#雀百まで踊り忘れず
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. (^o^)/おはよー(^▽^)ゴザイマース(^_-)-☆. . . 8月16日(月) #先負(丙申) #送り火 旧暦 7/9 月齢 7.6 上弦 年始から228日目(閏年では229日目)にあたり、年末まであと137日です。 . . 朝は希望に起き⤴️昼は努力に生き💪 夜を感謝に眠ろう😪💤夜が来ない 朝はありませんし、朝が来ない夜 はない💦睡眠は明日を迎える為�� ☀️未来へのスタートです🏃♂💦 でお馴染みのRascalでございます😅. . こんなご時世だし夏休みもマダマダ なんて居ますかね?緊宣解けるの 22日(日)いっぱいって云ってま すが、毎日毎日大風呂敷を広げて 何考えてるのかわからないデス😅💦 さて、今日から通常業務ですけど 今日、一杯のお休みを頂いた方が 良かったかな🤣😆🤣送り火焚かな くてはって思ってるが雨デスカ☔💦 . 今日一日どなた様も💁♂お体ご自愛 なさって❤️ お過ごし下さいませ🙋♂ モウ!頑張るしか✋はない! ガンバリマショウ\(^O^)/ ワーイ! ✨本日もご安全に参りましょう✌️ . . ■今日は何の日■. #外国奉行を設置. 1858年(安政5年7月8日)江戸幕府が外国奉行を設置。 海防掛であった井上清直と岩瀬忠震を全権として日米修好通商条約の交渉が行われた。 条約締結の後海防掛は廃止され、代わって外交専門の機構として外国奉行が設置されることとなり、井上、岩瀬ら5人が任命された。 主な仕事は、対外交渉などの実務。 人数は不定で、一時期、神奈川奉行を兼任していた。 上役は老中であったが、1867年にはこれを統括する外国惣奉行(若年寄格)が設置された。 . 1863年(文久3年)には、池田長発(いけだながおき)が横浜鎖港談判使節団正使に就任しフランスを訪問した。 その後、開国論を唱えて蟄居処遇となるが、慶応3年(1867年)には軍艦奉行となった。 従五位下、筑後守。没後の大正4年(1915年)に正五位を贈られた。 池田長発は今でいう元祖イケメンでしょう✋美男子という言葉は当時は存在していたかは存じませんが😅💦 1868年(慶応4)4月10日に幕府倒壊とともに外国奉行は廃止されました。 . #盂蘭盆送り火. お盆の初めに迎え火を焚いて各家庭に迎えた先祖の霊を最期の日の夕方に送り火を焚いて送るお盆の行事。 . #五山送り火. 〔#京都〕 京都の夏の伝統行事で、この日の夜に如意ヶ嶽(大文字山)などで行われる。 「大」「妙」「法」「左大文字」「舟形万灯籠」を表したかがり火を燃やして、霊を慰めてあの世に送る。 . #女子大生の日. 1913(大正2)年のこの日、東北帝国大学(東北大学)が女子受験生3人の合格を発表しました。 これが日本で初めての女子大生の誕生でした。 そのうちの一人は日本最初の女性理学博士となった黒田チカでした。 . #電子コミックの日. 国内最大級の総合電子コミックサイト「コミックシーモア」。 そのサービス開始10周年を記念して、運営する大阪府大阪市に本社を置くNTTグループのNTTソルマーレ株式会社が制定。 . #キップパイロールの日。 医薬品、医薬部外品などの製造販売を手がけるキップ薬品株式会社が制定。 . #ベーブルース忌. アメリカ大リーグで通算714本のホームランを放ったベーブルースの、1948年の命日。 . #プレスリー忌. 1977年のこの日、ロック界の巨星エルビス・プレスリーが心臓発作により死亡、享年43歳。 当時のカーター大統領は「アメリカは自らの一部を失った」との声明を出した。 . #十六茶の日(毎月16日). いくつもの人気ブランド飲料を製造・販売するアサヒ飲料株式会社が制定。 . ●トロの日(毎月16日). ●ドッグデー期間(7/23~8/23犬の日)#ドッグデイズ. ●道路ふれあい月間(8月1日~8月31日). ●電気使用安全月間(8月1日~8月31日). ●北方領土返還要求運動強調月間(8月1日~8月31日). ●地球市民月間(8月1日~8月31日). ●パイン消費拡大月間(8月1日~8月31日). ●ドミニカ共和国再興記念日. . . ■今日のつぶやき■. #雀百まで踊り忘れず(スズメヒャクマデオドリワスレズ) 【解説】 雀は死ぬまで踊るようにはねる習性を持ち続けることから。 幼い時に身につけた習慣や若い時に覚えた道楽は、幾つになっても直らないと云う例え。 「踊り」とは雀のとびはねる動作を指している。 『上方(京都)いろはかるた』の一つ。 . . 1994年(平成6年)8月16日 #高田里穂 (#たかだりほ) 【女優、ファッションモデル、タレント】 〔福岡県久留米市〕 . . (牧野記念庭園) https://www.instagram.com/p/CSm_ztnB7OseHuo3B9J4kKW9-LNVyyFi-vBXvk0/?utm_medium=tumblr
#先負#送り火#外国奉行を設置#盂蘭盆送り火#五山送り火#京都#女子大生の日#電子コミックの日#キップパイロールの日#ベーブルース忌#プレスリー忌#十六茶の日#ドッグデイズ#雀百まで踊り忘れず#高田里穂#たかだりほ
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京いろはかるた
い 一寸先は闇 ろ 論語読みの論語知らず は 針の穴から天井をのぞく に 二階から目薬 ほ 仏の顔も三度 へ 下手の長談義 と 豆腐にかすがい ち 地獄の沙汰も金次第 り 綸言汗のごとし ぬ 糠に釘 る 類をもって集まる を 鬼も十八 わ 笑う門には福来たる か 蛙のつらに水 よ 夜目遠目傘の内 た 立板に水 れ 連木で腹を切る そ 袖振り合うも他生の縁 つ 月夜に釜を抜く ね 猫に小判 な なす時の閻魔顔(えんまがお) ら 来年のことを言えば鬼が笑う む むま(馬)の耳に風 う 氏より育ち ゐ 鰯の頭も信心から の 鑿(のみ)と言えば小槌 お 負うた子に教えられ浅瀬を渡る く 臭いものに蠅がたかる や 闇夜に鉄砲 ま まかぬ種は生えぬ け 下駄に焼き味噌 ふ 武士は食わねど高楊枝 こ これに懲りよ道斉坊 え 縁の下の力持ち て 寺から里へ あ 足の下から鳥が立つ さ 竿の先に鈴 き 義理とふんどしかかねばならぬ ゆ 幽霊の浜風 め 盲の垣のぞき み 身は身で通る裸ん坊 し しはん坊の柿の種 ゑ 縁と月日 ひ ひょうたんから駒 も 餅は餅屋 せ 聖は道によりて賢し す 雀百まで踊り忘れず 京 京に田舎あり
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雀百まで踊り忘れず 今日から使えることわざ講座 No.133
(意味)幼いとき身につけた習慣は、年をとってもなかなか直らないというたとえ。
親は子供に多大な影響を与えてしまいます。親の子供への振る舞いが、子どもの一生に影響を与えると思うと身が引き締まります。
#ことわざ #教養 #コツコツ努力 #今日の積み上げ #諺 #学習
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“
動物相手に実験しているとわかるんだけど、下等な動物ほど記憶が正確でね、つまり融通が利かない。しかも一回覚えた記憶がなかなか消えない。「雀百まで踊り忘れず」という言葉もあって、うわぁ、すごい記憶力だな……と、一瞬尊敬に近い気持ちも生まれるかもしれないけど、そういう記憶は基本的に役に立たないと思ってもらったほうがいい。だって、応用が利かないんだから。
記憶があいまいであることは応用という観点から重要なポイント。人間の脳では記憶はほかの動物に例を見ないほどあいまいでいい加減なんだけど、それこそが人間の臨機応変な適応力の源にもなっているわけだ。
その曖昧性を確保するために、脳は何をしているかというと、ものごとをゆっくり学習するようにしているんだよね。学習の速度がある程度遅いというのが重要なの、特徴を抽出するために。
” - How We Hear - [抜粋]池谷祐二 / 進化しすぎた脳 (via do-nothing) (via fukumatsu) (via vichy) (via sicosico) (via kondot) (via gkojay) (via usaginobike) (via mooncroix) (via ultramarine) (via yoshimuraspeed)
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【小説】JOKER 第一部
プロローグ
〈1〉
深夜零時。
ロレックスに目を落とした緒方進(おがたすすむ)はブリーフケースを手に、生ぬるい海風を受けながら水銀灯の明かりで照らされた新庄市郊外の公園に立っている。
海に面した絶好のデートスポットなのだが、残念な事に交通の便が悪い上に駐車場すらなく、昼間でも子供でさえロクに遊びに来る事が無い。
緒方の両隣りに二人、公園の入り口と四メートル道路に停めたベンツに運転手代わりが一人貼りついている。
全員原色のスーツに金ネックレスならプロ野球選手の夜遊びと言えない事も無いだろうが、広域指定暴力団矢沢組の組員は落ち着いたビジネススーツが常だ。
そしてブリーフケースには二百万円分のメタンフェタミン――覚醒剤が入っている。
取り引き相手は調子に乗っている街の半グレ。
昔で言うストリートギャングだ。
半グレと言っても若者ではない。若い頃にやんちゃをしたがいいが足抜けに失敗し、ヤクザになる器量も無いチンピラだ。
麻薬が若者に蔓延している、というのは半分正解で半分間違いだ。
昨今の若造は非正規労働などで麻薬に金を渋るどころか、タバコにさえ金を落とさない。
麻薬を使っているのは女を薬で縛って風俗で働かせるか、末端の構成員を薬で縛り付けるかのどちらかだ。
スポーツ選手や芸能人は大金を落とすが、それは表沙汰にしない為の口止め料としての意味合いが強く、普通に流通している薬はそこまで高くない。
そんな価格設定をしたら麻薬依存症患者は年収五千万円以上に限られてしまうだろう。
そしてスポーツ選手や芸能人などの成り上がりはともかく、そんな高所得者は基本的に麻薬など嗜む事は無い。
麻薬というのは貧乏人を貧乏人に縛り付け、思うがままに操る道具なのだ。
緒方がそれでも月収に相当する額のブリーフケースの重みを感じていると、年甲斐もなくスウェットを来た男が軽のワゴンで公園に乗りつけた。
逆向きにかぶった野球帽はヤンキースなのに、スウェットはボストン大学という統一性の無い男の後ろに三人の若造が続く。
間違いなくアメリカのストリートギャングを意識しているが、残念ながらエミネムにもJAY-Zにも見えない。
オーバーサイズの服をだらしなく来た日本人だ。
「緒方さん、金持って来ました」
ヤンキース帽がポケットから雑に札束を出して見せる。
それでクールだと思っているのだからタチが悪い。
「ブツはある」
緒方が顎をしゃくると若い衆がヤンキース帽の札束を確認する。
帯どめしてある訳でもなく、おおよそでしか金額は分からない。
しかし、金額が違っていれば差額を血肉で支払う事になる事はヤンキース帽も理解しているだろう。
若い衆がざっと金を数えた所で、水銀灯の下にトレンチコートの男が忽然と姿を現した。
紫色のどぎついトレンチコートに西洋風のピエロのマスク。
「ハッピー、ハロウィーン」
おどけたような合成音声が響いた時、緒方は背筋から嫌な汗が滲むのを感じた。
遭遇するのは初めてだが、ヤクザや半グレをターゲットにしたハッピートリガーの噂は緒方も聞いた事がある。
トレンチコートに突っ込んだ手が引き抜かれた瞬間、銃声と共に足下と背後の遊具で火花が爆ぜる。
「緒方さん!」
若い衆の一人が銃を抜いてピエロ――ジョーカーに応戦しようとする。
ジョーカーのトレンチコートが開いて、内側から映画でしか見た事の無いショットガンより大振りな銃器――グレネードランチャーが姿を現す。
「ハロウィーン? 失敬、まだ五月だ」
ジョーカーのグレネードが火を噴くと同時に地面が爆発して公園に身体が投げ出される。
半グレがへっぴり腰で公園の外に出ようとした瞬間、ジョーカーのもう一方の手に自動小銃が握られていた。
「屋根よぉーり高い、鯉のーぼーりー」
自動小銃が瞬き、公園の出口付近に無数の弾丸がばら撒かれる。
隙を突いて緒方は裏手に停めたベンツに向かって走る。
初対面とはいえ、こんな火器を狂ったように撃ちまくる狂人を相手になどしていられない。
自動小銃が向きを変え、ベンツの防弾ガラスに傷が穿たれる。
それでも緒方がベンツに戻る間に、半グレの連中は軽のワゴンに向けて疾走している。
ジョーカーのグレネードがベンツに向けられる。
助手席に転がり込んだ緒方は叫んだ。
「出せ!」
猛スピードで走り出すベンツをジョーカーは追って来なかった。
緒方はあの猛烈な砲火の中、生き延びた事を奇跡のように感じていた。
〈2〉
午後八時。
没個性的なダークスーツに身を包んだ三浦清史郎(みうらきよしろう)は新庄市駅前にある新庄商店街の場末のバー『サイレントヴォイス』を訪れている。
新庄市は首都圏のベッドタウンとして栄えている太平洋に面した、人口八十万の町だ。
駅前の商店街では二百を超える店舗が活況を呈しており、湾岸という事もあり工場地帯も存在する。
耳に心地よいJAZZが流れる中、清史郎がショットを二杯開けた所でパリッとしたスーツを粋に着こなした慶田盛弁護士事務所の慶田盛敦(けだもりあつし)が現れた。
互いに若手と呼ばれる頃に知り合い、今では二十年の付き合いになる。
「待たせたようだな。今幾つか案件を抱えていてね」
慶田盛弁護士事務所は警察の冤罪事件を扱う事で、その道では知られている弁護士事務所だ。
日本では警察が立件した裁判では99%の確率で検察が勝利している。
その検察がでっち上げたものを、証拠を積み上げ無罪に、更には真犯人を警察に突き出して解決する。
それが慶田盛弁護士事務所の仕事であり、清史郎の三浦探偵事務所は裁判の為の情報である事件の調査依頼を受けている。
売れ筋である浮気調査などはしていない為、懐には常に隙間風が吹いている。
「最近はこっちも忙しくてね」
清四郎はスコッチを注文した慶田盛とグラスを合わせる。
『サイレントヴォイス』のマスターは、以前ヤクザに恐喝されていた所をジョーカーに扮して助けたという経緯がある。
もっとも通い続けて十五年だから隠す事もありはしない。
気のおけない古い友人のようなものだ。
「吉祥寺の死体遺棄事件の件は進展はあったのか?」
吉祥寺の死体遺棄事件とは、富山純也二十五才宅で、川上千尋二十二才が自傷行為で死んでいたというものだ。
死後二日後に近所の人間に通報された事から、警察は富山を死体遺棄事件の容疑者として逮捕。書類送検した。
富山は無罪を主張し、慶田盛弁護士事務所に泣きつき、慶田盛が三浦探偵事務所に調査を依頼したのだ。
「川上は富山と同棲していた。富山の証言では自傷行為など考えられない」
同棲していた富山が被害者の死亡時に出張で家を空けていた事はアリバイとして記録に残っている。
「それは本人から直接聞いている」
慶田盛の言葉に清史郎は頷く。
「川上は都内の建築会社で事務をしていたが、実は裏で足つぼマッサージをしていた。これは歩合給で明細書も無い手渡しだ。小遣い稼ぎには丁度良かったんだろう」
清史郎は店舗の写真を慶田盛に見せる。
富山も都内の広告代理店に勤務していたが収入はお世辞にも良いとは言えず、川上としては将来を考えても副収入が欲しかったという所だろう。
その辺りの事情はマッサージ店の同僚から聴取住みだ。
「富山は言っていなかった。どうやって調べたんだ」
慶田盛が驚いた様子で写真を手に取る。
「足で稼いだんだよ。で、マッサージ店には川上に執着している、大野正則という客がいた。この男は二十歳でコンビニでアルバイトをしていたが、その給料のほとんどをマッサージ店の指名につぎ込んでいる」
清史郎は大野と、彼がコンビニで働いている写真を見せる。
大野という男が川上に執着し、横恋慕していた事は他の店員からも話が聞けている。
「じゃあ、そいつがストーカー化して川上を殺したのか?」
やりきれないといった様子で慶田盛がスコッチに口をつける。
「このコンビニには別に野原椎名という二十五才のアルバイト店員がいる。この女は大野と交際していると公言しており、ストーカーの気質もあるようだ。大野は全面的に否定しているけどな」
清史郎は野原と、野原が大野を尾行している写真をカウンターに乗せる。
追っている者は追われている事は忘れがちなものだが、大野が川上を付け回し、その大野を野原が追い回していたという訳だ。
そして道ならぬ恋に破れた野原は凶行に出た。
「じゃあ、野原が大野と川上の関係を勘違いして……」
話を整理するようにして慶田盛が言う。
「川上の切創は手首と腕に集中している。これは自傷行為というより防御創だ。更に他に傷跡も無い事から自傷行為の常習という事も考えられない。仮に大野が殺したとするなら、体格差から刺殺になった事だろう。つまり傷跡から考えても同程度の体格の相手から切り付けられたと考えないと成立しないんだ」
警察から入手した傷跡の写真には古い傷跡は一つも無い。自傷行為が常習性を持つという事を考えれば自殺の線は消えたと考えていい。
「川上は外に助けを求めに出ようとは思わなかったのか?」
「手のひらも切られていたんだ。普通の神経ではドアノブを握る事もためられただろうし、本人も富山が帰ってくれば助かると思ったんだろう」
富山は残業や出張が多く、帰宅時間は一定していなかった。
富山が出張を被害者に伝えていなかった事も証言から明らかになっている。
清史郎は資料の束を慶田盛に渡す。
「毎度仕事が早くて助かるよ。これで検察の容疑を晴らして真犯人を起訴できる」
慶田盛が満足そうに言う。探偵業をしていて良かったと思える一瞬だ。
「で、娘の学費の件なんだが……」
清史郎は慶田盛に話を切り出す。
大学を卒業してすぐに結婚し、娘ができて半年と経たずに妻が離婚を申し出た。
不倫である事は分かっていたが、彼女の名誉の為に黙って養育費を受け入れた。
とはいえ、慶田盛弁護士事務所の依頼者の多くは金銭的に厳しい者が多く、その仕事を更に下請けする三浦探偵事務所の実入りはとても良いとは言えない。
一年で五十件の冤罪事件を解決した年もあったが、その年の収入でさえ四百万を少し上回る程度だったのだ。
テナント料と養育費を払ってしまえば食費もロクに残らない。
半ば商店街の好意で事務所を置かせてもらっていると言っても過言ではない。
そしてようやく養育費を払い終わったと思ったら、元嫁が娘の学費を請求して来たのだ。
慶田盛いわく法的には支払いの義務は無いとの事だが、娘を大学に進学させてやりたいという思いはある。
「示談にするのが一番じゃないか? 向こうも本気で学費を巻き上げられるなんて思ってない」
「敏腕弁護士が中途半端な事を言うじゃないか」
「君の元奥さんは金が欲しいだけで最初から娘を大学に行かそうなんて思っていない」
慶田盛の言葉に清史郎は石を飲んだような気分になる。
「私が支払うと言えば嫌でも大学に行かせなくてはならなくなるだろう」
元嫁に対する愛情など欠片も無いが、娘に対する愛情は残っている。
「そんな金が君のどこにあるって言うんだ。夕食を場末のバーボンで済ませる男の食生活がこれ以上荒むのは見るに堪えない」
慶田盛の言葉に清史郎はため息をつく。
確かに慶田盛の言う事に間違いは無い。
――あの女のせいで自分も娘も……――
ジョーカーとして稼いだ金を出せば解決可能だが、帳簿に乗らない金を出したなら国税局に乗り込まれる事になる。
結局私生活は何一つ変わっていないのだ。
「しばらくしたら仕事の量を増やすさ」
ジョーカーを演じ始めたのは与党と矢沢組が推し進める新庄市再開発計画を阻止する為だ。
その行方を占う知事選挙が四か月後に控えている。
「もう歳なんだ。いい加減町を騒がすハッピートリガーなんてやってられないだろう」
「これはそこいらの冤罪なんてモンとは次元が違う。新庄市に生きる人々の生活がかかっているんだ」
清史郎が言うと慶田盛が苦笑する。
「相変わらず正義感だけは人一倍だな」
「皮肉を言うならお前も大手の弁護士事務所に転職したらどうだ?」
清史郎の言葉に慶田盛が笑みを浮かべる。
「それこそ真っ平だ」
清史郎は笑みを交し合うとグラスの底に残ったバーボンを飲み干した。
慶田盛も自分も世間で言う所の真っ当な大人にはなりきれていないのだ。
〈3〉
今年で二十七才になる円山健司はマンションの部屋のボタンを適当に押していた。
『はい、どちら様ですか』
「amazon様からの御届け物です」
本物のamazonの箱を抱え、配達員の服装をしているのだから疑う者も無いだろう。
――注文客以外は――
マンションのオートロックをパスしようと思ったら、住人について行くのが一番手っ取り早い。
しかし、それ以上に手堅いのが郵便物の配達員になりすますという方法だ。
amazonであればほとんどと言って良い人間が利用しており、世帯主では無くてもファミリー向けマンションなら家族が注文している可能性もある。
そしてオートロックをパスしてしまえば、実際にその部屋にものを届ける必要など無いのだ。
健司はオートロックをパスすると非常階段で配達員の服装を箱に収め、ビジネススーツに身を包んだ。
どこに居ても違和感を感じさせないという点で、ビジネススーツはほぼ最強のアイテムと言える。
健司は時刻が二十二時になるのを待って、十四階の廊下にクリスマス用のランプを天井から垂れ下がるように飾り付けた。
全て両面テープで一瞬で剥がせるようにしてある。
更に待つ事一時間、程よく酔ったスーツ姿の男がエレベーターから出て来る。
健司は息を飲んで男の背後につけ、クリスマスの飾りつけを一斉に点灯させる。
男の胡乱な目と意識が飾り付けに向いた瞬間、健司は男の両足を抱えるようにして廊下から外に向かって放り出していた。
悲鳴を上げる間も無く、鈍い音が階下から響く。
八階以下なら死亡の確認も行うが、十四階で生きている事はまず無い。
飾り付けの一方を引っ張って仕掛けを回収し、箱に収めてエレベーターで悠々とマンションを後にする。
明日には会社員自殺の報が流れるかも知れないし、流れないかも知れない。
いずれにせよ、目的を果たした健司は『殺し屋』へと足を向けた。
『殺し屋』は歌舞伎町の風俗ビルの一室にある。
夜更かししてまで仕事をする気は無い為、殺し屋と書かれた看板の電源を入れ、のれんをかけるのは明日の朝九時になってからだ。
ボックス席が二つにカウンターが六脚。
お品書きには殺し方のメニューが書かれている。
客はその中から死因や死体の放置の有無などを選択し、健司は見積もりを出してターゲットを殺す。
ごくごくシンプルなビジネスだ。
今日のターゲットはヤクザに貸し渋りをした銀行の支店長で、死因は自殺で死体は放置で良いという事なので仕事としては楽なものだった。
とはいえ、調査に四日かけて二百万の報酬。
ヤクザが稼ぐ額に比べれば雀の涙だが、踏み倒される事を考えれば前払いでささやかに仕事をする方が余程いい。
殺し屋も楽な仕事ではないのだ。
〈4〉
渋谷のクラブ『クイーンメイブ』で、三浦清史郎は所在無げに立っていた。
本日のDJはKENこと前田健だ。
アップテンポのR&Bと若い男女の支配する空間で、中年の疲れたサラリーマンといった体の清史郎は明らかに浮いている。
健がボックスのVIP席を用意してくれているが、一人でそんな所に座っていても落ち着かないだけだ。
健のパフォーマンスが一段落した所で、清史郎は二十歳過ぎのTシャツにデニムのショートパンツといった服装の女性に声をかけられた。
「ジョーカー、何疲れてんの?」
「仕事とここの空気のダブルパンチだ」
声をかけて来たのは長い髪を茶色に染めた飯島加奈というコンビニの店員だ。
快活な女性で、見ている限り店長より仕事をテキパキとこなしているように見える。
仕事さえ違えば有能なのかも知れないが、このご時世では仕事があるだけでも儲けものだ。
「ノれば楽しいって」
加奈がしなやかな身体を動かしてダンスらしきものを踊って見せるが、清史郎には真似をする事もできそうにない。
「俺の頃、ダンスは学校の授業に無かったからな」
清史郎はカウンターでアーリータイムズを注文する。
酒屋ではボトルで買っても千円程度なのに、クラブではショットで四百円取られるのだから暴利もいい所だ。
「私の頃だって無かったってば」
加奈がカシスオレンジを注文しているとパフォーマンスを終えた健が近づいて来た。
「どォよ、俺のパフォーマンスはよ」
「毎度疲れるよ」
清史郎は肩を竦めて答える。
「釣れねぇ態度、クイーンはどうだった?」
健が加奈――クイーンに話題を振る。
「いいんじゃない? ここではナンバーワンなんでしょ?」
楽しんではいたが加奈もDJの良し悪しは良く分かっていないようだ。
「だろ? 俺、最高にクールだったよな?」
言って健がスクリュードライバーを注文する。
健だけは店舗でDJをしている為にドリンクが無料だ。
「センスがいいのは認めるけど、ここのクラブで一番でも他所で一番って事にはならないから」
ぴしゃりとした口調で加奈が言う。
「これだけで食っていけるとは思ってねぇよ」
悄然とした口調で健が肩を落とす。
DJを優先している為、不規則な生活の彼は普段は日雇いのバイトをしている。
全員が飲み物を手にした所でダンスフロアを横切ってボックス席に向かう。
「に、してもよジョーク、昨日のヤクザ連中のビビりっぷりは最高だったな」
楽しそうな口調で健が合皮のソファーに腰を下ろす。
「エースは機械いじってただけでしょ? 仕込みをしたのはあたしとジョーカーなんだから」
加奈が健――エースを叱責するような口調で言う。
