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ESSAYのエッセイ
「一瞬」とは「永遠」の佳境であります。
ESSAYの最後に収録されている"ベッドタイムミュージック"の仕上がりをスタジオで聴いている時、今我々のマネジメントをしてくれている小林さんの後ろ姿を眺めていました。何やら考えごとをしながら、いや感慨深そうにと言いますか、そんな顔をしてそんな目をして聴いている様子でした。その時ふと思ったんです。割と歳の離れたマネージャーなんですが、この人の人生のほんの一部分だとしても僕の(僕らの)人生の一部が刻まれるんだ、と。同時に、いくら僕らに携わってくれている人でも1リスナーなんだ、誰1人欠かさず大切な受取人なんだと思いました。距離が近いか遠いかだけでその本質は常に同じなんです。また必然的にも逆説的にも出会うはずのない人達の人生の一瞬を作り上げてるんだと思うとそれだけで僕の人生には十分な意味があるように思えました。まだ音楽を初めて5年ばかりですがこの時間には間違いなく十分過ぎる理由があったんです。"一瞬を生きる"僕にとっては誰かの一瞬を生かすことでもあって、それが嬉しい。そして一瞬が1秒になり、1秒が1分…1時間1日1週間1か月1年…バタフライエフェクトってやつですかね、そんな風に人生は経ていくのでしょう。エッセイ(随筆)と言うとよく半生などが描かれます。本来「随」と言う文字には「成り行きに任せ
る」というような意味があるようで思うままに筆を進めることをエッセイと呼ぶんじゃないでしょうか。しかしながら思うままにやるって時にはやっぱり経験だったり条件反射的なものが出たりするものです。そこに今までの人生が出るんでしょう。何が言いたいかというとこのアルバムはそういった僕の様々なタイミングで訪れた一瞬から生まれた所謂「人生の一部」をメンバー2人に話して聞いてもらった"お話"の羅列な訳です。瞬きの間に潜む抑揚のような、1日の始まりから終わりのような、人生の波瀾万丈のような、またそれが巡り巡り廻って永遠を感じるような…そんなものであればいいなと思います。そしてこのアルバムを聴き終えた時優しく眠りにつけるように、果敢に目覚められるように、そんな日々に立ち向かえるように誰かの心に寄り添えれたらと願っております。「そして明日を必ず迎えよう」そんな瞬間を重ねて人生の続きを描いていきましょう。一瞬が永遠の佳境であるように。
そんな訳で本アルバムのセルフライナーノーツを書かせて頂きます。お暇な方は是非。
1.エッセイ
ある日友達が、とある作家さんのエッセイの一文を引用してきたんです。『自分が笑うのは可笑しさのせいというより幸福のせいだ』…深く共感したのが多分始まりだったかな。ちょうどアルバムの構想を練り始めていた頃のお話です。エッセイからの引用というので『ふむふむ、"エッセイ"か…良い言葉だなあ』何かがカチッとハマる音が頭の中でしました。そしたらアイデアが浮かぶんです。『アルバムタイトルはESSAYにしよう!そんでもって最初の曲は弾き語りにしよう!』なんて感じで…。それで生まれた曲です。とは言ったもののなんやかんや最後まで完成せず最後の最後の録音の日に仕上がりました。僕の曲作りの原点は僕の部屋で、僕の声と僕のギターでポロリとメロディを爪弾くところから始まります。その真っ裸の姿というわけですね。アルバムのために作った単なるオープニングのような曲ですが、ストーリー性というものを無理くりというか後付けというか、そんな風にふりかけてみました。大したストーリーじゃないですが…それは最後に話しましょうかね。
2.手放せ
こちらは7inchから。静かな弾き語りから一転…部屋を出れば騒々しい喧騒、雑踏、これが東京でございます。って感じのイメージですね。元々ネガティブな性分なので常に怒り憤り妬み嫉みを抱え込んでるんですがこの曲はそう言ったものがうまく書けたかなあって感じで、なんとなく自分のスタイルの一つとして型を見つけたような気がします。
