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疲弊した猫
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23歳社会人の戯言
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axx2 · 3 years ago
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@albireo0
色々ありまして、アカウントをこちらに移行しようかと考えているので、もしご興味をお持ちであればフォローの方よろしくお願いいたします!
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axx2 · 3 years ago
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飛べない鳥
生きるのを諦めようと思った回数は数しれず、流れ星を見たのは人生で2回。人を本気で好きになったのは1度きり、でも寝た人は大勢。流行病の抗原検査は仕事柄週に1度必ずしていて、妊娠検査薬の封を切ったのは4回だ。全て陰性だったのだからこうしてひけらかすことができるのだけれど。わたしの人生にはたくさんのくだらない数字が絡み合っている。
大人になってからここ数年、街中で見かけるなんとなく「あ、いいな」って感じた男の人の左手の薬指を確認してしまう変な癖が着いていた。街へ散歩へ出て適当に座ってボーッとしながら通り過ぎていく人の指輪の数を数えたりもする。あと10個指輪を見たら帰ろう、みたいに。どうでもいいことばかりしている。
さいきんは千早茜さんという作家の小説を読み漁っている。男女の間や一人の人間どうしの生々しさが生々しいまま言葉になっているところがとても気に入っている。わたしはというと我ながら気持ち悪いほど女々しさがなくて、たった一度優しくされたり寝たくらいじゃ情が湧かなくて男の人への好意がもう欠落してしまったのではないかと不安にさえなっている。飛べない鳥ってこんな気持ちなんじゃないかなって無責任に。まあいいや、って言い聞かせて気だるく生きてる。
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axx2 · 3 years ago
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流動体
幼い頃から思っていること。それは今までの出来事はすべて夢で、すべては眠っている赤ん坊のわたしが見ている幻想で、目が覚めたら見ていた夢のことなんてすっかり忘れてまた一から別の人生を歩み出すんじゃないかってこと。目が覚めないまま夢のなかのわたしばかりが成長してる。幻想のまま死ぬのかも。なんちゃって。
わたしはわたしが妥協さえすれば一人の異性に愛されることくらい容易いことは自覚している。自分が誰かに愛されるべきだ、と強くは思わないけど人間である以上誰かの愛を受け取っていないと不安になるらしい。わたしはその辺の普通の女の子よりも人から愛されることができる。でもそれは「愛される才能」ではなく「愛される技術」というほうがしっくりくる。「愛される才能」を持つ人には敵わない。わたしはわたしが愛されるように言葉を選んで行動を選んで表情を作っては相手にゆっくり取り入ろうとする。我ながらわたしは恐ろしい人間である。幼い頃から人の表情ばかり気にして生きていたからその人が欲しい言葉やタイミングが分かるのだ。看護師をしている友だちにHSPじゃないかと言われた。いやあ、ほんと世の中には色々な名前の病気や症状がある。ときどき自覚する音への過敏性は難聴のせいかと思ってたけどそれのせいなのかも。仕方ない。てか人間みんな何かしらの病名がつくのでは?自分のことを買いかぶりすぎ病、協調性微妙にない病、個性を大切に育てすぎ病。誰か治して。ここ最近ずーーっと恋愛はおろか恋すらしてない。いい子なフリをして図書館で勉強とかしちゃったりして男友だちと遊んでいることをナシにしようとしているみたいで人としての辻褄を合わせようとしてるのも、無頓着に光を求める誰も名前も知らないような小さい虫のようで気持ち悪いと思う。今年は密度のある人間になりたいと思っているのにまだスカスカだ、ほとほと嫌になる。
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axx2 · 3 years ago
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マジックアワーはいつだろう
