#さとうきび畑の唄
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伐採音を真似る貉(二)
以下は、ある人が語ってくれた自らの体験談。 新潟県西頸城郡能生谷村字西飛山の集落から近い畑で、その人は子守と二人、一日中、粟の草取りをしていたという。 その間、すぐ近くの雑木原から木を伐る音が聞こえてきた。 イタヤの木がバサバサと揺れる音。 続くガツンガツンという打撃音は、なんぎり伐りらしい。なんぎり伐りというのは、鉈で殴って木を伐る方法である。 最後にドサッドサッと伐った木を一本ずつ放り投げる音。 それが途切れることなく続いた。 子守が、見に行ってくる、と言った。 その人は、盗伐だったらお互いきまりが悪くなるから、と止めた。 やがて木の揺れの音がだんだんこちらに近づいてきた。もうじき、伐採の様子が目視できるようになるだろう。 しかし結局、あくまでも音がするだけで、木を伐る人も、伐られ、放り投げられる木も一向に見えず、伐採音だけが一日中、続いた。 春になり、その人は再び畑に行った。 ついでに伐採音がした雑木原を覗いてみて唖然とした。 そこは、木がほとんどない窪地だったのだ。その人はそのとき初めて、あれは貉の悪戯だったのだ、と気づいたという。 「そんだけじゃなくて唄を歌うこともあんだよ、貉はさ」 話者はそう結んで二カッと笑った。
(西頸城郡教育会・編『新潟県西頸城郡郷土誌稿(二)』十、動物変怪民譚 「44 木伐狢」)
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各地句会報
花鳥誌 令和7年5月号

坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和7年2月1日 色鳥句会
おのづから一幅の絵に冬木立 成子 すれ違ふ白秋の歌水の春 朝子 切り口は春へ向きたる粉砂糖 かおり 春隣夫あしらひに慣れもして 光子 春場所や塩撒く胸の真つ赤なり 睦子 ランドセルに入れては出して春を待つ 修二 豪快で情ある人の初便り 孝子 春の日を包みくるりと鉋屑 成子 個室へと移りし看取り寒に入る 朝子 背ナを向け手を振る別れ春の人 久美子 体温の抜けて重たき裘 かおり 雪降り込む家に育ちてつつましく 光子
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令和7年2月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
愛憎のかたちにねぢれゐて盆梅 和子 冬菫ボクシングジムある街に 美紀 春を呼ぶものにナショナルマーケット はるか うかれ猫仙台坂を駆け上る 六甲 十字架に最も遠き冬すみれ 和子 ポケットにテディベアちよこん春を待つ 美紀 春待つとカットモデルを募集中 はるか 少年の英語四温の池すべる 慶月 六階の麻布の蒲団干されをり 三郎 梅の香の白き流れとすれ違ふ 同 極楽を麻布で迎へ鳴雪忌 佑天
岡田順子選 特選句
十字架に最も遠き冬すみれ 和子 滿つること散りぬることもあたたかく 光子 三味線の糸道深しはん女の忌 佑天 水鏡のなかに春待つ木と空と 光子 ブランコの声讃美歌の声包む 俊樹 蝋梅の香を置きざりにこぼれゐて 季凜 野の起伏あたたかに飛び越ゆるなり 光子 ひかりとは蝋梅ふふみゆくことと 緋路
(順��同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月3日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
うす紅をちらり零して梅の花 笑子 風花の舞ひて揺蕩ふ思案橋 同 もてなしの干���子の薄紙女正月 希子 白梅のふふめる蕾覚めやらず 同 水子観音野路に御立ちて鬼は外 数幸 青空を暫し塗り替へ春時雨 千加江 握手する手を手袋に温めて 雪 今はただ凍つる他なき蝶一つ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
風よ波尖るふるさと雪ごもり 百合子 頰なでる潮香近しき島の春 多美女 若布拾ふ旅の途中の相模湾 亜栄子 枡形は青春の地よ春間近 教子 鐘響く二月礼者の読経漏れ 亜栄子 観音の背ナ汚れなき白椿 三無 寒明けの陽射し従へ野を歩せり 和代 笹鳴きの途切れ途切れに囁き来 秋尚 潮の香の雫を砂へ若布干す 同 早春の軽き足音追ひ越され 亜栄子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月10日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
蕗の薹摘み来て地酒封を切る 三無 やはらかな色に膨らむ蕗の薹 秋尚 海苔干し場幾重に並び磯の風 ます江 引き締まる水に色濃き海苔を摘む 聰 景一変黄沙を喰らふ春一番 同 船べりに海苔の色付け戻りけり 秋尚 往診の医者にふるまふ海苔むすび 美貴 隠沼の水面の騒ぐ春一番 秋尚 海苔粗朶を育てる人に朝日さす ます江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月10日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
節分の夜も護摩火は衰へず あけみ 滑稽な鬼のお面へ豆撒かれ 実加 自転車の小さく見えて浅き春 裕子 過疎町に子等の声あり草青む 紀子 春の風邪流行の服を選りてをり 裕子 雪原を駆けづる犬の尾の黒き あけみ 生きること教へてくれる葱坊主 令子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月11日 萩花鳥会(二月十一日)
迷ひつつ卵焼く子や春隣 吉之 小春日や豆の蔓伸び膝の上 俊文 豪雪の屋根は死の渕雪をんな 健雄 枯れて見ゆ老木なれど梅ひらく 恒雄 恙無い日々願ひ食む恵方巻 綾子 父は言ふ運動後には梅干しを 健児 一点前終へれば消ゆる春の雪 美恵子
………………………………………………………………
令和7年2月13日 うづら三日の月句会(二月十三日) 坊城俊樹選 特選句
春立ちて夫生き生きと畑に出る 喜代子 艶話榾燃���尽きて夜も更けて 都 如月の老舗のポスター江戸火消し 同 寒戻る木々の梢の震へたり 同 窓辺にて春待つ唄を繰り返し 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月14日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
万両の姿万両外連なく 宇太郎 記憶より小さな橋よ蕗の薹 都 ポストにも小さな庇雪解風 美智子 浅利汁一人なれども音立てて 悦子 上京や春セーターと乗る列車 美紀
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
小流れの淵に盛られし春の泥 久子 篁を音なく撫でる春の風 秋尚 暗渠より出づるまぶしさ春の川 千種 薄紅梅枝垂れて空を深くせり 三無 星あまた大地に散らし犬ふぐり 芙佐子 園児らを森に攫ひし蜆蝶 経彦 石仏の陰から影へ猫の恋 月惑 閼伽桶を飛び出し春の水となり 三無 下萌や蹴上げしボール子に逸れて 久子 陽の中の砦の武士の春愁ひ 軽象
栗林圭魚選 特選句
輪になつて体操の声草青む ます江 句碑の辺に師の気配満ち梅開く 三無 記念樹の梅香拡げて年尾句碑 亜栄子 春の川翡翠の色映したる 久 蒲公英の黄の輝きて母の塔 文英 土ほこと梅見の客を迎へ入れ 千種 園児らを森に攫ひし蜆蝶 経彦 励めよと句碑の真白きしだれ梅 千種 富嶽より枡形山へ雪解風 月惑 鳥寄せて何処か揺れをり藪椿 芙佐子 句碑裏の蕗の薹三つ初々し 文英 梅林の香りの仄と径険し 斉
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月19日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
数多なる柚子も生家も売られけり 世詩明 此の路地に名も無く老いて冬籠 雪 それなりに良き事ありし古暦 同 水仙やかつて柏翠町春草 同 猫の恋北斗七星輝けり かづを しろがねの波砕け散る冬怒濤 笑子 ほうほうと訪ひ来る黒衣寒修行 同 大地より膨らむ兆し蕗の薹 希子 天空の霞流れて城遥か 同 紅椿あの人の地に咲いたろか 令子 早春の風やふんはり髪を梳く 千加江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月21日 さきたま花鳥句会 紀元選 特選句
畑打や夕日に長き鍬の翳 八草 冴返る秒針のなき外時計 紀花 春泥を跨ぐに足らぬ我が歩幅 久絵 揉みほぐし叩きほぐして春の土 順子 馬の目が笑つてゐたり春の蝶 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和7年2月16日・21日 柏翠館・鯖江花鳥合同句会 坊城俊樹選 特選句
胸中に温石と言ふ石一つ 雪 力瘤これ見よがしの冬木立 同 父の膝覚えて居りしお年玉 同 雪に生れ雪に老い行くだけの事 同 己が色使ひ果して枯るる草 同 口髭に豆撒く父の男振り 同 不器用を父の所為にしちやんちやんこ 同 初雀話はづんでゐるらしき 同 浅き春乗せ九頭竜は流るのみ かづを 風と来て風花風と去りゆけり 同 神の森三日三晩の大焚火 洋子 土の面ひたすら見たく雪を掻く 同 日脚伸ぶ硯の海に気を満す 真喜栄 樹には樹の忍ぶ月日や春の雪 同 野仏のやはらぐ笑みや水温む 同 道の辺の一花一仏風花す ただし 雑巾の縫目千鳥に針供養 嘉和 雪解水堰音荒き橋の下 英美子 ちらちらと降りて重たき雪の嵩 みす枝 雪地獄なる山からも海からも 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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きんようび通信No.719📚
2024年9月27日
戦争と憲法を考えるプレイリスト(Spotify版)について
▲村上春樹さんが2022年3月18日に、「村上RADIO特別版〜戦争をやめさせるための音楽〜」というラジオ番組を放送されました。ロシアによるウクライナ侵攻という事態を踏まえて作られたもので、「2022年日本民間放送連盟賞ラジオ・準グランプリ」を受賞しました
▲それに倣って同年5月に、今まで聴いた中でこれはという曲をCDから選び「戦争と憲法を考えるプレイリスト」を作ってみました。音楽の楽しみ方が多様化しサブスクを利用する人が増える中、今回沖縄に関係する音楽を増やしながらサブスクにあるものでリストを再構成してみました
▲それぞれの歌詞や背景を確認する中で、改めて見つめ続け考えないといけないことがたくさんあると感じました。ロシアによるウクライナ侵攻・イスラエルによるガザでの虐殺は明らかに国際法違反であり、その動きに乗じて「憲法改悪/核共有」等を進める動きを危険に感じます
▲「日本を戦場にする全ての動きを止める」ことが大事だと思います。憲法の中で好きな条文は13条、そんな思いも込めてみました。自分の年齢に合わせたリストで、見逃してい��歌も多々あると思います。この曲も良いよというのがあれば、知らせていただければ嬉しいです
▲さて先日、東岸和田「スパークル」のブッキングライブに出演。セットリストは、「すずききよし」さんの歌を中心に構成しました。配信にはありませんが今の時代に通じる芯の強い曲。亡くなってからまもなく3ヶ月。さみしさを感じながら、これからも大切に歌っていこうと思います
今回はSpotifyを使っていますが、他のもの(アップルミュージック等)にもあると思います。音楽をYouTubeで聴く方もいると思うので、リストをみて検索してみて下さい。
戦争と憲法を考えるプレイリスト(Spotify)
曲名/アーチスト
1、教訓Ⅰ/加川良
2、さとうきび畑/森山良子
3、明日なき世界/RCサクセション
4、青空/上白石萌音
5、腰まで泥まみれ/中川五郎
6、拝啓大統領殿/高石友也
7、死んだ男の残したものは/アン・サリー
8、死んだ女の子/元ちとせ
9、島唄/THE BOOM
10、古謝美佐子/童神(天の子守唄)
11、一本の鉛筆/美空ひばり
12、平和にいきる権利/ソウル・フラワー・ユニオン
13、私たちの望むものは/岡林信康
14、流れ星/浜田真理子
15、時代遅れのRock'n'Roll Band/桑田佳祐feat.佐野元春,世良公則,Char,野口五郎
【今日は何の日����】
【今週の一句🔖】
酒飲み🍶🥃🍻川柳
体重計
載るのが怖い
季節です😅
(秋は美味しいものが沢山ありますね)
【今週の歌🎸】
・Sabrina Carpenter…Taste(Official Video)
テイラー好きの友だちに教えてもらった「サブリナ・カーペンター)。なかなか良いですね。来日したら聴きにいきたいなと思います😊
youtube
【今週のグルメ情報😋】
・巴うどん…近鉄南大阪線あべの橋駅より徒歩1分
中はどうなっているのかなと思っていた構えのお店に友だちと入ってみました。予想を超えて、面白い特徴ある店内でした😉