3.フラットな関係
フラットな関係というタイトルをいつか使いたかったんですね。そんである日兄からfloetryというアーティストを教えてもらってsay yesって曲があるんですけど、あーこのビートよいなあ…なんて思ってまあ結構ゴリゴリにインスパイアした曲になりました。曲中で「フラットな関係〜♪」と歌う部分があるんですが、このメロと歌詞はずーっと前からストックの中にあってなんとなくガチッとハマったので採用。「flat」という単語は変化の少ない事を指す言葉であります。"フラットな関係"という言葉も人との関わりにおいて良い意味でも悪い意味でもそういった状況を表しております。でも音楽の世界では歌う時に「フラットする」って言うんやけど意味としては変化がないと言うよりかは「低くなっちゃってる」って意味で…要するに音が正しいところに収まってないみたいな、なんか思うように歌えないみたいな意味みたいなんですよね。なんか同じフラットなのにちょっと意味が噛み合わないというか違うような気がして、それを男女の関係に置き換えてみて…"フラットな関係からフラットする"みたいな…よく分かんないですけどそんな関係を歌詞にしました。僕のお気に入りの歌詞は「我慢出来ずに気付いた本音」という歌詞です。本当はずっと気付いてた本音に我慢しきれなくなったもののプライドが邪魔をして、たった今気付いたことにしちゃうという意味ですかね。多分。夜1人でおうちに帰る時などに聞いて欲しいですねぇ。
4.豪雨の街角
こちらも7inchから。未だ浸透する様子のない「スロウタッチ」というテーマ、ジャンルのもとSTEPHENSMITHは活動をしているんですがこの曲はまさにそんな感じですかね。なんかこう、三拍子の曲が一曲アルバムにあるだけでまた雰囲気が変わりますね。ビートって大切。もっとスロウタッチっての浸透させたいから、もっともっとゆっくりな曲作れるように頑張ります。
5.デコルテ
なんだこの曲は。僕の長年抑えていた坂本慎太郎イズムが露呈した曲だと思っております。というのも元々僕はこのアルバム7曲だと思っていたんですがレコーディング中のある日、小林さんに8曲収録予定と言い放たれたんですね。まじか。となったんですが同時に小林さんからこんな曲作ってみたら?とMyronというアーティストの曲を聴かせて頂いた訳です。その時すでに僕の歌詞などを溜めてるメモには「デコルテ」と「見せてよ」の文字があったわけですが、流れ的にここで使って良さそうだなと思ってガチッとはめ込みました。そんな感じで割と突発的に、悪い言い方すると適当に作ったこともあり自分のすっぴんを見られたような曲になってると思います。あなたのすっぴんも見せてよという気持ちで作りました。最後の「見せてよ〜♪」のエフェクトは葛西さんがサプライズな感じでつけてくれたんですがかっこよすぎて最初聴いた時笑ってしまいました。ここだけずっと聴ける。地下のクラブなどでクソダサいリミックスとかされて大音量で流されたい。
6.紫陽花
これは結構前に作ってた曲です。元々はYouTubeに上げててそれはドラムベースギターのみのシンプルなものだったんですが、エレピをなんとなく入れたいなってイメージがあって、やってみたんですがどうなんでしょうか。とってもアレンジに悩んだし完成した今もまだ模索してるような気分です。難しいですねアレンジって。まあ、でもなにかしら次に活かせそうな勉強になった曲でしたので良いでしょう。お酒を飲みながら聞いたり、夜のドライブをしながら聞いたりすると良さそうですよね。レコーディング中は資生堂とかの化粧品のCM曲だなと盛り上がったのでそういうツテがある方は是非お願いします。
7.欲しがり
