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UCHIUNEKO
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散文 | 寫眞| 音
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uchiuneko · 13 days ago
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月あかりが憂鬱な夜を照らす 身体が苦し紛れに吐き捨てる暴言を 遠くから静かに眺めている 眺めているだけ 誰も悪くない だけど、きっとあの時の夜空を彩る花火のせい 寝ても覚めても 縛りつける身体の痛みは 真夏に咲くみかんの花のよう しゅわしゅわラムネを飲みながら ゆっくりゆれるビー玉ながめて 空に咲き誇る大きな花 パチパチ音を立てて散った
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uchiuneko · 16 days ago
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雨上がりの水たまり 笑いながら空を見上げた。 夏の夕暮れを知らせる空は お気に入りのTシャツと同じ色
滲む空
空を潜り抜け
息を切らし
走りゆく
誰も気が付かないうちに変わりゆくものがある。 静かに、静かに、静かにゆっくりと そしていつか何もなくなる
誰?呼吸をし忘れているのは 大切なものを忘れてはならない
そうやってここまでやってきたのだから
勇気とか、強さとかそんなことで説明できるはずもなく
だけど、今見上げた空にはあの時と同じ色の あの時のTシャツと同じいろの空が広がっている
雨は降り止み 立ち止まる意味もなくなった 走り続ける意味もなくなった
今はただ
そこにあるだけでもいいと思える
大人になったんだ、きっと
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uchiuneko · 2 months ago
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曇りのち晴れの日ばかりではない
いくつもの色を重ねて描きなぐった空の向こうで、不機嫌な顔をして俯く男女の影が長く、長く伸びる。
適当でもないし、だからと言って真剣だったわけではない。そこに流れていた川の水の音が、当たり前のようにくぐもって耳に響く。唯一の理由らしい理由はそれしかなかった。
いくつもの重なり合った色は、アイスクリームのようにゆっくりと溶けだし、滑らかなスロープを呑み込んだ。
何もしなかったわけでもないし、だからと言って何かに唆されたわけでもない。
ただそこに浮かび上がる時計の針が、朝をしめしていただけだから。そのあと気づいたときには、不機嫌な顔で床を這うナメクジを見て泣いているしかなかったんだ。
だからさぁ、
そう言い淀んだ瞬間、次の電車を待ってみることにした。溶けたのは空の色ではなくて、頭の上に乗せた、お気に入りの時計だった。時計だったよ。まったくバカバカしい。
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uchiuneko · 3 months ago
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エレジーチャージ
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あめのどようビ
ビックリした
たんぼのカエル
ルールなんてないのさ
さほど不便もないのだから
ラブリーな灰色雲
もちろん傘はない
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uchiuneko · 3 months ago
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dark blue inquiry
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細かい、本当に細かい霧のような雨が降り水溜りが揺れる。赤い傘をさして出かけた先で、前腕肘窩に繋がれた細い管から静かに血液が流れた。気が遠くなるような感覚は、誰かに騙されたことを知った夜のざわめき。
乱高下する数字が目の前を通り過ぎ、思った以上に。あぁ、思った以上になにごともなく、隣に座る人が何度も座り直すことすらも、平然と眺めた。
バスが通り過ぎる。霧雨にワイパーを掻きむしり、オレンジの車体を揺らして、こちらを見ていた。
なにごともないけど、念のため。
細い管を流れる血液が、すべてを知っていることを今度教えてくれるらしい。それはきっとあの日の雨漏りや揺れたバスの車体も、ぜんぶ知っているはずだ。
そうだ、こちらを見ていたのは、そういう意味だったのかもしれない。
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uchiuneko · 3 months ago
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停滞する朝
いつも通りの朝におどけるような笑顔で微笑む 眩しい風の煌めき、降り注ぐ窓を眺める あぁ懐かしい毎日 懐かしい。すべてが懐かしく、通り過ぎた過去。 自由を求めて飛び出した白いスニーカー履いて だけど、それだけでは足りない 空気を吸って空を仰ぎ 蹴り上げた後ろ足で大地が転がる
前に進めない
空も飛べない
なにもない
いつも通りの朝なのに。
懐かしいあの日の朝を思い出しても 記憶に残っているのは、朝の眩しい風の煌めきだけ
遠くから聞こえるラジオ体操の掛け声 夏になるには、まだ早すぎる
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uchiuneko · 3 months ago
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件の続き
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猫の肉球の匂いを嗅いだ朝、よく板ずりした山蕗を鍋で炊く。しばらくするとグツグツと小さな音をたて、緩やかな湯気がたちのぼる。
