#蓮根を食おうと思っていたが買うのを忘れた
Explore tagged Tumblr posts
Text


本丸亭は塩ラーメンに春菊が浮かんでいて、その春菊が鮮烈で毎回「おぉ」と言ってしまう。で、今夜の精進揚げに春菊を追加。揚げても鮮烈。かき揚げは、人参・ピーマン・竹輪・春菊・玉ねぎ。山のように揚げた。
0 notes
Text

シャンデラ「じゃじゃ〜ん!今日の語り部はボクが代役だモシ!
…え、なんで「モシ」かって?そりゃあ、ボクは元々ヒトモシだったから、昔の語尾がそのまま残っているモシよ。御愛嬌ってコト。
トレーナーのりな氏は諸事情によりクーラーもつけられない部屋で夏バテに苦しんでいるので、そこで熱につよーいほのおタイプのボクが初めて代筆をしてみたモシ!
ちなみにボクと一緒の時期に手持ちに入って、ヒトモシのままでいるヒトモシ(便宜上2世とでも呼ぶモシ)は、未だに家の隅っこのモンスターボールに入ったままだモシ…(※筆者注:ごく僅かに開封できなかったダンボール箱があるのだけど、その中にぬいぐるみ達が格納されています)。もうちょっと辛抱してな…。
カントー地方はやはりという感じで、常に変化とエンターテイメントとレジャーと情報でいっぱいだったモシ。ボクがいたところは八景島シーパラダイス!

最近はどこもスタンプ集めが流行っているけど、ただ場所に行くとかなんか見るだけじゃなく、プラスαがあるものだと良いな〜って思えたモシ!この水族館はどうぶつの森さんの生き物の説明を活かしつつ、さらにリアルな話を水族館サイドの補足で読めるという形で参考になったし、生き物への親しみが湧いた…とのりな氏談!
ボクは水は苦手だけど、仲間たちもテンション高そうで嬉しかったモシ!(まだ、ジメジメしててもカントーがそれほど暑くもなくて良かったモシな…りな氏…)

ヤバソチャ〜元気してたかモシ?見ての通りりな氏は帰宅すると気力がなくなる&転職というものをしてから長い間旅に出ず(※筆者注:スカーレットバイオレットをプレイせずに結構な月が経っていた感じ。色ビビヨンにちょこっと会えたくらい。後サブのスイッチもとりあえず引き出しの奥にしまっちゃったので、取り出すのが手間である)、ブルーベリー���園の入学も断って逃げ続けているけど、君のことは忘れていないモシ!りな氏は時間に追われて慌ててメニューを食べたらしいけど、良かったとの談!(あれ、この話したことある…? ←※筆者注:別の脈絡でNoteにこれは呟いたことあり)

気を取り直して、最近あった出来事だモシ!
ずーっと前から気になってた山形に行ってきたモシよ!

中でもずっと気になってたとりな氏が言っていたこの致道博物館。様々な施設と歴史的建造物を全部含めて「致道博物館」と名付けられていて、この写真の建物は旧西田川郡役所という元役所だモシ。縄文とかその辺の考古学資料が出てくる時代、戦国武将の時代、幕府で酒井さんが代々街を整えた��の時代、そして明治近代に至るまで、街の歴史や暮らしなどを幅広く紹介されていた面白いところだったモシ!
ユキメノコちゃんとりな氏はミニチュア作家さんの展示にも夢中になっていたモシな〜。この役所建物の1階がミニチュア作家さんのドールハウスを展示したおしゃれな空間になっていて、建物自体のスタイルとよくマッチしていたモシ。ご存命ではない作家さんらしいけど、遺った作品があれば探してみたい!とはりな氏談…

これは渋谷さんっていう人の民家を移築して保存した文化財だそうで、雪がたくさん降る地域でも生活ができるように、縦に何層と生活空間を作ったり、養蚕ができる作業場を作ったりと生活の知恵がたまっているなぁ…と感じられたモシ…
君たちもとても嬉しそうだったモシな。いかにも中の暖房がしっかりしてそうとか、とんがった屋根の家を見ると、やっぱり雪とか冬を思い出せるからこおりタイプのみんなが好きなのかな?



お祭りで会えた新しい子は色違いのニャスパーとセビエだけだったけど、どっちも初めてだからりな氏も満足してたモシ。
セビエはお肉のにおいを嗅いで来たのかい?うんうん、米沢牛の深い旨さと味わい深さ、ずっと忘れられないモシよ〜!!
(※筆者注:米沢牛亭 ぐっど さんです!美味でした!)

カントー地方だからスタンプのみんなもつい会いに行ったけど、暑くてみんなやばそうにしてたし、りな氏も歯を食いしばりながら本当にこまめに飲み物を飲みまくってたモシ…。改札外出たらすぐ!とか、少なくとも屋根があるところにスタンプ台はほとんどあったので、逆に雨降ってる時にまとめてたくさん稼ぐのが良いかも?とも思っちゃったモシ!
りな氏はとりあえずステージ2で満足、ステージ3は特に意欲ないけどブラッキーには会いに行きたいというスタンスとのこと。
ちなみにルートは
①(別日である前日 埼玉まで車で移動する用事があったので)蓮田→上尾→大宮→浦和→越谷レイクタウン 回収
②(ヌオーを撮った日@都区内パス使用)
両国→東京駅Newdaysでステージ1ゴール→東京→御茶ノ水→新宿→池袋→代々木→品川→川崎(※ここでパンを買い食いして休憩)→桜木町→北千住→東京 回収
という形だったモシ。
結論としては、蓮田とレイクタウン以外車で来るのはオススメしない
上尾もなんか道が狭くて混みがちだった
常磐線のダイヤが少ない感じがした、待合室に冷房が効いたので東京駅このホームの休憩室でたくさん休憩させてもらった 後弱冷じゃなくても暑め
東京駅でゴールして東京にスタンプ取るりな氏のルートだと、東京駅のレイアウトよく知らないと迷うかも
桜木町駅とか、スタンプ押す人が多くなると待機列が屋根外にはみ出ることがある、でも全体的に雨の方が逆に快適そう。JRは地上を走るので日差しが… との感想だったモシ!
乗り鉄も乗り鉄によりけりかモシ?あるいは季節的要因?
とりあえずステージ2ゴールできてよかったモシ…。貰ったテラピースのタイプには満足できなかったみたいだけど。
ここまで代筆してみたけど、りな氏がぐだぐだとどう書こう何書こうと悩んでいるより、サッサとボクが書いた方がアウトプット速度が速くなるような気は確かにしたモシ! SNSは言わずもがな、Noteっていうところでもあまり前に出るのは一旦は控えておこう、という話だったけど…。ま、Tumblrって日記帳により近い感じだし、ブログサイトよりは軽めだから、いいってコトなのかな?また気が向いたら書いてみよ〜っと!」
1 note
·
View note
Text

二年前日記39(2021年9/24〜9/30)
9月24日 朝、鍼に行く。気になる副反応も特にはなかったので、ワクチン接種のことは報告しなかった。やっぱりどこか不安なところはあるし、自分の選択が間違っていたらどうしようという気持ちもある。でも今できる一番良い選択だと思うので。腰のあたりにズーンと響くのをひとつうたれた。先生の鍼はほとんど響かないので、ときどきこういうのがあるとびっくりする。帰りに、雑貨屋さんに寄りいろいろかわいいものを見た。汁椀が壊れてしまい、夫が新しいものを見つけてくれたものの、今の食卓にはしっくりこないような気がして。でも木のお腕は、だいたいめいぼく椀しか置いてなくて、ここもそうだった。夕方ごろからなんか熱っぽくて腰が痛い。これがもしかしてら副反応ってやつか。ややや、しんどいかも。晩ご飯は焼きそば。念のためにもらっていた薬を一回分飲んで早めに寝た。
9月25日 起きたらスッキリして、どこも痛くない。どうやら副反応は終了したっぽい。赤ちゃんも元気に動いている。よかったよかった。昨日しんどかった分を少しずつ取り戻す。メルカリの出品をしたら、すぐに売れた。夕方、夫と食事へ行く。6月ごろに行った実家の近くのご飯屋さんへ。今は予約なしでも大丈夫とのことだったので。前菜盛り合わせ、とん平焼き、鯛のグリル、ボンゴレ、デザートはとうもろこしのブリュレとガトーショコラ。店主さんは黙々と作っていて、お客さんは私たちだけだったので少し緊張してしまい、こちらから話しかけてみたりした。少しお疲れに見えたし、こちらも疲れてしまった。前にも思ったが、とても手が込んでいて美味しいんだけど何となく心配になってしまう料理。常連さんっぽい人がテイクアウトを取りに来ていて、その人とは楽しそうに話していた。
9月26日 朝から掃除やら何やら。お昼前にNちゃんに電話するが、忙しそうでかけ直すとのこと。午後からは夫のワクチン接種の送迎をしたり、なんやかんやで一日が終わった。Nちゃんから折り返しの電話はなく、LINEがきていた。忙しかったみたい。妊娠の報告をするととても喜んでくれた。晩ご飯はあんかけうどん、さつま揚げと野菜の煮物。最近は週末に日の出と日の入りの時間を手帳に書いているのだけど、今週はどちらも5時51分で同じで、秋分ってそういうことなんだなと思った。
9月27日 昨日、夫がだまってたらちょっと誤解されちゃうような場面で何も言わなかったのが気になって、つい口を出してしまった。朝、『子どもがうまれても夫を憎まずにすむ方法』を読んでいて、男性の遺伝子は集団を守るために同性の怒りを敏感に察知するようにできていると書いてあり、むだに戦わないようにできているのかもしれないなと思い少し反省した。午前中は『ドライブ・マイ・カー』を見に行く。とてもとても良かった。長いので大丈夫かなと思ったけど、全然平気だった。お昼はムジカフェで。ここは天井が高くてとても気持ちいい。蓮根のハンバーグ、レバーと蒟蒻の辛子マヨ和え、柿とクリームチーズのサラダ。2時から版画教室へ。前回で本刷りまで終わっ��、新しいものを作るのは少し難しいかなと思ったので箱作りをすることにした。カードサイズの可愛い箱。上の方から元町方面へ移動。魚屋さんで鯛と鰯の天ぷらを、うおくに商店で梅干しとごまを買う。喉がかわいたので、タリーズで少しだけ休憩して、地元のスーパーで買い物をして帰宅。トコちゃんベルトをしているとわりと元気に動ける。晩ご飯は、天ぷら(鯛、鰯)、生麩、さしみ蒟蒻(ゆず味噌、わさび醤油)、コーンスープ。タルタルソースもたっぷり作って食べた。疲れていたのか卵を3個も割ってしまった。あーあ、だ。
9月28日 一日家にいて、昼寝も長めにした。ちょっと気持ち沈みがちだったので、夕方少し歩かないといけないと思い散歩へ。体は秋モードへ変わりつつある。陽気がだんだん減ってきて、落ち着いてきていで、少し寂しい感じもする。夫は義実家へ。お義父さんが肺炎で入院していたのだけど、今週中には退院できそうな感じでよかった。夫はお義母さんと2人でもゆっくりしてくるんだなぁ。本当に実家好きだなぁ。義理の妹からマタニティ服をたくさんもらった。晩ご飯は、お茶漬け、煮卵、茄子の浅漬け。
9月29日 朝、夫は整形外科へ。私は防虫シートの交換などをする。天気がよかったので、カーペットもはがしてベランダに1時間ほど干した。全然やってなかったので気持ちよかった。昼から神戸方面へ出かける。行きたかった喫茶店に行く。コロナになってからは初めてだったが、変わらずお元気でよかった。知人の家にも行き、帰りは和食のさとで家族会議。お金のことなんかをいろいろと話した。私は一人鍋、夫は雑炊。餃子も頼んだ。なんとなく街の雰囲気も明るく変わりつつある感じがした。
9月30日 後期になってよくお腹が張るようになってきて少し心配になる。痛い感じではないので問題ないのかなと思うけど、また病院で聞いてみよう。思ってたより動きづらくなってくるもんなんだな。規定通りの予定日6週前まで働くだなんて大変だな。みんなすごい。午前中にコープさんの注文をする。いっぱい商品がありすぎて面倒だな。あれもこれも欲しくなるし。自分なりのやり方を見つけないと。とりあえず今は練習と思って15個だけ頼むことにしている。足りないものは買いにいけばいいし。ご飯のあとでうとうとしていたらコープさんが来た。夕方散歩に行くと虹が出ていた。写真には撮らなかったけど、父からLINEが届いた。同じ頃に散歩してたんだな。最近、さっきのことも忘れてしまうとのことで、何を食べたか、薬を飲んだか、お通じなどのことが送られてくるLINEグループができ��。共有しなくても1人ですればいいような気もするけど。まぁ、様子がわかっていいのかもしれないな。今晩の夫はいつもより元気そうだった。心が軽くなってる感じ。晩ご飯は、生姜焼き、ひじきとツナの煮物。NちゃんとLINE。子育ての先輩としていろいろアドバイスをしてくれる。こういうのを言ってもらって素直に受け取れる人と、そうでない人の差はなんなんだろうな。
0 notes
Photo

3月に入ってから御言葉で異性の罪、情の罪についてのお話があったので、なんとなく警戒していたのだけれど、やっぱりというか、案の定というか、異性から告白されるというイベントが発生した。
有料記事を読んでいる方は既にご存知の通り、信仰を持つとサタンが堕落させようと必死で信仰者に恋愛イベントを持ち込み出します。
今までモテと無縁だった人でも謎のモテ状態になる。異性の罪が一番重い罪だとサタンは知っているからです。
異性の罪と聞いて有料記事未読の方は何がなにやらだと思うんですけど、神様と疎通して恋人同士になることが本来人間にとっての「幸せ」というものなんだよという話であり、世の中の男女が上手く行かない原因の根本がこれなのです。
アダムとエバがまだ霊的に成長してないのに身体の関係を持ってしまって、人生が狂った。そして彼らは神様が人類の救いの為に立てた中心者でもあったので、人類の運命も狂った。それを聖書の中では木の実を食べたで表現している。ことを私はRaptさんのブログで初めて知りました。
まあ異性の罪についての詳しい話は有料記事をお読み頂くとして、今回どうやって告白イベントをクラッシュして乗り切ったかを書き出し、分析して、自己反省していこうと思います。
告白されたのはコロナ���校で学校に通わなくてもよくなった休校中でした。
そう。私はつい最近まで通学していました。
その前はアルバイトをしていたのですが(アルバイトする前はポルターガイスト現象に見舞われたりしながら半ば世捨て人というか、ニートみたいな感じで、そもそも社会に参加してなかったんだけど、それは人によっては馴染みのない話だからまたの機会に)、
個性才能を発見したいというか、手に職をつけたほうがいいなとか…
いや本音を言うと、御言葉の中に電気的なことや工学的な話が出てくるから、それを理解できるようになりたいなという理由で学生になることにしたのでした。スマホの中身とか仕組みが分からないし、コンピュータやネットの概念が自分の中でフワッとしていたからです。
私はもともと小さい頃は図鑑を読んだり図工をしたりするのが好きで、小学校では本ばかり読んでいたし(バレエもやってたけど)、中学では美術をやって、高校は霊現象に見舞われてたから中退したけど美術部の先生には入部を誘われていた(寮生で門限とかもあったから入れなかったわけだけど…)所謂どっちかといえば文系人間であった。
でも今回通ったのは理系分野だったので、もう、それはそれは未知の世界だったわけなのですが、意外や意外、文系は設計などのモノ作りの世界に向いてるっぽい?
いや、単に神様がそう導いてくれただけの可能性のが強い?
入学試験の日に面接があって、面接官をやっていた先生たちが「女の人他にいないけど大丈夫ですか?」って訊いてきたので、「え?女の人だと困る事例が今までにあったのでしょうか?」って訊き返したら、「いやそういう話は特にないです」と返されたので、なんだそれは…どういう意図の会話だったのだ…?と疑問に思いました。
一応卒業生に女の人は何人かいるんだけど、学年飛び飛びで発生するからお互いに写真でしか知らない感じです。
最終学年の夏季休暇より前だったかに会社見学先で会った女性の先輩は、2人きりになった瞬間に「女の人1人だけだと大変ですよね…」って切り出してきたから何かあったんだと思う。
そして先生たちには相談できなかったんだと思う。女の人は、いや人は、「この人に相談したところで解決しない」とわかっている相手に相談したりなどしないからである。この先生たちはあまり頼りにならない存在だとみなされていたんだろうなと思う。
私も入学早々話しかけてきた男の人(クラスメイト)相手に頭痛と吐き気を覚えたことがあって、「授業内容に関わること意外で私に話しかけないでもらえますか?何���か頭痛がするんで」と素直に伝えたんですけど(読んでる人は笑ってもいいです)、「え?なんで?いろんな雑談するほうが楽しくない?」みたいにヘラヘラ食い下がってきたし、それから1年くらいはしつこかった。
本当に面倒臭かった。めっちゃ滅びを祈ってた。どうせサタンに主管されてた人だと思ったから。そう、彼が他のクラスメイトと話す内容は大変下品な下ネタか、目下年下の人間を見下す高圧的で卑劣なもので、あと無い学歴で高学歴マウントをとろうとする(たまにいるよねこういう謎の行為するやつ)などの老害行為とか、とにかくこの世の地獄のような思想を煮詰めた煮こごりみたいな人だった。
そんでその下品な男の人は1年くらいして、ようやく私のことを「最初から生理的に受け付けなかったし」と言って避けるように(無視するように?)なってくれた。私はそれまでずっと「好き嫌いという以前に、人として生理的に受け付けないので関わりたくないです」とめげずに伝え続けてきたので、その台詞はパクリでは?と思いながらも、あと最初からそう思ってくれて話しかけないでくれていたなら私も楽だったのに…とか相手の発言に矛盾を感じながらも喜びました。
今まであなたによって発生してしまった無駄な時間はなんだったんだろうな?あとあなたが勝手にメルカリに出品した私が制作したキーホルダーも返してくれると嬉しかったけどそれは返してくれないのな?(追記:返してもらえませんでした)まあいいよ悪人が離れてくれればそれで。この世の物品など平和な生活に比べたらなんてことないぜ。
そんなこんなで、私は紅一点ながらも下心を持った男の人には塩対応する部分をみんなに見せてきたので、その後謎アタックしてくる人や、謎アプローチしてくる人はいなくなりました。他の科の頭のおかしい人が名前を連呼しながら横を通過したりとかはあったけど、その他は概ね平和に過ごせたと思う。
男子生徒と女子生徒で態度変えるタイプの男の先生たちからは「人使いが荒い」と言われていたし、クラスメイトにも「まあ…あの人はクレイジーだから…」とか「誰よりも男らしい」とか言われていたので、まあ大丈夫だろう、みたいな。
まあ大丈夫じゃなかったことが今回発覚したんだけど。
突然の休校が決まったのはニュースで臨時休校が話題になってからずっと後で、その前は周りに建っている小中学校や高校が休みになる中うちの学校はというと、スカイプを使ってのんびり他校とロボットカーレース的なことをしていた。
会社によってはリモートワークの環境作りに四苦八苦していたようだけど、流石は電気系の先生が多めの学校というか、大会におけるスカイプ空間は学校の設備と先生たちの私物によってサクサク構築��れていった。やっぱり最近売れてる自撮り用の小さいながらも高性能なカメラは便利そうである。結構高いみたいだし、海外製は当たりハズレもあるみたいだけど。
そんな感じでのんびり過ごしていたのに突然休校することになったのは周り(東京都の偉い人とか)の目を気にして焦ったからなのか?
ちなみに学校から感染者は1人も出ていないし、もちろんインフルすら出てない。
まあコロナはインフルなのでパンデミックの報道はデマなんだけど、学校は男の人ばかりであるせいかみんな基本的に不健康な生活を送っていたので、そういう暮らしを目にすることに私は若干辛みを感じていたので、休暇は素直に嬉しかったです。(なんで男の人は健康な食事にあそこまで無頓着なのだろうか?)
休暇だけど最終学年なので、つまりは卒業であり、ある意味クラスメイト達とはこの先恐らく二度と会わなくなることを意味します。
それでサタンも焦ったのでしょうか?今回は卒業制作を一緒に仕上げた人間から告白されたんですね。
学校最終日、私はいつものように普通に登校しました。
休校になることは突然知らされたので、荷物や教科書を全て持って帰らねばならなくなったこともあり、まあまあ驚きましたが、それ以上に驚いたのがその日はなんとなくカートをゴロゴロ引いて登校してきたので、スムーズに荷物が持って帰れるという偶然でした。(いや、神様は偶然はないと仰っていましたから神様が霊感で持たせて下さったのでしょう。よって私は神様に感謝しました)
それまでの授業ではラズパイでサーバを構築してHPを作る授業が行われていたのですが無事終わったので、持ち込んでたモニタをもって帰ろうと思ってカートを持ってってたんですね。そこで突然の休校です。
午前中は後輩に教室を明け渡す為に作業場を掃除したりして過ごして、午後は後輩たちのプレゼン大会が予定されていて、いつもより授業の始まる時間が遅かったので私は一旦家に帰ることにしました。あとなんか掃除中にヘアゴムが切れてしまってピンチで、そのへんにあった針金で留めていたので、家でまとめ直したかったというのもある。
やばいピンチだ…と針金で留め直してたとき、思い返せば今回告白してきた人が髪を下ろしたらどうなるのか的な質問をしてきて、「どうって、邪魔ですよね。作業するのに」と返したら「そっか」と笑っていたけど、なんか違和感を感じたやり取りだったのだけど、そういうことだったのかね?
思い返せば中学生の頃プールの授業のあとで髪を下ろして乾かしてたら、当時学校にいた私のことを観察する会的な謎の集団がわざわざそれを見にやってきたことがあった。だからそう、こういう髪に関することで注目してくる男の人はもうなんか駄目なんだと思う。そういうことだったのかも。
そんで家に帰ってから髪を留めて、なんとなくハンカチを新しいものに替えて、また学校へと出発しました。
ちなみに家に着いたとき、たまたま祖母が家にいて何故かご飯を炊いていて、「ちょうど出来たから食べていく?」っていうので、いつもはお昼ごはん食べないんだけどその日は食べてから出発したのでした(よってちょっと出遅れた)。いつもは一駅歩くのだけど、遅刻は嫌なので駅のホームで電車を待っていたら、若い女の人達が「〇〇駅ってどうやって行くんだっけ?」とワイワイ喋りながらスマホで乗り換え検索しながらこちらに向かってきた。でも〇〇駅は反対方向の電車に乗ってから乗り継がなければならないので声をかけてそれを伝えたら、ちょうど反対側に電車がくるところだったのもあり「ありがとうございます!」と言いながら彼女たちは駆け足でギリギリセーフで乗車していった。(そこで私は思った。ああそうか、それで私は家を出遅れたのかも。神様ありがとう!)
なので学校に着いた時刻はプレゼン予定時刻ギリギリだったんだけど、予定が押したみたいでまだ余裕であった。神様ありがとうございます。
後輩達は私達の学年より真面目な子達が多いので、プレゼンはとてもクオリティが高かった。んだけど中に仏教かぶれの人がいて若干むむってなった。仏教は悪魔崇拝だからです。まあネタ化されてたからガチではないのかもしれないけど。全ての神社仏閣が滅びますように。
最後はなんか、お別れの挨拶をそれぞれ述べて終了という流れになったんだけど、プレゼンを指導していた外部講師の方が今日で十数年に渡る講師活動を終えるとのことで泣きながら色々と思い出を語っていた。熱血タイプの先生なので涙が思いと一緒に溢れてしまったのだろうと思う。私達も突然で驚いたけど色々とタイミングが良すぎである。もういっそ今日が卒業式ってことで良いのではと思った。
お化粧が崩れるのも構わず泣いている先生を見ていて、「そういえば私何故か新しいハンカチ持ってきてたな」と思い出し、そのハンカチを渡した(この時新しいハンカチを持たせて下さったのは間違いなく神様だと思った)。
彼女は潔癖症なので未使用であることを伝えて渡した。「もう学校最後だから洗って返せない。どうしよう!」と言うので、「あげますよ」って言ったら、「洗わないでとっておこうかな(笑)」とか言いだしたので、潔癖症なのにご冗談をと思いながら「いや洗いましょう。何か繁殖しちゃうかもしれないじゃないですか」って返したら「コロナとか?」と笑われたので、私はその流れのまま「コロナはインフルエンザなんですよ」って話をした。
(私最近会う人会う人誰とでもコロナはインフルの話をしているけれど、まだ誰にも否定されたり拒絶されてない。Twitterの工作員とは随分反応が違うよね)
そんなこんなで授業もおわり、作業��で卒業制作で作ったマシンを班員と二人で動かしたりして遊んだ。校長先生を乗せる約束をしていたのにまだ乗せてなくて可愛そうだという話があったので、久々の起動に様子を見ながら発進させてたんだけど、校長を呼んで乗せてたらしばらく動いてマシンは死んだ。
FETが爆発したりしたわけじゃないから、多分ダイオードが死んだとかじゃん?という結論になったんだけど、調べないとわからん…わからんけどもう時間がないので、あとはもう後輩たちが好きにすれば良いんじゃん?ということになった。大掃除のときにモータドライバの同人誌を託したことだし(次回はデジタルアイソレータとか入れてみてほしい)。
校長先生や担任の先生たちとのお喋りも今日で最後か…というわけで、せっかくなのでコロナの画像がサンゴ礁の写真を加工した画像だった説や、タピオカヤクザの話や、蓮舫議員の闇のお婆ちゃん陳杏村の話をした。私は学級日誌でも毎度こんな話しか書いてなかったので先生たちも慣れていたのもあると思うんだけど、割とスムーズに受け入れてくれました。東京都からお金が出てパーツとか買ったりする学校だったけど、都知事をディスったところで咎める者は誰もいなかった。小池百合子はやはり都の職員からも嫌われているのではないか。
このまま興味を持って色々調べるようになってくれれば嬉しいのだがどうだろうか。調べてくれますように。
そして私の知らないところで同性に伝道されるなり、ネットで伝道されるなりすれば良いと思う。
先生たちには「忘れ物があったら取りにおいでね」と言われたけど、学校まではルート的に結構距離があるので、私は「思い出と一緒に置いていきますね」と答えた。そしたら「じゃあ思い出が欲しくなったらいつでも来て下さい」と返されてしまった。グヌヌ被せボケ…
最後まで一緒に残っていたもうひとりのクラスメイトは「あと2時間くらいお話していたいですね!」とか言っていた。勘弁してほしい。
死にかけのマシンはホールに飾られることとなった。
試作の小型機は班員が夜なべして書いたプログラムのお陰か元気に走ったので、最後に走らせて展示場に到着させた。
班員は小型機にゴリアテと名付けようとか言い出して、私はゴリアテ倒す派なので(ダビデの話参照)その場で反対したのだけれど、その後どうなったのかは分からない。今思えば何かの暗示であったのかもしれない。今回告白してきた人間はこの班員であるからである。
そんなこんなで帰りが遅くなってしまったのが良くなかったんじゃないかと今では思う。
校門を出たら外は真っ暗だった。冬だったので星がキラキラしていて大変綺麗で良かったんだけど「星が綺麗ですね…ってもう寝る時間じゃん!」と焦った。私は早く寝て早く起きて祈ったりしたいからです。
さてさよならするぜと班員に別れを告げるとき、私は特に台詞が思い浮かばなかったので、「とりあえず禁煙したら」と言った。彼は喫煙者だったからである。そしたら今までは絶対無理とか言っていたのに、今回は珍しく「禁煙外来に行こうと思う」と言い出した。
喫煙者が減ることは良いことだし、そのことは普通に嬉しかったので神様に感謝して、私は家に帰った。
その日は風が強くて、家の近所の庭的な広場に誰かのTシャツが落ちていたので、風向きから推測したマンションに届けに行った…のはいいものの、どこに置けばいいのか分からなかったから、そこら辺にいた住人らしき方に訊いて、エントランスに引っ掛けてきた。住人らしき方は見ず知らずの私にお礼まで言ってくれて、最近世間がピリピリしているというのに、優しく対応してくれてありがとうと思った。
それから1週間くらい経った頃だろうか。なんだか体が重かった。生理でも無いのに日中眠かった。
勉強したくても頭がモヤモヤするというか、お祈りの時間に起きられてもなんだか体が重かった。そういう日が数日続いた。
そんなある日、制作課題用に作ったSNSルームに置きっぱにしていたファイルをダウンロードしようとPCを立ち上げログインしたら、告白文が踊っていた。
いや、その前から就活どう?的な情報交換はしてた(私の就活はゆっくりでギリギリだったので先生やクラスメイトたちが私の代わりに心配していたというのもある)のだが、まさかこれを使って告白されることになるとは。そういう素振りを相手が見せたことがなかったので余計に驚いた。
読んだ瞬間はいつものごとく目眩と吐き気に襲われた。なぜ私は異性に好意を向けられたと認識した途端に吐き気と頭痛がしてくるんだろう?神様を信じるようになってからそうなるようになったのね。霊魂の苦しみが脳を通して肉体に伝わるからでしょうか?その仕組が知りたいのですががが。
ところで異性の罪は重罪なので、思わず「ブルータスお前もなの…?」と呟いてしまった。
霊魂は肉体と違って異性の罪によって、まるでウジやハエや汚物を飲まされているかのような地獄を味わうのだと、以前主が御言葉の中で仰っていました。
相手にこうして罪を犯させるような行動を私はどこかでしてしまっていたのだろうかとか、なんかそんな感じでショックを受けたついでにそのままブルータスについてググったら、なんと告白された日とカエサルが殺された日が同じ3月15日だったので思わず笑ってしまった。
よくイルミナティたちが日付にこだわって重要人物を殺したりするけど、確かその中に3月15日もあった気がする(そういうツイートを前に読んだ気がする)。
サタンが験担ぎして告白させたのかもしれんな��はっはっは…(真顔)
(そういえば志村けんが死にましたね。やっぱり小林麻央が海老蔵に生贄として殺されたみたいな感じで他殺なんでしょうか?)
告白文の内容は概ねこんな感じであった。
最終日にそちらから告白を受けたが(してないんですが?)、過去に色々あって二股かけて失敗しているのと(なんですと!?)、一緒に住んでる腐れ縁のルームメイトが人生に問題を抱えていてこれからも自分が助けになり支えていきたいので(誰のことだ?)、貴方の気持ちには応えたいが応えるわけにはいかないと思った。けれど前から可愛いと思っていたし称賛する気持ちは絶対に伝えたいと思っていたので今回告白に至ったと。その他、私と会うのを楽しみに学校に通っていたこと、可愛さにため息がとまらない(?)、私が小型機を操縦している様がキラキラして見えた(?)、ここ1週間ほど私のことを考えていた、買い物しに車を出して気付けば学校まで運転しておりそのまま夜空を眺め続けてしまった(重症では?)ことなどが書かれていた。
()は私の感想です。
そんで、うーん…?私そもそも告白してないけど?どういうこと???ってなった。
私としては、突然相手が目の前でサンドペーパーを敷きだしたと思ったらそのまま助走をつけて全裸で一気にスライディンクした挙げ句血まみれになりながら「どうもすみませんね…」とヨロヨロ退出していったような、こちらとしては見てはいけないものを見てしまったような、そんな気分である。
というか、1週間念を送られていたから具合が悪かったのかもしれないな…?
なんか頼もしいとか崇高とかいう文字も文章内に組み込まれていたので一応リスペクトしてくれてたっぽいことは分かるんだけど、恋愛フィルターを通してそう見えてただけだと思うと素直に受け取るわけにはいかないですよね。だって正気じゃないんだから。
校長先生が入学当初、学校の仲間は将来同じ分野の仕事仲間にもなるわけだから仲良くして情報交換していくといいよ的なアドバイスをお話してくれてた気がするんだけど、でもそこで相手に恋愛フィルターがかかっちゃったらさ、相手が間違ってるときに情が邪魔して相手を正論でコテンパンにしてあげられないわけだからもうその時点で良き仕事仲間とは言えないじゃん。
それに男の人って(弟もそうなんだけど)相手を褒めるときもそんないちいち褒めたりしないですよね。あっても一言で終わるじゃないですか。「スッゲ」「ヤベえ」「ウケんだけど」「流石ですな」「かっけえ」みたいな。だからこうやってリスペクトしてますよ感出して長文ぶつけてくるときは告白じゃなくとも下心があると疑った方が良いっぽい。よ。
可愛いに関してもよくわからなかったんだけど(私には可愛げがないという定評がある)、告白文を見るに、どうも頑張っていた姿がいじらしく見えたとかそういう意味での可愛いということであったらしい。ということは、男の人に比べたてまだまだ頼りない部分があったために可愛いに繋がってしまったのかもしれない。ネットで調べたところ庇護欲を掻き立てる女性はモテるらしいので、こいつは一人でもやっていけるなと思わせるキャリアウーマン的な女性にならないといかんなこれはと思ったし、反省した。
しかし腑に落ちないのが私が告白したことになっている部分なんだけど、どうも「星が綺麗ですね」と最終日に言ったことが告白と取られたらしいのね。
でも「月が綺麗ですね」は聞いたことがあるけど「星が綺麗ですね」はちょっと聞いたことがない。
それに夏目漱石が「月が綺麗ですね」と言ったという話はデマであることがわかっているし、それを告白に持ってくる現代っ子がどれくらいいるのかね?
わからん。
わからんので調べたら、出てくるわ出てくるわ…

