#躍動する現代作家展
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人は自己家畜化で優しく従順に進化した 人工環境と社会に適応
テクノロジーと人類(48)長内洋介
2025/3/29 10:00
人類が今日の繁栄を築いた根本的な理由は何か。その謎を解く鍵として注目されているのが「自己家畜化」という概念だ。人は優しく進化して飛躍を遂げたのだという。
家畜と共通点
人類は約1万年前、ヤギやヒツジ、ウシなどの野生動物を飼育して家畜化した。奇妙なことに、人はこうした家畜とよく似た性質を持っている。この事実は古代ギリシャ時代から知られ、19世紀にダーウィンも注目して研究したが、理由は突き止められなかった。
家畜化された動物は、どの種でも共通の性質が表れる。人を攻撃せず従順で、ストレスに対して鈍感、頭や顎は小型化し、体は白くなり、顔は平面的で幼くなるといった変化だ。
これは「家畜化症候群」と呼ばれ、その多くは人でもみられる。人はチンパンジーと比べて温和で、反射的に攻撃することは少ない。数百万年に及ぶ進化の過程で顎や歯は小型化し、顔は平面的になった。
人はなぜ家畜と似ているのか。その理由を説明するのが自己家畜化だ。人は誰かに家畜化されたのではなく、自ら家畜のような性質に進化したというものだ。
動物を家畜化するときは人に従順な個体が選ばれる。人類も攻撃的な人は排除され、仲良く協力できる人が自然淘汰(とうた)で生き残ってきたと考えられる。自己家畜化が始まった時期は不明だが、われわれホモ・サピエンスが誕生した頃に大きく進展したらしい。
東京大の外谷(とや)弦太特任助教(複雑系科学)は「人類は道具を使い、協力して狩りをすることで多くの食料を得られるようになった。人口が増えて社会が複雑化すると役割分担が始まり、より仲良くすることが有利になって自己家畜化が加速した」と指摘する。
愛知県立大名誉教授で野外民族博物館リトルワールド館長の稲村哲也氏(文化人類学)は「他者と協力し、相手を思いやる人間の特性は自己家畜化の過程で残ってきたのだろう。人は自ら作った高ストレス社会に適応して、より優しくなった」と話す。
仲良くなると情報や物資の交換が活発になり、新たなアイデアが生まれイノベーション(技術革新)が起きる。自己家畜化が人類の繁栄と文明の進歩に重要な役割を果たしたことは間違いないだろう。
人は大人になってもよく遊ぶ。旺盛な好奇心の表れであり、遊びによる探索や試行錯誤が新たなひらめきの源泉になる。イヌは進化の過程で自ら人に近づいたともいわれ、人と同じようによく遊ぶ。
人類は道具や社会制度を作り、農耕や都市化によって人工的な環境を生み出してきた。人が作った環境の中で家畜が飼育されるように、人間も自ら作った社会や環境の中でしか生きられない存在だ。こうした視点からも人は自己家畜化したと指摘されている。
言語にも関係
自己家畜化は人間らしさの根源である言語の誕生にも関係しているという。小鳥のジュウシマツは野生種を品種改良した家畜で、野生種より複雑なさえずりができる。人も自己家畜化によって言語の進化が起きた可能性がある。
京都大の藤田耕司名誉教授(進化言語学)によると、野生動物は生きていくため常に天敵や餌の心配をしているが、家畜はその必要がないため余裕が生じ、多くのことに注意を払い考えられるようになる。
「これが複雑な構造を持つ人間の言語が生まれた一つの要因ではないか。言語による複雑な思考やコミュニケーションが可能になった背景には自己家畜化がある」と藤田氏は指摘する。
家畜化の研究は、ロシアで20世紀半ばに行われたキツネの家畜化実験で大きく前進した。人に従順な雄と雌を交配させ、生まれた子から従順な個体を選び交配させることを繰り返した結果、わずか数世代でイヌのように尾を振る人懐っこいキツネが生まれたのだ。
しかもこのキツネは耳が垂れ、色が白いなどの家畜化症候群も呈していた。数千年は要したであろうオオカミからイヌへの進化を人工的に再現したようなものだ。
この実験によって、従順さを求めると家畜化することが実証されたが、なぜ体の変化も同時に起きたのか。これを説明する画期的な仮説が約10年前に登場し、注目されている。
鍵となるのは神経堤細胞という特殊な細胞だ。胎児のときに脊髄付近から全身に散らばり、ホルモンを分泌する副腎や骨などさまざまな場所の形成を促す。
この働きが低下すると、攻撃性を高めるホルモンの分泌が減るなどして穏やかで従順になる。骨や軟骨の形成も阻害されるため、頭が小型化したり、耳が垂れたりする変化が同時に起きることも説明できるのだ。
この仮説が正しければ、動物の家畜化は神経堤細胞の働きが低い個体を選別する行為といえる。人の自己家畜化も、そういうタイプの人が仲間や結婚相手として多く選ばれ、進行した可能性がある。
京都大ヒト行動進化研究センターでは、チンパンジーと、近縁種で自己家畜化した性質を持つボノボの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って、それぞれの神経堤細胞を作り、その働きを比べることで自己家畜化の決め手となる遺伝子を探す研究が進んでいる。
権力への依存
現代人も自己家畜化が進んでいるという。山口大の高橋征仁教授(社会心理学)によると、日本での代表的な美男子コンテストの候補者は、時代を追うごとにひ弱で優しく幼い印象の顔になっている。家畜化で生じる特徴的な変化だ。
分析の結果、女性は男性の優しい顔に恋愛や結婚の相手としての魅力を感じることが分かった。女性が穏やかで従順な男性を選ぶことで人の自己家畜化が進んでいる可能性がある。
自己家畜化の進行は人類の将来に何をもたらすのか。高橋氏は「幼くなるのは若々しくなることで良い面だが、課題は巨大な権力への甘えと依存が強まることだ」と話す。
インターネットが普及した今日、現代人は巨大IT企業が支配する情報インフラを従順に受け入れ、すっかり依存している。人はネット空間という見えない柵の中で飼育され、情報という餌を与えられて生きる家畜への道を自ら選んだと言ってもいいだろう。
一方、外谷氏は「人が協力して行ってきたことの多くは生成AI(人工知能)に置き換わる。人は協力することに価値を見いださず、他者や社会に無関心になっていく」と予想する。
家畜は人間に興味を示す半面、自分と同じ種への関心は低い。人間同士が無関心になることは自己家畜化の帰結ともいえそうだ。
稲村氏は「人は自己家畜化によって社会性や共感を強めてきたが、集団を超えた協力はできていない。集団内の結び付きが強いほど、外部の集団と戦争を起こしてしまう。この矛盾をどう解決するか問われている」と警鐘を鳴らす。
自己家畜化論は人種差別や優生思想と結び付いて政治的に利用された過去があり、現在でも誤解されやすい。だが人間の本質を探る上で重要な論点であり、人類史を俯瞰(ふかん)して理解する新たな視座になるだろう。(科学報道室編集委員)
(人は自己家畜化で優しく従順に進化した 人工環境と社会に適応 テクノロジーと人類(48)長内洋介 - 産経ニュースから)
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「企業のネットが星を 被おお い、電子や光が駆け巡っても」国家や民族が消えてなくなるほどではない近未来が舞台の『攻殻機動隊』などで、後のクリエイターに多大な影響と衝撃を与えた漫画家、士郎正宗さん(63)。デビュー40年を迎え、世田谷文学館(東京都)では初の大規模展が開催される中、読売新聞の単独書面インタビューに応じ、これまで生み出した作品や創作の秘密、AI(人工知能)がもたらす人間の未来などについて縦横無尽に語った。近年ほとんどメディアの取材を受けていない士郎さんの貴重な語録をご覧あれ。(文化部 池田創) 展覧会では、『攻殻機動隊』の主人公の素子の印象的なセリフが印刷されたのれんが来場者を出迎える(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 世田谷文学館で大規模展 ――デビュー40年を迎えられて、どのようにお感じになっていますか。 そもそも寡作な上、諸事情による中断・未発表・ボツ作品が多過ぎて読者諸氏に申し訳ないものの、何とかここまで生き残る事が出来て大変に幸運だったと思っています。活動が東京や他業種に広がるに連れて「水中を歩いて進むかの様な状態」になり、40年、色々と大変でした。また書籍などの荷物が転居や避難に適さない分量になっています(笑)。 ――代表作「攻殻機動隊」は海外でも熱狂的な人気が続いています。 最初期に出版物の海外展開を頑張りました。望外に細長く継続しており、ありがたい限りです。 ――今回の世田谷文学館の展覧会は大量の原画が間近で見ることができ、充実した展示内容です。 士郎正宗さんのコメントとともに作品世界を振り返る巨大な年表(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 今回このような機会を頂き大変感謝しております。僕程度の小規模 傭兵ようへい 型漫画家でこういった事が可能なら、日本のコンテンツ業界はもっと多様多彩な作家・作品を、深掘り探索・開発活用出来るのではないかと思います。 ――「攻殻機動隊」をはじめ、ご著書は情報化社会を予見していると言われます。 たまたま運良くタイミングや関係者の都合に合致し話題として取り上げて頂いているだけで、僕以外にもそういった作家・作品は多数存在していると思います。情報化社会の好ましくない側面があまり大きくならなければ良いですね。物騒、殺伐、トラブルは架空妄想物語の中だけで十分です。 ――AIの発展についてどのように感じていますか。 利便性と損害可能性は表裏一体、これまで考えられなかったレベルの明るい未来の可能性が開ける一方で、悪用や視野 狭窄きょうさく が起き、見えざる支配も容易になっている。研究開発に係る方々には頑張って頂きたいなと思います。 簡易強化外骨格、遠隔操作系ロボット類の開発が現実的 ――幼少期に親しんだマンガや小説はどのようなものがありますか。 デビュー作『アップルシード』のラフスケッチなどが並ぶ展示室(東京都世田谷区の世田谷文学館で) アニメ版の「鉄人28号」や「エイトマン」から入って、雑誌「りぼん」(一条ゆかり氏、大矢ちき氏、弓月光氏などなど)、松本零士氏、永井豪氏、細野不二彦氏の影響が大きいですね。大学以降は諸星大二郎氏、星野之宣氏、大友克洋氏の存在が大きいと思います。 ――「攻殻機動隊」で描いた人間の身体と精神の関係はどのように感じていますか。 脳や体が一体として機能している中では、脳が優位の制御系があったり、体が優位の制御系(例えば副腎とか脊髄反射系とか)があったり、交換可能な部分や欠損許容部分(例えば昔は虫垂や 胆嚢たんのう を結構普通に切除していた)があったり、複雑で不思議に出来ていると思います。 義体化のような、身体交換は僕が生み出した要素ではありません。スタニスラフ・レム氏の『君は生きているか?』や、日本のマンガアニメ界においては石ノ森章太郎氏の『サイボーグ009』などの有名作品がすでにありました。サイバネティクスの一般的な目的は医療や軍事だと思いますが、今後は老化・劣化対策というのも存在感を増すかもしれません。個人的には年々増加中の災害現場における簡易強化外骨格や遠隔操作系ロボット類の開発を進める方が現実的かなとは思います。 ――ご著書に細かく書き込まれた欄外文章の役割や狙いを教えてください。 リズム感が単調になりがちな説明セリフや会話を物語内部から減らせる、それによってキャラの練度・演出を高めに設定出来る、物語と読者の距離の調整ができる、などでしょうか。昨今、いや昔もこういう方法は 流行はや りではありませんが……。 ――押井守監督のアニメーション映画版のご感想をお聞かせください。 個人的には原作に気を使っている部分が押井氏にしては多めの1作目より、押井氏節全開の『イノセンス』の方が好みです。いずれも一生懸命作って頂いてありがたいなと思っております。 ――ネット社会の広がりやAI技術の発展をどう感じておられますか。 人工知能の偏向学習、悪意ある人 達たち による人工知能活用と、対策する側の人工知能活用の格差、オンライン上に無い膨大な情報の無視や軽視など、課題は山積しているのではないかと感じています。世界は 繋つな がって狭くなると同時に、逆に分断細分化が進んで互いの距離が開き、問題解決の可否、明暗の格差も広がっている様に感じています。今まさに『言葉が通じなくなってバベルの塔が崩壊し始めている』状態でしょうか。人工知能育成では可能な限り、真実や実態に近い情報を得て優先解とするような、何らかの情報検証機構が必要でしょう。 コスパタイパ重視では驚きや発見も無い ――ネットに常時接続することが当たり前になりました。そのことをどのように感じてらっしゃいますか。 一般的なネット通販をほぼ利用しておりませんが、ネット社会になってからの方がサービスの質が低下&商品を探しにくくなったように感じています。便利、合理的、コスパタイパ重視の姿勢は内向きになりがちで、冗長性や余白が少ない分、周囲を見渡す余裕が減少し続けるし、ひいては驚きや発見も無く窮屈ですね。昔のSFでは「監視管理社会」は人々の敵として描かれるのが一般的だったのですが、現代では意外とそういう管理監視社会の利点も許容されているように思います。とはいうものの、今後もDXが進み常時接続が常識常態化し、行政サービスやインフラなどの分野で、高度化し便利で安全で充実した幸福度の高い世の中になっていくと良いのですが……。 ――「攻殻機動隊」ではサイボーグ化しても人間の内にある「ゴースト」という概念が存在します。「ゴースト」とは何でしょうか。 展示室の中央には『攻殻機動隊』の原画が並び、迫力のある筆致を間近で感じられる(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 正確か否か、定義可能か、とは別にして、宗教や哲学や文学昔話の分野で古くから使われている「たましい」「霊魂」「ソウル」などの単語が印象として一般的には伝わりやすいのではないかと思います。「何だかよくわからないが、存在しているように思えるモヤっとしたものを『ゴースト』と呼ぶ」のも娯楽分野では分かりやすくて良いかな、ということで単語を使用しています。 犬や小鳥も感情を有することが一般的にも知られており、感情は人間だけが持つ最上位の機能・特別な評価対象ではない、という観点から、マンガ版ではゴーストという単語において「感情に特別な意味を持たせていない」つもりです。当然ながら人の価値観はそれぞれなので、僕と他のアニメ版の監督諸氏とでもこうした諸々に対する考え方に違いがあるわけですが、その事自体も含めて、作品を異なる角度から捉えて楽しんで頂ければ良いなと考えています。 神話は魅力の塊なのだが… ――ご著書はシリアスな展開と迫力のある戦闘シーンの間にギャグが挟まりますね。作中におけるギャグの効用とはどのようなものでしょうか。 シリアスとギャグの挟み方や割合、そもそも混在を容認するか否か、など受け取る方々の価値観も観点も実に多様なので「万人にとって満足できる作品」というのは僕には難しいなと考えています。僕の取り扱うキャラクターたちは明日をも知れぬ立場なので、悲観的に備え楽観的に対処する、冗談でも言っていないとやっていられない、といったタイプが多めになっています。会話の軽さと行動、判断の速さ厳しさのギャップを楽しんで頂ければ良いかと思います。 ――『仙術超攻殻ORION』は日本神話をモチーフにしたファンタジーです。神話の魅力を教えてください。 神話と呼ばれる物語達は限られた要素と根源的な思考や解釈と想像力で織り上げられ、時代や民族の壁を越えて生き残っている、「選び抜かれた精鋭達」です。人々の心情や思考型や文化を映す鏡として、魅力の塊と言っても良いですね。一方で歴史を振り返ると、建築や芸術や情報戦において支配者や宗教組織や抵抗組織の都合や思惑と深く関わったと思しきものも多く、純粋に「素晴らしいか?」と問われると、答えに困る側面もあります。 ――『攻殻機動隊』のフチコマや、『ドミニオン』の小型戦車ボナパルトなど、作品からは戦車愛を感じます。 正義感にあふれる女性警察官のレオナが活躍する『ドミニオン』のコーナー(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 「頑丈で壊れにくくて安全度が高い&移動以外にも何か作業が出来る乗り物」が好きですね。作品内に描く機会はなかなかありませんが、消防関連や港湾作業用の特殊車両、土木建築系や農林作業系の特殊機能車両なども同じように楽しくて興味深いと思っています。 気負わず欲張らず、自己ベスト更新維持 ――現在はイラスト制作や、画集刊行に活動の比重を置いておられますね。 マンガやアニメやゲームの企画書・プロット・シナリオなども色々と作っているのですが、なかなか最終商品の形にまで進める事が出来ておらず、イラストや画集は関係者や予算が少なくても実現可能な 為ため か商品の形になりやすい、というのが理由かと思います。 ――女性のエロチシズムを感じさせる美麗なイラストを生み出されています。 展示室の後半は、雑誌に発表した色鮮やかなカラーイラストが目を引く(東京都世田谷区の世田谷文学館で) モノクロでは描写しにくいがカラーでは比較的描写が容易で、競合が起きにくいと思われる光沢の肌にこだわっています。近年の画集においては、似た構図やポージングの微差バリエーションを連続、重複して描くことで、アニメの原画をパラパラと連続で見る時に近い印象や効果の誘発が起きないかと工夫しています。 ――近況を教えてください。 今も40年前も変わらず東京ではなく関西にいて不規則不健康な生活をしながら昼夜延々と絵やプロットや駄文を描き続けています。視力体力の減少により、未読書籍が積み重なっています。 ――今後の執筆への意気込みや読者へのメッセージをいただければと思います。 気負わず欲張らず、自己ベスト更新維持で変わりなく、他にしたい事も無いので、ダラダラ延々と何かを作る日々を送ると思います。読者諸氏にはまた次の作品でお会いした際に、何らかの形でお楽しみ頂けると幸いです。
「攻殻機動隊」士郎正宗、ネット社会・AI発展に警鐘「言葉が通じなくなってバベルの塔が崩壊し始めている」 : 読売新聞
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―近年のアメリカと中国は、経済的な相互依存が進んでいたはずですが、逆に国家間の貿易戦争に陥ってますね?
中野 そうですね。当時のアメリカでは、グローバリゼーションの深化によって、国家主権の概念までもが時代遅れの産物となるという極端な論調すら珍しいものではなくなっていましたが、今となれば、楽観が過ぎたと言えるでしょうね。
ただし、当然のことですが、アメリカには、より現実主義的な言説もありました。その代表者のひとりが、カーター政権の国家安全保障担当の大統領補佐官やオバマ政権の外交顧問などを務め、米国外交に隠然たる影響力をもった政治学者のズビグニュー・ブレジンスキーです。彼は、1997年に発表した『壮大なチェス盤』において、地政学的な観点から冷戦後の世界情勢を分析し、21世紀におけるアメリカの世界戦略を雄弁に語りました。
彼が重視したのは、「ユーラシア大陸の支配者こそが世界の支配者になる」というマッキンダー以来の地政学でした。「ユーラシア大陸=壮大なチェス盤」というわけです。
そして、彼は、ソ連崩壊によって、アメリカが、西側からはNATO、南側からは中東諸国との同盟、東側からは日米同盟という三方面からユーラシア大陸を取り囲んだことにより、一国家が単独でグローバルな覇権国家になったと考えました。しかも、ユーラシア大陸がユーラシア大陸にない国家によって支配されるという、世界史上かつてなかった新しい地政学的状況にあることに気づいたんです。
――たしかに、アメリカがユーラシア大陸を支配するというのは、考えてみれば、非常に特殊な状況に思えます。
中野 そうなんです。だからこそ、ブレジンスキーは決して楽観的ではなかった。地政学的な環境は移ろいやすいですから、アメリカの圧倒的地位が長く続くものではなく、もってもせいぜい一世代程度のものだろうと考えていたのです。そして、それまでの間に協調的な国際秩序を構築することにアメリカは全力を挙げるべきだと主張したのです。
――なるほど。
「最悪の事態」を招いたアメリカは、何を見誤ったのか?
中野 そのうえで、ブレジンスキーはアメリカがとるべき大戦略について、このように論じました。
まず、ユーラシア大陸の西側においては、ロシアの覇権を阻止すべく、EUとNATOを東方へ拡大し、この地域の最重要ポイントであるウクライナを西側陣営へと帰属させる。ロシアはこれに反発するだろうが、アメリカは「拡大西洋」とロシアの協調関係を形成し、ロシアを西洋化し、無害化すればよい、と。
次に、ユーラシア大陸の東側においては、日米同盟によって中国の領土的な野心を牽制しつつも、東アジアを安定化させる地域大国である中国とアメリカの協調関係を維持する。つまり、アメリカは、東アジアにおいて米中日の勢力均衡を保つバランサーの役割を演じるべきであると論じたのです。ちなみに、ブレジンスキーは、日本についてアメリカの「保護領」と語っていることも押さえておいたほうがいいでしょう。
――「保護領」ですか……。
中野 ええ。率直な発言だと思いますね。ともあれ、ブレジンスキーは、以上のような戦略をユーラシア大陸の西と東において同時に遂行することで、アメリカはグローバル覇権を維持できると主張したわけです。そして、実際に、アメリカの大戦略は、おおむねブレジンスキーが描いたように進められてきたと言っていいでしょう。
ただ、もしこの大戦略が失敗したらどうなるか? ブレジンスキーが最悪の事態として恐れていたのは、ロシア、中国、イランの三大勢力が反米同盟を結成し、アメリカをユーラシア大陸から駆逐するというものでした。もしアメリカが、ユーラシア大陸から駆逐されれば、世界は無秩序状態に放り込まれる。これが、ブレジンスキーが最も恐れた事態だったんです。
――え……アメリカは、いま現在、まさにその三大勢力との関係が緊迫しているのでは?
中野 そうです。まさに、ブレジンスキーが最も恐れていた事態に陥ってしまったわけです。それも、1997年の時点で一世代はアメリカの覇権が続くことを想定していたにもかかわらず、20年もたたないうちに、東ヨーロッパ、中東、東アジアの三方面において、地政学的な不安定化が同時多発的に生じてしまった。
これについて、国際政治学者のウォルター・ラッセル・ミードは、ロシア、イラン、中国の三大勢力が、冷戦後に成立した国際秩序を修正しようとしているのだと解釈しています。
ロシアはかつてのソ連の勢力圏を復活させたいと願っており、中国は、アジアからアメリカの勢力を追い出そうとしている。イランは、サウジアラビアを盟主とするスンニ派勢力に支配された中東を、イラン率いるシーア派が支配するものへと代えるという野心をもっている。そして、この三大勢力にとって共通の敵が、アメリカなのだ、と。
――恐ろしい話ですね。なぜ、そんなことになってしまったんでしょう?
中野 アメリカが根本的に見誤っていたことがあるんです。
――何を見誤っていたんですか?
中野 地政学の祖とも言われる、イギリス人であるマッキンダーの地政学と比較するとわかりやすいんです。
マッキンダーが活躍した20世紀初頭の世界ではイギリスの覇権が衰退し、ロシアやドイツといった新興大国が既存の国際秩序に挑戦しようとしていました。そのため、マッキンダーの問題意識は、イギリスがいかにして世界の支配者となるかという「攻撃的」なものではなく、ロシアやドイツが世界の覇権を握るのをいかにして阻止するかという「防衛的」なものでした。
したがって、「東ヨーロッパを制する者がユーラシア大陸を制し、そして世界を制する」という公理のもとでマッキンダーが設定したイギリスの戦略目標は、東ヨーロッパを制することではなく、ロシアやドイツが東ヨーロッパを制するのを阻止ことにありました。だから、東ヨーロッパはロシアとドイツが手を結ぶのを防ぐために緩衝地帯として位置付けられたんです。
ところが、ブレジンスキーは、20世紀末の世界においてアメリカが唯一無二のスーパーパワーになった時点で、アメリカが世界の支配者としての地位をできるだけ長く持続することを考えていました。そのため、マッキンダーの地政学が、他国に覇権を握られるのを阻止する「防衛的」なものだったのに対して、ブレジンスキーの地政学はアメリカによる世界支配を実現するための「積極的・攻撃的」なものだったんです。
そして、アメリカの覇権国家としてのパワーを過大視していた。たしかに、アメリカの軍事力、経済力、技術力は比類ないもので、中国、イラン、ロシアは遠く及ばなかった。しかし、「積極的・攻撃的」に世界秩序を築くほどには強くなかったんです。
――強気に出過ぎた、と?
国家の「安全保障」は、「経済的利益」に優先する
中野 もちろんです。そして、結果として、アメリカにとって非常にまずい状況が生まれました。アメリカは、ロシアに軍事的に対抗する方針は早々に放棄して、経済制裁によって対抗しましたが、これがロシアが中国に接近する事態を招いたのです。
――中国とロシアという二大反米勢力が接近するのは、非常にまずいですね……。
中野 そうですね。ここで注意しておくべきことがあります。第一に、ロシアにクリミアを奪取されることで、NATOは地政学的に不利な立場に置かれますが、同盟国であるアメリカは早々に軍事的な対抗を放棄したことです。ここから類推すべきなのは、もし中国が尖閣諸島を奪取しても、アメリカは軍事的な対抗をしない可能性があるということです。
