pie0822
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徒然なるパイーノ
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pie0822 · 11 months ago
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カネコアヤノ Livehouse Tour 2024を振り返って
2年連続の沖縄公演 at ミュージックタウン音市場。始まる数時間前にスコールがあった。雨が止むと雲間から青空が見え光が降り注ぐ。それまで雨音で掻き消されていたセミの声が存在感を増す。ハレの日を祝ってくれているかのようだった。
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そう今日は3ヶ月に及ぶカネコアヤノ“Livehouse Tour2024”のツアーファイナルの日。昨年以上の実感があった(というのも昨年は本村くんの脱退で振替公演があったため実質沖縄が最後ではなかった)。5月から始まったツアーもついにラストだ。
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14公演(東京2公演含む)中、横浜→東京→高松→沖縄(コザ)と昨年より1公演多く回ったこともあって感慨も深い。今回のツアーの特徴はニューアルバムを引っ提げたツアーではない点で選曲・演奏とアドリブ(遊び)を感じさせる内容だったこと。そのいくつかを残したい。
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まず『恋しい日々』『とがる』『カーステレオから』『ロマンス宣言』など最近のライブで余りお目にかからない曲が目立った。その中で『恋しい日々』の1フレーズ「冷たいレモンと炭酸のやつ」を大合唱できたことはうれしい思い出になった(沖縄公演は1番声が大きかったな)。
『とがる』は「だけど今日は楽しい」のところでどの会場でも盛り上がったが、個人的には「かわる!かわる!かわってく景色を受け入れろ」が一番刺さった。今に至る景色のグラデーションを思いながら聴いていたら胸が熱くなった。
『カーステレオから』は「笑えるギターが聴こえてくるだろ」の通り!もう言うことありません。アドリブ満載、林さんの馬鹿げたギター(ワウワウさせる顔芸)に腰が自然と揺れ、東京公演ではその様子がお茶の間に生放送されているのだと思うと笑ってしまった。
『ロマンス宣言』は聴くとどうしたってMV(監督・奥山由之)の映像が脳内で再生される(ka na ta の服を纏い、渋谷の街を闊歩するカネコアヤノ)。こうした『燦々』辺りまでのいくつかの曲が"今の私"(カネコアヤノ)の音として聞こえてきた♪
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また、メンバーの立ち位置(中央にベース・飯塚さん、ドラム・光さん。その二人を挟むように上手に林さん、下手にカネコアヤノ)から象徴されるように今回のツアーはリズム隊を前面に出した曲構成。例えばそれは『車窓より』『りぼんのてほどき』のようなしっとりとした曲に表れていたように思う。
初めて光さんがband setとしてライブをした中野サンプラザ(2022.9.6)、初めて飯塚さんがband setとしてライブをした晴れ豆(Alice Phoebe Louと2マン 2023.3.27)で感じた違和感。話が少し逸れるけど、前任のドラム・Bobやベース・本村くんの音、そして二人とバンドメンバーが奏でるグルーヴを「はい!」とすんなり切り替えることは難しかった。
やはりバンドはカネコアヤノが歌うように「恋に似た何かだな」なのだ。昨年は本村くんの脱退後間も無くして"カネコアヤノ Hall Tour 2023 “タオルケットは穏やかな”ツアーが始まった。大変だったことは想像に難しくない。その点、今年は旧知の仲の二人でバンドを支えるバシっと揃った初めてのツアー。
