#『日韓安全保障協力の検証――冷戦以後の「脅威」をめぐる力学』
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米軍の弱体化
いざとなったら米軍が助けに来てくれる──。そんな戯言を言える時代は過ぎ去りました。いまや米軍を〝スーパーマン〟のごとく頼ることはできません。
米軍は現在も世界最強の軍隊ですが、その力はこの20年で低下しています。また中国軍が急激に力をつけ、いまやアジア太平洋地域のパワーバランス���逆転しつつあるのです。
現に8月、シドニー大学米国研究センターによる報告書では、米国は太平洋における軍事的優位性をすでに失っており、同盟国を中国から防衛するのは困難になる恐れがあると警告しています。
冷戦の真っ只中だった1980年代、アフガニスタンを侵略し、北海道をも奪おうとしたソ連に対して、当時のレーガン政権は圧倒的な軍事力と経済力を背景に、日本やドイツなどの同盟国と連携して立ち向かいました。「侵略は許さない」という態度を示すだけでなく、軍事力を徹底的に強め、ソ連を心理的に屈服させようと考えたのです。その戦略は的中し、ソ連は侵略を断念。冷戦は終結しました。
その後、米国は国内問題に専念しようとしますが、9.11同時多発テロが起こります。米軍の戦略は「テロリストたちをやっつけない限り、米国の平和は守れない」と主張するネオコン勢力に引きずられ、ソ連や中国といった「大国相手の戦い」から「テロとの戦い」へとシフトしました。米軍の役割が「正規軍との戦い」から、イスラム過激派らのテロを防ぐことに変わったのです。この戦略転換が、今日の米軍弱体化を招く一つの要因となりました。
ところが、米軍がいくら中東の紛争に関与しても平和と安定は訪れず、紛争は拡大するばかり。兵士たちも自爆テロなどで死傷し、国民の不満も高まった2009年、「対外戦争で米国の若者を殺さない」と主張したオバマ〝民主党〟政権が誕生します。
オバマ大統領は「米国は世界の警察官ではない」と広言し、急激な軍縮を実施。世界の平和と安定を維持するための努力も怠(おこた)りました。米軍関係者が自嘲的に〝米国封じ込め政策〟と呼んでいたのが印象的です。
息子ブッシュ〝共和党〟政権時代の「テロとの戦い」への方針転換と、オバマ〝民主党〟政権による〝米国封じ込め戦略〟によって、米国の軍事戦略から中国やロシアの脅威は軽視され続けてきました。特に急速に国力をつけた中国に対しては、国内のパンダハガー(Panda Hugger:パンダを抱擁する人)と呼ばれる親中派によって、軍拡に対応するどころか、中国と組んでテロを防ぐ方向に誘導されていったのです。
かくしてこの20年間、政党は関係なしに、米国は「世界各地のパワーバランスを維持しながら紛争を抑止する」というレーガン政権の外交・安全保障戦略を見失っていました。
思い返してみれば米軍は1991年の湾岸戦争以来、正規軍と血みどろの戦争をしていません。いまの幹部も正規軍との戦争経験がない人がほとんどで、正規軍、しかも大国の正規軍との戦争をできるのか、米軍内でも多くの人が不安を持っている実情です。
同盟国を守る「能力」の低下
危機感を抱いたトランプ大統領は政権発足後、「国家安全保障戦略」で中国とロシアを「現状変更勢力」、いわば〝敵〟として位置づけました。さらに「国防戦略2018」でも中国を念頭に、「大陸間角逐」こそ最大の脅威であると再定義し、軍事費を毎年7兆円程度増やして懸命に軍拡しています。大国との戦争を念頭に置いた軍事戦略に回帰させたのです。息子ブッシュ政権以来となる国家戦略の全面的な転換でした。
トランプ氏が当選した直後のマスコミの論調を思い出してみてください。「トランプは安全保障の素人だ」「孤立主義を採用しアジアへの関与が失われ、日本も危うい」などと不安を煽(あお)っていたでしょう。実体は正反対で、トランプ政権はまともな対外政策に回帰させたに過ぎないのです。
しかし一度、軍縮した影響は計り知れません。まず国防産業が衰退しています。トランプ政権は現状から80隻増となる350隻の軍艦をつくると明言しましたが、製造を急いでもつくり終えるのは2050年になると言われています。そこでアジア太平洋地域に兵力を優先的に振り分けるべく、トランプ政権はシリアからの撤兵などを断行したわけです。
2019年10月27日、米国特殊部隊の奇襲作戦によって、ISの指導者アブ・バクル・バクダディが死亡しました。この作戦についてトランプ大統領の発言と記者会見の内容がホワイトハウスより発表されましたが、それを読むとトランプ大統領は「私は兵士たちが(シリアやトルコから)家に帰ってほしいし、何か意味のあることと戦ってほしい」とはっきりと言っています。トランプ大統領は限られた兵力を「意味ある戦い」に振り分けたいと明言しているのです。
さらに米国のインテリジェンス能力も落ちていて、トランプ政権は必死に立て直しを行っています。オバマ政権時代、予算削減のため情報収集の担当者を次々とクビにして、情報収集体制はボロボロになりました。平壌の空爆と金正恩の「斬首作戦」が���行されなかったのも、インテリジェンス能力の低下によりミサイルや核が保管されている地下の軍事秘密基地、さらに金正恩の居場所や本人確認のDNA情報の入手ができなったことが理由の一つだと言われています。
いまもマスコミでは「トランプは日本を守る気がない」「同盟関係を重視していない」との声が支配的ですが、このようなトランプ大統領の姿勢は「意志」ではなく、「能力」の問題なのです。トランプ大統領がいくら同盟国を守りたいと思ったところで、現実に同盟国を助ける能力を失いつつあるというのが正しい見方でしょう。
もちろん、圧倒的な核戦力によって中国軍が米軍に手出しできないのは事実で、日米同盟は「抑止力」として機能しています。しかし、いまや米軍が「通常兵器」で中国に対抗できなくなりつつあるという現実を踏まえ、同盟国である日本は防衛体制を全面的に見直さなければなりません。
「在韓米軍不要論」の深意
もう1点、日本が直視すべきなのは米韓関係です。
米国側は韓国に対する嫌悪感がこれまでにないほど高まっています。日米間で北朝鮮をめぐる協議をしているときも、「慰安婦問題で日本は謝罪をしていない」「日本大使を韓国に戻さないのはおかしい」と難クセをつけてくるのですから当然です。
米国は七十年前、韓国の赤化を防ぐために朝鮮戦争を戦いました。その記憶がある米軍の幹部たちは、「我々は北朝鮮から韓国を守ろうとしているが、もし韓国で被害が出たら〝米軍のせいで犠牲になった〟と言ってくるに違いない。こんな連中を助ける必要があるのだろうか」と思い始めているのです。
米国も当面は韓国への影響力確保の観点から米韓同盟を維持していくでしょうが、米軍を韓国に駐留させておくリスクが高まってきていることも無視できません。
戦闘機などの整備の一部は現地、つまり韓国企業が担いますが、文在寅政権は発足直後、北朝鮮のスパイを取り締まる国情院(国家情報院)の長官に極左の徐薫氏を起用しました。その結果、北朝鮮のスパイを取り締まる機能は麻痺し、韓国企業には労働組合を通じて北朝鮮のスパイが入り込んでいると思われます。そうなると、もはや韓国企業に在韓米軍の艦艇や戦闘機などの整備を任せることはできません。
軍事戦略面からも、米軍が韓国に駐留する必要性は低下してきています。米国にとって最大の脅威は、中国海軍のSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)です。いまのように軍事バランスが不均衡なままでは、SLBMを搭載した中国の原子力潜水艦が太平洋へ進出し、米国本土を核攻撃できるような状況が生まれかねません。すでにそうなっているという分析さえあります。このままでは、核戦力の優位すら危ぶまれることになります。
そこで日本・ベトナム・フィリピンに地対艦ミサイルを配備し、中国海軍を抑え込む「ミサイル・バリア構想」を在韓米軍が担う方向で議論が進んでいます。在韓米軍の一部がベトナム、フィリピンなどに展開していく、という話です。台湾海峡危機に対応するためにも、限られた部隊を韓国に置いておくよりは日本に戻し、日本・台湾ラインで中国海軍を抑え込んだほうが効果的と考えられています。
圧倒的な物量不足
冒頭でも指摘しましたが、とにかく米軍はいま、中国軍と比べて物量で劣勢に追い込まれているのです。
北朝鮮漁船による瀬取り、台湾海峡や尖閣諸島など東シナ海の問題、南シナ海における「航行の自由作戦」を主として担当するのは、駆逐艦です。現在、これらを担う米海軍の第7艦隊の駆逐艦はわずか8隻、潜水艦を含めても艦艇は70隻しかありません。日本の海上自衛隊の兵力は135隻で、日米両国の兵力を合計すると約205隻となります。
一方、中国海軍の駆逐艦は公表しているだけで33隻、潜水艦を含めれば750隻あるといわれ、艦艇の数だけを見ても中国の兵力は日米両国の約4倍もあるのです。
しかも中国は「ロケット軍」というミサイル専門部隊をつくっていて、いわゆる〝空母キラー〟といわれる対艦弾道ミサイルなどを次々に開発しており、その膨大な、かつ高性能のミサイル攻撃を仕掛けられたら、現在の日米両国のMD(Missile Defense:ミサイル防衛)体制ではとても対応できません。
昨年来、英国・フランス・オーストラリア・ニュージーランドなどが南シナ海と東シナ海に軍艦や飛行機を派遣しているのも、米国一国では中国海軍を抑止できないからだと見るべきでしょう。
「ハイブリッド戦争」に備えよ
中国の軍拡の源は、潤沢な資金です。資金が枯渇(こかつ)すれば軍の整備ができなくなり、動かない戦闘機や艦船が増える。物量で劣っているのなら、まずは貿易戦争で経済力を徹底的に奪うしかない──米中貿易戦争は、物量で劣る米国の〝時間稼ぎ〟という側面もあります。
またトランプ政権が最も警戒しているのは、中国の「ハイブリッド戦争」です。ハイブリッド戦争とは、電磁波、プロパガンダ、サイバーなど、ネットワークや通信を破壊する手法で2014年、ロシアがクリミア半島を占領したときに用いられました。ウクライナの国会議員の携帯電話を使えなくさせたり、フェイクニュースを流したりして抵抗能力を徹底的に排除したのです。
実際に習近平政権は台湾などを念頭に、ハイブリッド戦争を実行するため、準備を進めています。2015年12月、人民解放軍の大改革を行い、陸海空とロケット軍の4軍に「戦略支援部隊」を加え、5軍体制としました。戦略支援部隊は通信機能を麻痺させるために通信の基幹部分を抑えたり、プロパガンダを行う専門部隊で、ハイブリッド戦争遂行のために創設されたのではないかといわれています。
ハイブリッド戦争に対抗するには、敵国の通信技術が自国に流入することを防ぐ必要があります。だからこそトランプ政権は徹底してファーウェイを締め出しているのです。さ��がに防衛省は『防衛白書』などで中国のハイブリット戦争について注意を喚起していますが、日本の経済界の反応は鈍いと言わざるを得ません。
今年はトランプ政権が宇宙軍を創設する法案を提出したことも話題になりました。これも中国の軍拡に対抗するものです。中国はミサイル戦や通信戦を念頭に、宇宙軍を強化しています。中国の宇宙空間での覇権を許してしまえば、いざというとき米軍の通信機能は麻痺させられ、中国の攻撃に全く対応できなくなってしまうのです。
日本海の争奪戦
マスコミが大々的に取り上げることはありませんが、日本海の争奪戦はすでに始まっています。
東シナ海では中国の軍艦や公船による尖閣諸島周辺への領海空侵犯が常態化、中国軍機を対象とした航空自衛隊のスクランブル(緊急発進)回数は過去最多を更新しようとしています。
日本海では2017年、対馬海峡を中国軍機が初めて通過し、昨年度は7回通過、過去最多を更新しています。2019年に入ってからは中国軍機とロシア軍機が竹島上空を合同飛行し、ロシア軍機は領空侵犯しました。そして空自機と韓国軍機がスクランブルしています。
そんななか、韓国の国防費が日本の防衛費を上回ったというデータが公表されました。経済不況に苦しんでいるにもかかわらず文政権は国防費を増やし、昨年は日本が約5兆3999億円、韓国が約5兆5310億円と初めて追い抜かれました。
さらに「緊張緩和」と称して38度線に配備していた韓国軍を減らし、『国防白書』からも「北朝鮮は主敵」という文言を削除、来年度の国防予算には「周辺国に対抗する戦力を確保する」という項目を新設しています。「周辺国」には当然、日本も含まれます。文政権は「李承晩ライン」の復活を狙っているでしょう。