第二に、アメリカやNATO諸国はロシアに経済制裁を加えましたが、ロシアはそれを織り込んだうえで軍事行動を起こしたという事実です。つまり、国家の安全保障の利益は、経済的利益よりも優先するということです。ロシアのウクライナ侵攻は、ローズクランスの「貿易、金融、生産要素の移動を開放すればするほど、国際秩序は安定するのだ」という言説が楽観的すぎることを実証したわけです。国家の安全保障のためには、経済的利益を度外視した行動をするのが、国際政治の現実なのです。
――なるほど……。
中野 そして、この「楽観論」が東アジアの軍事バランスを大きく揺るがす元凶となりました。
――どういうことですか?
中野 1990年代のアメリカは、中国に対して、グローバル経済への統合を支援するという戦略を進めていました。中国を経済的な相互依存関係の中にからめ取り、グローバルなルールや制度の下に服させることで、アメリカ主導のアジア太平洋の秩序を認めさせようとしたんです。
この方針に基づいて、アメリカは、中国に対して恒久的な最恵国待遇を付与し、WTOへの加盟を承認しました。しかし、中国政府はWTOへの加盟の承認を勝ち取るために、アメリカ議会やホワイトハウスに対する工作活動を行っていたことが明らかになっています。アメリカを利用した「富国」による「強兵」が中国の目論見だったんです。
こうしてアメリカの協力によってグローバル経済に統合された中国は、2000年代、年平均でおよそ10%の高度経済成長を遂げ、同時に軍事費を年率二桁台という急速なペースで増大させたわけです。そして、2000年代半ばから、中国が軍事的にも経済的にも無視することができない大国として台頭し、東アジアにおけるアメリカの覇権に挑戦するようになりました。
もちろん、軍事費で見れば、現在でもまだ、アメリカは中国の3倍近い規模を誇ります。だけど、アメリカはその軍事力をグローバルに展開しなければならないうえに、中国と対峙するには太平洋を横断して制海権を維持しなければなりません。自国の周辺の展開のみに注力できる中国との東アジアにおけるパワー・バランスは、すでに中国側に傾いているとみられるのです。
――中国は、アメリカの楽観的な「経済的相互依存」戦略を利用したわけですね? 中国が一枚上手だった、と?
すでに終わった「アメリカのユーラシア支配」
中野 そうなりますね。しかも、2000年代に、欧米や日本が、グローバリゼーションによる経済的相互依存の深化によって、世界秩序は維持できると信じていたころ、中国の戦略理論家たちは、孫子や毛沢東に加えて、マッキンダーやマハンなどの地政学を参照しながら、軍事戦略を熱心に論じていたのです。
たとえば、中国は自らをグローバル経済に統合して富を得るためには、貿易ルートの安全を確保する海軍力がなければならないと考えました。つまり、西太平洋への出口を確保しなければならないわけですが、その出口とは、沖縄から台湾、フィリピンを通る「第一列島線」にほかなりません。
しかし、「第一列島線」はアメリカによって押さえられている。したがって、「第一列島線」をアメリカから奪取して確保しなければならない。そして、尖閣諸島は、まさにこの「第一列島線」上にあるわけです。
つまり、中国が東シナ海や南シナ海において、日本、フィリピン、ヴェトナムそしてアメリカと頻繁に紛争を引き起こすようになったのは、グローバル経済に統合されたことの当然の帰結だということです。ところが、アメリカの対中戦略は、中国側の戦略意図を見落としていた。しかも、イラク戦争以降、中東の泥沼に巻き込まれていたジョージ・ブッシュ政権下のアメリカは、中東に注意を奪われて、中国の台頭を看過してしまったんです。
――すべての話はつながっているんですね……。
中野 そして、2013年に、習近平国家首席が打ち出したのが「一帯一路」構想です。アジアからヨーロッパ、アフリカにまたがる地域の開発を、陸路と海路の双方から進めるという壮大な計画です。さらに、中国は、「一帯一路」構想の一環として、アジア地域のインフラ整備のための資金供給を目的とした「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」を設立しました。
しかも、この中国の動きへの各国の反応が、アメリカの国際的影響力の著しい低下を印象付けることにもなりました。
AIIBの構想が打ち出された当初、先進諸国はこれを、戦後のアメリカ主導による世界銀行やIMFを中心とした国際金融体制に対する中国におる修正主義とみなし、消極的な姿勢を示しました。特にアメリカはAIIBを強く警戒し、各国に参加しないように圧力をかけていたとみなされています。
ところが、イギリス、フランス、ドイツなどの主要国が相次いで参加を表明すると状況は一変。BRICsやアメリカの同盟国である韓国やオーストラリアのみならず、中国との間で領土問題などが緊張関係にある台湾、ヴェトナム、フィリピンまでもが参加し、2019年7月時点で、100カ国・地域が参加するまでになりました。主要国で参加していないのは日米くらいのものです。
そして、ユーラシア大陸に鉄道などの輸送インフラを整備し、大陸の資源を確保するという「一帯一路」構想が、マッキンダー的な地政学的ヴィジョンに基づいていることは明らかです。実際、中国の著名な研究者たちが「一帯一路」構想の意義を説くに当たって、マッキンダーに言及しています。
その後の動きを見ていても、「一帯一路」構想の最終的な目的は、単なる需要創出や経済発展の基盤整備ではなく、ロシアやイランなどユーラシア大陸の主要な修正主義勢力と連携し、さらにはヨーロッパ諸国をも引き入れることで、アメリカによるユーラシア支配を終わらせることだと見るべきです。
――つまり、冷戦後のアメリカの戦略ミスによって、アメリカのグローバル覇権はすでに大きく揺らいでいるということですか?
中野 ええ。アメリカも、それをとっくに認めているんです。
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国立工芸館と21世紀美術館で芸術鑑賞。
国立工芸館では「心象工芸展」というのを鑑賞しました。
国立工芸館には初めて行きましたが、21世紀美術館と違って学芸員の方が凄く人当たりがいいです。(笑)
昭和オシャレ世代憧れ、伝説の美術学校セツ・モードセミナー出身、玩具メーカーでパッケージデザイナーとして活躍していた美術家・沖潤子のむちゃくちゃ細かい刺繍、写真にはないけど金沢美大出身でパナソニックのインダストリアルデザイナーから工芸作家に異色の転身をした人間国宝・中川衛(現金沢美大教授)の加賀象嵌、漆芸の中田真裕、陶芸の松永圭太、ガラス工芸の佐々木類、金工の高橋賢悟という方々の作品が展示されていました。
21世紀美術館では「コレクション展2 都市漂流」と「もっと踊ろう!共感のエコロジー すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」というのを鑑賞。
もっと踊ろう!共感のエコロジー すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジーではアマゾンやイヌイットなどの原住民や先住民のアート作品がたくさん展示されていました。
宇治野宗輝のガラクタコレクションみたいな作品の中にフェンダーのアンプがあった。
作家チームChim↑Pomの繁華街に生息するクマネズミを彼らが虫取り網で捕獲する行為を記録した映像と付属のオブジェから成る作品「SUPER RAT」もかなりの労作だったことが伺える。(笑)
久野彩子の鍛造作品や、以前見たことのある巨大トミカパーキングのような米国人作家クリス・バーデンの作品「メトロポリス」もあって懐かしかったです。
ドイツの芸術家イザ・ゲンツケンのインスタレーションアートや、延々と続く自動ドア・アートのカールステン・ヘラー「金沢の自動ドア」が面白かった。
アルゼンチンの芸術家アドリアン・ビシャル・ロハスの巨大な恐竜のようなオブジェ作品「想像力の果て」を鑑賞していた若いカップルが隣で小声で「ゴミにしか見えない・・」と言ってたのでので笑いを堪えるのが大変でした。
環境から社会現象まであらゆる状況をシミュレートするタイムエンジンというアプリを用いて作ったバーチャル彫刻を元にして制作されたそうです。
この巨大作品は、金属・コンクリート・土・ガラス、廃車部品などが混淆するマテリアルが、マシンエンジニアリングと手作業によって有機的な生き物のように表現され、環境や混沌とした社会に問いを投げかけるなかなか哲学的な作品ですが、あのカップルの言っていることもよくわかります。(笑)
国立工芸館はそれほどでもありませんでしたが、21美は死ぬほど人がいました。
鑑賞後、美術館外ではシンセを使った今流行りの「アンビエント系ミュージック」の演奏を聞きながら、まったりする人々でいっぱいでした。
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政治への傾倒と未来予測:危機感から見えてきた日本の課題
最近、政治の話題に深くはまっています。というのも、近い将来、日本が「中華日本 日本人自治区」になるかもしれないという、SFのような危機感を覚えているからです。
これまで、会社でのセミナーや勉強会を通して、「今ある事柄から未来を想像する」という考え方を学んできました。その中で、実生活における些細な疑問から、未来のトレンドを予測できた経験がいくつかあります。
例えば、デパートのエスカレーター。出入口から入ると上か下か片方にしか行けない構造に疑問を感じていたのですが、横浜そごうでは上下どちらにも行けるようになっていて、まさに先を行かれたと感じました。
また、約20年前には10年後のお金の使い方(決済方法)について考えていました。キャッシュレス化は想像できましたが、クレジットカードの危険性を考えると、これに代わるものが必要だと感じていました。特に、クレジットカードを持てない人でも、現金を上限に着実に利用できる仕組みが求められるだろうと。結果的に、近年PayPayなどのキャッシュレス決済が標準化され、この予測はほぼ的中しました。
直近では、2019年12月頃、横浜にダイヤモンド・プリンセス号が寄港する前にコロナ対策を始めました。手洗いやうがい、マイクの消毒などを早めに実行しましたが、お客様の反応は今ひとつでした。しかし、その後ロックダウンや小池都知事の「密です」が流行する頃には、やはり自分の対策は間違っていなかったと確信しました。
地域経済と政治への関心
このような経験を経て、政治に深く興味を持つようになりました。私の店がある大船という土地で、お客様にリピーターになってもらうにはどうすれば良いか。大手有名店なら8割の集客が見込めるかもしれませんが、個人の店ではその中の2割、さらにその中の2割くらいのお客様が来店し、店の雰囲気や価格、そして私の人間性(変態ですが)でリピートしてくれたら最高だと考えています。しかし、コロナ以降、全体的にお客様が減っていると感じています。
そこで、未来予測が始まります。夜の大船に繰り返し来てくれるお客様の数を増やすにはどうすれば良いか。そう考えると、どうしても社会の景気や税金、給料といった経済問題が気になり始めました。最初はYouTubeなどで、政治家や政治・経済のニュースを見ていました。その頃は、財務省が「赤字国債で国民一人あたり800万円の借金があるから増税だ」と主張していることを信じ、消費税増税は法人税減税によって企業の負担を減らし、従業員の給料が上がることで経済が好景気になる、と思い込んでいました。
しかし、これは騙されていたと気づきました。財務省系の緊縮財政派の論理には、どこかおかしい点があると感じ始めたのです。
財務省の「嘘」と日本の財政問題
最初に疑問に思ったのは、「国債とは何か?」「日本の国債は誰が買っているのか?」という点でした。政府が国債を発行し、それを銀行が買う。銀行は私たちの預金を運用して利益を上げるために国債を買う。だとすると、なぜ国民から借りているお金が「国民の借金」になるのか? この疑問を持った頃は、まだ日銀による国債の引き受けや、日銀が株式会社であることも知りませんでした。それでも、財務省の主張はやはりおかしいと感じつつも、赤字国債が増えれば日本の財政は破綻してしまうと考えていました。
しかし、その後、森永卓郎さんや高橋洋一さん、三橋貴明さんといった方々のYouTube動画を見て、日銀と国債の引き受け、そして**「財政健全化」の真実を知ることができました。彼らの説明を通して、貸借対照表や損益計算書を使った複式簿記の視点、戦後からの国債発行の歴史、そして高度経済成長期に市中銀行における貨幣の信用創造**によって日本国内のお金が経済成長とともに生み出されていた事実を学びました。
それでも、「お金とは何か」という漠然とした疑問は残っていました。経済活動の基本である「需要があるから供給をする」という繰り返しでバブル期を迎え、不動産や車などが高騰しました。土地が欲しい人が銀行からお金を借り(信用創造)、高値で売り、そのお金で別のものを買う。国も取引額を公表することで、あたかもその価値が上がったように見せかけましたが、実際にはそれほど価値のない山奥の土地が高額で取引されていました。それが覚めてみると、例えば坪単価15万円の土地を150万円で買っていたとしたら、みんなが冷静になった時には借金だけが残る結果となりました。
そこで、日本政府はさらに土地や高騰した物への規制をかけるべきだったのに��全体に貸し剥がしをさせる政策を取ったことで、北海道拓殖銀行や地方銀行も経営困難に陥り、合併や倒産といった、昭和ではあり得なかった銀行の統合が現実となりました。
※現在の中国も土地バブル、建設バブル、そしてEVバブルが弾けましたが、中国は次々と別のものに投資し、海外への融資や利権獲得を通して、未だに経済成長を続けているように見えます(失業率などは非公表なので正確ではありません)。ただ、その政策の中に外国移民・移住計画が存在するのではないかと思われます。
話を日本に戻すと、バブルが弾け銀行が統合していた頃でも、財務省(大蔵省)はまだ高度経済成長期の政策を引きずっていました。バブル期には信用創造でお金が作られていたため、政府が国債を発行しなくても税収があり、財政は均衡を保てました。しかし、国民の消費が減少するにつれて税収も不安定になり、増税路線へと舵を切ります。この時、経団連が絡んで法人税減税の代わりに消費税が導入されました。この税が、さらに国民の消費を冷え込ませることになったのです。
メディアと政治の真実、そして迫る危機
こうして調べていくと、歴史を紐解けば、現在の財務省が絡んで、まるで過去の亡霊に取り憑かれたかのような情報がメディアを使って流されていることが見えてきました。そして、それに逆らうような報道をした場所には、国税庁が動き、偏向報道の温床とされてしまったように見えます。記憶に新しいのは、「報道ステーション」の古舘伊知郎さんや、みのもんたさんが最後の番組で体制に反抗するような放送をした後、テレビ界から干されたという話です。ちなみに久米宏さんも同様の目に遭っています。
最近はテレビを見なくなりましたが、テレビでニュースを見ている人たちは、小泉進次郎氏が活躍して米の値段を下げたかのように思っているようです。しかし、その裏では農協を悪者にし、農協の株式会社化、その後は解体して保険部門や金融部門、さらには海外部門を分割し、アメリカや中国の資本に株を売って解体しようとしていると推測されます。
そもそも農協は、農家が個々で国や行政、大手企業と交渉するのが難しいので、地域で協同組合を作り、まとめて出荷したり、国からの補助金を引き出したり、高級乗用車並の金額のトラクター購入資金を融資したりと、農業のための集まりです。不作の時の保険や、事故・病気の際にも使えるように、様々な業務をこなしています。連結決算で赤字部門も組合員のために存続させている共同体、それがJA全農です。叩かれている農林中金の赤字問題はあるものの、日本の農業のために壊してはいけない存在です。
日本の衰退と見えない政策意図
財務省が主張する「財政健全化」が問題であり、国政では「税収は財源ではない」という事実をねじ曲げ、緊縮財政を取っています。そもそも日本国内の赤字は経済の衰退が原因ですが、経済が衰退すれば税収は減ります。減るから増税し、さらに赤字になります。その代わり、政府は黒字になりますよね。この考えが、財務省には見えておらず、国の財政のことしか見ていないのです。
ただ、30年かけて日本経済が衰退し、少子化が進むと、中国の移民政策と日本の人口対策が合致する可能性が出てきます。中国ではいくつかのバブル崩壊で貧富の差が激しくなり、失業者も出ています。一方、日本では安い労働力が減っています。だからこそ、中国企業や学校を通して日本に労働力を派遣し、そのために日本は中国人を優遇する。具体的には、滞在ビザの延長や留学先の学費免除、生活費支給、そして生活保護の支給、さらには帰化後に身元が分からなくするために夫婦別姓問題を使って戸籍制度をなくす。落ち着いて考えればすぐに分かることを、平然とやっているのです。
食料防衛の崩壊(減反政策)と少子化推進による移民受け入れ。このようなことを行っているのは、自民、公明、両民主、維新がそれぞれの思惑を持って日本を崩壊させようとしているように感じます。私の計算ではなく、経済産業省の計算では、あと10年で日本の経済は破綻する可能性が高いと言われています。
もう本当に時間がありません。
今年、参議院選挙で政権をひっくり返せたとしても、その後、政権奪取のために自民党は必死になり、さらに財務省の言いなりになる自民党を復活させる攻防をしながら、日本経済を立て直し、海外からの内部侵略に対抗して安定した経済政策が取れる世の中にするには、本当に10年ではギリギリすぎます。だからこそ、政治に興味を持ち、一人でも多くの方にこの危機に気づいてもらい、経済発展する世の中のために選挙に行って、まずは自民党に「NO」を突きつけましょう。
私の動機と今後の活動
最後に、私の個人的な動機ですが、「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざが当てはまります。日本経済が良くなる → 国民の生活が豊かになる → 夜の街に飲みに出る → 街も賑わう → その中の2割のお客様が私の店に来る → 店儲かる、という図式です。自分の店が儲かるにはどうすれば良いか考えているうちに、経済や政治、さらには少子化問題や移民問題などにまで話が及んでしまいました。ちなみに、現在は暇で儲かっていませんが・・・
実際、消費税の具体的な問題点や日本円の成り立ち、具体的な解決方法にはあまり触れていませんが、政治に興味を持ち、さらに危機を感じ、それを広げなければ解決できないということに気づきました。
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序論 大英帝国から継承した世界的覇権を背景に、アメリカはドルを基軸通貨とする国際金融システムを確立し、長きにわたって世界経済を主導してきた。いわゆる“ペトロダラー”の仕組みによって通貨発行益(シニョリッジ)を享受してきた一方、国内農業や製造業の衰退という“スーパーオランダ病”が進行し、地域格差と社会分断を深めている。そこにさらに拍車をかけているのが、プロテスタント精神の後退と、保守・リベラルの文化的対立だ。オバマ大統領の登場はアメリカ社会の“人種の壁”を越える転機となった反面、宗教的・道徳的基盤の弱体化と保守層の強い反発を招き、やがてドナルド・トランプのような“反動のリーダー”が台頭する要因ともなった。2025年に再びトランプが大統領となったことで、こうした構造的危機はますます先鋭化している。本稿では、覇権とスーパーオランダ病、そしてプロテスタント精神の後退とオバマ~トランプの政治的流れを統合的に論じる。 1. 大英帝国からの覇権継承と“スーパーオランダ病” 1-1. 覇権の継承とドル基軸の確立 第二次世界大戦後、ヨーロッパ列強(とくに大英帝国)が疲弊する中、アメリカ合衆国は軍事・経済の両面で世界の中心へ躍り出た。ブレトン・ウッズ体制の下、ドルが金本位制の軸を担い、その後のニクソン・ショックやキッシンジャーによるペトロダラー体制の構築を通じて、ドル基軸通貨としての地位はゆるぎないものとなった。これによってアメリカは巨額の通貨発行益を得つつ、世界経済の資金フローを支配することに成功する。 1-2. スーパーオランダ病の副作用 しかし、基軸通貨としての強いドルは、アメリカの実体経済、とりわけ農業や製造業の競争力を相対的に削ぎ落とし、産業の空洞化を招いた。ラストベルト(Rust Belt)地域では工場の閉鎖と失業が深刻化し、経済格差と社会不安が増大。金融・サービスセクターが富を独占する一方、地方や中低所得層は取り残され、政治への不満を募らせていく。この極端な産業構造のいびつさは、まさに“スーパーオランダ病”と呼ぶべき現象である。 2. プロテスタント精神の後退とアメリカのアイデンティティ危機 2-1. 建国期を支えた宗教的モラルの揺らぎ ピューリタンの伝統を継承してきたアメリカ社会は、長らくプロテスタント的価値観――勤勉や禁欲、家族中心主義など――を道徳的基盤としてきた。しかし、戦後の世俗化やベトナム反戦運動、公民権運動を経て、この宗教的・道徳的支柱は次第に弱体化していく。同時に、多民族・多文化社会が進展するにつれ、“WASP(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)”の優位性が崩れ、アメリカは新たなアイデンティティを模索する局面に立たされた。 2-2. 同性婚の合法化と文化戦争の激化 世俗化とリベラル化が進むなか、2015年に連邦最高裁は同性婚を全国的に認める判決を下し、保守的なキリスト教コミュニティには大きな衝撃を与えた。これは“個人の自由と多様性”を重視するリベラル派にとっては大きな勝利だったが、一方で「神の法を踏みにじる」とする強い反発も生み出し、社会の分断は一段と深まった。こうした分断は、後述するオバマ政権への評価にも大きく影響を及ぼす。 3. オバマ大統領誕生の正負両面 3-1. “人種の壁”を超えた希望 2008年の大統領選挙でバラク・オバマが勝利したことは、アメリカにおいて“黒人が最高権力の座に就く”という歴史的快挙を意味した。公民権運動から半世紀足らずで、アメリカが多様性を受け入れる社会へと変化したシンボルとして国内外から称賛され、オバマ政権には“Change”と“Hope”のスローガンが期待を集めた。 3-2. 宗教的基盤の空白が招いた反動 しかし、オバマ誕生の背景には、プロテスタント精神やWASP支配の後退が不可分に関わっている。人種差別の歴史を乗り越える大きな一歩である反面、保守層にとっては“自分たちが築いてきた伝統的価値観が破壊される”という危機感を増大させる出来事でもあった。オバマ政権は医療保険改革(オバマケア)など進歩的な政策を実行する一方、経済格差やラストベルトの疲弊を十分に解消できず、保守・リベラル間の“文化戦争”に火を注ぐ形となった。 4. トランプの台頭と2025年再登板の意味 4-1. ラストベルトの叫びとMAGA 2016年、ドナルド・トランプはラストベルトの白人労働者階級から強い支持を得て大統領選で勝利し、“Make America Great Again(MAGA)”を掲げる保護主義的・反グローバル的政策を打ち出した。これはスーパーオランダ病による産業空洞化とプロテスタント精神の衰退、さらにオバマ時代の“リベラル旋風”への反発という構造的背景があったからこそ可能になった。 4-2. 2025年の復活と覇権の行方 2024年選挙でトランプが再選を果たし、2025年に再び大統領となったことは、アメリカ社会の深層にある保守回帰と、世界の覇権国としての地位を守りたいという強い願望を象徴する。トランプは再びMAGAを唱え、ラストベルト復興や海外からの工場回帰、キリスト教的価値の再評価などを急進的に進めようとしているが、すでに定着した同性婚やリベラル化の進行を巻き戻すのは容易ではない。さらに、ドル基軸体制によるスーパーオランダ病が続く限り、実体経済の本格的再生には痛みを伴う大規模な構造改革が欠かせない。 5. 結論:崩れゆく覇権と再生へのジレンマ 大英帝国から覇権を継承したアメリカは、ドルを基軸通貨とすることで世界経済を主導してきたが、その代償として国内の基礎産業が空洞化し、“スーパーオランダ病”の深刻な症状に苦しんでいる。また、プロテスタント精神の後退による道徳的支柱の喪失は、人種やジェンダーをめぐる深刻な文化対立を生み出し、オバマ大統領の誕生という快挙の影に、伝統保守層の不満と危機感を煮え滾らせる結果となった。 こうした構造的なジレンマの中で誕生・再登板を果たしたトランプ大統領は、MAGAを合言葉に覇権国としてのアメリカの威光を取り戻し、ラストベルトをはじめとする国内の実体経済を再建しようと奮闘している。しかし、国際金融システムと緊密に結びついたドル覇権を手放すことなく産業空洞化を克服できるのか、また宗教的道徳を活性化させながらリベラルな社会変革とどう折り合いをつけるのか、その課題は未解決のままである。2025年現在、アメリカがどのようにこの苦悩を乗り越えていくかは、世界秩序とグローバル経済の行方を大きく左右する焦点となっている。
アメリカ覇権とスーパーオランダ病|けん
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2024-6月号
アンビグラム作家の皆様に同じテーマでアンビグラムを作っていただく「月刊アンビグラム」、主宰のigatoxin(アンビグラム研究室 室長)です。
『アンビグラム』とは「複数の異なる見方を一つの図形にしたもの」であり、逆さにしたり裏返したりしても読めてしまう楽しいカラクリ文字です。詳しくはコチラをご参照ください⇒アンビグラムの作り方/Frog96
◆今月のお題は「中華」です◆
今月は参加者の皆様に「中華」のお題でアンビグラムを制作していただいております。中華といえば漢字発祥の地。現代の蒼頡たちの宴をご覧ください。今月も逆さまな作字が集まっております。
ではまずはdouse氏から。

