#ア犬マスク
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ari0921 · 1 year ago
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和六年(2024)3月4日(月曜日)弐
   通巻第8161号 
 ワルシャワ条約機構は消滅したのに、NATOの残存は非論理的では?
   イーロン・マスク、ディビット・サックスらが合唱を始めた
*************************
 ソ連が崩壊し、東側の軍事機構だったワルシャワ条約機構が消滅したのに、なぜNATOが存続しているのか、これはおかしいと言い出したのが起業家のディビット・サックスで、「賛成、わたしもそう思う」とイーロン・マスクがXに投稿し、世界的ニュースとなった。
 平均的アメリカ人にとってはトランプが唱えるNATO諸国の防衛分担増が政治の流れと認識しているから、NATO存続は不思議だ等と異端な議論には驚かされただろう。
 地政学、国際政治学からいえばまっとうな議論ではないが、これは大統領選挙に絡んでいるのである。
 イーロン・マスクが共和党支援に傾いたのは歴然としているが、思いつきの癖がある。
一方、NATOへの疑問を言い出したディビット・サックスの影響力に注目である。若い有権者にかなりの発信力があるのだ。
下馬評で副大統領候補に挙がっているDJバンスと同様にサックスもベストセラー作家でもある。
日本で��そ無名に近いが、サックスは南アからの移住組(マスクと同じ)、シカゴ大学などをへてマッキンゼーから独立しPayPalの起業に参画した。
『PayPal���フィア』と呼ばれ、瞬く間に大富豪の仲間入りした錬金術師。この類いが若いアメリカ人に爆発的に受けるのだ。
サックスの政治信念はなきに等しい。カメレオンというより、情勢判断による打算で動く。ミット・ロムニーに5万ドル寄付したかと思えば、民主党のヒラリーに7万ドル。今回もデサンティス知事への大口献金でしられたが、同時にRKJにも献金している。まったくの付和雷同組とも言える。
もう一人、注目発言があった。
エリック・プリンスは「ブラックウォーター」の創設者。ご記憶の読者が多いだろうが、ブラックウォーターは元グリーンベレー、シールズ、海兵隊ベテランをあつめた戦争請負業で、ワグネル軍団と同様の「戦争の犬」である。戦争の現場を知り尽くし、戦場の作戦も分かるからウクライナの見通しも判断できる。
エリック・プリンスは「停戦に導くためには(西側が)ドネツク、クリミアのロシア算入を認めなければなるまい。ウクライナの人口動態の激変を見ても、ウクライナは自ら国家を破壊した」と明確に言い放った。戦争専門家は、そういう見立てをしているというのが客観的事実だということだ。
蛇足だが、エリック・プリンスも軍人をさっぱりと棄ててファンドを設立し、その「フロント・リソーセス・グループ」は中国とアフリカ、中東に安全保障と兵站インフラのビジネスに集中しており・いまのこところ、5億ドルを投資しているという。
起業家、ファンド、政治目的の財団、錬金術。このキーワードが米国の注目株である。
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frankicchan · 6 years ago
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#おやすみムーニーマン #いい眠りにつけますように💤 #犬マスク #ア犬マスク #アイヌマスク #アイヌ民族 #アイマスク #アイマスク着用 #アイマスクマン #フランクマン #フランクいっちゃん #フランクいっちゃんパラダイス #フランクいっちゃんのカンタン英会話 #フランクいっちゃんのメッシとメッシ飯 #goodnight #goodnight😴 #goodnightdog #goodnightdog🐶 #frankicchan #frankicchanparadise (Japan Osaka) https://www.instagram.com/p/B3PmL5fgck0/?igshid=16qv0le5x616j
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life-with-flower · 4 years ago
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話せるようになったことば
どれも不完全で、とても愛おしい
まだまだ拙いそのことばを覚えておきたい
- garbage → がべじ
- Blue →ぶー(唇ブルブル〜ってしながら)
- 赤 →あーはっ
- 黄 → きっ
- 茶 → ちゃ(茶色、お茶)
- ピンク →ぴっくん
- カーキ →かーち
- ガーゼ →がーじ
- じーじ、ばーば、まーう(まゆ)
- ママ、パパ (やたら呼ぶ)
- しん、まりな →しん、マニラorまりら(早口)
- ぶーぶ
- バス →ばふっ
- パトカー、救急車→ウ〜〜〜〜(サイレン音)
- 消防車 →ウ〜〜〜〜カンカンっ!
- 踏切 →カンカンカンカン(手の動作付き)
- 豆 →まっめっ
- ちょうだい →ちょっだっ、ちゃっば
- 乾杯 →かーぱーい or ぱんかーい
- パン →ぱーん
- ペン →ぴぃん
- パンツ →ぱんくん(わたしのパンツを指差しながら…)
- マスク →まっくん
-ア行 →あーいーぶーえーぶー
-カ行 →かーきーきゅーくーくー
-サ行 →たーしーとぅーとぅーとぅー
-タ行 →たーちーとぅーとぅーとぅー
-ナ行 →なーにーむーめーなー
-ハ行 →はーひーふーへーはー
-マ行 →まーみーぶーめーもー(50音言うのハマってる、ア行とハ行はひとりで言ってる)
-ガ行 →パーフェクト
-7 →なな
- 鳥 →ピピピピ〜⤴︎
- からす →かーかーかー
- 鴨 →がーがーがー!
- 牛 →もー
- ヤギ →めぇ〜(めちゃリアル)
- 猫 →まー(ニャーのつもり)
- 犬 →マンマン!(強め)
- ブザーやボタンの音など →プー、ピー
- 駐車するときの車の音 →ピーピーピー
- へリコプター →ぶーん⤴︎
- バイク →ぶーぶーぶーん⤴︎ or バィク!
- バン → ばんっ!
- ちっちゃい →ちっくん
- ちっちゃいバン →ちっくんばんっ!or チッバン!(はじめての2語分、さっそく省略してる…)
#1y11m
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ko-shio · 4 years ago
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2021.3.17 はじめての鈴木
「ポストに出してすぐ戻るから」
庭にいた犬は、掛けられた言葉の意味分かってるようの顔でプヒンと鼻を鳴らしてから人間の後をついていく。自分が出る前に閉められた門の前で、少しむかついてから振り返って花壇のパンジーを食べに行ってしまった。よく晴れていて、風もない天気。キャミソールに部屋着だけのまま、��れはしないよね、というかばれるって何、むかつくなの肩に薄手のコートだけ引っ掛けて、14時を自転車で走り出す。角の家の穴掘りはまだ始まっていない。東大を出て、有名な企業に勤めて、何かあって戻ってきて、彼はいま庭に穴を掘っている。建売りが群生する住宅街の庭にこんなに茶色い土があるんだとか、そんなに掘れるんだとか、話したいことはあるけれど、うわさの輪に加わりたくなくて、通り過ぎるときに、掘りたての茶色い山や、何かに使う楕円の石たちが積み上がっているのを横目に見ていた。穴の家の横をそうして今日も走り抜けた。頭と足首の毛だけ残されて、あとはきれいにトリミングされたポメラニアンとすれ違う。小さい足をちょこまか動かすと、チアガールのポンポンみたいな腕輪が踊る。なんか変だし、犬の散歩には少し早い時間だった。