ちょっとバリーエーション増やしすぎじゃない?
これじゃあ異性の前で景観を褒めてはいけないことにならないかい?
しかも「星が綺麗ですね」はタロットが元ネタだと?悪魔崇拝者共め…なんと迷惑な。(ちなみに占いもタロットも、悪魔崇拝からきた文化です)

なので私は告白してないのでそれは勘違いだし、一応漱石はデマだよと伝えた。
(あとうっかりここにたどり着いてこれを読んでる方で陰謀論よくわからない人向けにお知らせしとくと、夏目漱石の名前の由来はフリーメイソンなので、興味が湧いた方は調べてみて下さい。)
あとキラキラして見えるとかため息が止まらないとか深夜徘徊とか目に余る異常行動が気になったのでそっちも調べたんだけど、人は恋に落ちると脳内麻薬が出て、なんかそ���いう状態になるらしい。
というか、完全に病気だよね。
脳内麻薬で脳が酸欠になるらしい。煙草でも脳は酸欠状態になるっていうのに、お前さんはこのまま死ぬつもりか?
冷静になあれ。
とりあえずセロトニンが不足するとそういう情緒不安定状態になるらしいので、日光浴をおすすめしといた。
そしてSNSからは重要ファイルをサルベージした後離脱した(Twitterにおけるブロックのようなものです)。
しかし業務用のSNSで告白って公私混同って感じで普通にルール違反だと思う。勘違いとは言え、気持ちに応えるわけにはいかないからと理性で踏み留まってくれたのは、有難いっちゃ有難いけれど、結果告白してしまったのでは無意味なのではないか。それは踏み留まれているとは言えないわけで。
恋は病気。
愛は理知。
冬の星が綺麗な理由は太陽が早く沈むから残照の影響が少なく湿度も低いためにその分光がこちらに届くから。
よって、さらばだブルータス。
というか以前「背中を押すのは友人の特権だ」とか発言してたような気がするのだけど、友達だと思ってくれていたのは嘘だったということか?
まあ私は私で男友達ですら御免だしこの先男とはプライベートで仲良くするつもり無いですって言ってたわけだけど、大事なことだからそれ2回くらい伝えたはずなんだけど、聞いてなかったのかねブルータスは。
ちなみに「ブルータスお前もか」は「月が綺麗ですね」と同じく言ってないのに言ったとされてる言葉の一つなのであった。綺麗にオチまでついてしまったのであった…
実はその後、学校に卒業書類貰いに行かなきゃいけない日があって、ちょっと憂鬱だったんだけど、エンカウントしないように祈って早めに登校したら、早めに書類もらえたし、早めに帰れたのでブルータスには会わずに済みました。
神様ありがとうございます!
あと水筒持ってくの忘れたんだけど何故か先生が自販機の飲み物奢ってくれるっていうのでお水を買ってもらえました。
先生ありがとうございました。
おしまい!
帰りが遅くなった最終日、家族が私の身を案じて祈ってくれていたそうである。私は本当に、神様に、みんなに助けられて生きてきたし、今もそうである。感謝します。どうかみんなの信仰生活も守られますように。
今サタンが絶賛大暴れしているそうなので、他の信仰者の方々もゲリラ告白をされたりしているのだろうか。どうか無事に撃退できますように。
あと恋の脳内麻薬は3年くらい出続けるらしいから3年は会わない方がいいっぽい。先生には悪いけど文化祭も行かないほうが良さそう。
異性の罪を犯したときに3年くらい期間を設ける話はもしや脳内麻薬にも関係しているのだろうか?まだまだ分からないことが沢山ありますね。
しかし思い��けずスムーズに荷物が持って帰れたり、知らない人が電車に間に合ったり、奇跡的なタイミングでハンカチを差し出せたからといってなんだっていうんだろう。神様にとって有益かというと、そうでもない。
結局学校は神様に意識を向けて生活し辛い空間だったことが証明されただけなんだと思う。卒業が早まってよかった。それこそ、神様に感謝すべきことだったのではないか。
唯一連絡手段が残された相手と縁が切れたことも、信仰生活を送るうえでとても有難いことであったと思います。ありがとうございました。
あと私は異性からの好意に気付かなさすぎであるということが発覚したので、これからもっと遠巻きにしてもらえるように頑張ろうと思いました。
そして恋愛コラム的なことが書かれているサイトって、全部占いへ誘導するようなものばかりで、この世の中に恋愛の文化を広めたのがサタンであることがよくわかる構図だなと思いました。
人間との恋愛は人間を幸せにはしません。不幸への入り口です。
占いは闇です。何も解決しません。
何事も神様に求めるべきです。神様に相談しましょう。
今回色々あった中で私にとって良かったことって、コロナはインフルだって話ができたことくらいじゃないでしょうか。もっとディープな話をスムーズに展開できるようになりたいですね。
反省!
こうして自分を省みる機会を与えて下さった神様とRaptさんに感謝します。どんなに神様が機会を与えて下さっても、Raptさんの宣布する御言葉がなければ理解できないし、悟れないからです。それから私の為に祈ってくれた方々にも感謝します。本当に命拾いしました。ありがとうございます。
コロナのデマが世界中の人々にバレますように。
あと最近初めて行った公園が心臓の形してる気がした。

そして電車の広告にあった有名テニスプレイヤーの顔がそっくりで、2人は血縁かもしれないと思った。

この春あちこち散歩したけれど、東京都民は都知事の言うことなんて心の底では信じていなくて、パンデミックは演出不足であるなと思った。
だって人がわんさか住んでる団地で1人も感染者出てないし、誰も死んでないし、噂好きなおばさまも誰かが死んだ噂すら聞かないって言ってるし、というか2月も3月も全然救急車来てないし(12月と1月は夜���もバンバン来てたのに。餅かな?)。
都民はみんな訝しがっている。
陽の光を浴びながら元気に遊ぶ子どもたちを見ながら散歩したけど、あれはあれで免疫力がアップしてインフルにかかりにくくなって良いのではないかと思った。
2 notes
·
View notes
Text
2019年12月30日(月)

いかんいかん、今日も町内ウォーキングの仕上げに、コンビニで缶ビールを買ってしまった。嗜好における保守主義者である私には、ビールはヱビスとサッポロ、ギリギリ譲ってKIRIN一番搾り。財布を持たずとも iPhone &
PayPay で簡単支払、習慣化しないように気を引き締めねば。
三男は日勤、6時45分に出勤。
月末の月曜日であるが、珍しいことにツレアイ(訪問看護師)は休み。朝から小掃除を頑張っている。
今日も IM嬢と「できる女プロジェクト」、昨日放送の「日本の話芸」が「質屋蔵」であったことから、質屋のシステムと菅原道真の「怨霊」について解説。確かに、質屋の必要性がなくなったわけではなかろうが、それが簡易ローンに取って代わられたとしたら、住みづらさの深刻化と言えるかも知れない。
夕飯用に、無水肉じゃがを仕込む。

ランチ、次男には残り物で炒飯、私たちは山芋タップリ入ったお好み焼き。
録画番組視聴。
主任警部モース HDリマスター版(5)「キドリントンから消えた娘」
名刑事“モース”の物語はここから始まった!人気作のHDリマスター版。半年前に失踪した少女の捜索を命じられたモース。少女はすでに死んでいるとみて、捜査を始めるが…
モースはストレンジ警視正から失踪人の捜索を命じられる。半年前に行方不明になった少女ヴァレリーは、父親が町の有力者で学校の理事長でもあることから、警察は手をこまねいてはいられなかったのだ。ルイスを連れてしぶしぶ捜査を始めるモース。少女はもうすでに死亡しているとみていた。すると彼女が書いたと思われる手紙が実家に届く。
大丸に「お節」は頼んではあるが、やはり「煮しめ」は欲しい。セレベス・金時人参・牛蒡・蓮根・厚揚げ、大鍋で煮込む。クワイは形が崩れるといやなので、明日別に用意することにする���
町内ウォーキング、今日は五条通コース。ウォーキングの設定を忘れたので記録はなし。仕上げはファミリーマートでのビール購入、習慣にならないように気をつけよう。

息子たちの夕飯は無水肉じゃが、味噌汁は豆腐。
我々は昼間しっかり食べたので、サラダと漬物と🍷。
露の新幸さんに教えてい��だいた本、めちゃめちゃ面白い。
大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。(amazonより)
早速、IM嬢に「推薦図書」として紹介する。
ちと危なかったが、何とか3つのリング完成。
2 notes
·
View notes
Text
今朝のごはん。
五目中華あんかけ丼、蓮根のガリバタ醤油炒め、なすのたらこソース和え、白菜とつみれのお味噌汁。

本当は五目中華あんかけ丼じゃなくて、親子煮丼が食べたかった😭😭😭(あると思ってた買い置きが底をついていたんです……五目中華あんかけの素は4つもあるのに!!)

いつものアマノフーズさんのフリーズドライです……いいもん、こっちも美味しくて好きなんだし。でも、気分はすっかり親子丼の口になってたから、めちゃくちゃ残念でした😢
おかずその1、蓮根のガリバタ醤油炒め。表面の粒々は粗挽きガーリック。たんまり入れてやったぜ、ヒヒヒ😋

れんこんは酢水に晒した後、炒める前に一度下茹でしています。私にしては、ちょっと手が込んでる。輪切りだとそのまま炒めてもすぐに透き通るんですが、縦切りだと充分に🔥が通ってるかどうか自信が持てないのと、このやり方の方が時短になるかなと😅じっくり🔥を入れてもなおシャキシャキした食感は失われず。思い通りの仕上がりでした😊
🍆は、昨夜れんこんを下処理��てる間に、ちゃちゃっと作りました。たらこソースはパスタ用を使う為、1本だけだとソースが多過ぎて塩辛くなっちゃうから、2本茹でて和えてます。

それでもたらこソースの味の方が勝っちゃいそうだったので、ちょうど見合う分量が残ってた乾燥キャベツをざざーっと開けて混ぜちゃいました。今朝食べてみたらいい感じに水分を吸ってふやけてる上に、塩気もバッチリ!!更にじゃこをトッピングで足しても良かったかもしれません。
お味噌汁には白菜と厚揚げと組み合わせるつもりでした。ところがチルドを開けて、真っ先に目に飛び込んできたのがかに入りのつみれ@OKストア。

これなら白菜と合うじゃん😃💡ってなり、そのまま変更。厚揚げだとちょっとマンネリかなぁと思っていたので、渡りに船でした。ねぎを加え忘れたのが痛恨のミス!!しまったぁぁあ😩
#朝ごはん#朝ごはんの記録#五目中華あんかけ丼#白米#五目中華あんかけの素#アマノフーズ#ドライフード#茶葉#すりごま#もち麦#丼物#れんこん#粗びきガーリック#だし醤油#ミルクを食べるバター#炒め物#なす#乾燥キャベツ#あえるだけたらこ#パスタソース#みなさまのお墨付き#西友#白菜#かに入りつみれ#オーケーストア#冷凍食品#麦みそ#お味噌汁#汁物
0 notes
Text
2/1 やるぜー
どうにも進まん。もう無理やり入るしかないかー。歩いてないなー。しょうがないかなー。 おにぎり。シチューの鶏肉、にんじん。ピーマンの肉詰め。冷食の牛カルビ(正式な名前忘れた)。キムチ。 正午に起きたがぐずぐず。なんとか行動開始できたのは午後1時ちょい前だった。 めんたまやきチャーシューまぜごはん+グリンピースと蓮根を作り、トマトを切ってさあ食べようってところで計測していないことを唐突に思い出す。スタック積んで割り込み、計測タスク開始、終了。スタック戻して飯。 洗濯。そして干し物。その前に一昨日のを畳む。それでも1時間はかかってない。 その後昨日のコーヒーなど飲みつつちょい仕事。思いついて風呂釜洗浄開始。 夕方になり、買い物が必要なので出るが、風呂釜の洗浄が途中であると唐突に思い出し、実行。洗浄完了して水抜きして、ようやく出かける。 今日は駅前でお惣菜たくさん買った。もっと安…
View On WordPress
0 notes
Photo

二年前日記17(2021年4/23〜4/29)
4月23日 仕事の日。郵便局に問い合わせることがあって電話をするもたらい回しにされる感じで、結局近くの郵便局に行って聞く。すぐにはわからないようで、折り返し連絡してくれるとのこと。いい人だ。帰ってからすごい眠気がやってきて、しばらく横になる。晩ご飯は昨日作っていた参鶏湯。たっぷりある。また緊急事態宣言が出るらしい。
4月24日 朝、夫を駅まで送りに行く。帰ってきて二度寝する。明日から緊急事態宣言ということなので、近所の人に届け物やらなんやら。藤棚の下で少しお話もした。晩ご飯はグラタン、うどのグリル、チキンカツサラダ。
4月25日 夫と出生前診断の動画を見て話しをする。夫はちんぷんかんぷんといった感じで、私に任せると言うのでそう��うことじゃないんだと言う。妊娠自体がいろんなリスクがあることはわかった上でのことだし、おそらく受けないと思う。でもやっぱりいろいろ不安になってしまって、ぐずぐずしてたら一日が終わってしまった。疲れたので夫に買い物に行ってもらう。晩ご飯は茄子のお浸し(お惣菜)、筑前煮、豚肉とソーセージのソテー。
4月26日 今日はわりと元気に過ごせた。それはそれで不安だ。晩ご飯は、いかと大根の煮物、蓮根の中華風きんぴら。
4月27日 仕事の日。うっすらと気持ち悪いのが続く。あとものすごく眠い。学生の時の5時間目みたいな眠さがずっと続いている。早く帰れたので、一度帰ってご飯の下拵えをしてから鍼に行く。先生は「よし」とうなずいていた。いい脈が続いているみたい。帰り、スーパーでパンと調味料を買って帰宅。晩ご飯は鶏むね肉とほうれん草の炒め物、大根の梅おかか和え、トマトとネギのスープ。匂いに敏感になっていて、おいしいと思えるものも変わってきつつある。疲れたから少し横になろうと思ったらそのまま寝てしまっていた。2時ごろトイレに行って牛乳を飲んで寝る。
4月28日 仕事の日。上司のお父さんは少し回復されたそう。すごいなぁ。そんなこともあるんだな。延命治療かどうかの判断ってとても難しい。晩ご飯は、夫が買ってきてくれた生しらすでしらす丼。他にも何か作ったが忘れてしまった。何を食べたかを思い出すだけでちょっと気持ち悪くなる。日記はためられないな。
4月29日 朝、夫と病院へ。エコー検査の時はいつもめちゃくちゃ緊張する。赤ちゃんは元気だった。7週5日で心拍も155だった。今まではここまでがなかなか超えられなかったので嬉しい。ちょっと人っぽくなっていてかわいい。小さな鳥みたい。来週もう一度今の病院で見てもらってから、紹介状を書いてもらうことにする。お昼は、お店がほとんどあいてなくてフレッシュネスバーガーへ。とても美味しくて満足。こんなに美味しかったっけ?と思った。行きはバスだったが、帰りは便がなかったので電車で。帰宅後少し横になる。晩ご飯は豚バラの海苔巻き、トマトソテー、がんもどきの煮物。大豆田とわこを見ながら食べた。今回も最高であった。
0 notes
Photo