【追記📝】
ようやく秋を感じる気候になってきました。嬉しさを感じながら、短い秋になりそうですね。早めに楽しまないといけないですね🥹
先日の能登半島で大雨災害に心を痛めています。地震被害への対応が遅れていることが二次的な災害を生み出していると感じています😡
本日自民党新総裁が決まるそうです。誰がなるかはわかりませんが、総選挙が近いことは必須の状況。しっかりと考えていきたいです。マスコミには大騒ぎを止めて、落ち着いて実態を伝える報道を求めます🤔
#きんようび通信 #戦争 #憲法 #13条 #すずききよし
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フィクションのノンフィクション
夏といえば映画。
子供の頃は、夏休みに映画館の東映アニメフェアに行った。ドラゴンボールの映画が楽しみで。
歳をとってからは、この時期に戦争映画を必ず1本か2本観る。頭の中で夏と戦争がどうしても結びついてしまう。
好きな戦争映画は、岡本喜八監督の「肉弾」。「独立愚連隊」も好きな戦争映画だ。去年はそれに加えて「西部戦線異常なし」も観た。
「プライベート•ライアン」も数年に一度観る。
テレビドラマ「さとうきび畑の唄」もたまに見返したくなる。
「ゴジラ」(1954年公開)も、戦争映画としてこの時期に観ることがある。
「火垂るの墓」は一度も観たことがない。何故だろう、、、。私には怖すぎる。
今年はどうしようか。
岡本喜八監督の映画が好きなので、「日本のいちばん長い日」か「激動の昭和史 沖縄決戦」を観たいという気持ちがある。
だがしかし、
今年の夏はイスラエルが虐殺を止めることなくオリンピックに出場するというスーパーミラクルをやってのけたので、その情報だけで数本分の戦争映画を観たぐらい気が滅入っている。
ミサイルや爆弾で粉々にされたガザの土地には、イスラエル軍が飲み捨てていったコカ•コーラの空き缶がいたるところに転がってるらしい。イスラエルの醜悪。コカ•コーラはもう飲まない。飲めない。
イスラエル虐殺やめろ。殺すな。
もういやだ!!
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五篇 下 その七
東海道を離れ伊勢の参宮道に来ている弥次郎兵衛と北八。 明星村の茶屋で、上方者が話しかけてきた。
上方者に、二人が下で馬に乗っていかないかと誘われた弥次郎兵衛は、 「そういえば昨夜、夜道を歩いたんで疲れている。 ちょうどいい。北八、���は、乗っていくぞ。」 と、弥次郎兵衛が言うと北八は、 「そんなら、この荷をつけてもらおう。」 と、自分の荷物を渡す。 ここで馬の相談も決まり、上方者と弥次郎兵衛は、二人がけで馬に乗って出かけることにした。 北八は、その後ろを、ぶらぶらついて来ている。
馬が 「ヒヒン。」 と、いなないている。 「お前さんがたは、江戸の衆じゃろな。」 と、上方者が弥次郎兵衛に話しかけてきた。 「ああ、そうさ。」 と、答える。 「江戸はいいところじゃが、わしは去年行ってえらい目にあった。 あの江戸には似合わんが、どこへ行っても便所がとてつもなくむさ苦しくて、むさ苦しくて。 わしゃ百日ほどおったんじゃが、ほとんど便所にいかんかった。」 と上方者は、話始めた。 「それから江戸をたって、鈴が森というところまで来てからやれやれと海の中へ、ためにためた小便をいっきに風呂にいっぱいばかりしたが、いい気持ちだった。 あそこは、綺麗でえらく大きな便所であったわいな。ははは。」
弥次郎兵衛は上方者の言いように、ちょっと���っとして、 「京では小便と菜を、取り替えっこするんだろう。 その大切な小便をお前、海の中へ捨てるなんてもったいない事をしたもんだ。 ドラム缶にいっぱいなら五、六頭の馬でも乗せられないくらいの菜になるだろうに。」 と言うと、更に思い出しというふうに、 「そう言えば京では、屁が出そうになるとさっと裏の畑へ駆けていって、植えてある大根や菜の上に屁をするということだが、なるほどこれも肥やしになるだろう。」 と、笑いながら言う。 「そうじゃないわいな。 その屁をした菜をよう刻んで土にまぜて、壁をぬりおるがな。 京ではその土を、へなつち(屁の土)というわいな。」 上方者は、真剣に答える。 「総じて京というとこは、けちな所よ。 前にもわしが行った頃は三月で、ちょうど花見の最中。」 と、弥次郎兵衛は、更に続ける。 「自分勝手に幕をうって、何段にも重ねた蒔絵の重箱などを取ちらしたまではいいが、その重の中には何が入っているかと覗いてみると、残り物を混ぜ合わせたようないろんな漬物におからの煮たやつばっかりだ。 まいった。まいった。」 「いやそれよりか、お江戸の衆が吉原の桜はえらいといたく自慢するさかい、わしゃわざわざ吉原へいって見たが、なんの桜はありゃせんがな。」 と、上方者も負けていない。 不思議に思いながら、弥次郎兵衛は、 「そりゃお前、いつごろ行ったんだ。」 と、上方者に問いかけると、 「わしが行ったは、たしか十月ごろ。」 「当たり前だ。十月に桜があるわきゃない。」 「はあ、そうかいな。 それでも京の小室や嵐山には、年中さくらがちゃんとあるがな。」 と、上方者は、すまして言う。 「そりゃ木ばかりだろう。花は年中ありゃしめい。」 と弥次郎兵衛は、上方者をにらむ。 「そりゃそうじゃが。」
上方者はちょっと黙り込んでから、 「いや又、江戸の衆は長唄をよう歌ってじゃが、京の宮園や国太夫は又、格別なもんじゃわいな。」 「くにだゆうというは、どのような歌だ。」 と根っから歌が好きなので、弥次郎兵衛が聞くと、 「国太夫はこうじゃいな。」 と、真面目に声を張り上げて、国太夫を歌い出した。
「やがて~、私の年季があけて~、お前と夫婦に~、なるならば~、 苦労を供にすることも~、苦労と思わず~、添いましょう~。 ちんちん、ちんちりん。」
「いいな。面白い。ちょっと私にも、一段落教えてくれなさい。」 それを聞いて弥次郎兵衛は、歌ってみたくて仕方がない。 「そりゃ、簡単なことじゃわいな。わしについてやりなされ。」 と上方者が、歌い出す。
後ろ黙ってついてきていた北八は上方者が、あんまりに高慢ちきなので馬から突き落としてやろうと、細長い竹を一本を拾うと馬の後ろから狙っていた。 上方者はそんなことは露ほども知らないで、夢中になって国太夫を歌っている。
「ちんちりっん、ちんちりっん、ちんちん。 ほんに~、おなごは執念深い~、というは嘘じゃない~。 死んでも、���め苛む~夜叉羅刹、杖ふりあげて、頭打つ。」
というところで北八が、手をのばしてさっき拾った竹で、上方者の頭をぴしゃりと叩く。 その後さっと、上方者から見えない方の馬の尻にさっと隠れる。
「やあ、こりゃ、どやつじゃい。人の頭を鞭うちおるがな。」 と、上方者が、叩かれた頭を抑えながら言うと、 「はははもう一度、今の文句を。」 と、弥次郎兵衛が催促する。 上方者は、痛む頭をさすりながら、
「ほんに~、おなごは執念深い~、というは嘘じゃない~。 死んでも、責め苛む~夜叉羅刹、杖ふりあげて。」 というところで又、北八がぴしゃりと、叩いて隠れる。
「あいたたた、どやつじゃ。滅相な。なんで、ぶち叩くな。」 と、上方者は、振り返ってみたが、北八は隠れているので見えない。 「おもしろいがどうも、節が難しい。もう一度やってくんなせえ。」 と弥次郎兵衛が、催促するが上方者は、 「そりゃなんぼでも、やるはやるが又、頭を叩かれやしよまいか。」 と、何度も後ろを振り返っている。
「俺が、見ていよう。心配するねえ。」 と弥次郎兵衛が、上方者を見る。 「そんなら、今一度、やりましょかい。」 と、上方者が歌い出す。
「死んでも、責め苛む~夜叉羅刹、杖ふりあげて。」 またまた、北八が上方者の頭を叩こうとして、何を慌てたのか弥次郎兵衛の頭をぴしゃぴしゃと叩いてしまう。
「あたたた。北八、俺の頭をどうしてなぐるんだ。」 と弥次郎兵衛は、後ろ振り向きながら言うと上方者が、 「はあ、さっきから、わしが頭を叩いたのもお前さんじゃな、なんして叩いた。」 と、竹を持ってうろちょろしている北八に言う。 「わしは、叩いた覚えはない。」 と北八が、目の前で竹をふると、 「なにがないだ。その竹をみろ。やってないとは、言わせんわいな。」 と上方が、竹を指差す。 北八は慌てて竹をそこにほっぽりだすと、 「はて俺は知らねえ。しつこい野郎だ。」 すっかり開き直る。 「野郎とはなんじゃいな。貴様はえらい勝手なことを言う。」 と上方者は、怒っている。
「なんだ、このべらぼうめ。さっきから思ってたんだが、まったく気に食わない野郎だ。 あんまりふざけた事ばかり言うと、その馬から引きずりおろすぞ。」 北八が、けんか腰で言うと、 「おもしろい。さあ、おろして見やんせ。」 と、上方者も負けていない。 「おお、まっさかさまに、落っことしてやろう。」 と馬の尻をぴっしゃりと叩く。 馬は、驚いて跳ね上がる。 「やあこりゃ、たまらん、何するのじゃ。」 と上方者は、びっくりして馬にくくりつけてある荷台にしがみつく。 「ひゃ、なにをする。」 と 弥次郎兵衛も、上方者と同じようにしがみつく。 馬かたが、 「ええ、畜生め。どうどう。」 と必死になだめてどうにか、落ち着いた。
その後、黙って歩いていって、新茶屋、明野ガ原と通り過ぎて小俣町に着いた。 ここで弥次郎兵衛と上方者は馬をおりて、三人で茶屋に休む。
上方者は、北八に向かって、 「これお前は、なんしてわしが頭を叩かした。」 とまた、さっきのことを蒸し返そうとする。 「もういい加減にしなせえ。お互いに旅先じゃ、色んな事があるもんだ。 もう、いいじゃねえか。わしが、一杯おごろう。 もし女中、何ぞ肴があらば、ここへいっぱい出してくんな。」 と弥次郎兵衛が、中を取り持ちこれより酒���りとなる。
上方者も一杯のめる口なので、だんだん酔いが回ってきた。 「こりゃえらく酔うたわいな。これ弥次さんとやら、わしゃお前が、えらい好きになったが、この野郎はいかんぞや。 うんいかん。しかしお前の連れじゃ、しかたがない。 そうじゃ、こうしようじゃないか。 これから山田の妙見町にいっしょに泊まって、古市をおごろかいな。」 上方者は、いい気分で、弥次郎兵衛に話しかける。 「わしゃ、あそこでは、顔がきくので、 千束屋(ちずかや)の鼓(つづみ)の間でも、柏屋の松の間でもわしが案内するさかい、行かんせか。どうじゃいな。」
弥次郎兵衛は酔って気が大きくなったのか、上方者がやたらに驕り高ぶるので、こいつをおだてあげて遊ぶつもりに胸算用して、 「古市とは、遊郭のことじゃな。なるほど、それはいい。 どうぞ、よろしくおたのもうします。」 と、頭を下げる。 「これからその山田の松坂屋で腹ごしらえして、妙見町の藤屋に宿をとろうじゃないかいな。 さあさあ、もう行こわいな。」 と上方者は、えらく上機嫌である。
弥次郎兵衛は北八と顔を見合わせて、ニヤリと笑うと、 「そうだな、どりゃ、出かけましょう。」 とここの酒代を払い、立出る。 この町の出はなれに、宮川という渡船に着いた。
宮川で 神に機縁を 結ばんと すくった水の かげの白さよ
ここより、中河原を通り過ぎると、山田の町に着いた。
これで、五篇 下は終わりです。五篇 追加に続きます。
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子守唄の落とし穴
Saturday 22 March 2014
真観は、今日も禅寺に行った。今日は土曜日なので2炷目に提唱があった。気になったご住職の言葉をノートにメモをする。『自分の観念が邪魔をする。聞こえちゃった。出て来ちゃった。出て来たものはどうしようもない。観念と物の有り様がただ平行線になっているだけ。→悟りにあらず。坐禅は坐禅のためにす。「生知」赤ん坊は知らない。坐禅は楽に坐ればいい。坐に任せればいい』等々。また良寛さんの詩を紹介してくれた。
坐禅会が終わりご住職と話をした。ご住職は照明機材を更に買い足していた。真観は、額装の話をした。
茶畑庵に戻ってから良寛さんの詩が気になったのでネットで調べてみた。恐らくこの詩のことだと思う。
「花無心招蝶」 花無心招蝶 花は 心無くして蝶を招く 蝶無心尋花 蝶は 心無くして花を尋ぬ 花開時蝶来 花開く時 蝶来り 蝶来時花開 蝶来る時 花開く 吾亦不知人 吾も亦 人を知らず 人亦不知吾 人も亦 吾を知らず 不知従帝則 知らずして 帝の則に従う
花は招こうという気持ちもなく、自然に蝶を招き寄せ、蝶は尋ねようという気持ちもなく、自然に花を尋ねまわる。しかし、花が開く時には蝶が来るし、蝶が来る時には花が開く。そのようにわたしもまた他の人の気持ちを知らないし、他の人もまたわたしの気持ちを知らない。知らないながら、自然のなりゆきに従って、出会いが行われるのである。(※詩は明らかに「十八史略」によっている。)
真観は、ご住職から「真観」とい戒名を1月31日(旧正月)に授かったわけだが読経の時に唱える「妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈」の中に「真観」という言葉を見付けていた。その意味も調べてみた。
真観清浄観 廣大智慧観 悲観及慈観 常願常瞻仰 (しんかんしょうじょうかん こうだいちーえーかん ひーかんぎゅうじーかん じょうがんじょうせんごう) 観世音菩薩は煩悩のない清浄なものの観方で、真実のことを観極め、広大な智慧と大悲観と大慈観が具わっている。汝らも常にそのようになるように仰ぎ願うようにしなければならない。
1、 真実を求め真理を愛する心、真観。 2、 清く澄んだ、私利私欲に走らず、利他を重んずる心、清浄観。 3、 あらゆるものを平等に観ずる心、広大智慧観。 4、 他の苦しみを自らの苦しみとして共感できる心、悲観。 5、 他の楽しみ、喜びを共に観じられる心、慈観。
『真実を求め真理を愛する心』かぁ。
真観は、夕刻5時、茶畑庵坐禅を1炷組んだ。久しぶりのことだった。習慣にさせたいと思う。あれもこれも習慣にさせるのは難しいがやる気があれば出来る。
寝室は整った。さて夜の9時、寝てみよう。おやすみなさい。
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美しいエネルギーで溢れる会になりそうです。ぜひご一緒しませんか✨
ꕤ KIRTAN & HEALING ꕤ
〜女性限定イベント〜
✎𓂃 穏やかで平和な祈りのうたを、Azusa * Aiko * Kyoko * Ai の4人でお届けします。
⧉ KIRTAN
@Azusa Fukushima
@Kyoko Uchimura
@Aiko Yamaguchi
@Ai Watanabe
一緒にうたったり、静かに聴いたり…、
それぞれが、心地よい場所で、心地よくお過ごしください。
✎𓂃 ウェルカムドリンクは、Yoshieによる"秋の水澄茶"。
⧉ 秋の水澄茶
@Yoshie Ota
目とハートとカラダの全てで味わってください。
✎𓂃 室内では、HEALINGセッションを行なっています。
⧉ チネイザン
@Kirana Naomi
⧉ アヴィヤンガ
@Keiko Ibaraki
⧉ シータヒーリング・カードリーディング・レイキ
@Mio Shinohara
音に委ねながら、ココロもカラダも解放されるひとときとなりますように…。
♔���∵∴♔∴∵∴♔∴∵∴♔∴∵∴♔∴∵∴♔
ꕤ KIRTAN & HEALING ꕤ
(女性限定のイベントです)
✎𓂃 日時
2023年 9月18日(月・祝)
13:00 open
17:00 close
✎𓂃 場所
ヨガスタジオFIVE ELEMENTS / 京都トコ会館 1階
〒604-0864 京都府京都市中京区両替町通竹屋町下る松竹町136
https://goo.gl/maps/iduK8Djar71uKLfA6
地下鉄烏丸線「丸太町駅」 徒歩5分
✎𓂃 入場料
2,500 yen
ウェルカムドリンク"秋の水澄茶"つき♡
✎𓂃 ご予約
出演・出店者宛の個別メッセージでお申込みください。
特にヒーリングメニューのご予約は、各担当セラピスト宛に直接お申込みいただけるとスムーズです。
個別メッセージができない方は、ご予約フォームからご連絡ください。
https://www.tocokaikan.com/fiveelements-reservation
♔∴∵∴♔∴∵∴♔∴∵∴♔∴∵∴♔∴∵∴♔
✎𓂃 KIRTAN
⧉ 藍子
旅、自然から感じた事、歌やギターを通して心の深い部分に触れる音を届ける。
インドのヨガTT中に出会ったキールタンに、ハートが暖かく広がっていくのを感じ、
キールタンで音と祈りの輪を広げる活動もしています。
⧉ Ai
京都で、Yoga Life Musicをテーマに活動中。北インド古典音楽、祈りの歌Kirtan、Yogaを通じて、人と人がつながる場をつくることがライフワーク。
⧉ Kyoko
yogaの学びの中でKirtanに出逢い、強く惹かれ、以来、自分自身の祈りの行為として日々練習しつつ、
サークルや、イベントを通して活動中です。
⧉ Azusa
俳優/ダンサー。2022年、自身の怪我をきっかけにKirtanと出逢い、心身共に救われる。
人間の根源的で純粋な"祈り"の行為の美しさ、人と声を重ねる喜びに心を動かされ、以来、yogaの学びを自身の表現活動にも繋げながら、イベント等でKirtanのリードなども行う。
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✎𓂃 ウェルカムドリンク
⧉ Yoshie Ota
宇宙や自然のリズムと共に まわりの全てと調和しながら心地よく共鳴しあい~ 優しく愛おしい呼吸で、丁寧に楽しく祈りのある暮らしを大切に出来たらと想ってます。
日々の暮らしや旅をしながら出逢った人たちと~ 森羅万象、植物、音、唄や身体を通して、内なる大切な部分や全てと繋がり、本質に還ることを大事にしていけたらと◯
今は宇宙、植物のrhythmから作物を栽培するバイオダイミック農法でハーブたちを栽培している���で、栽培の仕事のお手伝いをしながら、古来から伝わる叡智を色んな国、文化や伝統などから学び、体験中です☆
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✎𓂃 HEALING
⧉ チネイザン
Naomi(七后己)
𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 プロフィール
淡路島で海外で学んできたチネイザンをベースに施術やヒーリングを行っています。
自身が出会い救われた、メソッドを統合して、心身の不調を抱えた方��幸せに過ごせるように癒しをお届けしています。
𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 チネイザンについて
タイ発祥の伝統技法であり、感情解放マッサージと言われています。
お腹の深部から腸や内臓もみほぐすデトックスセラピーです。
ストレス、トラウマ、ホルモンバランスの不調、生理不順、PMS、妊活、更年期女性におすすめです。
𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 受付時間
①13:15-
②14:30-
③15:45-
𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣 施術時間
55分
𖤣𖥧𖥣𖡡𖥧𖤣体験費
8,500円(税込)
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⧉ アヴィヤンガ
Keiko
𓅯 ⸒⸒ プロフィール
動く瞑想で知られるTri Yogaインストラクター。
アーユルヴェーダセラピスト。
YOGAを通して微細な感覚やエネルギーの調和、瞑想へ向かう練習を日々しています。
同時に聖なる教えであるヴェーダーンタを学ぶ中、アーユルヴェーダの叡智と深く繋がりがあることを知ります。
手から繋がるアヴィヤンガを通し、祈りという"癒し"、瞑想状態のようなリラクゼーションを届けられるように心がけております。
体質バランスを整える薬草オイルは伝統的なインドのものを使用しております。
𓅯 ⸒⸒ 施術メニュー
ヘッドオイルドロップヒーリングとフェイシャル
ボディーやヘッドの組み合わせなど、時間の枠内で、ご希望に合わせて提供させていただきます。
𓅯 ⸒⸒ 施術時間
①13:05〜13:50
②14:05〜14:50
③15:05〜15:50
④16:05〜16:50
𓅯 ⸒⸒ 費用
5,500円(税込)
𓅯 ⸒⸒ お問い合わせ・ご予約
Leela Keiko
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⧉ シータヒーリング・カードリーディング・レイキ
篠原 美緒
<<プロフィール>>
大阪出身、エネルギーワーカー、レイキマスター。
2006年よりレイキ、2008年によりシータヒーリングなどを日本国内、世界各地でノマド的生活をしながら教える。
春と秋は京都・銀閣寺にて個人セッションやワークショップを開催。座右の銘は「笑いの中に本質あり」。 https://www.facebook.com/EnergyWorkMiohttps://www.instagram.com/oxoxmioxoxo/
<<セッションの詳細>>
①カードセッション
お話をしながら2種のカードを質問ごとに引いてもらい、新たな可能性を紐解いたり、悩みの原因や自分を知るお手伝いをします。
チャネリング要素も含まれた、短時間でスッキリすると評判のセッション。
10分 1,000円
②レイキ
宇宙エネルギーを取り入れ手から流し、身体・心・霊的成長など必要な側面へ癒しをお届けする、気持ちの良いヒーリング。
15分 1,500円
③シータヒーリング
脳波をシータ波に変えた変性意識状態でリーディングし、思考パターンを変えたり過去の傷を癒したり、ディープでマルチなヒーリング。
現状を変えたい、理解したい、または成長したい気持ちの強い方向け。
15分 2,500円
※どのセッションも5分単位での延長が可能です。
※20分以上のセッションはご予約をお勧めします。
13:00〜16:30スタートの間でご希望の時間帯をお知らせ下さい。
<<お問い合わせ・ご予約>>
各担当セラピスト宛に、SNSのDM(個別メッセージ)でお申込みください。
DMができない方は、ご予約フォームからご連絡ください。
https://www.tocokaikan.com/fiveelements-reservation
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I LOVE PUNK
Angel
僅かに残された女達
フランス系の彼女
悲しい表情をした人
うそつきと云う名の男
パパ
僕から愛した貴女
Mother Mary
無邪気な子供達
国民の顔を持つ利権集団
選ばれた子供達
あてもなく手探りで歩き始める彼女
見守るだけの僕
あの民族
聖なる者
米軍パイロットを気取ったアイツ
ヴィンテージマニアのアイツ
Billy The Kid
素敵な家へ帰るお嬢さん
ポスターの男
大人になりたくなかった僕
腐った大人達
ママ
ロマンチストな彼女
N氏
Thank Youとしか喋れないアメリカ人
宇宙飛行士
三流映画の主人公
しわくちゃな口の政治家
変わり者
友達
大事なママと妹
ボスらしき男
No.69と云う名のヒットマン
“母の愛”で包まれ“父の想い”で満たされ“仲間の声“で安らぐお前
与えた運命を間違えた神様
Sid Vicious
愛した人
パンクス気取ってたあの頃の俺
神様に会った奴
駄目なサラリーマン
JOKER
ブーツを咥えた猫
おじいさん
フライパン片手の女
湖をボートで進む恋人達
誰かの幸せを祈る少女
10年後の自分
黒人の子供
パラノイア
血を流す少年の母親
真っ白な手の平の彼
街ではしゃぐ悪ガキ達
青い瞳をした兵士
金と嘘で作ったようなスーツを着た偉い人
膝をかかえてる浮浪者
遊びを知らない子供達
悲しそうな顔をしてるニュースキャスター
泣き出した子供
チョコレートをくれた女
太陽の光を撃ち落とそうとする親愛なる友達
天国の小鳥
鳩の群れの中の少年
傷だらけの男
雑音に流され始めた奴等
声を殺しすすり泣く父親
終わりを待つ僕
笑い方を知らない飢えた子供
公園のベンチでキスをするカップル
裏組織の犬
醜いネズミ
完璧な奴
白い目で視てる奴等
何度殴られても笑って待ってる女
ソーダ水の海で溺れる少年
ゼリーの上��寝転がる少女
戻らないトカゲ
ロックな奴
青空に近づこうと屋根に登り口笛を吹きながら裸になった僕
皮一枚の肌の色で銃を持つ事になった男
幸福感に犯され戦いを忘れた男
狂ったように踊る女
恐怖に震える大統領
王様暮らしの男
プロの殺し屋
イカサマ野郎
笑顔のおばあさん
生まれたばかりの子供
大嫌いだったおじさん
背の高かった大人達
ヒステリックなシスター
月夜の狼
母を求める赤子
痛みも喜びも悲しみも知らない子供達
物乞いをするストリートチルドレン
気取って歩く身売りの少女
虫も殺せない少年
盗んだ指輪を売り付けようとする少年
待ち合わせに遅れて来た愛しい女
ヨウキナハイエナ
夜を待ち続けた僕等
私のヒーロー
飛べない天使
煙突掃除の老人
お婆さん
部屋の片隅で怯える僕
無邪気で繊細な女
ラクダで旅をする俺
くわえ煙草の野良犬
イエスキリスト
捨て猫の帰り道探す少女
君にしか似合わない僕
世界と共有したいと願う俺
大人じゃない俺
子供じゃない俺
頭を抱えるディレクター
怒鳴るマネージャー
あの子にばかり目をかける社長
本当の自分をトイレに流し、最高の笑顔でプロデューサーに唾を吐き、ブラウン管の中で中指を立てたアイドル
手紙を残した浜辺の二人
都合のいい時だけ女になる女
我がもの顔のおばさん
苛立つタクシードライバー
街中のワル共
偉い人達
高い鼻のあんた
スクラムを組んだ2人
僕の大好きな彼等
心底愛しあった二人
大人の世界を知っている少年
蝶を狙う蜘蛛
無神経な大人達
僕の思い出と暮らしてる知らない人
不良少年
行方不明の恋人
鳥のように自由に空を飛びたいと願う男
ヴェトナムの少年
充血した眼の兵士
自由に唄うことをあきらめた鳥
きれいな心の持ち主
純粋な女
白い服を着た天使
旅人
ニュースキャスター
セーターを編んでくれたおばあさん
泣きだしそうなピエロ
プールの変死体
インディアンの羽根をつけた恋人
アメリカ映画を愛している奴
ノイローゼの友だち
いかれたロマンチスト
破滅型ロックンローラー
FAT BOB
C.B. JIM
BELL BOY
単車乗り
ストリッパーの腕に抱かれていたボス
死神
ヴァニラ
スーパーマーケットのパートタイマー
車泥棒
迷子
精神科の医者
神父
ペリカンの��子
コウモリ
戦闘服を着た男
チキンジョージ
12月生まれの山羊座の男
インタヴュアー
荒んだ心を持ったハニー
かわいい女の子
神様
ヒステリックな女
生クリームだらけの3匹の子猫
アパートの管理人
ケツに火がついてる犬
飛び下り自殺した男
おもちゃの兵隊
ミツバチ
年下のジャンキー
ちいさな子供たち
森を駆け抜ける狼
綺麗な眼をした女の子
海賊
飛行機乗り
悲鳴をあげる女
恵まれない大人たち
裸足の子供たち
親愛なる母
天国へいきたいと願う男
背広を着た男
動物愛護団体
平和のハト
窒息寸前の子供
あわてた母親
肩をすくめている天使
スピードのぬいぐるみを着た男
世界で一番素敵な女の子
礼儀知らずの可愛いスカンク
アラスカ帰りのチェインソウ
PLATINUM BLOND
EDOWARD JACKET
BLACK SUEDE SHOES
50過ぎの売春婦
ちょびヒゲでとっても明るいデブ
ビードロのジャケットを着た浮浪者
15歳で家出した少女
太鼓たたきの恋人
シェパードを連れたパンク
ちいさな猿
傷だらけの天使
嫌われ者
ピンクの若いブタ
ピザ屋の彼女
誰とでも寝るような女
コバルトブルーの心の奴
ハート型のエプロンをした女主人
クスクス笑う奴
爪先で歩く猫
ベビーシッター
アヒル
ミッキーマウスの様な笑顔で愛しつづける女
リトルピンクサマー
スパゲッティ―ヘアーの男
青少年
マッチ売りの少女
おしゃべりキツツキ
夢をなくした友
荒れ果てた原野で生きる小さな虫
ミリンダ
グレッチ
RAVEN
暴走ピノキオ
血まみれのバカ
SUZIE
とても口じゃ言えないぐらいのヤンキー
泥だらけのハイエナ
目を閉じて夢を見ない女
踊子
21回目の誕生日の朝に死んだ女
かわいいジャンキー
SHERRY
スクラッチという街で愛を探している奴
赤いタンバリンを上手に撃つ女
ロメオ
内気なカンガルー
この世界で一番幸せな人
数えきれない星の中でギターを弾いた人
ドブネズミの死骸
ガソリンスタンドに住みたいと願う男
LAS VEGAS PAT TUNE SUMMY
SHERILL
砂漠の商人たち
レインコートに雨の雫が落ちて笑顔を浮かべた女
言葉より未来を信じた二人
進んだ奴
小さな恋のメロディーという映画を12才の時に観て細胞がそのままの奴
希望を捨て���い鳥たち
うなだれた白人の浮浪者
街で転んで手のひらを切った男
髪を切って鏡を覗き込んでいる無邪気な人々
頭の中でハツカネズミがダンスしている男
国境線上の蟻
チョッパー乗り
街路樹の猿
珊瑚礁売り
はちきれそうなボディの女
傷だらけのボンティアック
偶然出会った友だち
ドアがとれたCAMARO
笑う振付け師
マドラスチェックハットをかぶった黒人ゲイ
ネオンを浴びて道ゆく人
猛獣使い
白黒のトラガラの猫
T型フォードのホッドロッドでスピンしてよだれを垂らしている女
理屈をつけたがるMONKEY FIRE
不良の森に潜む不良
静かな森の奥でカベにもたれて揺れる草を見ている少女
メキシコの砂漠の果てで独りぼっちの女
枯れたサボテン
不満気にレモン畑を飛ぶ鳥
花びらが揺れるように口づけをした二人
センチメンタルな北京ダック
頬紅つけて笑っている悪魔
冬支度をするリス
分厚い恋の悩みでとりこんでいる女
よくしゃべる女
街路樹の唄うたい
天国に近いハート
孤児のみつばち
青いサングラスをしたピアノ弾き
優しく揺れるコスモス
銀河をさまようビーバー
夢を抱いて青空を見上げる若者たち
ぺピン
MARUUANA BROTHERS
ROBIN
SALINGER
HIPSTAR
MINNEY THE MUTURE ENLIQUE
GREEN JELLY
BLUE JELLY
PURPLE JELLY
METAL KIDS
MERRY LOU
PUNKS
TERRY
RUBY
ELIZABETH
ZONBIE
SAMMY
DERRINGER
D.I.J.
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Storia dei sogni(294)②

