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あゝ、二度と二度とは引き返せない道とわかりつつ、目印にと足跡を遺した。その足跡をふと瞼に再生すると、その靴底の痕に白い雪がつもり、その傍らには名も知らぬ花が咲く。雨上がりの水たまりには青が乱反射し、君は笑顔でそこにいる。輝かしくも苦い日々を過去と恋慕の情で呼ぶ。
檸檬子(f7f7f9_)
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私の考え事をする時に下唇を触る癖を気にして、そうしないように気をつけてたのに、この前、私がふと写した写真の中のあの人は下唇を触って何やら考えているようだった。恥ずかしいやらせつないやら、とにかく会いたくなったのはそれが理由。
カペラ(lot_of_cutcake2)
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まっすぐ延びた道を滞りなく走ればあなたの小さな舌打ちに笑うこともなくて、それは毎日の小さな楽しみを見つけていることになるのかしら。せっかちなあなたの横顔をこんな晴れた日曜日に眺めながら、この先に辿り着く青い海を想像している。幸せだなと思う瞬間はすぐ隣にあった。
カペラ(lot_of_cutcake2)
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僕は金色の一等星、カペラ。こぼれおちた君の願いを流星の背にのせるよ。「またね」とひとこと、流星にのせよう。銀河に流れて、今夜、また会えるといいね。僕は君の金色の星、カペラ。いま、ひとつ星が流れていった。
カペラ(lot_of_cutcake2)
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あゝ、生を寿ぎ、死を悼む。呪詛を吐かず、見知らぬ誰かの懐を慮るのに…と、わが身の言葉と行為を振り返り、思案する秋の夜長に、肩は冷え指先は暖かさをもとめ伸ばす先に、裏切らずただ一心に我が思いを受け止めむとす吾子の柔らかな寝息に、ただ嗚咽し生を寿ぐ。
檸檬子(f7f7f9_)
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あゝ、後ろ髪を引かれる思いは期待と表裏し、押し寄せる波のように優しく身体を殴打して無数に痣を与えながら我が心を責る。それでも、それでもと、引き摺りながら
檸檬子(f7f7f9_)
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まるで今夜が最期のようねと人さし指が嗤って紅い月
檸檬子(f7f7f9_)
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橙の晩夏の空に忙しくも去りゆく夏の痕を背負いて
檸檬子(f7f7f9_)
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ここにいる ここにいるから この夜は 私の胸で 泣けばいいから
音々(nexxne)
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綻びの端を結んでくれませんか わたしが決壊してしまう
(____SHE)
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舌の上で溶けていくお菓子みたいに、君の温度を僕の肌に溶かしたいんだ。流星の尾を滑り、降り立った先で君の手をとるから、踊らないか。0時を過ぎたって、この魔法は解けないから。
カペラ(lot_of_cutcake2)
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あゝ、宵過ぎて言葉交わしつ考えあぐねては彼は誰時に、おやすみと途絶えても、切り結ぶ想いたるや、計り知れず、遠き朝の窓辺。
檸檬子(f7f7f9_)
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あゝ、白のグラスを満たされたアルコホルに惑わされ、軀を走る焦燥感。なぜと問われしも、宙を仰いでも答えなく、ただただひたすらに泣きたいと思ふのみ。
檸檬子(f7f7f9_)
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扇情的な下唇に思わず噛み付いた。唸りながらも突き放さない君の頭を抱え、睫毛から滴る水が白いシーツに円を描く様を拭いもせずに見ていた。どうして?の質問に何も応えずただ咳き込むほどに抱きしめられた。恋する夜は紺色を深めていく。刹那と星の輝きを伴って。
カペラ(lot_of_cutcake2)
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あゝ、秋の夜長にカフェオレと開く本には栞。窓ガラスは雨に滲んで、ステレオからはmidlowを震わすハモンドオルガンと煌びやかな弦の音。紅い骨に支えられたコンパートメントではっきりと感じた温度も栞は記憶する。あの日の観覧車のチケットは、128ページをマークする。
檸檬子(f7f7f9_)
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あゝ 君の声を聴く。両の耳で、指先で、肌で、この胸で、君の声を聴く。体も心もそちらに向けてひたすらに、全身で聴く。なんともし難いこの暖かな、満ち満ちと注がれる、この感情になんと名前をつけましょう。恋とつけましょうか、愛とつけましょうか。
恋いこがれるとは。 檸檬子(f7f7f9_)
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