僕は所謂テレアポのバイトをしていて、毎日のように朝から晩までパソコンとにらめっこしながらずーっと座っているんですね。暇な日もあるもんで、そういう時は頭を休めたいのでボーッとしたり別のこと考えて時間を消耗するんですがある日ふっとビートが頭の中で鳴り出したんです。「ツカチカドコツカチカドコドコチーッ」そしたらギターのコードも思いついて知らずにベースのフレーズもがっちゃんこ。部屋の中では携帯を触れないので急いでトイレにいってGarageBandで録音。次の日の朝に構成やら畳み掛けるように作り上げました。こう、パンチのある曲ってこんな風に怒涛のアイデアで成り立ってるんですよねきっと。それは分かってるんですけどね、わざと出来ないんですよね。作曲あるあるですね。そんなこんなで出来た欲しがりはアルバムに何入れようかと悩んでいた時に出来た曲なのでマネージャーさん等に聴かせたところ満足げな顔をして頂いたので少しはプロに近づけているのかななんて思いました。STEPHENSMITHにとってはとても「速い曲」です。ライブでやったら疲れる。ドラムとベース意外と難しい。よくやってますよねあの2人もこんなの。いかにゆったりした曲ばっかりやってきたか気付かされたし、いっときこんな早い曲は作らんでいいやろ…という気持ちです。手放せ同様捻じ曲がった自分の側面が出ているかと思います。このお経の様な歌詞を皆さんどう捉えるか分かりませんが「えぇい!南無三!」という気持ちで書きました。このアルバムでは割とメインに当たる曲なのかな?多分。一旦こういうの作ってストレス解消せなね。満員電車で聴いてください。
8.ベッドタイムミュージック
長い。すこぶる長い曲。くどいですねえ。でも意外と聴いてると8分も無い気がしたりします。僕の大切な曲です。気持ちを込め過ぎました。でも��いんです。寝る時に聴いてたら多分途中で寝ちゃうから。それがいいんです。「ストーリー性」について最後に話すと言いましたが、まさにこのアルバムはエッセイという曲から始まりベッドタイムミュージックで終わることに意味があります。僕の部屋から鳴り始めたコードが、メロディーが、音楽が、やがて世界に響き渡る。そんな想いを馳せながらこの曲は作ったんです。まだ実家にいたなあ、この曲作った時。この曲作ったのが2017年5月21日でちょうどその一年後にWWWでライブさせてもらって嬉しかったなあ。当然エッセイという曲はまだ出来てなかったんですけどね、ベッドタイムミュージックは実家の小さな子供部屋で夜中にギターを弾きながら思いついたんです。これから僕はもっと沢山の人に僕の音楽を聴いてもらいたい。そして沢山の人のために歌いたい。もっと遠く、もっと広く、もっともっと大きく、そんな気持ちを込めて書いた曲なんです。そして東京に来ました。このアルバムはSTEPHENSMITHの始まりになるだろうし、同時にきっと何かを終えるタイミングでもあるんです、朝と夜みたいに。だったら1曲目のエッセイはベッドタイムミュージックを書く前の僕を書こう…そしたらもっとこの曲にも意味が生まれるから。そう思ったわけです。だからこの曲とエッセイは呼応してます。歌詞に注目してみてください。我ながら間奏のストリングスアレンジは素晴らしいと思います。ドラマチックですね。映画とかに使われたい。
以上で曲に関する僕の見解でした。いつも思いますがこれだけ僕が言いましたが感じ方は人それぞれです。僕でさえ正解は分かりません。皆さんはどの曲を好きになってくれるでしょうか?それがあなたのエッセイのほんの一文でもいいから、彩りを加えれるものになったら幸いです。
