#iPhone画面修理 西新
Explore tagged Tumblr posts
Text
大幅値下げ!iPhone画面修理サービスの新価格発表
当社は、お客様のニーズに応え、よりお求めやすいサービスを提供するため、本日より西新店と博多店でのiPhone画面修理の価格を大幅に値下げしました。この価格変更は、iPhone XからiPhone 14シリーズまで幅広いモデルに適用され、お客様が修理サービスを利用しやすくなります。 新しい修理価格は以下の通りです: – iPhone X, XR: 税込10,000円 – iPhone XS: 税込11,000円 – iPhone 11: 税込13,000円 – iPhone 11 Pro: 税込14,000円 – iPhone 12/Pro, 12 mini: 税込15,000円 – iPhone 13, 13 mini: 税込18,000円 – iPhone 14: 税込21,000円 – iPhone 14 Plus:…

View On WordPress
0 notes
Text
2022年8月19日(金)

調べ物があったので、久しぶりの出勤である。今月は阪急千里線が夏休みで空いているため電車通勤のつもりだったが、このところのコロナの爆発的な勢いに気圧されて車通勤を選ぶ。名神高速道路は、やはり夏休みということだろう、普段見かけない遠方のナンバーが目立つ。この時期の職場(私立女子大学)は学生が(ほとんど)いないため、建物の補修やメンテナンスの日程がたて込んでいる。邪魔にならないように、用事が済めばとっとと帰ろう。

4時45分起床。
日誌書く。

納豆そば+そば湯+ヨー��ルト。
可燃ゴミ、30L*1&45L*1。

2男のおにぎりはツレアイ担当、私は3人分の弁当を用意する。
洗濯を忘れていたので、弁当作業の途中でツレアイに頼む。
彼女を職場まで送る。
いったん戻って洗濯物を干し、それから出勤。
タイムカードの整理。
先日発行された「研究倫理審査」の発行番号が間違えていたとかで、新しいものをいただく。
久しぶりに、ラジオ体操第1。
MacBookAirのOSをアップデート。

KDDIからメール、iPad用のpovoの通信障害への対応の連絡、UQの方は利用料金の200円分減額だったが、こちらはデータトッピングでの対応である。
用件を済ませ、早々に退出する。

着替える前に汗をかききろうと、西大路花屋町・セントラルスクエアで買物、レタス/トマト/ナス/樽酒。
「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」のI会長からメール、会報発送作業のためにある人の新住所を知りたいとのこと。あいにく私は直接面識がないので、Facebookでメッセージを送る。友人でなくともメッセージが送れることを初めて知った。
同内容を、済州島出張中のI姉ともやりとりする。

夕飯は昆布締めポークソテー/ウルメイワシの丸干し/ナスの甘辛煮/キュウリのぬか漬け/トマト/レタス。ツレアイは今日も多忙な1日、冷やした酒とワインで慰労する。
録画番組がないので、iPhoneで落語、柳家小三治「長短」。
朝が早かったこともあって、早々にダウンする。
鈴本演芸場出演中の露の新治さん、今夜は「きせる」。

辛うじて3つのリング完成、水分は1,800ml。
4 notes
·
View notes
Link
FBIは、中国政府が直接訪問とデジタル戦略両方の手法を使って、米国在住のウイグル人イスラム教徒を脅迫し、口を封じ、嫌がらせ行為を行っていると警告を発している。
中国政府は、中国の新疆ウイグル自治区に住むウイグル人やその他の主にイスラム教徒の民族に対する扱いについて、長年にわたり人権侵害を指摘されてきた。国連の人権委員会によると、これまで100万人以上のウイグル人が収容所に拘留されており、その他多くのウイグル人が国家に支援されたサイバー攻撃によって標的にされ、ハッキングされているという。中国はこの主張を繰り返し否定している。
関連記事:iPhoneハッキングは中国政府によるウイグルのムスリム攻撃の疑い
ここ数カ月、中国政府は、米国をはじめとする西側民主主義諸国に拠点を置く海外の政府批判者を封じ込めるための活動をますます積極的に行っている。これらの取り組みが、FBIの目に留まった。
FBIは非機密の公報の中で、中国政府関係者が「transnational repression(トランスナショナルリプレッション、国境を越えた抑圧)」を行っていると警告している。これは、外国政府が国境を越えて、物理的、デジタル的な手段でディアスポラや亡命コミュニティのメン��ーを脅したり、口止めすることを指す言葉だ。米国在住のウイグル人をはじめ、チベット人、法輪功修練者、台湾・香港の活動家など、中国人難民や反体制派の人々に中国政府への服従を強要しようとしているという。
「従わなかった場合の脅しとしては、米国在住者の家族や友人の中国国内での拘束、中国国内の資産の差し押さえ、継続的なデジタルおよび対面での嫌がらせ、中国政府による強制送還の試み、コンピュータのハッキングやデジタル攻撃、オンラインID乗っ取りなどが日常的に行われています」とFBIは警告している。
この公報は、ビデオサーベイランスニュースサイト「IPVM」が報じた。
FBIは、米国在住の個人がハラスメントに直面している4つの事例を取り上げた。2021年6月の1件では、中国政府は、米国政府が出資するニュースサービス「Radio Free Asia」で中国とウイグル人への抑圧について報道を続けたことへの報復として、米国在住のウイグル人ジャーナリスト6人の家族数十人を拘禁した。公報によると、2019年から2021年3月にかけて、中国当局はWeChat(ウィーチャット)を使って米国在住のウイグル人に電話したりメールを送り、ウイグル人の虐待について公に議論することを禁じたという。この人物の家族複数人はその後、新疆ウイグル自治区の収容所に拘束された。
「中国政府は、米国政府が2020年、新疆における中国の人権と民主主義の侵害に対抗するため、中国政府関係者を制裁し、公的・外交的なメッセージを増やしたにもかかわらず、このような活動を続けています」とFBIは述べている。「このような国境を越えた抑圧活動は、米国の法律や個人の権利を侵害するものです」とも。
FBIは、米国の法執行機関職員および一般市民に対し、中国政府による嫌がらせの疑いがある事件を報告するよう求めている。
関連記事 ・今も米国の自治体は中国共産党に関連する監視技術を購入している ・顔認証の使用禁止措置や論争にもかかわらず同スタートアップには巨額の資金が注がれている 画像クレジット:GREG BAKER / AFP / GETTY IMAGES
[原文へ]
(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)
4 notes
·
View notes
Text
思いをかたちにするスタイリスト、北村道子インタビュー portraits jan 14, 2019 7:10 pm
michiko kitamura
photographer & interviewer: chikashi suzuki writer: tomoko ogawa
portraits/
北村道子さんが手がける衣裳や彼女の言葉に触れると見えてくるのは、北村道子という生きる哲学のかっこよさだ。その哲学が、服になり、仕事になり、彼女そのものを形づくっている。唯一無二の個性を持ちながら、約40年、一切の妥協をすることなく、今目の前にある人物とその人が着る服と対峙してきた。そんな彼女が、前著『衣裳術』から10年ぶりに、俳優34人、写真家6人との10年にわたるコラボレーションを記録した『衣裳術2』をリリースした。2000年代初頭に角田純氏がアートディレクションを手がけていた雑誌『X-Knowledge HOME』にて、北村さんを撮影したことをきっかけに出会い、以降、コラボレーションを続けるフォトグラファーの鈴木親氏を聞き手に迎え、型破りで刺激的な北村道子さんの仕事術について語ってもらった。
portraits
jan 14, 2019 7:10 pm
北村道子さんが手がける衣裳や彼女の言葉に触れると見えてくるのは、北村道子という生きる哲学のかっこよさだ。その哲学が、服になり、仕事になり、彼女そのものを形づくっている。唯一無二の個性を持ちながら、約40年、一切の妥協をすることなく、今目の前にある人物とその人が着る服と対峙してきた。そんな彼女が、前著『衣裳術』から10年ぶりに、俳優34人、写真家6人との10年にわたるコラボレーションを記録した『衣裳術2』をリリースした。2000年代初頭に角田純氏がアートディレクションを手がけていた雑誌『X-Knowledge HOME』にて、北村さんを撮影したことをきっかけに出会い、以降、コラボレーションを続けるフォトグラファーの鈴木親氏を聞き手に迎え、型破りで刺激的な北村道子さんの仕事術について語ってもらった。

Photo by Chikashi Suzuki
鈴木親(以下、鈴木):僕が、北村道子さんという存在を初めて意識したのは、大学のときに観た映画、『幻の光』(95)なんですよね。北村さんの衣裳って、何という印象もなく普通に映画としてスーっと入ってくる。でも、もう1回観るときって、ディテールをよく見るじゃないですか。そうすると、衣裳がすごく綺麗だなと思う。変なリアルさもないんだけ��、ファンタジーが入っていて。何%の嘘と何%の真実みたいなものの割合を、映画ごとに全部変えているというか。
北村道子(以下、北村):それは、いつも私が思ってる思いだよね。さすが親くん、大学で先生してるだけあるなぁ!
鈴木:映画の雰囲気に合うようにスタイリングしているから、絶対作品の邪魔はしないんです。『バットマン』(05-12)シリーズの衣裳と同じ方向性ですよね。Christopher Nolan (クリストファー・ノーラン)作品と一緒で、現実だと嘘っぽいけど完全に嘘にはならない。でも、映画の中ではちゃんと映えている。逆に、ガチガチにリアルにスタイリングをしちゃうと、たぶん映画としては全く面白くない。ノーランとかがやって「エポックメイキングだ!」と言われていたようなことを、偉ぶることもなく、普通にスッとやっていたというのが、北村さんなんですよ。
北村:でも、日本では叩かれているんですよ。
鈴木:『幻の光』が?
北村:そう。まず、私の関わった映画はみんな、日本の映画監督にも叩かれているんですよ。『幻の光』に関しては、誰が送ってくれたのかはわからないけど、フランスの『Figaro』をはじめ、ドイツ、イタリアのみんながメディアで取り上げてくれたんです。あまりに取り上げてくれるから評価されるようになってきて、ヴェネチア国際映画祭で賞を取って、逆輸入的に話題になったんです。当時、主役の江角マキコさんは、基本的にモデルだったじゃないですか。モデルが「自分のために何かやりたい」という雰囲気を出してくると、私、拒否感が出てくるの。だって、江角のためにやる映画というのは、おかしいじゃないですか。それまでに、10回くらい断ったんですよ。それで、引き受ける条件として、葛西薫と藤井保を突っ込んだんです。
鈴木:それで、あの本、『ESUMI』(リトルモア )ができた?
北村:そう。その二人を入れるならと、映画を受けたんですよ。衣裳合わせも自分で5トン車借りて、是枝さんと私でやったんですよ。
鈴木:是枝さんの中でも、『幻の光』は良かったですけどね。リアルさがあるんだけど、何となく違う。現実にいないけどいそうな人物という感じがすごくして。だから、正直に言うと、ストーリーというよりは、映像が綺麗だったという印象が残ってる。
北村:どの映画でも、私は孤独で独りぼっちなんです。黒澤明監督もドローイングや着色をやっていたのと同じように、洋服を作っている。それが当然だと思うのよね。自分の中でそういうものが映画だと思うじゃない。映画というものを私はミケランジェロ・アントニオーニから出発していて、女優で一番好きなのは、モニカ・ヴィッティなんです。だから、映画を観ていて、彼女は裸足で道を歩いているという表現から、シナリオがわかるじゃないですか。全部通して観たあとは、たとえば、あそこであの椅子がどうして出てくるのか、そこをもう1回観ることを何度もしていく。そういうふうに、自分で映画の洋服の表現力というものをマスターしていったんですよ。
鈴木:それが正しい見方ですよね。
北村:それから自分で衣裳をやるようになって、「監督が描いたドローイングはないの?」と聞くと、「え?」と返ってくる。しょうがないから、それを私がやっていく。役者には絵コンテがあったほうが、わかりやすいじゃないですか。それを元にみんなやっていくようになってきたの。『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(08)もそうだった。それはもう、孤独になっていくよね。
鈴木:北村さんが人物像をほとんど作っているんだと思ったのは、『メゾン・ド・ヒミコ』(05)の裏話を聞いたとき。採用されなかった設定なんだけど、主演の柴咲コウはゲイのための老人ホームにいて、白いシャツに薄く赤い下着が透けている。それが、「女性の性の部分をグッと抑えているけど、残っているという表現だ」と言われたとき、もう台詞は要らないなと思った。その服だけで人物像が成り立つじゃないですか。ビジュアルで表現することって、ビジュアルだけで一気に全てが入ってくることがあるから、言葉も超えてしまうことってあって。
北村:それ、正解です。小津安二郎監督がやっていた、原節子の二の腕から見えるブラジャーに私は辿り着いたんですよ。あの時代にそういうふうにやっていたなぁって。そうやって脚本を読み込んでで、ドローイングしていくタイプなんですよ。だから、プロデューサー側から「こういう普通の長袖で綿のシャツでこういうのにしてくれ」と言われるようになったときに、「じゃあ、どっち側をあなたたちは取るんですか?」という話になった。私は、そこから衣裳合わせに行かなくなったの。
鈴木:(笑)。
北村:アクセサリーも同じで、全く合わないアクセサリーや時計をみんな持ってくるのよ。美術の小道具さんがダンボール箱で持ってくる。そういう儀式なんですよ。「ここから選んで」と言われるんだけど、私は「え、なぜこれを使わなきゃいけないの?」って。長年ダンボールに入ってて、カビ臭いもん。それで喧嘩になって、「私は降ります」ということになる。思いをかたちにして表現するときに、役者側の意見が強いんだったら、監督は要らないんじゃないのと思っちゃうのよ。
鈴木:それじゃ、映画にならないですもんね。
北村:そう。『幻の光』も、その衣裳に対する思いみたいなものがあるわけ。石川県・能登で育った自分の子どもの時代の冬というのは、やっぱりモノトーンで世界が見えてた。私がアイスランドに行ったときに、能登と同じだなと思った。それを作品の中にフィードバックしたの。私、監督って、もし日本の作品だったら、あらかじめ役者を想定しながらシナリオを書いていると私は思っていたんです。ところが、私が衣裳をやるというとき、役者は誰も決まっていないん��すよ。だから、想定してやってなきゃいけない。
鈴木:だいたいの当て書き、みたいな感じで進めますよね。
北村:うん。「例えばどういう人ですか? その人、私が交渉しますよ。あなたたちがしないんだったら」という話になってくるわけですよ。
鈴木:でも、以前は衣裳部の人がやるのが衣裳だったけど、北村さん以降、衣裳という考え方で映画にスタッフとして入る人たちが出てきた。伊賀(大介)くんとか三田(真一)くんとかは、北村さんのメソッドみたいなものがあったから、その後にスッと入れたんだと思う。