傷つきやすいわたしはひょんな事に心を痛める。虐待児が公になる報道を見る都度「犠牲になるのはいつも子どもだ」と強く思う。大人という漠然とした存在を恨めしく思うほど。可哀想、だけでは片付けてはいけない事実がそこにあるっていうのに、大衆もわたしも時間が経てばその犠牲になった子のことは記憶からなくしてしまう。他人事とは思えないし、他人事なんかじゃないのに。わたしはどうすればいいんだろうと考えながらわたしのなすすべがないことは百も承知。
今年、社会人三年目のわたしに初めて後輩ができた。職場の人に向けた人見知りを発揮するわたしと違って彼女は分け隔てなくコミュニケーションを図ることが出来る笑顔の可愛らしい子だ。初めは多少嫉妬にも似た気持ちを抱いていたものの、悪意もなく屈託のない彼女の振る舞いに魅せられて嫉妬することも諦めて彼女によく声をかけている。今ではプライベートな話もする存在だ。そんな彼女が言っていたことだけど、わたしが今の職場に務めたいと思ったきっかけのひとつである存在の上司がわたしの事を「根性のあるやつ、向上心のあるやつ」と言っていたとのこと。わたしはたまらなく嬉しかった。わたしがいない場所でわたしのことをそう言っていたことが。上司の期待に応えるべくわたしは三年目にしてすこし下がっていたモチベーションを爆的に上げられた。仕事もプライベートも楽しんでいこう。
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axx2 · 3 years ago
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東京と私と、わたし。
2021年の最後の週、わたしは東京にいた。半年ぶりの東京は相変わらずだ。みんな歩くのが早くて、どこか冷たい。実を言うとその頃は女の子特有の月の物が予定日の一週間と少し経っても来てなくてその憂鬱を抱えたままだった。心当たりがないとはいえない、30パーセントくらいの「もしかして…」がわたしを蝕んでは頭を抱えさせていた。そろそろ何か行動しないとまずいと思いつつ、考えてもどうしようもないこと、難しいことは後回し。小心者なりのその潔さはわたしの悪いところでもいいところでもある。
東京へ来た目的はわたしの元カノとの小旅行。美味しいものを食べて、綺麗な景色を見てお喋りをして、彼女の家に泊まって。東京に降り立つ前のわたしは、あの頃の好きだった気持ちがぶり返してもう東京から離れたくなくなってしまうんじゃないかと少しだけ恐怖感を抱いていた。きっと当時の好きが溢れてしまったらわたしはもう絶対に仙台には帰ってこられないだろうと。でも違っていた。彼女もわたしも普通で、友だちのように笑い合っていて元からずっとこんな風に友だち同士だったのではないかと錯覚する程で自分が驚いてしまっていた。わたしは本当に驚いた。約5年の恋心がこんなにも呆気なく終わってしまっていたからだ。終わりはこんなに儚いものなのか。そんなことを考える始末だ。一日と半日一緒に居たのに、ほんとうに呆気なく「またね」と見送られながら兄にドタキャンされて途方に暮れたわたしが足早に取りおさえたホテルで別れた。次会うのは星空散歩のツアーかな、と別れ際彼女は微笑みながらそう言っていた。一人残された煙草の匂いが漂う小さなホテルの一室で涙を流した。いまのわたしにはそれが何の涙かは分からない。窓を開けて1時間くらい眠ってから東京の街に自暴自棄のようにして身を投げ出した。外は夕方、予定も行きたいところもなく手持ち無沙汰だ。適当に入った商業施設の本屋で2冊本を買って、夜の新宿の街にまたわたしは放り出される。憂鬱でしかなかった。目に入ったドラッグストアでピザ味?のプリッツと一緒に妊娠検査薬を購入する。レジ打ちしていた外国人の女の子はわたしの事をどんな目で見ていただろうか。またホテルへと向かうわたしは仕事のこと、今好きな男の子のこと、ついさっきまで右側にいた付き合っていたはずの彼女のこと、たくさんのことを考えていたら鼻の何処かがツンと痛んだ。この街に似合わない速さで歩きながら絶望に身を任せる。もう一人のわたしじゃない「私」がわたしの隣を歩いているような気がした。「私はね、いま幸せだよ。東京で彼女と暮らすために細々働いていてさ、休日は彼女とデートしたりちょっとした旅行なんてしたりして。子供は要らないよ、だって彼女がいるだけで幸せだもの。」幸せと断言してしまった影の「私」のことが正直羨ましかった。顔を上げても「私」はいない。単純にただ悲しかった。わたしは一人だ。涙が意に反して落ちてきて帰宅ラッシュの中、サラリーマンのおじさんたちがさして興味もないくせにわたしをじろじろみながら足早に通り過ぎる。もし検査薬の陽性箇所にラインが見えたのならわたしは命を諦める気でいた。夜が明けたら、気になっていて行く予定であったドーナツ屋じゃなくて飛び降りるビルでも探そうかと間抜けなことを考えてしまう。きっと疲れているんだ。ホテルのお風呂とトイレが一緒になった狭苦しい空間。怖々目を開けて見えるのは妊娠検査薬の終了のライン、陽性の部分は空白だった。安堵なのか、それ以外の何かなのかは分からないけど涙が1粒だけ零れる。わたしのお腹には何もいない。「私」に対して、わたしは仙台に戻ったらちゃんとすると誓った。彼女のことを考えて泣くのはもうやめよう、東京にいる間だけにしよう、ちゃんとわたしとして生きていこう、仙台で好きな彼と幸せに過ごそうと。