最後に今回キーボード、アレンジャーとして大きく貢献してくれた狩野龍太郎くんに大きな感謝をしております。ほとんど彼のおかげでしょう。僕の頭の中にあったイメージを鼻歌にしたらそれを楽譜にしてくれて…自分のイメージが形になる瞬間が幾度となくあって、奇跡みたいなものです僕からしたら…本当に何度も感動しました。素晴らしいですね、音楽って。僕らより若いキーボーディストですがその能力は可能性とセンスに満ち溢れた人です。彼の名前もこれから色々なところで聞けたらいいなと思います。いつか一緒にライブで演奏したいね。本当にありがとう。あ、そうそう…全然関係ない話なんやけど「ESSAY」にはSTEPHENSMITHの頭文字SSが隠れているんですねえ。これが割とアルバムタイトルにする決め手になりました。偶然素敵な言葉と出会ったわけですね。そんな感じで無理やりですが皆さんも素敵な言葉と出会ってください。そしてよかったらそれを聞かせてください、ライブハウスで。てな感じで全然関係ない話で締めさせて頂きます。また逢いましょう。
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『Sexperiment』1人セルフライナーノーツまとめ
10月19日(水) 遂に僕達STEPHENSMITH初のmini albumにして初の全国流通盤「Sexperiment(セクスペリメント)」が発売されました。製作期間は約1年…四季を越えてしまったアルバム。待っていた方がいてくれたなら、本当に申し訳ありませんでした。やっとお披露目です。さてさてこのアルバムを製作するにあたって僕が1番やりたかったセルフライナーノーツなるものを、勝手に、書かせて頂きます。と言うのもこのアルバムについてはどうしてもSTEPHENSMITHのルーツ、そして音楽が生まれるプロセスを聴く人達に知ってもらいたいからです。こんな駄文長文を見てくれる人がどのくらいいるか分かりませんが、是非読んで頂きたいです。それでは始めます。 "Sexperiment" まずは導入。STEPHENSMITHは2013年4月頃から活動開始し2014年の春頃に3曲入りのCD(自主販売)、そして同年夏(うろ覚え)に配信のみのシングル「家族の言葉」を販売。3年半ほどの間わずかな音源と共に活動を行っていました。常々、正式に流通する音源を作らねばと言っていた僕達は2015年3月頃にやっと重たい腰を上げ製作を開始しました。メインの数曲は旧UTEROにてドラム・ベース録りを行ない、あとは宅録。僕が勝手に相棒と思ってる西村匠くんにミックス・マスターを託しました。僕が彼の家に通いつめ2人でアレンジを考え完成させたわけですがまぁ、気が向いた日に行くスタンスだったので怠け癖がなければ多分数ヶ月とかからず終わったんでしょうが…無理せず楽しく作りました。のんびりした雰囲気が伝われば幸いです。タイトルについては、ある日ふと思いついた造語です。確かJimi Hendrix Experienceの『Are You Experience?』やゆらゆら帝国の『are you ra?』について考えてる時に思いついたのかな。シンプルに実験的なレコーディングだった事(Experiment)を含めSTEPHENSMITHというバンド名の印象を与える為のSを掛け合わせたものです。特に意味は無いんですが、なんだかカッコいいし僕は凄く気に入ってます。ジャケット写真は僕の大学時代のお友達に撮ってもらい、ブックレットも彼の家で撮りました。サンキュー。生活感はテーマの1つでもあったので表現出来てるのではないでしょうか?基本的には突発的な発想が優先されているアルバムなので細かいところまで何か意味が強くあるという訳ではないです。その分聴く人がパーツパーツに意味を持たせたくなるようなものになってれば良いかなと思います。ではこれからやっと曲紹介。ここまではまぁ暇で仕方ない人が読んでください。 1. D.S.D それではまず1曲目からご紹介。今はライブで全くやっていないんですが「Drizling,Snoring,Dreaming」という曲がSTEPHENSMITHにはあってですね…1曲目はその曲を超アレンジしちゃったインストになります。まず1曲目からインストってのもなかなか無い気が…まぁ分かりませんがこの曲は1番最初にレコーディングしたのに1番最後にミックスが終わった曲でして、アレンジがどうしてもまとまらなかった。