1952年、当時の李承晩大統領は国際法に反し、竹島も含む漁業管轄権を一方的に主張しました。韓国はその後、日本と国交を回復する1965年までに約4000人の日本人漁師を拘束し、8人を死亡させています。先日、鹿児島に出張した際に李承晩ラインで拿捕された枕崎の漁師の親族の方とお会いしましたが、拿捕された漁師たちはヒドい虐待を受けたと聞きました。
今後、文政権は日本の漁船や輸送船への嫌がらせを行い、尖閣と同じように「サラミ戦略」で対馬海峡を含む日本海を〝韓国の海〟とすべく、動き始めるでしょう。
一方、日本海の豊かな漁場である大和堆では北朝鮮漁船が違法操業を続けています。そしてその北朝鮮漁船をロシアが拿捕した──すでに韓国、北朝鮮、ロシア、そして中国による〝日本海の争奪戦〟が始まっているのです。
一体、どれほどの人が、日本海が尖閣諸島海域の���うな「紛争海域」になると想定しているのでしょう。「北朝鮮の違法操業はけしからん」程度の認識のままでは、ますます危機に追い込まれていくことになります。
継戦能力低き自衛隊
「日本の自衛隊は優秀だから、韓国軍相手ならば大丈夫」という声も聞かれますが、もし一触即発の事態になったとき、憲法9条に縛られた自衛隊法の解釈では初動の遅れでやられてしまうでしょう。
実際に2016年には元空自航空支援集団司令官の織田邦男氏が、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自機に対し「攻撃動作を仕掛け、空自機がミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱した」とする記事を発表しました。攻撃動作を仕掛けられたことは、冷戦時ですらありませんでした。
事実関係は防衛省幹部も大筋で認めたようですが、萩生田光一官房副長官、河野克俊統合幕僚長(ともに当時)はこれを否定しました。あくまで推測ですが、空自機が攻撃動作を仕掛けられながら戦域から離脱したことが判明すれば、同盟国である米国から「何という弱腰」と批判されることになるからだと思われます。
しかし中国の戦闘機と日々向かい合っている空自としては、攻撃動作を仕掛けられた場合に「戦域を離脱し領空侵犯を容認する」のか、「阻止するために反撃する」のか、政府に方針を決めてもらわなければ困ります。だからこそ、あえて情報を漏らしたのかもしれません。
領空侵犯を容認したら、「領空侵犯しても反応してこなかった」と中国に制空権主張の根拠を与えることになります。「撃墜もやむなし」と指示するには国際的な世論戦で負けないための宣伝能力の強化、日米連携の深化、敵基地攻撃能力の保持が不可欠です。
中国は「世論戦」を重視し、米国をはじめ主要先進国に中国が有利になるようなニュースを流す体制をつくり上げています。予算は1兆円とも言われ、米国のケーブルテレビで中国政府が作成したニュースを流したり、ニューヨーク・タイムズには中国共産党の機関紙『人民日報』の英語版が織り込まれているほどです。
一方、慰安婦問題という例を挙げるまでもなく、日本の対外宣伝力の弱さは知られています。韓国に対する「ホワイト国除外」でも、広報不足により国際社会では「日本が経済力で劣る韓国をいじめている」と報じられていたほどです。いまの状態で中国や韓国との間で紛争が起これば、日本は「悪者扱い」される可能性が高いと言わざるを得ません。
それだけでなく、中国は「日本政府から戦闘を仕掛けられた」と宣伝し、ミサイル攻撃を仕掛けてくる可能性すらあります。事実、米国務省の「中国に関する年次報告書2014」では、中国は短期激烈戦争(ショート・シャープ・ウォー)として「大量のミサイルを短期間に日本列島に発射し、米国の助けが来る前に日本を降伏させる」というシナリオが検討されているほどです。
日本はMDシステムを導入していますが、これだけで日本全土を守れ���わけではありません。MDシステムは2段階に分かれていて、第1段階ではミサイルが大気圏にいる間に海上自衛隊のイージス駆逐艦が察知し、迎撃します。第2段階では、イージス駆逐艦が撃ち漏らしたミサイルを大気圏突入段階で空自の迎撃ミサイル、ペトリオットPAC-3で対応する仕組みになっています。
問題は第1段階では日本列島全体をカバーしていても、第2段階になるとPAC-3を配備している半径数十キロしか守れないことです。つまりPAC-3が配備されていない札幌を除く北海道、青森を除く東北、新潟などの日本海側、中国、四国、南九州はミサイル攻撃にまったく無防備なのです。
そしてそもそも防衛費の関係で在庫を抱えておらず、対応する迎撃ミサイルの数も足りていません。ミサイルだけでなく弾薬や燃料も不足していて、元自衛隊の幹部が言うには「おそらく海上自衛隊の護衛艦などが戦闘状態に入ったとして、戦い続けることができるのはせいぜい十数分だろう。自衛隊の基地が相手から攻撃を受けずに戦い続けることができたとしても1カ月持つかどうか」とのことでした。
トランプを救った安倍外交
米軍の弱体化と中国の軍事的台頭、米韓同盟の変質──日本を取り巻く安全保障環境の変化に、安倍政権はどう対応しようとしているのでしょうか。まずは外交戦略です。
トランプ政権は当初、中国に対抗するためにロシアと組もうと考えました。ところが関係改善は進まず、アジア諸国と関係を強化する方針に転換します。しかしフィリピンのドゥテルテ大統領は反米、ベトナム戦争の記憶があるベトナム、さらに核武装に踏み切ったインドなどとも関係は良好とはいえません。さらに「一帯一路」による買収工作で、中国批判を口にできない国も多くなっていました。
途方に暮れていたトランプ政権に救いの手を差し伸べたのが安倍首相だったのです。安倍首相は第二次政権が発足した2012年12月、英文で「アジアの民主的セキュリティ・ダイヤモンド構想」という英文の論文で、日米同盟を広げて東南アジアやオーストラリア、インドにいたるまでの連携網を構築する構想を発表しました。
この構想に基づき「地球儀を俯瞰する外交」で当該国との関係を深化させていったのです。特にインドとは同盟関係と言えるほど良好な関係を保っています。
一昨年、アメリカで会った米軍の元幹部は「セキュリティ・ダイヤモンド構想がなければ、南シナ海や東シナ海での中国の横暴はさらにひどく、紛争が勃発していたかもしれない」という認識を持っていました。
安倍首相がトランプ大統領とゴルフをラウンドしたり、トランプ大統領が安倍首相の誕生日を祝う姿に「アメリカの言いなり」「対米従属」と批判する向きもありますが、安倍外交が米国の大統領から頼りにされていることの証明です。
トランプ政権と日本との関係が良好でなければ今頃どうなっていたことか、想像するだけでゾッとします。
こうした戦略的な外交ができたのは安倍首相個人の資質だけでなく、政治の仕組み���抜本的に変えたことも一因です。第二次安倍政権は、発足と同時に日本版NSC(国家安全保障会議)を創設し、軍事・外交・インテリジェンスを連動させた安全保障戦略をつくる体制を構築しました。
内閣人事局は「官僚いじめ」か
これまで日本の安全保障戦略は、防衛省が策定してきました。しかし霞が関で防衛省は3流官庁といわれていて、防衛庁時代は他省庁から相手にされず、防衛費の折衝すら直接財務省とできなかったほどです。
しかしNSCは内閣総理大臣直轄なので、安全保障戦略の主導権は官邸に移動し、ほかの省庁を巻き込んで安全保障政策を策定できるようになりました。そのような意味で、この改革は画期的といえます。
防衛、安全保障は防衛省の管轄と思われるかもしれませんが、住民保護や通信なら総務省、軍需産業による武器・弾薬の補給なら経済産業省、自衛隊の移動や戦闘機の離着陸なら国土交通省、戦闘によるけが人の対応なら厚生労働省……基本的にすべての省庁に関わっています。
NSCの話になると出てくるのが「内閣人事局」です。マスコミは内閣人事局を安倍政権批判の道具にして「官邸が好き勝手やるためにつくられた」「役人いじめ」というのですが、それは霞が関の現実を知らない人の謬論です。
内閣人事局は総合的な国家戦略を策定するための〝道具(ツール)〟にすぎません。さらにいえば、国益を考える有能な官僚を守るための道具です。
官僚たちにとって、守るべき最大の原則は「前例踏襲」──先輩たちが行ってきたことを守り、否定しないこと。これこそ出世の必須条件です。しかし「前例踏襲」では肝心の「国益」が守れないことも多い。
そんななか、安倍政権が内閣人事局をつくったことで幹部官僚人事を左右できるようになり、おかげで「国益のため前例を変えたい」と考える幹部官僚たちは上司に対し、「内閣人事局のせいで官邸からの指示には逆らえないので、やむを得ず先輩たちのやってきたことを改革します」と〝言い訳〟ができるようになりました。官邸が〝悪者〟になることで、各省庁の「前例踏襲政治」を改革しようとする国益重視の官僚たちを守ることができるのです。
「省庁縦割りの前例踏襲政治」から「内外情勢に機敏に対応できる国益重視の政治」へと官僚機構を変えるための道具が、NSCと内閣人事局というわけです。
令和の「富国強兵」を
NSCといえば9月、2つの大きな動きがありました。
まずNSCの実務部隊であるNSS(国家安全保障局)局長が外務省出身の谷内正太郎氏から、警察庁出身で首相側近の北村滋氏に変わりました。北村氏はインテリジェンスのプロで、拉致被害者奪還のためにウラで動き回ってきた人物です。
この人事はトランプ政権の方針と関係しているでしょう。トランプ政権はインテリジェンスに軍とCIAを使っていて、国務省をあまり関与させていません。というのも、国務省はパンダハガーだらけで情報がすぐ中国に漏れてしまう恐れがあるからです。国務長官にCIA出身のポンペオ氏を起用していること��らも、トランプ大統領が国務省の官僚たちを信頼していないことはわかります。
一方、日本で国務省のカウンターパートは外務省なので、トランプ政権は外務省や外務省出身の谷内氏にできるだけ情報をわたさずに、内閣情報官だった北村氏にわたしていたという噂(うわさ)を米軍関係者から何度なく聞かされました。
外務省は谷内氏の後任にも同省出身者が就くことを期待し、谷内氏もそれを希望したようですが、外務省は外されることになりました。
この人事について朝日新聞は「官邸主導が強まる」「官邸にノーを言う人が少なく��る」という論調の記事を掲載していましたが、外務省は自分たちがNSCの主導権を握りたい、朝日もパンダハガーが多い外務省に担わせたいという意志が伝わってきます。
安倍政権としては北村氏をNSS局長に据えることでインテリジェンス重視を明確にし、トランプ政権との連携をさらに深めようとしているのでしょう。とはいえ、外務省などの抵抗が予想され、予断を許しません。
もう1つは、NSSに技術流出や産業スパイに対応する専門担当部局として「経済安全保障部門」を設置するという報道が出たことです。これまで技術流出や産業スパイに関しては経済産業省が外為法(外国為替及び外国貿易法)や不正競争防止法などを通じて対応してきましたが、中国企業による知的財産窃盗問題などには十分に対応できずにいました。
安倍政権としてはNSSに経済安全保障部門を新設することで、米中貿易戦争に対して的確、かつ迅速に対応しようとしているのでしょう。これらの動きにも大いに注目しておきたいものです。
米国は一枚岩ではありません。アジアの平和のために日本は弱い方がいいと考える「弱い日本派(ウィーク・ジャパン)」と、強い日本がアジアに安定をもたらす「強い日本派(ストロング・ジャパン)」が存在します。これまで日本は米国の「弱い日本派」によって、軍事的に抑え込まれてきました。
しかし幸いなことに、トランプ政権は中国の軍事的台頭に対抗するため、「強い日本」を求めています。危機はチャンスです。「強い日本」再建に向けた絶好のチャンスを生かすためにも、憲法改正だけでなく、デフレからの早期脱却、対米依存の是正を前提とした防衛費のGDP比2%増など、令和の「富国強兵」を断行したいものです。
江崎道朗(評論家・拓殖大学大学院客員教授) 1962年生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP研究所)、『日本は誰と戦ったのか─コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ』(ワニブックス)、『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(祥伝社新書)ほか著書多数。