指揮:マエストロ(西本智実先生)
オーケストラ
イルミナート・フィル・ハーモニー・オーケストラ
合唱:イルミナート合唱団
ソプラノ
彼女(♥崔岩光(サイ・イエングアン)様♥),私
黒澤麻美先生,黒田なるみさん,駒井ゆり子先生
坂口裕子さん,佐藤路子さん,清水知子さん
せいあLeeさん,高橋美咲さん,前川朋子さん
村松織部さん,和田静乃さん
アルト
野上貴子先生
テノール
秋川雅史,二塚直紀さん
バリトン
田中勉さん
ピアノ
戎洋子先生,片野敦子さん
司会:黒柳徹子さん
(第一部)
島唄(THE BOOM,オケ)
島人ぬ宝(BEGIN,オケ)
平和の琉歌(サザンオールスターズ,オケ)
琉球愛歌��ひめゆりの詩(モンゴル800,オケ)
いのちのリレー(さんご,オケ)
さとうきび畑の唄(森山良子,オケ)
花
(黒澤先生,黒田さん,駒井先生,坂口さん
佐藤さん,清水さん,せいあさん,高橋さん
前川さん,村松さん,和田さん,オケ)
革命(戎先生)
亡き王女のためのパヴァーヌ(片野さん)
悲愴,英雄(オケ)
見えますか、愛する人よ〜千の風になって
(秋川雅史,オケ)
ソルヴェイグの歌(彼女,オケ)
Amazing Grace(私,オケ)
グノー:アヴェ・マリア(彼女,オケ)
シューベルト:アヴェ・マリア(野上先生,オケ)
カッチーニ:アヴェ・マリア(私,オケ)
アヴェ・ヴェルム・コルプス
(黒澤先生,黒田さん,駒井先生,坂口さん
佐藤さん,清水さん,せいあさん,高橋さん
前川さん,村松さん,和田さん,オケ)
スターバト・マーテル(合唱,オケ)
ピエ・イエズ(彼女,野上先生,オケ)
歌に生き,恋に生き
神よ、平和を与えたまえ
(彼女,オケ)
(第二部)
ナブッコ(合唱,オケ)
モーツァルト:レクイエム
(オケ,合唱,彼女,野上先生,二塚さん,田中さん)
(アンコール)
新世界(オケ)
愛する小鳥よ(彼女,オケ)
オラショ(合唱)
月桃(全員)
(花束贈呈)
蓮舫首相→マエストロ
福島(みずほ)副総理→コンマス
上皇后陛下→ソプラノのリーダーA
皇后陛下→ソプラノのリーダーB
愛子様→アルトのリーダー
紀子様→黒柳さん
眞子様→彼女
佳子様→私
彬子様→黒澤先生
瑤子様→黒田さん
承子様→駒井先生
百合子様→坂口さん
華子様→佐藤さん
信子様→清水さん
久子様→せいあさん
ハリス米大統領→高橋さん
アーダーン首相→前川さん
メルケル首相→村松さん
蔡総統→和田さん
エリザベス女王→戎先生
キャサリン妃→片野さん
マリン首相→野上先生
上皇陛下→秋川雅史
天皇陛下→二塚さん
秋篠宮皇嗣殿下→田中さん
悠仁様→THE BOOMのリーダー
常陸宮親王殿下→BEGINのリーダー
宇都宮都知事→サザンの桑田佳祐
沖縄県知事→モンゴル800のリーダー
フレデリクセン首相→さんごのメンバー(女性)
ヤコブスドッティル首相→森山良子
沖縄公演も無事に大成功で終了♪ɞ(ू'ω'ू❁)و"ルンルン
拍手や総立ち,ブラボー凄かった(ᐢ*´꒳`*ᐢ)
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a letter of sorts vol. 0
生焼けおじさんの遺言 - 焼き畑を遠く離れて
I
天文学者と物理学者はようやくその日渋谷で起きたことについて彼女の話をきく機会を得た。頼んで4回めか6回めか74回めか816回めかもわからないがききいれてもらえて安堵していた。彼女は二人の学者のもたらす無気味な気圧に戸惑いをおぼえつつおごそかに口を開いた。あの日わたしが見た人とわたしはたしかにかつて付き合ってたことがありました。その人は確かに生焼けおじさんだったんですね、と物理学者が念を押す。ええ確かにあの人は部下からそのように呼ばれてました、彼女は返す。あの人は色黒なのに肌が弱くて季節のかわりめになるとよく頬のあたりの皮がむけて赤くなるのが目立つんでそれが焼肉の焼けてないところみたいに見え��から生焼けおじさんとか呼ばれていたようです。もうとっくに別れたあとだったし正直顔も見たくなかったんですがわたしが渋谷の映画祭に行ったらあの人も同じものをみにきてたんです。自分の行きつけのラーメン屋のオヤジがこれこそが重要なんだと強調する差し水にあやかるように物理学者は話につっこむ。ではあの星を我々がナマヤケオジサンと命名することに異論はありませんか。もうわたしには何の関係もないことですからあなたたちが好きにしてくださっていいんじゃないでしょうか。まあいいじゃありませんか、それよりあの日見たことをもう少しくわしくききたいのですと天文学者は朝出がけに食べたミカンの筋がスキ間にはさまった前歯を見せながらその場を収め学者たちは彼女の語りをききにかかる。やおら彼女は語る。あの日映画が始まる前に外の喫煙所であいつを見かけたんです。あの人はタバコはすわないんでそこの自動販売機の紙パックのジュースを飲んでたんです。何しろ上に弱くて下に偉ぶる奴なんで敵もたくさんいたんです。観終わってわたしが駅までゆっくり歩道橋を歩いていたらあいつも歩いてたんです。あいつとわたしの間に大きな足音をたてながらあの花柄シャツのひともいたんです。あれはわたしと同期で同じ仕事先に入ったひとです。その人があの人を明らかにあの人とわかったうえで追いかけていたのです。その時に歩道橋の下のガソリンスタンドの辺から酔っぱらった歌声が聞こえてきたんです。イヤでも耳に入るほどの大声でした。3人の若い男たちのうた。1人はアフリカ系に見える黒いダウンジャケットの大きな男、1人はジーパンとカットソーの日本人の普通の若者に見える男、1人は東欧系っぽいジャケット着た鼻の高そうな白人でした。3人とも後姿しか見えませんでした、だから鼻が高そうというのも想像にすぎません。なにを唄ってるのかは音ではわかりませんでしたが3人が同時に同じ身振りをしていたことでわかりました。腰とヒザと腕の動きであれは五木ひろしの歌なんだとわかってしまったのです。もっと若ければわからないのでしょうが残念ながら、と肩をゆすりながらかすかな思い出し笑いを含めつつ彼女は語る、わかってしまう年代なのです。出自の異なる若者3人が五木ひろしでつながっていたのです。その大きな歌声があの人にも聞こえていたのか歩きながら同じ手足の振りをしはじめた、まさにその時に花柄シャツの人が肩を怒らせたことははっきりとおぼえています。わたしはあの人の強引な口説きにのってしまったことでイヤな思いをさんざんさせられたんです。花柄シャツの人もさんざんあの人にイヤミを言われてた。その記憶がこの時マザマザとよみがえってきたのです。よし何がおこるか最後までこの二人を追いかけてみようとわたしが思ったのはまさにこの時です。歩道橋の下からはガソリンのニオイとやつれたくすり指、と五木ひろし���うたう高低混ざった歌声がきこえ、わたしの頭の中はアフリカンビートと以前図書館で借りて聴いたルーマニアかどっかの民族音楽が交じりあった音が充満していました。あの人も花柄シャツの人もわたしも歩道橋をおり坂を下っていきました。花柄シャツの人の怒り度数が坂を下るにつれ反比例し上昇していることがうしろからハッキリわかりました。JRの駅前への最後の信号を渡るとき、急に花柄シャツが走り出しあの人のすぐ後ろについてトントンと肩を叩きました。あの人が振りむいたとともにチカラまかせに思い切り頬をひっぱたき、すぐさま逃げていきました。花柄をなびかせ向こうへ疾走していきました。そのまま交番も山下書店も越えて東横線の高架あたりまで行くつもりだったんじゃないでしょうか。あの人はただ唖然としてました。たいしたダメージもないし誰に叩かれたかもわからないようでした。様子がかわったのは歩行者信号の青が点滅し赤になる寸前にあの五木ひろしでつながった3人が駆けこんできた時です。走り終えた3人がいっせいに同じ演歌を唄いはじめたとき、あの人は浮き上がりました。ぶたれた頬を軸にして、あれなんていいましたっけ撮影するやつですそうですドローンみたいにあの人は回転しはじめたんです。空中で、軸になっているぶたれた頬に生焼けな色を残しながら。あの人は最初は手足をバタバタしていましたがしばらくして両手が力なく下がっていた。でも回転数はどんどんあがっていってブンブン音がきこえました。そしてあの人がわたしの真上にきた時、たしかに聞こえたんです。あの人の歌声が。思い出したくない歌声が。その歌声はあの人自身の回転音でしだいに聞こえなくなりました。あの人の高度はみるみる上がっていき、しだいに小さくなり、そして見えなくなりました。これがわたしの見たすべてのことです。彼女は話し終えた。物理学者は脂ぎった額を彼女に向けいう、あなたが聞いた生焼けおじさんの最後の言葉ですね。でも心配はいりません。私の計算では彼は宇宙で恒久に回転しつづけます。ひっぱたかれた頬を軸にして。彼女は言った。わたしにはそんなことどうでもいいんです。もうじゅうぶんでしょう、帰ってください、帰ってください。ああめんどくさい、帰ってください。
II
あれはまだ僕が都心の近くに住んでいた頃の話だ。その日僕と彼女はデパートの、あれたしか地方物産展みたいなのだったかな、そこ行って地下で広島風お好み焼きを買ってそれから帰るとこだった。たしか帰りの電車で夕焼けがかすかに見えた記憶がある。電車降りて僕らの部屋へ向かうときなんかすごく彼女と手をつなぎたくなった、そんなこと思ったの自体すごく久々な気がした。西日に照らされたふたり。僕の左手と彼女の右手がつながり、彼女の左手は元気に振れ、僕の右手はしっかりお好み焼きの入った袋をにぎってた。で角をまがった。あのイスが捨ててあった。4つある脚のうちの左前の1本だけが折れて捨てられてたイス。それを見て彼女が急に僕から手をふりほどいて言った。イスを見ながら「焼き畑だ……」って。よくあるウス茶色のラッカーの塗られた普通のイスだよ、細い4つの脚を補強するように横に2本ずつ補強がされた。座るとこの盛り上がった白いビニールの部分見ながら焼き畑だっていったんだ。僕たちがつきあう前に彼女が焼き畑見たとかよく言ってたのは知ってた、なんかライブに行ったら好きなアーティストのパフォーマンスがすごくて観客席が焼き畑になった、とか言ってた。そういうこと言われれば、だって君は客席にいたんだろ、だったら君も焼き畑の一部じゃんってそりゃ言いたくなるよ。事実そう言ったんだ、そしたら黙って上目づかいでこっちを見るだけだった。その時にはもうそんな話も忘れてた。彼女は僕の左手を振りほどいてその捨てられたイスを両手にとって走り出した。あわてて僕も追いかけた。焼ける、焼ける、焼ける、わたしはどこに?どこへいく?そんなことをうわごとのように彼女はいいながら走った。自分たちのアパートの入口でようやく追いついたらいつもはエレベーターに乗るのに彼女は走って階段を昇りはじめた。昇りながら別のうわごとが聞こえた。焼かないと、焼けないと、焼か��いと、焼けないと。階が重なるにつれその声は呼吸にまぎれて聞こえなくなっていった。部屋の鍵は僕が持ってたんで、ようやく彼女に追いついてから無言の鋭い視線を感じながら急いで開けた。部屋に入ったらすぐに居間の窓際に立った彼女が「イス!」と言って僕にゴミだったイスの運搬を命じ、持ってきた広島焼の箱を手荒に開け中身をイスの上にじかに載せた。折れた前脚のせいで今にもひっくりかえりそうだった。なんか彼女が言ったけどよく聞こえなくて「え?」ときき返せば彼女は苛立って「だから押さえててヨ!」と叫び、僕はあわてて前の辺を押さえた。あしたゴミに出す予定だったマンガも持ってきて、重ねて折れそうな脚の傍で抑えたんだ。すると彼女はキッチンに行って電気釜のフタをあけ、自分の茶碗に残りもののゴハンをよそい、それをイスの上のお好み焼きの上にドーンっとこぼした。それからまた台所にいきサラダ油のペットボトルを持ってきた。いつも僕が、キャノーラ油は買わないでね、ちゃんとよーく見てサラダ油買ってきてよ、こっちのほうがおいしいんだから、って言ってた油のプラスティックのビン。秋だからその頃にはもう夕陽もだいぶかたむいてて、窓からの光でイスと卵のはみ出たお好み焼きとゴハンの山と深い黄金色のサラダ油のビンの影はそれこそ途方もなく伸びていたことをよくおぼえている。彼女がサラダ油をイスの上からかけると、それはイスの上から僕の手にかけて光りを受けながら垂れていった。彼女は戸棚からマッチ箱をとってきて箱を右手にマッチを左手に持ち勢いよく擦った。擦ってイスの上に落とそうとした。あのさ、ゴハンは残りもので水をじゅうぶん含んでる、キミが思うように焼けるわけないだろ?夕陽を背中に浴びながらそう思ってた。そこから先の記憶はない。彼女のことももういいし。でも今でもキャノーラ油は買わない。ちゃんと選んでサラダ油を買ってる。
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サラ・オレインプロデュース「 Symphonic Concert 2019」
令和初のソロコンサートはイタリアにて。そして日本ではサントリーホールにて豪華なオーケストラ、それも東京フィルハーモニー交響楽団の皆様との夢のコラボでした!

