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neokayvii · 4 years ago
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[MIT-QUÉ no.24]  Angelique - F<エフ>/Just wanna be with you (2000)
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インターネットオーディションで選抜された女性3人組のボーカルグループ、Angelique(アンジェリーク)。彼女たちの残した音源は2000年から2001年の短いスパンに発表された5枚のマキシシングルのみで、オリジナルに書き下ろされた曲数に限れば8曲に絞られる。今作はデビューの1作目。
音楽性は基本的にミドルテンポかつMORなJ-POP。一応はコーラスワークが武器だが、それも含めてボーカルに突出したものはない。しかし濱田金吾と西慎嗣が1曲ずつ作曲しており、中道ながらも宿るフリーソウル感覚が心地よい、良質なポップスに仕上がっている。
濱田サイドのM1は打ち込みの柔いキックと、クリーントーンのギター&上澄みエレピの装飾が暖かい、ほっと一息つけるサウンド(アニメ「BLASSREITER」のEDと同じリズムなのだけど、どう呼ぶジャンルなのだろう)。TLC「Diggin’ On You」的な落ち着き方の手堅い曲だ。がしかし、西サイドM2の完成度にこそ拍手は打たれる。ニューソウルマナーで刻むドラムとコンガ、バックレイヤーで典雅にはためくストリングス、西自身のブルーステイストを思い出すほろ苦いワウギター、間奏のトランペットソロ、黄金律を守った古き良きメロディ。レアグルーヴの仔羊たちは舌なめずりをやめず、口元を滝のように緩ませる。
2枚目も同様の「濱田/西」布陣で方向性も変わらず買いだが、3枚目以降はゼロ年代前半に巷で流れていたような普通のJ-POPになってしまう。
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neokayvii · 5 years ago
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My Best 90′s City Pop Tunes
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● lightmellowbu presents 90年代シティポップ名曲ランキング best50 Vol.1 50位→26位
● lightmellowbu presents 90年代シティポップ名曲ランキング best50 Vol.2 25位→1位
参加しました。各選者が20曲を持ち寄り集計した結果、終盤のジェンガみたいな分布になりました。面白いです。
buに入ってから「シティポップとは何なのか」「際限のない沼で手に取りたいのは何か」など考えることが多くなった。選曲作業を経ても整理で��なかったし、迷宮入りした気がする。ともあれ、備忘録として個人リストと各曲コメントをここに残しておきます。
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20. 当初ブックオフで掘っていたのはオブスキュアなCD全般だったのだけど、ある時点から棚に向ける眼がライトメロウを探すものに切り替わった。今思えば台車さん&タイさんのミックス『Looking for the Melted Crystal 〜Why Now? City Pop 90s〜』に遭遇したタイミングがそれだったのかなという気がする。ランキングの起点としてTrade Loveのアンセムをピックアップしたのは、自分の中のシティポップをそこから考えたい気持ちがあったから。明るさと切なさが混じったサビのメロディに、記憶の曖昧な90年代前半、その印象だけがフラッシュバックして得も言われぬ気持ちになる。
19. 笠原弘子『さよならがくれたのは』は捨て曲がないのに加えて、(バケーションじゃない)ホリデイな休日感、癖のないジャケット、510円以下で見つけやすいことなどトータルで魅力的なアルバムです。
18. 作曲:山口美央子。bu紙(bu本)でのタイさんのレビューの通り、冷+静のグルーヴが深夜に移ろう流線型のイメージに重なる。映像喚起力が高い。
17. 歌が上手い。Mana名義のときより伸びやかに歌っている印象。ライトメロウマナーに則ってさえいれば並以下の歌唱力でも聴け��し、むしろ好ましいとさえ思っていたけど、上手いとこんなに楽曲が活きるのか…再考。「真冬のファウンテン」も名曲。
16. NJS通過後の川崎燎 。打ち込みも彼自身の手によるもの。この人や日向敏文のやるスムースジャズはエレガンスの中にも秘めた熱情が滲み出るようで素敵。
15. 摩天楼に舞い上がるPrefab Sprout感。英語っぽいイントネーションで日本語詞を歌っているのがフックとなり、中山美穂のオリジナルより断然フレッシュな印象。グッドだよ!グゥーッド!