故に、リズム隊が前面に出た曲構成や立ち位置に対して意味を感じたし、バンドの正しさのようなものも感じた。ツアーの裏設定は「飯塚さんと光さんを感じろツアー」なのではないかと思うくらいに。結果としてリズム隊が奏でるグルーヴはカネコアヤノの歌を進化させていた。本村くんとBobの頃と比べると違う生き物だ。それは同時にバンドの尊さを物語っている。
そんな中、見に行った4公演すべてラスト2曲に『ラッキー』『さびしくない』を持ってくるところは実にカネコアヤノらしい(こういうところも好き、こういうところが好き)。カネコアヤノのセットリストにいつも"今"ある。さらに言えば"未来"がある。
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それは武道館の1曲目に『グレープフルーツ』をもってきたときも感じたことだ。『さびしくない』のギターリフの余韻♪それは未来へと続くリフ。またライブに足を運びたいと思った。明日が来る、明日も来る。
p.s. 最終日、ミュージックタウン音市場のライブが終わり、ホールから出るとマネージャーさんがいた。「影アナ評判ですよ!」と伝えると、はにかみながら「やらされてるんですよ」と言う。このマネージャーさんあってのカネコアヤノだ。物販にいた頃から今に至るマネージャーさん。ここにもひとつの景色があった。
ツアー物販もとてもよかった!特に道下慎介さんによるイラストTシャツ(スミ)が最高すぎる(ホワイトが早く売り切れてたけどスミの色合いと会場名が目立たない感じがいい)。トートも会場別にねこのイラストがあって大きさもお気に入り。今回のツアー物販はてらおかなつみさんがカネコアヤノの物販を担当してた初期の頃を思い出した。
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pie0822 · 8 years ago
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2017年5月2日、カネコアヤノの音楽に出会う
ベイベが似合う歌手、カネコアヤノ
2016年冬、いつものように真夜中のyoutube addiction にはまる中、ある曲に出会った。その曲とは同年11月に発売されたカネコアヤノの1st EP『さよーならあなた』。ココナッツディスク吉祥寺(以下、ココ吉)で展開されていたので、名前をまったく知らないわけではなかったけど、何となくやり過ごしていた歌手だ。
MVの制作は「音楽を中心に現代のカルチャー全体を照射するメディアレーベル」のlute(ルーテ)。今話題のメディアレーベルで、SAKEROCKの「会社員と今の私」へのオマージュを感じさせるような映像だったので、始めはそっちに意識が向いていたが、次第にその歌声が気になっていった。
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曲中の「ヘイ ベイベ」という1フレーズ。この1フレーズを聴いたとき、ビビビビーって電気が走った。それからは次々とカネコアヤノのこれまでの映像をむさぼり見ていく。「うわー、え?何で知らなかったの俺?すごいよ、このこすごい。」気がつけば、真夜中に何度もリピートして聴いていた。心が躍った。
ポップな彼女はロックスター
2ndEP『ひかれあい』がリリース。発売日の2017年4月26日にココ吉に向かう。ココ吉のブログで店長の矢島さんは、カネコアヤノを「かわいい女性SSWとかじゃなくてロックスターだったんだ」と表現している。僕もボーっと歩いていたところを何かで殴られたような衝撃だったので、書いてあることにとても納得していたが、それが特典のライブDVDを見てさらに深まった。
DVD-Rをデッキに入れ、映し出された映像には白のワンピースとハイカットのコンバース、赤のエレキギターを持ったカネコアヤノがいた。1月30日・31日にザムザ阿佐ヶ谷で行われたライブのときのものだ。アコギで歌う姿は見ていたが、エレキを持つ姿は初めてだった。
その出ち姿はソニック・ユースのキム・ゴードンのようであり、2曲目の『きみをしりたい』はカート・コバーンが絞り出すように歌う姿にも見える。何しろ演奏中に放たれる視線が、巷のギター女子とは一線を画すロックそのものだった。
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多面性を描き、日常に生きる。ヘイ!