ただ、オーケストラコンサートだけにプレッシャーでした!!今までで一番悩んだプログラムと演出でしたね。どんなに美味しいロッシーニーのステーキでも、コースの全皿に出て来ちゃうとその良さが分からなくなっちゃう~そんなオーケストラという贅沢な素材をどう調理するかが今回の一番苦労した点でした。
そして今回はあまり話してはいけない!とスタッフさんから釘を刺されていました。なるべく音楽重視のコンサートということで、話さないでどうすれば物語を作れるか悩みました。結局(少し)話しちゃったけどね。さだまさしさんのお気持ち、よーく分かりました。
一番難しい一曲目のアレンジは、大好きで信頼できるアレンジャーの佐藤彰信さんにお願いしました!🤲 壮大だけど歌とヴァイオリンが埋もれることなく、オケの魅力がたっぷりスタートから感じられる素晴らしいアレンジでスタート!
東京フィルハーモニーのアレンジャーさんの辻峰拓さんに感謝です。本当に一瞬で自分の思いをすぐオケ譜にして下さりました!Breathe In Meは特にこだわりがあり、エルガーのオリジナルを取り入れたオケアレンジを実現して下さりありがとうございました!初めて手がけたクロスオーバーの曲。大好きなエルガーのチェロコンチェルトのテーマをベースに作曲。亡くなった父の思いを歌詞にした大事な歌をやっとオーケストラでお届けでき幸せです。パパ、聞こえていたかな?^^このアレンジでぜひレコーディングしたいですね。
今回のセットリストです!