久しぶりに旅した話
金曜日、お店をしめた後に家族で車で智頭町のゲストハウス「楽之(たのし)」を目指す。
蓮太郎さん(3才)に、どこに行くの?と聞かれて「お山のようなところで、ご飯を食べます」と伝えた。
若桜町からは一度、河原町に出てぐるりとUターンするようにまた山に向かって車を走らせる。だいたい40分くらいだろうか。
現地で先にチェックインをする。
私たちの部屋は、屋根裏部屋のような個室で壁面は木がそのままにあり、木の中に取り込まれたような気がして心地よかった。3人の布団を並べることができ、掘りごたつ式のカウンターはちょうどいい高さで、窓の外に見える蔵の赤い瓦が美しかった。
蓮太郎さんは、早速、でんぐり返しをした。
トイレ・シャワールーム・洗面・お湯が沸かせたりするスペースはドミトリーと共有。
よくゲストハウスにあるドミトリーのタイプではあったれけど、今まで泊まったところの中では広くて、マットが分厚いと思った。ドミトリーを組むのに、柱かなと思うくらい(90角以上あったかな)太い材で組んであった。
共有スペースに入ると、あっと思った。
そこには私が5年前に描いた絵がさりげなく置いてあって。
後でオーナーの方に聞くと、スタッフの方がだいぶ前にここに飾ってくれたそう。
そのスタッフのよしこちゃんは、私の絵を鳥取市内のギャラリーあんどうで個展をした時に、求めてくれた人だった。
その絵はベトナムで暮らしていた時の、思い出をつめた1枚だったので、再開できて本当に嬉しかった。
ああ、そうだ。今日は、若桜町で動き始めた「未来ビジョン」の部会の一つで、宿内に宿を作ることで地域の活性化を目指すグループの視察と懇親会のために来た。
役場の担当者と、グループのメンバーが到着し、食事をしながらの懇親会が始まる。
智頭町は、まちづくりの取り組みを「町」という単位で取り組んでいる先行事例が多くある印象があるが、そういえば具体的には思い浮かばない。
智頭町と聞いて、私が思い浮かべるのは、「森林・石谷家・藍染・タルマーリー・移住者が多い」という具合だ。
楽之がある場所は、石谷家からも近い智頭宿と呼ばれるエリア。
そこに夕暮れ時、温かい明かりがともり、カウンターで1杯飲んでいる人がいた。
ああ、この光景。そうそう、旅の始まりだ。
私の好きな旅は、その土地の暮らしの中にちょっとおじゃまする、そんな感覚が味わえるスタイルだったなあ。なんて思い出す。
この建物が金物屋だったことを、あちこちに散りばめられた痕跡を、少しずつなぞったり、いいカウンターだなあ、と撫でていると、あっ。
カウンターにやってきたのは、見覚えのある男の人で、タルマーリーの渡邊さんだ。前にお会いした時と同じように、気持ちのいいエネルギーがある人。そしてその周りに集まる人たちが、これまた楽しそう。これから次の楽しい企みをするそうで、わくわくする。
懇親会では役場担当者の人に、「役場のいち担当者としてでなく、いち町民としてその線を超えてくることを期待します」ということと「役場の支援イコールお金ではない」ということを強く申し上げて、幻の酒というのをいただき、蓮太郎さんの就寝時間に合わせて部屋に戻った。
早朝、目が覚めてそっと布団から抜け出す。
夜明けが遅くなったなあ、と思いながら白湯を水筒にいれて、宿の入り口をそっと出る。
旅の楽しみは、この早朝にある。
家の台所にちらほら灯りがつき、朝ごはんを準備する気配がする。町の人も散歩などしている。こういう時に、いい小道と出会ったら(だいたい生活のための道だから)町の人に不審がられることなく、小道を歩くことができる。だいたい猫には会う。
街道の名残を残した通りを歩く。ずんずんと歩く。
私の頭の中に少しずつその場所の地図ができる。
宿に戻り、カウンターで本を読む。「アカゲラブックス」さんの選書があり、気に入ったものは購入することができる。蓮太郎さんは昨日、ここで新しい絵本の世界に出会っていた。私が惹かれたのは「林業」「森」「土と内臓」などのジャンルだ。
少しページをめくっていると、藤原さんが朝ごはんの準備に台所へやってきた。
「スモークサーモンと生ハムと、チビちゃんはどっちがいいかな?」と聞いてくれる。
「どっちも好きです」というと「じゃあ、どっちも」と言ってくれた。
昨晩は宴会が2つあって、とても忙しそうだったし、お話しする機会があった藤原さんに聞いてみたいことがあった。藤原さんはパーソナルな話を、初対面の私に自然に話してくれた。そこに旅で出会う人たちとの独特の親しみを感じた。
楽之を作る時、いろんな人が仕事が終わってから関わってくれたこと。
自分が智頭にきた頃の話。
移住者が、地域の人とどう心を通わせるかのヒント。
ほんの少しの時間に、ぎゅっとこの旅の醍醐味が詰まった。
旅は朝が大切だ。
一緒に宿泊したメンバーのひとりと、これからの話をする。
お酒を共にするのも大切だけど、朝ごはんを共にするのは、もっと大切だと思う。
智頭町の観光案内所に立ち寄ると、見知らぬおじいさんからマッサージにいいよと、桐でできたツボ押しをもらう。おじいさんはもしかしたら、少しボケているのかもしれなくて、観光案内所の人が「〇〇さん呼ぼうか?」などと電話をかけていた。
ボケていても、座ってていい、旅人と話していい、そんな場所になりますようにと願った。
素手で渡されたツボ押しを、コロナのことがあるから、、、と辞退するなんていうのは、私の選択肢にはない。もちろん、そう思う人もいるからあくまで「それぞれ」を忘れずに。
板井原集落という廃村に行った。
あまり綺麗でなかったのと、もう少し何かできないのかなと思った。
タルマーリーに立ち寄り、パンを買う。
大きな田舎パンを抱えて幸せな気持ちのまま、西粟倉へ向かう。
フレル食堂で、さらに幸せになり、
元湯で思いがけない再会があり、
最高の休日だった。
そして、改めて若桜町の素材の良さと、それを表すための技術を私はもう少し磨かねばと思う。
ああ、家族が起き出した声がする。
今日の書き物はここまで。
蓮太郎さんにこの旅がどうたった?と聞くと
「お父さんが、飛行機してくれたのが良かった」と言った。それは大変良かった。
読んでくれて、ありがとう。
0 notes
Text