14. 海洋バレアリックフュージョン。気分はイルカ。
13. N O S T A L G I C
12. 実は「Light Mellow 和モノSpecial」をbuに入るまで持っておらず、有賀啓雄のことはシティポップとは別の文脈で知ったのでした。収録している『Umbrella』のCDをメルカリに出品した結果、気づけばbu員に。
11. キ・キ・キ・キラーチューン。一撃必殺。ランキング企画と聞いてまず浮かんだ曲。正直1位でも良いと思ったけど、聴き過ぎで胸焼けを起こしたことがあるためこの位置に。でもやっぱりアンセム。台車さんのレビューにCDJイズムを確認。
10. 井上武英の1stは素晴らしい(2ndは微妙)。中でもひときわ光る自作AOR。歌も曲も完璧なSSWの鑑。アルバム全曲自分で書いて欲しかった。「SQUALL」より上に選んだくらいだし、動画もアップされているので是非とも聴いてください。
9. 高校生時school food punishmentにぞっこんだったため、細かく刻むエレクトログルーヴ+シリアスな歌詞+マイナーコードのメロディの組み合わせにロキノン厨だったころの創が疼いてしまう。黒沢律子の2ndもそうだけど、90年代のシティポップにはテレビの向こうの暗いニュースという描写が散見される気がする。
8. この頃の幽玄な吉田美奈子作品の中でも、NJSを呼び水に90年代シティポップのスタイルをストレートに実行している曲。ビーチを歩いていたのだが、波間に横たわる曼珠沙華が目に入り、ここが知っている世界の海でないと気づいた…的彼岸トラックと彼女自身の声から漏れる気迫が凄まじく、六条の御息所さながら高貴の出で立ちに潜む情念に触れるよう。具島直子の「Candy」が海辺のそよ風なら、こちらは虚ろな街角を辻斬る木枯らしか。
7. 『talk to you』は90年代屈指の名盤。ミスティなAORサウンドと、吐息のような小田のボーカルに極めて濃密な色気が宿っている。徹頭徹尾極上品。ちなみに Yoshio J. MakiのCDのライナーを読んでいたら、この時代のブライテストホープ・オブ・AORとして名前を挙げられていた。
6. 作曲はハタさんが紹介していた海福知弘。白昼夢エレピとクワイエットグルーヴが素敵なトラックだけど、井上睦都実の声が歌唱上ニュートラルになり没個性化してしまっている。相性の問題。しかし、デカダンな歌詞がその状況を上回って素晴らしいので結果ウィークポイントは無視可能。
5. みんな大好き栗林誠一郎の9枚目から。「能動的三分間」より10年以上早かったハウスR&B。車で夜の海岸線を飛ばすだけという歌詞ながら、格段にスタイリッシュなサウンドがレイヤー・インされることでボンネットが流動のナイトライトでラメるピンナップに早変わり。
4. buのtamao ninomiyaさんの真摯なレビューをぜひ読んでください。
3. ロックサイドとメロウサイドの棲み分けがはっきりしている荒木真樹彦の作風で、後者中最も中毒性のある楽曲だと思う。知らず知らずのうちにサビが脳内再生されていた。
2. ハードオフの青ケースに立ち向かう理由。
1. 佐藤聖子は人の数だけ名曲が存在するみたいだ。
【雑記】
候補として以下も検討していました;
大本友子/Spell ~鏡よ、鏡~(ニュースにならない恋人たち) 川村康一/Shirley(STEP on the“Cherry” WAVE) 渕上祥人/どうして〜Porque Mi Corazon(Carino) 中野麻衣子/チャイナタウン(Bay Side Story) 今津真美/Urban Bedouin(Silhouette’90) 横山敬子/昨夜の過ち(Without…) 亜蘭知子/Simple Question(Sunny Side Memories)
マイベストは「地上9mの宇宙」。bu×Light Mellow WestのイベントにてタイさんがDJで佐藤聖子を流したとき、「佐藤聖子だ!」と静かに高揚したのですが、記憶が正しければこの曲だったはず。
buランキング、1位が村井博とは正直想像がつかなかった。というかCD持っていないよ…。『Naturally』の所有者が多いのにそもそも驚いたくらい、こちらで全然見つからない。欲しい。
台車さんが評価がやわやわのままとツイートしていたけど、最初はbu史観云々と息巻いていたはずの自分も、選ぶうちに自然とこういうラインナップになっていた。つまりはそういうことなのか。
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neokayvii · 5 years ago
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2019 MY WANTED ALBUMS
// In Random Order //
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• 佐々木幸男  After Dark (1993)
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• つみきみほ  つみきみほ (1988)