「俺は俺で神経使ってんだって。第一お前らだけじゃWi-Fiのクラッキングもままならねぇだろ」
「その危険地帯にジョーカーが踏み込んで機材を仕掛けてるんじゃない」
清史郎はITに関しては門外漢だが、昔ながらの盗聴や盗撮、ピッキングといった技術は職業柄身につけている。
しかし、大手の情報企業と契約していない為、早いという利点は存在しない。
現在一般的な興信所は大手情報企業と契約しており、端末の通信履歴からクレジットの支払い履歴まで二十万円から六十万円でパッケージで購入している。
ETCの履歴まで買えるのだから、全て現金で賄い、更に携帯電話もスマートフォンも持たないので無ければ市民の生活は筒抜けだ。
だが、情報企業に頼るという事は、利害が密接に絡んでいる対象を調査できなくなるという事も意味している。
従って検察を敵に回している清史郎は情報企業を利用できないのだ。
その清史郎がジョーカーという仕事をするに当たって健をスカウトしたのは、単にDJは複雑な機材を器用に使っているという思い込みだけだった。
最初はヤクザに嫌がらせをするただの乱射魔演出という構想だったのだが、健のITスキルが想像以上に高く、健の元同級生で実務能力に長けた加奈が加わり、神出鬼没のハッピートリガー、ジョーカーが誕生する事になったのだ。
「そこはWINWINじゃね? 俺の真似は二人ともできないんだろ?」
勝ち誇った様子で健が笑みを浮かべる。
「現金回収したの私なんだからね」
封筒を手にした加奈が健に向かって言う。
昨夜のヤクザの取り引きでジョーカーが登場した時、どさくさに紛れて半グレの落とした金を拾ったのは加奈なのだ。
「で、幾らになったんだよ」
「がっつかないの。バラけてたので百十一万。ジョーカーが三十一万でいいって言ってるから四十万」
「あざーっす!」
健が笑顔で加奈から封筒を受け取る。
「に、してもボれぇよな。俺なんて一日工事現場で働いても七千円だぜ」
「私だって八時間みっちりシフト入って八千円行かないんだから。あんたは税金の天引きが無いだろうけど、私はガッツリ取られるんだから」
加奈が小さくため息をついて言う。
「私は確定申告で青息吐息だよ」
清史郎は苦笑を浮かべる。
本業の探偵は労力の割に儲かっているとは言い難い。
その中で臨時でも帳簿に乗らない収入があるのはありがたい事だった。
「ジョーク、辛気臭ぇ話は無しにしようぜ! 今日は俺のおごりだ」
健がバーテンにボトルを注文する。
――今日の所は好意に甘えておこう――
清史郎は明日から始まる地道な仕事に思いを馳せた。
第一章 殺し屋VSジョーカー
〈1〉
「まさかお前まで手玉に取られるとはな」
純和風の邸宅の四十畳ほどの上座から、矢沢組組長矢沢栄作の声が響く。
矢沢は東大出身で大手の組の金庫番をしていた経済ヤクザだったが、手腕を見込まれて盃を受けて新庄市を任された男だ。
大型カジノ施設と契約し、建設費用だけで二千億円を超える大規模開発事業に着手。
地域活性を謳ってケツモチをしている与党の知事を、市民公園を作ると言って与党の市長を当選させ、財務局を握って人口八十万程度の町である新庄市の経済活性としてカジノ施設を呼び込む段階まで運び込んだ。
しかし、新庄市には古くからの商店街があり、カジノ施設に一斉に反対。
この動きを野党が連合して支援した事で、矢沢組の工作虚しく市会議員選挙でまさかの野党大勝与党過半数割れとなった。
そこで組として商店街に圧力をかけ、一方で麻薬や売春で治安を悪化させて風紀を乱すという策に出た。
そこに商店街からの刺客のように出現したのがジョーカーだ。
従って、今回の取り引きでたかだか百万程度の損失を出した事は問題ではない。
手足となる半グレが震えあがり、商店街が盛り返してしまう事の方が問題なのだ。
ジョーカーは確実にドラッグか銃のある時にしか出現せず、空取り引きで警察を使って捕えようとしても決して出て来ない。
支配下にある警察でも公安とマル暴がジョーカーを追っているがかすりもしない。
「完全に俺の失態です」
緒方は畳に額をこすりつける。ジョーカーが来るかも知れないと備えていても、圧倒的な火力を見せられて対応できる組員など存在しなかった。
「お前で駄目なら誰が行っても同じだろう。幸いヤクは複数のルートでさばいている。一か所の取り引きが潰れたくらいでプランに変更は無い」
矢沢の言葉に緒方は頭を下げ続ける。
ジョーカーに遭遇すれば十中八九取引どころではなくなるし、組員の士気の低下につながるだろう。
しかも、ジョーカーの正体はまるで分らない。
ヤクザが取引の現場に発砲魔が現れたと被害届を出せば、警察と幾ら緊密な関係にあるとはいえジョーカー逮捕の前に麻薬取引や銃刀法で御用となる。
警察が味方と言っても、捜査させる理屈が見つからないのだ。
従って、科捜研を動かしてジョーカーを特定するという事もできない。
かと言って、ジョーカーらしき人物は大手の情報企業のデータベースにも存在しない。
そもそも個人が特定できていないのだから、企業から情報を購入しようが無い。
「カジノ施設反対派は金で分断しろ。一億二億なら建設の際に財務局の法で水増しできる」
矢沢の言葉を緒方は脳裏で反芻する。
これは緒方の裁量で動かして良いのが二億円程度という話だ。
商店街含め、新庄市でカジノ施設に反対している事業者は七百に上る。
二十万円づつ配ったところで効果は見込めないし、家業と住み慣れた町を捨てさせるには最低でも二千万は必要になり、十人買収したところで七百の事業者から見れば雀の涙だ。
二億という金をどう効果的に使うか。
麻薬の売買で風紀と治安を乱そうとしたところで、商店街が機能して失業者も少ないという環境にあっては大きな効果を見込めない。
警察は見逃してくれても市民に監視されているようなものなのだ。
――いつまでもこの状況を引き延ばす訳には行かない――
半年後の知事選で知事が敗れ、反対派の知事が誕生すればカジノ施設誘致契約が破談となり、二千億を超える金が利益ではなく損失として計上される事になるのだ。
それは矢沢組の滅亡を意味していた。
〈2〉
午前八時半。
『殺し屋』に出勤した健司は店舗の掃除を始める。
明るく綺麗な店舗は客商売の基本中の基本だ。
『殺し屋』を訪れる客は決して多くはないが、だからと言って手を抜いて良い理由にはならない。
風俗ビルの一室というどうにもならない立地上の限界はあるにせよ、一国一城の主として近隣の風俗店や飲食店と比較して店舗が清潔かつ快適であるという自負がある。
カウンターとボックス席を磨き上げ、店の前に出した看板の電源を入れて暖簾をかける。
健司はカウンターの中で客の訪れを待つ。
健司が『殺し屋』を始めたのは大学卒業から四か月が過ぎてからだ。
在籍中に内定を取る事ができず、無職のまま卒業を迎えて露頭に迷う事になった。
住んでいたアパートも追い出され、頼ったのは風俗嬢になった同級生。
働いているという店舗を訪れ、偶然奥のテナントが空いているのに気付いたのだ。
幸運な事に鍵は開いたままで、住む所の無かった健司はそのままそのテナントを利用する事にした。
しかし、いつまでも居座る訳にも行かず、就職する必要があったが卒業した後では求人がほとんど無かった。
そこでテナントを利用して自営業を始めようと考えたのだ。
偶然町で見かけた『冷やし中華はじめました』という張り紙をヒントに、テナントのドアに『殺し屋はじめました』というビラを貼ったのだ。
それまで人間を殺した事は一度もなかったが、どんな仕事にも初めては存在すると割り切った。
最初の客は風俗ビルで働く風俗嬢だった。
ターゲットはストーカー化した客。
苦労はしたものの、一か月で痕跡を残さずに殺す事に成功した。
以後、口コミで話題となり、多くの人が『殺し屋』を訪れるようになった。
依頼を二百もこなす頃にはだいぶ勝手が分かってきて効率的に殺す事ができるようになってきた。
四年が過ぎた今ではオプションサービスも充実させ、店もリフォームした。
今では年収一千万を超えている。
ヤクザに比べればささやかなものだが、悪事を働いているわけではないから商店主としてはこの不景気にあって良い方ではないかとも思っている。
健司がカウンターに立っていると、一人の客が暖簾をくぐった。
「いらっしゃいませ! ご注文がお決まりになりましたらお申しつけください」
言って冷茶を注いだグラスをカウンターに座ったビジネスマン風の男の前に出す。
男がお品書きを見て目を細める。
「殺しの注文というのは相手の氏名が分からないと無理なのか?」
「素行調査であれば興信所を使われるのが一番です。当店では速やかな仕事を心がけておりますので本業以外の仕事は見合わせております」
健司は男の様子を観察する。一見するとビジネスマンに見えるが、作り笑いに慣れていない、否、笑わない職業である事が見て取れる。
能面のような顔の裏に押し殺した暴力的な雰囲気は、警察か暴力団員かそれに近い者だろう。
「前金で二千万」
男がにこりともせずに言う。
「当店は誠実がモットーでございます。確実に殺せないターゲットをお引き受けする事はできません」
「それなら総理大臣でも殺せるのか?」
「名前と住所どころか一日のスケジュールまで手に入りますから、さほど難しく無いターゲットだと考えております。ただし知られている通り警備も厳重ですから時間も必要となり費用も高くなります」
健司が言うと男が低く唸る。
「総理大臣でも不可能ではないと?」
「もちろん、オーダーが首つり自殺などですと難しい案件にはなります」
「首つり自殺は難しいか……面白い事を言う」
男の口元に小さな笑みが浮かぶ。
「二千万はターゲットの調査費用という事でどうだ? 成功報酬は四千万」
健司は小さく息を飲む。
金払いがいい相手である事は確かだが、それだけの力の持ち主でもあるという事だ。
――失敗すれば命は無い――
しかし、ヤクザを敵に回せばテナントから追い出されるだけでは済まないだろう。
「繰り返しになりますが当店は殺し屋でして、興信所ではありません。ターゲットの補足は素人のようなものです。その二千万円でターゲットを補足されましたら確実に殺させていただきますが、二千万円を頂いてもターゲットを補足できるとは限りません」
「二千万を手に高跳びとは考えないのか?」
「飛んだ先で失業すれば同じ事です。地域の皆様に愛される店づくりが当店のモットーです」
健司の言葉に男が破顔する。
「俺は矢沢組の緒方。二千万はここに置いていく。ターゲットはジョーカーと言われている銃の乱射魔だ。俺はお前が気に入った」
言って冷茶を飲み干した緒方が席を立つ。
――これは大変な事になってしまった――
健司はジョーカーという謎の相手を探るために、出したばかりの看板と暖簾を引っ込めた。
〈3〉
午前五時。
健は薄汚れた作業服を着て、年季の入った肉体労働者の列に混じっている。
ホームレスも珍しくないが、ホームレスでもとび職になると一日に二万円以上稼いでホテルに泊まっていたりするから、定住しないのは税金対策といった事情が大きいだろう。
午前六時半、一台のワゴンが健の前に停車する。
「おい、若ぇの、乗れ」
「うぃっす」
筋肉隆々といった古参の肉体労働者に囲まれていると既にやる気が萎えてくる。
労働者ですし詰めのワゴンで移動する事小一時間、朝日が白々と空を照らす中健は自分には一生縁の無さそうな高級マンションの現場にいた。
現場監督のどうでもいいような話に続き、ラジオ体操をさせられる。
眠いだけならまだいい、ラジオ体操が終わってからが地獄だ。
「コンパネ運んで来い! トラック入れねぇじゃねぇか!」
自分に向けられた言葉と気付いた時には、組まされるらしい土工の目が険悪になっている。
男がコンパネと呼ばれる90cm×180cmの板を十枚程抱えて通用口に出ていく。
健の腕力では精一杯頑張った所で三枚だ。
この板を敷いてその上をトラックが走れるようにするのだが並べるだけでも容易ではない。
健はもともと運動神経が良い方ではない。
高校では情報科学部でLinuxを使用してITの全国コンテストで優秀賞を手にした生粋のインドア派だったのだ。
PCの扱いと音楽好きなのとでDJには一定の技術も知識もあったが、一般科目では赤点スレスレで奨学金がもらえるような成績でも無かった。
そんな中、PCを触れて音楽もできるDJという職種を選んだ。
しかし、一晩パフォーマンスをしても六千円程度にしかならないし、他にもDJはいるのだから毎日入る事などできはしない。
従って一人暮らしのワンルームの家賃を払っていく為には、DJの仕事を妨げない、時間にゆとりのある職業に就くしかなかった。
「チンタラ運んでんじゃねぇ! 三枚しか運ばねぇってタマついてやがんのか」
年配の作業員がヤニの混ざった唾を吐き捨てる。
健が運んだコンパネをトラックの通路に並べていると、いら立った様子の作業員が近づいて来る。
「シャベル持って付いて来い」
「シャベルってどこにあるんスか?」
「ふざけてんのか! テメェで見つけろ! 遅れたら承知しねぇからな」
健は屈辱にも似た気分に耐えながら、建設現場をうろついて乗ってきたワゴンでシャベルを見つける。
今日拾われた工務店はどうやらマンションの裏手に穴を掘っているらしい。
「ここに管通すんだからな、掘れたら石詰めだ」
幅は四十��ンチ程、深さは六十センチは掘らなくてはならない。
総延長は二十メートルにはなるだろう。
小型のユンボを使って欲しいが、既に他の管と入り組んでおり不可能らしい。
配管の順序が逆になるという事は設計ミスの可能性も高いだろう。
健はだるくなる腕を支えるようにして必至でシャベルで穴を掘る。
要領の良し悪しなど分からない。分かるのは掘らなければ怒号と罵声が飛んでくるという事だけだ。
昼過ぎに作業が終わったと思いきや、
「ネコでガラ片付けて来い」
「ネコって何っスか」
反射的に首を竦めながら健は尋ねる。
「手押しの一輪車だ! この使えねぇボンボンが……」
健は奥歯を噛みしめながらネコを探して歩きまわる。
ネコを見つけてもガラ運びという重労働が待っている。
健は暗澹とした気分で工事現場を歩き回る。
――俺だってジョーカーの一員だってのに――
〈4〉
「暑っつ~い! ったく、エースのヤツ今日は土建屋だなんて……」
加奈がマイナスドライバーで水銀灯にへばり付いたガムを剥がしながら言う。
ガムの中には火薬と小さな信管が仕込まれている。
「休みがお前だけだったんだから仕方ないだろう」
清史郎はシャベルで地面に埋まった火薬を穿りながら言う。
乱射魔ジョーカーには秘密がある。
それは実際にはモデルガンしか持っていないということだ。
そこで、予め花火で集めた火薬をセットしておき、ヤクザが商売をしようという所で爆破して妨害する訳だ。
モデルガンには赤外線カメラが搭載されており、Bluetoothで健の端末とつながっている。
清史郎が引き金を引くと同時に健が火薬にセットされた信管を反応させ、銃撃のように見せかけているというだけなのだ。
だからグレネードランチャーの爆発と言っても、実際には大きな花火が地面の下で爆発しているだけで殺傷能力など存在しない。
とはいえ、撃たなかった方向にも埋め込んだ火薬はあり、子供などがうっかり触って怪我をしてしまう可能性もある。
従ってジョーカーとしての仕事の後は必ず後始末が必要になるのだ。
「まぁ、ジョーカー一人に炎天下で作業させるわけにも行かないし。歳だし」
加奈の言葉に清史郎は苦笑する。
加奈と健は二十一歳だが、清史郎は四十五歳だ。
肉体的に無理のきかない歳という事は重々承知の上だ。
炎天下でひたすら火薬を撤去する事四時間。
仕事を終え、加奈と一緒にたこ焼き屋の店先で麦茶を飲む。
近年おおだこが当たり前になっているが、清史郎が行きつけにしている昔ながらのたこ焼きはピンポン玉より少し小さい程度で味も良く、言えば店のおばちゃんが麦茶を出してくれるというサービスがついてくる。
「おばちゃん、最近ヤクザはどうだい?」
清史郎は店主兼店員の初老の女性に声をかける。
「あんたに相談したらそれっきりだよ。派手なドンパチがあったみたいだけどね」
おばちゃんの言葉に清史郎は笑顔を返す。
警察や興信所に相談してもヤクザ絡みの事件は解決しないが、しがらみの無い三浦探偵事務所とジョーカーなら不可能も可能になるのだ。
商店街や商工会の中でも事情は不明だが、清史郎に依頼をすればヤクザが引っ込むという都市伝説めいた話が広がっている。
だが、あまりに知られ過ぎると清史郎がマークされ、ジョーカーを出現させられないという事になる。
従って三浦探偵事務所は慶田盛弁護士事務所とは緊密な関係にあるが、地元の商店街とは付かず離れずの関係を続けているのだ。
加奈と一緒にたこ焼きを食べているとスマートフォンが着信を告げる。
健が清史郎が仕掛けた無線wifiのクラックシステムで、ヤクザの新たな取引を察知したのだ。
――健が稼ぎたがるのも分かるがな――
火薬を調達し、設置し、身体を晒す身としては、ヤクザが本腰を入れない為にもジョーカーの出番は抑えておきたいところだった。
〈5〉
健司は朝のラッシュアワーで意図的に駆け込み乗車に失敗した。
健司に乗車を妨害された形のスーツ姿の男性が、苛立った様子で最前列に立つ。
山手線の次の列車が来るのは四分後だ。
健司はポケットからsimフリーのスマートフォンを取り出す。
simフリーではあるがsimも入れていなければ、個人情報にかかわる情報も一つとしてインストールしていない。
健司はスマートフォンを操作するフリをして考える。
ジョーカーは新庄市から出ていない。
矢沢組から健司の得た情報は散文的なものだった。
ヤクザが取引をしようとする、もしくは刀や銃で武装した状態で市民を脅そうとする。
ヤクザが警察に通報できない時に、狙ったようにジョーカーが出現している。
単純に考えて情報が筒抜けになっているという事だろう。
乱射魔と支離滅裂な口調という仮面が狂人を作り上げているが、警察を巧みに避けている事からもジョーカーが充分過ぎる程に理性的な人物である事が分かる。
相手は狂気の人間ではない。恐ろしい程の知能犯だ。
健司は矢沢組から入手したドライブレコーダーの映像を繰り返し『殺し屋』のカウンター内のPCで再生した。
ヤクザが出ていき、しばらくして銃火がひらめき、慌てふためいたヤクザが逃げてくる。
どの映像も流れは同じだ。ヤクザがドライブレコーダーを使っているというのは不思議なものだが、ヤクザも交通事故では警察の世話になりたくないという事だろう。
ジョーカーの紫のトレンチコートとピエロの仮面にはモデルが存在する。
アメコミ最高の悪役とも言えるバットマンに出てくるジョーカーだ。
相手の頭脳から推し量ってもそれくらいの事は分かってやっているのだろう。
敵を混乱させるという意味ではジョーカーは最高の仕事をしていると言っていい。
では、ジョーカーの行動にロジックは存在しないのだろうか。
その最大の理由は新庄市に活動を絞り、矢沢組と戦っているという点に存在するだろう。
ジョーカーの動機が判明すればその正体を絞り込めるはずだ。
健司の後ろに列ができ、周囲が人垣と言っても良い程になる。
ほとんどの人が急いでいるかスマートフォンを操作している。
毎日このような息苦しい思いをするのが分かっていて、どこの会社も出社時刻を一緒にしているのか謎だが、このような状況が起きる事で仕事を円滑に進められるのも事実だ。
駅のホームは渋谷のスクランブル交差点のように混雑しており、点在する監視カメラからも死角になっている。
列車が見えた所で健司はsimフリーのスマートフォンを線路に放り投げた。
「落ちましたよ」
健司の言葉に周囲の人間の視線が線路に落ちるスマートフォンにくぎ付けになる。
健司が乗車を邪魔した男が慌てた様子で胸ポケットに手を当てる。
健司はスマートフォンを拾おうとするかのように踏み出しながら、素早く男の背を押す。
男が線路に転がり落ちるのと列車が到着するのは同時だった。
ブレーキ音と悲鳴が駅のホームを支配する。
――これで今日もお客様を笑顔にできた――
健司は動揺を装いながら駅員の誘導に従って満足感と共にホームを後にした。
〈6〉
潮風が香る深夜の埠頭の倉庫街。
緒方は三十人の組員を伏せさせ、更に暴走族を張り込ませて取引に臨んだ。
捌くドラッグの金額は一千万。
ジョーカーが金を狙っているならこの好機を逃すはずが無い。
半グレの三団体の代表がベンツで乗り付け、ヘッドライトの光を背に向かってくる。
――どうするジョーカー――
傍から見ればこれ以上のカモは無いだろう。
しかし周囲には銃で武装した構成員と、それに数倍する人数の暴走族がいるのだ。
仮に強襲に成功したとしてもこの包囲網を抜け出る事は不可能だろう。
金をアタッシュケースに入れた男たちが近づいて来る。
ジョーカーは金を見せた時に最も多く出現する。
緒方はドラッグの詰まったスーツケースを手にヘッドライトに身を晒す。
「緒方さん、ご苦労様です」
半グレの代表のスーツ姿の男が言う。
アタッシュケースが開かれ、帯どめされた札束が姿を現す。
緒方もスーツケースを開いてロシア経由の最高級品を見せる。
と、緒方は場違いな程騒々しいエンジン音を聞きつけた。
『奢れるヤクザもコンバンハ』
拡声器の声と共に波を蹴ったボートが一直線に突っ込んでくる。
船首に立ったジョーカーが銃を抜いて問答無用で撃ち始める。
緒方の周囲で火花が散り、半グレが慌てた様子でアタッシュケースを取り落とす。
伏せていた緒方の部下がジョーカーに向かって応射を開始する。
ジョーカーがグレネードランチャーを構えて砲火を閃かせる。
ベンツの車体が火を噴いて浮き上がる。
倉庫街の至る所で爆発が起こり、火の手が上がる。
ただの撃ち合いなら警察も黙っているが、火災が発生したのでは消防が動き追って警察も出動を余儀なくされる。
ボートが埠頭の岸壁を掠め、ジョーカーが猛火の中を歩んでいく。
「今宵のコテツは鉛に飢えて、オイラの引き金も軽くなるゥ~」
相変わらずの意味不明な言葉でジョーカーが戦場となった埠頭を蹂躙する。
雄たけびを上げた半グレの一人が鉄パイプを振り上げてジョーカーに向かっていく。
鉄パイプの一撃を受けたジョーカーの動きが鈍る。
「あの世の旅も道連れ世は情け、痛いの痛いの焼死体」
ジョーカーが鉄パイプを奪い取って半グレを路上に蹴り飛ばす。
ジョーカーが怒り狂ったようにグレネードを乱射する。
緒方は炎で崩れ落ちる倉庫を避けて部下のベンツに向かって走る。
この乱射の中では同士討ちが危ぶまれるどころではない。
まずは消防がやって来る前に現場を離脱しなければならない。
取り残される組員や半グレには悪いが、矢沢組としても幹部が尻を蹴飛ばされたままブタ箱に入る訳には行かないのだ。
〈7〉
「……ッ」
清史郎は左腕を押さえたままボートの床に腰かけている。
夜の海から見えるのは照明で浮かび上がる工場の幻想的とも言える光景。
酔狂なカップルなら観光に来るのかも知れないが、現在の清史郎にその余裕は無い。
ボートが揺れる度に左腕が痛み、肩から背中までもが痛むように感じられる。
――腕を折られたか――
折れたと言っても粉砕骨折では無いだろう。
粉砕骨折なら幾ら警察OBの探偵から護身術を習っているとはいえ、鉄パイプを奪って蹴り飛ばす事などできてはいない。
問題なのは常識的に考えて鉄パイプを持った敵に対してなぜ発砲しなかったかという事だ。
客観的に見ればこれほど奇妙な事は無いだろう。
狂気の道化師、ジョーカーなのだからと見逃してくれる輩ばかりではないだろう。
「ジョーカー、大丈夫?」
気遣う様子で加奈が声をかけてくる。
「今回の作戦はリスクは織り込み済みだったんだ。鉛弾を食らわなかっただけでもいいってモンだ」
清史郎は虚勢を張って言う。
健が入手した情報は矢沢組が最も警戒している取引、もしくはジョーカーをおびき出そうとしている作戦だった。
当然もっと楽なターゲットを探す事も可能。
しかし、健がこの難度の高い作戦にこだわり、清史郎もジョーカーの名を上げる為に乗ったのだ。
「ジョークには悪かったけど今日だけで六百万だぜ? 一人二百万ってすごくね?」
ボートを運転しながら健が言う。
百人以上が動員されている取引を強襲する為に海路を選んだのは正解だった。
通常は予め現場に潜んでいるが、今回はヤクザが張り込む事が分かっていた。
脱出の目途もたたないのに予め潜むという手段は使えない。
と、なれば相手が考えてもいない方向から強襲して、対応されるより早く逃げるという方法だ。
「アタッシュケース拾って来るのも命がけだったんだから。あんたは安全な所でPCたたいてるだけだからいいかもしれないけど」
加奈がボートでPCを操作していた健に向かって言う。
清史郎が派手に暴れている隙に半グレが落としたアタッシュケースを回収したのは加奈だ。
ヤクザが銃で応戦して来る中で拾ったのだから、生きた心地がしなかったのであろう事は想像に難くない。
「ジョークだって腕を切り落とされたとかじゃねぇんだし、保険証が使えねぇなら金あんだし海外で手術とかもアリじゃね?」
楽観的な口調で健が言う。確かに健の案もいいが致命的な欠陥がある。
「ジョーカーは左腕を殴られている。保険の記録に残らなくても俺が左腕をギプスで吊っていたら正体を宣伝してまわるのと同じことだ」
「あ、そうか」
「あ、そうかじゃないでしょ! だいたいあんたが怪我してるわけじゃないんだから」
加奈が虚を突かれた様子の健に向かって言う。
「腕は町の獣医に頼んで治してもらうよ。問題は探偵事務所の方だな」
町の獣医であれば顔なじみだし、保険の記録に残る事も無い。
「事務所はほとんど客来ねぇからOKじゃね?」
相変わらず楽観的な様子で健が言う。
「エースってば本当に失礼なんだから」
「本当の事だからいいんだけどな。でも選挙が近づいているからカジノ反対派の人たちが現職知事の裏情報を求めてくるかもしれない」
情報が盗まれたものなら裁判では証拠にならないが、盗み出して内部告発の形をとって匿名でばらまくという事は可能だ。