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. 『日韓安全保障協力の検証 ―― 冷戦以後の「脅威」をめぐる力学』 冨樫あゆみ
四六判 上製 272頁
2017年6月刊行
発行 亜紀書房
オビのことば 歴史問題で政治は大きく停滞したのに 「安全保障協力」が進んだのはなぜか? 国際関係理論を用いながらも、 それだけでは割り切れない冷戦後の 日韓安全保障の特異な在り方を探る。

目次など、詳しくは 亜紀書房 ↓ http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=824 をご覧くださいませ。
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北朝鮮を動かすのは、やはり「軍事的圧力」という現実 2017-08-28 02:37:03NEW ! テーマ:北朝鮮 米朝関係の軍事的緊張が増し、いよいよ武力衝突に至る可能性も高まっている。北朝鮮がこのまま核開発を続けるか、あるいは本当にグアムにミサイル攻撃を行うような事態でも発生すれば、日本のみならず周辺諸国は米朝軍事衝突に必ず巻き込まれていくことになる。 日本のメディアも、ここまで来てようやく北朝鮮の脅威については報じてはいるものの、一方で、日本はどう対応したらよいのかという点については殆ど論じていない。米国の行動の推移を見守るだけで、我が国の「敵基地攻撃能力保有」の議論を始め、主体的に対北朝鮮政策をどうすべきか、あるいは対中、対露政策をどうすべきかという点については、殆ど触れられていないのが現状である。 そこで、ここでは今後の北朝鮮の動向と、今後日本が取るべき安全保障政策について考察してみたい。 北朝鮮による核ミサイル開発が現実化してきた これまで北朝鮮は、これ以上ないくらいの強い言葉で、米国や韓国、そして日本などを非難し、敵意をむき出しにしてきた。「韓国は一撃で灰になり、日本列島は沈没し、米国本土には核が降りそそぐ」などという挑発的な発言を行い、6カ国協議をはじめ外交交渉は全て自らの我儘とも言える理屈で頓挫させてきたのは、周知の事実である。今日に至っては、豪州に対しても「米国への無条件かつ熱狂的な追従をやめなければ核ミサイルで攻撃する」と主張し、中国に対してまで「我々との関係に及ぼす破局的な結果も覚悟すべき」と言うに至っている。 一方周辺諸国は、そうした北朝鮮の言動に対し、これまでは冷静に対応してきた。ミサイルを近海に打ち込まれる事態に至っても、日本はこれまで通り「抗議」を繰り返し行うのみで、���済制裁は維持強化するものの、北朝鮮は中国ロシアとの貿易を維持しており、その効果が限定的であることも理解していながら、それ以上の行動は取らなかった。 その理由は二つである。一つは、北朝鮮の挑発は、あくまで食糧難や人権侵害などに苦しむ国民の不満や、国内での熾烈な権力抗争から、外へ目を逸らすことが目的だとするもの。そしてもう一つは、北朝鮮のように経済力や技術力をはじめ、国力の小さな国が、実際核ミサイル開発を実現し、まして自滅の道となる他国を攻撃することはないだろうという分析である。 確かにこの二つの分析は、それぞれ一定の説得力がある。しかし、昨今の北朝鮮情勢を見ると、金正恩は国内外において非常に追い詰められており、状況もそれに応じて大きく変わってきた可能性がある。北朝鮮は今年に入り、既に12回ミサイル発射をし、米国ワシントンに届くミサイルを開発する可能性が現実化してきた。実際、米紙ワシントン・ポストは今月8日、北朝鮮が核弾頭を小型化し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)への搭載が可能になったとする米国防情報局(DIA)の分析を伝えている。 そして、自滅となるはずの攻撃も辞さないと強気の姿勢を具体化し、グアムへの攻撃を明言する事態となった。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は、「金絡謙朝鮮人民軍戦略軍司令官が、「米国に厳重な警告を送るため」として、中長距離弾道ミサイル「火星12」4発を米グアム島周辺に同時発射することを慎重に検討していると発表���た」と報じた。 北朝鮮は国内の不満を抑えきれず、核ミサイル開発の成功をもって、本当に武力攻撃や戦争を始める可能性も否定できなくなってきたのである。 トランプ大統領が北朝鮮に強硬に出た三つの理由 こうした北朝鮮の軍事的挑発を受け、トランプ大統領は「これ以上、米国を脅さない方がいい。世界が見たこともないような炎と怒りに直面することになる」と異例の強い表現で警告した。しかもその後、「炎と怒り」では「言葉に厳しさが足りなかった」と述べ、11日には「軍事的な解決の体制は整った」と発言している。理性的とはとても言えない北朝鮮が、一連のトランプ大統領の言動に対して「理性を失っていると」批判したとのことだが、トランプ大統領の強い発言の背景には大きく言って3つの理由があると考えられる。 まず一つ目の理由は、実際、北朝鮮の核ミサイル開発を阻止するため、先制攻撃も辞さないと考えていることだ。確かに、時間が経てば、北朝鮮の核能力が向上し、阻止することが事実上困難になる。従って、今米国は、軍事力を使って核ミサイル開発を阻止するか、核保有を容認するか、時間的に選択を迫られている(この選択を迫られているのは、実際は米国だけではなく、日本などの国際社会全体も同様なのだが)。そしてもし、核ミサイル開発を阻止する選択肢をとるのであれば、それは早い方が合理的である。一方で、核保有を容認するのであれば、北朝鮮の横暴を認めることとなり、国際社会は対北朝鮮政策やNPT体制に関しての理論を根本的に転換せざるを得ない可能性も生じる。また北朝鮮が核ミサイルを保有すれば、テロリストに拡散する恐れもある。従って、北朝鮮がグアムに攻撃をしなくても、核ミサイル開発を続ければ、米国が核ミサイル除去のために核施設などを先制攻撃することは、安全保障上、十分理にかなっていると言える。 二つ目の理由は、北朝鮮の攻撃を支持する国内世論の存在がある。北朝鮮が米本土に届く弾道ミサイルを持つに至ったことで、米国民の間では警戒感が高まっている。8月9日に発表されたCNNの世論調査によると、米国民の62%が北朝鮮を「脅威」と認識しており、軍事行動を支持する米国民も55%に達している。しかも、共和党支持者の間では、実に74%が北朝鮮への軍事行動を支持する結果となっている。国内におけるトランプ大統領の支持率が38%と過去最低水準と言われる中、「トランプ大統領にとって北朝鮮問題は、国内の不満を外に向けるという意味で、これ以上ない好材料だ」との指摘もある。実際。就任直後に低支持率であったブッシュ大統領が、9.11と対テロ戦争をきっかけに支持率をV字回復させたこともあり、歴史的には戦争や外敵を理由に国内の対立を克服し、政権基盤を築いた指導者は多い。従って、北朝鮮への軍事行動を支持する国内世論の存在が、トランプ大統領の強気の発言の背景にあると思われる。 三つ目の理由は、「米軍・軍需産業界からの期待」である。8月14日産経新聞は「米軍需企業の株価急上昇 北朝鮮緊迫化で業績期待」と題して、「北朝鮮の脅威が増大したことで、米国のほか日本や韓国で迎撃ミサイルの需要が高まり、業績が伸びるとの期待が背景にある。」と報じた。記事によれば、北朝鮮が7月4日に初めて大陸間弾道ミサイルを発射してから、実際ロッキード社の株価は8%以上上昇し、最高値を更新。トランプ米大統領が今月8日、米国を脅せば「炎と怒りに直面するだろう」と警告するなど米朝の応酬が激化するのに伴い、株価の上げ幅も拡大した。ノースロップ・グラマンやレイセオンの株も買われ、最高値を更新した。 また、この北朝鮮のミサイル問題を、米軍がミサイル防衛システム(MD)の絶好の試験台と捉えているとの指摘もある。北朝鮮がグアム近辺の海に4発のミサイルを着弾させると予告している今回のケースは、限りなく実戦に近い状況で、米軍のMDを試す機会になり、また、米軍にとってMDの有効性を試すテストを行うことは、北朝鮮に対してだけでなく、ロシアや中国、イランなどをも念頭に置いた国防計画において意味があるという意見から、北朝鮮のミサイル攻撃を好機とさえ捉える考えも、米国の中では存在するのである。 中国が初めて本気で動いた いずれにしてもトランプ大統領の強い言動は、中国を動かしたという点でも非常に大きな意味を持つ。 トランプ大統領は、「炎と怒り」発言を北朝鮮に向けて行う一方、依然として北朝鮮に効果的圧力を加えない中国に対しても強硬に出ている。8月14日、中国による知的財産の侵害などをめぐる問題で、関税の引き上げなど一方的な制裁措置を発動できる通商法301条の適用を視野に入れた調査の手続きを始めるよう求める大統領令に署名した。 先にも少し述べたが、昨年の北朝鮮の対中国貿易額の割合は9割を超えている。つまり、いくら日本や米国が経済制裁をしても、中国の存在がある以上効果がないことが指摘されてきた。しかも今年、中国と北朝鮮の貿易額は第1・四半期に40%近く増加したこともわかっている。従って、米国も国際社会も中国の役割を重視し、中国の行動を変えなければ北朝鮮の核ミサイル開発は止められないという結論に達していたのである。 そこで、トランプ大統領が、先に述べた通商法301条の適用に向けて行動を起こしたことは言うまでもない。トランプ大統領の行動は、これまでに無い強いものだと言える。そうした状況から、いよいよ中国も北朝鮮に対し、本気の経済制裁に乗り出した。中国商務省は14日、北朝鮮からの石炭、鉄、鉄鉱石、海産物などの輸入を15日以降、停止すると発表した。また、中国の王毅外相は15日、ロシアのラブロフ外相と電話会談し、21日から始まる米韓の合同軍事演習を念頭に、対立回避へ向けて協力を呼びかけたことが報じられた。これまでの中国からすれば劇的変化である。そして、これらはトランプ大統領の強い言動から導き出された状況であることは言うまでもない。 国際金融犯罪による資金調達の可能性 一方で北朝鮮にとっては、もはや中国の経済制裁も効果がなくなりつつあるのではないかという指摘もなされるようになってきた。それは北朝鮮が「金融犯罪」によってミサイル開発やテロ工作の資金調達を行っている可能性があるからである。 昨年2月、バングラデシュ中央銀行がサイバー攻撃に遭い、8100万ドル(約92億円)が盗まれるという事件が発生した。当初は、犯罪組織による国際金融犯罪だと思われたが、今年5月10日、米国の情報セキュリティー会社「シマンテック」の上級ディレクター、ジェフ・グリーン氏が、連邦議会上院の国土安全保障委員会で開かれた公聴会で、「北朝鮮がバングラデシュ中央銀行にサイバー攻撃を仕掛け、8100万ドルを盗み取っていた」と証言した。また、同様の被害はベトナムなど30カ国以上で確認されており、グリーン氏は北朝鮮がバングラデシュ以外でも「銀行を攻撃している」との見解を示した。シマンテックは、3年前に北朝鮮がソニー・ピクチャーズエンタテインメントにサイバー攻撃を行ったものと同じ有害なコードがバングラデシュの銀行での攻撃に使われたと指摘している。 こうした状況を見ると、中国がようやく経済制裁に動いたことは、確かに既に時遅しかもしれない。北朝鮮は核ミサイルを開発するための資金調達を既に終えているか、新たな資金調達方法を得ている可能性があるのだ。 しかしだからといって、今から経済制裁をやめるべきだということではなく、多方面における、かつ国際社会全体でより一層協力をした対策が必要であるということである。とりわけ先に議論になった「国際組織犯罪防止条約」などに基づき、加盟国と協力して国際金融犯罪の取締りを強化するなどの対策が必要であろう。 強硬路線が北朝鮮の譲歩を引き出したという現実 米国はこれまで、20年以上にも渡って「戦略的忍耐」とも呼ばれる、かなり譲歩した政策を取ってきた。例えば、1994年に北朝鮮と結んだ「米朝��組み合意」は、北朝鮮に核開発を諦めさせる代わりに、日韓が費用を分担して軽水炉を建設し、完成まで重油も提供する合意だった(日韓が費用を分担する当該枠組みは、それはそれで別の問題がある)。 しかし、そこまで譲歩しても、こうした「戦略的忍耐」と呼ばれる甘い北朝鮮政策は、全く意味のないものであった。