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• Testament  The Legacy (1987)
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• Russ Freeman  Nocturnal Playground (1986)
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•VA  3丁目のタマ うちのタマ知りませんか?  OST (1994)
2019年に入ってから欲しくなったアルバムをピックアップしました。新譜に触れるという行為がほぼ皆無だったのもありますが、すでに聴いた・観た・買った何かを整理するだけでなく、自分の中に新たに芽生えた欲望を確認する年間ベストもありだと思っています。アニメの方だと見逃した「ケムリクサ」と「ゾンビランドサガ」を観れたら。ここ数年ぐらい「2030sとか2050sの音楽ってどんなだろう」「パラレルワールドの自分の趣味とは」みたいなことを時折空想していましたが、2020年代も同じ感じになりそう。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.23]  坂出雅海 - ノー・メッセージ (1993)
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ヒカシューのベースである坂出雅海のソロ作品。2つのバレエのための劇伴音楽が収められており、前半の7曲がドイツはマンハイム国立劇場で公演された”Les Enfants Terrible(恐るべき子供達)”、後半4曲が東京の青山劇場での”メッセージ”のために制作されたもの。
”Les Enfants Terrible”の方はポストパンク経由の実験音楽〜ニューエイジの中間といった内容で、簡単に言えばクラムドっぽい感触。”メッセージ”の方はよりわかりやすい映画音楽風。不穏なトーンが随所に顔を覗かせ緊張感が煽られるのですが、ということはやはりコンテンポラリーなバレエだったのでしょうか。どの曲もシンセサイザー中心、というよりシンセで合成/代用された楽器音によるサウンド。ちゃかぽこして箱庭感もあります。和楽器や囃子が重厚な空気を演出するも一瞬Cluster&Enoみたいなセレニティに包まれるトラック6、和レアリックなレフティ哀愁ニューエイジのトラック7が良い感じ。
注意すべきはリスニング環境で、マスタリングレベルが低いのプラス、多くの曲でアレンジ上ベース的な帯域を欠くため、普通にスピーカーで聴くと心許なさというかしょぼさが半端ではありません(それで最初は嗚呼駄盤かと勝手にショックを受けました…同じヒカシュー出身のイノヤマランドのレベルを期待していたのもありますけど)。ヘッドホンで聴くべきCDでしょう。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.22]  三枝成彰 - 失楽園 (1991)
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「ラジエーション・ミサ」が有名な作曲家・三枝成彰の1991年作。ジャケットからなんとなく久石譲っぽさを感じた(今考えるとよくわからない)のと、”さまざまな質感がきらめく音のラビリンス”というキャッチコピーから坂本龍一「音楽図鑑」のような内容かも…と期待を抱いたので購入。(間違われそうですが、映画「失楽園」とは関係のないCDです。)
蓋を開けてみればまるっとニューエイジ…というわけではない。参加メンバーに鳥山雄司、伊藤たけし、鳴瀬喜博、松下誠がいるからといってメロウなフュージョンでもない。インストものですがプログレッシブというか、ファンクの色が目立つハイパーな方のフュージョン…という感じでしょうか。大方激しいノリなので、落ち着きたいには不向きかなと。
コレクションされている曲調はバラバラで、70sハードロック、ラテンフュージョン、オリエンタルニューエイジ、コズミックファンク、牧歌的シンセのイージーリスニングなど。基本的にリズム隊のアタックが分厚く、トンテキを喰らっている気分に陥ります。特に奇妙で印象に残ったのがトラック6で、Contortionsさながらに不条理なメロディが反復する空間を、小林靖宏のアコーディオンと鳴瀬喜博の超絶スラップベース(Thomas Jenkinsonがサムアップしてそう)が諧謔的に走る様はまるでノイエ・ドイチェ・ヴェレ。三枝のインスピレーション源は何だったのだろう。ちょっと気になりました。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.21]  Ikuko - Grace of the Earth (1998)
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Liraという3人組ユニットのメンバーでもある、野口郁子ことIkukoによる、全曲作詞・作曲・演奏・ボーカルを自ら手がけた、文字通りのソロアルバム。KUKOという名義で主にアニメ方面で活動していたとのこと。そして…『まりんとメラン』(※)のOPを歌っていた(!)人でした。