ちらしや封筒が入った紙袋や、束ねられた古本が、通り過ぎる家々の門や玄関の前に置いてある。3月だからか、参考書っぽい赤い本やらが隙間に見える。牛乳パックはもう少し楽に開けるようにならないのかな。むかしの彼女がわたしの家で、1リットルのパックを飲み終わったままゆすぎもせず、可燃の中に捨てた。
「は?」
意味が分からなくて声に出た時点ではまだ腹も立ってなかった。そのまま燃えるゴミに放られた紙パックがそれからも何度かわたしを穴から見ていた。関係性についての様々な軋轢が記憶から漏れ出てきそうになったから、今日に限っては牛乳パックが見えないことになった。そのまま各家の資源ごみを見ながら誰もいないしゆっくり走っていると、道路に面した玄関ポーチに3人の子どもが急に座っていた。他のごみを見るみたいに彼らをゆっくり見てしまって、ゲームから視線を上げた真ん中の子とちゃんと目が合う。ああいう風にはならないでおこ、と彼は心に決めて、またそっちに戻っていった。よく晴れていて、風もない天気。は・じ・め・て・の・ア・コ・ム〜と初めて発音して歌っていた。ポストに書類を投函して、来た道を戻る。マスクを忘れていることに気付いて、さっきの少年の睨むような視線を理解した。穴掘りはまだ始まっていなくて、もう犬もいない庭を抜けて、うがいと手洗いしてから、自分の部屋で「アコム 歌」と検索する。原曲がYouTubeにあったから一度だけ再生した。これ以上聴き続けたら頭が���かしくなると思って、2分くらいでアプリごと閉じた。全部で4分半もあった。立ち上げた仕事用のパソコンのデスクトップには、ミャンマーの戒厳令の虐殺や、変な政治家と、女と不倫して訴えた女のニュースのポップアップが並んでいる。何も考えず楽しく生きようよと思ってはみても、どう考えても無理。
ずっと置きっぱなしにしていた、湖麻美さんの日記本が目に止まって一気に読んだ。急いで感想を送った。麻美さんは展示に2回も来てくれて、2回目のときにたまたま初めて話した。知らない人に丁寧に質問したり感想を伝えてくれる麻美さんの小さい声を思い出して、何とかまたわたしも再起動していた。牛乳パックを可燃ゴミにぶち込み続けた鈴木が、潰した蚊をペリッと剥がして窓の前に今日��日は置いておきましょうと言って、手をぎゅっと膝の上で結んで祈っていたことをついでに思い出した。よく晴れていて、風もない天気だったかもしれない。
ちょっと待って ちゃんと持って
僕らの身だしなみ
男前に いっちょ前に
お兄ちゃんの服借りて
いつもと違う自分
見せておいで
はじめての佐藤くん
はじめての鈴木くん
完全無欠のAプラン
抱いていこう
もっともっと そばに寄って
指先が触れる距離に
第一関門 第二関門
少しずつ滑り込んで
焦り過ぎないように
押さえ気味で
はじめての加藤くん
はじめての中村くん
やさしくジェントルに
時には ワイルドに
恋し恋する 恋せよ乙女
僕らに夢を 与えておくれ
溜めた勇気なんて
この日のために全部使ってさ
がんばって 上田くん
弁当いっぱい おなかいっぱい
烏龍茶 もう一杯
夢がいっぱい 時間一杯
後悔が命一杯
先輩の自慢話は
8割嘘
はじめての田中くん
はじめての渡辺くん
心で泣きながら
笑うのが男の子
夜空に星が 輝いてるよ
次の約束決まらなくても
はじめてだから
きっと2度目は上手くいくはずさ
大丈夫 吉田くん
はじめての木村くん
はじめての山本くん
はじめての石原くん
はじめての斉藤くん
はじめての川口くん
はじめての太田くん
はじめての菊池くん
はじめての池田くん
はじめての星野くん
はじめての町田くん
はじめての小林くん
はじめての山口くん
みんな カラオケ ご飯 お買い物
無理のないお付き合いを
駆け引きなんて
まだ 早いよ
まごころを込めて
恋し恋する 恋せよ乙女
努力だけでも 認めておくれ
はじめてだから
そんなに上手くはいかないものさ
がんばって 工藤くん
がんばって 高橋くん
はじめての 山田くん
それでもやっぱり気味の悪い女だったと思う。
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groyanderson · 5 years ago
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ひとみに映る影 第七話「紅一美に休みはない」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 段落とか誤字とか色々とグッチャグチャなのでご了承下さい。 書籍版では戦闘シーンとかゴアシーンとかマシマシで挿絵も書いたから買ってえええぇぇ!!! →→→☆ここから買おう☆←←←
(※全部内容は一緒です。) pixiv版
◆◆◆
 ただただ真っ白な空と海があった。 天地を分かつ地平線すら見えないほど白いその空間に、私、ワヤン不動という影だけが漂っていた。
 未だ点々と炎がちらつくその身体は、浅い水面に大の字に浮き、穏やかなさざ波に流されていく。 ここはどこだっけ、私はどうしていたんだっけ。 そういった疑問は水にさらされた炎と共に鎮静していった。
 遠くに誰かがいる気配がした。軋む身体を起こすと、沖縄チックな紅型模様の恐竜が佇んでいる。 濡れて重たい両足を引きずり、そこに近づくにつれて、段々と海は深くなり、かつ水が温かくなっていく。 立ったまま胸まで浸かる程深くなると、まるで露天風呂に入っているように、頭がぼーっとしてくる。
 恐竜の隣には小さな足場とベンチがあり、可愛らしい白装束を着た金髪ボブカットの女性が座っていた。 丸く神々しい後光がさしていて、顔は逆光でよく見えない。天女だろうか。 ベンチから足だけを温水に投げ出し、足湯を楽しんでいるようだ。私は水中からそれを見上げている。  (ああ…誰だっけこの人。どこかで会ったことがある気がするけど…) 挨拶するかどうか迷う。気まずい。いずれにせよ、何か声はかけよう。 ここはどこですか、とか、あなたは誰ですか、とか…  「…アガルダって、何なんですか」 いや、どうしてそうなるの。私。完全に変な人じゃん。 だめだ、頭が回らない。案の定天女は苦笑した。  「いきなり凄い事聞くよね」
 「知らないんですか?金剛楽園アガルダ」  「あんただって知らないんじゃん。 まあでも…金剛有明団(こんごうありあけだん)っていう、なんかこう、黒魔術師達の秘密カルトがあるらしいよ。 世界中から霊能者の魂を収集してて、何かにつけて金剛、金剛ってウザい喋り方するんだって。それじゃない?多分」  「ああ。それですね」  「てか、そんなの聞いてどうするの」  「滅ぼす」  「ウケる」 天女はコロコロと笑った。
 「ここは何なんですか」  「私の夢の中…それかあんたの夢かも? ま、どうでもいいんじゃない?」  「あなたも金剛の使者?」  「まさか。私だって昔、観音和尚様にはお世話になったんだよ?」  「え…」
 逆光の影をエロプティックエネルギーでどかして、私は改めて天女の顔を見た。 ああ、そっか…金髪にしたんだ。中学の時はさすがに黒髪だったよね。 髪、そうだ、髪だよ。私はその天女…いや、その祝女に問うた。
 「あのさ。どうでもいいけど…ゴムか何か持ってたりしない? さっきから髪がメチャクチャお湯に入ってるんだ」
◆◆◆
 何の脈絡もなく目覚めると朝になっていた。 私は怪人屋敷エントランスのソファで眠っていたらしい。 サイレンや話し声が騒々しい。外光が射しこむ窓越しに、救急車や数台のセダンが見える。  「一二、三!」 救急隊員さん達が、担架からストレッチャーに何かを乗せた。白い布にくるまれた、岩のような何かの塊を… そうか。ああやって外に出せているという事は、全て終わったんだ。 私達は殺人鬼を見つけて、悪霊を成仏させて…たくさんの命を救ったんだ。