Photo by Chikashi Suzuki
北村:はじまりの話をすると、私は若い頃に、ものすごい広告業界に入って、300人を前にして恥をかいたんですよ。それは、メンズウェアが何たるかを知らなかったからです。イギリスの大物の撮影で恥をかいたから、そのギャランティをいただいて、「私、1年間この国に残ります」と言って、サビルロウのリージェントストリートとボンドストリートをくまなく調べたんです。洋服について全くわかってないお姉ちゃんがイギリスに行って、ボンドストリートを歩いていくと、ここでは全部揃うんだということがまずわかったの。
鈴木:シャツ屋も靴屋も帽子屋も時計屋も全部ありますもんね。
北村:そう。とにかく、メンズをマスターすればTPOがわかる。なぜって、メンズの人たちが、女の人たちをエスコートしていくわけじゃない。
鈴木:本当にそうなんですよね。CHANELの服も、基本的にニットは男性の下着だったり、ツイードは男性のスポーツウェアだったり、男性の生活に合わせて女性はどうするかということを考えて作られていたし。
北村:そうなんですよ。勉強してから日本に帰ると、飛行機でみんなロングホースの靴下を誰も履いていないんです。みんなカジュアルな靴下を履いて、モチャモチャしてて。こんなにひどい国なんだってわかって、そういうことを��しとしている自分がいたんだと。それが日本がアマチュアリズムなんじゃないかと私が言っているところなんですよ。普通は、何も知らないことを恥ずかしいと思わなきゃいけないじゃない。私がそれだったんです。そこからですね。
鈴木:コートもチェスターやステンカラーとチェスターの間みたいなローデンコートってのがあるんだけど、そういうタイプを着ているとあの人は貴族系なんだなとわかる。日本は、そういう習慣が一切ないですもんね。
北村:そうだよね。海軍にしても、デッキシューズを履いてないじゃないですか。そういう意味で、やっぱり、衣服にステートメントがないんですよ。
鈴木:日本人だと、良くも悪くもTPOにとらわれ過ぎて、コスプレ化しちゃう人はいますよね。生活の中で着ることは普通のことなのに、儀式になっちゃってる。それに関して、北村さんの上手さが際立っていたのが、『バベル』(06)のときにカンヌのレッドカーペットで菊地凛子ちゃんに CHANEL を着せたことです。ハリウッドに行って、ハリウッド俳優に囲まれているアジア人は目立たないことが多いけど、どんだけ目立ったかっていう(笑)。でも、悪目立ちだとブーイングものじゃないですか。賛否両論がちゃんとあるように、上手く北村さんはやってるんですよ。それは、どういうふうに着せるべきかをわかっているからですよね。あの後すぐですからね、Karl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)が凛子ちゃんをピックアップしたの。
北村:身も心も凛子ちゃんに尽くしました。カンヌに行くときに、まず1個だけココ・シャネルのバッグを持って行ったほうがいいと。それから、Karl LagerfeldのFENDIのバッグにドレスを詰めて、2カ月分のサングラスから靴までも全部トランクに入れて渡したんですよ。そうじゃないと、ランチやディナーのときに困るから。それで、カンヌを歩くときはこの中から着なさいって。全部、返してもらってないな(笑)。
鈴木:イブニングと昼間のドレスって全然違うけれど、日本ってそういう生活習慣はないじゃない。そのTPOは守られているのにアバンギャルドっていうのが格好いいんだけど、北村さんはそれを全部やってて。例えば、カンヌで浅野(忠信)さんが着ていたスーツ、どれだけサイズが合ってるのっていうくらい合ってた。でも、それだけじゃなくて、男性は目立ち過ぎちゃいけないんだけど、ちゃんと目につく。絶対に俳優さんに恥をかかせないんだけれど、映画と一緒で、ちょっとした違和感を出す。ネクタイだったりチーフだったりで一部だけ異物感を出してるんですよね。本当に上手い。俺が言うのも何だけど(笑)。たぶん、その人の個性をきちんと見抜いてるからできる。
北村:もう、その通り!
鈴木:それって、本当にわかってる人じゃないと絶対にスタイリングできないから。単純にTPOがわかればいいってことでもなくて、本人が着ている感じにプラスアルファで違和感を出していて。普通に見たらスッとはしてるんだけど、「なんか気になる」みたいな要素を探って、ズラしているというか。でも、他が完璧���から何も言えない。凛子ちゃんも未だにずっと CHANEL のファミリーだけど、アジア人でヨーロッパのいわゆる上流階級にいきなり入れるわけがないから、最初のインパクトがたぶんあったんだと思う。
北村:私、1回彼女を映画で降板させたことがあるんです。まだ菊地百合子でやっていたとき。そしたら、当時所属していた事務所の社長が凛子ちゃんを連れて、その理由を問いただしに来たんです、渋谷の私の事務所に。ちょうどそのときに、別の用事でカメラマンの小林響が偶然いたのよ。響は関係ないんだけど、あえて第三者がいたほうがいいやって思っていてもらったの。第三者によって今まで思ってなかった言葉が出てくることがあるのよ。それで、私は凛子ちゃんに、「今に絶対違う映画がやってくるから、そのオーディションを受けたほうがいい。そのために、名前はRで発音ができたほうがいい。外国では発音しやすいから」と言ったの。ハッタリだけど(笑)。「じゃあ、凛とした凛子にしよう」って。そうしたら、彼女が「私、変えます」って言ったのよ。それで社長が、「お前いい加減すぎる。この人、嘘ばっかり言ってる女なんだから」って。
鈴木:それで、菊地凛子が誕生したと。
北村:そう。彼女、その後、本当に『バベル』(06)が決まったのよ。オーディションに行くとき、「私が女優だったら、裸で行くよ!」って言ったら、「わかった! コートの下は裸にする」って言って、本当にそうしたかどうかはわからないけど、監督が「わかった、君の役を作るから」となったらしいのよね。意味あったよね、ちょっとした嘘も博打も。響がいなかったら、凛子という名前は出てこないのよ。あいつクソみたいな男だけど、よくいてくれたよ。
鈴木:写真家としてはワールドワイドなのに(笑)。
北村:凛子ちゃんって、どんな取材でも応じるよね。飛行機に乗って自分で行くんですよ。本当に少しのスペースしか露出がなくても、「大丈夫、行く!」って行くんだって。あれは見習うべき姿勢だと思うよ、女優たち。
鈴木:それは、北村さんが教育したからですよ。
北村:私はさ、親くんから洋服を学んでるよね。
鈴木:いやいや。

『衣装術2』(リトルモア)
北村:私の中で、渋谷の雑踏とか公園の隅っこで撮るというアイディアは全くないもん! もともと、『衣裳術2』(リトルモア )でまとめた雑誌『T.』の連載企画を持ってきたのは、親くんと門間雄介くんだったし。
鈴木:『T.』でもこの連載だけ、テンションが違いましたよね。でも、今なら特にそうだけど、雑誌を買ってもらうのに特別なコンテンツが絶対ほしいじゃない。昔から日本の雑誌で多いのは、だいたいプロモーション取材のタイミングで同じ顔の表紙がバーっと並んでて、独自のチョイスがない。アートディレクターの大橋 修さんはすごく抵抗して、独自のチョイスを作らないと意味がないって、北村さんという異物をページの中に放り込んだという(笑)。
北村:でも、二人とも先に辞めちゃって。そうしたら、大橋くんが「北村さん、俺は続けたいから、毎回カメラマンを変えていくというのはどう?」っていう話になって。
鈴木:北村さんは、「こういうふうにしよう」と強引には、自分から言わないタイプだからね。
北村:そう、言わないです。大橋くんから、「続けてほしい」と言われたときに、「ほかの記事もファッションにはならないの?」って聞いたの。映画雑誌だから、そこは変えられないということで、「じゃあこれが最終的に書籍になるんだったら、目的がある」ということで続けて、それでリトルモアに頼み込んだのよ。
鈴木:北村さんが撮影しているシリーズも面白かったです。『衣裳術2』の表紙になった写真とか。
北村:そのときは、カメラマンが誰もいなかったんですよ。タカムラダイスケと言われても、その人の写真知らないじゃない。そしたらタカムラくんが、「北村さん俺のこと知らないから、俺がアシスタントやります」って言って。それで、凛子ちゃんの旦那の染谷将太くんを最初に撮ったんですよ。この連載で、私は親くんとのゲリラ撮影を、ものすごく覚えてるんですよ。親くんとやった新井浩文くんの撮影が、私、相当ショックだったのよ。後ろに警察官が写ってるの知ってる? あれ5分後だったら、「君、何してるんだ!」って来るやつでしょう? もう笑っちゃうよね。あれは計算して撮ってるんでしょう?
鈴木:一般の人は基本的に肖像権があるじゃないですか。警官は、公務員だからないんですよ。
北村:すごいよね、実際に来るんだから。
鈴木:そういうのが好きなんですよ。
北村:やっぱりね。だから目立ったところで撮影するんだ。
鈴木:そう。

『衣装術2』(リトルモア)
鈴木:撮影時間をコンパクトにやるということは、考えてはいて。撮影って、下手に長時間やることが多いでしょう? でも、テンションってそんなに持たないじゃないですか。北村さんは瞬発力が半端ないから。持続力よりは瞬発力に北村さんのすごさがあるから、それは狭い範囲でぎゅっと終わるほうが、逆に良く出るというか。新井くんの撮影は、目黒の駅の線路を挟んで前後だけだから、実質半径300mとかの移動で終わったし。
北村:ああいう撮影をするのは、親くんだけですよ。まず皇居で撮るでしょ。渋谷は交差点で撮るじゃない。あとは御苑とかね。「こんなの平気で撮ってるの?」って思って。でも、ついていくと面白いんだよね。隅っこにいて、オロオロしてるのは私だけでさ。安藤政信くんの撮影なんて、ホームレスのいる隣に連れていくのよ。
鈴木:中央公園ですかね(笑)。
北村:あれカシミアのスーツよ?本当に場所を見つけるのが、上手いのよ。「こんなところあるの?」って感じで。

