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_ 偶然性の針をひとつ、落とす あなたがまばたきをしたその隙に 真珠色の鮮やかな呪縛 見たこともないような落雷 異常気象に立ち向かう子どもたち 帰り道の暗がりを恐れたあのときの記憶も やがてほつれて、自分のものではなくなって 縫うように縫うように 慰めるように 同化せぬように ふたたび誤解せぬように 大きな体に似合わない その指先のちいさな感覚だけを頼りに 奇跡がぶつかりあって丸くなった石を 探して、いる
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_ かなしいとくるしいがともにやってくる 目が覚めると人工の塔はわずかに傾いている 新鮮な意味や、巧妙な安らぎを、腰を折って植えている 脱色された風景にまだ、昨日の食べ残しが置き捨てられている 難しい顔をして、かなしみのほうだけ少しかじる さっきから真っ白な不満が体を這っている 本当はいらないはずの簡素な指を拾っている 雨が空に戻るための歌の一部 記憶が刃物になるまでの時間の明滅 飲み込むこともできない、過剰な言い訳が内臓を圧迫して やがてすべてを希釈したガスをすなわち感情と云う
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可能性がコオロギのようにやってきて、消える。まばたきをしていない間で呼吸、ただのみじめな散歩道 嫌いなおもちゃは早めに分解したらいい。自信が棘を放ってあなたを撃つ。照り返しのきつい朝のヨーグルト。 シークレット・ゲスト。雨に沈む浮き輪、砂丘の桟橋。メロンソーダが秋はもう要らないと説く。自転車と自動車の違いは滑らかさ。パンに指を挟んだ天使、肖像。 楽園が一切の財を抛って地獄への道を拓く。パラシュートのこけら落とし。けん玉には独自の速度単位がある。日本中で知られている、いくつかの路地。 ミシン目が輝いている。服は幼く歪んでいる。真っ先に焼けてしまったアップリケへの祈祷。先祖はこうやって死者を洗体に導いた。正確な網の目は淫らなグリッド。 転勤が決まった人の目を見れない。必ず夕方には帰る。真っ白に曇った眼鏡は燃えるごみの日に。故郷が見える、あの帆先の、さらにずっと向こう。 借金は燃え滓として纏わりつく。二年間踊り続けた場所。少し後ろの方で嘘を待っている。当日になると何もかもが。 肉に肉を重ねたけもの。手癖でころしてしまったいたいけな若さ。お気に入りの色を塗れば、腐らないチーズ。まだ何も口にしてない。 ちくちくと、針は進む。一生かけて、最初に戻る
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人を許すものは人になる 許された者は鳥になる 鳥が滑空して、自らが風だと分かるとき 人は木々のようにその風にあおられながら 来た道のことを思い出す 欲求は、はしたなく、まぼろしのようで その透明な権利は、愛する家族にも届けられず ただただ空が、紫色に染まっていくのを見つめるだけ 黄色い自転車が止まり木の代わりになる日 それは眠い目を擦って、その瞬間見ていなかった世界 少しだけ苦しく、少しだけもどかしい 自由になることをのがして、留まることを選んだ 愛すべき遺伝子に 翼と、休息を
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