 「あ…紅さん」 譲司さんがこちらに駆け寄る。  「紅さん起きましたーっ!」  <ヒトミちゃん!>「オモナ!ヒトミちゃーん!」 オリベちゃんとイナちゃんも…みんなボロボロだ。全身煤埃や擦り傷だらけの譲司さんに比べればマシだけど。 オリベちゃんに肩を借りて立ち上がると…バシン!私は超自然的な力に頬を打たれ、衝撃で尻餅をつく。  「リナ…」
 「アナタ、ワヤン不動になって、何回死んだの?」  「…」  「何人分殺されたの」 殺人被害者達の死の追体験。あの時はハイになっていて恐怖を感じなかったけど、今思い出そうとすると、身の毛もよだつ感覚が鮮明に蘇る。  「うう…数えればわかるけどさ…」  「じゃあ、二度と数えないことね。 アナタは…ちゃんと生きて帰ってきたんだから」  「え?」 宇宙人体のリナは長い腕で私を影ごと抱きしめ、子供をあやすようにぐしゃぐしゃに頭を撫でた。  「良かった…。アナタの精神がアレと相打ちにでもなったら、アタシ観音和尚に顔向け出来ないもの…」 初めて見た、いつも気丈なリナの泣き顔。彼女は涙を流しながら、人間の姿に縮んだ。 それはとても綺麗だった。美人だった。
 その後私達は警察やNICの職員さん達から聴取を受け、昼過ぎにようやく解放された。 水家曽良は表向き被疑者死亡で書類送検とされ、未だ脳細胞が活動し続けている遺体は研究対象としてドイツのNIC本部に収容されるらしい。 ���ちに待ったお蕎麦屋さんに私達が到着した時、既にテレビではニュース速報が流れていた。 皆神妙な顔で画面に見入っていたが…
 ぐぎゅるるるる…
 私の腹の虫が重い沈黙を破った。慌ててトートバッグを抱きこんでも、もう遅い。  「くくく…やるなぁ、あんた…」 ジャックさんやリナの表情にじわじわと含み笑いが浮かんでくる。 普段なら恥ずかしいとか、タレントとしてはオイシイだとか思うけど、なんかもうダメだ。 ぐぎゅぅぅぅるるる…空腹と疲労と寝不足で、私はリアクションの一つも取れない。  「笑うなや。ワヤン不動様昨日飲まず食わずで、あんだけ働いてくれとったんやから。なあポメ?」  「わぅん」 譲司さんとポメちゃんの優しみ。有難い。 でも、すいません。もう限界です。糸が切れたように私はテーブルに突っ伏した。  <や、やだ、ヒトミちゃん!? ていうか何その手、ダイイングメッセージ!?> 霞む意識の中、私はお品書きを指さしていた。 最後の力を振り絞ってオリベちゃんにテレパシーを送る。  <お願い、こ、これを…注文して下さい…!>  <いや、私日本語読めないんだけど。 イナちゃん、これ(鴨南蛮)なんて書いてあるの?>  「アヒルナンバン大盛り」  「かもなんばん!!」 なんかノリツッコミしたら自力で復活できた。 代わりにリナ、萩姫様、ジャックさん、譲司さんが抱腹絶倒した。
 ようやく腹ごなしを済まし、私達は民宿に戻った。 荷物を下ろすやいなや、全員示し合わせたように脱衣所へ直行。 昨日も入った露天風呂だけど、めちゃくちゃ気持ちいい!  「あーーーー!染み入るーーーーっ!」  「本当よぉ!アナタ達バカだわ、せっかく磐梯熱海に来たのに、ちっともお風呂入らなかったんだもの!ねえ萩ちゃん」  「同感同感!イナちゃんは日本の温泉初めて?韓国の方々も温泉好きなんですってね?」  「そです、私達オンセン大好きヨ!気が清められるですねー!」  <うちの風呂もこれぐらい広かったらなぁー。そっちはどう、ジョージ?> すると衝立一枚隔てた男湯からレスポンス。  「pH結構高いなー!」  <いやダウジングしてどうすんのよ!>  「冗談冗談。あのねー!そもそも空気がめっちゃええの! 湯気で保湿されとるし肺まで癒されるわ!なあポメ?」  「あぉーん!」 ポメちゃんも上機嫌のようだ。
 私も男湯に声をかけてみる。  「ジャックさーん!うちのおんつぁどうしてますー?」 おんつぁは会津弁でバカの意。実は、プルパ型に戻った龍王剣をさっき男性陣に預けたんだ。 霊泉と名高い磐梯熱海温泉を引っ掛ければ、あれも少しはマシな性格になりそうだけど、女湯に入れるのはさすがに嫌だったから。  「おう、同じ湯船に入れたくねーからよ、言われた通り洗面器で漬けておいたぜ。 真っ黒なのは治んねえな!ハッハ…うおぉ!?」  「わぁ!」「きゃわん!」 男湯で異変!女子一同がそれぞれタオルや霊能力を身構える。  「ど…どうしたんですか?ジャックさん!」  「い、いや、その…龍王剣の中から…」  「中から…?」  「アー…剣じゃなくて、持ち手からなんだがな…あんたの和尚が馬頭観音になって出てきた」  「はぁ!?」
 そんな馬鹿な。和尚様は成仏されたはず。 まあ、既に観音菩薩になられた和尚様が『成仏』というのもおかしな話だけど…。  「ま、まさか観音和尚、お風呂入ってるの?裸!?」 リナが衝立を覗こうと飛び上がった。私は咄嗟に影手を伸ばし、阻止する。  「こらっリナ!和尚様の前でそっ、そんな破廉恥をっ!!」  「うるさいわね!いいのよアタシはインターセクシャルだから、どっちに入っても! これは美的好奇心であって猥褻な気持ちは一切ないわよ!」  「ヒゲと声以外ぜんぶ女のクセに何言ってるんだっ!やーめーなーさーいってのーっ!」  「アイタタタ、暴力反対!アナタだって本当は見たいんじゃないの?」  「んなわけあるか!!そりゃもう一度会いたいけど…っていうか小さい頃は一緒にお風呂入ってたもん!!」  「ずるい!このスキモノ!!」
 すると衝立越しにヒョコッとポメちゃんが掲げられた。 もみ合っていた私達は不意をつかれて膠着する。 ポメちゃんの口には、何の異変も起きていない龍王剣プルパが咥えられていた。  「ハーイ、ドッキリ大成功!したたびでーす!」 譲司さんが裏声で腹話術する。 私とリナも、いつもテレビでやっているリアクションを返した。  「「…ぎゃーっ!また騙されたーーっ!!」」
 そうこうしているうちに、また日が沈み始めた。 夕方五時。荷物やお土産をミニバンに詰めこみ、私達は民宿を後にする。 本当は猪苗代湖や会津方面の観光案内もしたかったけど、NIC職員のオリベちゃんや譲司さんが警察で事件の後処理をするため、私達はもう東京へ戻らなければならない。 そこでまず、萩姫様を大峯不動尊へ送りに行った。
 「あんな事があったけど、また遊びに来てね」 萩姫様はまた正装である着物に戻っている。けど、帯飾りや例のロケットランチャー型ポシェットといった小物に、オルチャンファッションの影響が残った。  「もちろん、また来るですヨ。ハギちゃんがバリとか韓国来る時も私呼んで下さいね」 そう言うイナちゃんの耳にも、萩姫様を彷彿とさせる黒い紐飾りピアスが揺れる。 通りがかりに寄ったお土産屋さんで売っていたやつだ。 私達一同と固い握手を交わし、萩姫様はお社へ消えていった。
◆◆◆
 車に戻ると、道路沿いに小さな原付屋台があった。 ポッ、ポポポポ…ガラスケース内で、ポップコーンが爆ぜている。バターの香りが漂う。 その傍らではエプロンを着たジャックさんが、フラスコ型喫煙具を吹かしていた。 彼は私達が戻ってきた事に気付くと、屋台についている顔とお揃いのマスクを被り、スイッチを入れる。 ブゥーン…屋台の顔に仕込まれたスピーカーから、電子的ノイズが漏れる。
 「アー、アー。ポップコーン、ポップコーンダヨ…ヨォ、ガキンチョ共! ポップコーンダッツッテンダロオラ!ポップ・ガイノウェルシー・ポップコーンガオデマシダゼェ!」 ボイスチェンジャー声に合わせて、屋台の顔ポップ・ガイはガコガコと顎を上下する。 何でちょっと逆ギレ気味なのかはよくわからないけど、これが彼の定型口上文なのだろう。  「今日ハ閉店セールダ、トビッキリノポップコーンヲ食ワセテヤル。 マズハオ前ダ、紅一美!」 ガコンッポン!ポップ・ガイの顎が大きく開き、口から焼きたてのポップコーンが一粒飛び出した。 それは物理法則に反して浮遊し、私の手の中に落ちる…あっつ!  「ソラ食エ、騙サレ芸人!アッコラ、フーフースルナ!」  「だ、誰が騙され芸人ですか!…あつつ!」 ポップ・ガイにそそのかされて、私は熱々のポップコーンを口に運んだ。 …結構しょっぱい。そして胸焼けするほど油っこい。けど、麻薬的な美味しさ。 アメリカ人の肥満率が高い原因の片鱗に触れた気がする。