『衣装術2』(リトルモア)
鈴木:でも真面目な話、違和感を北村さんが入れてくれるから、街中でも成立するんですよ。ただ、普通に街で撮ったら、ただのストリート・フォトになっちゃう。北村さんとの撮影だから、普通のロケーションがちょうどいいんです。一瞬普通に見えるけど、よく見ると違和感があるのは、たぶん普通の服じゃないというのが一番大きい理由だから。北村さんと『Purple』を初めてやったときに、凛子ちゃんがモデルだったんだけど、普通のスタイリストなら100%絶対ダメって言うくらいの台風が来て。だって、80万円くらいするコートだし、濡れるに決まってるし。でも、北村さんが言ったことで忘れられないのは、「全部濡れちゃえばわからない」っていう(笑)。
北村:だから、親くんの手口で嵐の中の池松壮亮くんの撮影もやったのよ。
鈴木:俺、すげぇなと思って。ラッキーと。北村さんは、乱暴に扱うけど、最高に丁寧にも扱うというか。普通だったら濡らして買取だけど、ちゃんとカシミアの質をわかっているから。
北村:あれが日本の洋服ならびちゃびちゃですよ。池松くんの撮影のときも台風が来て、じゃあTOM FORDを借りてこようかって。そしたら、大森克己さんはiPhoneで撮ってたらしいの。
鈴木:iPhoneは雨でも大丈夫なんですよ。フィルムのカメラはダメだけど。
北村:親くんは、フィルムで撮ってたじゃない!
鈴木:そう。正直に言うと、カメラは別に壊れても買い換えられるじゃない。でもこの台風は過ぎ去ったらもう撮れないから。
北村:でもね、Balenciaga、濡らした写真を『Purple』で使ってくれたんだよね。決められたルック通りじゃなかったのに。
鈴木:しかもそのときってNicolas Ghesquiere (ニコラ・ジェスキエール)がデザインを始めたばかりだったから、崩すのはダメだった。洋服の着方も全部指定で、「確実にやってくれ」と言われていて。しかも、広告は『Vogue』と『Purple』にしか打っていない時期で。
北村:そういや、『Purple』で押井守もやったじゃない。日本テレビまで行ってさ。
鈴木:押井守さんがまだアニメ好きだけの支持を受けていた頃、今みたいな存在じゃなくて。ちょうど、日本のモデルで誰か面白いのがいないかと話していて、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』(08)を観てたから、北村さんに話したら、北村さんも押井さんが大好きで。『ブレードランナー』(82)の影響を受けてはいるけど、逆にハリウッドにも影響を与えたような人だから、立場上、凛子ちゃんと同じようなものだって。海外の評価が異常に高いから、これは北村さんがやるしかないでしょうと思って。
北村:会話が止まらなかったよね、二人で。『ブレードランナー』の話になって。Ridley Scott(リドリー・スコット)のことをようやく会話できる奴がいたって感じで。
鈴木:映画のプロデューサーからは、一切ファッションの要素はない人だと聞いていて、「着るかどうかはわからないですよ」と言われていて。事前に、スタッフの書かれたシートを渡しておいたら、たぶん北村さんの名前を見て押井さんはすぐわかったんだと思う。ボサボサの髪を期待してたら、髪の毛をきれいに切って待っててくれて(笑)。北村さんの用意したライダースを「これどこの?」とか言って、着る気満々で嬉しそうにしてましたよね。
北村:その後、同じのを買いに行ったんだよね。懐かしい。
鈴木:Maison MargielaのニットにMarc Jacobsのジャケットを着せたんだけど、本人が着てる感じを残すために、今だったらおしゃれなダッドスニーカーだけど、そのときは全然だった本人のスニーカーを履かせてた。
北村:私物みたいだったよね。
鈴木:北村さんって、本当にその場に生きている人だから。例えば、通常の撮影だと、俳優さんや女優さんが初めて仕事する人だったりすると、服をいっぱい持ってくるんです。逆に、僕が「これを外して」と言っても、���させなかったりする。それだけあったら、被写体本人が選びたいとなっちゃうじゃない。親切にしたら、その後の仕事に繋がる可能性があるじゃないですか。たぶん、そこまで考えてやっている。
北村:頭いいね。
鈴木:このシューティングというよりは、次の指名とかコマーシャルとかも考えてる。ビジネスとしてやってたらそれは正論なんだけど、カメラマンからすると、目の前の撮影が上手くいけばいいだけで、もしその後に被写体に嫌われようがかまわないと僕は考えてるタイプ。北村さんは俺よりもっとハードコアで、撮影で4コーディネートを使うと言ったら、4半くらいしか持ってこない。サイズが合わなかったときとか、場所によってちょっと変えるとかくらいですよね。
北村:だって重いし。
鈴木:それは、目の前のシューティングが上手くいくことをすごく考えてるから。カメラマンからすると本当に、正直に言うと超やりやすいんです。俳優さんに服について説明するのも、カメラマンがするよりも、北村さんがこれはこうだからいいって言ってくれたら、それで通っちゃう。
北村:上げるもんね。親くんはヘアメイクのAMANOくんをいびっているだけでさ。ロケバスの中、人の悪口ばっかりだからね、私たち。
鈴木:(笑)。人って、その場に生きることっていうのが、大人になればなるほどできない。子どもは単純に言うと、その一瞬を生きてるじゃない。だから、若い頃ってすごく瑞々しさもあって、大人になればなるほどその瑞々しさに憧れる。北村さんは、みんなよりも先輩なのに誰よりもその場に生きてて、その一瞬が良ければいいという考えですよね。
北村:そう思わない?
鈴木:本来、人生ってそういうものというか、その一瞬が積み重なっていくと良くなるし、すごく先のことを心配しても本当はしょうがないんだけど、それができる人っていうのは、立場ができればできるほど少なくなってくる。でも北村さんは、映画でも全部それをやってるから。
北村:ライブなんです。
鈴木:そう、その場を生きてる。好奇心と共に。
北村:好奇心がなくなったら、やることないんじゃないの? と思ってる。
鈴木:哲学もそうだし、最近の量子力学や物理学もそうなんだけど、結局人の思いみたいなものが全部の形を変えるとなってる。人の意思が介在したときに、実際の物が動くというのが最新の物理学の考えらしいの。北村さんって、たぶん、そういう意思が明確だから。
北村:私はけっこう若いときから三木成夫を読んでるじゃない。だから、生命って、水と油という相反するものが、実は心と体、脳と体として、そこにあるってことを最初から読んでるから、何というか、波動がどうやっても上手くいかないなというときは、「水と油だからしょうがないんじゃない?」という感じだし、素数を大事にしてるから。3とか5を。4になったら、どっかで乱したくなってくるんだよね。
鈴木:哲学と物理学が、今はほぼ一緒みたいになっている。北村さんの時代は哲学を学んで、その哲学が服になってる。実際、北村さんの思いみたいなものが衣裳に入るということは物理学が証明している。その場に強い意思がちゃんと介在している、観察者という人だからね、やっぱり。
北村:本当に先生だねぇ、親くん。
鈴木:「気持ちは伝わらない」ってよく言うけど、物理学上、今の量子学では本当に伝わっているとされていて��北村さんの撮影を見ていると、たとえ他の人と同じものを持ってきたとしても、何かが違く見える。その何かっていうのは、もしかしたら強い思いなのかもというのはすごくある。
北村:親くんと『GQ』の15年周年でTOM FORDのルックを撮影して、TOM FORDから絶賛のメールが来たんですよ。
鈴木:ヒップホップの男の子で、IOくんって子なんだけど、まぁ、きっとTOM FORDは着ないでしょ。それをポコっと着せて。普通の人が来たら、演歌歌手みたいになるのを。
北村:北島三郎だよね。TOM FORD側としては、ものすごくいいカシミアの服を用意していたんですよ。でも、私は行ったときに、「これしかないの?」って言って、ヘビメタみたいなのを使っちゃったのよ。
鈴木:やっぱり、着丈とか、スラックスの裾をブーツに入れるとか、そのバランスみたいなのが絶妙に上手い。もちろんサビルロウとかの着方がわかってるからなんだけど。本人が履いてきたブーツにそのまま入れちゃって、バッと出てきたみたいな格好良さがあって。
北村:またさ、ウィンドウにベースが並んでる、みたいな楽器屋にロケに行くんだもんね。あれは、トムちゃんが「Nice!」って言ったのわかる。
鈴木:さっき話した、同じ服でも北村さんが持ってくると違く見えるというその差って、もちろん北村さんって細かく見てるところもあるんだけど、コンセプトを全部を通して綺麗に見た後に、現場はライブにする。そこがすごく上手くて。たぶん、撮影の前までは全部緻密に考えてる。その準備がハード。写真や映像って、その場の偶然性みたいなものが入らなければ、広告になっていっちゃう。その偶然性が入ることで、エディトリアルとして一番美味しいところが撮れる。コマーシャルだったら絶対決めていくけど、北村さんはそこでも無茶苦茶するっていうのはよく聞いてるから(笑)。撮ってる側からすると、そこの要素っていうのが一番強いところ。ハプニングだけを入れるのはできるし、緻密にやれと言われたらできる人はいるけど、その両方は矛盾するじゃないですか。さっきの水と油じゃないけど、矛盾するものを両方入れられる。しかも自然に。そこが、北村さんにしかできないところですよね。
北村:ありがとうございます。
鈴木:例えばファッションって、1年か2年過ぎるとすごく古く見えちゃうところがある。30年とか過ぎるとまた新しく見えるけど、10年だとしょぼく見えやすい。でも北村さんのスタイリングって、わかりやすい表現をすると、強度があるんだよね。本人に合ってるとか、写真に合ってるとか、映画に合ってるスタイリングだから、もちろん時代性はちゃんと入ってるんだけど、いつの時代に見てもよく見えるというか。だから、10年前のものを今見ても、一切古く見えない。それがすごいなあと。
北村:それ、けっこう褒めてるよね?
鈴木:褒めてますよ。例えば、Joe McKenna(ジョー・マッケナ)というスタイリストも、北村さんと同じようなメソッドでやっている。海外でもそういう人って少ない。彼は、分厚いハードカバーの本とか出すような人だから。北村さんはヨーロッパで生まれていたら、ハードカバーの本をもう5冊くらい出してると思う。
北村:一応、2冊は出してるんだけどね(笑)。