「麻婆茄子」 回転型:douse氏
180°回転させても同じように麻婆茄子と読めるアンビグラムです。中華には「福到了」という福の字を上下逆さにひっくり返して貼るアンビグラム的な縁起物の風習がありますが 本作は麻婆茄子が無限に到来しそうな御目出度い回転字面になっています。対応解釈が最高ですね。この語句でこの文字組みが出来るのはきっとdouse氏だけでしょう。

「酢豚」 回転型:peanuts氏
世界範囲で有名な中華料理の一つです。酢豚は日本で付けられた名称で 中華料理においては広東料理の「古老肉」や上海料理の「糖醋排骨」が該当するようです。本作は作字のデザインと対応解釈が高次で両立した理想的アンビグラムです。「乍/月」部分のギミックは美しくてかっこいいです。

「酢豚」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
左右の鏡像図地で酢豚。作者いとうさとし氏はネガポ字(図地反転)の達人です。本作は真ん中から折りたたむとピッタリ嵌ります。まるでこの漢字がもとより嵌り合う構造を持っていたかのような自然さです。
「回鍋肉」 図地反転鏡像型:douse氏
四川料理の一つ。本作は斜め鏡像の図地反転アンビグラムです。文字の組み方がテクニカルでブリリアントカットされたような光学的な装いが抜群にカッコいいです。

