唇に触れる前にほんの一瞬、彼女は言葉を選ぶように目を伏せる。
少しだけ間を空けて、まるであらかじめ用意していた理屈を口にするように、言葉が流れ出した。
「……あれは、あくまでお互いの精神状態が影響した結果に過ぎないわ。長期間に渡る高ストレス環境下において、信頼関係を持つ相手との接触が、一時的な安定を促すのは学術的にも報告されている。――つまり、私たちが抱擁し、感情を通わせたことは、非常に自然な……その……合理的反応だったと言えるのよ」
そう言い切ったあと、自信満々に紅茶を口に運ぶ――が、その横顔にうっすらと差す紅は、湯気のせいだけではなかった。
「それに、わたしはあなたを信頼している。数々の苦難を乗り越えた仲間としてね。それ以上でも、それ以下でも……その、別に“特別”というわけでは……っ」
言いながら、段々声が小さくなっていく。湯気の立つカップを視線の盾にしながら、まるで魔法理論で自分の感情を包み込もうとしているかのようだった。
どこまでが理屈で、どこからが想いなのか――
それは、紅茶の湯気と一緒に曖昧なまま、ふたりの間に漂っていた。
というわけで、もしこの続きが気になる方は、皆さんの想像にお任せします。
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460:底名無し沼さん:2024/11/04(月) 23:37:21.95 ID:VUZVqA2E
20年ぶりに白砂山に行ってきたが、頂上の先の縦走路(ぐんま県境稜線トレイル)が国道17号の三国峠まで2018年に開通してたの知らなかった
日の出と当時に中之条町の観光協会の人が登山口の前にワンボックスカーを横付けしてその前に長机を出してぐんま県境稜線トレイルのパンフを並べて挨拶して宣伝してた
興味出てきたがどの区間が森林限界越えの気持ち良い笹原地帯なんだか気になる
なお尻焼温泉の川風呂は一昨日の雨で冷たくて入れず、掘っ立て小屋の方の引き込み湯に入ってきた
466:底名無し沼さん:2024/11/05(火) 12:12:48.38 ID:roZl6INK
>>460
川風呂はダムの放流があると流されて冷たいて聞いた
461:底名無し沼さん:[sage]:2024/11/05(火) 07:21:33.93 ID:JD8Dd5aJ
>>460
群馬県境トレイルを歩くなら・・・
熊の痕跡がはんぱなく多数あるので、熊対策は十二分に
ttps://i.imgur.com/YsfFbNX.jpeg
笹原は朝露で濡れてると面白いようにツルツル滑るので、慎重に
ttps://i.imgur.com/vZKtV7o.jpeg
467:底名無し沼さん:2024/11/05(火) 18:20:01.40 ID:7hHOo0RK
野反ダムがなければ、あの盆地状の地形は湿原と池が点在する尾瀬ヶ原みたいな土地だったんだよな。
ダムの恩恵で車で行きやすくなったし湖は一見美しいけど、近くに寄ればダム湖丸出しだし秘境感も薄れ勿体ないと思う気持ちも少しある。
野反湖周辺も横手山や草津白根周辺の志賀の山々も赤城山も登山道だけで通じてたらどんな桃源郷だったかと。
468:底名無し沼さん:2024/11/05(火) 18:23:52.69 ID:7hHOo0RK
八ツ場ダム建設で渓谷ぶっ潰して、その恩恵で付け替え道路ができて草津方面へのアクセスがかなり楽になったが、これも功罪あるな
国民多数への利便性の提供で国土開発すれば、どうしても自然景観や雰囲気という意味では台無しになって俗っぽくなってしまう
469:底名無し沼さん:2024/11/05(火) 18:37:40.63 ID:tMi4Vs2V
元には戻らんからな
473:底名無し沼さん:[sage]:2024/11/05(火) 22:04:37.83 ID:+KtmjwnZ
白砂山行ってみたいんだけどなかなかタイミングが合わず2年連続で失敗
草津に前泊したが結局天気であきらめて仕方なく尻焼温泉の川風呂入ってきたのでした
474:底名無し沼さん:2024/11/05(火) 23:01:54.57 ID:7hHOo0RK
>>473
白砂山は八間山と併せて周回し、頂上より10分くらい先まで県境トレイルを散歩するのをお勧めする。そこまで行かなくても徒歩3分のピンクテープの三国境(群馬・長野・新潟)までいってみて。
そうすれば笹原の稜線からの景観がより楽しめるだろう。
477:461:[sage]:2024/11/06(水) 09:32:00.59 ID:qvoZSZ0t
>>474
その三国境(地図でみると白砂山中峰)には、なにか目印とかがあったんですかねえ?