スピリチュアルなニューエイジポップということもあり、声優・川村万梨阿のアルバム「春の夢」「月と桜貝」あたりを比較対象として引用できるかなと考えたのですが、あちらがポップスの形式に忠実なのに対して、こちらはむしろ声の鳴りとしての歌唱に焦点が当てられていることもあって難しいかなと。何せほとんどがIkukoの声で構成されており、メロディを担うのもその一点のみ。タブラなどの打楽器がトライバルに響きますが、あくまで骨組みとしてであって、装飾に成り得ない程度にシンプル。通して聴きやすい印象を受けたものの、実質かなり硬派でディープな作風です。
ホーミーを意識したトラック1、重ねたボーカルとタブラをミニマルに展開するトラック2、優しく爪弾かれるカリンバがエキゾな空気をふわり波紋させるトラック3〜5、Julianna Barwickから残響成分を消し去ったようなトラック7、ブルガリア風ハーモニーがガンジスの川辺で舞うトラック10など。インドを中心にワールドミュージックのエッセンスに彩られ、そのプリミティヴネスはたおやかさを感じられる優美の方向にはためきます。Real Worldからリリースされていたと嘯かれたらばそう信じてしまえる、芯のあるニューエイジと言えるでしょう。
※ 通称『まりメラ』。監督は『ガオガイガー』や劇場版『タイバニ』を手がけた米たにヨシトモです。個人的に大好きなアニメなのですが、素晴らしいのは内容だけでなくその音楽もしかり。劇中がZABADAKで、EDはEPOの筆による「虹色の宝物」(超名曲)。そして、OP「風の碧、海の翠」は吉野裕司作曲のGentle Giant的ケルティックプログレなのですが、そこで聴き取れるワールドミュージックの香りや声のハーモニー(=平成アニメのニューエイジ感覚?)と直観的に結節できそうだなというのが、「Grace of the Earth」を再生して最初に思ったことでした。なお、『まりメラ』と並んで最も米たに監督の色が強いであろうOVA『星の海のアムリ』も傑作です。『けものフレンズ』を観ていたとき「アムリっぽいな」と思っていました。ある意味、10年早かった『けもフレ』かも。アニメ好き必見。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.20]  V.A. - ラバーズ IN THE チューブ Sound Image Collection - 2 (1987)
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MIT-QUÉ no.1でピックアップした「Navigation To Islands」の続編にあたる、日本クラウンのSound Image Collection第二弾。「Navigation」の記事を書いたときは存在を怪しんでいましたが、ちゃんと見つかりました(no.1と揃えたくてタイトルを「ラバーズ…」みたいにカタカナ混じりに表記しましたが、正確には「Lovers In The Tube」です)。
林有三、小倉泰治、川崎康宏の3人のコンポーザーが3曲ずつ持ち寄って、という構成はやはりシリーズで変わらないようです。小倉泰治のみ続投で参加。夏のリゾートというコンセプトも同じですが、前作がまったり落ち着いた雰囲気だったのに対し、林と川崎の両名が入ったことで溌溂としたアレンジの曲も増え、フレッシュでスポーティな感覚が強くなった印象。静の「Navigation」、動の「Lovers」という対比は容易に可能で、オタク心に満足を与えてくれます。
もぎたてのフルーツをスパッとカットしたように美味しいフュージョン/AORの詰め合わせセット。キーボードの瑞々しいリキッドタッチから立ち上がる『アウトラン』気味ラテン含有フュージョンで開幕、Dungeonesseを連想させる近未来的ポップのトラック3、テクノなノリのトラック5など、アーバンな人工感やグリッターな肌理が目立ちます。なお、今回は半分以上の5曲が歌もの。後半に差し掛かると落ち着いた曲調へシフトするという、良い塩梅の流れです。
クレジットについて気になったところを。小倉のプロジェクトに冨田恵一がギターで参加していました。それと、他のリーダー二人がキーボードなのに対し、川崎が操るのはPC-9801VX。元祖DTMソフトの『ミュージくん』を使っていた、ということなのでしょうか(『ミュージくん』の発売は1988年なのでちょっと早い気もするけど)。
バレアリックに閉じる終曲が「Second Resort」というタイトルで象徴的なのですが、CBS/SONYのSound Image Series(「Pacific」〜「Seaside Lovers」)が第一の避暑世界線なら、より俗っぽいSound Image Collectionは第二のそれと言えるでしょう。前者はいつかレコードを手に入れたい憧れの先で、後者はむしろ気軽にCDで手元に置いておきたい感じというか(ちなみに「Navigation To Islands」はレコードが存在します)。解像度が低くてジャギーが露わなジャケットもAESTHETIC愛嬌があります。さて、第三弾は存在するのか…?