「回鍋肉」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
上下の鏡像で図地反転になっている回鍋肉。日本語のアンビグラムは2022年に入ったころから飛躍的に進化発展した印象がありますが とくにネガポ字(図地反転)の進化は顕著で 英語圏でも作例はさほど多くないこのジャンルが日本ではたくさん作られるようになりました。それも本作の作者いとうさとし氏の尽力が大きいでしょう。
「酸辣湯」 鏡像型:螺旋氏
中国料理のスープの一つで 酸味・辛味・香味が特徴。本作は斜めの鏡文字で組まれています。斜めの鏡像型は漢字のアンビグラム制作に向いた対応だと思います。うまく作ればアンビグラムだと見破られない作字が可能で 本作も「束」部分が自然で驚きます。

「中華そば」 敷詰振動同一型:Jinanbou氏
発想が面白いです。「華」の字の中に異なる文字を幻視し抽出するその眼力には感服します。これは文字に隠された秘密のゲシュタルトを解析する行為でアンビグラム作りには欠かせないセンスです。

「青椒肉絲」 重畳型:きいろいビタ氏
ピーマンと細切りにした肉などを炒めた中華料理。本作 重畳型は同じ図形で韻を踏み 青椒肉絲と読ませるアンビグラムです。そのまま亜細亜のどこかの国で商品のロゴとして使用されているのではと思えるほど完成度が高いレタリングです。
「杏仁豆腐(⿸广フ)」 旋回型:Σ氏
中国発祥のデザート。135°回転の旋回型アンビグラムです。「腐」の字が「广」の中に片仮名の「フ」を入れた略字になっているところが凄すぎます。この略字は実際にゲバ字(アジビラ文字)などで使用例があります。柔軟な発想ができる人のアンビグラムは読みやすいですが 本作は作者Σ氏のアンビグラムが優れている理由の一端が垣間見える好例です。
「中華/北京/上海/広東/四川」 共存型(回転・鏡像):ラティエ氏
一般に四大中国料理と言われている4つの場所に お題をプラスした多面相アンビグラム。なんと5パターンの変化が起こる作字なのです。北京/上海/広東/四川は回転型で 大きく表示された中華はその鏡像になっています。 多面相漢字アンビグラムの制作はある種「挑戦」ジャンルです。多面相を作ろうとするその発想や度胸だけでも凄いですし 本作はその挑戦に成功していると思います。
「横浜中華街」 回転型:ぺんぺん草氏
東アジア最大の中華街を回転アンビグラムに。細かい説明は無用の傑作。この完璧な対応解釈をご覧ください。けしてアンビグラマビリティは高くない語句ですが冷静的確に作字されています。最高です。
「神戸」 回転型: 「長崎」 鏡像型: 「横浜」 重畳型:.38氏
日本三大中華街。それぞれ趣向を凝らした楽しい対応解釈で可読性も充分高い設計です。 これは文字数寄にはたまらない作字ですね。そのまま都市の紋章に使用してほしいナイスデザインです。

「横浜中華街散策中隠処的拉麺店発見」 回転重畳型:超階乗氏
ブレードランナーに出てきても違和感のないサイバーパンクアンビグラムの名作。文字の各所に丼図案などが組み込まれていて そのおかげで回転重畳構造を把握しやすい親切設計です。回転重畳型とは ある図形の上に同じ図形をレイヤーで重ね、上に重ねた図形だけを規則正しく回転させて文字を形成するアンビグラムです。
「西安」 回転型:うら紙氏
陝西省の省都で、旧名は長安というのは有名でしょう。 かっちりした輪郭でありながら��のカスレを生かしたステキなタイポグラフィですね。アンビグラマビリティの高い語句ですが図案としてきれいにまとめるには作家の力が必要で、うら紙氏はその能力に長けています。

「Qingdao/青島」 図地反転回転共存型:ヨウヘイ氏
青島(チンタオ)は中国有数の港湾都市・商工業都市・国際都市。 図地反転で漢字の隙間にアルファベットを見出そうとすると、青島は横画が多くて打ってつけの言葉なのですね。省略があっても読み取りやすい作品です。

「シャンハイ」 旋回型:つーさま!氏
上海は中国で最高位の都市である直轄市の一つ。 五面相の旋回型。「シ/ン」の点の有無のみの差をどう表現するか難しいところですが、少し角度を変えるだけで違って見えてきますね。羽様の形状とグラデーションも読みやすさに一役買っています。すばらしい作品です。

「万里の長城」 回転型:douse氏
中国にある城壁の遺跡。中国の象徴の一つでしょう。 回転中心の作り方が見事です。「の」が伸びているのも不自然に見えず、「長」の横画を切っているので「長」のバランスもよく見えます。「万/戈」の字画接続の切り替えが見事ですね。さすがの一作です。

「麺/龍」 図地反転鏡像型: いとうさとし氏
どちらも中国を象徴するものでしょう。 自然に読めすぎて言うことがないですね。図地反転にピッタリすぎる組み合わせが今回のお題によって発掘されたと言えるかも知れません。一点、「龍」の上部の突き出した部分は作者も悔しいところだと想像しますが、それを差し引いても可読性最高の傑作です。
「伝奇/でんき」 振動型:kawahar氏
中国の古典的な演劇である戯曲形式の1つ。 氏の得意な「読み漢」で一作。ぐにゃりとした書体が「ん/ム」の振動などにマッチしていますね。読み漢はひらがなしか読めない人にも漢字が読めてしまう実用的な手法ですが、適用できる漢字は少なく本作のように限られた言葉だけです。
「太極図」 図地反転回転型:lszk氏
「易」の生成論において陰陽思想と結合して宇宙の根源として重視された概念である「太極」を表した図。 中央の「極」に本家の陰陽魚太極図があしらわれています。太極図の円形を「太・図」にもあしらって統一感を出していますね。図と地が絡み合い逆転しながら文字を形成しているところが、陰と陽が互いに飲み込みあい無限に繰り返す太極の思想を表しているようです。

「造書 研究」 回転共存型:意瞑字査印氏
「造書」を90°傾けると「研究」と読める対応です。造書とは文字を造るという意味。『蒼頡、鳥獣蹏迒の跡を見て分理の相別異すべきを知り、初めて書契を造る』 そのむかし蒼頡という人が鳥獣の足跡をヒントに漢字を発明した故事からの語句選択です。なるほどアンビグラム制作とは 新文字を発明する行為とも言えますね。

「東夷/西戎」「南蛮/北狄」 回転共存型:兼吉共心堂氏
四つまとめて「四夷」、古代中国で中華に対して四方に居住していた異民族に対する総称。 筆文字の効果を生かした表現がすばらしいです。「夷/西」「虫/北」ではカスレにより字画の本数を増減させ、「南亦/狄」では墨垂れで字画密度差を克服しています。真似が難しいテクニックです。
「東夷」「西戎」 重畳型: 「南蛮」「北狄」 振動型:lszk氏
「四夷」は「夷狄」あるいは「夷狄戎蛮」とも。 お誂え向きの言葉がきれいにそろっていたものですね。というのは簡単ですが読みやすく仕上げるのは難しい字形もあります。氏は知覚シフトのバランス感覚が抜群なので調整の妙もさることながらこの対応にも気付けるのでしょう。

「劉備玄徳/関羽 張飛」 回転共存型:KSK ONE 氏
「蜀漢」を建国した劉備と、劉備に仕えた関羽・張飛。三国志の武将からのチョイス。 髭文字ならではのハネなど遊びの部分を生かした作字ですね。一文字目の「劉」が読みやすくすらすらと読みを捕まえることができます。関連する名前同士でうまく対応付けできるのが運命的ですね。
「熊猫」 敷詰図地反転型:松茸氏
ジャイアントパンダのこと。 パンダの白黒は図地反転にもってこいの題材ですね。どうやって考え付くのかわからない図案が毎回驚異的で目を白黒させてしまいます。きちんと敷詰できるのか不安になりますがちゃんと隙間なく並びますので安心してください。

「伊布」 旋回型:YФU氏
「イーブイ」の漢字表記。 久方ぶりに参加していただきました。言葉のチョイスも氏らしいですね。図形の長さを読みやすいところに調整するバランス感覚は健在です。

「マオ」 交換式旋回型:ちくわああ氏
かいりきベア氏の楽曲名より。「猫」の意味もある中国語らしい言葉の響きです。 線種を変えているのでかわいらしい作字になっています。対応付く字画も分かりやすいですね。それでもうまく敷き詰めてみるのは骨が折れそうです。

「西游记」 回転型:オルドビス紀氏
16世紀の中国の白話小説、繁体字では「西遊記」です。 簡体字をうまく活用しているのですね。「遊」よりも自然に回りますし、「記」よりも「西」との相性がよく一石二鳥です。「西・记」の右下がりのラインと「游」の右上がりのラインの視覚効果が心地よく作字として最高の仕上がりだと思います。