「与党の現職知事って矢沢組がカジノ呼ぶ為に当選させたんだろ?」
健の言葉に清史郎は頷く。
元々災害避難地域指定だった公園の指定を解除し財務省に許可を発行させ、企業が進出できるよう実際に動いたのは与党だ。
暴力団が本体か与党が本体かというのは、鶏と卵のパラドクスを解くに等しい。
「でも物的証拠��無い。音声データやメールは改ざん可能だから決定打にはなり得ない」
「手書きのサインの入った書類が無いと証拠にならないって訳ね」
加奈が話を要約して言う。
「それって探偵とかの仕事じゃねぇのか?」
健の言葉に清史郎は痛みを感じながらもため息をつく。
「私はその探偵なんだよ。儲かっていないだけで」
「とりあえず一人二百万入ったし、ジョーカーはひとまずお休みするしかないわよね」
加奈は状況を落ち着いて観察できているようだ。
「でもよ、選挙が終わって反対派が勝ったら出番も無いんじゃね?」
「そもそも反対派を勝たせる為に始めたんだよ。目的を忘れないでくれ」
商店街と探偵事務所を守る為のジョーカーなのだから脅威が消えれば戦う必要は無い。
もともと町を守る為の義賊として、健も同意して始めた事なのだ。
「あ~、キャデラックに乗りたかったぁ~」
船の縁に寄りかかって健が空に目を向ける。
「外車ディーラーで試乗でもすればいいでしょ」
「そういう事じゃねぇんだよ。こう、リッチな気分でパーッとやりたかったって言うかさ」
「気持ちは分からなくも無いけどさ、私らもともと何千円で一喜一憂してたんだからね」
「へぇ~い」
加奈に言われた健がため息をつく。
二人のやり取りを聞きながら清史郎は考える。腕を折られたジョーカーが休養すれば、不死身の化け物のようなイメージが揺らぐ事になる。
双方の総力戦の様相を呈した今回の戦いで、相手もジョーカーが手傷を負った事は分かっているはずだ。
――大人しく休養というわけには行かないか――
清史郎は加奈に目を向ける。
IT機器を素早く操作できない以上、空白期間にジョーカーを演じられるのは加奈だけだ。
〈8〉
ジョーカーは手傷を負った。
店内の観葉植物の葉を丁寧に拭いながら、健司は緒方からの情報の意味を考える。
圧倒的な火力を持ちながら、鉄パイプを手に向かって来る敵に対してジョーカーは無策と言っても良い状態だったのだ。
これはこれまで一人も死者を出していないというジョーカーの姿勢と符合する。
その後の乱射により埠頭は混沌と化し有益な情報は集まっていないが、ジョーカーが現金の入ったアタッシュケースだけを手に海に逃れた事は間違いない。
――ジョーカーは人を殺さないという前提で考えたら――
単純にヤクザを驚かせたいという、愉快犯の姿が浮かび上がる。
だが、愉快犯ならリスクの高いヤクザを狙う理由は少ない。
銃器を振り回さなくても、健司のような一般市民相手に全裸になって見せるだけで充分に他人を不快にする事ができる。
ヤクザに警察に通報できないという弱みがあったとしても、それ以上にリスクは大きいはずだ。
ヤクザに恨みがあるのだとしても、それならば落ちた金だけ拾うという点では実質的にダメージはほとんど与えられていない。
収入として考えているなら猶更ジョーカーの行動は不可解過ぎる。
愉快犯でありながらそれは副次的なものでしかなく、目的の為の手段に過ぎない。
だが、愉快犯である事を手段とする目的とは一体何だろうか。
――僕のような常識人では手が届かないと言うのだろうか――
健司は観葉植物の葉に霧吹きで水をかけながら考える。
矢沢組は一体誰に何をし、その結果ジョーカーを生み出したのだろうか。
健司は店内の照明を切り、暖簾と看板を店内にしまう。
店を出て新宿のチェーン店の居酒屋に向かう。
健司が一杯のビールと焼き鳥を二本腹に収めていると、三人の男が連れ立って店内に入ってきた。
健司は三人組がボックス席に入るのを確認してアタッシュケースを手にトイレに向かう。
三人組が毎回このチェーン店を使う事と、最初にビールを注文する事は分かっている。
健司はスーツを脱ぎネクタイを外してケースに収め、代わりにエプロンを身に着ける。
保冷剤で冷やしておいた缶に入ったビールを、同じく冷やしておいた100均で買ったグラスに注ぐ。
そのうち一つにはシアナミドを混入してある。
シアナミドは無色透明の抗酒剤で、副飲する事でアルコールアレルギー反応を引き起こす禁酒用の薬品。
一言で言えば一口飲む事で急性アルコール中毒症状を引き起こすのだ。
健司は三人の席におしぼりが置かれ、店員が去るのを待ってビールジョッキを手に席に向かう。
「お待たせしました」
健司はターゲットにシアナミドを混入したビールを手渡し、両手にビニールの手袋を嵌めてトイレの傍に潜む。
ややあって鍵をかけていないトイレに青ざめ、脂汗を流したターゲットの靴が覗いた。
健司は入れ替わるようにしてすれ違いながら様子を確認する。
シアナミドにより意識は朦朧としているようだ。
「介抱しますよ」
健司は男を抱きかかえるようにしてトイレのドアを後ろ手に閉じる。
男が便器に前のめりになって嘔吐する。
健司は男の頭を掴んで便器に押し込むと首の頸動脈にシャープペンシルを突き刺す。
男の首から血が噴き出すのに合わせてトイレの水を流す。
音消し水とはよく言ったものだ。
窒息と出血の双方で男が瞬く間に衰弱して行く。
相手がプロレスラーだろうとこの状態で健司に抗する事はできはしない。
健司は男の脈を取って死亡を確認するとエプロンとシャープペンシルを放置し、元通りスーツに身を包んで会計を済ませて店を出た。
殺害方法は分かっても誰が殺したのかは目撃されていない限り分からないだろう。
――小さな仕事でも手を抜かない事が顧客満足度につながるんだ――
第二章 二人目のジョーカー
〈1〉
「矢沢組のヤツら慎重になってやがんな。もう大口取引はしねぇらしい」
清史郎の耳には爆音と左程変わらない音が響いている、クイーンメイブのボックス席で健が言う。
清史郎は獣医に頼んでギブスなしで左腕を固定している。
診断は骨にヒビが入っているとの事で、二週間は安静にする必要があるらしい。
「そりゃ百人集めて失敗したなら、もう大口でジョーカーを誘おうなんて思わないでしょ」
言って加奈がカクテルで唇を湿らせる。
「一回の取引でせいぜい百万円。しかも街中でやってやがる」
健がラップトップを開いて矢沢組の予定表を表示させる。
「儲けが少ないからやらないって話にはしない約束でしょ?」
加奈が健に睨みをきかせる。前回の襲撃は加奈は反対だったのだ。
「でもよ、ジョークは骨折してるし、街中でグレネードはさすがにヤベェだろ」
カクテルをチビチビ飲みながら健が言う。
確かに街中では自動小銃がせいぜいといったところだ。
仮にグレネードを使ったとしても、見た目が派手なだけで破壊力が無い事が露呈する。
「自動小銃でも相手を驚かすような事はできるだろう。演出次第だ」
清史郎は頭を巡らせながら言う。
今となっては拳銃を抜いて撃つくらいではヤクザは驚かない。
下手をすれば一人二人射殺されても驚かないかも知れない。
と、なればどうやって驚かせるかが問題になってくる。
「演出って言うけど、ジョーカーは左手が使えないんでしょ?」
「そこだ。連中は俺が腕を怪我するのを見ている。ここで動きを止めればジョーカーというキャラクターの怪物性が損なわれてしまう。そこで今回は加奈にジョーカーを依頼したい」
清史郎の言葉に加奈が驚いたような表情を浮かべる。
「町の人たちがカジノに反対できているのは、ヤクザがジョーカーを恐れているという漠然として安心感があるからだ。ジョーカーが怪我で動けないとなったらヤクザを恐れて寝返る住人が出てくるかもしれない」
清史郎の言葉に加奈が思案顔になる。
「……そういう事なら……でも策はあるの? 私はジョーカーみたいに相手を脅せないよ?」
加奈の言葉に清史郎は頷く。
「喋るのはマイクで私が担当する。元々ボイスチェンジャーを使ってるからスピーカーから音を出してもヤクザには分からないだろう」
清史郎は矢沢組のリストの一つを指さす。
雑居ビルの屋上での取引。
金額は百万だが人が多く割かれている訳ではない。
そしていざとなれば清史郎も右腕一本で戦うのだ。
〈2〉
「ありがとうございました」
客の手に両手を添えるようにしてつり銭を渡す。
我ながら流れるような動作だと加奈は思っている。
品物は働き出してから一週間で覚えたし、二か月で発注も任されるようになった。
オーナーが発注していた頃に比べて売り上げは八%上昇している。
業者のパレットに乗った商品が運び込まれ、そこに緩慢な動作で大塚という中年女性が向かっていく。
大塚はこのコンビニに長く勤めているが、何をするにも動きが遅く、やる事が雑だ。
加奈は母子家庭ではあったが高校時代は生徒会長を務めていた。
生徒会の切り盛りでは過去最高の生徒会長だったという自負もある。
奨学金を借りて大学に入学したいと何度思った事か分からない。
しかし、その度に返済の目途が立たないという現実で踏みとどまった。
加奈が借りる金額では返済する頃には五十代。
キャリアウーマンとしてバリバリ働いて行けるならいいだろうが、男社会の中で目立っても左遷されるのがオチだ。
奨学金を諦め、近所のファミレスとコンビニの双方を天秤にかけた時、ファミレスの厨房は嫌だったし、発注のような頭を使う仕事がしたかった事からコンビニで働く事にした。
しかし、今現在、視線の先では大塚が商品を手前から、しかも違う棚に並べている。
新しい品物を後ろに、古い品物を前にしなければ賞味期限切れで廃棄になる。
それはコストとすら呼べるものではない。
注意した事は一度や二度ではないが、返ってくるのは「今時の若い子は」という恨みがましい言葉だけだ。
仕方なく業務の合間を縫って品物を並べなおす。
そうすると今度はレジに長蛇の列ができる。
大塚はバーコードの読み込みも遅ければ、テンキーの打ち込みもできない。
公共料金などの支払いも一々店長にやらせている。
店長は一体何の弱みがあってこの女を雇っているのか分からない。
それでも、このリスクを織り込んだ発注で収益を上げたのは自分の手腕だ。
「飯島くん、これじゃ困るよ。お客さんを待たせているじゃないか」
抜き打ちでやって来たマネージャーの言葉に加奈はため息をつきたくなる。
自分がレジにいればこのような現象は起きないのだ。
そして、レジにいれば大量の食品を廃棄しなくてはならなくなる。
「分かりました。棚の商品を並べなおしてもらえますか」
チクリと言い返し、立ち仕事で痛む足を引きずって加奈はレジに向かう。
こんな事をこの先何年続けて行けばいいと言うのか。
少なくとも大塚がクビにならない限りは、ただでさえハードなコンビニの仕事すらまともにこなす事ができないのだ。
――ジョーカーとしてならもう少し有能に働けるのに――
〈3〉
深夜、ビルの屋上に銃声が響き火花が散る。
ビルの給水塔の上で清史郎が見ている下で、四人の男たちが手にしたバッグを胸に抱える。
「迷えるヤクザよコンバンハァ!」
二階分高いビルの屋上から、ワイヤーを伝って自動小銃を乱射しながらジョーカーが降下して来る。
ヤクザの一人が屋内に逃れようとした所でジョーカーの自動小銃が火を噴いてドアを蜂の巣にする。
恐慌状態に陥ったヤクザの前に、床の上で一回転したジョーカーが立つ。
この辺りの動きは加奈の方が本家よりいいと言える。
ジョーカーの自動小銃が火を噴き、ヤクザたちの動きが止まる。
清史郎はありあわせの材料で作った分銅でヤクザの手からケースを叩き落す。
「金は天下の猿回しぃ~、回る回るよ目が回るぅ~」
床を滑ったケースがジョーカーの足元で止まる。
ジョーカーがケースを手に屋上のフェンスを乗り越える。
「それでは諸君ごきげんようそろ、面舵一杯腹八分目ぇ~」
ジョーカーがフェンスを乗り越えてビルの外に姿を消す姿をヤクザたちは茫然と眺めている。
加奈はほぼ完ぺきに、運動神経という面では清史郎以上にジョーカーを演じて見せた。
ヤクザたちがスマートフォンを取り出して連絡を取りながら屋内へと消えていく。
加奈は当初隣のビルの屋上に潜んでおり、ヤクザの取引するビルとの間にはワイヤーが取り付けてあった。
清史郎の合図で火薬を爆発させ、加奈は小型の滑車を使ってビルの屋上に降り立った。
予定通り混乱に乗じて清史郎がヤクザの金のアタッシュケースを叩き落し、それを回収した加奈は予め用意されていた脱出用のワイヤーで一目散に逃げ去ったという訳だ。
清史郎がヤクザの去っていった通用口を見ていると、二人のヤクザが姿を現した。
痕跡を確認するか、ジョーカーを追跡しようという考えかもしれない。
「イナイイイナイバウアアァァァァッ!」
万が一に備えてジョーカーに扮していた清史郎は、咄嗟の判断でショットガンを手にヤクザたちの前に飛び降りる。
銃声と共にドアを吹き飛ばす。
今度こそ恐慌状態に陥ったヤクザたちは階下へと消えていった。
〈4〉
健司は『殺し屋』のカウンターでグラスを磨きながら考える。
ヤクザは取引を分散させるという戦術を取ったが、ジョーカーは確実に一か所一か所を狙い撃ちにしている。
被害総額は大きくないのだろうが、心理的な影響は大きい。
――ここで敵の目的は明らかになったと言っていい――
これは心理戦なのだ。
矢沢組が恐れるに足りない存在だと思わせる為のデモンストレーションなのだ。
実際矢沢組の構成員たちも明日は我が身と必要以上に警戒しており、結果として街中での暴行などで警察に捕縛されるケースも散見し始めている。
警察もヤクザと事を構える事はしたくないだろうが、暴行は立派な犯罪だ。
矢沢組を弱体化、もしくは弱体化して見せている目的。
これは幾つかのケースが考えられる。
例えば同格の田畑組がシマを狙っているケース。
しかし、これでは全面戦争がしたいと言っているようなものであり、そうなれば別の第三の組が弱った二つの組を併合してしまうだろう。
更に言えば『本物』の銃器を使っているのだとしたら、これまでに過失で殺してしまった人間が居てもおかしくはないはずだ。
これまであれだけ派手に銃を乱射していて軽度のやけどくらいしか負傷者がいないというのは、空砲かモデルガンかのどちらかだろう。
そして犯人がヤクザであるなら、モデルガンなどという恥ずかしいものは持ち歩かないだろう。
第二の敵が政治結社だ。
現在矢沢組の推す現職与党の代議士が知事を務めている。
三か月後には知事選が予定されており、野党は連合して対立候補を立てている。
現在新庄市には土地の価値だけで二千億を超える空き地が存在し、そこに巨大カジノカジノを誘致するか、市民公園にするかで市民の世論が割れている。
カジノが実現すれば莫大な金額が動く事になり、矢沢組は軽く数百億は稼ぐ事になるだろう。
一方、野党が勝利してしまえば議会も野党に握られた事から市民公園が確定。
造園業者や、スタンド付きの運動公園を造る建築業者がいくらか儲かるにせよ、利権はほとんど存在しない事になる。
本来矢沢組こそが野党を攻撃しそうなものだが、野党のカルト的な集団ないし、狂信的な人間が矢沢組を狙っている可能性は否定できない。
しかし、カルトや狂信的な人間がここまで綿密な計画を練り、実行に移せるだろうか。
そこが政治結社を敵に想定した場合のボトルネックとなってくる。
第三の相手は想定が難しいがカジノに反対している市民だ。
市民の大半は再開発計画に興味を持っていないが、商店街や商工会は地場産業が脅かされるとして強硬に反対している。
矢沢組はこの商店街の切り崩しを行っていたのだが、その矢先にジョーカーが出現するようになり、商店街を攻略するどころではなくなってしまったのだ。
そう考えると、人のいい商店街の人々こそが実は矢沢組の最大の敵という事になる。
――商店街がジョーカーの可能性――
だが、それなら情報漏洩が少なからずあるはずだ。
――もし商店街の誰かがジョーカーで、他の人間は知らないのだとしたら――
ジョーカーは一方的に守るだけで損をしているように見えるが、最終的には商店街が守られるのだから自分の仕事も守る事になる。
――商店街の何物かが、か――
健司はPCで商店街の店舗の情報を検索する。ほとんどが個人事業主でHPもまともに作れているとは言い難い。
そんな中、健司は気になる存在を発見した。
――人権派弁護士、慶田盛敦――
直接の関与の有無は別にして、慶田盛が商店街や町を守ろうとするのはありそうな事だった。
〈5〉
「急な訪問で恐れ入ります。慶田盛先生の事務所は意外と質素なんですね」
新庄市の雑居ビルの一室を訪れた健司は慶田盛敦に向かって言う。
「君は……殺し屋との事だが……」
当惑した様子で慶田盛が応接用の合皮のソファーに腰かけて言う。
「屋号のようなものです。ただの飲食店ですよ。保健所で営業許可も取っています」
健司は爽やかな笑みを浮かべる。
「で、歌舞伎町の飲食店がここに一体何の相談なんだい?」
敏腕弁護士という割にはお人よしなのだろう、慶田盛が問うて来る。
「店が襲われたんです」
健司の言葉に慶田盛の視線が険しくなる。
「それは警察に訴えるべき案件なんじゃないのかい?」
「歌舞伎町で店が襲われた程度で警察が動くと思いますか?」
健司が言うと慶田盛が思案気な表情を浮かべる。
「相手に目星はついているのかい? 組関係だと厄介だぞ?」
歌舞伎町という事を意識しているのか慶田盛が言う。
「ピエロのマスクに紫のトレンチコート、銃撃で店は蜂の巣です」
慶田盛の表情が一瞬硬直する。
――慶田盛はジョーカーを知っている――
「最近はそういった愉快犯が流行っているようだね」
「慶田盛先生はご存知ないのですか? ジョーカーと呼ばれているようなのですが」
慶田盛の顔がポーカーフェイスに変わるが遅すぎだ。
今更表情を消した所で知っていると言っているようなものだ。
健司はさり気なくソファーの隙間に盗聴器を滑り込ませる。
「噂で聞いている程度だね。でも、弁護士だからといって探偵の真似事ができる訳じゃない」
「慶田盛先生は懇意にしている探偵などはおられないのですか?」
「古い付き合いの探偵はいるけどね。彼を紹介するに��それなりの理由が必要だよ」
慶田盛が慎重に言葉を選ぶ。
「店が襲撃された以上の理由が、ですか?」
「僕はその破壊された店舗の写真すら見ていないんだよ? 被害実態が明らかではないのに探偵の手を煩わせると思うかい?」
「随分と庇われるんですね。逆に興味が湧いてきましたよ」
健司は切り上げどころと判断してソファーから立ち上がる。
「貴重なお時間を頂きありがとうございました」
健司は慶田盛と握手しながら唇の端が吊り上がりそうになるのを堪える。
――これで慶田盛が探偵に連絡を取ればその相手がジョーカーである可能性は高い――
〈6〉
「いやぁ~俺たちマジ凄くね? もうハリウッドレベルだって」
クイーンメイブのボックス席で健がいつものように能天気な口調で言う。
「たちじゃなくて身体張ってる私たちが凄いの」
「お前PCなんて触れないだろ」
健が加奈に言い返す。
「PCコンビニの使えてるし!」
「ンなの使えてるうちに入らねーよ。な、ジョーク」
健の言葉に清史郎は肩を竦める。加奈と比較すればPCを使える方だろうが、ITというレベルには程遠い。
ヤクザの事務所に仕掛けた盗聴器をBluetoothで飛ばしたり、WIFIでデータを引き抜いたりといった芸当は清史郎には不可能だ。
しかも従来の興信所の盗聴器探知は電波の周波数帯で探っている為、健のカスタムした機材を探知する事ができない。
健は新庄市のヤクザの誰よりも彼らの動きに詳しいと言っても過言ではないのだ。
その中から清史郎が獲物になりそうな案件を選び出し、加奈と下準備を行っているのだ。
「なぁ~んか納得行かない」
加奈が口をとがらせるが、こればかりは健の能力を素直に認めるしかない。
「エースの情報収集能力がなければ火薬を仕掛けにも行けないだろ」
「土建屋の癖に何かムカつく」
「土建屋じゃなくてDJだっつーの」
「DJで食ってる訳じゃないでしょ? なら土建屋じゃない」
「ンだとコラァ!」
声を荒げる健を清史郎は慌てて宥める。
手を挙げるような青年ではないが、つまらない事で耳目を引くのは得策ではない。
「俺は二人におんぶにだっこだ。二人がいなければジョーカーなんてやってられない。そうだろう?」
「私もジョーカーやったしね。やってないのはエースだけ」
「俺がいなかったら起爆できねぇじゃねぇか」
むっつりとした口調で健が言う。
「裏方の仕事があっての晴れ舞台って事もあるんだ。もっとも、舞台役者が良くなかったらどんなに裏方の仕事が良くても芝居にはならない」
清史郎の言葉に加奈がため息をつく。
「ジョーカー人間できてるわ」
「単に口の上手いオッサンってだけかもな」
健が悪童のような笑みを浮かべる。
「多分エースの言う通りだろう。で、いよいよ選挙まで三か月を切った訳だ。矢沢組だけじゃない、カジノ関連の企業が再開発計画に群がってきている」
清史郎は話を本来の筋道に戻す。
「それは分かるけどさ、ヤクザは脅せても民間企業はどうにもならないんじゃない?」
加奈の言葉に清史郎は頷く。
「そこは商店街と市民の手に委ねる。俺たちが考えなきゃいけないのは、矢沢組をあと三か月どう騙し抜くかって事なんだ」
最終的にカジノ施設を選ぶか、市民公園を選ぶかは市民の手に委ねられるべきだ。
ジョーカーはそこに介入しようとする矢沢組をけん制しているに過ぎない。
「一年以上見破られてねぇんだし、今更どうって事も無いんじゃね?」
健が楽観的な口調で言う。
「一年って言っても綱渡りだったじゃない。ジョーカーも怪我したんだし」
常に現場を見て来た加奈が健に向かって言う。
「人生にはスリルがつきものだろ」
「必要ないのにスリルをつける必要ないでしょ?」
「人生にはロマンが必要だよ。なぁ、ジョーカー」
「私の人生にはロマンらしいロマンは無かったよ」
明らかに会話を楽しんでいる健に清史郎は苦笑する。
「人生堅実が一番なの。あんたみたいのが一番ホームレスに近いんだから」
「お前だってコンビニ店員以外何ができるよ」
「ちょっとジョーカー、何とか言ってやってよ」
怒った様子の加奈が話を振ってくる。
「景気が良くなったら事務所で求人でも出すよ。それより今は仕事をやり抜く時だ」
清史郎の真剣な言葉に二人が頷く。
――後三か月――
この凸凹コンビと一緒に駆け抜けなければならない。
〈6〉
「ここの探偵事務所では人探しをしたりはしないんですか?」
健司は三浦探偵事務所の安普請の椅子に腰かけて、所長兼調査員の三浦清史郎と向かい合っている。
慶田盛は健司が面会した翌日に同じく新庄市に居を構えている三浦に連絡を取った。
探られている事を多少は警戒しているだろうが、昨日の今日で会いに来るとは思っていないだろう。
「今の所請け負ってはいないね。知っているかどうか知らないが、日本の年間行方不明者は二十万人。警察が民事だと言ってサジを投げるレベルだ。うち毎年六千人前後が死体で発見される。これが日本の行方不明の実情だ」
四十五歳、探偵というより疲れたサラリーマンを思わせる風貌だが、どこにでもなじめるという点ではこの風貌は役に立っている事だろう。
「携帯電話の通信記録を探ったりしないんですか?」
「そういう情報は大手の情報企業が握っているんだ。契約していなければ盗み出すしかないだろうし、それをすれば犯罪だ」
「企業が形はどうあれ本人の同意なしに情報を持っている事は犯罪ではないと」
「正当だと思えば契約している、と、答えたら君に私の考えは分かってもらえるかな」
清史郎はかなり真っ当な昔気質の探偵であるらしい。
三浦探偵事務所は商店街の噂では浮気調査などではパッとしないが、事件性のある案件だと警察を出し抜く腕前なのだと言う。
「独り言だと思って聞いてもらえればいいんですが、ジョーカーという男をご存知ではないですか?」
「知っているよ。少なくとも片手には余るほどね」
掴みどころのない口調で清史郎が言う。
――だが、他の商店街の人間はジョーカーと聞けば逆に動揺したものだ――
「ヤクザ相手にモデルガンを振り回す愉快犯。前金で一千万。正体が分かれば更に一千万」
健司はリュックサックから帯留めされた札束の入った紙袋を押し出す。
「これだけ流行らない事務所だ。一千万を受け取って私が雲隠れするとは考えないのかい?」
「見つけられなくても差し上げますよ」
健司は内心で清史郎がジョーカーであるとの確信を強めながら言う。
「そういう事であれば遠慮なく預かろう。所でジョーカーについてもう少し詳しく話を聞けないかな? さすがに名前だけでは調査にならない」
「僕もまた聞きでしか知らないんですが、ヤクザが武装しているか麻薬を所持している時に出現し、モデルガンを利用してあたかも本物のように見せかけて驚かせ、ヤクザが金を落としていけばそれを拾っていく。そういう話です。被害に遭っているのは主に矢沢組で、矢沢組は現職与党知事のケツモチをしている」
「つまり、君の推理が正しければ現職知事と利害関係にある人物が選挙で優位に立つべく矢沢組を攻撃している、攻撃しているように見せかけているという事だね?」
「そう、その人物の特定が難しいんですよ。ヤクザの情報を自分の家のPCのように自在に覗き見て、常に有利な状況でモデルガンによる脅迫を行っている」
そこが健司が最も解せない所だ。
この三浦清史郎という男は探偵としては優れているように察せられるが、ITに強いようには見えない。
情報を買っている訳でも無いのだとしたら、一体どのようにして情報を得ているのか。
更に情報を得たとしてそれを整理し、取捨選択する事も必要になる。
事務員の一人もいないこの事務所のどこに実務を取り仕切る人間がいるというのか。
自分はこの男の何かを見落としているとでも言うのだろうか。
「つまり、ジョーカーという人物にはハッカーとしての側面もあるという事だね?」
「そう考えないと辻褄が合いません」
「では、ハッカーであり、モデルガンでヤクザを脅すジョーカーという愉快犯を特定してほしいという事だね」
「結論としてそういう事になるかと」