 ポップコーンを嚥下すると、私の足元で、影が独りでに蛇の目模様を描いた。  「これは…」 見覚えがある。安徳森さん…ファティマンドラの種に見られる模様だ。 ジャックさんはマスクを被ったまま、スイッチを切った。  「そいつはファティマの目、トルコではナザール・ボンジュウと呼ばれるシンボルだ。 邪悪な呪いや視線を跳ね返し、目が合った悪しき魂を抜き取る力がある。 あのクソの脳内地獄で、安徳森が俺達タルパを保護するためにばら蒔いてたやつだ。 あんたが本気で金剛ナントカと戦うつもりなら、持っていけ」 蛇の目模様は影に沈んでいった。 つまりジャックさんのポップコーンは、彼の命を構成する欠片だったようだ。  「ありがとうございます」 私はファティマの目という霊能力を授かった。
 ジャックさんが再びスイッチを入れる。  「次ハオ前ダゼ、ジョージ・アルマン!」 ガコンッポン!射出された新たなポップコーンは、譲司さん目がけて飛んでいった。 アルマンは、譲司さんがイスラエルに住んでいた時の旧姓だ。  「あっつ、はふっ…ん? …ポップコーン種総量に対してバターが七〇��、レッドチェダーパウダーが五%、更に米油が…って、嘘やろ!?こんなに油使うん!?」  「バッカ、この野郎!読み上げるんじゃねえ!企業秘密だぞ! 養護教諭になるなら美味いポップコーンの一つも作れねえと、ガキ共にナメられるだろ」  「せ…せやな…?けどこれ、食べさせすぎたらあかんやつや! ほどほどに振る舞わせて貰うわ、ありがと」 譲司さんが授かった魂の欠片は、ポップコーンの秘伝レシピのようだ。 いずれバリ島に遊びに行って、ご馳走になりたいな。
 お次はオリベちゃんだった。  <うわ、確かに凄くジャンクな味だわ。 これは…ああ、懐かしいなあ…!> オリベちゃんは目を煌々と輝かせて、ぼーっと中空を眺める。  「ちょっとアナタ、何が見えてるの?一人で浸ってないで教えてよ、ねーェ」 リナがオリベちゃんの眼前で手を振った。  <ごめんごめん。あまり懐かしいものだから… 私が貰ったのは、これ。テルアビブ・キッズルームの、たくさんの楽しかった思い出よ> オリベちゃんが淡い紫色に発光し、周囲がテレパシー幻影に包まれた。
 オーナメントやおもちゃで彩られたカラフルな家で、様々な脳力を持つNICの子供達が遊んでいる。 人形ジャックさんは、幽霊の女の子とアドリブで物語を話し合い、それを器用そうな男の子が絵本に綴る。 幼いオリベちゃんは、人に感情を与えるエンパス脳力者の女の子と、脳波をぶつけ合いながら睨めっこをしている。 その勝敗を判定しているのは、弱冠八歳で医師免許を持つ天才少年だ。 部屋の奥では彼らの様子を、二人の優しそうな養護教諭さんが暖かい視線で見守る。  「まあ。アナタ、子供の頃から素敵なファッションセンスしてたのね」  <もちろん!なにせテレパシー使いはシックスセンスが命だもの!>  「うふふふ」 こうしてリナと会話するオリベちゃんを見ると、彼女のキラキラした笑顔は子供の頃から変わらないものだったんだとわかる。  『出てこいよ、ジョージ。みんないるぞ』 長い髪のサイコメトラーの少年が、クローゼットの扉をノックした。 すると、中から…分厚い眼鏡をかけた小柄な男の子が、前髪で顔を隠しながら、遠慮がちに現れた。  「オモナ!ヘラガモ先生、とてもちっちゃいなカワイイ男の子だったの!」 イナちゃんが両手を頬に当てた。確かに子供の譲司さんは、精悍な今の顔からは想像がつかないほど可愛い。 というより、先程のサイコメトラーの少年…例の殺された『アッシュ兄ちゃん』の方が、大人になった譲司さんによく似ている。 この二人の少年の魂が混ざりあって、今の彼があるという話を、まさに象徴しているようだ。
 「ねぇジャック、アタシ達にはないの?」  「わう!わう!」 リナとポメちゃんがジャックさんの周りをくるくる回る。  「ア��ドーブツ共ニヤルポップコーンハネエヨ、帰ッタ帰ッタ」  「馬鹿野郎、ポップ・ガイ。宇宙人のお客様なんて上客じゃねえか。無下に扱うんじゃねえぞ」  「ショーガネー、コイツヲ食ライナ!」 器用にポップコーン機構を操作しながらマスクスイッチを切り替え、ジャックさんが腹話術を披露する。 ガコンッポポン!射出された二粒のポップコーンはそれぞれ異なる軌道を描き、リナとポメちゃん目がけて飛んだ。  「先に言っておくとな。リナ、あんたには、水家の中にいたタルパ共の情報だ。 あいつは記憶を失った後も、金剛の呪いの影響で、無意識にあらゆる霊魂を脳内地獄に吸収していた。 人間だけじゃなくて、土地神やら妖怪やら色んな奴を吸い取っていたから、見ていて退屈しなかったぜ。 タルパを作るのがあんたの本能なら、何かの役に立つかもな。だが物騒な怪物だけは作るんじゃねえぞ」  「わかってるわかってるゥ!ああっ凄いわ! ツチノコからゾンビまで…あーっ妖怪亀姫もいるじゃない!」 妖怪亀姫って…猪苗代湖を守る神様の一人じゃん。 まさか、ハゼコちゃんが暴れた時に逃げ出して、そのまま水家に魂を奪われたとか!? 私、昨晩とんでもない方を成仏させちゃったかも…リナが福島の神々を再建してくれる事を祈るばかりだ。  「ポメラー子のは夢の中で発現する。フロリダの農村の記憶だ。 何も無くてだだっ広いだけのクソ田舎だと思っていたが、犬にとっちゃ最高のドッグランになるだろうよ」  「ほんま最高やん!良かったなあ、ポメ。俺仕事さっさと済ますから、今夜は早く寝ような」 譲司さんがポメちゃんの頭を優しくなでた。ポメちゃんは黙々とポップコーンを食べている。 彼女と譲司さんが夢の中の大自然で駆け回る、微笑ましい光景が目に浮かんだ。
 「じゃあ、最後はお前か」 ジャックさんがイナちゃんを見る。でも、イナちゃんは目を逸らした。  「私いらない」  「あ?」 マスクスイッチをオン。  「バカヤロー、オ前。俺ノポップコーンガ食エネエッテカ? 安心シロ、幽体デデキテルカラ、カロリーゼロダゾ」  「いらないもん」  「アァ!?」 スイッチオフ。  「何なんだよ?」  「だって…食べたらジャックさん消えちゃう」  「!」
 ジャックさんとポップコーン屋台は、既に薄れかけていた。 自分の魂を削って私達に分け与える度に、彼は少しずつ摩耗していったんだ。 ジャックさんがマスクを脱いだ。  「あのな、俺は二十年以上前に殺されたんだ。もうとっくにいない筈の人間なんだよ。 だから、そんな事気にするな」  「ウソ。じゃあどうして、ジャックさんずっと成仏しなかった? 本当は、オリベちゃん達が見つけてくれるの待てたでしょ」  「…どうだかな」  「せかく会えたなのに、どうして消えなきゃいけない? これからオリベちゃんの子供育つを見ればいい、これからヘラガモ先生バリで頑張るを、傍で見守ればいい! どうしてあなた今消えなきゃいけない!?」 イナちゃんが握りしめた両手が、ジャックさんの胸を無情にすり抜ける。 ジャックさんは掠れた幽体でその手を優しく掴んだ。  「イナ」  「!」 そして、初めて彼女を名前で呼んだ。
 「霊魂が分解霧散する事を、仏教徒共がどうして成仏だなんて呼ぶか知ってるか? 役目を終えて砕け散った魂は、エクトプラズム粒子になって、自然界に還る。そして、新たな生命に吸収される。 宇宙の営みってやつだ。宗教やってる連中にとっちゃ、それは宇宙や仏と一つになる、尊い事なんだそうだ。 俺は既にジャック・ラーセンじゃねえ。クソ野郎に霊魂を切り貼りされた、人工のクソ怪物だ。 それでも…お前みたいなガキの笑顔に弱い性格は、生前と変わらなかったんだよなあ…」