相変わらず猫は顔を舐めているから、また肉球の匂いを嗅いだ。
世界はまるで柔らかい肉球のように、優しくて眠たくなる時間が流れて、明日にでもタンポポの綿毛が空を流れていってしまいそうな、そんな朝だった。
山蕗に程よく味が染み、静かに蓋をしてみたら、猫が気持ちよさそうに陽だまりで転がった。
昨日までなかった筍が芽を出した山の奥で、カッコウが鳴き、上の空で本を読んだ。
燕が小さな声で哭き叫ぶ子どもの真似をした。
ドブ川に亀。亀の甲羅を数え、陽が翳るのを待つ。猫は相変わらずゴロンゴロンと心地よい陽だまりと共に。
薄い紫の空が静かに色を変え、細い月が星を呼び冷たい季節外れの空気が夜を束ねた。
山蕗がほろ苦い。
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uchiuneko · 3 months ago
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uchiuneko · 3 months ago
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その瞬間に、もう
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そろそろじゃないですか? そろそろですね。
わくわくしませんか? それはそこまででも。
そうですか。私はワクワクしますし、ぞくぞくしますよ。
ここのところを見てください。しっかりとですよ。そうすると、それがどういうことなのか、はっきりとわかりますので。
今朝、鳥が餌を咥えてやってきたときのことです。咥えていた餌よりも、ここにあった果実の方が甘く香りもよく、見た目にも鮮やかで、そうなったらもう。
そうですよね。そうなりますよね。
たまらず、そうなります。誰もが。
だけど、それがよくなかった。だって、ちょうどそのときに春から初夏へと季節が移ってしまったのだから。春なんてあっという間なんですよ。それわかっていたはずなのに。
このことは、ここに書かれています。よく見てください。
そう、もう初夏みたいなものですよ。
ほら、花の色が変わりましたよ。
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uchiuneko · 3 months ago
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夢語りアンチノミー
なんだか眠れないので、きっと誰にも届かないであろう「どうでもいい」話をします。
子どものころは、夢を見ては歩きまわる夢遊病のような症状があって、玄関から外へ行こうとするのを母が力づくで止めたというのをよく聞いた。
だいたいそういうときは夢で外に遊びにいくところで、よくトイレに行く夢をみてたらお漏らしをしてしまったという話を聞くと思うけど、それと同じで夢で遊びに出かけていこうとしながら、本当に出かけようとする状態。
ただ夢を見ている私は、夢の中が現実なので、引き止める母がどちらかといった非現実世界になるのだと解釈している。
夢は自由だ。空を飛ぶこともできれば、ヒーローにもなれる。運転したこともない乗り物で知らない人たちと楽しそうに出かけたり。
夢は本当に自由だ。昔好きだった人と再会したいと思ったら、そんなものまで実現してしまう。
それで、変なのがこのまま起きたくない。という感情が起きて、起きないようにコントロールしてみたり。
寝るのも、起きるのもどこかで「諦める」をしなければ向こうがわへは行けない。
諦める
夢は諦めた瞬間に叶わなくなる…
あぁ、なるほど…と自分の中でだけ腑に落ちたけれども、眠くはならない。そして、大切なこととして、この話にはオチがないということ。
そして眠くなるかと思ったけど、まったくの効果なくガッカリしたという、
どうでもいい話
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uchiuneko · 3 months ago
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時代の使者
波という自分がつくりだした自然。それがなんだかもよくわからず、グルグルと目まぐるしく変化する景色に困惑するばかり。頭の中では目覚まし時計のビープ音が、宇宙とつながる時間だと知らせてくれている。 目覚めよ!新しい時代に! これも自分がつくりだした世界なのだろうか。誰かが消してくれると放置して、なり続けるビープ音。
ピピピピ・・・ピピピピ・・・
宇宙とつながる時間のはずなのに。誰も時計を止めることも、誰も眼を覚ますこともしないで過ぎていく。飛行機雲が空を覆い煙る太陽。
こんなにも、こんなにも生まれたあの時とは違う景色なのに誰も気づかない。
なり続けるビープ音。
波という自分がつくりだした自然の中で、呆然と立ち尽くし未来に希望の鐘をならす。朝はとっくに過ぎたころに。
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uchiuneko · 3 months ago
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透明な色
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西陽の当たる部屋に、雲の切れ間から差し込んだ光が深く入り込んできた。
重たい窓をガラリと開いて、外を眺めると空にぽっかりと大きな穴が空いていて、驚いた。雲の切れ間から陽が差していたのではなくて、大きな穴から光が漏れ出していたのだ。
その大きな穴からは光の粒がポロポロとこぼれ落ちる。あっという間に辺り一面が光の粒でいっぱいになり、小さな光の粒同士がくっついて大きな粒になり、大きな粒にはいくつもの小さな粒がへばりつき、どんどんと大きな大きな光の球になっていく。
大きな光の球が放つ光を受け、まだ蕾だった花たちが一斉に咲き誇り、あたりからは花や植物の香りが立ち込め、その香りを吸い込むたびに不思議と幸せな気持ちでいっぱいになった。
大きな光の球は強い光を放ちながらすべてのものから色を奪う。花たちも透明になって輝き、香りだけでその存在を保っている。
光がすべての色を奪い、すべてが透明に。 透明になって輝く。
すべてのものが色を失い輝くことしかできなくなった。