Photo by Chikashi Suzuki
<プロフィール> 北村道子(きたむら・みちこ) 1949年、石川県生まれ。サハラ砂漠やアメリカ大陸、フランスなどを放浪ののち、30歳頃から、映画、 広告、雑誌等さまざまな媒体で衣裳を務める。映画衣裳のデビューは85年、『それから』(森田芳光監督)。07年に『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(三池崇史監督)で第62回毎日映画コンクール技術賞を受賞した。著書に『Tribe』(朝日出版社)、『COCUE』(コキュ)、『衣裳術 2』『衣裳術《新装版》』(リトルモア)がある。2019年1月21日(月) 、東京・文化学園にて、「北村道子さんトークショウ」(17:30入場/18:00開始)を開催予定。1月10日(木)より出版社・リトルモアHPで観覧予約開始。
<書籍情報> タイトル 衣裳術2 著者 北村道子 装幀 大橋修 価格 ¥2,000 判型 A5判 /192ページ 発行日 2018年12月 出版社 リトルモア HP: www.littlemore.co.jp
【関連記事】 写真家・鈴木親インタビュー
share
michiko kitamura
思いをかたちにするスタイリスト、北村道子インタビュー
3 notes
·
View notes
Text
巨大IT企業は今後世界をどう動かすのか……「GAFA」の描く2020年代
今日、世界的なプラットホームを掌握する4つの巨大企業が注目されています。Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字から「GAFA」と呼ばれるこれら企業は、テクノロジーと社会の行く末に大きな影響力をもっています。ここでは、そんな彼らの今後の動きを予想・解説します。
私が解説します!
ジャーナリスト
西田宗千佳さん
モバイル機器、PC、家電などに精通します。記事を雑誌や新聞などに寄稿するほか、テレビ番組なども監修しています。
展開中の商品から見えてくる4社4様の経営戦略
Googleは、最新スマホのPixel 4や新型のGoogle Glassを投入したり、ウェブブラウ���のChromeを展開したりと、活動の幅が広いです。だが、そんな彼らの狙いは実はシンプルで、「ネットの利用を増やすこと」に尽きます。情報を整理し、そこに広告を出すことがGoogleのビジネスの根幹なのです。さらに現在は、整理した情報を使いやすく提示するAndroidや、そのライセンス提供も大きなビジネスとなっています。彼らが送り出す機器・ソフト・サービスで、ネットをどう使わせたいかを考えれば、Googleが何を狙っているのかがわかりやすくなります。
Appleの戦略の基本は「付加価値のあるハードを売ること」です。MacBookにしろiPhoneにしろ、品質と使い勝手がトップクラスでファンが多い機器であることがブランドの担保となっています。今後は、発売した機械の連携を強め、1つを愛用したらほかのApple製品も欲しくなるように仕向けていくはず。おそらく今後もApple WatchやAirPodsに続く関連製品を増やすことになります。有力候補はARグラスですが、その登場は20年代の後半あたりになるでしょう。
Facebookは母体がSNSである以上、どうしても収益が広告頼りとなります。仮想通貨を発行しても自社だけで運営できないので、効果は限定的。そこでOculusのようなVRハードとコンテンツから、異なる形での収益を見込んでいますが、成長するには時間がかかります。しかし、仮想通貨やVR・ARが成功すれば生活のなかでFacebookの関与する割合が高まってきます。SNSユーザー以外にFacebook関連サービスを使わせれば、広告媒体としての価値はさらに上がるため、恐れず新事業を展開するはずです。
Amazonのビジネスは3本柱。「通販」とネットインフラの「AWS」、そして「ハード」です。なかでもスマートスピーカーのEchoシリーズは、未来の家電の軸になる技術として、積極的に展開していくでしょう。とはいえ、Amazonはハードで大きな利益を上げる必要がありません。「Amazonというサービスを使い続けてもらえば良い」と考えているので、通販を使い続けてもらうためハードは安価にし、維持するためのインフラ事業をさらに広げていくはずです。
Google
検索サービスを起点に、地図や各種クラウドサービス、Android OSの提供など、活動領域は多岐にわたります。同社のサービスに触れずに暮らすのは困難なほど、現在の生活に密着しています。
【注目プロダクト】 プロ級の写真が手軽に撮れる多機能なデュアルカメラを搭載
Androidスマホ
Pixel 4
10万3950円
Googleの考えるAndroid端末の在り方がうかがえる、5.7インチ有機ELディスプレイ搭載モデル。暗い場所でも明る��撮れる、AI機能を駆使したデュアルカメラを搭載。専用チップを搭載することで、セキュリティも強化されました。
↑本体の色は、オレンジ、黒、白の3色をラインナップ。それぞれの色に合わせた純正ファブリックケースも用意します
【2020年代はこう動く!】 集積したデータでリアルとウェブを一体化する
ウェブにアクセスする機会が増えるほど、Googleの収益も増えます。集積したデータを都市などの日常風景に投影できる、AR技術を活用したGoogle Glassは今後の注目株。Appleとの競争はここでも続きます。
↑Google Glassの新モデル。より眼鏡らしいデザインとなり、違和感なく街に溶け込みます
Apple
現在のスマホの実質的起源と言えるiPhoneを生み、エコシステムを完成させたのが同社。そのプロダクトには常に注目が集まる、世界中に多数の信奉者を抱えるオピニオンリーダーです。
【注目プロダクト】 画面の常時オンが可能になってより便利に
スマートウオッチ
Apple Watch Series 5
4万7080円〜
スマホと連携し、各種通知やメッセージの確認などが行えるスマートウオッチ。単体でも使用可能で、新たにコンパス機能を搭載しており、地図アプリで向いている方向まで確認可能になりました。画面の常時オンに新対応し、使い勝手も向上しました。
↑本体である「ケース」とバンド部分、それぞれを選択して購入可能。ナイキやエルメスとのコラボモデルも用意します
【2020年代はこう動く!】 24時間Apple製品を身につける生活へ
Apple製品が持つ付加価値のうち、現在、ユーザーの目に最も魅力的に映っているのは、やはりデザイン性です。iPhoneのカラバリも増加していますが、この傾向は今後も続き、よりパーソナルな方向へ進みます。
↑Apple Watchの純正バンドは56種類。高いカスタム性が消費者マインドをくすぐります
Facebook
世界最大のSNSの運営で莫大な広告収入を上げるFacebook。これまで、VRヘッドセットメーカーOculusを買収するなど拡大を続けてきました。2019年は仮想通貨事業に参入して話題になりました。
【注目プロダクト】 コード類一切なしで本格的なVRゲームを1台で楽しめる!
VRゴーグル
Oculus Quest
5万4780円
単体でVRゲームなどを楽しめる一体型VRヘッドセット。動きや顔の向きなどを検知する6DoFに対応するほか、装着している部屋の広さを計るルームスケールトラッキングも可能。より没入感の高いVR体験が味わえます。
↑購入時の付属コントローラーは手の動きをダイレクトに反映し、現実のような正確さで操作が可能です
【2020年代はこう動く!】 新技術の普及で広告以外の収益化��目指す
Facebookが現在力を入れているのが仮想通貨のLibra。これが軌道に乗れば、Facebookを通じたECが世界規模で普及する可能性も。それはFacebookというSNSの媒体価値を高めることにつながります。
↑Libraは、取引に使いやすい「価格が一定のステーブルコイン」を目指すと発表されました
Amazon
世界最大のECサイトであるAmazon。小売だけでなく、Echoシリーズの開発と、同ハードに搭載されたAIアシスタントAlexaにより、IoT家電の普及をリードしています。
【注目プロダクト】 5.5インチのディスプレイ付き格安スマート端末
スマートスピーカー
Echo Show 5
9980円
5.5インチディスプレイを装備したAIアシスタント端末。声による操作で、音楽再生のほか、時刻や天気、ニュースなどの表示ができます。本機を経由してAmazon Alexa対応IoT家電をコントロールすることも可能。Echo端末同士のビデオ通話機能なども搭載します。
↑こちらは、プラグ一体型のEcho Flex。Echo端末は多種多様なものが展開され、どれも高コスパです
【2020年代はこう動く!】 IoTを家庭内に普及させて生活を変える
Amazonは家庭内のすべての機器を自社製のIoT機器でつなぐことを目指しています。それらの機器をつなぐインフラ、機器で注文する商品などもAmazonが担おうというのが今後の基本的な狙いです。
↑AIアシスタントAlexaを中心に、各種IoT家電が連携するスマートホームの実現を狙います
【2020年に登場する注目プロダクト】 かつての王者Microsoftも復権の兆し
期待のプロダクトが2020年に登場!
Windowsを展開するマイクロソフトは、GAFAと並び称される巨大企業。最近では、独自のプロダクトであるSurfaceシリーズが人気を集めています。同社は、2020年投入予定の新モデルを早くも発表。いずれも斬新な注目アイテムです。
マイクロソフト
Surface Neo
国内発売未定
9インチのディスプレイを2つ搭載した折りたためるPC。2画面連結で最大13インチ相当となります。脱着可能で位置をずらせるキーボードも用意。このほか、同様のスタイルでAndroid OSベースの小型端末Surface Duoも発表しました。
マイクロソフト
Surface Pro X
価格未定 2020年1月発売
13インチのタッチスクリーンを搭載したビジネスマン向けの2 in 1タブレット端末。質量774g、薄さ7.3mmと軽量で携帯性に優れ、駆動時間も13時間を確保しました。LTE通信に対応し、Wi-Fiの入らない環境下でも作業が行えます。
4 notes
·
View notes
Quote
怪しいインビテーション・フロム彼方 夏休みに、知らない人に誘われて、知らない人たち5人と、知らない国の知らない場所を旅することになった。twitterで、今まで全く交流がなかった人から突然誘われたのだ。なぜ誘われたのかもわからないし、なぜ、自分がその誘いに応じたのかもわからない。 当時の私は、激務で有名な会社の、最も激務と噂される部署で働いていた。会社の机で眠り、近くのジムでシャワーを浴び、充血した目でエクセルを叩く。正月もゴールデンウィークもなかった。ウイグル旅行の誘いが届いたのは、そんな折だった。 メッセージが目に入るやいなや、発作的に行きたいと返事をしてしまったが、後になって疑念が湧いてきた。メッセージの主は、いったいどんな人なんだろう。私は当時、人と絡まない孤高のスタイルでtwitterをしていたのでDMがきたこと自体初めてだった。 とにかく、行くと言ってしまったのだから、休みをとらなければならない。その時点で夏休みを取得する予定はなかった。取得できるのかもわかっていなかった。 どうしてウイグルなんかに行くんですか 休暇取得を申し出る私に対し、職場のみんなはやさしかった。みんな忙しいのに、「仕事は引き取るから」「ゆっくり休んで」と言ってくれた。しかし、旅行の詳細を聞くと、同僚たちの善良な笑顔はさっと曇った。 彼らは問う。 「どうして、ハワイでもセブ島でもなく、ウイグルなのか」 「どうして、親しい友人や家族と行かないのか」 もっともな疑問だ。私は、どうして、気が合うかわからない人々と、楽しいかわからない場所に行こうとしているのだろう。自分にもわからない。どちらかといえば、こちらが問い返したいくらいだ。 「どうして私は、知らない人とウイグルに行くのでしょう?」 私は、夏休みまでに仕上げなければいけない書類の山を見つめた。 羽田からウルムチへ 早朝の羽田空港国際ターミナルで、私は疲れ果てていた。休暇を目前にひかえる中で押し寄せる仕事の波に飲み込まれ、家に帰れない日々が続いていたからだ。最終日も仕事が終わらず、徹夜で職場から直接空港に向かう羽目になった。 今回の旅行メンバーは、男性3人・女性3人。私以外は、大学時代のサークルを中心としたつながりのようだった。それだけ聞くと、「あいのり」や「テラスハウス」のような、青春の匂いただよう若い男女の旅行なのだが、グループからはそれをかき消す不穏なバイブスが満ち満ちていた。 なかでも完全におかしいのは、グループの中に「尊師」と「レーニン」を称する人物がいることだ。通常、「尊師」というのは、オウム真理教教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)を意味し、「レーニン」というのは、ロシア社会民主労働党の指導者であり、ソビエト連邦を建国した人物であるウラジミール・イリイチ・レーニンを意味する。 テロ、あるいは革命という形で、国家体制の転覆をめざした宗教的・政治的指導者が、なぜ一同に会しているのだろう。空港前で集合しているだけで、破壊活動防止法(通称・破防法)の適用対象団体となってしまいそうだ。 ともあれ、この時点で、今回の旅行が恋と友情の甘酸っぱい青春旅行になる可能性は限りなくゼロだ。麻原彰晃とウラジミール・レーニンが旅を通じて友情を深め、それがいつしか愛に変わる……。そんな突飛な話は、両者の思想的相違点を考慮すればおよそ考えられないだろう。 私は、���家転覆を試みる宗教家でもなければ、社会主義の革命的指導者でもない。どうしてこの旅に誘われたのだろう。ぷくぷくとふくらむ疑問と不安を乗せて、飛行機は羽田を旅立とうとしていた。 尊師とレーニン 羽田からウルムチへの長い移動中に分かったことがある。尊師は、工学の修士号を持つ知識人であり、特定の宗教とのつながりはないということだ。「尊師」というのは、極めて不謹慎なあだ名にすぎない。 では、旅の同行者にふさわしい安全な人物かというと、そんなことは決してなかった。尊師は、無邪気な下ネタをガンガン投下してくるという反社会的な性質を有していた。 例えば、北京の空港でのことだ。 「マーン・コーヒーだ!見てください!マーン・コーヒーですよ」 尊師は、北京空港内のオシャレなカフェチェーンを指差し、目をキラキラ輝かせて写真を撮りはじめた。そのとき、私は「どこにでもあるチェーン店になぜ興奮しているのだろう」と不思議だったのだが、後になって、それが低レベルすぎる下ネタであることに気がついた。もっと早く気づいてしかるべきだったのだが、工学の修士号を持つ知識人が、そんな知性ひかえめのジョークを言うとは思わなかったのだ。 他の同行者もまた、尊師の被害を受けていた。 尊師 「ちんマ!? ちんマ!?」 同行者「ちんマってなんですか?」 尊師 「ちんマというのは、ちんちんマッサージのことです」 同行者「……」 それ以来、その人は、尊師には何も質問しないと決めたという。 尊師が、大きな身体のうるさいお兄さんである一方、レーニンは、小柄でツインテール姿の、無口でちょっぴりエッチな美少女だった。 ちなみに、ちょっぴりエッチというのは、彼女が尊師の下ネタをときどき拾ってあげていたのを私が面白おかしく書き立てているだけだ。実際には、彼女は、渾身の下ネタをたびたびスルーされ、ときにはうるさいと一喝される尊師を気遣っていたのだと思う。 なので、正確には「レーニンは、小柄でツインテール姿の、無口で心優しい美少女」ということになる。それでいてソ連のコミンテルンを率いる革命的指導者であり思想家だなんて、今すぐアニメの主人公になれそうだ。 それにしても、尊師もレーニンも、私の凡庸な日常生活には絶対にあらわれないタイプのキャラクターだ。二人とも、普段は善良な労働者として社会に潜伏しているらしいので、本当は自分のまわりにもいるのかもしれないが、それを知るすべはない。 「ずいぶん遠いところにきちゃったなあ……」 あまりの非日常感にめまいがした。まだ、目的地にさえついていない。 謎の秘密結社・うどん部 新疆ウイグル自治区は、中国の最西部に位置しており、国境を接して南にはインドがあり、西にはカザフスタン・キルギス・タジキスタン・パキスタンが連なる。古くからシルクロードの要衝として栄え、ウイグル人・カザフ人などの多民族が住む、ムスリムが多い中央アジア文化圏だ。 今回の旅程は、新疆ウイグル自治区の玄関口であるウルムチを経由し、前半は電車でトルファン、カシュガルを巡り、後半は車でパキスタンとの国境であるタシュクルガンまで足を伸ばすというものだ。 羽田からウルムチまでの移動にまる一日かかるため、実質的な旅のスタートは二日めのトルファンからになる。隣の国のはずなのに、移動の体感的にはヨーロッパと同じくらい遠い。 私たちがトルファンに到着して最初に向かったのは、ウイグル料理店だった。 「やはり我々うどん部としては、まずはラグメンの調査からですよね」 旅行の主催者である女性は、ニコニコしながらそう言った。ラグメンとは、中央アジア全域で食べられている麺類で、うどんのような麺に、トマト味のソースがかかった食べ物だ。 なんでも、今回の旅行は「某大うどん部」という、大学のうどん愛好家サークルの卒業生を中心としたメンバーで構成されているらしい。旅の目的のひとつも、ラグメンを食べることで古代中国で生まれたうどんの起源を探ることにあるのだという。 「うどん部……?」 私は思わず考え込んでしまった。特にうどん好きというわけでもない自分が誘われた理由がわからないと感じたこともあるが、一番の理由は、今回のメンバーが「うどん部」という言葉がもつ牧歌的かつ平和的な響きからはおよそかけ離れた集団のように思えたからだ。 先程言及した「尊師」と「レーニン」が名前からして不穏なのはもちろんだが、他のメンバーたちの話題もとにかく不穏だった。 「前進チャンネル」の話 中核派Youtuberが、警視庁公安部のキャンピングカーを紹介したり、不当逮捕された同志の奪還を訴えたりしている番組の話。 北朝鮮脱北ノウハウの話 中国と北朝鮮の国境地帯に住んでいたことがあるうどん部員による、脱北ノウハウの話。北朝鮮脱北者が、国境近辺に住む中国人民を襲い、金品と身分証を奪いとることで中国人として生きようとするが、中国語が話せないことからバレてしまい、強制送還されるという救いのない事件が多発しているらしい。 スターリンに乾杯した話 「ヨシ」という名前のうどん部員が、スターリンの故郷であるジョージアを訪ねたところ、「ヨシ」は同志スターリンの名前だと歓迎され、「ヨシフ・スターリンに乾杯」と密造酒をすすめられた話。 一言でいうと、うどんは関係ない。 うどんは関係ない上に、思想的にかたよっている。うどんを愛する心に右も左もないと思うのだが、一体どういうサークル勧誘をすればこんなことになるのだろう。世界がもし100人のうどん愛好家の村だったら、中核派は0名、教祖も0名、スターリンの故郷を訪ねた人も0名���なるのが普通だ。 今回の旅行メンバーはたった6人なのに、公安にマークされそうな発言をする人しかいない。思想・良心の自由が限りなく認められたコミュニティであるともいえるが、うどんを隠れ蓑とした何らかの過激な団体である可能性も捨てきれない。謎の秘密結社・うどん部だ。 「こうした旅行は、よく企画されるんですか?」 私は、うどん部の背景を探るべく、おそるおそる尋ねた。 「主催者さんは、旧ソ連圏に関する仕事をしているんです。その関係で、旧ソ連の珍しいエリアへの旅行をよく企画しますよ」 「でも、どういうわけか、たまに、その旅行に行った人たちが仕事や学校を辞めてしまうんですよ」 「この前の旅行では、社会主義国家によくある、労働を賛えるモニュメントをめぐっていたら、一緒に旅行していた学生の友人が『労働意欲が湧いてきた。学校はやめるぞ』と言って、突然中退してしまったんです」 「僕も仕事を辞めたしね」 社会主義国家を旅することで、反社会性が養われてしまうとは……。 「旧ソ連圏への旅行は、うどんとは関係あるんですか?」 「うどんとは関係ありません。ただ、うどん部員には、真っ赤な血が流れているんです」 これまでの話をまとめると、「うどん部」とは、うどんの絆で連帯し、ときに資本主義社会から人をドロップアウトさせる赤い集団ということになる。なにがなんだか、全くわからない。 主催者の女性は、旧ソ連圏に関する仕事をしているだけあって、中央アジア文化に詳しかった。彼女は、うどん部員らしい話題として、シルクロードにおける麺の広がりについて話をしてくれた。 「トルクメン人も、カザフ人も、ウズベク人も、友人たちは口を揃えてラグメンはウイグルが一番美味しいというんですよ」 全中央アジアの人民が認めるウイグルラグメンは、たしかにおいしかった。もちもちした手延べ麺の感触と、オイリーなソースに絡まるたっぷり野菜のバランスがよく、濃い味なのにいくらでも食べられてしまう。 特に、ニンニクでパンチを効かせたラグメンは癖になるおいしさで、そのジャンクかつ中毒性が高い味わいから、勝手に「ウイグルの二郎」と命名されていた。 内装も異国情緒が爆発していた。天井から階段までいたるところがタイルやステンドグラスで彩られている。細やかな幾何学模様を見ていると、確かに中央アジア文化圏に来たのだということを実感する。 中央アジアを旅行するたびに思うのだけれど、彼らの、あらゆる場所を「美」で埋め尽くそうとする情熱はすごい。衣服やクッションの細かな刺繍、木彫りのアラベスク、色とりどりのランタン……。よくみると、料理に使うボウルまで鮮やかな矢絣模様がついている。 私は、ステンドグラスが貼られた天井を見つめた。 「遠い場所に場所にきたんだ」 そう思ったが、どういうわけか実感がなかった。足元だけが、なんだかふわふわしている気がした。 砂漠は空中浮遊する尊師の夢をみるか 午後から本格的な観光がスタートした。最初に訪れたのは、交河城址という遺跡だ。紀元前2世紀頃に作られ、14世紀まで実際に街として使われてい要塞都市だ。地平線が見えそうなほど広い。 地面の上にレンガを重ねるのでは���く地面を掘って街を作ったところに特徴があるらしいのだが、これだけの土地を彫り抜くなんて、想像もつかない労力だ。中国の圧倒的なマンパワーを感じる。 遺跡が広すぎる一方で観光客があまりいないため、とても静かだ。