白砂山の三角点は写真を撮ってたけど、三国境は何も気付かず通過してました・・・
478:底名無し沼さん:2024/11/06(水) 11:21:30.85 ID:fj5DFChI
>>477
登山道の左側に細い鉄の棒にピンクのテープが巻きつけられてるのが目印
何も案内が書いてないけど意味ありげに棒が立ってる
489: 警備員[Lv.11]:[sage]:2024/11/06(水) 14:07:23.88 ID:fj5DFChI
>>477
左の人の左に写ってるのが三国境のポール
この左に佐武流山と苗場山に続く長野と新潟県境の稜線が続いてる
https://i.imgur.com/xaZpYxj.jpg
490: 警備員[Lv.11]:[sage]:2024/11/06(水) 14:11:22.96 ID:fj5DFChI
>>489
つまり画面奥から左奥に続くトレイルが群馬と新潟県堺で2018年開通部分、手前の白砂山山頂寄りのトレイルが群馬と長野県境、ポールの左の道がない稜線(写っていない)が長野と新潟県境
497:477:[sage]:2024/11/06(水) 17:13:40.40 ID:qvoZSZ0t
>>478
>>489
レスありがとうございます
文字等が書かれてない物だとスルーしてしまってますね
ヤマレコ見てたら、この11月03日〜11月04日にムジナ平避難小屋泊で
野反湖-三国峠を歩いた人がいますね
479:底名無し沼さん:[sage]:2024/11/06(水) 11:35:01.31 ID:fj5DFChI
ぐんま県境トレイルは、朝日岳、巻機山、平ヶ岳、景鶴山、尾瀬ヶ原をつなぐ稜線に登山道ができて延伸して、区間ごとに避難小屋が設置されれば、
さらに絶景の日本最高の超ロング稜線トレイルになれるのに。自然保護と豪雪地帯と交通の便から無理だろうけど。
十字峡から中ノ岳と丹後山周回コースに含まれる大水上山から丹後山部分と、本谷山コースと巻機山コースの山頂付近は稜線に既存登山道があるけど。
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#433 ふくやま美術館で特別展「つながる琳派スピリット‐神坂雪佳」展 開催中!
1 月 25 日(土)より、ふくやま美術館(広島県)にて特別展「つながる琳派スピリット‐神坂雪佳」展が開催中です。

装飾性豊かな琳派の作品をたどりながら、「光琳の再来」とも称されたマルチアーティスト・神坂雪佳の多彩な活動を紹介します。今もな お多くの人々を惹きつける『百々世草』や《金魚玉図》などの人気作品のほか、雪佳があこがれた本阿弥光悦や尾形光琳らの名品など、 多数の細見コレクションをご覧いただける機会となっております。
初日には、福井麻純(当館主任学芸員)による記念講演会「神坂雪佳の魅力と琳派」が開催されました。たくさんのご参加、ありがとうご ざいました。

特別展「つながる琳派スピリット-神坂雪佳」
会場:ふくやま美術館(広島県福山市西町)
会期:2025 年 1 月 25 日(土)〜3 月 23 日(日)
休館日:月曜日 ※2月24日(月・休)は開館、25日(火)は休館
▶詳細はこちら
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公開初日舞台挨拶オフィシャルレポート!