2019年の旅の振り返り。 今年は結構いろいろなところに出掛けたので備忘録として。
2月、ウィーン・ブダペスト・リスボン 念願のウィーンへ、ウェス・アンダーソンの企画展を目的に。日帰り列車でブダペスト、欧州LCCでリスボンも挟んで。(リスボンへの乗り換えだったダブリンの空港での諸々のヒヤヒヤを乗り越え食べたフィッシュアンドチップスを思い出す。)海外旅行は家で荷造りして地図を予習した時点でホームシックになるし、空港がとにかく嫌いなのでできれば行きたくないけど、行く。
6月、舞鶴・広島 2017年秋に演劇『青に会う』の上演のため滞在した京都の舞鶴へ。青チームと再び訪れた。五老ヶ岳から眺めた初夏の青は清々しく、とても気持ちよかった。チームは城崎へと向かうが、わたしは仕事のため途中離脱。 別件で再び西へ、広島に。広島現美の山口啓介展。新作の大きな絵画が印象的だった。cite’という市内のお店で麻のワンピースを買った。こうして旅先で出会った服を買うことを大切にしている。
9月、箱根・熱海・河口湖 出掛けるのが好きな祖父母の誕生日が近いということもあり、毎年家族旅行が多い9〜10月。まずは、祖父母と母と箱根へ1泊。緑の道を運転するのは気持ち良い。酔い症なので山道はとくに積極的に運転する。今回初めて訪れたポーラ美術館のシンコペーション展が楽しかった。コレクションとそれに掛け合わせて現代作家の作品を展示。大学時代に金沢で見た以来のプールに浮かぶ器が奏でる作品(とモネの睡蓮が掛け合わされて展示)、東洋の壺にマイクを潜らせてオーケストレーションする音響作品やシュールレアリスム絵画の体験としての鏡と枠のインスタレーション、マグリットと石塚元太良さんの写真との掛け合わせも新鮮だった。霧雨のなか母と森の遊歩道を歩いた。 熱海へは、夫の両親と兄夫婦との家族旅行で。わたし自身は初めて熱海駅に降りた。ホテルでみんなのんびりし(海を眺めながらのミストサウナが最高だった)、夜はグルメに有名だと噂の中華屋さんへ。焼きそばが美味しかった! 月末には再び祖父母と両親&叔父と河口湖へ。富士山を眺めながらドライブ、最近印伝が気になっていて甲府市内のショップへ。渋いイメージのものだけど、柄や色を選んでオリジナルを作れて楽しい。翌日は初めての身延山、ものすごい階段を登りきった。帰りに立ち寄った身延名物のしいたけそばは、生涯ダントツの不味さであった。。
10月、焼津・松本・安曇野 またもや家族旅行、初めての焼津へ。親戚揃って祖父母のお祝い名目だったのだが、台風19号の直後で交通が寸断され長野に住む叔父たちは来られなかった。ちょうどラグビーW杯期間中で、みんなで日本×スコットランド戦をTV観戦。愚直に体を突き合わせていく姿と、日本代表選手たちのまっすぐな強い気持ちに熱くなる。 1週おいて、台風の影響が心配ななか松本・安曇野へ母娘旅行へ。遅ればせながらの母への誕生日プレゼントとして。松本は初めて。松本城に始まり1日中ずっと歩いて散策して楽しかった。ミナペルホネンでは高校の先輩に久しぶりに会えたり、ガレットでランチ、友人たちの名前も賑わうブックカフェ栞日(旅先で本を買うのも好き)、母と事前にガイドブックでチェックしていた珈琲美学アベのモカパフェーも食べられた。翌日は庭好きの母が行ってみたいと言っていたラ・カスタ・ガーデンへ。シーズン終わりぎりぎりだったしあいにくの雨だったけど植物たちに癒された。あと、安曇野の山岳美術館もよかった。こじんまりとしたところなのだけど小さなステンドガラスの窓がかわいくて、おすすめはオリジナルの雷鳥ブローチが買えること。母とふたり旅楽しかった!
11月、富山・小浜・城崎・岡山・神戸・大阪 富山県美での夫の仕事を理由に、富山から親戚のいる小浜を経由して知り合いたちがいる城崎、そして岡山芸術交流と神戸のアートプロジェクトTRANS-の鑑賞を兼ねた旅を計画。岡山・神戸はもともと行く予定だったのだけど、富山には行ってみたかったワインバー〈アルプ〉があることもあって同行を決め、それなら小浜と、6月に行けなかった城崎も訪ねようと日本海側を結び、さらに西もくっつけて回ることに。3月に奈良の東大寺であるお水取り由来の源泉が小浜にあることを知ったり、城崎ではちょうど解禁日に松葉蟹を食べられたり、西のおまけに初めて万博公園まで行ったり。 ちなみに岡山芸術祭も神戸TRANS-も市内を巡って鑑賞するもので、岡山は行くまでは情報がちょっとわかりづらかったのだけど、会場ごとの作品数が多すぎずゆったりとしていたのが印象的だった。今回ピエール・ユイグがアーティスティックディレクターだったこともあり絶対見たかった。作品やディレクションについて全体を読み解こうとするとやや難しい気がするけど、そこでしか体験し得ないもの、そしてすべてをみることはできないことも含めて、いくつかの作品は気に入ったしわたしは楽しめた。神戸はグレゴール・シュナイダーとやなぎみわさんの2作家だというのが印象的。シュナイダーの作品は初めてだったけど、メトロこうべの地下通路はNYで体験したスリープノーモア的な味わいで最高だった。これも演劇的な解釈として物語を知ろうとするにはちょっと難しい。文脈は重要かもしれないけれど、わたしはそれらの断片を集めて並べて眺めるのが好き。 こうやって夫婦で旅できることのありがたさ。夫は宿や交通手段を探したり手配するのが上手で、だいたいおまかせ。わたしたちの旅行は、見たい展示や美術館などが目的になることが多い。それから、そこに住む人たちからおすすめを聞いたりするのも楽しい。
12月、茅野 毎年クリスマスを共にする友人たちがいて、今年はなんと茅野に引っ越したということで泊まりの宴。八ヶ岳がみえるところに住みたいと言っていたことを実現していて嬉しい。鶏の丸焼きにローストビーフ、雲丹に牡蠣、、という栄養過多な食卓。大富豪で夜更かし、翌朝には温泉。大人の休日だ。
写真を見返していたら随分いろんなところに行ったなと思い、書いてみたけれど、なんだか遊んでばかりみたいになってしまった。でもそれでいいのだ。近く遠くに限らずやっぱり出掛けて作品や景色をみたり、人に会うことは大切だと思った。気づけば友人たちも国内外いろいろに移住していて、そこを訪ねていくこともしたい。来年は、今年はまったオレンジワイン発祥のジョージアへ行きたい。
0 notes
Text
やさしい光の中で(柴君)
(1)ある日の朝、午前8時32分
カーテンの隙間から細々とした光だけがチラチラと差し込む。時折その光は強くなって、ちょうど眠っていた俺の目元を直撃する。ああ朝だ。寝不足なのか脳がまだ重たいが、朝日の眩しさに瞼を無理矢理押し上げる。隣にあったはずの温もりは、いつの間にか冷え切った皺くちゃのシーツのみになっていた。ちらりとサイドテーブルに視線を流せば、いつも通り6時半にセットしたはずの目覚まし時計は、あろうことか針が8と9の間を指していた。
「チッ……勝手に止めやがったな」
独り言のつもりで発した声は、寝起きだということもあり少しだけ掠れていた。それにしても今日はいつもに増して喉が渇いている。眠気眼を擦りながら、キッチンのほうから漂ってくる嗅ぎ慣れた深入りのコーヒーの香りに無意識に喉がこくりと鳴った。
おろしたてのスウェットをまくり上げぼりぼりと腹を掻きながら寝室からリビングに繋がる扉を開けると、眼鏡をかけた君下は既に着替えてキッチンへと立っていた。ジューという音と共に、焼けたハムの香ばしい匂いが漂っている。時折フライパンを揺すりながら、君下は厚切りにされたそれをトングで掴んでひっくり返す。昨日実家から送ってきた荷物の中に、果たしてそんなハムが入っていたのだろうか。どちらにせよ君下が普段買ってくるスーパーのタイムセール品でないことは一目瞭然だった。
「おう、やっと起きたか」 「おはよう。てか目覚ましちゃんと鳴ってた?」 「ああ、あんな朝っぱらからずっと鳴らしやがって……うるせぇから止めた」
やっぱりか、そう呟いた俺の言葉は、君下が卵を割り入れた音にかき消される。二つ目が投入され一段と香ばしい音がすると、塩と胡椒をハンドミルで少し引いてガラス製の蓋を被せると君下の瞳がこっちを見た。
「もうすぐできる。先に座ってコーヒーでも飲んどけ」 「ん」
顎でくい、とダイニングテーブルのほうを指される。チェリーウッドの正方形のテーブルの上には、今朝の新聞とトーストされた食パンが何枚かと大きめのマグが2つ、ゆらゆらと湯気を立てていた。そのうちのオレンジ色のほうを手に取ると、思ったより熱くて一度テーブルへと置きなおした。丁度今淹れたところなのだろう。厚ぼったい取手を持ち直してゆっくりと口を付けながら、新聞と共に乱雑に置かれていた郵便物をなんとなく手に取った。 封筒の中に混ざって一枚だけ葉書が届いていた。君下敦様、と印刷されたそれは送り主の名前に見覚えがあった。正確には差出人の名前自体にはピンと来なかったが、その横にご丁寧にも但し書きで元聖蹟高校生徒会と書いてあったから、恐らくは君下と同じ特進クラスの人間なのだろうと推測が出来た。
「なんだこれ?同窓、会、のお知らせ……?」
自分宛ての郵便物でもないのに中身を見るのは野暮だと思ったが、久しぶりに見る懐かしい名前に思わず裏を返して文面を読み上げた。続きは声に出さずに視線だけで追っていると、視界の端でコトリ、と白いプレートが置かれる。先程焼いていたハムとサニーサイドアップ、適当に千切られたレタスに半割にされたプチトマトが乗っていた。少しだけ眉間に皺が寄る。
「またプチトマトかよ」 「仕方ねぇだろ。昨日の残りだ。次からは普通のトマトにしてやるよ」
大体トマトもプチトマトも変わんねぇだろうが、そう文句を言いながらエプロンはつけたままで君下は向かいの椅子に腰かけた。服は着替えたものの、長い前髪に寝ぐせがついて少しだけ跳ねあがっている。
「ていうか同じ高校なのになんで俺には葉書来てねぇんだよ」
ドライフラワーの飾られた花瓶の横のカトラリー入れからフォークを取り出し、小さな赤にざくり、と突き立てて口へと放り込む。確かにクラスは違ったかもしれないが、こういう公式の知らせは来るか来ないか呼びたいか呼びたくないかは別として全員に送るのが礼儀であろう。もう一粒口に含み、ぶちぶちとかみ砕けば口の中に広がる甘い汁。プチトマトは皮が固くて中身が少ないから好きではない。やっぱりトマトは大きくてジューシーなほうに限るのだ。
「知らねぇよ……あーあれか。もしかして、実家のほうに来てるんじゃねぇの」 「あ?なんでそっちに行くんだよ」 「まあこんだけ人数いりゃあ、手違いってこともあるだろ」 「ったく……ポンコツじゃねぇかこの幹事」
覚えてもいない元同級生は今頃くしゃみでもしているだろうか。そんなどうでもいいことが頭を過ったが、香ばしく焼き上げられたハムを一口大に切って口に含めばすぐに忘れた。噛むと思ったよりも柔らかく、スモークされているのか口いっぱいに広がる燻製臭はなかなかのものだ。いつも通り卵の焼き加減も完璧だった。
「うまいな、ハム。これ昨日の荷物のか?」 「ああ。中元の残りか知らないけど、すげぇいっぱい送って来てるぞ。明日はソーセージでもいいな」
上等な肉を目の前に、いつもより君下の瞳はキラキラしているような気がした。高校を卒業して10年経ち、あれから俺も君下も随分大人になった。それでも相変わらず口が悪いところや、美味しいものに素直に目を輝かせるところなんて出会った頃と何一つ変わってなどいなかった。俺はそれが微笑ましくもあり、愛おしいとさえ思う。あとで母にお礼のラインでも入れて、ああ、それとついでに同窓会の葉書がそっちに来ていないかも確認しておこう。惜しむように最後の一切れを噛み締めた君下の皿に、俺の残しておいた最後の一切れをくれてやった。
(2)11年前
プロ入りして5年が経とうとしていた。希望のチームからの誘いが来ないまま高校生活を終え、大学を5年で卒業して今のチームへと加入した。 過酷な日々だった。 一世代上の高校の先輩・水樹は、プロ入りした途端にその目覚ましい才能を開花させた。怪物という異名が付き、十傑の一人として注目された高校時代など、まだその伝説のほんの序章の一部に過ぎなかった。同じく十傑の平と共に一年目から名門鹿島で起用されると、実に何年振りかのチームの優勝へと大いに貢献した。日本サッカーの新時代としてマスメディアは大々的にこのニュースを取り上げると、自然と増えた聖蹟高校への偵察や取材の数々。新キャプテンになった俺の精神的負担は増してゆくのが目に見えてわかった。
サッカーを辞めたいと思ったことが1度だけあった。 それは高校最後のインターハイの都大会。前回の選手権の覇者として山の一番上に位置していたはずの俺たちは、都大会決勝で京王河原高校に敗れるという失態を犯した。キャプテンでCFの大柴、司令塔の君下の連携ミスで決定機を何度も逃すと、0-0のままPK戦に突入。不調の君下の代わりに鈴木が蹴るも、向こうのキャプテンである甲斐にゴールを許してゲーム終了、俺たちの最後の夏はあっけなく終わりを迎えた。 試合終了の長いホイッスルがいつまでも耳に残る中、俺はその後どうやって帰宅したのかよく覚えていない。試合を観に来ていた姉の運転で帰ったのは確かだったが、その時他のメンバーたちはどうしたのかだとか、いつから再びボールを蹴ったのかなど、その辺りは曖昧にしか覚えていなかった。ただいつまでも、声を押し殺すようにして啜り泣いている、君下の声が頭から離れなかった。
傷が癒えるのに時間がかかることは、中学選抜で敗北の味を知ったことにより感覚的に理解していた。君下はいつまでも部活に顔を出さなかった。いつもに増してボサボサの頭を掻き乱しながら、監督は渋い声で俺たちにいつものように練習メニューを告げる。君下のいたポジションには、2年の来須が入った。その意味は、直接的に言われなくともその場にいた部員全員が本能的に理解していたであろう。
『失礼します、監督……』
皆が帰ったのを確認して教官室に書き慣れない部誌と共に鍵を返しに向かうと、そこには監督の姿が見えなかった。もう出てしまったのだろうか。一度ドアを閉めて、念のため職員室も覗いて行こうと校舎のほうへと向かう途中、どこからか煙草の香りが鼻を掠める。暗闇の中を見上げれば、ほとんどが消灯している窓の並びに一か所だけ灯りの付いた部屋が見受けられる。半分開けられた窓からは、乱れた黒髪と煙草の細い煙が夜の空へと立ち上っていた。
『お前まだ居たのか……皆は帰ったか?』 『はい、監督探してたらこんな時間に』
部誌を差し出すと悪いな、と一言つけて監督はそれを受け取る。喫煙室の中央に置かれた灰皿は、底が見えないほどの無数の吸い殻が突き刺さり文字通り山となっていた。監督は短くなった煙草を口に咥えると、ゆっくりと吸い込んで零れそうな山の中へと半ば無理やり押し込み火を消した。
『君下は……あいつは辞めたわけじゃねぇだろ』 『お前がそれを俺に聞くのか?』
監督は伏せられた瞳のまま俺に問い返す。パラパラと読んでいるのかわからないほどの速さで部誌をめくり、白紙のページを最後にぱたりと閉じた。俺もその動きを視線で追っていると、クマの濃く残る目をこちらへと向けてきた。お互いに何も言わなかった。 暫くそうしていると、監督は上着のポケットからクタクタになったソフトケースを取り出して、残りの少ないそれを咥えると安物のライターで火をつけた。監督の眼差しで分かったのは、聖蹟は、アイツはまだサッカープレーヤーとして死んではいないということだった。
迎えの車も呼ばずに俺は滅多に行かない最寄り駅までの道のりを歩いていた。券売機で270円の片道切符を購入すると、薄明るいホームで帰路とは反対方向へ向かう電車を待つ列に並ぶ。間もなく電車が滑り込んできて、疲れた顔のサラリーマンの中に紛れ込む。少し混みあっていた車内でつり革を握りしめながら、車内アナウンスが目的の駅名を告げるまで瞼を閉じていた。 あいつに会いに行ってどうするつもりだったのだろう。今になって思えば、あの時は何も考えずに電車に飛び乗ったように思える。ガタンゴトンとレールを走る音を聞きながら、本当はあの場所から逃げ出したかっただけなのかもしれない。疲れた身体を引きずって帰り、あの日から何も変わらない敗北の香りが残る部屋に戻りたくないだけなのかもしれない。一人になりたくないだけなのかもしれない。
『次はー△△、出口は左側です』
目的地を告げるアナウンスで思考が現実へと引き戻された。はっとして、閉まりかけのドアに向かって勢いよく走った。長い脚を伸ばせばガン、と大きな音がしてドアに挟まる。鈍い痛みが走る足を引きずりながら、再び開いたドアの隙間からするりと抜け出した。
久しぶりに通る道のりは、いくつか電灯が消えかけていて薄暗く、不気味なほど人通りが少なかった。古い商店街の一角にあるキミシタスポーツはまだ空いているだろうか。スマホの画面を確認すれば、午後8時55分を指していた。営業時間はあと5分あるが、あの年中暇な店に客は一人もいないであろう。運が悪ければ既にシャッタは降りているかもしれない。
『本日、休業……だあ?』
計算は無意味だった。店のシャッターに張り付けられた、チラシの裏紙には妙に整った字でお詫びの文字が並んでいた。どうやらここ数日間はずっとシャッターが降りたままらしいと、通りすがりの中年の主婦が店の前で息を切らす俺に親切に教えてくれた。ついでにこの先の大型スーパーにもスポーツ用品は売ってるわよ、と要らぬ情報を置いてその主婦は去っていった。こうやって君下の店の売り上げが減っていくという、無駄な情報を仕入れたところで今後使う予定が来るのだろうか。店の二階を見上げるも、君下の部屋に灯りはない。
『ったく、あの野郎は部活サボっといて寝てんのか?』
同じクラスのやつに聞いても、君下のいる特進クラスは夏休み明けから自主登校となっているらしい。大学進学のためのコースは既に3年の1学期には高校3年間の教科書を終えており、あとは各自で予備校に行くなり自習するなりで受験勉強に励んでいるようだ。当然君下以外に強豪運動部に所属している生徒はおらず、クラスでもかなり浮いた存在だというのはなんとなく知っていた。誰もあいつが学校に来なくても、どうせ部活で忙しいぐらいにしか思わないのだ。 仕方ない、引き返すか。そう思い回れ右をしたところで、ある一つの可能性が脳裏に浮かぶ。可能性なんかじゃない。だがなんとなくだが、あいつがそこにいるという確信が、俺の中にあったのだ。
『くそっ……君下のやつ!』
やっと呼吸が整ったところで、重い鞄を背負うと急いで走り出す。こんな時間に何をやっているのだろう、と走りながら我ながら馬鹿らしくなった。去年散々走り込みをしたせいか、練習後の疲れた身体でもまだ走れる。次の角を右へ曲がって、たしかその2つ先を左――頭の中で去年君下と訪れた、あの古びた神社への道のりを思い出す。そこに君下がいる気がした。
『はぁ……はぁっ……っ!』
大きな鳥居が近づくにつれて、どこからか聞こえるボールを蹴る音に俺の勘が間違っていない事を悟った。こんなところでなにサボってんだよ、そう言ってやるつもりだったのに、いざ目の前に君下の姿が見えると言葉を失った。 あいつは、聖蹟のユニフォーム姿のままで、泥だらけになりながら一人でドリブルをしていた。 自分で作った小さいゴールと、所々に置かれた大きな石。何度も躓きながらも起き上がり、懸命にボールを追っては前へ進む。パスを出すわけでもなく、リフティングでもない。その傷だらけの足元にボールが吸い寄せられるように、馴染むように何度も何度も同じことを繰り返していた。
『ハッ……馬鹿じゃねぇの』
お前も俺も。そう呟いた声は己と向き合っている君下に向けられたものではない。 あいつは、君下はもう前を向いて歩きだしていた。沢山の小さな石ころに躓きながら、小さな小さなゴールへと向かってその長い道のりへと一歩を踏み出していた。俺は君下に気付かれることがないように、足音を立てないようにして足早に神社を後にした。 帰りの電車を待つベンチに座って、ぼんやりと思い出すのは泥だらけの君下の背中だった。前を向け喜一、まだやれることはたくさんある。ホームには他に電車を待つ客は誰もいなかった。
(3)夕食、22時半
気付けば完全に日は落ちていて、コートを照らすスタンドライトだけが暗闇にぼんやりと輝いていた。 思いのほか練習に熱中してしまったようで、辺りを見渡せば先輩選手らはとっくに自主練を切り上げて帰路に着いたようだった。何の挨拶もなしに帰宅してしまったチームメイトの残していったボールがコートの隅に落ちているのを見つけては、上がり切った息を整えながらゆったりと歩いて拾って回���た。
倉庫の鍵がかかったのを確認して誰もいないロッカールームへ戻ると、ご丁寧に電気は消されていた。先週は鍵がかけられていた。思い出すだけで腹が立つが、もうこんなことも何度目になった今ではチームに内緒��作った合鍵をいつも持ち歩くようにしている。ぱちり、スイッチを押せば一瞬遅れて青白い灯りが部屋を照らした。
大柴は人に妬まれ易い。その容姿と才能も関係はあるが、自分の才能に胡坐をかいて他者を見下しているところがあった。大口を叩くのはいつものことで、慣れた友人やチームメイトであれば軽く受け流せるものの、それ以外の人間にとってみれば不快極まりない行為であることは間違いない。いつしか友人と呼べる存在は随分と減り、クラスや集団では浮いてしまうことが常であった。 今のチームも例外ではない。加入してすぐの公式戦にレギュラーでの起用、シーズン序盤での怪我による離脱、長期のリハビリ生活、そして残せなかった結果。大柴加入初年度のチームは、最終的に前年度よりも下回った順位でシーズンの幕を閉じることになった。それでも翌年からも大柴はトップに居座り続けた。疑問に思ったチームメイトやサポーターからの非難や、時には心無い中傷を書き込まれることもあった。ゴールを決めれば大喝采だが、それも長くは続かない。家が裕福なことを嗅ぎつけたマスコミにはある事ない事を週刊誌に書き並べられ、誰もいない実家の前に怪しげな車が何台も止まっていることもあった。 だがそんなことは、大柴にとって些細なことだった。俺はサッカーの神様に才能を与えられたのだと、未だにカメラの前でこう言い張ることにしている。実はもう一つ、大柴はサッカーの神様から貰った大切なものがあったが、それを口にしたことはないしこれからも公言する日はやって来ないだろう。
「ただいまぁー」 「お帰り、遅かったな」
靴を脱いでつま先で並べると、靴箱の上の小さな木製の皿に車のキーを入れる。ココナッツの木から作られたそれは、卒業旅行に二人でハワイに行ったときに買ったもので、6年間大切に使い続けている。玄関までふわりと香る味噌の匂いに、ああやっとここへ帰ってきたのだと実感する。大股で歩きながらジャケットを脱ぎ、どさり、とスポーツバッグと共に床へ投げ出すと、倒れ込むように革張りのソファへとダイブした。
「おい、飯出来てるから先に食え。手洗ったか?」 「洗ってねぇ」 「ったく、何年も言ってんのにちっとも学習しねぇ奴だな。ほら、こっち来い」
君下は洗い物をしていたのか、泡まみれのスポンジを握ってそれをこちらに見せてくる。この俺の手を食器用洗剤で洗えって言うのか、そう言えばこっちのほうが油が落ちるだとか、訳の分からない理論を並べられた。つまり俺は頑固汚れと同じなのか。
「こんなことで俺が消えてたまるかよ」 「いつもに増して意味わかんねぇな。よし、終わり。味噌汁冷める前にさっさと食え」
お互いの手を絡めるようにして洗い流していると、背後でピーと電子音がして炊飯が終わったことを知らせる。俺が愛車に乗り込む頃に一通連絡を入れておくと、丁度いい時間に米が炊き上がるらしい。渋滞のときはどうするんだよ、と聞けば、こんな時間じゃそうそう混まねぇよ、と普段車に乗らないくせにまるで交通事情を知っているかのような答えが返ってくる。全体練習は8時頃に終わるから、自主練をして遅くても10時半には自宅に着けるように心掛けていた。君下は普通の会社員で、俺とは違い朝が早いのだ。
「いただきます」 「いただきます」
向かい合わせの定位置に腰を下ろし、二人そろって手を合わせる。日中はそれぞれ別に食事を摂るも、夕食のこの時間を二人は何よりも大事にしていた。 熱々の味噌汁は俺の好みに合わせてある。最近は急に冷え込んできたから、もくもくと上る白い湯気は一段と白く濃く見えた。上品な白味噌に、具は駅前の豆腐屋の絹ごし豆腐と、わかめといりこだった。出汁を取ったついでにそのまま入れっぱなしにするのは君下家の味だと昔言っていた。
「喜一、ケータイ光ってる」 「ん」
苦い腸を噛み締めていると、ソファの上に置かれたままのスマホが小さく震えている音がした。途切れ途切れに振動がするので、電話ではないことは確かだった。後ででいい、一度はそう言ったものの、来週の練習試合の日程がまだだったことを思い出して気だるげに重い腰を上げる。最新機種の大きな画面には、見覚えのある一枚の画像と共に母からの短い返信があった。
「あ、やっぱ葉書来てたわ。実家のほうだったか」 「ほらな」 「お前のはここの住所で、なんで俺のだけ実家なんだよ」 「知るかよ。どうせ行くんだろ、直接会った時に聞けばいいじゃねぇか」 「え、行くの?」
スマホを持ったままどかり、と椅子へと座りなおし、飲みかけの味噌汁に手を伸ばす。ズズ、とわざと少し行儀悪くわかめを啜れば、君下の表情が曇るのがわかった。
「お前、この頃にはもうオフだから休みとれるだろ。俺も有休消化しろって上がうるせぇから、ちょうどこのあたりで連休取ろうと思ってる」 「聞いてねぇ……」 「今言ったからな」
金平蓮根に箸を付けた君下は、いくらか摘まんで自分の茶碗へと一度置くと、米と共にぱくり、と頬張った。シャクシャクと音を鳴らしながら、ダークブラウンの瞳がこちらを見る。
「佐藤と鈴木も来るって」 「あいつらに会うだけなら別で集まりゃいいだろうが。それにこの前も4人で飲んだじゃねぇか」 「いつの話してんだよタワケが、2年前だぞあれ」 「えっそんなに前だったか?」 「ああ。それに今年で卒業して10年だとさ。流石に毎年は行かねぇが節目ぐらい行ったって罰は当たんねーよ」
時の流れとは残酷なものだ。俺は高校を卒業してそれぞれ違う道へと進んでも、相変わらず君下と一緒にいた。だからそんな長い年月が経ったことに気付かなかっただけなのかもしれない。高校を卒業する時点で、俺たちがはじめて出会って既に10年が経っていたのだ。 君下はぬるい味噌汁を啜ると、満足そうに「うまい」と一言呟いた。
*
今宵はよく月が陰る。 ソファにごろりと寝転がり、カーテンの隙間から満月より少し欠けた月をぼんやりと眺めていた。月に兎がいると最初に言ったのは誰だろうか。どう見ても、あの不思議な斑模様は兎なんかに、それも都合よく餅つきをしているようには見えなかった。昔の人間は妙なことを考える。星屑を繋げてそれらを星座だと呼び、一晩中夜空を眺めては絶え間なく動く星たちを追いかけていた。よほど暇だったのだろう。こんな一時間に何センチほどしか動かないものを見て、何が面白いというのだろうか。
「さみぃ」
音もなくベランダの窓が開き、身体を縮こませた君下が湯気で温かくなった室内へと戻ってくる。君下は二十歳から煙草を吸っていた。家で吸うときはこうやって、それも洗濯物のない時にだけ、それなりに広いベランダの隅に作った小さな喫煙スペースで煙草を嗜む。別に換気扇さえ回してくれれば部屋で吸ってもらっても構わないと俺は言っているのだが、頑なにそれをしようとしないのは君下のほうだった。現役のスポーツ選手である俺への気遣いなのだろう。こういう些細なところでも、俺は君下に支えられているのだと実感する。
「おい、キスしろ」
隣に腰を下ろした君下に、腹を見せるように上を向いて唇を突き出した。またか、と言いたげな顔をしたが、間もなく長い前髪が近づいてきてちゅ、と小さな音を立てて口づけが落とされた。一度も吸ったことのない煙草の味を、俺は間接的に知っている。少しだけ大人になったような気がするのがたまらなく心地よい。
それから少しの間、手を握ったりしてテレビを見ながらソファで寛いだ。この時間にもなればいつもニュースか深夜のバラエティー番組しかなかったが、今日はお互いに見たい番組があるわけでもなかったので適当にチャンネルを回してテレビを消した。 手元のランプシェードの明かりだけ残して電気を消し、寝室の真ん中に位置するキングサイズのベッドに入ると、君下はおやすみとも言わないまま背を向けて肩まで掛け布団を被ってしまった。向かい合わせでは寝付けないのはいつもの事だが、それにしても今日は随分と素っ気ない。明日は金曜日���、俺はオフだが会社員の君下には仕事がある。お互いにもういい歳をした大人なのだ。明日に仕事を控えた夜は事には及ばないようにはしているが、先ほどのことが胸のどこかで引っかかっていた。
「もう寝た?」 「……」 「なあ」 「……」 「敦」 「……なんだよ」
消え入りそうなほど小さな声で、君下が返事をする。俺は頬杖をついていた腕を崩して布団の中に忍ばせると、背中からその細身の身体を抱き寄せた。抵抗はしなかった。
「こっち向けよ」 「……もう寝る」 「少しだけ」 「明日仕事」 「分かってる」
わかってねぇよ、そう言いながらもこちらに身体を預けてくる、相変わらず素直じゃないところも君下らしい。ランプシェードのオレンジの灯りが、眠そうな君下の顔を��んやりと照らしている。長い睫毛に落ちる影を見つめながら、俺は薄く開かれた唇に祈るように静かにキスを落とした。
こいつとキスをするようになったのはいつからだっただろうか。 サッカーを諦めかけていた俺に道を示してくれたその時から、ただのチームメイトだった男は信頼できる友へと変化した。それでも物足りないと感じていたのは互いに同じだったようで、俺たちは高校を卒業するとすぐに同じ屋根の下で生活を始めた。が、喧嘩の絶えない日々が続いた。いくら昔に比べて関係が良くなったとはいえ、育ちも違えば本来の性格が随分と違う。事情を知る数少ない人間も、だからやめておけと言っただろう、と皆口を揃えてそう言った。幸いだったのは、二人の通う大学が違ったことだった。君下は官僚になるために法学部で勉学に励み、俺はサッカーの為だけに学生生活を捧げた。互いに必要以上に干渉しない日々が続いて、家で顔を合わせるのは、いつも決まって遅めの夜の食卓だった。 本当は今のままの関係で十分に満足している。今こそ目指す道は違うが、俺たちには同じ時を共有していた、かけがえのない長い長い日々がある。手さぐりでお互いを知ろうとし、時にはぶつかり合って忌み嫌っていた時期もある。こうして積み重ねてきた日々の中で、いつの日か俺たちは自然と寄り添いあって、お互いを抱きしめながら眠りにつくようになった。この感情に名前があるとしても、今はまだわからない。少なくとも今の俺にとって君下がいない生活などもう考えられなくなっていた。
「……ン゛、ぐっ……」
俺に組み敷かれた君下は、弓なりに反った細い腰をぴくり、と跳ねさせた。大判の白いカバーの付いた枕を抱きしめながら、押し殺す声はぐぐもっていてる。決して色気のある行為ではないが、その声にすら俺の下半身は反応してしまう。いつからこうなってしまったのだろう。君下を抱きながらそう考えるのももう何度目の事で、いつも答えの出ないまま、絶頂を迎えそうになり思考はどこかへと吹き飛んでしまう。
「も、俺、でそ、うっ……」 「あ?んな、俺もだ馬鹿っ」 「あっ……喜一」
君下の腰から右手を外し、枕を上から掴んで引き剥がす。果たしてどんな顔をして俺の名を呼ぶのだと、その顔を拝みたくなった。日に焼けない白い頬は、スポーツのような激しいセックスで紅潮し、額にはうっすらと汗が浮かんでいる。相変わらず眉間には皺が寄ってはいたが、いつもの鋭い目つきが嘘のように、限界まで与えられた快楽にその瞳を潤ませていた。視線が合えば、きゅ、と一瞬君下の蕾が収縮した。「あ、出る」とだけ言って腰のピストンを速めながら、君下のイイところを突き上げる。呼吸の詰まる音と、結合部から聞こえる卑猥な音を聞きながら、頭の中が真っ白になって、そして俺はいつの間にか果てた。全て吐き出し、コンドームの中で自身が小さくなるのを感じる。一瞬遅れてどくどくと音がしそうなほどに爆ぜる君下の姿を、射精後のぼんやりとした意識の中でいつまでも眺めていた。
(4)誰も知らない
忙しないいつもの日常が続き、あっという間に年も暮れ新しい年がやってきた。 正月は母方の田舎で過ごすと言った君下は、仕事納めが終われば一度家に戻って荷物をまとめると、そこから一週間ほど家を空けていた。久しぶりに会った君下は、少しばかり頬が丸くなって帰ってきたような気がしたが、本人に言うとそんなことはないと若干キレながら否定された。目に見えて肥えたことを気にしているらしい本人には申し訳ないが、俺はその様子に少しだけ安心感を覚えた。祖父の葬儀以来、もう何年も顔を見せていないという家族に会うのは、きっと俺にすら言い知れぬ緊張や、不安も勿論あっただろう。 だがこうやって随分と可愛がられて帰ってきたようで、俺も正月ぐらい実家に顔を出せばよかったかなと少しだけ羨ましくなった。本人に言えば餅つきを手伝わされこき使われただの、田舎はやることがなく退屈だなど愚痴を垂れそうだが、そのお陰なのか山ほど餅を持たせられたらしく、その日の夜は冷蔵庫にあった鶏肉と大根、にんじんを適当に入れて雑煮にして食べることにした。
「お前、俺がいない間何してた?」
君下が慣れた手つきで具材を切っている間、俺は君下が持ち帰った土産とやらの箱を開けていた。中には土の付いたままの里芋だとか、葉つきの蕪や蓮根などが入っていた。全て君下の田舎で採れたものなのか、形はスーパーでは見かけないような不格好なものばかりだった。
「車ねぇから暇だった」 「どうせ車があったとしても、一日中寝てるか練習かのどっちかだろうが」 「まあ、大体合ってる」
一通り切り終えたのか包丁の音が聞こえなくなり、程なくして今度は出汁の香りが漂ってきた。同時に香ばしい餅の焼ける香りがして、完成が近いことを悟った俺は一度箱を閉めるとダイニングテーブルへと向かい、箸を二膳出して並べると冷蔵庫から缶ビールを取り出してグラスと共に並べた。
「いただきます」 「いただきます」
大きめの深い器に入った薄茶色の雑煮を目の前に、二人向かい合って座り手を合わせる。実に一週間ぶりの二人で摂る夕食だった。よくある関東風の味付けに、四角く切られ表面を香ばしく焼かれた大きな餅。シンプルだが今年に入って初めて食べる正月らしい食べ物も、今年初めて飲む酒も、すべて君下と共に大事に味わった。
「あ、そうだ。明日だからな、あれ」
3個目の餅に齧りついた俺に、そういえばと思い出したかのように君下が声を発した。少し冷めてきたのか噛み切れなかった餅を咥えたまま、肩眉を上げて何の話かと視線だけで問えば、「ほら、同窓会のやつ」と察したように答えが返ってきた。「ちょっと待て」と掌を君下に見せて、餅を掴んでいた箸に力を入れて無理矢理引きちぎると、ぐにぐにと大雑把に噛んでビールで流し込む。うまく流れなかったようで、喉のあたりを引っかかる感触が気持ち悪い。生理的に込み上げてくる涙を瞳に浮かべていると、席を立った君下は冷蔵庫の扉を開けてもう2本ビールを取り出して戻ってきた。
「ほら飲め」 「おま……水だろそこは」 「いいからとりあえず流し込め」
空になった俺のグラスにビールを注げば、ぶくぶくと泡立つばかりで泡だけで溢れそうになった。だから水にしとけと言ったのだ。チッ、と舌打ちをした君下は、少し申し訳なさそうに残りの缶をそのまま手渡してきた。直接飲むのは好きではないが、今は文句を言ってられない。奪うように取り上げると、ごくごくと大げさに喉を鳴らして一気に飲み干した。
「は~……死ぬかと思った。相変わらずお酌が下手だなお前は」 「うるせぇな。俺はもうされる側だから仕方ねぇだろうが」
そう悪態をつきながら、君下も自分の缶を開ける。プシュ、と間抜けな音がして、グラスを傾けて丁寧にビールを注いでゆく。泡まで綺麗に注げたそれを見て、満足そうに俺に視線を戻す。
「あ、そうだよ、話反らせやがって……まあとにかく、明日は俺は昼ぐらいに会社に少し顔出してくるから、ついでに親父んとこにも寄って、そのまま会場に向かうつもりだ」 「あ?親父さんも一緒に田舎に行ったんじゃねぇの?」 「そうしようとは思ったんだがな、店の事もあるって断られた。ったく誰に似たんだかな」 「それ、お前が言うなよ」
君下の言葉になんだかおかしくなってふふ、と小さく笑えば、うるせぇと小さく舌打ちで返された。綺麗に食べ終えた器をテーブルの上で纏めると、君下はそれらを持って流しへと向かった。ビールのグラスを軽く水で濯いでから、そこに半分ぐらい溜めた水をコクコクと喉を鳴らして飲み込んだ。
「俺もう寝るから、あとよろしくな。久々に運転すると疲れるわ」 「おう、お疲れ。おやすみ」