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.19]  宮崎萬純 - Cloudy Night (1988)
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女優・宮崎萬純による1988年のアルバム。自身が心理療法士(ヒプノセラピスト)になったこともあり、2000年代半ばあたりから宮崎ますみ名義でヒーリング系のアルバムにナレーション参加している模様。歌ものという意味では今作が唯一作のようです。
80年代後半の発表ということで、全体的にニューウェーヴ経由のデジタル感が強いアレンジ。例えば一曲目、力強い泣きのテクノ歌謡で、Shi-Shonenの戸田誠司がギター+打ち込みと編曲を手がけています。若干強めのビートとスクエアな演奏は、凛とした歌い方とイメージを持つ宮崎萬純にマッチさせる意向があったのでは、と憶測しておきましょうか。
作曲陣は安部恭弘、松尾清憲、河内淳一、原田真二、小坂恭子という面子(それぞれが2曲ずつの計10曲)。作家性のなせるわざでライトメロウな曲も少々。シンセをアクセントにした、凝った空間的アレンジがモノクロームのジャケット〜タイトルにぴったり。それと、どの曲もイントロが格好良いです。
原田真二がペンを��ったトラック6が白眉で、しばしばPrinceに準えられる彼のファンク志向が炸裂した、キレキレのデジタルポップ。5曲目までのグレーな流れもあってか、スタジアムに響けとばかりの爽やかさに胸が高鳴ります。緻密な打ち込みも合間ってもはやScritti Polittiの様相。クール!
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.18]  V.A. - 放課後のティンカー・ベル 音物語 (1992)
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日向章一郎による小説、”放課後シリーズ”の第二作である「放課後のティンカーベル」を原作とするOVAのサウンドトラック。てっきりイメージアルバムだと思って手に取りましたが、違ったようです。アニメのサントラや小説・コミックスのイメージアルバムを掘ることの機運が、月日が経つにつれ熱を帯びつつある気がするのですが…それもごく一部の人々に限られた話なのか、どうなのでしょうね。
さて、このCDでは18曲のうち15曲を池毅、3曲を鶴由雄というコンポーザーが手がけており、その中の5曲が歌ものです。なお、池毅は「ひらけポンキッキ」「ひとりでできるもん!」といった子供向け番組に、鶴由雄はハドソン社のゲームサントラに、それぞれ音楽制作で参加していた人物とのこと。
再生ボタンを押した途端、ベースのごりりと効いたザ・90sアーバン調シティポップが流れてきて不意を突かれます(作・編曲:池毅、歌:KUKO)。続く2曲目でリゾートポップなイージー���ンストへ。トラック5は80s後半な雰囲気のアイドル風ポップで、トラック18は爽やかガールポップ。インストの曲は、サウンドトラックということで同じテーマのメロディをいろんなアレンジでトレースしたものがほとんどで、NJS、ボッサ、ファンシーポップ、ムーディーなジャズ、夜明けシーンっぽい映画風など。
演奏もしっかりしていますし、一定水準のクオリティは保たれているのですが、オリジナリティに欠けるきらいは否めません。最初の2曲がピークでした…。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.17]  K. Takeya - Always Love You (Released Year Unknown)
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ネットでの情報が皆無のCDです。Kazuyuki Takeyaという人物による、自主制作盤と思しき6曲入り27分のミニアルバム。ハードオフにて110円で購入。
こういった情報のない自主制作盤には何度かエンカウントしていますが、MIT-QUÉ no.15で取り上げたBlue Cradleくらいしか自信を持って良いと言える作品を知らず、その他は概して「どこかに良さを見出したいな」と意識するものの、次第に諦念へと移ろうのが実情です。そんなシビアさが課される自主制作CDの試練に改めてトライしましたが、すでに何度も再生できていることもあって、今回は確実に当たりを引けたという気持ちになれました。
