https://odaibako.net/gacha/@noname404の機能を使って1日1個短歌を書く練習をしています。たまに詩や散文。/ era( X )
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2024.10.22-31
22日 カーテン/わずらい/安心
わずらったあたしが繰り返しきみを想ってカーテンが揺れている あなたがわたしを信仰して神様にしてくれるから生きている あの日に隠れたカーテンの秘密はまだ宝箱にしまってある
23日 皮膚/途中/輪郭
白い箱の秘密がばら撒かれるのをカメラを構えて待っている 時間切れです、さようなら/この日のために誂えた靴を揃えて SNSで撒き散らされた君の秘密が形を持ち始めた
24日 共犯者/花びら/一片
もうもどれないね と、ふたつの花弁が散ったやわい春はもう終わり わずかでも残っていたなら「戻れたのかな、あたしたち」(もう遅いよ)
25日 目減り/放課後/雨上がり
傘を手に水溜りに反射する赤が緑に変わるなと願う 制服で食べるフライドポテトは少し罪の味がした気がする きみが泣くたびにすり減っていく心臓を取り替えられたらいいのに あれはまだ濡れた地面に反射するネオンに夢を見ていたころ
26日 カードキー/影/硝子
脆い夏に透けて光る青春の儚さを翳してお終い 薄い影に透けるぼくたちはいつになったら大人になるのだろう あの月の影でできたあたしたちは手を繋いで歩いているのに
27日 ビル/埋める/季節
前になにがあったのかもうわすれたビルの透き間の新しいビル 春から冬へとあたしときみの合間を埋めるように巡る季節
28日 目減り/運命/夏
わたしの中でいたずらに目減りしてゆく夏の日とサイダーの泡
29日 生クリーム/帰れない/漂流
ぐるぐる回る生クリームがホイップになるまで帰れないあたし ホイップを通り過ぎて見失った頃/バシャバシャとバターの音がする 行先がないあたしたちがやわらかな甘いかたまりに埋もれてる
30日 鍵/思想/ぬけがら
抜け殻になったきみをそっと鍵付きの箱にしまう僕は愚か
31日 未定/ファミリーレストラン/透明
不都合な真実はきみのいちごパフェのクリームとジャムで満たされる なにも見えないの/だからなにも起きないの/起きたことさえ知らないの お互いに何をしてるか知らないきみとぼくの空白の翌る日
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2024.10.15-21
15日 刺青/海岸/メリーゴーランド
永遠に消えない痛みを味わって/そうして訪れるやわい冬 潮に濡れた砂浜でいつか消える永遠を描くあたしときみ ここにある幸福を捧げながら回転木馬で夢を見ている 祈りにも似た針先/祈りにも似た痛み/祈りにも似たあなた
16日 消える/宝石箱/歌
朝にしかない感傷を君が目覚めるまでに書き残しておこう 星空を「宝石箱みたい」ときみが言うから指輪をさしだした きっと夜明けにはきみの美しさは透明になって見えなくなる 大切なものが入った白い箱 そっと鍵を閉めて抱きしめる
17日 疑問/朝食/やりたい
遠くて近い君を誘う理由を考えている夜更けのLINE 塩をかけた目玉焼きとトーストに塗ったジャムに裏切られた朝 ホテルのビュッフェで好奇心が抑えられず山盛りになる皿たち
18日 目減り/煙草/裏切り
禁煙を心に誓ってから気にしている/目減りしていく煙草 莫迦だなと思う/フィルターと同じ色をしている心臓が 反故された約束を盾に貴女に自分の欲望を押し付ける
19日 魚/涙/漂流
切実なきみから落ちた鱗を拾い揚げ「綺麗だね」と囁いた 感傷で伝う雫を拭い取り 電話ボックスで抱きしめ合う 流れ着いた先の海で揺れる白いスカートの裾が濡れていく 君のことをなにひとつ知らないから深く深く潜りたい夜更け
20日 雨上がり/ヒロイン/帰れない
ヒロインに悲劇は必要? そんな莫迦な話があってたまるかよ 雨上がりの君の美しさをみて帰らせたくないと思う朝 夜更けのやさしい海で手を繋いだから僕たちはもう戻れない
21日 ブルーモーメント/赤い糸/狭い
蒼く済んだ透き間を縫う赤い糸が朝を作っているらしい 窮屈な日々を解く赤い糸に指輪を絡め恋をしている バスルームで青い朝と白い光がぼくの手首で揺れている その手首の赤い糸がわたしとぼくを繋ぐまでやめないでくれ
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2024.10.08-14
8日 景色/映画/おもちゃ
「つまらない」とひとこと添えた エンドロールで君の名前を見つける きみとぼくがいなくなってもノンフィクションを映し続ける街たち 「わたしたちの家ね」ときみが遊んだ積み木に指を刺す「そのうちね」
9日 コップ/最終列車/光
「そばにいて」さみしさ抱える駅前で終電を見送る僕たち ひび割れたコップに水を注ぐみたいに 帰らないでと願う夜 救われないから終電に飛び込んでみた やっぱり救われなかった
10日 傘/雨/勉強
渋谷のコンビニで買ったビニール傘を北の国に忘れて行く 宿題を濡らしたと言い張る 夏休みが終わった後の時間 「傘、入る?」緊張している心臓がきみの返事を待っている 教科書に書いた相合傘を引っ越しで見つけて懐かしむきみ