俺の言葉におやすみ、と小さく呟いた君下は、灯りのついていない寝室へと吸い込まれるようにして消えた。ぱたん、と扉が閉まる音を最後に、乾いた部屋はしんとした静寂に包まれる。手元に残ったのは、ほんの一口分だけ残った温くなったビールの入ったグラスだけだった。 頼まれた洗い物はあとでやるとして、さてこれからどうしようか。君下の読み通り、今日は一日中寝ていたため眠気はしばらくやって来る気配はない。テレビの上の時計を見ると、ちょうど午後九時を回ったところだった。俺はビールの残りも飲まずに立ち上がると、食器棚に並べてあるブランデーの瓶と、隣に飾ってあったバカラのグラスを手にしてソファのほうへとゆっくり歩き出した。
*
肌寒さを感じて目を覚ました。 最後に時計を見たのはいつだっただろうか。微睡む意識の中、薄く開いた瞳で捉えたのは、ガラス張りのローテーブルの端に置かれた見覚えのあるグラスだった。細かくカットされた見事なつくりの表面は、カーテンから零れる朝日を反射してキラキラと眩しい。中の酒は幾分か残っていたようだったが、蒸発してしまったのだろうか、底のほうにだけ琥珀色が貼り付くように残っているだけだった。 何も着ていなかったはずだが、俺の肩には薄手の毛布が掛かっていた。点けっぱなしだった電気もいつの間にか消されていて、薄暗い部屋の中、遮光カーテンから漏れる光だけがぼんやりと座っていたソファのあたりを照らしていた。酷い喉の渇きに、水を一口飲もうと立ち上がると頭痛と共に眩暈がした。ズキズキと痛む頭を押さえ��がらキッチンへ向かい、食器棚から新しいコップを取り出して水を飲む。シンクに山積みになっていたはずの洗い物は、跡形もなく姿を消している。君下は既に家を出た後のようだった。
それから昼過ぎまでもう一度寝て、起きた頃には朝方よりも随分と温かくなっていた。身体のだるさは取れたが、相変わらず痛む頭痛に舌打ちをしながら、リビングのフローリングの上にマットを敷いてそこで軽めのストレッチをした。大柴はもう若くはない。三十路手前の身体は年々言うことを聞かなくなり、1日休めば取り戻すのに3日はかかる。オフシーズンだからと言って単純に休んでいるわけにはいかなかった。 しばらく柔軟をしたあと、マットを片付け軽く掃除機をかけていると、ジャージの尻ポケットが震えていることに気が付いた。佐藤からの着信だった。久しぶりに見るその名前に、緑のボタンを押してスマホを耳と肩の間に挟んだ。
「おう」 「あーうるせぇよ!掃除機?電話に出る時ぐらい一旦切れって」
叫ぶ佐藤の声が聞こえるが、何と言っているのか聞き取れず、仕方なくスイッチをオフにした。ちらりと壁に視線を流せば、時計針はもうすぐ3時を指そうとしていた。
「わりぃ。それよりどうした?」 「どうしたじゃねぇよ。多分お前まだ寝てるだろうから、起こして同窓会に連れてこいって君下から頼まれてんだ」 「はあ……ったく、どいつもこいつも」 「まあその調子じゃ大丈夫だな。5時にマンションの下まで車出すから、ちゃんと顔洗って待ってろよ」 「へー」 「じゃあ後でな」
何も言わずに通話を切り、ソファ目掛けてスマホを投げた。もう一度掃除機の電源を入れると、リビングから寝室へと移動する。普段は掃除機は君下がかけるし、皿洗い以外の大抵の家事はほとんど君下に任せっきりだった。今朝はそれすらも君下にさせてしまった罪悪感が、こうやって自主的にコードレス掃除機をかけている理由なのかもしれない。 ベッドは綺麗に整えてあり、真ん中に乱雑に畳まれたパジャマだけが取り残されていた。寝る以外に立ち入らない寝室は綺麗なままだったが、一応端から一通りかけると掃除機を寝かせてベッドの下へと滑り込ませる。薄型のそれは狭い隙間も難なく通る。何往復かしていると、急に何か大きな紙のようなものを吸い込んだ音がした。
「げっ……何だ?」
慌てて電源を切り引き抜くと、ヘッドに吸い込まれていたのは長い紐のついた、見慣れない小さな紙袋だった。紺色の袋の表面に、金色の細い英字で書かれた名前には見覚えがあった。俺の覚え違いでなければ、それはジュエリーブランドの名前だった気がする。
「俺のじゃねぇってことは、これ……」
そこまで口に出して、俺の頭の中には一つの仮説が浮かび上がる。これの持ち主は十中八九君下なのだろう。それにしても、どうしてこんなものがベッドの下に、それも奥のほうへと押しやられているのだろうか。絡まった紐を引き抜いて埃を払うと、中を覗き込む。入っていたのは紙袋の底のサイズよりも一回り小さな白い箱だった。中を確認したかったが、綺麗に巻かれたリボンをうまく外し、元に戻せるほど器用ではない。それに、中身など見なくてもおおよその見当はついた。 俺はどうするか迷ったが、それと電源の切れた掃除機を持ってリビングへと戻った。紙袋をわざと見えるところ、チェリーウッドのダイニングテーブルの上に置くと、シャワーを浴びようとバスルームへと向かった。いつも通りに手短に済ませると、タオルドライである程度水気を取り除いた髪にワックスを馴染ませ、久しぶりに鏡の中の自分と向かい合う。ここ2週間はオフだったというのに、ひどく疲れた顔をしていた。適当に整えて、顎と口周りにシェービングクリームを塗ると伸ばしっぱなしだった髭に剃刀を宛がう。元々体毛は濃いほうではない。すぐに済ませて電気を消して、バスルームを後にした。
「お、来た来た。やっぱりお前は青のユニフォームより、そっちのほうが似合っているな」
スーツに着替え午後5時5分前に部屋を出て、マンションのエントランスを潜ると、シルバーの普通車に乗った佐藤が窓を開けてこちらに向かって手を振っていた。助手席には既に鈴木が乗っており、懐かしい顔ぶれに少しだけ安堵した。よう、と短く挨拶をして、後部座席のドアを開けると長い背を折りたたんでシートへと腰かけた。 それからは佐藤の運転に揺られながら、他愛もない話をした。最近のそれぞれの仕事がどうだとか、鈴木に彼女が出来ただとか、この前相庭のいるチームと試合しただとか、離れていた2年間を埋めるように絶え間なく話題は切り替わる。その間も車は東京方面へと向かっていた。
「君下とはどうだ?」 「あー……相変わらずだな。付かず離れずって感じか」 「まあよくやってるよな、お前も君下も。あれだけ仲が悪かったのが、今じゃ同棲だろ?みんな嘘みたいに思うだろうな」 「同棲って言い方やめろよ」 「はーいいなぁ、俺この間の彼女に振られてさ。せがまれて高い指輪まで贈ったのに、あれだけでも返して貰いたいぐらいだな」
指輪という言葉に、俺の顔の筋肉が引きつるのを感じた。グレーのパンツの右ポケットの膨らみを、無意識に指先でなぞる。車は渋滞に引っかかったようで、先ほどからしばらく進んでおらず車内はしん、と静まり返っていた。
「あーやべぇな。受付って何時だっけ」 「たしか6時半……いや、6時になってる」 「げ、あと20分で着くかな」 「だからさっき迂回しろって言ったじゃねぇか」
このあたりはトラックの通行量も多いが、帰宅ラッシュで神奈川方面に抜ける車もたくさん見かける。そういえば実家に寄るからと、今朝も俺の車で出て行った君下はもう会場に着いたのだろうか。誰かに電話をかけているらしい鈴木の声がして、俺は手持ち無沙汰に窓の外へと視線を投げる。冬の日の入りは早く、太陽はちょうど半分ぐらいを地平線の向こうへと隠した頃だった。真っ赤に焼ける雲の少ない空をぼんやりと眺めて、今夜は星がきれいだろうか、と普段気にもしていないことを考えていた。
(5)真冬のエスケープ
車は止まりながらもなんとか会場近くの地下駐車場へと止めることができた。幹事と連絡がついて遅れると伝えていたこともあり、特に急ぐこともなく会場までの道のりを歩いて行った。 程なくして着いたのは某有名ホテルだった。入り口の案内板には聖蹟高校×期同窓会とあり、その横に4階と書かれていた。エレベーターを待つ間、着飾った同じ年ぐらいの集団と鉢合わせた。そのうち男の何人かは見覚えのある顔だったが、男たちと親し気に話している女に至っては、全くと言っていいほど面影が見受けられない。常日頃から思ってはいたが、化粧とは恐ろしいものだ。俺や君下よりも交友関係が広い鈴木と佐藤でさえ苦笑いで顔を見合わせていたから、きっとこいつらにでさえ覚えがないのだろうと踏んで、何も言わずに到着した広いエレベーターへと乗り込んだ。
受付で順番に名前を書いて入り口で泡の入った飲み物を受け取り、広間へと入るとざっと見るだけで100人ほどは来ているようだった。「すげぇな、結���集まったんだな」そう言う佐藤の言葉に振り返りもせずに、俺はあたりをきょろきょろと見渡して君下の姿を探した。
「よう、遅かったな」 「おー君下。途中で渋滞に巻き込まれてな……ちゃんと連れてきたぞ」
ぽん、と背中を佐藤に叩かれる。その右手は決して強くはなかったが、ふいを突かれた俺は少しだけ前にふらついた。手元のグラスの中で黄金色がゆらりと揺れる。いつの間にか頭痛はなくなっていたが、今は酒を口にする気にはなれずにそのグラスを佐藤へと押し付けた。不審そうにその様子を見ていた君下は、何も言わなかった。 6時半きっかりに、壇上に幹事が現れた。眼鏡をかけて、いかにも真面目そうな元生徒会長は簡単にスピーチを述べると、今はもう引退してしまったという、元校長の挨拶へと移り変わる。何度か表彰状を渡されたことがあったが、曲がった背中にはあまり思い出すものもなかった。俺はシャンパンの代わりに貰ったウーロン茶が入ったグラスをちびちびと舐めながら、隣に立つ君下に気付かれないようにポケットの膨らみの形を確認するかのように、何度も繰り返しなぞっていた。
俺たちを受け持っていた先生らの挨拶が一通り済むと、それぞれが自由に飲み物を持って会話を楽しんでいた。今日一日、何も食べていなかった俺は、同じく飯を食い損ねたという君下と共に、真ん中に並ぶビュッフェをつまみながら空きっ腹を満たしていた。ここのホテルの料理は美味しいと評判で、他のホテルに比べてビュッフェは高いがその分確かなクオリティがあると姉が言っていた気がする。確かにそれなりの料理が出てくるし、味も悪くはない。君下はローストビーフがお気に召したようで、何度も列に並んではブロックから切り分けられる様子を目を輝かせて眺めていた。
「あー!大柴くん久しぶり、覚えてるかなぁ」
ウーロン茶のあてにスモークサーモンの乗ったフィンガーフードを摘まんでいると、この会場には珍しく化粧っ気のない、大きな瞳をした女が数人の女子グループと共にこちらへと寄ってきた。
「あ?……あ、お前はあれだ、柄本の」 「もー、橘ですぅー!つくちゃんのことは覚えててくれるのに、同じクラスだった私のこと、全っ然覚えててくれないんだから」
プンスカと頬を膨らませる橘の姿に、高校時代の懐かしい記憶が蘇る。記憶の中よりも随分と短くなった髪は耳の下で切り揃えられていれ、片側にトレードマークだった三つ編みを揺らしている。確かにこいつが言うように、思い返せば偶然にも3年間、同じクラスだったように思えてくる。本当は名前を忘れた訳ではなかったが、わざと覚えていない振りをした。
「テレビでいつも見てるよー!プロってやっぱり大変みたいだけど、大柴くんのことちゃんと見てるファンもいるからね」 「おーありがとな」
俺はその言葉に対して素直に礼を言った。というのも、この橘という女の前ではどうも調子が狂わされる。自分は純粋無垢だという瞳をしておいて、妙に人を観察していることと、核心をついてくるのが昔から巧かった。だが悪気はないのが分かっているだけ質が悪い。俺ができるだけ同窓会を避けてきた理由の一つに、この女の言ったことと、こいつ自身が関係している。これには君下も薄々気付いているのだろう。
「あ、そうだ。君下くんも来てるかな?つくちゃんが会いたいって言ってたよ」 「柄本が?そりゃあ本人に言ってやれよ。君下ならあっちで肉食ってると思うけど」 「そうだよね、ありがとう大統領!」
そう言って大げさに手を振りながら、橘は君下を探しに人の列へと歩き出した。「もーまたさゆり、勝手にどっか行っちゃったよ」と、取り残されたグループの一人がそう言うので、「相変わらずだよね」と笑う他の女たちに混ざって愛想笑いをして、居心地の悪くなったその場を離れようとした。 白いテーブルクロスの上から飲みかけのウーロン茶が入ったグラスを手に取ろとすると、綺麗に塗られたオレンジの爪がついた女にそのグラスを先に掴まれた。思わず視線をウーロン茶からその女へと流すと、女はにこりと綺麗に笑顔を作り、俺のグラスを手渡してきた。
「大柴くん、だよね?今日は飲まないの?」
黒髪のロングヘアーはいかにも君下が好みそうなタイプの女で、耳下まである長い前髪をセンターで分けて綺麗に内巻きに巻いていた。他の女とは違い、あまりヒラヒラとした装飾物のない、膝上までのシンプルな紺色のドレスに身を包んでいる。見覚えのある色に一瞬喉が詰まるも、「今日は車で来てるから」とその場で適当な言い訳をした。
「あーそうなんだ、残念。私も車で来たんだけど、勤めている会社がこの辺にあって、そこの駐車場に停めてあるから飲んじゃおうかなって」 「へぇ……」
わざとらしく綺麗な眉を寄せる姿に、最初はナンパされているのかと思った。だが俺のグラスを受け取ると、オレンジの爪はあっさりと手放してしまう。そして先程まで女が飲んでいた赤ワインらしき飲み物をテーブルの上に置き、一歩近づき俺の胸元に手を添えると、背伸びをして俺の耳元で溜息のように囁いた。
「君下くんと、いつから仲良くなったの?」
酒を帯びた吐息息が耳元にかかり、かっちりと着込んだスーツの下に、ぞわりと鳥肌が立つのを感じた。 こいつは、この女は、もしかしたら君下がこの箱を渡そうとした女なのかもしれない。俺の知らないところで、君下はこの女と親密な関係を持っているのかもしれない。そう考えが纏まると、すとんと俺の中に収まった。そうか。最近感じていた違和感も、何年も寄り付かなかった田舎への急な帰省も、なぜか頑なにこの同窓会に出席したがった理由も、全部辻褄が合う。いつから関係を持っていたのだろうか、知りたくもなかった最悪の状況にたった今、俺は気付いてしまった。 じりじりと距離を詰める女を前に、俺は思考だけでなく身体までもが硬直し、その場を動けないでいた。酒は一滴も口にしていないはずなのに、むかむかと吐き気が込み上げてくる。俺は今、よほど酷い顔をしているのだろう。心配そうに見つめる女の目は笑っているのに、口元の赤が、赤い口紅が視界に焼き付いて離れない。何か言わねば。いつものように、「誰があんなやつと、この俺様が仲良くできるんだよ」と見下すように悪態をつかねば。皆の記憶に生きている、大柴喜一という人間を演じなければ―――…… そう思っているときだった。 俺は誰かに腕を掴まれ、ぐい、と強い力で後ろへと引かれた。呆気にとられたのは俺も女も同じようで、俺が「おい誰だ!スーツが皺になるだろうが」と叫ぶと、「あっ君下くん、」と先程聞いていた声より一オクターブぐらい高い声が女の口から飛び出した。その名前に腕を引かれたほうへと振り返れば、確かにそこには君下が立っていて、スーツごと俺の腕を掴んでいる。俺を見上げる漆黒の瞳は、ここ最近では見ることのなかった苛立ちが滲んで見えるようだった。
「ああ?テメェのスーツなんか知るかボケ。お前が誰とイチャつこうが関係ねぇが、ここがどこか考えてからモノ言いやがれタワケが」 「はあ?誰がこんなブスとイチャつくかバーカ!テメェの女にくれてやる興味なんぞこれっぽっちもねぇ」 「なんだとこの馬鹿が」
実に数年ぶりの君下のキレ具合に、俺も負けじと抱えていたものを吐き出すかのように怒鳴り散らした。殴りかかろうと俺の胸倉を掴んだ君下に、賑やかだった周囲は一瞬にして静まり返る。人の壁の向こう側で、「おいお前ら!まじでやめとけって」と慌てた様子の佐藤の声が聞こえる。先に俺たちを見つけた鈴木が君下の腕を掴むと、俺の胸倉からその手を引き剥がした。
「とりあえず、やるなら外に行け。お前らももう高校生じゃないんだ、ちょっとは周りの事も考えろよ」 「チッ……」 「大柴も、冷静になれよ。二人とも、今日はもう帰れ。俺たちが収集つけとくから」
君下はそれ以上何も言わずに、出口のほうへと振り返えると大股で逃げるようにその場を後にした。俺は「悪いな」とだけ声をかけると、曲がったネクタイを直し、小走りで君下の後を追いかける。背後からカツカツとヒールの走る音がしたが、俺は振り返らずにただ小さくなってゆく背中を見逃さないように、その姿だけを追って走った。暫くすると、耳障りな足音はもう聞こえなくなっていた。
君下がやってきたのは、俺たちが停めたのと同じ地下駐車場だった。ここに着くまでにとっくに追い付いていたものの、俺はこれから冷静に対応する為に、頭を冷やす時間が欲しかった。遠くに見える派手な赤色のスポーツカーは、間違いなく俺が2年前に買い替えたものだった。君下は何杯か酒を飲んでいたので、鍵は持っていなくとも俺が運転をすることになると分かっていた。わざと10メートル後ろをついてゆっくりと近づく。 君下は何も言わずにロックを解除すると、大人しく助手席に腰かけた。ドアは開けたままにネクタイを解き、首元のボタンを一つ外すと、胸ポケットから取り出した煙草を一本口に咥えた。
「俺の前じゃ吸わねぇんじゃなかったのか」 「……気が変わった」
俺も運転席に乗り込むと、キーを挿してエンジンをかけ、サンバイザーを提げるとレバーを引いて屋根を開けてやった。どうせ吸うならこのほうがいいだろう。それに今夜は星がきれいに見えるかもしれないと、行きがけに見た綺麗な夕日を思い出す。安物のライターがジジ、と音を立てて煙草に火をつけたのを確認して、俺はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
(6)形も何もないけれど
煌びやかなネオンが流れてゆく。俺と君下の間に会話はなく、代わりに冬の冷たい夜風だけが二人の間を切るように走り抜ける。煙草の火はとっくに消えて、そのままどこかに吹き飛ばされてしまった。 信号待ちで車が止まると、「さむい」と鼻を啜りながら君下が呟いた。俺は後部座席を振り返り、外したばかりの屋根を元に戻すべく折りたたんだそれを引っ張った。途中で信号が青に変わって、後続車にクラクションを鳴らされる。仕方なく座りなおそうとすると、「おい、貸せ」と君下が言うものだから、最初から自分でやればいいだろうと思いながらも、大人しく手渡してアクセルに足を掛けた。車はまた走り出す。
「ちょっとどこか行こうぜ」
最初にそう切り出したのは君下だった。暖房も入れて温かくなった車内で、窓に貼り付くように外を見る君下の息が白く曇っていた。その問いかけに返事はしなかったが、俺も最初からあのマンションに向かうつもりはなかった。分岐は横浜方面へと向かっている。君下もそれに気が付いているだろう。 海沿いに車を走らせている間も、相変わらず沈黙が続いた。試しにラジオを付けてはみたが、流れるのは今流行りの恋愛ソングばかりで、今の俺たちにはとてもじゃないが似合わなかった。何も言わずにラジオを消して、それ以来ずっと無音のままだ。それでも、不思議と嫌な沈黙ではないことは確かだった。
どこまで行こうというのだろうか。気が付けば街灯の数も少なくなり、車の通行量も一気に減った。窓の外に見える、深い色の海を横目に見ながら車を走らせた。穏やかな波にきらきらと反射する、今夜の月は見事な満月だった。 歩けそうな砂浜が見えて、何も聞かないままそこの近くの駐車場に車を停めた。他に車は数台止まっていたが、どこにも人の気配がしなかった。こんな真冬の夜の海に用があるというほうが可笑しいのだ。俺はエンジンを切って、運転席のドアを開けると外へ出た。つんとした冷たい空気と潮の匂いが鼻をついた。君下もそれに続いて車を降りた。 後部座席に積んでいたブランケットを羽織りながら、君下は小走りで俺に追いつくと、その隣に並んで「やっぱ寒い」と鼻を啜る。数段ほどのコンクリートの階段を降りると、革靴のまま砂を踏んだ。ぐにゃり、と不安定な砂の上は歩きにくかったが、それでも���足になるわけにはいかずにゆっくりと海へ向かって歩き出す。波打ち際まで来れば、濡れて固まった足場は先程より多少歩きやすくなった。はぁ、と息を吐けば白く曇る。海はどこまでも深い色をしていた。
「悪かったな」 「いや、……あれは俺も悪かった」
居心地の悪そうに謝罪の言葉がぽつり、と零れた。それは何に対して謝ったのか、自分でもよく分からない。君下に女が居た事なのか、指輪を見つけてしまった事なのか、それともそれを秘密にしていた事なのか。あるいは、そのすべてに対して―――俺がお前をあのマンションに縛り付けた10年間を指しているのか、それははっきりとは分からなかった。俺は立ち止まった。俺を追い越した、君下も立ち止まり、振り返る。大きな波が押し寄せて、スーツの裾が濡れる感覚がした。水温よりも冷たく冷え切った心には、今はそんな些細なことは、どうでもよかった。
「全部話してくれるか」 「ああ……もうそろそろ気づかれるかもしれねぇとは腹括ってたからな」
そう言い終える前に、君下の視線が俺のズボンのポケットに向いていることに気が付いた。何度も触っていたそれの形は、嫌と言うほど覚えている。俺はふん、と鼻で笑ってから、右手を突っ込み白い小さな箱を丁寧に取り出した。君下の目の前に差し出すと、なぜだか手が震えていた。寒さからなのか、それともその箱の重みを知ってしまったからなのか、風邪が吹いて揺れるなか、吹き飛ばされないように握っているのが精一杯だった。
「これ……今朝偶然見つけた。ベッドの下、本当に偶然掃除機に引っかけちまって……でも本当に俺、今までずっと気付かなくて、それで―――それで、あんな女がお前に居たなんて、もっと早く言ってくれりゃ、」 「ちょっと待て、喜一……お前何言ってんだ」 「あ……?何って、今言ったことそのまんまだろうが」
思い切り眉間に皺を寄せ困惑したような君下の顔に、俺もつられて眉根を寄せる。ここまで来てしらを切るつもりなのかと思うと、怒りを通り越して呆れもした。どうせこうなってしまった以上、俺たちは何事もなく別れられるわけがなかった。昔のように犬猿の仲に戻るのは目に見えていたし、そうなってくれれば救われた方だと俺は思っていた。 苛立っていたいたのは君下もそうだったようで、風で乱れた頭をガシガシと掻くと、煙草を咥えて火を点けようとした。ヂ、ヂヂ、と音がするのに、風のせいでうまく点かない。俺は箱を持っていないもう片方の手を伸ばして、風上から添えると炎はゆらりと立ち上がる。すう、と一息吸って吐き出した紫煙が、漆黒の空へと消えていった。
「そのまんまも何も、あの女、お前狙いで寄ってきたんだろうが」 「お前の女が?」 「誰だよそれ、名前も知らねぇのにか?」
つまらなさそうに、君下はもう一度煙を吸うと上を向いて吐き出した。どうやら本当にあのオレンジ爪の女の名前すら知らないらしい。だとしたら、俺が持っているこの箱は一体誰からのものなのだ。答え合わせのつもりで話をしていたが、謎は余計に深まる一方だ。
「あ、でもあいつ、俺に何て言ったと思う?君下くんといつから仲良くなったの、って」 「お前の追っかけファンじゃねぇの」 「だとしてもスゲェ怖いわ。明らかにお前の好みそうなタイプの恰好してたじゃん」 「そうか?むしろ俺は、お前好みの女だなと思ったけどな」
そこまで言って、俺も君下も噴き出してしまった。ククク、と腹の底から込み上げる笑いが止まらない。口にして初めて気が付いたが、俺たちはお互いに女の好みなんてこれっぽっちも知らなかったのだ。二人でいる時の共通の話題と言えば、サッカーの事か明日の朝飯のことぐらいで、食卓に女の名前が出てきたことなんて今の一度もない事に気付いてしまった。どうりでこの10年間、どちらも結婚だとか彼女だとか言い出さないわけだ。俺たちはどこまでも似た者同士だったのだ。
「それ、お前にやろうと思って用意したんだ」
すっかり苛立ちのなくなった瞳に涙を浮かべながら、君下は軽々しくそう言って笑った。 俺は言葉が出なかった。 こんな小洒落たものを君下が買っている姿なんて想像もできなかったし、こんなリボンのついた箱は俺が受け取っても似合わない。「中は?」と聞くと、「開けてみれば」とだけ返されて、煙が流れないように君下は後ろを向いてしまった。少し迷ったが、その場で紐をほどいて箱を開けて、俺は目を見開いた。紙袋と同じ、夜空のようなプリントの内装に、星のように輝くゴールドの指輪がふたつ、中央に行儀よく並んでいた。思わず君下の後姿に視線を戻す。ちらり、とこちらを振り返る君下の口元は、笑っているように見えた。胸の内から込み上げてくる感情を抑えきれずに、俺は箱を大事に畳むと勢いよくその背中を抱きしめた。
「う゛っ苦しい……喜一、死ぬ……」 「そのまま死んじまえ」 「俺が死んだら困るだろうが」 「自惚れんな。お前こそ俺がいないと寂しいだろう」 「勝手に言ってろタワケが」
腕の中で君下の頭が振り返る。至近距離で視線が絡み、君下の瞳に星空を見た。俺は吸い込まれるようにして、冷たくなった君下の唇にゆっくりとキスを落とす。二人の間で吐息だけが温かい。乾いた唇は音もなく離れ、もう一度角度を変えて近づけば、今度はちゅ、と音がして君下の唇が薄く開かれた。お互いに舌を出して煙草で苦くなった唾液を分け合った。息があがり苦しくなって、それでもまた酸素を奪うかのように互いの唇を気が済むまで食らい合った。右手の箱は握りしめたままで、中で指輪がふたつカタカタと小さく音を立てて揺れていた。
「もう、帰ろうか」 「ああ……解っちゃいたが、冬の海は寒すぎるな。帰ったら風呂炊くか」 「お、いいな。俺が先だ」 「タワケが。俺が張るんだから俺が先だ」
いつの間にか膝下まで濡れたスーツを捲り上げ、二人は手を繋いで来た道を歩き出した。青白い砂浜に、二人分の足跡が残る道を辿って歩いた。平常心を取り戻した俺は急に寒さを感じて、君下が羽織っているブランケットの中に潜り込もうとした。君下はそれを「やめろ馬鹿」と言って俺の頭を押さえつける。俺も負けじとグリグリと頭を押し付けてやった。自然と笑いが零れる。 これでよかったのだ。俺たちには言葉こそないが、それを埋めるだけの共に過ごした長い時間がある。たとえ二人が結ばれたとしても、形に残るものなんて何もない。それでも俺はいいと思っている。こうして隣に立ってくれているだけでいい。嬉しい時も寂しい時も「お前は馬鹿だな」と一緒に笑ってくれるやつが一人だけいれば、それでいいのだ。
「あ、星。喜一、星がすげぇ見える」 「おー綺麗だな」
ふと気づいたように、君下が空を見上げて興奮気味に声を上げた。 ようやくブランケットに潜り込んで、君下の隣から顔を出せば、そこにはバケツをひっくり返したかのように無数に散らばる星たちが瞬いていた。肩にかかる黒髪から嗅ぎ慣れない潮の香りがして、俺たちがいま海にいるのだと思い知らされる。上を向いて開いた口から、白く曇った息が漏れる。何も言わずにしばらくそれを眺めて、俺たちはすっかり冷えてしまった車内へと腰を下ろした。温度計は摂氏5度を示していた。
7:やさしい光の中で
星が良く見えた翌朝は決まって快晴になる。君下に言えば、そんな原始的な観測が正しければ、天気予報なんていらねぇよ、と文句を言われそうだが、俺はあながち間違いではないと思っている。現に今日は雲一つない晴れで、あれだけ低かった気温が今日は16度まで上がっていた。乾燥した空気に洗濯物も午前中のうちに乾いてしまった。君下がベランダに料理を運んでいる最中、俺は慣れない手つきで洗濯物をできるだけ綺麗に折りたたんでいた。
「おい、終わったぞ。お前のは全部チェストでいいのか?」 「下着と靴下だけ二番目の引き出しに入れといてくれ。あとはどこでもいい」 「へい」
あれから真っすぐマンションへと向かった車は、時速50キロ程度を保ちながらおよそ2時間かけて都内にたどり着いた。疲れ切っていたのか、君下は何度かこくり、こくりと首を落とし、ついにはそのまま眠りに落ちてしまった。俺は片手だけでハンドルを握りながら、できるだけ眠りを妨げないように、信号待ちで止まることのないようにゆっくりとしたスピードで車を走らせた。車内には、聞き慣れない名のミュージシャンが話すラジオの音だけが延々と聞こえていた。 眠った君下を抱えたままエントランスをくぐり、すぐに開いたエレベーターに乗って部屋のドアを開けるまで、他の住人の誰にも出会うことはなかった。鍵を開けて玄関で靴を脱がせ、濡れたパンツと上着だけを剥ぎ取ってベッドに横たわらせる。俺もこのまま寝てしまおうか。ハンガーに上着を掛けると一度はベッドに腰かけたものの、どうも眠れる気がしない。少しだけ君下の寝顔を眺めた後、俺はバスルームの電気を点けた。
「飲み物はワインでいいか?」 「おう。白がいい」 「言われなくとも白しか用意してねぇよ」
そう言って君下は冷蔵庫から冷えた白ワインのボトルとグラスを2つ持ってやって来た。日当たりのいいテラスからは、東京の高いビル群が遠くに見えた。東向きの物件にこだわって良かったと、当時日当たりなんてどうでもいいと言った君下の隣に腰かけて密かに思う。今日は風も少なく、テラスで日光浴をするのには丁度いい気候だった。
「乾杯」 「ん」
かちん、と一方的にグラスを傾けて君下のグラスに当てて音を鳴らした。黄金色の液体を揺らしながら、口元に寄せればリンゴのような甘い香りがほのかい漂う。僅かにとろみのある液体を口に含めば、心地よいほのかな酸味と上品な舌触りに思わず眉が上がるのが分かった。
「これ、どこの」 「フランスだったかな。会社の先輩からの貰い物だけど、かなりのワイン好きの人で現地で箱買いしてきたらしいぞ」 「へぇ、美味いな」
流れるような書体でコンドリューと書かれたそのボトルを手に取り、裏面を見ればインポーターのラベルもなかった。聞いたことのある名前に、確か希少価値の高い品種だったように思う。読めない文字をざっと流し読みし、ボトルをテーブルに戻すともう一口口に含む。安物の白ワインだったら炭酸で割って飲もうかと思っていたが、これはこのまま飲んだ方が良さそうだ。詰め物をされたオリーブのピンチョスを摘まみながら、雲一つない空へと視線を投げた。
「そう言えば、鈴木からメール来てたぞ……昨日の同窓会の話」
紫煙を吐き出した君下は、思い出したかのように鈴木の名を口にした。小一時間前に風呂に入ったばかりの髪はまだ濡れているようで、時折風が吹いてはぴたり、と額に貼り付いた。それを手で避けながら、テーブルの上のスマホを操作して件のメールを探しているようだ。俺は残り物の鱈と君下の田舎から貰ってきたジャガイモで作ったブランダードを、薄切りのバゲットに塗り付けて齧ると、「何だって」と先程の言葉の続きを促した。
「あの後女が泣いてるのを佐藤が慰めて、そのまま付き合うことになったらしい、ってさ」 「はあ?それって俺たちと全然関係なくねぇ?というか、一体何だったんだよあの女は……」
昨夜のことを思い出すだけで鳥肌が立つ。あの真っ赤なリップが脳裏に焼き付いて離れない。それに、俺たちが聞きたかったのはそんな話ではない。喧嘩を起こしそうになったあの場がどうなったとか、そんなことよりもどうでもいい話を先に報告してきた鈴木にも悪意を感じる。多分、いや確実に、このハプニングを鈴木は面白がっているのだろう。
「あいつ、お前と同じクラスだった冴木って女だそうだ。佐藤が聞いた話だと、やっぱりお前のファンだったらしいぞ」 「……全っ然覚えてねぇ」 「だろうな。見ろよこの写真、これじゃあ詐欺も同然だな」
そう言って見せられた一枚の写真を見て、俺は食べかけのグリッシーニに巻き付けた、パルマの生ハムを落としそうになった。写真は卒アルを撮ったもののようで、少しピントがずれていたがなんとなく顔は確認できた。冴木綾乃……字面を見てもピンと来なかったが、そこに映っているふっくらとした丸顔に腫れぼったい一重瞼の女には見覚えがあった。
「うわ……そういやいた気がするな」 「それで?これのどこが俺の女だって言うんだよ」 「し、失礼しました……」 「そりゃあ今の彼氏の佐藤に失礼だろうが。それに別にブスではないしな」
いや、どこからどう見てもこれはない。俺としてはそう思ったが、確かに昨日会った女は素直に抱けると思った。人は歳を重ねると変わるらしい。俺も君下も何か変わったのだろか。ふとそう思ったが、まだ青い高校生だった俺に言わせれば、俺たちが同じ屋根の下で10年も暮らしているということがほとんど奇跡に近いだろう。人の事はそう簡単に悪く言えないと、自分の体験を以って痛いほど知った。 君下は短くなった煙草を灰皿に押し付けると火を消して、何も巻かないままのグリッシーニをポリポリと齧り始める。俺は空になったグラスを置くと、コルクを抜いて黄金色を注いだ。
「あー、そうだ。この間田舎に帰っただろう、正月に。その時にばあちゃんに、お前の話をした」 「……なんか言ってたか」
聞き捨てならない言葉に、だらしなく木製の折りたたみチェアに座っていた俺の背筋が少しだけ伸びる。 その事は俺にも違和感があった。急に田舎に顔出してくるから、と俺の車を借りて出て行った君下は、戻ってきても1週間の日々を「退屈だった」としか言わなかったのだ。なぜこのタイミングなのだろうか。嫌な切り出し方に少しだけ緊張感が走る。君下がグリッシーニを食べ終えるのを待っているほんの少しの時間が、俺には気が遠くなるほど長い時間が経ったような気さえした。
「別に。敦は結婚はしないのかって聞かれたから答えただけだ。ただ同じ家に住んでいて、これからも一緒にいることになるだろうから、申し訳ないけど嫁は貰わないかもしれないって言っといた」 「……それで、おばあさんは何て」 「良く分からねぇこと言ってたぜ。まあ俺がそれで幸せなら、それでいいんじゃないかとは言ってくれたけど……やっぱ少し寂しそうではあったかな」
そう言って遠くの空を見つめるように、君下は視線を空へ投げた。真冬とは言え太陽の光は眩しくて、自然と目元は細まった。テーブルの上に投げ出された右手には、光を反射してきらきらと輝く金色が嵌められている。昨夜君下が眠った後、停車中の誰も見ていない車内で俺が勝手に付けたのだ。細い指にシンプルなデザインはよく映えた。俺が見ていることに気が付いたのか、君下はそっとテーブルから手を離すと、新しいソフトケースから煙草を一本取りだした。
「まあこれで良かったのかもな。親父にも会ってきたし、俺はもう縛られるものがなくなった」 「えっ、まさか……昨日実家寄ったのってその為なのか」 「まあな……本当は早いうちに言っておくべきだったんだが、どうも切り出せなくてな。親父もばあちゃんも、母さんを亡くして寂しい思いをしたのは痛いほど分かってたし、まあ俺もそうだったしな……それで俺が結婚しないって言うのは、なんだか家族を裏切ってしまうような気がして。もう随分前にこうなることは分かってたのにな。気づいたら年だけ重ねてて、それで……」
君下は、ゆっくりと言葉を紡ぐと一筋だけ涙を流した。俺はそれを、君下の左手を握りしめて、黙って聞いてやることしかできなかった。昼間から飲む飲みなれないワインにアルコールが回っていたのだろうか。それでもこれは君下の本音だった。 暫くそうして無言で手を握っていると、ジャンボジェット機が俺たちの上空をゆっくりと通過した。耳を塞ぎたくなるようなごうごうと風を切り裂く大きな音に隠れるように、俺は聞こえるか聞こえないかの声量で「愛してる」、と一言呟く。君下は口元だけを読んだのか、「俺も」、と聞こえない声で囁いた。飛行機の陰になって和らいだ光の中で、俺たちは最初で最後の言葉を口にした。影が過ぎ去ると、陽射しは先程よりも一層強く感じられた。水が入ったグラスの中で、溶けた氷がカラン、と立てたか細い音だけが耳に残った。
1 note
·
View note
Text
1027年上半期 腰長世代
前回のあらすじ
姉の仇を討った弟たちは燃え尽きたかのように死んでいった。大海原家の家督は新当主腰長に引き継がれることに。
さて新年開けて人がいきなり減った1月、
これは今際の際だった目鉢が最後の力を振り絞って腰長につけた訓練の成果。もう限界近かっただろうに、よく頑張っていただいたと思うことにする。
そして昨年末に亡くなった柳葉魚の子もやってきた。いよいよ世代の入れ替わりだな…と思う。この子も腰長と同じく自分の父に会うことができなかったんだなぁ。
腰長すごくどうでもいいと思ってそう。
オァッ…(応援してた一族さんに見た目が激似だった時の顔文字)いやでも目の色が違うから全く別人なんだわ…うん、こういうこともあるよね。
火…死んでる…!?
名前は目仁奈(めじな)。釣りで人気のある魚らしい。またもや闘争心の欠片もなさそうな人が来てしまった…職業は父親と(会えなかったけど)同じ弓使いにした。家系が弓使いだから、迷ったら弓使いにしようと決めてる。
この画面で見ると心では土が一番高いけど、多分これは初めて家の門をくぐるにあたって取り繕ってるだけな気がする…本当はぽやぽやタイプと見た。細かいこと気にしなさそう~包容力はありそうな感じするけど。なので性格は↓という感じで想像した(下から読む)。この「心水がいっちゃんたけぇ妹」は目仁奈のこと。