 ジャックさんの目から涙が零れ始める。彼の霊魂が更に希薄になっていく。  「…オリベ。ジョージ。俺の事…諦めずに見つけてくれて、ありがとう。 おかげで、お前らと遊んだ記憶をまた思い出せた。 歪な関係だったけど…短い時間だったけど…クソ楽しかったよな。 …なあ、イナ。���んな顔するなよ。魂を清めるのが、お前の力なんだろ? だったら祈ってくれよ。俺が世界中に飛び散って、宇宙と一つになって、もっともっと沢山のガキ共を笑顔にできるように。 綺麗な花を咲かせる生命力になって。人間を動かすハッピーな感情になって。…最高に美味ぇポップコーンになって。 スリスリマスリ…って、祈ってくれよ。頼む…!」 ガコンッ!コロロロ…ぼろぼろに涙を零し、声をきらしながら、ジャックさんは最後のポップコーンを作った。 それはポップ・ガイの口から力無くこぼれ落ち、イナちゃんの足元を転がる。  「…頼むよ…」
 イナちゃんはしゃがみこみ、そのポップコーンをそっと拾い上げた。 それはもはや喫煙具から立ち昇る煙のように、今にも消えてしまいそうな朧な塊だった。  「スリスリマスリ。スリスリマスリ」 ポップコーンはイナちゃんの両手に優しく包み込まれ、そのまま彼女の魂に溶けた。  「…それでいい。カナヅチは今日で卒業だ。もう溺れるんじゃねえぞ」  「ウン」
 「イナ」 抱き合って、ぼろぼろに泣く二人。イナちゃんは顔を上げた。 薄れ行くジャックさんが、半魚人から人間の顔になる。 水家に似せられた髪型や背格好。ただ、彼はよりがっしりとした体格で、首が太く、彫りの深い黒い目を持つインド・ネパール系人種の男性だった。  「ジャックさん」  「…おっと、違う。これじゃねえ。これも作られた顔だったな」 魂がほぐれていくにつれ、より深層に眠っていた、彼の自意識があらわになる。 ジャックさんは、ジャック・ラーセンさんは、私達の前で初めて素顔を見せた。
 「アイゴー…!」  「な、諦めがついたか?俺みたいなチンピラにこだわってねえで、もっと良い男を見つけろよ、イナ」
 最後にそう言って、ジャック・ラーセンさんは分解霧散した。 本来の彼は…殺人鬼の言う通り、確かにちょっと魚っぽかったかも。 全身を鱗のような細かいタトゥーで覆い、オレンジ色に染めたモヒカンを側頭部に撫でつけ、ネジや釘が煩雑に飛び出した屋台やマスク��同じようにピアスまみれな… 言うなれば、ポップ・ガイのお父さんみたいな人だった。
 こうして、私達は熱海町を後にした。 リナは千貫森に帰り、タルパ仲間と共に福島のパワースポットを復興する。 オリベちゃんは水家の遺体と共にドイツへ飛び、譲司さんはバリ行きを延期して警視庁公安部に向かう。 その間、イナちゃんは私の家に泊まって待機する事に。私の次のスケジュールは…連ドラ『非常勤刑事(デカ)』のロケで福井へ行くのが、明明後日。それまでは自由だ。 そして明日は私の誕生日!やっとイナちゃんと渋谷や原宿で遊べるぞ。 私はそう思っていた…渋谷スクランブル交差点にあのロリータ服の悪魔が現れるまでは。
◆◆◆
 十一月六日、正午〇時。 ヴー、ヴー…トートバッグ内でスマホが震えた。画面には、『イナちゃん』。  「紅さん鳴ってるよ、ほら出てあげなさいよ」 ディレクター兼カメラマンのタナカDが、ファインダーを覗いたまま言う。 私は不貞腐れて電源を切った。  「二十歳になったのに、まだまだ大人げないなー。ま、ヘリコプターは機内モードってのも正解だけどね」 座席にふんぞり返ったアイドル、志多田佳奈さんが言う。  「私はヘリに乗せられるだなんて聞いてないです。 どうして誕生日にこんな所にいなきゃいけないんですか」
 ここは東京上空千メートル、小型ヘリコプターの中。 だいたい私は非常勤刑事のロケで福井に行くんじゃ…多分、それすら事務所が用意した偽スケジュールなんだろうけど。 今度、ドラマ主演の伶(れい)先輩に言いつけてやるんだから! そもそも、どうしてこんな事になったのか。それは遡ること二時間前。
 私はイナちゃんを連れて、竹下通り(たけしたどおり)でウインドウショッピングをしていた。 あそこはロリータファッションの聖地で、個人的にロリータにはあまり良い思い出がないから、普段足を踏み入れる事は無い。あくまで観光地だから連れて行くんだ。 そう思っていたけど、実際に行くと、普通に楽しかった。 猫の額ほど狭い路地に、各種ファストファッションの直営店から、煩雑なノーブランド品を売るセレクトショップまで所狭しと詰め込まれている。 更に中空には、死後ポップな姿を取るようになった霊魂や、人々の感情の結晶らしき可愛いモンスター、誰かが作ったマスコットタルパなどがひしめき合い、イナちゃんがそれを見て飛び跳ねながら歓喜する。 さながら多感で繁忙な思春期の女子高生の心を、そのまま結界にしたようなカオス空間だった。
 服やアクセサリーなど、両手に戦利品入り紙袋を大量に持って、私達は電車で渋谷駅へ。 (この時、やたらめったら嵩張るロングブーツを二足も���って後悔したのは、言うまでもない。) そのまま観光を続行するのは難しいため、荷物は駅中にある宅配サービスカウンターに預ける事に。 ついでにイナちゃんが、コインロッカーからスーツケースを取り出し、それもバリへ配達して貰えるように手続きしたいと言う。
 「テンピョウ書けました、お願いします」  「はい、少々お待ち下さい」 私はカウンター脇でイナちゃんが送り状を預けるのを眺めていた。 スーツケースの分と、原宿で買った荷物分。  「あと、これもお願いします」  「はい、かしこまりました」 ん、もう一枚?覗きこんでみると、そこにはこう書かれていた。
 『お届け先 ゆめみ台 志多田佳奈様 品名 紅一美 ナマモノ/コワレモノ/天地無用 お届け希望日 今日 したたび通運』
 『ヌーンヌーン、デデデデデン♪ヌーンヌーン、デデデデデン!』 天井スピーカーから阿呆丸出しなイントロが聞こえてくると同時に、私は条件反射でイナちゃんを置いて宅配カウンターから逃走していた。
 『ヌーンヌーン、デデデデデン♪ヌーンヌーン、デデッデーン!』 階段を下り外に出る。こんなところで捕まってたまるものか。
 『背後からっ絞ーめー殺す、鋼鉄入りのーリーボン♪』 出口付近にある待ち合わせスポット、モヤイ像が見えた。 …奇妙な歌を垂れ流すスピーカーと、苺の髪飾り付きツインテールが生えている。あのロリータ悪魔のシンボルが。私は血相を変えて更に走った。
 『返り血をっさーえーぎーる、黒髪ロングのカーテン♪』 私を嘲笑うアイドルポップと、ただただスマホカメラを向ける無情な喧騒。 それらはまるで、昨日までの旅を締めくくるエンディングテーマのようだ。 但し、テレビ番組ではエンディング後に次回予告が入る。
 『仕込みカミッソーリー入りの、フリフリフリルブラーウス♪』 そして次回が来たら、また過酷な旅に出なければならない。 嫌だあああぁぁ!行きたくないいぃぃ!! 私はイナちゃんと渋谷で遊んで、お誕生日ケーキを食べて、空港に見送りに行って、お家に帰ってゆっくり寝て、福井で女優をするんだああぁぁぁ!! ていうか考えてみたらイナちゃんもグルだったあああぁぁぁ!!!裏切り者おおおぉぉぉぉ!!!
  『防刃防弾仕ー様の、コルセットーもー巻ーいてる♪』 スクランブル交差点に、爆音を撒き散らすアドトラックが現れた。…天井に、なんか生えてる。  『…ご通ぅぅぅ行ぉぉぉ中の皆様あああぁぁ!!』 渋谷駅に響き渡るロリータ声。諸行無常の響きあり。 ドゴッ!…体が乱暴にすくい上げられたような浮遊感。背後を振り向くと、宅配業者制服の男達が私を神輿みたいに担ぎあげている。  「オーエス!オーエス!」  『こんにちはァー、したたび通運でーーーす!!』 私はあれよあれよとスクランブル交差点へ運ばれ…トラックに集荷された!