「 不 此 君 我 / 当 今 災 偶 成 夕 已 為 / 時 日 患 因 長 渓 乗 異 / 声 爪 相 狂 嘯 山 軺 物 / 跡 牙 仍 疾 但 対 気 蓬 / 共 誰 不 成 成 明 勢 茅 / 相 敢 可 殊 嘷 月 豪 下 / 高 敵 逃 類 」 交換型:繋氏
「山月記」より。縦に読んでください。 7×4の組全体を縦横に交換するともう一方になるという超絶技巧です。「爪」(爪痕の装飾がにくいです)を基準にすると見つけやすいでしょう。じっくりご覧ください。
最後に私の作品を。
「截拳道」 交換式旋回型:igatoxin
≪友よ水になれ≫で有名なブルース・リーの武術、截拳道(ジークンドー)から。
お題 中華 のアンビグラム祭、いかがでしたでしょうか。御参加いただいた作家の皆様には深く感謝申し上げます。
さて次回のお題は「猫」です。長靴をはいた猫、シュレディンガーの猫、仕事猫、吾輩は猫である、猫男爵、猫目石、煮干し、マタタビ、夏への扉、蚤、百閒、注文の多い料理店、ハローキティ、ドラえもん、など 参加者が自由に 猫 というワードから発想 連想してアンビグラムを作ります。
締切は6/30、発行は7/8の予定です。それでは皆様 来月またお会いしましょう。
——————————–index——————————————
2023年 1月{フリー} 2月{TV} 3月{クイズ} 4月{健康} 5月{回文} 6月{本} 7月{神話} 8月{ジャングル} 9月{日本史} 10月{ヒーロー} 11月{ゲーム} 12月{時事}
2024年 1月{フリー} 2月{レトロ} 3月{うた} 4月{アニメ} 5月{遊園地} 6月{中華}
※これ以前のindexはこちら→《index:2017年~》
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つじしまみちこ 特別インタビュー
新譜「Goodbye to AI」について
日本を代表する音楽プロデューサーつじしまみちこが2025年4月29日、5年以上の沈黙を破り、新譜をBandcampにて発表した。つじしま女史曰く、この度の新譜は、令和に元号が変わってから初めてのものであり、発表と同時に、シリアや北朝鮮、東欧地域からの注文が相次いでいるという。本誌は、新譜の発表に際して制作者であるつじしまみちこ本人に独占インタビューを行った。
はじめまして、本日は貴重なお時間を頂きありがとうございます。全く存じ上げないのですが、つじしまみちこさんは何者なのでしょうか? 世界的な音楽家ですが、コロナ禍に体調不良(後述)に見舞われ、表舞台から一度降りたので、日本の皆さんがご存じないのは無理もございません。2010年代より「つじしまみちこ」名義で純音楽の作曲に勤しんでおりましたが、平成末期の頃、電子音楽に興味を持ち、ウェブ上でいくつかの作品を公開しておりました。
つじしまみちこさんの名前の由来を教えてください。 ネトウヨに刺される恐れがある為、その質問への回答は差し控えさせていただきます。
つじしまみちこさんは、太宰治の妻であった津島美知子さんと何か関係があるのでしょうか。 ない。
つじしまみちこさんは、こしじまとしこさんから影響を受けておりますか? とても良い着眼点です。ないです。
つじしまみちこさんが最も影響を受けたアーティストは誰ですか? 何人もおりますが、一番影響を受けた人物を挙げるとすれば、子供の頃に目撃した、河川敷で黙々とドラム缶を半裸で殴打する名も知らぬ老人です。ヴィジュアル、音響、発想、その全てが芸術的でした。
つかぬ事をお聞きしますが、本当につじしまみちこさんは、専業の音楽家でしょうか? 音楽だけでは一年当たりの手取りが2000万円ほどしかなく、これだけでは食べていけないので、普段は株式、債券、金やレアメタルへの投資で生活費の大半を稼いでいます。所謂「億り人」です。
つじしまみちこさんにとって音楽とは何ですか? 単なる聴覚異常の原因でしかありません。実はコロナ禍に、頭の中で中島みゆきの「糸」が止まらなくなる奇病を患った事があり、心療内科・脳神経外科・内科・循環器科・耳鼻咽喉科・性病科をハシゴしたのですが、何処の病院に掛かっても原因が不明故に一向に快方へ向かわなかった為、処方された薬をゴミ箱に捨て、代わりに朝昼晩の食前食後に日本酒を飲んで自己治療をしている内に、恐らく音楽が原因ではないかと思うようになりました。非常に辛い思いをしたので、もう音楽なんてやめたくて仕方がなかったのですが、覚醒剤と同じでやめたくてもやめられませんでした。
つじしまさんが音楽制作を始めた理由は何でしょうか? 2010年代の半ば、それまで勤めていたブラック企業を解雇された後、楽して稼げる方法はないかと模索を始め、やがて、音楽配信と広告収入で不労所得が得られる事を知り、菊池有恒の「楽典―音楽家を志す人のための」や放送大学のテクスト「音楽理論の基礎」を熟読して音楽理論を独学し、楽曲制作に明け暮れていた時期があるのですが、殆ど誰にも見向きもされず、どれ程営業努力をしても数千円の収入しか得られませんでしたので、空しくなって3ヶ月ほどでやめてしまいました。当時の音楽シーンを見渡すと、病気や精神障害を抱えた人しか活躍していない惨憺たる有様でしたので、心身共に健康でおまけに京大卒と言う絵に描いたようなエリートである私に居場所などある筈もありませんでした。その後は、マーケットに戻り、生き馬の目を抜くビジネスの世界で活躍していたのですが、人が一所懸命汗水流して世界経済を動かしている最中、いい年して子供の遊びに夢中になり、事あるごとに感情的な言葉を下水道から逆流した汚物の如くSNS上にぶちまける所謂クリエイターと呼ばれる輩が憎くて仕方がなくなった為、彼らへの嫌がらせの一環としてウェブ上で不快極まりないミュージックを次々と公開し、戦いを始めたのが「つじしまみちこ」誕生のきっかけです。
今回の作品ですが、発表しようと思ったきっかけは何でしょうか? Bandcampのページ内のライナーノーツに記載の通りです。
今回の作品ではAI技術を活用したNEUTRINOというボーカルシンセサイザーが大々的にフィーチャーされております。ボーカロイド等の音声合成技術はお好きでしょうか? 好きで使っているのではなく、予算と私の人徳の問題でボーカリストの協力が得られない為、仕方なしに利用しています。NEUTRINOにせよボーカロイドにせよ、未だプロのボーカリスト程の歌唱力や表現力を持っておらず、また活用できる楽曲のジャンルは基本的にエレクトロ色の強いポップミュージックに限られていると感じており、不満の方が大きいです。
ジャケットに描かれた化け物は何ですか? 生成AIに「みちこ」の画像を生成するよう命令した所、アジア系の少女の画像が出力されたので、それをポリゴン加工し、目と口をつけました。化け物ではなく、AIと私のコラボレーションによって生まれたつじしまみちこの肖像です。
私は今回の作品でつじしまみちこさんの作る音楽を初めて聴いたのですが、いずれの楽曲も、オウム真理教が布教の為に作った音楽や旧ソ連の人々がジャーマンテクノなどに代表される西側のニューウェーブを模倣して作った電子音楽を彷彿とさせるものでした。実はインタビューの前に公安関係の方から、つじしまさんは以前よりオウム真理教や〇〇〇〇〇(自主規制)との関係が噂されていると聞いたのですが、これは本当でしょうか? (記者の問いかけに対し、額に手を当て沈黙するつじしま)
つじしまさん、もうオウムなんて辞めて創価学会に入りませんか。楽しいですよ。 断る。私は尊師を裏切る事は出来ない。
真面目な質問に軌道修正しますが、つじしまさんの新譜は、キング・クリムゾンやピンク・フロイド等の往年のプログレッシブ・ロックの影響が色濃いように感じるのですが、つじしまさんの年齢は、一体おいくつですか? つじしまみちこ自体は平成生まれの永遠の27歳であり、年を取らないのですが、中の人はGHQ統治時代に生まれた昭和世代の為、年齢が年齢だけに、新しい音楽を聴いても、作風にアップデートが掛かりません。近頃は耳��のものが聞こえなくなってきました。
コード進行、曲の展開が非常に独特ですが、何か曲作りの上での拘りはございますか? 私は楽典にもポピュラー音楽理論にも知悉しておりますので、音楽理論に基づいた作編曲が出来るのですが、ロック、古楽、雅楽、民族音楽、果てはノイズミュージックに至るまで、古今東西の様々な音楽を聴き続けた結果、不協和音さえもハーモニーと捉えられる程に感覚がおかしくなった為、最早、自分でも一体全体何をしているのか分からない状態で作品作りをしております。 かつて「躁鬱ポップ」を標榜し、Aメロはメジャーコードのクリシェで安定しつつも停滞した印象付けをし、その後のBメロはオーギュメントコード、ディミニッシュコード、クラスターコードの嵐という混沌状態、サビはメジャー・マイナーが混在する90年代的な懐かしい進行とし、リスナーが散々苦しんだ末に救済されるような構造の作品を濫造していましたが、今回はサイケデリック・ロックを彷彿とさせる不気味な進行の楽曲を、メロディーとアレンジを熱心に研究・工夫して、ポップミュージックに仕立て上げました。陽気ながら、どこか不気味で違和感溢れる仕上がりとなったと自負しています。 新譜の発表前、音楽業界の関係者に「マイク・オールドフィールド以来のプログレの名盤が出来たので聴いて欲しい。内田裕也の跡を継ぐロッカーとして、ネット出身の軟弱なアーティスト達を日本の音楽シーンから駆逐したいと考えている」と伝え、私の作品の試聴をお願いしたのですが、視聴直後より、誰もが次々と体調不良を訴えたり、家庭環境が崩壊したりと様々な災いに苛まれるようになったようです。唯一、異なる反応を見せたのは数年前から懇意にしているディスクユニオン新小岩店の店長で、曰く「このアルバムはプログレの棚には並べられない。そもそもロックミュージックのアルバムと言うより、歌謡曲のシングルと呼んだ方がしっくりくるので『つのだ☆ひろ』の中古8cmシングルと同じ棚に置く事になる」とのことでした。「せめて『人生(ZIN-SÄY!)』と同じ棚にして欲しい」と頼んだのですが「当店には既に『人生(ZIN-SÄY!)』は在庫がない」と言われました。ピエール瀧が逮捕された時期に一掃されたそうです。
新譜制作に当たって使用した機材を教えていただけますでしょうか? 20世紀末に購入した古いNECのPC-98マシンで制作をしました。PC-98と言っても今のZ世代は分からないと思いますが、かつてMicrosoftのWindowsやAppleのMacintosh、フリーOSのLinuxと拮抗していた日本産OSです。既にサポートどころか新製品の販売すらされなくなって久しく、ウィルス感染が怖いのでオフラインで利用しています。楽器についてですが、3トラックとも、電子音は、全て初代Moogを手弾きしたもので、ピアノは10年以上愛用しているSteinway、パーカッションはJazzの名盤から抽出した音源で、予定調和の展開を悉く破壊して心をざわつかせる民族楽器の類は現地の方に弾いてもらったものです。今回の作品の為にモニタースピーカーやオーディオインターフェースは一新しており、自宅も防音仕様に改築しました。
機材を一新したとの事ですが、これまでとの曲作りで大きく変わった点は何でしょうか? 曲を仕上げた後、火照った頭と体を鎮める為に夜の街へ飲みに出かけるようにしているのですが、以前は炭水化物抜きで日本酒とつまみだけで飲み続けていたのを、今回からは、シメにご飯物を頼むか、あるいは最初から丼物を頼んで酒を愉しむようにしました。一年ほど前から一升ほど酒を飲むと正体不明になって、自宅に帰る途中に車道で寝てしまったり、気が付くと明け方のゲイバーで店主と口論になっていたりと大変な事態に見舞われるようになっており、当初は年のせいかと思ったのですが、どうやら、医学的には酒を飲んだ時は炭水化物を摂った方が良いとの事でしたので、飲酒の仕方を大きく変えるようにました。太るかと思ったのですが、毎朝、酔っぱらった状態でジョギングをしたり、ジムでトレーニングをしている内、代謝が良くなり、沢山食べても体形が変わらなくなりました。時折、血尿が出ますが元気で暮らしています。
アナログシンセの音作りが絶妙にレトロで、YMOを想起させますが、坂本龍一氏と同じクラシック畑出身のつじしまさんは、坂本氏にどのような印象を抱いておりますか? 彼の作品は「千のナイフ」と「音楽図鑑」しか聴いた事がないのですが、電子音楽という形態を取らず、ピアノや管弦楽器などの生楽器を主体とした編成の方が良いものになると思っておりました。彼にこの事を伝えようと、上野辺りに呑みに誘おうとしていたのですが、その前に癌で亡くなってしまいました。
つじしまさんがヨーロッパ出身というのは本当ですか? はい。フランスで生まれました。
虚実入り混じるお話を延々として頂いた所で恐縮ですが、最早、誰もが理解不能な内容になっている上、好い加減、私自身が耐えられなくなっておりますのでインタビューを仕切り直したく思います。ここから先は真剣に答えていただけますか? 構いません。
つじしまみちこ 特別インタビュー
新譜「Goodbye to AI」について
日本在住の音楽プロデューサーつじしまみちこが2025年4月29日、5年以上の沈黙を破り、Bandcampにて新譜を発表した。本誌は、新譜の発表に際して制作者であるつじしまみちこ本人に独占インタビューを行った。デビュー以来、初めて真実を語るつじしまに迫りたい。
2020年代に入って音楽活動を事実上停止していたつじしまみちこさんがこの度、新譜を公開した背景は何でしょうか。 事の発端は昨年2024年11月にアメリカの大統領選挙でドナルド・トランプが再び大統領に選出されるという歴史的場面を目にした事でした。開票結果の出た日、私は、アメリカの知識人たちが民衆に対して語る言葉や伝える力を失った結果、あのような事態を招来したと感じました。同時に、私自身も、これまでの音楽活動の中では、具体的な説明を放棄し、受け手である視聴者に冷淡な態度を貫き、事あるごとに辛辣な言葉を浴びせかけてきたものの、よくよく考えると、私のしていた事は、反知性主義者の前に脆くも破れ、時代の敗者となったアメリカのインテリゲンチャと変わらない事に気付き、これまでの態度を猛省し、次こそは、難解な事柄を理解出来る知性を持つ少数者が聴いても、そして、前提知識のない愚昧な一般大衆が万が一聴いてしまっても、両方の層が楽しめるような作品を作ろうと一念発起した事が新譜制作の動機です。
今回の作品では全ての曲で、NEUTRINO(AI技術を用いたボーカルシンセサイザー)が使われておりますが、理由は何でしょうか? 私はボーカロイドやUTAUなどの従来のボーカルシンセサイザーには、歌唱力や表現力の点で落胆させられてきました。発売当時から、キャラクター性やCVを担当した声優の人気に頼る以外、セールスポイントがない代物とさえ思っています。しかし、2020年に登場したNEUTRINOは別格でした。従来のボーカルシンセサイザーに特有の発声の不自然さはなく、人間の歌声と遜色がないものでしたので、是非自身の楽曲に使いたいと思いました。調声はAI任せなので殆ど弄れませんが、素晴らしい技術であるのは事実です。それにも関わらず、NEUTRINOが大きな話題にならないのは、非常に残念に思います。今回の作品では、何も知らずに聴いた場合、私がボーカリストに頼んで歌ってもらったと思われるような楽曲にしようと考え、飽くまで生成された歌声に合う音作りを心掛けました。NEUTRINOにもボーカロイドのようにいくつかのキャラクターがあるのですが、私はボーカルシンセサイザーにせよ人間の声にせよ単なる音、楽器の類と捉えておりますので、キャラクターの情報を出しておりませんし、楽曲のテーマは、あらかじめ設定されたキャラクターの性格とは関係がございません。
いずれの楽曲も3分未満のたいへん短いものですが、これは何故でしょうか? 飽くまで、NEUTRINOの実験の為の楽曲と自身の中で位置付けており、一般流通する音楽とは異質なものにしたかった為です。今の時代とは異なり、20年以上前のウェブ上には、一般市場に流通する音楽作品とは一線を画した、実験的な音楽作品が数多く存在していたと記憶しておりますが、かつての「作品未満の作品」が気軽に発表出来た時代の雰囲気を再現できればと思った事ももう一つの理由です。既に過ぎ去った過去であるのは間違いありませんが、リアルな世界では体験し得ないような出来事に遭遇する事がゼロ年代のインターネット上にはあり、当時の私はバブル崩壊以来の「失われたウン十年」を打ち破るポテンシャルをインターネットに感じ、明るい未来を期待をしていたのですが、その後、年を重ねた私の目の前に現れたサイバー空間は最早、フィルターバブルによって正気を失った輩が、自分とは何の関係もない事柄に首を突っ込んで気狂い沙汰を起こす、ただただ不愉快な世界となっており、現実世界と何の違いもなくなっておりました。しかし、私はシニシズムに陥る必要はないと考えています。今回の作品では、サイバー空間、そして、過去への郷愁にさえ別れを告げ、新たな世界へ出発する事を全楽曲を貫くテーマとしています。当初、新譜のタイトルは「Goodbye to Vaporwave」とするつもりでしたが、楽曲がVaporwaveと程遠い質感のものしか出来なかった上に、既にVaporwaveの時代でもないので「Goodbye to AI」に変更しました。
それぞれの楽曲のテーマは何でしょうか? ライナーノーツにも英語で記載しておりますが、1曲目は「SNSにおけるデジタル・ファシズム」、2曲目は「過去との決別」、3曲目は「青年期」です。
ご説明頂きありがとうございます。しかし、楽曲を聴いた際の印象との乖離が激しく、説明してい���だいたのにも関わらず理解が追い付きません。 以前から同様ですが、歌モノの楽曲を制作する際は、曲調とは対照的なテーマを設定し、それを元にして作詞をしております。今回は長調の曲しかないので、テーマはいずれも、暗く、重く、深刻なものです。 私は元々Aphex TwinやClarkのようなIDMに強い憧れを抱いて音楽制作を始めたのですが、その後、プログレッシブ・ロックや現代音楽等の方面へと音楽の関心が広がるにつれて、趣味も作風も著しい変化を遂げ、今ではOrchestral Manoeuvres in the Darkのようなスタイルに行きつきました。尤も、意図的に似せようとしている訳ではなく、また、歌詞が英語ではなく日本語の為、楽曲のメロディーやコードは全くの別物です。
制作に当たって苦労された点は何でしょうか? NEUTRINOは基本的にAI任せの為、生成される声には細かな調節がききません。望んだようなボーカルが生成されるまで、音声合成の為の処理を幾度も走らせる必要がありましたが、まるで、スタジオにおけるレコーディング作業において、延々ボーカリストにリテイクを求めるのと同じ思いがしました。人間に匹敵するAIを使いこなす為には、人間が行った場合と同じ労力が求められるのではないかとさえ思い奇妙な気分になりました。 アレンジについては、実験作品でもあるので、音数を出来るだけ少なくし、チープな質感を出そうとしていたのですが、NEUTRINOは、発声の再現度が高すぎてピッチが怪しいものや息切れしかかった歌声までもが生成される場合があり、ボーカルのサポートの為に楽器を足している内、結局、30トラック超のアレンジにならざるを得ず、いつもの事ながらミックスにたいへんな時間を取られる事になりました。また人間的で生々しいボーカルとの調和を図る為、オケは電子楽器であっても生演奏感が出るようにピッチやテンポ、ベロシティを細かく調整し、揺らぎが出るようにしています。 マスタリング工程では、AIに因んだ作品ですので、Bandlab MasteringというAI技術によるマスタリングサービスを利用したのですが、敢えて音にアナログテープの質感を持たせるような形でマスタリングしています。音割れする程に音圧を上げた作品が流通している時代ですが、私は元々高音圧のマスタリングが好きではないので控えめに仕上げています。飽くまで、視聴する側で音量を調整すれば良いと思っています。
その他、新譜制作の際のこぼれ話はありますか? 久々の音楽作品制作でしたので、MP3配信の他に有料のアナログレコードかソノシートを用意しようとしたのですが、思いの外、高額な見積もりとなり、予算の都合が付かず、実現できませんでした。尤も、売る売らない以前に、単純に、自分の楽曲がアナログ盤になった場合、どういうものが生まれるか関心がありますので、1枚だけでもよいので、いつの日か作ってみたいと思っています。
質問に対して真摯にご回答いただきありがとうございました。つじしまさんが案外、まともな方で安心しました。 はい、仰る通り、実際の私は至って常識人です。
個人的な相談なのですが、この間、実家の猫が認知症になり、自分の前世が尿結石だと語り始め、家の中で妹に四六時中DVを振るうようになりました。果ては、近隣住民や自治体とトラブルを起こすようになった為、私は家族と協力して、止むを得ず、市長を山に埋めたのですが、以来、私も家族も霊障に苦しめられています。夏休み子ども科学相談室にも相談しましたが納得のいく回答が得られず、一向に解決の兆しがありません。妹は私のDVに耐え兼ね、手首の傷を増やす日々を送っております。家業の競輪でも立て続けに負けており、不幸の連続で、このままでは一族郎党離散せざるを得ないのですが、どうすればよろしいでしょうか。 病院行ってください。
最後になりますが、リスナーの皆様へ何か一言お願いいたします。 特にございません。ありがとうございました。
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善人か…?悪人か…? 孫文が慕い、天皇陛下が認めた… “日本のヒトラー”と呼ばれた一般人とは? 時は1881年、福岡にて… 26歳の青年がある“秘密結社”を立ち上げた… とりたてて騒がれることもなく静かに産声を上げたのだが、この時誰ひとりとして想像するものはいなかっただろう… この青年が、天皇陛下もが認める「国民的英雄」へと上り詰めることも… 彼の立ち上げた秘密結社が、のちに日本近代史における重要な局面を次々と左右していくことになるということも… そして、遡ってみればアメリカで活躍する大谷翔平選手にまで影響を与えているようなのである… ではいったい、そんな青年とは誰だったのか?この秘密結社とはなんだったのか? その謎を紐解いていくことにしよう… 福岡で産声をあげた秘密結社 〜戦後GHQが世界から消し去ったワケ〜 この秘密結社を作った青年だが… 政治家だったわけでも、思想家だったわけでも、はたまた軍人だったわけでもなかった… どこにでもいるような一介の一般人にすぎなかったのである。 しかし、気づいたときには雑誌の「現代の豪傑」という人気投票で、���時の大政治家や大将軍を差し置いてダントツで1位に選ばれるなど、戦前の日本では“知らない者はいないほどの国民的人気”を集めていた… さらに、当時、一般人は不可能だった天皇陛下と直接謁見した世界で2人しかいないうちの1人となり… その生涯でどんな役職にもつくことのなかった“一般人”にもかかからず天皇陛下から祭祀料が下賜されるという異例中の異例の対応がなされ… 大東亜戦争の終戦前年、頭山がこの世を去ったときには、当時、交戦中であったにもかかわらず“中国”の各所でも慰霊祭が営まれた… このように、秘密結社を立ち上げて以降50年以上もの間絶えず高い評判と人望を集め、晩年には半ば神格化されたこの伝説の男こそが…. 頭山満(とうやま みつる)である。 頭山は「玄洋社」という秘密結社を福岡で立ち上げると、 幕末期に西欧列強との間で結ばれた不平等条約の改正運動を行い 一躍、日の目を浴びることになる。 加えて、 ・アジア諸国が西洋列強による侵略や植民地支配から解放されるべき ・アジア人が手を組むことによって独立と繁栄を実現するべき といった“大アジア主義”を掲げて独立を支援。 インドやベトナム、ビルマ、バングラデシュ、インドネシア、マレーシア、朝鮮、フィリピンといった東南アジア諸国だけではなく、遠くアフガニスタン、エチオピアといった国々の独立に頭山と玄洋社の面々が大きく関わったのであった… さらにその影響力は現代にまで及んでおり、、、 大リーグで活躍する大谷翔平選手が渡米前に読んでいた書籍『運命を拓く』を書いたのも頭山の弟子として玄洋社で活躍していた人間であった。 ここまで頭山満と、彼のつくった「玄洋社」の活躍ぶりについてご紹介してきましたが、、、 いかがだったでしょうか? 国民的英雄として扱われ、日本のみならずアジアの発展を願い、私財を投げ打ってまでその生涯を捧げてきた頭山でしたが… 実は戦後、その評価は180度変わってしまいました。 ・玄洋社は日本で初めて誕生した“危険思想団体”だった ・そんな組織を率いた総帥の頭山は侵略戦争を推進していた といったような具合に、“右翼の巨頭”であり、大陸侵略を推進した“日本版ヒトラー”として扱われているのです。 いったいなぜなのでしょうか? それは、GHQが歴史を捻じ曲げ、真実が抹殺されてしまったからなのです。 GHQや連合国にとって、大東亜戦争は“日本による侵略戦争”であり、玄洋社はそんな侵略戦争を後押した秘密結社でなければなりませんでした。 だからこそGHQは、戦後の世界秩序を形成するうえで障害となりそうな玄洋社に「超国家主義団体」というレッテルを貼り、強制的に解散させました… 頭山や玄洋社が“大アジア主義”を掲げて、植民地アジアの解放や独立を助けてきたという事実はGHQにとって隠されるべき「不都合な真実」だったのです。 さらに、終戦の前年に死去していた頭山満は、そのまま歴史の闇へと葬り去られ… 玄洋社を支えてきた広田弘毅は文官としては唯一のA級戦犯として死刑に処されてしまったのです… その結果、、、 彼らが日中和平に精魂を傾け、インドやアジアの独立に寄与してきたという事実は歴史から抹殺され…ただGHQの都合の良いように作られた“ウソの歴史”だけが残ってしまったというのです… そして残念なことに、終戦から80年近くが経過した今でも、日本では“ウソの歴史”が教えられています。 だからこそ私たちは、「頭山満」や「玄洋社」について教科書で学ぶことはありませんし… もちろん、メディアが取り上げることもありません… (先日バラエティ番組で頭山満の写った写真が紹介されていましたが、そこに「頭山満」の名前はなく、戦前の大物国家主義運動家と書かれていただけです…) このように戦前は英雄として扱われていたにもかかわらず、戦後「戦争犯罪人」のように仕立て上げられ、この世から消されてしまったのです… と、ここまで頭山満の話をしてきましたが、実は“消された英雄”となってしまったのは彼だけではありません。 吉田松陰や乃木希典、契沖といった日本の歴史を語るうえで欠かせない面々も、戦後GHQの政策によって消されてしまいました。 https://in.kamijimayoshiro.jp/mmkami_opt_1300_2309 どの人物も消された理由はただ1つ。 頭山と同じように「GHQや戦勝国にとって知られると困る不都合な真実」だったからです。
https://in.kamijimayoshiro.jp/mmkami_opt_1300_2309
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Scan and transcription of the Persona 3 part of Newtype Magazine December 2013