あれから1ヶ月近くたった今、彼とはまだ恋人同士ではないけどそれなりに幸せに過ごしている。思ったより彼女のことを思い出すこともなくなっていてわたしは薄情にもこれでいいと思っている。相変わらず東京はわたしにとって心苦しい象徴ではあるが、嫌いではない。うん、わたしはこれでいいんだ。
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axx2 · 3 years ago
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大寒前の焦燥
いまは珍しくちゃんと恋をしていて、彼がわたしのことを友だちに紹介するお食事会を開いてくれたり、好きな音楽をたくさん共有したり、寝坊したわたしに朝ごはんを作って仕事の時のお弁当を作って持たせてくれた。相談している友だちには「それで付き合ってないの?!」と驚かれるんだけど、実はまだ付き合ってはない。わたしも付き合ってもいいと思っているけど、女は待つ生き物だから…と怖気付いている。好きともまだ言われたことがない。これからどうなってしまうんだろう。
きのう、というか今日?次の日の仕事のために寝ようとベッドに入った瞬間に不穏な音が鳴った。久々に聞いたサイレンの音に心臓がどんどんと早く動いていた。一緒に暮らしてる猫ちゃんもサイレンの音に目をまん丸にしながら家の中をずっとパトロールしていた(ありがとう)。長い暗闇を乗り越えてやっと朝が来てスマホにはわたしの身を心配してくれている沢山の通知が来ていて少しほっとする。好きな彼からも来ていてわたしの心配と共に「お母さんに無事だってちゃんと連絡した?」とメッセージが届いていた。わたしが母と仲が悪いことを知っているけど、わざと彼はそういうことを言う。なんとなくわたしの家の事情を知っている人たちは「親が亡くなってからじゃ遅いよ」とか「無理に仲良くしなくていいよ」とか言うんだけど彼は「お母さんの気持ちになりなよ、一人で暮らしてるんでしょ?」とわたしの立場じゃなくて母の立場でそういうことを言うのだ。そんな人、初めてだったからはじめはキョトンとしてしまっていた。軽率に「この人と結婚する!!!」なんて思っちゃう自分。うそだけどうそじゃないよ。
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axx2 · 4 years ago
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事件は夜に起こる
ここ数カ月のうちに私生活が大きく変わった。心境も大きく変わった。きっかけは何だったのかよく分からないけど頑なに変わることを嫌がったわたしの中のわたしは今年に入って変異し続けている。まるでウイルスのように。
言葉通り男の子をとっかえひっかえ、遊びまくった。付き合った人もいれば、付き合わずして仲良くなった人もいる。高校生くらいからわたしは「重力ピエロ」の春という少年に感化されていて、恋愛にうつつを抜かす人々や性的なものに嫌悪感を抱いていたから、そのころのわたしからしたら残念な大人になってしまったような気がして申し訳なさが込み上げてくる。でも、だれかれ構わず心を許したわけじゃないしわたしのプライドとしてお金やモノじゃないものを与えてくれる人とつるんでいたから…と言い訳を並べている。とはいえ数カ月前に付き合っていたはずの大学院の男の子の名前を思い出せない自分にはあきれるしかない。散々遊び惚けていて、そのうちの一人に交際を申し込まれては「え、わたしたちってそんなんじゃなくない?わたしまだ遊んでたいし今は恋愛する気ないんだよね」と酔いに任せてヘラヘラとこぼしていた。その男の子は某若手俳優に似ていてポイントが高かったのだけれど大事なセリフを軽々しく言う人だったから好きになれなかった。でもまあ付き合ってるわけじゃないし、といつもそうやってごまかしては男の子たちの優しさをむさぼった。その男の子と最後に会った夜わたしはつい「本気で人を好きになったことある?大事なことをあんなに簡単に言わないでよ」と酔ってるとは思い難い表情で、口調で言ってしまった。彼はヘラヘラ苦笑いを浮かべて「今日もありがとうね、また会ってくれる?じゃあ気を付けて」と改札口にわたしを押し込んだ。なかったことにされたわたしの言葉は彼に届いただろうか。電車に乗って気が付いたことだけど、わたしは彼にわたしの言葉を聞き返してほしかった。「お前はどうなの?」と。