このたび、映画『碁盤斬り』の公開を記念して豪華キャストが勢ぞろいし、公開初日舞台挨拶を開催いたしました!映画公開初日の天気は快晴。「天気も味方してくれました。足を運びやすいお天気でうれしいです」と笑顔の草彅さん。続けて「今だから観る意味があるような作品になった気がしています。時代劇は若い方とか足が遠のいているとか小耳に挟んだりもするし、あまり得意じゃない方もいらっしゃる中で、逆に今、この作品を届けることに意味がある気がしています。テクノロジーが発達している時代だけど、ひとつひとつの動きやセリフに重みのある、重厚感のある作品に出演できたことを幸せに思っています」と思いを語りました。清原さんや中川さんのような若い役者も出演している本作は「2人のような若いグルーヴもあって、若い方から年配の方まで。世代問わず楽しんでいただけます」とニッコリの草彅さん。市村さん、國村さんの方に視線を向け、「そして、大先輩方もいらっしゃって。(萬屋源兵衛役の)國村さんと(柳田格之進役の)僕とのラブストーリーでもあるので『おっさんずラブ』みたいな感じ?」と説明すると「僕の片思いだけどね」としょんぼりの國村さん。そんな國村さんに優しい笑顔を見せながら草彅さんは「僕たちの恋愛物語や、いろいろな感情がある作品なのでたくさんの方に観てほしいです」とおすすめしました。
囲碁を打つ場面では草彅さんと國村さんは敵同士。「囲碁を通じて距離が近づいていく感じがすごく面白いです」と話した草彅さんでしたが「僕は、囲碁のルールは分からなくて(笑)。(中川)大志くんの(囲碁の)シーンはすごくかっこいい。(清原さん演じるお絹との)ほのかなラブストーリーもあるし」と中川さんのシーンの見どころを挙げベタ褒め。すると中川さんは「格之進さんは囲碁のルール知らなかったんですか?」と驚きを隠せない様子。「僕は(碁石を)置くところだけは分かってる」と答える草彅さんに登壇者の全員が大爆笑。「置くところだけは分かっている2人」と自身と國村さんの囲碁の知識を明かした草彅さんは「お客さんもルール知らないでしょ?だから、僕はルールが分からなくても没頭できるぞという役作りをしました。お客さんの気持ちに立っての役作りです」と胸を張り、会場を笑いの渦に包みました。本作のオープニングは碁盤のアップから始まります。「碁盤もすごいやつ。監督もしゃべって!」と説明を促した草彅さん。「江戸時代のものを借りました」と明かす白石監督に「すごいものなんだけど、だから何だって話かな(笑)」と返し、登壇者の笑いは止まらず。そんな中、草彅さんは「囲碁のルールの話じゃないから。囲碁をお借りして、人の物語を描いています」と本作のテーマに触れ、「その辺を加味した上で、宣伝部員のみなさん、周囲への宣伝をよろしくお願いいたします!」と草彅さん節を交えながら会場に呼びかけ、大きな拍手を浴びました。切腹しようとする格之進をお絹が止めるシーンには緊張感が溢れており、撮影時の思いを訊かれ「何としてでも止めなきゃ!という思いでした」と振り返った清原さん。(格之進を演じる)草彅さんを隣でずっと見ていたからこそ、「止めたい」という思いが湧き出てきたという。「叫ぶようなシーンだったのですが、叫びすぎて声を枯らしてしまって。あのときは本当にご迷惑をおかけしました」とお詫びする清原さんの姿勢に草彅さんは「まさに全身全霊。清原さんのエネルギーを感じて、こちらこそ感謝です。思いっきり格之進を演じることができました」と感謝。草彅さんの清原さんへの賛辞は止まらず、「本当にすごいんですよ、清原さん。それに対して格之進。どんな父親だよって思いました。ひどい父親です。客観的にそう思いながら演じていました。もし、止めてもらえなかったらどうなっていたのか。そうなったらあのシーンでストーリーが終わっちゃうから、止めてもらえて本当によかったです」と安堵。京都の長屋を使って撮影し、切腹には斬り方に���着物の脱ぎ方にも所作がありとても難しいシーンだったと白石監督が振り返ると、草彅さんは「撮影は1年前。京都の撮影所で寒かったな」と撮影当時の様子を懐かしそうにしていました。白石監督作品への出演について市村さんは「監督の作品は血もたくさん飛び散るし、ちょっとグロいイメージ。お話をいただいたときは、どこで斬られるのかって思っていました(笑)」と斬られるシーンを期待していた模様。「衣小合わせのときに、すごく素敵な柄の着物を着せてもらって、すぐに長兵衛の気分になりました。役者だから衣裳ですぐにその気分になる。