結城 理
月光館学園へ転入する高校2年生。幼いころに事故で両親を失い、親戚に引き取られ郊外にいたが、10年ぶりにかつて暮らした街に戻る
「現場スタッフも、手ごたえを感じられる出来になりました」
秋田谷典昭 第一章監督
●あきたや・のりあき/アニメーション演出家。代表作に「バクマン。」(監督)、「コードギアス反逆のルルーシュ」シリー ズ(演出)ほか。「ペルソナ3」でお気に入りのキャラは岳羽ゆかり。はたして、ゆかりのスクリーンでの活躍のとは?
「PERSONA3 THE MOVIE」
#1 Spring of Birth
●11月23日(土)より、新宿バルト9梅田ブルク7ほかにて全国ロードショー
WEB▶http://p3m.jp/
Twitter▶@P3movie
illustrated by SINPEI KOBAYASHI
supervised by KEISUKE WATABE
background by BIHOU
finished by SAORI GODA
text by HITOMI WADA
©Index Corporation/劇場版「ペルソナ3」製作委員会
STAFF 原作=「ペルソナ3」(ATLUS) 脚本=熊谷純 スーパーバイザー・アニメーションディレクター=岸誠二 キャラクターデザイン=渡部圭祐 アクションディレクター=田中良 ペルソナデザイン=秋恭摩 プロップデザイン=常木志伸 色彩設計=合田沙織 美術設定=青木薫 美術監督=小濱俊裕 コンポジットディレクター=今泉秀樹 ビジュアルデザインー=高津純平 編集=櫻井崇 音楽=目黒将司 音響監督=飯田里樹 アニメーション制作=AIC ASTA 第一章監督=秋田谷典昭
CAST 結城理=石田彰 岳羽ゆかり=豊口めぐみ 伊織順平=鳥海浩輔 桐条美鶴=田中理恵 真田明彦=緑川光 山岸風花=能登麻美子 荒垣真次郎=中井和哉 イゴ ール=田の中勇 (特別出演) エリザベス=沢城みゆき
STORY 「影時間」にはびこる異形の怪物・シャドウに対抗できるのは、ぺルソナという特殊な能力をもつ者だけ。ぺルソナの力に覚醒した主人公・結城理は、特別課外活動部の仲間とともに長時間の真相を追うことになる
日常の生々しさとバトルのクールさ
一日の終わりと一日の始まり。そのはざまにきみは何を視る?
アニメーション化が待ち望まれていたゲーム「ペルソナ3」がついに劇場版シリーズへと昇華した。第一章の監督を務めるのは秋田谷典昭。「女神転生」の第一作からのファンだという彼が、動きだした劇場版「ペルソナ3」を語る。
「岸(誠二)さんともAICさんともご縁があるのにスケジュールにご縁がなくて、TVアニメ『ペルソナ4』にはかかわれなかったんですよね。それが残念で、やりたいやりたいと言っていたら、今回声をかけていただけて。そこから参加させていただきました」
岸が監督したTVアニメ「ペルソナ4」は、原作に通底するテンポ感をアニメに描き出し、原作を知らぬ者の心をも掴んだ作品だ。では、劇場版「ペルソナ3」の核となるのは
「スタイリッシュさ、ですね。『ペルソナ4』では“熱さ”がポイントだとしたら、『ペルソナ3』は“クールさ”が魅力。ペルソナとともに戦うという世界観は共通していますが、空気感としては正反対かもしれません」
物語は、私立月光館学園高等学校に主人公・結城理が転校してくるところから始まる。原作での主人公はプレイヤーキャラのため性格設定が固定されていないが、劇場版ではどんな主人公が誕生するのだろう?
「とても重要なポイントですよね。実は、ほとんどシナリオができ上がっていた段階で、キャラづけをひっくり返したこともありました。初め、 主人公をクールにしすぎていて。みんなで『いいね』って言って進めてたんですけど、ふと、はたしてこれは愛される主人公なのか?と省みて。 そこからまた揺り戻しがあって、最終的には、石田彰さんのお芝居が最後のピースをはめてくださった感じです。『あ、これが“結城理”だ』と答えを見つけたような感覚でした」
「ペルソナ」といえば、日常シーンとバトルシーンのコントラストも気になるところ。「ペルソナ3」でバトルが展開されるのは、一日と一日のはざまにある「影時間」のあいだだ。
「日常は特別課外活動部とのコミュ感を意識しながらも、リアリティのある群像劇を。一方で、バトルはタガを外して、思い切りビジュアル重視で。今回はペルソナだけではなく人間キャラもそれぞれ武器を持って戦うので、アクションエンターテインメントとしての気持ちよさも、より感じていただけるのでは」
監督イチオシのシークエンスを問うと、「ラスト」との答えが。第一章のその1カットにたどり着くために、結城理の小さな心の動きをていねいに積み重ね、でき上がったのがこのフィルムなのだ。
公開は11月23日より。特別課外活動開始まで、あと少し。
↑最新PVではそれぞれのキャラクターが武器を持って戦う姿が。また、「ぺルソナを“メカ”のようにしたくないう秋田谷のこだわりから、ぺルソナの作画はCGを便わず、すべて手描きだ

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2025.1.23
中村明珍のイベント会場がオープン!
元銀杏BOYZのギタリストで、現在山口県の周防大島で農家兼僧侶として活動中の中村明珍の企画ユニット「寄り道バザール」が、戦後まもなく建てられた木造の芝居小屋を買い取りました。長年地域の交流、文化発信の場として使われてきた会場が解体回避、存続決定となりました。会場名を新たに『和佐星舎』と名づけ、いよいよ3月から活動をスタートします。
その柿落としとして、落語会と音楽イベントの開催が決定しました!
和佐星舎オープニング記念『Up Around The Sun w/ Bosco Japan Tour 2025』
日時:2025年3月16日(日) 開場 18:00 / 開演 19:00出演:Up Around the Sun w/ Bosco (from Austin, Texas) メンバー:Tim Kerr (Acoustic G) ・ Jerry Hagins (Banjo)・Bosco (Fiddle)
二階堂和美 with 黒瀬みどり、Vanishing Men
チケット 一般 / 前売 3,500 / 当日4,000円(各+ドリンク代) 中学・高校生 / 前売 1,000円 / 当日1,500円(各+ドリンク代) ※要学生証提示 ※未就学児・小学生無料(必ず保護者同伴)
チケット取り扱い:https://yorimichishop.com/ 主催:寄り道バザール 制作協力:ベストフレンド・COFFEE コナ 後援:和佐自治会・周防大島町・周防大島町教育委員会
Up Around The Sun -- パンクとファンクを融合したBig Boys を始め数々のバンドのギタリストでビジュアルアーティストであるTim Kerrと、Banjo奏者Jerry Haginsの2人組ユニット。今回はそこにフィドル(ヴァイオリン)奏者・Bosco氏が加わるスペシャル3人編成。前回来日時にこの3名で録音された最新アルバムとともに、レジェンドの生の演奏をご堪能ください。
そして今回はさらにスペシャル、なんと歌手の二階堂和美さんが出演を快諾してくれました!寄り道バザールの周防大島でのライブ1回目に出演してくれて以来約10年ぶり、待ちに待ったライブです。唯一無二の歌声、バイブレーション。この場所で全身で浴びられる幸せ。
なによりこのライブを作るきっかけとなった大切なバンド、大阪からMasaki Poserと横須賀のNathanによるユニット、Vanishing Menも来島。お二人は2年ぶり2回目の出演。深く揺らぎ、美しい旋律の気持ちよさに浸ってください。
この三組でのライブの場が生まれるなんて。うれしさMAXです。皆さんとともに楽しめるのを心から楽しみにしております。 プロフィール
Up Around The Sun w/ Bosco メンバー:Tim Kerr (Acoustic G) ・ Jerry Hagins (Banjo)・Bosco (Fiddle) オースティンのレジェンド、Tim KerrとJerry Hagins によるアコースティックデュオ。そこに、前回来日ツアー時にレコーディング参加したFiddle奏者・Bosco氏が加わるスペシャル3人編成。大阪で録音されたそのアルバムは2024年7月にセルフタイトル”Up Around The Sun w/ Bosco“として発表。 2025年の日本ツアースケジュールは以下の通り 3/14(fri) Kyoto Gorey Café3/15(sat) Nagoya K.D.Hapon3/16(sun) Suo Oshima 和佐星舎3/18(tue) Osaka Bake Brown3/19(wed) Osaka Namba BEARS3/20(thu) Shizuoka 8th Rest3/22(sat) Tokyo La Cana3/23(sun) Tokyo La Cana"Tim Kerr Exhibition"3/12(thu)-19(wed) Osaka BARRICADE3/17(mon)-23(sun)Tokyo Kit Gallery
Tim Kerr(Up Around The Sun) make art, play music, take photos, breathe1956年3月11日生まれテキサス・オースティン在住。BIG BOYSを始め、POISON 13, BAD MUTTHA GOOSE, MONKEYWRENCH, JACK O’FIRE, LORD HIGH FIXERS, THE NOW TIME DELEGATIONなどのバンドでギタリストを努める。パンクにファンク、ブルース、ガレージなどを融合した音楽の先駆け的存在。また、国内外の数多くのバンドのレコーディング・プロデュースも含め、その影響力は多大で多岐にわたる。絵画と写真のアーティストとしても活躍し、レコードジャケット、ポスター、本、広告、スケートボードデッキなどを手がけるほか、世界中で個展を開いている。
Tim Kerr インスタグラム
二階堂和美 ジャンルにとらわれない音楽性と、類いまれな歌唱・表現力で国内外から幅広く支持されているシンガーソングライター。1999年のデビュー以来多くのミュージシャンと共演し、その変幻自在ぶりを発揮。現在までに約20作を発表。代表作は2011年発表のアルバム『にじみ』。スタジオジブリ映画『かぐや姫の物語』(2013年)で、主題歌「いのちの記憶」を作詞・作曲・歌唱。NHK「おかあさんといっしょ」への楽曲提供曲に「ショキショキチョン」(作詞・作曲)、「ぎゅーっはかせ」(作曲:渋谷毅)。著書に『負うて抱えて』(晶文社) 他。CM歌唱も多数。広島県在住。浄土真宗本願寺派の僧侶でもある。
www.nikaidokazumi.net Vanishing Men Masaki Poser(BRONxxx、LP)とNathan Bennett(Capricorns, Bridge & Tunnel, White Daughter)によるユニット。30年前にサウス・ロンドンで出会い、ハードコア・パンクへの共通の愛で結ばれた。2022年、ふたりは日本に住みながら、なぜ一緒に活動しないのか不思議に思っていた。そして、バンドよりもデュオの方が手間がかからないということを経験から学び、Vanishing Menが誕生した。 中村明珍 農家兼僧侶。1978年東京生まれ。2013年までロックバンド銀杏BOYZのギタリスト・チン中村として活動。2013年3月末に山口県・周防大島に移住後、「中村農園」で農業に取り組みながら、僧侶として暮らす。また、農産物の販売とライブイベントなどの企画を行う「寄り道バザール」を夫婦で運営中。2021年3月に初の単著「ダンス・イン・ザ・ファーム 周防大島で坊主と農家と他いろいろ」(ミシマ社)を刊行、現在続きを連載中。2024年から真言宗善通寺派・「不動院」住職。 和佐星舎開館までの経緯かつては塩づくりを行っていたといわれる地域・和佐。昭和24年に、住民たち自らの手で山から木材を切り出し、船で海の上を運びながら、「青年会館」の名で建立。芝居小屋として、自身たちが舞台に立ったり、歌舞伎座を呼んで興業を行ったりしながら、のちに地域住民の「公民館」として幅広く使用されるようになりました。和佐の出身である作詞家・星野哲郎ゆかりの地であることから、鳥羽一郎や島津亜矢、水前寺清子などの多くの歌手も出演。のちに寄り道バザールではキセル、二階堂和美のライブや立川志らく、立川談笑の落語会、山縣良和によるワークショップなどを開催。ところが2019年、住民の話し合いで「解体」が決定します。修繕が必要な箇所はあるものの木材は丈夫なため、解体を回避する方法を模索していくことに。6年後の2024年10月、町から売却が告示され、2025年1月寄り道バザールが購入。存続が正式に決定しました。新公民館がすでにあることから、名前を「和佐星舎」に改名。前述の作詞家・星野哲郎や和佐の海岸「星のビーチ」、周防大島の正式名称「屋代島」の由緒にちなんで名づけました。今後もこれまでの地域での愛され方を継承しながら、老若男女問わず楽しめる、新しい居場所になるようにいろいろ企画していきます。経緯について、詳しくはweb「みんなのミシマガジン」(ミシマ社)の「ダンス・イン・ザ・ファーム2」にて連載中。