どこまでも続く風化した街並みを歩き、静謐な空気に触れ、かつては賑わっていたであろう都市の姿を想う……そんな触れ込みの場所なのだけれど、正直言って、そうしたロマンチックな思い出は一切残っていない。 なぜなら、悠久の大地を包む静寂を切り裂くように、尊師がマシンガントークを繰り広げていたからだ。麻原彰晃がおしゃべりだったのかは知らないが、少なくともウイグルの尊師は非常におしゃべりで、一人で優に5、6人分は話していた。観光中、常にニコニコ動画の弾幕が飛んでいるような状況であり、センチメンタルな旅情の入り込む隙はない。 尊師の話は、基本的にどれも「興味深いがどうでも良く、とにかく怪しい」内容で統一されている。 ・中国の深センで売られている「Android搭載のiPhone」の話 ・中国貴州省の山奥に住むラブドール仙人の話 ・中国の内陸部では旅行カバンの代わりに尿素袋が使われているという話 ・中國の伪日本製品に書かれている怪レい日本语が好きだという話……。 気がつくと、夕暮れ時になっていた。 乾いた大地は茜色に染められて、民族音楽の弾き語りが響く。旅行者としてのセンチメンタリズムが刺激され、私はこの地の長い歴史に思いを馳せる。しかし、次の瞬間には、そんなセンチメンタリズムを切り裂くように尊師の怪しい話が炸裂し、安易な旅情に回復不可能な一撃を加える。 たちまち、私の心の中で放映されていた「NHK特集 シルクロード」の映像は乱れ、テーマソングを奏でる喜多郎は、へなへなと地面にへたり込む。 砂漠で果敢にも空中浮遊を試み転落する尊師、唐突に尊師マーチを歌い始める尊師、中国の怪しいガジェット情報に詳しい尊師……。 トルファンでの私の思い出は、尊師色に染め上げられていった。 遊牧民が住む砂漠の街で不慮のノマドワーカーになる まさかウイグルで徹夜をすることになるとは思わなかった。 観光を終えてホテルに戻った私を待っていたのは、職場から送られてくる容赦ないメールの数々だった。 「夏休み中恐縮ですが、添付の資料につき18時までにご確認お願いします」 「確認が終わるのは何時頃になるでしょうか」 「こちらも限界です、連絡ください」 休暇を申し出たときの「ゆっくり休んでください」はなんだったのか。そもそも、今日、日本は日曜だし明日は月曜で祝日のはずだ。私が旅行にでかけたのは土曜日なので、まだ夏休みは始まってさえいない。どうしてこんな惨状になっているのだろう。 ひとつ断っておきたいのは、私の職場の同僚たちは、基本的に優しく善良な人たちであるということだ。本当に仕事が回らなくなり、やむを得ずメールをしてきたのだろう。 今回の夏休みは「正月がなかったのはあまりにも気の毒だから」と上司が、わざわざチームに根回しをしてくれてようやく取得に至ったものだ。上司のただひとつの誤算は「現場に人が足りていない」という根本的な問題は、根回しでは決して解決しないということだ。 私はその夜、ホテル近くの雑貨店でレッドブルとコーヒーを買い込み、目を真っ赤にしてキーボードを叩き続けた。 空が白み、まばゆい朝日がきらきらと射しこむ時間になっても、私の仕事は終わらなかった。他の人々には私を置いて観光に行ってもらい、一人で仕事を続けた。そんな私を気遣って、尊師が食事を買ってきてくれた。 ようやく仕事が終わったのは、太陽が高くのぼり、熱された大地が蜃気楼で揺れるころだった。 鳥の声しかしない場所 午後、観光に出ていた他のメンバーと合流し、タクシーで訪れたトルファン郊外はのどかな場所だった。乾いた土地に葡萄溝やバラ園が広がっていて、木陰で商売をするスイカ売りやぶどう売りが、こちらにおいでと手招きをする。 ぶどうはいつも無料だった。一房分を買おうとするのだが、安すぎてお金を受け取ってもらえないのだ。口に含むと、雨の降らない土地で育つ果物特有の凝縮された甘みを感じる。 観光名所とされている遺跡にはだれもおらず、車の音も人の声もしない。絶え間なく響く鳥の声を聞き、強い光が地面に落とす影を見ていると、数時間前まで仕事に追われていたのが、遠い昔の記憶のように思えてくる。 静かな場所だった。太陽が眩しくて、あたまがぼんやりした。 ふと見ると、道端でビニール袋に入れられた羊の頭蓋骨が風化していた。その後も、私たちは、農地の側溝や休憩所のトイレ等、そこかしこで羊の頭蓋骨を見つけることとなる。この土地で暮らす人々には、お弁当がわりに羊の頭を持ってくる風習があるのだろうか。 私は、以前、イランのホームステイ先で「イランでは朝ごはんに羊の脳みそのスープを飲む」「日本でいうと、みそ汁的な存在」と言われたことを思い出した。「羊の頭がみそ汁の具として扱わている地域があるなら、お弁当がわりに羊の頭をぶらさげる人々がいても不思議はない」と思う。 私は、強い日差しから逃れ、木陰に座ってこの土地で暮らしてきた人々のことを思った。日本にはまだ神話の神様さえいなかった遠い昔に、砂漠のオアシスで暮らし、羊を飼い、ときには西瓜で喉を潤していたかもしれない人々のこと。彼らの聞いていた鳥の声と、私たちが聞いている鳥の声は同じだろうか。 ��の光にまみれてきらきらする西瓜の皮と、そばに落ちる暗い影を眺めていると無気力が押し寄せてきて、労働の意義も経済成長の意味���わからなくなった。 私はふと、今回の旅行について話したときの、同僚たちの反応を思い出した。 「どうしてウイグルなんかに行くんですか」 彼らの疑問は、要するに「その夏休みの使い方に、確かな価値はあるのか」という点に集約できる。たまの休みなのだから、確実に楽しく、気分良く過ごせる場所に行くべきだ。彼らはそういっていたのだろう。 同僚たちの疑問に対し、そのとき私は答えることができなかった。 職場の同僚たちは「この先、生き延びるにはどうすればいいか」という話をよくしていた。真夜中から始まる飲み会で、明け方の6時や7時まで話す人もいた。生き延びるとはなんだろう。 生産性が自分の人生を覆い尽くし、人間性がわかりやすい価値で塗りつぶされていくのを受け入れること。「使える」人とだけつるみ、評価されること。夏休みはハワイに行くこと。 生き延びるとは、きっとそういうことだった。 忙しいことには慣れていた。仕事に慣れてしばらくたったあるとき、もう必要がないからという理由で、少しずつ集めていたアンティークの食器や学生時代に好きだった小説を捨てた。重要なのは、「役割」を果たすことであり、社会の共通言語で話すことだと考えた。 でも、私は突然、久しぶりの夏休みを、確実に楽しい場所ではなく、楽しいかよくわからない場所で過ごしてみたくなったのだ。知らない人に誘われて、どういうわけか、そういう気持ちになったのだ。 農家のおばさんからもらって持て余していたぶどうを一粒、口に含んだ。日本のものとは全く違う、知らない味がした。 星降る夜行列車に乗って 疲れからか、やたらと物憂げな気持ちになっていたところに、尊師の「バ〜ニラ、バニラ高収入〜!」という歌声が響いてきて、現実にひきもどされた。そろそろ、この街を離れる時間だ。 それにしても、すっかり考え込んでしまった。私は、「うどん部の旅行に参加した人は社会からドロップアウトしがちである」という話を思い出した。 葡萄溝の木陰で、やたらとメランコリックな気持ちになったのも、この旅行の危険な効果だろうか。このままでは、謎の秘密結社・うどん部の陰謀の思う壺だ。 夜行列車で過ごした夜は、楽しかった。 トルファンのぶどうで作った珍しい白酒をたくさん飲んで、加熱する仕掛けが施されたインスタントの火鍋をつついた。 普段は飲まない強いお酒にはしゃぎすぎて寝てしまい、気がつくと真夜中だった。 夜行列車の窓から空を見上げると、満天の星空だった。肌寒い寝台で、毛布をだきしめながら、流れていく星空を見つめた。まばたきも、呼吸もできなかった。体中の神経が粟立ち、スパークした。 私は、冷凍されていた自分の人生が、急激に自分の身体に戻ってくるのを感じた。 もしかして、私は、生き延びることから遠ざかっているのだろうか。 このときの私はまだ、自分がその数カ月後、仕事を辞める運命��あることを知らなった。 (カシュガル編につづく) 補足とおしらせ ウイグル旅行記は、長くなってしまったので数回に分けて書きます。今後の予定はこんな感じです。 ・ カシュガルで公安警察から"重点旅客"として熱烈歓迎されてしまった話 ・ ウイグルの果てでゾロアスター教の遺跡を探し、廃墟の温泉に入った話 ・ 突如の軍事パレード開始により限界帰国チャレンジを強いられた話 旅の写真は、twitter(@eli_elilema)にもあげているので、よかったら見てみてください。 ※ 尊師はとても良い人でした。
https://note.mu/elielilema/n/nb8baf42077cd
10 notes
·
View notes
Text
BEHIND THE SCENES WITH PERFUME, JAPAN’S MOST FUTURISTIC POP GROUP
The Verge 3月29日掲載
執筆 Sam Byford
訳出元: https://www.theverge.com/2019/3/29/18286681/perfume-future-pop-tour-tech-rhizomatiks
Perfumeは日本においてもっとも知られ、また最高の売り上げを誇るアーティストの一つとして、そのスタイリッシュかつ未来的なイメージに支えられた独特のエレクトロポップサウンドとともに長年君臨してきた。しかし三人の音楽的表現はその方程式の一部に過ぎない。Perfumeのライブショーはテクノロジーと振り付けとの鮮やかな衝突に彩られ、アリーナの広大な空間をSF的な異世界へと変貌させるのだ。
Perfumeの『FUTURE POP』ワールドツアーは、明日のニューヨーク・ハマーシュタインボールルームでのライブを皮切りに北米に上陸する。筆者は昨年12月、横浜での公演を鑑賞し、彼女たちと会っているが - それもひとえにPerfumeにおけるテクノロジーとポップカルチャーの融合の背後には何があるのか - そのライブ制作の立役者は誰なのかを探るためでもある。
Perfumeは広島のタレントスクールで今世紀の変わり目に結成されたが、人気が急上昇したのは2008年リリースのアルバム『GAME』からで、これは近年のJ-POPの歴史上、もっとも影響力のある作品の一つであることが証明されている。プロデューサーの中田ヤスタカは、自身のユニットCapsuleでの「渋谷系」に影響を受けたエレクトロニカをもとに、革新的なテクノポップがぎっしりと詰まったコレクションを創り上げた。Perfumeは国際的なEDMの盛り上がりとともに注目を集めはじめ、その未来的イメージは中田ヤスタカのエレクトロニックな楽曲群に自然と寄り添うようになった。「私たちが若かったころ、歌うときはディーヴァ(歌姫)みたいに、って教わったんです」あ~ちゃん(西脇綾香)は言うと「でも中田さんと初めて出会って、エレクトロニックな音楽を始めたとき、ロボットっぽいイメージと繋がってて。それが他のもろもろを引き寄せたというか」のっち(大本彩乃)が付け加える。
「ポリリズム」のような初期シングル曲のミニマリズムなMVが印象を決定づけ、より注目を集めるPanasonicやNHK、NTT Docomoのような企業とのコラボレーションがそれに続いた。「私たちはいつもファンとの絆を感じているんですけど、テクノロジーを使うことによって実際にはそれがもっと近づくんです」かしゆか(樫野有香)が答え「例えばTwitterの(ファンからの)ツイートを3Dモデルの一部としてライブ中に見せるとか - テクノロジーを通してファンがライブを体感できるんです」あ~ちゃんが続け「テクノロジーがPerfumeらしさ、というわけではないんですけど、それが存在する以上、Perfumeとしてはそれを最大限に生かしたいかな」
確かにその通り - Perfumeのライブはおよそあなたが今まで観たことがないようなものだ。進化したモーションキャプチャーによって実現するビジュアル、複雑な透過スクリーンの配置、それぞれの曲が独自の振り付けで音楽それ自体を引き立てるアグレッシブで驚くような美学を持っている。
この先端的なライブ演出は、真鍋大度らによって2006年に創立された実験的アート集団・ライゾマティクスに依るところが大きく、彼らは「1mm」などのMVも監修している。筆者は真鍋氏と東京のスタジオで1時間ほどインタビューし、その内容の大半は彼のMacBook Proから様々な度胆を抜くような進行中のプロジェクトを披露してもらうことだった。ライゾマティクスは非常に多くのプロジェクトを同時に進行しており、真鍋氏は300年後の未来から来た東京の地下鉄路線図のようにも見えるフローチャートで、各プロジェクトがどのテクノロジーを互いに共有しているのか追跡しなければならないほどだ。
ライゾマティクスはまた、Perfumeの演出振付家でダンスカンパニー・イレブンプレイを主宰する水野幹子氏(MIKIKO先生)とも密接な関係にある。「まず最初に何かとても実験的なプロジェクトをイレブンプレイで行って、それがうまくいったならPerfumeに応用する感じですかね」真鍋氏が答える。「ちょうどR&Dをイレブンプレイで行なって、その大規模な応用をPerfumeで実現するみたいに。とても大勢の観客がいるPerfumeのライブでは絶対に失敗できないので、最初にテストを大量に行うんです」
ライゾマティクスの技術の多くは独自のものだ。2014年末の『NHK紅白歌合戦』の放送を例にとると、彼らはPerfume「Cling Cling」のパフォーマンスのために、9つの瞬く灯としてメンバーの周りを飛び交うドローンを開発しなければならなかった。
「どこの誰も安全なドローンを売っていなかったんですよ!」真鍋氏は説明する。「僕らが心配したのは、一般的なドローンではケガの原因になることでした。もし誰かが僕らのドローンにぶつかったとしても、それ自体は壊れますが、誰もケガはしません。(その意図に合うように)充分に軽くするためにはバッテリーは3分しか持たなかったから(当時は)市販できるようなものは無かったんです - でもライブにはいい選択��したね。大勢の人々が市販のドローンを採用したパフォーマンスでケガをしていましたから」
いずれにせよ『FUTURE POP』ツアーでライゾマティクスは、その演出の一部に初めて市販品のガジェットを採用した。「Tiny Baby」では、マイクスタンドに設置されたiPhone Xが、三人のメンバーそれぞれのパフォーマンスをステージ背後の巨大なスクリーンに映し出し、iPhoneのTrueDepthカメラ *1を用いることで、彼女たちの口から言葉が飛び出すような様々な演出が加えられた。
この演出のためのソフトウェアは、2名のライゾマティクスのエンジニアによって開発された。「僕が思うに、iPhoneは今の時点でもっとも安定した顔面認識技術です」真鍋氏は続けて「扱うのが楽だし、API *2はかなり洗練されてますね。(ライブでは)とても多くの照明も同時にコントロールするので(照度がダイナミックに変化するような環境では)一般的なRGBカメラではこれほどの堅牢さは出せないかもです」
(訳注1:複数の技術によって構成されるiPhone独自の被写体認識カメラのこと)
(訳注2:あるプログラムや機能を他のプログラムや機能で使用する際の定まった手順のこと)
これは驚くことだが、Perfumeのメンバーは実際には彼女たちのパフォーマンスで起こっている全貌を知らないのだという。「私たち、まだ誰も演出と一体になった状態を見ていないので、こんな風でって説明できないんですよね」これは筆者がメンバーに「もしFUTURE POPツアーから特に好きな曲を選ぶとすれば?」と質問していた時に、のっちから出た言葉だ。「「Tiny Baby」も想像するしかないんですよね。自分自身では見られないから」かしゆかが引き継ぎ「でも口からこぼれてくる文字を表現した振り付けはとてもシンプルだし、それを観客が観るのもとても楽しいと思いますよ」
Perfumeからすれば、もっとも困難な部分はステージに足を踏み入れる前にうまく整っているという。「大度さんがものすごく簡単にしてくれるので - 私たちは振り付けを完璧にこなせば、残りの部分を大度さんがコントロールしてくれる感じです」のっちが言う。「でもその演出を実現するには、3D映像を撮影するために振り付けをグリーンバックで何回も繰り返さないといけないから、そこが一番難しいところかな」
FUTURE POPツアー中、Perfumeはコーチェラ・フェスでも二週に渡ってパフォーマンスを行うが、必然的にその演出もはるかに削られたものになるだろう。筆者が初めてPerfumeを観たのは2011年サマーソニック・フェスティバルの大阪会場だったが、それは想像通り、全く違う体験だった - 日中で、しかも少ない転換時間で可能なことは少ないのだ。
「フェスでPerfumeを初めて知って、初めて観る機会になることがあるし、ステージの上には私たちだけですから - それってチャレンジですよね」かしゆかが答える。「テクノロジーと生身の演出が合わさると、より私たちの理想に近い形で音楽や振り付けを伝えることが出来るんです。テクノロジーはそれを手助けしてくれるんですね」
「フェスだとただ自分たちが何者なのかをみんなに伝えるために、よりアグレッシブになりますね」���「フェスだと爪痕残すために無茶もしよるんですけど」)とあ~ちゃん。「だけど(FUTURE POPツアーのような)ライブではみんなが最後までショーを楽しめるようにする責任がありますから。片やリラックス、片やプレッシャーという感じで。でもそのプレッシャーに打ち勝った後にはすごい達成感があるから、ライブはやめられないんです」
その名声と未来的イメージにも関わらず、Perfume自身が公の場所に現れるのは日本の有名人に比べても控えめで、それはSNSを個人ごとに使っていないことにも表れている。「事務所の方針なんです」初めて手に入れたスマートフォンはiPhone SEだったと語るのっちが笑いながら「私たちが最初にやるべきなのかも知れないですけど、出来なくて。それはプライベートの安全のためでもあるので。オフィシャルアカウントでアルバムを告知したりするのは好きなんですけど、自分たち自身のことは違いますね」
彼女たちはTikTokアカウントを開設し、全員iPhone XSに機種変更したことも伝えておかなければならないだろう。付け加えるなら、かしゆかはiPhone 3Gからスタートしたのだが、それは日本では最初期のユーザーであることを示す。「わたし、なんでも乗り遅れるほうで「え、今このスマホわたしの顔が分かった?!」って驚くぐらい」のっちが語り「でも挑戦していこうかと。時代は動いてるし」
アルバムとしての『Future Pop』は、中田ヤスタカの初期作品に比べ、音響的に画期的というものではないが、それは世界的なEDMとエレクトロポップの趨勢に合わせれば避けられないことだろう。しかしメンバーの理解は、中田ヤスタカの狙いは「Perfumeそのものの反復」
だという。「中田さんがタイトルを思いついて、自分自身のアイディアを持っていたんだと思うんですけど」かしゆかが言いながら「Perfumeの楽曲制作を始めたころ、みんなが「これはFuture Popだね」って言ったんですけど、当時の中田さんはその通りだとは思わなかったらしいんです。でも制作を重ねて、Perfumeの全てを今振り返ってみると、まさにその通りになっているって。その最終的な結果がこのアルバムなんです」
では明白な質問はどうだろう - Perfumeにとって、Future Popの後の未来とは?「それは中田さんだけが知ってます!」と、あ~ちゃん。「わたしたち中田さんを信じてますから、中田さんが導くところへ着いて行きますよ」のっちが同意する。
そのあいだにも真鍋氏はライブパフォーマンスに使用できる新たなテクノロジーを常に考えているのだが - なかでも彼が特に興味を持っているのはfMRI *1(磁気共鳴機能画像法)脳スキャンによって映像を生成する手法で、それはおそらくライブ会場よりも自宅などの環境のほうが向いているだろうと認めてもいる。
(訳注1:磁気による脳活動の観測手法のうち、血流の状態を付加したもの)
より直近では、5Gネットワークの実現がライゾマティクスを沸かすだろう。「5Gの持つ、観客のスマートフォンからステージへ映像を��信する機能が楽しみなんです」真鍋氏が説明し「以前僕らは旧国立競技場で行われた『SAYONARA国立』と呼ばれるイベントで、観客が撮影した写真をサーバーに送ってもらって、それを使用した3Dモデルを作り上げたんです。でもリアルタイムではなかったんです - Wi-Fi経由だったし、とても時間がかかった。もし5Gがあったら、カメラからリアルタイムにサーバーへ送信して、3Dモデルも瞬時に作れたでしょうね」
これらが今現在ライゾマティクスがすでに取り組んでいるものだ。彼はその概念を実演するビデオを観せてくれたが、ケーブルでつながれた数台のスマートフォンでのみ実現可能だった。真鍋氏は、Wi-Fi経由での圧縮されたビデオ送信は少数のデバイス間では可能だろうが、観客で一杯のアリーナに展開するには5Gなしでは無理だろうと述べた。
インタビューに先立つこと数日、筆者は真鍋氏のインスタグラムに投稿されたAppleのSVPフィル・シラー氏との写真に気付いていたので、そこでは何が語られたのか尋ねてみた。「ARに関する雑談をほんの少し」と真鍋氏。「5Gが実現したらAR技術は大きく変化する、そんな未来についてです」
iPhone Xを使った「Tiny Baby」のことをAppleは知っているんですか?「ええ、彼にも観せました。気に入っていましたよ」
17 notes
·
View notes
Text
北九州市よりiPad12.9第3世代のガラス割れ修理
北九州市よりiPad12.9第3世代のガラス割れ修理です。 売れ行き好調なAppleのiPhone13シリーズに新たな不具合らしき現象が報告されました。 画面の一部あるいは全体がピンク色になるそうです。 この問題を伝えているMyDriversによると、iPhone13シリーズに画面がピンク色になる現象が発生しているそうです。 画面の一部がピンク色になったり、ピンク色のブロックが表示されたり、あるいは画面全体がピンク色になったりするといいます。 中国限定モデルだけみたいですのでご注意を! iPad12.9第3世代 ガラス割れ修理 802-0006 iPhone修理 ジーニー小倉店(北九州) 福岡県北九州市小倉北区魚町1-1-1 西日本小倉ビル1F 093-600-2757 営業時間 10:00~20:00 定休日 火曜日 JR九州 小倉駅徒歩5分 安心の最長6ヶ月保証