Sarah Àlainn Symphonic Concert 2019
東京 サントリーホール 大ホール
1部
Nella Fantasia
Riverdance / Drowsy Maggie
Animus
Breathe in Me
Mi Mancherai(映画『イル・ポスティーノ』より)
君をのせて(映画『天空の城ラピュタ』より)
大いなる世界 Canto Della Terra

2部
Ai ~Dedicated to 片岡愛之助
我が故郷(NHK大河ドラマ『西郷どん』より)
メインテーマ~イザベラの唄(アニメ『約束のネバーランド』より)
Beyond the Sky(『ゼノブレイド』より)
告別(ハイドン:交響曲 第45番《告別》より)
Rock Medley ( AC/DC (Thunderstruck), Queen (Who Wants To Live Forever, Bohemian Rhapsody, Don’t Stop Me Now, We Will Rock You, We Are The Champions))
My Way
糸
Czardas
Time To Say Goodbye
自己プロデュースのコンサートでは、プログラムは最後に配るようにお願いしてます!今回はクラシックホールということもあり、クラシックコンサートのように最初からプログラムをお席においた方がという相談もありましたが、やはり演出のサプライズ、物語に集中してもらいたいという思いから、今回も最後にお配りしました(みなさん記念にプログラムお持ち帰れましたか?)


二部の頭には今回のシークレットゲストが登場!歌舞伎役者の片岡愛之助さんでした!会場の驚き、大成功!愛之助さんとは一緒にNHK WORLDの番組KABUKI KOOLをナビゲートさせて頂き、番組で短い曲をヴァイオリンで愛之助さんの為に作曲し、それに愛之助さんが舞って下さいました。コンサートでもいつかやりたいですねと話が盛り上がり、駄目元でサントリーホールでオーケストラコンサートのお話をしたら、愛之助さんがOK して下さいました!長いバージョンの作曲とオーケストラアレンジをさせて頂き、タイトルは情熱と愛之助さんご本人をイメージした「Ai」にしました!テレビ番組の衣装は基本自分でスタイリングしていて、テーマに合わせて選んでいるのですが、それも気にして下さった愛之助さんが「何色をイメージされています?」と聞いて下さいました。当日は情熱の赤とダークなブラックのコンビネーションのお着物で出演して下さり、足袋のお色も赤と黒で何とおしゃれ!私も炎の色に含まれているという意味で、ブルーの着物風の衣装を着させて頂きました。Miimoさん、素晴らしい衣装をいつもありがとうございます!振袖はとても楽器が弾きにくいため、工夫されて作られているのでとっても動きやすく演奏しやすかったです。Aiの出だしは歌舞伎をイメージしたアレンジにしてみました。ケルト音楽の曲でも「本物」の世界観を作って下さった野口明生さんはここでは篠笛風のアドリブで歌舞伎の幕開けの世界を作って下さいました!


私は映画、物語が好きだからか、ラジオ番組やコンサート、アルバムの曲順でも、ストーリーを感じられる演出に拘りがあります。第二部はなので私にとって大切なルーツ、「日本」を音楽だけで表現していきたいと思いました。歌舞伎のような伝統的な日本にも魅了されていますし、モダーンな日本にもインスパイアされています。初の大河ドラマで歌で関わらせて頂いた「西郷どん」、初アニメ「約束のネバーランド」の挿入歌(小畑貴裕さん、壮大な曲とアレンジをありがとうございました!!)、そして初ゲーム音楽でヴォーカリストとしてのデビュー曲「Beyond the Sky」、日本と深い関係がある3つのオリジナル曲を歌わせて頂きました。トークゲストには西郷どんとBeyond the Skyの作曲家の富貴どん(富貴晴美さん)、みっちゃん(光田泰典さん)もいらして下さいました!ここでやっと私も普通に喋りが許されるタイムに入りました~笑 天才作曲家たちの人柄、優しさがトークでも皆さんに知ってもらえて嬉しいです。そんなとっても大好きで尊敬するお二人に最後に(事前打ち合わせなし~マネージャーさん達も、困らせていいなじゃないですか?とのことでした笑)共通な質問をしました。「サラ・オレインの嫌い・悪いところを教えて下さい」。自分は何となくファンだったらそういうところも聞きたいんじゃないかと迷ってたどり着いた質問でした。でも全く答えに困らなかったお二人に逆にびっくりしました、笑
次は以前書いたブログに詳しい一コマ漫画チックで具体的の出来事を説明しているのでよかったら見てみて下さい~

🎻サラヤン🎻
https://bit.ly/2Y4AG21
オケといえば…やはり指揮者!でも何を指揮しよう。指揮は無経験でもちろん物凄い訓練も必要。大好きな映画音楽?でも日本であまり知られていない、映像も今回使わないというと厳しい… クラシック音楽… でもどうせなら変わったクラシックをお届けしたい。クラシックが詳しい方でも、初めての方でもユニークと思えるもの!!そして降りて来た。