そもそもドラムの太郎くんが以前マスロックが大好きだった事に対して僕が『マスロックなんか誰でもできらぁブラックミュージック聴きやがれ!』みたいな気持ちで作ったのが始まりだったと思います。複雑な構成が多いマスロックをあえてヒップホップ気味なビートに乗せてみたら案外馴染んだからそこはなるべく残して、歌メロが本当はあったんですがアルバムの流れを考えると要らないな!と思って消しました。まぁ最終的に収録したアレンジになっている訳ですが、このアレンジは元ネタがありまして…実はこのアルバム製作中はサンプリング文化について色々ディグッてた時期だったのでその影響が強くてですね、ATCQのインスト曲『4 moms』を参考に進めました。スパンキーアルフォードのギターが好きすぎてどうしてもリンクさせたかった。まぁ出来てるかは分かりませんが良かったら元ネタも聴いてみて下さい。後半の流れはリハテイク的なものをそのまま使用して、それにギターを後乗せしてる形です。前半は打ち込み?使ってて後半は生音…この流れを上手く繋げるのが凄く難しかった。ひとまずは準備体操のような挨拶のようなノリの曲ですのでオープニングとして聴いて下さい。ここから2曲目に繋がります。 2. 微温湯の雨 これは僕が1番好きな曲。タイトルも良いし、ミックスも今回1番満足しています。この曲はいつ出来たかな…全然覚えてないけどJMSNの『Street Sweeper』にハマっていた時期でした。ソウルミュージックにおけるコーラスワークについて凄く考えてた。スリーピースバンドというのは凝ったもんを作ろうとすると難しいもんで、かなりアイデアに行き詰まってた頃に作った曲なので思い入れも深いです。僕がSTEPHENSMITHとして目指してるものはミニマルミュージックだしそれがこの曲で明確になったと思います。そして僕のような面倒くさがりの必殺技「とりあえずループさせとく」が運よく良い感じにまとまりを見せてくれたのもこの曲。歌詞も凄くSTEPHENSMITHという人格を現してるものになってると思う。というかこの曲の歌詞は凄くみんなに聴いてほしい。感じて欲しいです。さてレコーディングに関してですが聴けば分かるんですけどもこれバスドラ3つ重ねてます。これはもうデモの時点で採用してたアイデアなんですがやっぱりこのバスドラのアレンジが印象深いかなと思いデモのトラックを再現。匠君お見事…。しかもなんと…サンプリングなんです。僕の好きなアーティストのね…分からんでしょうけど。バスドラ以外は太郎くん演奏です。そしてコーラスワークですね。このアルバムのコーラスは全部僕がやりました。楽器よりコーラスのトラックの量の方が多いんじゃないのかな。あとスリーコードってのが僕は凄く気に入ってます。凄く簡単なんですよこの曲。是非カバーしてみて下さい。ブルースに通ずるねスリーコードって。ベースなんかバスドラに合わせただけで散らばったバスドラのテンポをまとめてくれてる。うーん、個人的には今まで作曲した中で1番しっくり来てるしレコーディングも良く出来た。1曲目と2曲目の曲間はどうしても繋げたかったので匠君にお願いして一工夫してもらった。というか、このアルバムの曲間に関してはFrank Oceanの『channel ORANGE』の影響が強いかも。 3. イエロータウン これはもうアルバム限定の曲です。ライブでもこの先しません!多分。正直に言いますが匠君と遊びで作った曲です。ちょっと2人で作ろうよなんて感じでした。またまたFrank Oceanのchannel ORANGEより『Golden Girl』が元ネタ。ラジオは本物の小型ラジオを機材に繋げてチューニングざーざーさせてます。だから本物の放送が入ってる。歌詞や歌メロ、タイトルに関しては松本隆とか鈴木茂なんかを2人で意識しながら書きました。そして女性ボーカルの声は聴こえますでしょうか?