北朝鮮はその後も核開発を続け、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れないどころか、IAEAから脱退し、合意は水泡に帰した。北朝鮮には、譲歩や甘い政策は意味をなさないということが、この20年で証明されたと言って良い。 一方、今回のトランプの強い言動は、そうした北朝鮮から「譲歩」を引き出しつつある。事実、トランプ大統領の「炎と怒り」発言を受けて、北朝鮮の金正恩は「米国の行動や態度をしばらく見守る」と強硬路線を換え、グアムへのミサイル攻撃を見合わせる選択をしたことが既に報じられている。そうした金正恩の「譲歩」を受けて、トランプ大統領も今度は「金正恩委員長は非常に賢明で、理にかなった判断を下した」とし、「別の選択をしていれば、壊滅的な結果をもたらしていたし、到底容認できなかった」とコメントした。 また、8月21日から始まった米韓軍事演習に関して、当初北朝鮮は「我慢にも限界がる」とし「予測や想像が不可能な無慈悲の物理的行動をとる」と軍事的措置を仄めかしていたが、現在のところ北朝鮮が取った行動は、「長中距離弾道ミサイル発射」ではなく、「短距離ミサイル発射」でもなく、「3発のロケット発射」で、しかもグアムではなく日本海に撃ったものであり、いずれも失敗だとの分析だ。また今回の「飛翔体」の発射は「弾道ミサイル」ではないので「安保理決議違反」でもない。つまり北朝鮮は、国内の不満を解消しつつ、米国を刺激しないように最大限の注意を払って行動していると言える。こうした行動からも、やはり米国の強い言動が、金正恩の「譲歩」を引き出していると言って良い。 しかし一方で、北朝鮮が核ミサイル開発を断念したわけではない。そしてトランプ大統領は、北朝鮮が更なる核ミサイルの開発を辞めなければ、軍事行動も辞さない構えを崩しておらず、事態はいつでもエスカレートする可能性があるのは事実だ。 北朝鮮が核ミサイルを開発し、量産する体制を整えれば、もはやどこの国も手出しできなくなる。そして、核ミサイルが北朝鮮を通じて、他国やテロリストなどに拡散する可能性もある。こうした状況を打破することは、まさに日本を含めた国際社会の喫緊の課題だ。そしてそうした事態を打開することができるのは、国際社会の北朝鮮に対する「強い言動」だということが、これまでの北朝鮮を見ると明らかだろう。 「外交のソースは軍事と援助」 国際政治学では「外交のソースは軍事と援助しかない」と言われる。確かに歴史上は、理想や道義が他国の賛同を集め行動を変えることもあるが、往々にして自国の有利なように外交を展開しようとしたら、軍事力という「ムチ」によるか、援助という「アメ」を与えることが最も効果的で現実的だという考え方である。これまでの行動を見ると、確かに北朝鮮はまさに、軍事か援助でしか動かない国だと言える。 北朝鮮が「譲歩」や「謝罪」をした過去の事例を見ても、そのことは明らかだ。例えば、2002年北朝鮮金正日が日本人拉致を認め謝罪し、2004年に8人の拉致被害者が帰国した際、同時に当時の小泉純一郎首相から、人道支援として25万トンの食糧支援と1000万ドルの医療支援が表明された。どう考えても、経済支援が拉致を認め謝罪したことと無関係ではない。 また大前提となる国際情勢として、拉致を認め謝罪した2002年という年は、2001年の「9.11」を受け、テロとの戦いを宣言した米国が、イラク・イランと並べて北朝鮮を「ならず者国家」として制裁を加える旨宣言していた時期であり、米朝関係の悪化という背景も日朝接近の原因となったことは言うまでもない。つまり拉致被害者の帰国は、「軍事と援助(アメとムチ)」の結果であったと言えるのである。 また最近では、2015年8月、南北朝鮮が対立する軍事境界線を境界線とした非武装地帯で地雷が爆発して韓国軍兵士が負傷した事件において、北朝鮮を批判する韓国国内の世論の拡大に押され、韓国政府が北朝鮮に謝罪と責任者の厳重処分を強く求め、それがないと「政府は必要な措置を講じる」とまで述べると、北朝鮮は「遺憾の意」を表明し、事実上謝罪した。 今回、トランプ大統領の強い言動で譲歩したところを見ても、結局のところ北朝鮮は、対話による説得では無く、軍事的圧力などの強い言動でしか譲歩しないことが分かる。 「外交のソースは軍事と援助」という歴史的な外交の現実を踏まえて、経済援助で効果がないなら軍事的な行動も視野に入れることを日本も考えられるように今後の安全保障体制の整備が必要だろう。拉致問題を見てもそのことは明らかだと私は考える。 迎撃ミサイルシステムの課題と限界 日本はこれまで北朝鮮などのミサイル攻撃に備え、迎撃ミサイル(ミサイルディフェンス:MD)の配備に力を入れてきた。防衛省の予算は5年連続の倍額要求だが、それはミサイル防衛の増強に力を入れてきたことによる。 現在、日本のミサイル防衛システムは、イージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3:高度100キロ以上の大気圏外で迎撃する)と、地上配備型の地対空誘導弾パトリオット(PAC3:高度十数キロの大気圏内で撃ち落とす)の二段構えをとっている。 しかし、北朝鮮がここ最近、ミサイル技術を進展させたことにより、日本の迎撃システムの無力化が指摘されている。例えば、北朝鮮は最近移動式発射台から前兆なくミサイルを撃つため、兆候を把握しにくくなっていること(しかも10分以内に着弾する)、そして、北朝鮮がミサイルを通常の軌道よりも高く上げて近くに落とす撃ち方(「ロフテッド軌道」と呼ばれ、高く上がった分だけ落下速度が増し、今のシステムでは迎撃は難しくなると言われる)を取るようになったことなどである。また、そういったミサイルでなくとも量産し、一度に撃たれた場合でも、対応が非常に困難となる。 当然日本もこれに合わせて、通常よりも高い機動で飛来するミサイルに対応する海上配備型迎撃ミサイル「SMブロック2A」やPAC3の防護範囲を2倍に広げる改良型、そして最新鋭の地上配備型迎撃システム「終末高高度防衛��THAAD)ミサイル」の取得といった迎撃システム向上に力を入れているが、大事なことは、米国に払う武器の購入費も膨大で、また、どれだけミサイル防衛の強化を行っても、北朝鮮が対策を講じるため「イタチゴッコ」になっているということだ。つまり、ミサイル防衛にも限界があるということである。 米国が20年以上北朝鮮に譲歩する政策を取ってきたことは既に述べたが、これは北朝鮮の存在により、日韓が在留米軍を受け入れ、有事を想定し迎撃ミサイルなど高額な兵器を購入するなど、米国にとって利益を産む状況であったからとの指摘がある。米国にとって北朝鮮が直接的な驚異になら無いのであれば、「必要悪」として存在させていた方が、国益にかなうというものだ。残念ながら、日本にとってはMD構想を続ける限り、非常高額なミサイルを更新し続けなければならないため、米国に膨大な費用を支払い続けなければならない(これはまた別の問題だが)。 「敵基地攻撃能力」を持たないと、防衛も外交も出来ない そこで、これらの問題を解決する方法が、「敵基地攻撃能力」の保有である。 今月4日、小野寺五典新防衛大臣が、「敵基地攻撃能力」の保有について前向きな見解を示した一方、6日には、安倍総理は「現時点で具体的な検討を行う予定はない」と述べたことが報道された。しかし、これまでも述べてきたように、日本が「敵基地攻撃能力」を持つことは、もはや必要不可欠であると私は考えている。 これまでの政府見解でも「攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の措置として発射基地をたたくことは自衛の範囲」となっている。つまり「敵基地攻撃能力」をもつことは憲法上認められているということであり、法的に問題はない。日本国民を守る決意があるなら、この「敵基地攻撃能力」を可能な限り早く整備すべきだと私は考える。 ここまで、核ミサイル問題ばかり述べてきたが、日本には北朝鮮との関係で長年悩んできた「拉致問題」がある。これまでどれだけ話し合おうと、経済支援を表明しようと、「対話と圧力」と称して経済制裁を加えようと一向に進展しなかった。それは、端的に言って、日本が軍事的に全く脅威ではないからである。一方で米国に固執し、米国の言動に左右されるのは、米国が北朝鮮にとって軍事的に最大の脅威となりうるからだ。 8月10日、ロシアが北方領土で1000人以上の兵士が参加する軍事演習を開始したと発表した。択捉島と国後島の演習場で実施しているもようだ。北朝鮮の脅威を理由に、北東アジアでの軍事力を強化する米国を牽制する狙いだと報じられているが、ここでも日本は配慮すらされていない。北方領土で共同経済活動を行い両国の信頼関係を築こうとしている矢先に、である。ロシアにとっても注視すべき最大の相手は、決して日本ではなく米国だということを意味している。 良いか悪いかの価値判断は別として、現実主義的に考え、どう考えても日本の外交防衛体制を強化するために、「敵基地攻撃能力」保有の議論を具体的に始めるべきだ。 武藤貴也衆議院議員ブログより
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香港
200万人デモで、中国への警戒感を一層強める台湾。「香港独立運動の父」と呼ばれる台湾の独立派政党党首・陳奕齊(チェン・イーチー)氏は「世界各国が中国の国家転覆工作に警戒しているのに、日本はあまりに鈍感すぎる」という――。
6月16日、香港の金鐘(アドミラルティ)で行われた大規模デモの様子。デモ隊は「加油(ガーヨウ=がんばれ)」「不撤不散 (バッチーバサーン=撤回するまで解散しない)」と声をあげながらあたり一面を覆い尽くした(撮影=的野弘路)
■“台湾人よ、香港人の屍を乗り越えて”
「一国二制度」を信じたために、「刀把子(ダオ バア ズ)」を中国に握られてしまった……香港人はみずからそう言う。刀把子とは、「包丁の柄」のことである。要するに、今後は中国という料理人に好き勝手に切り刻まれるだけ、と言う意味である。
中国人が香港に続々と流入し、香港の市民権を取得した新香港人の数は150万人以上までふくらみ、今や香港の人口の5分の1に達している。その過程で、香港人は安心安全な生活をうばわれ、市民としての権利を行使できない状態に追いやられた。とうとう選挙権まで奪われた今、中国は香港の司法まで乗っ取ろうとしている。香港人は言論の自由と、法の正義を剥奪されようとしているのである。
デモに参加した香港の中年女性は、「中国と商売をすれば儲かると思い、お金につられて1997年の中国への返還を受け入れた。しかし、それによって香港人は自由や自尊心を奪われてしまった」と訴えた。そして、彼女は台湾人に「今天的香港是明天的台湾(今日の香港は、明日の台湾だ。気をつけてほしい。私たちの失敗を台湾は繰り返さないで)」というメッセージを送っている。
今回のデモの中でも「台湾人よ、香港人の屍を乗り越えて、中国から遠ざかって」というメッセージの書かれた垂れ幕が多く見受けられた。
“200万人デモ”が一段落した6月17日に、2014年の「雨傘運動」学生リーダーだった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏が、出所した。その時、彼は出所会見の最後に広東語ではなく、中国語で台湾人に対して「今回のデモにおいても、台湾の多くの友人有志の支持支援に感謝します。『今天的香港今天的台灣』。今日の香港、今日の台湾は同じ状態だ、台湾のみんなも今後も努力を継続してほしい、一緒に北京の習近平の圧政に対抗していきたい。みなさんありがとう」と述べている。
■世界を震撼させた4月のスパイ事件
今年の4月18日ニューヨーク東���地区連邦地方裁判所でとある中国系アメリカ人女性の証言が世界の注目を浴びた。その女性は中国国際航空(エアチャイナ)の元職員、林英(リン・イン、女性、48)被告で、彼女は2002年から16年4月までニューヨークの中国国際航空の空港カウンターで勤務していた。その間少なくとも2010年から2016年までの数回、国連駐在の中国軍関係者の荷物検査をパスさせて北京への密輸を手伝い、駐ニューヨーク中国総領事館の職員から小包を無関係の乗客名で北京に送り届けていたのである。