指揮の初心者で東フィルさんに迷惑をかけられない…いや。なら、本当に皆さんが呆れて怒って自分の指揮について来なければいいのでは⁈ そこからこの曲しかないと思い、ハイドン交響曲第45番「告別」を選曲にしました!やっぱり演じることか楽しすぎて大好きですね!チャンスがあれば演技の方面でも頑張りたいです。でも何といっても、東フィルさんの皆さんの演技!!自然でテンポ感、間といい、演出と忘れてしまうくらい素晴らしいパフォーマンスでしたね!色々無理を聞いて下さり本当にありがとうございました🙏 鈴木マエストロもお付き合いありがとうございました!
無理というと、次の選曲達…



ロックをオーケストラでサントリーホールで披露。ちょっとタブーかもとは分かっていましたが、名曲は名曲。ジャンルを超えるものがあります。私のルーツであるオーストラリアといえばやはりロックなので、初めてこのAC/DCのヒットを演奏させて頂きました!客席にはオーストラリアの大使と大使夫人もいらして下さり、オージーの友人がわざわざオーストラリアから旗を持って来て下さりました!Cheers xxx このアレンジーはクールな宮本貴奈さんにお願いしました!Cheers Takana!
ユニバーサルミュージックがライブレポートを載せているので、よかったらこちらも読んでみて下さいね!
https://www.universal-music.co.jp/sarah-alainn/news/2019-07-23-report/

真面目だけどユーモアがある、そんなコメディースタイルがとても好き^ ^
他では見れないそんなサラを、よかったらコンサートで(いずれは映画で?!)見てみて下さい🎼
「サラ・オレイン コンサート 2019」
■福岡公演
【会場】アクロス福岡シンフォニーホール
【日程】2019年11月4日(月・休)
【開場/開演】16:15/17:00
【一般発売】2019年8月17日(土)
【チケット取扱い】主要プレイガイド
【ご予約・お問合せ】BEA 092-712-4221(平日11:00~18:00)第2・4土~15:00

■東京公演
【会場】Bunkamura オーチャードホール
【日程】2019年12月7日(土)
【開場/開演】16:15/17:00
【一般発売】2019年8月17日(土)
【チケット取扱い】主要プレイガイド
【ご予約・お問合せ】チケットポート 03-5561-9001(平日10:00~18:00)
Official HP www.sarahalain.net
Official FANCLUB https://sarahalainn-fc.com
次はどうしよう。。コンサートが終わった瞬間次の作戦へと。毎回そうやって自分へプレッシャーを与える、ドMです~ (Sはみっちゃんの前くらいかな?いつもすみません><)
一夜限りに意味があるけれど、オーケストラシリーズで色々な場所で開きたい気持ちもありますね。同じ内容でも皆さん大丈夫なのかな?ネタばらしすぎちゃってないかな?!
プレッシャーの旅が続く。頑張ります!!

Photos by Studio Ren
#Suntory Hall#sarah style#Kataoka Ainosuke#Kabuki#Tokyo Philharmonic Orchestra#Orchestra#Sarah Produce#サラ・オレイン#サラプロデュース#東京フィルハーモニー交響楽団#サントリーホール#片岡愛之助#光田康典#富貴晴美#Beyond the sky#Xenoblade#Yasunori Mitsuda#Harumi Fuuki#Takahiro Obata#The Promised Neverland#Isabella's Song#小畑貴裕#約束のネバーランド#イザベラの唄#サラスタイル#Miimo#Studio Ren#Sarah Alainn
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各地句会報
花鳥誌 令和5年7月号

坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年4月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
一葉の家へ霞の階を きみよ 春昼や質屋の硝子なないろに 小鳥 伊勢屋質店今生の花とほく 光子 菊坂に豆煎る音や花の昼 和子 一葉の質屋は鎖して春の闇 はるか 本郷の亀を鳴かせて露地住ひ 順子 おかめ蕎麦小声で頼み万愚節 いづみ 文士らの騒めきとすれ違ふ春 三郎 一葉を待つ一滴の春の水 光子 物干に如雨露干したり路地の春 和子
岡田順子選 特選句
一葉の家へ霞の階を きみよ 金魚坂狭め遅日の笊洗ふ 千種 菊坂の底ひの春の空小さし 光子 坂の名のみな懐かしき日永かな 要 赤貧の欠片も少し春の土 いづみ 本郷の間借りの部屋の猫の妻 同 質店の中より子規の春の咳 俊樹 止宿者の碑のみ残すや蝶の舞 眞理子 本郷の北窓開く古本屋 きみよ かぎろひの街をはみ出す観覧車 いづみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月1日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
花冷の背後より声掛けらるる 美穂 幾年も陽炎追ひて遊びけり 散太郎 濃きほどに影のやうなる菫かな 睦子 化粧水ほどの湿りや春の土 成子 画布を抱き春の時雨を戻りけり かおり 昼月は遠く遠くへ花満開 愛 シャボン玉の吹雪や少女手妻めく 勝利 麗かや砂金三つ四つ指の先 睦子 成り行きの人生かとも半仙戯 朝子 鞦韆の羽ばたかずまた留まらず 睦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月3日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
花吹雪卍色と云ふが今 雪 花冷に後姿の観世音 同 そぼ降りてひと夜の契り花の雨 笑 観世音御手にこぼるる花の寺 同 お精舎やこの世忘れて糸桜 啓子 逝きし友逢へないままに朦月 同 裏木戸を開ければそこに花吹雪 泰俊 御仏と咲き満つ花の句座に入る 希 愛子忌や墓にたむけの落椿 匠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月5日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
縋りつく女心や桃の花 世詩明 肌寒く母の手紙はひらがなぞ 同 啓蟄や鍬突き立てし小百姓 同 日野河原菜花の香る祭りかな ただし 菜の花や石田渡しの蘇る 同 雛祭ちらしずしそへ甘納豆 輝一 ぽつたりと落ちて音なき大椿 清女 花吹雪路面電車の停車駅 同 大拙館椿一輪のみの床 洋子 花の山遠く越前富士を抱く 同 吉野山日は傾きて夕桜 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月6日 うづら三日の月 坊城俊樹選 特選句
花の下天をを仰げば独り占め さとみ 春陰やおのが心のうつろひも 都 春耕や眠りたる物掘り起す 同 左手の指輪のくびれ花の冷え 同 園児等のお唄そろはず山笑ふ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
膝をまだ崩せずにをり桜餅 秋尚 登り来て本丸跡や花は葉に 百合子 葉脈のかをり弾けて桜餅 同 桜餅祖母の遺せし会津塗り ゆう子 売り声も色つややかに桜餅 幸子 木洩日の濡れてゐるやう柿若葉 三無 春愁や集ふふる里母忌日 多美女 伍しゐても古草の彩くすみをり 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
心経をとなへ毛虫に火をはなつ 昭子 マンホール蓋の窪みに花の屑 昭子 栄螺売潮の香りを置いてゆく 三四郎 金の蕊光る夕月てふ椿 時江 禅寺の読経流るる花筏 ただし 若者の髭に勢や麦青む みす枝 龍が吐く長命水の春を汲む 三四郎 花吹雪受けんと子等の手足舞ふ みす枝 土器の瓢の町や陽炎へり ただし 海遠く茜空背に鳥帰る 三四郎 紅梅のことほぐやうに枝広げ 時江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月10日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
片棒を担いでをりぬ四月馬鹿 三無 薬草園とふ門古りて松の花 和魚 だんだんと声ふくらみて四月馬鹿 美貴 四月馬鹿言つて言はれて生きてをり 和魚 松の花表札今も夫の居て 三無 白状は昼過ぎからや四月馬鹿 のりこ 一の鳥居までの大路や松の花 秋尚 松の花昏き玄関応へなく 美貴
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月11日 萩花鳥会
京よりの生麸草餅薄茶席 祐 不帰のヘリ御霊をおくる花筏 健雄 ただ一本ミドリヨシノの世界あり 恒雄 堂々と桜見下ろす二層門 俊文 猫に愚痴聞かせて淋し春の宵 ゆかり 杵つきの草餅が好きばあちやん子 美惠子
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令和5年4月13日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
便り待つポストをリラの房覆ふ 栄子 畑打つや鍬を担ひし西明り 宇太郎 軒下の汚れし朝や燕来る 都 桜蕊降る藩廟の染まるまで 美智子 桜蕊降るももいろの雨が降る 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
何氣なく来て何気なく咲く花に 雪 神御座す杜の新樹に聞く鳥語 かづを 老の踏むひとりの音や落椿 ただし 野辺送り喪服の背に花の蕊 嘉和 夜ざくらのぼんぼり明り水あかり 賢一 喝采の微風を受けて花は葉に 真喜栄 生きる恋はぜる恋ととや猫の妻 世詩明 葉ざくらに隠されてゐる忠魂碑 同 眩しさを残して花は葉となれり かづを
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
極大と極小としやぼん玉宙へ 要 穴出でし蟻の列追ふ園児どち 経彦 頰をつく石仏の春愁 貴薫 酸模を噛む少年の今は無く 要 稲毛山廣福密寺百千鳥 同 瑠璃色を散らし胡蝶の羽ばたきぬ 久 春陰の如意輪仏へ女坂 慶月 棕櫚の花年尾の句碑に問ひかくる 幸風 朴の花仏顔して天にあり 三無
栗林圭魚選 特選句
蝌蚪の群突くひとさし指の影 千種 峠道囀り交はす声響き ます江 美術館三角屋根に藤懸かる 久子 こんもりと句碑へ映るも若葉かな 慶月 微かなる香りや雨後の八重桜 貴薫 朝の日に濃淡重ね若楓 秋尚 落ちてなほ紅色失せぬ藪椿 経彦
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月19日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
通勤のバスから見ゆる日々の花 あけみ 花馬酔木白き房揺れ兄の家 令子 亡き鳥をチューリップ添へ送りけり 光子 偲ぶ日の重く出たるや春の月 令子 あの頃の記憶辿って桜散る 美加
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月19日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
矢車の音きしみ合ふ幟竿 世詩明 風よりも大きく揺れて糸柳 啓子 花万朶この世忘れて花の下 同 あたたかやお守りはねるランドセル 同 甘き香の女ごころや桜餅 千加江 春場所や贔屓の力士背に砂 令子 落椿掃きゐてふつと愛子忌と 清女 春の虹待ちて河口に愛子の忌 笑子 散りそめし花の余韻も愛子の忌 同 城の濠指呼の先には花の渦 和子 花筏哲学の道清めたる 隆司 故郷の深き眠りや花の雨 泰俊 山道の明るさを増す百千鳥 同 ほころびて色つぽくなり紫木蓮 数幸 花桃に出迎へられて左内像 同 瞬きは空の青さよ犬ふぐり 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
忠直郷ゆかりの鬱金桜とぞ 雪 椿てふ呪縛の解けて落つ椿 同 春愁や言葉一つを呑み込んで 同 御襁褓取り駈け出す嬰や麦は穂に みす枝 鶯の機嫌良き日や鍬高く 同 ただならぬ人の世よそに蝌蚪の国 一涓 あの角を曲つてみたき春の宵 日登美 春の果次も女に生れたし 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月21日 さきたま花鳥句会(四月二十一日)
清冽な水は山葵を磨き上げ 月惑 連写して柳絮の舞ふを収めけり 八草 天守閉ぢ黙す鯱鉾朧月 裕章 行き先は行きつく所柳絮飛ぶ 紀花 南無大師遍照金剛春の風 孝江 揚浜に春の虹立つ製塩所 とし江 柳絮飛ぶ二匹の亀の不動なり ふじ穂 筍堀り父編むいじこ背負ひ来て 康子 花吹雪ひと固まりの風の道 恵美子 満天星の花揺らしつつ風過ぎる 彩香 夢叶へ入学の地へ夜行バス 静子 啓蟄やピンポンパンの歌聞こゆ 良江
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令和5年4月23日 月例会 坊城俊樹選 特選句
真榊はあをばの中に立つてをり いづみ 水の上の空のその上鳥の恋 順子 掌の中の春の蚊深き息を吐き 炳子 耳朶を掠めて蝶のうすみどり 緋路 仕上りの緻密なる蒲公英の絮 秋尚 手放して風船空へ落ちてゆく 緋路 春の闇より声掛けて写真館 順子 零戦機日永の昼の星狙ふ ゆう子
岡田順子選 特選句
玉砂利の音来て黒揚羽乱舞 和子 耳朶を掠めて蝶のうすみどり 緋路 仕上りの緻密なる蒲公英の絮 秋尚 風光る誰にも座られぬベンチ 緋路 緋鯉とて水陽炎の中に棲み 俊樹 手放して風船空へ落ちてゆく 緋路 蜂唸る神の園生に丸き井戸 炳子 佐保姫は夜に舞ひしか能舞台 俊樹
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
つかまへし子亀に問へり亀鳴くか 美穂 亀鳴くや拷問石にある哀史 ちぐさ 亀鳴ける賓頭盧尊者撫でをれば 美穂 板の戸に志功の天女花朧 喜和 連子窓に卯の花腐し閉ぢ込めて かおり 大人へのふらここ一つ山の上 光子 ふらここや無心はたまた思ひつめ 同 ふらここや関門海峡見下ろして 同 さくら貝ひとつ拾ひて漕ぎ出しぬ かおり 午後一時直射にぬめる蜥蜴の背 勝利 花冷の全身かたき乳鋲かな 睦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月4日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
落城の如く散りたる落椿 世詩明 三人の卒業生以て閉校す 同 双葉より学びし学舎卒業す 同 氏神の木椅子はぬくし梅の花 ただし 鳥帰る戦士の墓は北向きに 同 草引く手こんなですよと節くれて 清女 雛あられ生きとし生くる色やとも 洋子 官女雛一人は薄く口開けて やす香 露天湯肩へ風花ちらちらと 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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池田の猪買い 2/2
あっちでたずね、こっちでたずねしながら、池田の山の手へかかってまいりました。 「わあ、雪が降ってきよったなあ。えらいもんや。お百姓が、唄うたいながら、野良《のら》で、牛追うて仕事してるわ」 「 秋がきたかよーい、鹿さえ鳴くによー、なぜに紅葉があ、色づかぬよーい、ちょうせ、ちょうせい」 「モー」 「わあー、びっくりした。おーい、お百姓、びっくりしたわい」 「なんでや?」 「いや、この牛がモーいうて鳴きよったからびっくりしたんや」 「牛がモーと鳴くとびっくりすんのか?」 「そうや」 「おまえはん、どこからきたんや?」 「大阪や」 「大阪では、牛はなんと鳴くんや?」 「大阪では、牛は……やっぱり、モーや」 「ほなら、びっくりせんかてええやないか?」 「それもそうや。ほなら、びっくりすんのやめとこ」 「かわった人やなあ、なんの用じゃなあ?」 「そうや、そうや、狩人の六太夫さんとこを知らんかいな?」 「六太夫さんとこはなあ、それをまっすぐ行くとなあ、道がふた股になっている。その左の道を行くとなあ、ふとい松の木がでてる家があるわい。それが六太夫さんとこじゃ」 「ああ、おおきにありがとはん……ええと、ふた股の道の左を行くと……そうや、聞くは豆腐《とうふ》の恥、聞かぬは松茸《まつたけ》の恥や。ここらで聞いたろか? こんちわ」 「はい、なんじゃい?」 「ちょっとおたずねしますが、狩人の六太夫さんとこはどちらでおますか?」 「おお、六太夫はてまえじゃ」 「しもた、何軒手前や?」 「なにいうてんのや。ここが六太夫の家や」 「へ、さよか、六太夫さんはお留守でおますか?」 「六太夫は、わしじゃ」 「あんた、ほんまに六太夫さんか?」 「そうや」 「ほんまに狩人の六太夫さんか?」 「うたぐり深い人やなあ。わしが狩人の六太夫じゃ」 「けどなあ、忠臣蔵にでてくる早野勘平の狩人、もっとええ男でっせ。そないにうすぎたない狩人っておますかいな」 「芝居といっしょになるかい。ほんまもんの狩人はこんなもんじゃ」 「さよか。ほならまあ、きたな狩人さん、ごきげんさん」 「変なあいさつやな……なにしにきなはった?」 「大阪から猪の肉《み》買いにきたんで……」 「おう、客人かな、まあまあ、こっちいきてあたんなはれ。いろりがあるさかい……」 「へ、おおきに……寒《さぶ》うおまんなあ」 「この寒いのに、ようきなはったなあ」 「へえ、猪のあたらしい肉《み》がほしゅうてなあ」 「そりゃあ、ええとこへきなさった。ここにぶらさがったるじゃろ?」 「おっ、こりゃ大きなやっちゃなあ。これ、新しいか?」 「そりゃあ一昨日《おとつい》射ってきたんじゃ」 「え? 一昨日《おとつい》? そやないやろ? 一昨年《おととし》のやろ?」 「一昨年の猪なんてあるかい」 「せやけどなあ、目の前で射ってくれんことには信用でけん」 「ほんまにうたぐり深い人やなあ」 「えらいすんまへんけど、これから行て、目の前で射ってもらえまへんやろか?」 「猪は、なん頭《とう》ほどいるのじゃ?」 「え?」 「猪は、なん匹《びき》いるのじゃ?」 「百|匁《もんめ》」 「なに?」 「百匁」 「なにいうてんのや。わずか百匁の猪で、この雪の中、行けるかい」 「いや、こないにぎょうさん雪の降る日は、ええ獲物《えもの》がおまっせ。そりゃあもう、猪だけやおまへんで、鹿もでてくる、うさぎもでてくる、熊もでてくる、虎もでてくる、象もでてくる、鯨《くじら》もでてくる」 「そんなもんがでてくるかい……しかし、縁起《げん》のええこといいなさるなあ。こないに雪の降る日は獲物があるというたなあ、うん、そのひとことが気にいった。ほんなら射ちにでかけるか」 「そうしなはれ。わてもついて行くさかいに……」 「おまえさんは、うちで待っていなはれ。しろうとは邪魔《じやま》になってどもならん」 「せやけどなあ、目の前で射ってもらわんことにはなあ。新しいか、どうかわからんさかいに……」 「ほんまに、ほんまにうたぐり深い人やなあ……ほんなら、しょうない。つれて行《い》てやろう。……ちょっと待ってなされや。いま、留守番いいつけるさかい……これ、伊之《いの》よ、伊之よ!」 「とうちゃん、なんじゃ?」 「もし、六太夫さん、これ新しいか?」 「なにをいうのじゃ。これはうちのせがれやがな」 「あっ、せがれか? あんた、いま、いのよ、いのよいうたら、黒いもんがばーっととびだしてきたさかい、猪かとおもた」 「なにあほなこというてんのや……これ、伊之よ、わしは、この客人といっしょに、山へ猪を射ちにいくでなあ、おとなしゅう留守番してんのじゃぞ」 「うん」 「こら、うんという返事したらあかんで。大阪の衆に笑われるぞ。はいと返事するもんじゃ。ええか?」 「うん」 「まだうんいうてくさる。しょうがないやっちゃなあ」 「とうちゃん、おれさむしいけんなあ、じきに帰ってきてや」 「うん」 「とうちゃんかて、うんいうてるがな」 「おとなはかめへんのじゃ。さあ、客人、でかけようか」 「うん」 「おまえはんまでうんちゅうやつがあるかいな……さあさあ、でかけようかな……おい、客人、急ぎ足で歩くが、ついてきなはれや」 「そうどんどん行ってしもうたら、かなわんがな」 「雪の山道は、ぐずぐずしてると、風のぐあいがかわるとうるさいでな」 「そりゃ、あんた、山になじみがあるやろが、わては初会やで」 「女郎買いでもあるまいし、なじみも初会もあるかい……早う歩かんかい」 「もう、ほんまにかなわんな」 「早うきてみい。ここまできたら、あたりが一目で見わたせるで」 「あっ、ふー、ふー……こりゃあ、ええ景色や。谷がずーっと雪がつもってきれいだすな」 「そうやろ、ええ気持ちやろ?」 「ほんまに……あっ、あすこを走ってく犬は、お宅のとちがいまっか?」 「うちの犬じゃ」 「やあ、えらい吠えてまっせ」 「うん、客人、おまはん、運がええなあ」 「え? なにが?」 「猪がいたんや。それそれ、こっちへでてくる、でてくる」 「わあ、でてきよった、でてきよった。しかも二匹づれや」 「うーん、めずらしいな」 「あれ、親子ですか?」 「いいや、ありゃあ、雄《おす》と雌《めす》じゃ」 「ほなら、雪の山道歩いて、みちゆきやいうしゃれでっしゃろか?」 「なにあほなこというてんのや」 「ありゃあ、どっちがお���で、どっちがめんです?」 「そりゃ、大きいのがおんで、ちっさいのがめんや」 「ああ、ほんに、ほんに……めんのやつ、内股《うちまた》で、しゃなりしゃなり歩きよる」 「そんなことあるかい」 「あれ、新しいやろ?」 