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20250519
『街とその不確かな壁』を購入。村上春樹の作品には、何かが「発生する」という感覚が希薄な気がする。最近の私は、「二人」という状態に物語を作り続けるという営みに、どこか批判的なまなざしを持っていて、それを軸に作品を作っているので、いまだにどこか難しさや気恥ずかしさを感じるし、主題を掴みきれていない。私自身は実在ではなく、別世界の自己の影法師のような投影であるというくだりには惹かれた。村上春樹の文章の推進力は、それ自体が私の生活や精神の背中を押してくれる。嬉しい。-124p
「認識的不正義」を読み進める。-166p
「やったことリスト」をつけ始める。我々はノルマではなく、積み重ねにより生かされている。
次回作の構想が固まったのでじっくりと練り上げていく。
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20250510
音楽が身体に直接作用し、抗えぬ感傷を引き起こすという通俗的な言説には、どうしても胡散臭さを覚えてしまう。それはまるで、思考を差し挟む余地のない「本能」のようなものとして音楽を祀り上げる態度であり、わたしにはひどく気味が悪い。
そもそも、音楽は人間にとって本質的なものなのだろうか。そう考えることには、私は慎重にならざるを得ない。少なくとも、トニーニョ・オルタにとっては、そうなのかもしれないが。
「モーパッサン短編集」を読む。的確で鋭い描写の裏側に、草の匂いや土の温かみを感じる。「シモンのパパ」いい話だった。
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20250505-06
橋本絵莉子波多野裕文を聴く。日常に対してとてつもなく広く開かれた音楽は、孤独も、あらゆる物語性も内包して、それ自体が、そのような仕方でアーティストの社会性を担保するように作動することを実感する。アナロジーではない、音楽でしかありえない感覚のアクロバットを実現する。その道のりの長さを思いつつも、ただ一つ一つの言葉や音に魔法が宿っていく様子を眺めている。
<the words>
from bridge
to wave
it's a world
<the music>
from wave
to bridge
it's a magic
近所のジャズバーへ友人たちの演奏を見に行く。私の身近な友人たちが、各々の生活の裏でここまで美しい曲を作っていることに、まずはひどく感動した。1人の観客ではなく、(敢えて)彼らの友人としてありがとうと伝えた。
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20250504
先日通販で購入したツナギが届いた。高校生の頃はセミフォーマルな着こなしに憧れていたのだけど、最近は動きやすさがそのまま着こなしの良さに直結しているような気がして、大好きだったスキニージーンズもほとんど履かなくなってしまった。
アーチャー伝説2というスマホゲームにハマっているせいで、起床してから少なくとも数時間はスマホに張り付いている。読書の習慣がそっくりそのままゲームへとすり替わったので、生活そのものが何かしら意味を求めるようなものでなくなった気がして、それだけは嬉しい。
バイト先はワンオペだし人も来ないので基本的には本を読んでいる。今日は大学の授業で講読している、ミランダ・フリッカーの「認識的不正義」を少しだけ読み進めた。
帰宅後は友人たちと久々の通話。中野に住む親友が今から自宅に来ると言うので、(とても久しぶりに会うので)ウキウキで家の掃除をしていたが、別の人から遊びに誘われたらしく、無念の就寝。しんどす(T-T)
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20250503
大学で所属しているジャズ研究会の新歓BBQ会に参加。今年の新入生は人数こそ少ないけれど、みんな落ち着いた人たちだった。私はお酒に酔ってはいたが、非常に穏やかな時間を過ごせたと思う。マーヴィン・ゲイが好きだというギタリストの新入生とは特に仲良くなれた。
共同体や集団の中で、「いうまでもなく」所持していることになっているアイデンティティについて、私自身がいかに大胆にシラを切ることができるかが、今の私にとってひどく重要なことなのだと気付き始めている。
居場所は少しずつ消えていくが、私という存在自体が、できるだけ愉快に、そして切実な仕方で、カウンターとして機能していてほしい。議論上のハックとしてではなく、生きたままの私として。
他者の物語の中で、私が「私」に対して裏切り続けるということ。そうすることで私は、バイナリー的なアイデンティティをロールプレイさせようとする権威から、ようやく解放される。
他者との関係性に、何一つとして意味を生みたくない。肌を産み続けていくような感覚には、もうなりたくない。
2月にECMからリリースされ、先日配信が始まったアルバム『Arcunam』を聴く。それにしても、アンデルス・ヨルミンというベーシストの手腕は凄まじい。「モノ」性を内包するような低音の扱いにおいて、彼の右に出る者はいない。
フロントにはArve Henriksen、そしてTrygve Seim。彼らはいつまでも私にとってジャズのヒーローであるという確信。
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