林被告は「私は中国高官と私の雇用主であるエアチャイナの指示に従った。このことは米国司法長官に通知しなかった」と認めたと同時に、「中国当局から、報奨として、外交官特権の付与と自宅のリフォームなどを無償で受けていた」ことも自白したのである。今後、彼女は審議や調査にかけられ、最高10年の懲役と14万ドル程度の罰金、さらにアメリカ国籍剥奪の可能性もある。
■アメリカ政府は激怒
米国運輸保安庁(TSA)は、航空機に搭乗していない人の手荷物預かりを禁じている。さらにこの行為は「外国代理人登録法(FARA)」に違反する事件として、アメリカ政府を激怒させた。この法律は1938年にコミンテルンなどの外国権力のプロパガンダ活動家を焦点に当てて作られたもので、現在は政治的ロビー活動を行うエージェント(ロビイスト)の登録と監視を行うための法律である。外国政府や外国団体の権益を代表するエージェントは、アメリカ司法省へ届け出を行う必要がある。
米国議会、ホワイトハウス、連邦政府内などには、このような届け出を行い外国から依頼を受けたアメリカ人もしくは外国人が堂々とロビー活動をしている。アメリカはこの「外国代理人登録法」と「ロビー活動公開法」とでアメリカの不利益になる外国人の活動を抑制している。
そして、リン被告は裁判官の問いに対して、「中国政府と軍の代理であることを隠ぺいした」と自身の罪を認めた。スパイ行為にもあたる可能性があり、アメリカに帰化した一般の中国人を、中国の権益のためにスパイとして利用する手法が露呈したのである。
■国家安全のための「護台防中」6法
林英スパイ事件に、敏感に反応したのが台湾だ。台湾でも、中国との民間交流が進むなか、多くの中国人が台湾に観光に来るようになった。台湾への留学・就労・婚姻などによる移民なども増加している。その中国系民間人もしくは買収された台湾人が、中国当局のために何らかの活動を行っている可能性を、真剣に考慮しなければならない事例がアメリカで明るみになったのである。
蔡英文総統は2016年5月に総統に就任すると、真っ先に「護台防中(守護台湾 中国化防御)」の基本政策の下、すぐに国家安全に関する6つの法案の整備・立法化を進めていたのである。それが、以下の6法案である。
2016.11 陸海空軍軍士官服役条例(陸海空軍の軍士官の服役条例の強化)
2017.12 組織犯罪条例(組織犯罪条例の整備)
2018.05 証人保護法(証人保護法の整備)
2019.05 刑法外患罪(外患罪の刑法整備)
2019.05 国家機密保護法(国家機密保護法の強化)
2019.06 国安法 修正(国家安全法の修正、スパイ法の強化)
今回の「香港200万人デモ」が起こったのは、ちょうどこの6法案の整備が完成したのとまさに同じタイミングだった。台湾人も、香港の司法が乗っ取られようとする事態を目の当たりにした。
■台湾で行われた「親中メディアへの反対デモ」
そもそも、この蔡英文総統の対中国共産党の工作を想定した国家安全の一連の法整備と強行姿勢���、中国の猛烈な反感を買い、両岸関係は冷え切った状態になった。それに対して、台湾国民は蔡英文政権に不満を覚え、昨年2018年の統一地方選挙で民進党は大敗を記したのである。しかし、この地道な取り組みが、ここに来て正しかったと評価されることになるとは、蔡英文総統自身も想定外だったに違いない。
さらに、基進党党首の陳奕齊氏や民進党の立法議員は、アメリカにならった「外国代理人登録制度」の成立をさらに要望している。そのための行動が6月23日、台湾で雨の中、大々的に行われた。日本では「親中メディアへの反対デモ」として小さく報道されているが、真の台湾愛国派の目的は、「反境外勢力干預法(反国外勢力介入法)」の立法化なのである。
立法化が成就した場合、最初にそのターゲットとなるのが「紅色媒体(中国寄りメディア)」、次が「親中政治人物(中国寄り政治家)」だ。とくに現・高雄市長の韓国瑜(カン・コクユ)氏は、その矢面に立っている。昨年末の市長選挙の際の、特定メディア(3局)の韓国瑜候補への好意的に偏った報道がひどかったことが原因だ。さらに、韓国瑜市長は香港デモについて、当初「香港のことはよく知らない」などと曖昧な発言を行い、それがさらに中国寄りであるとの批判を受けている。
■世界中で進行する中国共産党への警戒の動き
こうした動きは、中国と常に緊張関係にある台湾だけではない。
2018年6月にオーストラリア議会は、「反外国介入法」として、外国のスパイ活動や内政干渉の阻止を目的とした複数の法案を可決した。可決された法案は「スパイ行為に対する罰則の強化」「オーストラリアの内政に影響や害悪を与えようとする外国当局による秘密工作、欺瞞(ぎまん)工作、脅迫行為の取り締まり(国家安全立法修正案)」だ。さらには外国による政治干渉を透明化するため、「外国の政府や企業の代理人となる個人や団体には、登録の義務化(外国影響力透明法=外国代理人制度に類似)」を制定した。
この法案が成立したきっかけは、2015年にオーストラリアの最重要軍事基地のダーウィン港が、不透明な経緯を経て中国企業と99年のリース契約を結んでしまったことに、オーストラリア国民��一斉に危機感をあらわにしたからだ。
2017年には、中国からの収賄や癒着を疑われたオーストラリア労働党のサム・ダスティアリ上院議員が辞職した。当時のオーストラリアには、現地中国系住民、留学生、新移民、駐在ビジネスパーソンなどからなるセミプロ諜報員が500人以上、中国人民解放軍の総参謀部、国家安全部、公安部から派遣されたプロの諜報員が300人以上潜伏していたとも見られている。
オーストラリア政府は2018年6月の法案可決後、「スパイ活動および外国の干渉はオーストラリアの安全保障と国防のうえで重大なリスクとなっている」「敵対的な外国当局が、機密情報の入手やオーストラリアの民主的手続きを逆手に取り、影響力を行使するためにさまざまな手法でオーストラリアの国益に反する活動を積極的に行っている」旨の声明を発表した。特定の国こそ名指ししなかったが、どの国を指すかは明らかであった。
一時期、中国寄りに傾いているとみられていたオーストラリア政府は、こうしてまともな方向へ軌道修正し直したのである。
■台湾基進党党首が語る中国の対外工作
筆者は、「港独之父(香港独立運動の父)」と香港中国系新聞に言わしめた台湾の基進党党首の陳奕齊(チェン・イーチー)氏に、オーストラリアをはじめとする海外諸国における中国の工作の実情について聞いた。
陳氏は台湾在住の台湾人だが、香港返還の翌年である1998年から2002年まで2年間香港に駐在し、早くから香港の危機を理解・憂慮し、香港の中国圧政からの自主独立を訴えはじめた。そのため、2005年には香港へ入国できなくなった。帰国後も香港の現状を台湾で蔡英文総統(当時党主席)に報告し、多くの香港独立運動の若者との交流や指導を行い、2016年11月の香港大公報に「台湾の香港独立の父」と報じられた。(「香独之父」と呼ばれている人物は複数いる)。
「彼らは外国にいる中国人留学生、中国系住民の団体や法人、駐在ビジネスパーソンを使い、外国政治家、有力者、企業、メディアへの働きかけを行い、間接的献金、優位な商取引などを持ちかけて関係を構築します。工作の目的は、主に①資源、②技術情報、③対中政策の緩和優遇、④領土問題(台湾・南沙諸島・チベット・ウイグル・そして尖閣諸島を含む)です」(陳氏)
このように、中国の世界への覇権行動・情報操作・地下ロビー活動は活発であり、先のアメリカやオーストラリア以外にも、カナダやヨーロッパなど世界的に中国の国家転覆工作への警戒を強めている。
台湾と中国両岸の政治的綱引きは、1996年の「ミサイルによる威嚇」からはじまり、「経済(お金)と人的交流(観光)の懐柔策」で緩み、そして昨年の台湾選挙でようやく中国は「情報(メディア)と心理戦による選挙への影響力を手にした」のである。実際、米ワシントン・ポスト紙も「中国は台湾民主選挙への干渉に成功した」と報道した(2018年12月18日付)。
■「外国法人のみを監督する時代は終わった」
当の習近平主席本人ですら、2018年12月18日の「慶祝改革開放40周年大会」の席上、「中国政府はすでに両岸関係の主導権と主動権を握ることができた」と発言したのである。これは、中国側が台湾の香港化を着実に進めていることを示唆しているものと、台湾有識者は危機感を強くしたのである。
「中国共産党は、資金融資、経済優遇、観光交流、文化交流からはじまり、軍事交流そして政治干渉にまで手を伸ばそうとする。そのためには、中国企業、団体を使って、中国での旅行の接待、性的接待、親族への金品の贈与や中国留学での奨学金や特別入学枠の確保などありとあらゆる便宜を相手に与えます」
「そして、最後に欲しがるのが、中国への『犯罪人引渡条約』なんです。これは、その国の司法に介入できる最終手段だから。中国の法で裁きたい人間の請求権を認めたら、それはもう独立国ではなくなるからです」(陳氏)
オーストラリアでも、この「犯罪人引渡条約」が批准の方向で一時動いたものの、2017年3月に撤回されている。
香港の自治を認める「一国二制度」の崩壊や、世界各国における中国の暗躍は、台湾をはじめ多くの国々に、中国の野望と中国の手法を教訓として残したのである。
陳氏は、「今までのように、外国法人のみを監督する時代は終わっています。移民者から本国人までのすべての一般市民、政治家、そして第四権力であるメディアまでも監視しなければいけない時代に来ています。しかも、第四権力としてのメディアは、無垢な一般市民までもフェイクニュースで操作できる時代なのです」と警戒感をあらわにする。
■風見鶏と二枚舌は日本を「信頼できない国」に
筆者は陳氏に、日本に対するアドバイスを求めた。
陳氏は、「まだまだわれわれは中国との情報戦、心理戦、国内の共産党勢力の排除に勝ったわけではない。台湾をはじめ世界の共産党勢力への戦いはまだまだ続くだろう」と述べた後に、「実は、一番心配しているのは、今の日本かもしれない」と口にした。
「スパイ防止法も外患罪も、ましてや外国代理人登録制度や外国人影響力透明法など、外国の工作に対してまったく無頓着なのが日本ではないか?」と問いかける陳氏。筆者との討論が進む中で、以下の問題点が共通の認識となった。
「沖縄や北海道などの国土を中国資本に買収されていても、それを経済活動の一環として放置している」
「日本の政財界は、一方的に中国市場への依存度を高める行動を取っている」
「日本の大学や専門学校は、無節操に中国人を日本の大学に入学留学させて、経済活動(お金儲け)を行っている」
「労働者不足と称して、(上記のような)法整備も不十分な状態で多くの外国人を入国させている。しかも、多くの外国人が行方不明になっている事実もある」
などなど、彼との討論からは、日本の鈍感と、経済的に活性化されるなら仕方がない、という拝金主義でしか動かない現代日本と日本の政財界の在り方を思い知らされた。
■世界で一番手に入りやすい日本のパ��ポート
筆者も毎月、日本と台湾を往復しているが、空港で明らかに日本人でない人が日本のパスポートを持っているのをよく目にする。以前もあるパーティーで「山本」と名乗る人と話をしたとき、日本語が少しおかしかったので、中国語で話しかけたら、上海出身の中国人だということが分かった。
彼の中国名は「李(仮)」だったが、帰化とともに日本名を使うことを日本の法務省から勧められたそうだ。うわさによると、日本の有力な国会議員の口利きで、パスポート所得や帰化申請に便宜が図られたケースもあると聞く。日本のパスポートは、ビザなし渡航可能国が世界一を数える世界で最も便利なパスポートではあるが、転じて世界で一番安い、手に入れやすいパスポートになってしまったのだろうか。
陳氏の目には、日本の姿勢が不可思議に映るようだ。
「2018年に中国へのODAを中止したと思ったら、スワップを再開した。アメリカへ追従して対中貿易戦争に協力すると思ったら、静観・傍観している。中国の一帯一路政策にも賛成したり、しなかったり。風見鶏的、悪く言えば二枚舌であり、最も信頼できない状態になる可能性があります」(陳氏)
「安倍首相は、台湾が天災など有事の際には必ず、励ましの応援メッセージ(つぶやき)をくれる。これには感謝するし、蔡英文首相も必ず返信する間柄だが、中国からの抗議や批判がないのも引っかかりますね。日本の外交のブレが、こういう形で疑心暗鬼を生むのです」(同)
■スパイ対策が進まない3つの理由
陳氏との厳しい討論は、なぜ日本で国家機密や技術情報、スパイ工作についての保護や対策が進まないのかにまで及んだ。2人で同意したその理由を列挙する。