僕の大切な友達、璃子に頼んで歌ってもらいました。ありがとう璃子。途中で流れるジャズは確か本当にチャーリーパーカーじゃなかったっけ?いや違うかも…忘れたけど匠君がこの音源の製作の為に購入したアナログレコーダーにたまたま録音されてたラジオから抜粋。粋な演出ですな。まぁこんな感じでふざけながら作りました。というかアルバム全体がそんな感じ。でも楽しく、アイデアを詰め込むことが今は1番大切だと思ってるし全く悪気も後悔も無い。むしろ今しか出来ない音楽をやれてるなら最高でしかない。何も考えず聞いて欲しい曲。ハッピー。 4. 夜釣 STEPHENSMITHを大きくしてくれた曲ですね。最近じゃこの曲を最後にやってなんとなく良い感じだったでしょ?みたいな雰囲気を出すのに慣れてしまってあまりよくない流れが出来ています。そろそろ頼らないようにしないとね。ドライブしながらラジオを聴いていたら海に辿り着いた…というような設定。波の音は絶対に入れると最初から決めていました。夜遅くに匠君とその友達の3人で百道浜までわざわざ行って波の音を拾った。懐かしい。思い返せばこの曲は京都で初めてライブをする前日に作った曲。テレビ番組でたまたま「夜釣」と「着の身着のまま」というワードが出てたのを見てハッとして作った。デモの時点ではまただけどATCQの『4 moms』をサンプリングして作ってたな。京都での初ライブ当日?に京都でスタジオに入って作り上げた曲。まだこの頃は最後にやるような曲になるなんて思ってなかった…D'Angeloの『Africa』とFISHMANSの『Weather Report』だっけ?フィッシュマンズ全然聞かんから分からんけど…確かその曲を合体させたイメージ。ただこの曲もレコーディング時のアレンジが難しかった。民族音楽っぽさも出したかったんですが、この曲は現代のJ-ROCKに引けを取らない音圧をどうしてもコーラスで再現したかった。ライブではサビにギターをかなり歪ませるんですが、音源ではクリーン。コーラスで壮大さを演出しました。このコーラスワークは満足してます。今回のアルバムはコーラスにかなり拘ってるのでジックリ聴いて下さい。ゴスペルっぽい要素になってれば幸いです。そしてギターソロです。これは凄く聴いて欲しい。匠君ちのギターを徐に腿の上に乗せ、スライドバーを使い1発で録った渾身のソロ。「一回ちょっと試しに録ってみようよ」がまさかの採用。こういうの好き。このあとの展開で最後に大サビが来るんですが、この入りはかなり歪ませたギターのノイズをバイオリン奏法で大きくして波っぽくした気がする。おれもよく覚えてないけどなんというか、とにかくこの曲は特に実験的だった。沢山聞いて欲しい。ちなみに曲中に聞こえる囁くような声をよーーく聴くと楽しいかも…。以上。 5. これは特に言うこと無し…アナログレコーダーの回転数を利用したオマケ。笑 6. スロウタッチ 「おれもヒップホップして〜」と思って作った曲。Kids These DaysとNico Cigalの『Clear Eyes』が元ネタ。デモを適当に作ったけど割と好きと言ってくれる人が周りに多くて調子に乗ってアルバムに入れました。デモの時点で歌詞が納得いってなかったのでヒップホップ好きの友達と一緒に歌詞を改めて考え、構成・アレンジも再構築。歌詞どうだろう?割と友達頑張ってたから褒めて欲しい。途中に"歌詞のサンプリング"もしてみた。内緒ですがあの有名な曲のね。ベースは僕が弾いてます。まぁずっとループなんですけども。とりあえずなんか言葉にしづらいなこの曲については。ちょっとアルバムに馴染んでないよね。それはそれで聴く人は頭をリセットできるかも…まぁこういうこともやりますって意思表示になってればそれでいいです。まぁ、ただこの曲はもう少し良いものに出来たかもなあって気持ちがある。