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『月夜』
あそこで輝く一等星よりも、月が輝きすぎて誰にも見つからないような場所がどこにもない。昼間の太陽よりも月明かりがすべてを照らしている。
君が月はうさぎを飼っている言う。月はうさぎの楽園なのかもしれない。あの島の楽園は、放たれたままのうさぎ。この月で暮らすうさぎは杵付き餅を食べるだろうか。
背中が開いてる黒いワンピースが風に煽られて、はためいた。波打つ真っ暗闇の海。叢雲の陰。僕の視界が闇色の迷彩模様に変わる。
ここには、誰もいない。私の閨は私だけのもの。
#青海玻瑠鯉
#青冰月鯉の詩
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『桜の塩漬け』
噛む。ずっと、桜の花蕊の塩漬けを噛んでいる。唇がしょっぱくなって、粘膜がひりひりして、それでも、花蕊を噛み続けるのを、やめない。桜を独り占めしたい。
君が「口の中が桜でいっぱいになるよ」と言っても、僕は、一向に構いやしない。涙みたいな、花みたいな、そんな味がする。すこし、春の空気が肺に入る。
分からなくても、引かれてもいい。この桜を、胃がいっぱいになるまで、僕は噛み、食べ続ける。呪われている。それは、誰のせいだ?山が笑っている。
君は幸せになってほしい。僕が幸せになれるかなんてのいうのは、君が知らなくていいことだよ。だから、君は、ここから逃げてくれ。春が君を淫らにする前に。
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#青冰月鯉の詩
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#4月4日は現代詩の日
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詩『窓』
あの窓の 向こうに 貴女がいる
青空 雲の白さ 日陰の黒 夕日
貴女以外の誰か 僕以外の 誰か
誰一人 知らない女 知らない男
僕は 貴女でないと 生きられず
貴女は僕でなくとも 生きられる
貴女を思うと 何も手がつかない
そんな僕を 貴女は笑うだろうか
その声 その唇 その顔 その体
貴女は 僕の理想 女そのものだ
だから 僕が 貴女に 口づけて
貴女を引き寄せても 応えてくれ
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NOTE15に投稿しました https://note15.jp/post/24030111
『懐かしい人』
何時になっても夢に出てくる。幾度か会っただけなのに。ここまでやってくるなんて、ひどい。それじゃあ、私がまだ追いかけているみたいじゃない。『天使のたまご』の少年は、少女のたまごを割ってしまった。「あなたは、誰?」と言われても、互いに答えなかったのに、私がみた夢は誰の夢だったの?あなたが出てくる私の夢を、あなたも一緒にみているの?もう側にはいない人の夢をみるのは、やめて、私は、知らない土地の夢をみたい。

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『ジムノペティ』
エリック・サティの音楽が流れる
夕方の5時に逢魔が時を告げた鐘
学校は帰りなさいと促して閉める
まだ帰りたくない子は別の場所へ
帰る子はお家で宿題をするだろう
ジムノペティが流れ終えたら来て
その一日のことは忘れてしまおう
また明日がきっと来るはずだから
宿題をして晩御飯を食べて寝よう
今宵は新月ですと言っていたよね
そうだね星はたくさん見られるね
寒い冬の夜は空気が澄んで綺麗ね
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『冬の火花』
美しい火が燃え移り、リンがスパークする。
僕の目には眩しくて、君の顔が見られない。
大切そうに持つ指先、火花はいつか消える。
だから君が持つ火の、燃焼を僕にください。
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詩『南国』
オープンカーを飛ばしに飛ばした先。
とうとう南国まで来てしまったのか。
青空と雲の中央分離帯にY字の電灯。
そのうちヤシの木に変わるだろうな。
後ろで彼女は何かを喚き騒いでいる。
背中をしなやかに反り伸ばしている。
宿を決めて今日の旅情を仕舞おうか。
俺も背中を伸ばしてアクセルを踏む。
#青海玻瑠鯉
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ああ、あれが観覧車。
誰にも見つからない、高い所へ行ける場所。
誰にも邪魔されない。
貴女とキスをしても、地上からは見えない。
ゆっくり昇っていく。
外の景色は光り輝き、景色に私は懊悩する。
ええ、私は好きです。
貴女の連れない横顔、瞳に映された綺羅星。
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NOTE15に投稿しました https://note15.jp/post/23448516
詩 『女と花火』
やけに艶かしく、紅白の提灯が並んでいる。
明日は花火大会でシメなのだと人が言った。
花火を見に行きたいとせがむ女を宥める。
そう言わなくったって家から花火は見える。
下から眺めるのが良いのだと女は言う。
上からみると間抜けに見えると言うのだ。
それでも俺はウチで見たい、君と見たいんだ。
離ればなれになったらすれ違うから危ない。
女を引き寄せて、接吻して、抱きしめた。
花火くらい、女とみたって罰は当たらんさ。
#詩
#青冰月鯉の詩
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詩『雲遊び』
飛行機の下で広がる 鱗雲
エンジンは双発 飛行機雲
明日は所に依り雨 入道雲
青い地球が牧場なの 羊雲
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のむらさん今期初勝利こいほー!🎏 ぞのくん今期初ホームランこいほー!🎏
前半はほぼ二軍だった2人の活躍で勝てた思うと、これから中盤〜終盤にかけて今二軍の選手も戦力になるはずなので チーム一丸で優勝目指して欲しいです👑
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七夕なのにスコールが降っている。
傘をさしても、服が濡れていく。
彦星は突然、織姫の唇を奪って、
直ぐに何でもないように顔を離した。
織姫は何だか、可哀想に思えて、
直ぐに何でもないようにキスをした。
七夕過ぎてスコールが去っていく。
髪も身体中も、全部濡れている。
もう一度と、彦星を引き寄せて、
織姫は永遠のように長いキスをした。
舌を絡ませ、唾液を飲み込んで、
貪る彼らを誰も赦さないでください。
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詩 美しいと思うものをひたすらに追いかけて、僕の存在がなくなりかけても、生き急ぐような貴女を掴まえることができそうでできない。 あらぬ感情を抱いても、貴女を離したくないからずっと抱き締めて、潰れないくらい引っ付いていたい。熱い心臓を背中で受け止めてほしい。春はいつも、貴女を魔性にして僕の中を掻き回す。 獣の貴女が何かの拍子に目覚めたら、僕も獣になる。貴女の肉体と僕の肉体が共食いしあって互いが無くなれは、心地よさを分かち合う幸せが絶頂に達するのだ。 #詩 #君の隣 #note15 https://www.instagram.com/p/CqA7lRrJEZJ/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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桜の森のなかで 燦々と光を浴びて 幸せそうな君の 少し後ろから私は 抱きしめたりせず キスをしたりせず ただ、ひたすらに 眺めていたある日 #詩 #君の隣 #note15 https://www.instagram.com/p/Cp_5EAXJ_cj/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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