View On WordPress
0 notes
Link
船橋のiPhone修理店_アイサポ 西船橋店
〒273-0031 千葉県船橋市西船4丁目14−12 TSUTAYA西船橋店内
0120-803-247
船橋のiPhone修理店。 安い・早い・丁寧な対応をしてくれます。
千葉県船橋市
https://www.iphone-support.jp/tenponishifunabashi/
【アイサポ 西船橋店 による説明】 "千葉県船橋市で安いiPhone修理サービスをお探しならiPhone修理アイサポ西船橋店へ!正規店と違い、我々民間業者は様々な症状を即日で修理出来る事が強みです。ほとんどの修理は1時間ほどで終了します。 ・ガラス割れ画面修理・バッテリーの交換 ・水没の復旧・ホームボタンの交換修理・充電箇所(ライトニングコネクタ)の交換修理etc ご相談のみでもOK!修理お見積りも承っております。更に当店では2点修理割りがあるのでまとめての修理が安い金額でご提案可能です! 船橋市でiPhone修理ショップをお探しならぜひ一度お問合せください。 総武線・武蔵野線・京葉線・東西線・京成線でアクセス可能ですので、乗り換えついでにぜひご利用下さい。 ・iPad修理(画面のみ) ・Nintendo Switch(スイッチ)修理 も開始しました!"
【クチコミ】 "バッテリー交換をお願いしたのですが、とても親切に対応していただきました。 …" "1時間でつかなかったiPhoneの修理とバッテリー交換をして頂きました。 …" "… 約1時間程で、新しい液晶に替えてもらいタッチ機能が復活しました。"
0 notes
Text
iPhone SE3の画面交換、仕事帰りに即対応!
iPhone SE3を使用されているお客様が、うっかり落としてしまい、画面がバキバキになってしまうというアクシデントに遭遇しました。綺麗好きなお客様はすぐに当店に連絡を取り、仕事帰りにご来店いただきました。 当店では、お客様の目の前で画面交換を行うことを基本としておりますので、安心して修理をお任せいただけます。この度の画面交換は30分で完了し、お客様はその場で新品同様の状態に回復したiPhone…