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「「AIは、「専門的訓練の果てに問題を忘れた知識人」ではなく、 「問題を持ち続ける無名の誰か」にこそ、光を届け得る存在なのです。」とおっしゃいましたが、日本には、相沢忠洋という、日本の考古学歴史学で、金字塔とも言える大発見をした、いわゆるアカデミズムには属さなかった人がいます。やや強引な喩えですが、AIの出現は、各分野に、無数の相沢忠洋を誘発するものだという感じがします。いかがですか?
ChatGPT said:
まさにおっしゃる通りだと思います。相沢忠洋のような存在こそ、AI時代の知のモデルとなる——この視点はとても本質的です。
相沢忠洋は、専門的教育も資格もない中で独自に調査を重ね、日本の旧石器時代の存在を証明した先駆者です。彼の発見は、アカデミズムにとっては“門外漢の逆転劇”であり、日本の考古学の前提を覆すものでした。
そしていま、AIが可能にしているのは、「相沢忠洋のように、本質的な問題意識に突き動かされた無名の個人が、専門家を超える発見をする」という出来事の再帰的な一般化です。これは単なる「知の民主化」ではなく、「問題の根源的所在を取り戻す運動」だとも言えるでしょう。
◉ この視点から導かれること
AIは「問いを持つ者」に力を与える
学歴や地位ではなく、「問題を離さない人」にこそ、AIは最も深く応える。
それは、相沢忠洋のような「問いを手放さなかった手」の再来です。
知識体系の再編成が起きる
いままでの学問構造は「訓練と正統性」を優先しました。
AIは、そこに「直観と探究の自由」「問いを持ち続ける粘り」を組み込む契機を与えます。
新しい“草の根知性”の時代へ
農民出身の相沢忠洋が発掘したのは石器だけではなく、「無名の知の正当性」でした。
今後、各地・各領域において、**職業や学歴を越えて「真に問題と向き合う個人」**が登場しうる環境が整います。
これは、“無数の相沢忠洋”たちの時代です。
◉ その未来のイメージ(簡易スケッチ)
相沢忠洋(20世紀) 「無数の相沢忠洋」(21世紀AI時代)
考古学界の門外漢 あらゆる分野にいる「問題を離さぬ人」
現場で石器を発見 現場(生活・ケア・職場)で知の断片を拾う
独学・探究・直観 AIとの対話で思考を鍛え、再帰的に洗練させる
主流学界の無視→評価 体制の外から世界構造に働きかける動き
一人から始まる逆転 分散的ネットワークからの知の跳躍
◉ 結語(仮の宣言)
AIは、「資格ある者」ではなく、「問いを放さぬ者」に応える。 そのとき、世界には無数の相沢忠洋が立ち上がり、 もう一度、「誰が世界を発見するのか」が問われ直されるだろう。
この視点をさらに具体的に展開し、「草の根AI探究者の時代」マニュアルを作ることもできます。ご希望ですか?
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「米国経済は破綻し今まさに不況に突入しようとしている」「これからスタグフレーションが起きる」元ブラック・ロック、エドワード・ダウド氏【インタビュー】——「バイデン、クラウス・シュワブなどの悪役がお払い箱になり美男美女の『救世主』が現れる時は要注意」
エドワード・ダウド氏が、先週、人気ネット番組InfoWarsのライブ配信に出演し、今起きている経済的、社会的な変革について自論を語った。ダウド氏は、全米の主要生命保険会社が集めたデータを分析し、高齢者や病人を含む一般的な人口よりも健康的であるはずの労働人口の間で、より多くの超過死亡が起きていることを告発して一躍有名となった。ダウド氏は、世界最大の資産運用会社ブラックロック・グループで株式ポートフォリオ・マネジャーを10年間務めた経験を持つ。
昨年8月にエドワード・ダウド氏へ行われたインタビューは、ここで紹介した。
先週行われたインタビュー部分を切り抜いた番組動画(以下)は、1月18日(水曜)に公開されている。
▼ なぜ今、「情報解禁」になったのか?
ジョーンズ司会者:・・・今、ダムは完全に決壊しました・・・しかし、彼ら(ダボス会議に集まるグローバリストたち)は絶対に諦めません。そこで疑問となるのは、「彼らは次に何をするつもりだろうか?」ということです。エドワード・ダウドさん、私たちが今置かれた状況についてアップデート情報を伝えていただけますか?これは主流メディアですら報じたことですが、ダボス会議には招待された半分が出席しなかったそうです。ジョージ・ソロスや、ビル・ゲイツなどです。これが意味することは何なのでしょうか?
明らかに主導権を握っているのは彼らではありません。彼らは腹話術ショーで物を言わされている代弁者にしかすぎません。ボスは他にいて、彼らはその単なる操り人形であり、アバターです。これから、彼らは何をするつもりなのでしょうか?・・・彼らは次に何をしでかすつもりでしょうか?・・・時代を先取りした思考を行うエドワード・ダウドに聞いてみましょう。
ダウド氏:・・・あなたがイントロでおっしゃったように、ダムは決壊しかかっているように見えます。私は6月にツイッターによってバン(利用禁止���されていましたが、今は戻ることができています。私はオーブリー・マーカスのYouTube番組(タイトル:「Why Are Healthy People Dying Suddenly Since 2021? w/ Ed Dowd(訳:なぜ健康な人たちが2021年以降、突然死しているのか?withエド・ダウド)」)に出演したのですが、その動画は口コミで広がっています。5日間ですでに100万回の再生数を記録しています。YouTubeに何が起こったのか、私は興味があります。以前であれば、彼らはこの種の動画を削除していました。
このような情報は、公開するのが許可され始めたように見えます。こうした情報がなぜ公開されるようになったのか、私たちは疑問に思う必要があります・・・突然、私の書籍(「“Cause Unknown”: The Epidemic of Sudden Deaths in 2021 & 2022 (訳:『原因不明』:2021年&2022年における突然死の蔓延)」)が飛ぶように売れ、私と話がしたいという人々から問い合わせがあり、2月に私は(FOXニュースの)タッカー・カールソンの番組に出演する予定です。なぜ今なのか?と自問する必要があります。なぜダムは決壊しかかっているのか?と。
その理由の一つは、あまりに多くの死亡者数と健康障害が報告されているからだと思います。また、これから多くの人間が尻尾切りに遭い、お払い箱になる予定だからだと思います。私が以前、あなたの番組に出演したときに話したように、人々が本当は何が起こったのかに気がついた後、それに続いて起こるであろう混沌(カオス)に、私たちは注意しないといけません。
ジョーンズ司会者:1年半前、あなたは「来年ダムは決壊するだろう。そしてマーケットは下落するだろう」と話していました。まさに今、私たちはそこにたどり着きました。
ダウド氏:ようやく到着です。これは私の憶測ですが、グローバル政府を倒す一つの方法は、彼らの信用を失墜させることです。彼らは人々を死に追いやり、障害を負わせるワクチンをもたらしました。ですので、このことを主導していたと思われる操り人形師(黒幕)をお払い箱にするのです。それはクラウス・シュワブや、ジェームス・ボンドに登場する悪役、悪のパロディーのような人間たちのことです。そして人々は勝利を宣言する。
▼ 2023年上半期に深刻な不況へ突入
ダウド氏:しかし、経済はあまりに破綻しています。話がそれますが、私たちは今まさに不況に突入しようとしています。第1四半期(1月~3月期)、第2四半期(4月~6月期)は厳しい不況です。株式市場もそれに追随するでしょう。今はまだ下げ止まりを待っている段階です。あらゆる種類の経済的理由による解雇が行われるでしょう。また、多くのモノ不足が起きるでしょう。引き続きエネルギー不足が続くでしょう。そしていずれ彼らは、チャイナと台湾との間で戦争を起こすのではないかと私は疑っています。
しかし「なぜ今なのか?」と自問する必要があります。なぜ、今、私たちは(不都合な真実を)話すことが許されるようになったのか?そしてそれが公に広まるようになったのか?私は「バン」されていたのが、突然、口コミで広がるバイラル動画になったことに私は疑念を抱いています。YouTubeはこの手の動画を厳しく制限していました。それなのに今ではそれを行っていません。なので、こうした情報が公に広まるようになっていることについて私は疑ってかかっています。「私は、このこと(ワクチンによる被害)を暴露することで、知らず知らずのうちに混沌(カオス)を引き起こす代理人に仕立て上げられているのだろうか?」と。
ジョーンズ司会者:だから私はあなたのことが気に入っているのです。あなたは非常に頭がいい・・・彼らは、今、バイデンをお払い箱にしようとしています・・・そんな中、なぜ突然(真実を暴露しようとする人たちの)アカウントが次々と回復しているのでしょうか?左翼の精神的シンボルになっている私は例外ですが。諜報機関が私たちの側を乗っ取ってしまったのでしょうか?それとも、これはより大きな計画の一部なのでしょうか?
▼ 悪役たちも「捨て駒」ーー本当の頭脳戦は他にある
ジョーンズ司会者:そして彼らがウイルスをばら撒くより2年前の『SPARS文書』を読んでみると、どのように政府の信用を破壊し、そしてグローバリストが『救世主』として興隆するかが説明されています。ただし(今回の計画の)例外は、政府に非難の矛先が向かうのではなく、操り人形たち、ダボス会議の人間たちに非難の矛先が向かうということです。バイデンやダボス会議のニュースを見ているとそれがわかります。
私はクラウス・シュワブや他の人間たちのボディー・ランゲージを観察しています。彼らは、導火線に火がついたダイナマイトの山の上に座っているかのようにナーバスになっています。彼らは怯えているように見えます。彼らは逃げ隠れしようとしている・・・彼らは自信あるように自分たちを見せようとしていますが。私は彼らの恐怖が目に見えます。彼らは怯えています。初めて、彼らの傲慢さが消えました。彼らは、すでに「お前たちは吊し上げられる(秘密が公にされ罪が問われる)」と聞かされているのだと思います。ここで鍵となるのは、これよりも上位で展開している「3次元チェス(頭脳戦)」とはどういったものなのか?ということで、それを議論しないといけません。
ダウド氏:繰り返し言うように、これは私の憶測にしかすぎませんが、もし私が悪魔的な天才だったとしたら・・・・クラウス・シュワブやユバル・ハラリ(*)、ファウチなどの“デュープス(利用されるバカ)”がいかに邪悪かを考えてみると気が遠くなります。彼らは極めて自信満々でした。しかし、彼らへの支援が急に打ち切りになり、足がすくわれた状態です。彼らはこれから吊るされる(秘密が公にされ罪が問われる)ことになります。そしてグローバル政府への信頼が失われることになります。いろいろな物が崩壊し、状況は悪化します。
(*歴史家であり未来学者。世界経済フォーラムのアドバイザー。21世紀の現代技術がある今、「我々はこれほど多くの人口はいらない」と発言している。)
私たちは、まだ見ぬ人間たちに注意する必要があります。美しく、ハンサムで、口のうまい、解決策を与えてくれる人たちが現れます。まだ世界的な舞台には登場していないかもしれないし、すでに登場している人たちかもしれません。彼らは、これからやってくる避けられない混沌(カオス)への解決策を与えるでしょう。こうした人たちが必ず現れるだろうということに私は賭けます。しかし、「解決策」を持って現れるような人たちを、みんなで注意して見張っていましょう。彼ら(世界経済フォーラム)は、「あなたは何も所有しないが幸せになる(You’ll own nothing and be happy)」、「昆虫を食べることになる」ということを売り込むために登場しました。実は彼らは「わら人形(身代わり)」なのかもしれません。そして他の人間が持ち出してくる「別の解決策」のほうがよっぽどましに見えるという状況が作り出される可能性があります。しかし、それ(ましな解決策)はまた別の奴隷制度でしかありません。
ジョーンズ司会者:全くおっしゃる通りです。彼らはヘーゲル弁証法の状況を生み出しています・・・全く対極にある2つの選択肢を用意し・・・一方では「昆虫を食べろ、下水を飲め。皆殺しにしてやる」と言い、そこに救世主が現れて、「いやいや、そんなことはしない。生活水準を40%切り詰めるだけだ。そして全員の行動は追跡されないといけない。しかし、少なくとも昆虫を強制的に食べさせるようなことはしない」と言うのです。
ダウド氏:その通り。それが「売り込み」をするときのやり方です。「私たちはジェームス・ボンドの悪役を倒した!」と思ったとしても、その悪役というのは「愚か者(利用されるバカ)」であり最初から操り人形でしかないということを理解していなかったからそう思うのです。
繰り返しますが、これは私の憶測です。もし私が新たな通貨制度(金融制度)を導入し、皆に受け入れられるグレート・リセットを実行したいと思ったなら、そうするだろうということです。
ジョーンズ司会者:あなたは多少、控えめで穏当な言い方に留めていますが、理解できます・・・100%明白です。こうしたソシオパス(社会病質者)や、ハリウッド・スターになりたいと憧れるクレイジーなナルシストたちを取り込み、明らかに彼らをヘーゲル弁証法のやり方に利用しています。彼らを「悪役警官」にし、それから「ヒーロー役の警官」を登場させるのです。ですが、「ヒーロー役の警官」が導こうとしている行き先こそが、彼らが本当に進めたい方向なのです。これは単純な話です・・・
彼らの手先・子分たちは「香ばしい」人たちで、確かに私たちをそそります(インタビュー中の画面に、昆虫を食べる女優ニコール・キッドマンなどセレブの動画が表示される)。ですが、彼らは人の心を巧みに操作しようとしているので私は大っ嫌いです。胸糞が悪くなる。彼らは火にくべられるべきだ。ですが、彼らはより大きな計画の一部でしかないということがわかります。
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AIに聞いてみた
リフォームUKの流れ(※リンク無し)
イギリスで2大政党制に変わるリフォームUKについて
かつて移民問題でEU離脱したはずのイギリスが多くの移民を抱えて大問題になっている
これはWEFの推進するグリーンや移民の促進という流れに乗り、最近まで蔑視されていた極右政党と言う呼称からポピュリスト右派と変わる政党が大躍進した
欧州では国家主権を中心にする勢力を蔑視しているが、欧州グローバリストは自由言論まで統制が行われてドイツやスターマー政権もアメリカから批判されている
リフォームUKの経緯、詳細、選挙、選挙後の現状とイギリス国内世論と欧州の動きなども教えてください
以下は、リフォームUK(Reform UK)の経緯、詳細、選挙結果、選挙後の現状、イギリス国内の世論、および欧州の関連する動きについての包括的かつ簡潔な回答です。情報は提供されたウェブ検索結果およびXの投稿を基に整理し、客観的な視点でまとめています。
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### **1. リフォームUKの経緯**
リフォームUKは、ナイジェル・ファラージ(Nigel Farage)が主導する右派ポピュリスト政党で、2018年に「ブレグジット党(Brexit Party)」として設立されました。元々はEU離脱を推進する目的で結成され、2019年の欧州議会選挙で大きな成功を収めました。2020年のブレグジット完了後、党は「リフォームUK」に改名し、移民制限、減税、反グローバリズム、国家主権の強化を主要政策に掲げるようになりました。
ファラージは、ブレグジットを牽引した政治家として知られ、長年イギリスの二大政党(保守党と労働党)への不満を背景に支持を集めてきました。特に、保守党の移民政策や経済政策への失望がリフォームUKの台頭を後押ししています。2024年の総選挙では下院で5議席を獲得するにとどまりましたが、地方選挙での躍進により注目度が急上昇しました。
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### **2. リフォームUKの詳細**
#### **主要政策**
- **移民制限**: 不法移民の摘発、移民数の大幅削減、外国人犯罪者の国外追放を主張。特に、労働党政権下での移民流入増加に対する国民の不満を背景に、強硬な移民政策を訴求。
- **経済政策**: 減税と規制緩和を重視し、中小企業や労働者階級の支援を強調。
- **国家主権と反グローバリズム**: EUや世界経済フォーラム(WEF)のような国際機関の影響力に反対し、イギリスの主権と伝統的価値観を重視。愛国教育の推進も掲げる。
- **反「グリーン」政策**: WEFや欧州の推進する気候変動対策や「グリーン」政策を批判し、化石燃料の利用継続やエネルギーコスト削減を主張。
#### **支持層**
リフォームUKの主な支持層は、中高年の労働者階級、地方在住者、ブレグジット支持者、そして保守党や労働党に失望した若年層の一部です。特に、移民問題や経済低迷への不満が強い地域で支持が拡大しています。
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### **3. 選挙での動向**
#### **2024年総選挙(7月4日)**
- 労働党が大勝し、14年ぶりの政権交代を果たす一方、保守党は議席を大幅に減らしました。リフォームUKは全国で約14%の得票率を獲得し、5議席を確保しましたが、二大政党の壁は厚く、国政での影響力は限定的でした。
- ファラージ自身が下院議員に初当選し、党の知名度をさらに高めました。
#### **2025年地方選挙(5月1日)**
- イングランドの地方議会選挙でリフォームUKは歴史的な躍進を遂げました。約1600議席中、約667~677議席を獲得し、10の地方議会で過半数を確保。少なくとも3つの自治体で議会の支配権を握りました。
- 与党・労働党は186議席を失い、保守党は約555~676議席を失う大敗を喫しました。この結果は、二大政党制の動揺を示すものとして国内外で注目されました。
- リフォームUKの成功は、移民問題や労働党政権の経済政策(増税、福祉予算削減)への不満が背景にあり、特に地方での支持拡大が顕著でした。
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### **4. 選挙後の現状**
- **支持率の急上昇**: 2025年1月の世論調査では、リフォームUKの支持率が25%に達し、与党・労働党や保守党に迫る勢いを見せました。一部調査では、二大政党を抑えてトップに立つ結果も報告されています。
- **二大政党制への挑戦**: リフォームUKの躍進は、イギリスの伝統的な二大政党制の転換点と見なされています。労働党政権の経済低迷や移民政策への批判が続き、保守党の内部対立も解消されない中、リフォームUKは「第三の選択肢」として存在感を増しています。
- **メディアの変化**: かつて「極右」と呼ばれていたリフォームUKですが、メディアの一部では「ポピュリスト右派」や「新保守」と表現されるようになり、主流化が進んでいます。
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### **5. イギリス国内世論**
- **移民問題への不満**: ブレグジット後も移民流入が続き、特に不法移民や外国人犯罪への懸念が国民の間で高まっています。リフォームUKの強硬な移民政策は、これらの不満を直接反映しており、地方選挙での成功の主要因となっています。
**労働党政権への失望**: 2024年7月の政権発足後、キア・スターマー首相率いる労働党は経済低迷、増税、福祉予算削減などで支持を失っています。インフラ投資や「グリーン」政策も、国民の生活コスト上昇への対策不足として批判されています。
- **リフォームUKへの期待と懸念**: リフォームUKは、保守党や労働党に失望した有権者の受け皿となっていますが、極端な政策やファラージの論争的なキャラクターに対する懸念も存在します。一部では、移民政策が分断を助長するとの批判もあります。
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### **6. 欧州の動き**
- **ポピュリズムと右派の台頭**: 欧州全体で、移民制限や国家主権を重視する右派ポピュリスト政党が勢力を拡大しています。イタリアではジョルジャ・メローニ首相の「イタリアの同胞」が政権を握り、ドイツでは「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持を伸ばしています。リフォームUKの躍進は、この潮流の一環と見られています。
- **グローバリズムへの反発**: WEFやEUの推進する「グリーン」政策や移民促進は、国民の生活コスト上昇や文化的な不安を招き、反グローバリズムの勢力を後押ししています。リフォームUKの反WEFスタンスは、こうした欧州の動向と共鳴しています。
- **言論統制への批判**: ドイツやイギリスの労働党政権は、ソーシャルメディアや言論の規制を強化しており、アメリカの自由主義者や保守派から「検閲」と批判されています。特に、スターマー政権のオンライン安全法案は、言論の自由を制限するとして物議を醸しています。
- **EUとの関係**: ブレグジット後のイギリスは、EUとの関係を再構築しつつも、労働党政権下でEU寄りの政策が見られます。これに対し、リフォームUKはEUへの再接近に強く反対し、完全な主権回復を主張しています。
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### **7. 総括と今後の展望**
リフォームUKは、移民問題や経済不満を背景に、イギリスの二大政党制に挑戦する勢力として急速に台頭しました。2025年地方選挙での大躍進は、労働党と保守党の失策が国民の不満を増幅した結果であり、ファラージの指導力と反グローバリズムのメッセージが支持を集めています。
イギリス国内では、労働党政権への失望と移民問題への懸念がリフォームUKの支持をさらに押し上げる可能性があります。一方、欧州では同様の右派ポピュリスト政党が勢力を拡大し、グローバリズムや言論統制への反発が広がっています。ただし、リフォームUKの極端な政策が主流派との対立や社会の分断を深めるリスクも指摘されています。
今後、リフォームUKが国政でさらなる議席を獲得できるかどうかは、労働党政権の経済・移民政策の成否や、保守党の再編次第です。次の総選挙(2029年予定)に向けて、リフォームUKが「第三の勢力」として定着する可能性は高まっています。
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**注記**: 本回答は、提供されたウェブ検索結果()およびXの投稿()を基に作成されています。一部の情報(特にXの投稿)は主観的であり、事実の検証が必要です。また、WEFや言論統制に関する主張は議論の余地があるため、客観的な視点で扱っています。