数日後の5月2日、2ndEP『ひかれあい』のインストアライブがココ吉で行われる。この日は清志郎の命日、その日がカネコアヤノのライブ初体験になるのだと思いながら家を出た。21時スタートではありながら到着した頃には結構な人の数。場所も後方しか空いておらず姿もチラっと見える程度だったが、それでも生声に近い彼女の歌声は店内に力強く響き渡った。
一人の人間の持つ多面的な部分がフォークとロック、弾き語りとバンドで体現され、さらに人間の持つ矛盾や心の機微が歌詞から伝わってくる歌手だと思った。それは、初期のRCサクセションとグラムのRCサクセションを行き来する清志郎を同時に見ているようだ。
次の日からツアーが始まり、最終日は7月に代官山の晴れ豆だという。彼女が好きなあがた森魚さんとも所縁のある小屋であり、僕もちょっとだけ知っている小屋だ。これも清志郎からのご機嫌なプレゼントだと思いたい。初めて行った清志郎のコンサートから25年、清志郎の命日に僕はカネコアヤノという歌手に出会った。5月2日は生活の楽しみがひとつ増えた、そんな記念日だ。
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pie0822 · 9 years ago
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「転がる石には苔が生えぬ」な前田司郎監督作品特集@多摩
お先真っ暗だからいい!前田監督作品が描く過去と未来
11月27日(日)、雨。TAMA映画祭で前田司郎監督特集@ベルブホール(永山公民館)を観てきた。『ジ、エクストリーム、スキヤキ』『ふきげんな過去』の二本立てともに面白かった。舞台出身の監督とあって、セリフの使い方や暗転させて次のシーンで笑わせるみたいな手法はらしかったし、実際そこでみんな笑っていた。二本ともに時間軸で見せていくような作品だけど、未だ見えぬものに対する肯定感があって、それはやり続けることなんだという意志が感じられた。
「お先真っ暗」という言葉をいいこととして描いていたのが象徴的であり、思わず(甲本)ヒロトの名言を思い出す。「お先真っ暗というのはすげー前向きな言葉だよ…。お先真っ暗ってことはいいねえ。みんな平等で。」だから、監督はロックな人なんですねとたずねるように作品を鑑賞した。何と言っても、ロックに不可欠なユーモアを交えていたからホンモノだろう。『ジ、エクストリーム、スキヤキ』なんて、かなり死生観を漂わせる作品であったにも関わらず、コロコロと転がって作品が生き生きとしていたのだから(自分には)。
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  映画作品に寄り添う音楽家、前田作品にムーンライダーズの岡田徹
音楽は二本ともムーンライダーズの岡田徹さん。このエキセントリックでありながら、作品をそっと生かしていく様にカッコよさを覚える。そして、トークの中でも言っていた通り、岡田さんは子供と同じ位下の世代の人と積極的に音楽をつくっている。
山本精一さんとのユニットya-to-iでは、ボーカルに柴田聡子さんを立てたり、トーク中の会話にも出てきたカメラ=万年筆の佐藤くんと一緒にやってみたり…。曰く、上の世代はスタイルがあるから合わせないといけないけど、下の世代とは思い切って冒険できるから生まれるものがあるということで、それこそ前田監督の描きたい世界とも合致する。
まるっと円を描きたくなった多摩の一日
映画作品に寄り添う音楽家と言えば、高田漣さんが思い出される。そう言えば、前田監督が脚本をした『横道世之介』の音楽は、漣さんではないか。さらに言うと、8年前の第18回TAMA映画祭で漣さんはトークゲストとしても来ている(自分もこの年から観に来ている)。ちなみにこの時は、『タカダワタル的ゼロ』『たゆ たう』の二本が上映された(とても多摩らしい)。機会があれば、漣さん縛りでそろそろ音楽企画を立ててほしいものだ。
そして、その時の司会は今回務めていたライターの松永良平さんで決まりなのは言うまでもないだろう。まるっと描きたくなる多摩の一日だった(縁)。翌日、家路に向かう途中に会った舞台役者の友人にこの話をしたところ、前田監督は残酷さと笑いがあるからおもしろいと言っていた。小説『逆に14歳』を勧められた。今度読んでみたいと思う。前田監督も友人も僕もたまたま同じ学年だった。
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pie0822 · 9 years ago
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向井秀徳とデストラクション・ベイビー(ズ)
2016年11月20日(日)、真利子哲也監督指名手配!