「プライバシーに踏み込むつもりはないが、そのジョーカーという人物の特定にどういった動機があるか聞かせてもらえるかな? 参考までにという事で構わないが」
「僕が矢沢組に依頼されたからですよ。でも僕の力だけでは見つけられそうに無い」
健司はチェスを指すかのような心境で言葉を選ぶ。
目の前の男がジョーカーである可能性は限りなく大きいのだ。
「君も探偵なのか?」
清史郎の言葉に健司は肩を竦めて名刺を差し出す。
「歌舞伎町で殺し屋を営んでおります円山健司と言います」
言った瞬間、清史郎の顔に何かグロテスクなものでも見たかのような表情が浮かぶ。
健司はその表情をこれまで嫌という程見てきたのだった。
第三章 殺し屋
〈1〉
清史郎は拙いとは知りつつ、円山健司を尾行していた。
尾行を知られたとしても、探偵が依頼者の事を知ろうとする事に問題は無い。
そもそもがジョーカーなどという得体の知れない人物を探せという無理難題なのだ。
例え自分がジョーカーであったとしてもだ。
電車を乗り継ぎSUICAのチャージマネーが尽きそうになった時、円山は新宿の歌舞伎町にある『殺し屋』という店舗に入っていった。
信じられない事だが、冗談でないとするなら殺人を生業とする人間が看板を出して店を営業しているのだ。
円山は自ら隠れるという事が無い。
本当に殺人が生業なのだとしたら、その手段に余程自信を持っているという事なのだろう。
清史郎は逡巡しながらも暖簾を潜る。
相手にその気があればビルに入った瞬間から監視カメラで自分を監視していても不思議ではないからだ。
「いらっしゃいませ! ご注文がお決まりになりましたらお気軽にお申しつけ下さい」
円山が人が違ったような口調で声をかけてくる。
「さっき会ったばかりだろう? それよりこのお品書きというのは本当なのか?」
お品書きには殺人方法や死体を残すのか残さないのかなど様々なオプションサービスが書き込まれている。
「はい、迅速丁寧をモットーに確実にターゲットを殺させて頂いております」
「例えば、この絞殺で死体を残すというオプションにした場合、警察に犯人特定されやすいんじゃないのか?」
「企業秘密にはなりますが、TPOに応じて柔軟に対応させていただいております」
「ジョーカーはどうやって殺す事になっているんだ?」
「お客様の情報を開示する訳には行きませんが、強いて言うなら殺し方は問わないとの事です」
円山の言葉が事実なら矢沢組はなりふり構っていないという事だろう。
ジョーカーは確実に矢沢組に打撃を与えているのだ。
「じゃあ俺も注文したいんだが構わないか?」
「どのようなご注文でしょうか?」
爽やかな笑顔で円山が言う。
「ジョーカーをオプションサービスで九月三十一日に殺してほしい」
清史郎の言葉に円山の目が見開かれる。
「前金で一千万。不足なら五百万を追加する」
清史郎は受け取ったばかりの一千万をカウンターに乗せる。
「ジョーカー殺害日時の指定は確かにオプションで追加可能ですが……」
「ジョーカーを殺す日時の指定は矢沢組からは無かったんだろう?」
清史郎が言うと円山が顎に指を当てて思案気な表情を浮かべる。
「依頼が重複した事は初めてで、対応致しかねます」
「いや、重複していない。私が矢沢組の手先で、追加でオプションを申し込んでいるとしたならどうなんだ? 君は依頼主の事をどれだけ調査しているんだ?」
清史郎の言葉に円山の表情が曇る。
「お客様のプライバシーを優先して営業しております。業務上必要な情報は収集致しますが……」
「九月三十一日、ジョーカーは新庄市商店街の外れ、たこ焼き屋千夏の前に現れる」
清史郎の言葉に円山の表情が強張る。
「もしお客様がジョーカーだった場合……」
「自分を殺してくれという依頼はこれまでなかったのか?」
円山が何かを試すような視線を向けてくる。
「もちろん、そういった依頼もございました」
「なら問題は無いだろう?」
「……つまり、あなたは探偵としての任務を全うし、殺し屋に仕事を依頼しに来た。そういう事ですね」
「そういう事になるな」
清史郎が笑みを浮かべると円山の口元に笑みが浮かぶ。
「矢沢組がそれ以前の日時を指定して来たら?」
「それこそ二重契約は無効だと言えばいいだろう?」
「矢沢組がジョーカーの正体を教えろと言ってきたら?」
「ここは興信所ではないのだろう? それに私は九月三十一日にジョーカーが現れるとは言ったが、私がジョーカーだとは一言も言っていないぞ」
円山は殺しという商売にプライドを持っている。
そのプライドに反する行為はできないはずだ。
「了解しました。九月三十一日に現れるジョーカーを殺します。しかし、他に機会がある場合もありますので悪しからず」
円山が一千万の入った紙袋を掴んでカウンターの内側に置く。
これで円山の精神には一つのストッパーがかかった事になる。
後はいかに円山を寄せ付けないように立ち回れるかだ。
〈2〉
してやられた。
健司は先制に成功したつもりが、乗り込まれて悪条件を飲まされた事を今更ながらに実感していた。
三浦の期日を守れば選挙は終わってしまうだろう。
矢沢組は選挙で勝利する為にジョーカーを殺したいのだから、仮に殺せたとしても契約違反と言いかねない。
そもそも条件は問わないという話だったのだから構わないと言えば構わないのだが、ヤクザがそのような道理を飲むとは思えない。
――そもそも乗り気な仕事では無かったのだ――
とはいえ、呑気に構えていてはヤクザに消される事になる。
九月三十一日に殺せたとしても、それは報復の意味しか持たない。
そして九月には三十日までしか存在しない。
十月一日を無理やり九月三十一日と解釈できない事も無いが、完全に手玉に取られたとの感を禁じ得ない。
緒方が猶予として見るのは何週間だろうか。
幸い緒方は健司が三浦と接触した事を知らない。
まだジョーカーを探していると言えば時間稼ぎはできるだろう。
最悪二千万はドブに捨てたのだと言うくらいの器量は緒方にはあるだろう。
しかし、それでは殺し屋の看板に傷がつく。
創業四年、地道に仕事を続けて来た実績に泥がつくのだ。
――三浦清史郎を殺すか――
それを考えて健司は三浦の余裕が気にかかる。
三浦がジョーカー本人だというならそれで構わないだろう。
しかし、ただの連絡役だったり複数犯だったりした場合はどうなるだろうか。
ジョーカーは死んでも蘇る。
その事の方が矢沢組にとって脅威だろう。
ジョーカーのテンプレートが商店街で共有される事にでもなったら、矢沢組は人的物量的に無数のジョーカーに襲われて新庄市を撤退しなくてはならなくなるだろう。
その時、ジョーカーを殺せと依頼されたなら、一体何人を殺せばよいのか分からず、それだけの数を連続で殺せば証拠を残す事になりかねない。
そうなれば警察に捕らえられて全てが水の泡だ。
――そう、殺すのは三浦清史郎ではなくジョーカーである必要がある――
その為にはジョーカーの仕事の実態を掴まなくてはならない。
これまでのジョーカーの襲撃箇所と状況を再確認する。
ジョーカーは神出鬼没のように見えるが、確実な逃走経路のある場合以外は出現していない。
ジョーカーは矢沢組の取引の全てを俯瞰し、最も有利な形を作り出している。
と、なれば健司も事前に情報を収集しなくてはならない。
以前緒方が入店した時、店内のシステムでスマートフォンはクラックしてある。
緒方のスマートフォンを経由して矢沢組組長矢沢栄作の端末に潜入する。
ホストを掌握して矢沢の端末から矢沢組の取引データを吸い上げる。
半グレたちは無料WIFIに接続している者が多く、セキュリティも糞も無い。
健司は新庄市の地図を広げ三浦の心理を読もうとする。
正面切っての対決の後で、あの食わせ物が仕掛ける事は間違いないのだ。
〈3〉
始発電車で歌舞伎町を訪れた清史郎は街路を歩き回りながら、人通りの少ない場所や人目につかない場所にトランプのジョーカーのカードを置いていく。
『殺し屋』がテナントに入ったビルの前の壁にはスマートフォンと接続したラズベリーパイの監視カメラを設置した。
監視カメラの映像は近場の喫茶店でタブレット端末で見ようと思ったのだが、歌舞伎町には静かに端末を見る事のできるような喫茶店が見当たらなかった。
仕方なく新宿駅前のコーヒーの不味いチェーン店に足を向けた。
電波は良好、通勤前の客も訪れておりタブレット端末を見ていても不審には思われない。
スマートフォンを操作して朝のニュースをチェックするが、特に気になるような情報は無い。
八時二十四分、円山が風俗ビルにスーツ姿でやって来た。
一見地味なスーツ姿に見えるがバーバリーにリーガルのシューズといったいで立ちだ。
見る人間が見れば逆に趣味が良いと答えるだろう。
屋内の監視カメラを警戒して清史郎はビルには監視カメラを仕掛けていない。
九時きっかりにスーツ姿にアタッシュケース姿の円山がビルから出てくる。
清史郎は円山が新宿駅に向かったのを見て小走りに店を出る。
円山を捕捉し、充分に金をチャージしたSUICAで改札を潜る。
円山を尾行する事二十分、新庄駅で円山は列車を降りた。
チャージマネーで改札が通れて良かったと思える一瞬だ。
昔なら駅によっては乗り越し清算をしなくてはならないところだ。
円山は商店街を突っ切り、三浦探偵事務所にほど近い喫茶店に入っていく。
清史郎は更に離れた喫茶店で画像を喫茶店のものに切り替える。
商店街の店にはセキュリティの名目で三浦探偵事務所の監視カメラが取り付けられているのだ。
円山が注文するより早く、店員がコーヒーにトランプのジョーカーを添えて差し出している。
円山の表情が一瞬硬直する。
清史郎は商店街の店に予めジョーカーのカードを配り、前払いで商品を出すよう話をつけておいたのだ。
これで円山は自らが監視対象である事を知る。
コーヒーを飲み干した円山が喫茶店を出て周囲を見回す。
――追われる気分はどうだ、円山――
円山は午後六時になると歌舞伎町のビルに戻り、吉祥寺の自宅であるらしいマンションに帰宅した。
清史郎は吉祥寺界隈の店に金とトランプのジョーカーを配り、路地裏などにカードを仕掛けて帰路についた。
〈4〉
「って事は正体バレちまったのかよ」
相変わらず騒々しいクイーンメイブのボックス席で健が声を上げる。
「殺し屋って名刺出してる殺し屋って狂ってるとしか思えないけど」
「腕に余程の自信があるんだろう。今の日本じゃ老衰や自殺や病死や事故死以外の異常死が毎年十七万件発生しているんだ。死体なんかあった所で警察の手が回る状態じゃない」
「ジョークと話してて思うんだけどさ、警察って何してんだ?」
「総資産一億円以上の人間の事は守ってるだろうさ。後は交通違反の取り締まりだな」
清史郎は答える。実際警察が殺人や行方不明を事件化する基準は分からないのだ。
確かなのは毎年日本では殺人事件は百件前後しか起こってはならず、検挙率は96%を下回ってはならないという暗黙の了解があるという事だ。
「どっちみち最初から警察は味方じゃないでしょ。矢沢組が商店街に嫌がらせをしても見て見ぬふりだったんだし」
「だよな。俺たちジョーカーが正義の味方なんだ。そうだろ」
「多少稼がせてもらってるけどね」
健も加奈もジョーカーという仕事には少なからず誇りは持っている。
士気が高いという点では矢沢組と戦っていく上で大きなアドバンテージになるだろう。
殺し屋円山健司がジョーカーの核心に近づいたとは言っても、健と加奈まで特定している訳ではないのだ。
そして健のITを見て警戒していた為、あの新宿の風俗ビルにはスマートフォンも時計も持ち込んでいない。
顔は間違いなく撮影されているだろうが、顔認証は広範なエリアから自在に情報を引き抜けるようなものではない。
いつ、どのカメラに映っているのか分からなければどのカメラをハッキングすれば良いのか分からない。
本当の所は分からないが、公には警察でも店舗など個人のカメラの映像は捜査協力や令状で記録を閲覧しているのだ。
健のIT技術にした所でカメラを特定し、通信可能な距離で『物理接触』しない事にはデータを閲覧する事などできないのだ。
「円山って野郎の鼻を明かしてやろうぜ。こっちは天下御免のジョーカーなんだ」
「でもさ、ジョーカーを探り当てたって事は相当の切れ者なんじゃない? 殺し方だって一つや二つじゃないからこれまで捕まってないんでしょ?」
加奈が慎重論を述べる。この慎重さがチームの要になっていると言ってもいい。
「じゃあどうするってんだよ。まさか止めるとは言わねぇよな」
「多少趣向を変える必要はあるだろうな」
清史郎はカバンからジョーカーマスクをのぞかせる。
「マスク……一体何枚あんだ? 量産して成功すんのは北朝鮮のモロコシくらいだろ」
「そっか……これをこれまで被害に遭った半グレに匿名で送り付ければ……」
ITには弱くても頭の回転の早い加奈���は分かったようだ。
「確実な取引情報を手にした本物の銃を持ったジョーカーが出現するんだ」
清史郎の言葉に健が唖然とした表情を浮かべる。
「さっすがジョーカー。でもよ、俺たちと鉢合わせにはならねぇのか?」
「一応発信機は取り付けてある。合成音声のスイッチを入れれば起動する仕組みだ」
「じゃあ信号がなかったら作戦決行って訳ね」
「それに送り付ける相手はこっちが選べるんだ。事前に動きを掴む事も難しくないだろう」
清史郎はこれまでの取引の状況から矢沢組に逆らいそうな半グレをリストアップしている。
表立って逆らう事はしないだろうが、ジョーカーとしてなら薬をガメるくらいの事はしかねない連中だ。
「でも、それって少ししたら矢沢組に露見するんじゃない?」
「ああ。でも矢沢組は確実に疑心暗鬼に陥るし、本物の銃弾が飛んでけが人でも出ればジョーカーに対して慎重にもなるだろう」
「最高にクールだぜジョーカー! ジョーカーが犯罪者だったら今頃大金持ちだぜ」
健の笑みに清史郎も笑みで答える。
「じゃあ今日の仕事もクールに決めましょ」
加奈の突き出した拳に三人の拳がぶつかる。
本家ジョーカーは最高のチームなのだ。
〈5〉
自宅まで嗅ぎつけられたとは。
午前七時、健司は朝食を食べようと吉祥寺の喫茶店に入った所で、ジョーカーのカードと対面する事となった。
もっとも、ずっと尾行されていたなら自宅が特定されるのは不思議でも何でもない。
一番の問題は探偵に四六時中張り込まれたらジョーカーどころではなく、他の仕事も一切できないという事だ。
動揺を押し隠し、それでも周囲を警戒しながら歌舞伎町の店舗に向かう。
ドアに挟んだ髪の毛が落ちた様子は無く、侵入者はいないようだ。
店内に入り、一通り掃除を終えると鋭利に削ったシャープペンシルをカウンターから取り出す。
殺しの方法はいくらでもある。
相手が尾行しているなら、人通りの少ない所に誘い込んで始末するという方法も取れるのだ。
健司は尾行のプロである三浦を警戒する事を止め、路地裏へと足を踏み入れる。
一定歩いた所で振り向き、シャープペンシルを引き抜く。
が、そこには三浦の影も形も無かった。
四六時中張り込んでいるという訳ではないという事だろうか。
健司が安堵しかけた瞬間、路上に落ちているトランプのカードに気付いた。
――ジョーカー!――
三浦はこちらの考えを見抜いて行動に出ているのだ。
と、言う事は人通りの少ない所は三浦本人に監視されない反面、ヤクザを監視しているような遠隔装置で監視している可能性が高いだろう。
――この僕が身動き一つ取れないと言うのか――
健司は拾い上げたトランプのジョーカーを握りつぶした。
〈6〉
深夜の路地裏、半沢芳樹はジョーカーマスクと紫色のどぎついトレンチコートに身を包んで、汗が出るほどにトカレフを握りしめている。
部下二人が矢沢組とヤクの取引をする事になっており、そこをジョーカーのフリをして襲撃するのだ。
成功すればタダでドラッグが手に入り、失敗してもジョーカーのせいだ。
うだつの上がらない半グレの四十代、ヤクザに昇格できる見込みも無い。
忠義を示せと言う方が無理というものだ。
視線の先には金を手にした部下の姿、ヘッドライトで周囲を照らす矢沢組のベンツがある。
部下が金を出し、組員がスーツケースを開いてドラッグを見せる。
半沢はそのドラッグを見ているだけで身体にアドレナリンが駆け回ったような気分になる。
「動くんじゃねぇ! こっちにヤクを寄越せ」
取引成立の寸前に半沢は銃を手に飛び出す。
矢沢組の構成員がスーツの内側から銃を抜く。
「金もヤクも俺のモンだっつってんだ!」
半沢は先制して引き金を引く。轟音が響き矢沢組の構成員が気圧されたように見える。
立て続けに引き金を引いて距離を詰める。
矢沢組の構成員が引き金を引き、半沢の頬を掠める。
ジョーカーの姿で出ていけば怯むと思っていたのだが、反撃は想定外だ。
それでもここが正念場と半沢は引き金を引く。
一発の弾丸が矢沢組の構成員の鎖骨の辺りを貫く。
凶悪な一瞥をくれて矢沢組の構成員たちが引き上げていく。
半沢は両手でヤクを掴んで高笑いする。
こんなにチョロい商売にこれまでどうして気付かなかったのだろう。
――ジョーカーを続ける限り俺は無敵だ――
〈7〉
事務所に次々に凶報が舞い込む中、矢沢組の緒方は状況の変化を理解していた。
ジョーカーの模倣犯は自然発生的に生まれたものではない。
本当に模倣する脳があるなら金や麻薬を要求する訳が無い。
と、すれば中身は町の半グレや暴走族と察しがつく。
とはいえ、数は厄介であり、ジョーカーの真似をすれば処刑だと言った所で本物のジョーカーもどこかにいるのだろうから半グレは高をくくって矢沢組の命令に従おうとはしないだろう。
そして更に厄介なのはちゃんとジョーカーを模倣できている者もいるという事だ。
ジョーカーを見たら撃てというのは簡単だが、半グレが連合して矢沢組に反旗を翻したら手足を失った矢沢組に抵抗する術は無い。
矢沢組は権力と金と麻薬は持っているが、マンパワーが多いという訳ではないのだ。
ジョーカーはその弱点を的確に突いて来たのだ。
「緒方、考えは無ぇか?」
電話越しの矢沢の言葉に緒方は頭を巡らせる。
「ジョーカーマスクに百万の懸賞金をかけてはいかがでしょう?」
マスクをつけている人間の罪を問わず、マスクを差し出せば百万やると言えばわざわざ危ない橋を渡ろうという連中は少なくなるだろう。
その上でジョーカーの撃滅を図ればいいのだ。
「その手は使えそうだな。問題はマスクがどれだけ出回っているかだが」
「数は多くないと考えます。そもそも同時多発的にジョーカーが出現したという事は、誰かが創意工夫して模倣されたのではなく、何者かが意図的に行ったと考える方が自然です」
言って緒方は組員たちに通達を出し、ついでに警察にも懸賞を知らせておく。
公権力が銃刀法で取り締まりを開始すれば半グレは震えあがってジョーカーの真似などしていられなくなるだろう。
〈8〉
健司は新庄市のホテルの床に落ちた髪の毛を拾いながら、事態の急変と自分の読みが正しかった事を知る。
三浦は健司に捕捉された事で作戦変更を余儀なくされた。
健司も身動きできなくなったが、それはお互い様なのだ。
そこで今回のジョーカー量産化計画を演出したのだろう。
しばらくの間町中にはジョーカーがあふれる事になる。
矢沢組が引き締めを行っているものの、偽ジョーカーの模倣犯も出現し本来の偽ジョーカーより多くのジョーカーが出現しているのが現状だ。
――でもこの狂騒はすぐに終わる――
健司は日が暮れるのを待ってアタッシュケースを手にホテルを出る。
三浦が四六時中張り付いている訳ではない事も分かっている。
いずれにせよ仕事を迅速に済ませれば証拠も残りはしないのだ。
深夜の人気の消えたオフィス街を歩きながら手に手術用のビニール手袋をはめる。
靴のサイズは自分の標準よりワンサイズ大きく、髪型は大きく変えていないが頭にはカツラをかぶっている。
一般で売られているカツラには、インドの仏教徒やヒンズー教徒が出家する時の髪の毛が使われている。
そして、インド人の髪の断面は日本人が楕円であるのに対し正円に近い。
仮に髪が現場に落ち、科捜研が調査したところで出てくるのは謎のインド人という事になるのだ。
健司は予定していた地点にたどり着くと、持ってきたボルトを電柱の穴に差して二・五メートル程の高さにまで登って電柱に寄り添うようにして立つ。
予定通りスポーツバッグを手にしたジョーカーが走ってくる。
中身は半沢という三下の半グレだ。
正面だけに注意を向け、自分の身長より上には注意が向いていないらしい。
健司はボルトに引っ掛けたテグスを引っ張る。
ジョーカーの首にテグスが食い込み、仰向けに倒れかかる。
アイスピックを手にした健司はジョーカーに圧し掛かるようにして飛び降りる。
アイスピックがジョーカーのマスクと頭蓋骨を貫き、脳を攪拌する。
健司はアイスピックをその場に放り捨てて、テグスもそのままに歩き去る。
アイスピックもテグスも殺人犯を特定する決定的な証拠とはなり得ない。
少し歩いた所で歩きやすい靴に履き替え、手袋を脱いでしまえば何一つ痕跡は残らない。
意識していたが三浦に行動を監視されていた様子は無い。
三浦はマスクをばらまいた事でジョーカー業を一定退いたのかも知れない。
それならそれで……
――ジョーカーを名乗れば問答無用の死が訪れる――
それでもジョーカーを続けられる者がいるだろうか。
健司の受けた依頼はジョーカーの殺害であって三浦清史郎の暗殺ではないのだ。
〈7〉
緒方は苦い気分で事務所でTVを見ている。
一週間で九人のジョーカーが殺され、四人のジョーカー、三人の組員が射殺された。
ワイドショーは死体にピエロのマスクをかぶせる愉快犯として報道している。
常識的に考えればそうなのだろう。
だが、現実にはジョーカーの模倣犯が跋扈し、殺し屋円山がジョーカーを殺しまくっているのだ。
この問題の裏が表ざたになれば矢沢組に捜査の手が伸びる。
組長が事情徴収という事にでもなれば、知事選敗北は必至だ。
この銃弾飛び交い殺し屋が闊歩する状況は、客観的に見れば矢沢組の内部抗争なのだ。
――やってくれたなジョーカー――
日用品を用いて鮮やかに殺しを遂行する健司に対する恐怖は広がっており、それなりの数のジョーカーマスクが届いてもいるが、それでも自分だけは大丈夫と考えるのが人間の性であるらしい。
「兄貴、県警本部長が来ています」
部下の言葉に緒方は舌打ちしたくなるのを堪える。
何人か人身御供に出す必要はあるだろうが、それでジョーカー問題が片付く訳でも無い。
今の新庄市はさながらギャングの蔓延る六十年代のニューヨークだ。
このネガティブイメージの中ではカジノ施設の誘致も集客の為だなどという言葉で誤魔化せない。
――だが、商店街も打撃を受けているはずだ――
緒方は次善の手を考えながら県警本部長を待たせてある応接室に向かう。
「緒方です。この度はお騒がせしております」
「いや、そうかしこまらんでくれたまえ。私がこうしておれるのも矢沢組あっての事だ」
県警本部長の茨木義男が本革張りのソファーから腰を上げて言う。
茨木は東大卒のキャリアで矢沢の後輩に当たり、���じゼミを受講していた間柄だ。
「殺人事件は起こせない。それが警察の不文律でしょう?」
「今回のカジノ施設建設は内閣肝いりでもあるんだよ。情報操作で反対派が工作しているように演出する事は可能だろうよ」
転んでもタダで起きないのが政治家やエリートというものであるらしい。
「つまりはカジノ施設反対派が、賛成派の人間を殺してピエロのマスクをつけていると?」
「そういう報道になっているだろう?」
茨木の言葉に緒方は唖然とする。
当事者としての立場で見ていた為に気付かなかったが、一般視聴者の目線で見るとそういう風に見えるのだ。
「で、私の在任中にこれだけの死者を出しているんだ。票は囲い込めているんだろうね」
「固定票は押さえております」
実際の所、矢沢組は内紛に近い状態で票を囲い込めるような状態ではない。
大手のチェーン店などでは本部通達で票の取り込みができているが、個人事業主は依然として反対の姿勢を崩していない。
――やる事成す事裏目に出る――
「死人は出る、カジノ施設はできないでは私の本庁復帰が危うくなるんだよ。その意味は分かっているだろうな」
「はい」
不満げな茨木に緒方は短く答える。
――県警本部長が殺害されれば流れが変わるかもな――
緒方は脳裏にあのとらえ所のない殺し屋の姿を思い描いた。
第四章 トリックスター
〈1〉
「最近俺たちが出てもヤクザもビビらねぇのな」
クイーンメイブのボックス席で健がぼやく。
本物の銃を撃つジョーカーもいれば、ジョーカーを狙い撃ちにする殺人鬼も存在する。
実際に死人も出ているのだから今更驚かす程度ではヤクザも怯みはしないだろう。
「銃で撃たれるって不安。前より遠慮なく撃たれてる感じ」
加奈が沈んだ様子でカクテルに口をつける。
「おいおい、私たちの本来の目的を忘れたんじゃないだろうな。私たちの目的はカジノ施設誘致の妨害だ。今の状況でカジノ施設がオープンしたとして誰がテナントに入るんだ? 暴力がこれだけ蔓延る状況を許した現職知事は窮地に立たされている。住民の安全と地域の活性に誠実に取り組む人物が取って代わらなければ市民が納得しない」
ショットのバーボンを口に運んで清史郎は言う。
「いや、確かにジョーカーの言う事は分かるんだけどさ、昔は良かったっつーか、実入りが少ないのは我慢するとしてもよ」
「私たちの本当の目的に近づいているんだから喜んでいいはずなんだけどね」
「選挙の公示まで三日、世襲できそうな人間がいない以上与党は今更候補者を変更できないし、現職のまま選挙を戦う事になる。野党には追及の材料が掃いて捨てるほどある。これで負けるようなら本当に世の中が腐りきってるってだけだ」
健と加奈の気持ちを察しながらも清史郎は言う。
「もう少しで全部終わっちまうんだよなぁ~。何か微妙だぜ」
「コンビニも忙しいって言えば忙しいんだけど、税金は取られるのに退職金も無いし年金のアテもないし」
健が仕事にやりがいを感じられないのも、加奈がお先真っ暗だと言うのも理解できる。