そしてこの月、もうそろそろいいかなということでハモの交神をした。
またもや奉納点で適当に選んでいると思われる。Tumblrにまとめる時は大体交神で神様を選んだ理由を忘れている…ハモはきちんと元服の時に「長点伸ばしたい���って言ってたんだけど…ごめん…
そうすると訓練をつけられるのが緋扇だけになるので、今回は目仁奈の面倒を見てもらうことにした。来たばかりで放置というのもさすがに気が引けたから。腰長も自分が自習したほうが効率いいだろうと判断したんじゃないだろうか。
2月。その緋扇塾はどうなったか。
すっげ…………比較するわけではないけど、比較するわけではないけど(今際の際で命張りながら訓練つけた目鉢は目鉢で全力で頑張ったんだ…と思いつつ)緋扇有能~…末っ子が一番教え上手ってすごいな…と思った。
この月は、引き続き緋扇に面倒を見てもらいつつ、実戦部隊に入れたぞ~ということで腰長の初陣。というより準備体操みたいな気概でやってたんじゃないかなこの人。スクショが残っていなかったので確かではないけど、おそらく親王鎮魂墓のライトなところで敵をチクチクしていた気がする。二人だけだし、何かあったら怖いからこのときは無茶しなかった。
これは腰長の初成長の時の記念スクショ。うーん私にはやっぱスーパードライに見える。全体的には結構悪くないかな、と思った。
ちゃっかり父親の奥義復活させるしさぁ。小器用な腰長。
これはハモの技火にめちゃびっくりしたときのスクショだと思われる。何その技火は?えっどうしたのその技火は?
そんなこんなで準備体操みたいな初陣でしっかり1ヶ月身体を温めましたとさ。
3月。そしてハモのお子さんがやってきた。
腰長すごくどうでもいいと思ってそう。
オァッ…(応援してた一族さんに見た目が激似だった時の顔文字)いやでも目の色が違うから全く別人なんだわ…うん、こういうこともあるよね。
名前は伊良子(いらこ)にした。伊良子穴子の伊良子。ハモと伊良子の家系はにょろにょろしたものという緩くて酷い縛りの名づけをしている。職業は父親と同じ壊し屋にした。この子から親がまだ健在だから…しっかり教えてもらうといい。
性格、落ち着きが無さそう(初見の印象)。優しいし快活でやる気もあるけどマジで落ち着きがない…スーパーヒーロー憧れてそう…人助けをしてるうちに迷子になりそう…「弱きを助け、強きをくじく、正義の味方!伊良子参上よ!」的な感じかな…と思った。
伊良子の指導はハモにお願いした。実の親に訓練をつけてもらうって、すごく贅沢なことなんだね…
で、まぁもうそろそろいいかな…ということでいよいよ三姉弟世代の末っ子、緋扇の交神。
言い訳につきましてはハモと同文。長所伸ばしたいって言ってたの完全に忘れてたんだなぁ(緋扇の長所は火だと思う)。一族様のお言葉をもう少し聞き入れなさいよと思う。
4月。ハモ伊良子親子の訓練どうだったかな。
うん、まぁまぁいいんじゃないかな。技風カッス…いや技土もあれだけど…いやよく頑張りましたよ、うん。
この月は目仁奈が実戦部隊に入るようになったから、まぁまた準備体操ということで、確か紅蓮の洞に行ったんだったと思う。明確な目的があったかどうか…よく覚えてない(スチャラカプレイヤー)。
目仁奈の初成長。案の定火が死んで��る。あとやっぱりお前最初に来たときの心土の高さ絶対盛ってただろう!と思った。技土心配になる…
でもお父さんとひいおじいさんの奥義ちゃっかり復活させてんだぁ…そういえば柳葉魚は連弾弓高砂を復活できなかったんだよね。そう考えると鯛家ラインの期待の星でもある…がんばれ目仁奈…
程々に目仁奈も成長して、うん、結構身体も温まったかな、と思ったので
なんか来ちゃった。
当たらないんだよ…本当にこの人真顔で攻撃避けそうと言うか…
そして討ち取れちゃったんだよ…みたいな…
いやまぁ区切りがよく帰れたね、というだけでそこまでいい戦果があったという訳ではなかったけど、調子に乗って当主が倒れた経験がある我が家でよく迂闊な行動がとれるな…と思う反面「腰長なら行けるだろ…」という根拠のない自信が…あるんだよね…よく成長できました。4月完。
5月!緋扇の子来訪!(緋扇が強いから)期待の星!その前にハモ伊良子親子の2回目の訓練。
うんうん、技カッス…いやうん、でも、まあ、いいわ。よくがんばったと思う。スーパーヒーロー心に磨きがかかった感じするなぁ。
そして緋扇の子。
今この記事を書くにあたって気が付いたのだけれど、能力値と名前が写ったスクショがない(本当)。バカ…バカか…
名前は茜(あかね)。茜貝から取った。職業は薙刀士。髪を切ることがメイン業務になるこの世代において、走竜の薙刀を持つことが義務付けられた、生まれる前からプレッシャーがすごい子。
ただ残念なことに緋扇ほど目を引く素質バーの伸びはなかった…ここからどうやってこの子を緋扇並に仕立て上げるのか、腰長の手腕が問われる。
心の値は心水>心土(バーは一番高い)>心風>心火(バーからしてヤバい)という感じだった。姉たちに似て心優しいけど、姉たちと比べると地に足ついているというか、ぽやぽや感は抜けて割ときびきびしてるしっかり者の末娘という感じかな、と思う。ただ、末娘だし体も細そう、身長130cmくらいの女の子って感じが…する…多分きっとそうなんだ。
茜の指導は緋扇パパに任せて…緋扇も童顔だし末っ子だからあまりパパって感じしないな…むしろ緋扇がパパって見た目の倫理的に問題バリバリな気がしてきた…いや、まあいいや。
とりあえず伊良子の初陣ではあるけれど、そろそろ腰長の足腰もしっかりしてきたし、ここはひとつ術を狙って出陣しようかなと思った。少しでも前に進まなければ…
とりあえずいつまでもお地母では回復が追いつかない、ということで、春菜を求めてふたたび親王鎮魂墓へ向かった。
取れた。
マジか…いやすごくありがたいんだけど、ありがたいんだけど、腰長…あの…お父上は石猿と梵ピンを手に入れるのに大層苦労なさった世代でして…3~4ヵ月ほどずっと鳥居千万宮を放浪していらっしゃったのですよ…あ、いえ、だからどうしたという話ではございますが…という感じ。
しっかりお父様のもう一つの奥義も復活されて…抜け目がないというか…いやスーパードライそうで手段選ばなさそうと思ったのはプレイヤーだけれども。
これは伊良子がハモから受け継いだ奥義を「使いたい使いたい!」って言うから、出陣後半で腰長が「そこまで言うなら使ってみたらいいだろう」と言った結果。ハモ大地震…健康度こんなに食うんだな…と思った。説明文の消費健康度を見ていなかった。まぁいいや、春菜取ったし!
そして6月。教え上手と定評のある緋扇塾、実子への効果はどんなものか。
うん!よし!いい!いいね!さっすが緋扇!とちょっとテンションが上がった。全部2ケタ行くの嬉しいなぁ。
5月に春菜を取ったので、じゃあ今月は清水を取りに双翼院に討伐に行くか、と思い立った。壊し屋親子セットで行くのもな…と思ったので今回は茜の指導係はハモにお願いして、腰長・目仁奈・伊良子・緋扇の4人で討伐に行くことにした。まぁハモもしっかりしてきたから上手くやってくれるだろう。それにしてももう1歳6ヶ月なんだなぁ…早いなぁ。
で、来ちゃった。
お業さん。
だから、鳴神小太郎さんのとこでも行ったけど、軽率に挑むのはどうかと思いつつ、なんか…腰長なら行けるだろうって思っちゃうんだな~~なんでだろうこの説得力。信頼と実績の説得力かな。
勝ったし。
いや、腰長と緋扇が強くて…強くて…
しかも術そんな使わなかったから技力にも余裕がある。健康度も問題ない。時間もある。うわー、すごいな。と言うことで
来ちゃった。
腰長は黄川人のこういう話聞いて何を思うだろうか?と思ったんだけど、
多分、話の内容に関心がない。心底興味が無さそう。話を聞くこと、観察することに意義は見出しそうだけど、話自体はどうでもよさそう。真顔で聞いてそう。「もういいか?」って聞きそう。目仁奈は最初戸惑いそうだけど、隣で腰長様がこんな落ち着いてたら「うん、兄さんがそういうならそうね」ってなりそうだし、伊良子も「何言ってるのかさっぱりわかんないわね!」だし、緋扇は三ツ髪であんなこと(1026年上半期参照)があったから、走竜の薙刀をグッと握ってそうだけど…
来るぞ…
実際、攻撃は耐えられる範囲内だった。二ツ髪は敏捷が高いと聞いていたけど、春菜があるなら印虎姫を撃たれたところで回復が十分間に合う。
何が二ツ髪の不興を買ったのか知らないけど、やたら狙われやたら殴られる目仁奈。腰長はサポートに回りつつ、仁王水をまき、梵ピンを掛け…そういえば腰長、梵ピンは覚えてるけど石猿覚えてないわ、と後から気が付いた、緋扇が覚えてくれていたから問題なかったけど。
これはスクショ下手クソ祭。撮りたかったのは目仁奈が殴られるシーンではなく、その2秒前くらいの伊良子の奥義。ダメージが1800ほどを叩きだして「強い!」と思ってスクショを撮影しようとしたら失敗した。
走竜の薙刀を持つ緋扇も大活躍。もう髪なら1本切ったことのある緋扇なら、心を乱されることもなく、相手を切り裂くことができる!と思う。
腰長のダメージもそこそこ十分な値だった。目仁奈だけ攻撃がカスカスで、その上殴られまくり…ついでに野分まで撃たれてしまった。
けれど
う、討ち取れてしまった……
トドメは腰長。野分で吹っ飛ばされたせいで目仁奈不在だけど、正直、目仁奈の回復に回らざるを得なかった腰長は、野分を受けたからこそ攻撃をすることができたわけで…今回の野分被害について「手間が省けた」くらいに思ってそう~…とプレイしながら思った。
いや、討ち取れてしまった…元服前…いやこれどこまでいけるんだろうこの人…
いやでも、今回の目的は髪を切るというか、今後のために清水を取ることだったんだよ。
取れてたんだよ……
しかもあっさり…しかも4本も…メイン狙いは清水、サブ狙いは魂寄せだったけどまさかここまでとは…
腰長パワー…一体どうしたことというのか…この先恐ろしいことが起こるのだろうかと若干不安になる絶好調さだった。
つづく
1 note
·
View note
Text
●江戸のリサイクルと物売り
本文を入力してください
●江戸のリサイクルと物売り 江戸は凄い時代である。 当時の世界ではナンバーワンと言われるリサイクルが発達していた。 桶や樽などの再生からカマドの灰まで買いに来ていた。 桶屋たるはそこいらに放ってあったものを拾っていった。 我が家はうどん屋をしていて建物の壁一面に薪を積んでいた。 其れを燃やすわけだから灰が出てくる。 幾つまでだったか覚えていないけれども結構遅くまで来ていた。 竈(かまど)の口は大きかったので中に首ツッコミ小さな帚(ほうき)で キレイに履いていったもの。 煙突の煤(すす)もキレイに掃除して買っていったもの。 他に使い道がどのくらいあるのかは判らないけれどススは硯(すずり)などに使った。 灰は染料の色止めや灰汁(あく)抜きとして使った。 食品に含まれる、渋み・苦み・不快な臭いなどの元となる、 食事には不要な成分の総称に成る。 詳しくはhttp://wkp.fresheye.com/wikipedia/灰汁 などを読んで下さい。 物売りも結構来ていた。 焼き芋屋やアイスキャンデーや金魚売り 物干しの竿だけなんかも有った。 売り手のかけ声が懐かしい。 バナナなんかはちゃんとした口上(こうじょう)が有ったようだけど 私は聞いた事がない。 下の動画いくつか集めておいたので再生して聞いて下さい。 いつの間にか録音したものを車で流しながら売り歩くようになった。 これでは効率は良いけれども経費が掛かるのと客とのコミニケーション�� 取れないだろうね。 心のふれあいが無くなり商売するから変に歪んだ商取引になり 騙されたの騙したのなんてなるのでは。 昔は無かった売りっぱなしで責任取らない。 これも権利の先行になり 義務を放棄する事になっている。 今ではその辺歩いている子供に声かけたら大変な事になる。 下手すると誘拐犯にされてしまう。 クワバラ クワバラ 恐ろしい時代になった。 私の日記読んで居る人でも知らなくて道であって声かけたら其れこそどうなるか。 世の中進歩するのも良いことだけど こんな進歩はして欲しくないもの。 コミニケーションが途切れたら同じ空気吸っていても完全に切れてしまう。 道歩いているだけでも眼を付けた なんて言われイチャモンつけられそうだから人の顔は見ないようにしないと。 寂しい時代だね。 ●いちゃもん 言いがかり。難くせ。文句。 「 -をつける」 ●「クワバラ、クワバラ」の意味は 災難や禍事などが自分の身にふりかからないようにと唱える、まじないのこと。 ●めっ・ける [0]【目付▽ける】 ( 動カ下一 ) 〔「見付ける」の転〕 「見付ける」の俗な言い方。見いだす。 「花子さん-・けた」 ●ENEOS童話賞について:童話賞の3つの願い - JXTGグループ https://www.jxtg-group.co.jp/hanataba/awards/wish/ ENEOS童話賞は、「心のふれあい」をテーマに、毎年一般の方からオリジナルの創作童話を募集しております。その中から、厳正な審査の結果、受賞作品を表彰するとともに、一冊の童話集にまとめております。ENEOS童話賞には、私たちの「3つの願い」がこめられています。 ●第50回(2019年) JXTG童話賞 【一般の部 最優秀賞】 雨がすき作者:宮田一平 / 絵:かべやふよう 花が窓から外をながめていると、空から大粒の雨が落ちてきた。 「おかあさん、雨がふってきたよ。」 「あらっ、たいへん。花、駅までお父さんを迎えにいってくれないかな。お父さん、傘を持っていないと思うから。」 「お父さん、いつもの電車?」 「そう、6時半に着く電車。」 「わかった。」 時間になると、花は玄関で大好きなオレンジ色の長ぐつをはき、傘入れから花の赤い傘とお父さんの大きな黒い傘を引っぱり出して、駅へ向かって飛び出していった。 花が駅に着いて時計を見ると、電車が着くまでにまだ少し時間があった。駅の待合は、花と同じお迎えの人たちや雨宿りの人たちの話し声で、いつもより少しにぎやかだった。花が駅の売店の方に目をやると、一人の少年がぼんやりと外を見ながら立っていた。 「あっ、たっくんじゃない。」 花は思わず大きな声を出して、少年のところへ飛んでいった。 「おっ、花か。どうした。」 .....1/5 ●日本語の音長律(1) 百人一首朗詠 - 「かささぎの」2011/02/10 https://youtu.be/76hMbZ0EK1M https://youtu.be/76hMbZ0EK1M?list=PLZyjyoHSWs6P67GI2JU7Yf1ZiVsxxJqXf ●日本語の音長律(2) 売り声 - 石焼芋, さお竹 https://youtu.be/b9PLUCzD_hg ●宮田章司・坂野比呂志 飴売りの売り声の比較 https://youtu.be/pYHsRZRA1mA ●バナナの叩き売り!口上:ありがとう三太さん https://youtu.be/8hOEk8GIGoo ● 江戸は物売りの呼び声が… https://mainichi.jp/articles/20170811/ddm/001/070/197000c 毎日新聞 2017年8月11日 東京朝刊 江戸は物売りの呼び声がにぎやかだった。夏、「ひゃっこい、ひゃっこい」は冷や水売り、「たまや、たまや」と来るのはシャボン玉売りだが、川柳に「荷が呼んで歩く虫売り、定(じょう)斎(さい)売り」というのがある ▲定斎屋は暑気あたりの薬屋で、薬箱の金具がカタカタ鳴るのが呼び声がわり、虫売りは松虫、鈴虫などの鳴き声で客が集まった。その虫売りというのがまるで役者のような粋(いき)な格好をしていたという ▲市松模様の屋台ともどもだんだんと華美の度を増し、ついには天保��改革で禁止されるはめになった。鳴く虫やホタルを売ったこの虫売り、初夏からお盆までの商売で、江戸の人々はお盆になると供養のため買った虫を放ったそうだ ▲虫売りといえば、クワガタやカブトムシが幅をきかせる現代である。だが近年は輸入された外国産の種が野外で見つかる例が相次いでいる。無責任な飼い主が放ったりするためで、日本の固有種との交雑種が生まれている恐れもある ▲オオクワガタやヒラタクワガタは外来種と雑種を作るのが知られている。以前の小紙報道によると、関西ではあごの形などが国産種と違うオオクワガタなどが見つかっている。自然界で交雑を放置すれば、やがて固有種がいなくなる ▲売買や飼育への規制導入も、すでに大量に飼育されている現状では難しそうだ。専門家は飼い主のモラルを高める教育や啓発、飼育に困った外来種を業者が引き取る仕組みを求めている。外来種を放ってはならない。たとえお盆であってもだ。
物売りの声 寺田寅彦 青空文庫 https://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2514_9317.html 毎朝床の中でうとうとしながら聞く豆腐屋のラッパの音がこのごろ少し様子が変わったようである。もとは、「ポーピーポー」というふうに、中に一つ長三度くらい高い音をはさんで、それがどうかすると「起きろ、オーキーロー」と聞こえたものであるが、近ごろは単に「ププー、プープ」というふうに、ただひと色の音の系列になってしまった。豆腐屋が変わったのか笛が変わったのかどちらだかわからない。 ●物売りの口上 https://www.youtube.com/results?search_query=%E7%89%A9%E5%A3%B2%E3%82%8A%E3%81%AE%E5%8F%A3%E4%B8%8A ●陣内智則 物売り屋さん https://youtu.be/jxrMOQakvq8 ●下町の物売りの声を思い出してみませう 千代ばあちゃんの思い出袋 http://hachisu-net.com/chiyo/taishouki.html ●物売り 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 「http://ja.wikipedia.org/wiki/物売り」より ■物売り(ものうり)とは路上で移動しながら、主に鳴り物や独特の売り声を発しながら呼び込みをして食事を提供したり、物品などを販売、修理や古物や廃品の買取や交換をする者。 「引き売り」・「引売り」ともいうが「物売りの声」・「引き売りの声」という言葉が一般的に馴染深い。屋台や行商や街商と重複する部分もあるが、行商は固定客に対しての訪問販売が主であり、街商は市や縁日で一所(ひとつところ)で留まって商売する事や物売りが必ずしも屋台ではなかった事から区別する事が出来る。 ■ 歴史 鈴木春信画:『水売り』水売りの少年が描かれている浮世絵江戸時代から盛んになり「棒手振」・「棒手売」(ぼてふり)と呼ばれていて日用品の食材から生活必需品まで衣食住に係わる全てのものが売られており幕府の許認可を受け鑑札を持った物だけが営業できた。 これに違反すれば厳しい処罰があったが、生活困窮者や弱者の就業を目的とした幕府の政策でもあった。 季節物の販売も多く、蓮の葉商いの傾向も強いが市や祭事の門前町などの街商は場所代や既得権が必要であったが、棒手振は歩き売りという形を取っていたのが街商などとの差異であり、また季節物ではない代表的なものとして、夜鳴き蕎麦屋や鮨屋などがあげられる。 当時は大八車(リヤカー)ではなく主に道具や商品や食材の入った箱や笊(ざる)、籠(かご)や桶(おけ)などを両天秤にして天秤棒を担いで売り歩いたので棒手振と呼ばれていたが、道具や品物の入った箱を片方の肩で担いで売り歩く者もいた。 江戸時代にはその場で調理する屋台だけでなく、調理済みの天麩羅(てんぷら)、鰻(うなぎ)の蒲焼などを木箱に入れ、物売りが売り歩いていた。 近年では自転車やリヤカーをもとに形だけではなく設備も充実させ、煮炊きが出来る(ただし江戸時代から屋台では煮炊きの設備を備えていた)物売りも増え、昭和初期から昭和40年代まで品を替え(鮨や蕎麦は廃れおでん売りや菓子パン売りなどが盛んになった)世間で一般的に見られたが、江戸時代から変わらず続いた豆腐売りや納豆売りや金魚売りなども含め、今ではほとんど見る事はなくなった。 しかし現在では自動車に設備を載せ決まった場所(就労者は多いが外食産業や商店の無い所など)で食事や弁当やパンなどを調理、販売をしているものも見られる。また高齢化社会に伴い利潤のみならず地域振興や福祉目的を持って幾つかの小さな企業が、物売りとして豆腐などの大豆食品を呼び込みのラッパを使うなど、昔ながらの形態で販売を始めている地域も存在する。 ■ 物売りの種類と売り声や鳴り物 ●食事 ・鮨屋(すしや)---江戸前寿司の始まりは、物売りや屋台であったので今でも名残として立ち食いの鮨屋も東京を中心にみられる。 ・夜鳴き蕎麦(そば)---呼子といわれる笛を吹いていた。宵に笛を吹きながら商売したので「夜鳴き蕎麦」とよばれた。日本蕎麦はなくなり中華蕎麦(ラーメン)になり、笛もチャルメラという物に変わった。 ・鰻(うなぎ)売り---江戸時代当初は生をその場で捌いて客に渡したが、その後蒲焼にした物を売ったり、その場で調理するものもあらわれた。割り箸は鰻屋の発案で引き割り箸といった。 ・賄い(まかない)屋---江戸は女性の比率が二割といわれ独身の男性が非常に多く、宮使いで制約の多かった下級武士の専門の弁当屋として成り立っていた。 ・おでん売り---昭和40年代まで日本各地にみられ、晩のおかずに主婦が鍋を持って買いに来たり、子どもがおやつとして買っていた。 ●菓子 ・飴(あめ)売り---多種多様な飴売りが存在し競争も激しかった為、今の出店や夜店の的屋の元になる、くじ形式や余興や口上などで趣向を凝らしていた。 ・鼈甲飴(べっこうあめ)---練る飴細工も有名だが、鼈甲飴も溶かした飴を型などに流し込み、様々な形を平面的に作り上げて、売っていた。 ・飴細工---鋏(はさみ)や指先を使い飴を練って三次元的な立体造形の飴を作って売っていた。詳しくは飴細工を参照の事。 ・揚げ団子売り---昭和初期ごろまで見られ、小麦粉を甘く味付けして中華菓子の様にその場で揚げて、主に子ども向けに売っていた。 ・焼芋屋---「やきいもーやきいもー栗よりうまい十三里ー」栗より美味い十三里と言う文言は「栗」を九里と「より」を四里とを足して焼き芋のことを十三里というなぞかけ言葉である。 ●食材 ・蜆浅蜊売り---「しじみーあさりー」この他にも蛤や赤貝なども専門で売られていた。 ・鰯売り---売り声「いわしこーいわしこー」「いわし」は真鰯で「しこ」はカタクチイワシのことで獲れたてを海浜近郊で売っていた。魚は他にも、鯨、初鰹、烏賊、白魚、秋刀魚、鯵など旬の物も売られていた。 ・納豆売り---売り声「なっとー、なっとなっとうー、なっと」江戸時代から続いていたが近年では主に自転車に品物を積み販売していた。江戸では上記の蜆浅蜊売りとともにポピュラーな存在で、「納豆と蜆に朝寝起こされる」などという川柳も残る。 ・豆腐売り---ラッパを使い「とーふー」と聞こえる様に吹いた。行商の色合いが強い地域もある。 ・青果など---蜜柑、西瓜や大根、蕪(かぶ)、自然薯(じねんじょ、山芋の)、生姜など野菜や果物を季節ごとに販売していた。 ●生活用品の修理、販売 ・定斎屋(じょうさいや)---昭和30年頃まで存在したといわれ、江戸時代の物売りそのままの装束で半纏(はんてん)を身にまとい、天秤棒で薬箱を両端に掛け担いで漢方薬を売っていた。また力強く一定の調子で歩いた為、薬箱と金具や天秤棒のぶつかり合う音が独特の音となり近隣に知らせた。 ・羅宇屋(らうや)---煙管の羅宇と呼ばれる部分のヤニとりや交換をしていた。小型のボイラー���積みその蒸気で掃除をし、また蒸気の出口に羅宇を被せ蒸気機関車の警笛の様に「ぴー」という音を出して知らせた。詳しくは煙管を参照のこと。 ・竿竹売り(さおたけうり)---売り声「さおやーさおだけー」本のタイトルにもなり注目を集めた。 ・鋳掛屋(いかけや)---金属製の鍋や釜の修理販売をしていた。詳しくは鋳掛屋を参照のこと。 ・金魚売り---売り声「きんぎょーえー、きんぎょー」金魚とともにガラスの金魚鉢も売っていた。ちなみに江戸時代の金魚鉢は吊り下げ式で軒下などに吊るして下から観賞していた。 ・風鈴売り---風鈴の音色が呼び込みになった。 ・買取---古紙、古着、金物、番傘、屎尿、樽、桶、糠など様々で、江戸時代は最近の研究では、全ての時代の世界の中でも高い水準でのリサイクル社会であったと考えられている。 落ち買い---「おちゃない おちゃない」という呼び込みの声で抜け落ちた髪の毛を買い取っていた。京都では女性の専業であり、髪文字屋(「かもじや」と読み、付け毛製作販売業)に買い取った髪の毛を卸していた。「落ちていないか」が「おちない」から「おちゃない」に変化したといわれる。 ■振売(棒手売から転送) 振売・振り売り・振売り(ふりうり) 商品を天秤棒に担いで売買すること。転じて、そのような商売をする商人を指す。 この様式の商売は、行商��うち比較的狭い範囲を巡回する形態に多く見られる業態である。天秤棒の両端には商品を入れた桶や箱などの容器をぶら下げる。 http://ja.wikipedia.org/wiki/振売 ●蓮の葉商い http://ja.wikipedia.org/wiki/蓮の葉#蓮の葉商い 蓮の葉(はすのは)とは蓮という水生植物の水面に浮いている葉のことをさし漢方薬の伝来により荷葉(かよう)ともいう。また蓮根(れんこん)の葉としても馴染が深い。ヒンドゥー教、仏教、密教においては「蓮」そのものが特別な意味を持ち蓮の花、蓮の実と共に珍重される。蓮の葉はロータス効果という現象の説明において代表的なものでもある。 蓮の葉商い(蓮の葉商ひ、蓮葉商い)とは、古くから日本各地の朝市や縁日などで、その時々に自生する銀杏、アケビ、椎(しい)などの木の実や五節句、二十四節気の年中行事に必要な季節物をその期日の前に商いしていた者をさし、(近年、近代から八百屋や花屋や街商も季節物を売っていた)その中で盂蘭盆(うらぼん)に使う蓮の実や蓮の葉が特に珍重された事や、商品の多くを蓮の葉や蕗(ふき)の葉の皿の上に置いて売っていたという事などから、季節物を扱う商人を「蓮の葉商い」(はすのはあきない)と呼ぶようになった。しかし季節物という短期使用のいわゆる、消え物であることから多少品質が悪くとも問題にならない、しない物という捉えかたがされ、きわもの売りやまがい物を売る者という意味を持つようになり、蓮の葉の言葉の意味が際物(きわもの)やまがい物を指すようになった。 季節ごとの主な商品 ・1月 一月一日 - 七日の正月・人日の節句---橙(だいだい)、榊、松、竹 ・2月 二月三日の節分---鰯や柊、大豆「鬼が入らないための結界と追い出すための道具」 ・3月 三月三日の桃の節句---桃の花 ・4月 四月八日の灌仏会(釈迦の誕生日)---甘茶「紫陽花の近縁種の植物の葉」 ・5月 五月五日の端午の節句---柏の葉、菖蒲「柏餅、菖蒲湯」 ・7月 七月七日の七夕---笹や竹 ・8月 八月十三 - 十六日 盂蘭盆(仏教行事)---蓮の葉、蓮の実 お盆(日本古来の祖先崇拝の祭り)---鬼灯・酸漿(ほおずき)、真菰馬(まこもうま)、小豆、大角豆(ささげ)関東地方では豆がはぜるのが切腹と通じるのを嫌い小豆の代わりにこれで赤飯を作った。 ・9月 九月二十五日の月見---ススキ、枝豆、栗 ・0月 十月十九日・二十日の恵比寿講--- 大根、牛蒡(ごぼう)などの根菜や魚(恵比寿は日本では漁業の神でもある)「五穀豊穣と大漁祈願の祭事」 ・12月 十二月十三日のすす払い---鯨「すす払いの後、鯨汁を作って食べる習慣があるため」 十二月二十二日の冬至---柚、南瓜(かぼちゃ)「柚湯、南瓜粥で冬の英気を養った」 ●行商 https://ja.wikipedia.org/wiki/行商 行商(ぎょうしょう)は、(特定の店舗を持たず)商品を顧客がいるところへ運び販売をする小売業(サービス業)のこと。 ●屋台 https://ja.wikipedia.org/wiki/屋台 屋台(やたい)は、移動式の簡易店舗。簡単な飲食物や玩具などを売る。似た言葉として露店(ろてん)があるが、露店は移動式とは限らず、歩道上に物を並べて販売したり、建物の1階で物を売る店も含まれる。 ●商業 https://ja.wikipedia.org/wiki/商業 商業(しょうぎょう)とは、財やサービスなどの商品を所有している人やまたは存在している場所と、必要としている人または必要としている場所を結びつけることにより利益を得る職業または経済活動である。多くは貨幣の媒介を経て市場や個々の店舗において取引(商取引)という形式をとって行われる。ただし、貨幣や市場などを媒介しないケースを含める場合には「交換」と呼ぶこともある。また、「商業的」という場合、「営利を目的として」という意味になる(例:商業的生産)。 ●ろてん【露店】 道ばたに商品を並べて売る、屋台店(やたいみせ)。 「―商人」 ●ろてん【露店】 https://ja.wikipedia.org/wiki/露店 ●屋台 https://ja.wikipedia.org/wiki/屋台 屋台(やたい)とは、屋根が付いていて、移動可能で、飲食物や玩具などを売る店舗。 屋台の形態は国や地域によって様々なものがあるが、初期の形態としては、天秤棒で担いで売り歩いた形態があったが商品を多く運べないのが欠点。リヤカーのように可動式の店舗部分を人力、自転車、オートバイで牽引するものや、テントのように組み立て型の骨組みをもとに店舗を設置する場合もある。またトラックの荷台の部分を改造したものもある。似た言葉として露店(ろてん)があるが、露店は移動式とは限らず、歩道上に物を並べて販売したり、建物の1階の店先で物を売る店も含まれる。 ●蚤の市 https://ja.wikipedia.org/wiki/蚤の市 蚤の市(のみのいち、flea market、フリーマーケット)は、ヨーロッパの大都市の各地で春から夏にかけて、教会や市庁舎前の広場などで開かれる古物市。パリの蚤の市が有名。北米では大規模な倉庫や体育館など屋内で開催されるものもある。出店者は一般家庭や仲間で集まったグループから、古物商や雑貨商の様な事業者まで幅広い。 ●的屋 https://ja.wikipedia.org/wiki/的屋 的屋(てきや)は、縁日や盛り場などの人通りの多いところで露店や興行を営む業者のこと。祭りや市や縁日などが催される、境内・参道・門前町において屋台や露店で出店して食品や玩具などを売る小売商や、射幸心を伴う遊技として射的やくじ引などを提供する街商や、大道芸にて客寄せをし商品を売ったり、芸そのものを生業にする大道商人(だいどうしょうにん)などが含まれる。「当たれば儲かる」ことから的矢[1]に準えて言われるようになった言葉である。 的屋(まとや)、香具師(やし)、三寸(さんずん)とも呼ばれる。 ●露天商 https://ja.wikipedia.org/wiki/露天商 露天商(ろてんしょう)とは露天(屋外や青空の下)で店舗を持たず商売をする者。露店商とも表記し、街商(がいしょう)ともいう。 的屋(てきや)、香具師、三寸は辞書[2]では、同じ説明がなされている場合が多い。職業神として元々は中華文明圏より伝わり、神道の神となった「神農の神」「神農黄帝」を祀り、独特の隠語を用いる者が多いため、狭い世界では神農(しんのう)とも呼ばれる。 警察においては、的屋を暴力団の起源の一つと定義しており、戦後の混乱期に的屋は、博徒・愚連隊と同様に闇市を縄張として、覚せい剤の密売などの違法行為を行っていたと警察白書に記されている。平成以降の暴力団の定義でも「博徒、的屋等組織又は集団の威力を背景に、集団的に又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織」としており的屋も暴力団の経済活動の一つとしている。 ●反社会的勢力 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/反社会的勢力 反社会的勢力(はんしゃかいてきせいりょく、英語: Anti-Social Forces)とは、暴力や威力、または詐欺的手法を駆使した不当な要求行為により経済的利益を追求する集団又は個人の総称である。暴力団や半グレ集団などを広く呼び、反社(はんしゃ)と略される。 ●ヤクザ https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤクザ ヤクザとは、組織を形成して暴力を背景に職業として犯罪活動に従事し、収入を得ているものを言う。この偏倚(へんい)集団を特徴づける要因の一つに集団内部の「親分子分」の結合がある。また下っ端に該当する場合は「チンピラ」と称される。 大辞泉は「やくざ」について次の2通りの説明���示す[1]。 役に立たないこと。価値のないこと。また、そのものや、そのさま。「―に暮らす」「―な機械」「―仕事」 ばくち打ち・暴力団員など、正業(せいぎょう)[2]に就かず、法に背くなどして暮らす者の総称。「―渡世」 「やくざ」研究の古典的名著とされる岩井弘融の『病理集団の構造』の序説で「親分乾分(岩井は故意に、乾としている。読みは「こぶん」で同じ)」の関係は民俗学(柳田國男他)や社会学(川島武宜他)において説明されるところのオヤカタ・コカタの関係と共通の社会的基盤を持つと説明している。 ◆あんにゃとあねま - 縄文人の反乱 日本を大事に - Goo ブログ https://blog.goo.ne.jp/s6990714726/e/1448c6d0f0267f9daef8224a69cbd13e 2012/02/29 あんにゃとあねま あねまあんにゃ 棒八もん 形見位牌 証文をまく コレは映画に出てくる幾つかのコトバ。 忘八だけは引っかかるけど後のコトバは100見ても出てこない。 ヤフーでいつも検索すると一ページに100表示するように設定している。 始め方に新しいページが出てくる可能性がある。 生地はなるべく新しい方が良い。 中には古くても良いモノも有るけど。 ◆木颪の酉蔵 ~ 浜木綿子さんが演じた女親分【Respect】 2016/06/29 https://youtu.be/7vXf5Xrymnc 木颪の酉蔵:「子連れ狼」"あんにゃとあねま" に登場した房州の揚屋・女衒の元締め。 萬屋錦之介版の子連れ狼では浜木綿子さんが演じました。