1.すでに述べたとおり多くの政治家、官僚、監督官庁、業界団体、有力企業、メディアの中に、中国の権益を守るグループが存在しているのではないか(冒頭の香港の中年女性と同じ後悔が待っていそうだ)。
2.中国以外の、中国の傀儡(かいらい)国家の勢力も日本の政官財といった中枢に入り込んで、多くの操作をしているのではないか。
3.中国とのパイプや利権権益を、自分たちだけは保持・保有していたいという利己主義者が日本には多数いるのではないか。
とくに、第四権力であるメディアへの中国資本の影響力は増している、という見解が完全に一致した。2018年9月、台風21号による関西空港の台風被害に関する中国のネット発のフェイクニュースによって、台湾の外交官が自殺に追い込まれた事件があったが、そこからもわかるように、どこから発火・炎上し、どう操作されるかわからない。世界では報道、ニュース、マスコミ、インターネットの在り方が改めて見直される時期に来ているようだ。
しかし、台湾やオーストラリアといった民主主義国で違和感なく行われているこの手法を、同じ民主主義国である日本で���に行おうとすれば、そんなマスメディアも含めた既得権者は「戦前回帰」「外国人差別」と称してアレルギーを起こす公算が高い。アメリカをはじめ、オーストラリア、台湾、そして香港が、外国勢力に侵食されている一方で、今の日本が唯一無傷でいるとは到底考えられない。その克服のためにも、一般市民も含めわれわれはひとごと、無関心、鈍感であってはならない。日本も一刻も早く見えない呪縛を断ち切らねばなるまい。
「日本でもこの危機を、香港、台湾、豪州、アメリカの例を通じて、正確に報道してほしい」と陳氏は訴えた。「日本の歴史やわれわれが知っている日本精神からすれば、日本はアジアの民主主義の盟主として、香港そして台湾、さらには中国の侵略に苦しむ国家の指導的立場になる国だと思うし、そう信じている」――陳氏はインタビューをそう結んでくれた。
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藤 重太(ふじ・じゅうた)
アジア市場開発・富吉国際企業国際顧問有限公司 代表
1967年東京生まれ。86年成田高校卒業、91年台湾大学卒業。92年香港で創業、アジア市場開発設立。台湾 資訊工業策進会 顧問(8年)。台湾講談社媒体有限公司 総経理(5年)などを歴任。現在 日本と台湾で、企業顧問業務、相談指導ほか「グローバリズムと日本人としての��き方」などの講演活動を行っている。
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(アジア市場開発・富吉国際企業国際顧問有限公司 代表 藤 重太 撮影=的野弘路、FUJI JUTA 写真提供=基進党)
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日本の安全保障、米国頼みで大丈夫? 米朝会談でさらに不透明に 東アジアの安定化に扉を開くと期待された米朝の歴史的な首脳会談は、逆に日本の安全保障環境を不透明にした。トランプ米大統領は北朝鮮の非核化に向けた道筋を示さず、日本が懸念する中・短距離ミサイルの扱いにも触れずじまい。一方で、米韓合同軍事演習の中止と、将来的な在韓米軍の撤退に言及した。日本政府の中からも、米国に頼る今の政策を疑問視する声が出ている。 見えてきた「米国最優先」 米朝会談に臨む米国に対し、日本は首脳会談、外相会談、防衛相会談などあらゆる機会を通じ、日本を射程に収めるミサイルの廃棄を議題に取り上げるよう何度も念を押してきた。さらに抑止力を低下させる在韓米軍の撤退や縮小を議題にしないよう確約を求めてきた。 しかし、ふたを開けてみれば、ICBM(大陸間弾道弾)を含め、北朝鮮の弾道ミサイルの廃棄については、共同文書に盛り込まれなかった。金正恩・朝鮮労働党委員長との会談を終えたトランプ氏の口からも言及がなかった。 「非核化については、少なくとも共同文書に明記された」と、日本の政府関係者は言う。「弾道ミサイル、特にわれわれが懸念する中・短距離ミサイルはどうなったのだろうか」と日本の政府関係者は不安を隠さない。 日本の安全保障政策に携わる関係者をさらに心配させたのが、会見でトランプ氏が放った米韓合同軍事演習の中止発言。合同演習は両軍の連携を確認するのに重要で、定期的に実施しないと「さびつく」(自衛隊関係者)。大規模な演習なら準備に半年以上かかるため、再開したくてもすぐにはできない。 北朝鮮はことあるごとに米韓演習に反発してきたことから、金委員長が嫌がっているのは経済制裁よりも軍事演習との見方もある。「中止になれば、金委員長は枕を高くして眠れる。抑止力が低下する」と、別の政府関係者は言う。 トランプ氏は今すぐではないとしながらも、在韓米軍の撤退も示唆した。米国の影響下にある韓国という緩衝地帯がなくなり、中国やロシアと直接向き合うことになるとして、日本が警戒する地政学上の変化だ。 「もし私が日本人、特に朝鮮半島政策や防衛政策に携わる人間なら、いよいよこの地域から米軍がいなくなることが心配になる」と、スタンフォード大学のダニエル・シュナイダー客員教授は言う。「北東アジアにおける『米国最優先』の外交政策がどんなものか、貿易問題を含め、魅力的なものではないことが分かってきた」と、シュナイダー氏は語る。 「日本はやり方を変える必要」 国民が核兵器に強いアレルギーを持つ日本では、独自の核武装を求める声は聞こえない。しかし、国際的なリスクコンサルティング会社テネオ・インテリジェンスは13日のリポートで、日本と韓国が自前で核抑止力を保有する可能性を指摘した。 日本の政府関係者や専門家は、北朝鮮の非核化もミサイル廃棄も「すべてこれから」と口をそろえ、米朝が今後開く実務者協議に期待をかける。小野寺五典防衛相は13日朝、記者団に対し「ポンペオ米国務長官と北朝鮮高官の間で、具体的な作業が進められると承知している。その作業を見守っていく」と語った。 日本の政府関係者は「米国まかせの今の状態で良いのか。日本はやり方を変える必要があるかもしれない」と話す。 (久保信博、リンダ・シーグ 編集:田巻一彦) NewsWeek日本語版 2018年6月13日(水) https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10376.php https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/06/post-10376_2.php 今回の何も具体的な事が決まらなかった米朝会談で思う事は、 日本の拉致問題解決にアメリカの圧力に依存していることである。 いかに日本の外交力が脆弱かつ無能であるかの証明である。 北は拉致をトップが認めいまだ拉致疑惑の被害者が数百名もいるのに、 北は勝手に解決済みと抜かし、被害者に謝罪も賠償もしてこないのである。 こんなふてぶてしい態度をする誘拐犯に日本は何も出来ない無様さである。 日本が主権国家ではない証拠である! なぜなら拉致問題は純粋に国家主権の問題だからである。 日本国民が北朝鮮に連れ去られるという国家主権侵害問題を、 日本政府が解決する能力がない事を証明しているのである。 もちろん政府自民党だけではない。 北朝鮮側のスタンス重視の立憲民主や社民、共産は論外である。 こいつ等が拉致問題で安倍政権を批判する権利はまったく存在しない! ��らに河野洋平という自民党の売国奴は味方を背中から撃つ利敵言動が終わらない。 これを朝日や毎日など売国マスゴミは嬉々として報道するのである。 こいつらはシナ朝鮮の工作員と見做して間違いないだろう。 ↓ 河野元官房長官「日本はまず北朝鮮と国交正常化すべき」 ハンギョレ新聞 :2018-06-14 http://japan.hani.co.kr/arti/international/30842.html もう一つ・・・ 拉致問題が発生し解決しないことの遠因は憲法9条である。 あの悪法が日本の防衛を脆弱にし、戦争できない国にしているのだ。 公然と武力行使を口にする国と話し合いで解決できるのか? トランプ大統領が金正恩をインドネシアに引っ張りだしたのも、 経済制裁以外にアメリカの強大な軍事力が背景にあるからだ。 そしてその軍事力の傘に隠れて安穏と惰眠を貪ってきたのが日本だ。 主権侵害されても反抗できないのは 日本がアメリカの安保属国だからだ! 戦争できない主権喪失国家がいかに惨めで無様か、 そんな恥の見本が我らの祖国日本なのである(涙) さて・・・ 先日スウェーデンがロシアの軍拡に備えて、国民に有事対応冊子を 大量制作して各家庭に配ったというエントリをあげたが、調べてみると、 対ロシア戦争を意識して軍事対応しているのはスェーデンだけではない。 ↓ <関連エントリ> スウェーデン、戦争に備える手引書、日本周辺の安全保障は・・・ http://ryotaroneko.ti-da.net/e10504178.html スェーデンの国防手引書では、万が一祖国が占領されても、 決して抵抗を諦めてはならないという徹底抗戦論を述べている。 これは200年間中立を維持したスイスもまったく同じである。 日本のバカ平和主義者みたいな「不戦」だとか「白旗上げよう」 など敵国が喜ぶようなバカはどこにも書いていないのである。 諸外国の国防精神は「一億総玉砕」というかつての日本と同じである。 2016年からNATOは軍隊をバルト三国に派遣している。 特にロシア国境を接するリトアニアには1000名のNATO軍がいる。 ロシア軍に対抗するアメリカ・イギリス・ドイツ各精鋭部隊である。 この事はかつてソ連崩壊後解放されたバルト三国のNATO加盟には ロシアが脅威と感じるためにNATO軍をバルト三国には常駐させない、 という取り決めがあったから大変な出来事なのだ。 さらに米軍部隊3500名が同じく国境を接するポーランドにも派遣された。 ご存知の通りポーランドはロシアやドイツの侵略を受けている親日国だ。 当然冷戦終了後はNATOにもEUにも加盟している。 <参考サイト> NATO軍、ロシアの脅威に対抗 http://www.y-asakawa.com/Message2017-1/17-message09.htm フィンランドはかつて冬戦争で旧ソ連と戦争をした経験を持つ。 現在スェーデン同様、非同盟ではあるがNATOとの軍事���力を進めている。 もちろん徴兵制があり、国防費も増額してロシアに備えている。 バルト三国(ラトビア・エストニア・リトアニア)はかつてソ連の支配に懲りて、 ソ連崩壊後はそれぞれEU、NATOに加盟して地域の軍事力強化に努めている。 特にリトアニア軍は民間防衛としてパルチザン結成も認めている。 個人的にはパルチザンという民間人ゲリラ組織には反対である。 なぜなら民間人の武装戦闘はハーグ陸戦条約でも禁じられているからだ。 ヘタに民間ゲリラをやれば捕まれば捕虜待遇はなく速攻で処刑だからである。 しかしリトアニア政府は1907年の「陸戦の法規慣例に関する規則」および 1949年の「捕虜の待遇に関する条約」で交戦者として確認されている事を 根拠に国民にパルチザン結成を正当化している。 でも敵国ロシアがそれを遵守するか、という問題だが・・・ しかし・・・ 北欧三国やバルト三国など小国家では国防は軍隊だけの専権事項ではない。 特に武装中立のスェーデンやスイスはもちろんだが、政府が定義する国防の要は、 国防軍と民間防衛が二大支柱だと規定していることである。 これは小国の安全保障は限られた軍隊だけでは果たせないからだ。 だからスイスのように占領されても清野作戦を実施する覚悟で、 最後の一兵まで国民全員が戦う姿勢を徹底しているのである。 繰り返すが・・・ 戦争末期の日本の「一億玉砕」精神とまったく同じである。 しかし国防の基本精神はこれではないだろうか? バカサヨの言う、 白旗掲げて奴隷の自由を求める精神は植民地根性丸出しである。 つまり・・・ 国を守るのは軍隊だけでない! 国民全員が一丸となって守るもので、 国防とは国民の国を守る気概なのだ! <参考エントリ> 国防強化しアメリカ依存からの脱却を! http://ryotaroneko.ti-da.net/e5560591.html さて・・・ トランプ米大統領は2017年5月のNATO首脳会合において、 対GDP比2%以上の国防支出を、未達成国に改めて強く求めたが、 2017年の推定で、その目標をクリアしているのはギリシャ2.36%、英国2.12%、 エストニア2.08%、ほぼ目標に到達しているのがポーランド1.99%の5か国だけである。 