「そうは言っても九月三十一日にはジョーカーは死ぬんだ」
「してやられましたよ。九月に三十一日なんて無いじゃないですか」
ボックス席に当たり前のように現れた円山が言う。
「誰だテメェ!」
健が身を乗り出す。
「歌舞伎町で殺し屋を経営している円山健司と言います。ここが三浦さんの本当の事務所だったんですね」
「まさか一週間で九人も殺したのって……」
「やだなぁ~僕はもっと殺してますよ。警察だって報道内容には気を遣うんです」
涼しい表情でグラスを手にした円山がボックス席に座る。
「人殺しだってバラすぞ、テメェ」
健が円山に向かって噛みつきそうな声と表情を向ける。
「ご自由にどうぞ。何か一つでも証拠が存在するならね」
「で、その殺し屋さんがここに何の用?」
「いや、本家のジョーカーはどうしているのかと思ってね。偽物でもこれだけ殺せば本家も仮面を捨てるんじゃないかって思って」
「おたくの言う通りだ。こんな凄腕の殺し屋がいるならジョーカーなんてやるだけ損だ」
「本当にそう思っていますか? 本家はまだ何か隠し玉を持っているんじゃないかって思うんですけど」
「随分と余裕かましてんじゃねぇか。ジョークを殺ったらテメェを殺す」
「殺しはしたくないけどジョーカーを殺させる事は絶対にしない」
「人望があるんですね。いっそ事務所でこの二人を雇ったらどうです? 今より金回りはよくなるんじゃないですか?」
「殺し屋より儲かるとは思えないね」
「それはリスクを負っていますから」
「テメェは嫌味を言いに来たのか。悪いが俺たちはテメェになんざ負けねぇ」
頭に血の上った健が言う。
「そうそう、一つプレゼントがあるんです」
「あんたがくれるものなんてロクなものじゃないと思うんだけど」
「野党連合の候補を殺すように県警本部長から依頼を受けたんです」
笑顔で言った円山がグラスを空ける。
突然の事に健と加奈が硬直する。
選挙期間中に候補が殺されてしまったら票が分散して現職が有利となる。
どれだけ黒い噂があったとしてもだ。
「それは俺たちに守って見せろと言っているのか?」
「さぁ、気まぐれですよ。僕はこれでもあなたの事が嫌いではないんですよ」
言った円山が席を立って去っていく。
加奈と健が茫然とその背を見送る。
「私たちと候補者をまとめて葬るつもりか……」
清史郎は思案する。候補者を守る為に張り付けば二人まとめて殺される可能性がある。
しかし、候補者を放置しておけば間違いなく殺されるだろう。
具体的な殺人予告という訳ではなく、あったとしても警察はアテにはならない。
市民は自衛するしか無いのだ。
――どうする……――
「なぁ、ジョーク、どうすんだ?」
「あんたも少しは考えなさいよ」
「考えてるって。頭の中じゃあの野郎を三十回は殺してる」
非生産的な事を考えている健が言う。
「ジョーカー、私、どうしていいか……」
加奈は追い詰められた様子だ。
「こうなったらお望み通りにしてやろう。ジョーカーの最期を見せてやるんだ」
清史郎は一抹の寂しさを感じながら笑みを浮かべて見せた。
円山を前にして取れる手は一つしか無いと言っていい。
――あの男はこの結果を望んでいたのだろうか――
〈2〉
『……皆さん、この町の惨状は突然起きたのでしょうか? その根幹には市の中央にある広大な県の土地があります。この土地は江戸時代に火災の延焼を避ける為に作られた防災の為の土地でした。しかし新庄市が栄えるに従い、土地の価格が上がり莫大な利益が生まれる事が分かってきました。ヤクザやギャング、財界の人間はその利権に群がっているんです。もし、彼らの思い通りにさせるなら彼らの存在を容認する事になります。二百年前の先人の知恵に従い、ここを防災を兼ねた市民公園にする事こそが行政の成すべき事です……』
夕暮れの新庄市の駅前で野党候補の峰山春香が声を上げる。
聴衆はさほど多くはないが商店街や青年団が集まって盛り上げようと四苦八苦している。
清史郎はオープンカーのハンドルを握りながらタイミングを計っている。
『ジョーカー、スタンバイOKよ』
イヤホンから加奈の声が聞こえてくる。
『警察は野党の候補に人は割いちゃいねぇ、殺るなら今だ』
健の声を受けて清史郎は紫のどぎついトレンチコートを羽織り、ピエロのマスクをかぶる。
「そこのお前……」
演説を警備していた警官が警棒を手に近づいて来る。
「制服ギャングも久しからず」
清史郎は銃を引き抜く。
警官の足元で火花が爆ぜる。
聴衆だけでなく、夕暮れの帰宅ラッシュの人々の足が止まる。
「綺麗ごとでマニィをロンダリィ! 俺はハッピーにトリガー、堅実な人生が諸行無常!」
清史郎は自動小銃を抜いて選挙カーに銃弾を浴びせかける。
銃声が響き至る所で火花が散る。
ガードマンに守られて逃れようとする峰山の背に向けて引き金を引く。
血を噴出させた野党候補が倒れる。
「こんな時には正露丸! キャベジンがあれば国士無双ゥ! ユンケル飲んだら夜金棒!」
峰山が選挙カーに運び込まれ、現場から離脱しようとする。
『ジョーク、サツが動いた。射殺してもいいって言ってやがる』
健の言葉に清史郎は生唾を飲む。想定してはいたが、想像以上に警察もなりふり構っていないらしい。
清史郎はオープンカーで選挙カーを追い、グレネードランチャーで後ろ半分を吹き飛ばす。
煙を上げた選挙カーが路肩で停止する。
清史郎は高笑いしながら選挙カーの脇をすり抜け、オープンカーで町を駆け抜ける。
無数のパトカーが清史郎のオープンカーを追う。
『ジョーク、法定速度は無視してくれ、俺がナビゲートしてんだし、今更ネズミ捕りが怖いって訳でもねぇだろ』
健のナビゲーションでパトカーを避けて清史郎は埠頭へと向かう。
銃声が響き、音速より早く飛んだ弾丸がオープンカーに襲い掛かる。
警察が矢沢組の懸賞を狙っている事は健のハッキングで知っている。
制止する警官の声と銃撃を受けながら、フルスロットルのまま岸壁から海上へと車体を躍らせる。
肩と背中に銃弾を受けた清史郎は冷たくなり始めた海の中へと沈んでいく。
清史郎が意識を失いかけた時、淀んだ海の中にウェットスーツに身を包んだ加奈が姿を現した。
〈3〉
警察が捜査した結果、海で手に入れる事ができたのは一台の盗難車とピエロの仮面と紫色のトレンチコートだけだった。
知事候補が襲撃された事もあり、今後清史郎がジョーカーの扮装をすれば正体が露見する可能性は極めて高くなるだろう。
――本家ジョーカーは死亡した――
健司は病院の廊下を歩きながらポケットの中のビニール手袋の感触を確かめる。
野党候補は銃創を負って病院に入院している。
実際には銃創など負っていないのだろうが、ジョーカーと候補が一芝居打つのだとしても病院は避けて通れない。
――悪いけど僕は殺しの依頼は完遂する――
健司は候補の部屋の前のボディガードの様子を観察する。
「すみません。新庄市後援会の青年団の円山と言います。先生はご無事でしょうか?」
「先生はご無事だ」
鉄面皮のボディガードが返答する。
「それを聞いて安心しました。一言無事をお祝い申し上げたいのですが構いませんか?」
「十分だ」
ボディガードの言葉に笑みを返して健司は一人部屋に足を踏み入れる。
両手にビニール手袋をはめ、小銭袋を握りこむ。
「やぁ、先生、ご無事なようで何よりです」
「無事なものか。ポリの弾丸を四発も食らったんだ」
そこで見た光景に健司は言葉を失った。
「お陰で選挙が終わるまで退院できそうにない」
三浦が笑みを向けてくる。
「バカな……あなたは……」
身を隠さなくてはならないはずだ。
治療する為にも……。
――治療する為に候補に成りすましたと言うのか――
入院している間は世間の目は避けられる。
それでは候補はどこに消えたと言うのか。
「お前は野党候補を殺せというオーダーを受けたはずだ。今彼女は立候補しているが、生死不明で野党の統一候補ではない。今は慶田盛弁護士事務所で事務の手伝いはしているが選挙活動はしていない。それでもお前は殺すのか?」
健司は清史郎の言葉に笑いがこみあげてくるのを感じた。
「詭弁にも程がありますよ。ほとんど屁理屈じゃないですか」
「屁理屈でも君は依頼に忠実なんだろう? あと面会は手短に頼むよ。これでも歳でね、銃創って言うのは堪えるんだ」
銃創が堪えているのは本当らしい。
「それでも最後には候補は復活しなきゃならない」
「死んでいなければね」
カーテンの影から姿を現した女性がグレネードランチャーを構える。
「まさか……」
「ジョーカーは死んだ、ヒットマンは来た。これで充分だ。なぁ、ジョーク」
ラップトップコンピューターを小脇に抱えた青年が言う。
「ゲームオーバーだ」
清史郎が不敵な笑みを向けてくる。
健司は小銭袋を窓に投げつける。
砕けたガラスの破片を拾い上げて身構えながら退路を探る。
ガラスの破片で候補の命を絶つつもりだったが今三浦を殺した所で意味が無い。
今は割れた窓の外に逃れる隙さえあればいい。
女性の指がグレネードランチャーの引き金にかかる。
猛烈な爆音と閃光が室内に満ちる。
健司は窓の外に身体を躍らせた。
――これで知事候補が殺された事になるのか――
健司は地面を転がり、人目を避けながらバッグから出した白衣を羽織る。
――僕は最期までジョーカーに踊らされたって訳か――
敗北感より、どこか清々しさを感じながら健司は病院を後にした。
〈3〉
「慶田盛弁護士事務所では峰山候補を歓迎しますよ」
新庄市にある、冤罪に強いと噂の弁護士事務所で峰山春香は未だに自分の身に起きた事が信じられないでいる。
峰山が候補に決まったのは公示二日前、そこから慌ただしく野党の党首などと会談を交わし、選挙戦の流れになったのだが、その直後に慶田盛敦という弁護士が現れたのだ。
慶田盛の噂は峰山も聞いており、信頼できる人物であるとは感じていたが、話の内容は想像のはるか斜め上を行くものだった。
新庄市の乱射魔ジョーカーの本家は、冤罪事件の解決を主に行っている三浦探偵事務所の所長三浦清史郎だったのだ。
三浦は知事選を前に町に大量のジョーカーマスクをバラまいて一時的に身を引いた。
しかし、ジョーカーと野党知事候補は確実にターゲットを仕留める円山という男に命を狙われているのだ。
更には矢沢組がジョーカーに懸賞首をかけており、警察も生死を問わないという条件でジョーカーを狙っているという。
そこで三浦が出して来た案がジョーカーに候補者が襲われて入院、ジョーカーは警察に追われて死亡、更に候補者の運び込まれた市民病院に現れる円山を三浦が撃退するというものだったのだ。
三浦は警察に追われて手傷を負う事は間違いなく、それならば知事候補と入れ替わって入院してもゆっくりと治療ができる。
一方春香は慶田盛弁護士事務所で投票日三日前まで、事務職として短期採用される。
円山のターゲットは知事候補であり、事務員殺害ではなく、その一線を越えてこないのも円山という男なのだという事だった。
「何もかもが信じられないわ。生死不明で選挙戦を戦うなんて……」
「野党の党首が連日新庄入りするって話になったじゃないですか」
春香は慶田盛弁護士事務所の安普請の椅子に腰かける。
「それはいいとしても、いいえ、大きな借りを作る事になりますし……」
「市民に対して不誠実だと?」
春香の心中を察した慶田盛が言う。
「その通りよ。三日前に復活なんて話が良すぎるし」
「でも、実際問題あなたを救う手立ては他に無かった」
事務所の電話が鳴り、慶田盛が受話器を手に取る。
ボタンを押してスピーカーに切り替える。
「私だ。円山が知事候補殺害に現れたよ。こっちで見かけだけは派手な爆薬を爆発させて追い出した。これで知事はテロリストにまで襲われた事になるわけだ。しばらく身を隠さなきゃならない理由が増えたんじゃないか?」
「三浦さんですね? あなたが身体に銃創を負ったという話は聞いています。あなたはどうしてここまでやったんですか?」
「若い連中と付き合いがあると、柄にもない正義感なんてものも持つものなのさ」
三浦の言葉に春香はため息をつく。
実際の傷はどうあれ、体面上知事候補は集中治療室にかくまわれるだろう。
「市民病院が告発したらどうするつもり?」
「それは無いさ。与党の市長になってから予算を削減されて、市民病院では上から下まで味方しようなんてヤツはいないんだから」
慶田盛が肩を竦めて見せる。
「あと、仕事柄マスコミの相手をするのは苦手じゃないんだ」
「ああ、こいつは口先だけは有能だからな」
二人の言葉を聞いていた春香は苦笑する。
悪だくらみのような作戦だが、この二人にとってはこれは健全な正義のスポーツのようなものなのだ。
〈4〉
野党候補の入院先で爆破テロが起こった事で、与党候補に対する疑惑は大きなものとなった。
野党候補は生死の境を彷徨っていると報道されている。
清史郎は病院で何不自由なく治療生活を送っている。
のだが……。
「なぁ、ジョーク、ここで寝てるってのは何かの冗談だろ?」
「怪我してるのは事実なんだから無茶言わないの」
健と加奈は連日競うようにして病室を訪れている。
「お前ら、もうジョーカーの出番は無いんだぞ? 知事選も候補が無事を表明すれば一発で決まる。もうやる事は無いんだ」
清史郎が言うと健が叱られた犬のような表情を浮かべる。
「いやさジョーク、俺、土建屋辞めたんだ」
「私も……その、コンビニ辞めたんだ」
清史郎は二人の言葉に唖然とする。
このご時世に仕事を自ら捨ててどうしようと言うのか。
「ジョーク、儲からないっつってるけどよ、俺が手伝ったら何とかなんじゃね?」
「先に言わないでよ。採用するなら私の方が得なんだから。多分」
清史郎は額に手を当ててこみ上げてくる笑い声を抑える。
傷に響くが笑いたくなるのだから仕方がない。
「お前ら、馬鹿じゃないのか? こんなオッサンと組んだって心中するようなモンだろ」
「それでもいいくらい楽しかったんだよ」
「またスリル、くれるんでしょ?」
清史郎は笑い声をあげて身体を起こす。
傷が引きつるが痛みなど気にならない。
「資本金はお前らと合わせて裏金三千万円。社員は三人。一人はオッサン。ジョーカー探偵事務所とでもするか」
「何かダセェ。中年は変に英語にするから逆にカッコ悪いんだよ。三浦探偵事務所でいいだろ」
「中年のセンスが悪いのは今に始まった事じゃない」
清史郎は憮然として健に言い返す。
「じゃあ新しい門出に」
加奈がバッグからワインのボトルを取り出す。
若い二人は自分に老ける暇を与えてくれないらしい。
清史郎はコップに注がれたワインを掲げる。
「乾杯」
紙コップが音もなく打ち合わされ、新しい何かが動き始めた。
エピローグ
清史郎は健と加奈を引き連れて病院の廊下を歩いている。
向かいからスーツ姿の峰山春香が歩いてくる。
握手しようと峰山が手を差し出してくるのを無視して清史郎は右手を軽く上げる。
峰山が応じて右手を挙げてハイタッチすると、清史郎と峰山は入れ替わるように方向を変える。
清史郎の背後でフラッシュが瞬き、峰山が光とシャッター音に包まれる。
生死不明から無傷での生還。
これほどの宣伝も無いだろう。
ジョーカーはカジノ施設を阻止するというその使命を果たしたのだ。
選挙戦は野党党首が連日交代で訪れるという形で、野党が攻勢を強めていた。
そして投票日三日前に野党候補が無傷で出現。
暗殺者に狙われていた事を告げ、改めて支持を訴えた。
緒方は事務所で出来の悪すぎる茶番劇を見せられたような気分を味わっている。
ジョーカーという乱射魔が出現、殺し屋に依頼をしたらジョーカーの模倣犯が大量に出現。野党候補を狙ったら本家ジョーカーに命を狙われ、生死不明から一転蘇った。
市民の心理を考えるまでもなくこの選挙は完敗だ。
何処で何を間違えたのかなど分からない。
否、最初からこの町には矢沢組を受け入れない何かが存在していたのだ。
近々上層の組から矢沢更迭が告げられるだろう。
だが、緒方は矢沢にとって代わろうなどとは思わない。
――この町にはジョーカーという化け物が存在するのだから――
十月一日、健司はいつものように殺し屋のカウンターの内側にアルコールを吹きかけている。
もしも、九月に三十一日が存在しているならジョーカーが殺されてやると言っていた日。
新庄市では市民の支持を得た新知事の誕生でお祭り騒ぎらしい。
と、殺し屋の戸口に宅急便の配達員が現れた。
「殺し屋様ですか? Amazon様からのお届けものです」
記憶には無いが健司は笑顔で箱を受け取り、伝票にサインする。
ナイフで慎重に箱の封を開けるとそこにはピエロのマスクが収まっていた。
健司は口元に笑みが浮かぶのを感じた。
――確かにジョーカーは死んだ――
健司はその自然な笑みを機械的な笑みの後ろに隠し、カウンターを磨き始めた。
今日も新たな客がやって来るに違いないのだ。
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【帰宅の相棒】13th December 2019 【Gentle Giant - The Power and The Glory】(1974) 輸入盤でリアルタイムに間に合ったのはこのアルバムから。もう45年前になるのか。例によって「ササキレコード社@神保町・さくら通り」でアメリカ盤(Capitol)のシールドを入手して、その後間を置かずに「レコード・ユニオン@画翠レモン店・お茶の水」でイギリス盤(Vertigo)の新品を入手した。やはり「原盤が欲しい病」はあの頃から変わらないというコトです。雀百まで踊り忘れず(笑)。話は横道に逸れるが、このアルバムの前の作品「In A Glass House」で「Gentle Giant」に出逢った訳だが、あの日本デビュー盤は本当に酷いモノだった。窓開きの特殊ジャケットが再現できないのは致し方ないとして、ライナーノーツが無いのは如何な物か。解説は「帯」の裏に申し訳程度。しかもレコードは、イントロの右チャンネルに信号が入っていない。不思議な演出だとずーっと思っていた。何故かこの盤に関しては「イギリス原盤」が全然手に入らなかった。アメリカ盤も見た事が無い。CDになってからあのイントロは、日本に送られてきたマザー・テープが「不良品」だったと判った。後の祭り(笑)。因みに「The Power and The Glory」の次のアルバムは、名盤中の名盤「Free Hand」な訳で、なんとなくこのアルバムが割を食っているような気がしてならない。大変に上出来なアルバムなんだが。ところで、その「The Power and The Glory」のLPには「The Power and The Glory」という曲は入っていないの、覚えていますか? 実はCDのボーナストラックに初めて「The Power and The Glory」が入っていた。3分足らずの小曲だ。なんでLPに収録しなかったんだろう。コレは謎です。バランスが悪かったのかなぁ。今ではコレが入っているのが当たり前になって、無かった事なんか忘れているが、LPで再生すると物足りないに違いない。しかし、このアルバムは名盤だな。と言うか、どの時期でも「Gentle Giant」にはハズレが無いと言い切れる。不評サクサクの「Giant for A Day」も「Civilian」も、今聴けば決してハズレでは無い。「The Power and The Glory」を聴くと、改めてこのバンドのレベルの高さに気付かされる。もっと評価されて良い一枚だと思います。 https://youtu.be/ZgoKwMbPSO8 (Chiyoda, Tokyo) https://www.instagram.com/p/B6ARi1Lp6n4/?igshid=tj9piz6jkxkw
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2017年9月16日のレガーロ日めくりカレンダー(格言:雀百まで踊り忘れず) #格言 #日めくりカレンダー #盛岡 #中ノ橋通 #肴町商店街 #レガーロ #アウトレット #Regalo #激安 #セレクトショップ #fashion #instagram (OUTLET SHOP『Regalo(レガーロ)』盛岡店)
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各地句会報
花鳥誌 令和5年10月号

坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年7月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
あぢさいや錆ゆくときもずぶ濡れて 光子 雨に白く汚されてゐる木下闇 緋路 サイレンも街騒もまだ梅雨の底 久 鉄骨が叩く鉄骨濃紫陽花 緋路 見覚えのビルはもう無くサルビアに いづみ 夏草のつぶやくやうな雨であり 和子 鉄条網梅雨の蝶さへ寄せつけず 同 支へ切れぬ天へ石柱梅雨深し 昌文 飛石をぬらと光らせ五月雨 久 その人は梅雨に沈みながら来る 順子 五月闇不穏な波の来るといふ はるか
岡田順子選 特選句
列車音遠ざかるとき浜万年青 はるか 庭石は梅雨のものとて黄泉のもの 俊樹 サイレンも街騒もまだ梅雨の底 久 鉄骨が叩く鉄骨濃紫陽花 緋路 雨の日の桔のうしろすがたかな 美紀 萱草のそびらに恩賜なりし闇 光子 潮入りのみづは昔や通し鴨 いづみ 支へ切れぬ天へ石柱梅雨深し 昌文 瞬ける雨粒蜘蛛の囲の銀河 緋路 雨に白く汚されてゐる木下闇 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月1日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
鹿の子啼く隠れの島に入日濃く 修二 たはむれの莨にむせし桜桃忌 久美子 寂しさを下から崩すかき氷 朝子 茉莉花の別れ際こそ濃く匂ふ 美穂 不如帰久女の夢と虚子の夢 修二 首の無きマネキン五体暑き日に 愛 蟬生る瓦礫の闇の深きより かおり ひまはりの花と育ちて銃を手に 朝子 バレエ団の窓へブーゲンビリア満つ 愛 蔓薔薇をアーチに育て隠居せる 光子 うつし世のものみな歪み金魚玉 かおり バス停のバスまで覆ふ夏木かな 勝利 梅雨空にジャングルジムがひつそりと 修二 襖絵の孔雀の吐息寺炎暑 勝利 君嫁して香を失へり花蜜柑 たかし
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月6日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
らつぱ隊香り奏でる百合の花 さとみ 風鈴が相づちを打つ独り言 都 香水に縁の無き身や琥珀色 同 身ほとりの置き所無き土用の入り 同 滴りの奥にまします石仏 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月7日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
黒塀や蔵してをりし八重葎 宇太郎 ふりかへる砂丘の海の線は夏 同 葛切や玻璃にスプンの当る音 同 夏草の中の林道下りけり 同 ソーダ水斜めに建ちし喫茶店 同 向ひ風麦藁帽を光背に 同 白服を吊りたる明日の再会に 悦子 浜昼顔一船置きし沖を恋ふ 同 白南風旅の鞄をコロコロと 美智子 足跡や巡礼のごと砂灼けて 栄子 紫陽花やうた詠むくらし悔もなく すみ子 玫瑰の咲くや砂丘の果の路 益恵 躊躇なく風紋踏んで白い靴 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
早苗饗や手足を伸ばす露天の湯 幸風 はらからや薄れゆく過去心太 百合子 一品を後からたのむ心太 秋尚 青楓雄々しく抱ける年尾句碑 三無 天草の歯ごたへ確と心太 文英 朝顔に護符つけ市の始まりぬ 幸子 朝顔のつぼみ数へて市を待つ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
西日射す鏡に海女の手櫛かな 昭子 兜山古墳を包む大夕焼 ただし 良き事の有りや無しやの今朝の蜘蛛 信子 信州に梅雨のかけらの雨が降る 三四郎 石も又涼しきものの一つかな 昭子 香水や周囲の心独り占め みす枝 梅雨寒や口を預けて歯科の椅子 信子 うなだれて少年の行く片かげり 昭子 僧逝きて久しき寺の夏椿 英美子 猛暑日や万物すべて眩しめり みす枝 天近き牧牛の背や雲の峰 時江 コップ酒あふる屋台の日焼顔 英美子 サングラス外し母乳を呑ませをり みす枝 かぶと虫好きな力士の名をつけて 昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月10日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
芋焼酎醸す香りの満つる街 三無 団扇さし出かける孫の下駄の音 ことこ それぞれが里の焼酎持ち寄りて あき子 老媼の団扇頷きつつ動く 和魚 児に送る団扇の風のやはらかく ます江 店先で配る団扇の風かすか ことこ 泡盛の味覚えたりこの良き日 同 団扇手に風のざわめき聞く夕べ 廸子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月11日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
沖縄の鳳梨乾いた喉癒す 裕子 青空や収穫の日の夏野菜 光子 夕暮れは車窓全開青田風 紀子 貝釦一つ無くした夏の暮 登美子 まだ聴けるカセットテープ夏深し 同 雲の峰送電線は遥かなり 令子 夕焼に路面電車が揺れてゐる 裕子 鐘を撞く寺は山上雲の峰 令子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月11日 萩花鳥会