内容はというと、Takeya氏自身がボーカル、シンセ、ドラムおよび打ち込みの全てを手がけた宅録式AOR〜R&B。その手札のためにムギムギの如くスカスカとなったアレンジが氏の細い声をさらに焙煎し、Timmy Thomasさながらに寂寞さが香り立つという因果。味わい深し。ソングライティング自体の完成度はおしなべて高く、全体的にライトメロウです。リリースがいつか不明ですが、トラック3でNJSを演っているので、90年代なのかなと。トラック4は1分に満たないインタールードですが、ゴスペリッシュな多重ボーカル(厚みはないけど)+シンセの柔いキック音がドープなインストだし、続くトラック5ではリゾートフルな曲調も披露。トラック2や6からはソウルフルで洗練された音楽を目指していたのだろうな…なんて青写真がひしひしと伝わってくるようです。Sean Nicholas SavageがConversation(当山ひとみ+Geoffrey Gems)をカバーしたら…という例えが一瞬脳裏を過ぎりましたが、正鵠を得ているかどうか。ともあれ、このCDをhidden gemと呼ぶことに躊躇いはありません。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.16]  Paul Hardcastle - Hardcastle (1994)
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Hard CandyとHard Castle。どちらをとっても甘い贅沢。
Paul Hardcastleはイギリス出身のキーボード奏者で、80年代にクラブヒットしたエレクトロナンバー「Rain Forest」や「19」で知られた人です。いろんな名義で作品を出しているみたいですが、本人名義だけで���かなり多作。ヒップホップのサンプルネタとしてDJ御用達の模様です。
そんな彼が90年代半ばにリリースしたこのアルバム(写真はジャケ違いの1996年の再発盤)。すぅーと伸びる冷やっこいシンセの響きとニュージャックスイングの身体感覚が合流して、AORやスムースジャズのプロムナードにせせらぐ、涼しめのサウンドが心地良いです。センスとキャリアがかっちり組み合ったがゆえのエレクトロの粋には、Dam-Funkのファンも痺れるのではないでしょうか。最高です。
90s以降の他のアルバムも同じような作風で、彼の職人気質がそう命じているかのように押し並べてアイシー×ラグジュアリー×リラクシンの極み。Apple Musicとかで”Paul Hardcastle”と打てばそ��が冷蔵庫になります。
マイナー過ぎず、かといってポピュラーと言い切るには厳しいという、曖昧な知名度のために見過ごされてきた感は否めません。今こそしっかりとした再評価が行われるべき人物の一人ではないでしょうか。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.15]  Blue Cradle - Blue Cradle Ⅰ (1997)
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ネットで全く情報の出てこなかったバンド、Blue Cradleによる作品。多分自主制作盤。タイトルから1stアルバムと予想しておきます。バンドと書きましたが、クレジットを見る限り宮崎義雄という人がインスト1曲を除く全曲で作曲・ボーカルを行なっているので、実質彼のプロジェクトと言えそう。
打ち込みやシンセ、サックスの音色がアーバン&リゾートフルなムードを演出する、落ち着いた90年代ポップが10曲収められています。アルバム通してジャケットのままに憂いを帯びたブルートーンで統一されていて、演奏も曲もハイクオリティ。知られざる佳作と言って差し支えないと思いました。
とても特徴的なのが宮崎氏の歌唱法。沖縄の伝統歌唱をデフォルメしたような歌い方で、声量をグラフにしたら指数関数に近い軌跡を描きそうな、フレーズの尻尾だけぐぅーっと上げる感じなのです。ハスキーな声色に加えて、歌詞カードがないと何と歌っているのか全然わからない滑舌の悪さなのですが、この歌い方によってマリーンなバックトラックに溺れないばかりか異化効果さえもたらされ、オリジナリティの獲得に至っている気がします。90s終盤にSadeと朝崎郁恵の邂逅を目論んだ市井の青年によるローカルAOR、とか表現したくなるちょっと風変わりな作品。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.14]  綿内克幸 - Clockwork Lovers (1994)