そして(シーンの)相手役は剛くん。サイコーでした。今後ともよろしく」とペコリ。演じる際には「長兵衛として格之進を、市村として剛くんをというダブルミーニングの気持ちでした」と解説した市村さんのコメントに草彅さんも「僕も、市村さんが僕を…という思いでやってました!」とお互いに役として、そして本人としての関係性が芝居に反映していたと語る場面も。「忘れてはおらんな」というセリフが印象的というMCの言葉に「そんなシーンあったっけ?」と答えた草彅さんに会場は大爆笑。清原さんと中川さんが丁寧にそのシーンを小声で解説するも「あったっけ?」とニヤニヤの草彅さんは「僕、もう1回観なきゃ」とリピート鑑賞を宣言。草彅さんのこの反応に白石監督は「思い入れが強いシーンです。(斎藤)工くんとあんなことになり、荒ぶった状態で出たセリフです」と補足しつつ、おすすめの瞬間であることをアピール。中川さんも「あのシーンの撮影は実はスタジオ。ロケじゃないんです!」と興奮気味に話し、“橋”に注目と目を輝かせました。白石監督が「日本の名作映画と同じ橋を作りました。日本映画のとあるいち場面を作って、そこで草彅さんにあのセリフを言ってもらって…」という日本映画としても重要なシーンであると補足すると、草彅さんは「おいしいところをいただいてしまって、光栄です」とうっかり忘れてしまっていたことに苦笑いしながらも、感謝の言葉を述べました。清原さんと中川さんは撮影の合間もずっと囲碁の練習をしていたそう。「中川さんが本当に強くて。負け戦でした」とがっくりの清原さん。「アプリなども使って勉強して。たまにルールを知らない草彅さんがやって来て…」と中川さん。草彅さんが「美男美女が囲碁をやっている姿は絵になる!本当にかっこいいんです」と褒めるも、「チラッと覗いて、何も言わずに去って行くだけ」と草彅さんの動きを再現しながら大笑いの中川さん。草彅さんは「若い2人が囲碁に興味を持ってくれてよかった。僕が最初に(囲碁の)先生に置くところだけでいいから教えてって言っちゃって。先生がしょんぼりしちゃって。2人が食いついてくれたから、先生に笑顔が戻って(笑)。ちゃんとしないとダメだなって思いました。2人はすごく大人で賢い。僕はすぐ思ったことを言って“あっ”ってなっちゃう(笑)」と反省しながらも、会場を和やかなムードに包み込みました。「囲碁のように白黒はっきりさせたいこと」という質問に「世の中、大概のものはグレー。グレーも帳尻合わせには必要。白黒はっきりさせるのは囲碁の中だけ。(現実では)見たこともない世界が映画に描かれています」と上手に作品をアピールし、胸を張る草彅さん。格之進のように絶対に譲れないものを訊かれた白石監督は「映画をやってきて、映画に育ててもらった身。映画って楽しいという気持ちは譲れません」と映画人らしいコメントで会場を沸かし、國村さんが「僕はいつも譲りっぱなし。なんぼでも譲りますよ」と余裕のムードで話すと、「この懐のデカさが演技につながっている気がします」と反応した草彅さん。「國村さんは長台詞をさらっと流れるように言うから、もう僕の番だってなる。その焦りで緊迫感が生まれて役に入らせてもらえる。セリフ終わりは白黒分かってないとダメだね。いいこと言ったかな?」とニヤリの草彅さんに続き、市村さんが「納豆は100回かき混ぜ、お醤油を入れる。いい泡になったところでお醤油を入れてそこから50回(かき混ぜる)。それは譲らない」とおもしろコメントで繋げていきました。このところ健康に関するコメントが多い草彅さんは「腸活にもよさそう!僕もやろう!」と興味津々でした。中川さんは「最近、白黒写真が好き。撮影中もカメラの話で盛り上がり、音尾(琢真)さんが現場に(カメラを)持ってきていて、まんまと口車に乗せられて購入しました。草彅さんや果耶ちゃん、みんなを撮って。扮装している状態を、セットの中で白黒写真で撮ると本当にかっこいいんです!」とうれしそうに話しました。「花粉症なんだけど、黄砂かもしれないと言われて。どっちなんだろうって」と白黒させたいことを語った清原さんに、「京都、辛かったよね」と反応した中川さん。草彅さんも「はっきりさせたいよね、治療法が変わるから」と娘の健康に気遣う優しい父の顔を見せていました。最後の挨拶で草彅さんは「朝早くから観ていただいてありがとうございました」と感謝。続けて「最後のシーンを撮った日のことは鮮明に覚えています。1年以上前に撮った作品をやっとみなさんに届けられる。