 『あーあー♪なんて恐るべきー、チェ��ー!キラー!アサシンだ!』  「何!?何!?何なんですか!!?」 男達が私に何かを背負わせ、トートバッグごとベルトで固定していく。 目の前では、いつの間にか宅配業者制服に着替えたイナちゃんが敬礼している。  「ヒトミちゃん、したたび通運空輸便だヨ!」  「え?は?は!?」
 『破壊されしーオタサーからー…』 トラック天井に運ばれる。棒とロープが生えたバルーンクッション。 ああ。空輸便って。察した。『…遺族ーのー声はー確かに届ーいたー♪』
…わたし 童貞を殺す服を着た女を殺す服を作るよ もっともっと可愛くて 殺傷力も女子力も高い服を…
 サビに差し掛かったアイドルポップが遠ざかっていく。 私は…飛んだ。逆バンジージャンプで射出されて、渋谷のど真ん中で空を舞った。 あーあ、結局また騙された。ばーかばーか。テレビ湘南に水家曽良の腐乱死体送りつけてやる。ばーかばーか。
 そして無限にも思える長い一瞬の後、私は再び渋谷の地へ…落ちず。 なんとそのまま、上空を旋回していた小型ヘリに空中で捕縛され、拉致されてしまったのだ…。
 「はーい、ドッキリ大成功!毎度おなじみ、志多田佳奈のドッキリ旅バラエティ、したたびでーす!」 放心状態の私をよそに、悪魔的極悪ロリータアイドル、志多田佳奈さんが『ドッキリ』と書かれたプラカードを掲げた。 異常が、事の顛末だ。(これは誤字じゃない。異常なんだ。)  「ちなみに今回のドッキリは視聴者公募で、ペンネーム『ビニールプール部』さんのアイデアをやらせて頂きました!ありがとうございました~!」  「何が視聴者公募ですか。あんた達全員ビニールプールに沈めてやろうか!? だいたい、どうしてイナちゃんまでグルなんですか!」  「あの子はねぇ」 タナカDが画角外から、私と佳奈さんの会話に割って入る。  「昨夜SNSに紅さんと福島観光してる写真をアップしてたから、アポを取ってみたら、あっさり快諾してくれてですね。 今日あなたが渋谷に行く事も洗いざらい教えてくれたよぉ。『カナさん一番好き日本のアイドル!』とか言ってね」 げ、そうだった!忘れてたあああぁ!! 宅配サービスカウンターに行くのも予定調和だったのかあぁぁ!!  「目的地に着いたら電話かけ直してあげなさいよ」  「目的地じゃなくて渋谷に帰して下さい」  「そう言うなよ、一美ちゃん。 今日から記念すべき新企画が始まるんだから」  「新企画?」
 佳奈さんが座席の下からフリップを取り出す。 おどろおどろしいフォントで『調査せよ!綺麗な地名の闇』と書かれたフリップを。  「じゃじゃーん!新企画、『綺麗な地名の闇』!」  「何ですか、物騒な…」  「一美ちゃんはさ、ゆめみ台って行ったことある?」  「ゆめみ台?電車の乗り換えで通った事ぐらいはありますけど」  「ゆめみ台の旧地名は知ってる?」  「知らないです」  「ジャジャン!これです」 佳奈さんがフリップ上の『ゆめみ台���と書かれたポップなシールをめくる。 するとネガポジ暗転カラーで『蛇流台』と書かれた文言が現れた。  「じ…じゃりゅうだい…」  「蛇流台a.k.a.(アスノウンアス)ゆめみ台は、元々土砂崩れが起きやすい場所だったんだって。 だから今は人が住めるように整備されて、ゆめみ台って綺麗な地名になった。 それって涙ぐましい努力の歴史だと思わない?」  「はぁ」  「そこでね!この企画では、そーいう一癖あるスポットのいい所も暗部も、体を張って紹介していけたらなーって思うの! というわけで一美ちゃん、今日はゆめみ台国立公園でロッククライミングね」  「ああはいはい…はい!?」  「大丈夫!もう蛇流台じゃなくてゆめみ台だから崩落しない!」  「それ以前の問題です!ロッククライミングなんてやった事ないですよ!? どーして突然拉致されて、挙句崖まで登らなきゃいけないんですか!? 私まだ一昨日までの疲れが抜けてないんです!!」  「え?一昨日まで何してたの?」 除霊…とはさすがに言えない。  「…徹夜で…別番組の、廃墟探索ロケ」  「あ、その企画いいね」 しまった!鬼に金棒を与えちゃった!  「い、いえ、私はクライミングがいいな!その方が健康的だし!」  「ひょっとして一美ちゃん、お化けが怖かったのかい?」  「うるさい!」 カメラ外からタナカDにチャチャを入れられた。 怖いも何も、実際は私が分解霧散させちゃったけど。 そんな事より…
 私はフリップ下部に書かれた幾つかのご当地ゆるキャラ達を見ていた。 ゆめみ台の物と思しき台形のパジャマ姿の子や、他にも鳩みたいなもの、犬みたいなものもいる。 その中に一つだけ異質な…毛虫らしきキャラクターを見て、私は戦慄を禁じ得なかった。 灰色の毛、歯茎じみた肌、潰れた目、黄ばんだ舌… 似ている。金剛倶利伽羅龍王に、あまりにも似ている。  「佳奈さん。この下に描かれたゆるキャラ達…まさか、今後これ全部まわるんですか?」  「ん?知ってるキャラがいた?」  どうやら…私に休息の時はないみたいだ。 これもイナちゃんが導いた、『気』の巡り合わせなのかもしれない。
��金剛有明団、きっとすぐ近い将来相見える事だろう。 私はトートバッグの中で、静かにプルパ龍王剣を燃やした。
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y24klogs · 6 years ago
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白そびえる鎮魂町
秋の月末に町をあげての祭をやっていたのは、 鎮魂を謳う町。白がそびえる、死を隣にする町。
町の周りには、南瓜やぶどう畑が広がっている。 辛気臭いわけでは無いが、牧歌的とも言えない。 人が集まる忙しい場所という訳でもないのに。
今、空は赤味を残している。夜も近い。 ・・・さあ、行ってみようじゃないか。
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。
それはただただ、白かった。 ぬっぺりとした、無機質な存���感がある。
特に美しい細工が施されているわけではない。 せいぜい、根元に飾りが施されている程度だ。 ヨルド : ……
それなのに、何故だろう。 つい、見てしまう。見上げてしまう・・・。 ヨルド (凝視している。) 【売り子くん】 鎮魂の町へようこそー!! お菓子やスナックはこちらで売ってるよ! 取引をしました。 15ルド失った。 [サラダ・ボウル] を手に入れた。 [レンガ・ブラウニー] を手に入れた。 [干しエノキ肉] を手に入れた。 ヨルド (色々買ってしまった。つい) ヨルドは、サラダ・ボウルを使った。 ぱりっぱりのヘルシーという概念。    ヨルドは4回復した。  ([1]+3) ヨルドは、干しエノキ肉を使った。 アゴが割れても当店は保証しかねます。    ヨルドは5回復した。  ([2]+3) 【売り子さん】 いらっしゃい、弔いにようこそ。 お腹を満たすものをお探しかしら? (視界の隅に、なにか)
少し先に、酒場が見えた。 腰を落ち着けて飲むのも、良いかもしれない。 ヨルド (ふらっと酒場に寄った)
酒場内は、流石に明るかった。 薄暗さに慣れた目には、強く思えるほどに。 ヨルド : うぐ ヨルド : まぶしい・・・ 【酒場の主人】 ・・・いらっしゃい。 うちは、そこまで品ぞろえが良くねえんだ。 あんまり難しい注文は、勘弁してくんな。 ヨルド : ああ 【酒場の主人】 ウチの名物といやぁ、そうだな・・・。 揚げたカブと、ブラックエールくらいなもんだ。 ヨルド : それで 【酒場の主人】 じゃが芋揚げろっつぅんなら、そのくらいは出来る。 アイスは出せるが、パフェ?とかいうのも無理だ。 ヨルド : 構わん。 【酒場の主人】 ・・・んま、名物を聞くってこたぁさ、 なんか注文してくれんだよな? 【酒場の主人】 ・・・いらっしゃい。 うちは、そこまで品ぞろえが良くねえんだ。 あんまり難しい注文は、勘弁してくんな。 【酒場の主人】 依頼?あんた冒険者か、賞金稼ぎか? こんな町に大きなモンは転がってないよ。 ヨルド : そうか…… 【酒場の主人】 妙な現象とも仲良くやってきてんだ。 除霊だの、物騒な事は考えないでくれよ。 ヨルド : わかった。 【酒場の主人】 ・・・いらっしゃい。 うちは、そこまで品ぞろえが良くねえんだ。 あんまり難しい注文は、勘弁してくんな。 【酒場の主人】 ・・・嫌いだよ。大っ嫌いだ。 こんなに思い出の詰まった町はねえ。 ヨルド : そうか 【酒場の主人】 だからこそ、ここで酒場やってんのさ。 親も友人もツレも、みんなここで寝てるかんな・・・。 ヨルド : じゃあな
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。
人気のない道が続いている。 喧騒から外れた、この町の墓場への道だ。