拝一刀とのやり取りで見せた貫録と美しさはひときわでした。 私もそうですが、この役は浜木綿子さんでこそ演じきれたと思う方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。 子連れ狼 第一部 (1973年4月 - 1973年9月) 日本テレビ放送網 製作:ユニオン映画、スタジオシップ 第三話 あんにゃとあねま 拝一刀 - 萬屋錦之介 大五郎 - 西川和孝 木颪の酉蔵 - 浜木綿子 お松 - 竹下景子
0 notes
Text
水の中の幸せの国
クローゼットには生理食塩水のボトルが並んでいる。 そのうち十本くらいをバスルームに運ぶと、にわかに溜まっていくお湯に放り込む。時間もないので温度は高めにしたけれど、熱くするわけにはいかない。冷たすぎてもだめだし、水道水で済ませるなんてもってのほかだった。 取り上げたボトルを一つひとつ開けて、中身を青いポリバケツに移す。かんぺきな温度だった。ちょうど準備が済んだころ、インターフォンが鳴った。 奏はもう、ひどく震えていた。 私を一瞥するとバッグやコートを放り投げて、バスルームへ向かう。荷物を廊下のはじにまとめて玄関の鍵をかけると、すごく絶望的な気分になった。下ろしたチェーンには、最悪だった頃の人生と同じ手触りがあった。 バスルームから鈍い音がして、少し急ぐ。奏は床にひざまずくかたちで、私を見上げた。黒いタイツがびしゃびしゃに濡れていて、転んだのかなと思った。その目にはどっぷりとした暗黒があって、懇願していた。抱え込むみたいにした青いポリバケツの水面が激しく揺れていた。 私は、脱衣所から持ってきたタオルの一枚をバケツのふちに、あと二枚を奏の後頭部と首にあてる。まくっていた袖を下ろすと、両腕でしっかりその箇所を掴んだ。そのとき、奏が私を呼んだ。「加蓮」その声は、崖に指だけをかけて求める救いみたいに聞こえた。儚くて、濃厚な諦めとかすかな望みがあって、バケツの中で反響した。それで私は耐えられなくなって、力いっぱい奏の顔を水に押しつけた。奏は一度全身を震わせると、次は激しくこわばらせる。両手で挟まれたバケツが形を歪める。ぎ、とか、び、とか、プラスチックの悲鳴がバスルームによく響く。 しばらくは、静かな時間が続いた。その間、奏の顔を水に押しつけながら、この子が幸せになれたらいいのにとずっと思った。あと、私も。 空気の弾ける音がして、私はおなかに力を入れる。奏の手が助けを求めはじめる。力なく宙を探って、やがて私の腕をとらえると懸命に引き剥がそうとする。だけどひざまずいてできる抵抗なんてたかが知れている。服の袖をのびさせるのでいっぱいで、運悪く爪が手の甲を擦って血が滲んだ、その程度。次は全身をばたつかせだすけれど、それだって濡れてよく滑るバスルームではたいした効果を持たない。だいたい、奏は非力だった。それは私も同じで、だから位置の上下がそのまま結果になった。 不意に抵抗は力を増して、私も必死になる。それは消える前の電球が一瞬だけ眩しく光るのと同じで、奏はすぐに最後の力を使い果たす。袖を掴んだ手が床にぼとりと落ちる。 私は、深く息を吸う。弾んだ呼吸をしずめながら、ちょうど五回息を吸って吐くと奏の頭を引き起こす。 きれいな顔だった。まつげから、涙みたいな滴がしたたった。みだれた前髪は目のきわをなぞると半開きの唇へ入り込んだ。それをカテーテルチューブのようだと思う。命を吸い上げるために作った、特別の。 体を引っぱると、全身が委ねられる。私は床に奏の体を預けて、頬を叩く。何回かそうして、今日は少し深いらしいので仰向けにして気道を取ると息を吹き込んだ。唇から、死の味がした。 また何度かそうして、頬を強めに叩いて、それでも奏は目覚めない。だから次は、��を作ってタオルを巻く。奏の胸にもタオルを敷いて、それから、力いっぱい叩く。ごぼごぼ。奏が水を吐き出す。決して少なくない量の水を吐いて、咳こんだりひゅうひゅう喉を鳴らしたりしながら、やがて私を見つける。すがりつく。泣きはじめる。セーターのライトグレーは、濡れてほとんど真っ黒に見える。 私は、奏を抱きしめる。できるだけ優しく背中をなでると、「今日は、会えた?」と訊ねた。 奏は「うん」と答える。「会えたよ、加蓮。ありがとう、本当に」 私は「良かった」と言う。そうして、昔、院内学級の先生が歌ってくれた何かの宗教にまつわる歌を口ずさむ。そのうちに寒くなってきたので、カランを上げた。シャワーが流れ出すとバスルームを白い煙が覆って何も見えなくなる。
北条加蓮と速水奏のことを誰も知らない。ふたりが育んでいる愛や悪い夢のことを、誰も。 朝、裸の体には死と性の余韻がある。それを私がシャワーですっかり洗い流すと、奏が朝食の準備をしている。これはこう、これはこう思ってたけどあとは任せる。そう言って奏はバスルームへ、私はキッチンへ向かう。シンクには四角く切り取られた朝日が射して、レタスの葉の滴にみずみずしく反射した。 私たちは朝食をあまり必要としない。だけどそうすべきだと思うから(こういう夜を過ごすようになってからは特に)きちんとこなす。炭水化物のない、サラダとスープとヨーグルト、そんな簡単な食事をする。 私たちはセックスは夜眠る前にすべきだという意見を共有していて、太陽の下にその影がのぞくことを許せない。だから食卓は和やかで、そこには濃厚な幸せの光が射し込む。日射しの下にいるときの私たちはちゃんと愛し合い、互いを大切にして、調和を重んじた。それと、死を毛嫌いしていた。 「レコーディング、何時からだっけ?」 「私? だったら十七時よ」 「その前は?」 「十五時半まで別現場。あなたの歌は、そうね、少しくらい聞けるかも」 「巻きで終わらせるし」 「期待してるわ」 「ちなみに、私は後ないから」 「……差し入れくらいは、ちょうだいね」 「期待してるからね、かなでー」 かちゃかちゃとフォークやスプーンの音を響かせて、私たちは笑い交わす。その声を、クローゼットで山積みになった生理食塩水が聞いている。空のボトルが、透明なビニール袋の内側からじっと覗いている。 私たちは所有されている。この頃は、そう思うことが多い。
死にかけたことがある。何度か。 そのうち一度は自分から望んだ。映画で見たやり方で、お湯をたっぷりためたバスタブで溺れ死のうとした。 そのとき、私は子どもだった。息が続かないのがすごく苦しいことも、バスタブがよく滑ることも、死がいつだってすぐ隣にいて私を待っていることさえ、何も知らなかった。 意識を取り戻したとき両親がたくさん泣いていて、たくさん叱られた。私は誤嚥のせいで肺炎になった。またしばらく入院して、こんなに辛いならもう絶対にあんなことしないと誓った。 ただ、忘れられずにいた。水の中で意識を失う瞬間に訪れた純白の世界。あの、無限の幸福。その一瞬で、私は両親と、世界中の人たちと笑顔を交わした。好きなものを好きなだけ食べて、好きな歌をいつまでも歌うことができた。背中に生えた羽根で青空を飛び回ったし、マラソン大会でゴールテープを切ることだってできた。 そして、そこで私は愛する人に出会った。子どもの私は愛なんてきっと知らなかったのに、その意味も、形、においやそれが強く心を震わせるということも、すべてがわかった。その人に触れられると、何もかもが肯定された。生まれてきて良かったと、髪をなでてくれたとき思った。抱きしめ合うと、涙が出た。嬉しくて泣いて、それからまた笑った。その人は最後に言った。「大丈夫だよ」と。 その言葉を、魔法だといまも思う。 私を救ってくれるし、ゆっくりと、でも確かにほろぼしていく。
休憩室で奏を迎え入れると「どっちだと思う?」と私は言った。奏はスタジオの時計を眺めると「お疲れさま」とほほえむ。ソファに腰を下ろしてコートを脱ぐと、膝の上で畳んだ。差し入れの紙袋が大げさに騒いだ。 「あーあ残念。今日、最高だったから奏に聞いてほしかったなあ」 「私もよ。巻いて終わらせたのに」 「こっちも早いと思うよ。エンジニアさんが上手だから」 「程々に、期待しておくわ。その彼は?」 「プロデューサーさんとタバコ休憩」 「長引くかしら」 「やな顔しないの」 「苦手なの。仕方ないでしょ」 「慣れるしかなくない? ね、先に食べちゃおうよ」 「そうね、今のうちに」 それから私はポテトサラダ、奏はサーモンマリネのサンドイッチを食べる。ふたりともおなかを空かせていて、私たちには珍しく食べることに夢中になった。そうしているうちに奏の唇のはじがドレッシングで汚れたのを見つけて、突然、愛しくなる。胸がいっぱいになって、じっと見ているしかできなくなる。すぐに奏は視線に気付いて、唇のあたりを指でさぐった。ドレッシングに指先が触れると少しだけ眺めて、舌ですくった。そうしてから、お行儀が悪いと自分を戒めるみたいにウエットティッシュで丁寧に拭いはじめた。 私は、その仕草を好きだと思った。からかうみたいに頬を撫でたら、静かなキスがしたい。そんな、澄んだ願いが胸に満ちた。 そういう瞬間が、私たちの間にはある。たまにとか時々とかの気まぐれではなく、ちゃんと。 せめて言い訳くらいはしようかなと思っていると、エンジニアとプロデューサーが戻ってくる。彼らがサンドイッチを食べ終えるのを待って、レコーディングが再開される。私はふざけて奏をメインブースまで見送ると、休憩室で時間を潰した。 奏を見ていることが多かった。真剣な横顔や、屈託のない笑い方。指示を受けて頷くとき、前髪がかすかに揺れた。 いつの間にか眠っていたみたいで、目を開くと奏が隣に座っている。 「うそ、終わった?」 「歌はね。あとはかけ声とか、三十分もかからないと思うわ」 「ヤバい、差し入れ買わなきゃ」 「今から? もういいんじゃない?」 「そうもいかないでしょ、すぐ戻るね」 「そう」と奏は唇に触れて笑う。「楽しみにしてる」 私はスタジオを出ると、駅前へ急いだ。目星はつけていたのに店先に着くとやっぱり悩んで、どうにか季節のフルーツロールを選ぶ。切り分けてもらって、帰り道では崩れないようにゆっくり歩いた。慌てたせいでマフラーを忘れてきたから、首もとだけひどく凍えた。 コントロールルームにはまだ、エンジニアの姿があった。休憩室から覗いていると、彼に手招きされる。ちょうど録りも最後だというので、メインブースを眺めた。奏は私を見つけると、手を振ってみせた。私も手を振り返して、奏に合わせて唇だけを動かした。わぁーお。音のないユニゾンをして、オーケーが出るとガラス越しにふたりして笑う。扉が開くと声も混ざって、こんなふうに、大人になっても同じことに笑い合えたらいいと思った。 それから、四人でフルーツロールを囲む。心地よい疲労感や苦いカップコーヒーと一緒に。みんなイチゴを最後まで残して、気が合うね、と言ってからせーので食べた。 帰り支度を済ませた頃、タバコから戻ってきたエンジニアが「降り出したよ」と言った。まだ弱いけど早く帰った方がいい、置き傘をあげるよ、と。 ありがとうございます、と私たちはつとめて明るく答える。もう足下は水に浸かっているのに、気付かないふりをする。それがすごく上手で、誰にもわからない。互いにだけ、よくわかる。
奏とは、気が付けば恋人になっていた。告白も、ドラマチックなキスなんかもなく、いつの間にか。もしかして、私がそう思っているだけかもしれない。けれどこの関係の呼び方を他に知らない。 私たちはよく似ていた。好きなものや心動かされるものごと、嫌悪する相手や信じる哲学、きっと、心の色や形。私たちには互いの望みが自分が感じるように伝わった。それは、おそれについても同じだった。だから奏がどうしようもなくその人を愛しているとすぐにわかったし、同時に私が抱いてしまった叶わない願いも隠せなかった。 私たちには、互いのことがよくわかった。傷の深さもそれが化膿していくだけで治る希望がないということも、すべて。 最初は傷口を塞ぎ合う、せめて痛みがやわらぐように手をあてる、それだけだった。触れた箇所はやがて癒着して、剥がそうとすれば血が流れ出した。そういう不可分な関係になったと気付いたとき、それが愛の起こりだったように思う。 自然の摂理だった。たまたま近いところに落ちた雨粒がくっついて一つになった、そういうこと。 それから、私たちは違う人を愛しながら互いを愛した。奏の悲しみがこぼれるとき私は手のひらで受け止めたし、私が膝を貸してと言うと奏は黙って髪を梳いてくれた。いつも、切実な態度で。 私たちの間には愛情があった。互いを想いやるとき、それはとても清らかに澄みわたった。初めてキスをして、そのままセックスをしたとき、私たちはこの関係が昇華していくのを感じた。霧のように孤独が晴れて、これからふたり、ちゃんと互いだけを愛する日々を暮らしていける。このなだらかではない道を支え合いながらともに歩いていける、心からそう思ったことを覚えている。 残酷な夢だ。子どもが作る、すぐに解ける結び目。 結局、私たちは似すぎていた。叶わない愛をしてしまうのも、それ���ぜんぜん諦められないのも、ふたりの人を同時に想うなんてできないことも、抱きしめる以外の慰め方を知らないのも、何もかもがそっくりだった。 奏に触れるとき、私はいつも自分に触れている。自分がしてほしいことを奏にして、それでふたりはうまくいく。 だから、私たちはいつだって寂しい。冷たい水に身を浸して凍えないように身を寄せ合う。何も生まない、それでも、偽りのない愛情。 少しずつ、確実に絶望は蓄積された。膨れすぎた滴がはじけて形をなくしそうになった頃、あの、溺れ死ぬときに感じた多幸感を思い出した。 はじめは私からだった。冷たい水道水でしたので喉を痛めて、何度かくり返すうちに体温の生理食塩水がいいと気付いた。 そのうちに、奏もはじめた。 今は四六くらいで奏の方が多い。たぶん、数えたことはないけど。
電車に乗っているうちに雨がやんで、もらった傘を忘れて出た。わざとだったかもしれない。スタジオの置き傘はかび臭かったし、それでも私の心をみだしたから。 雨は嫌いだった。いつか好きでいた頃の気持ちを否応なく目覚めさせるから、今はこの世界の中でいちばん嫌いなものだった。 「もうすぐ着くよ」と奏は言う。そんなことわかっているのに、奏の家までの道すじなんて目を閉じていてもわかるのに、そう伝えてくれる。 今日は、いい一日だった。いろんなことがうまくいって、幸せだった。雨なんて降らなければと、そう思った。 高く上がるほど、手ひどく落ちる。私たちはばらばらにされる。激しく、何度も何度も。 家の中は寒かった。外よりもずっと。 私はじっと待つ。バスタブに放り込まれたボトルがお湯に沈んでいくのを見ながら、体は震えた。奏はてきぱきと準備をしながら、一度だって私を省みない。それは、作法だった。食事の前に手を合わせたり眠る前にまぶたにキスをするのと同じ、あるいは、この声がちゃんと届きますようにと祈るときに手で切る十字。あらゆるものごとには正しいやり方があって、私たちはそれを大切だと感じるように生まれてきた。ちゃんと人を愛することだって、そう。まぼろしの幸福に依存せず生きることだって、その一つ。 大切なことばかり、私たちはうまくできない。 柔らかな音をたてて、ぬるい生理食塩水が青いポリバケツに満ちていく。私には、それがフルオーケストラのクラシックコンサートのような厳然さで聞こえる。 水面に顔を近づけると、視界は真っ青に染まった。優しい景色だ。何も見えない、眠る前の暗闇によく似ている。タオル越しの手のひらが後頭部と首を掴むと、あかい安堵の火がともった。だから名前を呼んだ。「奏」と言って、ありがとう、そう続けようとした。バケツの水に顔を押しつけられたので、言えなかった。 どんなに死にたいと思っていても、体は生きようとする。水の中の私は息を止めて、鼓動を落ち着けて、できる限りこの世界にとどまろうとした。それが無理だとわかると、死を恐れはじめる。めちゃくちゃに体をばたつかせてする必死の抵抗を、悪魔のような手のひらが押し潰した。いともたやすく、残酷に、命は沈んだ。 そうやって、幸せの国にたどり着く。 そこではたくさんの思い出や重ねた日々が、きらきらと光った。星のようにまたたいて、スポットライトのようにきらめいて、あたりは真っ白だった。空気は暖かく、地面は柔らかくて、一歩ごとに爽やかな花の香りがたちのぼった。私の隣にはいつからかその人がいてくれて、手を繋ぐと人生のすべてが祝福された。折り重ねた過去を、開けていく無限の未来を私はその人と歩いた。一瞬一瞬が幸福で、満ち足りた。抱きしめ合う体がやわらかくて、ふわふわの髪が愛おしくて、私はいつも泣いていたし、いつだって笑っていた。とつぜんキスがしたくなって、私は体を少しだけ離すと「愛してるよ」と言った。その人は笑って、照れるみたいに笑って、言おうとした。 終わらなければ良かった。せめて、あとちょっとだけでも。 息が苦しい。おなかの底が熱くて、ひどい吐き気がした。涙が抑えられなくて、だけど一息ごとに楽になっていく。きっと、こんなふうに生まれてきた。 奏は私を抱きしめてくれる。抱きしめて、背中をそっとなでてくれる。優しい手のひら。私を生かしてくれる人。ともに生きて、この悪夢みたいな世界を一緒に歩いてくれる、かけがえのない人。 それなのに、私の幸せに奏がいない。 「大丈夫だよ」と奏は言う。私はその胸のうちで「ありがとう」と答える。そうやって、私たちはちょっとずつ死んでいく。
奏とするセックスが好きだった。たぶん、奏もそうだと思う。訊いてみたいけどぜんぶを壊してしまいそうで、やっぱりできない。 はじめる前のおずおずする感じ、何回しても初めてのときと同じように私たちは緊張した。明かりを消す。カーテンを閉じて、おやすみと言う。それから数十分、長いと一時間くらいベッドで目を閉じたり寝返りをうったりしてやっと、「寝ちゃった?」とささやく。私からのときも、奏からのときもある。「起きてる」と答えたり、そうする代わりに指先に触れたりする。 最初は必ずキスをする。そっと近付いて、音はたてず、すぐに離れる。闇の中でも、瞳が潤っていくのがよくわかる。そんな正しいやり方をしばらくして、体を起こすと、深いキスをする。どっちから、という決まりごとはない。その日、その瞬間に全ては決定されるし、上になっても下になっても私はどきどきした。 しているとき私たちは夢中になっているので、終わった後にはだいたい何をしたのか忘れている。馬鹿みたいだけど、ほんとに。 それでも、私たちには作法があった。できるだけ手を繋ぐ。愛してるとたくさん言葉にする。絶対に、名前を呼ばない。それらすべてが守られる限り、私たちのセックスはうまくいった。 だけど、中でもいちばんは終えた後のことだ。 あの、満ち足りた気分。体温が倍くらいに上がって、意識はぼんやりしている。ひどく暑いのに、汗がにじんだ肌は吸いついて離れようとしない。 私たちはいつだって一度で全部を使い果たすから、次なんて考えられなかった。はじまる前と同じ静謐なキスをたくさんして、「おやすみ」と言うとやっと本当の眠りにつく。その手続きは死によく似ている。 死と性、それと愛。それらはとても近いところにある。いつか一つに重なり合う瞬間を私は心待ちにしていて、そのとき隣にはやっぱり奏がいてくれる、そんな気がしている。 私たちは幸せになれない。だけど愛し合うことはできるし、隣にいて、一緒になって泣いたり笑ったりできる。それは幸福なことだと私は思う。奏もそう思ってくれるなら、そんなに嬉しいことはない。 最近は、祈るような日々をおくっている。
集積所に空のボトルを放り投げるとばらばらと乾いた音がして、それは扉を閉じても耳の奥に残り続けた。 通りの並木を枯れ残った葉が色づけている。冬はもう踊りはじめていると思っていたのに、まだ幕の向こうで出番を待っていた。 きっと、凍える季節になる。 よく晴れた空には、予感があった。 「ね、どこか行こうよ」と言って、私は奏のコートをひっぱる。そういうときに奏が見せる大人ぶったほほえみが、好きだった。 「ちょっと、聞いてた? 今日も仕事」 「私もだよ。けどお昼くらいまで時間あるじゃん」 「なんだか、一緒にいてばかりね」 「嬉しい?」 「ええ、とても」 「私もだよ」 そんなふうに笑い交わすと、手を繋いだ。誰もいないのをいいことに、恋人同士がするやり方で肌を重ねた。それが温かくて、愛していると確かに感じた。 あたりはいま、ひどく寒い。 私はこれからの予定について考える。あと数時間どうやって過ごそうとか、ランチはどこがいいかなとか、次に会えるのはいつだろうとか、そういうこと。 べつに、会おうと思えばいつだって会える。それこそいきなり押しかけたって奏は拒まないと思う。でも今はこの瞬間が大切で、繋いだ指先をまだ離したくないと心の底から感じた。 角を曲がった先には人影があって、自然に離れた指先はポケットに吸い込まれるともう結ばれることはなかった。 生理食塩水のことを思い出す。 買い足さなきゃ、と、このとき。
0 notes
Photo
11/26(日) 家から駅までの道はさほど情緒はないが、私は好きだった。旧甲州街道は大きな木が連なっていて、今の時期落ち葉がすごい。でもかにと歩く道はもっと素敵に見えた。私たちは映画の主人公みたいだと思った。幸せなんだ、私たち。並木通りの落ち葉を巻き上げながら車は走っていく。それを、普段は使わない歩道橋の上から眺めた。美しかった。天気は最高だった。空も広く、飛行機雲も見えた。秋の鮮やかすぎない空の色と大きな木が美しくて、たくさん写真を撮った。 公園のベンチが寒かったらどこかお店に入るのもいいとの予定だったが、私がヨーカドーのフードコートに行きたいと提案し、丁度昼時の客でごった返す中苦労して席を確保 かに 醤油ラーメン トロみたいだと思って、トロみたいだ、と私は言った。私はたこ焼きとフライドポテトを食べていて、トロはこれは食べなそう、と言った。でもトロはくろば亭で竜田揚げ食べてたよ じゃあフライドポテトも食べるかなぁ… 最近好きなことに没頭しているかにの作った物、描いた絵は、とても素直で、彼女の見て、感じているこの世界の優しさがそのまま形になっていて、今までで一番素敵な作品だなと思い、正直羨ましかった。でもそんな彼女と散歩ができる自分が誇らしくもあった。私は見たもの、感じたことを形にするのがすごく苦手だ。最近は素直だけどちょっと気取ってるインスタグラムしかまめにしていない。でもそれも、紛れもない、そのままの私だ。 魚屋の脇を通る かに「一人分のお刺身作って下さい。今日私誕生日なんです、って言いなよ」と言われる どこでそんな台詞覚えたの? とんぼ池 とんぼ公園 いいお天気 自分の背より高いススキを根こそぎ抜き取り走り回る子供たち 小さな公園だったけど隅々までよく管理されていた立て札だらけだった あそこはカブトムシいっぱいいるよ とかにが言った てんとう虫がうじゃうじゃいる大きな木 みんな石の裏とかに集まって冬を越すんだよ、とかにが教えてくれた 葉牡丹 バラ 木蓮 頭痛薬 サザンカ すずめ 秋ってこんなに花咲いてるんだね、と、二人で感動した ファミリーマート グミを3袋くらい買いそうになり、「いや…浮かれてるね…」と言われ、自分が浮かれてることに気づいた… 私は浮かれていた 暖かくて、ジャンパ���すら脱いで散歩ができるのだから。 桃味のシゲキックスとドライオレンジを買った。かにはガチャガチャで回り続けないハンドスピナーを買った。黄緑色で、星の形をしている。 畑の脇によく生えてる束ねられた菊が好きという話をしていたら本当に畑の脇に生えてる菊が現れた。写真を撮った。住宅街はひっそりしていた。どこの家も手入れされていた。赤透明なケースに入れられた消火器が転々と設置されている。 お稲荷様 お地蔵さん ブルーベリー畑 いちょうが植えられている小さな神社。蟻地獄 もっと小さな公園 枯れた草が生え放題だけどとても素敵な公園だった 子供たちはボール蹴りをしていた 私たちは順番に木にぶら下げられた角材にバランスよく乗っかって遊んだ。夢みたいに楽しい。 そして野川へ向かう。 かには本当に小魚を見つけるのが本当に上手で、すぐに群れを見つけた。子供とお父さんが魚やエビを採っていた。お父さんがああいうの得意なのかな、私に子供ができたとして、私はああやって遊びを教えてあげられないだろうな…と話した。私に子供ができたら、かにや、ななおちゃんに遊んでもらおうと思う。きっと上手に遊んでくれるだろうから もぐらだらけの河川敷の草むらが橋の下で途切れ、私たちは橋の下の細いコンクリの段差によじ登り、川を渡った。私は細くて高い所が怖くて、二人で笑いながら(私は泣きそうになりながら)そこを渡った。 渡り終わり、改めて橋の下を眺めていたらかにが鳥の足跡を見つけた かには本当にそういう何かを見つけるのが上手い 足跡は大きくて、水掻きがない、三本の線って感じだった。私たちは鴨じゃなさそうだ、鷺かな でも鷺も水掻きあるよな…などと話し合った。 鴨もたくさんいた。 鴨が川の流れに逆らって段差を上ろうとしているのを応援した。鴨はよちよちと歩き、惜しいところで流されたりしていて、「あぁ~」と言って私たちは笑った。「鴨、遊んでるのかな…」「あぁ…鳥ってよく遊ぶもんね…」 なぜ私たち二人はまた鳥が遊ぶことなんて知ってるんだよ… 鷺もいた 鷺は大きい カラスと縄張り争いをしていた。 そこで私たちは初めて、鷺の鳴き声を聴いた。静寂が訪れた 驚きと感動と歓びの静寂だった また鳴き声を聴きたい いつか聴けるだろうか アパートに戻り、ささやかなお茶をした。 私は彼女の誕生日をすっぽかしていたけれど、開き直り、日々贈り物を増やしていった。彼女のことを想像して、贈り物をたくさん買った。愛が重いな…と我ながら思った…でも、こんな形で愛を表現できるのなら、簡単な手段だな、とも思った 彼女に似合うであろう、素朴で美しい吹きガラスの足つきグラス ヤクルトのお姉さんが売ってくれるとってもおいしい昆布のお菓子 リサイクルショップで買った香水の空き瓶 これにはお花の模様が入っていて、擦りガラスになっている 本当に小さな小瓶 でも一目で気に入った。彼女が自室の白いテーブルで絵を描く時に、結露したグラスに敷いて欲しい珪藻土のコースター 書き出してみると、本当に厚かましく、笑えるな… 私の自己満足を許してほしい この感情を、どう表現し、いつもの感謝をどう返したらいいのかわからない…恋なのかな、と思う 彼女といると、心が温かくなる。トロと一緒にいるみたい。もしくは、私がトロなのかもしれない…。私たちは、ずっとこうやって季節を感じながら外を歩き、大事なことを忘れないように、ずっと自分が自分であるように生きて生きたい… そんな話も少しした 私はずっとトロに恋をしてるんだと思う… トロは、ゲームの中だと私を置いていなくなってしまう。トロは大事なことをたくさん教えてくれた トロは純朴で、優しくて、かわいい… 私は何歳になっても何度も同じ所でつまずいて悩み、勇気を全て忘れ去り、前に進めない そのたびに、かにに会わなきゃいけない、と思う。かには私に何かを与えようとはしない。いや、してる時もあるけれど…そういう意味ではなくて…。私は彼女がずっと死ぬまで彼女でいてくれようと努力してくれるであろうことが、いとおしくて、本当に大切
トロ http://tadakurumi.tumblr.com/post/110225288017/20141215-三崎
0 notes
Photo