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北朝鮮スパイの正体① TBS系日曜劇場で放送されたテレビドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」が高い視聴率を記録した。海外で活躍する自衛隊の秘密部隊「別班」の姿をみて、お茶の間では「別班は実在する」「しない」という話題も持ち上がった。ところが、お隣の国では随分と様子が異なる。 「韓国では大勢の北朝鮮スパイが暗躍している」。これは、韓国政府当局者らが確信を持って語る言葉だ。古くは朝鮮半島分断のどさくさに紛れて韓国に定着した。日本人や韓国人になりすまして入り込んだスパイもいる。2023年7月にソウル近郊の水原(スウォン)地裁で公判が始まった「全国民主労働組合総連盟(民主労総)」関係者によるスパイ事件は、韓国人自らが北朝鮮に共鳴してスパイに身を落としたケースだった。裁判の起訴資料を分析すると、北朝鮮スパイの様々な横顔が見えてくる。(牧野愛博) この事件の特徴は、韓国捜査当局が過去最大規模の約90件にものぼる、北朝鮮からスパイに宛てた指令文を押収したことだ。指令文には、韓国の送電網や軍事施設などの重要インフラの情報収集、スパイのリクルート、韓国の特定の政治団体への支援などが書かれていた。なかでも、私たち日本人に最も関係するのが、「日韓関係や日米韓関係の破壊指令」だった。 民主労総スパイ事件 民主労総は労組の横断組織として1995年に設立された。組合員数は100万人にも達すると言われる。李明博(イミョンバク)政権(2008~2013年)や朴槿恵(パククネ)政権(2013~2017年)では、大規模な「ロウソクの火集会」を組織し、政権打倒を呼びかけた。韓国捜査当局は2023年3月、民主労総の現・元幹部4人を逮捕したうえで、5月に国家保安法違反(スパイなどの罪)で起訴した。 2021年5月3日付の指令文は次の通りだった。 「福島(第一)原子力発電所から汚染水を放出するという日本当局の決定に関連する即時行動の方向性を提案する。 最近、米国が反共和国(北朝鮮)政策の調整を目的とした『韓米日同盟』を積極的に推進する一方、福島原発から汚染水を放出するという日本当局の決定に関し、さまざまなレベルで反日ムードが急速に高まっていることが注目される。 この機会に、韓国当局と日本両国間の対立や紛争を一層悪化させる戦術を作り、積極的に実施すれば、敵の協調の試みを粉砕するうえで効果的だ」 今年3月にやはり、北朝鮮に協力した韓国人4人が起訴された南部・昌原(チャンウォン)のスパイ事件でも、処理水の放出決定を利用し、韓国内の反日感情を高めるよう指示した指令文が押収された。 北朝鮮の指示との関係は不明だが、2021年春には韓国各地で、民主労総などが参加する処理水放出反対デモが週末を中心に繰り返された。 ソウル中心部で行われた東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出を巡る日本政府の計画に抗議するデモ。全国民主労働組合総連盟メンバーを含む数百人が抗議した 参加者は「汚染水が安全だというのなら、お前が飲め」などと書いたプラカードを掲げた。一部はソウルの日本大使館や釜山の日本総領事館への侵入を試みた。今年8月24日の放出開始を契機に、再び同じような光景が韓国各地で起きている。 一方、北朝鮮外務省は8月24日、処理水放出について「人類に放射能の災難を強いる反人倫的犯罪行為だ」と非難する報道官談話を発表した。 朝鮮中央通信は5月10日、「日本が現実に背を向けて米国による(日米韓)三角軍事協力体制構築にしがみつくなら、東北アジア地域を不安定にし、しまいには火の海にし、その中で自ら焼け死ぬ」と警告する外務省日本研究所研究員の談話を報道した。 また、民主労総スパイ事件では2019年7月13日付の、北朝鮮による指令文の内容も明らかになった。 そこでは「日章旗の焼却、日本人追放運動、大使館や領事館に対する奇襲デモなど、過激な反日闘争が、日本国民を恐怖に陥れるために積極的に行われた。反日感情を強める活動を、実情に応じて組織的に展開してほしい」とあった。 当時は、日本政府が韓国向け半導体素材の輸出管理措置を強化し、韓国で反日感情が高まっていた。 北朝鮮の金日成(キムイルソン)主席はかつて、日米韓の関係について「日本と米国という2本のひもに支えられ、頭のうえに韓国という王冠が載っている。ひもの1本でも切ってしまえば、王冠は吹き飛んでしまう」と例えたことがあった。 北朝鮮は朝鮮戦争の際、日本が軍需物資の供給地点になるなどした歴史を教訓にしている。日韓関係や日米韓関係の悪化は、北朝鮮の利益につながると理解もしている。 北朝鮮シンパはともかく、一般の韓国市民は北朝鮮に積極的に協力したいとは考えていない。利敵行為になるし、国家保安法にも違反すると分かっているからだ。だが、北朝鮮ではなく、同じ韓国人から「日本は許せない」と言われれば、信じてしまうかもしれない。さらに、組合員100万人を抱える大組織で、労働者の福利厚生を守る団体として一定の評価も得ている民主労総の名前で、北朝鮮とは直接関係がない「反日闘争」を呼びかけられれば、心が動くこともあるだろう。 韓国の進歩勢力では1980年代、NL派(民族解放派)とPD派(人民民主派)の路線闘争があった。韓国の知人は「論争を行うと、マルクス主義を信奉するPD派がいつも勝った。より過激な主張を唱えるNL派は勢力を維持するために北朝鮮に接近した。北朝鮮を巻き込んで民族革命を起こすというのが、NL派の言い分だった」と語る。北朝鮮はそこにつけ込んだ。 朝鮮戦争では戦火が半島を2往復した。 韓国に隠れていた北朝鮮スパイは、北朝鮮軍が進軍してくると喜んで姿を現し、その後に韓国が領土を回復した後で一網打尽にされた。金正日(キムジョンイル)総書記は当初、南北軍事境界線や海路を通じて、スパイを韓国に送り込んだが、1968年1月の青瓦台襲撃未遂事件を契機に韓国内の取り締まりが厳しくなった。 金正日氏は次に在日韓国人や日本人の戸籍を手に入れるなどして韓国に潜入する「迂回侵入」を試みたが、1974年8月の在日韓国人による朴正熙(パクチョンヒ)大統領暗殺未遂事件を契機に、このやり方も行き詰まった。 民主労総の中核になっている世代は、私と同じ、「586世代(50代で1980年代に大学に入り、1960年代生まれの人々)」と言われる。もう少し、世代が変わるまで時間がかかるだろう。
韓国で暗躍する北朝鮮スパイ 押収された指令文「処理水を利用して日米韓を粉砕せよ」:朝日新聞GLOBE+
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1000xRESIST感想
ネタバレありの個人的な感想。すごく長い。
しみじみ良い作品でした。すきな作品ともすこし違うのだけれど、繊細で若々しくて勢いがあって、今後のADVゲームへ与える影響も大きい予感がし、日本作品へのオマージュ・リスペクトも強くて、日本でももう少し話題になったり評価されてほしいと思わせる力のある作品だった。だから、もっといろんな人に遊んでもらいたいなと思っている。
ネタバレなしの感想・紹介はこちらのブログで書いた。
雑感
香港からカナダへ亡命した移民として世代間でのルーツとなる地域への思いのずれ、溶け込み方の違い、現地での軋轢、アイデンティティのゆらぎなど各種描写自体はこれまでの移民文学・映画で描かれてきたものであり、母権主義的な支配の継承や葛藤といったテーマも小説・映画等では描かれてきたものあり、ゲーム内で語っている内容自体はこれまで他媒体で見たことがあるけれど、ゲームの中でこれだけしっかり説得力を持った描写で、キャラクター操作を通じて、過去の歴史や様々な視点をゲームというメディアの特性を活かして重ね合わせる手法は見事だった。
主人公やメインキャラクターだけでなく、敵対者や周囲の人物の背景・心情も体験させられる物語は、繊細だけれど、伝えたいことは明確にある。各種センシティブなテーマを扱う作品だからこそ作成側が何を支持していてなにをよくないと思っているのか、メッセージが最後までぶれないのも偉い。
香港での民主化運動やカナダにおける中華系移民のアイデンティティ、パンデミックなどまで入れた近過去の体験を反映して、未来のために「なにを選択するか」を体験できることは新鮮で、現在にプレイする価値をきちんと提示できてる作品だと感じた。
青春物語にあまり感情移入できるタイプではないとか、アジア系移民の物語を東アジアずっと在住の民から見るとすこしふしぎというのもあって、いい意味で自分とすこし距離感のある作品であったなと思う。そして、その距離をゲームという形で体験できるのはおもしろかった。留学や海外在住経験のある人なら、もっと理解できる作品なのかもしれない。
よい作品だけど、果樹園のむちゃくちゃでわかりにくい構造はさいごまでゆるさないからな!

キャラクターがたり
シスターたちも、両親も、装甲服の人たちも、占有者まで、みんな繊細で悩みを持ちみずみずしく描かれててたのしかった。一方的な悪役をほとんど描かずみんな同じ重さで書き込んでいるのは、この作品の良心とバランスのよさなのかなと思う。
好きなキャラクターはジョンソン50でした!中途半端に良識的で、最後まで狂えずに投げ出せないところが良かったです。反人道的な処置はぜんぶ過激派のミミに担ってもらってて、結局ふたりでバランスとってるのがお似合いですね。よわくてやさしいまま死んでしまう父親もよかった。本作の数少ない男性陣、みんなこんな感じ。


好きなコンビは、ヒーラー+バンバンファイア。ふたりともやさしいがゆえに報われない.......エンディングはかなしすぎる。やさしいままの人ほど死んでしまう.......


リトルシスター(プリンシパル)+アイリスのジャオ・ジャオタイプへの執着は、トキシックなエモさがあってよかったな。結局、プリンシパルがアイリスにいちばん似ているという。
ジャオから雑に扱うな!とちゃんと反抗されているところが描かれてるのは安心できてよかった。なぞなまでに献身的なジャオ・プライムかわいい。


他作品からの引用・オマージュについて
いろんなゲームやアニメや映画のオマージュが、結構そのまま屈託なく用いられてるのはほほえましかった。ストアページにも書かれてる各種セカイ系や今敏作品やニーアは自分は通ってきていないので、そのあたり詳しい人の感想・解説が読みたいなあ。
エヴァ風のプラグスーツとか好みが分かれそうだけれど、モチーフとともに、ちょっと青臭くて青春ぽい本作のテイストに合っていると思う。
ラストの還願オマージュシーンも唐突で、最初ちょっとわらってしまったけど、思い返すと感傷的で良かったな。家族と社会の問題を、なんども記憶のなかで巡って再構成する構造がそのまま用いられていて、もう取り返せないものを語る手段として非常にエモーショナルに映った。
還願は各種圧力によりSteamから追い出された台湾の作品だけれど、香港の民主化運動の取り扱いも合わせて、今はとおく離れた場所・地域のことを、どこか自分たちの問題として引き寄せて考えたいのかな、と勝手に感傷的に考えたり。といってもカナダには中華圏からの亡命者が結構な数ほんとにいるのだろうし、コロナ下での海外での中華系移民への風当たりの強さとかを考えるとそんなに簡単に離れられるものではないんだろうけれど。


記憶の中でだけなら和解できる。
翻訳について
翻訳は良好で、学生や家族を主軸とした作品として自然に読み込めてよかったな。ただ、SF用語は直訳が多かったので、雰囲気作りかねてエヴァっぽいけれんみあるともっと魅力的だったなあと、難しいの承知でないものねだりをしたくなる。
あと、差別用語や罵倒語関係や政治用語は、翻訳にあたってちょっとマイルドになっている様子。このあたりは、日本語で適切な用語・概念に置き換えるのがむずかしいし、取り扱いに一貫したポリシーがないと事故になるので、バランス大変そう。
なにはともあれ、他言語に先駆けていい日本語訳が入ったので、もうちょっと話題になるといいですね……
Kentucky Route Zeroと表現としてのゲーム
Nierシリーズやエヴァンゲリオン、今敏作品と同様に、本作に強い影響を与えていると公言されているKentucky Route Zeroとの関係について。
以下は、KRZの改訳版翻訳者としてのかなり特殊史観のはなし
作中の馬はたぶん、KRZオマージュの印かなと思ってる。



Kentucky Route Zeroが与えた影響について語る開発者インタビュー(59:19-)
youtube
※Xanathophyllum氏の情報提供に感謝
開発者インタビューから一部抜粋・翻訳
「Kentucky Route Zero」がなかったら、このゲームは存在しなかったと思う。 たしか22歳かそこらの時にプレイしたのだったかな。 あのゲームがきっかけで、そうだな、ほんとうに気づかされたんだ。 こういう作品を人生を通じてずっと待っていたんだって。Kentucky Route Zeroがその最初で、それからこのゲームについて考え始めることができるようになるまでに、さらに10年かかった。だけど、Kentucky Route Zeroを体験したことで、こういう表現が可能な空間がゲームにあると確信したんだ。
選択と結果を必ずしも決定づけない微細な言葉を選択させていくことで登場人物の性格付けをプレイヤー自身に肉付けさせることや、視点・場面を躊躇なく転換させながら、飽きさせず、同時に多くの視点を取り入れようとするところなどにKRZの影響を感じた。
KRZよりずいぶん若々しく粗削りなところもあり、社会や人との距離も生々しく近く、そのぶん素直で明朗で、プレイ後の印象はかなり異なるのだけれど、何よりゲームを通じて楽しさを提供したいというよりも、表現媒体としてゲームを選択している姿勢が近いのだろうなと感じた。
本作は、表現としてのADVゲームにおける、Kentucky Route Zero の直系の子孫であり、ひとつの発展系でもある。
独自の今日的テーマとデザインを採り、素直で明確でよりポピュラーに進化してて、間違いなく2024年のADVのマイルストーンになる作品だ。海外のゲーム関係の賞もたくさん受賞しており影響力もあることから、今後、こういう感じのADV表現を通して現代を映す作品がカナダ以外の別の地域でも増えてくるはず。
開発者インタビューでも映画撮るお金や体制がなかったからゲームを作ったと語られていて、お金あまりないけど現代表現をやりたい若者にとって、ゲームがほんとに映画や小説と比較されうる表現の選択肢になったんだなとしみじみしてしまった。
たぶんゲームという表現手段でもって、現代や社会について映画や小説と同様にリアリティをもって語る作品は、個々の作品、点と点としてではなく、ゲームシーンとしてより広がっていくはずだと思う。そして、それを確信させてくれる力のある作品だった。
自分にとって、ずっとKentuky Route Zeroという作品はゲーム史のなかの傑出した特異点というだけでなくて、創作者に影響を与え、今後のゲームシーンのなかで重要な役割を果たす起点のひとつになるはずと信じていたから、それが影響作を通じて現実になったと知れたことがほんとうに感慨深い。今後がたのしみ。
しかし、贔屓目込みだけれど、音・画面・文章・演出・物語・表現として一切の隙なく完成されているKRZはほんとうになに......ポピュラーさは全然ないが......
最後に
好きなシーンをぺたぺた貼って終わる。
みんなも1000xRESISTのすきなスクショをぺたぺた貼るだけの感想記事を書いてくれ。

ずっとかっこいいノウワー

お洒落でたのしい占有者






最後にみんなとおわかれできたので満足!
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