最近、触れると電流が走ったように体が痛くなる男の子と出会った。わたしが遊びまくっていることを彼は知らないし、彼の存在を意識するようになってからわたしは男の子たちとのくだらない遊びをきっぱりやめた。来週、東京に行く。好きだった女の子と会う。きっとまた好きな気持ちが蘇ってしまう。でもわたしはその気持ちを押し殺して帰ってはその男の子と笑い合うんだ。
押し込まれた改札口、空気の冷たい夜、ハイボールの入ったコンビニの袋を手に持ちながら家に帰った。肺いっぱいに外気を吸い込んでは聞き返してほしかったその答えを声にならない言葉で呟いた。
「わたしはあるよ。本気で人を好きになったことが。だからね、もう、わたしは一生恋ができないの」
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axx2 · 4 years ago
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手持ち無沙汰な折りたたみ傘
理由は仕方のないことなんだけど、ドタキャンされて雨の中泣きながら帰った。彼は悪くないと分かってるけど、面倒なわたしが「なんで?」「どうして?」を心の中で繰り返し呟いている。もちろん彼にそんな幼稚な部分を晒して困らせる訳にはいかないから「全然大丈夫だよ〜」と裏腹にニコニコマークをつけた。思い返せば彼に会う日は何故かいつも雨が降る。伊坂幸太郎さんの作品で雨の日に仕事をする死神の話を思い出して彼は死神なんじゃないかとあの大きくて優しい手のひらを思い出す。最後に会ったのは2週間くらい前のこと。全然会えないけど約束の日まで仕事がんばろう!って我ながら健気に普段よりもハードな仕事をこなしていた。どうして涙が出てくるのかは全く分からない。どんな感情を抱いているのか分からない。寂しい?悔しい?残念?自分のことなのに。それに、今まで本気になった恋はみんな相手が女の子だったからまた戸惑う。女の子が相手の恋愛と、男の子との恋愛と、全然ちがう。道中のモスバーガーで気になってたハンバーガーとチキンとポテトを買って、コンビニで酒をたくさん買って帰る。そうして誤魔化していても意味のなさない香水の匂いが鼻をかすめて目の鈍い痛みが現実味をただ引き立てるだけだった。
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axx2 · 4 years ago
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どうしたって
あんなに好きだったはずの女の子とは呆気なく終わってしまった。流行病のせいで逢いに行くことも逢いに来てもらうことも出来なかったのが一番の問題だと思うけど、流行病がなくたってわたしたちは上手くやって行けなかったんじゃないかとも思う。何年も好きでようやく手に入れた恋を簡単に手放してしまった自分には呆れるばかりだ。「ウチらは別れるけどこっちに来ることがあれば遊んでね」そんな言葉、わたしは欲しくな���った。だからといってどの言葉が欲しかったということはないのだけど。でも、予感めいた曖昧な感覚でしかないものの、その子のことはこの先ずっと思い出してしまうと思う。また別の恋人ができても、結婚したとしても、子供ができたとしても���の子のこともその子を好きだったことも思い出して時々泣いてしまうと思う。その子はそのことを何も知らない。
とはいえ、ちゃんと恋愛しようとしている自分。こんどは男の子。今まで出会った男の子の中で一番優しくて、わざとらしくない優しさがとても心地のいい人だ。多分付き合うことになると思う。わたしのこのねじ曲がった恋愛観を知ってる人は一人の友人だけだからよく相談をしているのだけど、あの子はわたしの事を不思議と分かっていてくれて「大丈夫だよ」といつも言葉をつかって安心させてくれる。その彼女はわたしとそんなに歳が変わらないけど旦那も子どももいるから「普通の人」ってこんな感じなんだろうかといつも考えてしまう。大丈夫、わたしは大丈夫。
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axx2 · 4 years ago
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SETI@home