向井秀徳特集企画@多摩シティを観た。1本目『デストラクション・ベイビーズ』は食わず嫌いでいた作品のひとつで、それは作品に楽曲タイトルを付けたもの、さらにそれがその作品の音楽担当をしている音楽家のものであれば尚更だった。だか、それは杞憂に終わった。ありがちな音楽の方に作品が寄せられることなく作品に音楽がハマっていたからだ。このことは、真利子哲也監督がトークイベントの中でも同じことを言っていたから、監督自身かなり意識していたところなのだろう。
そして、気がつけば嫌いが好きに反転していた。好きから嫌いの振り幅が大きいほど、好きの度合いも深くなるというものだ。過去の実績から、今日をもって真利子哲也監督は要注意人物となり、今後の作品は自分の検閲を通らなければならなくなった。11月20日(日)はそんな記念日となった。
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水色のピックガードに見つけた少年性
お待ちかねの向井秀徳ミニライブ。何よりこの映画祭がいいのは1500円で映画2本とミニトーク&ライブが付いてくるところにある。トークイベントの椅子の脇に並べられたアンプとエフェクターとフェンダーテレキャスター。ギターを見ながら男気あふれる向井秀徳の印象とは裏腹に、その少年性を水色のピックガードに見つけることができる。そして、その水色のピックガードは初めてナンバーガールを聴いた1999年の春に自分をフラッシュバクさせ、淡い気持ちと衝動に満ちたアンバランスな日々を思い出させた。
披露されたナンバーはサカナ→感覚的にNG→約束→天国→はあとぶれいくの5曲。間髪入れずに淡々と楽曲をつないでいく様が、まさに向井秀徳の生き様と被る。この企画のタイトルを借りればロックで映画に魂を吹き込む���、“This is 向井秀徳”がそこにいた。そして、今観たばかり『デストラクション・ベイビーズ』のテーマ曲「約束」のイントロが始まると、またあのヒリヒリとした空気があたりに漂った。この何か始まりそうな不穏な感じは、ナンバーガール時代の登場SEテレビジョンの「マーキームーン」とも似ている。
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向井秀徳の音楽に諸行無常の響きあり
向井秀徳が初めて映画音楽に携わったのは、塩田明彦監督『害虫』に提供したナンバーガール時代の「I don’t know」。この作品は日常から切り離され、中学をドロップアプトした少女の話だ。「繰り返される諸行無常、蘇る性的衝動」を歌い続ける向井秀徳の楽曲は 、真利子哲也監督の『デストラクション・ベイビーズ』然り、ティーンエイジャーの衝動や狂気ととても相性がいい。
それはどうしようもない誰しもが通る通過儀礼として当事者には共鳴し、洗礼を受けたものにはブルースのように、時には演歌のように熟成されたものとして残る。今、当時買ったナンバーガールのシングル「DESTRUCTION BABY」を久しぶりに聴きている。鋼のようなソリッドなギターカッティングはそのまま、以前、聴こえてこなかった音が聴こえた嬉しさと、聴こえていた音が聴こえなくなった哀しさが同居する。向井秀徳の楽曲と映画作品の関係性を捉えるという意味においてもおもしろい企画だった。
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pie0822 · 9 years ago
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『本屋で売ってない本』大賞#本屋とデモクラシー第2弾@文禄堂高円寺店
10月29日(土)高円寺フェスと同じくして、文禄堂高円寺店で『本屋で売ってない本』大賞#本屋とデモクラシー第2弾が開催された。開始時間直前、高円寺フェスのメインイベントであるアマチュアプロレスが駅前広場で始まったばかりで、その様子を名残惜しくお店の中に入った。登壇者は発起人の中俣暁生さんに、ゲストの都築響一さん、ミネシンゴさんの並び。結論から言うと、今回のトークイベントで改めて感じたことは、都築さんの感度の鋭さであった。それは編集の最先端と言ってもいいのかもしれない。 
音楽は出版の5年先をいっている!