透き通る海は自慢よ海開き 祐子 救助士の臀筋たくまし海開き 健雄 夏草や一対すべて青の海 俊文 生ビール久方ぶりや子とディナー ゆかり 引く波に砂山崩る海開き 恒雄 天の川点滅飛機の渡りゆく 美惠子
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令和5年7月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
羅を纏ひしものの身の一つ 世詩明 天国も地獄も自在孟蘭盆会 同 風の盆男踊りの笠深く 幹子 盆の供華華やいでゐる村の墓地 同 ギヤマンの風鈴揺れる蔵の街 嘉和 古団扇思ひ出の新しき 雪 縁側に男冥利の裸かな みす枝 ナツメロを口ずさみつつ草を引く 富子 蓮開く様自力とも他力とも やす香 神主の大きな墓を洗ひけり ただし 在りし日のままに夏帽吊し置く 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
田舎家の土間のだんまり朝曇 要 炎帝の遣はす鴉黒く群れ 千種 会釈する日傘に顔をなほ深く 同 夫恋ひの歌碑を見てより秋近し 炳子 飴色に枯れ空蟬の垂れ下がる 久子 古民家の故郷の匂ひ壁に黴 経彦 三猿の酔ふ草いきれ庚申塔 眞理子 古民家の茅屋根匂ふ炎天下 三無
栗林圭魚選 特選句
蓮花の水面の余白空の青 亜栄子 カラフルな浮輪乗り合ふ市民バス 久 じやぶじやぶと揃ひのティーシャツ水遊び 三無 咲き足せる泰山木の真白かな 秋尚 森少し膨らませをり蟬しぐれ 慶月 水音に誘はれつつ灼くる道 眞理子 惜しげなく涼しさ放つ水車小屋 要 ひとときの静謐滝に対峙して 久子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月19日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
マッカーサーパイプ咥へてアロハシャツ 千加江 遠雷や織部の茶碗非対称 泰俊 二業地に一の糸鳴る夜涼かな 同 悠久の光り湛へて滴れり 同 青田風満目にして夕仕度 清女 脱ぎ様のまことしやかに蛇の衣 雪 退屈をもて余しゐる古団扇 同 洗ひ髪訪ふ人も無く待つ人も 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月21日 さきたま花鳥句会
沢蟹の渡る瀬石に日の名残り 月惑 空蟬や辞書に挟まる紙兜 八草 家眠る厨にひとりバナナ剥く 裕章 山の水集め男滝の帯となる 紀花 どら猫にまさる濁声夏の風邪 孝江 炎天に心字の池面雲動く ふゆ子 打水や土の匂ひの風生まる 康子 行くほどに街路華やぐ百日紅 恵美子 睡蓮の葉を震はせて鯉の道 みのり 八の字を書きて茅の輪を潜りけり 彩香 誘蛾灯今は無人の故郷駅 静子 枇杷熟るる眷属訃報また一人 良江
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令和5年7月22日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
半夏生何処が嫌ひと云はれても 雪 蛇にまで嫌はれさうな蛇苺 同 何処をどう突いてみても蟇 同 お隣りは今はの際と虎が雨 一涓 師の友は文教場址合歓の花 同 守宮まづ招き入れくれ舎入門 同 忘れじの人今も尚蛍の夜 同 入道雲天下制する勢あり みす枝 藍浴衣片方だけにピアスして 昭子 サングラス外して妻は母となる 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年7月23日 月例会 坊城俊樹選 特選句
空蟬や地中の記憶あるらしく 要 靖国の坂みんみんの急くに急く 昌文 炎天に零戦仰角三十度 佑天 鳥居へとまぬがれがたき炎天を はるか その日近付き靖国の灼けてをり 慶月 みんみんの高鳴く魂の声として はるか
岡田順子選 特選句
熱き骨ぽきぽきたたみ日からかさ 眞理子 真白な祢宜の出て来し木下闇 政江 笛の音の遠くに生まれ夏の果 光子 零戦を撮る少年の夏休み 慶月 下乗せし老女紅濃く夏詣 同 英霊に七日の魂の蟬時雨 政江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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【自由研究】ガネーシャとカルティケーヤのかけっこの話【訳】
https://twitter.com/elektrotal/status/1020068658943483904
このツイートで語られていたガネーシャとカルティケーヤ(スカンダ、ムルガン)のかけっこのお話が、とんでもなく可愛かったのです。英語だけどGoogle翻訳通してもとんでもなく可愛いぞ! 挿絵として添付されてる画像も可愛らしい。
投稿者のShivam Bhatt様に許可いただいて、日本語訳というかGoogle先生の訳をちょっと砕いてきました。よかったら見てください。
私は夕べ息子にお話をしました。 それは本当に楽しかったので、みなさんにも共有します。ガネーシャのお話です。
より具体的には、パパであるシヴァ、ママであるパールヴァティー、お兄ちゃんのカルティケーヤ、ちっちゃいガネーシャという家族全員の話です。
ある日、シヴァと彼の家族は、ヒマラヤのカイラス山の頂上で、のんびり過ごしていました。シヴァはリラックスして、すべてのことの始まりと終わりを瞑想していました。
子供達はよその人には何やってるのか何喜んでるのかよくわからないことで、楽しんで笑っていました。兄弟にはよくあることです。
こののどかなシーンに、遠くからちらほらと鐘が鳴り、続いて「ナラヤン ナラヤン」の聖歌が続きました。これはもちろん、不滅の吟遊詩人ナラダ仙の登場でした。
(内緒話:ナラダ仙はヒンドゥー教の民間伝承の象徴的な語り手であり、神々のためのジャーナリスト、詩人、ミュージシャン、そして演説と文芸の達人だ)
ナラダはカイラス山に来て、シヴァとパールヴァティーに敬意を払い、世界のニュースや心配事を伝えました。しかし彼は、若い兄弟の神がどう成長しているのか見たかったのです。
シヴァとパールヴァティーは何か起きると感じていました。なぜならナラダが来るといつも何か起こっていたから。しかし彼は客だったし、夫妻は必ずしも「何が起きていたのか」知らなかったので、庵にナラダを招待しました。
皆が庵の居間で快適に過ごしているときに、パールヴァティーは客に水を持ってくるよう子供達に頼みました。 ガネーシャとカルティケーヤはスクランブル発進し、特別なときのための冷たい銅のコップを持ってくるため台所に駆け込みました。
大人達の話が弾んでいた頃、突然ナラダは立ち上がり鞄に手を伸ばしました。 「私の主よ、私がここに来た理由をすっかり忘れていました。私はあなたと同じくらいすばらしい捧げ物を探し、これに出会ったのです」
吟遊詩人は鞄から熟した金色のマンゴーを引き出しました。 「主よ、これは特別なマンゴーです。それは乳海の水から育ち、不死の蜜アムリタよりも甘いのです。それを食べる物は無限の知恵と知恵の贈り物を与えられます」
シヴァはナラダからマンゴーを受け取り、小さく切るためにベルトに下げていたナイフを取り出しました。が、ナラダはため息をもらして遮りました。 「いいえ、私の主よ、これを切ったら祝福は失われます。一人だけが食べることができます」
シヴァは立ち止まって賢者を見て、考え込みました。肩をすくめて、きびすを返して、そのマンゴーをパールヴァティーに渡しました。 「最愛のあなたよ、この果物を楽しんでください」 パールヴァティーは眉をひそめて躊躇し、最終的に首を横に振りました。
「愛するあなた、私は私の夫や家族と分かち合えない物を食べる気はありません。私はこの贈り物を拒否しなければならないと思います」 ナラダはがっかりしました。そして、マンゴーを取り戻そうと手を出した瞬間、居間を駆け抜けて全速力で竜巻のように子供達が転がり込んできました。
「おーみーずーもってきーたーよー、ママーー!!」 カルティケーヤが叫び、ガネーシャが走ってきます。子供達の危なっかしい持ち方で、お盆の上でコップはがっちゃがちゃゆれてます。
その瞬間、パールヴァティーはナラダの手にマンゴーを返していました。 「すみません、受け取れません」 「何でだめなのママ?それ何?うちにもらったんじゃないの?それほしい」 子供達が問い詰めてる間に、水はあちこちにこぼれました。
パールヴァティーは、笑いをこらえて真顔を保つために努力してる人を、ちぇっ、といらだたせました。 ナラダは子供達に微笑んで、素晴らしく輝くマンゴーを掲げました。 「これのこと?」
ガネーシャはマンゴーを見つめて目を真ん丸くしました。おやつの時間がもうすぐだったのです。そしてマンゴーは山の上の何よりもよく見えました。 カルティケーヤははらぺこで、その上マンゴーが超大好きでした。彼はマンゴーに手を手を伸ばそうと、無意識のうちに近寄ります。
パールヴァティーは首を振りました。 「いいえ、子供達。賢者はマンゴーは一人だけのためのものと言っているので、私達はこの贈り物を返しているところです」 ナラダは手を上げました。 「おおお、あなたから返されるのは私には不幸なことです。子供達のうち一人に渡してください」
二人の子供達は、自分が絶対このマンゴーが欲しいと騒ぎ出したので本当にその場は不幸になりました。
シヴァは激怒してソファから立ち上がりました。 「あんたがしたことをよく見ろ、間抜け!」 喧嘩に巻き込まれないように数歩動いたナラダは、力なく肩をすくめました。 「彼らが喧嘩するなんて、私が事前にわかるわけがありません」
シヴァは歯軋りしました。 「一個だけで分けられないマンゴーを二人の子供達に与えたら喧嘩するって、わからなかった、だと?」
パールヴァティーは夫の前に歩み寄りました。彼女には、厄介でいたずら者の詩人が抹殺されて灰になって永遠に宙を漂う未来がちらちら見えていたのです。
彼女は子供達の耳をつかんで引き離しました。 「坊や達やめなさい!お客さんがいるのに獣みたいに暴れて。私が頼んだお水も持ってこれないっていうのに」
子供達はおとなしくなりましたが、ぶーぶー文句を垂れています。 パールヴァティーは、ナイフのような視線でナラダを見つめました。 「さあ賢い人、なんて提案してくれます?」 ナラダはちょっと考えて、手をたたきました。 「競争はどうでしょう」
彼は子供達の前にひざまずきました。 「世界を三回、早く回ってきた方が、マンゴーを手に入れます。いいかな?」 ガネーシャとカルティケーヤはお互いを見て、にやーっと笑いました。彼らはお互い背を向け、体をゆすりました。二人とも競争が大好きだったのです。
子供達はシヴァとパールヴァティーを振り返り、シヴァはうなずきました。その動作が終わる前にカルティケーヤは彼の孔雀に飛び乗って、吹っ飛んでいきました。二人のうち、彼は間違いなく活動的なほうでした。
一方、ガネーシャには大問題がありました。私達の大好きな象は、どん臭くて、素早さより賢さがずっと上。その上、神軍で飛ぶように出世していた兄弟と違って、ガネーシャは本当に飛ぶことが出来ませんでした。
親愛なる障害の除去者、問題の解決者、最高の神であるおでぶちゃんの象さんの乗るネズミは、カルティケーヤの孔雀ほど早くありません。
その間にカルティケーヤは、みんなの頭のはるか上で、最初の一周を夢中で終わらせました。
ガネーシャは座って考えました。どんな競争だっけ?世界を三回回る?さて世界って何だっけ。「ぼくの人生で最も重要なことは、ぼくの両親、パパとママが世界のすべてってこと」
彼は指ぱっちんします。 「パパとママがぼくの世界のすべてなら、何でぼくは彼らの周りを回らないんだろう」
ゆっくりと、ガネーシャは彼のネズミに歩み寄り、慎重にまたがり、シヴァとパールヴァティーが座っているクッションに鼻先を向けました。
ナラダは笑います。 「坊や、何をしているんだい?」 ガネーシャは彼を無視し、両親の周りを三回回りました。
その頃カルティケーヤは、大喜びの鳥の群れと二回目にブーンと飛んできました。
ガネーシャがマウスをとめたところで、シヴァとパールヴァティーが彼に目を向けました。 「可愛い坊や」 パールヴァティーはたずねます。 「何をしたの?」 「ママ、ママとパパはぼくの世界の全部です。パパとママを三回回ったからぼくは世界を三回回ったんだ、だから、競争はぼくの勝ちだよ」
大人達は喜んで笑いました。偉大なる物語の王である神々は、よい子に恵まれました。シヴァは小さな少年に笑いかけました。 「さて私の息子は兄弟との競争に勝つ方法を見つけたようだね」
シヴァがマンゴーをガネーシャに渡すのとほぼ同時に、部屋の隅のクッションに汗だくだくのカルティケーヤと孔雀がつっこみました。 「パパ、ママ、やったよ、誰よりも早く三回回ってきたよ!」
すぐ、カルティケーヤの勝利の声は、ガネーシャがマンゴーをもらったのを見て、嘆きに変わりました。
「ずるいよ、一度もできてないじゃないか」 すると、パールヴァティーは泣いている子供を抱きしめました。 「可愛い坊や、ガネーシャはこの試練を克服するために、もう一つの方法を見つけたのですよ」
「あなたは弟が最速でも最強でもないことを知っているでしょう?でも、ガネーシャは完全に負け試合だった競争に勝てたんですよ。弟を誇りに思いなさい。何も悲しいことではありませんよ」
これは、この部屋で最速で最強のカルティケーヤには寒々しい慰めでした。 彼は、槍を引っつかみ、どん、と、床を踏み鳴らします。 「まあ待て、カルティケーヤ」シヴァは彼に声をかけました。
彼は坊やを膝に抱き取りました。 「何をそんなに怒ってる」 「パパ、ぼくは一番早く世界を三回も回ってきたのに、何でマンゴーをもらえないの」 「カルティケーヤは、世界最強で最速で一番元気だ、それがお前の一番すごいところだ」
シヴァはカルティケーヤの目を覗き込みました。 「普通の競争では、お前は簡単に勝ってた、お前も私も、ガネーシャは百万年たっても、もしかしたら百万時代たってもお前についていけるなんて考えもしなかった」
「彼は自分の得意なことで、乗り越える方法を見つけたんだ。お前が勝ったときはお前を祝うだろう?おんなじように、ガネーシャのことも祝ってあげようね」
カルティケーヤは目をそらしました。 「はい、パパ。ぼくは、ガネーシャがぼくを抜いたと思います」 シヴァは彼を抱きしめて、そーっと槍を取り上げて脇に置きました。 「ありがとう、カル。じゃ、おめでとうって言っておいで」
カルティケーヤはガネーシャのところに行き、ぼそっと言いました。 「よくやったね、ガネーシャ。やっとぼくを倒す方法を見つけたみたいで」 ガネーシャは、後ろで手を組んで、汚れた床を蹴飛ばしました。 「おめでとう、か、なんなのか」 ガネーシャの笑顔はスーッと消えました。
「ごめんね、カルティケーヤ。ぼくは絶対勝てないから、一回だけ勝つ方法を見つけてすごく嬉しかった。お兄ちゃんはぼくよりずっとすごい」
ガネーシャは兄弟に抱きつきました。 「マンゴーはお兄ちゃんのものだ」
カルティケーヤはガネーシャを見つめました。彼は微笑んでいました。 「ううん、ガネーシャ、君はきちんと公平にぼくに勝ったよ。勝つ方法を考えてその通りにして勝ったから、マンゴーを全部かじれる」
「次は、抜け道がないか『先に』探しとくから」 みんなが笑いました。ぴりぴりした緊張は部屋から逃げていきました。 ナラダは彼らをハグしてハイタッチして、それから歌いながら踊りだしました。
彼が庵を出かけたところで、がっと肩をつかまれ引き戻されました。 「ちょっと待とうか相棒。結局何しに来たのかな?」 もぞもぞしているナラダを、シヴァはやさしーく捕まえます。 「私の主よ、私はただ、誰が最も賢いのかを知りたかったのです」
「ですが私達は、賢さ以上にあなたの二人の息子が、思いやりがあってお互いとても愛し合ってることを発見できました。なんと嬉しいことか。 シヴァは笑ってナラダをはなしてやりました。 「なあ賢者よ。次に、お前が私の家族を混乱させようと決める前に、私に相談しよう。な?」
そして、ガネーシャは知恵と機知の魂を持つものとして、カルティケーヤは全ての戦の神として、今日まで伝えられているのです。
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下訳:Google翻訳 清書:LR
ほとんどそのまま訳しました。お水ばっちゃばっちゃこぼして走りこんでくるのもクッション吹っ飛ばして着地するのもパールヴァティーが「あ、これはほうっておいたらナラダさん燃やされるわ」と止めに入るところも。 台詞のところをちょっといじってます。あと明らかな間違いはGoogle先生のせい。
この話、何パターンかあります。 取り合うのがマンゴー(その他分割できない果物。知恵の実)。シッディとブッディというお嫁さん達。ACKの漫画では、一番先に礼拝される順番でした。 ガネーシャが勝つのは変わらないけれど、結末はマンゴー食べて終わり、カルティケーヤが怒って南のパラニに家出してしまう(そして両親が、あなたが世界の宝物の宝石ですよ、と慰めに行く)
今回のお話は、息子さんになさったお話ということで面白おかしく書かれてるのはもちろんなのですが、最後仲直りしてみんなで笑っておしまいなんですよね。そこが大好きで、忘れたくなくて、今回紹介させていただきました。
Mr. Shivam Bhatt,Thank you for permitting it.Arigatou gozaimasita
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. (^o^)/おはよー(^▽^)ゴザイマース(^_-)-☆. . . 3月3日(水) #友引(乙卯) 旧暦 2/1 月齢 29.9 新月 年始から62日目(閏年では63日目)にあたり、年末まであと303日です。 . . 朝は希望に起き⤴️昼は努力に生き💪 夜を感謝に眠ろう😪💤夜が来ない 朝はありませんし、朝が来ない夜 はない💦睡眠は明日を迎える為の ☀️未来へのスタートです🏃♂💦 でお馴染みのRascalでございます😅. . 3ヶ月目の3月3日デス😅💦いやこれ 毎年そうですよね🤣年のクォーター遠消化 しようって時期ですが、今年は本当に ついてない⤵️少し愚痴って良いです❓ つくば寒いもんですから防寒着を揃え たのですが全部壊れれました⤵️それも 全てファスナーなんですよ別にサイズがキツキツ とかじゃないんですよ🤚それも有名な ブランドのPUMA にデサントのPUMAは 色違いのを2枚買って全部パー⤵️1枚 は一月ぐらい、もう一枚は3日でオシャカ⤵️ デサントのはロングコートで良かったのですが お直しに出したら1万2千円に修理代 かかるし、これは作りが悪いので当店 では直せないので買った所に相談して 下さいの事でした⤵️何なんだー後は Instagramで買ったノーブランドのやつ これは着て直ぐにポッケが穴が空いて ファスナーもぶっ壊れたよ本当に今年は❌ 多分ですが、私にはつくばは鬼門かw . 今日一日どなた様も💁♂お体ご自愛 なさって❤️ お過ごし下さいませ🙋♂ モウ!頑張るしか✋はない! ガンバリマショウ\(^O^)/ ワーイ! ✨本日もご安全に参りましょう✌️ . . ■今日は何の日■. #博多駅駅舎完成(明治42年駅舎). 1909(明治42)年3月3日(水)博多駅の新駅舎が完成しました。 博多駅とは、九州鉄道(初代)の駅として1889(明治22)年開業しました。 初代駅は現在の地点より北西に約650m離れた出来町公園付近にあったようです。 1906(明治39)年8月に新駅舎の着工し、31か月で新駅舎を完成しました。 . #友引(トモビキ). 六曜の名称の1つで、相打ち勝負なしの日のこと。 つまり良いことはないが悪いこともない日のことである。 ちなみに六曜は仏教とは関係なく葬式を避けるという話は迷信である。 「友人を引き込む」とされている日とされている。 友引の日には、結婚式、入籍、七五三、お宮参り、引越し、建築、契約、納車、宝くじ購入、は問題ない日です。 験担ぎで拘るなら、凶となる11時~13時の間を避けると良いでしょう。 六曜は、先勝(センショウ)、友引、先負(センプ)、仏滅(ブツメツ)、大安(タイアン)、赤口(シャッコウ)の6つである。 . #ひなまつり. . #きもので祝う女性の日. . #スバル360新発売. . #クレーンゲームの日. . #ポリンキーの日. . #耳の日. . #耳かきの日. . #民放ラジオの日. . #平和の日. . #三輪車の日. . #ささみの日. . #春のちらし寿司の日. . #桃の日. . #みよた壱満開の日. . #金魚の日. . #結納の日. . #サルサの日. . #ジグソーパズルの日. . #三十三観音の日. . #女のゼネストの日. . #三の日. . #3×3の日. . ●オーディオブックの日. . ●美熊くん誕生日. . ●mimi no hi(#ミミの日). . ●みよた壱満開の日. . ●みたらしだんごの日(毎月3日、4日、5日). . ●ピースリーの日(毎月3日). . ●くるみパンの日(毎月3日). . ●生命保険見直し月間(1日~31日). . ●サムギョプサルの日(韓国). . ●ブルガリア解放記念日. . ●聖��ニグンデの日. . ●聖キャサリン・ドレクセルの日. . . ■今日のつぶやき■. #雀百まで踊り忘れず(スズメヒャクマデオドリワスレズ). 【意味】 幼い時に身につけた習慣や若い時に覚えた道楽は、幾つになっても直らないと云う例え。 「踊り」とは雀のとびはねる動作を指している。 『上方(京都)いろはかるた』の一つ。 . . 1967(昭和42)年3月3日(金) #内藤典彦 (#ないとうのりひこ) 【俳優】 〔東京都調布市〕 . . (八潮駅) https://www.instagram.com/p/CangiJxBZTLuTVmt0iInz8ygqwtEefcylbzMLw0/?utm_medium=tumblr
#友引#博多駅駅舎完成#ひなまつり#きもので祝う女性の日#スバル360新発売#クレーンゲームの日#ポリンキーの日#耳の日#耳かきの日#民放ラジオの日#平和の日#三輪車の日#ささみの日#春のちらし寿司の日#桃の日#みよた壱満開の日#金魚の日#結納の日#サルサの日#ジグソーパズルの日#三十三観音の日#女のゼネストの日#三の日#3#ミミの日#雀百まで踊り忘れず#内藤典彦#ないとうのりひこ
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クリクリお目めとツンツン頭の物語 2話 その日、私はいつも その時間にしている国家資格の勉強をする気持ちが沸かずに居た。 試験日は目前に迫っていて、気持ちの問題などと悠長な事は言ってられず、机に向かわねばならないというのに。 便利な時代になったもので、スマートフォンから過去問題集をゲーム感覚で出来るというのに、私は、ノートに繰返し書くという実にアナログな手法を用いていた。 結局の所、どうにも気が乗らず、試験勉強を始めるまでの日課であったジョギングに出掛ける事にした。 天気も良いし、特に深い意味も、何かがある訳でもないが、久しぶりに走りたいという衝動を抑えられなかった。 いつもの5kmコースを走りきれるかな?という不安もありながら走り始める。 ほどなく、なんの変哲もない交差点に差し掛かった。 車もさほど走って居ない時間。 向かいの道をこちらに向かって、一匹の犬が歩いて来た。 見れば一見してノラであるという事が、その容姿から伺える。 簡単に言ってしまえば『みすぼらしい犬』その言葉に尽きる。 何の楽しみも、希望もないような影のある目。 お尻の辺りに貯えた綿毛のような抜け毛のダマが、より一層、その犬をそう感じさせていた。 普通に考えれば、薄汚くて、もしかしたら変な病気でも持ってそうな雰囲気であったのだが、どうにも私は、その『みすぼらしい犬』が気になり、足を止めた。 半年前に忽然と姿を消したノラ犬ワン。 その事が脳裏にあったからだと思う。 元々、犬は好きで、子供時分から数えて5頭飼って来た。 ただ最期の別れが辛くて、犬を飼う気持ちにはなれずにいる。 とは言え、雀百まで踊り忘れず…な如く、好きなものは変わらずに好きであるからして、気まぐれに呼んでみる事にした。 名前も知らないし、まあ 口笛でも吹いてみるか。 こういう犬の場合、人に優しくされてるばかりではなく、警戒心もあるから目線をなるべく合わせてあげる。 交差点の向かい側から、こちらをジロリと見ている。 愛想が良いとは言えないな。 ほら おいで! どうしたもんか? コイツは安全か? そんな風にでも思っているのだろう。 観察するかのように見ている。 でも感心は抱いてくれているようだ。 恐る恐る近寄ってきた。 正直な話し、こういったノラとの接触は、こちらも恐る恐るである。 そう経験は無いが、噛まれるかも?という心配はある。 でも今までの経験でノラには噛まれた事はなく、噛むのは飼い犬。 それも放し飼いにされているような、自分を勘違いしてる犬。 向こうも相当に警戒をしているのは、股に挟んだ尻尾を見ても伺える。 ゆっくりと上目遣いで様子を伺いながら頭を差し出した掌の下へと潜らせる。 どれどれと体を動かすとビクッ!として後退りする。 きっと今まで、怖い思いをしてきたんだろう事が想像できた。 それでも、もう一度、頭を差し出してきた。 うん カワイイ。 頭を撫で始める。 お互いホッとする瞬間である。 目がなんとも言えず味わい深い犬だった。 瞳の奥に吸い込まれそうな茶色い瞳には、深い哀しみが覗いているように思えた。 頭を撫でながらも、ノミが移らないかな? 家で待つ愛猫である『ちゃー子』はノミ・アレルギーだから、気にはなるのだが、それ以上に犬との触れ合いは楽しい。 向こうも、どうやら満更でも無い様子で、私を気に入ってくれたらしい。 股に挟んだ尻尾を持ち上げ左右に振る。 しゃがんだ私の顔目掛けて立ち上がり、もたれ掛かってくる。 立ち上がったお腹を擦ってやると、コロンと腹を上に見せてくる。 こうなると可愛さが更に増すのが犬好きの性であろう。 ワシャワシャして気持ち良さそうな顔を見ていると最初の『みすぼらしい犬』という印象から『愛嬌のある犬』へと印象が変わるのだから、人間とは自分勝手なもんである。 おっと、こうしてばかりは居られない。 ジョギングの途中だったのだから。 もっと遊んであげたい所ではあるのだが… たまの気分転換。 それと体力の確認も含んでいるジョギングなのだし、そろそろ行かないとな。 『お腹減ってるでしょ。 ごめんね、今は何も持ってないから、今度、家に遊びにおいで! お腹一杯、ご飯を食べさせてあげるから。 またね。』 そう言葉を残して、再び走り出した。 そんな言葉を掛けてはみたけれど、よくよく考えれば、家など判る筈もない。 そもそも言葉だって理解出来てるか怪しいもんだ。 また偶然、出逢う事もあるだろう。 その時は何か食べさせてやるか。 その時は、極々、日常的な数日経てば、忘れてしまうような、ありふれた朝の出来事だった。