仙台でも普通に雪が積もったことにびっくりして、学生の頃は病的にプライドが高かったのに仕事で今の自分が不甲斐なさすぎて泣きながら家に帰っている自分にびっくりして、愛猫の肝臓がものすごく悪くてこのままだと長生きしないよと1歳にも満たない本人(猫)の目の前で医者に言われて拍子抜けし、「え、自分らってずっと両想いなんだと思ってた」って言われてびっくりして、そのままぬるっとあの某好きな子と付き合うことになっていた。驚いてばかりいる新年の初月。新しいが始まることは、とても悲しくて寂しい。休みの日に散歩がてら立ち寄った本屋でたまたま目に入った「太陽の寿命ってあと5億年しかないんだって!」と書かれた科学の本のPOPに対して心の中で悪態をついた。人間はたかだか90年だけど、それをそのテンションでどう説明するの?「人間の寿命ってちっぽけな90年!超一瞬!」「人間の寿命、宇宙に対して実は90年(失笑)」みたいな?ああ、ラチがあかない。結局頭にきてその千円近くする本を買った。中身はまだ読んでいない。小さいことでイライラすることが増えた近頃。春にはまた歳をひとつ取ってしまうって言うのに、年ばかり見た目ばかりで中身がちっとも成長していないような気がしてならなくて、焦らないことに焦る。大人のレッテルを貼り付けられた子どもみたいな惨めな気分になることが多々ある。この前なんてフリーダイヤルからの着信で起こされ二度寝。次は訪問式のなにかの勧誘のインターホンに起こされて超不機嫌なわたしは「夜から仕事なんで寝かせてもらえますか?」って鍵越しの人が首を傾げたくなるような言葉を吐いて再び寝た。なんて自分勝手なんだろう。ふと普段の素行を思い返して嫌気がさした時に愛猫がわたしの足元にそのちいさな身体をこすりつけてきた。彼女なりの甘えたい、構って、の合図だ。小さな獣をやさしく抱き抱えて髭の伸びた頬にそっとキスをする。何とかやって行けるよね、一緒にがんばろうね。にゃあ、と分かったような分からないような顔をした彼女はわたしに何かを言った。
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axx2 · 5 years ago
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巡る
今年が終わろうとしている事実に戸惑った。流行病のせいかどうかは定かじゃないけどわたしの2020年はあっという間だった。仕事中には早く終わらないかなあ、1日って長いなあしか考えてないのに不思議。今年は流行病と関係なくいつものように偽物の恋愛をいくつかした。これまたいつものようにどれもぱっとしなくてすぐ飽きてしまった。相手の男の人たちもきっとわたしのことなんてなんとも思っていないことくらい分かっている。ただの暇つぶしなんでしょ、つまみ食いみたいなものなんでしょわたしなんて。
先日リブログした「再生」のふた月に一度くらい会っていた大好きな女の人とは、今年は一度しか会うことができなかった。10月のコロナが少し落ち着いたと思った隙間に予定を合わせて会いに行った。10ヶ月ぶりの東京は何も変わっていなくて、わたしの気持ちも何も変わってなんていなかった。そう、結構わたしは彼女への気持ちが未だに捨てられていない。一年前の投稿をした時に削除したはずの気持ちはなくなることなく膨らみ続けている。男の人と居ても男の人と甘い雰囲気になっても頭に浮かぶのは彼女のことで、男の人を好きになろうと頑張るのも変だなって可笑しくなったりもして。もうどうでもよくなってしまった。大好きなおじさんとの友情が壊れたし、合わないと思っている友人とはずっと縁が続いているし、なんだか人間関係で散々な一年だった。来年はどうか平穏に過ごしていたい。
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axx2 · 5 years ago
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再生
去年の一年間は言葉で簡単に言い表せないほど濃い一年だった。特に恋愛面で。わたしには一昨年からずっと好きな人がいた。告白されてなんとなく付き合っていた彼氏は何人かいたけど、わたしはある人のことがずっと好きだった。その人とわたしは住んでいる場所が少し遠くて、学生のわたしが簡単には会いに行けない距離に存在している。それでもお互い、何かと理由を付けて会いに行った。この恋心に気が付いたのは去年の春だ。その春にその人に彼女ができたのだ。そのことに気付いたわたしは涙の止まらない夜をいくつも明かしたけど、結ばれなくてもいいから想い続けていよう、しばらくしてからそう決めた。小さな恋心を抱きながらもわたしとあの人は何度か会って、色々な景色を見て、色々なものを食べて同じ時間を共有した。そして去年のクリスマスの一日後。二か月前ほど前から会う約束をしていた。わたしはそこであの人に告白をしようと決めていた。一年以上思い続けたわたしの気持ちはそろそろ報われてもいいんじゃないかと思った。だから相手に恋人がいようがわたしの想いを伝えよう、と。でも実を言うと少しだけ自信があった。