この1年、楽しいこともたくさんあったり、嫌なことも少なからずあったり。この映画に映し出されている僕たちは、もう帰ってこない。あのときの演技も今じゃできない。僕たちが生きていたその瞬間その瞬間を思いっきり詰め込み、みなさんに届けたいという一心で作り上げたものです。今は忘れている古き良き時代のいい魂を映画に込めました。娯楽映画としても楽しめますし、心が穏やかになったり、何か感じていただけるものがあるとうれしいので、どうぞよろしくお願いいたします」と呼びかけ、会場に集まった宣伝部員に対しては「ハッシュタグは碁盤斬りです。ごはんじゃないよ。ごばんだよ。点を入れてね。香取(慎吾)くんにはやめろって言われるけれど、(ごはんじゃないよって)何回でも言い続けます。いっそのこと“ごはんぎり”でもいいけれどね(笑)」とコメントし、最後まで笑いを誘うイベントとなりました。
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八篇 上 その四
大阪にやってきた弥次郎兵衛と北八。 いろいろ見物して、休憩に入った居酒屋の便所で、また、一騒動もちあがる。
天満橋に着いた。
本当に淀川の流れはひろくて行きかう船は、船頭の巧みな棹さばきでまた、その歌が船上の三味線やたいこの音に乗って聞こえてくる。 そんな船に、橋の上を行きかう人々から声がかかる。 「やあいやあい。 おどれら、そないに歌いくさってもうちへいんだら、借金取りが吼おろがな。えらいあほうじゃ、あほよ。」 すると、船のなかから、 「何じゃい、そちがあほうじゃわい。」 また、橋の上から、 「何ぬかしくさる。おどれらがあほうじゃ。」 「なにを生意気な。あほぬかせえ。こちにはようかなわないだろう。」 「なんのおどれらに負けるものかい。こちゃの、あほうのほうがえらいのじゃ。」 とむしょうに力みかえる。 すると、この男の連れが、 「はて、えいわいの。 お前があほなのは、みな知っているこっちゃ。ほっておかんせ。」 とひっぱりて連れて行くと、あと往来の人々が、口々に 「ようよう、あほうのえらいの、えらいの。ははは。」 と言っている。
そこに、弥次郎兵衛と北八も通りかかった。 この様子を見ながら、 どこでもこういうこともあるなと、内心面白く感じながら、
真っ黒に なって腹立つ けんかとて あほうあほうと からすかすめる
それよりこの橋を北の方に降りて、浜側の通りを歩いているとここには、青物の市が立っていて、ことに、繁盛している様子。
青物の 売り買いながら 商人に 尾ひれの見ゆる 市の川町
まもなく天満宮の御社に着くと、本当に、神徳の営みをあらわすかのごとく、参詣の人は引きも切れない。 料理茶屋の女中は、赤い前掛けをかけて急がしそうに行き来しているし、水茶屋、揚弓場の売り子たちの声が、往来を行き交う人々の心をとめる。 あるいは、仙助がうたう能狂言「忠七」の物まねに、海の珍しい生き物の見世物。 芝居、軽業、馬の曲芸のりなどなど、境内に満ち満ちている。
何ひとつ 不足もなきも 御繁盛 まことに自由 自在天神
そんな中を、三人は、順拝して歩いた。 顔を真っ白塗りたくった女を横目に見ながら、小山屋のかどもむなしく通り過ぎ、天神橋通りまでに出てくるとどうしたことか、弥次郎兵衛のはいていた雪駄の鼻緒が切れてしまった。 「しまった。京の履物は、油断がならねえ。 商売上手というもんだ。いまいましい。」 といやみを言っていると、向こうから紙くず買いがやってきた。 「でいでい。」 この呼び声はこの大阪で、紙くず買いが呼んで歩く掛け声であるが当然、江戸生まれの弥次郎兵衛はそのことを知らない。 その男の身なりを見て、これは、きっとぞうりを直すのを商売にしているのだろうとあたりをつけて声をかけた。
「これこれ、このせったを頼みます。」 すると、例の紙くず買いが、 「はい、こりゃ、鼻緒が擦り切れておるわい。片方では、どうもならんわいな。 見りゃ切れてないほうも、もう、擦り切れそうじゃ。いつ所にさんせ。」 「あっ、本当だ。こいつも今にぬけるは。とてものことに、いつ所にしていくらだ。」 と弥次郎兵衛が問うと、 紙くず買いは、これを買い取るつもりで、 「こりゃいこ安いがえいかいな。」 と言うのを弥次郎兵衛は、不思議に思いながらも、 「そりゃそうさ。なんでも、安いのがいいの。」 「さよなら、四十八文じゃがどうじゃいな。」 「いや、それでは高い高い。二十四文ばかりでよかろう。」 「ええ、じゃらじゃらいうてじゃ。」 「はてさ、ほんとうに二十四文、二十四文。」 と無理やり履物をおしつけてくるので紙くず買いは、何のことかわからずに売り手のほうから値段を決めてくるのは、珍しいと、面白がっていたが、まあ、いずれにしても損にはならないのだからと懐から銭を取り出し、 「はい、それなら二十四文にまけてあげて、買いましょかいな。」 と弥次郎兵衛に渡し、せったを取る。