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2021年5月の夢
- 2021年5月31日 月曜日 6:03 夢 同級生たちに会う。 無重力状態にしてカフェオレを噴出させる、表面の固まったダンゴみたいになる。広い空間でみんなで拾い集める。
ポケモンの主人公が4パターンくらいから選べるシステムになっている。 全員妙にクセがあり、兄弟だったり男女の組み合わせとは言いがたかったりする。設定はすごくいい感じでじっくり読むがキャラデザにはそんなに魅力がない。二人とも眠そうな半目だったり。 ゴローンを水の中で動かしてパズルを解く。でっかいバンギラスの姿が見える。襲われそうで尻込みするがそういう設定にはなっていないらしい。猿を操る。
- 2021年5月30日 日曜日 7:08 夢 いろんな果物を食べる。 パンチという手のひらサイズの果物を買って食べる。味は薄甘い感じ。タネがでかい。 つぶしてパンに張り付けて食べる果物とか。色々。代金は無人販売所方式。
不気味な大きい幼虫がガラスケースに入れて飾られている。 20歳ごろ一緒に働いていたKさんがいる。GoogleストリートビューをかなりFPS視点で見ている。カチカチするのではなく経路入力で自動的に進んでいくよみたいなことを言われている。 「このへんって〇〇じゃん」と友達に言う感じで言ったらKさんに拾われて焦る。 どの部分の地図見ていたのかわからないけど地図上では離島なのに実際は地続きの場所だった。一応日本。ものすごく治安が悪い。
- 2021年5月29日 土曜日 2:03 夢 洗い物。風がない。 ワインをボトルごと冷やしたろうそくであぶる。
南がいる。 プレゼントを渡す。ドラえもん模様のショルダーバック。 車に乗せてもらい、どこかへ向かう。商業施設。 ポケモン柄の家電屋があり、野次る。 車を停められないらしい。代わろうかと言う。
- 2021年5月28日 金曜日 5:48 夢 ネイビーブックスって本屋。 青いブリッジを渡っていたら深夜12時(周りは明るいのだが)の区切りでブリッジが下され、知らない女性二人くらいと水没する。 震えながら通報し、しぶられているところを来てもらう。 街中に目のマークを探す。 3箇所くらい見つける。 お祭りのように賑やか。 しし座用の電子おもちゃみたいなものをもらつた旨を見せられる。配っていたらしい。 薄暗い室内。 廣瀬康穂。 同級生の子供。ホテルの共用部分。
- 2021年5月27日 木曜日 4:35 夢 オニヤンマがいて怖い。 自転車で帰る。 子供がたくさんいる施設。 前カゴにドラえもんの仲間たちが入っている。 スナックとかの求人。 自分で掛けないといけない。 内装が古いスナック、自然光で明るい、天井板なしの倉庫みたいなところ、ザ・ベストテンみたいなタイポの文字で「ニコニコ聞いてくれる人ありがとう」みたいなことが書いてある。 サンドイッチを提供していた店。 休んでいるあいだに他店にお客さんを取られてしまう。 食パン用にパンを切る。立てて薄く。
夢2 モンゴルナイフさん、謝り方が変でうまい先輩。 百貨店で売ってる化粧品みたいなお菓子。
- 2021年5月25日 火曜日 2:35 夢 イタリアンの店の看板。パスタ500円、外国のビール。 歩きながらキャスみたいなのをしている若い女性。楽しいものの話をしている。 オモコロチャンネルの撮影風景。口の中に蜂を入れている。いつかやろう、いつかって今、みたいなことをしきりに言っている。全体的に言い知れぬ不安感がある。
夢2 宅配の韓国料理。爪楊枝やストローが大量に付属しており、捨てるには罪悪感がある。 ごちゃごちゃしたファイル類を整理している。母の私物か。 ギターコードかクラリネットか、何らかの楽譜をまとめたもの。
夢3 地下深くを進む装甲車のようなもの。 乗り合い。背後からマグマ。 蜘蛛に血を吸われるタコのぬいぐるみ。死ぬかも。 二割吸われているがゴールをくぐれば大丈夫。 上空からトラップにかからないようにいい角度を探す。
- 2021年5月24日 月曜日 6:12 夢 ふたつ見たけどひとつ忘れた。 風呂にいる。やや広く、温泉じゃない大浴場くらいの広さ。恋人といるのだが造形は事実よりも愚鈍な感じ。 パインセンスみたいな湯の色。 妹が入ってくる。 二人だけの間は私が食器洗いとかしていたからやってくれないかな? という旨のことを言う。 遠くで両親が帰ってきた音がする。
- 2021年5月23日 日曜日 7:01 夢 昔働いていた雀荘に顔を出す。 レイアウトは全く知らない感じ。薄暗くて広くて入り組んでいる。 ロッカーがあるが、開けるための取っ手が削れていて開けにくいところが多い。 従業員の女の子が「特に人気のロッカーはここ」「ベテランは自分の取手を持ち帰ったりしてる」と教えてくれ、その情報の局地的さに嬉しくなる。 バックヤードで話していると肩を叩かれる。振り向くと誰もいない。そういうほっぺつんつんみたいなノリの叩き方がある。大昔の恋人だった。
椎名林檎みたいな雰囲気の若い女性と、その彼氏と、私で和菓子屋の列に並んでいる。 喋り方が独特。喉が細そうな声。 少し後ろに並んでいた女性らが、その話し方を悪意を持って真似しているのを不愉快に感じる。 買ったものを三人で食べる。 緑色のぶどうと、あんこを丸く練り上げて固めたものがシロップに浮いてるものだった。 タコのぶつ切りも混ざっている。 朱塗のスプーンで一口もらう直前、感染予防のことが頭をよぎる。でも食べる。おいし〜。
- 2021年5月22日 土曜日 6:09 夢 ロールパンを食べている。3つ。 今の家ではない自室。冷蔵庫があることに違和感がある。 母方のいとこの兄が亡くなってしまう。 壁に方眼入りのケント紙が貼ってあり、一コマずつ書いていく。 その人のことがすごく好きだった。その人の世界にもう会えないことが悲しくてすすり泣く。起きる。
- 2021年5月21日 金曜日 6:04 夢 韓国の地下食料品街。 買い食いしている人がたくさんいる。 直線で抜ける。 病室のようなベッド。壁にひし形のバブル期のビルによくあるみたいな装飾がついている。 フィリピンだかタイだかの市場のような細い通路を歩く。 赤ん坊をやっと寝かしつけ終えた日本人の若い女性がいる。
- 2021年5月20日 木曜日 4:14 夢 電池式ランタン。 ルパン三世と同じカラーリングの服。 空襲。何人もで布団を並べて寝ており、寝具がぱちぱち燃えている。地面を転がって消すように言う。
副将グループ政治家。 緑の髪の人がキャスター付き板に麻雀牌を散らばらせてガーッとやってくる。
- 2021年5月19日 水曜日 4:25 夢 エレベーターにお金が落ちている。10、40、2など額の少ない紙幣。機械部分に挟まっているのを引っ張り出しつつ上階へ向かう。 おじいちゃんがいる。紙幣をたくさんまとめたのをくれる。かなり古ぼけているし五円紙幣とかで大した金額ではないのだが。すごく悲しい。
近くの一階のドラッグストアへ行く。鼻の奥に突っ込んで粘液を掻き出すための棒が、硬いもの柔らかいもの各種売られている。「Iさん、〇〇して」「Iさんは今日からいないよ」という店員のやりとりが聞こえてくる。
部屋にいる。 時間がくると毒ガスが噴出���てくるらしい。 人が二人いて、顔はわからないが、なんとなくぬーべーを見ているときみたいな雰囲気と、元バイト先の料理長みたいな雰囲気が混ざっている。 ガスが出ることはわかっていて、なるべく水を飲むようにと半分からかうような感じで忠告される。 二人は外出していく。 水を飲んだ直後にガスが出る。布とかビニール袋で顔を覆おうとするがそんなものでは話にならない。部屋の外に出ようとするが何かが引っかかっていてもたついている。喉の奥がビリビリする。死ぬかも。息の限界がきて目が覚める。
- 2021年5月18日 火曜日 5:53 夢 濡れたぬいぐるみ 顆粒状の粉末をプールに溶かして泳ぐ。マスクしたまま泳ぐ意味あるのか? 妹がステッカーを作る仕事をしている 新進気鋭の漫画家、埼玉県在住、アシスタント募集
- 2021年5月17日 月曜日 6:11 夢 小さい方のいとこがいる。 向こうは元気、私も元気。 コミュニケーションをとろうとし、とる感じがあるが、噛み合わなさ、なめられてる感がある。 火の見櫓みたいなものにのぼり、蛇に噛まれる。 蛇をモチーフにしたアトラクションみたいなもの。 筒状の装置の中で蛇のおもちゃが跳ねる。 妹とみーちゃんが別で遊びに来ており、写真を撮る。 いつのまにか恋人がおり、家族に紹介する。 村上虹郎のことを褒める。
- 2021年5月16日 日曜日 5:15 夢 家族バーベキューで踊る 栗田優子にきゅうりをくわえたまま挨拶する。男になっている。 うどんに漬け物を合わせるといいらしい。
教室の前。 上級生の授業。 ハンコが欠けている
- 2021年5月15日 土曜日 5:49 夢 銭湯へ行く。 人の背中について歩いていく。 駅降りてすぐ、阪急系列の駅だ。 習い事をしており、その先生が訪ねてくる。 ぽっちゃりした感じの優しそうな先生。 部屋のゴミが散らかっていることを気にしている。20分遅れると待たずに帰る先生だ。
- 2021年5月14日 金曜日 6:34 夢 部活の大会会場みたいなところ。 知らない他校の生徒がいっぱいいる。 ピンポン球を素手で打ち返したりする。 誰かの忘れ物のネームプレート、持ち主を探す。 冊子が配られる。この人に渡しておけば安心という人を見つけるが、近くにいた中年男性に預かられる。 妹ではないが、妹にすごくよく似た雰囲気と語り口の女の子がいる。 配られた楽譜に歌詞が書いてあり、「ちょ待てよ」の合いの手を入れる部分には赤で印がつけてある。 すごく良い感じの露天風呂を上から見下ろす目線。
- 2021年5月13日 木曜日 3:39 夢 カネコアヤノの歌を歌う。 声がよく出て気持ちいい。 右側を通っていく女性と目が合う。 外国語の数の数え方。 ウーノ、ドゥーエ、3、4、5、6、7が言えていない人。
ジブリ映画の最後みたいな夢。 山も海も太陽もダメになっている。 丸い布を二つ貼り合わせたものを接着してフィルターを作っている。 妹(幼い感じ)に一つ渡し、もうワンセットを作る。 避難所への待機場みたいなところ、雰囲気は高速バスの待合室に似ている、すごく混んでいる、向かい合わせの駅のベンチみたいなものがあるがなかなか座れない、いとこ夫妻に似た雰囲気の人が座っている。 諦めて立ったままハサミを動かす。 土石流みたいなマグマみたいなものが右手から壁を突き破ってくる。 おそらく流されてバラバラになるので左手の妹に近寄って手を握る、小さな妹は胴に手を回してくる、右手に母もおり合流しようとする、既に少し火がついている、何かもたもたしている、私の渡したフィルターを気にしているようだ、そんなもの捨てていいのに、強引に連れ、流れの中で3人はぐれないようにする。 流れつき、話す。目が見えなくなっている、それがきらきらしていると指摘される。
夢2 腰の施術を受けている、が人のお尻の横に顔があるのが嫌。
- 2021年5月12日 水曜日 6:37 夢 hhとuaがいる。 みみという年下の女の子に中国語のレポートを書いたからどうか聞かれる。
- 2021年5月11日 火曜日 3:46 夢 食品ストックを整理している。 バス車内。 アジアっぽい藪みたいなところ。 ため池がある。 おばあさんがおり、勝手にご飯を食べて良いことになっている。 壺絵に古代ギリシャの人のエピソードが書いてあり、見ていると、南が現れて「(私)いるじゃん」と絡んでくる。 30mくらいありそうな細長いナマズが泳いでいる。見ているとゾクゾクするようなでかさ。 南が操作盤をいじり、足場の高さをどんどん上げていく。天井の骨組みにぶつかりそうになるくらい。 足場が限界を迎えて止まり、固定されずにガクッと落ち、水の中に落下する。 なぜ南がそんなことをしたのか理解できず、また泳げないので怒りが湧く。 意外と浮くことができ、淵に這い上がるが、「あなたをあなたたらしめているそういうところが好きじゃない」という趣旨のことを伝える。 が、雰囲気はサラッとしており、「でも許すよ!」とも言う。 空腹になり、二人でドリンクバーのようなところへ行く。 施設内には子供が多く、流しそうめんをしている様子が見える。 ドリンクバーは自分で勝手に注ぐ式ではなく、カードを取って並びカウンターに出す方式だった。南はコンソメを取り、私も似たようなスープを取った。 列ができており、前の方のよくいるヤンキー家族の父的な男性が紙カップを大量に摘んでいるのが見える。 スープを受け取る。南は他の食品ももらえると思っていたと言う。
これから恋人の母親に会うらしい。 恋人にワンピースを着ていくつもりだがどうかと試着して見せると、「顔がブスすぎて可愛い」と言われ、笑いながらビン��する。
- 2021年5月10日 月曜日 6:45 夢 前にここでこうしていたら尾形に頭を撃たれたので今でもここに立つと緊張する。 知ってる人がアカウントを消している 短いコントをたくさんつなげた本
- 2021年5月8日 土曜日 6:01 夢 風呂をすすめる。 実家の風呂場に3人入ってる。 やばい入浴剤。
お弁当。 恋人。 今の家。風呂場に水が出しっぱなしになっており、誰かがシャボン玉で遊んだ形跡がある。怖い。
- 2021年5月7日 金曜日 5:00 夢 バーグの倉庫を掃除している。 CDの膨大なコレクションがある。古いゲームっぽいストーリーCD。借りられるのかな。 二室あり、服と雑貨を分けるべきか聞くが、うるさそうにされる。 ピアノ、衣類などを避け、掃除すると社長室のような雰囲気になる。 ラジコンで動く首だけのアンデッドを作り、使おうとするが、なくなる。 Aが隠しとけ!と移動してくれる。 食べている途中からおいしくなる料理を作る。 パクチーと卵白とレモンを入れたドレッシング、後でレモンを足すと色が変わるものをにんじんにかける。
- 2021年5月6日 木曜日 3:45 夢 卸売の倉庫みたいなとこ。 しょうゆさしの小さいミニチュア。誰かのノートをまとめてしばったもの。 手術を受ける。変な手術で、ドナルド・トランプの仮装をさせた上で月まで打ち上がるタワテラみたいな装置にくくりつけるというもの。とにかく寒く、ボロボロになる。 温かい雪が降っている。自転車の上に。 賃貸屋で働いていることを考えている。引き継ぎをする、空気階段のことを考える。 教室内。衛生用品のにおいを嗅ぎたいがために王様ゲームみたいな遊びを持ちかけてきた男子生徒がおり、狙いが透けてるんだよと袋叩きにするくだりがある。
夢2 走って二つの陣営に分かれ、野球のまねごとをする。 腰にメントスをくっつけており、申し訳なさを感じている。 女の子の髪留めを調節してあげる。
- 2021年5月5日 水曜日 7:33 夢 朝マックを頼むのだが、コーヒーと甘いパンしかもらえず、ずっと悲しい顔でハッシュポテトのことを考えている。居抜きの飲食店の物件調査に行く。ピロティから野犬が見える。
- 2021年5月4日 火曜日 7:33 夢 印刷している。 紙がない。 ふわふわした紙を入れる。が、トレイから出てきたのは立体的な菊の花みたいな形にほぐれたものだった。 それを外国人のマダム的な女性に言及される。 Twitterの医療従事者の人に透明の袋に入ったうずら卵水煮をもらう。 それはかもめにあげる用だと理解し、自室?のかもめにあげる。かもめの頭はつるっとしていて、向かって左の目は針でついたような穴、右の目は丸くでっぱっている。 かもめに卵を与えるとごくんごくんと丸呑みしていく。
- 2021年5月3日 月曜日 7:00 夢 幼馴染の母親、 古い納屋を上がっていく 髪留めを渡す 半裸の男の子 夫はひきこもり 食べかけのカツ丼を回し食いしており、手をつける様子を見せなければならない 和菓子作りをする。
- 2021年5月2日 日曜日 7:57 夢2 古い家 ビニールに包んだ漫画本を家の前に捨てに行く 母方のおばあちゃんの気配がある すごくボロボロの室内でお茶を飲もうとしている
おもて石 金田一少年の漫画
- 2021年5月2日 日曜日 2:18 夢 ブックセレクトしてもらっている。5冊くらい、図書館の先生なのか、若い女性だ。 タイミングを合わせてベルトコンベアをうまく飛び移っていく感じで5冊を受け取る。 別に興味のなかった5冊でもそうして手に入れると本当に愛着が湧いている。 自分が所持している本のうち5冊だけを選び、その言葉をバラバラに刻んで食べるとよい、みたいな話を聞く。玉ねぎと刻んだきのこと炒めているイメージ。
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備忘録実況&感想
大正メビウスライン帝都備忘録
上からクリア順。 語彙のない実況メインです。
ーーーーーーーーーー
▼OP 京一郎さんがめっちゃ動いてるうううううう
ーーーーー
▼千家様 軍服京一郎さん……それもマント………ヒェ……
京一郎さんが変わってゆく……
國の消滅は千家様のレゾンデェトルーー存在する意味の消滅
枕としての役目wwwwwwww
S機関って何か聴いたことあるな……
拒んだ異能者を、従順な使役者に、か……。京一郎さんの考え方がほんと、千家様に似てきてる……
▽敵対する誰かのもの
アーーーーッアーーーッやらしい!!!!音!!!!
情愛でも欲望でもないんだよなぁ……な……
定時ですね!!!!
「今夜は存分に眠りたいからな」の千家様の声が……穏やかで……
えっどこにいくの、
葛城さんとやら声が良いですな………
お手を????????????
あーーーーーー…………………
いやね、わたしは好きなんですがね!?!!?いやはや………よき主従か……。そして千家様と京一郎さんが絶対に離れることが出来ないことをより露呈してくれてわたしはうれしいよ……
きた!!!!!CMのスチル!!!!よくみたらお揃いの寝間着………???????
って言うか、傷がさ、チラ見えるんですけど??????
洋燈がさ〜〜〜ゆれてるのよーーーー
千家様の一面は京一郎だけが知る。京一郎の一面は千家様だけが知る。
「どんな夢を見たい」 「夢なら攻めて素直な伊織を」 「馬鹿、これ以上素直な男がいるか」
いっそひとりの人間になってしまうのも良い……って、千家京一郎を思いだしてしまうじゃない………
京一郎さんの声って腰に来るね???
攻め様のおふぇらはさいこうです!!!ありがとう!!!!!
ハァ…………やばかった
からの馬www 馬に乗りたいぞてwwww
あっ「何時か」はやめて泣くから
皇后も相も変わらずで……
「千家」が、かかると安心するようになったのは毒されているのかしら……
過去何回か出席してる夜会はssの………???????あのえろいやつの………??
葛城ぃ…………
アーーーーーッアーーーーーッ夜会服!!!!!!!!
踊るか?と手をとったの???最高ですか千家様やはり貴方はスーパー攻め様
ああ葛城。貴方のような人は嫌いではありませんが、ここは殺されてお終いなさいと言わざるを得ませんね。
私が死んだとして意志はおまえが継ぐ、って……
みせつけよる………っょい
赤い瞳がさぁぁぁ…………
突然の顔のドアップでわたしはわたしは
写真嫌そうに写る千家様おもしろすぎるwwwwwとかわらってたらつらみ…
大丈夫。二人は離れない。
ただの、人なんだよ
エンドロール。 何時かを言う二人を、ようやく、迎えに来てくれたような。そんな。 清らかで、二人を送るような。
エンドロール後。 ラヂオの音声。ーー千家大将。鬼神の如し。 そうして御旗へ続くのね。
▽自分たちを観察している者
皇后ねぇ…………
視線はやはり皇后、と分岐。千家様を半身と呼ぶ京一郎さん。
ああ……愛している、って言っていないのね。それが陳腐だとも思うほどに………。魂ごと…………
他の何処も、もう要らない
→そうですね
影見を閉じる皇后。やっぱり皇后もか……………… 過去スチル流れる鏡!!!
死ぬまで一緒と言うが、確かに京一郎さんが居なければ千家様は生きてやいない、逆もまた然り
傷だらけの身体を晒してあの坂を下る
軍服スチル!!!、!!いやはややはり似合う…………………
何に替えても取り戻したいと想う。その末路が死霊エンドであり、二つが一つになった末路が千家京一郎エンドなのだろうな………
嘘つきなふたり。時に言葉は真実を言わない。廃棄する?墓に埋める??そんなこと、微塵も想っていないくせに。
「私の腕一本でも名残に残しておけばいいものを」だって…………??「愛玩動物のように繋いで、朝な夕なに愛でてやる」………????やめてよ泣くから………バッドエンドなのわかってるでしょ………
そう永くはない……。千家様の口からききたくなかった………
死んでからも忙しい、のだろうね………根の路エンドかな…………
アッ……………葦原の中国には御上が……………空っぽの根の国でずっと二人きり………
異教の鐘はもう聞こえない。 死は、二人を別たない ((エンド2
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▼館林様
いまだけゆるされた安逸………
えっ、ま、!、、、、、開始1分で………
ひぇっっっっ 髪下ろした館林様……………アアアアアア
もうほんと京一郎さんの喘ぎがすごい、ほんとかわいい…………そしてスチル………
館林様の!!!!階級章が!!!!!!!!!!大佐かああああ!! 馨は中尉、京一郎さんは少尉か……
やめて……薫を鬼籍の人にしないで………
ほほほほwww 寝不足ねwwwうんうんwwww
いやーーーーーーーー千家少将の代わりって!!!!!!!!!
この世界では術式作戦は存在しない…
否、死霊兵がまだいるかもしれぬと………
▽森氏をみる
「お前の素顔を、私が独り占め出来るのだからなーー」ってファーーーー!!!
天司さまの微行再び!
勅命きました!!!
やはり陰の血がね………うむ……あやかしのような者であるからね…
嫁探し!!!!おめでたいけどた異能持つでないと陰か陽かなんて分からないよなぁ………もどかしいね
館林様の、大切なひと………天司さま、いるのわかってるのね…….
これは密やかな惚気だよなぁと
(タイトル画面に戻り唐突の館林様に悲鳴を上げるソフィーナ)
馨がおこでwwwwもうほんとwwwwお盛んなことでってwwwwww
夜更かしのあげく目覚ましにもノックにも起きない人は大人じゃないってwwwwじいやwwwww
私のマドレェヌ…………開様………
相関図ねぇ……
→正面から乗り込む
開様をおもうゆえ
時雨ええええええええ!!!!!!アアアアアアアア備忘録の服うううう!!!!!
わたしがファンディスクに望むことはこれなのよね………!!!!彼のルートでも他の彼ピがでてくる!!!!!!!
騒がしい奴って薫!???!??!
薫!!!!!!!ちょっと!!!館林様!!!!!薫だよ!!!
アーーーーーッ!!!京一郎さんの軍帽姿!!!!!!!!
早風めっっっちゃかっこいい!!、
森氏なーーーーやっぱりなーーーーー!!あ、笑い方は好きです
清打の、術か………
ハーーーッ館林隊で共闘!!それも祝詞で!!!最高かよ……
魂送り良き…………
正面からの略奪宣言じゃんwwwwwいやからかってんだろうけどさwww
いやぁ、彼ピによるバトル最高
私を取り合わないで〜〜ってことでしょwww
昼間だよ!!!!お兄さん方!!!昼間だし執務室ですよ!!!!
そうだよwwwwww馨いるじゃんwwwwwやめたげなよ!!!
何時かお前と再び逢えたとき…………か………双子ううう
エンド!
冒頭他は甘さ控えめかな?本編同様……!!! いやしかし安心してみていられる………
▽天司さまをみる
こうみると森氏の発言も白々しいよのう…
やっぱり天司さま知ってるかも、なのね。
御上の言霊は強く宿る故に、口にできない……やはり天司さまは聡明よね……
生きて欲しい。館林様……….やさしくなったよね。
お前がいるからってこれほんと、告白
馨もたいへんだよね………ふふ
館林様に覚えられていない平岡笑うwwwwww
京一郎さんはあがり症、と
館林様のようになりたい。だからむやみに攻撃的ではいけない
アニメーションな館林様!!!!! ひらひらーーーー!!!美しか!!!!!
外つ国の呪!?!梵語の………
アーーーーーッ!!!毘沙門天の!!!!!