s.l.a.c.kとかcommonの『Like Water For Chocolate』とか…Chance The RapperとかVic Mensaとか…OddiseeにあとはATCQもだしKMDも、N.E.R.Dにもハマってたな。そこら辺凄く好きで再現出来たらと思ったけどまだ僕には早かったです。ヒップホップを甘く見てた! 7. 皺寄せ この曲は思い入れが凄いです。だから最後の曲でもあります。ライブでは全然してないんですが…というか3人じゃ出来ないくらいです。出来ないのに作っちゃう癖がある。ワンマンでやっと演奏出来て涙がホロリと出ました。もうこの曲はD'Angeloの『Untitled(How Does It Feel)』にまず感謝。そして『Send it On』John Mayerの『Gravity』やらなんやらかんやら、もう僕の中のベストソング達を掻き集めて1つにした気分。大サビの歌詞はずーーーっと前からメモ帳にあってそのずーーーっと前に凄く気分が落ち込んでてその時の気持ちをブチ込みました。タイトルだけど"皺寄せ"と"幸せ"って誰でも1度は似てるから頭に浮かんだことある言葉だと思ってつけた…なんか直接的な表現も好きじゃないししっくり来てる。後付けだけど「幸せ」って軽々しく口に出来ない時ってあってだから幸せも何かしらの皺寄せなのかもってこう、捻くれた低い位置のポジティブを感じてもらえれば嬉しい。スタジオでこの曲作ってる時はもう大サビまでのドラムとベースの構成は出来てたから指示出したけど大サビのベースは泰平(以前のベーシスト、このアルバムは彼がベース弾いてます)が考えててやっぱ凄いやつだなと思った。これ多分前も話したね。ピアノはワンマンでも弾いてくれた奈央、ありがとう。大サビはベース、ピアノ、ギター、コーラスがもうぐにゃー!っとなるのが理想だったので最終的なミックスも凄く満足してる。コーラスはこの曲1番頑張った気がするな。最後の方に開放弦を多用したコードを使ってるんですが、僕はまだバンドを始めた頃かなり開放弦が好きでよく使っててその頃の事思い出して入れた。なんと言うか物語になっている曲だと思いますので映画に使われたい。本当に使われたい。めちゃくちゃ映画に使って欲しい。主題歌にして欲しい、めちゃくちゃして欲しいのでお誘い待っております!MVもアルバムの中ではこの曲だけあって、というかこの曲だけえらい前から公開されてましたね。でもミックスはMVと音源でまた違うからそこもよく聴いて欲しいです。この曲、最初じっくり聞くとノイズが入ってると思うんですが1度レコーディングし終わったものをアナログレコーダーに再度録音してるのでとても良い味わいになってると思います。匠君が調べてやってくれました。どうもD'angeloもそういう手法を使ってるとかなんとかです。個人的に6曲目からのこの流れが割と好きです。 終わりに こんな感じです。太郎くんと泰平にもなにかしら彼らなりに解説して欲しいけどどうやろか。このアルバムが1年かけている間に新しい曲もかなり生まれてしまってます。次のアルバムも早く作らないとですが、まぁのんびりな性分をお許しください。いつもこう…世に出るタイミングと今のレベルが一致しない。アー写なんていつもその時の髪型と今の髪型一致してないし。まぁ、そんなことはどうでもいいけど。兎にも角にも聴いて欲しい。何か新しい風を日本の音楽に、少しでも届けることが出来ればといつも思ってる。その第一歩、やっと踏み出せたかな。今まで何度もタイミングがあったのに見て見ぬふり。やっと白線をじっくり見てやりました。なんて真っ白なんでしょう。ゴールも見えないし、こりゃおったまげ。まだまだ小さいバンドだけど志はおっきいぞお。というわけで散々音源の説明したけど、ライブでお逢いしましょう。STEPHENSMITHはライブバンドです。音源を買って、ライブに来てくださいね。以上で終わりです。
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