紙くず買いは用も済んだことと、荷のうちへいれて行こうとする。 弥次郎兵衛は慌てて、 「こりゃ、まったまった。おれに銭をよこしてその雪駄をどうするのだ。」 「はて、買うたのじゃわいな。」 「とんでもないことをいいやがる。 鼻緒が切れたから、直してくれと言ってるのだ。」 「いや、こなはん。わしが、履物を直してじゃとおもうてかいな。 これでも、この商売に誇りをもっとるんじゃわい。ふざけたことをぬかすわろじゃわい。」 「なにを、このでくの坊が。そんならどうして、でいでい、といってあるくのだ。」 と弥次郎兵衛が、力み返っているのを佐平次が押しとめると、 「まあ、まちなせえ。こりゃお前さんが悪い。 わしゃさっきにから変なことだと思��ていたが、あのお江戸じゃ、履物直しがでいでいというて歩くかもしれんが、当地では屑物買いが、でいでいというて歩くんじゃ。 それをご存知ないから、こういうことが起きたんじゃ。 これくずやさん、こちがわるい、ゆるしなされ。」
紙くず買いも、そうかとわかったが、 「じゃてて、あんまりじゃわいな。あんまり、あほな話じゃ。」 「はて間違いじゃ、その雪駄をけえしてくんな。」 と北八が言うと、 「いやじゃわいの。こちを履物直しじゃと言いくさって、こちゃ外聞がわるいわいの。」 と腹を立てているのを、北八と佐平次がやっとのことでなだめ、雪駄をとりかえした。 さてその先で、弥次郎兵衛はわら草履を求めてはき、雪駄は腰にはさんで天神橋を南に渡ると横堀通りをたどりながら歩いていった。
すると、ここに人だかりができているところがある。 どうやら、けんかでもしているらしく口々にわめき散らして、殴り合いまでしている。 往来でのその様子に、行き交う人々も立ち止まらざるを得なくて、右往左往している。 弥次郎兵衛と北八も人におされて、身動きが取れない。 そんな中、ふと、弥次郎兵衛は自分の足元に、何か紙が落ちているのに気がついてなんとなく拾うと、
八十八番
と書かれている、札だ。 大方、この騒ぎで誰かが落としたものだろう。 と弥次郎兵衛は、なんとなくその札をもったまま、歩いていった。 はるかにここを通り過ぎてから、佐平次が、 「もし、さっき、あなたのお拾いなされたのは、富札(宝くじ)じゃないかいな。」 と声をかけられて、改めて、その札を見た。 「ああ、そうみたいだ。これ、八十八番とありやす。」 と弥次郎兵衛がためつすがめつしている。 横合いから、佐平次も覗きこみながら、 「こりゃ、座摩の宮の札じゃ。しかも今日が抽選日じゃわいな。 大かた今頃は、もう発表されてしもうたじゃろぞいな。」 「そうさな。どうせ落とすくらいだから、外れているんだろう。 へちまにもならねえ。」 と弥次郎兵衛がそのままひねって捨ててしまったのを、北八があとからちゃっと拾って、自分の懐に入れてしまった。
やがて、座摩の宮の社についたのだが、今日はまさしく富くじの抽選日。 それがたった今発表されたらしく、自分の買った富くじとにらめっこしている人々でごった返している。 その中の人の話し声が、弥次郎兵衛らにも聞こえてきた、 「ああ、残念なことしたわいな。 あの八十八番は、ほんまは、わしが買う所じゃあったわいの。 あれ買いぞこなったのは、こっちの運のなさじゃ。 買うたら第一ばんで金百両とりおったものを、けたいがわるい。」
それを聞いて、ぎょっとして 「北八北八。今の札を捨てなければ良かった。 ええ、どうしよう。今から探しに戻っても、もうあるめえか。」 と後ろを振り返り、いまにも走り出しそうにしている。 「なに、今まであるものか。」 「ええ、残念なことをした。」 とまだ名残惜しそうに、後ろを振り返っている。 さて神前をみると引き換えのすんだ富くじには、しるしがつけられていき残っているのは、一番ふだの八十八番だけとなっている。 弥次郎兵衛あまりのことにあきれはてて、 「ええ、いめへましい。俺は、もういっそのこと、坊主にでもなりてえ。 これで、俺の人生は、きまったようなもんだ。」 とひどい落ち込みようである。