だがNATO発表によると、米国を除く28カ国の国防支出は2015年から3年連続で、 増額しており、2018年には上記5か国にルーマニア、ラトビア、リトアニアを加えた 8カ国が、また2024年までに、少なくとも15カ国が共通目標を達成する見通しである。 アメリカはアジアにもEUにも同盟国の為に軍隊を派遣しているから、 トランプの軍事費負担要求はもっともな事だし、もしここでアメリカが 同盟脱退すると宣言したら誰が喜ぶであろう・・・? 東アジアではシナの軍拡・侵略が進んでいる現実から、 日本もようやく国防費GDP1%の枠を超え今後は2%を目指すと提言した。 これも恐らくアメリカからの要求だと思われるが、早急にやったほうがいい。 ↓ 「防衛費を2倍以上に」、自民党が提言!GDP比1%の制限を撤廃へ 情報速報ドットコム 2018.05.27 https://johosokuhou.com/2018/05/27/5666/ ちょっと視点を変えて軍人の数量を単純比較してみる。 もちろん軍人数がその国の国防力に比例しないのは承知の上だ。 その前提で各国の人口に占める軍人の数的割合を見ると・・・ シナ(人口14億人)は、現役兵力は約220万人、予備兵力51万人、民兵約1000万人、 合わせて総兵力約1300万人、人口比約1%弱である。 北朝鮮(人口約2510万人)は、現役兵力約119万人、予備兵力60万人、 民兵約350万人、合わせて総兵力約513万人、人口比約2.1%である。 韓国(人口約5090万人)は、現役兵力約63万人、予備兵力450万人、 合わせて総兵力約513万人、人口比約1%である。 台湾(人口約2300万人)は、現役兵力約22万人、予備兵力166万人、 合わせて総兵力約188万人、人口比約0.8%である。 一方日本の場合は・・・ 現役自衛官(現役兵力)約22万5000人、予備自衛官(即応予備自衛官8075人、 予備自衛官47900人、予備自衛官補4621人)約6万人、 合わせて総兵力約28.5万人、人口比約0.22%である。 つまり日本の場合、世界第6位の排他的経済水域(EEZ)の面積や、 同じく約3万4000キロの海岸線は地球一周の85%近くになり、 これも世界第6位で、いかに日本の領海が広いかわかる。 これだけ広大な国防圏を世界標準の4分の一の自衛隊で守れるのか? 個人的には自衛隊員は30万人くらいまで増員すべきだと考える。 特に海自・空自には装備と人材を重点的に充実させるべきである。 想像したくはないが、もし日本と特亜の戦争状態が起きるとすれば、 在日シナ朝鮮人の中に紛れた工作員によるテロが多発することは間違いない。 これを自衛隊だけで対処はできないから警察も動員されるだろう。 しかし各地の破壊で生じる死者や負傷者保護、搬送、医療活動、 医療品・食料品の供給、病院の警護など・・・自衛隊だけでは無理がある。 そこで予備自衛官であるが、これが絶対数が少なすぎるのだ。 予備自衛官は20万人規模まで拡大させるべきである。 現在年齢制限が35歳までだが、我々還暦組も予備の予備でいいから、 後方支援の雑用でも使いっパシリでも何でも国の為に活用してほしい。 今の60代は元気な人が多いし、軟弱な20~30代などよりよく働くぞ、 いざ有事なっても、どーせ生きていても先が知れている身分だし、 私はそうなれば残り僅かの人生をお国のために捧げたいと思う。 団塊の3割バカサヨは除き、そう考えるシニアも少なくないだろうし、 体力は若い人には及ばないが、知力や人生経験は何かの役に立つだろう。 知力もない私だが、戦車は操縦できないがダンプは運転できるぞ! そんなGGYやBBAのために予備予備自衛官制度を作ってくれ! 防衛省はシニア人材を国防への、 何かの有効活用���検討してほしい。
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北朝鮮を動かすのは、やはり「軍事的圧力」という現実 2017-08-28 02:37:03NEW ! テーマ:北朝鮮 米朝関係の軍事的緊張が増し、いよいよ武力衝突に至る可能性も高まっている。北朝鮮がこのまま核開発を続けるか、あるいは本当にグアムにミサイル攻撃を行うような事態でも発生すれば、日本のみならず周辺諸国は米朝軍事衝突に必ず巻き込まれていくことになる。 日本のメディアも、ここまで来てようやく北朝鮮の脅威については報じてはいるものの、一方で、日本はどう対応したらよいのかという点については殆ど論じていない。米国の行動の推移を見守るだけで、我が国の「敵基地攻撃能力保有」の議論を始め、主体的に対北朝鮮政策をどうすべきか、あるいは対中、対露政策をどうすべきかという点については、殆ど触れられていないのが現状である。 そこで、ここでは今後の北朝鮮の動向と、今後日本が取るべき安全保障政策について考察してみたい。 北朝鮮による核ミサイル開発が現実化してきた これまで北朝鮮は、これ以上ないくらいの強い言葉で、米国や韓国、そして日本などを非難し、敵意をむき出しにしてきた。「韓国は一撃で灰になり、日本列島は沈没し、米国本土には核が降りそそぐ」などという挑発的な発言を行い、6カ国協議をはじめ外交交渉は全て自らの我儘とも言える理屈で頓挫させてきたのは、周知の事実である。今日に至っては、豪州に対しても「米国への無条件かつ熱狂的な追従をやめなければ核ミサイルで攻撃する」と主張し、中国に対してまで「我々との関係に及ぼす破局的な結果も覚悟すべき」と言うに至っている。 一方周辺諸国は、そうした北朝鮮の言動に対し、これまでは冷静に対応してきた。ミサイルを近海に打ち込まれる事態に至っても、日本はこれまで通り「抗議」を繰り返し行うのみで、経済制裁は維持強化するものの、北朝鮮は中国ロシアとの貿易を維持しており、その効果が限定的であることも理解していながら、それ以上の行動は取らなかった。 その理由は二つである。一つは、北朝鮮の挑発は、あくまで食糧難や人権侵害などに苦しむ国民の不満や、国内での熾烈な権力抗争から、外へ目を逸らすことが目的だとするもの。そしてもう一つは、北朝鮮のように経済力や技術力をはじめ、国力の小さな国が、実際核ミサイル開発を実現し、まして自滅の道となる他国を攻撃することはないだろうという分析である。 確かにこの二つの分析は、それぞれ一定の説得力がある。しかし、昨今の北朝鮮情勢を見ると、金正恩は国内外において非常に追い詰められており、状況もそれに応じて大きく変わってきた可能性がある。北朝鮮は今年に入り、既に12回ミサイル発射をし、米国ワシントンに届くミサイルを開発する可能性が現実化してきた。実際、米紙ワシントン・ポストは今月8日、北朝鮮が核弾頭を小型化し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)への搭載が可能になったとする米国防情報局(DIA)の分析を伝えている。 そして、自滅となるはずの攻撃も辞さないと強気の姿勢を具体化し、グアムへの攻撃を明言する事態となった。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は、「金絡謙朝鮮人民軍戦略軍司令官が、「米国に厳重な警告を送るため」として、中長距離弾道ミサイル「火星12」4発を米グアム島周辺に同時発射することを慎重に検討していると発表した」と報じた。 北朝鮮は国内の不満を抑えきれず、核ミサイル開発の成功をもって、本当に武力攻撃や戦争を始める可能性も否定できなくなってきたのである。 トランプ大統領が北朝鮮に強硬に出た三つの理由 こうした北朝鮮の軍事的挑発を受け、トランプ大統領は「これ以上、米国を脅さない方がいい。世界が見たこともないような炎と怒りに直面することになる」と異例の強い表現で警告した。しかもその後、「炎と怒り」では「言葉に厳しさが足りなかった」と述べ、11日には「軍事的な解決の体制は整った」と発言している。理性的とはとても言えない北朝鮮が、一連のトランプ大統領の言動に対して「理性を失っていると」批判したとのことだが、トランプ大統領の強い発言の背景には大きく言って3つの理由があると考えられる。 まず一つ目の理由は、実際、北朝鮮の核ミサイル開発を阻止するため、先制攻撃も辞さないと考えていることだ。確かに、時間が経てば、北朝鮮の核能力が向上し、阻止することが事実上困難になる。従って、今米国は、軍事力を使って核ミサイル開発を阻止するか、核保有を容認するか、時間的に選択を迫られている(この選択を迫られているのは、実際は米国だけではなく、日本などの国際社会全体も同様なのだが)。そしてもし、核ミサイル開発を阻止する選択肢をとるのであれば、それは早い方が合理的である。一方で、核保有を容認するのであれば、北朝鮮の横暴を認めることとなり、国際社会は対北朝鮮政策やNPT体制に関しての理論を根本的に転換せざるを得ない可能性も生じる。また北朝鮮が核ミサイルを保有すれば、テロリストに拡散する恐れもある。従って、北朝鮮がグアムに攻撃をしなくても、核ミサイル開発を続ければ、米国が核ミサイル除去のために核施設などを先制攻撃することは、安全保障上、十分理にかなっていると言える。 二つ目の理由は、北朝鮮の攻撃を支持する国内世論の存在がある。北朝鮮が米本土に届く弾道ミサイルを持つに至ったことで、米国民の間では警戒感が高まっている。8月9日に発表されたCNNの世論調査によると、米国民の62%が北朝鮮を「脅威」と認識しており、軍事行動を支持する米国民も55%に達している。しかも、共和党支持者の間では、実に74%が北朝鮮への軍事行動を支持する結果となっている。国内におけるトランプ大統領の支持率が38%と過去最低水準と言われる中、「トランプ大統領にとって北朝鮮問題は、国内の不満を外に向けるという意味で、これ以上ない好材料だ」との指摘もある。実際。就任直後に低支持率であったブッシュ大統領が、9.11と対テロ戦争をきっかけに支持率をV字回復させたこともあり、歴史的には戦争や外敵を理由に国内の対立を克服し、政権基盤を築いた指導者は多い。従って、北朝鮮���の軍事行動を支持する国内世論の存在が、トランプ大統領の強気の発言の背景にあると思われる。 三つ目の理由は、「米軍・軍需産業界からの期待」である。8月14日産経新聞は「米軍需企業の株価急上昇 北朝鮮緊迫化で業績期待」と題して、「北朝鮮の脅威が増大したことで、米国のほか日本や韓国で迎撃ミサイルの需要が高まり、業績が伸びるとの期待が背景にある。」と報じた。記事によれば、北朝鮮が7月4日に初めて大陸間弾道ミサイルを発射してから、実際ロッキード社の株価は8%以上上昇し、最高値を更新。トランプ米大統領が今月8日、米国を脅せば「炎と怒りに直面するだろう」と警告するなど米朝の応酬が激化するのに伴い、株価の上げ幅も拡大した。ノースロップ・グラマンやレイセオンの株も買われ、最高値を更新した。 また、この北朝鮮のミサイル問題を、米軍がミサイル防衛システム(MD)の絶好の試験台と捉えているとの指摘もある。北朝鮮がグアム近辺の海に4発のミサイルを着弾させると予告している今回のケースは、限りなく実戦に近い状況で、米軍のMDを試す機会になり、また、米軍にとってMDの有効性を試すテストを行うことは、北朝鮮に対してだけでなく、ロシアや中国、イランなどをも念頭に置いた国防計画において意味があるという意見から、北朝鮮のミサイル攻撃を好機とさえ捉える考えも、米国の中では存在するのである。 中国が初めて本気で動いた いずれにしてもトランプ大統領の強い言動は、中国を動かしたという点でも非常に大きな意味を持つ。 トランプ大統領は、「炎と怒り」発言を北朝鮮に向けて行う一方、依然として北朝鮮に効果的圧力を加えない中国に対しても強硬に出ている。8月14日、中国による知的財産の侵害などをめぐる問題で、関税の引き上げなど一方的な制裁措置を発動できる通商法301条の適用を視野に入れた調査の手続きを始めるよう求める大統領令に署名した。 先にも少し述べたが、昨年の北朝鮮の対中国貿易額の割合は9割を超えている。つまり、いくら日本や米国が経済制裁をしても、中国の存在がある以上効果がないことが指摘されてきた。しかも今年、中国と北朝鮮の貿易額は第1・四半期に40%近く増加したこともわかっている。