「あたりまえやがな。うごいてるやないか」 「ああ、さよか」 「どっち射とう?」 「そうやなあ……どっちの肉《み》のほうがうまい?」 「そら、やっぱり、めんの肉のほうが軟《や》らこうてうまいなあ」 「ほな、そのうまいやつを射ってもらおうか」 「よしよし、めんのほうやな」 「せやけどなあ、あんた、大きいほうがもうかりまっしゃろ?」 「そりゃそうや」 「ほなら、あんたのためや。大きいほうにしとくなはれ」 「そうか。おんのほうでええのやな?」 「せやけどなあ、この寒《さぶ》いところを、せっかくきてんのやさかい、やっぱり軟《や》らかいほうがええなあ」 「ほんなら、めんを射つでえ」 「せやけどなあ、あんたにも、もうけてもらいたいしなあ」 「ほんなら、おんか?」 「いや、やっぱりうまいほうがええなあ」 「え���え、どっちにするのじゃ?」 「もう、どっちゃでもええ。あんた、好きなほう射っとおくなはれ」 「よし、ほんなら、大きいほうを射つさかいに、しばらくだまってなはれや」 「ああ、だまってる、だまってる、だまってるさかいに、気いおちつけて、射っとおくなはれや……だまってるで、わて、なにもいわへんで……なあ、射ちたての肉はうまいか?」 「うまいわいな」 「あは、うまいか? ほなら、わて、うちまでよう辛抱《しんぼう》でけん。帰りに、あんたとこでなあ、食べさしとくなはれ」 「おう、食うていたらええがな」 「おおきに、おおきに……鍋《なべ》、貸してくれるか?」 「貸してやるわ」 「あんたとこに味噌あるか?」 「ああ、あるがな」 「砂糖もあるか?」 「あるがな」 「ねぎもあるか?」 「うらの畑にあるがな」 「さよか……寒《さぶ》いさかいに、一ぱい飲みたいが、酒あるか?」 「どぶろくがあるがな」 「こりゃよろしいな……あんたんとこにめしあるか? むぎめしか?」 「うるさいな。そないにしゃべりつづけたら、射たれへんがな。だまってなはれ!」 六太夫さん、腹立ちまぎれに、「ダーン」と射ちますと、めすのほうはびっくりして逃げてしまいましたが、おすのほうは、二、三べん、きりきりっとまわって、ドサリとたおれました。 「客人、どうじゃ、大きかろうがな?」 「ほんにまあ大きいもんやなあ……これ、新しいか?」 「なにをいうのじゃ。いま、目の前で射ってみせたやないか。ええ? 新しか、新しないか、みせてやるわ」 六太夫さん、しゃくにさわったとみえまして、鉄砲の台尻で、猪をポン、ポーンと打ちすえましたが、腹立ちまぎれに射ちましたさかいに、弾丸《たま》はあたらず、猪のやつ気絶しておった。そいつをポンポーンたたいたもんですさかい、はっと息をふきかえして、とことこ逃げだしよった。 「客人、それみい、あないに新しいやないか」
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①
2017年5月5月、めろん畑a go goに応募メールを送った。
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【名前】
◼️◼️◼️◼️◼️
【生年月日】
1998年3月3日
【住所】
◼️◼️◼️◼️
◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
【電話番号】
◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
【メールアドレス】
◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
【連絡の取れる時間帯, 面接希望日】
連絡の取れる時間帯は平日の午後、土日
面接希望日は5月7日、8日、12日、(15日、17日)です。
【好きなもの, 自己PR】
好きなものは音楽、映画、お笑い、オカルト、水です。
好きな音楽はサイケデリックロック、オルタナティブロック、ガレージロックなどです。
好きな映画はLEON、スタートレック、ノロイ、放送禁止です。
趣味はドラムです。あと一人で博物館とかに行きます。
もしメンバーにな��たら、楽しいライブがしたいです。よろしくお願いします。
【顔写真】
_IMG_8806.JPG
【全身写真】
_IMG_1835.JPG
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2019年5月5月、めろん畑a go goに応募メールを送った。
【名前】
◼️◼️◼️◼️◼️
↑なかむらは本当です。中村ソゼも本当です。
【生年月日】
1998年3月3日
↑たぶん本当です。
【住所】
◼️◼️◼️◼️
◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
↑埼玉県出身です。
【電話番号】
◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
↑本当です。
【メールアドレス】
◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️
【連絡の取れる時間帯, 面接希望日】
連絡の取れる時間帯は平日の午後、土日
面接希望日は5月7日、8日、12日、(15日、17日)です。
↑まいにち寝ていたので嘘です。適当に日にち出しました。
【好きなもの, 自己PR】
好きなものは音楽、映画、お笑い、オカルト、水です。
↑受験時に一番ブームだったものです。細分化するのを怠りました。水はなにかと好きです。
好きな音楽はサイケデリックロック、オルタナティブロック、ガレージロックなどです。
↑ディスクユニオン新宿6Fのやつです。
好きな映画はLEON、スタートレック、ノロイ、放送禁止です。
↑LEONは好きです。今はフロンティアも好きです。
趣味はドラムです。あと一人で博物館とかに行きます。
↑ドラムはめろん入ってからは全く触れてません。一度木下さんとセッションライブしたのみです。
もしメンバーになれたら、楽しいライブがしたいです。よろしくお願いします。
↑なんか言いたかったけど言いきれなかった。
【顔写真】
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【全身写真】
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写真は今返すととんでもないですが当時は結構選抜の方をお送りしました。
すぐに返事が来て面接を受けさせてもらえることになった。一回体調不良でドタキャンした。面接の日に体調崩す程"持ってない"人がアイドルになるなよと思った。
後日治りましたって送ったら優しくてまた面接して貰えることになった。面接自体の経験は結構あったけど、めろん畑a go goに関してはSNSからもYouTubeからも得られる情報が少なくて不安もあった。MV見て、自分が入ったら5人になるのかな〜とか考えた。ベルハーの最期の5人がその時脳に焼き付いてたから5人には謎の憧れがあった。
GorrilaPopCafe新宿店で面接だった。見つからなくてうろうろしてた。遅刻だと思われたら嫌だから迷っていますアピールのメールを送ろうとしたら手にめっちゃ、絵?をお入れになられている方が腕組んで仁王立ちしてた。「中村さんですか?」と話掛けられた。怖かったけど中村なのでしょうがなくついて行った。
店内も怖かった。それまでのアイドルの面接は喫茶店か事務所かマンションの一室だったので壁がピンク一面でめっちゃハンバーガーグッズ置いてあるところにつれてこられて、病み上がりだし夢かなって思った。その人は"プロデューサー"で、木下という名前だった。だいたいはまあアイドルオーディションの面接なので、PR文に書いてたことについて話した。
ただ他のアイドル面接と違い、"過去"については全く聞かれず、歌を歌うことやダンスを踊ることを求められなかった。とにかく映画の話ばっかりした。
「とりあえずやりたいならやってみますか?」って言われたので、とりあえず「はい」って言った。
そしたらはじまってた。
「最近見た映画はなんですか?」って聞かれたから、その時に一番面白いと思ってた「ユージュアルサスペクツです」ってこたえたら、「では名前はソゼにしましょう」というようなことを言われてソゼになった。
エビ中の瑞季のキャッチフレーズ「今日も苗字忘れちゃいました」がすごい好きだった。
あと自分の苗字が好きだった。だから逆に下の名前忘れるのもありかな?とかずっと考えてた頃だった。アイドルオーディション受け中の女、名前ばっかり熟考している。
そんな中で「名前は中村にしましょう。あだ名(呼び名?)は中村でって」決められたときに『あぁ自分はここでしばらくやるんだろうな』って思った。だからそれ以降の会話はあんまり覚えてない。もうやると決めたからあとはどうでもよかった。
面接の時点でもう2人やめてて、びっくりした。でもこの時はまだ"メンバーの流���による弊害"すら考えられないほどアイドルになれるのが嬉しかったし、もう何かになれた気がした。だから政治家になろうと思うのはやめた。
その日から私は中村ソゼになった。
でもいつもの顔して家に帰った。桂枝雀とスタートレックを子守唄にして寝た。
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三篇 下 その一
まだ、日も明けやらぬ薄暗いころから、宿場では、往来が激しく、馬方たちが引き連れる、馬のいななきに、旅で疲れた目をこすりながら、弥次郎兵衛と北八は、寝床から起き出して、出立のしたくをしだした。 タベ、しくじった相宿の巫子の婆が、ふくれっ面でいるのを見て、二人とも、おかしく思いながら、宿を旅立った。
古びたお宮の誉日八幡宮を通り過ぎると、右の方に姑の畑が見えてきた。 続いて、嫁が田と言うところが見えてきたので、弥次郎兵衛は、一首詠む。
干からびし 姑の畑に ひきかえて 水沢山の 嫁が田ぞよき
それより、塩井川という所に着いたのだが、昨日の大雨のせいで橋が落ちたのか、行きかう人々はみな下のほうを脱いで、裾をまくり上げて川を渡っている。 弥次郎兵衛と北八も、仕方がないので、連れ立って渡ろうとしていたら、京の都に行くのか目の悪い座頭の二人づれが、この川は歩いて渡るのだと喋っている周りの声を聞きつけたらしく、そばにいる北八に聞いてきた。
「もしもし、川の深さは膝くらいありますかな。」 北八は、川を見ながら、 「そうだな、そんなところだろうか。でも、水が速いから、目が悪いんならあぶない。 用心して渡りなせえ。」 「ははあ、なるほど、水の音がよっぽど早い。」 と、いいながら、石をいくつか拾って川の中に投げ込んで、音を聞いて考え、 「いや、ここらが、どうやら浅いようだ。 こりゃ、猿市よ、二人ながら脚絆を取るのも面倒だ。 おぬし、俺より若いのだし、俺をおぶって渡れ。」 と、座頭の一方の犬市がもう一人に声をかける。
猿市は、 「ハハハ。ずるいことを言う。ジャンケンしよう。 で、負けた者が、勝った方をおぶって渡るんだ。いいか。」 犬市はこれをうけて、 「こりゃ、面白い。さあ、こい。ジャン、ケン、ポン。」 と、やりだした。 この様子を弥次郎兵衛と北八は、だまって、見ている。 「さあ、勝ったぞ、勝ったぞ。」 どうやら、勝ったのは、犬市のほうらしい。 猿市は、自分の荷物を犬市に渡しながら、 「ええい、いまいましい。そんならこの風呂敷包を、貴様、一緒に背負ってくれ。 いいか、それ、こい、こい。」 と、支度して背中を向ける。
これを見ていた、弥次郎兵衛は、これはありがたいと、猿市におぶされば、猿市はてっきり連れの犬市と勘違いして、すぐにさっさと川へ入り、難なく向こう岸に渡ってしまった。
こちらの岸に取り残された犬市、 「やい、猿よ、どこだ。早く川を渡さぬか。」 と、怒鳴りたてる。 猿市は向こう岸でこれを聞いて、腹を立てて、 「こりゃ、ふざけるな。たった今おぶって渡したのにまたそっちへ行って、俺を、からかうな。」 犬市は、 「馬鹿言え、おのればかり渡って、太いやつだ。」 「いいや、太いとはそっちのことだ。」 よ、猿市と、塩井川の両岸で、やりあう。
「こりゃ、貴様、兄弟子にむかって言語道断な。早く来て渡さぬか。」 と、犬市は、白い目をむきだして腹を立てているので、猿市も仕方なく、またこちら岸に渡って帰り、 「さあ、そんなら、おぶりなされ。」 と、背中を向ける。 北八はしめたとばかりに、手をかけておぶされば、猿市はまたさっさと川へはいる。 残された犬市は大いにせき込んで、一向に担ごうとしない犬市に、 「これ、猿市。」 と怒鳴る。川の中の猿市は、これは変だと気がついて 、 「いや、こいつは誰だ。」 と、背中の北八を川の中へどんぶりと落とした。 北八は、大慌てで、 「やあやあ、助けてくれ、助けてくれ。」 と、手足をもがき、叫びながら、深みの方へ流されていった。 弥次郎兵衛は、急いで飛び込んで、もがく北八を引き上げれば、両人は頭から骨まで腐るほどずぶ濡れになってしまった。
北八が、 「ええい、座頭めが、とんだ目に遇わせやがた。」 と、毒ずくと、弥次郎兵衛は、自分たちの様子を見ながら、 「ハハハ。まず着物を脱げや。しぼってやろう。」 と、自分から服を脱ぎ出す。 「だいたい。弥次さんが悪い。 あそこで、おぶさらずともいいことに、お前がお手本を出したから、つい、俺も。」 と、北八が、愚痴るのに、 「川へはまったか。気の毒な。ハハハ。それで、一首思いついた。」
はまりけり 目が悪いのと あなどりし むくいは早き 川の流れに
北八は、 「ええい、聞きたくもねえ、よしてくんな。ああ、寒い、寒い。」 と、裸になって、がたがた震えながら着物を絞る。 この間に座頭は川を渡って行ってしまったようだ。
弥次郎兵衛は、 「ここで着物を干してもいられねえし、着替えを出して行って、どこかで火を焚いてもらって、あぶるとしよう。」 「まったく、いまいましい。風邪をひいたみたいだ。ハックション。」 と、ぶつぶつ小言をいいながら、着替えると、濡れ腐った着物は水を絞ってから、ぶらさげて歩き出した。
ほどなく掛川の宿場に着いた。 掛川の宿場の入り口で、宿の客引き女が、 「お飯を、あがりまし。鯵と蒟蒻、干大根のお吸物もおざります。 蛸のせんば煮もおざります。」 と、声高に、客に呼びかけている。
長持人足の唄も聞こえてきた。
吹けば~な、吹くほどな~んあえ~。 持つもな軽いな~んあえ~。 綿をさ、入れた 入れたやな~。 長持に綿を~んよお~。 しったかどうだか、どうだか。
それに答えるように、馬のいななきが、 「ヒインヒィン。」 弥次郎兵衛は、そんな様子を見ていると、先ほどの座頭が、茶屋で休んでいる。
弥次郎兵衛は、 「おや、北八、見てみろ。さっきの座頭らが、あそこで呑んでいやがる。」 北八も、弥次郎兵衛のさすほうをみて、座頭を見つけると、何か考えついたようだ。 「こいつはいいことがある。おいらを川へはめた仕返しをしてやろう。」 と、座頭らがいる茶屋に向かって歩きだした。 それから、作り声で、 「ご免なせえ。」 と、言いながら、茶屋に入る。 「おいでなさいまし。」 と、女中が茶をくんでくる。北八は、かの座頭のわきへ腰をかける。 女中は、北八らに向かって、 「お食事にでもなさいますか。」 と、聞くと、弥次郎兵衛も、変な声で、 「まだまだ腹が、ボンポゴだな。」 と、いうと、茶屋の女は、『ボンポゴ…』と、首をかしげる。
先ほどの座頭二人は、この茶屋に休んで酒を飲んでいたが、かの二人とは気がつかず、話をしている。 「ぜんぜん、酒が足らんようだ。もう二合ほど、飲もう。」 と、犬市、 「そうだな、御亭主、御亭主、もうちっと頼みます。」 と、猿市が、答えて言う。
「ところで、さっきの川へはまった、ふざけた野郎どもはどうしたろう。」 と、犬市、 「それよ。ハハハ。おっと、きたきた。まず、かわり目の酒を一杯やろう。」 と、猿市は、猪口に一杯注いで一口飲み、盃を下に置いた。 隣に座っている北八は、そっと手を出して、猪口の酒を飲んでしまい、ちゃんともとの所に置く。 猿市らは、まったく気がつかないで、 「いや、太い奴らだったな。ちゃんと俺におぶさりやがって、でも、その代わり、水の中に落ちた時には『助けてくれ』と、悲しい声を出しやがった。 なんでも人の上前をは��ることばかり考えるような奴らだから、大方、あいつらは、護摩の灰(泥棒の事)だろうよ。」 犬市が、 「そうさな。どうせろくなもんじゃない。 ああいう奴は、こんなところへ来ても、えてして、食い逃げをして、ぶちのめされるもんだ。いや、時に盃はどうした。」 と聞かれて、猿市は、 「ああそうだ、忘れてた。」 と、猪口を取り上げて飲もうとしたところが、酒は一滴もない。 猿市は、おおかた、その辺にこぼしたかと、 「おや、こぼしてしまたようだ。」 と、そこらが、ぬれてないかと探りまわして、 「はて、不思議だ。まあ、いい。あらためて差そう。」 と、また一杯注ぎ、一口飲んで下に置くと、北八またそっと引き寄せて飲んでしまう。
犬市が、 「こうしているところへ、さっきの奴らが来たらおかしかろうな。」 こたえて、猿市。 「なあに、あいつらは大方、着物を絞ったり干したりして、まだあの辺りをうろうろしているだろう。知恵のないやつは、しょうがない。」 と、いいながら盃を取り上げたところが、また酒は一滴もない。 猿市は、不思議そうにまた、辺りを探ってみたが、 「これはどうだ。」 「またこぽしたか。おかしなやつだ。」 と、犬市がいう。 「いや、こぼしては、いないはずなんだが、はて、奇妙なことだ。」 と、首をかしげている。 犬市が、 「いやいや、お前。そんなことばかり言って、独りで飲むきだな。」 と、この間に北八、座頭たちの銚子を取り、自分が飲んだ茶飲み茶碗二つに、酒をみんなあけて、銚子をまたそっと元の所に置く。
つづく。
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