View On WordPress
0 notes
Text
2022年4月7日(木)

私が大学教員になったのは1989年のこと、当時まだインターネットは一般的では無く、「パソコン通信」が先進的メディアであった(懐かしい!)。あれから30年以上の時が流れ、今の職場のような小規模校では大半がGoogleの提供するクラウドサービスを(ほぼ無料で)使った授業運営をしている。スマートフォンとアプリがあれば、リモート授業も簡単にできてしまう。しかしそれではこのような時代と環境の持つ危うさを伝えきれない。やはり、対面授業は大事なのだ。

5時起床。
日誌書く。

おぼろそば+そば湯+ヨーグルト。
プラごみ、45L*1。

2男はオフだが、4人分の弁当を用意する。

今朝は非常勤講師をお願いしているO姉に拙宅まで来ていただき、車に同乗して出勤する。彼女には1・2・3限連続で授業をお願いしているのだ。
まずはお茶を入れ、ラジオ体操第一で身体をシャキッとさせる。
私の方は3限「スタディスキルズ(児童教育学科B①)」のみ、履修名簿の整理や資料準備など作業が進む。
ランチを済ませ、教室へ向かう。担当クラスは9名と少ないが、廊下であった再履修生が私のクラスを取りたいというので受け入れる。
最初の授業なのでオリエンテーション、スクリーンにキャンパス地図を投影して、建物配置/教室番号の意味などを説明する。その後は、シラバスの解説/教科書の使い方、仕上げは「自己紹介」、各自ワークシートに記入したものを発表する。最後に私自身の紹介をしたが、<兼業主夫>という言葉をどれだけ理解しただろうか。
終了後は研究室に戻ってO姉と雑談、そこで彼女が取り出したのがなんと iPhone SE3、auのガラケーを使用してきた彼女は今年の3月がリミット、同居する母と一緒にdocomoにMNPしたとのことだ。なるほど、島嶼部での調査ではdocomoしか使えないことは今でも多い。そこで利用法の説明になるのだが、肝心の apple ID のパスワードがわからないという、ということはまだ iPhone がその機能を十分に発揮できない状態。自宅に戻ればわかるというので、明日再度解説することにする。
帰路は、九条大宮で彼女をおろす。
西大路七条・ライフで買い物、キュウリ・トマト・ホタルイカ。

息子たちの夕飯は、さんだかん燻製工房のベーコン・ソーセージ+奥川ファームの平飼い有精卵。
ツレアイは帰路に買い物してからの帰宅、昼が忙しくてランチが遅くなったために、少し残したとのこと。🍷で乾杯。
録画番組視聴。
街道をゆく 選「湖西のみち・韓(から)のくに紀行」
原作・司馬遼太郎。壮大な紀行文学を映像化!近江と韓国に作家の足跡を追う。日本人とは何者か?日本とはどういう国なのか?国家、文明、民族とは何か?思索の旅が始まる。
昭和から平成へ。亡くなるまで25年にわたって司馬遼太郎が書き続けた「街道をゆく」。旅は「日本民族はどこから来たのだろう」という問いから始まった▽琵琶湖西岸に渡来人の足跡を探す▽百済の王族の墓がなぜ近江に?▽日本人の戦国武将「沙也加」とは?子孫を韓国に訪ねて▽韓国内陸部「日本人の館」という名の小さな村。その歴史とは?▽新羅の王陵で出会った7人の老農夫▽1997年放送の番組が鮮やかな映像でよみがえる。
【朗読】田村高廣,【語り】柿沼郭
たまたま見つけて録画しておいたもの、月1で放送しているようだ。1997年放送時、もちろん毎週見ていた。朗読が田村高廣、時代を感じる。
例によって、布団に寝っ転がって柳家小ゑんのCDを聴く、そのまま落ちてしまった。

やはり、授業が始まるとよく動いている。水分は1,800ml。
5 notes
·
View notes
Text
なるほどですね
(全 34 件)
1. C# の機能: Defer
2. IIS Hosting for ASP .NET Core Web Apps
3. speedscope
4. Profiling .NET Code with PerfView and visualizing it with speedscope.app
5. Incrementally copy new files by LastModifiedDate with Azure Data Factory
6. 2019 年 3 月に Azure Monitor Availability Testing の変更を実施
7. DevOpsを加速するAkamai CLI : CLI を使用したキャッシュの purge
8. テクノロジのゆくえ
9. “イチロー節”全開、85分間の引退会見 一問一答ノーカット「孤独感は全くない��
10. GeForce RTX 2070搭載の外付けGPUボックスが登場。Thunderbolt 3接続でWindows 10対応
11. Incrementally copy new files by LastModifiedDate with Azure Data Factory
12. Debugging Websites in Chrome for iOS
13. Clean up files by built-in delete activity in Azure Data Factory
14. ガスメーターの管理に「LTE カテゴリー1」を活用、ソフトバンクと東京ガス
15. LPWAのハイエンドにあたるM2M向け規格「LTE Cat.1」、最大10MbpsでLTE同様のカバレージとハンドオーバー性能
16. 「DLmarket」がサービス終了 不正アクセス対策のシステム改修を断念
17. 「もうApple製品は買い続けなくてもいいよ」宣言。新サービス発表会でAppleが言いたかったこと
18. こんな企業は願い下げ!エンジニアに聞いた面接の辞退理由10個
19. 全面がタッチパッドになるBluetoothキーボード「mokibo」
20. レコメンドシステム入門。Javascriptで実装する。|S ⚡️|note
21. 一滴目から熱い湯が出る!スマートシャワー「INSENS」で毎日をもっとエコに
22. info:検索のサポートをGoogleが終了、正規URLのチェックにはURL検査ツールの利用を推奨
23. Beatsの完全ワイヤレスイヤホン「Powerbeats Pro」、製品画像が明らかに
24. Apple Cardはクレジットカード詐欺をずっと難しくする
25. もう使ってる? SlackのダークモードがiOSとAndroidに対応しましたよ〜
26. 幸せ感は一瞬だけ。「疲れたときの甘いもの」は、逆効果になる
27. iPhoneはまだ進化する、iOS 12.2の新機能15選!
28. アイリスオーヤマだけが「ヒット商品」を連発できる必然的理由
29. イチロー引退会見で読み取れた、番記者たちの“地獄”と信頼関係。(プチ鹿島)
30. もう「日本スルー」はなくなる? 技適なし最新端末が日本で使えるように(前編) (1/3)
31. 「アレクサ、燃えるゴミの日はいつ?」--アマゾン、自分専用スキルを“たった5分”で作れるツールを公開
32. 日清、完全栄養食「All-in」シリーズ始動 パスタ1食で1日に必要な栄養素の1/3が摂れる
33. 不正プログラム摘発 懸念の声も|NHK 関西のニュース
34. News Up いったい何が!? 津波浸水想定域にマイホーム | NHKニュース
0 notes
Text
2016年を振り返る
年末の振り返り、毎年やっている途中に年が明けてしまうのですが、学生生活が終わって、これからの一年一年は積み重ねていくのが大事だと思うので、完成させておきます。
2016年の出来事は大きなところで4つくらいありました。それぞれについて思うことを書いていこうと思います。
大学生活の終わり
西ヨーロッパを旅行する
会社に入る
引っ越した
大学生活の終わり
もう結構前のことに感じますが、修士まで含め6年間を過ごした大学生活が終わりました。やりたいことをやった大学生活だったなあと感じます。少し振り返ってみたいと思います。
実は大学に入る前は機械か情報のどちらかをやりたいと思っていて、受験は機械 -> 情報 の順番でとりあえず志望したのですが、点数の関係で情報系に入ることになりました。それなら両方やってみようと思って、ロボット技術研究会(ロ技研)というサークルで機械・電子工作をやりました。実際に動くものが出来るのは純粋に楽しかったのですが、ハードウェアを扱っていくことで逆にソフトウェアの技術の特徴を認識することにもなりました。例えば、簡単なロボットを作成するのにしても、アルミ材や電子部品、足りない場合は適宜調達、調達後は旋盤・フライスで加工、と言った工程が必要になります。工作好きとしては楽しいものでしたが、高校時代に経験した、ソフトウェア(ゲーム)を作ってインターネットを通して友達に使ってもらった経験からすると、自分がやりたいのはそちらではないと感じました。この点は、ジョナサン・ジットレイという人の書いた “The Future of The Internet”(邦題:『インターネットが死ぬ日』)という本でより構造的に説明されています。汎用性に加えて伝搬性や習熟性など、いくつかの条件が揃った道具は、それ自体から新しいものを生み出す肥沃な(generativeな)システムとして機能する、というような議論です。

インターネットが死ぬ日 (ハヤカワ新書juice)
ジョナサン・ジットレイン 早川書房
もうひとつ、大学の研究室を取材して学部生に説明するメディアを発行している団体にも所属していました。理工系という枠の中ではあるけれど、特定の分野に依らない環境というのは当時は貴重で、ここで人と話したことがあとあとの科学全体への理解に役に立った気がします。
そういった学生団体以外のところでは、プログラミングの本を読んだり、バイトをしたりしながらふらふらやっていました。今では手に入りにくいみたいですが、『コンピュータプログラミングの概念・技法・モデル』という分厚い本を時間をかけて読んだのが良い思い出です。

コンピュータプログラミングの概念・技法・モデル (IT Architects' Archiveクラシックモダン・コンピューティング)
セイフ・ハリディ ピーター・ヴァン・ロイ Peter Van-Roy Seif Haridi 翔泳社
この本はその名の通りプログラミングの本なのですが、プログラミングを統合的な学問として教えるのはどうすればいいか?ということを意識して書かれたもので、いま思うと非常にビジョンに溢れた仕事でした。この本を読むことで、状態(state)や並行(concurrency)といったソフトウェア概念への正確な理解から、そもそも抽象化とは何か?という根本的な話まで、知ることができました。
抽象を設計することは必ずしも容易ではない。いろいろな考え方を試し、破棄し、改良し、といった長くつらい道のりになることがある。しかし、その見返りは非常に大きい。文明はよくできた抽象の上に建立される、といっても過言ではない。毎日、新しい抽象が設計されている。車輪やアーチといった古代の抽象のいくつかはいまに残っている。セル電話のような新しい抽象のいくつかは速やかに現代の日常生活の一部になった。
良い本を読むたびにいつも思うのですが、その本の射程距離と言うか、書き手が読み手をどこまで連れて行ってくれるかは、ほとんどの場合、序文を読めば鋭敏に分わかります。最初の問いかけが、問題意識が、その可能性としての範囲を決めている。
そういえば、ずっと昔、高校生のときに読んだこの記事なんかは、そういう思考の"強度"みたいなものの存在を知った最初のものでした。
ネットに時間を使いすぎると人生が破壊される。人生を根底から豊かで納得のいくものにしてくれる良書25冊を紹介 - 分裂勘違い君劇場
これは自分の話ですが、技術を手に入れると、最初、何かを作れるということ自体に喜びを見出します。しかし、少し考えてみれば、世の中には、素晴らしいと思うモノもあれば、そうでもないと感じるモノもある。
それを分ける違いってなんだろう?「価値」って何だろう?「意味」ってどうやって生まれるんだろう?…実はそういうことを抜きにして技術だけを持っていても、真に納得のあることってできないんじゃないか――もしかしたら専門特化で市場価値だけは手に入れられるかもしれないけど、それは現代において幸せとは関係が薄い――、そういうようなことを思ったのが大学生活の中頃だったように思います。
それからは、デザインみたいなものづくりに近いところから始まり、思想、 言語、社会みたいな、かつて興味を感じていたけど離れていたものに触れたり、あるいはゲーム、エンターテイメントを好きなだけ体験しました。そして今では、そこで得たもの抜きで何かを思考することは考えられないくらいに、世界の見え方が質的に変わりました。

ソシュール 一般言語学講義: コンスタンタンのノート
フェルディナン・ド ソシュール 東京大学出版会
例えば、自分の使っている身近なサービスであっても、それを単に機能と見なすのか、大きなマクロの流れを見据えた人間の行動と見るのかで、感じられる価値って圧倒的に違ってきますが、これってその周辺に対する文脈的・構造的な理解なしには得られないものです。同様に、エンターテイメントを咀嚼していけば、小さなできごとにものすごく大きな意味がありそれが面白さに深く関わっていることが分かるし、ゲームは、最近よく描かれるように、「仮想的」なものに内的な意味が生まれてそれが「現実」への問い掛けとして機能します。
先に紹介した、良い本や物語が人生を豊かにするという高校時代に出会ったイデオロギーは、こうして自分の中で消化されていきました。
1990年代から2010年代までの物語類型の変遷~「本当の自分」が承認されない自意識の脆弱さを抱えて、どこまでも「逃げていく」というのはどういうことなのか? - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
実を言うと、「専門」外の方向に向かった背景として、ここで書いた以外にも、理工系の大学にいてそこで用いられる枠組みに、それだけでいいのか?という感覚や、枠組みを用いるときにその特性を理解しておきたいということもあったと思います。ただそれは経緯というかきっかけであって、今もそういったものに価値を感じるのは、単純にそれが豊かだという以上の理由はないです。
西ヨーロッパを旅行する
大学生活最後の春休みには、イギリス・フランス・ドイツの西ヨーロッパ地域を一ヶ月ほど一人で旅しました。大きく時間を取れることもしばらくないからというよくある考えですが、この地域を旅行先に選んだのは、前述のような思考履歴を辿った自分にとっては、ごく自然な流れでした。
現代から遡る形で勉強していくと、いかに多くのものがこの地域世界から流れてきているかということを痛感します。日本だと、明治以降、いわゆる近代化ですが、そのことは、渡辺京二の『行きし世の面影』を読んでより強く自覚しました。この本は幕末-明治に日本を訪れた西洋人の記述を集めて、在りし日の「ある文明」を描写したものなのですが、読んでみて驚くのは、その世界を現代に生きる僕は、その時代の日本人ではなく日本を訪れた当時の西洋人の視点から(!)解釈・理解してしまうことなんですね。それほどまでに異なる秩序を持った生活世界がかつてあり、それがある時代を区切りに全く別の存在になったことを以って著者は「文明が滅んだ」と言っているわけですが、ともかく、現代日本がその多くを西洋近代文明に負っているということをまざまざと認識されられた本でした。