やばやばかっこよかーーー!
惚気ーーー惚気ーーー
館林様が、結婚するなら……とか考えないの!!!!
アッッッッすっかり忘れてた!!!!このスチル!!!!壁ドン!!!!
ハーーーッ見つめ合ってるーーーーーハーーーッ
器用な男じゃないよねぇぇぇ京一郎さん以外抱けないよねえええええ
あまりお前が愛おしすぎて、って、もう……もう……
愛している……この言葉どの彼ピより館林様が、似合うほんと
うっすらと微笑む館林様!!!!!最高!!!!!
アーーーーーッ!!!アーーーーーッ!!!フランス語!!!!!
他にも教え込まれている?????????え?????、
ふともも、ふともも
ハーーーッえっち、やばい
机机机机机机机机!!!!! 着衣バックありがとうございますありがとうございます
アアアアアアアア手袋手袋噛む!!!きた!!!!!!!!!!
なんかもう、もう………
そして!!!馬!!!!
柔らかな声で呼んでくれれば→京一郎 さいこうですか………
外出し気遣いだねぇぇでも夜は!!!!
あのご巡啓パレェドで目が合った瞬間から恋に落ちてたんだねぇぇ
見上げていたあの時。それが今は、隣に。
(ぼろ泣きして何も書けなかったソフィーナ)
アップの顔ほんとかわいい美しい動いてる動いてる
目交いしたって想ってたよね。密やかに。気のせいだって、言い聞かせてた。
見つけてくれたんだ。館林様は京一郎さんを、
何千人の中から見つけ出していた。あの時から、いいやそれ以前に、天命としてきまっていて、ほんとうに……。
結びつくとは思っていなかった。それでいてはじめから決まっていたような気さえする
いつまでもそばに。
「共に生きてくれ、京一郎」
共に生きている限り………………ハァ……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼伊勢兄弟
ぐ、軍服だぁ
この世界でも館林様に憧れて……ってことは若干館京前提のってかんがえでいいのかな
覇気が無い馨………
封筒!!封筒は!?
いっしょに働けるの楽しみですっていってたのに……?
諦め悪いよねwwwすきだよ京一郎さんwwwwww
本当の馨かぁ……
鏡んんんんんんんつら
やっぱり双子は別たれちゃいけないんだよなあ
そう、京一郎さんは京一郎さんで薫じゃない
薫いちごすきなの!?かわいい
????????あれは式を、召喚するときとかにつかうやつよね!??!、
ゆ、雄真……………
そりゃ会いたいよ……片割れだもん………
おお……反魂するのね……
ほんのお遊びのつもり、だけどやっぱ雄真の術だなあああ
くっそwwwwwwww集中線わらうwwwww
兄弟揃ってるのみるのがいいんだよねええええ
館林様の酒がwwwww
ハァ………双子やっぱ最高
念友wwwwwww
あっこの京一郎さんはがちで処女のやつだ。入った理由がもっと詳しく分かればなあああ
わちゃわちゃ……わちゃわちゃ……
▽薫
相談ごとって命日の……?
脱ぐwwwwwwwwwww
人ならざる業によろこんでいのか!?迷うぞ!?
感覚いじりと乳首攻めありがとうございますありがとうございます
シャツ嚙み!!!!!!!ふぁーーー
顔にとんでるありがとうございますありがとうございます
兄様に、言わずに去っちゃうのおおおおおお?!ああでも、そのほうが、いいのかな…
祓いの祝詞唱えちゃう館林様wwwwwwwwww
薫なら悪霊でも、うけいれてやるべきだったてwww
三人で取り合う未来でありますように。
▽馨
同僚、ね、ふふ
死んじゃって損した、は冗談に聞こえづらい…
馨は薫がすきで、薫は京一郎をすきで、京一郎は馨をすきで。綺麗なねじれぬメビウスはでない輪。
馨は奥手〜〜〜
饒舌な京一郎さんwwwww
「京一郎がいいな………」おおっと!???
してみたい??!?!?!ほう!!!!
wwwwwwwwwwww
例の行為wwwww
酔ってるんだねwwwww
だんだんそんなきにwwwwww
してみます……?って、カーーーーーッ!!!!!!!
童貞×童貞!!
もうリバでいいじゃんwwwwww
「ここからどうしたらいいのかな」ってがちで童貞のやつだwwww
アーーーーーッ腹チラ見え!!!
?!?!?!?!?!後孔見えてない?!?!?
(行為に集中しすぎてメモし忘れるソフィーナ)
でも、いつの間に………薫………また、来年かぁ……
飲むなら〜〜馨とね〜〜!!!
▽どっちも
本懐とげる、ってまさか……
馨も気持ち知りたいって……
剥いちゃってwwwwwww
京一郎さんを食べたい気分👏👏👏
身体が欲しかった………か。館京バッドの一つか………
馨の、ターーーーーーン!!
3Pえっちだなあ……………
ビリヤード………………オオオオ
館林様が泣いた!?!?!?もらい泣き!?!?
嗚呼やっぱり逢えないのねもう………
次も兄様と生まれたいって、ああ…………
また弟の世話を、って言ってるくせにぜったい少し悲しくて、でも笑っているんだろうな
エンドロール。
こんなにも優しい人たちにね囲まれてるのよね……。
来世でもまた、双子に生まれ、京一郎さんを取り合うふたりでありますように………
しかしCGが五分の四エロスチルで色々盛りだくさんだしがんばったね京一郎さん………
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼時雨
(初っ端からクライマックスかよっていうくらい興奮したやばい、やばい……からメモをとっていない)
焔が揺れる
装い新たな時雨、祝詞を唱え 歌が聞こえる
ドラマCDから上がりに上がってきてる時雨よが好感度がやばい
スゥツ!スゥツ!
弘中殺すぞ(過激派)
ころすぞ(2回目)
冷ややかな京一郎さんの顔。
おっとここで野々村ここで野々村
時京の京一郎さんは敵に回してはならない…………
びっっっくりしたぁ…………金鍔が動いたって言うからなにか不穏な事と思うじゃない!!!!!!
4つは藍丸ちゃわでも無理だった数では!?
一度死んでみればいいって臣さん………
時雨強い………強いよ、貴方は………
煉瓦亭きた!!!!!
耳を塞ぐようにwwwwwwwwwwww
耳の毒wwwwwwwwそりゃそうよなwww
もう……甘さ含めるのやめなさいなwwww
うう………時雨の話最もだよなあ………
胸が痛い話だ………
「この世で一番君が好き」ときたよ……かわいすぎか
wwwwwwwwwww臣さんwwww
年がら年中お取り込み中てwwwwww
異能が、消えた………?
ふむ………
帰るwwwwwwwwwwwwくっそwwwwww
▽外的要因
野々村ァ………
京一郎さんのちくび!!!!、、!、からの時雨の表情ひぇええええ
拗ねてるんだねぇぇかわいいなあかわいいなあ
もう、怒ってないくせに。かわいいなあ
アーーーーーッアーーーーーッ手繋ぎいいいい!! からめ合う指!!!!
え添い寝して欲しかったよねええそうよねえええ!!!!はぁかわいい
睦言のやうな睦言じゃないような!!!セッッッ!!!
他の子も、か……
ひざーーーーーーーーまくらーーーーーー!!!やっっっぱ時雨といえば膝枕!!!
→五本刀を存続させたい?
うんうん、桃木村そのエンドがその2のグッドのようにやはりそこに行くのが良いよ。五本刀が、なくなる、のなら。
甲羅亀太郎…………………(まがお)
刀太郎はまだにしても、サイダァ丸てwwwwww
おう。終わり!!!!
ふむ………………。まだずっと先の話。てことはしばらく五本刀がそんざいするとあってよいか………
▽内的要因
(待機画面初のミサキ!!!昼飯終わったから夕飯って早い!!!)
京一郎さん卯年なんだよね〜〜〜
使い魔が雀ってのもかわいいよなぁ
おいで、ってさあ 最高よね
時京の京一郎さんは、なんかこう、若干のばぶみを感じざるを得ないというかなんというか
→時雨が子どもの時はどうだった?
優しいなぁ……、京一郎
お前はお前のままでいいよ。
桜、梅、躑躅
薄墨桜
んんんっwwwww咳払いwwww
?!?!!?麒珠丸……
ア~~~名古屋〜〜〜〜〜時雨の故郷は名古屋〜〜〜〜〜大垣!!!(岐阜でした)
麒珠丸が異能を失う、寿々彦の異能が麒珠丸に写っていく、か。 他の子も分け与えてあげて。
麒珠丸の異能後天的なのか!! 死を察してゆるやかに得た本能のような異能……
満開の、桜!
運命の二人だから出来るよ!!!ww
桜の下で、二人が出逢えますように。
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▼ミサキ
(意を決して)
学生服イエーーーーー!!!!
上に立つのは慣れてないよねぇ京一郎さん
馨ーーーーー!!!!ありがとうありがとう別ルートにキャラ出してくれて!!!!
館林様やさしい………枝まで!!!!
桃の実を食べると早く大きくなるwwwwwwならないでしょwwwwすきwwwwww
鞄から出てる図おもしろすぎでしょwwwwwwwwwwww
高瀬wwwwwお熱てwww外務省の高瀬でしょ!
島田は……内務省だっけ?
希臘哲学研究部て………京一郎さんモテモテだな……
元の大きさに戻って欲しいのは、百も承知だろうね、わかってるけど無理で。でも京一郎さんもわかってて、でも、やっぱりつらくて……
何時か、っていつかな。ほんとに、
おっぱいでかいってwwwwww
早く〜っていうミサキの言い方だいすき
夢かぁ……夢なんだよなぁ…………京一郎さんのことだいすきじゃんねーーーーーーほんともうーーー
雪が良いか、ってきいて花びら雪に替えちゃうんだもんなああああああもううう
戻る方法…あるのか…………んんでも………
剣道部の野々村は大蔵省だったかな?
祝詞かっけぇなあ…………
まだ、もどるべきではないのに、無理をさせた。分霊に命じたのは何だったのだろう?半日の間、刀で、無理をさせる。むむ
京一郎さんの、せい……ともいいづらし。
また理を外れた。
ぎこちないぎこちないつらい
分霊に力を分け与えて貰えば戻れる。しかしそうなれば分霊たちは地を護れなくなる
俺の京、だもんなぁぁ
どうすればいいんだろう。
また、輪が捻れる。メビウス…………
▽息吹を抜いて
ああ、叫ぶ京一郎さん。
ふたりが倖せにと言う度に、悲しみがどうしてもこみ上げる
合格したって官僚になる日はこない……うっ……
(いろいろあったけどぼろ泣きして落ち着くまで時間がかかった)
十月十日を終わり、身体は人、神により新たに育まれた魂、命を持つ
…………???? 温泉????
エンドロール。
「私を忘れないで」と縛った道
▽そのままでいい
もうこの夢を見せないで
愛し子を持つのはミサキだけじゃない。
いちばん、さいしょに望んでいたものにちかいのかとおもう。 人としての生を全うする、その傍らにはきっとミサキの加護があって。
京一郎さんが亡くなった。 臣さん、時雨も遊びに来ていた。 館林様と馨もきていた。 丁重なお悔やみを頂戴したとある。ーー名代であるが千家様からも…………………
「ずっと、私を覚えていて」と笑った道。
▼ミサキ またはじめから
今思うとこの待機画面の台詞すら辛く感じる
咳払いかわいい
許された二人。京一郎さんの憧れ。
馨さんさ、前は「高等遊民が」みたいなかんじだったのに、「大神実命様」って言うのやっぱ変わったんだなあって思うよね
神様が帝大生の虫除け
毎日じゃないにしても週3は多いよ京一郎
いっそほんとに桃食ってでかくなって………
はぁ……いつか
ここつらい。言いたくて言ったんじゃないでしょうに
そう、京一郎が望んだから。京一郎の望みを、ミサキは拒めないから
魂送りのあとの簪一本のあれはつらかった……
情を遂げれない愛は京一郎をわがままにしてしまう………
そうだよ……?何時か死んじゃうんだよ?
ミサキは笑った顔がいちばんいいよなぁ
しゃんしゃん、ってうそだよなあ
抑えるべき霊はいずともかげが、
守護神こそ護るものあってこそ、よな
松茸の炊き込み飯いいな〜
夢の前の桜。つらい
京一郎の、神だから
「だって久しぶりだよ」この声がほんと甘くて、嬉しそうで
辛抱が足りない、から助けてしまう
言ってみた、だけ。
(っていうか野々村の声 鋼さんじゃん………)
馨さん方向音痴なのよねふふふ
麹町区代官町
曰く付きの場所。筑土神社
首塚が出来るまで平将門の首は筑土神社(麹町区代官町か)にあった。徳川が真上に怨霊がいたのではたまらないと内藤新宿へ神社ごと移動した。開国後、筑土神社は再び飯田町へ、移動された。元筑土神社があった場所から5分もかからない。 主祭神を平将門からニニニノミコト?にかえた。天照大神の孫で一番最初に葦原中国を統治した神様
ゆえに質の悪い例が集まりやすい。
死ねば皆 尊い御霊だ
この一瞬映る 空と花びらは何なんだろう
魂魄の道標であれ、邪を封じる辻神であれと
大神実命が伊邪那岐から与えられた使命は黄泉の邪が、葦原中国に入り込まないよう封じることだけ。→魂送りはミサキの為すべき事ではない。
好意を向ければ好意で報いる。 敵意を向ければ敵意を返す。
んんん 割烹着姿が見納めのようで……………
治す、ってどう?→神気を使うか?
言えば望むよね。たった半日でもいい、と。
半分と半分を足してようやく元の一になる、
私のミサキ 俺の京
一度くらい、抱き合えばいいのにと思ってしまうけれども、それすらも元に戻ってしまったときの喪失が強いから、しないの……?
馨さんの式神は白鳩。ーー名はカオル
献身ーー我が身を犠牲にしておこなうこと。
伊邪那岐によって神に列せられた大神実命が人の恣意(しい)によって消滅するなど許されない。
京一郎次第….
ミサキの力を戻す方法。 ひとつ、時がみちるのを待つことーーエンド2だろうか。夢を望んではならないこと。 ひとつ、息吹を返すことーー十月十日エンドだろう。これこそ唯一出来る献身という。
ミサキは何も犠牲にしたくない?→犠牲を恐れたからこその献身
京一郎さんは哀しい。十全でないミサキが。 京一郎さんは苦��い。京一郎が為す献身がミサキを悲しませる(それは神ながらに呪を使うほどに)
駄目だと思いながらに口をつくのは「逢いたかった」と。
愛してる、とは人が人に想いを伝えるためにつくった言葉ーーだから、人である館林様や時雨に似合うのだろう。
ミサキは使ったことがないという。でも京一郎に愛してるという。人と人のように想いを伝えたいと願って?
我は人なり。 我は神なり。 京一郎は人、ミサキは神様。 京一郎は命果てる者。ミサキは国ある限り護る者。
京一郎が死んだあとはまた、柊の子を護る。役割がある。
▽だからずっと私を覚えていて
この夢を見せないで
柊京一郎が死ねば、ミサキは力を取り戻す。ーー息吹を与え続けているから。
(私を覚えていて)
思い出をミサキに遺すから、なにもかも、ずっと、覚えていて。ーー言霊
時が移ろう。湯島で季節をこえ、桃木村で季節をこえ、そらがまた季節をうつす。
(根の路でずっと待っててやるって言っただろうと) それは、十月十日のときに………??
「今日何があった?」 「野々村には気を付けろよ」 「お煎餅買っていい?」 「相変わらずの大食らい」
すべていつかを辿るようで。
転生エンド、
ーーーーーーーーーー
すべて、完。
思い出して感想を少し。
・ミサ京 ミサキってほんと強いなあ。だって、京一郎だけの神様だものね。 でもまさかこんなにもつらいセッシーンがあるなんておもわなかったよ。 転生エンドが、一番倖せなのかもしれない。だってそれは、炎と硝煙の時代すらも乗り越えて、再び巡り逢った二人だから。
・伊勢京 双子がすきだ、だから巡り逢って欲しいとおもう。再び、双子として。
・館京 贔屓目なしに、人として生きていくルートとして、彼らふたりなら世界を乗り越えられるのだとそう思う。 関わるなと言っていたあの出逢った頃。軍へ志願する京一郎を軍人にしてもいいのかと思い悩んでいたあの頃。隣に並ぶことを許してくれたあの時。そうして、共に生きてくれと、伝えたその日を忘れはしない。
・千京 なんといえばいいのだろうか。 一言で彼らは倖せだ。と言えないと思う。けれど、冷酷だと人ではないと言われながらも、彼らは人なのだ。ただの人。互いに補い合い、短い生を共に生きる。そんなふたり。 異国の鐘は、鳴らない。 死は二人を別たない。
さいごに。 動いて、歌も素晴らしく、ほんとに倖せだ。
その未来がすべてすべて、やさしいものではないにしても。
新たな天命を生きるさだめ 共に世界を切り開くさだめ 半身として生きていくさだめ 傍にあり支えていくさだめ ふたりを想い願うさだめ
全部のCPを改めて好きになった、 ありがとう、ありがとう
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各地句会報
花鳥誌 令和3年7月号

坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和3年4月1日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
春彼岸阿弥陀背にして説法を 柏葉 母編みし毛糸のベスト解いて編む 由季子 解く帯に桜一片舞ひ落ちぬ 都 人に酔ひ酒にほろ酔ふ花の園 同 初蝶の行きつ戻りつ旅立ちぬ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月1日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
天蓋は万朶の桜愛子の忌 かづを 最古てふ天主や花の海に浮き 同 椿落つ秘めたる想ひ絶ち切れず 笑 花の寺御仏こぞりて笑み賜ふ 同 走り根の絡む老木の花淡く 希 鐘楼門栄華の花は盛りなり 同 初蝶の止まつてばかりゐる黄色 雪 ぽつたりと云ふ落ち様の肥後椿 清女 濠は今満月のもと花万朶 数幸 ねむたげな目をして地蔵花の寺 天空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月3日 零の会 坊城俊樹選 特選句
花屑の起伏を流れたる音頭 要 あかんばうだらんと垂れて八重桜 いづみ カーブへと都電の軋む花の駅 眞理子 霾やホテルアスカのネオン消え 光子 白き指触れれば老いてゆく桜 順子 花山のお狐さんの花見酒 きみよ 風光る都電カーブに傾けば 光子 花追うてちんちん電車下町へ きみよ 丁字路に男惑へば花ふぶき 和子 貨車つづく花の昼なら長々と 和子 春惜しむやうに各駅停車かな いづみ 花衣花の���頭に揺れ止まず 慶月
岡田順子選 特選句
花屑の起伏を流れたる音頭 要 花吹雪その一瞬の神かくし 久 北病棟梟徘徊する深夜 公 世 山頂は花の冠雪なりしかな 俊樹 春昼の子爵の気配する館 きみよ 動くたび翠玉に化け春の蠅 小鳥 落つ花も落ちざる花も狐憑く 俊樹 お屋敷は棕櫚の置かれし復活祭 いづみ 山吹や古き稲荷に鬼女の謂 千種 都電行く花のレールを懇ろに 俊樹
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月7日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
愛子忌や花の仏の目鼻だち 世詩明 陽炎や聖火近づく靴の音 ただし 尼様の逝かれて久し花の庵 清女 春愁や廊下に邪魔なすべり台 同 屋根の上猫を消し去る花吹雪 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月9日 芦原花鳥句会 坊城俊樹選 特選句 塵芥浜に打ち寄す涅槃西風 よみ子 紅椿落ちしまゝなりいくへにも 寛子 朧の夜磨りて薙刀月なりぬ 依子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月9日 札幌花鳥会 坊城俊樹選 特選句
亀鳴くや狸小路といふところ 清 子猫には知らぬ値札の差でありき 同 新しき街にもなれて朧月 同 いつの間に少女は乙女初蝶来 晶子 ほつとする出会ひに似たり蕗の薹 寛子 鮨屋出てちよいと歌碑まで啄木忌 のりこ 舞姫の余波の浜の桜貝 岬月 空海の学びし都霾れり 雅春 花は葉に大樹あくまで孤高なる 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月9日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
葱坊主砂丘の畑に海を見て 栄子 縮こまりゐしが色めき勿忘草 史子 妹の炊く釘煮の味や春の潮 佐代子 花曇貝殻拾ふ習はしに 幸子 チューリップ閉ぢて乗せゐる細き月 都 払暁の厨に水を撒く浅蜊 宇太郎 大手門潜り落花の畏まる 悦子 鞦韆や正面にある日本海 益恵 大土手に游がせ青き鯉幟 益恵 囀や赤子は喃語はなしかけ 和 子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月10日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
もこもこと花に潜りし虻の尻 三無 著莪咲くや十年祭のとしあつ師 文英 石楠花の色の溢れて空の青 同 虻戻る宙の一点違へずに 秋尚 野の草も木々も輝く寺うらら 瑞枝 影淡く残しほぐるる牡丹かな 秋尚 若楓日に透けて師の十年祭 文英 蜃気楼より戻りくる大漁旗 三無 手のひらに残花ひとひらとしあつ忌 同 花筏小鷺の暫し石の上 文英
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月12日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
笑ひ皺深き自画像山笑ふ 清女 ヘリコプター右往左往の霾ぐもり ただし 一輪の菜の花明り無人駅 英美子 二百羽の白鳥去りて水落とす さよ子 となりからグラタン届く蝶の昼 清女 黒々と土掘り起こす夫の春 錦子 お姉さんと呼ばれし母の古浴衣 清女 昭和史を読み継ぐ窓や冴返る 上嶋昭子 落花浴び二人の会話とめどなく 中山昭子 風光る子の背で踊るランドセル 英美子 霾れり外は砂塵の匂ひあり 中山昭子 日差し受け新樹ふくらみ山太る みす枝 牡丹の土くろぐろとごろごろと 信子 調停を終へて出で来る白日傘 上嶋昭子 四月馬鹿小さくなりし力こぶ 三四郎 豊麗といふ重さあり八重桜 上嶋昭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月12日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
草団子つかまり立ちし子の笑ふ 実加 花の雲散りては隠れ鳥の群 あけみ 空色のファーストシューズ若草に 登美子 自転車で駆け抜けてみる花吹雪 紀子 花の下貨物列車がゆつくりと 同 リード張る犬の目の先青葉萌ゆ あけみ 草餅を炙るおばあの手の記憶 同 春の灯や見覚えのある泣きぼくろ 登美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月12日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
花万朶天守の高さ残し散る かづを 天主てふ高さ支へし花の雲 同 天帝の機嫌のよしや雲雀また 同 散る花に戦争語る皺深く みす枝 はじめての大地歩む児風光る 同 春愁や黒が似合ふと云ひし人 雪 鳥帰る古墳の山を越えて行く 千代子 涅槃図の嘆きの蛇の舌赤し ただし 葱坊主蝶遊ばせて三畝ほど 高畑和子 天に紅地に錆色の落椿 英美子 鯉幟青空支配してゐたる 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月12日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
妻の座に一人占めなる春炬燵 世詩明 巣立鳥軒離れるに啼き叫ぶ 同 春水の池も小川も老舗宿 和子 風の中ゆつくり曲がる花筏 千加江 チューリップどんな空にも納まりて 同 吾が前にチューリップ揺れ百八色 昭子 児の描く屋根より高いチューリップ 啓子 春塵や踏台見ゆる古本屋 泰俊 義士祭や夕日の端に寺箒 同 黒髪の如くつらつら椿かな 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月12日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
とりどりの緑の若葉森太る 三無 淡く透け風を誘ふ栃若葉 秋尚 初蝶は白でありけり水辺ゆく 和魚 地を漁る鳩嬉嬉として躑躅燃ゆ 三無 サッカーの声を散らして若葉風 怜 若芝を歩く足裏に気の満ちる 貴薫 東屋の池の水枯れ著莪の花 せつこ 傾きし午後の日集め山吹黄 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月13日 萩花鳥句会
秀吉を偲ぶ醍醐寺春の星 祐子 入寮す荷解きの窓春の月 美恵子 金の座の柔人生花吹雪く 健雄 明日発つ子に取り分ける桜鯛 陽子 春の月言葉少なに客送り ゆかり さくらさくら今は無人となりし駅 克弘
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月18日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
囀のやみておくつき土匂ふ ゆう子 鶯の声の滴の落つる句碑 三無 大空を抱きて長閑母の塔 亜栄子 法鼓鳴る終の牡丹のいよよなる 慶月 鯉幟岡本太郎の目がふたつ 千種 武士の如蘖ゆる城址かな 斉
栗林圭魚選 特選句
年尾来よ陽子の墓へ虹架けて 俊樹 シーサーの睨みの門扉松の芯 亜栄子 初蝶来うすむらさきの影を追ひ 久 若楓威を持ちて守る年尾句碑 文英 葉の蔭に香り残して花通草 秋尚 春行くやおほよそおうてゐる時計 久 武士の如蘖ゆる城址かな 斉 枡形の山峡深く藤懸かる 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年4月22日 鯖江花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
うららかや女医に診られてゐる鼓動 一涓 グクと泣く鍬先に詫び畑を打つ 同 訪へば由利に左内に花吹雪 同 ことごとく合掌解きて紫木蓮 同 初蝶の黄のあまりにも濃ゆきこと 雪 雨上がり燕大きく十字切る 信子 天を指す指より甘茶光り落つ みす枝 化粧水顔を叩けば夏めきぬ 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
風光る帆を張る船は膨らみて 佐和 風光る紙飛行機の未知の空 久美子 胸もとへ闇はゆるやか花衣 佐和 風光る臍の緒ほろと母の手に 睦子 花屑を浮かべ流離の水となり 朝子 星月夜帰船に満ちし博多港 佐和 ゆるゆると緋鯉にゆらぐ春の雲 勝利 いつまでも止めぬ石蹴り風光る 久美子 花蘇枋久女多佳子のこゑ聞こゆ 美穂 風光り手押しポンプは水を吐く 洋子 空までも君と一緒の半仙戯 さえこ 炊出しに悪漢もゐて彼岸寺 喜和 かくれんぼいつかひとりの春の暮 ひとみ たちがみの天馬とまがふ仔馬生れ 千代
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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