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SSWの綿内克幸による1stアルバム。バックバンドにザ・コレクターズ、プロデュースにSALON MUSICという布陣。デビュー前の当初には鈴木慶一らが主催のレーベル:メトロトロン・レコードでリリースがあったらしいという情報を補強するように、UKロックの香りの強い、ひねりの聴いたポップスが展開されます。綿内氏の声はとても爽やかなもので、例えばムーンライダーズで草野マサムネがボーカルをとったら…こんな風かもしれません。
80s通過後のサイケ感をあちこちに振りまいた良い曲ばかり詰まった作品…なのですが、まず何にも先んじてこのアルバムは最高の1曲を搭載していることを書かねばなりません。トラック9に刻まれた、Tony Benettの歌唱で有名な「STRANGER IN PARADISE」の日本語詞カバーのことです。
ボロディンの「韃靼人の踊り」を下敷きに書かれたスタンダードナンバーで、基本的にスイートなジャズとして披露されることの多い曲ですが、このアルバムのアレンジは完全にバレアリックのそれです。エレキギター2本(それぞれ”Jazzy Guitar”、”Persian Guitar”と表記)による繊細なリフレインは、もはや南国の浜辺に黄昏れるManuel Gottchingの趣。蕩。桃源郷へさらわれる小舟に乗った気持ちしかしません…終始鳥肌立ちやまず。やったことないけど、CDJしてと言われるようなことがあったら絶対プレイしたい。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.13]  樋口了一 - Easy Listening (1994)
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『水曜どうでしょう』のテーマソング「1/6の夢旅人」で知られるSSW、樋口了一の2ndアルバム。現在はパーキンソン病により制限のある中ながら活動中のようです。裏ジャケに鳥山雄司がプログラミング、編曲、ギター…というクレジットの曲が数曲あったのと、他にもSteely Dan関連のアレンジャーRob Mounseyが数曲手がけているのが見てとれたので、ハードオフにて108円で購入。
何と言っても冒頭の表題曲「Easy Listening」が良いです。鳥山雄司による軽いタッチの打ち込みで、70sのリズムボックス・ソウルをトレースしたような曲調もさることながら、特に歌詞にぐっときます。
”Easy Listening 君にとって Easy Listening ぼくなんて”
”��屈しのぎ 軽すぎるBGMみたいだよね”
”聴き流す そんな歌も もう一度かけてごらんよ”
”それにしてもはやりのCD たった一枚も持ってないから”
”インパクトなくてコンパクトじゃない いつもこんなスタイル”
四半世紀の時を超えてCDディガーをキルしにかかるフレーズの数々。そして歌詞カードにないアウトロのコーラス”Easy Listening, Heavy Meaning…”にとどめを刺されます。
その他だとトラック9が最近のミツメがよぎらなくもないボッサ歌謡で気分だったり。アルバム通してライトメロウな印象ですが、鳥山雄司・Rob Mounseyの名前からイメージするよりは格段に俗っぽいかなというのが率直な感想です。(でも決して悪くはありません。)
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.12]  Komeda - What Makes It Go? (1998)
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クシシュトフ・コメダから名前を拝借したというスウェーデンのバンド、Komedaの3枚目。何だか間違えそうになりますが、ポーランドのバンドではありません。ハードオフのジャンクCDコーナーで見つけました。
StereolabとかGentle Peopleに象徴される90sレトロフューチャー勢と言えるこのバンド。そういえばStereolabを語ろうとするとき、ラウンジとかモンドという言葉は今でも少なからず出てきますが、一方でハッピー・チャーム・フール・ダンス・ミュージックという形容がシャッと浮かぶ人がどれくらいいるのでしょうか、気になるところです(ライナーを眺めていてこのワードが目に入ったとき、ああ…なんかだいぶ前の音楽雑誌で見たことある字面だ…と不思議な気分になりました)。
さて、Stereolabからは明確にクラウトロックからの影響を、ときにモノトニアスかつストイックと表現したくなるくらいに感じますが、Komedaはあくまでカラフルかつトイフルな捌き方をしていて、ロックンロールしているというかグルーヴ感があるというか、言ってしまえばサウンドが”重く”、故に”バウンシー”です。同郷にCloudberry Jam、お隣のノルウェーにはKings of Convenienceがいることとか、Ben Folds Fiveのツアーサポートで動いたことがあるとか、そういった情報から何となく浮かびそうなイメージ像��ら、そう遠くはないはず。