「ははは、そんなに力を落とすもんじゃねえ。俺が、百両とるからおめへにも三両や五両は、貸してやる。これ、見なせえ。」 と北八が、拾っておいた札をとりだして見せる。 「やあやあ、お前、拾っていたのか。でかした。でかした。 さあ、こっちへよこせ。」 「いや、そういうわけには、いかねえ。お前の捨てたものを拾ったんだから、こりゃ俺の授かりもんだ。」 「なにいいやがる。卑怯者。俺が先に見つけて拾ったからこそ、又、お前の手にも入ったというものだ。元々は、俺のもんじゃねえか。」 「それでも、お前は、一旦捨てたじゃねえか。」 「まあ、そういわないで、よこせ。」 と無理に引っつかもうとする。
北八は、いかなやるまいと、せりあうのを佐平次が押しとどめて、 「これこれ静かになされ。そんなに大きな声でしゃべったら、捨てた人が聞きつけて出てくるかもしれまい。 まあ、半分ずつ分けなされ。そして、わしにもちとはおくれじゃあろな。」 と佐平次。 「そうするか。なんにしろ、善はいそげだ。金はどこで受け取るのだろう。」 「そりゃ、あこの世話人のおるとこで、渡しおりますわいな。」 と佐平次がいうと、 「そんなら、早速、そこへいてみましょう。」 と北八らは、そこへ行ってみると、 「第一のくじは、明日の引き換え」と、札が下がっているので、今日は、もらえないのだろう。 まず神前にまいりて、
御神の ご利益格別 ありがたや 罰にはあらで あたる富札
と詠んで、意気揚揚と境内を後にすると、 「まてよ。そのうち、捨てたやつが金を受け取りにくるんじゃないだろうな。」 と北八がふと思ってそういった。 「そりゃ、気使いないわいの。もし仮にいたとしても、札と引き換えにせにゃ渡さんさかい、なんぼいうても無駄骨じゃわいの。」 と佐平次がたしなめる。
「こりゃいい。なんだか、実感が湧いてきた。」 と、弥次郎兵衛が、 「明日は、百両。ひさしぶりの金貨じゃ。」 「ええい、ひさしぶりとは、情けない。めったに会ったこともないからな。ははは。」 とおおいに喜んで、やがて近くの茶屋に入ると、まずは、前祝と酒を酌み交わし始めた。
これで、八篇 上は終わりです。八篇 中に続きます。
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ひどくもろくみえづらくさわれないもの
たとえば /むきだしの内臓 /メモワールの墓標 それなりの垂移にSpinを捧げる この『たまらなく はがゆいうた』 あなた自身を映し出すわたしの瞳が存在を憶えているから、それ以上も、逸らすことも不能だった。ひらかれた例題にも、観測できず くそったれな月光の結合を視するうちに、(自嘲を溢している。)念入りな退屈の宙吊りを見物しながら……驚きのあまりに際して、睡ネブるのみ/では、影絵の受け答えはつづきもの、あの子はまだ遠くを眺めながらおはなししているらしかった。 あの摩耗したグリーンハウスの、ぬるめ触れ書きは無学の昔を留置している波が、羽根が、梢が躊躇うばかりの類例を喚ぶのだとおもった。死後に伴う永い切符を、いま、わらう主人を――芽生えだしたものは、また唄い肇めるまでわずかの差異を。 憐れな___を。跨ぐばかりで 振り子時計の針も戻った気がして。あんな虚ろな風貌を見せかける弱さを寂しさとして。ざらざらと遮るもの/ふわふわと授かること。隠蔽色に赤らめて(やまない)幸せを抱いたげて/こう平然とした古書だけが残る。斜向かいの馴染の靄に後ろが荒ぶるといえる駄物である。 見世物に記するグロテスクな溝にある関係をこうしてあらわにさせるが、今更 ないような感覚 思い浮かべたメロディを等分した インチキは贈呈品の一泡にすぎない。すべて空々しい鋳露に 色彩ができるなら。 やわらかな殖えは貧しさと撒く、入江に張り詰める、自我と対象と比べられない。水平線が熔けゆく有り様を来訪者と、見紛う 経帷子の花のきみわるさをチラつかせる、〝夕暮れ・朝焼け〟などに/余すところなく震えている。 海龜の泪をみた気がする これは無自覚な両腕が掬う古びた箱。じかに封にするには。おそらくは乱暴ないい方では底の浅い人間 丁寧なわらい肩で。口元だけ温むけれども。掻爬したものの、きれぎれのいっぺんは荒野を泡立て無垢ないしのかけらを求め、喉に絡まる観賞魚を養いながら。垂れ込める鱗翅類の大池、むさぼり眺める、むしのいどころ/止め処無く、憐れむのですが。 なんていっても 帆を上げれない・なんて。おもえば・座敷に経る波紋に抜かれる。