11日 真上/混ざる/加速
脱ぎ捨てた体温で融ける/混ざり合って加速していくあたしたち 青春は早送りみたいな日々だから プールに飛び込む僕たち 永い眠りから目覚めて最初に目についた「知ってる天井だ」 じゃんけんで勝ち誇るきみ 階段で僕を上から見下ろしている
12日 真夜中/刺青/放課後
夕方のふたつの影に心刺す 消えない痛みがじわり凍みる 暗闇に白い息が溶けていく 赤い光だけが僕らの道 きみはぼくしか知らない/神様にしてくれる首元の十字架 誘惑に勝てなかった手にはシュークリームが乗っている24時
13日 捨てる/水/合間
「ご飯だよ」と声をかけ 面倒くさそうに階段を流れる猫 びしゃびしゃになった身体を重ねれば ぴたりと透き間がなくなる夜 水槽に未練を浮かべたきんととの瞳には僕がうつらない ぬくい水に浸かるあたしたちの温度は同じになっているのかな 制服のままプールに飛び込んで浮かんだスカート「海月みたいね」
14日 生クリーム/出口/明日
回る洗濯機を見ながらホイップがバターになるのを待つあたし 寒がりな彼女のかたを抱いていた 明日一緒にエスケープ 君のため用意した箱に出口なんてないよ あるのは終わりだけ
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2004.10.01-07
1日 幻惑/ヴェール/サイダー
ヴェールの下 僕の知らぬ顔をする君は揺らいで 僕は哀れで ビー玉をカラカラ鳴らして君の不在を確かめる夏の終わり 昨日から溢れた夜明けに見えたのは神秘でできた君の素肌
2日 星座/透明/公園
夜空の点を適当に繋いで自分と僕の星座とする君 公園で夜を駆ける君がふいに口ずさむ夏の大三角 プリズムで虹を写して すべり台の下 誓った無垢な願い事
3日 街/真上/テールランプ
あの子の月明かりを信頼していたことさえ忘れているあたし 「彼女知らない?」と訊いたから「知らない」と返した 明滅するネオン なきながら見上げる身体の奥底で 明滅している赤い色 広告で知らない顔を見るたびに 僕のキミだと叫びたくなる
4日 線香花火/逃避行/思い出
車窓から見える景色は知らぬ土地 隣で君が震えている 不確実な記憶を置いて逃げても逃げても過去が追いかけてくる 落ちてゆく火を見つめる僕たちも暗い海にて肺を満たす ダイレクトメールの中に紛れ込む きみ宛の手紙は読まずに食べた 「もういいかい」ときいたあなたの手を握り「(もう)いいよ」とこたえる夜
5日 透明標本/夢/貴方
分厚いアクリル越しにピンクの骨をした恋人が眠っている 「だから夢なんてのは……」と骨をしゃぶりながら話す他人のあなた 君色に染色されたワイシャツを着て歩く僕をからかうキミ 手の骨をなぞって/骨の髄まで愛してよ/と 訴える指先
6日 逡巡/傷/雨
ざあざあ心が揺らいで引き裂かれる痛みで起きる夜の目覚め 傷ついた/知らぬふりをして夕立が止むのを待っている僕たち 言い淀む唇が切れているのを見つめている僕は濡れている ねぇ見てよ(もう/まだ)そこに誰かいて 雨に濡れて揺れている心 あの日から/君の近くでないている/剥がれたかさぶた/ぐじゅぐじゅの膿
7日 カプチーノ/遠回り/ドライブ
服がコーヒーの匂いになったから 遠回りして帰るあたしたち 朝と夜の割合を間違えてみた 未知になった僕たちの昼 幼き日 ハイウェイで聴いた音楽が人生をまだ握っている まだきみと一緒にいたいから「あたしと迷子になってみませんか」
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2024.09
23日 月曜日 水風船/仮面/透明標本
透明な桃色と青の骨を埋め 濡れるあの子の夏休み
24日 火曜日 出口/テールランプ/塞ぐ
赤い線 逃げた透き間のひび割れに密閉した頃 終わった冬
25日 水曜日 初恋/揺れる/光
たたん、たたん 揺籠で見た月の君 星に願った叶わ��救済
26日 木曜日 初恋/合言葉/雨上がり
やわらかい記憶の底に 眠る水 ペトリコールの匂いと秘密
雨の匂い 秘密に眠る夜のやわい記憶に 死にゆく春の日
君の心を知った日に 匂いたった雨の記憶を殺してくれ
27日 金曜日 スナッフフィルム/駅/青
快速の速度で死にゆく生々しさを持った未成熟なきみ
28日 土曜日 噛み跡/海岸/雨
うすい皮膚にしたたる雫が鯨の形をして鳴いている朝
落ちているゼリーに触れた痛みすら きみに洗い流してほしかった
砂まみれの海月を見て(ほら)わたしたちと同じ形をしている
29日 日曜日 捨てる/さようなら/蜃気楼
「さよなら」と 夢の中で言えたなら 忘れることができたはずなのに
散らかした幻がいま目の前の後悔に手紙を書いている
放課後の教室の隅 君がいて 忘れたはずの光を見た
30日 月曜日 雪/赤い糸/あの子
拾い上げた赤い糸が あの子の小指にあるか知る術がほしい
制服についた赤い糸屑を 白に捨てて雪解けを待つ冬
あの子の運命の赤い糸は 僕じゃない誰かと繋がっている
運命を冷凍保存したいのに いつまで経ってもあの子はこない
放課後に拾った赤い糸の先を辿ってきみにたどり着く季節
神様に願った矢先 あの子からLINEが届き「ありがとう!」と叫ぶ
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