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uchiuneko · 3 months ago
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白い煙
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ある日、町工場が焼け空を赫く染めた。煙と炎と集まってきたたくさんの人たちが、ゆらゆらごうごうと、ひしめき合うウゴメキアウ。そして、その様子を眺めていた。
次の日、火は消え���こにあったものたち、何もかもが一緒に消えた。時折、まだパチパチシュウシュウと音を立てるのが少し怖かった。
ここで働いていた人はどうしただろう。ここに置いた書類はどこへ行ってしまったのだろう。ここで起きたできごとは、どうなっただろう。気持ちや感情も、やっぱり何もかもが火の粉となり、舞い上がって、空を赫く燃やして、星も月も世界のすべて、ぜんぶ。
しばらくして町工場へ行くと、白い花が咲いていた。黒い煤が残ったその場所で咲いた花は白くて、風もないのに揺れていて不思議だった。そのことは家に帰ってから誰にも言わなかった。白い花が煤けた空に向かって咲いていたなんてこと、言ってはいけないような気がして。
大人がその白さを穢してしまいそうで嫌だったらから。
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uchiuneko · 3 months ago
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診察室にて
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季節が流れて夏に近づく・・・憂鬱な夏に 季節にあわせて気分も晴々すればいいのだろうけど、逆らうように陰々滅々じめじめ湿っぽい気分になる。
湿度60超えたのは自分のせいではないかと、自責の念に駆られ、そのうちに身体のあらゆるとこから胞子を放ちはじめる。開け放たれた窓から胞子が熱い空気に流され大騒ぎ。だけど、太陽の熱で溶かされ、溶けた胞子が雨を降らせる。
何日も、何日も、何日も。
溶けた胞子の雨が降る日は傘をさす。 夜には溶けた奉仕の雨はあがり月明かりさす。 海に流れ溶けた胞子が風を起こす。 海風吹く
そして、どうにもならない気持ちになって
砂が舞う
やっぱり君は 一度大きな病院で診てもらったほうがいいかもしれない 陰々滅々
秋風吹く頃、笑顔であくびをしよう
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uchiuneko · 4 months ago
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忘れていた光景
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相変わらず耳の中で鳴り響き続けているものは、ふゆのよるの冷たい夜のふゆの音。
ふゆの音・・・しらない?あなたは聞いたことないの?
懐かしく響くふゆの音。ときどき聞こえる鐘の音。目を閉じると香る、お味噌汁のいいにおい。
ブランコを漕いでいた、あの日。滑り台から転げ落ちたあの子。
空に流れる光を追いかけて、転がり落ちたあの日の夕方。その日もふゆのよるの冷たい夜のふゆの音が響いてた。
あと少ししたら夏のような季節になる。芝生は青く輝いている。
だけど、懐かしく響く。耳の中で鳴り響き続ける
ふゆのよるの冷たい夜のふゆの音。
誰か覚えていないかな。あの時のあの日のあの空に流れた光のことを。
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uchiuneko · 4 months ago
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兎の鳴き声
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朝ぼんやりと迎えた昨日の続きに、窓から差し込む光が、ゆっくりと舞う日常の埃を煌びやかに輝かせる。
そうか、昨日の続きか。
昨日の続きで息を吸っては吐くを繰り返し、ぼんやりと朝の支度をしてゴミを捨てる。朝のにおいは昨日の夜の残り香。昨日の夜の残り香は昨日の朝の空気。
3年前、それよりももっと前から私はここにいて、ここにいるのは私だけど、私ではなかった。もう、それは私ではないって気がついたときには手遅れで、明日やろうと思っていたことを置き忘れた場所に行っても、小さな花が揺れているだけだった。
揺れる花と記憶の断片。それはもう違う世界の彼方。
ともだちが笑う。難しいことばかり言ってるって。難しいと思うかもしれないけれど、これは難しくもなんでもない事実だからね。今と現実は別物だっていうことに、一刻も早く気づかないと。
兎小屋で兎が泣いてる。
誰も小屋から出してくれないって。
もう笑うしかないよ、そのときには。だってゴミを捨てるのも忘れてしまったくらいなのだから。だって朝は夜の続きだけど、夜はあの日の夜ではないって、誰も知らなかったからだよ。
兎が花を食べた。
防災無線から「春の小川」が流れて目が醒めた。
昨日の晩御飯に食べた菜の花のおひたしが今夜も食卓に上がる。
それ昨日なのか今日なのか、よくわからない。
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uchiuneko · 4 months ago
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ピンクムーン
谷底から晴れやかな空を見上げる
山頂から絶景を見下ろす
そのどちらでもなく
広く、広く
どこまでも
遠くまで広がる
地平線を眺め
昇る陽を眺め手をあわせ
沈む大きな太陽に明日を夢見る
どこまでも続く地平線へと
ゆっくり
ゆっくりと
一歩ずつ大地を踏みしめ前に進む
その先にあるなにかを目指す仲間と共に
多分
そういうものを
幸せというのかもしれない。
足元にある
アリの巣から続く行列
何かを運び巣に戻るアリ。
かけ離れていると思ってたけれど
やっぱりそれはそういうことだったんだ。
大きな満月
アリの巣に見えた夜
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