従って、米国も国際社会も中国の役割を重視し、中国の行動を変えなければ北朝鮮の核ミサイル開発は止められないという結論に達していたのである。 そこで、トランプ大統領が、先に述べた通商法301条の適用に向けて行動を起こしたことは言うまでもない。トランプ大統領の行動は、これまでに無い強いものだと言える。そうした状況から、いよいよ中国も北朝鮮に対し、本気の経済制裁に乗り出した。中国商務省は14日、北朝鮮からの石炭、鉄、鉄鉱石、海産物などの輸入を15日以降、停止すると発表した。また、中国の王毅外相は15日、ロシアのラブロフ外相と電話会談し、21日から始まる米韓の合同軍事演習を念頭に、対立回避へ向けて協力を呼びかけたことが報じられた。これまでの中国からすれば劇的変化である。そして、これらはトランプ大統領の強い言動から導き出された状況であることは言うまでもない。 国際金融犯罪による資金調達の可能性 一方で北朝鮮にとっては、もはや中国の経済制裁も効果がなくなりつつあるのではないかという指摘もなされるようになってきた。それは北朝鮮が「金融犯罪」によってミサイル開発やテロ工作の資金調達を行っている可能性があるからである。 昨年2月、バングラデシュ中央銀行がサイバー攻撃に遭い、8100万ドル(約92億円)が盗まれるという事件が発生した。当初は、犯罪組織による国際金融犯罪だと思われたが、今年5月10日、米国の情報セキュリティー会社「シマンテック」の上級ディレクター、ジェフ・グリーン氏が、連邦議会上院の国土安全保障委員会で開かれた公聴会で、「北朝鮮がバングラデシュ中央銀行にサイバー攻撃を仕掛け、8100万ドルを盗み取っていた」と証言した。また、同様の被害はベトナムなど30カ国以上で確認されており、グリーン氏は北朝鮮がバングラデシュ以外でも「銀行を攻撃している」との見解を示した。シマンテックは、3年前に北朝鮮がソニー・ピクチャーズエンタテインメントにサイバー攻撃を行ったものと同じ有害なコードがバングラデシュの銀行での攻撃に使われたと指摘している。 こうした状況を見ると、中国がようやく経済制裁に動いたことは、確かに既に時遅しかもしれない。北朝鮮は核ミサイルを開発するための資金調達を既に終えているか、新たな資金調達方法を得ている可能性があるのだ。 しかしだからといって、今から経済制裁をやめるべきだということではなく、多方面における、かつ国際社会全体でより一層協力をした対策が必要であるということである。とりわけ先に議論になった「国際組織犯罪防止条約」などに基づき、加盟国と協力して国際金融犯罪の取締りを強化するなどの対策が必要であろう。 強硬路線が北朝鮮の譲歩を引き出したという現実 米国はこれまで、20年以上にも渡って「戦略的忍耐」とも呼ばれる、かなり譲歩した政策を取ってきた。例えば、1994年に北朝鮮と結んだ「米朝枠組み合意」は、北朝鮮に核開発を諦めさせる代わりに、日韓が費用を分担して軽水炉を建設し、完成まで重油も提供する合意だった(日韓が費用を分担する当該枠組みは、それはそれで別の問題がある)。 しかし、そこまで譲歩しても、こうした「戦略的忍耐」と呼ばれる甘い北朝鮮政策は、全く意味のないものであった。北朝鮮はその後も核開発を続け、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れないどころか、IAEAから脱退し、合意は水泡に帰した。北朝鮮には、譲歩や甘い政策は意味をなさないということが、この20年で証明されたと言って良い。 一方、今回のトランプの強い言動は、そうした北朝鮮から「譲歩」を引き出しつつある。事実、トランプ大統領の「炎と怒り」発言を受けて、北朝鮮の金正恩は「米国の行動や態度をしばらく見守る」と強硬路線を換え、グアムへのミサイル攻撃を見合わせる選択をしたことが既に報じられている。そうした金正恩の「譲歩」を受けて、トランプ大統領も今度は「金正恩委員長は非常に賢明で、理にかなった判断を下した」とし、「別の選択をしていれば、壊滅的な結果をもたらしていたし、到底容認できなかった」とコメントした。 また、8月21日から始まった米韓軍事演習に関して、当初北朝鮮は「我慢にも限界がる」とし「予測や想像が不可能な無慈悲の物理的行動をとる」と軍事的措置を仄めかしていたが、現在のところ北朝鮮が取った行動は、「長中距離弾道ミサイル発射」ではなく、「短距離ミサイル発射」でもなく、「3発のロケット発射」で、しかもグアムではなく日本海に撃ったものであり、いずれも失敗だとの分析だ。また今回の「飛翔体」の発射は「弾道ミサイル」ではないので「安保理決議違反」でもない。つまり北朝鮮は、国内の不満を解消しつつ、米国を刺激しないように最大限の注意を払って行動していると言える。こうした行動からも、やはり米国の強い言動が、金正恩の「譲歩」を引き出していると言って良い。 しかし一方で、北朝鮮が核ミサイル開発を断念したわけではない。そしてトランプ大統領は、北朝鮮が更なる核ミサイルの開発を辞めなければ、軍事行動も辞さない構えを崩しておらず、事態はいつでもエスカレートする可能性があるのは事実だ。 北朝鮮が核ミサイルを開発し、量産する体制を整えれば、もはやどこの国も手出しできなくなる。そして、核ミサイルが北朝鮮を通じて、他国やテロリストなどに拡散する可能性もある。こうした状況を打破することは、まさに日本を含めた国際社会の喫緊の課題だ。そしてそうした事態を打開することができるのは、国際社会の北朝鮮に対する「強い言動」だということが、これまでの北朝鮮を見ると明らかだろう。 「外交のソースは軍事と援助」 国際政治学では「外交のソースは軍事と援助しかない」と言われる。確かに歴史上は、理想や道義が他国の賛同を集め行動を変えることもあるが、往々にして自国の有利なように外交を展開しようとしたら、軍事力という「ムチ」によるか、援助という「アメ」を与えることが最も効果的で現実的だという考え方である。これまでの行動を見ると、確かに北朝鮮はまさに、軍事か援助でしか動かない国だと言える。 北朝鮮が「譲歩」や「謝罪」をした過去の事例を見ても、そのことは明らかだ。例えば、2002年北朝鮮金正日が日本人拉致を認め謝罪し、2004年に8人の拉致被害者が帰国した際、同時に当時の小泉純一郎首相から、人道支援として25万トンの食糧支援と1000万ドルの医療支援が表明された。どう考えても、経済支援が拉致を認め謝罪したことと無関係ではない。 また大前提となる国際情勢として、拉致を認め謝罪した2002年という年は、2001年の「9.11」を受け、テロとの戦いを宣言した米国が、イラク・イランと並べて北朝鮮を「ならず者国家」として制裁を加える旨宣言していた時期であり、米朝関係の悪化という背景も日朝接近の原因となったことは言うまでもない。つまり拉致被害者の帰国は、「軍事と援助(アメとムチ)」の結果であったと言えるのである。 また最近では、2015年8月、南北朝鮮が対立する軍事境界線を境界線とした非武装地帯で地雷が爆発して韓国軍兵士が負傷した事件において、北朝鮮を批判する韓国国内の世論の拡大に押され、韓国政府が北朝鮮に謝罪と責任者の厳重処分を強く求め、それがないと「政府は必要な措置を講じる」とまで述べると、北朝鮮は「遺憾の意」を表明し、事実上謝罪した。 今回、トランプ大統領の強い言動で譲歩したところを見ても、結局のところ北朝鮮は、対話による説得では無く、軍事的圧力などの強い言動でしか譲歩しないことが分かる。 「外交のソースは軍事と援助」という歴史的な外交の現実を踏まえて、経済援助で効果がないなら軍事的な行動も視野に入れることを日本も考えられるように今後の安全保障体制の整備が必要だろう。拉致問題を見てもそのことは明らかだと私は考える。 迎撃ミサイルシステムの課題と限界 日本はこれまで北朝鮮などのミサイル攻撃に備え、迎撃ミサイル(ミサイルディフェンス:MD)の配備に力を入れてきた。防衛省の予算は5年連続の倍額要求だが、それはミサイル防衛の増強に力を入れてきたことによる。 現在、日本のミサイル防衛システムは、イージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3:高度100キロ以上の大気圏外で迎撃する)と、地上配備型の地対空誘導弾パトリオット(PAC3:高度十数キロの大気圏内で撃ち落とす)の二段構えをとっている。 しかし、北朝鮮がここ最近、ミサイル技術を進展させたことにより、日本の迎撃システムの無力化が指摘されている。例えば、北朝鮮は最近移動式発射台から前兆なくミサイルを撃つため、兆候を把握しにくくなっていること(しかも10分以内に着弾する)、そして、北朝鮮がミサイルを通常の軌道よりも高く上げて近くに落とす撃ち方(「ロフテッド軌道」と呼ばれ、高く上がった分だけ落下速度が増し、今のシステムでは迎撃は難しくなると言われる)を取るようになったことなどである。また、そういったミサイルでなくとも量産し、一度に撃たれた場合でも、対応が非常に困難となる。 当然日本もこれに合わせて、通常よりも高い機動で飛来するミサイルに対応する海上配備型迎撃ミサイル「SMブロック2A」やPAC3の防護範囲を2倍に広げる改良型、そして最新鋭の地上配備型迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」の取得といった迎撃システム向上に力を入れているが、大事なことは、米国に払う武器の購入費も膨大で、また、どれだけミサイル防衛の強化を行っても、北朝鮮が対策を講じるため「イタチゴッコ」になっているということだ。つまり、ミサイル防衛にも限界があるということである。 米国が20年以上北朝鮮に譲歩する政策を取ってきたことは既に述べたが、これは北朝鮮の存在により、日韓が在留米軍を受け入れ、有事を想定し迎撃ミサイルなど高額な兵器を購入するなど、米国にとって利益を産む状況であったからとの指摘がある。米国にとって北朝鮮が直接的な驚異になら無いのであれば、「必要悪」として存在させていた方が、国益にかなうというものだ。残念ながら、日本にとってはMD構想を続ける限り、非常高額なミサイルを更新し続けなければならないため、米国に膨大な費用を支払い続けなければならない(これはまた別の問題だが)。 「敵基地攻撃能力」を持たないと、防衛も外交も出来ない そこで、これらの問題を解決する方法が、「敵基地攻撃能力」の保有である。 今月4日、小野寺五典新防衛大臣が、「敵基地攻撃能力」の保有について前向きな見解を示した一方、6日には、安倍総理は「現時点で具体的な検討を行う予定はない」と述べたことが報道された。しかし、これまでも述べてきたように、日本が「敵基地攻撃能力」を持つことは、もはや必要不可欠であると私は考えている。 これまでの政府見解でも「攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の措置として発射基地をたたくことは自衛の範囲」となっている。つまり「敵基地攻撃能力」をもつことは憲法上認められているということであり、法的に問題はない。日本国民を守る決意があるなら、この「敵基地攻撃能力」を可能な限り早く整備すべきだと私は考える。 ここまで、核��サイル問題ばかり述べてきたが、日本には北朝鮮との関係で長年悩んできた「拉致問題」がある。これまでどれだけ話し合おうと、経済支援を表明しようと、「対話と圧力」と称して経済制裁を加えようと一向に進展しなかった。それは、端的に言って、日本が軍事的に全く脅威ではないからである。一方で米国に固執し、米国の言動に左右されるのは、米国が北朝鮮にとって軍事的に最大の脅威となりうるからだ。 8月10日、ロシアが北方領土で1000人以上の兵士が参加する軍事演習を開始したと発表した。択捉島と国後島の演習場で実施しているもようだ。北朝鮮の脅威を理由に、北東アジアでの軍事力を強化する米国を牽制する狙いだと報じられているが、ここでも日本は配慮すらされていない。北方領土で共同経済活動を行い両国の信頼関係を築こうとしている矢先に、である。ロシアにとっても注視すべき最大の相手は、決して日本ではなく米国だということを意味している。 良いか悪いかの価値判断は別として、現実主義的に考え、どう考えても日本の外交防衛体制を強化するために、「敵基地攻撃能力」保有の議論を具体的に始めるべきだ。
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