伝えるのは今だ、いや今じゃない。そんな瞬間を三日間いくつもやり過ごした。何の気なしに腕を組んできたり、人混みの中手をつないで歩いたり、もしかしたらと思いたかった。でも、でも。頻繁にメッセージの返信をしているあの人、その相手は恋人?出かける前に奇麗な箱から取り出したネックレスを嬉しそうに付けるあの人、それは恋人からのクリスマスプレゼント��心が折れるような出来事ばかりだった。最後の日、その人は仕事で朝早く家を出て、わたしはそれからしばらくしてからその人の家を出ることになっていた。その人が先に起きて仕事に行く準備をしている最中、わたしはずっと寝たふりをしていた。行かないで、わたしを抱きしめて、わたしにあなたを引き留めさせて。祈りは届かなかった。「ー、行ってくるよ」名前を呼ばれるのはもう最後なんじゃないかと思った。「うん、今回もありがとう、行ってらっしゃい。」それで精いっぱいだった。またね、と言って部屋を出ていく背中は印象的で一生忘れない、忘れちゃいけないと思った。ドアが、鍵が閉まる音を聞いて、自分の今いる場所はその人の部屋なのにわたしは涙が止まらなかった。恋の終わりにも走馬灯のようなものがあって、それがまた喪失感を掻き立てた。悲しかった、苦しかった、痛かった。もうこの気持ちとはお別れしなきゃ、わたしは分かっていた。彼女はもう、わたしを恋愛対象として見ていない。
帰路に就くとき、高速バスに乗る前、「さようなら」この気持ちへの別れを小さく口にしてみた。涙が止まらなかった。バスの座席に座った後もずっとハンカチで目元を抑えていないといけなかった。さようなら、東京。
恋と気づけなかった19歳のわたし、恋と意識した20歳のわたし、恋を諦めた21歳になるわたし。彼女とわたしはこれからも友達以上、恋人未満として会い続ける。好きだったよ、笑って話せる時が来るだろうか。成仏。
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axx2 · 5 years ago
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わたしも魔法を使える
映画「魔女見習いを探して」を観に行った。おジャ魔女どれみはお兄ちゃんの世代でリアルタイムでは観ていなかったけど、映画が公開されると知った時に気になって動画配信のサブスクリプションで1から見始めていた。ただの子供向けアニメでしょ…😅と初めは思っていたけど、これ子供がみて理解できるの?という情動をした場面(両親の離婚とか、その他リアルなやつ…)がよくあって見事にハマった。そして気がついたらどれみちゃんたちの事が大好きになっていた。この年でハマるなんておかしいと思ってたけどネットを見る限りそういう人はわたしだけじゃないらしかった。YouTubeで映画の数分だけが投稿されていた。「みんなは大人になったら何になりたいの?」どれみちゃんのセリフで涙が止まらなくなった。小さい頃のわたし、何になりたかったのか思い出すことが出来なかった。幼少期に病気で父をなくしていてその影響で母はわたしと兄に病気を治す人になりなさいと教えこんでいた。わたしは保育園児の時に救急車に乗る人、と言っていたらしいけどそれは本心なんかじゃない。とりあえず母が喜ぶことを言ってみただけなんだ。小さい頃からわたしの自由は母が握っていたのだ。何にでもなれた幼少期に何にもなろうとしなかった自分が不憫に思った。映画館でも同じ数分で涙を流した。3つ隣の席に仕事終わりのサラリーマンが座っていたけど絶対怪しまれていたと思う。劇中でも何度も涙が溢れてきた。大人になったなあ、じゃなくて大人になっちゃったんだなあ、と。少し悲しくなった。だけど元気にもなった。映画を観ていて、お酒を飲むシーンがたくさんあってこれは子供だったら真似できないから、きっとどれみちゃんたちに勇気や元気ハッピーラッキーを貰っていた世代の人たち向けのものなんだなあと感じた。帰りにはもちろん缶ビールと缶チューハイをコンビニで買った。帰って手を洗ってビールのプルタブをプシュッと開けて。「はあ、大人になれてよかった」そう思った。わたしもきっと魔法を持っているはず、どれみちゃんたちがわたしのことを見ていてくれるかも。これからも頑張って生きていこう。
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axx2 · 5 years ago
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すきになっちゃいけない温かい人