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
渡辺 京二 平凡社
話を戻すと、旅行はイギリス・ロンドンから始めてイングランドの地方を周りつつ、フランス・パリに移動。そこからドイツのバイエルン地方をいくつか街を経由しつつミュンヘンまで行きました。
月並みな感想ですが、実際に行って見て理解できるものって、全然、本とかで読むのと違いますね。イギリスとフランスの違いとか、歴史を知れば文脈的な立ち位置とか理解できますけど、行ってみるまで感覚として理解できてなかったなと思いました。ロンドンからパリに移動して一歩街に足を踏み入れただけで、一日街を回っただけで、こんなに違うのかと感じました。こういうことは総体としてそう感じるものなので、短く言葉にするのが難しいところはありますけど、例えばロンドンの街では英語が基本で、なんと言うか、国際都市としては純度が高く感じました。それがパリに踏み入れるとあらゆる言語が入り混じっている。あるいはミュンヘンの酒場に行けばスイス人やイタリア人が出張で来ていたりする。自分は子供の頃インドネシアに住んでいたこともありますが、考えてみればそれも島国で、実はこれまで「大陸」に行ったことがなかったので、普通に外国人がちょっと移動して来るみたいなのは感覚としてありませんでした。その点一つとってもイギリスの立ち位置って違うなと思いましたし、ちょうど返ってきて少し後で Brexit がありましたけど、それまで積み重ねられてきたヨーロッパ統合の流れの転換点になる出来事でやはり衝撃を受けつつも、納得するところもありました。

イギリス 繁栄のあとさき (講談社学術文庫)
川北 稔 講談社

フランス史10講 (岩波新書)
柴田 三千雄 岩波書店

ドイツ史10講 (岩波新書)
坂井 栄八郎 岩波書店
こうやって実際に行ってみるとその後もより色々な出来事を面白く感じるようになったので、またどこか行きたいなあ。
あと、宿泊は全て Airbnb で行いましたが、これは旅行体験を別の次元に引き上げてくれる、本当に素晴らしいサービスだと思いました。機会があればちゃんと書きたいところですが、現代みたいに世界が近づきつつある(と思っていたら2016年はそれに逆行する出来事が象徴的な年になりましたが)時代って当然文化的なコンフリクトも色々起こるとおもうのですが、それを暮らしというミクロなレベルから地道に解決していくアプローチは、プラクティカルではあるけど妥協の無いもので、僕はとても好きになりました。
Wantedly に入社する
4月になって、本格的に働くときが来ました。働く先は Wantedly という会社に決めていました。会社選び、かなり多くのパラメータを使って決めていて、自分が考慮したなと意識したものでも普通に50個くらいはある気がするんだけど、ざっくり言うと、エンジニアリング・カルチャー・ビジョンの3点で良いと思ったと言えば近い気がする。
ここでビジョンについてだけ言及すると、熱中して仕事に取り組むような人を世の中に増やす、という目的でやっています。僕はこれを見たとき、ああ、これって今やることに意味があることだ、と思いました。
これは結構早い段階で思っていたことですが、正直、今の世の中食べていくだけですごい困ることはなくて、娯楽もインターネットにつなぐだけでコンテンツに困ることもないですよね。これって結構すごいことだと思ってて、また、同時に新しい問題を生むとも思います。
過去を振り返れば、戦後とか食べることがリアルに重要な問題であるときもありました。その後の高度経済成長の時代も、結構「物」を手に入れるということに価値を感じていた時代だと思ってます。「機能」にお金を払うことが多かった、と言ってもいいかもしれない。
実際問題として、平均的な大衆のために開発された、どれも悪くはないが実のところ本当には自分にフィットしていない商品群に出会うのが、二十世紀の商品棚の典型となる - x-DESIGN
一方、当時、僕が iPhone を買うとき、何に対してお金を払っているんだろう?と考えたとき、純粋に何かが出来るということ以上に、新しい何かを見せてくれるのではないかという「期待」や、製品のディテールにこだわるという彼らの行動様式への「共感」に対して払っている部分が大きい、と感じていました。そして、そういう行動は自分以外にも普遍的に見られるように思えたし、エンターテイメントもこの傾向を反映しているように見える。
この考えを仕事というものに敷衍していくと、近代以来の時間を対価とした労働観念も、少しずつ変わっていくのかなと思いました。そして、そこではいくつかの選択肢があるべきで、その中の一つとして、仕事って面白い、と思ってそこに金銭的対価以上のものを見いだせるという選択肢が用意されるべきだと感じていました。ここで少し強い言葉を使っているのは、当時、もしかしたらその選択肢があれば選んだかもしれないけれど、無いがために選ばなかったと感じた事例を見たからでした。
なんか、色々話を聞いていると「退却」してしまう人が多いなと感じていて、それはそれで戦略としては正解なんだと思うんだけど、やっぱりどこか残念だと思うよね。
もちろん、趣味に生きるのはすごくありだと思ってて。自分自身、しばしばそっちに振っていたし、それで最後まで楽しそうにしていた人というのも知っている。
なのだけど、それはナチュラルにそうであったという場合であって、「退却」するケースというのは、だいたい最初に希望があって、それを全うできない「疲れ」がそうさせたみたいなストーリーになっている。
趣味に生きるのは良いけど、趣味に生きざる負えないみたいなのは、残念だ。
残念な事象が類型化されると、そういう風になってしまうシステムが残念だという思いに至る。だから、ここで言う残念というのは、人ではなくて構造に向かっている。
構造と言っても色々なレイヤーで見ることができて。
いちばんは、そういう事象が生み出されるのが、構造と要素のミスマッチによるものであるということ。
そして、そういうミスマッチが生み出されるような構造によるものだということ。
さらに、それを生み出す構造が維持され生き残るような、文化によるもの。
…何やら話が少し重くなってしまいましたが、そういう経緯もあり、仕事自体はかなり楽しんでやっています。個別の内容については今は振り返るほど過去にはなっていないので、このあたりにしておきますが。
引っ越した
2016年後半の個人的にエポックメイキングな出来事は引っ越しでした。大学のある大岡山から、会社のある白金台へ。2ヶ月前に出来た家賃補助制度を活用して、1ヶ月前に出来た部屋に引っ越しました。会社まで徒歩1分のところにあり、めちゃくちゃ落ち着いている。

住居、何を求めるかだと思っていて、「寝る」という機能だけ���求めるのか、「生活する」基盤にするのかで違ってくるというのがありました。
大学時代の部屋は正直そんなに居たいと思えるような部屋ではなくて、それは採光や諸々のデザインの制約で変えられないと思っていて、ただそれでずっと不満はなかった。なかったのだけれど、「生活する」というのをしっかりやると、そこで感覚のチューニングもできるようになるし、意外と大事だなーというように考えを変え、ここには投資しました。結果的には、驚くほど生活の質が上がったので、これは完全に正解だったなあと思います。
ここでは備忘も兼ねて、引っ越しの際に考えたことを4つくらい上げておきます。
ポテンシャルのある部屋を選ぶ
まず、経験的に、部屋は、生活の質の上限を決める。これが部屋の定理。
そもそも綺麗でないと綺麗に保つ気にならないという意味で、きれいである必要があるし、ベースとなるデザインが良くないと結構どうしようもない。窓やそこから見える景色は変えられないので超重要。また、キッチンが部屋と分離されていると使わないという自分の経験則があったので、インテグレートされているのが望ましい。また、広さはそんなに必要ないことも分かっていて、それ以外を優先する。
徹底的な断捨離
ネットで見つかるきれいな部屋の隠れた法則として、そもそもものが少ない、というのがある。
このため、3週間くらいかけて、本当に自分に必要なものとそうでないものを選んで、処分・売却していった。この結果8割くらいのものを処分することになり、引っ越し先でもものが溢れずに済んでいる。
とは言っても、思い出のもので捨てづらいとかもある。そういうものはひとしきり懐かしんだあと、写真を撮って送り出す。ありがとう。
生活サイクルの再設計
おそらく超基本的なことなんだけど、掃除、洗濯、食事をまともにやれていなくて部屋がゴミのようだった。それもあって部屋にいる時間がゼロに近いかたちで運用していた。次の部屋でそうならないように、適切なタイミングの設定と、それを行うコストを下げるように色々導入した。
これはちゃんと成功していて、今は部屋は綺麗に保たれていて、洗濯も定期的に行っていて、とても精神衛生が良くなった。
生活空間の再設計
部屋は広くはないので、そもそもの部屋でやることを絞るというのも重要だった。会社が近いので本格的な事務作業は全て切り捨て、平日の寝ることと、休日の食事しながら本を読んだり映画を見たりすることにフォーカスした。本とエンターテイメントがあれば幸せに生きていける。
基本的な知識がないと良いものはできないので、インテリアの本を一冊買った。インテリア本、イケてる部屋の例みたいなのを載せてるだけのものが多くて微妙な感じだったけど、マンション・インテリアに特化したものを見つけて買った。

ライフスタイルを生かす マンション・インテリアの基本
新星出版社 (2016-07-01)
その他、集約する方向ばかりだと面白くならないので、事前に Pinterest で良さそうなものを集めてイメージをふくらませたり、インターネットで色々面白そうな部屋の使い方を仕入れたりという感じで、引っ越しプロジェクトは大変だったけど結構楽しかったです。
おまけ:2016年個人的エンターテイメント史
2016年の後半はやはり映画が熱かった
『シン・ゴジラ』『この世界の片隅に』『君の名は。』『聲の形』は残ってる
ラノベは好きなタイトルが軒並み続編が出なくてかなしい
『ログ・ホライズン』『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
マンガはまずまず順調
2017年はそろそろ『ヒストリエ』10巻が出ることを期待
2017年について少し
今年について簡単に思ってることを書いておきたいと思います。
まず、仕事の面は、ちゃんとコミットすることでこそ得られるものがあるというのが自分の中で実証されました。今しばらくこのままいろいろ積んでいきましょうという感じです。
あと、これは意図的にそうしていた面もあるのだけど、2016年の4月以降はほとんど本を読んでいなくて、これはそろそろ変えたいなと思っています。いま振り返ってみても、色々なポイントでの判断にそこの積み重ねが活きているのはやっぱり間違いないので。
その他、生活面では、もっとエンターテイメントを消費していくこと、本格的に料理を始めること、 プロジェクタを買いたい、とか色々ありますけど、まあここはなるようになれという感じですね。
そんな感じで2017年もよろしくお願いします。
1 note
·
View note
Text
北九州市より任天堂Switchのイヤホン不具合
北九州市より任天堂Switchのイヤホン不具合です。 Appleは大画面iPad Proの開発を検討しているものの、発売されるのは2023年以降になるだろう、とBloombergのマーク・ガーマン氏が述べています。2021年のうちにiPad miniやMacBook Proの新モデルも投入される模様です。 大画面ってどれだけなんだろう??? 任天堂Switch イヤホン不具合 802-0006 iPhone修理 ジーニー小倉店(北九州) 福岡県北九州市小倉北区魚町1-1-1 西日本小倉ビル1F 093-600-2757 営業時間 10:00~20:00 定休日 火曜日 JR九州 小倉駅徒歩5分

View On WordPress
0 notes
Link
iPhone修理 クイック新宿南口店 〒160-0023 東京都新宿区西新宿1丁目18−6 山兼新宿ビル 7F 050-5269-5836 新宿でiPhoneの画面割れ・バッテリー交換修理なら。 スマホやHUAWIE・Xperiaも対応。 起動不可の場合も相談に乗ってくれます。 【iPhone修理 クイック新宿南口店 による説明】 iPhone (アイフォン)修理、iPhone (アイフォン)などのスマホ買取クイック新宿南口店です。 iPhone修理を始めiPad (アイパッド)、iPod (アイポッド)、任天堂Switch (スイッチ)などの専門修理を行なっている他iPhoneなどのスマホ買取を行なっております。 特にiPhoneでは、バッテリー交換から画面割れまで多くの修理実績がございます。 これまで新宿やその他の地域のお客様に、数多くご利用いただいております! 新宿駅南口より徒歩2分の場所にございますので、お買い物のついでにお立ち寄りください!
0 notes
Text
飲食店経営者のiPhone 11 Pro画面修理、迅速に対応!
iPhone 11 Proをお使いのお客様が、飲食店経営の仕事中に誤ってスマートフォンを落とし、画面がバキバキになってしまったというトラブルで当店にご来店されました。ご近所様であり、当店のことを既にご存知だったため、信頼を持って修理をお任せいただきました。 お客様は非常に忙しい日々を送られているため、仕事の合間を縫っての修理となりました。当店では、このような状況にも迅速に対応できるよう、効率的な修理体制を整えています。このため、お客様のiPhone 11 Proの画面修理はわずか20分ほどで完了しました。 修理後、お客様は新品同様の状態になったiPhoneを大変喜んでお受け取りになり、再び安心してお使いいただけるようになりました。 信頼できる迅速修理サービス 当店では、iPhone 11…

View On WordPress
0 notes