(もう掴めない風通しの両足、枝々と祀られる卑しい蛇を消せない、恋人が溺れている)〝有り触れて〟ゆずらない ほんとうのことは。手のひらで著アラワすけれども。迂曲するばかりに蔑んだ価値判断を、確かに。胸苦しい山頂には残照が灰で煤で、泥を吐く冬戯フユザれに、ある寂寥の旋律はふと咲ワラう。 意識朦朧の閃光でしょうか あまり立見席はまだを識らないが。切ないおもいででも、途して締まって。塊の体系をまた肩紐の堅物の片方の形見だけ傾きつつある。白栲シロタエの余情だなとやはり責め立てるこのザマだ。引きだしの天井にのしかかり、わななく粒子と気体は こきあげるように巡り、両の眼だけ傍で在り続けるなら、しまいを頂戴。とあちこち空々しいばかりの雨 ぽつぽつと染み込んだあの、 よこしまな序文について (いままでを畏れ、従いましょう) 忘れ果て 無感覚になる 浮薄時半 徒労もないくせに、物静かに褪色する体言・壇 少焉は、薔薇色だった亡骸を。 描写するおろそかな滑車に軋み、うつ伏せの息吹の音一本ずつ。目眩に窃ヌスまれる砂を房で、咲かせたら? 餞ハナムケに由来するたなざらしの、ありきたりの見解や、次第に薄れゆく生形キナリ海図に応じて。複雑で干潮で頼りない朽葉が仰山、渇いた枝に絡まる名残/なんぼかの膨らみ。慢性的な土壌が折れ半角の目合い、相場より。あとが/ものが。どちらかを――刺し抜いた薄紫の風が気だるさに削られたほど小刻みに押しつぶされて。いきをのむ島へ、 けれど燦燦と域の音を絆ホダし残響を鳴らした鴉は? あたりいちめんそれきり。しどろもどろの――むこうは知っていたのでしょうね。こう揃えられた腹と腿と、つばさとハンカチと、言いなりの耳朶。まぁ小さな蜘蛛でしたわ。たったひとつだけ展望台で、しげく。 (いくつかの私物の糸があった。) 近く遺作の計画は前髪が濡れている あらやだ。/「襟が汚れているな。」 ……末尾の賑やかなこと (さきもみえない/私は/あとがない) たまゆらに咲きかけた水面下に、 『いまにして大地に、作り笑い 慎ましく 寂しかったよ』 ――おそらく輪郭は僅かにヌメる累の血を 磨りガラスの表紙に やぶれかぶれと当たり散らしました 平行線の綱渡りと、たまらなく かゆいうた それはきっと浜昼顔のように易しく有りましょう 私は 息苦しい みぎてのゆびきり。 すまなそうに被る月はそっとおぼろげ、意固地な人形の 星を鏤め埋め戻した、遊戯の最中でなきやんで。手渡されたこのごろも晴れて あえかに寄せた情景を鮮やかに遷した、完璧な欠乏がこうして呼吸を投げ出すとき。――それほどの多岐に亘り。 気が遠くなるほど 波をひきしだいて、いきものの美星は狭間で、無作為リズムひとつ。切手を貼らずに〝ふむ、潰す、つまむ、捻る〟黙想の腕、中だるみに痺れた約束とこれはもう雪の華だろうかねぇ。 不条理はその見栄を戸に預け、ひょろひょろと櫂をしずくを、崩れ落ちた小言を並べていった。一度にあたえる心臓のあたりが軽薄な童謡を焦らないように 譜を生きて往く尽きか展翅だった。たからかな理念か痩果・容姿類似がおおく夙に奔放とも閉口して。天明アシタにいいなおせるから、 そうだろ。感傷的なオラシオンならまだ追い縋る、暗外。完結済の。出入り口だというのに理コトワるまでもなく、手順を通りすがりの流行りにのせ。脈の目撃者の凹みを緩衝するこの完全な密室では、またずいぶん人��れしていて暮色の濃淡とほおずりする、宴席がある。 どの少女も寝言なんて華やかな悪知恵だって とんと音は溶けて、瞬間の真ん中に転がりこむ 『詞先シセンの助手は台本と斎サイを留めた罪人の献花をはじめる』 碑が透る思惑は鉛の頭が引き起こします。 またあなたは郵便受けから、かすかに若草の展望にひらかれた。浮世、ほのかにあふれる丘の靴音だけを期待し、踏み惑う木の葉と散り歩くこと。いくつもの汀線を/視線を気にして/眼尻を決して。闇に湾曲した傷だからこそ、空々しい獣を抱きかかえてみせるのに。この手を離れた影を再び見つけ全身に戯れてた香りはなんというか、伝わるのだろうが。――切り開いた気配として未来を天に還し、そして過去としてひかりを探りあて海に翔けることができます。 詩篇が胚を箸に変えることは指を汚すけれど、慌ただしく泥濘むだけで。延延とむずがる諦めだろ、と罵る鼓翼。事実より塵架かる。蛍火が細濁ササニゴり、惨い/ともしび。と夜を混めて流れ落ちた襞の暁は、「果たして衝動的な気分なのか。」 2024/06/15
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