都築さん曰く、「音楽は出版の5年先をいっている」という。これに関しては、思いっきり僕自身も感じていたところだった。何が?偉そうに言うんじゃないと思うかもしれないけど、これは音楽がもっともデータ量が少ないという点に依るところが大きい。音楽のプラットフォームができた後に書籍・映像などが続く。これについては、以前ホリエモンがラジオで話していた。「音楽業界の流れを見ていれば、その後が大体わかる」と。そのことを思い出しながら、都築さんの話が耳に入ってくる(出版の人間ではない自分は、音楽に置き換えてもらうとわかりやすい)。
素材を次々と見せていく編集スタイル。Web編集とRAPは似ている
そして、もうひとつおもしろかったのがWeb媒体と紙媒体の編集の在り方の話。紙は引き算の編集だが、Webは足し算の編集で、それはリリックやライムでつないでいくRAPと似ていると例えていた。云わば、素材を乗っけて、リンクさせていく編集方法。例えば、ツイッターも140字の制限で編集してるが、それは素材である点でおもしろい。紙媒体を本業とする本屋さんで、構わずイケてることを話していく都築さんはイケていた。そして、持ってきた電子画像集『秘宝館』(缶々に入ったUSB)には、膨大な数のラブホテルの画像。還暦を過ぎ、40年もの間編集をしてきても、おもしろいものに飛びつき、全く懐古していない姿はかっこいい。
懐古主義者は駄作しか生まない。かっこいい人に共通するもの
音楽の話と結び付ければ、清志郎は創造的破壊を繰り返してきた人だった。フォークの初期のRCサクセションから、みんなが知るグラムでロックなRCサクセション。でも、まわりが倣い始めた頃からおもしろくなくなったと清志郎は言った。ファンがみんな一緒の格好し始めたんだぜ、気持ち悪くないかいと。その後、RCを解散した清志郎は、キャリア関係なしの若手バンドを結成する。忌野清志郎 & 2・3' s 当時、清志郎はそこにおもしろさを見出したんだと思う。名曲はたくさんある。今日、話を聞いて地でおもしろいものをつくろうとしている都築さんにもそれを見た気がした。んで、清志郎の亡くなった年よりも、 都築さんの方が上なんだよなと気づいた。
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pie0822 · 9 years ago
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Romantic Chinatown2016 青葉市子@同發新館(横浜中華街)
9月23日(金)天気は雨。昨年に続き、青葉市子Romantic Chinatown@同發新館(横浜中華街)に行ってきました。ライブ前に店を見ながら歩いていると、好きな赤や黄色の色が目立ちます。吉祥寺から軽く小旅行になりますが、自分にとって横浜は育った地であり、特に下町横浜はおばあちゃんの家(母親の育った地)があったところで、よくこの界隈に連れていってもらった記憶があり、どこか心地よい。
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本当に古い映画館。横浜中華街同發新館
下北沢440での双葉双一×mmmとの対バン、代官山の晴れたら空に豆まいてでのアート・リンゼイツアー、そして今回のRomantic Chinatownと夏から秋にかけて3回目になる市子ちゃんのライブ(本当は8/31のGEZAN×LOSTAGE@unitに行きたかったが、体調が悪く断念&残念)。震災直後に彼女のライブを目にしてから、何回目になるのか。 この同發新館という場所は、その昔映画館だったということもあり、同時期に横浜中華映画祭も開催され、こちらは主催が横浜の名画座「シネマ・ジャック&ベティ」。支配人梶原さんの映画愛と横浜愛が伺い知れるあったかいものなので、こちらも合わせて観るのもおすすめです。昨年は、「恋する惑星」(香港)、「モンガに散る」(台湾)の2本を鑑賞しました。また、その建物の歴史から市子ちゃん曰くステージ裏は雨水による水滴が天井からポタポタ…、埃もひどくお化けが出そうなほどらしいです(昨年も言っていたので、相当なのでしょう笑)。
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ドイツでできた二つの詞のある歌「engel für hana」
さて、ライブの方ですが、その日はいつになく饒舌でリラックスしていたように見えました。どのようにして曲ができたか、穏やかに時にジョークを交え話し、その中で今夏ベルリン滞在時にできたという「engel für hana」の1曲をこの日初めて聴きました。これは写真家の花代さんとその娘点子さんにあてた曲だそうです。歌詞をグーグル翻訳でドイツ語変換し作ってみたものの、点子さんにチェックしてもらったところ間違いを指摘され、もう一つの歌詞ができあがったという裏エピソード付きで。 その結果、ニつのパターンによる歌詞ができそれがまた楽しいと言っていたのが印象的で、らしくもありましたが、始めにできた詞に名残惜しそうな感じだったので、どこかのタイミングで聴かせてほしいものです。ちなみに、10月に発売される新アルバム「マホロボシヤ」のアーティスト写真は花代さんによるもの。今回はアナログ盤も出るということなので、早く大きなジャケットで見てみたいです。発売日を心待ちにしています。