目ぼしい灯りも無い、町の墓場。 この土地だけではない人々も、共に眠るという。 ヨルド : …… ヨルド (墓石には見慣れない名前が並んでいる。) 自動スクロールを解除しました。
広場へ戻る? 自動スクロールを有効にしました。
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。 自動スクロールを解除しました。
この先を行くと、町の通りに出るらしい。 少し毛色の違う店があると聞く。 自動スクロールを有効にしました。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしてい���・・・。
桃色と蜂蜜色が混ざった、花のような龍のはく製。 さほど大きくはない。3mあるか程度の身体だ。 ヨルド : ・・・
片目は龍眼そのものが残っているが、もう片方は宝石だ。 出来るだけ同じ色であるようにと、苦心されたのが察せる。 ヨルド (目が合ったような気がした)
この死体は愛されている。 誰が最初に、愛し始めたのだろう。 【鎮魂の教会】 青を基調としたステンドグラス。 にじむ蝋燭のひかり・・・。 【盲目のシスター】 ・・・おや、お客さんでしょうか? わたくし共に出来る事は、少ないけれど。 どうぞ、ゆっくりしていってくださいね。 ヨルド : ああ 【シスター】 静謐の教会へ、ようこそ。 ・・・男のわたしがシスター服は、まあ目立ちますよね。 ヨルド : ?そうか 【シスター】 この教会では、性別の垣根なくシスターなのですよ。 身は神に仕えし器。男も女も、色の違いでしかありません。 【シスター】 植物はとっても素直です。 この辺りに植えてあるのは、全て薔薇ですけれど。 【シスター】 広場の方から、花園にいけるのはご存知ですか? 我が教会も世話の一端を担っております。 ・・・是非、見ていってくださいね。 ヨルド : そうか 【シスター】 お祈りですか?それとも、呪い避けでしょうか。 怪我があるならば、微力ながらもお手伝いしましょう。 【シスター】 では、ささやかながら清めの祝詞を。 ・・・その後に、聖水に手をつけてくださいね。 ヨルド (じゃぽっ) 【シスター】 ・・・この辺りでは、あまり見ない方ですね。 落ち着かぬ事もありましょう。せめて肩の力を抜いてください。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。 【惡喰の蟒蛇】 あくじきのうわばみ、と読むらしい。 濃厚なスープの香りがする。 【惡喰の蟒蛇】 どうにも、特殊な食事処らしい。 (人を選ぶ内容です。ご注意ください) 【ア・ルヴィーシカ】 (店主の顔は非常に見づらい) (店主はただただ、灰汁を取っている・・・) 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・あん?ああ、すまんな。 喰いに来たのか?それとも提供か? ヨルド : 食いに来た 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・今日はアリアヴィル。 アリアヴィルのスープ。 ヨルド : アリアヴィル? ヨルド : 頼もうか。
店主は黙ってキッチンに籠る。 ・・・しばらくして、あなたの前に食事が置かれた。
深皿に、沢山の野菜がはいったスープが盛られている。 ・・・あなたは、それが根野菜のみだと気づいただろうか? ヨルド : ん。
明るいところで見れば彩も悪くはない、そのスープの奥。 野菜に埋められるようにして出て来た、小さな骨つきの肉…。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・今日はアリアヴィル。 アリアヴィルのスープ。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・今日はアリアヴィル。 アリアヴィルのスープ。 【ア・ルヴィーシカ】 それで、何のご用かね。 うちはそこまで飯は豊富じゃないよ。 【ア・ルヴィーシカ】 その日のスープ。それか、ステーキ。 どっちかだよ。そのどちらかしか、無いよ。 【ア・ルヴィーシカ】 材料を持ってきてくれるヤツ次第なんだよ。 そいつがどっちで喰いたいかで、メニューが決まるのさ。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・何の肉か、だって? 誰かが愛した血肉さ。愛しくてたまらない何かだ。 ヨルド : あ ヨルド (食べちゃったな。と思った) 【ア・ルヴィーシカ】 それで、何のご用かね。 うちはそこまで飯は豊富じゃないよ。 【ア・ルヴィーシカ】 最低限の灯りだけにしてるんだ。 当たり前だろ。・・・喰う時は静かにするもんだ。 【ア・ルヴィーシカ】 誰かの情と年月の詰まった肉を喰うんだ。 派手な灯りなんか必要ねーんだ。 【ア・ルヴィーシカ】 それで、何のご用かね。 うちはそこまで飯は豊富じゃないよ。 【ア・ルヴィーシカ】 死んだ動物を卸してくれる事さね。 一応、人間は避けてるよ。一応・・・ね。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・愛おしすぎて、離れがたくて、 自分じゃ燃やすことも埋める事も、出来ないヤツ。 そういう苦しみを、誰かの胃で片づけるとこだ。 【ア・ルヴィーシカ】 大事な者の死を、食べて受け止めるヤツもいる。 血肉とすることで前に進めるヤツも存在する。 そういう思いにすがるヤツだって・・・。 【ア・ルヴィーシカ】 ・・・気持ち悪いと思ったなら、向いてねーから。 主義が違っただけ。普通の店を紹介してやるよ。早く出な・・・。 ヨルド : そういう風習もあるか。 ヨルド : どうも。悪くなかった。たまには来る。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。 【ナイン・ソウルズ】 扉には鎖が交差していた。 鎖の中心に、絵筆がぶら下がっている。 言わんとすることは、分かる気がした。 【アトリエ・死生】 あなたを迎えたのは、画材の詰まった棚だった。 絵筆、彫刻刀、ノコギリ、にかわの元・・・。
小型のキャンバスや紙が詰まっている。 よく叩いた木の皮なども乱雑にまとめられていた。 ヨルド : 絵を ヨルド : 描くのか? 【シトー】 ・・・いらっしゃい。 あんまバタバタ走ってくれるなよ。 ヨルド : 走りはしない。無意味だろう 【シトー】 見ての通り、画材屋だよ。 大事なアトリエを兼ねている。 【シトー】 買うものがあるなら、そこらから持ってこいよ。 値段はいちいち覚えてられない。その場でつける。 【シトー】 ・・・いらっしゃい。 あんまバタバタ走ってくれるなよ。 【シトー】 死んだ生物の絵を描いてる。 誰かの伴侶だったり、長年連れ添った犬だったり・・・。 【シトー】 想い出を描き留めてるんだよ。文字通り。 ・・・アンタも描いてやろうか?(ニヤリ) ヨルド : 俺はまだ止まっていないが。 【シトー】 ・・・いらっしゃい。 あんまバタバタ走ってくれるなよ。 【シトー】 いいよ。でっけえ火は使うなよ? そっちの棚の奥、青い階段を下りてくんな。 【シトー】 画材は持ちこむなり、ここの使うなりしてくれ。 でも、そこに入る時は絶対オレに話しかけろ。いいな? ヨルド : わかった。
階段を下りていくと、作業場に出た。 僅かながら、地下室らしい空気の重さがある。
換気はできるし、床は石造りだ。 しんと静かな空間・・・。 自動スクロールを解除しました。
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:9([1,3,5]) ヨルド : 何故だ
あなたは作業を始めた。 判定に成功しました 目標値:12 達成値:12([6,5,1]) ヨルド : 問題無い
良い具合に集中できている。 もっと手を動かせそうだ。
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:7([2,1,4]) ヨルド : 何故だ
想像していたよりも小さくまとまっている。 これではいけない。修正しなくては。 ヨルドは1のSPを失った  
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:5([1,2,2]) ヨルド : 何故だ
違う。違う違う違う。 こうじゃない。これじゃない。どこで間違った? ヨルドに1のダメージ   ヨルドは2のSPを失った  
あなたは作業を始めた。 判定に成功しました 目標値:12 達成値:13([6,2,5]) ヨルド : 問題無い
良い具合に集中できている。 もっと手を動かせそうだ。
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:8([4,3,1]) ヨルド : 何故だ
イメージ通りに手が動かせない・・・。 あなたは産みの苦しみに浸った。 ヨルドは2のSPを失った   ヨルド : ……!!!