わたしをうんと成長させたある男の人に久しぶりに会った。20歳を超えてから月日が経つのがやたら早いと感じてはいたけれど、あの「悲しい華金」から数年経ったのがとても信じられなかった。彼とはあれから何回か会ったけど、今回会うのは1年以上ぶりだったから変にドキドキしていた。わたしはコロコロ見た目が変わるし、彼は仕事柄色んな人と会うからわたしのことを覚えているのか不安だったのだ。ちゃんと覚えていたのだけど。彼はおしゃれなメキシコ料理屋さんを予約してくれていておいしい食べ物を食べながらたくさん話した。わたしはいま猫を飼ってはいるけど、一人暮らしをしている身だから誰かと話しながら食べるご飯はいいなあと改めて感じた。いい感じにお酒が回った二人は冷たい空気が流れる外で少しだけ話した。あの頃のわたしは飲み慣れないお酒に戸惑ってはいたけど、時が重なってお酒の強くなったわたしは黙り込むこともなくむしろたくさんしゃべった。そんなわたしを見て彼は「大人になったね」とやさしく微笑んでいた。そう言った少し茶色い目も煙草を吸う彼の姿も吐き出された白い煙も少しだけ寂しそうに見える。気のせいかもしれないけれど。彼はよくわたしを褒めた。かわいいね、やさしいね、すごいね、えらいね。親にすら言われたことがない。けっきょくわたしたちは朝まで一緒に過ごした。彼は本当にやさしい人だ。田舎から仙台に来て孤独に震えていたわたしにやさしくしてくれたのも彼だし、不思議なことにわたしに何かあった時にかぎって連絡がくる。今回もそうだ。わたしはまた彼のせいで大人になった。
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axx2 · 5 years ago
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0618
悲しい華金
久々に、誰かに弱みを見破られ、壁を剥がされてしまった。正直怖かった。でもその人はわたしがわたしを守るためにつくってある壁を剥がしただけで、中にまでは踏み込んでこなかった。
その人とは友人の紹介で出会った。たまたま気が合って、たまたま連絡先を交換して、たまたま飲みに行くことになった。わたしと彼は5歳も差がある。彼はわたしを妹のようだと言い、わたしも彼を兄のようだと思った。わたしは初対面の人に関しては印象を良くするために「いい人」を装う。しかし彼はそんなわたしの態度にいち早く気が付き、またそれを気に入らなかったらしく、強がらずに素を見せて欲しいと言った。子どもの頃からずっとそうしてきたわたしにはもちろんそんなこと、できなかったけど。それに、わたしの中身が空っぽだということにも鋭く勘づいて「もっと物事に興味を持った方がいい」とわたしに助言した。わたしがわたしを否定すると彼はそれを否定した。「わたしは可愛くないから」『君は可愛い』「わたしは優しくなんてないから」『君は優しいよ』その優しさはわたしの心を幾度なく痛ませた。
二人で酔った帰り道、手を繋いで帰った。仙台の0時過ぎの雰囲気がそうさせたのだと思う。わたしは酔うと静かになるタイプで、口数がめっきり減る。『そんな寂しい顔、しないで』彼は何度もわたしの顔を覗き込んだ。人に優しくされることに慣れていないから寂しい顔を、してたのかもしれない。心のどこかで優しくされることに罪悪感を抱いていた。
わたしたちは幼い兄妹みたいに手を繋ぎながら歩いた。そうして彼はわたしの住んでいる所まで送ってくれた。別れ際、彼はわたしの家に上がり込むような真似はしなかった。邪な気持ちは少しあったのだろうけど、わたしの気持ちを汲み取ってくれたのだと思う。それから優しくわたしに唇を重ねた。一度目は幼稚園児がするみたいに。二度目は付き合いたての中学生のよう。『またね』そう呟いて彼は三度目の口付けをした。優しくて、甘くて、この上ないくらい悲しかった。
別れた後、わたしは一度も振り返らずに家に入った。振り返ってしまったら、何かが崩れてしまうと思ったからだ。彼はわたしの寂しい背中を見ただろうか。部屋に入り、電気もつけずにわたしはベッドに顔を押し付けて泣きじゃくった。どうしてかは分からない。ただ酔っていたのかもしれないし、仙台に来て初めて、否、人生で初めてあんな風に人に優しくされたことが悲しかったのかもしれない。ただただ、涙が止まらなかった。
数日たった今日、彼と手を繋いで歩いた道を一人で歩いた。そこはわたしの通学路なのだ。彼とはあれから連絡を取っていない。わたしが一方的に返していないだけだけど。今思えば、あの口付けは慰めのつもりだったのかもしれない。わたしがこれからも生きていけるように、あの行為で何かを伝えたのかもしれない。もしかしたら自我の薄いわたしに同情したのかも。それじゃなかったら、薄々感じるわたしの孤独さに引いたのかもしれない。一人で歩きながら、たしかにあの夜わたしは一人の少女だったのかと思うと、とてもじゃないけど、やるせない気持ちになった。
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axx2 · 5 years ago