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二つのパラレルワールド‟Nostalgic Chinatown”と‟Romantic Chinatown”
1曲を終えるごとにパチパチと拍手が起こり、レパートリーは進んでいきます。ワンシーンに息を飲み、爪弾く弦から鳴らされる世界に引き込まれ、拍手の音でまた現実の世界に戻り、我に返るのはいつも決まって曲の終わりです。横浜、京都、ドイツ、台湾、タイ、シンガポール…。市子ちゃんの歌声を聴きながら、歌は場所を越え、時を越え、カタチを変えて受け継がれていくのだろうと昔映画館だったその場所で思いました。外に出ると雨もすでに上がり、見上げると子供のとき見た大きさと変わりなくマリンタワーがそびえ立っていました。
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pie0822 · 9 years ago
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アート・リンゼイ×青葉市子(PA. zAk)@晴れ豆
8月28日(月)台風が近付く最中、それとは関係なしにアート・リンゼイ(以下、アート)×青葉市子の素晴らしい演奏が代官山・晴れたら空に豆まいてで行われた。畳の舞台の中心に植木を配置、それを挟んで市子ちゃんとアート。そして、その二人を囲むように僕たち観客が位置する。入って始め二人に近い畳の上で見ようと座ったのだけど、今回は通常ステージになる場所がステージ席として開放されていた。
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アート・リンゼイのエフェクター、PAのzAkさんも見渡せる絶好の音響ポジション
僕が決めた座席はステージ端、すぐ横にアンプがあり、PA席がバッチリ見える場所だ。もうお馴染みだが、彼女のPAにはzAkさんが担当することが多く、しかも今回は音響変態ギタリストことアート・リンゼイがお相手。当然のようにzAkさんがPAとしてクレジットされていたので、もう位置的にも最高の場所となり開演を待った。
二人の相性はどうなんだろうとワクワクが募る。が、その前に二人のシルエットにしっくりときた。市子ちゃんは椅子に座って演奏するスタイル、一方アートはそのヒョロっとした風貌で立って演奏するスタイル。この非対称のバランスが妙にいいのだ(笑)。それを見て、あっ!これはきっとおもしろい演奏会になるなーと心躍らせた。
もうひとつステージ席でよかったのは、アートの足元にあるエフェクターを間近で見れたこと。しかも真後ろではなく、斜め後ろだったので演奏する彼の表情を見つつ、エフェクターのスイッチングも見ることができた。さらに、その熟練されたエフェクト音が真横のアンプから流れてきて、まさに絶妙な距離だった。
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音響変態ギタリスト・��ート・リンゼイ VS 音の魔法使い・青葉市子
市子ちゃんの『まほろぼしやへ』で演奏が始まり、お互いの音がキャッチボールをするように奏でられていく。アートはギターのネックを叩き、ぼよよーんと音を揺らしたり、指をスライドさせてキュルキュルと音を変化させたりユーモアに満ちていて、中でもよかったのはミュート(ブラッシング)しながら弾いていたと思ったその瞬間、足元のエフェクターを踏みバーンと音を鳴らす突飛さだった。それはいたずら好きの少年のようにも見えた。
ここからは妄想だけど、時々、アートがふざけて彼女の取れないような変化球やワンバンの電気音を投げる。けど、彼女は魔法を使って鳥にそのボールを取ってもらい、アコースティックな音色で返す。おじいちゃんと孫くらいの年の差ギタリスト同士の音の遊び。 そんな微笑ましい映像が頭の中で繰り広げられた。 同時に音の調整役のzAkさんの姿が視界に入る。 PA付近が暗かったせいもあるけど、zAkさんが想像以上に若く見えた。なぜだ(笑)。それはフィッシュマンズと仕事をしていた時くらいの感じに見えるほどだ。市子ちゃん、アート、zAkさんのトライアングルを交互に見ながらの至福の時間が過ぎてゆく。同じように楽しむ人たちの顔も見えた。
台風の中のユーモアの宴。晴れていた代官山の地下洞窟   
最後にこの日の好きなエピソードとして、市子ちゃんが『機械仕掛乃宇宙』の終わりに、演歌調に転調して「ウェルカム・トゥ・ジャパン」と言ったこと。そういえば、以前NHK-FMの公開収録のとき、観客に年配の方が多いとみて演歌のフレーズを弾いていたなと思い出す(笑)。
日本的にしたかったのか、アートのおじいちゃんぷりに向けてか定かではないが、場を和ますユーモアにあふれている音楽家であることは間違いないようだ(いつも楽しい)。アートも楽しそうだった。二人のユーモアが台風の最中、晴れ豆の中にいた人の気持ちを和ませていた。
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