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:10([5,2,3]) ヨルド : 何故だ
想像していたよりも小さくまとまっている。 これではいけない。修正しなくては。 ヨルドは1のSPを失った  
あなたは作業を始めた。 判定に成功しました 目標値:12 達成値:12([2,4,6]) ヨルド : 問題無い
良い具合に集中できている。 もっと手を動かせそうだ。
あなたは作業を始めた。 ファンブル! 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:6([2,2,2]) ヨルド : 何故だ
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:11([3,6,2]) ヨルド : 何故だ
あなたは作業を始めた。 判定に失敗しました 目標値:12 達成値:10([1,6,3]) ヨルド : 何故だ
冷たい水が出てくる。 道具を洗うもよし、水を飲むもよし。 ヨルドは5回復した。  
冷たい水が出てくる。 道具を洗うもよし、水を飲むもよし。 ヨルドは5のSPを回復した。  
階段を登れば、店に出る。 自動スクロールを有効にしました。 【アトリエ・死生】 あなたを迎えたのは、画材の詰まった棚だった。 絵筆、彫刻刀、ノコギリ、にかわの元・・・。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。 【納本堂】 扉の横に、看板がぶら下がっている。 開かれた本が描かれていた。 自動スクロールを解除しました。 【ガーディー】 ・・・納本しにきた訳ではなさそうだね。 何か、お求めの遺本でも? ヨルド : 気になっただけだ。何だここは 【ガーディー】 そのままの意味だよ。本を納めるのさ。 ここは、納骨堂ならぬ納本堂。故人の書物が集う。 ヨルド : ?理解しがたい 【ガーディー】 古い本から個人出版、手記まで。 値段がつけられないものに、値段をつけている。 【ガーディー】 ・・・つまり、ここにある紙束たちはね。 一度は死を記憶したもの、ってわけだよ。 ヨルド : そうか。 【ガーディー】 ・・・納本しにきた訳ではなさそうだね。 何か、お求めの遺本でも? 【ガーディー】 ボクかい?しがない活字中毒者だよ。 足をダメにするまでは、冒険者をやっていた。 あちこち駆け回ったもんさ。 【ガーディー】 今はこうして、隠居生活と本屋を営んでいるよ。 ああ、鑑定も多少はかじってるから、何かあったら持っておいで。 料金はもちろん頂くけれどね。 ヨルド : ああ 【ガーディー】 ん、ちょいと待つんだ。 この先は勝手に入られちゃ困るよ。 【ガーディー】 ・・・ああー、知ってるなら良いか。 通すのは構わないけど、奥の本は"強い"ぞ。 持ち出しは許可出来ないから、そのつもりで頼むよ。 自動スクロールを有効にしました。
扉が背中で閉められた。 ほんのりと照らされる本棚と、肌に刺さる魔の意思。 怨念じみたものも感じ取れるそこは、異空間。
随所に見られる封印や封鎖魔法には、苦労の痕がある。 どうかあなたが、この本達に魅入られませんように。
この棚の書籍は、装丁に皮が使われていた。 ネズミ、コボルト、オーク、ハーピィ、人間、獣人・・・。
顔の皮や手足の皮など、分かりやすい"アイコン"にされている。 内容もあまりよろしくないものばかりだ。強い薬草の匂いもする。
この棚にある書物は、大小バラバラで素材にも統一がない。 ただ、どれをめくっても中身は真っ白だった。
勘のいい冒険者ならば、それの一枚を光にかざすかもしれない。 極薄に掘られた文字共が、直接脳内に入って、く   る 。
気になった一冊を広げてみると、錆びのような匂いがした。 呪文が書き連ねられているが・・・これは、インクではない。
体液だ。ありとあらゆる体液が混ぜられたインクだ。 血や涙だけではない。���髄、骨髄、唾液、それから・・・。
知性あるもの、二足歩行をするもの、身近に存在するもの。 それらを捕らえて閉じ込め、育て、好みに太らせた時・・・。
訪れるのは、食事の時間である。 この棚にあるのは、飼育のススメ。調理指導。皮や骨の活用。 味の詳細や街の死角を細かに書いた手記ばかりだ。
鎖や魔封じの紐に巻かれた本…ではなく、 巻物や板、竹などに書きつけられた文章たちの群れ。
どこかの貴族の手紙だったり、王族の証明書だったり。 しかし、眉唾にも思える。疑心暗鬼と策略の山が、詰まっている。
宗教の本だろうか? なかには遠い昔に弾圧された教祖のものまである。
しかし、危険■無いと思いこんではいけない。 不用心に読めば読むほど、あ■■の思■は蝕まれ、■■■■. ■脳ト魅子が詰ね■まれな*&■■■■■。ああ!素晴らしき■
禁書の棚から抜け出しますか?
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。 【アトリエ・死生】 扉前の看板には、そう書かれていた。 混ぜ物をした蝋で作成された、精巧な面。 それらが並ぶガラス窓。
小さめの薪釜だ。 奥で炎がごうごうと燃えている。
金属のマスクが焼かれている。 熱をあまり感じないのは、何故だろう・・・。
釜で焼く前のマスクだ。 ただの灰色じみた塊に見える。 【カプラキャスタ】 ああ、ちょっと、そこ、きをつけて。 蝋がまだ柔らかいの。振動を与えると骨格が・・・。 ヨルド : っと、すまん。 【カプラキャスタ】 ・・・デスマスクって、知ってる? ひとが最後に残せる、数少ない面影よ。 ヨルド : 聞いたことはある。 【カプラキャスタ】 死人の顔を、石膏や金属葉で模るの。 出来るだけ差異の無い様に作り、遺す・・・。 何に使われるかは、知らないけど。 【カプラキャスタ】 ・・・いちおう、普通のマスクも受け付けてる。 生きてる人のためにも、仮面を遺したいしね。 ヨルド : そうか 【カプラキャスタ】 ああ、ちょっと、そこ、きをつけて。 蝋がまだ柔らかいの。振動を与えると骨格が・・・。 【カプラキャスタ】 デスマスク職人。名前は、カプラキャスタ。 この仕事について・・・ようやく十何年?かな。 【カプラキャスタ】 ・・・ね、あなたの眼幅、測って良い? 結構好きかも。あなたの目元、ユニークだわ。 ヨルド : そう、か? 【カプラキャスタ】 ああ、ちょっと、そこ、きをつけて。 蝋がまだ柔らかいの。振動を与えると骨格が・・・。 【カプラキャスタ】 ・・・ええと、普通の仮面がほしいの? それともデスマスク?詳しい話を聞かせて・・・。
蝋で作られた老人の顔がある。 しわくちゃだらけの表情は、穏やかな雰囲気だ。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。
沈香通りよりも、空気が重く沈んだ道。 沼の水のようによどんではいない。ああ、静寂。 【グリザイユ・キアロ】 黒い扉にかかる看板は、美しかった。 小粒の宝石が、キラキラしている・・・。 【グリザイユ・キアロ】 いわゆる宝石商なのだろう。 分厚いカーテンが閉じているところをみるに、店主は外出中らしい。
近日、引っ越します。 そう書かれた紙が貼って���った。 【苔枕】 大きな宿屋が見える。 そこの扉だけは、白かった。 【苔枕】 なんてことはない、ただの宿屋だ。 値段も良心的だが・・・満室らしい。 【未亡人】 あら、見かけない人・・・。 どうしましたの?この先へ行きたいのかしら。 【未亡人】 ごめんなさいね、この先はちょっと閉鎖してて。 大掃除中なの・・・ええ、そうよ。葬儀場・・・。 【未亡人】 大掃除というより除霊に近い、なんてぼやいてたけど。 ・・・私?葬儀屋のいとこ。今は・・・お手伝い中。 ヨルド : そうか。
どこからか香を焚く匂いがする。 その匂いは優しい。線香というほどではない。 石造りの中を、香が満たしていく・・・。
この町の扉は、黒塗りばかりだ。 ・・・広場に戻ろうか。
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。 (視界の隅に、なにか)
お菓子や蝋に混ざった香とは違う匂いがした。 道や柵に絡まるツルを見るに、花園への道だろうか。
咽そうなくらいの薔薇が咲いていた。 アーチや天蓋の輪、または高壁のように剪定されている。 ヨルド : う、
町の人々が丁寧に世話をしているのだろう。 花弁の膨らみも棘の鋭さも、美しい。
そういえば、青い薔薇がどこかにあると聞いたが。 一体どこに咲いているのだろう……。 自動スクロールを解除しました。 ヨルド (薔薇だ。本当にどこを見ても薔薇ばかりだ。) ヨルド (どうにも目が疲れてしまう。ゴーグルを降ろした。)
薔薇と蝋で根元が彩られた、白い塔だ。 薄明りの中にぬぼっと建つ姿は、不気味さすらある。 ヨルド (この部分だけ、浮いているようにも見えるが薔薇に突かれてしまった目には優しい) カサッ....         ガサッ   ガサッ…… ヨルド (棘が、少しだけ指に当たった。)
蒼黒い月桂樹と骨で根元が埋まった、白い塔だ。 月桂樹の別名はローリエ。こんなに蒼黒い葉だったろうか? (何かの囁きが聞こえる……)
広場へ戻る? ヨルド (出よう) 自動スクロールを有効にしました。
町の中心部へやって来た。 蝋燭と蛍鉱ランタンで彩られた広場だ。
薄暗くはあるものの、足元は見える。 普段ならば避けて当然の灯りの弱さが、 今は、亡くした何かの安眠を誘うものだった。 (今、誰かにぶつかったような)
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