散々Stereolabの名前を出したものの、Belle & Sebastianの方がもしかして近いかも…となるようにエレクトロニクスは主軸にあらず、もっとプレイヤビリティが強いです。いずれのバンドも映画音楽やフレンチポップや60~70sへの愛にあふれていますが、録音芸術としてのStereolab、ライブバンドとしてのKomedaという対比も悪くない気がします。バンドじゃないけど、Todd TerjeとかのNu Disco勢が産むあの整形途中のつやつやしたアメを捻る、スポーティでユーモラスな編集感覚。ああいう空気と通ずるものを感じて、聴いていてとても楽しいです。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.11]  Daluxe - Daluxe (1993)
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オランダで結成された4人組グループDaluxe(ダルクス)。女性ボーカル2人+楽器演奏2人という編成から繰り出されるサウンドはアシッドジャズ〜ハウスという80年代末〜90年代初頭の時流にぴたりと当てはまったもの。1stアルバムの国内盤CDを手に入れましたが、オリジナルとはジャケ違いのようです。
基本的にここに紹介するCDたちは知識なしの前後不覚状態で手に取ったものが多いのですが、この1枚もやはりそんな経緯から。オリジナルのほうを重視したい性格の自分ですが、このジャケじゃないと手に取らなかったと思うので、こんなときには国内盤さまさまだな…と。ジャケの雰囲気からてっきりSadeに影響を受けたようなしっとり成分の入ったニューウェーブか、はたまたNJS黎明期のエレクトロファンクか、と想像していたのですが実際後者に近かったです。
Ronny JordanとかDigable Planetsのトラックとハウス化したネオアコ系バンドのあいだくらいな、軽く流せるレベルだけどスウィンギンにちょい強めのアタックが腰を誘うポップミュージック。オランダならではの土地柄みたいなものは特に感じず(そもそもそれが何なのか知らないけれど)。あくまで上品さは保ちつつ、いけいけなノリでGOという感じでしょうか。うーん、決定打に欠けてる感覚は拭えないかな…。
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neokayvii · 6 years ago
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[MIT-QUÉ no.10]  本多信介 - 晩夏 (1991)
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元はちみつぱいGt.の本多信介によるソロアルバム。今現在も活動しているようで、自身のホームページでCD-Rの作品を販売しています。今作はアルファエンタープライズより一般流通した通常のCD。はちみつぱいというと、鈴木慶一をはじめとして岡田徹、かしぶち哲郎、椎名和夫といった名前がまず出て来そうですが、その面々に霞むことのない才人っぷりが聴いてとれます。
全編がエレキギターによる繊細なインストで構成されていて、リズムマシンやシンセが織り込まれた、バレアリックな内容です。聴きながらThe Durutti Columnや煌き過ぎない時のMark McGuireがふと浮かびました。歌謡曲がもつ湿り気(ラテンへの親和性と表現したほうが近いかな)を若干嗅ぎとれるというか、フォーク調のメランコリアに淡く揺らめいている印象。哀愁漂う泣きのリフ(しかし決してけたたましくなく、静かかつ穏やかに)がじわりとした熱を運び、タイトルの通りに残暑の空気を、それも都会というよりは田園風景から郊外にかけてというか、鄙びた町を覆う懐かしき空気を連想させます。
メロウという言葉が輪をかけて敷衍する昨今ですが、実際のところソウルやフュージョンの感じさせる夜的なメロウと、サイケデリックロックに見られるような太陽に溶ける感じのメロウの2種類があると思っています(他にもありそうだけど、大まかには)。今作についてはジャジーなリフが少なくないものの、後者側かなと。薫風に吹かれる夕暮れ時の心地よさを音楽にしたら…な、とっても素晴らしい一枚です。
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