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こんな世の中だけど、こもりきりなのはやはりストレスが積み重なっていく。それを見兼ねてか仲のいい人が少し遠出して美味しいものを食べようとドライブに誘ってくれた。車をしばらく走らせていると田んぼや畑が広がる場所に出た。その時わたしは、無意識に実家の隣に住んでいた80代のおばあちゃんとおじいちゃんを思い出した。わたしの両祖父母はもう既に亡くなっているけど隣の人たちのことをわたしは親しみを込めて「ばあちゃん、じいちゃん」と呼んでいた。
実家の隣の敷地には野菜がたくさん作れる畑と、ビニールハウスと鶏小屋があった。そこには朝早くも夕方も、季節も時間も関係なく隣の家のばあちゃんが草を取ったり手入れをしてわたしはそれを窓から眺めるのが好きだったりした。頻繁に玄関には畑で取れた美味しそうな野菜が置いてあったし、学校から帰ってきたわたしに飛び切りの笑顔で「おかえり」を言ってくれた。わたしが高校3年生になりたての頃、じいちゃんが死んだ。家族が死んだかのように心の底から悲しかった。日に焼けた肌をしたじいちゃんの笑顔がわたしは大好きだったのに。じいちゃんが死んでもばあちゃんは畑仕事を辞めなかった。その背中がすこし寂しそうに見えたのはきっと気のせいじゃないと思っている。
わたしが仙台の学校に進むことをばあちゃんはとても喜んでくれた。「あんたならできる、がんばれ」と力強く背中を押してくれた。別れ際、ばあちゃんはわたしに「さようなら」はっきりとそう言った。もう会えないような気がして寂しかったのを今でも色濃く覚えている。
田舎の町の風景を眺めてそんなことを思い出した。そういえば、実家にはしばらく帰っていない。ばあちゃんは今もまだ野菜を作っているだろうか。それともじいちゃんと仲良く暮らしているだろうか。わたしに幸せな気持ちを分けてくれた二人はどんな人生を歩んできたのだろうかと考える。わたしは人に幸せを分けられる人になれるだろうか。いや、考えすぎ?
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axx2 · 5 years ago
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そもそも強い、とは
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」という映画を観た。それはずっと気にはなっていたものの、被虐待児を美化した物語と認識していたから見るには至っていなかった。それでも昨日は一人で酔いが回っていたから、テレビに繋いでいる某動画サイトでその映画を観た。始まってからはふわふわとした夢を見ているような、どこかに既視感を抱く感覚を覚えた。でも、開始30分と少しでわたしは何の涙か分からないけど、辛くて苦しくて堪らない涙を流した。一時停止をして、息も絶え絶えでそれこそ「小さい頃」によくそうしていたみたいに泣きじゃくった。物語に出てくる「僕」を取り巻く人たちはみんないい人で羨ましかった。もちろんわたしにもああいったわたしの暗い「小さい頃」を知って理解してくれる人がいるからその点では嘆くことはなかったけど、人の温かさって本当に必要なものなんだと改めて感じた。それと、好きだと感じる色々な作品でよく見かける白石隼也くんがかっこよかった。タイプのお顔。 わたしは幼い学生の頃、ネットで「被虐待児は強くなれるのか」という質問とそれに対する回答に「一生無理です」と1本の線で繋がれたページを見た記憶がずっとこびりついている。たかがそのページにわたしの人生をあたかも言い立てられた気がして嫌な気持ちになった。高校を卒業して、一人暮らしを始めて、仕送りもない状態でやりくりして(嫌味)、今年社会人になってまた引越しをして、「わたしは一人でもやっていける」そう思いたい一心だった。でも結局母親の影は何年一人でいても着いてくる。母親と同じ味で料理を作りたいと思うし、母親に蹴り上げられて飛び起きる夢を時々見る。きっとあのネットのページはそういうことなんだろうな。 わたしは自粛とは関係ない職種だから新社会人として忙しく働いている。覚えることが沢山で大変だけれど、一ヶ月を過ぎて少しずつ出来ることも余裕を持つことも増えて今はちょっとだけど楽しい。それに、入社当初は100%で挑んでいた仕事に、少しの力でよく頑張るすべを身に付けた。でも、職業柄それなりにしんどいこともある。帰り道涙が止まらない事実を知った時とか。まあそれはどうでもいいんだけれど。 がんばれ、わたし。がんばれ、世界。
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