一年前日記46(2020年11月11日~11月17日)
11月11日 滞っていたもろもろを片付ける日。読書も。買い物に行くつもりが面倒になってしまったのであるもので何とかする。こういう時が一番能力が発揮されると思う。なにも制約がない中で献立を作るのは大変だ。使わないといけない野菜があったりする方がひらめきやすい。俳句と似ている。お題や季語がなければどう作ったらいいかわからないと思う。というわけで、晩ご飯はあるもので。豚バラと蓮根の甘酢炒め、温やっこ、さつま芋すり流し、佃煮。
11月12日 朝、鍼に行く。向かう途中で呼吸が楽にできるようになってきたなあと思ったら、肩甲骨も開いてるらしい。これが正解なんだろうなという姿勢はわかってきた。あとは日々の心がけですね。お昼前とお昼から人と会う予定があったので少しバタバタした。夕方にはMちゃんといろいろ話す。近所の公園の滑り台を初めて滑って楽しかった。晩ご飯はガシラの煮付け、レバー焼き、味噌汁。
11月13日 仕事の日。帰り、実家に寄る。母親が最近スマホを買ったらしく見せてもらう。ほとんど父が操作していてあまり意味がない気がするが、GPSがついてるらしいので、持ち歩いてもらえたら少しは安心なのかな。父はどこまでも母のことをあきらめないなあ。小さい海老がたくさんあったので、かき揚げにした。ついでに牡蠣フライも。焼き穴子もお土産にもらう。晩ご飯は、かき揚げ、牡蠣フライ、鶏胸肉と青梗菜のスープ。ちょっと悶々とした気持ちになっていたのだけれど、手紙を書いていたらどうでもよくなってきた。いろんな居場所を持つって大切なことだな。
11月14日 朝から病院へ。移植前に検査。「概ね綺麗な子宮です」と言われる。七五だ。おおむねって何だよと思ったり、季語をつけたら俳句になるかなと思ったり。念のため、抗生物質をしばらく飲んでから乳酸菌のサプリメントを飲むらしい。前回はそんなのなかった気がする。日々変化してるんだなあ。9時の予約でめずらしく10時前には終わった。ドトールで朝ごはんを食べながら読書。伊藤亜紗さんの『手の倫理』を読む。読んでるといろんな記憶が呼び覚まされて、ふわふわしてしまう。不思議な感じ。久々に眉を整えてもらったり、サンパルの画材屋さんで額装をしてもらったり。お昼は三度目のドガリさんへ。今日も素晴らしく美味しくて感動した。BALで化粧品を買って、大丸でパンを買って帰宅。晩ご飯は、手羽元とさつま芋のピリ辛煮、焼き穴子、切り干し大根とハムのガーリック炒め、蕪の塩昆布和え。
11月15日 昨日買ってきたパンを食べる。図書館の本を返す前に、気になるところを書き写したりする作業をする。面倒だけどもう習慣になってしまっている。お昼はスーパーのフードコートへ。迷った末、2人ともリンガーハット。私は餃子とご飯のセット。リンガーハットもチェーン店のなかでは好きなお店。野菜もしゃきしゃきで美味しい。高砂の図書館へ。本を返してから30分ほど読書。ハードオフ、ワークマン、電気屋さんなどいろいろ寄り道していたら晩ご飯の時間。作る気がなくなってきたので、居酒屋に寄る。GOTOイートの関係なのかどこもいっぱいだった。焼き鳥盛り合わせ、ひねぽん、コブサラダ、出汁巻き、焼きしいたけ、焼き鳥丼など食べる。今年はみんな少し早めに忘年会などしてしまうのかもしれない。
11月16日 あまりにもぽかぽか陽気で気持ちよかったので、公園でも行きたいなと思ってYちゃんに連絡。会えることになった。退院後初。保育園を休んでいるらしくてAくんも一緒に遊んだ。たこの滑り台のある公園。Aくんは虫を捕まえるのが上手になっていてたくさんバッタを見せてくれた。Yちゃんは前よりものんびりした感じになっていた。晩ご飯はステーキ(付け合わせはピーマンとかぼちゃ)、サラダ。
11月17日 仕事の日。今週は忙しいのでできたら長めに働いて欲しいと言われる。仕事があるのはありがたい。ときどきくるこういう時のために、別のことはせずに時間を空けておいたほうがいいのかも。それだと収入が安定しないのだけど。夕方、Kちゃんと会う。前に会ったときにいろんな話で盛り上がったのでその続きということで。パンケーキ屋さんとベトナム料理のお店をはしごした。いろいろうまく行くといいな。
1 note
·
View note